令和7年11月26日 革新的医薬品・医療機器・再生医療等製品創出のための官民対話 議事録

医政局医薬産業振興・医療情報企画課

日時

令和7年11月26日 17:00~19:00

場所

TKP新橋カンファレンスセンター「ホール16D」

出席者

(1)産業側

  医薬品・再生医療産業界 
  安川 健司  (日本製薬団体連合会会長)
  宮柱 明日香 (日本製薬工業協会会長)
  ハンス クレム(米国研究製薬工業協会(PhRMA)在日執行委員会委員)
  岩屋 孝彦  (欧州製薬団体連合会(EFPIA)会長)
  山口 秀人  (再生医療イノベーションフォーラム(FIRM)代表理事副会長)
  医療機器産業界
  山本 章雄  (日本医療機器産業連合会会長)
  宮田 昌彦  (日本医療機器産業連合会副会長)
  玉井 孝直  (米国医療機器・IVD工業会会長)
  田中 良一  (欧州ビジネス協会 医療機器・IVD委員会副委員長)
  松井 石根  (日本臨床検査薬協会副会長)

(2)アカデミア

  間野 博行  (国立がん研究センター理事長)
  大津 欣也  (国立循環器病研究センター理事長)
  中釜 斉   (日本医療研究開発機構(AMED)理事長)
  近藤 裕郷  (日本医療研究開発機構(AMED)医薬品プロジェクト PD)

(3)行政庁

  上野 賢一郎 (厚生労働大臣)
  小林 茂樹  (文部科学副大臣)
  小森 卓郎  (経済産業大臣政務官)
  近藤 恵美子 (医薬品医療機器総合機構(PMDA)理事)

 

議事

○安中課長 それでは、定刻となりましたので、ただいまより「革新的医薬品・医療機器・再生医療等製品創出のための官民対話」を開催させていただきます。本日は、お忙しい中御参集いただきまして、誠にありがとうございます。
 司会進行を務めさせていただきます、厚生労働省医政局医薬産業振興・医療情報企画課長の安中でございます。どうぞよろしくお願い申し上げます。
 この官民対話でございますが、我が国における医薬品・医療機器・再生医療産業がさらに成長していくため、産業界と行政のトップとアカデミアが政策対話の場を持つことにより、産業界をめぐる現状や課題を共有することを目的として開催しております。ぜひ自由闊達な御議論をいただければと考えております。
 なお、本会議でございますが、この後、上野厚生労働大臣がいらっしゃいます。厚生労働大臣には締めの御挨拶をしていただこうと考えておりまして、その際にはプレスが入りますので、御承知おきいただければと思います。
 また、会議後は、厚生労働省のほうで記者の方に、どういった議論があったのかブリーフィングをさせていただきたいと思っております。また、議事録につきましても厚生労働省のホームページにおいて、後日、公表させていただきますので、あらかじめ御了承いただければと思います。
 お手元の資料1に、本日の御出席の皆様方のお名前を記載させていただいております。構成員は行政、産業界並びに研究機関の方々となっておりますが、時間の制約もございますので、恐縮ですが、御紹介はお手元の座席表にて代えさせていただきたいと思います。
 上野厚生労働大臣につきましては、現在、国会対応中でございまして、本日遅れて御出席いただけることとなってございます。
 それでは、まず、初めに本日御出席いただいております各省の政務の皆様方より御挨拶を賜りたいと思います。
 まず、主催者でございます上野厚生労働大臣でございますが、先ほど申したような事情でございますので、迫井厚生労働医務技監の代読にて挨拶をさせていただきたいと思います。よろしくお願いします。
○迫井医務技監 それでは、司会の安中課長から、今、お話がございましたので、御挨拶を代読させていただきます。着席して御挨拶をさせていただきます。
 本日はお忙しい中、また、このようなお時間にもかかわらず、革新的医薬品・医療機器・再生医療等製品創出のための官民対話に御出席をいただきまして、誠にありがとうございます。
 産業界の皆様におかれましては、日頃より、医薬品・医療機器の開発等に御尽力いただいており、改めて感謝を申し上げます。
 これは、一応いただいた文面上こうなっていますが、今、まさに採決をやっておりますので、先ほど、衆議院の厚生労働委員会において、医療法等の一部の改正する法律案の御審議をいただき、今まさに採決しておるところでございます。
 この法案でございますけれども、医療DXの推進も盛り込まれておりまして、医療情報の二次利用も見据えた重要な改正案となっております。日本における事業展開に政府としてのバリューを提供できるよう、このような基礎的な環境整備を着実に進めてまいります。
 このほかにも医薬品については、創薬スタートアップから革新的新薬を生み出す創薬基盤、インフラ強化への支援、国際的に競争力のある革新的な創薬技術に対応できる臨床試験の体制整備といった施策に取り組んでまいります。
 医療機器につきましては、第3期医療機器基本計画の策定に向けた議論を進めていくとともに、優れた医療機器の開発促進、迅速な実用化に向けて、3点ございますが、医療機器開発を担う人材のリ・スキリング、2点目はスタートアップ企業に対する開発早期段階からの出口戦略を見据えた伴走支援、3点目ですが、戦略的に推進すべき領域を定めたオープンイノベーションコア拠点の設置など、産業振興拠点の形成に取り組んでまいります。
 「創薬・先端技術」が日本成長戦略本部において、重点施策に位置づけられたこともございまして、政府といたしましては、引き続き、医薬品・医療機器分野を強力に推進していく考えでございます。
 そうした取組は、官民一体となって進めていくものでございまして、今後の施策をよりよきものにするため、本日は皆様から忌憚のない御意見、御提案をいただきますようお願いを申し上げます。
 この官民対話が各産業の発展につながる実り多いものとなりますことを御期待申し上げまして、私の御挨拶といたします。
 以上、代読でございました。
○安中課長 ありがとうございました。
 続きまして、小林文部科学副大臣より御挨拶賜りたいと思います。副大臣、どうぞよろしくお願いします。
○小林副大臣 皆様、こんばんは。
 科学技術、学術及び文化を担当いたしております、文部科学副大臣の小林茂樹でございます。御挨拶申し上げます。
 産業界、アカデミアと行政が対話を深めることは、医療分野のイノベーションを創出する上で、極めて有意義でございます。文部科学省では、主に、アカデミアにおける研究費の支援と基盤構築の両面から、革新的な医薬品・医療機器・再生医療等製品の創出に向けた研究開発を推進しております。
 先週、21日に閣議決定された総合経済対策においても、感染症有事に備えた治療薬、診断薬の研究開発拠点形成の推進や、次世代医療実現に向けたバイオバンクの情報基盤強化について盛り込まれております。
 こうした施策等を通じて、我が国発の革新的医薬品・医療機器・再生医療等製品の創出に向けて、皆様方と一丸となって取り組んでまいりますので、どうぞよろしくお願いいたします。文部科学省がお世話になります。よろしくお願いいたします。
 以上です。
○安中課長 ありがとうございました。
 続きまして、小森経済産業大臣政務官より御挨拶を賜りたいと思います。どうぞよろしくお願いいたします。
○小森政務官 経済産業大臣政務官を拝命しております、小森卓郎でございます。本日は、よろしくお願いいたします。
 今日は、お忙しい中、業界の方々、そしてアカデミアの方々、皆様、おそろいのところで御挨拶をさせていただく機会をいただきまして、ありがとうございます。
 皆様方が担われておられます医薬品、再生医療、そして医療機器の産業は、国民の健康にとって重要なのはもちろんでありますけれども、経済成長を支える意味でも重要な産業でございます。
 経済産業省としては、こうした産業に対して、ベンチャー企業等によるイノベーションの創出、そしてグローバル展開を支援してきているところでございます。
 例えば、ベンチャー企業等と医療機器企業等の共創、ともにつくる機会をつくり、将来のオープンイノベーションを創出する取組を進めているところであります。
 また、3500億円の基金事業がございますけれども、ベンチャー企業の創薬開発を通じて、創薬ベンチャーエコシステムの底上げにも取り組んでおります。
 さらに、バイオ医薬品と再生医療等製品については、製造設備投資支援に取り組んでおります。
 例えば、再生医療等製品については、令和6年度からの4年間、約400億円の補助を通じて受託開発製造事業者、いわゆるCDMOの拠点整備や製造人材の育成を進めております。
 さらに、現在進行形ではございますけれども、研究開発税制につきまして、令和8年度の税制改正要望におきまして、現行の一般型を土台といたしまして、バイオ等の国家として重要な技術領域の研究開発投資への重点化、そして、また、税額控除の繰越制度の導入などの拡充、延長を要望して一生懸命折衝しているところでございます。
 産業の競争力強化の観点から、引き続き必要な政策を積極的に実施してまいるところでございます。皆様からの忌憚のない御意見、大変重要でございますので、お聞かせ願いたいと思っております。
 私自身、公務が立て込んでおりまして、この後、失礼してしまいますけれども、担当の審議官の井上がここにおりますので、しっかりとお話を聞いて報告を受けたいと思います。よろしくお願いいたします。
○安中課長 ありがとうございました。
 途中ではございますが、小森政務官は公務の都合上、ここで御退席されます。
(小森政務官 退室)
○安中課長 なお、内閣府大臣政務官の若山政務官につきましては、公務の都合上、本日、遅れて御出席いただけると聞いております。到着次第、御挨拶を賜りたいと考えております。
 それでは、議事のほうに入りたいと思います。
 まず、厚生労働省から資料の御説明をさせていただき、その後、産業界、アカデミアの皆様より、資料に沿って御説明をいただきたいと考えております。その後、意見交換の時間を設けさせていただきたいと考えております。
 それでは、まず、厚生労働省のほうから資料の説明をさせていただきます。
 お手元の資料2を御覧ください。
 資料2、表題に「医薬品のイノベーション推進に向けた今後の方策について」と書いているものでございます。
 今回、この会議の目的は、産業界、アカデミアの皆様との意見交換が主だと考えておりますので、私からの説明は簡潔にさせていただきたいと思いますので、御容赦ください。
 まず、1ページのマル1の「ドラッグ・ラグ/ドラッグ・ロスの解消」ですが、日本向けの医薬品開発を促進する観点からの見直しをはじめとした取組を行っているところでございます。
 例えば、日本人第1相試験の取扱いの見直しや、製薬企業への開発要請等を行っているところです。
 次に、マル2の「創薬力の強化」につきましては、総理御出席のもとで、創薬力向上のための官民協議会を開催し、そのもとのワーキンググループで、業界団体の皆様にも御出席いただきながら、議論の整理を取りまとめ、中医協に報告いたしました。
 また、日本成長戦略本部における戦略分野の1つに、創薬・先端医療が位置づけられたところでございます。今後、成長戦略の策定に向けて、議論が行われるほか、革新的医薬品等実用化支援基金の造成をはじめとしまして、創薬力向上のための取組を進めてまいります。
 マル3の「治験環境の整備」につきましては、国内での治験の実施の誘致に向けて、ワンストップサービスを行う窓口の設置などを行っているところでございます。
 次のページを御覧ください。
 マル4の「薬事制度上の対応」につきましては、ドラッグ・ラグ/ドラッグ・ロスの解消等に向けて、昨年4月の検討会報告書を踏まえ、各課題等について順次検討を進めているところでございます。
 次のマル5の「薬価制度上の対応」につきましては、来年度薬価改定に関して創薬イノベーションの推進、医薬品の安定供給の確保、国民負担の軽減といった観点にバランスよく対応する中で、薬価上の適切な評価の実施に向けて、中医協において、現在、議論を進めているところでございます。
 また、マル6の「医療情報の利活用推進」につきましては、情報基盤の整備等を進めるとともに、医療情報の二次利用について、公的データベースの仮名化情報の利用提供等を可能とする措置を盛り込んだ、医療法等の一部改正法案が、現在、国会で審議をいただいているところでございます。
 マル7の「研究開発税制」につきましては、戦略技術領域に対する研究開発投資の拡大など、令和8年度税制改正において要望しているところでございます。
 次に、3ページを御覧いただきたいと思います。
 ここからは、医療の質の向上のための医療機器の研究開発及び普及の促進に向けた今後の方策について、説明をさせていただきます。
 まず、マル1でございますが「第3期医療機器基本計画の策定について」、令和8年度中の策定に向けて各種調査を行っております。
 また、業界団体も御参加いただいております検討会などで、医療機器の研究開発、普及促進のための基本方針や実施すべき施策等について検討しているところでございます。
 次のマル2「医療機器スタートアップエコシステムの構築」としまして、優れた医療機器等を創出できるオープンイノベーションエコシステムの構築に向け、産業振興拠点の充実・強化に向けた予算要求を行っております。
 次のマル3「治験環境の整備も含めた薬事制度上に係る対応について」としましては、今年度から研究班を設置し、医家向け医療機器に関する広告規制について、患者や産業界のニーズを踏まえ、一般人の方向けの広告を可能とする品目の調査を実施するなど、検討を進めているところでございます。
 また、その次ですが、国際整合を踏まえたQMS調査制度の在り方についても、十分な議論を行ってまいります。さらに、分散型臨床試験の実施体制の整備、あるいは臨床研究に関する届出のオンライン化や、届出手続の合理化なども進めてまいります。
 次のページに参りまして、マル4「医療保険制度に係る対応について」としましては、令和8年度の診療報酬改定に向けて、イノベーションの評価、プログラム医療機器の評価、医療機器の安定供給に係る事項などについて、中医協において議論を行っているところです。
 マル5の「医療機器等の安定供給に係る対応について」としましては、令和8年度の改定に向けまして、不採算品再算定や、逆ざやとなっている機能区分への対応について、中医協で議論を行うとともに、医療機器等のサプライチェーンリスク評価及び安定供給確保事業の予算要求を行っております。
 また、人工呼吸器につきましては、経済安全保障推進法上の特定重要物資に指定し、生産基盤強化を支援していきたいと考えております。
 マル6の「医療DX・データの利活用推進」につきましては、医療機器製品データベースの構築に向けた要件などの検討を進めているほか、医療機関における医療機器のサイバーセキュリティ対策の在り方について、厚労科研において検討しております。
 次の5ページ目になります。最後の項目です。
 マル7の「その他の支援について」につきましては、国際展開のための各種事業の実施。また、医師の働き方改革等に資する医療機器等の導入に当たっての支援などを実施しているところです。
 また、最後の矢羽根にあります、米国の関税措置につきましては、医療機器分野の産業の振興や安定供給に影響を及ぼさないよう、日米双方の医療機器業界の意見も伺いながら、継続的に米国関税の影響を把握し、必要な対応を行ってまいります。
 厚生労働省からの御説明は以上となります。
 次に、アカデミア、AMEDの皆様から御説明をいただきたいと存じます。
 なお、大変恐縮ではございますが、事前に御案内させていただいておりますとおり、各団体の皆様方、4分以内をめどに御説明いただければと考えております。
 まず、初めに、国立がん研究センターの間野理事長から御説明をお願いいたします。
○間野理事長 よろしくお願いいたします。国立がん研究センターの間野博行でございます。資料3を御覧ください。
 私のほうからは、現在、日本が直面していますドラッグ・ラグ/ドラッグ・ロスの現状と、私が所属します国立がん研究センターが取り組んでいる対策について、簡単に御紹介させていただきます。
 ページ2を御覧ください。
 このページは、過去30年ほどの医薬品貿易収支をグラフ化したものです。青色の線の輸出額が微増であるのに比べて、緑色の輸入額は、特に近年急速に上昇していて、2023年現在で3.5兆円もの輸入超過となっています。コロナワクチンの分を差し引いても、恐らく1.5兆円前後の赤字となっていると思われ、特に新しいモダリティーの薬剤が輸入超過となっています。
 また、最近の、特にがんの新薬は海外のスタートアップ企業でつくられることが多く、そもそも彼らが日本を治験対象国にしないということから、日本に薬が入ってこない、ドラッグ・ロスというのも非常に大きな問題となっています。
 次のページを御覧ください。
 このページでは、したがって、私ども日本は、常に世界の中の立ち位置を意識して、ここで「TO THE WORLD」と書いてありますけれども、産官学を挙げて、日本からの創薬力を強化する必要がありますし、と同時に「TO JAPAN」と書いてありますように、海外の最新の臨床試験を日本に呼び込む必要があります。
 先ほど申しましたように、新しい薬剤はスタートアップ企業でつくられることが多いので、彼らにアジアの中で日本が魅力的な治験対象国であるということを、積極的にアピールすることが重要だと考えています。
 今日は時間の関係から、後者の「TO JAPAN」の取組を幾つか御紹介させていただきます。
 ページ4を御覧ください。
 当センターとしては、治験を誘致するシステムとして、世界の開発競争に勝てるよう、いずれも世界規模の大規模治験ネットワークを複数構築しております。
 例えば、左上ではSCRUM-Japanと名づけていますが、肺がんを中心とした治験ネットワークで、2万人以上の患者さんのレジストリーがあり、これまで11種類の抗がん剤の日本承認実績があります。
 その発展系として、LC-SCRUM-Asiaというアジア地域で広げているネットワークも構築していますし、左下では消化器がんなどを中心とした、特にリキッドバイオプシーという新しい診断手法で臨床試験を行う、これも非常に大規模なネットワーク、モンスタースクリーンを持っています。こちらも2万5000人を超える患者さんの症例登録あり、多くの薬剤承認あるいは診断薬の承認に至っています。
 さらに私どもは、右側に示しますように、MASTER KEY Projectと名づけた希少がんに特化した患者レジストリーも持っています。
 これは、希少がんであるにもかかわらず、既に5,000例近い登録数のレジストリーとなっていて、こちらも現在30種類以上の治験が行われています。
 ページをめくっていただいて、ページ5を御覧ください。
 このような活動の結果、国立がん研究センターが行う企業治験の数は、過去5年で1.4倍ぐらいに増加し、さらに、中でも国際治験は472件から821件と、急速に2倍近くに増加しました。
 また、ここには書いてありませんが、ヒトに初めて投与する、ファースト・イン・ヒューマン(FIH)試験は2024年度には227件と、極めて多くのFIHを世界に打ち勝って日本の患者さんに届けることに成功しております。
 ページをめくっていただいて、最後のページになります。
 さらに、私たちの新しい試みとして、左側にありますけれども、ATLASプロジェクトと名づけた、東南アジア諸国と臨床試験・治験のネットワークを大規模に構築しています。これは、人口数が極めて多い東南アジア地域と連携して、日本を中心とした新しい大きな仮想医療市場をアジアに形成して、創薬を呼び込む試みです。がんセンターでは、このため、タイのバンコクに分室を新たにつくり、既に3,000人近い患者登録があります。さらに、現在、臨床試験も順調に拡大しております。
 一方、右側は、現在、厚労省及び他医療機関と協力をして、我が国のFIH体制を強化する試みです。国際的なFIH体制を日本に構築して、早期の治験薬をがんだけでなく、ほかの疾患担当の方々とともに導入して、ドラッグ・ロスをなくしたいと考えています。
 以上をまとめますと、創薬開発は熾烈な国際競争にさらされており、日本から薬をつくって、日本に薬を呼び込むために、国を挙げて多方面のさらなる協力、創薬エコシステムの構築が必要だと考えております。
 以上です。ありがとうございました。
○安中課長 ありがとうございました。
 ここで内閣府の若山大臣政務官が到着されましたので、御挨拶を賜りたいと思います。政務官、どうぞよろしくお願いします。
○若林政務官 内閣府の大臣政務官を拝命しております、若山慎司でございます。一言、御挨拶を申し上げさせていただきます。
 内閣府は、健康・医療戦略のもと、関係省庁と連携し、AMEDを通じて革新的な医薬品・医療機器・再生医療等製品の創出に向けた様々な研究開発支援を実施しております。
 国民の皆様に、研究開発の成果がいち早く届くためには、シーズ創出、臨床試験、製造、医療実装の全ての局面において、官民が適切な役割分担を担い、連携を深めていくことが必要だと考えております。
 こうした観点を踏まえて、本年令和7年2月に策定いたしました第3期健康・医療戦略に沿って、出口志向の研究マネジメントの強化や、創薬力強化、そして、感染症危機対応、医療データの利活用の推進を行うこととしております。
 また、創薬・先端医療が成長戦略における危機管理投資、成長投資の戦略分野に位置づけられたことを踏まえ、今後、健康医療安全保障の構築に向けて検討を進めていくこととしております。
 本年のこの官民対話におきましても、皆様から引き続き、医薬品・医療機器・再生医療等製品産業の、さらなる発展に向けた忌憚のない御意見を伺えればと思っておりますので、どうぞよろしくお願いを申し上げます。ありがとうございました。
○安中課長 ありがとうございました。
 それでは、続きまして、国立循環器病研究センターの大津理事長から御説明をお願いいたします。
○大津理事長 国立循環器病研究センターの大津です。
 当センターが推進する医療技術、医療機器の開発への取組、そして産業界への連携の成果について御紹介させていただきます。
 ページをおめくりください。
 国立循環器病研究センターは、病院、研究所、そしてオープンイノベーションセンターの3部門があります。
 臨床研究が相互に連携し、さらに産業界との共同研究を推進することにより、創薬、医療機器開発において、新しい技術の社会実装、マネタイズ、ベンチャー設立を推進しております。
 次のページをお願いします。
 今月、当センターでは、未来医療機器開発推進室を設置いたしました。医療機器の開発には相当の期間と労力がかかります。将来の臨床分野でのニーズを展望し、実用化に向けてどのように進めていくかを、共同研究であれば、企業、大学などの連携先と調整しつつ、ナビゲートしていく機能を果たしたいと考えております。
 次のページをお願いします。
 この1年、国立循環器病研究センターでは、企業との協働により、実用化に当たっての成果を2つ挙げることができました。この事例を紹介させていただきます。
 まず、小児先天性心疾患に対する心臓シミュレーターの開発です。先天性心疾患を持つ子供の個々の3D心臓モデルを作成し、手術の精度向上と手術のリスク低減につなげるもので、本年6月に保険適用の運びとなりました。
 次のページをお願いします。
 もう一つが、次世代心肺補助システムの開発でございます。コロナ禍で多くの命を救ったECMOですが、既存の装置は大きく複雑であるため、緊急対応や院外の使用は非常に難しいところです。その課題を解決する世界最小、世界最軽量の機器を開発し、本年9月に薬事承認されました。いずれも企業との協働による成果です。
 次のページをお願いします。
 昨年も御紹介いたしましたけれども、ベンチャー設立に大きな力を入れており、国循発ベンチャーは今年度1企業をさらに認定しております。
 次のページをお願いします。
 企業との共同研究の推進に当たっては、共同研究部の仕組みを用意しております。我々が持つ臨床データ、バイオバンク、コホートスタディ、レジストリーといったビッグデータの活用、同センターの敷地内で企業等が入居可能な賃貸ラボと共用型のウェットラボの提供、そして、知財戦略をはじめとする支援体制を整えております。
 次のページをお願いいたします。
 その実績は、スライドに記載しているとおりです。このように、当センターでは、大学などの共同機関、企業との開発部門との協働を強力に推進しており、より幅広い企業との連携を期待しているところでございます。
 以上でございます。
○安中課長 ありがとうございました。
 続きまして、日本医療研究開発機構より、中釜理事長、御説明をお願いいたします。
○中釜理事長 日本医療研究開発機構、AMED理事長の中釜です。
 私からは、AMED第3期における取組について説明させていただきます。
 資料をおめくりいただきまして、1ページ目ですが、第3期から組織体制の再編を一部行いました。右側の体制図のように、各部を配置しております。
 特に事業部門において、今回、第3期から統合プロジェクトが8つとなったことに伴って、8つの事業部及びSCARDAの各部にて構成されています。
 さらに各事業間の連携により、研究開発を加速することを目的として、推進部門の強化に努めております。
 さらに、調整役を新たに設けまして、これにより研究成果の社会実装を強化することに努めたいと考えております。
 スライドの次をお願いいたします。
 2ページ目ですが、こちらにはAMEDの第3期の運営方針をお示ししております。ここに示します5つの柱、事業間連携の取組の強化、それから、開発の初期段階からの産学協創による企業導出、3つ目が基礎研究の充実、それから、4つ目、国際展開の推進、さらには、医療分野の研究開発DXの加速であります。
 こういう活動を通して、研究開発と環境整備及び人材育成を牽引することにより、医療研究分野における我が国の研究開発活動の活性化や底上げ、ひいては健康長寿社会の実現に向けて貢献したいと考えております。
 次のスライドをお願いいたします。
 また、第3期では、先ほど御説明いたしましたように、運営方針の中でシーズ創出の源泉である基礎研究の充実を図りたいと思います。
 今回、ノーベル賞を受賞された坂口先生の事例をここに示しておりますが、シンクタンク的機能を強化することにより応用研究、基礎研究の土台を固めながら、実用化に向けた非臨床、臨床研究を進めるとともに、並行して事業化に向けた取組を支援したいと思います。
 このために、今回の坂口先生の事例ですが、2015年のAMED設立時から次世代がん等々の研究の支援により、最近では、実用化に向けたサイクル事業、ビークル事業、それから創薬ベンチャーエコシステム強化事業を通して、実用化を目指したところでありますが、こういう優れたシーズを早期に見いだし、それを実用化に向けて加速する、そういう体制のためのAMEDとしてのシンクタンク機能を強化したいと考えております。
 資料の4ページをお願いいたします。
 ここには、AMEDの実用化推進支援の一覧を示しております。AMED内においては、医薬品及び共通の実用化推進の支援一覧をまとめた資料であります。
 この中でも特にBINDSであるとか、AMED-FLuX、創薬ブースター、これは医薬品に関する加速で、様々な技術支援をしながら、それから各研究課題に伴走しながら支援する体制を整えており、こういうものを通して医薬品開発において、現役の製薬企業の方々からのアドバイスをいただくAMED-FLuX、それから医療機器開発では実用化戦略などの専門家のコンサルテーションを受けられる実用化プログラム、こういうものを取り入れながら様々な支援ツールを活用して、実用化を推進しているところであります。
 資料の5ページをお願いいたします。
 こちらには、AMEDで支援する研究開発の社会実装に向けての状況を示しております。左側では、AMEDが支援する研究費の現状ですが、多くが1000万~2500万程度の財源になっております。これは、基礎研究、シーズを育成するのに十分であるといえます。右のほうには、創薬事業の段階的な開発コストイメージを書いていますが、実際には、社会導出に行く前の臨床試験の段階では、かなり規模の大きい財源が必要となります。
 ここにおいては、公的財源だけではなくて、多くのベンチャーキャピタル等からの財源の導入、そういうものが必要であります。いかに企業に、この優良なシーズをバトンタッチし、次に進めるかということが非常に重要であり、企業の重点領域に沿う課題を見いだしながら、企業の状況を踏まえて支援をしていきたいと考えております。
 AMEDとしては、社会実装に向けた議論を開発の適切な時期に進めることが重要と認識しており、あわせて、政府側におかれましては省庁の壁を越えて政策や事業がつながるようにしていただきたいと思います。
 また、企業側におかれましても、重点領域やパイプラインのニーズの共有、これを常にAMEDとも共有いただきながら、適切な段階から共同研究やシーズ導出等について連携を進めていきたいと思います。
 以下、参考資料となっていますので、適宜御参考いただけたら幸いです。
 私からは以上です。
○安中課長 ありがとうございました。
 続きまして、日本医療研究開発機構の近藤医薬品プロジェクトプログラムディレクターから御説明をお願いいたします。
○近藤医薬品プロジェクトプログラムディレクター ありがとうございます。
 AMEDの医薬品プロジェクトPDを拝命しております、近藤でございます。
 それでは、AMEDで現在進めております、アカデミアによる創薬イノベーションの取組、この一端について御紹介させていただきます。
 次のページをご覧ください。
 まず、我が国の革新的医薬品の創出を遅らせている主な要因、こちらに5点挙げさせていただきます。
 1点目は、希少・難病疾患の病態解析がなかなか進んでいないということもございまして、創薬シーズ自身が少し枯渇しているという課題がございます。
 2点目は、POCの取得成功確率が低いこと、これを上げるためには、標的分子の同定並びに検証が重要になりますけれども、その精度をさらに向上する必要がございます。
 3点目は、革新的医薬品に関して、これらのレギュラトリーサイエンス研究並びにステージアップに必要でございますGLP並びにGMP対応をしっかり整備する必要がございます。
 4点目は、新規医薬品創出におけるアカデミア研究の積極的な活用という観点から、こちらに米国のアカデミア発の医薬品実績を挙げておりますけれども、諸外国に比べて、日本のアカデミア発新薬の創出が非常にまだ遅れているという状況にございます。
 5点目は、非常に重要なポイントでございまして、創薬研究から臨床試験まで、これを一貫して進めるような創薬エコシステムの構築、整備が必要であると考えております。
 次に、AMEDの第2期の実績を挙げさせていただきました。
 第2期の医薬品プロジェクトでは、期首の目標値として、薬事承認数10件を設定しておりましたけれども、約40件の大幅な過達で承認を取ることができました。ただし、既承認薬による適用拡大の割合が非常に多うございまして、今後は、新規な有効成分に対する承認を増やしていく必要があると考えております。
 これら第2期での実績をベースにしながら課題解析を行い、第3期の取組について、こちらにまとめておりますけれども、1つは、創薬研究の強化、それから、研究予算の重点化、これは特に臨床試験、治験を加速するために研究予算を充実しながら、調整費の活用もしっかりやっていくということが必要になります。
 それから、研究スピードの強化という面では、やはりこれはアカデミアと企業との連携、これが必須になりますので、これをしっかり進める必要がございます。
 それから、第2期事業の継続の取組でありますオーファン、ウルトラオーファンに関して、これは企業様のほうでの開発がされにくいということもありまして、AMEDでは、オーファン、ウルトラオーファンに関して薬事承認取得に向けた開発課題をしっかりと継続して取っていくということを考えております。
 次のページをご覧ください。
 現在、AMEDのほうでは、アカデミア創薬における支援プラットフォームを幾つか走らせておりますけれども、この代表例の1つとして、創薬支援ネットワーク、創薬ブースター事業の全容をこちらにお示ししました。
 これは、アカデミアの萌芽的研究、これを支援しながら、できるだけ早く実用化するために、企業導出並びに医師主導治験に持ち込んでいくというものでございます。
 AMEDの創薬事業部が中心になりまして、企業での創薬研究の経験者をベースにしながら伴走支援をしっかり行う事業です。
 さらに、これは3独法3研究所、それぞれの研究所が持っている先端的な技術、特に創薬研究を加速するために必要な技術で支援するもので、第3期は第2期からさらに技術支援強化を図りまして、こちらに挙げたもので進めてまいります。
 それでは、1つだけ医薬基盤・健康・栄養研究所の方で進めております、患者還元型リアルタイム情報プラットフォームについて、最後に御紹介します。
 次をご覧ください。
 これは、患者さんの臨床情報をリアルタイムに経時的に取りながら、その日のデータを翌日には全てクラウドデータベースに格納し、さらには、患者さんのそれぞれの、いろいろな臨床検体、これらの解析データもしっかり入れていく総合データベースです。
 このクラウドデータベースのデータをうまく利活用して、1つは、リアルタイムな診療有用情報を医師の皆さんに提供することで、患者さんの治療の参考にして頂きます。
 もう一つは、このリアルタイムな情報をベースにしながら、患者の層別化を行い、創薬標的の同定並びにその標的をベースにした治療薬の創成、さらには、臨床試験を層別化された患者さんで効率的に進めるという循環システムで創薬研究を加速するというプラットフォームになっています。現在、AMEDの中のネットワーク事業の中でも、これを用いて進めていくことを考えております。
 以下、これらについての詳細な資料を参考資料でつけさせていただきました。御参考にしていただければ幸いでございます。
 以上でございます。
○安中課長 ありがとうございました。
 次に、産業界より御提出いただいております資料につきまして、御説明をお願いしたいと思います。
 たびたびの御案内で恐縮ですけれども、事前にお知らせいただいておりますとおりのお時間の範囲内で御説明をいただければ幸いでございます。
 まず、日本製薬団体連合会を代表いたしまして、安川会長から、よろしくお願いいたします。
○安川会長 日本製薬団体連合会会長の安川でございます。
 本日は、意見交換の機会をいただきまして、ありがとうございます。
 資料の2ページ目を御覧ください。
 本年は、国内の創薬力強化の機運が高まる一方、米国の諸政策や物価上昇など外的要因が大きな脅威となりました。
 こうした情勢に迅速かつ適切に対応しなければ、日本の医薬品市場の魅力は低下し、ドラッグ・ラグ/ロスの拡大、医薬品の安定供給にも影響を及ぼしかねません。
 3ページ目を御覧ください。
 この環境下、製薬産業の発展のために、国家に考えていただきたい項目が3点ございます。
 1点目は、経済安全保障の観点から、有事を見据えた医薬品の安定供給の対策です。
 現在、原薬や原材料の調達は地政学的リスクの高い国に多くを依存しております。この状態では、有事の際には、医薬品供給体制が崩壊し、健康医療安全保障に関わる問題となり得るため、国内生産体制の再構築に向けた支援が必要です。
 2点目は、国際的な動向を見据えた日本の制度の在り方です。
 製薬産業は、売上高の20%を研究開発に投じる際立った研究開発型産業であり、外貨を獲得できる産業でもあります。この推進には、国際的に魅力のある薬価制度と研究開発への一層の税制優遇が必要です。
 3点目は、社会保障費の縮小均衡策からの脱却です。
 薬剤費が医療費全体の約2割にすぎず、薬価引下げによる社会保障費抑制効果は限定的です。外貨を稼ぐことのできるヘルスケア産業の未来のため、医療の効率化を進める抜本的な制度改革と持続可能な産業政策が必要です。
 4ページ目を御覧ください。
 その対策として、製薬業界の要望事項を記載しております。いずれも重要なものでございますけれども、今日は時間の関係で赤字に変えました2つのみ述べさせていただきます。
 5ページ目を御覧ください。
 1つ目は、近年の急激な物価、賃金高騰に対する薬価への対応です。
 経済はインフレへ転換しておりますけれども、公定価格である医薬品は、原薬、原材料、人件費などの増加分を企業判断で薬価に転嫁できません。右の表に、調達コストの増加を示しておりますが、ジェネリックメーカーでは製造原価、新薬メーカーでは研究開発コストが大きく、深刻な影響を受けております。
 このような中、薬価改定が8年連続で実施されました。左の表に物価指数との乖離を示しております。もはや企業努力だけで対処することは限界であり、安定供給体制、安全保障上の問題の原因となり得ます。
 このリスクの軽減及び新薬創出というチャンスを拡大するため、全ての医薬品の薬価を直近2年分の物価賃金上昇分として、5%一律に引き上げることを強く要望いたします。
 また、今後は、物価、賃金動向を自動的に反映する経済合理性のある薬価制度とすべきです。
 6ページ目を御覧ください。
 2つ目は、薬価制度改革における要望です。赤枠の革新的医薬品と基礎的医薬品のように、薬価を維持するカテゴリーと、緑枠のその他の新薬、長期収載品、後発品のように、市場実勢価に基づき改定を行うカテゴリーの2つに分け、国民にもシンプルで分かりやすい薬価改定の仕組みを提案します。
 現行制度では、加算対象であるにもかかわらず、薬価維持されないケースもあります。近年、平均乖離率は大幅に改善していることもあり、加算対象は原則全て薬価維持すべきと考えます。
 御紹介は以上でございます。
 今こそ、従来の枠組みにとらわれない大胆な発想で制度改革を進め、未来の医療と国の持続的な成長を支える体制を築くことが重要と考えます。
 ありがとうございました。
○安中課長 ありがとうございました。
 続きまして、日本製薬工業協会の宮柱会長から御説明お願いします。
○宮柱会長 日本製薬工業協会会長の宮柱明日香です。
 本日は、官民対話にて皆様と一堂に会し、議論をできることを大変光栄に思います。
 2枚目をお願いします。
 まずは、新政権が掲げられた方針にある新しい日本のスタートに向けた力強いメッセージと経済成長への明確な意思に、私たちも強く共感をしております。
 健康医療安全保障や危機管理投資を通じた力強い経済成長への期待はもちろん、医薬品産業に直結する創薬力の強化、国際競争力の強化、ドラッグ・ロスの解消の重要性を明言いただいたことを大変心強く感じております。
 国民の健康と安全を守り、医薬品産業を成長の原動力としてともに育てていく、その実現に向けて、私たちもともに全力で取り組んでまいります。
 3枚目をお願いします。
 新政府が掲げられた重点施策に対し、私たちが強い期待と共感を抱いているのは、今、まさにこのスライドにお示しした課題を肌で感じているからであります。
 医薬品のバリューチェーンには様々な課題が存在します。研究開発では日本の創薬力が後退、また、欧米で実施されるフェーズ3試験のうち、日本での実施割合は、わずか30%、製造においては、国内に流通する医薬品の海外輸入割合は76%であり、経済安全保障の観点から大きなリスクを抱えています。そして、何よりも予見性の低い日本の市場は、その魅力度が低下しています。
 これらは、全て極めて重要な課題であります。しかしながら、地政学的リスクが高まる中で、スピード感を持って対応していくためには、まず、特に研究と上市に焦点を当て、重点的に取り組むことが重要だと考えています。
 創薬エコシステムの構築、MFN政策、関税への対応、魅力的な医薬品市場の形成、そして、予見性のある薬価制度の確立については優先的に取り組み、確実に、そして、スピード感を持って、官民でともに解決していきたいと考えます。
 4枚目をお願いします。
 これは、5月の会長就任時に掲げた私たちのコミットメントです。創薬エコシステムの強化、生産機能の向上、制度の予見性改善、イノベーションと価値が正当に評価される仕組みづくり、そして、医療DXの推進に関するコミットメントをお伝えしました。
 現在、製薬産業が一丸となり、これらを実現するための具体的な取組を着実に進めています。
 そして、新政権が掲げる方向性と非常に親和性が高いと感じています。日本の国民の健康と安全を守り、経済成長に貢献する成長産業、基幹産業として、官民が力を合わせて、具体的な成果を生み出していきたいと考えております。
 既に産業として鋭意取り組んでいる分野もありますが、政府、そして、ステークホルダーの皆さんとともに課題を解決していかなければならない領域も多くございます。このような官民対話の場が極めて重要であり、互いの立場を超えて対話を重ねて前進していきたいと考えます。
 最後です。私たち製薬協は、日本の未来の医療のあるべき姿を実現するために、産業の枠を超えて、官民学、患者、国民が一体となって価値をCo-Creation(コ・クリエーション)、共創していくことをここに強く申し上げたいと思います。
 あわせて、日本の成長と安心を支える医薬品産業を国民の健康と経済の両面に資する重要な国家戦略として位置づけ、官民が一体となった取組の推進を強く期待しております。
 具体的には、医薬品産業の振興に向けた戦略の立案と実行という観点から、今年6月に開催された官民協議会を受けて、現在、そのもとで進められているワーキンググループでの議論が、国家戦略として実際の行動、そして、具体的な変化へと確実につながっていくことを望んでおります。
 また、次回テーマである「我が国の創薬力の強化」においては、その目的に合ったメンバー構成、議論の進め方、取りまとめの在り方など、実効性の観点から御検討いただければ幸いです。
 さらに、日本成長戦略会議等、新たな政府主導の議論の場が立ち上がっておりますが、私たち医薬品産業としても積極的に参画をし、ともに議論を進め、官と民の力で日本の未来の医療、そして、産業基盤を共創していきたいと考えております。
 以上です。ありがとうございました。
○安中課長 ありがとうございました。
 続きまして、米国研究製薬工業会のハンス代表から御説明をお願いいたします。
○ハンス日本代表 この場に置いて、発言の機会を与えていただき、ありがとうございます。
 2ページです。
 高齢化社会でイノベーションが最も必要とされる中、日本ではドラッグ・ロスの悪化が予想されます。欧米で第III相にあるものの70%は日本では開発未着手です。そのほとんどが、ニーズが満たされていない感染症領域、がん領域、中枢神経領域であります。
 3ページ、深刻な問題は世界のトレンドとは反対に、革新的医薬品産業の研究開発投資を日本は呼び込めていません。2015年から2023年、研究開発、研究投資は減少しており、世界では99%の伸びだったのに、日本では6%にすぎませんでした。そして、2023年には、世界の4.2%に日本はすぎなかったのです。
 4ページをお願いします。
 業界は、最恵国待遇、MFNの政策が日本に与える影響を懸念しています。現在、日本で上市される新薬の80%は外資によるものです。日本市場における上市戦略あるいは再検討などをMFNは余儀なくしています。
 そして、9月に調査をしたのですが、調査企業の半数以上がMFN政策の影響についてグローバル本社と議論を開始したと回答しております。
 そうしますと、企業はもう薬価収載交渉を迎える製品の再評価などをしていますし、また、薬価が予想に届かない場合の戦略や上市のタイミングなどを考えております。
 最後の5ページ、日本が将来のリーダーシップを確保するための3つの提言を申し上げます。
 1つは、特許期間中の医薬品を毎年の薬価引下げから除外すべき。
 2、費用対効果評価制度は拡大すべきではない。
 3、再算定の回数と引下げ幅に歯止めをかけるべき。
 そして、2つ目、新薬収載時の算定ルールの改善と、製品価値の適切な評価が必要です。
 そして、創薬イノベーションエコシステムを実現する上で、大胆な国家戦略を策定すべきであります。
 ありがとうございました。
○安中課長 ありがとうございました。
 ここで途中ではございますが、若山政務官は公務のため御退席をされます。
(若山内閣府大臣政務官 退室)
○安中課長 続きまして、欧州製薬団体連合会の岩屋会長から御説明をお願いいたします。
○岩屋会長 欧州製薬団体連合会会長の岩屋でございます。
 本日は、このような発言の機会をいただき、誠にありがとうございます。
 次のスライドをお願いします。
 まず、最初に申し上げたいのは、医薬品は人々のQOLを向上するとともに、経済の成長にも大いに寄与するものであるという点でございます。
 御覧のとおり、多くの患者が治療と就労の両立を求めていますし、人々の平均寿命が1年延長されることで、国内総生産が4%上がることや、健康度が高まることで労働生産性が上がることもデータで示されています。
 このように、社会保障の充実が経済活動を促し、その上で財政基盤も強固なものになると、そのように考えております。
 次のスライドをお願いいたします。
 業界といたしましては、現在、医薬品のアクセスについて大きな危機感を持っております。昨年の創薬エコシステムサミットを皮切りに、本年の6月には官民協議会が開催され、また、医薬品産業については、基幹産業として位置づけられると、業界にとっての期待感は高まっておりました。
 一方、従来、毎年薬価を引き下げてきたことにより、我が国の市場としての魅力は失われつつあったことに加えまして、現在、米国の最恵国待遇薬価政策によって、日本の患者に新薬が届けられなくなるリスクが生じております。
 次のスライドをお願いします。
 市場としての魅力が失われたことに伴いまして、左のグラフにあるように、我が国の医薬品研究開発費は、欧米、中国に比べて額が小さいだけではなく、2010年から23年の成長率も最も小さくなっております。
 また、右にありますように、世界の医薬品市場における日本のシェアも減少しており、2000年当初は世界第2の市場でしたが、直近では4位まで低下をしております。
 次のスライドをお願いします。
 左側のグラフは、新規革新的医薬品支出額を1人当たりGDPの割合で示したものです。米国は0.78%で、日本は約半分、0.4%となっております。他のヨーロッパの国も高いわけではなく、米国のみが突出して高い状況になっております。
 また、右のグラフは、米国ランド研究所が発表したデータです。革新的な医薬品と考えられます新規のバイオ医薬品のアメリカの薬価を100%したときの各国の薬価水準が示されていますが、日欧の価格は米国の4割程度、特に日本の価格が非常に低いと報告されています。
 次のスライドをお願いします。
 こうした状況のもと、米国最恵国待遇薬価政策が施行されようとしております。研究開発型製薬企業の大半は、米国以外の国で革新的医薬品を上市することについて、回避を選択肢として検討せざるを得ない状況に置かれております。
 次のスライドをお願いします。
 私どもEFPIAでは、先月、会員企業に対し、本件の影響についてアンケート調査を行いました。その結果、全ての該当企業が、本件がグローバル全体の価格戦略に影響を与えると考えており、既に4社は、日本においても製品戦略の影響が起きていると回答しました。
 ドラッグ・ラグ/ドラッグ・ロスを回避するために、早急な対策が必要であると考えます。
 次のスライドをお願いします。
 薬価政策の国際的変動が進む中で、日本には持続可能なアクセスを実現するための戦略的な政策転換が求められていると考えております。
 社会保障は、財政を圧迫するコストではなく、国民生活、経済成長を支える未来への投資です。米国政策のインパクトを考えれば、2026年度の薬価制度改革に向けて、革新的医薬品に対する価格は、米国を念頭に国際的に薬価水準を踏まえたものとする。再算定、費用対効果評価を含め、特許期間中の革新的な医薬品の薬価を維持することが必要です。数年後、現在を振り返ったときに後悔することがないよう、特段の御配慮をお願いいたします。
 御清聴ありがとうございました。
○安中課長 ありがとうございました。
 続きまして、再生医療イノベーションフォーラムの山口会長、御説明をお願いいたします。
○山口副会長 再生医療イノベーションフォーラム、副会長の山口でございます。本日は発表の時間をいただき、誠にありがとうございます。
 2ページを御覧ください。
 こちらでは、再生医療関連の環境分析を示しております。このスライドと次の2枚のスライドで強調しておきたいことは、今まさに再生医療のビッグウェーブが来ているということでございます。
 3ページ目を御覧ください。
 ここでは、我が国の再生医療等製品が、2020年代に入り着実に増えてきていることを示しております。
 次の4ページを御覧ください。
 ここでは、未来の医療と言われたiPS細胞製品の研究開発も進展していることを示しております。
 欧米でもこの数年で、数多くの細胞医療、遺伝子治療製品が承認され、台湾や韓国など、アジア地域でも再生医療を推進する動きが出てきております。この流れに乗り遅れることなく、日本の再生医療を推進していく必要があると考えております。
 5ページを御覧ください。
 皆さん御存じのように、再生医療は日本が強みを有するゲームチェンジングなモダリティーでございます。このイノベーションを推進するために、これまでもFIRMは大きく2つのお願いをしてまいりました。
 1つは産業化支援でございます。バイオのものづくりの谷を越えるために、令和6年度の補正予算では、再生医療の製造設備、投資支援事業への補助金を御準備いただきました。国内受託製造拠点の整備や製造人材の育成など、業界としても前に進むべく、コミットしてまいります。
 また、再生医療の多様性を踏まえたルールや評価方法の策定においては、毎月1回の再生医療等製品の諸課題に関する検討会議を開催いただき、厚生労働省やPMDAの皆様と、業界と官民が一体となって検討を進めております。これまでの御尽力に、この場を借りて御礼を申し上げる次第です。
 引き続き、産業化に向けた御支援をよろしくお願い申し上げます。
 もう一つは、医療保険制度改革でございます。
 現在も中医協において、令和8年度薬価制度改革や、条件及び期限付承認された再生医療等製品の価格制度について御議論をいただいており、御尽力に大変感謝申し上げます。
 持続可能な医療保険制度を整備しながらも、従前の治療概念を覆す再生医療等製品は、大きなリスクに備える互助システムである国民皆保険制度で担っていただけるよう、引き続きの御検討をお願い申し上げる次第でございます。
 最後、6ページを御覧ください。
 最後に、再生医療の普及、産業化には研究開発から新規治療法の提供、イノベーションの適切な評価による投資回収のサイクルを回していく必要がございます。今後、iPS細胞関連の製品が増えることが見込まれ、既存製品については、適切なイノベーション評価による投資回収も必要となってまいります。
 このサイクルを持続的に回すためにも、引き続きの御支援をよろしくお願い申し上げます。
 説明は以上でございます。御清聴ありがとうございました。
○安中課長 ありがとうございました。
 次に、医療機器業界から御説明いただきたいと思います。
 日本医療機器産業連合会の山本会長、よろしくお願いします。
○山本会長 日本医療機器産業連合会、医機連の山本でございます。本日は、このような機会をいただきまして、本当にありがとうございます。
 早速ですけれども、資料に従って説明いたします。
 1ページ目が今日の内容です。
 2ページ目を御覧ください。
 まず、医療機器を取り巻く現状ですけれども、少子高齢化、人口減少、技術革新の加速、グローバル競争の激化、デフレからインフレへの転換、これに医療機関の経営悪化という状況のもとで、私どもは、イノベーションによって世界の人々の医療と健康に貢献するという使命のみならず、医療機関の効率化や環境改善の一助となる技術開発も視野に入れて活動しております。
 3ページを御覧ください。
 環境変化として、米国の関税に関しまして、これまで政府、行政の方々の御尽力に対して敬意を表します。
 また、業界としてもパブコメを発出させていただきました。関税によって両国民が良質な医療サービスへのアクセスが阻害されることがないよう、政府、行政の方々と連携させていただきます。御指導をよろしくお願いしたいと思います。
 4ページを御覧ください。
 これは、昨年公表した医機連産業ビジョンです。その柱となるのが、イノベーション、安定供給、グローバル化、国民のヘルスリテラシー向上、地球環境と医療の質のバランシング、人材、信頼される産業の7つです。医機連は、委員会活動を通じまして、このビジョンの実現に向けて活動しております。
 5ページを御覧ください。
 本日の議題は、イノベーションの推進に関しということですので、私どもの考えを少し紹介させてください。
 イノベーションには、持続的イノベーションと破壊的イノベーションがありますけれども、これを医療機器業界にマッピングすると、既存事業をイノベーションで進化させていく持続的イノベーション、新規事業をイノベーションで創出する破壊的イノベーションに分類されます。前者は既存企業が得意でありまして、後者はスタートアップの革新技術、機動力が重要になる、このような分類ができると思っています。
 6ページを御覧ください。
 この図は、縦軸がシェア、横軸が市場規模、円の大きさが売上高、日系企業の事業をプロットしたものです。
 持続的イノベーションで円を上に押し上げて、破壊的イノベーションで新しい円をつくる、これがイノベーションの効果と認識しております。
 7ページを御覧ください。
 また、医療機器のイノベーションを考える上で重要なのが、その多様性です。診断か、治療か、技術料包括か、償還価格かで4象限に分けてみました。各象限ごとに非常に異なりますので、個別施策が発生します。
 8ページを御覧ください。
 5ページから7ページを念頭にイノベーション推進における共通課題の解決のために、今後の方向性に関して5項目に分けて説明します。
 9ページを御覧ください。
 まず1点目は、医療機器の研究開発実用化を推進するための環境整備です。医療をめぐる新技術は、加速的に進化しておりまして、医療の質向上、医療現場の環境改善に大いに寄与することが期待されています。新技術を一刻も早く医療現場に届けるためには、研究開発や実用化のプロセスが迅速かつ円滑に進むような制度設計が必要です。
 そのための具体的施策として、データ利活用の推進、診療報酬上の新技術の評価、臨床研究、臨床試験の活性化、サイバーセキュリティ対策、UDIの利活用促進と、医療機器DBの構築が重要と考えています。
 2点目は、医薬品とは異なる医療機器の特性を踏まえた制度・システム設計です。
 平成25年の改正により、旧薬事法が、いわゆる薬機法に改正され、医療機器について独立した章や条文が設けられ、より、医療機器の特性に対応した制度となりましたが、例えば、広告の規制やQMS制度には、医薬品の制度を前提とした規制体系が残っています。医療機器の品質確保や迅速な実用化を推進するためにも、医療機器の特性に応じた制度やシステム設計が必要と考えます。
 10ページを御覧ください。
 3点目は、国際標準と整合した規制・基準の設定です。
 医療機器のグローバル市場は、今後大きな発展が予想され、産業の成長には国際展開が必須です。
 日本の医療制度や文化を守るための、日本独自のルールは必要ですけれども、産業の観点からは国内外で事業が円滑に進むよう、国際標準と整合した規則、基準の見直しが重要です。
 4点目、医療技術に関わる国民の理解を深めるための啓蒙活動の推進です。医療のイノベーション推進のためには、新しい医療技術に関する国民の正しい理解が必要です。データ利活用のメリットの周知徹底と、過度な不安感の解消や、新しい医療技術についての正しい知識を得ていただくための教育や啓発活動が特に重要と考えており、官民共同で行っていくことが重要です。
 7ページを御覧ください。
 5点目は、医療機器の安定供給の確保です。イノベーション推進は、医療の提供を通じて、国民がその成果を享受することが重要ですけれども、医療の提供が継続的かつ安定的でなければ、イノベーションの成果を十分に享受することはできません。世界的なインフレの円安、日本もデフレからインフレへの基調、医療機器の生産に必要な原材料、部材料が高騰し、また、物流においては、納品回数の減少、物流リードタイムの長期化、物流コストの上昇が見込まれ、医療現場に安定して必要な医療機器をお届けする環境は悪化しています。
 こうした状況を踏まえ、社会経済情勢の影響を受けず、医療機器を安定的に供給できる環境づくりが必要です。
 このため、円滑な価格転嫁ができる環境づくりや、診療報酬を含めた価格面での対応、その他、支援策を具体的に検討する必要があります。
 以上、イノベーションの推進に向けた今後の施策の方向性について説明してまいりました。
 より具体的な提案については、12ページ以降に掲載しておりますので御参照ください。
 この官民対話を契機に、これらの施策を官民連携して具体的に行動に起こしていきたいと考えておりますので、御指導をどうぞよろしくお願いします。
 御清聴ありがとうございました。
○安中課長 ありがとうございました。
 ここで途中ではございますが、小林副大臣は公務のため、御退席されます。
(小林文部科学副大臣 退室)
○安中課長 続きまして、米国医療機器・IVD工業会の玉井会長から御説明をお願いいたします。
○玉井会長 AMDD会長の玉井でございます。
 本日は、このような機会をいただきまして、誠にありがとうございます。医療機器業界からの発言ですので、ポイントを絞って御説明申し上げます。
 まずは、資料の2枚目を御覧ください。
 AMDDは米国に本社がある、または米国でビジネスを行っている医療機器や体外診断用医薬品、MedTechを扱う企業の日本法人からなる団体です。先進的な医療技術MedTechを日本の患者さんに届け、医療、社会の持続的な発展に貢献をすべく、様々な活動を行っております。
 次のページを御覧ください。
 これからの日本の医療を支えるためには、バリュー、すなわち、価値に着目した仕組み、バリューベースヘルスケアの実現が不可欠と考えております。
 これは、国民皆保険を維持しつつ、よりよい医療を提供するため、患者さんにとって意義のある治療の効果の最大化と、医療エコシステムのトータルのコストの最適化、この両方を目指す考え方であり、AMDDはその実現に向け、様々な提言活動を行ってまいりました。
 特に、2024年より創設されました医療費適正化に資する医療技術に加算をつける経済性加算は、まさにこのような考え方を推進するすばらしい例でありまして、その導入にも賛同しております。
 価値あるイノベーションが日本の医療現場に届き、適切な医療の選択肢が患者さんに提供され、人々がより健康に生きがいを持って生きられる、日本が世界に誇る質の高い医療と社会保障体制の持続可能な両立を医療エコシステム全体で目指したいと考えております。
 次のページ御覧ください。
 MedTechは、小型器具から大型設備、また、AIを搭載しました医療機器まで予防、診断、治療に使用される医療機器や、体外診断用医薬品を指しております。MedTechは、人々の健康と人生を支え、医療現場に多様な機能を届け、それによって持続可能な医療システムや社会を支えております。
 特に人々の健康寿命の延伸にも貢献し、それによって働き手不足をはじめとする社会課題の解決をも支えるMedTechは、個人、医療現場、社会全体への貢献という幅広い観点で大きな役割を果たしております。
 特に健康寿命の延伸、人生100年時代への貢献をするMedTech、こちらは、コストとしての考え方より、むしろ、日本全体の投資として考えるべき分野でもあると考えております。
 次のページを御覧ください。
 昨今のインフレ、原材料価格、流通コストの高騰は、引き続き会員企業にも大きな影響を同様に与えております。そのコスト増を医療機関への販売価格等に転嫁せざるを得ない状況となっておりますが、左側のグラフが示すとおり、医療機関の購入価格と償還価格の乖離率は年々縮小しており、一部では、医療機関の購入価格が保険償還価格を超える、いわゆる逆ざやが生じております。さらに、この逆ざや製品が増えつつあることは、先日の中医協での御議論においても、厚生労働省からのデータでも実証されたところであります。
 また、右側のグラフが示すところは、海外ではインフレに呼応し、外国の平均価格はまさに上昇しておるのに対し、日本は同様、償還価格の引下げが続いております。
 こうした状況は、まさにワニの口を開けた形になっておりますが、この状況により、世界の中での日本の市場の魅力は落ちつつあり、大変危惧をしております。
 このような状況を踏まえ、実勢価格の上昇に応じた償還価格を引き上げるルールの導入が必要と考えております。
 同様に、世界から日本への投資を活性化し、革新的なMedTechが日本に安定的に導入され、そのためには、このような施策が不可欠と考えております。何とぞ御検討をよろしくお願いいたします。
 発表は以上になります。御清聴ありがとうございました。
○安中課長 ありがとうございました。
 続きまして、欧州ビジネス協会医療機器・IVD委員会の田中副委員長から、よろしくお願いいたします。
○田中副委員長 厚生労働大臣及び関係の皆様、本日は貴重な機会をいただきまして、ありがとうございます。
 欧州ビジネス協会(EBC)医療機器・IVD委員会を代表し、我が国の医療の質向上と持続可能性に資する提言を申し上げます。
 2ページを御覧ください。
 本日は、医療DXを中心として、4つの提言をお示しいたします。
 3ページを御覧ください。
 第1は、量から質への転換、リアルワールドエビデンスに基づく、効率的で質の高い医療の実現。
 高齢化により救急搬送される患者の多くが、複数の慢性疾患を抱えています。診断から予後まで、最適な診療ルートの判断は、ますます複雑になっています。
 欧州では、産官学が連携し、脳卒中など大規模レジストリーを構築し、患者ごとに最適な診療パスが導き出す取組が進められています。
 日本にもレセプトやDPCなど、詳細な診療データがたくさんあります。これらを活用し、ペイシェントジャーニー全体を分析することで、診断から予後まで最適な診療を明らかにすることができます。
 本邦でも産官学連携によるオープンイノベーションプラットフォームの構築を提案いたします。
 4ページを御覧ください。
 リアルワールドデータに基づき、ばらつきを可視化し、相対的に価値の低いケアを適正化することによって、創出される財源を原資とし、入院期間短縮、健康寿命延伸、人的代替効果など、医療機器の多様な価値を評価する仕組みの確立ができると思っています。
 5ページを御覧ください。
 第2は、攻めの予防医療です。海外で有効性が確立した低線量CT、肺がん検診、日本では、いまだ未導入あるいは限定的に納入されています。
 国際的エビデンスを踏まえ、速やかな導入により、早期発見、早期治療を進め、医療、介護負担を軽減すべきだと考えます。
 6ページを御覧ください。
 第3は、AI等の普及促進です。多くの医療機器が認可される一方で、診療報酬では評価は限定的です。患者が希望する場合、安全性と医師の責任体制を前提とし、AIの使用を選定療養で認める新たな制度の検討を提案します。
 また、海外で標準治療となっている国内未導入の医療について、選定療養で実施可能とする制度も併せて提案します。
 その際、保険外で使用される医療機器の識別子を付与し、費用と安全性を可視化する仕組みが重要だと考えます。
 7ページ、第4は、少子高齢化に対応した遠隔医療の推進です。医療資源の偏在が拡大する中、遠隔撮影あるいは遠隔ICUの活用が進みつつありますが、現行の施設基準や人員配置の要件が普及の妨げとなっています。患者の安全確保、制度の合理化、リアルワールドデータに基づく効果検証を行い、その結果を診療報酬に反映する仕組みが必要だと考えています。
 EBCは厚生労働省と共同を通じ、科学的根拠に基づく制度改革と、質の高い持続可能な医療実現に貢献してまいります。
 本日はありがとうございました。
○安中課長 ありがとうございました。
 続きまして、日本臨床検査薬協会より、松井副会長、御説明をお願いいたします。
○松井副会長 ありがとうございます。日本臨床検査薬協会の松井石根でございます。
 本日は、このような機会をいただき、誠にありがとうございます。臨薬協、AMDD、EBCを代表して、体外診断薬業界の意見、要望を説明させていただきます。
 まずは、資料の3ページ目を御覧ください。
 臨床検査のイノベーションを推進し、早期に臨床現場での使用を可能にするため、診療報酬における評価の仕組み導入に関する要望です。
 革新性の高い体外診断薬の開発促進及び医療現場への迅速な導入のために、臨床検査においてもイノベーションを評価し、診療報酬点数に反映する制度導入を要望いたします。
 現在、体外診断薬には、特材のような画期性加算のなどの制度がなく、新規体外診断薬の開発にはコストがかかりますが、そのコストの確保や、開発のインセンティブの予見性も担保されていないため、革新的な製品を医療現場にいち早く導入するモチベーションが維持できないという問題があります。
 革新的な製品を開発、製造、もしくはデバイス・ラグなく導入して、患者様に貢献するためにも、体外診断薬のイノベーションを評価し、診療報酬に反映する制度の導入をお願いいたします。
 次に、4ページ目をお願いいたします。
 薬機法における体外診断薬の分類の見直しと、国際整合に関する要望です。
 現在は、医薬品に分類されている体外診断薬を医薬品から独立させ、さらに、体外診断薬の特性と国際整合を踏まえた規制の実現を要望いたします。
 これらを実現することにより、製品開発の負担の軽減、効率化とスピードアップが図れれば、デバイス・ラグの解消や事業予見性の向上が見込まれ、体外診断薬の迅速な海外導出及び国内導入が可能となると考えております。
 国内外の患者様へ革新的な検査をより迅速に提供する観点から、ぜひ御検討いただきますようお願いいたします。
 最後に、5ページ目です。
 安定供給体制確保のための環境整備についての要望です。
 物価高騰、賃金上昇等の非常に厳しい事業環境の中、また、公的医療保険下での価格転嫁が困難なこともあり、企業は非常に切迫した状況です。企業がやむなく価格転嫁した場合、逆ざやが発生することもあり、医療機関の負担が増加します。
 このような状況が続けば、安定的な医療提供に支障を来す可能性もあるため、逆ざやを解消できるよう、診療報酬上の対応等の対策をお願いいたします。
 また、新興感染症等の公衆衛生上の必要な検査については、一層迅速な製品開発と、市場提供、安定供給が求められます。
 そのため、危機対応医薬品等、MCMのエコシステムの具現化等により、企業における予見性及び事業性を確保した上で、開発支援、買取保証等の診療報酬上の手当以外の対策も含め、当該検査を適切に国民に供給できるシステムを構築していただきますようお願いいたします。
 体外診断薬は、医療を支える検査に関わる製品として、非常に重要な役割を担っております。御検討のほど、よろしくお願いいたします。
 以上です。
○安中課長 ありがとうございました。
 限られた時間の中で簡潔に御説明いただき、議事進行に御協力、誠にありがとうございました。
 続きまして、ただいま御要望いただきました事項の幾つかにつきまして、行政担当者のほうから説明をさせていただきたいと思います。
 少々時間が押しておりますので、簡潔にお願いしたいと思います。
 まず、荒木課長からお願いします。
○荒木課長 厚生科学課の荒木でございます。
 我々は内閣府あるいは関係省庁とともに、各種戦略文書の取りまとめをさせていただいておりますので、その立場から御説明いたします。
 本当に本日は、貴重な御意見、御指導、御提案をいただき、ありがとうございます。
 我々は、研究開発(R&D)のプッシュ型支援の部分で貢献していきたいと思っております。その中で、最近の動きとして2点ほど御紹介いたします。
1点目は、先ほども中釜理事長から御指摘いただきました、第3期の健康・医療戦略でございます。その中で、まさにR&Dから生まれたシーズをいかに実用化に繋げていくかということで、一貫した支援体制を整え、調整費を適切に活用する方向で進めておりますので、我々厚生科学課としても適切にフォローアップしていきたいと思っております。
 2点目が、来年度より開始予定の第7期の科学技術・イノベーション基本計画でございます。こちらも内閣府あるいは文科省とともに策定しておりますが、健康医療の分野だけではなく広範な科学技術のイノベーションを推進するもので、例えば、AI駆動型の研究開発を進めるという方針も入っておりますので、こちらも適切な対応として進めたいと思っております。
 そして、直近の動きでございますけれども、先日閣議決定されました総合経済対策におきまして、健康医療安全保障の推進が打ち出されております。今回のように産業界、そして、アカデミアの皆様方とともにしっかりと取り組むことによって、日本の国力を上げていきたいと思っております。
 以上でございます。
○安中課長 次に、若林課長、お願いします。
○若林課長 健康・生活衛生局の若林でございます。
 当局からは、健康づくりに関する取組を2点御報告いたします。
 1つ目は、攻めの予防医療に関してです。これは、国民の皆様の命と健康を守り、健康寿命の延伸を図るためのものでして、まずは、疾病の予防あるいは早期発見につながるようながん検診の取組を充実させたいと考えております。
 がん検診につきましては、これまでも個別勧奨等を行ってまいりましたが、特に大腸がん、あるいは子宮頸がんにつきましては、精密検査の受診率が、ほかと比べて低いという状況がございます。今後、その精密検査の必要性を分かりやすく説明するような資材の開発導入、あるいは未受診者への個別受診勧奨などの徹底に力を入れて取り組みたいと考えてございます。
 2点目は、女性の健康に関する取組です。女性の健康につきましては、その心身の状態がライフステージごとに大きく変わっていくということでございます。これらに対応するために、昨年10月、女性の健康総合センターを設置しております。こちらを全国の司令塔としまして、研究あるいは情報発信の強化、健康相談の強化等々、女性の健康という政策課題に取り組んでまいりたいと考えてございます。
 以上です。
○安中課長 次に、鷲見部長、お願いいたします。
○鷲見部長 感染症対策部の鷲見でございます。
 平素より感染症対策への御支援、御協力を賜りまして感謝申し上げます。
 新型コロナウイルス感染症の経験を踏まえまして、昨年7月に新型インフルエンザ等対策政府行動計画を10年ぶりに改定され、ワクチン、診断薬、治療薬の研究開発支援が盛り込まれたところでございます。
 また、本年6月に閣議決定された骨太におきましても、ワクチン、診断薬、治療薬などの感染症危機対応医薬品(MCM)の戦略を策定し、研究開発を推進するとの記載がなされ、本年度中のMCM戦略の策定に向けて、感染症協議会において議論をしているところでございます。
 今後、MCMに関しましては、市場が働きづらいということを踏まえまして、研究開発のようなプッシュのインセンティブに加えて、備蓄等のプルのインセンティブにつきましても、国際的な動向も踏まえつつ検討を進めていく予定としております。
 厚生労働省としましては、次なる感染症に備えて、本年4月に設立されました国立健康危機管理研究機構(JIHS)とも連携しながら準備を万全に進めていきたいと考えております。
 企業の皆様におかれましても、感染症領域での継続的な医薬品の開発に向けて、投資をお願いしたいと思います。
 以上でございます。
○安中課長 次に、宮本局長、お願いします。
○宮本局長 医薬局長の宮本でございます。
 本日は、様々な御意見、御提案をいただき、ありがとうございます。私からは、薬事規制の観点の切り口で幾つかお話をさせていただきます。
 本年5月に改正薬機法が成立、公布いたしました。本改正では、医薬品等の品質及び安全性の確保の強化、医療用医薬品の安定供給の強化、より活発な創薬が行われる環境の整備等から必要な措置を講じるものでございます。引き続き、皆様方の御協力もいただきながら、改正法の施行を円滑に進められるよう努めてまいります。
 近年の日本の医薬品産業については、創薬における国際的な競争力の低下、後発品を中心とする安定供給への不安、ドラッグ・ラグ/ドラッグ・ロスへの懸念など、様々な課題が指摘されているところでございます。
 こうした状況を受け、今般の改正法では、条件付承認制度を適用する医薬品の拡大や、小児用医薬品の開発、計画、策定の努力義務化、インセンティブとして再審査期間の上限の2年延長等の改正を盛り込んでいるほか、試験を実施しやすい環境づくりのため、国際整合性も踏まえた、GCP省令の見直し等の検討も進めることとしております。
 医療機器につきましては、IT技術の進展に伴う課題であるAIを活用したプログラム医療機器の適切な規制、医療機器の特性を生かしたリアルワードデータの活用、また、特に喫緊の課題であるサイバーセキュリティについて、産業界や医療機関とも十分に意見交換しながら対応を進めてまいりたいと考えています。
 また、広告規制の見直し、国際整合を踏まえたQMS適合性調査などについても、様々御提案をいただきました。引き続き、皆様と御検討を進めてまいりたいと思います。
 再生医療等製品の規制に関しましては、その特性に基づく制度設計が必要であると考えております。
 今般の法改正では皆様方からの御提案を基に、疾病の治療に必要であるなどの所要の要件を満たした規格外の再生医療等製品の販売授与等の例外に関する規定を設けたところでございます。
 今後とも様々な機会を捉えまして皆様方のお声を聞かせていただき、よりよい制度の運用構築に努めてまいりたいと考えております。
 以上です。
○安中課長 最後に、江浪審議官、お願いします。
○江浪審議官 大臣官房審議官の江浪でございます。
 医療保険制度の関係について申し上げます。
 本日は、医薬品・医療機器及び再生医療等製品の評価の在り方などについて、貴重な御意見、御要望をお聞かせいただき、ありがとうございました。
 革新的な医薬品・医療機器及び再生医療等製品については、イノベーションの適切な評価が重要です。
 それと同時に、国民皆保険の持続性や、保険財源の重点的、効率的配分の観点も踏まえる必要があり、本年6月に閣議決定された骨太の方針2025において、国民負担の軽減と創薬イノベーションを両立する薬価上の適切な評価の実施とされたところです。
 こうした記載も踏まえ、これらのバランスを取りながら、引き続き、薬価制度改革及び材料制度改革に取り組んでまいりたいと考えております。
 また、医薬品・医療機器の安定供給を確保し、医療現場に必要なものをしっかりお届けすることも重要な課題であると認識しています。
 安定供給のための仕組みについても、次期薬価改定、材料価格改定に向けて議論を行ってまいります。
 本日、皆様からいただきました御要望や御提案については、いずれも、今後の医療保険行政を推進していく上で、非常に重要な論点であると認識しております。引き続き、関係団体の皆様から御意見をいただきながら検討してまいりたいと考えておりますので、今後とも御協力を賜りますよう、よろしくお願い申し上げます。
○安中課長 それでは、ここから意見交換の時間に移りたいと思います。
 医薬品・再生医療産業、それから医療機器産業の2つに分けて、それぞれ時間を取って御議論をいただければと思っております。
 まずは、医薬品・再生医療産業の観点につきまして、10分程度をめどに、意見交換をお願いできればと思います。
 それでは、御質問、御意見のある方は挙手にてお願いいたします。
 宮柱会長、お願いします。
○宮柱会長 改めまして、本日の官民対話のように、官と民が対話し、共創を深める場を設けていただいたことに、改めて感謝を申し上げます。
 本日のプレゼンテーションでも申し上げたとおり、新政権が掲げる方針に大きな期待を産業界としても寄せております。
 とりわけ、創薬、先端医療、そしてバイオを強い経済に向けた戦略分野として明確に位置づけていただいた点を、心強く受け止めております。
 そこで、お伺いをさせていただきます。先ほども触れましたが、製薬産業に関わるテーマについて、現在も議論が進む官民協議会と、新たに立ち上がった日本成長戦略会議の位置づけや役割を、現時点でどのようにお考えであるか、お聞かせいただければと思います。
 本年6月の官民協議会のもとに設置されたワーキンググループでは、9月から3回にわたる議論により、先日、薬価を中心に取りまとめが行われましたが、私どもとしては、こうした取りまとめの結果が、具体的に制度設計、そして政策へ確実に反映され、そして、実装されることが何より重要であると考えております。
 本日の官民対話を契機に、ぜひ、今後の方向性をお聞かせいただければと思います。
○安中課長 森審議官、お願いします。
○森審議官 私からお答えさせていただきます。医薬産業振興審議官の森でございます。
 ワーキングについては、今年の9月、10月と3回ほど集中的な議論をさせていただいて、非常に実のある議論だったと思っております。
 中医協の議論が深まる11月の手前で、インダストリーサイドも含めて、強くコミュニケーションをしておくということがいかに大切かというのが、今回非常によく分かったと私どもは考えております。
 新しい政権になりまして、その新しい成長分野について会議体を設けていくということでございますので、これの仕立てを、今、検討しているところでございます。それと併せて、官民協議会の位置づけをどうしていくかというのは、もう少し整理にお時間を頂戴できればと思っておりますが、いずれにしても、この創薬、それから安定供給を含めて、必要な医薬品を確保していくこと、それから医療機器の話も含めて、イノベーションを確実に進めていくことについては、政府を挙げてやっていく課題だと認識しておりますので、必ず必要な位置づけというのをさせていただきたいと思っております。
○安中課長 宮柱会長、いかがでしょうか。
○宮柱会長 ありがとうございます。
○安中課長 どうぞ。
○内山局長 補足をさせていただきますと、成長戦略分野、日本成長戦略の関係ですけれども、創薬・先端医療など17の分野が分野としては決まってございます。
 この17分野それぞれ担当大臣が決まってございまして、創薬・先端医療は、小野田大臣と松本デジタル大臣となってございます。
 全体の日本成長戦略会議のもとで、どのようにそれぞれの分野を議論していくかというのは、今、まさに政府内で検討しているところでございますので、追って業界の皆様とも御相談をしながら、こうした議論を進めていければと思ってございます。
○宮柱会長 ありがとうございます。
 ぜひ、産業界としても積極的に議論に参加させていただき、日本の医療に貢献すべく尽力してまいりたいと考えております。
○安中課長 そのほか、では、安川会長。
○安川会長 ありがとうございます。
 まだ、多少お時間があるということで、これは質問というよりは追加のコメントでございますけれども、私のスライドの4ページに業界の要望事項をまとめてありますけれども、費用対効果評価の拡大に反対という文言も書いてございます。
 これは、まだ、業界とお役所側で大分見解に相違があると思っていまして、我々は、実は短期的には拡大に反対と言っていますけれども、実際に言いたいのは、承認時、要するに治験のフェーズ3までのデータでは、費用対効果判定には不適切であると、ちゃんと3年から5年のデータを取ってリアルワールド解析などをして、そこで判定をしてくれと申し上げているので、この点だけは御理解をいただきたいと思っております。
 もう一つは、安全保障上の問題になりますよということも申し上げましたし、8年連続の薬価改定というのも申し上げました。
 特に物量の90%を占めているジェネリック製品、こちらは利益が薄いので、各社さんとも設備更新もなかなかできない状況になっています。ジェネリック薬の中でも量が出るものについては、多少薬価を勘案していただけると、設備の更新などもできると聞いておりますけれども、やはり適応症等の関係で量が出ないようなジェネリック製品については、薬価上の措置だけでは設備の更新もままならない。薬機法で、大臣の命令で増産をしろというのがありますけれども、とてもそんなものに耐えられる状況ではないというのが実情でございますので、薬価だけではなくて、そういうほかの面での支援もぜひともお考えいただきたいということを申し添えておきます。
○安中課長 ありがとうございます。
 それでは、岩屋会長、お願いします。
○岩屋会長 ありがとうございます。
 プレゼンの中でも申し上げたのですけれども、こういう機会ですので、もう一度念のためというか、念押しで申し上げたいのは、現在の米国の政権の行おうとしておりますMFN、最恵国待遇薬価政策については、今までのいろいろな薬価政策の比ではないインパクトであると認識しています。
 企業の国籍を問わず、日本で研究開発型の企業として薬を出してきた企業は、共通してこの政策の影響で、このままでは日本で新しい薬が出せない可能性が高いという状況で現状、我々は判断を求められているということかなと思います。
 もちろん、個別の企業につきまして、我々は詳細を知り得ませんので、個別の企業の状況について、私からコメントはできませんが、先ほど申し上げましたように、PhRMAの調査でもEFPIAの調査でも、既に日本で影響が出ているという回答が多くなっておりますし、これは、本当にビジネスインパクトを考えたときに、無視できないものであると思っておりますので、今までの創薬への努力というのが無駄にならないように、この非常時に対して、特段の御配慮をいただければと、重ねて申し上げたいと思います。
○安中課長 ありがとうございます。
 ここまでのところで、何か行政側からございますか、どうぞ。
○森審議官 1つ、今のMFNの件ですけれども、当然、私どももインパクトを分析したいと考えております。マクロで分析するだけではなくて、少し個社からお話を聞きながら、本当にどういうインパクトがあるのかというのを精査した上で、その対応というのは考えていきたいと考えております。その際には、ぜひ、個社からある程度情報を出していただかないと、私どもも精査する、その必要なものもないようなケースもあったりするわけですので、そこについては、業界団体側からも個社により積極的な情報提供をしていただけるように、お声がけしていただければと思っているところでございます。
 それから、安川会長からお話がいろいろありましたが、1つ必要な医薬品の安定供給の確保というか、生産していくラインを確保した後に、実際に薬価でやるのか、本当に設備投資でやっていくのかというのは、なかなか厳しいところに来ているというのは、私どもも認識しております。
 まず、最初に本当に必要な医薬品というのはどういうものかというのをより精査した上で、設備投資でやってかなくてはいけないもの、それからプル型でやっていかなくてはいけないものを含めて整理した上で、必要な対応というのをもう少し精査させていただければと考えております。
○安中課長 あと、お一方ぐらい時間がございますが、いかがでございましょうか。
 それでは、山口副会長、お願いします。
○山口副会長 これは、質問ではなくてコメントになるわけですけれども、御報告の中にありましたとおり、世界の中での日本の創薬の部分のプレゼンスが下がるという御指摘がある中で、再生医療は日本の強みを有しておりまして、関連産業も非常に裾野が広い産業であると考えております。
 その中で、これまでも国の強い支援がございまして、再生医療は育ってまいりましたけれども、説明の中で申し上げましたとおり、iPS細胞等の製品の実用化もここまで来て、まさに、もうすぐ実用化という段階に来ている状況でございます。
 これに対しまして、これまでの官公庁の皆様の御尽力に大変感謝申し上げるとともに、まさに今からが本当に本番というところですので、引き続きの御支援をよろしくお願いしたいというところで、コメントとさせていただければと思います。よろしくお願いします。
○安中課長 ありがとうございます。
 それでは、よろしいでしょうか。
 では、続きまして、医療機器業界の関係の意見交換に移りたいと思います。10分程度をめどにさせていただければと思いますので、宮田副会長、よろしくお願いします。
○宮田副会長 医機連副会長並びにMTJAPAN会長の宮田でございます。せっかくの機会ですので、2つ意見を述べさせていただければと思います。
 我が国の医療機器の安定供給を守るための医療保険制度における償還価格の在り方と、日本発の医療機器イノベーションに対する価格評価の在り方について御意見をさせていただきます。
 現在、原材料、人件費、物流費等が上昇する中、医療機器についても同様に物価高騰の影響は深刻な状況にあり、採算性の取れないことで、安定供給に懸念が生じる製品や、医療機関が償還価格以上で購入いただかざるを得ない、いわゆる逆ざやの状況になっております。
 これは、公定価格となる日本の保険償還価格が実勢コストの変動を十分に価格に反映できていないことを起因するものであります。医療機器の安定供給のためにも、保険償還価格への対応を何とぞよろしくお願いいたします。
 2つ目は、イノベーションです。
 次に、日本の医療機器産業が世界をリードするためには、革新的医療機器の創出に加えて、国内外の現場ニーズに基づく改良改善型の医療機器を日本発で世界へ発信していくことが不可欠であると考えております。
 改良改善型医療機器は、日本が最も得意とするものづくり技術に適しておりますが、患者利益や業務効率に寄与したとしても、同一償還機能区分の中で十分に価格評価されにくいという課題がございます。優れた医療機器は、正しく評価されるという大原則のもとに、同一償還価格機能区分内でも、機能、価値に応じためり張りのある価格評価を可能にすることが必要であると考えております。
 産官学で連携して、医療機器の持続可能な安定供給を維持するため、保険償還価格評価の再設計を御検討いただければと思います。何とぞよろしくお願いいたします。
 以上です。
○安中課長 ありがとうございます。
 ほかに、では、玉井会長。
○玉井会長 改めまして、ありがとうございます。
 ただいまの宮田副会長の御発言にも関連するところなのですけれども、もう少し具体的にお聞きしたいと思います。
 質問として、先ほどの説明でも製薬のほうも医療機器のほうも診断薬のほうも、ずっとデフレが続きまして、医療機器においては償還価格というのは、この二十数年、基本的に引き下げられる一方でした。それがインフレに変わりまして、ヘルスケアを経済成長のドライバーとして、例えば2%インフレの目標を達成するためにも、革新的な医療機器が引き続き日本に導入されるよう医療機器に係る財源、すなわち、保険の償還であったり、流通に係る補助金などがあると想定しておりますが、それを増やすことで、日本の市場の魅力を高めることも必要かと。
 これは、先ほど申し上げた医療機器というのは、本当に予防から診断から治療から予後まで全部関わっていて、それの適切なエコシステムを回すことが、まさに日本のGDPとか経済成長にも資するものという投資という考え方から、そういう魅力を高めていくことも必要ではないかと思うのですけれども、そこに対して、大臣または関係各位からのお考えをお聞かせいただければと思います。よろしくお願いします。
○安中課長 それでは、ここで行政側から御回答をお願いしたいと思います。
○江浪審議官 医療保険制度の関係でございますので、私のほうからお話を申し上げたいと思います。
 いわゆる不採算、逆ざやの関係に関しましては、まさに中央社会保険医療協議会におきましても直接御意見をおっしゃっていただきまして、そういった御意見を踏まえながら、令和8年度の改定に向けまして中医協において議論を進めているということでございます。
 特に近年の物価上昇への対応としまして、一定の要件を満たす医療機器などにつきまして、原価計算方式によって償還価格を引き上げる不採算品再算定の拡充などにつきまして、どのように対応できるかという観点で考えておるということでございます。
 また、改良改善型の医療機器の関係に関しましては、その特定保険医療材料の保険償還価格算定の基準におきまして、改良加算による評価が行われる場合がありまして、そういった改良加算による評価が認められた場合には、新規の機能区分として評価が行われるということもございます。
 今の御提案は、もっときめ細やかな評価できないかという御提案かと思いますけれども、中央社会保険医療協議会の中で、今回の医療材料の制度改定について議論する中で、どういう対応ができるかということにつきまして、検討をさせていただいているところでございます。
 以上でございます。
○安中課長 それでは、松井副会長、お願いします。
○松井副会長 薬事関連の話を少しお伺いしたいと思います。
 日本の場合、PMDAがおられますけれども、PMDAの条件と、例えばアメリカのFDA、欧州のIVDR、用意するものが全然違うのですね。ここがある程度整ってくれば、日本の検査薬業界の人たちも海外に出ていこうかと。
 一方で、PMDAの条件が割とやわらかい、やさしいので、日本にいればいいというのもあるかも分かりませんけれども、さらに我々日本企業が外に出ていくためには、その辺りの条件合わせをやっていくということが、国際整合という言い方ですかね、これは必要かと思うのですけれども、この辺りどのようにお考えですかね。
○安中課長 では、御回答をお願いします。
○宮本局長 体外診断薬の医薬品の国際整合の課題につきましては、薬機法の分類を医薬品から独立させるとともに、本邦と海外とで承認事項や審査要件を整合させるべきとの御要望と理解しております。
 体外診断薬の承認事項や審査事項に関しましては、現行の薬機法で既に医薬品から独立しており、欧米と同様に医療機器に準じて取り扱われているところでございます。 そして、さらに国際整合を図るべきところがあれば、今後、具体的に御指摘をいただければ、検討させていただきたいと思います。
 他方で、仮に薬機法全体として体外診断薬の分類を医薬品から独立させた場合には、体外診断用医薬品の販売業については、現在、医薬品として課されている一般使用者への販売規制に関する法規制が存在しないということが課題であると考えています。
 体外診断用医薬品については、医療機関における診療行為の一環として使用されるものが大部分であることから、適切な販売規制を講じる必要があると考えております。
 業界としてどのような販売規制の在り方が適切だと考えているのか、これまで具体的に御提案いただいていなかったので、引き続き、検討いただければ幸いでございます。
 この点について、業界の皆様で検討されたお考えをお聞かせいただいた上で、次の法改正に向けて業界の皆様と協議をしていきたいと考えております。
 以上です。
○安中課長 松井副会長、よろしいですか。
○松井副会長 我々のほうからも御提案を、ぜひしたいと思います。
○安中課長 それでは、田中副委員長、お願いします。
○田中副委員長 EBCの田中です。
 本日、4つの医療DXについて提案をさせていただきました。
 来月からは、魔法のカードが、いわゆる厚生労働省の健康保険手帳がなくなって、マイナンバーカードで統一されていく。私の記憶が間違ってなければ、数年前からこの医療DXに関して、特にプラットフォームをつくっていくという話はずっと進んでいたと記憶しています。
 ヨーロッパでは、あるいは台湾も含めて、非常に先駆的な動きをした中にあって、なかなか私たちのイノベーションが評価されない土壌も、こういったデータの利活用が進んでいないところにあるのではないかという思いがありまして、今日御提案をさせていただいているところがあります。
 それ以外にも、このAIの部分もそうです。国内でいろいろなものを導入しようといったときに、ある程度のインセンティブあるいはシステムがないと、海外から持ってくるということもできないですし、そういった意味で、今回私たちは4つの医療DXに絞って提案をさせていただきましたけれども、厚生労働省としては、何に一番関心があって、今どれぐらいの進め方なのか教えていただければと思っております。
○安中課長 それでは、まず、森審議官、お願いします。
○森審議官 私から、1つは電子カルテ等のDXの進捗についてでございますが、今、医療法の改正が、ちょうど本日も衆議院で審議しておりまして、これを法律が通りますと、電子カルテの情報共有を各病院で、基本的な情報を共有できるだけでなく、例えば電子処方箋とつなげることによって、禁忌情報とか、そういったものも含めて見られるようになります。
 さらには、電子カルテのデータベース、難病のデータベース、介護のデータベース、NDB等、いろいろなデータベースがございます。これを全部串刺しにして、仮名化情報で解析できるようにしていこうという取組を、今、進めているところでございまして、そういう形で、より大きなデータをしっかり創薬等に、イノベーションにつなげられるようにしていければと考えているところでございます。
○安中課長 今、田中副委員長のほうから、AIの活用ということで、保険外併用療養費のところの御指摘もございましたけれども、江浪審議官のほうで、何かございましたらお願いします。
○江浪審議官 ありがとうございます。
 まず、12月の1日に健康保険に関します保険証の期限が到来するということによりまして、御指摘のように、マイナンバーカードの利用が一層向上するという時代が来ると考えてございます。
 12月1日に有効期限が来て、2日からそういった形になってくるということですが、まずは、そういった対応を円滑に進めて、マイナンバーカードを利用するということ、それのいい経験を積んでいただいて、制度に対する信頼を得ていけば、マイナンバーカードを基本とする医療情報の連携というものもスムーズに進んでいくという非常に大事なタイミングだと考えておりますので、しっかり取り組んでいこうと思っております。
 本日、リアルワードデータの方法に基づく提案を複数いただきまして、非常に興味深く見させていただきました。
 データは、もともと医療保険の関係で、NDBということで大きなデータがございますけれども、今後さらに電子カルテ等の情報がひもづいてくれば、様々な分析が可能になってくるだろうと考えております。
 そうした際に、何より大事なのは、分析の視点だと考えておりまして、データがそこにあっても、どのように分析して、何の結果を得たいのかということがなければ、データがあるだけということになりますので、今回いただいたような提案をしっかり我々のほうも勉強しながら、どういったことができるのかということについて考えていきたいと考えてございます。
○安中課長 田中副委員長、よろしいでしょうか。
○田中副委員長 ありがとうございます。
○安中課長 皆様、ありがとうございました。
 まだ、議論は尽きないところだと思いますけれども、そろそろお時間がまいりましたので、この辺りで意見交換のほうを終わらせていただきたいと思います。
 それでは、最後に、上野厚生労働大臣より一言御挨拶をいただきたいと思います。
 今からプレスが入りますので、少しお待ちください。
(報道関係者 入室)
○安中課長 それでは、上野大臣、よろしくお願いいたします。
○上野厚生労働大臣 本日は、大変お忙しい中、御出席をいただきまして、どうもありがとうございます。公務が入りまして遅れてまいりまして、失礼をいたしました。
 医薬品・医療機器産業は、もちろん日本経済を牽引する基幹産業だと認識をしています。様々な技術革新を基盤とした製品開発によりまして、国民の皆さんの保健医療水準の維持・向上に大きく寄与する存在として、高市内閣でも重視をしております成長投資あるいは危機管理投資の両面からも大変重要な産業だと認識をしているところであります。
 これからの年末に向けまして、予算編成の議論が本格化してまいります。官民連携のもとで、企業、アカデミアといった主体が、創薬や革新的医療機器の創出に取り組んで、実用化につなげることができるよう必要な予算上の対応、あるいは医療情報の利活用推進に向けた体制整備といった、イノベーションの推進に向けた環境整備に取り組んでいきたいと考えております。
 今日は、皆さんから現下の様々な課題に的確に対応した御提案をいただいたと承知をしております。これまで以上に、我々も関係省庁と連携をしながら、皆様からの御提案、御意見等もしっかり受け止めて、革新的な医薬品・医療機器等の実用化を促進するための取組を、政府一体として進めさせていただきたいと考えているところであります。
 今後とも様々な形で産業界、アカデミアの皆様との対話の機会を設けていきたいと思いますので、引き続き皆様からは御忌憚のない御意見を頂戴したいと思っております。
 今日は、お忙しい中、本当にありがとうございました。
○安中課長 ありがとうございました。
 ここでプレスの皆様は、御退場いただければと思います。
(報道関係者 退室)
○安中課長 皆様、長時間にわたり、ありがとうございました。引き続き、産業界そしてアカデミアの皆様方と連携しながら取組を進めてまいりたいと考えております。
 それでは、これをもちまして、本日の会議を終わらせていただきたいと思います。皆様、お忙しい中お集まりいただきまして、誠にありがとうございました。