2023年5月26日 中央社会保険医療協議会費用対効果評価専門組織 第2回議事録

日時

令和5年5月26日 12:30~

場所

オンライン開催

出席者

田倉 智之委員長、齋藤 信也委員長代理、池田 俊也委員、木﨑 孝委員、新谷 歩委員、新保 卓郎委員、中山 健夫委員、野口 晴子委員、花井 十伍委員、飛田 英祐委員、米盛 勧委員、髙橋 祐二専門委員、戸田 達史専門委員、福田 敬専門委員
国立保健医療科学院 保健医療経済評価研究センター 白岩上席主任研究官
<事務局>
中田医療技術評価推進室長 他

議題

○ ウィフガード点滴静注400mgに係る企業分析報告及び公的分析レビュー結果について

議事

○費用対効果評価専門組織委員長
 続きまして、ウィフガート点滴静注に係る企業分析報告及び公的分析レビュー結果について御議論いただきます。
 対象品目について企業分析が提出されておりますので、企業からの意見聴取を行った上で、企業分析の内容について先生方に御議論いただきたいと思います。
 まずは事務局から説明をお願いいたします。
(事務局より説明) 
 
○費用対効果評価専門組織委員長
 私は費用対効果評価専門組織委員長です。
 早速ですが、10分以内でウィフガート点滴静注に係る企業分析についての企業意見の御説明をお願いいたします。続いて質疑応答をさせていただきます。
 では、始めてください。

○意見陳述者
 よろしくお願いします。○○です。
 まず、私から現行の実臨床でのウィフガートの使われ方及び昨年9月に決定しましたウィフガートの費用対効果に係る分析枠組みを述べた後、○○より分析結果について発表します。
 早速ですが、3枚目の重症筋無力症の治療アルゴリズムを御覧ください。このスライドでは、最も新しい重症筋無力症ガイドライン2022年から抜粋した治療アルゴリズムを示します。
 このように、本疾患は、青字で示したように、抗アセチルコリン受容体抗体陽性と、抗アセチルコリン受容体抗体陰性の2つの病型群に分けられています。この2つの病型群の治療について、1次治療としてステロイド、免疫抑制剤、アセチルコリンエステラーゼ阻害薬といった経口薬による治療、2次治療、3次治療として、免疫グロブリン療法や血漿交換療法を主とした速効性治療、また、3次治療による症状の管理が困難な場合は4次治療が実施されます。この4次治療において、抗アセチルコリン受容体抗体陽性の病型群ではエクリズマブを用いることができますが、抗アセチルコリン受容体抗体陰性の病型群では保険適用されている分子標的薬はございません。
 ウィフガートは、承認・販売が昨年であったことから、まだこのガイドラインに掲載されていませんが、○○先生、実臨床では現在、ウィフガートはどのように処方されているかのコメントをいただければと思いますが、いかがでしょうか。
 ○○先生の声が入っていないですね。
 すみません。今、○○先生の声が入っておりませんで、ここで実臨床の先生から実際の使われ方を伺う予定でしたけれども、今回、ウィフガートは、現在の処方のされ方としては、3次治療の後の4次治療のタイミングでほとんどのケースが使われている状況です。
 それでは、5枚目に行っていただければと思います。このスライドでは、昨年9月に決定しましたウィフガートの費用対効果に係る分析枠組みを示しております。
 まず、分析対象集団として、先ほど説明したそれぞれの2つの病型群、つまり、抗アセチルコリン受容体抗体陽性と抗アセチルコリン受容体抗体陰性。この2つの病型群。あと、3段目の比較対照技術名としては、分析対象集団A)及びB)それぞれに対して、プレドニゾロン±免疫抑制剤±アセチルコリンエステラーゼ阻害薬が比較対照技術。また、評価対象技術は、この比較対照技術にウィフガートを加えたものに決定されました。つまり、先ほど御覧になってくださった3ページ目の治療アルゴリズムにおける1次治療が比較対照技術であり、1次治療にウィフガートを加えたものが評価対象技術と決定されたため、残念ながら、現行のウィフガートの使われ方とはかけ離れておりますが、専門組織の決定に基づいて、ここに示す枠組みで分析を行いました。
 では、〇〇さん、お願いします。

○意見陳述者
 ○○と申します。では、引き続き、同じ5枚目から御説明させていただきます。こちらは専門組織において決定された枠組みをそのまま貼り付けましたもので、先ほど○○よりガイドラインと一致しないところがあるとお伝えしましたけれども、決定されたことですので、これに従って分析しております。
 まず、分析対象集団は抗体陽性と陰性を分けておりまして、比較対照技術として、こちらの経口治療薬の組合せとしております。また、生産性損失を含めてよいということを伺いましたので、この枠組みを基本分析としまして分析を進めてまいりました。
 次の6ページ目を御覧ください。こちらが追加的有用性を検討した結果になっております。
 こちらはシステマチックレビューを用いて追加的有用性を検討することになっておりまして、完遂はしたのですけれども、過去の分析報告書を拝見しまして、クリニカルクエスチョンに合致する試験がピボタル試験以外に存在しないと書かれています過去報告書を拝見しまして、こちらと同じような状況でしたので、それを参考に、同じような記載として進めてまいりました。
 その結果、ピボタル試験であるADAPT試験の詳細からこのような追加的有用性に関する情報を抽出しまして、こちらをモデルパラメーターに、その次の7ページ目になるのですけれども、ADAPT試験から情報を抽出しまして、このデータを基にモデルをつくってシミュレーションしてまいりました。
 次に、8ページ目を御覧ください。こちらが分析の構造を図示したものになっております。
 もともと、米国のICERの分析で使用されたモデルがこの重症筋無力症の分子標的薬の費用対効果を評価するものとして事前に公開された唯一のものでしたので、こちらを基にモデルを構築いたしました。専門組織で御決定された枠組みに沿って、陽性群、陰性群と、モデル構造は同じとして、また分けて分析しました。また、ガイドラインに従いまして、比較対照群である経口治療薬からスタートすることから、経口治療薬が奏効しない場合、IVIg/PLEXの定期投与。また、それが奏効しない場合に分子標的薬に移行するモデルを構築しまして、まず、比較対照群をこれで分析するとともに、同じ分析のモデル構造でエフガルチギモドの分析、エフガルチギモドと経口治療薬の併用の分析を進めてまいりました。
 9ページ目に、今回、短い時間で、もともとアルジェニクス社がこのような対応に不慣れでしたので、事前の準備がなかなか行えず、専門組織で枠組みが決まってからの準備になりましたので、分析のモデルをつくり込むことができず、様々な制約がございますが、ガイドラインに沿って年率2%の割引率を適用するなどをしております。
 10ページ目に、分析の結果のサマリーをお示ししています。
 枠組みに従って、まず、陽性群と陰性群に分けて、それぞれ比較対照技術を経口治療とした場合の分析を行いました。それが1行目と3行目になっております。この結果は生産性損失を考慮したものでして、先ほどの分析の枠組みでありとしていただきましたので含めているのですけれども、本来ですと、QMGスコアやMG-ADLスコアが悪くなって、だんだん動けなくなって、それに伴って働けなくなるようなプレゼンティズムのような要素を考慮するのが妥当かと思うのですが、今回はまた時間がございませんでしたので、クリーゼという重篤なイベントの際に入院して働けなくなることによる、その日数分だけを考慮することといたしました。
 2行目と4行目につきましては、分析の枠組みで感度分析とすることとするとお示しいただいたものについて分析を行ったものです。陽性群の経口治療と比較したものについてはDominant、陰性群の経口治療と比較したものについてはICERが非常に高い値となりました。
 以降のページは、先ほどのサマリーでお示ししたものの詳細になっておりますので、飛ばさせていただきます。
 次は、17ページ目の分析結果の妥当性を御説明させていただきます。
 分析の妥当性につきましては、ICERモデルを再現する点で担保しております。ただ、ICERモデルのもともとの仮定がございまして、先ほどお伝えしたようなQMGですとか、MG-ADL、で表現されるようなスコアでは、生産性損失は全く考慮できていないところで、生産性損失の考慮としては全く十分ではなく、本当に一部だけ考慮して含めております。
 分析結果で、こちらが最後の御説明資料になるのですけれども、18ページ目になります。
 まとめますと、今回、陽性群ではDominantになっておりまして、この集団は全体の重症筋無力症の患者さんの中で85%を占めております。一方、陰性集団では費用対効果の閾値の下段を下回るという高い値になっておりまして、こちらは全体に占める値が15%となっております。
 以上で御説明を終わらせていただきます。

○費用対効果評価専門組織委員長
 御説明は以上になりますね。
 では、委員の方々から御意見、御質問はございますでしょうか。

○意見陳述者
 すみません。遮って申し訳ございません。先ほど、○○から○○先生に御意見を伺おうとしたときに○○先生がまだ入られていなかったので、○○先生がお入りになっているようですので、今、お願いすることは構いませんでしょうか。

○費用対効果評価専門組織委員長
 どうぞ。お願いいたします。

○意見陳述者
 ○○先生にお伺いしたかったことは、現在のウィフガートの使われ方が治療アルゴリズムにのっとって、どのようなタイミングで使われているかをコメントいただければと思いますが、いかがでしょうか。

○意見陳述者
 ○○ですけれども、大丈夫ですか。これは入っていますか。

○意見陳述者
 入っています。

○意見陳述者
 3ページを見ていただきたいのですけれども、ガイドラインのフローチャートなのですが、やはりエフガルチギモドは高価な薬品なので、臨床の先生たちも最初からそれを使うことはなくて、1次治療としてステロイドとか免疫抑制剤。そういう治療で開始して、その後、それだけでは不十分で、血漿交換とかIVIgをしても、そういうものを繰り返してもなかなか改善しないような症例に限られて使っているのではないかと思います。だから、診断してエフガルチギモドに至るまでには半年から1年以上はかかるのではないかと思います。
 以上です。

○意見陳述者
 ありがとうございます。
 我々からは以上でございます。

○費用対効果評価専門組織委員長
 では、改めて、委員の先生方、いかがでしょうか。
 ○○委員、お願いします。

○○○委員
 聞こえますか。

○費用対効果評価専門組織委員長
 聞こえています。大丈夫です。

○○○委員
 今、御発表いただいたところで、すみません。確認なのですけれども「4.分析条件」というスライドですが「ガイドラインとは合致しないが、本分析では決定された枠組みに沿って分析を行った」という、ここで言っているガイドラインは診療ガイドラインのことですか。それとも、費用対効果評価の分析ガイドラインのことですか。

○意見陳述者
 すみません。言葉足らずで申し訳ありませんでした。
 これは診療ガイドラインで、合致というか、現状を反映していないということでございます。御質問ありがとうございました。

○○○委員
 そうしますと、費用対効果評価の分析ガイドラインは御覧の上で、それに基づいて分析をしているという理解でよろしいですね。

○意見陳述者
 ○○さん、お願いできますか。

○意見陳述者
 御指摘のとおりです。

○○○委員
 そうなりますと、この「4.分析条件」のスライドの下から3つ目「『公的医療の立場』以外の分析の有無」と書いてありますが、これは分析ガイドラインと照らし合わせてこれを読むと「公的医療の立場」の分析を基本とするのは分析ガイドラインでは決まっていて「公的医療の立場」以外の立場の分析を実施する場合でも「公的医療の立場」の分析はしなければいけないとなっておりまして、それが基本分析となるわけです。それ以外に「公的医療の立場」以外の分析もするかしないかは自由ですが、お示しいただかなければいけない基本分析の結果は「公的医療の立場」の分析のものであるはずで、プラスアルファで感度分析、シナリオ分析として「公的医療の立場」以外の分析の有無を行って、その結果を提示してもよいということなので、これは分析ガイドラインを読めばそれは明らかだと思うのです。
 その上で確認ですが、今日お示しいただいた数字は「公的医療の立場」の分析結果でよろしいですか。もしそうでないとしたら「公的医療の立場」からの分析結果について御説明いただきたいと思うのですが、お願いします。

○意見陳述者
 私、○○から御回答させていただきます。
 まず、御指摘のとおり、5ページを拝見して、今、御説明いただきまして「公的医療の立場」以外の分析の有無として、これは生産性損失は追加で含めてもよくて、基本分析の立場からはこれは除外しないものがまず必要だという御指摘をいただきまして、今、お示ししているものは生産性損失が入ってしまっていますので「公的医療の立場」の分析ではないことを理解いたしました。ガイドラインを読んでいるつもりだったのですけれども、その点の理解が不十分というか、見落としてしまったのかと思います。この枠組みに沿って、これについて分析をしてまいりました。
 もう一つの御質問の、今、御提示している結果でなく「公的医療の立場」での分析がどうだったのかにつきまして、一方で確認はしておりまして、10ページを御覧いただければと思います。こちらではお示ししていないのですけれども、増分費用のうち、先ほどお伝えした生産性損失に当たる、クリーゼと申します非常に重篤な症状で入院した場合に、入院日数に応じて働けなくなったことを考慮したものの費用だけを抜いた分析も見ておりまして、そちらは結果の、ICERの、記載しておりますDominantですとか、この1億円超のICERの値にほとんど影響は及ぼしませんで、結論も変わらないことは確認しております。

○○○委員
 御説明は分かりました。

○意見陳述者
 御指摘ありがとうございました。

○費用対効果評価専門組織委員長
 その他の委員、いかがでしょうか。よろしいでしょうか。
 それでは、これで質疑応答を終了いたします。
 続きまして、科学院から5分以内でウィフガート点滴静注に係る企業分析についての公的分析のレビュー結果の御説明をお願いいたします。続いて質疑応答をさせていただきます。
 では、お願いします。

○保健医療科学院
 科学院でございます。ウィフガートに関する公的分析のレビュー結果について御紹介させていただきます。
 1ページ目ですけれども、時系列で書かせていただいておりますが、公的分析による分析のレビューの経緯について書かせていただいています。
 2ページ目ですけれども、レビューの経緯になりますが、製造販売業者からは、本年1月6日、電子メールにて分析報告書を受領したわけでありますけれども、その後、モデル上の保護解除における問題ですとか、数値の不一致、あるいは数値が変わってしまうような分析モデル上の不具合が確認されまして、2月21日にこれらの事項に関するやり取りが終了しております。ただ、残念ながら、現在でもその不具合は残っているところでして、製造販売業者の分析提出から、分析モデルをレビュー可能となるまで1か月以上の期間を要していて、公的分析による分析のレビュー進行に影響を及ぼしているのが現状であります。
 3ページ目になります。こちらは製造販売業者によって提出いただいた分析について、公的分析、再分析の可能性のある課題について御指摘させていただいております。
 4ページ目ですけれども、基本分析におけるシステマチックレビューの未実施でありまして、先ほど企業側からもありましたが、ガイドライン上は有用性の評価をする際にシステマチックレビューをすることとされていますが、製造販売業者はこのようなシステマチックレビューが実施されていませんでした。
 それから、先ほど製造販売業者の御説明でありましたが、科学院側がシステマチックレビューを実施しなかったような報告書があるような御説明がありましたけれども、そのようなことを科学院として容認したことはありませんので、訂正を求めたいと思っております。
 5ページ目ですけれども、追加的有用性の評価について、こちらも分析枠組み上は抗アセチルコリン受容体陽性の集団と陰性の集団に分けて分析することとされていましたが、追加的有用性の評価において全体集団でのみ評価が行われておりまして、この点については分析枠組みに従った分析を実施する必要があると考えています。
 6ページ目ですけれども、こちらは分析モデルにおける構造や遷移確率等について、御提出いただいたものについて、分析モデルの妥当性、特に臨床的な状況と合致しているかどうかなど、少し検討させていただきたいということで、この点、もう少しお時間をいただいて精査させていただければなと考えているところです。
 7ページ目、生産性損失の扱いですけれども、こちらは先ほど池田委員から御指摘がありましたように、生産性損失が含まれたものが基本分析というふうに提示されていますため、その点については修正する必要があると考えているところです。
 以上、8ページ目ですけれども、製造販売業者によって提出された分析結果についてですが、システマチックレビューが未実施であったり、分析枠組みに沿った追加的有用性の評価がなされていなかったり、生産性損失が基本分析に含まれているなど、分析ガイドラインの基本的な項目が遵守されていないような状況がありますので、公的分析としてはかなり公的分析に苦慮しているのが残念ながら現状であると考えております。
 9ページ目ですけれども、以上を受けまして、もう少し公的分析としてはお時間をいただいて再分析を実施したいなと考えているところです。
 以上になります。

○費用対効果評価専門組織委員長
 委員の方から御意見、御質問はございますでしょうか。お願いいたします。
 よろしいでしょうか。
 それでは、これで質疑応答を終了いたします。企業の方は御退室ください。お疲れさまでした。

○意見陳述者
 ありがとうございました。失礼いたします。
(意見陳述者退室)

○費用対効果評価専門組織委員長
 ありがとうございました。
 それでは、当該品目について御議論をお願いしたいと思います。
 論点として、臨床実態というか、ガイドラインとの関係があったかと思いますし、あと、枠組みに沿った分析がしっかりなされているかどうかという点を、今、伺って気になったところであります。
 臨床の御専門の先生からまず御意見をいただきたいと思いますが、○○先生は入られていらっしゃらないようですね。

○○○委員
 います。

○費用対効果評価専門組織委員長
 すみません。○○先生、もしよろしければコメントをいただいてもよろしいでしょうか。

○○○委員
 今回は実はあまり意見はなくて、公的分析の言っていることはまさに私は賛成いたします。問題なのは、例えば1サイクル目でフォーカスをしなかった人が直ちに2以上を選ぶのは、そうとは限らないというふうに感じています。
 以上です。それ以外は、特に公的分析に追加することは、私はございませんでした。

○費用対効果評価専門組織委員長
 ありがとうございます。
 ○○先生、もしよろしければ、コメントはございますでしょうか。

○○○委員
 系統的レビュー、システマチックレビューのところですけれども、レビューした上で1つの試験しかなかったということであれば、それはそれでいいのかなと思うのですが、それであればきちんとレビューをしたという手順というか、そういうものを示すべきかと思います。先ほどの企業さんの説明ではあまりそういったことも確かにされていなかったのかなという印象ではありました。
 それから、モデルのプロセスそのものに関しては、中身をやはりもう少しきちんと確認していったほうがいいのかなという印象でありました。
 以上です。

○費用対効果評価専門組織委員長
 ありがとうございます。ADAPT試験のみということについての少しコメントもございましたので、御意見をいただいたところであります。
 あとは、○○先生が今日は御欠席ですので御意見をいただけないと思いますが、その他の先生方、いかがでしょうか。企業さんの御説明に関して、いかがでしょうか。

○事務局
 事務局でございます。
 費用対効果評価専門組織委員長、○○先生がいらっしゃっていますので、よろしくお願いいたします。

○費用対効果評価専門組織委員長
 失礼いたしました。○○先生、お願いいたします。

○○○委員
 私も○○先生とほぼ同じ意見なのですけれども、公的分析の指摘を見て、そちらが妥当だろうと思ったのと、あと、やはり遷移確率をどう設定するかによってコストが随分変わってくると思いますので、それが臨床実態に合った遷移確率である必要があると考えた次第です。
 以上です。

○費用対効果評価専門組織委員長
 貴重な御意見ありがとうございます。
 その他の先生方、御意見はいかがでしょうか。
 ○○委員、お願いします。

○○○委員
 すみません。今の御指摘で企業の報告に少し不十分な点があったことは確認できたのですけれども、臨床の実態として、先ほどの臨床の先生方からの、企業側の先生からのお話にもあったように、今の状況との乖離はまだ引っかかっているのですが、その点は企業の今の状況については少し検討が必要かなと思ったのですが、いかがでしょうか。

○費用対効果評価専門組織委員長
 ○○先生、もしよろしければ、臨床の観点から今の点にコメントがあればいただきたいと思いますが、いかがでしょうか。

○○○委員
 私の手元に正確な遷移確率の基礎となるデータがあるわけではないのですけれども、やはり後半の治療、特にエクリズマブとかはかなり高価な治療なので、簡単に効果が、それまでの治療が効果がないと決めて、そちらに全部移行するかというと、必ずしもそうではないのではないかという問題提起です。

○費用対効果評価専門組織委員長
 ありがとうございます。
 ○○先生も御意見を頂戴できれば助かりますが、いかがでしょうか。

○○○委員
 同じです。まず、今の企業の話では最後の切り札としてやるような感じでおっしゃっていまして、まだ出たばかりだからそうなのかもしれませんが、だから、お金が高いからどのぐらい、あまり最後の切り札を使うかどうかは分からないということ。
 あと、前から問題になっている話で、実はIVIgをやる前からも適用上は使えるということなのですよ。まだ現状ではあまり使っている人はいないと思いますけれども、そこら辺が全然見えていなくて、しかもMRさんはそれもできますと言っているので、はっきり言ってまだ見えていないところはあります。

○費用対効果評価専門組織委員長
 ありがとうございました。
 ○○委員、いかがでしょうか。

○○○委員
 すみません。ちょうどガイドラインの谷間に落ちて、ガイドラインが出た後で販売された薬の難しいところかなと思いまして、次回のガイドラインではどう位置づけられるかということだと思いました。どうもありがとうございます。

○費用対効果評価専門組織委員長
 科学院さん、今の点も考慮して、少し時間をかけながら議論するのは御希望でもあるのかなと思っていますが、コメントがあればいただけますでしょうか。

○保健医療科学院
 ありがとうございます。
 感度分析について御指示いただいていますので、IVIgと比較した分析、あるいはソリリスと比較した分析についても公的分析で検討しているところなのですけれども、ただ、実際問題としてはデータが存在しないところがありますので、その辺りを踏まえながら公的分析に取り組ませていただきたいなと考えています。

○費用対効果評価専門組織委員長
 ありがとうございます。
 その他の委員の先生方、いかがでしょうか。
 ○○委員、お願いします。

○○○委員
 かなり本質から外れる話で申し訳ないですけれども、生産性損失はベースラインの分析に入れないことは、ガイドラインに書いてあるように、そのとおりだと考えています。今回の企業のものはその点不勉強で準備不足というのは間違いないのですが、先ほど企業が、状況が悪化すると仕事もできなくなるので、本当はそういう分析をしたいのだけれども、今回は非常に保守的に、クリーゼだけに限ってやったとおっしゃっていました。そこで、臨床の先生にお伺いしたいのですが、当たり前かもしれないですが、やはり仕事するのはなかなか困難という状態はこの病気がよくなったり悪くなったりで相当生じることなのでしょうか。

○費用対効果評価専門組織委員長
 よろしければ、○○先生から御意見をいただいてもよろしいでしょうか。

○○○委員
 すみません。よく理解できていなくて、クリーゼになったときですか。そうではないときも。

○○○委員
 いや、企業が今回の分析は、クリーゼだけに限ったと言っています。本当はもっといろいろな、働けなくなっていろいろな損失が出るはずなのだけれども、それをしないで非常に、簡単に言えば、企業にとってあまり得にならないような分析をしたみたいなことを言われたのですが、そうではなくて、クリーゼではないようなときもやはり仕事をするのは大分難しい状態は結構起きるのでしょうか。

○○○委員
 それについてお答えすると、悪くなって入院してくる。その間はやはり仕事をするというよりもまず動けなくなる場合もありますので、よほど悪くなったりとか、クリーゼはそうではない場合のほうが多いかと思います。

○費用対効果評価専門組織委員長
 では、○○先生、いかがでしょうか。

○○○委員
 クリーゼはかなり極端な状況を想定していて、それは非常にほかの入院と区別がつきやすい状況だとは思うのですけれども、もちろん、それ以外の状況でもコントロールの悪い方は例えば物が二重に見えてしまって、それだけでも仕事に差し支えがあるとか、やはり肉体労働は難しかったりとか、そういう方はいらっしゃいますので、クリーゼだけが生産性損失ではないのは確かであるとは思います。

○○○委員
 ありがとうございます。
 あくまでもベースラインの分析ではないのは分かった上で質問しました。ありがとうございました。

○費用対効果評価専門組織委員長
 ありがとうございます。
 その他の先生方、いかがでしょうか。よろしいですか。
 それでは、議決に入らせていただきたいと思います。
 先生方の御意見をまとめますと、企業の分析につきまして、決定された分析枠組みに沿って分析がまだなされていないということでよろしいでしょうか。
(異議なしの意思表示あり)

○費用対効果評価専門組織委員長
 ありがとうございます。
 次に、企業の分析データなどの科学的妥当性は妥当でないと考える部分があるということでよろしいでしょうか。
(異議なしの意思表示あり)

○費用対効果評価専門組織委員長
 ありがとうございます。
 最後になりますけれども、公的分析によるレビュー実施により再分析を実施するという結果の妥当性はおおむね妥当ということでよろしいでしょうか。
(異議なしの意思表示あり)

○費用対効果評価専門組織委員長
 ありがとうございます。
 それでは、公的分析において再分析の方針を科学院より表明していただくことといたします。
 この品目については、これで議論を終了させていただければと思います。