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- 中央社会保険医療協議会 薬価専門部会 第241回議事録(2025年11月19日)
中央社会保険医療協議会 薬価専門部会 第241回議事録(2025年11月19日)
日時
令和7年11月19日(水) 9:00~
場所
全国都市会館 2 階大ホール
出席者
- 構成員等
-
- 城山英明部会長
- 小塩隆士委員
- 本田文子委員
- 笠木映里委員
- 鳥潟美夏子委員
- 松本真人委員
- 永井幸子委員
- 奥田好秀委員
- 江澤和彦委員
- 黒瀬巌委員
- 大杉和司委員
- 森昌平委員
- 藤原尚也専門委員
- 越後園子専門委員
- 荒川隆治専門委員
- 事務局
-
- 間保険局長
- 林医療課長
- 吉田保険医療企画調査室長
- 梅木医療技術評価推進室長
- 和田歯科医療管理官
- 清原薬剤管理官 他
議題
- 令和8年度薬価改定について
議事
○城山部会長
ただいまより、第241回「中央社会保険医療協議会 薬価専門部会」を開催いたします。
本日も対面を基本としつつ、オンラインも組み合わせての開催としております。また、会議の公開については、ユーチューブによるライブ配信を行うこととしております。
まず、本日の委員の出欠状況について御報告いたします。
本日は、全委員が御出席ということになっております。
なお、会議冒頭のカメラの頭撮りは、ここまでとさせていただきたいと思います。よろしくお願いします。
(カメラ退室)
○城山部会長
それでは、議事に入らせていただきます。
本日は「令和8年度薬価改定について」を議題といたします。
事務局より資料が提出されておりますので、御説明をお願いいたします。
○清原薬剤管理官
薬剤管理官でございます。
資料薬-1の2ページを御覧ください。
本日は、こちらにお示しの項目について御議論をいただきます。
3ページを御覧ください。
本日御議論いただく内容でございます。8項目ございます。
4ページから、高額医薬品における薬価算定の方法でございます。
5ページ、令和4年度薬価制度改革の骨子では、年間1500億円の市場規模を超えると見込まれる医薬品につきましては、中医協総会において、薬価算定方法の議論を行うとされ、6ページ、これまでゾコーバ、レケンビ、ケサンラについて対応を行ってまいりました。
7ページ、論点でございます。
1点目、高額な医薬品に対する令和4年度薬価制度改革の骨子に基づく対応を継続すること。
2点目、認知症治療薬における対応の例を踏まえ、高額な医薬品及びその類似薬については、薬価算定方法等によらず、四半期再算定の適否を判断するため、その使用量を把握すること。
3点目、感染症治療薬における対応の例を踏まえ、市場拡大再算定の特例について、年間販売額が10倍以上、3000億円に急拡大した場合に限り、引下げ下限を3分の2とすることについてどう考えるかとしております。
8ページからは「類似薬効比較方式(Ⅱ)」についてでございます。
9ページ、新規性に乏しい新薬につきましては、類似薬効比較方式(Ⅱ)として、新薬としては低い薬価を算定しております。
10ページ、類似薬効比較方式(Ⅱ)で算定された医薬品については、平成30年度以降23成分、類似薬効比較方式のうちの約8%を占めております。
11ページ、業界団体からは、類似薬効比較方式(Ⅱ)で算定された新薬についても、その開発に当たって企業の大きな投資が伴っていることが主張されています。
12ページ、市場規模が大きな医薬品につきましては、薬価自体は必ずしも高額ではなく、類似薬効比較方式(Ⅱ)で算定された医薬品もこの中に含まれております。
13ページ、論点でございます。
類似薬効比較方式(Ⅱ)により算定される新薬の算定額を低くすることについて、上市後に新たな価値が明らかになることもあり得ること、新薬であり、開発に当たっては、企業による相当の投資を伴うものであるとの指摘があることを踏まえ、どのように考えるかとしております。
14ページからは、新薬のライフサイクルと薬価についてでございます。
15ページ、検討項目のイメージ。
16ページ、検討項目として新薬創出等加算、市場拡大再算定、長期収載品の薬価のさらなる適正化を挙げさせていただいております。
17ページからは、新薬創出等加算についてでございます。
18ページ、新薬創出等加算に関するこれまでの御意見をまとめたものでございます。
19ページ、新薬創出等加算の対象品目は、平成30年度からこれまでの品目要件を見直し、対象品目の追加を行っております。
20ページは、現在の新薬創出等加算の品目要件でございます。
④の新規作用機序医薬品につきましては、21ページ、薬価収載時における有用性系加算の充実化により、新薬創出等加算の対象となり得ることになっております。
22ページからは、市場拡大再算定でございます。
23、24ページ、市場拡大再算定に関するこれまでの御意見をまとめたものでございます。
25ページ、市場拡大再算定の類似品、いわゆる共連れにつきましては、これまで基本的には再算定対象品目が新薬の場合、長期収載品及びその後発品は共連れとしておりません。
26ページ、市場拡大再算定・新薬創出等加算の実施頻度でございます。
四半期再算定は、新医薬品の薬価収載時期に合わせて行ってまいりましたが、新医薬品の薬価収載頻度につきましては、従来の年4回から増加し、令和7年度からは年7回となっております。
27ページ、四半期再算定は、新薬収載の機会を最大限活用して、薬価を見直すこととして導入されております。
28ページは、現在、四半期再算定の年間スケジュールでございます。
29ページからは、長期収載品の薬価のさらなる適正化についてでございます。
30、31ページ、長期収載品に関するこれまでの御意見をまとめたものでございます。
32ページ、これまでの御議論を踏まえた、長期収載品の薬価のさらなる適正化のイメージでございます。
33ページ、これまでの議論も踏まえた論点でございます。
まず、新薬創出等加算につきましては、1点目、国内外に向けた分かりやすい制度とするため、制度の名称を変更すること。
2点目、対象品目について、品目要件への該当性を明確化し、制度の透明性を高める観点から、新規作用機序医薬品を対象品目から削除し、新たに薬価収載される医薬品については、加算を適用しないこと。
3点目、頻回の薬価変更による医療機関、薬局・卸の事務負担の増大や価格交渉への影響を考慮した上で、新薬創出等加算の累積額の控除の時期についてどう考えるか。
また、市場拡大再算定について、1点目、市場拡大再算定の特例について、国内外に向けた分かりやすい制度とするため、制度の名称を変更すること。
2点目、原則、小児、希少疾病の効能等の追加のみをもって、市場拡大再算定の対象としていない運用を明確化すること。
3点目、市場拡大再算定の類似品について、対象品が新薬の場合、長期収載品については、類似品として取り扱っていないこれまでの運用を明確化すること。
4点目、四半期再算定の実施頻度について、新薬の薬価収載頻度が年7回となったこと、頻回の薬価変更による医療機関、薬局・卸の事務負担の増大や価格交渉への影響を考慮し、現行の実施頻度についてどう考えるかとしております。
また、長期収載品の薬価のさらなる適正化について、イノベーションの推進に向けて、長期収載品に依存するビジネスモデルからの脱却を促進する観点から、安定供給にも配慮した上で、長期収載品の薬価のさらなる適正化を行うことについてどう考えるかとしております。
34ページからは、薬価算定・改定ルールの明確化でございます。
35ページは、検討項目でございます。
37ページ、新医薬品につきましては、薬価算定組織での検討を経て、薬価算定案等を作成することとしている一方、報告品目、後発医薬品につきましては、薬価算定組織での検討に関する規定は定められておりません。
38ページ、論点として、新医薬品と同様に規定してはどうかとしております。
40ページ、薬価改定では「薬価算定の基準について」の規定を記載の順に適用することとされております。
現行では、薬価の下支えの後に、新薬創出等加算の累積の控除が適用されております。改定後の薬価が最低薬価未満となることを避けるため、論点として適用順を変更してはとしております。
42ページ、新薬収載時の補正加算についてでございます。
希少疾病用医薬品につきましては、市場性加算(Ⅰ)として評価を行っております。
43ページ、希少疾病用医薬品の指定につきましては、第Ⅰ相試験を実施するために必要な非臨床試験がおおむね完了している段階であれば、要件を満たすことがあり得るため、より早期の段階で品目が指定されることで、対象品目の増加が予想されております。
44ページ、論点でございます。
市場性加算の(Ⅰ)につきましては、原則、現行の加算率の範囲を維持しつつ、希少疾病用医薬品の指定基準への該当性の内容に応じて、加算率の下限を5%とし、加算率を柔軟に判断することについてどう考えるかとしております。
46、47ページ、外国平均価格調整の概要でございます。
48ページ、外国平均価格調整で参照しているドイツの価格につきましては、自由価格で上市後、一定期間を経て公定価格が決定されます。
49ページ、ドイツにおける新薬の価格設定のスキームでございます。
ドイツにおける自由価格からの価格調整率は、中央値で約25%という報告がございます。
50ページ、論点でございます。
外国平均価格調整で参照するドイツの価格について、価格調整後の価格を参照することとすることについてどう考えるかとしております。
なお、ドイツの価格が掲載されているRote Listeは随時更新されないことから、価格の把握については、さらなる検討が必要であることに留意が必要と記載しております。
51ページからは、日本薬局方化の推進でございます。
52ページ、日本薬局方の概要です。
53ページ、日本薬局方医薬品につきましては、医療現場で汎用され、医療上必要性が高いことから、最低薬価をその他の医薬品よりも高く設定しております。
54ページ、論点として、日本薬局方化の推進のため、最低薬価を含め、薬価制度における日本薬局方医薬品の取扱いについてどう考えるかとしております。
55ページからは、販売包装単位の適正化でございます。
56ページ、販売包装単位の適正化に関するこれまでの中医協における指摘で、その後、57ページ、医薬品の販売包装単位等につきましては、日本薬剤師会から製薬団体宛てに要望が出され、58ページは、それに対する業界団体の対応でございます。
59ページ、論点でございます。
販売包装単位の適正化については、関係団体において、検討がなされているところ、その対応状況を注視することとし、今後必要に応じて薬価上の対応の必要性を検討することについてどう考えるかとしております。
60ページからは、医薬品流通に関する課題でございます。
61ページ、調整幅の概要でございます。
調整幅については、薬剤流通の安定のための調整幅とし、改定前の薬価の2%に相当する額とされております。
62ページは、現行の薬価改定のイメージでございます。
63ページ、論点です。
物価の高騰等の現状等を踏まえ、「薬剤流通の安定のため」に設定されている調整幅について、どう考えるかとしております。
64ページ、11月に開催された医療用医薬品の流通改善に関する懇談会のデータでございます。
納入価の逆ざやについては、その他の品目が最も多く、次に後発医薬品が多いことが示されています。
65ページ、医薬品の流通取引の改善のための検討については、流通改善ガイドラインの改訂も含め、医療用医薬品の流通改善に関する懇談会において議論が行われているところでございます。
66ページは、流通コストに関する業界団体の御意見でございます。
67ページ、論点です。
医療用医薬品の流通改善に関する懇談会のデータを踏まえ、逆ざやの解消の観点から、低薬価品が多い後発医薬品やその他の医薬品への薬価の下支えについて、どう考えるかとしております。
68ページ、診療報酬改定がない年の薬価の改定でございます。
69ページ、昨年度の大臣折衝において、今後の診療報酬改定のない年の薬価改定については、その在り方について検討し、令和7年末の中間的なフォローアップを実施し、その結果を公表することとされております。
70ページは、4大臣合意の概要。
71~73ページは、これまで実施しました診療報酬改定がない年の薬価改定の概要でございます。
74ページ、これまで診療報酬改定がない年の薬価改定で適用した算定ルールをまとめた表で、75ページは、算定ルールの影響等を整理したものでございます。
76ページ、論点でございます。
今後の診療報酬改定がない年の薬価の改定について、企業等の予見可能性を確保する観点から、以下の点をどう考えるかとして、1点目、改定の対象範囲についてどう考えるか。
2点目、適用する既収載品の算定ルールについて、これまで適用したルールを適用することについてどう考えるか。
また、これまでの診療報酬改定がない年の薬価改定では、適用していない長期収載品、市場拡大再算定についてどう考えるか。
具体的には、長期収載品の薬価改定については、我が国の製薬産業の構造を、長期収載品依存から高い創薬力を持つものへと転換する観点から適用することについてどう考えるか。
同じく市場拡大再算定については、効能追加等により市場規模が大きく拡大した品目への算定等について、四半期再算定により適時に算定を行っているため、大規模な算定を行う市場拡大再算定の特例を適用することについてどう考えるかとしております。
77ページ以降は、これまでの実績あるいは算定ルールを記載したものとなっております。
説明は以上となります。
○城山部会長
どうもありがとうございました。
それでは、ただいまの説明に関して、御意見、御質問等ございましたらお願いいたします。
江澤委員、お願いします。
○江澤委員
ありがとうございます。
論点が多いですけれども、論点に沿って意見を述べさせていただきます。
まず、7ページの論点につきましては、いずれの項目もこれまでの扱いを継続し、明確化するということでありますので異論ございません。
続きまして、13ページの論点についてでございます。
類似薬効比較方式の(Ⅱ)により算定されたものであっても、企業として開発に当たり投資を行っているということは事実でありますが、公的医療保険制度は、企業が投資した資本を回収するための制度ではなく、国民・患者の生命と健康を守るための制度であります。限られた財源の中で運用していることを踏まえれば、新薬の特徴に応じて、評価にメリハリをつける現行の取扱いは、やはり合理性があるものだと考えております。
続きまして、33ページの論点について申し上げます。
新薬創出等加算についての論点となります。
まず、1つ目のポツについては、制度の名称を変更するということであり、分かりやすい名前としていただければと思います。
なお、国内外向けということでございますから、外国表記で分かりやすいということもイメージして検討していただければと思います。
続きまして、2つ目のポツについて、品目要件の明確化、透明性の観点から賛同いたします。
3つ目のポツの累積額控除の時期につきましては、論点で示されているとおり、頻回の薬価変更による現場の影響を考慮して、現行の扱いを維持するべきだと考えております。
市場拡大再算定の4つ目のポツの四半期再算定の実施頻度についても、やはり現場の影響を考慮して、現行の扱いを継続すべきと考えております。
次に、長期収載品のさらなる適正化の姿勢には賛同いたしますが、医薬品が現場に届かなくなるようでは本末転倒であります。
医薬品の安定供給への配慮、後発品への置換えが困難な長期収載品についての慎重な議論が必要であること、後発品が普及し、長期収載品が撤退するような場合には、メーカーが保有している有効性や安全性に関する情報の承継が必要になることなど、患者さんへの治療にも影響するところでありますので、薬価制度に限らず、厚生労働省としてしっかりと対応していただきますようお願い申し上げます。
続きまして、38ページの論点につきまして、薬価算定の妥当性を向上させるという意味で、算定組織での検討を規定することについて異論ございません。
続きまして、40ページの論点について、最低薬価を割り込むことがないようにするということであり、特に異論ございません。
44ページの市場性加算に関する論点についても、示された方向に異論はございません。
続きまして、50ページの外国平均価格調整に関わる論点でございますが、今回の提案は、外国価格を適正に反映するという意味で賛同できるものであり、企業にも御協力いただきながら、公的評価が行われた後の価格を把握してはどうかと考えております。
次に、59ページの販売包装単位の適正化に関わる論点についてでございます。
ボトルでの販売など、大容量の包装単位による残薬の発生は、医療機関においても負担となっておりますし、医療保険財政の面からも好ましくない事態と認識しております。
厚生労働省におかれましても、業界の対応を伸ばしていただくとともに、場合によっては薬価上の対応についても検討すべきであると考えております。
続きまして、63ページ調整幅に関わる論点でございます。
依然として医薬品の安定供給が改善しておらず、また、近年の物価賃金の上昇を踏まえれば、むしろ、現在の2%では不足しているとも思われる状況でございます。
したがいまして、現時点で調整幅の縮小について議論する環境にはないと考えております。
次に、67ページでございます。
逆ざやへの対応は、医療機関にとっても大変重い課題であり、可能な範囲で不採算品再算定の適用を検討するなど、何らかの手だてを講じる必要があると考えております。
最後に、76ページの論点でございます。
1つ目のポツの改定の対象範囲については、来年実施される薬価調査の結果も踏まえて判断すべきかと思いますが、その際には、国民負担軽減の観点のみならず、安定供給の確保や物価の高騰など様々な要素を踏まえて、総合的に判断すべきものと考えております。
2つ目のポツの算定ルールの適用についても、現時点では明確な方向性を議論できる状況ではなく、令和8年度の薬価改定の結果や、その後の業界ヒアリングなども踏まえた上で検討すべきであると考えております。
私からは以上となります。
○城山部会長
どうもありがとうございました。
ほかにいかがでしょうか。
森委員、お願いします。
○森委員
ありがとうございます。
お示しいただいた論点などについて、幾つか意見と質問をさせていただければと思います。
まずは、7ページ目の論点についてです。
高額で市場規模が大きな医薬品については、医療保険財政に与える影響を踏まえた対応が必要だと考えております。論点にもあるように、市場規模が年間1500億円を超えると見込まれる高額医薬品への対応は継続するとともに、高額な医薬品が将来の医療保険財政に与える影響を踏まえ、その適切な評価の在り方に関する検討を進めるべきと考えます。
論点の3つ目についてです。
年間販売額が当初予想販売額から10倍以上かつ3000億円を超え急拡大するという想定外に市場が拡大した場合であれば、引下げ幅の上限値については、業界からの意見も踏まえつつ、検討していくべきと考えます。
次に、13ページ目の論点についてです。
11ページ目の左側の業界の意見で、企業の投資などについて配慮すべきと考えますが、承認するかしないかは、事前の確認ではなく、試験の結果に基づき判断するものだと考えます。
また、論点にあるように、上市後、リアルワールドで新たな価値が明らかになることも考えられます。
事務局への確認になりますが、平成30年度以降、類似薬効比較方式(Ⅱ)で算定された23成分の中で、上市後新たな価値が明らかとなったものがどのくらいあったのか教えていただければと思います。
次に、33ページ目の論点についてです。
1つ目の新薬創出・適用外薬解消等促進加算については、イノベーションの評価とともに、専門委員の意見にあるように、制度の趣旨を踏まえつつ、日本市場の魅力度を向上し、ドラッグ・ラグ/ロスの解消につながる対応となるよう進めるべきと考えます。
名称を分かりやすいものに変更することには異論ありません。
論点の2つ目についてです。
21ページ目に示されている新規作用機序医薬品の革新性、有用性の基準については、イノベーションの推進や評価に逆行しないよう、令和6年度薬価制度改革で充実した算定時の加算による対応を継続していくべきと考えます。
2つ目の市場拡大再算定の2つ目の論点についてです。
企業の予見性が高まり、企業にとって希少疾患、小児の開発が促進されることが考えられるため賛同します。
また、4つ目の論点についてです。
新薬の収載頻度が年7回となり、頻回の薬価変更による薬局医療機関、卸の事務負担や価格交渉への影響はもちろんですが、市場拡大再算定の対象となることにより、薬局・医療機関で在庫している医薬品の在庫価値減少にも影響します。
これまで市場拡大再算定の対象となった医薬品の在庫価値減少については、何とか全体の薬価差の中で見てきましたが、今はそういう状況ではありません。
翌月から薬価が大きく下がることが分かっていても、現場では患者のために在庫しないわけにはいきません。また、市場拡大再算定の対象となるのは、高額な薬剤で、そのため大きな影響を受けます。
こうした影響があることを踏まえると、現行の頻度が妥当と考えますし、現場にも配慮した制度となるよう検討すべきと考えます。
3つ目の長期収載品の薬価のさらなる適正化についてです。
イノベーションを推進するため、長期収載品に依存させないような薬価制度にしていくことに関しては問題ありません。
ただし、安定供給に配慮することと、そのような薬価制度にする場合、3ページにおける加算とイノベーションの評価とセットで進めていかなければならないものと認識しています。
次に、38ページ目の論点についてです。
薬価算定の妥当性、透明性の向上のために、補正加算適用の妥当性等について専門的な見地からの検討が必要な場合は、薬価算定組織での検討を経て、薬価算定を行うことについて異論ありません。
また、40ページ目の論点についてです。最低薬価を下回らないようにすることは必要で、適用順を変更することに異論ありません。
次に、54ページ目の論点です。
日本薬局方に収載されている医薬品は、医療現場で頻繁に使用される基本的で医療上必要な薬剤であり、かつ、その品質の安定性と有効性が長期にわたり確認されている医薬品です。
第19改正、日本薬局方作成の5本の柱の1つとして、保険医療上重要な医薬品を優先して収載することによる収載品目の充実が掲げられており、日本薬局方に収載されている医薬品については、引き続き安定供給を配慮した薬価とすべきと考えます。
次に、59ページ目の論点です。
56ページ目にあるように、販売包装単位の適正化については大変重要な課題であり、販売包装単位が適切でない品目があると、現場では本当に困ることになります。
販売包装単位の対応状況を注視することとし、今後、必要に応じて薬価上の対応の必要性を検討するということではなく、可能なものからすぐに対応、検討を進めていただきたいと考えます。
超高額なものについて、また、処方実態と包装単位が合わなく、調剤のために残薬となるようなものについては、販売包装単位での薬価の収載等、早急に対応していただきたいと思います。
ただし、販売包装単位の問題への対応については、各企業の取組によるところが大きいと思いますので、今後の業界ヒアリングでもお考えや、取組予定などを示していただければと思います。
また、以前もお話ししましたが、注射剤についても対応が必要ではないかと考えております。
次に、63ページ目の論点についてです。
調整幅は幅広い範囲で様々な役割を持ち、流通安定のために設定されたものです。調整幅2%に設定された当初と現在を比べても、例えば、厳格な管理が必要な医薬品も出てきており、流通管理コストが増強している状況です。
また、薬局、医療機関での管理コスト、廃棄損もコストも増加しています。中間年改定実施後は、薬価改定の影響を緩和する仕組みとしても機能しています。引き続き調整幅は必要であり、さらに近年の物価高騰、流通費高騰などを踏まえた検討が必要だと考えます。
次に、67ページ目の論点についてです。
低薬価品は、物価、原材料価格、流通経費の高騰、賃金上昇の影響をより大きく受けると考えます。
特に後発医薬品や薬価の低い医薬品の下支えは必要です。また、インフレ社会の中で、特に低薬価品をどうするのか、検討が必要だと考えます。
低薬価品の中には、いわゆる水物と言われている、例えば、精製水とかが多いのですけれども、そういうものも含まれていますので、そういうものは輸送費が非常に高騰しています。こうした医薬品についての配慮は重要なものと考えます。
最後に、76ページ目の論点についてです。
中間年改定については、4大臣合意当時と大きく環境が変化しています。令和9年度まで期間があり、インフレ等の状況や、平均乖離率の変化、関係者への中間年改定の影響を踏まえて、そもそも中間年改定をこのまま続けるのか等を検討した上で、論点にあるような検討をすべきと考えます。
私からは以上です。
○城山部会長
どうもありがとうございました。
1つ、13ページですかね、類似薬効方式で承認された23の例について、リアルワールドで新たな価値が発見された例があるかという御質問がありましたが、事務局のほうからいかがでしょうか。
○清原薬剤管理官
薬剤管理官でございます。
先ほどの森委員の御質問について、平成30年度以降に類(Ⅱ)算定された23成分のうち、新たな価値が見いだされたものとしまして、2成分ございます。
こちらについては、改定時加算を受けまして、新薬創出等加算の対象となっているものに変わったというものがございます。
以上でございます。
○城山部会長
森委員。
○森委員
ありがとうございました。
承認時、新規性が乏しくても、上市後新たな価値があるものがあるということは分かりました。
そうしたものに関しては、改定時加算等で改めて評価をすべきと考えますけれども、これまでの類似薬効方式(Ⅱ)で算定されるものに関しては、江澤委員からもありましたが、やはりメリハリをつけた考え方というのが必要ではないかと思います。
以上です。
○城山部会長
ありがとうございます。
ほかは、いかがでしょうか。
では、松本委員、お願いします。
○松本委員
ありがとうございます。
それでは、論点についてコメントいたします。
まず、7ページ目の高額医薬品についてでございますが、これまでの個別対応してきたものをルール化するということで、企業の予見性も高まると考えますので妥当だと思います。
ただ、論点の2つ目にございます、四半期での速やかな再算定につきましては、後ほども述べますけれども、効能追加等による大幅な市場規模への対応と一体的に整理をしていただきたいと考えます。
次に、13ページの類似薬効比較方式(Ⅱ)については、以前にも申し上げましたけれども、新規性に乏しい新薬を保険給付する必要性には疑問を感じております。今回の薬価制度改革で収載の可否まで踏み込むことは、企業にも大きな影響があることは十分理解しておりますが、少なくとも課題はあるものと認識しております。
また、12ページを見てみますと、赤い枠で囲まれているタケキャブは、患者数が著しく多いために売上高が大きいことが示されております。数年前に健保連が実施したレセプト分析でもPPIの中でタケキャブの数量が多く、なぜこれほど使用されているのか、個人的にも疑問を感じたところでございます。
この理由が分かれば、事務局にも教えてほしいですけれども、以前に業界ヒアリングの場では、薬剤の選択については医師の判断なので、製薬企業からは特に強いこだわりはないという趣旨の御発言もございました。
薬剤の適正使用は、国民皆保険制度の持続可能性を確保する観点からも非常に重要であり、PPIに限らず、フォーミュラリの活用等により、医療現場でカットオフ値を引き上げる取組も推進すべきと考えております。
続きまして、33ページの論点については、全体的に運用を明確化する方向と受け止めますので、推進していただきたいと思います。
その上で、新薬創出加算については、新規作用機序に関する要件を削除することは妥当だと考えます。
また、累積額の控除につきましては、これまでも述べておりますけれども、後発品の薬価収載を同時に実施すべきだと思います。
続きまして、市場拡大再算定については、効能追加等による市場拡大に伴う再算定を新薬の収載に合わせて年7回に見直すべきだと考えます。
論点には、事務負担や価格交渉への影響等が記載されておりますけれども、この制度が適用される品目はそれほど多いとは考えられず、また、医療現場では新薬と一緒にシステムを更新し、価格交渉することも考えられますので、ぜひ速やかに薬価見直しをしていただきたいと思います。
長期収載品につきましては、32ページのイメージは、前回の議論のものが反映されており、この方向で進めるべきだと考えます。
次に、50ページの外国平均価格調整についてですけれども、ドイツの参照価格を価格交渉後の価格にすることには賛同いたします。速やかに価格を把握するための工夫を、ぜひお願いしたいと思います。
続きまして、54ページの論点でございますが、局方化を推進する方向性は理解しておりますが、最低薬価の引上げについては少し慎重に判断させていただきたいと思います。
続きまして、63ページの調整幅についてですが、これは再三申し上げておりますけれども、一律2%で固定されていることには疑問を持っております。
令和7年度の改定で、カテゴリー別に実勢価改定の対象範囲を変えたことを踏まえますと、カテゴリー別の調整幅や投与経路別、剤形別、高額薬剤がどうかといった切り口で調整幅を変える余地は十分にあると考えております。
また、67ページにあります逆ざやについてですが、医療機器と異なり、銘柄別収載ということを踏まえまして、慎重に判断する必要があり、薬価を下支えする既存のルールの中で対応すべきだと考えます。
最後に、診療報酬改定がない年の薬価改定については、70ページにもあります平成28年の4大臣合意の趣旨も十分に踏まえ、基本的には全てのルールを適用し、粛々と薬価改定を実施することが望ましいと考えております。
私からは以上でございます。
○城山部会長
ありがとうございました。
御意見ということでよろしいですかね。
では、鳥潟委員、お願いします。
○鳥潟委員
まず、高額医薬品に対する対応についてですが、ゾコーバやレケンビ、ケサンラのように高額かつ市場規模が一定以上の医薬品につきましては、保険財政の影響を鑑み、四半期での使用量の把握を行い、再算定の適否を確認すべきと考えます。その際、引下げ幅の上限値を引き上げることについても賛同いたします。
次に、逆ざやの問題につきまして、原材料の高騰や製造、流通のコスト増により、原価計算の結果が薬価を上回ってしまう場合には、今回の改定で適切に対応していく必要があるとは考えます。
一方、例えば、これまで安売りをする企業があったからこそ薬価がどんどん引き下がり、薬価を上回る納入価格をつけざるを得なくなっているケースなども想定され得るところだと考えております。逆ざやが生じているからといって、一律かつ統一的に対応すべきかというとそうではなく、まずは、なぜ逆ざやが生じているか、何が原因か、もう少し実態をお伺いした上で対応を議論すべきかと考えております。
最後に、中間年改定につきましては、価格を引き下げて販売している医薬品があり、薬価差が生じているのであれば、大臣合意を踏まえて粛々と行っていくべきと考えております。
その際には、これまで適用した算定ルールを適用することに加え、長期収載品の薬価改定や市場拡大再算定を中間年改定で運用する方針につきましては、新薬のライフサイクルを踏まえた対応を促進するものであり、その方針で進めていただければと考えております。
以上です。
○城山部会長
ありがとうございました。
永井委員、お願いします。
○永井委員
ありがとうございます。
安定供給、患者のアクセスの確保という観点から申し上げたいと思います。
長期収載品の薬価のさらなる適正化につきましては、安定供給に支障を来すことがないように配慮するとともに、調整幅、流通に関する課題につきましては、それぞれ、物価、原材料等の高騰を勘案すること、そして、診療報酬改定がない年の薬価改定につきましても、不採算品や最低薬価の引上げなどへの対応を含め、業界の意見も踏まえつつ、適切な対応を図ることが必要と考えております。
以上です。
○城山部会長
ありがとうございました。
ほかは、いかがでしょうか。
それでは、専門委員の方からも御意見等ございましたら、いただければと思います。
失礼しました、奥田委員、手が挙がっていらっしゃいますね、では、奥田委員、まず、お願いします。
○奥田委員
ありがとうございます。
私からは1点のみ申し上げます。
33ページの論点の一番下のところに、長期収載品の薬価のさらなる適正化について記載がありますけれども、32ページのイメージで適正化を進めるのであれば、論点にイノベーションの推進に向けてと記載があることを踏まえ、適正化によって得られる財源は着実に新薬のイノベーションの推進に振り向けていくことが重要であると考えております。
私からは以上です。
○城山部会長
ありがとうございました。
それでは、専門委員のほうからも御意見がございましたら、藤原専門委員、お願いします。
○藤原専門委員
発言の機会を賜りまして、ありがとうございます。
私から市場拡大再算定について、コメントをさせていただきます。
まずは、11月5日に開催されました薬価専門部会、費用対効果評価専門部会の合同部会におきまして、創薬力向上のための官民協議会ワーキンググループの議論の整理が示されております。
その中では、医薬品産業を成長産業、基幹産業と捉え、創薬エコシステムが循環的に発展していくためには、メリハリのある薬価政策を推進するとともに、予見可能性及びイノベーションへの評価が重要である旨が示されております。
その上で、本日の資料でございますけれども、スライド7、高額医薬品に対する対応に係る論点の3ポツ目に記載があります、市場拡大再算定の特例の適用についての御提案、また、スライド33にございます、市場拡大再算定の1ポツ目に記載があります、市場拡大再算定の特例に関する御提案につきましては、国民皆保険の持続性の重要性については理解をしておりますけれども、その方法としては、特定の品目に負担が偏るものであり、イノベーションの評価や、ドラッグ・ラグ/ロス解消といった観点も十分に考慮いただき、丁寧かつ慎重な議論が必要であると考えております。
また、3ポツ目に記載がございます、市場拡大再算定の類似品の取扱い、いわゆる共連れルールにつきましては、長期収載品に限らず、全ての類似品に関わる問題であると捉えております。
他社品の売上規模など外的要因により発生し、予見可能性が極めて低いことは、継続的な研究開発投資を行い、創薬イノベーションを推進する上で、重大な阻害要因の1つになるということから、業界意見陳述にて御要望申し上げておりますとおり、廃止に向けた検討をお願いしたいと考えております。
最後に、論点には記載ございませんけれども、2点、1つは、有用な効能追加等があった場合の引下げ率の緩和並びに再生医療等製品につきましては、複雑で個別化された製造工程を必要とするため、大量生産ができず、スケールメリットが得られないという特性も踏まえまして、市場拡大再算定の対象から除外することについても御検討いただきますよう、よろしくお願いを申し上げます。
私からは以上でございます。
○城山部会長
ありがとうございました。
ほかに何か御意見、御質問ございますでしょうか。
よろしいでしょうか。
それでは、ほかに御意見等もないようでしたら、本件に係る質疑はこのあたりとし、今後事務局において本日いただいた御意見も踏まえ、対応をいただくようにお願いいたします。
本日の議題は以上です。
次回の日程につきましては、追って事務局より連絡いたしますので、よろしくお願いいたします。
それでは、本日の「薬価専門部会」は、これにて閉会といたします。どうもありがとうございました。
ただいまより、第241回「中央社会保険医療協議会 薬価専門部会」を開催いたします。
本日も対面を基本としつつ、オンラインも組み合わせての開催としております。また、会議の公開については、ユーチューブによるライブ配信を行うこととしております。
まず、本日の委員の出欠状況について御報告いたします。
本日は、全委員が御出席ということになっております。
なお、会議冒頭のカメラの頭撮りは、ここまでとさせていただきたいと思います。よろしくお願いします。
(カメラ退室)
○城山部会長
それでは、議事に入らせていただきます。
本日は「令和8年度薬価改定について」を議題といたします。
事務局より資料が提出されておりますので、御説明をお願いいたします。
○清原薬剤管理官
薬剤管理官でございます。
資料薬-1の2ページを御覧ください。
本日は、こちらにお示しの項目について御議論をいただきます。
3ページを御覧ください。
本日御議論いただく内容でございます。8項目ございます。
4ページから、高額医薬品における薬価算定の方法でございます。
5ページ、令和4年度薬価制度改革の骨子では、年間1500億円の市場規模を超えると見込まれる医薬品につきましては、中医協総会において、薬価算定方法の議論を行うとされ、6ページ、これまでゾコーバ、レケンビ、ケサンラについて対応を行ってまいりました。
7ページ、論点でございます。
1点目、高額な医薬品に対する令和4年度薬価制度改革の骨子に基づく対応を継続すること。
2点目、認知症治療薬における対応の例を踏まえ、高額な医薬品及びその類似薬については、薬価算定方法等によらず、四半期再算定の適否を判断するため、その使用量を把握すること。
3点目、感染症治療薬における対応の例を踏まえ、市場拡大再算定の特例について、年間販売額が10倍以上、3000億円に急拡大した場合に限り、引下げ下限を3分の2とすることについてどう考えるかとしております。
8ページからは「類似薬効比較方式(Ⅱ)」についてでございます。
9ページ、新規性に乏しい新薬につきましては、類似薬効比較方式(Ⅱ)として、新薬としては低い薬価を算定しております。
10ページ、類似薬効比較方式(Ⅱ)で算定された医薬品については、平成30年度以降23成分、類似薬効比較方式のうちの約8%を占めております。
11ページ、業界団体からは、類似薬効比較方式(Ⅱ)で算定された新薬についても、その開発に当たって企業の大きな投資が伴っていることが主張されています。
12ページ、市場規模が大きな医薬品につきましては、薬価自体は必ずしも高額ではなく、類似薬効比較方式(Ⅱ)で算定された医薬品もこの中に含まれております。
13ページ、論点でございます。
類似薬効比較方式(Ⅱ)により算定される新薬の算定額を低くすることについて、上市後に新たな価値が明らかになることもあり得ること、新薬であり、開発に当たっては、企業による相当の投資を伴うものであるとの指摘があることを踏まえ、どのように考えるかとしております。
14ページからは、新薬のライフサイクルと薬価についてでございます。
15ページ、検討項目のイメージ。
16ページ、検討項目として新薬創出等加算、市場拡大再算定、長期収載品の薬価のさらなる適正化を挙げさせていただいております。
17ページからは、新薬創出等加算についてでございます。
18ページ、新薬創出等加算に関するこれまでの御意見をまとめたものでございます。
19ページ、新薬創出等加算の対象品目は、平成30年度からこれまでの品目要件を見直し、対象品目の追加を行っております。
20ページは、現在の新薬創出等加算の品目要件でございます。
④の新規作用機序医薬品につきましては、21ページ、薬価収載時における有用性系加算の充実化により、新薬創出等加算の対象となり得ることになっております。
22ページからは、市場拡大再算定でございます。
23、24ページ、市場拡大再算定に関するこれまでの御意見をまとめたものでございます。
25ページ、市場拡大再算定の類似品、いわゆる共連れにつきましては、これまで基本的には再算定対象品目が新薬の場合、長期収載品及びその後発品は共連れとしておりません。
26ページ、市場拡大再算定・新薬創出等加算の実施頻度でございます。
四半期再算定は、新医薬品の薬価収載時期に合わせて行ってまいりましたが、新医薬品の薬価収載頻度につきましては、従来の年4回から増加し、令和7年度からは年7回となっております。
27ページ、四半期再算定は、新薬収載の機会を最大限活用して、薬価を見直すこととして導入されております。
28ページは、現在、四半期再算定の年間スケジュールでございます。
29ページからは、長期収載品の薬価のさらなる適正化についてでございます。
30、31ページ、長期収載品に関するこれまでの御意見をまとめたものでございます。
32ページ、これまでの御議論を踏まえた、長期収載品の薬価のさらなる適正化のイメージでございます。
33ページ、これまでの議論も踏まえた論点でございます。
まず、新薬創出等加算につきましては、1点目、国内外に向けた分かりやすい制度とするため、制度の名称を変更すること。
2点目、対象品目について、品目要件への該当性を明確化し、制度の透明性を高める観点から、新規作用機序医薬品を対象品目から削除し、新たに薬価収載される医薬品については、加算を適用しないこと。
3点目、頻回の薬価変更による医療機関、薬局・卸の事務負担の増大や価格交渉への影響を考慮した上で、新薬創出等加算の累積額の控除の時期についてどう考えるか。
また、市場拡大再算定について、1点目、市場拡大再算定の特例について、国内外に向けた分かりやすい制度とするため、制度の名称を変更すること。
2点目、原則、小児、希少疾病の効能等の追加のみをもって、市場拡大再算定の対象としていない運用を明確化すること。
3点目、市場拡大再算定の類似品について、対象品が新薬の場合、長期収載品については、類似品として取り扱っていないこれまでの運用を明確化すること。
4点目、四半期再算定の実施頻度について、新薬の薬価収載頻度が年7回となったこと、頻回の薬価変更による医療機関、薬局・卸の事務負担の増大や価格交渉への影響を考慮し、現行の実施頻度についてどう考えるかとしております。
また、長期収載品の薬価のさらなる適正化について、イノベーションの推進に向けて、長期収載品に依存するビジネスモデルからの脱却を促進する観点から、安定供給にも配慮した上で、長期収載品の薬価のさらなる適正化を行うことについてどう考えるかとしております。
34ページからは、薬価算定・改定ルールの明確化でございます。
35ページは、検討項目でございます。
37ページ、新医薬品につきましては、薬価算定組織での検討を経て、薬価算定案等を作成することとしている一方、報告品目、後発医薬品につきましては、薬価算定組織での検討に関する規定は定められておりません。
38ページ、論点として、新医薬品と同様に規定してはどうかとしております。
40ページ、薬価改定では「薬価算定の基準について」の規定を記載の順に適用することとされております。
現行では、薬価の下支えの後に、新薬創出等加算の累積の控除が適用されております。改定後の薬価が最低薬価未満となることを避けるため、論点として適用順を変更してはとしております。
42ページ、新薬収載時の補正加算についてでございます。
希少疾病用医薬品につきましては、市場性加算(Ⅰ)として評価を行っております。
43ページ、希少疾病用医薬品の指定につきましては、第Ⅰ相試験を実施するために必要な非臨床試験がおおむね完了している段階であれば、要件を満たすことがあり得るため、より早期の段階で品目が指定されることで、対象品目の増加が予想されております。
44ページ、論点でございます。
市場性加算の(Ⅰ)につきましては、原則、現行の加算率の範囲を維持しつつ、希少疾病用医薬品の指定基準への該当性の内容に応じて、加算率の下限を5%とし、加算率を柔軟に判断することについてどう考えるかとしております。
46、47ページ、外国平均価格調整の概要でございます。
48ページ、外国平均価格調整で参照しているドイツの価格につきましては、自由価格で上市後、一定期間を経て公定価格が決定されます。
49ページ、ドイツにおける新薬の価格設定のスキームでございます。
ドイツにおける自由価格からの価格調整率は、中央値で約25%という報告がございます。
50ページ、論点でございます。
外国平均価格調整で参照するドイツの価格について、価格調整後の価格を参照することとすることについてどう考えるかとしております。
なお、ドイツの価格が掲載されているRote Listeは随時更新されないことから、価格の把握については、さらなる検討が必要であることに留意が必要と記載しております。
51ページからは、日本薬局方化の推進でございます。
52ページ、日本薬局方の概要です。
53ページ、日本薬局方医薬品につきましては、医療現場で汎用され、医療上必要性が高いことから、最低薬価をその他の医薬品よりも高く設定しております。
54ページ、論点として、日本薬局方化の推進のため、最低薬価を含め、薬価制度における日本薬局方医薬品の取扱いについてどう考えるかとしております。
55ページからは、販売包装単位の適正化でございます。
56ページ、販売包装単位の適正化に関するこれまでの中医協における指摘で、その後、57ページ、医薬品の販売包装単位等につきましては、日本薬剤師会から製薬団体宛てに要望が出され、58ページは、それに対する業界団体の対応でございます。
59ページ、論点でございます。
販売包装単位の適正化については、関係団体において、検討がなされているところ、その対応状況を注視することとし、今後必要に応じて薬価上の対応の必要性を検討することについてどう考えるかとしております。
60ページからは、医薬品流通に関する課題でございます。
61ページ、調整幅の概要でございます。
調整幅については、薬剤流通の安定のための調整幅とし、改定前の薬価の2%に相当する額とされております。
62ページは、現行の薬価改定のイメージでございます。
63ページ、論点です。
物価の高騰等の現状等を踏まえ、「薬剤流通の安定のため」に設定されている調整幅について、どう考えるかとしております。
64ページ、11月に開催された医療用医薬品の流通改善に関する懇談会のデータでございます。
納入価の逆ざやについては、その他の品目が最も多く、次に後発医薬品が多いことが示されています。
65ページ、医薬品の流通取引の改善のための検討については、流通改善ガイドラインの改訂も含め、医療用医薬品の流通改善に関する懇談会において議論が行われているところでございます。
66ページは、流通コストに関する業界団体の御意見でございます。
67ページ、論点です。
医療用医薬品の流通改善に関する懇談会のデータを踏まえ、逆ざやの解消の観点から、低薬価品が多い後発医薬品やその他の医薬品への薬価の下支えについて、どう考えるかとしております。
68ページ、診療報酬改定がない年の薬価の改定でございます。
69ページ、昨年度の大臣折衝において、今後の診療報酬改定のない年の薬価改定については、その在り方について検討し、令和7年末の中間的なフォローアップを実施し、その結果を公表することとされております。
70ページは、4大臣合意の概要。
71~73ページは、これまで実施しました診療報酬改定がない年の薬価改定の概要でございます。
74ページ、これまで診療報酬改定がない年の薬価改定で適用した算定ルールをまとめた表で、75ページは、算定ルールの影響等を整理したものでございます。
76ページ、論点でございます。
今後の診療報酬改定がない年の薬価の改定について、企業等の予見可能性を確保する観点から、以下の点をどう考えるかとして、1点目、改定の対象範囲についてどう考えるか。
2点目、適用する既収載品の算定ルールについて、これまで適用したルールを適用することについてどう考えるか。
また、これまでの診療報酬改定がない年の薬価改定では、適用していない長期収載品、市場拡大再算定についてどう考えるか。
具体的には、長期収載品の薬価改定については、我が国の製薬産業の構造を、長期収載品依存から高い創薬力を持つものへと転換する観点から適用することについてどう考えるか。
同じく市場拡大再算定については、効能追加等により市場規模が大きく拡大した品目への算定等について、四半期再算定により適時に算定を行っているため、大規模な算定を行う市場拡大再算定の特例を適用することについてどう考えるかとしております。
77ページ以降は、これまでの実績あるいは算定ルールを記載したものとなっております。
説明は以上となります。
○城山部会長
どうもありがとうございました。
それでは、ただいまの説明に関して、御意見、御質問等ございましたらお願いいたします。
江澤委員、お願いします。
○江澤委員
ありがとうございます。
論点が多いですけれども、論点に沿って意見を述べさせていただきます。
まず、7ページの論点につきましては、いずれの項目もこれまでの扱いを継続し、明確化するということでありますので異論ございません。
続きまして、13ページの論点についてでございます。
類似薬効比較方式の(Ⅱ)により算定されたものであっても、企業として開発に当たり投資を行っているということは事実でありますが、公的医療保険制度は、企業が投資した資本を回収するための制度ではなく、国民・患者の生命と健康を守るための制度であります。限られた財源の中で運用していることを踏まえれば、新薬の特徴に応じて、評価にメリハリをつける現行の取扱いは、やはり合理性があるものだと考えております。
続きまして、33ページの論点について申し上げます。
新薬創出等加算についての論点となります。
まず、1つ目のポツについては、制度の名称を変更するということであり、分かりやすい名前としていただければと思います。
なお、国内外向けということでございますから、外国表記で分かりやすいということもイメージして検討していただければと思います。
続きまして、2つ目のポツについて、品目要件の明確化、透明性の観点から賛同いたします。
3つ目のポツの累積額控除の時期につきましては、論点で示されているとおり、頻回の薬価変更による現場の影響を考慮して、現行の扱いを維持するべきだと考えております。
市場拡大再算定の4つ目のポツの四半期再算定の実施頻度についても、やはり現場の影響を考慮して、現行の扱いを継続すべきと考えております。
次に、長期収載品のさらなる適正化の姿勢には賛同いたしますが、医薬品が現場に届かなくなるようでは本末転倒であります。
医薬品の安定供給への配慮、後発品への置換えが困難な長期収載品についての慎重な議論が必要であること、後発品が普及し、長期収載品が撤退するような場合には、メーカーが保有している有効性や安全性に関する情報の承継が必要になることなど、患者さんへの治療にも影響するところでありますので、薬価制度に限らず、厚生労働省としてしっかりと対応していただきますようお願い申し上げます。
続きまして、38ページの論点につきまして、薬価算定の妥当性を向上させるという意味で、算定組織での検討を規定することについて異論ございません。
続きまして、40ページの論点について、最低薬価を割り込むことがないようにするということであり、特に異論ございません。
44ページの市場性加算に関する論点についても、示された方向に異論はございません。
続きまして、50ページの外国平均価格調整に関わる論点でございますが、今回の提案は、外国価格を適正に反映するという意味で賛同できるものであり、企業にも御協力いただきながら、公的評価が行われた後の価格を把握してはどうかと考えております。
次に、59ページの販売包装単位の適正化に関わる論点についてでございます。
ボトルでの販売など、大容量の包装単位による残薬の発生は、医療機関においても負担となっておりますし、医療保険財政の面からも好ましくない事態と認識しております。
厚生労働省におかれましても、業界の対応を伸ばしていただくとともに、場合によっては薬価上の対応についても検討すべきであると考えております。
続きまして、63ページ調整幅に関わる論点でございます。
依然として医薬品の安定供給が改善しておらず、また、近年の物価賃金の上昇を踏まえれば、むしろ、現在の2%では不足しているとも思われる状況でございます。
したがいまして、現時点で調整幅の縮小について議論する環境にはないと考えております。
次に、67ページでございます。
逆ざやへの対応は、医療機関にとっても大変重い課題であり、可能な範囲で不採算品再算定の適用を検討するなど、何らかの手だてを講じる必要があると考えております。
最後に、76ページの論点でございます。
1つ目のポツの改定の対象範囲については、来年実施される薬価調査の結果も踏まえて判断すべきかと思いますが、その際には、国民負担軽減の観点のみならず、安定供給の確保や物価の高騰など様々な要素を踏まえて、総合的に判断すべきものと考えております。
2つ目のポツの算定ルールの適用についても、現時点では明確な方向性を議論できる状況ではなく、令和8年度の薬価改定の結果や、その後の業界ヒアリングなども踏まえた上で検討すべきであると考えております。
私からは以上となります。
○城山部会長
どうもありがとうございました。
ほかにいかがでしょうか。
森委員、お願いします。
○森委員
ありがとうございます。
お示しいただいた論点などについて、幾つか意見と質問をさせていただければと思います。
まずは、7ページ目の論点についてです。
高額で市場規模が大きな医薬品については、医療保険財政に与える影響を踏まえた対応が必要だと考えております。論点にもあるように、市場規模が年間1500億円を超えると見込まれる高額医薬品への対応は継続するとともに、高額な医薬品が将来の医療保険財政に与える影響を踏まえ、その適切な評価の在り方に関する検討を進めるべきと考えます。
論点の3つ目についてです。
年間販売額が当初予想販売額から10倍以上かつ3000億円を超え急拡大するという想定外に市場が拡大した場合であれば、引下げ幅の上限値については、業界からの意見も踏まえつつ、検討していくべきと考えます。
次に、13ページ目の論点についてです。
11ページ目の左側の業界の意見で、企業の投資などについて配慮すべきと考えますが、承認するかしないかは、事前の確認ではなく、試験の結果に基づき判断するものだと考えます。
また、論点にあるように、上市後、リアルワールドで新たな価値が明らかになることも考えられます。
事務局への確認になりますが、平成30年度以降、類似薬効比較方式(Ⅱ)で算定された23成分の中で、上市後新たな価値が明らかとなったものがどのくらいあったのか教えていただければと思います。
次に、33ページ目の論点についてです。
1つ目の新薬創出・適用外薬解消等促進加算については、イノベーションの評価とともに、専門委員の意見にあるように、制度の趣旨を踏まえつつ、日本市場の魅力度を向上し、ドラッグ・ラグ/ロスの解消につながる対応となるよう進めるべきと考えます。
名称を分かりやすいものに変更することには異論ありません。
論点の2つ目についてです。
21ページ目に示されている新規作用機序医薬品の革新性、有用性の基準については、イノベーションの推進や評価に逆行しないよう、令和6年度薬価制度改革で充実した算定時の加算による対応を継続していくべきと考えます。
2つ目の市場拡大再算定の2つ目の論点についてです。
企業の予見性が高まり、企業にとって希少疾患、小児の開発が促進されることが考えられるため賛同します。
また、4つ目の論点についてです。
新薬の収載頻度が年7回となり、頻回の薬価変更による薬局医療機関、卸の事務負担や価格交渉への影響はもちろんですが、市場拡大再算定の対象となることにより、薬局・医療機関で在庫している医薬品の在庫価値減少にも影響します。
これまで市場拡大再算定の対象となった医薬品の在庫価値減少については、何とか全体の薬価差の中で見てきましたが、今はそういう状況ではありません。
翌月から薬価が大きく下がることが分かっていても、現場では患者のために在庫しないわけにはいきません。また、市場拡大再算定の対象となるのは、高額な薬剤で、そのため大きな影響を受けます。
こうした影響があることを踏まえると、現行の頻度が妥当と考えますし、現場にも配慮した制度となるよう検討すべきと考えます。
3つ目の長期収載品の薬価のさらなる適正化についてです。
イノベーションを推進するため、長期収載品に依存させないような薬価制度にしていくことに関しては問題ありません。
ただし、安定供給に配慮することと、そのような薬価制度にする場合、3ページにおける加算とイノベーションの評価とセットで進めていかなければならないものと認識しています。
次に、38ページ目の論点についてです。
薬価算定の妥当性、透明性の向上のために、補正加算適用の妥当性等について専門的な見地からの検討が必要な場合は、薬価算定組織での検討を経て、薬価算定を行うことについて異論ありません。
また、40ページ目の論点についてです。最低薬価を下回らないようにすることは必要で、適用順を変更することに異論ありません。
次に、54ページ目の論点です。
日本薬局方に収載されている医薬品は、医療現場で頻繁に使用される基本的で医療上必要な薬剤であり、かつ、その品質の安定性と有効性が長期にわたり確認されている医薬品です。
第19改正、日本薬局方作成の5本の柱の1つとして、保険医療上重要な医薬品を優先して収載することによる収載品目の充実が掲げられており、日本薬局方に収載されている医薬品については、引き続き安定供給を配慮した薬価とすべきと考えます。
次に、59ページ目の論点です。
56ページ目にあるように、販売包装単位の適正化については大変重要な課題であり、販売包装単位が適切でない品目があると、現場では本当に困ることになります。
販売包装単位の対応状況を注視することとし、今後、必要に応じて薬価上の対応の必要性を検討するということではなく、可能なものからすぐに対応、検討を進めていただきたいと考えます。
超高額なものについて、また、処方実態と包装単位が合わなく、調剤のために残薬となるようなものについては、販売包装単位での薬価の収載等、早急に対応していただきたいと思います。
ただし、販売包装単位の問題への対応については、各企業の取組によるところが大きいと思いますので、今後の業界ヒアリングでもお考えや、取組予定などを示していただければと思います。
また、以前もお話ししましたが、注射剤についても対応が必要ではないかと考えております。
次に、63ページ目の論点についてです。
調整幅は幅広い範囲で様々な役割を持ち、流通安定のために設定されたものです。調整幅2%に設定された当初と現在を比べても、例えば、厳格な管理が必要な医薬品も出てきており、流通管理コストが増強している状況です。
また、薬局、医療機関での管理コスト、廃棄損もコストも増加しています。中間年改定実施後は、薬価改定の影響を緩和する仕組みとしても機能しています。引き続き調整幅は必要であり、さらに近年の物価高騰、流通費高騰などを踏まえた検討が必要だと考えます。
次に、67ページ目の論点についてです。
低薬価品は、物価、原材料価格、流通経費の高騰、賃金上昇の影響をより大きく受けると考えます。
特に後発医薬品や薬価の低い医薬品の下支えは必要です。また、インフレ社会の中で、特に低薬価品をどうするのか、検討が必要だと考えます。
低薬価品の中には、いわゆる水物と言われている、例えば、精製水とかが多いのですけれども、そういうものも含まれていますので、そういうものは輸送費が非常に高騰しています。こうした医薬品についての配慮は重要なものと考えます。
最後に、76ページ目の論点についてです。
中間年改定については、4大臣合意当時と大きく環境が変化しています。令和9年度まで期間があり、インフレ等の状況や、平均乖離率の変化、関係者への中間年改定の影響を踏まえて、そもそも中間年改定をこのまま続けるのか等を検討した上で、論点にあるような検討をすべきと考えます。
私からは以上です。
○城山部会長
どうもありがとうございました。
1つ、13ページですかね、類似薬効方式で承認された23の例について、リアルワールドで新たな価値が発見された例があるかという御質問がありましたが、事務局のほうからいかがでしょうか。
○清原薬剤管理官
薬剤管理官でございます。
先ほどの森委員の御質問について、平成30年度以降に類(Ⅱ)算定された23成分のうち、新たな価値が見いだされたものとしまして、2成分ございます。
こちらについては、改定時加算を受けまして、新薬創出等加算の対象となっているものに変わったというものがございます。
以上でございます。
○城山部会長
森委員。
○森委員
ありがとうございました。
承認時、新規性が乏しくても、上市後新たな価値があるものがあるということは分かりました。
そうしたものに関しては、改定時加算等で改めて評価をすべきと考えますけれども、これまでの類似薬効方式(Ⅱ)で算定されるものに関しては、江澤委員からもありましたが、やはりメリハリをつけた考え方というのが必要ではないかと思います。
以上です。
○城山部会長
ありがとうございます。
ほかは、いかがでしょうか。
では、松本委員、お願いします。
○松本委員
ありがとうございます。
それでは、論点についてコメントいたします。
まず、7ページ目の高額医薬品についてでございますが、これまでの個別対応してきたものをルール化するということで、企業の予見性も高まると考えますので妥当だと思います。
ただ、論点の2つ目にございます、四半期での速やかな再算定につきましては、後ほども述べますけれども、効能追加等による大幅な市場規模への対応と一体的に整理をしていただきたいと考えます。
次に、13ページの類似薬効比較方式(Ⅱ)については、以前にも申し上げましたけれども、新規性に乏しい新薬を保険給付する必要性には疑問を感じております。今回の薬価制度改革で収載の可否まで踏み込むことは、企業にも大きな影響があることは十分理解しておりますが、少なくとも課題はあるものと認識しております。
また、12ページを見てみますと、赤い枠で囲まれているタケキャブは、患者数が著しく多いために売上高が大きいことが示されております。数年前に健保連が実施したレセプト分析でもPPIの中でタケキャブの数量が多く、なぜこれほど使用されているのか、個人的にも疑問を感じたところでございます。
この理由が分かれば、事務局にも教えてほしいですけれども、以前に業界ヒアリングの場では、薬剤の選択については医師の判断なので、製薬企業からは特に強いこだわりはないという趣旨の御発言もございました。
薬剤の適正使用は、国民皆保険制度の持続可能性を確保する観点からも非常に重要であり、PPIに限らず、フォーミュラリの活用等により、医療現場でカットオフ値を引き上げる取組も推進すべきと考えております。
続きまして、33ページの論点については、全体的に運用を明確化する方向と受け止めますので、推進していただきたいと思います。
その上で、新薬創出加算については、新規作用機序に関する要件を削除することは妥当だと考えます。
また、累積額の控除につきましては、これまでも述べておりますけれども、後発品の薬価収載を同時に実施すべきだと思います。
続きまして、市場拡大再算定については、効能追加等による市場拡大に伴う再算定を新薬の収載に合わせて年7回に見直すべきだと考えます。
論点には、事務負担や価格交渉への影響等が記載されておりますけれども、この制度が適用される品目はそれほど多いとは考えられず、また、医療現場では新薬と一緒にシステムを更新し、価格交渉することも考えられますので、ぜひ速やかに薬価見直しをしていただきたいと思います。
長期収載品につきましては、32ページのイメージは、前回の議論のものが反映されており、この方向で進めるべきだと考えます。
次に、50ページの外国平均価格調整についてですけれども、ドイツの参照価格を価格交渉後の価格にすることには賛同いたします。速やかに価格を把握するための工夫を、ぜひお願いしたいと思います。
続きまして、54ページの論点でございますが、局方化を推進する方向性は理解しておりますが、最低薬価の引上げについては少し慎重に判断させていただきたいと思います。
続きまして、63ページの調整幅についてですが、これは再三申し上げておりますけれども、一律2%で固定されていることには疑問を持っております。
令和7年度の改定で、カテゴリー別に実勢価改定の対象範囲を変えたことを踏まえますと、カテゴリー別の調整幅や投与経路別、剤形別、高額薬剤がどうかといった切り口で調整幅を変える余地は十分にあると考えております。
また、67ページにあります逆ざやについてですが、医療機器と異なり、銘柄別収載ということを踏まえまして、慎重に判断する必要があり、薬価を下支えする既存のルールの中で対応すべきだと考えます。
最後に、診療報酬改定がない年の薬価改定については、70ページにもあります平成28年の4大臣合意の趣旨も十分に踏まえ、基本的には全てのルールを適用し、粛々と薬価改定を実施することが望ましいと考えております。
私からは以上でございます。
○城山部会長
ありがとうございました。
御意見ということでよろしいですかね。
では、鳥潟委員、お願いします。
○鳥潟委員
まず、高額医薬品に対する対応についてですが、ゾコーバやレケンビ、ケサンラのように高額かつ市場規模が一定以上の医薬品につきましては、保険財政の影響を鑑み、四半期での使用量の把握を行い、再算定の適否を確認すべきと考えます。その際、引下げ幅の上限値を引き上げることについても賛同いたします。
次に、逆ざやの問題につきまして、原材料の高騰や製造、流通のコスト増により、原価計算の結果が薬価を上回ってしまう場合には、今回の改定で適切に対応していく必要があるとは考えます。
一方、例えば、これまで安売りをする企業があったからこそ薬価がどんどん引き下がり、薬価を上回る納入価格をつけざるを得なくなっているケースなども想定され得るところだと考えております。逆ざやが生じているからといって、一律かつ統一的に対応すべきかというとそうではなく、まずは、なぜ逆ざやが生じているか、何が原因か、もう少し実態をお伺いした上で対応を議論すべきかと考えております。
最後に、中間年改定につきましては、価格を引き下げて販売している医薬品があり、薬価差が生じているのであれば、大臣合意を踏まえて粛々と行っていくべきと考えております。
その際には、これまで適用した算定ルールを適用することに加え、長期収載品の薬価改定や市場拡大再算定を中間年改定で運用する方針につきましては、新薬のライフサイクルを踏まえた対応を促進するものであり、その方針で進めていただければと考えております。
以上です。
○城山部会長
ありがとうございました。
永井委員、お願いします。
○永井委員
ありがとうございます。
安定供給、患者のアクセスの確保という観点から申し上げたいと思います。
長期収載品の薬価のさらなる適正化につきましては、安定供給に支障を来すことがないように配慮するとともに、調整幅、流通に関する課題につきましては、それぞれ、物価、原材料等の高騰を勘案すること、そして、診療報酬改定がない年の薬価改定につきましても、不採算品や最低薬価の引上げなどへの対応を含め、業界の意見も踏まえつつ、適切な対応を図ることが必要と考えております。
以上です。
○城山部会長
ありがとうございました。
ほかは、いかがでしょうか。
それでは、専門委員の方からも御意見等ございましたら、いただければと思います。
失礼しました、奥田委員、手が挙がっていらっしゃいますね、では、奥田委員、まず、お願いします。
○奥田委員
ありがとうございます。
私からは1点のみ申し上げます。
33ページの論点の一番下のところに、長期収載品の薬価のさらなる適正化について記載がありますけれども、32ページのイメージで適正化を進めるのであれば、論点にイノベーションの推進に向けてと記載があることを踏まえ、適正化によって得られる財源は着実に新薬のイノベーションの推進に振り向けていくことが重要であると考えております。
私からは以上です。
○城山部会長
ありがとうございました。
それでは、専門委員のほうからも御意見がございましたら、藤原専門委員、お願いします。
○藤原専門委員
発言の機会を賜りまして、ありがとうございます。
私から市場拡大再算定について、コメントをさせていただきます。
まずは、11月5日に開催されました薬価専門部会、費用対効果評価専門部会の合同部会におきまして、創薬力向上のための官民協議会ワーキンググループの議論の整理が示されております。
その中では、医薬品産業を成長産業、基幹産業と捉え、創薬エコシステムが循環的に発展していくためには、メリハリのある薬価政策を推進するとともに、予見可能性及びイノベーションへの評価が重要である旨が示されております。
その上で、本日の資料でございますけれども、スライド7、高額医薬品に対する対応に係る論点の3ポツ目に記載があります、市場拡大再算定の特例の適用についての御提案、また、スライド33にございます、市場拡大再算定の1ポツ目に記載があります、市場拡大再算定の特例に関する御提案につきましては、国民皆保険の持続性の重要性については理解をしておりますけれども、その方法としては、特定の品目に負担が偏るものであり、イノベーションの評価や、ドラッグ・ラグ/ロス解消といった観点も十分に考慮いただき、丁寧かつ慎重な議論が必要であると考えております。
また、3ポツ目に記載がございます、市場拡大再算定の類似品の取扱い、いわゆる共連れルールにつきましては、長期収載品に限らず、全ての類似品に関わる問題であると捉えております。
他社品の売上規模など外的要因により発生し、予見可能性が極めて低いことは、継続的な研究開発投資を行い、創薬イノベーションを推進する上で、重大な阻害要因の1つになるということから、業界意見陳述にて御要望申し上げておりますとおり、廃止に向けた検討をお願いしたいと考えております。
最後に、論点には記載ございませんけれども、2点、1つは、有用な効能追加等があった場合の引下げ率の緩和並びに再生医療等製品につきましては、複雑で個別化された製造工程を必要とするため、大量生産ができず、スケールメリットが得られないという特性も踏まえまして、市場拡大再算定の対象から除外することについても御検討いただきますよう、よろしくお願いを申し上げます。
私からは以上でございます。
○城山部会長
ありがとうございました。
ほかに何か御意見、御質問ございますでしょうか。
よろしいでしょうか。
それでは、ほかに御意見等もないようでしたら、本件に係る質疑はこのあたりとし、今後事務局において本日いただいた御意見も踏まえ、対応をいただくようにお願いいたします。
本日の議題は以上です。
次回の日程につきましては、追って事務局より連絡いたしますので、よろしくお願いいたします。
それでは、本日の「薬価専門部会」は、これにて閉会といたします。どうもありがとうございました。

