中央社会保険医療協議会 薬価専門部会 第237回議事録(2025年8月6日)

日時

令和7年8月6日(水) 保険医療材料専門部会終了後~

場所

全国都市会館大ホール 2F

出席者

構成員等
  • 城山英明部会長
  • 小塩隆士委員
  • 本田文子委員
  • 鳥潟美夏子委員
  • 松本真人委員
  • 佐保昌一委員
  • 奥田好秀委員
  • 長島公之委員
  • 江澤和彦委員
  • 大杉和司委員
  • 森昌平委員
  • 藤原尚也専門委員
  • 越後園子専門委員
  • 荒川隆治専門委員
事務局
  • 間保険局長
  • 林医療課長
  • 吉田保険医療企画調査室長
  • 梅木医療技術評価推進室長
  • 和田歯科医療管理官
  • 清原薬剤管理官 他

議題

  • 薬価算定組織からの意見について
  • 令和8年度薬価改定について
  • 薬剤費等の年次推移について

議事

○城山部会長
 それでは、ただいまより第237回「中央社会保険医療協議会 薬価専門部会」を開催いたします。
 本日も対面を基本としつつ、オンラインも組み合わせての開催としております。また、会議の公開についてはユーチューブによるライブ配信で行うこととしております。
 まず、本日の委員の出欠状況について御報告いたします。
 本日は笠木委員が御欠席です。
 では、会議冒頭のカメラの頭撮りはここまでとさせていただきたいと思います。
(カメラ退室)
○城山部会長
 それでは、議事に入らせていただきます。
 今回は、令和8年度薬価改定に向けて、薬価算定組織の弦間委員長より薬価算定組織からの御意見を頂くことといたしたいと思います。
 それでは、弦間委員長、よろしくお願いいたします。
○弦間委員長
 薬価算定組織委員長の弦間でございます。
 次期薬価制度改革に向けて、薬価算定組織からの意見について説明させていただきたいと思います。
 資料「薬-1-1」を御覧いただきたいと思います。「イノベーションの適切な評価」として3点、「薬価算定の妥当性・透明性の向上」として1点、提案させていただきます。また、補足資料としまして、資料「薬-1-2」を用意しておりますので、適宜御参照をお願いしたいと思います。
 まず「1.イノベーションの適切な評価」についてでございます。「薬-1-1」の1ページ目を御覧いただきたいと思います。
 「(1)規格間調整のみによる新薬の薬価算定における補正加算」に関する御提案でございます。組成、剤形区分及び製造販売業者が同一の最類似薬がある新薬については、規格間調整により算定するとされております。また、この場合に対象となる補正加算は、医療上の有用性に関する加算、それから特定用途加算または小児加算とされております。市場性加算(Ⅰ)、先駆加算、迅速導入加算は加算対象外とされています。そのため、既収載品の適応追加に併せて、組成等が同一の新薬は迅速導入加算の要件に該当する適応で新規収載され、規格間調整のみにより算定された場合、既収載品については改定時加算の適用となる一方で、新規収載品は算定時の迅速導入加算等の加算の対象とはならず、改定時加算としての評価対象にもなりません。
 そこで、改定時加算での評価と整合を取る観点から、規格間調整のみによる算定における補正加算について、現行の規定に加えて市場性加算(Ⅰ)、先駆加算及び迅速導入加算についても適用することとしてはどうかという御提案でございます。
 次に、2ページ目を御覧いただきたいと思います。「(2)標準的治療法に関する改定時加算の評価」に関する御提案でございます。令和6年薬価制度改革において、国内のガイドラインに記載されていない場合であっても、薬価収載後に本邦で標準的治療となることが明らかであると見込まれる場合などでは、有用性系加算の評価の対象として取り扱うこととされました。一方で、本邦での承認が海外よりも早い品目など、薬価算定時点で臨床的位置づけが定まっていない場合、算定時に標準的治療に関する加算の適用とはならず、薬価収載後に国内のガイドラインに標準療法として記載されたとしても、改定時加算の対象にはなりません。
 そこで、欧米と比べて本邦での承認が大きく遅れていないこと、また、薬価収載の際に標準的治療法に関する加算が適用されていないことといった一定の制限を設けた上で、薬価収載後、国内のガイドラインの記載などから、薬価収載時の主たる効能・効果に関して本邦で標準的治療法となったと判断される場合には、臨床試験等のエビデンスも考慮した上で、改定時加算として評価するとしたらどうかという提案でございます。
 続きまして「(3)市場性加算及び小児加算の併加算」に関する御提案でございます。希少疾病用医薬品の適応に関して、小児の用法・用量の承認を追加取得した場合、薬価収載時に市場性加算(Ⅰ)を受けている品目または改定時に希少疾病に係る加算を受けている品目であっても、薬価改定時に小児加算の適用対象となり得ます。一方で、薬価算定時における市場性加算(Ⅰ)と小児加算の併加算は認められておらず、希少疾病用医薬品の適応に関して成人及び小児の用法・用量の承認を同時に受けた新規収載品については、どちらかの加算を適用することとしています。
 そこで、成人及び小児の同時開発を促進する観点から、薬価算定時における市場性加算と小児加算を併加算できることとしてはどうかという提案でございます。ただし、過剰な評価とならないよう、2ポツ目に記載したような一定の制限を設けることも併せて御提案させていただきます。
 続きまして、3ページ目を御覧いただきたいと思います。「2.薬価算定の妥当性・透明性の向上」についてでございます。
 「(1)報告品及び後発品の補正加算適用に関する薬価算定組織での検討」に関する御提案でございます。薬価基準収載の手続は通知により定められており、新医薬品については、算定方法、最類似薬、補正加算適用の妥当性等について薬価算定組織での検討をすることとされております。一方で、報告品目及び後発医薬品については、薬価算定において一部の補正加算の対象とされておりますが、薬価算定組織での検討については規定が定められておりません。
 そこで、報告品目及び後発医薬品についても、補正加算適用の妥当性等について専門的見地からの検討を必要とする場合は、薬価算定組織での検討を経て薬価算定を行うことを規定として定めてはどうかという御提案でございます。
 薬価算定の基準に関する意見は以上でございます。次期薬価改定に向けて、これらの意見を踏まえて議論を進めていただけると幸いでございます。
 以上でございます。
○城山部会長
 どうもありがとうございました。
 質疑等につきましては、次の議題と併せて行いたいと思います。
 次に「令和8年度薬価改定について」を議題といたします。
 事務局より資料が提出されておりますので、説明をお願いします。
○清原薬剤管理官
 それでは、「薬-2」を御覧いただければ思います。本日は、課題の整理ということで、令和8年度薬価改定に向けた検討項目(案)を御説明させていただきます。
 2ページ目、次期薬価制度改革に向けて、これまで指摘された事項等について今後議論を深めていくこととしてはどうかということで項目(案)をまとめております。これまで薬価専門部会、関係業界からの意見聴取で挙げられた項目、本日の薬価算定組織からの意見などをまとめさせていただいておりますが、事務局から追加している項目につきまして、補足で説明させていただきます。
 2ページ目の「2.国民皆保険の持続性」の類似薬効比較方式(Ⅱ)の見直しについてでございます。本年4月23日の財政制度分科会におきまして、新規性に乏しい新薬に適用される類似薬効比較方式(Ⅱ)について、抜本的かつ具体的な検討を早急に進めるべきとされたことを受けまして、項目としております。
 「4.薬価に関するルール」の1ポツ目につきまして、新薬の薬価収載頻度につきましては、従来、年4回であったところを今年度からは年7回に増加しております。これに伴い、新薬の薬価収載の機会に合わせて実施しておりました市場拡大再算定、または令和5年度まで診療報酬改定のある年の薬価改定時に実施し、令和7年度では診療報酬改定のない年の薬価改定時にも適用した改定時加算・新薬創出等加算の累積額控除等の頻度をどのように考えるのか、併せて新薬以外の薬価収載頻度についてもどのように考えるのかということを項目として挙げております。
 最後に「5.その他」につきまして、日本薬局方に収載されている医薬品につきましては、医療現場で汎用され、医療上必要性が高いことから、薬価上の取扱いといたしまして、その他の医薬品よりも高い最低薬価を設定しておりますが、日本薬局方化を推進する薬価上の取組として日本薬局方化の推進を挙げております。また、外国平均価格調整につきましては、これまで米、英、独、仏の4か国の価格を対象としておりますが、例えばドイツにおきましては、新たに上市される医薬品の価格は販売から一定期間は製造販売業者が自由に設定した価格で保険償還されているといったことがございますので、このような例を踏まえ、外国平均価格調整についてどのように考えるのかということで外国平均価格調整の適正化を項目として挙げております。
 3ページ目を御覧ください。今後のスケジュールを具体化したものでございます。次回の部会におきまして、再度、関係業界から御意見を頂きまして、9月から11月頃にかけて先ほどお示ししました内容について議論を行うこととしてはどうかと考えております。
 以降は、事務局から追加させていただいた事項に関する補足説明、これまでの薬価専門部会における主な御意見を参考資料としてつけております。
 御説明は以上でございます。
○城山部会長
 ありがとうございました。
 それでは「薬価算定組織からの意見」及び「令和8年度薬価改定について」に関しまして、御質問等がありましたら、よろしくお願いいたします。
 江澤委員、よろしくお願いします。
○江澤委員
 ありがとうございます。
 幾つか御質問があるので申し上げさせていただきます。
 まず、資料「薬-1-1」の1ページの1の(1)の御意見のところでございます。この御意見であると、市場性加算(Ⅱ)以外の補正加算に対応することとなりますが、そもそも類似薬があることで規格間調整により算定されている新薬でありますので、企業側としては既に開発ノウハウがあって、薬理作用や医薬品の特性としての新規性が高くないものもあると思います。したがいまして、この御意見の必要性について説明を伺いたいと思います。
 もう一点は、2ページ目の(2)の意見の下から3行目「本邦で標準的治療法となったと判断できる場合」というのは、どこで判断し、どこで承認するのか、もし現行でお分かりであれば教えていただきたいと思います。
 最後に、3ページの2の(1)の意見の1行目から2行目にかけて「専門的見地からの検討が必要な場合」というのは、具体的にはどういった場合が想定されているのか、お分かりであれば教えていただければと思います。
以上でございます。
○城山部会長
 事務局からということでよろしいですか。よろしくお願いします。
○清原薬剤管理官
 薬剤管理官でございます。御意見ありがとうございます。
 今、提案が出ておりますが、今後、具体的に検討するときに、より具体的な資料を提出して御議論いただこうかと思っております。
 1つ目の規格間調整につきましては、資料「薬-1-2」の3ページ目に模式図をつけておりますが、より具体的な品目がありますので、そちらのほうを示しながら御検討いただければと思っております。
 それから、ガイドラインのほうの記載でございますが、こちらは国内のガイドラインに記載しているということになっておりまして、前回の制度改正のところでは、日本で開発されるのが早い場合は国内ガイドラインに当然載っておりませんので、海外のガイドラインも参考にできるということにしておりますが、それでもガイドラインに載っている、載っていないというところは非常に大きいので、発売した後に載った場合でも後から加算してはどうかというようなものでございます。
 最後、3つ目でございます。必要性があるものにつきましては、薬事のほうの承認のところで全く新しい用法・用量が設定されるとか、あるいは剤形ができるとか、そういったもので新たな評価が必要なものについてというふうに考えております。いずれにいたしましても、また今後の議論のところで資料を追加して御検討いただければと思っております。
 以上でございます。
○城山部会長
 江澤委員、いかがでしょうか。
○江澤委員
 ありがとうございます。
 1番目については、科学的な妥当性があるかどうか、必要性を十分検証してまた御検討いただければと思います。
 2番目については、結局、どこでどういったプロセスで判断するのかという質問だったのですけれども、いかがでしょうか。
○清原薬剤管理官
 国内で一般的に使われている臨床ガイドラインがあると思うのですが、そちらのほうにきちんと薬剤が記載されているというところが一つのメルクマールになるかとおもっております。
○江澤委員
 了解です。ありがとうございます。
○城山部会長
 ほか、いかがでしょうか。
 森委員、お願いします。
○森委員
 ありがとうございました。
 令和8年度薬価改定についての課題整理で示されました検討(案)については異論がありませんけれども、幾つかコメントさせていただければと思います。
 「薬-2」の2ページ目を御覧いただければと思います。まず「2.国民皆保険の持続性」で示されています先発品・後発品の薬価逆転の防止についてです。本年4月の薬価改定で先発品と後発品の薬価の逆転がかなり多くの品目で起きました。その影響によって長期収載品の選定療養であるとか、後発医薬品調剤体制加算等のカットオフ値の要件に大きな影響を受けています。これまで選定療養の対象だった患者さんが薬価改定を経て選定療養の対象外となり、患者さんへの説明の手間に関しても苦慮しているのですけれども、なぜこれまで選定療養だったものが対象から外れたのかを説明しても一般の方にはなかなか理解していただけないところがあり、薬価制度による変更について説明しても「それで」という話になって、かなり苦労しています。さらに、今回、選定療養から外れるのであれば、再度、先発品に戻すことを希望する患者さんもいて、現場はかなり苦慮しているところです。薬価改定のたびにこのようなことが起こると現場も大変ですけれども、患者さん側も非常に大変で、これらのことへの対応が必要と考えます。
 また、カットオフ値なのですけれども、導入当初と今でカットオフ値の算出の対象医薬品が異なるため、例えば改定前後で同じように後発品を一生懸命積極的に使っていても、カットオフ値の要件を満たせなくなってしまっている薬局が出ているという現状があります。こうしたことが起こらないような薬価制度にすべきであると考えております。
 それから、先ほど材料のところでも逆ざやの問題がありましたけれども、逆ざやに関してはできる限り早く対応いただきたいと思います。そして、次回改定にはきちんと解消できるように対応していくべきと考えます。以前、中医協の中で事務局にしっかりと現状を把握していただくようお願いしましたけれども、スケジュール感など、もし分かるようであれば教えていただきたいと思っております。
 次に、販売包装単位の適正化についてですけれども、以前、内服薬の高額薬剤について投与実態に合わせた販売包装単位にするようにお願いしたところですが、この件に関しては注射薬についても同様の対応が必要であると考えております。注射薬の場合、瓶単位で薬価が収載されており、全量を使用しないことが当然あり得ますけれども、仮に通常用量で使用しても多くの量が余るような場合、大きな無駄になってしまいます。高額な薬剤が増加する中、医療費の節減の点から、注射薬についても投与量に合わせた開発が必要だと考えます。通常投与量と販売包装単位が異なる量の場合、薬価上の評価をどのようにするのか、加算や減算を含めた検討が必要と思っております。
 以上です。
○城山部会長
 コメントというお話でしたけれども、幾つかの点について事務局に見解を求めていましたので、事務局のほうからいかがでしょうか。
○安中医薬産業振興・医療情報企画課長
 医薬産業振興・医療情報企画課長です。
 今、御指摘ありました逆ざやの実態把握に向けた調査ということでございますが、現在、業界関係者の御意見を踏まえながら、内部で検討しているところでございます、卸と医療機関、薬局との間での取引価格の妥結状況なども踏まえる必要があると考えておりまして、それらも踏まえて適切な時期に向けて検討してまいりたいと考えております。
 以上です。
○城山部会長
 森委員、どうぞ。
○森委員
 ありがとうございました。
 逆ざや問題ですが、これは薬局、医療機関にとっては非常に大きな問題なので、しっかり対応いただきたいということ、それから、逆ざやが増えているということについてですけれども、中間年改定を行うことによっての影響もあると思いますので、そのこともしっかり踏まえて議論していくべきだと考えております。
 以上です。
○城山部会長
 ほかの点は特に御回答はよろしいですか。
 では、森委員、どうもありがとうございました。
 それでは、いかがでしょうか。
 松本委員、お願いします。
○松本委員
 それでは、薬価算定組織からの意見につきまして、コメントさせていただきます。まず、御意見をおまとめいただきました薬価算定組織の皆様方に感謝申し上げたいと思います。
 次期薬価制度改革に向けまして、貴重な御提案というふうに受け止めております。その上で、先ほど江澤委員からもありましたけれども、規格間調整についてコメントを差し上げたいと思います。一般論として、新薬の開発といいますのは、医療のニーズ、技術革新、企業戦略など様々な要素を踏まえて行われるもので、その中でコストをかけてイノベーションを起こした場合に加算で評価するという必要性は十分理解しております。規格間調整のみで薬価が算定された医薬品についても、開発そのものを否定するつもりはございませんけれども、様々なパターンがあると思います。資料「薬-1-2」の2ページ、3ページに一応示してはいただいておりますけれども、具体的にどのような製品を想定しているのか、また、過去に加算を受けられなかったものや、さらには現在開発中のものなど、もう少し具体的な実例を示していただきながら議論する必要があるのではないかと考えております。
 続きまして、令和8年度薬価改定についてコメントいたします。今回の事務局案につきましては、現時点で課題となっていることを整理したということで、いずれも議論すること自体には異論はございません。私からは追加の課題も含めて何点かコメントを差し上げたいと思います。
 まず、2ページの「イノベーションの評価」についてでございますが、原価計算方式で算定した新薬の中で、加算の条件を満たしているにもかかわらず、係数がゼロになるケースが非常に目立っております。このことは透明性を高めるという政策目的が達成されていないと言わざるを得ません。原価が開示できないから類似薬効比較方式の対象を広げるということではなく、製品原価の妥当性を含め、改めて原価計算方式の在り方を議論すべきだと考えます。
 続きまして「国民皆保険の持続性」の観点では、長期収載品の選定療養が導入され、後発品の使用促進について、ある意味で潮目が変わった印象を持っております。新薬の特許が切れたら速やかに後発品に市場を譲るということを前提としまして、どのような薬価制度上の対応が考えられるのか、議論が必要だと考えております。その意味で、ここにも挙がっておりますけれども、オーソライズド・ジェネリックの取扱いについてもしっかり議論させていただきたいと思います。
 また、類似薬効比較方式(Ⅱ)につきましては、新規性に乏しい新薬を保険給付する必要性があるのかどうかを含めまして、根本に立ち返った議論をさせていただきたいと思っております。
 次に、3番目の「安定供給の確保」についてですが、これも再三申し上げておりますけれども、薬価の下支えをした製品が薬価差益の調整弁になっていないのか、実態を慎重に見極める必要があると考えております。
 続いて、4番の「薬価に関するルール」についてでございます。先ほど薬剤管理官からも御説明がございましたけれども、新薬の薬価収載を年4回から年7回に変更した際に我々のほうから指摘したことにつきまして、論点として取り上げていただくことに感謝申し上げたいと思います。いわゆる四半期再算定など、新薬の薬価収載に合わせて対処したルールにつきましては、どのようなタイミングで実施すべきか、ぜひ議論したいと思います。
 また、これも以前に指摘させていただきましたが、新薬の特許が切れたら速やかに後発品に市場を譲るということを前提といたしますと、後発品が薬価収載された時点で新薬創出等加算の累積額は控除するのが本来のあるべき姿であろうと考えております。
 最後に「5.その他」についてですけれども、診療報酬改定がある年、ない年にかかわらず、毎年粛々と薬価改定を実施するというのが健保連のスタンスであることは変わっていないということを改めて申し上げさせていただきます。
 また、本日の事務局案には記載されておりませんけれども、これまで議論ができていない調整幅の在り方についてもぜひ議論させていただきたいと思います。令和7年度の実勢価改定で医薬品のカテゴリー別に対応した実績や、投与経路別の流通経費の違い、医薬品の高額化による影響等も踏まえ、どのような対応が考えられるのか、率だけではなく額も含め、実態を見ながら議論したいと考えております。
 私からは以上でございます。
○城山部会長
 ありがとうございました。
 御意見ということでよろしいでしょうか。
 その他、ございますでしょうか。
 鳥潟委員、お願いします。
○鳥潟委員
 ありがとうございます。
 令和8年度薬価改定についてですが、御説明いただいた内容に異存はございません。ドラッグロス・ラグの解消や安定供給の確保に向けては、前回の制度改正を踏まえて、業界でどのような対応がなされたか、状況が改善されたかという点を確認した上で、評価の充実のみならず、適正化の観点からも論点の議論ができればと思っております。
 業界ヒアリングで少し触れさせていただきましたけれども、安定供給について繰り返し特例対応をしてきている中、今回も継続ということではなく、実態を踏まえたメリハリのある評価が必要だと思いますので、その点よろしくお願いいたします。
 ただし、こうした課題は、薬価制度のみならず、様々な施策を組み合わせて対応していくものであり、国において制度改正や予算措置等の施策の実施、検討を進めているものと思います。そうした状況も確認しながら議論を進めていきたいと考えております。
 以上です。
○城山部会長
 御意見ということでよろしいでしょうか。どうもありがとうございました。
 ほかに何かございますでしょうか。よろしいでしょうか。
 それでは、本件に関する質疑はこの辺りとして、今後、事務局において本日頂いた御意見を踏まえて御対応いただくということにしたいと思います。
 次に「薬剤費等の年次推移について」を議題といたします。
 事務局より資料が提出されておりますので、説明をお願いいたします。
○清原薬剤管理官
 薬剤管理官でございます。
 資料「薬-3」を御覧ください。薬剤費等の年次推移についての定例的な報告でございます。資料2ページより薬剤費等の年次推移をお示ししておりますが、令和4年度分につきまして推計が整いましたので、3ページ目の赤枠のとおり御報告いたします。
 報告は以上です。
○城山部会長
 ありがとうございました。
 ただいまの説明について御意見、御質問などございましたら、よろしくお願いいたします。よろしいでしょうか。
 特に御意見等もないということでございましたら、この議題についてはこの辺りとしたいと思います。
 本日の議題は以上です。
 次回の日程につきましては、追って事務局より連絡させていただきますので、よろしくお願いいたします。
 それでは、本日の「薬価専門部会」はこれにて閉会といたします。どうもありがとうございました。
 

議事