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2025年9月30日 第203回労働政策審議会労働条件分科会 議事録
労働基準局労働条件政策課
日時
令和7年9月30日(火) 14:00~16:00
場所
TKP新橋カンファレンスセンター ホール15D
(東京都千代田区内幸町1-3-1 幸ビルディング15階)
(東京都千代田区内幸町1-3-1 幸ビルディング15階)
出席者
- 公益代表委員
- 川田委員、神吉委員、首藤委員、原委員、水島委員、山川委員
- 労働者代表委員
- 亀田委員、櫻田委員、佐藤(好)委員、椎木委員、冨髙委員、古川委員
- 使用者代表委員
- 鬼村委員、佐久間委員、鈴木委員、田中委員、鳥澤委員、兵藤委員、松永委員
- 事務局
- 岸本労働基準局長、尾田審議官(労働条件政策、働き方改革担当)、松下総務課長、川口労働条件政策課長、先﨑労働関係法課長、田邉労働条件確保改善対策室長、中島労働条件政策課長補佐、瀧田労働関係法課長補佐、来嶋企画調整専門官、下田労働条件企画専門官
議題
労働基準関係法制について
議事
○山川分科会長 それでは、定刻になりましたので、ただいまから、第203回「労働政策審議会労働条件分科会」を開催いたします。
本日の分科会は会場からの御参加とオンラインでの御参加の双方で開催とさせていただいております。
まず、議題に入ります前に、本分科会委員の交代がございましたので、事務局から御紹介をお願いします。
○労働条件企画専門官 本分科会委員の交代につきまして御報告いたします。
お手元の参考資料№1として、労働条件分科会委員名簿を配付しております。労働者代表の藤川大輔委員が御退任され、全日本自動車産業労働組合総連合会副事務局長、佐藤好一委員に御就任いただいております。
事務局からは以上でございます。
○山川分科会長 ありがとうございます。どうぞよろしくお願いいたします。
本日の委員の御出欠ですが、労働者代表の春川徹委員と松田惣佑委員と、使用者代表の佐藤晴子委員、公益代表の安藤至大委員と黒田祥子委員が御欠席と承っております。
カメラ撮りがありましたら、ここまでとさせていただきます。
では、本日の議事に入ります。議題は、「労働基準関係法制について」です。では、まず資料につきまして事務局から御説明をお願いします。
○労働条件確保改善対策室長 事務局でございます。資料№1、資料№2につきまして、通しで御説明をさせていただきます
まず、資料№1につきましては、論点に関する資料となっておりまして、1ページ目から2ページ目まで、大きく3つの区分で示させていただいております。順に、御説明をさせていただきます。
まず、「適切な労使コミュニケーションの在り方」の1つ目の丸は、適正な選出についての論点でございます。読み上げますと、労使コミュニケーションの中核を担うのは労働組合であるが、過半数組合がない場合も、できるだけ対等な労使コミュニケーションを図ることができるよう、不適切な選出の事例も見られる過半数代表者の適正な選出が必要。現在、過半数代表者の選出手続は、労働基準法施行規則に実施命令として定められているのみであるが、こうした点を踏まえ、どのような措置を講ずべきか。
次の丸は、ワークルールに関する論点でございます。労働組合による労使コミュニケーションを活性化する方策として、例えば、労働組合の意義、役割、重要性について教育・啓発を進めることについて、どう考えるか。
次の丸は、複数事業場に関する論点でございます。事業場に所属していない者が、労使協定を締結する際の使用者側の担当者や労使委員会における使用者側委員となることは、現行法上妨げられていないが、事業場単位の労使合意が前提である中、どう考えるか。
続きまして、「過半数労働組合・過半数代表者が担う役割」の1つ目の丸は、公正代表に関する論点でございます。(過半数労働組合や)適正に選出された過半数代表者は、労使協定の締結等に向けて、労働者の意見の集約など、事業場の全ての労働者の公正な代表として手続を行うことが期待される。その役割が果たされるよう、どのような措置を講ずべきか。
次の丸は、任期制、複数人選出に関する論点でございます。任期を定めて選出することや複数人の過半数代表者を選出することは、現行でも可能であり、より実効的なコミュニケーションを行える可能性がある一方で、権限や責任、異動・退職時の取扱い等、運用上明確にすべき点も考えられるところ、これらの点について、どう考えるか。
続きまして、2ページ目を御覧ください。「過半数労働組合・過半数代表者が役割を円滑に遂行するための情報提供や便宜供与等」についてでございます。
1つ目の丸については、情報提供、便宜供与についての論点でございます。過半数労働組合や過半数代表者が役割を円滑に遂行するため、過半数代表者の選出のために必要な情報や、事業場内の働き方の実態に関する情報等に関し、使用者が一定の情報提供を行うことや、活動のための便宜供与を行うことについて、どう考えるか。また、どのような措置を講ずべきか。さらに、便宜供与の内容に関し、必要な情報の内容、必要な費用等の負担、過半数代表者に対する教育・研修・相談支援などの具体的な考え方を示すことについて、どのような措置を講ずべきか。
次の丸は、不当労働行為との関係に関する論点でございます。労働時間の中で賃金を失うことなく活動すること等の金銭的な便宜供与がなされる場合の労働組合法の不当労働行為との関係について、どう考えるか。
最後の丸でございますが、不利益取扱いに関する論点でございます。現在、労働者が過半数代表者であること等を理由とした不利益取扱いは、労働基準法施行規則に実施命令として定められているのみであるが、使用者との実効的なコミュニケーションを行い得る環境整備のため、過半数代表者であること等を理由とした不利益取扱いがなされないよう、どのような措置を講ずべきか。
資料№1の御説明は、以上でございます。
続きまして、資料№2に移らせていただきます。資料№2の位置づけでございますが、前回、集団的労使コミュニケーションの在り方について御議論いただいた第200回会議資料の資料№4を追加・修正して御用意させていただいたものでございます。
変更点は、大きく2つございまして、一点目としましては、調査を2点時点更新をさせていただきましたことと、新規調査を1点追加させていただきました。具体的には、5ページ目から26ページ目までとなります。また、もう一点目としましては、第200回会議で資料のお求めをいただきました過半数代表者につきまして追加をしたというものでございます。具体的には、42ページ目から43ページ目までとなります。順に、御説明をさせていただきます。
まず、5ページ目を御覧いただければと思います。5ページ目から7ページ目まででございますけれども、厚生労働省が定期的に行っている「労使コミュニケーション調査」についての表でございます。第200回会議では、令和元年の調査結果をお示しさせていただきましたが、今回は、令和6年の調査結果をお示ししているというものでございます。この調査は、御案内のとおり、事業所調査、労働者に対する調査ということでございます。また、今回の令和6年の調査結果でございますが、前回と傾向は同様でございますので、ポイントを絞って御説明をさせていただきます。
その上で、まず5ページ目。労使関係についての認識などについて、労働組合の有無や労働組合の加入状況別に、割合を見たものでございます。
6ページ目は、企業内労働組合への加入状況や、企業内労働組合に加入しない理由について、労働者の割合を見たものでございます。
7ページ目は、労使関係についての認識や労使コミュニケーションを重視する内容について、企業規模、労働組合の有無別に事業所の割合を見たものでございます。
次に、8ページ目から17ページ目までは、一番下に記載しておりますが、JILPTが実施しました『「過半数労働組合」および「過半数代表者」に関する調査』の結果ということになります。第200回会議では、2018年の調査結果をお示しさせていただきましたけれども、今回は令和6年の速報値をお示ししているものでございます。なお、この調査は、事業所に対する調査でございます。
その上で、8ページ目からでございますが、2点ございまして、1つとしては、労働組合がある事業所における過半数労働組合がある事業所の割合は、66.6%だったということ、全体に占める過半数労働組合がある事業所の割合は、8.2%だったということでございます。
9ページ目は、過半数代表者の選出方法についてでございます。色をつけておりますが、使用者が指名した場合や、親睦会の代表者等を自動的に選任するといった、過半数代表者の選任が適正に行われていない割合は、前回調査の27.6%よりは減ったものの、今回調査では、16.0%となってございます。
10ページ目は、信任候補者の定め方についてでございます。赤枠のところでございます。使用者が候補者を決めるといった定め方は、左の表、企業の経営形態や、右の表、事業所の規模別といったそれぞれの区分によりまして、回答割合に違いが見られるといった結果となってございます。
11ページ目は、過半数代表者の職位別の選出状況についてでございます。左の表1でございますが、過半数代表者の職位について、「一般の従業員」が最も多い一方、「工場長、支店長クラス」なども選出されているということでございます。
右の表2は、過半数代表者の職位別選出方法についてです。一般の従業員などから選ばれた場合は、「投票や挙手」といったものが多いということになっておりますが、「部長クラス」や「工場長、支店長クラス」から選ばれた場合は、「使用者が指名」の割合が最も高いということとなっております。職位の高い者について、選出手続が適正に行われていないことが見受けられるということでございます。
12ページ目は、過半数代表の有無と過半数代表者を選出しなかった理由についてでございます。左の表でございますが、過半数代表が「いる」という事業所は、今回調査では、合計で59.0%だったということでございます。
右の表でございますけれども、過半数代表者を選出しなかった理由としましては、赤枠のところですが、「手続が発生しなかったから」ということが最も多かったということでございます。それから、事業所の規模によって、回答の割合に違いも見られるということでございます。
13ページ目は、過半数代表者の選出の頻度についてでございます。左の表でございますが、任期を決めて選出をしている事業所は、今回調査では、23.9%だったということでございます。
右側の表でございますけれども、回答割合については、事業所の規模によって違いも見られるということでございます。
14ページ目は、過半数代表者の選出開始の周知の範囲についてでございます。赤枠の箇所でございますが、過半数代表者の選出が開始されたということについて、「一部の事業所に周知」あるいは「周知していない」と回答した事業所は、今回の調査では、合計で15%あったということでございます。
15ページ目は、過半数代表制度の運用状況についてでございます。赤枠の箇所でございますが、過半数代表を利用した手続を行ったことがある事業所は、全体の63.2%だったということです。事業所の規模が大きくなるほど高くなってございます。また、手続の内容でございますが、(4)の36協定、(8)の就業規則の関係で高くなってございまして、これらも、事業所の規模が大きくなるほど高くなっているということでございます。
16ページ目は、過半数代表とのやり取りについてでございます。左の表でございますが、過半数代表とのやり取りは、「対面」が最も高いということでございますけれども、例えば、「書面」や「電子メール」も含めまして、やり取りの方法としましては、事業所の規模によって、回答割合に違いも見られるところでございます。
右の表でございますが、話し合いの平均回数については、「1回」が最も多いということでございます。しかしながら、こちらの話し合いの回数につきましても、事業所の規模によって、回答割合に違いが見られるところでございます。
17ページ目は、複数代表者についてでございます。左の表1でございますが、複数代表者を選出している事業所は、全体の2.8%だったということでございます。
右の表でございますが、複数代表者を選出した理由としましては、赤枠のところでございますが、「従業員数が多く、1人では従業員の意見集約の負担が大きいから」ということが最も多かったということでございます。
18ページ目からは、新規の調査ということになります。具体的には、18ページ目から26ページ目までということになりまして、調査としましては、一番下のところに書いてございますが、JILPTの「過半数代表者に関するアンケート調査(仮称)」の速報値についての表でございます。この調査につきましては、上の表の「調査目的」のところでございますが、過半数代表者についての労働者の認識や負担軽減の具体的なニーズを把握すること等を目的に行った調査ということでございまして、「対象者」の箇所を御覧いただければと思いますけれども、こちらの調査は、モニターへの調査ということで、労働者に対する調査ということとなってございます。その上で、「サンプル数」の下のところに書いてございますが、以降の資料は、過半数代表者になったことがある者を対象にした調査項目をお示しすることとしてございます。
その上で、左下の表を御覧いただければと思いますけれども、過半数代表者になったときの事業所の規模の分布を示しておりますが、対象者が比較的大きな事業場に寄っているという点は、留意が必要かと考えております。
こうした中で、19ページ目以降でお示しする調査結果の何点かは、17ページ目までの2つの調査の結果と少し異なる結果が出ている部分もございます。その要因の一つとしましては、こうした母集団の違いですとか、調査設計上の違いということが考えられるところでございます。
その上で、真ん中の表を御覧ください。過半数代表者の業務に従事した時間でございます。例えば、3時間以下で切りますと、合計で72%の方が「3時間以下」と回答してございます。一方で、「10時間超」と回答された方も、10.2%いらっしゃったということでございます。
右の表は、過半数代表の業務を就業時間内に行ったかどうかということでございまして、「すべての活動あるいは多くの活動を就業時間内に行った」と回答した方は、合計で61.3%いらっしゃったということです。また、一番下の2つの行でございますけれども、「多くの活動あるいはすべての活動を就業時間外に行った」と回答した方は、合計で18.9%であったということでございます。
19ページ目は、労働者の意見聴取、使用者との協議についての表でございます。一番上の表は、会社側との協議や労働者からの意見聴取などを行ったと回答された方が65.5%いらっしゃった。その一方で、その下でございますが、協議や意見集約は行わず、使用者の指示に従って協定書にサインなどをしたのみであったと回答された方の割合が34.5%であったということでございます。
その上で、協議や意見聴取を行った方のうち、「会社と協議や意見交換の場が設けられた」と回答した方の内訳が下の2つの表でございます。左下の表は、協議や意見交換の時間について、「十分またはある程度かけられた」と回答された方の割合が合計で83.9%いらっしゃった。その一方で、「あまり時間がかけられなかった」「不十分であった」と回答された方の割合が合計16.1%であったということでございます。
その上で、右下の表では、使用者との協議・意見交換の回数について記載しておりますけれども、16ページの調査結果とは、異なる結果が出ているということでございます。
20ページ目は、準備や活動の状況についての表でございます。上の表は、事業場内の労働者の代表として行った準備や活動についてでございまして、資料№1の論点との関係で申し上げますと、過半数代表者の負担とか便宜供与、公正代表、相談先などと関連する選択肢が並んでございます。このうち、最も多かったのは赤枠のところでございまして、「労働者の意見を集めた/労働者と話し合いを行った」ということでございます。その上で、「労働者と話し合いを行った」と回答した方の内訳が下の3つの表となってございます。まず、左下の表でございますが、労働者からの意見を集めた、話し合いを行った方法としましては、「職場集会」「個別に一人ひとりから意見を集めた」ということが上位2つとなってございます。
右下の表をまとめて御説明させていただきますと、意見聴取・話し合いをする際に、雇用形態、職種、部門の異なる労働者がいたかという問いでございます。それぞれ、表の真ん中の選択肢を御覧いただければと思いますけれども、そういった方がいたけれども、意見聴取や話し合いを行った労働者には含まれていなかったと回答された方の割合が、それぞれ、29.7%、26.9%いらっしゃったということでございます。
21ページ目は、活動の負担感についてでございます。まず、左上の表でございますけれども、過半数代表者としての活動について、「非常に」あるいは「やや」「負担を感じた」と回答された方が、合計で70.9%いらっしゃったということでございます。その上で、左下の表でございますが、過半数代表者であった際に負担に感じたこととして、「労働者の意見集約」「会社との協議」といったことが上位2つとなってございますが、これらの下に書かれているような項目についても、一定の回答があったということでございます。
次に、右の上の表を御覧ください。労働者の意見集約について、負担に感じた理由としましては、「労働者の意見が職種や雇用形態によって異なるから」「労働者に関心を持ってもらえなかったから」といったものが上位2つとなってございますけれども、その他の項目についても、一定の回答があったということでございます。
最後に、右下の表でございます。会社との協議について負担に感じた理由としましては、「協定内容の是非を判断するための情報が不足していたから」「時間の面などから負担だったから」といったものが上位2つとなっておりますが、その他の項目についても、例えば、必要な設備とか相談先とか不利益取扱いといった選択肢に対しましても、一定の回答があったということでございます。
22ページ目は、クロス分析をした結果でございますので、割愛をさせていただければと思います。
23ページ目と24ページ目は、便宜供与に関する調査結果でございます。まず、23ページは、過半数代表者として活動するに当たり、会社から配慮があったかといったことについてまとめたものでございます。上位2つとしましては、「通常勤務した場合と同様に賃金が支払われた」「過半数代表手当等の追加的な手当が支払われた」といったものが多くなってございますけれども、便宜供与や情報提供などといった、その他の項目についても、一定の回答が見られたということでございます。また、点線の下のところでございますが、「会社からの配慮はなかった」と回答された方の割合も22.2%あったということでございます。
24ページ目は、会社からの配慮として必要なものについてまとめたものでございます。こちらも、「(就業時間内に)他の労働者の意見を聞いたり、会社との協議に向けて準備をしたりする時間を確保すること」「会社と協議をする時間を確保すること」といった時間に関する配慮が必要という回答が上位2つとなってございますけれども、その他の項目についても、一定の回答があったということでございます。
25ページ目は、複数人の選出についての表でございます。まず、左側の表でございますが、選出された際の人数、それから、選出された人数などについては、17ページの調査結果とは、異なる結果が出ているというものでございます。
右側の表でございます。複数人が選出されたことに対する所感としましては、「相談等ができ、心理的な負担や重圧が軽減された」「分担することができ、事務負担が軽減された」といったことが上位2つとなってございますけれども、その他の項目についても、役割分担の話や、過半数代表者の多様性などといった選択肢について、一定の回答があったということでございます。
26ページ目は、任期付きの選出についてでございます。まず、上の表でございますが、任期付きで選出されたか否かなどについて問うたものでございまして、13ページ目とは、異なる結果が出ているということでございます。その上で、真ん中の表でございますけれども、任期の長さについては、例えば、「2年以下」で切りますと、合計で78.3%の方が2年以下の任期であったということ。その一方で、「3年超」と回答された方も、8.5%いらっしゃったということでございます。
一番下の表でございますが、任期付きで選出されたことについて、自身が感じたこととしましては、「過半数代表としての業務が行いやすかった」「自身の役割が明確になり、過半数代表者としての業務と他の業務の調整がしやすかった」といったものが上位2つということとなっております。
その上で、少しページが飛びますけれども、42ページ目をお開きください。冒頭申し上げましたが、42ページ目、43ページ目は、第200回会議において、過半数労働組合等が過半数代表者になった場合についての使用者の配慮、不当労働行為との関係、裁判例などについて、資料のお求めをいただいたというものでございます。そのような場合に特化した形では難しいところもございましたが、可能な範囲で御用意をさせていただいたものでございます。
その上で、42ページ目では、学説を3つ、裁判例を1つ挙げさせていただいております。
また、43ページ目は、不当労働行為と便宜供与について、諸外国における関係法令をまとめたものでございます。例えば、アメリカと比べますと、ドイツ、フランス、イギリスといった国では、便宜供与については、労働組合や従業員代表に対して明示的に認められるものがあるといったようなことでございます。
長くなりましたけれども、資料の御説明は、以上でございます。
○山川分科会長 ありがとうございました。
過半数労働組合・過半数代表者等につきまして、本日御議論いただきたい論点、それから各論点に関する現行制度やデータをお示しいただきました。
それでは、以上の説明を踏まえて議論を進めていきたいと思いますけれども、複数の論点がございますので、まず資料№1の1ページ目の上半分にあります「適切な労使コミュニケーションの在り方」につきまして御議論いただきまして、残り2つの論点については、後ほどそれぞれ時間を区切って議論することとしてはいかがかと思います。
それでよろしければ、まず「適切な労使コミュニケーションの在り方」、資料№1の1ページ目の上半分の論点につきまして御質問、御意見があればお願いいたします。オンライン参加の皆様におかれましては、御発言の希望があります場合にはチャット機能でお知らせください。御質問、御意見等ございますでしょうか。
冨髙委員、どうぞ。
○冨髙委員 ありがとうございます。
2点目の「労働組合による労使コミュニケーションを活性化する方策」について、今回も資料№2の4ページに行政としての取り組みに関する資料を入れていただいておりますが、労働組合の重要性が強調される一方で、行政の取り組みは充実しているとは言えないという印象を今までも申し上げているところでございます。集団的労使コミュニケーションの担い手は、労働三権が保障されて、労使対等の立場で交渉や協議を行うことができる労働組合が中心だというのは、改めて申し上げておきたいと思っているところでございます。
もちろん労働組合は、労働者が自主的に団結するものであり、強制されるものではないですが、憲法や労働法が労働組合を労働者の重要な権利を保障する主体として明確に位置づけていることを踏まえると、政策的にも活性化に取り組むことが必要と思っております。より具体的には、労働組合の役割やその効果、結成や組織運営、団体交渉と不当労働行為の禁止といったことを含めた実践的なワークルール教育や、労働組合の有無に関する情報開示の充実などは支援として強化いただきたいと思っております。さらに言えば、例えば不当労働行為を行った企業等については、各種の助成金や補助金を不支給とすることを要件化することや、公契約からも排除していくというようなことも検討してもいいのではないかということも考えているところでございます。
もう一点、過半数代表の部分についてです。資料№2の調査結果からも過半数代表者の選出などに課題があるというのは浮き彫りになったと思っております。法定基準の解除機能を十全に果たすことが重要であり、選出手続の適正化はしっかりと進めるべきと思っておりまして、労基則に定められている選出手続規定を労基法に格上げすることが重要と考えているところでございます。
連合では、労働組合が過半数に満たない職場で、どのように過半数代表が選出されているかについて、直近で調査をしています。単組に対するヒアリングでは、労働組合が中心となって、非常に小規模な事業場を含めて全事業場で綿密に選出手続を積み重ねて、過半数代表の選出を行っているといった事例も聞いているところでございます。ただし、こうした手続が法定化されていない現状では、当該職場の組合役員の経験とか力量、あとは安定した労使関係にあるのかどうかといったところに負ってしまう面が多いのではないかと考えているところでございます。そうした実情も考えれば、先ほど労基法への格上げについて言及しましたが、協定内容の事前開示、立候補者の所信表明機会の提供、また、直接無記名の選挙の実施などの手続規制の強化を図るべきではないかと考えております。その上で、もし手続に瑕疵がある場合には協定等が無効になるというルールについても明確に法律で定めることが必要であると考えるところでございます。
後ほどの議題でもございますが、不利益取扱いの禁止についても、今の書きぶりでは「不利益な取扱いをしないようにしなければいけない」と曖昧なものですので、「不利益取扱いをしてはならない」というような形で明確にするべきだと考えております。また、不利益取扱いがなされた場合にも、締結された協定が無効になるということも明確にしておくべきではないかと考えているところでございます。
最後に、資料№2の45ページ以降にも記載していただいておりますが、半数代表が担う役割が非常に多過ぎるのではないかと考えており、その役割そのものを縮減していくことも必要ではないかと思っております。この点は今後研究なども必要かもしれませんけれども、例えば派遣労働者の待遇に関わる労使協定など、労働条件の設定機能などが含まれているようなものもございますので、そういった部分も含めて縮減をしていくことも考え得るのではないかと思っておりますので、意見として申し上げておきたいと思います。
以上です。
○山川分科会長 ありがとうございました。
ほかにいかがでしょうか。オンラインで御発言の希望がございました。まず、鬼村委員、お願いします。
○鬼村委員 ありがとうございます。
私たちのほうからは1つ意見でございます。過半数代表者の選出手続の部分でございますけれども、資料№2の9ページにございましたが、まだ一定程度不適切な選出があるということについては、これはしっかりと対応を続けていかないといけないと思いますが、今回の調査では不適切な選出割合が10ポイント程度減少しておりますので、ひとまず適正化に向けて進んでいるというふうには評価できるのかなと思っています。
こうした不適切な選出割合が減った理由については、これは分析をしていかないといけないとは思うのですが、令和3年4月に36協定の届出様式が改訂されたと思うのですけれども、その際に選出方法の記載欄が追加されたり、あるいは「使用者の意向に基づいて選出されたものでないこと」というチェック欄が入ったということ、こうしたことによる効果も少なからずあったのではないかなと推察いたします。
今後はこの様式の中で、会社の指名等による場合には協定は無効になりますよとか、こうした旨の説明を加えたりするとか、法令遵守を徹底するための行政的手法の強化と一層の周知啓発は検討していく必要があるのだろうなと思います。
同じ9ページにございますけれども、過半数代表者の選出方法なのですが、多いものから言うと、投票や挙手、信任、話し合い、こういう多様な方法で行われていると思いますが、企業の労使がそれぞれ適切な方法を選択できるように、あまり限られた方法に限定はせずに、今後もこうした多様な方法が認められるようにしていくべきではないかなと思います。特に信任の手続は、民主的な選出方法であると思いますけれども、例えばメール等で信任などを問う場合に、返信がなければ信任とみなしますよというような取扱いは不適切だろうと思いますので、こうしたことは様式にさらに追加して記載するとか、ガイドライン等で周知するとか、こういうことは必要になるのではないかなと思っております。
私からは以上です。
○山川分科会長 ありがとうございます。
続けて、オンラインでお二方から御希望がございます。まず、鳥澤委員、お願いします。
○鳥澤委員 ありがとうございます。
まず、資料の取りまとめ及び御説明ありがとうございます。
私のほうからも意見を申し上げます。過半数代表者の選出については、以前から申し上げておりますが、中小企業において実態として企業風土に合わせた様々な労使コミュニケーションが取られている点を考慮すれば、法律によって画一的な基準を定めることには慎重な検討が必要であると考えます。
資料№2の9ページに記載がございます通り、先ほど鬼村委員から発言がありましたが、過半数代表者が適正に選出されていない割合は、直近の調査では大きく減少していることからも、まずは現在の労働基準法施行規則の周知やガイドラインの作成等を通じた適切な過半数代表者の選出手続が行われるよう、引き続きの支援が必要であると考えてございます。
私からは以上でございます。
○山川分科会長 ありがとうございます。
それでは、オンラインの田中委員、引き続きお願いいたします。
○田中委員 ありがとうございます。
私からは労使協定や労使委員会の本社一括での手続について発言をさせていただきます。これまでの分科会において、労働者側委員から現場実態を踏まえた手続にならないとの指摘がありました。労働側が事業場単位での手続を望むのであれば、それを尊重するということが前提であるとは考えますが、これまでも使用者側委員から発言させていただきました企業統一的に設定を変更する就業規則などは、本社担当者が各事業場に説明することで理解度であったり、手続の実効性が高まると考えます。
資料№2の21ページに過半数代表者が会社との協議で負担に感じた理由として、「情報が不足していた」ということが最も多い回答になっています。就業規則の見直しを直接担当し、また、専門的な知識を持っている本社の人事担当者から説明を受けることでこうした負担感も軽減されることが期待されます。また、複数の事業場の過半数代表者が一緒に説明を受ける場合、発言しやすい雰囲気が醸成されるメリットもあると考えます。一緒に説明を受けることに関しては、同じく資料№2の25ページの右側の表に記載がありました。複数選出で感じたこととして、「他の代表者と相談ができて、心理的な負担が軽減された」ということが最多になっています。労働者側の代表の横の連携があることが労使コミュニケーションの活性化にもプラスに働くと考えられます。
そのため、労働基準関係法制研究会報告書に記載のとおり、当事者の希望に応じて各事業場の使用者側の担当者が同席できるということを周知した上で、使用者側の担当が事業場を横断的にまとめて対応できるということは非常に重要であり、これを明確化していただきたいと強く思っております。
また、追加の提案として、各事業場の意見を過半数組合などが集約し、会社に意見することを条件に、企業統一的な労働条件の設定については、労働者側も企業単位あるいは複数事業場単位の締結を可能とする選択肢を設けることが適当だと考えます。例えば過半数組合がある企業においては、組合本部が各事業場の組合支部の意見を集約しながら、全体をまとめて本社の担当者と就業規則や制度の見直しの交渉協議を行うということもよくあることです。引き続き検討を願いたいと思います。
私からは以上です。
○山川分科会長 ありがとうございます。
では、佐久間委員、どうぞ。
○佐久間委員 ありがとうございます。
労使コミュニケーションの在り方については、過半数代表ということが中心になるのでしょうが、労使が互いの信頼関係の下に、互いの考え方、そして将来の方針等を検討していく上で非常に重要な情報交換の場となっていることは事実だと思います。
今、中小企業は大企業に比べ生産性格差が大きいとか叫ばれて、その差は拡大していると言われていますが、私は日本的とも言えるコミュニケーションの取り方というのは、従業員の少ない地域の中小企業、特に地域を引っ張っていく中核的企業に成長していってもらいたいわけですが、社内の組織運営を円滑にしていくためには労使のコミュニケーションをどのように円滑にとっていくかが重要なのではないかなと思っております。
使用者側の一方的な考えの押しつけには私も反対ですが、職場の実態に即した場の設定と協議のテーマが必要なのではないかと思います。使用者側にとっても行き過ぎた社内の機密内容のデータというのは公開することができないと思うのですけれども、検討内容以外は柔軟に対応していくことが必要だと思います。一般論になってしまいますけれども。過半数代表者の主たる職務は、労働者の意見を取りまとめて使用者に伝達することであり、交渉の主体として権限は限定的だと思います。ただし、意見交換や協議を通じて使用者と労働者の信頼関係を構築することは重要であり、必要に応じて業務の実態や労働時間内程度の情報を提供して理解を促進することが適切だと思います。
中小企業や労働組合未組織事業所においても過半数代表者の選任とその意義を浸透させることが不可欠であり、行政は直接的な説明や支援を通じて制度の理解を一層推進すべきだと考えます。
過半数代表者の意見集約に当たっては、法に基づく届出等があるのだということで、使用者側が労働者の意見を集約しやすいよう設定・運営をしていくのが当然であるという考え方と、これは労働側も意見があると思いますけれども、労働側の意見を集約する役割であるから、労働側が選定・呼びかけを行い、使用者側としては必要な情報を提供する補完的な役割、サブ的な役割として選出をサポートしていくやり方もあるかと存じます。その上で、過半数代表の選出方法は、投票、挙手、信任、話し合いなど多様な手法で認めているとともに、選出手続の透明性と公正性を確保するため、使用者側は投票場やグループウエアの提供、社員への周知など、スムーズな選任環境の整備に適切に関与することが望ましいと思います。
また、過半数代表者の選任・選出に関しては、過半数代表者自身が負担を感じる場合もあるため、補佐役や複数代表制度の活用により、業務負担の軽減や意見反映の確実性を確保することが効果的だと考えます。
過半数代表は、労働組合が存在しない事業場で労働者の意見を法定協定等に反映させる役割を持ち、36協定の協定等に不可欠です。そのうち、複数代表制については、共同代表としての権限付与よりも、正代表を補佐する補佐的な位置づけや、労働組合の執行委員のような補助役として複数人を置く選択肢として理解すべきだと思います。この場合、代表者の責任とか役割の範囲を明確化して、各自が意見表明できる範囲や、押印は少なくなってきましたけれども、押印・承認手続の在り方も運営上のルールとして整理する必要があるのではないかと思います。
総じて、使用者側としては過半数代表者の複数代表者制や選任制の導入、適切な選任の手続について、必要な支援とか相談体制を整備することも大切だと思いますが、透明性・公正性を確保しつつ、現状の施行規則の上に立って、過半数代表というのをさらに進めていって、意見が集約しやすい環境を整備すればよろしいのではないかと思っております。
以上です。
○山川分科会長 ほかに御意見等ありますか。櫻田委員、どうぞ。
○櫻田委員 ありがとうございます。
複数事業場における一括手続について、先ほど田中委員からご発言もありましたが、私からも意見を申し上げておきたいと思います。資料№1にも記載があるとおり、当該事業場に属さない本社の担当者などが「使用者側」になることは現行でも可能であります。ただ、原則は事業場単位で行うべきものと考えております。そもそも労働組合であっても職場の意見集約には多大な労力を要しているところであります。連合は、昨年から今年にかけて主要・登録組合を対象に、労働組合による実効的な労使協議の動向や意見集約の在り方などを調査いたしました。その中では、事業場単位での協議等の有効性や重要性も確認されたところであります。具体的には、事業場レベルでの組合支部などを単位とする協議においては、安全衛生や時間外労働、要員計画、新しい機械・設備の導入などについては、多くの職場で現場の実情に応じた議論を労使で積み重ねているということが明らかになりました。そうした事実を踏まえても、本社の担当者の方が職場における課題を熟知しているとは限らないと思いますし、事業場ごとの労働組合役員との日常的な接点があまりない本社の担当者が「使用者側」として適切な対応が可能なのかについては疑問があると思います。今でも複数事業場での手続が可能であるとしても、事業場単位での協議などをしっかりと重視すべきであると思いますし、現在事業場単位で労使により丁寧に協議を積み重ねている取組を後押ししていくということが重要であると考えております。
加えまして、要望になりますけれども、行政としても職場ごとの実情を踏まえた労使協議等の好事例を含めて、事業場単位の原則に基づく協議などを促進していただくということをお願いしたいと思っております。
私からは以上でございます。
○山川分科会長 ありがとうございます。
ほかに。古川委員、お願いします。
○古川委員 ありがとうございます。
私からは過半数代表者の運用の適正化について意見を申し上げたいと思います。先ほど御説明いただいた資料№2の9ページを見ますと、過半数代表者の選出方法につきましては、2018年の調査よりも改善が見られるということでありますけれども、まだ16%で不適切な選出が残っているということでございます。
また、11ページの職位別の選出の状況を見ますと、一般従業員の割合は高まってきていますが、部長クラスとか工場長、支店長クラスといった方も一定程度選出をされているなど、いまだに不適切な運用が少なくないのが現状かと思っております。
10ページの信任候補者の定め方を見ますと、6割以上が「使用者が候補者を決めている」とあります。その後に信任手続を経るとしても、使用者の意向に沿う者が選ばれるということになる懸念がございます。過半数代表者が会社との話し合いや協定締結などの職務を適切に果たすことができるよう、選出手続の適正化が必要だと考えます。
資料№2の14ページを見ますと、過半数代表者の選出開始の周知は進んできていると思いますが、15%は周知が不十分であるということも一方で明らかになっています。選出手続に事業場の全ての労働者が参画することを保障するための環境整備ということも含めて、手続の厳格化を図った上で、法律事項に格上げするということが不可欠であると思っております。
さらには、今回の調査結果からも明らかなように、外形的には一定の選出手続を取っている場合においても実効性が乏しいというケースが見られます。こうしたことから、選挙等の民主的な手続を経ずに選出をすることや、選挙を行う場合であっても、投票しない場合は信任とみなすといった方法は認められないということを明確にすべきだと考えております。
私のほうからは以上であります。
○山川分科会長 ありがとうございます。
ほかにいかがでしょうか。冨髙委員、お願いします。
○冨髙委員 先ほど田中委員から就業規則など画一的なものについては、その改定内容について専門的な部分も含めて本社の担当者が説明したほうが理解が深まるのではないかという御意見がございました。以前も申し上げたかもしれませんが、現場の実情は、それぞれの事業場で違うわけでありまして、本社の担当者が同席したとしても、職場の管理者がその内容をしっかりと説明することと、それぞれの現場の過半数代表や労働組合と話し合いをしていくことが重要だと思っております。
また、労働者も職場横断的にコミュニケーションがはかれるほうがいいのではないかという話もございましたが、そもそも面識がない労働者同士が、急に会議等で同席をしたからといって、自分とは違う事業場に関する議論に加わり、物事を決めていくということは非常に難しいのではないかと思いますので、そうした意味からもそれぞれの事業場の労使でしっかり話し合いをすることが重要であると思っております。
以上です。
○山川分科会長 ありがとうございます。
鈴木委員、どうぞ。
○鈴木委員 御指名ありがとうございます。使用者側の鈴木でございます。
ただいまの冨髙委員の御発言に関連して発言をお許しいただければと思っているのですが、本社あるいは複数事業場での話し合いのありようや協定締結の単位ということにつきましては、代表的には就業規則の手続きは本社あるいは複数事業場単位がなじむというお話をさせていただきましたけれども、テーマや、それぞれの事業場のコミュニケーションの成熟度などによっても異なりうるものと思っています。
例えば先ほど御指摘いただきましたように、安全衛生ということでは、例えば労働災害やヒヤリ・ハットの事案が発生するケースでは、その現場の状況をよく知る労使で話し合うことが大変重要だと思いますし、そうしたテーマについて本社担当者と話し合うことをイメージしているわけではありません。ただ、就業規則等と斉一的に取り扱うような話、例えば退職金ですとか年金の見直しなど、最新はかなり複雑で専門的なテーマが議論の俎上に上がるケースもあるわけでございますので、そうしたテーマについて労使が話し合う際、事業場より本社あるいは複数事業場で話し合うということがより話し合いの実効性を高めることもありましょうから、労働基準関係法制研究会の報告書にもありましたように、それは可能だというところを明らかにしてもらいたいという思いだということを改めて強調させていただきたいと思います。
私からは以上です。
○山川分科会長 ありがとうございました。
ほかにいかがでしょうか。何かございますでしょうか。川田委員。
○川田委員 ありがとうございます。
今、検討になっている点はいずれも重要な論点だと思いますが、これまで御発言がなかったところを中心に、1つは論点のタイトルも含めた設定の仕方と、それから1番目の丸のところについて、それぞれ意見を述べたいと思います。
まず、タイトルも含めた論点設定ですが、今回のタイトルが「集団的労使コミュニケーションの在り方」ということで、より大きくは議事次第にある「労働基準関係法制について」という文脈の中で取り上げられているものと思いますが、1番目の論点が「適切な労使コミュニケーションの在り方」ということで、今日の全体的な議題と重なるような内容になっています。ここで議論されていることがいずれ例えば報告とか建議という形で文書に取りまとめられるということがあり得るのかなと思いますが、そういう場面を想定すると、どういう意図の下にどういう項目について提言をしているのかということがより説得的に伝わるような論点整理という観点から、さらに検討していくことが必要なのかなと思っております。これは最初のほうに出てくる話ですから、労使コミュニケーションに関わる全般的かつ重要な点が上がってくるのかなと思いまして、実際そういうものが上がってきているのかなと思うのですが、例えばそういう趣旨がより明らかになるようなまとめ方を引き続き検討する必要があるのかなと思っております。これが1点目です。
2点目として①の点。これは過半数代表者の適切な選出に関して、具体的な内容に関する御意見等も出ているところですが、もう一つ、この点についてのルールの定め方として、ここでも実施命令という形式について検討課題として上がっています。資料の2ページの一番下の不利益取扱いの防止についても同じことが指摘されているのですが、確かに現在の労働基準法施行規則6条の2という規定がどういう位置づけになっているのかがちょっと分かりにくい状態になっているといえます。労働基準法が当初制定されたときから労働基準法施行規則の位置づけをめぐる課題という面があると思いますが、非常に重要な点であるので、今回見直しを検討するというときに、過半数代表者の適正な選出のルールとしての位置づけを明確にするということも重要だと思います。
その際には、これは既に少し議論されているところかと思いますが、この問題は労働法上もかなり重要な問題として論じられ続けてきたところであり、問題の重要性を考えると、制度の中で特に重要な部分は、労働基準法の本体で規定するということも十分に検討されるべきことだと思っています。
と同時に、法律上、かなり明確なルールで、ルールとして定めたものは、議論されたように、不適切な選出であると、そのようなものが締結した労使協定というのは、労使協定としての効果を有しないということになるというところに法的な効果としてつながっていくということがよりはっきりすると思うのですが、そのようなルール化をするときには、そういうルールとの関係で必ず守られるべきことと、恐らく適切な労使コミュニケーションという観点から望ましい事項というのを別途労働政策としては示していくということも必要だと思います。そういう効果との関係で対応を分けて考えていくということも今後必要になっていくだろうということで、意見として述べたいと思います。
以上です。
○山川分科会長 ありがとうございます。
新しいといいますか、有益な御視点で、法律、施行規則、それから場合によって指針、さらに指針以外の周知の方法ですとか、いろんなレベルがあるというお話であったかと思います。
ほかに。鈴木委員、どうぞ。
○鈴木委員 ありがとうございます。
資料の論点にはないのですけれども、私どもとしては労使コミュニケーションの重要な論点として考えております過半数労働組合がない事業場における労使コミュニケーション、具体的には、何度かお話をさせていただいています労使協創協議制について御発言をさせていただくことはよろしいでしょうか。
○山川分科会長 では、簡潔にお願いします。
○鈴木委員 ありがとうございます。
過半数組合がない企業の労使の意見集約、協議を促すという観点からこれまでも何度か申し上げておりますが、現行法では、有期雇用等労働者の方も含め、管理監督者を除く全ての労働者の中から民主的に手続を経て複数人選出され、そういう方々が労使で話し合い、合意に達しても、組合でないということで、集団的に労働契約を締結する権限が付与されておりません。これを積極的に付与する方向で検討をお願いしたいと思っています。
労側委員の方々が常々おっしゃっておられますように、労働組合は労働三権を付与されておりますので、労使対等性が確保されています。この点は、まさにおっしゃるとおりだと私も思っているところでございます。そのため法律は労働協約に強力な法的な効力を与えておりますし、別途のテーマでございますけれども、経団連は、裁量労働制の対象業務を拡大する際、労働組合、とりわけ過半数労働組合があるところに限って認めていただきたいという提案もさせていただいているところでございます。
組合以外で労働協約と同等の強い効力を認めるべきではないということが大前提ではあるのですけれども、他方で、一定程度の対等性は確保されている組織もあろうかと思います。こうした組合以外の組織は対等性という点では労働組合に劣ります。したって、労働協約のような強い効力は持たせることはできませんが、個別契約と同等の法的な効果にとどまるものであるならば、労働組合と比較した場合の対等性の問題はある程度クリアになるのではないかと考えているところでございます。
これから様々な方々の意見を吸い上げて協議をするにあたっての方向感や、どういう手法でやるかというのは、この分科会で議論しているわけでございますけれども、今後、労働者間の利害調整が求められるような場面も増えてくると思います。その場合に話し合って、話し合った結果を何らかまとめるということは、労使のあるべき方向性ではないかと思っておりますし、労使コミュニケーションの促進・活性化にも効果があると期待をしているところでございます。
私からは以上でございます。
○山川分科会長 ありがとうございます。
ほかにいかがでしょうか。冨髙委員、どうぞ。
○冨髙委員 ありがとうございます。
労使協創協議制についての発言がございましたが、仮に労働組合以外の組織と労使コミュニケーションを行ったとしても、法的な後ろ盾がなく、労使に大きな力関係の差があることを踏まえると、形式的なものに終始する懸念が大きいと思っておりまして、実態としては会社側の意向が反映された協定締結などが結果的には横行することになるのではないかと思います。その影響は労働組合にすら及びかねないのではないかと考えているところでございます。労使協創協議制や、その他の組織といった労働組合以外が集団的な契約の主体となることについては、労働組合としては強く反対をしておきたいと思っております。
先ほど鈴木委員のほうからも、労働組合は法的に担保された組織であるという発言もございましたが、そうした権限を与えられた労働組合であるからこそ、就業規則にも優先するような労働協約を締結できるということだと思っております。労使の厳然たる交渉力の格差等を考えると、我々としては、今の鈴木委員の発言内容は非常に懸念が多いものであると申し上げておきたいと思います。
以上です。
○山川分科会長 ありがとうございます。
ほかに特にございませんでしたら、時間の関係で次の論点に進めさせていただければと思います。
資料№1の1ページ目の下半分「過半数労働組合・過半数代表者が担う役割」について、白い丸が2つございますけれども、こちらの論点について御質問、御意見があればお願いいたします。それでは、椎木委員、どうぞ。
○椎木委員 椎木でございます。御指名ありがとうございます。
過半数代表者が担う役割について御意見を申し上げたいと思います。資料№2の20ページの調査結果によれば、上段の部分で「事業場内の労働者の代表として行った準備や活動」として、「特に何もしなかった」という回答が2割近くを占めているという状況でございます。36協定の締結や就業規則の改定に当たりましては、労働者の意見を聞いて職場実態を踏まえて締結等を行うことが当然であるにもかかわらず、このような実態では過半数代表の役割を適切に果たせているとは言いがたい状況だと考えます。
こうした実態を是正していくべきでありますし、現行では明確にはされていない過半数代表者の定義規定等を設けることが必要であると思います。その中において、過半数代表者の役割や職域についても明示していくことが必要だと考えます。
さらに、同じページ下段の右側の部分でございます。意見集約について、同じ事業場内において、雇用形態が異なる労働者、あるいは異なる職種部門の労働者がいる場合でも、その方々の意見を集めたり、話し合いを行わなかったという回答が3割近くを占めているという状況でございます。
就業規則の改定や36協定の締結に際しましては、過半数代表者は自分の近くの労働者の意見だけではなくて、雇用形態や職種などが異なる労働者の代表でもありますので、その方々の意見等も十分聴取する、意見交換等も行うことが求められると思います。それに基づいて協定、改定や締結を行うのが求められる役割ではないかと考えます。
他方、ほかの設問でも、そうした意見聴取等を行うのは負担が大きいとの結果も示されてございます。相当の負担が生じるのも現実的な問題であるとは思いますが、職場全体の労働者の意見集約をしっかり進めるということが重要です。事業場の全ての労働者の公正な代表として手続を行うことが期待される過半数代表者であることからしましても、過半数労組も含めて過半数代表への便宜供与や配慮が必要な範囲を示した上で、使用者の責務として位置づけることも検討してはどうかと考えてございます。
私の意見は以上でございます。ありがとうございます。
○山川分科会長 ありがとうございます。
オンラインで鳥澤委員から御発言希望があります。気がつくのが遅れたかもしれませんが、鳥澤委員、今でよろしいでしょうか。
○鳥澤委員 大丈夫です。
○山川分科会長 お願いします。
○鳥澤委員 ありがとうございます。
私のほうからも1点意見を申し上げます。過半数代表者の職務については、資料№2の21ページに記載の調査結果からも過半数が負担を感じると回答しており、現状での負担感は大きいことがうかがえます。この点を踏まえると、意見集約やモニタリングなどの責務を法によって義務として課すことについては慎重に検討すべきであると考えます。
人的余力の少ない中小企業において、過半数代表者は他の労働者と比較してかなりの労力が必要となります。労働者の本業へ支障が及ぶような負荷がかかることとなれば、かえって健全な労使コミュニケーションが阻害される可能性も大いに想定されます。労働者の負担感を踏まえた在り方、支援方法を検討する必要があり、ガイドラインの策定や相談窓口の設置など、過半数代表者への行政からの支援についても検討すべきであると考えます。
以上でございます。
○山川分科会長 ありがとうございます。
ほかに御質問、御意見。では、鈴木委員のほうから先にお手が挙がったと思いますので、まず鈴木委員、お願いします。
○鈴木委員 御指名ありがとうございます。鈴木でございます。
私からは過半数代表者の役割等について御発言をさせていただきます。第198回の分科会におきまして、鳥澤委員、佐久間委員からも御指摘がありましたとおり、まずは過半数代表制の意義とか法の趣旨・精神というものを周知徹底して理解に努めるということに取り組むということが重要であり、前提になると考えております。
また、前回の分科会でも申し上げましたとおり、例えば36協定を締結する場面で労働者の意見を集めた上で、それを参考に過半数代表者が36協定を締結するということは、当然望ましいことだと思っておりますが、資料№2の19ページの調査結果を見てみますと、協議や意見集約を行っていない過半数代表者が34.5%に上り、加えまして、先ほど鳥澤委員からも強調されていましたが、資料№2の22ページを見ても、協議や意見聴取を行った過半数代表者の方が、負担感がより強く感じるという傾向があるということが示されているところでございます。こうしたことを踏まえますと、画一的に意見集約を求めることを過半数代表者の役割として義務化をした場合には、さらに過半数代表者の成り手不足を加速化しかねないという懸念を持っています。
また、これも前に発言をさせていただきましたが、適切に意見集約がされなかった場合に労使協定が無効になるということになりますと、会社側が何も意見集約に関与できないままに労使協定が無効になる事態について使用者側としては決して納得がいくものではございません。
こうした理由から、公正代表を義務化するような形での規制を入れることについては反対したします。まずは社員の意見集約を多様で柔軟な方法で認めて、かつガイドラインのようなソフトな措置から検討することが適切と考えております。
また、意見集約の方法につきましては様々考えられるところでございますが、派遣法の過半数代表の選出に関する厚生労働省のリーフレットを参考にして、例えば会社がメールで労働者の信任投票の手続をする際に、過半数代表の候補者のメールアドレスをそのメールに示して、意見をしたいと思った労働者は、候補者のメールアドレスにメールをして意見を出すということも有効な選択肢になるのではないかと考えているところでございます。今、申し上げた方法に限らず、重要なことは、過半数代表者にとって負担の少ない方法を含め多様な選択肢を用意するということが必要と考えます。
なお、意見集約の対象に管理監督者が入らないと理解しているのですけれども、そうであれば資料№1にある「全ての労働者の公正な代表」という表現は適切でないようにも考えますので、表現の工夫を御検討いただけるとよろしいと思った次第でございます。
私からは以上です。
○山川分科会長 ありがとうございます。
それでは、続きまして、櫻田委員、お願いします。
○櫻田委員 ありがとうございます。
私は複数選出と任期制について御意見を申し上げたいと思っております。先ほども過半数代表者の複数選出については、25ページのアンケート調査と17ページの調査結果で対象者や、設問の構成の問題で差が生じるという御説明があったところではありますけれども、25ページのアンケート調査では34.9%という数値が出ておりまして、17ページの調査結果では2.8%と2018年の調査と同水準で極めて少数ということになっております。事務局として、大きな乖離が生じている要因についてどのように考えているかお伺いしたいと思っております。その上で御意見を申し上げさせていただければと思っております。
○山川分科会長 それでは、御質問ですので、事務局からお願いします。いかがでしょうか。
○労働条件確保改善対策室長 事務局でございます。
直接的な回答になっているかどうかというところはございますが、委員がおっしゃるとおり2つの調査ということになりますけれども、片方の調査であれば母集団に偏りがやや見られたり、そもそも聞いている対象が事業者であったり、労働者であったり、そういったところに違いがございまして、そういったことが理由となって結果にも影響している可能性があると考えております。
また、その上で、可能性ということになりますが、実際には36協定で1人、あるいは就業規則の改定などで1人といったように過半数代表者を選ぶこともあると思うのですが、そういった事象に対して何人と捉えて記載するかといったような、回答者の捉え方という問題ももしかしたら否定はできないということもあるかと思っておりまして、いずれにせよ、設問に対して回答された結果をお示ししているというのが今回の資料でございます。
以上でございます。
○山川分科会長 その上で、櫻田委員、何かございますか。
○櫻田委員 ありがとうございます。
承知いたしました。
17ページのほうの調査でいくと、2018年と同水準で推移をしていると思っておりますので、少なくとも経年比較可能で、同時選出ということが明確な課題研究・調査結果ということで見ますと、大きな変化が見られないと思います。また、その割合も限定的であると受け止めているところであります。
その上で、複数選出に関しましては、過半数代表者としての職務の負担軽減などにつながり得ることはあるかもしれません。しかし、業務の分担に偏りが生じやすかったり、代表者間の意見の対立といった所感も見られますので、権限や責任をどのように割り当てていくのか、代表者間の意見調整をどのように行うのか、あるいはどのような単位の選出が可能なのかなど、課題が少なくないのではないかと思います。また、現行の過半数代表者の選出などが適切に行われていない中では、複数人数を選出したとしても同じ課題が生じるばかりか、かえって問題を助長することにもなりかねないのではないかと懸念するところであります。そうした課題を整理することが先決ではないかと考えます。
また、26ページには任期制についての結果も示されているところでありますが、そもそも締結や改定の対象となります36協定の就業規則の内容は、それぞれ千差万別であると思います。そうしたことからしますと、過半数代表者の関与が求められているその都度、その内容にふさわしい代表者が民主的に選出されるということが基本であると考えるところであります。仮に任期を定めた選出について何らか明確化を図るという場合であったとしても、同一の労働者が長期にわたって民主的な手続を経ることなく、代表者にとどまるといったことは適当ではないと考えますので、意見として申し上げたいと思います。
以上です。
○山川分科会長 ありがとうございました。
ほかはいかがでしょうか。冨髙委員、お願いします。
○冨髙委員 ありがとうございます。
先ほど鈴木委員から意見集約の部分について、ガイドラインなどで明確化していく方法もあるのではないかというような御意見もあったかと思っておりますが、今回の調査結果を見てみると、現行法で規定がない過半数代表の職務や役割について、まず法律で職場全体の意見集約など果たすべき役割などをしっかりと明記していくことが必要なのではないかと思っているところでございます。過半数代表の職務を果たす上での負担感については、労働条件に関与するという意味では精神的な負担も含めてあるのかもしれないのですが、だからこそ過半数代表の役割を全うできるよう、便宜供与や必要な配慮の範囲を定めていくべきであると思いますので、過半数代表の職務等の明確化と便宜供与等はセットで議論する必要があると思います。
以上です。
○山川分科会長 ありがとうございます。
ほかはいかがでしょうか。川田委員。
○川田委員 ありがとうございます。
この点は2番目の丸の任期制、複数代表制のところに絞って述べたいと思います。私の意見としましては、この点、論点の提示としてはどう考えるかといういろんな可能性がある論点提起になっていますが、何らかの制度的な対応をする必要性自体はかなり高いと考えています。これも労働法の中でかなり長い間問題として論じられてきたことであり、本日お示しいただいたデータでも調査ごとの違いとか、数字の解釈の仕方などあると思いますが、実態として一定の広がりはある現象であると思いますし、それから労使協定と過半数代表が関与することが求められる場面というのは、法的に法改正等で多くなっていること、また、扱う問題もかなり多様、複雑なものが出てきていることからの任期制、複数代表制のニーズというのもあると思っています。
この論点の中では「現行でも可能である」という書き方になっていますが、既にほかの委員からも御意見が出てきましたように、今の法律上は、基本になるのは個々の事項ごとに、この事項についての代表を選ぶということを明らかにした上で、過半数の支持を確認して選ぶというのが基本形であり、現行で可能であるというのも、基本的なところから逸脱しない範囲内で許容されるということだと理解していますが、どこまで大丈夫なのかというラインは、必ずしも十分明瞭ではないようなところもあり、ニーズ自体はあると思いますので、何らかの制度的な明確化が必要なのかなと思っています。
しかし、その一方で、今回出てきたデータとか、あるいはこれまでの御議論などを見ると、制度化するときに起こり得る問題としてどのようなものを想定して制度的な手当てをしておくべきなのかという点は、まだ論じ足りないようなところがあるように思っています。特に複数代表制については、複数代表という概念自体についても整理が必要なところが残っていると思います。例えば、今の制度の中でも資料の17ページの右側で、複数代表制を取った理由の中で「正社員の代表と、非正社員の代表を選出した」というのがありますが、例えばパート有期法の7条等に努力義務という形で規定があったりするようなもので、そういうものを背景として取られているものと、それから完全に企業ごとの自主的な判断でやっているものがあるでしょうし、今の点も含めて複数代表というときに、対象になるものを役割分担して代表を選んでいる場合と、1つの協定について多様な労働者に関わるものなので、いろんな立場の代表を選んでいる場合。それから、恐らく形式的な代表者は1人で、それをサポートする人を別途選ぶという制度などもあり得るのではないかなと思っていて、その辺りは制度化の必要性は非常に高いと思っているのですが、少し実態は把握して考えていく必要はある。そういう意味で、短期的に制度改正に向けて動けないとしても、実態調査を含めて検討を丁寧に進めていくということは非常に大事だと思っています。
以上です。
○山川分科会長 ありがとうございます。
ほかに何かございますでしょうか。
よろしければ、時間の関係で、3つ目の過半数代表への情報提供・便宜供与等の論点につきまして、御質問、御意見等があればお願いいたします。では、オンラインの兵藤委員、お願いいたします。
○兵藤委員 御指名ありがとうございます。兵藤でございます。よろしくお願いします。
私からは過半数代表への不利益取扱いについて発言させていただきたいと思います。労使コミュニケーションの活性化においては、過半数代表が安心して活動できることへの環境づくりは当然前提となるものであります。過半数代表の成り手不足も懸念されている中で、不利益取扱いの禁止の徹底は非常に重要であると考えております。
今日お示しの資料№2の34ページに再掲いただきました好事例の中では、「立候補したことで不利益を受けることは一切ありません」と記載した書面を全労働者に配布するというのがございましたが、これが立候補を促す工夫として紹介されています。立候補で不利益を受けないことを明確にすることは、過半数代表者の立候補の促進に寄与するものと考えられます。そのため、現在過半数代表である等を理由とした不利益取扱いの実態があるのであれば、それはもちろん是正する法令上の措置も検討されるべきではないかと考えております。加えて、法令上の措置とはまた別に、先ほど御紹介した企業事例のように社内で不利益取扱いをしないことの周知を促す取組も重要であると考えております。これらに関して、事務局におかれましては、過半数代表者に対する不利益取扱いの実態について、具体例や件数などがあればお示しいただければと思っております。
私からは以上でございます。
○山川分科会長 ありがとうございました。
御質問も含まれておりまして、過半数代表者に対する不利益取扱い等の実態ですけれども、何か把握されていることはございますか。
○労働条件確保改善対策室長 事務局でございます。
本日の資料以外では、にわかにぱっと思いつくものはございませんが、アンテナを立てて考えたいと思います。
○山川分科会長 ありがとうございます。
もし今後資料がありましたらお願いいたします。ぱっと思いつくのは、労働基準監督年報にいろんなデータはあるのですが、ただ、施行規則の規定ですので、先ほど申し上げたこととの関係で、それ自体として違反の項目にはもしかしたら出ていないかもしれません。申告についてはたしか項目があったのですが、規則6条の2についてはなかったかなと思いますが、御確認いただければと思います。
○労働条件確保改善対策室長 はい。
○山川分科会長 兵藤委員、何かございますか。
○兵藤委員 確認するべきはしておりますけれども、また何か具体例がございましたら、今後お示しいただければ結構でございます。よろしくお願いします。
○山川分科会長 ありがとうございます。
ほかにいかがでしょうか。古川委員、お願いします。
○古川委員 ありがとうございます。
過半数代表者に対する不利益取扱いの禁止ということに関して御発言がございましたので、私からもそのことに関して申し上げたいと思います。資料№2の18ページ以降のアンケート調査につきましては、モニター調査という制約もあって、大規模な事業所に偏っているとの説明がありました。必ずしも小規模な事業所も含めた全体の状況を反映していない可能性があるということには留意は必要と考えております。その前提を踏まえた上で調査結果を見てみますと、多くの課題があると感じています。例えば19ページでは、協議などを行わずに、ただサインしただけという回答が35%もあるということですし、また、協議をしたとしても1回のみというものも少なくないということであります。
もちろん、内容については重い、軽いというのがそれぞれあると思いますが、就業規則の変更、36協定の締結といったものを1回の協議だけで終えるというのは、私たち労働組合の感覚からすると、本当に内容が吟味されているのかなと疑問を持たざるを得ないというところでございます。過半数代表者が自らの役割・職務を全うするためには、過半数代表者の活動が保障されるといった基盤の強化を図る必要があると考えております。
また、資料№2の21ページでは会社との協議で負担に感じた理由がありますが、「会社から不利益な取扱いを受けた・受けそうになったから」という回答が約15%あるという点も重要だと感じています。たとえ選出の手続を適正化したとしても、会社側からの直接・間接のプレッシャーによって過半数代表者が委縮をしてしまう懸念がありますし、対等な労使コミュニケーションどころか制度趣旨に沿った職務を果たすことができるのかという疑問もあります。
過半数代表者に対する不利益取扱いの禁止規定を労基法の条文に明記していくこととともに、実効性を担保する観点も踏まえて、違反した場合には協定などが無効となるということを明確化すべきと考えております。
私からは以上であります。
○山川分科会長 ありがとうございます。
続きまして、オンラインで松永委員からお願いいたします。
○松永委員 ありがとうございます。
それでは、松永のほうから便宜供与について少しコメントをさせていただきたいと思ってございます。まず、過半数代表として活動するということを考えたときに、過半数組合と過半数代表者の役割というのはほぼ同じなのだろうなと思っています。過半数労働組合の場合に、組合としての活動か、過半数代表としての区別というのはなかなか難しいということもありますので、便宜供与の考え方や範囲というのは、それぞれ過半数労働組合と過半数代表者では統一して考えるべきなのかなと思っています。
その上で、便宜の供与ということに関しては3つに分けて整理して考えることが必要なのかなと思います。1つ目は、今、通達で示されているようなコピー機やインターネットの使用、所定労働時間内の賃金の保障などに配慮することが望ましいと言われている便宜供与。2つ目が範囲を限って可能という扱いの便宜供与。つまり、個別企業の労使に委ねるべき便宜供与ということ。3つ目が過度な経費援助など禁止すべき便宜供与。この3つのカテゴリーで整理していくことなのだと思っています。特に最後の経費の援助についてですけれども、先ほど御説明いただいた資料№2の42ページに学説が記載されていまして、その学説を踏まえると、便宜供与の範囲というのを個別具体的に判断していくということが適当なのかなと考えています。
組合活動や労使協議の在り方というのは時代とともに変化していく部分もあるのかなと個人的には感じています。いわゆる賃金・賞与等の労働条件ということに関しての議論というのももちろん大切ですし、今後将来にわたって考えたときに、変化のスピードの激しいこの状況でどうやって会社が継続的に発展していくのか、従業員が成長していけるのか、そういうことを労使できちんと議論していくということも同様に大事なのかなと考えていますし、当社の労働組合ともそんな話をしているところでございます。
ですので、こういうこともありますので、労使自治に委ねられている部分については委ねていくということ。従来のような労働条件の枠にとらわれないような情報提供もあるのだろうなと思いますし、広く捉えていくということが必要なのかなと思います。
ただ、一方、労働条件を軸として活動する職場というのもありますし、時間外の活動保障といった便宜供与を認めるということが、かえって過半数労働者・代表者の負担になるということもあるのかなと思っています。したがって、便宜供与と情報提供については行政として配慮すべき内容というのは最小限にしながらも、各職場の実態に合わせて広く労使自治に委ねるという考え方も重要なのかなと思っています。
私のほうからは以上でございます。ありがとうございます。
○山川分科会長 ありがとうございました。
では、鬼村委員、お願いします。
○鬼村委員 ありがとうございます。
私のほうからも1つ意見でございまして、情報提供、過半数代表者に対する教育・研修等の便宜供与等についてでございます。まず、情報提供ですが、資料に「事業場内の働き方の実態に関する情報等に関し、使用者が一定の情報提供を行うこと」とありますが、これにつきましては、例えば36協定の締結の際などに労働時間の実態などのデータを過半数代表者の方に提供するということは望ましいと思いますが、先ほど来、負担感の御議論もありますけれども、どこまでの情報を提供するのがよいのかというのは、負担感の程度であるとか、各社の労使コミュニケーションは様々でございますので、こうした実態によっても大分異なってくるのだろうなと思っております。
弊社のケースで申し上げますと、労働組合というのは本当に経営のパートナーでありと高く位置づけておりまして、我々人事からもかなり情報提供を積極的に行っておるところではあるのですが、一律にこういうものをこのタイミングで出さないといけませんという基準が出てしまうと、場合によっては、円滑なコミュニケーションを取っている企業労使においても水を差すようなことになりかねないのではないかなと思います。ですので、こうした立場からは一律の情報提供を義務化するということについては慎重な議論がなされるべきではないかなと思います。
2点目が教育・研修等の便宜供与についてでございます。過半数代表者に対する教育とか研修というのは、労使コミュニケーションが成熟している企業などでは、労使で一緒になって労基法や就業規則の勉強会などを行うということもあり得るのかもしれませんが、一方で、会社は会社、労働者側は労働者側でということも十分に考えられると思いますし、いずれにしても、各社の労使コミュニケーションの実態は様々だと思いますから、ここは行政のほうから教育や研修の機会、あるいは教材等の提供を行うということを基本としたほうがよいのではないかなと思います。
相談支援でございますけれども、労使双方が相談できる体制を整えるということは非常に重要なことだと思いますので、相談先とか紛争解決機関を整理して、今、私自身、この辺りがどの程度周知されているかあまり把握できておりませんが、こうしたことをしっかり周知していくということが重要なのだろうなと思っております。
私からは以上です。
○山川分科会長 ありがとうございました。
それでは、亀田委員、どうぞ。
○亀田委員 ありがとうございます。
過半数代表の負担軽減に向けた情報提供と便宜供与の在り方について発言をさせていただきます。資料№2の21ページによりますと、過半数代表者の活動に対して負担を感じているという割合は合わせて約7割に達しております。その内容として最も多い回答が「労働者の意見集約」の46.8%で、理由としましては「意見が職種や雇用形態によって異なるから」が64%で最多となっています。次いで「会社との協議」が41.2%となっており、その理由としては「判断するための情報不足」「時間の面などから負担だったから」という回答が多くなっています。このことから、雇用形態や職種などのほか、就業時間帯が異なることによって意見集約が難しいという課題や、協議に対応する時間面などに負担を感じていることが見てとれます。
また、24ページでは会社からの配慮につきまして、「意見集約や協議の時間、準備時間の確保」が45.5%、「協議時間の確保」を求める割合が高いほか、「通常業務との調整等への配慮」、「必要な情報提供や十分な説明」を求める声も少なくない結果となっております。
過半数代表の適正化を図り、またその役割をしっかり果たすようにするためには、使用者による適切な支援と便宜供与を行うということが必要となります。例えば就業時間中の活動保障を図ること、労働者の意見集約のための支援や協定などの内容を確認・判断するための情報提供を使用者の責務として定めることなどを検討すべきではないかと考えております。
加えて申し上げれば、情報提供の具体的な内容として、36協定を念頭に置きますと、事業場の労働者名簿、労働時間等の実態、時間外労働が必要となる業務内容など、こうしたことが考えられるわけでございますが、しかしながら、資料№2の45ページ以降に列記されているように、関与する制度が多岐にわたりますため、今後行政として具体的な内容を示していく必要があり、そうした明示がなければ、これまでと同様に極めて限定的な情報提供しかされないという懸念があるのではないかと考えております。
以上でございます。
○山川分科会長 ありがとうございました。
ほかに御質問、御意見等ございますでしょうか。冨髙委員、お願いします。
○冨髙委員 ありがとうございます。
私からは便宜供与と労組法上の経費援助との関係性の部分でコメントをしたいと思います。過半数労組を含めた過半数代表が活動するための情報提供とか便宜供与というのは、一定程度必要だと考えているところでございますが、過半数代表は、あくまで法定基準の解除機能という限定的な役割だと思っています。そういった部分で便宜供与等が余りにも広く可能となると、やはり労働組合の活動を阻害するということにもつながりかねないので、そこは慎重に考えなければいけないと考えているところでございます。
資料№2の42ページに学説等が記載されておりますが、経費援助について、労働組合の自主性を実質的に阻害しないものについては、不当労働行為としての経費援助には該当しないというような学説が多数あると考えておりますので、まずは労働組合の自主性と独立性を失わないと考えられる便宜供与の範囲を定めた上で、その範囲については労組法の7条3号の経費援助には該当しないということを明確化することが必要と思っているところでございます。
その意味で言いますと、過半数代表者に対する特別な手当などについては、労働組合の自主性や独立性を損なう懸念があると思いますけれども、一方で、賃金控除を伴わない一定の就業時間中の活動を保障するといった便宜供与については、不当労働行為としての経費援助に当たらないと整理してもいいのではないかと考えているところでございまして、この点も含めながら便宜供与の範囲を検討していくということが必要ではないかと考えております。
そういった便宜供与につきましては、過半数労働組合に限定するということではなくて、少数組合の役員等が過半数代表になった場合も含めて同等の範囲で行うべきではないかと思っておりますので、その点について発言していきたいと思います。
以上です。
○山川分科会長 ありがとうございました。
ほかにいかがでしょうか。首藤委員、どうぞ。
○首藤委員 過半数労働組合・過半数代表者への情報提供、便宜供与等について意見をさせていただきます。まず、過半数労働組合及び過半数代表者に情報提供、便宜供与を行うこと、それをどの程度にするかという議論はあると思いますけれども、法的に定めていくことに私は賛成です。ただ、職場を労使関係の在り方で分けると、3つのタイプがあると思っています。1つが過半数労働組合がある職場。2つ目が過半数労働組合がない職場で、組合が全くない職場です。3つ目として過半数ではない労働組合がある職場があると思います。3つ目の職場において、過半数ではない労働組合が過半数代表者になっていないケースというのは多々あります。
今回、過半数代表者に情報提供、便宜供与が行われるということがもし進んだ場合ですけれども、労使コミュニケーションの中核が労働組合であると述べられており、規模の大小によらず労働組合は組合としての正当性を持つと考えると、過半数代表者に与えられるような情報提供等が、労働組合が少数だから与えられないということが本当に正当なのだろうかというところに少し疑問を持っております。例えば情報提供等については、少数組合に対しても行うということが、労使コミュニケーションをより豊かにするために重要な措置として考えられるかどうかという問題提起をさせていただきます。
以上です。
○山川分科会長 ありがとうございました。
ほかに。それでは、佐藤委員、お願いします。
○佐藤(好)委員 先ほど鬼村委員からもありましたが、我々からも教育・研修・相談支援のところについて意見を述べさせていただきたいと思います。資料の21ページのほうに記載されていますけれども、過半数代表者の活動に関して、「そもそも何をやればよいか分からなかった」という回答も一定程度見られるということから、やはり過半数代表制について広く労使に周知する取組が欠かせないと思っております。
具体的には、労基研報告でも指摘されている「過半数代表の意義や役割、選出手続、適正な選出の必要性、労働者の意見集約の手法等」に加えて、不利益取扱いが禁止されている点を含めた教育・研修が必要であると考えております。その際の教育やツールの作成、研修機会の確保などについては、行政として取組をお願いしたいと考えております。
また、現在でも労基署などで相談を受け付けているということは承知しておりますが、過半数代表者に関して、行政として労使ともに気兼ねなく相談できるような窓口なども整備をしていくということが重要ではないかと考えております。
以上です。
○山川分科会長 ありがとうございます。
それでは、お手が挙がっております鈴木委員、続きまして鳥澤委員、お願いします。まず、鈴木委員、どうぞ。
○鈴木委員 御指名ありがとうございます。使用者側の鈴木でございます。
法律の専門家もいらっしゃいますので、違うということであれば意見を伺いたいと思いますが、先ほどの首藤委員の御指摘についてコメントをさせていただきたいと思います。首藤委員の問題提起は、情報提供に関しまして、過半数代表にはなっていないけれども、少数組合の方々に情報提供を同様に与えるべきではないかという問題提起だったと思っておりますが、あっていますでしょうか。
○首藤委員 大丈夫です。
○鈴木委員 組合は過半数組合であろうと、少数組合であろうと、労働三権を持っており、団体交渉権の行使にあたり、使用者には誠実団交義務の履行が法律や判例上確定されています。これは過半数代表者の機能とは違いますが、使用者が誠実団交義務を履行する際、当然、交渉に必要な情報を十分提出するということになっておりますので、その点における情報提供は保障されています。その上で、さらに情報提供が必要かどうかという御提案だと思いますけれども、私自身は、組合法上認められている誠実団交義務に基づく情報提供義務を超える話については慎重に考える必要があるという考えを持っておりますので、発言をさせていただきました。
以上でございます。
○山川分科会長 ありがとうございます。
首藤委員、何かございますか。
○首藤委員 問題提起ということで申し上げましたので、大丈夫です。
○山川分科会長 ありがとうございます。
団体交渉の情報提供義務の話ではないのですが、以前認められていた高齢者を雇用する際の基準についての過半数代表の協定に関して、少数組合の申立てによる労働委員会の命令があったように記憶しております。直接情報提供の話とは争点が違っていたかもしれませんけれども。
それでは、鳥澤委員、お願いいたします。
○鳥澤委員 ありがとうございます。
簡潔に1点だけ意見を述べさせていただきます。先ほども申し上げたように、企業規模というのは本当に大小さまざまであり、企業風土もそれぞれ多様でございます。そういった中で、この便宜供与の在り方についても画一的に何か基準を定めるということは極めて難しいのではないかと考えます。企業規模が違うということは、当然労働者の数も違ううえ、企業の性質も異なることを考えますと、適正選出同様に画一的な基準を求めることには慎重な検討をお願いしたいと思います。
私からは以上でございます。
○山川分科会長 ありがとうございました。
ほかに御質問、御意見等。古川委員、お願いします。
○古川委員 ありがとうございます。
画一的な規制とかルールを設けると、現状で円滑な労使コミュニケーションができているところに対して阻害となる可能性もあろうかと思いますけれども、労働側としても日常的な労使コミュニケーションは、企業、職場に応じた多様性があってしかるべきであると考えています。そういったところに法律、行政というものが介入すべきではないと思います。
一方で、今回の議論のテーマである過半数代表ということで言いますと、法定基準の解除機能という、最低基準であるルールを解除するという重大な手続を担っていると考えています。そうした手続が職場における労使関係によって変わってしまったり、また不安定なものになってしまうことがあってはならないと思います。そうしたことを踏まえれば、厳格かつ共通のルールということを一定定めるということは、大変必要なこと、重要なことであると認識しております。
以上であります。
○山川分科会長 ありがとうございました。
ほかに何かございますでしょうか。よろしいでしょうか。間もなく時間になります。
ございませんでしたら、本日の各論点につきましては、それぞれの委員のお立場から非常に貴重な御意見をいただきました。個人的な感想ですれども、この問題に関する問題意識としては、労使から異なる御意見をいただきましたが、共通の御関心、ないしこの制度の改善、ないしよりよくしていくことに向けての共通した部分もあったのではないかと私としては感じております。非常に貴重な御意見をいただきましたし、また、川田委員でしたか、さらに詰めるべき論点の御指摘もいただきましたので、事務局におかれましては本日の御議論も踏まえて検討を進めて、さらに今後の資料の準備をお願いしたいと思います。
ほかにございませんでしたら、本日の議事はここまでとさせていただきたいと思います。
では、次回の日程等について、事務局から説明をお願いします。
○労働条件企画専門官 次回の日程等につきまして、調整の上、追ってお知らせさせていただきます。
以上でございます。
○山川分科会長 それでは、これをもちまして、第203回「労働条件分科会」を終了いたします。
本日はお忙しい中、大変ありがとうございました。


 

