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- 2025年11月12日 中央社会保険医療協議会 保険医療材料専門部会 第133回議事録
2025年11月12日 中央社会保険医療協議会 保険医療材料専門部会 第133回議事録
日時
令和7年11月12日(水) 費用対効果評価専門部会終了後~
場所
厚生労働省講堂(低層棟2階)
出席者
- 構成員等
-
- 笠木映里部会長
- 永瀬伸子委員
- 城山英明委員
- 飯塚敏晃委員
- 松本真人委員
- 永井幸子委員
- 奥田好秀委員
- 伊藤徳宇委員
- 茂松茂人委員
- 太田圭洋委員
- 大杉和司委員
- 森昌平委員
- 守田恭彦専門委員
- 前田桂専門委員
- 青木幸生専門委員
- 事務局
-
- 間保険局長
- 林医療課長
- 梅木医療技術評価推進室長
- 吉田保険医療企画調査室長
- 和田歯科医療管理官
- 清原薬剤管理官 他
議題
保険医療材料制度の見直しに関する検討(その3)について
議事
○笠木部会長
それでは、ただいまより、第133回「中央社会保険医療協議会 保険医療材料専門部会」を開催いたします。
本日も対面を基本としつつ、オンラインも組み合わせての開催としております。また、会議の公開については、ユーチューブによるライブ配信で行うこととしております。
まず、本日の委員の出欠状況について御報告いたします。
本日は、全委員が御出席です。
なお、会議冒頭のカメラの頭撮りはここまでとさせていただきます。
(カメラ退室)
○笠木部会長
それでは、議事に入らせていただきます。
本日は「保険医療材料制度の見直しに関する検討(その3)について」を議題といたします。
事務局より資料が提出されておりますので、御説明をお願いいたします。
○梅木医療技術評価推進室長
事務局、医療技術評価推進室長でございます。
材-1「保険医療材料制度の見直しに関する検討(その3)」を説明いたします。
まず、次のページでございますが、令和8年度改定に向けた主な項目一覧となっております。
3ページ目は、全体のスケジュールの中での本日の位置づけ。
4ページが、本日の項目一覧となっております。
大項目としては、4項目ということになります。
では、1つ目、5ページに移りまして、医療機器の安定供給に係る事項、特材における物価上昇への対応ということで、不採算品の再算定の拡充、逆ざやへの対応をお示しいたします。
まず、6ページを御覧ください。
医療機器等における安定供給に関する報告件数をお載せしているものになります。
1つ目の○から行きますが、厚労省への報告のあった件数は年々増加というところと、令和6年度における安定供給への支障の原因としては、薬事上の問題が最も多いという結果になってございます。
7ページでございますが、業界からの御要望があったものと、実際に見直しがなされた機能区分数をそれぞれお示ししております。
8ページに移ります。
専門組織からの御意見、それから、業界からの御意見をお載せしております。
専門組織からは、不採算品再算定の拡充についての検討、業界からの御要望でございますが、1つ目でございますが、原材料・部材の価格が高騰しており、厳しい状況であるといったこと。
真ん中辺りでございますが、不採算品再算定の対象機能区分の選定の基準の代替困難性に関する要件への該当性の判断が難しい。あるいは、その下で逆ざやとなる機能区分数の調査の上、対応を御検討といった御意見がございます。
9ページに移ります。
「不採算品再算定」のところでございます。「背景・経緯」のところ、供給が著しく困難で十分償還されていない特材については、製造販売業者等からの要望を踏まえ、不採算品再算定として原価計算による保険償還価格の引上げを行っております。令和6年におきましては、34機能区分で引上げが行われました。
この不採算品再算定の対象品目の基準でございますが、お載せしておりますように、ア、イ、ウということになります。
アのところについては、代替困難性に関する要件ということで、この部分について、令和6年度の改定において、以下のイメージを御覧いただければと思いますが、このような対応をしております。
赤のA社の部分が撤退した場合においては、他社で代替が困難ということでございますので、この部分、シェアが100%でない場合であっても代替するものがないという場合があるということで、この明確化を図ったところでございます。
10ページにお移りいただきまして「現状・課題」でございます。業界からの御意見、または1社でシェアの大半を占めない場合の代替困難性に関する考え方の整理が必要ではないかということで、論点に移りまして、お示ししているのが、パターン1、パターン2、パターン3という形で、同一機能区分内のシェアの状況を踏まえて考え方を整理してはどうかとしております。
パターン1は、令和6年度改定においての対応部分、本日は、パターン2についてお示しをしております。
パターン1ではなく、上位2社で同一機能区分内のシェアの大半を占める場合は、両者が供給困難となった場合においては、安定供給に支障を来すと考えられるため、この要件を満たすとしてはどうかとしております。
パターン3については、供給困難とまでは言えないということでの論点をお示ししております。
続きまして、11ページでございます。
逆ざやへの対応ということでありまして、用語の整理でございます。逆ざやとは、実勢価格が保険償還価格を上回る状態ということで、この実勢価格は、販売側と購入側の価格交渉によって決定されます。
逆ざやの機能区分数をお示ししておりますが、平成30年以降も基本的にはございまして、その機能区分の割合は増加傾向であるということになります。
実勢価格に基づく再算定ということをやってきておりますけれども、基本的には、算定値に一定の幅を加算した額ということで、基本的に改定前の基準材料価格を超えないといった制限がございます。
その次のスライドに移りまして、逆ざやへの対応でございますが、この至る例としましては、販売側が価格を引き上げた際に、購入側が受け入れざるを得ないという状況が考えられます。
供給側による価格決定力が強い状況、例えば、同一機能区分内でシェアが独占的である場合といったところでは、実勢価格が上昇し続ける可能性があるとしております。
13ページにお移りください。
「現状・課題」の1つ目でございますけれども、逆ざやへの対応の検討あるいは市場の実勢価格加重平均値一定幅方式において、改定前の償還価格を超えることを可能とするような御意見もございました。
一方で、逆ざやのところにつきましての不採算品再算定以外での枠組みの対応を検討する必要があるのではないかと、御意見がございます。
そういったところで、論点に移りますけれども、こちらについても、シェア要件というか、シェアにおいて少し考え方を分けてはどうかという御提案です。
パターン1、パターン2、パターン3という形になりますが、パターン1、2につきましては、供給側の決定能力が高いということで、実勢価格に基づいて保険償還価格を引き上げるというのは、なかなか難しいのではないかと、この場合において不採算品再算定による対応というところは、別途検討であろうと。
2つ目の○でございますが、パターン3については、競争的市場ということで、実勢価格は市場均衡価格を示しているという可能性が高く、実勢価格に基づいて、保険償還価格を引き上げるということを御提案するものでございます。
この場合の保険償還価格の引上げにおいては、実勢価格の加重平均値や物価上昇等を参考にして設定するということの御検討も論点出しをしております。
続きまして、14ページ以降が、内外価格差等の是正ということで、新規収載品と既収載品の調整についての話になります。
15ページが、それぞれ組織、業界からの御意見をお載せしております。
16ページが、新規収載品に係る外国価格調整の現行のものをお載せしたものになります。
17ページに移りまして、令和6年4月から令和7年の9月までの期間の24品目の中で、一部除外をして残り17品目で調査した結果でございます。
ルールをそれぞれ①と②という形で分けておりまして、その下のほうに参考としてルール①、ルール②をそれぞれお載せしておりますが、それぞれに適用されたものを9品目あるいは1品目という形で分析をしております。
続きまして、18ページでございますが、1つ目の○では、外国平均価格に基づく外国価格調整の品目はございませんでした。
また、外国平均価格に対する比でございますが、中央値は0.77、平均値は0.72ということで、年々低下していく傾向にございます。
19ページに移りまして、そういった現状分析を踏まえまして、論点になります。
このルール①、ルール②を含めまして、今回の御提案としては、外国平均価格の算出方法は変更しない、また、外国価格調整における比較水準も変更しないという形での御提案となります。
これが新規収載品に係る御提案でございまして「既収載品に係る外国価格再算定」に移ります。
20ページに移りまして「背景・経緯」のところの対象でございますが、その対象となる機能区分数は減少傾向でございます。
外国平均価格の計算方法でございますが、アメリカ、連合王国、ドイツ、フランス、オーストラリアの5か国を参照するということになっております。
「再算定、引き下げ幅の上限について」というところでございますが、2つ目の○に、令和2年度の改定におきまして、さらなる是正を図るということで、最大引下げ幅が25%から50%に変更されております。
令和2年度、令和4年度に、実際に引下げの50%となったものが1区分、2区分がございました。
この点につきまして、21ページに移りまして、業界からは、以下の事例等に基づいて最大引下げ幅の見直しを求める意見がございました。
119機械弁でございます。
再算定の対象となりまして、価格調整が50%ということで段階的に引下げが行われております。
最終的に、企業側としては十分な利益を得ることができないということで不採算となり、A社は要望を出し、B社は撤退という形になって、最終的には、また不採算の対応がなされたということになります。
この件に関しての検討を進めたところ、スライド22になりますけれども、令和3年度、外国価格調査の結果でございまして、その下にお載せしておりますが、二峰性の分布になっております。10~40万円のところと80~100万円の価格帯に回答が分かれておりました。
この低価格帯の部分については、国内での流通が少ない製品が多く含まれており、一方で、高価格帯のところについては、国内8割のシェアを占める製品群の外国価格帯であったということになります。
この点を踏まえまして、23ページでございます。
「現状・課題」のところの1つ目でございますが、この国内での使用状況を反映させた加重平均等により、より適切かつ高い外国平均価格が得られる可能性があると考えておりまして、また、論点に移りますが、この調査の結果に加えまして、国内での使用状況等を考慮して加重平均等により、その平均価格を算出することとしてはどうかという御提案になります。
一方で、最大の引下げ幅については、内外価格差の是正の観点から引き続き50%のままということで、御提案をしております。
続きまして、24ページ以降が「3.保険適用の手続に係る事項」でございます。
25ページに移りまして「医薬品等の適用判定を目的として使用される体外診断用医薬品の保険適用時期」ということでございます。
現状のところでございますが、C2区分の医療機器の中で、医薬品の適用判定の補助を目的として使用される医療機器、それから、医薬品の適用判定の補助に必要なPET、3つ目でございますが、医薬品の適応判定の補助を目的として使用される体外診断用医薬品、それぞれ承認の時期があるということでございます。
こういった中で課題としまして、この専門組織からは、保険適用の時期を合わせて適用してはどうかという御意見をいただいているところでございます。
こういった状況を踏まえまして、論点出しでございますが、医薬品等、これは再生医療等製品を含むということでの適応判定を目的として使用される医療機器、体外診断用医薬品、PETにつきまして、中医協総会において了承されました保険適用日から保険適用とすることができることとしてはどうかという論点になります。
続きまして、26ページ「A3区分(既存技術・変更あり)の保険適用希望の取扱い」でございます。
「現状」のところでございますが、A3区分につきましては、留意事項等に変更を伴うものということになっておりまして、こういった変更を伴うものは、2つ目でありますが、その中には、定義の変更を希望する場合や、技術料の留意事項変更を希望する場合といったものもございます。
一方で、B2の部分については、軽微な変更に当たっては、一部専門組織の委員長が認めた場合には、報告をもって決定案とすることができる運用がなされているという状況がございます。
そういった中で課題でございますが、専門組織からは、軽微な変更にとどまる場合においては、手続を簡略化してはどうかということで御提案をいただいております。
論点としましては、こういったA3区分の保険適用希望書が提出されたもののうちで、一般的な名称の追加のみ等の希望をするものでありまして、事務局による事前確認を経て、希望内容が軽微な変更にとどまるものでございましたら、委員長がお認めいただいた場合には、手続の簡略化をして組織への御報告ということで決定としてはどうかという提案になります。
27ページでございますが「承認事項の一部変更承認等後の保険適用希望に係る取扱い」でございます。
現在、保険適用を希望する医療機器等の製造販売業者は、以下のような場合に保険適用希望書を提出するということが載っております。
その中で、黒い丸の2つ目でございますが、承認事項の一部変更を受けた場合であって、こういった幾つかの該当するものの変更となる場合ということが挙げられております。
一方で、保険適用希望書を提出する場合の希望の内容に係る規定はないといったことでございまして、そういった場合に、課題としましては、○の2つ目でございます。
提出する場合は、一部変更承認等に係る内容以外の内容をお示しすることがあり得るということでありまして、この部分につきまして、あくまで論点としましては、既存の議論というところは、今回その内容に含めず、あくまで保険適用希望が可能な内容は、当該一部変更承認等に係る事項に限るということを明確化させていただきたいというものになります。
続いて、スライドの28ページ「軽微変更届に伴う保険適用希望書の提出」でございます。
課題でございますけれども、専門組織からは、既に保険収載されている特材で、薬事上の軽微変更が適切に行われたもののうち、製造販売業者が構成品追加等を希望する場合の取扱について、対応を検討してはどうかとの意見がございました。
こういった軽微変更届が行われたもののうちで、構成品やサイズバリエーションの追加、一般的名称の変更に伴い該当する機能区分の変更を希望する場合等、保険適用に係る手続が必要な場合があるのではないかといった課題がございます。
そういった中で、論点でございますが、軽微変更届というものは、届出の申請でありまして、簡易相談結果要旨によりまして、PMDAの確認を経ているか確認すべきではないかということでございまして、その場合の決定区分は、B1に該当する場合でございますが、その部分について、保険適用希望書を提出することができるようにしてはどうかという論点になっております。
続きまして、スライドの29に移りますけれども「保険適用希望書の様式の見直し」となっております。
現状、御覧のような様式がございまして、この部分の課題でございますけれども、専門組織からは、この様式の見直しということの検討をしてはどうかという御意見がございます。
実際、その下でありますけれども、近年、企業から提示される保険適用書というところで、提出の数であるとか、提出されるデータ、資料の量というのは増加傾向にあるということでありますので、この保険適用希望書においては、特に重要な論点を、簡潔に要点を整理して記載することとしてはどうかとしております。
スライドの30に移りまして「製造販売業者からの不服意見の取扱い及び同意が得られない場合の取扱い」でございます。
現状、製造販売業者が保材専の決定案に不服があるといった場合は、不服の意見書を提出するということでございます。
下に書いてある3つのところで、提出方法がされておりまして、基本的には当該通知を受けた日から起算して7日以内という形で提出することになっております。
課題でございますけれども、この保材専から手続をより円滑に進めるためということで、この保材専審議後の手続について、さらなる明確化の検討という御意見がございます。保材専の決定案に対しまして、企業が保険適用不服意見書を提出した後に、追加資料の準備等により、2回目の保材専での審議が遅れる場合があります。また、2回目の保材専での審議後に、企業から同意が得られない場合があるということで、こちらについての検討ということになっております。
論点でございますけれども、原則としましては、不服意見が提出された翌月に保材専で審議をしたいと考えております。
ただ、やむを得ず、翌月の保材専に追加資料の準備等が間に合わずに、保険適用希望書を取り下げた場合であって、再度提出をされたといった場合には、1回目の保材専の決定案を踏まえまして、手続を進めていきたいと考えております。
また、2回目の保材専後に企業からの同意が得らないといった場合には、取り下げたものとしての取扱いをしてはどうかという御提案になります。
続きまして「4.その他の事項」が31ページ以降でございます。
スライドの32「市場拡大再算定」の部分に移ります。
保材専からの御意見というところでございますが、特材、それから検査料等の技術料に包括されて評価される医療機器や、体外診断用医薬品に対する市場拡大再算定の手続というところでの明確化の検討でございます。
現状でございますが、令和2年度の改定において、医療材料につきましても、市場の拡大といったところによって、財政影響が無視できない範囲に及ぶということもあり得ることから、特材の市場拡大の再算定、それから技術料の見直しに係る手続が導入されております。
この部分で累次の改定におきましては、この対象品目はないところでございますが、まず、特定保険医療材料の市場拡大再算定に当たっての計算式が、34ページにお示ししております。
一方で、32ページにお戻りいただきまして、技術料の見直しに係る手続は規定されておりますが、この技術料の見直しのところに関する計算式が、まだ規定されていないという現状を踏まえまして、今回計算式について御提案をするものになっております。
スライドに少し参考資料がありますので飛ばしまして、38ページに移ります。
課題でございますが、先ほど申しましたとおり、算定方法が明らかでないということと、あとは、技術料の見直しということでございますので、専門組織のみでの検討が困難な場合があるのではないかという課題がございます。
論点に移りまして、技術料の見直しを行う場合の算定方法については、技術料は、既存技術料の準用で設定されているという原則があります。
特定保険医療材料の市場拡大再算定の再算定の式に準じまして、以下のとおり設定することとしてはどうかと考えております。
技術料の見直しに係る計算式はβというところで、その技術料の中に含まれているような医療機器や体外診断用の医薬品のところを切り分けた上での改定後の技術料の計算をしていきたいと考えております。
また、手続につきましては、保材専において検討した後で、中医協総会で御議論をさせていただけないかという御提案になっております。
駆け足でございますが、(その3)の資料の御説明は以上となります。
○笠木部会長
御説明ありがとうございました。
ただいま、大きく4つの事項について御説明いただいたかと思いますけれども、いずれの点につきましても、御質問、御意見などがありましたらお願いいたします。
茂松委員、お願いいたします。
○茂松委員
御説明ありがとうございます。
まず、10ページの論点に示された内容については、異論はございません。
ただ、11ページに示されましたとおり、全体の3割以上で逆ざやが生じているという状況は、医療機関にとっては、現在の時点で甚だ深刻な状況であろうと思っておりますし、適切な対応が求められるところでございます。
今回の論点では、同一機能区分内のシェア状況に応じた対応を御提案いただきましたが、1つ目の◯のシェアが独占的である、いわゆるパターン1、2については、不採算品再算定による対応が提案されております。
確かに実質的に企業が価格を決定できる状況で、企業の言い値に応じて保険償還価格を設定するのは難しいだろうと理解はいたしますが、その場合に、不採算品再算定で対応するとなると、企業としては、言い値で売る以上は不採算とならず、結局は逆ざやが解消されないという懸念がございます。
この問題は、流通環境の改善などと併せまして対応すべきことでありますが、保険償還価格の在り方について、再度、もう少し検討が必要であるのではないかと思っております。
2つ目の○のシェアが分散している場合、パターン3についてです。
確かに市場で競争が生じているのであれば、適切な実勢価格になっていると思われますが、その場合であっても、製品の原価や利益率なども踏まえた上で適正価格であることを検証する仕組みもあってよいのではないかと考えます。
その次は、19ページの論点に示された内容に異論はございません。
23ページの論点につきましては、事務局に1つ質問がございます。国内での使用状況等を考慮して加重平均等により算出することとしてはどうかとありますが、国内での使用状況はどのように把握するのでしょうか。医療機器は機能区分制なので、NDBでも個々の銘柄の使用数は分からないと認識しておりますが、その点について、現時点で想定されていることがありましたら、教えていただければと思います。
また、最大引下げ幅については、引き続き最大50%のままとした場合であっても、販売を終了する会社が出たり、また、不採算に陥り、再算定で価格を引き上げるような事態は起こらないのかと考えてよいのでしょうか。この根拠がありましたら、教えていただければと思います。
25ページ、26ページの論点に示した内容に異論はございません。
27ページの論点に示された内容につきましても、おおむね異論ありませんが、事務局に1つ質問がございます。
企業が一部変更に関すること以外の内容も含めて、希望書に記載する背景等について、具体的な事例がありましたら教えていただければと思います。
28~30、また、35、38の論点に示された内容には、異論はございません。
私からは以上です。
○笠木部会長
どうもありがとうございました。
ただいま2点御質問がありましたので、事務局からお答えいただければと思います。
○梅木医療技術評価推進室長
事務局でございます。
まず、スライド23の調査のところです。国内状況を考慮して算出することとしてはどうかということでございますが、こちらにつきましては、現在、我々のほうでは、材料価格調査というところで、機能区分内のシェアというのを把握していきたいと考えております。
また、今回の最大引下げ幅は、50%を維持したいということで我々は提案しております。
この点につきましては、今回お示ししたような119の機械弁については対応できるものと考えておりまして、それ以外の場合というのは、絶対に起きないかというところを保証するものではございませんが、外国価格の調整の対象となる品目というのが、基本的には少ないものでございますから、該当する品目ごとに少し丁寧に見ていきながら、適切に対応してまいりたいと考えております。
スライド27のところでございますけれども、こちらにつきましては、課題のところに少し載せておりますけれども、その内容としましては、課題の○の2つ目でございますが、内容として過去の保材専において審議済みの内容というものが想定されると、ここで書いてございます。
この部分について、過去にそういった事例があり得るということでございますが、内容につきましては、企業との内容ということになりますので、具体的な内容は少し控えさせていただければと思っております。
以上です。
○笠木部会長
ありがとうございました。
茂松委員、いかがでしょうか。
○茂松委員
ありがとうございます。
とにかく医療機器につきまして、国内においてどれぐらい使われているかの把握をきっちりとつかんでいただくことは非常に重要かと思います。
それと、最大引下げを50%にしまして、その後の販売を終了するとか、不採算に陥るとか、そういうことが多分出てくる可能性もあろうかと思いますので、丁寧に観察をしていただければと思っております。
そして、27の論点のところでございますが、これも、やはり既存の適用などについていろいろ出てくると、これも非常に問題が生じるのではないかと思っておりますので、その辺は、しっかりと丁寧に見ていただきますように、よろしくお願いしたいと思います。
以上です。
○笠木部会長
ありがとうございます。
そのほか、御意見等いかがでしょうか。
では、太田
委員、お願いいたします。
○太田委員
ありがとうございます。
私からも、いわゆる逆ざやの対応策に関して少し質問と、あと、意見をさせていただければと思います。
先ほど茂松委員からもありましたが、11ページに示されておりますように、今は、もう3割近い保険医療材料が機能区分としては、逆ざやになっていると、これは本当に医療機関としては大変な状況だと思っております。
それの対応策として、今回10ページに、いわゆる不採算品再算定による対応がパターン1、パターン2、また、13ページにパターン3に関して、競合しているところに対しての対応策というのをいただいたわけなのですが、パターン1、また、今回パターン2で再算定を認めるという形の提案です。不採算品再算定は、メーカーからの申出で再算定が行われるという制度です。今まででもパターン1では、再算定を企業側が申請することができたのですけれども、今まで、これだけ逆ざやの商品があった中で、どれぐらい行われてきているのか、それに関して何かデータ等ございましたら、少し回答をいただけたらと思うのですが。
○笠木部会長
事務局からお答えいただけますでしょうか。
○梅木医療技術評価推進室長
まず、スライドの7が該当するかどうかでございますけれども、こちらにつきましては、パターン1の中で、要は要望があったものということになりますので、令和6からの改定でございますが、79、78という形で今回御要望が上がってきているということになります。
その中で、実際に令和6年度でありますけれども、34の機能区分に対応が行われたということになります。
○太田委員
すみません、何が聞きたいかと言いますと、企業側がしっかりと再算定を申請していただいて、パターン1、パターン2に関して逆ざやの解消に取り組んでいただければいいのですけれども、もし、そうではなかった場合に、ちゃんとそれをモニターして、何らかの形で逆ざやを解消するような仕組みが、今回の対応で得られるかというのが、私自身として懸念しているところでございますので、それに対しても、今回、制度設計を考えられるときには御配慮いただきたいと思います。
13ページの続きなのですけれども、パターン3の部分に関しては、これは企業側からの申出がなくても、事務局のほうで把握をして価格の設定を行うことが、今、想定されているということでしょうか。
○梅木医療技術評価推進室長
事務局でございますが、委員の御認識のとおりでございます。
○太田委員
了解いたしました。しっかりと状況を把握して御対応いただきたいと思います。
最後は意見なのですが、今回保材専で話をする内容ではないのかもしれませんが、技術料に包括されている医療材料に関しても、今、医療機関は非常に大変なことになっています。ぜひとも、そちらに関しましてもしっかり把握していただきまして、対応策のほうを御検討いただければと思います。
以上です。
○笠木部会長
どうもありがとうございました。
そのほかの点、御意見、コメントなどいかがでしょうか。
大杉委員、御発言をお願いいたします。
○大杉委員
ありがとうございます。
13ページの逆ざやへの対応の論点に沿って、歯科の立場で要望させていただきたいと思います。
過去の改定において、企業申請により、不採算品再算定の申請はありましたけれども、少なからず、償還価格が実勢価格を下回る特定保険医療材料は、先ほど各委員からの御意見にもありましたように、11ページに示されているように多数あると思っています。
歯科の材料等の業界もそれほど企業数が多いわけではありませんので、数社のみである機能区分を独占するケースも多いと思われますので、パターン1及び2が多いと思います。
そのような場合、企業の申請がない限り、この逆ざやは解消されず、歯科医療機関にしわ寄せが行っているところであります。
非常によい材料が、それに見合う評価を受けるためにも、不採算品再算定による仕組みなどありますけれども、歯科材料の状況も把握していただき、対応していただきたいと要望いたします。
以上でございます。
○笠木部会長
どうもありがとうございました。
それでは、森委員、お願いいたします。
○森委員
ありがとうございます。
私も11ページ目の逆ざやについてコメントをさせていただきたいと思っております。
まず、以前から発言をさせていただいていますけれども、薬局においては、卸からの購入価格が全体平均で見ても逆ざやとなっており、現場は逆ざやの医療材料を提供すればするほどマイナスで大変困っていますが、患者さんへの適切な医療提供のために、踏ん張っているところです。
11ページ目の逆ざやの機能区分の395区分が全体の31%も逆ざやになっていることに、正直驚いています。逆ざやがあっても、それは当たり前という認識になってしまっているのではないかと懸念しています。機能区分全体では逆ざやとなっていなくても、区分の中で逆ざやとなっている品目もかなり多いのではないかと思います。事務局で数を把握しているのであれば、まず、教えていただきたいと思います。
○笠木部会長
事務局からお答えをお願いいたします。
○南川医療機器政策室長
ありがとうございます。
特定保険医療材料価格調査、今回の調査ですけれども、御存じのとおり、多くの調査客体であったりの協力は不可欠なものである上に、このデータについては、個々の企業及び製造販売業者の営業の秘密に関わるものであることですから、調査対象の秘密の保護であったり、今後の調査の実施への影響の配慮が必要だと考えております。
今回御指摘いただいた品目数単位でのデータについては、現在の調査項目の問題であったりとか、各機能区分で販売されている製品数に差があることは、結果の解釈等は困難があることなので、そういう意味では慎重な対応が必要かなと思っておりますが、今回の御指摘については、関係者の御意見もいただきながら慎重に検討していければなと思っています。
○森委員
ありがとうございます。
言えないということは理解をしましたけれども、ただ、逆ざやはかなり多いのではないかとは思っております。逆ざや解消に向けての対応というのは不可欠だと考えております。
それで、13ページ目の論点の1つ目の○ですけれども、先ほど茂松委員からもありましたけれども、例えば、1社品のように、それを使用しないと医療提供できないような場合は、供給側の決定力が強くて言い値となり、交渉による実勢価格として扱うことは難しいのではないかと考えております。
逆ざやについては、様々な要因が考えられると思います。パターン1~3まで、シェアによっても要因が異なると考えますが、公定価格が設定されていることを踏まえて、逆ざや防止に向けた対応が不可欠です。
販売側には、2点、お願いしたいと思います。太田委員からもありましたけれども、逆ざや解消に向けて、ぜひ取組をお願いしたいということ。
2点目が、医療材料が医療提供に必要なもの、医療保険制度の中で使用されているもの、償還価格が決められているものということを踏まえた価格提示をお願いしたいと考えます。
厚生労働省においては、関係部署と連携していただき、逆ざやの解消に向けた対応を御検討いただければと思います。
私からは以上です。
○笠木部会長
ありがとうございました。
そのほかの委員から、御質問等ありますでしょうか。
それでは、松本委員、御発言をお願いいたします。
○松本委員
ありがとうございます。
事務局から御提案のあった内容については、全体としては異論ありませんので、この方向性に沿って具体的な条件や基準を事務局は整理いただければと思いますが、幾つか論点についてコメントいたしますが、その前に6ページにある安定供給に関する報告件数というのを報告しているところは、メーカーと卸だけという理解でいいのか、といいますのは、ここに挙がっているものの中で、不採算とか逆ざやは、ほとんど挙がっていないのですけれども、次の資料の中では、その話が大半を占めておりますので、その辺を確認させていただきたいというのが1点ございます。
コメントですけれども、まず、10ページにあります不採算品再算定と、13ページの逆ざやの対応につきましては、原材料費や輸入原価等の上昇にも配慮しつつ、一斉に救済するのではなく、パターンを分けて対応することは適当だと考えます。
ただ、不採算品再算定につきましては、薬価の議論の際にも指摘いたしましたが、あくまでも値引きの調整弁にならないように、くれぐれもお願いしたいと思います。
また、逆ざやの対応については、例えば、パターン3などを見てみますと、3社以上の競合だと、供給側の価格決定力が弱いということを前提にしておりますけれども、13ページの赤枠を見てみますと、あくまで市場均衡価格の可能性が高いという、ある意味、普通の市場のレベル感という印象も受けます。
競争的市場であることを慎重に判断していただくこと、保険償還率の引上げにおいて市場実勢価格の加重平均値と物価上昇率のほかにどのような要素を考慮すべきか、事務局でさらに考え方の整理をお願いしたいと思います。
続きまして、15ページからの「内外価格差等の是正」についてですけれども、20ページから示されております、既収載品の再算定で参照する外国価格を国内の実態を踏まえて加重平均することは、不採算の発生を抑制するための措置として理解はしております。
その他の調整ルールにつきましては、現状維持で異論ありませんが、引き続き内外価格差の動向を注視するよう、事務局にはお願いしたいと思います。
最後に、市場拡大再算定については、35ページの特定保険医療材料、38ページの技術料に包括される医療機器及び体外診断薬についてもルールの明確化を図り、国民皆保険制度の持続可能性の確保につなげるべきだと考えます。
私からは以上でございます。
○笠木部会長
ありがとうございました。
ただいま、松本委員から資料の6ページについての御質問があったと思いますけれども、事務局からお答えいただけますでしょうか。
○南川医療機器政策室長
御質問ありがとうございます。医療機器政策室長のほうからお答えさせていただきます。
この資料の報告につきましては、製造販売業者から安定供給が困難に至ることがある場合に、供給不安報告をいただいていて、供給停止に至る場合については、供給終了報告をいただいているものになっております。
この所定の様式で報告いただいたものを事務局のほうで、それぞれ原因について分類させていただいております。
例えば、薬事上の問題の部分については、供給不安とかがありますが、ここについては、薬事上求められる表記の部分が不十分ではないかと製造販売業者が考え、報告してきたものに対して、我々のほうで一定の手続とかをした上で、実際には供給不安には至らなかったという部分も含まれております。
厚労省としては、引き続き供給不安報告が上がってきたものに対して、適宜適切に対応しながら現場への影響が少なくなるよう努力していきたいと思っています。
以上です。
○笠木部会長
ありがとうございました。
松本委員、いかがでしょうか。
○松本委員
分かりました。報告をしてきているのは製造業者だけだと理解いたしました。ありがとうございました。
○笠木部会長
そのほかの点につきまして、御質問、御意見などありますでしょうか。
もし、専門委員からも御意見がありましたら、お願いいたします。
そうしましたら、前田専門委員、お願いいたします。
○前田専門委員
ありがとうございます。
まず、本日、4つの大きな検討事項につきまして、様々な現実的な対応を論点として整理いただき、ありがとうございました。
特に「1.医療機器の安定供給に係る事項」、不採算品再算定や逆ざや製品に対する対応を、データを用いて丁寧に整理していただいたこと、本当にありがとうございました。
特に、逆ざや製品に対する不採算品再算定以外の枠組みでの対応案、こちらをお示しいただいたことは、昨今の物価上昇への対応として新たな考え方となると受け止めております。これに対して感謝を申し上げます。
また、一方で、複数の委員から御指摘があったとおり、販売側としても、引き続き責任ある対応をしていくこと、これが非常に大切と考えております。
続きまして、32ページ以降の4、市場拡大再算定について、私からコメントをさせていただきます。
市場拡大再算定は、当初予測した市場規模、すなわち、これは基準年間販売額となりますけれども、こちらに比べて実際の販売額が大幅に上回った場合、その場合に価格の見直しを行うものと理解しております。
医療機器は、機能区分制度のため、機能区分全体の推定適用患者数を基に、この基準年間販売額を計算しております。
ところが、今回、35ページにあります論点の○の2番目と3番目、こちらにおきましては、当初予測した年間販売額というものではなく、機能区分が設定された時点、または翌年度の年間算定額を基準年間販売額にするという取扱いが示されております。
医療機器の場合は、多くの場合、導入当初というものは、安全適正使用の確保を目的とした手技のトレーニングの提供等を実施するため、施設を限定して販売を開始したりすることも非常に多くあります。
そのため、機能区分が設定された時点の年間算定額や、次年度といったタイミングでおりますと、推定適用患者数を考慮した年間販売額と異なる可能性が大きくなると想定されます。
つきましては、医療機器の販売実態を考慮した上で、35ページ目の課題にどのように対応すべきか、これを今後の業界意見陳述において、業界から意見を聞くのがよいのではないかと考えております。
以上になります。
○笠木部会長
前田専門委員、御意見ありがとうございました。
そのほかの点につきまして、御質問、コメント等ございましたらお願いいたします。
それでは、ほかに御質問、御意見などないようですので、本件に係る質疑はこのあたりといたしまして、今後事務局において、本日皆様からいただきました御意見も踏まえて、さらに御対応をいただくようお願いいたします。
本日の議題は以上でございます。
次回の日程につきましては、追って事務局より御連絡をさせていただきます。
それでは、本日の「保険医療材料専門部会」は、これにて閉会といたします。どうもありがとうございました。
それでは、ただいまより、第133回「中央社会保険医療協議会 保険医療材料専門部会」を開催いたします。
本日も対面を基本としつつ、オンラインも組み合わせての開催としております。また、会議の公開については、ユーチューブによるライブ配信で行うこととしております。
まず、本日の委員の出欠状況について御報告いたします。
本日は、全委員が御出席です。
なお、会議冒頭のカメラの頭撮りはここまでとさせていただきます。
(カメラ退室)
○笠木部会長
それでは、議事に入らせていただきます。
本日は「保険医療材料制度の見直しに関する検討(その3)について」を議題といたします。
事務局より資料が提出されておりますので、御説明をお願いいたします。
○梅木医療技術評価推進室長
事務局、医療技術評価推進室長でございます。
材-1「保険医療材料制度の見直しに関する検討(その3)」を説明いたします。
まず、次のページでございますが、令和8年度改定に向けた主な項目一覧となっております。
3ページ目は、全体のスケジュールの中での本日の位置づけ。
4ページが、本日の項目一覧となっております。
大項目としては、4項目ということになります。
では、1つ目、5ページに移りまして、医療機器の安定供給に係る事項、特材における物価上昇への対応ということで、不採算品の再算定の拡充、逆ざやへの対応をお示しいたします。
まず、6ページを御覧ください。
医療機器等における安定供給に関する報告件数をお載せしているものになります。
1つ目の○から行きますが、厚労省への報告のあった件数は年々増加というところと、令和6年度における安定供給への支障の原因としては、薬事上の問題が最も多いという結果になってございます。
7ページでございますが、業界からの御要望があったものと、実際に見直しがなされた機能区分数をそれぞれお示ししております。
8ページに移ります。
専門組織からの御意見、それから、業界からの御意見をお載せしております。
専門組織からは、不採算品再算定の拡充についての検討、業界からの御要望でございますが、1つ目でございますが、原材料・部材の価格が高騰しており、厳しい状況であるといったこと。
真ん中辺りでございますが、不採算品再算定の対象機能区分の選定の基準の代替困難性に関する要件への該当性の判断が難しい。あるいは、その下で逆ざやとなる機能区分数の調査の上、対応を御検討といった御意見がございます。
9ページに移ります。
「不採算品再算定」のところでございます。「背景・経緯」のところ、供給が著しく困難で十分償還されていない特材については、製造販売業者等からの要望を踏まえ、不採算品再算定として原価計算による保険償還価格の引上げを行っております。令和6年におきましては、34機能区分で引上げが行われました。
この不採算品再算定の対象品目の基準でございますが、お載せしておりますように、ア、イ、ウということになります。
アのところについては、代替困難性に関する要件ということで、この部分について、令和6年度の改定において、以下のイメージを御覧いただければと思いますが、このような対応をしております。
赤のA社の部分が撤退した場合においては、他社で代替が困難ということでございますので、この部分、シェアが100%でない場合であっても代替するものがないという場合があるということで、この明確化を図ったところでございます。
10ページにお移りいただきまして「現状・課題」でございます。業界からの御意見、または1社でシェアの大半を占めない場合の代替困難性に関する考え方の整理が必要ではないかということで、論点に移りまして、お示ししているのが、パターン1、パターン2、パターン3という形で、同一機能区分内のシェアの状況を踏まえて考え方を整理してはどうかとしております。
パターン1は、令和6年度改定においての対応部分、本日は、パターン2についてお示しをしております。
パターン1ではなく、上位2社で同一機能区分内のシェアの大半を占める場合は、両者が供給困難となった場合においては、安定供給に支障を来すと考えられるため、この要件を満たすとしてはどうかとしております。
パターン3については、供給困難とまでは言えないということでの論点をお示ししております。
続きまして、11ページでございます。
逆ざやへの対応ということでありまして、用語の整理でございます。逆ざやとは、実勢価格が保険償還価格を上回る状態ということで、この実勢価格は、販売側と購入側の価格交渉によって決定されます。
逆ざやの機能区分数をお示ししておりますが、平成30年以降も基本的にはございまして、その機能区分の割合は増加傾向であるということになります。
実勢価格に基づく再算定ということをやってきておりますけれども、基本的には、算定値に一定の幅を加算した額ということで、基本的に改定前の基準材料価格を超えないといった制限がございます。
その次のスライドに移りまして、逆ざやへの対応でございますが、この至る例としましては、販売側が価格を引き上げた際に、購入側が受け入れざるを得ないという状況が考えられます。
供給側による価格決定力が強い状況、例えば、同一機能区分内でシェアが独占的である場合といったところでは、実勢価格が上昇し続ける可能性があるとしております。
13ページにお移りください。
「現状・課題」の1つ目でございますけれども、逆ざやへの対応の検討あるいは市場の実勢価格加重平均値一定幅方式において、改定前の償還価格を超えることを可能とするような御意見もございました。
一方で、逆ざやのところにつきましての不採算品再算定以外での枠組みの対応を検討する必要があるのではないかと、御意見がございます。
そういったところで、論点に移りますけれども、こちらについても、シェア要件というか、シェアにおいて少し考え方を分けてはどうかという御提案です。
パターン1、パターン2、パターン3という形になりますが、パターン1、2につきましては、供給側の決定能力が高いということで、実勢価格に基づいて保険償還価格を引き上げるというのは、なかなか難しいのではないかと、この場合において不採算品再算定による対応というところは、別途検討であろうと。
2つ目の○でございますが、パターン3については、競争的市場ということで、実勢価格は市場均衡価格を示しているという可能性が高く、実勢価格に基づいて、保険償還価格を引き上げるということを御提案するものでございます。
この場合の保険償還価格の引上げにおいては、実勢価格の加重平均値や物価上昇等を参考にして設定するということの御検討も論点出しをしております。
続きまして、14ページ以降が、内外価格差等の是正ということで、新規収載品と既収載品の調整についての話になります。
15ページが、それぞれ組織、業界からの御意見をお載せしております。
16ページが、新規収載品に係る外国価格調整の現行のものをお載せしたものになります。
17ページに移りまして、令和6年4月から令和7年の9月までの期間の24品目の中で、一部除外をして残り17品目で調査した結果でございます。
ルールをそれぞれ①と②という形で分けておりまして、その下のほうに参考としてルール①、ルール②をそれぞれお載せしておりますが、それぞれに適用されたものを9品目あるいは1品目という形で分析をしております。
続きまして、18ページでございますが、1つ目の○では、外国平均価格に基づく外国価格調整の品目はございませんでした。
また、外国平均価格に対する比でございますが、中央値は0.77、平均値は0.72ということで、年々低下していく傾向にございます。
19ページに移りまして、そういった現状分析を踏まえまして、論点になります。
このルール①、ルール②を含めまして、今回の御提案としては、外国平均価格の算出方法は変更しない、また、外国価格調整における比較水準も変更しないという形での御提案となります。
これが新規収載品に係る御提案でございまして「既収載品に係る外国価格再算定」に移ります。
20ページに移りまして「背景・経緯」のところの対象でございますが、その対象となる機能区分数は減少傾向でございます。
外国平均価格の計算方法でございますが、アメリカ、連合王国、ドイツ、フランス、オーストラリアの5か国を参照するということになっております。
「再算定、引き下げ幅の上限について」というところでございますが、2つ目の○に、令和2年度の改定におきまして、さらなる是正を図るということで、最大引下げ幅が25%から50%に変更されております。
令和2年度、令和4年度に、実際に引下げの50%となったものが1区分、2区分がございました。
この点につきまして、21ページに移りまして、業界からは、以下の事例等に基づいて最大引下げ幅の見直しを求める意見がございました。
119機械弁でございます。
再算定の対象となりまして、価格調整が50%ということで段階的に引下げが行われております。
最終的に、企業側としては十分な利益を得ることができないということで不採算となり、A社は要望を出し、B社は撤退という形になって、最終的には、また不採算の対応がなされたということになります。
この件に関しての検討を進めたところ、スライド22になりますけれども、令和3年度、外国価格調査の結果でございまして、その下にお載せしておりますが、二峰性の分布になっております。10~40万円のところと80~100万円の価格帯に回答が分かれておりました。
この低価格帯の部分については、国内での流通が少ない製品が多く含まれており、一方で、高価格帯のところについては、国内8割のシェアを占める製品群の外国価格帯であったということになります。
この点を踏まえまして、23ページでございます。
「現状・課題」のところの1つ目でございますが、この国内での使用状況を反映させた加重平均等により、より適切かつ高い外国平均価格が得られる可能性があると考えておりまして、また、論点に移りますが、この調査の結果に加えまして、国内での使用状況等を考慮して加重平均等により、その平均価格を算出することとしてはどうかという御提案になります。
一方で、最大の引下げ幅については、内外価格差の是正の観点から引き続き50%のままということで、御提案をしております。
続きまして、24ページ以降が「3.保険適用の手続に係る事項」でございます。
25ページに移りまして「医薬品等の適用判定を目的として使用される体外診断用医薬品の保険適用時期」ということでございます。
現状のところでございますが、C2区分の医療機器の中で、医薬品の適用判定の補助を目的として使用される医療機器、それから、医薬品の適用判定の補助に必要なPET、3つ目でございますが、医薬品の適応判定の補助を目的として使用される体外診断用医薬品、それぞれ承認の時期があるということでございます。
こういった中で課題としまして、この専門組織からは、保険適用の時期を合わせて適用してはどうかという御意見をいただいているところでございます。
こういった状況を踏まえまして、論点出しでございますが、医薬品等、これは再生医療等製品を含むということでの適応判定を目的として使用される医療機器、体外診断用医薬品、PETにつきまして、中医協総会において了承されました保険適用日から保険適用とすることができることとしてはどうかという論点になります。
続きまして、26ページ「A3区分(既存技術・変更あり)の保険適用希望の取扱い」でございます。
「現状」のところでございますが、A3区分につきましては、留意事項等に変更を伴うものということになっておりまして、こういった変更を伴うものは、2つ目でありますが、その中には、定義の変更を希望する場合や、技術料の留意事項変更を希望する場合といったものもございます。
一方で、B2の部分については、軽微な変更に当たっては、一部専門組織の委員長が認めた場合には、報告をもって決定案とすることができる運用がなされているという状況がございます。
そういった中で課題でございますが、専門組織からは、軽微な変更にとどまる場合においては、手続を簡略化してはどうかということで御提案をいただいております。
論点としましては、こういったA3区分の保険適用希望書が提出されたもののうちで、一般的な名称の追加のみ等の希望をするものでありまして、事務局による事前確認を経て、希望内容が軽微な変更にとどまるものでございましたら、委員長がお認めいただいた場合には、手続の簡略化をして組織への御報告ということで決定としてはどうかという提案になります。
27ページでございますが「承認事項の一部変更承認等後の保険適用希望に係る取扱い」でございます。
現在、保険適用を希望する医療機器等の製造販売業者は、以下のような場合に保険適用希望書を提出するということが載っております。
その中で、黒い丸の2つ目でございますが、承認事項の一部変更を受けた場合であって、こういった幾つかの該当するものの変更となる場合ということが挙げられております。
一方で、保険適用希望書を提出する場合の希望の内容に係る規定はないといったことでございまして、そういった場合に、課題としましては、○の2つ目でございます。
提出する場合は、一部変更承認等に係る内容以外の内容をお示しすることがあり得るということでありまして、この部分につきまして、あくまで論点としましては、既存の議論というところは、今回その内容に含めず、あくまで保険適用希望が可能な内容は、当該一部変更承認等に係る事項に限るということを明確化させていただきたいというものになります。
続いて、スライドの28ページ「軽微変更届に伴う保険適用希望書の提出」でございます。
課題でございますけれども、専門組織からは、既に保険収載されている特材で、薬事上の軽微変更が適切に行われたもののうち、製造販売業者が構成品追加等を希望する場合の取扱について、対応を検討してはどうかとの意見がございました。
こういった軽微変更届が行われたもののうちで、構成品やサイズバリエーションの追加、一般的名称の変更に伴い該当する機能区分の変更を希望する場合等、保険適用に係る手続が必要な場合があるのではないかといった課題がございます。
そういった中で、論点でございますが、軽微変更届というものは、届出の申請でありまして、簡易相談結果要旨によりまして、PMDAの確認を経ているか確認すべきではないかということでございまして、その場合の決定区分は、B1に該当する場合でございますが、その部分について、保険適用希望書を提出することができるようにしてはどうかという論点になっております。
続きまして、スライドの29に移りますけれども「保険適用希望書の様式の見直し」となっております。
現状、御覧のような様式がございまして、この部分の課題でございますけれども、専門組織からは、この様式の見直しということの検討をしてはどうかという御意見がございます。
実際、その下でありますけれども、近年、企業から提示される保険適用書というところで、提出の数であるとか、提出されるデータ、資料の量というのは増加傾向にあるということでありますので、この保険適用希望書においては、特に重要な論点を、簡潔に要点を整理して記載することとしてはどうかとしております。
スライドの30に移りまして「製造販売業者からの不服意見の取扱い及び同意が得られない場合の取扱い」でございます。
現状、製造販売業者が保材専の決定案に不服があるといった場合は、不服の意見書を提出するということでございます。
下に書いてある3つのところで、提出方法がされておりまして、基本的には当該通知を受けた日から起算して7日以内という形で提出することになっております。
課題でございますけれども、この保材専から手続をより円滑に進めるためということで、この保材専審議後の手続について、さらなる明確化の検討という御意見がございます。保材専の決定案に対しまして、企業が保険適用不服意見書を提出した後に、追加資料の準備等により、2回目の保材専での審議が遅れる場合があります。また、2回目の保材専での審議後に、企業から同意が得られない場合があるということで、こちらについての検討ということになっております。
論点でございますけれども、原則としましては、不服意見が提出された翌月に保材専で審議をしたいと考えております。
ただ、やむを得ず、翌月の保材専に追加資料の準備等が間に合わずに、保険適用希望書を取り下げた場合であって、再度提出をされたといった場合には、1回目の保材専の決定案を踏まえまして、手続を進めていきたいと考えております。
また、2回目の保材専後に企業からの同意が得らないといった場合には、取り下げたものとしての取扱いをしてはどうかという御提案になります。
続きまして「4.その他の事項」が31ページ以降でございます。
スライドの32「市場拡大再算定」の部分に移ります。
保材専からの御意見というところでございますが、特材、それから検査料等の技術料に包括されて評価される医療機器や、体外診断用医薬品に対する市場拡大再算定の手続というところでの明確化の検討でございます。
現状でございますが、令和2年度の改定において、医療材料につきましても、市場の拡大といったところによって、財政影響が無視できない範囲に及ぶということもあり得ることから、特材の市場拡大の再算定、それから技術料の見直しに係る手続が導入されております。
この部分で累次の改定におきましては、この対象品目はないところでございますが、まず、特定保険医療材料の市場拡大再算定に当たっての計算式が、34ページにお示ししております。
一方で、32ページにお戻りいただきまして、技術料の見直しに係る手続は規定されておりますが、この技術料の見直しのところに関する計算式が、まだ規定されていないという現状を踏まえまして、今回計算式について御提案をするものになっております。
スライドに少し参考資料がありますので飛ばしまして、38ページに移ります。
課題でございますが、先ほど申しましたとおり、算定方法が明らかでないということと、あとは、技術料の見直しということでございますので、専門組織のみでの検討が困難な場合があるのではないかという課題がございます。
論点に移りまして、技術料の見直しを行う場合の算定方法については、技術料は、既存技術料の準用で設定されているという原則があります。
特定保険医療材料の市場拡大再算定の再算定の式に準じまして、以下のとおり設定することとしてはどうかと考えております。
技術料の見直しに係る計算式はβというところで、その技術料の中に含まれているような医療機器や体外診断用の医薬品のところを切り分けた上での改定後の技術料の計算をしていきたいと考えております。
また、手続につきましては、保材専において検討した後で、中医協総会で御議論をさせていただけないかという御提案になっております。
駆け足でございますが、(その3)の資料の御説明は以上となります。
○笠木部会長
御説明ありがとうございました。
ただいま、大きく4つの事項について御説明いただいたかと思いますけれども、いずれの点につきましても、御質問、御意見などがありましたらお願いいたします。
茂松委員、お願いいたします。
○茂松委員
御説明ありがとうございます。
まず、10ページの論点に示された内容については、異論はございません。
ただ、11ページに示されましたとおり、全体の3割以上で逆ざやが生じているという状況は、医療機関にとっては、現在の時点で甚だ深刻な状況であろうと思っておりますし、適切な対応が求められるところでございます。
今回の論点では、同一機能区分内のシェア状況に応じた対応を御提案いただきましたが、1つ目の◯のシェアが独占的である、いわゆるパターン1、2については、不採算品再算定による対応が提案されております。
確かに実質的に企業が価格を決定できる状況で、企業の言い値に応じて保険償還価格を設定するのは難しいだろうと理解はいたしますが、その場合に、不採算品再算定で対応するとなると、企業としては、言い値で売る以上は不採算とならず、結局は逆ざやが解消されないという懸念がございます。
この問題は、流通環境の改善などと併せまして対応すべきことでありますが、保険償還価格の在り方について、再度、もう少し検討が必要であるのではないかと思っております。
2つ目の○のシェアが分散している場合、パターン3についてです。
確かに市場で競争が生じているのであれば、適切な実勢価格になっていると思われますが、その場合であっても、製品の原価や利益率なども踏まえた上で適正価格であることを検証する仕組みもあってよいのではないかと考えます。
その次は、19ページの論点に示された内容に異論はございません。
23ページの論点につきましては、事務局に1つ質問がございます。国内での使用状況等を考慮して加重平均等により算出することとしてはどうかとありますが、国内での使用状況はどのように把握するのでしょうか。医療機器は機能区分制なので、NDBでも個々の銘柄の使用数は分からないと認識しておりますが、その点について、現時点で想定されていることがありましたら、教えていただければと思います。
また、最大引下げ幅については、引き続き最大50%のままとした場合であっても、販売を終了する会社が出たり、また、不採算に陥り、再算定で価格を引き上げるような事態は起こらないのかと考えてよいのでしょうか。この根拠がありましたら、教えていただければと思います。
25ページ、26ページの論点に示した内容に異論はございません。
27ページの論点に示された内容につきましても、おおむね異論ありませんが、事務局に1つ質問がございます。
企業が一部変更に関すること以外の内容も含めて、希望書に記載する背景等について、具体的な事例がありましたら教えていただければと思います。
28~30、また、35、38の論点に示された内容には、異論はございません。
私からは以上です。
○笠木部会長
どうもありがとうございました。
ただいま2点御質問がありましたので、事務局からお答えいただければと思います。
○梅木医療技術評価推進室長
事務局でございます。
まず、スライド23の調査のところです。国内状況を考慮して算出することとしてはどうかということでございますが、こちらにつきましては、現在、我々のほうでは、材料価格調査というところで、機能区分内のシェアというのを把握していきたいと考えております。
また、今回の最大引下げ幅は、50%を維持したいということで我々は提案しております。
この点につきましては、今回お示ししたような119の機械弁については対応できるものと考えておりまして、それ以外の場合というのは、絶対に起きないかというところを保証するものではございませんが、外国価格の調整の対象となる品目というのが、基本的には少ないものでございますから、該当する品目ごとに少し丁寧に見ていきながら、適切に対応してまいりたいと考えております。
スライド27のところでございますけれども、こちらにつきましては、課題のところに少し載せておりますけれども、その内容としましては、課題の○の2つ目でございますが、内容として過去の保材専において審議済みの内容というものが想定されると、ここで書いてございます。
この部分について、過去にそういった事例があり得るということでございますが、内容につきましては、企業との内容ということになりますので、具体的な内容は少し控えさせていただければと思っております。
以上です。
○笠木部会長
ありがとうございました。
茂松委員、いかがでしょうか。
○茂松委員
ありがとうございます。
とにかく医療機器につきまして、国内においてどれぐらい使われているかの把握をきっちりとつかんでいただくことは非常に重要かと思います。
それと、最大引下げを50%にしまして、その後の販売を終了するとか、不採算に陥るとか、そういうことが多分出てくる可能性もあろうかと思いますので、丁寧に観察をしていただければと思っております。
そして、27の論点のところでございますが、これも、やはり既存の適用などについていろいろ出てくると、これも非常に問題が生じるのではないかと思っておりますので、その辺は、しっかりと丁寧に見ていただきますように、よろしくお願いしたいと思います。
以上です。
○笠木部会長
ありがとうございます。
そのほか、御意見等いかがでしょうか。
では、太田
委員、お願いいたします。
○太田委員
ありがとうございます。
私からも、いわゆる逆ざやの対応策に関して少し質問と、あと、意見をさせていただければと思います。
先ほど茂松委員からもありましたが、11ページに示されておりますように、今は、もう3割近い保険医療材料が機能区分としては、逆ざやになっていると、これは本当に医療機関としては大変な状況だと思っております。
それの対応策として、今回10ページに、いわゆる不採算品再算定による対応がパターン1、パターン2、また、13ページにパターン3に関して、競合しているところに対しての対応策というのをいただいたわけなのですが、パターン1、また、今回パターン2で再算定を認めるという形の提案です。不採算品再算定は、メーカーからの申出で再算定が行われるという制度です。今まででもパターン1では、再算定を企業側が申請することができたのですけれども、今まで、これだけ逆ざやの商品があった中で、どれぐらい行われてきているのか、それに関して何かデータ等ございましたら、少し回答をいただけたらと思うのですが。
○笠木部会長
事務局からお答えいただけますでしょうか。
○梅木医療技術評価推進室長
まず、スライドの7が該当するかどうかでございますけれども、こちらにつきましては、パターン1の中で、要は要望があったものということになりますので、令和6からの改定でございますが、79、78という形で今回御要望が上がってきているということになります。
その中で、実際に令和6年度でありますけれども、34の機能区分に対応が行われたということになります。
○太田委員
すみません、何が聞きたいかと言いますと、企業側がしっかりと再算定を申請していただいて、パターン1、パターン2に関して逆ざやの解消に取り組んでいただければいいのですけれども、もし、そうではなかった場合に、ちゃんとそれをモニターして、何らかの形で逆ざやを解消するような仕組みが、今回の対応で得られるかというのが、私自身として懸念しているところでございますので、それに対しても、今回、制度設計を考えられるときには御配慮いただきたいと思います。
13ページの続きなのですけれども、パターン3の部分に関しては、これは企業側からの申出がなくても、事務局のほうで把握をして価格の設定を行うことが、今、想定されているということでしょうか。
○梅木医療技術評価推進室長
事務局でございますが、委員の御認識のとおりでございます。
○太田委員
了解いたしました。しっかりと状況を把握して御対応いただきたいと思います。
最後は意見なのですが、今回保材専で話をする内容ではないのかもしれませんが、技術料に包括されている医療材料に関しても、今、医療機関は非常に大変なことになっています。ぜひとも、そちらに関しましてもしっかり把握していただきまして、対応策のほうを御検討いただければと思います。
以上です。
○笠木部会長
どうもありがとうございました。
そのほかの点、御意見、コメントなどいかがでしょうか。
大杉委員、御発言をお願いいたします。
○大杉委員
ありがとうございます。
13ページの逆ざやへの対応の論点に沿って、歯科の立場で要望させていただきたいと思います。
過去の改定において、企業申請により、不採算品再算定の申請はありましたけれども、少なからず、償還価格が実勢価格を下回る特定保険医療材料は、先ほど各委員からの御意見にもありましたように、11ページに示されているように多数あると思っています。
歯科の材料等の業界もそれほど企業数が多いわけではありませんので、数社のみである機能区分を独占するケースも多いと思われますので、パターン1及び2が多いと思います。
そのような場合、企業の申請がない限り、この逆ざやは解消されず、歯科医療機関にしわ寄せが行っているところであります。
非常によい材料が、それに見合う評価を受けるためにも、不採算品再算定による仕組みなどありますけれども、歯科材料の状況も把握していただき、対応していただきたいと要望いたします。
以上でございます。
○笠木部会長
どうもありがとうございました。
それでは、森委員、お願いいたします。
○森委員
ありがとうございます。
私も11ページ目の逆ざやについてコメントをさせていただきたいと思っております。
まず、以前から発言をさせていただいていますけれども、薬局においては、卸からの購入価格が全体平均で見ても逆ざやとなっており、現場は逆ざやの医療材料を提供すればするほどマイナスで大変困っていますが、患者さんへの適切な医療提供のために、踏ん張っているところです。
11ページ目の逆ざやの機能区分の395区分が全体の31%も逆ざやになっていることに、正直驚いています。逆ざやがあっても、それは当たり前という認識になってしまっているのではないかと懸念しています。機能区分全体では逆ざやとなっていなくても、区分の中で逆ざやとなっている品目もかなり多いのではないかと思います。事務局で数を把握しているのであれば、まず、教えていただきたいと思います。
○笠木部会長
事務局からお答えをお願いいたします。
○南川医療機器政策室長
ありがとうございます。
特定保険医療材料価格調査、今回の調査ですけれども、御存じのとおり、多くの調査客体であったりの協力は不可欠なものである上に、このデータについては、個々の企業及び製造販売業者の営業の秘密に関わるものであることですから、調査対象の秘密の保護であったり、今後の調査の実施への影響の配慮が必要だと考えております。
今回御指摘いただいた品目数単位でのデータについては、現在の調査項目の問題であったりとか、各機能区分で販売されている製品数に差があることは、結果の解釈等は困難があることなので、そういう意味では慎重な対応が必要かなと思っておりますが、今回の御指摘については、関係者の御意見もいただきながら慎重に検討していければなと思っています。
○森委員
ありがとうございます。
言えないということは理解をしましたけれども、ただ、逆ざやはかなり多いのではないかとは思っております。逆ざや解消に向けての対応というのは不可欠だと考えております。
それで、13ページ目の論点の1つ目の○ですけれども、先ほど茂松委員からもありましたけれども、例えば、1社品のように、それを使用しないと医療提供できないような場合は、供給側の決定力が強くて言い値となり、交渉による実勢価格として扱うことは難しいのではないかと考えております。
逆ざやについては、様々な要因が考えられると思います。パターン1~3まで、シェアによっても要因が異なると考えますが、公定価格が設定されていることを踏まえて、逆ざや防止に向けた対応が不可欠です。
販売側には、2点、お願いしたいと思います。太田委員からもありましたけれども、逆ざや解消に向けて、ぜひ取組をお願いしたいということ。
2点目が、医療材料が医療提供に必要なもの、医療保険制度の中で使用されているもの、償還価格が決められているものということを踏まえた価格提示をお願いしたいと考えます。
厚生労働省においては、関係部署と連携していただき、逆ざやの解消に向けた対応を御検討いただければと思います。
私からは以上です。
○笠木部会長
ありがとうございました。
そのほかの委員から、御質問等ありますでしょうか。
それでは、松本委員、御発言をお願いいたします。
○松本委員
ありがとうございます。
事務局から御提案のあった内容については、全体としては異論ありませんので、この方向性に沿って具体的な条件や基準を事務局は整理いただければと思いますが、幾つか論点についてコメントいたしますが、その前に6ページにある安定供給に関する報告件数というのを報告しているところは、メーカーと卸だけという理解でいいのか、といいますのは、ここに挙がっているものの中で、不採算とか逆ざやは、ほとんど挙がっていないのですけれども、次の資料の中では、その話が大半を占めておりますので、その辺を確認させていただきたいというのが1点ございます。
コメントですけれども、まず、10ページにあります不採算品再算定と、13ページの逆ざやの対応につきましては、原材料費や輸入原価等の上昇にも配慮しつつ、一斉に救済するのではなく、パターンを分けて対応することは適当だと考えます。
ただ、不採算品再算定につきましては、薬価の議論の際にも指摘いたしましたが、あくまでも値引きの調整弁にならないように、くれぐれもお願いしたいと思います。
また、逆ざやの対応については、例えば、パターン3などを見てみますと、3社以上の競合だと、供給側の価格決定力が弱いということを前提にしておりますけれども、13ページの赤枠を見てみますと、あくまで市場均衡価格の可能性が高いという、ある意味、普通の市場のレベル感という印象も受けます。
競争的市場であることを慎重に判断していただくこと、保険償還率の引上げにおいて市場実勢価格の加重平均値と物価上昇率のほかにどのような要素を考慮すべきか、事務局でさらに考え方の整理をお願いしたいと思います。
続きまして、15ページからの「内外価格差等の是正」についてですけれども、20ページから示されております、既収載品の再算定で参照する外国価格を国内の実態を踏まえて加重平均することは、不採算の発生を抑制するための措置として理解はしております。
その他の調整ルールにつきましては、現状維持で異論ありませんが、引き続き内外価格差の動向を注視するよう、事務局にはお願いしたいと思います。
最後に、市場拡大再算定については、35ページの特定保険医療材料、38ページの技術料に包括される医療機器及び体外診断薬についてもルールの明確化を図り、国民皆保険制度の持続可能性の確保につなげるべきだと考えます。
私からは以上でございます。
○笠木部会長
ありがとうございました。
ただいま、松本委員から資料の6ページについての御質問があったと思いますけれども、事務局からお答えいただけますでしょうか。
○南川医療機器政策室長
御質問ありがとうございます。医療機器政策室長のほうからお答えさせていただきます。
この資料の報告につきましては、製造販売業者から安定供給が困難に至ることがある場合に、供給不安報告をいただいていて、供給停止に至る場合については、供給終了報告をいただいているものになっております。
この所定の様式で報告いただいたものを事務局のほうで、それぞれ原因について分類させていただいております。
例えば、薬事上の問題の部分については、供給不安とかがありますが、ここについては、薬事上求められる表記の部分が不十分ではないかと製造販売業者が考え、報告してきたものに対して、我々のほうで一定の手続とかをした上で、実際には供給不安には至らなかったという部分も含まれております。
厚労省としては、引き続き供給不安報告が上がってきたものに対して、適宜適切に対応しながら現場への影響が少なくなるよう努力していきたいと思っています。
以上です。
○笠木部会長
ありがとうございました。
松本委員、いかがでしょうか。
○松本委員
分かりました。報告をしてきているのは製造業者だけだと理解いたしました。ありがとうございました。
○笠木部会長
そのほかの点につきまして、御質問、御意見などありますでしょうか。
もし、専門委員からも御意見がありましたら、お願いいたします。
そうしましたら、前田専門委員、お願いいたします。
○前田専門委員
ありがとうございます。
まず、本日、4つの大きな検討事項につきまして、様々な現実的な対応を論点として整理いただき、ありがとうございました。
特に「1.医療機器の安定供給に係る事項」、不採算品再算定や逆ざや製品に対する対応を、データを用いて丁寧に整理していただいたこと、本当にありがとうございました。
特に、逆ざや製品に対する不採算品再算定以外の枠組みでの対応案、こちらをお示しいただいたことは、昨今の物価上昇への対応として新たな考え方となると受け止めております。これに対して感謝を申し上げます。
また、一方で、複数の委員から御指摘があったとおり、販売側としても、引き続き責任ある対応をしていくこと、これが非常に大切と考えております。
続きまして、32ページ以降の4、市場拡大再算定について、私からコメントをさせていただきます。
市場拡大再算定は、当初予測した市場規模、すなわち、これは基準年間販売額となりますけれども、こちらに比べて実際の販売額が大幅に上回った場合、その場合に価格の見直しを行うものと理解しております。
医療機器は、機能区分制度のため、機能区分全体の推定適用患者数を基に、この基準年間販売額を計算しております。
ところが、今回、35ページにあります論点の○の2番目と3番目、こちらにおきましては、当初予測した年間販売額というものではなく、機能区分が設定された時点、または翌年度の年間算定額を基準年間販売額にするという取扱いが示されております。
医療機器の場合は、多くの場合、導入当初というものは、安全適正使用の確保を目的とした手技のトレーニングの提供等を実施するため、施設を限定して販売を開始したりすることも非常に多くあります。
そのため、機能区分が設定された時点の年間算定額や、次年度といったタイミングでおりますと、推定適用患者数を考慮した年間販売額と異なる可能性が大きくなると想定されます。
つきましては、医療機器の販売実態を考慮した上で、35ページ目の課題にどのように対応すべきか、これを今後の業界意見陳述において、業界から意見を聞くのがよいのではないかと考えております。
以上になります。
○笠木部会長
前田専門委員、御意見ありがとうございました。
そのほかの点につきまして、御質問、コメント等ございましたらお願いいたします。
それでは、ほかに御質問、御意見などないようですので、本件に係る質疑はこのあたりといたしまして、今後事務局において、本日皆様からいただきました御意見も踏まえて、さらに御対応をいただくようお願いいたします。
本日の議題は以上でございます。
次回の日程につきましては、追って事務局より御連絡をさせていただきます。
それでは、本日の「保険医療材料専門部会」は、これにて閉会といたします。どうもありがとうございました。

