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- 第46回全国健康保険協会業績評価に関する検討会 議事録
第46回全国健康保険協会業績評価に関する検討会 議事録
日時
令和7年9月29日(月)14:00~16:00
場所
全国都市会館
議題
全国健康保険協会の令和6年度事業実績報告及び自己評価に対するヒアリング
(質疑及び業績評価についての議論)
(質疑及び業績評価についての議論)
- (1)船員保険
- (2)組織・運営体制
議事
- 議事次第
- ○片谷管理室長 では、定刻となりましたので、ただいまより「第46回全国健康保険協会業績評価に関する検討会」を開催いたします。皆様には、御多忙のところ、御出席いただきまして、ありがとうございます。事務局を務めます保険課の片谷です。どうぞよろしくお願いいたします。
本会議は、オンラインによる開催としております。
会議中、御発言の際は、Zoomの「手を挙げる」機能を使用せずに、カメラに向かって挙手いただくようお願いいたします。
挙手後は、座長の指名を受けた後に、マイクのミュートを解除の上、御発言いただき、終了後は再度マイクをミュートにしていただきますようお願いいたします。
また、議題などに対しまして御賛同いただく際には、カメラに向かってうなずいていただくことをもって「異議なし」の旨と確認させていただきます。御異議がある場合には、カメラに向かって挙手をお願いいたします。
次に、本日の出席状況でございますが、構成員の皆様全員御出席でございます。
全国健康保険協会におかれましては、座席表のとおり、御出席でございます。
では、これより西村座長に進行をお願いいたします。
恐縮ですが、会議冒頭のカメラの頭撮りはここまでとさせていただきますので、退室をお願いいたします。
○西村座長 それでは、これより私が進めてまいりますので、よろしくお願いいたします。
本日の議事の内容と資料について、まず、事務局より説明をお願いします。
○片谷管理室長 事務局でございます。
本日の議事でございますが、令和6年度事業実績のうち、船員保険と組織・運営体制についての御審議をお願いいたします。
次に、本日の資料でございますが、座席表、議事次第、出席者名簿の次に、資料1といたしまして、船員保険に係る業績評価シート。資料2といたしまして、組織・運営体制関係に係る業績評価シート。参考資料1といたしまして、全国健康保険協会の令和6年度業務実績に関する評価の基準。参考資料2といたしまして、健康保険事業に係る令和6年度事業報告書。参考資料3といたしまして、船員保険事業に係る令和6年度事業報告書の以上でございます。不足等がございましたら、事務局へお知らせ願います。
なお、御参考までに、本日の資料中、船員保険における重要度が付された事業項目は8項目、困難度が付された項目は7項目となっておりまして、全て事業計画に付されたもので、いわゆる後づけのものはございません。
また、組織運営関係につきましては、重要度、困難度が付された事業項目はございません。
以上でございます。
○西村座長 ありがとうございました。
早速ではございますが、業績評価の議論に入りたいと思います。
船員保険について、御説明をお願いいたします。
○森山船員保険部次長 船員保険部次長の森山でございます。よろしくお願いいたします。私からは、資料1の船員保険について御説明をさせていただきます。
初めに、5ページを御覧ください。基盤的保険者機能関係の、健全な財政運営の確保についてでございます。自己評価は「B」としております。
【自己評価の理由】に幾つかポイントを記載しております。○の1つ目ですが、2026~2030年度の中期的収支見通しを船員保険協議会へ示し、令和7年度保険料率の方向性についての事務局案を基に議論いただいた上で、保険料率を決定いたしました。○の2つ目にありますように、収支見通しについては、複数のパターンをお示ししました。また、一番下の○ですが、令和5年度の決算状況や事業運営状況等を掲載した「船員保険通信」を全ての被保険者及び加入者へ送付し、ホームページ上で情報発信を行っています。
以上のように、協議会での丁寧な議論による決定や全ての加入者への周知を行ったことから、自己評価は「B」としております。
続いて、14ページを御覧ください。正確かつ迅速な業務の実施についてでございます。こちらは困難度を「高」と設定しています。理由については記載のとおりでございます。
自己評価ですが、15ページに書いておりますように、➀保険証の交付については平均2.00日となり、100%を達成。➁職務内の給付申請の振込についても、サービススタンダードの100%を継続しつつ、平均所要日数6.17日と、迅速な給付を実施。➂その他事業計画に記載の事項についても着実に実施したことから、目標水準は満たしているとして、自己評価は「A」としています。
次に、17ページを御覧ください。適正な保険給付の確保でございます。自己評価は「B」としております。
【自己評価の理由】の1つ目の○にありますとおり、柔道整復施術療養費の申請について、多部位かつ頻回の施術が行われている申請や、1年以上の長期受診となっている申請について、文書による照会を行いました。さらに、照会文書に柔道整復師へのかかり方を漫画形式で説明したチラシを同封するなど、分かりやすい広報を行い適正受診の促進を進めた結果、柔道整復施術療養費の申請に占める施術箇所3部位以上かつ月10日以上の申請割合は、2023年度と同様に1.89%となりました。また、2つ目の○の被扶養者資格の再確認についても提出率は92.5%と、昨年度よりも0.5%改善しました。
以上により、達成状況を判定基準に照らし合わせ、自己評価は「B」としています。
次に、20ページを御覧ください。効果的なレセプト点検の推進についてでございます。こちらは、レセプトの内容点検業務について、効果的な点検を促進するための条件を付して、外部委託にて実施しております。
KPI目標値は、被保険者一人当たりのレセプト内容点検効果額を183円以上とする数値目標を立てております。実施結果ですが、内容点検効果額は194.4円、対計画値106.2%と、KPIを達成いたしました。
こちらは、達成状況を判定基準に照らし合わせて、自己評価は「B」としております。
24ページを御覧ください。債権管理・回収と返納金債権発生防止の強化についてでございます。この項目は困難度「高」で設定させていただいております。理由につきましては記載のとおりでございます。
KPIの達成状況ですが、KPIは3つ設定しておりまして、資格喪失後1か月以内の保険証回収率は90.4%と、KPIを達成いたしました。現年度の返納金債権の回収率、過年度債権の回収率は、ともにKPI未達成という結果でございましたが、自己評価については、船員の働き方の特殊性などを勘案し、困難度「高」と設定していることから、KPIの達成状況を判定基準に照らし合わせて、自己評価を「B」としております。
次に、28ページを御覧ください。DX(デジタルトランスフォーメーション)の推進についてでございます。重要度、困難度、ともに「高」と設定しております。理由につきましては記載のとおりでございます。
29ページ【自己評価の理由】のオンライン資格確認等システムの周知徹底の1つ目の○、2024年12月2日以降、保険証の新規発行が終了し、保険証の利用登録されたマイナンバーカードによるオンライン資格確認が原則となることから、マイナ保険証制度全般やメリット等について、船舶所有者・加入者にあらゆる機会を通じて周知広報を実施いたしました。ⅱ)マイナンバーカードと健康保険証の一体化への対応の2つ目の○に記載しておりますように、マイナ保険証制度全般やマイナ保険証の利便性・利活用、従来の保険証の新規発行終了後の取扱い、資格確認書の説明、保険証以外での医療機関等の受診方法及びQ&A等を掲載した「マイナ保険証のはなし」を作成して、船舶所有者及び被保険者へ送付したほか、記載の周知広報を丁寧に行ってまいりました。
33ページの2つ目の○、マイナ保険証利用率は2024年11月時点で18%と、国全体の利用率(19.74%)に比べてやや低い結果となっておりますが、マイナ保険証をお持ちの方も保険証により医療機関等を受診することが可能であり、同年12月以降も経過措置期間により既存加入者については継続して保険証を使用し続けられることを踏まえると、健康保険同様に定性的指標での評価をいただきたい。
その上で、自己評価については、マイナ保険証の利用促進について、健康保険同様に、難易度の高いKPIを設定、あらゆる機会を通じて積極的な広報を実施してまいりました。2024年11月時点での利用率は18%と、国全体の利用率(19.74%)と比較して、やや低い結果となりましたが、それ以降も継続して、準備期間の少ない中で、丁寧に周知広報等の対応を行ってきたことや、陸上にいる機会が限定される船員労働の特殊性も考慮して、自己評価を「A」といたしました。
次に、39ページを御覧ください。制度の利用促進についてでございます。事業計画のところに記載しておりますとおり、様々な制度に関する周知についてでございます。
KPIの達成状況ですが、職務上の上乗せ給付等の申請割合はKPIを達成したものの、高額療養費の勧奨に占める申請割合についてはKPI未達成となりましたので、判定基準に照らし合わせ、自己評価は「C」といたしました。
41ページを御覧ください。福祉事業の効果的な実施についてでございます。福祉事業としては、無線医療助言事業、洋上救急医療援護事業及び保養事業について実施してまいりました。無線医療助言事業、洋上救急医療援護事業は、船員の健康と生命の安全を守る上で重要な役割を担っており、陸から隔絶された船上で就労する被保険者の安全・安心のよりどころとなる重要な取組です。
自己評価は「B」としておりまして、無線医療助言事業については【自己評価の理由】に多く記載させていただいております。最初の○に記載しておりますが、令和6年度は、10年ぶりとなる無線医療助言通信ハンドブックの全面改訂、また、本事業の手続方法や重要性を分かりやすく伝える、利用者向けと医療従事者向けの2本の動画を作成いたしました。
その結果、42ページの1つ目の○にありますとおり、今年3月の船員保険協議会において動画を上映したところ、高い評価をいただきました。また、契約医療機関についても同様に「船員労働の特殊性や船舶内の労働環境について詳しく解説されており、院内研修や人事異動で新たに着任した医師への事業概要説明の際に活用できる」と、こちらも高い評価をいただいたところでございます。また、ハンドブックは、次の2つ目の○にありますとおり、10年ぶりの全面改訂で、実際に無線医療助言事業に携わっている医師に監修をお願いし、言い回しの現代化や医学的な知見から内容の正確性を担保するために記述内容について何度も指導を受けて作成したところです。5つ目の○ですが、日本水難救済会に委託している洋上救急医療援護事業は、令和6年7月1日より、従来の医師、看護師に加えて医療機関勤務の救急救命士を出動対象者として追加し、出動可能人材の量的拡大を図りました。また、保養事業については、利用促進に向けて、着実に取組を進めてまいりました。
福祉事業の効果的な実施について、今年度は多くの成果を残し、今後の事業の効果的な推進に寄与できたことを鑑みて、自己評価は「B」といたしました。
47ページを御覧ください。サービス向上のための取組についてでございます。事業計画に記載しておりますとおり、例年、お客様満足度調査を実施しております。
【自己評価の理由】の最初の○に記載しておりますが、お客様満足調査の結果は、船員保険部の役職員で構成するサービス向上委員会において業務改善等について議論、船員保険部内全体へ周知し、情報を共有しております。
以上の取組を毎月進め、達成状況を判定基準に照らし合わせた結果、自己評価は「B」といたしました。
続いて、49ページを御覧ください。こちらからは戦略的保険者機能関係でございます。
初めに、特定健康診査等の推進についてでございます。重要度、困難度、ともに「高」と設定しております。理由につきましては記載のとおりでございます。
KPIとしまして、50ページに記載しておりますように、生活習慣病予防健診、船員手帳健康証明書取得、被扶養者の特定健診と、3つの実施率について、目標を設定、自己評価は「B」としております。
実施状況ですが【自己評価の理由】を御覧ください。まず、○の1つ目に、健診実施機関の拡充に向けての取組として、船員が多く、健診機関が少ない地域として宮城県の沿岸地域を選定し、中核病院3機関について、協会けんぽの支部と協議を行って、契約の勧奨を実施いたしました。その結果、2機関から契約に向けた検討をいただくことができました。また、○の2つ目にありますように、船員の不規則な乗船スケジュールに合わせた港での巡回健診を327回実施いたしました。
51ページの○の2つ目、手帳データの収集では、船舶所有者に対して文書勧奨を実施、さらに国土交通省より関係団体へ船員手帳の健康証明書データを提出するよう事務連絡を発出いただき、再勧奨を実施いたしました。
KPI実績については、3つの目標とも未達成でございましたが、生活習慣病予防健診受診率、被扶養者の特定健診受診率は、ともに過去最高となったところです。自己評価ですが、船員労働の特殊性や漁村付近における健診機関の不足等、船員保険特有の構造的課題により、困難度を「高」と設定していることから、KPIの達成状況を判定基準に照らし合わせて、自己評価を「B」としております。
54ページ、55ページにつきましては、受診勧奨のリーフレットを掲載させていただいております。
続いて、59ページを御覧ください。特定保健指導の実施率の向上についてでございます。こちらも、重要度、困難度は「高」と設定しております。理由については記載のとおりでございます。
KPIは、被保険者、被扶養者、それぞれの特定保健指導実施率について設定していますが、被保険者は未達成、被扶養者は達成という結果でございました。自己評価は「B」としております。
【自己評価の理由】でございますが、60ページを御覧ください。乗船中等で面談できない被保険者が多いことから、健診当日の初回面談の分割実施を積極的に行うことや、ICTを活用したオンライン面談を実施してきました。ともに、前年度の実施件数を上回ったところでございます。
KPIの達成状況を判定基準に照らし合わせ、困難度を「高」としている事業であることから、自己評価は「B」としております。
次に、63ページを御覧ください。加入者の健康意識向上に対する支援についてでございます。自己評価は「B」としております。
【自己評価の理由】の1つ目の○に記載しております、生活習慣病の重症化予防を図るために、健康リスクに応じたオーダーメード型の情報提供通知、オーダーメード通知を送付いたしました。
また、64ページの1つ目の○に記載しております、加入者自身やその家族の心身の健康等について、いつでも気軽に相談できる窓口としての船員保険電話健康相談の提供、さらに3つ目の○の、船員保険健康アプリの運用による多彩な健康情報の配信等、加入者の健康意識向上に一定の効果を与えたことから、こちらは自己評価を「B」としています。
次に、67ページを御覧ください。加入者の禁煙に対する支援についてでございます。自己評価は「C」としております。
船員保険部におけるデータヘルス計画に含まれている喫煙対策についてですが、船員保険部ではオンラインによる禁煙プログラムを実施しております。KPIとしては、プログラム終了者を70人以上とすることとしております。
先日、古井先生から御指摘いただきました点、数値目標の設定、考え方につきまして、67ページの【自己評価の理由】の1つ目の○に記載しております。第3期データヘルス計画では終了者450名を最終目標としまして、当面、2024年度から2026年度までの目標数を270名としております。
68ページの下から2番目の○を御覧ください。プログラム終了者は67人と、KPIには届きませんでしたが、プログラム終了者の約7割である47人の方が禁煙またはたばこを吸う本数や回数を減らすといった減煙に成功することができたところです。
従来の6か月で禁煙を目指すコースに加えて、新たに3か月の短期間での禁煙を目指すコースも新設して進めたところですが、達成状況を判定基準に照らし合わせて、自己評価は「C」としております。
次に、70ページを御覧ください。船舶所有者等の健康意識向上に対する支援についてでございます。自己評価は「B」としております。
長年「健康は個人が管理するもの」として考えられてきた海運・漁業業界における意識を変化させることは容易ではない中、様々な船舶所有者等の健康意識向上に対する支援の取組を進めました。船舶所有者単位の健康状態を見える化した「健康度カルテ」の送付、また、出前健康講座においては、取組開始以降、最も多い実施回数であったとともに、71ページの4つ目の○、受講後のアンケート結果では「とても満足」「おおむね満足」と御回答いただいた方が関係団体向け講座で約92%、船舶所有者向け講座で約96%と、高い満足度を得ることができました。
船員養成校における特別講義においても、71ページの6つ目の○の受講後のアンケート結果では約97%と、どちらも高い満足度を得られました。さらに、船内で活用ができる「健康的な食事」に関する広報物を通じて、船員のよりよい食習慣に寄与する取組も実施して、船舶所有者等の健康意識向上に努めたことから、こちらは自己評価は「B」といたしました。
78ページを御覧ください。船舶所有者とのコラボヘルスの推進についてでございます。この事業は、重要度、困難度、ともに「高」と設定しております。理由については記載のとおりでございます。
主な取組としては【自己評価の理由】に記載しております。1つ目の○から4つ目の○にかけて、関係団体と連携した様々な取組を行ったことを記載しています。協会設立以降初めて理事長が国土交通省海事局長及び水産庁長官を訪問し、船員の健康づくり推進に関する連携強化について対談を実施いたしました。また、地方運輸局や船員災害防止協会と調整して、当該機関が全国各地で主催する会議、12会場において「船員の健康づくり宣言」についての説明を行いました。ほかにも、日本内航海運組合総連合会主催のセミナーや水産庁が主催する漁船安全操業推進会議においても「船員の健康づくり宣言」に関する周知を進めたところでございます。
さらに、79ページの4つ目の○、船員保険部の職員が8都県の船舶所有者41社を訪問し、直接、エントリー勧奨を行ったり、7つ目の○、「船員の健康づくり宣言」にエントリーして、優れた取組を実施いただいている船舶所有者5社にインタビューを行い、各社の取組を事例として紹介した「健康づくり好事例集」を作成して、エントリー船舶所有者へ提供を行ったところでございます。
ほかにも、80ページの最初の○に記載しております、船員保険被保険者はほかの健康保険の平均と比べてう蝕の重症化率が高い、歯周疾患の重症化率が高い等の特徴が歯科分析により明らかになったことを踏まえまして「船員デンタルケアキット」の提供を開始いたしました。また、3つ目の○、「船員の健康づくり宣言」では、経済産業省の「健康経営優良法人認定制度」の認定に向けたフォローアップも積極的に行っておりますが「健康経営優良法人2025」として船員保険加入の船舶所有者が30社以上認定を受けたところでございます。
以上のような様々な新たな取組も含めて、健康づくり支援の拡充に積極的に取り組み、宣言のエントリー数も85社増の330社となり、KPIを大幅に上回りまして、量的及び質的にも顕著な成果を得られていると考えまして、自己評価を「S」とさせていただいております。
次に、84ページを御覧ください。ジェネリック医薬品の使用促進でございます。こちらも、重要度、困難度、ともに「高」と設定しております。理由については記載のとおりでございます。
自己評価についてですが、KPIは85.0%としているところ、結果は90.6%と、目標を達成できました。KPI達成状況及び困難度を鑑みて、自己評価を「A」といたしました。
次に、89ページを御覧ください。情報提供・広報の充実についてでございます。加入者への情報提供については非常に重要であり、様々な情報提供・広報を行ってまいりました。自己評価は「B」としております。
【自己評価の理由】、90ページの1つ目の○、日本年金機構から船舶所有者に毎月送付するの保険料納入告知書に、船員保険制度や実施事業等の様々な情報を盛り込んだチラシ「船員保険丸」を同封して、船舶所有者に時宜を得た情報提供を行いました。特に、2024年12月2日の保険証新規発行終了の前後においては、保険証の新規発行が終了すること、マイナ保険証の利用登録や資格確認書、資格情報のお知らせについて、積極的に周知広報を行ったところです。また、2つ目の○に記載しております、マイナ保険証利用率の向上を図るために「マイナ保険証のはなし」を新たに作成して、加入者や船舶所有者が知りたい内容を掲載し、毎年度作成している船員保険通信に同封して周知広報を行いました。さらに、5つ目の○、2024年度より、実施事業のより幅広い周知と事業運営の透明性の向上のため、関係省庁の記者クラブ等へプレスリリースを開始、記載のとおり実施いたしました。6つ目の○、ホームページへのアクセス総件数は120万1,048件ということで、KPIを達成しております。
91ページの2つ目の○、船員の健康づくりを推進するための船舶所有者と船員保険部の架け橋としての役割を担っていただく「船員健康づくりサポーター」の登録者数も、船舶所有者への御案内送付や電話による登録勧奨等、周知を進めた結果、登録者数は2025年3月末現在で284名(前年同期比117名増)となったところでございます。
以上のように、様々な情報提供・広報の取組、マイナ保険証については加入者や船舶所有者が知りたい内容を丁寧かつ重層的に周知広報を行って、円滑に制度移行ができたことや、ホームページのアクセス数や健康づくりサポーター数についても前年度を上回る結果を残せたことを鑑みまして、自己評価は「B」といたしました。
最後は、96ページ、調査・研究の推進についてでございます。自己評価は「B」としております。
【自己評価の理由】の○の1つ目「経済財政運営と改革の基本方針2022(骨太の方針2022)」において生涯を通じた歯科健診について明記されたこと等を踏まえまして、2022年度及び2023年度に歯科に係る分析を行ったところ、船員保険被保険者はほかの健康保険の平均と比べて、歯科の受診率が低い、う蝕の重症化率が高い、歯周疾患の重症化率が高いなどの特徴があることが明らかになりました。これらの特徴は、船上での中長期にわたる生活の中では予防という観点で定期的に歯科医へ受診することが困難で、歯の痛みや症状が出現してから受診するという船員特有の受診行動が影響しているものと考えられます。以上の分析結果を踏まえまして、2つ目の○に記載しております、被保険者自身が歯・口腔の状況に関心を持ち、ふだんからセルフケアに取り組んでいただくために、2024年度は「船員デンタルケアキット」の提供を試行的に実施いたしました。船員デンタルケアキットは「船員の健康づくり宣言」のアクティブコースにエントリーした船舶所有者への支援メニューとして提供しました。
97ページの1つ目の○ですが、この船員デンタルケアキットがきっかけでアクティブコースにエントリーいただいている88社のうち約65%となる57社から利用申込みがあり、2,009名の被保険者に船員デンタルケアキットを御活用いただけました。さらに、97ページの2つ目の○、船員デンタルケアキットの効果検証を実施したところ、利用した被保険者の利用後6か月間の歯科医院受診率は46%となり、未利用者の受診率28%を上回る結果となりました。利用のあった船舶所有者を対象にしたアンケート結果においても、歯の健康に取り組む必要性を感じたとともに、意識や行動変容も見られたことを考えまして、自己評価は「B」といたしました。
長くなりましたが、船員保険の業績評価シートについての御説明は以上でございます。
○西村座長 ありがとうございました。
では、ただいまの御説明や資料の内容について、御質問、御意見などございましたら、挙手でお願いいたします。
森下先生、お願いします。
○森下構成員 御説明ありがとうございました。質問事項になるかと思うのですが、20ページの「➃効果的なレセプト点検の推進」という項目でございます。
質問ですけれども、内容点検検査査定額が下回ったことなどから、昨年度の最終評価「A」から今年度は「B」と悪くなっている点が気になりました。今年度は、昨年度実績を下回ったものの、過去3年度の平均値であるKPIの値がわずかに上回ったという理由での評価でありますが、今後、さらに査定率のアップに向けて、いろいろな工夫などをお考えだと思いますが、この辺について御説明いただけたらと思います。
そして、その外部事業者への委託業務が効率的だと私も思っておりますけれども、外部委託業者といっても、選別するほど数が多いとは思えないのですが、今後の査定率の向上の考え方について、この辺も含めて、どのように思われているのか、御意見を伺いたいと思います。
以上です。
○西村座長 ありがとうございました。
では、御質問のありましたレセプト点検について、どのような工夫を行っているか、どのような考えかについての御説明と、あと、外部委託業者の選定などについても、御説明をお願いできますでしょうか。
○森山船員保険部次長 船員保険部次長の森山でございます。森下構成員、御質問ありがとうございます。
レセプト内容点検ですけれども、現在、外部委託で実施しておりまして、レセプト一件当たりの単価部分と成功報酬部分とを合算した金額を支払う契約といたしまして、外部委託にて実施しております。外部委託の際に、査定結果の分析を基に高額査定につながるような事例が点検されているかといった定期的な打合せもしてまいりました。
また、船員保険より高水準である健康保険による査定率を提示いたしまして、高額査定につながる事例を点検するよう進めてきたところでございます。今後も、そういった観点を踏まえて実施してまいろうと思っております。
以上でございます。
○西村座長 森下先生、よろしかったですか。
○森下構成員 外部委託ということで、業者さんの選定等も難しいと思います。また、やはり査定の効果をどのように高めていくか、これからもいろいろと工夫をされてやられていることを期待しているところです。
○西村座長 ありがとうございました。これからも、今の御意見の指摘などを踏まえて、検討をお願いしたいと思います。
それでは、ほかにございますでしょうか。
尾関先生、お願いします。
○尾関構成員 御説明ありがとうございました。
私からは質問が2点ありまして、まず1点目、債権管理・回収業務の24ページ辺りなのですけれども、令和6年度は、返納金債権の回収率は、現年度、過年度、ともに前年比減少しているのですけれども、特に過年度分は、金額は少ないですが、27ページを見ていただきますと、収納額が500万円に対して欠損額が600万円と、欠損のほうが多い状況になっています。その理由として、高額債権が多く、分割納付や法定手続に移行したためと書いてありますが、なぜ高額になるまで債権がたまってしまったのかというところの要因と、今後高額になるまで溜まらないような対応策についてお聞きしたいというものが第1点目でございます。
2点目は、特定健康診査等の推進です。これは49ページでございますけれども、国の指針で2029年度の目標値が70%とされており、重要度の高い項目ですけれども、現状、KPIをいずれも下回っているという状況です。被保険者の業務の性質上、一定期間は陸上を離れてしまうとか、あるいは健診機関がなかなか少ない地域で、健診を受ける機会がないとか、そういった事情はあると思い、それは理解できるのです。いろいろ工夫はされていますが、このペースですと、なかなか目標達成というものは難しいかなと思っていまして、協会けんぽの支部との連携を強めるとか、さらなる施策が必要だろうと思っております。2029年に向かって、実績を高めるためのさらなる施策をお考えでしたらお聞きしたいと思っております。
以上、2点でございます。
○西村座長 ありがとうございました。
一つは債権管理の管理・回収についてと、もう一つ、特定健診の、現状、KPIを下回っているので、どのように今後も含めて取り組んでいこうとしているかなど、御説明をお願いしたいと思います。
○森山船員保険部次長 尾関構成員、御質問ありがとうございます。
まず、1つ目の返納金債権の回収の関係なのですけれども、高額になる主な原因としては、まず、船員保険の給付、傷病手当金と労災保険の給付が並行して申請されている場合に、後日、労災認定されることにより、船員保険側の給付について返還を求めることがあります。労災の支給決定までに時間を要するケースでは、その間の船員保険給付額が高額になる場合がございます。また、年金給付額との調整において、年金の決定が後日されたことなどによりまして、遡及して過払い給付についてお返しいただくことがございます。障害年金等の認定に時間を要する場合に調整対象期間が長期になることもございます。
さらに、船員保険の傷病手当金は支給期間が最大3年間と、陸上の協会けんぽの1年6か月と比較して長期間の給付が行われることがあります。このため、ほかの制度との調整が発生した際に遡及期間も長くなりまして、結果として返還額が高額となる要因となっております。これらの問題の根底には、労災や年金などのほかの制度との調整が複雑にありますので、労働基準監督署をはじめとする、関係機関との情報連携を強化いたしまして、情報共有や早期把握に努めまして、高額債権の発生防止を図ってまいりたいと思っております。
もう一つの健診のところなのですけれども、こちらは業績評価の資料の50ページを御覧いただけたらと思います。健診機関の拡大については、資料の50ページに記載のとおり、船員が多い一方で、健診機関がほかより少ない地域に対して、先ほど尾関構成員からもお話しいただきましたとおり、協会けんぽ支部と調整して、契約勧奨を実施しております。健診機関が少ない具体的な都道府県は、青森、岩手、宮城、愛媛、高知、山口、長崎、熊本、宮崎などとなっておりまして、該当地域の健診受診率は、その多くが全国平均を下回っております。船員保険では、令和6年度の下期より協会けんぽ支部に健診機関の情報提供等の協力を依頼しておりまして、令和7年1月に宮城支部、6月に熊本支部の協力の下、健診機関を訪問して契約勧奨を実施いたしました。
また、被保険者の巡回健診につきましては、資料の50ページに記載しております、ニーズのある港を中心に実施しておりますけれども、乗船スケジュールや開設費用との採算など、実施回数を増やすための障壁がございます。これらの課題を解決するため、船員保険では委託先を通じて船舶所有者へ訪問営業を行っておりまして、健診内容や料金を説明して、巡回健診の利用勧奨を行っております。健診機関の拡大や巡回健診の取組は今年度以降も引き続き実施いたしまして、先ほど御質問いただきました2029年度までの目標回数達成に向けて邁進していきたいと考えているところでございます。
以上でございます。
○西村座長 ありがとうございました。
よろしいでしょうか。
○尾関構成員 御説明ありがとうございました。
前段の返納金のほうは、労災保険が下りるということですので、何とか労災関係者との連携を深めていただいて、その資金を回収に回せるような仕組みづくりも検討していただければと思っております。ありがとうございました。
○西村座長 ありがとうございます。
ほかにございますでしょうか。
では、古井先生、お願いします。
○古井構成員 ありがとうございます。私から3点コメントさせてください。
まず、49ページ目の特定健診のところで、先ほどの先生からもお話がありましたが、健診の実施機関がない地域で巡回健診というものがありまして、この巡回健診の頻度がどのぐらいなのかなというものと、この巡回健診をある程度広げることでカバー率がやはり上がるのでしょうかというものを少し質問させていただきたいのがあります。
2つ目は、特定保健指導のところなのですけれども、先ほどのお話が。
○西村座長 何ページになりますか。
○古井構成員 59ページ目になります。
健診当日でやるのは非常に有用だなと思いながら、恐らく当日、なかなか完璧に特定保健指導の要件が満たせる、そもそも実施機関がないのかなと思っていまして、その場合に、もちろん、厚労省のいわゆる要請はあるのですが、船員保険さんとして、全くやらないということよりは、当日できる範囲でも、ある程度、それは実施率にならないわけですけれども、ただ、ゼロベースよりは少し健診当日に何か働きかけをするというやり方も、特定保健指導ではありませんが、健診後フォローとしての保健指導的な要素として意義があると思うのですが、そういうことをやられるお考えはありますでしょうかというものが2点目です。
最後、3点目が、89ページ目のところの情報提供で、KPIの実績が上がっているのですけれども、このホームページへのアクセス件数がどの辺のホームページのカテゴリーへのアクセスが増えているのかというものがもしお分かりになれば教えていただければと思います。
以上です。
○西村座長 ありがとうございました。
御質問が3点ありました。まず1点目は、特定健診、49ページのところで、巡回健診はどのくらいで、そのやったことによるカバー率はどのくらい上がっているのか。2点目が、特定保健指導、当日が効果的ですが、当日特定保健指導を実施できないでも、当日、何かしらの指導的なフォローなどをやっていくなどの対応についてお考えはどうかということ。3点目は、情報提供について、ホームページのアクセス数などが分かりましたらお教え願えますでしょうか。アクセス先がどの部分かについても、分かりましたらお願いできますでしょうか。
○稼農理事 船員保険担当理事の稼農でございます。先生、ありがとうございます。
まず、1点目の巡回健診でございますが、先ほどの資料にもございますとおり、年間327回ということで、この巡回健診は、バスで港を回るということで、専門的に過去からずっとやっている船員保険会のほうに委託して、熱心にやっていただいているというものが実情でございます。なかなか327回やるだけでもかなり、離島とかにも行っていただいておりまして、10人も満たない方々のために船員の健康確保ということで船に乗せて検診車を送り出してやるということで、もちろん、前から周知してやっているということであります。
先ほど次長からも申しましたとおり、港、沿岸地域における健診機関、もっと言えば、医療機関も少ない地域でなかなか健診ができないというところに、しかも、漁業に出る前の朝5時とか7時とか、そういった時間帯で巡回をやっておりますので、数というよりは、どちらかというと、隅々まで健診をしに参りますというようなところが主眼になっておりますので、この巡回健診において実施率に跳ねるというものはあまりないところでございます。回数的には年間327回、毎年300回を超える健診をやっているというものが実情でございます。
1点目は私のほうからお答えしました。
○西村座長 ありがとうございました。
ほかの2点目、3点目の御質問についてお願いできますか。
○森山船員保険部次長 古井先生、ありがとうございます。
2つ目の御質問なのですけれども、特定保健指導同様に、健診のほうは、船員の方々はやはり下船・乗船を繰り返しますので、そういったところでなかなか受ける機会というものが少ないですから、そういったところを、受けられるときにやっていただく。特定保健指導のところでも御説明しておりますけれども、健診の当日、分かる範囲で初回の面接等を行う等、そういったところを工夫して行って進めているところでございます。
もう一つ、ホームページのほうなのですけれども、こちらは全体的に何とも言えないところがありますけれども、マイナ保険証関係とか、こういったところは多く閲覧いただいているところでございます。
以上でございます。
○西村座長 ありがとうございました。
よろしいですか。
○古井構成員 ありがとうございます。
1点目のお話は、先ほど尾関先生も御指摘されていたと思うのですが、我々も離島などにヒアリングに伺って、国民健康保険もフェリーで健診バスを持ってきてという、すごい苦労をされていて、そういうほかの保険者さんもそういった離島に関しては、あるいは人の少ないところはかなり困っていらっしゃるので、違う保険者さんとの共同事業化というものも、協会けんぽの支部もそうかもしれませんけれども、そういうことも今後検討が有用なのかなというふうに感じたところです。どうもありがとうございます。
○西村座長 ありがとうございました。
確かに、共同で国保と協会けんぽが行うことが可能になってまいりますと、さらに効果が見えてくるのかもしれないです。アドバイスありがとうございました。
それでは、ほかにございますでしょうか。
伊藤先生、お願いします。
○伊藤構成員 ありがとうございます。伊藤です。
船員保険は、保険者の単位がそんなに大きくないことで保険者機能を発揮しやすい面がある程度出ていると感じています。もちろん、船員労働の特殊性ということもあって、パフォーマンスがなかなか上がらないという面もあるとは思っていますが、オーダーメード型の情報提供、相談、う蝕対策、船舶所有者とのコラボを積極的にされているということは、この小さい保険者単位というものが機能している面があるのではと、昨年もそう感じましたけれども、今年度も非常にそう感じているところです。
それで、資料を読んでいると質問とか意見が結構あったのですけれども、健全な財政運営、DX、あとはジェネリックのところについては前回の協会けんぽの本体と似たような、共通するような意見となりますので、控えさせていただこうと思います。
財政運営のところについては、重要度、困難度のつけ方が同じではないというところもありますし、また、船保協議会での議論を踏まえてと書いてある中でどんな議論があったのかということはあまり資料からは見てとれないところがありましたので、お聞きしたいところですが、もしあれば資料提供などをいただければと思います。
質問を3点に絞りまして申し上げたいと思います。
まず、14ページの「➁正確かつ迅速な業務の実施」というところについて、困難度の理由のところで書いてあることなのですが、これは職務外給付申請に係るサービススタンダード10日以内の達成ということですが、これを船保の事業報告書のほうを拝見しますと、12ページのところということでよろしいのでしょうか。図表3-8というところでよろしいのかというものが、まず1点、確認です。というのは、困難度のところの下から2行目なのですが、申請件数が一時的に急増した場合においては云々かんぬん、困難度が高いとありますので、その推移を確認したいということです。
次に、2点目です。「➆制度の利用促進」というところなのですけれども、39ページから始まるところです。こちらは、KPIの1つ目の高額療養費の勧奨に占める申請割合というところなのですが、それに関する説明が40ページの一番上のほうのⅰ)にありますが、ターンアラウンド通知を行っているということで、丁寧にそういうことをやられているということなのですが「送付する」と書いてあるので、その送付方法について確認させていただきたいと思います。ほかのところの記述、広報とか様々なところで、船員労働の特殊性というところで、なかなか伝える方法が課題というような認識が見られたので、どのような形でターンアラウンド通知をされているのかを確認したいというものが2点目です。
最後です。49ページから始まります戦略的保険者機能の1つ目のところの特定健康診査です。これは本当に基本的なことですが、2つ目のKPIに船員手帳健康証明書データ取得率18.0%以上というところがあります。今年度からKPIが変わっているのだと思うのですが、この18.0%というKPIが昨年までは32.0%だったようなのですが、ほかのところも違ってきているとは思いますけれども、大きく変わっているようです。今回の説明で、51ページの2つ目の○のところで「船員手帳健康証明について、インターネットによる提出勧奨は見合わせた」と書いてあるのですが、なぜそういう経緯があったのかというようなことも教えていただきたい。先にインターネットによる提出勧奨がやりにくくなってしまったからKPIを下げたというような経緯なのか、逆にKPIを下げたものの、さらに提出勧奨をインターネットでやることも無理になってしまったので、もっと難しくなったみたいな話なのかというところを教えていただきたいというものが3点目です。
以上です。
○西村座長 ありがとうございました。
御質問を3点いただいたところです。1点目が14ページの業務の運営、サービススタンダード10日以内が、お示しいただいた、推移が図表8でよろしいのか、そこも御説明をお願いします。2点目は、39ページ、制度の利用促進のところで、ターンアラウンド通知の送付方法。確かに、船員の方々だとどのように送付されているのかというところは気になるところで、どのような方法なのか、教えてください。3点目は、49ページ、特定健康診査のところです。KPIを少し変更し設定されているということ、特に2つ目のKPIのところの変更などについて、御説明をお願いできたらと思います。
○稼農理事 担当理事の稼農でございます。まず、御質問というよりは、冒頭に船員保険の財政運営、健保との違いもあるのでというお話をいただきましたので、簡潔に御説明させてください。
御案内のとおり、協会けんぽ加入者は4,000万人でございます。船員保険は約11万人ということでございまして、かなり規模の大きさに違いがございます。また、船員保険ですので、まさに船員の皆さんのための保険でございまして、加入者の皆様の所属する会社はそれぞれ異なりますが、言わば同じ業界、船員業界、海運・漁業業界の、どちらかというと総合健保的な色彩が強い保険かなというふうに実感しております。ここ数年は海運・漁業は好調ですので、標準報酬の伸びが顕著な状況にありますが、一方で、世界経済の状況だったり、危険地域があるとコンテナの運賃が上下したりと、いろいろ世相・経済の状況を報酬が受けやすいというところもあって、なかなか予断を許さないというところも一方であるところでございます。
そんな中で、船員保険協議会では議論として、とにかく中長期的な、安定的な財政運営をやってくれというような御意見がまずございます。また、事業運営につきましても、先ほど来、御質問いただいておりますように、健診受診率の向上を行うためにも健診実施機関数の拡充をぜひ図ってほしいという御意見をいただいております。また、船員の皆様は海上で生活される場面が非常に長うございますので、船員の健康と安全を守る無線医療助言事業などの各種保健福祉事業の着実な実施というものをぜひ続けてほしいというような様々な御意見をいただいておって、それを私ども、事業計画予算に反映しまして、船員保険協議会のそれぞれの委員の皆様の御意見をいただきながら、緊張感を持って事業運営をしているというような状況でございます。
私からは以上です。
○西村座長 ありがとうございました。
伊藤先生からの冒頭のところの御質問・御意見についても御説明ありがとうございました。
では、ほかの項目の御質問について、御説明をお願いします。
○森山船員保険部次長 船員保険部次長の森山でございます。伊藤先生、御質問ありがとうございます。
まず、1つ目の職務外給付申請の推移なのですけれども、こちらはお手元の令和6年度の事業報告書を御覧いただけますでしょうか。こちらの12ページをお願いいたします。参考資料3になります。
こちらに、職務外の事由に関する現金給付等の年度ごとの申請件数の推移が出ております。サービススタンダードの対象としております給付のうち9割程度を占める傷病手当金に関しましては、新型コロナウイルスの第7波が生じた令和4年度におきまして、前年度比30%増の9,086件のピークを迎えたあと減少しておりまして、令和5年度が8,221件、令和6年度が少し増えまして8,332件となっているような状況でございます。
続きまして、2つ目の質問の高額療養費の勧奨の関係です。こちらはターンアラウンドの具体的な実施方法ということなのですけれども、こちらは高額療養費の申請が出てきていない方に対して勧奨が行われておりますけれども、こちらは診療月の6か月後に初回の文書勧奨を実施しております。四半期に一度、初回文書勧奨未提出者に対しまして初回文書勧奨から3~5か月後に、船員の方は長期不在の可能性もありますので、2回目の文書勧奨を実施しております。対象者につきましては、標準報酬月額がレセプトの点数を基にシステムで抽出して実施しているところでございます。自宅のほうに郵送させていただいております。
3つ目の御質問でございます。船員手帳健康証明書データ取得率のKPIで、こちらは18.0%とした理由というところなのですけれども、こちらは先ほどのもう一つ、インターネットによる提出勧奨を見合わせた件とは別な理由でございまして、健康証明書データ取得率につきましては、6年ごとに作成する特定健康診査実施計画と連動しているところでございます。令和6年度は第4期特定健康診査等実施計画の1年目でありまして、令和11年度の最終目標を達成するために、各年度で段階的になるように目標を再設定いたしまして、被保険者は健診等実施率目標を、令和6年度が68%、最終の令和11年度は80%としたところでございます。ちなみに、令和5年度、第3期の最終年度では82%という目標を設定しておりました。また、被保険者の、健診実施率は生活習慣病予防健診と健康証明書データ取得率の合算としておりまして、近年、健康証明書から生活習慣病予防健診へ乗換えが多くなっておりますので、この令和6年度の生活習慣病予防健診の実施率目標を50%、健康証明書データの取得率を18%としたところでございます。
インターネットによる提出勧奨につきましては、こちらは国土交通省における船員行政手続のデジタル化において、船員手帳健康証明書の様式の見直しが検討されておりまして、令和9年度に新様式として船員手帳から独立させるという公表がされておりますので、そういったところも踏まえまして、提出勧奨の開始時期等を考えたいと思っているところでございます。
以上でございます。
○西村座長 ありがとうございました。
よろしいでしょうか。
○伊藤構成員 ありがとうございました。
2つ目の高額療養費の送付方法は自宅に郵送で2回行っているということだったのですが、これはやはりこれしかない、これ以上の効果的な方法はないという感じでしょうか。現時点で受診勧奨をするにはこういうことしかないのかというところをもう一回お聞きできればと思います。
あと、船員手帳健康証明書データのほうはこういう理解でいいですか。実施計画が6年ごとで、前は5年だったかなと思うのですけれども、令和6年度がスタート年だから、発射台がそこからまた変わり、目標に向けて6等分の目標とした、機械的にスタート年度は18%にしたということで、令和6年度はちょうど実施計画が変わった初年度であり、前年度との継続性はあまり関係ないというようなことで理解すればよろしいでしょうか。
雑な質問ですけれども、もう一回お願いいたします。
○西村座長 では、ターンアラウンド通知方法、すぐには他の方法を思いつきませんけれど、やはり自宅に郵送という方法しかないのかどうなのかというところですね。それから、スタート年の数値設定についてはどういうような考え方で設定があるのかという御質問です。お願いできますでしょうか。
○森山船員保険部次長 伊藤先生、ありがとうございます。
まず、高額療養費のターンアラウンドのほうですけれども、こちらは現時点では、船員の方々はやはり船上と陸上と、いる機会というものが限られていますので、そういったところで2回の勧奨を行っておりまして、現時点ではこういう形の勧奨方法が一番ベストだと思っているところでございます。
もう一つ、船員手帳の関係につきましては、伊藤先生がおっしゃったとおりでございまして、こちらは今、新しい第4期特定健康診査等実施計画の1年目でありますので、そういったところで、最初の数値目標をこれからどんどん上げていくような形でございます。
以上でございます。
○伊藤構成員 ありがとうございました。
○西村座長 いろいろ、御質問、御意見ありがとうございます。
ほかにございませんでしょうか。
ありがとうございます。
それでは、船員保険についての議論をここまでといたしまして、次のテーマに進みたいと思います。
続きましては、組織・運営体制について、まずは御説明をお願いします。
○小西総務部長 総務部長の小西でございます。それでは、資料2の組織・運営体制について、御説明いたします。
こちらのパートなのですけれども、Ⅰの➃、➄、Ⅱの➀~➃については、私ではなく、内部統制室長から、Ⅱの➄、Ⅲのシステム対応についてはシステム部長から後ほど御説明させていただきます。私はそれ以外の部分を先に御説明いたします。
まず、5ページでございます。人事制度の適正な運用でございます。自己評価については「B」といたしました。
理由といたしましては、各職員の取組内容や成果を適切に人事評価に反映させるとともに、その評価結果を賞与や定期昇給、昇格に反映すること等により、実績や能力本位の人事を推進しました。また、人事制度につきましては2025年度以降の見直しに向けて検討を進めまして、複線型の人事制度の導入、あるいは専門職員について処遇を見直すことといたしました。また、契約職員も含めた全員参加型運営を推進するために、新たな契約職員の役割や職種を新設することといたしました。これらの改正内容や見直しの目的については説明会を通じて職員へ丁寧に説明するとともに、実施に向けたシステム改修等の準備を着実に進めました。
以上によりまして、人事評価結果を処遇に反映させ、実績や能力本位の人事を推進したこと、さらに、人事制度の見直し案を策定し、改正内容や目的等について職員に丁寧に周知したこと等、組織の活性化や職員の意欲向上を図ったということで、自己評価は「B」といたしました。
続きまして、7ページ、新たな人員配置の在り方の検討でございます。こちらは自己評価は「B」といたしました。
理由といたしましては、適材適所の人員配置や人材育成、組織の活性化や課題解決及び本部機能強化を図るため、本部や支部間における全国規模の人事異動(282名)及び支(本)部内の配置換え(394名)を行いました。また、加入者数の変動あるいは新しい業務システムの導入の効果、さらには今後の協会組織の在り方の検討等を踏まえまして、協会全体の生産性向上及び業績向上を図る観点から、全支部の業務量調査を行いまして人員配置の抜本的見直しを行っております。さらには業績評価検討会の指摘事項も踏まえまして、戦略的保険者機能への人員シフトも併せて実施しております。
以上を踏まえまして、自己評価は「B」としております。
続きまして、9ページでございます。さらなる保険者機能の発揮に向けた人材の育成でございます。こちらは自己評価は「B」としております。
理由といたしましては、保険者機能を一層発揮するため、職員の育成については、OJTを中心とした人材育成を行うとともに、それらを補完する集合研修と自己啓発を効果的に組み合わせて行っております。これにより、職員一人一人が「自ら育つ」という成長意欲を向上させるとともに「現場で育てる」という組織風土の醸成を進めまして、計画的な人材育成に取り組んでおります。具体的な研修については、階層別研修、業務別研修とございまして、階層別研修につきましては、幹部職、管理職、一般職の全ての階層に対しまして、各階層に求められる役割や知識を習得するための階層別研修を実施しております。特に、初めて管理職の役割を果たすことになるグループ長補佐につきましては、管理職としての実践的スキルや考え方の習得、労務管理に関する法令の理解や管理職としての意識づけとマネジメント能力の向上を図る内容で研修を実施しております。また、業務別研修につきましては、業務上必要となる専門的な知識やスキルを習得するための研修を実施しております。
特に、協会の業務において重要性を増しているビッグデータのさらなる活用能力の向上に向けまして、職員の統計分析能力の向上を目的に、主任及びスタッフを対象にした統計分析に係る基本的知識の習得を目的とした研修なども実施しております。
以上を踏まえまして、自己評価は「B」としております。
続きまして、15ページになります。支部業績評価を通じた支部の取組の向上でございます。こちらは自己評価は「B」としております。
【自己評価の理由】でございます。支部業績評価の制度なのですけれども、もともとの目的につきましては、各支部の業績を適正に評価し、その結果に基づいて、自支部に対する業務支援を行うなど、こういったものを通じまして、自支部と他支部の切磋琢磨する、そして、適切に支部から業務処理を行っていくことなどを通じて、協会全体の業績の向上を図ることを目的として行っているものであります。
具体的には、支部における主要な業績指標等を項目化いたしまして、毎年度、評価を行っております。実際に評価するのは、本部に設置された支部業績評価検討委員会というところで評価を行っており、その評価結果につきましては、支部に対して事務連絡で通知しております。外部には、目的も踏まえまして、公表は行ってはいないのですけれども、先ほど申し上げたとおり、この評価結果は、それぞれの支部の弱いところ、強み、それぞれ分かってまいりますので、これを生かして、本部から支部への効果的な業務支援を行ったり、あとは支部の下部職員の実績評価の参考にもしているところです。
こちら、2024年度の支部業績評価においては、実施自体もしましたし、また、それぞれの必要なもの、業績、重要なものはどういったものかということも勘案しまして見直しを行っておりますし、また、支部の規模による評価の視点の見直しなども行ったところです。
以上を踏まえまして、支部業績評価で公平な評価を行ったこと及び評価方法の適切な見直しを行ったことから、自己評価は「B」といたしました。
続きまして、ページが飛びますけれども、29ページ、費用対効果を踏まえたコスト削減等になります。こちらですけれども、自己評価は「A」とさせていただいております。
理由といたしましては、こちらはコスト削減という観点で、一者応札案件の減少ということを目標にしているのですけれども、支部にヒアリングやアンケートを行い、効果のあった取組について全国支部長会議等で支部に対して周知したほか、全支部の一般競争入札に係る契約一覧をインフォメーションという内部の掲示板のほうに掲示いたしまして、どんな契約者がいるのかなということを情報提供することで、ここにも声かけできるかなといったような情報を支部間で共有すること。こういった取組をしまして、一者応札案件の減少に向けた取組の徹底を行いました。
結果、一般競争入札に占める一者応札案件の割合は10.7%ということで、対計画値128.6%となります。KPIである15%を大きく上回る結果となりましたことから、自己評価は「A」といたしました。
私からは以上でございます。
○西村座長 ありがとうございました。
○藤木内部統制室長 引き続き、内部統制室の藤木でございます。少しページを戻りまして、11ページを御覧いただきたいと思います。11ページの➃働き方改革の推進についてでございます。
令和6年10月に健康宣言を行いまして、健康づくりの基本ルールを定めまして、勤務時間内での禁煙、体操やストレッチを全職員で取り組みました。また、健診結果に基づく再検査などを支援する環境整備を行ったほか、健康情報を職員に発信しまして、意識啓発を行いました。また、超過勤務や年休取得状況を可視化し、計画的な休暇取得の促進など働き方改革意識の向上に努めてまいりました。それと、病気治療などと仕事の両立支援につきましては、休暇の拡充のほか、がんなどの治療のための「治療サポート休暇」、不妊治療のための「出生サポート休暇」を新設し、令和7年4月から運用を開始しております。
また、働き方改革の効果につきましては、今後、ワークエンゲージメントなどのアンケート調査を検討してまいりたいと考えております。それと、協会の3年以内離職率は近年、十数パーセントで、徐々に増加傾向にありますが、景気の変動や転職市場の動向など、様々な外部要因が絡んでおりまして、離職率だけでは一概には言えませんが、様々な働き方改革の施策の効果により、採用者数の拡大、離職率の低下につながることを期待しております。
以上によりまして、仕事と生活の両立支援及び働き方改革の推進に取り組んだことから、自己評価は「B」としております。
次に、13ページ、➄風通しのよい組織づくりについてでございます。
本部・支部間の連携のより一層の強化、全員参加型の組織運営の取組、課題や重点施策の共有など、保険者機能の発揮に取り組むことが可能となるよう積極的な情報共有を行いました。業界全体での情報共有や職員間のコミュニケーションの促進を目的として、社内報の発行を開始しました。また、職場の雰囲気やお勧めの住居エリアなどを紹介する「支部コンシェルジュ」を作成いたしまして、全国転勤に不安を抱える職員への支援を含めた情報提供を行いました。
以上によりまして、組織内の情報発信に取り組んだことから、自己評価は「B」としています。
次に、16ページを御覧ください。➀内部統制の強化についてでございます。
事務処理誤りの発生事案につきましては、再発防止取組のため、全支部における発生事案を情報共有しております。なお、重大な事案につきましては発生しておりません。また、職員への啓発活動として「内部統制NEWS」の発行やeラーニングを実施しております。リスクの発生を事前に抑制する予防措置対策を全支部において実施しました。また、カスハラ対策プロジェクトチームを設置し、対策基本方針を策定、公表しております。
以上によりまして、内部統制を強化するための取組を着実に進めたことから、自己評価は「B」としております。
次に、19ページ、➁個人情報の保護の徹底についてでございます。
職員への繰り返しの啓発を目的として、全職員を対象にeラーニング研修を実施したほか、各研修のプログラムの中で、個人情報に関する講義を実施しています。申請書などの返戻の際の取り違え、発送物の誤配などの個人情報の漏えい事案については、本部・支部で個人情報保護管理委員会を開催するとともに、概要と原因を全職員に周知し、リスク管理の重要性及び発生防止の再徹底を行いました。
以上によりまして、個人情報保護に対して、適切な取組を行ったことから、自己評価は「B」としております。
次に、21ページの➂法令等規律の遵守の徹底でございます。
全職員を対象に職場環境アンケートを実施し、結果を踏まえたコンプライアンス推進活動計画を策定の上、推進活動に取り組みました。コンプライアンス通信・ポスター等を活用した啓発活動を継続的に行うとともに、eラーニングにより全職員を対象にコンプライアンス研修及びハラスメント防止に関する研修などを実施しました。外部相談窓口には、職場での人間関係の悩みやハラスメントに関するものを中心に幅広い内容の相談等が寄せられ、それぞれ適切に対応を行いました。
以上によりまして、コンプライアンス意識の向上、働きやすい職場環境づくりに取り組んだことから、自己評価は「B」としております。
次に、23ページ、➃災害への対応についてでございます。
本部・支部におきまして、安否確認の訓練を実施するとともに、連絡体制の確認を目的とした衛星電話の訓練を定期的に実施しました。全職員を対象に地震発生時の初動対応に係るeラーニングを実施しました。
以上によりまして、災害への対応について、適切な取組を行ったことから、自己評価は「B」としております。
私からは以上でございます。
○三浦システム部長 システム部長の三浦でございます。続きまして、私のほうから、Ⅱの➄、それから、Ⅲについて御説明申し上げます。
まず初めに、25ページ、Ⅱの➄を御覧ください。外的環境の変化に対応した情報セキュリティ体制の整備についてでございます。
令和6年度も引き続きまして、情報セキュリティ自己点検、情報セキュリティ研修、それから、標的型メール攻撃訓練を実施いたしまして、前年度同様に高い水準を維持していることが確認できてございます。また、情報セキュリティ研修はeラーニング形式で年4回実施しております。そのほかに、情報セキュリティ対策の好事例を各支部に共有するため「協会けんぽセキュリティ通信」を年4回発行いたしまして、支部における情報セキュリティの取組や理解度の向上を図っております。技術的な対策としましては、日々進化する様々な脅威や悪意のある攻撃に対しまして適切に対処を行っておりまして、協会への不審メール及び不正アクセスについては常時検知・ブロックしておりまして、情報セキュリティインシデントは発生しておりません。
以上によりまして、自己評価は「B」とさせていただいております。
続いて、31ページを御覧ください。Ⅲ)システム対応の➀協会システムの安定運用についてでございます。
協会の基盤的業務でございます、保険証及び資格確認書の発行や保険給付の支払い等の業務が停止することがないよう、令和6年度も安定的かつ継続的に協会システムを稼働させております。加入者4,000万人を支えるシステムの日々の運行監視、そして、各種サーバーやOSのバージョンアップ等のメンテナンスを適切に実施することによりまして、協会加入者に影響を及ぼすシステム障害等を発生させることなく、安定稼働を実現しましたことから、自己評価を「B」とさせていただいております。
続きまして、32ページをお願いします。➁制度改正等に係る適切なシステム対応についてでございます。
令和6年度は、令和5年6月の「マイナンバー法等の一部改正法」の成立によりまして、資格情報のお知らせの発行、それから、資格確認書の新規発行が必達となりましたが、システム切替えによる既存業務への影響を与えることなく、システム障害も発生させず、予定どおりに令和6年12月2日、サービスインすることとなりました。開発の際には、外部機関であります日本年金機構や社会保険診療報酬支払基金と入念にテストを重ねたほか、初稼働検証を徹底することによりまして、システムの信頼性を確保いたしております。また、並行しまして、保健事業におけるシステム対応、訪問看護レセプトシステム対応、それから、療養費の料金改定等に伴うシステム対応につきまして、こちらもスケジュールどおり、対応を行ってございます。
以上によりまして、急遽短期間で対応が必要になりましたマイナンバーカードと健康保険証の一体化に関しまして、期日どおりにシステム開発を行いまして、システム障害を発生することなくサービスを提供していること、その他の計画していたシステム対応についても遅滞なく進捗させましたことから、自己評価を「B」とさせていただいております。
続きまして、34ページをお願いいたします。➂業務効率化を目指したシステムのさらなる機能向上についてでございます。
業務システムのさらなる機能向上を図りますため、現金給付システムにおけます審査の効率化を高めるシステム改修、レセプト点検システムの点検効率向上等、業務効率化につきまして、それから、事務処理誤り等を防止する観点でシステム対応を行っております。併せまして、業務効率化や人的ミスのリスク低減等を図るため、RPAツールについても利用の拡大や機能追加を行っております。特に令和6年能登半島地震の被災者に対します免除証明書の発行につきましてRPAツールを活用し、速やかに交付できるようにいたしました。また、紙媒体が主体となっております業務をデジタル化していくデジタイゼーションへの取組や、生成AIの試行利用に向けた検討も開始してまいりました。
以上によりまして、自己評価は「B」とさせていただいております。
最後に、35ページ、➃中長期を見据えたシステム対応の実現についてでございます。
デジタル社会の実現に向けまして重点計画等に基づく電子申請システムの導入、それから、公金受取口座対応につきまして、電子申請システムは全ての法定帳票を含む30帳票の電子化対応、それから、マルチデバイスへの対応とマイナポータルとの連携機能などの実現が必要でございました。そのため、開発規模が大変大規模でございましたが、設計・開発・テストを計画どおりに進めております。併せまして、本年12月にリース期間満了を迎える機器等につきましても、遅滞なく設計・構築・テストを進めております。また、加入者4,000万人と直接つながるけんぽDXの実現のため、協会初のスマートフォン用アプリケーションの開発にも着手しまして、本年2月よりシステム構築を開始いたしました。関係機関との連携におきましては、今後のけんぽDX推進に当たりまして、政府の進める医療DXとの連携や、医療・健康に関する様々なビッグデータ等の利活用に向けまして、定期的な情報共有・意見交換の場を設けることを目的としまして、健康保険組合連合会、国民健康保険中央会、社会保険診療報酬支払基金、それと、協会けんぽの4者によります「けんぽDX連絡会」を設置いたしまして、連絡会を通じた情報共有・意見交換を開始いたしました。
全ては当初の計画どおり遅滞なく進捗させましたことから、自己評価を「B」とさせていただいております。
私の説明は以上になります。
○西村座長 ありがとうございました。
御説明のほうは、ここで終了でよろしいですか。
○三浦システム部長 以上で終了になります。
○西村座長 ありがとうございました。
それでは、ただいまの御説明や資料の内容について、御質問、御意見などございましたら、挙手をもってお願いいたします。
森下先生、お願いします。
○森下構成員 御説明ありがとうございました。私のほうからは質問が1つございまして、25ページ、情報セキュリティ体制の整備についてでございます。
ここで、情報セキュリティについては、大変確固たる形で社内訓練等も行われているということで御報告をいただいております。インシデントも、特にメール等については、不正アクセス等には常時検知・ブロックしておいて、情報セキュリティインシデントは発生しないということで、非常に成果が上がっているということを感じました。
一方、その上にあります、今、人的対策としての教育を行っていらっしゃるということでございますが、今、ホームページをいろいろと充実させているということで、外に出してもいいようなセキュリティ対策を行っている事例とか研修資料の掲出等をお考えになったらどうか。そうすると、ホームページを閲覧した方も、協会けんぽではこのようなところまでいろいろと注意しながら業務を行っているということが一般の方にもお知らせできるのではないかなということを一つ感じたところです。
そして、もう一点は、協会けんぽの職員の皆様にも退職者が出られると思うのですが、退職者の方への継続的な機密保持契約みたいなものは結んでいらっしゃって、退職者、辞めてしまったらその後は知らないということではなく、退職された方にも機密保持についてはいろいろと保持できるような対策をつくっているというようなことを御説明いただけたらと思います。
以上です。
○西村座長 ありがとうございました。
1点目は御意見だったと思いますけれども、情報セキュリティインシデントの影響・発生もなく、私も成果が上がっているのだと感じました。そして、御意見として、人的対策の研修についても、公表できるものはこのようなことをやっていることを理解していただくために公表してはどうかということでございます。
それから、2点目は御質問です。退職者への機密保持契約など、どのような体制になって結んでいらっしゃるのか、その対策はどのようなものがあるのか、御説明をお願いします。
○小西総務部長 すみません。まず、秘密保持に関しましての答えは総務部長の小西から行います。
職員の就業規則におきまして、秘密を守る義務ということで、職員が在職中及び退職後において、職務上、知ることのできた秘密について、正当な理由がなく、これを漏らし、盗用または不正に使用してはならないという規定が置かれておりまして、この就業規則上、先生のおっしゃったような退職後の秘密保持義務というものは一般論としてはカバーされているものと考えております。
○西村座長 ありがとうございました。
就業規則の中で秘密保持規定を設定しているということです。よろしいでしょうか。
○森下構成員 了解しました。
○西村座長 それでは、ほかに御質問、御意見はございますか。挙手をお願いいたします。
尾関先生、お願いします。
○尾関構成員 御説明ありがとうございました。この人事・組織の活性化につきましては、働き方改革の推進ですとか、社員個人の能力アップを目的としました人的資源への投資、公正な人事評価、あるいは教育・研修の充実化など、いろいろな努力をされていまして、この組織・運営体制の、特に人事・組織の部分に関しましては自己評価も「B」となっており、安定的な業務運営を行っているというふうに理解しております。
一方で、それが従業員の方にどのように映っているかも気になるところで、従業員の方がどのように受け止めていらっしゃるかを、この21ページのほうで職場環境(職場風土)アンケートを実施したと書かれておりますので、この中で社員の受け止め方、どのような組織の運営方法や人事制度の運営と感じていらっしゃるかということをお聞きしたいと思っております。
以前お聞きした、職場環境のアンケートで、おおむね良好な結果だったと思うのですけれども、中にはプレッシャーを感じるですとか、上司に対して意見や反論ができない雰囲気があるといった感想を書いた人も一定程度いましたので、それがどのように現在変わっているのか、このほかに、ネガティブな回答が出てきているのか、その辺を教えていただける範囲で教えていただきたいと思っておりますので、よろしくお願いします。
○西村座長 ありがとうございました。
職場アンケートについて、今、御質問のありましたような組織・運営の方法に関する人事評価などに対して、職場の職員の方たち、従業員の方たちがどのように受け止めているのか、御説明できる範囲でお話ししていただけたらと思います。
○藤木内部統制室長 内部統制室の藤木でございます。
今、御指摘ございました、プレッシャーや精神的な負担とか、意見や反論ができない雰囲気という項目につきまして、前年度より結果につきましては悪くなっているところでございます。この設問につきましては、職場の心理的安全性に直結する重要なものと認識しておりまして、各支部において、それぞれの課題の改善に向けて取り組んでいるところでございます。
また、管理職への研修の実施、必要に応じて個別指導などを行うなど、改善できるよう努めてまいりたいと考えておりますが、何分、毎年、このアンケートをしておりますが、なかなか難しいところでございます。御理解いただければと思います。
以上です。
○西村座長 ありがとうございました。
よろしかったでしょうか。
○尾関構成員 ありがとうございました。
非常にこれは難しいテーマだと思います。管理者としてはそんなにプレッシャーを与えているつもりはなく、あるいはパワハラではないと思い話している何気ない発言が、部下の社員から見ますと非常にネガティブな発言に受け止められるということも多くありますので、その辺の組織風土の改善というものは難しいと思います。やはり上の方が常にパワハラを意識しながら発言していただく。そのためには、繰り返し管理者の方の研修や、意識づけの機会を取っていくことが必要と思っておりますので、よろしくお願いしたいと思っております。
以上でございます。
○西村座長 ありがとうございました。
これは本当に難しい問題だと思いますが、重要な問題でもあります。働きやすい環境をつくるという上では非常に重要で、結果的にサービスの向上などにつながっていくものだと思います。大変だと思いますけれども、よろしくお願いいたします。
ほかにございますでしょうか。
古井先生、お願いします。
○古井構成員 御説明ありがとうございます。後半の組織・運営体制関係なのですが、3ページ目のところに評価一覧があって、改めて見たときに、評価方法が定性評価というものが、これは以前からそうなのですが、構造上、やはり多いのかなと思っています。
その中でも、今回新しく令和6年度から自己評価が始まったⅠ)の➃、➄ですとか、それから、Ⅲ)の➂に関しても定性的な評価というものは入っているのですが、例として11ページ目と13ページ目のところをコメントしたいと思うのですけれども、やはり世の中の潮流も踏まえて、こういった組織基盤の評価もできるだけ定量評価を入れていったほうがいいと思っています。我々大学でもそうですし、それから、企業でも、例えばこの働き方改革とか風通しのよい組織づくりというものは全て定量になっていますので、先ほど協会けんぽさんからも働き方改革のところで、例えば離職率の話ですとか、それから、1行目に既に「モチベーション」というものがありまして、今、金融庁が入れている人的資本情報の開示義務化というものは2年前から始まっていまして、特に健康状況とかエンゲージメントというものは必須の項目になっているわけです。
ですので、あえて定性的なものを残すというものも要素としてあってもいいのかもしれませんが、基本的に社会の動向を踏まえて、協会けんぽがやはり特殊な組織というわけではなくて、基本的には今の社会情勢に合わせて、しっかりと評価基準というものを定量評価も含めて入れていくべきではないかなと思っています。例えば「➄ 風通しのよい組織づくり」のところでは、当然、コミュニケーションですとか、心理的安全性であったり、それから、働き方改革の評価指標というものは十分に標準化されたものが世の中に出回っていますので、こういうものを取り入れられていくとよろしいのかなと思います。
以上です。
○西村座長 今後の評価の仕方に関わるような御意見をありがとうございます。
確かに、定性の評価が働き方改革や組織づくりの項目において、多く設定されていました。これらの項目においてもほかの組織で使っているような定量評価の項目などが使えるかどうかについても御検討していただけたらという御意見でした。
ここに関して、何かお考えがありましたら、御説明をお願いいたします。
○藤木内部統制室長 内部統制室の藤木でございます。
説明もさせていただいたところですが、この働き方改革の効果等につきましては、今後、古井先生からもございましたように、ワークエンゲージメントなどのアンケート調査を検討してまいりたいと考えているところですけれども、定性評価を定量に変えるかどうかにつきましては、今、お答えすることはできませんので、今後、検討課題とさせていただきたいと思います。
以上です。
○西村座長 古井先生、続けて、お願いします。
○古井構成員 すみません。ありがとうございます。
協会さんは非常に人数も多いので、全員に毎年アンケートを取るということを必ずしもやればいいとは私も思っていないのですけれども、例えばストレスチェックの項目の中にも働き方改革とか心理的安全性とかに該当する項目は既に入っていますので、あまり手間をかけずに、大仰にやれというわけではなくて、できるところからやられていいのではないかなと思います。
以上です。
○西村座長 ありがとうございました。
今御発言のあった、古井先生の追加の補足・アドバイスなども御参考にしていただけたらと思います。確かに大学でもストレスチェックを最近やるようになっていまして、組織環境づくりや働きやすい場所になっているかについて、組織運営側が利用しているのかと思います。
それでは、ほかにございますでしょうか。
伊藤先生、お願いします。
○伊藤構成員 ありがとうございます。私も、組織・運営体制のところは定性評価が中心で、評価が難しい、結果的にやっていますということで「B」評価という形になりがちだと感じています。何らかの改善が必要ではないかということで、今、アンケートも使いながら定量評価をかませるという意見もありましたし、ぜひ検討していくべきだと私も考えています。その際に、アンケートという主観的なデータも使うのも当然なのですけれども、あと、雇用管理上のデータの活用も検討していくべきではないかと思います。
それで、ここは➀~➄ということで、人事とか配置とか育成とか働き方とか、いろいろ分かれてはいるのですが、みんな重なることであり、分けてお話がしにくいのですが、➃の働き方改革のところの事業計画の記述から話をさせていただこうかと思います。
ここは働きやすい職場環境の整備で、職員がモチベーションを維持しながら、効率的に業務に取り組めるように働き方改革をやるとありまして、11ページのところを見ると、大体働きやすさのところを中心に取り組んだことを御報告いただいた感じがしております。こういうものはみんないいことだとは思っているのですけれども、去年も発言したかと思うのですが、今の働く人が職場を決める際、そのまま居続けようかとか、転職しようかとか、会社をどう選ぶかというときに、この働きやすさはやはりとても重要になっていると思います。今回の説明が全国転勤で配置換えをして転勤する人を支援することにしましたということで、地域限定とか地元採用の話は出てこないので、転勤がしたくない、しにくいという事情を抱えている人が多い中で、多くの事業所では地域限定などで人材確保の取組を進めているので人材確保は大丈夫なのかなという心配をしてしまいました。
そういうことで、これも昨年聞いたような気がしますけれども、今年も昨年から変わらず、全国転勤をばりばりしてもらうような形で、そこは人材確保的には問題が起きていないということなのかというところの認識を教えていただければと思います。
もう一つ、モチベーションということに関しますと、11ページではなくて、多分、5ページの人事制度の適正な運用で、複線型とか、専門職員の処遇改善とか、新たな契約職員の役割、職種の新設とか、こういうものがモチベーションを高めるような仕組みづくりということだと想像して読みました。
そういう中で、先週の検討会で、審査精度の向上には職員のスキルアップが重要なのだというお話があったかと思いましたので、そういったスキルを高めて審査精度を向上するための研修といったものは、人事・組織的な取組としてここにあってもいいような気がするので、御説明をいただければと思います。
ここまでが➀~➄に関するところです。
➅については、昨年指摘ができなかったのですが、改めて読んでみると、これは何なのだろうと思ったので、コメントさせていただきます。支部業績評価というものをされており、今日の御説明だと、内部でやっていらっしゃる、公表していないというような話だったのですけれども、我々は、この本部評価というものは、支部評価を全く考慮しないといいますか、何も知らないまま評価していいのかなというように思ってしまいました。関係なくやっていいということであればそうかもしれないのですけれども、内部評価ということは中のことをよく知っている人が評価をしているのだと思うので、そういったところも共有させていただいたりしながら本部評価をするということも必要なのではないかと思いました。
ここを積極的にやりたいとかと言っているわけではないのですけれども、完全に独立して、全然知らないまま、やっていいのかなという疑問が湧いてしまったので、そんなことを申し上げました。
これで最後にしますけれども、個人情報保護とコンプライアンス災害対応についてです。実態がどうなっているかというところの報告が、業務報告書インシデント事案みたいなものがリストで出ているのかなと思ったらありませんでした。他方、25ページのところの情報セキュリティインシデントは、いつ以降、発生していませんとはっきり言い切っているので、ないのだと分かるのですけれども、個人情報、コンプライアンスのところは、資料に記載がないので、どうなっているのだろうかと思い、協会のホームページを見てみました。すると、情報公開の項目にて、令和6年度に1件出ていたものがありました。これは発生年次、発生時点が分からないように書いてあるので、今回の評価対象ではないのかもしれませんが、個々のケースを知りたいとか、そういうものではないのですが、情報として、定量評価ではないとしても、必要ではないかということで、情報提供いただければと思います。
以上です。
○西村座長 ありがとうございました。
幾つかございました。5点で、御意見もございましたので、御質問のところを中心に答えていただけたらと思います。
1点目は御意見が中心だったと思いますけれども、組織・運営項目において、定性評価が確かに多くなっていまして、何人か御意見が出されていたところですが、ここの項目について、アンケートの主観的評価を使う、例えば段階的に換算して数値化できたり、雇用管理のデータなども利用できるものもあるのではないかという御意見でございます。
それから、2点目は御質問でしたが、働き方改革について、転勤しにくい事情がある方もいらっしゃるため、地域限定などの採用方法などの取組があるのか、転勤などに関連して困っているような課題があるのかという御質問でございます。
3点目はモチベーション、人事制度の項目に関しては、ほかの項目のところで、職員のスキルアップとか研修のところで、説明記載がありましたが、人事制度の運用のところに記載が出てきてもいいのではないかという御意見でございました。
4点目は支部業績評価の項目についての御意見だと思います。支部の評価は、先ほど御説明などのところでありましたように、内部的に実施していて、公表していないということでしたが、この業績評価は本部の評価と関係なく実施されているのか、支部評価も踏まえていると思いますが、ここで支部評価も共有しながら本部評価というものができるのかどうか、そのほうが望ましいのではないかという御意見でございます。
それから次5点目は、御質問でございました。個人情報保護、コンプライアンス、災害などの項目について、インシデント事案のリストは一覧が記載されてなかったのですが、一覧作成についてです。ホームページを確認したところ、ホームページにあったということですので、もし可能であれば、御提供をお願いしたいということです。
御説明などをお願いいたします。
○小西総務部長 総務部長の小西でございます。
私から、1点目は御意見ということでしたので、2点目をまずお答えいたします。今、転勤というものが人材確保にとって少しハードルが上がっているのではないかということなのですけれども、当協会は以前から転勤してということを前提にしていることもあって、いろいろな御事情がある方については、実際には転勤などを検討する際に、いろいろな配慮をしながら、異動させています。本拠地になるべく近いところに置くとか、きめ細やかに、御本人の事情ですとか御希望は配慮しながら、人事を運用しているところでございまして、幸いにして、昨年も私は先生からの質問にお答えさせていただいたのですけれども、人材確保上は採用数も新卒は増やせているような状況でございます。楽観的とは言いませんけれども、先ほど申し上げましたような働き方改革と併せて、そういった人事上の配慮ということを行いながら確保はしていっておりますし、これからもそういった努力は続けていきたいというふうに考えておるところでございます。
もう一つの支部業績評価の点につきまして、例えば各支部の運営状況そのものについては、事業報告書にも各支部の運営状況ということで、それぞれの詳細なデータ、重要指標については共有させていただいているところでございまして、この支部業績評価というものは、まずは内部で支部同士が協会の中での自分たちの立ち位置を自ら把握して切磋琢磨していくとか、あるいは本部の支部に対するサポートはどういったものが必要かということを把握していくために創設して運用しているものでございまして、取りあえずは内部で引き続き運用していきたいと考えております。
○藤木内部統制室長 個人情報とコンプライアンスの関係で申し上げます。内部統制室の藤木でございます。
個人情報の漏えい事案につきましては、件数はここに記載しておりませんが、361件ございます。内容につきましては、郵送による誤配が約半数を超えております。協会の職員によるものにつきましては76件ということになっております。
コンプライアンス事案でございますが、相談、通報、切り分けは難しいので、平均して月3件から4件の相談がございます。事案の状況につきましては、人間関係のものが約半数となっておりまして、また、その中でもハラスメントと認定したものにつきましては、令和6年度は注意した事案が3件ございました。その他、重大な事案については起こっておりません。
以上でございます。
○西村座長 ありがとうございました。
以上でよろしいでしょうか。
○伊藤構成員 はい。ありがとうございました。
○西村座長 ありがとうございました。
ほかに御質問、御意見などはございますでしょうか。よろしいでしょうか。
では、ほかに御質問等なければ、本日の議論を終了といたしたいと思います。本日は長い間、御審議ありがとうございました。
今後のスケジュールについて、事務局から説明をお願いします。
○片谷管理室長 事務局でございます。本日は御審議いただきありがとうございました。
今後のスケジュールでございますが、前回と今回の質疑や議論を踏まえまして、事務局におきまして、速やかに評価案を作成いたします。
事務局案を皆様方に御提示させていただきまして、改めて御意見等を御提出していただければと思います。
御提出していただいた御意見等を十分踏まえまして、最終的な評価案を取りまとめてまいりますので、引き続き、御協力のほうをよろしくお願い申し上げます。
以上でございます。
○西村座長 では、構成員の皆様、事務局案が提示されたものに対して、また御意見などの提出をお願いいたします。
では、以上をもちまして、今年度の検討会は終了となります。最後に、皆様から一言ずつお願いいたします。これも恒例になってまいりました。順番にということで、「あいうえお」順でしたか。
○片谷管理室長 はい。
○西村座長 まず、伊藤先生、お願いします。
○伊藤構成員 ありがとうございます。今年もこんな重要な評価という役割をさせていただきまして、本当に光栄でございます。
私個人としましては、医療保険の保険者の役割の重要性というものは非常に強く思っている人間でございますので、特に雇用労働者本人と家族の最大のセーフティーネットである健康保険、全国健康保険協会の役割は大変重大であり、期待しておりますので、今後も重要な役割を担っていっていただきたいと思います。
本当にありがとうございました。
○西村座長 ありがとうございました。
では、続いて、尾関先生、お願いします。
○尾関構成員 ありがとうございました。
やはり健全な財政運営というところが一番、気になるところでございます。シミュレーションによりますと、平均保険料率を10%維持したとしても、場合によっては何年後かに赤字になることもあるということも議論されておりました。実際、令和5年度の健康保険勘定の収支を見てみますと、収入はほぼ予算どおりの実績ですが、保険給付費が予算に比べて1,800億円、実績が上振れしております。これは令和5年度も同じような傾向でしたので、保険給付費の予算設定がいかに難しいかということが分かると思います。
今後、大きな賃上げが見込めない中で、高齢者医療費の増加や高額医療費の増加など、医療費は想定外に増えていく可能性が考えられます。そのために、財政健全化を行うに当たっては、もちろん、保険料率の水準の情報発信ということも引き続き重要なテーマではありますが、それに加えて、シミュレーションで出てきた課題に対して、今後、優先度をつけて対応していただき、優先度の高い項目につきましては、保険料率と並んで、来年度以降のこの評価の課題として考えていただいて、その実施結果について評価を行っていくということも必要になってくるのではないかと思っております。
厳しい環境の中で、役職員の皆様がいろいろな工夫をしていただいて大変な御苦労をされているということに対して、構成員として敬意を表したいと思っております。今後も社会保障制度の持続可能性の観点から、協会けんぽの財政運営や、加入者の健康維持による医療費抑制という医療保険事業のインフラ整備の一端を担うべく、引き続き、御尽力をお願いしたいと思っております。
私からは以上です。ありがとうございました。
○西村座長 ありがとうございました。
では、続いて、古井先生、お願いします。
○古井構成員 ありがとうございます。私から2点コメントさせてください。
本当に個人的な所感になるのですけれども、今回も第1日目でありました、やはり財政運営というものが本当に保険者にとっては大事だと思っています。特に協会けんぽさんの場合には規模が大きいということで、いろいろなかじ切りをしても時間がかかっていくことだと思っています。そういう意味では、現状では財政運営が非常にうまくいっているということの中で、改めてコスト構造というものを構造的に把握されて、資源配分の最適化というものは検討していくとよろしいのかなと。
これからはストック化できることというものを特に重視していただきたいなと思っています。今日も後段でありましたが、人、職員のこと、AIなどの新しい技術を入れた仕組みづくり、それから、やはり保健事業などで出てくる知見を抽出して、そういったところへの投資を、どういうスピード感で、どのぐらいの規模をやってくかというものは、一個一個の健保ではできないことも協会さんでできることもあると思っています。
2つ目は、これは国民皆保険制度の中での一番大きな保険者ということもありまして、ほかの保険者種別、保険制度への意識というものを皆さん方には、特に本部の方には意識をいただきたいなと思っています。第1日目にも議論がありましたが、やはり保険料率のところというものも、例えば我々が入っている共済組合もそうですけれども、特に企業の健保組合にはかなり影響がありまして、協会けんぽの保険料率がどうなるかによって健保の存立がかかってくる。これは事業主もかなり圧力を高めていますので、協会さんが何‰にすることが多くの保険者、健保には影響があるということを改めて意識をいただきたいなと思っています。
あと、データとか協会けんぽさんの事業実績での貢献というものもとても大きいと思っています。この数年で本当に保険者協議会ですとか、いろいろな自治体を含めて、ほかの保険者さんとか、社会に対して、協会けんぽが保有されているデータだけではなくて、協会けんぽが実際にアクションをしている施策、事業によって、その結果が、このぐらいの規模でこういうことをやると、このぐらいの実績は出てくるというものがとてもほかの保険者や自治体にとっては参考になっています。これからデータヘルスもより標準化がされていきますので、ぜひ協会けんぽさんには規模的にも、それから、人材という意味でも日本の国民皆保険を引っ張るポジションにありますので、そういうことをより意識して運営を続けていただけるとありがたいかなと思いました。
以上です。
○西村座長 ありがとうございました。
では、森下先生、お願いします。
○森下構成員 今年も構成員として、この会議に参加させていただきありがとうございました。伊藤構成員と同様に、私もこういう場で意見を述べることを大変ありがたく、感謝しているところでございます。
さて、高齢化が進む日本の社会で、協会けんぽは日本の健康保険制度の中で最大の保険組合として重要な役割を果たしていること、また、協会けんぽの職員の皆様が、限られた人材資源という環境の中で頑張って業務を遂行されていることが、示された資料並びに今回議論された内容から理解することができました。この数年でDX化を大幅に進捗させること、加入員に対して重症化予防というテーマを前面に様々な努力をされてこられたこと、そのほかにも、協会けんぽが実施されてきた多面的施策は大きな進歩を遂げているということを実感しております。
また、運営委員会においても、協会けんぽの在り方を議論し、保険料の抑制という重大なテーマを目指していることを受け止め、協会けんぽ業務に真摯に反映されている姿勢を評価したところでございます。今後、医療費の増大、新しい課題など、ますます環境が厳しくなるとは考えておりますが、解決しなければならない山積した課題に対して御努力をお願いしたいというように思っております。特にマイナンバー制度の導入と保険証との連携については、今後の医療制度の効率化、医療費の低減化にも直結するテーマでありますので、国との連携を深め、同時に、協会けんぽ側からも意見発信を行うことは重要なことだというように考えているところでございます。制度の充実、そして、保険料の低減化を、これはなかなか矛盾するテーマでありますけれども、一層の努力を期待するものであります。
財政面でも、令和6年度につきましては実績は上々であったということでございますけれども、今後、急激な保険制度の改革もあり得るということを鑑みると、運営には更なる危機管理意識と努力が求められると思っております。保険者と事業主、被保険者、被扶養者の情報共有という課題は大きな要素となることも考えられます。年々進化されている保険制度の継続に向け、協会けんぽの皆様の一層の御活躍を祈念して、構成員のコメントとさせていただきます。
ありがとうございました。
○西村座長 ありがとうございました。
では、最後になりますが、私のほうから御挨拶させていただきたいと思います。
今年度も、構成員の皆様に真剣に審議に取り組んでいただきましてありがとうございました。協会けんぽ、そして、船員保険の業績評価の審議をしておりますと、保険者の運営というものが非常に難しいということが実感として把握することができます。そして、高齢化が進む点について大変、対応の難しさが気になっております。高齢化がどのぐらいの影響で保険の運営に影響してくるのか注目する必要がありますので、今後の今年度以降の議論の中で、そうした内容も含めて御説明などをいただけるようになることをお願いしたいと思います。
また、これほど新しい取組に取り組んでいることが、業績評価の中で見えてきましたが、職員の方たちの働く環境と取組実績を両立することも大変難しいテーマになってきていると思います。DXなどの効率化を進めることによって、どの程度、うまく両立できるようになるのかなども新しい課題であり、活用しながら両立を図っていただくのかと考えます。
最大規模の保険者である協会けんぽ、そして、特殊な働く場を持つ保険者である船員保険の運営・取組がほかの保険者の参考・見本になると思いますので、難しい課題だと思いますけれども、今後の運営をどのように進めていくのか、私たち構成員、業績評価に加わった一員としまして、注目していきたいと思います。
本日はどうもありがとうございました。
では、これで今年度の業績評価検討会を終了いたします。
皆様、長時間にわたり、少し時間をオーバーいたしましたけれども、お疲れさまでございました。ありがとうございました。



