2025年11月12日 中央社会保険医療協議会 費用対効果評価専門部会・薬価専門部会・保険医療材料専門部会合同部会 第22回議事録

日時

令和7年11月12日(水)9:00~

場所

厚生労働省講堂(低層棟2階)

出席者

構成員等
  • 城山英明部会長
  • 小塩隆士委員
  • 飯塚敏晃委員
  • 笠木映里委員
  • 永瀬伸子委員
  • 本田文子委員
  • 鳥潟美夏子委員
  • 松本真人委員
  • 永井幸子委員
  • 髙町晃司委員
  • 奥田好秀委員
  • 伊藤徳宇委員
  • 茂松茂人委員
  • 江澤和彦委員
  • 小阪真二委員
  • 太田圭洋委員
  • 大杉和司委員
  • 森昌平委員
  • 藤原尚也専門委員
  • 越後園子専門委員
  • 荒川隆治専門委員
  • 守田恭彦専門委員
  • 前田桂専門委員
  • 青木幸生専門委員
事務局
  • 間保険局長
  • 林医療課長
  • 梅木医療技術評価推進室長
  • 吉田保険医療企画調査室長
  • 和田歯科医療管理官
  • 清原薬剤管理官 他

議題

  • 条件期限付き再生医療等製品の診療報酬上の算定方法の見直しについて

議事

○城山部会長
ただいまより、第22回「中央社会保険医療協議会 費用対効果評価専門部会 薬価専門部会 保険医療材料専門部会 合同部会」を開催いたします。
本日も対面を基本としつつ、オンラインも組み合わせての開催としております。また、会議の公開につきまして、ユーチューブによるライブ配信で行うこととしております。
まず、本日の委員の出欠状況について御報告いたします。
本日は、鈴木委員、黒瀨委員が御欠席であります。
また、今回は参考人として、福田参考人、池田参考人に御参加いただいております。
なお、会議冒頭の頭撮りは、ここまでとさせていただきたいと思います。よろしくお願いします。
(カメラ退室)
○城山部会長
それでは、議事に入らせていただきます。
本日は「条件期限付き再生医療等製品の診療報酬上の算定方法の見直しについて」を議題といたします。
事務局より、資料が提出されておりますので、御説明をお願いいたします。
○清原薬剤管理官
薬剤管理官でございます。
資料費薬材-1を御覧ください。
本日は、条件期限付き再生医療等製品の診療報酬上の算定方法の見直しについて、御議論いただければと思っております。
資料の2ページ~5ページまでは、薬価及び材料価格算定に関する論点について、これまでの主な御意見をまとめております。
6ページを御覧いただければと思います。
薬価及び材料価格算定に関する取りまとめの方向案でございます。
条件及び期限付き承認を受けた再生医療等製品の薬価・材料価格算定については、有効性が確認ではなく推定されたことをもって同承認が付与されたことを踏まえ、1つ目といたしまして、原価計算方式により算定される場合に用いる営業利益の係数につきましては、平均的な営業利益率に0.5を乗じた値とすることとする。
営業利益につきましては、有効性が不確実な段階で利益をどこまで保障すべきかという御意見がございましたが、営業利益につきましては、算定時には想定されなかった上市後における追加的な安全対策や、承認に必要となるデータの収集、品質の保証や品質管理体制の維持など、安定的な供給継続に必要な経費に使用されるものと承知しておりますので、一定の値を設定させていただいております。
なお、0.5につきましては、資料の14ページの営業利益率の幅を参考としております。
現在の評価手法となった平成30年度以降は、本減算ルールが適用された医薬品はございません。
次に、有用性系加算につきましては、本承認時に改めて該当性を判断することとし、算定時には該当性は判断せず、有効性系加算以外の補正加算につきましては、有効性が確認ではなく推定されたことをもって、同承認が付与されたことを踏まえた上で、算定時に該当性等を判断することとしてはどうかと考えております。
また、新薬創出等加算の適用や、外国平均価格調整、その他の算定ルールにつきましては、通常の承認を受けた再生医療等製品と同様に取り扱うこととしてはどうかとしております。
次に、7ページは、薬価及び材料価格収載後の価格調整につきまして、これまでの主な御意見をまとめております。
8ページは、薬価及び材料価格収載後の価格調整に関する取りまとめの方向案で、1つ目としまして、市場拡大再算定の適用については、通常の承認を受けた再生医療等製品と同様の取扱いとする。
費用対効果評価につきましては、分析に必要なデータが不十分であることが想定されるため、改めて承認を受けた際にその該当性を判断するとしてはどうかとしております。
9ページは、改めて承認を受けた後の取扱いについて、これまでの主な意見を取りまとめております。
10ページは、現行の条件及び期限付き承認を受けた品目に係る本承認時の補正加算の計算方法に関する規定でございます。
11ページは、改めて承認を受けた後の取扱いに関する取りまとめの方向案でございます。
1つ目といたしまして、価格の評価につきましては、通常の承認に係る審査の結果等を踏まえて、原価計算方式により算定された場合の営業利益率の係数、補正加算の適用または控除について評価をする。また、補正加算の計算に当たっては、10ページに示しております加算率に販売額に対する傾斜を行わず、新規収載品目に対する補正加算率の算式と同様とする。
2つ目といたしまして、費用対効果評価の該当性につきましては、通常の承認を受けた後に評価をすることとしてはどうかとしております。
12ページ以降は、参考資料になります。
また、費薬材-2につきましては、ここまで御説明させていただいた内容を取りまとめの文章案としてまとめさせていただいたものになります。
説明は以上になります。
○城山部会長
どうもありがとうございました。
それでは、ただいまの説明につきまして、御意見、御質問等ございましたら、よろしくお願いいたします。
江澤委員、お願いします。
○江澤委員
ありがとうございます。
まず、6ページの取りまとめの方向についてコメントさせていただきます。
これまでも主張してきましたとおり、条件期限付き承認の場合、臨床データは限定的であり、有効性の確認も推定にとどまっていることなどからすれば、通常承認と同じということはあり得ないと考えております。
そうした意味で、1つ目のポツの営業利益率について、営業利益率の係数は、平均的な営業利益率に0.5を乗じた値を用いることの妥当性はともかく、本承認に向けた市販後調査を実施する際に必要な費用や製品の安定供給など、必要な範囲に限定すべきであると考えております。
また、3つ目のポツの有用性系加算以外の補正加算についても、イノベーションを推進するという趣旨は理解しておりますが、まだ、その製品の評価が定まっていない時点で、通常承認を受けた再生医療等製品と同様の評価をするのは、やはり無理があるのではないかと考えております。
次に、4つ目のポツの新薬創出等加算の適用についても同様でございます。
革新的な新薬を評価するという、この加算の趣旨からして、その革新性がまだ立証されていない段階で、同様の評価をすることは、やはり難しいのではないかと考えております。
最後に、製造販売会社は期間期限内については、当然患者さんが安心して治療を受けられるようにしていただくべきでありますし、できるだけ早期に有効性の検証が完了するよう、責任を持って相当の努力をしていただきたいと改めて要望いたします。
続きまして、8ページ及び11ページの取りまとめの方向については、異論はございません。
私からは以上でございます。
○城山部会長
どうもありがとうございました。
ほかは、いかがでしょうか。
森委員。
○森委員
ありがとうございます。
まず、取りまとめの方向案については、おおむね異論はありません。その上でコメントをさせていただければと思います。
再生医療等製品については、その特性を踏まえた上で、患者のアクセス、イノベーションの評価、国民皆保険の堅持の観点を踏まえ、条件及び期限付きで承認時や本承認時の評価の在り方を考えていく必要があります。
条件及び期限つき承認時は、いわゆる仮免許であるということから、有用性系加算については、本承認時に検討すべきと考えます。
一方、有用性系加算以外の補正加算については、早期の患者アクセス、イノベーションの推進の観点から、算定時に妥当性を判断することで異論ありません。
ただ、重要なことは、再生医療等製品の特性については、十分理解いたしますが、患者のため、そして、公的保険制度の中で、条件期限付き承認制度を運営しているということから、本承認前の企業からの取下げや条件及び期限つき承認の失効が発生しないよう、先日のヒアリングで表明いただいた再生医療イノベーションフォーラムや、日本バイオテク協議会の取組に期待いたします。それらに向けては、厚労省としても、しっかりと連携していくことをお願いしたいと考えます。
私からは以上です。
○城山部会長
どうもありがとうございました。
ほかは、いかがでしょうか。
では、松本委員、お願いします。
○松本委員
ありがとうございます。
資料に示されております取りまとめの方向案並びに対応案については、異論はございません。これまで申し上げてきたことが、おおむね反映されているものと受け止めております。
ただし、今回の制度設計は、これから出てくる製品の有効性の確からしさが過去に本承認に至らなかった2製品に比べて、相当程度高いことを前提として了承するものであり、対応案の最後の記載にも関連いたしますが、今後、本承認に至らず、保険適用から削除するケースが続くようであれば、当然より厳しい対応を取らざるを得ないということは、最初にコメントいたします。
それでは、資料の1にあります取りまとめの方向案に沿って、個別のコメントを差し上げます。
まず、6ページにあります価格算定についてですけれども、以前に原価の開示度と利益率について問題提起をさせていただきましたが、先ほど説明のありました想定外のコストが発生する可能性や、そして、患者のアクセスの確保ということを考慮いたしまして、一律に既存ルールで最低限の0.5掛けにするということで、やむを得ないと考えます。
ただし、今後、事例を積み重ねる中で、より適正な水準について必要に応じて検討すべきと考えます。
次に、8ページの価格調整でございますが、費用対効果評価の取扱いについては、先ほどの保険適用時の営業利益率の取扱いも踏まえ、この段階では、費用対効果の対象にしないということで了解いたします。
最後に、11ページの改めて承認を受けた後の取扱いについては、薬事の審査結果を踏まえて対応することに尽きますけれども、本承認に至らなかった場合に、企業としてどのように対応するべきなのか、業界全体で真剣に検討いただきたいと思います。
私からは以上でございます。
○城山部会長
どうもありがとうございました。
ほかは、いかがでしょうか。
高町委員、お願いします。
○高町委員
ありがとうございます。
営業利益率の係数が0.5であることは、より明確な根拠を示していただきたいですし、より適正な数値にしていただきたいと思いますけれども、この制度が患者にいち早く新薬を届ける制度であり、そのための企業の開発意欲を維持するためのものであることを考えると、ある程度は理解できます。
また、同じ観点から有用性加算以外の加算がつけられることも理解はできます。しかし、有用性が推定であることを考えると、患者の負担が大きくなり過ぎないように、加算は、ある程度抑えられたほうがよいかとか考えます。
その上で、有用性と安全性が確認されて本承認になったときに、それに見合う加算を十分につけるとしたほうがよいのではないでしょうか。
また、この制度が、あくまで有用性が推定である間の暫定的な措置であることを患者も知っておくべきだと思います。患者への周知をお願いいたします。
患者にとって、どのような薬を服用しているかを知ること、負担が大き過ぎないことは大変重要なことです。条件・期限付き承認の薬の有用性が推定であり、価格がある程度抑えられたものであることで、患者にとってこの制度が、ちゃんとためになると考えますので、この点について御配慮いただければ幸いです。
私からは以上です。
○城山部会長
どうもありがとうございました。
ほかは、いかがでしょうか。
専門委員の方、もし、御意見がございましたら、越後専門委員、お願いします。
○越後専門委員
中医協委員の皆様方におかれましては、業界からの意見も踏まえまして、条件期限付き再生医療等製品の診療報酬上の扱いについて、これまで議論を重ねていただき、ありがとうございます。
前回の意見陳述の機会に、業界代表より申し上げましたとおり、承認取消しになった事例の検証により抽出された課題、その対応策などを踏まえながら、各企業においては、今後の製品が本承認へ至るべく、その有効性、安全性の確立に向けて真摯に対応していくものと確信いたしております。
私からは以上でございます。
○城山部会長
どうもありがとうございました。
ほかは、いかがでしょうか。
ほかには、特に御意見はないということで、よろしいでしょうかね。
そうしましたら、大体の方向性については、皆さん、御同意いただいたと認識していますが、若干細かい点が残っているかなという気もいたします。江澤委員が最初に言われたところで、新薬創出等加算については、通常の承認を受けた再生医療製品等と同様にするというところは、若干留保されていたと思うので、その辺りは、事務局のほうで、また再度若干調整していただくということですが、基本的には、大きな方向としては御了解いただいたということで、これをベースに最終案を確定させていただいて、総会に御報告させていただくという方向で進めさせていただきたいと思います。よろしいでしょうか。
(異議なしの意思表示あり)
○城山部会長
どうもありがとうございました。
それでは、そのような形で進めさせていただきたいと思います。
本日の議題は以上でございます。
それでは本日の「中央社会保険医療協議会 費用対効果評価専門部会 薬価専門部会 保険医療材料専門部会 合同部会」は、これにて閉会といたします。どうもありがとうございました。