第52回労働政策審議会人材開発分科会 議事録

人材開発総務担当参事官室

日時

令和7年8月27日(水)13:00~15:00

場所

会場:中央合同庁舎5号館 専用第16会議室(5階)
   (東京都千代田区霞が関1-2-2 中央合同庁舎5号館)

議題

  1. (1) 分科会長の選出、分科会長代理の指名並びに監理団体審査部会委員の指名について
  2. (2) 2024年度の実績評価及び2025年度の目標設定について
  3. (3)公的職業訓練の在り方に関する研究会における議論のとりまとめについて(報告)
  4. (4) 障害者職業能力開発校の在り方に関する検討会報告書について(報告)
  5. (5) 今後の人材開発政策の在り方に関する研究会報告書について(報告)
  6. (6) 2028年技能五輪国際大会(日本・愛知大会)の開催について(報告)
  7. (7) その他

議事

議事内容
○五百籏頭人材開発総務担当参事官 それでは、定刻となりましたので、ただいまから「第52回労働政策審議会人材開発分科会」を開催いたします。本日、本分科会はオンライン併用での開催といたします。本年4月27日付けで委員の改選がございまして、本日は改選後の最初の分科会となりますので、冒頭は事務局が議事進行をさせていただきます。本日の出欠状況ですが、公益代表の風神委員、労働者代表の篠原委員、使用者代表の美野川委員、渡邉委員が御欠席です。
 それでは、議事に入ります。議題(1)「分科会長の選出、分科会長代理の指名並びに監理団体審査部会委員の指名について」です。資料1-1を御覧ください。人材開発分科会長については、労働政策審議会令第6条第4項により、労働政策審議会の本審に所属する公益委員の方々の中から、本審に属する委員により選出されることとなっております。事前に武石委員が分科会長として選出されておりますので、以降の議事進行は武石分科会長にお願いいたします。
○武石分科会長 人材開発分科会長を務めることになりました武石でございます。どうぞよろしくお願いいたします。
 それでは、今回新たに本分科会の委員になられた方がいらっしゃいますので、御紹介いたします。私からお名前を申し上げますので、御挨拶をお願いします。オンラインで御参加の労働者代表委員として、UAゼンセン常任中央執行委員の松井委員です。お願いいたします。
○松井委員 新しく委員に就任いたしました松井と申します。UAゼンセン出身でございまして、2019年頃にも一度分科会の委員をやらせていただいておりました。出戻りとなりますが、よろしくお願いいたします。
○武石分科会長 ありがとうございました。どうぞ、よろしくお願いいたします。それでは、使用者代表委員として、全日本空輸株式会社執行役員客室センター副センター長の山岸委員です。
○山岸委員 皆さん、初めましての方も多いと思います。よろしくお願いいたします。ただいま御紹介にあずかりましたとおり、全日本空輸株式会社、ただいまは執行役員として客室センター、客室乗務員の所属する部署におります。職歴の中では、客室乗務員として入社したのですが、主に客室乗務員の教育訓練を担当する部署のキャリアが長くなっております。専門外のところもございますので、いろいろ皆様方に御指導いただきながら務めてまいりたいと思います。よろしくお願いいたします。
○武石分科会長 皆様、ありがとうございました。
 それから、事務局に人事異動がありましたので、御紹介をさせていただきます。宮本人材開発統括官です。蒔苗大臣官房審議官です。五百籏頭人材開発総務担当参事官です。澤口人材開発政策担当参事官です。飯田能力評価担当参事官です。西川政策企画室長です。鈴木訓練企画室長です。山口特別支援室長です。
 それでは代表して、宮本人材開発統括官より御挨拶をお願いいたします。
○宮本人材開発統括官 この度、人材開発統括官を拝命いたしました宮本でございます。人材開発分科会の委員の皆様におかれましては、日頃より厚生労働行政、また人材開発行政に多大なる御理解と御協力を頂いておりますことに、この場を借りまして厚く御礼を申し上げます。現在、デジタル技術などの進展等に伴う環境変化や技術トレンドの変化が生じていることは御承知のとおりかと存じます。人材開発行政におきましても、このような状況の変化に対応しながら、効果的なリ・スキリング支援に取り組んでいくことが、ますます重要となっております。訓練などを通じまして、人々が適切なキャリア形成を行うことができますように取り組んでまいりたいと考えております。
 委員の皆様方におかれましては、本分科会を通じまして人材開発行政に対する様々な御意見を賜りたく、どうぞよろしくお願い申し上げます。簡単ではございますが、私からの御挨拶とさせていただきます。どうぞ、よろしくお願いいたします。
○武石分科会長 ありがとうございます。よろしくお願いいたします。それでは、次に分科会長の代理を選任させていただきます。労働政策審議会令第6条第6項の規定で、分科会長に事故があったときに、その職務を代理することが役割とされており、分科会長があらかじめ指名することとなっています。そこで、守島委員にお願いしたいと考えております。よろしくお願いいたします。
○守島委員 よろしくお願いします。武石分科会長に、多分何もないと思うのですが、何かありましたらお助けしたいと思っておりますので、どうかよろしくお願いいたします。
○武石分科会長 ありがとうございます。また、本分科会の下に設置されている監理団体審査部会について、部会に属する臨時委員等については、労働政策審議会令第7条第2項の規定により分科会長である私が指名することになっており、お手元の資料1-2のとおり指名しておりますので、御報告をさせていただきます。よろしくお願いします。この議題はこれまでといたします。
 次に、議題(2)「2024年度の実績評価及び2025年度の目標設定について」です。内容について、人材開発総務担当参事官より資料の説明をお願いいたします。
○五百籏頭人材開発総務担当参事官 人材開発総務担当参事官の五百籏頭です。議題2については、お手元にある資料2-1、2-2を用いて御説明いたします。主立ったポイントをかいつまんで御説明いたしますが、まず目標としては、7つの項目を掲げております。1つ目の「地域若者サポートステーションの就職等率」については、2024年度の実績は目標を上回ることができました。2025年度の目標については、資料2-2にも書いてありますが、近年の実績を踏まえたものとなるよう、過去3年間の実績の平均値である72.9%を踏まえ、この数値を目標として掲げております。
 2つ目の項目については、「わかものハローワーク等を利用して就職したフリーター等のうち、正社員として就職した者の割合」を掲げており、2024年度は実績が目標を上回ることができました。2025年度については、目標の項目を少し工夫したいと考えております。資料2-2の下の所に記載しておりますが、これまでの目標は、わかものハローワーク等の施設内のみにおける支援を対象としております。一方、わかものハローワーク等以外のハローワークにも就職支援ナビゲーターが在籍しており、フリーター等の支援を実施しているところです。そのため新しい目標では、就職支援ナビゲーターによる担当者制を用いて就職支援をした方の中での正社員就職率ということにしたいと考えております。その上で、目標の数値については過去2年間の実績の平均値である51.1%を踏まえ、この数値を目標として掲げております。
 3つ目の項目については、「就職支援ナビゲーターによる支援を受けて正社員就職した新規学校等卒業者等の数」です。こちらについては、2024年度の実績は目標を上回ることができませんでした。この主な要因としては、資料2-2に記載しておりますが、新卒者等に対する就職支援事業をここでは行っておりますが、現在、若者については売り手市場の中ですが、就職活動に困難な課題を抱える学生等を取り巻く状況は非常に厳しいところがあり、こうした背景がこの実績の達成できなかった要因にもなっているものと考えております。2025年度の目標については、こちらも少し目標の立て方を工夫したいと考えております。新しい目標としては、新卒者等支援に係る就職支援ナビゲーターの担当者制による就職支援を受けた者の正社員就職率としています。こちらについては、資料2-2に記載しておりますが、少子化により今後学生等の数の減少が見込まれておりますことから、就職支援ナビゲーターが担当者制を敷いた上で、就職支援をした新卒者等の中での正社員就職率ということで、率を目標値にしたいと考えており、過去2年間の実績の平均値である62.5%を目標と掲げております。
 4つ目の項目の「ジョブ・カード作成者数」については、2024年度は目標を大きく上回ることができました。その背景としては、2024年度からハローワークと連携してジョブ・カードの作成・活用を支援するセミナーを開催しており、こうした取組が大変効果を上げたものと考えております。こうしたことから、2025年度の目標としては、過去3年間の平均値と2024年度の実績を踏まえて32.6万人の目標を掲げております。
 次に、⑤の「公共職業訓練の就職率」です。施設内訓練については、2024年度目標を達成することができましたが、委託訓練については実績が目標を上回ることができませんでした。背景としては、人手不足が続く中で、早期に就職できる方については離職者訓練を受講せず再就職していることから、結果として、相対的に就職困難な方が公共職業訓練を受講する割合が上昇していることが考えられるところです。こうした中、同じ分野で施設内訓練を継続して実施している都道府県や国よりも、様々な分野で多種多様なプログラムを民間教育訓練機関が実施する委託訓練の就職率への影響が大きく出ているものと考えております。2025年度の目標については、施設内訓練については、(独)高齢・障害・求職者雇用支援機構の中期目標において82.5%以上と定めていることから、引き続きこの値を目標として掲げております。また、委託訓練については、2024年度の目標値及び過去5年間の就職率実績を踏まえて75%としております。
 ⑥の「求職者支援制度による職業訓練の雇用保険適用就職率」については、2024年度、基礎コースについては目標を達成することができましたが、実践コースについては目標を達成することができませんでした。実践コースが目標を下回った背景としては、全修了者に占める割合の高い「デザイン分野」の修了者の就職率が低くなっていることや、地域によっては訓練内容に見合う求人が少ない等により、求職活動期間が長期化していることなどが要因と考えられます。ただ、各月の状況で見ると、前年同期の実績をおおむね上回っているところです。こうした中、2025年度の実績については、基礎コース及び実践コースともに、2024年度の目標値と過去5年間の就職率実績を踏まえ、引き続き58%と63%を掲げております。
 最後に、「技能検定試験合格者数」については、2024年度、目標を達成することができませんでした。背景としては、指定試験機関方式で行われているもののうち、多くの受検者があるファイナンシャル・プランニング職種の受検者数が前年度から約11万人減少したことが大きく影響しているものと考えております。2025年度の目標については、過去3年間における合格者数の平均値を踏まえて設定しております。御説明は以上です。
○武石分科会長 ありがとうございました。それでは、ただいまの御説明に対する御質問、御意見がございましたら、こちらで参加されている方は挙手、オンライン参加の方はズーム機能の「リアクション」から「手を挙げる」マークを押していただいて、指名されてからマイクをオンにして御発言をお願いします。いかがでしょうか。では、冨髙委員、瀬田委員の順番でお願いします。冨髙委員、どうぞ。
○冨髙委員 2点ほど意見を申し上げたいと思います。まず、項目の⑥です。求職者支援制度による職業訓練の雇用保険適用就職率です。これは、実践コースのほうは実績が目標を下回っていますが、先ほどもありましたように、各月の状況を見ると、前年同期の実績はおおむね上回っているということで、きめ細やかな就職支援に取り組んでいただいているのだろうと理解するところです。先ほど御報告がございましたが、一方で、地域によっては、訓練内容に見合う求人が少ないことも含めて、求職活動の長期化などが要因となっているということですので、引き続き、地域のニーズを踏まえた職業訓練の展開や、求職者の勤務促進に是非、取り組んでいただきたいと思います。
 もう1点、項目⑦の技能検定試験の合格者数です。こちらも、先ほど御説明いただきましたファイナンシャル・プランニングの職種の受検者数の増減がかなり影響しているということでした。それ以外の職種で大きく伸びているのだと思いますが、全体的な目標の実績としては未達成だと思います。昨年や一昨年は、技能実習生の影響があったとも認識しておりますので、今後の目標設定・実績評価にあたっては、今回も記載はしていただいておりますが、年度によってその影響の大きい職種とそれ以外を分けて示していただくか、目標管理や分析に資するようなデータを示していただくことが必要かと思いますので、意見として申し上げておきたいと思います。以上です。
○武石分科会長 ありがとうございます。瀬田委員の御意見を聞いて、まとめて事務局からリプライをお願いしたいと思います。瀬田委員、お願いします。
○瀬田委員 中小企業団体中央会の瀬田でございます。様々な施策を頂きまして、ありがとうございます。③についてお願いがございます。就職支援ナビゲーターさんが、就職活動に困難な課題を抱える学生をマッチングするのは大変すばらしいと思うのですが、肌感覚的には、地域の中小企業や小規模事業者が受皿になっているのではないかという感覚があります。是非、従業員規模別で実績ニーズのデータを出していただいて、これは求人側からしまして、就職先の有効な支援策を打っていただくことによって、更に求人活動が活発になることによって、またこのマッチングの人数が増えてくるのではないかと思います。我々中小企業としても非常に助かることになると思いますので、そういう支援策も是非、御検討いただければと思います。以上です。
○武石分科会長 ありがとうございます。オンラインで石﨑委員が挙手になっているので、石﨑委員、お願いします。
○石﨑委員 今回、②と③につきまして、目標値の設定の仕方を変えられたということで、その点は、実態を踏まえたものということで賛成です。その上で、③に関して、これは、要望的な形ではありますが、先ほどの御意見にもありましたように、就職が困難な方を対象としている部分があることも踏まえたときに、目標値としては正社員就職率ということで差し支えないとは思うのです。ただ、同時に、正社員ではなくて、正社員としては難しかったのだけれど、まず非正規の就職というか雇用につながった方ですとか、あるいは、就職ではなくて、一旦、職業訓練を挟んでという形で、そちらに進まれた方のデータなども把握したり分析したり、そのフォローアップをしていただけると有り難いと思った次第です。以上です。
○武石分科会長 ありがとうございます。3人の委員の方から御要望等ございましたので、事務局から、この点についてお願いします。
○鈴木訓練企画室長 訓練企画室の鈴木です。先ほど、冨髙委員から求職者支援訓練について御意見、御要望を頂きました。ありがとうございます。求職者支援訓練の実践コースにつきましては、目標は達せなかったものの、各月の状況は前年度より上回っており、データとしては上向きになっていると感じております。一方で、地域のニーズは様々ですので、各都道府県において地域の協議会がありますので、そうした協議会での公労使の御意見等も伺いながら、また、訓練機関等の御意見を伺いながら、訓練ニーズに応じた対応を取っていきたいと思っておりますし、また、いい取組は横展開できるように、各局の取組をいろいろ収集した上で展開していきたいと考えております。どうもありがとうございました。
○飯田能力評価担当参事官 能力評価担当参事官の飯田です。冨髙委員から技能検定の合格者数に関する御意見を頂きまして、ありがとうございます。御指摘のように、年度ごとに様々な要因がありますので、目標管理とか分析の設定に資する形で考えていきたいと思っています。
○今野若年者・キャリア形成支援担当参事官 若年者担当の今野です。就職支援ナビゲーターの活動について、それで測定する数値の精緻化について御指摘いただいたところです。事業を適切に管理する観点から、是非、有効な方法があれば、我々もそういうことは考えていきたいと思うところです。特に、就職支援ナビゲーターと事業規模別の求人の関係ということで申しますと、就職支援ナビゲーターの現場における重要な役割の1つに、ナビゲーターの支援を受けて、就職しようとする人たちの就職先の事業所を開拓する仕事があります。そういうところで、地域の中小に多く受けていただいているというような、私も肌感覚としてはそうなのかと感じているところです。より良い正社員就職を掲げておりますので、その目標が少しでも達成できるように、引き続き中小の御協力も頂きながら、私どもしっかり取り組んでまいりたいと考えております。
○武石分科会長 ありがとうございます。事務局から、御意見、御質問に関して説明いただきましたが、御意見を頂いた委員の皆様、よろしいでしょうか。では、引き続きまして、ほかに御意見、御質問等があればお願いします。では、石原委員、お願いします。
○石原委員 エクサウィザーズの石原でございます。昨年度の実績等々、御説明ありがとうございました。2つあります。1つは、私は去年も何か申し上げて、細かい所で恐縮だと思いつつ、やはり、昨年度の実績よりも低い目標値が今年度掲げられたことに強い違和感があります。3年間の平均値を取るとかいうのが、まず、平均値でいいのかというのがあるのと同時に、一部の目標に関しては2020年度実績も踏まえていますと書いてありますが、書いた上でなお低い数字のケースもあったりして、目標というのは、年々成功していくとか、年々増えていくものを目指すべきではないのだろうかというのを、これは本当に去年も多分同じことを言っているのですが、一旦、問題提起という形にさせてくださいというのが1点です。
 もう1つです。②、③辺りは、やはり正社員就職を支援することが非常に大きな1つの目標になっていると思うのですが、近年の傾向を見たときに、正社員であれば何でもいいということではないのではないかという気もしております。正社員で、例えばなおかつ、給与水準を上げていけている会社とか、給与水準が、何て言うのでしょうか、平均、平均とは何の平均か分かりませんが、給与水準が良い会社とかというように、正社員であれば何でもいいというのは、何かちょっと、もはや時代としても違うのかという気もしております。どういう所に就職してもらうのがいいのだろうかというときに、正社員になれば万々歳だということではない時代なのではないかという気もちょっとしております。
 ですので、目標値として正社員就職率が本当にいいのだろうかというのをちょっと、これも、別に今年どうしてくださいという話ではないのですが、未来にわたっての課題なのではないかと。正社員で採用してくれるけれども、とても給料が安いのだとか、1ミリも給料が上がりそうにない会社なのだということでは、やはり余りハッピーではないということだったりすると思いますし、あるいは、非正規だとしても、非常に処遇がいい、待遇がいいケースも実はもう最近は生まれているのかとも思いまして、それではなぜ駄目なのですかということもあるのかとちょっと思ったりしております。ということで、中長期的な課題として、正社員への就職が本当にベストなのかという課題、認識を持っていただけるといいかと思いました。以上です。
○武石分科会長 ありがとうございます。それでは、平田委員、お願いします。
○平田委員 私からは2つございます。1つ目に②と③について、より適切に政策の効果を計るための、目標の指標変更であると理解しました。この変更が本当に妥当であるのかについて、思考停止をせず、引き続きフォローアップしていただきたいと思います。
 2つ目に⑥について、予算も限られている中、訓練内容に見合う求人が少ない地域で、本当に訓練をするべきなのかという問題意識を持っています。この点については、職業安定行政との連携も必要であると思っております。実際の求人内容と乖離する職業訓練を直ちにやめろというつもりはなく、問題意識としてお伝えをしたいと思います。以上です。
○武石分科会長 ありがとうございます。では、石原委員と平田委員からの御意見について、事務局からお願いします。鈴木さん、お願いします。
○鈴木訓練企画室長 御意見ありがとうございます。訓練企画室の鈴木でございます。まず、石原委員から頂いた関係で、特に当室の⑤、⑥公共職業訓練と求職者支援訓練の目標。今、求職者支援訓練については、基礎コースは達成しているが目標値については同じ状況のままということです。こちらは5年間の平均を取っている状況ですが、我々も確認したところ経緯がありまして、訓練の全体のメニューを立てる、今で言う中央職業能力開発促進協議会、昔は中央訓練協議会と申し上げていたのですが、そちらで、公益の先生から、職業訓練というのは、いわゆる予算事業ではなくて景気変動のセーフティネットとしての側面があるので、直近が高い数字だからといって、いたずらに目標値を上げていくのもどうなのかという御意見とか、もう少し長期スパンで就職率を考えていく必要があるのではないかという御意見が当時あって、それで、5年間という形で設定をさせていただいている経緯がありました。
 とは言うものの、一方で、我々としては上を目指さなければいけないというのは、正におっしゃるとおりだと思いますので、そこは、目標は目標とありつつも、更に前年度に比べても高く目標は上げていきたいというのは全く同じ思いです。経緯としてはこういった経緯ということです。
 それと2点目、平田委員から御指摘がありました求職者支援訓練ですが、正に御指摘のとおりです。当然、求人があって、就職のために求職者支援訓練を実施しているものですので、そうした訓練メニューの設定、更には、訓練を実施する以上の求人の確保というのは、引き続き、安定行政とも連携しながら対応していきたいと考えております。私からは以上です。
○今野若年者・キャリア形成支援担当参事官 先ほど、②と③の正社員について御指摘を頂いております。特に②のわかものハローワークなのですが、この事業がそもそも作られた経緯としては、景気が悪いタイミングで労働市場に出ていった若者が、正規雇用に就けないまま非正規雇用を繰り返していく中で、では正社員就職を目指そうということで始まったものであるという背景がありまして、それとの兼ね合いで、目標についても正社員としているところではあります。
 一方で、御指摘のように、中長期で見たときに、それぞれの労働者にとっていい働き方とは何だろうというのは、その時々の状況に応じて変わってくるのかとは思いますので、我々は、そういう情勢の変化を踏まえながら、目標というよりも、ひょっとしたら、わかものハローワークは何のためにある事業なのかという問題かもしれませんが、情勢の変化を踏まえながら対応していきたいと考えております。以上です。
○武石分科会長 説明ありがとうございます。石原委員、平田委員、よろしいでしょうか。ほかに御意見等ございますか。それでは、いろいろな御意見を頂きまして、今後のデータの示し方、あるいは中長期的な課題等を頂いております。頂いた御意見、それから事務局の回答、今後の課題も含めて、当分科会として、「2024年度の実績評価及び2025年度の年度目標について」は、案のとおり了承したいと思いますが、よろしいでしょうか。
                                   (異議なし)
○武石分科会長 ありがとうございます。それでは、この議題はこれまでといたします。
 次に議題(3)「公的職業訓練の在り方に関する研究会における議論のとりまとめについて(報告)」です。内容について、政策企画室長、訓練企画室長の順に資料の説明をお願いします。
○西川政策企画室長 それでは、議題(3)につきまして御説明いたします。公的職業訓練の在り方に関する研究会に対しての御報告になります。報告内容につきましては、大きく分けて2点あります。1点目は、民間職業訓練サービスの質の確保・向上に関するもの。2点目が、非正規雇用労働者向けの職業訓練事業に関するものとなっております。最初に資料3-1です。民間職業訓練サービスの質の確保・向上について、政策企画室長から御説明します。その後、資料3-2「非正規雇用労働者等が働きながら学びやすい職業訓練試行事業の実施」を用いまして、訓練企画室長から御説明します。
 それでは、改めまして資料3-1を御覧ください。1ページに概要、2ページ以降が議論の取りまとめ本体となっています。本日は、概要を用いて御説明します。まず、一番上の囲みを御覧ください。公的職業訓練につきまして、その訓練の担い手として民間教育訓練機関の果たす役割が増してきております。そのような中で、実施する訓練の質の向上を図ることが課題になってきたところから、平成23年に、この「民間教育訓練機関における職業訓練サービスガイドライン」、通称サービスガイドラインを策定しております。
 このサービスガイドラインは、PDCAサイクルを活用した職業訓練の運営が実施されるよう、まず、職業訓練ニーズの明確化を踏まえた訓練設定、次に、計画した訓練の実施・運営、さらに、訓練サービスの評価・見直し・改善の検討、そして、新たな訓練の設定・実施に結び付けていくという、訓練の運営に当たってPDCAサイクルを回していくということを明確にしたものです。また、事業運営の基礎として、財務面、リスクの管理、必要な記録・文書の保存、人事管理、物的資源の管理ということを求めています。
 続きまして、資料の中段になりますが、本サービスガイドラインは、これを策定する、公表するだけでなく、民間教育訓練機関に活用していただくために2つの事業を実施しております。左側、ガイドライン研修、そして右側、ガイドライン適合事業所認定、この2つの事業を実施してまいりました。研修のほうは平成26年度から、事業所認定のほうは平成30年度から実施しております。ただし、後者の事業所認定につきましては、利用が進まず、昨年度から今年度にかけて休止しています。
 このような事業をサービスガイドラインの関係ではやらせていただいておりますけれども、民間教育訓練機関に一層活用していただくべく見直しを行うということで、研究会では議論を重ねていただきました。その結果、ガイドラインにつきましては、民間教育訓練機関が行う訓練の質の向上を促す仕組みとして有効であり、休止中である適合事業所認定の仕組みについては継続していくべきとされました。議論のとりまとめの中では、見直しの方向をお示しいただきました。そのポイントが下段の囲みにあります7つに集約されます。順に御紹介したいと思います。
 まず1つ目に、より多くの事業所が申請できる仕組みの検討。2つ目に、認定の段階付けを検討すべきこと。3つ目に、審査料を低く設定する必要から審査コストを抑える工夫。4つ目に、安定的な制度の運用ができる仕組みへの見直し。5つ目に、認定の有効期間を延長すること。6つ目が、認定事業所等の実施機関についてです。適合事業所、好事例の収集・提供、訓練ノウハウの伝授といった取組を併せて行うことで相乗効果が発現されることが望ましいということ。加えて、中立性を保つという観点から、例えばJEEDに担っていただくことが望ましいこと。最後に、知名度の向上のため、認定マークの改善を含む効果的な周知の方策をとることが必要であること。
以上が公的職業訓練の在り方に関する研究会のうち、サービスガイドラインに関する部分の説明になります。残り半分につきましては、訓練企画室長から御説明いたします。私からの説明は以上です。
○鈴木訓練企画室長 続きまして、資料3-2に基づきまして、「非正規雇用労働者等が働きながら学びやすい職業訓練試行事業の実施」に関する御報告をいたします。本事業の目的ですが、もともと変化の厳しい状況の中で、能力開発基本調査等でもありますが、正社員に対してOFF-JTを実施した割合というものが、正社員以外の方は相対的に低い状況にある。一方で、自己啓発の割合も、正社員に比べて正社員以外の方は低い状況にあるということが背景としてあります。また、国のほうでは、公的職業訓練として公共職業訓練及び求職者支援訓練というものを実施しているわけですけれども、こちらの訓練の主な対象は失業者であり、訓練内容も平日の日中に通学して訓練を受けるということが基本形態となっております。
 こうした中で、日中働かれている非正規雇用労働者等が、働きながらでも学びやすく、自らの希望に応じた柔軟な日時や実施方法による職業訓練を受講できるような仕組みを構築して、リ・スキリング支援を実施するということを検討するために公的職業訓練の在り方に関する研究会において御議論を頂きまして、令和5年9月に試行実施をしてはどうかという御報告を頂いて、それに基づいて試行実施をしました。試行実施については、令和6年度、令和7年度に実施しており、令和6年度の実施状況がまとまりましたので、その御報告をし、本格実施に向けた御提言を頂いたということです。
 事業概要・スキームについては2の(1)を御参照いただければと思いますが、非正規雇用労働者等を対象として、いわゆる通学形式やオンラインを組み合わせて実施する。また、訓練時間については、離職者訓練と同様の150時間程度の訓練を実施する。更には、継続支援等をするということで実施しております。
 これを踏まえまして、1年間実施した結果ですが、1枚めくっていただきますと表紙がありますので、もう1枚めくっていただきまして「試行事業の結果の概要と評価」という所です。こちら、訓練内容については、試行実施ということもありまして、主なデジタル分野、営業・販売・事務分野を対象にeラーニング、また、オンラインの同時双方向通信、スクーリング、受講日程の平日夜間、土日祝日を組み合わせた複数のパターンのコースを設定して実施しました。
 結果の概要ですが、左、まず2つを御覧ください。結果を見ますと、「eラーニングのみ」や「同時双方向通信+eラーニング」、いわゆるオンラインの訓練については、全体の応募率が100%を超えています。特にデジタル分野の訓練コースでの応募率が高い状況でした。また、受講生の8割以上の方が「働きながらでも学びやすかった」と回答をしています。続いて2つ目の○ですが、受講生の8割以上の方が「期待していた内容であった」と回答しており、「修了率」は全体で6割を超えており、例えば、eラーニングだけが低いというようなことはなく、eラーニングだけでも6割以上の修了率ということで、実施方法や訓練分野の違いに明確な差はなかったという状況です。
 これら2つを踏まえた評価としては、オンライン訓練、デジタル分野の応募率は高く、多くの受講生にとって働きながら学びやすい内容であったと御評価を頂いたことから、本事業は目的に沿ったものとなっていたのではないかと。2つ目の○、eラーニングや同時双方向通信などのオンラインによる訓練については、十分有用性が確認されたということを頂いております。左の3つ目の○ですが、訓練内容等の活用割合、新しい仕事にチャレンジする意欲、新たなスキル習得への意欲といった、次のステップに行きたいという意欲については、受講生の評価は高かった。その一方で、訓練修了2か月後にアンケート調査を取っておりましたが、正規雇用への就職、正規雇用への転換、賃金水準の向上の割合は全体でも15%程度であったということです。
 それを踏まえて、右側の評価としては、訓練内容の活用割合、新しい仕事にチャレンジする意欲といったものについてはポジティブな評価があった一方で、正規雇用への就職等の指標の評価については、もともと既に働いている方々を対象としておりますので、転職活動をいつするのか、企業で正社員登用制度があるかなど、そういった様々な事情がありますので、こうした評価には留意が必要ではないかという御意見を頂いております。
 次のページですが、そうした評価を踏まえ、全体の今後の方向性ということです。冒頭に申し上げましたとおり、非正規雇用労働者全体の自己啓発に対する実施割合が低調である中で、本事業は、こうした対象者にとってニーズが高く、キャリアアップにも資すると評価できるものであると。このため、訓練の機会が少ない非正規雇用労働者等が、離職することなく、働きながら学ぶことで、より待遇の高い仕事に挑戦できるよう、令和8年度に向けて、本事業を全国展開することを検討することが適当というような意見を頂いております。また、全国展開に当たっては、オンラインを活用した手法によって、非正規雇用労働者等が、全国どこに住んでいても、自らの希望に応じた柔軟な日時・実施方法で受講できるように進めていくことが効果的であると。
 更に訓練の実施に当たっては、都道府県の実情については都道府県が一番分かっていますので、都道府県での実施を基本としつつ、都道府県においては、地域ニーズを踏まえた訓練分野やコースを柔軟に設定できるようにするとともに、eラーニングを活用した訓練の地域偏在、eラーニングにつきましては、訓練教材等も踏まえて、一定の規模感が必要になりますので、そうした対応ができる訓練コースについては、国及び地方の適切な役割分担に留意しつつ、独立行政法人高障求機構を通じた広域展開を行うことを検討することが適当であるということを頂いております。最後、4点目については、しっかりPDCAを回して今後も改善を図っていくべきだということです。
 残り4、5ページは各論になりますけれども、少しだけかいつまんで御紹介させていただきます。4ページの受講勧奨ですが、修了率6割ということでしたが、逆を言えば、4割の方は途中離脱されていると。特に、そのうち2割の方は、訓練受講当初、最初のほうで離脱しているということで、ミスマッチが生じている可能性があるということが示唆されました。そのために、事前に訓練機関による説明会や選考時の面談、また、キャリコン等を通じて、しっかり最初のミスマッチが生じないようにすることが適当であると。更には、受講生の成功事例を共有することで、自分が訓練を受けて、どのようになっていくのかイメージが湧くようにすることが必要ではないかということを頂いております。
 5ページですが、受講継続支援という形で、2割の方は受講中に離脱されておりますので、しっかりキャリコンなど、また、仲間内でのコミュニケーション等を通じ、孤独感に陥らないようにしっかりフォローアップをしていくことが重要であるということです。成果指標です。3つ目の○に書いてありますが、訓練修了2か月後にアンケートを取っておりますけれども、なかなかこうした労働者の状況を踏まえますと、2か月後ではすぐ成果は出ない、良い成果は見えてこないということがありますので、訓練修了後一定期間経過後、例えば6か月後など、そういった受講生の状況等についても、アンケートにより把握することが適当ではないかといった御意見を頂いております。簡単ではありますが、私からの説明は以上です。
○武石分科会長 ただいまの御説明に対して御質問、御意見がありましたら、先ほどと同様に挙手をしていただき、指名された方はマイクをオンにして御発言をお願いいたします。いかがでしょうか。瀬田委員、お願いいたします。
○瀬田委員 中央会の瀬田です。3-1、3-2で1点ずつあります。まず3-1のほうからです。民間教育訓練機関についてですが、訓練制度の内容も含めて講師の属人的能力に結果が左右されることが、私の会社自体も受けていて多いのかということがあります。そういう意味では、大手企業もシステマチックでいいのですが、やはり小規模事業者で多彩な受講内容や講師もセットさせていただく必要があるのかということで、ここにも書いてありますが、小規模事業者がしっかりここに入れるような、審査料が40万、50万、それから様々なレギュレーションがあるわけで、これを大企業と小規模事業者で、ある程度区分けしていただいて、いろいろとチャンスを与えられるようにしていただきたいと思っております。一方、PDCAでしっかり回して、レビューについてはしっかりと厳しく評価していくことも、併せて大事なのかと考えております。
 もう1点は、3-2のほうです。中小企業の現状をお話しますと、非常に人手不足の状態です。その中で、訓練の必要性は各事業者とも分かっており、是非トライアルさせてもらいたいのですが、データを見ていますと、大企業に比べて中小企業のOFF-JTの受講者数は、割合が低くなっております。そういう意味では、中小企業に何らかの支援策を出すことによって、もっともっとこの制度が活用されるようなバックアップも必要だと考えておりますし、その辺りの支援策も併せて御検討いただきたいです。
 最後に、弊社でもeラーニングやオンライン、私どもの社員にもこれを勉強してもらっていますが、やはり短期間ではなかなかスキルアップは難しいです。特に、賃上げを目標とした待遇向上を目標にしますと、短期間で劇的に能力がアップするというのはなかなか現実的ではありませんので、継続的、なおかつ体系的に続けて受けられるような制度設計を、今後ともお願いしたいと思います。いずれにしても、大変すばらしい制度だと思いますので、引き続きよろしくお願いいたします。以上です。
○武石分科会長 ありがとうございます。オンラインで4人の方の挙手がありますので、岡野委員、勇上委員、松井委員、石﨑委員の順番でお願いします。では岡野委員、お願いいたします。
○岡野委員 御報告ありがとうございました。私からは、資料3-1について1点、意見させていただきます。今回の議論のとりまとめは、ガイドラインの適合事業者認定に関する見直しがメインであったと認識しております。資料3-1で御説明はなかったですが、スライドの3番目の②質の確保・向上の意義の中に、「競合が少ない地域においては、就職率を選定の決定要素とすることが就職率向上促進の動機付けとしては不十分ではない可能性が考えられる」と記載があります。これと同様に、ガイドライン適合事業者認定が質の向上の動機付けになっても、質の担保の動機付けとしては十分ではないということも考えられると思います。こういったことを踏まえると、質の向上と同様に、質の担保についても具体的な検討を進めていただくことが望ましいと考えております。
 一例ですが、就職率をはじめとする受託要件の厳格化なども検討すべきではないかと思います。修了率や就職率以外に考慮するべき要素があるとすれば、こちらもスライド9、(3)その他の中にも一部記載がありますが、何かしらのアウトカム指標を設けるなど、訓練を適切に評価する仕組み、その構築、そのための分析も進めていただきたいと考えます。御検討のほど、よろしくお願いいたします。私からは以上です。
○武石分科会長 ありがとうございます。では勇上委員、お願いいたします。
○勇上委員 神戸大学の勇上と申します。御説明ありがとうございました。私は資料3-2について、3点ほど感想、コメントを申し上げます。1つは、資料3-2の結果の概要などにお示しいただいた評価、特にアウトカムに関してのことなのですが、今回の令和6年度の試行事業の結果として、正社員への就職、転換、賃金水準の向上を3つ合わせて、その回答が15%ぐらいであったと理解しましたが、確かに余り高くないということです。留意事項にもありましたとおり、私は受講者が必ずしも正社員の就職や転換を考えていなかったかもしれないと思っています。ただ、そういった推論が正しいかどうか分かりません。今後は特にこれは非正規向けになるでしょうが、正社員への転換や就職を希望しているのかどうかということは、あらかじめお尋ねになっておいたほうがいいのかと思いました。その場合は、希望者に占めるアウトカムになるものと思います。
 2点目は、新しい仕事にチャレンジする意欲や新たなスキル習得への意欲が高まったことがポジティブな評価として取り上げられていると思います。そうであれば、修了2か月後の成果を尋ねるというのはやや早いので、1年後などに、例えば、自己啓発など新しいスキルアップに取り組むようになったかどうかなどのアウトカムを調べてみてもいいのではないかと思いました。
 最後は、こういった試行事業を実施して全国展開を図るということは非常に重要だと思います。今回は、在職中の非正規の方への訓練でしたので、この訓練を受けない方はなかなか捉えられないと思いますが、場合によっては非受講者のデータは必要になってくると思います。今後、試行事業をなさる場合は、その設計段階からシステマチックな評価、特にこの事業を受けていない方との比較が一番分かりやすいので、そういった評価方法をあらかじめ考慮しておく必要があると感じました。これは、今後の事業実施についてのコメントです。以上です。
○武石分科会長 ありがとうございます。次に松井委員、お願いいたします。
○松井委員 私からも、資料3-2について意見をさせていただきます。この試行事業については、御報告いただいたとおり一定の成果も出ていますし、更なる本格実施に向けて、留意事項に記載された内容について改善を図っていただければと思っております。
 一方で、私どもUAゼンセンには110万人の組合員が非正規雇用で働いており、労働組合として正規雇用労働者と同様に非正規雇用で働く方にも教育訓練を実施するように企業に求めているところですが、なかなか具体的な手法がないところです。留意事項に記載されている成果指標についても、正社員転換のところが、どちらかというと今勤めている会社とは違う会社に正社員として転換するようなイメージに受け止められるのですが、企業の正社員転換のプログラムの中にこのような教育訓練制度が使えるようなことも、今後は是非御検討いただければと思っております。以上です。
○武石分科会長 ありがとうございました。石﨑委員、お願いいたします。
○石﨑委員 私からは、資料3-1に関して1点、資料3-2に関して1点、意見を述べさせていただきます。今回、資料3-1の報告書の中で、適合かそうではないかの認定だけではなく、段階付けなどを含めて認定の仕方を変えていこうというような御提案がされたと理解しております。そうした認定を促す際の1つの方策として、項目を段階で分けていかれるのであれば、例えば、ある事業者がどの項目は既に認定を受けている、受けていないというようなところを公表していくことを促していくという方法も、少し御検討いただけたらよろしいのかと思ったところです。資料3-1に関しては以上です。
 資料3-2に関しては、先ほど勇上委員がおっしゃったこととほとんど重なるのですが、要するに研修を受けてすぐの結果というよりは、もう少し長期的に見て御本人が望むキャリアに近づいているのかといった、主観の部分も入るのかもしれませんが、そういった部分を含めて、長期的にデータを追っていただけたら有り難いと思った次第です。実際には時間がたってしまうとアンケートの回収率が悪くなったり等、難しい部分もあろうかとは思うのですが、その辺りを御検討いただければと思いました。以上です。
○武石分科会長 ありがとうございます。ほかに御意見があれば、お願いします。石原委員、守島委員の順番でお願いします。
○石原委員 石原です。1と2に関わる所だと思うのですが、2のほうに言及されていたように、良い事業者の良い講義、良い講座、良い訓練コースに関しては、やはり私は広域で受けられるのがすごく大事なのかと思っております。これを全部、都道府県が1つ1つこの事業者とやります、この事業者のコースをやりますというのは、多分もう無理なのではないかと思っています。これは資料3-1にも関わってくるのですが、ガイドライン適合事業者を増やすことが目標なのではなく、良い訓練を提供できるサービス事業者の訓練を全国の労働者が受けられることが大事なのだと思っております。そのときに、都道府県ごとに展開することの限界があるのかと思い、中央にも言及されている所もあるのですが、広域でもっと最高の講義を誰でも受けられる形を模索していくべきではないかという気がしております。段階で認証された、まだまだなのだという事業者の講義を受けても、余り意味がないのではないかというのがあります。
 もう1つは、資料3-2に関わる話です。訓練を受けた方々がその後どうなっていくのかを中長期で追いたいというお話は、そのとおりだと思っています。別に2か月以内に転職しなければいけないわけでもなく、状況も個人個人で変わる中でいうと、これは経産省の事業でも同じなのですが、これは事実を確認しないで言っていますが、訓練を受けた方のIDが蓄積されていないのではないかと。雇用保険の番号なのか、マイナンバーカードでもいいのですが、この訓練を受けた方々はその後どうなっているのかとか、この訓練とこの訓練を5年にわたって受けた方が、その後、良い就職をしているということを本当に捕捉しようと思ったら、訓練に参加した個人の情報がもっと必要なのではないかと思っております。特に厚労省であれば、雇用保険の番号で実は個人の特定はできていると思うので、それを活用してしっかりと、きちんと追跡調査をやることは必要なのかと思いました。これも、今すぐどうという話ではないかもしれませんが、是非御検討を頂きたいと思いました。以上です。
○武石分科会長 ありがとうございます。守島委員、お願いいたします。
○守島委員 今回は試行ということでおやりになって、そういう意味では必要な段階、ステップを踏まれたということはよく分かるのですが、40%がドロップアウトしていることをどう捉えるかということを、もう1回お考えいただきたいと思うのです。例えば、大学の全ての授業で学生が4割落ちていたら、卒業ができない子がたくさん出てきて、あたふたするわけです。ですから4割というのは、大学基準から見ると少し多過ぎる。20%辺りは最初の所でミスマッチで落ちていたという話でしたが、これを全国展開、本試行するためには、何で4割もドロップアウトしているのかをもう1回精査していただいて、その上で進めていかないと、ある意味では同じことを繰り返してしまうと、結局予算の無駄遣いになってしまうような気はいたします。次に行くという結論は構わないのですが、その前に、何でこういうことになっているのかをもう1回精査していただきたい感じがいたしました。以上です。
○武石分科会長 平田委員、どうぞ。
○平田委員 先ほどの守島先生の意見に賛成です。資料3-2のスライド2試行事業の結果の概要にあるeラーニングや同時双方向通信などのオンラインによる訓練の修了率6割や、賃金水準の向上が全体で15%といった数字を、どのように受けとめるかについてはコメントは控えたいと思います。小規模で試行的に実施してきたオンラインで対応できる訓練コースを全国展開していくということだと思いますので、この数字は引き続きフォローしていただきたいと思っております。以上です。
○武石分科会長 ありがとうございます。ほかにいかがでしょうか。よろしいですか。ここで、一旦事務局から回答をお願いいたします。
○西川政策企画室長 委員の皆様、御質問・コメントを頂きましてありがとうございます。最初に瀬田委員から、小規模の訓練実施機関についても参入できるように、一方で、質の担保、レビューはしっかりやるようにという御意見を頂きました。御意見を踏まえて、しっかりやらせていただきたいと思います。特に訓練機関は、全国に大きな所より、小規模の所が圧倒的に多いですので、御意見を踏まえてしっかり対応させていただきたいと思います。
 岡野委員からは、このガイドラインのみで質の担保ができるのか、あるいは就職率だけでというようなお話がありました。それに、正面からお答えできていないかもしれませんが、このガイドラインをしっかり普及させて、対応できる所はやっていきたいと思います。
 石﨑委員からは、認証制度について段階付けをすることについて御賛同いただきました。一方で、どこまでチェック項目をクリアしたのかをオープンにすべきではないかという御意見を頂きました。既に全ての評価項目を公表していますが、どこまでクリアすれば第1段階の認定が受けられるのか、どこまでクリアすれば第2段階の認定を受けられることになるのかなどについて検討させていただいております。その中で、クリアしている項目を公表していくことについても、考えていきたいと思います。
 石原委員からは、全国で質の高い最高の訓練を受けられるようにというお話がありました。一方で、先ほど少し触れましたが、全国展開しているような大きな訓練機関は非常に少ないのが実態です。小規模の所が非常に多いですから、ひとっ飛びに全ての訓練機関で最高のものとはいきませんので、段階を経て、中小の規模の訓練機関にもより良い訓練・プログラムを提供していただくようにサービスガイドラインの普及を通じて最大限努力していきたいと考えています。
○鈴木訓練企画室長 御質問、御意見ありがとうございます。全ての質問に答えられるかどうか分かりませんが、頂いた御質問にお答えさせていただきます。まず瀬田委員、松井委員から、こうした訓練の必要性がある中小企業に対する支援や、正社員転換の中でというお話がありました。非正規訓練は試行実施のときもそうですが、通常、離職者訓練の場合は、ハローワークを経由して、ハローワークの受講あっせんという形になっているのですが、本訓練については、利用者が直接応募する形で実施をしております。この研究会の中でも、こうした訓練があることを、企業が働いている方に周知することもあるのではないかという御意見等もありました。そういった形で、この事業、本格実施に向かっては、あることは適宜周知いただけると、我々としても利用者が増えて有り難いと思っております。
 また瀬田委員からの御意見で、もちろんeラーニングで短期間にスキルアップをするというのがなかなか難しいのは、おっしゃるとおりだと思います。本来であれば、体系的に初級が終われば中級、中級が終われば上級というようにやれればいいというのは、中長期的にはおっしゃるとおりだと思っております。まずは試行実施を実施したということで、来年度の本格実施に向けて、非正規労働者の自己啓発の割合が低い状況がありますので、そうした方々が1人でも多く、次のステップにいけるように整えていきたいと考えております。
 次に勇上委員から、アウトカム指標との関係で、推論が難しいので正社員希望をしっかり聞いたほうがいいのではないかという御意見がありました。本訓練は、利用者にとって次のキャリアアップを目指すことを目標にしておりますので、募集でも正社員を希望しているということは当然取っていきたいと思いますし、実際の訓練受講に当たっては、訓練機関の面接や説明会を通じて、この訓練が目指すべきゴールをしっかり共有しながらやっていきたいと思っております。
 また、勇上委員、石﨑委員からも、2か月というスパンでは成果が出るのはなかなか難しいというお話がありました。もちろん就職だけではなく、次のステップにどう動いたか、どう行動が変わったかということも評価していくことが重要ですし、その評価をするためには一定期間が必要だということも御指摘のとおりかと思います。我々は、どこまで長く取れるのかは、正直課題が、先ほど回収率の話もありましたが、ずっと追いかけていくということは困難性がありますが、少なくとも改めて2か月以上を取り、状況の確認をしたいと思っております。
 次に、勇上委員からもう1つ御指摘がありました。試行事業の成果は重要なのだけれども、本来は非受講者とのデータの比較という御意見を頂いております。ここは、どのようにやれるかは検討が必要でありますが、基本的には能力開発基本調査全体の状況は確認しておりますので、そうしたことを踏まえながらこの事業を展開できればと考えております。
 続いて、石原委員から、訓練を受けた方をIDで保管してはとの御指摘がありました。現状、ハローワークの求職者であれば、ハローワークシステムの中で相談記録等は残っている状況です。こうしたシステムそのものは、私の把握する範囲では現状想像がつくものはありません。今すぐどうのということは難しいと思いますが、中長期的な課題として理解をさせていただければと思っております。
 最後に、守島委員、平田委員から御指摘がありました。まずは、40%がドロップアウトしているという御指摘です。6割の修了率、一方で、eラーニングも含めて、本来孤独で、いつでもやめられてしまうようなeラーニングで60%の修了率というのは、研究会の中では高いのではないかという御意見もあった一方で、この評価は難しいというのは正直あります。我々としては、できれば100%修了してほしいのは間違いないことですので、残り4割をどう減らしていくかは重要な課題だと思っております。本研究会においても、最初のミスマッチの説明会やキャリコンで仕上がり像を示していく、更には訓練継続中の受講継続をドロップアウトしないようにしっかり支援していくことの重要性。さらに、どういった支援が受講継続に役に立つかといった好事例の収集、展開ということを頂いております。そういったことを踏まえながら、また、先ほど平田委員からもありましたが、15%の課題をどう考えるかということもありますが、いろいろな指標を見ながらPDCAを回して、より改善に努めていきたいと考えております。回答できたかどうかは分かりませんが、以上です。
○武石分科会長 いろいろ御質問、御意見等を頂きましたが、御意見いただいた委員の方から追加はありますか。よろしいですか。それ以外にも追加で御意見があれば、お願いいたします。特にないようであれば、この件は以上といたします。ありがとうございました。
 次に、議題(4)「障害者職業能力開発校の在り方に関する検討会報告書について(報告)」です。内容について、特別支援室長より資料の御説明をお願いいたします。
○山口特別支援室長 特別支援室の山口です。よろしくお願いいたします。資料4、障害者職業能力開発校の在り方に関する検討会報告書について御説明いたします。概要と本体が付いておりますが、概要のほうで説明いたします。この検討会については、本年1月から4回にわたり御議論を頂き、6月30日に取りまとめを行い、公表をしているところです。
 障害者職業訓練を取り巻く環境としては、法定雇用率の引上げや職業訓練を経ずとも就職に至るケースが増加し訓練受講者が減少していること、障害者職業訓練の主な対象が、かつて身体の方であったというところが、近年、精神、発達の方が占める割合が上昇しているという状況の変化があります。こうした状況を踏まえ、上のほうに、今後の障害者校の在り方についての検討の方向性が4つあります。黒字の所で1つ、例えば、現行の訓練科目や訓練実施体制が、近年の障害者特性に対応したものになっているのかについて方向性を持って検討をしていただいたところです。それぞれ4つの方向性を示させていただき、その下の所に主な課題と対応方針ということでまとめているところです。
 例えば、1つ目、1ページの左側、●の所、訓練受講者と企業のニーズを踏まえた訓練科目の内容や訓練方法の見直しの所で課題が幾つかあります。例えば左側の上の所、障害者特性に応じた訓練の検討については、訓練の手法として、下線を引いてありますが、障害特性に応じたきめ細かな対応により効果を上げている事例も見られることから、国として全国の好事例を収集して、情報提供していくとしております。
 2ページです。左側のほうの●の2つ目、地域の関係者と連携した障害者校の運営・管理の充実・強化にも課題が幾つかあります。1つ目、一番上の所、障害者福祉サービス利用者の就労促進に向けた障害者職業訓練への誘導という課題については、就労選択支援制度が今年10月から始まりますが、これを機に、就労準備性を身に付けた障害福祉サービスの利用者が、一般就労への前段階として障害者職業訓練を活用する流れを確立すべく、障害者福祉サービスとの連携を高めていくこととしております。
 右に移り、1つ目、上の●、訓練受講者に対する就職支援・定着支援の強化です。課題の1つとして、就職支援の強化に向けた労働局等との連携強化です。下の段落、訓練受講者のプロフィールの情報、これは当然、本人の承諾を得るのが前提ですが、これをハローワークや労働局に提供し、一層の連携を障害者校において促進をしていくとしております。
 続いて、下の●、障害者に対する訓練校以外での訓練受講機会の充実です。障害者訓練のほうは、障害者校以外に、障害者校がない地域では委託訓練というものを実施しております。障害者に対する委託訓練の質の向上です。委託訓練の中にも様々なコースがありますが、比較的就職率が高いのが実習を伴う訓練コースなので、その設定が図られるように有効な訓練を実施できる環境を整備していくとともに、委託先選定の厳格化を含め、制度の見直しに係る方策を検討していくこととしております。
 報告内容は以上です。引き続き、報告内容に沿って障害者職業能力開発を進めてまいりたいと考えております。以上です。
○武石分科会長 ありがとうございました。それでは、ただいまの御説明に対する御質問や御意見がありましたら、先ほどと同様に挙手をしていただき、指名された方はマイクをオンにして御発言をお願いいたします。田村委員、お願いします。
○田村委員 報告書に沿って取り組んでいただくことは重要ですが、報告書の各対応策を見ると、検討をしていくという記載も多いように読めるかなと思います。今後の検討で、進捗状況について、この分科会においても定期的な報告、必要な見直しなども適宜あろうかと思いますので、そういったこともお願いいたします。
 また、資料5ページ目、課題③訓練ニーズの的確な把握に向けた各種協議会等の活用について、記載のとおり、地域におけるニーズの把握、あるいは関係者の理解と協力を得るためにも、地域職業能力開発促進協議会などの会議の場で議論を活発化していくことが重要ではないかと思っております。各地域協議会において、議題として取り上げて議論を深めていただくことで関係者の理解促進に努めていただきたいと思っております。
 もう一点、資料9ページ目、(3)訓練受講者に対する就職支援・定着支援の強化の所で、訓練受講者のことをよく把握している障害者校が定着支援まで一体的に行うことができるよう、体制強化を含めて環境の整備を進めていただきたいと思っております。
 また、資料3ページ目、2.検討の方向性に「訓練を受ける障害者の数が減少傾向にある中で」と記載がありますが、現場から聞こえてきた話を紹介いたします。受講者減少の背景には複数の要因があります。まず、障害者雇用の促進により訓練を受けずとも就職ができること、各地域に様々な就労支援機関が機能しており、利用者の地元志向に加え、特に株式会社系は、eスポーツ関係に取り組めるなど、興味、関心を含むような活動が行われていることも1つの背景だそうです。障害者雇用の促進がすすむことは良いことですが、一方でしっかりとした訓練を受けたうえで、専門的なスキルを身に付けて就職することが雇用の質につながる重要なことであり、今後の課題ではないかというのが、現場から聞こえてきた話でした。
 あともう一点、訓練の指導をする方々の人材不足です。丁寧な支援を行おうと思えば思うほど、時間とともに当然それなりの人手が必要になってきます。人材の取り合いになるような状況もあるのではないかということで、質の担保に向け、指導員不足に対応するにあたっては、やはり賃金をはじめ雇用労働条件が大切です。あるいは訓練の在り方といったもの、仕事の進め方といった検討も非常に重要ということが、現場の声ですので、併せて御紹介させていただきました。よろしくお願いいたします。
○武石分科会長 ありがとうございます。ほかに、いかがでしょうか。瀬田委員、お願いいたします。
○瀬田委員 中央会の瀬田です。この訓練受講者の就職の実績人数、これは是非、就職先の規模別でもデータを開示していただきたいと思います。というのは、やはり地域に根差した中小企業が、この障害者雇用というのをもっと推進していく必要があるというように私どもは考えておりまして、特に我々、私の所属する印刷業界では、ダイバーシティという観点から非常に強く推進しておりまして、成功事例も出てきております。お互いのために、やはりそういったことを進めていきたいというように思います。そういう中で、お願いばかりになって恐縮なのですが、やはり中小企業は体力が弱いので、併せた支援策、優遇措置みたいなものをやっていただくと、そこにドライブがかかって、背中を押していただいて、どんどん雇用していこうという動機付けになるのかなというように思っています。是非、その辺も含めた制度の設計と推進をお願いしたいというように思います。以上です。
○武石分科会長 ありがとうございます。ほかに、御意見等はありますか。なければ、事務局からお願いします。
○山口特別支援室長 まず、田村委員から、御質問、御意見等ありがとうございました。まず、進捗状況、今後、どういうように進んでいるのか、検討内容についてどこかで御報告をということですので、引き続き、これをどの場で御報告するのがいいのかというところも含めて進めさせていただきたいと思っております。
 それから、5ページの所で、ニーズの把握、地域協議会などでのニーズの把握等ということですので、これについては、引き続き進めていきたいと考えております。それから9ページ、環境整備を含めてというところでした。こちらも、引き続き進めていきたいと考えております。
 それから、しっかりした訓練を受講して就職に結び付けるということは当然そうだと思いますので、福祉サービスのほうともしっかり連携を図って、障害者職業訓練という位置付けをしっかり把握していただいて、訓練を受けて就職をしていただくというところで取り組んでいきたいと思っております。指導者の人材不足というところに関しても、どのような対応をするかというところについて、引き続き検討して進めていきたいと思っております。
 瀬田委員からありました関係です。規模別などのデータの取り方というところですが、検討会の中でも、どのような職業、企業に就職したのかというデータは引き続き取っていくべきではないかというような御指摘も頂いておりますので、どのように追っていけるのかというところは、当然、雇用保険などに加入していただいている方というのは雇用保険データで取れるのですが、それ以外でどのように取れるのかというところも踏まえまして、引き続きその取り方を検討していって、また、取れた場合には公表を進めていきたいと思っております。以上です。
○武石分科会長 ありがとうございました。御意見を頂いた委員の皆様、よろしいでしょうか。ほかにありますか。特にないようですので、この案件はこれまでとさせていただきます。
 次に、議題(5)「今後の人材開発政策の在り方に関する研究会報告書について(報告)」です。内容について、政策企画室長より資料の御説明をお願いいたします。
○西川政策企画室長 それでは資料5を御覧ください。本研究会では今年1月から6回にわたりまして人材開発政策の将来像について議論いただきまして、7月に報告書を取りまとめております。その前提といたしまして、今年度、5年サイクルで策定しております能開基本計画の最終年度に当たりまして、次期計画策定に当たり、この分科会で御議論いただく予定でございますけれども、この研究会の取りまとめは、その前さばき的な位置付けにあるものとお考えいただければと思います。また、青少年雇用対策基本方針についても今年度が最終年度に当たりますので、同じくこの研究会の取りまとめが、前さばきというような位置付けということでお考えいただければと思います。
 それでは、改めて資料5を御覧ください。3ページまでの概要を使って御説明したいと思います。まず人材開発政策の今後の方向性を検討するに当たりまして、個々の労働者・企業・経済社会全体の3つの切り口に分けまして目指すべき社会の姿を掲げております。1つ目が、個々人にとっては、技術発展等に応じて自律的にキャリアを思い描き、スキル向上に取り組むことで自己実現や処遇の向上につなげていくこと。企業にとっては、時勢に応じて人材育成に積極的に取り組むことを通じて労働生産性を高め、成果を処遇や人材開発に振り分けていくことにより継続的な発展を実現すること。3つ目に、経済社会全体につきましては、人材開発と人材の需給調整の仕組みを通じて、労働者が能力を高め、その能力を発揮できる仕事、職に就けるようにすることにより発展していくこと。このような社会を目指すために、現下の労働市場、人材開発の現状を踏まえて対応すべきことを、4つの課題として明らかにしております。
 中段の4つの囲みを御覧ください。大きな4つの課題があります。一番左のボックスですが、1つ目は、企業・労働者による人材開発の取組の促進です。2つ目は、右に移りまして、労働供給制約への対応が必要、これが課題ということです。3つ目は、労働者の自律的・主体的キャリア形成の促進が課題ということです。4つ目は、一番右側ですが、デジタル技術の進展による産業構造等の変化への対応が課題になっています。これらの課題にアプローチすべく、今後の人材開発政策を検討するに当たり、重要と考える視点を3つ掲げております。
 真ん中より下、えんじ色に着色されている3つの楕円の連なりを御覧ください。「個別化」「共同・共有化」「見える化」です。「個別化」とは、個人、企業の個々の状況に合わせた人材開発。「共同・共有化」とは、産業・地域の単位で複数企業による人材開発。「見える化」とは、労働市場及び企業における職務・スキル・処遇・人材開発の見える化ということを指します。
 次の2ページ目を御覧ください。今、御説明した3つの視点に立ちながら、これからの人材開発政策を検討しまして、結果として、基本的方向性を4つの柱という形で整理しております。具体的には、労働市場でのスキルの見える化の促進。右に移りまして、個人のキャリア形成と能力開発支援の充実。左下に移りまして、企業の人材開発への支援の充実。最後に人材開発機会の拡大、技能の振興ということです。それぞれ簡単に課題にも触れつつ御説明したいと思います。
 第1の柱、労働市場でのスキルの見える化の促進です。左上ですが、ここではスキルの見える化、標準化を一層進めるため、これまでに取り組んできたjob tagの更なる充実、団体等検定や社内版スキル標準の作成支援の検討、個人のスキルを伝達する効果的な仕組み。逆に、企業による人材開発情報の開示、発信について検討することを盛り込んでおります。第2の柱、個人のキャリア形成と能力開発支援の充実では、個人向けに、若いときからキャリア形成の伴走型支援、早いうちからキャリア相談をする力の獲得を促す取組、専門職であるキャリアコンサルタントの専門性の更なる向上、自己啓発・キャリア形成の基盤整備としての企業に対する後押し、労働者が自ら学び、スキルを高める機運の醸成といったことに取り組むこととしております。
 第3の柱、左下ですが、企業の人材開発への支援の充実です。企業目線に立ちますと、従業員のスキル向上、デジタル化の推進によって労働生産性を向上させていくことが鍵となっているところ、中小企業中心にOFF-JTの対象、内容ともに課題があります。その一方、人材育成の目標の明確化、処遇改善に取り組んでいる企業はポジティブな効果を実感しているという状況。DXにつきましては、特に旗振り役となる人材の確保が課題となっております。規模が小さな企業を中心に課題があります。これらに対して、人材開発を支える周辺の仕組みの構築を促す取組や計画的な訓練を実施できる環境の整備の支援、各種の伴走型支援が求められるというように整理しております。第4の柱、右下ですが、人材開発機会の拡大、技能の振興です。このボックスには今後の取組として、様々な施策を盛り込ませていただいております。AIやデジタル化という大きな潮流の中で人にしかできない、人に求められる技能の重要性が高まることが想定されております。その上で、これに対応する訓練の内容や効果的な実施の方法、人材育成体制の整備が課題であり、地域職業能力開発促進協議会の機能の検討、実習機会を組み込んだ訓練、産業・地域別での複数企業が行う訓練、教育訓練給付金の指定講座の拡大、情報提供、訓練機会、キャリア相談機会の充実。また、資料3-1で御説明した民間教育訓練機関が提供する訓練サービス機会・質の向上、後ほど御説明しますが、技能五輪大会を契機として、技能振興の機運の醸成に取り組むといったことを基本的方向性の4本柱ということで整理させていただきました。
 最後、3ページ目を御覧ください。多様な労働者の人材開発策ということで、4つのカテゴリーに分けて整理しております。1つが非正規雇用労働者、2つ目に中高年労働者、3つ目に若者、4つ目に現場人材ということです。こちらは2ページ目で御説明しました基本的方向性の4本柱、個々の労働者、求職者あるいは、これから働こうとしている者を含めた若者といった人、あるいは労働者に着目してそれぞれが有する属性に応じまして、その課題や求められていることを明らかにした、今後の支援すべき取組について整理したものとなっております。
 1つ目に、左上ですが、非正規労働者につきましては、先ほど議題の資料3-2で御説明したとおりです。2つ目、右側に移りまして、ミドルシニアの支援につきましては、職業人生の長期化、組織内における役割の変化、能力開発機会の減少、デジタル化の進展への対応が求められております。これに対して、認定実習併用職業訓練の年齢制限の見直し、越境学習や横のつながりの機会を提供することを念頭に置いたキャリア形成支援の方策を検討していくこと。
 左下に移りまして、3つ目に、若者への支援につきましては、職業意識が変わりつつあること、対応。また、若年者がキャリア形成意識の醸成に課題を抱える中で、企業が人材育成計画を策定することが有効であるということを踏まえ、ユースエール認定制度を活用していただくこと。あるいは就労に当たって困難を抱える若い方に対する専門的な支援、学校など関係者が連携した支援の充実が求められるとしております。
 最後、4つ目に、右下の現場人材です。現場人材の不足が深刻になっている中、スキルの標準化・見える化を進め処遇改善につなげ魅力を高める取組が必要です。また、人の判断が求められる仕事、人でしかできない仕事に求められる技能の重要性が増してくるということが予想されることから、現場人材のデジタル化に必要なスキルの学びを支援する方策の強化が取組として求められてきております。以上が、簡単でございますが、研究会で整理させていただいたものです。資料5の説明は以上でございます。
○武石分科会長 ありがとうございます。それでは、ただいまの御説明に対して、御質問、御意見がありましたら、先ほどと同様に挙手をしていただき、指名された方はマイクをオンにして御発言をお願いいたします。いかがですか。増田委員、冨髙委員の順番でお願いします。では、増田委員、どうぞ。
○増田委員 資料5の今後の人材開発政策の在り方に関する研究会の報告についてですが、まず、本報告書を取りまとめていただきました皆様に感謝申し上げたいと思います。ありがとうございます。内容につきましては特に異論はございませんが、今後の人材開発施策の検討に当たって、二点意見を申し上げたいと思います。
 一点目は、資料1ページに、重要な視点として「共同・共有化」が挙げられておりますが、人材育成に割けるリソースが限られている中小企業においては、重要な視点であると考えております。各地域では、既に企業同士あるいは自治体や商工会議所などの支援機関が、経営資源のノウハウを持ち寄りながら地域全体ぐるみで人的課題の解決に取り組む事例もあり、地元の川口などでも多々見掛けられます。こうした地域の連携と共同の取組が各地に広がるよう、財政面や運営面をはじめ、厚生労働省にイニシアチブを取っていただき、推進していただきますようお願い申し上げます。
 二点目は、資料3ページの多様な労働者の人材開発施策において、カテゴリーとして4つ挙がっておりますが、こちらに加えて、外国人材の育成についても、一層の支援をお願いしたいと思います。深刻な人手不足を背景に、外国人材は各地域でも不可欠な存在となっております。新たに創設されます育成就労制度につきましても、育成を通じてキャリアアップを支援し、より長く活躍してもらうことを目的としている制度になる予定でございます。現在、育成就労制度の詳細運用をはじめ、外国人受入施策については、見直しの議論が行われているため、恐らく今回の取りまとめに反映いただくには難しい面があったとは存じますが、できるだけ早期に外国人材の能力開発についても重視すべき施策の1つとして方向性を打ち出していただき、支援策の充実に取り組んでいただくことをお願い申し上げます。以上でございます。
○武石分科会長 増田委員、ありがとうございました。それでは冨髙委員、お願いいたします。
○冨髙委員 恐らくこの報告書を踏まえつつ、今後の能力開発基本計画等の議論も行っていくのだろうと思いますが、労働者の雇用の安定と質の向上を図るという上で、人材開発政策というのは非常に重要だと考えております。こういう基本計画等の見直しに当たっては、できるだけ早期に議論をスタートして、丁寧に議論を積み重ねていく必要があると思っておりますので、今後の審議会運営をお願いしたいと思っております。
 それから、資料5の1ページ目の目指すべき社会の姿の一番上の所に、「個々人が、職業人生を通じて、技術発展や産業構造の変化に応じて自律的にキャリアプランを思い描き」とありますけれども、個々人が自律的にキャリアプランを思い描くためには、その後押しをしていただく環境整備が重要です。そういう意味では、国の支援も重要ですが、やはり企業による能力開発の取り組みが非常に重要なのだという意識を強く持っていただくことも必要だと思っております。それぞれの企業の中で、どのような人材開発が我々の組織には重要なのかということをしっかりと形作っていくためにも、労使で話合いを積み重ねていくことが重要だと思っております。そのことが現場の意見を反映し、労働者が主体的にキャリア形成に励むことのできる企業文化とか、社会の意識の醸成につながるというように考えておりますので、今後の議論に当たりましては、企業や産業における集団的労使関係という視点も重要になると思っております。今後の議論に当たっては、そういった部分も意識しながら進めていただければと思っております。以上でございます。
○武石分科会長 ありがとうございます。ほかにいかがですか。松葉委員、お願いいたします。
○松葉委員 全建総連の松葉と申します。この在り方に関する研究会のお示しいただいております課題、視点、正にそのとおりだと思います。その中でも中小企業を中心に難しい状況があるということとか、人材育成の単位を複数の企業に拡大をすることで利点が生じる。正におっしゃるとおりだと思っております。中小企業が地域産業雇用の受皿になっているということは間違いないことだと思いますので、特に、人材育成の単位を複数の企業に拡大をするということは、今、既存にある認定職業訓練校が、複数の企業が集まって運営をしている所が多くあります。基本的方向の中にも、認定職業訓練の活性化というのを取組として挙げられておりますけれども、是非、この具体的な強化の政策が取れるよう、今後の議論をお願いしたいというように思います。よろしくお願いいたします。
○武石分科会長 ありがとうございます。ほかにいかがですか。瀬田委員、どうぞ。
○瀬田委員 中央会の瀬田でございます。この研究会報告につきましては、本当に全く異論はございません。すばらしい報告だと思っています。その上でお考えいただきたいのですが、私は人材開発は雇用の7割を支える中小企業が本気にならないと進んでいかないものだと思っております。一方、3ページにあります若者という欄でも書かれていますけれども、中小企業は慢性的に人手不足です。特に若年者に関しては、なかなか採用は難しいという状況が続いておりまして、一方、今の次世代も多様な価値観を持っていますので、職住接近やワークライフバランスなど、いろいろな自分の生き方に沿った所で働きたいということはあるのですけれども、なかなか中小企業の情報が伝わっていないという現状もありまして、就職のミスマッチによってスピンアウトしてしまうという結果が結構見られます。私の地元でもありますので、是非、人材開発をした結果、特に地方ですが、本当に人材開発をしたいのだけれども、人がいない、若者がいないという状況になっていますので、是非そのフォローアップ、ビジネスマッチングみたいなものをお願いしたいと思います。
 それから、「共同・共有化」というのは私も大変すばらしいと思っていまして、弊社の事例で言いますと、4社の会社が実際にOJTで交流しまして、お互いの工場に行ってスキルアップしましょうとか、ノウハウを共有しようということで、実際にかなりスキルアップにつながっているという事例があります。これは個社としてどんどん努力するべきだと思いますけれども、そういうことをどんどん打ち出していただいて、またそういう支援策などを出していただくと、背中を押していただいて地域でやろうというようなことにつながるのかなと思いますので、是非その辺も御検討いただければと思います。以上でございます。
○武石分科会長 ありがとうございます。石原委員、どうぞ。
○石原委員 石原でございます。まずはこの報告書の取りまとめ、本当にお疲れさまでございました。非常に大事な今後に関する提案なのだろうと思いまして、私も大変興味深く拝読しております。
 前提というか、実現するための課題のところに、「企業・労働者による人材開発の取組の促進」とあるのですが、これは私、単に質問かもしれませんけれども、一方で、人材開発を非常に企業に頼りすぎているのではないかという部分もあると思いまして、これは国によっては能力開発・技能開発において、もっと国が関与すると。在職者であってもということもある中で、やはり企業という枠組みしか考えられないのだろうかというところに関しては、今後に関してどのようにお考えなのかなということが1つ。
 もう1つは、今の話と矛盾するような話になってしまうのですが、先ほど瀬田委員がおっしゃったように、人材開発、人的資本に対する投資というのは今後もすごく大事だということは私も全然異論がないところでして、逆に言うと、やはりそういう会社が生き残っていけると。そういう会社でなければ、やはり様々に市場から退出せざるを得ないというような状況が必要だと思っていて、それは、つまり何かというと、労働者から選ばれるということだと思うので、この会社はこのように人材開発しているのだと、このように教育訓練をしてくれるのだという情報が、もっと求職者とか新卒学生にしっかり行き渡る状況を作っていく必要があるのかとすごく思っておりまして、初任給が高いとか、ホワイトカンパニーらしいとか、学生が飛び付きやすい情報が世の中に出回るわけなのですが、一方で、これぐらい能力開発にお金を使っているのだという情報はあまりないのかなと思っているのですが、実は結構大事だと思いますし、そういうところに目を向ける若手というのも出てくるのかと思うということの中で、是非、見える化ということの中に、そのようなことも今後は考えていただけるといいと思いました。すみません、既に出来上がった報告書ですので、変えてくださいという話ではないのですが、感想です。
○武石分科会長 ありがとうございます。ほかはよろしいですか。では、御意見が出ましたので、事務局からお願いいたします。
○西川政策企画室長 御意見等を頂きまして、ありがとうございます。順番は前後いたしますけれども、今、石原委員から御指摘がありましたけれども、選ばれる企業のお話がございました。そのために、求職者の方、若者がアプローチできる情報ということのお話がありました。このことに関連して、2ページ目の左上ですが、「労働市場でのスキル等の見える化の促進」の下段に【今後の取組】とあります。その最後に「企業の人材開発情報の開示、発信についての検討」というふうに、選ばれる企業になるためにということを踏まえて、このような記載もさせていただいております。どのような情報を公開していくのが適当なのかという点については、今後御議論いただければと考えています。
 それから、増田委員、松葉委員、瀬田委員等から御指摘いただきましたけれども、今後の人材育成に関して育成する者が足りない。あるいは、逆に育成されるべき若者がいないというようなお話がございました。今後、このような御指摘に関して、今回の報告書でも「共同・共有化」という所で指摘させていただいておりますけれども、どのようにできるのかということを、また御議論、あるいは施策の中でどのように反映させていくのかということを考えていきたいと思います。
 それから、冨髙委員から、今後、この分科会で次期の第12次計画を検討するに当たっては丁寧にというお話がございました。御指摘を踏まえて、そのようにやらせていただければと考えてございます。
 また、集団的労使関係のお話がございましたけれども、この場は労使の方も御参加いただいておりますので、労使の皆さん、我々も含めて準備をさせていただいて、御議論いただければと思っております。
 最後に、石原委員から人材開発が企業頼みになっていないかというご指摘がございましたけれども、各種、国のほうで支援をさせていただいたり、あるいはJEEDを通じて支援させていただいている部分もあります。一方で、能開基本調査、今日の最後の参考資料に付いておりますけれども、これを御覧いただきますと、企業のほうで、なかなか実はOFF-JT等が進んでいないというような実態が出ております。もちろんコロナ前と比較しますと、回復しているところはありますけれども、そういったところはございます。
○武石分科会長 外国人の件はどうでしょうか。
○西川政策企画室長 外国人人材に関しましては、この研究会では触れておりませんけれども、第12次の基本計画の中には当然入ってくるのではないかと考えておりますので、また、この分科会の場でも御議論いただければと思っております。
○武石分科会長 ありがとうございます。いろいろと御意見等を頂戴いたしましたけれども、委員の皆様、よろしいですか。これを踏まえて、今後の計画の議論が今年度後半に進んでいくものと考えております。それでは、ほかに御意見等はございますか。なければ、この案件は以上とさせていただきます。
 次は、議題(6)「2028年技能五輪国際大会の開催について(報告)」になります。内容について、能力評価担当参事官より資料の御説明をお願いいたします。
○飯田能力評価担当参事官 2028年の技能五輪国際大会について説明いたします。技能五輪の国際大会ですけれども、原則22歳以下の青年技能者を対象にした唯一の世界レベルの技能競技大会になります。2年に1回開催されていて、日本では過去3回国際大会を開催してきました。昨年、フランス・リヨンでの大会がありましたが、そこで次の2028年の大会について日本(愛知)に決定しております。日本開催は、前回の2007年静岡大会から21年ぶりとなります。この準備として、この8月7日に組織委員会を設立しまして、関係機関と連携しながら準備を進めていくことになります。下の開催概要の所を御覧いただきますと、愛知の御覧のような会場で、今後実施していくことになります。
 次のページを御覧ください。技能五輪国際大会ですけれども、これまでの開催国として真ん中に図を載せております。2007年が前回日本大会、静岡で行ったもので、金メダル数1位ということで、16個の金メダルを獲得しておりました。その後少し苦戦しておりまして、2028年に向けては、金メダルをはじめとしたメダルを日本の選手が活躍して取っていただけるように支援を進めていきたいと思っています。また、下の第47回大会、フランス・リヨンでの職種になりますけれども、この図の様々な職種がありますが、灰色の網掛け部分については、選手を出せていない競技になります。様々な職種団体の業界が形成途中だったり、様々な事由がありますけれども、こういった職種にも選手を出していけるように進めていきたいと思っています。
 次のページが先日、8月7日に日本組織委員会を設立した際のプレスリリースになります。経団連の筒井会長を会長として、「記」の部分にありますような体制で発足しております。次のページに写真も載せておりますが、厚生労働大臣からの挨拶のほか、フランス・リヨン大会での金メダリストからもメッセージを頂いております。
 次のページを御覧ください。この国際大会のほかにも毎年、若年者ものづくり競技大会、技能五輪全国大会などを行っておりますので、こういった大会と連携しながら準備を進めていきたいと思っております。以上になります。
○武石分科会長 ありがとうございます。それでは、ただいまの御説明に対して、御質問、御意見がございましたら、先ほどと同様に挙手をしていただいて、マイクをオンにして御発言をお願いいたします。いかがでしょうか。よろしいですか。それでは、特にないようであれば、この案件は以上とさせていただきます。
 次に議題(7)「その他」についてです。内容について、人材開発総務担当参事官より資料の御説明をお願いいたします。
○五百籏頭人材開発総務担当参事官 資料7に、いわゆる骨太の方針と言われます「経済財政運営と改革の基本方針2025」と「新しい資本主義のグランドデザイン及び実行計画2025年改訂版」のうち、当局に関係するものを抜粋してまとめさせていただいております。詳細な御説明は割愛させていただきますが、内容につきましては、双方に共通する点として、技術トレンドを踏まえたリ・スキリング支援、そしてスキル評価の充実といった言及がございます。また、個別のものとしては、例えば骨太の方針につきましては、1ページ目の4.(5)の所で、育成就労制度の施行に関して、要件の厳格化や必要な体制の整備に言及されておりますほか、新しい資本主義グランドデザインにつきましては、最後のページの一番下になりますけれども、高卒採用において、就職活動で多様な選択肢の中から高校生が就職先を選べるようにするための施策の具体化といったことが記載されております。今後、私どもといたしましては、この閣議決定を踏まえながら、しっかりと行政を展開させていただく所存でございます。
 また、最後に参考資料として、本年6月に報道発表いたしました、「令和6年度「能力開発基本調査」の結果について」も添付させていただいております。適宜御参照いただけましたら幸いでございます。御説明は以上です。
○武石分科会長 ありがとうございました。それでは、ただいまの御説明に対する御質問、御意見がございましたら、先ほどと同様に挙手をしていただきたいと思います。いかがでしょうか。特に御意見等がないようであれば、この案件は以上とさせていただきます。ありがとうございます。
 議題については以上となりますが、全体を通して委員の皆様から何かございますでしょうか。特にないようであれば、本日の議論は以上といたします。次回の開催日程につきましては、決まり次第、事務局から御連絡をさせていただくことになります。
 それでは、以上をもちまして、第52回労働政策審議会人材開発分科会を終了いたします。どうもありがとうございました。