第11回柔道整復療養費のオンライン請求導入等に関するワーキング・グループ議事要旨(2025年9月19日)

日時

令和7年9月19日(金)14:00~16:00

会議形式

ハイブリッド開催

議題

柔道整復療養費のオンライン請求導入等について 中間とりまとめを踏まえた更なる検討(その2)

議事要旨

議事内容

事務局から「柔道整復療養費のオンライン請求導入等について 中間とりまとめを踏まえた更なる検討(その2)」について説明、主な意見・要望等については以下のとおり。


審査支払機関の位置づけ、審査のあり方及びコンピュータチェック、審査基準について

  • 支給決定の主体について、中間とりまとめでは確定した方向性は決まっていない認識。全国47国保連合会の中には、保険者が決定する方法と、保険者の委任の下、審査支払機関が実施する方法の双方の実態があるが、国保の保険者である市町村とそれらにより設立された国保連合会という審査支払機関の関係に鑑みれば、いずれの方法論についても、制度的にも実態的にもあり得るものであると考えている
  • 前回、被用者保険側委員から、国保の業務フローについてコメントがあったが、審査支払機関と保険者との関係が国保と被用者保険とでは違うということは改めて指摘しておきたい。そのうえで、それぞれの保険制度の特性及び実態を踏まえた上で、合理的かつ効率的な仕組みとして構築していくことになるのではないか
  • 審査委員会について、現在、幾つかの都道府県において国保と協会けんぽで協力しながら実施されている実例があったとしても、それをそのまま全国統一的なシステムとしてやっていくことが可能なのかどうかについては、よくよく吟味をする必要があるのではないか。当然ながら新システム構築の機会であるため、共同できるものは共同で行い、コスト面のメリットなども踏まえて検討していく必要があると考えているが、中間まとめにも示されているとおり、国保連合会の業務実態を踏まえて検討するというスタンスが重要
  • 実態調査の調査項目として、審査委員会の現状の委員構成も必要かと思うため、第19回検討専門委員会での参考資料と同じ内容、項目も参考資料として追加を要望したい
  • 現行では事務フローや審査基準、審査委員会の中にも差異がある中で、オンライン請求の導入と同時に全て統一するのは困難であることは承知しているが、こういった目的に向けて最低限統一しておかなければいけないところは課題として認識を共有すべきで、そこに向けて進めていくべき
  • コンピュータチェックの審査基準、共同開発の実施、審査委員会の審査内容や審査基準もできるだけ標準化すべきだと思っており、集約や統一は難しいという御意見もあるが、統一はできる範囲で視野に入れてやっていく必要がある
  • 審査委員会の現状を把握した上で、抜本的に質の高いものに変えることによって、結果的に健保組合も協会けんぽが行う審査委員会に全部委託できるといった流れになるのが一番望ましいと考える
  • 被用者保険全部を現行の協会けんぽの審査委員会の中で受託するパターンとする場合、事務局の負担、協会側の負担も現行と大分変わってくると思っている。審査委員会の事務局側の事務負担のところも考慮した上で検討を進めていただきたい
  • 実態把握の業務概要に関連する部分については、毎月の業務フローやスケジュール感的なところも含めて調査をいただくようにお願いしたい。また、各県の中で地域による請求傾向が違うという実態もあると思うので、それも把握できるような形で調査項目を今後検討いただきたい
  • 協会けんぽの審査委員会について、健保組合分の受託や国保連と共同で実施している支部があるため、組合との合同分や国保連との共同分の状況も今回の調査事項として把握していただきたい
  • 調査項目として「患者調査、施術所等照会件数」に医科レセと調剤リストの突合件数を、「柔整療養費支払先の団体数」に口座数も追加していただきたい。また、返戻の件数、それに付随する返戻の理由、不支給の件数、それに付随する不支給の理由といったものも追加していただきたい
  • 療養費審査委員会の位置づけは、国保連と支払基金とでは、保険者の連合体として共同処理している国保連に対して、支払基金は保険者の連合体ではないので、そこは国保連と被用者保険で同一にはできず、支払基金に位置づけることはできないと思っている。国保連は審査支払機関という性格だけではなく、国保保険者の連合体という性格を持っているが、支払基金はそうではない
  • 実際に国保連と協会けんぽで審査委員会を共同実施しているというケースもあるということであれば、保険者の判断として、効率的にやる、あるいは標準化するとか、差異が出ないようにするという取組として被用者と国保が一緒にやるということはあるのではないか
  • 審査基準等について標準化を進めていくという点について、施術者側に全国47都道府県の審査委員会に審査委員を務めるメンバーがいるので、ぜひその知見も含め協力させていただきたい
  • コンピュータチェックを議論するに当たり、施術側も保険者側もより現場に精通した者、現場により近い人間が意見を交わしながら具体的に内容を詰めていかないと、現実問題なかなか進まないと思っている。施術側なり保険者側なりが公平に人を出し合ってプロジェクトチーム的なものを作った上で、より具体的、技術的な話を詰めていく必要があると思っているので、そういった提案をしたい
  • システム的な接続の話については、健保業務であれば保険者が持っている基幹システムとの接続が発生することから、その際には、保険者に確認するだけではなくシステムベンダーとの接続・連携という面も加味していただきたい
  • 医科の審査委員会は医師会でなければ審査委員に就任できない仕組みであり、柔整審査委員の選定においても、全国規模の団体に委任していただきたい。審査委員会の全国的な標準化やデータの取りまとめも可能である
  • ASP、受付チェックで不備があった場合は、審査支払機関のステージで返戻したらどうかという意見があったが、審査支払機関でどういうところを支払基金の判断だけで返していいのかどうかということは、保険者の権能にも関わるところもあるため、今後よく検討していく必要がある

施術所管理について
  • 施術所管理について、現状、国保連合会ごとに管理項目や情報入手の方法がかなり異なる実態がある。よって、具体的な管理項目や、地方厚生局と国保連合会との情報共有の在り方などについては、調査研究の中でも取り上げていただければと考えている
  • 管理すべき情報として、施術管理者、施術所、施術所の開設者、勤務柔整師に加えて請求団体も加えてはどうか。所属団体、請求団体の登録も加えておいたほうが良いのではないか
  • 施術所管理について、施術管理者が不正を行った場合に、受領委任が取り消された場合でも他の県で新たに申請すれば登録できてしまうという、厚生局でシステム的な統一ができていない問題がある。データベース化して管理する際には、当然ながらそういったところを防げるように、全国で統一したシステムを作っていく必要がある
  • 両罰規定で施術管理者に罰則が5年中止になった場合、開設者にも及ぶため、施術管理者を替えたとしても受領委任の取扱いはできないのではないか
  • 施術者自体に着目したチェック機能が不正請求の観点からできないか、その観点を含めて施術所管理の在り方を今後さらに検討していく必要がある
  • 監査等により受領委任の中止相当なり中止なりの行政処分が出ているところもあるので、そういう実態等も踏まえながら、施術所の管理についても不正請求の観点から情報の持ち方について今後整理・検討を進めていただきたい

署名・代理署名の取扱いについて
  • ペーパーレスを前提としたシステムを構築しようとする中で、紙の書類に署名することが必ずしも効率的ではないのは明らかであり、何らかの代理手段を検討することは合理的ではないかと考える
  • システム構築への負荷や負担、費用がどの程度かかるものなのか、こちらについても調査研究の中でじっくり詰めていただきたい
  • 本人性確認について、マイナカードによる本人確認以外の代替手段を考えたときに、保険証等でもおそらく甘いのではないか。マイナカードを使用できないことや反対する人などの制約があるが、その制約を乗り越えるための一つのアイデアとして、どれだけ不正があるのかという数字を示して本人性確認の重要性を説いていくことが必要なのではないか
  • 認証を含めて署名を担保するタイミングについて、入店時に本人であるかの資格確認は当然必要で、その後、実際に施術を受けて施術内容を確認した上で受領委任する点で、帰り際、施術を受けた後に意思確認を行う機能を使って行為を行う必要があると思っている。タイミングとしては入店時と施術を受けた後に帰る際の少なくとも2回必要ではないか
  • 施術内容の確認は、明細書の発行を完全義務化することでと記載されているが、一部例外の方を除いて100%に向けて近づけていくべきというのは今後進むべき方向であると思っている。ただし、現行の領収書、明細書には申請書にある負傷名の情報がないため、これを明細書等に追加していく検討も必要になる
  • 金額を確認してから署名をするのが受領委任制度の本来の形であり、通院回数、金額の確認は商取引として義務づけられている領収書の発行で十分に代替が可能であると考えられる。「申請書に記載された内容を確認し」という記載については、既に初見時相談支援や受領委任の際に説明を行っており、施術者側としては、現行の療養費の支給基準どおり、申請書1か月に対して月1回の署名で十分であると考えられることから、都度署名を求めることについては反対する
  • (マイナンバーカードを持っていない場合の)署名については、一旦原則どおり署名をしていただく。それはタブレットか何かを代替にして署名をいただくという形でいいのではないかなと思っている。本来、医療費と療養費は違うのだということを国民にも分かってもらうためには、患者さんから署名をもらうことは大事であるため、原点に戻って署名をいただくという形で良いのではないか