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- 2025年9月17日 中央社会保険医療協議会 総会 第617回議事録
2025年9月17日 中央社会保険医療協議会 総会 第617回議事録
日時
令和7年9月17日(水)10:00~
場所
全国都市会館大ホール 2階
出席者
- 構成員等
-
- 小塩隆士会長
- 飯塚敏晃委員
- 笠木映里委員
- 永瀬伸子委員
- 本田文子委員
- 城山英明委員
- 鳥潟美夏子委員
- 松本真人委員
- 佐保昌一委員
- 髙町晃司委員
- 奥田好秀委員
- 鈴木順三委員
- 伊藤徳宇委員
- 茂松茂人委員
- 江澤和彦委員
- 黒澤巌委員
- 池端幸彦委員
- 太田圭洋委員
- 大杉和司委員
- 森昌平委員
- 木澤晃代専門委員
- 上田克彦専門委員
- 小松和子専門委員
- 事務局
-
- 間保険局長
- 林医療課長
- 梅木医療技術評価推進室長
- 吉田保険医療企画調査室長
- 和田歯科医療管理官
- 清原薬剤管理官 他
議題
- 部会・小委員会に属する委員の指名等について
- 最近の医療費の動向について
- 医療機器の保険適用について
- 最適使用推進ガイドラインについて(報告)
- 公知申請とされた適応外薬の保険適用について
- 薬価基準から削除する品目について
- 令和6年能登半島地震に伴う被災地特例措置について
- 選定療養等の募集結果の報告について
議事
(前半)
○小塩会長
おはようございます。
ただいまより第617回「中央社会保険医療協議会 総会」を開催いたします。
本日も対面を基本としつつ、オンラインも組み合わせての開催としております。また、会議の公開につきましては、ユーチューブによるライブ配信で行うこととしております。
まず、委員の出席状況について御報告いたします。
本日は、岡本専門委員が御欠席です。
本日の中医協総会につきましては、最初に総会において、委員の交代について御報告し、部会及び小委員会に属する委員の指名を行った後に、一度総会を中断いたします。その後、薬価専門部会を開催いたします。その後に、改めて総会を開催し、その他の議題の審議を行いたいと思います。
それでは、最初に委員の交代について御報告いたします。
2号側委員ですが、長島公之委員におかれましては、このたび退任され、後任として黒瀨巌委員が9月17日付で発令されております。
なお、黒瀨委員からは自らが公務員であり、高い倫理感を保って行動する旨の宣誓をいただいております。
それでは、新しく委員になられました黒瀨委員より、一言御挨拶をお願いいたします。
○黒瀨委員
御紹介ありがとうございました。
皆様、おはようございます。このたび委員を拝命いたしました、日本医師会常任理事の黒瀨と申します。
今、厳しい医療環境の中で、この役をお受けいたしましたこと、大変重い責任を感じております。私は、まだまだ浅学菲才の非才の身でございますけれども、誠心誠意、この職責を全うし、国民の皆様方の健康寿命の延伸に資するよう頑張ってまいりたいと思います。
どうぞ皆様方の御指導、御鞭撻のほど、よろしくお願いしまして、私の就任の挨拶とさせていただきます。ありがとうございます。
○小塩会長
どうもありがとうございました。どうぞよろしくお願いいたします。
カメラの頭撮りはこの辺りということでお願いいたします。
(カメラ退室)
○小塩会長
それでは、議事に入らせていただきます。
最初に委員の交代に伴いまして、部会及び小委員会に属する委員についても異動がございます。
部会や小委員会に属する委員につきましては、社会保険医療協議会令第1条第2項等の規定により、中医協の承認を経て、会長が指名することとされております。委員のお手元に総-1といたしまして、新しい中医協の委員名簿とともに、異動のある部会及び小委員会の名簿の案をお配りしております。
黒瀨委員におかれましては、長島委員からの交代となりますので、最初に、3ページ目の調査実施小委員会、続きまして、6ページ目の薬価専門部会、8ページの費用対効果評価専門部会に所属していただきたいと思います。
なお、4ページ目の診療報酬基本問題小委員会におかれましては、長島委員から江澤委員に交代となっております。
そのように指名するということでよろしいでしょうか。
(異議なしの意思表示あり)
○小塩会長
ありがとうございました。
それでは、そのようにさせていただきます。
冒頭に申し上げたとおり、ここで総会を中断いたしまして、薬価専門部会の審議を行います。その後に、改めて総会を開催したいと思いますので、よろしくお願いいたします。
それでは、本日の総会は、一時、中断いたします。
(後半)
○小塩会長
それでは、総会を再開いたします。
議題といたしまして「最近の医療費の動向について」を取り上げます。本件は報告事項です。
事務局より資料が提出されておりますので、説明をお願いいたします。
○江郷調査課長
調査課長でございます。
資料総-2を御覧ください。「令和6年度医療費の動向~概算医療費の集計結果~」でございます。
概算医療費といいますものは、医療費の動向を迅速に把握するために、レセプトに基づいて、医療保険や公費負担医療を集計したものでございます。
よく言われております、国民医療費に比べると、大体98%ぐらいに相当する部分でございます。
令和6年度の概算医療費ですけれども、48.0兆円でございまして、対前年同期比でプラス1.5%となっております。
令和2年度に新型コロナが流行しまして、一度減少していましたが、3、4、5年度と反動で戻ってくる過程で大きく伸びていたところ、令和6年度は大分落ち着いてプラス1.5%となっております。
そういった新型コロナの影響を受けていた期間を含みます、令和元年度から6年度までの5年間の年平均、1年当たりの伸び率で見ますと、プラス1.9%となっております。これまでの医療費は概ねプラス2%程度の伸びでしたので、ほぼ巡航速度的な伸びに戻ってきたと見ております。
2ページのほうを見ていただきますと、それを要因分解したものになっております。
下のほうが、人口の増減の要因、高齢化の要因、診療報酬改定の要因とかに分けたものでございますが、令和6年度のところを見ていただきますと、人口の増減はマイナス0.4%、高齢化の要因がプラス0.6%、診療報酬改定の影響がマイナス0.3%で、それらを除いた、いわゆる医療の高度化や受療行動の変化等と呼んでおりますが、この伸びがプラス1.6%となっています。
高齢化の要因に関していきますと、近年プラス1%台の伸びとなっておりましたが、徐々にその影響が減少してきておりまして、令和6年度はプラス0.6%という形になっています。
一方、医療の高度化や受療行動の変化等の部分は先に申し上げましたとおりプラス1.6%でございますが、これは新型コロナの流行で減少した分、そしてその反動で伸びていた分が大分落ち着いて、概ね令和元年度と同様の伸びになっております。
次の3ページをご覧ください。こちらは、より詳細に診療種類別や年齢階層別に見たものでございます。
医療費の伸びは、受診延べ日数の伸びと1日当たり医療費の伸びに分解して見ることができますが、こちらの青色が医療費の伸び、オレンジ色の伸びが受診延日数、灰色が1日当たり医療費の伸びになっています。
左側の診療種類別で見ますと、令和6年度は入院外を除く全種別において医療費、受診延日数、1日当たり医療費のいずれもがプラス、入院外が全てマイナスとなっております。
入院外は、1日当たり医療費がマイナス0.8%と下がっていることが要因になっていると見ております。
右側は年齢階層別に見たものでございます。こちらで見ますと、未就学者のところが、1人当たり医療費でマイナス3.5%と大きく下がっております。
こちらも、受診延日数がマイナス3%ぐらい下がっているといったところで、昨年度にインフルエンザや、子どもの呼吸器系疾患等が流行したものが、今年度は比較的流行しておらず、その反動で下がったのが要因かと考えております。
次の4ページでございますが、主な診療科別に医科診療所の入院外医療費の伸びを見たものです。
特徴的なのは、小児科のところでございますが、マイナス18.1%と大きく下がっています。こちらは、先ほどの未就学者も関連しますが、受診延日数の減少と、1日当たり医療費の減少、両方が影響している形になっております。
ただ、下のほうに参考で、令和元年度から6年度までの平均の伸び率をつけておりますが、こちらで見ますと、小児科についてもプラスになっておりまして、どちらかと言いますと、令和5年度まで大きく伸びていたものが戻ったと見ております。
次の5ページを見ていただきますと、主たる診療科別の1施設当たり入院外医療費で見た受診延日数と、1日当たり医療費の動向を見たものでございます。
赤色が小児科でございますが、令和元年度を100とした場合の推移を見ていくと、左側、受診延日数、いわゆる患者数ですが、令和2年度に大きく下がっていたものが徐々に回復して令和5年度に、大きく伸びた後、令和6年度は少し元に戻ったという状況です。
一方、右側の1日当たり医療費、単価でございますが、こちらは新型コロナによる診療報酬上の特例がございまして、そういったもので令和4年度まで伸びていましたが、令和5年度になって、新型コロナが5類に移行した関係で、特例が段階的に縮小されたため、単価が下がっております。受診延日数、1日当たり医療費それぞれの要因が影響して、令和6年度は小児科の医療費が下がっているという状況でございます。
7ページまで行っていただきまして、7ページが新型コロナの影響を受ける以前、コロナ前の3年間の平均の伸びと、新型コロナの影響を受けた期間を含むコロナ後の5年間の平均の伸びを比較したものでございます。
コロナ前と、コロナ後の平均の伸びが同様ということは、令和元年度以前の伸び、つまり新型コロナの影響を受けていない巡航速度的な伸びだったときの水準と、令和6年度の医療費の水準が同じであると見ることができます。
概算医療費全体でいきますと、コロナ前がプラス1.8%ぐらい伸びていたのですが、コロナ後でプラス1.9%と、ほぼ同じ水準で伸びていることが見て取ることができます。
また受診延べ日数や1日当たり医療費も同じような状況でございます。
次のページが、入院医療費について見たものでございますが、入院に関していきますと、コロナ前よりもコロナ後のほうが、医療費の伸びが若干小さくなっています。
要因を見てみますと、受診延日数が、コロナ前はマイナス0.1%だったのが、コロナ後にマイナス1.1%と下がっているのを見て取ることができます。
次の9ページを見ていただきますと、その受診延日数の動向を見るために、新規入院件数と、平均在院日数に分解したもので推移を見たものです。
赤色が新規入院件数、青色が平均在院日数です。新規入院件数でいきますと、令和2年度以降少し下がっていたのが、5、6年度と、元年の水準を超えています。
一方で、平均在院日数はコロナ前からずっと下がっております。そういった平均在院日数の減少のほうが、新規入院件数の増加よりも影響が大きいため、受診延日数の減少につながっていると見ております。
次のページが、入院外について見たものでございます。
入院外は、コロナ前がプラス1.6%に対して、コロナ後がプラス1.8%となっており、若干コロナ後の方が大きいかなという程度でございます。
要因的には、受診延日数の減少がコロナ前よりもコロナ後の方が少なくなっているという状況になっております。
次の11ページが、歯科について同様に見たものでございます。歯科医療費は、コロナ前にプラス1.8%あったものが、コロナ後にプラス2.4%になっています。
こちらは、受診延日数は減っているのですが、1日当たり医療費の伸びが大きく伸びていることが要因となっている状況でございます。
最後12ページが、調剤医療費について同じように比較したものでございます。こちらを見ますと、コロナ前はプラス1.1%の伸びだったものが、コロナ後はプラス1.7%で若干高めになっています。
要因は、処方箋枚数のほうが、少し伸びが高くなっておりまして、コロナ後は、呼吸器系疾患等がまだ流行しておりましたので、そういった要因があるのではないかと見ております。
13ページ以降が、NDB、電子レセプトについて集計したものになっています。
概算医療費よりも紙レセプトを含まない分、若干範囲が狭くなりますが、より細かく見るために分析しているものです。
14、15ページは、年齢階級別ですが割愛させていただきまして、16ページをご覧ください。まず、医科入院について疾病別に伸び率の寄与を見たものです。
右のほうを見ていただきますと、棒全体が全体の伸び率でとなっております。」その内訳、どういった疾病が寄与しているかを分解したものです。
令和6年度に固有の話でいきますと、青色のところ、新型コロナの医療費はマイナスになっているのですが、それ以外はプラスに寄与しているという状況です。
特に6年度は呼吸器系疾患、肺炎等、マイコプラズマ等が流行しましたので、そういった疾患の医療費がプラスに寄与しているところが、6年度の固有の状況かと思います。
17ページ、同様に入院外について見たものですが特殊目的用コード、いわゆる新型コロナが、灰色の部分です。それが5、6年度とマイナスに寄与しているのが見て取ることができるかと思います。
また、呼吸器系疾患に関しても、入院外についてはマイナスに寄与しているという状況でございます。
次、18ページが、入院の診療内容別に見たものでございます。
令和5、6年度で特徴的なのは、青色のところです。これはDPC包括分となっておりまして、こちらがプラス2%ぐらいの大きな伸びになっています。令和5年度以降、新型コロナが5類に移行しましたので、それまで病床確保等で病床を空けていた部分に通常の入院患者さんが戻ってきたということがありまして、そういった要因での要因大きく伸びているというのが1つの特徴です。
あと、令和6年度固有の要因に関していきますと、灰色のところ1.3%、その他のところが伸びておりますが、こちらは令和6年度診療報酬改定でベースアップ評価料が導入されたこと、看護職員処遇改善評価料を、入院基本料からその他のほうに計上するようになったこと、これらの要因でプラス1.3%と大きく出ております。
19ページが、入院外について同様に見たものでございますが、こちらは、令和6年度固有の話としまして、処方箋料のところがマイナス0.8%となっておりますが、こちらは令和6年度診療報酬改定の影響が出ているものと思っております。
20ページ以降が歯科で見たものでございます。22ページ、歯科医療費について同じように診療内容別に見たものでございます。
令和6年度については、処置がプラス1.7%と大きく伸びております。この辺は、令和6年度診療報酬改定の影響が出ているのかなと見ております。
23ページが、歯科医療費に影響を与える歯科貴金属の医療費の動向でございますが、令和2年度以降、歯科貴金属の価格が大きく上昇してプラスに寄与していたのですが、5年度以降は逆に金属価格が低下して、歯科医療費に対してマイナスに寄与しているのを見ているものでございます。
25ページに行っていただきまして、調剤医療費について伸び率を分解したものです。令和6年度はプラス1.6%と伸びていますが、そのうち技術料がプラス0.9%、薬剤料がプラス0.7%となっています。
薬剤料に関していきますと、そのものがプラス1%と伸びていますが、処方箋枚数がプラス1.3%ということで、近年処方箋枚数の伸びが大きく寄与しているというのが見てとることができます。
26ページが、薬剤料について、薬効分類別に伸び率を見たものでございますが、令和6年度固有の状況としましては、濃い青色、化学療法剤がマイナス1.5%になっています。
前年度の5年度がプラス3%と大きく伸びていたのが、反動的にマイナスになっていますが、これは令和5年度にインフルエンザ等が流行していたのが、6年度はそれほど流行しなかったということで、インフルエンザ治療薬の使用が減ったこと、また新型コロナの患者が減っていることで、化学療法剤のコロナ治療薬が減ったというところで、マイナスになったということでございます。
次に、27ページ、これは調剤分に限ったものでございますが、後発医薬品使用割合を数量ベースで見たものでございます。
基本的には、単調増加で伸びていたのですが、見ていただくと分かりますように、令和6年10月のところで不連続に大きく伸びております。
これは、令和6年10月に長期収載品の選定療養が始まりましたので、そういった影響が出ているのではないかと見ております。
具体的にどの層で影響が出たかについて、28ページを見ていただきますと、年齢階級別に令和6年度の前半と後半で、後発医薬品使用割合を年齢階層別に比較したものです。緑色が年度の前半で、赤色が年度の後半、長期収載品の選定療養が始まって以降ですが、特に若い層、5歳から20歳ぐらいのところですけれども、後発医薬品使用割合が低くなっていたところが、他の年齢層と同じぐらいまで伸びたところが、割合の上昇に大きく寄与しているのかなと見ております。
私からの説明は以上になります。
○小塩会長
どうもありがとうございました。
それでは、ただいまの説明につきまして、御質問等ございましたら、よろしくお願いいたします。
太田委員、お願いいたします。
○太田委員
一言コメントをさせていただきます。
ただいまの総-2で、令和6年度の医療費の伸びが1.5%であったという報告を受けました。
また、7ページにおきまして、医療費の推移ですが、コロナ前とコロナ後で、おおむね似たような動向であったということも示されました。
ただ、この表の見方には注意が必要であると思っております。2022年、すなわち令和4年以降、我が国では、物価、人件費が上昇し始め、インフレ局面に転換しております。直近2年間で医療費は2.9%、1.5%上昇しておりますが、消費者物価はそれぞれ3.2%、2.7%上昇しており、医療費の伸びは消費者物価の伸びを大幅に下回っております。
医療費の伸びが抑えられることは、医療費を負担する側からすれば、保険財政の持続可能性が高まるため、よいことであります。しかし、物価の上昇に伴い、医療を提供するコストも上昇しております。医療費の伸びが物価上昇率を大幅に下回る水準で推移している直近の状況が、医療提供体制の持続可能性の観点から見ると、バランスの取れた状況であるのか疑問に思います。
今後も医療費の伸びに関しては、保険財政の持続可能性の観点に加え、医療提供体制の持続可能性の観点も加えて議論をさせていただければと思っております。
以上でございます。
○小塩会長
ありがとうございました。
ほかに、御質問、御意見ございますでしょうか。
よろしいでしょうか。ありがとうございます。
ほかに御質問等ないようですので、本件に係る質疑はこの辺りとしたいと思います。
続きまして「医療機器の保険適用について」を議題といたします。
本日は保険医療材料等専門組織の木村委員長を代理にお越しいただいておりますので、木村委員長代理より御説明をお願いいたします。
○木村委員長代理
よろしくお願いいたします。
それでは、説明いたします。中医協総-3の資料を御覧ください。
今回の医療機器の保険適用はC1が3製品となります。
2ページ目を御覧ください。
販売名は「ゴア エクスクルーダー胸腹部大動脈ブランチ型ステントグラフトシステム」です。
本品の主な使用目的は、記載のとおりとなります。
価格につきましては、原価計算方式で評価いたしました。
また、補正加算等につきまして、加算の定量化に関する研究班報告に基づいたポイント欄及び迅速な保険導入に係る評価欄に記載しております内容が妥当と、保材専として判断いたしました。
この結果、最終的な価格を382万円。迅速な保険導入に係る評価により、2年間に限り、384万円といたしました。
外国平均価格との差は0.87です。
次に、7ページ目を御覧ください。
販売名は「ゴア バイアバーン VBX バルーン拡張型ステントグラフト」です。
本品の主な使用目的は記載のとおりです。
価格につきましては、類似機能区分比較方式で評価いたしました。
この結果、最終的な価格を32万2000円といたしました。
外国平均価格との比は0.50です。
次に、11ページ目を御覧ください。
販売名は「ゴア トリルーメンカテーテル」です。
本品の主な使用目的は記載のとおりとなります。
価格につきましては、原価計算方式で評価いたしました。
この結果、最終的な価格を10万2000円といたしました。
外国平均価格との比は0.68です。
製品概要は、資料の14ページを御覧ください。
私から御説明いたします内容は以上となります。
○小塩会長
どうもありがとうございました。
ただいまの御説明につきまして、御質問等ございますでしょうか。
よろしいでしょうか。特に御質問等ないようですので、本件につきましては、中医協として承認するということでよろしいでしょうか。
(異議なしの意思表示あり)
○小塩会長
ありがとうございます。
それでは、説明のあった件につきましては、中医協として承認したいと思います。
木村委員長代理、どうもありがとうございました。
○木村委員長代理
ありがとうございました。
○小塩会長
続きまして「最適使用推進ガイドラインについて」を議題といたします。本件は報告事項です。
事務局より資料が提出されておりますので、説明をお願いいたします。
○清原薬剤管理官
薬剤管理官でございます。
資料総-4を御覧ください。
「最適使用推進ガイドラインについて」でございますが、今般、効能・効果の追加の一変承認等に伴い、最適使用推進ガイドラインを作成、改訂し、保険適用上の留意事項を変更いたしましたので、御報告いたします。
1ページ目の表、オプジーボ点滴静注用でございます。
今回追加となりました効能・効果は、真ん中辺りにありますMSI-Highを有する結腸・直腸癌の一次治療、一番下でございますが、切除不能な肝細胞癌でございます。
それぞれ一変承認日と同日付に最適使用推進ガイドラインの通知を発出して、同日付の適用としております。
次の2ページを御覧ください。
ケサンラ点滴静注液でございます。
今般、表の※印の部分でお示ししておりますとおり、漸増部分の用法・用量が変更となっております。
こちらについても、一変承認日と同日付に最適使用推進ガイドラインの通知を発出しており、同日付で適用としております。
総-4の参考1から3に、各品目の最適使用推進ガイドライン、
総-4の参考4にオプジーボの保険適用上の留意事項の内容をお示ししております。
説明は以上でございます。
○小塩会長
どうもありがとうございました。
それでは、ただいまの説明につきまして、御質問等ございますでしょうか。
よろしいでしょうか。特に御質問等ないようですので、本件に係る質疑はこの辺りとしたいと思います。
続きまして「公知申請とされた適応外薬の保険適用について」を議題といたします。本件も報告事項です。
事務局より資料が提出されておりますので、説明をお願いいたします。
○清原薬剤管理官
薬剤管理官でございます。
資料総-5を御覧ください。
有効性・安全性が公知であると確認された適用外薬につきましては、保険適用を迅速に行う観点から、薬事審議会の事前評価が終了した段階で、薬事承認を待たず保険適用するということになっております。
2ポツに記載しておりますが、7月24日の医薬品第二部会及び7月31日の医薬品第一部会におきまして、表でお示しした3品目につきまして事前評価が終了しております。
内容は表にお示しした適応追加でございます。公知申請して差し支えないとされましたので、同日付で保険適用としております。
説明は以上でございます。
○小塩会長
ありがとうございました。
ただいまの説明につきまして、御質問等ございますでしょうか。
よろしいでしょうか。特に御質問等ないようですので、本件に係る質疑はこの辺りとしたいと思います。
続きまして「薬価基準から削除する品目について」を議題といたします。
事務局より資料が提出されておりますので、説明をお願いいたします。
○安中医薬産業振興・医療情報企画課長
医薬産業振興・医療情報企画課長です。資料総-6を御覧ください。
昨年8月の薬価削除の手続の明確化によりまして、薬価削除に係る経過措置告示の1か月程度前を目安に、削除予定の品目を中医協に報告することとなっております。
今回の削除は承継に伴うもののみであり、厚労省において薬価基準から削除して差し支えないと判断したことから、10月頃に経過措置に移行する予定でございます。経過措置期間は、令和8年3月末までとなっております。
なお、承継の場合、承継した企業により同等の品目が間を置かずに供給され、供給に関する問題が生じないと思われるため、学会への確認は不要としております。
以上でございます。
○小塩会長
ありがとうございました。
ただいまの説明につきまして、御質問等ございますでしょうか。
よろしいでしょうか。特に御質問等ないようですので、本件に係る質疑はこの辺りとしたいと思います。
続きまして「令和6年能登半島地震に伴う被災地特例措置について」を議題といたします。
事務局より資料が提出されておりますので、説明をお願いいたします。
○林医療課長
医療課長です。総-7を御覧ください。
4ページに、資料の概要と方針をまとめておりますので、そちらを基に説明いたします。
前回、令和7年3月12日に本件を議論いただきましたときに、この令和6年能登半島地震に伴う被災地特例措置につきましては、令和7年9月30日までとしたということでございます。
利用状況等を調査したところ、現在利用されているところが3施設、そのうち1施設については、まだこの特例措置の解消が難しいということでございました。
こうしたことから、現に利用していただいている特例措置については、届出をしていただいた上で、令和8年5月31日まで継続利用できることとする等のことにつきまして、お諮りをするものでございます。
以上です。
○小塩会長
ありがとうございました。
ただいまの説明につきまして、御質問等ございましたら、よろしくお願いいたします。
江澤委員、お願いいたします。
○江澤委員
ありがとうございます。
能登半島におきましては、昨年1月1日の能登半島地震、その後に引き続く大雨による激甚災害など、災害が連続しております。
そういった中で、どうにか必死に医療を提供する医療機関、そして、そこで治療を受ける患者さんがいらっしゃるわけですので、今回の対応案には賛成でございます。
その上で、今回の特例措置につきまして、令和8年の5月31日まで継続利用ということになっておりますけれども、対象医療機関も限られており、個別の医療機関にぜひヒアリングを行った上で、丁寧にフォローアップをしていただき、令和8年5月31日以降の対応については、引き続き改めて検討させていただければと思います。
以上でございます。
○小塩会長
ありがとうございました。
ほかに御質問、御意見ございますでしょうか。
よろしいでしょうか。ほかには御質問等ないようですので、本件につきましては、中医協として承認するということでよろしいでしょうか。
(異議なしの意思表示あり)
○小塩会長
ありがとうございます。
それでは、説明のあった件につきましては、中医協として承認したいと思います。
続きまして「選定療養等の募集結果の報告について」を議題といたします。本件は報告事項です。
事務局より資料が提出されておりますので、説明をお願いいたします。
○吉田保険医療企画調査室長
保険医療企画調査室長でございます。
「選定療養に導入すべき事例等に関する提案・意見募集の結果について」、総-8を御覧ください。
例年の前回改定同様、関係学会等、国民等から意見の募集を行ったところでございまして、今回合計343件の御要望をいただいたところでございます。
いただいた御意見につきましては、本資料の別紙にその概要、そして参考資料に詳細の内容をそれぞれお示ししてございます。
今後、事務局におきまして、整理検討を進めまして、必要に応じて中医協によって御議論いただけるようにさせていただきたいと考えております。
以上でございます。
○小塩会長
ありがとうございました。
ただいまの説明につきまして、御質問等ございますでしょうか。
江澤委員、お願いいたします。
○江澤委員
今回、そこにございますように、募集期間をこれまでの2倍に延ばしていることから、合計343件という形で、例年よりも多数の御意見をいただいているところでございます。
事務局におかれましては、現行の医療保険制度や療養の給付と直接関係のないサービスとの整合性なども踏まえながら、選定療養として追加することについて検討を要するかどうか、整理をしていただければと思います。
以上でございます。
○小塩会長
ありがとうございました。
ほかに御意見、御要望、御質問ございますでしょうか。
よろしいでしょうか。ほかにはないようですので、本件に係る質疑はこの辺りとしたいと思います。
本日の議題は以上です。
次回の日程につきましては、追って事務局より御連絡いたします。
それでは、本日の総会は、これにて閉会といたします。長時間どうもありがとうございました。
○小塩会長
おはようございます。
ただいまより第617回「中央社会保険医療協議会 総会」を開催いたします。
本日も対面を基本としつつ、オンラインも組み合わせての開催としております。また、会議の公開につきましては、ユーチューブによるライブ配信で行うこととしております。
まず、委員の出席状況について御報告いたします。
本日は、岡本専門委員が御欠席です。
本日の中医協総会につきましては、最初に総会において、委員の交代について御報告し、部会及び小委員会に属する委員の指名を行った後に、一度総会を中断いたします。その後、薬価専門部会を開催いたします。その後に、改めて総会を開催し、その他の議題の審議を行いたいと思います。
それでは、最初に委員の交代について御報告いたします。
2号側委員ですが、長島公之委員におかれましては、このたび退任され、後任として黒瀨巌委員が9月17日付で発令されております。
なお、黒瀨委員からは自らが公務員であり、高い倫理感を保って行動する旨の宣誓をいただいております。
それでは、新しく委員になられました黒瀨委員より、一言御挨拶をお願いいたします。
○黒瀨委員
御紹介ありがとうございました。
皆様、おはようございます。このたび委員を拝命いたしました、日本医師会常任理事の黒瀨と申します。
今、厳しい医療環境の中で、この役をお受けいたしましたこと、大変重い責任を感じております。私は、まだまだ浅学菲才の非才の身でございますけれども、誠心誠意、この職責を全うし、国民の皆様方の健康寿命の延伸に資するよう頑張ってまいりたいと思います。
どうぞ皆様方の御指導、御鞭撻のほど、よろしくお願いしまして、私の就任の挨拶とさせていただきます。ありがとうございます。
○小塩会長
どうもありがとうございました。どうぞよろしくお願いいたします。
カメラの頭撮りはこの辺りということでお願いいたします。
(カメラ退室)
○小塩会長
それでは、議事に入らせていただきます。
最初に委員の交代に伴いまして、部会及び小委員会に属する委員についても異動がございます。
部会や小委員会に属する委員につきましては、社会保険医療協議会令第1条第2項等の規定により、中医協の承認を経て、会長が指名することとされております。委員のお手元に総-1といたしまして、新しい中医協の委員名簿とともに、異動のある部会及び小委員会の名簿の案をお配りしております。
黒瀨委員におかれましては、長島委員からの交代となりますので、最初に、3ページ目の調査実施小委員会、続きまして、6ページ目の薬価専門部会、8ページの費用対効果評価専門部会に所属していただきたいと思います。
なお、4ページ目の診療報酬基本問題小委員会におかれましては、長島委員から江澤委員に交代となっております。
そのように指名するということでよろしいでしょうか。
(異議なしの意思表示あり)
○小塩会長
ありがとうございました。
それでは、そのようにさせていただきます。
冒頭に申し上げたとおり、ここで総会を中断いたしまして、薬価専門部会の審議を行います。その後に、改めて総会を開催したいと思いますので、よろしくお願いいたします。
それでは、本日の総会は、一時、中断いたします。
(後半)
○小塩会長
それでは、総会を再開いたします。
議題といたしまして「最近の医療費の動向について」を取り上げます。本件は報告事項です。
事務局より資料が提出されておりますので、説明をお願いいたします。
○江郷調査課長
調査課長でございます。
資料総-2を御覧ください。「令和6年度医療費の動向~概算医療費の集計結果~」でございます。
概算医療費といいますものは、医療費の動向を迅速に把握するために、レセプトに基づいて、医療保険や公費負担医療を集計したものでございます。
よく言われております、国民医療費に比べると、大体98%ぐらいに相当する部分でございます。
令和6年度の概算医療費ですけれども、48.0兆円でございまして、対前年同期比でプラス1.5%となっております。
令和2年度に新型コロナが流行しまして、一度減少していましたが、3、4、5年度と反動で戻ってくる過程で大きく伸びていたところ、令和6年度は大分落ち着いてプラス1.5%となっております。
そういった新型コロナの影響を受けていた期間を含みます、令和元年度から6年度までの5年間の年平均、1年当たりの伸び率で見ますと、プラス1.9%となっております。これまでの医療費は概ねプラス2%程度の伸びでしたので、ほぼ巡航速度的な伸びに戻ってきたと見ております。
2ページのほうを見ていただきますと、それを要因分解したものになっております。
下のほうが、人口の増減の要因、高齢化の要因、診療報酬改定の要因とかに分けたものでございますが、令和6年度のところを見ていただきますと、人口の増減はマイナス0.4%、高齢化の要因がプラス0.6%、診療報酬改定の影響がマイナス0.3%で、それらを除いた、いわゆる医療の高度化や受療行動の変化等と呼んでおりますが、この伸びがプラス1.6%となっています。
高齢化の要因に関していきますと、近年プラス1%台の伸びとなっておりましたが、徐々にその影響が減少してきておりまして、令和6年度はプラス0.6%という形になっています。
一方、医療の高度化や受療行動の変化等の部分は先に申し上げましたとおりプラス1.6%でございますが、これは新型コロナの流行で減少した分、そしてその反動で伸びていた分が大分落ち着いて、概ね令和元年度と同様の伸びになっております。
次の3ページをご覧ください。こちらは、より詳細に診療種類別や年齢階層別に見たものでございます。
医療費の伸びは、受診延べ日数の伸びと1日当たり医療費の伸びに分解して見ることができますが、こちらの青色が医療費の伸び、オレンジ色の伸びが受診延日数、灰色が1日当たり医療費の伸びになっています。
左側の診療種類別で見ますと、令和6年度は入院外を除く全種別において医療費、受診延日数、1日当たり医療費のいずれもがプラス、入院外が全てマイナスとなっております。
入院外は、1日当たり医療費がマイナス0.8%と下がっていることが要因になっていると見ております。
右側は年齢階層別に見たものでございます。こちらで見ますと、未就学者のところが、1人当たり医療費でマイナス3.5%と大きく下がっております。
こちらも、受診延日数がマイナス3%ぐらい下がっているといったところで、昨年度にインフルエンザや、子どもの呼吸器系疾患等が流行したものが、今年度は比較的流行しておらず、その反動で下がったのが要因かと考えております。
次の4ページでございますが、主な診療科別に医科診療所の入院外医療費の伸びを見たものです。
特徴的なのは、小児科のところでございますが、マイナス18.1%と大きく下がっています。こちらは、先ほどの未就学者も関連しますが、受診延日数の減少と、1日当たり医療費の減少、両方が影響している形になっております。
ただ、下のほうに参考で、令和元年度から6年度までの平均の伸び率をつけておりますが、こちらで見ますと、小児科についてもプラスになっておりまして、どちらかと言いますと、令和5年度まで大きく伸びていたものが戻ったと見ております。
次の5ページを見ていただきますと、主たる診療科別の1施設当たり入院外医療費で見た受診延日数と、1日当たり医療費の動向を見たものでございます。
赤色が小児科でございますが、令和元年度を100とした場合の推移を見ていくと、左側、受診延日数、いわゆる患者数ですが、令和2年度に大きく下がっていたものが徐々に回復して令和5年度に、大きく伸びた後、令和6年度は少し元に戻ったという状況です。
一方、右側の1日当たり医療費、単価でございますが、こちらは新型コロナによる診療報酬上の特例がございまして、そういったもので令和4年度まで伸びていましたが、令和5年度になって、新型コロナが5類に移行した関係で、特例が段階的に縮小されたため、単価が下がっております。受診延日数、1日当たり医療費それぞれの要因が影響して、令和6年度は小児科の医療費が下がっているという状況でございます。
7ページまで行っていただきまして、7ページが新型コロナの影響を受ける以前、コロナ前の3年間の平均の伸びと、新型コロナの影響を受けた期間を含むコロナ後の5年間の平均の伸びを比較したものでございます。
コロナ前と、コロナ後の平均の伸びが同様ということは、令和元年度以前の伸び、つまり新型コロナの影響を受けていない巡航速度的な伸びだったときの水準と、令和6年度の医療費の水準が同じであると見ることができます。
概算医療費全体でいきますと、コロナ前がプラス1.8%ぐらい伸びていたのですが、コロナ後でプラス1.9%と、ほぼ同じ水準で伸びていることが見て取ることができます。
また受診延べ日数や1日当たり医療費も同じような状況でございます。
次のページが、入院医療費について見たものでございますが、入院に関していきますと、コロナ前よりもコロナ後のほうが、医療費の伸びが若干小さくなっています。
要因を見てみますと、受診延日数が、コロナ前はマイナス0.1%だったのが、コロナ後にマイナス1.1%と下がっているのを見て取ることができます。
次の9ページを見ていただきますと、その受診延日数の動向を見るために、新規入院件数と、平均在院日数に分解したもので推移を見たものです。
赤色が新規入院件数、青色が平均在院日数です。新規入院件数でいきますと、令和2年度以降少し下がっていたのが、5、6年度と、元年の水準を超えています。
一方で、平均在院日数はコロナ前からずっと下がっております。そういった平均在院日数の減少のほうが、新規入院件数の増加よりも影響が大きいため、受診延日数の減少につながっていると見ております。
次のページが、入院外について見たものでございます。
入院外は、コロナ前がプラス1.6%に対して、コロナ後がプラス1.8%となっており、若干コロナ後の方が大きいかなという程度でございます。
要因的には、受診延日数の減少がコロナ前よりもコロナ後の方が少なくなっているという状況になっております。
次の11ページが、歯科について同様に見たものでございます。歯科医療費は、コロナ前にプラス1.8%あったものが、コロナ後にプラス2.4%になっています。
こちらは、受診延日数は減っているのですが、1日当たり医療費の伸びが大きく伸びていることが要因となっている状況でございます。
最後12ページが、調剤医療費について同じように比較したものでございます。こちらを見ますと、コロナ前はプラス1.1%の伸びだったものが、コロナ後はプラス1.7%で若干高めになっています。
要因は、処方箋枚数のほうが、少し伸びが高くなっておりまして、コロナ後は、呼吸器系疾患等がまだ流行しておりましたので、そういった要因があるのではないかと見ております。
13ページ以降が、NDB、電子レセプトについて集計したものになっています。
概算医療費よりも紙レセプトを含まない分、若干範囲が狭くなりますが、より細かく見るために分析しているものです。
14、15ページは、年齢階級別ですが割愛させていただきまして、16ページをご覧ください。まず、医科入院について疾病別に伸び率の寄与を見たものです。
右のほうを見ていただきますと、棒全体が全体の伸び率でとなっております。」その内訳、どういった疾病が寄与しているかを分解したものです。
令和6年度に固有の話でいきますと、青色のところ、新型コロナの医療費はマイナスになっているのですが、それ以外はプラスに寄与しているという状況です。
特に6年度は呼吸器系疾患、肺炎等、マイコプラズマ等が流行しましたので、そういった疾患の医療費がプラスに寄与しているところが、6年度の固有の状況かと思います。
17ページ、同様に入院外について見たものですが特殊目的用コード、いわゆる新型コロナが、灰色の部分です。それが5、6年度とマイナスに寄与しているのが見て取ることができるかと思います。
また、呼吸器系疾患に関しても、入院外についてはマイナスに寄与しているという状況でございます。
次、18ページが、入院の診療内容別に見たものでございます。
令和5、6年度で特徴的なのは、青色のところです。これはDPC包括分となっておりまして、こちらがプラス2%ぐらいの大きな伸びになっています。令和5年度以降、新型コロナが5類に移行しましたので、それまで病床確保等で病床を空けていた部分に通常の入院患者さんが戻ってきたということがありまして、そういった要因での要因大きく伸びているというのが1つの特徴です。
あと、令和6年度固有の要因に関していきますと、灰色のところ1.3%、その他のところが伸びておりますが、こちらは令和6年度診療報酬改定でベースアップ評価料が導入されたこと、看護職員処遇改善評価料を、入院基本料からその他のほうに計上するようになったこと、これらの要因でプラス1.3%と大きく出ております。
19ページが、入院外について同様に見たものでございますが、こちらは、令和6年度固有の話としまして、処方箋料のところがマイナス0.8%となっておりますが、こちらは令和6年度診療報酬改定の影響が出ているものと思っております。
20ページ以降が歯科で見たものでございます。22ページ、歯科医療費について同じように診療内容別に見たものでございます。
令和6年度については、処置がプラス1.7%と大きく伸びております。この辺は、令和6年度診療報酬改定の影響が出ているのかなと見ております。
23ページが、歯科医療費に影響を与える歯科貴金属の医療費の動向でございますが、令和2年度以降、歯科貴金属の価格が大きく上昇してプラスに寄与していたのですが、5年度以降は逆に金属価格が低下して、歯科医療費に対してマイナスに寄与しているのを見ているものでございます。
25ページに行っていただきまして、調剤医療費について伸び率を分解したものです。令和6年度はプラス1.6%と伸びていますが、そのうち技術料がプラス0.9%、薬剤料がプラス0.7%となっています。
薬剤料に関していきますと、そのものがプラス1%と伸びていますが、処方箋枚数がプラス1.3%ということで、近年処方箋枚数の伸びが大きく寄与しているというのが見てとることができます。
26ページが、薬剤料について、薬効分類別に伸び率を見たものでございますが、令和6年度固有の状況としましては、濃い青色、化学療法剤がマイナス1.5%になっています。
前年度の5年度がプラス3%と大きく伸びていたのが、反動的にマイナスになっていますが、これは令和5年度にインフルエンザ等が流行していたのが、6年度はそれほど流行しなかったということで、インフルエンザ治療薬の使用が減ったこと、また新型コロナの患者が減っていることで、化学療法剤のコロナ治療薬が減ったというところで、マイナスになったということでございます。
次に、27ページ、これは調剤分に限ったものでございますが、後発医薬品使用割合を数量ベースで見たものでございます。
基本的には、単調増加で伸びていたのですが、見ていただくと分かりますように、令和6年10月のところで不連続に大きく伸びております。
これは、令和6年10月に長期収載品の選定療養が始まりましたので、そういった影響が出ているのではないかと見ております。
具体的にどの層で影響が出たかについて、28ページを見ていただきますと、年齢階級別に令和6年度の前半と後半で、後発医薬品使用割合を年齢階層別に比較したものです。緑色が年度の前半で、赤色が年度の後半、長期収載品の選定療養が始まって以降ですが、特に若い層、5歳から20歳ぐらいのところですけれども、後発医薬品使用割合が低くなっていたところが、他の年齢層と同じぐらいまで伸びたところが、割合の上昇に大きく寄与しているのかなと見ております。
私からの説明は以上になります。
○小塩会長
どうもありがとうございました。
それでは、ただいまの説明につきまして、御質問等ございましたら、よろしくお願いいたします。
太田委員、お願いいたします。
○太田委員
一言コメントをさせていただきます。
ただいまの総-2で、令和6年度の医療費の伸びが1.5%であったという報告を受けました。
また、7ページにおきまして、医療費の推移ですが、コロナ前とコロナ後で、おおむね似たような動向であったということも示されました。
ただ、この表の見方には注意が必要であると思っております。2022年、すなわち令和4年以降、我が国では、物価、人件費が上昇し始め、インフレ局面に転換しております。直近2年間で医療費は2.9%、1.5%上昇しておりますが、消費者物価はそれぞれ3.2%、2.7%上昇しており、医療費の伸びは消費者物価の伸びを大幅に下回っております。
医療費の伸びが抑えられることは、医療費を負担する側からすれば、保険財政の持続可能性が高まるため、よいことであります。しかし、物価の上昇に伴い、医療を提供するコストも上昇しております。医療費の伸びが物価上昇率を大幅に下回る水準で推移している直近の状況が、医療提供体制の持続可能性の観点から見ると、バランスの取れた状況であるのか疑問に思います。
今後も医療費の伸びに関しては、保険財政の持続可能性の観点に加え、医療提供体制の持続可能性の観点も加えて議論をさせていただければと思っております。
以上でございます。
○小塩会長
ありがとうございました。
ほかに、御質問、御意見ございますでしょうか。
よろしいでしょうか。ありがとうございます。
ほかに御質問等ないようですので、本件に係る質疑はこの辺りとしたいと思います。
続きまして「医療機器の保険適用について」を議題といたします。
本日は保険医療材料等専門組織の木村委員長を代理にお越しいただいておりますので、木村委員長代理より御説明をお願いいたします。
○木村委員長代理
よろしくお願いいたします。
それでは、説明いたします。中医協総-3の資料を御覧ください。
今回の医療機器の保険適用はC1が3製品となります。
2ページ目を御覧ください。
販売名は「ゴア エクスクルーダー胸腹部大動脈ブランチ型ステントグラフトシステム」です。
本品の主な使用目的は、記載のとおりとなります。
価格につきましては、原価計算方式で評価いたしました。
また、補正加算等につきまして、加算の定量化に関する研究班報告に基づいたポイント欄及び迅速な保険導入に係る評価欄に記載しております内容が妥当と、保材専として判断いたしました。
この結果、最終的な価格を382万円。迅速な保険導入に係る評価により、2年間に限り、384万円といたしました。
外国平均価格との差は0.87です。
次に、7ページ目を御覧ください。
販売名は「ゴア バイアバーン VBX バルーン拡張型ステントグラフト」です。
本品の主な使用目的は記載のとおりです。
価格につきましては、類似機能区分比較方式で評価いたしました。
この結果、最終的な価格を32万2000円といたしました。
外国平均価格との比は0.50です。
次に、11ページ目を御覧ください。
販売名は「ゴア トリルーメンカテーテル」です。
本品の主な使用目的は記載のとおりとなります。
価格につきましては、原価計算方式で評価いたしました。
この結果、最終的な価格を10万2000円といたしました。
外国平均価格との比は0.68です。
製品概要は、資料の14ページを御覧ください。
私から御説明いたします内容は以上となります。
○小塩会長
どうもありがとうございました。
ただいまの御説明につきまして、御質問等ございますでしょうか。
よろしいでしょうか。特に御質問等ないようですので、本件につきましては、中医協として承認するということでよろしいでしょうか。
(異議なしの意思表示あり)
○小塩会長
ありがとうございます。
それでは、説明のあった件につきましては、中医協として承認したいと思います。
木村委員長代理、どうもありがとうございました。
○木村委員長代理
ありがとうございました。
○小塩会長
続きまして「最適使用推進ガイドラインについて」を議題といたします。本件は報告事項です。
事務局より資料が提出されておりますので、説明をお願いいたします。
○清原薬剤管理官
薬剤管理官でございます。
資料総-4を御覧ください。
「最適使用推進ガイドラインについて」でございますが、今般、効能・効果の追加の一変承認等に伴い、最適使用推進ガイドラインを作成、改訂し、保険適用上の留意事項を変更いたしましたので、御報告いたします。
1ページ目の表、オプジーボ点滴静注用でございます。
今回追加となりました効能・効果は、真ん中辺りにありますMSI-Highを有する結腸・直腸癌の一次治療、一番下でございますが、切除不能な肝細胞癌でございます。
それぞれ一変承認日と同日付に最適使用推進ガイドラインの通知を発出して、同日付の適用としております。
次の2ページを御覧ください。
ケサンラ点滴静注液でございます。
今般、表の※印の部分でお示ししておりますとおり、漸増部分の用法・用量が変更となっております。
こちらについても、一変承認日と同日付に最適使用推進ガイドラインの通知を発出しており、同日付で適用としております。
総-4の参考1から3に、各品目の最適使用推進ガイドライン、
総-4の参考4にオプジーボの保険適用上の留意事項の内容をお示ししております。
説明は以上でございます。
○小塩会長
どうもありがとうございました。
それでは、ただいまの説明につきまして、御質問等ございますでしょうか。
よろしいでしょうか。特に御質問等ないようですので、本件に係る質疑はこの辺りとしたいと思います。
続きまして「公知申請とされた適応外薬の保険適用について」を議題といたします。本件も報告事項です。
事務局より資料が提出されておりますので、説明をお願いいたします。
○清原薬剤管理官
薬剤管理官でございます。
資料総-5を御覧ください。
有効性・安全性が公知であると確認された適用外薬につきましては、保険適用を迅速に行う観点から、薬事審議会の事前評価が終了した段階で、薬事承認を待たず保険適用するということになっております。
2ポツに記載しておりますが、7月24日の医薬品第二部会及び7月31日の医薬品第一部会におきまして、表でお示しした3品目につきまして事前評価が終了しております。
内容は表にお示しした適応追加でございます。公知申請して差し支えないとされましたので、同日付で保険適用としております。
説明は以上でございます。
○小塩会長
ありがとうございました。
ただいまの説明につきまして、御質問等ございますでしょうか。
よろしいでしょうか。特に御質問等ないようですので、本件に係る質疑はこの辺りとしたいと思います。
続きまして「薬価基準から削除する品目について」を議題といたします。
事務局より資料が提出されておりますので、説明をお願いいたします。
○安中医薬産業振興・医療情報企画課長
医薬産業振興・医療情報企画課長です。資料総-6を御覧ください。
昨年8月の薬価削除の手続の明確化によりまして、薬価削除に係る経過措置告示の1か月程度前を目安に、削除予定の品目を中医協に報告することとなっております。
今回の削除は承継に伴うもののみであり、厚労省において薬価基準から削除して差し支えないと判断したことから、10月頃に経過措置に移行する予定でございます。経過措置期間は、令和8年3月末までとなっております。
なお、承継の場合、承継した企業により同等の品目が間を置かずに供給され、供給に関する問題が生じないと思われるため、学会への確認は不要としております。
以上でございます。
○小塩会長
ありがとうございました。
ただいまの説明につきまして、御質問等ございますでしょうか。
よろしいでしょうか。特に御質問等ないようですので、本件に係る質疑はこの辺りとしたいと思います。
続きまして「令和6年能登半島地震に伴う被災地特例措置について」を議題といたします。
事務局より資料が提出されておりますので、説明をお願いいたします。
○林医療課長
医療課長です。総-7を御覧ください。
4ページに、資料の概要と方針をまとめておりますので、そちらを基に説明いたします。
前回、令和7年3月12日に本件を議論いただきましたときに、この令和6年能登半島地震に伴う被災地特例措置につきましては、令和7年9月30日までとしたということでございます。
利用状況等を調査したところ、現在利用されているところが3施設、そのうち1施設については、まだこの特例措置の解消が難しいということでございました。
こうしたことから、現に利用していただいている特例措置については、届出をしていただいた上で、令和8年5月31日まで継続利用できることとする等のことにつきまして、お諮りをするものでございます。
以上です。
○小塩会長
ありがとうございました。
ただいまの説明につきまして、御質問等ございましたら、よろしくお願いいたします。
江澤委員、お願いいたします。
○江澤委員
ありがとうございます。
能登半島におきましては、昨年1月1日の能登半島地震、その後に引き続く大雨による激甚災害など、災害が連続しております。
そういった中で、どうにか必死に医療を提供する医療機関、そして、そこで治療を受ける患者さんがいらっしゃるわけですので、今回の対応案には賛成でございます。
その上で、今回の特例措置につきまして、令和8年の5月31日まで継続利用ということになっておりますけれども、対象医療機関も限られており、個別の医療機関にぜひヒアリングを行った上で、丁寧にフォローアップをしていただき、令和8年5月31日以降の対応については、引き続き改めて検討させていただければと思います。
以上でございます。
○小塩会長
ありがとうございました。
ほかに御質問、御意見ございますでしょうか。
よろしいでしょうか。ほかには御質問等ないようですので、本件につきましては、中医協として承認するということでよろしいでしょうか。
(異議なしの意思表示あり)
○小塩会長
ありがとうございます。
それでは、説明のあった件につきましては、中医協として承認したいと思います。
続きまして「選定療養等の募集結果の報告について」を議題といたします。本件は報告事項です。
事務局より資料が提出されておりますので、説明をお願いいたします。
○吉田保険医療企画調査室長
保険医療企画調査室長でございます。
「選定療養に導入すべき事例等に関する提案・意見募集の結果について」、総-8を御覧ください。
例年の前回改定同様、関係学会等、国民等から意見の募集を行ったところでございまして、今回合計343件の御要望をいただいたところでございます。
いただいた御意見につきましては、本資料の別紙にその概要、そして参考資料に詳細の内容をそれぞれお示ししてございます。
今後、事務局におきまして、整理検討を進めまして、必要に応じて中医協によって御議論いただけるようにさせていただきたいと考えております。
以上でございます。
○小塩会長
ありがとうございました。
ただいまの説明につきまして、御質問等ございますでしょうか。
江澤委員、お願いいたします。
○江澤委員
今回、そこにございますように、募集期間をこれまでの2倍に延ばしていることから、合計343件という形で、例年よりも多数の御意見をいただいているところでございます。
事務局におかれましては、現行の医療保険制度や療養の給付と直接関係のないサービスとの整合性なども踏まえながら、選定療養として追加することについて検討を要するかどうか、整理をしていただければと思います。
以上でございます。
○小塩会長
ありがとうございました。
ほかに御意見、御要望、御質問ございますでしょうか。
よろしいでしょうか。ほかにはないようですので、本件に係る質疑はこの辺りとしたいと思います。
本日の議題は以上です。
次回の日程につきましては、追って事務局より御連絡いたします。
それでは、本日の総会は、これにて閉会といたします。長時間どうもありがとうございました。



