2025年3月6日 薬事審議会 医療機器・再生医療等製品安全対策部会 議事録

日時

令和7年3月6日(木)16:00~

出席者

出席委員(16名)五十音順

(注)◎部会長 ○部会長代理


欠席委員(7名) 

行政機関出席者
 野村由美子 (医薬安全対策課長)
 坂西義史 (安全使用推進室長) 他
 

議事

○医薬安全対策課長 それでは定刻になりましたので、「令和6年度第2回薬事審議会医療機器・再生医療等製品安全対策部会」を開会いたします。本日、御出席の委員の先生方におかれましては、お忙しい中、御出席いただきましてありがとうございます。
 本日の部会の公開については、YouTubeによるライブ配信で行うこととしていますので、御理解、御協力のほどお願いいたします。議事録については、後日、厚生労働省ホームページに掲載いたします。
 また、今回もWeb開催としており、対面での進行と一部異なる部分があります。前回と同様ではありますが、議事に先立ち審議の進行方法などについて事務局より説明させていただきます。
○事務局 御説明申し上げます。まず、ハウリングの防止のため、御発言時以外はマイクをミュートにしていただきますようお願いいたします。御意見、御質問を頂く際は、ミュートを解除し、始めにお名前をお知らせください。御発言のタイミングが重なったりした場合は、部会長から順に発言者を御指名いただきます。会議中、マイクの調子が悪かった場合などは、音声の代わりにメッセージを御記入いただくようお願いをする場合があります。システムの動作不良などがありましたら、会議の途中でも結構ですので、事前にお伝えしている事務局の電話番号まで御連絡ください。また、もし事務局のサーバーがダウンするなどのトラブルが発生した場合には事務局から一斉にメールで御連絡いたしますので、御確認をお願いいたします。
 次に、今回より委員として御参画いただくことになりました先生を御紹介いたします。東京大学医学部附属病院光学医療診療部部長の角嶋直美委員が着任されました。角嶋委員、一言、御挨拶いただけますでしょうか。
○角嶋委員 東京大学光学医療診療部の角嶋と申します。ちょっと不慣れな点がありますが、何とぞよろしくお願いいたします。
○事務局 ありがとうございました。次に本部会の部会長については、1月27日に開催された薬事審議会において、佐藤陽治委員が選任されていますので、併せて御報告申し上げます。佐藤部会長、一言、御挨拶を頂けますか。
○佐藤陽治部会長 国立医薬品食品衛生研究所の佐藤と申します。皆様、こんにちは。先日の薬事審議会において部会長を拝命しました。引き続きとなりますが、委員の先生方におかれましては、御専門の見地から御指導のほどよろしくお願いいたします。特に医療機器・再生医療等製品は、製造販売後、市販後の安全対策が非常に重要な要素ですので、御指導のほどよろしくお願いいたします。以上です。
○事務局 ありがとうございました。続きまして、部会長代理については、薬事審議会令第6条第5項の規定に基づき、部会に属する委員又は臨時委員のうちから部会長があらかじめ指名することとされています。佐藤部会長、指名をお願いいたします。
○佐藤陽治部会長 それでは、私としては引き続き三村委員にお願いしたいと存じます。
○事務局 ありがとうございます。それでは、三村部会長代理、一言、御挨拶を頂けますか。
○三村委員 聖マリアンナ医大で放射線診断・IVRを担当しています三村と申します。御指名いただきましたので、前期に引き続きまして部会長代理を務めさせていただきます。よろしくお願いいたします。
○事務局 ありがとうございました。関連しまして、部会委員の改選に伴い、安全対策調査会についても委員の改選がございましたので、併せて御報告申し上げます。参考資料3「医療機器・再生医療等製品安全対策部会安全対策調査会委員の改選について」という資料を御覧ください。なお、今回の改選による委員変更はありません。
 次に、事務局に人事異動がありましたので御報告します。本年1月に安全使用推進室長の高畑が離任し、後任として私、坂西義史が着任しております。よろしくお願いいたします。事務局からは以上です。
 それでは、以降の議事進行は佐藤部会長にお願いいたします。
○佐藤陽治部会長 それでは議事に入る前に、委員の出欠状況、審議への参加等について、事務局から御説明をお願いします。
○事務局 本日の委員の出欠状況について、御報告します。赤瀬委員、伊藤委員、外園委員、宮﨑委員、萬委員、脇田委員から御欠席との御連絡を頂いています。宮地委員と中川委員におかれましては、遅れての御参加と伺っております。本部会の委員23名中15名の委員に御出席いただいておりますので、薬事審議会の規定により定足数に達していることを御報告申し上げます。
 続きまして、所属委員の薬事審議会規程第11条への適合状況の確認結果について、報告させていただきます。薬事審議会規程第11条には、「委員、臨時委員又は専門委員は、在任中、薬事に関する企業の役員、職員又は当該企業から定期的に報酬を得る顧問等に就任した場合には、辞任しなければならない」と規定されています。今回、全ての委員より、適合している旨を御申告いただいております。報告は以上です。
○佐藤陽治部会長 ありがとうございました。ただいまの事務局からの御説明に対して、御意見、御質問等はございませんか。いかがでしょう。よろしいですか。
 では、続きまして事務局から配布資料について御説明をお願いします。
○事務局 資料はあらかじめメールにてお送りさせていただいておりますが、議題1に関して資料1-1~1-4、議題2に関して資料2-1~2-3-2、議題3に関して資料3-1-1~3-2-2がございます。このほか、議事次第・資料一覧、委員名簿、参考資料1~3をお送りしています。お手元に御用意のない方がいらっしゃいましたら、事務局までお知らせください。
○佐藤陽治部会長 ありがとうございました。本日の議題は、報告事項のみとなっています。それでは、議題1「医療機器・再生医療等製品の市販後安全対策について」に入りたいと存じます。事務局から御説明をお願いいたします。
○事務局 では事務局より、議題1「医療機器・再生医療等製品の市販後安全対策について」、前回の部会以降の約半年間のうちに医薬安全対策課から発出した、医療機器及び再生医療等製品の安全対策に関する通知等を御紹介します。
 資料1-1~1-4にお示ししているとおり、約半年間で4報の通知等を発出しています。このうち資料1-2及び1-4について、簡単に御説明します。
 資料1-2「医薬品及び医療機器の承認事項等及び電子化された添付文書等における「成人発症スチル病」及び「マルファン症候群/ロイス・ディーツ症候群」の名称の取扱いについて」。令和5年厚生労働省告示第294号により、指定難病に係る疾病名「成人スチル病」が「成人発症スチル病」に、「マルファン症候群」が「マルファン症候群/ロイス・ディーツ症候群」に改正されたことを受けて、医薬品や医療機器の承認事項及び電子化された添付文書に記載すべき疾病の名称についても同様に改めることとしたというものです。
 続きまして、資料1-4「使用上の注意」の改訂について。本通知は、発出に当たり事前に部会委員の皆様に御確認いただいたものですが、CAR-T製品について、投与後にCAR陽性のT細胞を起源とするリンパ系腫瘍の発現が報告されていることから、これに関する注意事項を添付文書の「重要な基本的注意」の項に追記するよう求めるものです。御説明は以上です。
○佐藤陽治部会長 ありがとうございました。それでは、ただいまの事務局からの説明に対して、御意見、御質問等はございませんか。よろしいでしょうか。では、議題1の報告は以上となります。
 それでは、議題2「医療機器・再生医療等製品の不具合等報告について」です。事務局から説明をお願いします。
○事務局 それでは議題2の「医療機器・再生医療等製品の不具合等報告について」、資料2-1~資料2-3-2に沿って御説明いたします。
 まず資料2-1の1ページを御覧ください。令和6年度の上半期である令和6年4月1日から令和6年9月30日までの6か月間の報告状況について御説明いたします。
 2ページを御覧ください。不具合等報告の全体の概要です。医療機器及び再生医療等製品の不具合報告制度は、製造販売業者等からの報告である企業報告制度と、医療機関等の医薬関係者からの報告制度の二つから成り立ちます。2ページの1.は、医薬品医療機器法第68条の10第1項に基づく製造販売業者等からの不具合等報告を、3ページの2.は、医薬品医療機器法第68条の10第2項に基づく医薬関係者からの不具合報告を、それぞれまとめたものです。
 まず、2ページの1.の「製造販売業者からの不具合等報告」に関する法令上の根拠について簡単に御説明いたします。医薬品医療機器法第68条の2の6第1項において、医療機器及び再生医療等製品の製造販売業者又は外国製造医療機器特例承認取得者等は、医療機器及び再生医療等製品の有効性及び安全性に係る事項、その他製品の適正な使用のために必要な情報について、能動的に収集するよう規定されております。
 国内にて、医療機器又は再生医療等製品の不具合が原因又は不具合が原因と疑われる死亡や重篤な健康被害が発生、若しくは不具合によりそれらが発生するおそれのある症例が発生し、製造販売業者等がそのことを知ったときには、医薬品医療機器法第68条の10第1項に基づき、厚生労働大臣に報告する義務がございます。報告の対象や情報を入手してから報告するまでの期限については、医薬品医療機器法施行規則第228条の20により定められています。
 また、海外で使用される医療機器又は再生医療等製品において、死亡又は重篤な健康被害が発生した症例、若しくはそれらのおそれがあると判断された症例に関する不具合に関する情報については、医療機器等が使用されている国の規制に従って各国の規制当局に報告等されることとなりますが、日本で承認を受けた医療機器と形状、構造、原材料、使用方法、効能、効果、性能等が同一性を有すると認められる医療機器については、それらの不具合等に関する情報を日本の製造販売業者が入手したときには、日本においても外国症例の不具合として報告対象となります。この場合の報告者は、日本の製造販売業者となります。
 今回の資料では、令和6年度の前期である令和6年4月1日から令和6年9月30日までの医療機器の不具合等報告について、各項目の報告件数を示しております。
 1.(1)1)の不具合報告の件数については、国内と外国の合計が15万5,925件で、前回の令和6年8月の部会で報告しました令和5年度後期である令和5年10月1日から令和6年3月31日の件数である12万6,183件と比較して、約3万件の増加となっております。今回の15万5,925件の内訳ですが、九つの製品の分類で申し上げますと、多いものは分類3「処置用・施設用機器等」の4万7,117件と、分類4「生体機能補助・代行機器」の9万7,529件で、この二つで全体の約93%を占めています。
 国内報告と外国報告の別では、国内報告が1万5,728件、外国報告が14万197件となっており、国内報告については前回の1万4,458件から1,270件の増加、外国報告については前回の11万1,725件から約2万8,000件の増加となっております。
 また、コンビネーション医薬品の医療機器部分における不具合報告は、国内報告820件、外国報告1,409件の計2,229件でした。再生医療等製品の不具合報告は、国内報告460件、外国報告2,007件の計2,467件でした。
 続いて、「2)感染症報告」は、医療機器、コンビネーション医薬品、再生医療等製品、全てで0件でした。
 続きまして、3ページの一番上、(2)の海外の規制当局や外国製造元等が行った措置を報告する外国措置報告については、医療機器486件、コンビネーション医薬品0件、再生医療等製品19件でした。
 「(3)研究報告」は、医療機器1,988件、コンビネーション医薬品0件、再生医療等製品0件、「(4)感染症定期報告」は、医療機器36件、再生医療等製品87件でした。感染症定期報告の詳細については、次の議題で御説明させていただきます。
 また、「2.医薬関係者からの不具合等報告」は、医療機器183件、コンビネーション医薬品6件、再生医療等製品2件、「3.副作用救済給付又は感染救済給付に係る疾病、障害及び死亡の報告」は、医療機器、コンビネーション医薬品、再生医療等製品ともに0件でした。
 続きまして、全体の報告件数の推移について御説明させていただきます。資料の4ページを御覧ください。4ページから7ページには、過去3年分の不具合報告件数の推移をグラフ及び表で示しています。4ページは、国内報告と外国報告を合わせた件数のグラフ、5ページは国内報告件数のグラフを示しております。4ページの紫色のグラフでお示ししているとおり、不具合報告の総数は、令和5年度後期と令和6年度前期の比較で約3万件の増加が認められましたが、このうち9割以上は外国報告が占めています。一部の製品において、海外規制当局から海外製造元への指摘があったことや海外製造元での情報処理における手違いがあり、本来ならば過去に報告されるべきであった内容が令和6年度前期に報告されたことで、報告数が増加したものです。報告があった事象の多くは既知であって、必要に応じて既に措置を行ったものと同様のものとなっています。引き続き件数の傾向については留意してまいります。
 続いて、6ページのコンビネーション医薬品については、ここ数年は2,000件から2,500件程度の水準となっており、本報告期間においても、報告件数に大きな増減傾向は認められませんでした。
 再生医療等製品については、令和6年度前期の報告総数は2,467件であり、令和5年度後期から、国内報告は148件増加、外国報告は98件減少しています。本報告期間中に国内報告された事象の多くは既知であって、必要に応じて添付文書で注意喚起するなど措置済みの事象ですが、件数の傾向については引き続き留意してまいります。また、市販後に新たに確認された不具合については、必要に応じて添付文書改訂指示を行う等、引き続き対応してまいります。具体的な再生医療等製品の品目別不具合発生件数の推移については、14ページ以降に記載のとおりです。 
○医薬品医療機器総合機構 続きまして、8ページ以降の製品の分類ごとの不具合について機構から御説明します。8ページ以降においては、後の資料2-2-1~2-2-2の膨大なラインリストより主要なものをピックアップして御説明いたします。
 まずは8ページを御覧ください。「2.令和6年度前期の不具合報告の概況」の「2-1-1 各分類における国内不具合報告」には、各分類における国内の不具合報告件数と、その中でも特に報告件数の多かった品目の一般的名称、その主な不具合又は健康被害状況をピックアップして記載しております。
 表の「一般的名称等」の列には、一般的名称ごとの不具合等報告の件数について、多いものから順に第1位から第3位までの一般的名称を掲載しております。また、「主な不具合又は健康被害状況」の列には、それぞれの一般的名称の製品群で報告された不具合又は健康被害の件数について、多いものから順に第1位から第3位までの事象を記載しています。なお、同数で同順位となる一般的名称や事象名についても、全て掲載しています。
 分類(1)の「画像診断用機器」として、体腔向け超音波診断用プローブ、据置型デジタル式循環器用X線透視診断装置、移動型デジタル式汎用一体型X線診断装置等、合計20件報告されております。
 分類(2)の「生体監視・臨床検査機器等」として、グルコースモニタシステム、再使用可能な高周波処置用内視鏡能動器具、再使用可能な内視鏡用能動処置具等、合計1,171件報告されています。
 続いて、9ページを御覧ください。分類(3)の「処置用・施設用機器等」として、ポータブルインスリン用輸液ポンプ、中心循環系血管内塞栓促進用補綴材、アブレーション向け循環器用カテーテル等、合計6,109件報告されております。
 分類(4)の「生体機能補助・代行機器」として、経カテーテルウシ心のう膜弁、心内膜植込み型ペースメーカリード、大動脈用ステントグラフト等、合計6,852件報告されています。
 分類(3)と(4)については、リスクの高い医療機器が多く分類されているということもあり、報告件数が多くなっています。
 分類(5)の「治療・鋼製機器等」として、骨手術用器械、治療用電気手術器、手術用ロボット手術ユニット等、合計1,307件報告されています。
 分類(6)の「歯科用機器・材料」として、歯科用インプラントフィクスチャ、粘着型義歯床安定用糊材、歯科用ファイル等、合計12件報告されています。
 続いて、10ページを御覧ください。分類(7)の「眼科用機器」として、挿入器付後房レンズ、有水晶体後房レンズ、多焦点後房レンズ等、合計228件報告されています。
 分類(8)の「衛生材料・避妊用具・家庭用機器等」として、家庭用創傷パッド、家庭用電気マッサージ器、骨固定型補聴器、子宮内避妊用具等、合計で13件となっています。
 分類(9)の「プログラム医療機器」は、遺伝子変異解析プログラム(がんゲノムプロフィリング検査用)、ホウ素中性子補捉療法用治療計画プログラムの合計16件と報告されています。なお、これらの国内での不具合の報告及び外国での不具合の報告については、資料2-2-1にまとめております。
 続いて、11ページを御覧ください。令和3年10月1日から令和6年9月30日までに、新医療機器として承認された品目の国内での主な不具合報告の状況について説明いたします。
 各承認年度において、不具合等報告の件数のうち多いものから順に第1位から第3位までの品目を掲載しており、令和3年度から令和6年度までで、分類としては分類(3)、(4)、(5)に当たります。多くが添付文書に記載されている既知の事象となっております。また、未知の事象については、今後も注視し、必要に応じ添付文書を改訂するとともに、医療現場への情報提供を行ってまいります。引き続き、不具合・健康被害の情報を注意深く収集しております。
 コンビネーション医薬品の医療機器部分の不具合報告のうち、国内報告は820件となっております。これらの不具合報告の詳細については、「資料2-2-2 コンビネーション医薬品不具合報告」に別途まとめております。
 続いて、17ページを御覧ください。こちらは国内での過去5年間の不具合報告の公表状況についてまとめたものです。こちらは年度単位での集計となっています。報告された不具合報告は、公表するとともに最終的に転帰が死亡として報告された症例については、製造販売業者による調査が全て完了した後に、事象と製品との因果関係について評価を行い、評価が終了したものから、その結果についても随時公表しているところです。死亡との因果関係が否定できないものをA評価、死亡との因果関係が認められないものをB評価、死亡との因果関係が評価できないものをC評価としています。
 続いて、18~19ページには、死亡症例のうち、死亡との因果関係が否定できないAと評価された医療機器の一般的名称別の件数を示しております。こちらの表の報告件数については、一般的名称で分類していること及びそれぞれの分類における製品数や使用者数も異なることから、この資料により、個々の製品の不具合発生率の傾向等について議論ができるものではありませんが、御参考として御覧いただければと思います。
 主に、大動脈用ステントグラフト、経カテーテルウシ心のう膜弁、経カテーテルブタ心のう膜弁などのリスクの高い症例での治療に使用される分類(3)と(4)の医療機器の件数が多い傾向にあります。医療機器に関する資料2-1の説明は以上です。
 続きまして、資料2-2-1~2-2-2ですが、先に説明をさせていただきましたとおり、資料2-1の中で主要な不具合について説明いたしましたので、内容の説明については先の説明をもって資料2-2-1~2-2-2の説明に代えさせていただき、ここではラインリストの見方についてのみ紹介させていただきます。
 まず、資料2-2-1の1ページに「注意事項」として、この不具合報告リストの見方を記載しております。このリストについては、医療機器との因果関係が不明なものも含め、製造販売業者等から報告された内容を基に記載しております。また、報告に関する分類は(1)~(9)まで9分類に分類されていて、次に「目次」が記載されており、その次から表の下にページ番号を記して一覧を記載しております。
 一覧の掲載順については、医療機器の一般的名称、販売名、企業名の順に五十音順で掲載しています。それぞれの件数については、提出された報告書の件数を示したものであり、同一の症例で複数の医療機器が関与している場合には、複数の企業からそれぞれ報告されることがあることから、このような場合には同一の症例を重複してカウントしております。したがって、報告件数がそのまま症例数にはならない場合があることに御留意いただければと思います。
 また、報告症例の中には、不具合状況がなし又は不明であり、かつ、健康被害状況が不明のケースがあります。これは、健康被害状況が不明で、現品調査を実施できない、得られた使用状況の情報が限られているなどの理由から、機器との因果関係を否定できないと判断するだけの情報が得られなかったため、不具合報告がされたものです。
 表の右端の「対応状況」欄に、報告症例に対する対応措置の項目として、原則として報告期間対象期間の末日である令和6年9月30日時点での措置の内容を簡潔に記載しております。「回収(改修)」と記載しているのは、製品を医療現場等から引き上げる「回収」をした場合、または修理や検査の実施等を行った「改修」の措置を取ったことを示しております。「情報提供」と記載したものは、添付文書の改訂、あるいは書面による注意喚起文書を、医療機関等に配布したなどの措置を取ったものです。この中には、既に添付文書等で、関連する注意喚起の記述がなされているものも含んでおります。
 資料2-2-1の医療機器の不具合報告のまとめと同様に、資料2-2-2ではコンビネーション医薬品の医療機器部分に関する不具合、資料2-3-1では再生医療等製品に関する報告をそれぞれ一覧表でまとめております。
 続いて、資料2-2-3について説明いたします。医療機器に関する外国措置報告については、企業が外国でも同一性を有する製品、つまり日本で承認を受けた医療機器と形状、構造、原材料、使用方法、効能、効果、性能等が同一性を有すると認められる外国で使用されている医療機器を製造販売している場合に、外国の規制当局などで取られた措置について、日本の行政当局に報告をするというものです。
 令和6年度前期では486件の報告がなされています。資料の一番右の2列には国内外での対応状況について記載しております。外国で措置を行った結果について、日本の対象製品がない場合を除き、おおむね日本においても同様の対応を取っている状況です。
 続いて、資料2-2-4について説明いたします。医療機器研究報告は、不具合の発生頻度、発生条件などの疫学調査や集計・分析等に関する内容の文献報告等があった場合に報告されるもので、今回は文献数にして1,988報ございました。なお、今回報告により、安全対策上の特段の措置が必要になったものはございませんでした。
○医薬品医療機器総合機構 続きまして、再生医療等製品について説明いたします。資料2-1の12ページを御覧ください。2-3-1に再生医療等製品の主な国内不具合報告をお示ししております。再生医療等製品は、国内報告全体で460件報告されております。表には期間中の不具合報告件数が多い3品目を記載しております。また、主な不具合又は健康被害状況については、報告件数上位3位の事象を記載しております。これらの報告は「資料2-3-1 再生医療等製品不具合報告」にまとめております。
 続きまして、資料2-1の13ページ、2-3-2を御覧ください。令和3年10月1日から令和6年9月30日までに、新再生医療等製品として承認された品目の国内不具合報告について説明いたします。表には期間中に国内不具合報告があった品目をお示ししており、主な不具合又は健康被害状況については、各々の品目における報告件数の上位3位までの事象を記載しております。なお、表に記載の品目以外に承認された品目は5品目ありますが、これらの品目については、期間中に国内不具合報告はありませんでした。
 続きまして、資料2-1の20ページを御覧ください。こちらについては資料の見方、集計の方法は医療機器と同様になりますが、国内での過去5年間の不具合報告の公表状況についてまとめたものとなります。
 続きまして、資料2-3-2について説明いたします。再生医療等製品に関する外国措置報告は、期間中19件ございます。内訳は、アベクマ点滴静注に関する報告が3件、カービクティ点滴静注に関する報告が10件、キムリア点滴静注に関する報告が1件、ブレヤンジ静注に関する報告が4件、ゾルゲンスマ点滴静注に関する報告が1件となっております。
 当該19件の外国措置報告のうち、主な措置内容を説明いたします。アベクマ点滴静注、カービクティ点滴静注、キムリア点滴静注、ブレヤンジ静注について、欧米の添付文書においてT細胞性の悪性腫瘍について追記するものであり、本邦添付文書において一定の注意喚起済みとなっています。カービクティ点滴静注について、製品投与後の骨髄異形成症候群及び急性骨髄性白血病について追記するものであり、本邦において現在対応中となります。
 加えて、キムリア点滴静注について、サイトカイン放出症候群及び神経系事象の管理方法として、最新のガイドラインを参照するよう記載を修正すること、並びにアナフィラキシーを含む重篤な過敏症反応が認められた旨を追記するものであり、いずれも本邦添付文書において一定の注意喚起済みとなっています。
 ブレヤンジ静注について、欧州添付文書の神経系事象の項に、免疫エフェクター細胞関連神経毒性症候群(ICANS)について追記するものであり、本邦添付文書において一定の注意喚起済みとなっています。また、ゾルゲンスマ点滴静注については、Infusion reactionについて追記するものであり、本邦において現在対応中となっています。
 なお、再生医療等製品に関する研究報告はございませんでした。説明は以上です。
○佐藤陽治部会長 ありがとうございました。それでは、ただいまの事務局からの説明に対して、御意見、御質問等、ございますか。いかがでしょうか。佐藤委員、よろしくお願いします。
○佐藤(好)委員 御説明ありがとうございます。産経新聞の佐藤です。僭越ながら、1点質問と2点コメントをさせていただければと思います。質問は14ページです。イエスカルタ点滴静注について、かなり不具合の発生が増えていますが、これは利用の増加によるものでしょうかというのが質問です。お答えを聞いて2点コメントをさせていただければと思います。
○医薬品医療機器総合機構 機構より御回答いたします。今、コメントいただきましたとおり、イエスカルタ点滴静注の国内不具合報告が増加している主な理由としては、使用患者数の増加等が主な要因と考えられると製造販売業者から回答を得ております。以上となります。
○佐藤陽治部会長 いかがでしょうか、よろしいでしょうか。
○佐藤(好)委員 ありがとうございます。コメント二つさせてください。再生医療等製品については、今国会に提出中の薬機法改正が通りますと、規格外品も含めた利用の増加が見込まれます。安全性については規格品と相違ないとの理解ですし、患者さんには朗報になると思いますが、注目もされやすいところですので、引き続き注視をお願い申し上げます。
 もう1点、17ページです。医療機器の因果関係評価の内訳は、医薬品とは大分割合に違いがあると拝見しました。薬と単純比較ができるわけでないことは理解しているつもりです。ただ、利用が増える中で、不具合の報告も増えていることですし、医療機器の分野で、薬のような副作用被害救済制度の仕組みが整っていないことは今後の課題かと思います。長期的な課題として御検討いただければと思っています。よろしくお願いします。
○佐藤陽治部会長 ありがとうございました。そのほか、コメント、あるいは御質問のある先生がいらしたら、いかがでしょう。よろしいですか。
 では、私から一つ。資料2-1の4ページにグラフがありましたが、昨年度から今年度前期に掛けて、外国では不具合報告が増加しているのですが、日本ではまだ増加していないと見えます。これは原因として、報告のタイミングがズレているのか、それとも、不具合のあるロットが日本に来てないのか、それとも、そもそも報告の基準が日本と海外とで違うのか、いろいろな可能性があると思うのですが、これはどれに該当するかという、事実関係をちょっとお話いただきたいのです。
○事務局 御質問いただきありがとうございます。報告が増加した原因として海外起因の理由を2点御説明させていただきました。まず、海外規制当局から海外製造元に指摘があった件に関しては、日本の製造元においても、この指摘に基づき同様に対応を行っております。国内の不具合報告についても多少の増加が見られているところではあります。ただし、その報告がされている期間が今回の集計期間には含まれておりません。次回の部会の際の集計期間に含まれる情報になりますので、今回、国内では同様の動きが見られなかったことになります。
 もう1点の海外製造元における情報処理の手違いがあった件ですが、こちらに関しては、海外での特有の事情から処理の手違いが生じたものでして、国内においては同様の影響は見られていないことが確認されております。また、この製品に関しては、国内と海外で少し処方のされ方が違いまして、国内では医療機関において処方される製品なのですが、海外においては、患者さんが直接購入できる製品ですので、その特性から苦情情報がより集まりやすい背景がありますので、その観点からも、国内報告では同様の影響が出ていないと、こちらとしては理解しております。
○佐藤陽治部会長 ありがとうございました。そのほかいかがでしょう、委員の先生方、よろしいですか。では、あともう1個だけよろしいですか。資料2-1の10ページのプログラム医療機器で、主な不具合又は健康被害状況という形で、最初の、遺伝子変異解析プログラムの所、「測定結果の誤報告による誤診断と処方のおそれ」という項目があるのですが、これの内容がよく分からないのです。本体の異常なのか、使用者が適正に使っていないのか、それともラボ自身の精度管理の問題も含むのかというところがちょっと分からないのです。これは、意図的にざっくりとそういうのを把握しようとしているのか、何か特別、今、三つぐらい挙げましたが、その中でどれか一つを指していたりするのか、その辺はどのように解釈したらいいのでしょうか。
○医薬品医療機器総合機構機器 少々お待ちください。
○佐藤陽治部会長 はい。というのは、その下の項目で、データ異常やアプリケーションプログラムの問題などの本体の異常は特に出しているので、となると、重複しているのか、どうなっているのかがちょっと分からないと思ったのです。
○医薬品医療機器総合機構機器 大変、失礼しました。機構から御説明します。こちらについては、医療機関でデータを、診断名を付けた状態で、それを製造販売業者に送って、それで解析を行うものなのですが、医療機関が診断名をその後に修正したといったこともあります。医療機関からの要請を受けてレポートが再発行されたという事例、このような事例が、最終的には結果として、測定結果の誤報告による誤診断と処方のおそれにつながったとして機構に報告されています。
○佐藤陽治部会長 そういうことなのですね。
○医薬品医療機器総合機構機器 主にそういう事例を指しております。
○佐藤陽治部会長 分かりました。では、本体が異常だったとかそういう話ではない。
○医薬品医療機器総合機構機器 今回についてはそのような話ではなかったことになります。
○佐藤陽治部会長 よく分かりました。ありがとうございます。
○医薬品医療機器総合機構機器 ありがとうございます。
○佐藤陽治部会長 では、いかがでしょうか。よろしいですか、ほかの先生方。では、議題2の報告は以上となります。ありがとうございました。
 次、議題3「医療機器・再生医療等製品の感染症定期報告について」にまいりたいと存じます。事務局から説明をお願いします。
○事務局 それでは、議題3「医療機器・再生医療等製品の感染症定期報告について」、資料3-1-1~3-2-2に沿って御説明いたします。まず、感染症定期報告について、制度の概要を御説明します。ヒトや動物等に由来し、保健衛生上特別な注意を要するものとして、厚生労働大臣が指定する生物由来製品については、その原材料が細胞組織等であることから、未知の感染因子(である細菌、ウイルス等)を含有している可能性が否定できません。また、感染症につきましては、一般的な医薬品・医療機器の副作用、不具合等と比べ、製品との因果関係が明確になる以前から潜在的に感染が進行するおそれがあり、さらに、感染した後は、時間の経過に伴い軽減することなく、一定期間経過後に顕在化するおそれもあります。このような背景を踏まえ、生物由来製品については、医薬品医療機器等法において、製造販売業者等に対し、製品への直接的な影響がいまだ不明の原料動物等の感染症に関する最新の知見等を常に把握し、それを集積した上で、感染症のリスクを多角的に評価・検討し、その結果を報告するよう義務付けております。これが感染症定期報告です。感染症定期報告で寄せられた情報については、本部会も含めた薬事審議会に報告し、措置が必要ないか御検討いただいております。以上が感染症定期報告の概要です。
 資料は3-1と3-2に分かれており、資料3-2は重複を含む期間中の全ての報告となっております。そのうち、重複や過去に報告されたものを整理し、今回の期間に新規に報告されたものをまとめたものが資料3-1になります。また、資料番号末尾が1の資料3-1-1及び3-2-1が医療機器、末尾が2の資料3-1-2及び3-2-2が再生医療等製品の報告をまとめたものになっております。
 それでは、資料3-1-1・医療機器の報告を御覧ください。今回は、2024年4月1日から2024年9月30日までに報告されたものをまとめております。詳細な説明は省略しますが、こちらについては、今回、新たに報告された文献は27件ありました。
 次に資料3-1-2・再生医療等製品の報告を御覧ください。こちらについては、今回、新たに報告された文献は8件ありました。これらの報告について、国立感染症研究所の脇田委員、宮﨑委員、国立医薬品食品衛生研究所の澤田委員に御確認いただいております。この場で御紹介すべき御意見は特段ございません。議題3の感染症定期報告に関する御説明は以上となります。
○佐藤陽治部会長 ありがとうございました。それでは、ただいまの事務局からの説明に対して、御意見、御質問等おありの先生がいらっしゃいましたら御発言いただきたいのですが、いかがでしょうか。よろしいですか。ありがとうございます。では、議題3の報告は以上となります。
 予定していた議題は以上です。事務局から何かございますでしょうか。
○事務局 事務局から1点、前回、令和6年8月1日の部会にて御説明した内容の訂正について御連絡いたします。前回の部会の際に、中川委員より御質問いただきました、人の体内に植え込む方法で用いられる医療機器、特定医療機器と呼ばれるものですが、こちらの使用者に関する情報の記録の義務に関して、その使用者の情報を医療機関が保存する義務があると御説明しましたが、正しくは、企業(承認取得者)に対して課されている義務です。なお、血液製剤等の特定生物由来製品に関しては、使用者の情報を医療機関等が保存する義務があると説明しましたが、こちらは正しい内容です。お詫びして訂正申し上げます。以上です。
○佐藤陽治部会長 ありがとうございます。ただいまの事務局からの説明に対して、御質問、御意見おありの先生方いらっしゃいますか。大丈夫ですか。ありがとうございます。
 では、事務局にお返しします。
○事務局 事務局です。次回の部会の日程については、令和7年8月頃を予定しております。別途、部会での審議等が必要な議題が生じた場合には、開催予定が早まることがございますので、その点につきましては御承知おき願います。なお、具体的な日時につきましては、事務局より、改めて先生方の御都合を伺って調整させていただきたいと思います。以上でございます。
○佐藤陽治部会長 それでは、これで令和6年度第2回医療機器・再生医療等製品安全対策部会を閉会とさせていただきます。年度末のお忙しい中、長時間御出席いただきましてありがとうございました。
( 了 )
備考
本部会は、公開で開催された。

照会先

医薬局

医薬安全対策課 安全使用推進室 医療機器情報専門官 (内線2751)