- ホーム >
- 政策について >
- 審議会・研究会等 >
- 中央社会保険医療協議会費用対効果評価専門組織 >
- 2023年9月22日 中央社会保険医療協議会費用対効果評価専門組織 第6回議事録
2023年9月22日 中央社会保険医療協議会費用対効果評価専門組織 第6回議事録
日時
令和5年9月22日 13:00~
場所
オンライン開催
出席者
田倉 智之委員長、齋藤 信也委員長代理、池田 俊也委員、木﨑 孝委員、新谷 歩委員、新保 卓郎委員、中山 健夫委員、野口 晴子委員、飛田 英祐委員、米盛 勧委員、髙橋 祐二専門委員、戸田 達史委員、福田 敬専門委員
国立保健医療科学院 保健医療経済評価研究センター 白岩上席主任研究官
<事務局>
木下医療技術評価推進室長 他
国立保健医療科学院 保健医療経済評価研究センター 白岩上席主任研究官
<事務局>
木下医療技術評価推進室長 他
議題
○ ウィフガード点滴静注400mgに係る総合的評価について
議事
○費用対効果評価専門組織委員長
先生方、再開させていただきますので、ビデオのほうをよろしくお願いいたします。
では、前回、先生方に御議論いただきましたウィフガートに係る総合的評価に対する企業からの不服意見聴取を行った上で、再び先生方に御議論いただきたいと思います。
まず、事務局から説明をお願いいたします。
(事務局より説明)
続きまして右側の部分に記載しておりますけれども、公的分析の見解ということで、科学院の○○先生よろしくお願いいたします。
○国立保健医療科学院
ありがとうございます。公的分析から御説明させていただきます。
まず企業側の1点目、シナリオ分析の条件次第でICERの区分が変わり得るという主張についてですけれども、製造販売業者による分析を再現しますと、ICERがドミナントとされる分析ではエクリズマブ(ソリリス)の使用割合が約87.4%、ICERが1600万円/QALYとされる分析でも約66.4%というふうになっておりまして、前回の専門組織で指摘されたエクリズマブが過剰に算定されているのではないかという課題はそのまま残っていることから、受け入れられるものではないと考えているところです。
そもそもIVIG/PLEX無効後のエクリズマブの使用割合について感度分析を行っても、エクリズマブの使用割合がほぼ100%にならない限りドミナントという結果にはなりません。感度分析をすると、使用割合が70%で約3200万円、80%で約1700万円/QALYであるということなど、極端な設定をしても結果が変わらないことから、本分析結果の頑健性というものが十分に示されているものというふうに考えています。
また、IVIG/PLEXの継続使用については、製造販売業者が提出した分析の設定を踏襲したものであり、不服議論の対象ではそもそもないというふうに考えています。
しかし、IVIG/PLEXは1サイクルの治療費が約20万円程度であると設定されていることから、仮に2年間患者が毎月IVIGを実施したとしても、かかる費用というのは約500万円程度です。
一方で、IVIG/PLEX無効後のエクリズマブの使用割合が製造販売業者の主張どおり約30%というふうに設定しても、増分費用は約1900万円、極端に70%と設定しても増分費用は約650万円ということですから、仮に上記のIVIG/PLEXの過剰推計した治療費が全ての患者に全期間生じたというふうに仮定して、比較対照群のみに加算されるというような極端な設定をしても、費用が削減されるということはあり得ず、結果に与える影響は実際のところさらに小さいものだと考えています。
なお、エフガルチギモドの薬剤費については、先月の専門組織3でも既に議論された上で結論が出されたものでありまして、その点について新たな論点が企業側から示されているものではないことから、不服議論の対象ではないのではないかと考えているところです。
2ページ目になりますけれども、2番目の論点として「ICERの不確実性について」ということです。ここは少々製造販売業者の皆様の主張が理解しかねている部分もあるのですけれども、学術的には不確実性というのは推定比の誤差やモデル上の仮定等により生じるものであり、分析対象集団や比較対照技術などの分析枠組みは分析の前提であるということから、不確実性の問題ではないのではないかと考えています。分析を実施するに当たって、分析対象集団や比較対照技術については専門組織より明確に示されており、不確実性は存在しないというふうに考えています。
なお、分析枠組みの設定そのものの根拠については、既に専門組織1で製造販売業者の不服等を受けた上で決定されたものであり、加えて先月の専門組織3においても、現時点においてその変更について必要のないということが議論されています。その点について、新たな論点が企業側から示されているわけではないことから、こちらも不服議論の対象にはならないのではないかと考えております。
3点目、「分析中断について」ですけれども、分析枠組みに関する見解については繰り返しになりますが、不服議論の対象ではないものと認識しています。新規データが蓄積された場合は、H3品目として新たな評価の開始を検討することは可能だと認識していますが、現時点においても専門組織が設定した分析枠組みを検討する上で一定のデータが存在することから、そのような指摘は当たらないのではないかと考えています。
以上です。
(事務局より説明)
○費用対効果評価専門組織委員長
ありがとうございました。
それでは、議論に先立ちまして、まず本製品に係る総合的評価に対する不服意見の聴取を行いますので、事務局は企業を入室させてください。
(意見陳述者入室)
○費用対効果評価専門組織委員長
私は、費用対効果評価専門組織委員長の費用対効果評価専門組織です。
早速ですが、10分以内でウィフガートの総合的評価に対する不服意見について御説明をお願いいたします。続いて、質疑応答をさせていただきます。
では、始めてください。
○意見陳述者
では、私から御説明させていただきます。お手元の資料を御覧ください。
まず、1枚目を御覧ください。
本日の御意見は3点ございます。いずれも前回の内示でいただいた資料の別添からのものになります。
1点目は、ICERの区分が変わらないことにより追加分析が不要と考えるという点につきまして、区分は変わりますということの意見になります。
2点目は、不確実性についてです。前回、意見として触れました分析枠組みにつきまして、内示におきましては、今後使用実態の変化により変わる可能性は否定しないと書かれておりましたので、実際そのように変わった場合にどうなるかという影響の評価はしていただきたいと思っております。
また、3点目としまして、将来的に再評価を行うことを検討すると書かれておりましたけれども、どのようなトリガーでその評価が行われるのかということが曖昧でしたので、その点について意見を述べさせていただきます。
次の資料を御覧ください。こちらは、公的分析班の報告書の60ページから抜粋しておりまして、企業の分析結果からそれぞれ条件を変更しますと、どのように変更するかということがステップ・バイ・ステップで書かれたものになっておりまして、そのうち結果への影響が大きい3か所について今回意見を述べさせていただきたいと思います。
a‐1、a‐2、a+bのそれぞれにつきまして、その次のページで整理しております。
4ページを御覧ください。
まず1点目はモデル構造の変更になっておりまして、各サイクルに奏効と非奏効が混在するはずなのに、そうなっていないので変更したというものでして、これは間違っていると思いますけれども、今回は影響が小さいということでそれについての変更は行っておりません。
2点目のa‐2とa+bについて、次のページ以降で述べさせていただきます。
a‐2の①につきまして、前回の専門組織で述べさせていただきました計算の方法が誤っておりまして、計算した分析の割合が低過ぎるということの意見になります。これのICERの区分変化について後ほど御説明します。
②としましては、2次治療のIVIG/PLEXからBSCにそのままスイッチする。経口治療のみの治療へスイッチする割合が高く設定されておりましたけれども、実態ではそのように高く設定することはあり得ないと考えておりまして、ICER区分への変化を述べさせていただきます。
3点目は、公的分析班が企業モデルにおいてエフガルチギモドの薬剤費が低いとして修正したものに対しまして、この低いとして修正する条件が誤っておりますということの意見になります。
次のページを御覧ください。
まず1点目が、前回の専門組織で述べました公的分析班の出した割合が低過ぎるということのICER区分への影響になります。上のほうが公的分析班のもともとのモデルの設定値になります。
2点目、下段につきまして、この青い背景になっておりますところの左上が変更したところになります。ここをもともと2.5%だったものを、こちらで計算しました29.8%に変更しまして、同じ考え方でその下も変更しております。それに伴って、右側のBSCに移行する割合が変化しております。
改めて御説明しますと、一番上からファーストになっておりますのが経口治療、セカンドがIVIG/PLEX治療、サードがエクリズマブで、BSCがBS治療になっております。この青いところが、そこにとどまる、IVIG/PLEXからエクリズマブにいく割合で、一番右側がIVIGからBSCにいく割合になっております。この変更によってICERの値が変化いたします。
さらに、次のページを御覧ください。
その値のさらに青くハッチングしてありますところの右側になります。IVIG/PLEXの2次治療からBSCにそのままいってしまう割合を0%とすると、ICER区分が変化いたします。この2件の変化によって、ICERの区分は変わります。
次の意見になります。こちらは、エフガルチギモドの過小評価という御指摘になります。こちらは公的分析班が行っておりましたのは、ウィフガートを1年使い続ける人は100%ではなく、いなくなる人もいるにもかかわらず100%の方が使い続けるはずだという条件にするべきだという指摘になっておりまして、それを達成するためにエフガルチギモドの費用に1.38倍を掛けておりますけれども、これは実際は1となるべきですので、この変更をしますとICERはドミナントとなります。
2点目の意見は、分析枠組みに関する意見になります。こちらは公的分析班の結果どおりの御判断になった場合が灰色のハッチングになっております。もし、今後臨床実態が改めてデータとして把握されまして、企業の前回提示した真に臨床実態を反映した場合を考えますと、今、表で示している灰色でハッチングしていないところになります。
左側から公的分析班のモデルをそのまま使用した場合と、先ほど2ページでICERの区分が変化したことをお示ししたものになります。そうしますと、一部の結果がドミナントになりますので、最後の御判断も変化することになります。
この影響と評価について実施していただきたいと考えております。
○意見陳述者
続いて「将来の再検討について」、次のページを見ていただきます。10ページを御覧ください。
ここは制度論を議論する場ではないということは理解しておりますが、このような制度だからこそ企業分析が受け入れられないのであれば、将来の再評価開示条件を記載していただくか、それが無理ならば分析中断せざるを得ないということを御説明いたします。
今回の総合的評価は、企業側の聞き取り調査よりもエビデンスレベルが低い承認申請時の内容や、臨床試験の条件に基づいて行われているものです。そうすると、企業は将来的に見直す可能性の高い薬価が何年も適用されるという大きな不利益を受けることになります。再評価開始の条件が明記されていないというところで、企業側は不安定な立場に置かれています。そのため、少なくとも「企業の市販後調査データの固定時およびガイドライン改訂時」に再評価をするといった具体的な記載が不可欠だと考えております。
また、最終的な結果が企業側の主張のとおりでも、過去の薬価の適用について訂正、補償するための手続というのはない以上、企業は不当な売上げ減少を被ることになります。このような問題を防ぐためには分析中断をして、エビデンスが十分固まった段階で評価するということが不可欠です。
最後に、弁護士としては専門組織の皆様の決定の議論過程というのもあまり見えず、より依拠できないエビデンスに基づいた公的分析を採用する理由というのが十分には全く示されていなかったので、手続的な意味でも正当性を欠くと言わざるを得ないと思います。企業側の分析を受け入れられないのであれば、再評価の条件を記載するか、分析中断をせざるを得ないと考えております。
○意見陳述者
○○先生、ありがとうございました。
11ページは、前回の専門組織で意見を述べさせていただいた、実際の検証実態に左右すると考えられるガイドラインの記載を改めて提示するとともに、その下の添付文書の記載は臨床実態が決まる前のものですけれども、こちらでどのように書かれているか。
また、12ページにおきましては、それぞれの審査報告書内での記載ですとか、内示資料を御提示しまして、今、申し述べたことについて改めて整理させていただいたところです。
最後に○○先生、臨床的な先生のお考えを改めてお話しいただければと思います。よろしくお願いいたします。
○意見陳述者
○○です。
先週も神経免疫学会というものがありまして、学会に参加して、このエフガルチギモドはちょうど1年たつので、結構演題にも出ていたのですけれども、やはり前回言っていますように、ステロイドや免疫抑制剤が効かない例にやるわけではなくて、ステロイドや免疫抑制剤治療をしてもなかなかうまくいかない人は血漿交換とかIVIGをするわけですね。それでかなりの症例はよくなるのですけれども、それを繰り返しても、やはり年に数回繰り返さなければいけないような状況ですね。そういうふうな難治性のMG患者さんにこのエフガルチギモドが使われるというのが現状だと思います。
それは、先週もそれで決着して、今さら言ってもどうしようもないかもしれませんけれども、医療の現場は間違いなくそういうふうになされていると思います。神経内科の先生もこの薬は高いということは分かっていますので、それはやはり慎重に使っているのではないかと思います。
最後にちょっとそれだけ述べて、今回、私はこういう機会に初めて参加したのですけれども、やはりふだんの常識が通用しないのかなということを実感しております。
以上です。
○費用対効果評価専門組織委員長
では、企業側からの意見陳述にもあったように、公的分析に対する指摘が幾つかありましたので、これらの指摘に対して公的分析から御意見などございますでしょうか。
○国立保健医療科学院
ありがとうございます。
特にコメントなどはないんですけれども、先ほど弁護士の方が、企業側の聞き取り調査の結果より承認販売時に提出した資料のほうがエビデンスが低いというふうにおっしゃったのですが、それは企業側も同じ認識なんですか。
○費用対効果評価専門組織委員長
企業さんのほうはいかがでしょうか。
○意見陳述者
企業側としましては、先日出したデータというのは非常に信憑性が高いものなのですけれども、ただ、前回の専門委員会で営業担当者ですね、MRが聞き取った調査の信憑性が低いという形の回答をいただいたので、そういう形で述べさせてもらいましたが、ただ、企業側から言いますと、MRが取ってきた情報は非常に精度高く取っておりますので、PMSと比べても遜色ないと考えております。
ただ、PMSの場合は国と一緒にマストでやっているものなので、より精度が求められるものという観点から、○○先生はそう言ってくださったと考えます。
○意見陳述者
正確に申し上げると、承認申請時という時点の段階で、その時点ではもちろん高いエビデンスレベルがあるとは理解しておりますが、実際に臨床でどう使われるかという現在の時点においては、この聞き取り調査というのがかなり高い証拠価値があると考えております。
○意見陳述者
エビデンスレベルというところで誤解を招いてしまったのかもしれないですけれども、例えばRCTとか、システマティックレビューとか、一般に言われるようなエビデンスレベルというところを否定しているものではなくて、あくまでもその臨床実態というところを測ったときに、今、唯一存在しているのが先日企業が提示させていただいたデータで、もちろん学術的なエビデンスレベルというところからしますと合致しないところは多分にあると思いますけれども、そう考えますと臨床実態を把握するという意味でエビデンスレベルの高いものということは、学術的にもエビデンスレベルの高いものということを考えますと、PMSが一番期待されるものであろうと理解しております。
○国立保健医療科学院
ありがとうございます。
よく分からないのですけれども、現時点においては企業側の聞き取り調査の結果のほうが、皆さんが承認販売のときに提出された資料、現時点ではその承認販売時の申請の資料よりもエビデンスレベルは聞き取り調査のほうが高いとおっしゃっているわけですね。
○意見陳述者
そういうことはないです。誤解を招くような発言でしたと申し上げたのは、その点になります。
○○先生がおっしゃったエビデンスレベルということは、学術的なシステマティックレビューですとか、RCTとか、オブザベーションナーススタディーとか、そういうもののエビデンスレベルということを測るときのエビデンスレベルというふうにおっしゃったわけではないものだと私は理解しております。
○意見陳述者
そのとおりです。今の聞き取り調査のほうが臨床実態を反映しているという趣旨です。
○費用対効果評価専門組織委員長
科学院さん、いかがですか。表現と、その背景の趣旨です。
○国立保健医療科学院
結構です。ありがとうございました。
○費用対効果評価専門組織委員長
ありがとうございました。
それでは、今の企業さんの不服意見及び科学院さんとのやり取りを踏まえて、委員の方々から御質問ございますでしょうか。いかがでしょうか。
もしなければ、これで意見陳述を終わらせていただきますけれども、よろしいですか。
では、○○委員お願いいたします。
○○○委員
説明ありがとうございます。
今さら的なところは若干あるのですけれども、1点だけ、実際にこのお薬が開発されたときの状況とかをもし御存じだったら教えていただきたい。現状での本薬の使用実態は、IVIG/PLEXが使われた後に使用されると、先ほど臨床の先生から説明いただきましたが、こういう使用方法は開発の段階で想定されていなかったのでしょうか。
実際に治験での適格基準からは、ステロイド、免疫抑制剤が効かないような症例を対象にして実施されています。なぜ、ここまで治験と現状の使用実態でのターゲットが食い違っているのかという点と、承認後、を見越せなかったのか、という点について、どなたか御意見をいただける方がいらっしゃったら情報として教えていただきたいのですが、いかがでしょうか。
○費用対効果評価専門組織委員長
では、どうぞお願いします。
○意見陳述者
今の御意見ありがとうございます。エフガルチギモドの治験は、確かに軽症患者が含まれているかもしれませんけれども、その詳細は論文の中には書いていませんが、重症の患者さんについてはやはり中等度以上で、恐らく血漿交換とか、そういう治療をなされている症例が多いと思います。
ですので、やはりエフガルチギモド自体は効果的にはちょうど血漿交換みたいな感じなんです。機能的には血漿交換を繰り返してもやはりなかなか難しい、また、血漿交換ではかなり侵襲性がありますので、そういうものを意識して点滴でグロブリンをといった治療が開発されていると思います。
それで、エフガルチギモドがターゲットにしているのは胎児性Fc受容体であり、非常にユニークというか、免疫学の中ではすごい発見で、胎児性Fc受容体はアルブミンと免疫グロブリンを、より長く体の中にとどめておくたんぱく質です。それをターゲットにしているということで、エフガルチギモドは世界中が注目している新規治療と自負しております。
だから、10年後、20年後、もしかしたらステロイド薬だけで簡単に治療できない疾患に対して、この薬で活用される可能性はあるかと思いますけれども、現状ではなかなかそこまではいっていないと私は思っています。やはりさっきも繰り返しましたけれども、血漿交換とかIVIGを年に2回、3回繰り返すような症例に対してエフガルチギモドが適用になるというのが臨床の現場の皆さんの考え方だと私は思っています。
以上です。
○意見陳述者
すみませんが、企業側からも1点だけ補足させてください。
質問ありがとうございます。開発というところなのですけども、この臨床試験が国際臨床試験なんですね。つまり、日本だけではなくていろいろな国が入っている中で、やはりIVIGや血漿交換がなかなか普及していないというか、使いにくいような国も入っています。
そういった形で、どうしても集団の中にIVIGや血漿交換をやったことがない方も若干混ざっているという状況と、もう一点、日本のガイドラインというのは非常にしっかり出来上がっておりまして、日本の先生たちは非常にIVIGや血漿交換をうまくこの病気の患者さんに使われているんです。
そういったことを考えると、弊社のような機序の分子標的薬は、IVIGや血漿交換の後という位置づけになるというのはそれほど考えにくいものではなく、実臨床に入ったらやはりIVIGや血漿交換の後の位置づけというが今の主流なっております。
以上です。
○○○委員
ありがとうございます。
国際共同試験ですので、なかなか日本特有のターゲットで実施することが困難であったこと、ある程度に重症な患者さんも今回の試験の中には含まれているという状況については理解します。
ただ、やはり3次治療、4次治療になるエクリズマブとの対象とは異なる点も、それぞれの審査報告書とか添付文書から確認できますし、本薬の審査段階での臨床的位置づけに関しては、企業の主張が審査時と現状と若干異なったことも確認できます。
現状の使用実態は日本の医療環境下を反映していることは理解できますし、将来的に10年後どう変わっているかは分からないという点もそのとおりですが、どの時点でどのエビデンスに基づいて評価をするかについては、事前に決められた分析枠組の中で検討された結果であったと考えます。
○意見陳述者
ありがとうございます。
今の○○先生に対して先ほどの資料から補足させていただきますと、やはりルールもありますし、皆様の御検討とか御懸念もありますし、分析の区分をどういうふうに決められたかという過去の御議論も、私としてどういうお考えで議論されたのか、内示のほかに考えてきたというか理解してきた部分もあります。
ただ、一方で、その分析枠組み、臨床実態の既存のデータから見えるものとか、そことの乖離もあり、企業としてはその乖離を感じておりますし、それで一旦ここで御決定くださった後に再検討、再評価ということを書いてくださっておりますけれども、資料の3番目に書かせていただいた、それがどのようなトリガーで、どのように進められるのか。
ガイドラインですとか資料等である程度どのようなプロセスかということは記載されているのですけれども、それを見てもどういうふうに見直しとか、トリガーで走っていくのかとか、どなたがそれを責任を持って見てくださるのかとか、例えば専門組織の先生方が実際に議題が挙がったら御検討くださると思うのですけれども、議題が挙がらないと御検討くださらないことになるので、先生方は今後の再評価というふうに書いてくださってはいるのですけれども、それが実際に実現されるのか。
もし、ある程度、不確実性は高いけれども、そういうこともあり得るのかなとか、そういうことでしたら過去にはいろいろあったと思うのですが、今回その分析の枠組みという時点で今後の再評価ということになりますと、事例もなかなかないのかなと思いますので、再評価で御検討くださると書かれたときに、本当にそれがちゃんと進んでいくのかというところも、企業としては不安なところですし、先ほど○○先生が弁護士の観点から御指摘くださいましたように、企業としては不当に薬価が下げられてしまうのではないかという心配を持っていて、それが今後、2年後、3年後に再評価されて、あのときはああだったけれども違うほうがよかったんじゃないかとなったときに、低い薬価のまま何年も販売していくということが、実際それは取り戻せないことになるのです。
それを本当に諦められるのかというか、企業としてはグローバルにヘッドクォーターもありますし、それがなかなか説明しづらいというところもありますので、内示をくださる際にも具体的なトリガーで、ちゃんと今後、再評価が進むように、ある程度ちゃんと俎上に載って議論がされるというところが担保されるようなところも御検討いただきたいなと思います。
○費用対効果評価専門組織委員長
御意見ありがとうございます。
その他の先生方、いかがでしょうか。
よろしいですか。
企業さんが今おっしゃった再分析については、この後、専門組織の中でも議論しますので御安心ください。何がしかの形で情報提供はできるかもしれませんということのみ、まずは一旦この場でお話をさせていただきます。
その他の先生方、いかがでしょうか。よろしいですか。
それでは、時間もたちましたので、これで質疑応答を終了いたします。企業の方は御退室をお願いいたします。お疲れさまでした。
○意見陳述者
ありがとうございました。失礼いたします。
(意見陳述者退室)
○費用対効果評価専門組織委員長
それでは、議論に先立ちまして、企業から不服意見がございましたので、改めて科学院さんから何か御意見とかございますでしょうか。
○国立保健医療科学院
ありがとうございます。
基本的には、先ほど費-5-3の資料のときに述べさせていただいたとおりでありまして、分析がICERがよくなっているというのは、見かけ上よくなっているというのはエクリズマブの使用割合が高くなっているということですので、先月の議論の課題が解決されているわけではないのではないかと認識しています。
IVIG/PLEXというのが月20万くらいなのに対して、エクリズマブというのは月500万からかかってくるような高額な治療ですので、その影響度というのを考えると、ほとんどがエクリズマブ(ソリリス)の影響でICERの値が変化していくものというふうに御理解いただいて問題ないのではないかと考えているところです。
以上です。
○費用対効果評価専門組織委員長
それでは、当該品目について御議論をお願いいたします。
なお、御議論に当たっては、企業からの不服意見を踏まえた企業からの提案と公的分析の再分析結果のどちらがより科学的に、より確からしいかを相対的に評価することを踏まえて議論を進めていただきますようよろしくお願いいたします。
この品目については随分、先生方と御議論を進めてきております。今回いただいている論点は3つございますけれども、ICERの区分が変わり得ることと、ICERの不確実性と、あとは分析中断というようなお話なのかなと思っております。
先ほど来の企業さんの説明と、公的分析からの御回答、御意見を軸に議論を進めさせていただければと思っております。
臨床の先生方が御参加されておりますので、先に○○先生、○○先生からコメントをいただければと思いますが、いかがでしょうか。
○○先生、お願いしてもよろしいでしょうか。
○○○専門委員
今日はむしろ計算のほうですから、臨床の先生のコメントはあまり役に立たないと思うのですが、確かにIVIGのほうが、企業が言うようなというか、〇〇先生が言うようなものが一番実際に近いのだろうと思いますが、ただ、私は勘違いしているかもしれません。それを含めて計算しても、あまりそうはよくならなかったという印象を持っています。
ですから、IVIGのほうがみんな使うんだろうけれども、それを含めてもあまり変わらなかったという印象を持っているので、やはり公的分析の言い分のほうが正しいというふうに感じているのと、あとは再分析に関しては後から議論をするのでしょうけれども、少なくとも市販後調査をずっとやるわけですよね。それが出たら、またそこら辺が一つの目安になるのかなと感じました。
以上です。
○費用対効果評価専門組織委員長
ありがとうございます。
念のため、今、○○先生の解釈というか、理解について、そのような考え方で科学院さんのほうはよろしいですか。
○国立保健医療科学院
IVIG/PLEXに関しては、ほとんど費用としては影響しないというふうに考えています。
○費用対効果評価専門組織委員長
ありがとうございます。
再分析の議論については、後でまた先生方とお話をさせていただきたいと思いますが、
○○先生いかがでしょうか。
○○○専門委員
基本的に○○先生の御意見にあまり付け加えることはないのですけれども、もちろん実態は確かに後ろのほうで使うということだとは思いますが、当初の設定が要するにステロイド無効例という設定で始まっている以上、そこで判断せざるを得ないというのがやはり原則で、そこは変えられないのかなと思っています。
ちょっと国立保健医療科学院の先生に伺いたいのは、企業側はエクリズマブの設定を変えることでICERが変わってくるというふうに主張されていて、国立保健医療科学院の先生方は変わらないとおっしゃっていて、ここの違いというのは何に起因するのか、端的に教えていただけるとありがたいんですけれども。
○国立保健医療科学院
ありがとうございます。
正直言って、我々もそこは先方の企業さんが何を考えているのかというのは分かりかねる部分なのですけれども、我々が提出させていただいたモデルのエクリズマブの使用割合みたいなものを低下させていくということは簡単にできるのですが、そうしていってもICERはほとんど変わらない。ほぼ100%にならない限りドミナントにはならないというような分析結果になっておりまして、申しわけないのですが、先方がどういうような計算でというのはちょっと分かりかねる部分であります。
○○○委員
それは、結局IVIGやPLEXをやった後での分析ではなくて、最初の時点でこのウィフガートが使われることを想定した分析を行っているために、後ろのほうのエクリズマブの割合が大きく変わってもそれほど全体には影響しないという理解でよろしいでしょうか。
○国立保健医療科学院
そうですね。そのような御理解で結構だと思います。
○○○委員
分かりました。それですと非常によく理解できます。ありがとうございます。
私は以上です。
○費用対効果評価専門組織委員長
ありがとうございます。
では、その他の先生方からコメントがございましたらお願いします。
事前の先生方の御意見は、基本的には公的分析の内容を支持されることになっておりましたが、不服意見、さきほど新しい切り口の御説明がそれなりにあったかと思いますけれども、それを踏まえてでも御意見は変わらないということでよろしいでしょうか。
(首肯する委員あり)
○費用対効果評価専門組織委員長
もう一つは、さりとて不確実性があるというのと、あとは今、臨床の先生方からも御説明がありましたけれども、使用の実態が現場で少し変わってきているということもありますので、医薬品の適正評価という観点に関してはそのトレンドについていくのも重要と思われます。それに、なおかつエビデンスが出てきたらという御議論もあろうかと思います。それを踏まえた再分析の在り方でございますけれども、これについては少し科学院さんのほうからも示唆がございましたが、先生方から御意見いかがでしょうか。
○国立保健医療科学院
ありがとうございます。
H3品目として新たなエビデンスが出てきた場合については、H3品目として評価をし直すことが可能であるというような形の制度になっておりますので、企業様が希望される場合、そういうフレームワークに乗ってやられるのかなと考えているところです。
○費用対効果評価専門組織委員長
ありがとうございます。
事務局さんのほうで、制度的な立てつけとして何かこの点に関してコメントは追加でございますでしょうか。
(事務局より説明)
通知上の記載といたしましては、費用対効果評価終了後に海外評価機関での評価結果等を踏まえた国立保健医療科学院の意見を参考にして、評価に重要な影響を与える治験が得られたこと等を理由に再指定を行うという記載がございますので、このような形で新たな治験が出たときにはというところは再評価につなげることができるかと思っております。
以上でございます。
○費用対効果評価専門組織委員長
ありがとうございます。
その判断は科学院さんのほうでということですけれども、念のためですが、企業さんがおっしゃっていたようなPMSの固定とか、関連するガイドライン、それの推奨レベルとかも検討した上でだと思いますけれども、その新しい知見が出てきたらフレームとして再分析というものが十二分に議論される可能性があるという理解でよろしいですか。
○事務局
おっしゃるとおりでございます。
○国立保健医療科学院
はい。
○費用対効果評価専門組織委員長
そういう条件などを背景に御判断いただけるフレームになっているということであります。
これに関して、他の先生方から何か御意見ございますでしょうか。
○事務局
事務局でございます。
お話を聞いている企業としては、恐らく今回の専門組織の議論の中で、あるいは内示の中で、こういう場合には再分析を行うというようなことを明示してほしいという御要望があったというふうに認識をしております。
制度の現在の立てつけとしては、今、中島から説明したとおりでございますけれども、一応追加ですが、制度上、基本的には最初の分析のときに、次に再分析をするということを、再分析の条件みたいなことを議論するという制度はございませんので、当然その再分析は可能でございますけれども、今回の議論の中でそこの条件をどうするかというのを決めることは難しいというふうに考えてございます。
ありがとうございます。
○費用対効果評価専門組織委員長
その他いかがでしょうか。よろしいですか。
では、議決とさせていただきます。
先生方の御意見を参考に、ウィフガートの費用対効果を総合的に評価いたしますと、ウィフガートに係る総合的評価について、専門組織で決定された総合的評価のとおりとするということでよろしいでしょうか。
(首肯する委員あり)
○費用対効果評価専門組織委員長
ありがとうございます。
それでは、専門組織で決定された総合的評価を費用対効果評価案として中央社会保険医療協議会に報告いたします。
なお、企業に対する内示及び中央保険医療協議会への提出資料に関しては、先ほど来の再分析のお話も含めて委員長に一任していただくということでよろしいでしょうか。
(首肯する委員あり)
○費用対効果評価専門組織委員長
ありがとうございます。
本日の議題は以上となります。
先生方、再開させていただきますので、ビデオのほうをよろしくお願いいたします。
では、前回、先生方に御議論いただきましたウィフガートに係る総合的評価に対する企業からの不服意見聴取を行った上で、再び先生方に御議論いただきたいと思います。
まず、事務局から説明をお願いいたします。
(事務局より説明)
続きまして右側の部分に記載しておりますけれども、公的分析の見解ということで、科学院の○○先生よろしくお願いいたします。
○国立保健医療科学院
ありがとうございます。公的分析から御説明させていただきます。
まず企業側の1点目、シナリオ分析の条件次第でICERの区分が変わり得るという主張についてですけれども、製造販売業者による分析を再現しますと、ICERがドミナントとされる分析ではエクリズマブ(ソリリス)の使用割合が約87.4%、ICERが1600万円/QALYとされる分析でも約66.4%というふうになっておりまして、前回の専門組織で指摘されたエクリズマブが過剰に算定されているのではないかという課題はそのまま残っていることから、受け入れられるものではないと考えているところです。
そもそもIVIG/PLEX無効後のエクリズマブの使用割合について感度分析を行っても、エクリズマブの使用割合がほぼ100%にならない限りドミナントという結果にはなりません。感度分析をすると、使用割合が70%で約3200万円、80%で約1700万円/QALYであるということなど、極端な設定をしても結果が変わらないことから、本分析結果の頑健性というものが十分に示されているものというふうに考えています。
また、IVIG/PLEXの継続使用については、製造販売業者が提出した分析の設定を踏襲したものであり、不服議論の対象ではそもそもないというふうに考えています。
しかし、IVIG/PLEXは1サイクルの治療費が約20万円程度であると設定されていることから、仮に2年間患者が毎月IVIGを実施したとしても、かかる費用というのは約500万円程度です。
一方で、IVIG/PLEX無効後のエクリズマブの使用割合が製造販売業者の主張どおり約30%というふうに設定しても、増分費用は約1900万円、極端に70%と設定しても増分費用は約650万円ということですから、仮に上記のIVIG/PLEXの過剰推計した治療費が全ての患者に全期間生じたというふうに仮定して、比較対照群のみに加算されるというような極端な設定をしても、費用が削減されるということはあり得ず、結果に与える影響は実際のところさらに小さいものだと考えています。
なお、エフガルチギモドの薬剤費については、先月の専門組織3でも既に議論された上で結論が出されたものでありまして、その点について新たな論点が企業側から示されているものではないことから、不服議論の対象ではないのではないかと考えているところです。
2ページ目になりますけれども、2番目の論点として「ICERの不確実性について」ということです。ここは少々製造販売業者の皆様の主張が理解しかねている部分もあるのですけれども、学術的には不確実性というのは推定比の誤差やモデル上の仮定等により生じるものであり、分析対象集団や比較対照技術などの分析枠組みは分析の前提であるということから、不確実性の問題ではないのではないかと考えています。分析を実施するに当たって、分析対象集団や比較対照技術については専門組織より明確に示されており、不確実性は存在しないというふうに考えています。
なお、分析枠組みの設定そのものの根拠については、既に専門組織1で製造販売業者の不服等を受けた上で決定されたものであり、加えて先月の専門組織3においても、現時点においてその変更について必要のないということが議論されています。その点について、新たな論点が企業側から示されているわけではないことから、こちらも不服議論の対象にはならないのではないかと考えております。
3点目、「分析中断について」ですけれども、分析枠組みに関する見解については繰り返しになりますが、不服議論の対象ではないものと認識しています。新規データが蓄積された場合は、H3品目として新たな評価の開始を検討することは可能だと認識していますが、現時点においても専門組織が設定した分析枠組みを検討する上で一定のデータが存在することから、そのような指摘は当たらないのではないかと考えています。
以上です。
(事務局より説明)
○費用対効果評価専門組織委員長
ありがとうございました。
それでは、議論に先立ちまして、まず本製品に係る総合的評価に対する不服意見の聴取を行いますので、事務局は企業を入室させてください。
(意見陳述者入室)
○費用対効果評価専門組織委員長
私は、費用対効果評価専門組織委員長の費用対効果評価専門組織です。
早速ですが、10分以内でウィフガートの総合的評価に対する不服意見について御説明をお願いいたします。続いて、質疑応答をさせていただきます。
では、始めてください。
○意見陳述者
では、私から御説明させていただきます。お手元の資料を御覧ください。
まず、1枚目を御覧ください。
本日の御意見は3点ございます。いずれも前回の内示でいただいた資料の別添からのものになります。
1点目は、ICERの区分が変わらないことにより追加分析が不要と考えるという点につきまして、区分は変わりますということの意見になります。
2点目は、不確実性についてです。前回、意見として触れました分析枠組みにつきまして、内示におきましては、今後使用実態の変化により変わる可能性は否定しないと書かれておりましたので、実際そのように変わった場合にどうなるかという影響の評価はしていただきたいと思っております。
また、3点目としまして、将来的に再評価を行うことを検討すると書かれておりましたけれども、どのようなトリガーでその評価が行われるのかということが曖昧でしたので、その点について意見を述べさせていただきます。
次の資料を御覧ください。こちらは、公的分析班の報告書の60ページから抜粋しておりまして、企業の分析結果からそれぞれ条件を変更しますと、どのように変更するかということがステップ・バイ・ステップで書かれたものになっておりまして、そのうち結果への影響が大きい3か所について今回意見を述べさせていただきたいと思います。
a‐1、a‐2、a+bのそれぞれにつきまして、その次のページで整理しております。
4ページを御覧ください。
まず1点目はモデル構造の変更になっておりまして、各サイクルに奏効と非奏効が混在するはずなのに、そうなっていないので変更したというものでして、これは間違っていると思いますけれども、今回は影響が小さいということでそれについての変更は行っておりません。
2点目のa‐2とa+bについて、次のページ以降で述べさせていただきます。
a‐2の①につきまして、前回の専門組織で述べさせていただきました計算の方法が誤っておりまして、計算した分析の割合が低過ぎるということの意見になります。これのICERの区分変化について後ほど御説明します。
②としましては、2次治療のIVIG/PLEXからBSCにそのままスイッチする。経口治療のみの治療へスイッチする割合が高く設定されておりましたけれども、実態ではそのように高く設定することはあり得ないと考えておりまして、ICER区分への変化を述べさせていただきます。
3点目は、公的分析班が企業モデルにおいてエフガルチギモドの薬剤費が低いとして修正したものに対しまして、この低いとして修正する条件が誤っておりますということの意見になります。
次のページを御覧ください。
まず1点目が、前回の専門組織で述べました公的分析班の出した割合が低過ぎるということのICER区分への影響になります。上のほうが公的分析班のもともとのモデルの設定値になります。
2点目、下段につきまして、この青い背景になっておりますところの左上が変更したところになります。ここをもともと2.5%だったものを、こちらで計算しました29.8%に変更しまして、同じ考え方でその下も変更しております。それに伴って、右側のBSCに移行する割合が変化しております。
改めて御説明しますと、一番上からファーストになっておりますのが経口治療、セカンドがIVIG/PLEX治療、サードがエクリズマブで、BSCがBS治療になっております。この青いところが、そこにとどまる、IVIG/PLEXからエクリズマブにいく割合で、一番右側がIVIGからBSCにいく割合になっております。この変更によってICERの値が変化いたします。
さらに、次のページを御覧ください。
その値のさらに青くハッチングしてありますところの右側になります。IVIG/PLEXの2次治療からBSCにそのままいってしまう割合を0%とすると、ICER区分が変化いたします。この2件の変化によって、ICERの区分は変わります。
次の意見になります。こちらは、エフガルチギモドの過小評価という御指摘になります。こちらは公的分析班が行っておりましたのは、ウィフガートを1年使い続ける人は100%ではなく、いなくなる人もいるにもかかわらず100%の方が使い続けるはずだという条件にするべきだという指摘になっておりまして、それを達成するためにエフガルチギモドの費用に1.38倍を掛けておりますけれども、これは実際は1となるべきですので、この変更をしますとICERはドミナントとなります。
2点目の意見は、分析枠組みに関する意見になります。こちらは公的分析班の結果どおりの御判断になった場合が灰色のハッチングになっております。もし、今後臨床実態が改めてデータとして把握されまして、企業の前回提示した真に臨床実態を反映した場合を考えますと、今、表で示している灰色でハッチングしていないところになります。
左側から公的分析班のモデルをそのまま使用した場合と、先ほど2ページでICERの区分が変化したことをお示ししたものになります。そうしますと、一部の結果がドミナントになりますので、最後の御判断も変化することになります。
この影響と評価について実施していただきたいと考えております。
○意見陳述者
続いて「将来の再検討について」、次のページを見ていただきます。10ページを御覧ください。
ここは制度論を議論する場ではないということは理解しておりますが、このような制度だからこそ企業分析が受け入れられないのであれば、将来の再評価開示条件を記載していただくか、それが無理ならば分析中断せざるを得ないということを御説明いたします。
今回の総合的評価は、企業側の聞き取り調査よりもエビデンスレベルが低い承認申請時の内容や、臨床試験の条件に基づいて行われているものです。そうすると、企業は将来的に見直す可能性の高い薬価が何年も適用されるという大きな不利益を受けることになります。再評価開始の条件が明記されていないというところで、企業側は不安定な立場に置かれています。そのため、少なくとも「企業の市販後調査データの固定時およびガイドライン改訂時」に再評価をするといった具体的な記載が不可欠だと考えております。
また、最終的な結果が企業側の主張のとおりでも、過去の薬価の適用について訂正、補償するための手続というのはない以上、企業は不当な売上げ減少を被ることになります。このような問題を防ぐためには分析中断をして、エビデンスが十分固まった段階で評価するということが不可欠です。
最後に、弁護士としては専門組織の皆様の決定の議論過程というのもあまり見えず、より依拠できないエビデンスに基づいた公的分析を採用する理由というのが十分には全く示されていなかったので、手続的な意味でも正当性を欠くと言わざるを得ないと思います。企業側の分析を受け入れられないのであれば、再評価の条件を記載するか、分析中断をせざるを得ないと考えております。
○意見陳述者
○○先生、ありがとうございました。
11ページは、前回の専門組織で意見を述べさせていただいた、実際の検証実態に左右すると考えられるガイドラインの記載を改めて提示するとともに、その下の添付文書の記載は臨床実態が決まる前のものですけれども、こちらでどのように書かれているか。
また、12ページにおきましては、それぞれの審査報告書内での記載ですとか、内示資料を御提示しまして、今、申し述べたことについて改めて整理させていただいたところです。
最後に○○先生、臨床的な先生のお考えを改めてお話しいただければと思います。よろしくお願いいたします。
○意見陳述者
○○です。
先週も神経免疫学会というものがありまして、学会に参加して、このエフガルチギモドはちょうど1年たつので、結構演題にも出ていたのですけれども、やはり前回言っていますように、ステロイドや免疫抑制剤が効かない例にやるわけではなくて、ステロイドや免疫抑制剤治療をしてもなかなかうまくいかない人は血漿交換とかIVIGをするわけですね。それでかなりの症例はよくなるのですけれども、それを繰り返しても、やはり年に数回繰り返さなければいけないような状況ですね。そういうふうな難治性のMG患者さんにこのエフガルチギモドが使われるというのが現状だと思います。
それは、先週もそれで決着して、今さら言ってもどうしようもないかもしれませんけれども、医療の現場は間違いなくそういうふうになされていると思います。神経内科の先生もこの薬は高いということは分かっていますので、それはやはり慎重に使っているのではないかと思います。
最後にちょっとそれだけ述べて、今回、私はこういう機会に初めて参加したのですけれども、やはりふだんの常識が通用しないのかなということを実感しております。
以上です。
○費用対効果評価専門組織委員長
では、企業側からの意見陳述にもあったように、公的分析に対する指摘が幾つかありましたので、これらの指摘に対して公的分析から御意見などございますでしょうか。
○国立保健医療科学院
ありがとうございます。
特にコメントなどはないんですけれども、先ほど弁護士の方が、企業側の聞き取り調査の結果より承認販売時に提出した資料のほうがエビデンスが低いというふうにおっしゃったのですが、それは企業側も同じ認識なんですか。
○費用対効果評価専門組織委員長
企業さんのほうはいかがでしょうか。
○意見陳述者
企業側としましては、先日出したデータというのは非常に信憑性が高いものなのですけれども、ただ、前回の専門委員会で営業担当者ですね、MRが聞き取った調査の信憑性が低いという形の回答をいただいたので、そういう形で述べさせてもらいましたが、ただ、企業側から言いますと、MRが取ってきた情報は非常に精度高く取っておりますので、PMSと比べても遜色ないと考えております。
ただ、PMSの場合は国と一緒にマストでやっているものなので、より精度が求められるものという観点から、○○先生はそう言ってくださったと考えます。
○意見陳述者
正確に申し上げると、承認申請時という時点の段階で、その時点ではもちろん高いエビデンスレベルがあるとは理解しておりますが、実際に臨床でどう使われるかという現在の時点においては、この聞き取り調査というのがかなり高い証拠価値があると考えております。
○意見陳述者
エビデンスレベルというところで誤解を招いてしまったのかもしれないですけれども、例えばRCTとか、システマティックレビューとか、一般に言われるようなエビデンスレベルというところを否定しているものではなくて、あくまでもその臨床実態というところを測ったときに、今、唯一存在しているのが先日企業が提示させていただいたデータで、もちろん学術的なエビデンスレベルというところからしますと合致しないところは多分にあると思いますけれども、そう考えますと臨床実態を把握するという意味でエビデンスレベルの高いものということは、学術的にもエビデンスレベルの高いものということを考えますと、PMSが一番期待されるものであろうと理解しております。
○国立保健医療科学院
ありがとうございます。
よく分からないのですけれども、現時点においては企業側の聞き取り調査の結果のほうが、皆さんが承認販売のときに提出された資料、現時点ではその承認販売時の申請の資料よりもエビデンスレベルは聞き取り調査のほうが高いとおっしゃっているわけですね。
○意見陳述者
そういうことはないです。誤解を招くような発言でしたと申し上げたのは、その点になります。
○○先生がおっしゃったエビデンスレベルということは、学術的なシステマティックレビューですとか、RCTとか、オブザベーションナーススタディーとか、そういうもののエビデンスレベルということを測るときのエビデンスレベルというふうにおっしゃったわけではないものだと私は理解しております。
○意見陳述者
そのとおりです。今の聞き取り調査のほうが臨床実態を反映しているという趣旨です。
○費用対効果評価専門組織委員長
科学院さん、いかがですか。表現と、その背景の趣旨です。
○国立保健医療科学院
結構です。ありがとうございました。
○費用対効果評価専門組織委員長
ありがとうございました。
それでは、今の企業さんの不服意見及び科学院さんとのやり取りを踏まえて、委員の方々から御質問ございますでしょうか。いかがでしょうか。
もしなければ、これで意見陳述を終わらせていただきますけれども、よろしいですか。
では、○○委員お願いいたします。
○○○委員
説明ありがとうございます。
今さら的なところは若干あるのですけれども、1点だけ、実際にこのお薬が開発されたときの状況とかをもし御存じだったら教えていただきたい。現状での本薬の使用実態は、IVIG/PLEXが使われた後に使用されると、先ほど臨床の先生から説明いただきましたが、こういう使用方法は開発の段階で想定されていなかったのでしょうか。
実際に治験での適格基準からは、ステロイド、免疫抑制剤が効かないような症例を対象にして実施されています。なぜ、ここまで治験と現状の使用実態でのターゲットが食い違っているのかという点と、承認後、を見越せなかったのか、という点について、どなたか御意見をいただける方がいらっしゃったら情報として教えていただきたいのですが、いかがでしょうか。
○費用対効果評価専門組織委員長
では、どうぞお願いします。
○意見陳述者
今の御意見ありがとうございます。エフガルチギモドの治験は、確かに軽症患者が含まれているかもしれませんけれども、その詳細は論文の中には書いていませんが、重症の患者さんについてはやはり中等度以上で、恐らく血漿交換とか、そういう治療をなされている症例が多いと思います。
ですので、やはりエフガルチギモド自体は効果的にはちょうど血漿交換みたいな感じなんです。機能的には血漿交換を繰り返してもやはりなかなか難しい、また、血漿交換ではかなり侵襲性がありますので、そういうものを意識して点滴でグロブリンをといった治療が開発されていると思います。
それで、エフガルチギモドがターゲットにしているのは胎児性Fc受容体であり、非常にユニークというか、免疫学の中ではすごい発見で、胎児性Fc受容体はアルブミンと免疫グロブリンを、より長く体の中にとどめておくたんぱく質です。それをターゲットにしているということで、エフガルチギモドは世界中が注目している新規治療と自負しております。
だから、10年後、20年後、もしかしたらステロイド薬だけで簡単に治療できない疾患に対して、この薬で活用される可能性はあるかと思いますけれども、現状ではなかなかそこまではいっていないと私は思っています。やはりさっきも繰り返しましたけれども、血漿交換とかIVIGを年に2回、3回繰り返すような症例に対してエフガルチギモドが適用になるというのが臨床の現場の皆さんの考え方だと私は思っています。
以上です。
○意見陳述者
すみませんが、企業側からも1点だけ補足させてください。
質問ありがとうございます。開発というところなのですけども、この臨床試験が国際臨床試験なんですね。つまり、日本だけではなくていろいろな国が入っている中で、やはりIVIGや血漿交換がなかなか普及していないというか、使いにくいような国も入っています。
そういった形で、どうしても集団の中にIVIGや血漿交換をやったことがない方も若干混ざっているという状況と、もう一点、日本のガイドラインというのは非常にしっかり出来上がっておりまして、日本の先生たちは非常にIVIGや血漿交換をうまくこの病気の患者さんに使われているんです。
そういったことを考えると、弊社のような機序の分子標的薬は、IVIGや血漿交換の後という位置づけになるというのはそれほど考えにくいものではなく、実臨床に入ったらやはりIVIGや血漿交換の後の位置づけというが今の主流なっております。
以上です。
○○○委員
ありがとうございます。
国際共同試験ですので、なかなか日本特有のターゲットで実施することが困難であったこと、ある程度に重症な患者さんも今回の試験の中には含まれているという状況については理解します。
ただ、やはり3次治療、4次治療になるエクリズマブとの対象とは異なる点も、それぞれの審査報告書とか添付文書から確認できますし、本薬の審査段階での臨床的位置づけに関しては、企業の主張が審査時と現状と若干異なったことも確認できます。
現状の使用実態は日本の医療環境下を反映していることは理解できますし、将来的に10年後どう変わっているかは分からないという点もそのとおりですが、どの時点でどのエビデンスに基づいて評価をするかについては、事前に決められた分析枠組の中で検討された結果であったと考えます。
○意見陳述者
ありがとうございます。
今の○○先生に対して先ほどの資料から補足させていただきますと、やはりルールもありますし、皆様の御検討とか御懸念もありますし、分析の区分をどういうふうに決められたかという過去の御議論も、私としてどういうお考えで議論されたのか、内示のほかに考えてきたというか理解してきた部分もあります。
ただ、一方で、その分析枠組み、臨床実態の既存のデータから見えるものとか、そことの乖離もあり、企業としてはその乖離を感じておりますし、それで一旦ここで御決定くださった後に再検討、再評価ということを書いてくださっておりますけれども、資料の3番目に書かせていただいた、それがどのようなトリガーで、どのように進められるのか。
ガイドラインですとか資料等である程度どのようなプロセスかということは記載されているのですけれども、それを見てもどういうふうに見直しとか、トリガーで走っていくのかとか、どなたがそれを責任を持って見てくださるのかとか、例えば専門組織の先生方が実際に議題が挙がったら御検討くださると思うのですけれども、議題が挙がらないと御検討くださらないことになるので、先生方は今後の再評価というふうに書いてくださってはいるのですけれども、それが実際に実現されるのか。
もし、ある程度、不確実性は高いけれども、そういうこともあり得るのかなとか、そういうことでしたら過去にはいろいろあったと思うのですが、今回その分析の枠組みという時点で今後の再評価ということになりますと、事例もなかなかないのかなと思いますので、再評価で御検討くださると書かれたときに、本当にそれがちゃんと進んでいくのかというところも、企業としては不安なところですし、先ほど○○先生が弁護士の観点から御指摘くださいましたように、企業としては不当に薬価が下げられてしまうのではないかという心配を持っていて、それが今後、2年後、3年後に再評価されて、あのときはああだったけれども違うほうがよかったんじゃないかとなったときに、低い薬価のまま何年も販売していくということが、実際それは取り戻せないことになるのです。
それを本当に諦められるのかというか、企業としてはグローバルにヘッドクォーターもありますし、それがなかなか説明しづらいというところもありますので、内示をくださる際にも具体的なトリガーで、ちゃんと今後、再評価が進むように、ある程度ちゃんと俎上に載って議論がされるというところが担保されるようなところも御検討いただきたいなと思います。
○費用対効果評価専門組織委員長
御意見ありがとうございます。
その他の先生方、いかがでしょうか。
よろしいですか。
企業さんが今おっしゃった再分析については、この後、専門組織の中でも議論しますので御安心ください。何がしかの形で情報提供はできるかもしれませんということのみ、まずは一旦この場でお話をさせていただきます。
その他の先生方、いかがでしょうか。よろしいですか。
それでは、時間もたちましたので、これで質疑応答を終了いたします。企業の方は御退室をお願いいたします。お疲れさまでした。
○意見陳述者
ありがとうございました。失礼いたします。
(意見陳述者退室)
○費用対効果評価専門組織委員長
それでは、議論に先立ちまして、企業から不服意見がございましたので、改めて科学院さんから何か御意見とかございますでしょうか。
○国立保健医療科学院
ありがとうございます。
基本的には、先ほど費-5-3の資料のときに述べさせていただいたとおりでありまして、分析がICERがよくなっているというのは、見かけ上よくなっているというのはエクリズマブの使用割合が高くなっているということですので、先月の議論の課題が解決されているわけではないのではないかと認識しています。
IVIG/PLEXというのが月20万くらいなのに対して、エクリズマブというのは月500万からかかってくるような高額な治療ですので、その影響度というのを考えると、ほとんどがエクリズマブ(ソリリス)の影響でICERの値が変化していくものというふうに御理解いただいて問題ないのではないかと考えているところです。
以上です。
○費用対効果評価専門組織委員長
それでは、当該品目について御議論をお願いいたします。
なお、御議論に当たっては、企業からの不服意見を踏まえた企業からの提案と公的分析の再分析結果のどちらがより科学的に、より確からしいかを相対的に評価することを踏まえて議論を進めていただきますようよろしくお願いいたします。
この品目については随分、先生方と御議論を進めてきております。今回いただいている論点は3つございますけれども、ICERの区分が変わり得ることと、ICERの不確実性と、あとは分析中断というようなお話なのかなと思っております。
先ほど来の企業さんの説明と、公的分析からの御回答、御意見を軸に議論を進めさせていただければと思っております。
臨床の先生方が御参加されておりますので、先に○○先生、○○先生からコメントをいただければと思いますが、いかがでしょうか。
○○先生、お願いしてもよろしいでしょうか。
○○○専門委員
今日はむしろ計算のほうですから、臨床の先生のコメントはあまり役に立たないと思うのですが、確かにIVIGのほうが、企業が言うようなというか、〇〇先生が言うようなものが一番実際に近いのだろうと思いますが、ただ、私は勘違いしているかもしれません。それを含めて計算しても、あまりそうはよくならなかったという印象を持っています。
ですから、IVIGのほうがみんな使うんだろうけれども、それを含めてもあまり変わらなかったという印象を持っているので、やはり公的分析の言い分のほうが正しいというふうに感じているのと、あとは再分析に関しては後から議論をするのでしょうけれども、少なくとも市販後調査をずっとやるわけですよね。それが出たら、またそこら辺が一つの目安になるのかなと感じました。
以上です。
○費用対効果評価専門組織委員長
ありがとうございます。
念のため、今、○○先生の解釈というか、理解について、そのような考え方で科学院さんのほうはよろしいですか。
○国立保健医療科学院
IVIG/PLEXに関しては、ほとんど費用としては影響しないというふうに考えています。
○費用対効果評価専門組織委員長
ありがとうございます。
再分析の議論については、後でまた先生方とお話をさせていただきたいと思いますが、
○○先生いかがでしょうか。
○○○専門委員
基本的に○○先生の御意見にあまり付け加えることはないのですけれども、もちろん実態は確かに後ろのほうで使うということだとは思いますが、当初の設定が要するにステロイド無効例という設定で始まっている以上、そこで判断せざるを得ないというのがやはり原則で、そこは変えられないのかなと思っています。
ちょっと国立保健医療科学院の先生に伺いたいのは、企業側はエクリズマブの設定を変えることでICERが変わってくるというふうに主張されていて、国立保健医療科学院の先生方は変わらないとおっしゃっていて、ここの違いというのは何に起因するのか、端的に教えていただけるとありがたいんですけれども。
○国立保健医療科学院
ありがとうございます。
正直言って、我々もそこは先方の企業さんが何を考えているのかというのは分かりかねる部分なのですけれども、我々が提出させていただいたモデルのエクリズマブの使用割合みたいなものを低下させていくということは簡単にできるのですが、そうしていってもICERはほとんど変わらない。ほぼ100%にならない限りドミナントにはならないというような分析結果になっておりまして、申しわけないのですが、先方がどういうような計算でというのはちょっと分かりかねる部分であります。
○○○委員
それは、結局IVIGやPLEXをやった後での分析ではなくて、最初の時点でこのウィフガートが使われることを想定した分析を行っているために、後ろのほうのエクリズマブの割合が大きく変わってもそれほど全体には影響しないという理解でよろしいでしょうか。
○国立保健医療科学院
そうですね。そのような御理解で結構だと思います。
○○○委員
分かりました。それですと非常によく理解できます。ありがとうございます。
私は以上です。
○費用対効果評価専門組織委員長
ありがとうございます。
では、その他の先生方からコメントがございましたらお願いします。
事前の先生方の御意見は、基本的には公的分析の内容を支持されることになっておりましたが、不服意見、さきほど新しい切り口の御説明がそれなりにあったかと思いますけれども、それを踏まえてでも御意見は変わらないということでよろしいでしょうか。
(首肯する委員あり)
○費用対効果評価専門組織委員長
もう一つは、さりとて不確実性があるというのと、あとは今、臨床の先生方からも御説明がありましたけれども、使用の実態が現場で少し変わってきているということもありますので、医薬品の適正評価という観点に関してはそのトレンドについていくのも重要と思われます。それに、なおかつエビデンスが出てきたらという御議論もあろうかと思います。それを踏まえた再分析の在り方でございますけれども、これについては少し科学院さんのほうからも示唆がございましたが、先生方から御意見いかがでしょうか。
○国立保健医療科学院
ありがとうございます。
H3品目として新たなエビデンスが出てきた場合については、H3品目として評価をし直すことが可能であるというような形の制度になっておりますので、企業様が希望される場合、そういうフレームワークに乗ってやられるのかなと考えているところです。
○費用対効果評価専門組織委員長
ありがとうございます。
事務局さんのほうで、制度的な立てつけとして何かこの点に関してコメントは追加でございますでしょうか。
(事務局より説明)
通知上の記載といたしましては、費用対効果評価終了後に海外評価機関での評価結果等を踏まえた国立保健医療科学院の意見を参考にして、評価に重要な影響を与える治験が得られたこと等を理由に再指定を行うという記載がございますので、このような形で新たな治験が出たときにはというところは再評価につなげることができるかと思っております。
以上でございます。
○費用対効果評価専門組織委員長
ありがとうございます。
その判断は科学院さんのほうでということですけれども、念のためですが、企業さんがおっしゃっていたようなPMSの固定とか、関連するガイドライン、それの推奨レベルとかも検討した上でだと思いますけれども、その新しい知見が出てきたらフレームとして再分析というものが十二分に議論される可能性があるという理解でよろしいですか。
○事務局
おっしゃるとおりでございます。
○国立保健医療科学院
はい。
○費用対効果評価専門組織委員長
そういう条件などを背景に御判断いただけるフレームになっているということであります。
これに関して、他の先生方から何か御意見ございますでしょうか。
○事務局
事務局でございます。
お話を聞いている企業としては、恐らく今回の専門組織の議論の中で、あるいは内示の中で、こういう場合には再分析を行うというようなことを明示してほしいという御要望があったというふうに認識をしております。
制度の現在の立てつけとしては、今、中島から説明したとおりでございますけれども、一応追加ですが、制度上、基本的には最初の分析のときに、次に再分析をするということを、再分析の条件みたいなことを議論するという制度はございませんので、当然その再分析は可能でございますけれども、今回の議論の中でそこの条件をどうするかというのを決めることは難しいというふうに考えてございます。
ありがとうございます。
○費用対効果評価専門組織委員長
その他いかがでしょうか。よろしいですか。
では、議決とさせていただきます。
先生方の御意見を参考に、ウィフガートの費用対効果を総合的に評価いたしますと、ウィフガートに係る総合的評価について、専門組織で決定された総合的評価のとおりとするということでよろしいでしょうか。
(首肯する委員あり)
○費用対効果評価専門組織委員長
ありがとうございます。
それでは、専門組織で決定された総合的評価を費用対効果評価案として中央社会保険医療協議会に報告いたします。
なお、企業に対する内示及び中央保険医療協議会への提出資料に関しては、先ほど来の再分析のお話も含めて委員長に一任していただくということでよろしいでしょうか。
(首肯する委員あり)
○費用対効果評価専門組織委員長
ありがとうございます。
本日の議題は以上となります。