2025年11月21日 中央社会保険医療協議会 保険医療材料専門部会 第134回議事録

日時

令和7年11月21日(金) 9:00~

場所

航空会館 7階大ホール

出席者

構成員等
  • 笠木映里部会長
  • 永瀬伸子委員
  • 城山英明委員
  • 飯塚敏晃委員
  • 松本真人委員
  • 永井幸子委員
  • 奥田好秀委員
  • 茂松茂人委員
  • 太田圭洋委員
  • 大杉和司委員
  • 森昌平委員
  • 守田恭彦専門委員
  • 前田桂専門委員
  • 青木幸生専門委員
事務局
  • 間保険局長
  • 林医療課長
  • 梅木医療技術評価推進室長
  • 吉田保険医療企画調査室長
  • 和田歯科医療管理官
  • 清原薬剤管理官 他

議題

医療機器業界からの意見聴取について

議事

○笠木部会長
それでは、ただいまより、第134回「中央社会保険医療協議会 保険医療材料専門部会」を開催いたします。
本日も対面を基本としつつ、オンラインも組み合わせての開催としております。また、会議の公開については、ユーチューブによるライブ配信で行うこととしております。
まず、本日の委員の出欠状況について報告いたします。
本日は、伊藤委員が御欠席です。
なお、会議冒頭のカメラの頭撮りはここまでとさせていただきます。
(カメラ退室)
○笠木部会長
それでは、議事に入らせていただきます。
今回は、関係業界からの意見聴取を行いたいと思います。本日、関係4団体として、日本医療機器産業連合会、米国医療機器・IVD工業会、欧州ビジネス協会医療機器・IVD委員会、日本臨床検査薬協会より意見を聴取したいと考えております。
それでは早速、意見陳述に移りたいと思います。まず、関係団体の皆様より40分程度でまとめてプレゼンテーションをしていただきまして、その後に質疑を行いたいと考えております。
それでは、医療機器業界4団体より、プレゼンテーションをお願いいたします。
○宮田日本医療機器産業連合会副会長
医機連の副会長の宮田でございます。また、私は、MTJAPANの会長も務めております。
意見陳述の前に、昨日報道のありました贈収賄事件がございましたので、この件についてコメントをさせていただきます。
昨日、東大病院の医師が収賄容疑で逮捕され、MTJAPAN会員企業の元社員が贈賄容疑で逮捕されたことの報道がございました。
医療機器業界で不祥事が続いていることは大変残念なことであり、業界を代表して、まず、心よりおわびを申し上げます。
業界団体では、定期的にコンプライアンスに関する教育を繰り返し実施しておりますが、今後も継続してコンプライアンスの徹底に取り組み、企業の適正な活動を促していく所存でございます。よろしくお願いいたします。
それでは、意見陳述に移りたいと思います。
本日は、改めまして、このような機会をいただきまして、誠にありがとうございます。
特定医療保険材料に関しましては、私とAMDDの玉井会長より意見を述べさせていただきます。
お手元の資料材-1を御覧ください。
お手元の資料は、医機連、AMDD、EBC、MTJAPAN、AdvaMed合同の資料となっております。
3ページを御覧ください。
前回の意見陳述で御説明した、医療機器を取り巻く状況をまとめてございます。
昨今の物価高騰を受けまして、サプライヤーからの値上げを受け入れまして、原材料の価格や製造経費の高騰が続いております。
一方、保険償還価のほうは下落する状況が続いており、利益が減少していくと、結果、収益性が悪化して不採算というものも生み出すことになりますし、メーカーにとって一番大事な開発だとか設備の維持、そういったことに対する原資が減少していきます。
結果、安定供給の確保の懸念、必要な医療が提供できないであるとか、新規製品が未導入、デバイスロスの問題であったり、研究開発、製品改良の停滞、いわゆる最新の医療が提供できないという懸念が高まっております。
そのような状況で、医療機器の厳しい状況について新たなエビデンスを御説明いたします。
4ページを御覧ください。
医療機器に使用されることの多い樹脂、金属、電子部品の価格が高騰していること。
5ページには、原材料、部材の価格高騰、物流費の高騰により、事業に及ぼす影響が年々高まっている状況。
6ページを御覧ください。
6ページには、2024年の物流コストが2023年に比較し、5%超の上昇率となっていることをお示ししております。
7ページを御覧ください。
医療機器産業の特徴ともなりますが、多品種少量生産の部材や、人の手による組み立て、検証工程の多さや、サービスエンジニア業務の必要性等、生産形態や原価構造の特徴から物価上昇や人件費の高騰の影響を受けやすいと考えております。
8ページを御覧ください。
医機連の調査によりますと、物価、物流の高騰により、医療機器の製造業の事業状態は年々悪化しております。
9ページを御覧ください。
AMDDの調査によりますと、物価に連動して外国での平均価格は上昇している一方、日本では、償還価格が徐々に下落し、日本の償還価格と外国平均価格の差が大きくなってきております。
10ページを御覧ください。
これらの状況を踏まえ、保険償還価格の引上げ、採算性を確保するために、企業は不採算要望を提出しておりますが、令和8年度改定に向けた不採算要望の提出数をMTJAPANにて調査したところ、回答企業のうち、35社から125製品で提出されておりました。
11ページを御覧ください。
先日の専門部会での報告された資料からの引用ですが、左の図に示すように、安定供給に関する報告数は増加しておりました。
また、右の図に示しますように、不採算要望が提出された機能区分数は78と、前回改定とほぼ同数となっておりましたが、前回改定で要望された79機能区分のうち34機能区分で再算定をいただいているにもかかわらず、同数になっているということは、新たに増加している結果となり、状況は悪化していると考えております。
12ページを御覧ください。
御説明した医療機器を取り巻く状況を、業界からの要望を併せてスライドにまとめております。
業界からの要望については、前回御説明のとおりですので、説明は割愛いたしますが、13ページ~22ページに添付しておりますので御参照ください。
私どもとしましては、安定供給のためには、全体のベースアップとともに、逆ざや、不採算製品への対応が不可欠と考えております。
前回の材料部会での資料より、既にこれらの課題に対し御検討、御意見をいただいたことに感謝申し上げます。
ここからは、保険医療材料専門部会からの御意見について、業界の意見を述べさせていただきます。
23ページを御覧ください。
イノベーション評価における補正加算に関して、定量的な手法を用いることの明確化について賛同いたします。
また、改良加算のロ、廃棄処分等が環境に及ぼす影響、ト、在宅での療養が安全かつ容易となるもの、チ、生物由来原材料等を除いた場合の在り方については、24ページにまとめておりますが、それぞれ加算が設置された当時の背景と、今後、医療業界が取り組むべき課題を鑑みても、これからも引き続き必要な加算項目だと考えております。
25ページに示しますように、これまで認められた案件はございませんが、企業としての取組は継続されていることから、継続を希望いたします。
26ページを御覧ください。
小児用医療機器についての細分化についての御意見ですが、業界としても小児用医療機器の開発を促進する観点から賛同いたします。
償還価格の算定方法についても賛同いたしますが、国内初で外国平均価格が存在しない小児用医療機器には適用できないため、同様の趣旨により、原価計算方式による算定を希望できる制度としていただけないでしょうか。
27ページを御覧ください。
不採算要望制度の拡充として、製造販売者が要望を提出しにくいことが大きな要因の1つとなる代替困難性について、前回に引き続き、整理、明確化いただいたことに感謝申し上げます。
28ページを御覧ください。
逆ざやの解消に関しましても、実勢価格を反映する新たな制度を御検討いただいたことに感謝申し上げます。
医療業界としましても、不採算要望が拡充されたことを踏まえ、逆ざやの縮小に向けて取り組んでまいります。
以後、AMDD、玉井会長より御説明いたします。
○玉井米国医療機器・IVD工業会会長
おはようございます。AMDD会長の玉井でございます。
それでは、早速、29ページを御覧ください。
新規収載品に係る外国価格調整につきましては、外国平均価格の算出方法及び比較水準を現行どおり維持いただく方針に賛同いたします。
一方、内外価格差は縮小傾向にありまして、むしろ近年は、日本の価格が海外よりも低い事例も見られます。
こうした状況を踏まえまして業界としましては、引き続き外国価格調整及び再算定の廃止を希望いたします。
続きまして、30ページを御覧ください。
既収載品の外国価格再算定につきましては、国内の使用状況を考慮した加重平均値による算出にする方法については賛同いたします。
この算出方法を導入いただくことで、今後、大幅な引下げによる不採算が回避されることを期待しております。
ただし、現行制度では依然として大幅な引下げが起こり得る可能性が残っておりますので、引き続き、最大引下げ幅の緩和を御検討いただきたく考えております。
31ページを御覧ください。
一部変更承認等に対する保険適用希望書の提出につきましては、保険適用希望が可能な内容を一部変更承認に係る事項に限定する方針を明確化することに賛同いたします。
32ページを御覧ください。
現在、軽微変更等による変更につきましては、保険適用希望書の提出ができないこととなっておりますが、機能区分が変更となる場合に、B1申請が可能となる方針につきまして賛同いたします。
今後、それ以外のケースにおける軽微変更につきましても、保険申請が可能となるよう、引き続き御検討をいただきたく考えております。
33ページを御覧ください。
保険適用希望書の作成につきましては、重要な論点を整理し、要点を簡潔に記載する方針に賛同いたします。
34ページを御覧ください。
製造販売業者からの不服意見の取扱い及び同意が得られない場合の対応につきまして、論点の1点目、3点目につきまして賛同いたします。
論点の2点目につきましては、翌月の保材専に追加資料の準備が間に合わず、やむを得ず保険適用希望書を取り下げた場合でありましても、薬事上の変更手続なしで再提出が可能であり、再度、保材専で審議いただけることへの明確化を希望いたします。
35ページを御覧ください。
医療機器の市場拡大再算定は、複数の製品が1つの機能区分に収載される制度であるため、個々の製品の販売額ではなく、機能区分全体の推定適用患者数に基づき、基準年間販売額を算出する仕組みとなっております。
しかしながら、機能区分の新設年度、またはその翌年度の実績である年間算定額を基準年間販売額とする論点が、このたび提示されました。
この場合、導入初期の市場浸透率が低く、さらにほかの製品が機能区分にまだ入っていない段階での実績を基準とすることになり、制度本来の趣旨や考え方から乖離しているのではないかと考えております。
続きまして、36ページを御覧ください。
2点目の論点にある機能区分の見直しを実施した年度の年間算定額を基準年間販売額とすることにつきましては、制度本来の考え方に沿い、見直し時に提出する保険適用希望書に推定適用患者数を記載し、それを基に予想年間販売額を算出し、基準年間販売額としていただくことを希望いたします。
37ページを御覧ください。
引き続き、3点目の論点であります、予想年間販売額が不明である場合、機能区分の設定された年の翌年度の年間算定額を基準年間販売額とすることにつきましても、制度本来の考え方に沿うべきと考えております。
右側のグラフはイメージにはなりますが、赤い折れ線グラフが示すとおり、新たな医療機器は導入初期である2年目の年間算定額は低く、紺色の棒グラフが基準算定額となることで、過小評価となる可能性が高くなります。
販売当初は安全適正使用のためのトレーニングなども必要なことが多く、使用可能な医療従事者が増えることで販売も徐々に拡大してまいります。
さらに、承認後に市販後調査が必要な場合、数年間は使用できる施設が限定されるケースもございます。加えて、その後、他社の製品がこの機能区分に入ってくることも十分想定されます。
そのため、代替案としましてですが、予想年間販売額が不明な場合、機能区分が新設された際の推定適用患者数を該当する製造販売業者が算出、それを基に、基準年間販売額を設定いただくことを希望いたします。
最後に、宮田副会長からもお話が上がりましたが、コスト急増による逆ざやへの対応を御検討いただいていることに心より感謝申し上げます。
今後もイノベーティブな製品の開発と安定供給の維持に努め、日本の医療を支える一員として尽力をしてまいります。
引き続き、御理解と御協力を賜りますよう、よろしくお願いいたします。
以上で、特定保険医療材料に関する御説明を終了させていただきます。ありがとうございます。
○瀧口日本医療機器産業連合会副会長
それでは、引き続きまして、お手元の資料材-2を御覧ください。
これからは、私、医機連及びAMDD、EBCを代表いたしまして、私、医機連副会長兼画像医療システム工業会の会長を務めております瀧口と、EBCの森委員長より御説明を申し上げます。
2ページ目を御覧ください。
これが本日の御提案内容です。最初にプログラム医療機器について、これまでに挙げられた論点への意見、次に前回陳述で御指摘いただいた点の補足を付しております。
3ページを御覧ください。
プログラム医療機器の評価基準についてでございます。
引き続き、患者の臨床アウトカムの向上が示された場合に限り、加算による評価を検討し、労働時間短縮や人員削減等を実現するものは、施設基準の緩和等としてはどうかとの論点が挙げられました。
これに対しまして、下のほうに書いてありますポイントの3つ、この3つの観点から改めて加算としての評価を御検討いただきたい旨、御提案を申し上げます。
4ページを御覧ください。
1つ目のポイントですけれども、医療保険制度で評価を得るためには、医療の質の向上が求められる旨の御指摘をいただき、厚生労働省補助事業等による医療の質に照らして医療機器の貢献といったものを顧みてみました。
医療機器においては、患者に対する直接的な有用性だけでなく、複雑な手技が簡単にできるようになる、時間が短縮するなど、より幅広い医療の質の向上に寄与し得る医薬品とは異なった観点の有用性がございます。
5ページ目を御覧ください。
2つ目のポイントですけれども、過去の通知等に基づいて、診療報酬の評価のポイントをまとめてみますと、必ずしも患者の臨床アウトカム向上に限定されず、幅広い医療の質の向上への寄与が評価されてきた実態もございます。
プログラム医療機器についても、幅広い医療の質への向上という特性に関して、御評価いただきたいと存じます。
6ページを御覧ください。
がんの対策における放射線治療の課題についてでございます。
第4期がん対策基本計画の中で、手術から放射線治療開始までの期間が評価指標に設定され、後退傾向と評価されております。
また、患者体験調査でも、診断から治療開始までの期間が延長傾向にあり、医療の個別課題と報告されている状況がございます。
7ページを御覧ください。
放射線治療計画支援プログラムの貢献の事例でございます。
放射線治療開始の遅れが、死亡率の上昇や、患者の心理的負担の増大につながる報告がございます。
放射線治療計画は、事前に撮影したCT画像を用いて作成されますが、治療当日に腫瘍形態に変化があると再計画が必要となり、手動で行うと当日の治療が困難となりますけれども、治療計画支援プログラム等によって、遅延なく放射線治療を行うことが可能となりますと、がん対策推進基本計画の向上をするためにも、普及が望まれております。
8ページを御覧ください。
特材として評価されるプログラムの組み合わせについては、賛同いたしたいと思います。
下段、特材以外のプログラムも、原価計算の調査対象となることを含め、賛同いたします。
各製品の特性に即した適切な評価方法を御検討くださいますよう、お願い申し上げます。
9ページを御覧ください。
選定療養の料金の患者説明をアプリ内でも行い得ることについて賛同いたします。
選定療養については、前回の意見陳述で提案いたしました、第1段階承認後の扱いについて、保険適用または選定療養を希望できること、及びその手続の明示をお願いいたしたいと思います。
10ページを御覧ください。
図の①や②の場合に、希望する患者様の継続利用が空白期間を生じることなく可能であること。
③の場合には、保険適用希望が可能であることなどの明示をお願いいたします。
11ページ及び12ページは、前回の意見陳述時の御指摘に口頭で回答しました内容を図で補足したものであります。
続きまして、材料包括医療機器におけるイノベーション評価について、保材専からの意見へのコメントを含めて4点でございます。
14ページの技術料における評価が少ないことを踏まえ、15ページを御覧いただきたいと思います。
まず、新技術の予見性向上に関し、10月15日の保険医療材料専門部会における新たな医療機器や体外診断用医薬品を用いた医療技術の評価にて示されました論点に関しましては、業界意見を考慮いただき、ありがとうございました。
その上で、課題で示されている新技術を保険適用する際に、特材の原価計算方式のように、新技術に関わる費用も含めて、実情に反映する仕組みについては、材料価格や人件費においても適切に御評価いただき、産業界へのアンケート等を実施いただきたく、要望させていただきます。
16ページを御覧ください。
チャレンジ申請についてですが、9月26日に専門部会で示された「チャレンジ申請におけるデータ収集及び提出方法について」、この論点に関しても、業界意見を考慮いただき、誠にありがとうございました。
RCTに限らない比較試験について、どのような試験を意味するのか、また、比較試験が適さないケースなどについても明確化されるよう、お願いいたします。
18ページを御覧ください。
こちらは、チャレンジ申請に係る手続に関してですけれども、専門部会で示された論点に異論はございません。
19ページを御覧ください。
10月15日の専門部会にて「医療技術評価分科会での審議を求める要件の明確化について」における論点について、業界意見を考慮いただき、ありがとうございます。
一方で、患者の保健への迅速なアクセスの観点から、専門組織での審議による重要技術料の付与を第一義としていただきたいと思います。こちらについては、20ページを御覧ください。
先ほどの論点の4つ目の矢羽根に当たるところですけれども、複数分野で使用される医療機器として明示されております。こちらは、これまで重要技術料として設定されてきました。
例えば、肝悪性腫瘍ラジオ波焼灼療法は、重要技術料として、無心体双胎への適用拡大となりましたけれども、このような治療の重篤性や緊急性が高い技術では、2年に一度の保険収載では、患者アクセスに与える影響は大きく、適用拡大で分野ごとに異なる診療報酬点数を希望する場合でも、重篤性や緊急性の高い技術については、引き続き重要技術料を設定していただくよう、お願いいたします。
21ページを御覧ください。
「評価療養の対象期間について見直し」についてですけれども、専門部会の論点に異論はございません。業界意見を考慮いただき、ありがとうございました。
22ページを御覧ください。
11月12日の専門部会にて提示された論点についてです。まず、A3区分の保険適用希望書の取扱いにおいては、異論はございません。
市場拡大再算定に関して、技術料包括の医療機器については、特定保険医療材料と異なり、技術料のうち医療機器に係る金額の算出には、様々なケースが考えられ、簡単な課題ではございませんので、業界の意見等も御配慮いただき、慎重な御検討をお願いいたすものであります。
また、注の1点目の改定前の技術料の100分の85の場合との記載については、特定保険医療材料に準ずる考え方であれば、技術料全体ではなく、技術料の中で包括されている医療機器に関わる費用部分の金額が対象であるべきと考えております。
イノベーションに関するテーマは以上です。
では、森委員長、お願いいたします。
○森欧州ビジネス協会医療機器・IVD委員会委員長
EBC委員長の森でございます。
PETの御説明に入る前に、プログラム医療機器について一言申し上げます。
一例といたしまして、生きる希望を胸に放射線治療のために病院を訪れた患者さんが、治療当日にがんの形状や位置が変わっているために、再計画が必要、延期と告げられる、その精神的な衝撃は計り知れません。また、ほかのアジアをはじめ、いろいろな国の放射線治療医からも、患者に治療延期を告げなければならない、その苦悩の声を何度も聞いてまいりました。
治療当日のCTに基づきまして、手動で再計画を行えば、数時間を要してしまいますので、延期ということになってしまいますけれども、放射線治療計画支援プログラムを用いれば、数十分で臨床的に適切な計画を再構築できますので、当日に、しっかりと治療を行うことができます。
がん患者の希望をつなぎ、国のがん対策推進基本計画を改善へと導くためにも、患者利益が明確な場合には、ぜひ加算として御評価を賜りますよう、どうぞよろしくお願いいたします。
それでは、PETの御説明に入ります。24ページを御覧ください。
11月12日の中医協保険材料専門部会において議論されました、資料25ページの医薬品の適応判定の補助に必要なPETの保険適用についても、中医協総会において了承された保険適用日から保険適用されることにつきましては、業界としても賛同いたします。
加えて、未整備の診断を目的としたPET検査についても、ぜひ同様の制度整備の検討をお願いしたいと思います。
25ページを御覧ください。今回の御提案の背景です。
PET検査は、撮像技術と診断薬の両方が必要です。現在、PET診断薬が薬事承認されても、PETの撮像技術料が保険収載されていないと検査が実施できず、患者が診断機会を失う検査ロスが発生しています。
28ページ、参考資料3を御覧ください。
PET診断における脳腫瘍と前立腺がんの事例をお示しします。
脳腫瘍では、PETしか見えない病変があるにもかかわらず、薬事承認後3年間保険収載がされず、患者アクセスが遅れました。今後承認予定の前立腺がんでは、PSMA-PET検査が海外では広く既に使われており、現在、100名を超える患者が海外で検査を受けています。
現行制度のままでは、承認後上市できず、同様の事態が繰り返されてしまう可能性がございます。
ページ26、参考資料を御覧ください。
現在、学会より提案されている医療技術評価提案書の内容です。
MRIやCTの造影剤では、共通の技術料が設定されており、薬事承認後すぐに保険申請が可能となっていますが、PET診断には、その枠組みがございません。検査ロスを生まないために、PET検査の成分によらない撮像等に係る共通の技術料の設定を要望しています。
お戻りいただきまして、ページ25の論点・提案を御覧ください。
診断を目的としたPET検査の保険適用区分の新設について、PET診断の承認を得た企業が迅速に保険適用できるために、11月10日に保材専で議論されましたように、治療薬の適応判定の補助のPET検査同様、PET診断薬に対しても保材専を経由した申請が可能となる制度の再構築もしくは先ほど申し上げました、学会要望の医技評のように、共通のPET技術料の設定をぜひ御検討いただきたく、お願い申し上げます。
私からは以上です。
○小野日本臨床検査薬協会会長
日本臨床検査協会の小野でございます。今回も臨薬協、EBC、AMDDからの共同提案として発表いたします。
それでは、4ページを御覧ください。
物価高騰・コスト増大対応についてです。
御存じのとおり、技術料は改定のたびに引き下げられていますが、原材料価格は高騰し、物流コストも上昇しております。技術料として評価される検査の価格は、製造流通経費と企業側のコストと人件費等の医療機関側のコストの総和、すなわち原価に基づいて設定されており、医療機関側でもコストが増大していることから、企業側のコストアップ分を価格に転嫁するのは難しい状況で、企業が価格転嫁すると、医療機関で逆ざやが生じてしまうこともあります。
しかし、企業のコスト削減努力も既に限界に達していることから、このままでは医療に必要な検査キットの安定供給が困難になる可能性があります。
そこで、例えば、物価指数の変動に応じた診療報酬換算レートの変更あるいは体外診断用医薬品の不採算品目に対する技術料の再算定をする制度の創設など、公的医療保険下においてコスト増を適時適切に技術料に反映できる仕組みの創出をお願いいたします。
5ページを御覧ください。
こちらは、価格転嫁によって生じる逆ざやのイメージ図です。
続きまして、6ページを御覧ください。
臨薬協会員企業を対象に実施した安定供給に関するアンケート調査の結果です。
ほとんどの企業が物価、人件費、物流費の高騰により影響を受けており、うち約70%が製品の安定供給に影響があると回答しております。
7ページを御覧ください。
不採算に関するアンケート調査の結果です。回答48社中不採算製品があると答えた企業は20社、795製品であり、不採算製品全てにおいて安定供給への懸念があるという回答でした。
続きまして、8ページを御覧ください。
8月の部会において人件費高騰の影響に関して、現場の状況について御質問を受けました。企業側の状況は前述のとおりですが、医療機関側では人材流出や人材不足による労働環境の悪化が生じています。
この状況に対し、企業としては検査の迅速化、検査結果の判定ソフトウエアの普及などにより、検査を省力化・自動化し、医療従事者の負担軽減に貢献してまいります。
医療機関の負担解消のためにも、また、企業における安定供給への懸念の対象のためにも、円滑な価格転嫁が可能となるよう、行政側でも対応の検討をお願いいたします。
続きまして、10ページを御覧ください。
技術的評価におけるイノベーション評価についてです。
革新的なIVDの開発導入を促進するためには、適切な評価制度が不可欠です。前回の改定では希少な検査に対する市場性加算が導入されましたが、現状では実質的にコンパニオン診断薬に限定されており、ほかの希少検査には適用が困難です。
そこで、対象の拡大と回数制限の見直しを提案いたします。具体的には治療法が存在するものの、検査が薬事未承認である希少疾病に対し、適応判定に用いるIVDも対象とすることを要望します。
令和7年10月15日の保険医療材料専門部会では、再生医療等製品の適応判定に必要な検査への適用拡大が提案され、当方もこれに賛同いたします。
21ページに示しておりますのは、希少疾病等で治療は存在するが、検査がIVDとして薬事承認されていない事例です。
現在の技術料の準用では点数が低く、検査数も年間数百件以下と見込まれるため、IVDの開発が困難です。薬事承認取得後に希少疾病と技術料係数を適用し、E3区分での提出や、JAK2遺伝子検査のような算定が可能となれば、開発参入の促進が期待されます。
IVDはPMDAなどによる性能評価を得ており、製造販売業者が品質と安定供給の責任を負っています。検査数にかかわらず発生するこの負担を考慮し、IVDの使用を推進する制度設計が重要と考えております。
続きまして、13ページを御覧ください。
患者数が約250人とされる後天性表皮水泡症の診断に必要な抗VII型コラーゲン抗体検体検査を例に挙げています。この検査は、薬事未承認で保険償還もなく、対象拡大の必要を示しております。
続きまして、14ページでは、検査数が少ない事例において、医技評経由で増点された例を紹介しております。
現在の年間検査数の基準は、開発をちゅうちょさせる要因であり、緩和を提案いたします。
続きまして、15ページは、チャレンジ申請に関する通知の表現見直しについての御提案でございます。
16ページは、バイオバンク検体を用いた評価によるチャレンジ申請のタイムラインのイメージです。
続きまして、17ページを御覧ください。
経済性評価についてです。8月27日の専門部会にて、研究班の立ち上げ及び経済性評価の事例と進め方について御質問いただきました。
10月15日の部会では、新技術に関わる費用を技術料に反映する仕組みの検討が提案されました。検体検査には固有の特性があり、検査業界として研究班での議論に貢献したいと考えております。
18ページを御覧ください。
IVDによる医療費削減の可能性を示しています。例えば、卵巣がんマーカーTFPI2では、年間2億円の経費削減が見込まれます。このような事例を踏まえ、IVDも経済性評価の導入を提案いたします。
続きまして、20ページを御覧ください。
POCT検査の有用性についてです。POCTは、ベッドサイド等で実施可能な即時検査です。迅速診断により早期治療、早期病態把握に貢献いたしますが、1検体ごとの測定となるため、1検査当たりのコストが高く、逆ざやでの運用となってしまうことが課題です。
21ページを御覧ください。
8月の部会において診療所におけるインフラ整備が不十分であり、業界としてどのような貢献が可能かとの質問を受けました。
業界として、まず、1点目としてPOCT検査試薬や機器を提供することで貢献いたしたいと考えております。
資料に示したように、既に複数の項目での測定が可能となっております。引き続き有用な製品の開発を促進いたします。
2点目としまして、学会等との協働により、即日検査のエビデンスを構築し、普及に貢献いたします。
診療所において即日検査実施に資するPOCT検査が適切に実施できるよう、POCT検査を適正に評価する仕組みの検討をお願いいたします。
なお、22ページ以降に生活習慣病管理や救急外来における加算や算定の見直しを提案しておりますので、御確認をお願いいたします。
また、25ページ以降に感染症・AMR対策における検査の重要性と評価制度及び悪性腫瘍関連遺伝子検査についての意見も記載しております。
AMR対策アクションプランには微生物検査の重要性に関する記載があり、適切な微生物検査の実施、結果報告の推進が課題です。
また、悪性腫瘍遺伝子検査については、事業予見性が不明瞭であること及び適切なタイミングでのCGP検査実施といった課題があります。本日は、時間の関係で詳細を説明いたしませんが、それぞれの課題について提案をしておりますので御一読いただければと思います。
物価高騰、新型コロナ等の新興感染症の流行、薬剤耐性菌の蔓延、在宅医療の促進等、近年、体外診断用医薬品を取り巻く環境は大きく変化しております。
このような中においても、我々診断薬業界が安定的に製品を供給することにより、医療への貢献を行っていきたいと考えておりますので、ぜひとも今回の要望について御検討いただきたく、よろしくお願いいたします。
以上です。
○笠木部会長
どうもありがとうございました。
関係団体の皆様より、一通り御説明をいただきましたので、これより質疑に移りたいと思います。
御意見、御質問等ありましたら、お願いいたします。
では、茂松委員、御発言をお願いいたします。
○茂松委員
関係団体の皆様、御説明ありがとうございました。
これまでの本部会の議論も踏まえて、幾つかの質問とコメントをさせていただきます。
まず、材-1、特定保険医療材料に関する提案内容についてございます。
11ページのところ、安定供給と不採算品の現状について御説明をいただきました。左下のグラフを見ますと、安定供給に支障が出た、または出るおそれがあるとして厚生労働省へ報告のあったものが紹介されております。
これを見ますと、供給不安等の原因として、不採算は非常に少なくなっておりますが、この点について業界としてどう考えておられるのか、お聞かせをいただきたいと思います。
そして、逆ざやについてでございます。28ページでは、逆ざやへの対応として、先週11月12日開催された本部会において、パターン1やパターン2について、不採算品再算定による対応が提案されたところであります。
ただ、不採算品再算定はメーカーからの要望が起点となる仕組みであり、逆ざやの状況では企業側は不採算とはならないので、不採算を要望されないのではないかという懸念が示されたところでございます。
一案として、逆ざやになる場合、その価格に決定した根拠とともに、企業が厚生労働省に報告したらどうかとも考えられますが、この点について業界の御意見をお聞かせください。
最後に、業界として逆ざやの縮小に向けて、どのような取組が可能なのでしょうか。逆ざやにつきましては、以上の2点についてコメントをいただければと思っております。
続きまして、材-2、医療機器・医療技術につきまして2点ございます。
まず、3ページのプログラム医療機器の診療報酬上の評価基準につきまして、業界の御意見としては、医療従事者の労働時間短縮や、人員削減等について加算として評価することを御提案いただいております。
私どもの意見としましては、上の論点に示していますとおり、患者の臨床アウトカムの向上が示された場合に限り、加算による評価を検討すべきであると。医療従事者の労働時間短縮や人員削減等については、施設基準の緩和等による評価で検討すべきであると考えているところでございます。
その理由の1つとして、加算による評価がなされなくても、保険診療での使用が認められることによって、プログラム医療機器の新たな市場が開拓されるという、メリットも十分あるのではないかと考えているところでございます。この点について御意見をお聞かせください。
続いて11ページですが、プログラム医療機器について、臨床研究で有効性が認められなかった場合であっても、患者さんが継続利用を希望する場合は保険外併用療養制度を認めてはどうかという提案がなされております。
率直に申し上げれば、有効性が示されなかった治療法について、保険外併用療養費制度で実施することは非常に難しいのではないかと思います。有効性が認められなかったのにも、いろいろ背景があるかと思いますので、さらにもう少し説明を加えていただければ、いかがでしょうか。
私からは以上です。
○笠木部会長
どうもありがとうございました。
ただいま茂松委員より、資料材-1の11ページ、そして28ページ、全部で3点御質問があったと思います。それから、材-2の資料のほうで、3ページのプログラム医療機器の点、それから11ページの選定療養の問題について御質問をいただきました。業界団体の皆様より、適宜お答えいただけますでしょうか。
○宮田日本医療機器産業連合会副会長
MTJAPANの会長の宮田でございます。
まず、11ページのところで、確かに不採算要望が少ないという結果が出ておりますけれども、これに関しましては、不採算なものがあったとしても、なかなか今まで出しにくい環境があったのではないかと思っております。
不採算要望を出すには3要件がございまして、代替性困難を示すというところがございますけれども、今までなかなか代替性困難としてシェアの観点が今までありませんでしたので、そういった代替性困難を示すためのエビデンス提示というのがなかなかできないということがあったり、学会要望をいただくことができない事例があったり、あるいは原価計算を行うのですけれども、そのときの一般管理費等の係数が実態と合っていない等の理由がございまして、なかなか不採算要望を出していないということが個社であるのではないかと思っております。
この辺りを、やはり不採算要望を積極的に出せるような仕組みづくりというのが重要ではないかと考えております。
それと、今、御質問にございました28ページ、パターン1、パターン2の場合でも逆ざやであるにもかかわらず、先ほどありましたように不採算要望がなかなか出されていないのではないかと、そういった会社さんもあるのではないかということだと思いますけれども、これに関しましても、先ほどの理由から不採算要望を出す場合には、特定機能区分であっても、個社ごとに厚生労働省のほうに提出いたしますので、例えば、我々が1社だけ出したとしても、他社がどういう見解を持っているかということは、なかなか分かりにくいという状況もございます。
そういったことで、なかなか不採算要望が今まで出されていないという点があるのではないかと思います。
ですので、先ほど逆ざやの縮小ということもございましたけれども、業界としては、いわゆる積極的に不採算要望を出していくことも非常に重要ではないかと考えております。よろしいでしょうか。
○茂松委員
はい、ありがとうございます。
11ページのところの不採算、お話を聞いておりますと、不採算、不採算ということが、いつも出てくるわけですけれども、その要望ができないという理由があるのですが、これは、厚生労働省にも少し聞いていかないといけないのかなと思っております。これは、厚生労働省に御質問したいと思っております。
それと、この逆ざやの根拠、これがしっかり出た場合は、やはりしっかりと業界のほうから出していただいて、厚生労働省に上げていただくという仕組みがないと、なかなか言いにくいという御発言でございましたが、これについても厚生労働省さんに少しお聞きをしたいと思っております。これは、いかがでしょうか。
○笠木部会長
それでは、事務局から、お答えいただけますでしょうか。
○南川医療機器政策室長
先ほど茂松委員から御質問のあった11ページのグラフの不採算の部分のところなのですが、これは、基本的に需要供給不安だったり、供給終了に対する報告においては、その原因について、自由記載の中で企業に書いてもらっていることになっています。それを厚生労働省の事務局のほうで仕分けているのですけれども、その中で、そのフリー記載の中から不採算であるという記載があったときに、一部こちらから確認をしながら仕分けているものになります。
ここの中の上の方で需要の減少という部分もありまして、こういう部分の中で、もしかしたら、一部需要の減少だったりとか不採算性のあるものとかも隠れているかなと思っていますので、今回の御指摘を踏まえて、集計もしくは原因の分別については、より適切なやり方を考えていきたいと思います。
以上です。
○茂松委員
ありがとうございます。
その辺をしっかりとしていただいて、我々にとりましては、現場では、逆ざやが非常に問題になっておりますので、その辺をよろしくお願いしたいと思っております。
材-2につきましては、いかがでしょうか。
○瀧口日本医療機器産業連合会副会長
それは、私のほうから御回答申し上げたいと思います。御質問ありがとうございます。
3ページのことにつきましては、まさに御指摘のとおりでございまして、私どものプログラム医療機器が、直接的に患者の臨床的アウトカムの向上に資するものであれば、それを加算していただけるというのは非常にありがたいことだと、まず、思います。
一方で、プログラム医療機器の中には、直接的に患者のアウトカムの向上に寄与しなくても、間接的に医療の質が向上することによって、結果として患者のメリットになるというものがあり、それは、先ほど御説明を申し上げました、例えば放射線治療計画のようなものは、そのようなものに類いすると思います。
この経済的評価をしっかりしていただきませんと、なかなかその導入が進まないという実態がございます。これは、実際には医療機関におけるコストとなるわけでございまして、そのコスト部分をどのようにカバーするかということがポイントになろうかと思います。
間接的ではあっても、患者の臨床的価値向上に資するものについては、少なくともその部分を加算、検討していただきたいというのが、今回の中心になるものでございまして、そこのところを御提案申し上げているということでございます。
○茂松委員
ありがとうございます。
確かに患者さんにとって、真に評価されるものは必要と考えたいと思いますが、やはり我々の国では、皆保険制度を取って、医療費の根本が決まっているわけですね。その中で、経済的に、経済的にと言われてしまうと、また、なかなかそこが難しいかなと考えております。
○瀧口日本医療機器産業連合会副会長
ありがとうございます。
その点は、まさに重々承知をしておりまして、1つずつお願いを申し上げているという次第でございます。
それから、2つ目の御質問につきましては、専門の須賀のほうから御回答を申し上げます。
○須賀日本医療機器産業連合会副会長
医機連の須賀でございます。御質問ありがとうございます。11ページの御質問でございました。
追加の有効性が、第2段階において認められなかった場合には、保険適用が難しいのではないかという御質問だったと思います。
第1段階の承認を得たときに、既収載の技術料という形で保険収載をいただくといった手続はあると思います。それの状態と変わらなかった、もしくは一部しか追加ができなかったといったケースが第2段階に起きたときに、どういった手続で保険適用になり得るのか、あるいは患者さんが評価療養の間に使い続けた患者さんが、その後も使い続けたいといった患者さんの希望があった場合には、評価療養は使い続けることができませんので、そうであれば選定療養という形で使い続けるとしたら、どういった手続が取り得るのかを明示いただきたいといったことが、こちらの趣旨でございます。
以上でございます。
○茂松委員
ありがとうございます。それは、それで理解をしました。
ただ、やはり、それにつきまして、やはり医師の裁量権、これを本当に医師が使って、重要性があるのだということであれば、そういうことで認めていけばいいのかなとも理解をしております。ありがとうございました。
○笠木部会長
ありがとうございました。
そのほか、御意見、御質問等いかがでしょうか。
では、太田委員、御発言をお願いいたします。
○太田委員
ありがとうございます。
私も逆ざやのところ、28ページですけれども、ここに関しまして業界さんと、あと事務局のほうに少し御質問させていただきたいと思います。
今回の材料の制度の変更としまして、このパターン2に関しても不採算品再算定が適用されるというのが、この逆ざやへの解消に対する1つの大きな進歩だと認識しています。
逆ざやといいますと、当然、企業さんの逆ざやと、病院側、医療機関側の逆ざやというのがあって、少し混乱するところがあります。企業さんの逆ざやも何とかしなくてはいけないのですけれども、我々医療機関側の逆ざやというのも何とか解消したいと強く思っているところでございます。
今回、パターン3に関して、事務局がしっかりと価格とシェアを確認して、保険償還価格を引き上げるという制度設計が今回入ると。
パターン2に関しても、再算定が一応企業側から申し出られるようになるということなので、業界としてもこの逆ざやの縮小に向けて取り組んでいただけるという決意をいただいたと思うのですが、先ほど業界の方からもありましたけれども、なかなかそれだけで、いろいろなことで再算定の申出がしづらいというものも結構まだ残っているように思います。
まず、御質問したいのは、ここまでの制度変更を、今回することになるわけですけれども、これで実際に医療機関側の逆ざやというのが、どれぐらい解消していくと考えておられるのかというものを1つ感触でいいのでお聞かせいただきたいと思います。
これは、事務局に対してなのですが、今回パターン3という制度をつくるということは、パターン1、パターン2の場合でも、どれぐらいのシェアになっていて、どれぐらいの金額になっているか分類するということは、材料・機能区分を全て調べ上げるという形になるのと思うのです。その結果、パターン1、パターン2に分類されたものが、実際に企業側から、不採算品再算定が出てくるか、来ないか、来たか、来ていないか、そのパーセントはどれぐらいかというのは事務局で把握できるということに、多分、今回の制度をスタートするとなるのだろうと思います。まずは経過を見ていくことになると思うのですが、パターン1、パターン2の場合に、企業側から積極的に採算性の取組が行われて来ているかしっかりとモニターしていただいて、御報告をいただきたいと思います、また、それがスムーズに進まないような状況でしたら、また何らかの対応というのを早期に検討いただきたいと思いますが、このパターン1、パターン2も全部把握できるということで、事務局、よろしかったかどうかというのだけ御質問させてください。
以上でございます。
○笠木部会長
ありがとうございます。
ただいま、太田委員から逆ざやについて御質問がありましたので、まず、業界団体の方々からお答えいただき、その後、事務局のほうからお答えをお願いいたします。
○宮田日本医療機器産業連合会副会長
医機連の宮田でございます。
先ほどありましたように、今回、パターン1、パターン2、パターン3という形で逆ざやに対しての対応ということがございました。
特に、パターン3に関しましては、競合がたくさんいるということから、実勢価格が均等価格であるということの可能性が高いということで、これに関しては償還価を上げていただくということで、業界としても大変ありがたいと感謝しております。
こういった対応の中で、どれだけの逆ざやが、効果があるのかということに関しまして、業界としては、このパターン1、パターン2、パターン3が、どれだけの割合になっているのかということが把握できておりません。ですので、その効果というのが、パターン3がすごく多いのであれば効果が大きいでしょうし、パターン3が少なければ、今回の効果というのは少ないのではないのかなと思っております。
ですので、その辺りのところが厚生労働省のほうで、ぜひ、割合を確認していただくことが重要かと思っております。
○梅木医療技術評価推進室長
続いて、事務局でございますけれども、太田委員の御質問のところ、我々としてもシェアというところはしっかり把握していきたいと思っておりますし、パターン1、パターン2、パターン3というところについては、モニターをしつつ、どういったところができるかについては、今後、その状況を見て対応を検討していきたいと考えております。
○笠木部会長
どうぞ。
○太田委員
ありがとうございました。
今回新たな逆ざやへの対応ということで、大きな一歩を踏み出したということだと思います。
業界の方々におかれましては、ぜひともこのパターン1、パターン2になっているだろうというときに、ぜひとも医療機関側の逆ざやの縮小ということに向けて、積極的に不採算品の再算定の取組というものをお願いしたいと思います。
以上でございます。
○笠木部会長
ありがとうございました。
そのほか、御意見、御質問等いかがでしょうか。
それでは、森委員、御発言をお願いいたします。
○森委員
業界の方々に関しては、御説明いただき、ありがとうございました。
2点ありまして、1点は逆ざやについてです。11月12日の部会で、逆ざやが機能区分395区分の中の全体の31区分に及ぶということで、正直驚きました。逆ざやは、薬局にとっても、もちろん医療機関にとっても大きな課題だと考えております。
今、太田委員から今回、パターン1~パターン3までに分けて示されたということに関してのコメントはいただきましたので、この質問はしませんけれども、ぜひ逆ざや防止に向けた取組ということは、しっかりとお願いしたいと思っています。
その中で1つは、不採算品再算定を積極的に申し出ることは解決の1つだと考えています。販売側は価格に転嫁できますけれども、医療機関、薬局は公定価格のため転嫁することがないということも踏まえて、しっかりとお願いをしたいと思っています。
2点目は、様々な物価、人件費、それから配送コストの影響を受けるというのは確かにそのとおりだと思っています。ただ、限られた保険財政の中で、医療材料等の適正な配分メカニズムとして、イノベーションの評価をどうするのか、物価高騰等への対応をどうするのか、安定供給の対応をどうするのかというのは、どう考えていくのかというのは課題だと考えています。
その中で、やはりメリハリということも今後考えていかなければならないと思いますけれども、業界として、どのように考えているのか教えていただきたいと思います。
○笠木部会長
ただいまの森委員からの御質問について、いかがでしょうか。
○宮田日本医療機器産業連合会副会長
医機連副会長の宮田でございます。御質問いただきまして、ありがとうございます。
我々、限られた財政の中で、先ほどありましたようなメリハリをつけていくことは非常に重要であると認識しております。
我々メーカーとしましては、やはり常に一番心がけているのは、医療現場から常に新しい御要望、それにお応えして新しい製品あるいは改良改善を重ねていくということが、メーカーの使命だと考えております。
例えば、今、特定機能材料の区分の中でも、我々は改良改善を重ねて、常にいい製品を出させていただくということを心がけておりますが、昨今の償還価の下落によって、なかなかそれが難しくなってきているという状況でございます。
例えば、メリハリをつけるということであれば、発売から随分たった古い製品、こういったものは、もちろん安定供給の問題はございますけれども、そういったものの価格は、私は下がることは致し方ないのかなと。むしろ、そういった新しい改良改善を重ねた新製品に関しましては、やはりインセンティブといいますか、そういった価格をつけていただくことが非常に重要でありますし、そうすることによってメーカー側も新しい製品にさらに取り組んでいこうというか、そういうインセンティブが働くのではないかと思いますので、メリハリをつけるということであれば、ぜひそういったことも議論に加えていただければと考えております。
○笠木部会長
どうぞ。
○玉井米国医療機器・IVD工業会会長
ぜひ補足をさせてください。AMDDの玉井でございます。
今の御質問につきまして、まさに茂松委員からの御指摘にもありましたけれども、逆ざやが増えないように企業として努力しているところはどこだという御質問も少しあったと記憶しているのですけれども、やはり個々の企業も業界としましても、様々な観点で、ただ、インフレ、コスト増を受入れるのではなくて、例えば物流の配送をできるだけ共通でやるですとか、企業における販管費、アドミンのコストを徹底的に下げる、そういう努力というのは本当に行っております。
その中で、今、森委員から御指摘いただきました、どういうところに関してメリハリをということにつきましては、医療機器というのは、やはり、先ほどの宮田会長からの回答もありましたけれども、イノベーションを通じて患者さんのアウトカムに資するものなのですけれども、その先にもさらにトータルの医療コスト、よりよいイノベーションをもたらすことによって、全体の医療のシステムのコストが下がる。AMDDでは、バリューベースヘルスケアということを標榜していますけれども、その中でトータルのヘルスケアに貢献できるようなよりよい医療機器を継続的に出すことによって、そこにメリハリのついたバリューに見合った診療価格がつく、そして、それの役目を終えていったものは、時には、もちろん安定供給のところを配慮しながら、やはり、古くなっていった製品は、そこは撤退するというのも戦略的に行っていくことによって、トータルのヘルスケアコストをしっかりベストにしていくことも考えるというのが、業界として提言させていただけるところなのかなと考えております。
○笠木部会長
森委員、どうぞ御発言ください。
○森委員
ありがとうございました。
今の回答の中で、流通の工夫というお話もあったのですけれども、実は医療機器に関して、流通改善に関する懇談会というのがありますが、しばらく開催されていなかったように記憶しています。医療機器の価格形成、流通問題、適正使用の業務支援などを検討する場だと思っていまして、環境が大きく変わった中で、これは他部署ですけれども、そういう中でもしっかりと、どうしていくのかということを検討いただければと思います。
それから、お願いが2点あって、医療材料は医療提供に欠かすことができないものです。そういう中で、たとえどんなに逆ざやとなっていっても、医療現場、薬局では購入して患者さんに提供しています。そうした中で、償還価格が決められているものということを踏まえ、それが医療に必要なもの、医療保険制度の中で使用されているものということに勘案して、価格の提示をお願いしたいと思います。
もう一点なのですけれども、材料は、販売包装単位が大きく、薬局ではどうしても使い切れずに残ってしまうという課題もありますので、その課題への対応もお願いしたいと思います。
私からは以上です。
○笠木部会長
ありがとうございました。
業界団体のほうから、もし追加で何かありましたらお願いいたします。
○田中欧州ビジネス協会医療機器・IVD委員会副委員長
EBCの田中でございます。1つコメントをさせていただきます。PETの診断についてです。
昨日、患者団体の代表とお会いする機会がありました。この中医協の状況をよく御存じで、PETのいわゆる治療のセットものの検査以外のものは、いつになりますかと言われました。私は答えに窮しましたけれども、引き続き、いわゆるひずみが発生している、診療報酬体系に、このPETの治療薬の補助検査、これと通常のPET診断、これが違う診療報酬体系で動いている。このひずみに関しても、引き続き検討いただきたいと、昨日改めて思いました。コメントでございます。
○笠木部会長
ありがとうございます。
そのほか、御意見、御質問等ありますでしょうか。
茂松委員、御発言をお願いいたします。
○茂松委員
ありがとうございます。
先ほど業界のほうから、イノベーションの重要性、これは、確かに我々もそう思っております。ただ、古いものを出して新しいものをどんどん入れていくという、その辺にメリハリをつけるということでございますが、医療機器の中には古くても非常にすばらしいものもございます。やはりそれを温存していって安定供給につなげていくということで、そこのところは忘れないようにしていただきたいということでございます。
それと、やはり逆ざやというのは、本当に医療現場にとっては大変でございますので、できるだけしっかり対応していただきたいと思っております。
○笠木部会長
ありがとうございました。
そのほか、御意見、御質問等ありましたら挙手をお願いいたします。
それでは、松本委員、御発言をお願いいたします。
○松本委員
業界団体の方、どうも御説明ありがとうございます。
私からは、材-1の7ページと、27、28ページについて質問したいと思います。
まず、7ページのところに、医薬品と医療機器の比較がされておりまして、定性的には売上原価比率が高いということは、分からないことはないのですけれども、例えば、この売上原価比率を見ますと、66%と52%、相当大きな違いがございます。下にいろいろな品目があるのですけれども、最もインパクトが大きいのは何なのかというのを教えていただきたいと思います。
特に、医療機器に関しては、例えばサービスエンジニア業務などについての言及もありますけれども、こういったものは非常に大きいのかどうか教えていただきたいのが1つです。
続いて、先ほど来たくさん質問が出ております、不採算の逆ざやに関する話でございますけれども、先日の部会のほうで代替困難性を条件に3つのパターンに分けて整理することが提案されておりますけれども、例えば、パターン1とか2に書いてある表現を見ますと、28ページには「供給側の価格決定力が強く」という言葉も入っております。
パターン3に関しては、競争的市場であるということが書いておりますけれども、例えば、我々が一般的に想像するマーケットの構造からいたしますと、普通パターン1やパターン2の場合、競争の結果として、こうした独占とか寡占になってしまったのか、あるいは別の理由があるのかということを教えてもらいたいということが1つ。ものによって違うことは承知しておりますけれども、どういったパターンが多いのかというのを教えてほしい。
それと、競争的な市場でなく、価格決定力が強いにもかかわらず、なぜ不採算になってしまうのかと、物価高騰の話はさんざんお聞きしておりますけれども、それ以外に何か要因があるのか、それがあれば御説明いただきたいということが質問でございます。
また、パターン3についてなのですけれども、これは競争的市場と上で書いてありますけれども、例えば、全くイメージだけなので全然定量的な話がないので、これは業界の方にお聞きするのか、事務方がいいかどうか分かりませんけれども、どういう場合に言えるのかというのを教えていただきたいというのが1つ。
それと、27ページにあります、一部のメーカーが供給困難な場合、ほかのメーカーで不足分を供給できないというのが挙げられておりますけれども、これは、ほかのメーカーがビジネスチャンスにトライしないのか、できないのか、その辺、何か具体例があって御説明をいただけるとありがたいということでございます。
私からは以上でございます。
○笠木部会長
ありがとうございました。
ただいま、松本委員から材-1の資料の7ページについての御質問、それから逆ざやとの関係で、全部で4点ほど御質問をいただいていると思いますけれども、まずは業界団体のほうからお答えをいただければと思います。よろしくお願いいたします。
○宮田日本医療機器産業連合会副会長
医機連副会長の宮田でございます。
まず、7ページでございますけれども、医薬品に比べて、やはり原材料の売上の占める原価比率というのが非常に高いということでございます。
この要因としましては、まず、医療機器というのは、多品種少量であるというところがございまして、そういった面からすると、やはり一番大きく起因してくるものが当然原材料です。これが多品種にわたるということで、それだけの原材料コストがかかります。また、労務費に関しましても、組みつけとか、検査工程、こういったものがかなり人で賄われているという点も、多々、医療機器の場合はございますので、こういった原価構成の割合としては、こういった原材料、製造労務費、このところが一番高いのではないかと思っております。
それと、28ページの中でパターン1、パターン2が、なぜこういう形の寡占状態になっているかということですけれども、結果そうなったのか、あるいはもともとそうなのかというのは、これは恐らく個々の製品によって市場環境というのが異なりますので、一概に、結果そうなったのか、もともと非常に強いメーカーさんがいて、こういう形になっているのかということは、それぞれに応じてあるのではないかと考えております。
27ページのところのパターン3の、すみません、もう一度、御質問を。
○松本委員
まず、パターン1と2の場合に、ここで競争的な市場ではなく、価格決定力が強いにもかかわらず、なぜ不採算になりますかという質問で、物価高騰以外にあれば教えてほしいというのが、このパターン1。
それで、3に関しては、ここにあるのですけれども、一部のメーカーの供給困難は、ほかのメーカーで不足を供給できないとさらっと書いてあるのですけれども、普通考えると、ほかのメーカーが頑張って供給するかということも考えられると思うのですけれども、それができないのか、それをヘジテートしているのか、その辺の肌感が分かったら、教えていただきたいということです。
○宮田日本医療機器産業連合会副会長
まず、パターン1と2の部分で、不採算要望は出さないのかということですけれども、これは、恐らく、それぞれの環境によると思うのですけれども、先ほどから申しましているように、なかなか不採算要望を出すということに対しての、いろいろな制限があって、なかなか出せないというところのメーカーさんもあるのではないかと思っております。
パターン3に関しまして、代替性が困難になったときに、ほかのメーカーさんが参入するのではないかということですけれども、これは、今、償還価額がすごく下がってきていまして、もうぎりぎりのところまで来ていると、そういったところのメーカーさんの場合は、そういった他社がなくなったから頑張ろうというモチベーションがどこまで湧くのかというのが、大きく起因しているのではないかなと。
これも、それぞれの機能区分の中の償還価格の状態によっても決まってくるのではないかと考えております。
○松本委員
パターン3は結構なのですけれども、パターン1と2の場合に、なぜ不採算になるのかということが、物価高騰以外に何かあるのですかということです。かなり高い利益率などを算定されておると思いますので、簡単に不採算になりますということは、一般的には考えにくいと私は個人的に、ほかのいろいろな市場のマーケットを考えた場合は思うのですけれども、いかがなのでしょうか、そこは。
○宮田日本医療機器産業連合会副会長
恐らく、パターン1と2の場合、どれだけ実際に逆ざやになっていて、不採算要望を出していないかというのが、我々の中で、今、把握できていないのですけれども、恐らく、そういった場合、不採算要望を出していないというのは、もちろん先ほどもありました、もともと価格が安いというところから起因しているのではないかなと思っております。
○笠木部会長
よろしいでしょうか。
お願いいたします。
○玉井米国医療機器・IVD工業会会長
すみません、補足をさせていただきます。AMDDの玉井でございます。
今、松本委員御指摘のパターン1、2の場合に、なかなか不採算になる可能性は低いのではないかという御質問についてなのですけれども、実際には、昨今のインフレ、そして、コストの上昇というのは相当のものがございます。
例えば、原材料、先ほど7ページのところでありましたが、追加して申し上げますと、医療機器においては、物流費、そして、委託在庫管理費、そういったものも物すごく医薬品に比べますと、やはりかかる部分がございます。
そうしたものと円安等々を考えると、同時に償還価は、外国参照価格においても、いろいろなシステムで下がる一方ですので、その結果として、実際は不採算になっていくというケースは、それなりに出てくると考えておりまして、そこを、このようなシェアの場合でも、そう陥ったときには、業界そして企業の努力においても適切なタイミングで、しっかり不採算の申請書を上げるという努力を、これからもしていかなければならないのかなと考えております。
○笠木部会長
ありがとうございます。
松本委員、追加でありますでしょうか。
○松本委員
ありがとうございました。
もう一個の要素としては、ここにも実勢価格という言葉が出ておりますけれども、償還価格と実勢価格に何らかの差があるのだと思いますので、普通、価格決定力が強いと、実勢価格が下がるということは、我々は考えにくいのですけれども、この業界は下がると理解しなくてはいけないのであれば、そのように理解はしておきますけれども、そういうことなのですかね。
○笠木部会長
いかがでしょうか。
○宮田日本医療機器産業連合会副会長
償還価格が下がるので、実勢価格が上がったように見えるというのでしょうか。
○松本委員
そういうリンクでのことということですか。
○宮田日本医療機器産業連合会副会長
そうです。
○松本委員
分かりました。ありがとうございました。
○笠木部会長
ありがとうございます。
先ほど、少し事務局のほうにもと、松本委員から言及もありましたけれども、もし何か補足していただく点がありましたら、お願いいたします。
○梅木医療技術評価推進室長
事務局でございます。
パターン3についての個別具体的なところについては、お答えを差し控えさせていただきたいと思います。
以上です。
○笠木部会長
どうもありがとうございました。
そのほか、御意見、御質問等ありましたら、挙手をお願いいたします。
それでは、永井委員から御発言をお願いいたします。
○永井委員
御説明ありがとうございました。
私からは、まず、材-3、8ページのところですが、8月の部会での意見ということで、こちらは、前任の佐保からの質問への御回答かと思っております。ありがとうございます。
このときの質問の趣旨は、その前のページの安定供給に関するアンケート調査に関してのものでありましたので、お答えいただいた医療現場の状況ということよりは、アンケートのほうの企業における現場の状況を、もう少し知りたい、働き方がどうなっているかということを知りたいということで聞いておりましたので、もし補足があれば教えていただければと思います。
一方、検査の自動化などによる医療従事者の負担軽減は重要と考えますが、茂松委員から御指摘がありました、国民皆保険の中でどう考えるのかという点に加えて、労働時間が短縮されたとしても、その時間はほかの業務を行ったりすると思いますので、まずは現場への影響、これは医療現場のほうですが、それについての効果はどうなのか検証するところからやっていくということだと考えておりますので、その点を申し加えたいと思います。
もう一つは、材-1に関してですが、先ほども御指摘のあった11ページのところの不採算品と安定供給については、私も気になっていたところなのですが、他の委員からご質問などもありましたので、質問しようと思っておりましたが、こちらは控えておこうと思います。
以上です。
○笠木部会長
どうもありがとうございました。
ただいま、永井委員より御質問を1点、資料材-1の8ページのところで、企業における働き方の問題について、もし何かあればということで御質問がございましたけれども、いかがでしょうか。関係業界のほうから、もしありましたらお願いいたします。
○小野日本臨床検査薬協会会長
企業側の働き方の改革につきましては、我々も一般の企業と同じですので、それなりの努力は通常やっております。
ただ、医療に関わるものとしますと、例えば、昨今の社会情勢がありますので、今一番問題としていますのは、我々の場合、原材料の確保ですね、それに関わる部分のいろいろな輸送のコストであったり、ロットを確保するコストとか、そういうものが価格に関しては、結構影響が大きく出ていると思います。
補足する点は、私のほうからは以上でございます。
○笠木部会長
よろしいでしょうか。ありがとうございました。
そのほか、御質問、御意見等ありましたら、挙手をお願いいたします。
茂松委員、御発言をお願いいたします。
○茂松委員
たびたびすみません、確認なのですが、私は質問の中で、一案として逆ざやになる場合、その価格に決定した根拠とともに、企業が厚生労働省に報告したらどうかということを述べたのですけれども、それについては、いかがなのですかね。
○笠木部会長
この点、いかがでしょうか。
○宮田日本医療機器産業連合会副会長
逆ざやになった場合に、厚生労働省に。
○茂松委員
企業側から、こういう根拠でこうなっているということをきちんと報告を上げていただく、これをしっかりしていただくと、大分変わるのではないかと思うのですけれども。
○宮田日本医療機器産業連合会副会長
確かにおっしゃられるとおり、今、逆ざやになって直接厚生労働省にお話しするというパイプがございませんので、そういったことは、今後検討していくというのは、重要ではないかなと思います。
○茂松委員
ありがとうございます。
先ほども少しお聞きしましたが、事務局は、この点はいかがなのでしょうか。先ほども、なかなか、いろいろ受け入れられないようなこともありましたが。
○笠木部会長
事務局から御発言をお願いいたします。
○梅木医療技術評価推進室長
事務局でございます。
今回の御意見を踏まえまして検討させていただきたいという状況かと思います。
以上です。
○茂松委員
たびたび検討、検討ということなのですが、ここをしっかり受けていただくと、逆ざやは、本当に少しずつ改善されてくると思うのです。そういうことがない限り、本当に今までずっと関わってきていますけれども、改善してきておりません。やはりそこをしっかりと連携を図っていただいてやっていただきたいと思っております。
以上です。
○笠木部会長
どうもありがとうございました。
そのほか、御意見、御質問等ありますでしょうか。
飯塚委員、オンラインで手を挙げていらっしゃいますので、御発言をお願いいたします。
○飯塚委員
ありがとうございます。
28ページの逆ざや解消の件なのですが、今回、提案が事務局からされているわけなのですが、そもそもどのような場合に逆ざやが発生するのかというのが、まだ理解が足りないのかなと、少なくとも私は理解が少ないのですけれども、業界の皆様から教えていただきたいと思います。例えば、低価格品なのか、高価格品なのか、輸入品なのか、国産品なのか、古い製品なのか、新製品なのか、何か典型的なパターンが、もしあるようでしたら、手短に幾つか御説明いただけないでしょうか。
○笠木部会長
ありがとうございます。
逆ざやになっている製品の具体的なイメージというところですが、いかがでしょうか。
○宮田日本医療機器産業連合会副会長
副会長の宮田でございます。
なぜ逆ざやになるかというところですけれども、基本的には、この特定医療保険材料は、機能区分の中にくくられますので、個別の製品があったとしても、それぞれに価格がないと、常に償還価格は一定であるということでございますので、逆ざやになる一番の要因というのは、やはり償還価の下落が年々厳しくなってきていると。
そういう中で、先ほどからありますような原材料の高騰だったり、いわゆる原価が非常に高くなってきているところが一番のポイントではないかと思います。
ですので、先ほどありましたように、新しい製品だから下がる、高い製品だからというのは、同じ償還価の中の区分の中では、全て同一価格の価格帯になっていますので、そういったことは少ないのではないかと思います。
あと、古いものに関しましては、下がりやすい傾向にはなるのかもしれません。その中で、新しい製品があったり、古い製品が同じ保険の償還価格の中にございますので、それによって調査を行ったときに、古い製品に引っ張られて償還価が下がるというケースはあるのではないかなと思います。
国内と海外においては、やはり為替の問題が多分あるのかもしれませんけれども、その影響が一番大きいのではないかなと思います。
○森欧州ビジネス協会医療機器・IVD委員会委員長
為替につきましては、特に我々は欧州を代表しておりますけれども、ユーロは、もう記録的な高さになっていまして、一時的なものかなと思っていたのですけれども、全然一時的なものではなくて、ずっと上がり続けていまして、実際には、日本での単価はどんどん下がっているという状態になって、日本のマーケットとしての魅力もどんどん薄れているという状況です。
そんな中、やはり医療機器メーカーとしても、患者様に対する、医療機関に対する義務ということから、なかなか値上げをすることもできず、何とか踏ん張っているという状況でございます。
○玉井米国医療機器・IVD工業会会長
すみません、さらに追加なのですけれども、材の資料の9ページで、医機連さんのほうで説明いただいたところですけれども、まさに、ここに1つの本当に客観的なデータが出ているかなと思っておりまして、これは、外国の平均価格の相加平均の推移と、日本の償還価の移動が、ワニの口のようになってしまっているというのが実態としてありまして、この状況下において、やはり、逆ざや、もしくは不採算が増えてしまっている現状というのは、客観的にもかなり見えていると思います。
具体的な詳細のデータは、業界のほうでは全て把握できず、どちらかというと、厚生労働省さんのほうにデータがあると思いますが、その中で我々としては、傾向としては、こういうものも見えておりますし、では外国企業の製品がそうなのかと言われると、今の物流サプライチェーンは、多分、全世界で展開していますので、ヨーロッパ、ドル、様々な通貨の中で日本の為替がこれだけ弱くなっていることと、やはりインフレの状況を全て入れますと、こういうことが本当に喫緊の課題として出ていると、私としましても考えております。
○笠木部会長
ありがとうございました。
そのほか、御発言、御質問の御希望はありますでしょうか。
それでは、森委員、御発言をお願いいたします。
○森委員
飯塚委員の質問に関連してですが、機能区分で395区分は、区分全体で逆ざやになっているという結果が出ているのですけれども、その要因について、また区分全体で出ているものと、出ていないもので何が異なるのか等分析されていますでしょうか。
○笠木部会長
いかがでしょうか。
○宮田日本医療機器産業連合会副会長
我々の中では、なかなか把握できていないですね。
○森委員
ということは、その区分は、今後、どの品目を購入しても、逆ざやということになってしまうと思います。
○宮田日本医療機器産業連合会副会長
そうです。
○森委員
なぜそうなっているのかということをしっかり分析していただかないと、購入側は、ずっとその区分のものを購入するときは逆ざやになってしまうと思います。
○宮田日本医療機器産業連合会副会長
我々業界側としては、他社さんがどういった不採算を出しているかというのが把握できないので、逆ざやがどれだけあるのかというのが、業界側でデータがないというか、そういう状況なので、そこがすごく分からないというのは、正直なところです。
○森委員
ただ、そこを改善していかないと、ずっと逆ザヤが続いてしまうと思いますので、ぜひお願いしたいと思います。
○宮田日本医療機器産業連合会副会長
はい、その辺は厚労省からの情報開示とか、そういったものをしながらやっていく必要性があるのかなとは思っております。
○笠木部会長
ありがとうございました。
そのほか、御発言、御質問の御希望はありますでしょうか。
ありがとうございました。
それでは、大体御意見、御質問が出尽くしたようですので、本日、関係業界からの意見陳述については、ここまでとさせていただきます。
本日の議題は以上となっております。
次回の日程につきましては、追って事務局より御連絡いただきます。
それでは、本日の「保険医療材料専門部会」は、これにて閉会といたします。どうもありがとうございました。