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- 2025年11月17日 第31回社会保障審議会福祉部会 議事録
2025年11月17日 第31回社会保障審議会福祉部会 議事録
1.日時
令和7年11月17日(月)15:00~17:30
2.場所
日比谷国際ビルコンファレンススクエア8F
3.出席者
- 出席委員(五十音順)
-
- 井口委員
- 石踊委員
- 伊藤委員(代理出席:辰見参考人)
- 稲垣委員(代理出席:杉浦参考人)
- 及川委員
- 小笠原委員
- 鏑木委員
- 菊池委員
- 新保委員
- 鈴木委員
- 高橋英委員
- 髙橋秀委員
- 谷村委員
- 鳥田委員
- 永井委員
- 中村委員
- 沼尾委員
- 樋口委員
- 堀田委員
- 松原委員
- 山下委員
- 山本委員(代理出席:高橋参考人)
- 吉田委員
4.議題
(1)これまでのご意見を踏まえた論点に関する議論の状況について
(2)介護保険部会における議論の状況について
(3)福祉人材確保専門委員会における議論の整理について
(2)介護保険部会における議論の状況について
(3)福祉人材確保専門委員会における議論の整理について
5.議事録
○菊池部会長 皆様、こんにちは。本日も大変お忙しい中、御参集いただきましてありがとうございます。定刻になりましたので、ただいまより、第31回「社会保障審議会福祉部会」を開催いたします。
本日も対面を基本としつつ、オンラインも組み合わせての実施とさせていただきます。
それでは、まず事務局から、新たに就任された委員の御紹介と、本日の委員の出欠状況について御説明をお願いします。
○池上総務課長 それでは、前回開催時から新たに御就任いただいた委員がございますので、御紹介させていただきます。
10月28日付で、日本労働組合総連合会総合政策推進局長の永井幸子委員に新たに当部会委員に御就任をいただいております。どうぞよろしくお願いいたします。
○永井委員 永井でございます。よろしくお願いいたします。
○池上総務課長 続きまして、本日の委員の出欠状況について申し上げます。
本日は、全国町村会の豊郷町長、伊藤委員、全国市長会の刈谷市長、稲垣委員、桃山学院大学の川井委員、全国児童養護施設協議会副会長の則武委員、中央大学の宮本委員、全国知事会の群馬県知事、山本委員から御欠席の連絡をいただいてございます。
また、慶應大学の堀田委員、日本社会福祉会会長の山下委員は遅れて御出席される御予定です。
そのほか、日本知的障害者福祉協会会長の樋口委員は途中で御退席の予定でございます。
また、伊藤委員の代理といたしまして、豊郷町保健福祉課長の辰見栄子参考人に、稲垣委員の代理といたしまして、刈谷市福祉健康部政策監の杉浦参考人に、山本委員の代理といたしまして、群馬県健康福祉部福祉局長の高橋参考人にオンラインで御参加いただいております。
参考人の皆様の御出席につきまして、部会の御承認をいただければと思いますけれども、いかがでしょうか。
(異議なしの意思表示あり)
○池上総務課長 ありがとうございます。それでは、御異議なきものとさせていただきます。
本日は御出席の委員の方が3分の1を超えておりますので、会議は成立しておりますことを御報告申し上げます。
以上となります。
○菊池部会長 ありがとうございました。
それでは、報道関係の方は、冒頭のカメラ撮りはここまでとさせていただきますので、御退席をお願いいたします。
(カメラ退室)
○菊池部会長 続きまして、議事に入る前に資料の確認と会議の運営方法について、事務局から御説明をお願いします。
○池上総務課長 それでは、資料の確認をさせていただきます。会場にお越しの委員におかれましては、机の上に御用意してございます。オンラインにて御出席の委員におかれましては、電子媒体でお送りしております資料を御覧いただけたらと思います。不足等ございましたら、恐縮ですが、ホームページからダウンロードいただくなどの御対応をお願いいたします。
事務局からの提出資料といたしまして、
資料1「これまでのご意見を踏まえた論点に関する議論の状況」
資料2「介護保険部会における議論の状況」
資料3-1「福祉人材確保専門委員会における議論の整理」
資料3-2「福祉人材確保専門委員会における議論の整理(概要)」
資料4「福祉人材確保専門委員会に関する介護保険部会における議論の状況」
参考資料「これまでの福祉部会における主なご意見」
の6点がございます。
併せまして、委員からの提出資料といたしまして、鳥田委員提出資料の1点がございます。
もし欠落等ございましたら、係の者に申しつけていただければと存じます。
次に、発言方法等についてです。オンラインで御参加の委員の皆様には、会議の進行中、マイクはミュートにしていただきます。御発言の際は、「リアクション」の「手を挙げる」をクリックいただき、部会長の御指名を受けてからマイクのミュートを解除して御発言をいただきたいと思います。
なお、時間が限られておりますので、委員の皆様の発言は極力簡潔にお願いできればと思います。どうぞよろしくお願いいたします。
○菊池部会長 ありがとうございます。
それでは、早速議事1及び議事2に入らせていただきます。
まず、議事1につきましては、前々回と前回の2回にわたって、個別の論点について委員の皆様に御議論いただいたところでございます。
これまでの御意見を踏まえ、事務局において、それぞれの項目について論点を整理いただきましたので、今回さらに議論を深めていければと考えております。
また、議事2について、本部会と並行して議論を進めている介護保険部会においても、身寄りのない高齢者等への支援や、過疎地域等における包括的な支援体制等を中心に、本部会とも非常に関連の深い議論がされているところですので、本日は介護保険部会の議論の内容についても御報告をいただきたいと考えてございます。
それでは、事務局からまとめて資料の説明をお願いいたします。
○南地域共生社会推進室長 地域共生社会推進室長でございます。
資料1に沿いまして、論点に関する議論の状況を御説明いたします。
おめくりいただきまして、「1 地域共生社会の更なる展開について」から御説明いたします。本資料につきましては、これまで各回で御議論いただきましたときに提示いたしました「現状・課題」「論点」につきまして、それをベースに、いただいた御意見を踏まえて追記等をしておりますので、これまでに提示している部分と重複する部分については割愛をさせていただきます。
まず、4ページでございます。地域共生社会の更なる展開について、議論の前提ということで、これまで平成29年、令和2年の改正において取組を進めてきていること、あるいはこれまでの改正を受けて相談支援体制の整備が一定進みつつある中で、まだまだ地域づくり等が十分進んでいないところ、あるいは小規模市町村における取組が十分できていないところ、あるいは2040年に向けては、人口減少、担い手不足が深刻化していくような状況を整理してございます。
「現状・課題」、5ページ以降については特段大きな変更はございませんので、割愛させていただきます。
7ページ、「検討の方向性」をお開きください。1つ目、市町村における包括的な支援体制の整備の推進につきましては、9月の部会でこの取組を進めるに当たり、地域からの福祉の支援につながるための、地域から福祉への流れが非常に重要という御指摘がありましたので、この点を追記してございます。
続けて、一番下の都道府県の支援体制の整備の推進の部分ですが、都道府県による市町村への支援の強化と併せて、市町村同士、横の関係性で学び合う環境づくりというのを支援していく必要があるという御意見もいただいておりますので、追記をしてございます。
8ページ、一番下の「包括的な支援体制の中でのこども・若者支援」の部分につきましては、一番最後のところですが、「こども・若者総合相談センター」の機能の充実が求められるという御意見がございましたので、追記をしております。
9ページ以降、過疎地域等における包括的な支援体制整備のための新たな仕組みの点でございます。「現状・課題」については変えてございませんので、割愛いたします。
10ページ、この間、福祉部会と並行いたしまして、市町村及び都道府県の関係者に御参画いただきまして実務的な検討のワーキンググループを開催してまいりました。そこで出てきました意見については、左に記載しておるとおりでございます。これらを踏まえまして、対応の方向性ということで、相談支援、地域づくり、その他ということで整理をしております。
まず、相談支援につきましては、できる限り配置基準を柔軟なものにしてほしいという御意見をたくさんいただいております。また、窓口の設置方法についても、市町村で実情に合わせて選択できるような仕組みとしてほしいという御意見をいただいておりますので、そういった方向で検討したいと考えております。
また、一次相談につきましては、分野横断で相談を受けていただきますけれども、その際、相談を受ける相談員の研修でありますとか、人口が減少して担い手が不足する地域でございますので、AIの活用等も導入してほしいという御意見がありましたので、こちらについては、次年度、モデル事業を概算要求しておりますので、こういったことも踏まえましてモデル事業での実施を検討したいと考えております。
併せて、一次相談を市町村で受けていただきますが、専門的な対応が必要になった場合の後方支援体制については、都道府県にそういった対応をいただくことの役割の明確化でありますとか、それと併せて、都道府県の後方支援事業、補助事業の強化というのを検討したいということで、書いてございます。
また、地域づくりにつきましても、相談同様、配置基準についてはできるだけ分野横断的なもので柔軟な配置ということで考えたいと思っております。また、配置の方法につきましても、実情に合わせて柔軟に決定できる仕組みとして考えたいということです。具体の地域との連携・協働につきましては、今年度調査研究も実施しておりますし、それらも踏まえて次年度のモデル事業等での実施を検討していきたいと考えております。
さらに、その他として、担い手不足が深刻化する点につきましては、行政職員のほうも同様でございますので、事務手続についてはできるだけ簡素化を図る方向で検討したいということで、対応の方向性をまとめてございます。
11ページ以降に「検討の方向性」ということで、今、申し上げた対応の方向性を盛り込んだ形で記載しておりますので、御参照いただければと思います。
また、12ページ、対象地域と実施要件ですけれども、人口規模が小さい等についてはお示ししておりましたが、必要なプロセスを経ていることをしっかり確認した上で、丁寧に移行を進めていく必要があると考えておりますので、都道府県及び国が何らかの形で確認をしながら移行させていくということで検討をしたいということで、提示をしております。
13ページ以降、地域共生社会の理念の再整理・連携協働の強化の部分については、議論いただいた9月以降、大きく変更はございませんので、割愛いたします。
続きまして、「2 身寄りのない高齢者等への対応、成年後見制度の見直しへの対応について」、説明をさせていただきます。
16ページにつきましては、議論の前提ということで、単身世帯の増加が見込まれる中で、様々なこれまで家族・親族等が担ってきたと考えられるような日常的な事務がないということが課題として顕在化しており、併せて、成年後見制度につきましては、法制審議会において議論が進んでいるという状況でございます。
こうしたことも受けまして、頼れる身寄りがいない高齢者等、判断能力が不十分な方も地域で必要な支援を受けて生活いただくということで、地域共生社会の在り方検討会議のとりまとめを受けて議論を進めているというところを整理してございます。
「現状・課題」につきましては大きな変更はございませんので、割愛させていただきます。
18ページ、新たな事業ということで、こうした日常生活支援、円滑な入院・入所の手続支援、死後事務等を実施する第二種社会福祉事業というのを提案させていただいておりますが、それにつきまして、2つ目の丸のなお書きですが、前回9月の審議会におきましては、事業の実施に当たっては、十分な準備期間、丁寧な説明が必要という御意見がありましたので、追記をしております。
続きまして、19ページの「検討の方向性」の対象者のところです。こちらは後ほど御報告がありますが、介護保険部会においても御議論いただいておりまして、その際、「身寄りのない高齢者等」という表現・定義についての御意見があった点について記載してございます。
21ページ、利用料の部分につきましては、9月の審議会の際に、利用料金が高額にならないように検討が必要という御意見があったということを追記してございます。
22ページは9月の審議会で出た御意見を整理してございます。事業を実施する際にさらに検討が必要ということで幾つかの御意見をいただいておりますので、そちらについて記載してございます。
23ページ、24ページにつきましては、この間、10月21日に成年後見制度利用促進専門家会議において議論が行われておりますので、その際の意見について御紹介をしておりますので、御参照いただければと思います。
25ページ、補足説明資料ということで、第29回、9月の福祉部会において御意見がありました2点につきまして、考え方/対応の方向性を整理してございます。
1つ目は身寄りのない高齢者等への支援に係る自治体の役割、もう一つは事業者に対するチェック体制についてでございます。1つ目の自治体の役割につきましては、身寄りのない高齢者等への支援についても、社会福祉法第106条の3に基づく包括的な支援体制の中の「地域生活課題」に含まれるということを明確化した上で、包括的な支援体制整備のための「大臣指針」でありますとか、地域福祉計画の「計画策定ガイドライン」において、こういった身寄りのない高齢者等への支援に係る事項等を明記する形で検討したいと考えております。
事業者に対するチェック体制につきましては、第二種社会福祉事業としての届出に加えまして、社会福祉協議会が実施する場合は、運営適正化委員会による適正な運営の確保、さらに第二種社会福祉事業として実施する場合の事業者へのガイドライン等を示すことを検討したいということで、追記をしてございます。
中核機関につきましては、9月以降大きな変更はございませんので、割愛させていただきます。
1番と2番につきましては、以上でございます。
○小野福祉基盤課長 福祉基盤課長でございます。
続きまして、私から項目の3番と4番について、続けて説明をさせていただきます。
まず、「3 社会福祉法人制度・社会福祉連携推進法人制度の在り方について」です。
31ページを御覧ください。
議論の前提ですが、少子高齢化・人口減少が進む中で、地域において複雑化・多様化する福祉ニーズへ対応するために、地域共生社会の担い手として、社会福祉法人の役割が非常に重要であること。また、地域の福祉ニーズに対応した事業を安定的に継続するためには、複数の法人間での連携・協働化による経営基盤の強化、事業の効率化等を図ることが有効な方策として考えられることから、これまでに協働化の手法として社会福祉連携推進法人制度の活用を進めてきています。
一番下の丸になりますが、地域共生社会の在り方検討会議、「2040年に向けたサービス提供体制等のあり方」検討会では、社会福祉連携推進法人制度の活用を一層促進する観点から、地域福祉の充実、人材の確保・育成といった連携によるメリットをより享受できるよう、使いやすい仕組みとするべきとの方向性が示されたところでございます。
32ページより、前回10月21日の部会において事務局から提示した「現状・課題」「論点」に対して、委員の皆様からいただいた御意見を踏まえまして、「検討の方向性」として整理させていただいたものとなります。
33ページをお願いいたします。
社会福祉連携推進法人による社会福祉事業の実施については、社会福祉事業の維持だけでなく、連携・協働による効果的・効率的な事業の実施を推進する観点から、社会福祉事業等の実施を可能とすることを方向性として記載しています。これは御意見をいただいたところでございます。
また、その際、3つ目の丸ですが、第一種社会福祉事業は特に利用者の人権擁護、事業の継続性、安定性を確保する必要性が高い事業であることを理由に、原則として地方公共団体または社会福祉法人に限り経営を認めている現状を踏まえまして、連携推進法人が実施する事業の範囲は、第二種社会福祉事業及び社会福祉事業以外の社会福祉を目的とする福祉サービスの範囲とすべきとしております。
その下の4つ目の丸では、認定所轄庁が定款等の認可の際に要件の充足を確認することとしていますが、その際、要件の該当性や事業の安定性、継続性をどのように判断するかなど、国として適切な運用方法について具体的に示す必要があるとしています。
一番下の5つ目の丸で、事務負担の軽減のため、代表理事の再任時の手続を緩和すべきであるとしています。
34ページからは既存施設の土地・建物の有効活用についてでありますが、35ページの「検討の方向性」につきまして、中山間・人口減少地域において不可欠な社会福祉事業等を維持するために、既存の施設等も有効活用する観点から、一定の要件を満たす場合には、社会福祉連携推進法人が社員法人間の土地・建物の貸付に関する支援業務をすべきであるとしています。
また、3つ目の丸ですが、社会福祉法人の解散時における土地・建物の有効活用として、帰属後に地方公共団体自らが事業を実施するか、または、地方公共団体から他の社会福祉法人に土地・建物を貸し出すことにより、地域に不可欠な社会福祉事業の維持のために有効活用する場合には、残余財産の帰属を受けることができることとすべきであるとしています。
続きまして、「4 災害に備えた福祉的支援体制について」でございます。
37ページを御覧ください。
議論の前提です。一番上の丸にも記載させていただいていますが、まずは令和6年能登半島地震への対応においては、社会福祉士、介護福祉士、介護支援専門員の皆さんなど、実際に現地で支援に当たっていただいた皆様、それから施設・事業所、事業者団体、職能団体の役職員の皆様の御協力によりまして、全ての都道府県からDWATを被災地に派遣いただきました。また、介護職員等の施設間応援派遣や、被災高齢者等把握事業、被災者見守り・相談支援等事業を通じて被災者の生活を支えていただいてきております。このことに対しまして、この場を借りて改めて御礼申し上げます。ありがとうございます。
2つ目の丸以降で、平時からの災害福祉支援の体制整備やDWATについて、現行法律上の規定がないことや、能登半島地震において平時から災害福祉支援の体制整備の重要性が認識されたこと等を記載しております。
38ページをお願いします。
項目の3と同様に、委員の皆様からいただいた御意見を踏まえまして、「検討の方向性」として整理をさせていただいております。
39ページをお願いいたします。
包括的支援体制の整備における防災との連携規定、地域福祉計画の記載事項における災害福祉に関する事項を社会福祉法に加えるべきという点を記載しております。
上段の2つ目と3つ目の丸ですが、御意見をいただきました受援のための体制づくりへの留意、女性参画について記載しています。
また、一番下の丸ですが、これも御意見を踏まえまして、包括的支援体制整備や地域福祉計画の策定に当たって、支援の長期化や他の災害福祉支援との関係にも留意が必要であるとしております。
40ページをお願いいたします。
DWATの平時からの体制づくり・研修等についてです。こちらの「検討の方向性」につきましても、DWATの登録制度を整備すること、研修・訓練の規定を設けること、併せて、国・都道府県の役割分担を記載しています。また、DWATチーム員の派遣元使用者に配慮義務を課すこと、DWATチーム員に秘密保持義務を課すことを、それぞれ行うべきものとして記載をさせていただいております。
上段2つ目の丸の3ポツ目ですが、御意見を踏まえまして、生活圏域や市町村単位でのDWATを組成可能とするための養成・訓練、あるいは地域住民・関係機関と連携した実施、また、広域での実施にも留意すべきとさせていただいております。
その下の4ポツ目は、DWATの登録、研修、派遣などの実際の運用に当たっては、迅速な派遣や、支援のフェーズに応じた他の災害福祉支援との関係にも留意が必要であるとさせていただいております。
さらに、上から4つ目の丸になりますが、前回の部会で、DWATチーム員を派遣する施設・事業所への支援についても検討が必要であるとの御意見をいただきましたので、記載しています。
同様に、一番下の丸になりますが、災害時の福祉施設・サービス事業所の機能回復のための人材確保についても御意見をいただきましたので、その旨を記載しております。
私から3、4の説明は以上となります。よろしくお願いします。
○池上総務課長 続きまして、総務課長、池上より「5 共同募金事業の在り方について」御説明いたします。
43ページを御覧ください。
部会の中では、共同募金事業について、歴史的な役割が大きく、特別な存在として今後も取り組むべきという御趣旨の御発言をいただきましたので、その旨を「現状・課題」の2つ目の丸のところで書かせていただきました。
「検討の方向性」につきましては、お出ししている資料から変更はございません。寄附募集禁止規定の見直し、準備金の使途の見直しについて、ここに記載のある形で進めていくということでの記載を入れているところでございます。
資料1の御説明は以上になります。
この後、資料2について、老健局のほうからお願いいたします。
○野村認知症総合戦略企画官 老健局の認知症施策・地域介護推進課の企画官の野村でございます。
資料2、介護保険部会における議論の状況を御報告させていただければと思います。介護保険部会において福祉部会の御議論と密接に関連する事項を御議論させていただいてございます。関連するものについて御説明をさせていただければと思います。
資料2の2ページ目から論点①で身寄りのない高齢者の関係、11ページ以降は論点②介護予防の推進ということで、大きく2つのテーマで御紹介をさせていただきます。
まず、2ページ目をお開きいただければと思います。10月9日、第126回の介護保険部会で御議論いただきました地域包括ケアシステムの深化、相談支援の在り方ということで、身寄りのない高齢者等への支援について御議論をいただいたところでございます。
細かい御説明の前に、介護保険部会でも御議論いただきました身寄りのない高齢者等への対応ということで、まず前提となります定義の部分でございますが、身寄りのない高齢者等への取組としては、身寄りがあったとしても、家族・親族等の関係は非常に多様でございますので、一概に身寄りがあることをもって身寄りのない高齢者というところからの除外ということでは決してないのだと、そういう方々ももちろん対象として考えていくのだということで、介護保険部会のほうでも御議論をいただいているところでございます。
そうした中で、2ページ目でございます。今後増加が見込まれる身寄りのない高齢者等の生活課題について、適切な支援をつないで、総力戦での対応が重要と考えているところでございます。
そういう中で、2つ目の丸でございますが、介護の現場において、例えばということでございますが、ケアマネジャー等の法定外業務として対応せざるを得ないという状況が課題になっている、これに対して、地域課題として、地域全体での対応を協議して、つないでいく、まさにコーディネートの場が必要なのではないか。そういう中で、その選択肢の一つとして介護保険法に基づいて市町村が実施する地域ケア会議が考えられるのであろうと。具体的な対応策や必要に応じた資源開発、発掘、関係者や関係事業につないでいくことを想定しているというところで、「現状・課題」についての御説明をさせていただいております。
続いて、3ページ目は論点に対する考え方として御紹介をしているものでございますが、地域ケア会議を活用していくための論点というところでございます。まず、身寄りのない高齢者等への支援に資する地域ケア会議の活用・推進のためにということで、1つ目の丸で3点御用意してございます。1つは日常生活圏域等のよりきめ細かい地域ごとの課題に対応することを考えた場合に、地域包括支援センターが果たす役割はどういうものがあるのがいいのか。2つ目、課題に対応する場を地域ケア会議とする場合には、関係職種の役割をどう考えていけばいいのであろうか。3つ目、身寄りなし高齢者等の課題への対応というものについては、地域ケア会議だけということでは決してございませんので、ほかの分野の会議体との連携を進めることについてどう考えていくのか。ここは非常に大事だと思っておりまして、これらについて、介護の担当を中心としながら、福祉施策全体の中で検討を進めていければと考えているところでございます。
次に、身寄りのない高齢者等に対する相談体制の充実ということで、下に3つ丸を付しているところがございますが、地域支援事業における包括的支援事業の中で明確に位置づけていく、それとともに、適切なつなぎ先や活用できる制度が明確となるような取組を推進する、そういったことが考えられるだろう、これらも併せて検討を進めていきたいということで、介護保険部会でも御議論いただいたところでございます。
4ページ、5ページ目には、資料として身寄りのない高齢者等が抱える課題と、それに対する自治体の解決の枠組みの例を掲載させていただいております。大きく介護の地域包括支援センターやケアマネが主導するもの、5ページ目の左側の事例なども見ていただければと思いますが、そして真ん中の出雲市のような住民主体で取り組まれるもの。そして官民連携で解決していくもの、その3つを御紹介してございまして、こういったものを見ていくにつれても総合力での解決が必要だと考えているところでございます。
6ページから8ページは、地域ケア会議の現状と課題の調査結果を御紹介しているものでございます。6ページ目の左は地域ケア個別会議の部分で、個別事例を通した課題の抽出・整理がなされてございます。身寄りのない高齢者等の課題とも関連する生活居住支援、身元保証といったテーマを取り上げられたりしてございまして、こういったことからも、地域ケア会議が身寄りなし高齢者等の議論の場の一つの選択肢になるだろうというふうにも考えております。そうした中で、地域包括支援センターが相談窓口としての機能を果たすということも可能になると考えているところでございます。
続いて、11ページ目でございます。11月10日の第128回介護保険部会で地域包括ケアシステムの深化(介護予防・日常生活支援総合事業等)ということで、論点②介護予防の推進について御議論をさせていただきました。高齢者が予防に取り組み、社会に参加しながら地域で自立した生活を営むということは非常に重要でございまして、こうした中で、「通いの場」でございますが、住民主体の介護予防、高齢者の社会参加、地域における支え合い、そして多世代の交流の場といったことを多面的に議論していく、そういったことで地域共生社会の実現ということをこの通いの場が非常に役割を果たしてきたとも考えております。
高齢化や人口減少の状況に差がございますので、そういった中で、その状況を踏まえつつ、幅広い市町村において各自治体の状況を踏まえた拠点の整備、運営を推進する必要があるだろう、ということで、12ページにございます令和6年度の補正予算といったところのものをベースに考えていきながら、地域の通いの場の取組を支援する、そして高齢者の介護予防、障害、子育て、生活困窮分野等の地域で求められる取組を一体的に実施するための拠点といったものを整備する、その運営を推進する事業について地域支援事業に位置づけていく、そういったことも検討する必要があるだろうということで、御議論いただきました。
13ページ目以降は介護保険部会の御議論の状況をお示しさせていただいております。
説明は以上でございます。
○菊池部会長 御説明ありがとうございました。
私からは、とりわけ介護保険部会において、介護保険は言わば相談支援における先達といった面がございますので、そこでの議論を他の部会に共有していただきたいとお願いしていたところで、今、詳しく御紹介いただきましてありがとうございました。
それでは、ただいまの説明全般につきまして御意見等をお願いできればと存じますが、限られた時間の中で多くの委員の皆様に御発言いただきたいと思いますので、簡潔に3分以内で御発言をおまとめいただきますようお願いいたします。2分半を経過した時点でベルを鳴らさせていただきますので、恐縮ですが、発言をおまとめいただければ幸いでございます。
また、論点が多岐にわたることから、内容を前半、後半に区切って御意見をいただきたく存じます。まずは資料1の「1 地域共生社会の更なる展開について」と「2 身寄りのない高齢者等への対応、成年後見制度の見直しへの対応について」、及び資料2の介護保険部会における主な御意見に関して御発言がございましたらお願いしたいと存じます。資料1の3、4、5については、後ほど改めて御発言の機会を設けさせていただきます。
いつも会場からお願いしていますが、本日、樋口委員が御退席を御予定ということで、よろしければ最初に樋口委員から御発言いただければと存じます。全体を通じてで結構ですので、お願いいたします。
○樋口委員 ありがとうございます。日本知的障害者福祉協会の樋口でございます。
当会は知的発達領域の全国組織で、幼児期から成人期、また高齢期に至るまで様々な事業を担わせてもらっております。それぞれの事業の人的、また物理的な施設・事業所の環境について、今ある資源をどのように組合せ、活用するかという具体的な議論を行い、それぞれの分野の可能性に一歩踏み込んでいかないと、実際的に有効な施策につながらないと思うのです。そういう意味では、それぞれの事業所の受援について、どのようなことが受入れ可能なのかの議論を始める必要があると思っておりますし、当協会でもそうした議論を始めないといけないと考えております。
以上です。
○菊池部会長 ありがとうございます。
それでは、会場から、私の左手の井口委員から谷村委員までの皆様で御発言を御予定の方は手を挙げていただいてよろしいですか。小笠原委員、鏑木委員のお二方でよろしいですね。
それでは、小笠原委員からお願いします。
○小笠原委員 日本介護福祉士養成施設協会の小笠原でございます。
私は、2の身寄りのない高齢者等への対応についての意見です。これはこの委員会というよりは、その後につくられるガイドラインや実施要綱に触れる部分になるかもしれないのですが、私も対応している方にちょっと詳しくお話を聞いてみたところ、相談が殺到するのではないかということを非常に不安に感じていらっしゃいまして、特に本人が必要性を感じて利用するというよりは、既に支援を受けている人が病院のソーシャルワーカーや施設の支援相談員、生活相談員であったり、また生活保護のケースワーカーがいらっしゃるケースの中で、既に支援をしている人がいるにもかかわらず、どんどんサービスの利用を促されるのではないかということを非常に危惧されているというところがありました。殺到した場合、誰を支援していくのかという意味では、なかなか難しいかもしれませんが、利用の優先順位等も検討することが必要なのではないかという意見がその中でございましたので、ここで御紹介させていただきます。
ケアマネジャーさん、介護支援専門員のシャドウワークということが今、非常に問題になっているところですが、特にこの事業を担当する専門員の方々についても、対応が多岐にわたりますので、結果として入退院支援もソーシャルワーカー等からどんどん情報が入ってきたり、対応を迫られるようになると、今度は専門員のシャドウワークが増えて業務過多になるのではないかという意見もありましたので、これは先ほど冒頭にお話ししたとおり、今後ガイドライン云々であったり、実施の中で検討される部分かもしれませんが、その辺の配慮も含めてお願いしたいと思います。
以上でございます。
○菊池部会長 ありがとうございます。
鏑木委員、お願いします。
○鏑木委員 ありがとうございます。
私も身寄りのない高齢者等への対応について2点意見を申し上げます。1点目は、以前申し上げたことと重複しますが、判断能力が不十分な方や身寄りのない高齢者などへの支援においては、新たな事業だけで解決するものではなく、市町村が整備する包括的支援体制の中にも位置づけていただいて、ぜひ地域づくりとも一体となって取り組むべきだと考えております。その際には、地域の実情に応じた支援体制を構築していくため、新たな事業に対する市町村の責任及び後方支援を行う都道府県の役割を明確化していただきたいです。
2点目、小笠原委員もおっしゃっていた、現行の体制の強化という点につながりますが、現行の日自の体制は脆弱であり、十分な専門医を配置することができていないといったところも課題として見受けられ、待機も発生しているところかと思います。今後ますます増加するニーズに対応できるように、人員体制の強化に向けた御検討もお願いしたいです。
私からは以上です。
○菊池部会長 ありがとうございます。
それでは、逆サイドで鳥田委員から吉田委員までで、鳥田委員、永井委員、沼尾委員、吉田委員ですね。
それでは、鳥田委員からお願いします。
○鳥田委員 東社協の鳥田でございます。
私のほうは、今日意見書も一緒に出させていただいたので、それも併せて御覧いただきたいと思います。
まず、地域共生社会の更なる展開についてでございますが、その中で、ちょっと小さな話になるのですけれども、重層的支援体制整備事業の質の向上に向けて事業の評価を行うということが従前から説明をされていたところなのですが、その評価方法の検討に関して、支援プランとか幾つか候補になっているのですが、プランに至らない場合についてもアウトリーチとか、それぞれの自治体ではエネルギーをかけているところでございますので、そういったアウトリーチとか関係機関との連携とか住民への理解促進など、単に実績には表れない部分も含めて総合的に評価基準というものをつくられるよう、また、実際にやっている現場の意見を十分踏まえるべきではないかと考えております。
また、重層事業における補助金ですけれども、今年度見直されて、幾つかの自治体では成果が出てきたところなのに、その事業を変えざるを得ないというところもございましたが、包括的支援体制整備をするに当たって、重層は一つのツールとしては要と考えておりますので、さらなる専門性の高い人選の安定的な確保などが必要だと思っております。このために専門人材を確保する財源の確保などについて十分御検討いただけたらなと思っております。
2つ目が身寄りのない高齢者への対応で、これに関しては3つのことを申し上げたいと思います。先般全社協さんのお世話により全国の都道府県社協でこのことについて議論したのですが、そのことに基づきましてこのことについてお話しさせていただきたいと思っています。
1つは自治体の役割ですが、今、鏑木委員もおっしゃっていたように、日自事業ということが法的に位置づけられておりまして、今回の検討の中で25ページのところにありますように、自治体の関与も少し入ってきたところですが、いろんな仕事がパッケージになるということもありますので、市町村が主体的な役割をして、地域の実情に応じた支援体制をつくる方策をつくっていただいて、併せて後方支援の都道府県の役割を明確化して、この制度が実効的になるように担保されることが重要だと考えております。
2点目は判断能力が不十分な者への支援と身寄りのない高齢者等への支援ということです。これは従前からお話ししていたことと重なるのですが、別事業だと思っておりまして、その理由としては利用者の状態も利用者の範囲も異なってくるというところです。身寄りのない高齢者等への支援は、現行の社会福祉法の福祉サービス利用援助事業の拡充・発展という形ではなく、別事業として法に位置づけるべきと考えております。
3つ目は利用料です。こちらについては先ほど御説明もあって、高額な利用料はできるだけ避けるようにというお話でしたので、資力が十分でない方も利用できるように、利用料が高額にならない仕組みを御検討いただけたらなと思います。
以上申し上げたことを含めまして、意見書と別葉で、全国の都道府県社協から不安や疑問視の声が寄せられておりまして、それがまとまって厚生労働大臣に要望書を出しておりましたので、それの意見書と併せて資料として御参考にしていただけたらなと思います。
以上です。よろしくお願いします。
○菊池部会長 ありがとうございます。
永井委員、お願いします。
○永井委員 ありがとうございます。
まず、地域共生社会の更なる展開につきましては、包括的な支援体制整備に向けた対応について、第29回でも前任の委員から発言させていただきましたけれども、重層的支援体制整備事業もまだ実施していない自治体が取組に着手できるよう支援するとともに、既に実施の自治体に対しても機能強化に向けて支援していくことが重要だと考えております。
続いて、身寄りのない高齢者等への対応につきまして、日自事業を拡充・発展させる新たな事業の実施主体に制限を設けないことで支援の裾野が広がっていくということに期待したいと思っております。その上で、当該事業がそれぞれの実施主体において適切に行われているかのチェックが重要であり、資料1の21ページの8、チェック体制で記載されている事項がきちんと運用されることが必要だと考えております。したがいまして、議論の取りまとめに向けましては、チェック体制及び運用の重要性について強調して記載していただきたいと思っております。
それから、成年後見制度の見直しへの対応につきましては、市町村において相談や支援を適切に実施するためのコーディネートなどの業務を実施するよう努めることなどが示されておりますが、これらの実施に当たりましては、人材の育成や確保など、体制整備に向けた支援が欠かせないことから、財源確保を含め、国としても支援をお願いしたいと思います。
資料2、介護保険部会における議論の状況の3ページのところで、身寄りのない高齢者等への支援に資する地域ケア会議の活用推進、そして相談体制の充実等でございますが、現状でも地域包括支援センターの業務量は多く、人材不足が課題となっていると思っております。地域包括支援センターをはじめ、中核として期待される拠点の役割と機能を十分に発揮できるように、国による十分な財政支援と人材確保の強化、業務負担の軽減を図るべきと考えております。
以上です。
○菊池部会長 ありがとうございます。
沼尾委員、お願いします。
○沼尾委員 3点申し上げたいと思います。
1つ目は、8ページのところにある包括的支援体制整備における重層的支援体制整備事業実施計画の必須記載事項として目標・評価等に関する事項を加えるというところでございます。このような形で事前に目標・評価等に関する事項を書くというのは大変重要なわけですけれども、他方で、重層的体制整備事業自体のゴールとしては、目の前の当事者に対して、突発的に複合的な課題が生じた場合でも速やかに対応できる環境の構築が大切であると認識しています。そうだとすると、どのようにアウトカム指標を設定するかというところと思うのですが、ぜひ体制整備の環境構築に対する評価という観点を考えていただけたらと思います。
2点目としては、11ページ目の過疎地域等における包括的な支援体制整備のところです。相談支援については、3つ目の丸で一次相談、専門的相談対応という構造化ということが打ち出されているわけですが、実際に大切なのは、相談の窓口を設定するということもそのとおりなのですけれども、相談につなげるための日常的な環境の構築が非常に重要ではないかと考えています。これはもちろん過疎地域等におけるということに限ったものではないのですが、地域の居場所など地域づくり活動との連携も通じて、いかにこういった一次相談につなげていくのかというところについての支援の在り方についてもぜひ併せて明示していただけたらと思います。
3点目は、12ページにある過疎地域等の対象地域・実施要件でございます。「人口規模が小さい、人口減少が進行している等」と書かれているわけですが、平成の大合併を通じて大きな市となっていて、人口規模が多くても、周辺地域で極めて人口密度が低いとか人口規模が限られているような地区があるという実態がございます。ですので、これを本当に市町村単位で見るのかどうかということと、単純に人口規模ということではなくて、例えば人口密度のようなものをメッシュで把握するとか、対象地域の選定については、ぜひ実態に合わせた形で御検討いただければと思います。
以上です。
○菊池部会長 ありがとうございます。
吉田委員、お願いします。
○吉田委員 まずは取りまとめ、ありがとうございました。
資料1の20ページの上から3つ目の丸のところでございます。「入院・入所等の手続支援は」というところになりますが、まず1つ事務局に確認をさせていただきたいと思っております。医療に関係するところでは、入院・退所のところの手続の支援ということでありますが、治療同意や治療に関する意思決定に関するところは、今回の適用には入っていないというところでよろしいかということを確認したいと思います。といいますのも、利用者の立場から考えると、入院に関して、入院の手続あるいは退院の手続も手伝ってくれるのだとなれば、もしかしたら治療に関する意思決定や同意というところもそのまま手伝ってくれるのではないかという思いも出てくるのではないかと思います。もし治療に関する手続の支援を含めないのであれば、その辺りは明確にしていく必要があるというのが1点目の確認です。
もう一つの確認ですが、ここでは入所・退所と書いてございます。これは例えば介護保険の介護保険3施設といったような施設のみを限定しているのか、あるいは最近では在宅サービスと言いまして、いわゆる特定施設の入居者生活介護のような有料老人ホーム系の入居もあります。あるいは完全な民間に関する入居あるいは退去といった事例も想定されます。この辺りの整理というものが、今後の事業を通じた支援の量に関係しそうな気がいたしますので、現状でお答えできる範囲でお願いしたいと思っております。
もう一点は、22ページの「今後の事業実施に向けた課題」の黒ポツの一番上のところで、相続等の法的な問題ということが1つ例として挙げられていると思います。身寄りのない高齢者が存命中で必要なサービスを受けるときのキーパーソンや関係者というものと、相続が絡んできたときに出てくる関係者というのはちょっと変わってくるようなところがあります。こういった相続の法的な問題も福祉の領域で体制を組んで支援をしていこうという意図であるのかどうか、少し確認をさせていただければと思います。
以上でございます。
○菊池部会長 3点確認がございましたので、お願いします。
○占部成年後見制度利用促進室長 成年後見制度利用促進室長でございます。
今の御質問の1点目の医療同意の件ですが、基本的に医療同意は一身専属性が高いものということで、例えば現状でも成年後見人でも基本的に行うことはできないものでございます。これについては医政局のほうでガイドラインをお示ししていまして、例えば家族等が本人の意思を推定できる場合にはその推定意思を尊重することとか、あるいは家族等がいなくて、あるいは家族等が判断を医療ケアチームに委ねるという場合には、本人にとっての最善方針について話し合って対応する。こういった内容についてガイドラインとしてお示ししています。基本的にはこの点については今後も同様でございまして、新たな事業の中でこういった医療同意について対応するということは考えてございません。
入院・入所の手続事務の外延をどこまで考えるかということについては、基本的には入院とか福祉施設の入所といったところを想定しておりますが、ただ、一方で、先ほど御指摘のあったような民間の有料老人ホームの取扱いをどうするかといったところについて、こういった事務の外延をどこまで考えるのかというところの整理は必要だと思っております。
併せて御指摘のあった相続の取扱いについても、死後事務の外延をどこまで考えるのかというところにも関わってきますけれども、基本的に相続等の法的な問題について、この事務の中で全て対応するということは考えていません。ただ、実際にモデル事業を行う中でも、こういった死後事務を行う中で関連する親族から申立てがあってという話がケースとして出てきたりということはございますので、こういった事業の実施に当たって、事業の外延をどこまで考えるのかということについては、今後の事務の内容について整理をしていく際に、併せてお示しをしたいと考えております。
○菊池部会長 吉田委員、いかがでしょうか。よろしいですか。
○吉田委員 はい。
○菊池部会長 ありがとうございます。
それでは、オンライン参加の皆様から挙手機能でお示しいただければと思いますが、いかがでしょうか。杉浦参考人、お願いします。
○杉浦参考人 それでは、私のほうから大きく2つお願いいたします。
まず、重層的支援体制整備事業に関する話でございます。重層的支援体制整備事業の評価方法と検討に関する話になりますが、資料1の8ページ「1-1 包括的な支援体制整備に向けた対応④」にございます事業の評価方法等の検討に関しまして、例えば新しい評価指標が設定されることによりまして、自治体が実質的にその指標に沿った事業運営を求められることになりますと、制度の硬直化を招くことにもなりかねない面がございます。つきましては、今後の検討に当たりましては、各自治体の取組状況を十分に踏まえていただきながら、引き続きそれぞれの自治体がそれぞれの地域の実情に応じた支援を行っていけるよう、制度の柔軟性が損なわれることのないよう御留意いただくことをお願いいたします。
そして、多機関協働事業の交付金についてでございますが、国は今年度交付基準額の減額を行ったほか、次年度の概算要求におきましても、事業開始後5年が経過した自治体への補助率の引下げや、新たに事業を開始する自治体への交付基準額の見直しなどを行うことが示されております。こうした見直しなどにより補助が減少した場合、自治体が期待する額、あるいは見込んだ額を確保できず、その事業運営に支障が生じることが懸念されることから、国におきましては、自治体のこれまでの取組はもとより、これからの取組にも影響を与えることがないように、十分な予算を確実に確保していただくとともに、交付基準額の拡充など財政支援の強化をぜひとも図っていただきたいと考えております。
続きまして、身寄りのない高齢者等への支援に関するお話でございます。こちらは主に資料1の20ページから21ページにかけて記載があります内容に関しまして、原則的には利用料は利用者負担での実施が想定されているところでございますが、一方で、無料低額事業としての実施も想定されているなど、実施機関が安定的かつ継続的に事業を運営するための財政的基盤の確保が大変懸念されているところでございます。
また、新たな事業におきましては、例えば入院・入所等の手続の支援の事業内容の例にあります緊急連絡先の提供などにつきましては、まさに緊急時などの必要時に的確で機動的な対応が求められることが想定されますが、実際にどのように対応していくかといった懸念もあるなど、実施機関における当該事業の実施に当たりましては、人員等を含めた実施体制の確保も課題になるものと思われます。
これらのことを踏まえまして、今後の検討に当たりましては、支援を必要とする人に質の高いサービスが安定的かつ継続的に提供できるよう、実施機関における実施体制の整備や財政基盤の確保といった観点も十分に踏まえていただき、国による財政面での支援も含めた検討をお願いいたします。
また、死後事務の支援におきましては、相続人とのトラブルなどの懸念も想定されることから、それぞれの現場において混乱が生じることのないよう、法的な問題などにつきましても十分整理いただくようお願いいたします。
以上でございます。
○菊池部会長 ありがとうございます。
石踊委員、お願いします。
○石踊委員 全国老施協の石踊でございます。取りまとめ、本当にお疲れさまでございました。私のほうから3点、細かい話ですが、意見をさせていただきたいと思います。
第1点、地域共生社会の更なる展開につきまして、11ページの3つ目の丸、「相談支援については、一次相談対応、専門的相談対応と構造化すべきである」と書かれておりますが、人口規模が本当に小さな市町村においては専門的な人材不足が懸念されるわけです。書かれているとおりでございますが、専門的な相談対応が可能かどうか、本当に難しい状況だと考えております。ここに書かれていますとおり、都道府県のさらなる具体的な支援体制の強化というものが必要ではないかと考えております。
2点目は14ページの「地域共生社会の理念・概念の性格、行政責務について」の3つ目の丸でございます。福祉サービス提供等における「意思決定支援」への配慮ということが書かれていますけれども、福祉サービス提供等に当たっての意思決定支援への配慮の必要性を明確化することにつきましては、特に認知症高齢者など意思決定支援の要配慮者を具体的にどのような基準で判断するのか、非常に難しいので、今後検討が必要であると考えているところでございます。
身寄りのない高齢者等への対応につきまして。これは前回も申し上げたと思いますが、新たな二種社会福祉事業を法に位置づけ、一定の公的関与の下、多様な事業主体に制限を設けないというふうになっておりますが、やはり民間サービスの質の担保、体制面、運営管理の面に関して、行政への届出だけでは非常に不安を感じております。専門性や倫理性を備えていくことはもちろんのこと、人員配置や経営基盤の体制面の十分な事前チェックが必要であると改めて申し上げたいと思います。
私のほうからは以上です。
○菊池部会長 ありがとうございます。
辰見参考人、お願いします。
○辰見参考人 全国町村会、滋賀県豊郷町長の代理で出席しております辰見でございます。私からは2点意見を申し上げます。
1点目は、過疎地域等における包括的な支援体制整備のための新たな仕組みについてです。人口規模が小さく、今後も人口減少が進む町村においては、特に専門職の人材不足や確保が困難になることが予想される中、この仕組みは有効な解決策の一つと考えます。「検討の方向性」にも記載がございますが、自治体の意見やモデル事業の結果を踏まえ、自治体が地域のニーズや実情に沿った形で実施できるような制度設計をお願いしたいと考えます。
2点目は、身寄りのない高齢者等の支援に係る自治体の役割についてでございます。日常生活自立支援事業の拡充が無料または低額の公的サービスとして検討されていること、また、入院・入所等の手続支援や死後事務の支援が新たに加わる方向性であることは、高齢化が進む町村にとって安心につながる有意義な見直しと考えます。
また、事業の拡大に合わせ、身寄りのない高齢者等の支援に係る自治体の役割を厚生労働大臣が定める指針や市町村が策定する地域福祉計画の策定ガイドラインの中に明記することで、市町村が取り組むべき包括的支援の中に正式に位置づける方針とのことです。ただし、現状は専門員・生活支援員が行う業務は既に多岐にわたっており、拡充後は一層の人材不足が懸念されます。事業を持続的に進めるため、国として人材と財源の確保をぜひお願いしたいと考えます。
以上でございます。
○菊池部会長 ありがとうございます。
そのほか、オンラインの皆様からよろしいですか。
ございませんようでしたら、それでは、また会場から。新保部会長代理からお願いします。
○新保部会長代理 私からは3点お伝えしたいと思います。
第1は、スライド7の4つ目の丸に生活困窮者自立支援制度について対象の明確化を図るための見直しということが書かれていますが、ぜひそれは進めていただきたいと思います。併せて、「生活困窮者」という名称についても、法の理念や今後制度が担う役割を鑑みて検討することが必要ではないかと思います。
第2は、新たな事業についてです。スライド20にあるような事業を進めていくに当たっては、利用者の権利が守られるように、十分に対応することが求められております。特に日常生活支援の金銭管理のように、金銭を関わらせて行われる事業は、同意を得て実施しても利用者との葛藤が起こりやすく、事業に関わる職員には一定の専門性が必要です。利用者の権利が侵害されないような実施体制や、着実に都道府県知事等における調査、制限、停止、そして罰則を適用できる体制が不可欠だと思います。ぜひそのような体制を整えていただきたいと思います。
関連して、スライド23には専門家会議の意見が紹介されておりまして、意思決定支援を担うサポーターの必要性が提起されています。新たな事業の実施においても、スライド20にあるような利用者本人の意思決定支援を適切に確保できるような仕組みづくりを進める必要があると思います。
第3ですが、これまで挙がっていなかったような内容かもしれませんが、地域共生社会の更なる展開、身寄りのない高齢者等への対応を充実させていくに当たり、社会福祉法全体を理念の実現という観点から見直す必要もあるのではないかと思っております。
一例として福祉事務所に関する規定を挙げさせていただきます。社会福祉法第3条、福祉サービスの基本理念についての法のコンメンタール(『新版社会福祉法の解説』中央法規出版、2022年、PP102-103)をひもときますと、現行法の改正に当たり、「従来は「福祉サービスを必要とする者」は「援護、育成又は更生されるべき対象」であったが、福祉サービスの利用者は、自らの意思と決定により自立した主体として捉えられるようになり、福祉サービスは、利用者の自己決定による自立を支援するものでなければならないということが明示されています。
一方で、同じ社会福祉法第15条の福祉事務所(福祉に関する事務所)に関する規定においては、「援護、育成又は更生の措置を要する者」という文言ですとか、「本人に対して生活指導を行う」という文言がいまだに用いられています。福祉事務所の職員が、措置の業務を行うことは重要な役割ですけれども、福祉事務所の職員が実際に携わっている福祉六法においては、既に社会福祉法における自立支援の考え方に基づく相談支援が日常業務となっているものと理解しております。地域共生社会の実現において、住民にとって身近な相談機関であり、住民の生活と生命を守る第一線機関である福祉事務所の役割の条文や、その他の条文についても、社会福祉法の理念に照らしながら、今後ぜひ福祉部会で見直していただくことをお願いしたいと思います。
以上です。
○菊池部会長 ありがとうございます。
ほかにはよろしいですか。
それでは、前半はここまでとさせていただきまして、引き続きまして、資料1の「3 社会福祉法人制度・社会福祉連携推進法人制度の在り方について」から「4 災害に備えた福祉的支援体制について」、そして「5 共同募金事業の在り方について」までの御発言をお願いしたいと存じます。それでは、まず会場の皆さん。先ほどと同じ順番でお願いできればと思いますが、及川委員、鏑木委員、高橋委員ですね。
それでは、及川委員からお願いします。
○及川委員 ありがとうございます。日本介護福祉士会の及川でございます。
1点、災害のほうのことで御意見を申し上げます。災害時の福祉施設、サービス事業所の機能回復のための人材確保をどのようにすべきかという意見があったとの記載がありました。災害時の福祉施設、サービス事業所の機能回復のための人材のほか、施設・事業所等にDWATなど、正式な派遣がなされるまでの隙間時間をどう対応するかということも課題だと考えております。この点についてもぜひ御検討をお願いしたいと思います。
以上でございます。
○菊池部会長 ありがとうございます。
鏑木委員、お願いします。
○鏑木委員 共同募金についてです。共同募金は日本の募金運動の草分けとして、寄附文化の醸成に大きく寄与してきました。また、共同募金による支援は地域の民間福祉活動を支える基盤のひとつでもあることから、地域共生社会の推進に向けて重要な役割を担う存在であると評価しています。
その上で、3点意見を申し上げます。共同募金運動ですが、本来民間福祉活動の資金を集める役割だけではなく、地域を活性化する運動としての役割も担っていますが、やや後者が弱いという課題があると考えています。共同募金会におかれては、地域を活性化する運動としての活動がより円滑に行われるよう、さらなる創意工夫や寄附者への事業成果のフィードバックなどを今まで以上に強化していただくことを期待しております。
また、今回事務局が示された今後の方向性に関しては、いずれも賛成いたします。今後とも民間の自由な発想による取組が共同募金の助成により行われるよう、引き続き時代に即した制度改正が行われることを期待しております。
なお、その上で、寄附募集禁止規定の見直しや準備金の使途の見直しについては、事務を担う都道府県共募の事務負担が大きくならないよう、運用の在り方について今後ガイドラインなどを作成する際には御検討いただきたいと願っております。
私からは以上です。
○菊池部会長 ありがとうございます。
高橋英治委員、お願いします。
○高橋(英)委員 日本保育協会の高橋でございます。
前回、福祉部会で社会福祉連携推進法人が社会福祉事業を行うとした場合の税制面での優遇措置について検討が必要だということを申し上げましたが、それで新潟のユニティさんの例を少し出して、収益事業を取られて、課税されたという話もしたわけですが、基本原則課税法人である一般社団法人でありますが、御案内のように、令和3年11月12日に「非営利型法人の要件を満たす社会福祉連携推進法人の定款の取扱いについて」という通知が福祉基盤課長名で出ておりまして、その内容に即していくと、第二種社会福祉事業であっても、社会福祉を目的とする福祉サービスにおいても恐らく優遇はされるのだろうなということは理解しております。あまりユニティさんの内容を詳しく把握しないまま発言いたしまして、再度そういったことを理解していますということで発言をさせていただきます。
以上でございます。
○菊池部会長 ありがとうございます。
それでは、逆サイドの皆様からいかがでしょうか。永井委員、よろしいですか。
それでは、永井委員、お願いします。
○永井委員 ありがとうございます。
まず、社会福祉連携推進法人制度につきましてですが、現場から聞いたところ、制度が分からないことを起因とした不安の声といったようなものは聞いているということでしたので、既に厚生労働省のホームページには各種の御案内が現在でも掲載されていると承知しておりますが、周知の強化も検討していただきたいと思っております。
続きまして、DWATの平時からの体制づくり・研修について、2点申し上げます。41ページになります。2つ目の丸にあります、災害時に福祉的支援に従事する者に対する研修及び訓練の実施に関する規定を設けるべきという点には賛同いたします。災害関連の研修や訓練の受講は、福祉的支援に従事する者が安全に業務を遂行するために非常に重要と考えますので、そうした研修への参加は、業務に関わる研修であり、公費など労働者が自己負担することのないよう御配慮いただきたいと思います。
2つ目は、下から4つ目の丸「都道府県知事の派遣要請に対応することができるための配慮をする旨の努力義務を課す」とありますが、現場ではもう既に人手不足の状況であり、さらに災害時対応という役割も期待するのであれば、災害時対応に係る公費による財政支援や人材確保の強化が必要と考えております。
以上です。
○菊池部会長 ありがとうございます。
それでは、オンラインの皆様からいかがでしょうか。鈴木委員、お願いします。
○鈴木委員 ありがとうございます。
私からも4番の災害に備えた福祉的支援体制についての「検討の方向性」について、意見を述べさせていただきます。今回、本部会において災害に備えた福祉的支援体制を「DWAT」という具体的名称を活用して議論が進められていることは、福祉支援としての災害対応の実効性を高めていく上で非常に重要な議論であると考えています。特にDWATによる活動の初動体制や派遣スキームの整備を図るべく法制度を整備するべきという意見や、検討方針につきましては、近年多数発生している自然災害への備えとしても急ぎ検討が必要である課題だと認識しています。
一方で、発災直後の避難行動などは、幾らDWATの初動体制が仕組み化され、構築された場合も、地域住民による自助や互助等の支え合いが不可欠になります。また、支援する側の体制整備だけでなく、地域が持つ力をどのように高めていけるのか、そこに受援という考え方も踏まえていくことを含めますと、必要な支援を的確に要請・調整して、受け入れられる地域での仕組みを平時から整えていくことも必要になってきます。この辺りにつきましては、先ほど福祉基盤課長からも、今回「受援」という言葉等を加える形での御説明をいただいておりますので、新たな意見を加えるものではございませんが、「検討の方向性」に記載されておりますように、包括的な支援体制の整備における防災との連携、地域福祉計画における災害福祉に関する記載事項等については、受援を含めた体制整備の検討として、DWATの養成や登録状況、位置づけ等も地域における実情として捉えて、検討を進めていくことが重要であると考えています。
それから、今後さらに具体的な検討が必要と考えている意見を1点申し上げます。前回も発言いたしましたが、DWATは災害救助法の枠組みでは応急期の支援が最も期待されるものと想定しますが、実際には応急期の支援内容がその後の復旧や復興期における生活再建に強く影響しているということを考えることが重要だと思っています。近年の能登半島地震でも災害によって生じた介護ニーズの増加と被災した介護職員が地域で働き続けることの困難さが今なお相互に影響して、地域の介護体制に大きく揺らぎを与えている状況が続いていると認識しています。したがいまして、DWAT等が行う福祉的課題に対応した応急期支援というものを、復旧・復興へつなぐ移行支援という明確な位置づけの中で具体的な検討を続けていくことが必要だと考えています。
これに当たって、研修との関連につきましては、継続した情報連携の在り方をどう考えるかということもより一歩踏み込んで検討していくことが必要だと考えています。今回情報保護等の観点において、DWATに課すということについての検討課題等も挙がっておりますが、これは逆にDWATが入手した情報を地域資源に伝えていくという役割においてもどのように考えていくかということもこれから必要な議論の内容だと考えます。
発言は以上です。
○菊池部会長 ありがとうございます。
石踊委員、お願いします。
○石踊委員 ありがとうございます。全国老施協の石踊でございます。
私のほうからは、災害に備えた福祉的支援体制について、「検討の方向性」につきまして発言をさせていただきたいと思います。平時からの災害福祉支援体制整備につきましては、都道府県や市町村の整備体制、いわゆるDWATを含んで充実することが本当に急務でございます。法律上の位置づけが必要と考えております。
各事業者団体や職能団体のDWATチーム員の養成研修及び訓練を定期的に行うことと、登録名簿の管理を行うことが本当に必要だと考えております。
また、DWATチーム員を派遣する施設・事業所への支援についても検討が必要であると書かれていますが、施設では人材不足の中、DWATチーム員を派遣する施設・事業所の特に介護職員や看護職員でございますが、一時的な人員基準の弾力化などの配慮や支援を強くお願いしたいと考えております。
さらに、災害時の福祉支援におきましては、DWAT等の派遣がスムーズに行われるためには、国や都道府県と連携の下、災害福祉支援ネットワーク中央センターが的確な調整機能を果たすことが極めて重要であると考えます。
私のほうからは以上でございます。
○菊池部会長 ありがとうございます。
山下委員、お願いします。
○山下委員 日本社会福祉士会の山下です。
41ページのDWATの関係になりますけれども、前回の委員会でも発言させていただきましたが、DWATについての法整備については賛成いたします。ただ、鈴木委員からもありましたように、DWATは一定の期間を経て、現場から活動を終了することとなりますが主に応急期の活動になりますけれども、災害の現場ではいろんなフェーズがあると思うのです。なので、DWATにつなぐところ、DWATから次の息の長い支援といいますか、時間をかけて次の支援にどうつなげていくのか、そういう切れ目のない支援を視野に入れた形での法整備が必要ではないかと思っております。そういう観点をぜひ考慮していただきたいと思います。
以上です。
○菊池部会長 ありがとうございます。
山下委員、前半部分、お入りいただいておりませんでしたが、前半部分について何かございますか。
○山下委員 よろしいですか。最後に言わせていただこうと思ったのですけれども。
○菊池部会長 それでは、樋口委員、ここで御発言の御予定ですか。
○樋口委員 時間がないのに申し訳ありません。
○菊池部会長 では、山下委員、ちょっとお待ちいただいて、樋口委員のほうからどうぞ。
○樋口委員 災害に備えた福祉的支援のことですけれども、東日本大震災も阪神・淡路大震災においても、障害者支援施設、入所施設で亡くなられた方は1人もいらっしゃらないのです。今、入所施設からの地域移行の中で、地域においてより障害の重い人たちが暮らす場所として、協会は入所施設のサテライト型の施設の提案をしております。それは地域移行に重ねて、防災拠点としての機能も併せ持つと考えます。
今も入所施設の多くは一定の基準の下で、民間事業者がいろいろとグループホームを広げていますけれども、それとは比較にならない建築基準というものがあって、その下で利用者が1人も亡くならなかったという状況が生まれたと思うのです。
このことをもっと重視していただいて、今、提案している、グループホームの一つの類型になるかと思いますけれども、地域移行と重ねて地域における防災拠点としての機能も併せ持てるような仕組みをつくっていただきたいと思っています。
以上です。
○菊池部会長 ありがとうございます。
それでは、山下委員、お待たせしてすみません。前半部分についてもどうぞ。
○山下委員 座長の御配慮、ありがとうございます。
前半の議論を全く聞いていない中で話をするので、多分重複することがあるかと思いますけれども、御容赦いただければと思います。
私は、身寄りの関係で、前回の委員会でも「身寄り」という表現は非常に抽象的だし、これについて何らかの検討をしていただきたいということを申し上げました。
本件についても、介護保険部会でも同じような話が出ているとは聞いております。やはり事業名というのはすごく大切です。事業名、名前を聞いただけでその対象であるとか、どういう事業かということが分かると。要するに、名は体を表すではありませんけれども、そういうことが非常に重要かと思っております。それで、より的確な表現に改めていただきたいということがあるのですが、私が思っているのが、令和5年5月に成立した孤独・孤立対策推進法の3条、4条、5条辺りに国の責務であるとか、地方自治体の責務であるとか、国民の義務であるとか努力であるとか、そういったことが規定されています。そういう孤独・孤立対策法との関係をどう整理をしていくのかとか、社会福祉法との関係をどう整理していくのかとか、そういう観点を持った検討が必要ではないかと思っております。
23ページ、25ページに続きますけれども、身寄りのところで後見の終了のところの議論が十分にされていないと総論のところに出ておりますが、私もそのように思っております。中核機関との連携も含めて検討してもらいたいと思っておりますし、後見が終了と、終了後の事業としてどう支援を継続していくのかという辺りで、社協が想定されると思うのですけれども、包括支援センターであるとか中核機関との関係性も整理をぜひしていただきたいと思っております。
それから、25ページ、事業者に対するチェック体制であります。ガイドラインのことが最後に書かれております。このチェック体制については本当にすごく大事なところです。権利擁護、人権というところから見ても、本当にあってはいけないことをされては困りますので、しっかりとチェックする体制が必要かと思っています。どう実効性が確保できるのか、実効性をしっかり確保できるチェック体制が必要かと思っております。そういう観点での議論をぜひよろしくお願いいたします。
以上です。
○菊池部会長 ありがとうございます。
ほかはよろしいですか。それでは、松原委員からお願いします。
○松原委員 社会福祉法人制度の在り方に関しまして、2回ほど前の回でも申し上げたことではございますが、評議員会の決議事項について再度指摘させて頂きます。評議員会の決議事項に関し、事業譲渡に関しては法定の決議事項に入っていないので、何を重要と位置づけるかは、各法人の理事会の判断に委ねられているのが現状です。各法人の理事会で事業譲渡は重要でないと考えれば、理事長1人の判断で事業譲渡を行うことも可能という状況ですので、この件については今後ぜひ御検討いただければと考えております。
以上、意見です。
○菊池部会長 ありがとうございます。
ほかにはいかがでしょうか。この議題に関してはよろしいですか。
ありがとうございます。
本日も様々な御意見をいただきました。どうもありがとうございます。
本日委員の皆様からいただきました御意見も踏まえて、事務局のほうで最終的な取りまとめに向けた作業をお願いしたいと思います。そして、次回さらに御議論いただいた上で、取りまとめを行っていければと考えてございますので、よろしくお願いします。事務局のほうも御準備のほう、よろしくお願いいたします。
それでは、次に議事3に移ります。福祉人材確保専門委員会の議論の整理につきまして御報告をいただき、併せて皆様の御意見をお伺いできればと存じます。
それでは、事務局から御説明をお願いいたします。
○芦田福祉人材確保対策室長 福祉人材確保対策室長の芦田です。どうぞよろしくお願いいたします。
まず、この福祉人材確保専門委員会についてでございますけれども、2040年に向けまして、高齢者の増加と生産年齢人口の減少が進む中、将来にわたって必要な介護サービスを安心して受けられるよう、介護人材の確保・定着に向けてより一層取組を強化していく必要があるということを受けまして、4月24日の本部会におきまして設置することとしていただいたものでございます。
専門委員会におきましては、松原委員長の下、「2040年に向けたサービス提供体制等のあり方」検討会における議論の状況なども踏まえつつ、介護人材の総合的な確保策と検討項目といたしまして、5月以降6回にわたって活発な御議論が重ねられまして、11月11日に議論の整理を取りまとめていただきましたので、本日はその内容を御報告するというものでございます。
お手元配付資料は3つございまして、資料3-1がこの専門委員会の議論の整理本体でございます。3-2が議論の整理の概要の資料でございまして、資料4、介護保険部会のほうでも介護人材確保について御議論されておりますので、その状況を専門委員会のほうにも御報告いたしました。同じ資料を配付しておりますので、適宜御参照いただければと思います。
それでは、本日の私の説明は資料3-2に沿いまして御説明申し上げます。
まず、2ページ目は議論の整理のポイントという1ページ物になっておりますが、専門委員会の議論におきましては、黄色い四角の4つの点について御議論いただきました。1つ目が地域差を踏まえた各地域における人材確保の取組、2つ目が若者などの多様な人材確保・育成・定着、3つ目が中核的介護人材の確保・育成、4つ目が外国人介護人材の確保・定着というものでございます。
3ページ目以降に概要ということで、3枚にわたって資料をさらに御用意しておりますので、以後の説明は3ページ目以降を用いて御説明を申し上げます。
3ページ目を御覧ください。
まず、介護人材を取り巻く状況についての認識でございます。2040年には、65歳以上の高齢者数がピークを迎えるとともに、介護ニーズは多様化・複雑化をしてまいります。将来にわたって必要な介護サービスを安心して受けられるよう、その担い手を確保することは喫緊の課題でございます。これまでの取組に加え、より一層人材確保策を強力に進めていくことで、介護サービスの提供体制を確保していく必要がある。このようにされております。
その下、1つ目の地域差を踏まえた各地域における人材確保の取組(プラットフォーム機能の充実)についてです。幾つかポツが並んでおりますけれども、高齢化や人口減少の状況、地域における人材の供給量など、地域の実情に応じた人材確保策に取り組むため、制度的な仕組みとして、都道府県が設置主体となって、介護人材確保に関するプラットフォームを構築する必要がございます。
介護人材確保に関する地域の関係者が地域の実情等の情報を収集・共有・分析することで課題を認識するとともに、それぞれの役割・機能を果たしながら、ネットワークの中で協働して実践的に課題解決に取り組むことが必要です。
3つ目のポツです。都道府県単位の情報共有の場に加えまして、より狭い圏域で「人材確保・定着」「職場環境の改善、生産性向上・経営支援」「介護のイメージ改善・理解促進」などの地域ごとの個別の課題に応じたプロジェクトチームを設置するといった重層的な構造を取ることで、情報の収集・共有・分析、課題の発見、課題に応じた取組の実施、取組の効果の検証、改善して次の取組につなげていくPDCAサイクルを回すことといたします。
福祉人材センターがコーディネーター的な中核的役割を担い、関係者の取組を連携させることが考えられます。
地域における既存の協議会等との一体的な運営など適切な連携・役割分担を図ることや、広く福祉分野全体の人材確保の観点から活用することの検討も必要です。
4ページ目にお進みください。
2点目の若者・高齢者・未経験者などの多様な人材の確保・育成・定着でございます。
まず、情報発信・広報戦略につきまして、テクノロジー導入・社会的課題への対応等の最新の介護に関する情報発信、プラットフォームも活用した地域の実情を踏まえた広報戦略の検討、職場体験・インターンシップ等による地域の関係者の福祉現場の理解促進が重要です。
2つ目がテクノロジーの活用による業務負担軽減等でございます。定着支援の観点から、テクノロジーの活用による介護の質の向上と業務負担軽減、加えてテクノロジーを活用できる人材の育成が必要です。また、働きやすい環境づくりのための雇用管理につきましても、プラットフォームの中でも議論をしながら、取組を進めていく必要がございます。加えて、業務の整理・切り出しにより介護の直接業務とその他業務を明確化し、介護現場における周辺業務を担ういわゆる介護助手を活用することで、タスクシフト/シェアを進めることによる業務改善・生産性向上が推進されます。
3番目、中核的介護人材の確保・育成についてです。
まず、多様な人材の確保に当たりましては、介護職チームを適切に機能させるために必要な中核的な役割を担う人材の確保が必要になってございますので、中核的介護人材が担うべき具体的役割・機能や必要な資質・能力の整理、これを身につけるための研修体系の整備の検討が必要です。併せて山脈型キャリアモデルをより深化させる検討も必要です。
次に、現在介護福祉士が離職等した場合の届出制度というものがございます。こちらにつきまして、現行の潜在介護福祉士への復職支援に加えまして、現任の介護福祉士にも届出の努力義務を課すことで、地域の介護人材の実態把握や必要なキャリア支援を行うための仕組みに発展させることが必要です。その際、届出情報の有効活用や、届出の具体的なメリットも必要になってまいります。
このページ一番下、複数資格の取得に係る方策の部分です。地域の多様なニーズに対応する観点から、ある特定の分野にとどまらない幅広い専門性や視点を有する人材の確保・育成のため、資格の役割や専門性にも配慮しながら、他の国家資格の養成課程を修了している場合等の実務者研修の科目免除、養成施設における単位制の導入等が必要です。
5ページ目にお進みください。
中核的介護人材の確保・育成の続きでございます。まず、介護福祉士養成施設卒業者の国家試験義務付けの経過措置についてです。令和8年度卒業者までのこの経過措置につきましては、これまでの経緯・取組を踏まえつつ、資格の質の担保、専門性の向上等の観点から終了すべきといった意見、介護福祉士養成施設の入学者、介護人材確保等の観点から延長すべきといった意見、人材の質・量の両面での検討が必要であり、本経過措置を延長するか否かという二者択一の議論だけでは不十分であるといった意見など、本専門委員会での意見を踏まえつつ、介護福祉士養成施設の役割も勘案しながら、必要な対応を講じられたい。このようにまとめられております。
その下が養成施設の役割ということでございまして、今後の方向性として、国家資格の取得に向けた取組の強化に加えまして、地域において期待される役割を果たしていくことについても併せて検討が必要です。
その下、4点目、外国人介護人材の確保・定着についてです。小規模法人における外国人介護人材の確保・定着のため、プラットフォーム機能を活用することにより、海外現地での働きかけなどの確保策、日本語教育や文化の違いへの対応、生活環境整備などの定着策といった地域ごとに必要な対策を検討することが必要です。また、准介護福祉士につきましては、資格に対する社会的評価・資質の担保や、介護福祉士の専門職としての地位の向上・確立の観点から廃止すべきとの意見があったことを踏まえ、フィリピン国政府との関係等も考慮しながら適切に対応すべきである。このようにされております。
最後に今後の方向性についてでございます。今後の人口減少のスピードが地域によって異なる中で、地域のサービス提供体制を確保するため、人材確保は最重要課題です。地域ごとに抱える課題の共有と必要な対応の実行、外国人を含む多様な人材の確保、介護現場で中核的な役割を担う介護福祉士等の確保・養成など、介護人材確保策を検討する上で勘案すべき要素は多岐にわたります。
また、こちらには記載をしておりませんけれども、地域共生社会の実現の観点からは、支える側、支えられる側を固定化することなく、地域の生活の中でケアを行い合う文化を培うことも重要であるといったことですとか、この専門委員会では介護人材の確保策を中心に議論されてまいりましたが、分野横断的な総合的な人材確保、多様な職種、専門性の人材確保についても議論が必要である。こういったことも指摘されております。
また、最後になりますが、人材確保の観点からは、福祉・介護分野の処遇改善や専門性を評価することが重要であるという御意見もございました。処遇改善なしに人材確保はなし得ず、全産業で賃上げが進んでいる中で、福祉・介護分野の処遇改善が進まない限り、また専門性が適切に評価されない限り、福祉・介護業界からの人材流出につながることに対する懸念が多くの委員から示されたところでございます。
以上のとおりでございますが、福祉部会に報告してさらに議論を深めるとともに、介護保険部会等においても必要な議論を進め、多面的な観点で今後の介護人材確保策をより一層進めていくことが重要である。このように締められているところでございます。
松原委員長をはじめといたしまして、専門委員会の委員の先生方におかれましては、大変ありがとうございました。
私からの説明は以上でございます。
○菊池部会長 ありがとうございます。
それでは、議事3につきまして、また皆様からの御議論をお願いできればと存じます。まず、おまとめに御尽力いただいた松原委員、委員長でいらっしゃいましたので、もしよろしければ最初に御見解をいただければ。ここは時間制限を設けませんので、どうぞよろしくお願いします。
○松原委員 ありがとうございます。
今、御説明いただいたとおりですけれども、この概要のほうに中身として、資料3-1の議論の整理の最後にある「おわりに」は、口頭で御説明いただいたのですが、こここそ重要なので、概要だとそれがちょうど抜けてしまっていてもったいないので、「おわりに」の3つのポイントを概要にも入れておいていただけると大変ありがたいですというのが第1の意見です。
今回、介護福祉士の養成施設卒業者の国家試験義務付けの経過措置について何度も何度も議論してきました結果、両論併記ということになりました。一方で、全員が本当に一致した点は、処遇改善なくして人材確保なしだということでございます。この業界は非常に誤解が多いのですが、過去20年間にわたりまして最も人材を増やしてきたのは介護福祉人材です。これは行政も現場も相当努力した結果、これだけ増えてきたのだと認識しております。また、離職率は全産業の平均以下ということで、働きやすい職場づくりにも努めてきた結果だと思います。それでも今後57万人不足するというのは、それ以上に高齢者が急増するためです。これを放置すれば、さらに介護離職を増やしてしまい、経済に大きなマイナスとなる恐れがあると思います。
さらに、社会的ニーズがあって、最も働く人が伸びている職種である介護と福祉人材、ここの賃金を上げるということは、まさに分厚い中間層をつくることにつながりまして、内需拡大につながります。日本はこれから人口が減るから外需、外需と言いますけれども、やはり内需をしっかりさせるということが日本の経済の安定・成長に大変重要なことだと思います。
現在は、参院選でよく分かりましたが、社会保障とか福祉・介護、この給付を減らすかという議論ばかりされておりますけれども、介護福祉人材の賃金アップ・処遇改善は経済にプラスであるという認識を持って積極的に取り組んでいただきたいと思います。
一方、地域ニーズに応えるためには、分野横断的、総合的な人材確保と事業の実施、両方が欠かせないと思います。その実現のためには、厚生労働省内及び他省庁との連携を一層強化して取り組んでいただきたいと考えております。
最後に、先ほど「おわりに」のところで御指摘いただきましたケアし合う文化の醸成について、議論の整理の「おわりに」に書かせていただきました。健常者と障害者とか、男と女とか、高齢者と若者とか、日本人と外国人とか、支える側と支えられる側とか、こうした二項対立を超えて、長いスパンで見れば、人間は互いに支えて、支えられる関係にあるということを共有する機会の創出、そうしたケアし合う文化の醸成というのがより一層望まれると考えております。
以上です。
○菊池部会長 どうもありがとうございます。
それでは、皆様からお願いしたいと思います。先ほどと逆の順番で、鳥田委員から吉田委員までの間でいかがでしょうか。お手を挙げいただけると。鳥田委員、永井委員、沼尾委員、吉田委員ということで。
それでは、鳥田委員からお願いします。
○鳥田委員 御報告、どうもありがとうございました。また、この議論の整理のために多くの皆さんがいろいろ御議論されたということが今、伝わってまいりまして、本当にお疲れさまでございました。
私のほうからは1点、資料全体を読ませていただいて、社会福祉協議会は人材センターの運営というのをやらせていただいているのですが、人材センターの機能ということが将来の福祉人材の育成とかそういうこともあるということはよく分かっているのですけれども、その中で無料の人材紹介ということもやっておりまして、そのことに関して、全国も含めてなかなか実績が上がらないというのが現状でございます。
そこでお願いというか、そこのところの機能の強化ですけれども、介護人材確保専門委員会に関する介護保険部会で出た議論の状況の一番最後のところにあるのですが、民間の人材紹介等が転職とかいろいろ要望とか、あるいは金銭的なことも含めて、すごく柔軟というか、世の中の状況に合った形で福祉の分野も活動しておりまして、東社協の会員の皆さんもこの人材紹介の会社等の利用なくして人材を確保するということは相当厳しいということになっております。
そうした意味で、社会福祉協議会がやっている人材紹介のところも、こういう民間の持っているノウハウとか、あるいは必要な部分については民間にお願いするようなことも含めて、人材センターの機能としていくような工夫が今後求められるのではないかと思っていますので、ぜひそこのところを御検討、議論の整理をさらにバージョンアップしていただけたらなと思います。
以上です。
○菊池部会長 ありがとうございます。
3分の時間制限が復活していますので、皆様、よろしくお願いいたします。
永井委員、お願いします。
○永井委員 ありがとうございます。
議論の整理につきまして、私も委員として最後の2回ほど参加させていただいた立場ではございますが、2つほどコメントさせていただきたいと思います。
概要のほうの5ページ目にあります介護福祉士養成施設卒業者の国家試験義務付けの経過措置の取扱いですけれども、今回委員会の議論の整理の中では両論ということで、明確な結論は出されておりませんが、何回も申し上げてきたことですけれども、介護福祉士という国家資格の信頼性の確保や質の担保のためには、私たち連合といたしましては経過措置は延長すべきでないと考えてきたところでございます。
2点目は、本体のほうの1ページの「はじめに」に記載されていますように、先ほども御発言があったと思いますが、介護サービスを安心して受けられるよう、その担い手を確保することは喫緊の課題であることは誰もの共通認識であると思っておりますが、介護業界の処遇や職場環境が他業種と比べて見劣りするという状況では、介護業界の人材確保はますます難しいのではと考えております。そのことについては、資料の2ページの上のほうの※印にも記載されていますとおり、骨太方針2025でも指摘されており、担い手の確保のためには処遇改善を行うことも重要な課題であると思います。ぜひ事務局におかれましては、関係各所と連携していただいて、この議論の整理に沿って今後の介護人材確保に向けた取組を進めていただきたいと思うとともに、介護業界全体の処遇改善に向けた取組も進めていただきたいと思っております。
以上です。ありがとうございました。
○菊池部会長 ありがとうございます。
沼尾委員、お願いします。
○沼尾委員 福祉人材確保専門委員会のほうでこういう形で議論の整理を取りまとめいただきまして、ありがとうございます。
私のほうから2点申し上げたいと思うのですけれども、今、松原先生から最後にお話しいただいて、分野横断的、総合的な人材確保という議論が出たというところでちょっとほっとしたところもあるのですが、これは恐らく福祉分野における分野横断ということだけではなくて、こうやって福祉職として働く方の仕事と暮らしのウェルビーイングの実現を考えたときに、多様な働き方ということを保障していけるような、そういう職場環境とか地域の暮らしと一体的に考えていくということも、福祉人材を確保する上で大変大事になってくるのではないかと思います。
今、各地の事例などを見ていますと、社会福祉法人さんのほうで福祉職としてケアの仕事にも関わるのだけれども、同時にそこが地域の居場所を運営されたり、カフェも運営したりしながら副業的なお仕事もできるとか、そういう形で自己実現を達成できるような職場環境をつくっておられたり、あとは例えば留学生の日本語学校を地域で整備して、そのまま福祉専門学校に行って、地元で就職したら奨学金を出していくという形で、多文化共生のまちづくりをしながら、外国の方が地域で暮らせる環境と所得の確保、暮らしと自己実現を達成する環境を整えて、福祉職を確保すると。そういったことをトータルに考えていくという視点がもう一つ大事になってくるのかなと思います。
社会保障審議会の議論の枠の中だけでは収まらない話にもなってくるかと思いますが、地域共生社会の議論ということもございましたし、あるいは社会福祉連携法人制度をこれからどういうふうに展開していくのかというところにも関わってくると思いますので、ぜひそういった視点からも議論を展開していくことが大切かと思いました。
以上です。
○菊池部会長 ありがとうございます。
吉田委員、お願いします。
○吉田委員 まず、専門委員の皆様方に本当にお礼申し上げます。大変充実した内容で、読みながら勉強させていただくことが多くございました。改めてお礼申し上げます。
私のほうからはプラットフォームのところで意見を述べさせていただきたいと思います。まず位置づけについて、プラットフォームそのものは大変有効性を期待できる取組かと思いますけれども、従来の介護保険制度の下で進められている、例えば市町村であれば介護保険事業計画、それを議論する介護保険事業運営協議会というところがあります。都道府県では、事業支援計画をつくるための委員会などがあります。これらの計画や協議体で扱う課題やテーマも、今回のプラットフォームで考えているテーマ等と重複しているところもあるのだろうという気がしないわけでもないわけです。
もう一つ、先ほどもお話がありましたが、地域ケア会議も、もともと地域の診断をやっていこう、地域マネジメントをしていこうということで、地域課題を見出していく推進会議を設置してきた経緯があって、その中には当然介護人材の問題もありえます。
このように、今回も新しくプラットフォームをつくっていく上で、従来の機能やテーマとの重複をどう考えるか、どういうふうにすみ分けていくのか。場合によっては、積極的に包含して大きくしていこうではないかと。そういう大きなうねりをつくっていく形でのプラットフォームにするのか。ここは検討していくことが必要なのだろうと思っております。
次は運営です。企業や雇用している団体と違って、強い指揮命令系統での差配ができません。そういった中で、皆さんが忙しい中で集まって、ご自身たちの時間や労力を持ち寄って課題解決をしていこうとするのか。大変難しい問題だと思います。このマネジメントに関してはまだ答えがないところではあると思いますが、そういった強い指揮命令系統がない中でもプラットフォームというものを使って課題を解決していこうということであれば、マネジメントをどうしていくのかも一緒に研究していただく必要があろうかと思います。
その上で、一つ重要なのは指標になるかと思うのです。このプラットフォームで実践的な課題解決というところまで踏み込むのであれば、やはり指標をつくっていくということが欠かせないと思います。さて、どうやっていくのか、今後の課題の一つと思います。
その関連でいえば、介護人材の確保に関しては、いわゆる保険者機能の強化の推進や努力に対するインセンティブ交付金の仕組みがあり、既に市町村や都道府県が数値化して取り組んでいる経緯があります。そういったところとどのように整合を取っていくか。基金を活用した財政的なインセンティブの仕組みであったと記憶しておりますので、そういった既存の仕組みをここのプラットフォームの中にどう取り込むのか、あるいはすみ分けをしていくのか。踏み込んで整理していくことが必要なのではないかと思います。
以上でございます。
○菊池部会長 ありがとうございます。
それでは、逆サイドで、井口委員、及川委員、小笠原委員、そして谷村委員、髙橋委員。
それでは、井口委員からお願いします。
○井口委員 私、2040年も多分現役でいると思って、現役代表だと思ってお話ししたいと思っているのですが、先ほど沼尾委員がおっしゃっていたように、目の前の困難なことや悲観的な予測だけではなくて、若者たちにこの業界に明るい未来があるということも伝えながら、希望を持って働けるような処遇改善、及びそういった情報発信をしていくことがこれからも必要ではないかと思っております。
その上で、悲観的な予測をしてしまうといろいろありますけれども、これから力を入れてやらなくてはいけないことに関しては、まず外国人人材の育成について。こちらに関しては、日本介護福祉士会が非常に力を入れていろいろなことをやって、かなり整備されているなと肌感覚でも感じているところでございます。
もう一つ、夜勤人材もこれから獲得がかなり難しくなってくるであろうと思っているのと、最後、中核人材の獲得が非常に難しいと思っております。特に介護リーダーや管理者は一朝一夕で育てることができないので、生産性向上もそうですし、またマネジメント能力に関してもしっかりとした教育体制が必要ではないかなと思っております。
以上です。
○菊池部会長 ありがとうございます。
及川委員、お願いします。
○及川委員 ありがとうございます。日本介護福祉士会の及川でございます。私は委員なのですけれども、意見を3点言わせていただきます。
まず、経過措置の在り方についてでございます。何より国民の介護に対する信頼を担保することを優先すべきだと考えています。そのためには、経過措置は早期に終了させるべきであります。現在経過措置期間中でありますが、受験の取扱いは見直すべきであり、受験しなくもよいではなく、全員に受験させる道筋とすべきであります。
もう一つ、准介護福祉士についてでございます。委員会の議論の中では、報告書にあるように、廃止すべきとの意見が複数ありましたが、廃止すべきではないとの意見はありませんでした。このことを踏まえれば、准介護福祉士の資格を廃止とする手続以外のオプションは想定されず、政府側には適切に廃止の手続を進めていただきたいと考えます。
3つ目です。報告書の「おわりに」でも触れられておりますが、人材確保につきましては、福祉・介護分野の処遇改善や専門性の評価についても併せて検討することが重要と考えています。ついては、今後の議論に当たっては、この視点を踏まえ、一体的に議論する場を設けていただきたいと考えます。
以上でございます。
○菊池部会長 ありがとうございます。
小笠原委員、お願いします。
○小笠原委員 私からは養成校の経過措置についてでございます。私も委員ですので、意見というところではございませんが、概要の資料5ページに「人材の質・量の両面での検討が必要」という記載がございます。量というところで言えば、養成校、令和7年度は定員充足率が増えているという状況でございます。令和6年度は52.5%だったところから、令和7年度は58.5%ということで、日本人は微減していますが、留学生が大幅に増えているという状況で言えば、人材確保という意味で留学生が大きな力を持っているというところの証左かと思います。
5ページのほうに養成校の今後の役割という中でリカレント教育というところもありますが、地域から養成校がなくなってしまえば、日本で言えば介護分野だけが人材不足ではなく、ホテル業界、他の業界も人材不足ですから、経過措置が延期されなければ、そちらの業界にどんどん介護志望者が流れていくということは現実的に可能性の高い部分でございますので、そう考えると、養成校の存立もできなくなってくる、地域からも養成校が失われていくという状況があり、リカレント教育と養成校の役割も地域によって果たせないという状況がありますので、そう考えると、やはり私たちは延期すべきという意見でございます。
ただ、質についても、先ほど永井委員からも及川委員からもありましたとおり、質はやはり重要だと考えます。日本人は今、92%の合格率を持っていますが、留学生についてはまだ5割未満というところになりますので、ここについては、私たちも大きな質の課題として捉えて、合格に向けてしっかり指導する必要があると考えております。
実際教育現場で見たり、実習現場で見たり、現場で見ると、特に日本人と大きな能力の差があるというふうには考えられない中で、国家試験合格はできないということ。日常会話についても全く問題がない中で合格ができていないということは、特に国家試験の問題を読み解く日本語能力がまだまだ足りていない。私たちも専門性を超える能力をいかにつけさせるかという意味では、日本語学校や日本語教師と連携を取りながら合格に導いていくということが必要になりますが、これが今すぐ1年で何とかなるというものでもございませんので、経過措置が延期されるのであれば、5年の時間をかけてしっかり合格率も日本人並みに上げていく。
ただ、単純延長というわけにはいかないでしょうから、先ほど及川委員からも提案がありましたとおり、全員国家試験を受験させるとか、様々しっかり質を上げていくための当然の条件を受け入れながら進めてまいりたいというところで、延期の意見を言わせていただいたところでした。
以上でございます。
○菊池部会長 ありがとうございます。
髙橋秀親委員、お願いします。
○髙橋(秀)委員 全国福祉高等学校長会の髙橋でございます。
私のほうからは思いというところで述べさせていただきたいと思っております。今、介護人材に求められる質というものは、これまで試験に合格すること、合格率という明確な数値というところで指標が示されてまいりましたが、今後山脈型モデルというものが提案されて進められていく中で、その質というものは大きく姿形を変えていくことだと思っております。
そういう部分につきまして、教育段階でどのような土台をつくれるのか、そういうことも含めて、私としては、中等教育における総合的な探求の時間、そういうものをフル活用させていただき、そして各段階の学校と様々な教育の連続性というものを活用して、そういう資質を生み出す教育のロードマップというものをつくるのが重要ではないか。そして、その教育の内容の魅力というものを通して介護人材、先ほど内需という言葉がありましたが、そのような学生を福祉のほうに導く、福祉教育に導く。そして現場に放っていく。そういうことを私としてはやりたいと強く考えております。
高等学校の教育の中における総合的な探求の時間、そちらの教育はほとんどの身の回りにあるものが全て教材になります。つまり、地域そのものが教材である教育活動でございます。そういう積み重ねが高等学校にはございますし、中学校との連携というところでもございます。なので、そういう教育資源、これまでの積み重ねをしっかりと形にして、今後人材育成、そういうところに皆で協力して、力を合わせて盛り上げていきたいと思っております。それが本日の議事の1番目にあった地域づくり、ここにも寄与できる土台になるのではないかと思っておりますので、私の思いとして述べさせていただきました。
以上でございます。
○菊池部会長 ありがとうございます。
谷村委員、お願いします。
○谷村委員 ありがとうございます。全国社会福祉法人経営者協議会です。
3-2の概要の4ページ、一番下の複数資格の取得に係る方策の件であります。最後のくくりが「導入等が必要である」と。ここまでやっていただいた。これはもともと2040の検討会で発言をさせていただいた内容で、その時は取り上げていただけなかったものと思っていたのですが、専門委員の皆さん方にここまでの表現をしていただけるほど議論いただきましたこと、改めてお礼を申し上げたいと思うわけであります。「必要である」という文章ですので、この実現に向けて議論をお願いしたいと思っております。
「複数の資格を取得しやすくする」という表現をしましたものですから、「取得しやすく」だけが先走った議論になっていったようなのですが、要は、地域共生社会の実現をどうやっていくのかと。特に中山間・人口減少地域の離島などの福祉サービスの確保をどのように考えていくかということであって、なくなりつつもゼロにはならないニーズに対して、介護、保育、障害、福祉、そのことについてどう包括的に支援をしていくか。そのためには意識と知識とスキルが必要です。ただ、スキルは経験年数でありますので、スキルは横へ置いておいたとしても、意識と知識は要りますので、そこの部分については、無駄なことにならないように、そういう意味での「取りやすく」でありますけれども、その仕組みをつくり上げていただきたいということを、改めて申し上げておきたいと思います。
もう一つ、先ほど松原委員がおっしゃったことの処遇改善とのセットでありますが、結果的にその文章表現はなされずに、口頭での表現ということになってしまいましたが、これは何らかの形で「意見もあった」ぐらいのことがここでは最低必要ではなかったかなと思っております。
2040の検討会のときも感じたのですが、これは本の題名ですけれども、「金がないなら頭を使え。頭がないなら体を使え」という言葉があります。これはもともと土光さんが「会社で働くなら知恵を出せ。知恵のない者は汗を出せ。汗も出ない者は静かに去っていけ」と。その言葉が基になっているようですが、まさにそういう議論をしているような感じがしたのです。私どものような事業者の団体の方は、2040の解決をするのには、お金、報酬の体系さえ見直してくれたら、という意見もたくさんあったので、意見があったということぐらいはここに記載していただきたかったという思いであります。
以上です。
○菊池部会長 ありがとうございました。
それでは、会場はよろしいですか。
それでは、オンラインの皆様から挙手で合図をしていただければと思います。いかがでしょうか。山下委員、お願いします。
○山下委員 ありがとうございます。日本社会福祉士会の山下です。
今の議論を聞いていますと、私も福祉人材確保専門委員会の委員の一人として、これまでやってきた委員会の中の議論を彷彿させるような議論だなと改めて思いました。
私どももそのとき話をさせていただいたのですけれども、とにかく国会の附帯決議で経過措置を設けるということで、5年間という形で決議がされたということをまずしっかりと押さえるということと、それから国家資格の信頼性と質の担保。これは何回も出ておりますけれども、私ども日本社会福祉士会も同じです。国家資格としての信頼性と質の担保。取得をしてからしっかりと研修を受けて、契約をしていくということで、この介護福祉士さんと同じ立場だと思います。そういう意味で、とにかく介護人材の確保という観点から見て、外国人の方に対する支援はどういう支援が必要か。日本語習得であるということに関してはもう見えてきておりますので、それをどう具体化していくかという辺りで次の方策を考えていくべきではないかなと思っています。
私、この委員会の中で話をさせていただいたのですが、少し余談になりますが、私が役員をしている特別養護老人ホームは、外国人労働者のほうが日本人労働者より多いのです。その中で介護の現場がどういう実態になっているかということですけれども、非常にいい雰囲気なのです。外国人同士がうまく話し合いをしたり、連携したり、その中で日本人の労働者との会話であるとか、入居しているお年寄りとの会話を積み重ねることで、いろんな意味で日本語の会話やコミュニケーションの質が上がっていくというような実践を今、自分の現場で見ています。全国的にもいろんな例があると思うのですが、そういう例を拾っていきながら、経過措置は一旦終了させて、見えてきた課題を解決する方向で議論をしていただければと思っております。
それから、松原座長のほうからも冒頭お話がございました。委員会のまとめの最後「おわりに」の部分の上から2つ目の丸を見ていただきたいのですが。
もし画面共有が可能であれば、事務方、再度よろしくお願いいたします。
2つ目のところに「ソーシャルワークの面も含めて」という表現が入っております。ソーシャルワークの面というのは、相談を受けるだけでなくて、ウェルビーイングを高めていくというために、個人の問題に加えて、社会全体の構造の課題からの観点で物を見ていくべきだということを申し上げています。とにかく地域共生社会の実現という観点からもソーシャルワークの面ということをぜひ強調させていただきたいと思います。
以上です。
○菊池部会長 ありがとうございます。
それでは、鈴木委員、お願いします。
○鈴木委員 私も委員として参加させていただきまして、ありがとうございました。
私からはプラットフォームと中核的介護人材の位置づけと役割の明確化について、改めて御意見をさせていただきたいと思います。決して新しい意見を追加するものではないですが、プラットフォームに関しては、2040の検討を受けて、地域軸と時間軸への対応を各地域における人材確保の取組にどう結びつけるのか。そのためのプラットフォーム機能の充実という観点をしっかり押さえていくことが大切だと思っています。
具体的には、実践的な取組の実行と組織の継続性に向けた制度設計が必要という議論が重ねられてきたと理解しています。プラットフォームの構築ですけれども、地域の実情に応じて実効性のある対応策として進めていくためには、先ほど御意見として挙がっておりましたとおり、既存のネットワーク体制を生かしていくということは、スピード感を持って取り組む上でもとても重要だと思っています。また、こうしたもともとあるネットワークを生かすことが地域単位でのフォーマルやインフォーマル双方を柔軟に連携し合うネットワークを再度確認していく上でも必要になり、また有効であると考えます。
一方で、機能的なプラットフォームの運営は、課題を解決する力が不可欠になります。この点はコーディネーターが誰になるのかということを人材センター等の名称も挙げながら議論がされてきましたが、取組については、重層性を持つ観点では、1層以外の2層、3層と具体的な地域の中で小さくしていく上では、多様な主体が参画できるプロジェクト体制が有効だと思っています。ただ、そうなってきたときに、それらのばらばらした取組が人材確保の観点にどう有効なのかということの効果検証が必要で、そこにはロジックモデル等の観点から、先ほど御意見も挙がっておりました指標を明確化することとか、プロセスを施策との関係でPDCAが回るように接続させていくような仕掛けというものが大事になると考えています。
また、介護人材につきましては、人材専門委員会の委員長である松原委員からも御発言がありましたとおり、介護福祉士の処遇改善という観点においても、介護福祉士の役割の具体化、資格の価値ということをどう考えるかということもやはり必要で、これも委員会の議論の中では積極的に活発に議論が行われていました。
私自身も介護福祉士の資格の価値は、役割の明確化とイコールだと思っています。山脈型の介護人材モデルを人材室から、これは実際の介護福祉士の役割を実践的なものからつくっているモデルになりますので、既に実体があるということを考えますと、こういったモデルを根拠にしながら、より役割や資格の価値を高められるような具体性ということを私たちは議論していくということも大事になるなということを改めて感じた次第です。
ありがとうございます。
○菊池部会長 ありがとうございます。
それでは、杉浦参考人、お願いします。
○杉浦参考人 それでは、全国市長会のほうから1点申し上げます。既にほかの委員の皆様からも御意見が出ているところでございますが、介護人材の処遇改善に関しましてお話をさせていただきます。資料3-1の21ページには、福祉人材確保専門委員会におきましても処遇改善の必要性に関する御指摘があった旨、記載をされております。また、介護福祉の分野におきましては、他の業種と比較しまして賃金の水準が低いこともかねてより指摘されているところでございます。
福祉の現場に近い自治体としましては、事業者あるいは議会等を通しましてその処遇改善を求める声も聞かれるところでございます。介護サービスを必要とする人に今後も質の高い介護サービスを継続して安定的に提供していくためには、介護人材を確実に確保し続けていく必要がございまして、そのためには、国におきまして賃金水準の底上げなど処遇改善についても重点的に検討いただくようお願いいたします。
以上でございます。
○菊池部会長 ありがとうございます。
それでは、堀田委員、お入りになったので、これまでの論点も含めてで結構ですので、お願いします。
○堀田委員 大変遅くなりました。これまでのところは自粛して、人材の専門委員会にも参加させていただいていましたので、新たな付け加えではないのですが、3点申し上げたいと思います。
1つ目はプラットフォームのところです。吉田委員や鈴木委員の御意見と関連するところもありそうですが、地域の中で関係者が共に議論しながら実行もというときに、ケースをひもとくということが重要になると思います。なんらかの指標に基づいて、効果的で効率的なケア、よいケアが実現できている地域、あるいは圏域では、ミクロなケア論、事業所・法人レベルでのマネジメント論のレベルでどんな特徴があるか。自治体・保険者における地域マネジメント、そして関係の団体、養成施設など、どういったステークホルダーがどのように動いているのかなど、学び合いながら、プロジェクト化もということです。
もう一つ、データに基づく検討も欠かせません。処遇の話も多く出ていましたが、今回主に高齢者介護のことが中心でしたが、例えば同じ介護福祉士でも、高齢者介護、障害、医療など、働いている分野によって処遇に結構ばらつきがあります。プラットフォームの議論においても、分野を横断してデータをもとに、きちんと検討していく必要があります。
2つ目です。「おわりに」の中の2つ目の分野横断的・総合的なというところ、それから中核人材のところにも関連してくると思いますが、1つは、先ほども複数の資格を取りやすくというお話が出ていましたが、これから担い手が減っていくという中でより少ない人たちでも支えていけるということを考えると、複数の資格を取りやすくということに加えて、この福祉部会でも以前申し上げておりましたけれども、そもそも共通言語として、地域共生社会に向けて求められるコンピテンシーを、1つ目の資格取得においても身につけておくことも重要です。これも処遇とセットで議論していく必要があると思います。
先ほど沼尾委員から、総合的なというときに、必ずしも医療、介護、福祉のケアの領域だけでなくというお話もありました。これから山脈型のキャリアなり中核的な介護人材というときに、地域で働きにくさを持ちながら働く、活躍していきたいという、介護福祉サービス利用者でもある方たちが、地域の存続、地域の活力、地域の産業振興にも力を発揮していけるという文脈を応援できるようなという観点も考慮すると、恐らく今までのケアの領域の中でのコンピテンシーだけでは難しく、掛け算が価値を生んでいくということにもなると思いますので、これから中核的な介護人材に期待される役割、それが発揮できるためのコンピテンシーを検討するにあたっては、視野を広げながら考えるということも大切だと思います。
最後、3点目ですけれども、これも以前申し上げたような気もしますが、この委員会、まとまりましたが、ここに書かれていることを進めていっても、残念ながら介護福祉の担い手確保の見通しはなかなか立ちそうにないと思います。というときに、専門職の確保と力の発揮はもちろん重要ですが、全ての人たちがライフスキルとしてケアリングに関わるコンピテンシーを身につけていくということを、もっと子供の頃からの教育、学校教育の中でも織り込む、つまり、教育の領域などともひもづけながら、地域の介護力向上について議論していくべきところも大きいのではないかなと思っています。
以上です。
○菊池部会長 ありがとうございます。
前半部分の議論については何か。よろしいですか。
○堀田委員 ひとまず大丈夫です。ありがとうございます。
○菊池部会長 分かりました。ありがとうございます。
お手を挙げいただいた皆様からは一わたり発言いただけたかと思いますが、少し時間もありますけれども、何かあればお願いしたい。松原委員からお願いします。
○松原委員 確認です。谷村委員から書いてほしかったという発言があったと思うのですけれども、それは人材のほうで処遇改善について書いてほしかったというふうに聞こえたのですが、そういうことでしょうか。
○谷村委員 人材です。
○松原委員 人材のほうは処遇改善なくして人材確保なしと明記されております。
○谷村委員 人材のほうは書いていただいているのですか。すみません。気がつかなかったです。
○松原委員 明記しておりまして、ただ、先ほど申し上げましたが、概要の4ページに書いていなかったので。こちらの詳細のほうにはちゃんと明記しております。よろしくお願いします。
○谷村委員 分かりました。ありがとうございます。
○菊池部会長 ほかにはいかがでしょうか。
堀田委員、どうぞ。
○堀田委員 時間があるということで、ひとつ追加です。
前半の議論、「地域共生社会の更なる展開について」の中で「地域づくり」という言葉を大変多く使われているのですが、改めて地域づくりとは何なのかということは、もう少し整理していく必要もあるのではないかなと思っています。単に地域の中でのサービス提供、コミュニティワークにとどまっているものもあれば、「巻き込む」などとも言われますけれども、コミュニティ・エンゲージメント、自分たちがやろうとしているものに人やお金を募って育てたり、何とかするというようなもの、一人ひとりの主体性の回復・発揮、つまり、コミュニティ・ディベロップメント、オーガナイジングに至っているというところまで、地域づくりと一口に言っても、中身は様々だと感じています。今後、地域の中でのケアの循環、ケアリングが持続的にということを考えると、エンゲージメントまでではなくて、コミュニティ・オーガナイジングまで至ってこそというところもあるかなと思いますので、それぞれ地域づくりを一歩進めていく上では、そこで地域づくりとは何なのか、何を目指しているものなのか、住民一人一人の主体性の発揮につながっているかというところも視点としてとても重要なのではないかなと思います。
以上です。
○菊池部会長 ありがとうございます。
ほかにはいかがでしょうか。会場からはよろしいですか。
オンラインの皆様、よろしいですか。石踊委員、どうぞ。
○石踊委員 ありがとうございます。
時間があるということなので、一言発言させていただきたいと思います。先ほどから介護福祉士の国家試験の経過措置のお話が出ていると思うのですが、生産労働人口が減少する中、外国人介護人材というのは、介護保険施設にとって本当に貴重で、重要な存在であるわけでございます。
留学生の令和6年度の試験では、養成校卒業の留学生が35.1%という合格率で、非常に低いわけです。国家試験義務付けの経過措置というのは、日本人学生及び留学生の支援を充実させるために設けられたということで、そのためにも財政支出もされているわけでございます。そういう意味を含めて、留学生の支援が充実するまでの間は、合格率の向上、あるいはパート合格の仕組みの効果検証をされるまでは、経過措置を延長することもやむを得ないのではないかなと思っているわけでございます。我々介護保険施設というところは、外国人の人材というのは貴重な人材でございます。そういう意味を込めて経過措置というものを検討していただければありがたいなと思います。
以上です。
○菊池部会長 ありがとうございます。
ほかにはよろしいですか。谷村委員。
○谷村委員 今日の検討課題と直接ではないのですが、よろしいですか。災害関係です。
○菊池部会長 災害関係。
○谷村委員 検討の内容に入っていなかったのでちょっと控えたのですけれども、この会議の前に、防災庁の設置に向けた考えを内閣官房の防災庁設置準備室の方から1時間ほど聞いてきました。質問ですけれども、省庁の連携がどうなっているのかということです。1時間の説明で頂いた資料の中に「DWAT」という言葉も一切触れられず、いわゆる災害福祉支援センターなるものも名前が出てこず、DWATと同じようなソーシャルワークをやるような避難生活支援リーダー。これはボランティアですけれども、サポーターの育成とか、また、災害中間支援組織の機能の強化みたいな話は出てきたのですが、まさにこの10月から全社協のほうも災害福祉支援センターを設置しというような、いわゆるボランティア、それから施設の者からすれば、被災されたところの施設への人的派遣。このたびは1.5次避難所のところへ派遣しました。また、避難所に対してはDWAT派遣ということで、この会議でも申し上げたのですが、一番の課題で声が大きかったのは、国から派遣要請が来る。そしてまた都道府県、政令都市からも来る。それから各種別協からも派遣要請が来る。また経営協からも来ると。出しているほうは、目の前の利用者をケアしながら、手いっぱいの状態で派遣をするわけなので、効率よくやってほしいというのが一番の大きな声だったのです。
そこを統括するのは、今のところ全国社会福祉協議会の災害福祉支援センターと、設置されておれば、各都道府県の災害福祉支援センターが話をしてやり取りをするということをイメージしていたのですけれども、そんな言葉が一切出ずに、災害中間支援組織の機能強化というような話の説明だったのです。
DWATと同じような役割をするような避難生活支援リーダーやサポーターの育成ということで、国交省からの出向の方の説明だったのですが、ここの準備室に対しての厚労省からの出向者や、また、厚労省との連携みたいな話し合いができているのかなということで、ちょっと不安を感じて聞いていたのです。今どういう状況になっているのでしょうかという質問です。
○菊池部会長 お分かりになっている範囲でいかがでしょうか。事務局から。
○小野福祉基盤課長 福祉基盤課長でございます。
防災庁の設置準備室と直接のやり取りは、今調整しているものがあるわけではないですが、そもそも内閣府防災部局とはDWATについても、先の通常国会で災害救助法に福祉サービスの提供を追加したということなど、相互連携してやっているところですし、DWAT等についても御理解をいただいていると思いますが、今、谷村委員の御指摘がございましたので、内閣府に具体的にお聞きして、連携が足りない部分がありましたら私どもとしても対応を取りたいと考えております。
○菊池部会長 ということですので、厚労省からも確認をいただければと思います。
この会場に来る前、私は内閣府の孤独・孤立対策の専門家会議の件で今後に向けた打合せをしていたのですが、孤独・孤立対策も様々な府省庁に関わるのだけれども、南室長はよく御存じですが、ともすると、省庁間の連携があまりなくて、でも施策としての重なりがあるとか、でも、それではまずいよねと。そこは孤独・孤立対策室があるので、そういう問題意識で各府省庁をつなげるような方向で動いているのです。なので、大分連携も取れてきたと思っているのですが、やはり黙っているとともすると縦割り。縦割りという言い方は非常に失礼な話で申し訳ないのですけれども、同じ思いでやっていても連携がうまく取れていないということはなくはないと思いますので、その辺り、しっかり連携を取っていただければと思いますので、事務局におかれましてはよろしくお願いいたします。
○小野福祉基盤課長 はい。
○菊池部会長 ほかにはいかがでしょうか。まだ5分ぐらいありますので。よろしいですか。
ありがとうございます。
あと1点、私から意見ではないのですが、先ほど沼尾委員あるいは堀田委員から御発言があって、少し感じたのですけれども、この領域から広げて考えざるを得ない話ですが、私、数か月前に、愛知県の某社会福祉法人、非常にすばらしい取組をされていて、すごく勉強になったのですが、職員の方の働き方について、週休三日でやっていますと。それで職員の皆さんは仕事と生活のバランスをとって、それぞれいろいろなことをやっているようだという話。それもあって職員は割と定着しているという話を伺ったことがありまして、そういう体制を組むこと自体も簡単なことではないと思うのですけれども。
これは決して非正規雇用化を進めようという話でもないし、処遇改善が必要ないというわけでも全くないのですが、若者を含めた働き方の多様化とか、特に中山間地域で求められる部分を考える中で、副業・兼業とか、働き方と生活のいろんなバリエーションがあると。これは福祉だけでなくて、雇用・労働などにも関わってくる課題なのですけれども、そんな話を沼尾委員と堀田委員のお話からちょっと感じたのでお伝えさせていただきました。
そんな脈絡で捉えられては困ると思われたら、今、ここで指摘していただきたいのですけれども、間違っていなければ、感想じみたことで一言。すみませんでした。
それでは、特にございませんようでしたら、この辺で本日の審議を終了させていただきます。
繰り返しになりますが、本日の御議論を踏まえ、事務局のほうで最終的な取りまとめに向けた作業をお願いしたいと思います。
次回、さらに御議論いただいた上で、取りまとめができればと考えてございます。
それでは、次回の開催について、事務局からお願いします。
○池上総務課長 次回の具体的な日時、開催場所につきましては、追って調整の上、御連絡させていただきます。
○菊池部会長 それでは、これをもちまして本日の審議を終了いたします。大変お忙しい中、御参集いただきまして、また貴重な御意見を多数賜りまして、誠にありがとうございました。以上といたします。どうもお疲れさまでした。
本日も対面を基本としつつ、オンラインも組み合わせての実施とさせていただきます。
それでは、まず事務局から、新たに就任された委員の御紹介と、本日の委員の出欠状況について御説明をお願いします。
○池上総務課長 それでは、前回開催時から新たに御就任いただいた委員がございますので、御紹介させていただきます。
10月28日付で、日本労働組合総連合会総合政策推進局長の永井幸子委員に新たに当部会委員に御就任をいただいております。どうぞよろしくお願いいたします。
○永井委員 永井でございます。よろしくお願いいたします。
○池上総務課長 続きまして、本日の委員の出欠状況について申し上げます。
本日は、全国町村会の豊郷町長、伊藤委員、全国市長会の刈谷市長、稲垣委員、桃山学院大学の川井委員、全国児童養護施設協議会副会長の則武委員、中央大学の宮本委員、全国知事会の群馬県知事、山本委員から御欠席の連絡をいただいてございます。
また、慶應大学の堀田委員、日本社会福祉会会長の山下委員は遅れて御出席される御予定です。
そのほか、日本知的障害者福祉協会会長の樋口委員は途中で御退席の予定でございます。
また、伊藤委員の代理といたしまして、豊郷町保健福祉課長の辰見栄子参考人に、稲垣委員の代理といたしまして、刈谷市福祉健康部政策監の杉浦参考人に、山本委員の代理といたしまして、群馬県健康福祉部福祉局長の高橋参考人にオンラインで御参加いただいております。
参考人の皆様の御出席につきまして、部会の御承認をいただければと思いますけれども、いかがでしょうか。
(異議なしの意思表示あり)
○池上総務課長 ありがとうございます。それでは、御異議なきものとさせていただきます。
本日は御出席の委員の方が3分の1を超えておりますので、会議は成立しておりますことを御報告申し上げます。
以上となります。
○菊池部会長 ありがとうございました。
それでは、報道関係の方は、冒頭のカメラ撮りはここまでとさせていただきますので、御退席をお願いいたします。
(カメラ退室)
○菊池部会長 続きまして、議事に入る前に資料の確認と会議の運営方法について、事務局から御説明をお願いします。
○池上総務課長 それでは、資料の確認をさせていただきます。会場にお越しの委員におかれましては、机の上に御用意してございます。オンラインにて御出席の委員におかれましては、電子媒体でお送りしております資料を御覧いただけたらと思います。不足等ございましたら、恐縮ですが、ホームページからダウンロードいただくなどの御対応をお願いいたします。
事務局からの提出資料といたしまして、
資料1「これまでのご意見を踏まえた論点に関する議論の状況」
資料2「介護保険部会における議論の状況」
資料3-1「福祉人材確保専門委員会における議論の整理」
資料3-2「福祉人材確保専門委員会における議論の整理(概要)」
資料4「福祉人材確保専門委員会に関する介護保険部会における議論の状況」
参考資料「これまでの福祉部会における主なご意見」
の6点がございます。
併せまして、委員からの提出資料といたしまして、鳥田委員提出資料の1点がございます。
もし欠落等ございましたら、係の者に申しつけていただければと存じます。
次に、発言方法等についてです。オンラインで御参加の委員の皆様には、会議の進行中、マイクはミュートにしていただきます。御発言の際は、「リアクション」の「手を挙げる」をクリックいただき、部会長の御指名を受けてからマイクのミュートを解除して御発言をいただきたいと思います。
なお、時間が限られておりますので、委員の皆様の発言は極力簡潔にお願いできればと思います。どうぞよろしくお願いいたします。
○菊池部会長 ありがとうございます。
それでは、早速議事1及び議事2に入らせていただきます。
まず、議事1につきましては、前々回と前回の2回にわたって、個別の論点について委員の皆様に御議論いただいたところでございます。
これまでの御意見を踏まえ、事務局において、それぞれの項目について論点を整理いただきましたので、今回さらに議論を深めていければと考えております。
また、議事2について、本部会と並行して議論を進めている介護保険部会においても、身寄りのない高齢者等への支援や、過疎地域等における包括的な支援体制等を中心に、本部会とも非常に関連の深い議論がされているところですので、本日は介護保険部会の議論の内容についても御報告をいただきたいと考えてございます。
それでは、事務局からまとめて資料の説明をお願いいたします。
○南地域共生社会推進室長 地域共生社会推進室長でございます。
資料1に沿いまして、論点に関する議論の状況を御説明いたします。
おめくりいただきまして、「1 地域共生社会の更なる展開について」から御説明いたします。本資料につきましては、これまで各回で御議論いただきましたときに提示いたしました「現状・課題」「論点」につきまして、それをベースに、いただいた御意見を踏まえて追記等をしておりますので、これまでに提示している部分と重複する部分については割愛をさせていただきます。
まず、4ページでございます。地域共生社会の更なる展開について、議論の前提ということで、これまで平成29年、令和2年の改正において取組を進めてきていること、あるいはこれまでの改正を受けて相談支援体制の整備が一定進みつつある中で、まだまだ地域づくり等が十分進んでいないところ、あるいは小規模市町村における取組が十分できていないところ、あるいは2040年に向けては、人口減少、担い手不足が深刻化していくような状況を整理してございます。
「現状・課題」、5ページ以降については特段大きな変更はございませんので、割愛させていただきます。
7ページ、「検討の方向性」をお開きください。1つ目、市町村における包括的な支援体制の整備の推進につきましては、9月の部会でこの取組を進めるに当たり、地域からの福祉の支援につながるための、地域から福祉への流れが非常に重要という御指摘がありましたので、この点を追記してございます。
続けて、一番下の都道府県の支援体制の整備の推進の部分ですが、都道府県による市町村への支援の強化と併せて、市町村同士、横の関係性で学び合う環境づくりというのを支援していく必要があるという御意見もいただいておりますので、追記をしてございます。
8ページ、一番下の「包括的な支援体制の中でのこども・若者支援」の部分につきましては、一番最後のところですが、「こども・若者総合相談センター」の機能の充実が求められるという御意見がございましたので、追記をしております。
9ページ以降、過疎地域等における包括的な支援体制整備のための新たな仕組みの点でございます。「現状・課題」については変えてございませんので、割愛いたします。
10ページ、この間、福祉部会と並行いたしまして、市町村及び都道府県の関係者に御参画いただきまして実務的な検討のワーキンググループを開催してまいりました。そこで出てきました意見については、左に記載しておるとおりでございます。これらを踏まえまして、対応の方向性ということで、相談支援、地域づくり、その他ということで整理をしております。
まず、相談支援につきましては、できる限り配置基準を柔軟なものにしてほしいという御意見をたくさんいただいております。また、窓口の設置方法についても、市町村で実情に合わせて選択できるような仕組みとしてほしいという御意見をいただいておりますので、そういった方向で検討したいと考えております。
また、一次相談につきましては、分野横断で相談を受けていただきますけれども、その際、相談を受ける相談員の研修でありますとか、人口が減少して担い手が不足する地域でございますので、AIの活用等も導入してほしいという御意見がありましたので、こちらについては、次年度、モデル事業を概算要求しておりますので、こういったことも踏まえましてモデル事業での実施を検討したいと考えております。
併せて、一次相談を市町村で受けていただきますが、専門的な対応が必要になった場合の後方支援体制については、都道府県にそういった対応をいただくことの役割の明確化でありますとか、それと併せて、都道府県の後方支援事業、補助事業の強化というのを検討したいということで、書いてございます。
また、地域づくりにつきましても、相談同様、配置基準についてはできるだけ分野横断的なもので柔軟な配置ということで考えたいと思っております。また、配置の方法につきましても、実情に合わせて柔軟に決定できる仕組みとして考えたいということです。具体の地域との連携・協働につきましては、今年度調査研究も実施しておりますし、それらも踏まえて次年度のモデル事業等での実施を検討していきたいと考えております。
さらに、その他として、担い手不足が深刻化する点につきましては、行政職員のほうも同様でございますので、事務手続についてはできるだけ簡素化を図る方向で検討したいということで、対応の方向性をまとめてございます。
11ページ以降に「検討の方向性」ということで、今、申し上げた対応の方向性を盛り込んだ形で記載しておりますので、御参照いただければと思います。
また、12ページ、対象地域と実施要件ですけれども、人口規模が小さい等についてはお示ししておりましたが、必要なプロセスを経ていることをしっかり確認した上で、丁寧に移行を進めていく必要があると考えておりますので、都道府県及び国が何らかの形で確認をしながら移行させていくということで検討をしたいということで、提示をしております。
13ページ以降、地域共生社会の理念の再整理・連携協働の強化の部分については、議論いただいた9月以降、大きく変更はございませんので、割愛いたします。
続きまして、「2 身寄りのない高齢者等への対応、成年後見制度の見直しへの対応について」、説明をさせていただきます。
16ページにつきましては、議論の前提ということで、単身世帯の増加が見込まれる中で、様々なこれまで家族・親族等が担ってきたと考えられるような日常的な事務がないということが課題として顕在化しており、併せて、成年後見制度につきましては、法制審議会において議論が進んでいるという状況でございます。
こうしたことも受けまして、頼れる身寄りがいない高齢者等、判断能力が不十分な方も地域で必要な支援を受けて生活いただくということで、地域共生社会の在り方検討会議のとりまとめを受けて議論を進めているというところを整理してございます。
「現状・課題」につきましては大きな変更はございませんので、割愛させていただきます。
18ページ、新たな事業ということで、こうした日常生活支援、円滑な入院・入所の手続支援、死後事務等を実施する第二種社会福祉事業というのを提案させていただいておりますが、それにつきまして、2つ目の丸のなお書きですが、前回9月の審議会におきましては、事業の実施に当たっては、十分な準備期間、丁寧な説明が必要という御意見がありましたので、追記をしております。
続きまして、19ページの「検討の方向性」の対象者のところです。こちらは後ほど御報告がありますが、介護保険部会においても御議論いただいておりまして、その際、「身寄りのない高齢者等」という表現・定義についての御意見があった点について記載してございます。
21ページ、利用料の部分につきましては、9月の審議会の際に、利用料金が高額にならないように検討が必要という御意見があったということを追記してございます。
22ページは9月の審議会で出た御意見を整理してございます。事業を実施する際にさらに検討が必要ということで幾つかの御意見をいただいておりますので、そちらについて記載してございます。
23ページ、24ページにつきましては、この間、10月21日に成年後見制度利用促進専門家会議において議論が行われておりますので、その際の意見について御紹介をしておりますので、御参照いただければと思います。
25ページ、補足説明資料ということで、第29回、9月の福祉部会において御意見がありました2点につきまして、考え方/対応の方向性を整理してございます。
1つ目は身寄りのない高齢者等への支援に係る自治体の役割、もう一つは事業者に対するチェック体制についてでございます。1つ目の自治体の役割につきましては、身寄りのない高齢者等への支援についても、社会福祉法第106条の3に基づく包括的な支援体制の中の「地域生活課題」に含まれるということを明確化した上で、包括的な支援体制整備のための「大臣指針」でありますとか、地域福祉計画の「計画策定ガイドライン」において、こういった身寄りのない高齢者等への支援に係る事項等を明記する形で検討したいと考えております。
事業者に対するチェック体制につきましては、第二種社会福祉事業としての届出に加えまして、社会福祉協議会が実施する場合は、運営適正化委員会による適正な運営の確保、さらに第二種社会福祉事業として実施する場合の事業者へのガイドライン等を示すことを検討したいということで、追記をしてございます。
中核機関につきましては、9月以降大きな変更はございませんので、割愛させていただきます。
1番と2番につきましては、以上でございます。
○小野福祉基盤課長 福祉基盤課長でございます。
続きまして、私から項目の3番と4番について、続けて説明をさせていただきます。
まず、「3 社会福祉法人制度・社会福祉連携推進法人制度の在り方について」です。
31ページを御覧ください。
議論の前提ですが、少子高齢化・人口減少が進む中で、地域において複雑化・多様化する福祉ニーズへ対応するために、地域共生社会の担い手として、社会福祉法人の役割が非常に重要であること。また、地域の福祉ニーズに対応した事業を安定的に継続するためには、複数の法人間での連携・協働化による経営基盤の強化、事業の効率化等を図ることが有効な方策として考えられることから、これまでに協働化の手法として社会福祉連携推進法人制度の活用を進めてきています。
一番下の丸になりますが、地域共生社会の在り方検討会議、「2040年に向けたサービス提供体制等のあり方」検討会では、社会福祉連携推進法人制度の活用を一層促進する観点から、地域福祉の充実、人材の確保・育成といった連携によるメリットをより享受できるよう、使いやすい仕組みとするべきとの方向性が示されたところでございます。
32ページより、前回10月21日の部会において事務局から提示した「現状・課題」「論点」に対して、委員の皆様からいただいた御意見を踏まえまして、「検討の方向性」として整理させていただいたものとなります。
33ページをお願いいたします。
社会福祉連携推進法人による社会福祉事業の実施については、社会福祉事業の維持だけでなく、連携・協働による効果的・効率的な事業の実施を推進する観点から、社会福祉事業等の実施を可能とすることを方向性として記載しています。これは御意見をいただいたところでございます。
また、その際、3つ目の丸ですが、第一種社会福祉事業は特に利用者の人権擁護、事業の継続性、安定性を確保する必要性が高い事業であることを理由に、原則として地方公共団体または社会福祉法人に限り経営を認めている現状を踏まえまして、連携推進法人が実施する事業の範囲は、第二種社会福祉事業及び社会福祉事業以外の社会福祉を目的とする福祉サービスの範囲とすべきとしております。
その下の4つ目の丸では、認定所轄庁が定款等の認可の際に要件の充足を確認することとしていますが、その際、要件の該当性や事業の安定性、継続性をどのように判断するかなど、国として適切な運用方法について具体的に示す必要があるとしています。
一番下の5つ目の丸で、事務負担の軽減のため、代表理事の再任時の手続を緩和すべきであるとしています。
34ページからは既存施設の土地・建物の有効活用についてでありますが、35ページの「検討の方向性」につきまして、中山間・人口減少地域において不可欠な社会福祉事業等を維持するために、既存の施設等も有効活用する観点から、一定の要件を満たす場合には、社会福祉連携推進法人が社員法人間の土地・建物の貸付に関する支援業務をすべきであるとしています。
また、3つ目の丸ですが、社会福祉法人の解散時における土地・建物の有効活用として、帰属後に地方公共団体自らが事業を実施するか、または、地方公共団体から他の社会福祉法人に土地・建物を貸し出すことにより、地域に不可欠な社会福祉事業の維持のために有効活用する場合には、残余財産の帰属を受けることができることとすべきであるとしています。
続きまして、「4 災害に備えた福祉的支援体制について」でございます。
37ページを御覧ください。
議論の前提です。一番上の丸にも記載させていただいていますが、まずは令和6年能登半島地震への対応においては、社会福祉士、介護福祉士、介護支援専門員の皆さんなど、実際に現地で支援に当たっていただいた皆様、それから施設・事業所、事業者団体、職能団体の役職員の皆様の御協力によりまして、全ての都道府県からDWATを被災地に派遣いただきました。また、介護職員等の施設間応援派遣や、被災高齢者等把握事業、被災者見守り・相談支援等事業を通じて被災者の生活を支えていただいてきております。このことに対しまして、この場を借りて改めて御礼申し上げます。ありがとうございます。
2つ目の丸以降で、平時からの災害福祉支援の体制整備やDWATについて、現行法律上の規定がないことや、能登半島地震において平時から災害福祉支援の体制整備の重要性が認識されたこと等を記載しております。
38ページをお願いします。
項目の3と同様に、委員の皆様からいただいた御意見を踏まえまして、「検討の方向性」として整理をさせていただいております。
39ページをお願いいたします。
包括的支援体制の整備における防災との連携規定、地域福祉計画の記載事項における災害福祉に関する事項を社会福祉法に加えるべきという点を記載しております。
上段の2つ目と3つ目の丸ですが、御意見をいただきました受援のための体制づくりへの留意、女性参画について記載しています。
また、一番下の丸ですが、これも御意見を踏まえまして、包括的支援体制整備や地域福祉計画の策定に当たって、支援の長期化や他の災害福祉支援との関係にも留意が必要であるとしております。
40ページをお願いいたします。
DWATの平時からの体制づくり・研修等についてです。こちらの「検討の方向性」につきましても、DWATの登録制度を整備すること、研修・訓練の規定を設けること、併せて、国・都道府県の役割分担を記載しています。また、DWATチーム員の派遣元使用者に配慮義務を課すこと、DWATチーム員に秘密保持義務を課すことを、それぞれ行うべきものとして記載をさせていただいております。
上段2つ目の丸の3ポツ目ですが、御意見を踏まえまして、生活圏域や市町村単位でのDWATを組成可能とするための養成・訓練、あるいは地域住民・関係機関と連携した実施、また、広域での実施にも留意すべきとさせていただいております。
その下の4ポツ目は、DWATの登録、研修、派遣などの実際の運用に当たっては、迅速な派遣や、支援のフェーズに応じた他の災害福祉支援との関係にも留意が必要であるとさせていただいております。
さらに、上から4つ目の丸になりますが、前回の部会で、DWATチーム員を派遣する施設・事業所への支援についても検討が必要であるとの御意見をいただきましたので、記載しています。
同様に、一番下の丸になりますが、災害時の福祉施設・サービス事業所の機能回復のための人材確保についても御意見をいただきましたので、その旨を記載しております。
私から3、4の説明は以上となります。よろしくお願いします。
○池上総務課長 続きまして、総務課長、池上より「5 共同募金事業の在り方について」御説明いたします。
43ページを御覧ください。
部会の中では、共同募金事業について、歴史的な役割が大きく、特別な存在として今後も取り組むべきという御趣旨の御発言をいただきましたので、その旨を「現状・課題」の2つ目の丸のところで書かせていただきました。
「検討の方向性」につきましては、お出ししている資料から変更はございません。寄附募集禁止規定の見直し、準備金の使途の見直しについて、ここに記載のある形で進めていくということでの記載を入れているところでございます。
資料1の御説明は以上になります。
この後、資料2について、老健局のほうからお願いいたします。
○野村認知症総合戦略企画官 老健局の認知症施策・地域介護推進課の企画官の野村でございます。
資料2、介護保険部会における議論の状況を御報告させていただければと思います。介護保険部会において福祉部会の御議論と密接に関連する事項を御議論させていただいてございます。関連するものについて御説明をさせていただければと思います。
資料2の2ページ目から論点①で身寄りのない高齢者の関係、11ページ以降は論点②介護予防の推進ということで、大きく2つのテーマで御紹介をさせていただきます。
まず、2ページ目をお開きいただければと思います。10月9日、第126回の介護保険部会で御議論いただきました地域包括ケアシステムの深化、相談支援の在り方ということで、身寄りのない高齢者等への支援について御議論をいただいたところでございます。
細かい御説明の前に、介護保険部会でも御議論いただきました身寄りのない高齢者等への対応ということで、まず前提となります定義の部分でございますが、身寄りのない高齢者等への取組としては、身寄りがあったとしても、家族・親族等の関係は非常に多様でございますので、一概に身寄りがあることをもって身寄りのない高齢者というところからの除外ということでは決してないのだと、そういう方々ももちろん対象として考えていくのだということで、介護保険部会のほうでも御議論をいただいているところでございます。
そうした中で、2ページ目でございます。今後増加が見込まれる身寄りのない高齢者等の生活課題について、適切な支援をつないで、総力戦での対応が重要と考えているところでございます。
そういう中で、2つ目の丸でございますが、介護の現場において、例えばということでございますが、ケアマネジャー等の法定外業務として対応せざるを得ないという状況が課題になっている、これに対して、地域課題として、地域全体での対応を協議して、つないでいく、まさにコーディネートの場が必要なのではないか。そういう中で、その選択肢の一つとして介護保険法に基づいて市町村が実施する地域ケア会議が考えられるのであろうと。具体的な対応策や必要に応じた資源開発、発掘、関係者や関係事業につないでいくことを想定しているというところで、「現状・課題」についての御説明をさせていただいております。
続いて、3ページ目は論点に対する考え方として御紹介をしているものでございますが、地域ケア会議を活用していくための論点というところでございます。まず、身寄りのない高齢者等への支援に資する地域ケア会議の活用・推進のためにということで、1つ目の丸で3点御用意してございます。1つは日常生活圏域等のよりきめ細かい地域ごとの課題に対応することを考えた場合に、地域包括支援センターが果たす役割はどういうものがあるのがいいのか。2つ目、課題に対応する場を地域ケア会議とする場合には、関係職種の役割をどう考えていけばいいのであろうか。3つ目、身寄りなし高齢者等の課題への対応というものについては、地域ケア会議だけということでは決してございませんので、ほかの分野の会議体との連携を進めることについてどう考えていくのか。ここは非常に大事だと思っておりまして、これらについて、介護の担当を中心としながら、福祉施策全体の中で検討を進めていければと考えているところでございます。
次に、身寄りのない高齢者等に対する相談体制の充実ということで、下に3つ丸を付しているところがございますが、地域支援事業における包括的支援事業の中で明確に位置づけていく、それとともに、適切なつなぎ先や活用できる制度が明確となるような取組を推進する、そういったことが考えられるだろう、これらも併せて検討を進めていきたいということで、介護保険部会でも御議論いただいたところでございます。
4ページ、5ページ目には、資料として身寄りのない高齢者等が抱える課題と、それに対する自治体の解決の枠組みの例を掲載させていただいております。大きく介護の地域包括支援センターやケアマネが主導するもの、5ページ目の左側の事例なども見ていただければと思いますが、そして真ん中の出雲市のような住民主体で取り組まれるもの。そして官民連携で解決していくもの、その3つを御紹介してございまして、こういったものを見ていくにつれても総合力での解決が必要だと考えているところでございます。
6ページから8ページは、地域ケア会議の現状と課題の調査結果を御紹介しているものでございます。6ページ目の左は地域ケア個別会議の部分で、個別事例を通した課題の抽出・整理がなされてございます。身寄りのない高齢者等の課題とも関連する生活居住支援、身元保証といったテーマを取り上げられたりしてございまして、こういったことからも、地域ケア会議が身寄りなし高齢者等の議論の場の一つの選択肢になるだろうというふうにも考えております。そうした中で、地域包括支援センターが相談窓口としての機能を果たすということも可能になると考えているところでございます。
続いて、11ページ目でございます。11月10日の第128回介護保険部会で地域包括ケアシステムの深化(介護予防・日常生活支援総合事業等)ということで、論点②介護予防の推進について御議論をさせていただきました。高齢者が予防に取り組み、社会に参加しながら地域で自立した生活を営むということは非常に重要でございまして、こうした中で、「通いの場」でございますが、住民主体の介護予防、高齢者の社会参加、地域における支え合い、そして多世代の交流の場といったことを多面的に議論していく、そういったことで地域共生社会の実現ということをこの通いの場が非常に役割を果たしてきたとも考えております。
高齢化や人口減少の状況に差がございますので、そういった中で、その状況を踏まえつつ、幅広い市町村において各自治体の状況を踏まえた拠点の整備、運営を推進する必要があるだろう、ということで、12ページにございます令和6年度の補正予算といったところのものをベースに考えていきながら、地域の通いの場の取組を支援する、そして高齢者の介護予防、障害、子育て、生活困窮分野等の地域で求められる取組を一体的に実施するための拠点といったものを整備する、その運営を推進する事業について地域支援事業に位置づけていく、そういったことも検討する必要があるだろうということで、御議論いただきました。
13ページ目以降は介護保険部会の御議論の状況をお示しさせていただいております。
説明は以上でございます。
○菊池部会長 御説明ありがとうございました。
私からは、とりわけ介護保険部会において、介護保険は言わば相談支援における先達といった面がございますので、そこでの議論を他の部会に共有していただきたいとお願いしていたところで、今、詳しく御紹介いただきましてありがとうございました。
それでは、ただいまの説明全般につきまして御意見等をお願いできればと存じますが、限られた時間の中で多くの委員の皆様に御発言いただきたいと思いますので、簡潔に3分以内で御発言をおまとめいただきますようお願いいたします。2分半を経過した時点でベルを鳴らさせていただきますので、恐縮ですが、発言をおまとめいただければ幸いでございます。
また、論点が多岐にわたることから、内容を前半、後半に区切って御意見をいただきたく存じます。まずは資料1の「1 地域共生社会の更なる展開について」と「2 身寄りのない高齢者等への対応、成年後見制度の見直しへの対応について」、及び資料2の介護保険部会における主な御意見に関して御発言がございましたらお願いしたいと存じます。資料1の3、4、5については、後ほど改めて御発言の機会を設けさせていただきます。
いつも会場からお願いしていますが、本日、樋口委員が御退席を御予定ということで、よろしければ最初に樋口委員から御発言いただければと存じます。全体を通じてで結構ですので、お願いいたします。
○樋口委員 ありがとうございます。日本知的障害者福祉協会の樋口でございます。
当会は知的発達領域の全国組織で、幼児期から成人期、また高齢期に至るまで様々な事業を担わせてもらっております。それぞれの事業の人的、また物理的な施設・事業所の環境について、今ある資源をどのように組合せ、活用するかという具体的な議論を行い、それぞれの分野の可能性に一歩踏み込んでいかないと、実際的に有効な施策につながらないと思うのです。そういう意味では、それぞれの事業所の受援について、どのようなことが受入れ可能なのかの議論を始める必要があると思っておりますし、当協会でもそうした議論を始めないといけないと考えております。
以上です。
○菊池部会長 ありがとうございます。
それでは、会場から、私の左手の井口委員から谷村委員までの皆様で御発言を御予定の方は手を挙げていただいてよろしいですか。小笠原委員、鏑木委員のお二方でよろしいですね。
それでは、小笠原委員からお願いします。
○小笠原委員 日本介護福祉士養成施設協会の小笠原でございます。
私は、2の身寄りのない高齢者等への対応についての意見です。これはこの委員会というよりは、その後につくられるガイドラインや実施要綱に触れる部分になるかもしれないのですが、私も対応している方にちょっと詳しくお話を聞いてみたところ、相談が殺到するのではないかということを非常に不安に感じていらっしゃいまして、特に本人が必要性を感じて利用するというよりは、既に支援を受けている人が病院のソーシャルワーカーや施設の支援相談員、生活相談員であったり、また生活保護のケースワーカーがいらっしゃるケースの中で、既に支援をしている人がいるにもかかわらず、どんどんサービスの利用を促されるのではないかということを非常に危惧されているというところがありました。殺到した場合、誰を支援していくのかという意味では、なかなか難しいかもしれませんが、利用の優先順位等も検討することが必要なのではないかという意見がその中でございましたので、ここで御紹介させていただきます。
ケアマネジャーさん、介護支援専門員のシャドウワークということが今、非常に問題になっているところですが、特にこの事業を担当する専門員の方々についても、対応が多岐にわたりますので、結果として入退院支援もソーシャルワーカー等からどんどん情報が入ってきたり、対応を迫られるようになると、今度は専門員のシャドウワークが増えて業務過多になるのではないかという意見もありましたので、これは先ほど冒頭にお話ししたとおり、今後ガイドライン云々であったり、実施の中で検討される部分かもしれませんが、その辺の配慮も含めてお願いしたいと思います。
以上でございます。
○菊池部会長 ありがとうございます。
鏑木委員、お願いします。
○鏑木委員 ありがとうございます。
私も身寄りのない高齢者等への対応について2点意見を申し上げます。1点目は、以前申し上げたことと重複しますが、判断能力が不十分な方や身寄りのない高齢者などへの支援においては、新たな事業だけで解決するものではなく、市町村が整備する包括的支援体制の中にも位置づけていただいて、ぜひ地域づくりとも一体となって取り組むべきだと考えております。その際には、地域の実情に応じた支援体制を構築していくため、新たな事業に対する市町村の責任及び後方支援を行う都道府県の役割を明確化していただきたいです。
2点目、小笠原委員もおっしゃっていた、現行の体制の強化という点につながりますが、現行の日自の体制は脆弱であり、十分な専門医を配置することができていないといったところも課題として見受けられ、待機も発生しているところかと思います。今後ますます増加するニーズに対応できるように、人員体制の強化に向けた御検討もお願いしたいです。
私からは以上です。
○菊池部会長 ありがとうございます。
それでは、逆サイドで鳥田委員から吉田委員までで、鳥田委員、永井委員、沼尾委員、吉田委員ですね。
それでは、鳥田委員からお願いします。
○鳥田委員 東社協の鳥田でございます。
私のほうは、今日意見書も一緒に出させていただいたので、それも併せて御覧いただきたいと思います。
まず、地域共生社会の更なる展開についてでございますが、その中で、ちょっと小さな話になるのですけれども、重層的支援体制整備事業の質の向上に向けて事業の評価を行うということが従前から説明をされていたところなのですが、その評価方法の検討に関して、支援プランとか幾つか候補になっているのですが、プランに至らない場合についてもアウトリーチとか、それぞれの自治体ではエネルギーをかけているところでございますので、そういったアウトリーチとか関係機関との連携とか住民への理解促進など、単に実績には表れない部分も含めて総合的に評価基準というものをつくられるよう、また、実際にやっている現場の意見を十分踏まえるべきではないかと考えております。
また、重層事業における補助金ですけれども、今年度見直されて、幾つかの自治体では成果が出てきたところなのに、その事業を変えざるを得ないというところもございましたが、包括的支援体制整備をするに当たって、重層は一つのツールとしては要と考えておりますので、さらなる専門性の高い人選の安定的な確保などが必要だと思っております。このために専門人材を確保する財源の確保などについて十分御検討いただけたらなと思っております。
2つ目が身寄りのない高齢者への対応で、これに関しては3つのことを申し上げたいと思います。先般全社協さんのお世話により全国の都道府県社協でこのことについて議論したのですが、そのことに基づきましてこのことについてお話しさせていただきたいと思っています。
1つは自治体の役割ですが、今、鏑木委員もおっしゃっていたように、日自事業ということが法的に位置づけられておりまして、今回の検討の中で25ページのところにありますように、自治体の関与も少し入ってきたところですが、いろんな仕事がパッケージになるということもありますので、市町村が主体的な役割をして、地域の実情に応じた支援体制をつくる方策をつくっていただいて、併せて後方支援の都道府県の役割を明確化して、この制度が実効的になるように担保されることが重要だと考えております。
2点目は判断能力が不十分な者への支援と身寄りのない高齢者等への支援ということです。これは従前からお話ししていたことと重なるのですが、別事業だと思っておりまして、その理由としては利用者の状態も利用者の範囲も異なってくるというところです。身寄りのない高齢者等への支援は、現行の社会福祉法の福祉サービス利用援助事業の拡充・発展という形ではなく、別事業として法に位置づけるべきと考えております。
3つ目は利用料です。こちらについては先ほど御説明もあって、高額な利用料はできるだけ避けるようにというお話でしたので、資力が十分でない方も利用できるように、利用料が高額にならない仕組みを御検討いただけたらなと思います。
以上申し上げたことを含めまして、意見書と別葉で、全国の都道府県社協から不安や疑問視の声が寄せられておりまして、それがまとまって厚生労働大臣に要望書を出しておりましたので、それの意見書と併せて資料として御参考にしていただけたらなと思います。
以上です。よろしくお願いします。
○菊池部会長 ありがとうございます。
永井委員、お願いします。
○永井委員 ありがとうございます。
まず、地域共生社会の更なる展開につきましては、包括的な支援体制整備に向けた対応について、第29回でも前任の委員から発言させていただきましたけれども、重層的支援体制整備事業もまだ実施していない自治体が取組に着手できるよう支援するとともに、既に実施の自治体に対しても機能強化に向けて支援していくことが重要だと考えております。
続いて、身寄りのない高齢者等への対応につきまして、日自事業を拡充・発展させる新たな事業の実施主体に制限を設けないことで支援の裾野が広がっていくということに期待したいと思っております。その上で、当該事業がそれぞれの実施主体において適切に行われているかのチェックが重要であり、資料1の21ページの8、チェック体制で記載されている事項がきちんと運用されることが必要だと考えております。したがいまして、議論の取りまとめに向けましては、チェック体制及び運用の重要性について強調して記載していただきたいと思っております。
それから、成年後見制度の見直しへの対応につきましては、市町村において相談や支援を適切に実施するためのコーディネートなどの業務を実施するよう努めることなどが示されておりますが、これらの実施に当たりましては、人材の育成や確保など、体制整備に向けた支援が欠かせないことから、財源確保を含め、国としても支援をお願いしたいと思います。
資料2、介護保険部会における議論の状況の3ページのところで、身寄りのない高齢者等への支援に資する地域ケア会議の活用推進、そして相談体制の充実等でございますが、現状でも地域包括支援センターの業務量は多く、人材不足が課題となっていると思っております。地域包括支援センターをはじめ、中核として期待される拠点の役割と機能を十分に発揮できるように、国による十分な財政支援と人材確保の強化、業務負担の軽減を図るべきと考えております。
以上です。
○菊池部会長 ありがとうございます。
沼尾委員、お願いします。
○沼尾委員 3点申し上げたいと思います。
1つ目は、8ページのところにある包括的支援体制整備における重層的支援体制整備事業実施計画の必須記載事項として目標・評価等に関する事項を加えるというところでございます。このような形で事前に目標・評価等に関する事項を書くというのは大変重要なわけですけれども、他方で、重層的体制整備事業自体のゴールとしては、目の前の当事者に対して、突発的に複合的な課題が生じた場合でも速やかに対応できる環境の構築が大切であると認識しています。そうだとすると、どのようにアウトカム指標を設定するかというところと思うのですが、ぜひ体制整備の環境構築に対する評価という観点を考えていただけたらと思います。
2点目としては、11ページ目の過疎地域等における包括的な支援体制整備のところです。相談支援については、3つ目の丸で一次相談、専門的相談対応という構造化ということが打ち出されているわけですが、実際に大切なのは、相談の窓口を設定するということもそのとおりなのですけれども、相談につなげるための日常的な環境の構築が非常に重要ではないかと考えています。これはもちろん過疎地域等におけるということに限ったものではないのですが、地域の居場所など地域づくり活動との連携も通じて、いかにこういった一次相談につなげていくのかというところについての支援の在り方についてもぜひ併せて明示していただけたらと思います。
3点目は、12ページにある過疎地域等の対象地域・実施要件でございます。「人口規模が小さい、人口減少が進行している等」と書かれているわけですが、平成の大合併を通じて大きな市となっていて、人口規模が多くても、周辺地域で極めて人口密度が低いとか人口規模が限られているような地区があるという実態がございます。ですので、これを本当に市町村単位で見るのかどうかということと、単純に人口規模ということではなくて、例えば人口密度のようなものをメッシュで把握するとか、対象地域の選定については、ぜひ実態に合わせた形で御検討いただければと思います。
以上です。
○菊池部会長 ありがとうございます。
吉田委員、お願いします。
○吉田委員 まずは取りまとめ、ありがとうございました。
資料1の20ページの上から3つ目の丸のところでございます。「入院・入所等の手続支援は」というところになりますが、まず1つ事務局に確認をさせていただきたいと思っております。医療に関係するところでは、入院・退所のところの手続の支援ということでありますが、治療同意や治療に関する意思決定に関するところは、今回の適用には入っていないというところでよろしいかということを確認したいと思います。といいますのも、利用者の立場から考えると、入院に関して、入院の手続あるいは退院の手続も手伝ってくれるのだとなれば、もしかしたら治療に関する意思決定や同意というところもそのまま手伝ってくれるのではないかという思いも出てくるのではないかと思います。もし治療に関する手続の支援を含めないのであれば、その辺りは明確にしていく必要があるというのが1点目の確認です。
もう一つの確認ですが、ここでは入所・退所と書いてございます。これは例えば介護保険の介護保険3施設といったような施設のみを限定しているのか、あるいは最近では在宅サービスと言いまして、いわゆる特定施設の入居者生活介護のような有料老人ホーム系の入居もあります。あるいは完全な民間に関する入居あるいは退去といった事例も想定されます。この辺りの整理というものが、今後の事業を通じた支援の量に関係しそうな気がいたしますので、現状でお答えできる範囲でお願いしたいと思っております。
もう一点は、22ページの「今後の事業実施に向けた課題」の黒ポツの一番上のところで、相続等の法的な問題ということが1つ例として挙げられていると思います。身寄りのない高齢者が存命中で必要なサービスを受けるときのキーパーソンや関係者というものと、相続が絡んできたときに出てくる関係者というのはちょっと変わってくるようなところがあります。こういった相続の法的な問題も福祉の領域で体制を組んで支援をしていこうという意図であるのかどうか、少し確認をさせていただければと思います。
以上でございます。
○菊池部会長 3点確認がございましたので、お願いします。
○占部成年後見制度利用促進室長 成年後見制度利用促進室長でございます。
今の御質問の1点目の医療同意の件ですが、基本的に医療同意は一身専属性が高いものということで、例えば現状でも成年後見人でも基本的に行うことはできないものでございます。これについては医政局のほうでガイドラインをお示ししていまして、例えば家族等が本人の意思を推定できる場合にはその推定意思を尊重することとか、あるいは家族等がいなくて、あるいは家族等が判断を医療ケアチームに委ねるという場合には、本人にとっての最善方針について話し合って対応する。こういった内容についてガイドラインとしてお示ししています。基本的にはこの点については今後も同様でございまして、新たな事業の中でこういった医療同意について対応するということは考えてございません。
入院・入所の手続事務の外延をどこまで考えるかということについては、基本的には入院とか福祉施設の入所といったところを想定しておりますが、ただ、一方で、先ほど御指摘のあったような民間の有料老人ホームの取扱いをどうするかといったところについて、こういった事務の外延をどこまで考えるのかというところの整理は必要だと思っております。
併せて御指摘のあった相続の取扱いについても、死後事務の外延をどこまで考えるのかというところにも関わってきますけれども、基本的に相続等の法的な問題について、この事務の中で全て対応するということは考えていません。ただ、実際にモデル事業を行う中でも、こういった死後事務を行う中で関連する親族から申立てがあってという話がケースとして出てきたりということはございますので、こういった事業の実施に当たって、事業の外延をどこまで考えるのかということについては、今後の事務の内容について整理をしていく際に、併せてお示しをしたいと考えております。
○菊池部会長 吉田委員、いかがでしょうか。よろしいですか。
○吉田委員 はい。
○菊池部会長 ありがとうございます。
それでは、オンライン参加の皆様から挙手機能でお示しいただければと思いますが、いかがでしょうか。杉浦参考人、お願いします。
○杉浦参考人 それでは、私のほうから大きく2つお願いいたします。
まず、重層的支援体制整備事業に関する話でございます。重層的支援体制整備事業の評価方法と検討に関する話になりますが、資料1の8ページ「1-1 包括的な支援体制整備に向けた対応④」にございます事業の評価方法等の検討に関しまして、例えば新しい評価指標が設定されることによりまして、自治体が実質的にその指標に沿った事業運営を求められることになりますと、制度の硬直化を招くことにもなりかねない面がございます。つきましては、今後の検討に当たりましては、各自治体の取組状況を十分に踏まえていただきながら、引き続きそれぞれの自治体がそれぞれの地域の実情に応じた支援を行っていけるよう、制度の柔軟性が損なわれることのないよう御留意いただくことをお願いいたします。
そして、多機関協働事業の交付金についてでございますが、国は今年度交付基準額の減額を行ったほか、次年度の概算要求におきましても、事業開始後5年が経過した自治体への補助率の引下げや、新たに事業を開始する自治体への交付基準額の見直しなどを行うことが示されております。こうした見直しなどにより補助が減少した場合、自治体が期待する額、あるいは見込んだ額を確保できず、その事業運営に支障が生じることが懸念されることから、国におきましては、自治体のこれまでの取組はもとより、これからの取組にも影響を与えることがないように、十分な予算を確実に確保していただくとともに、交付基準額の拡充など財政支援の強化をぜひとも図っていただきたいと考えております。
続きまして、身寄りのない高齢者等への支援に関するお話でございます。こちらは主に資料1の20ページから21ページにかけて記載があります内容に関しまして、原則的には利用料は利用者負担での実施が想定されているところでございますが、一方で、無料低額事業としての実施も想定されているなど、実施機関が安定的かつ継続的に事業を運営するための財政的基盤の確保が大変懸念されているところでございます。
また、新たな事業におきましては、例えば入院・入所等の手続の支援の事業内容の例にあります緊急連絡先の提供などにつきましては、まさに緊急時などの必要時に的確で機動的な対応が求められることが想定されますが、実際にどのように対応していくかといった懸念もあるなど、実施機関における当該事業の実施に当たりましては、人員等を含めた実施体制の確保も課題になるものと思われます。
これらのことを踏まえまして、今後の検討に当たりましては、支援を必要とする人に質の高いサービスが安定的かつ継続的に提供できるよう、実施機関における実施体制の整備や財政基盤の確保といった観点も十分に踏まえていただき、国による財政面での支援も含めた検討をお願いいたします。
また、死後事務の支援におきましては、相続人とのトラブルなどの懸念も想定されることから、それぞれの現場において混乱が生じることのないよう、法的な問題などにつきましても十分整理いただくようお願いいたします。
以上でございます。
○菊池部会長 ありがとうございます。
石踊委員、お願いします。
○石踊委員 全国老施協の石踊でございます。取りまとめ、本当にお疲れさまでございました。私のほうから3点、細かい話ですが、意見をさせていただきたいと思います。
第1点、地域共生社会の更なる展開につきまして、11ページの3つ目の丸、「相談支援については、一次相談対応、専門的相談対応と構造化すべきである」と書かれておりますが、人口規模が本当に小さな市町村においては専門的な人材不足が懸念されるわけです。書かれているとおりでございますが、専門的な相談対応が可能かどうか、本当に難しい状況だと考えております。ここに書かれていますとおり、都道府県のさらなる具体的な支援体制の強化というものが必要ではないかと考えております。
2点目は14ページの「地域共生社会の理念・概念の性格、行政責務について」の3つ目の丸でございます。福祉サービス提供等における「意思決定支援」への配慮ということが書かれていますけれども、福祉サービス提供等に当たっての意思決定支援への配慮の必要性を明確化することにつきましては、特に認知症高齢者など意思決定支援の要配慮者を具体的にどのような基準で判断するのか、非常に難しいので、今後検討が必要であると考えているところでございます。
身寄りのない高齢者等への対応につきまして。これは前回も申し上げたと思いますが、新たな二種社会福祉事業を法に位置づけ、一定の公的関与の下、多様な事業主体に制限を設けないというふうになっておりますが、やはり民間サービスの質の担保、体制面、運営管理の面に関して、行政への届出だけでは非常に不安を感じております。専門性や倫理性を備えていくことはもちろんのこと、人員配置や経営基盤の体制面の十分な事前チェックが必要であると改めて申し上げたいと思います。
私のほうからは以上です。
○菊池部会長 ありがとうございます。
辰見参考人、お願いします。
○辰見参考人 全国町村会、滋賀県豊郷町長の代理で出席しております辰見でございます。私からは2点意見を申し上げます。
1点目は、過疎地域等における包括的な支援体制整備のための新たな仕組みについてです。人口規模が小さく、今後も人口減少が進む町村においては、特に専門職の人材不足や確保が困難になることが予想される中、この仕組みは有効な解決策の一つと考えます。「検討の方向性」にも記載がございますが、自治体の意見やモデル事業の結果を踏まえ、自治体が地域のニーズや実情に沿った形で実施できるような制度設計をお願いしたいと考えます。
2点目は、身寄りのない高齢者等の支援に係る自治体の役割についてでございます。日常生活自立支援事業の拡充が無料または低額の公的サービスとして検討されていること、また、入院・入所等の手続支援や死後事務の支援が新たに加わる方向性であることは、高齢化が進む町村にとって安心につながる有意義な見直しと考えます。
また、事業の拡大に合わせ、身寄りのない高齢者等の支援に係る自治体の役割を厚生労働大臣が定める指針や市町村が策定する地域福祉計画の策定ガイドラインの中に明記することで、市町村が取り組むべき包括的支援の中に正式に位置づける方針とのことです。ただし、現状は専門員・生活支援員が行う業務は既に多岐にわたっており、拡充後は一層の人材不足が懸念されます。事業を持続的に進めるため、国として人材と財源の確保をぜひお願いしたいと考えます。
以上でございます。
○菊池部会長 ありがとうございます。
そのほか、オンラインの皆様からよろしいですか。
ございませんようでしたら、それでは、また会場から。新保部会長代理からお願いします。
○新保部会長代理 私からは3点お伝えしたいと思います。
第1は、スライド7の4つ目の丸に生活困窮者自立支援制度について対象の明確化を図るための見直しということが書かれていますが、ぜひそれは進めていただきたいと思います。併せて、「生活困窮者」という名称についても、法の理念や今後制度が担う役割を鑑みて検討することが必要ではないかと思います。
第2は、新たな事業についてです。スライド20にあるような事業を進めていくに当たっては、利用者の権利が守られるように、十分に対応することが求められております。特に日常生活支援の金銭管理のように、金銭を関わらせて行われる事業は、同意を得て実施しても利用者との葛藤が起こりやすく、事業に関わる職員には一定の専門性が必要です。利用者の権利が侵害されないような実施体制や、着実に都道府県知事等における調査、制限、停止、そして罰則を適用できる体制が不可欠だと思います。ぜひそのような体制を整えていただきたいと思います。
関連して、スライド23には専門家会議の意見が紹介されておりまして、意思決定支援を担うサポーターの必要性が提起されています。新たな事業の実施においても、スライド20にあるような利用者本人の意思決定支援を適切に確保できるような仕組みづくりを進める必要があると思います。
第3ですが、これまで挙がっていなかったような内容かもしれませんが、地域共生社会の更なる展開、身寄りのない高齢者等への対応を充実させていくに当たり、社会福祉法全体を理念の実現という観点から見直す必要もあるのではないかと思っております。
一例として福祉事務所に関する規定を挙げさせていただきます。社会福祉法第3条、福祉サービスの基本理念についての法のコンメンタール(『新版社会福祉法の解説』中央法規出版、2022年、PP102-103)をひもときますと、現行法の改正に当たり、「従来は「福祉サービスを必要とする者」は「援護、育成又は更生されるべき対象」であったが、福祉サービスの利用者は、自らの意思と決定により自立した主体として捉えられるようになり、福祉サービスは、利用者の自己決定による自立を支援するものでなければならないということが明示されています。
一方で、同じ社会福祉法第15条の福祉事務所(福祉に関する事務所)に関する規定においては、「援護、育成又は更生の措置を要する者」という文言ですとか、「本人に対して生活指導を行う」という文言がいまだに用いられています。福祉事務所の職員が、措置の業務を行うことは重要な役割ですけれども、福祉事務所の職員が実際に携わっている福祉六法においては、既に社会福祉法における自立支援の考え方に基づく相談支援が日常業務となっているものと理解しております。地域共生社会の実現において、住民にとって身近な相談機関であり、住民の生活と生命を守る第一線機関である福祉事務所の役割の条文や、その他の条文についても、社会福祉法の理念に照らしながら、今後ぜひ福祉部会で見直していただくことをお願いしたいと思います。
以上です。
○菊池部会長 ありがとうございます。
ほかにはよろしいですか。
それでは、前半はここまでとさせていただきまして、引き続きまして、資料1の「3 社会福祉法人制度・社会福祉連携推進法人制度の在り方について」から「4 災害に備えた福祉的支援体制について」、そして「5 共同募金事業の在り方について」までの御発言をお願いしたいと存じます。それでは、まず会場の皆さん。先ほどと同じ順番でお願いできればと思いますが、及川委員、鏑木委員、高橋委員ですね。
それでは、及川委員からお願いします。
○及川委員 ありがとうございます。日本介護福祉士会の及川でございます。
1点、災害のほうのことで御意見を申し上げます。災害時の福祉施設、サービス事業所の機能回復のための人材確保をどのようにすべきかという意見があったとの記載がありました。災害時の福祉施設、サービス事業所の機能回復のための人材のほか、施設・事業所等にDWATなど、正式な派遣がなされるまでの隙間時間をどう対応するかということも課題だと考えております。この点についてもぜひ御検討をお願いしたいと思います。
以上でございます。
○菊池部会長 ありがとうございます。
鏑木委員、お願いします。
○鏑木委員 共同募金についてです。共同募金は日本の募金運動の草分けとして、寄附文化の醸成に大きく寄与してきました。また、共同募金による支援は地域の民間福祉活動を支える基盤のひとつでもあることから、地域共生社会の推進に向けて重要な役割を担う存在であると評価しています。
その上で、3点意見を申し上げます。共同募金運動ですが、本来民間福祉活動の資金を集める役割だけではなく、地域を活性化する運動としての役割も担っていますが、やや後者が弱いという課題があると考えています。共同募金会におかれては、地域を活性化する運動としての活動がより円滑に行われるよう、さらなる創意工夫や寄附者への事業成果のフィードバックなどを今まで以上に強化していただくことを期待しております。
また、今回事務局が示された今後の方向性に関しては、いずれも賛成いたします。今後とも民間の自由な発想による取組が共同募金の助成により行われるよう、引き続き時代に即した制度改正が行われることを期待しております。
なお、その上で、寄附募集禁止規定の見直しや準備金の使途の見直しについては、事務を担う都道府県共募の事務負担が大きくならないよう、運用の在り方について今後ガイドラインなどを作成する際には御検討いただきたいと願っております。
私からは以上です。
○菊池部会長 ありがとうございます。
高橋英治委員、お願いします。
○高橋(英)委員 日本保育協会の高橋でございます。
前回、福祉部会で社会福祉連携推進法人が社会福祉事業を行うとした場合の税制面での優遇措置について検討が必要だということを申し上げましたが、それで新潟のユニティさんの例を少し出して、収益事業を取られて、課税されたという話もしたわけですが、基本原則課税法人である一般社団法人でありますが、御案内のように、令和3年11月12日に「非営利型法人の要件を満たす社会福祉連携推進法人の定款の取扱いについて」という通知が福祉基盤課長名で出ておりまして、その内容に即していくと、第二種社会福祉事業であっても、社会福祉を目的とする福祉サービスにおいても恐らく優遇はされるのだろうなということは理解しております。あまりユニティさんの内容を詳しく把握しないまま発言いたしまして、再度そういったことを理解していますということで発言をさせていただきます。
以上でございます。
○菊池部会長 ありがとうございます。
それでは、逆サイドの皆様からいかがでしょうか。永井委員、よろしいですか。
それでは、永井委員、お願いします。
○永井委員 ありがとうございます。
まず、社会福祉連携推進法人制度につきましてですが、現場から聞いたところ、制度が分からないことを起因とした不安の声といったようなものは聞いているということでしたので、既に厚生労働省のホームページには各種の御案内が現在でも掲載されていると承知しておりますが、周知の強化も検討していただきたいと思っております。
続きまして、DWATの平時からの体制づくり・研修について、2点申し上げます。41ページになります。2つ目の丸にあります、災害時に福祉的支援に従事する者に対する研修及び訓練の実施に関する規定を設けるべきという点には賛同いたします。災害関連の研修や訓練の受講は、福祉的支援に従事する者が安全に業務を遂行するために非常に重要と考えますので、そうした研修への参加は、業務に関わる研修であり、公費など労働者が自己負担することのないよう御配慮いただきたいと思います。
2つ目は、下から4つ目の丸「都道府県知事の派遣要請に対応することができるための配慮をする旨の努力義務を課す」とありますが、現場ではもう既に人手不足の状況であり、さらに災害時対応という役割も期待するのであれば、災害時対応に係る公費による財政支援や人材確保の強化が必要と考えております。
以上です。
○菊池部会長 ありがとうございます。
それでは、オンラインの皆様からいかがでしょうか。鈴木委員、お願いします。
○鈴木委員 ありがとうございます。
私からも4番の災害に備えた福祉的支援体制についての「検討の方向性」について、意見を述べさせていただきます。今回、本部会において災害に備えた福祉的支援体制を「DWAT」という具体的名称を活用して議論が進められていることは、福祉支援としての災害対応の実効性を高めていく上で非常に重要な議論であると考えています。特にDWATによる活動の初動体制や派遣スキームの整備を図るべく法制度を整備するべきという意見や、検討方針につきましては、近年多数発生している自然災害への備えとしても急ぎ検討が必要である課題だと認識しています。
一方で、発災直後の避難行動などは、幾らDWATの初動体制が仕組み化され、構築された場合も、地域住民による自助や互助等の支え合いが不可欠になります。また、支援する側の体制整備だけでなく、地域が持つ力をどのように高めていけるのか、そこに受援という考え方も踏まえていくことを含めますと、必要な支援を的確に要請・調整して、受け入れられる地域での仕組みを平時から整えていくことも必要になってきます。この辺りにつきましては、先ほど福祉基盤課長からも、今回「受援」という言葉等を加える形での御説明をいただいておりますので、新たな意見を加えるものではございませんが、「検討の方向性」に記載されておりますように、包括的な支援体制の整備における防災との連携、地域福祉計画における災害福祉に関する記載事項等については、受援を含めた体制整備の検討として、DWATの養成や登録状況、位置づけ等も地域における実情として捉えて、検討を進めていくことが重要であると考えています。
それから、今後さらに具体的な検討が必要と考えている意見を1点申し上げます。前回も発言いたしましたが、DWATは災害救助法の枠組みでは応急期の支援が最も期待されるものと想定しますが、実際には応急期の支援内容がその後の復旧や復興期における生活再建に強く影響しているということを考えることが重要だと思っています。近年の能登半島地震でも災害によって生じた介護ニーズの増加と被災した介護職員が地域で働き続けることの困難さが今なお相互に影響して、地域の介護体制に大きく揺らぎを与えている状況が続いていると認識しています。したがいまして、DWAT等が行う福祉的課題に対応した応急期支援というものを、復旧・復興へつなぐ移行支援という明確な位置づけの中で具体的な検討を続けていくことが必要だと考えています。
これに当たって、研修との関連につきましては、継続した情報連携の在り方をどう考えるかということもより一歩踏み込んで検討していくことが必要だと考えています。今回情報保護等の観点において、DWATに課すということについての検討課題等も挙がっておりますが、これは逆にDWATが入手した情報を地域資源に伝えていくという役割においてもどのように考えていくかということもこれから必要な議論の内容だと考えます。
発言は以上です。
○菊池部会長 ありがとうございます。
石踊委員、お願いします。
○石踊委員 ありがとうございます。全国老施協の石踊でございます。
私のほうからは、災害に備えた福祉的支援体制について、「検討の方向性」につきまして発言をさせていただきたいと思います。平時からの災害福祉支援体制整備につきましては、都道府県や市町村の整備体制、いわゆるDWATを含んで充実することが本当に急務でございます。法律上の位置づけが必要と考えております。
各事業者団体や職能団体のDWATチーム員の養成研修及び訓練を定期的に行うことと、登録名簿の管理を行うことが本当に必要だと考えております。
また、DWATチーム員を派遣する施設・事業所への支援についても検討が必要であると書かれていますが、施設では人材不足の中、DWATチーム員を派遣する施設・事業所の特に介護職員や看護職員でございますが、一時的な人員基準の弾力化などの配慮や支援を強くお願いしたいと考えております。
さらに、災害時の福祉支援におきましては、DWAT等の派遣がスムーズに行われるためには、国や都道府県と連携の下、災害福祉支援ネットワーク中央センターが的確な調整機能を果たすことが極めて重要であると考えます。
私のほうからは以上でございます。
○菊池部会長 ありがとうございます。
山下委員、お願いします。
○山下委員 日本社会福祉士会の山下です。
41ページのDWATの関係になりますけれども、前回の委員会でも発言させていただきましたが、DWATについての法整備については賛成いたします。ただ、鈴木委員からもありましたように、DWATは一定の期間を経て、現場から活動を終了することとなりますが主に応急期の活動になりますけれども、災害の現場ではいろんなフェーズがあると思うのです。なので、DWATにつなぐところ、DWATから次の息の長い支援といいますか、時間をかけて次の支援にどうつなげていくのか、そういう切れ目のない支援を視野に入れた形での法整備が必要ではないかと思っております。そういう観点をぜひ考慮していただきたいと思います。
以上です。
○菊池部会長 ありがとうございます。
山下委員、前半部分、お入りいただいておりませんでしたが、前半部分について何かございますか。
○山下委員 よろしいですか。最後に言わせていただこうと思ったのですけれども。
○菊池部会長 それでは、樋口委員、ここで御発言の御予定ですか。
○樋口委員 時間がないのに申し訳ありません。
○菊池部会長 では、山下委員、ちょっとお待ちいただいて、樋口委員のほうからどうぞ。
○樋口委員 災害に備えた福祉的支援のことですけれども、東日本大震災も阪神・淡路大震災においても、障害者支援施設、入所施設で亡くなられた方は1人もいらっしゃらないのです。今、入所施設からの地域移行の中で、地域においてより障害の重い人たちが暮らす場所として、協会は入所施設のサテライト型の施設の提案をしております。それは地域移行に重ねて、防災拠点としての機能も併せ持つと考えます。
今も入所施設の多くは一定の基準の下で、民間事業者がいろいろとグループホームを広げていますけれども、それとは比較にならない建築基準というものがあって、その下で利用者が1人も亡くならなかったという状況が生まれたと思うのです。
このことをもっと重視していただいて、今、提案している、グループホームの一つの類型になるかと思いますけれども、地域移行と重ねて地域における防災拠点としての機能も併せ持てるような仕組みをつくっていただきたいと思っています。
以上です。
○菊池部会長 ありがとうございます。
それでは、山下委員、お待たせしてすみません。前半部分についてもどうぞ。
○山下委員 座長の御配慮、ありがとうございます。
前半の議論を全く聞いていない中で話をするので、多分重複することがあるかと思いますけれども、御容赦いただければと思います。
私は、身寄りの関係で、前回の委員会でも「身寄り」という表現は非常に抽象的だし、これについて何らかの検討をしていただきたいということを申し上げました。
本件についても、介護保険部会でも同じような話が出ているとは聞いております。やはり事業名というのはすごく大切です。事業名、名前を聞いただけでその対象であるとか、どういう事業かということが分かると。要するに、名は体を表すではありませんけれども、そういうことが非常に重要かと思っております。それで、より的確な表現に改めていただきたいということがあるのですが、私が思っているのが、令和5年5月に成立した孤独・孤立対策推進法の3条、4条、5条辺りに国の責務であるとか、地方自治体の責務であるとか、国民の義務であるとか努力であるとか、そういったことが規定されています。そういう孤独・孤立対策法との関係をどう整理をしていくのかとか、社会福祉法との関係をどう整理していくのかとか、そういう観点を持った検討が必要ではないかと思っております。
23ページ、25ページに続きますけれども、身寄りのところで後見の終了のところの議論が十分にされていないと総論のところに出ておりますが、私もそのように思っております。中核機関との連携も含めて検討してもらいたいと思っておりますし、後見が終了と、終了後の事業としてどう支援を継続していくのかという辺りで、社協が想定されると思うのですけれども、包括支援センターであるとか中核機関との関係性も整理をぜひしていただきたいと思っております。
それから、25ページ、事業者に対するチェック体制であります。ガイドラインのことが最後に書かれております。このチェック体制については本当にすごく大事なところです。権利擁護、人権というところから見ても、本当にあってはいけないことをされては困りますので、しっかりとチェックする体制が必要かと思っています。どう実効性が確保できるのか、実効性をしっかり確保できるチェック体制が必要かと思っております。そういう観点での議論をぜひよろしくお願いいたします。
以上です。
○菊池部会長 ありがとうございます。
ほかはよろしいですか。それでは、松原委員からお願いします。
○松原委員 社会福祉法人制度の在り方に関しまして、2回ほど前の回でも申し上げたことではございますが、評議員会の決議事項について再度指摘させて頂きます。評議員会の決議事項に関し、事業譲渡に関しては法定の決議事項に入っていないので、何を重要と位置づけるかは、各法人の理事会の判断に委ねられているのが現状です。各法人の理事会で事業譲渡は重要でないと考えれば、理事長1人の判断で事業譲渡を行うことも可能という状況ですので、この件については今後ぜひ御検討いただければと考えております。
以上、意見です。
○菊池部会長 ありがとうございます。
ほかにはいかがでしょうか。この議題に関してはよろしいですか。
ありがとうございます。
本日も様々な御意見をいただきました。どうもありがとうございます。
本日委員の皆様からいただきました御意見も踏まえて、事務局のほうで最終的な取りまとめに向けた作業をお願いしたいと思います。そして、次回さらに御議論いただいた上で、取りまとめを行っていければと考えてございますので、よろしくお願いします。事務局のほうも御準備のほう、よろしくお願いいたします。
それでは、次に議事3に移ります。福祉人材確保専門委員会の議論の整理につきまして御報告をいただき、併せて皆様の御意見をお伺いできればと存じます。
それでは、事務局から御説明をお願いいたします。
○芦田福祉人材確保対策室長 福祉人材確保対策室長の芦田です。どうぞよろしくお願いいたします。
まず、この福祉人材確保専門委員会についてでございますけれども、2040年に向けまして、高齢者の増加と生産年齢人口の減少が進む中、将来にわたって必要な介護サービスを安心して受けられるよう、介護人材の確保・定着に向けてより一層取組を強化していく必要があるということを受けまして、4月24日の本部会におきまして設置することとしていただいたものでございます。
専門委員会におきましては、松原委員長の下、「2040年に向けたサービス提供体制等のあり方」検討会における議論の状況なども踏まえつつ、介護人材の総合的な確保策と検討項目といたしまして、5月以降6回にわたって活発な御議論が重ねられまして、11月11日に議論の整理を取りまとめていただきましたので、本日はその内容を御報告するというものでございます。
お手元配付資料は3つございまして、資料3-1がこの専門委員会の議論の整理本体でございます。3-2が議論の整理の概要の資料でございまして、資料4、介護保険部会のほうでも介護人材確保について御議論されておりますので、その状況を専門委員会のほうにも御報告いたしました。同じ資料を配付しておりますので、適宜御参照いただければと思います。
それでは、本日の私の説明は資料3-2に沿いまして御説明申し上げます。
まず、2ページ目は議論の整理のポイントという1ページ物になっておりますが、専門委員会の議論におきましては、黄色い四角の4つの点について御議論いただきました。1つ目が地域差を踏まえた各地域における人材確保の取組、2つ目が若者などの多様な人材確保・育成・定着、3つ目が中核的介護人材の確保・育成、4つ目が外国人介護人材の確保・定着というものでございます。
3ページ目以降に概要ということで、3枚にわたって資料をさらに御用意しておりますので、以後の説明は3ページ目以降を用いて御説明を申し上げます。
3ページ目を御覧ください。
まず、介護人材を取り巻く状況についての認識でございます。2040年には、65歳以上の高齢者数がピークを迎えるとともに、介護ニーズは多様化・複雑化をしてまいります。将来にわたって必要な介護サービスを安心して受けられるよう、その担い手を確保することは喫緊の課題でございます。これまでの取組に加え、より一層人材確保策を強力に進めていくことで、介護サービスの提供体制を確保していく必要がある。このようにされております。
その下、1つ目の地域差を踏まえた各地域における人材確保の取組(プラットフォーム機能の充実)についてです。幾つかポツが並んでおりますけれども、高齢化や人口減少の状況、地域における人材の供給量など、地域の実情に応じた人材確保策に取り組むため、制度的な仕組みとして、都道府県が設置主体となって、介護人材確保に関するプラットフォームを構築する必要がございます。
介護人材確保に関する地域の関係者が地域の実情等の情報を収集・共有・分析することで課題を認識するとともに、それぞれの役割・機能を果たしながら、ネットワークの中で協働して実践的に課題解決に取り組むことが必要です。
3つ目のポツです。都道府県単位の情報共有の場に加えまして、より狭い圏域で「人材確保・定着」「職場環境の改善、生産性向上・経営支援」「介護のイメージ改善・理解促進」などの地域ごとの個別の課題に応じたプロジェクトチームを設置するといった重層的な構造を取ることで、情報の収集・共有・分析、課題の発見、課題に応じた取組の実施、取組の効果の検証、改善して次の取組につなげていくPDCAサイクルを回すことといたします。
福祉人材センターがコーディネーター的な中核的役割を担い、関係者の取組を連携させることが考えられます。
地域における既存の協議会等との一体的な運営など適切な連携・役割分担を図ることや、広く福祉分野全体の人材確保の観点から活用することの検討も必要です。
4ページ目にお進みください。
2点目の若者・高齢者・未経験者などの多様な人材の確保・育成・定着でございます。
まず、情報発信・広報戦略につきまして、テクノロジー導入・社会的課題への対応等の最新の介護に関する情報発信、プラットフォームも活用した地域の実情を踏まえた広報戦略の検討、職場体験・インターンシップ等による地域の関係者の福祉現場の理解促進が重要です。
2つ目がテクノロジーの活用による業務負担軽減等でございます。定着支援の観点から、テクノロジーの活用による介護の質の向上と業務負担軽減、加えてテクノロジーを活用できる人材の育成が必要です。また、働きやすい環境づくりのための雇用管理につきましても、プラットフォームの中でも議論をしながら、取組を進めていく必要がございます。加えて、業務の整理・切り出しにより介護の直接業務とその他業務を明確化し、介護現場における周辺業務を担ういわゆる介護助手を活用することで、タスクシフト/シェアを進めることによる業務改善・生産性向上が推進されます。
3番目、中核的介護人材の確保・育成についてです。
まず、多様な人材の確保に当たりましては、介護職チームを適切に機能させるために必要な中核的な役割を担う人材の確保が必要になってございますので、中核的介護人材が担うべき具体的役割・機能や必要な資質・能力の整理、これを身につけるための研修体系の整備の検討が必要です。併せて山脈型キャリアモデルをより深化させる検討も必要です。
次に、現在介護福祉士が離職等した場合の届出制度というものがございます。こちらにつきまして、現行の潜在介護福祉士への復職支援に加えまして、現任の介護福祉士にも届出の努力義務を課すことで、地域の介護人材の実態把握や必要なキャリア支援を行うための仕組みに発展させることが必要です。その際、届出情報の有効活用や、届出の具体的なメリットも必要になってまいります。
このページ一番下、複数資格の取得に係る方策の部分です。地域の多様なニーズに対応する観点から、ある特定の分野にとどまらない幅広い専門性や視点を有する人材の確保・育成のため、資格の役割や専門性にも配慮しながら、他の国家資格の養成課程を修了している場合等の実務者研修の科目免除、養成施設における単位制の導入等が必要です。
5ページ目にお進みください。
中核的介護人材の確保・育成の続きでございます。まず、介護福祉士養成施設卒業者の国家試験義務付けの経過措置についてです。令和8年度卒業者までのこの経過措置につきましては、これまでの経緯・取組を踏まえつつ、資格の質の担保、専門性の向上等の観点から終了すべきといった意見、介護福祉士養成施設の入学者、介護人材確保等の観点から延長すべきといった意見、人材の質・量の両面での検討が必要であり、本経過措置を延長するか否かという二者択一の議論だけでは不十分であるといった意見など、本専門委員会での意見を踏まえつつ、介護福祉士養成施設の役割も勘案しながら、必要な対応を講じられたい。このようにまとめられております。
その下が養成施設の役割ということでございまして、今後の方向性として、国家資格の取得に向けた取組の強化に加えまして、地域において期待される役割を果たしていくことについても併せて検討が必要です。
その下、4点目、外国人介護人材の確保・定着についてです。小規模法人における外国人介護人材の確保・定着のため、プラットフォーム機能を活用することにより、海外現地での働きかけなどの確保策、日本語教育や文化の違いへの対応、生活環境整備などの定着策といった地域ごとに必要な対策を検討することが必要です。また、准介護福祉士につきましては、資格に対する社会的評価・資質の担保や、介護福祉士の専門職としての地位の向上・確立の観点から廃止すべきとの意見があったことを踏まえ、フィリピン国政府との関係等も考慮しながら適切に対応すべきである。このようにされております。
最後に今後の方向性についてでございます。今後の人口減少のスピードが地域によって異なる中で、地域のサービス提供体制を確保するため、人材確保は最重要課題です。地域ごとに抱える課題の共有と必要な対応の実行、外国人を含む多様な人材の確保、介護現場で中核的な役割を担う介護福祉士等の確保・養成など、介護人材確保策を検討する上で勘案すべき要素は多岐にわたります。
また、こちらには記載をしておりませんけれども、地域共生社会の実現の観点からは、支える側、支えられる側を固定化することなく、地域の生活の中でケアを行い合う文化を培うことも重要であるといったことですとか、この専門委員会では介護人材の確保策を中心に議論されてまいりましたが、分野横断的な総合的な人材確保、多様な職種、専門性の人材確保についても議論が必要である。こういったことも指摘されております。
また、最後になりますが、人材確保の観点からは、福祉・介護分野の処遇改善や専門性を評価することが重要であるという御意見もございました。処遇改善なしに人材確保はなし得ず、全産業で賃上げが進んでいる中で、福祉・介護分野の処遇改善が進まない限り、また専門性が適切に評価されない限り、福祉・介護業界からの人材流出につながることに対する懸念が多くの委員から示されたところでございます。
以上のとおりでございますが、福祉部会に報告してさらに議論を深めるとともに、介護保険部会等においても必要な議論を進め、多面的な観点で今後の介護人材確保策をより一層進めていくことが重要である。このように締められているところでございます。
松原委員長をはじめといたしまして、専門委員会の委員の先生方におかれましては、大変ありがとうございました。
私からの説明は以上でございます。
○菊池部会長 ありがとうございます。
それでは、議事3につきまして、また皆様からの御議論をお願いできればと存じます。まず、おまとめに御尽力いただいた松原委員、委員長でいらっしゃいましたので、もしよろしければ最初に御見解をいただければ。ここは時間制限を設けませんので、どうぞよろしくお願いします。
○松原委員 ありがとうございます。
今、御説明いただいたとおりですけれども、この概要のほうに中身として、資料3-1の議論の整理の最後にある「おわりに」は、口頭で御説明いただいたのですが、こここそ重要なので、概要だとそれがちょうど抜けてしまっていてもったいないので、「おわりに」の3つのポイントを概要にも入れておいていただけると大変ありがたいですというのが第1の意見です。
今回、介護福祉士の養成施設卒業者の国家試験義務付けの経過措置について何度も何度も議論してきました結果、両論併記ということになりました。一方で、全員が本当に一致した点は、処遇改善なくして人材確保なしだということでございます。この業界は非常に誤解が多いのですが、過去20年間にわたりまして最も人材を増やしてきたのは介護福祉人材です。これは行政も現場も相当努力した結果、これだけ増えてきたのだと認識しております。また、離職率は全産業の平均以下ということで、働きやすい職場づくりにも努めてきた結果だと思います。それでも今後57万人不足するというのは、それ以上に高齢者が急増するためです。これを放置すれば、さらに介護離職を増やしてしまい、経済に大きなマイナスとなる恐れがあると思います。
さらに、社会的ニーズがあって、最も働く人が伸びている職種である介護と福祉人材、ここの賃金を上げるということは、まさに分厚い中間層をつくることにつながりまして、内需拡大につながります。日本はこれから人口が減るから外需、外需と言いますけれども、やはり内需をしっかりさせるということが日本の経済の安定・成長に大変重要なことだと思います。
現在は、参院選でよく分かりましたが、社会保障とか福祉・介護、この給付を減らすかという議論ばかりされておりますけれども、介護福祉人材の賃金アップ・処遇改善は経済にプラスであるという認識を持って積極的に取り組んでいただきたいと思います。
一方、地域ニーズに応えるためには、分野横断的、総合的な人材確保と事業の実施、両方が欠かせないと思います。その実現のためには、厚生労働省内及び他省庁との連携を一層強化して取り組んでいただきたいと考えております。
最後に、先ほど「おわりに」のところで御指摘いただきましたケアし合う文化の醸成について、議論の整理の「おわりに」に書かせていただきました。健常者と障害者とか、男と女とか、高齢者と若者とか、日本人と外国人とか、支える側と支えられる側とか、こうした二項対立を超えて、長いスパンで見れば、人間は互いに支えて、支えられる関係にあるということを共有する機会の創出、そうしたケアし合う文化の醸成というのがより一層望まれると考えております。
以上です。
○菊池部会長 どうもありがとうございます。
それでは、皆様からお願いしたいと思います。先ほどと逆の順番で、鳥田委員から吉田委員までの間でいかがでしょうか。お手を挙げいただけると。鳥田委員、永井委員、沼尾委員、吉田委員ということで。
それでは、鳥田委員からお願いします。
○鳥田委員 御報告、どうもありがとうございました。また、この議論の整理のために多くの皆さんがいろいろ御議論されたということが今、伝わってまいりまして、本当にお疲れさまでございました。
私のほうからは1点、資料全体を読ませていただいて、社会福祉協議会は人材センターの運営というのをやらせていただいているのですが、人材センターの機能ということが将来の福祉人材の育成とかそういうこともあるということはよく分かっているのですけれども、その中で無料の人材紹介ということもやっておりまして、そのことに関して、全国も含めてなかなか実績が上がらないというのが現状でございます。
そこでお願いというか、そこのところの機能の強化ですけれども、介護人材確保専門委員会に関する介護保険部会で出た議論の状況の一番最後のところにあるのですが、民間の人材紹介等が転職とかいろいろ要望とか、あるいは金銭的なことも含めて、すごく柔軟というか、世の中の状況に合った形で福祉の分野も活動しておりまして、東社協の会員の皆さんもこの人材紹介の会社等の利用なくして人材を確保するということは相当厳しいということになっております。
そうした意味で、社会福祉協議会がやっている人材紹介のところも、こういう民間の持っているノウハウとか、あるいは必要な部分については民間にお願いするようなことも含めて、人材センターの機能としていくような工夫が今後求められるのではないかと思っていますので、ぜひそこのところを御検討、議論の整理をさらにバージョンアップしていただけたらなと思います。
以上です。
○菊池部会長 ありがとうございます。
3分の時間制限が復活していますので、皆様、よろしくお願いいたします。
永井委員、お願いします。
○永井委員 ありがとうございます。
議論の整理につきまして、私も委員として最後の2回ほど参加させていただいた立場ではございますが、2つほどコメントさせていただきたいと思います。
概要のほうの5ページ目にあります介護福祉士養成施設卒業者の国家試験義務付けの経過措置の取扱いですけれども、今回委員会の議論の整理の中では両論ということで、明確な結論は出されておりませんが、何回も申し上げてきたことですけれども、介護福祉士という国家資格の信頼性の確保や質の担保のためには、私たち連合といたしましては経過措置は延長すべきでないと考えてきたところでございます。
2点目は、本体のほうの1ページの「はじめに」に記載されていますように、先ほども御発言があったと思いますが、介護サービスを安心して受けられるよう、その担い手を確保することは喫緊の課題であることは誰もの共通認識であると思っておりますが、介護業界の処遇や職場環境が他業種と比べて見劣りするという状況では、介護業界の人材確保はますます難しいのではと考えております。そのことについては、資料の2ページの上のほうの※印にも記載されていますとおり、骨太方針2025でも指摘されており、担い手の確保のためには処遇改善を行うことも重要な課題であると思います。ぜひ事務局におかれましては、関係各所と連携していただいて、この議論の整理に沿って今後の介護人材確保に向けた取組を進めていただきたいと思うとともに、介護業界全体の処遇改善に向けた取組も進めていただきたいと思っております。
以上です。ありがとうございました。
○菊池部会長 ありがとうございます。
沼尾委員、お願いします。
○沼尾委員 福祉人材確保専門委員会のほうでこういう形で議論の整理を取りまとめいただきまして、ありがとうございます。
私のほうから2点申し上げたいと思うのですけれども、今、松原先生から最後にお話しいただいて、分野横断的、総合的な人材確保という議論が出たというところでちょっとほっとしたところもあるのですが、これは恐らく福祉分野における分野横断ということだけではなくて、こうやって福祉職として働く方の仕事と暮らしのウェルビーイングの実現を考えたときに、多様な働き方ということを保障していけるような、そういう職場環境とか地域の暮らしと一体的に考えていくということも、福祉人材を確保する上で大変大事になってくるのではないかと思います。
今、各地の事例などを見ていますと、社会福祉法人さんのほうで福祉職としてケアの仕事にも関わるのだけれども、同時にそこが地域の居場所を運営されたり、カフェも運営したりしながら副業的なお仕事もできるとか、そういう形で自己実現を達成できるような職場環境をつくっておられたり、あとは例えば留学生の日本語学校を地域で整備して、そのまま福祉専門学校に行って、地元で就職したら奨学金を出していくという形で、多文化共生のまちづくりをしながら、外国の方が地域で暮らせる環境と所得の確保、暮らしと自己実現を達成する環境を整えて、福祉職を確保すると。そういったことをトータルに考えていくという視点がもう一つ大事になってくるのかなと思います。
社会保障審議会の議論の枠の中だけでは収まらない話にもなってくるかと思いますが、地域共生社会の議論ということもございましたし、あるいは社会福祉連携法人制度をこれからどういうふうに展開していくのかというところにも関わってくると思いますので、ぜひそういった視点からも議論を展開していくことが大切かと思いました。
以上です。
○菊池部会長 ありがとうございます。
吉田委員、お願いします。
○吉田委員 まず、専門委員の皆様方に本当にお礼申し上げます。大変充実した内容で、読みながら勉強させていただくことが多くございました。改めてお礼申し上げます。
私のほうからはプラットフォームのところで意見を述べさせていただきたいと思います。まず位置づけについて、プラットフォームそのものは大変有効性を期待できる取組かと思いますけれども、従来の介護保険制度の下で進められている、例えば市町村であれば介護保険事業計画、それを議論する介護保険事業運営協議会というところがあります。都道府県では、事業支援計画をつくるための委員会などがあります。これらの計画や協議体で扱う課題やテーマも、今回のプラットフォームで考えているテーマ等と重複しているところもあるのだろうという気がしないわけでもないわけです。
もう一つ、先ほどもお話がありましたが、地域ケア会議も、もともと地域の診断をやっていこう、地域マネジメントをしていこうということで、地域課題を見出していく推進会議を設置してきた経緯があって、その中には当然介護人材の問題もありえます。
このように、今回も新しくプラットフォームをつくっていく上で、従来の機能やテーマとの重複をどう考えるか、どういうふうにすみ分けていくのか。場合によっては、積極的に包含して大きくしていこうではないかと。そういう大きなうねりをつくっていく形でのプラットフォームにするのか。ここは検討していくことが必要なのだろうと思っております。
次は運営です。企業や雇用している団体と違って、強い指揮命令系統での差配ができません。そういった中で、皆さんが忙しい中で集まって、ご自身たちの時間や労力を持ち寄って課題解決をしていこうとするのか。大変難しい問題だと思います。このマネジメントに関してはまだ答えがないところではあると思いますが、そういった強い指揮命令系統がない中でもプラットフォームというものを使って課題を解決していこうということであれば、マネジメントをどうしていくのかも一緒に研究していただく必要があろうかと思います。
その上で、一つ重要なのは指標になるかと思うのです。このプラットフォームで実践的な課題解決というところまで踏み込むのであれば、やはり指標をつくっていくということが欠かせないと思います。さて、どうやっていくのか、今後の課題の一つと思います。
その関連でいえば、介護人材の確保に関しては、いわゆる保険者機能の強化の推進や努力に対するインセンティブ交付金の仕組みがあり、既に市町村や都道府県が数値化して取り組んでいる経緯があります。そういったところとどのように整合を取っていくか。基金を活用した財政的なインセンティブの仕組みであったと記憶しておりますので、そういった既存の仕組みをここのプラットフォームの中にどう取り込むのか、あるいはすみ分けをしていくのか。踏み込んで整理していくことが必要なのではないかと思います。
以上でございます。
○菊池部会長 ありがとうございます。
それでは、逆サイドで、井口委員、及川委員、小笠原委員、そして谷村委員、髙橋委員。
それでは、井口委員からお願いします。
○井口委員 私、2040年も多分現役でいると思って、現役代表だと思ってお話ししたいと思っているのですが、先ほど沼尾委員がおっしゃっていたように、目の前の困難なことや悲観的な予測だけではなくて、若者たちにこの業界に明るい未来があるということも伝えながら、希望を持って働けるような処遇改善、及びそういった情報発信をしていくことがこれからも必要ではないかと思っております。
その上で、悲観的な予測をしてしまうといろいろありますけれども、これから力を入れてやらなくてはいけないことに関しては、まず外国人人材の育成について。こちらに関しては、日本介護福祉士会が非常に力を入れていろいろなことをやって、かなり整備されているなと肌感覚でも感じているところでございます。
もう一つ、夜勤人材もこれから獲得がかなり難しくなってくるであろうと思っているのと、最後、中核人材の獲得が非常に難しいと思っております。特に介護リーダーや管理者は一朝一夕で育てることができないので、生産性向上もそうですし、またマネジメント能力に関してもしっかりとした教育体制が必要ではないかなと思っております。
以上です。
○菊池部会長 ありがとうございます。
及川委員、お願いします。
○及川委員 ありがとうございます。日本介護福祉士会の及川でございます。私は委員なのですけれども、意見を3点言わせていただきます。
まず、経過措置の在り方についてでございます。何より国民の介護に対する信頼を担保することを優先すべきだと考えています。そのためには、経過措置は早期に終了させるべきであります。現在経過措置期間中でありますが、受験の取扱いは見直すべきであり、受験しなくもよいではなく、全員に受験させる道筋とすべきであります。
もう一つ、准介護福祉士についてでございます。委員会の議論の中では、報告書にあるように、廃止すべきとの意見が複数ありましたが、廃止すべきではないとの意見はありませんでした。このことを踏まえれば、准介護福祉士の資格を廃止とする手続以外のオプションは想定されず、政府側には適切に廃止の手続を進めていただきたいと考えます。
3つ目です。報告書の「おわりに」でも触れられておりますが、人材確保につきましては、福祉・介護分野の処遇改善や専門性の評価についても併せて検討することが重要と考えています。ついては、今後の議論に当たっては、この視点を踏まえ、一体的に議論する場を設けていただきたいと考えます。
以上でございます。
○菊池部会長 ありがとうございます。
小笠原委員、お願いします。
○小笠原委員 私からは養成校の経過措置についてでございます。私も委員ですので、意見というところではございませんが、概要の資料5ページに「人材の質・量の両面での検討が必要」という記載がございます。量というところで言えば、養成校、令和7年度は定員充足率が増えているという状況でございます。令和6年度は52.5%だったところから、令和7年度は58.5%ということで、日本人は微減していますが、留学生が大幅に増えているという状況で言えば、人材確保という意味で留学生が大きな力を持っているというところの証左かと思います。
5ページのほうに養成校の今後の役割という中でリカレント教育というところもありますが、地域から養成校がなくなってしまえば、日本で言えば介護分野だけが人材不足ではなく、ホテル業界、他の業界も人材不足ですから、経過措置が延期されなければ、そちらの業界にどんどん介護志望者が流れていくということは現実的に可能性の高い部分でございますので、そう考えると、養成校の存立もできなくなってくる、地域からも養成校が失われていくという状況があり、リカレント教育と養成校の役割も地域によって果たせないという状況がありますので、そう考えると、やはり私たちは延期すべきという意見でございます。
ただ、質についても、先ほど永井委員からも及川委員からもありましたとおり、質はやはり重要だと考えます。日本人は今、92%の合格率を持っていますが、留学生についてはまだ5割未満というところになりますので、ここについては、私たちも大きな質の課題として捉えて、合格に向けてしっかり指導する必要があると考えております。
実際教育現場で見たり、実習現場で見たり、現場で見ると、特に日本人と大きな能力の差があるというふうには考えられない中で、国家試験合格はできないということ。日常会話についても全く問題がない中で合格ができていないということは、特に国家試験の問題を読み解く日本語能力がまだまだ足りていない。私たちも専門性を超える能力をいかにつけさせるかという意味では、日本語学校や日本語教師と連携を取りながら合格に導いていくということが必要になりますが、これが今すぐ1年で何とかなるというものでもございませんので、経過措置が延期されるのであれば、5年の時間をかけてしっかり合格率も日本人並みに上げていく。
ただ、単純延長というわけにはいかないでしょうから、先ほど及川委員からも提案がありましたとおり、全員国家試験を受験させるとか、様々しっかり質を上げていくための当然の条件を受け入れながら進めてまいりたいというところで、延期の意見を言わせていただいたところでした。
以上でございます。
○菊池部会長 ありがとうございます。
髙橋秀親委員、お願いします。
○髙橋(秀)委員 全国福祉高等学校長会の髙橋でございます。
私のほうからは思いというところで述べさせていただきたいと思っております。今、介護人材に求められる質というものは、これまで試験に合格すること、合格率という明確な数値というところで指標が示されてまいりましたが、今後山脈型モデルというものが提案されて進められていく中で、その質というものは大きく姿形を変えていくことだと思っております。
そういう部分につきまして、教育段階でどのような土台をつくれるのか、そういうことも含めて、私としては、中等教育における総合的な探求の時間、そういうものをフル活用させていただき、そして各段階の学校と様々な教育の連続性というものを活用して、そういう資質を生み出す教育のロードマップというものをつくるのが重要ではないか。そして、その教育の内容の魅力というものを通して介護人材、先ほど内需という言葉がありましたが、そのような学生を福祉のほうに導く、福祉教育に導く。そして現場に放っていく。そういうことを私としてはやりたいと強く考えております。
高等学校の教育の中における総合的な探求の時間、そちらの教育はほとんどの身の回りにあるものが全て教材になります。つまり、地域そのものが教材である教育活動でございます。そういう積み重ねが高等学校にはございますし、中学校との連携というところでもございます。なので、そういう教育資源、これまでの積み重ねをしっかりと形にして、今後人材育成、そういうところに皆で協力して、力を合わせて盛り上げていきたいと思っております。それが本日の議事の1番目にあった地域づくり、ここにも寄与できる土台になるのではないかと思っておりますので、私の思いとして述べさせていただきました。
以上でございます。
○菊池部会長 ありがとうございます。
谷村委員、お願いします。
○谷村委員 ありがとうございます。全国社会福祉法人経営者協議会です。
3-2の概要の4ページ、一番下の複数資格の取得に係る方策の件であります。最後のくくりが「導入等が必要である」と。ここまでやっていただいた。これはもともと2040の検討会で発言をさせていただいた内容で、その時は取り上げていただけなかったものと思っていたのですが、専門委員の皆さん方にここまでの表現をしていただけるほど議論いただきましたこと、改めてお礼を申し上げたいと思うわけであります。「必要である」という文章ですので、この実現に向けて議論をお願いしたいと思っております。
「複数の資格を取得しやすくする」という表現をしましたものですから、「取得しやすく」だけが先走った議論になっていったようなのですが、要は、地域共生社会の実現をどうやっていくのかと。特に中山間・人口減少地域の離島などの福祉サービスの確保をどのように考えていくかということであって、なくなりつつもゼロにはならないニーズに対して、介護、保育、障害、福祉、そのことについてどう包括的に支援をしていくか。そのためには意識と知識とスキルが必要です。ただ、スキルは経験年数でありますので、スキルは横へ置いておいたとしても、意識と知識は要りますので、そこの部分については、無駄なことにならないように、そういう意味での「取りやすく」でありますけれども、その仕組みをつくり上げていただきたいということを、改めて申し上げておきたいと思います。
もう一つ、先ほど松原委員がおっしゃったことの処遇改善とのセットでありますが、結果的にその文章表現はなされずに、口頭での表現ということになってしまいましたが、これは何らかの形で「意見もあった」ぐらいのことがここでは最低必要ではなかったかなと思っております。
2040の検討会のときも感じたのですが、これは本の題名ですけれども、「金がないなら頭を使え。頭がないなら体を使え」という言葉があります。これはもともと土光さんが「会社で働くなら知恵を出せ。知恵のない者は汗を出せ。汗も出ない者は静かに去っていけ」と。その言葉が基になっているようですが、まさにそういう議論をしているような感じがしたのです。私どものような事業者の団体の方は、2040の解決をするのには、お金、報酬の体系さえ見直してくれたら、という意見もたくさんあったので、意見があったということぐらいはここに記載していただきたかったという思いであります。
以上です。
○菊池部会長 ありがとうございました。
それでは、会場はよろしいですか。
それでは、オンラインの皆様から挙手で合図をしていただければと思います。いかがでしょうか。山下委員、お願いします。
○山下委員 ありがとうございます。日本社会福祉士会の山下です。
今の議論を聞いていますと、私も福祉人材確保専門委員会の委員の一人として、これまでやってきた委員会の中の議論を彷彿させるような議論だなと改めて思いました。
私どももそのとき話をさせていただいたのですけれども、とにかく国会の附帯決議で経過措置を設けるということで、5年間という形で決議がされたということをまずしっかりと押さえるということと、それから国家資格の信頼性と質の担保。これは何回も出ておりますけれども、私ども日本社会福祉士会も同じです。国家資格としての信頼性と質の担保。取得をしてからしっかりと研修を受けて、契約をしていくということで、この介護福祉士さんと同じ立場だと思います。そういう意味で、とにかく介護人材の確保という観点から見て、外国人の方に対する支援はどういう支援が必要か。日本語習得であるということに関してはもう見えてきておりますので、それをどう具体化していくかという辺りで次の方策を考えていくべきではないかなと思っています。
私、この委員会の中で話をさせていただいたのですが、少し余談になりますが、私が役員をしている特別養護老人ホームは、外国人労働者のほうが日本人労働者より多いのです。その中で介護の現場がどういう実態になっているかということですけれども、非常にいい雰囲気なのです。外国人同士がうまく話し合いをしたり、連携したり、その中で日本人の労働者との会話であるとか、入居しているお年寄りとの会話を積み重ねることで、いろんな意味で日本語の会話やコミュニケーションの質が上がっていくというような実践を今、自分の現場で見ています。全国的にもいろんな例があると思うのですが、そういう例を拾っていきながら、経過措置は一旦終了させて、見えてきた課題を解決する方向で議論をしていただければと思っております。
それから、松原座長のほうからも冒頭お話がございました。委員会のまとめの最後「おわりに」の部分の上から2つ目の丸を見ていただきたいのですが。
もし画面共有が可能であれば、事務方、再度よろしくお願いいたします。
2つ目のところに「ソーシャルワークの面も含めて」という表現が入っております。ソーシャルワークの面というのは、相談を受けるだけでなくて、ウェルビーイングを高めていくというために、個人の問題に加えて、社会全体の構造の課題からの観点で物を見ていくべきだということを申し上げています。とにかく地域共生社会の実現という観点からもソーシャルワークの面ということをぜひ強調させていただきたいと思います。
以上です。
○菊池部会長 ありがとうございます。
それでは、鈴木委員、お願いします。
○鈴木委員 私も委員として参加させていただきまして、ありがとうございました。
私からはプラットフォームと中核的介護人材の位置づけと役割の明確化について、改めて御意見をさせていただきたいと思います。決して新しい意見を追加するものではないですが、プラットフォームに関しては、2040の検討を受けて、地域軸と時間軸への対応を各地域における人材確保の取組にどう結びつけるのか。そのためのプラットフォーム機能の充実という観点をしっかり押さえていくことが大切だと思っています。
具体的には、実践的な取組の実行と組織の継続性に向けた制度設計が必要という議論が重ねられてきたと理解しています。プラットフォームの構築ですけれども、地域の実情に応じて実効性のある対応策として進めていくためには、先ほど御意見として挙がっておりましたとおり、既存のネットワーク体制を生かしていくということは、スピード感を持って取り組む上でもとても重要だと思っています。また、こうしたもともとあるネットワークを生かすことが地域単位でのフォーマルやインフォーマル双方を柔軟に連携し合うネットワークを再度確認していく上でも必要になり、また有効であると考えます。
一方で、機能的なプラットフォームの運営は、課題を解決する力が不可欠になります。この点はコーディネーターが誰になるのかということを人材センター等の名称も挙げながら議論がされてきましたが、取組については、重層性を持つ観点では、1層以外の2層、3層と具体的な地域の中で小さくしていく上では、多様な主体が参画できるプロジェクト体制が有効だと思っています。ただ、そうなってきたときに、それらのばらばらした取組が人材確保の観点にどう有効なのかということの効果検証が必要で、そこにはロジックモデル等の観点から、先ほど御意見も挙がっておりました指標を明確化することとか、プロセスを施策との関係でPDCAが回るように接続させていくような仕掛けというものが大事になると考えています。
また、介護人材につきましては、人材専門委員会の委員長である松原委員からも御発言がありましたとおり、介護福祉士の処遇改善という観点においても、介護福祉士の役割の具体化、資格の価値ということをどう考えるかということもやはり必要で、これも委員会の議論の中では積極的に活発に議論が行われていました。
私自身も介護福祉士の資格の価値は、役割の明確化とイコールだと思っています。山脈型の介護人材モデルを人材室から、これは実際の介護福祉士の役割を実践的なものからつくっているモデルになりますので、既に実体があるということを考えますと、こういったモデルを根拠にしながら、より役割や資格の価値を高められるような具体性ということを私たちは議論していくということも大事になるなということを改めて感じた次第です。
ありがとうございます。
○菊池部会長 ありがとうございます。
それでは、杉浦参考人、お願いします。
○杉浦参考人 それでは、全国市長会のほうから1点申し上げます。既にほかの委員の皆様からも御意見が出ているところでございますが、介護人材の処遇改善に関しましてお話をさせていただきます。資料3-1の21ページには、福祉人材確保専門委員会におきましても処遇改善の必要性に関する御指摘があった旨、記載をされております。また、介護福祉の分野におきましては、他の業種と比較しまして賃金の水準が低いこともかねてより指摘されているところでございます。
福祉の現場に近い自治体としましては、事業者あるいは議会等を通しましてその処遇改善を求める声も聞かれるところでございます。介護サービスを必要とする人に今後も質の高い介護サービスを継続して安定的に提供していくためには、介護人材を確実に確保し続けていく必要がございまして、そのためには、国におきまして賃金水準の底上げなど処遇改善についても重点的に検討いただくようお願いいたします。
以上でございます。
○菊池部会長 ありがとうございます。
それでは、堀田委員、お入りになったので、これまでの論点も含めてで結構ですので、お願いします。
○堀田委員 大変遅くなりました。これまでのところは自粛して、人材の専門委員会にも参加させていただいていましたので、新たな付け加えではないのですが、3点申し上げたいと思います。
1つ目はプラットフォームのところです。吉田委員や鈴木委員の御意見と関連するところもありそうですが、地域の中で関係者が共に議論しながら実行もというときに、ケースをひもとくということが重要になると思います。なんらかの指標に基づいて、効果的で効率的なケア、よいケアが実現できている地域、あるいは圏域では、ミクロなケア論、事業所・法人レベルでのマネジメント論のレベルでどんな特徴があるか。自治体・保険者における地域マネジメント、そして関係の団体、養成施設など、どういったステークホルダーがどのように動いているのかなど、学び合いながら、プロジェクト化もということです。
もう一つ、データに基づく検討も欠かせません。処遇の話も多く出ていましたが、今回主に高齢者介護のことが中心でしたが、例えば同じ介護福祉士でも、高齢者介護、障害、医療など、働いている分野によって処遇に結構ばらつきがあります。プラットフォームの議論においても、分野を横断してデータをもとに、きちんと検討していく必要があります。
2つ目です。「おわりに」の中の2つ目の分野横断的・総合的なというところ、それから中核人材のところにも関連してくると思いますが、1つは、先ほども複数の資格を取りやすくというお話が出ていましたが、これから担い手が減っていくという中でより少ない人たちでも支えていけるということを考えると、複数の資格を取りやすくということに加えて、この福祉部会でも以前申し上げておりましたけれども、そもそも共通言語として、地域共生社会に向けて求められるコンピテンシーを、1つ目の資格取得においても身につけておくことも重要です。これも処遇とセットで議論していく必要があると思います。
先ほど沼尾委員から、総合的なというときに、必ずしも医療、介護、福祉のケアの領域だけでなくというお話もありました。これから山脈型のキャリアなり中核的な介護人材というときに、地域で働きにくさを持ちながら働く、活躍していきたいという、介護福祉サービス利用者でもある方たちが、地域の存続、地域の活力、地域の産業振興にも力を発揮していけるという文脈を応援できるようなという観点も考慮すると、恐らく今までのケアの領域の中でのコンピテンシーだけでは難しく、掛け算が価値を生んでいくということにもなると思いますので、これから中核的な介護人材に期待される役割、それが発揮できるためのコンピテンシーを検討するにあたっては、視野を広げながら考えるということも大切だと思います。
最後、3点目ですけれども、これも以前申し上げたような気もしますが、この委員会、まとまりましたが、ここに書かれていることを進めていっても、残念ながら介護福祉の担い手確保の見通しはなかなか立ちそうにないと思います。というときに、専門職の確保と力の発揮はもちろん重要ですが、全ての人たちがライフスキルとしてケアリングに関わるコンピテンシーを身につけていくということを、もっと子供の頃からの教育、学校教育の中でも織り込む、つまり、教育の領域などともひもづけながら、地域の介護力向上について議論していくべきところも大きいのではないかなと思っています。
以上です。
○菊池部会長 ありがとうございます。
前半部分の議論については何か。よろしいですか。
○堀田委員 ひとまず大丈夫です。ありがとうございます。
○菊池部会長 分かりました。ありがとうございます。
お手を挙げいただいた皆様からは一わたり発言いただけたかと思いますが、少し時間もありますけれども、何かあればお願いしたい。松原委員からお願いします。
○松原委員 確認です。谷村委員から書いてほしかったという発言があったと思うのですけれども、それは人材のほうで処遇改善について書いてほしかったというふうに聞こえたのですが、そういうことでしょうか。
○谷村委員 人材です。
○松原委員 人材のほうは処遇改善なくして人材確保なしと明記されております。
○谷村委員 人材のほうは書いていただいているのですか。すみません。気がつかなかったです。
○松原委員 明記しておりまして、ただ、先ほど申し上げましたが、概要の4ページに書いていなかったので。こちらの詳細のほうにはちゃんと明記しております。よろしくお願いします。
○谷村委員 分かりました。ありがとうございます。
○菊池部会長 ほかにはいかがでしょうか。
堀田委員、どうぞ。
○堀田委員 時間があるということで、ひとつ追加です。
前半の議論、「地域共生社会の更なる展開について」の中で「地域づくり」という言葉を大変多く使われているのですが、改めて地域づくりとは何なのかということは、もう少し整理していく必要もあるのではないかなと思っています。単に地域の中でのサービス提供、コミュニティワークにとどまっているものもあれば、「巻き込む」などとも言われますけれども、コミュニティ・エンゲージメント、自分たちがやろうとしているものに人やお金を募って育てたり、何とかするというようなもの、一人ひとりの主体性の回復・発揮、つまり、コミュニティ・ディベロップメント、オーガナイジングに至っているというところまで、地域づくりと一口に言っても、中身は様々だと感じています。今後、地域の中でのケアの循環、ケアリングが持続的にということを考えると、エンゲージメントまでではなくて、コミュニティ・オーガナイジングまで至ってこそというところもあるかなと思いますので、それぞれ地域づくりを一歩進めていく上では、そこで地域づくりとは何なのか、何を目指しているものなのか、住民一人一人の主体性の発揮につながっているかというところも視点としてとても重要なのではないかなと思います。
以上です。
○菊池部会長 ありがとうございます。
ほかにはいかがでしょうか。会場からはよろしいですか。
オンラインの皆様、よろしいですか。石踊委員、どうぞ。
○石踊委員 ありがとうございます。
時間があるということなので、一言発言させていただきたいと思います。先ほどから介護福祉士の国家試験の経過措置のお話が出ていると思うのですが、生産労働人口が減少する中、外国人介護人材というのは、介護保険施設にとって本当に貴重で、重要な存在であるわけでございます。
留学生の令和6年度の試験では、養成校卒業の留学生が35.1%という合格率で、非常に低いわけです。国家試験義務付けの経過措置というのは、日本人学生及び留学生の支援を充実させるために設けられたということで、そのためにも財政支出もされているわけでございます。そういう意味を含めて、留学生の支援が充実するまでの間は、合格率の向上、あるいはパート合格の仕組みの効果検証をされるまでは、経過措置を延長することもやむを得ないのではないかなと思っているわけでございます。我々介護保険施設というところは、外国人の人材というのは貴重な人材でございます。そういう意味を込めて経過措置というものを検討していただければありがたいなと思います。
以上です。
○菊池部会長 ありがとうございます。
ほかにはよろしいですか。谷村委員。
○谷村委員 今日の検討課題と直接ではないのですが、よろしいですか。災害関係です。
○菊池部会長 災害関係。
○谷村委員 検討の内容に入っていなかったのでちょっと控えたのですけれども、この会議の前に、防災庁の設置に向けた考えを内閣官房の防災庁設置準備室の方から1時間ほど聞いてきました。質問ですけれども、省庁の連携がどうなっているのかということです。1時間の説明で頂いた資料の中に「DWAT」という言葉も一切触れられず、いわゆる災害福祉支援センターなるものも名前が出てこず、DWATと同じようなソーシャルワークをやるような避難生活支援リーダー。これはボランティアですけれども、サポーターの育成とか、また、災害中間支援組織の機能の強化みたいな話は出てきたのですが、まさにこの10月から全社協のほうも災害福祉支援センターを設置しというような、いわゆるボランティア、それから施設の者からすれば、被災されたところの施設への人的派遣。このたびは1.5次避難所のところへ派遣しました。また、避難所に対してはDWAT派遣ということで、この会議でも申し上げたのですが、一番の課題で声が大きかったのは、国から派遣要請が来る。そしてまた都道府県、政令都市からも来る。それから各種別協からも派遣要請が来る。また経営協からも来ると。出しているほうは、目の前の利用者をケアしながら、手いっぱいの状態で派遣をするわけなので、効率よくやってほしいというのが一番の大きな声だったのです。
そこを統括するのは、今のところ全国社会福祉協議会の災害福祉支援センターと、設置されておれば、各都道府県の災害福祉支援センターが話をしてやり取りをするということをイメージしていたのですけれども、そんな言葉が一切出ずに、災害中間支援組織の機能強化というような話の説明だったのです。
DWATと同じような役割をするような避難生活支援リーダーやサポーターの育成ということで、国交省からの出向の方の説明だったのですが、ここの準備室に対しての厚労省からの出向者や、また、厚労省との連携みたいな話し合いができているのかなということで、ちょっと不安を感じて聞いていたのです。今どういう状況になっているのでしょうかという質問です。
○菊池部会長 お分かりになっている範囲でいかがでしょうか。事務局から。
○小野福祉基盤課長 福祉基盤課長でございます。
防災庁の設置準備室と直接のやり取りは、今調整しているものがあるわけではないですが、そもそも内閣府防災部局とはDWATについても、先の通常国会で災害救助法に福祉サービスの提供を追加したということなど、相互連携してやっているところですし、DWAT等についても御理解をいただいていると思いますが、今、谷村委員の御指摘がございましたので、内閣府に具体的にお聞きして、連携が足りない部分がありましたら私どもとしても対応を取りたいと考えております。
○菊池部会長 ということですので、厚労省からも確認をいただければと思います。
この会場に来る前、私は内閣府の孤独・孤立対策の専門家会議の件で今後に向けた打合せをしていたのですが、孤独・孤立対策も様々な府省庁に関わるのだけれども、南室長はよく御存じですが、ともすると、省庁間の連携があまりなくて、でも施策としての重なりがあるとか、でも、それではまずいよねと。そこは孤独・孤立対策室があるので、そういう問題意識で各府省庁をつなげるような方向で動いているのです。なので、大分連携も取れてきたと思っているのですが、やはり黙っているとともすると縦割り。縦割りという言い方は非常に失礼な話で申し訳ないのですけれども、同じ思いでやっていても連携がうまく取れていないということはなくはないと思いますので、その辺り、しっかり連携を取っていただければと思いますので、事務局におかれましてはよろしくお願いいたします。
○小野福祉基盤課長 はい。
○菊池部会長 ほかにはいかがでしょうか。まだ5分ぐらいありますので。よろしいですか。
ありがとうございます。
あと1点、私から意見ではないのですが、先ほど沼尾委員あるいは堀田委員から御発言があって、少し感じたのですけれども、この領域から広げて考えざるを得ない話ですが、私、数か月前に、愛知県の某社会福祉法人、非常にすばらしい取組をされていて、すごく勉強になったのですが、職員の方の働き方について、週休三日でやっていますと。それで職員の皆さんは仕事と生活のバランスをとって、それぞれいろいろなことをやっているようだという話。それもあって職員は割と定着しているという話を伺ったことがありまして、そういう体制を組むこと自体も簡単なことではないと思うのですけれども。
これは決して非正規雇用化を進めようという話でもないし、処遇改善が必要ないというわけでも全くないのですが、若者を含めた働き方の多様化とか、特に中山間地域で求められる部分を考える中で、副業・兼業とか、働き方と生活のいろんなバリエーションがあると。これは福祉だけでなくて、雇用・労働などにも関わってくる課題なのですけれども、そんな話を沼尾委員と堀田委員のお話からちょっと感じたのでお伝えさせていただきました。
そんな脈絡で捉えられては困ると思われたら、今、ここで指摘していただきたいのですけれども、間違っていなければ、感想じみたことで一言。すみませんでした。
それでは、特にございませんようでしたら、この辺で本日の審議を終了させていただきます。
繰り返しになりますが、本日の御議論を踏まえ、事務局のほうで最終的な取りまとめに向けた作業をお願いしたいと思います。
次回、さらに御議論いただいた上で、取りまとめができればと考えてございます。
それでは、次回の開催について、事務局からお願いします。
○池上総務課長 次回の具体的な日時、開催場所につきましては、追って調整の上、御連絡させていただきます。
○菊池部会長 それでは、これをもちまして本日の審議を終了いたします。大変お忙しい中、御参集いただきまして、また貴重な御意見を多数賜りまして、誠にありがとうございました。以上といたします。どうもお疲れさまでした。

