第2回高年齢労働者の労働災害防止対策に関する検討会議事録

日時

令和7年9月29日(月)15:00~

場所

厚生労働省専用第9会議室

出席者

参集者(敬称略・五十音順)
飯島 勝矢(オンライン出席)
榎原 毅 (座長)(オンライン出席)
甲斐 裕子
坂下 多身
島田 行恭
松尾 知明
松岡 かおり(オンライン出席)
松田 文子
松葉 斉
山脇 義光

事務局
安井 省侍郎(安全衛生部長)
土井 智史   (安全課長)
奥野 正和 (主任中央産業安全専門官)
吉岡 健一 (副主任中央産業安全専門官)
中地 建太 (中央産業安全専門官)
村上 実帆  (労働衛生課 有害作業環境指導係 係員)

議題

(1)高年齢労働者の労働災害について
(2)高年齢者の労働災害防止のための指針について
(3)その他

議事

○副主任中央産業安全専門官 定刻となりましたので、ただいまより「第2回高年齢労働者の労働災害防止対策に関する検討会」を開会いたします。議事に入る前に、構成員の出席状況について御報告いたします。本日は、御都合により、石﨑構成員、松田晋也構成員が御欠席となっております。また、飯島構成員、榎原座長、松岡構成員におかれましてはオンラインでの御出席となっております。なお、飯島構成員におかれましては、御都合により途中退席をされる御予定と伺っております。
 これ以降の議事進行を榎原座長にお願いをいたします。
○榎原座長 それでは、本日の議事に入りたいと思いますので、円滑な進行に御協力くださいますよう、よろしくお願いいたします。また、傍聴の皆様におかれましては、カメラ撮影等はここまでとさせていただきます。御協力をお願いします。
 最初に、事務局からオンラインによるZoomの操作方法、配布資料等についての御説明をお願いいたします。
○副主任中央産業安全専門官 事務局より御説明をいたします。Zoomの操作方法についてですが、本日、ハウリング防止のため、御発言されない際はマイクをオフに設定していただくようお願いいたします。また、オンライン参加の構成員の先生方におかれましては、御発言される際には、御発言がある旨をチャットに書き込み、座長から指名されましたら、マイクをオンに設定の上、氏名をおっしゃってから御発言をお願いいたします。このほか、進行中、通信トラブルなどの不具合がありましたら、チャットへの書き込み又は事務局へのメールにて御連絡をお願いいたします。
 続いて、本日の資料について確認をさせていただきます。資料1~3につきましては、議題(1)に係る構成員提出資料となっています。資料4は、議題(2)に係る高年齢労働者の労働災害防止対策に関する検討会報告書(イメージ)となっています。資料5は高年齢労働者の労働災害防止対策の論点、資料6は松田構成員の提出資料です。このほか、参考資料といたしまして、前回検討会の資料の一部と議事録を用意しております。過不足や乱丁などがありましたら、事務局までお申し付けください。
○榎原座長 ありがとうございます。それでは、早速、議題(1)に移りたいと思います。ちょっと時間的にもタイトですので、円滑に進められればと思います。最初、議題(1)につきましては、私も含めまして3名の構成員から、この検討会に対して資料の提出がありましたので、それぞれの資料について各構成員から10分程度で御説明していただき、その後、まとめて質疑応答の時間を取らせていただければと思います。
 それでは、画面を共有させていただきます。お手元の資料でいうと資料1になります。そちらも併せて御覧ください。私からは、主にポイントが4つほどあります。その4点について御紹介できればと思います。タイトルは「転倒・腰痛の行動災害に係るエビデンスup to date」です。
 まず、転倒関連は、釈迦に説法なところもありますが、学術的にはSTFという表現でよく言われます。slips、trips、fallsです。このslipsとtripsは転倒につながるいわゆる中間イベントみたいなものですので、アウトカムとして扱われるということは、疫学研究ではなかなかなくて、メタ解析などは余りないのですが、基本的な転倒(falls)に関するエビデンスをまとめています。
 転倒に関しては、リスク因子はおおむね分かっていて、行動様式、これは歩幅・歩行速度・急いでいる(心理要因)・ながら歩行など、いわゆる行動様式のものと、外的因子、これは物理的な環境要因に関するものです。あとは、内的因子ということで、加齢・身体的疾患・薬物影響・視聴覚機能・平衡感覚など、大体この3点で整理がされます。
 今日はお伝えしたい4つのポイントがあるという話をしたのですが、そのうちの1つ目は、複合介入です。これがやはり大事ではないかということを御説明させていただきます。この表は、転倒に関して複合介入の効果を示したメタ解析の論文のレビュー表です。この1件目の論文は、2024年に『JAMA』という雑誌に載っているものです。これは労働者集団というよりは地域集団を対象にしているものですが、65歳以上の地域集団に対して、多因子の介入、複合介入を行うと、発生率、IRRが0.84です。例えば、(対象集団の人数は同じで)通常の状態で100件の転倒が発生すると想定されるときには、こういう複合介入するとその100件が84件ぐらいまで減りますという、そういう効果が期待されます。
 2件目の論文でも、複合介入の効果で約2割程度、0.79ぐらいまで発生率が減らせるということが出ています。3件目も複合介入、特に教育と運動とリスクアセスメント、あとはハザード対応、これは職場の段差などのハード面のハザードに対処するということですが、複合介入をすると0.64ぐらいになると。やはり複合的なアプローチをするというのが大事なポイントの1つかなと思っております。
 4つのポイントの2つ目です。「職業性転倒の発生率」とありますが、2つ目のポイントとしては、体力測定がやはり非常に大事なところですが、やりっぱなしではなく、きちんとその後に評価を行うということが大事です。そこが2点目の共有したいポイントになります。いわゆる体力測定は、一義的にはもちろん体力を測って、体力を補うようにまず環境側を調整する、体力に合ったように、仕事の能力と労働者の能力がマッチングするように調整するというのがポイントだと思いますが、それに加えて、体力の維持・向上が予防につながるということを示す論文があるので御紹介します。
 一般的にフレイル状態(体力が低下している状態)と転倒リスクは関連するということはよく知られていますが、逆に言うと、本当にフレイルの方の体力を改善したら転倒リスクが減るのですか、改善したら本当に効果があるのですかというエビデンスは、実は余りないのです。これについては本学の松垣助教が論文を作っています。今はin pressで近々公開になるのですが。最初に、どういう集団かというと、第三次産業に従事する60歳~75歳の労働者5,000名で、これを対象に、3年間追跡を行っています。その1年目と3年目で体力の変化がどうなったかというパターンを分類します。「体力・健常を維持できているという集団」、「体力が良かった人がフレイル状態になってしまった集団」、「フレイルだった人が体力の改善が見られた集団」、そして「フレイルだった人が3年後もそのままずっとフレイルが維持されている集団」という、4つの変化パターンがあるのですが、それぞれの発生率を出しています。
 フレイルではない健常維持の方は発生率が5.4%であるのに対して、フレイルがずっと続いている人は10.7%と、倍近く転倒が発生しているということが示されています。これを調整済みのオッズ比で、健常維持群の発生率を1としたときに、様々な交絡要因を調整してオッズ比を求めてみると、ずっと1年目から3年間フレイルが維持している人というのは発生率が2.1倍ぐらいです。そういう結果が示されています。
 この論文で、著者の松垣先生に追加解析をしてもらいました。何をしてもらったかというと、フレイル状態がずっと維持されている集団を基準にして、フレイルが改善した人、つまり1年目はフレイルだったのが3年目の時点で改善した人(何か介入をして体力の保持・増進・向上がうまくいったという場合)は、転倒リスクがどのぐらいになるのかというのを調べてもらいました。すると、大体オッズ比が0.58倍で、発生率を半分ぐらい確かに減らせそうだと。これはサンプルサイズが少ないので統計的に有意差は認められていませんが、そういう方向性は見えるので、やはりフレイルが進行したような労働者に対してはきちんと体力保持・増進のプログラムを提供し、評価・測定するだけではなく、その後に体力の保持・増進をきちんとモニタリングすることが大事になります。これが2点目のポイントかなと思っています。
 なお、このフレイル対策も、ICFSRというInternational Clinical Practice Guidelinesというのがあって、それのフレイル予防策でも、身体活動のプログラムなどを複数組み合わせる、有酸素運動、バランストレーニング、レジスタンストレーニングとかを複数組み合わせたほうが効果があるということが述べられています。厚労省からも、身体活動・運動ガイド2023の中で、こういう多要素の組合せの運動が推奨されていますので、指針本体ではなく、通達など、どこかでそういうものも引用しながら、きちんと評価を行うということも大事だと明示するといいかなと思った次第です。
 3つ目は、複合介入は腰痛に対しても同じですということ、これが3つ目のポイントです。腰痛も、個人要因、物理要因、心理社会要因、これらの相互作用で発生するということが大体分かっているので、何か1つだけアプローチしてもなかなか効果が出ないので、複合的なアプローチをすることが大事になります。
 そういう複合的な介入の効果に関する論文をこの表にまとめています。1つ目は、運動単体ではなく、運動と教育を組み合わせるということ。組み合わせると腰痛の発症予防効果が期待されます。相対リスクは0.73倍まで減ります、27ポイントぐらい減らせます。これが大事なのは、運動は、運動単体だと、短期的な3か月以内ぐらいの予防効果が認められるというのはよく知られているのですが、中長期の6か月以上の効果を期待するときには、運動と教育を組み合わせることがポイントになっているということが示されている論文です。非常に有名な論文です。
 2つ目は、これは介護職場のケースなのですが、参加型人間工学と身体トレーニングと認知行動療法のトレーニングの複合介入で、腰痛の発症率ではなく、腰痛にり患している日数を減らせますとか、痛みの程度を減らせますというエビデンスです。
 そして、今日、4つのポイントと言った3つ目の話がこれなのですが、3つ目で強調したいポイントとしては、やはり、労働安全衛生の取組は医療経済的な観点からも検証する必要があると思っています。医療経済の中で、ICER、増分費用対効果比と言われている、いわゆる追加で投資した介入分のコスト効果を試算するやり方があるのですが、腰痛に限定してこのICERを計算すると、有病率を1%減らすのに、大体1人当たり日本円で言うと8,500円ぐらい掛かるというコスト計算がされます。なので、500名ぐらいの事業所だと、2,100万円ぐらいのコストが必要になります。ここでのポイントは、実は腰痛対策は複合介入でやったほうが効果的なのですが、費用対投資効果という面では、腰痛だけを扱うと費用対投資効果が実は余りよくない。なので、高齢対策としては、やはり腰痛だけ、転倒だけ、といったようなアウトカム単体で考えるのではなく、複合的なアウトカムを取り扱うということが医療経済の観点からも大事ですということが間接的に言えるかと思います。
 実は、現行のエイジフレンドリーガイドラインは、このようなポイント、今お話したような複合介入とか複合アウトカムをきちんと施行したような構成になっています。転倒、熱中症、腰痛などの複数のアウトカムをきちんと想定して、包括的に取り組むということが、ガイドラインの中でも示されています。そういう意味では、現行のエイジフレンドリーガイドラインの構成、フィロソフィーを支持するエビデンスということが言えるのではないかと思います。
 こういう複合的なアウトカムとか複合的な介入みたいな形で労働安全衛生の活動をしましょうというのは、いわゆる参加型人間工学と言われている手法です。このような多様なアウトカムをまとめて包括的に取り組むことで、安全衛生の活動を活性化させていくという、今日は詳しくは述べませんが、Ergonomic Checkpointsという非常に有名なものがありまして、ILOとか国際人間工学連合などが数十年前にまとめたものですが、こういうようなものがベースになっています。
 最後に4つ目のポイントです。これは情報提供だけなのですが、現行のガイドラインの中でも、しっかりリスクアセスメントを実施して対策を取りましょうということがうたわれているのですが、実は腰痛に関してはリスクアセスメントの手法が今までなかったのです。そこで、今年の1月に、ようやくJIS規格(日本産業規格)として、重量物を取り扱うときの腰痛のリスクアセスメント手法が国内の規格としても制定されました。これは情報提供です。通達等の中で、腰痛に関するリスクアセスメントはこれを参照してくださいみたいな形で記載いただけるといいかなと思っております。ちなみに、エイジングワーカー、45歳以上の場合だと、扱っていい重量物のいわゆる基準になる重量は15kg、男性の場合は20kgです。これをベースに様々なリスク評価をして、扱っていい重量などを評価していくという指針になっています。
 そのほか、最近のトピックで、progressive walking、段階的に歩行の負荷を上げていくことと教育を組み合わせると腰痛予防にいいですという話。あとは、デジタルヘルスを使った介入のエビデンスやアシストスーツ関連はまだまだエビデンスは不足しています。あと、AIを使った姿勢評価の介入効果のエビデンスもほとんどまだ調べられていません。
 少し時間がオーバーしてしまいましたが、私からは、「複合介入が大事ですということ」、「フレイル状態にある労働者に対しては体力測定は、やりっぱなしではなくて、ちゃんと評価と効果検証をすること」、「エイジフレンドリーガイドラインのフィロソフィーのエビデンスがちゃんと示されていますということ」、そして「腰痛のリスク評価法の情報提供」の4点について情報提供をさせていただきました。駆け足になってしまいましてすみません。私のほうからは以上です。質疑などはまとめて行えればと思いますので、よろしくお願いいたします。
 それでは、続きまして、甲斐構成員からお願いできますでしょうか。よろしくお願いいたします。
○甲斐構成員 入っていますか。入りましたか。オンライン参加の皆様、聞こえますでしょうか。
○榎原座長 聞こえております。よろしくお願いいたします。
○甲斐構成員 よろしくお願いいたします。私からは、「身体機能と労働災害に関するエビデンスと対策について」お話させていただきます。前回の検討会にて身体機能の低下と労働災害についてのエビデンスがないという話がかなり話題になりましたので、大急ぎでレビューをしてきたので御報告いたします。次をお願いいたします。レビューの目的は、ここに書いたとおりです。システマティックレビューではないのですが、かなりハンドサーチもやってきました。
 次をお願いいたします。ロジックモデルを簡単に整理しておくと、今、高年齢労働者が増えている、労働者が高齢化しているということで、労働災害が増加しています。この間に身体機能の低下があると推定されるのですが、どのぐらい検証されているかというのが大事なポイントです。次をお願いいたします。実際に労働災害が起こるのは、先ほど榎原先生が御発表されたように、ほかにもたくさんの要因がありますが、ストーリーをシンプルにするために、身体機能低下と労働災害にフォーカスを絞ってレビューをしています。
 次をお願いいたします。論文が多く出てきますが、研究デザインなどの細かい点は資料を見てください。今日は時間の関係で、結論のみを申し上げていきたいと思います。まず、こちらが、先ほどの榎原先生の御発表の、産医大の先生方の発表の1つ前の論文になると思います。コホート研究で、身体的に虚弱、要は、フレイルがあるとけがを伴う転倒のリスクがフレイルがない人たちの2.12倍になるという報告です。これは、私が見た中では、日本で出ているもので恐らく今回のテーマに一番近いと思うエビデンスでした。
 次をお願いいたします。身体機能低下があると労災が増える。でも、更に問題があるのは仕事内容とのミスマッチです。これはアメリカのコホート研究ですが、仕事でどのように体を動かす必要があるかという要求度と身体機能、Abilityと書いてあるので、ここでは身体能力ですが、これらのミスマッチがあると2~4倍、最大4倍近く労災リスクが上がるということです。現行のガイドラインにも業務内容を配慮しましょうとか、マッチングしましょうという文言がありますが、確かにミスマッチがあると労災リスクが上がるということを確認することができました。
 次をお願いいたします。身体機能というのは、体力ばかりではなくて、ほかにもたくさんの健康問題と関連しています。そのため、いろいろな健康問題と労働災害に関しても調べてきました。これはConference paperなのですが、過去30年の論文が総括されていて、40歳以上の勤労者が含まれているということで、割と近いと思ったので持ってきました。総括すると、慢性の健康問題がある労働者は、ない労働者の1.48倍、労働災害リスクが高いということです。興味深いのは、それぞれの慢性の健康問題と労働災害を見ており、有意な関連が認められたものが左側です。nというのは論文数ですが、やはり筋骨格系障害、聴覚障害、視覚障害といったものはよく調べられていて、確かに1.5倍前後リスクが上がってきます。逆に、関連が認められなかった健康問題もあって、意外かもしれませんが、がんや糖尿病など、こういうものについては余り関連が認められなかったということです。興味深いのは、女性が含まれていたり、より若い勤労者を含む集団の研究において、健康問題と労災のリスクが強く関連するということでした。
 次をお願いいたします。その他の日本の研究を見ていきます。貧血、視力、プレゼンティズム等が、良くないと仕事中の転倒と関連するという論文が報告されていました。基本的には小売の現場で働く人たち、同じコホート研究からだと思いますが、産医大の先生方のすばらしい研究です。
 次をお願いいたします。ロジックモデルを整理すると、身体機能と労働災害増加については、エビデンスがない、ないと言いつつも、まあまああるなという感想でした。今日は御紹介いたしませんが、身体機能がそもそも高いと労働災害が起こっても仕事に復帰しやすいというエビデンスもありました。
 次をお願いいたします。問題は、加齢してくると、どうしても身体機能が衰えていくわけであって、それを防げないのか?がテーマとなります。私は運動疫学の研究者ですので、運動・身体活動で予防できるのかも調べてきました。次をお願いいたします。身体活動が労働災害に及ぼす影響は、非常に立派なコホート研究があって、フィンランドの4万8,000人以上の平均年齢49歳の勤労者を追跡したコホート研究がありました。結論だけ言うと、余暇や通勤を全部含む総合的な身体活動量ですが、身体活動レベルが高くなるほど労災リスクが低下していくということで、やはり体をちゃんと動かしている人は労災リスクが低いことが確認できました。
 次をお願いいたします。今のは身体活動量でしたが、その中でも運動習慣と仕事に伴う転倒障害もきっちり関連しています。これも海外の症例対照研究が2編ありますが、運動していない人は、している人に比べると約2倍、障害を伴う転倒が多いことが分かりました。
 次をお願いいたします。身体活動が低い人が労災リスクが高いということであれば、在宅勤務者も配慮が必要ではないかと考えています。これは厚労科研の研究なのですが、在宅勤務者は、1日の歩数が在宅勤務をしていない人よりも4,000歩も少ないという、非常に身体活動が低い集団です。事例としては、在宅勤務者が久々に出勤したら階段で転倒して骨折したなど、そういう事例が出始めています。現状では、在宅勤務者、テレワークをしている方の労働災害が多発しているという報告まではまだ見当たりませんが、在宅勤務が長期に及ぶと、筋力等の身体機能が低下することも、私たちはデータ上で確認しており、長期的には在宅勤務者にも配慮が必要になってくるというところは、この検討会では一度も議論になっていなかったので、追加で御紹介させていただきます。
 次をお願いいたします。ロジックモデルを整理すると、どうやら運動や身体活動をすると身体機能の低下を何とか防げるのではないかというのが見えてきます。次をお願いいたします。ただ、ここまでは観察研究の結果しかお見せしていません。問題は、介入してちゃんと効果が出るのかがポイントです。
 次をお願いいたします。これを確かめるためには、介入研究のエビデンスが必要です。まず、運動すると勤労者の身体機能が向上するかを検証したレビューです。これは40歳~60歳の勤労者だけを対象にした66編のクラスターランダム化比較試験をレビューしたものですが、下肢筋力に対してもバランス能力に対しても、何かをやるとよいのですけれども、特に筋力トレーニングが両方を改善することがこの研究では言われています。
 次をお願いいたします。腰痛による欠勤です。先ほど榎原先生のにもありましたが、やはり運動は腰痛による欠勤を防ぐと。もちろん教育等を含めてもよいと思いますが、こういう研究が出ています。これもシステマティックレビューが出ていました。
 次をお願いいたします。ここでも骨粗鬆症の話が出ています。有酸素運動、筋力トレーニング共に、更年期女性の骨密度に良い影響を与えるようです。ただ、骨密度を改善するためには、やや強めの運動が必要で、骨密度の維持であれば中程度の有酸素運動でも期待できるということで、身体機能や骨密度が減少してしまってから回復させようとすると非常に大変なので、もっと早い時期からやっておくことがものすごく大事だということが分かります。
 次をお願いいたします。ロジックモデルを整理すると、どうやら運動・身体活動の介入効果は期待できるのではないかというのが見えてきます。
 次をお願いいたします。最後に事例だけ示させてください。現行のガイドラインにも書き込まれている産業保健総合支援センターの取組を1つ御紹介いたします。運動したり、先ほどの榎原先生のお話ように、複合介入は非常によいのですが、中小企業ではなかなか進みません。そこで、中小企業に専門家を派遣する仕組みを構築できないかということで、神奈川産保センターで、私自身も神奈川産保センターの相談員をやっていますが、独自事業として、健康運動指導士・理学療法士を企業に派遣する事業を行っています。2021年より開始したところ、約70社とたくさん申込みがあって、ニーズが高いです。支援内容は、包括的ということで、ヒアリングの上で決定するのですが、セミナー、運動実技、体力測定などのニーズが高いと感じています。
 次をお願いいたします。事例だけ御紹介いたします。例えば、転倒対策です。業種はマンション管理業務で、労災が年間コンスタントに5件ほど発生していた事業所ですが、エイジフレンドリーガイドラインで書かれているように、ヒヤリハットを共有したり、下肢筋力の強化を中心とした体操を健康運動指導士が指導したところ、次年度は労災ゼロを達成いたしました。
 次をお願いいたします。運輸業です。ドライバーの腰痛離職が多発していた事業所です。リーダー研修をして、運動、特に下肢筋力の強化や、これだけ体操等を御紹介して、朝礼で取り入れていただいたり、雇入れ時教育にもこういう情報を入れていただきました。そうすると、他の労災はあるのですが、腰痛は激減したとのことでした。
 次をお願いいたします。私もこれらの現場を見ていますが、運動だけをすればよいということではなくて、ヒヤリハットだったり教育だったりという体制整備や環境整備と組み合わせていく中に、運動の取組を職場全体でやっていく、ポピュレーションアプローチをやっていくことの大事さを強く感じています。ただ、それをやるためには何らかの「伴走型支援」が必要と感じています。
 次をお願いいたします。まとめですが、ここに書いてあるとおりです。エビデンスは多くはありませんが、探せばありました。今後も伴走型支援で、複合的介入の一部として運動や身体活動を取り入れて、身体機能の維持・向上に努めるのが有効ではないかと考えます。以上です。
○榎原座長 ありがとうございます。短時間で非常に膨大なレビューをしていただき、感謝申し上げます。続いて、松葉構成員からお願いいたします。
○松葉構成員 聞こえますでしょうか。それでは、スクリーンを変えていただけますか。今、榎原先生、甲斐先生よりお話いただいたエビデンスについては、現場的にはこれを自分たちがやっていてよいのだ、間違いないのだと自信を持つ上で非常に重要な情報を頂きました。ありがとうございます。私からは、そういった意味合いで、現場でこんなことをやっているという情報をお伝えさせていただきます。
 スライドをお願いいたします。こちらのスライドは、皆さんよく御覧になっているかと思いますが、バランス感覚、平衡性が加齢とともにこのように変化するというグラフです。我々はついつい右側のグラフに目を向けがちですが、実は現場で問題になるのは、左側の高年齢労働者の声なのです。屋根の上でバランスが取れない、脚立、足場でふらつく、こういったこと。あるいは、敏捷性にしても、ちょっとつまずいたときに、さっと足が出ないなど、そういった声が問題になっているポイントだと考えています。
 スライドをお願いいたします。これに対して、現行のエイジフレンドリーガイドラインで、赤色の塗り潰しの所、危険源の特定等のリスクアセスメント及び対策の検討を柱として盛り込んでいただいています。そのリスクアセスメントも、場のリスクと人のリスク、いわゆる設備の課題あるいは人間の体力、健康状態の変化等を見て、それに応じて対策が必要な部分について設備・機械を改善する、体力の状況に応じた作業改善を行う、このようなことがガイドラインで示されています。
 スライドをお願いいたします。実際に事業場でやられている展開ですが、こちらは滋賀に拠点を置く平和堂というスーパーマーケットですけれども、河津先生という産業医の先生が中心になってやられたリスクアセスメントです。実質、デリカの作業で労災が多いという情報が健康管理室に集約されてきて、デリカの作業の人たちにアンケートを取って、何が危ない、何が怖いといったときに、左側の改善前の床の緑色部分がつるつる滑る、剥げている所はつまずく、これが怖いということで、対象の全ての店舗の床を防滑性のものにし、かつグレーチングも滑りにくいものに展開いたしました。これによって、実際に転倒の数も減りましたが、併せて、従業員の方々から安心だよね、これで頑張って働けるねという声が上がったというお話を伺っています。
 次をお願いいたします。左側は、私がお手伝いしている「やさと」という名称の特別養護老人ホームです。ちょっと文字が小さいですが、ベテランの女性介護士、私よりもちょっとお姉さんの方ですが、お二人が体重80kgを超える大柄な男性を手で介助していました。ベットからストレッチャーによいしょと持ち上げて乗せていました。これで、彼女たちは、「もう私も来年辞めようかな」と言っていたところですが、アーチ型リフトを導入いたしました。これによって、実際に介護される男性のほうも、頭はしっかりしているので、「いやー、俺重いな、申し訳ないな」といつも言っていたのが、「これで安心してトイレ行けるわ」というような状況があり、先ほどの2名の介護士さんからも、「私たち80歳超えてもやれるね」という声が上がっているというのが実際のところです。
 右側は、腰痛予防対策事例集に好事例として挙げられている株式会社ベルクの事例です。手元のカウンターがするする滑る材質なのです。ですから、お客さんからもらったかごをよいしょと持ち上げていたものを、右手ですっと押せば左側に移動できるということで、腰の負担がぐっと軽減したという効果的な対策です。
 次をお願いいたします。こちらもやはり介護施設ですが、東京都板橋区にある蓮根ひまわり苑のもので、いわゆる腰痛予防対策指針に載っているチェックリストを用いて、リスクアセスメントをいたしました。従業員数は38名です。この38名全員でチェックリストを付けたところ、赤文字の作業が怖い、危ないということになりました、点数が高かったということです。その3つに対してそれぞれ対策を取りました。次のスライドをお願いいたします。その中の1つがベット上排泄介助ということで、左側の姿勢がこれまでやっていた作業方法です。思いきり腰を曲げて腰痛になりましょうという姿勢ですが、これを2人作業にして、両方とも膝を床に付いて、腰を伸ばした状態です。膝にはガーデニング用のパッドを付けていますので、膝の痛みはありません。この2人作業に作業方法を変えたものです。人手不足の中、1人作業から2人作業にすること自体が非常に大きな問題ではあるのですが、やはり、この作業ではみんなが腰を痛めるねと。それに対して、このルールでやっていけば安心だねということで、正にリスクアセスメントとして、ここでけがをしてはいけないという優先度を付けたところについては、お金を掛けてでも人手を掛けてでもやろうと、そのように踏み切った事例です。実際の作業者の方々も納得してやっています。
 次をお願いいたします。同じく人のリスク低減措置という意味合いですが、こちらも私がお手伝いしている「こほく」という特別養護老人ホームです。実は、そこは茨城県の腰痛対策モデル事業所に指定されていて、ノーリフトケアや様々な対策も実際にやっていますが、そのうちの1つとして腰痛体操を導入しています。玄関を入ると、左上の緑色の腰痛体操が壁に貼られていて、先ほど甲斐先生から出てきた「これだけ体操」は、施設内の至る所に貼ってあります。休憩所にも貼ってあるし、お風呂の脱衣所にも貼ってあります。
 これらを見掛けた所で職員さんが実際にやっているということで、実のところを言うと、左上の緑色はちょっと面倒くさくて、みんな余りやらないのだけれども、これだけ体操は気持ちいいから、簡単だしと、みんなやっています。私がほかにお手伝いしている事業所でも、1ケア1伸ばしという合言葉でやっている事業所は結構あります。このような展開がなされているということです。
 次をお願いいたします。こちらは皆様も御存じだと思いますが、厚労省のSAFEコンソーシアムポータルサイトのアワードの中で紹介されている事例で、特に2年連続で賞を受賞している所、株式会社カインズの事例ですが、実際に行っていろいろとお話を聞いてきましたので、その内容を紹介させていただきます。次をお願いいたします。カインズでは、2018年から労災防止対策に取り組みました。当時2万1,000人の従業員に対して、284件の労災がありました。労災と言っているのは、お店でけがをして医療に掛かった人の数だそうです。これが、下のほうの様々な取組を進める中で、2024年には実に95件にまできれいに減ってきている、一方で従業員数は2万6,000人と増えている中でこういう成績が出ているものです。
 次をお願いいたします。カインズの取組で今、一番力を入れているのが、店舗安全推進活動です。左上のピンク色の所を見てください。パートやアルバイトの声が環境改善につながることをメインの狙いにして、実際に危険箇所などの“気づき”を社員区分関係なく、パートであれ正社員であれ区分は関係なく発言する場にしようということで、下の写真ですが、実は、ここに参加している中で正社員は、正面のマスクの店長さんと、もう一人事務局の1人だけです。あとは全員パート従業員で、例えば自転車販売部門、ガーデニング部門、それぞれの部門のパートリーダーがここに参加している状態です。
 このワークショップの中で、一人一人の従業員に毎月ペーパーが配られて、今月はフォークリフト災害について、今月は熱中症についてなどというテーマについて、自分の思うところや意見を全員が書きます。それをパートリーダーが集約して、2か月に1度ですがこの場に持ち寄ります。持ち寄ったものを皆さんが紹介し合った中で、何が共通している問題だろうという、いわゆる複合的な課題を探して、緑の下のほうですが、それに対して自分たちが何ができるか、何をやってもらいたいかということを優先順位を付けて決めていきます。その話合いがあった中で、店長さんはそこまでずっと黙っていますが、分かった、これはいつまでにやろう、これは予算を本社から取ろうという決定をして、それが実際に計画どおりにできたかの進捗評価まで行うという、いわゆるPDCAサイクルを回しています。
 次をお願いいたします。その中で出てきた対策の一つとして、踏み台です。左から3番目の写真が分かりやすいですかね、車輪が付いています。乗るとそれが引っ込んで安定する仕組みの踏み台です。以前は低い脚立を使っていましたが、やはり落ちてけがをしていました。それで、座面が広いこういった安定した踏み台、かつ、踏み台だと重たいよねということで、転がしていけるよねと、こういうものを工夫して取り入れています。工学的対策ですね。
 次をお願いいたします。「3S活動」もやっています。右側のあるべきシート、ここに来たら、これがいつもあるべき姿だからねということで展開していますので、左側の通路なども十分にきれいになっています。これについて、もしもあるべきシート状態ではなかったら誰が直すのかと聞いたら、最初からみんなあるべきシートどおりに置くことになっています、置いていますということでクリアされています。
 次をお願いいたします。毎年3か月間、私はこの3か月間はこれだけ気を付けますという自己宣言をして、3か月間災害ゼロを目指そうということなのですが、右側の下のほうを見ていただくと、2019年の51件から2023年の27件まで年々減ってきている、意識付けの取組です。人のリスク、うっかりぼんやりを少しでも意識付けしようというものです。
 最後、もう1つお願いいたします。こちらは、カインズが行っているKYTトレーニングという手法ですが、3択のクイズ形式になっています。イラストを見てどれが当たりかを解答して、正解でないと次に進めないというようなもので、スマホでやっているのですが、毎月20問ぐらい、2万5,000人いて約9割の人が解答しています。要は、こういうヒヤリハットの情報に毎月20件接しているということなのです。そういったことで意識が高まっていると思われます。
 次をお願いいたします。いきなり文字のもので、しかも皆様が御存じのところで恐縮なのですが、今度の法改正において、下のスライドの赤線ですが、高年齢者の特性に配慮した作業環境の改善、作業の管理、正に設備の安全化であったり作業方法の安全化、現場の声をしっかりと拾い上げてきて、それを対策につなげることが正に重要なのではないかと、指針でしっかりと書いていただくべきことではないかと感じています。前半に御紹介した各事例においても同様のことが起こっているということで、ちょっとオーバーしてしまって申し訳ございませんが、私からの御紹介は以上です。ありがとうございました。
○榎原座長 ありがとうございました。具体的な企業の取組事例や介護現場での腰痛対策の事例、また後半はカインズのPDCAの枠組みで踏み台導入の物理因子の改善、KYTトレーニングなど、非常に環境改善をきちんと試行している良好実践をたくさん御紹介いただきまして、大変興味深いものでした。どうもありがとうございます。
 それでは、これまでの3つの発表について、構成員の皆様から御質問等を受けたいと思いますが、時間の都合上、2つ、3つ手短に御質問等がある方は頂ければと思います。
○松尾構成員 労働安全衛生総合研究所の松尾です。3名の皆様、より分かりやすくてすばらしいプレゼンテーションをありがとうございます。
 ちょうど私も運動体力を専門でやっているので、甲斐さんとは長い付き合いなので、先ほども率直に意見交換をしてきたばかりで、反対意見ではないですが、率直な意見を言ったほうがいいのかなと思います。指針の目的は、高齢労働者の労働災害を防止するということだと思いますので、その点に関して、甲斐先生のプレゼンの中身、発表の内容というのはそのとおりだなと思って伺っておりました。一方で、私は前回の会議の中でも意見させていただいたのですが、この検討委員会に先立って、高齢労働者の労働災害について、体力の研究者、特に転倒をやっている研究者の人たちと議論する機会が多々あって、その中で、まず、彼らにエイジフレンドリーガイドラインを見てもらったのです。そうすると、体力の研究者が言っているのですが、何でこんなに体力を推すのかと第一声が来るのです。榎原先生の話の中にもありましたし、甲斐さんもおっしゃっていましたが、運動だけでは絶対無理だということをまず言われます。薬とか、ほかの要因が非常に大きいので、運動だけでは無理だよと。
 厚生労働省と言いますか、運動の介入でエビデンスがあるというのは注意しなければいけないと思っているのは、昔のTHPで心肺持久力を高めましょうと言ってエビデンスを出して、企業が自転車をたくさん買って取り組みましたが、いまだに心肺持久力は高まっていないということや、健康日本21で身体活動は重要ですよとエビデンスをワーっと出して取り組んで、運動は大切ですねと世間的には訴えるのですが、むしろ歩数は減っている。最近は座位になってきていますので、だんだん研究者は目標を下げていると言えなくもない状況があります。
 今回、高齢者の災害と体力というところ、運動は重要な1つではあるのですが、先ほど甲斐さんとも話したのですが、甲斐さんの所の最後で出していただいた事例で、何でその効果があったのかというのは、運動は最初のきっかけにすぎないのではないかというか、その組織の中に非常にその空気が高まって、意識をし出すことによって災害が減っていったと解釈するほうが実態に近いのではないかと。体力が高まったから転倒が減ったのかというのは、研究の論文では出るのです、研究論文はそうやって書きますので、システマティックレビューにしても、良い結果のものが出てくる。しかし最近は、施策に研究成果を反映させるときは、やはり実装研究と言いますか、ちゃんと本当にこれは実社会で効果的なのかというのをやった上でないと、施策にはいかせないよねということも、世界的には標準になってきています。ですので、1件か2件の論文を掲げてエビデンスがあるから良いとすることは慎重になったほうがよいのではないか、これは私たちも同様なことを日頃言っているので、甲斐さんを全然批判しているわけでも何でもないのですが、ただ、実際の高齢者の労働災害を減らすという目的を考えた場合に、何で甲斐さんが関わった企業さんで減ったのかというのは、もう少し中身を見ますと違ったところもひょっとしたらあるのではないかと感じました。
○甲斐構成員 ありがとうございます。本当におっしゃるとおりです。先ほどの松葉先生のプレゼンを聞いていただいたとおり、やはり、職場環境の改善やソフト面については、エイジフレンドリーガイドラインにもしっかり書き込まれていると思います。運動に関しては、本当にその中の1要素だと思っています
。ただ、私自身はもう20年ぐらい産業保健の中で運動を推奨する職場がどのぐらいあるのかをずっと調査していますが、10年間、定点観測をしていますが、上場企業でも30%余りなのです。ですので、もう少しこれは増えてもいいと考えます。今、松尾先生がおっしゃったとおり、実効性のある取組をするには、正にこのガイドラインに体力測定しましょうとか、運動は大事だよと書くだけではなくて、事業所の中で、例えば、そういう取組をやっていきましょうというところまで書いていただく。先ほど伴走型支援と最後にボンと出してしまいましたが、何でそこを出したかと言いますと、正に実装なのです。エビデンスではなくて、それを社会に実装していくためには、それができるような仕組み、政策を作らないといけないと思って出させていただきました。
 環境だけきちんとすれば、運動なんてしなくていいという考え方もあるかもしれませんが、労働者の皆さんの人生を考えると、その職場だけで転ばないということではないと思うのです。通勤災害もそうですし、日常の中での転倒やけがもあります。そういうものも、その人自身の長い人生を考えると、必ず身体機能の向上はすごく大事です。
 出先企業に行っていらっしゃる方とか、営業で訪問されている方とかは、職場環境改善はできないのです。そうすると、その人が何とか自分でするしかないという部分もあって、やはり、身体機能向上や身体活動促進は私は必要であろうと思っています。答えになっていますか。
○榎原座長 ありがとうございます。時間がなくなってきているので、ほかにどうしてもここの段階でコメントしておきたいという方はいらっしゃいますか。島田先生、手短にお願いします。
○島田構成員 3件の御発表ありがとうございました。様々な方法で体力を付けるとか、教育を行うと、転倒や腰痛の件数が減ることは分かったのですが、件数とは別に、その影響、例えば、腰痛も軽くて済むとか、転倒してもけがの程度が軽くなるとか、そういったエビデンスはありますでしょうか。
○榎原座長 腰痛の部分に関しては、私の発表の中でも1つ触れたところがあるのですが、いわゆる腰痛の重症度を減らすという面では、複合介入で行うほうが、腰痛の強度が下がるとか、腰痛の治療も、腰痛にり患している期間を短くできるということはあります。なかなか強度という面でのエビデンスはまだまだ十分ではないかと思います。甲斐先生、いかがですか。特に転倒関係、強度面で何か御存じのことがあればお願いします。
○甲斐構成員 エビデンス的に言うと、職場で運動を含むような複合介入したほうが、コホート研究だったと思いますが、体を動かしている人のほうが、転倒も減るし、けがを伴う転倒も減るだったと思います。ですから、両方減っていくので、転倒はするけれども、けがをしにくくなったというのは、エビデンスでは見ていないように思います。
○松葉構成員 関連して、運動ではないのですが、先ほど御紹介した蓮根ひまわり園の腰痛のリスクアセスメントに基づく対策で、職員数38人ですが、そのうち介入前は腰痛ありと言った人が26人、そのうち半年後に対策を打った後で、腰痛が軽減したと回答した人が26人中18人。8人が変わらなかったというような様子は出ておりました。以上です。
○榎原座長 補足ありがとうございました。私の発表ペースが押してしまって申し訳ありません。この後の論点整理にも時間を取りたいと思いますので、一旦、この辺りで切らせていただきます。御質問やコメントがもしありましたら、別途、事務局のほうにお寄せいただければ、次回の検討会でまとめて続きを議論できればと思います。特に、松尾構成員からの御質問で頂いていたポイントは、恐らく、甲斐先生、松尾先生共に、問題意識は同じところをお持ちで、運動だけでは駄目というところは誤解がないように伝えていくことが大事です。また、リスクファクターが明らかになるということと、実際にそれが現場で効果があるのかというのは、別の次元だという話で、普及実装研究、DISと最近非常によく言われますが、DISの観点できちんと介入のエビデンスを蓄積していくことも大事かとは思います。皆様の活発な御意見等を頂きまして、どうもありがとうございました。ちょっと尻切れトンボになって申し訳ないですが、継続的に御質問等があればまたお寄せいただければと思います。
 それでは、時間の都合で次の議題に移ります。事務局より資料4について御説明いただけますか。
○副主任中央産業安全専門官 事務局より、お手元の資料4について御説明させていただきます。これからどのような形で指針を取りまとめていくかの御検討を頂くわけですが、まず、この検討会そのものについても報告書を取りまとめていきたいと考えておりまして、そのイメージをお示ししております。
 大きく2つに分かれておりまして、第1が、この検討会についてということで、前回の検討会の資料1、開催要綱などをまとめるもの、そして、開催状況について3番で取りまとめていきたいと考えております。
 第2は、検討結果、この会議の結果について整理したいということです。1番が、検討の趣旨・背景ということで、今回、御紹介いただいたエビデンスなども(2)で改めてレビューしていきたいと考えております。その上で、2番として、検討結果になります。(1)で、指針や通達でどのようなことを書いていくのか整理したいと。その上で、下線部になりますが、(2)です。前回の検討会で、ガイドラインがそもそも余り周知できていないので、指針を取りまとめた後は、指針の周知の仕方についてしっかりと議論するべきだという御意見を頂いておりましたので、そういったことについては(2)のアになります。また、今後において、どういった研究・調査が必要かということについても御意見を頂くと想像しておりまして、それについてはイということです。また、国による支援、伴走型支援の話は、先ほど甲斐先生からお話を頂いておりますが、そういったものが必要という御意見を頂いているところは、ウで拾わせていただきたいと思います。
 関係資料としてスライドなどについては、3の所で整理させていただきたいと考えております。資料4については以上です。
○榎原座長 ありがとうございました。今回の検討会の成果物として取りまとめる報告書のイメージについて御説明いただきました。この検討会では、指針、通達、報告書で3つのアウトプットがあると理解しております。構成員の皆様から御意見、御質問等はありますか。御発言がある方は、会場につきましては挙手いただき、またオンラインの方はチャットに書き込んでいただければと思います。
○山脇構成員 連合の山脇です。全体として、事務局から示された内容で問題ないと思っています。一方で、本検討会が来年4月1日の施行に向けたものであることから、残りの開催回数が限られるのではないかと思っており、報告書の取りまとめまでに整理できるものと、引き続き積み残しの課題となるものがあるのではないかと理解しています。この積み残しとなる課題についても、どのような場で継続検討するのかということも含めて、是非、検討結果の所に御記載いただきたいと思います。以上です。
○榎原座長 御意見ありがとうございます。確かにそういう積み残し課題が出る可能性もありますので、その場合、どのようにするかも考えておく必要があるかと思いました。ほかはいかがですか。特にこの構成自体はよろしいですか。ありがとうございます。一応、この報告書はイメージを共有させていただいたということで、こんな形で最終的に精緻化を進めていくことになるかと思います。
 時間もありませんので、続いて、資料5、6について、事務局から御説明いただけますか。
○副主任中央産業安全専門官 それでは、資料5と6について御説明させていただきます。まず、資料5です。この資料5は、前回の検討会におきまして、新たに定める大臣指針は、現行のエイジフレンドリーガイドラインをベースとして検討するという方針について同意を頂いたと、これを踏まえて検討いただくための資料です。構成についての御説明をさせていただきます。
 2ページ、こちらは目次のページです。趣旨から論点1番目を振らせていただいて、論点8まで、また、「大臣指針に基づく措置の促進等について」という項目を1項目新たに設けております。前回の資料2-1の最終ページを踏まえて整理したものとなっています。
 3ページを御覧ください。大臣指針における趣旨を、現行ガイドラインの記載ということで、上半分に書かせていただいております。ここについて検討会の中で御意見を頂いたものを、その下に御意見という形で書かせていただいております。前回の検討会で、「ゼロ災に向けて今回の指針が役割を果たしていくことを理念の部分に書き込んでもらいたい」という御意見を頂いたものについて、事務局で趣旨に対する御意見と整理してここに書かせていただいております。
 全体にこういった構成になっておりまして、法律に基づく指針に格上げするのに当たりまして、新たなエビデンス等を踏まえて修正等すべき点はないかという投げかけをさせていただいております。
 次に7ページを御覧ください。前回の検討会の資料2-2で、現行のガイドラインをお示しした際に、別紙や別添、通達の引用部分で、通達等により示す箇所は、黄色網掛けとしております。また、対策の例や考慮事項を示しており、必要に応じて趣旨の明確化等を行う箇所については、青い線を引いておりました。そういった網掛けや色まで含めて、現行ガイドラインの記載の部分については再現をさせていただいております。なお、このページについては、前回の検討会では御意見がありませんでしたので、御意見欄については「なし」と記載しております。4ページから27ページの論点8までは同じ構成になっておりまして、そちらについては御意見を含めて御確認いただきたいと思います。
 最終、28ページを御覧ください。28ページは、タイトルが「大臣指針に基づく措置の促進等について」ということで、緑色の帯でタイトルを付けております。こちらについては、先ほどの資料4の下線部分について御検討いただく箇所と整理しております。周知・広報等について、調査研究等についてということで、大きく2項目に整理しておりますので、御確認ください。
 また、資料6については、第1回の検討会に御欠席された松田構成員から頂いた御意見ということです。大きく5点頂いております。職務内容と労働災害の関係について、調査と対策が必要ではないか。感覚器の老化と労災の関係について、調査と対策が必要ではないか。また、体力測定についても、簡便な自記式の調査票のようなものがあるとよいのではないかなどの御意見を頂いておりますので、こちらについても併せて御確認いただきたいと考えております。駆け足になりましたが、御説明は以上です。
○榎原座長 ありがとうございます。資料が28枚分もあり、論点がたくさんありますので区切りながら、それぞれの論点について可能な限り議論できればと思います。よろしくお願いします。
 それでは進め方ですが、最初は論点1~3の所で一まとめ、論点4、5で一まとめ、論点6~8で一まとめ、最後は大臣指針に基づく措置の促進等の所ということで、4つに分けて議論できればと思います。それでは、最初の論点1~3、資料5の3~13ページ目が該当しますけれども、そちらについて構成員の皆様から御意見等を頂ければと思います。いかがですか。
○山脇構成員 論点2の関係で、発言をしたいと思います。資料5の4ページ、事業者に求められる事項の中の1つ目の安全衛生管理体制の確立、(1)経営トップによる方針表明及び体制整備について、アからエまでのうちのアとイについては、正にタイトルにあるとおり経営トップによる方針表明及び体制整備だと思いますが、ウとエに関しては、これは労使間のコミュニケーションに関する事項でありますので、このタイトルになじまないのではないかと思っています。そのため、アとイ、ウとエに切り分けて記載いただきたいと思います。労災防止の観点から、労使間のコミュニケーションは大変重要だと思っていますので、お願いしたいと思います。
 その上で、現行ガイドラインのウ、労働者の意見を聴く機会や、労使で話し合う機会についてですが、先ほど申し上げたように、労使で話し合うことが大変重要だと思っています。形式的に労働者の意見を聴いたということにとどめず、当該意見をしっかりと対策に反映していただく必要があると思っています。なお、他の検討会においても、安衛則第23条の2に基づく関係労働者の意見の聴取について、現状、適切に意見聴取ができているか、必ずしもできていないのではないかという指摘をしています。仮に適切に意見聴取ができていないのであれば、現行の仕組みの改善も含めて、制度の実効性を確保するための方策を検討すべきと思っています。今回の検討会の中で、どこまでできるかという問題はありますが、是非、実態の把握ができているかどうかということについて議論をお願いしたいと思います。
 併せて、今日、構成員の先生方から御報告いただいたエビデンスや前回検討会で厚労省から示されたエビデンスについて、報告書の形に沿って、それぞれエビデンスの有無が分かるような形で整理いただき、ないものについては、どう記載するかということを含めた検討をいただきたいと思います。以上です。
○榎原座長 御意見ありがとうございます。今日の第2回目の検討会は、前回同様、皆様からいろいろ御意見を頂くというフェーズです。ですので、皆様から頂いたコメントは、この各スライドの前回の御意見の欄に、それぞれこういうコメントがありましたということで、随時、事務局のほうで足していっていただくと。3、4回目以降で、この辺りのそれぞれのコメントを踏まえて、どのようにしていくかを議論していければと思っております。よろしくお願いします。そのほかはいかがですか。会場又はオンラインで御意見等はございますか。
○榎原座長 松田文子先生、よろしくお願いします。
○松田構成員 2点ありまして、前回、3ページの論点1の趣旨の所で、ゼロ災に向けて今回の指針が役割を果たしていくことも大事だという御発言があったかと思いますけれども、ゼロ災を目指すということ自体は良いことだと思いますし、先ほどの松葉さんの御意見の中でも、取組の中で、皆さんが取り組まれて、だんだん災害が減ってきたというような実例もあることから、良いことだと思います。ただ、その反面、ゼロ災というのは、かなり言葉が強いのではないかとも思っておりまして、究極の目標、理念、であるように思います。ですので、それを目指すということ自体は全く反対はないのですけれども、この「趣旨」という一番最初の所に具体的に盛り込むとなると、「ゼロにしなければいけない」となってくると思います。もちろんゼロにすること自体を、目指すことは大事なのですけれども、そうすると、怖いのは、事故の隠蔽や、報告が上がってこないとかいうことが起こりやすく、実態が見えなくなる恐れがあるように思います。重大な労働災害自体は減っていく、不休災害など、は残りながらも、そこをだんだん予防していくという、段階的なものとしては必要かなと思いますし、ゼロ災理念自体に反対するものは全くないのですけれども、少し言葉としての扱いというか、ニュアンスは少し考えてもいいのかなと思っています。
 もう1つは、論点2で、先ほど7ページの「エイジアクション100」のチェックリストの話が出ていたかと思います。冒頭の一番最初の情報提供の中でも榎原先生のほうからありましたけれども、いわゆる参加型の取組は、産業保健領域ではよく行われています。その中でも、アクションチェックリストというのは非常によく利用されています。最も利用されているというか、元になっているものとしては、榎原先生の資料の中にもありました「人間工学チェックポイント」です。130ぐらい項目があったと思いますが、それを全部やっているかというと、そういう場合もなくはないかもしれませんが、どちらかといえば、業種別とか、そこの現場に合わせてとか、元となるものから取捨選択をし、適切なボリューム感、大体20、30項目ぐらいが多いと思いますが、それぐらいに落とし込む中で取り組んでいるというのが多いかなと思います。また、そのチェックリストもいろいろな業種バージョンなどが実際に発行されております。今回の場合も100項目を全部やらなければいけないのかという誤解を与えてしまう気がします。見たときに、数が多いこともあって、網羅的ではあるのですが、若干、取組づらい部分もあるのかなと思いますので、もし可能でしたら業種別、若しくは、こういう業種別、職種別など、どういう切り口がいいかはさておき、そうしたもののほうがいいのかと思います。以上、2点です。
○榎原座長 御意見ありがとうございます。主に2点のコメントを頂きました。坂下先生、お願いします。
○坂下構成員 経団連の坂下でございます。私からも論点1~3についてコメントをしたいと思います。事務局から、法律に基づく指針に格上げするに当たり、新たなエビデンス等を踏まえ修正すべき点がないかと問われておりますが、現行のエイジフレンドリーガイドラインの中身を確認し、新たなエビデンス等を踏まえて修正すべき点があるかどうかというと、論点1~3に関しては、特段ないというのが基本的な認識でございます。
 松田構成員も関連して御発言されていましたが、ゼロ災の所につきましては、ゼロ災を目指すことについて、誰も否定はしないと思いますが、高齢者に限った話ではないと思います。そのため、高齢者の対策について記載するこの指針において、全ての世代に該当するゼロ災というものを仮に書き込む場合、どういう文章になるのか具体的にお見せいただかなければ、判断できないと思っております。繰り返しになりますが、ゼロ災自体を軽んじているものでもないですし、否定しているものでもないですが、高齢者に特化した議論をする中で、どのようにゼロ災を位置付けるかは、文章そのものを見て判断をさせていただければと思っております。まずは以上でございます。
○榎原座長 ありがとうございます。そのほかはいかがですか。
○松葉構成員 松葉です。今の論点3までの間で、(2)危険源の特定等のリスクアセスメント、是非ここは柱にしていただきたいと私は考えているところなのですが、一方で、先ほど私が御紹介したような事業場では、リスクアセスメントとは認識せずにやっています。また、やるべき内容は、正にリスクアセスメント指針に沿った中身が適当だと私は考えているのですが、主に第三次産業の事業場などに、そういったものを浸透させていくという意味合いでは、リスクアセスメントをもう少しかみ砕いたような書きぶりというのが必要なのかと。自分たちがやっているこれがリスクアセスメントなのだと納得できるような流れがあると、より普及、定着につながるかなという印象を持っております。具体的な案がなくて申し訳ありませんけれども、以上です。
○榎原座長 ありがとうございます。おおむねよろしいですか。論点8まで、できればいきたいと思っておりますので。では、島田先生、お願いします。
○島田構成員 リスクアセスメントのお話がありましたが、リスク評価の結果を基に、本質的安全対策・工学的対策・管理的対策・保護具の着用という順番で、対策を検討していきます。先ほど影響についてはどうですかとお聞きしましたが、できることなら本質安全対策や工学的対策を実施することで、労働者の方が頑張って体力をつけなくても、安全な作業現場になるということが大事だと思います。リスクアセスメント指針にはその4段階の優先順位に従って検討することと書かれていますが、ここでも対策の具体的な考え方として分かりやすく伝わるようにしていただけるとよいと思います。
○榎原座長 ありがとうございます。よろしいですか。多様な御意見を皆様から頂きまして、ありがとうございます。今日の段階では、それぞれのお立場で、それぞれの御意見等があると思いますので、それぞれの論点について頂いたコメントとして整理をさせていただきます。今の段階はいろいろと御意見を出す段階だと思いますので、どういう形で最終的に文言を作っていくかというところは、その段階で検討していければと思っております。ありがとうございました。
 それでは、論点4、5の所です。資料14~21ページの部分について、まとめて御意見を頂ければと思います。主に、高年齢労働者の体力の把握方法と、体力に応じた対応の部分です。こちらにつきましていかがですか。御発言のある方は挙手等をお願いします。お願いします。
○甲斐構成員 体力のところなので。前も発言をさせていただいているのですけれども、15ページの体力の状況の把握なのですが、主に高年齢労働者を対象とした体力チェックとあります。もちろん高年齢労働者がこの指針の対象でもいいのですが、その実施に当たり、気を付けること、以下の点を考慮することというのが16ページなどにあるのですが、例えばこういう所に、全従業員年齢層を対象に行うことが望ましいという文言を入れていただけると、高年齢労働者だけ差別的にやるみたいなことが起こらないように。あとは、そういう実効性の部分と、効果としても、先ほど申し上げましたが、高齢になってからでは、ある意味、遅いので、早い段階からやるというのを、是非、実施の所で書き込んでいただければと思います。
 あと、体力について、体力チェックはそれぞれに合わせて行いましょうということが書かれているのですが、可能であれば、これを推奨しますというようなことがあったほうが現場はやりやすいと思います。というのも、各現場がばらばらの体力測定をやってしまうと、全体として評価をする、例えばデータヘルス計画と紐づけることになったときに、ばらばらだと紐づかなくなってしまうので、できれば標準化された方法で、かる基準値があるものを、入れてほしいと思います。現行のロコモチェック、立ち上がりとかもいいと思うのですが、高年齢労働者がやる分にはスクリーニングになるのですが、若い人がやると、みんなできてしまって、逆に、少し低下してきている人でも「リスクなし」になってしまうので、若い人でもきちんとグレードが出るような測定項目のほうがいいと思っております。体力測定については以上です。
 引き続き発言させていただきたいのですが、ピンクの箇所は、恐らく消すという所ですよね。20ページを見ていただくと、多分、THPに関連するということで、「高年齢労働者を対象として、身体機能の維持向上のための取組を実施することが望ましい」など、事業者に求める所から全部やることが取れています。これはどこに残っているかというと、労働者に求められる事項の所に、自分の身体機能を高めましょうというのが残っています。ここだけを見てしまうと、身体機能を高める責任が労働者個人に委ねられてしまっています。先ほど、正に松尾先生からも御指摘がありましたが、個人に委ねると、多分できません。ですので、やはり高年齢労働者は身体機能の維持向上のための取組をやりましょうというのを、例えば20ページにもありますし、21ページのポツの上から3~5個目辺りは、どちらかというと、フレイルやロコモティブシンドローム、今回の労災対策に直結するものですが、これらについては、是非、事業者に求められる所に残していただければと。運動が批判を浴びるのは、個人の責任になるからです。個人ではなく、それを事業所全体としてやっていきましょうということを、是非、指針に書き込んでいただければと思います。以上です。
○榎原座長 大事な御指摘を頂きまして、ありがとうございます。そのほかはいかがですか。お願いします。
○山脇構成員 私も甲斐先生の意見に賛同を強くいたしますので、甲斐先生の意見に対する支持があったということが分かるように記録いただきたいと思います。
○榎原座長 ありがとうございます。そのほかはいかがですか。お願いします。 
○坂下構成員今、お話を伺っていて、身体機能の維持向上に関するものは、責任という言葉は使っておられなかったのですが、個人の話ではなく企業が取り組むものだというように聞こえました。そういった側面は、個別企業が労使で話合い、実施すると判断してやる分には問題ないと思います。しかしながら国が示す指針において、企業が果たすものだ、企業が主体的に取り組むものだと位置付けると、高齢者やそういったリスクがある人を雇う以上は、その人の個人的な身体能力の維持・向上も含めて、全て企業が責任を持たなければいけないといったミスリードを招きかねず、必要以上に企業に何かを求めるようなメッセージになってしまい、あってはならないことですが、高齢者の雇用を控えるといった行動を招きかねないのではないかと懸念します。そのため、最初の論点1~3の所でも申し上げましたが、現行のガイドラインに書かれている考え方を大きく変える場合には、しっかりとした必要なエビデンスを示す必要があると思っており、今の御議論に関しては、大変申し訳ないのですけれども、私は慎重な立場を取らせていただきます。
○榎原座長 オンラインで医師会の松岡構成員、よろしくお願いいたします。
○松岡構成員 聞こえますでしょうか。大丈夫ですか。
○榎原座長 聞こえています。
○松岡構成員 論点5の所、P20、21の話がありましたので、そちらからお話させていただきます。企業のところをどうするかということは重々熟考する必要があるとは思いますが、ここはまるまるTHP指針に記載される所として切り分けるということではなく、THPの趣旨については、簡単でもよいので残すほうが、指針として分かりやすいかと思っております。
 少し戻らせていただきますけれども、15ページの論点4の体力の把握方法等については、例えば「体力」にどこまで含まれるのかという意見が前回の検討会でも出ております。感覚機能や認知機能等の話については、健康診断でも分かる範囲であれば、そういった文言を入れたほうがよいと思うのが1点。また、体力に関して、全身状態については個々人の違いが非常に大きいので、体力測定等をする場合には、是非、安全に行っていただきたいと思います。先ほどの若年から高齢の中で一定の基準を設けるという意見が出ており標準化という点では大事だと思いますが、体力測定自体で事故等が起こらないように、場合によっては、体力だけではなくて、もともとの疾患、膝や腰が悪いこともありますので、そのような所が悪化しないような体力測定の方法、留意点でもよいので、一言、付記いただけないかと思います。以上となります。
○榎原座長 ありがとうございます。そのほか、論点4、5の辺りで御意見等はございますか。
○副主任中央産業安全専門官 会場では、松葉先生、松田先生、松尾先生の3人から手が挙がっております。
○榎原座長 では、3名の先生方、順番に御発言を手短にお願いできればと思います。
○松葉構成員 先ほどの甲斐先生からのお話の部分になります。なぜ体力測定の項目を標準化する必要があるか。また、標準化した場合に、どのように基準値も含めて示し、その基準値をどのように使うというように示せるのか。
 今、お話した点については、例えば平衡機能の閉眼片足立ち、点数1だと転倒リスクが極めて高いということで、余り歩くような作業はやらせないほうがいいという方向になりそうだと思うのですが、平和堂の河津先生の所の事例で言うと、50代以上では点数1点の従業員が6割を超えるという中で、歩く作業はさせられないとなったら困るよねというお話があります。その点のお考えなりを教えていただければと思います。以上です。
○榎原座長 先に、ただいまの松葉構成員の御質問について、甲斐先生の御回答はございますか。
○甲斐構成員 安全性というか、標準化のところだと思うので、そうすると、どの項目をという話になると思うのですけれども、確かに閉眼片足立ちは危険、非常にドラスティックに落ちていって、分かりやすいのですけれども、やはり危険かなというのがあるので、私も今、回答がないのですけれども、その辺は安全性と標準化の兼ね合いです。ただ、ここで議論しても分からないものが、では、現場に、お宅にあったものでやってくださいと言われたときに、多分、選べないというようにも思いますので、本当、最低限のものでミニマムなものを何か推奨しますというようなことがあったほうが、現場的には助かるのかなという意見でした。申し訳ないです。
○榎原座長 ありがとうございます。続いて2番目の方、お願いします。
○松田(文)構成員 松田のほうから失礼いたします。2点ありまして、先ほどのそれぞれのお立場からなので、甲斐先生からの御意見と、山脇様からの御意見と、坂下様からの御意見と、いろいろと思うところはありますが、やはり、私どもの研究機関でもよくお問合せを頂くのは、企業としてとか、団体としてとか、あるいは組合としてとかで何をやったらいいかという、一つの事業所としての取組と、もう1つ、個人の中でどう取り組むかということ、この2つのことを聞きたいというお問合せは非常に多いです。ですので、どう盛り込むかやボリュームのバランスなどは当然あるとは思いますが、その両方の立場に立たないとなかなか進まないのかなと思います。企業だけの責任とか、従業員だけの責任とか、そういうことではないと思いますし、やはり、同じ作業であっても、同じ作業場であっても、大丈夫な人とそうでない人がいます。それは個人差の問題もあるわけです。やはり、個々の従業員がそれなりの努力をするということも大事だと思いますし、それを個人に任せてしまうと進まないという甲斐先生の御主張もすごくよく分かりますし、そういう中で労使共に取り組むべき点もあるのかなとは思います。
 2点目は、いろいろな体力測定、私が前回発言したのだと思いますが、感覚器や認知機能も含めての心身機能全般の測定において、その仕事にどれだけそのことが必要なのかということとのバランスだと思います。当然、高所作業をされるような場合は、やはりそれなりに平衡感覚などを中心に筋力も含めて必要だと思いますが、では、事務所作業で、あるいは軽作業で、ライン作業でそこまで必要かと言われたら、それは違うと思うのです。そこのバランスの問題なので、基準作りにしても一様ではなく、やはり、その仕事内容に必要な能力、体力、心身機能の力があるかといった観点から見ていかないと、闇雲にそこに必要のないものまで過剰に求めてしまって、高齢者の方の雇用を妨げてしまうようなことがあると、やはり、本末転倒かなという気はいたします。以上です。
○榎原座長 ありがとうございます。それでは、次の方、お願いします。
○松尾構成員 松尾です。先ほどの甲斐さんと坂下さんの体力のところです。いつも甲斐さんとは仲が良いのですが、反対するわけでもないのですけれども、私たちは、自分たちが作った体力測定を企業に持ち込んで、いろいろとやってみた経験があるのですが、意外だったと言いますか、甲斐さんもそうですが、私たち体育出身の人間は人前で運動するのを見せたい人たちなのですけれども、インタビューしてみると、人前で運動している姿を見せたくないという意見も少なからずあって、意外と多くて、そういうことかと思ったことがあります。
 坂下さんが先ほどおっしゃっていたところで非常に重要だなと思っているのは、企業に対して体力測定を強く推すような制度は、やはり、もう無理な面があると思っています。なので、もう今はオンラインが使えるので、私たちの研究所としては、個人がオンラインを使って自分で体力測定ができるという方向に持っていかないと、なかなか、この体力測定を普及させていくというのは、いろいろなハラスメントの面からもありますし、運動の好き嫌いの面からもありますので、経験上そのように思っております。
 あと、先ほどの資料6の松田晋哉先生からの御意見の読み上げてただいた所で、質問紙がといった話があったかと思います。私たちがここについてもいろいろと検討していく中で、例えば、心肺持久力という体力を測定するときに、新体力テストの20mシャトルランなどがあるのですが、なかなか企業ではできないので、ステップテストというやり方でやったことがあります。ただ、推定をするということに関しては、ステップテストをしても、質問紙をしても、そんなに測定精度は変わらないのです。しかも、これも先ほど甲斐さんとも話したのですが、検者によって全然違ってくるということを考えると、ある意味、この方がどれぐらいの体力かということをスクリーニングする、それで御自身が分かればいいということになると、質問紙だけで制度を作っていくというのも、この指針の中には、それを急に変えるということは難しいのかもしれませんが、今後の検討事項として、そういうことのほうが普及する可能性はあるのではないかなと思っています。以上です。
○榎原座長 ありがとうございました。非常に活発に、また率直な御意見等を賜りまして、ありがとうございます。
○副主任中央産業安全専門官 申し訳ございません、最後に1点だけ、坂下構成員から。
○坂下構成員 もう一点だけ発言させていただきます。今のガイドラインの構成は非常によくできていると認識をしております。まず、経営者が表明をして組織体制をつくる、その後、危険源の特定等のリスクアセスメントをやる、そのリスクアセスメントの結果を踏まえて、各社で労使が話し合って、2以降を優先順位を付けて取組むという、この構図自体は変えないほうがいいと思っております。これを変えるとなると、相当なエビデンスや効果、今、御議論がありましたが、そういった話になると思います。それが基本的な認識でございます。
 前回も申し上げたのですが、改めて、このガイドラインの認知自体が非常に低い。さらにその中でも、個人の体力測定を把握している所はやっている所でも10.3%、やっていない所を含めた分母にすると2%ぐらいしか行われておりません。そういったものを前に出していっても、なかなか実態に合わないだろうという気もします。ガイドラインには実施すれば効果があることが書かれているので、この後の論点になってくると思いますが、指針をいかに周知していくかについて、しっかり議論していただくことが重要なのではないかと考えております。以上です。
○榎原座長 ありがとうございます。時間もございますので、ここの論点4、5については、この辺りにさせていただきたいと思います。最終的に、この指針をどのようにまとめるのかは、もちろん次回の3回目でも、まだもう少しエビデンスの報告等もしていただこうと思いますけれども、この検討会の後半のほうでまとめていくことになります。
 その際にもまた御説明させていただければと思いますが、やはり、まず今回のこの指針の改訂は、現状のガイドラインがまずベースにあるというところです。この点は前回の第1回の検討会でも皆さんに御確認させていただきましたけれども、今、坂下構成員がおっしゃいましたように、基本的には大きな構成は現状のものを踏襲していくと。ただ、指針に格上げするに当たって、指針本体に残すところ、通達等に分けるもの、また、今日、事務局からも御提示いただきましたが、報告書のほうにも記載するものと、その辺りをレベル分けをして分けていくことになるかなと思います。
 最終的には、指針にどの内容をどういうふうに盛り込むのかといったところは、やはり今回の指針で現実的にポイントとしておきたいところは、やはり実効性があるということです。特に中小零細企業も含めて、この指針に格上げすることによって、現実的に有効な対策、方向性のようなものを、きちんと示すような指針になればいいなと思っておりますので、その段階で今一度、指針として何を重視していくのかといった優先度のようなところも考慮しながら、最終的には指針、通達、報告書にうまく分けて整理できればなと思っております。いろいろな活発な御意見等を頂きまして改めて感謝申し上げます。
 それでは、次の論点6~8、資料5の22~27ページです。前回は、ほとんどここのところまでの議論、御意見等は伺えていなかったので、是非、論点6~8について御意見等ありましたら、よろしくお願いいたします。会場のほうは、どなたか手は挙がっていますか。
○副主任中央産業安全専門官 まだ会場のほうではいらっしゃいません。
○榎原座長 それでは、私から1点。今日の私の報告でも、複合介入の必要性といったことを少しお話させていただきましたが、複合介入で必ず入ってくる、どの複合介入のエビデンスでもメタ解析の結果でも入っているのは教育のファクターです。
 なので、この論点6の教育の在り方のようなところについても、やはり、この教育というものはすごく大事なので、どうしても教育というと、転倒なら転倒だけに焦点を当てて取り組まれがちなのですが、包括的に転倒、体力、腰痛対策、熱中症など、安全衛生委員会等で年間計画などを立てるときに、そういうマルチプル・アウトカムの着想で教育をきちんと組んでもらうといいかなと思っています。もし可能ならば、その辺りのエッセンスもうまくエビデンスベースでちょっと入れてもらえるといいかなと思っていました。
 そのほかいかがでしょうか。松尾先生、お願いします。
○松尾構成員 ありがとうございます。榎原先生の今のお話について、質問と言いますか、ちょっと意見交換をさせていただきたいなと思いまして手を挙げたのですが、複合的なアプローチというのは非常に大事であるという同じ認識でおります。一方で、高齢労働者の労働災害ということを考えて、その目的がそこを減らすことに焦点を当てたときに、どういう労働災害が一番多いのかというところを考える必要があるのかなと思っていまして、先ほど先生が一番最初に、先行研究等で挙げていただいていたのが、転倒と腰痛だなという認識で、その2つが非常に重要であると私も思っております。
 一方で、転倒へのアプローチと腰痛へのアプローチというのが複合的、いろいろなことを入れるというところでは確かに必要ではありますが、焦点の絞り方ということも一方では重要ではないかと思っております。転倒と腰痛それぞれに、また体力一つ取っても、アプローチは少し違ってくるのかもしれないと思いますので、その辺りのいろいろなことを含めて榎原先生は御提案されていると思いますので、そういった転倒災害が多いところに着目した場合に、複合をどう考えるかという点について、もう少し教えていただけたらと思い、質問させていただきました。
○榎原座長 御質問ありがとうございます。複合介入ですが、介入する内容については、腰痛、転倒、いわゆる行動災害で共通して介入できるものと、それぞれスペシフィックに行うものと、多分、両側面あると思っています。ここの場合は、もともとのこのエイジフレンドリーガイドラインのポリシー自体が、複合アウトカムを包括的に扱っている、100項目のチェックリストは、もうそういう構成になっていると思いますが、そういうポリシーで取り組んでいること自体は多分非常に良いことで、そこをどう実効性のある形にしていくのかということが課題だと思います。
 その上で、今、松尾先生がおっしゃったように、例えば、転倒に本当にフォーカスを当てたときにはどういうことが必要なのかなど、それぞれの職場で優先して取り組むべき事項のようなところは、ある程度は目安があると、当然、現場としては助かると思います。ただ、今のこの段階で、この要因は腰痛です、この要因は転倒ですといった明確な答えは、きちんとレビューしてみないと、なかなかお示しできないところはあります。これは松田文子構成員からも先ほどコメントがありましたけれども、例えば、仕事の内容別なのか、業種別なのか、ある程度、そういう労働の特性に応じて、行動災害又は高齢者に特化した健康問題に対処するには、どうすればいいかといったものが示せると、何か目安でも、これは通達なのか報告書の中なのかで、ちょっとそういったところも示せるといいかなと、今、御意見を伺って思っていました。すみません、今の段階ではちょっと明確な回答はできませんが。
○松尾構成員 ありがとうございます。よく分かりました。複合の中でも、どれを取り入れていくのかは、いろいろと考えていく必要があるのかなと思いながら聞いておりました。
○榎原座長 そうですね。メタ解析などに含まれているRCTの研究で大体使われているものを大体抽出していって、それを一つの参考資料的にお示しするというのはあるのかなとは思います。ありがとうございます。
 それでは、オンラインの松岡構成員から御発言をお願いします。
○松岡構成員 25ページの論点7、労働者と協力して取り組む事項の所です。今、健康という言葉が榎原座長のほうからも出ていましたが、ここの部分だけ、健康という言葉がとても頻出しており、労働者に求められる事項として、自分で健康をつくっていきなさいよといった内容になっている。ここの所で今までの流れと少し違うのかなという印象を持ちました。完全に健康な状態ではなくても仕事自体はできます。ここの書き方をちょっと全体の流れと合わせていただきたいという印象を受けたので、発言をさせていただきました。
○榎原座長 ありがとうございます。それでは、松葉先生、お願いします。
○松葉構成員 今の先生方の議論と言いますか、考えにちょっと乗せるイメージなのですが、そこにを持ってきて、そのヒヤリハットの複合原因を分かりやすく、見えやすく出していけたら、現場の方々には受け入れられていくのではないかと思います。
 先ほど御紹介しましたが、カインズでは、KYTのイラストを毎月20問もやっているのと、「シナプス」という言い方で、事故やヒヤリハットがあると、それをすぐに全店舗に展開する、情報共有するという仕組みがあるらしいのですが、現場の方々はあれを見ると、怖いよね、分かるよねと、そういった声が実際に現場の人から聞こえてきます。その「怖い」の背景にこんなことがありますという、そのエビデンスも載せて紹介できたらと。
 今、「職場のあんぜんサイト」の中にもヒヤリハットは随分載っていますが、あれ自体も余り見られていなくて、あれをもっと積極的に見にいきたくなるような仕組み、そこにそのエビデンスも載っていたら、現場的にはすごく使いやすいのではないかなというイメージを持ちました。ちょっと指針構成のイメージと違って申し訳ないのですが。以上です。
○榎原座長 ありがとうございました。それでは、時間も迫っておりますので、最後に、資料5の一番最後の28ページ、大臣指針に基づく措置の促進等についての部分について、何か御意見等はありますか。ちょっと時間がありませんので、もしあれば簡単に一言、御意見を頂ければと思います。いかがでしょうか。一応、前回までに頂いているコメントも下に記載していただいておりますが、加えて何かありましたら、お願いします。特に今日の段階ではよろしいですかね。次回の第3回も、本日、皆様から頂いたコメントをスライドにそれぞれ入れ込んで、また議論や追加コメント等を頂ければと思っておりますので、もしありましたら次回のときに御意見を頂ければと思います。
 そろそろ時間になりますので、本日の議論はここまでとさせていただきたいと思います。次回もこのような形で、皆様からまずは御意見を出していただければと思っておりますので、今日、御発言できなかった構成員の皆様には、次回、是非積極的に御発言等いただければと思います。事務局におかれましては、次回の検討会までに、追加資料、追加提出される意見も含めて、今日の検討内容を整理して、次回の検討の準備等をお願いできればと思います。
 それでは、最後に事務局から次回の日程について御説明をお願いいたします。
○副主任中央産業安全専門官 事務局より御説明いたします。次回、第3回の検討会につきましては、10月24日(金)14時開始とさせていただきます。場所については、後日、御案内させていただきます。以上となります。
○榎原座長 10月24日の14時ということで御予定いただければと思います。すみません、今日は私が所用によりそちらの会場に伺えずに、いろいろ進行に関しまして不手際等がございましたことをおわび申し上げます。次回は私も会場で参加しようと思いますので、どうぞよろしくお願いします。
 それでは、以上をもちまして「第2回高年齢労働者の労働災害防止対策に関する検討会」を終了いたします。本日は長時間にわたり、どうもありがとうございました。