2025年3月14日 薬事審議会 医薬品等安全対策部会 議事録
日時
令和7年3月14日(金)11:00~
出席者
- 出席委員(22名)五十音順
-
- ○石井伊都子
- 伊藤清美
- 内田裕之
- ◎岡明
- 織田克利
- 柿崎暁
- 後藤功一
- 小林大輝
- 小宮根真弓
- 佐藤薫
- 佐藤好美
- 澤田留美
- 清水渉
- 滝田順子
- 塚田唯子
- 橋場元
- 平和伸仁
- 藤原慶正
- 舟久保ゆう
- 舟越亮寛
- 宮﨑義継
- 萬知子
(注)◎部会長 ○部会長代理
欠席委員(3名)五十音順-
- 佐藤泰憲
- 多賀谷悦子
- 脇田隆字
- 行政機関出席者
-
- 城克文 (医薬局長)
- 佐藤大作 (大臣官房審議官)
- 野村由美子 (医薬安全対策課長)他
議事
○医薬安全対策課長 定刻となりましたので、「令和6年度第3回薬事審議会医薬品等安全対策部会」を開会いたします。本日、御出席の委員の先生方におかれましては、お忙しい中御出席を頂きましてありがとうございます。本日の部会の公開については、YouTubeによるライブ配信で行うこととしておりますので、御理解と御協力のほどお願いいたします。議事録については、後日、厚生労働省ホームページに掲載いたします。
また、今回もWeb開催としており、対面での進行と一部異なる部分があります。前回と同様ではありますが、議事に先立ち、審議の進行方法などについて事務局より説明させていただきます。
○事務局 御説明申し上げます。まず、ハウリング防止のために、御発言時以外はマイクをミュートにしていただきますようお願いいたします。御意見、御質問を頂く際はミュートを解除し、初めにお名前をお知らせください。御発言のタイミングが重なったりした場合は、部会長から順に発言者を御指名いただきます。会議中、マイクの調子が悪かった場合などは、音声の代わりにメッセージに御記入いただくようお願いをする場合がございます。システムの動作不良などがございましたら、会議の途中でも結構ですので、事前にお伝えしている事務局の電話番号まで御連絡ください。また、事務局のサーバーがダウンするなどのトラブルが発生した場合は、事務局から一斉にメールで御連絡いたしますので、御確認をお願いいたします。
まず、議事に先立ち、1月27日付けで本部会の委員の改選がありましたので、退任された先生、新たに着任された先生を御紹介いたします。
今回の委員改選により、慶應義塾大学予防医療センター特任教授の三村將先生が御退任されています。三村先生には、この場を借りて、これまでの御議論において貴重な御意見を頂きましたこと、御礼申し上げます。併せて、今回より委員として御参画いただくことになりました先生を御紹介いたします。慶應義塾大学医学部精神・神経科学教室教授の内田裕之委員です。一言お願いできますでしょうか。
○内田委員 慶應義塾大学の内田でございます。精神・神経科の薬物療法に関して専門としております。これからよろしくお願いします。
○事務局 ありがとうございました。次に、本部会の部会長につきましては、1月27日に開催された薬事審議会において、岡明委員が選任されておりますので、併せて御報告申し上げます。一言お願いできますでしょうか。
○岡部会長 部会長を拝命しております岡でございます。本部会は、様々な御専門、御立場の委員の皆様から貴重な御意見を頂きながら、医薬品等の安全対策について御確認、御意見を頂く場となっております。引き続き、皆様の御協力を頂きながら進めたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
○事務局 ありがとうございました。続いて、部会長代理については、薬事審議会令第6条第5項の規定に基づき、部会に属する委員のうちから部会長があらかじめ指名することとされております。岡部会長、指名をお願いいたします。
○岡部会長 それでは、私は石井委員にお願いしたいと思います。
○事務局 ありがとうございます。本日、石井委員は遅れての御参加と承っております。石井委員におかれましては、部会長代理をお引き受けいただくという旨を事前に事務局から確認してございます。
関連して、安全対策調査会につきましても委員の改選がございましたので、併せて御報告申し上げます。参考資料3、医薬品等安全対策部会安全対策調査会委員の改選についてという資料を御覧ください。佐藤委員の後任として、国立国際医療研究センターデータサイエンス部臨床疫学研究室長の石黒智恵子委員が御着任されております。
次に、事務局に人事異動がございましたので御紹介させていただきます。厚労省医薬局医薬安全対策課企画官の坂西義史でございます。事務局からは以上です。
それでは、以降の議事進行は岡部会長にお願いいたします。
○岡部会長 議事に入る前に、委員の出欠状況と審議への参加等について、事務局から御説明をお願いします。
○事務局 最初に、本日の委員の出席状況について御報告いたします。佐藤泰憲委員、多賀谷悦子委員、脇田隆字委員より御欠席との連絡がございました。このほか、石井委員からは遅れて御参加との御連絡を頂いております。本部会の委員25名中、現時点で21名の委員に御出席いただいておりますので、薬事審議会の規程により定足数に達していることを御報告申し上げます。
続いて、所属委員の薬事審議会規程第11条への適合状況の確認結果について報告させていただきます。薬事審議会第11条には、「委員、臨時委員又は専門委員は、在任中、薬事に関する企業の役員、職員又は当該企業から定期的に報酬を得る顧問等に就任した場合には、辞任しなければならない」と規定されております。今回、全ての委員より適合している旨を御申告いただいております。報告は以上です。
○岡部会長 ありがとうございました。ただいまの事務局からの御説明について、何か御意見や御質問等はありますか。よろしいでしょうか。続いて、事務局から配布資料について御説明をお願いします。
○事務局 資料はあらかじめメールにてお送りさせていただいておりますが、議題1に関しては資料1-1から1-10、議題2に関しては資料2-1から2-7、議題3に関しては資料3-1と3-2、議題4に関しては資料4がございます。このほか、議事次第・資料一覧、委員名簿、参考資料1から3をお送りしております。お手元に御用意のない方がいらっしゃいましたら、事務局までお知らせください。また、資料は厚生労働省ホームページにも掲載しておりますので、オンラインで傍聴されている方はそちらを御参照ください。
○岡部会長 それでは、議題1「医薬品等の市販後安全対策について」に入ります。事務局から御説明をお願いします。
○事務局 資料1-1、医薬品の使用上の注意の改訂について御説明いたします。令和6年10月に開催した令和6年度第2回医薬品等安全対策部会終了後から本日までの間に、改訂指示通知を発出した品目の一覧をお示ししております。資料には、改訂内容、改訂理由、直近3年度の国内外の副作用症例の集積状況などをまとめております。これらの使用上の注意改訂については、本部会の先生方に御確認いただいたものであり、また、改訂時にPMDAメディナビで配信するとともに、機構のホームページと医薬品・医療機器等安全性情報にも掲載しております。資料1-1については以上です。
○事務局 続いて、MID-NET及びNDBの行政利活用の調査実施状況について御説明します。資料1-2の1ページを御覧ください。昨年10月に開催された令和6年度第2回医薬品等安全対策部会終了後から本日までの間に、機構が調査結果を公表したものは、この表に記載している3件で、その内訳は、MID-NETを用いたものが2件、NDBを用いたものが1件です。このうち、調査結果を直接的な理由とはしていないものの、これらに関連した安全対策措置を実施したものが2件あります。「MID-NETを用いたボリコナゾールによるその他検査値異常のリスク評価」及び「MID-NETを用いたGLP-1受容体作動薬が処方された2型糖尿病患者における肝機能障害の発現状況の評価」になり、それぞれボリコナゾール、デュラグルチドについて使用上の注意を改訂しました。各調査の詳細の説明は割愛させていただきます。説明は以上です。
○事務局 続いて、ワクチンの安全性に関する評価について御説明いたします。資料1-3を御覧ください。令和6年10月25日及び令和7年1月24日に開催された安全対策調査会と厚生科学審議会予防接種・ワクチン分科会副反応検討部会との合同部会において、ワクチンの安全性について評価を頂きました。
1の(1)は新型コロナワクチンの接種及び副反応疑い報告の状況等についてです。令和6年10月25日に開催された合同部会にて報告した特例臨時接種期間における各新型コロナワクチンの報告状況を表1に、令和7年1月24日に開催された合同部会にて報告した任意接種開始後における各新型コロナワクチンの報告状況を表2にお示ししております。いずれの開催会においても、ワクチンの安全性に係る重大な懸念は認められないと評価されております。
2ページの(2)と5ページの(3)は、心筋炎及び心膜炎、死亡症例の評価についてです。特例臨時接種期間における心筋炎の評価については表3、心膜炎の評価については表4にお示ししております。また、任意接種開始後の心筋炎の評価については表5、心膜炎の評価については表6にお示ししております。特例臨時接種期間における死亡症例の評価については表7を、任意接種開始後の死亡症例の評価については表8を御確認ください。
7ページの(4)は、新型コロナワクチンの副反応疑い報告の速報となります。令和7年1月24日の合同部会では、令和6年10月1日から開始された新型コロナワクチンの定期接種に係る副反応疑い報告について、令和6年11月30日までに報告された症例の一覧を速報として報告いたしました。本速報において特定の副反応の集積は見られておらず、引き続き情報収集及び評価を進めることとされたことから、必要な整理を行った上で、次回以降の合同部会で評価を行う予定です。
なお、Meiji Seika ファルマ社のレプリコンワクチンであるコスタイベ筋注用については、参考資料として市販直後調査の3か月時点での中間報告も提示し御確認いただきました。中間報告の中で死亡例は2例報告されており、1例は88歳の男性が誤嚥性肺炎によって亡くなった症例であり、もう一例は70歳の男性が脱水・尿路感染症によって亡くなった症例でした。いずれも接種後20日以降に症状が発現していることも踏まえ、合同部会においては、詳細調査の結果を待つ必要があるものの、現時点では重大な懸念があるとは考えられないとおまとめいただきました。市販直後調査として報告された症例のうち、必要な症例については、今後、医療機関や製造販売業者から副反応疑い報告が提出されることから、必要に応じて専門家評価等も付した上で、次回以降の合同部会で評価を行う予定です。
7ページの2からは、新型コロナワクチン以外の各ワクチンの報告状況です。2の(1)は報告状況の概要であり、令和6年4月1日から令和6年6月30日までの期間における各ワクチンの報告状況については表9に、令和6年7月1日から令和6年9月30日までの期間における各ワクチンの報告状況については表10にお示ししていますが、これまでと比べて大きな変化はなく、新たな安全対策措置をとる必要はないとされています。なお、令和7年1月24日開催の合同部会より、沈降20価肺炎球菌結合型ワクチンが審議対象として追加されていますが、対象期間中の副反応疑い報告はありませんでした。
2の(2)は死亡症例についてです。死亡症例については、令和6年4月1日から令和6年6月30日までの対象期間に9例、令和6年7月1日から令和6年9月30日までの対象期間に2例の症例がそれぞれ報告されていますが、ワクチンと死亡との因果関係が否定できないものとされた症例はありませんでした。
ワクチンの安全性に関する評価については以上です。
○事務局 資料1-4、要指導医薬品のリスク評価について御説明いたします。資料7ページを御覧ください。要指導医薬品のリスク評価については、製造販売後調査及び副作用報告に基づいて、重篤な副作用の発生状況を評価し、製造販売承認の拒否事由に該当する状況にないことを確認し、要指導医薬品から一般用医薬品への移行の可否を判断するものですが、このリスク評価については、黒枠で囲っているマル1でお示ししているとおり、安全対策調査会で行い、その結果を本部会で報告することとなっています。本日は、この手続にのっとり、セイヨウトチノキ種子エキスについて、調査会での評価結果を部会に報告するものです。
資料1ページを御覧ください。販売名は「ベルフェミン」です。効能・効果は、「軽度の静脈還流障害(静脈の血流が滞ること)による次の諸症状の改善:足(ふくらはぎ、足首など)のむくみ、むくみに伴う足のだるさ・重さ・疲れ・つっぱり感・痛み」です。用法・用量は、「成人(18歳以上)1回1カプセル、1日2回朝夕食前に服用する」とされています。
製造販売後調査概要(使用成績調査報告書)を御覧ください。特別調査とは、個別に薬局と契約して、モニター店舗でアンケート調査票を配り、アンケートによる調査を実施するものです。この特別調査では、調査症例数1,651症例で、副作用が99例148件でした。このうち、重篤と判断された症例はなく、未知の副作用として報告されたものは資料に記載のとおりです。使用者若しくは薬剤師からの自発報告という形での一般調査では、51例76件の報告でした。
資料2ページに記載していますが、以上の内容について、参考人として循環器内科の専門家の参加の下で審議を行った結果、製造販売後調査において承認拒否事由に該当するようなリスクの高い副作用は発現していないことなどを踏まえ、要指導医薬品から一般用医薬品へ移行することは問題ないと評価されました。資料1-4の御説明は以上です。
○事務局 続きまして、資料1-5を御覧ください。令和6年12月4日付けで、医薬安全対策課長通知「インフルエンザウイルスを検出する体外診断用医薬品の添付文書等の自主点検等について」を発出しましたので御説明いたします。
まず、通知の背景になりますが、経鼻弱毒生インフルエンザワクチンという、鼻腔内に噴霧して使用するインフルエンザワクチンが、昨年、発売されました。このワクチンは、弱毒生インフルエンザウイルスが鼻咽頭部で増殖することで、免疫の誘導が期待されるものであるため、ワクチンの使用後一定期間は、インフルエンザウイルスを検出する体外診断用医薬品を使用した場合、その測定結果に影響が生じる可能性があります。実際、当該インフルエンザワクチンの添付文書においては、この内容が注意喚起されております。
これを踏まえ、体外診断用医薬品側でも同様の対応を求めることにしました。具体的な内容ですが、一つ目は、インフルエンザウイルスを検出する体外診断用医薬品において、経鼻弱毒生インフルエンザワクチンを接種した測定対象者の検体を使用した場合に、測定結果が影響を受ける可能性があるか確認することです。その結果、影響を与える可能性があると判断されたものについては、添付文書上に適切な注意喚起があるかどうかを確認していただくというのが二つ目です。三つ目として、記載がなかったり、不十分な場合には、添付文書を改訂して、医療現場の皆様に対して情報提供を行っていただき、四つ目として、確認結果と添付文書の改訂の対応状況について、12月27日までに機構に報告をしていただくといった内容です。
自主点検の結果、約30社から約80製品の報告があり、そのうち添付文書改訂済みの製品は4割ほどでしたが、残りの製品についても、おおむね本年2月までに対応が完了している状況です。資料1-5の御説明は以上です。
○事務局 続きまして、資料1-6-1、1-6-2について、ニトロソアミン類の混入リスクに関する自主点検結果を踏まえたリスク管理措置に係る薬事手続の通知、事務連絡となります。
資料1-6-1、ニトロソアミン類の混入リスクに関する自主点検に基づくリスク管理措置に係る薬事手続についてを御説明させていただきます。医薬品におけるニトロソアミン類の混入リスクに関する自主点検については、本年8月1日をリスク低減措置の実施期限としており、そのリスク管理措置に関する薬事手続上の取扱いを定めたものとなります。
2ページを御覧ください。記の1.は、これまでの繰り返しとはなりますが、限度値を超えるニトロソアミン類の混入が確認された品目については、厚労省等に速やかに報告するとともに、必要なリスク管理措置を講じること。2.は、限度値を超えないニトロソアミン類の混入が確認された品目についても、ニトロソアミン類の規格値の追加、製法変更、処方変更等の適切なリスク管理措置を講じる必要があること。3.は、薬事手続に当たり、懸念が生じた場合は機構に相談することとしており、遅滞なく進めるよう求めております。
資料1-6-2についてですが、先ほどの通知に関する質疑応答集となります。通知の2.で言及された規格値の追加に関する内容のほか、承認書の記載、相談先の補足となっております。資料1-6-1、1-6-2の説明は以上となります。
○事務局 資料1-7を御覧ください。令和6年12月17日付けで、医薬安全対策課事務連絡「新型コロナウイルス感染症に対する経口抗ウイルス薬ゾコーバ錠125mg及びラゲブリオカプセル200mgの妊娠する可能性のある女性への投与に係る情報提供(電子化された添付文書の改訂及び資材の活用徹底等について)」を発出しましたので、御説明いたします。
新型コロナウイルス感染症の患者を対象とした経口抗ウイルス薬のゾコーバ及びラゲブリオについては、妊婦及び妊娠している可能性のある女性への投与は禁忌とされていることから、医薬品リスク管理計画(RMP)に基づき作成された医療従事者向け資材及び患者向け資材の活用の徹底をお願いする等、妊婦及び妊娠している可能性のある女性への投与が行われることがないよう、対策を行っておりました。しかしながら、ゾコーバ又はラゲブリオの投与後に妊娠が判明した症例の報告が継続していたことから、令和6年12月4日の安全対策調査会にて追加の安全対策措置を審議した結果、ゾコーバ及びラゲブリオの使用上の注意において、妊娠する可能性のある女性への投与に際しては、投与の必要性を十分に検討すること、並びに、投与が必要と認められる場合には、患者が妊娠していないこと及び妊娠している可能性がないことへの確認を注意喚起することになり、令和6年12月17日付けで、医薬安全対策課長通知「「使用上の注意」の改訂について」を発出しました。
本事務連絡は、当該通知発出に伴い発出したものであり、妊娠する可能性のある女性への投与に際しては、その要否について慎重に検討すること、投与が必要と認める場合には、医療従事者向け及び患者向けのRMP資材を活用し、投与開始前の患者への説明並びに妊娠していないこと及び妊娠している可能性がないことの確認を徹底すること、医療従事者向け及び患者向けRMP資材は改訂されているため、最新の資材を活用すること、服用後の患者から妊娠に関する相談があった場合は、国立成育医療研究センターの妊娠と薬情報センター又は近隣の産婦人科医に相談が可能であることを周知しております。資料1-7の御説明は以上です。
○事務局 続いて、資料1-8を御覧ください。令和7年1月31日付けで、医薬品審査管理課長・医薬安全対策課長通知「「向精神薬が自動車の運転技能に及ぼす影響の評価方法に関するガイドライン」の補遺について」を発出しましたので、御説明いたします。
既承認薬の抗不安剤、催眠鎮静剤、抗てんかん剤、抗うつ剤等の向精神薬については、大部分の薬剤の添付文書において、自動車運転等の危険を伴う機械の操作に従事させないことを規定していますが、向精神薬として開発される新医薬品の自動車の運転技能に及ぼす影響の評価方法については、令和4年に医薬品審査管理課長・医薬安全対策課長通知「向精神薬が自動車の運転技能に及ぼす影響の評価方法に関するガイドライン」により示したところです。今般、当該ガイドラインが推奨する非臨床試験及び臨床試験により得られた情報に基づき、向精神薬が自動車の運転技能に及ぼす影響の程度を判定するに当たっての基本的考え方を、ガイドラインの補遺として作成したため、本年1月31日付けで、医薬品審査管理課との連名通知として発出しました。なお、向精神薬が自動車の運転技能に及ぼす影響の判定区分は、表1のとおり、カテゴリー0~3の四つに区分されておりますが、実際の添付文書での注意喚起内容については、製造販売後調査や副作用報告を含む疫学研究等を考慮して総合的に判断し規定することが適切であることから、具体的な内容は規制当局と相談することとしております。資料1-8の御説明は以上です。
○事務局 資料1-9、10について御説明いたします。近年、10代~20代の若者を中心に、鎮咳去痰薬等の市販薬を乱用し、救急搬送や薬物依存に陥る事例が急増しており、社会問題化しているところ、いくつか対策を講じておりますので御紹介いたします。
資料1-9「過量服薬による少年の非行等の防止に向けた警察庁からの協力依頼について」は、昨今、一般用医薬品等を乱用した若者が非行に及ぶ、または犯罪被害に遭う状況が生じていることから、警察庁より協力依頼がありました。それを受けて、薬局開設者等の医薬品販売業者に対し、万引き対策の徹底及び万引き・不審動向があった際の警察の通報等、並びに都道府県衛生主管部(局)・関係団体に対し、警察と情報共有体制の構築などの連携強化を依頼いたしました。今後も、関係省庁と連携の上、一般用医薬品等の乱用に対し、対応してまいります。
資料1-10「「学校薬剤師・地区薬剤師会を活用したOTC濫用防止対策事業」成果物の公開について」は、先ほど申し上げた市販薬の乱用実態があり、若者に対する予防啓発や相談・支援体制の整備が求められていることを受けて、厚生労働省では今年度「学校薬剤師・地区薬剤師会を活用したOTC濫用防止対策事業」を実施いたしました。本事業では、市販薬の乱用防止を目的とした啓発用資材(冊子・動画)を作成するとともに、薬局等において市販薬を販売する薬剤師、登録販売者等を対象として、市販薬の乱用に苦しむ若者を適切な支援先につなぐこと等を目的とした対応マニュアルを作成し、厚生労働省ホームページで公開しており、その旨を都道府県や関係団体に周知しております。合わせて、本年3月2日に学校薬剤師及び一般用医薬品を販売する薬剤師、登録販売者等を対象にした専門家向けセミナー並びに若者及びその家族等を対象とした一般向けセミナーをオンライン配信形式で実施いたしました。なお、実施したセミナーの動画のアーカイブについては、後日、厚生労働省ホームページでの公開を予定しています。資料1-9、10の御説明は以上です。
○医薬安全対策課長 議題1関係の御説明については以上です。
○岡部会長 ありがとうございます。それでは、ただいまの事務局からの御説明に対して御意見、御質問等はございますか。藤原委員、お願いいたします。
○藤原委員 聞こえますか。
○岡部会長 はい。
○藤原委員 資料1-3の7ページの所で、(4)新型コロナワクチンの副反応疑い報告の速報の中で、下から5行目くらいに、死亡例が2例報告されているということです。先ほどのお話だと20日以上たっての死亡ということで、誤嚥性肺炎と脱水という説明だったのですが、これは関連が疑われる死亡ということで上がってきたものだと思うのですが、報告の基準というのは何かあるのですか。20日以上たってということと、誤嚥性肺炎や脱水だと、関連があるとは余り思えないのですが、これはどういう感じで上がってきているのかというのが一つです。
まとめて質問させてもらいます。資料1-4ですが、この要指導医薬品のリスク評価についてということで、7/7の一般用医薬品への移行の流れを見ると、安全対策部会で最終評価ということになっています。あくまで今回は報告ということでされていますが、評価というのは何かここで決定しなければいけないようなことになるのかというのが二つ目です。それから、資料1-5ですが、インフルエンザウイルスを検出する体外診断用医薬品の添付文書等の自主点検等についてということで、添付文書の改訂が終了しているものが、2月末の時点でほぼ終了しているという説明だったのですが、「ほぼ」というのはどのぐらいなのですかということと、例えばいつまでに改訂してくださいというような指示を出しているのか。この3点を伺いたいです。以上です。
○岡部会長 それでは、お願いします。
○医薬安全対策課長 ありがとうございます。まず1-3から御説明をさせていただきます。ワクチンの副反応報告ですが、特に報告の基準が明示的にあるものではございません。予防接種法に基づく副反応については、幾つか指定をする症状について、一定期間に発生したものについては報告を頂くというような制度となっていますが、それ以外に、医療関係者の方あるいは製造販売業者が、因果関係の可能性があるということであれば、その発生の時期あるいは内容にかかわらず、報告をしていただくというものです。
今回は直後調査ということで、承認して実際に投与が始まってから半年間、かなり緊密に企業の医療情報担当者が病院を訪問して有害事象を集めてきていますので、今回、速報という形でお話をさせていただきましたが、今後、改めて副反応疑いの報告の要否も含めて詳細調査をした上で報告を頂き、これをまた調査会のほうで評価いただくということになっております。
○安全対策課長補佐 それから、資料1-4について御質問を頂いた点です。資料1-4の7ページですが、今回のベルフェミンという品目については、再審査期間が終了するのに伴いまして、この表でいきますとマル1の所、まず、要指導医薬品から一般用医薬品の第1類医薬品に移行してよいかというところの御判断を頂くものです。これについては、安全対策調査会で審議いただいて、部会では御報告というような扱いになっています。その後、その1年後に1類から3類のどこに振り分けるのかという御判断を、また頂くことになります。ここでは、調査会で事前の審議を頂いた上で、パブコメを経て、安全対策部会できちんと審議いただいた上で、答申を頂いて、告示の改正という手続を取ることになっております。以上です。
○事務局 1-5に関しまして、御回答を申し上げます。まず、体外診断薬の添付文書の改訂状況ですが、1月22日の段階で、81製品のうち31製品に関して改訂が終わっているという状況です。最新のものは手元にないのですが、こういった形で、まず数字としては手元にある状況です。また、いつまでにというお尋ねですが、この通知では、各企業に対して、速やかに添付文書の改訂の手続を行いなさいということを指示をしているところです。なお、各企業におきましては、例えば、国内の添付文書であっても、海外の製造元との協議の上で改訂をしなければならないといった、それぞれの事情がありまして、多少時間が掛かっている製品もあるという状況です。1-5に関して、御回答は以上です。
○岡部会長 藤原委員、いかがでしょうか。
○藤原委員 分かりました。最初のものは、疑い報告についてはそのように対応していただくということでよろしいかと思います。2番目については、私の勘違いということで、報告でよいということで、それは結構です。三つ目についても、今の内容で、あくまで自主点検ということでもありますし、あるいは海外との関係もあるという説明であれば理解できますので。ただ、診断に関わることだと思いますので、できるだけ早めに対応してもらうことが必要だと思いますので、対応をお願いします。以上です。
○岡部会長 ありがとうございました。そのほかはいかがでしょうか。よろしいでしょうか。そうしましたら、議題1の報告は以上となります。
それでは、議題2「医薬品等の副作用報告の状況について」に入りたいと思います。事務局から御説明をお願いします。
○事務局 それでは資料2-1を御覧ください。医薬品医療機器等法第68条の12の規定に基づき、厚生労働大臣は、副作用等の報告状況について薬事審議会に報告することとされておりますので、本資料に基づき御説明いたします。今回の報告期間は、令和6年8月1日から令和6年11月30日までです。
資料の1.には、製造販売業者からの副作用報告と感染症報告の状況をお示ししております。(1)には国内症例、(2)には外国症例の報告件数をお示ししております。国内症例について、副作用報告は前回と比べてやや増加していますが、変動の範囲内と考えております。感染症報告は、前回と比べて減少していますが、こちらも変動の範囲内と考えております。国内副作用報告の23,404件のうち、約420件はコロナワクチンに関する報告であり、コロナワクチンの報告に関しては、前回報告と比べほぼ横ばいでした。(1)の国内症例の内訳は、資料2-2にまとめてお示ししております。
(3)には、医薬品たるコンビネーション製品における機械器具等に係る部分の不具合報告件数をお示ししております。医薬品たるコンビネーション製品とは、インスリンペン注等、機械器具等と一体的に販売するものとして承認を受けた医薬品をいうものであり、例えばインスリンペンのペン部分の故障といった不具合の報告件数を示したものです。医療機器・再生医療等製品安全対策部会への報告件数を再掲していることから、本資料の中でこの箇所のみ報告期間が異なることに御留意ください。この内訳についても、(1)と同じく、資料2-2にまとめてお示ししております。
(4)には、外国での新たな措置の報告件数をお示ししております。前回と比べてやや減少しておりますが、変動の範囲内と考えております。内容については、資料2-3にお示ししております。
(5)には、研究報告の報告件数をお示ししております。こちらは前回と比べてほぼ横ばいとなっております。報告された文献等のリストは、資料2-4にお示ししております。
続いて、2.医薬関係者からの報告について御報告いたします。ワクチン類を除く医薬品の副作用報告とワクチン類の副反応報告とに分けてお示ししており、これらのうち、重篤症例については、企業若しくは独立行政法人医薬品医療機器総合機構が詳細調査を行うこととしておりますので、重篤なものの件数及びそのうち機構が詳細調査を行った報告の件数についてもお示ししております。このうち、ワクチン類を除いた医薬品の副作用報告の件数は、前回報告と比べてほぼ横ばいでした。ワクチン類の副反応報告及び予防接種後副反応疑い報告の件数についても、ほぼ横ばいでした。なお、機構が詳細調査を行った報告の内訳については、資料2-5にまとめてお示ししております。
最後に、3.副作用救済給付又は感染症救済給付に係る疾病、障害及び死亡の報告について御報告いたします。報告期間内に救済給付に関する決定がなされたものの件数を、副作用救済給付、感染症救済給付についてお示ししております。なお、その内訳は資料2-6にまとめてお示ししております。資料2-1から2-6については以上です。
○事務局 続いて、患者からの医薬品副作用報告の状況について御説明いたします。資料2-7を御覧ください。患者からの医薬品副作用報告の状況については、今回報告分は、令和6年8月1日から令和6年11月30日までの分です。今回の報告期間中の総受付症例数は75例でした。そのうち、未回復、後遺症がある又は死亡したと報告された症例は54例でした。75例の内訳として、医療用医薬品を一つでも含む報告は72例であり、要指導・一般用医薬品を一つでも含む報告は4例でした。全症例の副作用報告の状況は、医療用医薬品については別紙1に、要指導・一般用医薬品については別紙2に、それぞれラインリストを示しております。医療用医薬品について報告された副作用のうち、報告の多い薬効分類は、上からワクチン類、催眠鎮静剤・抗不安剤、精神神経用剤でした。資料2-7については以上です。
○医薬安全対策課長 議題2の御説明は以上です。よろしくお願いいたします。
○岡部会長 ただいまの事務局からの御説明に対し、御意見や御質問等を頂けますか。藤原委員、お願いいたします。
○藤原委員 最後の資料2-7の患者からの医薬品副作用報告の状況についてで、総数75例のうち、回復していない、後遺症がある又は死亡したと報告されたものが54例です。
中身はかなり濃いものだと思うので、その内訳を教えていただければと思います。
○岡部会長 事務局、いかがでしょうか。
○事務局 54例の内訳ですけれども、未回復が38例、後遺症ありが14例、死亡が2例となっております。
○藤原委員 ありがとうございます。この詳細は、後ろにリストになって載っているものだと思いますけれども、この死亡例2というのは何なのか、これは詳しいことが分かってないのでしょうか。
○事務局 令和6年8月1日から令和6年11月30日までに受け付けた症例75例のうち、転帰が死亡とされている症例が2例でした。こちらについては、副作用を治療したという報告がなかったものが1例と、追加の調査を行ったものが1例となっております。
○藤原委員 結局どうだったのだろう。因果関係がはっきりしているのですか。
○医薬安全対策課長 1例については、投与時のカルテの情報がなく、評価不能となっております。もう1例については、副作用を発現した際に治療を行った医療機関等の情報がなく、フォローアップ調査が不可能ということで、そこで止まっているという状況です。
○藤原委員 その後はどうなるのですか。それについては分からないで、そのままうやむやになってしまうような感じの処理をされるものなのでしょうか。そもそも、どのような薬で、どのようなことが起こったのかが、ちゃんとフィードバックされればいいのですけれども、ただ報告だけで終わってしまうような感じの仕組みでなければいいなというのが、感想というか意見です。
○医薬安全対策課長 一般の患者からの副作用報告ということで、重篤なものを含めて、あらかじめ御報告を頂く際に、差し支えなければ医療機関に対して追加情報を取らせていただくということを報告者にも説明して、御了解を頂いた症例については、医療機関側に専門的な観点から意見をお伺いする詳細調査をさせていただいています。ただし、患者の許諾あるいは情報の中で、そこまで至らないものもあり、必ずしも全てのものについて詳細な情報が入っているわけではありません。追加の情報も含めて、機構で内容を確認し、因果関係の評価や蓄積状況なども含めて評価をして、必要なものについては、医薬関係者あるいは製造販売業者の方々から頂く報告と同様に、安全対策に生かしていくということです。今回は2例ということで、これをもってすぐに安全対策につながるということではありませんが、症例の蓄積も含めて、今後の安全対策に生かしていくという形で対応させていただきたいと考えております。
○藤原委員 ありがとうございます。せっかく頂いた情報なので、漏れのないように対応していただければと思いました。以上です。
○岡部会長 そのほかにいかがでしょうか。小宮根委員、お願いいたします。
○小宮根委員 小宮根です。よろしくお願いします。何か新しい薬が出たときに、患者から「これは副作用ではないか」と言ってくることがあります。明らかに因果関係があれば、こういった所に報告するのですけれども、そうでない場合もかなりあって、そういうときに、どの程度のものを御報告すればいいのか、少し分からないところがあるのですが、その辺りはいかがでしょうか。
○医薬安全対策課長 医師を含めた医療関係者からの御報告については、正に御専門の観点から因果関係を評価いただくということですので、もちろん、患者からの申出があって、それをいろいろ確認したときに、副作用ではないという御判断があれば、副作用としての報告は不要になります。先ほど御紹介したのは、患者自身が疑ったときに私どものほうに報告を頂戴するというシステムで、患者のほうで気になることがあれば報告を頂くと、そういうルートも確保しているということです。
○小宮根委員 よく分かりました。ありがとうございます。
○岡部会長 ありがとうございました。そのほかにいかがでしょうか。よろしいでしょうか。
それでは、次に進めさせていただきます。議題3「医薬品の感染症定期報告の状況について」にいきます。事務局より御説明をお願いします。
○事務局 それでは、議題3の医薬品の感染症定期報告の状況について、資料3-1と3-2に沿って御説明いたします。
まず、感染症定期報告について、制度の概要を御説明させていただきます。医薬品医療機器等法に基づく副作用等報告においては、製造販売業者から、その製造販売をする医薬品によるものと疑われる副作用・感染症を報告することが義務付けられております。他方で、血液製剤やワクチン等の生物由来製品については、その原料はヒトその他の生物に由来するため、細菌、ウイルス等が含まれている可能性が完全には否定できません。また、その感染症自体の性質として、時間の経過に伴い軽減することなく一定期間後に症状が顕在化してくる可能性もあります。このような性質も踏まえ、生物由来製品については、製品への直接的な影響が不明であるものも含め、定期的に製品の原料、材料による感染症に関する報告を行うことが義務付けられており、これが感染症定期報告です。なお、感染症定期報告で寄せられたものは、本医薬品等安全対策部会のほか、血液事業部会運営委員会において報告を行っております。以上が感染症定期報告の概要です。
資料は3-1と3-2がありますが、資料3-2が重複を含む期間中の全ての報告となっております。そのうち、重複や過去に報告されたものを整理し、今回の期間に新規に報告されたものをまとめたものが資料3-1です。それでは資料3-1を御覧ください。今回の報告は、令和6年8月1日から令和6年11月30日までに報告されたものをまとめております。詳細な説明は省略いたしますが、今回新たに報告された文献は108件ありました。これらの報告について、国立感染症研究所の脇田委員と宮﨑委員、国立医薬品食品衛生研究所の澤田委員に、事前に御確認いただいておりますが、この場で紹介すべきコメントは頂いておりません。議題3については以上です。
○岡部会長 ありがとうございます。何か御意見、御質問等はありますか。よろしいでしょうか。それでは、議題3の報告は以上です。
それでは、議題4「その他」に入りたいと思います。事務局から御説明をお願いします。
○医薬品医療機器総合機構 それでは、資料4の患者副作用報告システムの改修等について、機構より説明させていただきます。
機構では、医薬品の安全対策に活用する目的で、患者又は御家族からの医薬品による副作用報告について、オンライン又は郵送にて受け付けているところです。オンラインの報告システムについては、令和4年改正薬機法における国会審議の附帯決議において、報告者の利便性向上等の目的のため、方法の改善等の必要性が指摘されました。
これを受けて、令和5年度に、スマートフォンによる報告の利用環境を整備し、報告方法を改善する等のシステム改修を行っています。また、令和6年度には、広報資材等の作成ということで、ロゴやキャラクターの作成を行い、一般の方向けの広報資材や、医薬関係者からも患者副作用報告の御案内を頂けるように、医薬関係者向けのリーフレット等を作成しています。オンライン報告のシステムについても、分かりやすい操作マニュアルを作成して公表しています。引き続き、患者副作用報告の御案内について周知・啓発を進めてまいります。以上が報告です。
○岡部会長 ただいまの事務局からの説明に関して、御意見、御質問等はありますか。よろしいでしょうか。それでは、議題4の報告は以上となります。予定していた議題は以上ですけれども、事務局から何かありますか。
○事務局 会議冒頭にて、岡部会長より、部会長代理として石井委員を御指名いただきました。石井委員が御入室されておりますので、一言御挨拶を頂けますか。
○石井部会長代理 ありがとうございます。石井でございます。冒頭、院内対応のために少し遅れましたこと、おわび申し上げます。御指名どおり務めたいと思いますので、どうぞよろしくお願いいたします。
○事務局 ありがとうございました。本部会の次回の開催は、委員の先生方に改めて御連絡をいたしますので、よろしくお願いいたします。事務局からは以上です。
○岡部会長 以上で本日の部会を閉会とさせていただきます。本日はありがとうございました。
また、今回もWeb開催としており、対面での進行と一部異なる部分があります。前回と同様ではありますが、議事に先立ち、審議の進行方法などについて事務局より説明させていただきます。
○事務局 御説明申し上げます。まず、ハウリング防止のために、御発言時以外はマイクをミュートにしていただきますようお願いいたします。御意見、御質問を頂く際はミュートを解除し、初めにお名前をお知らせください。御発言のタイミングが重なったりした場合は、部会長から順に発言者を御指名いただきます。会議中、マイクの調子が悪かった場合などは、音声の代わりにメッセージに御記入いただくようお願いをする場合がございます。システムの動作不良などがございましたら、会議の途中でも結構ですので、事前にお伝えしている事務局の電話番号まで御連絡ください。また、事務局のサーバーがダウンするなどのトラブルが発生した場合は、事務局から一斉にメールで御連絡いたしますので、御確認をお願いいたします。
まず、議事に先立ち、1月27日付けで本部会の委員の改選がありましたので、退任された先生、新たに着任された先生を御紹介いたします。
今回の委員改選により、慶應義塾大学予防医療センター特任教授の三村將先生が御退任されています。三村先生には、この場を借りて、これまでの御議論において貴重な御意見を頂きましたこと、御礼申し上げます。併せて、今回より委員として御参画いただくことになりました先生を御紹介いたします。慶應義塾大学医学部精神・神経科学教室教授の内田裕之委員です。一言お願いできますでしょうか。
○内田委員 慶應義塾大学の内田でございます。精神・神経科の薬物療法に関して専門としております。これからよろしくお願いします。
○事務局 ありがとうございました。次に、本部会の部会長につきましては、1月27日に開催された薬事審議会において、岡明委員が選任されておりますので、併せて御報告申し上げます。一言お願いできますでしょうか。
○岡部会長 部会長を拝命しております岡でございます。本部会は、様々な御専門、御立場の委員の皆様から貴重な御意見を頂きながら、医薬品等の安全対策について御確認、御意見を頂く場となっております。引き続き、皆様の御協力を頂きながら進めたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
○事務局 ありがとうございました。続いて、部会長代理については、薬事審議会令第6条第5項の規定に基づき、部会に属する委員のうちから部会長があらかじめ指名することとされております。岡部会長、指名をお願いいたします。
○岡部会長 それでは、私は石井委員にお願いしたいと思います。
○事務局 ありがとうございます。本日、石井委員は遅れての御参加と承っております。石井委員におかれましては、部会長代理をお引き受けいただくという旨を事前に事務局から確認してございます。
関連して、安全対策調査会につきましても委員の改選がございましたので、併せて御報告申し上げます。参考資料3、医薬品等安全対策部会安全対策調査会委員の改選についてという資料を御覧ください。佐藤委員の後任として、国立国際医療研究センターデータサイエンス部臨床疫学研究室長の石黒智恵子委員が御着任されております。
次に、事務局に人事異動がございましたので御紹介させていただきます。厚労省医薬局医薬安全対策課企画官の坂西義史でございます。事務局からは以上です。
それでは、以降の議事進行は岡部会長にお願いいたします。
○岡部会長 議事に入る前に、委員の出欠状況と審議への参加等について、事務局から御説明をお願いします。
○事務局 最初に、本日の委員の出席状況について御報告いたします。佐藤泰憲委員、多賀谷悦子委員、脇田隆字委員より御欠席との連絡がございました。このほか、石井委員からは遅れて御参加との御連絡を頂いております。本部会の委員25名中、現時点で21名の委員に御出席いただいておりますので、薬事審議会の規程により定足数に達していることを御報告申し上げます。
続いて、所属委員の薬事審議会規程第11条への適合状況の確認結果について報告させていただきます。薬事審議会第11条には、「委員、臨時委員又は専門委員は、在任中、薬事に関する企業の役員、職員又は当該企業から定期的に報酬を得る顧問等に就任した場合には、辞任しなければならない」と規定されております。今回、全ての委員より適合している旨を御申告いただいております。報告は以上です。
○岡部会長 ありがとうございました。ただいまの事務局からの御説明について、何か御意見や御質問等はありますか。よろしいでしょうか。続いて、事務局から配布資料について御説明をお願いします。
○事務局 資料はあらかじめメールにてお送りさせていただいておりますが、議題1に関しては資料1-1から1-10、議題2に関しては資料2-1から2-7、議題3に関しては資料3-1と3-2、議題4に関しては資料4がございます。このほか、議事次第・資料一覧、委員名簿、参考資料1から3をお送りしております。お手元に御用意のない方がいらっしゃいましたら、事務局までお知らせください。また、資料は厚生労働省ホームページにも掲載しておりますので、オンラインで傍聴されている方はそちらを御参照ください。
○岡部会長 それでは、議題1「医薬品等の市販後安全対策について」に入ります。事務局から御説明をお願いします。
○事務局 資料1-1、医薬品の使用上の注意の改訂について御説明いたします。令和6年10月に開催した令和6年度第2回医薬品等安全対策部会終了後から本日までの間に、改訂指示通知を発出した品目の一覧をお示ししております。資料には、改訂内容、改訂理由、直近3年度の国内外の副作用症例の集積状況などをまとめております。これらの使用上の注意改訂については、本部会の先生方に御確認いただいたものであり、また、改訂時にPMDAメディナビで配信するとともに、機構のホームページと医薬品・医療機器等安全性情報にも掲載しております。資料1-1については以上です。
○事務局 続いて、MID-NET及びNDBの行政利活用の調査実施状況について御説明します。資料1-2の1ページを御覧ください。昨年10月に開催された令和6年度第2回医薬品等安全対策部会終了後から本日までの間に、機構が調査結果を公表したものは、この表に記載している3件で、その内訳は、MID-NETを用いたものが2件、NDBを用いたものが1件です。このうち、調査結果を直接的な理由とはしていないものの、これらに関連した安全対策措置を実施したものが2件あります。「MID-NETを用いたボリコナゾールによるその他検査値異常のリスク評価」及び「MID-NETを用いたGLP-1受容体作動薬が処方された2型糖尿病患者における肝機能障害の発現状況の評価」になり、それぞれボリコナゾール、デュラグルチドについて使用上の注意を改訂しました。各調査の詳細の説明は割愛させていただきます。説明は以上です。
○事務局 続いて、ワクチンの安全性に関する評価について御説明いたします。資料1-3を御覧ください。令和6年10月25日及び令和7年1月24日に開催された安全対策調査会と厚生科学審議会予防接種・ワクチン分科会副反応検討部会との合同部会において、ワクチンの安全性について評価を頂きました。
1の(1)は新型コロナワクチンの接種及び副反応疑い報告の状況等についてです。令和6年10月25日に開催された合同部会にて報告した特例臨時接種期間における各新型コロナワクチンの報告状況を表1に、令和7年1月24日に開催された合同部会にて報告した任意接種開始後における各新型コロナワクチンの報告状況を表2にお示ししております。いずれの開催会においても、ワクチンの安全性に係る重大な懸念は認められないと評価されております。
2ページの(2)と5ページの(3)は、心筋炎及び心膜炎、死亡症例の評価についてです。特例臨時接種期間における心筋炎の評価については表3、心膜炎の評価については表4にお示ししております。また、任意接種開始後の心筋炎の評価については表5、心膜炎の評価については表6にお示ししております。特例臨時接種期間における死亡症例の評価については表7を、任意接種開始後の死亡症例の評価については表8を御確認ください。
7ページの(4)は、新型コロナワクチンの副反応疑い報告の速報となります。令和7年1月24日の合同部会では、令和6年10月1日から開始された新型コロナワクチンの定期接種に係る副反応疑い報告について、令和6年11月30日までに報告された症例の一覧を速報として報告いたしました。本速報において特定の副反応の集積は見られておらず、引き続き情報収集及び評価を進めることとされたことから、必要な整理を行った上で、次回以降の合同部会で評価を行う予定です。
なお、Meiji Seika ファルマ社のレプリコンワクチンであるコスタイベ筋注用については、参考資料として市販直後調査の3か月時点での中間報告も提示し御確認いただきました。中間報告の中で死亡例は2例報告されており、1例は88歳の男性が誤嚥性肺炎によって亡くなった症例であり、もう一例は70歳の男性が脱水・尿路感染症によって亡くなった症例でした。いずれも接種後20日以降に症状が発現していることも踏まえ、合同部会においては、詳細調査の結果を待つ必要があるものの、現時点では重大な懸念があるとは考えられないとおまとめいただきました。市販直後調査として報告された症例のうち、必要な症例については、今後、医療機関や製造販売業者から副反応疑い報告が提出されることから、必要に応じて専門家評価等も付した上で、次回以降の合同部会で評価を行う予定です。
7ページの2からは、新型コロナワクチン以外の各ワクチンの報告状況です。2の(1)は報告状況の概要であり、令和6年4月1日から令和6年6月30日までの期間における各ワクチンの報告状況については表9に、令和6年7月1日から令和6年9月30日までの期間における各ワクチンの報告状況については表10にお示ししていますが、これまでと比べて大きな変化はなく、新たな安全対策措置をとる必要はないとされています。なお、令和7年1月24日開催の合同部会より、沈降20価肺炎球菌結合型ワクチンが審議対象として追加されていますが、対象期間中の副反応疑い報告はありませんでした。
2の(2)は死亡症例についてです。死亡症例については、令和6年4月1日から令和6年6月30日までの対象期間に9例、令和6年7月1日から令和6年9月30日までの対象期間に2例の症例がそれぞれ報告されていますが、ワクチンと死亡との因果関係が否定できないものとされた症例はありませんでした。
ワクチンの安全性に関する評価については以上です。
○事務局 資料1-4、要指導医薬品のリスク評価について御説明いたします。資料7ページを御覧ください。要指導医薬品のリスク評価については、製造販売後調査及び副作用報告に基づいて、重篤な副作用の発生状況を評価し、製造販売承認の拒否事由に該当する状況にないことを確認し、要指導医薬品から一般用医薬品への移行の可否を判断するものですが、このリスク評価については、黒枠で囲っているマル1でお示ししているとおり、安全対策調査会で行い、その結果を本部会で報告することとなっています。本日は、この手続にのっとり、セイヨウトチノキ種子エキスについて、調査会での評価結果を部会に報告するものです。
資料1ページを御覧ください。販売名は「ベルフェミン」です。効能・効果は、「軽度の静脈還流障害(静脈の血流が滞ること)による次の諸症状の改善:足(ふくらはぎ、足首など)のむくみ、むくみに伴う足のだるさ・重さ・疲れ・つっぱり感・痛み」です。用法・用量は、「成人(18歳以上)1回1カプセル、1日2回朝夕食前に服用する」とされています。
製造販売後調査概要(使用成績調査報告書)を御覧ください。特別調査とは、個別に薬局と契約して、モニター店舗でアンケート調査票を配り、アンケートによる調査を実施するものです。この特別調査では、調査症例数1,651症例で、副作用が99例148件でした。このうち、重篤と判断された症例はなく、未知の副作用として報告されたものは資料に記載のとおりです。使用者若しくは薬剤師からの自発報告という形での一般調査では、51例76件の報告でした。
資料2ページに記載していますが、以上の内容について、参考人として循環器内科の専門家の参加の下で審議を行った結果、製造販売後調査において承認拒否事由に該当するようなリスクの高い副作用は発現していないことなどを踏まえ、要指導医薬品から一般用医薬品へ移行することは問題ないと評価されました。資料1-4の御説明は以上です。
○事務局 続きまして、資料1-5を御覧ください。令和6年12月4日付けで、医薬安全対策課長通知「インフルエンザウイルスを検出する体外診断用医薬品の添付文書等の自主点検等について」を発出しましたので御説明いたします。
まず、通知の背景になりますが、経鼻弱毒生インフルエンザワクチンという、鼻腔内に噴霧して使用するインフルエンザワクチンが、昨年、発売されました。このワクチンは、弱毒生インフルエンザウイルスが鼻咽頭部で増殖することで、免疫の誘導が期待されるものであるため、ワクチンの使用後一定期間は、インフルエンザウイルスを検出する体外診断用医薬品を使用した場合、その測定結果に影響が生じる可能性があります。実際、当該インフルエンザワクチンの添付文書においては、この内容が注意喚起されております。
これを踏まえ、体外診断用医薬品側でも同様の対応を求めることにしました。具体的な内容ですが、一つ目は、インフルエンザウイルスを検出する体外診断用医薬品において、経鼻弱毒生インフルエンザワクチンを接種した測定対象者の検体を使用した場合に、測定結果が影響を受ける可能性があるか確認することです。その結果、影響を与える可能性があると判断されたものについては、添付文書上に適切な注意喚起があるかどうかを確認していただくというのが二つ目です。三つ目として、記載がなかったり、不十分な場合には、添付文書を改訂して、医療現場の皆様に対して情報提供を行っていただき、四つ目として、確認結果と添付文書の改訂の対応状況について、12月27日までに機構に報告をしていただくといった内容です。
自主点検の結果、約30社から約80製品の報告があり、そのうち添付文書改訂済みの製品は4割ほどでしたが、残りの製品についても、おおむね本年2月までに対応が完了している状況です。資料1-5の御説明は以上です。
○事務局 続きまして、資料1-6-1、1-6-2について、ニトロソアミン類の混入リスクに関する自主点検結果を踏まえたリスク管理措置に係る薬事手続の通知、事務連絡となります。
資料1-6-1、ニトロソアミン類の混入リスクに関する自主点検に基づくリスク管理措置に係る薬事手続についてを御説明させていただきます。医薬品におけるニトロソアミン類の混入リスクに関する自主点検については、本年8月1日をリスク低減措置の実施期限としており、そのリスク管理措置に関する薬事手続上の取扱いを定めたものとなります。
2ページを御覧ください。記の1.は、これまでの繰り返しとはなりますが、限度値を超えるニトロソアミン類の混入が確認された品目については、厚労省等に速やかに報告するとともに、必要なリスク管理措置を講じること。2.は、限度値を超えないニトロソアミン類の混入が確認された品目についても、ニトロソアミン類の規格値の追加、製法変更、処方変更等の適切なリスク管理措置を講じる必要があること。3.は、薬事手続に当たり、懸念が生じた場合は機構に相談することとしており、遅滞なく進めるよう求めております。
資料1-6-2についてですが、先ほどの通知に関する質疑応答集となります。通知の2.で言及された規格値の追加に関する内容のほか、承認書の記載、相談先の補足となっております。資料1-6-1、1-6-2の説明は以上となります。
○事務局 資料1-7を御覧ください。令和6年12月17日付けで、医薬安全対策課事務連絡「新型コロナウイルス感染症に対する経口抗ウイルス薬ゾコーバ錠125mg及びラゲブリオカプセル200mgの妊娠する可能性のある女性への投与に係る情報提供(電子化された添付文書の改訂及び資材の活用徹底等について)」を発出しましたので、御説明いたします。
新型コロナウイルス感染症の患者を対象とした経口抗ウイルス薬のゾコーバ及びラゲブリオについては、妊婦及び妊娠している可能性のある女性への投与は禁忌とされていることから、医薬品リスク管理計画(RMP)に基づき作成された医療従事者向け資材及び患者向け資材の活用の徹底をお願いする等、妊婦及び妊娠している可能性のある女性への投与が行われることがないよう、対策を行っておりました。しかしながら、ゾコーバ又はラゲブリオの投与後に妊娠が判明した症例の報告が継続していたことから、令和6年12月4日の安全対策調査会にて追加の安全対策措置を審議した結果、ゾコーバ及びラゲブリオの使用上の注意において、妊娠する可能性のある女性への投与に際しては、投与の必要性を十分に検討すること、並びに、投与が必要と認められる場合には、患者が妊娠していないこと及び妊娠している可能性がないことへの確認を注意喚起することになり、令和6年12月17日付けで、医薬安全対策課長通知「「使用上の注意」の改訂について」を発出しました。
本事務連絡は、当該通知発出に伴い発出したものであり、妊娠する可能性のある女性への投与に際しては、その要否について慎重に検討すること、投与が必要と認める場合には、医療従事者向け及び患者向けのRMP資材を活用し、投与開始前の患者への説明並びに妊娠していないこと及び妊娠している可能性がないことの確認を徹底すること、医療従事者向け及び患者向けRMP資材は改訂されているため、最新の資材を活用すること、服用後の患者から妊娠に関する相談があった場合は、国立成育医療研究センターの妊娠と薬情報センター又は近隣の産婦人科医に相談が可能であることを周知しております。資料1-7の御説明は以上です。
○事務局 続いて、資料1-8を御覧ください。令和7年1月31日付けで、医薬品審査管理課長・医薬安全対策課長通知「「向精神薬が自動車の運転技能に及ぼす影響の評価方法に関するガイドライン」の補遺について」を発出しましたので、御説明いたします。
既承認薬の抗不安剤、催眠鎮静剤、抗てんかん剤、抗うつ剤等の向精神薬については、大部分の薬剤の添付文書において、自動車運転等の危険を伴う機械の操作に従事させないことを規定していますが、向精神薬として開発される新医薬品の自動車の運転技能に及ぼす影響の評価方法については、令和4年に医薬品審査管理課長・医薬安全対策課長通知「向精神薬が自動車の運転技能に及ぼす影響の評価方法に関するガイドライン」により示したところです。今般、当該ガイドラインが推奨する非臨床試験及び臨床試験により得られた情報に基づき、向精神薬が自動車の運転技能に及ぼす影響の程度を判定するに当たっての基本的考え方を、ガイドラインの補遺として作成したため、本年1月31日付けで、医薬品審査管理課との連名通知として発出しました。なお、向精神薬が自動車の運転技能に及ぼす影響の判定区分は、表1のとおり、カテゴリー0~3の四つに区分されておりますが、実際の添付文書での注意喚起内容については、製造販売後調査や副作用報告を含む疫学研究等を考慮して総合的に判断し規定することが適切であることから、具体的な内容は規制当局と相談することとしております。資料1-8の御説明は以上です。
○事務局 資料1-9、10について御説明いたします。近年、10代~20代の若者を中心に、鎮咳去痰薬等の市販薬を乱用し、救急搬送や薬物依存に陥る事例が急増しており、社会問題化しているところ、いくつか対策を講じておりますので御紹介いたします。
資料1-9「過量服薬による少年の非行等の防止に向けた警察庁からの協力依頼について」は、昨今、一般用医薬品等を乱用した若者が非行に及ぶ、または犯罪被害に遭う状況が生じていることから、警察庁より協力依頼がありました。それを受けて、薬局開設者等の医薬品販売業者に対し、万引き対策の徹底及び万引き・不審動向があった際の警察の通報等、並びに都道府県衛生主管部(局)・関係団体に対し、警察と情報共有体制の構築などの連携強化を依頼いたしました。今後も、関係省庁と連携の上、一般用医薬品等の乱用に対し、対応してまいります。
資料1-10「「学校薬剤師・地区薬剤師会を活用したOTC濫用防止対策事業」成果物の公開について」は、先ほど申し上げた市販薬の乱用実態があり、若者に対する予防啓発や相談・支援体制の整備が求められていることを受けて、厚生労働省では今年度「学校薬剤師・地区薬剤師会を活用したOTC濫用防止対策事業」を実施いたしました。本事業では、市販薬の乱用防止を目的とした啓発用資材(冊子・動画)を作成するとともに、薬局等において市販薬を販売する薬剤師、登録販売者等を対象として、市販薬の乱用に苦しむ若者を適切な支援先につなぐこと等を目的とした対応マニュアルを作成し、厚生労働省ホームページで公開しており、その旨を都道府県や関係団体に周知しております。合わせて、本年3月2日に学校薬剤師及び一般用医薬品を販売する薬剤師、登録販売者等を対象にした専門家向けセミナー並びに若者及びその家族等を対象とした一般向けセミナーをオンライン配信形式で実施いたしました。なお、実施したセミナーの動画のアーカイブについては、後日、厚生労働省ホームページでの公開を予定しています。資料1-9、10の御説明は以上です。
○医薬安全対策課長 議題1関係の御説明については以上です。
○岡部会長 ありがとうございます。それでは、ただいまの事務局からの御説明に対して御意見、御質問等はございますか。藤原委員、お願いいたします。
○藤原委員 聞こえますか。
○岡部会長 はい。
○藤原委員 資料1-3の7ページの所で、(4)新型コロナワクチンの副反応疑い報告の速報の中で、下から5行目くらいに、死亡例が2例報告されているということです。先ほどのお話だと20日以上たっての死亡ということで、誤嚥性肺炎と脱水という説明だったのですが、これは関連が疑われる死亡ということで上がってきたものだと思うのですが、報告の基準というのは何かあるのですか。20日以上たってということと、誤嚥性肺炎や脱水だと、関連があるとは余り思えないのですが、これはどういう感じで上がってきているのかというのが一つです。
まとめて質問させてもらいます。資料1-4ですが、この要指導医薬品のリスク評価についてということで、7/7の一般用医薬品への移行の流れを見ると、安全対策部会で最終評価ということになっています。あくまで今回は報告ということでされていますが、評価というのは何かここで決定しなければいけないようなことになるのかというのが二つ目です。それから、資料1-5ですが、インフルエンザウイルスを検出する体外診断用医薬品の添付文書等の自主点検等についてということで、添付文書の改訂が終了しているものが、2月末の時点でほぼ終了しているという説明だったのですが、「ほぼ」というのはどのぐらいなのですかということと、例えばいつまでに改訂してくださいというような指示を出しているのか。この3点を伺いたいです。以上です。
○岡部会長 それでは、お願いします。
○医薬安全対策課長 ありがとうございます。まず1-3から御説明をさせていただきます。ワクチンの副反応報告ですが、特に報告の基準が明示的にあるものではございません。予防接種法に基づく副反応については、幾つか指定をする症状について、一定期間に発生したものについては報告を頂くというような制度となっていますが、それ以外に、医療関係者の方あるいは製造販売業者が、因果関係の可能性があるということであれば、その発生の時期あるいは内容にかかわらず、報告をしていただくというものです。
今回は直後調査ということで、承認して実際に投与が始まってから半年間、かなり緊密に企業の医療情報担当者が病院を訪問して有害事象を集めてきていますので、今回、速報という形でお話をさせていただきましたが、今後、改めて副反応疑いの報告の要否も含めて詳細調査をした上で報告を頂き、これをまた調査会のほうで評価いただくということになっております。
○安全対策課長補佐 それから、資料1-4について御質問を頂いた点です。資料1-4の7ページですが、今回のベルフェミンという品目については、再審査期間が終了するのに伴いまして、この表でいきますとマル1の所、まず、要指導医薬品から一般用医薬品の第1類医薬品に移行してよいかというところの御判断を頂くものです。これについては、安全対策調査会で審議いただいて、部会では御報告というような扱いになっています。その後、その1年後に1類から3類のどこに振り分けるのかという御判断を、また頂くことになります。ここでは、調査会で事前の審議を頂いた上で、パブコメを経て、安全対策部会できちんと審議いただいた上で、答申を頂いて、告示の改正という手続を取ることになっております。以上です。
○事務局 1-5に関しまして、御回答を申し上げます。まず、体外診断薬の添付文書の改訂状況ですが、1月22日の段階で、81製品のうち31製品に関して改訂が終わっているという状況です。最新のものは手元にないのですが、こういった形で、まず数字としては手元にある状況です。また、いつまでにというお尋ねですが、この通知では、各企業に対して、速やかに添付文書の改訂の手続を行いなさいということを指示をしているところです。なお、各企業におきましては、例えば、国内の添付文書であっても、海外の製造元との協議の上で改訂をしなければならないといった、それぞれの事情がありまして、多少時間が掛かっている製品もあるという状況です。1-5に関して、御回答は以上です。
○岡部会長 藤原委員、いかがでしょうか。
○藤原委員 分かりました。最初のものは、疑い報告についてはそのように対応していただくということでよろしいかと思います。2番目については、私の勘違いということで、報告でよいということで、それは結構です。三つ目についても、今の内容で、あくまで自主点検ということでもありますし、あるいは海外との関係もあるという説明であれば理解できますので。ただ、診断に関わることだと思いますので、できるだけ早めに対応してもらうことが必要だと思いますので、対応をお願いします。以上です。
○岡部会長 ありがとうございました。そのほかはいかがでしょうか。よろしいでしょうか。そうしましたら、議題1の報告は以上となります。
それでは、議題2「医薬品等の副作用報告の状況について」に入りたいと思います。事務局から御説明をお願いします。
○事務局 それでは資料2-1を御覧ください。医薬品医療機器等法第68条の12の規定に基づき、厚生労働大臣は、副作用等の報告状況について薬事審議会に報告することとされておりますので、本資料に基づき御説明いたします。今回の報告期間は、令和6年8月1日から令和6年11月30日までです。
資料の1.には、製造販売業者からの副作用報告と感染症報告の状況をお示ししております。(1)には国内症例、(2)には外国症例の報告件数をお示ししております。国内症例について、副作用報告は前回と比べてやや増加していますが、変動の範囲内と考えております。感染症報告は、前回と比べて減少していますが、こちらも変動の範囲内と考えております。国内副作用報告の23,404件のうち、約420件はコロナワクチンに関する報告であり、コロナワクチンの報告に関しては、前回報告と比べほぼ横ばいでした。(1)の国内症例の内訳は、資料2-2にまとめてお示ししております。
(3)には、医薬品たるコンビネーション製品における機械器具等に係る部分の不具合報告件数をお示ししております。医薬品たるコンビネーション製品とは、インスリンペン注等、機械器具等と一体的に販売するものとして承認を受けた医薬品をいうものであり、例えばインスリンペンのペン部分の故障といった不具合の報告件数を示したものです。医療機器・再生医療等製品安全対策部会への報告件数を再掲していることから、本資料の中でこの箇所のみ報告期間が異なることに御留意ください。この内訳についても、(1)と同じく、資料2-2にまとめてお示ししております。
(4)には、外国での新たな措置の報告件数をお示ししております。前回と比べてやや減少しておりますが、変動の範囲内と考えております。内容については、資料2-3にお示ししております。
(5)には、研究報告の報告件数をお示ししております。こちらは前回と比べてほぼ横ばいとなっております。報告された文献等のリストは、資料2-4にお示ししております。
続いて、2.医薬関係者からの報告について御報告いたします。ワクチン類を除く医薬品の副作用報告とワクチン類の副反応報告とに分けてお示ししており、これらのうち、重篤症例については、企業若しくは独立行政法人医薬品医療機器総合機構が詳細調査を行うこととしておりますので、重篤なものの件数及びそのうち機構が詳細調査を行った報告の件数についてもお示ししております。このうち、ワクチン類を除いた医薬品の副作用報告の件数は、前回報告と比べてほぼ横ばいでした。ワクチン類の副反応報告及び予防接種後副反応疑い報告の件数についても、ほぼ横ばいでした。なお、機構が詳細調査を行った報告の内訳については、資料2-5にまとめてお示ししております。
最後に、3.副作用救済給付又は感染症救済給付に係る疾病、障害及び死亡の報告について御報告いたします。報告期間内に救済給付に関する決定がなされたものの件数を、副作用救済給付、感染症救済給付についてお示ししております。なお、その内訳は資料2-6にまとめてお示ししております。資料2-1から2-6については以上です。
○事務局 続いて、患者からの医薬品副作用報告の状況について御説明いたします。資料2-7を御覧ください。患者からの医薬品副作用報告の状況については、今回報告分は、令和6年8月1日から令和6年11月30日までの分です。今回の報告期間中の総受付症例数は75例でした。そのうち、未回復、後遺症がある又は死亡したと報告された症例は54例でした。75例の内訳として、医療用医薬品を一つでも含む報告は72例であり、要指導・一般用医薬品を一つでも含む報告は4例でした。全症例の副作用報告の状況は、医療用医薬品については別紙1に、要指導・一般用医薬品については別紙2に、それぞれラインリストを示しております。医療用医薬品について報告された副作用のうち、報告の多い薬効分類は、上からワクチン類、催眠鎮静剤・抗不安剤、精神神経用剤でした。資料2-7については以上です。
○医薬安全対策課長 議題2の御説明は以上です。よろしくお願いいたします。
○岡部会長 ただいまの事務局からの御説明に対し、御意見や御質問等を頂けますか。藤原委員、お願いいたします。
○藤原委員 最後の資料2-7の患者からの医薬品副作用報告の状況についてで、総数75例のうち、回復していない、後遺症がある又は死亡したと報告されたものが54例です。
中身はかなり濃いものだと思うので、その内訳を教えていただければと思います。
○岡部会長 事務局、いかがでしょうか。
○事務局 54例の内訳ですけれども、未回復が38例、後遺症ありが14例、死亡が2例となっております。
○藤原委員 ありがとうございます。この詳細は、後ろにリストになって載っているものだと思いますけれども、この死亡例2というのは何なのか、これは詳しいことが分かってないのでしょうか。
○事務局 令和6年8月1日から令和6年11月30日までに受け付けた症例75例のうち、転帰が死亡とされている症例が2例でした。こちらについては、副作用を治療したという報告がなかったものが1例と、追加の調査を行ったものが1例となっております。
○藤原委員 結局どうだったのだろう。因果関係がはっきりしているのですか。
○医薬安全対策課長 1例については、投与時のカルテの情報がなく、評価不能となっております。もう1例については、副作用を発現した際に治療を行った医療機関等の情報がなく、フォローアップ調査が不可能ということで、そこで止まっているという状況です。
○藤原委員 その後はどうなるのですか。それについては分からないで、そのままうやむやになってしまうような感じの処理をされるものなのでしょうか。そもそも、どのような薬で、どのようなことが起こったのかが、ちゃんとフィードバックされればいいのですけれども、ただ報告だけで終わってしまうような感じの仕組みでなければいいなというのが、感想というか意見です。
○医薬安全対策課長 一般の患者からの副作用報告ということで、重篤なものを含めて、あらかじめ御報告を頂く際に、差し支えなければ医療機関に対して追加情報を取らせていただくということを報告者にも説明して、御了解を頂いた症例については、医療機関側に専門的な観点から意見をお伺いする詳細調査をさせていただいています。ただし、患者の許諾あるいは情報の中で、そこまで至らないものもあり、必ずしも全てのものについて詳細な情報が入っているわけではありません。追加の情報も含めて、機構で内容を確認し、因果関係の評価や蓄積状況なども含めて評価をして、必要なものについては、医薬関係者あるいは製造販売業者の方々から頂く報告と同様に、安全対策に生かしていくということです。今回は2例ということで、これをもってすぐに安全対策につながるということではありませんが、症例の蓄積も含めて、今後の安全対策に生かしていくという形で対応させていただきたいと考えております。
○藤原委員 ありがとうございます。せっかく頂いた情報なので、漏れのないように対応していただければと思いました。以上です。
○岡部会長 そのほかにいかがでしょうか。小宮根委員、お願いいたします。
○小宮根委員 小宮根です。よろしくお願いします。何か新しい薬が出たときに、患者から「これは副作用ではないか」と言ってくることがあります。明らかに因果関係があれば、こういった所に報告するのですけれども、そうでない場合もかなりあって、そういうときに、どの程度のものを御報告すればいいのか、少し分からないところがあるのですが、その辺りはいかがでしょうか。
○医薬安全対策課長 医師を含めた医療関係者からの御報告については、正に御専門の観点から因果関係を評価いただくということですので、もちろん、患者からの申出があって、それをいろいろ確認したときに、副作用ではないという御判断があれば、副作用としての報告は不要になります。先ほど御紹介したのは、患者自身が疑ったときに私どものほうに報告を頂戴するというシステムで、患者のほうで気になることがあれば報告を頂くと、そういうルートも確保しているということです。
○小宮根委員 よく分かりました。ありがとうございます。
○岡部会長 ありがとうございました。そのほかにいかがでしょうか。よろしいでしょうか。
それでは、次に進めさせていただきます。議題3「医薬品の感染症定期報告の状況について」にいきます。事務局より御説明をお願いします。
○事務局 それでは、議題3の医薬品の感染症定期報告の状況について、資料3-1と3-2に沿って御説明いたします。
まず、感染症定期報告について、制度の概要を御説明させていただきます。医薬品医療機器等法に基づく副作用等報告においては、製造販売業者から、その製造販売をする医薬品によるものと疑われる副作用・感染症を報告することが義務付けられております。他方で、血液製剤やワクチン等の生物由来製品については、その原料はヒトその他の生物に由来するため、細菌、ウイルス等が含まれている可能性が完全には否定できません。また、その感染症自体の性質として、時間の経過に伴い軽減することなく一定期間後に症状が顕在化してくる可能性もあります。このような性質も踏まえ、生物由来製品については、製品への直接的な影響が不明であるものも含め、定期的に製品の原料、材料による感染症に関する報告を行うことが義務付けられており、これが感染症定期報告です。なお、感染症定期報告で寄せられたものは、本医薬品等安全対策部会のほか、血液事業部会運営委員会において報告を行っております。以上が感染症定期報告の概要です。
資料は3-1と3-2がありますが、資料3-2が重複を含む期間中の全ての報告となっております。そのうち、重複や過去に報告されたものを整理し、今回の期間に新規に報告されたものをまとめたものが資料3-1です。それでは資料3-1を御覧ください。今回の報告は、令和6年8月1日から令和6年11月30日までに報告されたものをまとめております。詳細な説明は省略いたしますが、今回新たに報告された文献は108件ありました。これらの報告について、国立感染症研究所の脇田委員と宮﨑委員、国立医薬品食品衛生研究所の澤田委員に、事前に御確認いただいておりますが、この場で紹介すべきコメントは頂いておりません。議題3については以上です。
○岡部会長 ありがとうございます。何か御意見、御質問等はありますか。よろしいでしょうか。それでは、議題3の報告は以上です。
それでは、議題4「その他」に入りたいと思います。事務局から御説明をお願いします。
○医薬品医療機器総合機構 それでは、資料4の患者副作用報告システムの改修等について、機構より説明させていただきます。
機構では、医薬品の安全対策に活用する目的で、患者又は御家族からの医薬品による副作用報告について、オンライン又は郵送にて受け付けているところです。オンラインの報告システムについては、令和4年改正薬機法における国会審議の附帯決議において、報告者の利便性向上等の目的のため、方法の改善等の必要性が指摘されました。
これを受けて、令和5年度に、スマートフォンによる報告の利用環境を整備し、報告方法を改善する等のシステム改修を行っています。また、令和6年度には、広報資材等の作成ということで、ロゴやキャラクターの作成を行い、一般の方向けの広報資材や、医薬関係者からも患者副作用報告の御案内を頂けるように、医薬関係者向けのリーフレット等を作成しています。オンライン報告のシステムについても、分かりやすい操作マニュアルを作成して公表しています。引き続き、患者副作用報告の御案内について周知・啓発を進めてまいります。以上が報告です。
○岡部会長 ただいまの事務局からの説明に関して、御意見、御質問等はありますか。よろしいでしょうか。それでは、議題4の報告は以上となります。予定していた議題は以上ですけれども、事務局から何かありますか。
○事務局 会議冒頭にて、岡部会長より、部会長代理として石井委員を御指名いただきました。石井委員が御入室されておりますので、一言御挨拶を頂けますか。
○石井部会長代理 ありがとうございます。石井でございます。冒頭、院内対応のために少し遅れましたこと、おわび申し上げます。御指名どおり務めたいと思いますので、どうぞよろしくお願いいたします。
○事務局 ありがとうございました。本部会の次回の開催は、委員の先生方に改めて御連絡をいたしますので、よろしくお願いいたします。事務局からは以上です。
○岡部会長 以上で本日の部会を閉会とさせていただきます。本日はありがとうございました。
( 了 )
- 備考
- 本部会は、公開で開催された。
照会先
医薬局
医薬安全対策課 課長補佐 (内線2752)




