2025年11月12日 中央社会保険医療協議会 総会 第626回議事録

日時

令和7年11月12日(水)保険医療材料専門部会終了後~

場所

厚生労働省講堂(低層棟2階)

出席者

構成員等
  • 小塩隆士会長
  • 飯塚敏晃委員
  • 笠木映里委員
  • 永瀬伸子委員
  • 本田文子委員
  • 城山英明委員
  • 鳥潟美夏子委員
  • 松本真人委員
  • 永井幸子委員
  • 高町晃司委員
  • 奥田好秀委員
  • 伊藤徳宇委員
  • 茂松茂人委員
  • 江澤和彦委員
  • 小阪真二委員
  • 太田圭洋委員
  • 大杉和司委員
  • 森昌平委員
  • 木澤晃代専門委員
  • 上田克彦専門委員
  • 小松和子専門委員
事務局
  • 間保険局長
  • 林医療課長
  • 梅木医療技術評価推進室長
  • 吉田保険医療企画調査室長
  • 和田歯科医療管理官
  • 清原薬剤管理官 他

議題

  • 医療機器及び臨床検査の保険適用について
  • 在宅について(その3)

議事

○小塩会長
それでは、ただいまより、第626回「中央社会保険医療協議会 総会」を開催いたします。
本日も対面を基本としつつ、オンラインも組み合わせての開催としております。また、会議の公開につきましては、ユーチューブによるライブ配信で行うこととしております。
まず、委員の出席状況について御報告いたします。
本日は、鈴木委員、黒瀨委員、田島専門委員が御欠席です。
カメラの頭撮りはこのあたりということで、お願いいたします。
(カメラ退室)
○小塩会長
それでは、議事に入らせていただきます。
最初に「医療機器及び臨床検査の保険適用について」を議題といたします。
本日は、保険医療材料等専門組織の渡邉委員長にお越しいただいております。渡邉委員長より御説明をお願いいたします。
○渡邉委員長
それでは、説明いたします。
中医協総-1の資料を御覧ください。
今回は、医療機器の保険適用が、C2の4製品と、臨床検査の保険適用がE3の3件です。
2ページ目を御覧ください。
販売名は、Esprit BTKエベロリムス溶出生体吸収性スキャフォールドです。
本品の主な使用目的は、記載のとおりでございます。
価格につきましては、類似機能区分比較方式で評価しました。
また、補正加算等につきまして、加算の定量化に関する研究班報告に基づいたポイント(試行案)の欄と、迅速な保険導入に関わる評価の欄に記載しております内容が妥当と保材専として判断いたしました。
この結果、最終的な価格を25万9000円、迅速な保険導入に係る評価より2年間に限り26万4000円といたしました。
外国平均価格との比は0.34です。
製品概要は、資料の7ページを御覧ください。
次に、8ページ目を御覧ください。
販売名は、軟骨修復材 モチジェルです。
本品の主な使用目的は記載のとおりです。
価格につきましては、原価計算方式で評価しました。
この結果、最終的な価格を117万円といたしました。
外国における販売実績がないことから、外国平均価格との比はありません。
製品概要は、資料の11ページ目を御覧ください。
次に、12ページ目を御覧ください。
販売名は、ディーマ プリント デンチャー ティースです。
本品の主な使用目的は記載のとおりです。
価格につきましては、原価計算方式で評価しました。
この結果、最終的な価格を1歯当たり59円といたしました。
外国平均価格との比は0.84です。
次に、16ページ目を御覧ください。
販売名は、ディーマ プリント デンチャー ベースです。
本品の主な使用目的は記載のとおりです。
価格につきましては、原価計算方式で評価しました。
この結果、最終的な価格を1顎当たり2,026円といたしました。
外国平均価格との比は0.94です。
製品概要は、資料の20ページを御覧ください。
次に、21ページ目を御覧ください。
販売名は、ID NOW RS ウイルスです。
測定項目と測定方法は記載のとおりです。
保険点数につきましては、D023 微生物核酸同定・定量検査 6 マイコプラズマ核酸検出、インフルエンザ核酸検出、291点を参考点数としています。
製品概要は、資料の23ページ目を御覧ください。
次に、24ページ目を御覧ください。
販売名は、NF155 抗体「ヤマサ」EIAとCNTN1抗体「ヤマサ」EIAです。
測定項目と測定方法は記載のとおりです。
保険点数につきましては、D014 自己抗体検査 47 抗アクアポリン4抗体 1,00点を参考点数としています。
製品概要は資料の27ページを御覧ください。
私から説明いたします内容は以上です。
○小塩会長
どうもありがとうございました。
それでは、ただいまの説明につきまして、御質問等ございますでしょうか。
よろしいでしょうか。特に御質問等ないようでしたら、本件につきましては、中医協として承認するということでよろしいでしょうか。
(異議なしの意思表示あり)
○小塩会長
ありがとうございます。
それでは、説明のあった件につきましては、中医協として承認したいと思います。
渡邉委員長、どうもありがとうございました。
○渡邉委員長
ありがとうございました。
○小塩会長
続きまして「在宅について(その3)」を議題といたします。
事務局より資料が提出されておりますので、説明をお願いいたします。
○林医療課長
医療課長です。
総-2「在宅(その3)」をお願いいたします。
2ページ目が目次となっておりまして、訪問診療・往診等と訪問看護についてでございます。
時間が押してまいりましたので、要点のみ御説明させていただきます。
まず、3ページから訪問診療・往診等についてでございます。
4ページ、5ページが往診料の算定状況。
そして、6ページが、在宅医療の診療所同士の連携体制の例をお示ししていますけれども、こうした例の中にも、コールセンターというものが載っておりまして、電話の応需を委託している場合があるということでございます。
7ページ、検証調査の中で、民間企業等の利用状況についてデータを取ったものでございます。
8ページが、民間企業利用有無別の訪問診療、往診の実施状況。
そして、9ページが現行のルールでして、24時間連絡を受ける保険医または看護職員をあらかじめ指定するとのルールがございます。
10ページ、民間に、こうした夜間の連絡等を委託した場合の流れをまとめたものでございます。
時間外の対応受付を委託しているような場合に加えまして、その後、往診医を紹介して、直ちに契約をして派遣するという例もあるということでございます。
11ページは、別の論点として「在宅患者共同診療料について」でございます。
これは、在宅医療を提供する連携医療機関からの求めに応じて、入院の医療機関等が共同で往診または訪問診療を行ったものでございますけれども、右側にありますように、算定回数が非常に少ない状況にございます。
12ページは、先日の資料でございますけれども、このような場合にオンライン診療を用いた連携というのもあり得るのではないかということでございます。
13ページからが、その他の評価等でございます。
14ページ、在宅療養指導管理材料加算の算定ルールとして、月1回算定できるもの、2か月に2回算定できるもの、3か月に3回算定できるものなどがございます。
受診間隔を延長して3か月に1回受診をすれば、3か月分の材料を支給できるといった趣旨で設けられているものでございます。
15ページ、いろいろな組み合わせで材料を支給される場合も、この扱いがばらばらになっているという課題があると考えてございます。
16ページは「在宅で使用する衛生材料の提供ルールについて」。
①医療機関が支給する、あるいは②薬局を通じて支給するといった例が通知上明記されておりますけれども、③のような製造販売業者に指示をして提供するものについて、現在、扱いが定まっていないところでございます。
17ページは、薬剤師と医師の連携、同行訪問の実施状況。
18ページが、調剤報酬におけるルール。
19ページ、こうした同時訪問による患者の服薬管理への効果をお示ししております。
21ページ、ここまでの論点でございます。
24時間帯制の確保に当たって保険医療機関以外の第三者によるサービスを利用する場合における、在宅療養支援診療所や病院における連絡体制、往診体制に係る要件をどのように考えるか。
在宅患者共同診療料の活用場面を想定した上で、情報通信機器を用いた診療の推進も含めた在り方についてどう考えるか。
在宅療養指導管理材料加算について、算定ルールを3か月に3回に統一することについてのように考えるか。
また、衛生材料や特定保険医療材料について、企業等から郵送する場合の在り方、また、医師と薬剤師の同時訪問、これに対する診療報酬の評価、こうした論点を挙げさせていただいております。
22ページからが「訪問看護について」でございます。
まず、最初、概要についての資料が並んでございます。
論点につきましては、34ページから始まりますので、お示しをさせていただきたいと思います。
35ページが、機能強化型訪問看護ステーションの現行のルールをまとめてございます。
ここにおける精神科訪問看護の在り方について、論点とさせていただいております。
36ページ、37ページが、精神科訪問看護の現行の利用者の状況、そして、38ページ~40ページが精神障害に対応した地域包括ケアシステムにおける訪問看護の位置づけ等をお示ししております。
41ページが、現行の機能強化型訪問看護管理療養費3において、精神科重症患者という定めがございますけれども、この精神科重症患者の定義が非常に狭いものとなってございまして、実際上、ここにおいて重症度の高い利用者の受入れという要件を満たすのは非常に難しいという内容でございます。
42ページは、精神科訪問看護において、支援ニーズの高い利用者としてどんな方がいらっしゃるか。
また、そうした看護を行うために、どういった関係機関等と連携をする必要があるかといったことをまとめてございます。
43ページは、44ページと併せまして、精神科訪問看護を提供する訪問看護ステーションにおいて、身体疾患への対応が難しい場合があるということをお示ししております。
また、45ページが地域連携の実情をお示しするものでございます。
46ページからは、次の論点、47ページに表皮水疱症についてお示ししており、48ページにおいては、訪問看護において、このような濃密なケアが必要であるということをお示ししております。
49ページは、表皮水疱症患者等を含む在宅難治性皮膚疾患処置指導管理料の算定者に対する訪問看護として、別表第8、頻回に訪問看護できる対象としては位置づけられていないということをお示ししております。
51ページからが小児の訪問看護について、現在の利用者の状況、そして、52ページが傷病名、53ページが前回改定の内容、そして、54ページ、医療的ケア児の推計値をお示ししております。
55ページは、母子に対する訪問看護について、例えば、母親が鬱病等の疾病で訪問看護が必要な場合、訪問時に看護の一環として、子の世話を補助する等の育児支援を行うことがある。
また、逆に子供への看護の一環として母への育児指導を行うことがあるといった例でございます。
続いて、57ページ、ICTを用いた連携に関して、医科点数表では、こうした連携の加算等がございます。前回の改定でかなり設けられました。
58ページ~59ページ、60ページ、これが訪問看護ステーションと、その他の機関の連携の状況についてお示ししております。
61ページ、現行の点数においても、医科のほうには点数がございますけれども、訪問看護に関しては、こうした連携の点数がないということでございます。
62ページからが、訪問看護指示書の交付についてでございます。
63ページのような指示書を、訪問看護を実施するに当たって、医療機関から訪問看護ステーションに交付をする必要がございますが、64ページ、費用の負担先、郵送にかかる切手等の費用を誰が負担するかということにつきましては、認識が統一されていないということでございます。
65ページからが、安全管理体制ということでございます。
66ページ「訪問看護における医療安全に係る規定」につきましては、こうしたところに一定の定めがあるところでございます。
67ページには、事故発生時の管理体制について調査をした結果がございます。
68ページ、病院、診療所等は医療法に位置づけがございますので、医療安全の管理体制について定めがございますが、訪問看護ステーションは、医療保険各法や介護保険法に定められている事業でございますので、こうした定めがないところでございます。
69ページ、訪問看護における医療安全に関して、こうした研修教材をつくって普及をしようという取組をお示ししています。
70ページからが訪問看護の記録について。
71ページ、既に以前にお示ししておりますけれども、一律に訪問看護の日数を定めるといったことは認められない旨をお示ししたところでございます。
72ページの精神科訪問看護を提供する場合等であっても、訪問看護ステーションにおいて、しっかりとアセスメントをして、判断のプロセスを明確化するといった取組をやっておられるところが多いと認識しております。
一方で、73ページ、訪問看護ステーションへの指導監査も必要であるということで、こうしたお諮りを以前にさせていただきました。
74ページ、そうした指導監査を行うに当たっても、訪問看護の記録等に何を記載すべきかということが明確になっていないと、記載をしていないということについて問うこともできないということになりますので、そういった課題があると考えてございます。
例えば、訪問看護記録書に訪問年月日時刻といった記載があっても、これが計画の時間なのか、実際に行った時間なのか、そうしたことも含めてルール化をしていかないと、指導監査の実が上がっていかないということになろうかと考えております。
75ページが「訪問看護における情報等を電子的方法で取り扱う場合の規定」でございまして、医療情報システム安全管理に関するガイドラインにおいては、見読性・真正性・保存性といったものが示されておりますけれども、訪問看護ステーションにおいて、これを守るということを義務づける形にはなっていないということでございます。
最後に、78ページから「過疎地域等の訪問看護について」でございます。
特別地域訪問看護加算というのもございまして、イの場合、ロの場合、いずれも移動にかかる時間が標準的に1時間を超える場合が対象となってございます。
79ページ、特別地域にある訪問看護ステーションの状況として、移動等に非常に手間がかかっているといったこと、また、ケアの時間を含めて長時間を要するといった非効率なサービス提供が生じているということでございます。
82ページ、ここまでの論点でございます。
精神科訪問看護を提供する機能の高い訪問看護ステーションの評価について。
それから、在宅難治性皮膚疾患処置指導管理を別表第8に追加することについて。
妊産婦及び乳幼児の利用者への質の高い訪問看護の推進についてどう考えるか。その際、育児支援を主な目的とした訪問看護は診療報酬の対象とならないことを明確化すること。また、本人へのケアと併せて、子の育児の支援や、母の育児指導等を行う場合に、こうした時間が訪問看護の提供時間に含まれることを明確化することについて。
そして、訪問看護ステーションが地域の関係機関とICTを用いて情報連携して訪問看護に活用した場合の評価について。
訪問看護指示書の交付に係る郵送代に関することについて。
訪問看護ステーションの従事者が、医療安全に係る研修を受講することについて。
指定訪問看護において求める記録等に実施した看護に係る看護過程の評価や、その評価に基づくアセスメント、実際の訪問開始時刻、終了時刻を記載することなどの明確化について。
特別地域訪問看護加算について、移動及び訪問看護の提供の合計にかかる時間が極めて長い場合も含めて評価することについて、こうしたことを論点として挙げさせていただきました。
御審議をお願いいたします。
○小塩会長
ありがとうございました。
それでは、ただいまの説明につきまして、御質問等ございましたら、よろしくお願いいたします。
江澤委員、お願いいたします。
○江澤委員
ありがとうございます。
それでは、まず、21ページの在宅医療に関する論点について、意見を申し上げます。
まず、前半の連携体制の構築に関する1つ目の○ですけれども、本来は在支診、在支病の連絡体制は、患者さんのことをよく理解している従事者が対応することが望ましく、往診についても、在支診、在支病に日頃から勤務しており、患者さんの症状や御自宅の事情なども把握している訪問診療を行っている医師が患者さんの求めに応じて、往診の要否を判断した上で実施すべきであり、患者さんに担当医の氏名や曜日などを文書でお伝えする場合も、そうした日頃から勤務している医師をお伝えするのが、在支診、在支病の本来の姿であると考えます。
したがいまして、第三者によるサービス利用の実態把握、また、その場合の往診提供の実態についても把握し、今後の対応に生かしていくべきと考えております。
事務局におかれましては、実態把握をしていただきたいと思っておりますけれども、その点についてはいかがでしょうか、御質問でございます。
続きまして、また、在宅の患者共同診療料については、算定回数が極めて少ないことが、本日の資料でも示されておりますが、取りあえず廃止するのではなく、D to P with Dなどを導入するなどして、かかりつけ医との連携が進むように、ICTの活用も見据えて取り組んでいくべきと考えております。
続いて、後半の個別の指導管理に関わる評価についてでございます。
3つ目の○については、医師の医学的判断によるものではありますが、提供される材料の種類ごとに診察頻度が定められたそのものの趣旨を踏まえて、見直しの検討をすべきであると考えております。
また、4つ目の○について、異論はございません。
5つ目の○について、調剤薬局では既に調剤報酬において評価されておりますことから、検討するのであれば、医療機関の薬剤師が同行訪問した場合を、より評価すべきではないかと考えております。
続きまして、82ページの論点に示された方向性について意見を申し上げます。
まず、1つ目の○につきまして、機能強化型訪問看護ステーションの機能強化型1と2では、ターミナルケア、重症児の受入れなどを積極的に行う手厚い体制を評価し、機能強化型3では、地域の訪問看護の人材育成などの役割を評価しております。
精神疾患を有する在宅の患者さんが、別表第7に該当する場合や、ターミナルケアを受ける場合には、必要性に応じて、これらの機能強化型訪問看護ステーションでも受け入れて対応することは望ましいことと思っております。
あわせて、41ページに示されているように、機能強化型訪問看護管理療養費3については、医療機関が精神科在宅患者支援管理料を算定した場合のみが対象となっているものの、精神科在宅患者支援管理料が普及していない中では、算定が難しいということが指摘されております。
精神科在宅患者支援管理料については、2か月に1回以上、保健所または精神保健福祉センターなどと共同してカンファレンスを行うこととなっており、医療機関の努力だけではクリアできない項目が要件となっていることなどが算定に当たっての支障となっており、見直しもお願いしたいと考えております。
一方で、44ページに示されている他のステーションに移管した理由の医療的ケアの内容は、一般の看護職員が行うべきものも多く列挙されていますので、精神科訪問看護の専門性の質の向上とともに、医療的ケアの体力向上を図っていくことも必要かと思います。
そのほか、2つ目の○以降の論点についても異論はございません。
私からは以上となります。
なお、小塩会長におかれましては、看護協会の専門委員に意見を求めることにつきまして、御検討いただければ幸いでございます。
○小塩会長
ありがとうございます。
ただいま、江澤委員から1点、21ページの在宅医療に関する第三者のサービス提供について実態把握をされているかということについて、御質問がありましたが、事務局、いかがでしょうか。
○林医療課長
医療課長でございます。
実態把握につきまして、検証調査の結果をお示ししておりますほか、例えば、こうした民間事業者の広告を見るとか、実際の医療機関のお話を伺うといった、そういった意味での実態把握に努めているところでございます。
改定までの検討の期間も限られておりますので、そういった事例をよく私どもとしても、できるだけ把握しながら、今後の検討に生かしていきたいと考えてございます。
○江澤委員
ありがとうございます。
特に今後の対応について、ぜひよろしくお願いしたいと思います。
○小塩会長
ありがとうございました。
それでは、太田委員、お願いいたします。
○太田委員
ありがとうございます。
私からは、82ページの訪問看護の中の1個目の精神科訪問看護師の論点に関してだけ少し触れさせていただきたいと思います。
29ページにありますように、今、精神疾患に対する訪問看護が急増していることがございますし、また、40ページにありますように、一部過剰なサービスをしている事業所があるのではないかという指摘があると認識しています。
これらにつきましては、適切に行われているか、しっかり監督いただきまして指導をいただきたいと思いますが、その上で、今回論点がありますが、質の高い訪問看護を評価していくことは非常に重要だろうと思います。
その上で、多職種、多機関との連携を評価していくという考え方に関しましては、特に異論はございませんが、一番重要なのは、医療機関及び医師としっかりと連携して訪問看護が行われているということだと思います。
私が認識している限り、指示書が結構長い期間、6か月で出されている事例も多数ございます。精神科訪問看護に関しては特に、医療機関、医師がしっかりと患者の状況を把握して、適切な訪問看護指示を出すことが、重要だと思います。
今回の論点とは直接関係ございませんが、適切な訪問看護が行われるよう、また、質の高い精神科訪問看護が行われるように、ぜひ検討をいただけたらと思います。
以上でございます。
○小塩会長
ありがとうございました。
続きまして、まず、小阪委員、お願いいたします。
○小阪委員
小阪でございます。
1点だけですが、82ページの訪問看護ステーションにおけるICTを用いた情報連携についてということでございますが、評価を設けることについてはどう考えるか、評価に関しましては、また、考えなくてはいけませんが、まず、これは推進しないといけないと思っております。
63ページの実際の訪問看護指示書の様式を見てもらったら分かるのですが、病状と治療について書く部分が異様に少ない。これは普通に書けば2行ぐらいしか書けないのですね。
これで本当に多職種連携の在宅医療ができていくのかと考えると、やはり訪問看護指示書を出すだけというのは、非常に無理があるといいますか、不十分であると考えております。
それから、これは訪問看護指示書をもらってから、電話によるもので訪問診療と訪問看護、ドクターとの連携をするとなりますと、時間を合わせるとか、非常に非効率なことが起こってきますので、これから、やはり人が少なくなって、効率を上げていくということであれば、見ることができる時間があるときに見ればいいようなICTというのを推進しないと、ちゃんと地域包括ケアの在宅が行っていけないと思いますので、評価していただいて、ここへ推進していくことが必要だと考えております。
以上でございます。
○小塩会長
ありがとうございました。
続きまして、森委員、お願いいたします。
○森委員
ありがとうございます。
21ページ目の在宅医療に係る論点の在宅患者個別の指導管理に係る評価について、2点意見を述べさせていただきたいと思います。
まず、論点の3つ目についてですが、16ページ目の在宅で使用する衛生材料等の提供ルールですが、薬局では医師から指示があって、訪問指導時や郵送で衛生材料等の提供を行っているところです。
ポンチ絵を見ていただければと思いますが、医師から指示があったときに、薬局に在庫がある場合には薬局から患者宅へ届けますが、在庫がない場合、卸に注文をして、そして入荷後に患者宅に届けています。ケースによっては薬局から製造販売業者に依頼して、患者宅に郵送するケースも考えられ、そのほうが迅速に患者宅に届くこともあり、企業から直接患者宅に郵送することを明確化することに賛同いたします。
次に、論点の4つ目についてですが、17ページ目にあるように、薬剤師が往診時に同行した場合、その場で患者さんの服薬状況、残薬の状況、状態の変化などを医師とともに確認して、薬学的問題点を医師と共有しながら処方の見直し等を行うことは有用で、その場で医師から薬剤師としての意見を聞かれることも多く、また、医学的なことは、医師にその場で確認ができるため、同席しないときに比べて処方提案等が多く行われています。
全てのケースでの同席は困難ですが、このような取組が進むような支援が必要だと考えます。
私からは以上です。
○小塩会長
ありがとうございました。
ほかはいかがでしょうか。
続きまして、1号側の委員の方々の御意見を伺いたいのですけれども、その前に、先ほどの江澤委員から御提案がございました訪問看護について、看護の立場から御発言をお願いいたします。
木澤専門委員、お願いいたします。
○木澤専門委員
ありがとうございます。
資料82ページの各論点に沿って意見を述べさせていただきます。
1点目の精神科訪問看護については、42ページのような利用者への訪問看護を行う際には、精神科、身体科の医療機関だけでなく、保健所や市町村など、行政の保健師や児童相談所、学校等、様々な多機関との連携・協働が必要であることを踏まえ、地域との連携を推進していく方向で評価すべきと考えております。
2点目の難治性皮膚疾患については、創部の状態に応じた頻回かつ時間をかけた処置が必要となることから、別表第8に追加する必要があると考えております。
3点目、妊産婦及び乳幼児への訪問看護については、疾病を持つ母への看護の一環として、子の育児を支援する、患者である乳幼児の看護として、父母への育児指導を行う等、訪問看護や関係諸機関との連携について、親子に関する支援の内容が切り離せない場面が多くあります。
支援を必要とする親子は増えておりますので、訪問看護の対象について、改めて明確化すると同時に、本人へのケアと併せて育児支援、指導を行う時間についても、提供時間に含まれる方向で明確化することが重要です。
4点目の訪問看護ステーションにおけるICTを用いた情報連携についてですが、地域の中で診療情報等を確実かつタイムリーに共有していくことは、患者への質の高い医療提供や業務効率化の観点からも重要と考えております。
約6割の事業所で体制が整っているとのことですが、さらなる推進に向けて、訪問看護がこうした連携体制を整備している場合の評価は必要と考えております。
5点目の訪問看護指示書の交付に係る取扱いについては、論点に記載のとおり、対応を進めていただきたいと思います。
6点目の訪問看護ステーションでの医療安全に関する研修受講に異論ございません。
7点目につきまして、訪問看護においては、個別の利用者への看護に係るアセスメント等に基づき、訪問看護の内容やタイミング等も判断しており、時間の記録等についても適切に行うべきと考えておりますので、論点のとおり進めていただければと思います。
最後の過疎地域等での訪問看護についてですが、へき地での訪問看護を行う場合には、交通経路が長く、事業所にとっては大きな負担になるため、特別地域訪問看護加算が設定されておりますが、片道が1時間を超えない場合であっても、離島や豪雪地帯など、79ページにもあるような非効率なサービス提供が余儀なくされる場合があります。
こうしたへき地や豪雪地帯なども訪問看護が利用しやすくなるよう検討が必要と考えております。
私からは以上でございます。
○小塩会長
どうもありがとうございました。
続きまして、松本委員、お願いいたします。
○松本委員
ありがとうございます。
訪問診療、往診並びに訪問看護につきましては、一定の質を確保しつつ、限られた医療資源で効率的に対応し、今後さらに増加するニーズを充足するために、多くの医療機関が在宅医療を提供することや、引き続き訪問看護ステーションの大規模化や機能強化を進める必要があると認識しております。
それでは、在宅医療について、21ページの論点に沿ってコメントいたします。
まず、1点目の第三者によるサービスについてでございますが、前回改定では、時間外対応加算に位置づけたこともありまして、その利用そのものは理解できますけれども、少なくとも在支診、在支病については、10ページの枠囲みに懸念点として示されているように、誰が連絡を受け、誰が往診するのかを患者が知らない場合、9ページに示されております、連絡や往診体制の要件を満たしているとは言えないと思います。
一方で、7ページを見てみますと、機能強化型を中心に在支診、在支病で民間サービスが一定程度利用されている実態もあります。今後もこのサービスを活用していくのであれば、例えば、6ページの事例にも示されているように、医療機関同士の顔の見える地域連携の中でコールセンターとして位置づけることが考えられると思います。
ただし、その際にも自院で在宅医療を提供している患者からは、事前に了解を得ておく必要があると考えます。
次に、2点目の論点であります、在宅患者共同診療料についてですけれども、日頃から在宅医療を提供している医療機関では対応できない場合に、在宅療養後方支援病院が患者の住まいに同行するのではなく、先ほど江澤委員からもありましたけれども、D to P with Dのような形で対応することは、効率性や医療の質という観点であり得るものと考えます。
続いて、大きな論点の2つ目の個別の指導管理に係る評価については、複数の加算の算定ルールを統一することや、衛生材料を企業から直接郵送することには異論ございません。
また、薬剤師の同行訪問については、17ページや19ページにも示されておりますが、患者の状態に応じた効果的な薬物治療や、ポリファーマシー対策につながることが示されており、患者のメリットという観点で見ましても、薬局との連携を推進する必要があると認識しております。
一方で、薬剤師の同行により、医師の負担が軽減されることや、医療機関の薬剤師が同行する場合の取扱いも考慮の上、診療報酬による評価の在り方は検討すべきだと考えます。
続きまして、訪問看護について、82ページの論点に沿ってコメントいたします。
1点目の精神科訪問看護については、資料の37ページを見てみますと、上のグラフでは、訪問看護全体の半数近くまで増加している中で、下のグラフを見てみますと、機能強化型以外の訪問看護ステーションのほうが、精神科訪問をかなり重点的に実施している傾向が見られます。
幅広い精神疾患や身体症状を含めた看護の必要性を考えると、精神科重症患者も意識した精神科機能強化型3の訪問看護ステーションで、しっかり対応すべきだと考えます。
そうした観点で、41ページに示されております要件が、実態に即していないのであれば、42ページに示されております、精神科訪問看護の支援ニーズの高い患者への対応を実績要件に追加することは、一定の合理性があると思いますけれども、必要な患者に適切な看護が提供されるように、42ページの下段にもあります自治体や公的機関との連携を条件にすべきだと考えます。
また、精神だけではなく、身体症状への対応も重要であり、26ページにあります別表第7、別表第8に該当する患者が一定以上といった基準とセットで要件を設定することも併せて検討すべきだと思っております。
4点目にございますICTを用いた情報連携については、効率化の手段として期待しておりますが、一方、60ページを見てみますと、連絡漏れを防止できることや、患者のQOL向上にもつながることが示されておりますので、適切な要件の設定を条件として、あくまで医療の質の確保、向上という観点で評価することに異論はございません。
6点目の安全管理体制については、訪問看護療養費のルールとして研修の受講をしっかりと位置づけるべきだと考えております。
その他の論点については、異論はございません。
私からは以上でございます。
○小塩会長
どうもありがとうございました。
続きまして、鳥潟委員、お願いいたします。
○鳥潟委員
ありがとうございます。
まず、訪問診療についてですが、ポリファーマシー対策や減薬への対応を強化するため、医師と薬剤師の同時訪問を増やしていく方向で評価の在り方を検討していくことに異論ございません。
以前の資料で、入院時や薬局において、なかなか減薬までは対応が難しいといった調査の紹介もありましたが、同行訪問が増えることで重複投与の解消や、減薬などの有害事象のリスクが解消し、患者さんの状態の改善につながることを期待したいと思います。
次に、訪問看護についてですが、ICTを用いた情報連携を促進していく観点から評価を設けていくべきと考えております。
今後、高齢化がさらに進展し、複数の疾患や、医療と介護の両方のニーズを持つ方もさらに増えていくことが想定され、1人の患者さんに関わる医療関係者も増えていく中、医療関係者のみならず、介護関係者も含めて、ICTによる情報連携を進めていき、時間の短縮などの効率化につなげていっていただきたいと考えております。
以上です。
○小塩会長
ありがとうございました。
続きまして、永井委員、お願いいたします。
○永井委員
ありがとうございます。
私からも、まず、論点②、21ページの在宅医療につきまして、意見を申し上げます。
在宅医療に係る連携体制の構築の推進に向けましては、24時間体制確保という点から、サービス会社への委託という方法も一定理解できるものですが、医療機関との連携はもとより、患者への事前説明がしっかりなされるよう対応する必要があると考えます。
在宅患者個別の指導管理に係る評価につきましては、訪問診療に当たって薬剤師が同時訪問することで、適正な処方やポリファーマシー対策につながるとのことは重要と考えます。資料17ページを見ますと、実施状況は1割弱ということですので、薬剤師の同行に当たってどのような連携があるのかなど、実態も見ていく必要があるのではないかと考えております。
それから、82ページの訪問看護につきましては、訪問看護に求められるニーズ、地域への貢献も踏まえて適切に評価すること、対応していくことは重要と考えます。
質の高い訪問看護の推進という観点から、妊産婦及び乳幼児への訪問看護において、本人へのケアと併せて育児支援などを行うこと、記録などを明確化すること、医療安全の観点から研修の受講をきちんと位置づけるという方向は重要と考えております。
以上です。
○小塩会長
ありがとうございました。
続きまして、奥田委員がオンラインでお手を挙げていらっしゃいます。お願いいたします。
○奥田委員
私からは、82ページの論点のところで1点だけ申し上げたいと思います。
訪問看護ステーションの関係で、昨年の改定も踏まえて、地域の関係機関等とICTを用いて情報連携し、訪問看護に活用した場合の評価を設けることが論点となっております。
既にほかの委員からも出ていましたし、アナログな文書だけでは連携が不十分であるということもあり、ICT活用を推進していくことが必要であると思います。
この点、当面、活用を評価するという点は理解いたします。しかし、今後は医療DXがさらに推進され、ICT活用が当然となるべきであり、一定程度普及した段階で、こうした評価を継続すべきなのかどうなのかについて検討も必要であると考えております。
私からは以上です。
○小塩会長
ありがとうございました。
ほかはいかがでしょうか。
江澤委員、お願いいたします。
○江澤委員
1点だけ追加でコメントをさせていただきます。
37ページの資料を見ますと、上段のグラフにおいて水色の部分のところですけれども、精神科の訪問看護の提供が増えていることが分かると思います。
一方で、下のグラフの下側を見ますと、この機能強化型以外の訪問看護ステーションにおいて、一番右端の18.4%、約2割のステーションは、訪問看護ステーションの全利用者に占める精神訪問看護利用者の割合が8割以上となっています。
近年の傾向として、精神科の訪問看護に特化したステーションが増えていることが、こちらからも理解できるわけですけれども、この点につきまして、精神訪問看護を提供するサービスの質の向上はもちろんのこと、できれば、こういったステーションで、重症度の高い別表第7の利用者さんとか、超重症児者あるいはターミナルケア、看取りというものを対応できれば望ましいかと思いますけれども、現実的に、そういった身体への対応が難しいのであれば、平素から近隣のステーションと連携をしておくと、そういった重症度が高くなった場合について、平素から連携体制を構築しておき、利用者に支障がないという体制を取っていくことが重要ではないかと思っております。
以上でございます。
○小塩会長
ありがとうございました。
ほかは、いかがでしょうか。
よろしいでしょうか。ほかには特に御質問等ないようですので、本件に係る質疑はこのあたりといたします。
今後、事務局におかれましては、本日いただいた御意見も踏まえて、引き続き対応していただくようにお願いいたします。
本日の議題は以上です。
次回の日程につきましては、追って事務局より御連絡いたします。
それでは、本日の総会は、これにて閉会といたします。どうもありがとうございました。