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第199回社会保障審議会医療保険部会 議事録
日時
令和7年10月2日(木)10:00~11:32
場所
航空会館7階 大ホール
議題
1.医療保険制度改革について
2.病床転換助成事業について
3.特定健康診査に相当する健康診査に係る結果送付の電子化
4.個人の予防・健康づくりに向けたインセンティブについて
議事
- 議事内容
- ○姫野課長 それでは、定刻になりましたので、ただいまより第199回「医療保険部会」を開催いたします。
委員の皆様におかれましては、御多忙の折、御参加いただきありがとうございます。
まず、本日の委員の出欠状況について申し上げます。本日は、内堀委員、河野委員、島委員、袖井委員、原委員、村上委員、横本委員より御欠席の御連絡をいただいております。
本日の会議は、傍聴希望者向けにユーチューブにおいてライブ配信を行っております。
なお、会議冒頭のカメラの頭撮りはここまでとさせていただきます。カメラの方は御退出をお願いいたします。
(報道関係者退室)
○姫野課長 それでは、以降の議事運営は田辺部会長にお願いいたします。
○田辺部会長 まず、欠席される委員の代わりに御出席なさる方についてお諮り申し上げます。内堀委員の代理といたしまして佐藤みゆき参考人、原委員の代理といたしまして井原辰雄参考人、村上委員の代理といたしまして平山春樹参考人、横本委員の代理として井上隆参考人、以上4名の出席につき、御承認を賜れればと思いますが、いかがでございましょう。
(異議なしの意思表示あり)
○田辺部会長 ありがとうございます。
それでは、早速議事に入ってまいりたいと思います。本日は、「医療保険制度改革について」、「病床転換助成事業について」、「特定健康診査に相当する健康診査に係る結果送付の電子化」、「個人の予防・健康づくりに向けたインセンティブについて」を議題といたします。
では、まず「医療保険制度改革について」を議題とします。
事務局から資料の説明をお願いいたします。
では、よろしくお願いします。
○姫野課長 ありがとうございます。総務課長でございます。
資料1について御説明をいたします。
まず、1ページ目からですけれども、9月18日、26日に2回にわたって御議論いただきました主な意見を整理してございます。下線で前回26日にいただいた御意見を追加したことが分かるような形にしてございます。
1ページ目は下3行分でございますが、公平性・公正性あるいは所得の再分配、また、後期高齢者の健康状態などへの配慮といったフレーズを追加してございます。
次の2ページ目ですけれども、医療保険の持続可能性を確保するための保険給付の在り方というグループでございますが、中長期の財政見通しを含めたあるべき姿、また、中段ですが、費用対効果や経済性の考慮などについての具体的な検討事例として、長期収載品の選定療養、バイオ後続品の使用促進などいただきました。また、バイオ後続品の使用促進については、後発医薬品と異なるアプローチが必要だといった留意点もいただいております。また、最後、低価値・無価値治療といった観点もいただきました。
続いて3ページですが、同じく保険給付の在り方についてということで、一番最後の行ですが、医療技術の評価の在り方について改めて検討・見直しを進める必要があるといった御意見もいただきました。
続いて4ページですが、予防・健康づくり、また、ヘルスリテラシーの促進ということに加えまして、制度理念等への理解促進という点について多数御意見をいただきましたので、見出しも修正をしてございます。
個別の御意見の中では、小中学生も対象にするというような御意見をいただきましたし、下の3つのパラグラフでありますが、支え合いの理念を伝えていくという視点、また、制度の詳細以前に社会保険の原理・原則について対話をして理解をしていただくといった御意見もいただきましたし、納得感ということも御意見をいただいてございます。
続いて5ページ、医療現場を取り巻く環境の変化への対応ですが、中段になりますが、医療提供側の改革という視点、また、医療DXの推進ということも強調いただきました。
最後6ページですが、これまで2回にわたって御意見をいただいたものを事務局のほうで少し整理させていただきました。
まず、最初のパラグラフについては、国民皆保険を実現して高い保険医療水準を達成してきたという到達点の共通認識を記載してございます。
次のパラグラフ、この成果を次世代に継承していくためにも、社会・経済環境の変化に応じた改革を積み重ねていく。特に物価、賃金の上昇ですとか人口構造の変化、人材確保、現役世代の負担の抑制努力も必要性を踏まえた対応が喫緊の課題であるということを記載しています。
具体的な制度の見直しに当たっての観点でありますが、負担能力に応じた負担を通じた所得再分配機能の強化、予防・健康づくり、セーフティーネット機能の確保、医療DXの推進などの医療提供の効率化、社会保険の原理・原則を含めた分かりやすい説明、こういったことで幅広い世代の制度への納得感と制度の持続可能性を高めていくことが必要という大きな方向感を記載してございます。
最後に、今後検討を進めていくに当たって4つの視点で整理をしてございますけれども、世代内、世代間の公平をより確保し全世代型社会保障の構築を一層進める視点。
2つ目、高度な医療を取り入れつつセーフティーネット機能を確保し命を守る仕組みを持続可能とする視点。
3つ目に、現役世代からの予防・健康づくりや出産等の次世代支援を進めるという視点。
最後に、患者にとって必要な医療を提供し、より効率的な給付とする視点、といった形で整理をさせていただいております。
説明は以上でございます。
○田辺部会長 ありがとうございました。
それでは、御意見等がございましたら挙手にてお願いいたします。
オンラインで御参加の委員におかれましては、挙手ボタンでお知らせいただければ幸いです。
では、佐野委員、よろしくお願いします。
○佐野委員 ありがとうございます。
これまでも繰り返し申し上げてまいりましたので、本日は特段個別のコメントはいたしませんけれども、やはり全世代型社会保障の構築、また、現役世代の負担軽減というのは極めて重要なキーワードだと考えております。
そういう意味では、今回、この6ページに示していただいた今後の議論に向けた4つの視点というのは、まさに検討課題が網羅されていると考えておりますので、全く異論はございません。
その上で、具体的な項目、内容の検討を進めることが重要だと思いますので、この4つの視点を踏まえた丁寧な議論をお願いしたいと思います。
以上でございます。
○田辺部会長 ありがとうございました。
それでは、前葉委員、よろしくお願いいたします。
○前葉委員 ありがとうございます。
私も6ページでお示しいただいた4つの視点について、幾つか発言をさせていただきます。
1点目は、最初に掲げられている世代内及び世代間の公平の確保ということでございますが、これは中長期的な課題としてということになりますが、やはり現在の被用者かどうかとか、あるいは職種とか年齢といった区分により、保険者が分立している医療保険制度を言わば最終的には一本化して、全ての国民が負担能力に応じて支え合うことができるような制度を中長期的にはしっかり検討していくことが最終的な目標になるのではないかなと思いながら読ませていただいております。
それから、もう一点、3番目に掲げていただきました次世代支援を進める視点ということでございます。これはなかなか難しい課題なのですけれども、例えば国保について考えるならば、被用者保険と比べますと、保険料負担率はどうしても高くなってしまいます。被保険者の保険料の負担軽減、特に次世代の保険料の負担軽減について、非常にそれを求める声というのは高まっているところでございます。
一方で、国保の構造の話をさせていただきますと、近年、被用者保険の適用拡大などによって構造的な基盤が非常に脆弱になってきているということで、結果として財政的にも厳しい状況になっております。こうした中で、現状の国保財政から更なる被保険者の負担軽減策を講じるというのはなかなか難しい状況がございます。
したがって、国におかれましては、国費の拡充による国保の被保険者、特に次世代支援の観点からの負担軽減策について御検討をお願いできればと思っておるところでございます。
以上でございます。
○田辺部会長 ありがとうございました。
ほかはいかがでございましょう。
では、平山参考人、お願いします。
○平山参考人 今回、今後の議論をテーマとして4つの視点が挙げられていますが、具体的な論点について早めにお示しいただくようお願いをいたします。
また、私たち連合は「全世代支援型社会保障」への再構築が必要だと考えておりますので、社会保険の原理・原則を尊重しながら、高齢者医療制度の抜本改革を含めて検討が必要と考えています。
その上で、3つ目の視点にある出産等に係る次世代支援に関しては、妊娠・出産・産後における妊産婦等の支援策等に関する検討会における議論の整理を踏まえつつ、正常分娩の保険適用に向けて検討いただきたいと考えております。
また、4つ目の視点にある効率的な給付に関して、OTC類似薬の保険給付の在り方の見直しについては、市販薬の過剰摂取や飲み合わせのリスクを踏まえ、慎重な検討が必要ということは改めて申し上げておきたいと思います。
以上です。
○田辺部会長 ありがとうございました。
それでは、井上参考人、よろしくお願いいたします。
○井上参考人 ありがとうございます。
6ページに示された今後の議論を進め方全般につきましては異論はありません。
2番目の○にありますように、まず中長期的な視点に立って、目指すべき方向性というのを皆さんで共有する、国全体で共有するというのは非常に重要だと思いますし、やはり人口構造の変化、人口減少を踏まえまして、現役世代の負担の抑制をしていくということが極めて重要な課題だと思っております。
それを進める上では、3つ目の○に関係しますけれども、幅広い世代に納得感、分かりやすく説明していくということも書いてありますが、やはり具体的な数値を示しながら説明をしていく、あるいは選択肢のようなものを全体に示しながら、こういうことでこういうふうに改革が必要なのだということを丁寧に進めていく必要があるとは思います。
具体的な項目につきましてはこれからだと思いますけれども、既に改革工程等で示されているものはたくさんございますので、スピード感を持って納得、合意が得られるような項目を優先的に議論して結論を導き出すべきだと考えております。
ほかの委員からも御指摘がありましたけれども、4つ目の○の次世代支援を進める視点というのが、次世代支援というのは医療保険の中であまり聞いたことのない言葉だったものですから、次世代ということでいきますと、現役ではない次の世代というイメージになってしまうわけですけれども、そこに保険をかける、保険を展開していくというのはどういうイメージなのか、もしもう少し具体的なイメージがあれば、御説明をいただきたいと思います。
以上でございます。
○田辺部会長 ありがとうございました。
次世代支援のイメージということで、何か御説明は。
○姫野課長 御質問ありがとうございます。総務課長でございます。
この6ページの3番目に記載しておりますのは、現役世代に対する予防・健康づくりですとか、あるいは出産についてはまた別途検討会でも検討しておりますけれども、そういったことを幅広く捉えて次世代支援という形で整理をしてございます。そういった意味では、まだ生まれていないこれからの世代ということが一番狭い定義かと思いますけれども、これからの世代ということで幅広く捉えていただければと思ってございます。
○田辺部会長 井上参考人、よろしゅうございますか。
○井上参考人 幅広いということで、理解いたしました。
○田辺部会長 そのほかいかがでございましょう。
では、藤井委員、よろしくお願いします。
○藤井委員 ありがとうございます。
これまでの議論を網羅的にまとめていただき、ありがとうございました。
今後の議論をより深めていくために、幾つか意見を述べさせていただきたいと思います。
まず1点目でございます。先ほど御指摘がございましたが、6ページ一番下の3番目、予防・健康づくりと出産等に係る次世代支援という項目が同じ項目に整理されています。重要な視点ではございますが、ちょっと観点が違うのかなとは思います。
予防・健康づくりの議論においては、被保険者が健康増進に努めるだけでなく、適切な受診行動の促進や、一部に見られる制度の不適切な利用を防ぐといった視点も議論を進める必要があると考えます。この推進策については、学校や企業の教育、普及啓発はもとより、制度上での取組も考えられます。
例えば初めて被保険者となる際に、制度の理念や健康を保持する必要性について再確認し、意思表示をしていただく機会を設けるということも必要ではないかと考えます。当社の社員などにも聞いてみますと、会社に入ったときに、恐らく総務や人事から保険加入の説明を受けているはずなのですが、あまり意識はないです。保険制度に加入する段階で、この制度に入るということは自分が健康になることが前提だ、ということをきちんと分かっていただくという必要があるのではないかなと思います。加入者一人一人の意識を高めるための具体的な方策を御検討いただきたいと思います。
2点目は、医療提供側の改革についてでございます。資料では医療DXの推進など、医療提供の効率化としてまとめられていますが、医療提供体制の効率化のための論点はより多岐にわたると考えております。以前の部会でも申し上げましたが、経営情報の見える化は、医療従事者の処遇改善や医療の質を維持しながら効率的な経営を実現するための第一歩だと考えます。改革の基本となる重要な視点として、明確に位置づけていただきたいと思います。
また、データに基づく議論の必要性に関する意見が2ページの保険給付の在り方の中に記載されておりますが、これは効率化を進める上でも必須の要素だと考えます。以前も申し上げましたが、病床数の地域差と医療費の関係、あるいはコロナ期の医療需要の減少や、それが健康へどう影響したか、国民の健康状態がどうなったかということを十分に調査するなど、検証すべき論点は数多くあると思っております。
今後の会議では、これまで委員から問題提起のあった様々な事項について、客観的で分かりやすいデータ、資料を御提示いただき、国民の理解、納得感を得られる建設的な議論につなげていただくように事務局にお願いしたいと思います。
以上です。
○田辺部会長 ありがとうございました。
ほかはいかがですか。
では、横尾委員、お願いいたします。
○横尾委員 ありがとうございます。
意見を申し上げたいと思います。このまとめの案の前の4ページにヘルスリテラシーやセルフメディケーションのことを書いていただいています。とても大切だと思っています。
例えばセルフメディケーションはWHO(世界保健機構)が定義づけをされていまして、「自分自身の健康に責任を持って、軽度な体調の不調は自分で手当てをする」ことなども目指すとなっています。また、具体的には、毎年健診を受けて自分の体の状態を把握し、バランスの取れた食事を取って、適度な運動もする。さらには、OTC医薬品等を含みますけれども、そういったものの活用、あるいは十分な休養で健康を保持するというようなことが理念としても掲げられています。もっとこういったことがあるのだということを、簡単でもいいので、WHOも認め、また、世界の人類にとっての大変大切な健康増進の方針だということを発信いただくことも意味があるかと思っています。
それに加えまして、4つの項目でまとめていただいていますが、このページには特にヘルスリテラシーやセルフメディケーションという用語は出てきていないのでが、私はぜひこの2つの考え方や取組をもっともっと多くの方々に知っていただく必要があると思っています。特に後期高齢者の方や年配の方の場合は、ひょっとしたら外国語が片仮名表記されてどんどん出てくると苦手意識というのがどうしても出るようなことがありますけれども、実は今申し上げたような具体的な項目をやっていくことで、自分の健康を保持することができますよということでの目標になっています。こういったことの啓発もしっかりしていかないと、本当に健康で、そして、医療を適切に活用していくというふうになっていかないのではないかなと危惧しています。ぜひそういったことをお願いしたいと思います。
また、今回の議論にはまだ出ていませんけれども、海外の例を見ていきますと、後の項目とも関係しますが、健康に関する国民の健診や検査データを集めて、これは100万単位か1000万単位だと思いますけれども、それを解析して、「あなたはこのままの状態だったら5年後あるいは10年後にはこういった疾病になりますよ」、「その危険性がありますよ」、「可能性がありますよ」ということを啓発するような公的サービスというか、準じたサービスがあるようにも聞いたことがあります。技術的には日本も当然可能だと思うのです。今後、NDBはもちろんなのですが、データを集めて、客観的に医学的、科学的根拠に基づいた一つの警報を鳴らすといいますか、ワーニングをしてしっかり考えていただくということが大切かと思っています。そのスイッチを入れない限り、どれだけ広報物を出したり、メディアに流しても、御本人が本気で受け取ろうとしない限り、なかなか行動変容にはつながりません。それにつながるようなこともぜひ一方では考えていただきたいなと思っているところです。
以上です。
○田辺部会長 ありがとうございました。
ほかはいかがでございましょう。
では、城守委員、よろしくお願いします。
○城守委員 ありがとうございます。
この6ページにございます4つの視点を踏まえた今後の議論の進め方については、異論はございません。この4つの視点はどれも大変重要な視点であろうと思いますし、これまで何度も重ねてコメントしてきていますので詳細は述べませんが、それぞれ今後しっかりと議論されていくことになると思います。
現実的には、この議論をしていく中においても、財政的な財源によってそれぞれを調整していくということも、議論の際には頭の中に入れた形で議論を進めるのだろうなと思ってございます。
1点、この進め方の4つ目のより効率的な給付とする視点でございますが、これに対して少しコメントさせていただきたいと思います。医療の提供に関して、それを効率よく提供する、それを保険診療にて提供するということに関しましては大変重要な視点であろうと思いますが、その前提として、制度変更や制度設計によって医療の質が下がらないということ、そして、医療安全が担保されているということが大前提になると我々は考えますし、あまり過度な適正化ということによって、今お話ししたような点が損なわれることがあってはならないということだけは付け加えてコメントさせていただきたいと思います。
以上です。
○田辺部会長 ありがとうございました。
ほかはいかがでございましょう。
では、中村委員、よろしくお願いします。
○中村委員 ありがとうございます。
この6ページの4つの視点というのがどれも非常に重要であるということに、もちろん異論はございません。
2点申し上げたいと思います。前回申し上げたこととオーバーラップすることもございますが、まず医療提供の在り方を考える上では、やはり論理の一貫性とエビデンス重視という2つの点が重要だと思います。
無価値医療・低価値医療ということなのですけれども、私の理解では、これは国際的な、それから、日本でも医学研究で使われている学術的用語だと私は考えております。無価値というのは医学的効果がゼロか、むしろマイナスの悪い効果があるものを指すと思うのですが、低価値医療というのは費用対効果と関連はあるかもしれませんが、それ以前の問題として、もしプラスの効果があるとしても、これは臨床上実質的に問題にならないほど小さい、実質的にゼロと考えて問題ないぐらいだという意味だと医学系の研究者の先生から伺いました。そうしますと、優先順位としては、やはり無価値医療・低価値医療の見直しというのはやはり一番最初に来るものではないかと思うのです。
この無価値医療・低価値医療とされているものが、医師の感覚ではこれは実は有効なのではないかという意見もあるということなのですけれども、感覚的・経験的な知見というのは、研究の種というか、研究の元になるアイデアとしては重要だと思うのですが、ただ、それ自体ではエビデンスではないと思うので、もし無価値医療・低価値医療といわれているものに実はこういう医学的に重要な効果があるのだということであれば、それはやはりエビデンスとして示されないと国民の理解は得られないのではないかなと思いました。
医療技術や高額薬剤の費用対効果を精査するのが重要だという御意見が前回委員の方から出ておりまして、もちろんそのとおりだと思います。なのですけれども、費用対効果に優れないものは保険収載から外すというのは、優先順位としては無価値医療・低価値医療というのをなくしていった上での次の手段ではないかと考えます。やはりそういう論理の一貫性というものが重要ではないかと思います。
2点目は、患者の自己負担の在り方についてです。今まで研究で分かっているのは、患者の自己負担が増えると受診が減るということです。特に受診が減るのは、非常に軽症だったり、健康にあまり影響がなかったりするところで、より健康にとって重要な治療というのはやはり必需品という性格が強いので、減り方は少ない。ただ、全く自己負担に反応しないわけではないということです。
次に問題になるのが、受診が減ることで、治療が遅れて重症化したり、最悪の場合は患者さんが死亡してしまったり、それから、かえって治療が遅れて重症化することで医療費が増えたりするのではないかという点です。これは理論的には起こり得ることで、非常に重要な点だと思います。
海外では非常に医療保障が不十分な状況だと、自己負担がさらに増えて、受診が減って、治療が遅れて死亡、重症化、医療費の増加が起きたという報告もあるわけです。
ただ、日本では、過去に患者の自己負担が増えることでそういうことが起きたという非常にはっきりとしたエビデンスというのはないと私は考えております。それはどうしてそうなったかというと、日本の医療保障が非常に手厚いからです。ただ、エビデンスというのはもっと掘り下げればあるかもしれないし、今後、患者の自己負担が増加したときにそういうことが起きていないかということを非常に注意して精査する必要があるとは思います。ですが、今まで非常に患者負担が増えたということはいろいろあったり、それから、特定の年齢とかそういうことで急に自己負担が増えたりということはあるのですが、そこで起きたとは言えないことを、必ず起きることを前提として議論を進めるというのは少し無理があるかもしれないと思っております。
それから、患者自己負担に関しましては、実証的な根拠以前の基本的な考えとしましては、医療上の効果の乏しい受診や過剰な受診が起きないように、それと同時に医療上の必要性が高い受診が妨げられないように、自己負担の在り方を設計していくということが原理・原則として非常に重要だと思います。
以上です。
○田辺部会長 ありがとうございました。
ほかはいかがでございましょう。
では、渡邊委員、よろしくお願いします。
○渡邊委員 ありがとうございます。
前回の意見を追記いただき、また、6ページに今後の議論の進め方をまとめていただきありがとうございます。今後の進め方に関して賛成でございます。これを網羅した状態で進めていただければと思っています。
1点、意見になりますが、6ページの3つ目の○にDXの推進などという部分が医療提供の効率化とくくられているのですけれども、ここに関しては、5ページのほうに記載していただいているように、質の向上が図られることに寄与するべきだと思います。その上で、かつ持続可能な医療保険制度の構築につながることということで5ページにも書いていただいていますので、DXに関しては、安全性、質の向上のために進展して、そのサービスを提供する現場の負担という部分に関しては軽減していかないと、なかなか持続可能にならないので、そこの視点は御考慮いただきたいと思います。
以上です。
○田辺部会長 ありがとうございました。
ほかはいかがでございましょう。
では、任委員、よろしくお願いいたします。
○任委員 今回の4つの視点につきまして、おおむね方向性として異論はございません。
6ページの2つ目の○で喫緊の課題として挙げていただきましたが、2040年に向けて生産年齢人口が急激に減少する中で、医療従事者の確保はより深刻な状況になります。将来にわたり国民皆保険制度と医療提供体制を持続させるために、4つの視点に基づく議論の際にはこうした状況も含めて議論をしていくものと認識しています。その際には、機能分化・連携や医療DX、多職種連携等も併せて考えていくことが重要です。これらの点についてどうぞよろしくお願いいたします。
以上でございます。
○田辺部会長 ありがとうございました。
ほかにいかがでございましょう。
では、大杉委員、よろしくお願いします。
○大杉委員 ありがとうございます。
これまでの議論を踏まえて、6ページに1から4の視点が記載されておりますけれども、おおむね賛同させていただきます。
その上で、最近各方面で話題に上がっておりますOTC類似薬の保険適用除外の議論については、歯科においても影響がある部分であり、国民の方々の負担にも影響を及ぼすことですので、慎重に御議論のほど、お願いしたいと思います。
私からは1点、以上です。
○田辺部会長 ありがとうございました。
ほかはいかがでございましょう。よろしゅうございますか。
では、金子委員、よろしくお願いします。
○兼子委員 ありがとうございます。
うまく言えるかどうかあまり自信はないのですが、先ほど無価値医療・低価値医療ということが出ておりましたけれども、これについては私は事例としてあるようには思うのですけれども、そういったことを前提にして制度を組んでいくというのがいいのかどうなのか。先ほどのお話を伺っていますと、こういったことを防ぐために自己負担、受診時の負担を強化しては、そういうお話がございましたけれども、現在、例えば私ども、医療機関にかかります。それから、投薬を受けます。そうしますと、お薬手帳というものが出ているわけです。それで、幾つもの医療機関、薬局から同じ薬をもらうということは、現実には非常に少ないことだと思うのです。私も幾つか医療機関にかかっていますけれども、2~3か月に一遍ぐらいは投薬いただいた薬について体調はいかがですかとか、その薬で発生する副作用などのことについて薬剤師さんからも聞かれますので、そういう意味での相互チェック機能というのがつくられているのと思うのですが、これを高めていくということがこれからの課題なのだと思います。
それから、例えば医師側の問題で、あまり受療の必要性がない患者がたびたび来ることをそのまま受け入れて必要性が低いと思われる投薬をする、患者がそれを喜ぶ。これも事例として全くないということではないとは思いますけれども、それを前提にして医療の在り方を考えていくということに疑問があります。今申し上げましたように、そういう意味では、患者の側の教育の問題も出てきましょうし、それから、受け入れる医師側の意識を高めていくという努力も、されていると思いますので、こういったことを評価しながら医療の在り方を考えていくことにしないと、そこがあまり軽視されて、例えばセルフメディケーションということが強調されますと、必要な受療ができないということがむしろ高まっていくのだろうと思います。
これについて、自己負担が増えて、受診が減ったり、治療が遅れて死亡、重症化、医療費の増加が起きるそういった事例、エビデンスがどうなのかというようなお話もございましたけれども、私ども国民から見てそういったことは本当にないのかどうなのか。多くの医療関係者、医療団体の方々からそういった事例があるのかないのかという声を集めていただいて、国民にそういった情報をきちんと返していただく。そういうことが必要と私は思っております。
医療の在り方として、負担の問題で受療を抑制していく方法ではなくて、今、様々な形で努力をされている医療機関の努力、あるいは薬剤師さんの努力、また、患者、国民の努力ですね。特に国民の側のところで言えば、所得の低い人ほど医療について学ぶ機会も少ないですし、様々な形で収入が低いために受診を控えたり食費を削ったりなどの自己規制しているということが、消費税の問題や、あるいは保険料の問題でもそういう事例が発生し得る可能性というのは非常に高いと思いますので、そういった点では、組み立て方について、もう少し制度の持続性という点については、前から申し上げていますけれども、やはり財源的な点で応能負担のところを真剣に考えていく。受診するごとに高い負担とか、あるいは消費税のようなものは、応能負担というよりは応益負担のようなものではないでしょうか、言葉がうまく合っているかどうか分かりませんけれども、そういった中では望ましい制度が本当に可能なのかどうか。そういったことを考えていただきたいと思います。
○田辺部会長 ありがとうございました。
ほかはいかがでございましょうか。よろしゅうございますか。
それでは、ほかに御意見等がなければ、本議題についてはこれまでとさせていただきます。
事務局においては、本日いただいた御意見を踏まえつつ、資料に記載の視点に沿って具体的な検討を深めていただきますようお願いいたします。
では、次に「病床転換助成事業について」を議題といたします。
事務局から資料の説明をお願いいたします。
では、よろしくお願いします。
○山田課長 医療介護連携政策課長でございます。
資料2「病床転換助成事業について」の2ページをお願いいたします。
本年6月に本部会におきまして、病床転換助成事業の在り方について一度御議論いただきました。令和8年3月31日までの事業ですので、どのような対応が適当かとの御議論をいただきました。
3ページがその際の委員の主な御意見でございます。廃止するべき。スクラップ・アンド・ビルドしていく必要がある。継続していくのであれば、この事業の売りをしっかりと見せて周知していく必要があるのではないか。また、療養以外の病床への対象拡大も検討する必要があるのではないか。新たな地域医療構想において選択肢として必要ではないか。ニーズを踏まえて対応を検討する必要。継続する場合にはより手厚く支援するという方法もあるのでは、といった御議論をいただきました。
それを踏まえまして、事業の今後につきまして5ページをお願いいたします。
「見直しの方針について」というスライドでございますが、令和6年の「新たな地域医療構想に関する取りまとめ」におきましては、現行の地域医療構想の取組については令和8年度も継続することとし、新たな地域医療構想については令和9年度から順次取組を開始するとされております。また、地域の資源の状況に応じて、療養病床だけでなく、在宅医療、介護施設・高齢者の住まいなどと併せて構築していくこととされております。
また、改めてですが、本事業は医療費適正化を推進するための事業として位置づけられております。
矢印の下のほうでございますが、事務局からの提案でございます。
病床転換助成事業は、令和8年度以降も継続することとし、新たな地域医療構想が9年度から開始され、第9次医療計画が令和12年度からであることを踏まえまして、新規の申請期限を令和11年度末までとしてはどうだろうか。
その上で、実績や昨年度行いました調査・検証を踏まえまして、①対象病床の要件の見直し、②補助単価の見直しといった2つの見直しをしてはどうかと考えております。仮に見直しなどの改善を行うのであれば、上記期限におけます事業終了も視野に入れつつ、それまでに十分に活用されますよう、より一層の周知を行っていく必要があるのではないかと考えております。
6ページです。
1つ目の見直し案でありますが、対象病床についてであります。現在、対象病床は基本的に療養病床とされておりますが、療養病床とともに同一病院または同一診療所内にあり、療養病床とともに転換を図ることが合理的であると考えられる場合のみは一般病床も含むことが可能とされております。
一方で、これまでの間に約600の介護医療院に転換した医療療養病床と介護療養病床以外の病床というものがございました。一般病床から介護医療院への転換ニーズも一定巣程度を想定されるところでございますので、6ページ下でございますが、一般病床全てを病床転換助成事業の対象としてはどうかという案でございます。
7ページであります。
繰り返しになりますが、本事業は医療費適正化のための事業でありますことから、一般病床と介護医療院との費用を比較してみました。診療報酬、介護報酬の基本料は様々なパターンがありますけれども、報酬を見ますと、基本的に一般病床のほうが介護医療院よりは高くなっております。実際に給付した額を比較してみますと、一般病床は1日当たり約5万8000円、介護医療院は約1万3000円となっています。
8ページです。
2つ目の見直し案でありますが、補助単価の引上げをしてはどうかと考えております。現行の事業は、病床1床当たりにつきまして改修50万円、創設100万円、改築120万円となっておりますが、これは事業が開始された平成20年度から変更されておりません。また、昨年度行いました実態調査・効果検証結果の中でも補助額が低いという課題も指摘されておりました。
また、令和5年度で既に廃止されておりますが、介護療養型医療施設等転換整備事業におきましては、改修は122万、創設244万、改築302万という額でした。
これらを踏まえまして、この介護療養型医療施設等転換整備事業の単価も参考にしつつ単価を見直して、改修120万、創設240万、改築300万にしてはどうかと考えております。
以降は参考資料ですので、説明は省略させていただきます。
説明は以上でございます。
○田辺部会長 御説明ありがとうございました。
それでは、御意見等がございましたら挙手にてお願いいたします。
では、佐野委員、よろしくお願いします。
○佐野委員 ありがとうございます。
この病床転換助成事業につきましては、前回6月の医療保険部会においても、調査研究の結果を踏まえると、本事業は十分に機能しておらず、廃止すべきだと申し上げましたけれども、その考えは変わっておりません。
そういった意味で、今回さらなる延長を行うということは、正直なところ、違和感がありますが、ただ、対象病床の要件緩和や補助単価の見直しを行った上で、新規申請期限を令和11年度末までとするということは、言わば今回の延長を最後の延長とするものと理解していまして、言葉遣いはやや乱暴かもしれませんが、助成金を使い切っても使い切らなくても、今回の延長で本事業は終了するということを明確にしていただきたいと思います。
以上でございます。
○田辺部会長 ありがとうございました。
では、城守委員、よろしくお願いします。
○城守委員 ありがとうございます。
今、佐野委員から御意見もございましたが、6月の医療保険部会において、我々のほうはこの手続の煩雑さ、また、補助額の低さ、さらには対象病床が限られている等の問題もありますし、何よりも周知があまりされていないということがあって、この事業があまり使われていないということもあろうと思います。その辺りを見直しつつ、事業の継続をお願いしたわけでございますが、それぞれ見直していただいているということで感謝申し上げたいと思います。
今お話ししましたように、せっかくこの事業の見直し、継続をしていただくという形であっても、これは誰も知らなければ申請してこないということになりますから、一層の周知をまずお願いしたいということが一点。
さらには、この申請に当たって手続が非常に煩雑であるという点はぜひとも解消に向けての努力をしていただきたい。これは国だけではなくて、都道府県においてもその手続、申請様式、また、ファイル等があまり複雑にならないようにお願いをしたいなと思ってございます。
医療機関の経営は大変厳しい状況でございますので、補助ということをしていただけるのであれば、その交付に至る期間はできるだけ短縮化していただきたいと思ってございます。
この助成事業は市町村の財政状況によっても影響を受けるということもございますし、さらに、財源として国と都道府県、そして、保険者のそれぞれの役割、10対5対12ということもあって、それぞれの財政状況によって影響も受けて、事業がなかなか進みにくいということもあろうかと思いますので、その辺りの検証といいますか確認も含めた上で、事業の進展状況のチェックをお願いできればなと思いますので、よろしくお願いしたいと思います。
以上です。
○田辺部会長 ありがとうございました。
それでは、井上参考人、よろしくお願いいたします。
○井上参考人 ありがとうございます。
佐野委員からもありましたけれども、調査によれば、転換予定があると回答した医療機関は限定的であったということでございますので、本来であればこの事業自体は廃止すべきではないかなとは思います。ただ、今回の対象病床の要件あるいは補助単価の見直しということについて、この提案の下にありますように、令和11年度末の新規申請期限をもって事業終了するという前提の下、今回継続するということでよいかなと思います。
この事業は転換を進めていくというのがもともと目的でございますので、この転換の状況の進捗につきましては、今後もこの部会に定期的に御報告をいただきたいと思います。
以上でございます。
○田辺部会長 ありがとうございました。
ほかはいかがでございましょう。
では、横尾委員、お願いいたします。
○横尾委員 ありがとうございます。
3ページに過去の発言のことの概要が出ています。一番下に「回答率が26%であまりにも低い」という御指摘と、その最後のところに、「継続する場合は、地域で不足している介護施設に転換する場合に対しても手厚い支援が必要ではないか」という方法論も提起いただいた意見が記述されています。確かに2割台というと、調査としてはかなり低い印象を持ったところですし、そして、後段のほうにありますように、今後の社会を考えていくと、高齢者の方がどんどん増えていきますので、認知症の方が増えたり、骨折のおそれがある方が増えていきますので、この病床転換に関してはそういったことへの対応がきちんとできるような施設とかが必要になってくる可能性が潜在的に高くなってくると思っています。
そういった上で、方式や様式に基づいたもののみ認めるのか、曖昧にしては難しい点もあるかもしれませんけれども、最後に記述されているように、「地域で不足している施設」に関しても何らかの助成をするのかというのは、超高齢化社会に向かっていく中で、フレイルも当然出てきますので、そういった中をどうするかということも含めて検討が必要かなということをすごく感じているところでございます。何らかの対策は必要だろうと現状では思っているところです。
○田辺部会長 ありがとうございました。
それでは、伊奈川委員、よろしくお願いいたします。
○伊奈川委員 ありがとうございます。
病床転換の関係については、今日の資料にありますように、やはり使い勝手のよさであるとか、あるいは物価や賃金の実勢に合わせた単価設定が必要だということだと思いますけれども、もう一点、この間の調査研究でも出てきたのは、やはりタイミングの問題というのはあるのだろうと思います。補助金があるから転換するというよりは、地域の中で必要な医療ニーズに応えていく中での経営判断として、転換をするに当たって補助金があれば促進されるということでありますので、そういった点では、やはり経営上の判断、そういうところにきちんと働きかけられるような周知徹底が必要なのかなというのが一点であります。
もう一つは、今日の資料にもありますけれども、関係の施設、病院というのはかなり地域間のばらつきがあるわけですので、そういった点では、今後の地域医療構想など、医療提供体制の見直しといった中にこの転換の助成事業も組み込まれてくるということは必要なのだろうと思います。そういった点では、やはり都道府県のような自治体関係者、あるいは医療関係者の理解や協力ということが重要なのではないかと思います。
以上であります。
○田辺部会長 ありがとうございました。
それでは、佐藤参考人、よろしくお願いいたします。
○佐藤参考人 ありがとうございます。
新たな地域医療構想を推進していく上では、限られた地域の医療資源の活用が重要となりますことから、介護保険施設等への転換を支援するこの事業は今後の医療介護提供体制の構築に向けて必要であると受け止めております。
今回の見直しの方針において、事業期間の延長や対象病床の拡大、補助単価の見直しについてお示しいただきましたが、今後、医療機関が活用しやすい制度としていただくとともに、国においてもこの事業のより一層の周知をお願いいたします。
私からは以上です。
○田辺部会長 ありがとうございました。
それでは、前葉委員、よろしくお願いいたします。
○前葉委員 ありがとうございます。
先ほど佐野委員がおっしゃった点に関連してなのですけれども、これは今回延長するとして、使い切っても使い切らなくても最後にしましょうという御意見だったと思うのですが、令和11年度末までにどれぐらい申請が見込まれるのかということについて、何らかの見通しがないのかなと。新たな補助金額にして、そして、一般病床まで拡大した場合に、今ある余剰金で足りるのかどうかということ。使い切っても使い切らなくてもということにもう一つ、足りなくなったらどうするのというようなお話もあるのかなと。例えば補助金額が非常に魅力的であれば、たくさんの申請が来てという懸念もあるわけでございます。
こういう事例がありましたということを1つ御紹介させていただきたいのですが、これは医政局さんの所管なのですけれども、病床数適正化支援事業という病床数を削減する医療機関を支援する制度があるのですが、これが今年度想定を大幅に上回る申請があったということで、一次内示の時点で自治体病院が全部事実上対象外になったという事例がありました。というのは、支給要件の中に自治体の一般会計からの繰り入れがない医療機関というのが一次内示のときに加えられまして、ほぼほぼ皆さん対象外になった。その後、二次内示をいただいたところもありましたが、こういうような医政局さんの事例がありました。
この事業は拡大しても引上げをしてもまさかそういうことにはならないのかなと思いますが、その辺り、どういう見通しをお持ちなのかということをこの段階で事務局にお尋ねさせていただきたいと思いました。
以上です。
○田辺部会長 ありがとうございました。
それでは、御回答いただければと思います。
○山田課長 見通しについて御質問をいただきました。
詳細な具体的な見通しがあるわけではないのですけれども、まず単価を2倍以上にしたということで、一定の申請は今までよりは増えていただけるのかなと思っております。
また、前回の延長が2年間の延長という非常に短い延長だったので、検討していただく時間が非常に短くて、申請が伸びなかったということもあると思っております。
ただ一方、既にある基金の規模と療養病床以外の病床が期間中に転換したのは約600という規模感を比べますと、かなり申請が増えても基金が足りなくなるという状況にはないと思っております。
いずれにしましても、先ほどから事業の途中の進捗状況ですとか検証を報告しなさいという御指摘をいただいております。事業が始まりましたらしっかりと現状を把握しまして、改めて報告したいと思っております。
○田辺部会長 前葉委員、よろしゅうございますか。
○前葉委員 ありがとうございました。
ゆめゆめそういうことはないと思いますが、万一余剰金を上回るような申請があって、再度保険者から拠出を求めるというようなことにはならないように十分御留意いただきたいなと思います。
以上です。
○田辺部会長 ありがとうございました。
それでは、中村委員、お願いいたします。
○中村委員 先ほど言及いただきました主な意見の最後の○は私が申し上げたことかと思うのですけれども、継続の場合は地域で不足している介護施設に転換する場合に手厚く支援したらいいかもしれないということを申し上げたのですが、やはり地域によってどういうニーズがあるか、どういった施設とか病床が不足しているかというのは違いがあるのではないかと思うのですけれども、これは地域によって転換先の要件が違うということがあり得るのかどうかについてお伺いしたいと思いました。お願いいたします。
○田辺部会長 この点、いかがでございましょう。
○山田課長 地域によって転換先がここでなければいけないみたいなルールはありません。
資料の12ページをお願いします。
活用の実績でありますが、右側を見ていただきますと、介護医療院と老健が多くて、そのほか、グループホームですとかほかの介護施設に転換する場合でも対象となります。どの施設、サービスが必要とされているのか地域ごとにお考えいただくことにはなると思いますけれども、この地域だからこの転換先は認めないということにはなっていない事業でございます。
○中村委員 それは自治体で判断するということになりますか。地域ごとに何か判断が違うということはあり得るけれども、それをあらかじめ決めることではないということでしょうか。
○長江室長 御質問ありがとうございます。医療費適正化対策推進室長でございます。
この事業自体としましては、まず医療機関からどういう介護施設に転換したいといった整備事業計画を自治体のほうに提出していただきまして、自治体と協議していただいて決定するものになりますので、基本的には医療機関の希望に合わせて都道府県と協議して決定するものになります。
○中村委員 ありがとうございます。
○山田課長 医療介護連携課長です。
補足ですが、10ページにも対象となる移転先の施設を列挙しておりまして、介護医療院だけでなくケアハウス、老健、有料老人ホーム、小規模多機能などを記載させていただいております。こういったもののどれに転換していただいてもいいことにはなっております。
○田辺部会長 中村委員、よろしゅうございますか。
○中村委員 はい。ありがとうございました。
○田辺部会長 ほかはいかがでございましょう。
それでは、ほかに御意見がないようでございますので、方向性についてはおおむね御了承いただいたということでよろしゅうございますでしょうか。
(異議なしの意思表示あり)
○田辺部会長 ありがとうございます。
それでは、本議題についてはこれまでとしたいと存じます。
では、次に「特定健康診査に相当する健康診査に係る結果送付の電子化」及び「個人の予防・健康づくりに向けたインセンティブについて」、こちらは報告事項でございますけれども、これを議題としたいと存じます。
この2つの議題につきましては、特定健診、予防・健康づくりと健康管理や疾病予防に関する事業ということで、御意見、御質問等は2つの説明が終わった後、まとめていただければと思います。
それでは、事務局から資料3、4の順番で御説明をお願いいたします。
○山田課長 医療介護連携政策課長でございます。
資料3「特定健診に相当する健康診査に係る結果送付の電子化」の1ページをお開きください。
現行の特定健康診査では、保険者は40歳以上の加入者に対して特定健診を実施する義務がある一方、特定健診に相当する健康診査、例えば人間ドックの結果の提出を受けたときはその限りではないとされておりますが、この場合には書面で提出するよう法律上規定されているという状況でございます。
例えば事業主健診でありますと、電磁的方法により作成された記録でよいとなっておりますが、特定健康診査に相当する健康診査でありますと法律で書面の提出と書かれているということであります。
2ページをお願いいたします。
結果の送付を電子化してはどうかと考えております。事業主健診と同様に、特定健診に相当する健康診査につきましても電子情報での提出を原則としてはどうかと。
左側のグラフでありますが、現在、特定健診に相当する健康診査が約115万件年にありまして、法令上書面で提出しなさいということになっております。割合にしますと3.7%でございます。
右側の赤字の部分でありますが、事業主健診の場合と同様に、相当する健康診査の場合も健診データの提出を原則電子としてはどうかと考えております。
資料3は以上でございまして、続けて資料4も説明させていただきます。
資料4「個人の予防・健康づくりに向けたインセンティブについて」の1ページでございます。
まずは経緯です。平成28年4月の法施行におきまして、個人の予防・健康づくりに向けたインセンティブが保険者の努力義務として位置づけられております。
あわせて、その際にガイドラインも策定させていただいております。
1ページの下段にガイドラインの主なポイントを記載しております。1.個人への分かりやすい情報提供、2.インセンティブの評価・提供方法、3.取組を広げるための方策、こういったものが記載されております。
2ページです。
それ以降、それぞれの保険制度、保険者ごとに順次取組を進めていただいているところです。黄色く塗っておりますが、制度共通の指標としましてヘルスケアポイントなどの個人へのインセンティブということも記載させていただいております。
3ページでございますが、達成割合の推移のグラフであります。それぞれで指標が異なりますので、単純に比較できるものではありませんが、各制度、各保険者ごとに取組は拡大しつつあると言えますし、また、その途上にあるとも言えます。
4ページでございます。
今後の取組のまとめであります。繰り返しの部分もございますが、平成28年4月の法改正で、加入者に予防・健康づくりのインセンティブを提供する取組について保険者の努力義務として位置づけられました。
保険者インセンティブにおける個人インセンティブの関連指標の達成割合は年々上昇していますが、保険者によって差がありますし、さらに促進させる必要があると考えております。
下段の取組の部分でありますが、保険者における個人インセンティブの取組をより推進するため、国内外の個人インセンティブの事例・エビデンスを収集したいと思っております。また、好事例の横展開や個人インセンティブのガイドラインの改正を進めていこうと考えております。
資料3と4の説明は以上でございます。
○田辺部会長 御説明ありがとうございました。
それでは、この資料3と資料4につきまして、御意見等がございましたら挙手にてお願いします。
では、佐野委員、よろしくお願いします。
○佐野委員 ありがとうございます。
議題3及び議題4の両方についてコメントしたいと思います。
まず、議題3の特定健診における電子方法での提出の原則化はぜひ進めていただきたいと思っております。
一方で、現在、健保組合として大きな問題だと考えていますのは、事業主健診ですとか人間ドックなどにおける健診結果の帳票様式が健診機関ごとに大きく異なっていることでございます。その結果として、健保組合におけるインプット作業等において極めて非効率かつ多大な労力、負荷がかかっているという点もございます。そういう意味において、この電子情報化に合わせて、人間ドック等の健診フォーマットの標準化をぜひ強力に進めていただきたいと考えております。
それから、資料4のほうでございますけれども、こちらも好事例の横展開ですとか個人インセンティブのガイドラインの改正についてはもちろん特段異論はございません。
一方で、先ほど御説明がありましたけれども、今、国が行っていますところの保険者インセンティブについては、その仕組みが保険者ごとに大きく異なっているということも事実だと思います。そういう意味で、健保組合は自らの保険料を財源に取り組んでいるということにおいて、国庫補助金の活用等、仕組みを見直してほしいという要望が強く出ているということは申し上げておきたいと思います。
以上でございます。
○田辺部会長 ありがとうございました。
それでは、伊奈川委員、よろしくお願いいたします。
○伊奈川委員 ありがとうございます。
今回、インセンティブについてという資料でしたので、それに関連して発言させていただきます。
先ほどの御説明にもありましたように、このインセンティブに関しては現状ガイドラインがあるわけですけれども、その中で金銭的なインセンティブについてはどちらかというと慎重なスタンスを取っているように読めるのですけれども、どこが限界なのかというのが正直分からない部分もあったりするわけであります。
例えばずばりお金をあげるということになると、実際上、保険料のメリット性、つまり、こういった取組をした人は保険料が下がるということになりますので、そうなると、やはり慎重にせざるを得ないのかなと読めるのですけれども、今日の資料を拝見しても、例えば1ページあたりにありますけれども、実際上、いろいろな換金性の高いような商品券みたいなものになるとどうなのだろうかと。ただ、そういったものというのは地域振興にもつながるからといったような感じで読めるわけですけれども、その辺り、できるだけ明確にしていただくことが保険者であるとか個々人のいろいろな取組あるいは創意工夫ということに影響があると思いますので、そういった点について明確化をしていただければなと思いました。
以上であります。
○田辺部会長 ありがとうございました。
ほかはいかがでございましょう。
では、北川委員、よろしくお願いします。
○北川委員 ありがとうございます。
両方の点でコメントさせていただきたいと思います。
まず、特定健康診査に相当する健康診査に係る結果送付の電子化につきましては、先ほど佐野委員からもございましたが、このDXを進めるという中でぜひ積極的に進めていただきたいと考えております。逆に言うと、これがぽつっと残っていたのかというところもありますので、漏れのないように、また、私どもとしても、具体的に電子化をさらに進めていただきたいような事例があった場合には御報告をさせていただきたいと考えております。
また、健診結果に関しては、これも佐野委員と同じ意見をまず一つ申し上げたいということとともに、実務の中においてはやはり誤記載が一定数ございます。これは我々のほうのチェックで分かる範囲のものでございますので、その限りにおいて訂正、修正というのを地道に取り組んでいる次第なのですけれども、この健診結果の精度管理というテーマについても何らかの形で国全体としても取組を進めていただけると大変ありがたいなと考えております。
2点目の個人の予防・健康づくりに向けたインセンティブにつきましては、協会におきましては、加入者や事業者の行動努力を支部ごとの保険料率に反映させる仕組みとして今運用しております。若干複雑な仕組みではあるのですけれども、今日出ておりましたヘルスケアポイントを個人単位でというような取組は協会として今取り組んでおりませんけれども、現状の形をさらに精緻化させていくというような方向性とともに、今後、健保アプリが定着する中で、個人単位の健康づくりについてもいろいろ関与ができるようなインフラが整いました暁には、こうしたことについても議論を進めたいなと考えている次第でございます。その際、伊奈川委員からもございましたけれども、金銭的なというよりは、やはり健康づくり、予防とかそういった具体的なものに関係するような形での還元、インセンティブというのを考えるべきではないかとも思っている次第でございます。今後、こうした点についてもさらに検討を進めてまいりたいと考えております。
以上でございます。
○田辺部会長 ありがとうございました。
では、藤井委員、よろしくお願いします。
○藤井委員 ありがとうございます。
議題4について申し上げます。保険者の取組によって個人の健康増進が図られるのは喜ばしいことだと思いますので、4ページ下部の取組については進めていただきたいと思います。
また、予防・健康づくりの分野では、民間の保険会社も精力的に取り組んでおられまして、様々な知見を優に持っていると思っています。先ほど北川委員がおっしゃられましたが、生命保険会社などでは健保アプリを活用しています。健康管理の必要性を繰り返し通知してくるので、自身の意識がかわりますし、経営者にも社員がきちんと健康管理に取り組むよう、うまく言ってきます。そうした民間のノウハウというのはうまく活用すべきではないかなと思います。
しかしながら、議論の視点を変えますと、そもそもこういった取組というのは保険者側の法的な努力義務ということなのですが、本来、自らの健康維持・増進に努めることは、保険制度の加入者である我々被保険者自身の努力義務ではないかとも思います。先ほど議題1でも申し上げましたとおり、被保険者が健康増進を努力義務として認識できるような具体的な方策も必要ではないかと思います。この点について引き続き議論をお願いしたいと思います。
以上です。
○田辺部会長 ありがとうございました。
ほかに。
では、城守委員、よろしくお願いします。
○城守委員 ありがとうございます。
議題3、4それぞれについてコメントをさせていただきたいと思います。
まず、3の健診結果の送付の電子化に関しましては、これをどんどん進めていただくということで賛同させていただきたいと思いますが、佐野委員やほかの方もおっしゃっておられますように、これは健診機関の電子化に係る業務の負担増ということが想定されますので、ここに関しては特段の配慮がやはり必要になってくるのかなと思います。
そして、これも佐野委員がおっしゃっておられた健診のフォーマットの標準化ですね。これは様々な画像所見の表記であるとか単位であるとかも含めてなのですけれども、確かに現在まだ統一されていないということもございますので、日本医師会のほうではこの健診のフォーマットの標準化に向けた取組を幾つかの健診実施主体とともに進めているというところもございますので、国におかれましては参考にしていただいてもよろしいのではないかなと思います。
議題の4でございますが、個人の予防・健康づくりに向けたインセンティブにつきましては、推進をしていただくということは大変期待をしておりますし、個人個人が健康・予防に関して取り組んでいただくということは大変すばらしいことであろうと思います。これは医療費の抑制ということにもつながってこようと思いますが、あまり個人のインセンティブに偏ってしまいますと、公的保険制度の趣旨に違反するようなことになることも可能性としてはあり得ますので、そうならないように、うまく推進していただきたいなと思います。
私は以上です。
○田辺部会長 ありがとうございました。
ほかはいかがでございましょう。
では、平山参考人、よろしくお願いいたします。
○平山参考人 連合の平山です。御指名ありがとうございます。
私からは議題4の個人の予防・健康づくりに向けたインセンティブについて発言させていただきます。
予防・健康づくりの促進に向けて、一人一人の行動変容を促していくことは必要ですし、近年ではアプリなどの活用も進んできていると思います。このガイドラインを受けてどういった取組が促進されたのか。また、加入者なら誰でも公平にスタートラインに立てるインセンティブだったのか。さらには、取組の結果、具体的にどのような効果が見られたのかなど、まずはそこが検討の出発点になるのではないかと考えております。
私の発言は以上となります。
○田辺部会長 ありがとうございました。
ほかはいかがでございましょう。
では、横尾委員、よろしくお願いします。
○横尾委員 まず最初は電子化の話です。健康診査の結果の電子化は当然のことではないかなと思っております。
関連で考えるに、たしかフロッピーに記録させて保存するというのが法律に書かれていたために、かなりの期間、ごく最近までフロッピーというのがあったということを報道で読んだことがあるのですけれども、今のデジタルネイティブ世代はフロッピーとは何なの、見たことないという感覚だと思うのですよね。何を言いたいかといいますと、やはり技術はそうやって進んでいきますので、適宜必要なときに、政府全体のデジタル化を扱っている部署が言うからではなくて、各省庁で変革のニーズをお感じになって、もっとイノベーションすべきだというのをどんどん出していただいて、よりよい方策が必要だと思っています。
小さな組織の役所関係でも、あるいは民間でもそうですけれども、組織内の若手層は、例えばSNSや情報を共有できるLINEなどを使ってコミュニティーでの情報を共有したほうが絶対対応が早くなると思っていますが、管理職ぐらいになったり、もっと上の年齢のクラスになると、電話でいいのではないのという話を聞いたことがあります。電話だとその対応に1時間以上かかるのが、SNSを使えば一瞬にして伝わるわけですよね。だから、そういう技術革新と社会のイノベーションというトレンドも踏まえながら、ぜひ各省庁の現場の皆さんがこういったことも含めて、電子化のみならずどんどんやっていただきたいと思っています。
といいますのが、AIは多分この先にも5年単位くらいで物すごく進化していきますので、10年後は予想できない範囲になっていくだろうと思います。そういった中での電子化ということもぜひ射程に入れて考えていただけたらいいかなと思っています。
あと、次に、インセンティブの件ですけれども、やればポイントになって、それが金銭的な動機づけとか、いい意味での健康づくりになるから良いということは意味があると思っていますが、ただ、よくよく考えていくと、本気でその人が健康づくりをやるのはいつからかというと、ひょっとしたら健診データを人間ドックか何かで保健師あるいはドクターから聞いて、「このままだと私は3年後、5年後は大変だな、何とかしたい」と思って本当のスイッチが入ってから本気になっていくと思うのです。そうすると、単なるヘルスケアポイントだけではなくて、どこかで早いうちに保健師や健康関連の専門の方からのインタビューとかカウンセリングを受けて、きちんと一回話を聞いて、その上で自分がやる健康づくりの意味とか、いろいろな活動や運動や軽運動の意味とかをよく分かった上で、このヘルスケアポイントをはじめとしたインセンティブをしていかないと、本当の行動変容とか健康改善にはならないと感じるところがあります。ぜひそういったことも促していくのか、制度にするのかは今後の議論だと思いますが、ぜひ専門家から具体的に「健康がこのままだと悪化しますよ」、「ある時点でやらないと間に合いませんよ」ということを危機感を持って聞くような機会を早めに持ったほうがいいのではないかなと感じておりますので、そのことを申し上げたいと思います。
以上です。
○田辺部会長 ありがとうございました。
それでは、中村委員、よろしくお願いいたします。
○中村委員 ありがとうございます。
まず、この特定健康診査に相当する健康診査に係る結果送付の電子化というところなのですけれども、私も人間ドックを受けて、特定健診の結果とかを紙でいただいたのをコピーして、紙で勤務先の大学に先日提出したところなのですけれども、やはり電子化されることで確実に正しい情報が伝わるということも大事ですし、いろいろな事務コストが減るということも非常に重要ですし、それから、紙をコピーして出したときに医療DXというものが本当に進んでいるのかという疑念を個人的に抱いてしまったので、そういう疑念を皆さん抱いてしまうとマイナ保険証の普及とかにも悪い影響が出かねないので、パーセンテージとしては小さいとは思いますけれども、ぜひこの電子化が進めばいいなと思った次第です。
それから、インセンティブについてなのですけれども、3点ポイントがあるかと思います。
一つは、特に不健康な生活習慣で不摂生をしてしまう方への働きかけが重要で、その人たちがどういうインセンティブに反応するかということを見ていかなければいけないだろうと思います。
それから、エビデンスの蓄積が大事だということなのですけれども、やはり厳密に因果関係を明らかにするきっちりとした研究が必要で、エビデンスの評価というのも厳密にやっていく必要があろうかと思います。
それから、3つ目なのですけれども、何か取組をする場合に、小さいプロジェクトだとすごくうまくいった。すごく小さい単位で行われたプロジェクトがうまくいったから、それをどんどんもっと大きく拡大しようとする。だけれども、大きく拡大してみたらあまりうまくいかなかったということがよく言われることだと思うのです。それはどうしてかというと、小さいプロジェクトは行う側も参加者もすごくやる気があって、やる気のある人たちが一生懸命やってすごくうまくいった。なのだけれども、すごく能力があってやる気がある人たちというのが提供側も参加者側もより広い範囲ではたくさんいるわけではないとすると、広げていったときに必ずしもうまくいかないという問題があるわけです。なので、広げていく段階で、まずすごくちっちゃいところで効果があった、では一気にこれを全国展開しようというのではなしに、だんだんに広げていくというようなことも費用対効果を考えると重要ではないかと思いました。
以上です。
○田辺部会長 ありがとうございました。
ほかはいかがでしょう。
では、大杉委員、よろしくお願いします。
○大杉委員 ありがとうございます。
資料4について意見を述べさせていただきます。
個人の予防・健康づくりに向けた今後の取組について、事例の横展開などを期待したいところであります。歯科検診や受診勧奨などについては共通指標に組み込んでいただいております。働く世代にとっても歯周病やう蝕は非常に多い疾患であり、歯科検診を各保険者さんや企業等が積極的に取り組んでいただくことで様々なよい影響をもたらすことも報告されていますので、各分野での好事例を横展開し、周知していただきたいと思います。
私からは以上です。よろしくお願いします。
○田辺部会長 ありがとうございました。
ほかはいかがでございましょう。よろしゅうございますでしょうか。
それでは、ほかに御意見がなければ、この方向性につきましてはおおむね御了承いただいたということでよろしゅうございますでしょうか。
(異議なしの意思表示あり)
○田辺部会長 ありがとうございます。
これで4つの議題は終了でございます。
ほかに御意見もないようでしたら、本日はこれまでとしたいと存じます。
次回の開催日につきましては、追って事務局より御連絡いたします。
本日は、御多忙の折、御参加いただきましてありがとうございました。
それでは、これにて散会いたします。



