薬事審議会血液事業部会令和7年度第3回運営委員会議事録
日時
令和7年10月23日(木)18:30~20:00
場所
Web併用形式
厚生労働省 共用第8会議室
厚生労働省 共用第8会議室
出席者
- 出席委員(6名):五十音順、敬称略 ◎委員長
-
- 後藤 智己
- ◎田野﨑 隆二
- 松下 正
- 松本 剛史
- 水上 拓郎
- 三谷 絹子
- 欠席委員:敬称略
- 藤田 秀行
- 金桶 陽
- 遠藤 嘉浩
- 鶴間 和幸
- 岩崎 容子(血液対策課長)
- 金子 健太郎(血液対策課長補佐)
- 東 雄一郎(血液対策課長補佐)
議題
- 1. 日本赤十字社における再発防止策等について
- 2. その他
配布資料
資料ページをご参照ください。
議事
- 議事内容
-
◯金子血液対策課長補佐 定刻より少し早いですが、委員の先生方がおそろいですので、ただいまより「血液事業部会令和7年度第3回運営委員会」を開催いたします。本日はお忙しい中御参集いただき誠にありがとうございます。この度は、御参加いただく方の利便性等の観点から、Web併用での審議とさせていただきます。なお、本日の会議は公開で行います。また、カメラ撮りは議事に入るまでとさせていただきます。マスコミ関係者の方々におかれましては、御理解と御協力をお願いいたします。
次に、会議における委員の出席についてですが、大隈委員から御欠席の連絡を頂いております。委員7名中6名に御出席頂いていることを御報告いたします。また、本日は日本赤十字社血液事業本部より、藤田副本部長兼経営企画部長、金桶経営企画部次長、遠藤技術部次長、鶴間経営企画部供給管理課長にお越しいただいております。どうぞよろしくお願いいたします。
加えて、事務局に人事異動がありましたので御報告いたします。10月から血液対策課に東課長補佐が着任しております。
◯東血液対策課長補佐 10月1日付けで着任いたしました東と申します。皆様、どうぞよろしくお願いします。水上先生等も前から存じあげておりますが、もともとPMDAでワクチンや血液など、そこら辺の関係をやっており、直近では審査管理課でやはりなまもの関係の担当をしておりましたので、そのような形で血液のほうで、またいろいろ尽力させてだければと思いますので、よろしくお願いいたします。
○金子血液対策課長補佐 続きまして、全ての委員の皆様より、薬事審議会規程第11条への適合状況を御申告いただいており、本日の議題について影響ないことを確認しておりますので、御報告させていただきます。
委員の皆様には会議開催の都度、書面を御提出いただいており、御負担をお掛けしておりますが、引き続き御理解、御協力を賜りますよう、何とぞよろしくお願い申し上げます。
議事に入る前に、会場にお越しいただいている委員の皆様におかれましては、本日の資料の確認をお願いします。議事次第、委員名簿、運営委員会規程、資料1です。お手元にあるか御確認をお願いします。不足がある場合には、お近くの職員にお声掛けください。
本日はWeb併用での審議のため、対面での進行と一部異なる部分がありますので、審議の進行方法について御説明いたします。審議中に御意見、御質問がございましたら、挙手等によりお示しいただきますようお願いいたします。委員長から順に発言者を御指名いただきます。指名された方は、マイクがミュートになっていないことを御確認の上、議事録作成のために、まずはお名前を御発言ください。ノイズを減らすため、御発言が終わりましたらマイクをミュートにしていただきますようお願いいたします。
それでは、まもなく議事に入りますので、カメラ撮影はここまででお願いいたします。以降の進行を田野﨑委員長にお願いいたします。
○田野﨑委員長 皆さん、こんばんは。これまでの説明に何か御質問や御意見があればと思いますが、よろしいでしょうか。そうしましたら、本日の審議すべき議題は主に1つですが、議題1「日本赤十字社における再発防止策等について」、日本赤十字社より御説明をお願いいたします。
○日本赤十字社血液事業本部藤田副本部長兼経営企画部長 日本赤十字社血液事業本部の藤田でございます。本日はお時間を頂戴いたしまして、ありがとうございます。
それでは、私のほうから資料によりまして、「血液事業で生じた事案に対する再発防止策について」ということで、御説明を申し上げます。
資料1の2、3ページ目です。我々、血液事業本部におきましては、今回生じた事案に対する再発防止策ということで、4つの大きな課題に取り組んでいます。1つ目が職員の意識改革、2つ目がガバナンスの強化、3つ目が業務手順の一斉点検、4つ目が委託業務契約の見直しです。大きく分けてこの4つの取組の中で進めております。資料の2、3ページについては、少し大雑把ではありますが、そのスケジュールです。
4ページです。詳細な内容について、それぞれ御説明を申し上げます。1つ目が「①職員の意識改革」です。「基本理念」と「私たちの目標」の再確認と徹底、献血血液を扱う業務の責任を自覚、業務手順を確実に遵守することの重要性の再認識としております。これを念頭に、職員の意識改革を現在進めております。
具体的な内容については5ページになります。まず、血液事業本部長通知の発出です。令和7年9月19日に全国の各血液センター所長宛てに各業務手順遵守の徹底の指示をいたしました。続きまして、緊急の全国赤十字血液センター所長会議・管理部門担当部長会議を開催しています。令和7年9月25日に緊急会議を開催し、各業務に責任を持ち取り組むよう指示をいたしました。また、10月30日に開催を予定している全国赤十字血液センター所長会議におきまして、現在各血液センターで取り組んでいる取組の進捗状況を確認することとしています。また、血液事業本部長のメッセージの配信も行っています。これについては、令和7年10月8日に血液事業に携わる全職員に向けて、本部長のメッセージを配信しました。
以下、概要です。一連の事項を自分事として捉え、血液事業が国民の善意により成り立っていることを心に刻むこと。血液事業の「基本理念」と「私たちの目標」を深く考え、手順を遵守することの重要性を再認識し、確実に業務を遂行すること。国民から負託された血液事業の使命を自覚し、日々の業務にあたること。これらについては、今後も定期的に職員に発信し、意識醸成を徹底してまいりたいと考えています。
次に6ページです。こちらは(参考)ではございますが、血液事業本部長メッセージの配信の内容です。
続きまして7ページです。こちらは(参考)ではありますが、先ほど申しました血液事業における「基本理念」と「私たちの目標」です。
8ページです。「②ガバナンスの強化」です。こちらは、血液事業本部内のマニュアル等を改訂し、報告基準等の明記をしています。まず、厚生労働省への報告基準の策定です。厚生労働省へ報告を要する事例に関する基準として8項目記載しています。1つ目が、輸血用血液製剤、原料血漿が廃棄又は転用となった事例、「血液製剤製造状況等報告」の検査不合格や期限切れの血液は除くとしております。2つ目は、献血者に対し重大な健康被害を及ぼすおそれがある事例、誤穿刺・入院事例・死亡事例等です。3つ目は、血液事業の遂行に影響を及ぼすコンピューターシステムにトラブルが発生した事例。4つ目は、個人データの漏洩等が発生し、個人情報保護委員会への報告基準に該当する事例。5つ目、業務用車両にて発生した人身事故のうち入院事例や死亡事例。6つ目、供給業務の不能や著しい遅れにより医療機関の診療機能に重大な影響を及ぼした事例。7つ目、血液事業の遂行に係る「安全な血液製剤の安定供給の確保等に関する法律」及び「医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律」等の法令に違反するおそれがある事例。次のページの8つ目は、その他です。「「医療用医薬品の供給不足に係る報告について(依頼)」の一部改正等について」に記載がある、自社の供給可能量以上の需要増加、原薬や部素材の調達トラブル、原薬や製剤の試験不適合、製造委託先の生産計画変更、自然災害による血液センターの被災、製品不良によるメーカー判断での出荷停止、行政処分による出荷停止。これらについて厚生労働省への報告基準としております。
次のページです。こちらは、日本赤十字社としてのホームページの公表基準の策定です。血液事業における危機事象公表基準です。1.公表する事例。(1)「厚生労働省へ報告を要する事例に関する基準」の1に該当する事例(廃棄又は転用等になった事例)のうちア~ウの事例。ア.輸血医療に影響が生じた又は生じるおそれがある事例、イ.安定供給に支障を来した又は来すおそれがある事例、ウ.故意又は重大な過失により血液製剤等が廃棄又は転用となった事例。(2)「厚生労働省へ報告を要する基準」の2~8に該当する事例。これらについては、公表する事例を厚生労働省と協議させていただき公表する形としております。
それから、公表の時期ですが、上記1に該当する事例については、事例を覚知してから速やかに公表することとしております。公表の方法ですが、原則として、当該血液センターのホームページにおいて公表することとしております。
その他として、厚生労働省へ報告を要する事例に関する基準の1に該当する事例のうち、上記1により個別の公表を要さないと判断した事例については、この場、厚生労働省の薬事審議会血液事業部会運営委員会において報告をさせていただきたいと考えています。この施行日については令和7年10月1日から適用しております。
続きまして、12ページです。血液事業安全推進チームの発足もしております。血液事業における危機的事態について事前対策、発生した際の対策及び再発防止のための検証等を統括して管理をしていきます。当面はチームとして発足をしていますが、令和8年度においては、常設の組織として設置する予定としています。
続きまして、再発防止策のモニタリングです。血液事業経営会議において再発防止策の進捗をモニタリングします。また、業務点検の実施、監査ということですが、業務運営状況等について再発防止を目的として実地(管理運営の状況、血液安全委員会の運用状況、血液保管庫の状況等)で確認しました。今回、問題がありました日本赤十字社関東甲信越ブロック血液センター、それから東京都赤十字血液センターについては、監査の実施が終わっています。また、血液事業本部としては、今後も各血液センターの業務、構造設備、IT機器などの配備等について定期的に監査を実施する予定としています。
13ページです。3つ目が「業務手順の一斉点検」です。目的としては、業務手順の一斉点検により現行の手順を再確認し、事故の再発の防止に努めていきたいと考えています。点検の範囲については、血液の品質や搬送にかかわる業務手順を中心に点検しています。点検内容については、マニュアルは手順書と整合性がとれているか、マニュアルには必要な内容が明記されているか、手順どおりに業務が遂行されているか、間違いを誘発するような手順や記載はないか、必要な教育訓練を実施しているか、これは委託事業者を含んでいます。また、点検結果を踏まえた対応としては、各血液センターで不備がある場合は、速やかにマニュアルを改訂し教育訓練を実施すること。総点検の結果、改善が必要な手順の見直し・検討を実施すること、これはシステム化を含んでいます。また、毎年血液センターで実施している自己点検の中でモニタリングをしていく予定にしています。
14ページです。4つ目が「委託業務契約の見直し」です。こちらの目的については、委託業者に対する監督責任を果たす契約に見直し、事故の再発を防止するためとしています。調査の範囲については、原料血液の搬送業務、輸血用血液製剤の供給業務、血液製剤の保管機器の保守業務、献血者情報を取り扱う業務としています。調査の内容としては、契約方法、契約条項に再委託や契約解除等の契約条項の記載状況、業務に従事するにあたり日本赤十字社が指定する教育訓練の受講に関する記載、これらを調査することとしています。
調査結果を踏まえた対応として、委託事業者の選定基準を含む契約内容の統一的な考え方を整理すること、新規委託契約及び契約更新時にそれらを反映させていくことを考えています。
続きまして15ページです。こちらは「その他 過去事案の調査」です。目的については、過去事案を調査・分析し、事故の再発を防止するためとしています。調査の範囲としては、平成24年度(広域事業運営体制移行後)から現在までとしています。調査の内容については、血液安全委員会で協議された事例、定期的な報告は除きますが、それらの事例の中から調査を実施しています。最後に、調査結果を踏まえた対応については、把握した過去事案の分析・結果の公表を考えています。
資料の説明については以上でございます。
○田野﨑委員長 どうもありがとうございます。早速、日本赤十字社におかれましては対策を立てていただきまして、詳しく御説明いただいたところですが、委員の皆さんから、まず日本赤十字社の今の御説明に対して、御意見、御質問などがあればお願いしたいと思いますが、いかがですか。
私からですが、非常に細かく対策を立てられていただいていると思いますけれども、逆に言うと、今までこういうようなものがなかったのかどうかと、例えばISOの国際規格みたいに9001とか、ああいうようなものがなかったのかどうかということについてはいかがですか。
○日本赤十字社血液事業本部遠藤技術部次長 御質問ありがとうございます。今までISOに基づいて動いていたということはないのですけれども、弊社のほうでは製造業のほうでGMP適合性調査等を行っており、GMPに従って動いていますので、それに似通ったもので、それぞれ手順書を作って対応してまいりました。ただ、そこの吸い上げというところが、やはりうまくいっていなかったというのが実情だと思っています。
○田野﨑委員長 どうもありがとうございます。松下委員、お願いします。
○松下委員 8ページの厚労省への報告基準で、これは日赤へのというよりも、厚労省へどうされるのかということを聞きたいのですが、報告の基準が1~8あるわけなのですが、これに対して、血対課が具体的にどういうアクションを起こすのかということは詳細に決まっていますか。
◯金子血液対策課長補佐 報告の内容によると思うのですけれども、採血業としての日赤の事案であれば血液法に基づいて対応しますし、製造業や、卸売販売業としての事案が発生したら薬機法に基づく話になりますので、関係課、局内の監麻課とか、医薬品審査管理課などと相談しながら対応する形になると考えております。
○松下委員 具体的には、事案に応じて関わってくる役所が違うということは仕方ないと思いますけれども、何日以内に再発防止策を出しなさいとか、そういったことは考えていますか。
◯金子血液対策課長補佐 具体的に何日以内等は特に考えてはいないのですけれども、できるだけ速やかに再発防止策を講じていただくように、日赤には指導していきたいと考えています。
○松下委員 特に、ドナーの重大な健康被害、誤穿刺とかだったらともかく、入院してしまいましたとか、死亡しましたみたいなことだと問答無用で何週間以内に出しなさいみたいなことが多分あると思うので、事案の重要性に応じて何かそういった重み付けが要るのかなと。
○岩崎血液対策課長 ありがとうございます。基本的には、今もそうなのですが、何か事案が発生したときは、連日、日赤さんとは連絡を取り合いながら、今どこまで進んでいるか、今何をやっているかということを確認して進めております。おおむね1週間ぐらいで全ての事案に関しては、再発防止策も含めて出していただいている状況なので、もちろん健康被害とか重要なものは、まずは被害に遭った方への対応を優先していただくことをお願いしつつも、再発防止も速やかに作ってもらうような方向でいきたいと思っております。
○松下委員 はい。ひとまずよろしいです。13ページにマニュアルと手順書の話が出てくるのですが、ストラクチャーとしては、赤十字センターとしては手順書があって、各センターとか各採血所などにマニュアルがあるという構造になっているということですか。
○日本赤十字社血液事業本部藤田副本部長兼経営企画部長 先生がおっしゃったとおりでございます。まず、手順書につきましては、本部のほうで統一的なものを作成して各施設にお配りしておりまして、各血液センターがそれによってマニュアルを作るということでございます。ただ、マニュアルにつきましては、血液センターの中で、それぞれ大きさとか、供給で言いますと、保管機器とかが違ったりしておりますので、若干ではありますが、血液センターの中でマニュアルが多少違うということはございます。
○松下委員 各センターとか各採血所でどのようなマニュアルを作って運用しているのかということは、事業本部は把握されているのですか。
○日本赤十字社血液事業本部藤田副本部長兼経営企画部長 先生、申し訳ございません。血液事業部本部として、各施設がどのようなものを作っているか全て把握ができているという状況ではございません。
○松下委員 医療機関でもそうなのですが、病院長が、これこれこうしなさいと言っても、実際には各部署で闇のマニュアルみたいなのがあって、それで業務をしているということも起こってしまうので、何かストラクチャーを今後考えていただくのがいいのかなと思いました。
○日本赤十字社血液事業本部藤田副本部長兼経営企画部長 先生、どうもありがとうございます。今回、そういった意味では、業務手順の一斉点検をさせていただきまして、その辺も我々のほうできっちりと見ていけるような体制作り、仕組みを考えていきたいと思っております。
○松下委員 最後に、14ページの委託の所で、東京都だと確か献血供給事業団という組織があると思うのですが、これとは業務委託関係にあるのですか。
○日本赤十字社血液事業本部藤田副本部長兼経営企画部長 そうでございます。
○松下委員 その契約の内容とか、その事業団に対する評価などは定期的にされているという理解でいいですか。
○日本赤十字社血液事業本部鶴間経営企画部供給管理課長 すみません、確認させていただきます。
○松下委員 ありがとうございました。質問は以上です。
○田野﨑委員長 どうもありがとうございます。ほかは、三谷委員、お願いします。
○三谷委員 三谷です。今回、起こった数件の事案に関して、再発防止策を4つの点で立てていただいたということで、大変ありがとうございました。今回は再発防止ということなのですが、血液事業の中でも、いわゆる医療現場で言うヒヤリ・ハットはたくさんあると思うのですね。多分、未知の事故というのが今後も起こってくる可能性がありますので、やはりヒヤリ・ハットの事例を県の血液センターあるいは日本赤十字社のほうできちんと把握し、その状況を現場にフィードバックしていくということも大切なのかなと少し思いました。
もう1点教えていただきたいのですが、私はITのことは余り詳しくないのですけれども、今回、8ページのスライドの所で、ガバナンスの強化、個人データの漏洩等のことが書かれているのですが、個人データというのは献血者の方のデータだと思うのですけれども、昨今、様々な組織がサイバー攻撃を受けて、個人情報が漏洩したということを聞くのですが、日本赤十字社の個人情報の保管のシステムの強度について、素人に分かるように説明していただけるのでしたら有り難いです。よろしくお願いします。
○日本赤十字社血液事業本部藤田副本部長兼経営企画部長 ありがとうございます。インシデント、ヒヤリ・ハットの件ですけれども、我々、血液事業の中にインシデント、アクシデントを登録するようなシステムはございます。各血液センターのほうで、ヒヤリ・ハットも含めまして、システムに入力して、我々が見られるような仕組みにはなっているのですけれども、先生がおっしゃるとおり、それはきちんと本部のほうで吸い上げてフィードバックできているかというと、そこはまだ、余りできていないところがございます。
先ほど御説明の中で、今、そういうチームを作ったという説明をさせていただきましたけれども、今後はそのチームの中でヒヤリ・ハット、インシデントの中身を検証して、先生がおっしゃっていただいたようなフィードバックできるような体制を、今、作っている段階でございます。
システムの件については、なかなかシステムの話を簡単にというのは難しいのですけれども、この場で言いにくいこともあるのですが、簡単に言いますと、血液事業は、献血をしていただいて、検査、製剤を実施して、医療機関にお届けする。この一連の流れのシステムは、我々は血液事業情報システムと呼んでいますけれども、それにつきましては、基本的にはインターネットとは全く別の中で動かしておりますので、何かそこから入ってくるとかというとことはございません。いわゆる管理しているデータベースにつきましては、日本でも有数なシステムの会社のデータセンターの中に、正・副のような形で格納しておりまして、24時間体制で監視もしているという、簡単に言いますと、そのような内容でございます。申し訳ございません。
○三谷委員 ありがとうございました。難しい質問だったと思います。よく分かりました。
○田野﨑委員長 どうもありがとうございます。ほかはいかがですか。後藤委員、お願いします。
○後藤委員 後藤です。今回の一連の事案に対して、このような再発防止策を早急にまとめていただいて、聞かせていただき、おおむねよろしいかなというか、十分配慮されているところかと個人的には感じました。
その上で、1点だけ確認というか、質問になるのですが、11ページの危機事象の公表基準のところで、公表方法として、「原則として、当該血液センターのホームページにおいて公表すること」となっております。今、一般の方に知らせる手段としてはホームページとかが正に適しているかと思います。また、これも当然お含みおきのこととは思うのですが、事案の重要性によっては、ホームページで出すだけではいけないというか、もっと記者発表なり、コメントを出すなどをしなければいけないことはもちろんあると思います。しっかりまとめをするのであれば、そういうことを書いていただいて、後々にまでしっかり意図を伝えていただくことが大事かと思いますので、その点を御配慮いただければと思うのですが、いかがでしょうか。
○日本赤十字社血液事業本部藤田副本部長兼経営企画部長 先生、ありがとうございます。今回、ホームページということで書かせていただいておりますが、やはりその内容によりまして様々な公表の仕方がございますので、透明性が担保できるような形で進めさせていただければと思っております。
○田野﨑委員長 松本委員、お願いします。
○松本委員 松本でございます。12ページに、血液事業安全推進チームの発足ということで御説明いただきました。常設の組織として設置する予定であるということだったのですが、やはりいろいろな立場の人の目があるほうがいいと思いますので、もちろん医師とか、いろいろな職種、検査技師もそうですし、看護師もそうだと思いますけれども、事務方など、いろいろな職種や立場の方々でチェックをしていける体制を作っていただきたいと思います。病院などでもいろいろな職種の人が入っているからこそ、こういう安全管理というのが成り立っていると思っておりますので、是非、そのような形でチームを作っていただきたいと思っております。
○日本赤十字社血液事業本部藤田副本部長兼経営企画部長 先生、どうもありがとうございます。今回作ったチームの中にも、事務方もいれば、技術系、薬剤師、検査技師もおりますし、また昨年まで病院に勤務していた者もメンバーでおりますので、そのような形で、いろいろな目でいろいろな方向からチェックができるような体制にしていきたいと考えております。
○田野﨑委員長 ありがとうございます。今のことについてですが、この安全推進チームというのは本部に置くわけでしょうけれど、各事業所、センターにはこういうものがそれぞれあるとか、そのような構造にはなっているのですか。
○日本赤十字社血液事業本部藤田副本部長兼経営企画部長 各血液センターには、所長、施設長をトップにした血液安全委員会というものがございます。その中に、いわゆるインシデント部会というものも組織としてはございまして、問題が起こった場合は、そこで図っていくという内容になっておりますけれども、まだ不十分なところもございますので、これを機に、本部とも連携を取りながら活性化させていくということが重要なのだろうと思っております。
○田野﨑委員長 ありがとうございます。
○水上委員 国立健康危機管理研究機構の水上と申します。ありがとうございます。この度、このような対応をしていただいて、大きく改善すると期待しております。その中で、私たちも実は国家検定を含め様々な検査業務を行っておりまして、逸脱事例等によく対応しているのですが、今回は事例が発生した後の報告ということになると思いますけれども、先ほどのヒヤリ・ハットと似ているのですが、やはり逸脱報告というのを常にある程度情報収集しておくことが極めて重要かと思っております。
逸脱報告をするためには、やはりマニュアルがきちんとしていないと、何が逸脱なのかが個人では判断できなくなってしまいます。もともとの手順書は本部で作られるということで、各部署で手順書に基づいたマニュアルやチェックリストなどが作られるかと思いますけれども、そのマニュアルを何らかの品質管理部門が統合してまとめてオーソライズすると共に、部門ごとに解釈、書き方が変わってきて、どうしても部門差が出てきてしまうので、そこを調和するために、今すぐはできないですけれども、長期的な時間を掛けて調整する部門というのがあると、より改善したマニュアルに基づいて、これは明らかに逸脱したので、今回は大問題にはならなかったけれどもちゃんと報告しておこうという形になっていくと思います。そういった逸脱管理、それから、そのマニュアルを変えたときの変更管理、今回の版ではこのように変えたのだけれども、それは適正だったとか、事後評価も含め、外部的に、第三者的に監査する品質管理部門みたいなものがあると良いと思ったところです。
あとは、報告することが悪いことではなくて、些細なことでも報告することを奨励して、そういった情報を集めて、共有し、各部門でそういうことが起こらないように、また参考となる改善例など、先ほどのヒヤリ・ハットと同じですが、共有していただければ良いかと期待しておりますので、よろしくお願いいたします。
○日本赤十字社血液事業本部藤田副本部長兼経営企画部長 どうもありがとうございました。参考にさせていただいて、進めさせていただければと思います。
○田野﨑委員長 どうもありがとうございます。今までは輸血用の血液製剤に対しての不具合や何かの報告というのは、十分検討してきたわけですけれども、これからは、更に業務全体をということで、対象を広げてということと理解してよろしいですか。
○日本赤十字社血液事業本部藤田副本部長兼経営企画部長 はい。
○田野﨑委員長 ほかの委員の先生方から何か加えての御質問、御意見があればと思いますが、いかがですか。
私からですが、これは日本赤十字社の方というよりは、献血の血液をという意味では、今回、日本赤十字社だけではなくて、今後、同じように血漿分画製剤を取り扱っている企業の方々からの同じような仕組みというものもある程度は必要なのではないかなと思ったのですが、これ自体は献血での貴重な血液を取り扱っているものですから、それをどのように扱うかというところで、無駄にならないようにということで、ただ、各企業の中はどうしてもコンフィデンシャルの部分はございますが、ある程度のことに関しては、しっかり報告体制を作っていただく、あるいは、これから第二採血業者が、もし参入してくるようなことがあれば、そのようなことにも対応できるような要件というものをあらかじめ検討しておいてもいいのかなと思いましたけれども、こちらに関してはいかがですか。厚労省の事務局のほうについては。
◯金子血液対策課長補佐 ありがとうございます。少し時間が掛かるかもしれませんけれども、分画メーカーなどに対しても、厚労省への報告の基準等について、ある程度明確化したほうがいいのではないかと考えておりますので、そちらは検討させていただきたいと思います。
○田野﨑委員長 あとは、今回こうやって拾い上げられてきたようないろいろな事案に関しましては、厚労省のほうに報告されてから、この運営委員会でもある程度検討していくということになるのかと思いますが、そこはどのような形で、膨大な案件が来たらなかなか難しいと思いますし、これから整理が必要かなと思いましたので、どうぞよろしくお願いいたします。ほかに何か御意見などがあればお願いしたいと思いますが、よろしいですか。
そうしましたら、どうもありがとうございました。日本赤十字社におかれましては、本日の各委員から頂いた御意見を踏まえまして、厚労省ともよく連携をしながら再発防止策をしっかりと進めていただくようお願いいたします。また、引き続き今後の運営委員会においても、その進捗の報告をしていただくようお願いしたいと思います。
最後に、議題2の「その他」ですが、事務局から何かございますか。
○金子血液対策課長補佐 議題としては、特にございません。
○田野﨑委員長 どうもありがとうございました。そうしましたら、本日の議題につきましては、全て終了いたしましたので、議事を事務局にお返しいたします。
○金子血液対策課長補佐 田野﨑委員長、ありがとうございました。次回の運営委員会の日程は、別途、御連絡を差し上げます。これにて、血液事業部会令和7年度第3回運営委員会を終了いたします。ありがとうございました。
(了)



