- ホーム >
- 政策について >
- 審議会・研究会等 >
- 中央社会保険医療協議会(中央社会保険医療協議会総会) >
- 2025年9月10日 中央社会保険医療協議会 総会 第616回議事録
2025年9月10日 中央社会保険医療協議会 総会 第616回議事録
日時
令和7年9月10日(水)10:00~
場所
全国都市会館大ホール 2階
出席者
- 構成員等
-
- 小塩隆士会長
- 飯塚敏晃委員
- 笠木映里委員
- 永瀬伸子委員
- 本田文子委員
- 城山英明委員
- 鳥潟美夏子委員
- 松本真人委員
- 佐保昌一委員
- 髙町晃司委員
- 奥田好秀委員
- 鈴木順三委員
- 茂松茂人委員
- 長島公之委員
- 江澤和彦委員
- 池端幸彦委員
- 太田圭洋委員
- 大杉和司委員
- 森昌平委員
- 木澤晃代専門委員
- 上田克彦専門委員
- 小松和子専門委員
- 事務局
-
- 間保険局長
- 林医療課長
- 梅木医療技術評価推進室長
- 吉田保険医療企画調査室長
- 和田歯科医療管理官
- 清原薬剤管理官 他
議題
- 歯科医療について(その1)
- 調剤について(その1)
- 費用対効果評価専門組織からの報告について
議事
○小塩会長
おはようございます。
ただいまより第616回「中央社会保険医療協議会 総会」を開催いたします。
本日も対面を基本としつつ、オンラインも組み合わせての開催としております。また、会議の公開につきましては、ユーチューブによるライブ配信で行うこととしております。
まず、委員の出席状況について御報告いたします。
本日は、伊藤委員、岡本専門委員が御欠席です。
それでは、会議冒頭のカメラの頭撮りはこの辺りということでお願いいたします。
(カメラ退室)
○小塩会長
それでは、議事に入らせていただきます。
最初に「歯科医療について(その1)」を議題といたします。
事務局より資料が提出されておりますので、説明をお願いいたします。
○和田歯科医療管理官
歯科医療管理官でございます。
「中医協 総-1」を御覧ください。
本日は、「歯科医療その1」について御説明をさせていただきます。資料が大部にわたりますので、ポイントを絞って御説明をさせていただきたいと思います。
なお、6月25日の医療提供体制で御説明させていただきました歯科疾患の需要、歯科診療所や歯科医師の供給などの歯科医療を取り巻く各種データ、また、本日の検討内容に関連する令和6年度診療報酬改定に関する内容は、別途、参考資料に掲載してございますので、適宜御参照いただければと思います。
まず、3ページからは「歯科医療を取り巻く現状及び歯科医療提供体制」についてでございます。
次期診療報酬改定に向けまして、本日御説明させていただく内容は、4ページ目の医政局で取りまとめられました「歯科医療提供体制等に関する検討会」の中間取りまとめ、また6ページ目の「骨太の方針2025」の歯科に関する内容を踏まえまして、7ページ目に項目を整理してございます。以降はこの項目に沿って、順次御説明をさせていただきたいと思います。
8ページ目からは「障害者歯科医療」でございます。
9ページは、「障害児(者)歯科診療の課題」についてお示ししてございます。
障害をお持ちの方は、口腔内の衛生状態を困難にする要因を多数持っていることが特徴でございまして、左下のグラフにお示ししているように、歯科疾患の再発・重症化リスクが高いために、個々の患者の特性に応じた専門的な管理・治療が進められているところでございます。
10ページ目は、障害者歯科治療を専門に行う歯科診療所、いわゆる口腔保健センターの状況をお示ししております。
11ページには、口腔保健センターを含む専門歯科医療機関の供給と、障害をお持ちの方で実際に歯科治療が必要な者との関係をお示ししておりますけれども、全国の推定供給率を見ていただくと、専門医療機関の供給が十分ではない状況でございます。
12ページ目は、本項目に係る改定の変遷と評価内容をお示ししております。
スライド中段から下段にかけて主な評価内容をお示ししております。本患者に対して基本診療料あるいは個々の治療内容に関する評価は幾つかございますが、本患者に特化した歯科医学的管理に資する評価がなく、実態として歯科疾患の管理のみを行うケースもございますので、、専門歯科医療機関における歯科医学的管理が推進されるよう、診療報酬で対応を行っていきたいと考えております。
続きまして、13ページからは「歯科疾患・口腔機能の管理等の生活の質に配慮した歯科医療」でございます。
14ページに、かかりつけ歯科医の役割、そして15ページは口腔機能の変化のイメージをお示ししております。
16ページには、口腔機能が十分に獲得・発達しない場合の影響について、口唇の閉鎖不全を例に、不正咬合と有意に関連しているデータをお示ししてございます。
17ページは、歯科疾患や口腔機能の管理に係る診療報酬上の評価の考え方をお示ししております。
従来のう蝕や歯周病の器質的な疾患に加えて、近年は、右側にお示しをしているような小児や高齢者に対する機能的な疾患に対する管理が行われてきてございます。
18ページにお示しをしているように、こうしたう蝕や歯周病の疾患を主に念頭に置いた歯科疾患管理料と、機能的な疾患の管理を念頭に置いた小児口腔機能管理料及び口腔機能管理料を中心に対応が行われてきているところでございます。
19ページは、口腔機能の疾患である口腔機能発達不全症と口腔機能低下症の概要でございまして、関係学会が示した診断基準や事務局で推計した患者数などをお示ししてございます。
20ページ目は、歯科疾患及び口腔機能の管理に関して、管理が必要な患者がどの管理料で評価されているのか。
また、21ページ目は、歯科疾患管理料の管理と口腔機能低下症に対する管理の内容の違いをお示ししてございます。
続いて22ページ目は、小児における口腔機能発達不全症に係る管理の需要と供給の関係。
23ページは、高齢者における口腔機能低下症に係る管理の需要と推計の関係をお示ししてございます。
いずれも需要推計に対して供給が大きく下回っている状況でございます。
24ページ目は、小児口腔機能管理料、口腔機能管理料の算定状況でございますが、学会が示す口腔機能発達不全症あるいは口腔機能低下症の診断基準に該当し、この病名で実際に請求されている患者のうち、小児口腔機能管理料または口腔機能管理料による特別な管理が行われていない患者が一定数存在していることをお示ししてございます。
続きまして、25ページ及び26ページは、小児の咬合機能の獲得や矯正に関する内容でございます。
25ページは、正常な咬合機能を獲得させるための装置の保険適用の状況を、26ページは、令和6年度診療報酬改定で新設された歯科矯正相談料のフローをお示ししてございます。
27ページから29ページは、有床義歯、いわゆる入れ歯の管理に関する内容でございまして、29ページには、義歯の形態・構造によって、確認・指導事項が異なることをお示ししてございます。
30ページからは、歯周病についてでございます。
現状では、左下のグラフにお示ししておりますが、初期の歯周病と診断される歯周ポケット4ミリ以上を有する者が約半数となってございます。
31ページを御覧ください。
歯周病治療に関しましては、学会の基本的な考え方に基づきまして、一連の歯周病治療終了後に、歯周病の症状を安定させるなどの継続的な治療が重要であるという考えから、32ページにお示ししている歯周病安定期治療と歯周病重症化予防治療の2つの治療により、診療報酬改定の都度対応が行われてきているところでございます。
33ページは、歯周病安定期治療及び歯周病重症化予防治療の評価内容を比較しておりますが、歯周組織の歯周ポケットの状態は異なるものの、当該治療に包括されている治療内容は類似しているところでございます。
34ページは、それぞれの算定状況をお示ししておりますが、それぞれ20歯以上が最も多く算定されている状況でございます。
続きまして、35ページからは、へき地等歯科医療でございます。
36ページには、6月の中医協でお示しをした人口規模と歯科医師の平均年齢の関係、そして37ページは、同一都道府県内の二次医療圏における歯科医師数の差をお示ししております。
地域によって歯科医師の高齢化やまた歯科医師数の地域差が生じていることをお示ししております。
38ページを御覧いただきたいと思います。
現に歯科医療機関が少ない地域、あるいは身近に専門歯科医療機関がない地域におきましては、写真でお示ししているような治療機材が備えられた歯科巡回診療車を用いた巡回診療が行われております。これらの診療につきましては、所定の手続を行った上で、外来診療と同様に、保険診療が行われております。歯科巡回診療車につきましては、歯科医療が十分提供されていない地域・施設にとって有効な手段であると考えておりますので、こうした歯科診療が地方自治体と連携して進められるように、診療報酬の観点からもさらに対応を検討していきたいと思っております。
続きまして、40ページから「多職種連携」でございます。
41ページを御覧ください。
平成24年度診療報酬改定におきまして、病院での口腔機能の管理の取組を評価する観点から、周術期における口腔機能の管理の評価を契機に、医科歯科連携をはじめとする多職種連携についても診療報酬の観点から進めてきたところでございます。
入院患者の口腔管理に対する効果は、42ページの左下にもお示ししているような様々な効果が報告されているところでございます。
続きまして、43ページ、44ページでございますけれども、令和6年度診療報酬改定におきましては、回復期における口腔管理の重要性が示され、現在は45ページ、46ページにお示ししているように、周術期口腔機能管理と回復期口腔機能管理の評価を中心に、入院中あるいは入退院前後の患者に対する口腔管理が行われているところでございます。
47ページ及び48ページは、周術期と口腔機能管理料の算定状況、あるいは管理に使用する計画書の一例をお示ししてございます。
また、49ページは、回復期と口腔機能管理料の算定状況をお示ししており、周術期、回復期ともに病院で多く算定されている状況となってございます。
50ページは、多職種連携による診療報酬上の評価でございまして、医科点数表や調剤点数表で、歯科医療機関や歯科医師との連携に関する主な項目を整理してございます。
51ページ、52ページがその一例でございます。
令和6年度診療報酬改定における対応といたしまして、51ページにお示ししているように、医科点数表において、生活習慣病管理料の通知で、糖尿病患者に対する歯科受診の推奨が追加されました。
また、52ページになりますけれども、調剤点数表におきましても、一部の項目で、歯科医療機関との連携が明記されるという状況で、双方向での評価が位置づけられてきているところでございます。
53ページからは「歯科衛生士・歯科技工士の定着・確保」でございます。
まず歯科衛生士の状況でございますが、54ページに歯科衛生士の業務内容、55ページには就業歯科衛生士数などをお示ししてございます。
56ページは、歯科衛生士の従事者数別の診療所数でございますが、常勤歯科衛生士が0人の歯科診療所が最も多く39.2%となってございます。
57ページは、令和6年度診療報酬改定の議論で使用した資料でございますが、歯科衛生士の業務である歯科衛生実施指導に関して十分に実施できないと考える内容として、口腔機能などの指導と回答した者が約4割であった状況を踏まえまして、58ページになりますが、令和6年度改定で口腔機能の指導を念頭に置いた歯科衛生実地指導料の加算である口腔機能指導加算が新設されたところでございます。算定状況につきましては、歯科衛生実地指導料を算定した患者のうち約1.3%と低い割合となっている状況でございます。
59ページからは、歯科技工士についてでございます。
歯科技工士につきましては、被せ物などの歯科補てつ物の作成などを行う者を言いますが、実際の製作工程につきましては、医療機関内で製作されるケース、そして歯科技工所に委託して製作されるケースの2つに分かれるところです。
60ページには、就業歯科技工士数など、61ページでは、就業場所別の歯科技工士数をお示ししてございます。歯科技工所に勤務する者が約74%という状況でございます。
62ページは、規模別の歯科技工所数の推移でございますが、1人で経営している歯科技工所が約7割を占めている状況でございます。
63ページは、令和6年度診療報酬改定の議論で使用した資料でございますが、歯科技工業の労働環境の改善に関する提言として、歯科医師と歯科技工士が十分に連携できる体制を整備すると。
こうした提言を踏まえまして、64ページになりますが、令和6年度改定で歯科医師と歯科技工士の連携に着目をした歯科技工士連携加算が新設され、右下のグラフに示す算定状況となってございます。
最後、「歯科治療のデジタル化等」でございます。
65ページからになります。
66ページでは、光学印象やCAD/CAMによる歯科治療のデジタル化の例をお示ししております。
また、67ページには、歯科治療のデジタル化の効果をデータでお示ししてございます。
作業時間の短縮、業務負担の軽減が報告されているところでございます。
68ページは、金属材料の使用の有無による比較でございまして、金属を使用しない場合につきましては、デジタル技術が比較的応用しやすく、材質が歯の色調に近いために見た目が良好であるという長所がございます。一方で、耐久性が金属より劣るということもございますので、患者さんの口腔内の状況に応じて治療が選択されている状況でございます。
69ページは、平成12年度診療報酬改定で導入されました歯科用貴金属価格の随時改定制度の変遷をお示ししてございます。
随時改定は、中医協におきまして3か月ごとに報告をしてございますが、市場価格の影響を受けやすい歯科用貴金属材料を用いない治療の選択肢を増やしていくことが重要ではないかと考えてございます。
70ページは、本項目に係る改定内容の変遷でございまして、71ページは、保険診療の対象となっている歯冠修復について、歯の種類、材料ごとに整理をしたものでございます。
72ページ、73ページは、小臼歯と大臼歯について、金属を使用しないCAD/CAM冠と、金銀パラジウム合金を用いた全部金属冠、いわゆる被せ物の割合をお示ししてございます。
72ページが、小臼歯の割合で約6割、そして73ページでは、大臼歯の約3割が金属を用いないCAD/CAM冠が算定されており、算定割合は増加している状況でございます。
74ページに、これまで申し上げた現状と課題をまとめてございまして、75ページが各項目の論点でございます。
まず障害者歯科医療については、いわゆる「口腔保健センター」等の障害者歯科治療の専門歯科医療機関に受診する患者の歯科医学的管理を推進するために、専門歯科医療機関で行った歯科医学的管理に関する評価についてどのように考えるか。
歯科疾患・口腔機能の管理等の生活の質に配慮した歯科医療につきましては、患者のライフコースに沿った歯科疾患や口腔機能の管理を推進するために、「歯科疾患管理料」「小児口腔機能管理料」及び「口腔機能管理料」の対象患者や評価についてどのような対応が考えられるか。また、小児の健全な咬合の育成や歯科矯正相談の適切な説明を行うために、「小児保隙装置」や「歯科矯正相談料」の評価についてどのように考えるか。
「食べる」「話す」等の生活に直結する新製有床義歯の管理・内容が類似している歯周病の継続治療である「歯周病安定期治療」及び「歯周病重症化予防治療」の評価についてどのように考えるか。
その他、生活の質に配慮した歯科医療の提供を推進するため、歯科固有の技術の評価についてどのように考えるか。
へき地等歯科医療につきましては、歯科医療が十分に提供されていない地域等において歯科巡回診療を適切に推進するために、地方自治体等と連携して実施する歯科巡回診療車を用いた巡回診療に関する評価についてどのように考えるか。
多職種連携については、医科や調剤等との連携をさらに推進するために、周術期口腔機能管理等の評価や多職種連携による評価についてどのように考えるか。
歯科衛生士・歯科技工士の定着・確保については、歯科医療機関等の歯科衛生士及び歯科技工士の定着・確保を図るために、「口腔機能指導加算」や「歯科技工士連携加算」等の歯科衛生士や歯科技工士の業務の評価についてどのように考えるか。
最後、歯科治療のデジタル化等については、効率的かつ安定的な歯科治療の提供に資する歯科用貴金属材料を用いないデジタル技術をさらに推進するために、「CAD/CAM冠」や「光学印象」等の適応や評価についてどのように考えるかという論点をお示ししてございます。
なお、1つ目の障害者歯科医療及び3つ目のへき地等歯科医療につきましては、次期改定に向けて具体的に論点をお示ししており、特にこの場で御議論が出なければ、この内容を基本として対応を進めていきたいと考えております。なお、それ以外の項目につきましては、本日頂戴する御意見あるいは今後公表される検証調査の結果なども踏まえまして、今後、具体的に論点をお示ししたいと考えてございます。
説明は以上です。御審議のほど、よろしくお願いいたします。
○小塩会長
どうもありがとうございました。
それでは、ただいまの説明につきまして、御質問等ございましたらよろしくお願いいたします。
それでは、最初に大杉委員、お願いいたします。
○大杉委員
ありがとうございます。
75ページの論点に沿って、意見と要望を発言させていただきます。少し長くなりますが御容赦ください。
初めに、障害者歯科医療についてですが、小塩会長におかれましては、後ほど、実際に障害者歯科診療に従事されている小松専門委員からの御発言の機会をお願いいたします。
資料10ページにありますように、都道府県や歯科医師会が開設・運営する口腔保健センターのニーズは今後ますます増加するものと考えております。障害をお持ちの方は、障害の程度や症状が様々であり、歯科疾患の重症化リスクが高く、また、歯科治療時に複数の人員や設備を要することが多いという特徴があります。地域の歯科診療所の後方支援を担う専門歯科医療機関が行う口腔健康管理に関する取組をぜひ評価していただきたいと考えております。
2点目は、歯科疾患・口腔機能の管理等の生活の質に配慮した歯科医療についてです。14ページ目には、かかりつけ歯科医の役割、15ページ目には、加齢による口腔機能の変化のイメージが示されています。日本歯科医師会では、かかりつけ歯科医として定期的に口腔の管理を行っていくことで、歯科疾患の重症化を予防するとともに、食べる、話す、笑うといった日常生活の基本的な機能の維持・向上に寄与・維持することが重要な役割であると考えています。
特に、平成30年に新設されました口腔機能管理料や小児口腔機能管理料は、患者さんにとって、口腔機能の獲得や向上を図る上で重要な管理となっています。今後の高齢者の増加とともに、歯周病の維持・管理や義歯等へのニーズも増加し、以前のように義歯を装着して終了することではなく、かめる機能を維持し続けることが特に重要になると考えています。改定の都度、口腔機能管理への対応は行われてきていますが、管理を行う側と受ける側の双方が分かりやすく、適切な管理が行われるような評価内容を御検討いただきたいと思っております。
3点目の僻地等歯科医療に関しては、これまで中医協ではあまり議論されてきませんでしたが、36、37ページの資料にも示されているように、歯科医療提供体制が十分ではない地域が存在している課題も明らかとなっております。既に38ページの写真で示されているような歯科巡回診療車を活用している自治体もありますので、先行の好事例を参考に、補助金との役割の分担を図りつつ、診療報酬においても、都道府県と歯科医師会との連携の下、歯科医療提供体制が持続できるよう、御検討をよろしくお願いいたします。
4点目は多職種連携です。周術期等口腔機能管理や、回復期等口腔機能管理の仕組みも導入していただき、病院の入院患者さんへの口腔管理も推進されてきました。病院歯科の取組は、歯科診療所の後方支援機能病院として、さらに評価していただきたいと思います。
また、47ページや49ページの資料にもありますように、診療所の取組はまだまだ少ない状況であり、歯科のない約8割の病院と歯科診療所の連携はますます重要と考えております。
また、前回改定において、医科診療所との糖尿病患者に対する連携や、薬局との連携が着実に推進できるように、地域に密着した実効性のある双方向での評価をお願いしたいと思います。
5点目の歯科衛生士・歯科技工士の定着・確保は喫緊の課題であり、国民に質の高い歯科医療を継続的に提供していくために、欠かすことのできないパートナーであると考えています。前回改定でも、様々な連携のスキームを入れていただいておりますが、それぞれの専門性がさらに発揮され、かつ人材定着につなげていくために、前回改定において導入していただいた様々な連携のスキームに実効性を持たせるための工夫をぜひともお願いいたします。
最後に、歯科治療のデジタル化等についてです。御承知のとおり、定期的に御報告いただいている金銀パラジウム合金の価格は、金が最高値を更新し、上昇基調にあります。CAD/CAM冠の適用範囲は広がってきていますが、まだ保険適用となる症例に制約がある部分もありますので、メタルフリーが一層推進されるような対応をぜひお願いしたいと思います。
そして、前回新設されました光学印象は、67ページの資料にもありますように、時間的な短縮のみならず、患者さんへの負担もより少なくなっている部分などはさらに評価されるべきと考えています。
ただ、デジタル化で効率化ができる部分もありますけれども、従来の歯科固有の技術の評価も、改めて再評価をお願いいたしたいと思います。
私からは以上でございます。
○小塩会長
どうもありがとうございました。
引き続き、ほかの委員の方々の御発言もお願いしたいのですけれども、その前に、ただいま大杉委員から御提案がございましたが、障害者歯科医療につきまして、小松専門委員からの御発言をお願いいたします。
○小松専門委員
ありがとうございます。専門委員の小松です。
障害者歯科医療についてでございますが、私自身、長年にわたり障害者歯科治療に従事しておりますが、これまでの経験で申し上げますと、障害があるか否かにかかわらず、どのような患者さんであってもかかりつけ歯科診療所で診療していただけることが望ましいと考えております。
しかしながら、実際のところ、保護者の方は専門医療機関での診療を希望される方が多く、また、かかりつけ歯科診療所では、障害者歯科治療に対する体制や設備が十分でないところもあり、専門医療機関での診療が多くを占めております。
また、事務局から御提示いただいたスライド9ページに示されておりますように、障害がある方は、日常の口腔ケアの困難性や、障害の特性により歯科疾患の重症化リスクが高い状態で、早期から重症化予防のアプローチと適切な治療が重要だと考えております。
専門医療機関では、患者さんの障害の程度や内容・特性に応じて、きめ細やかな歯科医学的管理の下に、特別な配慮や工夫により、公平な歯科医療提供に努めております。
こうした専門医療機関での取組が後押しされるような対応をぜひお願いしたいと思います。よろしくお願いいたします。
ありがとうございました。
○小塩会長
ありがとうございました。
それでは、ほかの御意見、御質問をお願いいたします。
最初に江澤委員、お願いいたします。
○江澤委員
ありがとうございます。
まず、歯科医療提供体制につきましては、医療提供体制と同様に、歯科医療機関が役割分担と連携によって地域を面で支え、かかりつけ歯科医機能を充実し、かかりつけ歯科医を持つことを推進すべきと考えております。すなわち、歯科診療所、医育機関附属の病院、それ以外の病院がそれぞれ機能分化・連携し、外来診療のみならず、在宅医療、入院患者や介護施設の診療への対応を充実していくことが求められると思っております。
その際、地域の人口規模や人口推計による需要推計、あるいは歯科医師の高齢化も考慮しつつ、現状の社会資源によって柔軟な体制を構築する視点が必要と考えております。今後、医科歯科連携や多職種協働の重要性もさらに高まってきますので、そういったことも視野に入れながら検討が必要かと思います。
また、口腔とリハビリテーション・栄養の一体的な取組におきましても歯科受診は不可欠であり、受診しなければ歯科衛生士にも指示が出ませんし、在宅要介護者においても、歯科受診したほうが誤嚥性肺炎の発症が減少するというデータもあります。2040年にかけて85歳以上の人口が増加してきますので、今でも高齢者は疾患別あるいは医療費においても歯周病の割合が高いわけですけれども、歯の抜ける原因の8割とも言われる歯周病への対応、また、医療的ケア児は右肩上がりで2万人を超えており、先ほど障害歯科の現場の御報告もございましたが、様々なニーズが増えてまいりますので、そういったことへどういう対応をするのかというのは、診療報酬においても、どういう仕組みがいいのかは考えていく必要があろうかと思います。
さらには、急性期、包括期、慢性期の入院患者の歯科医療ニーズも多々ございますし、糖尿病やフレイルの歯科受診も重要な意義があります。
また、歯科受診の必要な患者さんが、どこにいても受診できる仕組みを推進するという報酬体系はどういったアイデアがあるのかというのは、また考えていく必要もあろうかと思います。
最後に、併せまして介護分野では既に非専門職が専門職につなぐためのスクリーニングの仕組みが導入されていますが、医療分野においても、チェックリストやスクリーニングのツールなどを用いて、非専門職から歯科医や歯科衛生士につなぐ仕組みの充実を考えていくことも必要ではないかと思っております。
以上でございます。
○小塩会長
どうもありがとうございました。
続きまして、森委員、お願いいたします。
○森委員
ありがとうございます。
歯科医療機関、歯科医師と薬局薬剤師の連携も重要となります。薬局では、歯科の院外処方への対応はもちろん、他の医療機関から処方されている薬や市販薬による歯科治療への影響、また、口腔内乾燥や歯肉炎への影響など、歯科治療を行う際に注意を要する医薬品などの情報連携は重要だと考えております。
また、近年、江澤委員からもありましたけれども、歯科医師会と薬剤師会が連携して、薬剤師が口腔チェックやオーラルフレイルの状況などの確認を行い、必要に応じて歯科への受診勧奨の取組も進んでおります。
今後、歯科の治療のみならず、こうした面での歯薬連携の取組がますます重要になってくると考えます。
また、近年、糖尿病やビスフォスフォネート製剤に代表される骨代謝改善に影響を与えるような医薬品については、医師、歯科医師、薬剤師の連携が進んでいます。これらの観点を踏まえ、歯薬連携や医歯薬連携の在り方、現場での連携が進むよう、方策を検討していくべきと考えます。
私からは以上です。
○小塩会長
ありがとうございました。
ほかはいかがでしょうか。
池端委員、お願いいたします。
○池端委員
ありがとうございます。
病院の立場でも一言お話しさせていただきたいと思います。
55ページにありますように、歯科衛生士は登録数の年次推移を見ますと、就業者の割合がどんどん減ってきています。実は、特に包括期、慢性期の入院医療におきましては、歯科衛生士が口腔ケア等々を入院の中でもタイムリーに行うことで、かなり口腔ケア・栄養の管理がよくなるということがありまして、このニーズはますます増えてきております。そういう点も含めて、歯科衛生士が今後不足することのないように、しっかりした対策が必要ではないかということ、病院医療の立場でもお話ししておきたいと思います。
以上です。ありがとうございます。
○小塩会長
ありがとうございました。
ほかはよろしいでしょうか。
それでは、松本委員、お願いいたします。
○松本委員
ありがとうございます。
最初にまず総論的なことをコメントさせていただいた後、75ページの論点に沿って、テーマ別にコメントをしたいと思います。
資料の4ページ以降に示されております検討会の提言、あるいは骨太の方針2025に沿って、次期改定で重点的に対応することについて、おおむね異論はございません。ライフステージや個々の患者の特性によって口腔機能の課題が異なることを踏まえ、歯科医療の技術進歩も念頭に置き、一方、効率性も意識しながら、限られた歯科医療資源で多様なニーズに過不足なく充足することが必要です。
そのためには、かかりつけの歯科診療所、専門性の高い歯科診療所、さらには病院歯科のそれぞれが地域で求められている役割をしっかり果たしているかどうかが評価の視点として重要だと考えております。
続きまして、個別のテーマに移らせていただきます。
障害者の歯科治療につきましては、9ページに、口腔管理に関し配慮すべき課題がかなりある一方で、10ページには、専門施設が全国的に少ない、11ページに、供給量が不足しているということですけれども、今後の対応としては、広く一般の歯科診療所の対応力を高めるというよりは、専門施設で重点的に対応するほうがより効率的ではないかと考えますし、先ほど小松専門委員からもありましたけれども、家族からの御希望等もそれに沿っているものだと認識しております。
新たな評価を行うのであれば、論点に記載されておりますように、口腔保健センター等の専門施設に限定し、さらに障害児や障害者に対して歯科医学的管理を実施した場合のみ評価をする等、適切な運用を担保していただきたいと考えております。
次のテーマの生活の質に配慮した歯科医療については、冒頭に申し上げましたとおり、患者の多様性に配慮した、生涯にわたる治療や管理を推進する大きな方向性はある程度理解しております。ただし、充実だけでは、財政影響はかなり大きくなることが想定されます。効率化や適正化とセットで議論し、本当に評価すべきポイントを丁寧に検討する必要があると思っております。
18ページに示されております、例えば広く算定されております歯科疾患管理料については、計画的な管理を評価する項目であるにもかかわらず、初診でもかなり算定され、その後に必ずしも継続的に管理を行っていないということは、以前、健保連からも指摘させていただき、令和2年度改定で初診の評価が引き下げられた経緯がございます。その直後に新型コロナがパンデミックになり、特殊な状況になりましたので、さらなる対応について十分な議論ができず今に至っておりますが、そもそも初診から算定できることや、書面による説明や署名同意が必須ではなく文書の交付を加算で評価しているのが現状でございます。令和8年度改定に向けては、改めて継続的・計画的な歯科疾患の管理について、適切な評価の在り方の根本に立ち返った議論をさせていただきたいと思います。
その上で、17ページ等にもあります小児の発達不全や高齢者の機能低下について、特別な管理を評価する必要があるということであれば、通常の歯科疾患管理との違いを明確にすることが必要です。
26ページにある歯科矯正についても、小児への対応とは別の観点で課題があると認識しております。コロナ禍で歯科矯正が増加したことを踏まえ、健保連でも少し調査をいたしましたが、大都市部で歯科矯正管理料の算定が多いことや、成人の伸び率が高いことが分かりました。背景としては、顎変形症手術との関連があることも示唆されており、これが直ちに問題ということではありませんが、保険診療で行う歯科矯正や顎変形症治療についても適切な運用が必要だと考えております。
また、歯周病については、継続的な管理が必要なことは十分理解をしておりますが、31ページ以降を見ましても、安定期治療と重症化予防の違いが正直患者には分かりにくいというのが印象でございます。しかも、治癒して終了ということでなく、重症化予防から、次はまた安定期治療に戻って、結局終わりがないということで、かなり予防的な要素が入り込んでいる懸念もございます。先ほど大杉委員からもございましたけれども、歯周病の管理については、患者にも分かりやすい形に考え方を整理すべきだと考えます。
次に、僻地等の歯科医療については、特に人口が少ない地域で歯科医師も高齢化し、地域の住民が歯科医療を受けられなくなることはもちろん望ましい状態ではございませんので、巡回診療車を使用して効率的に歯科医療を提供すること自体に異論はございません。
38ページや39ページにあるような、自治体と連携している医療機関に限定することや、補助金で構築した災害時のスキームを平時から活用するといった適切な運用もぜひ担保していただきたいと思います。
次に、連携についてですが、歯科医療に限らず、医科・歯科・調剤連携、病診連携、職種間連携といった取組をこれまでも毎回評価してまいりました。それ自体に異論はございませんけれども、まだ不十分なのかという思いもございます。どこがボトルネックなのかしっかり見極めて、似たような項目を整理することも含め、適正化とセットで実効的な評価の在り方を検討する時期に来ているのではないでしょうか。
次に、歯科衛生士や歯科技工士の定着・確保については、令和6年度改定の検証は当然ですが、歯科衛生実地指導料の口腔機能指導加算や歯科技工士連携加算を令和7年度に引き上げた効果についてもお示しいただくことが、次の対応を検討する大前提となります。
歯科技工士については、歯科技工士連携、61ページにあるとおり、歯科技工所の勤務が多く、実態が把握しにくい側面もございますが、期中に緊急対応した趣旨も踏まえて、加算による手当がしっかり歯科技工士に行き渡っているものと期待をしております。
最後に、歯科治療のデジタル化については、66ページ以降にあるとおり、光学印象やCAD/CAM冠が歯科治療の効率化や業務負担の軽減につながり、貴金属材料価格に左右されない安定的な歯科医療に資するということであれば、適用拡大することは望ましいと考えます。ただ、CAD/CAM冠に関しましては、金属と比較して耐久性が低く、適用を広げることで破損が増えることも想定されますので、患者が不利益を被らないような対応も併せて検討すべきと考えております。
私からは以上でございます。
○小塩会長
どうもありがとうございました。
ほかはいかがでしょうか。
鳥潟委員、お願いいたします。
○鳥潟委員
ありがとうございます。
まず多職種連携について、多くが病院で算定されているとのことですが、診療所で算定されていない要因や、そもそもそうした状況自体が課題なのか確認した上で、今後議論していく必要があると考えます。
また、資料5ページ目に記載の目指す「歯科医療提供体制の方向性」で、「今後の必要量や歯科医師の適切な配置について検討」することが必要とありますが、当方も同じ意見でございますので、ぜひとも厚労省を中心に検討を進めていただきたいと考えております。
以上です。
○小塩会長
ありがとうございました。
ほかはいかがでしょうか。
佐保委員、お願いいたします。
○佐保委員
ありがとうございます。
まず38ページに、障害児(者)、僻地での巡回診療に関して、自治体の取組が挙げられておりますが、患者が困ることがないよう、こうした取組は重要と考えております。
まず2点、先に質問をさせてください。24ページの18歳未満の口腔機能発達不全症、50歳以上の口腔機能低下症と診断されていても、管理料が算定できていない、算定されていないとありますが、その要因は何かあるのでしょうか。それが1点目です。
2点目は、26ページの歯科矯正相談に関して、質の担保に向けてどういった対応が考えられるのでしょうか。
2点質問をさせていただきます。
○小塩会長
ありがとうございました。
ただいま佐保委員から2点御質問がございましたが、事務局いかがでしょうか。
○和田歯科医療管理官
歯科医療管理官でございます。
まず1点目の小児口腔機能管理料と口腔機能管理料が算定していない理由につきましては、今年度は検証調査を実施しておりまして、その中で算定できない理由などを聞いておりますので、その結果をもって御説明させていただきたいと思っております。。
また、2点目の歯科矯正相談料につきましては、資料にもお示ししておりますが、実際には、説明方法などがどういう実態で行われているか分からないということがございます。歯科矯正相談料の算定要件は、歯科矯正に関する様々な検査を行うことが要件になっておりますので、おのずと実施できる医療機関は限られておりますが、説明方法については適切に行っていただく必要があると考えてございますので、次の議論に向けて、論点を少し整理させていただきたいと思っております。
○小塩会長
よろしいでしょうか。
○佐保委員
御回答ありがとうございます。
今、質問させていただいたことに加えまして、51ページの生活習慣病管理料における糖尿病患者への歯科受診の推奨について、実際の受診につながって、効果は出ているのかといったことや、歯科治療の効率化、業務負担の軽減に向けて、CAD/CAM冠や光学印象等のデジタル化がありますが、それ以外のデジタル化をはじめどういった対応が考えられるのかといった点などについても、それぞれ実態を把握いただいて、今後の議論に向けて、詳細を分析いただくようお願いいたします。
私からは以上です。
○小塩会長
御要望いただきました。ありがとうございました。
ほかはいかがでしょうか。
飯塚委員、お願いいたします。
○飯塚委員
ありがとうございます。
本日、総論ということで発言しますけれども、今、口腔の機能の管理料ですとか、歯周病の管理料等のいろいろな変遷の御説明がありまして、大変重要な取組と感じているのですけれども、一方で、こういったことをやった結果、実際に人々の口腔や歯周病あるいは関連するものが長期的に管理されていて、あるいは改善されてきているのかというのは、今の御説明のところでは全く分かりませんでした。まずは事務局に質問ですけれども、個人のレベルにおける口腔機能ですとか、あるいは歯周病のこういった基本的なデータの継続的な収集が必要だと思うのですが、そういったものはまずされているのか、あるいはされる予定があるのか教えていただけますか。
○小塩会長
御質問がございましたが、いかがでしょうか。
○和田歯科医療管理官
本日の資料にも一部お示ししておりますが、歯科疾患の罹患状況等につきましては、医政局で定期的に歯科疾患実態調査を行ってございます。その中で、う蝕や、本日お示ししている歯周病の罹患状況は継続的に把握しております。
なお、歯周病に関しましては、今回お示しした資料の中でお示ししているように、あまり罹患率に改善が見られていないということもございますので、診療報酬の観点からも対応が必要と考えているところでございます。
以上です。
○小塩会長
飯塚委員、よろしいでしょうか。
○飯塚委員
ありがとうございます。
例えば21ページの資料を見ますと、こういった口腔機能の管理というのは既にされているということで、大がかりにお金をかけて何かやりましょうということではないのですけれども、既に存在するこういった重要なアウトカムといったものを電子的に報告いただく等のことを考えて、個人レベル、様々な予防や治療が人々のこういった口腔の健康に寄与しているかというのを継続的にデータを収集して評価すると。これは診療報酬に直結する話ですので、そういうことは必要だと思っています。
以上です。
○小塩会長
ありがとうございました。
ほかに御質問、御要望はございますでしょうか。よろしいでしょうか。
ほかには特に御質問等ないようですので、本件に係る質疑はこの辺りといたします。
今後、事務局におかれましては、本日いただいた御意見、御要望も踏まえて対応していただくように、お願いいたします。
続きまして、「調剤について(その1)」を議題といたします。
事務局より資料が提出されておりますので、説明をお願いいたします。
○清原薬剤管理官
薬剤管理官でございます。
資料「総-2」を御覧ください。
「調剤について(その1)」でございます。
2ページを御覧ください。
本日は、「薬局、薬剤師を取り巻く状況」「調剤医療費」「調剤に係る診療報酬上の評価」についてお示ししております。
3ページを御覧いただければと思います。
令和5年の薬局数につきましては約6.3万軒、同一法人の薬局の店舗数については、20店舗以上は増加傾向ということが見てとれます。
4ページ目でございますが、都道府県の薬局数の増減を示しており、東京都や大阪府で増加傾向となっております。
5ページは、二次医療圏別に見た処方箋発行枚数当たりの薬局数です。
都市部に集中している傾向が見てとれます。
6ページは、薬剤師数の推移についてお示ししております。
令和4年末時点における派遣等も含めました就業先でございますが、全体は32.4万人、そのうち薬局薬剤師は19.1万人、病院薬剤師は5.7万人でございます。
7ページは、6月25日の中医協総会にて既にお示しした資料でございますが、全薬剤師数のうち、薬局、病院、診療所に勤務する薬剤師数の推移でございます。
8ページは、医薬局で検討、評価化した薬剤師偏在指標についてお示ししており、都道府県別の値をお示ししております。
偏在指標が1.0となるには、病院薬剤師につきましては約1万4000人が必要ということになっております。
9ページ、それを二次医療圏別に色分けしたものをお示ししております。
10ページは、処方箋発行枚数と受取率をお示ししております。
処方箋発行枚数は、直近令和6年度で8.6億枚、処方箋受取率は82.1%でございます。
11ページです。
薬局1店舗当たりの勤務薬剤師数は平均で2.7人、処方箋枚数は1か月当たり約1,100枚と、比較的小規模の薬局が多いことがうかがえます。
12ページは、薬剤師・薬局関連の動きについて、「患者のための薬局ビジョン」策定以降、薬機法改正を含めた様々な動きについてまとめているものでございます。
薬局関連のほか、病院、あとは薬剤師の確保といったところをまとめております。
13ページは、薬機法上の薬局の役割についてでございます。
14、15ページは、「患者のための薬局ビジョン」の資料、16、17ページは、かかりつけ薬剤師・薬局の考え方、必要となる患者像の資料でございます。
18ページは、医薬局で実施しております薬局・薬剤師の機能強化等に関する検討会の資料でございます。
地域・拠点で確保すべき機能と、個々の薬局に必要な機能がまとめられております。
次に、19ページからは「調剤医療費」でございます。
20ページは、調剤医療費全体としては約8.4兆円で、そのうち約4分の1が技術料となっており、約2.3兆円でございます。
21ページは、現在の調剤報酬の体系となります。
22ページは、技術料の内訳になります。
令和4年度に評価体系を見直したことにより、直接の比較が直近ではできなくなっておりますが、現在の推移といたしましては、薬剤管理料が技術料の約半分を占めている状況でございます。
23ページは、技術料の割合の年次推移でございます。
24ページからは、「調剤に係る診療報酬上の評価」でございます。
25ページが、「①服薬指導に関する評価」でございます。
26ページ、令和4年度改定にて薬学管理料として新設されました調剤管理料ですが、これは現在日数で点数が区分されております。それぞれの算定回数と医療費をお示ししておりますが、調剤日数が29日以上のときが最も多く算定しているという状況でございます。
27ページは、令和4年度改定で新設されました調剤管理加算の算定状況でございます。
令和6年度に調剤管理加算ロの算定数が増えておりますのは、施設基準である服用薬剤調整支援料の算定実績を有している薬局が増えたことによるものです。これは令和6年度調剤報酬改定により、地域支援体制加算2の算定要件が強化され、ポリファーマシー解消に取り組む薬局が増えたことを示しております。
28ページは、服薬管理指導料の算定状況ですが、同一の薬局を3か月以内に再度利用しているのが約75%を占めております。
29ページは、特定薬剤管理指導料加算1の算定状況でございます。
令和6年度改定の要件見直しにより、ハイリスク薬の薬学的管理・指導に関する算定は減少しております。
30ページは、薬局薬剤師による患者フォローアップについての調査結果でございます。
フォローアップの方法としては電話が最多、処方医への情報提供は、約7割が問題点があった場合に情報提供していると回答し、フォローアップの対象は糖尿病疾患が最多でございました。
31ページは、フォローアップに関する算定項目の算定状況でございます。
右は糖尿病溶剤または慢性心不全溶剤について、医師の指示や患者の求めに応じて、電話等により使用状況等を患者に確認し、その結果等を医療機関に文書により情報提供した際に算定できるものでございます。右の棒グラフで糖尿病算定回数が大きく伸びておりますのは、令和6年度に対象薬剤が拡大したためでございます。
32ページは、令和4年度改定にて新設されました小児特定加算の算定状況でございます。
訪問薬剤管理指導における算定が約7割を占めておりますが、一方で、従来より評価されております乳幼児に対する服薬指導では、外来における算定が大半でございました。
33ページからは、「②かかりつけ薬剤師に関する評価」でございます。
34ページからは、かかりつけ薬剤師指導料の算定状況でございます。
令和4年度、かかりつけ薬剤師以外の薬剤師でも算定できる特例が設けられましたが、右側に書いておりますとおりでございます。かかりつけ薬剤師指導料は、服薬指導料全体の中でも2%程度の算定状況でございました。
35ページは、調剤基本料別のかかりつけ薬剤師指導料の算定状況を示しております。
割合として、調剤基本料3のロ、ハ、そして特別調剤基本料Aの薬局で相対的に多かった状況でございます。
36ページからは、「③重複投薬・多剤投与、残薬解消等に関する評価」でございます。
37ページは、併用薬との重複投薬及び相互作用の防止、残薬調査を行い処方変更された場合の調剤管理料への加算の算定状況でございます。
全体として、平成30年度以降、受付回数に占める算定割合は0.6%前後で推移している状況でございます。
38ページ、薬局における残薬・多剤投与、いわゆるポリファーマシーの解消に関する取組についてでございます。
左側は外来服薬支援料1でございますが、患者や医療機関の求めに応じて、薬局に持参した薬の整理など服薬管理を行った場合に算定できるものでございます。
右側がポリファーマシーの解消に関する服用薬剤調整支援料の算定状況を示しております。算定回数は増加傾向でございます。
令和6年の服用薬剤調整支援料についてでございますが、令和6年度、左側につきましては、2種類以上減少した処方が4週間以上続いた場合に算定できるもの、その右側が、その取組を行い処方医に所定の報告をもって報告した場合に算定できるものについてでございます。
特に後者が大きく伸びておりますが、こちらも令和6年度調剤報酬改定によりまして、地域支援体制加算の算定要件が強化され、ポリファーマシーの解消に取り組む薬局が増えたことを示しております。
39ページ、「④医療機関等への情報提供、連携等に関する評価」でございます。
ページ、薬局から医療機関等への情報提供に係る評価である服薬情報等提供料の算定状況についてお示ししております。
41ページからは、「⑤薬局の体制に関する評価」でございます。
42ページ、調剤基本料の構成比の推移でございます。
これまでの改定での見直しにより、種類も増え、割合としても、調剤基本料1以外の薬局が現在34.2%まで増えているところでございます。
43ページは、地域支援体制加算の算定状況でございますが、今、全体としては4割弱の薬局が算定しております。また、調剤基本料別では、調剤基本料1の算定薬局では4割強、それ以外の薬局では3割強で加算を算定しているという状況でございます。
44ページは、地域支援体制加算の要件の一つでもありますが、薬局における医薬品の備蓄状況でございます。
地域支援体制加算算定薬局のほうが、備蓄品目数が多い傾向でございました。
45ページは、薬局の体制に係る情報の周知に関する要件についてまとめております。
46ページは、地域支援体制加算の中でも在宅医療に関してのスライドとなりますが、保険薬局で調剤が可能な注射薬の例を示しております。
47ページ、後発医薬品に係る調剤報酬の算定状況及び提出状況についてお示ししております。
全体的に増えておりますが、特に後発医薬品調剤体制加算3は、後発医薬品使用割合が90%以上という要件で、点数も30%と一番高いものですが、その算定回数が増加をしている状況でございます。
48ページは、薬価調査における後発医薬品の使用割合の推移を示しております。
49、50ページは、医療用医薬品の供給状況・供給停止や限定出荷の理由についてお示ししておるものでございます。
51ページは、薬剤料が高額なレセプトの推移についてお示ししており、増加傾向にあります。
52、53ページは、現状と論点をまとめております。
「総-2参考」といたしまして調剤報酬の評価の変遷、その内容、算定状況等をお示ししておりますので、適宜御参考にいただければと思います。
説明は以上となります。
○小塩会長
どうもありがとうございました。
それでは、ただいまの御説明につきまして、御質問等ございますでしょうか。
最初に森委員、お願いいたします。
○森委員
ありがとうございます。
まずは、その1の議論ということで、調剤報酬改定に向けた全体的な認識や意見を述べさせていただきたいと思っております。少しお時間をいただきますけれども、よろしくお願いします。
まず、次回改定において最も重要なことは、薬剤師・薬局がより質の高いサービス提供を行い、賃上げにしっかりと対応できるよう、薬局の経営を安定させることです。
何度も申し上げておりますが、薬局経営は非常に厳しい状況にあり、近年の物価高や人件費の高騰、毎年改定、医薬品の仕入価格の高騰、逆ざやの増加により、さらに厳しい状況に陥っています。地域医療を支えている中小の薬局の経営は特に厳しく、このままの状態が続けば、経営が立ち行かなくなり、薬局がなくなり、保険あってサービスなしという地域が増える可能性があります。地域医療を支えている薬局への配慮が必要と考えます。まずは薬局が医薬品供給拠点としての機能を維持すること、そして経営の体力をつけられるようにすべきと考えます。
また、前回改定で、調剤基本料の体系の見直し、地域支援体制加算の要件強化と適正化、在宅への取組など大幅な見直しを行いました。大幅な見直しは、現場に非常に大きな影響を与えます。次回改定は、大幅な見直しありきで議論をするのではなく、前回改定の影響を丁寧に検証しつつ、それを手直ししていく形で、あるべき姿に向けて進めていくものと考えます。
薬剤師は医療の担い手として、薬局は地域の医薬品供給拠点として、地域包括ケアシステムの中で、医師、歯科医師等と連携し、患者に安全・安心な薬物治療を提供する責務があります。人口減少社会の中、時間外対応、離島・僻地・過疎地への対応を含め、薬局間が連携して、地域を面で支える体制を構築する必要があります。今後、地域差が拡大する中、地域によって人口構造、医療資源や医療提供体制が異なってくるため、要件上の配慮が必要と考えます。薬局が医薬品供給拠点としての機能を果たし、かかりつけ機能を強化し、対物業務を基盤とした上で対人業務を充実させ、多職種と連携し、質の高い薬剤サービスを提供していくことに取り組んでいきたいと考えております。
その上で、まず1つ目の論点についてです。地域の医薬品供給拠点の役割を維持・強化するためには、いわゆるファーマシーフィーとしての調剤基本料と、その加算により薬局の基本機能を下支えすることが必要です。確実な賃上げを行うためには、ファーマシーフィー、つまり調剤基本料で評価すべきと考えます。
地域支援体制加算については、前回改定で大幅な要件の見直しを行い、かつ大幅な適正化が行われたところです。前回改定による影響を検証し、修正すべき点について検討し、地域医療に貢献する薬局が評価されるような見直しが必要と考えます。
後発医薬品調剤体制加算については、薬剤師を含めた関係者による現場の努力や、長期収載品の選定療養の導入により、後発医薬品の使用割合は伸びています。一方で、いまだ供給不安の解消が見えない中、現場は大変苦労しています。現場では、何とか医薬品を確保して、後発医薬品の使用維持と使用促進に努めています。そうした現状を支えるための評価は引き続き不可欠です。
次に、2つ目の薬学管理料についてです。調剤管理料は、薬学的知見に基づく処方監査、調剤設計など、医薬分業の根幹を成す重要な対人業務の評価と言えます。かかりつけ機能を強化し、それぞれの患者に合わせて個別最適化した調剤、地域包括ケアシステムの中で、かかりつけ医・かかりつけ歯科医等と連携して患者・地域住民の医療・健康を支えていくため、調剤管理料の充実は必要です。
かかりつけ薬剤師については、個別最適化したより質の高い業務となることが重要です。28ページに、3か月以内に同一の薬局を利用した患者が75%ということがありました。また、参考資料の21ページ目の患者調査では、約4割の患者がかかりつけ薬剤師を持ちたい、かかりつけ薬剤師のいる患者では、約76%の患者がかかりつけ薬剤師を持ちたいとの結果になっています。
かかりつけ薬剤師指導料等の算定回数、届出薬局は増加しているように見えますが、患者調査の結果と比べると、伸びているとは言えません。また、調剤基本料の区分によっても算定割合が異なっています。かかりつけ機能が評価されるよう、また、一元的・継続的・全人的な薬学管理を通した、さらなる質の高い業務となるような見直しが必要だと考えます。
小児の対応については、令和4年度改定で医療的ケア児への対応が評価されましたが、訪問のみならず外来でも対応が増加しています。18歳未満のがん患者や高度な医療的・薬学的な管理を必要とする患者、腎移植などの手術歴のある患者などへも、医療的ケア児童用の小児特有の薬学管理指導や調剤が必要であり、評価の拡充を進めていくべきと考えます。
そのほか、近年ますます高額な薬剤が増加しており、今後も外来・在宅の場で超高額な薬剤の使用が進んでいくと思います。高額な薬剤は、薬剤調製時のロス、販売包装単位、残薬問題、バイオ製剤のように返品不可などの課題があり、薬局にとって大きなリスクです。国民が、高額な医薬品であったとしても確実にアクセスできるよう、それを供給する薬局がリスクを被り過ぎない報酬上の評価の仕組みとともに、薬事承認、薬価、流通上等の対応が必要だと考えます。
私からは以上です。
○小塩会長
どうもありがとうございました。
続きまして、江澤委員、お願いいたします。
○江澤委員
ありがとうございます。
意見を3点と質問を1点述べさせていただきます。
まず、「薬局、薬剤師を取り巻く状況」として、6ページに薬剤師数の推移が示されておりますが、薬局薬剤師は年々増加する一方で、病院に勤務する薬剤師の数の伸びは低調で、増加割合も小さくなっております。
御存じのように、OECD先進国の中でも、人口当たりの薬剤師数は、我が国は最も多い状況に対し、病院の薬剤師不足は逼迫をしています。病棟業務である入院患者さんへの薬剤指導あるいは薬剤のミキシング、抗がん剤の無菌調製などの病棟業務を担う薬剤師の育成・養成というのも視野に入れていかないといけない喫緊の課題だと思っております。
続きまして、2点目でございます。34ページにかかりつけ薬剤師指導料の算定状況が出ておりますけれども、算定回数は右肩上がりに増えていますが、35ページを見ますと、大型チェーン薬局が算定する調剤基本料3のロ、ハ、あるいは敷地内薬局が算定する特別調剤基本料Aの届出施設において算定割合が高くなっております。実態はいろいろ詳細を調査しないといけませんけれども、今後の状況を考えますと、大型チェーン薬局以外の地場の小規模な薬局もかかりつけ薬剤師の機能を担っていけることを検討すべきではないかと考えております。
続きまして、3点目でございます。資料の31ページでございます。医療機関と薬局の連携でございますが、31ページでは、吸入薬指導加算、特定薬剤管理指導加算2、調剤後薬剤管理指導料いずれも右肩上がりで、こちらは薬局と医療機関の連携においては非常に良好なデータだと思っております。
また、一番右側の令和6年度からの慢性心不全に対する調剤後薬剤管理指導料、これは今後増えるであろう慢性心不全の患者さんの退院後の在宅医療連携においては大変有用だと期待をしているところでございます。
一方で、30ページの左下の円グラフを見ますと、問題があった場合にのみ医療機関に情報提供が7割で、処方医・医療機関に情報提供していないが1割という実態もありますので、より緊密な連携が求められると考えております。
その点で、参考資料の30ページには、薬局から提供された服薬情報等の利活用状況が出ており、医療機関が希望するのは処方提案に関するものなどと示されています。これはまさにチーム医療の一員として、薬局、薬剤師と連携、パートナーシップを深めたいという表れでもあろうかと考えております。今後ますます顔の見える連携を構築していくということは大変重要であると申し上げたいと思います。
意見は以上でございます。
質問は、資料の29ページでございます。特定薬剤管理指導加算1の算定状況ですけれども、前回改定の見直しで、新たに処方された場合、あるいは用法用量を変更した場合等に限定されたことにより、令和6年度の算定は極めて低くなっております。高齢者や認知機能低下の患者さんにおいて、複数回、繰り返し指導したり説明するということも重要だと思いますけれども、この点について支障はないのか、事務局に質問したいと思います。
以上でございます。
○小塩会長
ありがとうございました。
29ページにつきまして御質問いただきましたが、事務局いかがでしょうか。
○清原薬剤管理官
事務局、薬剤管理官でございます。御質問ありがとうございます。
こちらにつきましては、江澤委員がおっしゃるとおり、経常的なフォローアップや、指導等は必要ではございますが、前回の議論においては、処方も何も変わっていなくて内容も変わっていないのに取られている人も多いので、基本的には処方が変更されたときにきちんと説明をするというところに限定をしようということになりまして、29ページの右側の上のほうでございますけれども、今おっしゃった新たに処方されたとき、あるいは変更になったときに取れるような形で限定したものでございます。
今後、継続的に毎回指導するべきことがあれば、見直しというのがあろうと思いますが、前回はそういうものはなくて、変更のときに限定したほうがよろしいでしょうという話で今回限定になって、算定点数が変わったというものです。
ただ、薬剤師といたしましては、お薬を渡すときにはきちんと服薬指導とかもしておりますので、そこで最低限必要なところは御説明されているものだと認識しております。
以上でございます。
○小塩会長
江澤委員、よろしいでしょうか。
○江澤委員
ありがとうございます。
ハイリスク薬剤に対する指導でございますので、引き続き支障がないのかどうか注視しながら対応していただきたいと思います。
○小塩会長
ありがとうございます。
続きまして、池端委員、お願いいたします。
○池端委員
ありがとうございます。
私も、江澤委員と同じ内容になるかと思いますけれども、病院の立場で何点かお話しさせていただきたいと思います。
まず、江澤委員からも御指摘がありましたように、7ページ、何回も出てきている図ですけれども、何回見てもゆゆしき問題かなと思っております。薬剤師がどんどん増えている中で、実は病院に勤務する方は全く増えていかないという現状、この偏在は危機的な状況と言ってもいいのではないかと思います。
次の8ページ、今度は地域偏在に関しても、たまたま私は福井県出身なので、福井県を見ていただきますと、実は病院だけでなく、薬局勤務の薬剤師の偏在指数も0.8を切っている状況です。福井県というのは薬学部がない県なので、こういうことになってしまうのだろうと思いますけれども、この辺、地域偏在もかなり大きな偏在があるので、こういうことに対してどういうことができるかということを本当に考えていただかなければいけないのではないかと思っています。
特に病院に関しては、薬局もそうですけれども、対物から対人、特に病院は病棟業務がかなり高度化しており、あるいは外来でも、例えば抗がん剤治療を外来でやる等々、高度な薬剤を扱うものが増えてきているということで、本当に薬剤師の重要性はますます増している中でこういう状況にあるということで、このままいくと調剤だけではなくて、いろいろな意味での薬剤師の不足により、病院の機能がかなり落ちてしまうのではないかという声が盛んに病院団体からも上がっています。
診療報酬改定だけでできることは、ひょっとしたらそんなに多くはないのかもしれません。医政局マター、あるいは文科省マターもあるかもしれませんけれども、一方で、診療報酬でできることも私は幾つかあるかと思っております。今日は総論なので、あえて具体的な話はさせていただきませんが、是非そういうことも含めて考えていただければと思いますので、よろしくお願いいたします。
以上です。
○小塩会長
ありがとうございました。
江澤委員、お願いいたします。
○江澤委員
今、池端委員も申されましたが、病院薬剤師の不足につきまして、これはもう御周知のとおりでございますけれども、病院と薬局で算定できる薬学管理料に差があり、ひいては薬剤師の処遇に病院と薬局で大きな違いがあるということが背景にありますので、今後、病院薬剤師の評価については、これまでの枠組みにとらわれることなく、忌憚のない議論が必要と考えておりますので、追加いたします。
○小塩会長
ありがとうございました。
ほかはよろしいでしょうか。
松本委員、お願いいたします。
○松本委員
ありがとうございます。
最初に、総論についてコメントさせていただきます。
まず、「薬局、薬剤師を取り巻く現状」につきましては、資料の3ページにもございますけれども、20店舗以上のチェーンを中心に今、薬局数の増加が続いており、特に伸びが大きい首都圏・関西圏などについては、8ページを見てみますと、必要な業務量に比べて薬局の薬剤師が多く、全国平均でも薬局では薬剤師数が充足している一方で、病院の薬剤師数は全都道府県で不足しているという状況が分かります。
薬局から病院へ薬剤師をシフトさせる、また、病院の薬剤関連業務の負担を軽減するために、先ほど池端委員、江澤委員からもありましたけれども、医科の報酬だけでなく、薬局の調剤報酬で何ができるかも検討すべきではないかと考えております。
次に、14ページ以降に紹介されております「患者のための薬局ビジョン」でございますけれども、ちょうど右側のところに、「~『門前』から『かかりつけ』、そして『地域』へ~」というサブタイトルがついております。全ての薬局がかかりつけ薬局になるとされていた目標年次がまさに今年、2025年でございます。かかりつけ機能が実際に発揮されているのか、対物業務から対人業務へのシフトが本当に進んだかということにつきましては、十分に達成されたとはなかなか感じられないというのが率直な印象でございます。
さらに、このビジョンにおいては、2035年までに薬局の立地を門前から地域へ移行させるという目標も掲げられておりますけれども、前回の総会に示された資料を見る限りでは、66%の薬局が門前というのが現状でございますので、これまでの延長で今後も対応するのか、丁寧に検討する必要があるということをまず最初に述べたいと思います。
続きまして、53ページの論点についてコメントいたしますが、医薬品の供給拠点としての役割と対人業務のいずれも充実・拡充の方向性については賛同いたしますが、そのための手段は必ずしも評価だけではなく、基準の厳格化や適正化もセットで対応すべきだということは共通の考え方として指摘させていただきます。
まず1つ目の論点であります調剤技術料でございますが、調剤基本料についてはベースとなる点数ですので、最低限の水準で可能な限り一本化し、機能に応じて加算や減算で差をつけるというのが原則だと考えます。
薬局の場合は、経営形態、店舗数、立地の違いにより経営効率がかなり異なるということで、点数を細かく区分する妥当性がある一方、先ほど申し上げましたけれども、立地自体はなかなかつながりにくいという要素もあろうかと思います。さらに近年は敷地内薬局が広がったことも踏まえ、調剤基本料、特別調剤基本料の在り方について、もう少し長期的な視点で検討することも必要ではないかと感じております。
次に、地域支援体制加算についてですが、資料の44ページを見てみますと、医療用医薬品やOTCの備蓄品目数が施設基準の近くに集中しております。経営者としては当然の御判断かと思いますが、基準を満たすこと自体が目的となり、本来目指す、地域に十分な医薬品を供給するというところが正直言って見えていないと感じております。
さらに、加算がなしの場合、医療用医薬品の品目数が極めて少ない薬局や、OTCの備蓄がゼロという薬局もございます。加算を取らないから備蓄をしなくてもよいという判断をされている薬局がもしあるとすれば、これ自体が問題ですので、調剤基本料の見直しとセットで、地域医療への貢献度に応じた評価の在り方を議論させていただきたいと思います。
続きまして、後発医薬品体制加算については、47ページを見てみますと、算定回数、届出薬局数とも増加しております。
48ページを見てみますと、後発品の使用割合の伸びがここ数年は停滞しておりましたが、長期収載品を選定療養にしたということで、直前の令和6年9月には大幅に上昇しております。この選定療養は、後発品の使用が当たり前になったからこそ導入できたもので、今後も引き続き後発医薬品調剤体制加算を続けることには疑問を感じざるを得ません。加算を廃止して、むしろ調剤割合が低い場合の減算だけにすることや、医薬品全体を分母とした後発品割合を指標にして、患者負担にも配慮した薬剤の処方提案を促すといったことも念頭に置いて、少なくとも現行の後発医薬品調剤体制加算は見直すべきと考えます。
続いて2つ目の論点、対人業務の拡充ですが、まず調剤管理料につきましては、内服薬の処方日数に応じた評価そのものについて問題意識を持っております。令和4年度改定で日数倍数制が廃止をされましたが、基本は一律点数が望ましいと考えておりますので、さらなる見直しについて、ぜひ議論させていただきたいと考えております。
次に、調剤管理加算については、令和4年度改定に新設した際、ポリファーマシーの是正に逆行するのではないかということを支払い側から指摘し、初めて薬局に来た患者や処方変更の患者に限ることになったと承知しております。
27ページの算定状況を見てみますと、令和6年度に算定回数が増加しており、その要因としては、施設基準で算定実績を求めている服用薬剤調整支援料が、38ページに示されているとおり、増加したことに伴うものということで、服用薬剤調整支援料そのものは減薬の取組を評価するもので、これが伸びていることはポリファーマシー対策としてよい傾向だとは思っております。さらにその背景には、地域支援体制加算の施設基準を厳格化した影響ということも考えられます。
服用薬剤調整支援料は、処方提案をすれば、実際の処方変更につながらなくても、低い点数区分で算定できるもので、これを過去1年間に1回算定するだけで、地域支援体制加算や調剤管理加算の実績基準を満たすということは、少なくとも見直すべきだと考えます。
さらに、令和6年度からの第4期医療費適正計画でポリファーマシー対策が強化されたことも踏まえ、調剤管理加算については、廃止も視野に入れて、対人業務の評価としてふさわしいものなのか改めて検討すべきです。
また、重複投薬・相互作用等防止加算については、電子処方箋の導入が薬局ではほぼ完了し、自動チェックの体制が整ったことを踏まえますと、どのような視点で対人業務を評価するのか、ぜひ議論させていただきたいと考えております。
次に、かかりつけ薬剤師の評価については、資料の34ページを見てみますと、指導料や包括管理料の届出は薬局の約6割ということで、一定程度広がった印象を受けますが、算定回数は130万回程度ということで、まだ国民に浸透しているとは言い切れないレベルだと感じております。「患者のための薬局ビジョン」が目標とした節目を迎えた今回のタイミングでかかりつけ薬剤師機能の評価の在り方について、改めて患者の視点で議論すべきだと思います。
最後に、服薬情報等提供料についてコメントいたします。資料40ページを見てみますと、全体としては算定回数が伸びておりますが、絶対数としては、医療機関との連携が十分なのかというと、もう少し頑張っていただく必要があるのではないかと感じております。冒頭に申し上げました医療機関の負担軽減や患者の安全・安心を高めるためにも、調剤報酬でどのような工夫ができるのか検討する余地があるように思います。
私からは以上でございます。
○小塩会長
どうもありがとうございました。
鳥潟委員、お願いいたします。
○鳥潟委員
安定供給にいまだ課題があるものの、長期収載品の選定療養制度の導入により、後発医薬品の使用割合がさらに上昇しており、後発医薬品調剤体制加算1の算定回数が減り、3の算定が増えております。この点について、実態を踏まえて今後の在り方を議論していく必要があると考えます。
また、ポリファーマシー対策について、算定数は伸びている一方、患者さんにどのような効果が出ているか、重複投薬が減っていたり、必要な減薬ができているかについて、実態を確認する必要があると考えております。
以上です。
○小塩会長
ありがとうございました。
ほかはいかがでしょうか。
高町委員、お願いいたします。
○高町委員
ありがとうございます。
今回は、調剤報酬に関する議論だと思いますが、喫緊の課題は、今までも指摘のありましたように、病院薬剤師の確保ということは明らかだと思います。この問題には、令和6年度改定でも取り組んだとは思いますけれども、成果がそれほど出ているように思えません。
調剤報酬の議論はもちろん必要だと思いますが、病院薬剤師を確保するためには、薬剤師に求められている役割が対物から対人に重きが置かれているといったことのような、より大きな視野に立った議論も必要なのではないかと考えております。
私からは以上です。ありがとうございます。
○小塩会長
ありがとうございました。
佐保委員、お願いいたします。
○佐保委員
ありがとうございます。
かかりつけ薬剤師、薬局が果たす役割は重要と考えますので、薬機法における定義や、薬局・薬剤師の機能強化等に関する検討会で整理された内容を踏まえ、その実績評価に向けて検討が必要と考えております。
37ページ~38ページにかけて、重複投与などの防止、残薬や多剤投与の解消に関する加算の算定状況について記載がございます。先ほど鳥潟委員からも発言がございましたが、この取組による重複投与防止の効果、残薬の解消、減薬などの効果について、実態を把握いただき、今後の議論に向けて詳細を分析いただければと考えます。
私からは以上です。
○小塩会長
ありがとうございました。
それでは、森委員、お願いいたします。
○森委員
ありがとうございます。
様々な御意見ありがとうございました。
全体のコメントということでさせていただきたいと思っています。
まずは、国民がどこに住んでいても必要な医薬品に迅速にアクセスできることが必要だと考えています。その上で、何人かの委員の先生から病院薬剤師の話がありました。8ページの偏在指標を見てみますと、確かに病院薬剤師は喫緊の課題だと感じています。ただ、よく見ていただきますと、29の府県で薬局薬剤師も偏在指標が1を下回っております。また、細かく県ごとに見てみますと、県庁所在地のようなところでは充足していても、少し郊外に離れると薬局薬剤師が足りないということがあります。薬局薬剤師を確保していくのかということも課題だと思います。
そして、各地域で医薬品提供体制をしっかりと構築することが課題で、そのためには、薬局が地域の医薬品供給拠点としての機能を維持・強化することが不可欠となります。地域に薬局があるから、医薬品があるから、そして薬剤師がいるから、国民は必要な医薬品に迅速にアクセスできます。地域での医薬品アクセスを確保した上で、国民が質の高い薬剤師サービスを受けられるように、対物業務を基盤とした上で、かかりつけ機能を強化して、対人業務を充実していきたいと考えております。
もう一点、後発医薬品の使用促進については、使用促進を止めたり、ましてや後退するようなことがあってはいけないと考えております。また、使用促進は安定供給が前提となります。先日の業界ヒアリングで、まだまだ先が見えない状況でした。ここは国としても安定供給体制に向けてぜひ取組を強化していただきたいと思っています。
現場の薬剤師も、引き続きしっかりと取り組んでまいりたいと考えております。
私からは以上です。
○小塩会長
ありがとうございました。
ほかに御意見等ございますでしょうか。よろしいでしょうか。
ほかには特に御質問等ないようですので、本件に係る質疑はこの辺りといたします。
今後、事務局におかれましては、本日いただいた御意見、御要望も踏まえて対応していただくようにお願いいたします。
続きまして、「費用対効果評価専門組織からの報告について」を議題といたします。
本日は、費用対効果評価専門組織の田倉委員長、福田参考人にお越しいただいております。
(田倉委員長、福田参考人入室)
○小塩会長
田倉委員長より御説明をお願いいたします。
○田倉委員長
費用対効果評価専門組織委員長の田倉です。よろしくお願いいたします。
「中医協 総-3」の資料を御覧ください。
医薬品の費用対効果評価案についてですが、レブロジル皮下注について、費用対効果評価案を策定いたしましたので、御報告をいたします。
なお、当面の間は、専門組織での検討状況についても資料に記載をしております。
2ページ目を御覧ください。
対象品目名は、レブロジル皮下注です。
効能または効果は、骨髄異形成症候群に伴う貧血に対する赤血球成熟促進となっております。
上段に、費用対効果評価専門組織で決定した費用対効果評価案を記載しております。下段に補足として、分析対象集団のICERの区分を記載しております。
3ページ目からは、参考として、レブロジル皮下注の費用対効果評価案策定に関わる分析枠組み及び主な検討事項を記載しております。
御説明いたします内容は以上となります。
○小塩会長
どうもありがとうございました。
それでは、ただいまの説明につきまして、御質問等ございますでしょうか。
高町委員、お願いいたします。
○高町委員
ありがとうございます。
レブロジルの価格調整につきましては、営業利益部分のみの価格調整ということですが、この価格調整の調整係数は0.5~1.0の範囲となっており、有用性系加算の価格調整係数の0.1~1.0よりも狭くなっています。この理由についてお聞かせいただけませんでしょうか。
また、この係数を同じように0.1~1.0にすることは不可能なのでしょうか。お聞かせください。
私からは以上です。
○小塩会長
ありがとうございます。
ただいま、高町委員から御質問がございましたが、事務局いかがでしょうか。
お願いします。
○梅木医療技術評価推進室長
事務局でございます。
まず、「総-3」の1枚目の有用性系加算率、この部分の御質問ということでよろしいでしょうか。45%(加算係数0)というところでしょうか。
○高町委員
はい。
○梅木医療技術評価推進室長
まず、1ページ目の45%という加算率ではあるものの、開示率の問題がありまして、加算係数が0ということになりますので、この45%の部分が今現在の収載時の価格としては反映されていないということになります。
この場合、費用対効果評価案の決定をいただいた組織のほうでの御議論に移りますけれども、その際には、営業利益のような部分の増減というところへの御検討が入るということかと思います。
御回答になっておりますでしょうか。
○高町委員
価格調整係数が営業利益の係数と有用性系加算の係数で0.1~1.0と0.5~1.0と若干違うのですけれども、この係数の違いはなぜなのでしょうかということと、その係数を同じにすることは不可能かということです。
○小塩会長
よろしいですか。
御回答をお願いいたします。
○梅木医療技術評価推進室長
事務局でございます。何度もすみません。
2ページ目のICERの区分の有用性系加算等の価格調整係数のところでの0.5~1.0というところ、それから、0.1~1.0というところでの違いだということでございますが、現状の制度上は、今回ここにお示ししているような営業利益率の場合の係数と有用性系加算を調整する場合の調整の幅が異なるという状況にございます。
今後、もしそういった点についての御議論ということでございますと、専門部会で価格調整の在り方そのものについての御議論という中で検討するということになろうかと思います。
○小塩会長
高町委員、よろしいでしょうか。
○高町委員
ありがとうございます。
費用対効果評価も含めまして、薬価を決めるときの仕組みとか用語といったものは大変難解で、患者にとっては理解が難しく、そのために患者は自分たちの知らないところで薬価が決められているような印象を持ってしまいがちです。患者が安心して医療を受けるためにも、より分かりやすい仕組みと用語、そして十分な説明を今後お願いしたいと思います。
ありがとうございます。
○小塩会長
ありがとうございました。
ほかに御質問等ございますでしょうか。よろしいでしょうか。
今、高町委員から御要望がございましたが、ほかに御質問等ないようでしたら、本件につきましては中医協として承認するということでよろしいでしょうか。
(異議なしの意思表示あり)
○小塩会長
ありがとうございます。それでは、説明のあった件につきましては中医協として承認したいと思います。
田倉委員長、福田参考人、どうもありがとうございました。
(田倉委員長、福田参考人退室)
○小塩会長
本日の議題は以上ですが、今回をもちまして長島委員が御退任となります。一言御挨拶をお願いいたします。
○長島委員
挨拶の時間をいただきありがとうございます。ふだんより緊張しております。
このたび、3期、足かけ5年となる中医協委員を退任することになりました。小塩会長の下、1号側委員、2号側委員、公益委員、専門委員、そして全てを支えていただいた3代にわたる事務局の皆様、一緒に国民の幸福という同じ目標に向かい、緊張感を持ちながら、真摯な議論を行う貴重な時間を共に過ごすことができましたことに感謝いたします。
任期の中では、新型コロナウイルス感染症のパンデミックから5類への移行、インフレの進行など、医療を取り巻く大きな変化もございましたが、個人的に特に印象に残っているのは、医療DXの急速な進展です。私は、平成4年に診療所を開業して以来、ITを活用した連携と情報共有に取り組み、平成30年に日本医師会の常任理事になってからもIT化を担当しておりました。
その間、日本においては、個々の医療機関内部のIT化は進みましたが、残念ながら、地域連携やその基盤となるネットワークは進みませんでした。
その後、コロナ禍を契機にして、中医協における私自身も関わった議論も経て、ごく短期間にオンライン資格確認等システムが全国のほとんどの医療機関・薬局に導入され、日本中をつなぐ医療専用の安全なネットワーク網が整備されたこと、患者御自身もマイナポータルを通じて情報を把握でき、患者が医療の主役となる環境が整備されたことは、三十数年間の夢が実現できたということで、大変感激しておりますし、今後、日本の医療の大きな転換点になったものと考えております。
今後も、医療DX、遠隔医療、生成AI、ビッグデータ、パーソナルヘルスレコードなど、新技術を適切に活用することが、医療をよい方向に変革していき、中医協でも重要なテーマになっていくと推測しますが、その際、注意すべきことがございます。中医協でも何遍も繰り返して申し上げてきましたけれども、スピード感は重要ですが、拙速に進めて国民や医療現場に混乱や不安・不信を招けば、最大のブレーキとなります。また、医学的な有効性、必要性、特に安全性を優先すべきであり、利便性や効率性のみを重視した安易な拡大はすべきではありません。
最後に、今後の中医協への期待を申し上げます。公的医療保険により、国民に安心・安全で質の高い地域医療を安定的に継続して提供することこそが、国民にとっての最大の幸福、利益です。皆保険制度の持続に財政は極めて重要ですが、財政のみを重視して必要な医療が提供できなくなれば、国民にとって不幸、不利益であり、本末転倒と言えます。
そして、中医協で決める診療報酬改定が地域医療に与える影響は、医療機関の経営が危機的な状況においては、これまで以上に極めて大きくなっています。したがって、中医協の委員と事務局におかれましては、診療報酬改定の結果が地域医療に与える影響、特に悪影響については、その決定を行った者が責任を負うことを自覚すべきと考えます。
中医協の委員たるもの、冷静な頭と温かい心、広い視野と高い志を持ち続けていただきたいと願います。今後、中医協が外部からの制限を受けることなく、その本来の役割を十分に発揮し、国民の幸福を守っていくことを願います。
本日までありがとうございました。(拍手)
○小塩会長
長島委員、どうもありがとうございました。お疲れさまでした。
本日の議題は以上で終了させていただきます。
次回の日程につきましては、追って事務局より連絡いたします。
それでは、本日の総会はこれにて閉会といたします。どうもありがとうございました。
おはようございます。
ただいまより第616回「中央社会保険医療協議会 総会」を開催いたします。
本日も対面を基本としつつ、オンラインも組み合わせての開催としております。また、会議の公開につきましては、ユーチューブによるライブ配信で行うこととしております。
まず、委員の出席状況について御報告いたします。
本日は、伊藤委員、岡本専門委員が御欠席です。
それでは、会議冒頭のカメラの頭撮りはこの辺りということでお願いいたします。
(カメラ退室)
○小塩会長
それでは、議事に入らせていただきます。
最初に「歯科医療について(その1)」を議題といたします。
事務局より資料が提出されておりますので、説明をお願いいたします。
○和田歯科医療管理官
歯科医療管理官でございます。
「中医協 総-1」を御覧ください。
本日は、「歯科医療その1」について御説明をさせていただきます。資料が大部にわたりますので、ポイントを絞って御説明をさせていただきたいと思います。
なお、6月25日の医療提供体制で御説明させていただきました歯科疾患の需要、歯科診療所や歯科医師の供給などの歯科医療を取り巻く各種データ、また、本日の検討内容に関連する令和6年度診療報酬改定に関する内容は、別途、参考資料に掲載してございますので、適宜御参照いただければと思います。
まず、3ページからは「歯科医療を取り巻く現状及び歯科医療提供体制」についてでございます。
次期診療報酬改定に向けまして、本日御説明させていただく内容は、4ページ目の医政局で取りまとめられました「歯科医療提供体制等に関する検討会」の中間取りまとめ、また6ページ目の「骨太の方針2025」の歯科に関する内容を踏まえまして、7ページ目に項目を整理してございます。以降はこの項目に沿って、順次御説明をさせていただきたいと思います。
8ページ目からは「障害者歯科医療」でございます。
9ページは、「障害児(者)歯科診療の課題」についてお示ししてございます。
障害をお持ちの方は、口腔内の衛生状態を困難にする要因を多数持っていることが特徴でございまして、左下のグラフにお示ししているように、歯科疾患の再発・重症化リスクが高いために、個々の患者の特性に応じた専門的な管理・治療が進められているところでございます。
10ページ目は、障害者歯科治療を専門に行う歯科診療所、いわゆる口腔保健センターの状況をお示ししております。
11ページには、口腔保健センターを含む専門歯科医療機関の供給と、障害をお持ちの方で実際に歯科治療が必要な者との関係をお示ししておりますけれども、全国の推定供給率を見ていただくと、専門医療機関の供給が十分ではない状況でございます。
12ページ目は、本項目に係る改定の変遷と評価内容をお示ししております。
スライド中段から下段にかけて主な評価内容をお示ししております。本患者に対して基本診療料あるいは個々の治療内容に関する評価は幾つかございますが、本患者に特化した歯科医学的管理に資する評価がなく、実態として歯科疾患の管理のみを行うケースもございますので、、専門歯科医療機関における歯科医学的管理が推進されるよう、診療報酬で対応を行っていきたいと考えております。
続きまして、13ページからは「歯科疾患・口腔機能の管理等の生活の質に配慮した歯科医療」でございます。
14ページに、かかりつけ歯科医の役割、そして15ページは口腔機能の変化のイメージをお示ししております。
16ページには、口腔機能が十分に獲得・発達しない場合の影響について、口唇の閉鎖不全を例に、不正咬合と有意に関連しているデータをお示ししてございます。
17ページは、歯科疾患や口腔機能の管理に係る診療報酬上の評価の考え方をお示ししております。
従来のう蝕や歯周病の器質的な疾患に加えて、近年は、右側にお示しをしているような小児や高齢者に対する機能的な疾患に対する管理が行われてきてございます。
18ページにお示しをしているように、こうしたう蝕や歯周病の疾患を主に念頭に置いた歯科疾患管理料と、機能的な疾患の管理を念頭に置いた小児口腔機能管理料及び口腔機能管理料を中心に対応が行われてきているところでございます。
19ページは、口腔機能の疾患である口腔機能発達不全症と口腔機能低下症の概要でございまして、関係学会が示した診断基準や事務局で推計した患者数などをお示ししてございます。
20ページ目は、歯科疾患及び口腔機能の管理に関して、管理が必要な患者がどの管理料で評価されているのか。
また、21ページ目は、歯科疾患管理料の管理と口腔機能低下症に対する管理の内容の違いをお示ししてございます。
続いて22ページ目は、小児における口腔機能発達不全症に係る管理の需要と供給の関係。
23ページは、高齢者における口腔機能低下症に係る管理の需要と推計の関係をお示ししてございます。
いずれも需要推計に対して供給が大きく下回っている状況でございます。
24ページ目は、小児口腔機能管理料、口腔機能管理料の算定状況でございますが、学会が示す口腔機能発達不全症あるいは口腔機能低下症の診断基準に該当し、この病名で実際に請求されている患者のうち、小児口腔機能管理料または口腔機能管理料による特別な管理が行われていない患者が一定数存在していることをお示ししてございます。
続きまして、25ページ及び26ページは、小児の咬合機能の獲得や矯正に関する内容でございます。
25ページは、正常な咬合機能を獲得させるための装置の保険適用の状況を、26ページは、令和6年度診療報酬改定で新設された歯科矯正相談料のフローをお示ししてございます。
27ページから29ページは、有床義歯、いわゆる入れ歯の管理に関する内容でございまして、29ページには、義歯の形態・構造によって、確認・指導事項が異なることをお示ししてございます。
30ページからは、歯周病についてでございます。
現状では、左下のグラフにお示ししておりますが、初期の歯周病と診断される歯周ポケット4ミリ以上を有する者が約半数となってございます。
31ページを御覧ください。
歯周病治療に関しましては、学会の基本的な考え方に基づきまして、一連の歯周病治療終了後に、歯周病の症状を安定させるなどの継続的な治療が重要であるという考えから、32ページにお示ししている歯周病安定期治療と歯周病重症化予防治療の2つの治療により、診療報酬改定の都度対応が行われてきているところでございます。
33ページは、歯周病安定期治療及び歯周病重症化予防治療の評価内容を比較しておりますが、歯周組織の歯周ポケットの状態は異なるものの、当該治療に包括されている治療内容は類似しているところでございます。
34ページは、それぞれの算定状況をお示ししておりますが、それぞれ20歯以上が最も多く算定されている状況でございます。
続きまして、35ページからは、へき地等歯科医療でございます。
36ページには、6月の中医協でお示しをした人口規模と歯科医師の平均年齢の関係、そして37ページは、同一都道府県内の二次医療圏における歯科医師数の差をお示ししております。
地域によって歯科医師の高齢化やまた歯科医師数の地域差が生じていることをお示ししております。
38ページを御覧いただきたいと思います。
現に歯科医療機関が少ない地域、あるいは身近に専門歯科医療機関がない地域におきましては、写真でお示ししているような治療機材が備えられた歯科巡回診療車を用いた巡回診療が行われております。これらの診療につきましては、所定の手続を行った上で、外来診療と同様に、保険診療が行われております。歯科巡回診療車につきましては、歯科医療が十分提供されていない地域・施設にとって有効な手段であると考えておりますので、こうした歯科診療が地方自治体と連携して進められるように、診療報酬の観点からもさらに対応を検討していきたいと思っております。
続きまして、40ページから「多職種連携」でございます。
41ページを御覧ください。
平成24年度診療報酬改定におきまして、病院での口腔機能の管理の取組を評価する観点から、周術期における口腔機能の管理の評価を契機に、医科歯科連携をはじめとする多職種連携についても診療報酬の観点から進めてきたところでございます。
入院患者の口腔管理に対する効果は、42ページの左下にもお示ししているような様々な効果が報告されているところでございます。
続きまして、43ページ、44ページでございますけれども、令和6年度診療報酬改定におきましては、回復期における口腔管理の重要性が示され、現在は45ページ、46ページにお示ししているように、周術期口腔機能管理と回復期口腔機能管理の評価を中心に、入院中あるいは入退院前後の患者に対する口腔管理が行われているところでございます。
47ページ及び48ページは、周術期と口腔機能管理料の算定状況、あるいは管理に使用する計画書の一例をお示ししてございます。
また、49ページは、回復期と口腔機能管理料の算定状況をお示ししており、周術期、回復期ともに病院で多く算定されている状況となってございます。
50ページは、多職種連携による診療報酬上の評価でございまして、医科点数表や調剤点数表で、歯科医療機関や歯科医師との連携に関する主な項目を整理してございます。
51ページ、52ページがその一例でございます。
令和6年度診療報酬改定における対応といたしまして、51ページにお示ししているように、医科点数表において、生活習慣病管理料の通知で、糖尿病患者に対する歯科受診の推奨が追加されました。
また、52ページになりますけれども、調剤点数表におきましても、一部の項目で、歯科医療機関との連携が明記されるという状況で、双方向での評価が位置づけられてきているところでございます。
53ページからは「歯科衛生士・歯科技工士の定着・確保」でございます。
まず歯科衛生士の状況でございますが、54ページに歯科衛生士の業務内容、55ページには就業歯科衛生士数などをお示ししてございます。
56ページは、歯科衛生士の従事者数別の診療所数でございますが、常勤歯科衛生士が0人の歯科診療所が最も多く39.2%となってございます。
57ページは、令和6年度診療報酬改定の議論で使用した資料でございますが、歯科衛生士の業務である歯科衛生実施指導に関して十分に実施できないと考える内容として、口腔機能などの指導と回答した者が約4割であった状況を踏まえまして、58ページになりますが、令和6年度改定で口腔機能の指導を念頭に置いた歯科衛生実地指導料の加算である口腔機能指導加算が新設されたところでございます。算定状況につきましては、歯科衛生実地指導料を算定した患者のうち約1.3%と低い割合となっている状況でございます。
59ページからは、歯科技工士についてでございます。
歯科技工士につきましては、被せ物などの歯科補てつ物の作成などを行う者を言いますが、実際の製作工程につきましては、医療機関内で製作されるケース、そして歯科技工所に委託して製作されるケースの2つに分かれるところです。
60ページには、就業歯科技工士数など、61ページでは、就業場所別の歯科技工士数をお示ししてございます。歯科技工所に勤務する者が約74%という状況でございます。
62ページは、規模別の歯科技工所数の推移でございますが、1人で経営している歯科技工所が約7割を占めている状況でございます。
63ページは、令和6年度診療報酬改定の議論で使用した資料でございますが、歯科技工業の労働環境の改善に関する提言として、歯科医師と歯科技工士が十分に連携できる体制を整備すると。
こうした提言を踏まえまして、64ページになりますが、令和6年度改定で歯科医師と歯科技工士の連携に着目をした歯科技工士連携加算が新設され、右下のグラフに示す算定状況となってございます。
最後、「歯科治療のデジタル化等」でございます。
65ページからになります。
66ページでは、光学印象やCAD/CAMによる歯科治療のデジタル化の例をお示ししております。
また、67ページには、歯科治療のデジタル化の効果をデータでお示ししてございます。
作業時間の短縮、業務負担の軽減が報告されているところでございます。
68ページは、金属材料の使用の有無による比較でございまして、金属を使用しない場合につきましては、デジタル技術が比較的応用しやすく、材質が歯の色調に近いために見た目が良好であるという長所がございます。一方で、耐久性が金属より劣るということもございますので、患者さんの口腔内の状況に応じて治療が選択されている状況でございます。
69ページは、平成12年度診療報酬改定で導入されました歯科用貴金属価格の随時改定制度の変遷をお示ししてございます。
随時改定は、中医協におきまして3か月ごとに報告をしてございますが、市場価格の影響を受けやすい歯科用貴金属材料を用いない治療の選択肢を増やしていくことが重要ではないかと考えてございます。
70ページは、本項目に係る改定内容の変遷でございまして、71ページは、保険診療の対象となっている歯冠修復について、歯の種類、材料ごとに整理をしたものでございます。
72ページ、73ページは、小臼歯と大臼歯について、金属を使用しないCAD/CAM冠と、金銀パラジウム合金を用いた全部金属冠、いわゆる被せ物の割合をお示ししてございます。
72ページが、小臼歯の割合で約6割、そして73ページでは、大臼歯の約3割が金属を用いないCAD/CAM冠が算定されており、算定割合は増加している状況でございます。
74ページに、これまで申し上げた現状と課題をまとめてございまして、75ページが各項目の論点でございます。
まず障害者歯科医療については、いわゆる「口腔保健センター」等の障害者歯科治療の専門歯科医療機関に受診する患者の歯科医学的管理を推進するために、専門歯科医療機関で行った歯科医学的管理に関する評価についてどのように考えるか。
歯科疾患・口腔機能の管理等の生活の質に配慮した歯科医療につきましては、患者のライフコースに沿った歯科疾患や口腔機能の管理を推進するために、「歯科疾患管理料」「小児口腔機能管理料」及び「口腔機能管理料」の対象患者や評価についてどのような対応が考えられるか。また、小児の健全な咬合の育成や歯科矯正相談の適切な説明を行うために、「小児保隙装置」や「歯科矯正相談料」の評価についてどのように考えるか。
「食べる」「話す」等の生活に直結する新製有床義歯の管理・内容が類似している歯周病の継続治療である「歯周病安定期治療」及び「歯周病重症化予防治療」の評価についてどのように考えるか。
その他、生活の質に配慮した歯科医療の提供を推進するため、歯科固有の技術の評価についてどのように考えるか。
へき地等歯科医療につきましては、歯科医療が十分に提供されていない地域等において歯科巡回診療を適切に推進するために、地方自治体等と連携して実施する歯科巡回診療車を用いた巡回診療に関する評価についてどのように考えるか。
多職種連携については、医科や調剤等との連携をさらに推進するために、周術期口腔機能管理等の評価や多職種連携による評価についてどのように考えるか。
歯科衛生士・歯科技工士の定着・確保については、歯科医療機関等の歯科衛生士及び歯科技工士の定着・確保を図るために、「口腔機能指導加算」や「歯科技工士連携加算」等の歯科衛生士や歯科技工士の業務の評価についてどのように考えるか。
最後、歯科治療のデジタル化等については、効率的かつ安定的な歯科治療の提供に資する歯科用貴金属材料を用いないデジタル技術をさらに推進するために、「CAD/CAM冠」や「光学印象」等の適応や評価についてどのように考えるかという論点をお示ししてございます。
なお、1つ目の障害者歯科医療及び3つ目のへき地等歯科医療につきましては、次期改定に向けて具体的に論点をお示ししており、特にこの場で御議論が出なければ、この内容を基本として対応を進めていきたいと考えております。なお、それ以外の項目につきましては、本日頂戴する御意見あるいは今後公表される検証調査の結果なども踏まえまして、今後、具体的に論点をお示ししたいと考えてございます。
説明は以上です。御審議のほど、よろしくお願いいたします。
○小塩会長
どうもありがとうございました。
それでは、ただいまの説明につきまして、御質問等ございましたらよろしくお願いいたします。
それでは、最初に大杉委員、お願いいたします。
○大杉委員
ありがとうございます。
75ページの論点に沿って、意見と要望を発言させていただきます。少し長くなりますが御容赦ください。
初めに、障害者歯科医療についてですが、小塩会長におかれましては、後ほど、実際に障害者歯科診療に従事されている小松専門委員からの御発言の機会をお願いいたします。
資料10ページにありますように、都道府県や歯科医師会が開設・運営する口腔保健センターのニーズは今後ますます増加するものと考えております。障害をお持ちの方は、障害の程度や症状が様々であり、歯科疾患の重症化リスクが高く、また、歯科治療時に複数の人員や設備を要することが多いという特徴があります。地域の歯科診療所の後方支援を担う専門歯科医療機関が行う口腔健康管理に関する取組をぜひ評価していただきたいと考えております。
2点目は、歯科疾患・口腔機能の管理等の生活の質に配慮した歯科医療についてです。14ページ目には、かかりつけ歯科医の役割、15ページ目には、加齢による口腔機能の変化のイメージが示されています。日本歯科医師会では、かかりつけ歯科医として定期的に口腔の管理を行っていくことで、歯科疾患の重症化を予防するとともに、食べる、話す、笑うといった日常生活の基本的な機能の維持・向上に寄与・維持することが重要な役割であると考えています。
特に、平成30年に新設されました口腔機能管理料や小児口腔機能管理料は、患者さんにとって、口腔機能の獲得や向上を図る上で重要な管理となっています。今後の高齢者の増加とともに、歯周病の維持・管理や義歯等へのニーズも増加し、以前のように義歯を装着して終了することではなく、かめる機能を維持し続けることが特に重要になると考えています。改定の都度、口腔機能管理への対応は行われてきていますが、管理を行う側と受ける側の双方が分かりやすく、適切な管理が行われるような評価内容を御検討いただきたいと思っております。
3点目の僻地等歯科医療に関しては、これまで中医協ではあまり議論されてきませんでしたが、36、37ページの資料にも示されているように、歯科医療提供体制が十分ではない地域が存在している課題も明らかとなっております。既に38ページの写真で示されているような歯科巡回診療車を活用している自治体もありますので、先行の好事例を参考に、補助金との役割の分担を図りつつ、診療報酬においても、都道府県と歯科医師会との連携の下、歯科医療提供体制が持続できるよう、御検討をよろしくお願いいたします。
4点目は多職種連携です。周術期等口腔機能管理や、回復期等口腔機能管理の仕組みも導入していただき、病院の入院患者さんへの口腔管理も推進されてきました。病院歯科の取組は、歯科診療所の後方支援機能病院として、さらに評価していただきたいと思います。
また、47ページや49ページの資料にもありますように、診療所の取組はまだまだ少ない状況であり、歯科のない約8割の病院と歯科診療所の連携はますます重要と考えております。
また、前回改定において、医科診療所との糖尿病患者に対する連携や、薬局との連携が着実に推進できるように、地域に密着した実効性のある双方向での評価をお願いしたいと思います。
5点目の歯科衛生士・歯科技工士の定着・確保は喫緊の課題であり、国民に質の高い歯科医療を継続的に提供していくために、欠かすことのできないパートナーであると考えています。前回改定でも、様々な連携のスキームを入れていただいておりますが、それぞれの専門性がさらに発揮され、かつ人材定着につなげていくために、前回改定において導入していただいた様々な連携のスキームに実効性を持たせるための工夫をぜひともお願いいたします。
最後に、歯科治療のデジタル化等についてです。御承知のとおり、定期的に御報告いただいている金銀パラジウム合金の価格は、金が最高値を更新し、上昇基調にあります。CAD/CAM冠の適用範囲は広がってきていますが、まだ保険適用となる症例に制約がある部分もありますので、メタルフリーが一層推進されるような対応をぜひお願いしたいと思います。
そして、前回新設されました光学印象は、67ページの資料にもありますように、時間的な短縮のみならず、患者さんへの負担もより少なくなっている部分などはさらに評価されるべきと考えています。
ただ、デジタル化で効率化ができる部分もありますけれども、従来の歯科固有の技術の評価も、改めて再評価をお願いいたしたいと思います。
私からは以上でございます。
○小塩会長
どうもありがとうございました。
引き続き、ほかの委員の方々の御発言もお願いしたいのですけれども、その前に、ただいま大杉委員から御提案がございましたが、障害者歯科医療につきまして、小松専門委員からの御発言をお願いいたします。
○小松専門委員
ありがとうございます。専門委員の小松です。
障害者歯科医療についてでございますが、私自身、長年にわたり障害者歯科治療に従事しておりますが、これまでの経験で申し上げますと、障害があるか否かにかかわらず、どのような患者さんであってもかかりつけ歯科診療所で診療していただけることが望ましいと考えております。
しかしながら、実際のところ、保護者の方は専門医療機関での診療を希望される方が多く、また、かかりつけ歯科診療所では、障害者歯科治療に対する体制や設備が十分でないところもあり、専門医療機関での診療が多くを占めております。
また、事務局から御提示いただいたスライド9ページに示されておりますように、障害がある方は、日常の口腔ケアの困難性や、障害の特性により歯科疾患の重症化リスクが高い状態で、早期から重症化予防のアプローチと適切な治療が重要だと考えております。
専門医療機関では、患者さんの障害の程度や内容・特性に応じて、きめ細やかな歯科医学的管理の下に、特別な配慮や工夫により、公平な歯科医療提供に努めております。
こうした専門医療機関での取組が後押しされるような対応をぜひお願いしたいと思います。よろしくお願いいたします。
ありがとうございました。
○小塩会長
ありがとうございました。
それでは、ほかの御意見、御質問をお願いいたします。
最初に江澤委員、お願いいたします。
○江澤委員
ありがとうございます。
まず、歯科医療提供体制につきましては、医療提供体制と同様に、歯科医療機関が役割分担と連携によって地域を面で支え、かかりつけ歯科医機能を充実し、かかりつけ歯科医を持つことを推進すべきと考えております。すなわち、歯科診療所、医育機関附属の病院、それ以外の病院がそれぞれ機能分化・連携し、外来診療のみならず、在宅医療、入院患者や介護施設の診療への対応を充実していくことが求められると思っております。
その際、地域の人口規模や人口推計による需要推計、あるいは歯科医師の高齢化も考慮しつつ、現状の社会資源によって柔軟な体制を構築する視点が必要と考えております。今後、医科歯科連携や多職種協働の重要性もさらに高まってきますので、そういったことも視野に入れながら検討が必要かと思います。
また、口腔とリハビリテーション・栄養の一体的な取組におきましても歯科受診は不可欠であり、受診しなければ歯科衛生士にも指示が出ませんし、在宅要介護者においても、歯科受診したほうが誤嚥性肺炎の発症が減少するというデータもあります。2040年にかけて85歳以上の人口が増加してきますので、今でも高齢者は疾患別あるいは医療費においても歯周病の割合が高いわけですけれども、歯の抜ける原因の8割とも言われる歯周病への対応、また、医療的ケア児は右肩上がりで2万人を超えており、先ほど障害歯科の現場の御報告もございましたが、様々なニーズが増えてまいりますので、そういったことへどういう対応をするのかというのは、診療報酬においても、どういう仕組みがいいのかは考えていく必要があろうかと思います。
さらには、急性期、包括期、慢性期の入院患者の歯科医療ニーズも多々ございますし、糖尿病やフレイルの歯科受診も重要な意義があります。
また、歯科受診の必要な患者さんが、どこにいても受診できる仕組みを推進するという報酬体系はどういったアイデアがあるのかというのは、また考えていく必要もあろうかと思います。
最後に、併せまして介護分野では既に非専門職が専門職につなぐためのスクリーニングの仕組みが導入されていますが、医療分野においても、チェックリストやスクリーニングのツールなどを用いて、非専門職から歯科医や歯科衛生士につなぐ仕組みの充実を考えていくことも必要ではないかと思っております。
以上でございます。
○小塩会長
どうもありがとうございました。
続きまして、森委員、お願いいたします。
○森委員
ありがとうございます。
歯科医療機関、歯科医師と薬局薬剤師の連携も重要となります。薬局では、歯科の院外処方への対応はもちろん、他の医療機関から処方されている薬や市販薬による歯科治療への影響、また、口腔内乾燥や歯肉炎への影響など、歯科治療を行う際に注意を要する医薬品などの情報連携は重要だと考えております。
また、近年、江澤委員からもありましたけれども、歯科医師会と薬剤師会が連携して、薬剤師が口腔チェックやオーラルフレイルの状況などの確認を行い、必要に応じて歯科への受診勧奨の取組も進んでおります。
今後、歯科の治療のみならず、こうした面での歯薬連携の取組がますます重要になってくると考えます。
また、近年、糖尿病やビスフォスフォネート製剤に代表される骨代謝改善に影響を与えるような医薬品については、医師、歯科医師、薬剤師の連携が進んでいます。これらの観点を踏まえ、歯薬連携や医歯薬連携の在り方、現場での連携が進むよう、方策を検討していくべきと考えます。
私からは以上です。
○小塩会長
ありがとうございました。
ほかはいかがでしょうか。
池端委員、お願いいたします。
○池端委員
ありがとうございます。
病院の立場でも一言お話しさせていただきたいと思います。
55ページにありますように、歯科衛生士は登録数の年次推移を見ますと、就業者の割合がどんどん減ってきています。実は、特に包括期、慢性期の入院医療におきましては、歯科衛生士が口腔ケア等々を入院の中でもタイムリーに行うことで、かなり口腔ケア・栄養の管理がよくなるということがありまして、このニーズはますます増えてきております。そういう点も含めて、歯科衛生士が今後不足することのないように、しっかりした対策が必要ではないかということ、病院医療の立場でもお話ししておきたいと思います。
以上です。ありがとうございます。
○小塩会長
ありがとうございました。
ほかはよろしいでしょうか。
それでは、松本委員、お願いいたします。
○松本委員
ありがとうございます。
最初にまず総論的なことをコメントさせていただいた後、75ページの論点に沿って、テーマ別にコメントをしたいと思います。
資料の4ページ以降に示されております検討会の提言、あるいは骨太の方針2025に沿って、次期改定で重点的に対応することについて、おおむね異論はございません。ライフステージや個々の患者の特性によって口腔機能の課題が異なることを踏まえ、歯科医療の技術進歩も念頭に置き、一方、効率性も意識しながら、限られた歯科医療資源で多様なニーズに過不足なく充足することが必要です。
そのためには、かかりつけの歯科診療所、専門性の高い歯科診療所、さらには病院歯科のそれぞれが地域で求められている役割をしっかり果たしているかどうかが評価の視点として重要だと考えております。
続きまして、個別のテーマに移らせていただきます。
障害者の歯科治療につきましては、9ページに、口腔管理に関し配慮すべき課題がかなりある一方で、10ページには、専門施設が全国的に少ない、11ページに、供給量が不足しているということですけれども、今後の対応としては、広く一般の歯科診療所の対応力を高めるというよりは、専門施設で重点的に対応するほうがより効率的ではないかと考えますし、先ほど小松専門委員からもありましたけれども、家族からの御希望等もそれに沿っているものだと認識しております。
新たな評価を行うのであれば、論点に記載されておりますように、口腔保健センター等の専門施設に限定し、さらに障害児や障害者に対して歯科医学的管理を実施した場合のみ評価をする等、適切な運用を担保していただきたいと考えております。
次のテーマの生活の質に配慮した歯科医療については、冒頭に申し上げましたとおり、患者の多様性に配慮した、生涯にわたる治療や管理を推進する大きな方向性はある程度理解しております。ただし、充実だけでは、財政影響はかなり大きくなることが想定されます。効率化や適正化とセットで議論し、本当に評価すべきポイントを丁寧に検討する必要があると思っております。
18ページに示されております、例えば広く算定されております歯科疾患管理料については、計画的な管理を評価する項目であるにもかかわらず、初診でもかなり算定され、その後に必ずしも継続的に管理を行っていないということは、以前、健保連からも指摘させていただき、令和2年度改定で初診の評価が引き下げられた経緯がございます。その直後に新型コロナがパンデミックになり、特殊な状況になりましたので、さらなる対応について十分な議論ができず今に至っておりますが、そもそも初診から算定できることや、書面による説明や署名同意が必須ではなく文書の交付を加算で評価しているのが現状でございます。令和8年度改定に向けては、改めて継続的・計画的な歯科疾患の管理について、適切な評価の在り方の根本に立ち返った議論をさせていただきたいと思います。
その上で、17ページ等にもあります小児の発達不全や高齢者の機能低下について、特別な管理を評価する必要があるということであれば、通常の歯科疾患管理との違いを明確にすることが必要です。
26ページにある歯科矯正についても、小児への対応とは別の観点で課題があると認識しております。コロナ禍で歯科矯正が増加したことを踏まえ、健保連でも少し調査をいたしましたが、大都市部で歯科矯正管理料の算定が多いことや、成人の伸び率が高いことが分かりました。背景としては、顎変形症手術との関連があることも示唆されており、これが直ちに問題ということではありませんが、保険診療で行う歯科矯正や顎変形症治療についても適切な運用が必要だと考えております。
また、歯周病については、継続的な管理が必要なことは十分理解をしておりますが、31ページ以降を見ましても、安定期治療と重症化予防の違いが正直患者には分かりにくいというのが印象でございます。しかも、治癒して終了ということでなく、重症化予防から、次はまた安定期治療に戻って、結局終わりがないということで、かなり予防的な要素が入り込んでいる懸念もございます。先ほど大杉委員からもございましたけれども、歯周病の管理については、患者にも分かりやすい形に考え方を整理すべきだと考えます。
次に、僻地等の歯科医療については、特に人口が少ない地域で歯科医師も高齢化し、地域の住民が歯科医療を受けられなくなることはもちろん望ましい状態ではございませんので、巡回診療車を使用して効率的に歯科医療を提供すること自体に異論はございません。
38ページや39ページにあるような、自治体と連携している医療機関に限定することや、補助金で構築した災害時のスキームを平時から活用するといった適切な運用もぜひ担保していただきたいと思います。
次に、連携についてですが、歯科医療に限らず、医科・歯科・調剤連携、病診連携、職種間連携といった取組をこれまでも毎回評価してまいりました。それ自体に異論はございませんけれども、まだ不十分なのかという思いもございます。どこがボトルネックなのかしっかり見極めて、似たような項目を整理することも含め、適正化とセットで実効的な評価の在り方を検討する時期に来ているのではないでしょうか。
次に、歯科衛生士や歯科技工士の定着・確保については、令和6年度改定の検証は当然ですが、歯科衛生実地指導料の口腔機能指導加算や歯科技工士連携加算を令和7年度に引き上げた効果についてもお示しいただくことが、次の対応を検討する大前提となります。
歯科技工士については、歯科技工士連携、61ページにあるとおり、歯科技工所の勤務が多く、実態が把握しにくい側面もございますが、期中に緊急対応した趣旨も踏まえて、加算による手当がしっかり歯科技工士に行き渡っているものと期待をしております。
最後に、歯科治療のデジタル化については、66ページ以降にあるとおり、光学印象やCAD/CAM冠が歯科治療の効率化や業務負担の軽減につながり、貴金属材料価格に左右されない安定的な歯科医療に資するということであれば、適用拡大することは望ましいと考えます。ただ、CAD/CAM冠に関しましては、金属と比較して耐久性が低く、適用を広げることで破損が増えることも想定されますので、患者が不利益を被らないような対応も併せて検討すべきと考えております。
私からは以上でございます。
○小塩会長
どうもありがとうございました。
ほかはいかがでしょうか。
鳥潟委員、お願いいたします。
○鳥潟委員
ありがとうございます。
まず多職種連携について、多くが病院で算定されているとのことですが、診療所で算定されていない要因や、そもそもそうした状況自体が課題なのか確認した上で、今後議論していく必要があると考えます。
また、資料5ページ目に記載の目指す「歯科医療提供体制の方向性」で、「今後の必要量や歯科医師の適切な配置について検討」することが必要とありますが、当方も同じ意見でございますので、ぜひとも厚労省を中心に検討を進めていただきたいと考えております。
以上です。
○小塩会長
ありがとうございました。
ほかはいかがでしょうか。
佐保委員、お願いいたします。
○佐保委員
ありがとうございます。
まず38ページに、障害児(者)、僻地での巡回診療に関して、自治体の取組が挙げられておりますが、患者が困ることがないよう、こうした取組は重要と考えております。
まず2点、先に質問をさせてください。24ページの18歳未満の口腔機能発達不全症、50歳以上の口腔機能低下症と診断されていても、管理料が算定できていない、算定されていないとありますが、その要因は何かあるのでしょうか。それが1点目です。
2点目は、26ページの歯科矯正相談に関して、質の担保に向けてどういった対応が考えられるのでしょうか。
2点質問をさせていただきます。
○小塩会長
ありがとうございました。
ただいま佐保委員から2点御質問がございましたが、事務局いかがでしょうか。
○和田歯科医療管理官
歯科医療管理官でございます。
まず1点目の小児口腔機能管理料と口腔機能管理料が算定していない理由につきましては、今年度は検証調査を実施しておりまして、その中で算定できない理由などを聞いておりますので、その結果をもって御説明させていただきたいと思っております。。
また、2点目の歯科矯正相談料につきましては、資料にもお示ししておりますが、実際には、説明方法などがどういう実態で行われているか分からないということがございます。歯科矯正相談料の算定要件は、歯科矯正に関する様々な検査を行うことが要件になっておりますので、おのずと実施できる医療機関は限られておりますが、説明方法については適切に行っていただく必要があると考えてございますので、次の議論に向けて、論点を少し整理させていただきたいと思っております。
○小塩会長
よろしいでしょうか。
○佐保委員
御回答ありがとうございます。
今、質問させていただいたことに加えまして、51ページの生活習慣病管理料における糖尿病患者への歯科受診の推奨について、実際の受診につながって、効果は出ているのかといったことや、歯科治療の効率化、業務負担の軽減に向けて、CAD/CAM冠や光学印象等のデジタル化がありますが、それ以外のデジタル化をはじめどういった対応が考えられるのかといった点などについても、それぞれ実態を把握いただいて、今後の議論に向けて、詳細を分析いただくようお願いいたします。
私からは以上です。
○小塩会長
御要望いただきました。ありがとうございました。
ほかはいかがでしょうか。
飯塚委員、お願いいたします。
○飯塚委員
ありがとうございます。
本日、総論ということで発言しますけれども、今、口腔の機能の管理料ですとか、歯周病の管理料等のいろいろな変遷の御説明がありまして、大変重要な取組と感じているのですけれども、一方で、こういったことをやった結果、実際に人々の口腔や歯周病あるいは関連するものが長期的に管理されていて、あるいは改善されてきているのかというのは、今の御説明のところでは全く分かりませんでした。まずは事務局に質問ですけれども、個人のレベルにおける口腔機能ですとか、あるいは歯周病のこういった基本的なデータの継続的な収集が必要だと思うのですが、そういったものはまずされているのか、あるいはされる予定があるのか教えていただけますか。
○小塩会長
御質問がございましたが、いかがでしょうか。
○和田歯科医療管理官
本日の資料にも一部お示ししておりますが、歯科疾患の罹患状況等につきましては、医政局で定期的に歯科疾患実態調査を行ってございます。その中で、う蝕や、本日お示ししている歯周病の罹患状況は継続的に把握しております。
なお、歯周病に関しましては、今回お示しした資料の中でお示ししているように、あまり罹患率に改善が見られていないということもございますので、診療報酬の観点からも対応が必要と考えているところでございます。
以上です。
○小塩会長
飯塚委員、よろしいでしょうか。
○飯塚委員
ありがとうございます。
例えば21ページの資料を見ますと、こういった口腔機能の管理というのは既にされているということで、大がかりにお金をかけて何かやりましょうということではないのですけれども、既に存在するこういった重要なアウトカムといったものを電子的に報告いただく等のことを考えて、個人レベル、様々な予防や治療が人々のこういった口腔の健康に寄与しているかというのを継続的にデータを収集して評価すると。これは診療報酬に直結する話ですので、そういうことは必要だと思っています。
以上です。
○小塩会長
ありがとうございました。
ほかに御質問、御要望はございますでしょうか。よろしいでしょうか。
ほかには特に御質問等ないようですので、本件に係る質疑はこの辺りといたします。
今後、事務局におかれましては、本日いただいた御意見、御要望も踏まえて対応していただくように、お願いいたします。
続きまして、「調剤について(その1)」を議題といたします。
事務局より資料が提出されておりますので、説明をお願いいたします。
○清原薬剤管理官
薬剤管理官でございます。
資料「総-2」を御覧ください。
「調剤について(その1)」でございます。
2ページを御覧ください。
本日は、「薬局、薬剤師を取り巻く状況」「調剤医療費」「調剤に係る診療報酬上の評価」についてお示ししております。
3ページを御覧いただければと思います。
令和5年の薬局数につきましては約6.3万軒、同一法人の薬局の店舗数については、20店舗以上は増加傾向ということが見てとれます。
4ページ目でございますが、都道府県の薬局数の増減を示しており、東京都や大阪府で増加傾向となっております。
5ページは、二次医療圏別に見た処方箋発行枚数当たりの薬局数です。
都市部に集中している傾向が見てとれます。
6ページは、薬剤師数の推移についてお示ししております。
令和4年末時点における派遣等も含めました就業先でございますが、全体は32.4万人、そのうち薬局薬剤師は19.1万人、病院薬剤師は5.7万人でございます。
7ページは、6月25日の中医協総会にて既にお示しした資料でございますが、全薬剤師数のうち、薬局、病院、診療所に勤務する薬剤師数の推移でございます。
8ページは、医薬局で検討、評価化した薬剤師偏在指標についてお示ししており、都道府県別の値をお示ししております。
偏在指標が1.0となるには、病院薬剤師につきましては約1万4000人が必要ということになっております。
9ページ、それを二次医療圏別に色分けしたものをお示ししております。
10ページは、処方箋発行枚数と受取率をお示ししております。
処方箋発行枚数は、直近令和6年度で8.6億枚、処方箋受取率は82.1%でございます。
11ページです。
薬局1店舗当たりの勤務薬剤師数は平均で2.7人、処方箋枚数は1か月当たり約1,100枚と、比較的小規模の薬局が多いことがうかがえます。
12ページは、薬剤師・薬局関連の動きについて、「患者のための薬局ビジョン」策定以降、薬機法改正を含めた様々な動きについてまとめているものでございます。
薬局関連のほか、病院、あとは薬剤師の確保といったところをまとめております。
13ページは、薬機法上の薬局の役割についてでございます。
14、15ページは、「患者のための薬局ビジョン」の資料、16、17ページは、かかりつけ薬剤師・薬局の考え方、必要となる患者像の資料でございます。
18ページは、医薬局で実施しております薬局・薬剤師の機能強化等に関する検討会の資料でございます。
地域・拠点で確保すべき機能と、個々の薬局に必要な機能がまとめられております。
次に、19ページからは「調剤医療費」でございます。
20ページは、調剤医療費全体としては約8.4兆円で、そのうち約4分の1が技術料となっており、約2.3兆円でございます。
21ページは、現在の調剤報酬の体系となります。
22ページは、技術料の内訳になります。
令和4年度に評価体系を見直したことにより、直接の比較が直近ではできなくなっておりますが、現在の推移といたしましては、薬剤管理料が技術料の約半分を占めている状況でございます。
23ページは、技術料の割合の年次推移でございます。
24ページからは、「調剤に係る診療報酬上の評価」でございます。
25ページが、「①服薬指導に関する評価」でございます。
26ページ、令和4年度改定にて薬学管理料として新設されました調剤管理料ですが、これは現在日数で点数が区分されております。それぞれの算定回数と医療費をお示ししておりますが、調剤日数が29日以上のときが最も多く算定しているという状況でございます。
27ページは、令和4年度改定で新設されました調剤管理加算の算定状況でございます。
令和6年度に調剤管理加算ロの算定数が増えておりますのは、施設基準である服用薬剤調整支援料の算定実績を有している薬局が増えたことによるものです。これは令和6年度調剤報酬改定により、地域支援体制加算2の算定要件が強化され、ポリファーマシー解消に取り組む薬局が増えたことを示しております。
28ページは、服薬管理指導料の算定状況ですが、同一の薬局を3か月以内に再度利用しているのが約75%を占めております。
29ページは、特定薬剤管理指導料加算1の算定状況でございます。
令和6年度改定の要件見直しにより、ハイリスク薬の薬学的管理・指導に関する算定は減少しております。
30ページは、薬局薬剤師による患者フォローアップについての調査結果でございます。
フォローアップの方法としては電話が最多、処方医への情報提供は、約7割が問題点があった場合に情報提供していると回答し、フォローアップの対象は糖尿病疾患が最多でございました。
31ページは、フォローアップに関する算定項目の算定状況でございます。
右は糖尿病溶剤または慢性心不全溶剤について、医師の指示や患者の求めに応じて、電話等により使用状況等を患者に確認し、その結果等を医療機関に文書により情報提供した際に算定できるものでございます。右の棒グラフで糖尿病算定回数が大きく伸びておりますのは、令和6年度に対象薬剤が拡大したためでございます。
32ページは、令和4年度改定にて新設されました小児特定加算の算定状況でございます。
訪問薬剤管理指導における算定が約7割を占めておりますが、一方で、従来より評価されております乳幼児に対する服薬指導では、外来における算定が大半でございました。
33ページからは、「②かかりつけ薬剤師に関する評価」でございます。
34ページからは、かかりつけ薬剤師指導料の算定状況でございます。
令和4年度、かかりつけ薬剤師以外の薬剤師でも算定できる特例が設けられましたが、右側に書いておりますとおりでございます。かかりつけ薬剤師指導料は、服薬指導料全体の中でも2%程度の算定状況でございました。
35ページは、調剤基本料別のかかりつけ薬剤師指導料の算定状況を示しております。
割合として、調剤基本料3のロ、ハ、そして特別調剤基本料Aの薬局で相対的に多かった状況でございます。
36ページからは、「③重複投薬・多剤投与、残薬解消等に関する評価」でございます。
37ページは、併用薬との重複投薬及び相互作用の防止、残薬調査を行い処方変更された場合の調剤管理料への加算の算定状況でございます。
全体として、平成30年度以降、受付回数に占める算定割合は0.6%前後で推移している状況でございます。
38ページ、薬局における残薬・多剤投与、いわゆるポリファーマシーの解消に関する取組についてでございます。
左側は外来服薬支援料1でございますが、患者や医療機関の求めに応じて、薬局に持参した薬の整理など服薬管理を行った場合に算定できるものでございます。
右側がポリファーマシーの解消に関する服用薬剤調整支援料の算定状況を示しております。算定回数は増加傾向でございます。
令和6年の服用薬剤調整支援料についてでございますが、令和6年度、左側につきましては、2種類以上減少した処方が4週間以上続いた場合に算定できるもの、その右側が、その取組を行い処方医に所定の報告をもって報告した場合に算定できるものについてでございます。
特に後者が大きく伸びておりますが、こちらも令和6年度調剤報酬改定によりまして、地域支援体制加算の算定要件が強化され、ポリファーマシーの解消に取り組む薬局が増えたことを示しております。
39ページ、「④医療機関等への情報提供、連携等に関する評価」でございます。
ページ、薬局から医療機関等への情報提供に係る評価である服薬情報等提供料の算定状況についてお示ししております。
41ページからは、「⑤薬局の体制に関する評価」でございます。
42ページ、調剤基本料の構成比の推移でございます。
これまでの改定での見直しにより、種類も増え、割合としても、調剤基本料1以外の薬局が現在34.2%まで増えているところでございます。
43ページは、地域支援体制加算の算定状況でございますが、今、全体としては4割弱の薬局が算定しております。また、調剤基本料別では、調剤基本料1の算定薬局では4割強、それ以外の薬局では3割強で加算を算定しているという状況でございます。
44ページは、地域支援体制加算の要件の一つでもありますが、薬局における医薬品の備蓄状況でございます。
地域支援体制加算算定薬局のほうが、備蓄品目数が多い傾向でございました。
45ページは、薬局の体制に係る情報の周知に関する要件についてまとめております。
46ページは、地域支援体制加算の中でも在宅医療に関してのスライドとなりますが、保険薬局で調剤が可能な注射薬の例を示しております。
47ページ、後発医薬品に係る調剤報酬の算定状況及び提出状況についてお示ししております。
全体的に増えておりますが、特に後発医薬品調剤体制加算3は、後発医薬品使用割合が90%以上という要件で、点数も30%と一番高いものですが、その算定回数が増加をしている状況でございます。
48ページは、薬価調査における後発医薬品の使用割合の推移を示しております。
49、50ページは、医療用医薬品の供給状況・供給停止や限定出荷の理由についてお示ししておるものでございます。
51ページは、薬剤料が高額なレセプトの推移についてお示ししており、増加傾向にあります。
52、53ページは、現状と論点をまとめております。
「総-2参考」といたしまして調剤報酬の評価の変遷、その内容、算定状況等をお示ししておりますので、適宜御参考にいただければと思います。
説明は以上となります。
○小塩会長
どうもありがとうございました。
それでは、ただいまの御説明につきまして、御質問等ございますでしょうか。
最初に森委員、お願いいたします。
○森委員
ありがとうございます。
まずは、その1の議論ということで、調剤報酬改定に向けた全体的な認識や意見を述べさせていただきたいと思っております。少しお時間をいただきますけれども、よろしくお願いします。
まず、次回改定において最も重要なことは、薬剤師・薬局がより質の高いサービス提供を行い、賃上げにしっかりと対応できるよう、薬局の経営を安定させることです。
何度も申し上げておりますが、薬局経営は非常に厳しい状況にあり、近年の物価高や人件費の高騰、毎年改定、医薬品の仕入価格の高騰、逆ざやの増加により、さらに厳しい状況に陥っています。地域医療を支えている中小の薬局の経営は特に厳しく、このままの状態が続けば、経営が立ち行かなくなり、薬局がなくなり、保険あってサービスなしという地域が増える可能性があります。地域医療を支えている薬局への配慮が必要と考えます。まずは薬局が医薬品供給拠点としての機能を維持すること、そして経営の体力をつけられるようにすべきと考えます。
また、前回改定で、調剤基本料の体系の見直し、地域支援体制加算の要件強化と適正化、在宅への取組など大幅な見直しを行いました。大幅な見直しは、現場に非常に大きな影響を与えます。次回改定は、大幅な見直しありきで議論をするのではなく、前回改定の影響を丁寧に検証しつつ、それを手直ししていく形で、あるべき姿に向けて進めていくものと考えます。
薬剤師は医療の担い手として、薬局は地域の医薬品供給拠点として、地域包括ケアシステムの中で、医師、歯科医師等と連携し、患者に安全・安心な薬物治療を提供する責務があります。人口減少社会の中、時間外対応、離島・僻地・過疎地への対応を含め、薬局間が連携して、地域を面で支える体制を構築する必要があります。今後、地域差が拡大する中、地域によって人口構造、医療資源や医療提供体制が異なってくるため、要件上の配慮が必要と考えます。薬局が医薬品供給拠点としての機能を果たし、かかりつけ機能を強化し、対物業務を基盤とした上で対人業務を充実させ、多職種と連携し、質の高い薬剤サービスを提供していくことに取り組んでいきたいと考えております。
その上で、まず1つ目の論点についてです。地域の医薬品供給拠点の役割を維持・強化するためには、いわゆるファーマシーフィーとしての調剤基本料と、その加算により薬局の基本機能を下支えすることが必要です。確実な賃上げを行うためには、ファーマシーフィー、つまり調剤基本料で評価すべきと考えます。
地域支援体制加算については、前回改定で大幅な要件の見直しを行い、かつ大幅な適正化が行われたところです。前回改定による影響を検証し、修正すべき点について検討し、地域医療に貢献する薬局が評価されるような見直しが必要と考えます。
後発医薬品調剤体制加算については、薬剤師を含めた関係者による現場の努力や、長期収載品の選定療養の導入により、後発医薬品の使用割合は伸びています。一方で、いまだ供給不安の解消が見えない中、現場は大変苦労しています。現場では、何とか医薬品を確保して、後発医薬品の使用維持と使用促進に努めています。そうした現状を支えるための評価は引き続き不可欠です。
次に、2つ目の薬学管理料についてです。調剤管理料は、薬学的知見に基づく処方監査、調剤設計など、医薬分業の根幹を成す重要な対人業務の評価と言えます。かかりつけ機能を強化し、それぞれの患者に合わせて個別最適化した調剤、地域包括ケアシステムの中で、かかりつけ医・かかりつけ歯科医等と連携して患者・地域住民の医療・健康を支えていくため、調剤管理料の充実は必要です。
かかりつけ薬剤師については、個別最適化したより質の高い業務となることが重要です。28ページに、3か月以内に同一の薬局を利用した患者が75%ということがありました。また、参考資料の21ページ目の患者調査では、約4割の患者がかかりつけ薬剤師を持ちたい、かかりつけ薬剤師のいる患者では、約76%の患者がかかりつけ薬剤師を持ちたいとの結果になっています。
かかりつけ薬剤師指導料等の算定回数、届出薬局は増加しているように見えますが、患者調査の結果と比べると、伸びているとは言えません。また、調剤基本料の区分によっても算定割合が異なっています。かかりつけ機能が評価されるよう、また、一元的・継続的・全人的な薬学管理を通した、さらなる質の高い業務となるような見直しが必要だと考えます。
小児の対応については、令和4年度改定で医療的ケア児への対応が評価されましたが、訪問のみならず外来でも対応が増加しています。18歳未満のがん患者や高度な医療的・薬学的な管理を必要とする患者、腎移植などの手術歴のある患者などへも、医療的ケア児童用の小児特有の薬学管理指導や調剤が必要であり、評価の拡充を進めていくべきと考えます。
そのほか、近年ますます高額な薬剤が増加しており、今後も外来・在宅の場で超高額な薬剤の使用が進んでいくと思います。高額な薬剤は、薬剤調製時のロス、販売包装単位、残薬問題、バイオ製剤のように返品不可などの課題があり、薬局にとって大きなリスクです。国民が、高額な医薬品であったとしても確実にアクセスできるよう、それを供給する薬局がリスクを被り過ぎない報酬上の評価の仕組みとともに、薬事承認、薬価、流通上等の対応が必要だと考えます。
私からは以上です。
○小塩会長
どうもありがとうございました。
続きまして、江澤委員、お願いいたします。
○江澤委員
ありがとうございます。
意見を3点と質問を1点述べさせていただきます。
まず、「薬局、薬剤師を取り巻く状況」として、6ページに薬剤師数の推移が示されておりますが、薬局薬剤師は年々増加する一方で、病院に勤務する薬剤師の数の伸びは低調で、増加割合も小さくなっております。
御存じのように、OECD先進国の中でも、人口当たりの薬剤師数は、我が国は最も多い状況に対し、病院の薬剤師不足は逼迫をしています。病棟業務である入院患者さんへの薬剤指導あるいは薬剤のミキシング、抗がん剤の無菌調製などの病棟業務を担う薬剤師の育成・養成というのも視野に入れていかないといけない喫緊の課題だと思っております。
続きまして、2点目でございます。34ページにかかりつけ薬剤師指導料の算定状況が出ておりますけれども、算定回数は右肩上がりに増えていますが、35ページを見ますと、大型チェーン薬局が算定する調剤基本料3のロ、ハ、あるいは敷地内薬局が算定する特別調剤基本料Aの届出施設において算定割合が高くなっております。実態はいろいろ詳細を調査しないといけませんけれども、今後の状況を考えますと、大型チェーン薬局以外の地場の小規模な薬局もかかりつけ薬剤師の機能を担っていけることを検討すべきではないかと考えております。
続きまして、3点目でございます。資料の31ページでございます。医療機関と薬局の連携でございますが、31ページでは、吸入薬指導加算、特定薬剤管理指導加算2、調剤後薬剤管理指導料いずれも右肩上がりで、こちらは薬局と医療機関の連携においては非常に良好なデータだと思っております。
また、一番右側の令和6年度からの慢性心不全に対する調剤後薬剤管理指導料、これは今後増えるであろう慢性心不全の患者さんの退院後の在宅医療連携においては大変有用だと期待をしているところでございます。
一方で、30ページの左下の円グラフを見ますと、問題があった場合にのみ医療機関に情報提供が7割で、処方医・医療機関に情報提供していないが1割という実態もありますので、より緊密な連携が求められると考えております。
その点で、参考資料の30ページには、薬局から提供された服薬情報等の利活用状況が出ており、医療機関が希望するのは処方提案に関するものなどと示されています。これはまさにチーム医療の一員として、薬局、薬剤師と連携、パートナーシップを深めたいという表れでもあろうかと考えております。今後ますます顔の見える連携を構築していくということは大変重要であると申し上げたいと思います。
意見は以上でございます。
質問は、資料の29ページでございます。特定薬剤管理指導加算1の算定状況ですけれども、前回改定の見直しで、新たに処方された場合、あるいは用法用量を変更した場合等に限定されたことにより、令和6年度の算定は極めて低くなっております。高齢者や認知機能低下の患者さんにおいて、複数回、繰り返し指導したり説明するということも重要だと思いますけれども、この点について支障はないのか、事務局に質問したいと思います。
以上でございます。
○小塩会長
ありがとうございました。
29ページにつきまして御質問いただきましたが、事務局いかがでしょうか。
○清原薬剤管理官
事務局、薬剤管理官でございます。御質問ありがとうございます。
こちらにつきましては、江澤委員がおっしゃるとおり、経常的なフォローアップや、指導等は必要ではございますが、前回の議論においては、処方も何も変わっていなくて内容も変わっていないのに取られている人も多いので、基本的には処方が変更されたときにきちんと説明をするというところに限定をしようということになりまして、29ページの右側の上のほうでございますけれども、今おっしゃった新たに処方されたとき、あるいは変更になったときに取れるような形で限定したものでございます。
今後、継続的に毎回指導するべきことがあれば、見直しというのがあろうと思いますが、前回はそういうものはなくて、変更のときに限定したほうがよろしいでしょうという話で今回限定になって、算定点数が変わったというものです。
ただ、薬剤師といたしましては、お薬を渡すときにはきちんと服薬指導とかもしておりますので、そこで最低限必要なところは御説明されているものだと認識しております。
以上でございます。
○小塩会長
江澤委員、よろしいでしょうか。
○江澤委員
ありがとうございます。
ハイリスク薬剤に対する指導でございますので、引き続き支障がないのかどうか注視しながら対応していただきたいと思います。
○小塩会長
ありがとうございます。
続きまして、池端委員、お願いいたします。
○池端委員
ありがとうございます。
私も、江澤委員と同じ内容になるかと思いますけれども、病院の立場で何点かお話しさせていただきたいと思います。
まず、江澤委員からも御指摘がありましたように、7ページ、何回も出てきている図ですけれども、何回見てもゆゆしき問題かなと思っております。薬剤師がどんどん増えている中で、実は病院に勤務する方は全く増えていかないという現状、この偏在は危機的な状況と言ってもいいのではないかと思います。
次の8ページ、今度は地域偏在に関しても、たまたま私は福井県出身なので、福井県を見ていただきますと、実は病院だけでなく、薬局勤務の薬剤師の偏在指数も0.8を切っている状況です。福井県というのは薬学部がない県なので、こういうことになってしまうのだろうと思いますけれども、この辺、地域偏在もかなり大きな偏在があるので、こういうことに対してどういうことができるかということを本当に考えていただかなければいけないのではないかと思っています。
特に病院に関しては、薬局もそうですけれども、対物から対人、特に病院は病棟業務がかなり高度化しており、あるいは外来でも、例えば抗がん剤治療を外来でやる等々、高度な薬剤を扱うものが増えてきているということで、本当に薬剤師の重要性はますます増している中でこういう状況にあるということで、このままいくと調剤だけではなくて、いろいろな意味での薬剤師の不足により、病院の機能がかなり落ちてしまうのではないかという声が盛んに病院団体からも上がっています。
診療報酬改定だけでできることは、ひょっとしたらそんなに多くはないのかもしれません。医政局マター、あるいは文科省マターもあるかもしれませんけれども、一方で、診療報酬でできることも私は幾つかあるかと思っております。今日は総論なので、あえて具体的な話はさせていただきませんが、是非そういうことも含めて考えていただければと思いますので、よろしくお願いいたします。
以上です。
○小塩会長
ありがとうございました。
江澤委員、お願いいたします。
○江澤委員
今、池端委員も申されましたが、病院薬剤師の不足につきまして、これはもう御周知のとおりでございますけれども、病院と薬局で算定できる薬学管理料に差があり、ひいては薬剤師の処遇に病院と薬局で大きな違いがあるということが背景にありますので、今後、病院薬剤師の評価については、これまでの枠組みにとらわれることなく、忌憚のない議論が必要と考えておりますので、追加いたします。
○小塩会長
ありがとうございました。
ほかはよろしいでしょうか。
松本委員、お願いいたします。
○松本委員
ありがとうございます。
最初に、総論についてコメントさせていただきます。
まず、「薬局、薬剤師を取り巻く現状」につきましては、資料の3ページにもございますけれども、20店舗以上のチェーンを中心に今、薬局数の増加が続いており、特に伸びが大きい首都圏・関西圏などについては、8ページを見てみますと、必要な業務量に比べて薬局の薬剤師が多く、全国平均でも薬局では薬剤師数が充足している一方で、病院の薬剤師数は全都道府県で不足しているという状況が分かります。
薬局から病院へ薬剤師をシフトさせる、また、病院の薬剤関連業務の負担を軽減するために、先ほど池端委員、江澤委員からもありましたけれども、医科の報酬だけでなく、薬局の調剤報酬で何ができるかも検討すべきではないかと考えております。
次に、14ページ以降に紹介されております「患者のための薬局ビジョン」でございますけれども、ちょうど右側のところに、「~『門前』から『かかりつけ』、そして『地域』へ~」というサブタイトルがついております。全ての薬局がかかりつけ薬局になるとされていた目標年次がまさに今年、2025年でございます。かかりつけ機能が実際に発揮されているのか、対物業務から対人業務へのシフトが本当に進んだかということにつきましては、十分に達成されたとはなかなか感じられないというのが率直な印象でございます。
さらに、このビジョンにおいては、2035年までに薬局の立地を門前から地域へ移行させるという目標も掲げられておりますけれども、前回の総会に示された資料を見る限りでは、66%の薬局が門前というのが現状でございますので、これまでの延長で今後も対応するのか、丁寧に検討する必要があるということをまず最初に述べたいと思います。
続きまして、53ページの論点についてコメントいたしますが、医薬品の供給拠点としての役割と対人業務のいずれも充実・拡充の方向性については賛同いたしますが、そのための手段は必ずしも評価だけではなく、基準の厳格化や適正化もセットで対応すべきだということは共通の考え方として指摘させていただきます。
まず1つ目の論点であります調剤技術料でございますが、調剤基本料についてはベースとなる点数ですので、最低限の水準で可能な限り一本化し、機能に応じて加算や減算で差をつけるというのが原則だと考えます。
薬局の場合は、経営形態、店舗数、立地の違いにより経営効率がかなり異なるということで、点数を細かく区分する妥当性がある一方、先ほど申し上げましたけれども、立地自体はなかなかつながりにくいという要素もあろうかと思います。さらに近年は敷地内薬局が広がったことも踏まえ、調剤基本料、特別調剤基本料の在り方について、もう少し長期的な視点で検討することも必要ではないかと感じております。
次に、地域支援体制加算についてですが、資料の44ページを見てみますと、医療用医薬品やOTCの備蓄品目数が施設基準の近くに集中しております。経営者としては当然の御判断かと思いますが、基準を満たすこと自体が目的となり、本来目指す、地域に十分な医薬品を供給するというところが正直言って見えていないと感じております。
さらに、加算がなしの場合、医療用医薬品の品目数が極めて少ない薬局や、OTCの備蓄がゼロという薬局もございます。加算を取らないから備蓄をしなくてもよいという判断をされている薬局がもしあるとすれば、これ自体が問題ですので、調剤基本料の見直しとセットで、地域医療への貢献度に応じた評価の在り方を議論させていただきたいと思います。
続きまして、後発医薬品体制加算については、47ページを見てみますと、算定回数、届出薬局数とも増加しております。
48ページを見てみますと、後発品の使用割合の伸びがここ数年は停滞しておりましたが、長期収載品を選定療養にしたということで、直前の令和6年9月には大幅に上昇しております。この選定療養は、後発品の使用が当たり前になったからこそ導入できたもので、今後も引き続き後発医薬品調剤体制加算を続けることには疑問を感じざるを得ません。加算を廃止して、むしろ調剤割合が低い場合の減算だけにすることや、医薬品全体を分母とした後発品割合を指標にして、患者負担にも配慮した薬剤の処方提案を促すといったことも念頭に置いて、少なくとも現行の後発医薬品調剤体制加算は見直すべきと考えます。
続いて2つ目の論点、対人業務の拡充ですが、まず調剤管理料につきましては、内服薬の処方日数に応じた評価そのものについて問題意識を持っております。令和4年度改定で日数倍数制が廃止をされましたが、基本は一律点数が望ましいと考えておりますので、さらなる見直しについて、ぜひ議論させていただきたいと考えております。
次に、調剤管理加算については、令和4年度改定に新設した際、ポリファーマシーの是正に逆行するのではないかということを支払い側から指摘し、初めて薬局に来た患者や処方変更の患者に限ることになったと承知しております。
27ページの算定状況を見てみますと、令和6年度に算定回数が増加しており、その要因としては、施設基準で算定実績を求めている服用薬剤調整支援料が、38ページに示されているとおり、増加したことに伴うものということで、服用薬剤調整支援料そのものは減薬の取組を評価するもので、これが伸びていることはポリファーマシー対策としてよい傾向だとは思っております。さらにその背景には、地域支援体制加算の施設基準を厳格化した影響ということも考えられます。
服用薬剤調整支援料は、処方提案をすれば、実際の処方変更につながらなくても、低い点数区分で算定できるもので、これを過去1年間に1回算定するだけで、地域支援体制加算や調剤管理加算の実績基準を満たすということは、少なくとも見直すべきだと考えます。
さらに、令和6年度からの第4期医療費適正計画でポリファーマシー対策が強化されたことも踏まえ、調剤管理加算については、廃止も視野に入れて、対人業務の評価としてふさわしいものなのか改めて検討すべきです。
また、重複投薬・相互作用等防止加算については、電子処方箋の導入が薬局ではほぼ完了し、自動チェックの体制が整ったことを踏まえますと、どのような視点で対人業務を評価するのか、ぜひ議論させていただきたいと考えております。
次に、かかりつけ薬剤師の評価については、資料の34ページを見てみますと、指導料や包括管理料の届出は薬局の約6割ということで、一定程度広がった印象を受けますが、算定回数は130万回程度ということで、まだ国民に浸透しているとは言い切れないレベルだと感じております。「患者のための薬局ビジョン」が目標とした節目を迎えた今回のタイミングでかかりつけ薬剤師機能の評価の在り方について、改めて患者の視点で議論すべきだと思います。
最後に、服薬情報等提供料についてコメントいたします。資料40ページを見てみますと、全体としては算定回数が伸びておりますが、絶対数としては、医療機関との連携が十分なのかというと、もう少し頑張っていただく必要があるのではないかと感じております。冒頭に申し上げました医療機関の負担軽減や患者の安全・安心を高めるためにも、調剤報酬でどのような工夫ができるのか検討する余地があるように思います。
私からは以上でございます。
○小塩会長
どうもありがとうございました。
鳥潟委員、お願いいたします。
○鳥潟委員
安定供給にいまだ課題があるものの、長期収載品の選定療養制度の導入により、後発医薬品の使用割合がさらに上昇しており、後発医薬品調剤体制加算1の算定回数が減り、3の算定が増えております。この点について、実態を踏まえて今後の在り方を議論していく必要があると考えます。
また、ポリファーマシー対策について、算定数は伸びている一方、患者さんにどのような効果が出ているか、重複投薬が減っていたり、必要な減薬ができているかについて、実態を確認する必要があると考えております。
以上です。
○小塩会長
ありがとうございました。
ほかはいかがでしょうか。
高町委員、お願いいたします。
○高町委員
ありがとうございます。
今回は、調剤報酬に関する議論だと思いますが、喫緊の課題は、今までも指摘のありましたように、病院薬剤師の確保ということは明らかだと思います。この問題には、令和6年度改定でも取り組んだとは思いますけれども、成果がそれほど出ているように思えません。
調剤報酬の議論はもちろん必要だと思いますが、病院薬剤師を確保するためには、薬剤師に求められている役割が対物から対人に重きが置かれているといったことのような、より大きな視野に立った議論も必要なのではないかと考えております。
私からは以上です。ありがとうございます。
○小塩会長
ありがとうございました。
佐保委員、お願いいたします。
○佐保委員
ありがとうございます。
かかりつけ薬剤師、薬局が果たす役割は重要と考えますので、薬機法における定義や、薬局・薬剤師の機能強化等に関する検討会で整理された内容を踏まえ、その実績評価に向けて検討が必要と考えております。
37ページ~38ページにかけて、重複投与などの防止、残薬や多剤投与の解消に関する加算の算定状況について記載がございます。先ほど鳥潟委員からも発言がございましたが、この取組による重複投与防止の効果、残薬の解消、減薬などの効果について、実態を把握いただき、今後の議論に向けて詳細を分析いただければと考えます。
私からは以上です。
○小塩会長
ありがとうございました。
それでは、森委員、お願いいたします。
○森委員
ありがとうございます。
様々な御意見ありがとうございました。
全体のコメントということでさせていただきたいと思っています。
まずは、国民がどこに住んでいても必要な医薬品に迅速にアクセスできることが必要だと考えています。その上で、何人かの委員の先生から病院薬剤師の話がありました。8ページの偏在指標を見てみますと、確かに病院薬剤師は喫緊の課題だと感じています。ただ、よく見ていただきますと、29の府県で薬局薬剤師も偏在指標が1を下回っております。また、細かく県ごとに見てみますと、県庁所在地のようなところでは充足していても、少し郊外に離れると薬局薬剤師が足りないということがあります。薬局薬剤師を確保していくのかということも課題だと思います。
そして、各地域で医薬品提供体制をしっかりと構築することが課題で、そのためには、薬局が地域の医薬品供給拠点としての機能を維持・強化することが不可欠となります。地域に薬局があるから、医薬品があるから、そして薬剤師がいるから、国民は必要な医薬品に迅速にアクセスできます。地域での医薬品アクセスを確保した上で、国民が質の高い薬剤師サービスを受けられるように、対物業務を基盤とした上で、かかりつけ機能を強化して、対人業務を充実していきたいと考えております。
もう一点、後発医薬品の使用促進については、使用促進を止めたり、ましてや後退するようなことがあってはいけないと考えております。また、使用促進は安定供給が前提となります。先日の業界ヒアリングで、まだまだ先が見えない状況でした。ここは国としても安定供給体制に向けてぜひ取組を強化していただきたいと思っています。
現場の薬剤師も、引き続きしっかりと取り組んでまいりたいと考えております。
私からは以上です。
○小塩会長
ありがとうございました。
ほかに御意見等ございますでしょうか。よろしいでしょうか。
ほかには特に御質問等ないようですので、本件に係る質疑はこの辺りといたします。
今後、事務局におかれましては、本日いただいた御意見、御要望も踏まえて対応していただくようにお願いいたします。
続きまして、「費用対効果評価専門組織からの報告について」を議題といたします。
本日は、費用対効果評価専門組織の田倉委員長、福田参考人にお越しいただいております。
(田倉委員長、福田参考人入室)
○小塩会長
田倉委員長より御説明をお願いいたします。
○田倉委員長
費用対効果評価専門組織委員長の田倉です。よろしくお願いいたします。
「中医協 総-3」の資料を御覧ください。
医薬品の費用対効果評価案についてですが、レブロジル皮下注について、費用対効果評価案を策定いたしましたので、御報告をいたします。
なお、当面の間は、専門組織での検討状況についても資料に記載をしております。
2ページ目を御覧ください。
対象品目名は、レブロジル皮下注です。
効能または効果は、骨髄異形成症候群に伴う貧血に対する赤血球成熟促進となっております。
上段に、費用対効果評価専門組織で決定した費用対効果評価案を記載しております。下段に補足として、分析対象集団のICERの区分を記載しております。
3ページ目からは、参考として、レブロジル皮下注の費用対効果評価案策定に関わる分析枠組み及び主な検討事項を記載しております。
御説明いたします内容は以上となります。
○小塩会長
どうもありがとうございました。
それでは、ただいまの説明につきまして、御質問等ございますでしょうか。
高町委員、お願いいたします。
○高町委員
ありがとうございます。
レブロジルの価格調整につきましては、営業利益部分のみの価格調整ということですが、この価格調整の調整係数は0.5~1.0の範囲となっており、有用性系加算の価格調整係数の0.1~1.0よりも狭くなっています。この理由についてお聞かせいただけませんでしょうか。
また、この係数を同じように0.1~1.0にすることは不可能なのでしょうか。お聞かせください。
私からは以上です。
○小塩会長
ありがとうございます。
ただいま、高町委員から御質問がございましたが、事務局いかがでしょうか。
お願いします。
○梅木医療技術評価推進室長
事務局でございます。
まず、「総-3」の1枚目の有用性系加算率、この部分の御質問ということでよろしいでしょうか。45%(加算係数0)というところでしょうか。
○高町委員
はい。
○梅木医療技術評価推進室長
まず、1ページ目の45%という加算率ではあるものの、開示率の問題がありまして、加算係数が0ということになりますので、この45%の部分が今現在の収載時の価格としては反映されていないということになります。
この場合、費用対効果評価案の決定をいただいた組織のほうでの御議論に移りますけれども、その際には、営業利益のような部分の増減というところへの御検討が入るということかと思います。
御回答になっておりますでしょうか。
○高町委員
価格調整係数が営業利益の係数と有用性系加算の係数で0.1~1.0と0.5~1.0と若干違うのですけれども、この係数の違いはなぜなのでしょうかということと、その係数を同じにすることは不可能かということです。
○小塩会長
よろしいですか。
御回答をお願いいたします。
○梅木医療技術評価推進室長
事務局でございます。何度もすみません。
2ページ目のICERの区分の有用性系加算等の価格調整係数のところでの0.5~1.0というところ、それから、0.1~1.0というところでの違いだということでございますが、現状の制度上は、今回ここにお示ししているような営業利益率の場合の係数と有用性系加算を調整する場合の調整の幅が異なるという状況にございます。
今後、もしそういった点についての御議論ということでございますと、専門部会で価格調整の在り方そのものについての御議論という中で検討するということになろうかと思います。
○小塩会長
高町委員、よろしいでしょうか。
○高町委員
ありがとうございます。
費用対効果評価も含めまして、薬価を決めるときの仕組みとか用語といったものは大変難解で、患者にとっては理解が難しく、そのために患者は自分たちの知らないところで薬価が決められているような印象を持ってしまいがちです。患者が安心して医療を受けるためにも、より分かりやすい仕組みと用語、そして十分な説明を今後お願いしたいと思います。
ありがとうございます。
○小塩会長
ありがとうございました。
ほかに御質問等ございますでしょうか。よろしいでしょうか。
今、高町委員から御要望がございましたが、ほかに御質問等ないようでしたら、本件につきましては中医協として承認するということでよろしいでしょうか。
(異議なしの意思表示あり)
○小塩会長
ありがとうございます。それでは、説明のあった件につきましては中医協として承認したいと思います。
田倉委員長、福田参考人、どうもありがとうございました。
(田倉委員長、福田参考人退室)
○小塩会長
本日の議題は以上ですが、今回をもちまして長島委員が御退任となります。一言御挨拶をお願いいたします。
○長島委員
挨拶の時間をいただきありがとうございます。ふだんより緊張しております。
このたび、3期、足かけ5年となる中医協委員を退任することになりました。小塩会長の下、1号側委員、2号側委員、公益委員、専門委員、そして全てを支えていただいた3代にわたる事務局の皆様、一緒に国民の幸福という同じ目標に向かい、緊張感を持ちながら、真摯な議論を行う貴重な時間を共に過ごすことができましたことに感謝いたします。
任期の中では、新型コロナウイルス感染症のパンデミックから5類への移行、インフレの進行など、医療を取り巻く大きな変化もございましたが、個人的に特に印象に残っているのは、医療DXの急速な進展です。私は、平成4年に診療所を開業して以来、ITを活用した連携と情報共有に取り組み、平成30年に日本医師会の常任理事になってからもIT化を担当しておりました。
その間、日本においては、個々の医療機関内部のIT化は進みましたが、残念ながら、地域連携やその基盤となるネットワークは進みませんでした。
その後、コロナ禍を契機にして、中医協における私自身も関わった議論も経て、ごく短期間にオンライン資格確認等システムが全国のほとんどの医療機関・薬局に導入され、日本中をつなぐ医療専用の安全なネットワーク網が整備されたこと、患者御自身もマイナポータルを通じて情報を把握でき、患者が医療の主役となる環境が整備されたことは、三十数年間の夢が実現できたということで、大変感激しておりますし、今後、日本の医療の大きな転換点になったものと考えております。
今後も、医療DX、遠隔医療、生成AI、ビッグデータ、パーソナルヘルスレコードなど、新技術を適切に活用することが、医療をよい方向に変革していき、中医協でも重要なテーマになっていくと推測しますが、その際、注意すべきことがございます。中医協でも何遍も繰り返して申し上げてきましたけれども、スピード感は重要ですが、拙速に進めて国民や医療現場に混乱や不安・不信を招けば、最大のブレーキとなります。また、医学的な有効性、必要性、特に安全性を優先すべきであり、利便性や効率性のみを重視した安易な拡大はすべきではありません。
最後に、今後の中医協への期待を申し上げます。公的医療保険により、国民に安心・安全で質の高い地域医療を安定的に継続して提供することこそが、国民にとっての最大の幸福、利益です。皆保険制度の持続に財政は極めて重要ですが、財政のみを重視して必要な医療が提供できなくなれば、国民にとって不幸、不利益であり、本末転倒と言えます。
そして、中医協で決める診療報酬改定が地域医療に与える影響は、医療機関の経営が危機的な状況においては、これまで以上に極めて大きくなっています。したがって、中医協の委員と事務局におかれましては、診療報酬改定の結果が地域医療に与える影響、特に悪影響については、その決定を行った者が責任を負うことを自覚すべきと考えます。
中医協の委員たるもの、冷静な頭と温かい心、広い視野と高い志を持ち続けていただきたいと願います。今後、中医協が外部からの制限を受けることなく、その本来の役割を十分に発揮し、国民の幸福を守っていくことを願います。
本日までありがとうございました。(拍手)
○小塩会長
長島委員、どうもありがとうございました。お疲れさまでした。
本日の議題は以上で終了させていただきます。
次回の日程につきましては、追って事務局より連絡いたします。
それでは、本日の総会はこれにて閉会といたします。どうもありがとうございました。



