2025年11月5日 中央社会保険医療協議会 総会 第624回議事録

日時

令和7年11月5日(水)9:00~

場所

日比谷国際ビルコンファレンススクエア8階

出席者

構成員等
  • 小塩隆士会長
  • 飯塚敏晃委員
  • 笠木映里委員
  • 永瀬伸子委員
  • 本田文子委員
  • 城山英明委員
  • 鳥潟美夏子委員
  • 松本真人委員
  • 永井幸子委員
  • 高町晃司委員
  • 奥田好秀委員
  • 茂松茂人委員
  • 江澤和彦委員
  • 黒瀬巌委員
  • 小阪真二委員
  • 太田圭洋委員
  • 大杉和司委員
  • 森昌平委員
  • 木澤晃代専門委員
  • 上田克彦専門委員
  • 小松和子専門委員
事務局
  • 間保険局長
  • 林医療課長
  • 梅木医療技術評価推進室長
  • 吉田保険医療企画調査室長
  • 和田歯科医療管理官
  • 清原薬剤管理官 他

議題

  • 部会・小委員会に属する委員の指名等について
  • 医薬品の新規薬価収載等について
  • 最適使用推進ガイドラインについて
  • 費用対効果評価の結果を踏まえた薬価の見直しについて
  • PETの保険適用について
  • DPCにおける高額な新規の医薬品等への対応について
  • 入院について(その4)
  • 個別事項について(その5)がん対策・難病対策・透析医療・緩和ケア

議事

(前半)
○小塩会長
おはようございます。
ただいまより第624回「中央社会保険医療協議会 総会」を開催いたします。
本日も対面を基本としつつ、オンラインも組み合わせての開催としております。また、会議の公開につきましては、ユーチューブによるライブ配信で行うこととしております。
まず、委員の出席状況について御報告いたします。
本日は、鈴木委員、伊藤委員、田島専門委員が御欠席です。
本日の中医協総会につきましては、まず、委員の交代について御報告いたします。その後、総会を一時中断いたしまして、薬価専門部会・費用対効果評価専門部会の合同部会を開催いたします。その後に、改めて総会を再開し、その他の議題の審議を行っていただきます。
それでは、最初に委員の交代について御報告いたします。
今回は3名の交代がございます。
まず、1号側委員ですが、佐保昌一委員におかれましては、10月29日付で退任され、その後任といたしまして、永井幸子委員が10月30日付で発令されております。
続きまして、2号側委員ですが、池端幸彦委員におかれましては、10月29日付で退任され、その後任といたしまして、小阪真二委員が10月30日付で発令されております。
続きまして、専門委員ですが、岡本章委員におかれましては、10月29日付で退任され、その後任といたしまして、田島健一委員が10月30日付で発令されております。
なお、各委員からは、自らが公務員であり、高い倫理観を保って行動する旨の宣誓をいただいております。
それでは、新しく委員となられました永井委員、小阪委員より、それぞれ一言ずつ御挨拶をお願いいたします。
最初に、永井委員、お願いいたします。
○永井委員
皆様、おはようございます。日本労働組合総連合会の永井と申します。
医療は身近なものという視点を大切に取り組んでまいりたいと思います。どうぞよろしくお願いいたします。(拍手)
○小塩会長
どうぞよろしくお願いいたします。
続きまして、小阪委員、よろしくお願いいたします。
○小阪委員
新しく委員になりました、小阪でございます。全国自治体病院協議会のほうから出ております。いろいろと不慣れなこともありますので、少しとんちんかんなことを言うかもしれませんが、それは御容赦ください。慣れて、早く議論に参加できるようになりたいと思います。よろしくお願いいたします。(拍手)
○小塩会長
どうぞよろしくお願いいたします。
それでは、カメラの頭撮りはこのあたりということでお願いいたします。
(カメラ退室)
○小塩会長
それでは、議事に入らせていただきます。
最初に、今、行いました委員の交代に伴いまして、部会及び小委員会に属する委員についてつきましても異動がございます。
部会、小委員会に属する委員につきましては、社会保険医療協議会令第1条第2項等の規定によりまして、中医協の承認を経て、会長が指名することとされております。委員のお手元に総-1といたしまして、新しい中医協の委員名簿とともに、異動のある部会及び小委員会の名簿の案をお配りしております。
まず、永井委員についてですが、佐保委員からの交代となりますので、まず、3ページの調査実施小委員会、4ページ目の診療報酬基本問題小委員会、それから6ページの薬価専門部会、7ページの保険医療材料専門部会に所属していただきます。
続きまして、小阪委員ですが、池端委員からの交代となりますので、3ページの調査実施小委員会、8ページの費用対効果評価専門部会に所属していただきたいと思いますが、そのように指名することでよろしいでしょうか。
(異議なしの意思表示あり)
○小塩会長
ありがとうございます。
それでは、そのようにさせていただきます。
なお、田島専門員におかれましては、岡本専門員からの交代となりますので、部会、小委員会への指名はなく、総会の専門委員として所属していただきますので、よろしくお願いいたします。
それでは、冒頭に申し上げたとおり、ここで総会を一旦中断いたします。そして、薬価専門部会・費用対効果評価専門部会の合同部会の審議を行った後に、改めて総会を再開したいと思います。
それでは、本日の総会は、一時中断いたします。

(後半)
○小塩会長
それでは、総会を再開いたします。
まず「医薬品の新規薬価収載等について」を議題といたします。
本日は薬価算定組織の弦間委員長にお越しいただいておりますので、まず「医薬品の新規薬価収載等について」を弦間委員長より御説明をお願いいたします。
○弦間委員長
薬価算定組織の委員長の弦間でございます。
私から、今回検討しました新医薬品の算定結果について御報告いたします。
資料総-2-1を御覧いただきたいと思います。
今回、報告する新医薬品は、1ページの一覧表にありますように15個でございます。
それでは、算定内容について説明させていただきます。
まず、1品目目でございますけれども、ドルミカムシロップでございます。2ページ~3ページ目を御覧いただきたいと思います。
本剤は、麻酔前投薬を効能・効果としており、原価計算方式により算定いたしました。
本剤は、小児に対する麻酔前投薬の標準的方法であるなどから、有用性加算(Ⅱ)の5%加算と、特定用途医薬品に指定されていることなどから、特定用途加算10%加算を適用することが妥当と判断いたしました。
補正加算について、換算係数に1を適用しまして、15%の補正加算を適用いたしました。
その結果、本剤の算定薬価は0.2%1mL、1,117.80円となりました。
続きまして、2品目目、ナルティークOD錠でございます。
4ページ~5ページを御覧いただきたいと思います。
本剤は、片頭痛発作の急性期治療及び発症抑制を効能・効果としており、アイモビーグ皮下注を最類似薬とした類似薬効比較方式(Ⅰ)により算定いたしました。
本剤は、使用に際しての利便性が高いことなどから、有用性加算(Ⅱ)の5%加算を適用することを妥当と判断いたしました。
その結果、本剤の算定薬価は、75mg1錠、2,923.20円となりました。
続きまして、3品目目でございますけれども、ネクセトール錠でございます。6ページ~7ページを御覧いただきたいと思います。
本剤は、高コレステロール血症、家族性高コレステロール血症を効能・効果としており、レパーサ皮下注を最類似薬とした類似薬効比較方式(Ⅰ)により算定いたしました。
本剤は、新規の作用機序を有することなどから、有用性加算(Ⅱ)の5%加算を適用することが妥当と判断いたしました。
その結果、本剤の算定薬価は、180mg1錠、371.50円となりました。
続きまして、4品目目でございます。ビルベイ顆粒でございます。
8ページ~9ページ目を御覧いただきたいと思います。
本剤は、進行性家族性肝内胆汁うっ滞症に伴うそう痒を効能・効果としており、リブマーリ内用液を最類似薬とした類似薬効比較方式(Ⅰ)により算定いたしました。
本剤は、希少疾病用医薬品に指定されていることなどから、市場性加算(Ⅰ)の10%加算を適用することが妥当と判断いたしました。
その結果、本剤の算定薬価は汎用規格で、600μg1個、8万9,114.70円となりました。
続きまして、5品目目のフジケノン粒状錠でございます。10ページ~11ページを御覧いただきたいと思います。
本剤は、脳腱黄色腫症を効能・効果としており、オファコルカプセルを最類似薬とした類似薬効比較方式(Ⅰ)により算定いたしました。
本剤は標準療法として記載されていることなどから、有用性加算(Ⅱ)の5%加算を適用することが妥当と判断いたしました。
その結果、本剤の算定薬価は125mg1包、2万2,043.00円となりました。
続きまして、6品目目でございます。
イブトロジーカプセルでございます。12ページ~13ページを御覧いただきたいと思います。
本剤は、ROS1融合遺伝子陽性の切除不能な進行・再発の非小細胞肺がんを効能・効果としており、オータイロカプセルを最類似薬とした類似薬効比較方式(Ⅰ)により算定いたしました。
本剤は、迅速導入加算の5%加算を適用することが妥当と判断いたしました。
その結果、本剤の算定薬価は200mg1カプセル、9,711.20円となりました。
続きまして、7品目目でございます。
ヘルネクシオス錠でございます。14ページ~15ページを御覧いただきたいと思います。
本剤は、がん化学療法行に増悪したHER2(ERBB2)遺伝子変異陽性の切除不能な進行・再発の非小細胞肺がんを効能・効果としており、ローブレナ錠を最類似薬とした類似薬効比較方式(Ⅰ)により算定いたしました。
本剤は、迅速導入加算の5%加算を適用とすることが妥当と判断いたしました。
その結果、本剤の算定薬価は、60mg1錠1万3,881.90円となりました。
続きまして、8品目目でございます。
ゾフルーザ顆粒でございます。16ページ~17ページを御覧いただきたいと思います。
本剤は、A型またはB型インフルエンザウイルス感染症の治療を効能・効果としており、ゾフルーザ錠を最類似薬とした類似薬効比較方式(Ⅰ)により算定いたしました。
その結果、本剤の算定薬価は2%500mg1包、1,666.20円となりました。
続きまして、9品目目でございます。
アイザベイ硝子体内注射液でございます。18ページ~19ページを御覧いただきたいと思います。
本剤は、萎縮型加齢黄斑変性における地図状萎縮の進行抑制を効能・効果としており、原価計算方式により算定いたしました。
本剤は、治療法が確立していない疾病に対する治療薬であることなどを踏まえ、有用性加算(Ⅱ)の5%加算を適用することが妥当と判断いたしました。
補正加算については、加算係数ゼロを適用して、0パーセントの補正加算を適用いたしました。
その結果、本剤の算定薬価は、2mg、0.1mL1瓶、14万2,522円となりました。
続きまして、10品目でございますけれども、プルヴィクト静注でございます。20ページ~21ページを御覧いただきたいと思います。
本剤は、PSMA陽性の遠隔転移を有する去勢抵抗性前立腺がんを効能・効果としており、原価計算方式により算定いたしました。
本剤は、新規の作用機序を要することなどから、有用性加算(Ⅱ)の5%加算を適用することが妥当と判断いたしました。
補正加算については、加算係数ゼロを適用して0パーセントの補正加算を適用いたしました。
その結果、本剤の算定薬価は、7.4G㏃1瓶、338万9,878円となりました。
続きまして、11品目目でございます。ガリアファームジェネレータでございます。22ページ~23ページを御覧いただきたいと思います。
本剤は、PETイメージングのために承認された被標識用製剤のガリウム標識を効能・効果としております。
原価計算方式により算定いたしました。
本剤は、既収載品と異なる放射線同位体のジェネレータ剤であることなどから、有用性加算(Ⅱ)の5%加算を適用とすることが妥当と判断いたしました。
補正加算について、加算係数ゼロを適用して、0パーセントの補正加算を適用いたしました。
その結果、本剤の算定薬価は1患者当たり31万5,161円となりました。
続きまして、12品目目のアイマービー点滴静注でございます。24ページ~25ページ目を御覧いただきたいと思います。
本剤は、全身型重症筋無力症を効能・効果としており、リスティーゴ皮下注を最類似薬とした類似薬効比較方式(Ⅰ)により算定いたしました。
本剤は、小児加算の10%加算及び迅速導入加算の5%加算を適用することが妥当と判断いたしました。
その結果、本剤の算定薬価は、汎用規格で1,200mg6.5mL1瓶、196万7291円となりました。
13品目目のロカメッツキットでございます。26ページ~27ページ目を御覧いただきたいと思います。
本剤は、PSMA標的療法の前立腺がん患者への適応判定の補助を効能・効果としており、原価決算方式により算定いたしました。
本剤は、初めてのPSMAを標的とした診断薬であることなどから、有用性加算(Ⅱ)の5%加算を適用することが妥当と判断いたしました。
補正加算について加算係数ゼロを適用して0パーセントの補正加算を適用いたしました。
その結果、本剤の算定薬価は18万5,947円となりました。
続きまして、14品目目のネフィー点鼻液でございます。28ページ~29ページを御覧いただきたいと思います。
本剤は、蜂毒、食物及び薬物等に起因するアナフィラキシー反応に対する補助治療を効能・効果としており、原価計算方式により算定いたしました。
本剤は、投与時の利便性を向上することなどから、有用性加算(Ⅱ)の5%加算と、小児加算の10%加算を適用することが妥当と判断いたしました。
補正加算について加算係数0.6を適用して、9%の補正加算を適用しました。
その結果、本剤の算定薬価は、汎用規格で、2mg0.1mg1瓶、2万4,672.10円となりました。
続きまして、15品目目でございます。ワイキャンス外用液でございます。30ページ~31ページを御覧いただきたいと思います。
本剤は、伝染性軟属腫を効能・効果としており、原価計算方式により算定いたしました。
本剤は、小児加算の10%加算を適用することが妥当と判断いたしました。
補正加算につきましては、加算係数ゼロを適用して、0パーセントの補正加算を適用いたしました。
その結果、本剤の算定薬価でございますけれども、0.71%0.45mL1管、1万4,995.60円となりました。
それでは、続きまして、市場拡大再算定について説明させていただきたいと思います。
資料総-2-2を御覧いただきたいと思います。
効能追加等があった医薬品などについて、一定規模以上の市場拡大があった場合は、年4回の新薬収載の機会を活用して再算定の規定を適用し、薬価を見直すこととされています。
今般、令和7年6月診療分のNDBデータを確認しましたところ、キイトルーダ点滴静注について、市場拡大再算定の特例の要件に該当すると判断いたしました。
補正加算について、子宮体がんなどによる真の臨床的有用性が示されたこと、メルケル細胞がんに対する成人と小児の同時開発がなされていることなどから、それぞれ補正加算5%を適用しています。
その結果、改定価格は資料の表の中ほど、改定薬価の欄に示した額となりました。
以上で、私からの説明は終わらせていただきたいと思います。
○小塩会長
ありがとうございました。
それでは、引き続き、事務局から補足と説明をお願いいたします。
○清原薬剤管理官
薬剤管理官でございます。資料に関して補足説明をさせていただきます。
まず、資料総-2-1の1ページを御覧ください。
今回、費用対効果評価の対象が4品目ございます。
まず、2番目のナルティークOD錠、3番目のネクセトール錠は、いずれも類似薬効比較方式(Ⅰ)により算定され、有用性系加算の対象とされた医薬品でございます。
ピーク時の市場規模予測は、それぞれ218億円及び183億円であるため、H1品目に該当いたします。
次に、9番目のアイザベイ硝子体内注射液及び10番目のプルヴィクト静注は、いずれも原価計算方式により算定され、原価計算の開示度50%未満の品目でございます。
ピーク時の市場規模予測は、それぞれ153億円及び421億円であるため、H1品目に該当いたします。
次に、令和6年度薬価制度改革でのイノベーション評価に関する内容の制度改正に該当するものがありましたので御紹介いたします。
まず、6番目のイブトロジーカプセルと、7番目のヘルネクシオス錠は、それぞれ13ページ及び15ページのとおり、制度改革で新設されました迅速導入加算の要件を満たし、5%の加算を適用しております。
続きまして、12番目のアイマービー点滴静注は、25ページのとおり、小児加算が10%となっております。既収載品の類薬を含め、本剤が初めて小児に係る用法・用量を取得した薬剤であることから、加算率をこれまでより大きく評価したものでございます。
また、迅速導入加算の要件を満たし、5%の加算をしております。
14番目のネフィー点鼻液は、29ページのとおり、小児加算が10%となっております。
治験の実施が難しい適応であるところ、小児患者を対象に国内臨床試験を実施していること等から、加算率をこれまで大きく評価したものでございます。
最後に、15番目のワイキャンス外用液0.71%は、31ページのとおり、小児加算が10%となっております。
本疾患に係る効能・効果で、承認された初めての薬剤であること等から、加算率をこれまでより大きく評価したものでございます。
次に、総-2-3を御覧いただければと思います。
今回の薬価収載予定の新薬のうち、14日処方の制限ルールの例外的な取扱いに関する御提案がございます。
対象品目は、ビルベイ顆粒でございます。
2ページ目を御覧ください。
「(2)製剤上の特性」に記載のとおり、本剤は1ボトル30個入りでございます。製剤の特性上、元のボトルのまま保管することが推奨されており、分包化せずにボトルのまま処方・管理することが望ましいものでございます。
また、非常に限られた患者数に対して使用される薬剤であることなどから、国際的に包装単位が統一されているため、日本向けに小包装化した製剤の開発が難しい状況でございます。
臨床試験において14日を超える投薬における安全性が確認されているため、例外的に処方日数制限を14日間ではなく30日間として取り扱うこととしてはどうかという御提案でございます。
説明は以上でございます。
○小塩会長
ありがとうございました。
それでは、ただいまの説明につきまして、御質問等ございましたら、よろしくお願いいたします。
森委員、お願いいたします。
○森委員
ありがとうございます。
今回の医薬品の新規収載については異論ありません。
その中で、今回収載された4番目のビルベイ顆粒200マイクロ及び600マイクロについてお願いがあります。
今、事務局からも取扱い上の注意ということがありましたけれども、本剤の添付文書の取扱い上の注意に、光を避けるため、ボトル開封後も元のボトルのまま保管することとなっております。
また、総-2-3の2ページ目にあるように、本剤の取扱い上の注意として分包処方も可能であるが、本剤の取扱上の注意として光を避けるため、ボトル開封後も元のボトルのまま保管することが推奨されており、基本的には分包化せずにボトルまま処方・管理することが望ましいとなっています。
また、本剤は、希少疾病用医薬品に指定されており、限られた患者に対して使用される薬剤であることから、分包処方した場合、薬局や医療機関での残薬の課題があります。
そのため、ボトル単位での処方、投与が前提となると考えます。現場に本剤についての14日ルールの例外的な取扱いとなること、ボトル単位での処方、投与が前提となることについての周知をお願いしたいと思います。
私からは以上です。
○小塩会長
ありがとうございました。
ほかは、いかがでしょうか。
よろしいでしょうか。
高町委員、お願いいたします。
○高町委員
ありがとうございます。
私からは3点、質問したいと思います。
1点目は、イブトロジーカプセルについてです。
この薬剤は、迅速導入加算が適用されていますが、これは、欧米で最も早く承認されてから6か月以内という要件に従ってアメリカでの承認を対象としたものですが、それより以前の2024年12月に承認された中国は対象になっていないのでしょうか。
2点目ですが、ゾフルーザについてです。
この薬剤の効能・効果は治療及び予防となっており、治療のみ薬価収載希望となっています。ということは、予防に関しては患者が望んだときに自由診療で行うことになるかと思います。
この場合、同居家族などが感染したときに、感染リスクの高い高齢者などに投与したときに重篤な副反応が出た場合は、医薬品副作用救済制度の対象となりますが、例えば、受験生が希望して予防投与した場合、つまり本人が自らの意思で投与を受けた場合は、この制度の対象とならないと認識していますが、それでよろしいのでしょうか。
関連して、タミフルやリレンザといった予防投与が可能な医薬品に関して、予防投与がどの程度行われていて、重篤な副反応がどの程度出ているのかの実態を把握する仕組みはあるのでしょうか。
3点目ですが、プルヴィクトについてです。外国平均価格調整で引下げとなっていますが、フランスの価格を外国平均価格としており、英米独仏の価格を参照するという従来の方法とは、若干違っていると思われます。この理由は何かあるのでしょうか。
以上について、お教えください。
私からは以上です。
○小塩会長
ありがとうございました。
高町委員から、3点御質問がありましたが、事務局いかがでしょうか。
○清原薬剤管理官
薬剤管理官でございます。
まず、最初のイブトロジーカプセルで、最初に中国で承認をされているのですが、今の迅速導入加算の要件といたしましては、比較をする承認国としまして、アメリカ及び欧州よりも早い、あるいは6か月以内ということになっております。
ですから、現在、中国が最初ということは基準にしておりませんので、今回、対象となる国のアメリカで最初に承認されておりますので、ここを基準に迅速導入加算の要件に該当すると判断したものでございます。
2つ目が、ゾフルーザに関する予防投与でございます。
御指摘のように、保険適用につきましては、予防投与というのは保険の対象としておりません。
御質問がありました予防投与のほうでお使いになったときに、自ら望んで若い方がなったときに、副作用救済にならないのではないかということにつきましては、私の理解では、基本的には適正使用で行われていれば、承認されている範囲内では、重篤な副作用であれば、救済の対象になりえるという理解なのですが、ここは、後ほど原課に確認をしてお答えをさせていただきます。
あわせまして、予防投与での副作用の情報、こちらにつきましても、副作用が認識されましたら医療関係者あるいは御本人からもPMDAに報告する制度がありますので、そこで収集されることとなろうかと思います。
それから、3つ目でございますが、3つ目は、プルヴィクト静注の海外価格のところで、フランスを対象にして価格を引き下げているということでございますが、価格のリストにつきましては、どれを参考にするのかというのがあらかじめ決められております。
今回、英国に関しては、価格を載せているのですが参考としております。これは、実はNHSというところでの価格ということで、イギリスの価格についてはMIMSという出版されているところに載っているものを参照にするということにしておりますので、価格は情報として載せておりますが、価格調整の対象とする書籍等のものではないので、今回の価格調整では、フランスだけがその対象になって、今回、引下げになっているというものでございます。
以上でございます。
○小塩会長
高町委員、いかがでしょうか。
○高町委員
ありがとうございます。
薬価算定のルールは、複雑で患者には非常に分かりにくいものです。どのようにして薬価が決められて、どのような場合に救済を受けられるかといったことが理解できることによって、患者が安心して医療を受けられると思います。そのために、ルールの明確化や透明性の推進をぜひお願いしたいと思います。ありがとうございます。
○小塩会長
ありがとうございました。
それでは、ほかに御意見、御質問ございますでしょうか。
よろしいでしょうか。ほかには、特に御質問等ないということですので、本件につきましては、中医協として承認するということでよろしいでしょうか。
(異議なしの意思表示あり)
○小塩会長
ありがとうございます。
それでは、説明のあった件につきましては、中医協として承認したいと思います。
弦間委員長、どうもありがとうございました。
○弦間委員長
どうもありがとうございます。
○小塩会長
続きまして「最適使用推進ガイドラインについて」を議題といたします。
事務局より資料が提出されておりますので、説明をお願いいたします。
○清原薬剤管理官
薬剤管理官でございます。
資料総-3を御覧ください。
再審査期間を終え、有効性及び安全性に関する情報が十分蓄積された品目の効能・効果に関しては、最適使用推進ガイドラインの簡略化を行うこととしております。
今般、オプジーボ点滴静注について、悪性黒色腫に係る再審査が終了し、簡略版の最適使用推進ガイドラインに改訂することとしております。
また、再審査の結果に合わせて、最適使用推進ガイドラインにおける本剤と他の抗悪性腫瘍剤との併用投与に関する規定も見直しを行い、併用薬の規定が削除される予定であることから、関連する保険適用上の留意事項を改正することといたします。
最適使用推進ガイドラインにおける併用薬の規定の具体的な改訂は、別紙にお示ししているとおりでございます。
説明は以上でございます。
○小塩会長
ありがとうございました。
ただいまの説明につきまして、御質問等ございますでしょうか。
よろしいでしょうか。特に御質問等ないようですので、本件につきましては、中医協として承認するということでよろしいでしょうか。
(異議なしの意思表示あり)
○小塩会長
ありがとうございます。
それでは、説明のあった件につきましては、中医協として承認したいと思います。
続きまして「費用対効果評価の結果を踏まえた薬価の見直しについて」を議題といたします。
事務局より資料が提出されておりますので、説明をお願いいたします。
○清原薬剤管理官
薬剤管理官でございます。
資料総-4-1を御覧ください。
9月及び10月の中医協において承認いただきました、医薬品の費用対効果評価結果に基づく価格調整でございます。
まず、レブロジル皮下注用でございます。9月10日の中医協で承認されました、上の表の費用対効果評価の結果に基づきまして、下の表の改定薬価の欄に、患者割合に基づき見直した価格調整の結果を記載しております。
次に、総-4-2を御覧ください。
ビロイ点滴静注用でございます。10月15日の中医協で承認されました、上の表の費用対効果評価の結果に基づきまして、下の表の改定薬価の欄に、患者割合に基づき見直しをした価格調整の結果を記載しております。
いずれにつきましても、適用日は令和8年2月1日でございます。
説明は以上でございます。
○小塩会長
ありがとうございました。
ただいまの説明につきまして、御質問等ございますでしょうか。
よろしいでしょうか。特に御質問等ないようですので、本件につきましては中医協として承認するということでよろしいでしょうか。
(異議なしの意思表示あり)
○小塩会長
ありがとうございます。
それでは、説明のあった件につきましては、中医協として承認したいと思います。
続きまして「PETの保険適用について」を議題といたします。
本日は、保険医療材料等専門組織の渡邉委員長にお越しいただいております。渡邉委員長より御説明をお願いいたします。
○渡邉委員長
それでは、御説明いたします。
中医協総-5の資料を御覧ください。
今回のPETの保険適用は2件です。
2ページ目を御覧ください。
販売名は、ガリアファーム68Ge/68Gaジェネレータと、ロカメッツキットです。
効能・効果は、記載のとおりです。
保険点数につきましては、本品に係る手技は、放射性医薬品合成設備を用いないことや、医療機関内で無菌環境下において薬剤を調整する手技という点での類似性に鑑みて、記載しております準用技術料としております。
製品概要は、資料の6ページを御覧ください。
私からの御説明いたします内容は以上です。
○小塩会長
ありがとうございました。
ただいまの説明につきまして、御質問等ございますでしょうか。
よろしいでしょうか。特に御質問等ないようですので、本件につきましては、中医協として承認するということでよろしいでしょうか。
(異議なしの意思表示あり)
○小塩会長
ありがとうございます。
それでは、説明のあった件につきましては、中医協として承認したいと思います。
渡邉委員長、どうもありがとうございました。
○渡邉委員長
ありがとうございました。
○小塩会長
続きまして「DPCにおける高額な新規の医薬品等への対応について」を議題といたします。
事務局より資料が提出されておりますので、説明をお願いいたします。
○林医療課長
医療課長です。
総-6、DPCにおける高額な新規の医薬品等への対応でございます。
新規に薬価収載された医薬品等につきましては、DPCにおける診療報酬点数表に反映されないことから、高額であることによって、一定の基準に該当する医薬品等を使用した患者に関しては、包括評価の対象外とし、次期診療報酬改定までの間、出来高算定することとされております。
先ほど御議論いただいた医薬品、それから、この間に新たに効能・効果、用法・用量が追加された医薬品につきまして判定を行った結果、表に示した医薬品を当面の間、出来高算定とするということについてお諮りをさせいただくものでございます。
○小塩会長
ありがとうございました。
ただいまの説明につきまして、御質問等ございますでしょうか。
よろしいでしょうか。特に御質問等ないようですので、本件につきましては、中医協として承認するということでよろしいでしょうか。
(異議なしの意思表示あり)
○小塩会長
ありがとうございます。
それでは、説明のあった案件につきましては、中医協として承認したいと思います。
続きまして「入院について(その4)」を議題といたします。
事務局より資料が提出されておりますので、説明をお願いいたします。
○林医療課長
総-7「入院について(その4)」を御覧ください。
2ページ目に目次がございます。包括期入院医療について、本日は、回復期リハビリテーション入院料を除く分について御説明をさせいただきたいと思います。
その他、今日、この後、300ページ資料がございますので、議論の時間を取っていただくためにも、説明はポイントを絞って行わせていただきます。
まず、この資料の19ページまでは、これまでの経緯、現状などをお示ししております。
20ページから地域包括医療病棟に関する資料です。
21ページ、地域包括医療病棟入院料は、一律の入院料となっておりますが、それによって、軽い患者が選択されるといったことを生まないようという意味もありまして、施設基準については、様々なものが基準に入っております。
23ページが、満たすことが困難な項目ということで、各病院からの御意見を集めたものとなってございます。
24ページ、各病棟における在院日数と年齢の関係ですが、高齢の患者ほど、在院日数が延びる傾向にあるという関係でございます。
25ページは、地域包括医療病棟におけるリハビリテーションの実施状況を示しています。
26ページが、ADLが低下した患者の割合。
27ページ、こちらもADLが低下しやすい患者、御高齢の患者のほうが、ADLが低下しやすいということを記載しております。
29ページ、包括内の出来高実績点数と出来高算定の点数をお示ししておりますが、出来高算定の点数が多い疾患群、青い部分、それから、出来高算定の点数は比較的低いが、包括内の出来高点数が多いというのが黄色い群ということでございます。
30ページ、手術を行わない症例においては、救急搬送からの入院や緊急入院の割合が手術を行う症例と比較して高いという内容。
31ページですけれども、包括内の出来高実績点数の分布を見ますと、手術のない緊急入院において高くなっているということでございます。
32ページ、ここまでの論点でございますが、高齢の患者を入院させることへの負のインセンティブを生まない観点からの平均在院日数やADL要件等のアウトカム評価の在り方について、また、高齢者に頻度の高い疾患や緊急入院の受入れを促進する評価の在り方等について挙げさせていただきました。
34ページからが、地域包括ケア病棟入院料でございます。
入院患者数の上位の疾患を急性期病棟の併設あり、なしで御覧いただきますと、若干の違いがあるということでございまして、急性期病棟の併設ありのほうで見ますと、直接入院のところに白内障、水晶体の疾患などが上位に上がっております。
35ページが、直接入院の患者の割合や緊急入院、予定入院の患者の割合など病院ごとにお示ししているものでございまして、急性期病棟を有する施設では自院からの転棟や予定入院が多い、急性期病棟のない施設においては、他院からの転院やや緊急入院が多いという傾向がございます。
36ページが、地域包括ケア病棟における医療資源投入量でございますけれども、左側の下に初期加算を書いてございます。これは、転院、転棟とそれ以外、また、それ以外の中でも救急搬送とそれ以外で点数が分かれておりますが、医療資源投入量を見ますと、緊急入院と予定入院での差が見られるということでございます。
37ページから栄養管理体制についてでして、38ページ、栄養管理に関する加算や管理料が地域包括ケア病棟では包括されているという内容。
39ページが、病棟ごとの職員数。
40ページが、管理栄養士の病棟での業務状況。
41ページが、低栄養のリスクが十分覚知されていないのではないかという内容でございます。
42ページ、ここまでの論点ですが、地域包括ケア病棟の包括内出来高点数が、予定入院と比べて直接の緊急入院の場合は高いことなどを踏まえた、その点数の在り方について、また、適切な栄養管理を行うための体制確保を促す評価の在り方について等を挙げさせていただいております。
43ページからは、これらの病棟を併せた「包括期入院医療の評価について」ということでございます。
44ページ、救急搬送率が上がっている中で、45ページ、前回の改定の内容をお示ししております。
46ページ、包括期入院医療を担う病院の機能を表現し得る指標の候補として、入院・外来分科会のほうで御検討いただいた幾つかの例を示させていただいております。
47ページからは、そうしたものについての実績の状況をお示しさせていただいております。
49ページ、緊急入院については、かなり多く受け入れていただいている病棟が多くなってございますが、一方で、51ページ、後方支援に関する加算の算定については、十分進んでいない状況がございます。
52ページ、協力医療機関の役割等についてということで、前回の改定の内容等をお示ししております。
53ページから、これらの連携の状況について何枚かお示しをさせていただいております。
また、56ページは、後方支援に関する施設基準をまとめてございます。
57ページですけれども、介護保険施設等連携往診加算と協力対象施設入所者入院加算について、カンファレンスの要件等をまとめさせていただいております。
58ページは、類似の診療報酬項目の例となってございます。
また、59ページ~62ページまで、届出状況ですとか、連携の例についてお示ししております。
63ページからは、病棟の在り方についてでございます。
64ページ、地域包括ケア病棟と地域包括医療病棟の疾患の移動でございますけれども、特に急性期病棟の併設のない地域包括ケア病棟と、それから、地域包括医療病棟では、入院している患者さんの病名等が似通っているという内容でございます。
65ページは、救急搬送の割合が多い地域包括ケア病棟における様々な指標をお示ししております。
次に、66ページは、急性期一般入院料と地域包括医療病棟の関係でございますけれども、こちらのほうも入院されている病名というのは非常に似通っておりますが、病院ごとに、どちらの病棟で診ておられるかということに関して見ると、病院ごとのばらつきが多いといいますか、一定の法則が見られないというのが、右側のグラフの内容でございます。
また、67ページは、年齢やADL等で見ても似たような状況になっているということでございます。
70ページ、ここまでの論点です。
地域包括医療病棟や地域包括ケア病棟を有する病院、これらの果たすべき機能がより評価されるための評価の在り方、協力対象施設入所者入院加算等についてのカンファレンスの頻度などの要件の在り方について。
また、地域包括ケア病棟の機能と、それから入院する患者像が地域包括ケア病棟と重複があるという中で、入院時に患者の病態が明らかでない中での受入れを円滑に行う体制の在り方について、地域包括医療病棟と急性期一般入院基本料2~6についても同様に受入れを、円滑に行う体制を確保するための在り方について、こうしたことを論点として挙げさせていただいております。
71ページからは、入院料に包括される薬剤等についてでございます。
73ページ、入院受入れが困難になる理由として、これらの病棟について御回答が上がっているところでございまして、74ページが受入れ困難となり得る高額薬剤の例をお示ししております。
75ページが現行のルールでして、抗悪性腫瘍剤やインターフェロン製剤等について、包括外としている例がございます。
77ページ、論点でございますけれども、慢性疾患の継続的な治療に不可欠で、高額な薬剤を用いながら療養している患者が増えてきている背景を踏まえた入院料に包括されない除外薬剤の範囲について、また、回復期リハビリテーションにおいて、他の病棟と扱いが異なっていることについて、論点として挙げさせていただいております。
続いて、ここからテーマが変わりまして、入退院支援についてでございます。
81ページに、入退院支援の評価についてまとめてございますけれども、入退院支援加算というのが、一番大きな評価となってございまして、入退院支援加算1、急性期で700点、療養病棟で1,300点といった評価、また、その対象となる患者さんが、字が小さいですけれども、右のア~タに書かれてございます。
少し飛びますけれども、85ページが算定した患者の退院困難な要因、何が多いかというのをまとめてございます。
86ページは、人手を要するのはどういう患者さんかということでございまして、まず、一番上の行、現行の算定要件外ではございますけれども、身寄りがなく同居者が不明な者というのが、手間がかかるということで、上位に上がっております。
また、赤で囲っておりますが、退院後に医療処置が必要なこと、また、入院前に比べてADLが低下し、退院後の生活様式の再編が必要であること。こうしたものが上位にありますが、右側、各病棟における頻度を見ますと、地域包括医療病棟や地域包括ケア病棟入院料において、これらの頻度が高いということでございます。
続いて、88ページ、精神科入退院支援加算、前回の改定で新設されました。
89ページに、入退院支援加算との人員配置の関係でございますけれども、それぞれ入退院支援部門に配置する専従の看護師等について、現行のところ、兼務ができないものがあるということになってございます。
90ページは、身寄りがない方の意思決定の支援に関するガイドラインについて。
91ページは、退院に向けて要介護認定の区分変更の必要性などを判断するということも、この退院先の確保のために必要であるという内容です。
92ページは、地域連携診療計画加算についてですが、93ページ、診療情報提供料との関係で、例えば画像等の提供を行った場合には、点数が逆転している現象があるということでございます。
94ページ、入退院支援ルールによる地域連携の促進の事例です。
95ページからは、面会に関してでございますけれども、面会制限によって退院支援等にも影響が生じているという中で、96ページ、高齢者施設においては、面会をむしろ進めていくという事務連絡も出されております。
97ページは、学会の指針、そして、精神科病院においては、面会の機会を設けるよう努めることとされているという内容です。
98ページが、現行のルールの医療機関における取組状況となってございます。
99ページ、高齢者施設等への患者紹介に係る金銭の授受の状況、ほとんどないということなのですけれども、一部金銭を受け取ったことがあるという御回答もございます。
100ページは、療養担当規則においては、こうした事例については、対応する規定がないということ。
101ページは、ソーシャルワーカーの行動基準ガイドラインを載せております。
104ページ、ここまでの論点でございます。
地域包括医療病棟、地域包括ケア病棟では、特に人手や時間を要する患者の割合が多いことを踏まえた入退院支援の評価について。
それから、入退院支援加算と精神科入退院支援加算の両方を届けた場合の双方の業務を兼ねることについての評価。
それから、患者の生活や意思決定を支援する親族がいない場合や、要介護認定の区分変更申請が必要と判断される場合についての評価。
そして、地域連携診療計画加算について、検査画像情報を添付して、情報提供した場合の評価、入退院支援ルールに基づいて入退院支援を行う場合の評価、こういったものを挙げております。
また、面会ルールの見直し、あと、金品を受け取っていないことを入退院支援加算の要件とすることなどについて、論点として挙げさせてだきました。
105ページからは、また、別の論点でございます。看護職員の確保と働き方等についてでございます。
108ページ、何度かお示ししておりますけれども、病院に勤務する看護職員の数が減ってきているということが問題意識の背景にございます。
また、111ページ、看護職員の離職理由。
そして、112ページには、看護職員確保に関する施策をまとめてございます。
113ページからは現行の取組、115ページまで、そして、116ページについては、特定行為に係る研修制度の概要等をお示ししております。
さて、具体的には、119ページからでございますけれども、看護職員の確保について困難を感じている医療機関が多いということ、そして、また、有料の求人サービスを利用されている医療機関が多いという内容でございます。
120ページは、ハローワークにおける支援、そして、121ページは、都道府県ナースセンターにおける支援をまとめてございます。
122ページは、有料職業紹介事業者の認定制度についてまとめてございます。
123ページですけれども、新型コロナウイルス感染症の影響により、夜勤時間数や看護要員数の一時的な変動があった場合、最初の月から3か月以内に限り、届出の区分の変更を不要としている現行の臨時的な取扱いをお示ししております。
124ページ、看護職員の夜間配置加算の中で、看護職員の負担軽減及び処遇の改善に資する計画を策定することなどを求めているという内容。
そして、125ページが、夜勤者の確保策。
126ページが、夜勤手当の推移をまとめてございます。
127ページは、看護管理の役割について、その重要性。
それから、128ページのほうに、日本看護協会の認定看護管理者制度ということで、こうした能力の養成の取組についてお示ししております。
129ページが、様式9の内容となってございます。
130ページに、その意義を書いてございますけれども、看護要員の数が病棟において、実際の入院患者の看護に至っている看護要員の数であると規定しておりまして、そういった業務から一時的に離れる場合には、細かく様式9の時間から除くといったことが定められております。
131ページから、有床診療所入院料における届出様式の記載でございますけれども、通知の第3の2のところの記載と比べて、この左側の添付書類においては、看護師を入院と外来で時間割比例計算するということで、より厳しい扱いが添付書類のほうには書かれているという内容です。
132ページが、前回の改定において、感染対策向上加算等において、介護保険施設等に赴いて行う助言に携わる時間を、専従の要件から外したという内容となってございます。
133ページからは、その活用状況を135ページまで書かせていただいております。
136ページから看護補助者に係る評価について、前回の改定内容をお示ししておりますが、138ページにまとめておりますように、看護補助体制充実加算という同じ名前の加算において、内容が2つに大きく分かれるということでございまして、こういったことも含め、看護補助者に係る加算についての名称の整理について、論点とさせていただいたものでございます。
141ページに論点をまとめてございます。
看護職員の負担軽減及び処遇の改善に資する計画において、夜勤にかかる負担に配慮するよう促すことについてどう考えるか。
また、やむを得ない事情によって一時的に看護職員確保ができない場合の施設基準の配置の柔軟化について、また、看護の管理能力を向上する取組を促進することについて、様式9について、病棟内でのオンライン研修の受講、通常の医療で必要な病棟外での業務等について、入院患者の看護に影響のない範囲で勤務時間に参入できるよう追加するようなことについて、有床診療所入院基本料等における看護職員の配置数の計算方法について、特定行為研修修了者等の専門性の高い看護師が訪問による支援等を行う場合、こうした場合の専従要件等の緩和について、あわせて院内における専従要件の扱いについて、こうしたことを論点としてお示ししております。
142ページからが、業務負担軽減についてでございます。
144ページ、病棟における看護業務の全体像でございますけれども、タイムスタディの研究の結果としては、診察・治療や患者のケアのほかに、看護記録や情報共有ついての時間が相当含まれること、また、見守り観察など時間も診察・治療のところにかなり含まれているということが分かります。
145ページからが、看護業務の効率化の主な例でございまして、145ページ、例えば、インカムのシステムで連絡を取り合う、また、146ページ、SNSやTeamsなどで、タイムリーな情報共有を行う。
1つ飛んで、148ページ、スマートフォンを使った音声入力のシステムを利用する例や、生成AIでサマリー等を作成する、こういった例を挙げさせていただいております。
150~153が、現在の活用や取組の状況。
そして、154ページ、こうした取組によって看護業務の行為時間を、ある程度効率化しているという研究結果の例でございます。
155ページには、医療機関から見た課題をお示ししております。
156ページ、論点でございます。
見守り、記録、医療従事者間の情報共有といった全ての類型のICT機器を活用する場合に、入院基本料等に規定する看護職員の配置基準の柔軟化を行うことに対してどう考えるか。また、入院基本料の範囲をどのように考えるかとして、論点を挙げさせていただきました。
こうした論点を含めまして御議論いただければと思います。
資料の説明は以上です。
○小塩会長
ありがとうございました。
それでは、ただいまの説明につきまして、御質問等ございましたら、よろしくお願いいたします。
江澤委員、お願いいたします。
○江澤委員
ありがとうございます。
論点が多いので長くなりますけれども、御容赦いただければと思います。
それでは、論点に沿って意見を述べさせていただきます。
最初に、32ページの論点についてでございます。
まず、1つ目の○につきまして、地域包括医療病棟は、前回改定において、医療ニーズの高い高齢者救急を主に受入れ、多職種協働の包括的医療を提供し、早期の在宅復帰を担う病棟として創設され、その際、平均在院日数や、重症度、医療・看護必要度の基準は、急性期一般入院医療4の基準が導入されました。
現状は、18ページに示されておりますように、入院患者のうち約3分の2が80歳以上で、要介護認定者は未申請や不明を除くと、ほとんど全てを占めておりますが、こういった患者さんは、資料にありますように、平均在院日数が長く、退院時のADLが悪化しやすい結果となっており、平均在院日数の見直し及び退院時のADL悪化患者割合5%未満ルールの見直しは必須と考えております。
あわせまして、リハビリテーション栄養口腔連携加算の施設基準である、退院または転棟時のADL悪化患者割合3%未満ルールも同様に見直すべきであり、また、急性期病棟におけるリハビリテーション・栄養・口腔連携体制加算の同じく3%未満ルールの見直しも検討すべきと考えます。
次に、2つ目の○につきまして、資料に示されていますように、手術のない緊急入院や救急搬送からの入院の患者さんは、包括内出来高実績点数が高い。
一方で、出来高算定部分が少なく、実態に即して、より一層評価すべきであることを申し上げます。
さらに、地域包括医療病棟の施設基準に用いられている重症度、医療・看護必要度による評価と、内科的疾患の多い高齢者救急を担う地域包括医療病棟の役割がみあっておらず、19ページに、患者数上位10疾患が示されておりますが、これらの多くを占める内科的疾患の受入れがしっかりと評価される仕組みへの見直しも併せて行うべきであると要望いたします。
続いて、42ページの論点について申し上げます。
1つ目の○について、初期加算の評価において、救急搬送に加えて、緊急入院を評価することに関しては、実態に即した評価であり、賛同いたします。
次に、2つ目の○につきまして、38ページに地域包括医療病棟との比較がありますが、包括期医療の栄養管理の重要性に鑑み、地域包括ケア病棟においても、地域包括医療病棟と同様に専任の管理栄養士の配置により、リハビリテーション・栄養・口腔連携加算、栄養サポートチーム加算、入院食事栄養指導料の算定ができるように検討すべきと考えます。
一方で、地域包括ケア病棟を有する医療機関には、小規模な医療機関も多く、管理栄養士の配置が厳しい実情もありますことから、専任の管理栄養士の配置は、医療機関の意向による選択制とすべきであると申し上げます。
続きまして、70ページの論点について意見を申し上げます。
論点の前段の1つ目の○は、包括期医療を担う病院の機能をどう評価するかということについてのことですが、46ページに指標の候補が示されております。
在宅や介護施設などからの救急搬送受入れ件数に加えて、緊急入院件数を評価することは、救急車利用を抑える効果もあり、進めていくべきものと考えております。
一方で、同じ病院の他の急性期病棟で受け入れた救急搬送数を包括器の機能評価とすることについては、急性期病棟と包括病棟で受け入れる救急搬送患者の病態は異なり、急性期病棟と包括期病棟の役割が違うこと、また、病院の機能には、包括期と急性期、包括期と慢性期などのいろいろな組み合わせがある中で、公平性の観点からも差し控えるべきと思います。
下り搬送と受入れ件数は、包括期の機能にふさわしく、指標として同じなじむものでありますが、受入れ側の医療機関にも負荷がかかりますので、受入れ側に受け入れた際の評価を新たに導入して連携を推進する必要があると考えますし、新たな評価の導入により、受入件数も把握しやすくなります。
在宅療養後方支援病院については、名称のとおり、在宅療養を後方支援する病院ではありますが、その機能は、在宅医療を受けている患者さんの後方支援をするということではなく、在宅医療を提供している医療機関を後方から支援するための病院であります。
つまり、在宅療養後方支援病院については、地域包括ケア病棟や地域包括医療病棟とは異なる役割が求められておりますので、同列に扱うことは、慎重であるべきと考えております。
介護施設等との連携に関しては、前回、令和6年度介護報酬改定で、特養、老健、介護医療院、養護老人ホームにおいては、常時の相談体制、常時の診療体制、常時の入院受入れ体制の3要件を有する協力病院と協定を締結することが、3年間の経過措置をもって義務化されました。
その連携する医療機関としては、在宅療養支援診療所、在宅療養支援病院、在宅療養後方支援病院、地域包括ケア病棟を有する200床未満の病院が想定され、地域包括医療病棟を持つ医療機関で、在支病等に該当しない場合は、連携の対象として想定される医療機関には含まれないと整理されております。
この背景は、介護施設の医療も在宅医療であることから、在宅医療を提供している医療機関、在宅医療の提供が推奨される医療機関、在宅医療を提供する医療機関を支援する医療機関について、介護施設などと連携する医療機関として想定されるに至った経緯があります。
したがいまして、地域包括医療病棟と、介護施設等の連携の在り方につきましては、地域包括医療病棟は急性期一般入院基本料2から6の病棟の移行先の受皿でもあり、移行しやすくする必要もある中で、平素から介護施設等と連携を図りながら、在宅医療の役割を担うべきかどうか、本来の役割を踏まえて慎重に考えるべきものであり、また、厚生労働省の部局横断的な議論も要するものでもあります。
現時点においては、介護施設等と連携する対象である在支病等の医療機関に該当しない地域包括医療病棟を有する医療機関については、在支病院や地域包括ケア病棟を有する200床未満の病院などとは、介護施設との連携の在り方は異なるものであり、いずれにしましても幅広い視野で考えていく重要な論点であります。
2つ目の○の協力対象施設入所者入院加算と介護施設等連携往診加算の算定要件である、ICTによる連携体制を構築して年3回以上のカンファレンスの実施、もしくは1か月に1回以上のカンファレンスの実施の要件緩和に異論ありませんが、介護報酬において、介護施設側に同じ要件の協力医療機関連携加算が設定されておりますので、両者セットで見直さないと実効性がないと考えております。
また、現状、介護現場は人手不足で業務多忙であり、この要件への対応が難しく、協力医療機関の締結は行うけれども、加算の算定は厳しい施設が大半であることに留意すべきであります。
したがいまして、1つ目の○にも関連しますが、協力対象施設入所者入院加算と介護施設等連携往診加算の算定件数を包括機能、病院機能の仕様とするかどうかについては、介護施設側の協力も不可欠であること。
さらには、これらの加算は、特別な関係にある場合は算定できないことから、単に包括期の病院機能の仕様と位置づけることには課題が多いものと判断しております。
次に、後段の論点の1つ目に関しまして、現状、地域包括医療病棟と地域包括ケア病棟の入院患者の重症度、医療・看護必要度にはかなり差異があり、地域包括医療病棟においては、一般病棟用の重症度、医療・看護必要度の基準を満たす必要があり、論点には患者ごとにどちらの病棟がより適するのか、判断を要するとの記載もありますが、現場、現状においては、必ずしもそうではないと思います。
地域包括ケア病棟から地域包括医療病棟への移行を困難にする最大の要因の1つが、重症度、医療・看護必要度を満たせない、そういったことであることも実態を示しております。
次の2つ目の○につきまして、地域包括医療病棟と急性期一般入院基本料2~6について、機能や入院患者像が重複していると示されており、この両者は同様の機能であり、包括期の入院医療であるとの指摘がなされております。
しかしながら、本件に関しては、今後の急性期医療の再編を踏まえながら、実態に即して検討していく案件であり、病院経営にも大きく影響することでもあり、中長期的にゆっくりと着実に年数をかけて検討していく事案であります。
病床再編の方向性を指し示すことを否定するものではありませんが、足元の病院経営の極めて悪化しているときに、1回の診療報酬改定で一気に進めることは厳に慎むべきであり、数年単位の猶予を持って対応すべきことと強く要望いたします。
続きまして、77ページの論点について意見を申し上げます。
1つ目の○について、論点に示されているような慢性疾患の継続的な治療に不可欠で高額な薬剤を入院医療に包括されない除外薬剤の範囲に含めることに賛同いたします。
これまでも服用している薬剤によって、入院医療に支障を来した経緯があるため、進めていただきたいと思います。
2つ目の○についても、75ページにある表の回復期リハビリテーション病棟入院料の包括部分に関して、地域包括ケア病棟などの他の病棟と同様に出来高算定可能な除外薬剤とすることに賛同いたします。
続きまして、104ページの論点について意見を申し上げます。
1つ目の○につきまして、現行の入退院支援加算は、病棟の種別に関わりなく同じ評価となっていますが、地域包括医療病棟や地域包括ケア病棟において、人手や時間を要する患者の割合が多い実態に見合った評価とすることに賛同いたします。
また、2つ目と3つ目の○についても賛同いたします。
4つ目の○について、93ページにありますように、地域連携診療計画加算について、診療情報提供料と整合性を図り、評価することに賛同いたします。
5つ目の○の入退院支援ルールに基づいて入退院支援を行った場合を評価することや、6つ目の○の面会機会の確保、7つ目の○の金品の授受の禁止についても賛同いたします。
なお、入退院支援ルールについては、入退院支援ルールが定められていない市町村もあり、公平性の担保に配慮が必要と考えております。
次に、141ページの論点について意見を申し上げます。
1つ目の○について、現場の看護職員さんが過酷な勤務とならないように、夜勤の負担に配慮することに賛同いたします。
2つ目の○についても、現状多くの医療機関が看護職員の確保に苦慮しており、やむなく職業紹介事業者を利用して高額な紹介料金を払っている実態も継続的に続いていることから、論点に賛同いたします。
ただし、配置が手薄となった看護職員の業務負担への配慮は十分に吟味すべきことであります。
3つ目の○も進めていくべきものと思いますし、4つ目の○も、前回改定で介護施設等へ赴いて指導する場合の対応も見直されたところであり、論点のごとく柔軟に対応していただきたいと思います。
5つ目の○も、有床診も看護職員の確保に苦慮しており、外来看護職員の取扱いも含めて緩和していただければと考えます。
6つ目の○についても賛同いたしますが、特定行為研修修了者が活躍できる環境整備も必要と思います。
最後に、156ページの論点について申し上げます。
ICT機器を活用する場合の看護職員の配置基準の柔軟化を行うことに反対するものではありませんが、特定機能病院や急性期一般入院料1をはじめとして、多くの現場で一定の活用実績がありますので、これまで積み重ねられた事例を検証し、医療現場にとって真に有用性の高いものを取捨選択してお示しいただきたいと思っております。
その際の費用対効果、すなわちイニシャルコスト、ランニングコストが、この厳しい経営環境下において、なじむものであるのかどうか、国としても検証して情報提供していただきたいと考えております。
私からは以上となります。
なお、小塩会長におかれましては、看護協会の専門委員の意見を聞くことについても御検討いただければ幸いでございます。
○小塩会長
ありがとうございました。
続きまして、それでは、太田委員、お願いいたします。
○太田委員
ありがとうございます。
入院がいろいろと絡んでおりますので、私のほうからも論点に沿って発言させていただきます。
まず、32ページ、地域包括医療病棟の論点でございます。
1つ目の論点ですけれども、令和6年改定で新設されました地域包括医療病棟入院料は、21ページに示されておりますが、非常に多くの要件が施設基準に盛り込まれてございます。
26ページに示されておりますように、地域包括医療病棟では、急性期2、6と比較し、ADL低下の患者割合が少ない病棟も多いということになっておりますが、それでも設定されている5%を満たすことができない病院というのが多数に上ります。
求められる患者層に適切に対応するためにも、厳し過ぎるADL低下5%の要件や、平均在院日数、また、ここには触れられておりませんけれども、重症度、医療・看護必要度の要件などは見直し、今後の高齢者救急の受皿として機能が発揮できるように、要件を緩和すべきであると考えます。
2つ目です。30ページ、31ページで、高齢者の入院では手術実施の患者割合が低く、そのような患者では包括内出来高点数が違うことが示されてございます。緊急入院であるかどうか、手術があるかどうかで包括点数に差をつけることは、実際に病棟で必要なコストを評価する上でも許容できる考えであると考えます。
続きまして、42ページの論点に移らせていただきます。地域包括ケア病棟でございます。
これも包括医療病棟と同じく、地域包括ケア病棟でも、36ページに示されておりますが、緊急入院か予定入院かで、包括内出来高点数に差が生じてございます。この違いを点数に反映することは考えてもよいのではないかと思います。
続きまして、2つ目の○でございます。栄養士の問題でございます。
40ページを見ますと、地域包括ケア病棟では、地域包括医療病棟や回リハ1の病棟と比較して、管理栄養士の専任要件がないことから、病棟従事時間数が少ない傾向があるということが示されております。
しかしながら、23ページの3つ目に示されておりますが、専任の常勤管理栄養士の配置が困難との回答も20%を超えているという実態がございます。
現在の医療従事者の確保が非常に困難な中、専任を要件とした場合、地ケア病棟の算定を継続することができない病院の存在も危惧されます。
専任を要件とするのではなく、38ページに示されているようなリハ栄養口腔連携体制加算や栄養サポートチーム加算、入院食事栄養指導料の算定を可能とするような形で、管理栄養士の関与を促すような方法論が取れないかと考えます。
続きまして、70ページの包括期に入院医療の論点でございます。
高齢者救急の受入れ、在宅施設の後方支援の機能をより高めていくための様々な評価というものは、ぜひ積極的に行っていただきたいと思います。
2つ目の○ですが、協力対象施設入所者入院加算の、いわゆるカンファレンス等の要件でございます。現在、様々な形で施設と病院の連携というのは現場で行われておりますが、私の感じでもそうなのですが、カンファレンスの回数というよりは、顔の見える関係を、まず構築できたかどうか、また、患者の情報をしっかりと共有できたかどうかというのが、地域における、いわゆる連携に一番重要であると思います。
画一的なカンファレンスの頻度などは、多数の施設と医療機関が連携することを妨げないレベルで設定すべきであると考えます。
続きまして、高齢者救急と後方支援の下の段でございます。
まず、地域包括医療病棟と地域包括ケア病棟とは、高齢者救急患者を入院させる病棟の選択に、やはり現場は、そこそこどちらに入れるべきか苦労しているという実態はあります。
ただ、その一番の理由は、地域包括医療病棟の施設基準の厳しさにあると考えてございます。現在の非常に厳しい施設基準の要件をクリアすることが最優先で病棟運営、病棟選択をしなければならないということそのものが、円滑な入院の受入れの妨げになっています。
先ほども意見をしましたが、今回の改定で地域包括医療病棟の施設基準を、その病棟が主に対応することを想定している高齢者の救急患者の受入れをした場合に、基準をクリアすることができるよう、重症度やADL要件、平均在院日数など、しっかりとデータ分析し、設定し直すことが重要であると考えます。
2つ目の地域包括医療病棟と、急性期一般の2~6の論点も、これも先ほどお話ししたのと同様で、地域包括医療病棟の要件を見直すことで、ある一定程度対応できるのではないかと考えます。
続きまして、77ページの論点でございます。
先ほど江澤先生からもありましたけれども、今回の改定で地域ケア、回リハ療養での受け入れ困難の理由として74ページで示されている薬剤に関しては、できる限り包括から外すべきだと考えます。
また、回リハの出来高算定可能薬剤が、地ケア、地域包括医療、医療療養などと違う状況に関しては、統一をしていいのではないかと思います。
続きまして、104ページの論点でございます。入退院支援のところでございます。
これも幾つもあるのですけれども、まず、最初の論点です。地域包括医療病棟、地域包括ケア病棟でも、入院前に比べてADLが低下して、退院後の生活様式の再編が必要であるという状況の人に関しては、非常に人手がかかっているというのは事実です。
ただ、今、両病棟では、入退院支援加算というものは包括されておりまして、算定することができない状況となっておりますので、これらの病棟でも入退院支援加算を算定できるように見直すという方向で積極的に検討すべきであると思います。
2つ目の兼務の問題は、兼務を認めても特に問題ないと思いますし、3つ目の、この要因も、実際、現場で困っておりますので、加えるということに関しても異存はございません。
4つ目の情報提供に関しても、診療情報提供料と同じく、検査画像情報を添付した場合の加算を設定して、より地域における連携が進むように見直すべきだと考えます。
その次、入退院支援ルールの関係、面会制限等に関しても異論はございません。
最後の部分、特に金品を受け取らないということは、医療機関として当たり前のことでございますので、加算の要件として特に問題ないと思います。
続きまして、141ページ、看護要員の働き方の部分でございます。
まず、初めの論点です。夜勤に関わる負担に配慮する、これは当たり前のことでございますので、これを促すことに関しては、特に異論はございません。
2つ目ですが、123ページに示されております取扱いというものは、新型コロナを契機として設定されたものでございます。
ただし、期限は、次回改定までの取扱いになっておりますが、今後も新型コロナ対応だけでなく、様々な要因で一時的に夜勤時間数や看護要員数に変動が生じることは起こり得ます。
現在の3か月以内に限り、施設基準の届出区分の変更を不要とするという取扱いは、恒久化すべきであると考えます。
その次の論点には、特に異論はございません。
様式9ですが、130ページに示されているように、現在、あまりに細かく算入・除外例が示されています。この詳細な区分そのものが、現場の勤務時間管理を複雑にしているという実態がございます。より分かりやすく整理し、明確化することに賛成いたします。
最後、156ページの業務改善の論点に少し触れさせていただきます。
今後、生産年齢人口の減少は地域でますます加速していくことが予測されております。その中では、より効率的に質の高い医療を提供する工夫を進める必要があり、ICT機器の活用は、その中で非常に重要な取組です。
本日の資料で、現場で行われている様々な取組が報告されておりますが、これら看護業務の効率化が多くの病院で行われているのですが、これを進めるための投資を行い、業務を効率化しても、硬直的な人員配置要件が、さらなる業務改善の妨げとなっているという声もございます。
配置基準の柔軟化を行っていくということは、今後想定される我が国の医療環境では重要な論点であると思っております。
また、入院基本料の設定する範囲ですが、より多くの病院が、様々な現場で工夫できるように設定すべきと考えます。
私からは以上でございます。
○小塩会長
ありがとうございました。
続きまして、小阪委員、お願いいたします。
○小阪委員
江澤先生、それから、太田先生がいろいろと言われていますので、かいつまんで2点ほど。
まず、地域包括医療病棟の重症度なのですけれども、これは、厚労省さんも分かっているみたいで、27ページに出ていまして、要するに高齢者救急を目標とするのであれば、ここでも既に75歳以上だと、ADL低下するのが5%を超えているのですね。ですから、この現状のデータの中で、5%を切るということは、かなり無理がある設定だと思いますので、こういうデータをわざわざ持っておられるのであれば、これに沿って、やはり実効性のある重症度、ADL低下を決めていただきたいと思います。
それから、最後の156ページのICTのところですが、太田先生が言われたように、ICTを入れても人員要件が緩和されないのであれば、何のためにICTを入れて効率化するかということは当然起こってくるわけで、ただ、もう一つ論点としてありますのは、様式9と同じなのですが、看護記録も、今、診療報酬で加算を取るために書かなくてはいけない看護記録は多数あります。その項目もかなりダブっていると、重複しているものがあります。ですから、入力をする項目とか、そういうところの簡素化も非常に大事なことで、ICTを使うだけでは、やはり項目が多ければ多いほど、どんどん看護師さんは同じことを書く、もしくは音声入力をするにしても同じことを言わなければいけないということで効率化できませんので、項目等の簡素化もよろしくお願いしたいと思います。
以上でございます。
○小塩会長
ありがとうございました。
ほかは、よろしいでしょうか。
先ほど江澤委員から、本日は看護職員の働き方について、いろいろテーマが掲げられておりますので、専門委員の木澤専門委員からの御発言もよろしくお願いいたします。
○木澤専門委員
ありがとうございます。
資料の141ページの各論点に沿って、意見を述べさせていただきます。
1点目、夜勤に係る看護職員への配慮についてですが、夜勤を担う看護職の確保は特に厳しい状況であり、看護職員の負担軽減及び処遇の改善に資する計画において、夜勤に係る負担に配慮するよう促すことについては、ぜひ進めるべきと考えております。
その際には、2010年代に入ってから、夜勤手当はほぼ横ばいであることも踏まえ、計画策定だけではなく、実際に夜勤を担う看護職員の処遇改善に直接つながるような方策が必要です。
2点目、やむを得ない事情によって一時的に看護職員確保ができない場合において、施設基準の配置を柔軟化することについては、やむを得ない事情を丁寧に整理した上で検討していくことについて、一定理解いたします。あくまでも患者さんに安心・安全な医療が提供される体制が確保されることを前提とした議論が重要と考えております。
3点目、看護の管理能力を向上する取組についてです。
各病院では地域全体を見渡しながら、今後どのような医療機関機能を選択し、役割を果たしていくかを検討し、変化していくことが求められています。今回の診療報酬改定もそうした病院の取組を下支えし、後押ししていくものと考えております。
看護管理者には、こうした病院の意思決定に関わるとともに、医療機関のマネジメントを行いつつ、地域の医療機関や介護施設等との連携、多職種間連携等を進めながら、効果的・効率的な医療提供体制を確保・維持していくため、より一層、力を発揮することが求められます。
よって、看護の管理能力を向上する取組について、促進していただきたいと考えております。
4点目、様式9の明確化と、5点目、有床診入院基本料の施設基準の明確化については、提案どおり進めていただければと思います。
6点目、専門性の高い看護師による地域の介護保険施設等への支援について、患者さんが住み慣れた場所で療養を継続しながら暮らし続けられるよう、医療と介護の連携が必要です。このような支援が可能となる体制を整備していくことが求められております。
次に、156ページの看護職員の業務負担軽減に関して述べます。
記録や情報共有等の間接的な業務時間を効率化することで、直接的なケアの時間を確保し、看護業務の負担軽減を図ることについては、推進していくべきと考えております。
一方で、資料の150ページからは、急性期一般入院料1や特定機能病院ではICTが活用されている現状が見て取れますが、それによって、看護職員の配置にどの程度影響を及ぼすのかについては、十分に明らかになっていないと認識しております。
患者の安全とケアの質の担保、看護職員の労働環境への影響等を考え、看護職員配置の柔軟化につきましては、慎重な検討が必要であると考えております。
私からは以上でございます。
○小塩会長
ありがとうございました。
それでは、1号側委員の御意見を伺います。
松本委員、お願いいたします。
○松本委員
ありがとうございます。
包括期の入院医療につきましては、さらなる高齢化に伴って増加いたします複数の医療ニーズや介護ニーズを併せ持つ患者に対応するために、拡大・充実が必要な分野だと認識をしております。
主に地域包括医療病棟や地域包括ケア病棟が中心となり、高齢者救急を積極的に受入れ、ADLを極力維持したまま治療へ、早期の在宅復帰につなげる機能を発揮していただくことを期待しております。
病棟機能だけではなく、病院機能にも着目して患者にとって身近な地域に必要かつ適切な受皿を整備することが重要だと考えております。
以上の基本認識に基づきまして、まず、32ページの地域包括医療病棟についてコメントいたします。
資料7ページに示されておりますけれども、地域包括医療病棟の届出数は、昨年度末時点で149施設、7,800床ということで、直近ではもう少し多くなっている可能性もありますが、少なくとも今後も増やしていくべき病棟だと考えております。
したがいまして、施設基準の緩和により、5ページにあります前回改定で、この病棟を創設したコンセプトが損なわれることは避けるべきですが、本来の役割をしっかり果たすことができるように、評価体系を見直すことには異論ございません。
資料の23ページを見てみますと、この届出が困難な理由として、毎日リハビリを提供する体制を取れないという回答が一番多いですけれども、一方、25ページを見てみますと、早期リハや休日リハに多くの地域包括医療病棟で実施されていることも分かります。
入院中の患者にとっては、休日も平日もありませんので、ADLを維持する観点で休日のリハビリ体制の整備をぜひ進めていただきたいと思います。
一方で、要介護の高齢者を多く受けた場合に、ADLが低下しやすいというのは事実として受け止めております。
ADLの低下した患者の割合を5%未満にするという要件につきましては、ADLが低下しやすい患者が多い場合の救済措置として検討の余地があるとは考えております。
平均在院日数につきましては、資料の24ページを見てみますと、高齢者ほど在院日数が長くなる傾向が明らかであり、高齢者への対応を主な目的としてつくりました地域包括医療病棟で、在院日数が長くなることは一定程度理解しております。
ただし、85歳以上の患者割合にばらつきも見られますので、一律の緩和というよりも、特に在院日数の長い85歳以上の患者が多い場合に限り、別途の基準を設けることが妥当だと考えております。
また、事務局からのコメントでは、急性期一般2~6についても、年齢階級が上がるほど在院日数が長くなると記載されておりますけれども、急性期一般入院料2~6は、高齢者を特に意識した病棟ではないことや、85歳以上の患者では、地域包括医療病棟と中央値では2日程度の差があることを踏まえますと、在院日数につきましては特段の配慮を行わず、むしろ、地域包括医療病棟への機能転換を促すためにも、以前に急性期入院の議論でも申し上げましたけれども、入院料1の細分化とセットで、入院料2~6の評価区分を整理すべきだと考えております。
続いて、医療資源投入量との関係について見てみますと、29ページにありますように、外科系が左上の包括外が多く、包括内が少ないゾーン、内科系は右下の包括外が少なく、包括内が多いゾーンに位置しており、また、30ページ、31ページを見てみますと、救急搬送や緊急入院を受け入れるほど、出来高算定が可能な手術が少なく、包括内の出来高換算点数が高いことが分かります。
端的に言えば、医療資源投入量に応じた評価になっていないということは事実として受け止めております。
したがいまして、外科系と内科系の相対的な違いを是正し、公平な評価となるよう、きめ細かな評価に見直すことが考えられます。
また、本日の論点ではございませんが、重症度、医療・看護必要度における救急搬送や、内科系症例の評価見直しと併せて、地域包括医療病棟に期待される機能の発揮を促す方向で、具体的な案を事務局には整理していただきたいと思います。
続きまして、地域包括ケア病棟につきまして、42ページの論点に沿ってコメントいたします。
まず、資料の34、35ページにありますが、急性期病棟を併設している場合に、短期滞在手術の対象となる患者の直接入院が多いことや、緊急で直接入院する患者が少ない実態がございます。
ケアミックスを全て否定するものではございませんが、少なくとも機能が異なることは指摘させていただきます。
その上で、36ページを見てみますと、緊急入院と予定入院の違いによる包括内の出来高実績点数の差は、転院と転棟の違いよりも大きいことが分かります。
下り搬送を含めてということになると思いますけれども、緊急入院を積極的に受け入れていただくために、予定入院とのメリハリは強化すべきだと思います。
次に、栄養管理体制についてですが、39ページ~41ページを見てみますと、管理栄養士の配置が少なく、病棟での業務時間も短いことや、低栄養リスクが見つかった患者の割合が、地域包括医療病棟に比べて低いことが示されております。
地域包括ケア病棟においても、低栄養の状態をつくらないようにし、早期の在宅復帰につなげるために、管理栄養士の病棟勤務を推進することは重要な課題だと認識しております。
続きまして、70ページの高齢者救急や後方支援に関する論点ですけれども、資料の46ページに示されております指標では、病院単位の機能を評価することは十分あり得るものと考えます。
懸念点が現実のものとならないためには、なるべく偏りのない評価にすることが重要ですので、まずは事務局でシミュレーションをお願いしたいと思います。
その際は、緊急時の入院と往診のバランス、救急の受入れは日中のみなのか、24時間対応なのかといった違い、また、急性期病棟の併設の有無、下り搬送の受入れ体制といったことも考慮すべきと考えております。
また、56ページに示されております、在宅療養後方支援病院をベースに、介護施設との連携やICTによる情報共有、地域ケア会議への参加といった要素を取り入れて、評価の在り方を整理することも考えられます。
協力対象施設入所者入院加算等につきましては、病院単位の評価と重複しない形で要件の在り方は検討すべきだと考えます。
少なくとも顔の見える関係の構築や、緊急時の円滑な往診や入院を担保できることは必須条件だと指摘させていただきます。
続きまして、高齢者救急や後方支援を担う病棟の在り方についてですけれども、64ページにありますように、急性期病棟を併設しない地域包括ケア病棟の場合、地域包括医療病棟とかなり類似した患者を受け入れていること。
また、65ページには、救急搬送を多く受け入れて、短時間で在宅復帰につなげている実態があることが分かります。
また、最終的には地域包括医療病棟の設定につながりましたけれども、前回改定の際に私からは、地域包括ケア病棟でこうした高齢者救急を受けるべきではないかといった話をした経緯がございます。
地域包括医療病棟に比べて、重症度、医療・看護必要度の得点が低いことに留意しつつ、機能の高い地域包括ケア病棟にするのか、やや軽症向けの地域包括医療病棟とするのか、いずれかの方法で新たな評価区分を設定することが考えられると思います。
次に、地域包括医療病棟と急性期一般入院料2~6の在り方につきましては、前回改定の答申書附帯意見にも関連するものと認識しております。
資料の66~68ページを見てみますと、地域包括医療病棟と急性期一般入院料2~6のケアミックス病院では、入棟患者に大きな差がなく、分科会からも多疾患を有する救急患者は、いずれが適しているのか判断が難しいとの御意見も出ております。
資料の8ページに戻っていただきますと、同じ10対1の急性期一般入院料2~6と、地域包括医療病棟の併設が一定程度あり、特に重症度、医療・看護必要度が同等の急性期一般入院料4との組み合わせが多いということが示されております。
また、9ページに目を移しますと、急性期一般入院料1も含めて、急性期病棟と地域包括医療病棟の併設は、医療資源が豊富な大都市部で多い傾向が見られております。
高齢者救急への対応を強化する視点、医療機能の分化・連携により、効率的な地域完結医療を目指すためには、急性期医療と地域包括医療のケアミックスの必要性は高くないものと考えております。
続きまして、77ページにあります入院料に包括される薬剤等についてですけれども、患者が不利益を被らないようにするという観点で、高額薬剤の包括範囲を見直すことは理解しておりますが、保険者の立場としては、財政影響は少なくないものと思っております。
薬剤料を包括する入院料の水準や、高額薬剤の適切な出来高算定についても、重要な課題だと認識しております。
続きまして、104ページ入退院支援についてコメントいたします。
入退院支援加算につきましては、地域包括医療病棟や地域包括ケア病棟で退院調整に人手や時間を要する患者が多いことを踏まえ、急性期病棟と評価にメリハリをつけることが考えられます。
また、論点の2つ目にあります精神科入退院支援加算の届出も行っている場合に、同一の入退院支援部門で双方の要件を満たす職員が兼務することや、論点の3つ目にあります、退院困難な理由に親族のいない場合と、要介護認定の区分変更が必要な場合を追加することについては異論ございません。
次に、地域連携診療計画加算については、93ページにございますけれども、診療情報提供料と整合を図り、検査結果や画像情報の提供を評価することは一定の理解ができます。
ただ、今後、電子カルテ情報共有サービスが本格的に導入され、近い将来に医療DXを本格的に活用できる環境が整備されていく中では、診療情報提供料を含め、検査結果や画像情報の提供を別々に評価すべきかについては改めて整理が必要だと思います。
地域の関係者で協議して策定した入退院支援ルールに基づく対応については、施設基準等で推奨することが考えられます。
また、面会制限の最小化や患者紹介に係る金銭の受取りを禁止することは、当然のこととして要件化すべきだと思います。
最後に、看護職員の確保と働き方についてコメントいたします。
まず、141ページの働き方についてですが、論点の1つ目にあります夜勤負担に配慮した計画の作成、3つ目にあります管理能力を向上する取組の促進、4つ目にあります様式9における勤務時間に参入できる業務の整理、5つ目にあります有床診療所における看護配置数の計算方法の明確化については、特段異論はございません。
一方で、論点の2つ目にございます、やむを得ない事情で一時的に看護職員を確保できない場合の柔軟な対応につきましては、例えば、コロナ特例の際に医療安全に支障がなかったのか、また、論点の6つ目にあります、専門性が高い看護師の専従要件等の緩和については、どの範囲まで想定しているのか、これは確認させていただきたいということで、質問をさせていただきたいと思います。
最後に、156ページにあります業務負担軽減についてですが、ICT機器を積極的に活用して、労働生産性を高めることは当然必要だと認識しております。
145ページ~149ページには効率化の例示があり、また、154ページには実際に一部の業務時間を効率化し、別の業務に時間が充てられるようになるデータが示されており、医療の安全や質の観点では、実効性が期待できるような印象を受けましたが、さらなる丁寧な分析もお願いしたいということでございます。
私からは以上でございます。
○小塩会長
ありがとうございました。
今、松本委員から看護職員の働き方についての御質問ございましたが、事務局、いかがでしょうか。
○林医療課長
医療課長です。
141ページの、まず、2つ目の○、これまでの取組の中で、123ページにあるような取組の中で問題がなかったのかということでございますけれども、なかったことの答えは、なかなか難しいのですけれども、少なくとも私どもの耳には、それによって医療安全等に課題が生じたということは届いていないということで御提案をさせいただいております。
それから、最後、132ページのような例を挙げておりますけれども、今回御提案する範囲がどのような範囲なのかということでございます。
今回御提案する範囲は、132ページに書いてある感染対策向上加算や、緩和ケア診療加算、外来緩和ケア診療管理料、褥瘡ハイリスク患者ケア加算、前回、措置をした部分について、例えば、専従から外れることの時間の緩和などについてお諮りをしているものでございます。
なお、こうした専従要件の緩和については、今回、様々な論点のところで取り上げさせていただいておりますし、また、この先も似たようなことを取り上げさせていただく可能性はございますけれども、今回お諮りしている部分については、今、申し上げた範囲でございます。
○小塩会長
松本委員、よろしいでしょうか。
○松本委員
ありがとうございました。
最後の件については、また、今後も確認をさせていただきたいと思います。ありがとうございました。
○小塩会長
ありがとうございます。
ほかは、いかがでしょう。
鳥潟委員、お願いいたします。
○鳥潟委員
まず、地域包括医療病棟について、年齢や要介護状況、認知症の有無などがアウトカム指標の結果に影響を及ぼすのであれば、その評価について柔軟な対応を行っていくことは、一定の合理性があると考えております。
加えて、新たな地域医療構想において、高齢者救急を受け入れる機能を持つ医療機関の確保が重要となっていることから、救急搬送や緊急入院の受入れ、高齢者に多い内科系疾患への対応について、実際の医療資源投入量を踏まえ適正な評価を行っていくことは重要なことだと考えております。
一方で、全体のバランスを踏まえて要件を見直していくことが重要であり、ほかの点で適正化すべきものはないか、現在の評価が妥当かという点についても議論をしていくべきかと考えます。
また、地域包括医療病棟について、地域包括ケア病棟急性期一般入院料2~6と患者像がおおむね一致しているという調査結果が示されています。将来的には、新たな地域医療構想の議論も踏まえ、一本化も念頭に置きつつ、まずは論点にあるとおり、受入れを円滑に行う体制の確保をすることは重要と考えます。
さらに、入退院支援ですが、医療機関は介護施設から金品の授受を行っていることについて指摘がありますが、そうした医療機関では、患者本位の退院先の検討に支障が出ないか疑問に感じております。
最後に、看護職員の業務について、ICTの活用により業務を効率化していくことは非常に重要であり、取組をさらに推進するために、患者さんへのケアなどに支障なく配置の柔軟化が可能であれば、積極的に行っていくべきと考えております。
以上になります。
○小塩会長
ありがとうございました。
続きまして、永井委員、お願いいたします。
○永井委員
ありがとうございます。3点申し上げたいと思います。
まず、包括期入院医療に関しましては、今後も高齢者の救急搬送は増加が見込まれますので、高齢者救急の受入れや適切な栄養管理を行う体制などの促進につながるよう評価をするとともに、病院機能や患者の状態像に応じて機能分化が進むよう、適切に見直すことも必要と考えております。
2つ目に、入退院支援に関してですが、要介護者、要支援者の円滑な入退院の実現につながるよう、地域連携の促進に向けて入退院支援ルールを活用することは重要だと考えます。
また、面会の制限につきましては、患者や家族に精神的な不安をもたらし、権利を制約している可能性があるということを踏まえ、最低限となるよう対応すべきだと考えております。
3つ目に、看護職員等の働き方に関しましては、夜勤に係る負担に配慮する方向で検討されることには異論ございません。
また、ICTの活用によって、間接的な業務時間を削減できていることが資料からも分かりますので、看護職員の負担軽減に向けて、さらに推進していくことは重要と考えております。
また、156ページの論点にございます、見守り・記録・医療従事者間の情報共有といった、全ての類型のICT機器を活用する場合に看護職員の配置基準の柔軟化を行うことについてですが、ここについては、どのように、何をもって、現場でICTを活用していると言えるのか、それによる医療の質を定量的にどう把握するのかなどの具体的なお考えがあれば、教えていただきたいと思います。質問です。
以上です。
○小塩会長
ありがとうございました。
今、永井委員からICTの活用についての御質問がございましたが、事務局、いかがでしょうか。
○林医療課長
ありがとうございます。今の御質問でございます。
具体的な制度設計については、今日の議論も踏まえながら、また、今日出させていただいた様々な例をどうやって組み合わせて、実際に、実効ある負担軽減に取り組むのかということをよく見極めながら検討していきたいと思います。
今日の時点で、詳細はまだ決まっているわけでございませんので、御意見をよく参考にさせていきたいと思います。
○小塩会長
永井委員、よろしいでしょうか。
○永井委員
ありがとうございます。
これまで人員配置で質の担保を図ってきた中で、ICTを活用したからといって人員配置を柔軟化すれば、現場にしわ寄せが生じるのではないか、安全性、質の担保という観点からどうなのか、現場の混乱ひいては患者の利益を損なうことにつながるのではないかと考えます。
参考資料の159ページの調査の結果を見ますと、病棟の看護職員の勤務状況について直近1年間の変化を見ると、残業時間が短くなったなど改善傾向にある病棟がある一方、残業時間が長くなったなど、悪化傾向にある病棟の割合も高い状況となっています。
人材確保に向けては、賃上げだけでなく、医療現場を働き続けられる職場環境へ改善していく必要がありますので、まずは現場の実態をしっかり把握し、慎重に検討することが必要と考えます。
以上です。
○小塩会長
ありがとうございました。
奥田委員、オンラインでお手が挙がっています。よろしくお願いします。
○奥田委員
ありがとうございます。私からは、3点ほど申し上げたいと思います。
まず、地域包括医療病棟に関して、32ページの論点で、高齢患者の入院や手術のあり、なし等に応じて、医療資源投入量の違いに着目して検討していく方向性自体は理解できます。今後、より詳細なデータも踏まえて検討していくことがありうるのではないかと思います。
それから、42ページの論点で、地域包括ケア病棟における栄養管理について、既にほかの委員からも意見が出ておりましたけれども、こういった栄養管理について体制確保を促すとあるわけですけれども、39ページを見ると、どの病床でも管理栄養士の数は少ないといったところで、管理栄養士そのものを確保すること自体が可能なのか、やや疑問を感じました。
また、156ページの看護職員の業務負担軽減に係る論点について、これも既にほかの委員からも指摘がありましたけれども、今後、生産年齢人口が減少する中で、ICT機器の活用は必要な対応であると思います。
まずは、論点にあるように、積極的に活用する医療機関について、配置基準上の柔軟化などの対応も検討していくべきではないかと思います。
ただ、私も経験がありますけれども、新しいシステムとか機器を入れた際というのは、従来のやり方に加えて新しいシステム機器に慣れていく必要があるということで、現場の負荷が逆に増える時期もありますので、その辺の配慮は必要かなと思います。
私からは以上です。ありがとうございます。
○小塩会長
ありがとうございました。
ほかは、いかがでしょうか。
小阪委員、お願いいたします。
○小阪委員
すみません、1つだけ、先ほど松本委員が言われました、地域連携診療計画加算、104ページです。これは、検査・画像ということで添付なのですが、これは、全国プラットフォームはどこまでやるつもりなのか、現状の3文書6情報では検体検査のみで、かつ保存期間が直近3回もしくは1年となっていますので、まず、これは添付しないと、まともな連携はできないですし、前の担当官に聞いたときには、画像はやるつもりはございませんと言われておりますので、そうすると、これやはり添付しなければいけないということで、これは非常に長期的なお話なのですけれども、今の状況で考えたときにはできないのですが、全国医療情報プラットフォームというのは、完成系として何を目指すのか、どこまでやるのかということがはっきりしないと、どういう方法で、添付でやるのか、プラットフォームでやるのか、なかなか、これからの方向性が見えてこないと思うのですけれども、全国医療情報プラットフォームの最終形というのは、あまり示されたことがなくて、ポンチ絵はずっといつも見ているのですが、細かいところで、これが連携できるのですよというのは、あまり見せてもらったことがなくて、その辺とのすり合わせを診療報酬もしていかなければいけないのではないかと思っております。
以上です。
○小塩会長
ありがとうございました。
ほかに、江澤委員、お手が挙がっております。お願いします。
○江澤委員
ありがとうございます。
これまでの議論を踏まえて、コメントをさせていただきたいと思います。
18ページの資料を見ていただきますと、地域包括医療病棟は、冒頭にも申しましたが、約3分の2ぐらいの入院患者さんが80歳以上で、非常に高齢者が入院していらっしゃる病棟です。
したがいまして、急性期一般入院料1あるいは2~6と比べても、高齢の方が入院しているので、急性期一般入院料4から平均在院日数の21日というのを、前回の改定で基準として導入しておりますけれども、そこは実態に即して、やはり地域包括医療病棟入院料になじむ、ふさわしい平均在日数の設定は必要であると考えております。
そのほか、横並びで示されている要介護度あるいは認知症の日常生活自立度、この辺りもかなり違いがございますので、この辺りはぜひ共有していただき、御理解いただきたいと思っております。
また、今回の資料では、急性期一般の2~6と、地域包括医療病棟あるいは地域包括ケア病棟も入院患者さんの上位疾患の病名が非常に類似しているというのが出されており、それは、我々も理解しておりますけれども、もちろん地域包括ケア病棟は、重症度、医療・看護必要度の物差しが全く違いますし、それから、地域包括医療病棟と急性期一般入院料、それぞれ2~6までも、重症度、医療・看護必要度、いろいろ基準が異なっており、ですから、何を申し上げたいかというと、病名は一緒でも患者さんの、もちろん年齢、要介護度も含めて、病態、重症度、治療内容は、当然差異があること、病名は1つでも医療提供の中身について差異があるのは、当然のことだと理解しておりますし、また、地域包括医療病棟は、前回の改定で創設されたときに、役割の一番のアドバルーンは、地域包括ケア病棟の看護配置13対1では受けきれない、より重症の医療ニーズの高い、医療必要度の高い高齢者救急というのがアドバルーンで上がりましたので、しっかりとそこを、今後、急増するであろう、そういった高齢者救急を担ってもらうという役割がございまして創設された経緯もあり、したがって、おのずとこういった現状になっているのは、十分理解ができるところであります。
先ほど、急性期と地域包括医療病棟のケアミックスは、あり得ないというか、好ましくないような御意見もあったと思うのですけれども、少なくとも急性期入院料の1は、全く別次元で、前回、重症度に関しても厳格化し、それを維持できない医療機関も出ている中で、しっかり急1については、今後しっかりと急性期をより一層担っていただきたいと思っております。
一方で、急2~急6と、地域包括医療病棟の在り方について、もちろん、これを包括期として、今後、両者を包括期の機能として、十分役割を担っていくのかどうか、これからのいろいろな現場の状況あるいは今後の急性期の病床再編を含めて、十分検討していく必要があるという重要な課題だと思っております。
したがいまして、急性期の2~6を包括期医療として評価していくかどうかについては、何も否定するものではありませんけれども、先ほど申しましたように、今、違う機能を行っている病棟が一度の改定で急性期に移行するとか、急2~急6は、いきなり地域包括医療病棟へ移行しなさいとか、そういうオール・オア・ナンの対応というのは、なかなか現実的ではありませんので、まずは着実に地域医療を担っているわけですから、それぞれの病棟が機能を発揮しながら、徐々にあるべき姿に向かってシフトしていくと誘導するのが本筋だと思っております。
御理解いただきたいのは、病院の1病棟でも機能を変えるということは、大変な想像できないような労力と、経営リスクが伴うこと、これは、我々病院経営者からして、本当に切に御理解いただきたいということでございまして、そういった非常に大きな決断をして機能を転換していること、今日、明日から、この病棟に変わりますというわけにいかない実情は御理解いただきたいと思っております。
その上で、急2~急6の在り方についても、これは数年単位で時間をかけて、実態も踏まえながら、あるいは経営状況も踏まえながら、どうソフトランディングするかということが大事だということは、これは、ぜひ共有して今後も進めていただければと思っております。
以上でございます。
○小塩会長
ありがとうございました。
ほかは、いかがでしょうか。
松本委員、お願いいたします。
○松本委員
今、江澤先生から御意見がありました、包括医療病棟と急性期一般入院料の2~6の話でございますけれども、私どもは、今日御説明を申し上げたのは、データから分かることと、こうすべきではないかという方向性だけでございまして、時間軸に関しては一切触れておりません。今後、また、これを詰めていく段階でいろいろケアする点もあろうかと思いますけれども、コンセプトだけは、ぜひ、考え方だけは共有いただきたいということでございます。
特に、前回改定で急性期病棟に高齢者が多く入院して、急性期の治療を受けている間に患者のADLや栄養状態が低下する問題を解決しようということで、この新しい病棟を創設したということでございます。
疾患の構成が違うのであれば、まだ理解はできますけれども、実態がほぼ同じであり、少なくとも急性期という看板を背負っている以上、必ずしも高齢者に質の高い医療が提供できないのではないかということも、我々が考えているところでございます。
また、地域包括医療病棟に高齢者以外が入院してはいけないということではございませんし、また、今回地域包括医療病棟に移行しやすくするために、一定の理解はできますので、病院単位で機能転換等を進めていただきたいということでございます。
私からは以上でございます。
○小塩会長
ありがとうございました。
江澤委員、お願いいたします。
○江澤委員
今、松本委員のおっしゃったことは、我々もほぼ似たようなことを申し上げたと認識しております。
前回の地域包括医療病棟は、もちろん高齢者救急を中心に受け入れる病棟であり、一方で、急性期一般の2~6の移行先の選択肢の1つとしてでも想定をされたところがございますから、しっかりとその辺りが、柔軟にソフトランディングできることは重要でありますから、そういった目でも見ていく必要があろうかと思います。
以上です。
○小塩会長
ありがとうございました。
ほかは、よろしいでしょうか。
飯塚委員、お願いいたします。
○飯塚委員
ありがとうございます。
156ページの議論に少し関連しまして、1点だけコメントなのですけれども、今後、生産年齢の人口が大幅に減って、看護師を含む医療従事者の確保が困難になっていくというのは確実かと思います。そのため、大きな方向性として、人員配置要件の柔軟化の方向は妥当と考えます。
ただ、柔軟化する際は、医療の質が悪化しないよう、医療のアウトカムの把握、それから、見える化をセットで進めていくようにお願いしたいと思います。
以上です。
○小塩会長
ありがとうございました。
ほかは、よろしいでしょうか。
本日も非常にたくさんの御意見を頂戴いたしました。特にほかに御意見がないようでしたら、本件に係る質疑はこのあたりといたしますが、今後、事務局におかれましては、本日いただいた御意見も踏まえて、引き続き対応していただくようにお願いいたします。
続きまして「個別事項について(その5)がん対策・難病対策・透析医療・緩和ケア」を議題といたします。
事務局から資料が提出されておりますので、説明をお願いいたします。
○林医療課長
医療課長です。総-8「個別事項について(その5)」を御覧ください。これもポイントを絞って御説明させていただこうと思います。
まず、がん対策についてでございます。4ページに目次がございます。個別の論点が14ページから始まることになってございます。
まず、16ページ、外来腫瘍化学療法診療料において、今、算定可能な化学療法には、静脈内注射などが含まれていますが、皮下注射については含まれていないと。
17ページ、皮下注射製剤の利点や副作用、あるいは18ページに投与実態などをお示ししております。
それから、20ページから急変時の指針の整備に関する論点でございますけれども、20ページにあるような緊急対応に関するマニュアルの作成事例がございます。
21ページ、12番のところで、指針が整備されていることが望ましいというのが現行の要件。
22ページが、現在の整備状況となってございます。
23ページから、がんゲノム医療について。
24ページ、がん遺伝子パネル検査を行った際には、エキスパートパネルというのを開催して、治療法について御検討いただくことを要件としております。
25ページが、現行の要件。
26ページ、このエキスパートパネルが省略可能な症例の検討がまとめられておりまして、27ページの検査結果の例で見ますと、1番のような適合する治療薬が明白である場合あるいは3番のような適合する薬剤がないことが明らかであるような場合については、エキスパートパネルが省略可能とまとめられたということでございます。
28ページから放射線治療についてでございます。
29ページ、強度変調放射線治療の普及状況について。
そして、30ページ、これは、施設基準上医師2名が施設内にいて、治療計画を策定することになってございますけれども、この放射線治療の医師2名で行う作業というのは、遠隔でも行う、PCの画面上でも行えるという説明となってございます。
32ページから意思決定支援等について。
33ページ、現行の診療報酬の内容でございますけれども、がん患者指導管理料の1について、1回に限られているということ。
それから、34ページの下のほう、職種の要件については、医師、看護師、公認心理師が含まれているということでございます。
35ページ、意思決定支援については、診断時だけではなくて、転院再発の判明時や終末期においても行われることがあるということ。
36ページ、指導内容については、就学、就労、妊孕性の温存、アピアランスケアなど、様々な指導内容が含まれるということ。
38ページ、そういったものに対応するため、また、社会的、経済的な問題に対する支援も必要であること。そのために、社会福祉等の多職種の支援も必要となっていることをお示ししています。
39ページからが、抗悪性腫瘍剤の取扱いについてです。
40ページ、現行の暴露対策でございますけれども、医療従事者への抗がん剤の暴露を防ぐために、現行では調整時の無菌製剤処理について診療報酬の評価をしておりますけれども、患者さんのそばで投与する際に点滴をつなぐといった、こういったところでの漏出に対する暴露防止対策については評価がない。そういったものについて行うためには専用の器具などのコストがかかるということでございます。
45ページ、論点でございます。
外来化学療法の皮下注射の場合の取扱いについて。
それから、急変時の緊急事態等に対応するための指針の整備を必須の要件とすることについて。
それから、がんの遺伝子パネル検査実施後のエキスパートパネルを省略できる場合の取扱いについて。
強度変調の放射線治療についての医師要件の施設基準について。
続いて、46ページ、がん患者指導管理料を患者1人につき1回の算定となっていることについて、意思決定支援の複数回必要な場合の評価について。
就学、就労、妊孕性の温存、アピアランスケアなどの様々な相談内容について。
そして、社会福祉士を職種に含むことについてなどを挙げております。
また、抗悪性腫瘍剤の取扱いについては、投与時の暴露予防に資する評価の在り方について、論点として挙げさせていただいております。
続いて、47ページからが、難病対策についてでございます。
50ページ、遺伝学的検査の対象疾患と評価につきまして、難病については、様々な疾患をこうした評価の対象とさせていただいております。
52ページ、新たに指定難病として追加された疾患等もございまして、こうした疾患の遺伝子検査についての追加をお諮りするものでございます。
54ページからが、遺伝カウンセリングについてでございます。
56ページでございますけれども、遺伝カウンセリングが必要となるタイミングは様々でございますけれども、現行の対象となっておりますのは、検査の結果に基づく療養上の指導の場合でございまして、カウンセリングの結果検査を受けなかった場合、あるいは過去の検査結果に基づいて改めて指導を行う場合には対象となっていないということになります。
57ページが論点でございます。
新たに指定難病として追加された疾患や、診断基準が見直された疾患等における遺伝学的検査の対象疾患としての取扱い。
それから、遺伝カウンセリングについて、検査前後及びその後のライフステージの変化に応じた情報提供等における算定タイミングについてお諮りするものです。
59ページからが透析医療についてです。透析医療の現状について幾つか資料がついてございます。
69ページまで飛ばせていただきまして、透析診療に係る診療報酬上の評価でございますけれども、場合1、場合2、場合3と分かれた評価となってございます。
70ページに表がまとめてございますが、透析用監視装置の台数や、1台当たりの患者数ということで、大規模な透析の効率性についての評価が含まれているということでございます。
その中で、慢性維持透析1を算定した医療機関、これが一番高い評価となっているところでございますけれども、そういった中にも、非常に大規模な医療機関があるということをお示ししております。
73ページと74ページは、災害対策の取組や、その求められる対策について記載をしております。
また、75ページ、腎代替療法に関する情報提供、腎代替療法の複数の方法、血液透析や腹膜透析、腎移植がございますけれども、この3つについて情報提供をされている取組の実施状況等についてお示ししております。
77ページからは「バスキュラーアクセス(シャント)について」ということです。
78ページ、シャント閉塞時のシャントトラブルは頻度が高く、透析患者の入院理由として非常に多くなってございます。事前連携していない医療機関に紹介しているという例もあるということでございます。
また、このような拡張の手術の実施状況でございますけれども、80ページが医療機関住所地ベース、81ページが患者住所地ベースとなってございますけれども、かなりばらつきがあるという状況になっておりまして、この手術の普及や適用について御議論いただくための資料として、おつけをさせていただいております。
82ページ目からが、腹膜透析についてでございます。
84ページにありますように、病診連携にて、この腹膜透析を提供している場合もあるということでございますが、85ページ、現行の管理料は1か所の医療機関で行うことを前提としたものとなってございます。
87ページ、論点でございます。
人工腎臓等に係る評価について、慢性維持透析1を算定して医療機関の中で、算定回数が非常に多い医療機関が存在することを踏まえた評価の在り方。
災害時の透析医療継続のための、対策と、その評価の在り方。
腎代替療法に関する情報提供に関する評価の在り方。
慢性維持透析患者のシャントトラブルへの対応に関する評価の在り方。
また、算定回数に地域差が見られる現状を踏まえた評価の在り方。
腹膜透析については、病診連携により、基幹病院と併せて対応している例があることを踏まえた、在宅自己腹膜灌流指導管理料の算定要件の在り方。
こうしたことを論点として挙げさせていただいております。
最後に、緩和ケアに関する評価についてでございます。
緩和ケアの基本的な事項について、最初のほうにまとめさせていただいております。
100ページから御説明をさせいただきます。
緩和ケア病棟入院料の概要をまとめておりまして、対象としては、悪性腫瘍及び後天性免疫不全症候群の患者となってございます。
101ページ、がんの疼痛に関しましては、様々なアプローチで対応が行われておりまして、102ページにありますように、緩和的放射線治療や神経ブロック、こうしたものが、がん疼痛に対しての有効性があるということでございます。
103ページ、現行の診療報酬の取扱いの中で、緩和的な放射線治療につきましては、包括の外で、出来高で算定できるという仕組みになってございます。
104ページ、神経ブロックも効果があるということでございますが、取り組まれている割合が少ないという資料でございます。
106ページからが、非がん患者に対する緩和ケアでございます。
世界的に終末期に緩和ケアを必要とする方の割合という、こういった資料を見ますと、左上のLung diseases、呼吸器疾患であるとか、あるいはRenal failureと書いてありますけれども、腎臓病なども緩和ケアを必要とするという認識になっているということでございます。
107ページ、緩和ケア研修会としても、こうした緩和ケアについて、履修を必須にしていくということで取り組んでおります。
実際、108ページ、緩和ケアチームも、こうしたコンサルテーションを受けているということでございます。
109ページ、110ページが緩和ケア病棟以外の緩和ケア診療の評価でございまして、入院中には緩和ケア診療加算、そして、外来では、外来緩和ケア管理料といったものが評価の対象となっております。
111ページからは、治療用の麻薬に関する取扱いや、現行の効果や普及状況について、115ページまでお示しをさせていただいております。
116ページ、腎不全の経過、症状や合併症をまとめたもの。
そして、117ページが腎不全患者に対する緩和ケアの効果をまとめているものでございます。
118ページ、もう一度先ほど御覧いただいた資料でございますけれども、緩和ケアが必要な疾患の中で、悪性腫瘍を中心とした緩和ケア病棟入院料の算定要件を設けている理由を、119ページにお示ししております。
がんに関しましては、最後の2か月ぐらいで急速に機能が低下するということで、集約的な緩和ケアの場として緩和ケア病棟入院料というのを設けている一方で、心疾患に関しましては、経過が非常に長いということでございますので、その対象ではなく、緩和ケアの診療料等を対象としているということでございます。
120ページが、腎疾患の場合どうかということでございますけれども、透析の差し控えや中断を選択した場合などには、最期のときに、比較的急速に機能が低下し、濃密な緩和ケアを必要とするということが想定されるということでございます。
121ページは、療養病棟における緩和ケアの取扱いでございまして、悪性腫瘍の場合について医療区分2で、緩和ケアの患者さんが対象となってございますけれども、悪性腫瘍以外の緩和ケアについては、ここの対象になっていないということでございます。
122ページ、論点でございます。
緩和ケア病棟入院料において、緩和的放射線照射についての取扱いを参考にした神経ブロックの評価の在り方をどう考えるか。
それから、末期呼吸器疾患患者及び終末期の腎不全患者に対する緩和ケア診療の評価の在り方。
それから、透析を中止した末期の腎不全患者に関する緩和ケア病棟の対象患者の在り方。
療養病棟における悪性腫瘍以外の医療麻薬による疼痛コントロールを要する場合の医療区分の在り方。
こうしたことを含めまして、御議論をいただければと思います。
事務局からの説明は以上です。
○小塩会長
ありがとうございました。
それでは、ただいまの説明につきまして、御質問等ございましたら、よろしくお願いいたします。
江澤委員、お願いいたします。
○江澤委員
それでは、各論点に沿って意見を述べさせていただきます。
まず、45ページ~46ページのがん対策についての論点について申し上げます。
外来化学療法について、論点で示された方向に異存ありませんが、2つ目の○の指針の整備を必須の要件とすることについては、経過措置を設けて推進するなどして、現在、外来化学療法を受けている患者さんの治療に支障が生じないように配慮することも必要であります。
がんゲノム医療におけるパネル検査実施後のエキスパートパネルの省略については、資料の26ページを見ますと、将来、省略できる場合として、コンパニオン診断の結果、国内で承認されている医薬品にアクセス可能な場合と、アクセス不可の場合の2つのパターンが示されておりますが、どこまで省略可能とできるのかは、治療の質と安全性に配慮しつつ、慎重、丁寧に検討すべきと考えております。
放射線治療のIMRTにおける計画立案を遠隔支援することについては、地域の診療格差を均てん化するという意味でも、30ページに示されておりますように、医師2名のうち1名が遠隔でIMRTの治療計画を策定した場合も、放射線治療計画の品質に差がないことから、遠隔放射線治療計画加算の施設基準を見直すことに賛同いたします。
がん患者の意思決定支援についてでございます。
まず、がん患者指導管理料イは、患者1人につき1回に限り算定することとなっていますが、重要な意思決定が必要な局面は、診断時、転移再発判明時、終末期などに様々生じますので、その都度算定できるように見直すべきと考えております。
2つ目の○と3つ目の○についても賛同いたします。
最後の悪性腫瘍剤の投与時における暴露対策については、医療従事者の安全確保にとっても重要であり、新たに評価すべきであると考えております。
次に、57ページの難病対策の論点について申し上げます。
まず、遺伝学的検査について、52ページに詳細が示されておりますが、論点のごとく疾患は、遺伝学的検査の対象疾患に含めるべきであると思っております。
また、遺伝子カウンセリングについて、遺伝カウンセリング加算は検査実施後、1回に限り算定できるとなっているところ、56ページにありますように、適切な情報提供の結果、検査に至らなかった場合や、ライフステージに応じて新たに必要となる情報について情報提供を行った場合などについても、現場で行われている丁寧な情報提供の在り方に応じた評価がなされるべきと考えております。
続いて、87ページの透析医療についての論点について申し上げます。
まず、人工腎臓についてでございます。
今回は、70ページなどで示されているとおり、慢性維持透析1を算定している医療機関の中で、算定回数が非常に多い医療機関が一定数存在することを踏まえ、適正化の方向性が示唆されておりますが、人工腎臓は毎年マイナス改定の基調にあり、また、近年は60ページにも示されておりますとおり、透析患者数が減少となっていることや、使用される医療材料、水道光熱費も高騰していることから、収支差も大きく減少していることを踏まえ、実態に即して慎重に検討すべきであることを申し上げます。
あわせまして、慢性維持透析の2、3では、効率性が高いという理由のもとに、慢性維持透析1に対して、それぞれ40点、80点低い報酬設定となっており、同様の治療でありながら、低く抑えられており、報酬の妥当性について、経営状況も踏まえ、検討が必要と考えております。
続きまして、災害時の対策や腎代替療法の情報提供については、災害時の透析医療継続や腎代替療法に関する情報提供において、患者さんに支障のないことを前提とした医療機関の取組に応じて評価すべきであります。
また、シャントトラブルについては、ごく一部に事前に連携していない医療機関に紹介している医療機関があり、また、経皮的シャント拡張術、血栓除去術については、算定回数に地域差が見られるということですが、いずれの場合においても、そのような実情について、地域の医療提供体制も踏まえた確認が必要であると思います。
経皮的シャント拡張術、血栓除去術については、初回実施後、3か月以内に実施する場合は、透析シャント閉塞などの場合に限り、1回を限度として算定可能となっておりますが、患者さんによっては、短期間にシャントトラブルを繰り返すこともあり、生じたシャントトラブルは、透析医療維持のためには、必ず対応しなければならないことも踏まえて、評価の在り方を見直すべきと考えております。
また、初回手術後、3か月以内に複数回のシャントトラブルを生じる事例の実態把握も併せて必要ではないかと思っております。
次に、腹膜透析については論点に示されているとおり、地域によって病診連携によって対応されているなどの実態がございますので、在宅自己腹膜灌流指導管理料について、頻回の指導管理を別の医療機関が行った場合にも算定できるように見直すべきであると考えております。
それでは、最後の緩和ケアについて、122ページの論点に沿って申し上げます。
まず、緩和ケア病棟入院料については、実施の状況も踏まえて、神経ブロックを出来高で算定できるようにすべきであると考えております。
また、2つ目と3つ目の○については、実態を踏まえ、末期の呼吸疾患や腎不全といった非がんの患者さんの緩和ケア病棟の対象などに追加すべきと考えております。
悪性腫瘍以外の末期の患者さんが増えることに鑑み、療養病棟における医療用麻薬などの薬剤投与による疼痛コントロールを要する病態の医療区分は、悪性腫瘍以外の場合も同様に評価すべきと考えております。
私からは以上となります。
○小塩会長
ありがとうございました。
続きまして、太田委員、お願いいたします。
○太田委員
ありがとうございます。
私からは、87ページの透析医療及び122ページの緩和ケアに関しての論点に関して、発言をさせていただければと思います。
まず、87ページの透析の部分です。
1つ目の論点なのですが、69ページにおきまして、現在の人工腎臓点数の評価における効率性の観点を踏まえた評価が、場合1、場合2、場合3と3区分に分かれていることが示されております。
経年的に場合2、場合3の算定回数は減少していることが65ページに示されており、これら2、3の区分の件数は、全体の約2%程度となっております。
今回、慢性維持透析1を算定している医療機関の中で、算定回数が多い医療機関が存在していることが示されておりますが、そもそも効率性により、診療報酬点数に差をつけるということそのものに、私は反対です。
前回、2018年改定で、現在の効率性の区分というものが導入された後、様々な地域で患者を別の医療機関に移動させるなどのことが、実際に業界では問題になりました。臨床現場では様々な問題が、実際にこういう区分をつくることによって生じています。
また、先ほど指摘しましたように、効率性の高いとされる区分の算定回数が減少しているのは、各透析施設が透析監視装置を無駄に購入して、基準を満たすような効率を下げるような本末転棟な動きが出ているからであります。
今回、算定回数が多い医療機関の評価を検討するということですが、どこで線を引くにしても、その線以下になるように現場は患者の移動を考えるなど、地域の透析医療に大きな影響が出ることが想定され、より非効率な医療提供体制に向かうことになります。
そもそも効率的に医療提供するということは正しいことであるにもかかわらず、区分を設定することで、現場の医療提供を非効率にしているという副作用が出ているということも認識すべきです。
効率性高く透析医療を提供している医療機関が、決して質の悪い医療を提供しているわけではありませんし、そのようなデータもございません。逆に、効率性を高めることで、より質の高い医療を提供していることも想定されます。
今回、効率性の区分に関しては、区分による体制の患者数が2%程度と非常に少数であることから、この区分そのものを廃止すべきであると考えます。
次の災害時の問題です。
73ページ、74ページに、透析医療における災害対策が求められておりますが、透析患者は災害弱者であり、平時から有事を想定して様々な準備をしていくことが必要であります。とりわけ情報の収集及び連携の強化というものは重要です。
マニュアルの整備や、避難訓練、ネットワークへの登録が100%でないことから、これらの災害対策を適切に行っている透析医療機関を何らかの形で評価すべきであると考えます。
3つ目の情報提供です。
腎代替療法の治療手段は、導入期以外にも当然必要時行われるべきであります。現在、導入期加算において評価されておりますが、維持透析の現場でも適切に情報提供が行われるよう、評価を検討していくことには賛成です。
シャントトラブルの論点です。
血液透析を行っている患者のシャント管理は非常に重要です。狭窄や閉塞が生じると、血液透析が実施できなくなり、患者の生命に影響するため、適切にシャント管理が行われる必要があります。
78ページにおいて、事前にシャント管理体制の連携が不十分な透析医療施設の存在が少数ではあるが確認されています。
維持透析を行う上では、患者に安心して透析治療を受けてもらうことが重要であり、自院で管理できないのであれば、適切に他の医療機関と連携するよう促す施策は必要であると考えます。
最後、経皮的シャント拡張術、血栓除去術の地域差の問題です。
今回、80ページ、81ページにおいて、経皮的シャント拡張術、血栓除去術の算定回数に地域差が生じていることが示されています。
私は、この原因がはっきり分かりませんが、一般的には、専門医が地域に存在しているかどうかというものも影響しているのではないかと考えます。
算定回数の地域差が何により生じているのかをさらに検討して、その原因が適切でないのであるならば、評価の見直しを検討することもあり得ると思いますが、現時点では、評価を見直すのに必要な情報が十分だとは思いません。
これを議論していく上においては、さらに検討するのに必要なデータの提示をお願いしたいと思います。
最後に腹膜透析の部分ですが、必要な患者に地域で腹膜透析を管理できる体制を構築することは非常に重要です。
今回、85ページに示される頻回指導管理加算がありますが、この管理料は、管理施設での指導管理時にしか算定できないとなっております。
評価基準を見直し、地域における腹膜透析患者の管理に、より幅広い医療機関が参画できるよう工夫することは、腹膜透析の普及にも資すると考え、ぜひ進めるべきであると思います。
続きまして、122ページの緩和ケアの論点です。
1つ目の神経ブロックの評価を包括外とすることに関しては、進めるべきであると思います。
2つ目です。末期の呼吸器疾患患者及び終末期の腎不全患者に対しては、緩和ケア診療加算及び外来緩和ケア管理料の対象患者に加えることは、適切な緩和ケアを両疾患の患者に提供する上で必要であり、賛成です。
また、同じく緩和ケア病棟の対象に透析の差し控え、中断を選択した末期腎不全患者を加えることにも、特に異論はありません。
ただ、終末期の腎不全患者に関しては、透析の中断を本人が希望した場合でも、その後、意見が変わることは往々にして見られるということがあります。それにも配慮する必要があります。
必要時には、透析実施を妨げないように、緩和ケア病棟入院料の包括範囲から人工腎臓を除外することも検討すべきだと思いますし、また、多くの緩和ケア病棟設置医療機関は、透析医療が提供できないところが多いです。患者の意向が変わった場合には、自院で対応できない場合、速やかに透析実施可能な医療機関へ転院させることも必要と考えます。
最後に、療養病棟の麻薬の関係です。
医療療養病棟においての麻薬の使用は、悪性腫瘍以外の患者にも必要時行うことが望ましいです。
しかし、現在は、がん患者以外は医療区分での評価も行われていない状況となっています。医療用麻薬などの薬剤の投与による疼痛コントロールが必要な場合には、他疾患の患者に対しても医療区分での評価を検討すべきと考えます。
私からは以上になります。
○小塩会長
ありがとうございました。
ほかは、いかがでしょうか。
小阪委員、お願いいたします。
○小阪委員
ありがとうございましたと。
46ページのがん対策についての論点なのですが、1つ、がん患者指導料イは、患者1人につき1回の算定と、このようにこれまで書かれてきたわけですが、やはりがんを診療しておりますと、今、非常に治癒率が高くなっておりますので、異時多発がん、それから、異時多重がん、非常に1人の患者が複数のがんになるということがありますので、1人が1回なのか、もしくは1疾患、1がん、1つなのか、その辺をはっきりさせていただいて、3つ目、4つ目のがんが出る人がいるわけです。そうすると、必ずがん腫が違えば、治療方針は違いますし、使う薬剤も違うという中で、もし、回数を規定するのであれば、どういう分類をしていくのか、個人1人という形ですと、多重に起こったときには、ほぼ何も取れないし、資本に対しては不利益が起こるということでございますので、この書き方、もしくは制限するときの考え方ということを少し整理していただきたいなと思います。
次に、暴露対策なのですけれども、暴露対策は、非常につなぐときの暴露対策ということに、現在、ここでは焦点が挙がっていますが、患者さんからの暴露というのは、かなり問題になっていまして、患者さんが、抗がん剤を投与されますと、その患者さんは、尿とかに抗がん剤が代謝されて出てくるわけですね、代謝されないのもありますけれども、それをトイレで流していくということがあって、患者さん自身が暴露したまま、環境暴露をするということもありますので、次でもよろしいですから、そういうことに対してのトイレの整備ですとか、そういうことに関しても少し評価をしていただければと思います。
以上でございます。
○小塩会長
ありがとうございました。
それでは、松本委員、お願いいたします。
○松本委員
ありがとうございます。
まず、45ページ、46ページのがん対策についてでございますが、まず、1点目にございます、外来腫瘍化学療法診療料の算定対象に皮下注射を追加することにつきましては、異論はございませんけれども、治療時間の短縮を踏まえた評価についても併せて検討すべきだと考えます。
また、急変時対応の指針につきましては、診療料1に限らず、2、3も必須化することも考えられると思います。
次に、46ページの最初の論点にあります、がん患者指導管理料のイについてですけれども、患者の意思決定を適切に支援する観点から言いますと、患者1人につき1回に限らず、算定を認めることは否定いたしませんが、この適切なタイミングあるいは頻度は設定すべきだと考えます。
次に、抗がん剤の暴露予防につきましては、製剤処理に係る評価と重複せず、投与時にかかるコストを踏まえた評価であれば、理解はするものでございます。
そのほかの点については、異論はございません。
続きまして、57ページの難病対策についてですが、指定難病の追加等を踏まえた、遺伝学的検査の対象疾患を拡大することに異論はございません。
遺伝カウンセリング加算につきましては、学会のガイダンスに基づく場合に限り、複数回の情報提供を評価すべきだと考えます。
続きまして、87ページの透析医療についてですが、1つ目にございます効率性の観点で、人工腎臓の算定回数が極めて多い場合の評価を適正にすべきだと考えます。
先ほど、太田委員のほうからは、この件に関して、患者を移動させている動きがあるとありましたけれども、私、その中身とか、その意図が分かりかねますので説明をいただければと思います。
次に、一方で、災害時にも透析を継続するための対策を評価することは理解できるものでございます。
次に、75ページにあります腎代替療法の3つの選択肢に関する説明や、患者の意思決定支援は、まだまだ不十分だと感じております。
血液透析から腹膜透析や腎移植に切り替えることで、患者のQOLを向上する観点から、導入期以外でも適切なタイミングで情報提供する場合には、一定評価する余地があると考えております。
次に、シャントトラブルにつきましては、自院や連携する医療機関でしっかり対応することを基本とすべきだと思います。
腹膜透析につきましては、病診連携により地域差が解消するのであれば、基幹病院による支援を評価することも考えられます。
最後に、緩和ケアについて神経ブロックを緩和ケア病棟の患者に実施することは、資料の104ページを見る限りでは、包括範囲内とされておりますけれども、この割合が低いことを見ますと、あまり想定されていなかったのか、今回こうした包括外にしたいという提案の趣旨について、事務局に確認させていただきたいと思います。
そのほか、末期の呼吸器疾患や腎不全の緩和ケアを評価すること、透析を中止した末期の腎不全を緩和ケア病棟入院料の対象に追加すること、療養病棟において悪性腫瘍以外で麻薬による疼痛管理を実施している場合も医療区分2とすることには、異論はございません。
私からは以上でございます。
○小塩会長
ただいま松本委員から御質問がありました。太田委員に対して透析に関する御質問、それから、事務局に対して包括外にすることの趣旨について御質問ございました。まず、太田委員に御回答をお願いします。
○太田委員
2018年改定で設定された、いわゆる効率性の指標、70ページにそのルールが書かれてございます。
まず、透析用監視装置の台数によって分けるのと同時に、透析用監視装置1台当たりの患者数というもので点数を分けたというのが、2018年の改定です。
例えば、50個の透析監視装置があるクリニックがあったとして、4.0ということになりますと、200人ということになりますし、3.5ということだと、175人ということになるのですが、この人数を超えてしまうと、いきなりとんでもなく収入が下がるというのが、この点数、40点から50点の差があるのですけれども、これによって、そこよりも多い医療機関は、逆に言うと、その患者さんは、地域の別の透析クリニックに行っていただかないと、とんでもなく収入が下がるということが起こるのです。
また、ぎりぎりでやっている、これは東北のほうの事例だったと思いますけれども、そこで透析をやらなくてはいけないのですけれども、腎不全の患者さんが出て、だけれども、その患者さんを受け入れると、ぎりぎりのところのクリニックは、いきなりその患者さんを受け入れて治療しようとすると、大幅な減収になるということが現実に起きたということになります。
ですので、こういうものというのは、どうしても、どういうやり方をやったとしても、地域で医療を提供するのに様々な影響が出ることがあります。
また、実際に、どれぐらい患者数が多いところ、また、効率的にやっているところというのが、利益率が高く出ているのかというデータも実際のところ示されておりませんし、多くの透析患者さんを抱えているところというのは、大体、病院や何かを法人内に持っているというところもございます。そういうところは、既にそういう医療機関、法人自体がぎりぎりの経営状況になっているところも足元でございます。
ですので、これを見直していく場合には、かなり慎重にデータを把握していただいて検討いただく必要があるだろうと思います。
もう一つお話をさせていただくと、そもそも効率的に医療を提供することは悪なのかという根本的な話です。例えば、1つの手術室の稼働を上げて、効率的にたくさん手術をする形で病院が運営をする、1つの病院がたくさんの手術の症例を抱える形によって医療を提供する、1つの診療所が、たくさんの外来で患者さんが来て、効率的に診療を地域で行うということになると、それに対して診療報酬上のペナルティをかけるというそもそもの考え方というものに、私としては非常に違和感を感じるものでございます。
以上です。
○小塩会長
松本委員、1番目の太田委員に対する御質問について、いかがでしょうか。
○松本委員
御説明ありがとうございました。
経営という観点は十分理解しましたが、その説明が患者にとって本当にどう響くかということについても、ある意味、関心がありましたので質問させていただいた次第です。これについては、これ以上触れませんので結構でございます。
○小塩会長
2点目の質問は、事務局からお願いいたします。
○林医療課長
医療課長です。
103ページ、104ページの辺りにつきましての御質問でございます。
緩和ケア病棟に入院中の放射線治療や、神経ブロック、もともと技術としては存在しておりましたけれども、包括の範囲の中にございました。やはり、普及状況といいますか、緩和ケアの水準が上がってくる中で、こうした技術も活用しながらしっかりと疼痛緩和していこうと、そういう動きの中で、現場でぜひ実施したいということになってきているのだと思いますが、その際に、診療報酬のルール、包括の中にあるということとの兼ね合いが順次問題になってきているということだと認識しております。そういう観点から、今回、神経ブロックについて、包括から外すことを含めて御議論いただきたいということでございます。
○小塩会長
松本委員、よろしいでしょうか。
○松本委員
ありがとうございました。
そうしますと、神経ブロックというものの利用が増えているという理解をすればよろしいのですか。当初は、あまり想定していなかったけれどもという理解でいいのですかね。
○小塩会長
事務局、いかがでしょうか。
○林医療課長
緩和ケア病棟ができたのも、かなり昔でございますけれども、例えば、最近、がん対策推進基本計画等においても位置づけられたり、最近は、そのように普及が進んできていると認識をしております。
○小塩会長
松本委員、いかがでしょうか。
○松本委員
ありがとうございました。
○小塩会長
ありがとうございます。
次は、永井委員、お願いいたします。
○永井委員
ありがとうございます。私からは2点意見を申し上げたいと思います。
まず、がん対策につきまして、患者の意思決定支援、そして、心理的不安の軽減に資するよう、体制の整備や多職種で支援する対応は重要と考えます。
2つ目に、透析医療につきまして、75ページにありますように、患者に腎代替療法の選択肢を提示している医療機関は半数、情報提供の取組をしていない医療機関は3割強ある状況です。患者が十分な情報を基に治療を選択できるよう、情報提供の取組が進む方向で見直す必要があると考えております。
以上です。
○小塩会長
ありがとうございました。
ほかは、いかがでしょうか。
茂松委員、お願いいたします。
○茂松委員
茂松でございます。
がんゲノム医療のところでございますけれども、がん遺伝子パネル検査実施後のエキスパートパネルを省略するということが、このワーキングチームで取りまとめられたということでございますが、やはりここに関わる人材ということが非常に、今、少ないということがありますので、これはこれとして理解はしますが、やはり人材育成については、しっかりしていただきたいと理解をしておりますので、それをお願いしたいと思っております。
以上です。
○小塩会長
ありがとうございました。
ほかは、いかがでしょうか。
よろしいですか。ほかには、特に御意見、御質問ないようですので、本件に係る質疑はこのあたりといたします。今後、事務局におかれましては、本日いただいた御意見も踏まえて、引き続き検討していただくようにお願いいたします。
本日の議題は以上です。
次回の日程につきましては、追って事務局より御連絡いたします。
それでは、本日の総会は、これにて閉会といたします。どうもありがとうございました。