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- 2025年8月1日 第30回社会保障審議会統計分科会 議事録
2025年8月1日 第30回社会保障審議会統計分科会 議事録
政策統括官付参事官付統計企画調整室
日時
令和7年8月1日(金) 10:00~11:05
場所
厚生労働省政策統括官(統計・情報システム管理、労使関係担当)内会議室
(東京都千代田区霞が関1-2-2)
(東京都千代田区霞が関1-2-2)
出席者
委員(五十音順、敬称略、◎:統計分科会長、○:統計分科会長代理)
事務局
- 〇石井 太
- 稲葉 由之
- 加藤 真介
- 黒田 祥子
- 嵩 さやか
- ◎野口 晴子
- 堀 有喜衣
- 松田 晋哉
- 吉田 穂波
- 渡辺 弘司
事務局
- 原口政策統括官
- 河野政策立案総括審議官
- 髙橋参事官(企画調整担当)
- 飯島統計企画調整室長
- 篠山審査解析室長
- 村田統計管理官(人口動態・保健社会統計室長)
- 清水保健統計室長
国際分類情報管理室長(併任)
議題
- 1 令和8年医療施設調査の調査計画案について
- 2 令和8年患者調査の調査計画案について
- 3 人口動態調査の調査計画案について
- 4 その他
議事
○髙橋参事官(企画調整担当)
それでは、定刻になりましたので、ただいまから第30回社会保障審議会統計分科会を開会させていただきます。委員の皆様方におかれましては、お忙しい中、御出席いただきまして、誠にありがとうございます。
まず、私は、7月に企画調整担当参事官を拝命いたしました髙橋でございます。よろし くお願い申し上げます。
本日の出席状況でございますけれども、津谷委員、岩永委員が御欠席でございます。なお、出席委員が3分の1を超えておりますので、会議は成立しておりますことを御報告申 し上げます。
審議に入ります前に、社会保障審議会統計分科会長の選出、統計分科会長代理の指名、委員の新規任命等について御報告をさせていただきます。今年1月の任期満了に伴いまして、全ての委員が再任され、委員の互選により、改めて野口委員が統計分科会長に選出されており、また、野口統計分科会長から石井委員が統計分科会長代理に指名されておりますことを御報告いたします。また、本年5月に小塩委員が御退任され、今回から新たに嵩委員に御参加いただいております。新たに御参加いただきました嵩委員より、一言、御挨拶をお願いいたします。嵩委員、よろしくお願いいたします。
○嵩委員
おはようございます。東北大学の嵩と申します。専門は社会保障法となっております。どうぞよろしくお願いいたします。
○髙橋参事官(企画調整担当)
ありがとうございました。続きまして、事務局に異動がありましたので、御紹介をさせていただきます。政策統括官の原口です。審査解析室長の篠山です。人口動態・保健社会統計室長の村田です。国際分類情報管理室長の清水です。
会議の開催に当たりまして、政策統括官の原口より御挨拶申し上げます。
○原口政策統括官
皆様、おはようございます。この7月から政策統括官を拝命いたしております原口と申します。以後、よろしくお願いいたします。
本日は御多用の中、御出席賜り、誠にありがとうございます。また、平素より、当省所管の統計調査の審議に多大なる御尽力を賜り、この場をお借りして厚く御礼申し上げます。
本日は、令和8年に調査実施を予定しております医療施設調査及び患者調査の調査計画案のほか、人口動態調査の調査計画案につきまして御議論いただきたいと考えているところです。詳細は後ほど調査担当より御説明させていただきますが、医療施設調査では、医療行政ニーズやデータ利活用の拡充などに対応した調査事項の追加、患者調査では、制度改正に伴う調査事項の削除、人口動態調査では、民法改正による共同親権の導入に伴う調査事項の変更などを予定しているところです。
当省の統計調査がより良いものとなりますよう、引き続き統計調査の改善に努めてまいる所存ですので、委員の皆様におかれましては、専門的な見地から御議論、御助言を賜りますよう、よろしくお願い申し上げますとともに、私からの御挨拶とさせていただきます。 よろしくお願いいたします。
○髙橋参事官(企画調整担当)
それでは、以後の進行につきましては野口統計分科会長にお願いいたします。
○野口分科会長
皆様、おはようございます。本日は、大変お忙しい中お集まりいただき、どうもありがとうございます。
それでは、早速ではございますが、議事を進めさせていただきたいと思います。本日の議題でございますが、まず最初に、令和8年医療施設調査の調査計画案について、2番目、令和8年患者調査の調査計画案について、3番目、人口動態調査の調査計画案について、4番目、その他となっております。また、本日の統計分科会は 12 時までを予定しておりますが、予定時間を過ぎた場合、御予定がある方は御退席いただいても結構です。
それでは、最初の議事1「令和8年医療施設調査の調査計画案について」、事務局から御説明をよろしくお願いいたします。
○清水保健統計室長
それでは、ここからは医療施設調査、患者調査について、私、清水から説明いたします。私の声は、皆様に聞こえていますでしょうか。それでは、続けさせていただきます。私から、資料を投影させていただきます。少しお待ちください。今、資料1-1として令和8年に実施する医療施調査の概要と題打たれた資料を投影させていただいております。もし見えていない方は、事務局までお知らせください。大丈夫そうですので、私から、まず医療施設調査について説明いたします。
医療施設調査につきましては、後ほど私から説明する患者調査と同様であり、いずれも統計法で規定される基幹統計調査となっております。基幹統計調査とは、行政機関が作成する統計のうち、総務大臣が指定する特に重要な統計と定義されております。このため、調査計画に変更がある場合につきましては、統計法において総務省統計委員会の承認が必要とされております。このため、本日、統計分科会で先生方の御了承、御意見を伺った後は、総務省統計委員会に諮問する必要があり、そういった各種手続を踏んでいくこととなります。調査計画の変更ですが、医療施設調査については、後ほど説明する患者調査とは異なり、設問内容の実質の変更となっておりますので、医療施設調査の説明を重点的にいたします。
この資料1-1にも規定されておりますが、調査の目的として、医療施設調査とは、全国の医療施設の診療機能の把握等をすることです。調査は、静態調査及び動態調査の2つから構成されております。動態調査は、医療機関に開設・移転・廃止等の変更があった際に、都道府県に届け出るとなっております。こちらです。続きまして、静態調査です。静態調査は、全ての医療機関に対して厚生労働省側から能動的に調査票を送付し記入していただくもので、3年に1回実施している大規模な調査となります。動態調査は、先ほど申し上げたとおり、基本的に変更点のみを確認するというものですが、静態調査は、全ての医療機関に対して、その設備、従事者の数、救急医療体制や診療及び検査の実施の状況等、幅広く確認するとなっております。調査の方法及び系統ですが、静態調査、動態調査ともに、医療施設から都道府県を通じて厚生労働省に上がってきて、そちらを集計して、結果は集計後、速やかに公表することとしております。
具体的な変更点につきましては、まずは資料1-2を用いて説明いたします。変更点は、主に3つの視点から分類しております。具体的には、施策立案の基礎資料とするための変更が四角の1、四角の2がデータ利活用拡充に対応した変更、四角の3が主な調査項目の整理・変更となっております。なお、こちらの右側を見ていただくと分かりますが、病院票、一般診療所票、歯科診療所票という様々な記載があります。皆様御存じかと思いますが、医療施設の静態調査におきましては、医療施設の種類に応じて調査票が異なることとなります。病院票でしたら病院に、一般診療所票でしたら一般診療所に配布することになっております。
次のページからは、これらの主な変更点を順に説明いたします。まず、この1つ目に記載しております「電子カルテ情報共有サービスの導入状況」を問う調査項目を新設という所の説明に移ります。まず、電子カルテ情報共有サービスとは何かとありますが、これは令和7年1月からモデル事業等を開始しております、ニュース等で報道されているので皆様御存じだと思いますが、いわゆる医療DXのパッケージの1つとなっております。医療DXというと、マイナンバーカードや電子処方箋が報道等でも有名になっておりますが、これと同様に医療DXの1つのパッケージとなっているものです。
今回のこの設問項目ですが、令和5年ではなく、令和8年に新しく設けております。要は、この電子カルテ情報共有サービスについて、どれだけ普及しているか、まずはそれを測っていこうということで、新たな質問項目を設けております。こちらのサービス自体は、患者さんの診療情報を医療機関間で共有できるようにするものであり、例えばアレルギー、感染症、処方薬、傷病名、血液検査結果等を医療機関間で共有できるものになっております。なお、これまでもこの診療情報の医療機関間の共有については促進しておりました。それはSS-MIXという別の事業名であり、2006年から開始していたものです。これは、電子カルテ情報共有サービスとは異なっており、平たく言いますと、ストレージの標準化、医療機関がその医療情報をストレージするときの標準化であり、 CD-ROM等に入れて、それを別の医療機関に持っていくという、いわゆるオフラインでの交換となっておりました。医療DXでは、こちらのSS-MIXではなく、電子カルテ情報共有サービスが推進されているため、SS-MIXの普及度に関する質問項目は、記入者負担を考慮し、削除しております。こちらは、このPDFの6ページになっております。以前はここに「SS-MIX標準化ストレ ージ」とありますが、先ほどの説明のとおり、こちらは既に医療DXでは推進しておりま せんので、記入者負担等を踏まえ、質問項目から削除しております。
続きまして、次の設問項目に移ります。こちらは、「開設者」の選択肢に「一般社団法人・一般財団法人」を追加するというものです。医療施設調査ですが、以前から常に医療機関の開設者について確認しておりました。今回、この開設者の選択肢のリストに、1つ選択肢を追加するというものです。以前は「25 その他の法人」とありましたが、ここに 「一般社団法人・一般財団法人」をその上に加えることになります。ですので、今まで27個の質問項目がありましたが、それが28個になる形になっております。
この変更の背景ですが、これまで医療機関の開設は、一般的には実態としては医師個人、 又は医療法に規定された医療法人、又は公的医療機関等である厚生労働省、都道府県、自 治体、日赤、済生会、厚生連等などが記載されておりますが、そういったものが主となっておりました。しかしながら、近年、いわゆる社団法人等によるクリニックの開業が多くなっている、特に美容クリニックの開業が多いという報道及び指摘を承っているところです。医療機関の開設に当たっては、医療法で規定しておりますが、非営利性が原則となっております。ただ一方で、そういった美容クリニックの一般社団法人等による開業が多くなっているという指摘を踏まえますと、それが本当なのかという疑義が生じておりますた め、まずはその実態を把握していくものとなっております。現行はそういったデータが不十分ですので、政策部局とも相談しながら、ここを加えて、まずは現状を把握するという背景で入れております。
続きまして、「医療機関コード」の調査項目を新設に移ります。こちらは、令和5年調査まではなかったのですが、令和8年調査から加えたものです。今後、医療施設調査のデータと医療関連のデータを結合させることができるようにするため、このコードを設けているということです。医療機関コード自体は非常に有名で、診療報酬のいわゆるレセプトなどに記載する医療機関コードとなっております。ですので、こちらができましたら、レセプト等のデータもうまく結合できるということも将来的にあり得るのではないかなと考えております。
次の項目です。こちらは、診療科目を問う調査項目から「9月中休診」及び「特定の曜日のみ」を削除となっております。右が令和5年調査であり、左が令和8年調査となっております。御存じのとおり少しスリム化しているのですが、説明いたしますと、現行の令和5年の調査では、どの診療科目を標榜しているかに加えて、それぞれの標榜している診療科目について、9月中に休診していましたか、又は特定の曜日、例えば土曜日のみ、月曜日のみに小児科を開業した、標榜したといった、特定の曜日に診療していたかも併せて確認していました。しかし、令和6年4月に、医政局ですが、都道府県と 厚生労働省が運営するホームページで、同様、これ以上の情報が入手可能となっております。ナビイというホームページであり、日本全国の医療機関ごとの診療科の診療時間、例えば腎臓内科でしたら火曜日、水曜日の9時~15 時は何とか医院で診療していますというように、これ以上の詳しい情報がそちらのホームページで令和6年4月から入手できることとなっております。これを踏まえて、当該現行の記載項目については、記入者負担等も併せて踏まえた上で、今回削除させていただければと思っております。
次の6ページのSS-MIXは先ほど説明したため、今回は説明を割愛いたします。
7ページに移ります。これは、分かりやすさの観点から調査項目の配置を変えたということですが、手術等の実施状況と検査等の実施状況になります。これまでは、手術等とい う質問項目と、検査等という質問項目で 分かれておりました。上の部分が手術等、これが検査等の実施状況でした。「手術等の実施状況」と書いてある一方で、悪性腫瘍手術と人工透析はあれですが、基本的には分娩の情報が非常に多くなっておりました。こういったことを踏まえて、分かりやすさの観点から、分娩項目に関する質問項目を独立させて作成して作っております。そして、残った手術及び検査を合わせて、丸2の矢印ですが、この新たな手術・検査等の実施状況の所に集めております。こちらは、特段何か新しい質問項目を削除、加えたという表現ではなく、平たく言うと配置を変えた形になっております。
次のページです。「休日夜間急患センター」であるか否かについて、調査項目の配置を「診療所の種類」から「救急医療体制」での把握に変更となっております。これまでの調査は、一般診療所票において診療所の業務を(11)番の質問項目で聞いておりました。例えばどのような診療業務を主としているかということで、いずれか1つということで、透析なのか、一般診療どうのこうのと聞いていました。その中で、8番になりますが、休日夜間急患センターというところも聞いておりました。ただ一方で、別の質問項目の所で、救急医療提供体制を聞いております。この休日夜間急患センターは、救急医療体制の一次救急の1つであり、いわゆるウォークインの患者さんを平日の深夜や休日に診療するものとなっており、救急医療体制の中のものであるため、分かりやすさの観点も踏まえて、こちらを移動しているものです。
次に、主な変更点の最後、9ページです。「技工物作成の委託の状況」を問う調査項目について、選択肢の記載ぶりを変更と記載しております。こちらの質問項目は、歯科の技工物、これは虫歯になったときに装着するインレーやブリッジなどですが、それを国内、海外で委託しているかということを確認していました。ただ、この質問が実際に入った背景は、平成 26 年に入ったのですが、特に調査部局から、海外に委託していることがどうだったのかがむしろ焦点となり、この質問項目が入ってきたということがあったわけです。よって、海外での委託の割合を知りたいということが施策上のポイントであったため、一部でも全部でもですが、そこを明確するために、1、2、3という形で質問項目を整理しております。
以上、医療施設調査について、主な変更点を述べました。資料 1-3からは、実際の調査票の変更後のものを様式1号~4号という形で並べております。これで、私からの医療施設調査についての説明を終わります。
○野口分科会長
どうもありがとうございました。それでは、いろいろ重要な変更点もありますので、ただいまの御説明について御質問等も含めて、委員の皆様、何かありますか。稲葉委員、よろしくお願いいたします。
○稲葉委員
稲葉です。よろしくお願いします。今、御提示の資料ではないのですが、違う資料で診療時間の状況というものを調べた部分がありますが、御提示をお願いします。
○清水保健統計室長
同じような質問票が結構あるのですが、私も先生の御指摘のものが分からないので、もし間違っていたら恐縮なのですが、仮に病院票でよろしければ、今、表示している病院票の 17 番でよろしいでしょうか。
○稲葉委員
それで、よろしくお願いいたします。令和5年と令和8年を比べて、令和8年のほうがかなり分かりやすくなっていて、改善されていることは分かります。例えば休日を祝日に直していて、かなり分かりやすいのですが、ここで2つの質問があります。診療時間ということで、「01~59分の分単位は全て0.5 時間とみなし記入」、これも非常に分かりやすいです。ただ、表示診療時間の所で○を付けるということがあるわけですが、これは少しでも掛かっていれば○を付けるという解釈でよいでしょうか。例えば、月曜日の18時~19時というところに、18時15分まで診療している場合、それは○を付けるという解釈でよろしいのですか。
○野口分科会長
どうもありがとうございました。清水室長、いかがでしょうか。
○清水保健統計室長
御指摘のとおり、そういうことになります。掛かっている場合についても、境界値についても同様のこととなると思います。
○稲葉委員
そうしますと、もう一つの質問として、それは何か記入上の手引みたいなもので指示されていると解釈をしてよろしいわけでしょうか。
○清水保健統計室長
記入上の手引は別にありまして、そういったものは作らせていただいて、それでやっております。当然、これだけではなかなか分からないので、記入上の手引で詳しく記載して おります。
○稲葉委員
分かりました。ありがとうございます。実は、かなり細かくこの調査票の中に注記が書かれてあるので、そのような説明が表示診療時間の所にもあるかどうかということを確認したかったわけです。承知いたしました。ありがとうございます。
○野口分科会長
ありがとうございます。それでは、松田委員、よろしくお願いいたします。
○松田委員
すみません、確認なのですが、悪性腫瘍手術を把握するわけですが、これはきちんとリストが出ているという理解でよろしいのですよね。例えば、食道悪性腫瘍手術や肺の悪性腫瘍手術という悪性腫瘍手術と、例えば胃全摘出悪性腫瘍手術というのが1、2の採番で取れるようになっていますが、このリストが全部提示されて、悪性腫瘍手術をカウントするという、そのような理解でよろしいですか。悪性腫瘍手術のリストがきちんと提示されて、それが調査対象の方たちにきちんと認識されているのか、一応確認です。なぜこれを質問するかというと、DPC のデータでも同様に悪性腫瘍手術の集計をするのですが、そのときの項目に、手術の名前自体に悪性腫瘍手術と付いているものと、胃全摘出で採番で悪性腫瘍手術と付いているのがあり、たまに間違えて出しているものが集計されているのがあるので、一応確認です。
○野口分科会長
ありがとうございます。清水保健統計室長、いかがでしょうか。
○清水保健統計室長
私たちから医療機関に手引等でお願いしているのは、内視鏡や腹腔鏡なども含めて、全ての手術件数について記載していただいておりますが、もちろん生検等のようなものは除く形でお願いしております。それを先方に記入していただいているということになります。 なので、記入の中身については先生方にということでお願いしていることになります。
○野口分科会長
松田委員、いかがでしょうか。
○松田委員
では、悪性手術の診療報酬のKの何番など、そういうリストが掲示されているわけではないということですね。
○清水保健統計室長
そうです。先生のおっしゃっているのは、いわゆる医科点数本ですよね。
○松田委員
はい。
○清水保健統計室長
医科点数本にあるKのコードや、そのようなものを私たちのほうで提示しているものではないです。あれは、あくまでも保険の世界での話ですよね、手術の定義というものは。これは保険の世界ではなく医療施設。
○松田委員
悪性腫瘍手術であるかどうかというのは、皆さんは点数表のほうできちんとやっていて、それが多分ゴールデンスタンダードだと思います。その点数表が参照されているかどうかはっきりしない状態で悪性腫瘍手術とやってしまうと、施設によって悪性腫瘍手術の範囲 が変わってきてしまうので、そこは大丈夫なのかと、そのような質問です。
○清水保健統計室長
こちらは医療施設調査ですので、まず、原則として保険適用外の分の手術も全て聞いていることとなっております。医科点数本の中にあるK手術コードというのは、診療報酬である保険部分のみなります。それに対して医療施設調査の手術は保険外の部分も対象となります。多分、基本的には非常にオーバーラップは高いと思うので、普通に考えたらそれを活用することが多いのではないかと思われますが、こちらとして何か具体的に全てそのようなものを示しているのではなく、医療機関の先生方にそこはお願いして決めてもらうということになっています。
ただ、いわゆるNDBなどのデータのもととなるものを引っ張ってくることになると思いますので、先生方の負担も。先生方も実際にこれを記入する際には、多分レポートなどを引っ張ってくる際には、実質的にはNDBのもとを引っ張ってくる可能性も多いのではないかと、個人的には思っています。
○野口分科会長
松田先生、いかがでしょうか。
○松田委員
実際には、NDBよりも、それぞれの病院の持っているレセコンから引っ張り出せるので、それで悪性腫瘍の手術に相当するものを引っ張っているというのが、担当している人の現実の作業ではないかと思います。状況は分かりました。
○野口分科会長
どうもありがとうございました。それでは、堀委員、よろしくお願いいたします。
○堀委員
御説明ありがとうございました。今回、4ページで医療機関コードが新設されるということで、データ利活用のために、ほかのデータ等を紐付けられる可能性を開かれたという点で、大変素晴らしい試みだと思うのですが、先ほどの御説明では、例えばレセプトなどという例が出ていましたが、レセプトは若干時間が掛かりそうな気もするので、ほかに何か紐付けられそうな調査というのは、現時点でございますか。御教授いただければ幸いです。
○野口分科会長
清水保健統計室長、よろしくお願いいたします。
○清水保健統計室長
ありがとうございます。ここの部分につきましては、政策部局とも意見を調整しているところです。簡単に言えば、病床機能報告といったようなものは一定検討に置いています。 病床機能報告は、各医療機関にどんな病床があるかということについて、医療法の改正とともに導入されたものであり、それに基づいて届けさせていただいているのですが、その中で、医療機関におけるこの病床は急性期又は慢性期などといって、病院ごとに聞いているのですが、そこのデータと組み合わせることも可能なのではないかみたいな話は承って います。
○野口分科会長
堀委員、いかがでしょうか。
○堀委員
どうもありがとうございます。より広い統計調査と接続できるように配慮いただければ幸いです。ありがとうございました。
○野口分科会長
どうもありがとうございました。ほかにいかがでしょうか。黒田委員、よろしくお願いいたします。
○黒田委員
早稲田大学の黒田です。以前も1回お尋ねしたかもしれませんが、和暦と西暦なのですが、そろそろ西暦にしてもいいのではと思います。先ほどの電子カルテをいつから導入予定かという問いも、令和8年度や9年度だったら来年か再来年とパッと分かるかもしれませんが、それ以降になると、指を数えて何年後なのだろうみたいな感じで、西暦で考えている方は非常に答えづらいという気がいたします。調査票はそれ以外の所も令和で統一されているようなので難しいのかもしれませんが、やはり西暦のほうが一般的には馴染みが出てきているような世の中になっていますので、もうそろそろ、その辺りの検討をしてはどうかと思いました。以上です。
○野口分科会長
どうもありがとうございました。清水保健統計室長、いかがでしょうか。
○清水保健統計室長
御質問ありがとうございます。この和暦がいいのか西暦がいいのかというのは、種々いろいろ出てきているところです。これまでは、そもそもこちらの分科会で認められて、総務省のほうで了承されてきた患者調査、医療施設調査は、全部和暦で、令和2年、5年、平成29年、ずっと平成と令和という形で使い続けておりました。3年前にこちらで御了承いただいたものも令和5年となっておりまして、基本的に調査を行う際には和暦、すなわち令和で慣れていることが多く、そのような背景があったためですが、調査を進めていく中で、いろいろな方々から当然フィードバック等のようなものはもらう予定となってい ます。それぞれメリット、デメリット、どちらのほうが記入漏れが起きないのかということは、少しやっていく中で整理させていただければと思っております。よろしいでしょうか。
○野口分科会長
黒田委員、いかがでしょうか。
○黒田委員
どこかで決めない限り、前回を踏襲していると、いつまでも続いてしまうようなところがあります。記入者からの声が、和暦のほうが良いということであれば分かるのですが、 そういう情報がないのであれば、例えば電子カルテの所はスペースがありますので、括弧して西暦を書いておくとか、そのような感じの工夫もできるのではと思ったりします。
私自身は労働統計のほうが馴染みがあるのですが、そちらも確認しますと、記入者が間違いそうな所は併記して書いてあるということは結構ありますので、そのようなことも誤記入を防ぐという工夫としてあり得るかなと思いました。あくまでも感想です。
○野口分科会長
ありがとうございます。清水保健統計室長、いかがでしょうか。
○清水保健統計室長
先生、ありがとうございます。先生の御指摘のとおり、変える際には、必要であるならばいつかは変えなくてはいけないですし、過去の前例がずっと正しいとは私も当然思っていないのは、先生とも一致しているところであります。
ただ、西暦にした場合でも、誤字、間違いというものは一定起こりますため、やりながら、しっかり皆さんの御意見を伺わせていただいて、どちらがいいのかということは、し っかり適宜検証させていただきながら、もし必要ということになるのでしたら、どこかのタイミングで変えるということは、もちろん検討させていただきます。
○野口分科会長
黒田委員から出た、ここの所ですね、西暦を追加するというのは、ちょっと今からだと もう無理でしょうか。2ページの所、ここに追記するのは無理なのでしょうか。例えば令和8年度を括弧して何年というのは、あれなのでしょうか。ちょっと複雑というか、ちょ っと字が多くなってしまいますかね。
○清水保健統計室長
不可能ではないですが、ほかの場所との兼ね合いもあるので。
○野口分科会長
そうですね。すみません、今、お話しているのですが、やはりここを直してしまうと、ここに追記すると、ほかも全部追記しなくてはいけなくなるのでというお話ですので、やはり今回はこのままでということで、次回からの検討ということで、黒田委員、よろしいでしょうか。
○黒田委員
確か前回も利用者の声を聞いて考えていきたいという御回答を頂いていたかと思ってまして、そういう意味では、何かしら定量的な、そのような声を拾って定量的に示していくということも、今後、御検討いただければ有り難いと思います。今回については、承知い たしました。
○野口分科会長
了解いたしました。では、事務局のほうで、いつかはどこかで決断しなければいけない時が来ると思いますので、どちらのほうが書きやすいかというような声も、皆さんのほうでお調べいただければと思います。よろしくお願いいたします。ほかにいかがでしょうか。特になければ、本議題については様々な御意見を頂きましたが、この令和8年医療施設調査の調査計画案については、おおむね皆さんに御了承いただけたものと理解してよろしいでしょうか。
(異議無し)
どうもありがとうございました。それでは、この案については御了承いただいたものとさせていただきます。これからもいろいろと検討事項があろうかと思いますが、引き続き、何卒よろしくお願いいたします。
続きまして、議事2「令和8年患者調査の調査計画案について」です。事務局から説明をよろしくお願いいたします。
○清水保健統計室長
それでは、患者調査につきましても、私のほうから説明します。資料 2-1になります。
調査の目的でも記載しておりますが、患者調査は、医療施設を利用する患者について、傷病割合等、例えば、心不全や成長ホルモン関連、腎不全、周産期疾患の割合はどのくらいいるかなど、そういうものを把握するために行っているものです。調査の対象としては、病院、一般診療所、歯科診療所を抽出して行うものです。入院・外来の患者様については、10 月の3日間のうち、どれか、医療機関ごとに定めた1日における入院患者さん・外来 患者さんについて回答していただくものです。退院患者さんについては、9月1日から 30 日までの1か月間に退院された方について御回答いただくことになっております。
こちらも先ほどの医療施設調査と同様で、調査票については幾つか種類があります。これは目的に応じるのですが、病院なら病院何とか票でして、 一般診療所なら一般診療所票、歯科診療所なら歯科診療所票になっています。また、病院票についても、入院票と外来票とありまして、入院について聞きたい方は入院票、外来について聞きたい場合は外来票という形で名前を分けておりまして、全部で合計7種類存在します。
こちらについて、更に主な変更点をまとめているのが資料 2-2です。先ほどの医療施設調査とは異なって、患者調査自体は、何か新たな質問項目等といったことではなくて、あくまで時点修正に近い形と考えていただければスムーズかと思います。
こちらの質問票のほうも説明させていただきますが、患者調査の調査事項の1つとして、どんな診療費の支払を行っていたかを聞いております。例えば、それは労災の保険だったのか、一般の国民健康保険だったのかというようなことと聞いているのですが、その中の1つとして「退職者医療」というものが存在しておりました。退職者医療制度については以前に終わっておりまして、もう存在しておりませんので、削除するというものです。平成 20 年に廃止され、経過措置として残っていましたが、令和6年3月 31 日をもって廃止 となり、制度としてはもう存在していないため、ここからは削除させていただこうと思います。
続いて、調査事項、特に入院票に関してですが、入院された患者さんにつきまして、どの病床に入院したかについても併せて聞いております。一般病床なのか、感染症病床なのか、精神科病床なのか。その中で、今まで「療養病床」というものがありました。療養病床については、医療保険を主とする医療用病床、介護保険が適用される療養病床がありましたが、介護保険自体が適用された療養病床はもうなくなって、令和6年3月 31 日をも って経過措置が到来し廃止となっており、多くのものは介護医療院に移ったと思いますが、 存在していないため、時点修正ということで削除させていただいています。こちらについての私からの説明は以上です。
○野口分科会長
どうもありがとうございました。それでは、患者調査について、先生方から何か御質問、 御意見があれば、いかがでしょうか。よろしいでしょうか。もし特段の御意見、御質問がなければ、本議題については、令和8年患者調査の調査計画案については、委員の先生方から了承されたものとさせていただきます。よろしいでしょうか。
(異議無し)
もし何かあれば、戻ってきても構いませんので、一旦ここで了承されたものとさせてい ただきます。よろしくお願いいたします。
続きまして、議事3「人口動態調査の調査計画案について」です。事務局から御説明を お願いいたします。
○村田統計管理官
人口動態・保健社会統計室長の村田でございます。私からは、資料3、人口動態調査の主な変更点(案)について御説明します。
1ページを御覧ください。これは、人口動態調査の概要をまとめたものです。まず、調査の目的ですけれども、人口動態調査は、出生、死亡、死産、婚姻、離婚の人口動態の5事象の実態を明らかにすることを目的としております。人口や厚生労働行政施策の基礎資料を得るための重要な調査で、こちらも基幹統計となっています。
次に、調査の対象ですけれども、戸籍法に基づき届け出られた出生、死亡、婚姻、離婚、 それから、死産の届出に関する規程に基づき届け出られた死産、これらの全数を対象とし ております。
上から4つ目に調査の方法があります。例えば出生届、死亡届といったような出生や死 亡、婚姻、離婚、死産の届書等に基づきまして、市区町村の職員が人口動態調査の調査票を作成するといった方法で、これらを収集し、集計した統計が人口動態統計となっています。
調査票は、ここにお示しした5種類となっておりまして、例えば離婚票であれば離婚届に基づく事項を調査事項としております。また、(注)にありますように、5年に1度、 国勢調査の実施年の4月から翌年3月までは、通常の調査事項に加えまして、職業・産業 に関する事項も報告を求めております。
続いて、2ページを御覧ください。こちらが今回の変更点で、共同親権の導入に伴う変更についてです。法令改正に伴う変更となっております。変更内容ですが、上の四角囲みの中にありますように、令和6年に民法等の一部を改正する法律が成立、公布されておりまして、父母が離婚をするときの親権者について、これまでは父母の一方を親権者と定めておりましたけれども、改正後は父母双方又は一方を親権者として定めることとされました。この父母双方を親権者として定めることを「共同親権」といっております。共同親権の導入に伴いまして、戸籍法施行規則で定める離婚届が改正されることとなりますので、離婚届の改正に合わせて人口動態調査の離婚票も変更するというものです。具体的な離婚票の変更内容を下にお示ししています。左側が変更前、右側が変更後となっています。変更前の離婚票は、(5)の未成年の子の数の所につきまして、「夫が親権を行う子」、「妻が親権を行う子」の2種類の区分となっております。それが、変更後は右側にありますように、一番上の欄と一番下の欄を追加しまして、「父母双方が親権を行う子」、これが共同親権ですけれども、それから、「父(夫)が親権を行う子」、「母(妻)が親権を行う子」、「親権者の指定を求める家事審判又は家事調停の申立てがされている子」、この4種類の区分に変更することとします。
続いて、3ページを御覧ください。こちらは、今回の共同親権の導入に伴って変更する離婚票に係る統計表の変更点です。左側が変更前、右側が変更後となっております。まず、上巻、離婚の第9表を御覧ください。変更前の所を見ますと、「夫妻が親権を行う子の数別」という分類がありますが、こちらにつきましては、1ページ前で見た、夫が親権を行う子と妻が親権を行う子の2つの欄の数を合計した人数、すなわち、夫妻の未成年の子の総数で分類しているものです。変更後は、前のページで見た右側の4つの欄、4つの親権の種類の所に書いてある子の数を合計した人数で分類して、同様の集計をすることになるのですけれども、その際、今までの分類名として「夫妻が」という用語を用いていましたが、こちらの用語が今回導入する共同親権と間違われやすいのではないかと考えまして、今回、表記を「親権を行う子の数別」と、シンプルに変更することとしました。
それから、次に第 10 表、第 11 表を御覧ください。変更前のほうに、「親権者(夫-妻)別」という分類がございますが、こちらは、夫妻の未成年の子供たちが、離婚後、どのような親権の状況になるのか、その組合せについて集計したものです。こちらにつきましては、親権の種類が今回4つに増え、それらを全て羅列すると煩雑になるので、こちらも単純に「親権者別」と表記をシンプルに変更することにしたということです。
続いて、中巻の離婚の第7表です。こちらについては、「夫妻が親権を行う子の数」、すなわち、子の総数と、「妻が親権を行う子の数」をクロスした集計表を取っておりました。ここの「妻が親権を行う子の数」ですけれども、今回、親権の種類が4つに増えますので、変更後は、ほかの親権の種類についても、夫妻が親権を行う子の総数の数とのクロス表を作成したいと考えております。ですので、ここの「妻が親権を行う子の数別」という分類を、「親権の種類・子の数別」という形に変更したいと思っております。あと、先ほど説明したとおり、「夫妻が親権を行う子の数」という表記を、「親権を行う子の数」という表記に変更するということで、第8表についても同様です。
続きまして、4ページを御覧ください。「調査計画」の記載変更についてです。こちらは、調査の内容を変更するものではなく、あくまで記載ぶりの変更ということになります。 記載の変更内容についてですが、四角囲みの中に※で記載しておりますように、現在の「人口動態調査の調査計画」の記載におきまして、総務省から示されているマニュアルに沿った記載になっていない箇所がございます。そのため、今回、調査計画へ追記等を行うものです。括弧書きにも示しておりますように、実質的な内容変更は伴わないものです。 具体的には、上のポツですけれども 、「報告を求める事項」のうち集計しない事項があるのですけれども、そちらにつきまして、赤字で掲げておりますような各調査票の「氏名」、「施設の名称」といったものが記載されておりませんでしたので、今回追記するということです。それから、2つ目のポツですけれども、「公表の期日」の所で、冒頭で御紹介し た5年に1度調査する職業・産業に関する事項について、こちらの公表期日を記載しておりませんでしたので、実態に合わせてその追記を行うということです。私からの説明は以 上です。
○野口分科会長
ありがとうございました。それでは、ただいまの御説明について御質問、御意見等、委員の皆様から何かございましたら、よろしくお願いいたします。主として民法の改正に伴う変更事案だと思いますが、いかがでしょうか。特にございませんか。黒田委員、よろしくお願いいたします。
○黒田委員
すみません。今回の変更点ではないところですが、1点素朴な質問ですけれども、婚姻票の説明の所で、「夫妻の生年月、夫の住所」と書いてある所の「夫の住所」なのですが、これは夫でないといけないものなのでしょうか。その経緯みたいなものを教えていただければと思いまして、質問になります。
○野口分科会長
どうもありがとうございます。村田人口動態・保健社会統計室長、よろしくお願いいたします。
○村田統計管理官
こちらの人口動態調査につきましては、基本的に戸籍法で定める、ここですと婚姻届に基づいて調査しております。婚姻届が夫の住所を記載するようになっておりますので、こちらの調査としては、そのまま夫の住所を調査するということになっております。
○野口分科会長
黒田委員、いかがでしょうか。
○黒田委員
分かりました。書類に合わせてということであれば、仕方がないのかもしれませんが、 一方で、離婚票のほうは「別居前の住所」になっているので、これは、離婚する前までは同居しているということが前提に作られているのかなと理解しました。そういうことであれば、婚姻票も「同居の住所」などにしたらよいのではないかなと素朴に思ったものですから、少しコメントさせていただいた次第です。
○野口分科会長
ありがとうございます。これは、離婚票や婚姻票の、いわゆる登録するそのままの文言になっているという理解でよろしいですよね。
○村田統計管理官
離婚届や婚姻届をそこからそのまま転記することになりますので、調査事項もそのままとなっています。ですので、先生の御意見等を反映するためには、大元の婚姻届や離婚届を改正するということを経ないと直せないということになりますので、申し訳ありませんけれど、私のほうでは。少しお待ちください。すみません、もしかすると、婚姻届のほうは夫と妻と両方入っているかもしれないということですので、人口動態調査のほうの問題かもしれないので、こちらは少し確認させていただきまして、今回引き取らせていただくということで、先生の御意見を頂戴したということで御理解いただければと思います。
○野口分科会長
黒田委員、それでよろしいでしょうか。黒田委員をはじめ、皆さんに追々させていただきたいと思いますので、お調べいただいてもよろしいでしょうか。
○黒田委員
よろしくお願いいたします。
○野口分科会長
ほかにいかがでしょうか。特にないようでしたら、本議題についても、皆様の御了承が得られたということとさせていただきたいと思います。
(異議無し)
どうもありがとうございました。
それでは、最後の議事4「その他」ですが、本日は、「疾病及び関連保健問題の国際統計分類」第11回改訂分(ICD-11)「疾病、傷害及び死因の統計分類への適用」について、御報告があると伺っております。事務局から御説明をよろしくお願いいたします。
○清水国際分類情報管理室長
続いて、私、ICD室長を併任しておりますが、資料4を用いて説明をさせていただきます。こちらは審議事項ではなく報告事項になります。
1.「疾病及び関連保健問題の国際統計分類」(ICD)についてとなっています。ICDについて簡単に触れさせていただきます。これは、国際的に統一した基準で定められた死因 ・疾病の分類となっております。
ちょっと移ります。現行はICD-10、これはバージョンが変わるときに数字が増えていくと御理解いただければと思います。当初、いわゆるICD-1なるものがあったのですが、ICDの当初は1900年頃にヨーロッパのほうで作られたものとなっており、数十年に1回改訂されるなどし、今はICD-10が使われているのですが、新しくICD-11が出たということです。
このICDとは何かと言うと、申し上げたとおり、国際的に作られた疾病及び死因の分類となります。次のページにあるのですが、日本はWHOに加盟しており、加盟国は、保健総会が決定した方法によって提出しなければならないとなっており、第2条にもあるのですが、WHOのメンバーである日本は、これを使って国際機関のWHOにデータを提出します。当然、加盟国であるほかの国も、これに基づいてデータを提出することになりますので、 要は、データ同士結合がしやすくなるというものになっております。
例えばクロイツフェルト ・ ヤコブ病などがあると思うのですが 、これは、いわゆるICD-11では神経系の疾患である第8章に分類されております。こちらは感染症でもある同時に神経の疾患でもありますが、ICD-11では神経の疾患の章に分類されております。そのほかにも動眼神経麻痺、目の動きをつかさどっている動眼神経があるのですが、これも脳神経の疾患でもあるのですが、実際はこれは視覚系の疾患の章に分類されております。また、現行のICD-10では、インフルエンザという分類名は感染症ではなく呼吸器の章に入っています。
当然、日本がWHOに出すデータ、今年度、血液関係の疾患で何名死亡した、耳鼻科疾患に何名罹患しているといったデータは、これに基づいて出すことになっておりますので、当然、提出するデータのもととなる公的統計についても、ICDに基づいて集計するということになっています。そのため、先ほど申し上げた患者調査、人口動態統計も、得られたデータを分類する際には、ICD-10に準拠した統計基準を用いているというのが現状とな っております。ICDに基づいて統計基準を作っているのですが、統計基準というのは統計法に基づいており、統計を所管するのは総務省になりますので、告示も総務省で行うこととされ、最終的には総務省の統計委員会(統計基準部会)のほうで了承を頂くというステ ップが必要となります。ICD-11自体は、2022 年4月にWHOによって発効されており、最低5年の移行期間を設けるということで、私たちのほうでも適宜準備を進めておりました。
別添2に移ります。128ページです。これが、ICDを用いて統計分類を作る際の手続となります。厚生労働大臣のほうから令和6年9月2日に社保審のほうに諮問をして、この分科会のほうに付議して、分科会から部会のほうに令和6年9月 17 日に付議されておりました。それを踏まえて、このICD部会、「疾病、障害及び死因分類部会」とありますが、ICD委員会等々の協力も踏まえて作成しております。このICD委員会自体は、いわゆる30~40学会の先生方に御協力いただいておりますし、部会のほうは、 内科学会の理事長南学先生も含めて、様々な先生方、日本医師会、歯科医師会の方々にも入っていただきながら、最終的に、この分類表の改定案を令和7年6月に作成しております。これ自体は、もうパブコメもさせていただいております。
このように丸4、丸5、丸6とありますが、厚生労働大臣のほうから総務大臣のほうに、丸7の案を令和7年6月23日の答申後にお送りしております。今後いつになるかは分かりませんが、できれば今年度中、総務省のほうでこちらを審議していただいて、私としては、できれば令和8年1月に告示してほしいというように考えております。告示されましたら、その後、1年間ぐらいの猶予期間があれば、令和9年ぐらいに施行となり、その後、準備ができた公的統計から、徐々にICD-10から11に移行していただきたいと私としては希望しております。私からの説明は以上です。
○野口分科会長
どうもありがとうございました。ただいまの御説明について、御質問や御意見等を含め、 委員の皆様方から何かありますか。基本的に報告事項で協議事項ではないのですが、何か御質問等があれば、是非お願いします。石井委員、よろしくお願いいたします。
○石井委員
御説明ありがとうございました 。ICD-11導入時の運用の話になると思うのですが、ICD-10が導入されたときに、心疾患で統計の不連続性が起きましたが、その際、ブリッ ジコーディングが余り詳細なものが残っていなかったので、統計の利用上、問題がありました。ですので、今度、ICD-11が導入されたときには、可能であれば、研究ベースで利用するということだけでも結構ですので、ブリッジコーディングデータをマイクロデータの形で残していただくことを御検討いただければと思います。
○野口分科会長
清水国際分類情報管理室長、いかがでしょうか。
○清水国際分類情報管理室長
御意見ありがとうございます。統計の継続性ということは非常に大事だと認識しております。私はICD室なので、統計基準を示す所なので。もちろん、告示した後は、各調査主体とも話す機会はいろいろとありますので、先生方のブリッジコーディングの重要性というものは、もし調査主体と意見交換することがあれば、しっかり伝えていきたいと思います。
○野口分科会長
石井委員、いかがでしょうか。
○石井委員
ありがとうございます。
○野口分科会長
ほかにいかがでしょうか。特にありませんか。どうもありがとうございました。本日の委員の皆様からの御意見を踏まえ、引き続き統計分類の整理に努めていただきますよう、 担当の皆様におかれましては、何卒よろしくお願い申し上げます。本日、予定しておりました議題は以上となりますが、全体を通じて御質問や御意見等、改めて委員の先生方からいかがでしょうか。よろしいでしょうか。
それでは、本日の議題はこれをもちまして全て終了となります。事務局のほうへお返ししたいと思います。どうもありがとうございました。
○髙橋参事官(企画調整担当)
皆様、本日はお忙しい中、御出席いただきありがとうございました。これをもちまして、 第30回社会保障審議会統計分科会を閉会させていただきます。皆様、本日はありがとうございました。(了)
照会先
政策統括官付参事官付統計企画調整室
電話:03-5253-1111(内線7373)