薬事審議会血液事業部会令和7年度第1回安全技術調査会議事録
日時
令和7年9月30日(火)17:00~19:00
場所
Web併用形式
AP虎ノ門 会議室A
AP虎ノ門 会議室A
出席者
- 出席委員(8名):五十音順、敬称略 ◎座長
-
- 朝比奈 靖浩
- 天野 景裕
- 池田 和彦
- 石井 明子
- ◎大隈 和
- 瀬尾 幸子
- 玉井 佳子
- 水上 拓郎
- 欠席委員(2名):五十音順、敬称略
-
- 荒戸 照世
- 脇田 隆字
- 国立健康危機管理研究機構 国立感染症研究所:敬称略
-
- 関 洋平
- 手塚 健太
- 日本赤十字社:敬称略
-
- 谷 慶彦
- 後藤 直子
- 事務局:
-
- 岩崎 容子(血液対策課長)
- 金子 健太郎(血液対策課長補佐)
- 源 周治(血液対策課長補佐)
議題
1.座長の選出及び座長代理の指名について
2.感染症安全対策体制整備事業について
3.NATコントロールサーベイ事業について
4.令和6年度の血液製剤安全性確保の取組
2.感染症安全対策体制整備事業について
3.NATコントロールサーベイ事業について
4.令和6年度の血液製剤安全性確保の取組
配布資料
資料ページをご参照ください。
議事
- 議事内容
○源血液対策課長補佐 皆様、定刻となりましたので、「薬事審議会血液事業部会令和7年度第1回安全技術調査会」を開催いたします。本日は、お忙しい中、御参集いただき、誠にありがとうございます。この度は、御参加いただく方の利便性等の観点から、Web併用での審議とさせていただきます。また、本日の会議は公開で行いますが、カメラ撮りは議事に入るまでとさせていただきます。マスコミ関係者の方々におかれましては、御理解と御協力をお願いいたします。
この度、薬事審議会血液事業部会委員等の改選がございました。本会議において、座長が選出されるまでの間、私が進行役を務め議事を進めさせていただきますので、よろしくお願いいたします。改めまして、安全技術調査会に所属する委員の方々を、お手元の委員名簿に沿って御紹介申し上げます。朝比奈靖浩委員、天野景裕委員、荒戸照世委員、池田和彦委員、石井明子委員、大隈和委員、瀬尾幸子委員、玉井佳子委員、水上拓郎委員、脇田隆字委員。今回から新たに着任された池田委員、瀬尾委員より御挨拶を頂けますと幸いです。それでは、池田和彦委員、お願いいたします。
○池田委員 福島医大の池田と申します。この度、委員を拝命いたしました。私は、もともとのバックグラウンドは血液内科医なのですけれども、現在、現場で輸血の管理をしている立場になります。よろしくお願いいたします。
○源血液対策課長補佐 池田委員、ありがとうございました。
本日の委員の出席状況ですが、荒戸委員、脇田委員より御欠席との御連絡を頂いております。瀬尾委員におかれましては、この後、入室、御参加を頂けると伺っております。現時点で、安全技術調査会10名中8名、瀬尾委員も含め8名に御出席いただけることを御報告いたします。
また、本日は、参考人として国立健康危機管理研究機構 国立感染症研究所より、関洋平次世代生物学的製剤研究センター第1室長、手塚健太次世代生物学的製剤研究センター第2室長に御出席いただいております。加えまして、日本赤十字血液事業本部より、谷血液事業経営会議委員、後藤技術部次長に御出席を頂いております。どうぞよろしくお願いいたします。
現在、瀬尾委員が入室されたということで、瀬尾委員、御挨拶を一言頂いてもよろしいでしょうか。
○瀬尾委員 すみません、遅くなってしまいまして、どうぞよろしくお願いいたします。
○源血液対策課長補佐 どうぞよろしくお願いいたします。続きまして、本日は改選後初めての会議ですので、委員の皆様に御留意いただきたい事項につきまして、2点御説明いたします。
第一に、守秘義務の関係です。国家公務員法第100条において、「職員は職務上知り得ることのできた秘密を漏らしてはいけない。その職を退いた後といえども同様とする。」と規定されております。委員の皆様は、非常勤の国家公務員としてのこの規定の適用を受けますので、職務上、知り得た秘密について漏らすことのないようお願い申し上げます。
第二に、薬事に関する企業等との関係です。薬事審議会規程第11条において、「委員、臨時委員又は専門委員は、在任中、薬事に関する企業の役員、職員又は当該企業から定期的に報酬を得る顧問等に就任した場合には辞任しなければならない。」と規定されております。審議の忠実性、公平性を確保する観点から規定されておりますので、これらに該当する場合、又は任期中に該当することになった場合は、速やかに事務局に御連絡いただくようお願い申し上げます。なお、ただいま御説明した薬事審議会規程第11条につきましては、全ての委員の皆様より適合している旨を御申告いただいておりますので、御報告させていただきます。委員の皆様には、会議開催の都度、書面を提出していただいており、御負担をお掛けしておりますが、引き続き御理解、御協力を賜りますよう、何とぞよろしくお願い申し上げます。
議事に入る前に、会場にお越しいただいている委員の皆様におかれましては、本日の資料の確認をお願いします。タブレット上に、「1.議事次第」から「7.資料3」までのPDFファイルが表示されているか御確認をお願いします。ファイルが表示されていない場合や不足がある場合には、お近くの職員にお声掛けください。
本日はWeb併用での審議のため、対面での進行と一部異なる部分がありますので、審議の進行方法について御説明させていただきます。審議中に御意見、御質問をされたい委員におかれましては、まず、挙手等により発言したい旨をお示しいただきますようお願いいたします。その後、座長から順に発言者を御指名いただきます。御発言いただく際は、マイクがミュートになっていないことを御確認の上、御自身のお名前を明示し御発言ください。また、ノイズを減らすため、御発言が終わりましたら、マイクをミュートにしていただきますようお願いいたします。間もなく議事に入りますので、カメラ撮影はここまででお願いします。
これまでの説明に御質問、御意見等はございますか。それでは、議事に入ります。議題1「座長の選出及び座長代理の指名について」です。安全技術調査会の設置要綱第4条第1項に基づき、座長は委員の互選により選出することとされております。どなたか御推薦いただけますでしょうか。朝比奈委員、お願いします。
○朝比奈委員 東京科学大学消化器内科の朝比奈でございます。座長には、大隈和委員を御推薦申し上げたいと思います。どうぞよろしくお願い申し上げます。
○源血液対策課長補佐 ありがとうございます。ただいま、朝比奈委員より大隈委員を座長に御推薦いただきましたが、皆様、いかがでしょうか。ありがとうございます。御異議はございませんでしたので、大隈委員が座長に互選されました。それでは、大隈委員におかれましては、一言御挨拶をお願いいたします。
○大隈座長 ありがとうございます。関西医科大学の大隈と申します。私のバックグラウンドは微生物学でございますけれども、今回、このように推薦を頂きまして、誠にありがとうございます。不慣れな点が多々あるかと存じますけれども、何とぞよろしくお願いいたします。
○源血液対策課長補佐 ありがとうございました。それでは、以降の進行は、大隈座長にお願いいたします。
○大隈座長 それでは、議事を進めます。安全技術調査会の設置要綱第4条第3項に基づきまして、座長があらかじめ座長代理を指名することとされております。そこで、座長代理は水上委員にお願いしたいと思いますが、水上先生、よろしいでしょうか。
○水上座長代理 はい。よろしくお願いいたします。
○大隈座長 ありがとうございます。では、よろしくお願いいたします。それでは、続く議事に入ります。議題2「感染症安全対策体制整備事業について」、まずは事務局より説明をお願いします。
○源血液対策課長補佐 感染症安全対策体制整備事業は、新たな病原体が移入した場合などに備えて、血液対策課が国立健康危機管理研究機構 国立感染症研究所に実施を依頼している事業です。令和6年度の実績の報告について、関参考人よりお願いいたします。
○国立感染症研究所関参考人 時間の関係で一部割愛しながらの御説明となりますことを御了承いただけますと幸いです。
1.事業概要について御説明いたします。輸血用血液製剤を含む血液製剤は、ヒトの血液を原料とするためウイルス等の病原体混入のリスクが存在します。病原体スクリーニング検査の精度向上等により既存の感染症のリスクは低下しましたが、海外で発生する新興・再興感染症については日本国内に移入され、病原体が血液に混入することが想定されるため、新たなリスクが生じた場合の迅速かつ的確な対応ができる体制について検討し続ける必要があります。
そのため、我々は平成25年度より厚生労働省血液対策課及び日本赤十字社と連携し、新たな病原体の移入に備えるべく「感染症安全対策体制整備事業」を継続して実施しております。これまでに行ってきた事業内容を図A又は表Aに示しておりますので、御参考にしていただければ幸いです。
令和6年度は、2023年から現在にかけて世界的に流行しておりますデング熱の原因ウイルスであるデングウイルスに対する核酸検査の精度管理のための国内参照品を整備し、多施設共同測定により値付けを行いました。さらに、新たな取組として、血液製剤の血清学的背景を明らかにすることを目的とした献血血液を用いたサーベイランス体制の構築や献血検体においてBSL3病原体が陽性となった際の検査体制の構築を推進いたしました。
次に、2.実施内容について御説明いたします。初めに、国内参照品の整備についてです。デング熱は2023年以降急速に増加しており、2024年には感染率が過去最高となり、112か国・地域で発生が確認され、1,430万件を超える症例と1万576人の死亡例がWHOより報告されました。
特にアジアにおいて感染が拡大しており、ラテンアメリカやアフリカにも感染が広がっています。また、2025年上半期においても、94か国・地域から360万件の症例と1,900人以上のデング熱関連死亡例がECDCより報告されています。本邦では2020年以降国内感染例は確認されていませんが、輸入症例数は2021年8例、2022年99例、2023年175例、2024年232例と増加傾向にあります。
デング熱はネッタイシマカ等の蚊によって媒介されるデングウイルスの感染症ですが、約80%は不顕性感染であるため、無症候感染者が献血ドナーとなる可能性を否定できず、血液の安全性確保のためには検出感度の向上や検査精度の管理が求められます。我々は本事業において、これまでにデングウイルスに対するマルチプレックス核酸検査法の開発を行なっていることから、令和6年度は核酸検査法の精度管理に用いる国内参照品の整備を行いました。
次に、研究方法及び結果についてです。デングウイルスは、フラビウイルス科に属するウイルスで4つの血清型に分類されます。国内参照品作製に使用したデングウイルスは、国立健康危機管理研究機構国立感染症研究所ウイルス第一部より分与頂きました。ウイルスは国際標準品の不活化法と同様の方法で、酸処理15分及び60℃1時間の加熱処理を組み合わせて不活化を実施しております。その結果を図1及び図2に示しています。
最終的に血漿由来ベースマトリックスを用いて作製した参照品を希釈し、それぞれ400本ずつ参照品を作製いたしました。また、作製した参照品が本不活化処理により十分に不活化されていることを確認するため、参照品をデングウイルス感受性細胞であるアフリカミドリザル腎臓由来細胞株Vero9013細胞に添加し、3継代(13日間)培養し、細胞変性効果(CPE)が認められないこと及び核酸レベルでのウイルス増殖も認められないことを確認しております。
次に、共同測定及び値付け値の算出についてです。日本赤十字社及び国立感染症研究所を含む7施設(栄研化学株式会社、タカラバイオ株式会社、日本ベクトン・ディッキンソン株式会社、日本ロシュ株式会社、グリフォルス株式会社)において、定性法(7施設)及び定量法(1施設)による核酸量の値付けを実施いたしました。測定方法の詳細については割愛いたしますが、定性法では、核酸量の絶対値はプロビット法を用いた最尤推定法により63%が陽性となるときの希釈倍率を算出し、測定に用いた検体量、抽出容量、PCR反応に用いた容量を考慮しNAT detectable units/mL(U/mL)として算出いたしました。
定量法では、核酸量既知のスタンダードRNAを国立感染症研究所ウイルス第一部より分与いただき、それを用いて定量いたしました。また、同時に国際標準品を測定し、定性法では希釈倍率とCt値を、定量法では希釈倍率とコピー数を用いた平行線定量法によって国際標準品に対する国内参照品の相対値を算出し、International unit/mL(IU/mL)を付与いたしました。DENV-1、DENV-2、DENV-3、DENV-4の国内参照品の値付け値は、それぞれ、6.92 Log10 IU/mL、6.99 Log10 IU/mL、7.23 Log10 IU/mL及び6.63 Log10 IU/mLでした。その結果を表1に示しております。
国内参照品を用いた相対評価による施設間差の改善についてです。共同測定に参加した各施設における国内参照品の核酸量の絶対値を図3左側のヒストグラムに示し、国際標準品の核酸量の絶対値を図3中央のヒストグラムに示しています。数値は施設番号を示しています。さらに、国際標準品の値を基に相対的に算出した国内参照品の核酸量を図3右側のヒストグラムに示しました。グレー塗りの施設のデータは相対力価を算出できなかったため棄却いたしました。全ての国内参照品において相対評価によりヒストグラムの横幅が縮小し、施設間差の改善が認められ、参照品整備の有用性が示されております。
次に、考察です。本事業において、2023年から現在にかけて世界的に流行しているデング熱の原因ウイルスであるDENV-1、DENV-2、DENV-3、DENV-4の国内参照品を整備し、国際単位(IU/mL)での核酸量を付与しました。DENV感染者では無症候でのウイルス血症があり、血中濃度も高く、輸血での感染事例が海外において報告されています。
本邦でも2014年に海外から国内に持ち込まれたウイルスがヒト→蚊→ヒト感染により広がり、多くの国内感染例が報告されたことから、無症候感染者が献血するリスクを否定することはできません。そのため、大規模なアウトブレイク発生に備え、検査体制の構築や試験精度管理に使用可能な不活化ウイルス由来の参照品を整備しておくことは血液の安全性確保において重要であると考えます。
DENV-1~4の国際標準品はFDAにより作製され、2016年にWHOのExpert committee on Biological Standardization(ECBS)により報告されたものの、購入先に関する情報がなく、配布体制が整っておりませんでした。そのため、今回の共同測定に用いた国際標準品はFDAのCenter for Biologics Evaluation and Research(CEBR)に直接依頼し、分与していただきました。
しかし、国際標準品の測定を行ったところ、表示力価と感染研法での定量値に乖離が見られたことに加え、今回、共同測定に参加いただいた施設においても、国際標準品を増幅できない又は濃度依存的な増幅が認められない事例が見られ、該当する測定結果については国際標準品に対する相対値を算出することができないため、解析から除外いたしました。図3に示すように、国内参照品4株と国際標準品4株の各施設における測定値(絶対値) には2~4乗の差が認められましたが、国際標準品に対する相対的値の算出により、補正後の国内参照品の施設間のばらつきは、ハーフログから1.5ログ程度にまで縮小されることが分かりました。
これらのことから、共通の指標として参照品を整備しておくことの有用性が示唆され、血液の安全性の確保や公衆衛生維持に有用であると考えられました。値付けのため共同測定は感度評価を目的とはしておりませんが、濃度依存的な増幅が認められない等の事例が見られた施設については、その旨をお伝えしております。
今回、整備したDENV-1、DENV-2、DENV-3、DENV-4の国内参照品は国立健康危機管理研究機構 国立感染症研究所より送付負担にて分与する予定です。こちらについては、ホームページにおいてその情報を公開をする予定でおりますが、JIHS移行に伴うホームページ改修により、現在その情報が公開できない状況となっているため、準備が整い次第、ホームページ上にて公開したいと考えています。
次に、プール血漿、人免疫グロブリン製剤などを用いた血清疫学の評価に向けた体制整備について御説明いたします。血液製剤の製造に用いられるプール血漿は数千から数万人の血漿を混合したものであり、人免疫グロブリン製剤は複数のプール血漿から人免疫グロブリンIgGを精製したものです。SARS-CoV-2の流行に伴い、プール血漿中の抗SARS-CoV-2抗体価を評価したところ、プール血漿は採血時期の血清疫学的状況を反映していることが明らかにされています。
そのため、献血血液を対象としたサーベイランスとして、プール血漿や人免疫グロブリン製剤を用いて様々な病原体に対する抗体価を継続的に評価することにより、採血地域や時期の違いによる血清疫学的状況を把握し、グロブリン製剤の質的違いの評価や感染症の流行予測につなげることができると期待されます。
そこで、令和6年度は血清疫学の評価に向けた体制構築に向け、一般社団法人日本血液製剤機構(JB)及びデンカ株式会社(Denka)と協議を行い、JBよりプール血漿及び外観検査不合格となった製剤の代表ロットを継続的に御提供頂き、感染研において分注保管することで、プール血漿及び人免疫グロブリン製剤のバンク構築を目指すとともに、体制が整えばDenkaの協力を得て、バンク検体を用いた様々な血清疫学調査を実施することで合意し、共同研究契約を取り交わしました。
2025年3月末時点において、COVID-19発生前からの期間を含む2018年~2025年初頭までに製造されたプール血漿282バッチ及び製剤5ロットを受領し、分注保管を行っております。今後、収集したプール血漿検体の中から採血期間情報を基に各月を代表するロットを選定し、種々の病原体に対する抗体調査を進める予定です。
次に、BSL3病原体が陽性となった際の検査体制の構築について御説明いたします。2022年5月以降、欧米を中心に男性間の性交渉を行う者の間でエムポックス(Mpox)が流行し、これまでウイルスが確認されていなかった国々にも急速に広がったことから、WHOは2022年7月に「国際的に懸念される公衆衛生上の緊急事態」(PHEIC)を宣言しました。このPHEICは2023年5月に一旦は終息が宣言されたものの、2024年に入りコンゴ民主共和国及びアフリカ諸国で感染者が急増し、2024年8月に再びPHEICが宣言されました。
しかしながら、その後も状況の改善は見られず、PHEICは2025年8月時点でも維持されておりました。こちらは、先日、2025年9月4日(日本時間9月5日)にPHEICの終了が宣言されました。本邦では、2022年7月25日に国内1例目の患者が報告されて以降、2025年8月15日時点までに254例の症例が確認されており、現在も散発的な患者の発生が報告されていいます。
現時点では輸血による感染事例は報告されておりませんが、今後、無症候感染者が献血ドナーとなる可能性は否定できません。そのため、献血血液がエムポックスウイルス(MPXV)陽性となった際に迅速に対応できるように、日本赤十字社との協力体制の構築を進めました。両者での協議により、陽性疑い検体が発生した際には検体を感染研に輸送し検査できる体制を整えることとなりました。
そこで、より高感度に検出できる体制を整えるため、令和5年度の本事業において整備したMPXV核酸検査用の国内参照品を用いて、感染研の病原体マニュアルに従ったNIID法「国立感染症研究所病原体検出マニュアル エムポックスウイルス第4版令和5年6月」及びCDC法「Test Procedure:Monkeypox virus Generic Real-time PCR Test,Doc.No.CDC-007-00217」の2法による検出感度評価を実施しました。
また、検出感度を高めるため、核酸抽出にはQIAsymphony(QIAGEN)を用い、試料1mLを投入し、60μLで溶出する系を用いています。そして、先ほど述べた参照品値付け時と同様の測定方法を用いて最尤推定法により63%が陽性となるときの希釈倍率を算出したところ、NIID法は33.2U/mL、CDC法は8.23U/mLの感度で検出できることが示されました。
いずれの検査方法も高感度に検出できているものの、CDC法のほうがより高感度であったことからCDC法を採用することとし、検査体制を整えました。今後もリスクとなる新たな病原体が出現した際には、同様に日本赤十字社と協力し、検査体制を整備していきたいと考えております。
次に、3.海外における血液安全に関する情報の収集及び交換についてです。WHOの血液製剤に関する各種会合に定期的に参加するとともに、ポールエリッヒ研究所が主催するIPFA(international plasma fractionation association)(血液を介する病原体のサーベイランス及びスクリーニングに関する国際会議)に参加し、感染症リスクの早期察知及び評価に基づく安全対策の検討を行っております。また、国立感染症研究所の病原体関連部署と連携し、情報の収集や交換を行っております。
最後に、4.結論です。本事業では、血液を介して感染し得る病原体に関する情報を継続して収集し、日本にリスクのある病原体については必要に応じて核酸検査のための国内参照品を整備し、我が国での新興・再興感染症の流行やアウトブレイクに備えた体制整備に貢献をしてきております。令和6年度は、DENV-1、-2、-3、-4の国内参照品を整備し、共同測定により核酸量(IU/mL)を付与しました。いずれの施設で実施する核酸検査であっても国内外のキットを用いて検出感度を比較できる体制が整いました。今後も血液を介して感染する新たな病原体等について常に注視して情報収集し、血液の安全性確保のために適宜対応していくことが必要です。
また、新たな取組として2つの新規テーマに取り組み、血液製剤の血清学的背景を明らかにすることを目的とした献血血液を用いたサーベイランス体制を構築するとともに、献血検体においてBSL3病原体であるMPXV陽性疑い検体が発生した際の検査体制を構築することができました。これらについては令和7年度以降も継続して実施していく予定です。
最後に、令和7年度の実施予定内容については、本報告書に記載しておりますので、御覧いただけますと幸いです。以上です。
○大隈座長 ありがとうございました。ただいまの御説明について御意見や御質問がございましたらお願いします。ございませんでしょうか。では、私からよろしいでしょうか。関参考人にお聞きしたいのですが、今後の新興・再興感染症の病原体ウイルスに対する高感度核酸検査法の精度管理のための国内標準品の整備ですが、ここにウエストナイルウイルス等と書いてありますが、これは幾つか候補があって、そういうものを目指して準備等をされているのでしょうか。
○国立感染症研究所関参考人 現在、ウエストナイルのニューヨーク株について準備を進めております。また、最近、SFTSも非常に流行をしてきておりますので、そちらについても、今年度作製するかどうか現在検討を開始したところです。以上です。
○大隈座長 ありがとうございます。ほかはございませんでしょうか。ありがとうございました。ただいまの質問も参考に、引き続き、今年度の事業実施をお願いいたします。 次に、議題3「NATコントロールサーベイ事業について」に移りたいと思います。事務局より説明をお願いします。
○源血液対策課長補佐 事務局です。NATコントロールサーベイ事業は、NATの精度管理の実情を把握するために、血液対策課が国立健康機器管理研究機構 国立感染症研究所に実施を依頼している事業です。令和6年度の実績の報告について、手塚参考人よりお願いいたします。
○国立感染症研究所手塚参考人 感染研の手塚と申します。昨年度のNATコントロールサーベイランス事業の実績について、報告させていただきます。委員の先生方におかれましては、PDF資料後半の4ページ、事業の概要及び5ページの事業の履歴一覧を御覧ください。
まず、事業の目的です。血液製剤のウイルスに対する安全性確保を目的としたNATの実施に関するガイドライン、いわゆるNATガイドラインに基づき、血漿分画製剤製造所及び献血血液のスクリーニング実施施設は、主にHIV、HCV、HBVの3ウイルスを、及びそのほかのウイルスについても適用としてNATを実施してきております。当該施設において実施するNATのバリデーションと精度管理がNATガイドラインによって求められていることから、平成16年度の第1回薬事・食品衛生審議会血液事業部会安全技術調査会の指示に基づき、2006年以来NATの精度管理の実情を把握するために、NATコントロールサーベイを継続的に実施してきております。
また、2010年に発出されたWHOガイドラインにより、献血血液のスクリーニング実施施設においても、外部品質検査の実施が求められてきております。2020年8月より、採血事業者である日本赤十字社は、輸血用血液製剤の安全性向上のために、新たな個別検体によるE型肝炎ウイルスに係るHEV-NATを導入したスクリーニングを開始しております。新検査法においては、マルチプレックスNATシステムを用いて、HBV、HCV、HIVと同時にHEVを検出する新しい4価NATが導入されております。そこで、2021年度は新検査法でのウイルス検出能において、NATコントロールサーベイを実施し、更に2022年度、2023年度ではHBV、HCV、HIVに加えて、HEVのNATの感度と特異性の実情把握を目的として、複数のウイルスが混在するパネルを用いたサーベイランスを実施してきております。そして、昨年度の2024年においては、血漿分画製剤の原料血漿プールのNATを実施する施設を対象に、本事業では初めてとなるパルボウイルスB19のNATの検出感度と特異性の実情把握を目的として、国内標準品を用いたサーベイランスを実施することといたしました。
次に、参加施設です。PDF資料6ページの表1にありますとおり、血漿分画製剤の原料血漿プールのNAT実施施設5施設と、オブザーバーとして試薬メーカー1施設が加わって、本事業を実施しております。
続いて、パネルの調整です。こちらは、PDF資料7ページの表2です。材料として、HBV、HCV、HIV、HEV及びパルボウイルスB19の国内標準品を用いて、評価用パネルを作成しております。国内標準品の希釈には、陰性血漿、これらのウイルスが全て陰性であることが確認されたものですが、これを用いて、あるいは4ウイルスのいずれかが高濃度に含まれる陽性血漿を用いております。パルボウイルスB19の低濃度陽性検体として、輸血用血液スクリーニングNATの実施に必要とされている検出限界値、HBVでは100IU/mL、HCVでは100IU/mL、そしてHIVでは200IU/mLとなり、HEVにおいては未定ですが、これの1.5倍、あるいは3倍濃度に当たる300IU/mLに検体を希釈して調整しております。
また、パルボウイルスB19の高濃度の陽性検体として、その10倍に当たる3,000IU/mLの検体も希釈調整しております。陰性対照検体を含めた計11検体をブラインド化したパネルを参加施設に送付いたしました。
測定方法は、血漿分画製剤の原料血漿プールのNAT実施施設及び試薬メーカーは、コバス TaqScreen DPX Test(ロシュ・ダイアグノスティックス社)から販売されているキットを用いて測定しております。この試験法は、パルボウイルスB19とA型肝炎ウイルスの2種類のウイルスを同時に検出・同定するものとなります。参加施設は、これらのパネル11検体について、それぞれ日を変えて3回測定しております。
続いて、結果です。PDF資料の8ページ、表3を御覧ください。血漿分画製剤の原料血漿プールNAT実施施設全5施設において、改正後のNATガイドラインに基づいて実施しているNAT試験は、パルボウイルスB19に関する精度管理が適切に実施されていると考えられます。全施設において、B19の高濃度及び低濃度に希釈された検体、かつ高濃度にほかのウイルスが混在した検体でも、標的ウイルス、この場合はB19ですが、これが特異的に検出・同定できることが確認できております。陰性対照検体は、全て陰性と判定されております。
なお、参加1施設の2回目の測定機会において、機器トラブルによって測定結果が得られないという事態が発生しておりますが、その後解消し、本サーベイの期間内に3回目の測定結果を得ました。当該施設の1回目と3回目の測定結果は、ほぼ同値でした。また、同時期に実施された当該施設における独自の試験法バリデーションデータを確認し、試験精度管理に問題がないことを確認しております。また、オブザーバーとして参加した試薬メーカーにおいても、NAT実施施設5施設と同等に全て陽性検体は陽性、陰性検体は陰性と確認されております。
最後に考察です。本邦の生物由来原料基準において、パルボウイルスB19は、血漿分画製剤の原料血漿プールに対して、NAT試験によるスクリーニングが必須ではないものの、各製造所において米国FDA NATガイドラインを準用した規格で運用されております。具体的には、パルボウイルスB19のDNAは、1mL当たり10^4を超えないようにという規格で運用されております。また欧米では、COVID-19パンデミック後に、献血血液におけるパルボウイルスB19の陽性率が、これまでのトレンドと比較して増加している傾向が報告されており、各製造所においてはこの当該ウイルス、パルボウイルスB19に対する試験精度管理が重要性を増していると考えております。
2024年度に実施したパルボウイルスB19のウイルスパネルを用いた第15回NATコントロールサーベイにおいて、血漿分画製剤製造所の原料血漿プールに対するNAT試験において、当該ウイルスの陽性検体が全て検出できたことから、当試験の精度管理が適切に実施されていることが確認されております。全施設において、パルボウイルスB19の高濃度及び低濃度に希釈された検体、かつ高濃度でほかのウイルスが混在した検体でも目的のウイルスが特異的に検出・同定されたことから、検出感度及び検出特異性は高い水準で維持されていると考えております。
最後に、PDF資料の9ページ、表4、今年度の計画を説明いたします。今年度は、輸血用血液のNATスクリーニング試験法が2020年8月より、HEVを加えた4価のマルチプレックス法に更新されていることから、輸血用血液製剤のNAT施設を実施対象として、HEVの国内参照パネル、幾つかのジェノタイプが混在したパネルですが、これを用いたHEVの検出感度と特異性の実情把握を目的とした第16回のNATコントロールサーベイの実施を計画しております。以上です。御審議、よろしくお願いいたします。
○大隈座長 ありがとうございました。ただいまの御説明について、御意見や御質問がありましたら、お願いいたします。いかがでしょうか。ありませんか。私から確認ですが、8ページの検体番号11番は全部0になっていますが、これは陰性コントロールということでよろしいですか。
○国立感染症研究所手塚参考人 こちらはブラインドで行っておりますので陰性とは伝えておりませんが、実際には陰性検体ということで、0を検出というのが正しい結果になります。
○大隈座長 分かりました。ありがとうございます。ほかにありませんか。ないようですので、引き続き今年度の事業の実施をお願いしたいと思います。ありがとうございました。
○国立感染症研究所手塚参考人 ありがとうございます。
○大隈座長 続いて、議題4「令和6年度の血液製剤安全性確保の取組」に移ります。日本赤十字社より、資料の説明をお願いいたします。
○日本赤十字社血液事業本部後藤技術部次長 日本赤十字社における2024年のヘモビジランス活動について、後藤から報告いたします。資料3の2枚目を御覧ください。本日は、輸血感染症をウイルスと細菌に分けて、また輸血副作用を溶血と非溶血の副作用に分けてお話をいたします。
3枚目を御覧ください。輸血後に感染症が疑われ、医療機関から日赤の血液センターに報告いただいた症例数の推移を、病原体別にお示ししました。一番右の2024年は、ここ数年と同様に、緑の細菌感染症の疑いが最も多く報告されました。4枚目を御覧ください。2024年に医療機関から報告された輸血後感染疑い症例は、HBVが12件、HCVが4件、HEVが2件、サイトメガロウイルスが6件、細菌感染疑いが25件の合計49件で、輸血による感染が特定されたのはHBVの1件と、細菌感染の2件の合計3件となりました。
5枚目からは、輸血後ウイルス感染症についてお話いたします。6枚目を御覧ください。輸血後ウイルス感染症の原因となった血液の採血年別件数を、安全対策の導入時期とともにお示ししました。個別NAT導入後は、NAT陰性の血液によるHBV感染が年1件程度発生する状況が続いております。HEVは、個別NAT導入後も引き続き遡及調査を行っておりますが、個別NAT導入後は輸血による感染事例は確認されておりません。
7枚目を御覧ください。遡及調査についての説明です。遡及調査は、医療機関発と供血者発の2種類があり、医療機関発は輸血後に受血者のウイルスマーカーが陽転したという情報に基づき調査を行います。輸血された血液はNAT陰性ですが、ウインドウ・ピリオドに献血された可能性が否定できないので、ウインドウを超えた時期の次回献血、若しくは事後検査依頼による検査結果により、当該血液の感染リスクを評価いたします。右側の供血者発は、複数回献血者の陽転情報に基づき、遡及調査ガイドラインに定められた遡及調査期間内の過去の献血血液の受血者について、感染状況を調査するものです。これらの遡及調査により判明したHBVの症例を紹介いたします。
8枚目を御覧ください。2024年のHBV感染は、1例ありました。これは、医療機関発の事例で、受血者のマーカー陽転に基づく遡及調査により判明した事例です。受血者は70歳代の男性で、輸血後89日でHBV-DNA、HBs抗原、HBc抗体が陽転しました。関連する献血血液を調査したところ、赤血球製剤の献血者1名が当該血液の142日後の献血で、マルチプレックスのスクリーニングNATが陽性、同定のためのHBV-NATが陰性となっていました。献血者検体のHBV-NATについて9回測定したところ、1回陽性となりましたので、受血者由来と血液由来のウイルスの相同性を確認しました。結果は一致し、輸血による感染と考えられました。GenotypeはCでした。受血者の方は、エンテカビル、肝庇護剤の投与による治療を受けて、軽快しております。
9枚目を御覧ください。細菌感染症に移ります。10枚目に、2024年の細菌感染2症例をまとめました。1例目は、Streptococcus dysgalactiae G群溶血性レンサ球菌の事例で、院内で洗浄された採血4日目の血小板により、ITPの30歳代の女性が感染しました。血小板製剤からもG群レンサ球菌が検出され、ホールゲノムMLSTとANI解析で菌株の一致が確認されました。受血者の方は、回復されております。
2例目は、Serratia marcescensの事例で、分割製造された血小板製剤の1本がリンパ腫の70歳代の女性に採血3日目に輸血され、患者の血培からSerratia marcescensが検出されました。製剤の残余からもSerratiaが検出され、こちらもホールゲノムMLST、ANI解析により菌株の一致が確認されました。こちらも、受血者の方は回復されています。同じ採血由来のもう1本の血小板製剤の受血者の50歳代の男性には、副作用の症状は認められず、血培も実施されておりません。いずれの事例も、同時採血の原料血漿は、細菌培養同定試験陰性となっております。
11枚目に、輸血後の感染症についてまとめました。日本赤十字社では、細菌感染に係る安全対策として、血小板製剤への細菌スクリーニングを導入することとし、本年2025年7月30日からスクリーニング血小板製剤の供給を開始いたしました。
12枚目からは、輸血副作用について報告いたします。まず、非溶血性の副作用です。13枚目を御覧ください。2024年は、非溶血性の副作用が3,065件、溶血性の副作用26件が、医療機関から日赤の血液センターに報告されました。輸血後GVHD疑いの報告はありませんでした。少し件数の増加が見られますが、特に何か変わったことがあったわけではありませんでした。
14枚目を御覧ください。非溶血性の副作用の分類別報告件数をお示ししました。左のグラフにあるとおり、アレルギー及び重症アレルギーが全体の7割を占め、発熱、TRALIやTACOなどを含む呼吸困難、血圧低下と続いておりました。重篤度別には、右上に示しましたが、全体の25%が重篤症例と判断され、内訳はその下に示したとおり、アナフィラキシーショックなどの重症アレルギーやTRALIやTACOなどを含む呼吸困難が重篤の症例に含まれます。
15枚目を御覧ください。副作用の原因製剤と副作用の種類を示しました。赤血球製剤と血小板製剤が34%、41%と多く、ついでFFPの18%となりました。グラフの横に製剤ごとの供給本数を右にお示ししましたが、これを見ると、やはり血小板製剤では副作用の発生率が高いことが分かります。下の棒グラフのとおり、血小板製剤やFFPといった血漿が多い製剤では、80%以上がアレルギー性の副作用ですが、一番下の赤血球ではアレルギーが40%弱に対し、発熱が30%、ついで呼吸困難が20%報告されました。この傾向についても、例年と同様でした。
16枚目を御覧ください。2024年は、TRALI、TACOの評価を132件行い、TRALIのTypeⅠが3件、TypeⅡが2件、TRALI/TACOが6件と評価され、TACOは80件と全体の61%を占めておりました。集計の概要を右下にお示しいたしました。2ポツ目にあるとおり、TypeⅠで2例、TypeⅡの1例で、製剤の抗白血球抗体が陽性でしたが、患者リンパ球との交差試験は2例が陽性、1例が陰性となりました。TACOについては3ポツ目に示したとおりで、約8割以上が60歳代以上の高齢者でした。
17枚目を御覧ください。これまでのTRALI、TACO評価の状況です。TRALIと評価される事例がここ数年、評価基準の変更後は少し多くなっているように見えます。TACOについては、茶色のバーで示したように、評価基準変更後に非常に増加しているように見えますが、以前の評価基準では除外項目といって、もともと心不全や腎不全がある人など、TACOになりやすい要因がある人はTACOと評価せずに、グラフの黄色のバーでお示しした心原性肺水腫と評価しておりました。新しい評価基準では、もともとリスク要因があってもTACOと評価する、と変更しましたので、黄色の心原性肺水腫の多くがTACOと評価されます。その結果、見かけ上は非常にTACOが増えたように見えておりますが、実質はこのグレーのバーと黄色のバーを足したものになってきますので、以前と同じぐらいの件数になっております。TACOについては、本年7月に輸血用血液製剤の添付文書の使用上の注意に、更なる注意喚起を追加記載したところです。これらの影響も含め、今後も推移を見守ってまいります。
18枚目を御覧ください。溶血性の副作用についての報告です。19枚目を御覧ください。溶血性副作用については、2024年は26件の報告があり、即時性が11件、遅発性が15件で、重篤症例は合計19件でした。日赤の調査、又は医療機関内の検査で不規則抗体が検出されたのは、12例ありました。内容は抗Lea、Kidd、Duffyなどが多い中、自己抗体も数件認められました。20枚目に、輸血の副作用のまとめをお示しいたしました。私からの報告は以上です。
○大隈座長 ありがとうございました。ただいまの御説明について、御意見や御質問がありましたら、お願いいたします。いかがでしょうか。石井委員、お願いします。
○石井委員 国立衛研の石井と申します。御説明いただいたうちの非溶血性副作用で、全体の件数が増えていますが、特にアレルギーの件数が増えているように思いました。こちらの原因については、どのように考察をされていますか。
○日本赤十字社血液事業本部後藤技術部次長 御質問ありがとうございます。アレルギーの報告だけが特に増えているというよりも、全体的に報告件数が前年度までよりも少し多かったということで、特段アレルギーが増えたとは考えておりませんが、報告数が増えた原因については、特に製剤に変更があったというようなことはありませんので、製剤の要因はないかと思ってはおります。副作用の報告については、常々日本赤十字社から医療機関に、副作用があった場合には御連絡いただくようにお願いしておりますので、そのようなことで少し報告いただける(数が増えた)ようになってきたのかとも考えております。
○石井委員 ありがとうございます。
○大隈座長 ほかにありませんか。よろしいでしょうか。ありがとうございました。日本赤十字社におかれましては、引き続き血液安全監視の一環として情報収集を行い、安全対策に取り組んでいただくようお願いいたします。
本日の議題は以上となります。ほかに何か御意見等はありますか。よろしいでしょうか。それでは、事務局に議事進行をお戻しいたします。
○源血液対策課長補佐 大隈座長、ありがとうございました。次回の安全技術調査会の日程は、別途、御連絡差し上げます。これにて、血液事業部会令和7年度第1回安全技術調査会を終了いたします。ありがとうございました。
(了)




