2025年8月6日 独立行政法人評価に関する有識者会議 医療・福祉WG(第41回) 議事録
日時
令和7年8月6日(水)10:30~12:00
場所
経済産業省別館104各省庁共用会議室(1階)
出席者
石井主査、江原構成員、川原構成員、河村構成員、下山構成員、鈴木構成員、渡邊構成員
議事
- 議事内容
- ○事務局
定刻前になりますが、皆様おそろいになりましたので、ただいまから「第41回独立行政法人評価に関する有識者会議医療・福祉WG」を開催いたします。事務局の政策・立案評価担当参事官室の兼坂です。本日は、どうぞよろしくお願いいたします。先生の皆様におかれましては、お忙しい中お集まりいただき、ありがとうございます。今回の会議は、対面参加とオンライン参加を組み合わせたハイブリッド形式となっております。
本日のWGの出席状況について御報告いたします。主査をしていただきます石井先生、江原先生、川原先生が会場での御参加、河村先生、下山先生、鈴木先生、渡邊先生がオンラインでの御参加です。岩崎先生、大村先生、小林先生は、本日は御欠席です。
本会議の資料について説明いたします。資料に関しては、お手元のタブレットに収納してありますので、そちらを御覧ください。オンラインで御参加の先生方におきましては、お手元に事前にお送りさせていただいております会議の資料を御準備ください。本会議の資料は、資料1及び資料2で、参考資料が1~6です。資料の不足等がありましたらお申し付け願います。
ここで、報道関係の方に御連絡です。撮影に関しては、ここまでとなりますので、どうぞよろしくお願いいたします。
それでは石井先生、議事の進行をお願いいたします。
○石井主査
石井でございます。どうぞよろしくお願いいたします。それでは、医薬品医療機器総合機構について、令和6年度業務実績評価に係る意見聴取を行うこととなっております。法人より、各評価項目における評定の根拠について重点的に説明いたしますので、評価の内容を中心に、皆さんより御意見、御質問を頂きたいと存じます。本会は、おおむね1時間半を予定しておりますので、円滑な議事運営に御協力くださいますよう、よろしくお願いいたします。
それでは、早速議事に入りたいと思います。まず、医薬品医療機器総合機構の令和6年度業務実績評価について御議論いただきたいと思います。はじめに法人より簡潔に御説明いただき、説明が終わってから質疑応答という流れで進めていきたいと思います。それでは、説明をお願いいたします。
○医薬品医療機器総合機構高橋執行役員
音声は大丈夫でしょうか。経営企画担当執行役員の高橋と申します。資料2-1に沿って法人概要、評価の要約を御説明させていただきます。まず、2ページをお願いいたします。法人の概要です。1.に記載のとおり、設立は、平成16年4月1日、3.に記載の目的の下、4.の医薬品等の副作用・感染による健康被害の救済、医薬品・医療機器等の有効性・安全性・品質の審査・調査、医薬品・医療機器等の安全対策の3つを3大業務として実施しています。昨年、設立20周年を迎えています。
3ページです。青色の部分までが業務の項目と、昨年度、令和5年度に大臣より頂いた確定評価を参考として記載しております。一番右側のオレンジの部分ですが、令和6年度の法人としての自己評価です。上から順番に、健康被害救済給付業務がA、スモン患者等に対する給付業務がB、審査等業務がA、安全対策業務がA、組織ガバナンス関係がB、経費節減、予算、資金計画等がB、総合評定はAとさせていただいています。昨年度の確定評価に比べて異なっているのは、審査等業務をAとした点です。これは、昨年度から始まった第5期中期計画期間より達成度の評価基準の見直しを行ったことによるものです。詳細は後ほど説明いたしますが、法人の業務のパフォーマンス自体には、変化はありません。
4ページです。まず、健康被害救済給付業務です。本業務については、まず重要度と難易度、スライドの右上部分ですが、いずれも「高」と設定しています。自己評価はAとしております。Ⅱの指標の達成状況ですが、請求から支給・不支給決定までの事務処理期間について、指標としては6か月以内での迅速処理を年度の処理件数の全体の65%以上と設定しています。令和6年度は実績値が88.2%、達成度が135.7%でした。
6ページです。平成30年以降の請求件数、決定件数を棒グラフで、迅速処理の割合を赤色の折れ線グラフで推移を示しているものです。令和2年度以降、青色の棒グラフの請求件数は減少傾向にあったこともあり、迅速処理の割合は高い水準で維持されていますが、他方、同時に令和5年度後半より請求件数が増加傾向に反転しています。調査等に係る業務量の増加もあり、6か月以内での処理件数の割合も低下しているといった足下の状況もあります。こういった状況を総合的に踏まえて、令和7年度については、目標の割合を65%から70%への引上げを行っているところです。
評定の根拠の関係は、9ページからです。3点挙げていますが、そのうち1項目の救済制度に関する広報及び情報提供の拡充についてです。e-ラーニング講座について、給付事例等に関する情報の更新・充実を図るほか、一般の皆様に向けては、訴求効果の高い広報コンテンツを使い、様々な媒体での放映、配信等を行うとともに、引き続き医薬品を使用する機会、場面等を捉えた制度広報を実施しています。
2点目、3点目の関係は、10ページを御参照願います。請求者の方々の負担軽減については、住基ネットを活用することにより、昨年10月より住民票の提出は不要としています。救済業務の効率化については、今年2月より新たな救済業務システムを稼動させています。右側の青い囲みの部分ですが、これまで機構内で課の単位でばらばらだった請求者からの御相談、救済給付請求の事案の実績の情報を1つのシステムで管理することにより、重複業務の解消、組織内での待ち時間の解消等、業務の効率化を図らせていただいています。このような広報及び情報提供の拡充、請求者の負担軽減や業務の効率化への取組を進め、数値目標、指標を達成していることや、昨年度の実績との比較も踏まえて、自己評価をAとさせていただいています。
11ページです。項目1-2のスモン患者等に対する給付業務です。Ⅱに記載のとおり、受託業務として実施させていただいています。国等からの契約内容に基づいて適切に実施していることをもって、自己評価Bと設定させていただいています。
12ページからは、審査業務関係です。重要度、難易度は右上の部分ですが、いずれも「高」と設定しています。自己評価はAとさせていただいています。昨年度のSから見直しを行った部分です。
13ページは後ほど御説明いたしますので、まず、14ページの指標の達成状況をお願いいたします。細かい資料となり恐縮ですが、医薬品等の審査、医薬品、医療機器、再生医療等製品等、製品の区分ごと、また、医薬品の中でも新薬、ジェネリック、一般薬等の区分を設けています。さらに、新薬の中でも優先品目、通常品目等、細かく区分を設定して、目標を設定しています。例えば、スライドの一番上の項目ですが、新医薬品(優先品目)の総審査期間は、指標は80%タイルで9か月としているところですが、実績については8.9か月、達成度は101.1%となりました。14ページから18ページまでに、区分ごとの実績と達成度を記載しています。
加えて、それぞれの区分に参考として、一番右側の部分ですが、昨年度の達成度を記載しています。先ほど触れさせていただいた新医薬品(優先品目)、一番上の区分ですと、昨年のこの会議で報告させていただいた達成度は、右上の旧達成度の部分ですけれども、116.5%となっています。これに新たな中期目標期間での新基準を当てはめた場合には、100%ちょうどとなります。新旧の達成度の違いですが、13ページです。こちらは、説明のための想定事例ですが、事例として80%タイル値で10か月を目標とする区分の中に10品目あった場合を想定したものです。第4期までの算定方法は、左上の緑色の①第4期の算定方法に記載させていただいていますが、目標タイル値を達成した品目の数で評価していました。10品目のうち9品目で達成している場合、目標の80%タイルの8品目を分母として、9品目割る8品目で1.125となります。この場合、達成度は112.5%です。
これに対して、第5期からの評価方法は、右側の赤色の②第5期の算定方法ですが、80%タイルに該当する品目の実績審査期間を目標期間、期間と期間の直接の比較を行います。80%タイルの品目の場合、8番目の品目の審査期間が9.7か月のケースを想定していますが、この場合、目標期間10か月に対して短縮期間が0.3か月となりますので、0.3か月を10か月で割った0.03が短縮の度合いで、この場合、達成度を1.03とさせていただくといった評価方法に切替えを行わせていただいています。実際の各品目の審査においては、目標審査期間を意識しながら進捗管理を行い、実績の総審査期間、通例は大部分が目標を僅かに下回るといった状況が実態です。余裕のある状況にはないものですが、これまでの評価方法ですと、品目数で評価した場合には達成度が高めに出る傾向がありましたので、第5期からは期間と期間を直接比較する評価方法に切替えを行ったものです。これにより、達成度も全般的に評価の上では低下しており、これを受けて、自己評価についても従来のS評価からA評価に見直しを行わせていただきました。
このように、審査期間について評価基準の見直しを行ったところですが、19ページも併せて御参照いただければと思います。各国の主な規制当局の審査期間を経年で比較したものです。これまでも、こちらの会議で提示させていただいていますが、引き続き最速レベルを維持している状況です。
20ページです。Ⅲ評定の根拠ですが、3項目あります。イノベーションに的確に対応した審査等への取組、患者ニーズの高い医薬品等の実用化支援への取組、ドラッグロス等への取組を挙げさせていただいています。
21ページです。第5期中期計画において、規制当局側の考え方を早期から示す取組を強化しています。Early Considerationとして作成、公表を行わせていただいています。各疾患領域の臨床評価の考え方であったり、申請、届出に当たってPMDAから指摘を行うことが多い項目について留意事項を示す等、昨年は15項目について策定、公表を行っています。
22ページです。患者ニーズが高い一方で、開発が進みにくい分野として、小児・希少疾病用医薬品の分野があります。国全体で政策的にも取組が各種行われているところですが、PMDAにおいても、国の補助事業となっている相談事業の実施体制の明確化を行っています。これらの各般の取組を受けて、希少疾病用医薬品の指定の実績、最終的には国において行われるものとなりますが、23ページの3つ目の項目ですけれども、令和6年度の指定品目数は86となっています。前年度、令和5年度の36品目から大幅に増加といった状況です。
24ページです。ドラッグロス対策の中で、海外への薬事制度等の情報発信も課題として指摘されているところです。これを受けて、世界的なコンベンションであるBIO国際会議や、各分野での世界的なトップレベルの学会等において、PMDAの取組や日本の薬事制度について情報発信を行うほか、25ページの個別ベンチャー企業への会場でのブース出展、マッチングシステムを利用しての無料相談等も実施させていただいています。このように、患者ニーズの高い医薬品等の実用化支援、ドラッグロス等への取組を進めつつ、定量的な目標値を達成していること、それから前年度の実績も踏まえて、自己評価Aとさせていただいています。
26ページからが、安全対策業務の関連です。こちらも重要度、難易度ともに「高」とさせていただいています。自己評価はAとしています。27ページの指標の達成状況ですが、上段の医薬品の副作用情報の報告を受けてからホームページの情報提供一覧、ラインリストに掲載するまでの期間、中段の添付文書改訂の指示書のホームページへの掲載期間等を目標としていますけれども、いずれも目標を達成しています。
28ページの評定の根拠については、下の部分ですが、安全対策の質の向上、医療機関報告の充実、リスクコミュニケーションの3項目を挙げさせていただいています。29ページですが、安全対策の質の向上については、個別症例評価で医薬品と副作用の因果関係評価が困難な事例については、MID-NETやNDBにより能動的な安全性情報の収集と薬剤疫学的解析による安全評価を行うほか、リアルワールドデータ等の医療情報データベースの行政的な利活用を行って、安全対策措置の検討に活用しています。30ページでMID-NETの利活用の状況、利便性向上や利活用促進に向けた主な取組を掲載させていただいています。
31ページです。医療機関報告の充実に向けた普及啓発活動については、医療機関報告の充実・増加を促す講演や、電子報告の受付システムの周知を図るために、医薬関係者の皆様にターゲットを絞ったWeb広告の実施、医薬関係者向けの学会にブース出展する等、こういった広報の取組を実施しています。リスクコミュニケーションとの関係では、一般消費者向けのイベントにブース出展等、それから、ホームページでの情報提供等も行っていますが、関連で32ページですけれども、患者向け資材である「患者向医薬品ガイド」の位置付けや提供方法、内容について、ほかの各種の情報提供資材との関係を整理するため、外部有識者による検討会を設置して検討を進めているところです。このように、安全対策の質の向上やリスクコミュニケーションの取組を進めつつ、定量的な指標も達成していること、昨年度の実績等も踏まえて、自己評価Aとさせていただきました。
33ページからが、ガバナンス体制の構築、人材の確保・育成、広報活動等です。自己評価はBとさせていただいています。34ページの指標の関係については、広報中心ですが、審査報告書の英訳の掲載と、審査報告書を40品目英訳する等、いずれも目標を達成しています。業務運営等への取組については、これまでもガバナンスの構築を進めるとともに、運営評議会等を通じて透明性の確保を図っているほか、引き続き理事長にも自ら職員一人一人の個別面談を行っていただき、意見交換等を実施させていただいています。
関連で、35ページをお願いいたします。独立行政法人の業務運営の改善に関する先進的な取組事例を紹介するため、総務省の独立行政法人評価委員会において、年に1回シンポジウムが開催されています。その中で、BPR・DX推進室を設置し、バックオフィスの業務改革を実施した事例をもってPMDAが選定され、理事長に御登壇いただき、パネリストとしても御参加いただき、他の各独立行政法人のトップの皆様に向けて取組を紹介しています。総務省のホームページにも掲載されていますので、御紹介させていただきます。
36ページです。冒頭に紹介させていただきましたが、PMDAは設立20周年を迎えています。20周年を機に、改めて法人の目指すべき姿をパーパスとして昨年度、策定いたしました。全職員が2回に分けて一堂に会するAll Employee Meetingを実施し、その上でバリューを策定する等取組を進めていますが、本年は施策浸透のための取組を進めていきます。
38ページです。DX推進の関係では、これまで副作用拠出金、安全対策等拠出金の申告・納付の手続は、紙での手続となっていましたが、昨年度に試行、トライアルを行い、その結果での改善を踏まえて、今年度より全事業者を対象として、希望する事業者にはオンラインでの申告・納付を可能としています。
最後に、経費節減、予算、資金計画等の関係です。39ページです。指標の関係では、副作用拠出金、安全対策拠出金の収納率を目標としていますが、いずれも目標を達成しています。40ページ、最後のスライドです。昨年この会議において、予算統制の観点から、予算と決算の乖離が大きいことについて御指摘を頂きました。御指摘を踏まえ、機構内で支出予算について予算と決算の乖離の要因を分析した上で、令和7年度予算においては、人件費については直近の実績や傾向を反映したり、システム予算については契約実績に見合った額となるように、支出の見込みを行わせていただきました。この結果、予算ベースでは、対前年度名目額で42億円、率では11.7%の減となる支出予算となりました。併せて縮減分の一部については、予備費に計上することで、不測の事態にも備えるといった予算編成を行わせていただきました。昨年度、貴重な御指摘を頂いたことに、改めて感謝を申し上げたいと思います。法人運営にも一つ一つ御意見を反映させていただきたいと思います。説明は以上です。どうぞよろしくお願いいたします。
○石井主査
御説明ありがとうございました。それでは、令和6年度の実績評価について、御意見、御質問がありましたらお願いいたします。オンラインで御参加の構成員も適宜、御発言ください。オンラインの方は挙手していただければと思います。河村先生、お願いいたします。お声がちょっと聞こえないようです。
○河村構成員
大丈夫でしょうか、聞こえていますか。御説明くださいまして、ありがとうございます。石井先生、御指名ありがとうございます。御説明を伺っていて、例年同様という感じなのですが、大変難しいお仕事にいろいろな分野で取り組んでくださっていると思うのですが、高い業績を上げていらっしゃると敬服申し上げる次第です。
ちょっと幾つか意見を申し上げます。今回、いろいろな評価も、自己評価も御説明を伺わせていただいて、そのとおりだと思いますが、指標だけに出てこないプラスアルファの御尽力があると思いました。5ページで御説明くださったような救済給付業務でも、情報の一元化などを進められているわけです。新しい業務システムは今年の2月から運用開始ということで、多分、来年度のこの場で御説明されるときの数字は、恐らくもっと改善した数字が出てくるのではないかなという感じがするのですが、こうした新しいお取組を続けていかれて、不断の努力をなさって、だからこそこうやって業績を上げられていらっしゃるのではないかなということを感じます。
次も評価の仕方を変えられた項目でした。先ほどすごく丁寧に13ページ以降を御説明くださいましたが、これは目標の月数がどれだけ下回れたかというところで今度は評価することになったということで、その評価の指標の設定の仕方によって、数字の出方が去年までとこういう形で違ってくるのはよく理解できます。でも、引き続き高い業績を上げていらっしゃるということには、全く変わりはないと思います。この項目でもプラスアルファの御尽力がすごくあって、21ページで御説明くださったEarly Consideration、こういうお取組をやっていただけるということが、製薬業界からしても有り難いと思いますし、国全体からすれば、いろいろな物事がより速やかに、迅速に進んでいくということになって、ひいてはそれが国民全体の利益につながってくるのではないのかなと思います。
それから、その後の24ページ、25ページなどでお示しくださったような、海外での情報発信の強化、事務所を置かれたり、理事長が自らこんなにいらっしゃってるんだと思って、どんなにお忙しいのかと思いながら、本当に頭が下がるなと。理事長が自ら身を粉にしてやってくださっているように私には見えますが、職員の方々にもその姿がきっと伝わるから、組織としての力が非常に出るのではないのかと感じました。
それから、総務省の独立行政法人シンポジウムの御紹介もありましたので、私は前もって総務省のサイトも見て、実は藤原理事長が発表されたスライドも全部拝読させていただきました。今まで伺ってきたような、この評価の会議で伺ってきたような話をきちんと説明していらして、今回はデジタル化の関係で選ばれているのでしょうが、総務省のほうもよく分かっているでしょうね、そこだけではなくて、マネジメントの面で大変な改善があったと。私もこの委員会に何年か関わらせていただいていますが、PMDAさんは急激に人員が増えて、マネジメントはいろいろな御苦労があった時期があったと思います。でも、それを乗り越えられて、やってこられたということが、総務省のほうにもすごくよく分かるのだなと。だから、そういうこともあるからこそ、恐らく選ばれたのではないかなと思いますし、理事長の当日の資料も拝見しましたが、リスク管理でも組織に責任ありと考える風土を醸成など、何でも報告を奨励、リスククローズドの明示と情報の共有、リスクマップの作成など言ってくださっていて、あと、いろいろ面談を職員一人一人とやってくださっていて、そこでどういうことが分かったかということも理事長が報告されていて、こういうものを見ると、本当にうらやましいなと思ってしまいました。私は全然違う畑の人間ですが、私もこういう職場で働きたかったなと思ってしまうぐらい、本当にうらやましいなと思いました。ですから、そういうことを全体が総務省にも分かるからこそ選ばれて、全府省の独立行政法人の中で選ばれて、是非、登壇してほしいという話が総務省からあったのではないかと思います。そういった辺りもマネジメントとして、すごく高い水準を達成されているということが、全府省レベルで、国全体のレベルで認められたのではないかなと思います。私もこの独立行政法人の仕事をもう20年近く関らせていただいているのですが、最初の10年間は総務省の独立行政法人評価制度委員会の前身の政独委にいたのですが、そこで見たとき、当初は独法の中でトップクラスは国立病院機構だったのです。NHOだったのです。全府省の中でも抜きん出ていて、みんなすごいと言ったのが、何か昔はNHO、今はPMDAという感じで、すごい高い評価だと思います。
ですので、こういったことを拝見すると、評価については特に異存はないのですが、今回PMDAさんはすごく控え目に付けていらっしゃるという感じがして、最初に申し上げたような、例えば評価項目の1-1や、その次の今度は評価の計算式を変えられた辺り、1-3の審査業務など、今ちょっとお話させていただいたような辺りも含めて、何かもうちょっと、もしかしたら評価が上げられるのではないかなと思って、参考資料2の評価基準とも照らし合わせながら、にらめっこしながらちょっと見ていたのですが、こういう評価に落ち着くのかなと思いますが、例えば同じA評価でも非常にSに近いA評価なのではないかなと思います。項目1-1の辺りというのは、来年もっと高い数字が多分、出てくるのではないかなという気もしますので、もし実際にそうなるようであれば、一段評価アップのようなこともあり得るのではないかなと思います。以上、意見です。
最後、1つお願いなのですが、今日は主たる議題にはなっていませんが、財務面での運営で、PMDAさんがこれだけ国の財政が厳しい中で人員体制を拡充してやってこられたのは、ひとえに財務面で自力で、運営費交付金に頼らないで自立して立ってらっしゃる法人でいらっしゃるからこそだと思うのです。今後についても、これだけ外部の経済環境が厳しいところもあって、御苦労がおありだと思うのですが、財務面で自立して立っていけるということが、非常に大事なところになるのではないかと思いますので、是非、その辺りも、今日ちょっと余り主たる議題にはなっていませんが、御検討いただければなというふうに思います。
あと、これは1つ、厚労省の本省に対してなのですが、マネジメントの面は非常にPMDAさんはすぐれていらっしゃると思います。今日は医薬局の方しか本省から見えてないと思いますが、ほかの局の所管の法人でも、いろいろなことがおありになるのではないかと思いますので、それこそ総務省に、全府省レベルで参考にされるぐらいのマネジメントをされているわけですから、是非、厚労省所管法人の中でも参考にされて、リスク管理の面はいろいろ課題がある法人もあると思いますので、参考にしていただくのがいいのではないかなと思います。以上、意見です。
○石井主査
河村先生、ありがとうございました。今回、自己評価を付けていただいて、もっと高めに付いてもいいのではないかという有り難い御意見でした。また、財務面での自立の辺りの検討ということがありますが、何かこの辺りはPMDAさんから御意見はありませんか。
○医薬品医療機器総合機構高橋執行役員
それでは、経営企画担当の高橋から回答を申し上げます。PMDAがこれまでこういった人員の体制拡充などを実現できてきた背景として、創設当初のドラッグラグの課題への対応、それがPMDAだけではなく、国民の医薬品へのアクセスの大きな目的の中で政府全体の課題として取り上げられて、その中で拡充をするという方向性と、それについて業界の皆様の御理解を頂いて、ようやく実現できてきたということがあります。そういった振り返りの中から延長で考えましても、PMDAが行うべきことを国の政策の中でも明確に位置付けた上で、自立と申しましても、その財源というのは最終的には業界の皆様の御負担になるわけですし、業界の皆様も経営状況が非常に余裕があるかということで考えますと、決してそういうことではなく、御負担をお願いするということであれば、業界の皆様の状況も踏まえた上で、何をやるかということを見極めた上で、我々としても業務改革を行っていくといったところが大前提の中で、今後の見通しを持っていかないといけないと考えています。
先ほど提出させていただいた資料の中でも、支出面については物価賃金の上昇を、今、経済状況を考えますと、この上昇のトレンドというのは、これはもうPMDAに限らず、一定の事業を行う組織としては不可避の直面する状況ではないかと考えていますので、幾つか収入面でどういったことで考えるのか。業界の手数料の拠出金だけでなく、PMDAはもともとの安全対策としては国費で、国の責任として行っていただくべき部分はあろうかと思いますので、そういったファクターを一つ一つ見極めて、今後のトレンドを見た上で、どういった方向性を考えていくのか。その中で、今いただいた御指摘の所も考えていきたいと考えています。
○石井主査
ありがとうございます。河村先生、よろしいですか。
○河村構成員
はい、結構です。
○石井主査
ほかに御意見はありませんか。江原構成員、お願いいたします。
○江原構成員
江原です。御説明どうもありがとうございました。評定については非常に多くの目標に関して、高い実績を出されているなと感じました。この場で私がお伺いしたいのは、審査業務の指標の達成状況について、質問が2点ほどあります。資料の15ページの一番上の段です。こちらにおいて要指導・一般用医薬品の区分1から6、殺虫剤等区分1、2の総審査期間、この目標について令和6年度は達成度が55%、件数ベースで見ても8件のうち達成できた件数が2件。前年度、旧達成度でも、新達成度でも100%を超えていたのに対して、令和6年度は下がってしまった理由として、資料の20ページで理由を3つ挙げていらっしゃるかと思います。1つが厚生労働省における手続等に期間を要したこと。2つ目が評価検討会議が開催されるまでに期間を要したこと。3つ目として、臨床試験の実施の基準に関する問題解決に長期間を要したこと。3つ原因が例示されていますが、質問の1点目としては、原因の1と2、この期間を要した、その更なる理由として、この時期に厚生労働省かPMDA、あるいはその双方が何か別件で立て込んでいた、お忙しくて時間を要してしまったということなのか。それとも、この審査の内容そのもので何か慎重になる必要があるような、何かしらの事情があったのかということをお聞かせ願いたいと、それが質問の1点目になります。
質問の2点目は、この原因の3つ目の臨床試験の実施の基準に関する問題解決、具体的にどのような問題があったのか、お聞かせ願えますか。以上です。
○石井主査
それでは、御回答をお願いしたいと思います。
○医薬品医療機器総合機構佐藤執行役員
一般薬等審査を担当しています執行役員の佐藤です。御質問ありがとうございます。御質問いただきました点ですが、まず1点目の長期間を要した理由ですが、こちらについては要指導・一般用医薬品の場合、PMDAの審査を終えた後にその成分を要指導・一般用医薬品として差し支えないかという厚労省での告示作業などがあります。すなわち、お伺いを立てて、パブリックコメントをして、御意見が出たら、その御意見に対しての回答を作って、特段問題がないと判断された場合に要指導・一般用医薬品とするというステップがあります。これは、御意見の数などによっても調整に掛かる時間が異なってきます。今般、長い品目ですと、ここにPMDAの審査を終えてから承認までの間に5か月を要した品目等がありまして、このような結果になっているところです。また、別の品目に関しては、要指導・一般用医薬品の場合、医療用からのスイッチ、医療用医薬品として使われているものを要指導・一般用医薬品にする際には、評価検討会議というものを開催しています。こちらの会議では、医療関係の先生方、医師会の先生方などを含めて御検討を賜っていますが、この会議の開催の日程調整に時間を要して、数か月を経てしまった品目があります。こういったものの調整で時間を要して、結果的に指標としている時間を守れなかったという状況の品目があります。
また、最後に御質問いただきました臨床試験の実施の基準に関する問題ですが、こちらはマスメディア等のニュースにもなりましたが、2023年にSMOという治験のサポートをする会社が長きにわたりGCPと言われる省令に違反をして業務を行っていた案件がありました。その会社が携わった品目について、データの信頼性の確認等を行って、その会社が関わる症例については削除するなどの対応をしました結果、その再解析等に時間を要したために、今般、指標の時間を超えるという結果に至ったところです。以上が御質問を賜りました点の説明になります。
○江原構成員
理解できました。どうもありがとうございます。
○石井主査
ほかに御質問はありませんか。それでは、川原構成員、お願いいたします。
○川原構成員
川原です。御説明ありがとうございました。22ページなどでも、小児や希少疾病に対してきちんと対応されているというのは、非常にすばらしいことなのではないかと思っています。
私がお聞きしたいのは、3点ほどあるのですが、まず1点目はドラッグラグについて19ページで言及がありましたが、このドラッグラグ、ドラッグロスの件数をある程度把握されているのであれば、その件数を教えていただきたいのと、その傾向がお分かりなるようでしたら教えていただければと思います。これはPMDAだけの問題ではなく、諸外国との関係、あとは厚生行政全体にも関わる話だと思うのですが、参考までにもし分かるようでしたら、教えていただければということが、まず1点です。
2点目なのですが、5ページ目の健康被害救済給付業務で、先ほど令和5年後半から件数が増えてきてというお話がありました。件数が増えている中でも、この目標値を65%から70%に上げるというところで、請求件数の推移が、令和6年は1,261件とあるのですが、令和5年と、令和7年の計画が立てられているようでしたら教えていただければという点が2点目です。
3点目は、先ほど運営費交付金がない河村構成員がおっしゃっていたのですが、財務諸表を見ると運営費交付金が出ているのですが、その辺りはどうなのか、教えてください。以上です。
○石井主査
御質問ありがとうございます。それでは、1つ目のドラッグラグ、ロスのほうからお願いいたします。
○医薬品医療機器総合機構中井安全管理監
安全管理監の中井です。7月まで厚生労働省の審査管理課にいた関係で直接の担当外にはなりますが、回答させてください。ドラッグラグ、ロスとあり、今はドラッグロスというのが問題になっています。有名なのが86品目という製薬協が調査した品目があります。欧米で承認されて売り出されていますが、日本で全く開発されていないという品目があったというものです。いわゆる完全に日本がパッシングされている状態になっています。その内訳のかなりの部分がオーファン、小児、あとはベンチャーの開発品目です。そういった品目が、なかなか日本に来ない、開発が進まないという状況になっていて、その原因は幾つかいろいろなことが言われていますが、薬価の問題、あとは日本の市場が相対的に小さくなってきている問題などがあります。それ以外にも薬事にも幾つか原因となる日本独自のルールがあるのではないかということで、薬事関係についても、検討会を行って幾つか対策をしています。
いろいろな対策の1つにオーファンの指定をやりやすくする、小児を任意の開発計画を求める、欧米では義務なのですが任意の開発計画を作成させたりなどを行っています。それに対して併せて薬価も連動させて若干評価を付けるなど、そういう承認と薬価とがつながっているのが日本のいい特徴ですので、そういったことをやりながら対策を講じてきているという段階になっています。どうしても開発に時間が掛かり、着手したばかりですので、全然解決になっていませんが、今、そういう状態になっているということになります。
○石井主査
それでは、2つ目の救済のほうをお願いいたします。
○医薬品医療機器総合機構信沢救済管理役
救済管理役の信沢からお答えします。7年度に向けての請求件数の見込みですが、資料の6ページを御覧いただくと、ある程度の傾向が分かるかなと思います。この青の所がこれまでの請求件数です。平成30年度から載っていますが、令和元年度が1,500件で、そこから減少しています。ちょうどコロナが発生して、病院にかかるのをちょっと控えるような状況が起きてから、ずっと減ってきていたのですが、コロナがだんだん収まってくるにしたがって、令和5年度ぐらいから請求件数が上がってきているということで、6年度も上昇傾向です。ですので、我々としては恐らく6年度ぐらいか、それ以上の請求が見込まれるのではないかと考えています。
○医薬品医療機器総合機構高橋執行役員
最後の運営費交付金についての御質問ですが、PMDAも運営費交付金、それから国庫補助金はもちろん受けています。ただ、その割合が例えば令和6年では、決算ベースで運営費交付金が24億、国庫補助金13億、全体で37億程度です。全体の収入300億に対しまして、割合がほかの法人に比べますと非常に低いということになっています。河村先生からの御指摘も恐らくは、他法人に比べてその収入の割合で、国庫に依存する割合が非常に低く、自主財源と申しましても先ほど触れましたが、業界の皆様からの拠出金や手数料による部分が非常に大きい。そういった構造のところは、御指摘いただいているのかと思います。
○川原構成員
ありがとうございます。先ほどの請求件数の件は、資料にあった部分で失礼しました。あと、ドラッグロスも非常に大きな問題ですし、今後もまた更に拡大しないように、それが1件でも縮小するように、是非、頑張っていただければと思います。よろしくお願いいたします。
○石井主査
ほかにはありませんか。Webで御参加の先生は、いかがですか。鈴木先生、よろしくお願いいたします。
○鈴木構成員
鈴木です。御指名ありがとうございます。御説明を聞かせていただきまして、PMDAの果たす3つの役割という、審査、救済、安全が適切に行われているということがよく分かりました。3ページにあります重要度、困難度の指標の高い所も、しっかりと実施してくださっているなということも理解できます。審査等業務については、5年度と6年度で指標が変わったことでのSからAということで、実態としてはしっかりと業務を遂行してくださるということも理解できました。
御質問ですが、先ほどお話のありました6ページです。折れ線グラフの赤の部分です。6か月以内の処理、これが非常に迅速に行われつつあるということが理解されるところですが、他方で下の緑の8か月超で処理した件数、残念ながら時間が掛かってしまった件数、これはもちろん目標値10%以下ということで、しっかりと達成されているわけですが、こういったことが生じている理由といいますか、この辺りのところ、また、こういったものを減らしていく更なるお取組など、そういったものがありましたら、お聞かせいただければと思います。以上です。よろしくお願いいたします。
○石井主査
よろしくお願いいたします。
○医薬品医療機器総合機構信沢救済管理役
救済管理役の信沢です。私からお答えします。6ページの赤の折れ線グラフ(6ヶ月以内に処理した達成率)と緑の折れ線グラフ(8ヶ月超で処理した件数の割有)なのですが、赤の折れ線グラフが若干、6年度は減少しまして、緑が上がってきたというのは、請求件数が上がってきているというところが一番の大きな要因ではあります。そのほかにも医薬品を使用して副作用が出るという中で、高齢者の方の使用が多くなってきているなど、多剤服用が多くなってきているというところで、調査にも時間が掛かるものが増えてきているというような要因もあります。こうした業務を効率化していく1つの手段としては、冒頭にも御説明しました10ページにあるような作業の電子化といったものに取り組んでいるところです。以上です。
○石井主査
ありがとうございます。鈴木構成員、よろしいですか。
○鈴木構成員
結構です。ありがとうございました。
○石井主査
ありがとうございます。ほかの先生方は御質問はありますか。渡邊構成員、何か御質問はありますか。
○渡邊構成員
御説明ありがとうございます。全ての業務に関して、しっかり進めていただいていることが分かりました。ありがとうございます。
私からは、ほかの先生方の御意見に加えて、特に指摘などはないのですが、意見としてはMID-NETについて、利用のほうはもう少し伸びる余地のあるデータベースではないかと思っています。今後も貴重なデータですので、活用を進めていっていただけたらとは感じています。以上です。
○石井主査
ありがとうございます。MID-NETについては、何かコメントはありますか。
○医薬品医療機器総合機構丈達執行役員
MID-NETを担当している丈達です。御意見ありがとうございました。御指摘のとおり、我々はこの資料にも出していますが、行政利用の部分と、それから民間利用、アカデミアの利用、そういう部分に大きく分けられるわけですが、まだ民間利用の部分の伸びがよくないということは、我々もしっかり認識しています。その辺はいろいろと業界の方の意見を聞き入れながら、改善しながら今までやってきています。引き続き、もっともっと御利用いただけるように、改善を進めていきたいと思いますので、引き続き御指導いただければと思います。ありがとうございます。
○石井主査
ありがとうございます。下山構成員、何か御意見はありませんか。
○下山構成員
ありがとうございます。お話を今、聞かせていただいて、審査等、迅速にされて、また信頼性や妥当性の面なども見ていただきながら、このように件数が増えているということは本当にすばらしいことだなと評価しているところです。また、小児のほうの薬がなかなか難しいという中で、どのように発展させていったらいいのかということで、相談等を受けながら、支えながらこういった審査を進められているということを、とてもいい仕組みだなと思って評価させていただいています。
私から1点、お聞きしたいことがあります。昨年度、All Employee Meetingをされたということで、私もこの取組はすばらしいと思っていて、全役職員の方々が集まってPMDAとパーパスについて真剣に語り合って、699個の「ありたい組織文化の種」が集まったと書かれていました。実際面、御参加いただいた職員の方々、これをすることによって組織に対する考え方、自分たちの働き方、生活の仕方について何かコメントなどが集められていたとしたら、少し教えていただきたいと思います。以上です。
○石井主査
ありがとうございます。それでは、回答をお願いいたします。
○医薬品医療機器総合機構高橋執行役員
経営企画担当の高橋からお答えさせていただきます。All Employee Meetingの中で、それぞれ語り合うことによって、ふだんの業務の中で、改めて自分たちの仕事がどういった形で法人の全体とつながっているかということを考える機会が、十分に設けられていなかったかもしれない中で、こういった機会を設けたというのは非常に大きな意義があったかと思っています。そういった改めて考えることができたということだったり、多くの職員が従来の職場とはまた違う形で、シャッフルするような形でそれぞれ意見交換を行っていますので、その組織内でも新しい視点を得られたという意見も多くあったかと思います。そういった組織文化の面と、それから自分たちの仕事と法人のミッション、正にパーパスの方向をつなぎ合わせていく非常にいい機会になったということが大きなところかと思います。
その結果を集約したものが、バリューの形にまとめています。さらにそういったプロセスを今後も継続していくために、このパーパスとバリューを今後もみんなで作ったものとして定着させていき、そういった振り返りの機会に活用していければと考えています。それをこれから実践していくのが、令和7年度以降の取組のポイントになるかと考えています。
○石井主査
ありがとうございます。下山構成員、いかがですか。
○下山構成員
ありがとうございます。詳しく教えていただいて、様々な所で業績も100%の達成率をオーバーするような、かなり大変なお仕事を職員の方々がされているとすると、こういったことが仕事の中で、自分たち一人一人がどのように働いていくか、持続して働いていくのか、価値を付けるのかという意味ではとても参考になるなと思った限りです。ありがとうございました。
○石井主査
ほかにありませんか。私から少し聞かせていただきたいことがあります。救済制度の6か月以内の目標を65%から70%に上げるというのは、これはシステムの導入と、更にそこに人をあてるなど、それは何か具体的な計画など、見通しがあるのでしょうか。
○医薬品医療機器総合機構信沢救済管理役
救済管理役の信沢です。ありがとうございます。これも6ページを御覧いただくと、令和3年度ぐらいから請求件数が少なくなってきたとはいえ、その達成率が80%を超えるような状況であったということもありました。これまでに取り組んだ業務としては、コロナ禍で職場に出勤して仕事ができなくなったということも踏まえまして、5ページ目に記載しているのですが、例えば調査を円滑に進めるために症例経過概要表の作成をし、進行管理をしっかりしたなど、実際、請求書類というのは、全部、紙で受け付けていますので、その紙を受け付けて審査をするには出勤しなければいけませんので、それをPDF化して、テレワークもできるような形にするなど、できるだけ業務を効率化してきました。そういった業務を効率化した影響もあって、過去、令和3年度ぐらいから、達成率も上がってきていますので、今回、65から70%に上げたというところです。先生のおっしゃったシステムの関係は、7年2月に導入しまして、実のところを申し上げると、今は、まだそのシステムに職員が慣れていないというところもあります。一気にシステムを導入したから業務が早くなったということでもない状況です。これから、その辺に慣れてきた場合には、今後の状況等も踏まえて、達成率の目標値について検討していくことになります。
○石井主査
ありがとうございます。今、マイナポータルなど、ああいったもので、個人の薬物治療の管理がより一元化できていると思いますので、まだ全員はできていないですが、そういったものをうまく活用できると、より何か効率化できるのではないかなとは感じたのですが、その辺りはいかがですか。
マイナポータルや住基ネットなども、電子保険証という形でありますよね。薬物治療の記録が残っていきますよ。そういったものを含めると、救済制度もそれらを活用することによって、いちいち紙で全部PDF化するプロセスも省けるような気がしたのですが。
○医薬品医療機器総合機構信沢救済管理役
今、正に計画しています、先生もおっしゃったマイナポータルの利用ですが、今、請求や届出を全部紙で提出していただいていますが、それをオンライン化することによって、我々が全て手入力しているところも、そのままデータを電子で導入できるようになりますので、効率化ができると考えています。
○医薬品医療機器総合機構高橋執行役員
すみません、ちょっと補足させていただきますと、その請求行為の部分については、マイナポータルの機能の活用ができるかと思いますが、その中でどういった診療経過があったかであったり、それから、どういった薬剤が処方されているのかという情報を直接PMDAが今、進められている医療DXの基盤の中で受けることができるかというのは、そこはまだ整理されていないのです。これは直接、議論に参画しているわけではないのですが、医療を提供をされる皆様の中でのインフラとしての情報基盤のほうが今進められていますが、それを給付の参考資料として、どういった形で入手できるかというのは、検討が必要かと思っています。PMDAが直接入手する形なのか、それとも利用者様は少なくともその情報が参照できるはずですので、申請者の方が自らマイナポータルを活用して、その情報を添付していただくというのは想定はできるのですが、このマイナポータルの基盤の活用の仕方というのは、恐らく請求の手続の部分と診療情報などの医療情報の部分は少し分けて、具体的にこれから法制度全体の検討が行われる中で、どういったインフラが活用できるかということを、きちんと考えていく必要があるかと考えています。
○石井主査
医療DXが進んで、より効率化と正確さ、あと、それに迅速さが伴うと思いますので、是非、これは国の課題だと思いますが、進めていっていただけたらと思います。
もう1点ですが、予算に対して支出が非常に少ない期間が続きました。赤字の病院に勤務している者にとっては、うらやましいグラフだと思ったのですが、あれはどうしてあれほど差があったのですか。
○医薬品医療機器総合機構高橋執行役員
経営企画の高橋から回答させていただきます。スライドの最後のページで、左側の経年のグラフで、こちらは支出の予算と決算の状況を記載していますが、予算編成の際にいわゆる厳しめの見積りをするとなりますと、支出は考えられる支出の項目を挙げていますし、収入はやや厳しめと、これは厳しい見通しということになりますと、そういう形になりますが、実態として前回のこちらの委員会で御指摘いただきましたように、そういった収支をしっかり厳しく見るというよりも、予算統制の所で新しく視点を頂きましたので、令和7年度の予算編成については、そういった考え方の切替えを行わせていただいて、今回はこういった予算を編成させていただいたというのが経緯です。
○石井主査
ありがとうございます。ほかに構成員の皆様はよろしいでしょうか。それでは質問も出そろいましたので、続いて法人の監事及び理事長から年度・中期目標における目標の達成状況を踏まえ、今後の法人の業務運営等についてコメントを頂ければと思います。最初に法人の監事から、続いて法人の理事長よりお願いいたします。それでは、監事様、よろしくお願いいたします。
○医薬品医療機器総合機構池田監事
監事の池田と申します。資料2-4を御覧ください。監査方法及びその内容については記載のとおりですが、例年、年度はじめに実施しています監事監査に関して、少し補足させていただきます。監事監査は30を超える部や室の組織長、理事長、理事及び執行役員など、総勢50名を超える方々から経営理念の浸透状況や中期計画の業務遂行、さらには組織のリスク管理や部下のマネジメントなどの内部統制体制の状況を確認したほか、エンゲージメントサーベイや従業員のストレスチェックの調査結果なども参考にして行っています。これらの結果については、Ⅱの監査結果の記載のとおりですが、1の法令遵守状況及び中期目標手続状況、2の内部統制システムの整備状況、3の役員の職務執行に関する不正行為、または法令違反等、いずれにおいても指摘すべき重大な事項は認められていません。また、次のページの4の財務諸表及び決算報告書の適否、以下についても記載のとおり特段の問題はありません。
監査報告については以上ですが、日頃の役職員との対話等を通じ、気付いた点を少し述べさせていただきます。先ほど来、構成員の先生からも大変御評価を頂いていますが、総務省が主催する独法シンポジウムにおいて、当機構のバックオフィス業務の変革に対する取組が先進的な事例として取り上げられたとの紹介がありました。総務省という正に外部から、好事例として取り上げられたことに価値があると考えています。今後の日常業務においても、更なる効率性を追求する不断の努力を期待したいと考えています。
また、先ほどからも御評価いただいていますパーパスやバリューに関しても、先ほど紹介がありましたが、向こう10年後、あるいは20年後にPMDAの中核として経営を背負って立つ若手層が中心となって、パーパスの制定やバリューの機構内への浸透に真剣に取り組んでいることに大変意義があると考えています。
足下の物価や賃金の高騰は、当機構の収支状況にも少なからず影響を及ぼしており、取り巻く環境は予断を許しませんが、これらのいわゆるボトムアップの取組と、理事長のリーダーシップというトップダウンの融合により、サステナブルな組織経営を目指している状態を評価しつつ、更なる経営の効率性、安定性の追求を期待したいと存じます。簡単ですが、以上です。
○石井主査
ありがとうございました。それでは、法人理事長よりお願いいたします。
○医薬品医療機器総合機構藤原理事長
ありがとうございます。理事長の藤原です。本日は多岐にわたりまして、いろいろな御指摘を頂きまして、ありがとうございます。皆様方の御指摘を踏まえて更に業務改善等を図っていきたいと思っています。
振り返ってみますと、この5期の私どもの目指している方向性というのは、大きく3点に分けられています。科学力の向上と積極的な国際活動の推進、業務の質の向上、一層の効率化というものを掲げて職員一同頑張っているところです。今日の業務実績の内容にもありましたが、令和6年度はEarly Considerationの発信、それから小児用希少疾病用医薬品の薬事相談支援センターを通じた未承認薬の解消への努力など、世界のバイオベンチャーへの宣伝というか、日本を向いてほしいという行脚、これはワシントン事務所を昨年の11月、バンコク事務所、アジア事務所なのですが、昨年7月に開所しまして、そこを中心に国際部と審査、安全の各部署を通じて、みんなで努力しているところです。来年度以降も鋭意頑張っていきたい、先ほど川原先生からも御指摘いただいたドラッグロスの拡大を少しでも食い止める一助になればなと思っています。
PMDAに対する期待というのは、私どもいつもひしひしと感じているのですが、期待が大きすぎてつぶれそうにはなりますが、そこをぐっとこらえて、この5期の間もみんなで頑張っていきたいと思いますので、構成員の先生方の御支援、御指導があれば、それもより実現可能になると思います。それから、20周年を期して作ったパーパスとバリュー、作った段階では先ほど監事さんからも御指摘があったように、全職員を含めてやっていきましたが、これからそれをどう具現化して、職員に腹落ちしてもらって、更に文化として広めていくかというところが課題としてまだありますので、令和7年度はそこを今、頑張っているところです。また来年の成果を御覧いただければと思います。ありがとうございました。
○石井主査
ありがとうございました。ただいまの御発言の内容について、御意見、御質問がありましたらお願いいたします。よろしいですか。Webの構成員の皆さんもよろしいですか。ありがとうございました。
それでは、以上で本WGの議事を終了します。最後に事務局からお願いいたします。
○事務局
事務局です。本日はどうもありがとうございました。今後の流れについて御連絡します。今回、御議論いただきました医薬品医療機器総合機構の令和6年度業務実績評価については、この後、本日に御議論いただきました御意見や法人の監事及び理事長様のコメント等を踏まえて、厚生労働大臣による評価を決定しまして、法人及び独立行政法人評価制度委員会に通知するとともに公表します。決定したそれぞれの内容については後日、先生方にもお送りしますので、よろしくお願いいたします。事務局からは以上です。今日はありがとうございました。
○石井主査
それでは、本WGはこれで終了とさせていただきます。長時間にわたり熱心な御議論を頂き、また円滑な議事運営に御協力いただきまして、ありがとうございました。以上です。