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- 2025年10月24日 中央社会保険医療協議会 総会 第622回議事録
2025年10月24日 中央社会保険医療協議会 総会 第622回議事録
日時
令和7年10月24日(金)10:00~
場所
厚生労働省講堂
出席者
- 構成員等
-
- 小塩隆士会長
- 飯塚敏晃委員
- 笠木映里委員
- 永瀬伸子委員
- 本田文子委員
- 城山英明委員
- 鳥潟美夏子委員
- 松本真人委員
- 佐保昌一委員
- 高町晃司委員
- 茂松茂人委員
- 江澤和彦委員
- 黒瀬巌委員
- 池端幸彦委員
- 太田圭洋委員
- 大杉和司委員
- 森昌平委員
- 木澤晃代専門委員
- 上田克彦専門委員
- 小松和子専門委員
- 事務局
-
- 間保険局長
- 林医療課長
- 梅木医療技術評価推進室長
- 吉田保険医療企画調査室長
- 和田歯科医療管理官
- 清原薬剤管理官 他
議題
- 個別事項について(その2)精神医療①
- 個別事項について(その3)(敷地内薬局)
議事
○小塩会長
それでは、ただいまより第622回「中央社会保険医療協議会 総会」を開催いたします。
私は、この会場は初めてなのですけれども、皆さんは、いかがでしょうか、たしか、佐保委員は初めてではないですよね。ほかの皆さんは初めてということで、心機一転、よろしくお願いいたします。
本日も対面を基本としつつ、オンラインも組み合わせての開催としております。また、会議の公開につきましては、ユーチューブによるライブ配信で行うこととしております。
まず、委員の出席状況について御報告いたします。
本日は、奥田委員、鈴木委員、伊藤委員、岡本専門委員が御欠席です。
続きまして、厚生労働省におきまして異動がございましたので、事務局より紹介をお願いいたします。
○林医療課長
事務局です。
10月21日付で、事務局に交代がございましたので、御報告いたします。
保険局の熊木大臣官房審議官です。
○熊木官房審議官 よろしくお願いいたします。
○林医療課長
以上でございます。
○小塩会長
ありがとうございます。
よろしくお願いいたします。
それでは、会議冒頭のカメラの頭撮りはこのあたりさせていただきます。
(カメラ退室)
○小塩会長
それでは、議事に入らせていただきます。
最初に「個別事項について(その2)精神医療①」を議題といたします。
事務局より資料が提出されておりますので、説明をお願いいたします。
○林医療課長
医療課長です。
総-1「個別事項について(その2)」について御説明をいたします。2ページが目次となっております。
まず「精神医療の現状等について」の資料をざっと御説明させていただきます。
4ページ、精神疾患を有する総患者数、外来を含めますと、近年、大きく伸びてきております。
その後、入院患者数の推移などをお示ししておりますが、8ページが「精神病床数の推移」、そして、9ページが「精神病床数における入院患者の推移」ということで、こういった現象が見られております。
10ページは、疾患別となってございますが、以前は、ピンクの統合失調症の方が過半数を占めておりましたけれども、その部分が、特に減ってきているということです。
11ページ、近年の精神保健医療福祉の経緯、少し古いところからですけれども、平成16年に設けられました精神保健福祉施策の改革ビジョンということで、入院医療中心から地域生活中心へという方向で施策が進められております。
12ページは、平成26年頃の資料でございますけれども、病床数の適正化でありますとか、そこで生み出されたマンパワーを様々なサービスの充実に活用していくという考え方でございます。
すみません、今、ユーチューブのほうへの音の流れが止まっているようですので、一旦このままお待ちください。事務局の不手際で申し訳ございません。
失礼いたしました。また、傍聴のユーチューブで御覧いただける方におかれましては、最初、音声が途切れまして申し訳ございませんでした。
ただいま総-1「個別事項について(その2)」の説明をさせていただいております。
最初4ページから、精神医療の現状等についての資料でございます。
今、11ページの御説明をいたしておりまして、精神保健福祉施策の改革ビジョンの枠組みについて御説明をしておりました。
そして、12ページでございます。
近年の精神保健医療福祉の動向といたしまして、平成26年頃の資料でございますけれども、新たな長期入院を防ぐために、精神病床の機能分化及び地域移行の推進、精神病床の適正化、不必要な病床の削減、または、そういったマンパワーを様々なサービスに振り向けていくという方針が示されておりました。
13ページは、精神障害にも対応した地域包括ケアシステムの構築ということで、平成29年頃から取り組んでいる内容でございます。
14ページでございますが、入院医療に関する方向性について、最近の検討会の方向性の整理をお示ししております。
さて、少し飛ばさせていただきますけれども、18ページから個別の論点についてでございます。
19ページ「精神病棟における多職種配置の必要性」につきまして、これまで良質指針でありますとか、検討会の報告書におきまして指摘をされておりまして、多職種のチームによる質の高い医療の提供というのが重要であるということになってございます。
20ページ、最近まとめられました方向性の整理においても同様の記載がございます。
21ページ、精神疾患の経過と、入院による治療内容のイメージということでございますけれども、医学的な治療だけではなくて、心理的なものあるいは社会的な支援、そういったものを含めまして、包括的支援マネジメントを行っていくことが回復に寄与していくという内容でございます。
22ページは、多職種配置の効果につきまして、平均在院日数や在宅復帰率への影響をまとめたものとなってございます。
また、23ページ~25ページ、一連の資料でございますけれども、そうした取組の具体例をお示ししております。
26ページは、多職種の柔軟な配置を認めている、これまでの入院料の例でございまして、精神科地域包括ケア病棟入院料や地域移行機能強化病棟入院料におきまして、複数の職種の合計で施設基準を記載するという例がございます。
27ページ、精神科病院において従事している多職種の数が増加傾向であるという内容でございます。
また、28ページ、病棟ごとの配置状況についてもお示ししております。
29ページからは、次の話題でございますけれども「入院医療に関する方向性の整理」という中で、先ほどの精神障害にも対応した地域包括ケアシステムの構築、ここでは「にも包括」と書かれておりますが、そうしたものの推進、また、小規模な病院において、多職種による、様々なサービスの一体的な提供といったことが方針として書かれてございます。
30ページが「精神疾患を有する入院患者数の推移」でございまして、精神病床に入院されている患者さんが、徐々に高齢化しているという内容でございます。
また、31ページが、これまでの入院患者数と今後の推計入院患者数ということで、特に認知症以外の慢性期の入院患者が大きく減っていくという見通しでございます。
32ページは、医療計画における基準病床数、こうした見通しを踏まえて策定されたものでございます。
33ページが、都道府県ごとの精神科病院数や精神病床数、全国の平均で見ますと、10万人当たり0.9か所の精神科病院があり、256床あまりの精神病床があるということでございます。
34ページは、既存病床数と基準病床数の関係でございまして、全ての都道府県で既存病床数が基準病床数を上回っております。
35ページが、精神科病院1病院当たりの病床数とその推移、また、それごとの利益率についてお示ししてございます。
とりわけ、病床数の少ない医療機関において、医業利益や、経常利益が少ない状況が御覧いただけるかと思います。
36ページは「精神科地域包括ケア病棟入院料の病院要件等について」という題でございますけれども、病院単位で精神科病院がどのような機能を果たすことを今まで中医協で御議論いただいたかということの例でございます。
精神科入院退院支援加算の届出でありますとか、訪問診療、訪問看護の提供、精神科医療提供体制への地域貢献、そういったものを病院要件として求めようという御議論をいただいてきたものと承知しております。
37ページは、それに加えて、障害福祉サービス等の状況、38ページが、医療機関が障害福祉サービスを併設している事例があるという内容でございます。
39ページは、外来医療の取組状況と、1年以上の入院患者の割合の関係でございまして、左側が外来の少ない病院、そして、右側が外来患者の多い病院でございますけれども、外来患者の多い病院のほうが、長期入院患者が少ないということでございます。
40ページが、地域定着への取組状況と在宅復帰率等をまとめたものでございます。
一方で、41ページは精神病棟入院基本料、特に18対1、20対1の届出医療機関数の推移と、入院基本料ごとの長期入院患者の割合をお示ししておりまして、この18対1、20対1、減ってきておりますけれども、近年横ばいであること、また、そうした病棟において長期入院患者の割合が高いことをお示ししております。
42ページからが「患者の特性に応じた治療・ケアの推進について」という内容でございます。
43ページが「精神保健福祉法に基づく入院形態について」で、任意入院のほか、2、3、4にありますような非同意入院の制度があるということでございます。
44ページが、令和4年の検討会の報告書、そして、その後に行われた法改正の内容が45ページでございますけれども、人権の擁護とともに医療保護入院を適正に行うための様々な仕組みが導入されました。
46ページは、入院形態ごとの入院患者数でございます。
左側の実数を御覧いただきますと、医療保護入院の患者数が平成11年頃から増加しており、平成25年頃から横ばいとなっており、先ほど申し上げた法改正の後に少し減っているという傾向になってございます。
47ページが、その法改正のときの一部改正の検討規定でございますけれども、第3条のところに障害者の権利に関する条約の実施について、精神障害者等の意見を聞きつつ、必要な措置を講じることについて検討するものという記載がございます。
こうした中で、障害であることを理由にした非同意入院についての今後の縮減等についても検討していくことになるものと考えてございます。
48ページでございますが、診療報酬の仕組みの中で、非同意入院と施設基準の関係がある部分がございまして、精神科救急急性期医療入院料においては、6割以上が医療保護入院などの非同意入院であるということが、重症である患者さんが多いということを確認する要件という趣旨で入っているということでございます。
ただ、この非同意入院であるということの要件をそのまま存置していいかどうかということが指摘されているところでございまして、その代わりになるものがあり得るかという研究が行われたのが49ページ。
そして、その中の成果物として、例えば、こういったチェックリストに基づいて患者さんの状態を確認することで重症度が判定できるのではないかという御提案があったところでございます。
51ページからは、次の話題でございますが、精神科救急医療体制整備事業という自治体の事業がございまして、この中で常時対応型精神科救急医療施設、身体合併症対応施設、病院群輪番型施設、こうした類型がございます。
52ページでございますが、精神科救急急性期医療入院料の精神科救急医療体制加算の中では、実際の事業の類型とひもづいた形で点数が設けられているということでございます。
53ページは、また、この精神科救急医療体制加算の中で、令和4年時点の経過措置といいますか、そのときの移行措置として設けられた規定の内容となってございます。
54ページから「クロザピンについて」ということでございます。
治療抵抗性統合失調症の治療薬として効果が見られるものでございますけれども、無顆粒球症という重篤な副作用があるということで、非常に濃密なモニタリングが求められるものでございます。
55ページは、少し古い資料でございますが、日本におけるクロザピンの普及が諸外国と比べて低調であるという内容でございます。
56ページは、診療報酬上の評価として精神科急性期医師配置加算の中で、病棟ごとのクロザピン新規導入患者数という要件を求めている内容でございます。
57ページは、この要件を設定している病棟や、それ以外の病棟においての新規導入の平均患者数をお示ししております。
58ページからは「精神身体合併症について」となってございます。
59ページは全体のイメージ図でございます。横軸が身体症状の重さ、縦軸が精神症状の重症度となってございまして、両方が非常に重い方は総合病院の精神病床で診療する必要がある、1番のところでございます。
そして、身体の重さはそこまでではないけれども、精神症状が非常に重い方は、精神科病院で内科医等と一緒に診療していただく、2番の姿。
そして、3番のところは、身体の疾患は重いけれども、精神の疾患はそれほどでもないという方、こういった方は一般病院で精神科医とともに診療していただく、3番の姿。
こうした提供体制が求められるという内容でございます。
60ページが、先ほどの方向性の整理の中で、身体合併症の医療提供体制についても、その重要性が指摘されております。
61ページは、精神病床数の推移でございますけれども、精神病床だけの病院の減り方よりも、精神病床と一般病床の両方を持つ、一般病院とここでは書いてございますが、そうした病院における減り方のほうが、より早くなっているということでございます。
62ページが、急性期病院において、精神病床に入院する精神科領域の患者さんの病態等でございまして、精神疾患の増悪や自殺企図などの理由が上位となってございます。
63ページは、そうした総合病院の精神病床に対する診療報酬の現状でございますけれども、10対1、13対1といった看護配置の高い入院料において、医師の配置加算の適用がなされているということでございます。
64ページは、これの基準に該当しない15対1の入院基本料においても、総合病院の精神科での身体合併症の治療が行われるような体制があるという内容でございます。
65ページは「転院患者における精神科救急急性期医療入院料等の取扱い」ということでございまして、精神身体合併症の治療を行う総合病院から、この入院料を算定する精神科病院の転棟の際に、入院料が算定できない場合があるという内容です。
66ページからは、精神科身体合併症管理加算、先ほどの図でいうと2のところに当たりますが、精神科病院のほうでの身体合併症の管理に関する対応となってございます。
現在は、こうした対象患者に対して、1日につき、記載のような加算の設定をさせていただいております。
67ページ、その加算の対象となる患者さんの人数でございますけれども、このような数となってございまして、それ以外にも内科系の患者さんは、かなり精神科病院に入院されているということでございます。
68ページは、精神疾患を有する患者さんに対する透析などの腎代替療法に対して、診療提供体制が十分でない課題などが書かれてございます。
69ページは、急性期病院の精神科以外を担当する医師が、他の精神科病院に出向いて診療を行っていただいている例があるという内容でございます。
70ページからは、先ほどの図で言うと3番のところになりますが、一般の病院の中で精神科と一緒に診療していくための体制に関する資料でございまして、現行では、精神科リエゾンチーム加算というのが設定されております。
71ページ、その精神科リエゾンチーム加算が介入した患者さんの状態をお示ししております。
また、72ページ、ほかのチームとの関係でございますけれども、認知症ケア加算などにおいて、認知症への対応が行われている一方で、箱で囲んでいない疾患に関しましては、精神科リエゾンチーム加算のほうで対応が行われているが例が多いということになります。
最後、76ページ、精神医療に係る論点としてまとめさせていただいております。
1つ目に「多職種による質の高い医療の提供等について」、質の高い精神医療の提供のために急性期の入院料においても、各医療機関・病棟の入院患者のニーズに応じ、看護職員だけでなく、精神保健福祉士、作業療法士、公認心理師をより柔軟に配置できるようにすることについてどう考えるか。
2つ目に、精神病床に入院する患者数は減少傾向であり、病床の削減が進む一方で、小規模の精神科病院は、運営が困難であることなどを踏まえ、病床数を削減する取り組みを行っているなどの小規模医療機関が、質の高い入院医療、地域生活に係る外来医療の提供や障害福祉サービスの提供等を行うことの評価についてどのように考えるか。
長期入院患者に対する地域移行に係る取組をさらに推進する必要があること等を踏まえ、人員配置基準の低い精神病棟入院基本料等の評価をどのように考えるか。
2つ目のまとまりでございますけれども、精神科救急急性期医療入院料等について、医療保護入院等の割合が高いことが要件となっているが、強制的な入院を促進しないような配慮を踏まえた、緊急的な入院医療の必要性に関する指標の在り方について、どのように考えるか。
「精神科救急医療体制加算」について、精神科救急医療体制整備事業において都道府県が指定した類型に基づく評価となっているが、実際の救急や地域医療における機能を踏まえた評価の在り方について、どのように考えるか。また、当該加算を、120床を超えて届出を行う場合の特例的な規定については、利用が少ないことを踏まえ、その扱いをどのように考えるか。
クロザピンの新規導入に関する医療機関の体制整備のあり方を踏まえ、現在、病棟ごとの評価となっている精神科急性期医師配置加算のクロザピン新規導入実績の要件についてどのように考えるか。
最後に「精神身体合併症について」でございます。
精神疾患と身体疾患を併せ持つ患者の治療提供体制の普及を図る確保する観点から、こうした体制を評価する精神科急性期医師配置加算2イの対象となる入院料の在り方について、どのように考えるか。また、重症の身体合併症で急性期の治療を行った患者が、精神科救急急性期医療入院料等を算定する病床に転棟・転院した場合の取り扱いについてどう考えるか。
精神病床入院患者の高齢化が進む中で、生活習慣病や維持透析等の慢性的な身体合併症への対応を要する患者への、内科等の医師による診療の体制を確保し、適切な対応を推進する観点から、精神科身体合併症管理加算の要件や対象疾患の範囲についてどう考えるか。
様々な精神疾患に対応できる精神科リエゾンチームの専門性を評価する観点から、精神科リエゾンチーム加算における、認知症及びせん妄以外の精神疾患を抱える患者への介入の更なる評価について、どのように考えるか。
本日は、精神医療の中で入院の部分について取り出しておりますので、こうした論点を含めまして精神科の入院料について御議論いただければと思います。
以上でございます。
○小塩会長
ありがとうございました。
それでは、ただいまの説明につきまして、御質問等ございましたら、よろしくお願いいたします。
江澤委員、お願いいたします。
○江澤委員
ありがとうございます。
それでは、76ページの論点について申し上げます。まず、最初の「多職種による質の高い医療の提供等について」でございます。
1つ目の○につきまして、資料にはPSWやOTなどの多職種配置により、平均在院日数の短縮、在宅復帰率の向上、地域平均生活日数の増加が示されており、柔軟な配置の導入に関して賛同いたします。
2つ目の○については、小規模医療機関が機能強化し、多機能化する提案と察しますが、現状の厳しい経営環境の中で、果たして対応できる余裕があるのかどうか、実態を踏まえた検討が必要と思います。
小規模病院は利益率が低く、運営が困難というだけではなく、今後、精神病床の入院患者が減少していく中で、こうした小規模の病院を支え、維持していかなければ、特に地方においては、精神科入院医療が成り立たなくなってしまうため、丁寧に見ていく必要があろうかと思います。
したがいまして、小規模の精神科病院で実施されている取組に着目するのであれば、個々の病院が現実的に取組可能な内容について精査することが重要であると考えます。
また、3つ目の○では、人員配置基準の低い18対1や20対1の精神病棟入院基本料における長期入院患者の評価の適正化が問われております。
しかし、両者で約5,000床の届出がある現状において、経過措置は継続すべきであり、一般的な精神科病棟であり、最も病床数が多い15対1入院基本料は検討の対象外とすることは当然でありますし、18対1、20対1の入院基本料についても、単に人員配置だけに着目するのではなく、地域で果たしている役割なども踏まえながら検討していく必要があります。
さらに、精神病床の既存病床数が基準病床数を大きく上回っている地域において評価を見直すことについては、全国一律の診療報酬の考え方からすると問題であり、そもそも既存病床数が多い状況に関して、一医療機関の責任を問うものではなく、地域医療構想にて検討すべきであることを申し上げたいと思います。
続いて「患者の特性に応じた治療・ケアの推進について」でございます。
1つ目の○の精神科救急急性期医療入院料などについて、年間の新規患者における措置入院、医療保護入院などが6割以上の要件に関して、強制的な入院を促進しないためにも見直すことに賛同いたします。
資料の49ページ、50ページに研究事業の資料が掲載されておりますが、必要性チェックリストが要件の見直しに活用できるのかどうか、フィージビリティの検証や、特異度が高くないことなどに関して、さらに検討していただければと思います。
また、これまでの経緯として、精神科救急急性期医療入院料などにおいて、非同意入院の受入れ割合を求めたのは、マンパワーを有する病院でなければ、そうした患者さんを受け入れることができないといったことや、こうした病院に対して地域の精神科医療への貢献を促すといった意味合いもあったかと思われます。
したがいまして、検討するのであれば、そうした経緯も踏まえた上で考える必要があります。
2つ目の○は、52ページに示されていますように、精神科救急医療体制加算を算定している医療機関は、身体合併症対応型、常時対応型、病院群輪番型、いずれにおいても、時間外等の入院件数について十分な実績を有していることが分かります。
一方で、同じような実績を有する医療機関であっても、都道府県による指定内容が違うことのみが原因となって、その評価が加算1の600点から、加算3の500点まで差が生じているということであれば、指定の在り方と加算による評価の在り方について、どのような整理が可能であるか検討してはどうかと考えております。
また、2つ目の○の後半の120床を超える特例的な指定については、利用されているのが1つの医療機関のみということですので、当該医療機関に対して、個別にヒアリングを行っていただくなどして、丁寧に対応していただきたいと思います。
3つ目の○の精神科急性期医師配置加算のクロザピン新規導入実績要件につきましては、集計対象となる入院料の精神科救急急性期医療入院料、精神科急性期治療病棟入院料における病棟ごとの評価となっております。
しかし、57ページのように、多様な病棟においてクロザピンの新規導入が実施されておりますことから、例えば、病院全体の幅広い範囲での評価も検討に値すると考えます。
また、人口分布の地域差もある中、全国一律に導入件数を6件あるいは3件とすることについても、実情に合わせて手直しする必要があろうかと思います。
最後に、身体合併症についてでございます。
1つ目の○の前半には、64ページに示されておりますが、拠点的な急性期機能を担う医療機関において、精神身体合併症の受入れを促すためにも、急性期医師配置加算2のイの算定対象を15対1にも拡大してはどうかと考えます。
後半については、65ページにございますが、総合病院の精神病床は必ずしも充実した機能を有しておらず、他院の総合病院の精神病床から転院した場合であっても、精神科救急急性期医療入院料などを算定できるよう、見直すことが必要と思います。
2つ目の○に関して、精神病床でも患者さんの高齢化により、生活習慣病や透析といった身体疾患の併存やADLの低下に対する医療ケアの必要性が高まっております。
しかしながら、66ページのように、精神科身体合併症管理加算では、対象患者の疾患が急性疾患に限られておりますが、67ページに示されているように、入院患者の高齢化を背景に、生活習慣病などの身体合併症が多いことが分かります。
したがいまして、実態に即して、精神科身体合併症管理加算の対象患者の疾患を生活習慣病や透析などに範囲を拡大すべきと考えます。
あわせまして、病棟の専任の医師に限らず、外部の医師が診療する場合などであっても評価することも検討に値すると考えております。
3つ目の○の精神科リエゾンチーム加算は、一般病棟の入院患者を対象としておりますが、さらなる取組の促進に向けて、認知症や専門以外の精神疾患への介入を推進するための仕組みも検討する余地があると思っております。
私からは以上となります。
なお、小塩会長におかれましては、看護協会の専門委員から意見を聞く機会を御検討いただければ幸いでございます。
○小塩会長
ありがとうございました。
続きまして、太田委員、お願いいたします。
○太田委員
ありがとうございます。
私からも76ページの論点に関しまして、意見をさせていただきます。
まず、初めに「多職種による質の高い医療の提供等について」のところの1つ目の○でございます。
26ページに示されておりますように、精神科地域包括ケア入院料、また、地域移行機能強化病棟入院料においては、既に多職種の柔軟な配置が可能となるような職員の配置要件が設定されてございます。
生産年齢人口が減少していく中で、人材確保に精神科病院は一般病院以上に苦労しております。このような取組を他の入院料に拡大していくということは、ぜひ積極的に進めていくべきだと考えます。
ただ、看護補助者が集まらず、看護師が代行している事例ですとか、看護師以外の職種がなかなか集まらないという実情も聞いてございます。特に地域によっては精神保健福祉士や公認心理士、作業療法士が配置要件になっても人材確保の解決にならないという地域もございます。地方部の状況をしっかりと把握して、一定の配慮というものもぜひ御検討いただければと思います。
2つ目の精神病床における患者数の減少に関してのところでございますが、35ページに示されておりますように、病床数が少ないほど利益率が低下するということから、小規模な精神科病院が病床を削減しつつも、質の高い入院医療に加え、地域生活に係る外来医療や障害福祉サービスの提供を、一体的に取組を行うことに対して評価を行うことは重要でございます。
ただ、これも先ほど述べましたように、現在、多くの小規模病院というのは経営的に困窮しているのと同時に、なかなか人材の確保が厳しい状況がございます。今後ますます人口減少が進んでいく中で、ダウンサイズを含めた工程に対しては、実現可能な入院料の要件設定というものを検討していく必要がございます。
過疎地では、先ほどお話ししましたように、人材もそうですが、外来に重きを置けるという病院はそもそも存在できないという現実もございます。今後の精神病床の移行を現実的に導くことができるような要件設定を、ぜひ御検討いただきたいと思います。
3つ目、長期入院患者の対応でございます。人員配置基準の低い精神病棟入院基本料の見直しの方向性というものは、やむを得ないと考えてございます。
ただ、本当にこれは地域差が大きくて、過疎地など職員確保が困難な地域というものは全国で多数ございます。先ほど、江澤委員からもありましたが、経過措置に関しては十分な配慮を求めたいと思います。
2つ目「患者の特性に応じた治療・ケアの推進について」でございます。
1つ目の○ですが、精神保健福祉法では、可能な限り患者本人の同意をするようインフォームド・コンセントを行い、自分の意思で入院をするように設定してございます。
ただ、先ほど説明がありましたように、一方で診療報酬では重症者を受け入れるという意味で、医療保護入院等の割合要件が設定されてございます。医療保護入院等の割合要件を廃止することに関しては賛成いたします。
ただ、50ページのチェックリストでございます。入院の必要性の判断に一定の基準とはなり得ると考えますが、精神疾患の症状は多様であり、緊急性の判断は、包括的な臨床判断に基づくべきと考えます。入院料の算定要件として使用する場合には、医療現場における緊急対応の必要性と乖離が生じないよう、設計の基準や例外の扱いなど、慎重に検討いただきたいと思います。
2つ目、精神科救急医療体制加算に関してです。これも1医療機関のみ、120床を超えての届出ということでございます。もしそうだとするならば、特例的な加算の廃止というものに関しては、やむを得ないと考えます。
3つ目、クロザピンでございます。クロザピンは、難治性の統合失調症に使われる抗精神病薬ですが、もともと20世紀に死亡例が多発し、使用禁止になったという薬剤です。我が国では、54ページにありますように、厳格な適正使用体制を構築し、CPMS、クロザピンのモニタリングサービスで使用する医療機関、患者を登録し、無顆粒球症や糖尿病のチェックを処方の前に行い、データを登録しなければ処方できないというシステムで、厳密に運用してございます。
現在、精神科救急急性期医療入院料、精神科急性期治療病棟入院料において、病棟における新規導入患者数が、精神科急性期医師配置加算の要件に定められておりますが、57ページにありますように、他の入院料病棟でもクロザピンの新規導入は実施されております。算定の要件として、導入患者数を当該病棟だけでなく、病院全体での導入件数に変更するなど、現場の運用に支障とならないような見直しを御検討いただければと思います。
また、先進的な病院では、クロザピンの必要な患者への導入というものは、一巡して終了しているということも聞いてございます。そういう病院では毎年、年6例、年3例という規定されている基準の達成が難しくなっているところもあるようです。
クロザピンの導入が必要な患者に対応する病院が適切に使用できるよう、新規導入患者数の要件に関しましても、一度御確認をいただいて、もし必要であれば、再設定をいただきたいと思います。
最後「精神身体合併症について」のパートでございます。
1つ目の○ですが、精神科急性期医師配置加算2のイは、いわゆる総合病院が届出可能な加算です。
64ページに示されていますように、精神病床を有する特定機能病院等においても、精神病棟入院基本料が15対1で算定している医療機関が34ほどございます。届出可能な対象病棟を15対1まで拡大することに関して賛成いたします。
また、65ページで示されているとおり、身体合併症で総合病院の精神病床で治療を行った患者さんの場合、精神科救急急性期医療入院料等を算定する病床に転院等を行うと、診療報酬上の現在の規定では、この入院料が算定できず、精神病棟入院基本料15対1で算定するということになっております。
当該規定により、転院、転棟の円滑な連携が阻まれる要素となっておりますので、円滑な連携を推進するためにも、現行の取扱いは見直すべきであると思います。
2つ目でございます。現在の精神科身体合併症管理加算は、精神病棟に入院している患者が身体的疾患を併発した際に、精神科を担当する医師と内科などを担当する医師が協力して、計画的に治療を提供することを評価した加算ですが、66ページに示されているように、算定できる対象疾患は急性期疾患がほとんどでございます。
現在、67ページで示されているように、高齢患者が多く抱える生活習慣病などは対象となっておりません。
ただ、30ページにも示されておりますが、精神疾患を有する入院患者は、ますます高齢化しておりまして、身体合併症を有する患者割合も増加し、現在の精神病棟では、当たり前のように、内科的対応を行う状況となっております。
これら生活習慣病など、慢性期疾患の患者への対応でも、現場は疾患管理、処置など様々行っているというのが、今の実情でございます。しっかりとした身体合併症へ対応する体制を確保することは、精神疾患患者への治療で重要です。対象疾患の拡大は、ぜひ進めるべきであると思います。
また、長期の入院患者へ対応する精神療養病棟でも入院患者の高齢化により、様々な内科疾患への対応が必要となっておりますが、精神科身体合併症管理加算は、現在、算定できません。算定対象病棟の拡大についても検討すべきであると考えます。
最後の○、精神科リエゾンチーム加算は、一般科において精神科医等を配置することで算定できる加算でありますが、現在の加算の算定対象となる患者は、せん妄や抑うつを有する患者のみに限定されております。
ただ、このチームには精神科医や専門性の高い看護師、薬剤師、作業療法士、精神保健福祉士、公認心理士等多職種から成るチームが配置されております。ですので、対象を拡大して、例えば、ICD10に分類される精神及び行動の障害に該当する患者については、算定できるよう対象を拡大すべきであると考えます。
以上でございます。
○小塩会長
ありがとうございました。
続きまして、池端委員、お願いいたします。
○池端委員
ありがとうございました。池端です。
私も江澤委員、太田委員がおっしゃったことと重なる部分がありますけれども、2点強調したいことがありますので、少しお話しさせていただきたいと思います。
論点の最初のくくり「多職種による質の高い医療提供等について」ですが、これは、精神疾患を持つ方にも地域包括ケアシステムをという、いわゆる「にも包括」に沿ったものではないかと思います。この「にも包括」というのは、地域包括ケアシステムというのは、やはり、中学校区くらいの一般の方と同じような、そういうエリアを想定すると、ここに必要な精神の病院というのは、やはり病床数が小さい、ある程度規模が小さい病院がそこでしっかり支える。一般で言えば、地域包括ケア病棟等が支えることになるかと思います。
その小さい規模の病院が、先ほど35ページにありますように、利益率が非常に低くなっていて、支えるにもそこの経営が厳しい状況になりつつあるということは、ここは、しっかりとまず下支えをしていただかないといけない。入院施設から地域へという精神疾患に対する対応の大きな流れがある中で、ここを下支えするための地域包括ケアシステムを支えるための小規模の精神科入院医療を担っているところを、しっかり支えなくてはいけないことについては、この小規模が非常に厳しい点を、しっかり押さえておかねければいけないのではないかと思っていますので、強調しておきたいと思います。
また、精神科地域包括ケア病棟入院料というところも、まだまだ数が少ない。これも聞くところによると、かなり施設基準が厳しいので、なかなかそこをしっかり支える病棟に変換できないということも聞いておりますので、それも少し、基準の緩和等も含めて検討が必要ではないかと思います。
2点目は、76ページの「精神身体合併症について」です。
これは、30ページにもありますように、精神疾患を持っている方といえども、どんどん高齢化が進んでいるとなると、いわゆる多疾患併存状態、マルチモビリティの状態になるプラス精神疾患を持っていると、非常にある意味では大変なところ、ここに対して、どこがどういう機能を持ったところがそこに対応できるかというところ、くしくも59ページに、1、2、3、4という精神科の重症度の高い、身体合併症の重症度が高いところをどう4つで分けるというクリアカットな図が出ています。
ここに対して、その患者さんがどの程度のボリュームがあり、あるいはそこを支えられる病院がその地域にどれくらいあるのか、必要なのか、そういうことも検討しながら、基本的には身体合併症をしっかり診られる体制に対しては、何らかの評価をつけなくてはいけないのではないかということ、この2点だけ強調しておきたいと思います。
以上です。ありがとうございます。
○小塩会長
ありがとうございました。
ほかは、よろしいでしょうか。
それでは、1号側の委員の御意見も伺いますけれども、その前に、先ほど江澤委員から御要望がございました、看護の観点からの御発言をお願いいたします。
木澤専門委員、お願いいたします。
○木澤専門委員
ありがとうございます。
資料の76ページ、1点目の論点にあります「多職種による質の高い医療の提供等について」意見を述べさせていただきます。
精神医療に限らず、多職種協働、連携により、効果的・効率的に質の高い医療を提供していく視点は大変重要であり、推進していくべきと考えております。
精神保健医療福祉の今後の施策推進に関する検討会でも、多職種による手厚い医療を提供できる体制の確保を推進する必要があるとの議論があったと記憶しています。
一方で、今回の論点を見ますと、質の高い精神医療の提供のために、急性期の入院料においても看護職員だけではなく、精神保健福祉士、作業療法士、公認心理士をより柔軟に配置することをどう考えるかとの記載があり、資料の26ページには、多職種の柔軟な配置を要件としている入院料の例も示されておりますが、具体的な方向性が今回の資料だけでは分かりにくく、検討していく上では、丁寧な議論が必要と考えます。
資料冒頭のデータにもありますように、現在、精神科入院料においては、地域移行が進められており、患者の重症化、高齢化が進み、身体合併症も非常に増えています。
特に、精神科救急急性期医療入院料、精神科急性期治療病棟入院料をはじめとする急性期病棟では、資料の21ページのとおり、患者さんの症状が不良で、状態悪化も大きい時期にあります。精神・身体の急性期症状のコントロールを目的に、薬物療法やmECT、急性期看護ケアによる非薬物療法等の急性期医療を提供しております。
看護配置は10対1であり、精神科急性期においても、一般急性期と同様、看護職員は患者さんと医療従事者双方の安全を確保しながら、24時間体制で非常に緊張感の高い業務に当たっています。
加えて、早期の地域移行の推進、行動制限の最小化等にも取り組んでいることから、十分な看護体制が必要です。
今回の論点に関する議論を行うのであれば、急性期医療において、それぞれの専門職がどのような役割を担うことができるのか、どのような体制であれば安全性が保てるのか、また、人員が手薄になる夜間の時間帯では、看護職員に負担が偏る可能性がありますが、夜勤負担軽減への配慮策等も含めて、議論を進めていくことが重要であると考えております。
私からは以上でございます。
○小塩会長
ありがとうございました。
それでは、松本委員、お願いいたします。
○松本委員
ありがとうございます。
精神科の入院医療につきましては、早期の地域への移行と、地域定着を促すことや、高齢化がさらに進む中で、身体症状にも対応できる総合病院の精神病床や、一般病床の精神科医との役割分担を進めつつ、精神科病院を中心に病床数を削減していくことが、総論としては望ましい方向だと考えております。
一方で、これまでも様々な課題が認識されつつも、あまり問題点の解決まではつながっていないことも多いように感じております。
したがいまして、本日は、方法論につきましては、なかなか判断がつきかねるところが多々ございますけれども、その前提で76ページの論点に沿ってコメントしたいと思います。
まず、多職種による質の高い医療の提供等の1点目でございますけれども、以前から多職種による対応の必要性が指摘され、22ページから25ページにかけては、実際の成果として、平均在院日数の短縮や、地域の定着につながるとのデータもありますので、こういった取組が有効であることは十分理解できるところでございます。
また、精神科病院や精神科病棟で、精神保健福祉士や作業療法士、公認心理師が増加または配置されている実態があり、様々な職種の配置を進めることが現実的だとは考えますけれども、より柔軟な配置の趣旨が上乗せの配置ではなく、看護職員を減らして他の職種に置き換えるということであれば、少し慎重に判断をさせていただきたいと思っております。
続きまして、多職種に関する論点の2点目と3点目につきましては、併せてコメントを差し上げたいと思います。
33ページを見てみますと、現在、人口10万人当たり、おおむね1つの精神科病院が存在するということで、今後、障害福祉サービスの一体的な提供や、精神科救急、在宅医療、入退院支援といった機能を充実して、早期退院と地域定着を促すことを念頭に置いた場合、10万人に1か所が多いか少ないかは、いささか判断が難しいところですけれども、方向性としては、集約化よりも機能転換ではないかと考えております。
一方で、病床数については、さらなる削減が必要であり、外来に力を入れている病院で、入院期間が短いことを踏まえますと、機能転換とダウンサイジングの両面を進めるべきだと考えます。
特に、18対1以下の入院基本料につきましては、経過措置を終了するか、平均在院日数の要件を設定して着実に病床数の削減につなげ、15対1以上の人員配置に寄せていく形で地域移行を促すべきだと考えております。
続いて、患者の特性に応じた治療・ケアの1点目の論点ですけれども、措置入院や保護入院を否定するものではございませんけれども、患者の人権を尊重することは当然でございますので、過度な強制入院につながらないように、資料の49ページ~50ページに示されております指標やチェックリストを、患者割合要件として活用することには賛成するものでございます。
続きまして、精神科救急医療体制加算につきましては、資料の52ページを見てみますと、時間外、休日、深夜入院件数にはばらつきがあり、補助金事業の指定類型と相関がないということですので、点数に見合うようにメリハリの利いた要件に見直すべきだと思います。
また、ほかの委員も言っておられますが、120床を超えた算定につきましては、実績が1施設のみですので、特例規定を廃止しても差し支えないものと考えております。
次に、クロザピンについてですが、資料の5ページに戻りますと、統合失調症入院患者は減少しているとはいえ、全体のまだ約半数程度占めており、一方、54ページ目を移しますと、より多くの治療抵抗性の統合失調症への普及が期待されますので、精神科急性期医師配置加算について、クロザピンの新規導入に対する評価を独立させ、病院単位の要件を検討することが考えられます。
続いて、最後の精神身体合併症に関する論点についてコメントいたします。
資料の59ページに、精神症状と身体症状の重症度やステージに応じた組み合わせのイメージが示されております。
61ページを見てみますと、一般病院では精神病床が大きく減少し、精神身体合併症への対応が難しくなっていることであれば、特定機能病院や拠点的な急性期病院において、合併症への対応を促進する方向で、急性期医師配置加算を見直す余地はあると考えております。
また、精神科救急急性期医療入院料については、役割分担と連携の観点から、円滑な転院、転棟を推進する方向で検討することもあり得ると思います。
次に、透析や生活習慣病の管理等が必要な場合の対応については、資料の66ページ以降にありますとおり、精神科身体合併症管理加算の対象になっていないということですが、精神科以外の医師が、ほかの精神科病院に出向いて、生活習慣病を管理している事例もあり、さらなる高齢化でこうした対応ニーズがますます増加することや、精神科しかない病院では、透析が困難なことを踏まえますと、59ページの左上の青い丸、2番で示されておりますけれども、このように、精神科病院に身体症状に対応できる医師の配置を促す方向で加算の対象を拡大することは考えられると思います。
最後に、一般病院における精神疾患への対応についてですが、これも59ページの右下の黄色い丸、ナンバー3でございますけれども、該当すると思いますが、精神科リエゾンチームが様々な疾患に介入している実績があり、認知症やせん妄は別の加算を算定する医療機関で対応できることを踏まえますと、精神科医リエゾンチーム加算の対象疾患を見直してはどうかと考えております。
私からは以上でございます。
○小塩会長
ありがとうございました。
鳥潟委員、お願いいたします。
○鳥潟委員
ありがとうございます。
精神疾患と身体疾患の両方の治療が必要な患者さんに対する医療提供体制の確保について、疾患の状態や治療方針等に応じて適切な医療機関や病床で治療が受けられるよう、加算の要件について必要な見直しを行っていくべきと考えております。
以上です。
○小塩会長
ありがとうございました。
続きまして、佐保委員、お願いいたします。
○佐保委員
ありがとうございます。
資料の76ページの多職種による質の高い医療の提供等に関して申し上げます。
20ページの入院医療に関する方向性の整理にあるとおり、多職種による手厚い医療を提供できる体制を確保し、長期入院患者の地域生活への移行に向けた取組を推進することは重要であり、看護職員だけでなく、精神保健福祉士など、専門職による支援を拡充することは必要と考えます。
一方、柔軟な配置という点につきましては、看護職員等の人員配置基準や各種加算における専従等の要件は、医療の質の確保、向上を前提としたものであるべきですので、くれぐれも現場で働く労働者にしわ寄せが行くことがないよう、慎重に検討する必要があると考えます。
私からは以上です。
○小塩会長
ありがとうございました。
ほかは、よろしいでしょうか。
江澤委員、お願いいたします。
○江澤委員
ありがとうございます。
最初の論点の1つ目の○につきまして、特に精神疾患の治療やケアに対して専門性を有するPSWやOTの活用は非常に重要だと思っております。
その際、看護配置の看護師さんの代わりにPSWあるいはOTとかの職種を置き換えるのか、あるいは現状の看護配置の上乗せとして、PSWやOTなどの専門職を配置するのか、これは、しっかりと実情を踏まえて検討してく必要があろうかと思います。
先ほど、看護協会の専門委員からも看護師の負担が少しどうかという懸念するような御意見もありましたし、まずは、現場の実情がどうなのかということで、そこはしっかりと丁寧に見ていく必要があろうかと思います。
また、小規模医療機関が外来を増やす、これは、先ほど太田委員も発言されておりますけれども、確かに精神疾患の患者さんは増える傾向にありますが、ただ、全国的には、外来需要は、多くの地域で、ほとんど全国の地域でピークアウトしており、その外来を増やすことが機能強化かどうかということは、一考を要すると考えておりますので、まずは小規模機関ができる対応というものをしっかりと見ていただければと思います。
また、18対1と20対1の精神病棟入院基本料の届出が約5,000床あるという実態については、なぜそうなっているのか、あるいはそういったところでどういった医療が提供されているのかは、実情を踏まえて吟味していく必要があるので、これだけの病床がありますから、経過措置については、当然、継続せざるを得ない状況だと認識しております。
私からは以上でございます。
○小塩会長
ありがとうございました。
ほかは、よろしいでしょうか。
ほかには特に御質問等ないようですので、本件に係る質疑はこのあたりとし、今後、事務局におかれましては、本日いただいた御意見も踏まえて対応していただくようにお願いいたします。
続きまして「個別事項について(その3)敷地内薬局」を議題といたします。
事務局より資料が提出されておりますので、説明をお願いいたします。
○清原薬剤管理官
薬剤管理官でございます。
資料総-2の2ページを御覧ください。
本日は、敷地内薬局の概要を説明後、施設基準と減算項目の課題について御説明し、御議論いただければと思っております。
3ページ目「患者のための薬局ビジョン」では、かかりつけ薬剤師、薬局の役割として、服薬情報の一元管理、継続的把握、薬学的管理・指導等が示されております。
4ページ目は、保険薬局の健全な運用の確保に関する療養担当規則の抜粋のところでございまして、保険医療機関と一体的な構造、一体的な経営を行ってはならないとしております。
次の5ページ目を御覧ください。
こちらは、敷地内薬局に係る診療報酬上のこれまでの対応をまとめております。
6ページは、敷地内薬局のイメージ。
7ページは、薬局の機能等に関する検討会で、敷地内薬局に対する御意見のまとめ。
8ページ目は、令和4年度改定の前後での薬局の基本料別の損益率と損益差額でございます。
敷地内薬局を含みます赤枠の薬局は、唯一全てが右肩上がり、かつ、損益差額が最も大きい結果でございました。
損益率は最も低い結果でございましたが、9ページでお示ししますとおり、土地賃借料、建物賃借料の額が突出している結果でございました。
令和6年度の調剤報酬の検討では、10ページ、医療機関からの独立性、経営状況、かかりつけ機能に関する課題が示され、11ページで、中医協で様々な御意見があった上で、12ページ、令和6年度の調剤報酬改定において、敷地内薬局における評価の見直しをしております。
特別調剤基本料A、特Aの新設に加え、調剤基本料Aの加算や薬学管理料、薬剤料についても調剤報酬の中で見直しを行っております。
13ページは、その改定後の状況として、現場からの御意見あるいは令和6年度改定後の開局、閉局の例をお示ししております。
14ページ、現在の施設基準において、医療機関と特別な関係に当たる賃貸借関係の例を、15ページは、各調剤基本料の構成比の推移等をお示ししております。
16ページからは、施設基準の課題でございます。
17ページを御覧ください。
令和2年度診療報酬改定において、いわゆる敷地内薬局を含む特別調剤基本料の対象を病院の敷地内から診療所の敷地内に拡大する際に、従来から存在する医療モールへの配慮として、当該保険薬局の所在する建物内に診療所が所在している場合は、調剤報酬上の敷地内薬局に該当しないという除外規定を設けました。以降、この除外規定をただし書きと呼ばせていただきます。
昨今、病院と特別な関係のある敷地内薬局において、病院のある同一建物内に診療所を誘致して、ただし書きに該当することとしている薬局が存在しております。
18ページは、医療機関と特別な関係があり、処方箋集中率が50%以上であるにもかかわらず、特Aを算定しない薬局が、特Aを算定している薬局の2倍以上あることが分かります。
19ページは、令和6年8月時点で医療機関と特別な関係がある薬局数について、新規保険薬局の指定年度ごとの内訳をお示ししております。
右枠組みに示すように、経過措置があるものの、ただ単に施設基準からただし書きを除外しますと、数多くの薬局が特Aと算定される薬局に該当することとなるため、慎重な検討が必要と考えております。
20ページは、ただし書きに該当する保険医療機関と保険薬局の形態の例を、21ページ以降は、ただし書きの在り方を検討するに当たって考慮が必要と考える医療モールの種類等をお示ししております。
23ページは、医療資源の少ない地域において、地方自治体が医療施設を整備する際に、地方自治体が保有する土地に診療所を設置し、その敷地内に薬局を誘致したケースがあり、この場合、当該薬局は特Aを算定することとなります。
このため、参入した薬局の経営が厳しく、存続が危ぶまれる状況との話も聞き、また、同様の計画段階で薬局の参入が断られたというケースもあると聞いております。
24ページは、薬局の関連会社が所有するショッピングモール内にある医療機関と、当該薬局についても資料をお示しさせていただいております。
25ページ以降は、減算項目についてでございます。
26ページは、現在の施設基準、調剤報酬上の評価で、下半分の調剤報酬の評価の部分について、薬学管理料の一部については、特別な関係がある医療機関に対する情報提供に対して算定できないこととなっております。
27ページ、特Aを算定する薬局において、医療用麻酔を使用する患者に対する薬学的管理等の評価である麻薬管理指導加算の算定割合が高く、算定回数は増加傾向であることをお示ししております。
28ページには、がん患者に対する薬学的管理の評価である特定薬剤管理指導加算2ついての算定割合についての資料をお示ししております。
本加算は令和6年度の改定で、特別な関係がある医療機関への情報提供を実施しても算定できないこととなりましたが、これまでは敷地内薬局が多い特別調剤基本料を算定する薬局において、算定割合が高かったことをお示ししております。
29ページは、がん患者に対して薬局からの薬剤師が継続的に電話でフォローアップを行うことで、有害事象の軽減効果があることが示唆されたデータをお示ししております。
30ページは、敷地内薬局についての課題、31ページは論点でございます。
論点として、1つ目は、特別調剤基本料Aのただし書きは、従来から存在する医療モールへの配慮でありましたが、病院での敷地内薬局の適用外に用いられている例があり、この適用範囲について、どのように考えるか。
2つ目は、医療モールでの薬局は、ただし書きの適用例は多い中、その適用範囲についてどのように考えるか。
3つ目は、医療資源の少ない地域における敷地内薬局等の、特別調剤基本料Aの適用について、どのように考えるか。
4つ目は、特別調剤基本料Aに該当する薬局において算定することができない薬学管理料等の取扱いについて、薬局の機能を評価する観点から、どのように考えるか。
最後に、これらに関する具体的な検討につきましては、第25回医療経済実態調査の結果等を踏まえて行うこととしてはどうかとしております。
32ページ以降は、参考資料をお示ししております。
説明は以上となります。
○小塩会長
ありがとうございました。
それでは、ただいまの御説明につきまして、御質問等ございましたら、よろしくお願いいたします。
それでは、森委員、お願いいたします。
○森委員
ありがとうございます。
まずは、全体的な認識を述べさせていただきます。
保険薬局は、経済的、構造的、機能的に保険医療機関と独立していることが重要であり、患者さんの医薬品適正使用の推進、そして、適切な医薬分業制度のためには、保険医療機関からの独立が不可欠です。
当たり前の話ですが、我々が学ぶべき医薬分業の先進国では、医師が薬局を経営することや、薬局と金銭的契約を結ぶことを禁止しています。
このような理念や考え方のもと、これまで敷地内薬局に対しては、診療報酬上による適正化を行ってきましたが、残念ながら不適切な事例や、ルールをすり抜ける事例が散見されているようであり、そのような状況を踏まえれば、敷地内薬局については、引き続き適正化に向けた対応が必要であると考えています。
その上で、論点に沿って発言させていただきます。
まず、論点1つ目、2つ目に関連することですが、スライドの14ページや18ページ等を見ていただければ分かるとおり、構造的規制や経済的規制をすり抜ける事例が数多く見受けられます。
経済的規制に関しては、賃貸借について、あたかも特別な関係には見えない方法で、また、構造的規制に関しては、病院が所有する敷地内に全く別の医療機関を開設すれば、敷地内薬局として取り扱われないという、あたかも規制の趣旨を逸脱するかのような方法ですり抜けている事例が存在することは、極めて残念であるとしか言えません。
敷地内薬局の取扱いに係る除外規定は、あくまでも従来からあるものに対する配慮から設けられたものであり、こうしたルールをすり抜けるケースに対しては、診療報酬上のルールの厳格化や是正が必要であると考えます。
敷地内薬局については、経済的規制ルール、構造的ルールが設けられており、あくまでもそのルールに従い判断すべきと考えます。
次に、論点の3つ目についてです。
誰がどこに、どんな目的で敷地内薬局を出店しようと、経済的、構造的、機能的な独立は不可欠です。そのことを前提とした上で、離島や僻地などのような無薬局地域で住民が医薬品のアクセスに困っているケースについては、医薬品提供体制を確保するために、行政が関与する対応などを考える必要があると思います。
論点の4つ目についてです。
薬局における薬学管理はどの薬局でも必要な機能です。高度な医療を提供する病院の近隣の薬局で高度な薬学管理が求められることは当然で、そうしたことは、敷地の中か敷地の外かに関係のないところです。
敷地内薬局については、繰り返しになりますが、医薬分業の理念に鑑みて、診療報酬上の評価を適正化してきたものであり、薬局の機能によらず、現行の評価を堅持すべきものと考えます。
論点5つ目についてですが、敷地内薬局に対しては、診療報酬上による対応が何回も行われてきましたが、保険薬局が果たすべき機能とは全く関係ない、例えば、年間2億円を超えるような超高額な診療や、40億円にも上る立体駐車場つきヘリポートの整備などを提供していることが問題となり、これまで強い対応が行われたものと記憶しています。
そのようなことをしていれば、医療経済実態調査において、当該施設の損益状況が悪化しているように見えたとしても、不思議ではありません。
最後になりますが、先ほど申し上げたとおり、ルールのすり抜け、解釈の逸脱と言わざるを得ない対応が続いています。
令和6年度改定では、参考資料38ページ目にあるグループ減算について中医協で議論を行い、結果的に答申書附帯意見に落ち着いたところですが、敷地内薬局問題の改善が見えないのであれば、このグループ減算も含め、あらゆる措置を引き続き検討していく必要があると考えます。
私からは以上です。
○小塩会長
ありがとうございました。
続きまして、江澤委員、お願いいたします。
○江澤委員
ありがとうございます。
では、31ページの論点について申し上げます。
まず、1つ目の○の病院での敷地内薬局の適用外に用いられている事例は、特別調剤基本料を回避する、いわゆる抜け道であり、2つ目の○は、令和2年度改定で、ただし書きが設けられた後に、あえて特別調剤基本料Aの適用を回避する目的で、同一建物内に診療所を誘致した事例と、そうでない事例への対応は異なるべきであるかどうかをしっかり議論するべきであり、さらに、公平性の観点からは、ただし書きの削除も含めて検討すべきと考えております。
3つ目の○につきましては、今回の論点に示された医療資源の少ない地域における課題について、実際の事例を十分分析の上、どういった配慮が必要なのか、見直しを検討していく必要があると思っております。
続いて、4つ目の○についてでございます。
前回改定の際、敷地内薬局では、特別な関係を有する医療機関への情報提供などに関わる評価の算定を不可としました。これは、医薬品の備蓄などの効率性や同一敷地における医療機関との関係性などを踏まえてのことでありました。
したがいまして、前回の考え方を踏襲すると、敷地内薬局において、がん患者へのフォローアップなど高度な薬学的管理を行っている場合においても、それは想定されていたことであり、さらに、病院薬剤師の確保が極めて重要な課題であることも踏まえ、これまでと同様の評価を継続することでよろしいかと思っております。
最後に5つ目の○につきまして、前回改定において、医療機関と敷地内薬局の在り方を整理しましたことから、引き続き、現状を既定路線として検討を行っていくべきと考えております。
以上でございます。
○小塩会長
ありがとうございました。
ほかはよろしいでしょうか。
それでは、松本委員、お願いいたします。
○松本委員 ありがとうございます。
敷地内薬局につきましては、俗に言う門前薬局とフェンス1つで何が違うのかという発想で、規制が緩和されたと理解しておりますが、医薬分業のあるべき姿や、かかりつけ医機能の観点から、門前薬局でさえ課題があり、さらに敷地内薬局の場合は、医療機関からの経済的な独立性が必ずしも担保されておりません。
したがって、機能的な側面と経済的な側面で問題があるパターンについては、厳しく対処すべきです。
違う観点からのコメントになりますけれども、歴史的には1970年代に医薬分業を政策的に推進するために、処方箋料が大幅に引き上げられたと承知しております。今や、この分業率が70%を超え、政策目的が達成できたと思いますので、不適切な医薬分業を止めるためにも、院内処方と院外処方の格差も是正すべきだと考えます。
以上の認識に基づきまして、31ページの論点についてコメントいたします。
1点目と2点目のただし書きにつきましては、資料の14ページに示されているような第三者や、関連会社を介した賃貸の場合も、特別な関係に該当することを明確化すべきです。
その上で、同じビルに医療機関があるかないかにかかわらず、特別な関係があれば、経済的に独立しているとは言えません。
また、複数の医療機関が同じ敷地や同じビルにある場合、当然処方箋集中率も低くなりますが、地域の処方箋を面で受ける機能を十分に果たしているかというと、それも必ずしも言えないものでございます。
したがって、医療モールを含め、特別な関係にある場合には、全て特別調剤基本料Aを適用することが原則であると考えます。
論点からいささか外れますけれども、今、述べました医療モールにつきましては、患者からすると、1つのビルに複数の診療科があって便利に見えますけれども、それぞれ独立した診療所を経営することで、非効率な側面もあると思います。
自由開業、自由標榜は尊重いたしますけれども、複数の診療科をそろえた1つの診療所として運営したほうが経営効率も高く、患者の利便性もより高まるものと思います。ぜひ、診療所の大規模化につきましても積極的に進めていただきたいと思います。
次に、論点の3つ目、医療資源の少ない地域についてでございますが、自治体が運営する医療機関の敷地内に薬局を誘致しなければ、必要な薬を患者が受け取れない事態も想定されますので、条件を明確に定めることや、機能として独立性の担保、妥当な賃借料で契約することを前提として、通常の調剤基本料を例外的に認めることは理解するものでございます。
続いて、論点の4つ目、薬学管理料の取扱いについてですが、特別調剤基本料Aの薬局の中には、専門性の高い薬学的管理を行っている薬局があることは、事実として受け止めております。
がん患者のフォローアップ等、個別の機能ごとに評価の妥当性は判断すべきものと考えております。
最後の論点については、異存はございません。
以上でございます。
○小塩会長
ありがとうございました。
続きまして、鳥潟委員、お願いいたします。
○鳥潟委員 敷地内薬局につきまして、適切な医薬分業を確保するために評価を変えている趣旨を鑑み、特別調剤基本料Aの適用範囲につきましては、事務局からの事案の紹介を踏まえ、見直しを図っていくべきだと考えております。
以上です。
○小塩会長
ありがとうございました。
佐保委員、お願いいたします。
○佐保委員
ありがとうございます。
現状の課題を踏まえて適切に見直していくことは必要ですが、医療資源の少ない地域などにおいては、地域の実情を踏まえた配慮が必要と考えます。
私からは以上です。
○小塩会長
ありがとうございました。
ほかは、いかがでしょうか。
江澤委員、お願いいたします。
○江澤委員
1点だけ松本委員から院内処方と院外処方の格差是正という御発言もありましたけれども、まずは、格差是正がどういった意味合いか、引き上げるほうなのかどうなのか、どういった意味合いでおっしゃったのかは、御発言からは、はっきり分からなかったので、我々はポジティブに捉えておりますけれども、そもそも、これまで、それぞれの院内処方、院外処方あるいはそのプロセス、手間とか、そういったものを踏まえた上で、それぞれの経緯として、これまでの診療報酬点数が定まっておりますので、その辺りは、そんなに軽々しく、いきなり格差是正という話ではないと思います。
いずれにしましても、我々としては大変好意的に捉えておりますので、よろしくお願いします。
以上でございます。
○小塩会長
ほかは、いかがでしょうか。
よろしいですか。
ほかに御質問等ないようでしたら、本件に係る質疑はこのあたりといたします。
先ほどお話がありましたように、実調の結果も将来利用可能になりますので、それも踏まえて、さらに検討していただくように事務局にはお願い申し上げます。
本日の議題は以上です。
次回の日程につきましては、追って事務局より御連絡いたします。
それでは、本日の総会は、これにて閉会といたします。どうもありがとうございました。
それでは、ただいまより第622回「中央社会保険医療協議会 総会」を開催いたします。
私は、この会場は初めてなのですけれども、皆さんは、いかがでしょうか、たしか、佐保委員は初めてではないですよね。ほかの皆さんは初めてということで、心機一転、よろしくお願いいたします。
本日も対面を基本としつつ、オンラインも組み合わせての開催としております。また、会議の公開につきましては、ユーチューブによるライブ配信で行うこととしております。
まず、委員の出席状況について御報告いたします。
本日は、奥田委員、鈴木委員、伊藤委員、岡本専門委員が御欠席です。
続きまして、厚生労働省におきまして異動がございましたので、事務局より紹介をお願いいたします。
○林医療課長
事務局です。
10月21日付で、事務局に交代がございましたので、御報告いたします。
保険局の熊木大臣官房審議官です。
○熊木官房審議官 よろしくお願いいたします。
○林医療課長
以上でございます。
○小塩会長
ありがとうございます。
よろしくお願いいたします。
それでは、会議冒頭のカメラの頭撮りはこのあたりさせていただきます。
(カメラ退室)
○小塩会長
それでは、議事に入らせていただきます。
最初に「個別事項について(その2)精神医療①」を議題といたします。
事務局より資料が提出されておりますので、説明をお願いいたします。
○林医療課長
医療課長です。
総-1「個別事項について(その2)」について御説明をいたします。2ページが目次となっております。
まず「精神医療の現状等について」の資料をざっと御説明させていただきます。
4ページ、精神疾患を有する総患者数、外来を含めますと、近年、大きく伸びてきております。
その後、入院患者数の推移などをお示ししておりますが、8ページが「精神病床数の推移」、そして、9ページが「精神病床数における入院患者の推移」ということで、こういった現象が見られております。
10ページは、疾患別となってございますが、以前は、ピンクの統合失調症の方が過半数を占めておりましたけれども、その部分が、特に減ってきているということです。
11ページ、近年の精神保健医療福祉の経緯、少し古いところからですけれども、平成16年に設けられました精神保健福祉施策の改革ビジョンということで、入院医療中心から地域生活中心へという方向で施策が進められております。
12ページは、平成26年頃の資料でございますけれども、病床数の適正化でありますとか、そこで生み出されたマンパワーを様々なサービスの充実に活用していくという考え方でございます。
すみません、今、ユーチューブのほうへの音の流れが止まっているようですので、一旦このままお待ちください。事務局の不手際で申し訳ございません。
失礼いたしました。また、傍聴のユーチューブで御覧いただける方におかれましては、最初、音声が途切れまして申し訳ございませんでした。
ただいま総-1「個別事項について(その2)」の説明をさせていただいております。
最初4ページから、精神医療の現状等についての資料でございます。
今、11ページの御説明をいたしておりまして、精神保健福祉施策の改革ビジョンの枠組みについて御説明をしておりました。
そして、12ページでございます。
近年の精神保健医療福祉の動向といたしまして、平成26年頃の資料でございますけれども、新たな長期入院を防ぐために、精神病床の機能分化及び地域移行の推進、精神病床の適正化、不必要な病床の削減、または、そういったマンパワーを様々なサービスに振り向けていくという方針が示されておりました。
13ページは、精神障害にも対応した地域包括ケアシステムの構築ということで、平成29年頃から取り組んでいる内容でございます。
14ページでございますが、入院医療に関する方向性について、最近の検討会の方向性の整理をお示ししております。
さて、少し飛ばさせていただきますけれども、18ページから個別の論点についてでございます。
19ページ「精神病棟における多職種配置の必要性」につきまして、これまで良質指針でありますとか、検討会の報告書におきまして指摘をされておりまして、多職種のチームによる質の高い医療の提供というのが重要であるということになってございます。
20ページ、最近まとめられました方向性の整理においても同様の記載がございます。
21ページ、精神疾患の経過と、入院による治療内容のイメージということでございますけれども、医学的な治療だけではなくて、心理的なものあるいは社会的な支援、そういったものを含めまして、包括的支援マネジメントを行っていくことが回復に寄与していくという内容でございます。
22ページは、多職種配置の効果につきまして、平均在院日数や在宅復帰率への影響をまとめたものとなってございます。
また、23ページ~25ページ、一連の資料でございますけれども、そうした取組の具体例をお示ししております。
26ページは、多職種の柔軟な配置を認めている、これまでの入院料の例でございまして、精神科地域包括ケア病棟入院料や地域移行機能強化病棟入院料におきまして、複数の職種の合計で施設基準を記載するという例がございます。
27ページ、精神科病院において従事している多職種の数が増加傾向であるという内容でございます。
また、28ページ、病棟ごとの配置状況についてもお示ししております。
29ページからは、次の話題でございますけれども「入院医療に関する方向性の整理」という中で、先ほどの精神障害にも対応した地域包括ケアシステムの構築、ここでは「にも包括」と書かれておりますが、そうしたものの推進、また、小規模な病院において、多職種による、様々なサービスの一体的な提供といったことが方針として書かれてございます。
30ページが「精神疾患を有する入院患者数の推移」でございまして、精神病床に入院されている患者さんが、徐々に高齢化しているという内容でございます。
また、31ページが、これまでの入院患者数と今後の推計入院患者数ということで、特に認知症以外の慢性期の入院患者が大きく減っていくという見通しでございます。
32ページは、医療計画における基準病床数、こうした見通しを踏まえて策定されたものでございます。
33ページが、都道府県ごとの精神科病院数や精神病床数、全国の平均で見ますと、10万人当たり0.9か所の精神科病院があり、256床あまりの精神病床があるということでございます。
34ページは、既存病床数と基準病床数の関係でございまして、全ての都道府県で既存病床数が基準病床数を上回っております。
35ページが、精神科病院1病院当たりの病床数とその推移、また、それごとの利益率についてお示ししてございます。
とりわけ、病床数の少ない医療機関において、医業利益や、経常利益が少ない状況が御覧いただけるかと思います。
36ページは「精神科地域包括ケア病棟入院料の病院要件等について」という題でございますけれども、病院単位で精神科病院がどのような機能を果たすことを今まで中医協で御議論いただいたかということの例でございます。
精神科入院退院支援加算の届出でありますとか、訪問診療、訪問看護の提供、精神科医療提供体制への地域貢献、そういったものを病院要件として求めようという御議論をいただいてきたものと承知しております。
37ページは、それに加えて、障害福祉サービス等の状況、38ページが、医療機関が障害福祉サービスを併設している事例があるという内容でございます。
39ページは、外来医療の取組状況と、1年以上の入院患者の割合の関係でございまして、左側が外来の少ない病院、そして、右側が外来患者の多い病院でございますけれども、外来患者の多い病院のほうが、長期入院患者が少ないということでございます。
40ページが、地域定着への取組状況と在宅復帰率等をまとめたものでございます。
一方で、41ページは精神病棟入院基本料、特に18対1、20対1の届出医療機関数の推移と、入院基本料ごとの長期入院患者の割合をお示ししておりまして、この18対1、20対1、減ってきておりますけれども、近年横ばいであること、また、そうした病棟において長期入院患者の割合が高いことをお示ししております。
42ページからが「患者の特性に応じた治療・ケアの推進について」という内容でございます。
43ページが「精神保健福祉法に基づく入院形態について」で、任意入院のほか、2、3、4にありますような非同意入院の制度があるということでございます。
44ページが、令和4年の検討会の報告書、そして、その後に行われた法改正の内容が45ページでございますけれども、人権の擁護とともに医療保護入院を適正に行うための様々な仕組みが導入されました。
46ページは、入院形態ごとの入院患者数でございます。
左側の実数を御覧いただきますと、医療保護入院の患者数が平成11年頃から増加しており、平成25年頃から横ばいとなっており、先ほど申し上げた法改正の後に少し減っているという傾向になってございます。
47ページが、その法改正のときの一部改正の検討規定でございますけれども、第3条のところに障害者の権利に関する条約の実施について、精神障害者等の意見を聞きつつ、必要な措置を講じることについて検討するものという記載がございます。
こうした中で、障害であることを理由にした非同意入院についての今後の縮減等についても検討していくことになるものと考えてございます。
48ページでございますが、診療報酬の仕組みの中で、非同意入院と施設基準の関係がある部分がございまして、精神科救急急性期医療入院料においては、6割以上が医療保護入院などの非同意入院であるということが、重症である患者さんが多いということを確認する要件という趣旨で入っているということでございます。
ただ、この非同意入院であるということの要件をそのまま存置していいかどうかということが指摘されているところでございまして、その代わりになるものがあり得るかという研究が行われたのが49ページ。
そして、その中の成果物として、例えば、こういったチェックリストに基づいて患者さんの状態を確認することで重症度が判定できるのではないかという御提案があったところでございます。
51ページからは、次の話題でございますが、精神科救急医療体制整備事業という自治体の事業がございまして、この中で常時対応型精神科救急医療施設、身体合併症対応施設、病院群輪番型施設、こうした類型がございます。
52ページでございますが、精神科救急急性期医療入院料の精神科救急医療体制加算の中では、実際の事業の類型とひもづいた形で点数が設けられているということでございます。
53ページは、また、この精神科救急医療体制加算の中で、令和4年時点の経過措置といいますか、そのときの移行措置として設けられた規定の内容となってございます。
54ページから「クロザピンについて」ということでございます。
治療抵抗性統合失調症の治療薬として効果が見られるものでございますけれども、無顆粒球症という重篤な副作用があるということで、非常に濃密なモニタリングが求められるものでございます。
55ページは、少し古い資料でございますが、日本におけるクロザピンの普及が諸外国と比べて低調であるという内容でございます。
56ページは、診療報酬上の評価として精神科急性期医師配置加算の中で、病棟ごとのクロザピン新規導入患者数という要件を求めている内容でございます。
57ページは、この要件を設定している病棟や、それ以外の病棟においての新規導入の平均患者数をお示ししております。
58ページからは「精神身体合併症について」となってございます。
59ページは全体のイメージ図でございます。横軸が身体症状の重さ、縦軸が精神症状の重症度となってございまして、両方が非常に重い方は総合病院の精神病床で診療する必要がある、1番のところでございます。
そして、身体の重さはそこまでではないけれども、精神症状が非常に重い方は、精神科病院で内科医等と一緒に診療していただく、2番の姿。
そして、3番のところは、身体の疾患は重いけれども、精神の疾患はそれほどでもないという方、こういった方は一般病院で精神科医とともに診療していただく、3番の姿。
こうした提供体制が求められるという内容でございます。
60ページが、先ほどの方向性の整理の中で、身体合併症の医療提供体制についても、その重要性が指摘されております。
61ページは、精神病床数の推移でございますけれども、精神病床だけの病院の減り方よりも、精神病床と一般病床の両方を持つ、一般病院とここでは書いてございますが、そうした病院における減り方のほうが、より早くなっているということでございます。
62ページが、急性期病院において、精神病床に入院する精神科領域の患者さんの病態等でございまして、精神疾患の増悪や自殺企図などの理由が上位となってございます。
63ページは、そうした総合病院の精神病床に対する診療報酬の現状でございますけれども、10対1、13対1といった看護配置の高い入院料において、医師の配置加算の適用がなされているということでございます。
64ページは、これの基準に該当しない15対1の入院基本料においても、総合病院の精神科での身体合併症の治療が行われるような体制があるという内容でございます。
65ページは「転院患者における精神科救急急性期医療入院料等の取扱い」ということでございまして、精神身体合併症の治療を行う総合病院から、この入院料を算定する精神科病院の転棟の際に、入院料が算定できない場合があるという内容です。
66ページからは、精神科身体合併症管理加算、先ほどの図でいうと2のところに当たりますが、精神科病院のほうでの身体合併症の管理に関する対応となってございます。
現在は、こうした対象患者に対して、1日につき、記載のような加算の設定をさせていただいております。
67ページ、その加算の対象となる患者さんの人数でございますけれども、このような数となってございまして、それ以外にも内科系の患者さんは、かなり精神科病院に入院されているということでございます。
68ページは、精神疾患を有する患者さんに対する透析などの腎代替療法に対して、診療提供体制が十分でない課題などが書かれてございます。
69ページは、急性期病院の精神科以外を担当する医師が、他の精神科病院に出向いて診療を行っていただいている例があるという内容でございます。
70ページからは、先ほどの図で言うと3番のところになりますが、一般の病院の中で精神科と一緒に診療していくための体制に関する資料でございまして、現行では、精神科リエゾンチーム加算というのが設定されております。
71ページ、その精神科リエゾンチーム加算が介入した患者さんの状態をお示ししております。
また、72ページ、ほかのチームとの関係でございますけれども、認知症ケア加算などにおいて、認知症への対応が行われている一方で、箱で囲んでいない疾患に関しましては、精神科リエゾンチーム加算のほうで対応が行われているが例が多いということになります。
最後、76ページ、精神医療に係る論点としてまとめさせていただいております。
1つ目に「多職種による質の高い医療の提供等について」、質の高い精神医療の提供のために急性期の入院料においても、各医療機関・病棟の入院患者のニーズに応じ、看護職員だけでなく、精神保健福祉士、作業療法士、公認心理師をより柔軟に配置できるようにすることについてどう考えるか。
2つ目に、精神病床に入院する患者数は減少傾向であり、病床の削減が進む一方で、小規模の精神科病院は、運営が困難であることなどを踏まえ、病床数を削減する取り組みを行っているなどの小規模医療機関が、質の高い入院医療、地域生活に係る外来医療の提供や障害福祉サービスの提供等を行うことの評価についてどのように考えるか。
長期入院患者に対する地域移行に係る取組をさらに推進する必要があること等を踏まえ、人員配置基準の低い精神病棟入院基本料等の評価をどのように考えるか。
2つ目のまとまりでございますけれども、精神科救急急性期医療入院料等について、医療保護入院等の割合が高いことが要件となっているが、強制的な入院を促進しないような配慮を踏まえた、緊急的な入院医療の必要性に関する指標の在り方について、どのように考えるか。
「精神科救急医療体制加算」について、精神科救急医療体制整備事業において都道府県が指定した類型に基づく評価となっているが、実際の救急や地域医療における機能を踏まえた評価の在り方について、どのように考えるか。また、当該加算を、120床を超えて届出を行う場合の特例的な規定については、利用が少ないことを踏まえ、その扱いをどのように考えるか。
クロザピンの新規導入に関する医療機関の体制整備のあり方を踏まえ、現在、病棟ごとの評価となっている精神科急性期医師配置加算のクロザピン新規導入実績の要件についてどのように考えるか。
最後に「精神身体合併症について」でございます。
精神疾患と身体疾患を併せ持つ患者の治療提供体制の普及を図る確保する観点から、こうした体制を評価する精神科急性期医師配置加算2イの対象となる入院料の在り方について、どのように考えるか。また、重症の身体合併症で急性期の治療を行った患者が、精神科救急急性期医療入院料等を算定する病床に転棟・転院した場合の取り扱いについてどう考えるか。
精神病床入院患者の高齢化が進む中で、生活習慣病や維持透析等の慢性的な身体合併症への対応を要する患者への、内科等の医師による診療の体制を確保し、適切な対応を推進する観点から、精神科身体合併症管理加算の要件や対象疾患の範囲についてどう考えるか。
様々な精神疾患に対応できる精神科リエゾンチームの専門性を評価する観点から、精神科リエゾンチーム加算における、認知症及びせん妄以外の精神疾患を抱える患者への介入の更なる評価について、どのように考えるか。
本日は、精神医療の中で入院の部分について取り出しておりますので、こうした論点を含めまして精神科の入院料について御議論いただければと思います。
以上でございます。
○小塩会長
ありがとうございました。
それでは、ただいまの説明につきまして、御質問等ございましたら、よろしくお願いいたします。
江澤委員、お願いいたします。
○江澤委員
ありがとうございます。
それでは、76ページの論点について申し上げます。まず、最初の「多職種による質の高い医療の提供等について」でございます。
1つ目の○につきまして、資料にはPSWやOTなどの多職種配置により、平均在院日数の短縮、在宅復帰率の向上、地域平均生活日数の増加が示されており、柔軟な配置の導入に関して賛同いたします。
2つ目の○については、小規模医療機関が機能強化し、多機能化する提案と察しますが、現状の厳しい経営環境の中で、果たして対応できる余裕があるのかどうか、実態を踏まえた検討が必要と思います。
小規模病院は利益率が低く、運営が困難というだけではなく、今後、精神病床の入院患者が減少していく中で、こうした小規模の病院を支え、維持していかなければ、特に地方においては、精神科入院医療が成り立たなくなってしまうため、丁寧に見ていく必要があろうかと思います。
したがいまして、小規模の精神科病院で実施されている取組に着目するのであれば、個々の病院が現実的に取組可能な内容について精査することが重要であると考えます。
また、3つ目の○では、人員配置基準の低い18対1や20対1の精神病棟入院基本料における長期入院患者の評価の適正化が問われております。
しかし、両者で約5,000床の届出がある現状において、経過措置は継続すべきであり、一般的な精神科病棟であり、最も病床数が多い15対1入院基本料は検討の対象外とすることは当然でありますし、18対1、20対1の入院基本料についても、単に人員配置だけに着目するのではなく、地域で果たしている役割なども踏まえながら検討していく必要があります。
さらに、精神病床の既存病床数が基準病床数を大きく上回っている地域において評価を見直すことについては、全国一律の診療報酬の考え方からすると問題であり、そもそも既存病床数が多い状況に関して、一医療機関の責任を問うものではなく、地域医療構想にて検討すべきであることを申し上げたいと思います。
続いて「患者の特性に応じた治療・ケアの推進について」でございます。
1つ目の○の精神科救急急性期医療入院料などについて、年間の新規患者における措置入院、医療保護入院などが6割以上の要件に関して、強制的な入院を促進しないためにも見直すことに賛同いたします。
資料の49ページ、50ページに研究事業の資料が掲載されておりますが、必要性チェックリストが要件の見直しに活用できるのかどうか、フィージビリティの検証や、特異度が高くないことなどに関して、さらに検討していただければと思います。
また、これまでの経緯として、精神科救急急性期医療入院料などにおいて、非同意入院の受入れ割合を求めたのは、マンパワーを有する病院でなければ、そうした患者さんを受け入れることができないといったことや、こうした病院に対して地域の精神科医療への貢献を促すといった意味合いもあったかと思われます。
したがいまして、検討するのであれば、そうした経緯も踏まえた上で考える必要があります。
2つ目の○は、52ページに示されていますように、精神科救急医療体制加算を算定している医療機関は、身体合併症対応型、常時対応型、病院群輪番型、いずれにおいても、時間外等の入院件数について十分な実績を有していることが分かります。
一方で、同じような実績を有する医療機関であっても、都道府県による指定内容が違うことのみが原因となって、その評価が加算1の600点から、加算3の500点まで差が生じているということであれば、指定の在り方と加算による評価の在り方について、どのような整理が可能であるか検討してはどうかと考えております。
また、2つ目の○の後半の120床を超える特例的な指定については、利用されているのが1つの医療機関のみということですので、当該医療機関に対して、個別にヒアリングを行っていただくなどして、丁寧に対応していただきたいと思います。
3つ目の○の精神科急性期医師配置加算のクロザピン新規導入実績要件につきましては、集計対象となる入院料の精神科救急急性期医療入院料、精神科急性期治療病棟入院料における病棟ごとの評価となっております。
しかし、57ページのように、多様な病棟においてクロザピンの新規導入が実施されておりますことから、例えば、病院全体の幅広い範囲での評価も検討に値すると考えます。
また、人口分布の地域差もある中、全国一律に導入件数を6件あるいは3件とすることについても、実情に合わせて手直しする必要があろうかと思います。
最後に、身体合併症についてでございます。
1つ目の○の前半には、64ページに示されておりますが、拠点的な急性期機能を担う医療機関において、精神身体合併症の受入れを促すためにも、急性期医師配置加算2のイの算定対象を15対1にも拡大してはどうかと考えます。
後半については、65ページにございますが、総合病院の精神病床は必ずしも充実した機能を有しておらず、他院の総合病院の精神病床から転院した場合であっても、精神科救急急性期医療入院料などを算定できるよう、見直すことが必要と思います。
2つ目の○に関して、精神病床でも患者さんの高齢化により、生活習慣病や透析といった身体疾患の併存やADLの低下に対する医療ケアの必要性が高まっております。
しかしながら、66ページのように、精神科身体合併症管理加算では、対象患者の疾患が急性疾患に限られておりますが、67ページに示されているように、入院患者の高齢化を背景に、生活習慣病などの身体合併症が多いことが分かります。
したがいまして、実態に即して、精神科身体合併症管理加算の対象患者の疾患を生活習慣病や透析などに範囲を拡大すべきと考えます。
あわせまして、病棟の専任の医師に限らず、外部の医師が診療する場合などであっても評価することも検討に値すると考えております。
3つ目の○の精神科リエゾンチーム加算は、一般病棟の入院患者を対象としておりますが、さらなる取組の促進に向けて、認知症や専門以外の精神疾患への介入を推進するための仕組みも検討する余地があると思っております。
私からは以上となります。
なお、小塩会長におかれましては、看護協会の専門委員から意見を聞く機会を御検討いただければ幸いでございます。
○小塩会長
ありがとうございました。
続きまして、太田委員、お願いいたします。
○太田委員
ありがとうございます。
私からも76ページの論点に関しまして、意見をさせていただきます。
まず、初めに「多職種による質の高い医療の提供等について」のところの1つ目の○でございます。
26ページに示されておりますように、精神科地域包括ケア入院料、また、地域移行機能強化病棟入院料においては、既に多職種の柔軟な配置が可能となるような職員の配置要件が設定されてございます。
生産年齢人口が減少していく中で、人材確保に精神科病院は一般病院以上に苦労しております。このような取組を他の入院料に拡大していくということは、ぜひ積極的に進めていくべきだと考えます。
ただ、看護補助者が集まらず、看護師が代行している事例ですとか、看護師以外の職種がなかなか集まらないという実情も聞いてございます。特に地域によっては精神保健福祉士や公認心理士、作業療法士が配置要件になっても人材確保の解決にならないという地域もございます。地方部の状況をしっかりと把握して、一定の配慮というものもぜひ御検討いただければと思います。
2つ目の精神病床における患者数の減少に関してのところでございますが、35ページに示されておりますように、病床数が少ないほど利益率が低下するということから、小規模な精神科病院が病床を削減しつつも、質の高い入院医療に加え、地域生活に係る外来医療や障害福祉サービスの提供を、一体的に取組を行うことに対して評価を行うことは重要でございます。
ただ、これも先ほど述べましたように、現在、多くの小規模病院というのは経営的に困窮しているのと同時に、なかなか人材の確保が厳しい状況がございます。今後ますます人口減少が進んでいく中で、ダウンサイズを含めた工程に対しては、実現可能な入院料の要件設定というものを検討していく必要がございます。
過疎地では、先ほどお話ししましたように、人材もそうですが、外来に重きを置けるという病院はそもそも存在できないという現実もございます。今後の精神病床の移行を現実的に導くことができるような要件設定を、ぜひ御検討いただきたいと思います。
3つ目、長期入院患者の対応でございます。人員配置基準の低い精神病棟入院基本料の見直しの方向性というものは、やむを得ないと考えてございます。
ただ、本当にこれは地域差が大きくて、過疎地など職員確保が困難な地域というものは全国で多数ございます。先ほど、江澤委員からもありましたが、経過措置に関しては十分な配慮を求めたいと思います。
2つ目「患者の特性に応じた治療・ケアの推進について」でございます。
1つ目の○ですが、精神保健福祉法では、可能な限り患者本人の同意をするようインフォームド・コンセントを行い、自分の意思で入院をするように設定してございます。
ただ、先ほど説明がありましたように、一方で診療報酬では重症者を受け入れるという意味で、医療保護入院等の割合要件が設定されてございます。医療保護入院等の割合要件を廃止することに関しては賛成いたします。
ただ、50ページのチェックリストでございます。入院の必要性の判断に一定の基準とはなり得ると考えますが、精神疾患の症状は多様であり、緊急性の判断は、包括的な臨床判断に基づくべきと考えます。入院料の算定要件として使用する場合には、医療現場における緊急対応の必要性と乖離が生じないよう、設計の基準や例外の扱いなど、慎重に検討いただきたいと思います。
2つ目、精神科救急医療体制加算に関してです。これも1医療機関のみ、120床を超えての届出ということでございます。もしそうだとするならば、特例的な加算の廃止というものに関しては、やむを得ないと考えます。
3つ目、クロザピンでございます。クロザピンは、難治性の統合失調症に使われる抗精神病薬ですが、もともと20世紀に死亡例が多発し、使用禁止になったという薬剤です。我が国では、54ページにありますように、厳格な適正使用体制を構築し、CPMS、クロザピンのモニタリングサービスで使用する医療機関、患者を登録し、無顆粒球症や糖尿病のチェックを処方の前に行い、データを登録しなければ処方できないというシステムで、厳密に運用してございます。
現在、精神科救急急性期医療入院料、精神科急性期治療病棟入院料において、病棟における新規導入患者数が、精神科急性期医師配置加算の要件に定められておりますが、57ページにありますように、他の入院料病棟でもクロザピンの新規導入は実施されております。算定の要件として、導入患者数を当該病棟だけでなく、病院全体での導入件数に変更するなど、現場の運用に支障とならないような見直しを御検討いただければと思います。
また、先進的な病院では、クロザピンの必要な患者への導入というものは、一巡して終了しているということも聞いてございます。そういう病院では毎年、年6例、年3例という規定されている基準の達成が難しくなっているところもあるようです。
クロザピンの導入が必要な患者に対応する病院が適切に使用できるよう、新規導入患者数の要件に関しましても、一度御確認をいただいて、もし必要であれば、再設定をいただきたいと思います。
最後「精神身体合併症について」のパートでございます。
1つ目の○ですが、精神科急性期医師配置加算2のイは、いわゆる総合病院が届出可能な加算です。
64ページに示されていますように、精神病床を有する特定機能病院等においても、精神病棟入院基本料が15対1で算定している医療機関が34ほどございます。届出可能な対象病棟を15対1まで拡大することに関して賛成いたします。
また、65ページで示されているとおり、身体合併症で総合病院の精神病床で治療を行った患者さんの場合、精神科救急急性期医療入院料等を算定する病床に転院等を行うと、診療報酬上の現在の規定では、この入院料が算定できず、精神病棟入院基本料15対1で算定するということになっております。
当該規定により、転院、転棟の円滑な連携が阻まれる要素となっておりますので、円滑な連携を推進するためにも、現行の取扱いは見直すべきであると思います。
2つ目でございます。現在の精神科身体合併症管理加算は、精神病棟に入院している患者が身体的疾患を併発した際に、精神科を担当する医師と内科などを担当する医師が協力して、計画的に治療を提供することを評価した加算ですが、66ページに示されているように、算定できる対象疾患は急性期疾患がほとんどでございます。
現在、67ページで示されているように、高齢患者が多く抱える生活習慣病などは対象となっておりません。
ただ、30ページにも示されておりますが、精神疾患を有する入院患者は、ますます高齢化しておりまして、身体合併症を有する患者割合も増加し、現在の精神病棟では、当たり前のように、内科的対応を行う状況となっております。
これら生活習慣病など、慢性期疾患の患者への対応でも、現場は疾患管理、処置など様々行っているというのが、今の実情でございます。しっかりとした身体合併症へ対応する体制を確保することは、精神疾患患者への治療で重要です。対象疾患の拡大は、ぜひ進めるべきであると思います。
また、長期の入院患者へ対応する精神療養病棟でも入院患者の高齢化により、様々な内科疾患への対応が必要となっておりますが、精神科身体合併症管理加算は、現在、算定できません。算定対象病棟の拡大についても検討すべきであると考えます。
最後の○、精神科リエゾンチーム加算は、一般科において精神科医等を配置することで算定できる加算でありますが、現在の加算の算定対象となる患者は、せん妄や抑うつを有する患者のみに限定されております。
ただ、このチームには精神科医や専門性の高い看護師、薬剤師、作業療法士、精神保健福祉士、公認心理士等多職種から成るチームが配置されております。ですので、対象を拡大して、例えば、ICD10に分類される精神及び行動の障害に該当する患者については、算定できるよう対象を拡大すべきであると考えます。
以上でございます。
○小塩会長
ありがとうございました。
続きまして、池端委員、お願いいたします。
○池端委員
ありがとうございました。池端です。
私も江澤委員、太田委員がおっしゃったことと重なる部分がありますけれども、2点強調したいことがありますので、少しお話しさせていただきたいと思います。
論点の最初のくくり「多職種による質の高い医療提供等について」ですが、これは、精神疾患を持つ方にも地域包括ケアシステムをという、いわゆる「にも包括」に沿ったものではないかと思います。この「にも包括」というのは、地域包括ケアシステムというのは、やはり、中学校区くらいの一般の方と同じような、そういうエリアを想定すると、ここに必要な精神の病院というのは、やはり病床数が小さい、ある程度規模が小さい病院がそこでしっかり支える。一般で言えば、地域包括ケア病棟等が支えることになるかと思います。
その小さい規模の病院が、先ほど35ページにありますように、利益率が非常に低くなっていて、支えるにもそこの経営が厳しい状況になりつつあるということは、ここは、しっかりとまず下支えをしていただかないといけない。入院施設から地域へという精神疾患に対する対応の大きな流れがある中で、ここを下支えするための地域包括ケアシステムを支えるための小規模の精神科入院医療を担っているところを、しっかり支えなくてはいけないことについては、この小規模が非常に厳しい点を、しっかり押さえておかねければいけないのではないかと思っていますので、強調しておきたいと思います。
また、精神科地域包括ケア病棟入院料というところも、まだまだ数が少ない。これも聞くところによると、かなり施設基準が厳しいので、なかなかそこをしっかり支える病棟に変換できないということも聞いておりますので、それも少し、基準の緩和等も含めて検討が必要ではないかと思います。
2点目は、76ページの「精神身体合併症について」です。
これは、30ページにもありますように、精神疾患を持っている方といえども、どんどん高齢化が進んでいるとなると、いわゆる多疾患併存状態、マルチモビリティの状態になるプラス精神疾患を持っていると、非常にある意味では大変なところ、ここに対して、どこがどういう機能を持ったところがそこに対応できるかというところ、くしくも59ページに、1、2、3、4という精神科の重症度の高い、身体合併症の重症度が高いところをどう4つで分けるというクリアカットな図が出ています。
ここに対して、その患者さんがどの程度のボリュームがあり、あるいはそこを支えられる病院がその地域にどれくらいあるのか、必要なのか、そういうことも検討しながら、基本的には身体合併症をしっかり診られる体制に対しては、何らかの評価をつけなくてはいけないのではないかということ、この2点だけ強調しておきたいと思います。
以上です。ありがとうございます。
○小塩会長
ありがとうございました。
ほかは、よろしいでしょうか。
それでは、1号側の委員の御意見も伺いますけれども、その前に、先ほど江澤委員から御要望がございました、看護の観点からの御発言をお願いいたします。
木澤専門委員、お願いいたします。
○木澤専門委員
ありがとうございます。
資料の76ページ、1点目の論点にあります「多職種による質の高い医療の提供等について」意見を述べさせていただきます。
精神医療に限らず、多職種協働、連携により、効果的・効率的に質の高い医療を提供していく視点は大変重要であり、推進していくべきと考えております。
精神保健医療福祉の今後の施策推進に関する検討会でも、多職種による手厚い医療を提供できる体制の確保を推進する必要があるとの議論があったと記憶しています。
一方で、今回の論点を見ますと、質の高い精神医療の提供のために、急性期の入院料においても看護職員だけではなく、精神保健福祉士、作業療法士、公認心理士をより柔軟に配置することをどう考えるかとの記載があり、資料の26ページには、多職種の柔軟な配置を要件としている入院料の例も示されておりますが、具体的な方向性が今回の資料だけでは分かりにくく、検討していく上では、丁寧な議論が必要と考えます。
資料冒頭のデータにもありますように、現在、精神科入院料においては、地域移行が進められており、患者の重症化、高齢化が進み、身体合併症も非常に増えています。
特に、精神科救急急性期医療入院料、精神科急性期治療病棟入院料をはじめとする急性期病棟では、資料の21ページのとおり、患者さんの症状が不良で、状態悪化も大きい時期にあります。精神・身体の急性期症状のコントロールを目的に、薬物療法やmECT、急性期看護ケアによる非薬物療法等の急性期医療を提供しております。
看護配置は10対1であり、精神科急性期においても、一般急性期と同様、看護職員は患者さんと医療従事者双方の安全を確保しながら、24時間体制で非常に緊張感の高い業務に当たっています。
加えて、早期の地域移行の推進、行動制限の最小化等にも取り組んでいることから、十分な看護体制が必要です。
今回の論点に関する議論を行うのであれば、急性期医療において、それぞれの専門職がどのような役割を担うことができるのか、どのような体制であれば安全性が保てるのか、また、人員が手薄になる夜間の時間帯では、看護職員に負担が偏る可能性がありますが、夜勤負担軽減への配慮策等も含めて、議論を進めていくことが重要であると考えております。
私からは以上でございます。
○小塩会長
ありがとうございました。
それでは、松本委員、お願いいたします。
○松本委員
ありがとうございます。
精神科の入院医療につきましては、早期の地域への移行と、地域定着を促すことや、高齢化がさらに進む中で、身体症状にも対応できる総合病院の精神病床や、一般病床の精神科医との役割分担を進めつつ、精神科病院を中心に病床数を削減していくことが、総論としては望ましい方向だと考えております。
一方で、これまでも様々な課題が認識されつつも、あまり問題点の解決まではつながっていないことも多いように感じております。
したがいまして、本日は、方法論につきましては、なかなか判断がつきかねるところが多々ございますけれども、その前提で76ページの論点に沿ってコメントしたいと思います。
まず、多職種による質の高い医療の提供等の1点目でございますけれども、以前から多職種による対応の必要性が指摘され、22ページから25ページにかけては、実際の成果として、平均在院日数の短縮や、地域の定着につながるとのデータもありますので、こういった取組が有効であることは十分理解できるところでございます。
また、精神科病院や精神科病棟で、精神保健福祉士や作業療法士、公認心理師が増加または配置されている実態があり、様々な職種の配置を進めることが現実的だとは考えますけれども、より柔軟な配置の趣旨が上乗せの配置ではなく、看護職員を減らして他の職種に置き換えるということであれば、少し慎重に判断をさせていただきたいと思っております。
続きまして、多職種に関する論点の2点目と3点目につきましては、併せてコメントを差し上げたいと思います。
33ページを見てみますと、現在、人口10万人当たり、おおむね1つの精神科病院が存在するということで、今後、障害福祉サービスの一体的な提供や、精神科救急、在宅医療、入退院支援といった機能を充実して、早期退院と地域定着を促すことを念頭に置いた場合、10万人に1か所が多いか少ないかは、いささか判断が難しいところですけれども、方向性としては、集約化よりも機能転換ではないかと考えております。
一方で、病床数については、さらなる削減が必要であり、外来に力を入れている病院で、入院期間が短いことを踏まえますと、機能転換とダウンサイジングの両面を進めるべきだと考えます。
特に、18対1以下の入院基本料につきましては、経過措置を終了するか、平均在院日数の要件を設定して着実に病床数の削減につなげ、15対1以上の人員配置に寄せていく形で地域移行を促すべきだと考えております。
続いて、患者の特性に応じた治療・ケアの1点目の論点ですけれども、措置入院や保護入院を否定するものではございませんけれども、患者の人権を尊重することは当然でございますので、過度な強制入院につながらないように、資料の49ページ~50ページに示されております指標やチェックリストを、患者割合要件として活用することには賛成するものでございます。
続きまして、精神科救急医療体制加算につきましては、資料の52ページを見てみますと、時間外、休日、深夜入院件数にはばらつきがあり、補助金事業の指定類型と相関がないということですので、点数に見合うようにメリハリの利いた要件に見直すべきだと思います。
また、ほかの委員も言っておられますが、120床を超えた算定につきましては、実績が1施設のみですので、特例規定を廃止しても差し支えないものと考えております。
次に、クロザピンについてですが、資料の5ページに戻りますと、統合失調症入院患者は減少しているとはいえ、全体のまだ約半数程度占めており、一方、54ページ目を移しますと、より多くの治療抵抗性の統合失調症への普及が期待されますので、精神科急性期医師配置加算について、クロザピンの新規導入に対する評価を独立させ、病院単位の要件を検討することが考えられます。
続いて、最後の精神身体合併症に関する論点についてコメントいたします。
資料の59ページに、精神症状と身体症状の重症度やステージに応じた組み合わせのイメージが示されております。
61ページを見てみますと、一般病院では精神病床が大きく減少し、精神身体合併症への対応が難しくなっていることであれば、特定機能病院や拠点的な急性期病院において、合併症への対応を促進する方向で、急性期医師配置加算を見直す余地はあると考えております。
また、精神科救急急性期医療入院料については、役割分担と連携の観点から、円滑な転院、転棟を推進する方向で検討することもあり得ると思います。
次に、透析や生活習慣病の管理等が必要な場合の対応については、資料の66ページ以降にありますとおり、精神科身体合併症管理加算の対象になっていないということですが、精神科以外の医師が、ほかの精神科病院に出向いて、生活習慣病を管理している事例もあり、さらなる高齢化でこうした対応ニーズがますます増加することや、精神科しかない病院では、透析が困難なことを踏まえますと、59ページの左上の青い丸、2番で示されておりますけれども、このように、精神科病院に身体症状に対応できる医師の配置を促す方向で加算の対象を拡大することは考えられると思います。
最後に、一般病院における精神疾患への対応についてですが、これも59ページの右下の黄色い丸、ナンバー3でございますけれども、該当すると思いますが、精神科リエゾンチームが様々な疾患に介入している実績があり、認知症やせん妄は別の加算を算定する医療機関で対応できることを踏まえますと、精神科医リエゾンチーム加算の対象疾患を見直してはどうかと考えております。
私からは以上でございます。
○小塩会長
ありがとうございました。
鳥潟委員、お願いいたします。
○鳥潟委員
ありがとうございます。
精神疾患と身体疾患の両方の治療が必要な患者さんに対する医療提供体制の確保について、疾患の状態や治療方針等に応じて適切な医療機関や病床で治療が受けられるよう、加算の要件について必要な見直しを行っていくべきと考えております。
以上です。
○小塩会長
ありがとうございました。
続きまして、佐保委員、お願いいたします。
○佐保委員
ありがとうございます。
資料の76ページの多職種による質の高い医療の提供等に関して申し上げます。
20ページの入院医療に関する方向性の整理にあるとおり、多職種による手厚い医療を提供できる体制を確保し、長期入院患者の地域生活への移行に向けた取組を推進することは重要であり、看護職員だけでなく、精神保健福祉士など、専門職による支援を拡充することは必要と考えます。
一方、柔軟な配置という点につきましては、看護職員等の人員配置基準や各種加算における専従等の要件は、医療の質の確保、向上を前提としたものであるべきですので、くれぐれも現場で働く労働者にしわ寄せが行くことがないよう、慎重に検討する必要があると考えます。
私からは以上です。
○小塩会長
ありがとうございました。
ほかは、よろしいでしょうか。
江澤委員、お願いいたします。
○江澤委員
ありがとうございます。
最初の論点の1つ目の○につきまして、特に精神疾患の治療やケアに対して専門性を有するPSWやOTの活用は非常に重要だと思っております。
その際、看護配置の看護師さんの代わりにPSWあるいはOTとかの職種を置き換えるのか、あるいは現状の看護配置の上乗せとして、PSWやOTなどの専門職を配置するのか、これは、しっかりと実情を踏まえて検討してく必要があろうかと思います。
先ほど、看護協会の専門委員からも看護師の負担が少しどうかという懸念するような御意見もありましたし、まずは、現場の実情がどうなのかということで、そこはしっかりと丁寧に見ていく必要があろうかと思います。
また、小規模医療機関が外来を増やす、これは、先ほど太田委員も発言されておりますけれども、確かに精神疾患の患者さんは増える傾向にありますが、ただ、全国的には、外来需要は、多くの地域で、ほとんど全国の地域でピークアウトしており、その外来を増やすことが機能強化かどうかということは、一考を要すると考えておりますので、まずは小規模機関ができる対応というものをしっかりと見ていただければと思います。
また、18対1と20対1の精神病棟入院基本料の届出が約5,000床あるという実態については、なぜそうなっているのか、あるいはそういったところでどういった医療が提供されているのかは、実情を踏まえて吟味していく必要があるので、これだけの病床がありますから、経過措置については、当然、継続せざるを得ない状況だと認識しております。
私からは以上でございます。
○小塩会長
ありがとうございました。
ほかは、よろしいでしょうか。
ほかには特に御質問等ないようですので、本件に係る質疑はこのあたりとし、今後、事務局におかれましては、本日いただいた御意見も踏まえて対応していただくようにお願いいたします。
続きまして「個別事項について(その3)敷地内薬局」を議題といたします。
事務局より資料が提出されておりますので、説明をお願いいたします。
○清原薬剤管理官
薬剤管理官でございます。
資料総-2の2ページを御覧ください。
本日は、敷地内薬局の概要を説明後、施設基準と減算項目の課題について御説明し、御議論いただければと思っております。
3ページ目「患者のための薬局ビジョン」では、かかりつけ薬剤師、薬局の役割として、服薬情報の一元管理、継続的把握、薬学的管理・指導等が示されております。
4ページ目は、保険薬局の健全な運用の確保に関する療養担当規則の抜粋のところでございまして、保険医療機関と一体的な構造、一体的な経営を行ってはならないとしております。
次の5ページ目を御覧ください。
こちらは、敷地内薬局に係る診療報酬上のこれまでの対応をまとめております。
6ページは、敷地内薬局のイメージ。
7ページは、薬局の機能等に関する検討会で、敷地内薬局に対する御意見のまとめ。
8ページ目は、令和4年度改定の前後での薬局の基本料別の損益率と損益差額でございます。
敷地内薬局を含みます赤枠の薬局は、唯一全てが右肩上がり、かつ、損益差額が最も大きい結果でございました。
損益率は最も低い結果でございましたが、9ページでお示ししますとおり、土地賃借料、建物賃借料の額が突出している結果でございました。
令和6年度の調剤報酬の検討では、10ページ、医療機関からの独立性、経営状況、かかりつけ機能に関する課題が示され、11ページで、中医協で様々な御意見があった上で、12ページ、令和6年度の調剤報酬改定において、敷地内薬局における評価の見直しをしております。
特別調剤基本料A、特Aの新設に加え、調剤基本料Aの加算や薬学管理料、薬剤料についても調剤報酬の中で見直しを行っております。
13ページは、その改定後の状況として、現場からの御意見あるいは令和6年度改定後の開局、閉局の例をお示ししております。
14ページ、現在の施設基準において、医療機関と特別な関係に当たる賃貸借関係の例を、15ページは、各調剤基本料の構成比の推移等をお示ししております。
16ページからは、施設基準の課題でございます。
17ページを御覧ください。
令和2年度診療報酬改定において、いわゆる敷地内薬局を含む特別調剤基本料の対象を病院の敷地内から診療所の敷地内に拡大する際に、従来から存在する医療モールへの配慮として、当該保険薬局の所在する建物内に診療所が所在している場合は、調剤報酬上の敷地内薬局に該当しないという除外規定を設けました。以降、この除外規定をただし書きと呼ばせていただきます。
昨今、病院と特別な関係のある敷地内薬局において、病院のある同一建物内に診療所を誘致して、ただし書きに該当することとしている薬局が存在しております。
18ページは、医療機関と特別な関係があり、処方箋集中率が50%以上であるにもかかわらず、特Aを算定しない薬局が、特Aを算定している薬局の2倍以上あることが分かります。
19ページは、令和6年8月時点で医療機関と特別な関係がある薬局数について、新規保険薬局の指定年度ごとの内訳をお示ししております。
右枠組みに示すように、経過措置があるものの、ただ単に施設基準からただし書きを除外しますと、数多くの薬局が特Aと算定される薬局に該当することとなるため、慎重な検討が必要と考えております。
20ページは、ただし書きに該当する保険医療機関と保険薬局の形態の例を、21ページ以降は、ただし書きの在り方を検討するに当たって考慮が必要と考える医療モールの種類等をお示ししております。
23ページは、医療資源の少ない地域において、地方自治体が医療施設を整備する際に、地方自治体が保有する土地に診療所を設置し、その敷地内に薬局を誘致したケースがあり、この場合、当該薬局は特Aを算定することとなります。
このため、参入した薬局の経営が厳しく、存続が危ぶまれる状況との話も聞き、また、同様の計画段階で薬局の参入が断られたというケースもあると聞いております。
24ページは、薬局の関連会社が所有するショッピングモール内にある医療機関と、当該薬局についても資料をお示しさせていただいております。
25ページ以降は、減算項目についてでございます。
26ページは、現在の施設基準、調剤報酬上の評価で、下半分の調剤報酬の評価の部分について、薬学管理料の一部については、特別な関係がある医療機関に対する情報提供に対して算定できないこととなっております。
27ページ、特Aを算定する薬局において、医療用麻酔を使用する患者に対する薬学的管理等の評価である麻薬管理指導加算の算定割合が高く、算定回数は増加傾向であることをお示ししております。
28ページには、がん患者に対する薬学的管理の評価である特定薬剤管理指導加算2ついての算定割合についての資料をお示ししております。
本加算は令和6年度の改定で、特別な関係がある医療機関への情報提供を実施しても算定できないこととなりましたが、これまでは敷地内薬局が多い特別調剤基本料を算定する薬局において、算定割合が高かったことをお示ししております。
29ページは、がん患者に対して薬局からの薬剤師が継続的に電話でフォローアップを行うことで、有害事象の軽減効果があることが示唆されたデータをお示ししております。
30ページは、敷地内薬局についての課題、31ページは論点でございます。
論点として、1つ目は、特別調剤基本料Aのただし書きは、従来から存在する医療モールへの配慮でありましたが、病院での敷地内薬局の適用外に用いられている例があり、この適用範囲について、どのように考えるか。
2つ目は、医療モールでの薬局は、ただし書きの適用例は多い中、その適用範囲についてどのように考えるか。
3つ目は、医療資源の少ない地域における敷地内薬局等の、特別調剤基本料Aの適用について、どのように考えるか。
4つ目は、特別調剤基本料Aに該当する薬局において算定することができない薬学管理料等の取扱いについて、薬局の機能を評価する観点から、どのように考えるか。
最後に、これらに関する具体的な検討につきましては、第25回医療経済実態調査の結果等を踏まえて行うこととしてはどうかとしております。
32ページ以降は、参考資料をお示ししております。
説明は以上となります。
○小塩会長
ありがとうございました。
それでは、ただいまの御説明につきまして、御質問等ございましたら、よろしくお願いいたします。
それでは、森委員、お願いいたします。
○森委員
ありがとうございます。
まずは、全体的な認識を述べさせていただきます。
保険薬局は、経済的、構造的、機能的に保険医療機関と独立していることが重要であり、患者さんの医薬品適正使用の推進、そして、適切な医薬分業制度のためには、保険医療機関からの独立が不可欠です。
当たり前の話ですが、我々が学ぶべき医薬分業の先進国では、医師が薬局を経営することや、薬局と金銭的契約を結ぶことを禁止しています。
このような理念や考え方のもと、これまで敷地内薬局に対しては、診療報酬上による適正化を行ってきましたが、残念ながら不適切な事例や、ルールをすり抜ける事例が散見されているようであり、そのような状況を踏まえれば、敷地内薬局については、引き続き適正化に向けた対応が必要であると考えています。
その上で、論点に沿って発言させていただきます。
まず、論点1つ目、2つ目に関連することですが、スライドの14ページや18ページ等を見ていただければ分かるとおり、構造的規制や経済的規制をすり抜ける事例が数多く見受けられます。
経済的規制に関しては、賃貸借について、あたかも特別な関係には見えない方法で、また、構造的規制に関しては、病院が所有する敷地内に全く別の医療機関を開設すれば、敷地内薬局として取り扱われないという、あたかも規制の趣旨を逸脱するかのような方法ですり抜けている事例が存在することは、極めて残念であるとしか言えません。
敷地内薬局の取扱いに係る除外規定は、あくまでも従来からあるものに対する配慮から設けられたものであり、こうしたルールをすり抜けるケースに対しては、診療報酬上のルールの厳格化や是正が必要であると考えます。
敷地内薬局については、経済的規制ルール、構造的ルールが設けられており、あくまでもそのルールに従い判断すべきと考えます。
次に、論点の3つ目についてです。
誰がどこに、どんな目的で敷地内薬局を出店しようと、経済的、構造的、機能的な独立は不可欠です。そのことを前提とした上で、離島や僻地などのような無薬局地域で住民が医薬品のアクセスに困っているケースについては、医薬品提供体制を確保するために、行政が関与する対応などを考える必要があると思います。
論点の4つ目についてです。
薬局における薬学管理はどの薬局でも必要な機能です。高度な医療を提供する病院の近隣の薬局で高度な薬学管理が求められることは当然で、そうしたことは、敷地の中か敷地の外かに関係のないところです。
敷地内薬局については、繰り返しになりますが、医薬分業の理念に鑑みて、診療報酬上の評価を適正化してきたものであり、薬局の機能によらず、現行の評価を堅持すべきものと考えます。
論点5つ目についてですが、敷地内薬局に対しては、診療報酬上による対応が何回も行われてきましたが、保険薬局が果たすべき機能とは全く関係ない、例えば、年間2億円を超えるような超高額な診療や、40億円にも上る立体駐車場つきヘリポートの整備などを提供していることが問題となり、これまで強い対応が行われたものと記憶しています。
そのようなことをしていれば、医療経済実態調査において、当該施設の損益状況が悪化しているように見えたとしても、不思議ではありません。
最後になりますが、先ほど申し上げたとおり、ルールのすり抜け、解釈の逸脱と言わざるを得ない対応が続いています。
令和6年度改定では、参考資料38ページ目にあるグループ減算について中医協で議論を行い、結果的に答申書附帯意見に落ち着いたところですが、敷地内薬局問題の改善が見えないのであれば、このグループ減算も含め、あらゆる措置を引き続き検討していく必要があると考えます。
私からは以上です。
○小塩会長
ありがとうございました。
続きまして、江澤委員、お願いいたします。
○江澤委員
ありがとうございます。
では、31ページの論点について申し上げます。
まず、1つ目の○の病院での敷地内薬局の適用外に用いられている事例は、特別調剤基本料を回避する、いわゆる抜け道であり、2つ目の○は、令和2年度改定で、ただし書きが設けられた後に、あえて特別調剤基本料Aの適用を回避する目的で、同一建物内に診療所を誘致した事例と、そうでない事例への対応は異なるべきであるかどうかをしっかり議論するべきであり、さらに、公平性の観点からは、ただし書きの削除も含めて検討すべきと考えております。
3つ目の○につきましては、今回の論点に示された医療資源の少ない地域における課題について、実際の事例を十分分析の上、どういった配慮が必要なのか、見直しを検討していく必要があると思っております。
続いて、4つ目の○についてでございます。
前回改定の際、敷地内薬局では、特別な関係を有する医療機関への情報提供などに関わる評価の算定を不可としました。これは、医薬品の備蓄などの効率性や同一敷地における医療機関との関係性などを踏まえてのことでありました。
したがいまして、前回の考え方を踏襲すると、敷地内薬局において、がん患者へのフォローアップなど高度な薬学的管理を行っている場合においても、それは想定されていたことであり、さらに、病院薬剤師の確保が極めて重要な課題であることも踏まえ、これまでと同様の評価を継続することでよろしいかと思っております。
最後に5つ目の○につきまして、前回改定において、医療機関と敷地内薬局の在り方を整理しましたことから、引き続き、現状を既定路線として検討を行っていくべきと考えております。
以上でございます。
○小塩会長
ありがとうございました。
ほかはよろしいでしょうか。
それでは、松本委員、お願いいたします。
○松本委員 ありがとうございます。
敷地内薬局につきましては、俗に言う門前薬局とフェンス1つで何が違うのかという発想で、規制が緩和されたと理解しておりますが、医薬分業のあるべき姿や、かかりつけ医機能の観点から、門前薬局でさえ課題があり、さらに敷地内薬局の場合は、医療機関からの経済的な独立性が必ずしも担保されておりません。
したがって、機能的な側面と経済的な側面で問題があるパターンについては、厳しく対処すべきです。
違う観点からのコメントになりますけれども、歴史的には1970年代に医薬分業を政策的に推進するために、処方箋料が大幅に引き上げられたと承知しております。今や、この分業率が70%を超え、政策目的が達成できたと思いますので、不適切な医薬分業を止めるためにも、院内処方と院外処方の格差も是正すべきだと考えます。
以上の認識に基づきまして、31ページの論点についてコメントいたします。
1点目と2点目のただし書きにつきましては、資料の14ページに示されているような第三者や、関連会社を介した賃貸の場合も、特別な関係に該当することを明確化すべきです。
その上で、同じビルに医療機関があるかないかにかかわらず、特別な関係があれば、経済的に独立しているとは言えません。
また、複数の医療機関が同じ敷地や同じビルにある場合、当然処方箋集中率も低くなりますが、地域の処方箋を面で受ける機能を十分に果たしているかというと、それも必ずしも言えないものでございます。
したがって、医療モールを含め、特別な関係にある場合には、全て特別調剤基本料Aを適用することが原則であると考えます。
論点からいささか外れますけれども、今、述べました医療モールにつきましては、患者からすると、1つのビルに複数の診療科があって便利に見えますけれども、それぞれ独立した診療所を経営することで、非効率な側面もあると思います。
自由開業、自由標榜は尊重いたしますけれども、複数の診療科をそろえた1つの診療所として運営したほうが経営効率も高く、患者の利便性もより高まるものと思います。ぜひ、診療所の大規模化につきましても積極的に進めていただきたいと思います。
次に、論点の3つ目、医療資源の少ない地域についてでございますが、自治体が運営する医療機関の敷地内に薬局を誘致しなければ、必要な薬を患者が受け取れない事態も想定されますので、条件を明確に定めることや、機能として独立性の担保、妥当な賃借料で契約することを前提として、通常の調剤基本料を例外的に認めることは理解するものでございます。
続いて、論点の4つ目、薬学管理料の取扱いについてですが、特別調剤基本料Aの薬局の中には、専門性の高い薬学的管理を行っている薬局があることは、事実として受け止めております。
がん患者のフォローアップ等、個別の機能ごとに評価の妥当性は判断すべきものと考えております。
最後の論点については、異存はございません。
以上でございます。
○小塩会長
ありがとうございました。
続きまして、鳥潟委員、お願いいたします。
○鳥潟委員 敷地内薬局につきまして、適切な医薬分業を確保するために評価を変えている趣旨を鑑み、特別調剤基本料Aの適用範囲につきましては、事務局からの事案の紹介を踏まえ、見直しを図っていくべきだと考えております。
以上です。
○小塩会長
ありがとうございました。
佐保委員、お願いいたします。
○佐保委員
ありがとうございます。
現状の課題を踏まえて適切に見直していくことは必要ですが、医療資源の少ない地域などにおいては、地域の実情を踏まえた配慮が必要と考えます。
私からは以上です。
○小塩会長
ありがとうございました。
ほかは、いかがでしょうか。
江澤委員、お願いいたします。
○江澤委員
1点だけ松本委員から院内処方と院外処方の格差是正という御発言もありましたけれども、まずは、格差是正がどういった意味合いか、引き上げるほうなのかどうなのか、どういった意味合いでおっしゃったのかは、御発言からは、はっきり分からなかったので、我々はポジティブに捉えておりますけれども、そもそも、これまで、それぞれの院内処方、院外処方あるいはそのプロセス、手間とか、そういったものを踏まえた上で、それぞれの経緯として、これまでの診療報酬点数が定まっておりますので、その辺りは、そんなに軽々しく、いきなり格差是正という話ではないと思います。
いずれにしましても、我々としては大変好意的に捉えておりますので、よろしくお願いします。
以上でございます。
○小塩会長
ほかは、いかがでしょうか。
よろしいですか。
ほかに御質問等ないようでしたら、本件に係る質疑はこのあたりといたします。
先ほどお話がありましたように、実調の結果も将来利用可能になりますので、それも踏まえて、さらに検討していただくように事務局にはお願い申し上げます。
本日の議題は以上です。
次回の日程につきましては、追って事務局より御連絡いたします。
それでは、本日の総会は、これにて閉会といたします。どうもありがとうございました。



