第2回 医療扶助・健康管理支援等に関する検討会 議事録

日時

令和7年10月30日(木) 10:00~12:00

場所

虎ノ門アルセアタワ-コンファレンス3F RoomA
(東京都港区虎ノ門2-2-3虎ノ門アルセアタワー3F)

出席者

出席者(五十音順)
  • 石川 雅重       兵庫県福祉部地域福祉課長
  • 今村 英仁       日本医師会常任理事
  • 大杉 和司       日本歯科医師会常務理事
  • 尾形 裕也(座長)   九州大学名誉教授
  • 小塩 隆士       一橋大学経済研究所特任教授
  • 西岡 大輔       京都大学大学院医学研究科特定准教授
  • 西田 圭二       東大阪市生活支援部生活福祉室長(竹内 智雄構成員の代理)
  • 松本 珠実       日本看護協会常任理事
  • 村杉 紀明       日本薬剤師会常務理事
  • 横田 正明       千葉市保健福祉局次長

議題

医療扶助・健康管理支援等に関する諸課題 等

議事録

○今井保護事業室長補佐 定刻となりましたので、ただいまより、第2回「医療扶助・健康管理支援等に関する検討会」を開催いたします。
 構成員の皆様におかれましては、大変お忙しい中、御出席を賜りまして、誠にありがとうございます。
 事務局から本検討会の取扱いにつきまして御説明をいたします。
 本検討会の議事につきましては、原則として公開することとなっております。
 また、本日、報道関係者の会場傍聴及びYouTubeのライブ配信による一般公開を行ってございます。アーカイブ配信はございませんので、あらかじめ御了承ください。
 会場の報道関係の皆様におかれましては、カメラ撮りはここまでとさせていただければと思います。
 最初に、本日の構成員の皆様の出欠状況を御報告させていただきます。
 対面で御出席の皆様におかれましては、大変御多忙の折、御出席をいただきまして、誠にありがとうございます。
 また、オンラインにて、石川構成員、大杉構成員、松本構成員、横田構成員に御出席をいただいております。
 竹内構成員、津下構成員は本日御欠席と伺っております。なお、本日御欠席の竹内構成員の代理といたしまして、東大阪市生活支援部生活福祉室長の西田圭二様にオンラインで御参加をいただいております。皆様、御了承いただければと思いますのでよろしくお願いいたします。
 また、西岡構成員におかれましては御所用のため、検討会の終盤に御退席される可能性があると伺ってございます。
 それでは、事務局よりお手元の資料と会議の運営方法の確認をさせていただきます。
 本日の資料でございますけれども、本体資料、医療扶助・健康管理支援等に関する主な論点、それから、参考資料集をお配りしてございます。
 会場のお越しに皆様におかれましては、机上のタブレットに資料を御用意してございます。過不足等がございましたら事務局にお申しつけください。
 オンラインの出席の構成員におかれましては、電子媒体で事前にお送りしております資料を御覧いただければと思います。
 なお、同様の資料を厚生労働省のウェブサイトにアップロードしてございますので、資料の不足等がございましたら、恐れ入りますが、ウェブサイトからダウンロードいただくなどの御対応をお願いいたします。
 次に、発言方法につきまして、オンラインで御参加の構成員の皆様には、Zoomの画面の下にマイクのアイコンが出ていると思います。会議の進行中は基本的に皆様のマイクをミュートにしていただいて、御発言をされる際にZoomのツールバーのリアクションから「手を挙げる」という機能をクリックいただき、座長の御指名を受けてからマイクのミュートを解除して御発言をお願いいたします。同様に、御発言が終わりました後はZoomのツールバーのリアクションから「手を下ろす」をクリックいただき、併せて、再度マイクをミュートにしていただきますようお願いいたします。また、議事の内容に対して御賛同いただく際などには、カメラに向かってうなずくなどのリアクションを取っていただければと思います。よろしくお願いいたします。
 では、これからの議事運営につきましては尾形座長にお願いできればと思います。よろしくお願いいたします。
○尾形座長 おはようございます。よろしくお願いいたします。
 議事に入ります前に、前回御欠席であった大杉構成員及び西岡構成員におかれましては、自己紹介、それから、医療扶助・健康管理支援等に関するお取組、あるいはお考えなど、簡単に御発言をいただければと思います。
 それでは、大杉構成員、どうぞよろしくお願いいたします。
○大杉構成員 皆さん、おはようございます。日本歯科医師会社会保険担当常務理事の大杉でございます。よろしくお願いします。
 私は三重県の津市で歯科医院を開業しております。医療扶助に関しましては、毎月生活保護の方々を診療として受け入れさせていただきながら、生活保護の方々に対して医療管理等を積極的にさせていただいているところであります。
 また、デジタル化に関しても医療扶助のオンライン資格確認を取り入れながら早期からしているところでありますけれども、そこら辺の運用に関してもいろいろ助言をさせていただいているところであります。
 今後、できるだけ発言させていただきたいと思いますので、よろしくお願いを申し上げます。
 以上です。
○尾形座長 ありがとうございました。
 それでは、西岡構成員、お願いいたします。
○西岡構成員 京都大学の西岡大輔と申します。前回は所用のため欠席で申し訳ございませんでした。
 私自身はもともとプライマリーケア、総合診療の医師として臨床の現場で働いておりまして、そこで出会う生活保護の利用者の方々や生活に困窮される方々全般の健康づくりがとても難しいということを臨床医として実感しておりました。その方々の健康をどのようにしてつくれるのかということで、個人に対するアプローチだけではなく、仕組みに対するアプローチも含めて学ぼうということで大学院に進学し、2017年から生活保護の研究に関わっております。
 また、そういった実態をデータだけではなくて実際に現場の声も伺いながらできるようにということで、福祉事務所の方々とも共同研究だったり、もしくは場合によっては嘱託医というような形で福祉事務所の中で議論をさせていただくケースもこれまでございまして、そういった知見を生かしながらよい議論をすることができればと思っております。どうぞよろしくお願いいたします。
○尾形座長 ありがとうございました。
 それでは、早速議事に入りたいと思います。
 本日の議事「医療扶助・健康管理支援等に関する諸問題」につきまして、前回の議論を踏まえ、事務局において主な論点を整理していただいております。今回はこれを3つのパートに分けて御議論いただきたいと思います。
 まずは「総論(検討に当たっての視点)」と「各論1(効果的な健康管理支援)」の2つにつきまして、事務局から資料の御説明をお願いいたします。資料につきましては皆様に事前に御共有いただいておりますので、ポイントを絞った説明をお願いいたします。
○小川保護事業室長 保護事業室長でございます。よろしくお願いいたします。
 資料の3ページ、ここでは総論的な内容をまとめております。上段でございますが、生活保護受給者の状況に関しましてキーワードをまとめています。高齢化の進行、また、単身世帯や非稼働世帯の割合の高さ、孤独・孤立や精神面の不調など様々な課題を有しているということ、また、生活習慣病の罹患率の高さ、外来受診日数や処方される医薬品種類数が多い傾向、そういった内容をまとめております。
 その上で下段でございます。本検討会の議論全体を通じて重要と考えられる視点としまして大きく2点まとめております。
 まず1点、生活保護制度の目的を踏まえまして、日常生活面の自立に資することを目的としまして、疾病の予防・重症化予防、受診・服薬等の状況を踏まえた健康・生活課題の早期の把握、そして、課題に応じた対応、これらを強化していくという視点が重要であるということ。併せまして、こうした対応等を通じまして、適正受診や医薬品の適正使用等を進め、医療資源の効率的な活用を図ることで、生活保護制度に対する信頼を高めていく、そういった視点も重要とまとめております。
 もう1点は、福祉事務所と関係部署、医療関係者との連携を一層推進していく視点、また、業務の効率化や重点化を進めていく視点が重要とまとめております。
 4ページは前回検討会での委員からの御発言をまとめたものでございます。
 5ページは補足資料でございます。ケースワーカー向け研修資料の中から自立の考え方を説明しているページをおつけしております。中ほどを見ていただければと思いますが、日常生活自立につきましては、すなわち健康管理と生活管理と言い換えることもできるのではないかと考えております。
 続きまして6ページ以降、「各論1 効果的な健康管理支援」に関しまして資料を説明させていただきます。
 7ページ、現状・課題でございます。令和3年1月に施行されました健康管理支援事業。施行後5年目を迎えておるところでございますが、下の表のとおり、事業の各段階で課題を抱えているという状況でございます。また、全体を通じまして福祉事務所の体制面に課題があるということでございます。これらの課題につきましては、主に前回検討会で御報告した福祉事務所向けのアンケートの結果を整理したものでございます。
 8ページ、主な論点でございます。前回の御議論を踏まえまして、また、一部事務局としましてもキーワードを追加させていただきつつまとめております。各論点に関連した御意見や、また、論点にそもそも不足があるといったことがございましたら、ぜひ御指摘いただければ大変ありがたいと思っております。
 健康管理支援につきまして、各自治体で適切に効果評価を実施しながら取組の質向上を図っていくことが重要と冒頭に記載した上で、論点を4点挙げております。
 1点目、健康管理支援事業の枠組みでございます。各自治体におきまして中長期的な視点を持ちつつ、健康課題に応じた事業の企画・実施や適切な効果評価が進められるような仕組みづくりについてどう考えるか。こちらは本検討会と並行しまして調査研究事業におきまして事業の手引きの見直しについて検討いただいているところでございます。後ほど検討状況を御紹介させていただきます。
 2点目、健康状態・生活習慣の把握でございます。健診のほか、考えられる取組が何かないかというところで、ケースワークで把握される情報の活用を例示させていただいています。
 3点目、健康意識の向上・健康管理の動機づけでございます。例示としまして健康教育や健康インセンティブの活用などを挙げております。
 4点目、関係部門や関係機関等との連携強化でございます。例示としましては国保・健康増進部門など行政内部の連携、また、地域の医療関係者との連携、生活保護受給者向けの事業も各種ございますので、こうした他事業との連携を掲げております。
 9ページ、先ほど申し上げました、本検討会とは別途、調査研究事業におきまして健康管理支援事業の手引きの見直しに関する検討を進めているところ、この状況を御説明したいと思います。論点でございますが表の左側に4つございます。
 1点目、中長期的な視点での事業企画としまして、データヘルス計画を参考にしまして1期6年の計画的な実施とすることについてどう考えるか。
 2点目、評価指標の標準化としまして、こちらも第3期のデータヘルス計画の取組を参考にしまして、国において標準的な指標を設定することについてどう考えるか。
 3点目、事業内容の整理・標準化としまして、こちらも医療保険の保健事業を参考にしまして、健康状態の把握、ハイリスクアプローチ、ポピュレーションアプローチといった3つの柱に沿って取組を検討・実施することについてどう考えるか。
 4点目、関係部局との連携強化としまして、国において連携に係る具体的な観点や調整方法を示していくことについてどう考えるか。
 この4点につきまして検討を進めていただいているという状況でございます。
 引き続き検討という状況ではございますけれども、本検討会でいただいた御意見につきましては調査研究事業の関係者にもフィードバックしまして、引き続き検討を進めてもらおうと思っております。
 10~11ページは前回の御議論をまとめたものでございます。
 12ページ以降、補足資料を何枚かおつけしております。
 12ページ、健診の受診率と保健指導の利用率でございます。生活保護受給者などの健診受診率に関しましては左側の表でございますが、おおむね8%程度で推移しているという状況でございます。なお、市町村国保では約38%といった状況と聞いております。
 13ページ、生活保護受給者を対象とした健診を実施していない自治体がございます。下側のところでございます。ただ、そうした自治体でも多くの自治体では生活習慣の把握というところは何らかの手段で行われているという状況でございます。赤枠の部分でございます。ただ一部、健診も生活習慣把握も「無し」という形で回答されている自治体もあるというのが実態でございます。
 14ページ、その生活習慣の把握方法でございます。多くは左から2つ目、訪問調査時に把握ということでございますが、一番左側、被保護者数が多い自治体におきましてはアンケート票による把握という割合がやや高めに出ているかなという状況でございます。
 15ページ、令和4年の調査研究事業の中で、生活面の情報収集を行うための標準的なシート案を作成しておりますので御紹介というところでおつけしております。
 16ページは保健指導の実施状況でございます。前回左側のグラフを御紹介しておりますが、右側の健康増進事業の実施部門で保健指導を実施している自治体の中には、福祉事務所にその結果を情報共有されていない自治体も一定数あるという状況でございますので、御報告でございます。
 17ページ、左側は健康管理支援事業の人員体制でございます。保健師・看護師が1名以上在籍というところの割合は2~3割となっております。常勤ではございませんで、何らかの形で関与している方が1名以上ということでございます。
 右側は取組の実施状況でございまして、アのところ、健診受診勧奨というところは8割以上でございますけれども、エの重症化予防になってきますと2割に満たないというのが現状でございます。
 18ページ、令和8年度概算要求の資料でございまして、右下のところに下線部ございます。簡易なアンケート票で介入対象者のスクリーニングを行う取組とか、社会参加や就労・ボランティアへの参加勧奨を行う取組、こういった新規性のある取組を実施する自治体を支援するモデル事業を今要求しているという状況でございます。
 事務局の説明は以上でございます。
○尾形座長 ありがとうございました。
 それでは、ただいまの説明につきまして御意見・御質問等を承りたいと思います。いかがでしょうか。
 では、村杉構成員、どうぞ。
○村杉構成員 日本薬剤師会の村杉でございます。
 まず、資料の14ページに示されております被保護者の生活習慣の把握率が50%、68%と高い点については大きな成果であり、その対応をされていらっしゃる方々に敬意を表します。今後はこの把握情報を健康管理支援や適正受診、医薬品の適正使用などに積極的に活用することが重要だと考えています。施行から5年を迎える被保護者健康管理支援事業については、必要な見直しや課題を役所の庁内及び地域包括ケアシステムの関係者間でしっかりと共有することが極めて重要だと感じているところです。
 また、9ページに示されている現在見直し中の被保護者健康管理支援事業の手引きには大いに期待をしているところです。特に中長期的な視点から自治体が地域の医療資源と連携をして課題解決に取り組む体制の構築は非常に求められていると思いますし、その際に市町村担当者の負担が増えないように、先ほど申し上げた庁内連携を強化するのが不可欠だと思います。
 そのためには、まず、効果を判断できる評価指標を容易に選定したり、参照したりできるようにすること、また新たな取組でケースワーカー等の負担が増えないようにすること、そして、我々もその立場ですけれども、計画策定の段階から地域の専門職の参画や庁内のほかの事業との連携を進めていくことも重要だと御指摘申し上げます。
 私の地元地域薬剤師会でもそうですが、地域薬剤師会では計画策定の段階から関与しているような事例もございますし、今後の好事例の情報共有などを通じて連携を深めていきたいと考えておりますので、よろしくお願いいたします。
 以上です。
○尾形座長 ありがとうございました。
 西岡構成員、どうぞ。
○西岡構成員 西岡です。私自身、今回の論点に関して2点ございます。
 まず、この被保護者健康管理支援事業そのものの枠組みの中長期的な視点というところは非常に重要だと考えておりまして、被保護者健康管理支援事業の中長期的な何を目指すのかという、誰の何をどのように変革していきたいのかということを目指すのかという視点をさらに幾つかの事業の中身ごとにブレークダウンして、今回例えば健診の受診勧奨をやりましょうといったときに、健診の受診勧奨を通じて最終的には何を目指していて、その手前の私たちが計測可能な直接的なアウトカムは何を測っていって、そして、福祉事務所としては何をするべきなのかというようなこと、誰を対象に行っていくのかというような具体的な設計だったり、ガイドが必要かなと思っております。
 実際に健康診断を受けるだけでは健康になりませんし、健康診断は何のために受けるのかというようなことを明示することがなければ、ただ健診を受けましょうという受診勧奨のはがきを送るだけで終わってしまうようなことも容易に想像が可能だと思います。ですので、健康診断を受けるということは、例えば働く世代や若い方々の健康状態、医療機関に通院されていない方々の健康状態を把握するすべが今のところございませんので、訪問のときの聞き取りもそうだと思いますけれども、そういった方々への健診受診の勧奨、そして、庁内の連携を通じてその人、被保護者一人一人、利用者の方の全体像を把握するための一つのツールとして活用していくということは一つの手法だと思います。
 実際に、このように健診を受けられた後に、例えば精査だったり、医療につなげていくことができるのかというようなことも併せてガイドが必要だと思います。さらには一般健診を受けることは大事だと思いますけれども、基本的に一般健診を受けることのエビデンスは十分に集積されていないのが現状ですので、例えばがん検診とか、40歳以上の例えば全ての方々に大腸がん検診は推奨されますけれども、では、被保護者の方々ではがん検診の受診状況はどうなのか、そして、それを促す仕組みはできるのか、それを福祉事務所だけで考えるのではなくて、自治体の事業として行っているものに、どのように被保護者の方々をうまく巻き込んでといいますか、対象範囲に含めていただいて、より注意を払っていただけるかというような庁内の連携も必要なのかなと思います。
 もう一つは、関係部門・関係機関との連携強化のところで、先ほどお話ししたがん検診だったり、健診の枠組みで協力していきましょうということも一つそうなのですけれども、例えば健康づくりの観点においては村杉先生がおっしゃられましたように、地域の例えば薬剤師会さんや医師会さん、歯科医師会さんや看護協会さんとコラボレーションしていく中で、例えば気になったことを福祉事務所と共有する仕組みがうまく活用されて出来上がっていくといいのかなと思っております。
 それに加えて、健康支援の枠組みにおいては、例えば1つの福祉事務所がある市に住まわれている利用者の方が、他市の医療機関を受診される場合に、他市の医療機関さんと当該自治体の職員の方々がやり取りをするというのは、そう簡単なことではないと思っているのです。
 例えばその市の医師会の方々や薬剤師会の方々、歯科医師会の方々とうまく連携をして、このようなことを展開していきたいということを説明することは関係性を構築すれば比較的できると思うのですけれども、例えば隣の市にかかりつけの方々の健康支援を強化したいとした場合に、その市の枠組みでは難しいことがあると思います。なので、周辺の自治体とのコラボレーションということも非常に重要だと思います。もしくはそれをサポートすることができるのは都道府県だと思いますので、都道府県がそのような場を設定していく。そうやって市同士で連携して、例えば医療圏ぐらいの単位で健康管理支援事業を捉えることができるような計画が重要かなと思っております。
 以上です。
○尾形座長 ありがとうございました。
 それでは、横田構成員、お願いします。
○横田構成員 今回の論点につきまして、何点か発言させていただきたいと思います。
 まず、8ページの論点の1つ目のポツにある「健康管理支援」についてですけれども、9ページにも御紹介がありましたが、現在、「被保護者健康管理支援事業の手引き」の見直しの検討をされていると伺っております。その中で示されている資料を拝見すると、気になる点がありました。
 1つ目に、「中長期的な視点での事業企画」という点でございますが、PDCAを回すのは大事だと認識しております。ただ、「健康管理支援事業をどのようにしていくか」という視点から議論をスタートするのではなく、「医療扶助全体の中で健康管理支援事業をどう位置づけるか」という議論からスタートしてほしいと思っています。
 といいますのは、今回の検討会と同様に、医療扶助を適正化していくためには健康管理支援事業だけではなく、適正受診であるとか、医薬品の適正使用、頻回受診など、いろいろな論点がございます。ケースワーカーや福祉事務所が業務を担う中では、どういった優先順位でやっていくのか、全てを100%全部やるというのはなかなか難しいので、優先順位の中で、健康管理支援事業に割けるのは、これぐらいのリソースなので、この取組をしていきましょう、という形の議論をしていかないと、それぞれの業務が肥大化していくのではないかという懸念を持っているところでございます。そういった観点で議論いただければと思っております。
 また、「評価指標の標準化」の部分がございますが、自治体における評価指標の中では当然健康になっていただくことが重要ではあるのですが、厳しい財政状況の中で予算を投入して事業を実施していく中においては、費用対効果は問われてくるところでございます。当然、被保護者の健康を増進していくという説明もするのですが、例えば医療費の適正化が、それによってどの程度できるのかといったところを指摘されることもございますから、健康課題の解決はもちろん重要なのですけれども、費用適正化の効果を示せるような指標を設定していただきたいと思っております。
 もう一つ、評価を進める中において、新たな評価をするための作業が発生するとなると事務手間が増えますから、既存の仕組みの中で集計しているもので評価とみなすとか、そういった対応をしていただかないと、業務のための業務が増えてしまうかなと懸念しているところでございます。
 あと、8ページの論点のポツの2つ目、3つ目の健康状態の把握、また、動機づけ等の部分でございます。そこのところについては、前回の議論にもありましたが、健康についての意識づけが大事でございますけれども、本人が健康管理支援事業を受けるメリットを理解していないと、こちらからアプローチしてもなかなか効果が出ない状況になり、多分ほかの自治体さんも同じだと思っております。
 なので、早期発見の観点から、当然私たちもどんどんアプローチしていくのですが、基本的には全員がこの支援を受けられる、健康診断を受けるとか、そういった仕組みづくりにしていかないと、受けたい人だけ受ける形になってしまうのかなというところもありますので、何とか業務の手間を減らしながら、そういった方向に持っていって、皆様方に健康になっていただくのが大事だと思います。
 対象者も一般の施策をそのまま適用するのではなくて、高齢化していく中において障害のある方であるとか、ひきこもっている方であるとか、生活保護の方々にも、それぞれの状況がありますから、そういった対象者像を踏まえた上で取組を進めていただきたいと思っております。
 8ページの論点のポツの最後の部分、関係機関との連携のところでございます。関係部局の連携は1回目の検討会でも議論に上がりましたが、連携していくのは言葉としてはいいのですけれども、それをどうやって業務の中に落とし込んでいくかというのが、重要な点だと思っております。「連携」というと、あたかもそれで、何か物事がすごい解決をしていく、単に情報交換をすれば何かが解決すると聞こえてしまうのですが、実際の現場の業務になっていくと、連携してどのように改善していくのかであるとか、どういった効果が生まれるのかという部分が見えてこないと、なかなか連携する意味が見いだせず、つまり、かかるコストを考えたときに、なかなか進まないのではないかと思っております。
 生活保護というのは国の制度でありますから、いろいろな一般制度の中に生保の人も含めてやっていただきたいということであれば、省内関係部局の調整をしたうえで厚生労働省の方からそういった形で関係部局に指示をしていただければいいかなと思っております。
 以上でございます。
○尾形座長 ありがとうございました。
 それでは、松本構成員、どうぞ。
○松本構成員 日本看護協会常任理事の松本です。私どもはこの論点に沿って御意見を申し上げたいと思います。
 1点目でございますけれども、各自治体での取組の質の向上や適切な効果評価を図るためには、まずは地域の健康課題を踏まえた計画を策定することが望ましいのではないかと考えます。現在は9ページにお示しいただきましたように、被保護者健康支援事業の手引きを基に実施されていると承知しておりますけれども、自治体の中で福祉と保健と両分野が参画して地域の被保護者の実情に応じた計画を策定した上で実施することで、さらに推進できるのではないかと思います。計画の実効性を高める中で、自治体内での部署横断的な実施体制の構築や目標値の設定、あるいは中長期的な効果検証も可能になるのではないかと思います。
 さらに効果的な健康管理を行うためには、計画だけでなく事業ベースでの各部門間や関係機関との協働による具体的な好事例の収集と横展開が期待されます。トリガーとなる事象やスキームとその取組の効果を検証し、併せて各自治体で広く応用できるよう、周知や普及をしていくことが方策の一つではないかと考えます。
 また、先ほどの論点の2点目、目の前に起きていることを解決するのはすごく大事なのですけれども、予防、さらに重症化予防は医療費全体の費用を抑える意味でも非常に重要でございます。自覚症状がない生活習慣病などでは、健診受診の体制を整えることが重要ですし、受診率の向上を推進するような方策は必要かと思っております。
 4点目でございますけれども、いわゆる保健師の活動指針というのがございまして、これにおきまして自治体保健師は分野横断的に担当地区を決めて保健活動を行う地区担当制の体制の下で、住民や世帯及び地域全体の健康課題を把握し、世帯や地域の健康課題に横断的・包括的に関わって、地域の実情に応じた必要な支援をコーディネートするなど、担当する地区に責任を持った保健活動を推進することが記載されております。すなわち地域住民である被保護者及びその世帯に対して、健康課題に応じた健康の保持・増進、疾病予防を行うことは保健師本来の役割であると言えます。
 また、地域保健法に基づく「地域保健対策の推進に関する基本的な指針」におきまして、全ての自治体には統括保健師を配置することとなっています。統括保健師は地域保健施策の推進を担っており、分野横断的に管内の健康課題を把握し、その解決に向けて保健・医療・福祉・介護などと連携・調整し、地域のケアシステムの構築を図るといった保健活動が有効に機能するようにマネジメントし、自治体内の保健活動の機運を高めていく役割が求められております。ぜひ福祉分野のほうからも被保護者の抱える健康問題を自治体の統括保健師と共有いただき、計画の段階から相談し、協働を図っていただきたいと考えております。
 また、ここの論点以外のところでもということでしたので、子供のことでございます。こども家庭庁におきましても子供の貧困対策としまして子供の学習生活支援など、地域の子供の生活支援強化事業が進められております。地域においては通いの場づくりやアウトリーチによる支援など、多様なメニューがつくられていることは非常に望ましいと考えますが、健康管理やプレコンセプションケアなどの側面からの支援体制は十分ではないと思っております。
 市町村では2024年度からこども家庭センターの設置に努めており、児童福祉機能と母子保健機能を一体的に妊産婦や子育て世帯への支援を行って、早期からの切れ目のない包括的で継続的な支援を実施することになっております。こども家庭センターにおきまして、母子保健機能が十分に発揮され、運動や栄養や睡眠、また、感染症予防といった保健指導が適切に行われることが重要ではないかと思っております。さらに就学後の学校教育との連動も図る必要があるかと思っております。
 以上でございます。
○尾形座長 ありがとうございました。
 それでは、石川構成員、どうぞ。
○石川構成員 兵庫県の石川でございます。私からも何点か申し上げたいと思います。
 まず、8~9ページの辺りですけれども、国において標準的な指標を設定するというのは、ぜひお願いしたいと思っております。ただ、少しだけ留意していただきたいのが、既に独自の方向で今まで何年かやった中で効果的な事業の実施方法を積み上げているような自治体があったりしますので、その辺りへの配慮をお願いしたいということ。
 あと、1期6年という指標が関連してくるのですけれども、小規模な自治体、人数の少ない被保護者の少ないところになってしまうと、6年たつと被保護者が入れ替わってしまって、そこをパーセンテージで指標を示されると、ほぼ意味のない数字になってしまいかねないところがございますので、小規模な自治体にも少し配慮していただけたらと思っております。
 それから、簡易な生活習慣の確認シートというのは、現場で同じ人を見続けているときに同じ指標でずっと評価ができるということですので、これはぜひ活用させていただけたらと思っています。
 あと、連携ですけれども、国保・健康増進部門との連携ということなのですが、うまくいっている自治体はもちろん県内にもあるのですけれども、特にコロナ以降、健康増進部門の役割というのがすごく見直されたりして、ひきこもりでありますとか、あるいは精神の関係、あるいは認定こども園との連携とか、あらゆる福祉の分野から連携を求められているような状況がどうも増進部門にあるということで、さらにこちらの分野にもとなると、どうしても手いっぱいですのでということを言われかねないというところがあって、どちらかというと、健康増進部門がやっている事業にどうやって生活保護のほうもコミットさせていくかというようなことなのだろうと思っております。
 地域の医療機関の方との連携というのは、もう一つハードルが上がるのかなと思っておりまして、なかなか先生方もお忙しい中で、どうやって協力していただける体制が構築できるのかというのは、好事例等があったら幾つか示していただけると、自治体としてはありがたいと思っております。隣の市の病院に行くということは、ケースワーカーのほうがふだんからやっているので、そこはそんなに問題ないかなと思っております。
 私からは以上です。
○尾形座長 ありがとうございました。
 小塩構成員、どうぞ。
○小塩構成員 私も連携についてコメントさせていただきます。私の理解不足によると思うのですけれども、被保護者の健康管理支援事業というものがあります。それと、健康増進法という法律もあります。その両者の関係がよく分かりません。といいますのは、例えば12ページのグラフを拝見すると、被保護者の受診率が8%ぐらいで横ばいとなっており、非常に低い水準で推移しています。それに対して、先ほどの室長のお話だと、国保の人たちの受診率は38%でしたか、かなり高いわけです。健康診断は恐らく健康増進法で定められた仕組みだと思うのですが、生活保護を受けていると、途端に受診の比率が低くなっているというのがあります。それは不合理ではないかなという気がします。
 それから、次のページは市町村レベルのアンケート調査の結果だと思うのですが、右端のところで健康診断も実施していないし、生活習慣も把握していないというところが16%ぐらいあるわけです。だから、両方の制度的な仕組みで抜け落ちている人が結構いるわけです。抜け落ちている人たちは多分疾病リスクも高いと思うのですけれども、そういう可能性を考えると、先ほどのお話だと健康増進法で仕事をされている部署はもう手いっぱいで大変だという御指摘がありましたけれども、本来でしたらもう少し役割を見直して、生活保護を受けている人、受けていない人に関係なく健康診断を受けられるようにする仕組み仕組みがあっていいのではないかなと思います。
 2つの仕組み、つまり健康管理支援事業と健康増進法があるのは結構なのですけれども、両方の役割分担、連携がうまくいっていないので、そこから抜け落ちる人が出てくる面があるような気がしてなりません。全ての人が健康増進法のメリットを受けられるという仕組みに変えていく必要があるのではないかと思いました。両方の制度の関係を十分理解していないので的外れなことを申し上げたかもしれないので、的外れでしたら直していただきたいのです、そのように思いました。
 以上です。
○尾形座長 ありがとうございました。
 これは事務局から制度的なところについて補足していただけますか。
○小川保護事業室長 まず一つ、健康増進事業でございますけれども、生活保護受給者に関する健診の受診と、その結果を踏まえた保健指導につきましては、健康増進法に基づく健康増進事業として、こちらは自治体の努力義務という形になっておりますので必須ではないという状況です。医療保険の公的保険のほうでは各保険者の義務として健診の実施と保健指導の実施というところでかかってくると思いますけれども、制度的にいうと少し違うという状況がございます。
 その上で、健診やそれを踏まえた保健指導、特定保健指導的な保健指導とか、そういったところ以外に生活保護受給者の方がいろいろな健康課題、また、生活課題を抱えておられますので、そういったところを見ていく事業としまして被保護者健康管理支援事業、これは必須事業、各福祉事務所で必ずやってくださいという事業としてやっておるというのが一応関係性ではございます。
 ただ、ここは説明が整理して説明できていないとか、理解されていてもうまく連携されていないところがあろうかと思いますので、次回もそういうところ、この辺が抜けているのではないかというところを分かりやすく整理した上でお示したいと思います。
○尾形座長 先ほどの国保の38%というのは特定健診の受診率ということですね。
○小川保護事業室長 特定健診です。
○尾形座長 分かりました。
 ほかはいかがでしょうか。
 今村構成員、どうぞ。
○今村構成員 今の小塩構成員の質問に加えてというか、先ほどもいろいろなお話が出ていますが連携の部分、先ほど小塩構成員のほうから健康増進法と被保護者健康管理支援事業との関係が分かりにくいと言われて、実はこの手の施策をするに当たって、先ほど子ども家庭センターという、私は初めて聞いたのですけれども、例えばそこは多分こども基本法との関係でできている部分の施策と、恐らくお子さんになると少し関係が出てくるというようなお話でした。
 また、行政のほうは行政のほうで健康増進部門でやっていることとここら辺が重複するというようなお話もありました。医療の世界では今、いわゆる新たな地域医療構想で議論されている部分で、例えば医療介護連携というのが今回大事なポイントになっています。医療介護連携というと、今まではどちらかというと高齢者の医療介護連携、ただ、今回の地域医療構想では、そこにたしか小児、精神、それから、周産期といったものが入ります。そうしますと、精神が入ってくると、もしくは小児は医療的ケア児、それから、小児の精神、そうすると、ここも一部重複して多分これと関係してくるのかな。
 先ほど整理されるといった部分においては、関係する様々な施策と重なる部分がどれぐらいの施策とどのように重なるかというのを少し整理していただければなと、今から恐らく行政のほうはますます人が足りないけれども、やることがいろいろと押しつけられていく。少し整理して、協力してできる部分は協力できる仕組みをつくっておかないと、現場もいろいろな押しつけだし、行政は行政でという、連携という言葉の中で実は連携ができなくなっていく可能性があると思いますので、少しここら辺をまとめていただければと、ぜひよろしくお願いします。
○尾形座長 ありがとうございました。
 ごもっともな御意見だと思いますので、次回、資料の形で少しまとめていただければと思います。
 西岡構成員、どうぞ。
○西岡構成員 1点だけ補足させていただいて、僕の伝え方が悪かったかもしれないですが、石川さんのお話をお伺いしまして、隣の市にケースワーカーの方々が医療機関に行かれて、いろいろ御議論されるとか、お話を聞かれるのは重々承知しておりまして、よくされると思います。例えば各市の福祉事務所がこういった健診受診勧奨の事業をやりたい、もしくは重複だったり、多剤だったり、いろいろな医療扶助適正化に向けた取組をやりたいということを例えば地区の医師会さんだったりとか、歯科医師会さんだったりとか、薬剤師会さんだったりとかと協力するときに、他市の医師会さんのところまで出向いて御説明をさしあげるというのは、なかなか難しい状況があるのかなと思っているところです。
 ですので、発展的な話かもしれませんけれども、例えばオーラルフレイルに関する取組をやりたいのだということで、歯科医師会さんと連携したいというときに、自分の自治体だとできますけれども、そこは協力関係が築けていればできると思いますし、ただ、隣の市に自分の自治体の被保護者の多くの方々が受診されている状況で、その働きかけがどれぐらいできるかと言われると、なかなか難しいところもあるのかなという点で、医療圏単位でというのはそういう意味で申し上げました。補足でした。
○尾形座長 ありがとうございました。
 ほかはいかがでしょうか。
 それでは、東大阪市の西田構成員代理、どうぞ。
○西田様 東大阪市役所生活支援部の西田でございます。本日は竹内の代理ということで出席させていただいております。よろしくお願いします。
 先ほど12ページのところで生活保護のほうと健康保険のほうで特定健診の受診に差があるという話がございました。そのところで我々の事務所のほうで考えている理由をこの機会ですので御説明させていただきたいと思います。
 資料の3ページの生活保護受給者の状況の2つ目の○でございます。そこで糖尿病など生活習慣病の罹患率が高いという部分がございます。生活習慣病の罹患率が高いということは我々の市でも60~70%ぐらいは罹患しているという結果になっているのですけれども、こういった方々につきましては医療機関に既につながっていることが多いという状況で、特定健診で検査をするような項目というのは検査を既にしているということがありまして、特定健診については受けなくてもいいのではないかという被保護者の意識とか、こういったものがあるのではないかと考えております。その辺り、我々もどのようにアプローチしていくかというところを悩んでいるところなのですけれども、そこはまた検討の中に入れていただくという形でお願いできたらと思います。
 もう1点、健康部局との連携というところも先ほどからお話が出ていると思います。我々のほうも健康部局とは話をして進めて、結果、保健指導のほうとかは話をして進めている状況ですけれども、なかなか被保護者の方が乗ってこないというか、応じないところがございます。その部分をどのように対応していくかというところは、先ほどの手引きの改正とかもございますので、その辺の視点も入れていただくことも検討いただければと考えております。
 以上です。
○尾形座長 ありがとうございました。
 それでは、石川構成員、どうぞ。
○石川構成員 私からも少し補足でございます。行政の健康増進部門が業務で手いっぱいという話を先ほどさせていただきました。次回の資料でその整理が行われるということですが、法律上の整理はそれはそれとして、保護の現場に行くと、生活保護に入っている人はケースワーカーが全ての面倒を見るという、長年の縦割りの弊害なのでしょうけれども、そうなってしまっている現実があることは御理解いただけたらと思っております。
 以上です。
○尾形座長 ありがとうございました。
 ほかはいかがでしょうか。よろしいですか。
 それでは、特にほかに御意見・御質問がないようですので、本件は以上としたいと思います。
 続きまして「各論2(医薬品の適正使用や適正受診に向けた取組等)」につきまして、これも事務局のほうから資料の説明をお願いいたします。
○小川保護事業室長 資料の19ページ以降、まずは医薬品の適正使用から御説明いたします。
 20ページ、医薬品の適正使用関係の現状・課題でございます。表にありますように、向精神薬の重複投薬対策、医薬品全般の対策と順次進めてきております。重複投薬対策でございますが改善率が5割前後、特に向精神薬では近年下降傾向という状況でございます。多剤投与対策では指導対象者の抽出基準、現在同一月内に15剤以上としておりますけれども、これが適切ではないとの御指摘、他方で、昨年末の大臣折衝事項の中では、より多くの対象者への指導を検討とされておるという状況でございます。重複・多剤ともケースワーカー等が指導されているケースが多いという状況もございます。
 21~22ページと論点が2ページございます。
 21ページ、まず、医薬品は副作用のリスクを併せ持つというところ、特に高齢者では多剤服用によるポリファーマシーに陥りやすいこと、そういったことを踏まえまして福祉事務所による対策を強化していくことが重要とした上で論点を4点挙げております。
 1点目、多剤のアプローチ対象者でございます。学会のガイドラインでは、6種類以上の投薬で薬物有害事象のリスクが増加するといった指摘もあるところ、対象者をどう考えるか。
 2点目、対象者のアプローチ方法でございます。国保の保健事業などでは対面による指導のほか、一定基準に該当する方々に対しまして通知を発送するといった手法も活用されているところ、アプローチ方法をどう考えるか。
 3点目、アプローチの優先順位づけでございます。剤数以外の情報の活用の在り方についてもどう考えるかといったところがあるかと思います。
 4点目、先ほども議論がございましたが、福祉事務所の事務負担が増えてまいります。これをどのように軽減していくかというところも大きな論点かなと思っております。
 22ページ、まず冒頭、福祉事務所による対策、これを強化していくとしましても、どうしても後追いとならざるを得ないところがございます。受診時、薬局利用時に服薬状況を確認して、効率的・効果的に対応できる、そういった環境整備が重要ではないかとした上で論点を3点挙げております。
 1点目、これまで実施されてきた事業、例えば薬局の1か所化やお薬手帳の活用、こうした取組のさらなる拡大についてどう考えるか。
 2点目、医療DXの活用としまして、例えば電子処方箋の重複投薬等チェックといった機能もございます。この活用等についてどう考えていくか。
 3点目、診療報酬の中でもポリファーマシー対策関連の評価というところがございます。これについてどのように活用していくか、どう考えていくかというところもあると思っております。
 23ページは前回の御議論でございまして、24ページ以降が補足資料でございます。
 24ページ、中医協の資料でございますが、ポリファーマシーに係る基礎資料ということでございます。
 25ページ、これは厚労省の中の医薬局におけるポリファーマシー対策の取組状況ということでございます。
 26ページ、第4期医療費適正化計画、現行計画でございますが、この策定に向けまして厚労省で示している基本方針の内容でございます。赤枠でございますが、高齢者に対する6種類以上の投与を目安として取り組むという記載があるところでございます。
 27ページ、これは国保の保健事業の事例でございます。一定の条件に該当した方々に対しまして通知を発送する。また、その中でも一部の方に対しては訪問指導を実施していくと、組み合わせて実施されている事例ということでございます。
 28~29ページは福祉事務所、生活保護分野における取組でございます。
 28ページは指定都市の事例でございますが、左上にありますように、この自治体は保健師との連携、医療扶助のデータヘルス計画の策定と、かなり積極的に取り組まれている自治体でございます。
 左下、指導対象者選定というところにありますように、剤数のみならず、薬学的なリスク評価に基づきまして優先順位づけを工夫していくといったことも実施されております。ただ、この背景でございますが、一番下にありますとおり、国の基準15剤以上では対象者が多すぎるといったところから、一旦は18剤以上で実施したという経緯もございます。その上で、薬学的リスクの評価で少し優先順位づけをしていくと変えていったという経緯もございます。抽出基準、優先順位づけに苦慮しているのが実情とヒアリングの中でお聞きをしております。
 29ページ、これは一般市の事例でございます。右上のほうに「指導における工夫」とございますが、薬局の1か所化、お薬手帳、いずれも難しい場合には訪問薬剤管理指導を調整していくといった形で段階的な指導を実施されている事例でございます。
 30ページ、電子処方箋の概要、上のほうの四角囲みの3行目でございますが、重複投薬等チェックといったものが機能するようになっているという状況でございます。
 31ページにありますように、電子処方箋は当然医療扶助の方でも対応しております。医療扶助のほうでは匠委託・未委託といった取扱いで医療保険とは異なる部分がございますけれども、仮に委託されていない薬局を飛び込みで利用された場合でも、福祉事務所のほうと連携いただきまして、受給者番号などをシステムに入力いただきましたら、重複投薬等チェック、利用可能と聞いておりますので、こうしたものの活用もあるのではないかというところで資料をおつけしております。
 32ページ以降、適正受診に向けた取組等でございます。
 33ページは現状・課題でございます。表のとおりでございますが、頻回受診対策、長期入院対策、頻回転院対策等を実施してきておるという状況でございます。いずれの取組も下のほうに文章でまとめておりますが、福祉事務所側の認識としまして、既に取組が進んできており、指導対象者自体が少なくなっているとか、指導対象者への指導が困難であるといったような御指摘がある状況でございます。特に頻回受診に関しましては、令和4年の頃から、孤独や医師への依存など、こういった背景もあるのではないかとか、あと、医療機関以外の多様な居場所につなぐことも含めた対応が必要ではないかといった御指摘をいただいておりますが、実際にこうした取組を実施している自治体はまだまだ少数といったところが実態でございます。
 34~35ページとして論点をまとめております。
 34ページ、まず、上段でございますが福祉事務所による頻回受診対策でございます。受診行動の背景にある課題、孤独や医師への依存等に応じた適切な自立支援・生活支援の観点を含めまして取組を強化していくことが重要とした上で論点を3点記載しております。
 1点目、頻回受診に対する効果的なアプローチ方法、例えば多様な社会参加への案内・勧奨・つなぎを例示しております。
 2点目、こうした頻回受診の傾向にある方を早期に把握していくという取組、例えばオンライン資格確認システムの実績ログ機能というものもございます。この活用も進んできておりますので、こういったものがあり得るのではないかというところで例示をしております。
 3点目、早期に把握した後のアプローチの方法というところで、いきなり指導に入る前に、例えば受診理由や受診行動の背景にある課題の確認、こういったものもあり得るのではないかというところで例示をしております。
 下段でございますけれども、長期入院対策や頻回転院対策の関係でございまして、これは本人への適切な指導はもとより、退院後の受入体制の確保が不可欠というところで、地域の関係機関との連携体制の構築が重要、各種施設や精神保健福祉分野との連携推進を論点としております。
 35ページ、医薬品の適正使用や適正受診全般に関するその他の論点でございます。
 まず、上段でございますけれども、福祉事務所の限られた人的体制等を前提に、効率的・効果的に事業を実施できるような枠組みを国として整備していくことが重要ではないかとした上で、健康管理支援事業との一体的な運営とか、指導対象者が少ない取組の停止・中断、こういったものも含めた取組の重点化を可能とする枠組み、こういった論点を挙げておるところでございます。
 下段は従来の取組ではなく、新たな取組を念頭に置いた論点としまして、実態把握、課題・要因の分析を経て必要な対策を講じていくことが重要とした上で、論点を3点ほど挙げております。
 1点目、頻回受診のみならず、適切な健康管理や医療機関の負担軽減等の観点から、例えば上手な医療のかかり方のような適正な受診行動を促す取組についてどう考えるか。
 2点目、算定回数や1件当たり請求金額等が大幅に増加している給付、例えば前回も医療扶助における訪問看護について御指摘がありましたが、こういったものの実態把握を進めることについてどう考えるか。
 3点目、NDBなどのデータ分析結果といった各種エビデンスに基づきまして、給付に係る一定のルール・基準を検討していくことについてどう考えるかといった形で論点を設定させていただいています。
 36ページは前回の御議論、37ページ以降が補足資料でございます。
 37ページ、独居、就労なし、社会とのつながりが薄い状態にあるような方々で、頻回受診の傾向はやや高いといったような研究結果もありますのでお示しをしております。
 38ページ、いわゆる社会的処方の考え方でございます。医療機関におきまして社会的な課題を発見した際に、地域の社会資源を活用しつつ課題解決を進めるといったような考え方がございます。実際に医療保険の分野でございますと、かかりつけ医と保険者、自治体が連携して、社会的な課題を抱える方を社会資源につなぐような取組も実施されているという状況でございます。
 39ページ、医薬品の適正使用や適正受診の関係、健康管理支援事業とは別に医療扶助適正化等事業という事業がございまして、その概要の資料をおつけしております。
 40~42ページは訪問看護の関係でございます。
 40ページ、中医協の資料でございますけれども、近年、左側のグラフでございますが訪問看護事業所が増加している。右側のグラフでございますが特に営利法人で増加が著しいという状況でございます。
 41ページ、そうした中で、生活保護受給者における訪問看護の利用状況でございます。医療扶助が青のところ、介護扶助が赤のところ、いずれも増加傾向でございます。
 42ページ、その上で、レセプト1件当たりの金額でございます。こちらは医療扶助のほうで増加傾向が見られる状況でございます。
 43ページ、第4期医療費適正化計画の概要資料ということで、左側の中ほど、医療資源の効果的・効率的な活用というところで新たな項目が追加され、検討と取組が進められているといった状況でございます。
 事務局の説明は以上でございます。
○尾形座長 ありがとうございました。
 それでは、ただいまの説明につきまして御意見・御質問等を承りたいと思います。
 西岡構成員、どうぞ。
○西岡構成員 2の(1)と(2)があると思いますので、それぞれ順番にお話しさせていただいてよろしいでしょうか。
 まず、2の(1)の医薬品の適正使用に向けた取組のことに関しては、論点が非常に複数重なっているのではないかなと思っております。例えばポリファーマシー、多剤の対策を行うことは一人一人の健康な暮らしを考えると重要で必須の取組だと思います。実際に医療扶助や医療費適正化というような枠組みの中では有効な取組だと思うのですが、処方をするのは医師であり歯科医師であり、調剤をするのは薬剤師であるという構造がある以上、福祉事務所がこれにどれだけ取り組むのかということに関しては、もう一つ別の論点になるのだろうと思います。
 前回の議論にもあったかと思いますけれども、医師が必要だと思って処方をしていて、そして、重要な薬剤だからということで、薬物相互作用等に配慮して薬剤師が調剤したものに福祉事務所が多剤だからということで口を出せるのかと言われると、なかなか難しい構造をはらんでいると認識をしています。
 ですので、実際にほかの自治体さんがやられているように、この薬の飲み合わせは確実によくないだろうということ、1か所の薬局にかかってくれているといいのですが、そういう形がなされていない場合において、それを把握できる仕組みは医療扶助のレセしかないわけで、医療扶助のレセプトから薬物相互作用上禁忌である、もしくは併用注意であるというような薬剤の組み合わせがある被保護者を優先的に抽出するようなアルゴリズムを開発して、そこからこの人は多剤対策、もしくは重複対策が必要ですというアラートを出す仕組みにして優先順位づけをしなければ、福祉事務所の取組としてはなかなかうまくいかないのだろうなと思っております。
 実際、それは従来進めてこられた薬局の一本化というようなこと、お薬手帳の1冊にまとめること、そういったことも併せて重点的に取り組むべき課題かなと思って伺っておりました。
 2つ目の2の(2)の適正受診に向けた取組というところに関して、今回も資料の中に挙げていただいておりますけれども、どうしても医療費が無料だということになると、2点の課題が生じることが知られていると思います。一つはモラルハザードと言われて、ニーズがあまりないのに受診行動してしまう、ここが注目されがちなのですが、もう一つは誘発需要、自己負担がない分、医療機関、もしくは今回の訪問看護も近しい部分がもしかしたら構造として存在しているかもしれませんけれども、やや過剰なニーズに合わない医療が提供されてしまうという2つの課題が、一般論として無料の弊害としてあると認識されていると思います。
 この誘発需要の存在は個人の指導ではどうしようもありませんから、何回も何回も病院に行って何回も何回も訪問看護を受けてはよくないですというようなことを個人に指導したとしても、そこに誘発需要が存在している場合には、ここの構造にアプローチしないと、あまり大きな成果を得られないと認識しますので、そこに対して実態の調査だったりとか、給付ルールの基準決めだったりとか、そういったことを厚生局とか、都道府県がイニシアチブを取ってやってもらえるようになっていくといいのではないかと思います。
 そうでなければ、例えば今回資料として上がっていますけれども、医療扶助による訪問看護というところが、もし、そこにフォーカスが当たってしまえば、それこそ適正な形で実施をして真面目に取り組んでいる訪問看護事業所も不利をこうむるわけですので、その辺りの実態を丁寧に把握していくことが非常に重要だと思います。
 以上です。
○尾形座長 ありがとうございました。
 それでは、横田構成員、どうぞ。
○横田構成員 今回の論点について、たくさんありますから、それぞれのページにつきましてコメントさせていただければと思っております。
 まず、21ページの論点でございます。そこのところにつきましては、2点発言させていただきます。
 1点目は、アプローチの在り方、また、対象者像の在り方です。論点が記載されておりますが、そもそも、ほかの制度と合わせて取組をするとしても、被保護者の特徴を捉えた上で、やる必要があるのではないかなと思っております。
 例えば、前回の検討会でも議論になりましたが、何らかのアプローチをすることは重要なのですが、対象者自身の危機意識とか病識が一番問題になってくるところです。実際のケースワークの中で、例えば、お薬手帳を持ってきてくださいと幾ら言っても持ってこないパターンがあり、十分伝えても理解いただけない。また、薬剤情報提供書をあまり読まずに多量に服薬してしまうとか、そういった課題もあったりします。また、向精神薬については、薬がないと不安なのでたくさん飲んでしまうといったケースがあります。
 また、先ほどの検討会の構成員の指摘もありましたけれども、窓口での精算がないので、負担感なく薬がなくなったのでもらいに来てしまうという状況があるのではないか。そういった状況がある中で、どのようにアプローチしていくのかというのを考えていく必要があるのかなと思っております。
 アプローチ方法で、例えば、国保事業や一体的実施の関係で通知の発送というものがありました。その通知の発送において、国保事業や一体的実施やっていただいている通知が、どの程度効果があるのか、一自治体ではなかなか見るところができないので、それを示していただければすごくありがたいと思っています。
 というのは、一般の制度とは異なる特徴がありまして、例えば、通知を送っても見ないパターンもありますし、そもそも内容が理解しにくいといったパターンも一定数ありますので、こちらとしては「送ったら内容は分かるでしょう」とするのではなくて、生活保護の対象者像を捉えた上で、通知に効果があるのかというのを見ていただく必要があるのかなと思っております。これが2点目でございます。
 もし、仮に通知に効果があるとした場合、私どもが行っている訪問調査の際に、健康状況等をヒアリングしておりますけれども、通知のほうが効果があるのであれば、既存の限られた資源を有効に分配するために、通知のほうにヒアリングの労力を振り分けてしまうという方法も考えられるので、自治体のほうでも様々な試行錯誤をしながら業務の振り分けをやっていますから、どういった効果があるのかを示していただければと思っております。それが21ページの関係です。
 22ページのほうの論点につきましても、2点述べさせていただきます。
 薬局の一本化の話が、例示としてありまして、先ほどのお話もありました。29ページで、実際にやられている自治体もあると教えていただきましたが、現状、本市でそういったことをやると、かなりの反発があると思っております。
 薬局を一本化してくださいということをお願いしても、お願いベースになってしまうということ、また、かかっているのが一つの医療機関ではなく、例えば整形とか、内科とか、耳鼻科とか、精神科、いろいろなところにかかっている中で、かかったところの近くのいわゆる門前薬局みたいなところでお薬をもらう、そういったことが習慣化していると思われます。いろいろな診療所に行っているのに、指定された1か所の薬局だけでもらってくださいということにしてしまうと、被保護者の移動の負担についてどう説明するか、なかなか苦慮するのかなと考えています。法令による指導権限などがないので、なぜそういう指導をするのかということについて、被保護者にどう理解いただくかというのは大事な点であると思っております。
 また、お薬手帳の活用も、はなかなか難しいところがあります。例えば、精神疾患のある方には個人情報に敏感な方もいらっしゃいますし、ここの薬局ではないと、この場所ではないと、というこだわりの強い被保護者などもいらっしゃいますから、それを机上の議論で一本化していくとしたとしても、現場レベルに落としていくと、なかなか難しいところがあります。それには、例えば、法令上の指導権限であるとか、本人の行動に結びつくインセンティブであるとか、そういったものを設けていただきたいと思っております。
 あと、そこの論点の医療DXにつきましては、ぜひとも効率化を進めていただきたいと思っております。先日の検討会でも発言させていただきましたが、オンライン資格確認と同じで、過渡期の対応は重要になってくるので、例えば、期限を区切って移行してしまうとか、過渡期をなるべく減らしていただく努力をしていただきたいと思っているところでございます。
 次に34ページの論点でございます。こちらについても、2点発言させていただきます。
 1点目は、受診者のアプローチの方法の中で、多様な社会参加の内容につないでいくという議論があります。こういったところも、ケースワーカーがどこまで対応していくのかというのが、一番大事になってくるのかなと思います。つまり、受診行動や受診理由は人それぞれであるので、ケースワークの中で聞き取っていますけれども、それは限度があって、どこまで掘り下げていくのかというところがあると思います。
 80世帯以上を抱えているケースワーカーが数多くいる中で、個々人にどこまで深く入っていくのか、そして、つなぐというのも、どっかでポンと投げればいいわけではなくて、それぞれに応じた社会資源を全て把握した上で、ここにつないでいくというところを、どこまでケースワーカーができるのかということがありますから、ケースワーカー業務としてやるというよりは、何か別の形でやっていただけないかと思っているところであります。
 2点目は、頻回受診の話でございます。マイナ保険証が導入されて、被保護者は利用がすごく便利になったのかなと思っております。そして、結果として、実際には、福祉事務所への事前連絡なく、受診してしまうパターンも起こり得ています。なので、実際に利用しやすくなってきている中で、頻回受診も起こっている可能性もありますから、そこの分析も必要なのかなと思っております。外形的に、医師が必要だということで処方しているパターンもありますし、医師も応召義務がありますから、来てしまったら受診せざるを得ないという状況があるので、本人だけの問題でもないし、医療機関だけの問題でもないと思います。なぜこういう頻回受診が起こってしまうのか、というところについても、分析が必要なのかなと思っておりますので、よろしくお願いしたいと思っております。
 次に35ページの論点でございます。そちらについても、2点あります。
 1つ目は、先ほどの訪問看護の関係の資料40~41ページを出していただき、ありがとうございます。このグラフの推移は、何かいびつな形だと思われるので、分析が必要だと思います。一般的に、指定医療機関の監査は、各自治体がやっていますけれども、自治体の中で全ての診療内容を見るのは難しく、一般診療と生保の診療を比較しながら分析するのは、なかなか難しいところでございます。市が一般指導に行く際、ぜひ厚生局さんに一緒に来ていただいて全体を見て監査をする形で、自治体のみならず国の支援もいただきながら、適正な診療ができているのかどうか、医療機関がやっているのかどうかを確認していければと思います。
 2点目は、全般の話でございますけれども、先ほどは国保の話とか一体的実施の話でありましたが、後期高齢者もそうですが、医療保険の事業については、市レベルの事業と県レベルの事業で、それぞれ保険者の取組をしております。そういった形で、もし、保険事業を引用するならば、県でやっていただく事業と市でやる事業は分けた上で、広域的な調整のほか、全体的な周知啓発や普及は市ではなくて県に全体的にやっていただいたほうが、コストや対象者に対する訴求もしやすいと思います。被保護者も、ある市から別の市に移動してしまうパターンもいろいろあります。県レベルでどのようにやっていただくかという視点が大事だと思っておりますので、その点も考えていただければと思っております。
 以上でございます。
○尾形座長 ありがとうございました。
 それでは、石川構成員、どうぞ。
○石川構成員 私からも何点か申し上げます。
 医薬品の適正化についてですけれども、この点に関して、県内でアプローチに困っているという話はそんなに聞こえてこない状況でございます。それよりも、15剤ということなので機械的に抽出できるのですけれども、指導対象にする人かどうかということの判別がとにかく大変だと聞いております。特に人口の多いところ、被保護者の多い自治体ではかなりの人数になってくるので、ますます選別が難しくなってくるということなので、これにつきましては先ほどもありましたけれども、アルゴリズムで比較的簡単にこの人は指導対象ですというようなことができるようにさえしていただければ、現場はそんなに大変にならないのかなと思っております。
 それから、適正受診の取組ですけれども、これにつきましては何年か前と比べると、かなり改善されてきていると県内の状況を認識しておりますので、基本的には監査で確認するぐらいの取組でもいいのかなと思っております。
 頻回受診で多様な社会参加への案内というところとか、受診理由・背景の確認というのは先ほどもありましたけれども、多くても1か月に1回、普通3か月に1回とか、6か月に1回とか、訪問するケースワーカーがどこまでこれを把握できるのかというと、かなり疑問なところがあります。そうは言いながらも、何らかの形で社会につながっていただいたらいいと思いますので、どちらかというと、就労支援、就労準備のほうに親和性が高いのではないかなと思っております。就労支援員さんの役割をここまで広げるか、いっそのこと名前を就労社会参加支援員にしてしまう形で、こういう方にアプローチをしていただけると、比較的つながる方はつながるのではないかなと思っています。
 それから、救護施設との連携強化とか、生活保護の調整会議の活用、この辺りのことは調整会議と名づけるかどうかは別にしても、現場では実際には困っている方への取組がされておりますので、その辺りも監査での確認ということぐらいにしてしまってもいいのかなと思っております。
 あと、35ページのほうで上手な医療のかかり方、一旦やってみるということには意義があるかなと思っています。
 それから、訪問看護につきましては、しばらく実態を把握しながら現状を見ないと、これから独り暮らしの高齢者の方、今でも多いのですけれども、ますます増えてくる状況ですので、ここは実態を把握しながら状況を見ていくことが必要になるのだろうと思っております。
 以上です。
○尾形座長 ありがとうございました。
 それでは、西田構成員代理、どうぞ。
○西田様 何点か、今の福祉部署の実態ということでお話しさせていただければと思います。
 まず、21ページの医薬品の適正使用というところでございますが、本市でも昨年度から取組を進めているところでございます。ただ、通知上は15種類ということですけれども、15種類にすると、かなりたくさんの方がいるということで、30種類以上ということで抽出をして取組を進めているところなのですけれども、医薬品のことに関してケースワーカーの知識が追いついていない状況がありますので、例えば28ページの指定都市様がされておりますケースワーカーの業務支援のリーフレットのようなものがありまして、それを業務に活用できるということであれば、もう少しいろいろと進んでいくものがあるのではないかなということも考えられますので、その辺を御検討いただければと考えております。
 次、22ページに薬局の1か所化の取組というものが書かれております。実は東大阪市は市長をトップとした生活の適正化という取組の中で、今、この取組を実は推進をさせていただいております。やり方としましては、保護の申請とかがあったときに、薬局もしていただくという形、当然もともと薬局に伺っていない方もおられますので、そういった方につきましては、後日になるのですけれども、基本的には登録をしたところで薬をもらっていただくという取組をしておりまして、生活保護受給者の中で約80%の方に登録をいただいている状況です。
 ほかの薬局でもらう場合はケースワーカーのほうに御相談いただいて認めていく場合もあるのですけれども、基本的には登録をしたところでもらっていただくという取組を医師会様、薬剤師会様、歯科医師会様の御協力の下、今やっているところで、一定うまく進んでいるところかなと考えております。
 もう1点、訪問看護の話が出ていましたので、我々の市で取り組んでいることを少し御説明させていただければと思います。特に今の実態としまして、有料老人ホームとか、サービスつき高齢者住宅とか、ああいったところで訪問看護がほぼ毎日入っている状況が過去に見られたことがございました。医療のほうです。本当にセットではないかというぐらいの現状も実はあったということで、東大阪市の取組としましてはヒアリングシートというものをつくりまして、まず、本人の状態を確認する。ここは国の予算を使わせていただいて、看護士等の資格を持つ方なのですけれども、医療の適正化推進員というものを配置させていただいて、本人の状況を確認させていただきました。
 まず、訪問看護が必要かどうかということ、当然必要な場合は使っていただくのが前提なのですけれども、必要性に疑義があれば、特別指示書であったりとか、ああいう関係書類を提出いただいてチェックをさせていただいて、当然、我々のケースワーカーではなかなか判断ができないということはもちろんですので嘱託医様の力を借りながら必要性を判断して適用するようにしているという取組をさせていただいているところです。これを我々の市でも推進していかないといけないと考えているところです。
 以上でございます。
○尾形座長 ありがとうございました。
 それでは、松本構成員、どうぞ。
○松本構成員 まず1点目、21ページにお示しいただきましたポリファーマシーの件でございます。こちらは専門家の方がお出でになりますので、私から申し上げるまでもないと思いますけれども、ふらつきがあったり、物忘れがあったり、尿漏れがあったり、ふらつきからの転倒や骨折がある、こういうのは薬が原因となっていることも多くございます。ケースワーカーさんなどが接せられる場面のイベントベースでそういうリスクを把握いただき、そういった場合について薬剤の使用がどうなのかということを見ていただくような、いわゆるイベントベースの考え方でケースワーカーさんなどに御対応いただくのも効率的なやり方ではないかと思います。
  また、44~45ページ、医療扶助における訪問看護のところが出ておりますけれども、被保護者における訪問看護に係る1件当たりの費用が増加している要因に関しては、年齢区分や、原因疾患別に理由を検討することが重要であると思います。ただ、このような状況は訪問看護に限ったことなのかどうか、全体像を踏まえて幅広く検討する必要があるのではないかと思っております。必要な方へ必要なケアを提供するという観点からは、救護施設や保護施設などにおける医療扶助の実態や、主治医による訪問看護指示書と訪問看護事業所によるケア提供の実態などを踏まえて、対策を講じる必要があるのではないかと思っております。
 以上でございます。
○尾形座長 ありがとうございました。
 村杉構成員、どうぞ。
○村杉構成員 まず、医薬品の適正使用に向けた取組ということで、21ページの論点に沿って幾つか意見を申し上げます。
 まず、多剤投与の対策についてですけれども、その抽出基準は様々御意見がありましたが、単に15剤、20剤、30剤というような剤数のみで判断をしていくと、なぜ多剤になっているのかというような要因の分析も欠いているわけですし、剤数が多いこと自体も問題かもしれませんが、多くても医療上は必要なケース等々もございますので、それをわざわざ抽出するのかということになります。
 ですので、前回も御指摘を申し上げましたけれども、例えば複数医療機関を受診しているであるとか、抗コリン作用や転倒など特定の副作用リスクを有する薬剤を複数使用しているという視点での抽出の方が合理的だと思います。恐らくそのような抽出を考えること自体は現場で働いている薬剤師としては負担のかかるものではないと思います。いずれにしても抽出作業に点については、アルゴリズムですとか、様々な手引きなどに書き込んでいって、現場の負担を少なくするなど対応が必要になってくるのではないかと思います。
 次に、アプローチの方法でございます。重複とか多剤の投薬者の対応について、通知の発送を行うというような例が示されているところですが、これは先ほども構成員から御指摘がありましたように通知を送るのが目的ではございません。通知を送ることによって、通知後に行動変容を促すような取組が非常に重要ということです。では、それはどうするのかということですけれども、それは地域によって様々な特徴ですとか、背景があろうかとは思います。
 私の地元でも行っており、これは一体的実施で行っているのですけれども、剤数を示したものを御提供して、薬局に相談に来てくださいというような案内をしています。服用していること自体が不安ではないですかとか、少し気になる副作用はありませんかとか、飲み合わせはどうですかとか、今後も含めてずっと継続して服用することに対して何か不安になっていることはありませんか、などそういうようなものを年に一度ぐらいは普段利用している薬局に相談してみませんかというようなアプローチをしている内容でございます。
 いわゆる通知を発送するというのはスタート地点でございまして、当然のことながら、誰に発送するのかということを検討していくのは前段階として非常に重要なのですけれども、送った後にどのように形になっているのかというのが必要なります。ですので、当市の場合については、薬局に実際に相談に来られる方について、どのような目的で来られていたのか、どのような年代なのか、どれぐらいの剤数を服用していらっしゃったのかというのを分析して市のほうにフィードバックをして、次の展開につなげられるような取組を行っています。
 少し補足を申し上げますが、多剤の通知については単年で解決するものもございます。極めてハイリスクな飲み合わせ等がある場合については速やかに改善しないといけませんので介入いたします。ただ、剤数が多いことについては本人がどのような理解を持っているのか、どのような暮らしを送りたいのか、そういうようなことについての丁寧な聞き取りをせずに、ただ、駄目ですとか、減らしましょう、減るといいですね、といった対応はあまり効果がありませんので、通知を送った後の介入をしっかりと考えていくことが必要だと思います。この辺りについても様々な手引きなどで具体的に事例やいわゆる好事例などをしっかりと提供していくことが極めて重要な視点かなと考えているところです。
 先ほどの話にも関連しますけれども、そのような対象者の抽出や評価ということについては、KDBの活用ですとか、国保の保健事業、一体的実施、こういった事業等の指針も参考にしていただきながら、全て市町村で完結することは現実的ではございませんので、先ほど来、様々な構成員の皆様方の御意見にもありますように、外部の委託であるとか、医師会、歯科医師会、薬剤師会、地域資源との連携を進められるような書きぶりも含めて対応いただくことが必要ではないかと思います。
 また、22ページの論点にありますように薬局の一元化、お薬手帳の活用、電子処方箋、オンライン資格確認等による情報の入手など、こういったところについてはおおむね賛同いたします。
 一方で、資料の21~22ページといったところにも記載されていますように、医薬品の不適正な使用についてはなかなか難しいところがございます。限界も感じているところだと思いますので、ケースワーカーの皆様方、先ほども申し上げたとおり、被保護者の生活状況をきめ細やかに把握されていらっしゃいます。この把握をされている生活状況などを連携する地域の医療資源の方々にいかに情報を共有するか。共有してもらっていないと、医師は当たり前ですけれども、来院されたら処方しますし、処方が切られたらそれに基づいて薬剤師は調剤をするわけです。
 ただ、ケースワーカーの方々が把握しているようなその人の生活状況ですとか、どんな暮らしを送りたいか、何に悩んでいるのかというような思いを知らずに医療を提供するというようなことがポリファーマシーを生んでいたり、重複多剤、頻回受診を生んでいたりする原因の一つになっていることは間違いないので、個人情報保護とか、様々な問題はあろうかとは思いますけれども、把握している情報をいかに医療機関・薬局といったところに共有するのか、そして、いかに薬局が知り得た情報や伝えた情報をフィードバックするのか、といった仕組みを考えなければならないのではないかと思います。
 さらに補足で申し上げたいのが27ページの好事例でございます。左側の抽出基準というところで御注目いただきたいのは、複数医療機関を受診されていて剤数は15剤ではないです。むしろ6剤なのです。6剤以上、長期処方、14日以上を処方されている方を抽出して通知を行うということです。
 また、その文面に多剤であることや、加齢による影響とか、そういうようなところも恐らく案内としてお出しになられているのではないかなと思うのですけれども、そのようなところで条件を抽出すると800人、保健指導対象者は200人ということで、一見すると、これは大変だと思うのですが、地域の薬剤師会が抽出基準策定の際にも関わっています。先ほど来、構成員の方々は判断基準が難しいとおっしゃっていましたが、薬剤師会がそこの場に入らせていただけるとかなり楽だと思います。場合によっては一瞬にして解決することもあると思いますので、これが好事例としてお示しされているのは、そのような趣旨だと思います。
 あと、介入されている800人とか200人に対しても、これはケースワーカーだけではないのです。薬剤師が実際に訪問もしていたり、薬局に来られたときに介入していたりしていると思うのです。ですので、あまり手を煩わさずとも地域の関係機関との連携を取っていくことによって、関係機関は医療・介護などの既存の枠組みの中での対応にプラスアルファするということなので、負担感はそれほど大きくなく、大きな効果が得られるのではないかということを補足させていただきます。
 長くなって大変申し訳ありませんが、医療の適切なかかり方に対しての周知が必要だと思います。これも非常に重要な問題でございまして、様々な特徴を持っている被保護者にこれをどうやって伝えるのかというのも難しいところでございます。例えばですが、薬剤師会でこのような取組をさせていただく場合については、効果とリスクのお話をよくさせていただきます。
 薬というのは原則1つの薬効に対して複数の副作用を持っています。実際にどれぐらいなのかというと、よくある一般的に使われているような痛み止めで副作用の数は50種類です。カルシウム拮抗薬、血圧を下げるお薬の添付文書に記載されている副作用は80種類あります。なので、3種類の薬剤を飲むと、延べ150種類とか240種類の副作用と対峙しないといけないという状況になります。
 一旦その話をさせていただいた上で、処方カスケードのお話や、年齢が上がっていくと代謝・排泄が低下して場合によっては効果が倍になっていくこと、効果が倍になると副作用も倍になること、そのような内容を説明して、その中で、止めましょうではなく、なぜ、あなたは服用したいと思っているのですか、どんな暮らしをしたいと思っているのですかというようなお話に掘り下げて介入をさせていただきます。こういうようなアプローチをしていくことによって改善につながっていくのではないかなと思いますので、これをどうやって市町村で実践していくのかを一緒に考えていくことが非常に重要かなと思います。
 最後に適正受診に向けた取組でございます。こちらは1点だけでございます。33ページにおまとめいただいたとおり、長年の取組によって課題もこのように明確になってきております。35ページにも論点を示していただいてございますように、地域の関係機関との連携体制を構築するとか、早期に様々な課題を把握するとか、また、多くの医療資源等々、福祉も含めてですが連携をするということ、そして、社会参加の機会を紹介したり、就労の話も出てまいりましたが、そのような機会の提供したりすることが重要だということについて賛同を申し上げます。
 35ページの論点の3つ目のところにございますけれども、頻回受診のアプローチについては、先ほども申し上げたような受診の理由ですとか、受診行動の背景にあるような課題の確認や共有といったところが非常に重要だと思っております。繰り返しになりますけれども、医療機関や薬局が患者情報を知らない状況で処方や調剤するよりは、患者情報を把握している福祉事務所の方々の情報をしっかりと共有いただいていて、そして、医療機関や薬局が介入した内容をフィードバックできるような体制が必要になってくると考えております。
 以上でございます。
○尾形座長 ありがとうございました。
 小塩構成員、どうぞ。
○小塩構成員 今話題になっておりますポリファーマシーの問題とか、訪問看護の問題、頻回受診の問題というのは、私が関係している中医協で全部大きなテーマになっております。ですから、医療扶助の問題というよりも、医療扶助は保険ではないですけれども、医療の体制の在り方、一般の問題として受け止めないといけないと思います。医療扶助だけで解決できないと思うのです。解決しようと思うとゆがみが発生してしまうような気がいたします。
 いろいろな先生方のお話を聞いていると、通知をするだけでは効果がありませんというようなこともありますし、何が必要かというと、医療サービスを提供している人たち、あるいはお薬を出している人たちが関与しないとどうしようもないということだろうと思うのです。そのためにどうしたらいいかというと、まずはその人たちに医療を供給している人たちの行動を変えることのほうが、医療扶助を受けている人たちの行動を変容させることも重要なのですけれども、それ以上に重要かなというような気がいたします。
 その縛りのかけ方はなかなか難しくて、それこそ中医協で議論しているところでして、例えばお薬の種類をどれだけにするかとか、これはどうしていくかという問題ですし、それから、訪問看護をどのようにコントロールするかというのもいろいろ議論しているのです。とにかく生活保護を受けている人だけでは、あるいは福祉事務所、あるいはケースワーカーの人たちだけでは解決できない問題ですので、医療サービスを提供している人たちが行動を変えるような仕組みは必要だと思うのです。
 そのためにはどうしたらいいか、私は具体的なアイデアはないのですけれども、少なくとも必要な条件としては、医療DXを活用して、この人は一体どういうお薬をもらっているのか、あるいはお医者さんにかかっているのかというのは、医療関係者の方々、あるいは薬局の方々が共有しているというのは最低限必要だろうと思います。
 それから、医療サービスを提供している人たちの行動を規制する場合も、科学的なエビデンスに基づいた指導は必要だと思うのです。これとこれの飲み合わせはまずいですとか、こういう診療の受け方は問題ですということが科学的に分かれば、それをベースにした指針を出して、お医者さんや薬剤師の人たちがそれに対応して行動するというような仕掛けが必要であると思います。
 それから、村杉さんが非常に重要なことをおっしゃったのですが、ケースワーカーとか福祉事務所の人たちが持っている情報をお医者さんとか薬剤師の人が共有できるような仕組みも必要だと思います。ケースワーカーの人たち、あるいは福祉事務所の人たちにお薬のこととか、お医者さんのかかり方を指導するのはなかなか難しいと思うのです。しかし、こういう生活をしています、こういう暮らし向きですということは御存じだと思うので、それを積極的に医療に携わっている人たちにフィードバックすることが必要だと思います。全部を任せるのは大変なことだと思いますので、それが必要になると思います。
 それから、訪問看護については、先ほどから御意見がいろいろありましたけれども、まだ情報が不足しているところがあります。先ほどのグラフを拝見すると、この20年近くで2倍になっているのでしょう。どういう訪問看護の仕方になっているのかよく分からないです。介護のほうは点数で上限がありますので増えない仕組みになっているのですが、医療はどんどん上がっている。これは医療扶助だけではなくて、保健医療でも同じような傾向が見て取れます。一部にはややこしいことをしているところがあるようですが、全部が全部そんなことは決していないと思いますので、実際にどういう中身になっているのか、もう少し細かく調べる必要があると思います。その上で、医療扶助だけではなくて、訪問看護の在り方を改めて考える必要があると思いました。
 要するに、医療サービスを提供している、あるいはお薬を提供している人たちもしっかりとこの問題を認識して、行動を変容させるような仕組みが必要になると思いました。
 以上です。
○尾形座長 ありがとうございました。
 まだいろいろ御意見はあるかと思いますが、時間が大分迫ってきましたので先へ進みたいと思います。「各論3(デジタル化・データ活用)」の部分について、これも事務局から資料の説明をお願いいたします。
○小川保護事業室長 デジタル化やデータ活用、資料の44ページ以降でございます。
 45~46ページ、現状・課題としまして、まず、45ページの表のとおりでございますが、医療扶助、介護扶助の給付手続について整理しております。国の要領・通知と運用実態が長きにわたる運用の中でずれてきているという状況、DX化を進めるに当たりまして、そういうずれが強く認識されてきている状況かと思っております。有効期間・頻度なども、医療券・調剤券、介護券に関しましても毎月発行と、かなり頻度があるということもありますので、どう考えていくかということがございます。
 46ページ、オンライン資格確認に関しまして御指摘をいただいておりますが、オンラインと紙のやり取りが併存している状況でございます。逆に業務負荷が増加している状況でございますので、これをどうするかといった点、また、オンライン化されていない要否意見書に関しまして、令和2年からの宿題となっておりますが、少し前に実施されたアンケートではオンライン化に賛成が過半数、ただ、どちらとも言えないという回答も一定数あるということでございますので、より詳細・具体的な検討が必要といった課題もございます。NDBの活用とか、福祉事務所が管理するレセプトをはじめとした健康医療データの利活用も重要な課題でございます。
 47~48ページ、主な論点をまとめております。
 47ページの上段、まず、給付手続に関しまして、さらなるデジタル化に取り組んでいくことが重要とした上で3つございます。
 1つ目は、オンライン資格確認のさらなる普及促進といった点。
 2つ目は、要否意見書のオンライン化といった点。
 3つ目は、諸手続、そもそもの標準化とか効率化、例えば手続存続の必要性の精査とか、実態に合わせた有効期間・頻度の見直しなどを例示しております。
 下段のほうではNDBなど、健康医療データのさらなる利活用について触れております。
 48ページ、福祉事務所のほうで管理するデータのさらなる利活用も論点として挙げております。
 49ページは前回の御議論、50ページ以降は補足資料でございます。
 50ページ、オンライン資格確認の実効性を向上させる観点で、福祉事務所に対しまして一定の運用改善の要請も行っております。月末に医療券情報を更新されてしまいますと、これは事実上、その月にオンライン資格確認が機能しなくなるといったこともございますので、このような改善をお願いしております。
 51ページ、要否意見書のオンライン化に係るアンケート調査結果でございます。
 52ページ、同じく要否意見書に関しまして、今年の地方分権改革提案の中でも公印省略についての要望など、効率化の要望はいろいろあるという状況でございます。
 53ページ、御参考までに医療DXの工程表、赤枠で囲っている部分ですが、要否意見書に限らず医療機関から行政に対する診断書等の提出につきまして、電子的提出を進めていこうという動きもございます。
 54ページ、医療扶助オンライン資格確認のメリットを整理した資料でございますので、御参照いただければと思います。
 事務局の説明は以上でございます。
○尾形座長 ありがとうございました。
 それでは、ただいまの説明につきまして御意見・御質問等を承りたいと思います。
 西岡構成員、どうぞ。
○西岡構成員 後ろがある関係で議論の途中で中座してしまう可能性がありますので、全てここで先にお話しさせていただけたらと思います。
 まず、今回のデジタル化のところに関していきますと、例えば医療要否意見書や給付要否意見書というものが今発行されているかと思いますけれども、それというのは被保護者個人が一医療機関に対して受診した際に、それの医療要否を問う、今の状況を問うような形になっていますので、例えば個人が4つ医療機関にかかっていれば、4つの医療機関に発行されて、それが返ってくるという形式になっています。
 ですので、それを見ていくと、同じ個人の4枚が一緒になって見ることができるのであれば、その方における病状の理解だったり、もしくは例えば投薬の状況の理解だったり、そういった部分がより分かりやすいのだろうと思うのですが、現状そうはなっていないところがありまして、それこそ返してくるタイミングによっては全然違ったタイミングでその人の状況が把握されることもございます。
 具体的な事例で申し上げると、例えば訪問診療を受けていますと、訪問診療の医療要否意見書がありますと、でも、別の日に医療要否意見書が返ってきたら、普通に外来通院をしていましたみたいな感じのことが分かるのです。訪問診療と外来通院が併せて起きている状況、その人個人を単位としてそういう要否意見書を集約しなければ分からない状況がございますので、こういった部分が一個人と一医療機関との関係性だけの要否意見書ではなくて、一個人の全体像が分かる形での要否意見書をここでDXを導入してつくっていくようなことが、とても重要なのだろうと思っています。
 そうすると、今、医療要否意見書の一部には稼働能力判定もそこに含めていると認識をしておりますので、稼働能力判定があちらの医療機関だとオーケー、働ける、こちらの医療機関だと働けないみたいなそごが生じたときにも参照しやすい状況になると思うのです。なので、この辺りの対策を併せて進めていけることは非常に重要かなと考えておりました。
 実際に、先ほど小塩構成員もお話しされていたように、私自身も非常に同意するところは、何が生活保護の問題で、何が日本社会全体の課題なのかということをぜひ区別して対応すべきだと考えております。
 先にお話しさせていただけたらと思うのですが、実際に予防健康づくりの考え方のところでいきますと、生活保護を利用され始めたので個人に対して健康リテラシーを高めましょうという取組は非常に難しい状況だと思います。困難があるがゆえに生活保護の利用を始めたという状況にあったときに、行動を変えることが難しくて健康の優先順位が低い集団に健康になりましょうと言っても、なかなかそこは変わらないと思うのです。なので、生活保護を利用される前の段階から、日本国民全体に対して健康のリテラシーをどのように高めていくかという方策のほうが最も重要視されるべきで、それが生活保護を利用する状況になったとして、健康づくりが難しいところがサポートされるというのが、被保護者健康管理支援事業だと思います。
 その辺り、生活保護の利用を始めたから福祉事務所が関わるようになって、健康部門でないところに来て、健康管理支援のための健康教育みたいものが始まるみたいなのは立てつけ上おかしいと思うので、ぜひそれは日本全体の課題としてやっていけたらいいのかなと思います。
 ただ1点、例えば生活保護世帯に出生する子供だったり、生活保護世帯で幼少期から育っていく子供・若者に関しては、健康のロールモデルだったりとか、健康とは何かというようなことを経験して、体験して、目にして、自分で考えるという機会が十分に備わっていないケースもあります。そういった場合に、こういった被保護者健康管理支援事業で例えばケースワーカーがいる、指導員がいる、保健師や健康管理支援員がいるという中でそのロールモデルとなったり、健康について一緒に考えられるような、抽象論ですけれども、将来的な仕組みになっていくといいのかなと思っております。
 以上です。
○尾形座長 ありがとうございました。
 それでは、横田構成員、どうぞ。
○横田構成員 47ページのところにつきまして、3点述べさせていただきます。
 1点目は、書かれているとおりなのですが、要否意見書のオンライン化であるとか、医療券・調剤券、介護券の必要性とか、そういった精査を進めていただきたいと思っているのが一つです。要否意見書のオンライン化に関しては、当面の間、暫定的な期間はあると思うのですが、オンライン化を進めていくことによって、一定程度の業務の効率化などは、進めていけるのかなと感じております。
 また、調剤券、介護券などについては、どれほど必要があるのかどうかというのを精査いただくであるとか、医療券の有効期間も、例えば要否意見書の期間やタイミングを合わせることによって業務を減らしていくといった観点で検討いただければと思っております。
 2点目は、事務をなくすとか、見直す中においては、その事務の意味はそもそも何なのかというところを考える必要があると思っています。例えば、要否意見書の中で移送費の要否意見書では、移送費用、通院するケースの移送の必要性があるかないかということのほか、そもそも、移送の手段が適切なのか、頻度がそれでいいのか、実際の現場では、そこの部分も見ていて、ただ単に移送の要否だけではない、その先の細かい情報を福祉事務所で見て、必要性を判断しています。単に事務をなくすというよりは、使われている情報、現場でどう使われているのかというところも踏まえた上で見直しを進めていただければと思っているのが、2点目になります。
 3点目は、ここには書かれていないのですが、例えば、これ以外の事務として就労の可否などを確認する際の主治医訪問(病状調査)という事務があります。これについても、オンライン化などをすることによって、ケースワーカーの負担などが減るのではないかと思っておりますので、そういったことも含めて検討いただければと思っております。
 以上になります。
○尾形座長 ありがとうございました。
 それでは、石川構成員、どうぞ。
○石川構成員 まず、オンライン資格確認の普及促進です。県内の中核市になるのですけれども、指定医療機関に一斉にお願いをして、全てをオンライン資格確認しているというような自治体も実際にあります。一方で、オンライン資格確認をやりながら紙の医療券を発行している、両方ともやっているところもたくさんあります。医療機関におきましてもオンライン資格確認のシステムを導入はしているのですが使っていないというようなところで、これは2年後とか3年とかでいいと思うのですけれども、どこかで退路を断って、何年後かにはオンラインに移行にしますということでいいのではないかと思っております。
 それから、要否意見書のオンラインはぜひしていただきたいと思っておりまして、県からの見方になるのですけれども、基本は6か月でいいのかなと思っておりますし、医療券に関しても要否意見書と基本は同じ期間でいいのではないかなと思います。ただ、こんなときは6か月、こんなときは3か月とされてしまいますと、また現場が混乱しますので、それはどちらかの考え方で一本化していただけたらと思っております。
 以上です。
○尾形座長 ありがとうございました。
 ほかはいかがでしょうか。
 村杉構成員、どうぞ。
○村杉構成員 時間もございませんので端的にお話し申し上げます。
 ケースワーカー、それから、地域の医療資源、医療機関や薬局などの情報共有について先ほど述べたところですけれども、この共有についてもデジタル化によって双方向で効率的・効果的な対応・運用ができるのではないかと考えますので、検討を進めていただきたいと思います。また、その際に負担が大きくなってしまってはいけません。負担は少なく、そして、タイムリーに共有できる仕組みが望ましく、その整備を要望いたします。
 もう1点、47~48ページにお示しいただいている論点につきましてはおおむね賛同するわけでございますが、オンライン資格確認等々、デジタル化をしていったときに、福祉事務所と連絡が取れない時間帯ですとか、システム停止時の対応というところも、これは全体の枠組みの中でもお話をされておりますけれども、丁寧な対応が必要と考えておりますので、併せて御検討いただきたいと思います。
 以上です。
○尾形座長 ありがとうございました。
 ほかはいかがでしょうか。よろしいですか。
 本日は、大変貴重な御意見を多々頂戴いたしました。
 長時間にわたりまして熱心に御議論いただきましてありがとうございます。
 事務局におかれましては、次回、当面の取組、あるいは中長期的な方向性について、さらに議論を深められるよう、前回、あるいは今回の議論を整理するなど、必要な準備を行っていただきたいと思います。
 それでは、次回の開催につきまして事務局からお願いします。
○今井保護事業室長補佐 第3回検討会につきまして、日程、会場、開催方法等、詳細につきましては追って構成員の皆様に御連絡をさしあげます。
○尾形座長 ありがとうございます。
 それでは、本日の議論は以上とさせていただきたいと思います。
 長時間にわたりまして熱心な御議論をどうもありがとうございました。