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- 2025年11月5日 中央社会保険医療協議会 薬価専門部会・費用対効果評価専門部会 第8回議事録
2025年11月5日 中央社会保険医療協議会 薬価専門部会・費用対効果評価専門部会 第8回議事録
日時
場所
出席者
- 構成員等
-
- 城山英明部会長
- 小塩隆士委員
- 飯塚敏晃委員
- 笠木映里委員
- 本田文子委員
- 鳥潟美夏子委員
- 松本真人委員
- 永井幸子委員
- 髙町晃司委員
- 奥田好秀委員
- 江澤和彦委員
- 黒瀬巌委員
- 小阪真二委員
- 太田圭洋委員
- 大杉和司委員
- 森昌平委員
- 藤原尚也専門委員
- 越後園子専門委員
- 守田恭彦専門委員
- 前田桂専門委員
- 事務局
-
- 間保険局長
- 林医療課長
- 梅木医療技術評価推進室長
- 吉田保険医療企画調査室長
- 和田歯科医療管理官
- 清原薬剤管理官 他
議題
- 創薬力向上のための官民協議会ワーキンググループ議論の整理の報告
議事
- 議事内容
○城山部会長
ただいまより、第8回「中央社会保険医療協議会 薬価専門部会 費用対効果評価専門部会 合同部会」を開催いたします。
本合同部会の議事の進行については、薬価専門部会の部会長であります、私、城山が務めさせていただきますので、どうぞよろしくお願いいたします。
この合同部会は、総会と同様、対面を基本としつつ、オンラインも組み合わせての開催としております。また、会議の公開につきまして、ユーチューブによるライブ配信で行うこととしております。
まず、本日の委員の出欠状況について御報告いたします。
本日は、鈴木委員、伊藤委員、荒川専門委員が御欠席です。
また、今回は参考人として、福田参考人、池田参考人に御参加いただいております。
会議冒頭のカメラの頭撮りは、ここまでとさせていただきたいと思います。よろしくお願いいたします。
(カメラ退室)
○城山部会長
それでは、議事に入らせていただきます。
今回は「創薬力向上のための官民協議会ワーキンググループ議論の整理の報告について」を議題といたします。
事務局より資料が提出されておりますので、事務局より説明をお願いいたします。
○安中医薬産業振興・医療情報企画課長
医政局医薬産業振興・医療情報企画課長でございます。
それでは、資料薬費-1の、まず、参考のほうから御覧いただければと思います。参考資料の1ページ目でございます。
創薬力向上に向けては、本年6月に創薬力向上のための官民協議会が開催され、総理御出席のもと、関係大臣や製薬企業、アカデミアなどが出席し、官民で我が国の医薬品産業の創薬力の強化に向けた議論を行ったところでございます。
一番下の箱にありますが、この会議の中で総理より、具体的な方策を議論するため、協議会のもとにワーキンググループを設ける旨が発表されてございます。
次のページを御覧ください。
一番下の箱に構成員が書いておりますが、具体的には、業界団体、有識者、関係省庁の課長級を構成員とするワーキンググループを設置し、スケジュールとしましては、まずは、現在、ここ中医協で議論が進められております、薬価に関する部分を中心として議論を行い、中医協など関係審議会に報告することとし、その他の課題につきましても、その後、引き続き議論を行い、来年5月頃の官民協議会には、議論を整理して報告するということとしております。
それでは、薬費-1を御覧いただければと思います。
これまで、このワーキンググループにつきましては、3回開催しまして、今般、議論の整理として取りまとめをさせていただきました。
先ほど申し上げた枠組みの中で、ワーキンググループの構成員が活発な議論を重ね、産業政策の観点から議論を整理したものでございまして、これも踏まえながら中医協において、今後の議論を進めていただきますよう、お願い申し上げます。
1ページ目のⅡのところでございます。成長産業・基幹産業としての政策方針というところでございますが、まず、3つ目の○にありますように、成長産業・基幹産業としてふさわしい仕組みの整備が必要であり、官民協議会を通じて中長期的視点に立った国家戦略を早期に策定し、実現していくことが必要であるとしております。
次に、2ページのⅢ、薬価の関係でございますが、まず、1番の基本的考え方としまして、2つ目の○でございます。
内外からの投資を我が国に呼び込み、ドラッグ・ラグ/ドラッグ・ロスを解消するためには、我が国の医薬品市場が、イノベーションが適切に評価されるものであることが重要であるといたしまして、3つ目の○にありますように、革新的新薬について特許期間中は薬価を維持し、研究開発コストを回収しやすくして、次のイノベーションへの再投資につなげることを基本的考え方としていくべきである。
その上で、後発品上市後は、後発品企業に安定供給等の役割を譲った上で、先発品は原則として市場から撤退することが目指すべき産業構造であるとしております。
下のほうに参りまして「2 創薬イノベーションの推進について」「① 革新的な医薬品の上市時の薬価について」でございます。
ここにつきましては、○の3行目にありますように、様々な意見がございました。主な意見をここに列記してございます。
まず、黒ポツの1つ目でございますが、イノベーションの評価や収載後に明らかになった価値の評価も含め、再生医療等製品など多様な医薬品の価値を評価する手法の開発と適用を検討していくべきという意見がございました。
また、次の3ページでございますが、2つ目の黒ポツになります。
米国の最恵国待遇価格政策に関し、日本での薬価が米国での価格に波及する可能性を懸念し、新薬導入に慎重になることで、ドラッグ・ラグ、ドラッグ・ロスとなるリスクがある。他国と比して魅力度が劣らない市場であることが必要であり、スピード感を持って対応を検討すべきとの意見がございました。
次に「② 革新的医薬品の特許期間中の薬価について」でございます。
2つ目の○にありますように、費用対効果評価制度につきましても、様々な意見が交わされたところでございます。
黒ポツの1つ目としまして、一般論として、薬価に関し、経済性を考慮要素に含めることは科学的であり、一定の合理性があると考えられるとの意見がありました。
一方で、3つ目の黒ポツにありますように、現行の費用対効果評価制度では、第三者を交えた客観的な検証を行うとともにその結果も踏まえた適切な評価手法を確立すべきであり、客観的な検証なく、さらなる活用や拡大をすべきではないとの意見もあったところでございます。
一番下の○ですが、市場拡大再算定制度につきましての意見は、次の4ページ目になります。
黒ポツの1つ目になりますが、有用な効能追加を行った場合の補正加算による引下げ率緩和や、特例拡大再算定の廃止、類似品の適用除外、規模の経済が働かない再生医療等製品の適用除外、希少疾病や小児などの効能追加の対象除外などを検討すべきとの意見があった一方で、次のポツになりますが、市場拡大再算定の考え方には、一定の合理性があると考えられるとの意見もあったところでございます。
次の○は、その他の関係でありますが、インフレ等の経済動向への配慮あるいは診療報酬改定のない年の薬価改定を廃止すべき、また、2027年の診療報酬改定のない年の薬価改定の枠組みについて、本年中に議論し、予見可能性を高めるべきとの様々な意見があったところでございます。
次に、3番の医薬品産業の構造改革等について、①の長期収載品の関係でございます。
2つ目の○にありますが、長期収載品の段階的な薬価引下げルールや、選定療養等の政策効果を分析し、さらなる施策の必要性等を検討することが必要であるとしております。
また、その下、3つ目の○にありますように、基礎的医薬品等の薬価の下支えや撤退スキームの運用改善をすべきとの意見もあったところでございます。
次に、②の後発医薬品産業の持続可能な産業構造の在り方につきましては、2つ目の○にありますとおり、オーソライズド・ジェネリックについて、関連する薬価・薬事ルールに関する議論が必要であるとしております。
次に、5ページにまいりまして「4.その他」、①のバイオシミラー市場への参入促進等につきましては、1つ目の○にありますとおり、バイオシミラーの普及・国内製造のための政策誘導を強めていくことが重要である。
また、2つ目としまして、先行バイオ医薬品の選定療養やバイオAGに係るルールの整備についても検討していくことが必要であるとしております。
次に、②の国民皆保険の持続可能性の確保等につきましては、2つ目の○にありますように、様々な意見があったところでございますが、主な意見といたしまして、1つ目の黒ポツにありますとおり、薬価改定に頼らない社会保障財源の捻出をすべきという意見がありました。
また、3つ目としまして、革新的医薬品産業による国内における研究開発や投資が、日本の経済成長を牽引し、結果として制度の持続可能性に寄与する視点も踏まえて検討を進めるべきであるとの意見もあったところです。
また、4つ目にありますように、医療DXの推進、医療データの利活用の推進の意見、あるいはその下のリアルワールドデータの活用を含めた様々な視点から情報を集め、分析することが必要といった意見もございました。
最後に6ページになりますが「今後のワーキング等において議論を深めていくべき事項」としまして、様々な視点から御意見をいただいたところでございまして、これらにつきまして、引き続き、我が国の医薬品産業の国際競争力を高めていくために必要となる施策を、来年夏の取りまとめに向けまして、総合的、包括的に検討を深めていくこととしております。
私からは以上でございます。
○城山部会長
どうもありがとうございました。
それでは、ただいまの説明について、何か御質問、御意見等ございましたら、よろしくお願いいたします。いかがでしょうか。
高町委員、よろしくお願いします。
○高町委員
ありがとうございます。
創薬力の強化は大変重要な課題です。創薬力を強化することは、患者にいち早く新薬を届けるためにも、ドラッグ・ラグ/ドラッグ・ロスを解消するためにも必要なことで、そのためにイノベーションは大変重要なことだと思います。
しかし、それと同時に、新薬が重篤な副作用を引き起こさないように、安全性に関する議論も必要だと考えます。
薬害を引き起こさない薬を開発することができて、真の創薬力強化と言えると思います。今回の資料を見ていますと、この点に全く触れられていません。薬害や副作用被害を二の次にした創薬では患者のためにはなりませんので、この点に十分に御配慮いただきますよう、よろしくお願いします。
○城山部会長
どうもありがとうございました。
ほかは、いかがでしょうか。
松本委員、お願いします。
○松本委員
どうも御説明ありがとうございました。
御報告いただいた内容につきましては、業界団体、有識者、そして関係省庁の方々からの御意見として拝聴させていただきました。
具体的な対応につきましては、次期薬価制度改革に向けて中医協の中で、議論をさせていただきたいと思います。
私からは以上でございます。
○城山部会長
どうもありがとうございます。
ほかは、いかがでしょうか。
1号委員、2号委員の方々からは特にございませんか。
専門委員の方から、何か御意見ございますでしょうか。よろしいでしょうか。
それでは、どうもありがとうございました。
ほかに御意見等もないようでしたら、本件に係る質疑はここまでとしたいと思います。
本日の議題は以上であります。
それでは、本日の合同部会は、これにて閉会といたします。どうもありがとうございました。

