2025年7月16日 第18回政策評価に関する有識者会議 労働WG 議事録

日時

令和7年7月16日(水)09:55~12:08

場所

厚生労働省共用第9会議室

出席者

玄田座長、岩佐委員、新田委員、松浦委員、皆川委員、村上委員

議事

議事内容
○政策立案・評価担当参事官室長補佐
 委員の皆様もお集まりのようですので、少々お時間が早いのですが、ただいまから「第18回政策評価に関する有識者会議労働WG」を開催いたします。政策評価の担当をしております坂根でございます。どうぞよろしくお願いいたします。委員の皆様におかれましては、お忙しい中、お集まりいただきまして誠にありがとうございます。
 なお、人事異動により、今月8日付けで調査分析・評価担当参事官として諏訪が着任しております。

○調査分析・評価担当参事官
 参事官の諏訪と申します。よろしくお願いいたします。

○政策立案・評価担当参事官室長補佐
 本日の会議では、事前に御案内したとおり、ペーパレスとしてタブレットでの会議とさせていただきます。資料となるファイルは「ファイル」とある青いアイコンの中に格納されております。下にスクロールすると次のページに、横にスクロールすると次の資料にまいります。
 本日、報道関係者の方はいらっしゃらないかも知れませんが、御連絡です。本日の会議の撮影に関して「頭撮り可」としているところですが、撮影はここまでとさせていただきます。
 それでは、この後の議事進行につきましては、座長の玄田先生にお願いしたいと思います。どうぞよろしくお願いいたします。

○玄田座長
 改めましてよろしくお願いいたします。本日は「議事次第」にございますとおり、5つのテーマの実績評価書案につきまして、委員の皆様に御議論いただきます。よろしくお願いいたします。
 それでは、配布資料及び本日の議事の進め方について事務局より説明をお願いいたします。

○政策立案・評価担当参事官室長補佐
 議事の進め方について御説明いたします。お手元の議事次第を御覧ください。まず、議事(1)の令和7年度に実施する政策評価について、議事にありますⅰからⅴの順番で御議論いただきます。テーマによって多少時間が異なりますが、まず、担当課より5分程度で説明を行い、その後15分~25分程度で御議論いただく形で進めさせていただければと思います。説明を終えた課は随時退出いたします。
 なお、会議資料の「概要(実績評価書(案)のポイント)」の2ページ目に、実績評価書の「確認すべき主な事項」をまとめておりますので、こちらも適宜御参考にしていただいた上で、委員の皆様から御意見を頂ければ幸いです。
 また最後に、議事(2)として、前回(今年2月)に行われましたWGにおける御意見等への対応状況につきまして事務局から御説明等のお時間を頂きたいと思っております。事務局からは以上です。

○玄田座長
 ありがとうございました。それでは早速、議事に入りたいと思います。1つ目のテーマ、「施策番号Ⅲ-3-2 被災労働者等の社会復帰促進・援護等を図ること」につきまして、担当課から5分程度で御説明をお願いいたします。

○労働基準局労災管理課長
 それでは、労災管理課と補償課から説明させていただきます。
資料1-2の5ページを御覧ください。「概要」と書いておりますけれども、我々の事業としましては、測定指標として1、2、5、6、7の5つを設定させていただいています。6ページを御覧ください。この測定指標に関する達成状況について御説明します。
 まず、測定指標1の「医療リハビリテーションセンターの退院患者の割合」です。入院患者の重症度を問わず、確実に達成すべき数値目標として80%に設定させていただいておりますが、令和6年度の実績が89.9%ということで達成して、目標達成率112%となっています。要因としましては、複数の専門家が連携して患者ごとの治療プログラムを作成したこと、職業リハビリテーションセンターと事業評価の面で連携したことが挙げられています。目標達成率の推移も順調であることから、今後も適正な取組に努めてまいりたいと考えております。
 続いて測定指標2の「アフターケア手帳の交付申請等から決定まで1か月以内であったものの割合」です。例年の実績を見て、目標値は80%としていましたが、実績が80%ということで達成率100%となっております。近年は目標を達成しているところですが、引続き迅速な交付と事務処理に努めてまいりたいと考えております。
 測定指標5の「ケアプラザの入居者アンケート調査で、有用であった旨の回答があった割合」です。入居者のニーズが多岐にわたっております近年の実績を鑑み、目標値を90%と設定してきましたが、実績値92.7%ということで達成率103%ということでした。施設運営受託者が調査結果を参考としていることが達成要因であると評価しています。今後も質の高いサービスを提供していきたいと考えております。
 測定指標6の「労災就学等援護経費の申請から決定までの期間が1か月以内であったものの割合」です。適切な審査を行う必要があることもあり、近年の実績を鑑み、当初80%と設定していましたが、実績は84.7%ということで、目標達成率106%であったところです。都道府県労働局に対して、事務取扱い等の周知を実施していることが達成要因として考えられますが、近年は目標を達成しておりますので、今後も迅速かつ適正な支給事務に努めてまいりたいと考えております。
 最後に、測定指標の7の「労災保険指定医療機関数」についてです。着実な件数増加を目指し、目標値は前年比で300件以上増加させて、4万5,281件以上と設定しています。残念ながら、実績値は4万4,926件、達成率99%ということで、達成できなかったところです。労災診療費の請求手続が健康保険と異なる点が、労災患者の少ない医療機関にとってはネックになっているという可能性があります。令和5年度の国内医療機関数は前年度と比較して減少していますが、一方で、この労災保険指定医療機関が令和2年度から令和6年度の期間に700件以上増加しているということから、取組は一定程度続いていると評価しています。しかしながら、次期以降については、より適切な指標を設定することも含めて検討していきたいと思います。
各事業の達成状況を踏まえて、目標達成度の総合判定は、Bということで、「達成に向けて進展あり」としております。目標達成状況と評価については以上となります。

○玄田座長
 御説明をありがとうございました。それでは、ただいまの内容につきまして御意見・御質問等がありましたら、よろしくお願いいたします。どなたからでも結構です。岩佐委員、どうぞ。

○岩佐委員
 最後の指標7のところで、病院等を増やしていこうということなのですが、前提として、「今の現状で労災を受けておられる方が欲しておられる病院数がこの数である」ということなのか。どの程度困っている状態であるというようなことなのか。書かれているように病院の経営状態などもいろいろ大変なところもあると思うのですが、本来としては、来年到達するべきというよりも、「もっと数が多くないといけないけれども、この辺りにいます」ということなのか。全体の中での、今の目標の位置を教えていただけるとありがたいというのが1点です。
 もう1点は、地域的な偏りみたいなものがあるのかないのか、状況によっては目標として、地域的なものを目標にしていくという予定なのか。この2点をお聞かせいただければと思います。

○玄田座長
 御回答をお願いします。

○労働基準局補償課長
 今の点にお答え申し上げます。まず、1点目は現状がどうなっているのかということです。今、指標としては、労災保険指定医療機関数を増やすという方向でやっていますが、究極的には全ての被災者の方がお金を払わなくても現物給付をきちんとできるという状況が望ましいのかなと思います。そのために、これまでは医療機関数にターゲットを当てて、それを増やしていこうということでやっていたわけです。
 実は、金額ベースで、療養給付で現物給付をできるのが今は98%ぐらいなので、ほとんど現物給付をできている状況なのですが、今回は指標7の目標達成率が99%ということで、今後、これを追ってもいいものか、というところは少し考えなければいけないなと。別の指標で、例えば、今言ったような98%をキープしていくなど、そういった目標に変更してもいいのではないかと思っています。一方で、全体の医療機関が高齢化、人手不足、お金の関係もあって、これからは医療機関自体が少し減っていくので、労災保険指定医療機関数を追い求めるのも、少しどうかなと今のところは思う次第です。
 それから、地域的な関係の点で申し上げたいと思います。都道府県の状況を見ますと、労災保険指定医療機関の割合で、病院、一般の診療所、歯医者を含めた数字になっていますが、傾向を見ますと、歯医者はほとんど労災がないので、たまたま事故で歯を折ったから行くなら分かりますけれども、基本的には、歯医者が多い所は労災保険指定医療機関の割合が少ないかなというように考えます。大都市圏が結構多いのですが、歯医者の割合が多い所は入ってくる率が少ないという傾向になっていると思います。以上です。

○玄田座長
 よろしいですか。皆川委員、お願いします。

○皆川委員
 御説明、どうもありがとうございました。今の岩佐委員から御質問があった点と少し関わるところなのですが、指標7のところで、地域的な面で、労災指定医療機関の占める割合についての御質問がありました。これは現状としてお聞きしたいのですが、今御説明いただきましたように、現物給付できている割合が98%ということで、トータルで見ると適当なところに必要な提供が労災関係でできている、概ね達成できているということかと思います。
 ただ、地域によっては、労災で指定されている医療機関が少ない所だと、確かに診療は受けられるけれども遠い所まで行かなければいけないとか、こういった問題もあろうかと思います。大都市圏だったら比較的近くにたくさん病院があるので行きやすいということがあると思うのですが。そういった意味で、目標として、全体としては現物給付を達成できている中で、利便性といいますか、各地域における利便性とかで何か課題のようなものはないのかということ、その点についてお伺いしたいと思います。いかがでしょうか。分かる範囲でお答えいただければと思います。

○玄田座長
 御回答をお願いします。

○労働基準局補償課長補佐
 補償課の岡久と申します。よろしくお願いします。患者が身近な地域で医療を受けることが望ましいという観点から地域医療支援病院制度が医療法で定められています。これは都道府県知事が認可するものですが、全国で707の医療機関がそれぞれの地域で認可されているという現状があります。
 調べてみたところ、この707の地域医療支援病院のうち701が労災指定を受けています。残りの6は、小児科専門なので、基本的には労災の患者がいないということです。地域医療支援病院制度というのは、労働分野の施策ではないのですが、一定程度、各地域に対しての労災保険の指定病院というのは現状でも充足しているものと考えています。

○皆川委員
 御説明、ありがとうございました。今回、参考の指標9で、各都道府県の医療機関に占める労災指定医療機関に占める割合について載せていただいているのですが、今後、もし必要がありましたら、地域的なバランスを考慮した目標というものも、将来的にデータと合わせて御検討いただければと思います。私からは以上です。

○玄田座長
 その他、いかがでしょうか。村上委員、お願いします。

○村上委員
 御説明いただきありがとうございました。達成目標1の指標1についてです。こちらについては、令和6年度も含めて、実績が目標を10%程度上回る状況が続いています。この赤い字の数字については、目標の引上げを考えてはいかがかという意見を申し上げたところです。こちらにつきましては資料でも御説明いただいておりまして、様々な理由から、この目標値を続けたほうがよいという御説明が書かれているところです。特に、独法の労働者健康安全機構の中期目標と同率ということで、引上げは適当ではないという御説明であると認識しております。
 これはこれでよろしいかと思うのですが、そうであれば、達成目標のアウトカム指標として、この指標だけでよいのかというところは御検討いただいてもよいのではないかと思いました。こちらの目標だと恐らく、労災で、けが等をされた方が対象となってくるかと思いますけれども、社会復帰という観点からすると、メンタル関係の指標もあり得るのではないかと考えておりまして、そういった点についても御検討いただければと思います。以上です。

○玄田座長
 いかがでしょうか。

○労働基準局労災管課課長
 御質問、ありがとうございます。この指標につきましては、前回からも指摘いただいているということですので、指標1の80%につきましては、令和7年度目標から目標値を引き上げる方向で検討させていただきたいと思います。具体的に、何パーセントまで引き上げるかということにつきましては、実務を行っております独立行政法人とも相談しながら適切な数値に設定し直したいというように考えております。

○玄田座長
 そのほかに、いかがでしょうか。よろいですか。それでは、特に御意見がないようですので、担当課におかれましては、本日の御議論を踏まえて実績評価書への反映をよろしくお願いいたします。ありがとうございました。それでは、次のテーマに移りたいと思いますので御準備をお願いします。

○玄田座長
 続きまして、「Ⅳ-1-1 女性の活躍推進や男女労働者の均等な機会と待遇の確保対策、ハラスメント対策、仕事と家庭の両立支援等を推進すること」につきまして、担当課から5分程度で説明をお願いいたします。

○雇用環境・均等局総務課長
 それでは、資料2-2、概要の5ページ、6ページを中心に御説明します。事前に問題意識等を頂いているところがありますので、その辺りを中心に御説明させていただきます。
 まず、基本目標、施策大目標、施策目標とありますが、そもそも全体的に大くくりすぎないかという趣旨の御意見を頂いています。そう言われてみれば、そうかと思わなくもないのですが、若干言い訳をさせていただくと、例えば女性の活躍推進ということと、仕事と家庭の両立支援というのは、結構、裏腹の所もありますし、あと、ハラスメント対策も今回、女性活躍推進法の改正が国会で可決されましたが、女性活躍の基本計画にハラスメント対策を入れるという構成的なところもありますので、そういった意識もありますが、大くくりすぎないかという御指摘もあるということですので、また今後、この立て方を少し検討させていただきたいと思います。
 それから、この1と2と3とあるのですが、一番右側の3.柔軟な働き方という所があって、何かここに、自営型就業者のテレワーク化の話だけがあって、これだけでしたかという話になって、それもある意味、ある種、御指摘の所で、実は大目標の3-1がその後の所にあります。いわゆる我々がよく言うところの、多様で柔軟な働き方というところは、実はそこにくくっています。基本的には自営型就業者のテレワークはその事業自体を、柔軟な働き方という言い方をしているところがあって、すみません、少し分かりにくかったかもしれません。ここは、また施策目標の組み方の中で検討させていただきたいと思います。
 個別の指標についても御指摘いただいていました。まず、達成目標1という所ですが、この指標の1というのは、いわゆる一般的にM字カーブという所で、一旦、落ち込みというところですが、それで大分解消したのではないかと、そろそろL字の時代ではないのかという御指摘いただいています。これは御指摘も踏まえて、また、ちょうど今年は、男女の基本計画の6次計画の見直しがあります。恐らく12月ぐらいになると思いますが、全体的な指標を見直します。ちょっと政府計画との整合ということを意識しないといけないので、そういうものも踏まえて今回、考えたいと思っています。
 それから、指標の2は△となっていますが、いわゆる管理職割合です。これについては、もうちょっと頑張る必要があるのではないかという趣旨の御指摘を頂いていました。これは残念ながら目標には届いていないというところですが、これについては今回の女性活躍推進法の改正の中で、1つは男女間の賃金差異、もう1つは、新たに管理職比率についても情報公表していくということを、101人以上の規模の企業に義務付けるということをやるということです。これは来年の4月から施行を予定していますので、こういったこともテコにして対応していきたいと思っています。
 あと、指標の7と8など、今回、まだ出せていないものがあります。いわゆる報告徴収や指導などの件数です。すみません、これは精査していまして、間に合わなくて大変申し訳ありません。
 それから、指標の10の所ですが、これはイクメンプロジェクト公式サイトへのアクセス件数の話です。1つ、達成目標率は非常に落ち込んでいるのは、これは前の指標は、分かりやすく言うと、クリック2回すると2回アクセスしたことになる。要するに、再読み込みをすると、もう1回アクセスしたことになって、ダブルカウントのようになっていたのです。それは仕様を変えたということで、より適切な数字を取れるようになったので、旧来の目標と比べると、ちょっと落ち込んでしまったということがあります。ただ、それだけではなくて、そもそも論として、サイトにアクセスすればいいというものではないという御指摘を頂いていました。むしろ、働き方そのものというところについての御指摘、例えば男性が育児休業を取っても、結局、戻った後に長時間労働をしていたというのは話にならないでしょうというところがありましたので、これは〔参考〕指標13という所に、「60時間以上の雇用者の割合」でありますが、そういったところも一つ、目標として掲げているところです。
 それから、指標の17、自営型テレワークの関係なのですが、いろいろな学びの場をやるということで、その中で自営型から更に再就職するということを目標に掲げていたのですが、それは目標と指標が合っていないのではないかという趣旨がありました。恐らくおっしゃるとおりで、目標はちょっと考えたいと思います。これを設定した当時は、結局、育児などの事情があって働き続けることができなくなって、辞職をして、自営型テレワークになったという方が、そういう方もいずれは再就職できるように、施策的な意図があったわけですが、目標との位置付けという点では、いかがなものかというのは、御指摘とおりかなと思っているので、そこはいろいろ検討したいと思っています。

○玄田座長
 ありがとうございました。それでは、御説明について、御質問、御意見をお願いいたします。新田委員、どうぞ。

○新田委員
 御説明ありがとうございました。私から2点申しあげます。1点目は、参考指標のところで、先ほど、既にM字カーブが解消してきているので、今後はL字カーブも考えたいというお話がありました。是非、その方向で御検討いただきたいと思います。配っていただいた資料を見ても、この参考指標6のところで評価のベースとなる調査自体が、5年、6年ごとにしか行われないということもあります。そうしたことを踏まえれば、L字カーブに着目し、それを定点観測するなどして、次回、参考指標に盛り込んでいただきたいと思います。
 2点目は、測定指標9の男性の育児休業取得率についてです。この点については、経団連も男性の育児休業をしっかりやっておこうということで、様々な機会に呼び掛けているところですが、今後は率だけではなくて、期間をみることも必要との認識に立って議論しています。先般、次世代法の指針の中に男性の育児休業取得期間について目標を設定することが望ましいということが盛り込まれたと承知しています。例えば男性の育児休業取得期間に関する目標を設定している企業の割合なども参考の指標に入れ込むことも、すぐには無理かもしれませんが、検討の課題として是非取り挙げていただければと思います。私からは以上です。

○雇用環境・均等局総務課長
 ありがとうございます。M字カーブ、L字カーブの位置付けといいますか、その指標については御指摘いただきましたので、今後、政府全体の目標も踏まえて検討させていただきたいと思います。
 それから、男性の育児休業の取得率自体は大分上がってきて、直近30%ということになっていますが、これは雇用均等分科会でもですね、取るだけ育休では駄目でしょうということも言われています。確かに、かつては数日というものが多かったのも間違いないです。ただ、直近のものを見ると、大体1か月ぐらい取る人というのが増えてきているのも事実です。今の御指摘のその数字、そういった目標を設定している企業割合が取れるかどうかということは、私の記憶ではないのですが、いずれにしても単なる数字というか、取得率だけではなくて、ちょっと中身にも着目すべきだという御意見と承知していますので、ちょっとそういったものを意識して、いろいろ進めていきたいと思っています。

○玄田座長
 松浦委員、どうぞ。

○松浦委員
 イクメンプロジェクトは「共育(トモイク)プロジェクト」に引き継がれるという報道発表が、7月頭になされたと承知しております。そこで、「共育プロジェクト」の趣旨に鑑みても、これまでと同じように公式サイトへのアクセス件数を目標値とすることが妥当だと考えておられるのかどうかについて、質問させて頂きます。「共育」の趣旨として、ワンオペをなくして共に育てることが要点になるとすれば、例えば小学校就学前の子どもを持つ男性では、たしか1時間強にとどまっている家事・育児時間の伸長などを目標とすることも、検討の余地があるのではないかと思いますが、いかがでしょうか。

○雇用環境・均等局総務課長
 目標の関係で、またいろいろ検討させていただきたいのですが、今回、共育ということで、ある意味、衣替えをして、イクメンというのは普通だろうという考え方に立っているわけですが、その中身ということをもっと問うべきだという御指摘だと思います。これは御指摘も踏まえつつ、あと、実際に何の指標が使えるのか。正直に申し上げると、我々としては、ある事業をやったときに、まず新しいものを始めたときには、それがどれぐらい広がっていくかということを見ていくということが1つありますので、それが直接、家事・育児につながるかと。もちろん、いずれはそういうことを狙っているわけですが、その事業として見たときに、どういう指標がいいかというのはいろいろあるかと思います。御指摘の趣旨は理解しているつもりですので、いろいろ検討したいと思います。

○玄田座長
 衣替えなのか、大幅な入替えなのかというところですよね。衣替えなのですか。

○松浦委員
 衣替えというか、これまで進めてこられたイクメンプロジェクトを更新、さらに進化させるということだと理解しています。

○雇用環境・均等局総務課長
 はい、私の衣替えという言い方が適切ではなかったかと思いますが、ちょっと申し上げます。イクメンと言っていた時代というのは、男は何をやってるんだというところからスタートしたと思いますが、恐らく若い世代にとっては、ある程度普遍的な感じになってきているのかなと思いますが、そういったものを進化させるという意味で、今回、称号も含めて公表をさせていただいたということがありますので、御指摘は、更に中身が伴うようにということかと思いますので、そういったことも踏まえて対応していきたいと考えています。

○玄田座長
 いかがでしょうか。村上委員、どうぞ。

○村上委員
 ありがとうございます。御説明の中でこちらから事前にお伝えしたことについて御対応いただきましてありがとうございました。新田委員と重なるのですが、まず、達成目標1の指標1については、L字カーブに変更していくことが必要ではないかと考えています。労働力調査での25歳から44歳の女性の正規雇用比率なども指標として考えられるのではないかということです。
 それから、達成目標2の件については、新田委員からも御指摘がありましたが、育児休業の取得期間は大変重要ではないかと考えています。以前は取得期間は、目標を設定している企業の割合といったことをおっしゃっていたと思うのですが、もう少しダイレクトに男性の育児休業取得期間を設定するということもあり得るのではないかと考えています。令和5年度は、男性で育休から職場復帰した方のうち、58.1%が1か月未満の取得ということから、1か月以上取得した男性の割合ということも、考えられるのではないかと考えていますので御検討いただければと思います。
 また、先ほどのイクメンプロジェクトに関して、文書の中で少し気になった点があったので教えていただきたいのですが、6ページの施策の有効性についてです。「施策の分析」で有効性の評価について書かれている所で、このことが「実際に男性の育児休業取得率向上という結果につながるなど一定の効果も上げている」とあるのですが、そのサイトへのアクセス件数と取得率向上の因果関係を示すようなものがあるのか、ないのかということについて、教えていただければと思います。
 最後に、もう1つ、フリーランス法に関してですが、指標18に「フリーランス110番の満足度」がありますが、それ以外に、法施行に併せて全国の労基署で設置しました労働者性の相談窓口における相談件数なども含めて、少し指標を追加していくことも必要ではないかと考えていますので御検討いただければと思います。以上です。

○玄田座長
 それでは、御回答をよろしくお願いいたします。

○雇用環境・均等局総務課長
 まず、目標の立て方については、いろいろ頂いた御指摘も踏まえて、政府全体としての位置付けも見ながら検討したいと思います。育休の期間についてどうするかというところ、御指摘いただいているところで、若干申し上げますと、まず、政府としての大目標が50%というのは目前に迫っているということ、あと、85%という高い目標がありますので、まず第一に、そこからというのが一応、政府の立場としてはありますが、御指摘も踏まえながらいろいろ検討したいと思います。
 それから、イクメンの効果というところで、確かにアクセス数が増えたら、男性の育休が増えるかのごとき書き方だとすると若干の飛躍があるかなという御指摘は、恐らくそのとおりかなと思っています。これだけでいけるとは我々もさすがに思ってはいませんが、やや評価の技術的なところですので、いただいた御趣旨を踏まえながら今後の指標、評価の仕方については少し工夫をしたいと思います。
 あと、フリーランスの関係は、昨年の11月に施行をしたばかりということですが、これについてはいろいろ相談件数も、昔に比べれば大分増えているということもありますので、今後ちょっと、施行の状況についても、またお話をしていく中で、いろいろなあり方について検討させていただければと考えています。

○玄田座長
 よろしいですか。そのほかいかがでしょうか。皆川委員、どうぞ。

○皆川委員
 御説明ありがとうございました。私も関連して、今、村上委員が最後に聞かれた所のフリーランス・トラブル110番ですが、指標18について若干お伺いしたいと思います。確かに、フリーランス法が施行されたのは去年からですが、フリーランス・トラブル110番の相談窓口における相談件数はずっと右肩上がりに上がってきているということだと思います。この相談件数は、いわゆる報酬のカットや未払い、変更など、そういったものもあれば、今回その政策目標の直接というか、対象となっている家庭生活、育児との関わりなど、いろいろなものがあり得ると思うのですが、ここでの相談件数の数と、その指標18で相談者が「とても満足」、「満足」と回答したものの割合というのは、これは全部引っくるめての相談件数ということでよろしいのでしょうか。

○雇用環境・均等局総務課長
 全体ですね。

○皆川委員
 分かりました。ありがとうございます。これは今後の、また、政策目標の設定をどうするかということに関わると思いますが、御承知のようにフリーランス法の規定というのが下請法との関連での報酬の支払等々に関するところと、それからハラスメント防止に対する配慮など、育児や家庭生活との両立など幾つかの種類があります。その中で、今回のこの政策目標との関わりでいくと、やはり家庭生活との両立というところ、今後フリーランスと事業者との関係で、どういった家庭生活との配慮に関して、フリーランスの方からの申出があった場合に行っていくのか。それに対しての相談や、場合によっては苦情ということが出てくるということも考えられますので、本施策との目標でいくと、そこに絞ったというか、ある程度切り分けた上で具体的に、その家庭生活の両立について、フリーランス法との関わりで、両立についてどんな相談があって、場合によっては苦情などがあったときに、どういう相談をしたかという、ある程度性質を絞った分析と、それから評価、それから取組というものも今後は必要になるのかなと考えられるのですが、そういった点について少し、今後は御検討いただきたいという、そういう意見を持ったというところです。

○雇用環境・均等局総務課長
 ありがとうございます。今現在、フリーランス110番の相談状況で、実際に多いのは、契約をしたけれども、払ってもらえない、中身が違うなど、そういう話で、両立的なものというのは数的には正直、そんなにまだありません。ありませんが、ただ、法律が施行されて、だんだん浸透してくれば、そういった相談が今後、また更に出てくるということもあろうかと思いますので、その辺りは相談状況なども見ながら、我々の対応の仕方など、そういったものが仮にもう少し大きく出てきたときに、指標のあり方としてどうするかということを含めて検討させていただきたいと考えています。

○皆川委員
 ありがとうございました。御指摘のように数はそんなに特にすごく多いというわけでは、まだないし、これからもどうかなというところもあるのですが、全体の件数の中で占める割合。御承知のように事業主がフリーランスに対して、どういう配慮をしたらいいのかというのは、これはなかなか法解釈も難しいところで、実際に起きたトラブルなど、相談の中から何が問題になって、どういう配慮が例えば事業主に可能なのかということを、これから練り上げていく必要があるかと思いますので、そういったところの一種の導きというか、指針になるようなものが政策目標との関わりで出てくれば、とてもいいことだと思いますので、御検討いただければと思います。

○雇用環境・均等局総務課長
  大変建設的なサジェッションを頂きまして、ありがとうございます。

○岩佐委員
 私は、この指標の2とか、指標の9とかとの関係で、要するに来年の目標はこうだといって目標値を定めて、こうされていて、それがなかなか急に変わらないというのは、そこは理解もするのですが、一応、本来は例えば指標の2で到達すべきところは男女同じ割合なのではないかなど、それから育休の取得率であれば、全く同じかどうかはともかく、ほぼそれに男女で変わらないところというのが長期的には向かうべきところなのではないかとも思い、そうすると、本当はそこが長期的にそうなのだけれども、とりあえず今の時点では、これを目標にしますみたいな、何かそういうところがちょっとにじみ出るように書いていただくということがあるのかというのが、私の質問です。そう申し上げるのも、ここの問題というのは、平等権とか何か、人権と社会構造に関わる問題なので、本来50であるべきところを今15が目標ですとか、20が目標ですというのは、なかなか届きにくいけれども、とりあえずここから始めているのです。でも、最後はここに向かおうとしているのですという感じが、やはり出ないと、何かいかんのかなという意味で、御質問です。次に、すぐ変えていくというよりも、そういうちょっと長期的に本来いくべきところというのを何か記載できないのかということです。

○雇用環境・均等局総務課課長
 ありがとうございます。我々、何と言いますか、数字というよりも、1つの施策の立て方としては、M字カーブ、L字カーブの解消という形で、我々自体、そのような形、あるいは、例えば男女間賃金差異についても解消していくという考え方だと思います。だから、どうしても実際の数字に落とすときには、すぐ100になるかというと、そんなものではないというところがありますので、そこをどうしていくかというのはありますが、御指摘はそのとおりだと思いますので、そういう最終的な姿を見ながら、目標の設定や施策などを展開していきたいと思います。

○玄田座長
 表現としては、目標と目的とは違うという、目標はターゲットで、まず、そこを通過しないといけないと。目的は最終的なゴールだから、そこは切り分けて、今の段階で目標をという、そこを丁寧に御説明いただくということになろうかと思います。ありがとうございました。
 こちらについては、事前の質問を頂いていて、それ対して御回答を頂いていますが、何か、これについて補足などはありますか。1つ目は、省力化で集計がまだ終わっていないという資料が3つぐらいあるということです。もう1つは、テレワークのeラーニングについて、再就職ということの意味というもので御質問いただいて御回答いただいていますが、何か補足はありますか。

○雇用環境・均等局総務課長
 再就職の関係、これ自体は重要ですが、確かに目標との関係に対応しているかということがありますので、これは、また今後の目標の課題です。あと、ちょっと集計が遅れているのは、間違いがあってはいけないということですので、地方と最終的な確認をしているということで、今回はすみません、遅れてしまったのは申し訳ないと思っています。

○玄田座長
 間違いなくというのは、とてもすばらしいと思いますが、それはもしかしたら方法の問題もあって、やはりまだいろいろな意味で手作業に依存しているところで、間違いが起こるかもしれないということで、時間が掛かるというところで、別の質問もありましたが、もう少しタイムリーに集計できるためには、手作業が必要な部分は残しつつ、もう少し業務的なDXなどを使って効率化をお願いしたいと、多分そういう意味です。

○雇用環境・均等局総務課長
是非、そのように進めていきたいと考えています。

○玄田座長
 よろしくお願いいたします。ほかにはよろしいですか。ありがとうございました。それでは、担当課におかれましては、本日の御議論を踏まえて、実績評価書への反映をよろしくお願いいたします。

○雇用環境・均等局総務課長
 ありがとうございました。

○玄田座長
 それでは、次のテーマに移りたいと思いますので、御準備をお願いいたします。

○玄田座長
 続きまして、「施策番号Ⅳ-3-2  豊かで安定した勤労者生活の実現を図ること」について、担当課から5分程度で御説明をお願いできればと思います。よろしくお願いいたします。

○雇用環境・均等局勤労者生活課長
 勤労者生活課長の安達でございます。今回は、「施策目標Ⅳ-3-2 豊かで安定した勤労者生活の実現を図ること」について、資料3-2に沿って御説明させていただきます。まず、5ページを御覧いただければと思います。この豊かで安定した勤労者生活の実現を図ることに関連して、2つの制度に関する取組をまとめているところです。
 まず、1.中小企業退職金共済制度です。独力では退職金制度を設けることが困難な中小企業について、退職金制度を確立し、中小企業の従業員の福祉の増進と中小企業の振興を図るというものですが、その下にありますように、企業規模別に見ますと、やはり退職金のある企業の割合は低い傾向にあるところです。そういう中で、この制度をいかして、勤労者退職金共済機構が委嘱した普及推進員等の訪問活動等により、事業主に対する加入を促進すること等を通じて、この制度の普及促進を図っていきたいということで、測定指標は、この退職金制度での新規加入被共済者数、また、アウトプットの目標は、普及推進員等1人当たりの月あたり平均の加入勧奨件数としております。
 次に、2.勤労者財産形成促進制度です。これは勤労者の方々が豊かで安定した生活を送ることができるよう、計画的な財産形成を促進するために、この財産形成促進制度により勤労者を支援するというものです。勤労者の貯蓄を天引き等により支援をするとともに融資を行うというものが制度の骨格です。これについては低金利の状況等もあって、計画的に天引き等で貯めていくという制度の性格上、貯蓄として活用していただくケースが多くあります。近年、NISA等の投資関係商品が増えてくる中で件数は減少しておりますが、見ていただくと分かりますとおり一定の利用件数がありますので、これも勤労者退職金共済機構と連携しながら、制度の普及に努めていきたいと考えているところです。アウトカムの目標については、勤労者財産形成促進制度の利用件数、アウトプットについては、この制度の周知回数ということにさせていただいています。
 次のページですが、実績評価の関係で、達成目標1の中小企業退職金共済制度の普及促進ですが、指標1については、目標の人数を上回っているということで、指標2についても加入促進ということで目標を上回っているというところです。達成目標2の財形制度の普及・活用促進については、指標3の利用件数が目標を僅かに下回っておりますが、達成率は98%ということで、おおむね目標を達成しているという状況にあり、指標4の周知に関するアウトプットの目標についても、目標を達成しているというところです。
 中小企業退職金共済制度については、これまでの取組の効果を検証しつつ、より効果的な周知・普及に今後とも取り組んでいきたいと考えております。財形については、指標3の利用者数が目標値を僅かに下回っておりますので、より多く使っていただくために御協力いただいている金融機関とか、事業主や働いている人の意見を伺って、制度の改善に向けて何ができるか、特に手続が煩雑であるという話をよく伺うところですので、その改善のためにどういうことができるのかというところの情報収集も行いながら、制度の更なる利便性の向上を図っていきたいというところです。また、この周知・広報も重要だと思っておりますので、特に制度の導入率が低くなっている中小企業向けに、財形の説明会を実施するなど、効率的、効果的な方法を模索しながら関係機関と協力して周知・広報を行ってまいりたいと考えております。
 事前に頂いておりました質問に関し、幾つか補足をさせていただきます。まず、1点目として、中小企業退職金共済制度の指標2の関係の普及推進員の加入勧奨では、実際に何をもって加入勧奨したとカウントしているのかという御質問を頂いたのですが、これは事業主に直接訪問をさせていただいて、加入の働きかけを行わせていただいた件数を実績としてカウントしているところです。また、2点目としては、この中小企業退職金共済制度について、一方で、確定拠出年金等が広がっている中で、中小企業退職金共済制度も併せて普及する必要があるのかという御質問を頂いています。確定拠出年金等は年金制度ということで、一定の年齢になってから給付するという性格のものである一方、中小企業退職金共済制度は退職金制度であり、それぞれの制度の趣旨・目的は異なりますが、いずれも重要な制度ですので、厚生労働省としては各種年金制度の普及もしっかり行いつつ、退職金制度の普及もしっかりやっていきたいというところです。
 もう1点は、3-1の2ページ目指標2の「指標の選定理由」の箇所についてです。普及推進員による働きかけの加入勧奨件数と加入企業数、加入率というのをそれぞれまとめていますが、加入率の考え方を去年から少し変えました。分母は当該年度に働き掛けた件数なのですが、去年は、分子に前年度までに働きかけを行い当該年度に加入した件数も含めて計算をしていたのですが、やはり当該年度に働きかけた件数の当該年度に入った率というのを取ったほうが、より厳格であろうということで、それで計算をさせていただいたところ、令和6年度は5.7%という結果になりました。ちなみに、令和5年度について同じ方法で計算すると、6.9%ということになり、加入率は令和6年度にかけて下がっているところです。この数値は、令和6年に実施した第15回のWGにて頂いた御提案も踏まえて、新たに参考情報として書き始めたものなのですが、せっかくこういう機会を頂いていますので、結果を分析して、来年度以降の加入勧奨をどういう形で進めていくのかということで活用を検討してまいりたいと思っております。

○玄田座長
 手短にお願いいたします。

○雇用環境・均等局勤労者生活課長
 最後に、参考資料として、中小企業退職金共済制度、特定業種退職金共済制度、財形貯蓄制度の概要とともに、それぞれの加入実績等をお付けしています。特に、中小企業退職金共済制度、特定業種退職金共済制度については、制度の安定的な運営というのは何よりも重要ですので、少なくとも5年に1回の見直しを部会の場でやっておりますが、そういうことを活用しながら、引き続き安定的な運用にしっかり努めていきたいと考えております。長くなりましたが、私からの説明は以上です。よろしくお願いします。

○玄田座長
 ありがとうございました。それでは、御意見、御質問等がございましたら、よろしくお願いいたします。新田委員からでしょうか。いかがでしょうか。

○新田委員
 御説明ありがとうございました。中退共については以前、(労働政策審議会)部会委員を10年ほど務めさせていただき、また、(中小企業退職金共済)機構の参与にも就任しておりましたので、状況はよく承知しています。指標1についても、機構が非常に積極的に取り組まれていて、評価しているところですし、ここには書かれていませんが、実際の加入や、退職金を受け取る際の事務的な簡素化を非常に進めていただいて、利用も進んできていると承知をしています。一方で、指標2の参考の所で、加入を勧めた事業者が実際に加入した割合が非常に低いと思っています。今の御説明の中でも、前年の6.9%に対して5.7%に下がってきているというところは気になっております。ただ、中小企業の経営者の方とお話をすると、まだまだ中退共制度を知らなかったという方がかなりいらっしゃいますし、中退共制度に入ることのメリット、例えば、実際に退職金を支払うときは機構から直接その対象者に対して払ってくれますし、自社の社員が今の時点で辞めたときにもらえる退職一時金額は幾らであるということを、毎年度きちんと機構から送られるようになっていると承知しています。今後、そういったメリットを簡単にまとめたパンフレットやリーフレットなどを活用してさらに進めていただくということと、少ないとはいえ、5.7%の成功事例があるので、それがなぜうまくいったのかという分析なども進めていただいて、ゆくゆくは、そうした取組みを参考指標の中に入れられると非常にいいと思っています。是非、引き続き頑張っていただくようお願いいたします。

○玄田座長
 何か御回答があれば。

○雇用環境・均等局勤労者生活課長
 ありがとうございます。この加入率は非常にいいデータだと思っています。要は、加入割合の低そうな所に頑張って行っているのではないかという議論もあって、加入率だけで評価するのが難しいところもあるかとも思ったのですが、そういうところも含めて、今御指摘いただいたところもありますので、しっかりと中で検討して、目標への対応の在り方も含めて考えていきたいと思いますし、今後の事業展開に当たっても参考にさせていただければと思います。ありがとうございます。

○玄田座長
 そのほか、いかがでしょうか。村上委員。

○村上委員
 ありがとうございます。今の中退共に関しましては、新田委員と全く同様の意見を持っております。労働者にとっても退職金制度があるということも大事ですし、きちんと確保されているということが大変重要だと思っておりますので、引き続きよろしくお願いしたいと思います。
 達成目標2の財形ですけれども、指標の4で、周知活動を30回行えば目標を達成するということですが、1回の説明会でどれぐらいの方が参加されているのかや、次の目標は30回以上とあるのですが、もう少し上げることは考えていらっしゃるのか。周知方法として、説明会がベストなのかどうか、ある程度、限られてきてしまうのですが、もう少し広く周知する方法として、何かお考えなのかということについて教えていただければと思います。

○雇用環境・均等局勤労者生活課長
 ありがとうございます。まず、周知・広報の状況について、評価書に記載している実績は機構に取り組んでいただいている件数ですが、厚生労働省としても、利用件数が少し減ってきているというところも含めて、効果的な対応を検討していきたいと思っております。
 もう1つ、説明会については説明会を受けて初めて財形のことが分かったという方が中小企業を中心に多いので、一定の意義はあると思いますが、ただ実施するだけではなく、実施して良かった点などを適切に評価していけるよう、機構とも連携しながら対応を考えていきたいと思います。ありがとうございます。

○玄田座長
 機構はSNSとかを使って配信されているのですか。

○雇用環境・均等局勤労者生活課長
 はい、SNSでの発信は機構において行っています。厚生労働省としても、去年、インターネットのバナー広告でPRを実施するなどしたところでして、そうした取組に関しては実は一定の反応もありますので、御指摘いただいたような手法も含めて、どういうやり方が良いのかという点につき不断に検討していきたいと思います。ありがとうございます。

○玄田座長
 そのほか、いかがでしょうか。皆川委員、どうぞ。

○皆川委員
 御説明ありがとうございました。測定指標の指標3の勤労者財産形成促進制度の利用件数の所で、1点だけお伺いしたいのですけれども。その点に関わる施策の分析の所で、達成目標2に係る施策の分析の所で、効率性の評価のところで書いていただいているところなのですが、手続の電子化などを進めて効率化を図られているということで、様々な取組をなさっているということをお伺いしました。利用件数としては、少し件数が全般的に下がっている傾向があるのですが、そこの施策の分析のところに書かれておられる手続の電子化等による効率化、簡素化があって、それがプラスに働いているという分析でしょうか。こうやって様々な取組をしているのですけれども、様々な他の、金利とか、その他の状況から、少し利用件数が下がっているという分析なのか。要するに、効率化をきちんと図っていて、それが底上げにはなっているのですが、ほかの状況で利用件数が下がっているというところなのかという、その辺りをちょっとお聞かせいただけたらと思うのですが、いかがでしょうか。

○雇用環境・均等局勤労者生活課長
 一般的には金利などの状況の中で利用件数が減少しているということはあると思います。ただ、財形固有の状況として、事業主を通じて払い込むということで、これは手続が煩雑だと言われる一つの要因である一方、逆に、こうした方法で貯蓄を行うということに意義があるのだということも、労働者の方や金融機関、事業主の方にも評価を頂いているところです。ですので、厚生労働省としてもそういう方々の声に応えてしっかりやっていくということで、ゆくゆくは利用件数が上昇傾向に変わるようになればいいなと思っているところです。引き続き、件数自体は非常に多いと思っていますので、そういう方のニーズにしっかり応えていきたいと思っております。

○皆川委員
 分かりました。今、お話いただいたように、長所があるのは私も拝察しておりますので、できる限りそういった手続の面でハードルが上がりすぎないように、今後も効率化に努めていただければと思います。ありがとうございました。

○玄田座長
 そのほかに、いかがでしょうか。岩佐委員、何かございますか。

○岩佐委員
 直接に関わるかどうかも分からないし、以前からも少し申し上げていたのですが、中小企業退職金共済制度の関係で言うと、私ども弁護士も、大半が弱小の小さい事業体です。うちはやっているのですが、結構、士業と言われるいろいろなところも多分、ターゲットとしては非常に重要なところかと思いました。もちろん、行きやすいところで、それでパーセンテージが上がったらいいのかという問題もあるから、難しいところをターゲットにして工夫というのもすごくあれだと思うのですが。ちょっとそういうふうに思いました。

○雇用環境・均等局勤労者生活課長
 ありがとうございました。先ほどの新田委員と話は似ているところがあると思いますが、どのように加入勧奨していくのかというところも、パーセントや件数も重要ですが、それも含めてしっかりと考えていきたいと思います。ありがとうございます。

○玄田座長
 そのほか、よろしいでしょうか。それでは、本日の御議論を踏まえまして、担当課におかれましては実績評価書への反映をよろしくお願いいたします。お疲れさまでした。

○雇用環境・均等局勤労者生活課長
 ありがとうございました。

○玄田座長
 それでは、次のテーマをよろしくお願いいたします。

○玄田座長
 続きまして、「施策番号Ⅴ-5-1 求職者支援訓練の実施や職業訓練受講給付金の支給等を通じ、雇用保険を受給できない求職者の就職を支援すること」につきまして、担当課から5分程度で御説明お願いいたします。

○職業安定局総務課訓練受講支援室長
 訓練受講支援室長の吉村です。私からは、「施策目標Ⅴ-5-1 求職者支援訓練の実施や職業訓練受講給付金の支給等を通じ、雇用保険を受給できない求職者の就職を支援すること」につきまして、資料4-2の5~6ページの概要に沿って御説明します。
 まず、求職者支援制度です。これは、雇用保険を受給できない求職者の方に対して、職業訓練の提供と、訓練受講期間中の給付金の支給を通じて、職業能力開発の機会を提供することとともに、ハローワークにおけるきめ細やかな就職支援等により、求職者の早期の就職を支援する制度です。また、本制度は雇用保険と生活保護の間をつなぐ第二のセーフティネットということで位置付けられているものです。
 まず、5ページを御覧ください。達成目標の1と測定指標の1と2です。こちらは、雇用保険を受給できない求職者に対して、安定した就職の実現に向けた制度の活用促進に取り組む必要があることから、職業訓練の実施と、職業訓練受講給付金として月10万円を支給、また、ハローワークにおける就職支援の実施、これを達成目標の1と定めているところです。指標としては、訓練修了3か月後の雇用保険適用就職率と、訓練修了者における満足度の2つの指標を設定しているところです。1つ目の指標の就職率ですが、令和6年度については、基礎コース58%、実践コース63%という目標に対して、速報値ではありますが、実績としては、基礎コースが62.7%、実践コースが61.8%です。基礎コースについては目標を達成した一方で、実践コースについては目標に僅かに届かなかったところですが、目標に対する達成率は98%で、8割を上回っているということで、おおむね達成としております。2つ目の指標の満足度ですが、訓練修了者の総合的な満足度は90%以上という目標に対して、令和6年度の実績は93.4%で、こちらは目標を達成したところです。
 続いて、達成目標の2、測定指標の4です。こちらについては、必要な方に支援が届くように訓練の受講促進を達成目標2として定めているところです。測定指標については、求職者支援訓練受講者数を測定指標4として設定しています。令和6年度については、訓練受講者数4万8,261人が目標でしたが、実績が3万8,944人ということで目標には届かなかったところですが、達成率については81%と8割を上回りましたので、おおむね達成とさせていただいております。
 6ページですが、先ほど御説明申し上げました各指標の達成度合いを踏まえて、総合判定としては、B(達成に向けて進展あり)としています。
 次に、施策の分析です。指標の1の就職率については、ハローワークが就職までの支援を訓練実施機関と連携を図りながら個別・伴走型できめ細やかに行ったところであり、実績も順調に推移している状況です。引き続き、目標達成を目指して、雇用保険を受給できない求職者の安定した就職の実現に向けて就職支援等に取り組む必要があると考えているところです。
 また、指標4、求職者支援訓練受講者数です。こちらについては、コロナ禍の特例措置として、一部の訓練コースにおいて訓練期間・時間の特例措置を設けていたところですが、令和6年4月から特例措置が見直されたこともあり、目標には届かなかったところです。また、こちらには記載しておりませんが、その他の要因として、足下の雇用失業情勢において売り手市場であり、簡単にいうと人手不足ですが、これが基調として続いている状況にあります。特に、若年層の求職者は、就職訓練の受講をしなくても就職しやすい環境にあります。こういうことから訓練受講につながらなかったという要因も考えられるところです。引き続き目標達成を目指して、関連機関と連携した求職者支援制度の周知・広報や積極的な受講勧奨に取り組む必要があると考えております。私からは以上です。

○玄田座長
 御説明、どうぞ。

○人材開発統括官付訓練企画室長
 1点、すみません、補足だけ。訓練企画室の鈴木でございます。よろしくお願いします。先ほどの指標4の分析の中で、令和6年4月から特例措置が見直されたということが書いてあります。少し説明が不足しておりましたので補足させていただきます。もともと一部のコースにおいて、訓練コースについては3か月以上6か月以下の訓練期間と、1か月の訓練時間が100時間以上、また、1日当たりの訓練時間も決まっていたのですが、コロナ禍でなかなか通学が難しいということで、令和3年2月から訓練期間についての下限を、3か月以上から2週間以上、又は月の受講時間を100時間から60時間以上という形に緩和したところです。その上で、コロナ禍終了後において、特例措置の効果分析を行ったところ、通常の訓練に比べて特例措置に該当する訓練、この緩和した訓練、入口が広がったので受講者数は影響しているのですが、就職率そのものが、やはり通常の訓練より10%ぐらい下回るということがありました。訓練の質的に課題があるということで、この結果を踏まえて、分科会や審議会等でも御議論いただいて、訓練期間・訓練時間を、令和6年4月以降、2週間のところを2か月以上としたり、月60時間を月80時間以上という形に見直させていただいたところです。以上です。

○玄田座長
 御説明ありがとうございました。それでは、御質問、御意見などお願いします。松浦委員、どうぞ。

○松浦委員
 御説明ありがとうございます。今、ちょうど御説明いただいた指標4について質問させていただきます。職業訓練受講給付金の特例措置の影響を踏まえて目標値を設定されたということで、確かに特例措置の影響で増えた実績が、特例措置がなくなって下がったように見えますが、特例措置の前の令和3年度に比べたら下がっていません。この実績の推移をどう解釈すれば良いのかがよく分かりませんでした。つまり、目標値自体は、特例措置がなくなることを踏まえて設定されているという理解で間違いないか確認させて頂きたいというのが1つ目の質問で、その上で令和6年度の実績3万8,944人の解釈について、ご説明をもう少し補足いただきたいというのが2つ目の質問です。

○玄田座長
 それでは、御回答をお願いします。

○職業安定局総務課訓練受講支援室長
 御質問ありがとうございます。まず、受講者数の推移ですが、9枚目にお示ししています。御指摘がありましたとおり、令和6年度については3万8,944人と、若干下がっているところです。こちらにつきましては、コロナの影響もあり若干、下がってきたところです。

○玄田座長
 令和6年。

○職業安定局総務課訓練受講支援室長
 はい、令和6年。

○玄田座長
 コロナの影響で低かった。

○職業安定局総務課訓練受講支援室長
 コロナの影響は、令和2年から3年、5年までですが、そこで若干。

○玄田座長
 特例措置で増えた数字が、特例措置をやめたから減ったのだということなんですか。

○職業安定局総務課訓練受講支援室長
 はい、そういうことです。

○松浦委員
 特例措置がなくなって令和6年度の実績が3万8,944人になったということですが、特例措置の前の令和3年度は2万8,260人です。

○職業安定局総務課訓練受講支援室長
 はい。

○松浦委員
 特例措置の影響がなかった令和3年度と比べると、令和6年度はむしろ増えているのをどう解釈したらいいのか、ご教示いただけるとありがたいです。

○玄田座長
 その辺りの分析はどうですか。コロナ前に比べると増えているというのは、何か原因とか、背景は。コースの充実とか、そういうことですか。定員数とかも大きく増えているし、コースも増えていてとか。

○人材開発統括官付訓練企画室長
 若干、補足しますと、目標設定自体は、過去3年間の推移とかを見ながら立てているのが状況です。あと、もう1点、受講者数が増えた要因の1つとして、増えていると評価していますが、要因としては、もともと求職者支援制度そのもの自体は、いわゆる雇用保険受給者でない方々が求職者支援訓練という形でしたが、より選択肢を増やすという観点から、雇用保険受給者でも、求職者支援訓練を受講できるように見直したところの影響もあるのかと考えています。

○玄田座長
 定員数が増えていることが大きいのではないのですか。

○職業安定局総務課訓練受講支援室長
 それも、もちろんあると思います。

○玄田座長
 分からないけれど。そのほか、いかがでしょうか。では、新田委員、どうぞ。

○新田委員
 御説明ありがとうございました。私からは、達成目標1に使っている指標1と2について、コメントさせていただきます。指標1については、基礎コースと実践コースそれぞれ目標値があって、それを見ますと、基礎コースは順調に伸びてきていて、2年度連続で60%を超えています。それに対して、実践コースは60.6%、61.8%ということで、残念ながら目標値の63%には若干届いてないけれども、かなり目標値に近い数字です。そのため、基礎コースの目標値の設定をもう少し上げてもいいのではないかと思います。基礎コースの実績は順調に伸びてきていますし、しっかり取り組まれている成果だとも思っています。ここであえて58%以上という目標を維持し続ける必要もないのではないかと思うので、目標の設定の仕方を御検討いただいてはと思います。
 同様の問題意識で、指標2も、令和2年度から軒並み90%台半ばぐらいに達している中で、90%を目標として維持し続けていますので、この目標の設定のあり方も、例えば直近の3年度の平均値を使うことなどが考えられると思います。どうしても届きやすい目標の維持をしたがるのはわかりますが、やはり目標はややストレッチな数値を置いて、その点も評価したほうがいいと、私はかねてより思っていますので、御検討をお願いいたします。私からは以上です。

○玄田座長
 いかがでしょう。もう少し野心的な指標の設定をトライしたらどうかということですかね。

○人材開発統括官付訓練企画室長
 御質問ありがとうございます。目標設定につきましては、近年の実績を踏まえたものとなるよう、また、過去5年間程度の平均値を見ながら現状を設定しているところです。ただ、御指摘の基礎コースは超えていて、実践コースも、あともう少しだと思ってはいるのですが、直近でも、例えば、令和6年度第2四半期ですと、今、就職率が62.7%という形で、あと一歩というところで、もう少しストレッチのところは達成できそうかと思っていますが。いずれにしても、目標設定については、今回いただいた御意見も踏まえて、また審議会等でも議論させていただきながら設定させていただければと思っております。ありがとうございます。

○玄田座長
 多少、この件に限らず、我々は、何となく目標を達しているか達していないかということを評価しがちなのですが、それだけではなく、やはり新田委員が言われたように、より高い目標にチャレンジすること自体も評価しなければならないと思っておりますので、その辺りも含めて是非、御検討いただければと思っております。よろしくお願いします。そのほか、いかがでしょうか。村上委員、どうぞ。

○村上委員
 ありがとうございます。私も、達成目標1の指標1と2についてです。指標1については、先ほども意見がありましたが、実践コースは、ほぼ100に近づいているけれども、まだそうではないということからすると、何か分析のところに、要因みたいなものを書いていただいてもよいのかと思いました。それから、これは以前にも申し上げたのですが、定着率についてです。訓練だけで定着率が高まるかというと、そういう訳でもないということは分かりつつも、ただ1つの要素ではあるかと思いますので、参考資料とすることも御検討いただければと思っております。
 あと、指標2については、目標を上げることもそうなのですが、どのようなアンケートの取り方をしているのか分からないのですが、「非常に満足」と「満足」に分けているのだとすれば、「非常に満足」だけを指標にするなど、何らかの工夫も考えられるのではないかと思いました。以上です。

○職業安定局総務課訓練受講支援室長
 ありがとうございます。今、2つ御質問いただいたところです。まず、定着率の関係です。この求職者支援制度ですが、こちらは、まず、雇用保険を受給できない求職者の方の安定した就職を促進する制度ですので、制度の趣旨を踏まえますと、まずは就職率によって、制度の目的が達成できているか確認することが第一かと思っております。実際の個々の受講者の支援に当たりましては必要に応じて職場定着支援を実施しているところです。全ての受講生の定着状況を追い続けるのはなかなか難しいこともあるので、現時点では定着率をお示しできていないところですが、ただ、御指摘については非常に重要なことだと思いますので、その把握の方法について、引き続き検討していきたいと思っているところです。
 もう1つの御質問の、アンケートの満足の関係ですが、このアンケートの目的は2つあります。1つは、訓練コースの設定の量とか分野、また、訓練コースの情報提供とか、訓練の内容とか、ハローワークにおける就職状況に対する満足度というものと、もう1つは、求職者支援制度の要望とか課題、こういうものを把握して業務改善に役立てるという目的の2つがあります。令和6年度の調査の結果ですが、「満足」のみの割合は68.9%で、その下の「まあまあ満足」というのが24.5%で、合わせて9割以上ということで達成としていますが、「満足」と「まあまあ満足」の判断基準が、こちらは「満足」、こちらは「まあまあ満足」というように、なかなか基準みたいなものまで示せていない状況ですので、現時点では、「満足」と「まあまあ満足」のいずれかの回答から算出するのが適当かと考えているところです。ただ、御指摘いただいたところでもありますので、調査内容の見直しについては、適宜、検討していければいいかと思っております。以上です。

○玄田座長
 はい、どうぞ。

○人材開発統括官付訓練企画室長
 実践コースと分析について御質問いただいたので、私からも御回答させていただきます。御質問ありがとうございます。実践コースにつきましては、8月末までが61.8%という形で未達成という状況ですが、先ほど申し上げた四半期単位で推移を見ますと、直近では、令和6年の第2四半期は62.7%という形で、ずっと上昇傾向にあるのが事実ですが、一方で、上がり方が弱いところがあるかと思います。その中で、我々としても分析をしますと、1つの課題として、令和3年10月から、いわゆるeラーニングコースという形で設けていたのですが、そのeラーニングコースが、やはり他の訓練コースと比べると就職率が低いということで、例えば、認定基準の見直しとか、新規参入の見直しとか、運用の改善を図ることで、令和4年度から令和5年度と比べて10ポイント以上、就職率が上がってきているのですが、まだ通学のコースと比べると、ちょっと弱い状況ですので、こういう点を更にテコ入れをして、しっかりと上げていくことで、この目標達成に近づけるのかと思っております。ありがとうございます。

○玄田座長
 ちょっと時間もあれなのですが、村上委員との関連で言えば、もちろん定着、その前提で就職が大事なのですが、今、多分、労働政策全体として取り組まなければいけないのは、何といっても賃上げ。ですから、求職者支援訓練がどのぐらいの賃金につながっているのかということは非常に大きな関心事で、なかなか平均にはそぐわないと思うのです、コースとかが違うから。ただ、訓練を受けたということと、賃金分布が、例えば雇用保険加入者だけを見ても、かなりの賃金の改善につながっているのだという状況になっているとすれば、そのこと自体の広報が非常に、この受講者を増やすことにもつながるかもしれないし。多分、御回答とすると、それはなかなか把握が難しいと言われると思って言っているのですが、ちょっとやらなければいけない時期かもしれない。やはり、不況期であれば就職率などが非常に重要だったのですが、今、米国発不況が起こるかもしれないので、また就職率になるかもしれないが、ただ、今、労働施策として問われているのは、やはり、こちらに限りませんけれども、賃金に結び付く政策になっているのかというところは、かなり共通課題としての時期がきている。
 是非、今後、どのくらい目標に加味できるか分かりませんが、少なくとも、そういうことを把握して実態もきちんと示していくのだというように、そのこと自体がかなり野心的な取組になると思いますので、是非、御検討いただいて。恐らく、この就職率が上がっているということは、やはりそれなりに魅力のある制度になっているからで、初任給は全体に上がっているので賃金は上がっているはずなのですが、そういう雇用条件の改善につながっているかどうかということも是非、併せて御検討いただければと思う次第です。御回答は結構です。
 ほかによろしいでしょうか。それでは、本日の御議論を踏まえて、実績評価書への反映をよろしくお願いします。お疲れ様でした。

○職業安定局総務課訓練受講支援室長
 ありがとうございました。

○玄田座長
 では最後になります。「施策番号Ⅵ-2-2 障害者等の職業能力開発を推進すること」について、担当課から5分程度で御説明をお願いします。御準備できましたら、よろしくお願いします。

○人材開発統括官特別支援室長
 人開特別支援室の山口です。よろしくお願いいたします。それでは「障害者等の職業能力開発を推進すること」について、まずは資料5-2の5ページで御説明をさせていただきます。
障害者訓練の関連施策については、職業能力開発促進法と第5次障害者基本計画等に基づき取組を行っているところです。青色の所ですけれども、3つの区分で取組を行っています。1つ目のポツとしては、障害者職業能力開発校での職業訓練の推進ということで、障害の態様を十分に考慮したきめ細かい支援を実施したり、訓練内容の充実を図っていきます。2つ目のポツは、障害者の多様なニーズに対応した委託訓練の実施をしています。3つ目のポツは、一般の公共職業能力開発校における障害者が入校しやすい環境の整備として、精神保健福祉士等の専門家の配置をします。
 現状の課題です。まず左側の1つ目、障害者の増加についてです。現状としては、ハローワークにおける障害者の新規求職申込件数が増加しており、その方々の就職を実現するために職業訓練を実施しているところです。求職者の中には、一般の公共職業能力開発校では受入れが困難な障害者もいらっしゃいますので、一般の公共職業能力開発校において職業訓練を受けることが困難な障害者に対する職業訓練機会を提供するという課題について、その達成に向けて、障害者職業能力開発校における効果的な職業訓練の推進をしていくこととしております。達成のための測定指標については、左の下にありますように、アウトカムとして、障害者職業能力開発校の修了者における就職率、アウトプットとして、職業能力開発校における訓練受講者数を取ることとしております。
 2つ目は、求職障害者の障害の多様化についてです。特に精神障害者のハローワークへの新規求職者の申込件数が伸びており、約半数が精神障害者等となっております。令和5年度の訓練受講者の障害種別の割合も同様の増加傾向で、半数以上が精神、発達障害者となっています。障害者の障害特性を踏まえつつ、ニーズに応じた職業訓練の提供が必要であり、一般の公共職業能力開発校においても精神障害者等を受け入れるための環境整備が必要であるという課題に対して、その達成に向けて、民間の多様な機関等を活用した効果的な委託訓練の推進、一般の公共職業能力開発校における精神障害者等の受入体制を強化していくこととしております。達成の測定指標としては下にあるように、アウトカムとして障害者委託訓練修了者における就職率、アウトプットとして委託訓練の訓練受講者数と一般の公共職業能力開発校における障害者の訓練受講者数を取っております。
 これらを踏まえて、次の6ページです。令和6年度の実績について評価をしております。まず左上の総合判定です。達成目標1の指標1です。就職率の目標を70%と置いておりますが、実績が68.9%となり、目標達成率としては98%でした。指標2の目標が1,980人に対して、実績としては1,073人となっており、目標達成率は54%でした。続いて、達成目標2の指標3です。就職率の目標が55%に対して実績が40.4%となり、目標達成率は73%でした。指標4は、目標3,080人に対して実績が2,570人となり、目標達成率は83%でした。指標5については、令和6年度の数字が出ていないのですけれども、700人の目標に対して、これまでの推移からすれば達成できる見込みという状況です。
 続いて、結果の分析というところで、施策の分析をしております。就職率のところで目標に達しなかった指標2については、障害者雇用数が増加し、ハローワーク経由の就職件数も増加していること、また、法定雇用率が引き上げられていることにより訓練を経ずとも就職ができる環境になっていること、また、就労系の福祉サービスの利用者の増加とともに、一般就労への移行者も増えていることが要因であると考えております。
 指標3も達成しておりませんが、座学のみのコースの就職率が低調であるということに加え、比較的就職率が高い現場実習を組み合わせたコースにおいても目標に達していなかったという状況です。職場実習を伴うコースについては、実際の企業における職場の訓練の実施場所を確保することから企業側の理解を得る必要があり、訓練実施に至るハードルが高くなっている一方で、逆に座学のみのコースは比較的ハードルが低いというところで、就職率の低い座学のコースの実施割合が高くなっているということが要因であると考えております。
 「効率性の評価」としては、予算額が減少する中で、測定指標としては達成していないところもありますが、5つのうち3つが△という評価ですので、一定程度の効率的な取組になっているのではないかと考えております。その上で「現状の分析」です。指標2の受講者数については、訓練が必要な方に着実にその機会が提供できるように、ニーズを踏まえた訓練コースの設定を図るとともに、都道府県やハローワークとの連携を図りつつ、周知・広報に取り組んでいきたいと思っております。指標3については、委託訓練の就職率も同様で、地域のニーズを拾い上げて求職者の動向も把握し、訓練ニーズのミスマッチを可能な限り排除して効率的な運営に努め、訓練修了後3か月以内の就職に向けて、訓練実施主体である都道府県に対して積極的に取組を促していきたいと考えております。
 これらを踏まえ、次期目標等への反映の方向性です。障害者職業訓練をより効果的なものとして一層推進していくために、訓練施設・定員、訓練内容・方法、関係機関相互の連携等の観点から見直しをしていくことが求められていると考えております。そのため、令和7年1月から有識者、関係者代表が参集した「障害者職業訓練校の在り方に関する検討会」を開催し、協議・御議論を頂いたところで、6月に報告書として取りまとめ、公表も行っているところです。今後、この報告書の方向性を踏まえて障害者職業訓練を推進していきたいと考えています。
 このほか、指標3の障害者の委託訓練について、昨年度よりPDCA評価を試行的に実施しております。その結果、令和7年度については、改善事項等は各都道府県ごとに開催されている地域職業開発促進協議会等へ報告することとしております。この報告を通じて地域ニーズや求職者の動向等を把握し、地域ニーズのミスマッチを可能な限り排除して効率的な運営に努めることとしていきたいと考えております。以上です。

○玄田座長
 ありがとうございました。それでは御質問、御意見などをお願いいたします。岩佐委員、いかがでしょうか。

○岩佐委員
 この説明の中で、精神障害や発達障害などを持っておられる方が、一般の訓練校に行っているのではないかというお話がありました。そうすると、そちらでは、それぞれ持っておられる障害の特性への配慮というものが多分、要ると思うのですが、その辺りがどうなっているのか。場合によっては、障害者の訓練校の認定の専門性を持っておられる方がいらっしゃるのであれば、そことの連携みたいなものがあるのかなど、その辺りの実情を教えていただけますか。

○人材開発統括官特別支援室長
 今御指摘いただいた点についてですが、1月から開催している検討会の中でも、専門性についての一般校への普及について御議論いただいたところです。まず1つ、精神障害のある方が増えているという点については、そのために精神保健福祉士を一般校にも配置して、そこで対応できるようにしていきます。併せて、障害者校のノウハウを一般校にも普及できるような形で、全国会議やブロック会議等がありますので、そこで好事例等を踏まえて展開していくというところで、今後、それに一層の力を入れてやっていきます。

○岩佐委員
 私は教育や福祉に関わっているので、そこの感覚でいくと、恐らくいろいろな特性をお持ちの方への支援ということになると、ノウハウを持っている方がいらっしゃるのであれば、支援の方と現場で寄り添うというか、こういう方にはこういう特徴があるからこうしましょうというお話が出ても、多分、人によっても様々だし、特に成人になるといろいろなものが重なっている方もいらっしゃるのです。そういう意味では、現場で専門性のある人が、こんなふうにやったらこのケースではこうだったんだという感じの支援が、よりいいのかなと。ただ、人手の問題や対応の問題など、いろいろあるとは思うのです。感想です。

○玄田座長
 そのほかにいかがでしょうか。新田さん、どうぞ。

○新田委員
 御説明をありがとうございました。私から2点申しあげます。1点目は、指標2についてです。あえて「低い」という言葉を使いますが、指標2の目標達成度が54%と極めて低い率になっていて、それについての分析も先ほど御説明いただきました。障害者の雇用者数は21年連続で伸びてきていて、もう1つの要因として法定雇用率も上がってきたことを挙げられています。ただ、この分析を見る限り、今度も法定雇用率が上がるとすると、ずっと達成できない状況が続く気がします。実際に資料で令和2年度以降の数字を見ていても、一度も達成できておらず、達成割合も低い中で、目標を1,980人に設定した当時と、状況が変わっているのではないかと思います。ですので、この目標の設定の仕方について、どういう経緯で設定されたのかということと、これを維持するかどうかも含めて、再度検討したほうがいいのではないかという気がします。
 来年以降は、状況が悪化し、法定雇用率が上がり、訓練を経ないで直に就職する人がさらに増えていくという分析をされています。そういったことになれば、より達成度が下がっていくことになりますので、目標の設定の仕方について、もう少し御説明を頂きたいというのが1点目です。
 2点目は、「障害者職業能力開発校の在り方に関する検討会」でまとめられた報告書に関連したことです。先ほど、岩佐委員からの御質問にもありましたけれども、一般校についても言及がありましたし、そういったところで職業訓練が障害者に広がっていくという話がありました。今後は検討会でまとめた報告書を踏まえながら適切に進めていっていただければと思います。以上、よろしくお願いします。

○人材開発統括官特別支援室室長
 2点目は報告書に基づいて、きちんと対応していきたいと考えております。1点目の目標設定については、なかなか乖離が大きいという御指摘を頂いたところです。検討会においても、ここの人数が増えていないことについても御議論を頂いたところです。まずは増やすために、今回、検討会でも御議論を頂いたところですけれども、福祉との連携も一つ課題になっております。そもそも訓練校の周知がなかなか広まっていないのではないかという御指摘を頂いています。そのために福祉の関係のほうにも周知をしっかりして、連携を図って行っていきたいと考えております。
 特に10月から、福祉のほうで就労選択支援が開始されますので、そこに障害者職業訓練というものをきっちり位置付けていただいて、その選択にかなうように周知を徹底していく。雇用率が上がれば訓練を受けないで、そのまま行かれる方も増えてくると思いますけれども、障害者福祉サービスのほうからそういう周知をすることによって、訓練を受ける方が一定程度増えてくるのではないかと思っております。まずは引き続き、しっかり取組をしていきたいと考えております。

○新田委員
 今おっしゃったことは、しっかり進めていただきたいと思いますし、私も非常に期待するところではあります。一方で、その取組をやったとしても、果たしてこの数字はどうなのか。別のやり取りのときに、私は、目標はある程度ストレッチに設定して取り組んでいったほうがいいということを基本的な考え方として申し上げました。ただ、この達成状況を見ている限り、設定の仕方自体がどうなのかという疑問がどうしても拭えないところがあります。取組を続けていただきつつ、目標の設定の仕方も含めて検討する必要があるのではないかということを重ねて申し上げておきます。

○人材開発統括官特別支援室長
 ありがとうございます。目標設定の仕方については、改めて検討させていただきたいと思います。

○玄田座長
 松浦委員、どうぞ。

○松浦委員
 今の指標2に関連しての質問です。ケースによるのかもしれませんけれども、そもそも職業訓練について、職業訓練を経ないでも入職が成立すれば、それはそれで良いと考えていらっしゃるのか、やはり職業訓練を受けた上で入職したほうが望ましいと考えていらっしゃるのか、どちらなのでしょうか。

○人材開発統括官特別支援室長
 正におっしゃるとおりです。就職できる方は、そのまま就職していただければいいかと思っております。ただ、訓練を受講したほうが就職に結び付きやすいということであれば、訓練を受講していただきたいというところです。併せて、訓練を経ずに就職された方であっても、在職された上で、訓練やスキルアップが必要であれば訓練を受講して、長く定着していただくことも必要かと考えております。

○玄田座長
 多分、今の御質問は、訓練をしたほうが雇用条件や労働条件の改善につながることは把握されているのかという質問も含まれていると思うのです。

○人材開発統括官特別支援室長
 現時点でそこまでの数字は取れておりません。

○玄田座長
 それが分かると、受講へのインセンティブが随分違うと思います。

○人材開発統括官特別支援室長
 その点についても検討会で御指摘がありまして、どのようなかたちで訓練のほうに進まれて、どのようなところに就職されたのかという分析も必要だろうという指摘を受けておりますので、ここについてもしっかり分析をしていきたいと思っております。

○玄田座長
 ほかにありますか。皆川委員、どうぞ。

○皆川委員
 御説明ありがとうございました。私も、委員の皆様から御指摘のあったところで、まず指標2に関わるところです。やはり議論のあったところを踏まえると、職業訓練を受けて、学校を出られて就職された方の定着率がどうか、可能であれば賃金等の労働条件がどうかという分析があって、やはり訓練校などを経ずに直接就職されて、そのままうまく働けるようであれば、もちろん、それはそれで結構なことかと思うのですけれども、学校で訓練を受けた効果が、より別な指標や分析によって分かれば、それによって更に、この施策は定数等を設けて、受講者数の定員を今のように維持して、できる限り来ていただきたいという方向で政策を進めることに、この政策を維持することへの裏付けになると思います。ですから今後、そうした分析について御検討いただければと、私も考えました。
 もう1つは指標3についてです。こちらも目標値の55%に達しなかったという御説明でした。施策の分析で、達成目標2の指標3について政策の分析として書いていただいたところですが、座学のみのコースの就職率が、残念ながら低いと。そして、職場実習も組み合わせたコースにおいては高いけれども目標値には届いていないという御説明がありました。これは実態としてもそうなのかなと伺っていました。そうすると、例えばコースによって目標値を考えることもあり得るかと思います。また、職場実習を伴う訓練コースのほうが、その中でも就職率が、より良好だということです。
 一方で、これも書いていただいたと思いますが、職場実習を伴うコースを設けるに当たっては、やはり企業側の理解を求めていく必要があるということで、これもそのとおりかというように伺いました。これも将来的にということになるかもしれませんが、例えば実習を伴うコースがどれだけ増えたとか、目標が開拓できて、その上で実際にそのコースで受講されて就職された方の率、という形で、もう少しコースの設定と合わせた目標値の設定も考えられるのではないかと、的確な目標設定と分析のためには、そういうことも考えられるかと思いますので御検討いただければと思います。これは私の意見のようなものです。

○人材開発統括官特別支援室長
 正に、コースによる就職率の差というものが、検討会の中でも十分御議論いただいているところです。まずは、実習のあるコースを増やしていくという取組については、しっかり詰めていきたいと思っております。今後、目標値なり実績の取り方についても検討していきたいと思っています。ありがとうございます。

○玄田座長
 村上委員、何か。

○村上委員
 指標1についてです。今回、資料5-1のほうで、(参考2)として、「障害種別毎の就職率」も示していただいてありがとうございました。先ほどからありますように、障害種別ごとにサポートの仕方などが違ってくるかと思います。そうしたことからすると、目標設定も障害種別ごとに検討してもよいのではないかと思いました。
 もう1つは、これも前回から発言しているのですけれども、職業訓練の成果を図るということで、就職率だけでなくて定職率も把握できるようなことを考えていただけないかということが1点です。
 それから、指標3についてです。今回、数値を適正なものに改めたということですけれども、これによって次年度に安易に目標値を下げることがないようにしていただきたいと考えております。
最後に、もう1点は、ここに書いていないことですが、最近、障害者雇用の現場のトラブル事案を耳にします。ずっと同じ仕事をされてきた方ですけれども、定年まで働いて定年後も同じ働き方をしていて、賃金がほとんど上がらず最低賃金レベルです。働いている方の職につなげるまでの能力開発を重点にした目標設定は書かれているのですけれども、実際に働き始めた後の能力の向上についてはどうでしょうか。これは本来、OJTでやっていくべきものですけれども、障害者が働く職場が増えていけば、それだけいろいろな事業主が関わっていくわけで、どのようにサポートしていくかということも課題になってくると思っています。そうしたことに関する施策、達成目標や指標のようなものも考えていくことも必要ではないかと思いました。以上です。

○人材開発統括官特別支援室長
 3点ほどいただいたかと思っております。まず障害種別ごとということですが、今回は(参考)のほうに出させていただきました。障害者種別の関係だと、重複されている障害の方もいらっしゃるので、個別の目標を設定するのがなかなか難しい状況ではあるかと考えております。ただ一方で、支援という意味では障害者種別それぞれに応じて支援をしていく必要がありますので、引き続き、参考として数値を出していき、対応させていただければと思っております。
 2点目は定着の関係でしたが、定着率についても検討会の中で御議論いただいたところです。訓練校が中心になって定着支援を行っていくべきだという御意見と、一方で、引き続き連携を強化して定着をしていくという御意見の両方があったところです。結果として、報告書の中では、今までのやり方や役割分担をきっちり、もう1回、調査を踏まえて、実態を踏まえて訓練校としてどういうことができるのかをしっかり把握していくべきというように結論されておりますので、それを踏まえて対応していきたいと思っております。現状では定着率をお示しする資料がなかなかありません。今お伝えしたように、関係機関と連携して定着を図っていくところです。今、令和7年度から関係機関である団体のほうに、定着率の取り方などをどのようにするかという調査研究を依頼しておりますので、今後、それも踏まえて対応していきたいと思っております。

○玄田座長
 何か、事例に関してのご意見もあったかと。

○村上委員
 目標の下方修正をしないでくださいということです。

○人材開発統括官特別支援室長
 引き続き、目標が達成できるように取組をしっかり行いたいと思います。

○玄田座長
 よろしいでしょうか。ありがとうございました。それでは本日の御議論を踏まえて、実績評価書への反映をよろしくお願いいたします。お疲れさまでした。

○人材開発統括官特別支援室長
 ありがとうございました。

○玄田座長
 本日、御意見を頂きたい件については以上です。ありがとうございました。続いて、議事(2)に移りたいと思います。坂根さんから御説明をよろしくお願いいたします。

○政策立案・評価担当参事官室長補佐
 事務局から、御説明いたします。「第17回政策評価に関する有識者会議労働WGにおける御意見等への対応状況」を資料6としております。こちらは、本年2月に開催されましたWGで頂いた個別の御意見につきまして、事務局で議事録を基に御発言内容から御指摘内容を抜粋し、担当部局に対応状況等を照会したものです。
 表紙の部分、1ページ目ですが、全体として36個の御指摘があり、その対応状況を記載しております。そのうち、「対応」と区分しているものが25%、「今後対応」が19.4%、「対応困難」が22.2%、「事実関係の照会等」が33.3%という形で整理しております。
 幾つか、具体的な対応状況について御説明いたします。2ページを御覧ください。こちら、測定指標Ⅳ-3-1「長時間労働の抑制等によるワークライフ・バランスの実現等の働き方改革を着実に実行するとともに、テレワークの定着や多様で柔軟な働き方がしやすい環境整備を図ること」という施策目標に関する御意見等で、そのうちの番号4を紹介いたします。
 こちらは、玄田座長、松浦委員、岩佐委員より、達成目標1に関する御意見を頂いておりました。測定指標5に関して、特別な休暇制度の利用率に関してのところで、本日の御議論の中でも通底する内容の部分もあるかと思いますが、「実績値が目標値を恒常的に上回っており、指標自体を見直す必要があるのではないか。また、次のステージとして実際の活用状況等(特別休暇の利用率等)を把握していくことが必要」といった御意見を頂いております。右側の欄を御覧ください。特別休暇制度につきまして、その性質上、「一律に利用率等の目標を設定することは適切さを欠く場合がある」ところもありますが、「本測定指標の目標は「長時間労働の抑制、勤務間インターバル制度の導入促進、年次有給休暇の取得促進、特に配慮を必要とする労働者に対する休暇の普及等、労働時間等の設定の改善を促進する」ことから、特別休暇の中でも年次有給休暇の取得促進に資する休暇である病気休暇に係る導入率を新たな測定指標に変更したい」としております。
 続きまして、3ページを御覧ください。番号7につきまして、「施策目標Ⅳ-4-1 個別労働紛争の解決の促進を図ること」に関する御意見等になります。村上委員より、測定指標7、あっせん手続終了件数に占めるあっせんが開催された者の割合、いわゆる被申請人の参加率に関する御意見を頂いております。「あっせんの参加自体は強制ではないものの、参加を促すこと自体は行政として力を発揮できる部分である」。「話し合いのテーブルに着いていただくことは解決の第一歩であり、今後オンラインでも対応していくということであれば、測定指標7について、目標値(51%)を、もう少し引き上げることを検討いただきたい」といった御意見を頂きました。
 右側の対応状況です。目標に関する「直近の実績を踏まえて、令和7年度の目標値については51%」とするものの、「あっせん参加率の向上に向けて、引き続きあっせんへの参加勧奨に取り組んでまいります」としております。
 続きまして、3ページ、4ページを御覧ください。番号8~17にかけては、「施策目標Ⅴ-1-1 公共職業安定機関等における需給調整機能の強化及び労働者派遣事業等の適正な運営を確保すること」に関する御意見等です。そのうちの番号10です。こちらは皆川委員より、測定指標1の公共職業安定所の求職者の就職率、及び、測定指標3の公共職業安定所の求人充足率に関する御意見を頂いております。これらの指標について、「実績値は過去3年間一定の水準に張り付いているが、その要因分析、実績値向上に向けた方策」としてはどんなものか。「それを踏まえ、別の測定指標や参考指標の設定を検討していたら伺いたい」との御意見を頂きました。
 右側の欄の対応状況です。「物価高騰、働き方・ニーズの多様化との影響により、求職者が応募する求人を吟味する傾向が続いたことや、人手不足に伴い、企業や省人化投資が進んでいる影響により、就職に結び付きやすいサービスや製造の職業等の新規求人数が減少傾向になっていることが要因と考えられる。実績値向上に向けた方策としては、大企業も含めた事業所訪問・求人開拓の積極的実施を通じて、求職者ニーズの高い求人の確保や、ハローワークから求人事業所に対して助言・指導等の求人充足支援を行い、求職者が応簿しやすい条件設定や求人票の記載内容の充実に取り組むこととしている」としており、「事業所訪問等により求人票以上の企業情報の把握や、企業PR情報の作成、求人票の記載内容に関する助言といった質の高い充足支援を行えるように取り組んでいくため、今後はオンラインによる求人提出を進め、ハローワークにおける求人受理という典型的な業務の効率化を図ることとしていることを踏まえ、測定指標4(新規求人件数に占めるオンラインによる求人件数の割合)を設定したところである」と回答しております。
 また、本施策目標につきましては、4ページの番号15で、新田委員から測定指標8の「優良募集情報等提供事業者認定制度を受けることを希望して相談をしてきた事業者のうち、年度内に認定取得に向けた準備を開始している事業者の割合について測定指標とすること」につきまして御理解いただいた一方で、「実際にどの程度の事業者が認定を受けたのか実績を把握する必要もあるのではないか。翌年度以降に、実際に認定を受けた事業者の割合を併せて提示することも検討していただきたい」という御意見を頂きました。
 こちらにつきましては、右欄の対応状況で、「認定事業者数も重要である一方、この認定制度の審査においては個々の認定基準を満たすかどうかをエビデンスを基に判断しており、例えば法令遵守していること、社内規程や業務マニュアルに盛り込んだものを提出してもらって審査していることから、認定の申請には手間暇がかかるものといったこともあり、令和4年10月施行の職業安法の改正に基づき創設した認定制度は創設してから約2年と日も浅いため、まずは認定に向けて動き出してもらうという段階を目標として設定しています。引き続き、制度上周知等に務め、認定事業者数を増やしていくことについて対応していくとともに、将来的には御指摘の認定事業者数も含めた測定指標の設定について検討してまいりたい」としています。
 その他の施策につきましても、施策目標との関連での測定指標などの御意見、目標設定や目標値に係る多くの御意見、御助言を頂きました。ワーキングで頂いた御意見等につきましては、すぐに対応可能なものにつきましては、今年度の事前分析表に反映させていただき、取りまとめて秋頃に厚生労働省ホームページに公表予定です。資料6についての説明は以上です。

○玄田座長
 坂根さん、ありがとうございました。個々の対応状況について、更に御意見がある場合には、事務局にメール等々でお寄せいただければと思いますが、何か今の段階で御意見等ありましたら承りますが、いかがですか。よろしいですか。
 それでは、御意見ありましたら是非、よろしくお願いいたします。12時にエレベーターが混む前に終わりたいと思っているのですが、恒例で、大体いつも全体ついて一言いただいてと思っておりますので、本日も、もしよろしければ一言。では、岩佐委員から、よろしくお願いいたします。

○岩佐委員
 すみません。ここのところで申し上げればよかったのかもしれませんが、よく満足度とかのアンケートが出ている関係で、アンケートがこの評価で満足度がどれぐらいかということとともに、政策の内容の分析にも使われていますというのが、それぞれアンケートが具体的にそういうものに使われているのか、もともとアンケートを実施したところには、どういうふうにして返しているのかというか、多分何か返しておられて、分析もされているのだと思いますが、ここでは満足度が何%でしたというだけが出てくると気になるので、その辺りの流れが少し分かれば有り難いなと、今日ちょっと思いました。以上です。

○玄田座長
 分かりました。新田委員、いかがですか。

○新田委員
 何度もこの場で申し上げていますが、我々が申し上げたことが、どういった結果になっているのかということが非常に気になっています。今回、個別のところで更に気になるところは別途、事務局にということなので詳細は省きますが、やはり対応困難という回答の割合が非常に高く、自分が言ったところだけではなく、他の委員のところも見ると、これは本当に対応困難なのかと思うところがあります。本当に無理なものと、やる気がないと言っては失礼ですが、対応できるかもしれないけれど大変なのできればやりたくないというものに分かれる気がしています。以前も申し上げましたが、これで終わりにするのか、更にフォローするのかということは、この会議体の存在意義にも関わる部分ではないかとずっと思っていますので、引き続き御検討いただきたいと思います。私からは以上です。

○玄田座長
 今年の2月WGの対応状況で書かれている「対応困難」の部分は、やはり正に、この議論を今後どうするか、そこのところを本当に「対応困難」かどうかを参事官はじめ精査していただきたいと思います。省としての立場を、事務局から何かありますか。

○調査分析・評価担当参事官
 参事官の諏訪です。正に、今、玄田先生から御指摘いただいたとおり、まずは、この場での御説明と同じように、追加で頂いたものに対して御説明を尽くすということで、追加的な問題意識は、私どものほうから、しっかりと所管部局に伝えていきます。また、なかなか御理解がしっかりと得られる回答ではないということであれば、そこはもう一度、御指摘を踏まえて、もう一度回答させていただきたいと思います。
 また、なかなか文書でのやり取りになりますと、もの足りない部分もあるかもしれませんので、必要に応じて、どうしても困難な所、技術的に困難な面などについては、しっかりと補足的に説明をさせていただくことといたします。できる限り、しっかりと説明責任を果たせるように、事務局と所管部署が連携していきたいと思います。

○玄田座長
 ありがとうございました。期待しております。松浦先生。

○松浦委員
 目標については、過去の経緯の中で同じ考え方で設定して良い、したほうが良いものと、社会環境の変化や時代の移り変わりに応じて考え方を変えていかなくてはいけないものの2種類があると改めて思いました。恐らく、もちろんそういうご認識のもとでいろいろ御検討いただいているのだろうと思うのですが、私たち委員の役割としては、外部からの視点で目標のバージョンアップのお手伝いをすることが、特に重要なのだろうと考えております。

○玄田座長
 皆川委員、どうぞ。

○皆川委員
 今日、御説明いただいたところの目標達成の目標については、おおむね理解したというか、そういうところだろうというふうには伺っていました。今日、いろいろな意見の出た細かいところは、確かに対応できるのか、本当に難しいのかどうかという議論は細かくあると思いますが、委員の皆さんから出た御意見はごもっともだなと今日伺っていましたので、引き続き可能な限り御対応いただけたらと思います。また、今、松浦委員からもお話があったところですが、労働市場や世の中の経済的な状況は変わってきたという、法律の状況などの変わったところも踏まえて、目標設定をこれからどうするかというところも、ある程度柔軟に将来的に向けて対応いただきたいところです。障害者雇用の能力開発などのところでは、労働市場の状況も変わってきていますので、そういったところを検討するような政策評価が望ましいかなと思いますので、引き続き御対応いただけたらと思います。以上です。

○玄田座長
 村上委員、お願いします。

○村上委員
 ありがとうございます。今回は、事前にお伝えしたことが、きちんと担当課にも伝わっていて、それも踏まえた回答や説明を頂いてありがとうございました。効率的に進められたのかなと思います。
 また、特段この場でお話はしませんでしたが、施策のⅣ-1-1の所の均等法関係の施行状況について「集計が間に合っていません」というお話がありました。事前のご説明の際に、なぜそうなるのかというところが気になり、省力化も必要じゃないのですかというお話をさせていただいたところです。厚生労働省関係のほかの団体でも、相談関係について手作業で精査されているというところがあり、以前には統計調査の関係でいろいろな事例もあったので、きっちりやらなくてはいけないというところも分かりつつも、どこか割り切る部分も必要なのではないかなということを感じました。
 最後に1点だけ。先ほど中退共の所で、岩佐先生が、士業も重要なターゲットではないかとおっしゃっていました。私ども連合では、労災保険の特別加入団体を設立したのですが、士業の方にも多数加入してもらっています。士業の方については、フリーランスとしてもそうですし、雇用労働者としてもそうですが、保護の在り方など様々考えていかなければならないのかなと感じました。以上です。

○玄田座長
 ありがとうございました。私は、ちょっと途中で思い付きのように言ったのですが、この間、2か月ぐらい前に労働政策審議会に初めて出ましたが、何か、やはり目標が賃上げだという割には寂しいかなと。キャリアアップ助成金が何とかと言って出ていたけれど、それだけではいかないよなと思って。やはり、これだけ賃上げに対する国民の期待が大きくて、経営者も労働組合もみんな頑張っているときに、厚生労働省の労働政策は省を挙げて賃上げに取り組んでいるという、少なくとも意気込みや姿勢は見せなければいけないのではないかなと思ったときに、やはり不況のときには雇用か賃金ではなくて、雇用も賃金もなのだけど、やはりどうしても雇用機会や就職率になるのは否めないが、今の状況でいくと就業・雇用を守りつつ、それが労働対価というか、賃金の上昇につながっているかということは、それぞれの施策が関係ないところは多分ないので、もう少し意識してやっていかないと、なかなか評価自体の意義も理解されないかなというのを今日改めて思いましたので、難しい注文にはなるかもしれませんが、改めて是非、御検討いただきたいなと思った次第です。あと、最後に審議官から、何か全体を通じていかがですか。

○政策立案総括審議官
 今日は、今の玄田先生がおっしゃったことも含めて、施策の括り方も関係していると思うのですが、施策の責任者の認識も少しバリエーションがあって恐縮だったなと思いました。
本日頂いた御意見の中で、測定指標の水準、測指標そのものもそれでいいのかということについては、玄田先生からおっしゃっていただいたように、同じ施策であったとしても、その目標が社会の変化、課題に応じて変化する、多様化することをどれだけ日々認識して、問題意識を持って取り組むことができているか、改めて非常に重要な点だと認識いたしました。
 最後に、新田委員から、やる気がないと思われるというような非常に厳しい御意見も頂き、私ども、この政策評価を担当する部局として、省内関係部局と意見交換をする中で、この場の重要性等もしっかりと伝えながら、引き続き取り組んでまいりたいと思いますので、これからもどうぞよろしくお願いいたします。ありがとうございました。

○玄田座長
 それでは、本日予定しておりました議事は全て終了いたしました。誠に熱心かつ有意義な御審議を頂きましてありがとうございます。最後に、事務局より、本日の議論の取り扱いについて御説明をお願いいたします。

○政策立案・評価担当参事官室長補佐
 本日頂いた御意見等の取扱いですが、まず実績評価書の記載に関する御指摘につきましては、担当課において必要な修正をするとともに、評価書の「学識経験を有する者の知見の活用」欄に反映状況を記入させていただきます。実績評価書につきましては、当室で取りまとめの上、総務省への通知及び厚生労働省ホームページでの公表手続を進めさせていただきます。
 また併せて、皆様にも最終版を送付いたします。また、今後の目標設定等に関する御指摘のうち、中長期的な検討課題になるものについては、事務局で整理の上、担当部局にて検討の上、進捗状況を今後の会議で皆様に御報告させていただきます。
 なお、玄田座長からもお話がありましたが、議事(1)(2)ともに、本日の会議の場で伝え切れなかった御意見等がありましたら、7月23日、1週間後の水曜日までに事務局まで御連絡いただければと思います。説明は以上です。

○玄田座長
 これをもちまして、本日の会議を終了いたします。ありがとうございました。

【会議後の提出意見】
 会議時間の制約等により会議の場で発言できなかった意見については、事務局宛に提出されることとなっていたところ、資料6について、村上委員より意見提出があったことから、議事録として以下のとおり公表する。

(村上委員)
<資料6 P3 番号11(施策目標Ⅴ-1-1)について>
 「職業相談とキャリアコンサルティングの線引きは難しい」との考えが示されているが、厳密に区別せず、一体的に捉え、指標化することも考えられるのではないか。
 雇用保険部会では雇用保険二事業に関する政策評価を実施しているが、その中では、「ハローワーク職員の就職支援等に対するアンケート調査による利用者の満足度」を指標化していることから、キャリアコンサルティングを含む職業相談の満足度を指標とすることや、ハローワーク職員のキャリアコンサルタントの資格取得の割合などを見ていくなど、キャリアコンサルティングの機能強化という課題に直接的に対応する指標について、引き続き検討いただきたい。

<資料6 P5 番号22(施策目標Ⅵ-1-1)について>
 合格率を指標とすることの理由については理解するところ。そのうえで、達成目標である「事業主その他の関係者による職業能力開発」を一層促進するためには、合格率のみならず、合格者数を指標とすることが有用と考える。指標の設定について再検討いただきたい。

<資料6 P6 番号30(施策目標Ⅵ-2-1)について>
 サポステ事業全体における就労支援の効果や質をはかるうえでは、就労率だけでなく、その後の定着率も重要な観点と考える。いきなり指標化することは難しいとしても、まずは参考指標として、サポステ全体の定着率を把握していただきたい。