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2022年7月22日 中央社会保険医療協議会費用対効果評価専門組織 第4回議事録
日時
令和4年7月22日13:00~
場所
オンライン開催
出席者
田倉 智之委員長、齋藤 信也委員長代理、池田 俊也委員、木﨑 孝委員、新谷 歩委員、新保 卓郎委員、中山 健夫委員、野口 晴子委員、花井 十伍委員、飛田 英祐委員、米盛 勧委員、髙橋 祐二専門委員、戸田 達史専門委員、福田 敬専門委員
国立保健医療科学院 保健医療経済評価研究センター 白岩上席主任研究官
<事務局>
中田医療技術評価推進室長 他
国立保健医療科学院 保健医療経済評価研究センター 白岩上席主任研究官
<事務局>
中田医療技術評価推進室長 他
議題
○ ウィフガート点滴静注に係る分析枠組みについて
議事
○費用対効果評価専門組織委員長
続きまして、ウィフガート点滴静注に係る分析枠組みについて御議論いただきます。
まずは事務局及び公的分析から説明をお願いいたします。
(事務局・国立保健医療科学院より説明)
○費用対効果評価専門組織委員長
ありがとうございました。
それでは、議論に先立ちまして、まず、本製品の検証作業に係る分析枠組みに対する企業意見の聴取を行いますので、事務局は企業を入室させてください。
(意見陳述者入室)
○事務局
事務局でございます。
企業の方、準備できたようですので、よろしくお願いいたします。
○費用対効果評価専門組織委員長
私は、費用対効果評価専門組織委員長です。
早速ですが、10分以内で、ウィフガート点滴静注に関わる分析枠組み案についての企業意見の御説明をお願いいたします。続いて、質疑応答をさせていただきます。
それでは、お願いします。
○意見陳述者
よろしくお願いします。
では、早速ですが、お手元の資料の2枚目をお願いします。
まず、全身型重症筋無力症について簡単に説明します。重症筋無力症は全身型と眼筋型に分類でき、全身型が約80%を占めます。全身型重症筋無力症の主な症状は、眼瞼下垂、複視といった目の症状に加え、四肢・体幹筋力低下や球症状などがあります。参考までに次のページにこれらの症状を写真で示しております。
患者数は約2万5000人であり、発症機序は神経筋接合部のシナプス後膜上にある標的抗原に対する自己抗体によるものです。
患者の約85%が抗アセチルコリン受容体抗体陽性であり、約15%が抗アセチルコリン受容体抗体陰性です。
治療は、ステロイド・免疫抑制剤、アセチルコリンエステラーゼ阻害薬の単独もしくは組合せが標準的な1次治療であり、1次治療が奏効しない場合は速効性治療、さらに奏効しない場合は分子標的薬に続きます。
4ページ目を御覧ください。このスライドでは、ウィフガートについて記載しております。効能または効果は全身型重症筋無力症(ステロイド剤またはステロイド剤以外の免疫抑制剤が十分奏効しない場合に限る)。つまり、1次治療が奏効しない場合に限って使われるものでございます。また、ウィフガートは血管内皮細胞などのFcRnに結合することにより、IgG自己抗体を含むIgGの分解除去を促進し、病因となるIgG自己抗体の血中濃度を減少させ、神経伝達機能を回復させるといったこれまでになかった新しい作用機序を用いて、オーファンドラッグに指定されている画期的な新薬でございます。
5枚目のスライドをお願いします。こちらは第Ⅲ相試験の概要を示します。対象は全身型重症筋無力症患者、167例で、重症度スコアのベースラインから比較的重症度の高い患者に対して試験が行われました。
主要評価項目は、抗アセチルコリン受容体抗体陽性患者の初回サイクルのMG-ADLレスポンダーの割合であり、右のグラフで示すように、ウィフガート群はプラセボ群に比べて有意に高い結果を得ております。
6枚目のスライドを御覧ください。このスライドでは、今年改訂されたばかりの重症筋無力症の診療ガイドラインにおける病型ごとの治療アルゴリズムの概要を示します。
さらに、次のスライド以降、アルゴリズムの詳細を説明します。
7枚目のスライドを御覧ください。診療ガイド上は治療は4つの段階に分けられています。図表の1段目は1次治療としてステロイド少量、免疫抑制剤、アセチルコリンエステラーゼ阻害薬のいずれかまたはその組合せによる投与を行うことを示しています。この1次治療が奏効しない場合、2次治療として条件に応じて早期速効性治療を追加します。2次治療が奏効しない場合、3次治療として速効性治療を反復します。分子標的薬はそれ以前の治療全てで十分な効果が得られなかった場合に選択されます。
8枚目のスライドを御覧ください。このスライドでは、抗アセチルコリン受容体抗体陽性と陰性により、それぞれどのような治療がガイドライン上選択されるかを御理解いただくために、病型ごとの治療アルゴリズムに抗アセチルコリン受容体抗体陽性と陰性を書き加えました。左側は抗アセチルコリン受容体抗体陽性の患者の治療アルゴリズムを表し、右側は陰性患者の治療アルゴリズムを表しております。4次治療の分子標的薬であるソリリスは陽性患者には適応がございますが、陰性患者には適応がありません。本ガイドラインは、ウィフガートが上市される前に改訂されたため、分子標的治療薬の概要欄には、本邦で保険適用のあるソリリスのみが記載されておりますが、ウィフガートはソリリスと同じ分子標的薬のカテゴリーに含まれると考えます。
○意見陳述者(専門家)
ちょっといいですか。私、MG専門家として参加させてもらっている○○といいますけれども、ガイドラインは今年5月に改訂されまして、ウィフガートは今回、全く記載はございません。恐らく数年後に改訂されるときにウィフガートの使用法とかが細かくガイドライン上に記載されるものと思われます。
私は実際、臨床の現場でMG患者さんを診ているのですけれども、個人的にはMGと診断するとステロイドと免疫抑制剤で治療するのですが、それでうまくいくときには、あえて血漿交換とかIVIgという治療法はしません。だけれども、ステロイド・免疫抑制剤でもなかなかMG症状が改善しないような場合に血漿交換とかIVIgをするのですけれども、これらの治療は基本的に短期的なものなので、それを繰り返していくしかないような症例が全体の10~20%ありまして、その一部はソリリスが適応されていると思いますけれども、ソリリスは髄膜炎という怖い副作用があって、患者さんの中には、ちょっとソリリスまではというふうな患者さんがいますので、そういう患者さんが今回のウィフガートの一番いい適応になるのではないかと思います。
以上です。
○意見陳述者
先生、ありがとうございます。
それでは、9枚目のスライドを御覧ください。このスライドでは、比較対照技術の基本的な考え方を示します。ウィフガートが存在しない場合、つまりウィフガート上市前に使用された治療Bが上市後にウィフガートに置き換わる場合、比較対照技術は治療Bとなり、先行治療Aは比較対照技術にはなりません。
10枚目のスライドを御覧ください。先ほどのスライドに実際の薬剤名を入れて説明します。まず、ウィフガートが分子標的薬に属するため、先行治療として1、2、3次治療があります。ウィフガートが存在しない場合、抗アセチルコリン受容体抗体陽性患者はソリリスが選択されますが、一方で、ソリリスに安全性の懸念がある患者は、3次治療であるIVIgや血漿交換の反復を続けています。また、抗アセチルコリン受容体抗体陰性患者はソリリスが使えないので、IVIgや血漿交換の反復を続けています。
我々が行った専門医へのインタビュー調査結果、また、さっきの○○先生の御発言から、ウィフガートに置き換わる可能性があるのは、ウィフガート上市前試験で抗アセチルコリン受容体抗体陽性患者のうち、ソリリスで治療された患者A、ソリリスの安全性の懸念で速効性治療の反復で治療されていた患者B、抗アセチルコリン抗体陰性患者で速効性治療の反復で治療されていた患者Cと考えます。
そこで、基本的な考え方を本分析に当てはめますと、分析対象集団と比較対照技術の対応は上のオレンジの枠で示す(A)(B)(C)となります。
11枚目のスライドを御覧ください。ここでは比較対照技術におけるC2H案と弊社案を比較しています。治療アルゴリズムに当てはめ、比較対照技術を比べると、C2H案は1次治療となります。一方で、アルジェニクス案は抗アセチルコリン受容体抗体陽性患者において4次治療、また、4次治療に移行すべきだが、速効性治療の反復を続けている3次治療、さらに抗アセチルコリン受容体抗体陰性患者において速効性治療の反復を続けている3次治療となります。
12枚目のスライドを御覧ください。このスライドではさらに分析対象集団を加えています。どちらも比較対照技術と分析対象集団を選定します。
13枚目のスライドを御覧ください。繰り返しになりますが、実臨床での使われ方をアルゴリズムで示したときに、ウィフガートに置き換わる可能性があるのはオレンジの線で囲った弊社案の部分です。すなわち抗アセチルコリン受容体抗体陽性患者のうち分子標的薬のソリリスで治療されていた患者A、ソリリスの安全性などの懸念で速効性治療の反復で治療されていた患者B、抗アセチルコリン受容体抗体陰性患者で速効性治療の反復で治療されていた患者Cと考えます。
14枚目のスライドを御覧ください。先ほど我々が考えるC2H案の問題点を挙げさせていただきましたが、このスライドにあるとおり、C2H案の問題点は、2次治療以降が存在しないことになっていることと考えます。
最後のスライドを御覧ください。15枚目です。分析対象集団と比較対照技術について、これまで説明した弊社案とC2H案を比較したスライドとなります。オレンジで記載された部分が実臨床を鑑みて作成した弊社案とC2H案との違いとなります。
発表は以上です。ありがとうございました。
○費用対効果評価専門組織委員長
委員の方及び企業から御質問はございますでしょうか。
○○委員、お願いします。
○○○委員
今御説明いただいた中で、日本のガイドラインのことについての情報をいただきましたけれども、海外ではこの薬の位置づけは何か、例えばガイドラインであるとか、あるいは実臨床でこうだとか、いわゆるHTAの評価機関ではこういう取扱いとかいうことで、どの段階でどう使われるかというようなことについての標準のようなものはあるのでしょうか。
○意見陳述者
御質問ありがとうございました。海外での使われ方に関しましても、日本でガイドラインにまだ残念ながらウィフガートのことは載っておりませんが、いわゆる分子標的薬のアルゴリズムの位置づけと同じような形で、ソリリスに取って代わる、もしくは速効性治療の反復に代わる形で使われていると聞いております。
○○先生、もし何か補足があればお願いします。
○意見陳述者(専門家)
海外の情報なのですけれども、私もMGのガイドラインはヨーロッパのほうであったと思うのですが、大体ソリリスと同じように、通常の標準的な治療をしてもなかなか改善しないような難治性の重症筋無力症の患者さんの一部に使うということになっていると思います。
以上です。
○○○委員
ありがとうございました。
○費用対効果評価専門組織委員長
その他の委員、いかがでしょうか。○○委員、お願いします。
○○○委員
どうも御説明ありがとうございました。C2Hの案としての1次治療、ステロイド・免疫抑制剤、アセチルコリンエステラーゼ阻害薬、ここは一般的に確立してガイドラインにも書かれている治療ということだと思うのですけれども、実際にどういったことがどれくらいの期間で行われているのか。実診療でバリエーションがないのかということと、同じように、アルジェニクス案のほうの速効性治療の反復ということもガイドラインにはどのように書かれているか、実際のバリエーションがどのようなものなのか、実際にどのように行われているか、お教えいただければと思います。
○意見陳述者
実際に臨床の現場では、重症筋無力症と診断すると、最初に使われる薬は抗アセチルコリンエステラーゼ剤です。対症療法と、あとプレドニンというステロイド剤が使われます。それでなかなか難しいときには免疫抑制剤を使うという形になります。だから、数か月の間はそういう治療をするのですけれども、それではなかなかコントロールできないときに、血漿交換とかIVIgを使っていく形になると思います。
重症筋無力症の一部にクリーゼといって呼吸不全を来す患者さんがいますので、そういう患者さんには最初からステロイドを使いながら血漿交換、IVIgという治療をしますけれども、そこまでひどくないような人は、最初の数か月は内服治療、つまり、ステロイドや免疫抑制剤で治療をして、それでもなかなか難しい症例に血漿交換、IVIgを使っていくことになります。ガイドラインでは、とにかく若く仕事をしている人たちは最初の期間を短くするために速効性治療をして、本当に1か月、2か月ぐらいで現場復帰できるようなことを目標にしております。大体そのような状況です。
ただ、ステロイド・免疫抑制剤は、やめるとやはりまたMG症状が出てきますので、現状はほとんど一生涯使っていかないといけない状況で、ステロイドをたくさん使うといろいろな副作用が出ますので、今回のガイドラインでは極力、ある程度症状が落ち着いた段階でステロイドを5mgぐらいまでに減量したほうがいいのではないかということ、また、MMという表現をするのですが、完治はできないのですけれども、コントロールできるということで目標設定値をはっきりさせたというのが今回のガイドラインで一番大きなところではないかと思っております。
以上です。
○○○委員
ありがとうございます。企業側の速効性治療反復について、どれくらい標準化されているかということについてはいかがでしょうか。
○意見陳述者
標準化されているかということですか。
○○○委員
大体どれくらいの期間が行われることが一般的なのかということを。
○意見陳述者
なるほど。IVIgは、たしか4日間入院をして毎日投与するものだと思います。それを1サイクルとして、それを年に何回も繰り返す方がいらっしゃる。IVIgも入院するのですけれども、血漿交換の場合も入院して、○○先生、血漿交換は大体どれぐらいですかね。
○意見陳述者(専門家)
追加させてもらいます。血漿交換は1回ではなかなか難しいので、複数回するので、血漿交換は週に2回ぐらいまでできますけれども、始めると3~4回ぐらいすることが多いです。それでも治らなかったら5回ぐらい。ただ、一応4~5回が一つのクールと言われています。ですので、2週間ぐらいの入院で4回ぐらい行うという感じです。IVIgに関しては外来でもできますけれども、20gぐらいを5日間連続でトータル100gぐらいを1クールで数日間で行うという流れでやっています。
○○○委員
ありがとうございます。比較対照技術にばらつきが大きいとなかなか安定しないかなと思って聞かせていただきました。どうもありがとうございました。
○意見陳述者
ありがとうございます。
○費用対効果評価専門組織委員長
その他の方々、いかがでしょうか。○○委員、お願いします。
○○○委員
企業さんの御提案の中で分析対象集団、アセチルコリンレセプター陽性の場合に、ソリリスが安全性の懸念から使用されない集団というのを設定していると思うのですけれども、この安全性の懸念からというのは、ソリリスを使うに当たって何か特定の髄膜炎になりやすい予測因子みたいなものがあるという意味合いなのか、あるいは主治医の先生や患者さんが髄膜炎のリスクを心配されて使わない場合を想定されているのか、それはどういう意味合いなのか教えていただければと思うのですが。
○意見陳述者
基本的には髄膜炎になりやすいとかそういうことは分かりません。ですので、ソリリスを使うときには、重篤な副作用なので髄膜炎菌のワクチンを原則行うということになります。ですので、そのことを患者さんに説明すると、患者さんも不安がって、ちょっと今回はという感じになる方がいらっしゃると思います。
以上です。
○○○委員
ありがとうございます。
○費用対効果評価専門組織委員長
その他の委員、いかがでしょうか。
○○委員、お願いいたします。
○○○委員
ウィフガートの審査報告書をみると、本剤の臨床的な位置づけが議論されていて、この薬はかなり早期のタイミングで使われるような位置づけとして議論されています。具体的は、「gMG症状の増悪の一時的な治療を目的として使用が考慮されるIVIg及び血漿浄化療法よりも前に用いられる薬剤」と企業側は考えられていると記述されています。ところが、今日の説明では、同じ分子標的薬なので、3次あるいは4次治療に使われる位置付けの医薬と説明されています。おそらく今後、ガイドラインが変わっていく可能性はあると思われますが、この薬剤の臨床的な位置付けとして、使用されるタイミングが治療体系の早期に使われるものなのか、後期で使われるものなのかというのが、薬事承認で議論された内容と今回の説明や提案されている分析対象集団で大きく異なっていると思われます。この相違は、単純にガイドラインが変わるからという話なのか、実臨床で本剤の臨床的な位置づけが変わってきているからと考えているのか、その辺りの整理をどう考えれば良いのかについて、教えてください。
○意見陳述者(専門家)
御質問ありがとうございます。まず私のほうからですけれども、実は先生がおっしゃるとおり、あの議論の中では早めのほうで使うということを主張させていただきました。一方で、実臨床を鑑みると、いえいえ、この薬はもっと後のほうですよということで、実際に蓋を開けてみると実臨床での現在の使われ方はもうちょっと後のほうになる。そういったことになって、あのときの議論と実際に発売されてからのものが変わってきているという状況です。
すみません。アルジェニクス側から補足があればお願いします。
○○○委員
実臨床でより後期に使用されるようになっているということは理解できますが、Pivotal試験の投与対象と異なるとなると、実臨床と承認時の治験の投与対象集団の違いを埋めるデータがあるのかの確認はしているのでしょうか。
○意見陳述者
例えば、今回の臨床試験ではIVIgや血漿交換をやられた方は入っております。それでコントロールがうまくできなくてスコアが高い方が、ウィフガートを投与する前、1か月の間はIVIgや血漿交換を行ったら除外対象になってしまうのですが、その前に行っていた方でIVIgで20%ほど、血漿交換で40%ほどを経験された患者さんがエントリーされています。
○○○委員
実臨床と承認時の状況がずれてくるというのは理解するのですけれども、大分違いがあって、そこを本当に埋められるだけのエビデンスがどこまであるのかというところについても十分に検討していただければと思います。
○費用対効果評価専門組織委員長
今の○○委員の御質問に関わるところで御意見ありますか。
○○委員、どうぞ。
○○○委員
私も○○委員と同じ内容を御質問しようと思っていたところでございます。薬の添付文書を見ても、やはりかなり早い段階で、ステロイド剤またはステロイド剤以外の免疫抑制剤が十分に奏効しない場合に本剤を使えるというような記述なので、普通に考えますと、ソリリスのような免疫グロブリンの静注とか血液浄化療法などの後で使う位置づけの薬とはなかなか読み取れないところがあるのですけれども、少なくとも1剤以上治療が行われて奏効しない場合に治療効果が期待できるものというふうに考えてしまうのですがいかがでしょうか。
○意見陳述者
そうですね。我々も幅広く使っていただければ、それはそれでうれしいところなのですけれども、ただ、実臨床を鑑みたときに、そこの部分に使うには時期尚早だと。安全性とか有効性というところも実臨床では使っていないので、将来的にそうなるかもしれないけれども、今の時点ではそれはないだろうというのが、我々は専門医のインタビューの調査結果からそういう意見をいただいております。
○○さん、その点、何か追加できることはありますか。
○意見陳述者
○○です。発言させていただきます。
今、○○さんがお話しさせていただいたように、審査報告書等でも将来的にそういうことが期待できる、なったらいいなというところで、当初としては企業はそのように考えていたのですけれども、やはり発売されて、またガイドラインも昨今出て、あと、○○先生にもお話を伺ったところでは、直近ではそのような使われ方は考えられないというふうにお考えをいただきまして、それで考えを改めたところがございます。
また、○○先生が御指摘くださったように、Pivotal試験の患者背景なのですけれども、こちらは確かに組み入れ基準など、記述されている情報から見ますとそのように軽度の患者さん、ファーストライン、1次治療の患者さんが多く入っているのではないかと読み取れるのですけれども、こちらも○○先生に伺いましたところ、ベースライン時点のQMGスコアですとか患者さんの重症度を反映するスコアは、重症度の高い難治性の速効性治療が必要となるようなレベルの患者さんが対象になっているということで、あの試験の結果は、現在我々が想定しています難治性の患者さんを対象にした結果というふうに考えております。ですので、Pivotal試験の組み入れ基準の結果をもって、あれが必ず重症筋無力症の治療を開始したすぐの患者さんの結果であるということは全く言えないと考えております。
以上です。
○○○委員
早期で使うと安全性に懸念のあるようなものであれば、この段階で使うことを避けるような形でのメッセージを企業なり学会なりが出したほうがよくないですか。いかがでしょうか。
○意見陳述者
その点に関しては、専門医のガイドラインを書いているような先生たちにお集まりいただいて、アドバイザリーボード等を開きまして、やはり懸念される点としては、IgGの自己抗体も下がるのですけれども、通常のIgGも下がることによる感染症の懸念というところが大きくある。そこに対して我々が、先生がおっしゃったように、どういう形で注意喚起していくかというところを見ていこうと。ただ、ADAPT試験というPivotal試験、第Ⅲ相試験、26週の試験となりますが、その他の試験においてはIgGの低下による重篤な感染症は見られておりませんので、その点が評価されて承認されたという理解でおります。
○○○委員
臨床試験では感染症に関する懸念がないというか、少なくともデータでは示されていないけれども、実際には非常に感染症も、もちろん感染症のある方には増悪するおそれがあるというのは添付文書に記述があるのですけれども、そういった懸念があるということと理解しましたが、それでよろしいですか。
○意見陳述者
ありがとうございます。先生のおっしゃるとおりかと思います。何しろ新しいメカニズムなので、そこの部分でしっかりとエビデンスを取らない限りは、早めに使うのは怖いなというところは先生たちもおっしゃいますので、その点を会社としてしっかりとPMSをやってデータを集めて、それをちゃんと解析して先生たちにデータを届けるというのが企業の使命だと思っています。
○○○委員
そうすると、もうちょっとレイトステージというか、その段階で使うことも副作用の懸念があるということで、例えば頻回に検査するとか、何らか観察を十分行うとか、添付文書で読み取れないような部分での仕様上の留意事項があると考えていいですか。
○意見陳述者
先生のおっしゃるとおりで、IgGの測定ですね。これは週に1回を4週間投与するのですけれども、投与する前と投与した後、もしくはちょっと余裕があれば投与しているタイミングも採血してIgGをモニタリングしながら、最初のうちは慎重にやりましょうと、専門医の先生からもそういったやり方でいきましょうとサジェスチョンをいただいております。
○費用対効果評価専門組織委員長
その他の委員の方々、いかがでしょうか。
○○委員、お願いします。
○○○委員
○○と申します。
先ほどの○○先生の御質問に関連するのですけれども、ソリリスをすると髄膜炎になるからワクチンを打たないといけないとかいう話をすると、普通の患者さんは、そんな怖いものはやめてくれと言われると思うのですけれども、ワクチンを打った上でソリリスをしたような例はあるのでしょうか。
○意見陳述者
はい。ソリリスを投与する際は添付文書に書かれているのですけれども、ソリリス投与の2週間前に必ず髄膜炎菌ワクチンを投与してくださいという形に。
○○○委員
話をそういうふうに持っていくと、私が患者だったら、そんな手間もかかるし、怖いし、恐らく髄膜炎は起きたら非常に怖いんだよという説明をされて、そうならないためにワクチンも打ちましょうという話なら、さっき先生から御説明があったように、やめましょうという人がそちらの区分に入っていると言われたのですけれども、いや、今の説明はよく分かりました、ワクチンを打ってでもソリリスを受けますという実際の患者さんです。添付文書が云々ではなくて、そういう症例をお持ちでしょうかということをお伺いしているのです。
○意見陳述者
実際、重症筋無力症の患者さんの重症例は、首も据わらない状況になって、御飯もなかなか食べられない状況があるのです。それが一番ひどいのがクリーゼという状況なのですけれども、日常生活を自分でなかなか送れないような人がいらっしゃいます。アセチルコリン受容体というのは、アセチルコリン受容体抗体がついた後に補体介在性の膜破壊を起こしますので、ソリリスはそこを抑えるということで、やはり物すごい著効例がいるわけです。ですので、そういう人たちは、髄膜炎になるのは怖いかもしれませんけれども、まず日常生活をどうにかしなければいけないということで、やはりそういう超重症の患者さんはソリリスの点滴を受けて、その恩恵を今被っていると思います。
○○○委員
超重症の方がそういう対象に。では、そんなに数は多くないということでしょうか。
○意見陳述者
あと、やはり仕事をしているような患者さんで、ちょっとでも症状があるとなかなか仕事ができないという患者さんの中では、全く症状をゼロにしたいということで、とにかく全く無症状にしたいということで希望する方はいらっしゃいます。
だけれども、その中でそういう説明をすると、やはり中には怖い副作用があるのですねということで、それを希望する方とそうでない方が分かれてしまうということになっております。
○○○委員
こちらの薬はIgGが下がってくるということで感染一般の危険性があると言われて、さっきの補体系を強く抑えるソリリスは、恐らく感染はいろいろ、補体が関わるものはまずいのでしょうけれども、特に髄膜炎ははっきり指摘されているから、そういうことが添付文書に書いてあるということですけれども、こちらの薬を勧めるときも、やはりIgGが下がって易感染性になる、コンプロマイズドホストになるということはかなり説明された上で投与されるというようなイメージでいいのでしょうか。
○意見陳述者
会社としてもそういう形で、そういうリスクがありますということは説明させていただいております。
一方で、先生がおっしゃった、今年の神経学会で他社のポスターを見ますと、PMSで数百例の方がソリリスを投与された結果が重症筋無力症でありましたので、そこそこ、先ほど○○先生がおっしゃったように、どうしても投与されなくてはいけない方は投与されているようです。
○○○委員
ありがとうございました。
○○○委員
今のに関して○○から1つよろしいでしょうか。
○費用対効果評価専門組織委員長
どうぞ、○○委員、お願いします。
○○○委員
髄膜炎菌ワクチンをするということなのですが、こういった場合には自費扱いになるのかということと、これをもし比較群に用いたときに髄膜炎菌ワクチンの費用がどうなっていくのかということ。これはどちらへの質問になるか分からないのですが、まず、自己負担かどうかだけ教えていただけますでしょうか。
○意見陳述者
ソリリスを投与する際にワクチンとしてメナクトラというサノフィ社が売っているワクチンがあるのですが、そのメナクトラの添付文書を読むと、適応症の中にソリリスを投与される方というのが書いてありますので、保険で許可されていると思います。
○○○委員
ありがとうございました。
○意見陳述者
ちょっと追加でよろしいでしょうか。基本的には重症筋無力症の患者さんは特定疾患というか指定難病にされていますので、今、指定難病も年収によって全額負担ではないのですけれども、ソリリスにしても自費で払うとなるとすごいお金になるので、やはりそういうところでは患者さんは特定疾患の恩恵を被っているのではないかと思います。ワクチンも恐らくそれに含まれております。
○意見陳述者
○○です。今の○○先生の御質問に対してちょっと補足をよろしいでしょうか。
メナクトラに関して、ちょうど脾摘のニューモバックスと同様に、エクリズマブ、すなわちソリリスを投与する前の人に限っては保険適用という形で薬価がついていますので、もちろん自己負担は発生しないケースが多いと思いますけれども、保険の枠内には、少なくともソリリスの前に関しては入るという認識です。
○○○委員
そうすると、比較群に用いたときにはそれも考慮する必要があるということになるのですかね。
○意見陳述者
というふうに私は考えております。
○○○委員
分かりました。ありがとうございます。
○費用対効果評価専門組織委員長
その他の方々、いかがでしょうか。
それでは、これで質疑応答を終了いたします。企業の方は御退室ください。お疲れさまでした。
(意見陳述者退室)
○事務局
事務局でございます。
企業の方の退室が確認できましたので、よろしくお願いいたします。
○費用対効果評価専門組織委員長
ありがとうございました。
それでは、ウィフガート点滴静注に関わる分析枠組みについて御議論をお願いしたいと思います。いかがでしょうか。
○○○委員
ソリリスについて言えば、ほかの病気での適応もありますので、いわゆる重症筋無力症に対してどれくらい使われているか、その数はしっかり把握しておいたほうがいいかなと思っていて、数年、所属している医療機関で見ていても、あまり使用されていないと思います。
ですから、そういうものと比較できるかどうかということと、もう一点問題に思うのは、ソリリスはたしかIVIgなどをやって効かない人が適応になるのですね。一方、ウィフガートはそれはなくて、IVIgをやっていなくても使用できるということで、少し早い段階でできるというふうにイメージしております。
ソリリスは実際に使用頻度が低く、IVIgとかをやって、それでもなかなか効かない人にソリリスをやると。しかし、ウィフガートはもっと前から使用できるという印象があるので、しかも、IVIgは急性期のもので、ウィフガートは急性期を抑えるというものではなく、もう少し早期から使えるので、企業説明だとソリリスと並列しているような印象を受け、少し違うなという印象を受けました。
ということで、私の意見としては、ソリリスとの分析はサブでやってもいいかもしれませんが、主にほとんど使われていないソリリスとの分析をするのは、それ以外に分析すべきものはあるだろうという印象でございます。
以上です。
○費用対効果評価専門組織委員長
ありがとうございました。
先生方から何かございますか。いかがでしょうか。
○○○委員
○○ですけれども、よろしいですか。先ほど○○先生が、首が据わらなくなったような人は、インフォームドコンセントをどうするのか分かりませんけれども、ソリリスですごくよくなるというお話があったのですけれども、そういう首が据わらなくなるような例はどれぐらいあるのですか。
○○○委員
それはつまり、息ができない、首が据わらない重症例ですけれども、そういうのはめったにないから、あまりソリリスは所属する医療機関ではそうそう使っていないということなのですけれども、では、それをウィフガートで置き換えるかどうか。でも、何となくイメージ的にはソリリスのほうがよく効くだろうというイメージはあるのですよね。ウィフガートはもうちょっと早くから使えるかなという印象を持てたので。でも、そういう患者さんは当然います。だから、そういう人はソリリスを使うべきだろうと。
○○○委員
ありがとうございました。
○費用対効果評価専門組織委員長
その他の先生方、御意見いかがでしょうか。
では、○○先生、お願いします。
○○○委員
そうすると、私の理解が十分じゃないのだと思うのですけれども、臨床家の中でもこの薬の位置づけに関しては必ずしも見解が一致しているわけではないという理解になりますでしょうか。
○○○委員
恐らくガイドラインをつくる疾患の専門家では多少慎重になっているのかなと。さっきの○○先生の意見を聞いていて、まだちょっと恐る恐るという感じはあるのだろうかなと思いました。
でも、私の感覚では、恐らく多くの人の感覚では、作用機序も違うし、副作用も違うもので、ソリリスと並行して横並びで使うべきものではないかなという感じがします。
○○○委員
ありがとうございました。
○費用対効果評価専門組織委員長
その他の先生方、いかがでしょうか。
○○委員、どうぞ、お願いします。
○○○委員
ありがとうございます。先ほどの○○先生同様、何と言っていいか分からないのですけれども、企業がこのように有効性を証明して、PMDAがそこのディスカッションでそのようにしたけれども、臨床が慎重だから、費用対効果になったら急にこういう、最後に4次治療の段階で使う特殊な薬と比較すべき、もしくはいわゆる交換輸血、免疫グロブリン療法と比較すべきというのはいかがなものかと。通常、2014年以降は添付文書は最新の科学的データを根拠としなければいけないと法律に書かれたので、だとしたら普通は添付文書改正までにエビデンスを集めるにしたってブルーレターが出るとか、そういう話がないまま、最初の企業の治験のデザインから実態が変わったから、今度はこれで比較しましょうみたいなことをおっしゃるのはすごく違和感を覚えます。
だから、こういう形にしてしまうと、そういう意味では科学院が示されたように、いわゆる維持治療と比較して最初の企業の承認の形で評価すべきだし、加算についてもそういうコンセプトで加算がついたのではないかと思われるのです。未来に対する期待ですよね。要するに早期に割と使いやすい皮下注薬があって、患者さんがそこで割とアクセスしやすい感じで使う臨床のパラダイムシフトを目指したものなのだから、この薬の評価は本来そう評価されるわけだけれども、企業が思ったように評価されていないから、それに合わせてじゃあこれねと言っているというのはすごく違和感があって、この費用対効果専門組織としてそこをどう理解していいのかというのが分からないので、先生方に教えてもらいたいです。
以上です。
○費用対効果評価専門組織委員長
ありがとうございます。
今、御意見、御質問がございましたけれども、事務局側いかがでしょうか。
○事務局
事務局でございます。
貴重な御意見をありがとうございます。費用対効果評価でどのように検討していくかというところですが、個別に様々な事例が生じているところですので、先生方にご議論をいただきこういった事例を蓄積しながら、今後とも分析の在り方、制度の在り方について検討していく必要があると考えております。
○費用対効果評価専門組織委員長
ありがとうございました。
科学院さん、分析の在り方みたいなお話も少し関わっていたかもしれませんが、公的分析の考え方はいただいているところですけれども、○○委員から何か特段、今のお話も踏まえて追加のコメントとかがあればお願いできますでしょうか。
○国立保健医療科学院
国立保健医療科学院でございます。
先生方の御意見を伺っていても、我々も懸念した点なのですが、○○先生、○○先生、○○先生に御指摘いただきましたけれども、やはり臨床試験のデザイン、主に使われると想定されるところ、あるいはそれを受けて承認がされて、添付文書の記載等を含めても、今日の企業の主張する使い方で捉えるのは無理があるのではないかと考えております。
さらに言わせていただければ、ソリリスを使うような集団に対しては、臨床試験すら我々はデータがないのではないかと。つまり、その使い方についてエビデンスがあるのかというところからちょっと疑問があるなと考えておるところですので、一般的な解釈としては、○○先生からも指摘がありましたが、その前段階で使う臨床試験で想定しているようなデザインで分析をするとすれば、できるのではないかと考えるところであります。
あと、追加で1つコメントさせていただいてよろしければ、企業から御説明いただいた中で、企業のほうでも誤解が少しあるかなと思ったのは、我々の公的分析案だと1次治療でステロイド等が比較対照になっていて、つまり、それに置き代わるのがウィフガートだという、つまり2次治療以下は考えていないというような御指摘がありましたが、もちろん我々はそうではなくて、維持治療をやった上でそれが不十分な場合に上乗せをするという形で考えています。つまり、1次治療以降にやっているものを想定しているので、それが明示的に分かるように分析枠組みの我々の考え方の中では、比較対照は維持療法ですけれども、実際に評価するのは維持療法にウィフガートを乗せるものだという記述をさせていただいておりますので、企業のこの辺りの説明は我々の考え方とちょっと違うかなと思いました。補足で御説明させていただきました。
もう一点、企業側の分析枠組みについてなのですけれども、ソリリスの使用を躊躇する例と躊躇しない例に分けて分析するのだというお話があったと思うのですが、ソリリスを躊躇するかしないかといった主観的な問題については、費用対効果上、考慮しようがないので、その点は御配慮いただければなと思います。
以上です。
○費用対効果評価専門組織委員長
ちょっと私のほうで気になったのですけれども、今、○○委員から御説明があった比較対照について、維持療法という表現をされているのですけれども、実質上は維持療法ではなくて、いわゆる2次療法を対象とした分析という理解であれば、少し表現を変えてしまったほうがいいというような話もございますでしょうか。
○国立保健医療科学院
御指摘ありがとうございます。維持療法という言い方が分かりにくいということでしょうか。ここで検討しているのは、もともとの治療アルゴリズムにありますステロイドとか免疫抑制剤を使うようなものを想定して維持療法、あるいは標準療法という言い方もできるのかもしれませんけれども、それに対しての上乗せというイメージで考えているところです。
○費用対効果評価専門組織委員長
多分、上乗せのところが、よく聞くと理解できるのですけれども、単に比較対照が維持療法だと、少しその辺の分析対象の範囲、ステージが少し限られているようなイメージがあったのですけれども、その辺も含めてまた御検討いただけるのかと思っています。
○国立保健医療科学院
記載については明確に、上乗せなのだという言い方をさらにして。
○費用対効果評価専門組織委員長
ありがとうございます。
○○先生、今までの議論を踏まえながら、コメントがありましたらお願いできますでしょうか。
○○○委員
比較対照なのですが、維持療法をやって、維持療法が無効だということであれば、そこでギブアップするわけではなくて、その後の速効性治療に進むということのようですので、速効性治療の代替としてこのウィフガートがあるということであれば、速効性治療とウィフガートを比較するのが自然なのかなという気がしていたところです。
○費用対効果評価専門組織委員長
ありがとうございます。今の御意見も踏まえて、これから少し科学院さんのほうで御検討いただきたいなと思います。
その他、全体を通して先生方からコメント、御意見ございますでしょうか。
○○委員が御質問していただいたので非常によかったなと思っておりますけれども、私も違和感を覚えていたところ、整理をしていただきました。企業側からの御意見と臨床実態についての話、○○委員の御専門の立場からの御意見もいただいて、大分整理されたのではないかなと思っています。
そうしますと、先生方の御意見をまとめさせていただくと、薬事承認をされたときから臨床実態が変わってきているという可能性も視野に置きながら、さりとて承認時の状況と、それに伴うデータを基に、まずは先生方の御意見は、公的分析を主分析として行うということ。比較対照については適切な表現を御検討いただいたほうがいい可能性があるということ。その上で、あとはさりとて今、治療のストラテジー、レジメンも少し変わってきている可能性があるということと、安全性の観点も含めて、いわゆる2次療法とソリリスも視野に検討しておく必要もあるということ。特に今後の臨床実態も考慮してというような御意見であったのかなと思います。
一方で、そのデータがあるのかどうかということについて、これも科学院さんのほうで少し御検討いただきたいと思うのですけれども、今回の品目についてはこのような整理でよろしいでしょうか。
よろしいですね。ありがとうございます。
それでは、今の内容を踏まえて議決に入らせていただきたいと思います。先生方の御意見を参考に、ウィフガート点滴静注に関する費用対効果評価については、ウィフガート点滴静注に係る分析枠組みについて公的分析の提案が妥当と考え、公的分析の分析枠組み案を了承するということでした。ただし、これについては感度分析のようなものが御検討されることになると思うのですけれども、御意見があればいただきたいと思いますが、免疫グロブリン、血漿交換、ソリリスをそれぞれ比較対照とする感度分析について、その可能性を検討して実施するというような整理の仕方でよろしいでしょうか。この感度分析などについて御意見があれば追加していただきたいと思いますが、よろしいですね。
では、それで進めさせていただきます。ありがとうございました。
続きまして、ウィフガート点滴静注に係る分析枠組みについて御議論いただきます。
まずは事務局及び公的分析から説明をお願いいたします。
(事務局・国立保健医療科学院より説明)
○費用対効果評価専門組織委員長
ありがとうございました。
それでは、議論に先立ちまして、まず、本製品の検証作業に係る分析枠組みに対する企業意見の聴取を行いますので、事務局は企業を入室させてください。
(意見陳述者入室)
○事務局
事務局でございます。
企業の方、準備できたようですので、よろしくお願いいたします。
○費用対効果評価専門組織委員長
私は、費用対効果評価専門組織委員長です。
早速ですが、10分以内で、ウィフガート点滴静注に関わる分析枠組み案についての企業意見の御説明をお願いいたします。続いて、質疑応答をさせていただきます。
それでは、お願いします。
○意見陳述者
よろしくお願いします。
では、早速ですが、お手元の資料の2枚目をお願いします。
まず、全身型重症筋無力症について簡単に説明します。重症筋無力症は全身型と眼筋型に分類でき、全身型が約80%を占めます。全身型重症筋無力症の主な症状は、眼瞼下垂、複視といった目の症状に加え、四肢・体幹筋力低下や球症状などがあります。参考までに次のページにこれらの症状を写真で示しております。
患者数は約2万5000人であり、発症機序は神経筋接合部のシナプス後膜上にある標的抗原に対する自己抗体によるものです。
患者の約85%が抗アセチルコリン受容体抗体陽性であり、約15%が抗アセチルコリン受容体抗体陰性です。
治療は、ステロイド・免疫抑制剤、アセチルコリンエステラーゼ阻害薬の単独もしくは組合せが標準的な1次治療であり、1次治療が奏効しない場合は速効性治療、さらに奏効しない場合は分子標的薬に続きます。
4ページ目を御覧ください。このスライドでは、ウィフガートについて記載しております。効能または効果は全身型重症筋無力症(ステロイド剤またはステロイド剤以外の免疫抑制剤が十分奏効しない場合に限る)。つまり、1次治療が奏効しない場合に限って使われるものでございます。また、ウィフガートは血管内皮細胞などのFcRnに結合することにより、IgG自己抗体を含むIgGの分解除去を促進し、病因となるIgG自己抗体の血中濃度を減少させ、神経伝達機能を回復させるといったこれまでになかった新しい作用機序を用いて、オーファンドラッグに指定されている画期的な新薬でございます。
5枚目のスライドをお願いします。こちらは第Ⅲ相試験の概要を示します。対象は全身型重症筋無力症患者、167例で、重症度スコアのベースラインから比較的重症度の高い患者に対して試験が行われました。
主要評価項目は、抗アセチルコリン受容体抗体陽性患者の初回サイクルのMG-ADLレスポンダーの割合であり、右のグラフで示すように、ウィフガート群はプラセボ群に比べて有意に高い結果を得ております。
6枚目のスライドを御覧ください。このスライドでは、今年改訂されたばかりの重症筋無力症の診療ガイドラインにおける病型ごとの治療アルゴリズムの概要を示します。
さらに、次のスライド以降、アルゴリズムの詳細を説明します。
7枚目のスライドを御覧ください。診療ガイド上は治療は4つの段階に分けられています。図表の1段目は1次治療としてステロイド少量、免疫抑制剤、アセチルコリンエステラーゼ阻害薬のいずれかまたはその組合せによる投与を行うことを示しています。この1次治療が奏効しない場合、2次治療として条件に応じて早期速効性治療を追加します。2次治療が奏効しない場合、3次治療として速効性治療を反復します。分子標的薬はそれ以前の治療全てで十分な効果が得られなかった場合に選択されます。
8枚目のスライドを御覧ください。このスライドでは、抗アセチルコリン受容体抗体陽性と陰性により、それぞれどのような治療がガイドライン上選択されるかを御理解いただくために、病型ごとの治療アルゴリズムに抗アセチルコリン受容体抗体陽性と陰性を書き加えました。左側は抗アセチルコリン受容体抗体陽性の患者の治療アルゴリズムを表し、右側は陰性患者の治療アルゴリズムを表しております。4次治療の分子標的薬であるソリリスは陽性患者には適応がございますが、陰性患者には適応がありません。本ガイドラインは、ウィフガートが上市される前に改訂されたため、分子標的治療薬の概要欄には、本邦で保険適用のあるソリリスのみが記載されておりますが、ウィフガートはソリリスと同じ分子標的薬のカテゴリーに含まれると考えます。
○意見陳述者(専門家)
ちょっといいですか。私、MG専門家として参加させてもらっている○○といいますけれども、ガイドラインは今年5月に改訂されまして、ウィフガートは今回、全く記載はございません。恐らく数年後に改訂されるときにウィフガートの使用法とかが細かくガイドライン上に記載されるものと思われます。
私は実際、臨床の現場でMG患者さんを診ているのですけれども、個人的にはMGと診断するとステロイドと免疫抑制剤で治療するのですが、それでうまくいくときには、あえて血漿交換とかIVIgという治療法はしません。だけれども、ステロイド・免疫抑制剤でもなかなかMG症状が改善しないような場合に血漿交換とかIVIgをするのですけれども、これらの治療は基本的に短期的なものなので、それを繰り返していくしかないような症例が全体の10~20%ありまして、その一部はソリリスが適応されていると思いますけれども、ソリリスは髄膜炎という怖い副作用があって、患者さんの中には、ちょっとソリリスまではというふうな患者さんがいますので、そういう患者さんが今回のウィフガートの一番いい適応になるのではないかと思います。
以上です。
○意見陳述者
先生、ありがとうございます。
それでは、9枚目のスライドを御覧ください。このスライドでは、比較対照技術の基本的な考え方を示します。ウィフガートが存在しない場合、つまりウィフガート上市前に使用された治療Bが上市後にウィフガートに置き換わる場合、比較対照技術は治療Bとなり、先行治療Aは比較対照技術にはなりません。
10枚目のスライドを御覧ください。先ほどのスライドに実際の薬剤名を入れて説明します。まず、ウィフガートが分子標的薬に属するため、先行治療として1、2、3次治療があります。ウィフガートが存在しない場合、抗アセチルコリン受容体抗体陽性患者はソリリスが選択されますが、一方で、ソリリスに安全性の懸念がある患者は、3次治療であるIVIgや血漿交換の反復を続けています。また、抗アセチルコリン受容体抗体陰性患者はソリリスが使えないので、IVIgや血漿交換の反復を続けています。
我々が行った専門医へのインタビュー調査結果、また、さっきの○○先生の御発言から、ウィフガートに置き換わる可能性があるのは、ウィフガート上市前試験で抗アセチルコリン受容体抗体陽性患者のうち、ソリリスで治療された患者A、ソリリスの安全性の懸念で速効性治療の反復で治療されていた患者B、抗アセチルコリン抗体陰性患者で速効性治療の反復で治療されていた患者Cと考えます。
そこで、基本的な考え方を本分析に当てはめますと、分析対象集団と比較対照技術の対応は上のオレンジの枠で示す(A)(B)(C)となります。
11枚目のスライドを御覧ください。ここでは比較対照技術におけるC2H案と弊社案を比較しています。治療アルゴリズムに当てはめ、比較対照技術を比べると、C2H案は1次治療となります。一方で、アルジェニクス案は抗アセチルコリン受容体抗体陽性患者において4次治療、また、4次治療に移行すべきだが、速効性治療の反復を続けている3次治療、さらに抗アセチルコリン受容体抗体陰性患者において速効性治療の反復を続けている3次治療となります。
12枚目のスライドを御覧ください。このスライドではさらに分析対象集団を加えています。どちらも比較対照技術と分析対象集団を選定します。
13枚目のスライドを御覧ください。繰り返しになりますが、実臨床での使われ方をアルゴリズムで示したときに、ウィフガートに置き換わる可能性があるのはオレンジの線で囲った弊社案の部分です。すなわち抗アセチルコリン受容体抗体陽性患者のうち分子標的薬のソリリスで治療されていた患者A、ソリリスの安全性などの懸念で速効性治療の反復で治療されていた患者B、抗アセチルコリン受容体抗体陰性患者で速効性治療の反復で治療されていた患者Cと考えます。
14枚目のスライドを御覧ください。先ほど我々が考えるC2H案の問題点を挙げさせていただきましたが、このスライドにあるとおり、C2H案の問題点は、2次治療以降が存在しないことになっていることと考えます。
最後のスライドを御覧ください。15枚目です。分析対象集団と比較対照技術について、これまで説明した弊社案とC2H案を比較したスライドとなります。オレンジで記載された部分が実臨床を鑑みて作成した弊社案とC2H案との違いとなります。
発表は以上です。ありがとうございました。
○費用対効果評価専門組織委員長
委員の方及び企業から御質問はございますでしょうか。
○○委員、お願いします。
○○○委員
今御説明いただいた中で、日本のガイドラインのことについての情報をいただきましたけれども、海外ではこの薬の位置づけは何か、例えばガイドラインであるとか、あるいは実臨床でこうだとか、いわゆるHTAの評価機関ではこういう取扱いとかいうことで、どの段階でどう使われるかというようなことについての標準のようなものはあるのでしょうか。
○意見陳述者
御質問ありがとうございました。海外での使われ方に関しましても、日本でガイドラインにまだ残念ながらウィフガートのことは載っておりませんが、いわゆる分子標的薬のアルゴリズムの位置づけと同じような形で、ソリリスに取って代わる、もしくは速効性治療の反復に代わる形で使われていると聞いております。
○○先生、もし何か補足があればお願いします。
○意見陳述者(専門家)
海外の情報なのですけれども、私もMGのガイドラインはヨーロッパのほうであったと思うのですが、大体ソリリスと同じように、通常の標準的な治療をしてもなかなか改善しないような難治性の重症筋無力症の患者さんの一部に使うということになっていると思います。
以上です。
○○○委員
ありがとうございました。
○費用対効果評価専門組織委員長
その他の委員、いかがでしょうか。○○委員、お願いします。
○○○委員
どうも御説明ありがとうございました。C2Hの案としての1次治療、ステロイド・免疫抑制剤、アセチルコリンエステラーゼ阻害薬、ここは一般的に確立してガイドラインにも書かれている治療ということだと思うのですけれども、実際にどういったことがどれくらいの期間で行われているのか。実診療でバリエーションがないのかということと、同じように、アルジェニクス案のほうの速効性治療の反復ということもガイドラインにはどのように書かれているか、実際のバリエーションがどのようなものなのか、実際にどのように行われているか、お教えいただければと思います。
○意見陳述者
実際に臨床の現場では、重症筋無力症と診断すると、最初に使われる薬は抗アセチルコリンエステラーゼ剤です。対症療法と、あとプレドニンというステロイド剤が使われます。それでなかなか難しいときには免疫抑制剤を使うという形になります。だから、数か月の間はそういう治療をするのですけれども、それではなかなかコントロールできないときに、血漿交換とかIVIgを使っていく形になると思います。
重症筋無力症の一部にクリーゼといって呼吸不全を来す患者さんがいますので、そういう患者さんには最初からステロイドを使いながら血漿交換、IVIgという治療をしますけれども、そこまでひどくないような人は、最初の数か月は内服治療、つまり、ステロイドや免疫抑制剤で治療をして、それでもなかなか難しい症例に血漿交換、IVIgを使っていくことになります。ガイドラインでは、とにかく若く仕事をしている人たちは最初の期間を短くするために速効性治療をして、本当に1か月、2か月ぐらいで現場復帰できるようなことを目標にしております。大体そのような状況です。
ただ、ステロイド・免疫抑制剤は、やめるとやはりまたMG症状が出てきますので、現状はほとんど一生涯使っていかないといけない状況で、ステロイドをたくさん使うといろいろな副作用が出ますので、今回のガイドラインでは極力、ある程度症状が落ち着いた段階でステロイドを5mgぐらいまでに減量したほうがいいのではないかということ、また、MMという表現をするのですが、完治はできないのですけれども、コントロールできるということで目標設定値をはっきりさせたというのが今回のガイドラインで一番大きなところではないかと思っております。
以上です。
○○○委員
ありがとうございます。企業側の速効性治療反復について、どれくらい標準化されているかということについてはいかがでしょうか。
○意見陳述者
標準化されているかということですか。
○○○委員
大体どれくらいの期間が行われることが一般的なのかということを。
○意見陳述者
なるほど。IVIgは、たしか4日間入院をして毎日投与するものだと思います。それを1サイクルとして、それを年に何回も繰り返す方がいらっしゃる。IVIgも入院するのですけれども、血漿交換の場合も入院して、○○先生、血漿交換は大体どれぐらいですかね。
○意見陳述者(専門家)
追加させてもらいます。血漿交換は1回ではなかなか難しいので、複数回するので、血漿交換は週に2回ぐらいまでできますけれども、始めると3~4回ぐらいすることが多いです。それでも治らなかったら5回ぐらい。ただ、一応4~5回が一つのクールと言われています。ですので、2週間ぐらいの入院で4回ぐらい行うという感じです。IVIgに関しては外来でもできますけれども、20gぐらいを5日間連続でトータル100gぐらいを1クールで数日間で行うという流れでやっています。
○○○委員
ありがとうございます。比較対照技術にばらつきが大きいとなかなか安定しないかなと思って聞かせていただきました。どうもありがとうございました。
○意見陳述者
ありがとうございます。
○費用対効果評価専門組織委員長
その他の方々、いかがでしょうか。○○委員、お願いします。
○○○委員
企業さんの御提案の中で分析対象集団、アセチルコリンレセプター陽性の場合に、ソリリスが安全性の懸念から使用されない集団というのを設定していると思うのですけれども、この安全性の懸念からというのは、ソリリスを使うに当たって何か特定の髄膜炎になりやすい予測因子みたいなものがあるという意味合いなのか、あるいは主治医の先生や患者さんが髄膜炎のリスクを心配されて使わない場合を想定されているのか、それはどういう意味合いなのか教えていただければと思うのですが。
○意見陳述者
基本的には髄膜炎になりやすいとかそういうことは分かりません。ですので、ソリリスを使うときには、重篤な副作用なので髄膜炎菌のワクチンを原則行うということになります。ですので、そのことを患者さんに説明すると、患者さんも不安がって、ちょっと今回はという感じになる方がいらっしゃると思います。
以上です。
○○○委員
ありがとうございます。
○費用対効果評価専門組織委員長
その他の委員、いかがでしょうか。
○○委員、お願いいたします。
○○○委員
ウィフガートの審査報告書をみると、本剤の臨床的な位置づけが議論されていて、この薬はかなり早期のタイミングで使われるような位置づけとして議論されています。具体的は、「gMG症状の増悪の一時的な治療を目的として使用が考慮されるIVIg及び血漿浄化療法よりも前に用いられる薬剤」と企業側は考えられていると記述されています。ところが、今日の説明では、同じ分子標的薬なので、3次あるいは4次治療に使われる位置付けの医薬と説明されています。おそらく今後、ガイドラインが変わっていく可能性はあると思われますが、この薬剤の臨床的な位置付けとして、使用されるタイミングが治療体系の早期に使われるものなのか、後期で使われるものなのかというのが、薬事承認で議論された内容と今回の説明や提案されている分析対象集団で大きく異なっていると思われます。この相違は、単純にガイドラインが変わるからという話なのか、実臨床で本剤の臨床的な位置づけが変わってきているからと考えているのか、その辺りの整理をどう考えれば良いのかについて、教えてください。
○意見陳述者(専門家)
御質問ありがとうございます。まず私のほうからですけれども、実は先生がおっしゃるとおり、あの議論の中では早めのほうで使うということを主張させていただきました。一方で、実臨床を鑑みると、いえいえ、この薬はもっと後のほうですよということで、実際に蓋を開けてみると実臨床での現在の使われ方はもうちょっと後のほうになる。そういったことになって、あのときの議論と実際に発売されてからのものが変わってきているという状況です。
すみません。アルジェニクス側から補足があればお願いします。
○○○委員
実臨床でより後期に使用されるようになっているということは理解できますが、Pivotal試験の投与対象と異なるとなると、実臨床と承認時の治験の投与対象集団の違いを埋めるデータがあるのかの確認はしているのでしょうか。
○意見陳述者
例えば、今回の臨床試験ではIVIgや血漿交換をやられた方は入っております。それでコントロールがうまくできなくてスコアが高い方が、ウィフガートを投与する前、1か月の間はIVIgや血漿交換を行ったら除外対象になってしまうのですが、その前に行っていた方でIVIgで20%ほど、血漿交換で40%ほどを経験された患者さんがエントリーされています。
○○○委員
実臨床と承認時の状況がずれてくるというのは理解するのですけれども、大分違いがあって、そこを本当に埋められるだけのエビデンスがどこまであるのかというところについても十分に検討していただければと思います。
○費用対効果評価専門組織委員長
今の○○委員の御質問に関わるところで御意見ありますか。
○○委員、どうぞ。
○○○委員
私も○○委員と同じ内容を御質問しようと思っていたところでございます。薬の添付文書を見ても、やはりかなり早い段階で、ステロイド剤またはステロイド剤以外の免疫抑制剤が十分に奏効しない場合に本剤を使えるというような記述なので、普通に考えますと、ソリリスのような免疫グロブリンの静注とか血液浄化療法などの後で使う位置づけの薬とはなかなか読み取れないところがあるのですけれども、少なくとも1剤以上治療が行われて奏効しない場合に治療効果が期待できるものというふうに考えてしまうのですがいかがでしょうか。
○意見陳述者
そうですね。我々も幅広く使っていただければ、それはそれでうれしいところなのですけれども、ただ、実臨床を鑑みたときに、そこの部分に使うには時期尚早だと。安全性とか有効性というところも実臨床では使っていないので、将来的にそうなるかもしれないけれども、今の時点ではそれはないだろうというのが、我々は専門医のインタビューの調査結果からそういう意見をいただいております。
○○さん、その点、何か追加できることはありますか。
○意見陳述者
○○です。発言させていただきます。
今、○○さんがお話しさせていただいたように、審査報告書等でも将来的にそういうことが期待できる、なったらいいなというところで、当初としては企業はそのように考えていたのですけれども、やはり発売されて、またガイドラインも昨今出て、あと、○○先生にもお話を伺ったところでは、直近ではそのような使われ方は考えられないというふうにお考えをいただきまして、それで考えを改めたところがございます。
また、○○先生が御指摘くださったように、Pivotal試験の患者背景なのですけれども、こちらは確かに組み入れ基準など、記述されている情報から見ますとそのように軽度の患者さん、ファーストライン、1次治療の患者さんが多く入っているのではないかと読み取れるのですけれども、こちらも○○先生に伺いましたところ、ベースライン時点のQMGスコアですとか患者さんの重症度を反映するスコアは、重症度の高い難治性の速効性治療が必要となるようなレベルの患者さんが対象になっているということで、あの試験の結果は、現在我々が想定しています難治性の患者さんを対象にした結果というふうに考えております。ですので、Pivotal試験の組み入れ基準の結果をもって、あれが必ず重症筋無力症の治療を開始したすぐの患者さんの結果であるということは全く言えないと考えております。
以上です。
○○○委員
早期で使うと安全性に懸念のあるようなものであれば、この段階で使うことを避けるような形でのメッセージを企業なり学会なりが出したほうがよくないですか。いかがでしょうか。
○意見陳述者
その点に関しては、専門医のガイドラインを書いているような先生たちにお集まりいただいて、アドバイザリーボード等を開きまして、やはり懸念される点としては、IgGの自己抗体も下がるのですけれども、通常のIgGも下がることによる感染症の懸念というところが大きくある。そこに対して我々が、先生がおっしゃったように、どういう形で注意喚起していくかというところを見ていこうと。ただ、ADAPT試験というPivotal試験、第Ⅲ相試験、26週の試験となりますが、その他の試験においてはIgGの低下による重篤な感染症は見られておりませんので、その点が評価されて承認されたという理解でおります。
○○○委員
臨床試験では感染症に関する懸念がないというか、少なくともデータでは示されていないけれども、実際には非常に感染症も、もちろん感染症のある方には増悪するおそれがあるというのは添付文書に記述があるのですけれども、そういった懸念があるということと理解しましたが、それでよろしいですか。
○意見陳述者
ありがとうございます。先生のおっしゃるとおりかと思います。何しろ新しいメカニズムなので、そこの部分でしっかりとエビデンスを取らない限りは、早めに使うのは怖いなというところは先生たちもおっしゃいますので、その点を会社としてしっかりとPMSをやってデータを集めて、それをちゃんと解析して先生たちにデータを届けるというのが企業の使命だと思っています。
○○○委員
そうすると、もうちょっとレイトステージというか、その段階で使うことも副作用の懸念があるということで、例えば頻回に検査するとか、何らか観察を十分行うとか、添付文書で読み取れないような部分での仕様上の留意事項があると考えていいですか。
○意見陳述者
先生のおっしゃるとおりで、IgGの測定ですね。これは週に1回を4週間投与するのですけれども、投与する前と投与した後、もしくはちょっと余裕があれば投与しているタイミングも採血してIgGをモニタリングしながら、最初のうちは慎重にやりましょうと、専門医の先生からもそういったやり方でいきましょうとサジェスチョンをいただいております。
○費用対効果評価専門組織委員長
その他の委員の方々、いかがでしょうか。
○○委員、お願いします。
○○○委員
○○と申します。
先ほどの○○先生の御質問に関連するのですけれども、ソリリスをすると髄膜炎になるからワクチンを打たないといけないとかいう話をすると、普通の患者さんは、そんな怖いものはやめてくれと言われると思うのですけれども、ワクチンを打った上でソリリスをしたような例はあるのでしょうか。
○意見陳述者
はい。ソリリスを投与する際は添付文書に書かれているのですけれども、ソリリス投与の2週間前に必ず髄膜炎菌ワクチンを投与してくださいという形に。
○○○委員
話をそういうふうに持っていくと、私が患者だったら、そんな手間もかかるし、怖いし、恐らく髄膜炎は起きたら非常に怖いんだよという説明をされて、そうならないためにワクチンも打ちましょうという話なら、さっき先生から御説明があったように、やめましょうという人がそちらの区分に入っていると言われたのですけれども、いや、今の説明はよく分かりました、ワクチンを打ってでもソリリスを受けますという実際の患者さんです。添付文書が云々ではなくて、そういう症例をお持ちでしょうかということをお伺いしているのです。
○意見陳述者
実際、重症筋無力症の患者さんの重症例は、首も据わらない状況になって、御飯もなかなか食べられない状況があるのです。それが一番ひどいのがクリーゼという状況なのですけれども、日常生活を自分でなかなか送れないような人がいらっしゃいます。アセチルコリン受容体というのは、アセチルコリン受容体抗体がついた後に補体介在性の膜破壊を起こしますので、ソリリスはそこを抑えるということで、やはり物すごい著効例がいるわけです。ですので、そういう人たちは、髄膜炎になるのは怖いかもしれませんけれども、まず日常生活をどうにかしなければいけないということで、やはりそういう超重症の患者さんはソリリスの点滴を受けて、その恩恵を今被っていると思います。
○○○委員
超重症の方がそういう対象に。では、そんなに数は多くないということでしょうか。
○意見陳述者
あと、やはり仕事をしているような患者さんで、ちょっとでも症状があるとなかなか仕事ができないという患者さんの中では、全く症状をゼロにしたいということで、とにかく全く無症状にしたいということで希望する方はいらっしゃいます。
だけれども、その中でそういう説明をすると、やはり中には怖い副作用があるのですねということで、それを希望する方とそうでない方が分かれてしまうということになっております。
○○○委員
こちらの薬はIgGが下がってくるということで感染一般の危険性があると言われて、さっきの補体系を強く抑えるソリリスは、恐らく感染はいろいろ、補体が関わるものはまずいのでしょうけれども、特に髄膜炎ははっきり指摘されているから、そういうことが添付文書に書いてあるということですけれども、こちらの薬を勧めるときも、やはりIgGが下がって易感染性になる、コンプロマイズドホストになるということはかなり説明された上で投与されるというようなイメージでいいのでしょうか。
○意見陳述者
会社としてもそういう形で、そういうリスクがありますということは説明させていただいております。
一方で、先生がおっしゃった、今年の神経学会で他社のポスターを見ますと、PMSで数百例の方がソリリスを投与された結果が重症筋無力症でありましたので、そこそこ、先ほど○○先生がおっしゃったように、どうしても投与されなくてはいけない方は投与されているようです。
○○○委員
ありがとうございました。
○○○委員
今のに関して○○から1つよろしいでしょうか。
○費用対効果評価専門組織委員長
どうぞ、○○委員、お願いします。
○○○委員
髄膜炎菌ワクチンをするということなのですが、こういった場合には自費扱いになるのかということと、これをもし比較群に用いたときに髄膜炎菌ワクチンの費用がどうなっていくのかということ。これはどちらへの質問になるか分からないのですが、まず、自己負担かどうかだけ教えていただけますでしょうか。
○意見陳述者
ソリリスを投与する際にワクチンとしてメナクトラというサノフィ社が売っているワクチンがあるのですが、そのメナクトラの添付文書を読むと、適応症の中にソリリスを投与される方というのが書いてありますので、保険で許可されていると思います。
○○○委員
ありがとうございました。
○意見陳述者
ちょっと追加でよろしいでしょうか。基本的には重症筋無力症の患者さんは特定疾患というか指定難病にされていますので、今、指定難病も年収によって全額負担ではないのですけれども、ソリリスにしても自費で払うとなるとすごいお金になるので、やはりそういうところでは患者さんは特定疾患の恩恵を被っているのではないかと思います。ワクチンも恐らくそれに含まれております。
○意見陳述者
○○です。今の○○先生の御質問に対してちょっと補足をよろしいでしょうか。
メナクトラに関して、ちょうど脾摘のニューモバックスと同様に、エクリズマブ、すなわちソリリスを投与する前の人に限っては保険適用という形で薬価がついていますので、もちろん自己負担は発生しないケースが多いと思いますけれども、保険の枠内には、少なくともソリリスの前に関しては入るという認識です。
○○○委員
そうすると、比較群に用いたときにはそれも考慮する必要があるということになるのですかね。
○意見陳述者
というふうに私は考えております。
○○○委員
分かりました。ありがとうございます。
○費用対効果評価専門組織委員長
その他の方々、いかがでしょうか。
それでは、これで質疑応答を終了いたします。企業の方は御退室ください。お疲れさまでした。
(意見陳述者退室)
○事務局
事務局でございます。
企業の方の退室が確認できましたので、よろしくお願いいたします。
○費用対効果評価専門組織委員長
ありがとうございました。
それでは、ウィフガート点滴静注に関わる分析枠組みについて御議論をお願いしたいと思います。いかがでしょうか。
○○○委員
ソリリスについて言えば、ほかの病気での適応もありますので、いわゆる重症筋無力症に対してどれくらい使われているか、その数はしっかり把握しておいたほうがいいかなと思っていて、数年、所属している医療機関で見ていても、あまり使用されていないと思います。
ですから、そういうものと比較できるかどうかということと、もう一点問題に思うのは、ソリリスはたしかIVIgなどをやって効かない人が適応になるのですね。一方、ウィフガートはそれはなくて、IVIgをやっていなくても使用できるということで、少し早い段階でできるというふうにイメージしております。
ソリリスは実際に使用頻度が低く、IVIgとかをやって、それでもなかなか効かない人にソリリスをやると。しかし、ウィフガートはもっと前から使用できるという印象があるので、しかも、IVIgは急性期のもので、ウィフガートは急性期を抑えるというものではなく、もう少し早期から使えるので、企業説明だとソリリスと並列しているような印象を受け、少し違うなという印象を受けました。
ということで、私の意見としては、ソリリスとの分析はサブでやってもいいかもしれませんが、主にほとんど使われていないソリリスとの分析をするのは、それ以外に分析すべきものはあるだろうという印象でございます。
以上です。
○費用対効果評価専門組織委員長
ありがとうございました。
先生方から何かございますか。いかがでしょうか。
○○○委員
○○ですけれども、よろしいですか。先ほど○○先生が、首が据わらなくなったような人は、インフォームドコンセントをどうするのか分かりませんけれども、ソリリスですごくよくなるというお話があったのですけれども、そういう首が据わらなくなるような例はどれぐらいあるのですか。
○○○委員
それはつまり、息ができない、首が据わらない重症例ですけれども、そういうのはめったにないから、あまりソリリスは所属する医療機関ではそうそう使っていないということなのですけれども、では、それをウィフガートで置き換えるかどうか。でも、何となくイメージ的にはソリリスのほうがよく効くだろうというイメージはあるのですよね。ウィフガートはもうちょっと早くから使えるかなという印象を持てたので。でも、そういう患者さんは当然います。だから、そういう人はソリリスを使うべきだろうと。
○○○委員
ありがとうございました。
○費用対効果評価専門組織委員長
その他の先生方、御意見いかがでしょうか。
では、○○先生、お願いします。
○○○委員
そうすると、私の理解が十分じゃないのだと思うのですけれども、臨床家の中でもこの薬の位置づけに関しては必ずしも見解が一致しているわけではないという理解になりますでしょうか。
○○○委員
恐らくガイドラインをつくる疾患の専門家では多少慎重になっているのかなと。さっきの○○先生の意見を聞いていて、まだちょっと恐る恐るという感じはあるのだろうかなと思いました。
でも、私の感覚では、恐らく多くの人の感覚では、作用機序も違うし、副作用も違うもので、ソリリスと並行して横並びで使うべきものではないかなという感じがします。
○○○委員
ありがとうございました。
○費用対効果評価専門組織委員長
その他の先生方、いかがでしょうか。
○○委員、どうぞ、お願いします。
○○○委員
ありがとうございます。先ほどの○○先生同様、何と言っていいか分からないのですけれども、企業がこのように有効性を証明して、PMDAがそこのディスカッションでそのようにしたけれども、臨床が慎重だから、費用対効果になったら急にこういう、最後に4次治療の段階で使う特殊な薬と比較すべき、もしくはいわゆる交換輸血、免疫グロブリン療法と比較すべきというのはいかがなものかと。通常、2014年以降は添付文書は最新の科学的データを根拠としなければいけないと法律に書かれたので、だとしたら普通は添付文書改正までにエビデンスを集めるにしたってブルーレターが出るとか、そういう話がないまま、最初の企業の治験のデザインから実態が変わったから、今度はこれで比較しましょうみたいなことをおっしゃるのはすごく違和感を覚えます。
だから、こういう形にしてしまうと、そういう意味では科学院が示されたように、いわゆる維持治療と比較して最初の企業の承認の形で評価すべきだし、加算についてもそういうコンセプトで加算がついたのではないかと思われるのです。未来に対する期待ですよね。要するに早期に割と使いやすい皮下注薬があって、患者さんがそこで割とアクセスしやすい感じで使う臨床のパラダイムシフトを目指したものなのだから、この薬の評価は本来そう評価されるわけだけれども、企業が思ったように評価されていないから、それに合わせてじゃあこれねと言っているというのはすごく違和感があって、この費用対効果専門組織としてそこをどう理解していいのかというのが分からないので、先生方に教えてもらいたいです。
以上です。
○費用対効果評価専門組織委員長
ありがとうございます。
今、御意見、御質問がございましたけれども、事務局側いかがでしょうか。
○事務局
事務局でございます。
貴重な御意見をありがとうございます。費用対効果評価でどのように検討していくかというところですが、個別に様々な事例が生じているところですので、先生方にご議論をいただきこういった事例を蓄積しながら、今後とも分析の在り方、制度の在り方について検討していく必要があると考えております。
○費用対効果評価専門組織委員長
ありがとうございました。
科学院さん、分析の在り方みたいなお話も少し関わっていたかもしれませんが、公的分析の考え方はいただいているところですけれども、○○委員から何か特段、今のお話も踏まえて追加のコメントとかがあればお願いできますでしょうか。
○国立保健医療科学院
国立保健医療科学院でございます。
先生方の御意見を伺っていても、我々も懸念した点なのですが、○○先生、○○先生、○○先生に御指摘いただきましたけれども、やはり臨床試験のデザイン、主に使われると想定されるところ、あるいはそれを受けて承認がされて、添付文書の記載等を含めても、今日の企業の主張する使い方で捉えるのは無理があるのではないかと考えております。
さらに言わせていただければ、ソリリスを使うような集団に対しては、臨床試験すら我々はデータがないのではないかと。つまり、その使い方についてエビデンスがあるのかというところからちょっと疑問があるなと考えておるところですので、一般的な解釈としては、○○先生からも指摘がありましたが、その前段階で使う臨床試験で想定しているようなデザインで分析をするとすれば、できるのではないかと考えるところであります。
あと、追加で1つコメントさせていただいてよろしければ、企業から御説明いただいた中で、企業のほうでも誤解が少しあるかなと思ったのは、我々の公的分析案だと1次治療でステロイド等が比較対照になっていて、つまり、それに置き代わるのがウィフガートだという、つまり2次治療以下は考えていないというような御指摘がありましたが、もちろん我々はそうではなくて、維持治療をやった上でそれが不十分な場合に上乗せをするという形で考えています。つまり、1次治療以降にやっているものを想定しているので、それが明示的に分かるように分析枠組みの我々の考え方の中では、比較対照は維持療法ですけれども、実際に評価するのは維持療法にウィフガートを乗せるものだという記述をさせていただいておりますので、企業のこの辺りの説明は我々の考え方とちょっと違うかなと思いました。補足で御説明させていただきました。
もう一点、企業側の分析枠組みについてなのですけれども、ソリリスの使用を躊躇する例と躊躇しない例に分けて分析するのだというお話があったと思うのですが、ソリリスを躊躇するかしないかといった主観的な問題については、費用対効果上、考慮しようがないので、その点は御配慮いただければなと思います。
以上です。
○費用対効果評価専門組織委員長
ちょっと私のほうで気になったのですけれども、今、○○委員から御説明があった比較対照について、維持療法という表現をされているのですけれども、実質上は維持療法ではなくて、いわゆる2次療法を対象とした分析という理解であれば、少し表現を変えてしまったほうがいいというような話もございますでしょうか。
○国立保健医療科学院
御指摘ありがとうございます。維持療法という言い方が分かりにくいということでしょうか。ここで検討しているのは、もともとの治療アルゴリズムにありますステロイドとか免疫抑制剤を使うようなものを想定して維持療法、あるいは標準療法という言い方もできるのかもしれませんけれども、それに対しての上乗せというイメージで考えているところです。
○費用対効果評価専門組織委員長
多分、上乗せのところが、よく聞くと理解できるのですけれども、単に比較対照が維持療法だと、少しその辺の分析対象の範囲、ステージが少し限られているようなイメージがあったのですけれども、その辺も含めてまた御検討いただけるのかと思っています。
○国立保健医療科学院
記載については明確に、上乗せなのだという言い方をさらにして。
○費用対効果評価専門組織委員長
ありがとうございます。
○○先生、今までの議論を踏まえながら、コメントがありましたらお願いできますでしょうか。
○○○委員
比較対照なのですが、維持療法をやって、維持療法が無効だということであれば、そこでギブアップするわけではなくて、その後の速効性治療に進むということのようですので、速効性治療の代替としてこのウィフガートがあるということであれば、速効性治療とウィフガートを比較するのが自然なのかなという気がしていたところです。
○費用対効果評価専門組織委員長
ありがとうございます。今の御意見も踏まえて、これから少し科学院さんのほうで御検討いただきたいなと思います。
その他、全体を通して先生方からコメント、御意見ございますでしょうか。
○○委員が御質問していただいたので非常によかったなと思っておりますけれども、私も違和感を覚えていたところ、整理をしていただきました。企業側からの御意見と臨床実態についての話、○○委員の御専門の立場からの御意見もいただいて、大分整理されたのではないかなと思っています。
そうしますと、先生方の御意見をまとめさせていただくと、薬事承認をされたときから臨床実態が変わってきているという可能性も視野に置きながら、さりとて承認時の状況と、それに伴うデータを基に、まずは先生方の御意見は、公的分析を主分析として行うということ。比較対照については適切な表現を御検討いただいたほうがいい可能性があるということ。その上で、あとはさりとて今、治療のストラテジー、レジメンも少し変わってきている可能性があるということと、安全性の観点も含めて、いわゆる2次療法とソリリスも視野に検討しておく必要もあるということ。特に今後の臨床実態も考慮してというような御意見であったのかなと思います。
一方で、そのデータがあるのかどうかということについて、これも科学院さんのほうで少し御検討いただきたいと思うのですけれども、今回の品目についてはこのような整理でよろしいでしょうか。
よろしいですね。ありがとうございます。
それでは、今の内容を踏まえて議決に入らせていただきたいと思います。先生方の御意見を参考に、ウィフガート点滴静注に関する費用対効果評価については、ウィフガート点滴静注に係る分析枠組みについて公的分析の提案が妥当と考え、公的分析の分析枠組み案を了承するということでした。ただし、これについては感度分析のようなものが御検討されることになると思うのですけれども、御意見があればいただきたいと思いますが、免疫グロブリン、血漿交換、ソリリスをそれぞれ比較対照とする感度分析について、その可能性を検討して実施するというような整理の仕方でよろしいでしょうか。この感度分析などについて御意見があれば追加していただきたいと思いますが、よろしいですね。
では、それで進めさせていただきます。ありがとうございました。