2025年7月25日 独立行政法人評価に関する有識者会議 地域医療機能推進WG(第13回) 議事録

日時

令和7年7月25日(金)14:00~15:30

場所

中央労働委員会 労働委員会会館 講堂(7階)

出席者

小野主査、荒牧構成員、及川構成員、河村構成員、田熊構成員、本田構成員
 

議事

議事内容
○事務局
 定刻になりましたので、ただいまから第13回独立行政法人評価に関する有識者会議地域医療機能推進WGを開催します。事務局の政策立案・評価担当参事官室の兼坂です。どうぞよろしくお願いいたします。
 委員の皆様におかれましては、お忙しい中お集まりいただき、どうもありがとうございます。今回、委員の皆様の改選がありましたので、新たに選任いただいた委員の皆様を御紹介させていただきます。本会議はオンラインでの御参加になっていますが、荒牧委員です。続きまして、及川委員、田熊委員、本田委員です。どうぞよろしくお願いいたします。
 本WGの出席状況について、御報告いたします。小野主査、及川委員、河村委員、田熊委員、本田委員が会場での御参加です。先ほども申しましたが、荒牧委員がオンラインでの御参加となっております。どうぞよろしくお願いいたします。また、事務局でも人事異動があり、諏訪が参事官として就任したことを御報告いたします。
 
○政策立案・評価担当参事官室参事官
 調査分析・評価担当参事官に着任しております諏訪です。委員の皆様方、どうぞよろしくお願いいたします。
 
○事務局
 続いて、本会議の資料について説明いたします。本会議の資料は、お手元のタブレットに収納してありますので、そちらを御覧ください。荒牧委員に関しましては、事前にお送りしております資料を御準備いただけると有り難いです。本会議の資料は、資料1及び資料2、参考資料として1~6となります。資料の不足などありましたら、お申し付けください。ここで、報道関係の方に御連絡です。本会議の撮影に関しては、頭撮り可とさせていただいているところですが、撮影はここまでといたします。
 それでは、小野主査に議事の進行をお願いいたします。
 
○小野主査
 それでは、議事に入らせていただきますが、今回は地域医療機能推進機構について、令和6年度業務実績評価に係る意見聴取を行うこととなっております。法人から、各評価項目における評定の根拠について、重点的に説明しますので、評価の内容を中心に皆様から御意見、御質問を頂きたいと思います。本会議は、おおむね1時間半を予定しておりますので、円滑な議事運営に御協力くださいますよう、よろしくお願いいたします。
 それでは、早速、議事に入りたいと思います。まず、地域医療機能推進機構の令和6年度業務実績評価について、御議論いただきたいと思います。初めに、法人から簡潔に説明を頂き、説明が終わってから質疑応答という流れで進めていきますので、よろしくお願いいたします。それでは、説明をよろしくお願いいたします。
 
○地域医療機能推進機構企画経営部長
 地域医療機能推進機構企画経営部の松本と申します。本日は、どうぞよろしくお願いいたします。それでは、お手元の資料に沿って、JCHOの業務実績説明資料について御説明いたします。
 まずは、1ページ目を御覧ください。JCHOの概要について記載しております。左側にありますが、設立は平成26年、主に病院や介護老人保健施設などの運営を実施しております。病院数は57となっております。右側ですが、患者数は入院が1日平均1万763名、外来が1日平均2万3,630名となっております。病院の規模ですが、右下の円グラフを御覧いただければと思います。病床数は比較的ばらつきがありまして、200床未満が水色とオレンジの計29病院となっておりまして、全体の約半数となっております。200~300床の病院が14病院、301床以上が14病院となっております。全体としては、急性期と回復期などの双方を持ち合わせている病院が多いということになります。
 続いて、2ページになります。業務実績評価項目一覧です。一番左の欄ですが、中期計画(中期目標)に記載されている項目となります。続いて各項目の番号、自己評価を記載しております。自己評価のうち、重要度、困難度が高い項目については下線等を付しております。一番右がページ番号となっております。
 JCHOは、令和6年度から令和10年度までが第3期中期目標期間となっております。本日、御議論いただく令和6年度は第3期中期目標期間の初年度となっております。
 続いて、3ページとなります。評価項目№1-1、診療事業の良質で効果的・効率的な医療体制の推進となっております。中期目標の内容を記載しておりますが、地域の他の医療機関等との連携を進め、良質な医療を提供する体制の充実・強化に取り組むとされております。この項目は重要度、困難度がともに「高」となっておりまして、自己評価はAとさせていただいております。
 4ページ目になりますが、この項目の数値目標について記載をしております。数値目標が3点ありまして、1つ目が22病院で病院機能評価等の第三者認定を受ける、2つ目が逆紹介率を62%以上とする、3つ目が救急搬送件数を前年度より増加とあります。実績値の欄は右側にあります。いずれも目標を達成しておりますので、一番右側の欄の達成度は100%以上となっております。
 指標に関しての補足説明を4ページ目の下部に記載しております。まず、病院機能評価についてです。第三者認定を受けるということは、医療の質の向上にとっても重要なものとなっておりますが、受審促進のための取組として、右側の図にあるとおり、受審予定病院に対してJCHO本部が受審費用を助成する、JCHOのネットワークをいかして既に認定済みの病院がアドバイザー病院として模擬審査をする、などを実施しております。
 続いて、5ページになります。2つ目の数値目標の逆紹介率については、右側の上にあるグラフのとおり、近年、増加傾向となっておりまして、令和6年度の実績値は68.7%でした。逆紹介率を向上させるための取組として、地域の医療機関への挨拶訪問など顔の見える関係づくりを丁寧に行っております。3つ目の数値目標の救急搬送件数については、右下のグラフのとおり、青の棒グラフが救急搬送の依頼があった件数で、オレンジの棒グラフが実際に救急搬送された件数となっております。数値目標としているのはオレンジの救急搬送件数となっておりまして、令和6年度は10万9,317件でした。令和5年度の10万5,371件と比較して3,946件、3.7%増加しております。
 全国では、令和6年の救急搬送件数は令和5年と比較して1.9%増となっておりますので、年度と年の違いはありますが、全国と比較しても救急搬送件数の伸び率は高く、地域の救急医療に貢献できたと考えております。救急受入れの取組としては、左側の1ポツにありますように、救急を受け入れる体制を強化すること。また、消防署と定期的に面談をして連携を図るといったことなどの取組も行っております。
 続いて、6ページになります。数値目標以外の取組を記載しております。3点ありまして、1つ目は良質な医療を提供する体制の充実・強化となります。例えば2つ目のポツにありますが、離島やへき地などの所に対して、自治体から要請があった場合に医師などを派遣するといった取組なども行っております。また、3ポツ目にありますように、DMAT隊員の養成など災害への備えも行っております。
 真ん中の四角ですが、2つ目の地域の他の医療機関との連携としては、高額医療機器を地域の医師などが利用できる体制を確保したり、一番下の四角になりますが、3つ目のJCHO調査研究事業として多施設が共同で研究を実施することなどを行っております。
 続いて、7ページに続きますが、新興感染症等への対応としては57全病院で都道府県との間で感染症発生時に病床確保をすることなどを内容とした医療措置協定を締結しております。また、一番下の四角になりますが、地域のリハビリテーションの実施というところで、例えば病院内で定期的に健康サロンを開催したり、自治体が実施する事業に参画するなどの取組を行っております。
 続いて、資料の8ページになります。評価項目№1-1の(2)予防・健康づくりの推進となります。こちらも数値目標がありまして、真ん中に書いておりますが、地域住民への教育・研修の実施回数を毎年度1,000回以上するとなっております。実績は1,310回でして、目標達成となっております。こちらの自己評価は数値目標を達成し、かつ達成度が120%以上となったことからAとさせていただいております。
 続いて、9ページになります。目標に関しての補足説明を記載しております。各年度の研修実績は右側のグラフにあります。各病院が地域全体での健康づくりに果たす役割の重要性を認識して積極的に実施したというところで増加傾向にあります。
 具体的な事例としては、左側に記載しておりますが、介護予防の研修会の実施や商業施設で健康教室を開催する、また、地元の中学校に出向いて体験学習を行うといった取組を実施しております。
 続いて、10ページになります。こちらは数値目標以外の取組内容となっております。特定健康診査などを含む効果的な健康診断の実施として、当日指導やオンライン活用などの工夫を行ったことによって、真ん中のグラフにありますように、特定保健指導の推移が経年で見ても増加傾向となっております。
 続いて、11ページを御覧ください。評価項目№1-2の介護事業となります。中期目標では介護予防から医療・ケアまでシームレスに提供する体制の充実・強化が記載されております。こちらの数値目標は、訪問看護ステーションの特別管理加算の算定件数を毎年度1万件以上となっており、実績は1万268件で目標達成となっております。目標を達成しているため、こちらの自己評価はBとさせていただいております。
 続いて、資料の12ページになります。数値目標の補足説明について記載をしております。特別管理加算とは、在宅人工呼吸器管理など特別な管理が必要な利用者に対して、計画的な管理を行うことで算定できる加算となっておりますが、医療依存度の高い方を積極的に受入れたというところで、右上のグラフにありますように、経年で見ると増加傾向にあります。
 取組事例としては、左側にありますように、例えば併設の病院に入院中の利用者に対して早期に病棟訪問を行ったり、退院前カンファレンスの参加を通じて重症者を在宅で受け入れるための体制整備などを実施しております。
 そのほか、下のグラフにありますように、終末期の患者を受け入れる体制整備によるターミナルケア加算を算定しているほか、24時間体制を整えることなどで、24時間対応体制加算や緊急時訪問看護加算の算定件数が増加傾向にあります。
 続いて、13ページになります。こちらは数値目標以外の取組を記載しています。例えば、認知症の方の在宅復帰を目指した対応として、右側にありますように、記憶や日常の生活活動の訓練を組み合わせる認知症短期集中リハビリテーションを実施しております。このほか、ACP(アドバンス・ケア・プランニング)の研修を老健施設で実施するなどの取組を行っております。下の四角にありますが、12施設で地域包括支援センターを受託しまして、介護予防ケアプランの作成なども行っております。
 続いて、14ページに移りますが、こちらは評価項目№1-3となります。病院等の利用者の視点に立った医療及び介護の提供となっておりまして、こちらは重要度、困難度ともに「高」となっております。数値目標が下の表にありますが、まず、病院と老健施設の患者・利用者満足度調査の得点になっております。病院については、入院・外来ともに達成度が100%を超えており、目標値を達成しておりますが、老健施設については入所・通所ともに目標値の点数を超えなかったというところで、達成度が100%に至らなかった状況です。
 次に下の段になりますが、①②とありまして、①が45病院で実働病床数に対するインシデント・アクシデント報告総数を5倍以上とする目標になっております。こちらは54病院で5倍以上となっておりますので、45病院という目標値を達成しております。
 一方で、②になりますが、57全病院においてインシデント報告総数に占める医師からの報告割合を前年度の令和5年度より1%増加する目標になっておりますが、こちらは達成した病院が30病院で、全病院という目標には達成しなかったというところです。こちらについては、目標を達成している項目と達成していない項目がある関係で、自己評価についてはBとさせていただいております。
 続いて、15ページになります。こちらは病院の患者満足度調査について記載しております。上位項目には看護師の対応や医師の診療がありまして、具体的な取組事例については下部を御覧いただければと思います。
 続いて、16ページが老健施設の利用者満足度調査となっております。上位項目には送迎対応や職員の対応がある一方で、食事や面会時間については満足度が低くなっております。面会については、感染症が発生することもあるので、完全にコロナ禍前と同程度まで緩和することは難しいところはあるのですが、オンライン面会を取り入れるなどの取組を行っております。
 続いて、17ページになります。インシデント・アクシデント報告関係になります。一般的なインシデント・アクシデント報告件数については病床数の5倍程度となされており、そのうち1割が医師からの報告であることが組織の透明性の目安と言われております。このため、JCHOにおいても各病院における全報告数の1割を医師からの報告が占めることを目指しております。上の欄で実働病床数に対するインシデント・アクシデント報告総数を5倍以上とする目標は達成しましたが、こちらは職員に対して報告の重要性を研修会などで取り上げるなどの工夫によって結果が出たものと考えております。
 一方、下の欄の医師からの報告総数を1%増加という目標は達成しておりません。医師からの報告数や報告率は、右下にグラフを掲載しております。年々、増加してはおりまして、JCHO全体として報告文化は醸成されてきているところではあると思いますが、こうした文化を今後、一層定着させていくことが必要だと考えております。
 今後の取組としては、各種委員会で職種別の報告数や報告率を提示することや、報告数が大きく増えた病院の取組を本部が紹介するといったことを実施しており、医療安全には医師の関与が不可欠だという認識を引き続き広めていきたいと考えております。
 続いて、18ページになります。こちらは数値目標以外の取組です。例えば、地域のネットワークを活用して医療安全に関する相談支援などを実施する医療安全相互支援体制を令和7年度から開始できるように準備を実施しました。
 続いて、19ページになりますが、評価項目№1-4、教育・研修事業になります。ここは数値目標が3点あります。まず、22病院で医師・看護師を含む3職種以上が医療安全管理者養成研修を受講するというものです。次に、特定行為研修修了者の配置者数を前年度より増加し、配置者数に対する特定行為の実施者の割合を50%以上とするというものです。そして、地域の医療介護従事者への教育・研修回数を毎年度650回以上とするとなっております。いずれも実績値は数値目標を超える結果となっており、かつ達成度が120%以上となっておりますので、自己評価をAとさせていただいております。
 20ページが数値目標の補足となっております。まず、医療安全管理者養成研修ですが、右側のグラフにありますように、例えば看護師は全57病院で研修受講者がいる状況になっております。JCHO本部で研修を実施するようになったことなどもありまして、多職種からの受講が増加した要因だと考えております。
 続いて、21ページになります。特定行為研修修了者です。特定行為というのが診療の補助でありまして、看護師が手順書によって行う場合に実践的な理解力や高度で専門的な知識などが必要とされる行為となっております。右のグラフにありますように、研修修了者の配置者数に対する特定行為の実施割合は、いずれも経年で見て増加しております。また、実際の特定行為実施件数も下のグラフにありますように増加している状況です。
 時点が少し異なるのですが、就業看護師数に占めている特定行為研修の修了者数の割合は全国で0.7%であるのに対して、JCHOは3.0%となっております。全国値と比較しても少し高い数値となっているところです。
 続いて、22ページになります。数値目標以外の取組について記載をしております。例えば、看護師については「JCHOナース1.3万人総活躍プラン」を策定しまして、右側の絵にありますように、これまでの取組を整理、可視化しております。また、看護師で看護師の人材育成を担当し、キャリア相談に対応するキャリアアドバイザーの認定を開始いたしました。
 続いて、23ページになります。そのほかの取組として、例えば薬剤師になりますが、病院薬剤師の確保・定着が難しいところもありまして、新卒薬剤師を対象とした新たな研修制度「ポリバレントファーマシスト育成プログラム」の運用開始に向けた準備を行っております。このほか、奨学金返還支援制度などを今年度から開始できるように昨年度、準備を実施いたしました。また、事務職に限らない経営スキルの向上を目標として、多職種を対象に経営パワートレーニングを実施いたしました。
 続いて、24ページになります。評価項目№2の業務運営の効率化に関する事項です。こちらは数値目標はありません。具体的な取組としては、下の四角の中に書いておりますが、例えば1ポツにありますように、JCHOアドバイザリーボードを設置して、外部有識者のアドバイザーの方から法人運営に関する助言を得ることなどを実施しております。
 また、25ページになりますが、スケールメリットを活かした業務効率化による収支改善として、医薬品や診療材料の共同調達や大型医療機器の他法人との共同入札、また、ベンチマークシステムの導入によりコスト削減に努めております。
 続いて、26ページになります。評価項目№3、財務内容の改善に関する事項になります。こちらは、困難度が「高」となっております。こちらは数値目標がありまして、経常収支率を令和5年度より上回るものになっております。令和5年度の経常収支率が98.0%、令和6年度が98.6%でしたので、数値目標は達成したというところです。数値目標を達成し、困難度が「高」ということから自己評価はAとしております。
 続いて、27ページになります。こちらは数値目標の補足説明となります。左下にありますように、コロナ補助金を除いた経常収支額、経常収支率は、若干ですが改善しているところになります。JCHOは国から運営費交付金が出ない独立行政法人でありまして、更に昨今の物価上昇などの負担が増大し、非常に経営環境が厳しいところです。そういった中で、地域の医療機関との連携強化や救急搬送の積極的な受入れなどを実施し医業収益が増加して、医業収支自体は令和5年度と比較して0.6ポイント、17億円改善したというところです。
 経営改善の取組としては、令和5年度、令和6年度を経営強化集中期間として本部同席の下で院長から病院幹部に対して収支改善計画を説明するなどの取組を実施しました。また、全病院の幹部職員を対象に病院経営における研究会議を実施しまして、経営状況の再認識を促すとともに、好事例の横展開も行いました。
 続いて、28ページになります。右側のグラフにありますように、病床利用率は増加傾向にあるところでして、平均在院日数も真ん中のグラフにあるように短縮をしてきております。1日平均の新入院患者数についても増加してきております。なお、外来については本ページのグラフには掲載しておりませんが、患者数がコロナ禍前よりは減少しているところです。これは地域のかかりつけ医と病院の役割分担の面もあると考えられます。
 また、左側の図になりますが、入院から退院までの流れをPatient Flow Management(PFM)として分かりやすくまとめて病院に共有などをしております。このように法人全体で収支改善を目指して努めているところではありますが、結果的には経営状況としては59億円の赤字となっております。今年度も昨年度と同様の診療報酬であることも踏まえまして、引き続き経営改善の努力が必要になると考えております。
 続いて、29ページになります。評価項目№4、その他業務運営に関する重要事項となります。こちらは数値目標はありません。令和6年度から医師の働き方改革が開始しまして、時間外労働の上限が一般の労働者と同程度の960時間となりました。ただ、地域の医療にとって必要不可欠な機能を持つ医療機関については、特例水準の指定の申請を行うことで、この上限が緩和されておりますが、JCHOでは5病院が特例水準を受けております。右側のグラフにあるように、960時間を超えて時間外労働をした医師については、令和7年度は72名となっております。集計方法が令和5年度までと令和6年度で異なっておりますので、単純比較はできないのですが、推移としては減少傾向にあるというところになります。
 続いて、30ページになります。こうした働き方改革を実現するためには、タスク・シフト/シェアの推進が重要となってきます。例えば、主な取組事例にありますように、救急受入時に救命救急士が救急外来での診療経過の記録をすることや初期診療を診療看護師が担うなど、各職種が本来業務に集中できる体制整備を進めております。また、当直を踏まえた医師の勤務スケジュールの作成や特定短時間勤務制度の創設といった工夫もしております。
 このほか、31ページに記載されているとおり、人材確保としてJCHO内の医師不足病院に対して14病院から延べ232名の医師を派遣しております。
 また、真ん中の四角の所になりますが、内部統制として監事監査に加えて内部監査を実施しております。このほか、情報セキュリティ対策としては、個人情報保護研修を事務部長などを対象に実施しております。また、広報としてJCHOニュースを年4回発行するなどの取組も行っております。
 これらの取組、また、それぞれの各項目の自己評価を基に総合自己評価判定についてはAとさせていただいております。以上でこちらからの資料の説明は終了させていただきます。どうぞよろしくお願いいたします。
 
○小野主査
 御説明ありがとうございました。ただいま説明がありましたが、令和6年度の実績評価について構成員の皆様方から御意見、御質問等を頂きたいと思います。構成員の皆様、御発言いただければと思います。いかがですか。田熊構成員、どうぞ。
 
○田熊構成員
田熊です。よろしくお願いします。昨今の物価高、人手不足、こういった日本全体で抱える問題の中で、例えば共同調達、それから共同入札で医療機器の5.7億円、材料費の2.1億円を削減されていますので、こういった努力は素直に敬意を表したいと考えます。日本全体が抱える厳しい環境の中で頑張っていらっしゃるということは、まず1点、言えるのかなと思います。
 その大前提の下、私から質問も含めて3点ほど申し上げたいと思います。1点目が、B評価にされていたアンケートの部分で、例えば評価項目1-3で、老健施設の利用度、満足度調査が100%に至らなかったというお話なのですけれども、これは一般的にアンケート全般に言えるお話だと思うのですが、アンケートの取り方というか、用紙の作り方からして非常にぶれが大きくて、多くの施設がある中でアンケートの取り方、答え方の濃淡もあるのではないかと思っています。そういった意味では、このアンケートに限らないのですけれども、現場の皆さんからすると、評価のためにもやるのですけれども、「評価のための評価」ではなく、これをやってくださいという形ではなくて、このためにやっていただいて、それが皆さんの所にフィードバックになる形が望ましいと思います。例えば本部と各施設とのコミュニケーションの円滑化とか、そういった意味も含めて、単なるアンケートというよりはフィードバック、それから、フィードバックを行った後で組織全体として、各施設1か所1か所で少しでも良くなっていくような結果になるような取り方を工夫していただきたいと思います。これが1点目です。
 2点目が、例えば今、我々が取り組んでいる業務実績評価、これは国が決めているものですから、もちろん大事なことなのですけれども、これだけ大きな組織ですと、末端にはなかなか伝わりにくいと思うのです。そういった意味で、例えば今回A評価を取った、どういうことで認められたのか。そういうことが経営幹部の方々、病院長とか、幹部の方以外に下方展開というか、職員の皆さんになるべく分かるような工夫をしていただければなと思います。評価のための評価ではなくて、評価はやって、それが可能であれば、職員の方のモチベーションにいずれつながっていくと、そういったような評価が望ましいのかなと思っております。
 3点目は質問ですが、一番最後のページにもございましたけれども、薬剤師の方の人材不足ということで、いろいろ工夫されていると思います。薬剤師の方を対象にした研修制度を新しく創設ということなのですが、これについてもう少し詳しく教えていただくとともに、まだこれはやられていないので、反響というのはないのかもしれませんけれども、反響というか、こういった声が出てきているというものがあれば、現場の声を教えていただければと思います。以上でございます。
 
○小野主査
 ただいまの御意見、御質問について、法人からお答えを頂けますか。
 
○地域医療機能推進機構理事(島田) 
 御指摘ありがとうございます。1点目の患者満足度の調査ですが、老健施設からの回答では満足度がやや目標達成していないというところでありまして、御指摘のように、この結果を単に施設、職員に返すということではなく、モチベーションアップとか更なる改善など、そういったことが目的だというところは、非常に私どもも認識しているところであります。
 この老健施設に関しましては、このアンケートの数値以外に、自由回答なども頂いておりまして、その中では、もちろんアンケート結果にも出ているような面会時間の改善をしてほしいという御意見もあるのですけれども、職員に対する非常に感謝の言葉とかも自由回答の中で頂いていますので、そういったことも併せて職員には返していきたいと思っております。
 また、このアンケートの結果を踏まえた様々な取組を喚起するために、老健施設の管理者の会議などもございますので、そういった所でもこの結果を踏まえて、より積極的に向上に努められるようにと私どもも働き掛けたいと思っております。ありがとうございます。
 
○地域医療機能推進機構企画経営部長
 2点目の評価結果ですが、病院の職員まで伝わるようにするべきではないかということで、御指摘ありがとうございます。現状ですと、評価結果と評価のコメントにつきましては、メールなどで各病院へ展開はしているところなのですが、それが更に個々の一人一人の職員の方にも伝わるように、より積極的なPRというか、そういったフィードバックができるようなことを考えていければと思います。
 3点目の薬剤師のところですが、ポリバレントファーマシスト育成プログラムという形になりまして、急性期から慢性期の効果的な薬物療法の支援とか、チーム医療を推進して地域医療に貢献できる病院薬剤師を育成することを目指して実施しているものになります。令和7年度は体制が整いました6施設で試行的に実施を開始しておりまして、新卒薬剤師の23人のうち11人がプログラムの対象で、多様な薬剤業務、薬剤師の業務をまんべんなく経験して、きめ細かいフィードバックを受けるような内容になっております。まだ始まったところではありますけれども、良い取組だという御意見なども頂いたところです。以上となります。
 
○小野主査
 よろしいですか。
 
○田熊構成員
 ありがとうございます。
 
○小野主査
 ありがとうございました。それでは、ほかに。河村構成員、どうぞ。
 
○河村構成員
 お話全体を伺っていて、この厳しい環境の中、物価高で、病院の現場でも本当に大変でいらっしゃると思いますし、でも、その中で、いろいろ項目をそれぞれお話を伺っていますと、非常にJCHOさんの病院全体として風通しがいいというか、すごく良いサイクルで、本当に国が期待する独法病院としての期待に応える形での運営がうまい方向で回っていらっしゃるという印象を非常に強く持ちました。
 評定については、全体として特に異論があるところはありませんが、個々に少し意見を言わせていただければと思います。御質問もあるのですけれども、恐れ入ります。最初に、これは御質問なのですが、8ページの予防・健康づくりの推進、ここも大変高い達成率を達成していらして、これは1つ、地域の予防・健康づくりということでJCHOのミッションでもあると思います。全体としては高いのですが、これは各病院さんでもしかしたら少しばらつきがあるのかなという気もしますし、あとは地域差とかもあるのかなと思いますので、もし把握していらっしゃれば、その辺を教えていただきたい。
 次なる段階として、これだけ達成率が高いということで、やはりその病院ごとの少しばらつきをなくす。ただ、各地域の病院でも、ミッションがそれぞれ違うところがあると思いますので、全病院に同じレベルでというように求めるのは違うのかもしれませんけれども、そこら辺は御配慮の上で、是非そういうところもやっていただけるといいのかなと思います。この点は御質問を含みます。
 次は、14ページの評価項目1-3です。ここは重要度も困難度も「高」が付いていて、自己評価Bとされています。このページに数値目標の達成状況が書いてあって、120にいっているものもあるし、100ちょうどぐらい、100を少し切ってしまったり、それから、1つ低いのがありますよね。これは参考資料の2にあるような中期目標管理法人の評価について統一的な基準が決められています。これを参照すると、A評定は120%以上で、C評定は80%以上100%未満となっています。これだけ数の定量指標があって、ウエイト付けをどうのこうのと決めてあるわけではありませんけれども、全体として見ると、高いものもある。今回は1つ少し低いのもありますが、全体として見れば、大体80~100の間ぐらいの範囲だろうということで、Cだけれども、困難度が付いているから、恐らくB評価にされたのではないかなと思いますが、そのような評価が妥当ではないかなと思います。
 特にここについては、やはり目標の設定にすごく意味があるなというか、この辺りにすごくJCHOさんとしての良さみたいなところは、こちらは感じるところもあるのですが、一番下の例のインシデント・アクシデント報告で、①のほうは良かったわけですね。120%にいっていて、②のほうは、これはまだまだ低いということですけれども、こういった目標を設定してくださる。ドクターの先生からの報告件数の割合を増やすということは、私から見ると、すごいな、こういう目標をちゃんと設定されて、高い目標ですよね。もしかしたら現場から反発があったりするのではないかなというようなことも想像したりするのですが、私のような一般的な立場からですと。今回はまだ低いですけれども、やはりこういう目標を立てて、この調子で取り組んでいかれれば上がっていくのだろうと思いますし、こういうところが、ひいては全体としての高い質の医療を提供するということの実現につながっていくのではないかなと思います。今回の結果はこうなっていますけれども、こういう目標を掲げて御尽力くださっていること自体、非常に高く評価できるのではないかと。報告文化というのも醸成されつつあるという御説明もありましたし、大変そこは評価できるところなのではないかと思いました。
 23ページで、例えば先ほども話に出ていました薬剤師の方の確保のために貸与制度など、給付金、奨学金、いろいろJCHOとすれば財務運営上、コストが掛かるようなお話ですよね。だけれども、そういうのも別にひるまずにやっていらっしゃるわけです。そういう中で、最後に御説明のあった財務の結果なのですが、今回の評価、26ページですが、これでもちろん妥当だと思います。この厳しい状況の中で、前年度より経常収支率が上回るということが目標で、達成されていて、やはり立派なことだと思います。何でもかんでもけちけちしてやって、この結果ではないですよね。御説明を伺っていて、本当にそれは強く思いました。今回の評価はこれでいいと思いますし、大変厳しい物価高の中で、大変な御苦労がおありだったのではないかと思います。
 そこは病院経営における研究会議などをやっていらっしゃるとか、JCHOの中でも全病院と問題意識を共有されながらいろいろ工夫してやっていらして、外来の患者は減っているという話が先ほどありましたけれども、でも、病床利用率などは改善しているわけですし、良い意味でJCHOさんが地域の中で各病院が果たされる役割を果たしてくださって、こういう結果になっているということで、この御時勢の中では大変高く評価できる内容なのではないかと思います。さはさりながら、できることであれば今中期目標期間の最後ぐらいに、最終的には経常収支レベルで収支均衡にもっていけるのが一番望ましいのではないかと思いますので、引き続き、今後の御尽力を期待したいと思います。私からは以上です。
 
○小野主査
 ありがとうございました。法人さんのほうで、何か。どうぞ。
 
○地域医療機能推進機構企画経営部長
 どうもありがとうございました。1点目の質問につきまして、回答させていただきます。8ページの、地域住民の方への教育・研修機会について、病院ごとのばらつきがあるのではないかという御質問だったかと思います。御指摘のとおり、ばらつきがありまして、年間100回近く実施している病院もあれば、年間12回に満たない病院もあるところです。実施回数が少ない病院については、今後、より実施していただく余地はあると思いますので、それについては、引き続き広めたいと思っております。また、中期目標とか中期計画や年度計画というのは、法人全体の目標値となっていますので、それぞれの病院の立場になってみると、どこを何回頑張ればいいのかなど、少し意識しづらいところもあるかと思います。ですので、例えばこの研修に関してですと、令和6年度の実績値が12回以上の場合は令和6年度の実績値以上とし、それに満たない場合には、12回を目標とするみたいな形で、少し細かくというか、目標値を各病院の状況に応じて提示するといったことも実施しておりますので、この辺りで少しでもばらつきをなくしていければと考えております。2点目、3点目につきましては、御意見ありがとうございました。
 
○河村構成員
 ありがとうございます。
 
○小野主査
 よろしいですか。ありがとうございます。それでは、オンラインで参加の荒牧構成員から御発言をよろしくお願いします。どうぞ。
 
○荒牧構成員
 荒牧でございます。御説明ありがとうございました。全般に関して、評価に異存はございません。事前説明のときに私が申し上げたことと重複いたしますけれども、幾つかコメントというか、感想を申し上げたいと思います。全般に目標が定量的なものが多いのですけれども、せっかくやられているわけですし、質的なところをもう少し評価に取り込んでいく。あるいは評価そのものでなくても、文章として、これだけの定性的な良いことをやったのだということを、むしろ書いていただくほうが、加点という意味で生きるのではないかなと考えております。
 具体的に申しますと、例えば4ページの22病院が病院機能評価を受けていると。これに関しては、その評価で認定されたとしても、その中にも良い点数とか良い評価、ぎりぎりとか、いろいろあると思うのです。高評価となった事例があるとこの中に書いてあるのですが、高評価になった事例などの数が多ければ、それはそれでA評価の顕著な、達成率だけでは測れないプラスアルファのものにつながるので、そこは積極的に書かれたらいいのかなと思います。
 それから、8ページの住民への教育・研修ですが、これも研修を実施したという一方通行ではなくて、やはりどういったフィードバックがあったのか。ひも付けは難しいのですけれども、例えば住民側とか研修を受けた側で、こういったフィードバック、アクションがあったとか、双方向にきちんとつながっているということを文章で記載していただくことで、よりその加点というか、要素になるのではないかと思います。
 また、研修内容自体も、教育とか啓蒙という基礎的な裾野を広げていく内容のものと、特定の病気であったり、何かもう少し深度の深いものとか、最新の状況にアップデートするものとか、いろいろな性質の違いがあると思うので、それによっても量だけで測るものと、中身あるいはフィードバックも反映したほうがいいものと、少し色分けができると思いますので、その辺を御考慮いただければと思いました。
 11、12ページの訪問看護ステーションにおけるサービスですが、これもやはり単純な件数だけではなく、やっているサービス自体が様々なクオリティを伴うものですので、この辺も積極的に、むしろ質について言及していただくというのがいいのかなと思っております。
 あと、31ページの内部統制の充実・強化は、会計監査人による監査を実施などが書いてあるのですが、その取組だけではなくて、やはりそれに対して特に大きな問題がなかったとか、結果に関しても記載していただくほうがいいのかなと、全般にそのように思います。アウトカムなどの観点から記載を充実していただくほうが、より評価を得られやすいのではないかなと感じました。私からは以上です。
 
○小野主査
 ありがとうございました。この資料の記載の方法についてアウトカムもという話ですが、これについて法人からいかがですか。
 
○地域医療機能推進機構企画経営部長
 御意見どうもありがとうございました。記載の方法が数字中心だったので、もう少し定性的なところについてもという御指摘と受け止めましたので、そちらについては、次年度の資料の作成にあたっても工夫していきたいと考えております。貴重な御意見、どうもありがとうございます。
 また、内容に関しては、例えば令和6年度の病院機能評価については、良い評価があった病院とか、低評価の病院などもあるのではないかというような御指摘もありました。こちらについては、確かにS評価を受けた病院もありますので、どういうところが良かったのかというのも、併せて記載していければと考えております。
 また、地域住民の方に対しての教育・研修につきましても、病院によっては、実施後にアンケートを作成して、それをその後のフィードバックとして活かしているといったようなこととか、また、地域包括ネットワークを活用してケアマネの方から意見を聞いて、ニーズを把握した上で研修を実施するとか、双方向の取組というのも事例としては挙がっています。そういったところをもう少し詳しく資料にも落とし込むといった辺りについて、次年度に向けての工夫として、取組をさせていただければと考えております。
 訪問看護については、資料のほうで特定行為研修修了者を配置するなど、主な取組事例の所でも書かせていただいたのですけれども、説明を若干割愛しておりまして、大変申し訳ございませんでした。
 内部監査については、監事監査と加えて実践しているというところと、また、内部監査の結果については、法人の中でも共有するようなことなども実施しておりますが、そういったところも含め、表現を次年度に工夫したいと考えております。御指摘どうもありがとうございました。
 
○小野主査
 荒牧構成員、よろしいでしょうか。
 
○荒牧構成員
 はい、ありがとうございます。
 
○小野主査
 ありがとうございました。ただいまのことについて、私からも関連してですが、この予防・健康づくり、あるいは住民への健康教室、それから地域におけるリハビリテーションの実施とか、大変地域に根差した、本来このJCHOの病院が取り組むべきものを積極的にやられていると思います。難しいことだと思いますが、アウトカムとして例えば、先ほど話していた健康教室の結果として、住民の方々の健康度をどう感じているとか、そういう客観的な数値的なものとか、あるいは介護予防事業をやった結果として、生活習慣病がどの程度、少し減ってきたとか、難しい問題だと思いますが、あるいは介護度の進行が抑えられたとか、あるいは、介護予防事業で地域リハビリを結構やっていますが、結果的にADLが悪化しない人が減ったというか、抑制されたとか、そういう評価はなかなか難しいとは思うのですが、そこまで一歩踏み込んだ形のことを今後出すことは難しいでしょうか。理事長、申し訳ありませんが。
 
○地域医療推進機構理事長
 正直申し上げて大変難しいと思います。その地域におけるプロバイダーが決して我々だけではないので。小さな市町村で公的医療機関で、そういう住民への啓発活動、あるいはリハビリテーションなどをやっているところはうちしかないという所はごく一部でございますが、そこは行政と手を組むことでデータを取ることは可能かもしれませんが、それ以外の所ですとほかにもたくさん民間のプロバイダーもある中では、行政として市町村の全体のデータを取ることは可能であっても、我々がどれくらいそこに寄与したかというところの評価はなかなか難しいのではないかと。ただ、大変重要な御指摘として受け止めさせていただきたいと思います。
 
○小野主査
 難しいと思います。私どもの所はもう市の中で一緒にやっていますが、それでもやはり市としてそういうデータを出すのはなかなか厳しい状況ですので、今後、全体的にそういうのも評価する必要性はあるのかなと思って質問させていただきました。ありがとうございます。ほかによろしいですか。本田構成員、どうぞ。
 
○本田構成員
 御説明どうもありがとうございました。本田です。私も質問と意見です。私は今回初めてJCHOさんの説明を受けまして、全体を通しての印象として、様々なタイプの中小から大きい所まで、バラエティに富んだ評価グループの中で、様々な取組をされていて、本当にとても感銘を受けましたし、今回の評価についても特に異論は全くございません。逆に、すごく頑張っていることを評価したほうがいいのではないかとか思うぐらいです。
 1つ2つちょっと伺いたいと思っているのが、まず1つが、14ページの患者満足度です。取り方の問題は先ほど御指摘があったとおりだと思うのですけれども、例えば、よく私ども、読者の方とか高齢者家族の方から面会の問題が大変指摘が多くて、御意見もたくさん頂くところです。なかなかコロナ前のように戻らないというのは、感染症が時折起きるからだと書いてありますけれども、コロナ前は感染症が起きることは全然なかったのでしょうか。コロナ前に戻せない理由はどういうことがあるのかを教えていただければと思います。やはり一種生活の場に近い場になっていくかと思いますので、その辺のことを知りたいと思いました。
 もう1つ、同じ14ページのインシデント・アクシデントの報告で、下の②の医師からの報告です。先ほども御意見があったように、こういうことを取っていらっしゃること自体がすばらしいと思いました。その中で、徐々に上がってきているということでしたけれども、こういうことはとてもすばらしいことだと思いますので、例えばほかの仕組みで、特定機能病院の要件にも安全対策とか報告しているかどうかがとても明確化されてきておりまして、そうするとこれからの病院文化という中で、そういうことはとても重要で評価されていくことだということを、医師の皆さんに理解していただくことがとても重要になってくると思いますので、そういう取組と併せてやっていっていただければいいなと思いました。意見です。
 それともう1つ、23ページの人材育成の関連ですが、看護師の教育の部分、薬剤師の支援の部分、とてもすばらしい取組をやっていらっしゃるなと思って感激しました。中でも病院薬剤師の問題は、全国的にその定着というものが大変課題になっているかと思います。薬剤師の数は多いのにとよく言われるかと思うのです。そういう中で、この新しい取組をこれからされるということですので、是非その進捗とか、やってみて課題とかが出てくるかと思います。そういうものをきっちり出していただいて、検証していただくことで、全国的にほかの病院とかにも役に立つと思いますので、評価の仕方として、ただこうだったというだけではない形で、何か世の中に役に立つような出し方もしていただけると有り難いと思います。
 最後に、財務内容の部分ですが、皆さんと全く御意見が一緒です。この厳しい折に改善の傾向を出されたということは、すばらしいことだと思っています。様々な努力の中で、こういう成果を出されているのだと思うのです。一方で、やはりずっと赤字というわけにもなかなかいかない。この今の情勢と診療報酬体系とか、どのようになっていくかによって大分違うと思うのです。そういう中で、病床利用率は改善傾向だというようなお話でしたけれども、病院間によってやはり差はあるのでしょうか。その際に、そういうものを分析して今後、国全体としての地域医療構想とかで、それぞれの病院が各地域でどのように役割を果たしていくのか、その中で病床の役割分担とか集約化とか、そういうことも検討していかなければいけないかもしれないのですけれども、その辺りをどのように考えていらっしゃるのかという点を少し伺いたいと思います。
 
○地域医療推進機構理事(島田)
 御質問、御意見いろいろありがとうございます。まず、患者満足度です。面会の制限があるということで、かなりその結果に影響しているところです。御質問のありましたコロナ禍前の感染状況でこういう面会制限があったかどうかですが、あいにく手元にその数値的なところは持ち合わせてないのですけれども、例えば、インフルエンザが集団で発生したりとか、そうした場合には面会を制限したりといったことは行われておりました。利用者の方のお声を踏まえて各施設もコロナ禍前になるべく戻したいと思っているところなのですが、認知症の患者さんが多く入所していらっしゃると、マスクもなかなか御自身でできなかったり、手洗いとかも徹底できなかったりというところで、やはり蔓延してしまうというのを避けなければならないところもあります。地域での感染状況を見ながら、緩和したり、また制限したりというところを各施設の判断で繰り返しながら、例えば多床室の方を個室に移動していただいて面会できるようにするとか、いろいろな工夫はしているところですけれども、引き続き施設のフォローをしながら、なるべく利用者さんや御家族の方に御納得いただけるような面会の機会を設けていきたいと思っております。ありがとうございます。
 
○地域医療推進機構理事長
 医療安全に関する御質問ですけれども、やはり大学病院などの特定機能病院ですと、インシデントレポートは病床数の10倍という高い目標が設定されていたり、あるいは医師からの報告割合が1割というような、これは特定機能病院クラスだとスタンダードなレベルではないかなと私は認識しております。一方で、そういう高い設定を一般病院に入れるのはなかなか難しいのと、これは恥ずかしながらJCHOのまだ幾つかの病院は医療安全は看護師にやってもらえばいいみたいな、そういう認識も少なくないのが現状でございます。それで医師からの報告件数というのも、とにかく目標にすると。まず、第一義的に診療に一番に関わるのは医者ですから、そこがちゃんとなぜそういう問題が起きたのかというところ、起きた事象に関する認識、それに関する分析を、やはり医者がやらないと、医療安全もへったくれもないので、まずここを今推し進めているところでございます。1割という目標には到達してないものの、確実に伸びてはきていますので、医師がその主体的な役割を担うべしというところは段々浸透してきているのではないかなというように期待しているところでございます。
 
○地域医療推進機構経営企画部長
 薬剤師関係につきましても、御意見を頂きましてどうもありがとうございます。こちらは構成員がおっしゃられたように、今年度からということになりますので、しっかりとその進捗ですとか、課題が出たらそれについてもしっかり把握をしてフィードバックできるような形で進めていけたらと考えております。ありがとうございます。
 
○地域医療推進機構理事長
 追加でよろしいでしょうか。この病院薬剤師の問題は、やはり我々病院経営側もちょっと取組が遅かったのではないかという認識を強く持っております。御承知のように、非常に薬剤師の数は増えておりますし、人口当たりの薬学部の定員は世界で一番、しかもOECDの中で第2位の倍あるという、非常に多いのですが、ほとんどがチェーン薬局あるいは調剤薬局に流れてしまって、せっかく四年制だったものを六年制に変えても、臨床現場になかなか反映されないというのがございました。とかく病院経営者側も、いやいや給料の差が大きすぎるし、みたいなことを言っておりましたけれども、そうは言っても4年間、6年間みんな勉強してきていますので、それなりにモチベーションは高いはずですから、であれば、しっかりとした臨床で役に立つ薬剤師の教育にまず戻るべきではないかと。そこをまず重点的にやるということで、病院でまず働くのがいいんだよねと。薬学部を卒業したらまず病院に行っていろいろ研修して、それから町へ出るなり何なりと、新たなそういう道ができないかなというのが我々の試みでございます。これができればいろいろなところで真似していただけるといいなと思いますので、逐次、状況をいろいろな形で発信はしていきたいと考えているところでございます。ありがとうございます。
 
○小野主査
 ありがとうございます。もう1点、確か病床利用率の規模によってということでお話を頂けますか。
 
○地域医療推進機構理事(今泉)
 ありがとうございます。病院経営担当理事をさせてもらっております今泉と申します。御指摘いただきましたように、病床利用率は病院によってかなり違いはございます。しかし、平均して考えますと、在院日数を延ばすこともなく、逆に短くしながら、病床利用率は全体としては上がっておりますし、かつ、新入院患者数も増加傾向にある状況です。御存じのように昨年の6月に新しい診療報酬改定がされましたけれども、その状況の中で地域に根付いた診療を展開できているのではないかと思います。とは言え、御指摘されたように今後の人口減少などを考えますと、地域医療構想の議論の中で、地域の関係者や現場と協議しながら、地域にとってどういう病床機能が求められるのか、どういう病床サイズが求められるのかを本部としても、現場と一緒に議論しながら考えていく必要はあろうと思っております。ありがとうございます。
 
○小野主査 
 ありがとうございました。国でも全般的にコロナのときは外来の病床利用率も下がったのですが、今少し上がってきているというところで、私の現場でもそうですが、どちらかと言えば地方では急性期のほうの病棟の病床稼働率よりも、回復期、慢性期のほうが少し増えているのかなと思っています。その要因としては、私の秋田県ではもう高齢化が進んでいますので、やはり高齢者が増えてきて、ほぼほぼ半分ぐらいがいわゆる後期高齢者の入院になっていると。ですので、高齢者の方が入院する率が増えてきているので、どちらかというと地方の回復期、慢性期を担う病院のほうが利用率と言いますか、病床の利用率は少し増えてきているのかなという印象はあります。先ほど御指摘あったように、高齢者数が今度は減っていくフェーズになったときに病院の入院機能をどう維持していくかというのが大きな課題で、今後、地域医療構想の協議の場で議論していく必要はあるかと思っています。ありがとうございました。及川構成員から御質問、お願いします。
 
○及川構成員
 及川でございます。ありがとうございました。初めて担当させていただきます。事前説明のときも感心したのですけれども、かなり厳しい評価項目の中で、これだけの評価になっていることについて、本当に敬意を表したいと思って見せていただきました。その中で、特に私は介護の人間ですので、11ページの介護の所から少し御意見を申し上げたいと思います。
 まず、ここに書いてある自己評価Bの所で、介護事業の介護予防から医療・ケアまでシームレスに提供する体制、これについてどのくらいされているのかなと関心がすごく強かったので、ここを結構見せていただきました。特に訪問看護事業、病院施設の中で治療が終わり、そして中華員施設の老人保健施設等も持っていらっしゃいますから、そこでしっかり在宅復帰できるようにしながら、それで在宅に戻るというような、そこがすごくシームレスになっているのだなと感心したところです。その中で、この訪問看護の役割がすごく大きくなっていることを見ると、特に派遣件数もかなり増えているというような実績がありました。今、介護保険事業の中での訪問系の在宅サービスは人材不足が顕著で、とても危機的な状況にある中、これだけの訪問回数をしっかりと担保されていることに驚いたところです。
 特に12ページに書いてあるように、24時間体制をとられているというところもありましたし、きっとターミナル期の方も多い中、この在宅で最期までというところを支えていらっしゃる。でも、何かあればきっとJCHOさんが病院機能として、又は介護保険施設機能として支えておられるところの取り組みが本当にシームレスであり、好循環がしっかりできているのではないかと思うところです。
 病院については、6ページの表の中に「レスパイト入院」という言葉が書かれていました。これも在宅を支える上では本当に必要なものでありますし、余り介護というものを御存じでない国民の方々は病院に助けを求められますので、まずレスパイト、そして老健とか、訪問とか、居宅のケアマネージャーさんとかにずっとアプローチされているのだろうなと考えると、この数字はBではあるのですが、かなり積極的な事業を展開されていらっしゃるんだなと思います。
 ただ、1つだけ懸念されるのは、これだけの訪問回数を打ち出されている訪問看護事業が、この先大丈夫なのかなと、ちょっと心配があります。質問として1つ、訪問看護事業の看護師さん、この先もやはり担保できるかどうか、どうしてもこの人材不足が目にチラチラ入ってくるので、その中でJCHOさんがどのような取組を特に重要視されているのか、そこのところをお聞きしたいと思いました。お願いいたします。
 
○地域医療推進機構理事(島田)
 御指摘ありがとうございます。訪問看護はJCHOの場合、訪問看護ステーションとして事業所がありますけれども、看護職員は病院と一体的に管理しているというか、人材を活用しているので、そういう意味では人材確保については、一般の独立系の事業者さんの訪問看護ステーションとは、ちょっと人材確保という点では優位なのかなとは思っておりまして、今のところJCHOの訪問看護ステーションでの人材確保というのは、訪問看護ステーション単体として見ればそんなに困っていないところではあります。ただ、看護職の確保という点から全体で見ますと、必ずしも十分ではない病院などもありますので、そういう中で、構成員御指摘のように、シームレスなケアを提供するための訪問看護の機能を十分に果たせるように、そこにもしっかり人材を配置していくような方針で各病院が行っているというように承知しております。
 
○及川構成員 
 今、話を聞きまして、在宅でもサービスをされている方が、施設や病院でお働きになっていらっしゃるということは、そこを使う利用者、患者さんにとってはすごく大きな強みだなと思います。この先もこの数字が余り少なくならないように、そして地域に根差した医療を是非提供していただきたいと思います。ありがとうございます。
 
○小野主査
 ありがとうございました。構成員の皆様方から建設的な御意見、御質問等を頂き、ありがとうございました。
 続きまして、法人の監事及び理事長から、年度中期目標期間における目標の達成状況等を踏まえ、今後の法人の業務運営等について、コメントを頂ければと思います。最初に法人の監事から、続いて法人の理事長から、よろしくお願いいたします
 
○地域医療機能推進機構監事(牧)
 監事の牧でございます。ありがとうございます。今お話がありましたように、JCHOの57病院、それぞれが地域のニーズに応じた様々な働き、役割を果たしているという中で、私ども監事、それから、会計監査人による監査、内部監査部門の監査に加えて、ITに関しては専門の業者さんに委託した監査などを行っているところです。
 今、様々な有識者の皆様から医療の質とか活動に関する取組という定性的な部分に関しても評価のコメントを頂いたところですけれども、御承知のとおり運営費交付金の入らない法人ですので、財務に関する部分は法人の存立基盤として一番重要な部分になってまいります。今日、説明があったとおり、コロナ後、令和2年から補助金を除く経常収支はすごく悪化して、その後段々回復してきて、今59億のマイナス。まだマイナスでありますけれども、これは減価償却費も含めたPLの、損益計算書上の数字となります。
 一方で、キャッシュフローを簡単にコメントしますと、本業のキャッシュフローはプラス180億、設備投資でマイナス170億、差し引き10億弱、9億円ぐらいのプラスというのが、キャッシュフローの前年度の数字です。ただ、補助金が入っている数字ですので、補助金純収入が22億ありますので、それを除くとマイナス13億ということですね、補助金なしでは。57病院で割りますと、1病院当たり2,300万ほど。それから、医療、介護の事業費が4,000億規模の法人ですので、その事業費から見ると0.3%とか、そのぐらいということで、もう一息で補助金なしでも収支相償というところまで戻ってきているというのが、財務の実情かと思っております。
 そういう中で、理事長を中心とする経営強化本部を立ち上げて、57病院濃淡ありますので、改善が必要な病院に対しては、細かな委託契約の在り方というところまで踏み込んだ様々な助言業務を本部としてはやっているという状況で、その中で70億、営業収益が前年度比でプラスというところまできましたけれども、費用の増加にまだ追いついていないところに関して今後取組を更に続けることが課題と認識しております。
 こういう状況の中ですけれども、監事の監査を通じまして、現場の病院の皆さんが、いろいろもちろん大変なこともあると思うのですけれども、目標に向けて職員の皆さんが一丸となって取り組んでいるということは、常々感じているところでございまして、そういうところも踏まえて、JCHOの令和6年度の業績事業に関して評価いただければと思います。以上です。
 
○小野主査
 ありがとうございました。それでは、山本理事長から、よろしくお願いします。
 
○地域医療機能推進機構理事長
 本日は、JCHOの令和6年度の業務実績につきまして、いろいろアドバイス、御助言賜りまして本当にありがとうございました。今日頂いた御助言を、今後の経営にしっかり生かしてまいりたいと考えております。
 報告してまいりましたように、非常に経営環境が悪化しております。人のせいにしてはいけないのでしょうが、やはり昨年の診療報酬改定はものすごい痛手となっておりまして、昨年度は経常収支で59億の赤字となっております。しかし、今日いろいろデータを見ていただいたように、診療のパフォーマンスとしては新入院患者数、これが病院にとって一番重要な数字と私は考えておりますけれども、この新入院患者数は確実に増加しておりますし、それから、在院日数が短縮しているにもかかわらず、病床利用率も上がってきているということ。それから診療単価、これはもちろん改定の影響もありますけれども、入院単価も確実に上がっているということで、現場の職員の頑張りが、しっかりパフォーマンスとして表れているのではないかと考えております。ただ、これを法人全体の経営に、数字、収支にどのように反映させていくかという点では、更に努力が必要ですし、病床利用率も全体で80%台の半ばぐらいまでもっていかないと、今の診療報酬体系では、とてもではないけれど黒字にはならないのではと考えているところです。
 経費の削減という点では、私どもの反省点としては、まだ1万4,000ベッド余を持つ規模のメリットが生かし切れていないというところは、まだ反省点としてございます。共同購入、共同調達なども進めてはおりますが、必ずしもまだ民間の医療法人と比べると甘いところは多々ございますので、この辺はしっかり本部としても舵取りを進めていきたいと考えております。
 先ほどお話がございましたように、急速に社会の高齢化が進んでおります。2040年に向けた新しい地域医療構想の中では、高齢者急性期というのが別立てに置かれて、包括期医療というくくりで、全く新しいくくりで設定されております。やはり2040年に向けて急速に増える高齢者の急性期医療に対する需要にどのように我々が応えて、特にただ病気を治すだけではなくて、きちんと家に帰るところまでシームレスにやるというところは、高齢者急性期の一番の肝と考えております。その部分こそ我々JCHOがしっかり役割を果たせるところではないかと考えているところです。そのためには、各病院の医師をはじめとするスタッフの意識改革というのを、まだまだしなければいけないところですが、やはり我々が一番担うべき役割ということをしっかり認識した上で、更に地域に役立つ診療行為を続けていきたいと考えているところです。今日はいろいろ御助言いただきましてありがとうございます。引き続きどうぞよろしくお願い申し上げます。ありがとうございます。
 
○小野主査
 ありがとうございました。ただいま法人の監事及び理事長から御発言ありましたが、委員の皆様方で御質問、御意見ありますでしょうか。よろしいですか。ありがとうございます。先ほど理事長からもお話があったように、日本全体で病院の運営母体、病院の規模にかかわらず、病院運営が大変厳しい状況にあります。そういう中で、各病院が素晴らしい努力、それから、理事長のリーダーシップの下、各現場が努力していただいているということが大変よく分かったと思いました。是非、今後も更にこれを推進していただいて、地域の皆さんが安心して生活できる、そこを守っていくということを各病院、57の病院がそういうのを考えながら地域医療を展開していただければよろしいかなと思いました。是非取組を推進していただければと思っております。どうもありがとうございました。
 以上で、本ワーキンググループの議事を終了いたしますが、最後に事務局からよろしくお願いします。
 
○事務局
 今後の流れについて御連絡いたします。今回御議論いただきました地域医療機能推進機構の令和6年度業務実績評価につきましては、この後、本ワーキンググループにおける御意見や、法人の監事及び理事長の先ほどのコメント等を踏まえた上で、厚生労働大臣による評価を決定します。法人及び独立行政法人評価制度委員会に通知するとともに、公表いたします。決定したそれぞれの内容につきましては後日、委員の皆様にもお送りいたしますので、よろしくお願いいたします。事務局からは以上です。本日はどうもありがとうございました。
 
○小野主査
 ありがとうございます。それでは、本ワーキンググループはこれで終了とさせていただきます。長時間にわたり熱心な御議論を頂き、また、円滑な議事運営に御協力いただきありがとうございました。これにて終了させていただきます。どうもありがとうございました。