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2023年2月24日 中央社会保険医療協議会費用対効果評価専門組織 第11回議事録
日時
令和5年2月24日13:00~
場所
オンライン開催
出席者
田倉 智之委員長、齋藤 信也委員長代理、池田 俊也委員、木﨑 孝委員、新谷 歩委員、新保 卓郎委員、中山 健夫委員、野口 晴子委員、花井 十伍委員、飛田 英祐委員、米盛 勧委員、大久保 ゆかり専門委員、髙橋 健造専門委員、福田 敬専門委員
国立保健医療科学院 保健医療経済評価研究センター 白岩上席主任研究官
<事務局>
中田医療技術評価推進室長 他
国立保健医療科学院 保健医療経済評価研究センター 白岩上席主任研究官
<事務局>
中田医療技術評価推進室長 他
議題
○ ソーティクツ錠に係る分析枠組みについて
議事
○費用対効果評価専門組織委員長
続きまして、ソーティクツ錠に係る分析枠組みについて御議論いただきたいと思います。
まずは事務局及び公的分析から説明をお願いいたします。
(事務局より説明)
○費用対効果評価専門組織委員長
ありがとうございました。
それでは、議論に先立ちまして、まず本製品の検証作業に係る分析枠組みに対する企業意見の聴取を行いますので、事務局は企業を入室させてください。
(意見陳述者入室)
○事務局
事務局でございます。
委員長、準備が整いましたので、どうぞよろしくお願いいたします。
○費用対効果評価専門組織委員長
私は費用対効果評価専門組織委員長です。
早速ですが、10分以内でソーティクツ錠に係る分析枠組み案についての企業意見の御説明をお願いいたします。続いて質疑応答をさせていただきます。
では、お願いいたします。
○意見陳述者
承知いたしました。
今日はお時間をいただきましてありがとうございます。
本日は、2ページ目に書かれております順番でお話しさせていただきます。
まずは対象疾患、ソーティクツの概要と主な臨床試験の概要のサマリーについて、○○より紹介させていただきます。
では、よろしくお願いいたします。
○意見陳述者
それでは、ブリストル・マイヤーズ スクイブ、メディカル部門の○○より、ソーティクツ、一般名デュークラバシチニブについて簡単に御紹介させていただきたいと思います。
まず、アジェンダの次の次のページですが、乾癬という疾患について簡単に御紹介させていただきます。
乾癬というのは、このスライドで言うところの左下の尋常性乾癬というところにあるような皮膚症状、赤みを伴い、皮膚が肥厚する皮疹が特徴の疾患でございます。炎症性の皮膚疾患です。
乾癬には幾つかのサブタイプがあり、今回、デュークラバシチニブ(ソーティクツ)が適応を取得したのは、尋常性乾癬に加えて、嚢胞性乾癬、乾癬性紅皮症といった重症例などが含まれますが、ほとんどの患者様は尋常性乾癬にカテゴライズされることから、実際にデュークラバシチニブを使われる患者さんの多くは尋常性乾癬の患者さんであると想定しております。
この疾患は直接命に関わるようなものではないのかもしれませんが、好発年齢が40代から50代といったところがあり、ライフイベントですとか就労への影響もある皮膚疾患となっております。
次のスライドをお願いいたします。
現在の乾癬治療ですが、まずステロイドなどの外用剤から入るのが一般的です。外用剤でコントロールができない中等度以上の患者さんにつきましては全身療法の考慮がされることとなり、光線療法などもありますが、薬剤としては、まずは経口剤、特に現在アプレミラストというPDE4阻害剤が最も第1剤目の全身療法の薬剤として使われております。
このような経口剤で不応になった患者さん、あるいは経口剤を使わなくても、もともと重症の20%程度の患者さんといった患者さんが初めから生物学的製剤を使うというような状況が存在しております。
次のスライドに参りまして、ここからはデュークラバシチニブの概要について簡単に御紹介させていただきます。
デュークラバシチニブというのは経口のTYK2阻害剤という薬剤で、TYK2阻害剤としては世界初の薬剤ということになります。
このTYK2というのは、いわゆるJAKファミリー分子の1つなのですが、サイトカインのシグナル伝達に関わる中でこのTYK2というのはIL-23、12、Type1インターフェロンといった乾癬の病態に非常に密接に関わるサイトカインのシグナルを特異的に押さえるものであるということを現在我々は確認しております。
旧来まで存在しておりました一般的なJAK阻害剤は、どうしても選択性がこのTYK2に比べると低いことから、JAK1、JAK2だけを抑えるということが難しかったため、血球障害やヘルペスの感染率の増加といった有害事象が見られましたが、このデュークラバシチニブに関してはそのようなことは見られておりません。
次のスライドをお願いいたします。
ここから臨床試験の概要について簡単に御報告させていただきます。
主な臨床試験といたしましては、国際共同の二重盲検の第Ⅲ相試験が2つと日本人を対象としたオープンラベルの試験が1つございました。
その中から、次のスライド、その次まで行っていただけたらと思うのですが、PSO-1という日本人患者が含まれた試験、こちらでは全体患者の有効性をお示しさせていただいております。PASI 75というのは、PASIというのは皮疹のスコアリングをしたものなのですが、この領域で一般的に使われるPASI 75というのは、治療前に比べて皮疹が75%改善した状態を示します。このPASI 75の達成率がデュークラバシチニブでは16週目でおよそ60%、24週目でおよそ70%であり、先ほども申し上げました、現在標準的な治療薬となっているアプレミラストに比べて有意差を示しているという形になっております。
sPGAは医師評価ですが、大体同様の傾向を示しております。
このような有効性は、次のスライドでお示しさせていただいておりますように、52週まで長期継続いたします。
また、このスライドでお示ししておりますのは、PSO-1の中でも日本人患者のみを抜き出したものなので、先ほどの全体よりも有効性がやや高い、PASI 75も78%となっておりますが、この値が52週まで維持される。また、より高い治療目標である90%の皮疹改善、100%の皮疹改善、これらにつきましても56%、25%という値を達成しております。
次で、安全性を簡単にサマライズさせていただきたいのですが、一言で申し上げると、TYK2、JAK阻害剤の一種であると考えられるときに、想定されておりましたような血球減少やヘルペスゾスターなどの感染症の増加といったことが見られず、非常にアベイラビリティーの高い薬剤であったということが報告されております。
私の発表は以上となります。
○意見陳述者
ありがとうございます。
では、こちらからは、私のほうから最終的に合意した分析枠組みに関するサマリーを紹介させていただきます。
それでは、15ページ目を御覧ください。
分析対象手段と比較対照技術につきましては、御覧のように双方が合意をしました。
まず、既存治療で効果不十分な尋常性乾癬の集団の中でも、患者の診療パターンが異なることを想定したため、グループaの全身治療後に既存の生物学的製剤を使用していない患者群、グループbの全身治療歴のない患者さんと2つのグループに分けることになりました。
グループaは、添付文書の効能または効果に関する注意に書かれております、光線療法を含む、既存の全身療法などで十分な効果が得られず、皮疹が体表面積の10%以上に及ぶ患者という記載に該当いたします。
そして、グループbは添付文書の効能または効果に関する注意に書かれております、難治性の皮疹または膿疱を有する患者という記載に該当いたします。
そして、尋常性乾癬以外の適応症の膿疱性乾癬と乾癬性紅皮症につきましては、乾癬全体に占める割合が2%程度と小さく、エビデンスも限られているため、今回の分析対象集団から除外することになりました。
次に、比較対照技術でございます。
グループaの比較対照技術は、生物学的製剤の中で効果が一番高いと報告されているイキセキズマブ、ビメキズマブ、リサンキズマブのうち最も安価なもの。グループbの比較対照技術はアプレミラストとなりました。
具体的な設定理由につきましては、16ページ目を御覧ください。
グループaの場合は、生物学的製剤の中でイキセキズマブ、ビメキズマブ、リサンキズマブの中で最も効果が高いことが主な理由として選定されておりますけれども、実際に比較対照技術の選定基準の一つである代替性を踏まえた際には、本剤が上記の3剤を置き換えていく可能性については十分検討がなされておらず、ガイドラインの選定基準の中でも代替性の解釈に相違があることを感じております。
比較対照技術の選定基準につきましては、今後ガイドラインの中でより明確にしていくべきだと考えております。一方で、本剤は上市から間もないため、臨床的な位置づけや代替性について専門家間で必ずしも十分な合意が形成されておらず、科学院の提案も完全に否定しづらいことで、今回は3剤のうち最も安価なものを比較対照技術として選定することを合意いたしました。
そして、グループbにつきましては、既存の全身療法のうち、アプレミラストが安全性・有効性の観点から最も優れていることを考えて選定されております。
弊社からは以上となります。御清聴ありがとうございます。
○費用対効果評価専門組織委員長
それでは、委員の方及び企業から御質問はございますでしょうか。
○○先生、どうぞ。
○○○委員
bの集団が、聞き漏らしたかと思うのですけれども、どんな患者さんなのか。添付文書に記載があるとお話しいただいたようなのですけれども、どんな患者さんをグループbとして想定されているのか教えていただけますでしょうか。
○意見陳述者
御質問ありがとうございます。
グループbは全身治療歴のない患者さんと定義されておりますけれども、こちらは添付文書の効能または効果に関する注意事項に書かれております難治性の皮疹または膿疱を有する患者さんという記載に基づいて、今回グループbとして定義いたしました。
○○○委員
それはグループaとは異なる集団ということでいいのでしょうか。
○意見陳述者
おっしゃるとおりです。グループaの場合は、何かしらの既存治療を受ける前提がございますので、グループaの場合は例えばアプレミラスト等を使った後に本剤を使うグループとして定義しております。
○○○委員
もう一点ですが、参考資料の中で、aとbの患者割合でaが10%でbが90%と記載いただいていた参考資料があったと思うのですけれども、これはそういうことでよろしいでしょうか。
○意見陳述者
そのとおりです。
○○○委員
承知しました。
○費用対効果評価専門組織委員長
その他の先生方、いかがでしょうか。よろしいでしょうか。
それでは、これで質疑応答を終了いたします。企業の方は御退室ください。どうもお疲れさまでした。
(意見陳述者退室)
○事務局
事務局でございます。
企業の方が退室されましたので、引き続き議論をお願いいたします。
○費用対効果評価専門組織委員長
ありがとうございました。
それでは、ソーティクツ錠に係る分析枠組みについて御議論をお願いしたいと思います。
○○○委員
○○です。よろしくお願いします。
枠組み自体は特に問題はないと思いますけれども、先ほど企業の方がaが10%でbが90%ということで、その辺の数字自体は、きれいなデータは今のところ出ていないので不明ですけれども、もしかしたらもう少しaの患者割合は実際には多くなるのではないかなと。実質は20%、80%ぐらいと考えたほうがいいのではないかなという印象を持ちました。
それから、bの方の全身療法のない患者さんの中で、これまで内服治療をやったことがない方等ですけれども、難治の方のプラス膿疱を伴うとおっしゃった気がするのですけれども、それがどこから出たのかが分からなかったのです。膿疱を伴うというのは、一時的に重症化して膿疱を伴うことはもちろん尋常性乾癬ではあるのですけれども、わざわざそこで膿疱を伴う患者さんということを言う必要はないのかなと感じました。
あともう一点、安全性については、もちろんこれまでJAK阻害薬よりはかなり安全性が高いということは承知しておりますけれども、ただ、それでも、単純ヘルペスはなかったかもしれませんが、帯状疱疹はゼロではなかったと思います。それから、たしか好中球減少はなかったかもしれませんけれども、因果関係はないと言われていますけれども、リンフォーマとか、そういったものの報告はあったと承知しています。
以上です。
○費用対効果評価専門組織委員長
ありがとうございます。
○○先生、いかがでしょうか。
○○○委員
○○です。
今、○○先生がおっしゃってくれたようなものですけれども、ソーティクツは使いやすいので、どんどん処方が増えているので、bの患者群がどんどん増えてくるのではないかなという気はします。
aとbで、aの比較が抗体製剤で一番効くものは、最新の抗体製剤で金額も大分高いと思うのですけれども、bのほうがアプレミラストで、内服で安全で使いやすいですけれども、効果はそこまですごく強いわけでもないし、処方するほうもそこまで期待しているわけではない薬ということになるので、a群とb群で相手方が違うものだなと感じたところです。
以上です。
○費用対効果評価専門組織委員長
ありがとうございます。
では、その他の委員の先生方、御意見、御質問はございますか。
○○委員、お願いします。
○○○委員
臨床の御専門の先生にお伺いしたいのですが、aとbという集団に分けて分析ということですが、いわゆる既存の生物学的製剤を使用していない患者というのがaなのですが、これは既存の生物学的製剤での治療歴がないと読むのですかね。それとも、今使っていないということになるのでしょうか。つまり、質問は、既存の生物学的製剤が使用された方にはこの薬というのは使えないのか、あるいは既存の生物学製剤を使っている方が例えば経口剤を好まれて、生物学的製剤をやめてこの薬を使うということもあり得るのか、この薬を使う対象患者について教えていただきたいです。
○費用対効果評価専門組織委員長
○○先生、いかがでしょうか。
○○○委員
ありがとうございます。
やはり内服薬ということで、全身療法終了後でも、今までの既存の全身療法が効かなかった患者さんで、次はどうしようかなと。生物製剤を使用する前にこのソーティクツを使用するということはかなりあると思います。それが多分一番大きい集団ではあると思いますが、この読み方としては既存の生物製剤を全く使用していない患者という意味だと思います。いわゆる生物製剤ナイーブの患者さん、経験がない患者さんという意味でのa群だと思います。
ただし、実際のところでは、既に生物製剤はこれまで11種類出ていますけれども、それを使った患者さんで、なかなか生物製剤が思うように効かない、あるいは効果、経済的な問題とか、あるいは注射剤を好まないといった患者さんで、内服薬に変更したいという方は確かにいらっしゃいますので、そういう方も実際には使っていけば対象になることはあります。
○○○委員
ありがとうございます。
そうすると、a、bで定義されている患者さん以外にも使われる患者さんは、恐らくこの薬が発売されてしばらくの間はあり得るということですか。
○○○委員
そうです。
○○○委員
その集団を分析対象と加えないというか、そういう患者さんはこの薬剤を投与する集団からいくと極めて少数だから無視していいのか、それとも、そういう方も何%かいらっしゃって、それも分析対象としたほうがいいのか、それはいかがでございましょうか。
○○○委員
ありがとうございます。
そういう患者さんは少数というか、今後増えていく可能性はあると思いますけれども、最初は少数だと思います。ただ、例えば既存の生物製剤であまり効果が得られなかった患者さんの集団というのは、やや特殊な集団の可能性がありますので、分析対象集団としては向かないのではないかなと現時点では思います。
以上です。
○○○委員
分かりました。ありがとうございます。
○費用対効果評価専門組織委員長
○○先生、今の点に何か補足はございますでしょうか。
○○○委員
僕自身は、aは抗体制剤を使ったことがあるけれども、今は使っていないというか、抗体製剤からスイッチしたい患者さんを含む意味と取っていました。実際に注射は嫌だというので、お金が高いのとお金のフレキシビリティーが少ないので内服のほうに移行したい患者さんは、いるように感じます。
○費用対効果評価専門組織委員長
ありがとうございます。
今の件に関して、科学院さんのほうは何かコメントはございますか。分類の表記の方法等、今までの議論で何か追加のコメントがあればいただければと思います。
○国立保健医療科学院
ありがとうございます。
企業側から、この生物学的製剤の位置づけについて、全身療法と生物学的製剤の間に入る位置づけだと聞いておりまして、生物学的製剤使用以降に使うというのはあまり想定していないと聞いたところからこのような提案をさせていただいたところなのですが、○○先生などにも御相談した際に、確かに既存の生物学的製剤を使った後に切り替えてこちらを使う患者さんもいらっしゃるのではないかと伺ったのですけれども、ボリュームとしてそんなに多くないのではないかという点と、非常に特殊な事情というか、注射が嫌だとか、それから、経済的な問題があるとか、どちらかというと臨床的な問題というよりもその患者さんのプリファレンスに基づいた集団の設定というか分析というのが技術的になかなか難しいなというところもありまして、このような分析の枠組みにさせていただいたというところになります。
○費用対効果評価専門組織委員長
ありがとうございます。
今の論点というかお話に関して、委員の先生方、何かコメントとかはございますか。よろしいでしょうか。
○○先生、お願いします。
○○○委員
分析枠組み案のところで、やはり集団bの定義があまり書かれてなくて、これは確認ですけれども、先ほど企業さんがおっしゃったbの集団と公的分析が考えているbの集団というのは一致しているのかどうか。そこを教えていただければと思ったのですけれども。
○費用対効果評価専門組織委員長
科学院さん、いかがでしょうか。
○国立保健医療科学院
ありがとうございます。
企業側の御説明と一致しているものと認識しています。
○○○委員
ありがとうございます。
○費用対効果評価専門組織委員長
その他、いかがでしょうか。
○○委員、お願いします。
○○○委員
あまり本質的なことではないかもしれませんけれども、せっかく専門家がいらっしゃるのでお伺いしたいのですが、さっきJAKに比べてTYKというのは選択性が強くて副作用が少なくて、とてもいいと言われたのですけれども、JAKのほうのリンヴォックというのですか。それは乾癬性関節炎に適応と書いてあるのですけれども、さっきの分類で言うと尋常性乾癬と紅皮症と嚢胞性と3つ挙げられたのですが、乾癬性関節炎というのは尋常性乾癬の中で関節症状があるような人なのでしょうか。どれぐらいのパーセントがいらっしゃるのでしょうか。
○費用対効果評価専門組織委員長
○○先生、お願いします。
○○○委員
ありがとうございます。
乾癬性関節炎は、尋常性乾癬にも合併しますし、嚢胞性乾癬や乾癬性紅皮症にも合併するというような病態です。そして、疫学調査によってもばらばらなのですけれども、恐らく全体としては10~20%ぐらいが関節炎を合併しているのではないかと言われています。
今回、デュークラバシチニブは乾癬性関節炎に対しての臨床治験の対象にまだなっていません。ただ、実際には臨床試験の中で嚢胞性乾癬や尋常性乾癬の患者さんの中で関節症状を伴った患者さんも含まれていましたけれども、関節症状については評価対象にはなっておりませんでしたので、それについてのデータは示されていないということだと思います。
○○○委員
まずはこれを使うという位置づけ、生物学的製剤と全身療法の中間みたいな位置づけと伺ったのですけれども、関節症状があればリンヴォックというほうに行く可能性もあるということですか。
○○○委員
ありがとうございます。
ただ、乾癬性関節炎の場合、関節症状があった場合、もちろん注射が嫌いな方はリンヴォックを使う方もいらっしゃると思いますけれども、安全性の観点からやはりかなりいろいろ懸念される材料がありますので、最初からリンヴォックを使う患者さんは実際の臨床の場では少ないです。まずは安全性の高い、例えばIL-17阻害薬といったものから入ることのほうが多いです。あるいはTNFα阻害薬ですね。その2つが関節症状には有効性が高いので、そこから入り、そこから、それが効かなかった例、あるいは患者さんのプリファレンスの問題もあってJAK阻害薬を使うということになりますけれども、あとは、やはり安全性がかなり懸念されますので、対象患者さんの高齢の患者さんであったり、基礎疾患がある方などには向かないかなと考えています。
ただ、それに比べると、現時点での安全性のプロファイルを見ると、TYK2阻害薬はジャックは抑えないからだと予想されていますけれども、非常に感染症そのほかの合併は少ないということは明らかであります。
以上です。
○○○委員
ありがとうございます。
○費用対効果評価専門組織委員長
ありがとうございました。
○○先生、何か追加のコメントはございますでしょうか。
○○○委員
どうもありがとうございます。
特に追加はないのですけれども、確かにリンヴォックよりは使いやすいし、だんだん数は増えてきているとは思います。
○費用対効果評価専門組織委員長
ありがとうございます。
その他の委員の先生方、いかがでしょうか。よろしいでしょうか。
先生方の事前の意見及び今の御議論を伺いますと、基本的には今回の枠組みは了承というような形なのかなと思っておりますが、それでは、議決に入らせていただきますので、議決に入る前に○○委員、○○委員、○○委員におかれましては、議決の間、一時御退席をお願いいたします。
○費用対効果評価専門組織委員長
ありがとうございました。
(○○委員、○○委員、○○委員退室)
○事務局
事務局でございます。
委員の先生方の退室が確認できましたので、よろしくお願いいたします。
○費用対効果評価専門組織委員長
それでは、先生方の御意見をまとめますと、ソーティクツ錠に係る費用対効果評価に係る分析枠組み案を了承するということでよろしいでしょうか。
(首肯する委員あり)
○費用対効果評価専門組織委員長
ありがとうございます。
それでは、事務局は一時退室された委員に入室をしていただいてください。
続きまして、ソーティクツ錠に係る分析枠組みについて御議論いただきたいと思います。
まずは事務局及び公的分析から説明をお願いいたします。
(事務局より説明)
○費用対効果評価専門組織委員長
ありがとうございました。
それでは、議論に先立ちまして、まず本製品の検証作業に係る分析枠組みに対する企業意見の聴取を行いますので、事務局は企業を入室させてください。
(意見陳述者入室)
○事務局
事務局でございます。
委員長、準備が整いましたので、どうぞよろしくお願いいたします。
○費用対効果評価専門組織委員長
私は費用対効果評価専門組織委員長です。
早速ですが、10分以内でソーティクツ錠に係る分析枠組み案についての企業意見の御説明をお願いいたします。続いて質疑応答をさせていただきます。
では、お願いいたします。
○意見陳述者
承知いたしました。
今日はお時間をいただきましてありがとうございます。
本日は、2ページ目に書かれております順番でお話しさせていただきます。
まずは対象疾患、ソーティクツの概要と主な臨床試験の概要のサマリーについて、○○より紹介させていただきます。
では、よろしくお願いいたします。
○意見陳述者
それでは、ブリストル・マイヤーズ スクイブ、メディカル部門の○○より、ソーティクツ、一般名デュークラバシチニブについて簡単に御紹介させていただきたいと思います。
まず、アジェンダの次の次のページですが、乾癬という疾患について簡単に御紹介させていただきます。
乾癬というのは、このスライドで言うところの左下の尋常性乾癬というところにあるような皮膚症状、赤みを伴い、皮膚が肥厚する皮疹が特徴の疾患でございます。炎症性の皮膚疾患です。
乾癬には幾つかのサブタイプがあり、今回、デュークラバシチニブ(ソーティクツ)が適応を取得したのは、尋常性乾癬に加えて、嚢胞性乾癬、乾癬性紅皮症といった重症例などが含まれますが、ほとんどの患者様は尋常性乾癬にカテゴライズされることから、実際にデュークラバシチニブを使われる患者さんの多くは尋常性乾癬の患者さんであると想定しております。
この疾患は直接命に関わるようなものではないのかもしれませんが、好発年齢が40代から50代といったところがあり、ライフイベントですとか就労への影響もある皮膚疾患となっております。
次のスライドをお願いいたします。
現在の乾癬治療ですが、まずステロイドなどの外用剤から入るのが一般的です。外用剤でコントロールができない中等度以上の患者さんにつきましては全身療法の考慮がされることとなり、光線療法などもありますが、薬剤としては、まずは経口剤、特に現在アプレミラストというPDE4阻害剤が最も第1剤目の全身療法の薬剤として使われております。
このような経口剤で不応になった患者さん、あるいは経口剤を使わなくても、もともと重症の20%程度の患者さんといった患者さんが初めから生物学的製剤を使うというような状況が存在しております。
次のスライドに参りまして、ここからはデュークラバシチニブの概要について簡単に御紹介させていただきます。
デュークラバシチニブというのは経口のTYK2阻害剤という薬剤で、TYK2阻害剤としては世界初の薬剤ということになります。
このTYK2というのは、いわゆるJAKファミリー分子の1つなのですが、サイトカインのシグナル伝達に関わる中でこのTYK2というのはIL-23、12、Type1インターフェロンといった乾癬の病態に非常に密接に関わるサイトカインのシグナルを特異的に押さえるものであるということを現在我々は確認しております。
旧来まで存在しておりました一般的なJAK阻害剤は、どうしても選択性がこのTYK2に比べると低いことから、JAK1、JAK2だけを抑えるということが難しかったため、血球障害やヘルペスの感染率の増加といった有害事象が見られましたが、このデュークラバシチニブに関してはそのようなことは見られておりません。
次のスライドをお願いいたします。
ここから臨床試験の概要について簡単に御報告させていただきます。
主な臨床試験といたしましては、国際共同の二重盲検の第Ⅲ相試験が2つと日本人を対象としたオープンラベルの試験が1つございました。
その中から、次のスライド、その次まで行っていただけたらと思うのですが、PSO-1という日本人患者が含まれた試験、こちらでは全体患者の有効性をお示しさせていただいております。PASI 75というのは、PASIというのは皮疹のスコアリングをしたものなのですが、この領域で一般的に使われるPASI 75というのは、治療前に比べて皮疹が75%改善した状態を示します。このPASI 75の達成率がデュークラバシチニブでは16週目でおよそ60%、24週目でおよそ70%であり、先ほども申し上げました、現在標準的な治療薬となっているアプレミラストに比べて有意差を示しているという形になっております。
sPGAは医師評価ですが、大体同様の傾向を示しております。
このような有効性は、次のスライドでお示しさせていただいておりますように、52週まで長期継続いたします。
また、このスライドでお示ししておりますのは、PSO-1の中でも日本人患者のみを抜き出したものなので、先ほどの全体よりも有効性がやや高い、PASI 75も78%となっておりますが、この値が52週まで維持される。また、より高い治療目標である90%の皮疹改善、100%の皮疹改善、これらにつきましても56%、25%という値を達成しております。
次で、安全性を簡単にサマライズさせていただきたいのですが、一言で申し上げると、TYK2、JAK阻害剤の一種であると考えられるときに、想定されておりましたような血球減少やヘルペスゾスターなどの感染症の増加といったことが見られず、非常にアベイラビリティーの高い薬剤であったということが報告されております。
私の発表は以上となります。
○意見陳述者
ありがとうございます。
では、こちらからは、私のほうから最終的に合意した分析枠組みに関するサマリーを紹介させていただきます。
それでは、15ページ目を御覧ください。
分析対象手段と比較対照技術につきましては、御覧のように双方が合意をしました。
まず、既存治療で効果不十分な尋常性乾癬の集団の中でも、患者の診療パターンが異なることを想定したため、グループaの全身治療後に既存の生物学的製剤を使用していない患者群、グループbの全身治療歴のない患者さんと2つのグループに分けることになりました。
グループaは、添付文書の効能または効果に関する注意に書かれております、光線療法を含む、既存の全身療法などで十分な効果が得られず、皮疹が体表面積の10%以上に及ぶ患者という記載に該当いたします。
そして、グループbは添付文書の効能または効果に関する注意に書かれております、難治性の皮疹または膿疱を有する患者という記載に該当いたします。
そして、尋常性乾癬以外の適応症の膿疱性乾癬と乾癬性紅皮症につきましては、乾癬全体に占める割合が2%程度と小さく、エビデンスも限られているため、今回の分析対象集団から除外することになりました。
次に、比較対照技術でございます。
グループaの比較対照技術は、生物学的製剤の中で効果が一番高いと報告されているイキセキズマブ、ビメキズマブ、リサンキズマブのうち最も安価なもの。グループbの比較対照技術はアプレミラストとなりました。
具体的な設定理由につきましては、16ページ目を御覧ください。
グループaの場合は、生物学的製剤の中でイキセキズマブ、ビメキズマブ、リサンキズマブの中で最も効果が高いことが主な理由として選定されておりますけれども、実際に比較対照技術の選定基準の一つである代替性を踏まえた際には、本剤が上記の3剤を置き換えていく可能性については十分検討がなされておらず、ガイドラインの選定基準の中でも代替性の解釈に相違があることを感じております。
比較対照技術の選定基準につきましては、今後ガイドラインの中でより明確にしていくべきだと考えております。一方で、本剤は上市から間もないため、臨床的な位置づけや代替性について専門家間で必ずしも十分な合意が形成されておらず、科学院の提案も完全に否定しづらいことで、今回は3剤のうち最も安価なものを比較対照技術として選定することを合意いたしました。
そして、グループbにつきましては、既存の全身療法のうち、アプレミラストが安全性・有効性の観点から最も優れていることを考えて選定されております。
弊社からは以上となります。御清聴ありがとうございます。
○費用対効果評価専門組織委員長
それでは、委員の方及び企業から御質問はございますでしょうか。
○○先生、どうぞ。
○○○委員
bの集団が、聞き漏らしたかと思うのですけれども、どんな患者さんなのか。添付文書に記載があるとお話しいただいたようなのですけれども、どんな患者さんをグループbとして想定されているのか教えていただけますでしょうか。
○意見陳述者
御質問ありがとうございます。
グループbは全身治療歴のない患者さんと定義されておりますけれども、こちらは添付文書の効能または効果に関する注意事項に書かれております難治性の皮疹または膿疱を有する患者さんという記載に基づいて、今回グループbとして定義いたしました。
○○○委員
それはグループaとは異なる集団ということでいいのでしょうか。
○意見陳述者
おっしゃるとおりです。グループaの場合は、何かしらの既存治療を受ける前提がございますので、グループaの場合は例えばアプレミラスト等を使った後に本剤を使うグループとして定義しております。
○○○委員
もう一点ですが、参考資料の中で、aとbの患者割合でaが10%でbが90%と記載いただいていた参考資料があったと思うのですけれども、これはそういうことでよろしいでしょうか。
○意見陳述者
そのとおりです。
○○○委員
承知しました。
○費用対効果評価専門組織委員長
その他の先生方、いかがでしょうか。よろしいでしょうか。
それでは、これで質疑応答を終了いたします。企業の方は御退室ください。どうもお疲れさまでした。
(意見陳述者退室)
○事務局
事務局でございます。
企業の方が退室されましたので、引き続き議論をお願いいたします。
○費用対効果評価専門組織委員長
ありがとうございました。
それでは、ソーティクツ錠に係る分析枠組みについて御議論をお願いしたいと思います。
○○○委員
○○です。よろしくお願いします。
枠組み自体は特に問題はないと思いますけれども、先ほど企業の方がaが10%でbが90%ということで、その辺の数字自体は、きれいなデータは今のところ出ていないので不明ですけれども、もしかしたらもう少しaの患者割合は実際には多くなるのではないかなと。実質は20%、80%ぐらいと考えたほうがいいのではないかなという印象を持ちました。
それから、bの方の全身療法のない患者さんの中で、これまで内服治療をやったことがない方等ですけれども、難治の方のプラス膿疱を伴うとおっしゃった気がするのですけれども、それがどこから出たのかが分からなかったのです。膿疱を伴うというのは、一時的に重症化して膿疱を伴うことはもちろん尋常性乾癬ではあるのですけれども、わざわざそこで膿疱を伴う患者さんということを言う必要はないのかなと感じました。
あともう一点、安全性については、もちろんこれまでJAK阻害薬よりはかなり安全性が高いということは承知しておりますけれども、ただ、それでも、単純ヘルペスはなかったかもしれませんが、帯状疱疹はゼロではなかったと思います。それから、たしか好中球減少はなかったかもしれませんけれども、因果関係はないと言われていますけれども、リンフォーマとか、そういったものの報告はあったと承知しています。
以上です。
○費用対効果評価専門組織委員長
ありがとうございます。
○○先生、いかがでしょうか。
○○○委員
○○です。
今、○○先生がおっしゃってくれたようなものですけれども、ソーティクツは使いやすいので、どんどん処方が増えているので、bの患者群がどんどん増えてくるのではないかなという気はします。
aとbで、aの比較が抗体製剤で一番効くものは、最新の抗体製剤で金額も大分高いと思うのですけれども、bのほうがアプレミラストで、内服で安全で使いやすいですけれども、効果はそこまですごく強いわけでもないし、処方するほうもそこまで期待しているわけではない薬ということになるので、a群とb群で相手方が違うものだなと感じたところです。
以上です。
○費用対効果評価専門組織委員長
ありがとうございます。
では、その他の委員の先生方、御意見、御質問はございますか。
○○委員、お願いします。
○○○委員
臨床の御専門の先生にお伺いしたいのですが、aとbという集団に分けて分析ということですが、いわゆる既存の生物学的製剤を使用していない患者というのがaなのですが、これは既存の生物学的製剤での治療歴がないと読むのですかね。それとも、今使っていないということになるのでしょうか。つまり、質問は、既存の生物学的製剤が使用された方にはこの薬というのは使えないのか、あるいは既存の生物学製剤を使っている方が例えば経口剤を好まれて、生物学的製剤をやめてこの薬を使うということもあり得るのか、この薬を使う対象患者について教えていただきたいです。
○費用対効果評価専門組織委員長
○○先生、いかがでしょうか。
○○○委員
ありがとうございます。
やはり内服薬ということで、全身療法終了後でも、今までの既存の全身療法が効かなかった患者さんで、次はどうしようかなと。生物製剤を使用する前にこのソーティクツを使用するということはかなりあると思います。それが多分一番大きい集団ではあると思いますが、この読み方としては既存の生物製剤を全く使用していない患者という意味だと思います。いわゆる生物製剤ナイーブの患者さん、経験がない患者さんという意味でのa群だと思います。
ただし、実際のところでは、既に生物製剤はこれまで11種類出ていますけれども、それを使った患者さんで、なかなか生物製剤が思うように効かない、あるいは効果、経済的な問題とか、あるいは注射剤を好まないといった患者さんで、内服薬に変更したいという方は確かにいらっしゃいますので、そういう方も実際には使っていけば対象になることはあります。
○○○委員
ありがとうございます。
そうすると、a、bで定義されている患者さん以外にも使われる患者さんは、恐らくこの薬が発売されてしばらくの間はあり得るということですか。
○○○委員
そうです。
○○○委員
その集団を分析対象と加えないというか、そういう患者さんはこの薬剤を投与する集団からいくと極めて少数だから無視していいのか、それとも、そういう方も何%かいらっしゃって、それも分析対象としたほうがいいのか、それはいかがでございましょうか。
○○○委員
ありがとうございます。
そういう患者さんは少数というか、今後増えていく可能性はあると思いますけれども、最初は少数だと思います。ただ、例えば既存の生物製剤であまり効果が得られなかった患者さんの集団というのは、やや特殊な集団の可能性がありますので、分析対象集団としては向かないのではないかなと現時点では思います。
以上です。
○○○委員
分かりました。ありがとうございます。
○費用対効果評価専門組織委員長
○○先生、今の点に何か補足はございますでしょうか。
○○○委員
僕自身は、aは抗体制剤を使ったことがあるけれども、今は使っていないというか、抗体製剤からスイッチしたい患者さんを含む意味と取っていました。実際に注射は嫌だというので、お金が高いのとお金のフレキシビリティーが少ないので内服のほうに移行したい患者さんは、いるように感じます。
○費用対効果評価専門組織委員長
ありがとうございます。
今の件に関して、科学院さんのほうは何かコメントはございますか。分類の表記の方法等、今までの議論で何か追加のコメントがあればいただければと思います。
○国立保健医療科学院
ありがとうございます。
企業側から、この生物学的製剤の位置づけについて、全身療法と生物学的製剤の間に入る位置づけだと聞いておりまして、生物学的製剤使用以降に使うというのはあまり想定していないと聞いたところからこのような提案をさせていただいたところなのですが、○○先生などにも御相談した際に、確かに既存の生物学的製剤を使った後に切り替えてこちらを使う患者さんもいらっしゃるのではないかと伺ったのですけれども、ボリュームとしてそんなに多くないのではないかという点と、非常に特殊な事情というか、注射が嫌だとか、それから、経済的な問題があるとか、どちらかというと臨床的な問題というよりもその患者さんのプリファレンスに基づいた集団の設定というか分析というのが技術的になかなか難しいなというところもありまして、このような分析の枠組みにさせていただいたというところになります。
○費用対効果評価専門組織委員長
ありがとうございます。
今の論点というかお話に関して、委員の先生方、何かコメントとかはございますか。よろしいでしょうか。
○○先生、お願いします。
○○○委員
分析枠組み案のところで、やはり集団bの定義があまり書かれてなくて、これは確認ですけれども、先ほど企業さんがおっしゃったbの集団と公的分析が考えているbの集団というのは一致しているのかどうか。そこを教えていただければと思ったのですけれども。
○費用対効果評価専門組織委員長
科学院さん、いかがでしょうか。
○国立保健医療科学院
ありがとうございます。
企業側の御説明と一致しているものと認識しています。
○○○委員
ありがとうございます。
○費用対効果評価専門組織委員長
その他、いかがでしょうか。
○○委員、お願いします。
○○○委員
あまり本質的なことではないかもしれませんけれども、せっかく専門家がいらっしゃるのでお伺いしたいのですが、さっきJAKに比べてTYKというのは選択性が強くて副作用が少なくて、とてもいいと言われたのですけれども、JAKのほうのリンヴォックというのですか。それは乾癬性関節炎に適応と書いてあるのですけれども、さっきの分類で言うと尋常性乾癬と紅皮症と嚢胞性と3つ挙げられたのですが、乾癬性関節炎というのは尋常性乾癬の中で関節症状があるような人なのでしょうか。どれぐらいのパーセントがいらっしゃるのでしょうか。
○費用対効果評価専門組織委員長
○○先生、お願いします。
○○○委員
ありがとうございます。
乾癬性関節炎は、尋常性乾癬にも合併しますし、嚢胞性乾癬や乾癬性紅皮症にも合併するというような病態です。そして、疫学調査によってもばらばらなのですけれども、恐らく全体としては10~20%ぐらいが関節炎を合併しているのではないかと言われています。
今回、デュークラバシチニブは乾癬性関節炎に対しての臨床治験の対象にまだなっていません。ただ、実際には臨床試験の中で嚢胞性乾癬や尋常性乾癬の患者さんの中で関節症状を伴った患者さんも含まれていましたけれども、関節症状については評価対象にはなっておりませんでしたので、それについてのデータは示されていないということだと思います。
○○○委員
まずはこれを使うという位置づけ、生物学的製剤と全身療法の中間みたいな位置づけと伺ったのですけれども、関節症状があればリンヴォックというほうに行く可能性もあるということですか。
○○○委員
ありがとうございます。
ただ、乾癬性関節炎の場合、関節症状があった場合、もちろん注射が嫌いな方はリンヴォックを使う方もいらっしゃると思いますけれども、安全性の観点からやはりかなりいろいろ懸念される材料がありますので、最初からリンヴォックを使う患者さんは実際の臨床の場では少ないです。まずは安全性の高い、例えばIL-17阻害薬といったものから入ることのほうが多いです。あるいはTNFα阻害薬ですね。その2つが関節症状には有効性が高いので、そこから入り、そこから、それが効かなかった例、あるいは患者さんのプリファレンスの問題もあってJAK阻害薬を使うということになりますけれども、あとは、やはり安全性がかなり懸念されますので、対象患者さんの高齢の患者さんであったり、基礎疾患がある方などには向かないかなと考えています。
ただ、それに比べると、現時点での安全性のプロファイルを見ると、TYK2阻害薬はジャックは抑えないからだと予想されていますけれども、非常に感染症そのほかの合併は少ないということは明らかであります。
以上です。
○○○委員
ありがとうございます。
○費用対効果評価専門組織委員長
ありがとうございました。
○○先生、何か追加のコメントはございますでしょうか。
○○○委員
どうもありがとうございます。
特に追加はないのですけれども、確かにリンヴォックよりは使いやすいし、だんだん数は増えてきているとは思います。
○費用対効果評価専門組織委員長
ありがとうございます。
その他の委員の先生方、いかがでしょうか。よろしいでしょうか。
先生方の事前の意見及び今の御議論を伺いますと、基本的には今回の枠組みは了承というような形なのかなと思っておりますが、それでは、議決に入らせていただきますので、議決に入る前に○○委員、○○委員、○○委員におかれましては、議決の間、一時御退席をお願いいたします。
○費用対効果評価専門組織委員長
ありがとうございました。
(○○委員、○○委員、○○委員退室)
○事務局
事務局でございます。
委員の先生方の退室が確認できましたので、よろしくお願いいたします。
○費用対効果評価専門組織委員長
それでは、先生方の御意見をまとめますと、ソーティクツ錠に係る費用対効果評価に係る分析枠組み案を了承するということでよろしいでしょうか。
(首肯する委員あり)
○費用対効果評価専門組織委員長
ありがとうございます。
それでは、事務局は一時退室された委員に入室をしていただいてください。

