第4回福祉人材確保専門委員会 議事録(2025年9月17日)

日時

令和7年9月17日(水)16:00~18:00

場所

TKP新橋カンファレンスセンターホール14E(14階) 

出席者

委員(五十音順)
松原 由美(委員長)
石踊 紳一郎(委員)
及川 ゆりこ(委員)
小笠原 靖治(委員)
川井 太加子(委員)
佐保 昌一(委員)
鈴木 俊文(委員)
髙橋 秀親 (委員)
中村 和彦(委員)
堀田 聰子(委員)
山下 康(委員)
山田 雅人(委員)
山本 一太 (委員)
(代理:高橋淳参考人)

議題

  1. 今後の議論の方向性について
  2. 介護福祉士養成施設卒業者の国家資格の取得の在り方について
  3. 介護人材の届出制度について

議事

○岡本福祉人材確保対策室長補佐 定刻となりましたので、ただいまより、第4回「社会保障審議会福祉部会福祉人材確保専門委員会」を開催いたします。 
 委員の皆様方におかれましては、大変お忙しい中御出席賜りまして、誠にありがとうございます。 
 本日は対面を基本としつつ、オンラインも組み合わせての実施とさせていただきます。 
 事務局より、本会議の取扱いについて御説明いたします。 
 本会議の議事については公開となってございますが、会場での傍聴は報道機関の方のみとさせていただき、その他の傍聴希望者向けにYouTubeでライブ配信をしております。なお、開催案内でも御案内のとおり、本会議では、これ以後の録音、録画を禁止させていただいておりますので、傍聴されている方は御留意ください。 
 会場の報道関係者の皆様におかれましては、カメラ撮りはここまでとさせていただきます。 
(カメラ撮り終了) 
○岡本福祉人材確保対策室長補佐 最初に、本日の委員の皆様の出欠状況についてお伝えいたします。 
 本日は、本日は中村委員から御欠席の連絡をいただいております。 
 また、小笠原委員は遅れての御出席となります。 
 そして、川井委員、佐保委員、鈴木委員、堀田委員、山田委員がオンラインでの御出席となります。堀田委員は遅れての御出席となります。 
 そのほか、山本委員の代理といたしまして、群馬県健康福祉部福祉局長の高橋淳参考人にオンラインで御参加いただいております。高橋参考人の御出席につきまして、委員会の御承認をいただければと思いますが、いかがでしょうか。 
(首肯する委員あり) 
○岡本福祉人材確保対策室長補佐 ありがとうございます。では、御異議なきものとさせていただきます。 
 本日は御出席の委員の方が3分の1を超えておりますので、会議は成立しておりますことを御報告申し上げます。 
 事務局からの出席者につきましては、配付させていただいている座席表をもちまして紹介に代えさせていただきます。 
 また、小野福祉基盤課長は公務により欠席とさせていただきます。 
 続きまして、お手元の資料と会議の運営方法の確認をさせていただきます。 
 資料の読み上げは割愛させていただきますが、資料1から4、参考資料を配付させていただいております。 
 会場にお越しの委員におかれましては、机上に用意してございます。もし欠落等ございましたら、お知らせいただければと存じます。 
 また、オンラインにて出席の委員におかれましては、電子媒体でお送りしております資料を御覧いただければと思います。同様の資料をホームページにも掲載してございますので、資料の不足等がございましたら、恐縮ですが、ホームページからダウンロードしていただくなどの御対応をお願いいたします。 
 次に、発言方法等について、オンラインで御参加の委員の皆様には、画面の下にマイクのアイコンが出ていると思います。会議の進行中は基本的に皆様のマイクをミュートにしていただきます。御発言をされる際には、Zoomツールバーの「リアクション」から「手を挙げる」をクリックいただき、委員長の御指名を受けてからマイクのミュートを解除して御発言ください。 
 御発言が終わりました後は、Zoomツールバーの「リアクション」から「手を下ろす」をクリックいただきまして、併せて再度マイクをミュートにしていただきますようお願いいたします。 
 それでは、これからの議事進行につきましては、松原委員長にお願いしたいと存じます。 
 委員長、お願いいたします。 
○松原委員長 本日も御多忙の中、御参集いただきありがとうございます。 
 それでは、早速議事に入らせていただきます。 
 まず「(1)今後の議論の方向性について」、事務局より資料の説明をお願いいたします。 
○芦田福祉人材確保対策室長 福祉人材確保対策室長でございます。本日もどうぞよろしくお願いいたします。 
 まず、資料1「今後の議論の方向性について」を御覧ください。 
 1ページ目でございますけれども、この資料の位置づけといたしましては、秋頃とりまとめとなっている中で本日から各論の具体的な議論に入っていただきます。そうした中で、これまで3回にわたって開催してくる中で様々御意見などをいただきましたけれども、1回目に提示させていただいた各論点に対してこのような意見をいただき、そして、そういったものも踏まえた上で、今後、こういう点について各委員の皆様に議論を深めていただくことが適当なのではないかといったことを整理させていただいた資料となっております。 
 1ページ目はそういう資料の位置づけですので、要点のみとさせていただきますけれども、資料1ページ目はこれまでの人材確保策について振り返った上で、1回目、論点をお示しして御議論いただいたこと、そして、2回目、3回目、ヒアリングも行っていただいたことについて触れております。 
 次のページ以降で論点ごとに御意見を整理したものとさせていただいておりますけれども、1ページ目一番下を御覧いただきますと、こちらは委員の方、参考人の方から御意見をいただいた点でございます。1回目にお示しした論点以外につきましても、人材確保の観点からは、全職種が全産業並みの賃上げができるよう、また、他産業との賃金格差の縮小につながるよう、最低賃金の上昇や物価上昇も踏まえたさらなる処遇改善が必要との意見があったということでこちらに記しているところでございます。 
 2ページ目を御覧ください。 
 こちらは論点1、2についてでございます。これまで3回にわたってお示ししてきたところでございますけれども、論点1、2を少しおさらいいたしますと、高齢化や人口減少のスピードに地域によって差がある中、各地域における人材確保の取組をどのように進めていくべきか。具体的には、地域の状況を踏まえた課題の発見・分析・共有をどのように行っていくべきか。その際、都道府県をはじめとした地方公共団体の役割、ハローワーク・福祉人材センターなどの公的機関の役割、介護福祉士養成施設の役割、地域の職能団体や事業者などの役割、それぞれの主体の連携についてどのように考えるか。若者・高齢者・未経験者などの多様な人材をどのように確保していくか。多様な人材とのマッチングを図るための介護事業所の業務の整理・切り出し等についてどのように進めていくか。このような論点でございました。 
 これらにつきまして貴重な御意見を多くいただきまして、主なものについて記載させていただいておりますけれども、こういった御意見を踏まえまして、一番下、青い矢印の先でございます。こちらは、先ほど申し上げたように今後皆様に議論を深めていただいてはどうかという点でございます。公的機関を含めた福祉・介護分野の関係者が情報を共有し、ネットワーク化を図ることで、多様な人材確保の取組や地域の実情に応じた実践的な取組を可能とするため、プラットフォーム機能の充実が必要ではないか。その際、実践的な取組の実行と、その取組の継続的な実施に向けた制度設計が必要ではないか。このように考えております。 
 3ページ目を御覧ください。 
 同様の作りとしておりますけれども、論点の3つ目は、介護福祉士をはじめとして、介護現場において中核的な役割を担う中核的介護人材についてどのように確保していくべきか。具体的には、介護福祉士養成施設における教育の在り方、介護福祉士の資格取得の在り方、山脈型をはじめとする介護人材のキャリアアップの在り方についてどのように考えるか。また、潜在介護福祉士の活用についてどのように考えるか。このような論点でございました。 
 こちらにつきましても、記載のとおり、様々貴重な御意見をいただいたところでございます。これを踏まえまして、青い矢印の先でございますけれども、中核的介護人材の確保・育成を図るため、山脈型キャリアモデルなどの取組を引き続き進め、深化させていくとともに、潜在介護福祉士に係る届出制度の在り方を検討する必要があるのではないか。加えて、福祉人材確保の観点から、複合的役割を担う人材の育成や、介護福祉士養成施設の卒業生に係る国家試験義務づけの経過措置の在り方について検討が必要ではないか。これが論点3に対応する議論を深めていただいてはどうかと考える点でございます。 
 最後、4ページ目を御覧ください。 
 論点4でございます。外国人介護人材の確保・定着に向けてどのような対策を取っていくべきか。具体的には、小規模な法人等でも受入れを可能とするための都道府県をはじめとした地方公共団体の役割、日本語支援の在り方をどのように考えるか。 
 これにつきましても様々貴重な御意見をいただきましたが、それを踏まえまして、青い矢印の先でございます。外国人介護人材の確保・定着に向けた各種取組を引き続き進めるとともに、プラットフォーム機能の充実により、地方公共団体による支援等を推進していくことについて検討する必要があるのではないか。また、准介護福祉士の資格の在り方についても検討が必要ではないか。このような点で御議論を深めていただいてはどうかと考えております。 
 その次のページ以降は関連する参考資料をぶら下げている形ですので、割愛いたします。 
 私からは以上でございます。 
○松原委員長 これまでの御意見をまとめた上で、今後の議論の方向性を示した内容になりますので、もしこの時点でどうしても何かございましたら御発言いただき、特段なければ以降の個別の論点に移っていこうと思います。 
 御意見等がございましたらお願いいたします。 
 フロアからはいかがですか。オンラインの委員の先生も。 
 佐保委員、お願いいたします。 
○佐保委員 ありがとうございます。 
 今の方向性についての意見でよろしいでしょうか。 
○松原委員長 はい。お願いします。 
○佐保委員 それでよろしいですね。では、発言させていただきたいと思います。 
 今後の議論の方向性について、議論に当たってお話をさせていただきたいと思いますが、方向性の1については、これまでのヒアリングなどを踏まえて、関係者が地域の実情を共有し、協働して課題解決に取り組むため、プラットフォーム機能を充実させていくことは必要だと考えております。 
 一方で、いずれの地域においても、介護をはじめ、福祉人材の確保に課題がある中で、地域間格差が生じないように国の取組や支援も重要であると考えます。特に公的職業紹介機関の機能強化、介護職のイメージ向上などは、地域だけでなく横断的な取組が必要であると考えます。また、人材定着に向けて、ICTやAIなどの導入・活用による業務負担の軽減、キャリアアップにつながる報酬上評価の充実、専門職が介護に集中できる環境整備などの取組も重要であると考えます。 
 方向性の2につきましては、中核的介護人材の確保・育成を図るため、また、複合的役割を担う人材の育成に向けて、役割・責任に応じた処遇改善を行うとともに、マネジメントやリーダーシップ、ICTやAI等の新たなスキル習得の支援など、人材育成の充実は不可欠であると考えます。 
 また、後ほど議題となる潜在介護福祉士に係る届出制度の在り方は検討が必要だと考えております。 
 また、同じく後ほどの議題である国家試験義務づけの経過措置は延長すべきでないと考えております。 
 方向性の3については、日本人との同等処遇を担保するため、事業所の指導・監査の徹底、また、人権擁護と継続的な就労の保障の観点から、事業所内外の相談窓口の拡充や日本語によるコミュニケーション能力の向上に向けた支援、各事業所における雇用管理の徹底が必要だと考えます。 
 また、後ほど議題となる准介護福祉士の資格は廃止すべきと考えております。 
 私からは以上です。ありがとうございます。 
○松原委員長 ありがとうございます。 
 ただいまの御発言につきまして、事務局より何かありましたらお願いします。 
○芦田福祉人材確保対策室長 御意見をいただきましてありがとうございました。 
 ほかの審議会のほうに関係する部分もあろうかと思いますけれども、今いただいたような観点も含めて、今後各論について御議論いただければと思っております。 
 以上です。 
○松原委員長 ほかにいかがでしょうか。どうしてもこの点というのがございましたら、お願いできればと思います。 
 では、特段なければ、次に議事「(2)介護福祉士養成施設卒業者の国家資格の取得の在り方について」、事務局より資料の説明をお願いいたします。 
○芦田福祉人材確保対策室長 引き続き福祉人材確保対策室長でございます。 
 資料2と資料3を続けて御説明申し上げたいと思います。 
 まず、資料2を御覧ください。「介護福祉士養成施設卒業者に対する国家試験義務付けの経過措置について」ということでございます。 
 今後の各論に関する資料の構成でございますけれども、参考となる情報について順次掲載した上で、最後のほうのページに現状・課題を簡単にまとめた上で、御議論いただきたい論点について記載したような形の資料となっております。 
 それでは、資料2でございます。 
 2ページ目を御覧ください。 
 こちらは介護福祉士の資格の概要からでございます。 
 おさらいになりますけれども、介護福祉士につきましては、その名称を用いて、専門的知識、技術をもって、身体上または精神上の障害があることにより日常生活を営むのに支障がある者につき心身の状況に応じた介護を行い、並びにその者、その介護者に対して介護に関する指導を行うことを業とするものということで、名称独占の資格となっております。 
 資格の取得方法は、2のところに記載のとおり、4つのルートがございまして、養成施設ルート、実務経験ルート、福祉系高校ルート、EPAルートの4つとなっております。 
 それぞれのルートで国家試験の受験というものがございまして、3番のとおり、年に1回、例年1月下旬頃に試験を実施しております。直近、令和6年度の受験者数、合格者数は記載のとおりでございます。合格率は78.3%となっております。 
 4番にありますように、資格者登録状況としては200万人超、5番目、養成施設等の状況ということで、介護福祉士の養成施設が全国で325校333課程、福祉系高校は109校110課程と、このような形になっております。 
 3ページ目は、今の4つのルートについてもう少し詳細に記した資料となっております。 
 4ページ目以降が本件、経過措置の概要についての御説明でございます。 
 5ページ目を御覧ください。 
 先ほど国家試験について少し簡単に御説明を申し上げましたが、平成29年度より、養成施設の卒業者が介護福祉士の資格を取得するためには、法律上、国家試験の合格が必要となっております。 
 ただ、令和8年度までの卒業者には以下のような経過措置が設けられております。2段階となっておりまして、まず卒業後5年間は国家試験を受験しなくても、不合格でも介護福祉士の資格を取得可能、介護福祉士の名称を用いて業務に従事することが可能となっております。 
 ②でございますけれども、卒業後6年目以降でございますが、卒業後5年間、介護等の業務に継続的に従事していれば、引き続き介護福祉士の資格を持って業務をしていただくことが可能となっているところでございます。 
 6ページ目がこの経過措置に関する経緯でございます。やや重複いたしますが、平成19年の制度改正、法改正におきまして、それまで介護福祉士養成施設の卒業者は国家試験を受験せずに資格を取得可能であったのですが、一方で、ほかのルートの卒業者は国家試験合格により介護福祉士の資格を取得することになっていたこと、そして、介護福祉士の質の担保、向上を図るため、養成施設の卒業者も国家試験の合格を資格取得の要件とするよう法改正がございました。この法改正の際、施行は平成24年度からとなっていたところです。 
 ただ、その後、施行日は2回延長されておりまして、平成23年に1度、喀痰吸引等新たな教育内容を踏まえ、国家試験の義務づけを平成27年度まで3年間延期いたしました。その後、平成26年の法改正で、介護人材確保が困難な状況等を踏まえ、さらに、国家試験の義務づけを平成28年度まで1年間延期いたしました。 
 その後、平成28年の制度改正におきまして、先ほどの国家試験の義務づけを平成29年度とするとともに、先ほど御説明したような経過措置を創設しました。この際は令和3年度までの卒業者を対象としたものでございます。 
 さらに、令和2年の法改正におきまして、平成28年当時と比較して、介護の人材不足がより深刻化し、養成施設数、入学者数ともに減少し、外国人留学生が急増したものの、留学生の合格率が低調となっている。こういったことを受けまして、介護サービスの提供に支障が生じないよう、さらに5年間、令和8年度の卒業者まで経過措置を延長した。このような経緯となっております。 
 7ページ目は今の経過措置について図解したもの、そして、関連の条文を記載しております。 
 8ページ目を御覧ください。 
 こちらは令和元年の福祉部会の議論の整理について抜粋したものでございます。 
 このとき、福祉部会の議論におきましては、先ほど来の経過措置について、延長すべきという意見、終了すべきという意見、様々ございました。 
 一番下の部分でございますけれども、議論の整理といたしましては、福祉部会の議論の状況は以上のとおりである。厚生労働省においては、当部会における種々の意見を十分に踏まえ、経過措置の在り方について必要な対応を講じられたい。このようにまとめていただきまして、法律といたしましては、先ほど経緯のところで御紹介したように延長という形を取ったところでございます。 
 9ページ目を御覧ください。 
 こちらは、平成28年の法改正のときの国会の厚生労働委員会における附帯決議でございます。こちらにおきましては、養成施設ルートの国家試験義務づけを確実に進めるとともに、福祉サービスが多様化等していることから、介護福祉士が中核的な役割、機能を果たしていけるよう、引き続き対策を講じること。こういったことが決議されているところでございます。 
 10ページ目を御覧ください。 
 こちらが令和2年の法改正の際に国会の厚生労働委員会で決議された附帯決議でございます。衆議院と参議院で文言が違うところはございますけれども、経過措置の終了に向けて検討を行うこと、養成施設ごとの実態の調査・把握、公表、そして、取得を目指す日本人学生、留学生に対する支援を充実させること。こういったことが決議されております。 
 11ページ目を御覧ください。 
 こちらはいつもの第9期計画に基づく介護職員の必要数についてということで、都道府県が推計した介護職員の必要数を集計すると、2026年度には240万人、2040年度には272万人、このような数字になっております。 
 12ページ目を御覧ください。 
 こちらは介護職員数の推移でございます。このグラフは平成12年度からスタートしておりますけれども、ここと比べると4倍近くにはなっておりますが、直近、令和5年度では213万人くらいになっているというところでございます。 
 13ページ目以降が養成施設の養成実態についての資料でございます。 
 まず、14ページ目は国家試験受験者数の推移全体についてでございます。 
 その上で、15ページ、16ページ目については、実務経験ルート、養成施設ルートそれぞれについて受験者数、合格者数、合格率の推移を記載しております。 
 その上で、17ページ目でございます。養成施設ルートの国家試験の合格率の状況でございますが、表を御覧いただきますと、日本人は9割を超えるが留学生は4割弱となっており、また、留学生の合格率をさらに細かく見ていきますと、新卒者は5割程度である一方、既卒者は直近の試験では1割程度というような数字になっております。 
 18ページ目からが養成施設の合格率の施設ごとの分布でございます。こちらは留学生についてということでございます。 
 18ページ目、グラフを見ていただきますと、新卒者の合格率で見た場合、およそ4割の養成施設が合格率75%以上となっております。ただ、青いところ、赤いところを見ていただきますと、0%以上25%未満、25%以上50%未満、こういった施設も20%ずつほどあるというような状況でございます。一方、既卒者の合格率で見た場合、合格率25%未満の養成施設が全体のおよそ8割を占めている。こういった状況にございます。 
 19ページ目、20ページ目はそれぞれ新卒、既卒で合格率の推移を記載しております。 
 21ページ目を御覧ください。 
 養成施設の定員充足状況の推移でございます。グラフのとおりでございますが、定員充足はしていない状況がしばらく続いている中で、令和に入ってから留学生の数も取っておりますけれども、直近令和7年度、留学生の割合は約57%になっているところでございます。 
 22ページ目、入学者数に対する介護福祉士国家試験受験者の割合ということでございまして、養成施設の入学者のうち、卒業時に国家試験を受験するのは8割程度となっております。 
 23ページ目を御覧ください。 
 こちらは介護福祉士国家資格取得者の資格取得ルート等についてという資料でございます。資格取得者の資格取得ルートを見てみますと、実務経験ルートと福祉系高校ルート、これらは国家試験を合格して資格取得をするというものでございますが、9割程度となっております。一方で、養成施設ルートは1割弱となっております。 
 養成施設ルートで資格を取得した方について見てみますと、国家試験を合格して資格を取得された方が8割弱、試験合格ではなく経過措置に基づいて資格を登録した方は2割程度となっておりまして、具体的な数については下に記載のとおりでございます。 
 24ページ目は、養成施設の卒業から既に5年を経過した方について、似たような形で数字を整理したものでございます。具体的な数字については記載のとおりでございます。 
 25ページ目以降が資格の取得を目指す日本人学生、留学生に対する支援についてでございます。 
 26ページ目は、これまで取り組んできております修学資金等の貸付事業でございます。 
 27ページ目もこちらの関係資料でございます。 
 28ページ目は、養成施設によっては国家試験不合格者の卒業後の資格取得支援に取り組んでいるところについて事例を御紹介しております。 
 29ページ目、令和2年度から4年度にかけまして、介護福祉士の養成における教育の向上などのためにガイドラインを作成したということの御紹介でございまして、こちらは養成施設などで活用されているところです。 
 30ページ目です。現在、今議論になっている経過措置がございますので、実質的にはあまり使われているものではございませんが、養成施設を卒業する留学生が国家試験に不合格だった場合には、特定技能の1号に移行することができる仕組みとなっております。この際、養成課程での学修を評価し、特定技能評価試験は免除されるといった形になっております。 
 31ページ目でございます。こちらは外国人介護人材受入施設等環境整備事業ということで、コミュニケーション支援、資格取得支援、生活支援、そして、教員の質の向上支援、様々取り組んでおりまして、32ページのほうを御覧いただきますと、日本語学習支援等事業ということで、日本語学習のウェブコンテンツですとか学習教材、あとは職員の方を対象にした講習会、そして、試験対策の講座の開催といったことにも取り組んできております。 
 33ページ目は国家資格取得支援講座についての概要でございます。 
 34ページ目、35ページ目は、介護福祉士国家試験パート合格の導入ということについての資料でございまして、令和7年度の試験からこういった仕組みを導入することとしております。 
 これまで講じてきた支援については以上でございます。 
 こういったようなものも踏まえまして、論点でございます。37ページ目を御覧ください。 
 現状・課題について、おおむね今申し上げてきたとおりではございますが、改めて簡潔に御説明いたします。 
 介護福祉士の資質の担保、向上を図るため、平成19年に介護福祉士養成施設の卒業者に対しても国家試験合格を資格取得要件とする社会福祉士及び介護福祉士法の改正を行いました。 
 その後、新たな教育内容の追加や人材確保が困難な状況を踏まえ、施行が2度延期され、平成28年には現在の経過措置を講じた上で5年間かけて漸進的に導入することといたしました。 
 令和2年改正では、介護人材の不足が深刻化する中で、外国人留学生が急増したことを受け、介護サービスの提供に支障を来すことのないよう、経過措置をさらに5年間延長することといたしました。 
 法改正に当たっては、改めて附帯決議が付され、養成施設ごとの合格率の公表等、要請実態・実績の調査把握や、日本人学生・留学生の支援の充実について記載されました。 
 附帯決議を踏まえまして、養成施設ごとの合格率の公表、返済免除要件つきの学費等の貸付、多言語による学習教材の作成や試験対策講座等の取組を実施しております。 
 介護福祉士養成施設卒業者に対する経過措置につきましては、令和8年度卒業者までが対象となっているところでございます。 
 こうしたことを踏まえまして、その下、論点でございます。 
 この経過措置の取扱いにつきましては、このような経過の中で、資質の担保や資格の評価を高める観点から、令和2年改正法による改正後の規定どおり、令和8年度卒業者までで終了すべきといった意見や、人材確保の観点から再度の延長が必要といった意見など、様々な意見がある中で、今後の取扱いについてどのように考えるか。こちらについて御議論いただきたいと思います。 
 続けて、資料3についても御説明申し上げます。「准介護福祉士について」でございます。 
 おめくりいただきまして、2ページ目を御覧ください。 
 まず、准介護福祉士についてですけれども、こちらの資格は、養成施設卒業者のうち、国家試験に合格しなかった方に付与される資格でございまして、准介護福祉士の名称を用いて、介護福祉士の技術的援助、助言を受けて、専門的知識、技術をもって介護等を業とするものをいいます。 
 この制度は、日フィリピン経済連携協定の締結当時、フィリピンの就学コース介護福祉士候補者について、養成施設を卒業すれば国家試験を経ることなく資格を取得することができるという前提で交渉し、合意に至った中で、平成19年改正法で養成施設卒業者への国家試験の義務づけをしつつ、合意も維持するという経緯から、介護福祉士国家試験に不合格の場合も日本に在留できるようにするために創設されたものでございます。ただ、現状、この准介護福祉士に在留資格は付与されてございません。 
 令和7年8月末時点で登録者数は1名となっております。 
 3ページ目がもう少し詳しい経緯となっております。 
 先ほど御説明したように、平成19年の制度改正の際に申し上げたような経緯でこの制度が創設されております。ただ、国家試験の義務づけの施行が延長されたことに伴い、こちらについても施行日が2回延長されておりまして、平成23年改正、平成26年改正によって施行日は平成24年度から平成28年度に延長されました。 
 さらにその後、平成28年改正の際に先ほど資料2で御説明した経過措置が創設されましたが、こちらの改正と併せて、准介護福祉士の関係の施行については令和4年度にさらに延長されたところでございます。 
 令和2年改正の際の対応でございますけれども、資料2で御説明したとおり、経過措置についてはさらに5年間の延長となったところでございますが、この准介護福祉士の制度につきましては、平成29年度の養成施設の卒業者が経過措置の②の要件を満たさない場合に、令和4年度以降は准介護福祉士の資格取得が可能であるとしていたところ、フィリピン政府との関係上、直ちに廃止することは困難な中、施行延期を行うと不利益が生じるといった事情の下で、令和4年度から平成28年法改正のとおり施行したところでございます。 
 4ページ目は国会における附帯決議等でございます。こちらについて、この資格は暫定的に置かれたものであるという中で、フィリピン側との協議を行うことなどについて決議がされているところでございます。その協議の状況も踏まえて、在り方についての検討を行うことといった形となっております。 
 そういったものも踏まえまして、5ページ目でございますけれども、前回令和2年の改正の後、令和4年、厚生労働省のほうでフィリピン政府とやり取りをする中で、この准介護福祉士制度を廃止するということについては、フィリピン政府からの意見がなく終了しているといった状況にございます。 
 こうしたものを踏まえまして、論点でございます。7ページ目を御覧ください。 
 上の現状・課題は、今申し上げたとおりでございます。 
 その下、論点でございます。 
 1つ目、准介護福祉士については、制度創設時の社会保障審議会福祉部会における報告の際にも、暫定的、経過的な措置であり、協定の見直しを行った上で環境が整えば解消するとされており、現在はフィリピンとの協定においても入国者に不利益が生じないと考えられることを踏まえ、准介護福祉士の制度を廃止することについてどう考えるか。これが1つ目でございます。 
 2つ目、仮に廃止するとする場合、既に准介護福祉士の登録を行っている者の取扱いについてどう考えるか。これが2つ目でございます。 
 長くなりましたが、資料2、資料3の説明は以上でございます。よろしくお願いいたします。 
○松原委員長 ただいまの説明につきまして、御意見があればお願いできればと思いますが、限られた時間の中で多くの委員の皆様に御発言いただきたいと思いますので、簡潔に御発言いただきますようお願いいたします。 
 それでは、御意見をお願いいたします。 
 及川委員、お願いいたします。 
○及川委員 ありがとうございます。日本介護福祉士会の及川でございます。 
 経過措置について意見を2つ申し述べます。また、その前の議論について追加で意見をさせていただきたいと思います。よろしくお願いいたします。 
 まず経過措置、1つ目でございますが、資料2の22ページにあります養成施設卒業者の中に受験されていない方が一定程度おられるということが見てとれるのですけれども、養成施設卒業者にはやはり国家試験を受験いただく必要があると考えています。養成施設の皆様にはせめて全員受験を促していただく等の対応をぜひともお願いしたいと思います。 
 2つ目でございます。第2回の福祉人材確保専門委員会を受けて、本年6月12日に全国紙で「介護福祉士の国家資格『不合格でもOK』特例適用8,000人超、外国人が中心…継続に賛否」という記事が掲載されました。この記事は広く拡散され、260万回を超す視聴があり、SNS上でも多数のコメントが寄せられました。その中では、国家資格の意味とは何だ、必死に試験を受けて超えてきた人たちは何、介護福祉士という資格は要らないのでは、介護福祉士資格の価値が下がる、真面目に勉強する意味がない、信用できない、もはや資格ではない、福祉職を軽く見ているといったこの仕組みに対する否定的な声が圧倒的多数を占めておりました。これだけの国民の声がある中で、延期を継続する意味合いは何かと考えなければなりません。 
 また、今回さらに延長するとした場合、改めて経過措置の延期の話が噴出することが想定されますが、このような議論は繰り返されるべきではないと思います。国民の介護に対する信頼性を確保するためにも、経過措置の延長の議論というものは今回で決着されるべきであり、業界団体が一枚岩で一元化の判断とすることを切望しております。その上で、日本介護福祉士会としましては、一元化にすることに対する懸念をいかに払拭していくかについて、皆様と建設的な検討をしてまいりたいと考えております。 
 そしてもう一つ、准介護福祉についてでございます。この准介護福祉士の資格は資格試験に合格していないことを証するものであり、信頼性に欠ける仕組みであり、国家資格としてはなじまないと考えております。令和2年の法改正時の附帯決議で振られていたフィリピンとの協議も終了し、懸念は払拭されていることを踏まえれば、この仕組みは撤廃されるべきだと考えます。 
 そして、最初の議論の中で手を挙げておりませんでしたが、今後の議論の方向性2で、中核的介護人材の確保・育成を図るため、山脈型キャリアモデルなどの取組を引き続き進め、深化させていくこととあり、そこに含まれているようにも思うのですが、中核的介護人材の役割、機能の整理を進めていくことは極めて重要な取組であると考えます。そのことも今後の方向性として明確にお示しいただきたいと思います。 
 以上でございます。 
○松原委員長 ありがとうございます。 
 では、お待たせいたしました。小笠原委員、お願いいたします。 
○小笠原委員 日本介護福祉士養成施設協会副会長の小笠原でございます。今日は飛行機が遅れ、到着が遅くなりました。失礼いたしました。 
 経過措置について、まずは3点ございます。 
 先ほど及川委員のほうからも、読売新聞の記事だと思いますが、介護福祉士不合格者で介護福祉士になっているということが記事になったというのは私も存じ上げております。おっしゃられるとおりで、私たち養成校としても介護福祉士不合格者が介護福祉士になっているという現状をよしとしているわけではなく、この経過措置の延期を求めているというのは、つまり、閉じ方のお話をさせていただいているということで私たちはお話を今までもしてきたところでございます。 
 そのほかにも産経新聞で記事になったり、同じ読売新聞でも記事になったところでは、介護現場の人材不足についての視点からこの延期について取り上げた記事があったことも申し添えたいと思います。 
 意見としては、1点目については以前から申し上げています。この問題、出口は特定技能1号を養成校については無試験で取得できるようになるということであったり、日本介護福祉士さんのほうも国家試験の対策の講座を開いていただいたりということで、また、パート受験もそれに入ると思いますが、様々な御対応をいただいていると思いますが、入り口の課題というところを以前から申し上げているところでございます。 
 次年度の入学生については経過措置が切れる学生たちということになるわけですが、現在まさに養成校では入学願書を受け付けているところで、実際に次年度どれぐらい学生が減るのか、維持するのか、増えるのかというのは、現在統計データはないところですが、例えばこれは一例ということになるかと思いますが、私が在籍している福岡介護福祉専門学校では、前年度オープンキャンパスに200名来校して、110名の受験があります。これは多い例だと思います。ただ、今年度は実はオープンキャンパスに400名来場しています。ただ、昨年は今日と同じ時期のデータを見ると80名を超える出願が既にあったところですが、出願締め切りまで1週間というところになっていますが、今年度は30名ちょっとというところで、オープンキャンパスが倍になっているにもかかわらず、出願は半数以下になっている。もしかしたら今から1週間で駆け込みでどんと増えるのかもしれませんので、最終データではありませんが、やはりこの経過措置の延期ということが外国人留学生が介護福祉士になることについてのかなり大きなハードルになっているというところがうかがえる事例の一つではないかと思っております。 
 ヒアリングでも介護現場の団体からはおおむね経過措置延期という御意見があったかと思いますが、この介護現場の切実な声というものは重く受け止める必要があるのではないかと感じております。 
 もう一つは留学生募集の地域差というところについてですが、これも例えば分かりやすく九州の話でいうと、南北格差が顕著でございます。北部3県と南部5件ということで、学校数で少し合わせて考えてみると、北部は令和6年で249名が在籍しておりました。これは養成校に入会している学校のデータということになりますが、南部は57名というところで北部南部の差が非常に大きく出ています。北部校は留学生が地域に在籍していて比較的スタートが早かったところになりますが、南部は留学生がもともと少ない地域で、いろいろな施策を取りながら留学生を受け入れているという地域です。そこを第2期受入れ校とした場合に、途中でコロナの時期があり、なかなか留学生が集まらない中で、現在、例えば熊本県は令和5年1名の留学生だったところが現在22名になっているということで、第2期受入れ校が今、非常に努力して受け入れ始めて、今から循環をつくっていくというところで、経過措置が延期されなければ、その芽を摘むということになりますので、そうなるとより地域格差が広がって、養成校空白県が生まれることになるということを懸念しているところです。もう5年あれば、そういう第2期受入れ校についてもよい循環がしっかり位置づけられて、人材確保について寄与できるということにもなっていくのではないかと考えております。 
 長くなって申し訳ありませんが、3点目は国家試験合格率です。日本人は90%を超える中で留学生が48%ということで、非常に私たちの教育の責任があることは明らかですが、これは留学生は令和5年1,800人だったところが、今年度暫定数値ですが、協会でいうと4,000人を超えてということで、令和5年が1,800人で令和7年が4,000人ということで、急激な留学生の増加に私たちが対応できていないという状況があります。定員を考えれば、大体これ以上大きく増えないと考えると、この状況の中から大きな変化が起こらない中で、しっかり国家試験合格に向けた対応を考えていく上で必要な時期をいただきたいと考えているところです。 
 以上でございます。 
○松原委員長 ありがとうございました。 
 石踊委員、お願いいたします。 
○石踊委員 ありがとうございます。全国老施協の石踊でございます。 
 まず、経過措置についてでございますけれども、資料によりますと、慢性的な人材不足の中、介護保険施設に従事する職員数は年々増加しておりましたが、令和5年に212万6000人と前年に比べて3万人ほど少なくなっている。これでは2040年の介護職必要数の272万人を達成、確保するのは非常に難しい状況ではないかと思います。 
 それと、先ほどから説明がありましたとおり、介護福祉士の国家試験の合格率を見ますと、令和6年度試験では養成施設卒業者の合格率が日本人で91.9%、それに対して留学生は35.1%で、そのうち新卒者が47.9%、また、既卒者は11.8%となっております。 
 外国人の介護人材というのは、介護保険施設にとっては非常に貴重で、かつ重要な存在であります。国家試験義務づけの経過措置は日本人学生及び留学生の支援を充実させるために設けられておりまして、そのための様々な財政支援も行われてきたと理解しております。一方で、経過措置によって不合格でも資格を得られる状況については、確かに質の低下が懸念されますが、しかし、養成施設を卒業することで一定の質は担保されていると考えるわけでございます。また、留学生の合格率が35.1%にとどまっていることが支援の充実につながっているのかどうかを検証する必要性があるのではないでしょうか。 
 その上で、留学生の支援が充実するまでの間は一定の条件を設けるなど、延長することもやむを得ない対応ではないかと考えております。つまり、経過措置の延長につきましては、先ほど及川委員が言われましたとおり、まず試験を受験するということが第一だろうと思います。 
 そして、2番目に、5年間の継続的な介護業務に従事して資格を取得する場合には、年数回、数週間程度研修等の受講義務づけをするなど、条件を見直したほうがいいのではないかなと考えております。前回も申し上げましたとおり、留学生の合格率の向上、パート合格の仕組みの効果が検証されるまでの間は、やはり経過措置は延長することもやむを得ないのではないかなと思っているところであります。 
 以上でございます。 
○松原委員長 ありがとうございました。 
 ほかにいかがでしょうか。まず、こちらの会場のほうから優先させていただきたいと思います。 
 髙橋委員、お願いします。 
○髙橋委員 全国福祉高等学校長会理事長の髙橋でございます。 
 介護福祉士国家資格受験ですけれども、やはり延長するべきではなく、まず国として介護福祉士の資質というものを認めるのが介護福祉士の国家資格であり、それを保証するのがこれに対する合格というところで私としては考えておりますし、そのように日本の福祉の質が世界レベルで高いものだという価値をしっかりと担保することによって、日本の福祉を学ぶために海外から多くの方が来ていただくという構図をつくる。そういうふうなためにもしっかりと全員が受験するというような体制をつくること。こちらのほうはまずやらなければいけない。その中で、実際にやってみてどのような課題が出てくるのか。そして、それに対してどのような対応があるのかと次の段階の議論に進むべきと私の立場としては考えさせていただいております。 
 また、介護福祉士までの本当に分かりやすい道筋をしっかりと示すことによって、若者にこの道を行くとこのようなキャリアを積めて、このようなしっかりとした自分の将来が築ける。そのようなキャリア教育の一部としても、この介護福祉士の国家資格というのは大変子供たちに対して有用な教育活動ともなっております。そういうふうな有用な教育活動をしっかりと画一化されたルールの下で運用することは、これからの介護人材をしっかりと育んでいくためにも重要と考えておりますので、ぜひそちらのほうは御検討いただければと思います。 
 以上となります。 
○松原委員長 ありがとうございました。 
 では、山下委員、お願いいたします。 
○山下委員 日本社会福祉士会の山下です。 
 この経過措置に関するところですけれども、日本社会福祉士会としては、さらなる期間の延長はすべきではないという考え方をこの間お話しさせていただいております。介護の現場で中心的な役割を担っていくのは介護福祉士の方々だと思います。認知症の高齢者や様々な課題を持った高齢者の支援というところでは、介護福祉士の専門性、質の確保・担保ということがどうしても大事なことだと思っています。そういうことと同時に、国家資格というのは国の資格制度でありますし、やはり一定の基準があるわけです。その基準に達した者とそうではない者というのはしっかりと区別をした上で、基準に達していない者はどう質を上げていくのかというような議論になってくるのかなとも思います。 
 そういう意味で、本日の資料の35ページにもありますとおり、令和8年1月の試験実施からパート合格の制度が導入されます。これは本当にどうなっていくのかというのをしっかりと見守っていかないといけないと思いますけれども、ここに書いてありますが、受験生の学習の取り組みやすさを確保する観点というところで、パートに分けて、不合格のパートの部分についてはしっかりと勉強できるというようなことで次につながるという仕組みになっています。一人一人の状況に応じて学習の選択肢が拡大されると、まさにそのとおりではないかなと思っておりますし、パート合格についてしっかりとこういう制度が導入されるということを広く伝えた上で、受験生にお知らせをして、この様子を見ていくことが必要ではないかなと思います。 
 こういった多様な制度も導入が必要かなということと同時に、多様な働き方という意味で、介護人材をどう確保していくかという観点で考えたときに、このパート合格から発想したような形で、例えば週2日、3日の勤務であるとか、もっと短時間労働の形での勤務であるとか、様々な形の人材確保、地域の中でどういうふうに支援をしていくのかという観点も含めた人材確保を進めていくべきではないかなと思っています。具体的なところはまた後の届出制度のところでも話をさせていただきます。 
 日本社会福祉士会からは以上です。 
○松原委員長 ありがとうございました。 
 では、オンラインのほうで佐保委員、お願いいたします。 
○佐保委員 ありがとうございます。 
 まず、介護福祉士の資格取得方法の一元化については、介護人材不足や留学生の合格率の低調から繰り返し経過措置の延長が行われてきたと思っております。しかし、介護福祉士の専門職としての地位の向上・確立に向けて、これ以上経過措置を延長するべきではないと考えます。国家試験は介護福祉士の質を担保するものと考えます。日本人、外国人関係なくキャリアとして評価されるよう、国家資格の信頼性と介護福祉士の専門職としての地位を高めていくことで、安定的な介護人材の確保につなげていくべきと考えております。 
 また、同様の理由で、国家試験に不合格でも取得できる准介護福祉士の資格は廃止すべきと考えております。 
 私からは以上です。 
○松原委員長 ありがとうございました。 
 ほかにいかがでしょうか。 
 鈴木委員、お願いいたします。 
○鈴木委員 ありがとうございます。 
 この議論は、介護現場の切迫した人材不足と養成校の学生確保、また、資格の信頼性確保という3つの課題が交差している議論だと理解しています。この議論を合わせて議論するべきか、分けるべきかという検討も必要ではないかと思うところはあるのですが、私自身は介護福祉士養成教育に携わっている人間ですので、今回の経過措置に関わって志願者や入学者がさらに減っていくということに対する不安視は、私の体感としても率直に思いますし、これが解消されない限りにおいては、今後も経過措置の延長ということは繰り返し続くものだと想像します。 
 しかし、資格の社会的信頼性と専門性を確立するということを国家試験として考えた場合に、特に他職種との公平性も課題となり得るような現状は、経過措置とはいえ、やはり制度上の不整合を広げないためにも、早期の終了ということを前提にするべきと考えます。 
 また、別の視点では、やはり介護福祉士の資格取得ルートは、福祉系高校や実務経験ルートを含めまして多様性があることを前提にしていますので、教育方法や時間数等の差が存在する以上、国家試験合格による質保証というものも社会的にも必要不可欠であるとも考えます。 
 こうした課題をどのように議論していくかというところでは、私自身は介護人材確保と介護福祉士養成施設の入学者確保、それから、国家資格としての専門性確立という複数の対応課題をどのように両立させる対応策が検討できるのかという議論が本質になるべきだと考えています。 
 例えばですけれども、介護福祉士養成施設は現在入学者の半数程度が留学生になっているということはこれまでの委員会でも周知されているとおりです。国内の人口減少が加速していく中で、介護人材の国際化に貢献している介護福祉士養成施設が今後も存続できるということは非常に重要な対応課題だと思っています。 
 また、2040年に向けたあり方検討会では、地域包括ケアシステムの深化ということが方策になりまして、特にテクノロジー導入やタスク・シフト/シェア、生産性向上といったさらなる介護福祉士等に期待される役割や学習内容についても追加されるべきというようにつながる議論があったと理解しています。 
 介護福祉士は、定義規定を含めまして支援対象や役割の広がりがある中で、これまでも介護福祉士養成施設は教育内容や時間数を増加することでその責任を果たしてきたと思っています。この上で、今後もこうした役割を維持し、さらに拡大させていくということが期待される状況においては、この経過措置を延長すると、どのような課題と可能性が介護福祉士養成課程上想定されるのかという議論が必要であると考えています。特に介護人材の国際化を推進するという意味では留学生対象は極めて重要ですし、さらに役割や専門知識や技術獲得を期待していく上では、国家資格取得に必要な教育が介護福祉士養成施設における修業年限、カリキュラムといったものとの関係で、現状のままでよいのかという議論もやはり今回必要になっているからこその議論ではないかと考えています。 
 発言は以上です。 
○松原委員長 ありがとうございました。2040年の報告のほうに応えるものである必要もあると私も思います。 
 ほかにいかがでしょうか。よろしいでしょうか。 
 ほかに意見がございませんでしたら、次に議事「(3)介護人材の届出制について」、事務局より資料の説明をお願いいたします。 
○芦田福祉人材確保対策室長 福祉人材確保対策室長でございます。 
「介護人材の届出制度について」ということで、ページをおめくりください。 
 1ページ目にありますように、こちらの論点は介護人材の目指す姿と介護人材の届出制度についてという形で資料を整理しております。そういう意味では、先ほど及川委員のほうからも中核的介護人材について触れていただいたかと思いますけれども、まさに制度的な観点から、この届出制度ですとか、あと、次回以降はプラットフォームなど幾つかの論点について御議論いただきますけれども、そういった中で中核的介護人材の在り方については大変重要な点かと思いますので、そういった観点からも御意見をいただくような形でいかがかと思っております。 
 2ページ目の資格の概要については、先ほどの資料2と同じでございます。 
 3ページ目を御覧いただきますと、介護人材確保の目指す姿~「まんじゅう型」から「富士山型」へ~ということで、平成27年の福祉人材確保専門委員会の報告書を踏まえたまとめでございます。こちらはもともと当時の状況といたしましては、専門性が不明確、役割が混在しているという中で、早期離職等様々な課題がある中、そして、将来展望、キャリアパスが見えづらい。そういった現状の中で目指すべき姿としては、こちらの絵にあるように富士山型といったものを目指していってはどうかというものでございました。 
 5つございまして、下のほうに書いてありますけれども、参入促進という観点から裾野を広げる。労働環境処遇の改善の観点から、道をつくる、長く歩み続ける。そして、資質の向上ということで山を高くする、標高を定める。こういった観点から取りまとめられたものと承知しております。 
 さらに4ページ目でございます。こちらは令和5年度の老人保健健康増進等事業の報告書からでございますけれども、こちらで何度か出てきております山脈型のキャリアモデルについてということで記述しておりまして、こちらは先ほどの富士山型からさらに議論をしていきまして、キャリアについても様々な形があり、それを選択できるように可視化していく、自身のキャリアをイメージできるようにしていく。そして、それを意識して諸職務に当たることに寄与するといった考え方でこういったものが提示されております。 
 介護実践、そして、その深化、育成指導と下のほうからなっておりますけれども、その先には、サービスのマネジメントとしての介護職のまとめ役であったり、さらに山脈型ということで幾つか山がつながっておりますけれども、例えば一つは認知症ケア、看取りケア等の特定のスキルを極める。こういったキャリアもあるだろうということですし、一方⑤、現場に加えて地域全体の介護力向上を進める。こういったキャリアもあろうかと思います。そして、⑥にあるように経営のマネジメント、こういったキャリアもございます。 
 詳細はそちらに記載のとおりでございますけれども、こういった形でキャリアの役割の例とか、あとはそのキャリアにたどり着き、登っていくための研修例などもこの中では整理をされておりまして、それが次の5ページ目という形になっております。 
 こういった形で、介護福祉士のキャリアアップ等についてはこれまでも議論の蓄積があるところでございますけれども、そういった観点も含めまして、この介護人材の届出制度の在り方について今回御議論いただきたいと思っております。 
 6ページ目を御覧ください。 
 平成29年4月から現在の届出制度は始まっておりますけれども、こちらは法律に基づきまして、1番、届出の概要のところでございますが、社会福祉事業等に従事している介護福祉士等が離職した場合などにおいて、住所、氏名などの情報を都道府県の福祉人材センターへ届け出るということが努力義務となっております。 
 2番、届出のタイミングのところでございますけれども、離職した場合、そして、社会福祉事業等に従事しなくなった場合、介護福祉士の登録を受けた後、社会福祉事業等に直ちに従事する見込みがない場合、こういった場合に届出をしていただくこととなっております。また、届け出た事項に変更が生じた場合にも届け出ていただきたいというような仕組みになっております。 
 3番の届出事項のところでございますけれども、現行の届出事項といたしましては、氏名、生年月日、住所のほか、電話番号、メールアドレスその他の連絡先に係る情報、そして、介護福祉士登録簿の登録番号、登録年月日に加えまして、就業に関する状況、現在就業しているかどうかといったことも届け出ていただいております。また、このほか、任意事項といたしまして、離職の理由、例えば転職、進学、家族の介護など様々あろうかと思いますが、そういったこと。そして、復職の意向、すぐなのか、いずれなのか、こういったことなどについても届出をしていただくような仕組みになっております。 
 届出の方法といたしましては、パソコンとかスマートフォンから届け出ていただくことが可能となっておりますけれども、人材センターへ来所していただくことも可能となっており、届出にいたしましては「福祉のお仕事」という届出サイトのほうからアクセス可能となっております。 
 5番の届出の支援のところでございますが、こういった届出が適切に行われるように、社会福祉事業等を経営する者、そして、介護福祉士の養成に係る学校、養成施設の設置者、こういった方々には届出に関する必要な支援を行うということについて努力義務が課せられているという形になっております。 
 参考でございますが、右下の部分、離職した介護福祉士等の届出状況といたしましては、全国で5万5000人程度となっているところでございます。 
 7ページ目でございます。都道府県の福祉人材センターにおきましては、介護人材の復職支援を強化するために、こういった届出システムを運用していただいておりますけれども、復職に関する情報提供など、届出をしていただいた場合には、左下の支援の例というところにもありますけれども、求人情報ですとか研修の開催案内、あるいは復職体験談など、様々な情報についてプッシュ型で情報提供をするといったこと、求職者になる前の段階から総合的な支援を行うとともに、就職のあっせんや復職研修などニーズに応じたきめ細かな対応を実施していただいております。また、地方公共団体やハローワーク等との連携強化によっても復職支援の体制を強化していただいているといった状況にございます。 
 8ページ目は、先ほど少し御紹介した届出事項について、実際の届出票について参考で掲載しております。 
 こういったものも踏まえまして、論点でございます。10ページ目を御覧ください。 
 現状・課題でございます。地域の実情に応じて必要な人材確保対策を講じていくためには、地域における介護人材の実態把握等を行っていくことが必要です。また、現在、介護現場の中核を担う専門職を確保するため、潜在介護福祉士の把握や復職支援の観点から離職者届出制度がある一方、地域の介護人材の状況を把握する上で届出制度は十分に機能しているとは言えないとの声がございます。 
 また、介護人材の定着におきましては、中核的役割を担うことが期待される介護福祉士をはじめといたしまして、介護職員のキャリアアップを図っていくことが重要です。キャリアアップのためには、教育・研修機会の充実に加えまして、その情報を本人に届けていくことも重要です。 
 加えて、潜在介護福祉士の活用も重要でございまして、離職者届出制度による復職支援の強化を行うとともに、届出の対象者を広げるなど、制度のさらなる充実と活用の検討が必要となっております。 
 その下、論点でございます。5つ挙げております。 
 1つ目は現行制度の強化ということで、潜在介護福祉士の復職等をさらに強化していくために、復職支援の手法としてどのようなことが考えられるか。 
 2つ目以降は現行制度の拡充についてです。 
 2つ目、潜在介護福祉士の円滑な復職支援を主目的とした離職者届出制度を活用し、地域における介護人材の実態把握や山脈型キャリアモデルを見据えたキャリア支援を行うため、届出対象者を現任者(介護・福祉現場の従事者)にまで拡大することについてどう考えるか。 
 3つ目、実態把握のため、離職者・現任者ともに届出内容の定期的な更新が必要と考えられますが、現在も届出支援の努力義務がかかっている介護事業者等は、その負担も考慮しつつ、どのような支援を行うことが考えられるか。 
 4つ目、届出者の負担も考慮しつつ、介護人材の実態把握や山脈型キャリアモデルを見据えたキャリア支援を行うため、どのような情報を届け出るべきと考えるか。 
 5つ目、現任者の届出を行う場合、届出のメリットを感じられるよう、どのようなキャリア支援、研修等の情報提供が考えられるか。この5点でございます。 
 その後ろはこれまでいただいた御意見の参考資料でございます。 
 私からの説明は以上です。 
○松原委員長 ただいまの説明につきまして、御意見があればお願いできればと思います。また、繰り返しになりますけれども、御意見につきましては簡潔にお願いいたします。 
 小笠原委員、お願いいたします。 
○小笠原委員 潜在介護福祉士の復職というのは、今後、人材を確保していく上では非常に重要なことでありますし、また、そういう方々がどこにいるか分からないというところで情報発信がうまくいかないという部分については、今5万人というところですが、今後もっともっと増やしていかないといけないところであると認識しています。 
 論点の1のどのような手法でというところになりますが、例えば私は学校にいて学生たちと関わっていますが、今の若者、もちろん復職支援は特に若い人だけではなく、多世代の介護福祉士に対する施策というところを理解している状況ながらというところではございますが、ほとんどが情報を取りにいくというよりも、インスタのように情報がどんどん上がっていくものを見ていくというパターンが非常に多いと思います。 
 そう考えると、今から仕事を辞めるという人たちがわざわざ登録をするかというと、なかなかハードルが高いと思うのです。そう考えると、例えば介護情報アプリみたいなものを作って、先ほどもキャリアモデルをどのように行うかとか、どのような情報を提供していくかというところもございましたので、アプリでふだんから介護の最新情報であるとか、例えば復職した介護福祉士が頑張っている情報であるとか、そういうものをどんどん発信して、そういうアプリにふだんから介護職、介護福祉士が慣れていく中で、情報登録も最初にしておいて、離職するときに例えばワンクリックで届出をわざわざ打ち込まなくても厚労省に届くというようなシステムをつくると、比較的届出というところのハードルが随分下がるのではないかなと感じているところです。 
 以上です。 
○松原委員長 ありがとうございました。 
 ほかにいかがでしょうか。 
 山下委員、お願いいたします。 
○山下委員 日本社会福祉士会の山下です。 
 届出の対象者を広げていくという観点はすごく大事だと思います。福祉人材と考えたときには、やはり介護福祉士だけではなくて、地域の中で福祉を担っていくというような立場から、社会福祉士であるとか、介護支援専門員であるとか、そういう幅広い専門職や有資格者の登録制度の再検討ということは必要ではないかなと思っています。介護人材だけにとどまらずに届出の対象者を広げていってというようなところで、この10ページの論点にありますけれども、そういう観点で登録制度を考えていく必要があるのではないかなと思っております。 
 それから、私事ではありますけれども、私も介護現場の実務経験があるということで、介護福祉士の資格も持っているのです。資格を使って仕事をしたこともありますけれども、今していませんが、届出ということを考えたときに、自分が実際に届出をするかどうかと考えたときに、まず届出をしたことによるメリットが何かと考えました。そのときに、情報提供であるとか研修、休んでいるときの自分の技術が落ちたことに対する支援であるとか、そういったことが届出制度を活用することによって得られるということがあればいいのかなと思いました。 
 だけれども、自分が実際に介護現場に戻るかと考えたときに、戻りたいという気持ちにはなかなかなれないのです。なぜかというと、やはり介護現場が置かれているかなり厳しい現状があります。賃金の問題であるとか、労働の問題であるとか、人間関係、コミュニケーションの問題、様々な観点からなかなか戻りにくいというか戻りたいと思わないということがあって、多分自分としては届出はしないだろうななんて思ったりしています。 
 そこで考えたときに、例えば先ほどから出ていますようにテクノロジー、いろいろな技術、AI技術であるとか、ロボットであるとか、様々な導入が今されていて、いろいろ介護の現場の補助が進んでいます。こういったことに対して国が各都道府県に補助を出していると思いますけれども、8万円ぐらいだったかな。そういった費用の補助を出していると思いますけれども、そういったAIの活用、ロボットの活用等について、例えばいろいろな機械がどんどん更新して新しくなりますので、その更新のときの費用であるとか、メンテナンスであるとか、そういったことに対しても国が補助を広げるといったことも必要ではないかななんて思っています。 
 それから、先ほどお話ししたように、多様な働き方が必要かなと思います。介護現場でも外国人の方を含めて週1日、2日というような働き方でも保障していくようなことであるとか、様々な形での人材確保が必要ではないかなと思っています。 
 そういう意味で、届出の対象者を広げて進めていくことについてはもちろん賛成でありますけれども、様々な観点から考えていく必要があるのではないかなということをお話しさせていただきます。 
 以上です。 
○松原委員長 ありがとうございました。 
 ほかにいかがでしょうか。 
 及川委員、お願いいたします。 
○及川委員 ありがとうございます。 
 論点の現行制度の拡充のところのマル2でございますが、届出対象者を現任者にまで拡大することについてというところが書いてありますけれども、人材確保対策をしっかりと計画的に進めるためにも、地域の現任者の状況を把握する必要があると考えます。介護人材が不足している、不足していると言われ、では介護人材という人たちが集まればいいのかではなくて、やはり専門職としての介護福祉士が中核的役割を担える。そういう人材が今どこにどれだけの人数がいるかというようなところが把握できると、とてもこの先の人材確保についてもしっかりと進められるのではないかなと思います。初任者ばかりが集まっても介護現場は回っていかないわけですので、この現任者を対象とするということについては私たちも拡大すべきだと考えます。 
 それから、3番目の論点のマル3のところでございますが、本当に負担は一定かかると思うのですが、災害時の介護ニーズへの対応も想定されることを踏まえれば、介護事業者の皆様の御協力をいただきたいと考えます。 
 最後にマル4のところです。届出者の負担も考慮しつつ、介護人材の実態把握や山脈型キャリアモデルを見据えたキャリア支援を行うため、どのような情報を届け出るべきか考えるというところですけれども、資格の有無、経験内容、経験年数などの情報は必要であると考えます。受講履歴の管理も併せて必要ではないかと考えます。 
 以上でございます。 
○松原委員長 ありがとうございます。 
 先ほど資料1について追加で中核人材の整理をという話がありましたけれども、それについて、今、割と届出制の話が中心になっておりますが、大丈夫ですか。何かありますか。 
○及川委員 介護福祉士というところの資格の有無がしっかりと分かれば、そこで中核的人材、イコールとは言い難いところもありますけれども、初任者についてはそこまではまだ活躍することができないかもしれないのですけれども、やはり介護の専門性、それから、アセスメント力、実践力というところを考えても、中核的人材というところで介護福祉士をしっかりと位置づけていただければ、そのことから質の担保というものが考えられると思いますので、進めていただきたいなと思います。 
○松原委員長 ありがとうございました。 
 ほかに。 
 山田委員、お願いいたします。お待たせしました。 
○山田委員 意見というよりも質問なのですけれども、届出制度については復職支援の強化というような意味合いが強いと思うのですが、その場合、復職支援の強化というと、復職したいという人たちがいてのことになるのだと思うのですが、そうなると、辞めた方々の離職の理由をどの程度把握しているのかなということが疑問になりました。例えば家庭の事情でやむなく仕事を辞めざるを得なかったという人たちであれば、また早く復帰したいな、福祉の仕事をやりたいなという人たちもいるでしょうが、それ以外で離職した人たちの理由ですとか、量的なものとかをどの程度把握しているのかなということは疑問に感じましたので、教えていただければと思います。また、それによってやはりやり方も変わってくるのかなと感じました。 
 以上です。 
○松原委員長 山田委員、ありがとうございました。 
 事務局、お願いいたします。 
○芦田福祉人材確保対策室長 御質問ありがとうございました。 
 まず、この届出制度の中では、今、定量的には手元に数字がないのですけれども、8ページ目の届出票の資料について御覧いただければと思います。 
 右側の上から2段目のあたりを見ていただきますと、離職情報という欄がありまして、離職理由をこのような選択肢でチェックをしていただくような様式になっております。このような形で、例えば転職の中でも同分野、前職と異なる福祉分野、福祉分野以外にというような選択肢のほか、進学・留学、結婚・出産・育児、家族の介護・看護、体調不良・療養、定年・雇用契約満了、その他といった形で届出自体についてはしていただいているところでございます。 
 また、離職の理由についてどのようなものがどのようなボリューム感でというような情報につきましては、以前、参考資料で出させていただきましたが、介護労働実態調査のほうで調査した結果というものが今手元にございますので、少し御紹介いたします。 
 直前の仕事、介護関係の仕事を辞めた理由として、これは複数回答でございますけれども、この回答の中で一番多かったのは24.7%、職場の人間関係に問題があったため。18.5%、ほかによい仕事・職場があったため。17.6%、勤務先の事業理念や運営の在り方に不満があったため。16.3%、収入が少なかったため。14.2%、自分の将来の見込みが立たなかったため。12.3%、結婚・妊娠・出産・育児のため。このようなデータは把握しているところでございます。 
 以上でございます。 
○松原委員長 山田委員、いかがでしょうか。よろしいでしょうか。 
○山田委員 今のような説明がありましたけれども、現実問題としてこの届出制度がどの程度復職に効果があるのかなというのに以前から疑問を感じていたので、あえて質問をさせていただいたところであります。 
 私の法人のことだとすれば、例えばいろいろ家庭の事情等で辞める人たちもいますけれども、うちの法人ではカムバック制度みたいなものをつくってあります。そうすると、辞めた理由等で例えば育児のためとか親の介護のためといったときに、それが緩和されたときにカムバックができるような体制を整えてありまして、それで戻ってくる人たちも多い。また、それを職員全体が把握していますので、本人から言い出すのはなかなか敷居が高くても、周りからあの人もカムバックしたからまたあなたも戻ってきたらみたいな声かけをしたりもしていて、それが現実的に結構効果をもたらしている部分もあったりします。ですから、届出の制度がもっと有効に働くようないろいろな仕組み、工夫は現実的に考えていくとよろしいのかなと感じたところです。 
 以上。 
○松原委員長 現場のお話をありがとうございました。 
 では、佐保委員、お願いいたします。 
○佐保委員 ありがとうございます。 
 潜在介護福祉士の届出制度の促進に向けては、研修による復職支援や認定介護福祉士の資格取得支援などのインセンティブが必要ではないかなと考えております。 
 また、今年5月に災害対策基本法等が改正され、被災者に対する福祉的支援の充実が図られることになりましたが、平時でも人材不足の中、災害時において福祉施設で働いている人の中から人材確保を図ることは厳しい状況であると伺っております。 
 一方で、DWATの参加が若手介護福祉士のキャリアモデルになるなど、平時の人材確保や育成に貢献している事例もあるという発言が第123回の介護保険部会の関係者ヒアリングの中であったと聞いております。潜在介護福祉士の中で希望する人がいれば、DWATや福祉避難所で応援に入るような仕組みも検討する余地があるのではないかと考えております。 
 また、離職する人に対して届出制度を事業者が案内することが難しい場合もあろうかと考えています。そのため、届出制度を現任者も対象とすることはよいのではないかなと考えております。 
 私からは以上です。 
○松原委員長 ありがとうございました。 
 堀田委員、お願いいたします。 
○堀田委員 ありがとうございます。 
 議事の(1)のところを遅刻しておりまして、そこも併せて2点申し上げたいと思います。 
 1つ目は資料1の3ページ、及川委員からも途中で御発言が既にあったかなと思いますけれども、中核的介護人材の確保・育成を図るため、山脈型キャリアモデルなどの取組を引き続き深化させていくというところがありました。関連して、今の議題の資料4の中でも、既に山脈型キャリアモデルにひもづけた形で対応する役割とか研修体系については整理もされつつあるということを承知しています。 
 今後の議論の中で、何らかこの中核的な介護人材というのがどういう役割や機能を果たすのかということはもちろんなのですが、その役割を果たすために求められるコンピテンシーを身につけるための教育の内容とか方略、そして、教育の場、期間というものをセットできちんと議論していくということが欠かせないのではないかなと思います。 
 とりわけ求められるコンピテンシーのところに関連しては、次回の議事にも関連するのかなと思いますけれども、地域共生社会の実現に向けてという文脈の下で、対人支援職種に共通して求められるコンピテンシーであるとかモデルカリキュラムについては、多くの関係の皆様の御参画をいただきながらある程度検討も進められてきているというような経緯もございますので、そういったものも必要に応じて参照しながら、この中核的介護人材についての議論を具体的に深めるということは欠かせないと思っています。 
 そして、この届出についてです。既に委員の皆様からも挙げられていますけれども、届出というものはほかの何でもそうかなと思いますけれども、それほどの負担がなく届け出ることができ、届けて出ておくとメリットが得られるということがないと、なかなか届出自体が進まないということもあろうかなと思いますので、既に動いている制度ではあると思っていますが、改めてどのような届出の情報、8ページに現状の定められている届出事項についても挙げていただいているところではありますが、活用という観点でいくと、実際にはどういう属性の方々にどういうタイミングでどんな内容の情報をどういうチャンネルで流していくと、現任者の方もこれから含めるのであれば、御本人たちの就業意欲を向上していただくとか、あるいは一旦離れていれば復職してもいいかなと思うとか、あるいは復職のために必要なことが分かるというようなことにつなげていく必要があるので、この届出の情報自体、この項目自体を見直していく余地があるのではないかなと思っています。 
 そのときに、既に途中でほかの委員の方から介護福祉士以外の資格者についてもというお話がありましたけれども、社会福祉振興・試験センターでは、直近は令和2年度で止まってはいますが、社会福祉士、精神保健福祉士、介護福祉士の三祉士についての就労状況調査というものをある程度継続してやってきていることもあって、こういった過去の調査の個票データの分析などもしながら、実際に介護現場で働いている方々というのはどのように行動していくのか。それを踏まえた上で、先ほどのような情報の提供の仕方ということにつなげることができる。そのためにはどういう情報が必要なのかということの分析をしていく必要があるのではないかなと思っています。 
 以上です。 
○松原委員長 ありがとうございました。 
 そのほか、御意見はいかがでしょうか。 
 山下委員、お願いいたします。 
○山下委員 日本社会福祉士会の山下です。 
 今の話に加えてですけれども、先ほど室長から離職の割合、パーセンテージが話されました。その中でやはり一番多かったのが約25%、4分の1の方が人間関係ということで悩んで、この人間関係が同僚なのか、上司なのかというのは分かりませんけれども、そういったところだとか、あとは将来の不安というのもありますけれども、収入減等もありますけれども、やはり人間関係に悩むというところに関して、登録をした後の受けるメリットの一つとして、それについていろいろ研修的なものとか、登録をしたことによってそういった人間関係についていろいろ知る機会が増えるみたいなこともあっていいのかななんて思いました。 
 以上です。 
○松原委員長 ありがとうございました。 
 ほかにいかがでしょうか。 
 石踊委員、お願いします。 
○石踊委員 全国老施協の石踊でございます。 
 感想になるかもしれませんけれども、届出というのが再就職の支援という点からいうと、今の若い方は割と携帯などでワンクリックで見たりするわけですよね。そうすると、あまり届出ということになじまないというか、あまりしたがらないというような雰囲気があるのではないかなと思います。これほど項目が多いと面倒だからということもあるのではないかなと思います。自分のことをずっとこうやって届出の中で書いていくというのは非常に抵抗感があるような気がしております。 
 やはり再就職を求める方というのは情報が欲しいわけですから、逆に情報をどんどん人材センターのほうから流してあげれば、それを見ることはすると思うのです。自分で見て、これだったらいいなというさっきから言われているメリットという部分なのですけれども、こういう情報があるのだなということが分かれば、それは届出にもつながるかもしれませんし、項目が多いとなかなか自分で入れたがらないというか、最低限度の項目でいいかなと思うのです。何でこういう項目が必要なのだろうと届出をするほうが思うと、なかなか届出が進まないのではないかなと思っています。 
 感想でございます。以上です。 
○松原委員長 ありがとうございました。 
 ほかにいかがでしょうか。よろしいでしょうか。 
 それでは、予定の時間には達しておりませんけれども、委員の皆様からも御意見をいただきましたので、本日の審議についてはここで終了とさせていただきます。 
 次回の開催につきまして、事務局より御説明をお願いいたします。 
○岡本福祉人材確保対策室長補佐 次回の開催については、事務局にて改めて開催日程を調整させていただきまして、追って皆様方に御連絡させていただきます。 
○松原委員長 それでは、本日の審議を終了いたします。 
 本日は、お忙しい中お集まりいただきまして、闊達な御議論をいただき、ありがとうございました。