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- 2025年10月22日 第1回人口動態統計のICD-11準拠の統計分類適用に係るワーキンググループ 議事録
2025年10月22日 第1回人口動態統計のICD-11準拠の統計分類適用に係るワーキンググループ 議事録
政策統括官付参事官付統計企画調整室
日時
令和7年10月22日(水) 16:00~17:00
場所
厚生労働省政策統括官(統計・情報システム管理、労使関係担当)内会議室
出席者
- 構成員(五十音順、敬称略、◎:主査)
-
- 石井 太
- ◎大久保 一郎
- 田宮 菜奈子
- 樋田 勉
- 別府 志海
- 事務局
-
- 原口政策統括官
- 河野政策立案総括審議官
- 髙橋参事官(企画調整担当)
- 飯島統計企画調整室長
- 篠山審査解析室長
- 村田統計管理官(人口動態・保健社会統計室長)
- 成井人口動態・保健社会統計室室長補佐
- 中山人口動態・保健社会統計室死因分類基準指導官
議題
- 1.人口動態統計のICD-11準拠の統計分類適用に係るワーキンググループの検討内容及び今後の進め方について
- 2.人口動態統計で用いる各種死因分類表(案)について
- 3.その他
議事内容
○飯島統計企画調整室長
定刻になりましたので、ただいまから第1回人口動態統計のICD-11準拠の統計分類適用に係るワーキンググループを開催いたします。委員の皆様方におかれましては、お忙しい中、御出席いただき、誠にありがとうございます。私は、統計企画調整室長の飯島と申します。どうぞよろしくお願いいたします。
本日は、本ワーキンググループの初回となりますので、委員の方々の御紹介をさせていただきます。参考資料1「人口動態統計のICD-11準拠の統計分類適用に係るワーキンググループについて」を御覧ください。本ワーキンググループの構成員及び主査は、令和7年9月4日に開催しました第31回厚生労働統計の整備に関する検討会において座長から指名されており、構成員につきましては、参考資料1の1のとおりとなっております。各構成員の皆様方の御紹介をいたします。慶應義塾大学経済学部教授の石井委員です。茅ヶ崎市保健所長の大久保委員です。大久保委員には、今般、主査をお引受けいただいております。どうぞよろしくお願いいたします。続きまして、筑波大学医学医療系教授の田宮委員です。獨協大学経済学部教授の樋田委員です。国立社会保障・人口問題研究所情報調査分析部第二室長の別府委員です。委員の皆様方におかれましては、どうぞよろしくお願いいたします。
次に、事務局の幹部を紹介いたします。政策統括官の原口です。政策立案総括審議官の河野でございますけれども、本日は別の公務のため遅れて出席予定となっております。続きまして、企画調整担当参事官の髙橋です。審査解析室長の篠山です。人口動態・保健社会統計室統計管理官の村田です。
それでは、会議の開催に当たりまして、政策統括官の原口から御挨拶を申し上げます。
○原口政策統括官
政策統括官の原口でございます。本日は、大変お忙しい中、御出席を賜りまして誠にありがとうございます。厚生労働関係の統計の改善につきまして、日頃より多大なる御尽力と御理解を賜り、この場をお借りしまして厚く御礼申し上げます。
人口動態調査は、御承知のとおり、出生、死亡、婚姻、離婚及び死産の届出等に基づきまして、市区町村が調査票を作成しております。提出されました調査票の情報を集計することによりまして得られる死因別死亡数、年齢調整死亡率や平均寿命などの統計情報につきましては、国民の皆様の関心は非常に高く、厚生労働行政をはじめ、各方面の施策の立案のために資する大変重要な資料となっています。
今般、死因分類で用いておりますICD-10準拠の統計分類をICD-11準拠に変更することに伴いまして、人口動態統計におけるICD-11での死因分類の表章、ICD-10とICD-11の新旧分類による集計比較を行う、いわゆるブリッジコーディングの技法につきまして検討の必要が生じてきているところです。このため、委員の皆様におかれましては、専門的な見地から御議論、御助言を賜りますよう、よろしくお願い申し上げます。
○飯島統計企画調整室長
次に、本日の出席状況ですが、全ての委員の皆様に御出席いただいております。それでは、以後の進行につきましては、大久保主査にお願いいたします。
○大久保主査
皆様、本日は、大変お忙しい中、お集まりいただきまして誠にありがとうございます。本ワーキンググループ主査の大久保でございます。どうぞ、よろしくお願いいたします。
早速ですが、議事を進めさせていただきたいと思います。本日の議題ですが、3つあります。議事次第を御覧になっていただければと思いますが、1つ目が「人口動態統計のICD-11準拠の統計分類適用に係るワーキンググループの検討内容及び今後の進め方について」、2つ目が「人口動態統計で用いる各種死因分類表(案)について」、3つ目が「その他」となっております。
本日のワーキンググループは、18時までを予定しておりますが、予定時間を若干過ぎる可能性もあるかと思います。そのような場合、御予定がある方は、御退席していただいても結構です。よろしくお願いいたします。
それでは、まず1つ目の議題「人口動態統計のICD-11準拠の統計分類適用に係るワーキンググループの検討内容及び今後の進め方について」です。それでは、事務局から御説明をお願いいたします。
○村田統計管理官
人口動態・保健社会統計室統計管理官の村田でございます。私から資料1について御説明させていただきます。資料1は、本ワーキンググループの検討内容と今後の進め方についてです。
1ページを御覧ください。本ワーキンググループは、ICD-11の適用に伴い、人口動態統計における死因分類の表章等に関する検討を効率的に行うため、整備検討会の下に設置されたものです。検討内容は大きく2つございまして、下の枠囲みにありますけれども、1つは人口動態統計の死因分類の表章について、総務省から告示が予定されております「基本分類表」「死因分類表」を基に分類項目の一部細分化及び告示以外の分類表での公表についての御検討。もう1つは、人口動態統計のブリッジコーディングの技法についてです。
2ページを御覧ください。今後の進め方についてです。おおよそ3か月に1回の頻度で開催し、令和7年度末に中間まとめ、令和8年9月までに検討内容についての結論を得ることとしております。現時点で考えております具体的なスケジュールは、記載のとおりです。一番下の※にありますとおり、中間まとめ及び報告書につきましては、整備検討会に御報告することとしております。
3ページからは、本ワーキンググループの検討に当たっての参考資料として、その背景となります総務省の統計基準「疾病、傷害及び死因の統計分類」について、改正の概要を第30回統計分科会の資料から示したものです。
4ページを御覧ください。総務省の統計基準の改正に向けたスケジュールです。「疾病、傷害及び死因の統計分類」につきましては、本年5月のICD部会で分類表案が取りまとめられまして、分類の変更案が社会保障審議会から厚生労働大臣へ答申されたところです。その後、総務大臣より統計委員会へ分類の変更に関して諮問がございまして、9月29日に答申されたところです。今後、総務省から分類の変更が告示される予定となっております。
このように、現時点では統計基準が告示前となっておりますけれども、本ワーキンググループにおきましては、統計委員会で諮問、答申された統計分類の変更案を基に議論を進めたいと思います。
続きまして、5ページを御覧ください。ICD-11準拠の「疾病、傷害及び死因の統計分類」の案の概要です。総務省告示は基本分類表、疾病分類表、死因分類表の3種類から構成されますけれども、このうち人口動態統計に関連するのは、一番左の基本分類表、一番右の死因分類表になります。それぞれWHOのICD-11の死亡・疾病統計分類と、それから死亡製表用リストを基に作成されます。
6ページを御覧ください。引き続き、統計分科会で示されたICD-11準拠の「疾病、傷害及び死因の統計分類」の案の概要です。3ポツ目にICD-10準拠の分類表からの継続性について書かれておりますけれども、(3)にありますように、ICD-11とICD-10の比較として、WHOがマッピングテーブルを作成しているものの、あくまでデータの傾向を把握するために両者の対応関係を示したものであり、ICD-10の概念がICD-11において一意のコードを持たない場合があったり、疾患概念や軸、構成等が異なるため、ICD-10準拠とICD-11準拠の分類表の厳密な比較は困難、ということです。
7ページ、8ページは、WHOの死亡・疾病統計用分類の構成について示されたもので、左側がICD-10の構成、右側がICD-11の構成となっております。適宜、御覧いただければと思います。私からの説明は以上です。
○大久保主査
御説明、どうもありがとうございました。それでは、ただいま御説明のありました事項につきまして、御意見、御質問等がありましたら、よろしくお願いいたします。御自由に御発言ください。今後の予定ですが、ICD-10とICD-11の大きな違い、分類などが示されたところですけれども、何か御意見、御質問等ございますでしょうか。では、時間の関係もありますので、先に進めさせていただきたいと思います。特に今のところ御意見等なさそうなので、事務局の御提案のとおり進めていただくよう、お願いいたします。また、何かありましたら振り返るということで、まずは進めさせていただきます。どうもありがとうございました。
次の議事、ここは、少し時間がかかるかと思いますので、ここに時間を費やしたいと思います。
次に議事2「人口動態統計で用いる各種死因分類表(案)について」です。資料は、資料2-1から資料2-3となります。資料2-1「人口動態統計で用いる死因分類表に係る方針及び各種死因分類表(案)」は22ページにわたることから、まず、1ページ目の人口動態調査の概要から11ページの死因基本分類表まで、事務局から御説明し、質疑応答に入りたいと思います。その後、12ページの選択死因分類表から、22ページの乳児死因順位に用いる分類項目(案)まで事務局から御説明したところで、再度、質疑応答としたいと思います。それでは、事務局から御説明をお願いします。よろしくお願いします。
○村田統計管理官
それでは、資料2-1について御説明したいと思います。資料2-1を御覧ください。「人口動態統計で用いる死因分類表に係る方針及び各種死因分類表(案)」についてです。別途、資料2-2として「人口動態統計で用いる各種死因分類表(案)」を、それから、資料2-3として現行の各種死因分類表をお配りしておりますので、適宜、御覧いただければと思います。
では、1ページから御説明いたします。1ページは人口動態調査の概要です。人口動態調査は国勢調査と並ぶ我が国の基幹的な人口調査であり、その結果は幅広く利活用されています。調査の方法ですが、戸籍法などに基づく出生、死亡、婚姻、離婚、死産の各届書等に基づきまして、市区町村が人口動態調査票を作成しております。人口動態統計は、これらの調査票を集計したものです。
次に、2ページを御覧ください。死因統計作成の流れをまとめております。まず、一番左、国民が届け出た死亡届・死亡診断書に基づき、真ん中ですが、各自治体で人口動態調査の死亡票が作成されます。この死亡票を基に、赤枠で囲っている死因について、厚生労働省において、傷病名にICD符号をコーディングし、その後、WHOの原死因選択ルールに従って原死因の選択を行い、死因統計を作成することになります。
今回のICD-11の適用に当たりましては、この一番上の「ICD符号のコーディング」の部分で、ICD-11における分類の変更が、その下の「原死因の選択」の部分で、原死因選択ルールの変更が影響することになります。
続きまして、3ページを御覧ください。人口動態統計で用いる各種死因分類表についてまとめたものです。一番左、WHOから出されたICD-11を基に、真ん中ですが、総務省から統計基準であります「基本分類表」、「死因分類表」が告示される予定となっております。人口動態統計では、この「基本分類表」と「死因分類表」を基に細分類項目を追加した「死因基本分類表」、「死因簡単分類表」を作成し、死因統計を作成するとともに、ここにお示しした告示以外の各種の分類表での公表をしたいと考えております。
4ページを御覧ください。ここからが検討内容になります。まず、人口動態統計で用いる死因分類表の種類に関する方針案についてです。現行の人口動態統計では、下の表に示しております各種の分類表を作成し、目的に応じて使用しております。ICD-11準拠の統計分類の適用においても、統計の継続性の観点から現行と同様の種類としてはどうかと考えております。なお、真ん中に書いておりますが、本資料においては、総務省告示の分類表は《》、人口動態統計で用いる分類表は『』で示しております。この後、各々の分類表について個別に検討していきますが、一番下にありますように、『感染症分類表』とそれに関係する『死因基本分類表』については、第2回ワーキンググループにて検討予定としております。
次に、5ページを御覧ください。各種死因分類表の内容の検討に当たっての方針案についてです。総務省告示の統計基準の《死因分類表》及び《基本分類表》を基本として、統計基準の分類だけでは把握できない死因のうち、一定の死因については、政策的ニーズや統計継続性の観点から、一部細分類項目を設けるなどにより、人口動態統計で把握できるようにしてはどうかと考えております。また、コードを工夫することも考えており、右下の※にありますように、死因簡単分類コードについては、ICD-10の死因簡単分類コードと混同しないように、ICD-11の章を示す1~2桁目の後にアンダーバー(_)を加えるとともに、細分類項目の追加に対応するため、桁数を1桁増やす形にしたいと考えております。
6ページを御覧ください。ここからは、各々の分類表について個別に検討していきます。まずは、『死因簡単分類表』です。『死因簡単分類表』は、総務省告示の統計基準《死因分類表》を基に、人口動態統計で用いる細分類項目を加えたものです。主に死因構造を全体的に概観する目的で用いられています。
続いて、7ページを御覧ください。ICD-11で用いる『死因簡単分類表』の案についてです。四角囲みに記載していますように、総務省告示の統計基準である《死因分類表》を基本としつつ、これまで政策的ニーズが高く、かつ、『死因簡単分類表』又は別表として掲載していたが、今回の《死因分類表》に分類項目がないもの、具体的には、「熱中症」、「新型コロナウイルス感染症ワクチン」、「中皮腫」について把握できるよう、以下のような対応としてはどうかと考えております。
まず初めの2つ、「熱中症」と「新型コロナウイルス感染症ワクチン」については、『死因簡単分類表』に細分類項目を設けることで対応したいと思います。「中皮腫」については、総務省告示の《基本分類表》から「中皮腫」をまとめた分類がなくなり、発生部位により新生物の様々な分類項目に分類されることになります。『死因簡単分類表』ですべての部位に細分類項目を設けることは、表章が不必要に煩雑となると考えられるため、「中皮腫」については『死因簡単分類表』に細分類項目を設けるのではなく、これまでと同様に、中皮腫の統計表として別途掲載することとしてはどうかと考えております。
次に、具体的な『死因簡単分類表』の案についてです。枠囲みの下の所から9ページまでにかけ、左側に現行の『死因簡単分類表』を、右側にICD-11で用いる『死因簡単分類表』の案を並べてお示ししております。
8ページを御覧ください。先ほど、総務省告示の《死因分類表》を基本とすると申しましたが、《死因分類表》は現行の告示と同程度の粒度で作成されました。疾患概念や軸、構成等が異なるため、厳密な比較は困難とされており、ICD-10とICD-11の対応表といったものは示されておりません。
そこで、WHOが作成したマッピングテーブルや対応する基本分類コードを参考に見てみますと、例えば、以下のようなことが見受けられます。まず、1ポツ目、現行の「悪性新生物」から「脳又は中枢神経系」、「骨髄系」、「リンパ系」の新生物の分類項目が独立し、悪性・良性の区別なく分類されるようです。また、2ポツ目ですが、現行の「結腸」の悪性新生物、「直腸S状結腸移行部及び直腸」の悪性新生物が、ICD-11では、「大腸、肛門又は肛門管」の悪性新生物にまとまり、分類範囲がやや拡大しているようです。3ポツ目、「高血圧性心疾患」については、現行では「高血圧性疾患」に含まれますが、分類先が移動しまして、ICD-11では「心疾患」に含まれます。一番下ですが、現行の「間質性肺疾患」は、ICD-11では、肺水腫など、肺間質に影響を与えるその他の疾患を含む、より広い概念として、「主に肺間質に影響する呼吸器疾患」に分類範囲が拡大しているように見受けられます。
次に、9ページを御覧ください。こちらの右側に死因簡単分類の細分類項目の案について記載しております。まず熱中症についてです。現行では、別表として「熱中症による死亡数」を公表しております。ICD-11においては、「火又はその他の熱源への不慮の曝露」を細分し、熱中症とそれ以外に分けることで、死因簡単分類別に表示する統計表の中で数値を把握することを可能としたいと考えております。
次に、新型コロナウイルス感染症ワクチンについてです。現行では、『死因簡単分類表』に分類項目が含まれています。ICD-11においてはそれがなくなりますので、「その他の傷病又は死亡の外因」を細分し、引き続き、死因簡単分類別に表示する統計表で把握することを可能としたいと考えております。
10ページを御覧ください。ここからは『死因基本分類表』についての検討です。『死因基本分類表』は、総務省告示の統計基準《基本分類表》を基に、人口動態統計で用いる細分類項目を加えたものでして、詳細な死因について把握することができます。最小単位の分類項目ですので、ほかの分類表を集計する際に利用されます。
次に、11ページを御覧ください。ICD-11で用いる死因基本分類表の細分類項目の案です。ここにお示しした細分類項目を設けることとしてはどうかと考えております。なお、『感染症分類表』関連の細分類項目については、第2回ワーキンググループにて追加で検討する予定です。
順に見ていきますと、まず、「熱中症」、「新型コロナウイルス感染症ワクチン」関連についてですが、先ほど御説明した『死因簡単分類表』に追加する分類項目を把握するために、こちらの『死因基本分類表』に細分類を設けることを考えております。具体的には、左側の表の一番上ですが、PB15「過度の高温への不慮の曝露」を、「自然」、「人工」、「詳細不明」の3つに細分化しております。また、PL00「治療目的の使用における損傷又は危害を伴う薬物、薬剤又は生物学的製剤」を「新型コロナウイルス感染症ワクチン」とそれ以外に細分化しております。
次に、「中皮腫」関連についてです。現行との継続性を考慮の上、「心膜中皮腫」など頻度の多い部位について細分類項目を設け、その他の部位については、内部コード等にて処理し、「中皮腫」の総数を把握可能とすることとしております。具体的には、左側にありますように、「心臓の中皮腫」、それから「原発部位不明の中皮腫」について細分類項目を設けて把握いたします。なお、数が多い胸膜の中皮腫、それから腹膜の中皮腫については、もともとの《基本分類表》に分類項目がありますので、特に細分する必要はありません。
それから、周産期死亡統計関連については、周産期死亡の母体保護法に関連する死亡等について、現行どおり細分類項目を設けることとしております。
最後に、『感染症分類表』関連については、先ほども申しましたように、『感染症分類表』の分類項目を把握するために必要となる細分類項目を設ける予定ですが、こちらについては第2回ワーキンググループで検討したいと思います。資料の前半部分についての説明は以上です。
○大久保主査
御説明どうもありがとうございました。かなりいろいろな情報が入ってきて、頭の中がなかなか整理できないかもしれませんが、ただいま御説明ありました事項について、御意見、御質問等がありましたらよろしくお願いいたします。田宮先生、どうぞ。
○田宮委員
御説明ありがとうございました。幾つかありまして、3つお伺いしたいと思っています。7ページなのですが、7ページの両方の現と案の対応がありますが、このアルファベットの付け方が、私は不勉強で大分今までのものと、1を付けるだけなのか、最初のほうは思っていたのですが、感染症や寄生虫など、でもその後のほうは結核がAだったのがBになったりしています。これは何かアルファベットも大分変わるというのは大丈夫なのかなと思ったり、どのようなルールでこうなっているのかなということを教えていただきたいと思いました。
○大久保主査
1つずついきましょうか。
○田宮委員
はい、1つずつ。
○中山死因分類基準指導官
こちらのICD-11の死因基本分類コードですが、WHOが示しているコードをそのまま使用しています。新しいルールに基づいてコード付けがなされるようになっています。1つ目の数字が、各分類の章を表していまして、1から9章では足りないので9章が終わった後はA、B、Cが始まっていくというようなコード付けの仕方になっています。
その次からの桁に対しても同様に、英数字を用いることとなっています。また、2桁目に関してはアルファベットを用いることでICD-10のコードとICD-11のコードの区別を付けようという考えで、同じようなコードになってしまうと、ICD-10のコードなのか、ICD-11のコードなのか分かりづらくなりますので、区別が付くようなコード付けがされています。死因基本分類のコードは、WHOが用いているコードをそのまま用いる予定としています。
○田宮委員
分かりました。あえて区別を付けるということですね。
○大久保主査
では2点目をお願いいたします。
○田宮委員
それから9ページですが、ここでいろいろ別のものを作ったり、熱中症など、こういうのはブリッジコーディングというものが次の会議で出てきますが、こういうもので変わったものについてはどうなるかという比較をする段取りと考えて大丈夫なのですか。ブリッジコーディングとの関係を、ちょっとここで。
○村田統計管理官
ブリッジコーディングにつきましては、第2回ワーキンググループで技法について検討していただきまして、最終的には我々担当室でICD-10からICD-11に切り替わるときに行う予定です。ブリッジコーディングをしますと、同じ死亡票について、ICD-10でコードを付けて、ICD-10の原死因選択ルールで原死因を選択したものと、ICD-11でコードを付けて、ICD-11の原死因選択ルールで原死因を選択したものという、1つの調査票に対して2つのコードなり、原死因が選択されます。それを各々集計して比較することで、それぞれの分類が大体どれぐらい動いているかということは、一通り見られるかと思っています。
ただ、分類そのものが変わることだけではなくて、原死因選択のルールの変更もありますので、それが合わさった形で、ブリッジコーディングでは結果が見られるということになるかと考えています。
○田宮委員
ありがとうございます。そうすると、今、お話に出ていた熱中症や中皮腫など、まず変わったものがここで御説明ありましたが、それらをブリッジコーディングする、それらが候補になるなどは決まっていないですね。こういう大きな変更は、やはりどうなったか見てる必要があると思ったものですから、ブリッジコーディングにつながるものなのかなと思って伺ったのですが、何をやるかはまだ決まっていないということですか。
○村田統計管理官
大枠としては、ICD-10とICD-11のそれぞれのコードを付けて、それぞれ集計しますので、それぞれの分類の集計値の比較は可能かと思います。ただ、ちょっとブリッジコーディングをするときに、どの枠で行うのかと言いますか、死因簡単分類ベースで見るのか、どの辺りまで見られるぐらいのサンプルが取れるかなどは、またこれからの検討になりますので、今の時点でどこまで、先生が御興味のあるどこまで見られるかというところは、ちょっと申し訳ないですが。
○田宮委員
そうですか。大分、変わるので、影響を見ておかないとと思って伺いました。
それから最後ですが、熱中症が11ページに具体的に書いていますが、この左側のPB15で細分類ができていますが、この“自然の過度な”というものと、“人工の過度な”ものと、“詳細不明の過度なもの”、これのどれが熱中症になるのですか。
○村田統計管理官
現在、熱中症について集計して公表していますが、この一番上の自然によるものPB15.aと、それからPB15.zの詳細不明、この2つを合わせたものが熱中症として公表している数字です。ですので、ICD-11になっても同じような範囲を集計して公表することを予定しています。
○田宮委員
そうなのですか、真ん中は人工と自然というと。
○村田統計管理官
多分、いわゆる一般の方が熱中症といって想像するのは自然のものだと思いますが、例えばサウナに入っていて熱中症のような症状になってしまったというときは、この人工のほうに分類されます。それから、もともとの死因の所に自然なのか人工なのか、どちらか分からずにただ熱中症と書かれているときは一番下の詳細不明の所に入りますので、何も書いていないものは多分自然の熱中症にほぼほぼ近いのかなということで、現在このaとzに対応するところを熱中症として統計を取っているということです。
○田宮委員
人工の過度なというのは、今度から入ったのですか、それとも前から。
○村田統計管理官
ICD-10の世界では、この熱中症に対応する基本分類がもともとありまして、今回その基本分類にそういった分類がなくなったので、こういう細分化を考えているということです。ICD-10の場合は死因簡単分類には熱中症はなかったのですが、基本分類には熱中症そのものがありました。その中に含まれているものは、今回、細分化しようと思っているaの自然の所とzの詳細不明の所で、これらはICD-10の熱中症に対応するコードの分類の中に入っていたということです。
○田宮委員
その人工の過度なというのは、ICD-11で入ったということですか。
○中山死因分類基準指導官
ICD-10の基本分類で自然と人工の2つコードがあったものが、ICD-11では1つのコードにまとまったものです。そのため、ICD-10でも人工の過度な高温というデータは取れたのですが、それがICD-11では分けて取れなくなってしまったので、細分して引き続き分けて取れるようにしたいということです。
○田宮委員
そうなのですか、分かりました。前も取れていたけれども、今度もとなると境界が難しい気はしますが、確かに必要なところなので、分かりました。以上です。ありがとうございました。
○大久保主査
ありがとうございました。こだわってあれですが、人工の過度なというと、何か特殊な職域のようなものということですよね。
今回、ICD-10からICD-11に変わったことによって、恐らく皆さん方はいろいろな統計を取っていると思いますが、その時系列が多分変化をするので、その辺をしっかりどこにどのような大きな影響があるのか、ないのかということを今回調べるということが大きな目的かなと私自身は思っています。ほかにいかがでしょうか。この細かく見れば見るほどよく分からなくなるところが、ないわけでもないのですが、結構、複雑というか。私はICD-10とICD-11で結果が出たときに、今までどういう変化があったのかというところに興味を持っていて、その後のICD-11後の分析、ICD-10からICD-11に移るときの分析にいろいろな考察をしないといけないのかなと、その辺のことは大変興味深いと感じているところです。
ほかの先生はいかがでしょうか。やってみないと分からないところもあるかとは思いますが、また御意見がありましたら、後ほどにと思いますが、まずは田宮先生から御意見いただきましたが、何か大きな変更など、そういうことではないかと思いますので事務局の御提案のとおりに進めていただければと思います。
それでは、資料2-1の後半部分、12ページの選択死因分類表から22ページの乳児死因順位に用いる分類項目案まで事務局から御説明をお願いいたします。
○村田統計管理官
引き続き、資料2-1の後半部分について御説明いたします。12ページを御覧ください。『選択死因分類表』についてです。『選択死因分類表』は、『死因簡単分類表』から社会的関心が強い死因を選択したものです。市区町村別など、詳細なクロス集計表を作成する際に、繁雑にならないよう、死因について的を絞って端的に表章する目的で用いられております。
13ページを御覧ください。ICD-11で用いる『選択死因分類表』の案についてです。四角囲みに記載しているように、基本的に現行を参考に分類項目を選択し、総務省告示の《死因分類表》の変更によって厳密な比較が困難な場合でも、『死因簡単分類表』に類似する分類項目がある場合には、それを選択することとしてはどうかと考えております。
例えば、下の「例示」にあるように、ICD-11では、《死因分類表》において「高血圧性心疾患」が、「高血圧性疾患」ではなく「心疾患」に含まれることとなる予定です。そのため、現行と比較すると厳密には異なるものの、類似する項目として、「高血圧性疾患(高血圧性心疾患を除く)」及び「心疾患」を選択するといったことを考えております。
また、なお書きで書いておりますが、「白血病」については、ICD-11における分類軸の変更により、総務省告示の《死因分類表》の複数の分類に分散し、分類項目がないため、『死因簡単分類表』に分類項目を設けられないことから、そこから選択している『選択死因分類表』にも含められないということです。
次の14ページに、具体的な『選択死因分類表』の案をお示ししております。だいだい色で囲んでいる所が、類似する分類項目を選択した所です。また、グレーの部分の「白血病」は、先ほど御説明したように、分類項目がなくなります。分類の項目数は、現行は34項目ですけれども、分類表の案では32項目を選択しております。
15ページを御覧ください。こちらは、『死因年次推移分類表』についてです。『死因年次推移分類表』は、長期にわたり年次ごとの死因の動向を観察する目的で用いられるものです。明治32年以降の主要な死因の動向を踏まえて作成されており、現行の分類表は下記の16項目となっております。
16ページを御覧ください。ICD-11に用いる『死因年次推移分類表』の案についてです。作成方針は、四角囲みに記載しております。まず、長期にわたり年次ごとの死因の動向を観察する目的で用いられることから、基本的には現行の分類を残すこととしてはどうかと考えております。また、総務省告示の《死因分類表》において、先ほど言った「高血圧性疾患」、「心疾患(高血圧性を除く)」については、「高血圧性疾患(高血圧性心疾患を除く)」、「心疾患」に変更されたため、『死因年次推移分類表』においても統計基準に準じた分類としてはどうかと考えております。
それから、分類項目の追加を考えております。3ポツ目ですが、近年死亡数が増加しており、将来にわたり把握することが有用と考えられる分類項目として、「アルツハイマー病」と「誤嚥性肺炎」を追加することとしてはどうかと考えております。
この2つを選定した理由ですが、※に記載しているように、直近5年で、死因順位が10位以内の分類項目を追加対象として考えたところです。ただし、ここに書いているように、「血管性及び詳細不明の認知症」については、10位以内に入っている年があるものの、ICD-11では「原因は不明又は特定不能の認知症又は特定不能の神経認知障害」というように範囲が限定されたことにより減少が見込まれるため、今回は含めない案で御提示しております。具体的な分類表の案は、ここにお示ししたとおりです。
17ページを御覧ください。こちらは『乳児死因簡単分類表』についてです。現行の『乳児死因簡単分類表』は、WHOの死亡製表用リスト(乳児及び小児死亡)から、乳児死亡に関連する項目を対象として作ったものです。乳児死亡について全体的に概観する目的で用いられております。
18ページを御覧ください。ICD-11で用いる『乳児死因簡単分類表』の案についてです。作成方針ですが、ICD-11にはWHOの乳児及び小児死亡に関する死亡製表用リストがございません。そのため、乳児死亡の特徴を考慮し、現行の分類を参考に、周産期に発生した状態や発生異常に関する分類を中心に、『死因簡単分類表』から選択する、あるいは『死因基本分類表』の分類項目を集約するなどにより作成してはどうかと考えております。具体的な分類表の案は、18ページから19ページにお示ししたとおりです。
左側の現行の所を御覧ください。グレーの枠で囲っておりますが、先ほど御説明したように、ICD-11においては、「白血病」の分類項目がなくなっていることから、『乳児死因簡単分類表』においても分類項目としておりません。また、「髄膜炎」についても、ICD-11で同様に分類がなくなっていることから、こちらも『乳児死因簡単分類表』の分類項目としておりません。
19ページを御覧ください。だいだい色の枠で、乳児に特徴的なところを囲っております。左側の現行の分類を参考に、右側の分類表の案を作成しております。
20ページを御覧ください。こちらは『死因順位に用いる分類項目』と、『乳児死因順位に用いる分類項目』についてです。こちらは、主要な死因について、各分類項目の死亡数や範囲等を考慮し、それぞれ『死因簡単分類表』又は『乳児死因簡単分類表』から選択し、死因順位又は乳児死因順位に用いる分類項目を定めたものです。
21ページを御覧ください。『死因順位に用いる分類項目』の案についてです。右側の枠囲みの中に作成方針を記載しております。
1ポツ目です。現行を参考に、分類項目を選択することとしてはどうかと考えております。その際、総務省告示の《死因分類表》の変更により厳密な比較が困難な場合でも、『死因簡単分類表』の分類項目に類似するものがある場合にはそれを選択することとしてはどうかと考えております。
また、免疫系の疾患など、新規の章の分類を追加してはどうかと考えております。具体的には、左の図の分類項目(案)の赤い点線で囲っている所です。「免疫系の疾患」、「睡眠・覚醒障害群」を追加しております。
4ポツ目です。現行では「悪性新生物」又は「その他の新生物」に含まれていたが、ICD-11になって悪性新生物から独立した項目となった「脳又は中枢神経系」、「骨髄系」、「リンパ系」の新生物の分類を追加してはどうかと考えております。
具体的な分類項目の案は左側にお示ししたとおりです。分類項目の数は、現行は43項目ですが、分類項目の案では46項目としております。
最後に22ページを御覧ください。『乳児死因順位に用いる分類項目』の案についてです。現行を参考に、『乳児死因簡単分類表』の分類項目から選択することとし、その際、総務省告示の《死因分類表》の変更により厳密な比較が困難な場合でも、『乳児死因簡単分類表』の分類項目に類似するものがある場合には、それを選択することとしてはどうかと考えております。
具体的な分類項目の案はここにお示ししたとおりで、全部で27項目としております。なお、「髄膜炎」については、先ほども御説明したように、選択の元となる『乳児死因簡単分類表』に分類項目がなくなっていることから、こちらの選択にも含まれていないということです。資料の説明は以上です。
○大久保主査
それでは、ただいまの御説明にあった項目について、御意見、御質問がありましたら、よろしくお願いいたします。
○石井委員
御説明ありがとうございました。いろいろな分類が今回ICD-11で大きく変わるところがあるのですが、16ページで御説明いただいた死因年次推移分類は長期の死因の動向を見るときによく使われていると思います。今回、死因年次推移分類は、後ろに2つ、17と18と追加される形になるということで、この追加は結構かと思うのですが、分類表のコードの順番が大分変わっています。ほかの分類と違って、これは2つ追加するという形での変更ですので、年次推移分類の順番の変更は混乱を招くことから、これまでと同じにしてはどうかと思うのですが、いかがでしょうか。
○村田統計管理官
御意見どうもありがとうございます。石井先生のおっしゃるとおり、現行のコードを踏襲したほうが、研究者の皆様にも分かりやすいと思いますので、こちらについては石井先生の御提案のとおり、コードは現行を踏襲する形で修正させていただきたいと思います。次回のワーキンググループで、分類のコードを直したもので御提案させていただきたいと思います。
○石井委員
ありがとうございます。よろしくお願いいたします。
○大久保主査
ほかにいかがでしょうか。死因簡単分類表、選択死因分類表、選択順位に用いる分類表、死因年次推移分類表と、似ていて否なるものがたくさん出てきて、頭の中をよく整理しないと十分に理解できないところがあると思います。
簡単な質問ですけれども、先ほど石井先生からお話があった16ページで、死因年次推移分類表で、例えば高血圧性疾患がICD-10では、高血圧性心疾患が入っています。ICD-11では除くわけです。これは単純に高血圧性疾患だけで時系列を見てしまうと減るわけです。減って心疾患、今までは例えば心臓は2位だったのが、高血圧性心疾患も含むことになるので、数としては増えるという理解でいいですか。
○村田統計管理官
細かいところでは、いろいろとルールの変更などもあるのですが、基本的に高血圧性心疾患が移るということなので、多分増加することとなると思います。
○大久保主査
やってみないと分からないでしょうけれども。
○村田統計管理官
最終的にはブリッジコーディングをすることによって、結果を確認したいと思っております。
○別府委員
今の先生方のお話にもあったとおり、基本的に新しい分類というのは、ICD-11に入った段階から適用して、遡及で過去の統計については変えないという理解でよろしいでしょうか。
○村田統計管理官
人口動態統計は統計基準に沿って作っておりますので、基本的にそのときに適用される基準で作るというのが基本だと思っています。ですので、ブリッジコーディングで、ICD-10からICD-11にどう変わるかという影響は見た上で、ICD-11になったらICD-11の統計表を粛々と作っていくということかと思っています。
○別府委員
今、大久保先生からお話がありましたが、端的に言えば統計として見たときに、不連続が起こり得るという話だったと思うのですが、それはそれで、分類が変わったからしようがないという形で許容していくのだということですね。
○村田統計管理官
公表する際に、ブリッジコーディングの結果も併せてお示ししようと思っておりますので、統計表を見る方に、ブリッジコーディングの結果でどれぐらい影響があるのかを併せ見た上で判断していただくという形にさせていただければと思います。
○大久保主査
知りたいところですが、白血病はコード上は無くなってしまったので、致し方がないということでよろしいですか。
それ以外に、死亡個票を研究として立ち上げて使用し、一生懸命拾う、いずれにせよ統計上は取れない。
○中山死因分類基準指導官
白血病はICD-10からICD-11への変更の中でも、かなり大きな変更の1つで、骨髄系、リンパ系、組織のリンパ組織という所に、大きく3つに分かれてしまい、基本分類の中で、どれがこれまでの白血病だったかを定めることも難しいような状況です。統計として、どの部分が白血病に当たるかを決めるのはかなり難しい状況となっております。やるとすれば、研究ということになると思っております。
○大久保主査
白血病の研究をされている方はお困りなのかもしれないのですが、それは研究などで別途調査をするということかもしれません。
ほかにいかがでしょうか。何か事務局から追加することはありますか。
○村田統計管理官
特にございません。
○大久保主査
石井先生から頂いた御意見は取り入れて、次回以降に検討していただければと思っております。
議題2について全て説明が終わりましたが、発言し忘れたこと、思い出した御意見、御質問等があれば、振り返っていただいても構いませんが、いかがでしょうか。また思い出しましたら、お問合せていただいて、御確認していただければと思います。
それでは、最後に議題3「その他」となります。事務局は何かございますか。
○飯島統計企画調整室長
特段ございません。
○大久保主査
委員の先生方はよろしいですか。特にないようですね。
どうもありがとうございました。本日予定しておりました議題は以上となります。全体を通じて更にということがあればと思いますが、特にないようですので事務局へお返しいたします。
○飯島統計企画調整室長
皆様、本日はお忙しい中、御出席いただき、ありがとうございました。これをもちまして、人口動態統計のICD-11準拠の統計分類適用に係るワーキンググループを終了させていただきます。次回の開催日程については、事務局から追って御連絡させていただきますので、よろしくお願いいたします。本日はありがとうございました。
(了)
定刻になりましたので、ただいまから第1回人口動態統計のICD-11準拠の統計分類適用に係るワーキンググループを開催いたします。委員の皆様方におかれましては、お忙しい中、御出席いただき、誠にありがとうございます。私は、統計企画調整室長の飯島と申します。どうぞよろしくお願いいたします。
本日は、本ワーキンググループの初回となりますので、委員の方々の御紹介をさせていただきます。参考資料1「人口動態統計のICD-11準拠の統計分類適用に係るワーキンググループについて」を御覧ください。本ワーキンググループの構成員及び主査は、令和7年9月4日に開催しました第31回厚生労働統計の整備に関する検討会において座長から指名されており、構成員につきましては、参考資料1の1のとおりとなっております。各構成員の皆様方の御紹介をいたします。慶應義塾大学経済学部教授の石井委員です。茅ヶ崎市保健所長の大久保委員です。大久保委員には、今般、主査をお引受けいただいております。どうぞよろしくお願いいたします。続きまして、筑波大学医学医療系教授の田宮委員です。獨協大学経済学部教授の樋田委員です。国立社会保障・人口問題研究所情報調査分析部第二室長の別府委員です。委員の皆様方におかれましては、どうぞよろしくお願いいたします。
次に、事務局の幹部を紹介いたします。政策統括官の原口です。政策立案総括審議官の河野でございますけれども、本日は別の公務のため遅れて出席予定となっております。続きまして、企画調整担当参事官の髙橋です。審査解析室長の篠山です。人口動態・保健社会統計室統計管理官の村田です。
それでは、会議の開催に当たりまして、政策統括官の原口から御挨拶を申し上げます。
○原口政策統括官
政策統括官の原口でございます。本日は、大変お忙しい中、御出席を賜りまして誠にありがとうございます。厚生労働関係の統計の改善につきまして、日頃より多大なる御尽力と御理解を賜り、この場をお借りしまして厚く御礼申し上げます。
人口動態調査は、御承知のとおり、出生、死亡、婚姻、離婚及び死産の届出等に基づきまして、市区町村が調査票を作成しております。提出されました調査票の情報を集計することによりまして得られる死因別死亡数、年齢調整死亡率や平均寿命などの統計情報につきましては、国民の皆様の関心は非常に高く、厚生労働行政をはじめ、各方面の施策の立案のために資する大変重要な資料となっています。
今般、死因分類で用いておりますICD-10準拠の統計分類をICD-11準拠に変更することに伴いまして、人口動態統計におけるICD-11での死因分類の表章、ICD-10とICD-11の新旧分類による集計比較を行う、いわゆるブリッジコーディングの技法につきまして検討の必要が生じてきているところです。このため、委員の皆様におかれましては、専門的な見地から御議論、御助言を賜りますよう、よろしくお願い申し上げます。
○飯島統計企画調整室長
次に、本日の出席状況ですが、全ての委員の皆様に御出席いただいております。それでは、以後の進行につきましては、大久保主査にお願いいたします。
○大久保主査
皆様、本日は、大変お忙しい中、お集まりいただきまして誠にありがとうございます。本ワーキンググループ主査の大久保でございます。どうぞ、よろしくお願いいたします。
早速ですが、議事を進めさせていただきたいと思います。本日の議題ですが、3つあります。議事次第を御覧になっていただければと思いますが、1つ目が「人口動態統計のICD-11準拠の統計分類適用に係るワーキンググループの検討内容及び今後の進め方について」、2つ目が「人口動態統計で用いる各種死因分類表(案)について」、3つ目が「その他」となっております。
本日のワーキンググループは、18時までを予定しておりますが、予定時間を若干過ぎる可能性もあるかと思います。そのような場合、御予定がある方は、御退席していただいても結構です。よろしくお願いいたします。
それでは、まず1つ目の議題「人口動態統計のICD-11準拠の統計分類適用に係るワーキンググループの検討内容及び今後の進め方について」です。それでは、事務局から御説明をお願いいたします。
○村田統計管理官
人口動態・保健社会統計室統計管理官の村田でございます。私から資料1について御説明させていただきます。資料1は、本ワーキンググループの検討内容と今後の進め方についてです。
1ページを御覧ください。本ワーキンググループは、ICD-11の適用に伴い、人口動態統計における死因分類の表章等に関する検討を効率的に行うため、整備検討会の下に設置されたものです。検討内容は大きく2つございまして、下の枠囲みにありますけれども、1つは人口動態統計の死因分類の表章について、総務省から告示が予定されております「基本分類表」「死因分類表」を基に分類項目の一部細分化及び告示以外の分類表での公表についての御検討。もう1つは、人口動態統計のブリッジコーディングの技法についてです。
2ページを御覧ください。今後の進め方についてです。おおよそ3か月に1回の頻度で開催し、令和7年度末に中間まとめ、令和8年9月までに検討内容についての結論を得ることとしております。現時点で考えております具体的なスケジュールは、記載のとおりです。一番下の※にありますとおり、中間まとめ及び報告書につきましては、整備検討会に御報告することとしております。
3ページからは、本ワーキンググループの検討に当たっての参考資料として、その背景となります総務省の統計基準「疾病、傷害及び死因の統計分類」について、改正の概要を第30回統計分科会の資料から示したものです。
4ページを御覧ください。総務省の統計基準の改正に向けたスケジュールです。「疾病、傷害及び死因の統計分類」につきましては、本年5月のICD部会で分類表案が取りまとめられまして、分類の変更案が社会保障審議会から厚生労働大臣へ答申されたところです。その後、総務大臣より統計委員会へ分類の変更に関して諮問がございまして、9月29日に答申されたところです。今後、総務省から分類の変更が告示される予定となっております。
このように、現時点では統計基準が告示前となっておりますけれども、本ワーキンググループにおきましては、統計委員会で諮問、答申された統計分類の変更案を基に議論を進めたいと思います。
続きまして、5ページを御覧ください。ICD-11準拠の「疾病、傷害及び死因の統計分類」の案の概要です。総務省告示は基本分類表、疾病分類表、死因分類表の3種類から構成されますけれども、このうち人口動態統計に関連するのは、一番左の基本分類表、一番右の死因分類表になります。それぞれWHOのICD-11の死亡・疾病統計分類と、それから死亡製表用リストを基に作成されます。
6ページを御覧ください。引き続き、統計分科会で示されたICD-11準拠の「疾病、傷害及び死因の統計分類」の案の概要です。3ポツ目にICD-10準拠の分類表からの継続性について書かれておりますけれども、(3)にありますように、ICD-11とICD-10の比較として、WHOがマッピングテーブルを作成しているものの、あくまでデータの傾向を把握するために両者の対応関係を示したものであり、ICD-10の概念がICD-11において一意のコードを持たない場合があったり、疾患概念や軸、構成等が異なるため、ICD-10準拠とICD-11準拠の分類表の厳密な比較は困難、ということです。
7ページ、8ページは、WHOの死亡・疾病統計用分類の構成について示されたもので、左側がICD-10の構成、右側がICD-11の構成となっております。適宜、御覧いただければと思います。私からの説明は以上です。
○大久保主査
御説明、どうもありがとうございました。それでは、ただいま御説明のありました事項につきまして、御意見、御質問等がありましたら、よろしくお願いいたします。御自由に御発言ください。今後の予定ですが、ICD-10とICD-11の大きな違い、分類などが示されたところですけれども、何か御意見、御質問等ございますでしょうか。では、時間の関係もありますので、先に進めさせていただきたいと思います。特に今のところ御意見等なさそうなので、事務局の御提案のとおり進めていただくよう、お願いいたします。また、何かありましたら振り返るということで、まずは進めさせていただきます。どうもありがとうございました。
次の議事、ここは、少し時間がかかるかと思いますので、ここに時間を費やしたいと思います。
次に議事2「人口動態統計で用いる各種死因分類表(案)について」です。資料は、資料2-1から資料2-3となります。資料2-1「人口動態統計で用いる死因分類表に係る方針及び各種死因分類表(案)」は22ページにわたることから、まず、1ページ目の人口動態調査の概要から11ページの死因基本分類表まで、事務局から御説明し、質疑応答に入りたいと思います。その後、12ページの選択死因分類表から、22ページの乳児死因順位に用いる分類項目(案)まで事務局から御説明したところで、再度、質疑応答としたいと思います。それでは、事務局から御説明をお願いします。よろしくお願いします。
○村田統計管理官
それでは、資料2-1について御説明したいと思います。資料2-1を御覧ください。「人口動態統計で用いる死因分類表に係る方針及び各種死因分類表(案)」についてです。別途、資料2-2として「人口動態統計で用いる各種死因分類表(案)」を、それから、資料2-3として現行の各種死因分類表をお配りしておりますので、適宜、御覧いただければと思います。
では、1ページから御説明いたします。1ページは人口動態調査の概要です。人口動態調査は国勢調査と並ぶ我が国の基幹的な人口調査であり、その結果は幅広く利活用されています。調査の方法ですが、戸籍法などに基づく出生、死亡、婚姻、離婚、死産の各届書等に基づきまして、市区町村が人口動態調査票を作成しております。人口動態統計は、これらの調査票を集計したものです。
次に、2ページを御覧ください。死因統計作成の流れをまとめております。まず、一番左、国民が届け出た死亡届・死亡診断書に基づき、真ん中ですが、各自治体で人口動態調査の死亡票が作成されます。この死亡票を基に、赤枠で囲っている死因について、厚生労働省において、傷病名にICD符号をコーディングし、その後、WHOの原死因選択ルールに従って原死因の選択を行い、死因統計を作成することになります。
今回のICD-11の適用に当たりましては、この一番上の「ICD符号のコーディング」の部分で、ICD-11における分類の変更が、その下の「原死因の選択」の部分で、原死因選択ルールの変更が影響することになります。
続きまして、3ページを御覧ください。人口動態統計で用いる各種死因分類表についてまとめたものです。一番左、WHOから出されたICD-11を基に、真ん中ですが、総務省から統計基準であります「基本分類表」、「死因分類表」が告示される予定となっております。人口動態統計では、この「基本分類表」と「死因分類表」を基に細分類項目を追加した「死因基本分類表」、「死因簡単分類表」を作成し、死因統計を作成するとともに、ここにお示しした告示以外の各種の分類表での公表をしたいと考えております。
4ページを御覧ください。ここからが検討内容になります。まず、人口動態統計で用いる死因分類表の種類に関する方針案についてです。現行の人口動態統計では、下の表に示しております各種の分類表を作成し、目的に応じて使用しております。ICD-11準拠の統計分類の適用においても、統計の継続性の観点から現行と同様の種類としてはどうかと考えております。なお、真ん中に書いておりますが、本資料においては、総務省告示の分類表は《》、人口動態統計で用いる分類表は『』で示しております。この後、各々の分類表について個別に検討していきますが、一番下にありますように、『感染症分類表』とそれに関係する『死因基本分類表』については、第2回ワーキンググループにて検討予定としております。
次に、5ページを御覧ください。各種死因分類表の内容の検討に当たっての方針案についてです。総務省告示の統計基準の《死因分類表》及び《基本分類表》を基本として、統計基準の分類だけでは把握できない死因のうち、一定の死因については、政策的ニーズや統計継続性の観点から、一部細分類項目を設けるなどにより、人口動態統計で把握できるようにしてはどうかと考えております。また、コードを工夫することも考えており、右下の※にありますように、死因簡単分類コードについては、ICD-10の死因簡単分類コードと混同しないように、ICD-11の章を示す1~2桁目の後にアンダーバー(_)を加えるとともに、細分類項目の追加に対応するため、桁数を1桁増やす形にしたいと考えております。
6ページを御覧ください。ここからは、各々の分類表について個別に検討していきます。まずは、『死因簡単分類表』です。『死因簡単分類表』は、総務省告示の統計基準《死因分類表》を基に、人口動態統計で用いる細分類項目を加えたものです。主に死因構造を全体的に概観する目的で用いられています。
続いて、7ページを御覧ください。ICD-11で用いる『死因簡単分類表』の案についてです。四角囲みに記載していますように、総務省告示の統計基準である《死因分類表》を基本としつつ、これまで政策的ニーズが高く、かつ、『死因簡単分類表』又は別表として掲載していたが、今回の《死因分類表》に分類項目がないもの、具体的には、「熱中症」、「新型コロナウイルス感染症ワクチン」、「中皮腫」について把握できるよう、以下のような対応としてはどうかと考えております。
まず初めの2つ、「熱中症」と「新型コロナウイルス感染症ワクチン」については、『死因簡単分類表』に細分類項目を設けることで対応したいと思います。「中皮腫」については、総務省告示の《基本分類表》から「中皮腫」をまとめた分類がなくなり、発生部位により新生物の様々な分類項目に分類されることになります。『死因簡単分類表』ですべての部位に細分類項目を設けることは、表章が不必要に煩雑となると考えられるため、「中皮腫」については『死因簡単分類表』に細分類項目を設けるのではなく、これまでと同様に、中皮腫の統計表として別途掲載することとしてはどうかと考えております。
次に、具体的な『死因簡単分類表』の案についてです。枠囲みの下の所から9ページまでにかけ、左側に現行の『死因簡単分類表』を、右側にICD-11で用いる『死因簡単分類表』の案を並べてお示ししております。
8ページを御覧ください。先ほど、総務省告示の《死因分類表》を基本とすると申しましたが、《死因分類表》は現行の告示と同程度の粒度で作成されました。疾患概念や軸、構成等が異なるため、厳密な比較は困難とされており、ICD-10とICD-11の対応表といったものは示されておりません。
そこで、WHOが作成したマッピングテーブルや対応する基本分類コードを参考に見てみますと、例えば、以下のようなことが見受けられます。まず、1ポツ目、現行の「悪性新生物」から「脳又は中枢神経系」、「骨髄系」、「リンパ系」の新生物の分類項目が独立し、悪性・良性の区別なく分類されるようです。また、2ポツ目ですが、現行の「結腸」の悪性新生物、「直腸S状結腸移行部及び直腸」の悪性新生物が、ICD-11では、「大腸、肛門又は肛門管」の悪性新生物にまとまり、分類範囲がやや拡大しているようです。3ポツ目、「高血圧性心疾患」については、現行では「高血圧性疾患」に含まれますが、分類先が移動しまして、ICD-11では「心疾患」に含まれます。一番下ですが、現行の「間質性肺疾患」は、ICD-11では、肺水腫など、肺間質に影響を与えるその他の疾患を含む、より広い概念として、「主に肺間質に影響する呼吸器疾患」に分類範囲が拡大しているように見受けられます。
次に、9ページを御覧ください。こちらの右側に死因簡単分類の細分類項目の案について記載しております。まず熱中症についてです。現行では、別表として「熱中症による死亡数」を公表しております。ICD-11においては、「火又はその他の熱源への不慮の曝露」を細分し、熱中症とそれ以外に分けることで、死因簡単分類別に表示する統計表の中で数値を把握することを可能としたいと考えております。
次に、新型コロナウイルス感染症ワクチンについてです。現行では、『死因簡単分類表』に分類項目が含まれています。ICD-11においてはそれがなくなりますので、「その他の傷病又は死亡の外因」を細分し、引き続き、死因簡単分類別に表示する統計表で把握することを可能としたいと考えております。
10ページを御覧ください。ここからは『死因基本分類表』についての検討です。『死因基本分類表』は、総務省告示の統計基準《基本分類表》を基に、人口動態統計で用いる細分類項目を加えたものでして、詳細な死因について把握することができます。最小単位の分類項目ですので、ほかの分類表を集計する際に利用されます。
次に、11ページを御覧ください。ICD-11で用いる死因基本分類表の細分類項目の案です。ここにお示しした細分類項目を設けることとしてはどうかと考えております。なお、『感染症分類表』関連の細分類項目については、第2回ワーキンググループにて追加で検討する予定です。
順に見ていきますと、まず、「熱中症」、「新型コロナウイルス感染症ワクチン」関連についてですが、先ほど御説明した『死因簡単分類表』に追加する分類項目を把握するために、こちらの『死因基本分類表』に細分類を設けることを考えております。具体的には、左側の表の一番上ですが、PB15「過度の高温への不慮の曝露」を、「自然」、「人工」、「詳細不明」の3つに細分化しております。また、PL00「治療目的の使用における損傷又は危害を伴う薬物、薬剤又は生物学的製剤」を「新型コロナウイルス感染症ワクチン」とそれ以外に細分化しております。
次に、「中皮腫」関連についてです。現行との継続性を考慮の上、「心膜中皮腫」など頻度の多い部位について細分類項目を設け、その他の部位については、内部コード等にて処理し、「中皮腫」の総数を把握可能とすることとしております。具体的には、左側にありますように、「心臓の中皮腫」、それから「原発部位不明の中皮腫」について細分類項目を設けて把握いたします。なお、数が多い胸膜の中皮腫、それから腹膜の中皮腫については、もともとの《基本分類表》に分類項目がありますので、特に細分する必要はありません。
それから、周産期死亡統計関連については、周産期死亡の母体保護法に関連する死亡等について、現行どおり細分類項目を設けることとしております。
最後に、『感染症分類表』関連については、先ほども申しましたように、『感染症分類表』の分類項目を把握するために必要となる細分類項目を設ける予定ですが、こちらについては第2回ワーキンググループで検討したいと思います。資料の前半部分についての説明は以上です。
○大久保主査
御説明どうもありがとうございました。かなりいろいろな情報が入ってきて、頭の中がなかなか整理できないかもしれませんが、ただいま御説明ありました事項について、御意見、御質問等がありましたらよろしくお願いいたします。田宮先生、どうぞ。
○田宮委員
御説明ありがとうございました。幾つかありまして、3つお伺いしたいと思っています。7ページなのですが、7ページの両方の現と案の対応がありますが、このアルファベットの付け方が、私は不勉強で大分今までのものと、1を付けるだけなのか、最初のほうは思っていたのですが、感染症や寄生虫など、でもその後のほうは結核がAだったのがBになったりしています。これは何かアルファベットも大分変わるというのは大丈夫なのかなと思ったり、どのようなルールでこうなっているのかなということを教えていただきたいと思いました。
○大久保主査
1つずついきましょうか。
○田宮委員
はい、1つずつ。
○中山死因分類基準指導官
こちらのICD-11の死因基本分類コードですが、WHOが示しているコードをそのまま使用しています。新しいルールに基づいてコード付けがなされるようになっています。1つ目の数字が、各分類の章を表していまして、1から9章では足りないので9章が終わった後はA、B、Cが始まっていくというようなコード付けの仕方になっています。
その次からの桁に対しても同様に、英数字を用いることとなっています。また、2桁目に関してはアルファベットを用いることでICD-10のコードとICD-11のコードの区別を付けようという考えで、同じようなコードになってしまうと、ICD-10のコードなのか、ICD-11のコードなのか分かりづらくなりますので、区別が付くようなコード付けがされています。死因基本分類のコードは、WHOが用いているコードをそのまま用いる予定としています。
○田宮委員
分かりました。あえて区別を付けるということですね。
○大久保主査
では2点目をお願いいたします。
○田宮委員
それから9ページですが、ここでいろいろ別のものを作ったり、熱中症など、こういうのはブリッジコーディングというものが次の会議で出てきますが、こういうもので変わったものについてはどうなるかという比較をする段取りと考えて大丈夫なのですか。ブリッジコーディングとの関係を、ちょっとここで。
○村田統計管理官
ブリッジコーディングにつきましては、第2回ワーキンググループで技法について検討していただきまして、最終的には我々担当室でICD-10からICD-11に切り替わるときに行う予定です。ブリッジコーディングをしますと、同じ死亡票について、ICD-10でコードを付けて、ICD-10の原死因選択ルールで原死因を選択したものと、ICD-11でコードを付けて、ICD-11の原死因選択ルールで原死因を選択したものという、1つの調査票に対して2つのコードなり、原死因が選択されます。それを各々集計して比較することで、それぞれの分類が大体どれぐらい動いているかということは、一通り見られるかと思っています。
ただ、分類そのものが変わることだけではなくて、原死因選択のルールの変更もありますので、それが合わさった形で、ブリッジコーディングでは結果が見られるということになるかと考えています。
○田宮委員
ありがとうございます。そうすると、今、お話に出ていた熱中症や中皮腫など、まず変わったものがここで御説明ありましたが、それらをブリッジコーディングする、それらが候補になるなどは決まっていないですね。こういう大きな変更は、やはりどうなったか見てる必要があると思ったものですから、ブリッジコーディングにつながるものなのかなと思って伺ったのですが、何をやるかはまだ決まっていないということですか。
○村田統計管理官
大枠としては、ICD-10とICD-11のそれぞれのコードを付けて、それぞれ集計しますので、それぞれの分類の集計値の比較は可能かと思います。ただ、ちょっとブリッジコーディングをするときに、どの枠で行うのかと言いますか、死因簡単分類ベースで見るのか、どの辺りまで見られるぐらいのサンプルが取れるかなどは、またこれからの検討になりますので、今の時点でどこまで、先生が御興味のあるどこまで見られるかというところは、ちょっと申し訳ないですが。
○田宮委員
そうですか。大分、変わるので、影響を見ておかないとと思って伺いました。
それから最後ですが、熱中症が11ページに具体的に書いていますが、この左側のPB15で細分類ができていますが、この“自然の過度な”というものと、“人工の過度な”ものと、“詳細不明の過度なもの”、これのどれが熱中症になるのですか。
○村田統計管理官
現在、熱中症について集計して公表していますが、この一番上の自然によるものPB15.aと、それからPB15.zの詳細不明、この2つを合わせたものが熱中症として公表している数字です。ですので、ICD-11になっても同じような範囲を集計して公表することを予定しています。
○田宮委員
そうなのですか、真ん中は人工と自然というと。
○村田統計管理官
多分、いわゆる一般の方が熱中症といって想像するのは自然のものだと思いますが、例えばサウナに入っていて熱中症のような症状になってしまったというときは、この人工のほうに分類されます。それから、もともとの死因の所に自然なのか人工なのか、どちらか分からずにただ熱中症と書かれているときは一番下の詳細不明の所に入りますので、何も書いていないものは多分自然の熱中症にほぼほぼ近いのかなということで、現在このaとzに対応するところを熱中症として統計を取っているということです。
○田宮委員
人工の過度なというのは、今度から入ったのですか、それとも前から。
○村田統計管理官
ICD-10の世界では、この熱中症に対応する基本分類がもともとありまして、今回その基本分類にそういった分類がなくなったので、こういう細分化を考えているということです。ICD-10の場合は死因簡単分類には熱中症はなかったのですが、基本分類には熱中症そのものがありました。その中に含まれているものは、今回、細分化しようと思っているaの自然の所とzの詳細不明の所で、これらはICD-10の熱中症に対応するコードの分類の中に入っていたということです。
○田宮委員
その人工の過度なというのは、ICD-11で入ったということですか。
○中山死因分類基準指導官
ICD-10の基本分類で自然と人工の2つコードがあったものが、ICD-11では1つのコードにまとまったものです。そのため、ICD-10でも人工の過度な高温というデータは取れたのですが、それがICD-11では分けて取れなくなってしまったので、細分して引き続き分けて取れるようにしたいということです。
○田宮委員
そうなのですか、分かりました。前も取れていたけれども、今度もとなると境界が難しい気はしますが、確かに必要なところなので、分かりました。以上です。ありがとうございました。
○大久保主査
ありがとうございました。こだわってあれですが、人工の過度なというと、何か特殊な職域のようなものということですよね。
今回、ICD-10からICD-11に変わったことによって、恐らく皆さん方はいろいろな統計を取っていると思いますが、その時系列が多分変化をするので、その辺をしっかりどこにどのような大きな影響があるのか、ないのかということを今回調べるということが大きな目的かなと私自身は思っています。ほかにいかがでしょうか。この細かく見れば見るほどよく分からなくなるところが、ないわけでもないのですが、結構、複雑というか。私はICD-10とICD-11で結果が出たときに、今までどういう変化があったのかというところに興味を持っていて、その後のICD-11後の分析、ICD-10からICD-11に移るときの分析にいろいろな考察をしないといけないのかなと、その辺のことは大変興味深いと感じているところです。
ほかの先生はいかがでしょうか。やってみないと分からないところもあるかとは思いますが、また御意見がありましたら、後ほどにと思いますが、まずは田宮先生から御意見いただきましたが、何か大きな変更など、そういうことではないかと思いますので事務局の御提案のとおりに進めていただければと思います。
それでは、資料2-1の後半部分、12ページの選択死因分類表から22ページの乳児死因順位に用いる分類項目案まで事務局から御説明をお願いいたします。
○村田統計管理官
引き続き、資料2-1の後半部分について御説明いたします。12ページを御覧ください。『選択死因分類表』についてです。『選択死因分類表』は、『死因簡単分類表』から社会的関心が強い死因を選択したものです。市区町村別など、詳細なクロス集計表を作成する際に、繁雑にならないよう、死因について的を絞って端的に表章する目的で用いられております。
13ページを御覧ください。ICD-11で用いる『選択死因分類表』の案についてです。四角囲みに記載しているように、基本的に現行を参考に分類項目を選択し、総務省告示の《死因分類表》の変更によって厳密な比較が困難な場合でも、『死因簡単分類表』に類似する分類項目がある場合には、それを選択することとしてはどうかと考えております。
例えば、下の「例示」にあるように、ICD-11では、《死因分類表》において「高血圧性心疾患」が、「高血圧性疾患」ではなく「心疾患」に含まれることとなる予定です。そのため、現行と比較すると厳密には異なるものの、類似する項目として、「高血圧性疾患(高血圧性心疾患を除く)」及び「心疾患」を選択するといったことを考えております。
また、なお書きで書いておりますが、「白血病」については、ICD-11における分類軸の変更により、総務省告示の《死因分類表》の複数の分類に分散し、分類項目がないため、『死因簡単分類表』に分類項目を設けられないことから、そこから選択している『選択死因分類表』にも含められないということです。
次の14ページに、具体的な『選択死因分類表』の案をお示ししております。だいだい色で囲んでいる所が、類似する分類項目を選択した所です。また、グレーの部分の「白血病」は、先ほど御説明したように、分類項目がなくなります。分類の項目数は、現行は34項目ですけれども、分類表の案では32項目を選択しております。
15ページを御覧ください。こちらは、『死因年次推移分類表』についてです。『死因年次推移分類表』は、長期にわたり年次ごとの死因の動向を観察する目的で用いられるものです。明治32年以降の主要な死因の動向を踏まえて作成されており、現行の分類表は下記の16項目となっております。
16ページを御覧ください。ICD-11に用いる『死因年次推移分類表』の案についてです。作成方針は、四角囲みに記載しております。まず、長期にわたり年次ごとの死因の動向を観察する目的で用いられることから、基本的には現行の分類を残すこととしてはどうかと考えております。また、総務省告示の《死因分類表》において、先ほど言った「高血圧性疾患」、「心疾患(高血圧性を除く)」については、「高血圧性疾患(高血圧性心疾患を除く)」、「心疾患」に変更されたため、『死因年次推移分類表』においても統計基準に準じた分類としてはどうかと考えております。
それから、分類項目の追加を考えております。3ポツ目ですが、近年死亡数が増加しており、将来にわたり把握することが有用と考えられる分類項目として、「アルツハイマー病」と「誤嚥性肺炎」を追加することとしてはどうかと考えております。
この2つを選定した理由ですが、※に記載しているように、直近5年で、死因順位が10位以内の分類項目を追加対象として考えたところです。ただし、ここに書いているように、「血管性及び詳細不明の認知症」については、10位以内に入っている年があるものの、ICD-11では「原因は不明又は特定不能の認知症又は特定不能の神経認知障害」というように範囲が限定されたことにより減少が見込まれるため、今回は含めない案で御提示しております。具体的な分類表の案は、ここにお示ししたとおりです。
17ページを御覧ください。こちらは『乳児死因簡単分類表』についてです。現行の『乳児死因簡単分類表』は、WHOの死亡製表用リスト(乳児及び小児死亡)から、乳児死亡に関連する項目を対象として作ったものです。乳児死亡について全体的に概観する目的で用いられております。
18ページを御覧ください。ICD-11で用いる『乳児死因簡単分類表』の案についてです。作成方針ですが、ICD-11にはWHOの乳児及び小児死亡に関する死亡製表用リストがございません。そのため、乳児死亡の特徴を考慮し、現行の分類を参考に、周産期に発生した状態や発生異常に関する分類を中心に、『死因簡単分類表』から選択する、あるいは『死因基本分類表』の分類項目を集約するなどにより作成してはどうかと考えております。具体的な分類表の案は、18ページから19ページにお示ししたとおりです。
左側の現行の所を御覧ください。グレーの枠で囲っておりますが、先ほど御説明したように、ICD-11においては、「白血病」の分類項目がなくなっていることから、『乳児死因簡単分類表』においても分類項目としておりません。また、「髄膜炎」についても、ICD-11で同様に分類がなくなっていることから、こちらも『乳児死因簡単分類表』の分類項目としておりません。
19ページを御覧ください。だいだい色の枠で、乳児に特徴的なところを囲っております。左側の現行の分類を参考に、右側の分類表の案を作成しております。
20ページを御覧ください。こちらは『死因順位に用いる分類項目』と、『乳児死因順位に用いる分類項目』についてです。こちらは、主要な死因について、各分類項目の死亡数や範囲等を考慮し、それぞれ『死因簡単分類表』又は『乳児死因簡単分類表』から選択し、死因順位又は乳児死因順位に用いる分類項目を定めたものです。
21ページを御覧ください。『死因順位に用いる分類項目』の案についてです。右側の枠囲みの中に作成方針を記載しております。
1ポツ目です。現行を参考に、分類項目を選択することとしてはどうかと考えております。その際、総務省告示の《死因分類表》の変更により厳密な比較が困難な場合でも、『死因簡単分類表』の分類項目に類似するものがある場合にはそれを選択することとしてはどうかと考えております。
また、免疫系の疾患など、新規の章の分類を追加してはどうかと考えております。具体的には、左の図の分類項目(案)の赤い点線で囲っている所です。「免疫系の疾患」、「睡眠・覚醒障害群」を追加しております。
4ポツ目です。現行では「悪性新生物」又は「その他の新生物」に含まれていたが、ICD-11になって悪性新生物から独立した項目となった「脳又は中枢神経系」、「骨髄系」、「リンパ系」の新生物の分類を追加してはどうかと考えております。
具体的な分類項目の案は左側にお示ししたとおりです。分類項目の数は、現行は43項目ですが、分類項目の案では46項目としております。
最後に22ページを御覧ください。『乳児死因順位に用いる分類項目』の案についてです。現行を参考に、『乳児死因簡単分類表』の分類項目から選択することとし、その際、総務省告示の《死因分類表》の変更により厳密な比較が困難な場合でも、『乳児死因簡単分類表』の分類項目に類似するものがある場合には、それを選択することとしてはどうかと考えております。
具体的な分類項目の案はここにお示ししたとおりで、全部で27項目としております。なお、「髄膜炎」については、先ほども御説明したように、選択の元となる『乳児死因簡単分類表』に分類項目がなくなっていることから、こちらの選択にも含まれていないということです。資料の説明は以上です。
○大久保主査
それでは、ただいまの御説明にあった項目について、御意見、御質問がありましたら、よろしくお願いいたします。
○石井委員
御説明ありがとうございました。いろいろな分類が今回ICD-11で大きく変わるところがあるのですが、16ページで御説明いただいた死因年次推移分類は長期の死因の動向を見るときによく使われていると思います。今回、死因年次推移分類は、後ろに2つ、17と18と追加される形になるということで、この追加は結構かと思うのですが、分類表のコードの順番が大分変わっています。ほかの分類と違って、これは2つ追加するという形での変更ですので、年次推移分類の順番の変更は混乱を招くことから、これまでと同じにしてはどうかと思うのですが、いかがでしょうか。
○村田統計管理官
御意見どうもありがとうございます。石井先生のおっしゃるとおり、現行のコードを踏襲したほうが、研究者の皆様にも分かりやすいと思いますので、こちらについては石井先生の御提案のとおり、コードは現行を踏襲する形で修正させていただきたいと思います。次回のワーキンググループで、分類のコードを直したもので御提案させていただきたいと思います。
○石井委員
ありがとうございます。よろしくお願いいたします。
○大久保主査
ほかにいかがでしょうか。死因簡単分類表、選択死因分類表、選択順位に用いる分類表、死因年次推移分類表と、似ていて否なるものがたくさん出てきて、頭の中をよく整理しないと十分に理解できないところがあると思います。
簡単な質問ですけれども、先ほど石井先生からお話があった16ページで、死因年次推移分類表で、例えば高血圧性疾患がICD-10では、高血圧性心疾患が入っています。ICD-11では除くわけです。これは単純に高血圧性疾患だけで時系列を見てしまうと減るわけです。減って心疾患、今までは例えば心臓は2位だったのが、高血圧性心疾患も含むことになるので、数としては増えるという理解でいいですか。
○村田統計管理官
細かいところでは、いろいろとルールの変更などもあるのですが、基本的に高血圧性心疾患が移るということなので、多分増加することとなると思います。
○大久保主査
やってみないと分からないでしょうけれども。
○村田統計管理官
最終的にはブリッジコーディングをすることによって、結果を確認したいと思っております。
○別府委員
今の先生方のお話にもあったとおり、基本的に新しい分類というのは、ICD-11に入った段階から適用して、遡及で過去の統計については変えないという理解でよろしいでしょうか。
○村田統計管理官
人口動態統計は統計基準に沿って作っておりますので、基本的にそのときに適用される基準で作るというのが基本だと思っています。ですので、ブリッジコーディングで、ICD-10からICD-11にどう変わるかという影響は見た上で、ICD-11になったらICD-11の統計表を粛々と作っていくということかと思っています。
○別府委員
今、大久保先生からお話がありましたが、端的に言えば統計として見たときに、不連続が起こり得るという話だったと思うのですが、それはそれで、分類が変わったからしようがないという形で許容していくのだということですね。
○村田統計管理官
公表する際に、ブリッジコーディングの結果も併せてお示ししようと思っておりますので、統計表を見る方に、ブリッジコーディングの結果でどれぐらい影響があるのかを併せ見た上で判断していただくという形にさせていただければと思います。
○大久保主査
知りたいところですが、白血病はコード上は無くなってしまったので、致し方がないということでよろしいですか。
それ以外に、死亡個票を研究として立ち上げて使用し、一生懸命拾う、いずれにせよ統計上は取れない。
○中山死因分類基準指導官
白血病はICD-10からICD-11への変更の中でも、かなり大きな変更の1つで、骨髄系、リンパ系、組織のリンパ組織という所に、大きく3つに分かれてしまい、基本分類の中で、どれがこれまでの白血病だったかを定めることも難しいような状況です。統計として、どの部分が白血病に当たるかを決めるのはかなり難しい状況となっております。やるとすれば、研究ということになると思っております。
○大久保主査
白血病の研究をされている方はお困りなのかもしれないのですが、それは研究などで別途調査をするということかもしれません。
ほかにいかがでしょうか。何か事務局から追加することはありますか。
○村田統計管理官
特にございません。
○大久保主査
石井先生から頂いた御意見は取り入れて、次回以降に検討していただければと思っております。
議題2について全て説明が終わりましたが、発言し忘れたこと、思い出した御意見、御質問等があれば、振り返っていただいても構いませんが、いかがでしょうか。また思い出しましたら、お問合せていただいて、御確認していただければと思います。
それでは、最後に議題3「その他」となります。事務局は何かございますか。
○飯島統計企画調整室長
特段ございません。
○大久保主査
委員の先生方はよろしいですか。特にないようですね。
どうもありがとうございました。本日予定しておりました議題は以上となります。全体を通じて更にということがあればと思いますが、特にないようですので事務局へお返しいたします。
○飯島統計企画調整室長
皆様、本日はお忙しい中、御出席いただき、ありがとうございました。これをもちまして、人口動態統計のICD-11準拠の統計分類適用に係るワーキンググループを終了させていただきます。次回の開催日程については、事務局から追って御連絡させていただきますので、よろしくお願いいたします。本日はありがとうございました。
(了)
照会先
政策統括官付参事官付統計企画調整室
電話:03-5253-1111(内線7373)

