2025年8月20日 第3回「障害者の地域生活支援も踏まえた障害者支援施設の在り方に係る検討会」議事録

1.日時

令和7年8月20日(水)10:00~12:00

2.場所

対面及びオンライン会議(日比谷国際ビルコンファレンススクエア8F)

3.出席者

4.議題

  1. (1)障害者の地域生活支援も踏まえた障害者支援施設の在り方に関するこれまでの議論のまとめ(案)について
  2. (2)その他

5.議事

○青木補佐 定刻となりましたので、ただいまより第3回「障害者の地域生活支援も踏まえた障害者支援施設の在り方に係る検討会」を開催いたします。
 厚生労働省障害保健福祉部障害福祉課の青木と申します。
 構成員の皆様におかれましては、大変お忙しいところお集まりいただきましてありがとうございます。
 本日は、構成員の皆様にはオンラインまたは会場にて御参加いただいております。
 また、傍聴席は設けず、YouTube上のライブ配信を行っておりますが、アーカイブ配信はいたしませんので、会議開催時間のみ視聴が可能となっております。
 なお、本検討会は公開とし、この議事内容は、皆様に御確認いただいた上で、後日、厚生労働省のホームページに議事録として掲載予定です。
 本日の出席状況でございますが、全員が御出席の予定でございます。
 続いて、事務局において人事異動がございましたので、御報告をさせていただきます。
○乗越課長 厚生労働省障害保健福祉部企画課長の乗越でございます。よろしくお願いいたします。
○大竹課長 障害福祉課長の大竹でございます。よろしくお願いいたします。
○米田室長 障害福祉課地域生活・発達障害者支援室長の米田です。どうぞよろしくお願いいたします。
○青木補佐 それでは、議事に入る前に、資料の確認をさせていただきます。
 オンライン参加の構成員の皆様におかれましては、お送りしております資料を御覧ください。
 本日の資料は、議事次第と資料1、資料2、資料3、参考資料の開催要綱となっております。
 本日は手話通訳及び要約筆記を行っておりますので、御発言の際は、お名前を名乗っていただき、できるだけゆっくり分かりやすくお話しいただけますようお願いいたします。
 また、前回に引き続き当事者構成員の方への情報保障の配慮としまして、例えば説明を聞き直したい等の際には、リアクションボタンを押してもらうようにするといった運用をさせていただきます。
 また、約1時間経過後に5分間の休憩を挟みたいと思います。
 では、以降の進行につきましては、小澤座長にお願いしたく存じます。
○小澤座長 皆様、おはようございます。
 本日は、これまで審議してきた内容をさらにブラッシュアップするということが最大の目的でございますので、議事の1番に沿ってその後の説明を入れていくということです。
 最初に一言だけお願い申し上げますが、本日全員参加と聞いておりまして、そうしますと、構成員が20名になるのですね。それで考えますと、お一人5分ぐらいの御意見表明で、休憩を挟んでちょうどいい時間になってしまうということですので、大変申し訳ありませんけれども、時間厳守で進めさせていただきたいと思います。おおむね5分程度たちましたらベルも鳴ると聞いておりますので、よろしくお願いしたいと思います。
 そうしましたら、本日の議事に早速入りたいと思います。本日の議事の1番目は「障害者の地域生活支援も踏まえた障害者支援施設の在り方に関する議論のまとめ(案)について」ということです。まず最初に事務局からの御説明、よろしくお願いいたします。
○青木補佐 事務局でございます。資料について御説明いたします。
 今回の資料でございますが、資料1は前回お示しした論点の修正点に関する資料でございます。資料2につきましては「これまでの議論のまとめ」ということで、第1回でお示ししたこれまでの経緯や施設の現状等を説明した内容を資料2の前半、8ページまでにまとめておりまして、施設の役割・機能、あるべき姿や今後の障害福祉計画の目標の方向性といった論点に関しましては、資料の後半、9ページ以降にまとめております。資料3につきましては、6月に開催しました社会保障審議会障害者部会において、本検討会に関して御報告した際に様々な御指摘をいただきまして、意見書を出したいといった要望がありました団体で、今回は全国脊髄損傷者連合会と全日本ろうあ連盟から提出があった本検討に関する意見の資料となっております。このいただいた意見につきましても一部資料に反映しているところでございます。
 それでは、まず資料1を説明いたします。
 1ページを御覧ください。大きな1番の障害者支援施設に求められる役割・機能、あるべき姿についてでございまして、(1)の基本的な考え方についてでございます。これは資料2の9ページに該当する部分でございます。主な意見としまして、強度行動障害を有する者や医療的ケアが必要な者などへの専門的な支援は入所施設だけが果たしている役割ではないのではないかという意見をいただきました。
 修正箇所についてでございますが、資料2の該当箇所の行数を記載しておりまして、305行目からの部分でございますが、修正内容としましては、そういった専門的支援は地域でも必要でありますが、特に障害者支援施設において必要ということで、赤字のように追記いたしました。
 次に、(2)の各論のマル1でございますが、前回は「意思決定支援」というタイトルにしておりましたが、もう少し広い概念が含まれているということで、タイトルを「利用者の意思・希望の尊重について」ということで修正をいたしました。
 主な意見としましては、「自分の気持ちを伝えられないだけではなく、相手の言っている話の内容が理解できないケースもあるので、わかりやすい情報の提供について盛り込んでほしい」「体験に基づく意思決定支援という観点も入れてほしい」「食事の時間帯などもう少し個別化してもよいのではないか」「単に選択肢を提示するだけではなく、本人が判断するための情報・経験を保障するというより手前の段階からの支援が不可欠である」「脱施設化ガイドラインにおける施設の典型的要素を減らしていく取組を本人がわかるような形で記載するべきではないか」といったような意見をいただいております。
 2ページを御覧ください。修正箇所についてでございますが、資料2ですと、10ページの311行目から該当する部分になりますが、いただいた意見を踏まえまして、赤字のとおり、意思を決定するための必要な情報の説明は、理解できるように工夫して行うということや、意思を表明しやすいように場面等の配慮を行うこと、体験や経験を通じた選択の機会が重要であるということを追記いたしました。
 また、一番下のポツでございますが、日課や活動内容などに希望が反映されることや、必要な支援が必要なときに提供されるよう十分に配慮することとか、支援において人格を尊重し、可能な限りパターナリズムが排除されなければならないことについてというのを追記したところでございます。
 3ページを御覧ください。マル2の地域移行を支援する機能についてでございます。主な意見としましては、「地域移行後のイメージを持ってもらうために施設入所中に他のサービスを利用できるようにすべきではないか」「地域移行について、見学だけではなく、生活の体験をすることも重要ではないか」「地域移行について、『1人暮らし・結婚等』を中心に検討してほしい」「外部との連携を強化していくべきではないか」「移行して終わりではなく、移行後のフォローも重要である」「地域移行のための通過点等として、障害者支援施設が運営するサテライト施設の創設を検討してはどうか」といった意見をいただきました。
 修正につきましては、資料2の10ページ329行目以降に該当する部分でございますが、令和6年度報酬改定で設けられた動機付け支援の加算につきましては、既に記載しているグループホームの見学、他の事業所での食事体験に加えまして、一人暮らしをしている障害者の生活状況の見学とか、買物や公共交通機関の利用等の地域の暮らしを想定した体験というのもできるようになっているということから、追記をしました。また、意見を踏まえまして、さらなる動機付け支援の方策についても引き続き検討する旨について追記しております。
 2つ目のポツの部分でございますが、外部の関係者との連携についてですとか、移行後のフォローについても重要であるということで、追記をしております。
 一番下のポツの部分でございますが、地域移行や定員削減を段階的に進めるためのサテライト施設の検討についても追記をしております。
 4ページを御覧ください。マル3の地域生活を支えるセーフティネット機能についてでございます。主な意見としましては、「緊急時だけではなく、平時から専門性の還元について対応していくことが重要である」「地域生活移行により生じた空床を、短期入所に転換するといった取り組みにより、地域生活支援拠点の緊急受入れの強化に協力していくべきではないか」「地域の事業所等へのスーパーパイズ・コンサルテーションとあるが、民聞から民間への介入は難しい」「本人の生活課題によるものだけではなく、家族の病気等で支援をできない状況になることもある」「災害時の対応について、施設にだけ押しつけるわけではなく、自治体も支援していることが明確になるよう『自治体と協力して』と追記してほしい」といったような意見をいただきました。
 修正につきましては、資料2の11ページの356行からになりますが、平時からセーフティネットの機能を地域に還元していく必要があることや、地域移行により生じた空床の活用について追記いたしました。
 2ポツ目のスーパーバイズ・コンサルテーションのところにつきましては、施設が指導というよりは、自治体等が行う地域の専門的支援体制の整備においてそういった役割を担っているということで、その旨を追記しております。
 3ポツ目では、本人の生活課題だけではないということで、「本人や家族等」ということで追記をしております。
 4ポツ目の災害時の対応につきましては、意見を踏まえまして、「自治体と協力して」ということで追記をしております。
 5ページを御覧ください。入所者への専門的支援や生活環境について。主な意見としましては、「盲ろうの方、聴覚障害を有する方も同等に専門性が高いため、『など』でまとめることなく示してほしい」「人生会議について、常に気持ちは変化し得るという前提で行っていく必要がある」といった意見をいただきました。
 修正箇所につきましては、資料2の11ページの370行以降となりますが、ろう重複、盲重複等の特別な配慮が必要な障害等ということで、意見を加えました。また、看取りに関しましては、「常に気持ちは変化し得るという前提を踏まえることが重要」ということを追記いたしました。
 次に6ページを御覧ください。大きな2番としまして今後の障害福祉計画の目標の基本的方向性についてということで、(1)の待機者のニーズの捉え方について。主な意見としましては、「逼迫性を高い人を見極める基準が必要で自治体が実数を把握する必要がある」「直近1年以内に入所希望がある方など、緊急性の高い方と将来的な希望の方とは区別して把握すべきではないか」「詳細な調査を全国一斉に行うことは事実上困難と思われ、地域の実情に応じて、各都道府県の判断で実施すればよい。国は、都道府県に対し、調査の先進事例を紹介していただき、各自治体の判断で、適切に居住支援サービスのニーズ把握に努めるよう促していただければよいのではないか」「待機者の定義や把握方法について、全国的に統一することは、現実的には、今の段階では難しい」といった意見をいただきました。
 修正箇所につきましては、資料2の12ページの401行目からとなりますが、現状、考え方・把握方法は自治体間で相当のばらつきがありまして、約半数の自治体で調査自体を実施していない現状にあるということで、障害福祉サービスは国の基本指針に基づき、市町村において地域のニーズを把握し、障害福祉計画を策定して計画的な整備を推進しているということを踏まえますと、各自治体の実情に応じて実施する必要がある。このような現状を踏まえると、待機者の定義や把握方法等を全国的に統一することは現実的ではないという指摘もあったところでございますが、どのような自治体支援が可能なのかというのを念頭に置きつつ、その他に取り得る対応等について引き続き検討していく必要があるといったような記載をさせていただきました。
 7ページを御覧ください。(2)障害福祉計画に係る基本指針の目標設定についてでございます。主な意見としましては、「年齢、障害種別、障害支援区分等で目標値を別設定にしてはどうか」「高齢の入所者の中には、地域移行の希望がある方もいることに配慮は必要」「入所期間や高齢化等に応じて複数の目標値を設定することについては、どんな障害であっても地域で生活できる共生社会を目指す中で、消極的な印象を与えるおそれがある」「これまでのように、一定の目安や指針があったほうが、各自治体は地域の実情に合わせて成果目標の設定がしやすい」といった意見をいただきました。
 修正箇所についてでございますが、資料2の13ページの423行目からになりますが、1つ目の丸の最後のところに記載があるように、「引き続き、地域移行者数や施設入所者数の削減の目標値を設定することが必要」とした上で、2つ目の丸としまして、「なお、障害の程度や年齢に応じた目標やグループホームの体験利用等の地域移行へ向けた取組状況の目標を別の目標として設定することの必要性が指摘されたところでございますが、現状は障害の程度や年齢に応じた地域移行の状況を把握できていない。そのため、利用者一人ひとりの意向を踏まえた地域移行の実現を図ることが重要であるということを踏まえ、まずは実態把握の方策も含め、具体的な対応を検討していく必要があるといったような記載をさせていただきました。
 以上が主な変更点となります。
 次に、資料2でございます。資料2の9ページ以降で赤字で記載がある部分が先ほど説明いたしました修正点に該当する箇所でございます。本日の検討会と次回の検討会のほうで資料2のこれまでの議論につきましてまとめていただくことを予定しております。
 14ページを御覧いただきたいと思います。14ページの「5.今後の検討に向けて」の1つ目の丸にありますように、これまでの議論を踏まえまして、障害者部会での障害福祉計画の基本指針の議論につなげていきたいと考えております。
 また、最後の丸にありますように、今後の検討会においては、それぞれの項目に関する進捗状況を確認しつつ、必要な対応を検討していくということを予定しているところでございます。
 資料の説明については以上でございます。
○小澤座長 ありがとうございました。
 冒頭申し上げましたとおり、本日構成員の皆様からできる限り意見をいただくという想定ですので、1人5分の1回でおしまいになってしまう可能性が高いので、本日以降、さらに追加意見あるいは質問をもう少ししたいということでございましたら、本会議終了後、意見書や質問書を提出していただくという扱いをさせていただきたいと思います。よろしくお願いいたします。
 前回名簿順で進めさせていただきましたので、本日も名簿順で進めさせていただきますので、自分の順番が来そうだといったときには、御発言の心積もりをぜひよろしくお願いしたいと思います。
 そうしましたら、名簿順で一番最初が安部井構成員でございますので、よろしくお願いしたいと思います。
○安部井構成員 全国重症心身障害児(者)を守る会の安部井でございます。発言の機会をありがとうございます。
 行数で示していますので、それに沿ってお話しいたします。318行ですが、体験や経験を通じた選択の機会を確保するためには、事前の準備や調整などが必要となるため、人員に配慮した体制など、職員に精神的な余裕が生まれるような仕組みづくりが必要だと思います。今いる職員への負担が増えないように実行すべきと考えます。
 次に、331行目、「食事体験」と限定せずに、「日中活動の体験」としてはいかがでしょうか。地域移行に際しては、前提として本人だけでなく、家族も納得して住まいの場を移すことも必要と考えます。本人主体の書きぶりとなっておりますが、本人を支える家族への配慮が見えるセンテンスを書き入れていただきたいと思います。
 次に、385行目、自分の持ち物を飾るというところですが、生活の自立を目指していくことも考慮し、自分の持ち物を飾るだけでなく、自分の部屋として持ち物の整理や確認ができるよう、障害特性に合わせて整理しやすい支援や工夫、そして見守りも必要なのではないでしょうか。
 最後に、401~413行目にかけてですが、待機者数が把握できている自治体が5割あることから、待機者の定義や実施している自治体の把握の際に利用している項目などを参考として把握していくことができるのではないでしょうか。例えば保育園などの利用希望に対しては、家庭状況や本人の状態などを点数化し、個別ニーズを見える化した上で、利用の可否を判定していると思います。障害者分野においても同様のことが行えるのではないかと思います。地域の大切な社会資源を平等に利用するという観点から、待機者数把握を施設任せにせず、都道府県あるいは区市町村圏域単位などで把握することはできないものでしょうか。本人だけでなく、家族が希望する場合には、実態を把握することで緊急性も見えてくるのではないかと思います。
 以上です。
○小澤座長 ありがとうございました。
 指摘箇所も触れておりますので、修正が可能なのか、表現を変えることが可能なのかは事務局と相談させていただき、最後の待機者把握の点に関しましては、御意見でもあるけれども結構強い要望のように思いましたので、事務局のほうで御判断されるような御意見がございますでしょうか。
○大竹課長 ありがとうございます。
 ここは本日の重要な論点でもあると思いますので、皆様方の御意見をいただければと考えております。事務局としては、各自治体でやっている状況を把握するということは可能かと思いますけれども、一方で、実態としては410行目以降に書いてありますとおり、御本人でなくて御家族の御意向を聞いているケースが多いとか、複数施設に申し込んでいる方について実数を把握しないことがあるとか、いろいろ課題もあるということも事実ということかと思いますので、事務局としてはもう少し議論、検討を深める必要があるのではないかということで、407行目以降に書いてございますとおり、引き続き検討させていただけないかというような記載とさせていただいておりますが、御意見を賜れればと考えております。よろしくお願いします。
○小澤座長 ありがとうございました。
 この件に関しましては継続審議的な要素がありますので、御提案も承っておりますので、そういったことがどのぐらいでき得るかということも含めて、あるいはやはり難しいということもあり得るかと思いますので、継続的に検討させていただくということでよろしいですか。
○安部井構成員 はい。御検討よろしくお願いいたします。
○小澤座長 よろしくお願いしたいと思います。
 そうしましたら、引き続きまして荒井構成員になります。よろしくお願いいたします。
○荒井構成員 皆さん、こんにちは。日本グループホーム学会の荒井と言います。よろしくお願いいたします。
 まず、資料1のほうの修正点に関しては、特に意見はございません。
 資料2のほうで、9ページの基本的な考え方のところに「脱施設化ガイドラインにおける『施設』の典型的要素を、可能な限り減らしていく」という書きぶりがあります。私は、今回のこの議論の中でここが大きなポイントになるかなと思っております。なので、こういう記載のほかに、各論、ページ9の一番下のところにその要素が幾つか羅列してありますが、それぞれの具体的な提案みたいなことも各論の部分に記載できないかと思っております。例えば他人との共有や誰に介助してもらうのかを選べないということなどに関しては、現状でいくと、今の制度設計で外部のサービスが利用できないということにおいては、この解消はなかなか難しいかなと思っております。
 なので、具体的な提案として、ほかのサービスの併用をできる仕組みに変えていくということを書いていくとか、一定の管理の下、個人が属するグループ単位に、同じ場所でほぼ同じ活動を行うということが典型的な要素として記載されていますが、ここに関しては、この間議論されているような昼夜の分離、同じ建物で昼間もいるのではなくて、違うところでのやり方をちゃんと考えていくみたいなことを書いていくとか、要素によっては今の段階で具体的に書き切れない部分も多少あるかなと思っていますが、少しそこの検討が必要かなと思っております。
 そのほかに、これもどこに書いていくかなのですが、ページ10のマル2辺りかなと思っていますが、この間もお伝えしましたが、相談支援体制の在り方に関して、今、サービス等利用計画に関しては、例えば同一法人であったり、いろんな制約自体はそんなに厳しくはされていませんが、御本人さんのいろんな意向確認をするに当たっては、実は第三者的な立場で関われる存在が必要かなと思っておりまして、ここら辺の相談、誰が考えていくのかということに関してもう少し踏み込んで記載があるとよいかなと思っております。
 最後に、13ページの(3)でグループホームの目標の方向性等に関して書いてあります。一番上の丸と次の丸に関しては、私たちとしては大いに賛同する部分でありますが、もう少し踏み込んだところとして、例えば今、障害福祉計画で目標数値の設定をしていますが、具体的には単純な利用者数だけのところで設定をするところが多いです。自治体によっては括弧書きになっていたりしますが、そのうち重度者の割合がどのぐらい目標として設定をするのかということで書いてある自治体もあります。なので、今、総量規制みたいな話の議論も始まっておりますが、皆さん御承知のとおり、いまだに区分5、6だったり、支援度の高い方がグループホームで利用しているような実態がまだまだ少ない。なので、ここら辺の目標設定を独自にしていって、そこの数をしっかりと増やしていくということに関しては、ここの目標の設定の方向性で少し具体化できるといいかなと思っております。
 同時に、この4月から始まった移行支援住居に関しても、制度としては始まりましたが、まだまだあまり増えていない実態があると思っています。その辺りに関しても、恐らく圏域とかある程度の自治体単位でみんなで考えていかないと、ここら辺の仕組みはうまくいかないかなと思いまして、ここも障害福祉計画の中で目標を立てて、それで進めていくようなやり方がいいのではないかとも思っております。
 取りあえず以上になります。よろしくお願いいたします。
○小澤座長 ありがとうございました。
 非常に具体的な提案を入れていただいてありがとうございます。
 具体例が施設の典型的要素というところで、ある程度具体例を盛り込んだほうがいいのではないかということに関しては、どのぐらい盛り込むことが可能かどうかを事務局とも検討させていただきたいなと思って聞いておりました。
 その他、幾つか指摘事項に関しましても、できる限り反映できるものであればさらに追記をしていきたいと思っている次第ですが、事務局のほうで今の御意見に関して御発言等ございますでしょうか。
○大竹課長 ありがとうございます。
 1点目、2点目、今、まさに座長から御指摘いただいたとおり、どこまで記載できるかを御相談させていただければと思います。
 3点目の13ページの目標設定の方向、在り方につきましては、ここも本日の重要な論点かと思いますので、御意見をほかの構成員の方からもいただければと考えております。
 ただ、事務局としては、重度の方などを別途設定することについて、そのような自治体もあるというお話でもございましたけれども、全国的にそういう設定ができるかというと、現状としてそこの把握ができていないというところもありますので、その点をどのように行っていくかというところは、具体的な検討が必要なのだろうと考えております。
 以上でございます。
○小澤座長 ありがとうございました。
 できる限り検討できるものは検討させていただくということで、よろしくお願いしたいと思います。
 そうしましたら、引き続きまして今村構成員、よろしくお願いいたします。
○今村構成員 DPIの今村です。本日はありがとうございます。
 私のほうからは、まず307行目「終末期における看取りまでの支援は、特に障害者支援施設において重要」というこの変更ですけれども、看取りについて、前回私も申したと思うのですが、入所施設において特に必要という意味合いではなくて、むしろ看取りの支援まで地域でできるようにしていく、地域の中で看取りまでやっていける、そういう支援体制を構築することが重要なのだという意味合いで申しております。もちろん、入所施設においても必要というのは分かるのですが、「特に」というのは逆に語弊を生じてしまうのかなと思うので、修正をお願いできればと思います。
 次に、410行目からの「その際、『入所を希望しているのは本人ではなく家族であることがある』」というこの文章に続いて書き加えていただければと思うのですが、「併せて」というつなぎの表現が正しいか分かりませんが、案を申し上げると、「併せて、緊急時にさせない支援を平時からどのようにするかを、地域生活支援拠点等を活用すること。地域生活支援拠点は、緊急時にさせない支援を具体的に構築していくこと」というようなことも書き加えていただけると、より具体的な対策につなげられるかなと思います。
 それから、416行目からの障害福祉計画についてですけれども、引き続き目標値を設定することが必要であるというのは、それはそうだと思うのですが、これまでも国の目標値に対して、確かに減ってはきているのですけれども、減っていく傾向がどんどん緩やかになってきている。その実態に合わせて目標値も下がってきているというのが今までのケースですので、これですと、地域移行へ強力に推し進めるという部分では実効性にちょっと乏しいかなと思っています。
 一方で、いわゆる頑張っている自治体、一生懸命地域移行に取り組んでいる自治体は、その分財政を圧迫したりして、非常にそこが苦しくなっている実態もありますので、そういった頑張っている自治体を応援するような仕組みというのも併せてしっかり検討する必要があると思います。
 また、地域移行先がグループホームというのが具体的なイメージとなっている。特に自治体の中の考え方がそのようになっていることを強く感じています。なので、地域移行先はグループホームのみではないということと、グループホームにおけるホームヘルパー、訪問系サービスの利用を恒久化してほしいなと思います。
 この部分に書き加えるかどうかは検討が必要だと思いますが、目標設定をなぜするかとか、自治体向けになぜ強力に進めるべきかという部分をどこかに書いてほしいなと思います。改めてなぜその施設が必要かと考えれば、施設の機能的なものとして、少ない人数で多くの人を見るという効率化の部分があったり、あとは家族介護ではもう無理になってと。そういう状況で入所されるというのが常かと思いますけれども、そうでなく、家族に頼らず、地域で暮らせるようにするためにどうするのかということ。2022年の日本の権利委員会からの指摘においても地域移行をと言われていたこと。これは皆さん、もう忘れがちだと思いますが、2020年のコロナ禍の緊急事態宣言で日本中、世界中の人が外出制限をされて自宅に籠もるということを強いられましたが、入所施設が全てとは言いませんけれども、多くのところはあれに似た状況にされている。それは人権侵害にも当たる部分があるので、地域で暮らせるように、本人の意向を尊重してということですので、その辺を改めて書き加えて、それを自治体にこういう考えなのだということを示してほしいなと思います。
 それから、去年の調査結果からも、区分6の人とか、年齢も50代、60代の人が一番地域移行しているということからすると、高齢化・重度化なので入所施設が必要という論法はちょっと違うのではないかなと思いますので、誰もが入所施設ではなく、地域移行が可能であるということを基本に置くべきかなと思います。
 最後に1つ。13ページのグループホームについての記載ですけれども、「専門性やバリアフリーに考慮したグループホーム等を増やしていくことが必要である」とありますが、「等」の中に含まれるのかもしれませんけれども、一人暮らしに対応する、強度行動障害の人とか、車椅子の人に対応できる住まいというのは非常に少なくて、そこが困難ですので、グループホーム等と「等」にまとめず、「グループホームもしくは一人暮らしの可能な住まいの確保対策も必要である」というような記載を入れていただければと思います。
 以上です。
○小澤座長 ありがとうございました。
 非常にたくさんの御意見をいただきましたので、これもまたその記載が可能かどうかとか、そういう記載が十分意に沿ってできるかということも事務局と検討させていただきたいと思っている次第です。
 ただいま幾つか御意見等が出ましたけれども、この場で事務局としての御意見・御発言があれば承りたいと思います。
○大竹課長 いずれもどのような記載が可能かをまた御相談をさせていただければと思います。ありがとうございます。
○小澤座長 ありがとうございました。
 またブラッシュアップして次の段階でどういう形でお見せすることができるか、また検討事項になってくるかと思いますが、非常に重要な指摘事項が幾つも入っていたかと思いますので、よろしくお願いしたいと思います。
 そうしましたら、引き続きまして岩上構成員、よろしくお願いいたします。
○岩上構成員 全国地域で暮らそうネットワークの岩上です。
 私は2点ありまして、まず9ページ、基本的な考え方の基本のキがないのではないかと思っています。つまり、入れていただきたいのは、今後は障害者が住み慣れた地域で自分らしく暮らしていくため、それを支える社会資源としての施設の役割が重要となるという基本的な考え。そのための期待される施設になるためには、法人及び職員の意識改革が求められるということをぜひ入れていただきたい。これは前回の調査研究のときにも基本的には施設は社会資源として必要であるけれども、そこで働く人たちの意識を変えていく価値の変容が求められるということが言われてきた話ですから、そこは加えていただきたいと思います。
 もう一点は待機者の話ですが、何か生ぬるいような気がします。待機者が分からないのに計画を立てられるのかという話になりますから、基本的には。あと、冨岡さんにも意見をお聞きしたいのですが、相談支援専門員が将来の暮らしについて考えないで利用計画を立てるということはないので、そこで把握できると私は思っています。サービスを使っていない人については、自治体の人たちにも協力をしていただく必要がある。こういった価値観は地域生活支援拠点等でしっかりやっていくことになっているので、それは拠点コーディネーター配置を進めなければならないということがありますけれども、基本的には厚労省のほうでこれまでしっかり枠組みをつくっていただいていると思っていますので、把握できないとかいうことではなく、そういったことをきちんとやってもらうということだと認識しています。
 以上です。
○小澤座長 ありがとうございました。
 1点目は、基本的な考え方が現在4点ほどございますが、これにある種追加が必要であるであろうと。結構大きな意見ですので、これは事務局に御意見をお伺いしたいのですが、もう一点、これは相談支援との絡みでどうなのかという話がありまして、後で冨岡構成員の御発言も含めて御指名がありましたけれども、取りあえず事務局のほうで、まずは2点、非常に大きな指摘事項と承りましたので、いかがでしょうか。
○大竹課長 ありがとうございます。
 いずれも本日の主要議題ということかと思いますので、引き続き各構成員の御意見を賜れればと考えております。
 1点目の住み慣れた地域で暮らしていけるようにするためのという方向性の中での施設の役割という話であったり、あるいはそこに向けた意識改革という話もございました。施設の役割がありつつ、一方で、6ページ目の現状のところ、186行目以降でも書いてございますけれども、入所者にとって施設の支援が一番適切であるため、地域移行は不要という方がいらっしゃるという現状をどうしていくかというところも含めて、どのような記載ができるか。本日御議論いただいた上でその記載を考えていければと考えております。
 2点目についても御意見をいただきまして、これも待機者をどうしていくかというところでございますけれども、少し技術的な課題があるというところで我々としては記載をさせていただきました。そういう様々な定義のずれがある中で、全国トータルの数を出すところにどの程度意味があるのかというところも出てきてしまうということかと思いますが、自治体ベースでやっていただいているところもあるというところについて、例えば現在実施していない自治体が今後実施するときに、どのような支援ができるかということを我々が考えていきたいということで、記載をさせていただきました。この点、引き続き御意見をいただければと思います。
 以上でございます。
○小澤座長 ありがとうございました。
 今の2点に関しましては継続的に審議・検討をさせていただきたいと思っている次第です。多分自治体間格差も結構ある。地域支援拠点などは特にそのように思いますので、そういったことを含めて検討を継続させていただきたいと思って聞いておりました。ありがとうございました。
 そうしましたら、引き続きまして岡部構成員、よろしくお願いいたします。
○岡部構成員 全国地域生活支援ネットワークの岡部です。よろしくお願いいたします。
 まず、基本的な考え方としてですけれども、これは9ページになるかと思うのですが、私たち地域生活支援ネットワークは、これまで一貫して障害者施設は地域生活への移行を支える通過型あるいは循環型の拠点であるべきということを申し上げてまいりました。ぜひ通過型・循環型の拠点であるといった旨を表記していただきたいと強く要望いたします。
 それ以外については、先ほど意見を述べられたDPIの今村構成員、岩上構成員と似ているところがあるのですけれども、資料1で「特に障害者支援施設において」というところがあったと思います。これは307行目になると思うのですが、ここの表記は、「特に」という強調が、このままだと障害者支援施設で請け負うものと誤解されないため、地域の中でも十分にその役を担える機関があるということを前回も申し上げましたので、その辺のニュアンスをお酌み取りいただけると幸いです。
 続きまして、待機者の目標設定についてですが、これは私どもも、ここに書かれている表記ではメッセージ性がちょっと弱いのではないかなと思っています。このままの表記の在り方ですと、結果的には大きく変化がないのではないかなと思っています。そして、結果的に誤った待機者数が今後も国の数として表示されてしまうのではないのかなということで、非常に危惧しております。ですから、そこについてはもう一度御議論いただきたいなと考えております。
 もう一点は、今後の障害福祉計画の目標の基本的方向性というところで、(2)(4)(5)、どこに示していいのか分からないのですけれども、(5)、453行目のところに施設整備補助金の対象要件との整合性について表記がありますので、ここでもいいのかと思うのですが、この待機者数、入所者数に対して、地域移行を進めていただけた自治体や事業者に対して、医療的ケア、高齢化対応のグループホームの整備を促進する補助金制度優遇を検討するなどの明記があってもいいのではないのかというような意見を述べさせていただきます。
 以上です。
○小澤座長 ありがとうございました。
 1番目の指摘事項は基本的な考えに該当することですので、これも事務局と相談させていただきたいなと思って聞いておりました。そして、以下は他の構成員も含め指摘事項が入っていたかと思いますし、また施設整備のことに関しましては、新たな指摘事項というふうに聞きましたので、もし事務局のほうでただいまの御意見に関して何か御発言等がありましたら、よろしくお願いします。
○大竹課長 ありがとうございます。
 目標設定につきましてはこの後も御意見をいただければと思いますけれども、メッセージ性が弱いというお話をいただきました。大きい方向性として、地域移行を進めていく、そのために目標を設定してやっていく、ここの軸にぶれはないのだと思っています。最近、重度化とか高齢化という話があって、それが進んでいないという話がありますけれども、では、それ以外の方の地域移行がしっかりと進んでいるのかという問題意識をいただいているのだと思っています。だから、少し分けるというか、具体的な課題を踏まえて考えていく必要があるのではないかというお話をいただいているのだと思っています。
 一方で、その問題意識は共有しつつ、どちらかというと技術的なところとして、技術的に重度者の方や高齢者の方の状況が把握できていないというところをどうしていくかというところの検討が必要というように事務局としては考えているということでございます。
 以上でございます。
○小澤座長 ありがとうございました。
 いろいろと多角的に検討すべき事項がまだあるかと思いますので、これに関しましては、さらにどのような検討をしなければいけないかということで、より継続的に審議をさせていただきたいと思って聞いておりました。ありがとうございます。
 そうしましたら、次は児玉構成員、いかがでしょうか。よろしくお願いします。
○児玉構成員 重症心身障害者のための療養介護からの発言になりますけれども、御存じのように、療養介護は、病院の多くは医療型障害入所施設ですが、そこに入っている方々の日中活動サービスを指すもので、施設入所とは違うのですけれども、実質上24時間過ごすので、ここでは「施設」あるいは「入所」という表現をさせていただきます。
 この資料2の14ページの下のほうにありますように、療養介護は今回の検討の対象ではないがとありますが、今回の資料2を拝見していても、背景となる状況がほかの方々のところとは随分違うような印象を持ちます。何よりも対象となる方々の大部分は意思決定の判断、意思表示が困難か、できない方々で、本人の判断というよりも、家族を含めて関わる人たちの推定判断によらなければならないことがあります。さらに、現在は重症心身障害者であっても、医療ケアが必要であっても、今日ではほとんどの方が在宅で地域の生活を選んでおられ、あるいはグループホームもそういう方々のためのものができつつあります。療養介護への入所が必要な場合とは、そうした地域生活の限界に達して、これ以上は困難という段階での入所であり、それはその地域の限界でもあります。したがって、その方々を再びに地域にというときは、背景となっている限界を解決できる条件を地域が備えていく必要があります。その地域状況は全国で様々で、医療ケアが必要でも生活が可能な地域もあれば、初歩的な医療ケア段階でも不可能な地域もあります。
 施設が計画的に地域移行をさせるというよりも、地域が改めて迎え入れる条件を整えることが必須となります。定員の削減の話もありますが、その地域での定員は、その地域が必要とする定員でもありますので、施設のほうから決めるわけにはいきません。
 また、待機者の把握ですけれども、多くの自治体で待機者把握の調査を行っていますが、そこで待機とされた方々の多くは、念のための待機で、今すぐの希望ではないという結果も出ており、私が勤めております地域も含めて、幾つかのところでは待機者登録をされている方々の中で、本当に今すぐ施設入所を必要とする方々はその1割も行かないところが大部分であります。それぞれの方にそれぞれの背景がありますので、把握というのは、全体の数だけでの把握ではなくて、個々のケースをフォローするような地域の体制が必要だと思います。
 また、少しでも地域生活を体験できるようにする場合は、全面介助と医療や看護が必要で、その上で地域生活を享受できるためには、重度障害の方々にとって、一日体験などではかなりの期間の生活体験を求められますけれども、現実にはそうした場合には退所しなければいけなくなってきますので、制度上はできないことになっています。
 それ以上に、今の入所を続けながら。今の入所というのは、医療がカバーされた入所です。生活介護を利用して、地域との接点を持つことも制度上はできないでいます。多くの入所施設では日中活動では選択の余地がありますが、療養介護ではそれがないわけである。これも地域移行の第一歩だと思うのですけれども、療養介護をしながら地域生活の体験を続けるという道もあるのですが、入所か地域かという二者択一的な発想の前に幾つものステップがあると思います。これも改めて療養介護からの必要性についてまた提起していきたいと思います。
 グループホームを施設が開設し、不安の残る方々に利用してもらうのも有力な方法ですが、通常のグループホームの人員配置や報酬では対応し切れず、報酬面や条件面で改めての配慮が必要になります。どういう条件が必要かということも療養介護のグループホームということでまた論ずる必要が出てくると思います。グループホームから高齢になると、高齢者の住宅や施設を利用する流れもありますけれども、少なからぬところでは、そういうところで寝たきりのままで置かれているところもあります。そういった点でも、地域生活の中の高齢の段階での利用の方々の実態も調査していただきたいと思います。
 また、短期入所が強調されていますが、特に医療ケアが必要な方のための短期入所は、現状では医療面での請求もまだ制限されており、常に入所者以上の配慮が求められ、現状では各施設の看護力などの人員配置や収入の面で限界に達しています。この点でも改めて、特に医療ケアを伴う重症心身障害者の短期入所についての見直しをお願いしたいと思います。
 こうした課題は、今回の検討ではカバーできないことが多く、改めて療養介護の検討で見直しをお願いしていくつもりです。取りあえず意見として出させていただきました。
 ありがとうございます。
○小澤座長 ありがとうございました。
 療養介護から見た障害者支援施設はどうあるべきかという非常に建設的な御意見も入っておりましたので、十分参考にさせていただく中身が多かったかなと思って聞いておりました。
 他方、療養介護の在り方そのものはまた調査し、それを基に検討が行われていくと聞いておりますけれども、事務局のほうでそれらを総合的に判断されると。ただいまの御意見に関しまして、事務局におかれまして何か御発言等ございますでしょうか。
○大竹課長 今、座長にまとめていただいたとおりでございます。よろしくお願いします。
○小澤座長 ありがとうございました。
 非常に重要な中身が入っていたかと思います。よろしくお願いいたします。
 そうしましたら、引き続きまして佐々木構成員の御意見を承り、その後、佐藤構成員の御意見を承ったところで休憩を入れようかなと考えておりますので、よろしくお願いいたします。では、佐々木構成員、よろしくお願いいたします。
○佐々木構成員 全国手をつなぐ育成会連合会の佐々木でございます。ありがとうございます。
 2ページの「はじめに」の(1)の47行目に「地域移行に取り組んでいる」と断定して書かれているのですが、昨年の調査で35.8%の施設が取り組んでいないという結果も出ておりまして、「多くの施設が地域移行に取り組んでいる」としたほうがいいのではないかなと感じました。
 また、49行目にも「専門的支援を行っている」と書かれているのですけれども、もちろんやっていらっしゃるのはよく分かって、これ以上は無理ということなのだろうと思うのですが、空床があっても受入れを断ったというのが48.6%と約5割に近いということで、こういうふうに断定して書いていいのかなと思いました。特に医療的ケアのある方が62.6%、強度行動障害が63.5%の方、断った理由として、たしか職員が対応できないという結果が出ていたと思いますので、ここの記載は、多くの施設が努力してやってくださっているということはすごく感じているのですけれども、その辺りの表記を少し考えていただければいいなと感じました。
 9ページの291行目「あらゆる場面で体験や経験を通じた選択の機会を確保し」という記載がありますけれども、併せて、「本人に分かりやすい情報を提供し、体験や経験を通じた」というような記載にしていただけると大変ありがたいかなと思っています。
 10ページの329行目から330行目で、「動機付け支援」ということで、括弧して書いてあるのですけれども、「見学」というのがあるのですが、重度の知的障害者の場合、見ただけでは分からない。例えば宿泊体験をしてみて初めて、あ、ここでの暮らしはこういう暮らしなのだなということが理解できると思いますので、ぜひ宿泊体験なども入れていただけるとありがたいなと思いました。
 以上でございます。
○小澤座長 ありがとうございました。
 調査結果の書きぶりに関しては、何を意図するかということとも関係しますので、これもまた事務局と相談の上、書きぶりに関して、多い・少ないという、結構難しい判断が必要ですので、ちょっと相談させていただきたいと思います。
 追記すべき中身とかその他に関しましては、また必要に応じて修正が可能であれば対応できるものは対応していきたいなと思って聞いておりました。
 事務局のほうでただいまの御発言に御意見等ございますでしょうか。
○大竹課長 座長にまとめていただいたとおり、御指摘を踏まえて記載ぶりを考えていきたいと思います。ありがとうございます。
○小澤座長 ありがとうございました。
 そうしましたら、次の佐藤構成員の御発言をいただいた後、休憩を5分ほど挟んで、後半を進めさせていただきたいと思います。
 では、佐藤構成員、よろしくお願いします。
○佐藤構成員 伊達市、佐藤則子。よろしくお願いします。
 資料2の9ページ「3.入所施設に求められる役割・機能、あるべき姿について」。(1)基本的な考え方のマル1、利用者さんの意思・希望の尊重について。私の場合は、入所期間も少なく、また、希望したことについて真摯に対応してもらえたと思っています。自由に過ごしていたと思います。でも、そうではない施設がたくさんあると思います。日常的に御本人が選ぶことができる環境になっているでしょうか。長い間施設に入所している方は、意思決定という言葉の意味をどれだけ理解することができているのでしょうか。身近なところからの取組が必要と思われます。それで個別支援計画及びサービス等利用計画の必須項目に義務づけることも必要ではないかと思います。
 マル2、地域移行を支援する機能について。私は児童施設から成人施設に移動し、地域生活をするまでに生活体験、通勤寮、現在の宿泊型自立訓練に移動する前に体験生活をしました。通勤寮では年上の人ばかりで、特に男性は怖いと思い、なじめなかったです。移動する前に実際の生活体験ができたことで、移動を決めるときに心の準備ができました。体験は何度も行ったほうがよいと思います。私は恵まれた環境にいたのだと思います。地域で生活することは当たり前と言える地域・環境にいるからです。もしそうでないところだったら自分の短所だけしか見てくれず、現在の周囲に見守られながらどうにか一人前の生活をしている私はいなかったかもしれません。
 (2)各論、マル1、利用者さんの意思・希望の尊重について。まず、支援する側の研修、話し合い、意思決定支援ガイドラインなどの熟読など準備していく期間を設定し、利用者さんが獲得してから取り組んでいくとか、内容によっては手間暇かかることだと思います。でも、自分で選んでいいのだ、また、選んだことが変わったり、ミスがあっても指摘せず、待つことが大切かと思います。そのことによって利用者さん一人ひとりの広がりが出て、見えなかった内面性が見えていくことが多々あると思います。
 4、今後の障害福祉計画の目標の基本的方向性。(1)待機者のニーズの捉え方について。調査していない自治体において困っている家族がいなければ、ただし書きで別な方法で把握しているのならいいと思いますが、気になりました。
 (2)障害福祉計画に係る基本指針の目標設定について。地域移行者の人数や施設入所者の人数の削減目標値は必要だと思いますが、人手不足と叫ばれる昨今、取り組むことによって施設の収入につながっていく方法を考えていくことも必要ではないかと思います。
 以上です。ありがとうございました。
○小澤座長 ありがとうございました。
 非常に重要な中身の指摘が入っていると思います。利用者の意思決定に関しまして、きちっと丁寧に、そして時間をかけながらというところは、もう少しはっきりしたほうがいいであろうという御意見かと思いますし、それらを含めて、記載の在り方、十分その意見が反映できるかどうか検討させていただきたいと思っております。その他の意見も含め、非常に大事な意見が指摘されていたかと思います。
 事務局のほう、ただいまの御意見に関しましていかがでしょうか。何か御発言等ございますでしょうか。
○大竹課長 御意見をしっかりと受け止めていければと考えております。ありがとうございます。
○小澤座長 よろしいでしょうか。ありがとうございました。
 そうしましたら、この後の時間との関係もありまして5分程度の休憩と言われていますので、ただいま11時8分ですが、11時15分から開始。多分12時を超える可能性がありますので、もし12時以降に御用事がある状況であれば、その形で途中退出もあり得るかもしれませんけれども、御了解のほどよろしくお願いいたします。
 では、11時15分から再開したいと思います。よろしくお願いいたします。
 
(休憩)
 
○小澤座長 11時15分になりました。再開します。
 構成員の方の御都合によって順番を少し変更させていただきたいと思います。後半の最初は髙橋構成員にお願いしたいと思います。都合により途中で退出と聞きましたので、髙橋構成員。その後、やはり都合で12時以降は難しいという構成員もいらっしゃいましたので、その次に横川構成員から意見をいただく。こういう順番変更をさせていただきますので、後半、相馬構成員からスタートではなくなりましたので、よろしくお願いいたします。
 そうしましたら、後半の最初は髙橋構成員、よろしくお願いいたします。
○髙橋構成員 座長、すみません。御配慮いただきましてありがとうございます。構成員の皆様、順番を変えてしまって申し訳ありません。それでは、発言をさせていただきます。
 資料1については、これまでの検討会での本県の意見をおおむね反映していただいていますので、特に意見はございません。
 資料2のまとめ(案)を全体的に通して読んだところ、昼夜分離の推進、それからセーフティネットの機能に関して具体的に言及したいと思います。
 まず、昼夜分離の推進についてです。資料2の10ページの329行目、12ページの387行目の部分になります。令和6年度報酬改定において障害者支援施設の利用者がグループホーム等の見学や食事利用、地域活動への参加等を行った場合の加算、それから障害者支援施設と隣接しない通所先への送迎について加算が設けられまして、地域移行に向けた動機付け支援ですとか昼夜分離を促進する取組が進んでいるところでございます。
 一方で、施設からは昼夜分離、外部の通所先に利用者が通うと、経営の観点では減収となり、デメリットが大きいといった声が本県の中では寄せられているところでございます。減収を回避するために、外部の通所先も障害者支援施設と運営法人と同一法人と運営するという形になってしまって、利用者の自由な意思、選択や、適性に基づいて通所先を選択することができない状態、いわゆる囲い込みのような状態に陥ってしまうのではないかという懸念もあると考えています。
 そうしますと、まとめ(案)の12ページの387行目では、利用者の日中活動の場と住まいの場の分離や画一的な内容ではなく、個々のニーズに応じた活動を推進する必要がありますが、こちらの文末をより具体的な形にしてはどうでしょうかと考えています。
 例えば活動を推進する必要があるといった部分の活動を推進するため、報酬の見直しを含めて検討する必要があるといった記載にしてはどうかと思っています。また、障害者支援施設の利用者が昼間に外部の事業所に通うと減収になってしまうという現状を改善する必要があります。外部の日中活動サービスに通う利用者の数に応じた評価。これは人数だけではなくて、こうした取組を推進することによって利用者の健康状態も改善するとか、これまでにない評価の仕方、評価軸なども考えながら、こういった地域の障害者施設が日中活動サービスで受け入れた場合の評価を設けることで障害者支援施設の昼夜分離が進み、施設がより地域に開かれたものになるのではないかと考えています。
 セーフティネットの機能についてですが、地域移行した利用者の支援についてです。資料2の11ページの353行目の部分になります。グループホームに生活の場を移すなど地域生活移行した方に対して、移行先での生活がうまくいかないなどの理由で再度受け入れることを想定して居室を引き続き確保することが多くあると入所施設から伺っています。こうした事情で空床を確保した場合についても、報酬上の評価をする検討が必要ではないかと考えています。
 また、障害者支援施設そのものの議論から少し外れてしまいますが、第1回検討会で障害のある人と援助者でつくる日本グループホーム学会の荒井構成員から意見がありました訪問型の短期入所、通常の施設内での短期入所が困難な場合に、施設職員が居宅を訪問して支援するような訪問型の短期入所について、本県の一部の市では地域生活支援拠点等における緊急対応、緊急受入れの一つの手法として補助対象としています。国においても、こうした新しい緊急時の受入方法について制度化の検討をしてはどうかと考えています。
 構成員の複数の方から今回待機者調査についても言及があったかと思うのですが、前回のこの会でもお話をさせていただいていますが、待機者調査の実態を見ると、家族の方の御不安というのが一番大きく反映されているというのが我々の調査から見えてきているとなってくると、本当に障害者支援施設の利用というのが、待機者というのをどう考えるべきなのかというのはすごく難しい問題だと思っています。そういった一方で、本県で、千葉県長生村のああいった痛ましい、二度と起こしてはいけないような事件が起こってしまったということを考えると、一方では保護、障害者の方々の命を脅かすようなことがあるのであれば、そこは待機者といった考え方とは別の措置という枠組みの中での考え方の整理とかその仕組みみたいなことも併せて考えなければいけないのかなと考えているところでございます。
 以上でございます。
○小澤座長 ありがとうございました。
 非常に大事な提案も含めて入っていました。特に報酬にどう反映させるか。報酬の検討はこれらの議論を含めてというふうに聞いておりますけれども、現時点でこの報告書案に報酬のことをどの程度書き得るのかということに関しましては、事務局にも御意見をお諮りしたいと思っている次第です。
 待機者調査に関しましても、先ほどからずっと御意見を承っておりますので、一通り御意見を受けて、またどういうふうに考えなければいけないかということも検討させていただきたいと思います。
 事務局、いかがでしょうか。ただいまの御意見。特に神奈川県の取組も含めて入っていたかと思いますが、事務局としての御発言等がありましたら、よろしくお願いします。
○大竹課長 ありがとうございます。
 報酬の在り方という面では、今後この議論をまとめていくわけですが、このまとめ全体として、基本指針の目標設定関係は障害者部会ということになりますけれども、それ以外は、具体的な報酬の在り方について、次期報酬改定に向けて検討していくという、ある意味材料になるということかと思いますので、全体として報酬の中で議論していくということかと考えております。ここは特に大事なので書き込みたいという御意見も各構成員、おありなのだと思いますけれども、特定のところに書き込むというよりは、全体としてそういう報酬なりほかの規制かもしれませんし、様々なやり方でこの議論のまとめに書いてあるような話を後押ししていく、進めていくということで事務局としては考えていると御理解いただければと考えております。
 待機者調査についても座長のコメントどおりということでございますけれども、様々技術的な課題はあるわけですが、かといって何もしなくてよいのかということかと思っていますので、何かできることはないのかというところで少し検討が必要であろうと考えております。
 以上でございます。
○小澤座長 ありがとうございました。
 いろいろな角度で検討事項がまだあるかなと思っている次第ですので、今後もぜひとも自治体の立場ということでよろしくお願いしたいと思います。
 そうしましたら、先ほど申し上げましたように、横川構成員のほうに次の発言をお願いしたいと思います。よろしくお願いいたします。
○横川構成員 横川です。
○支援者 横川さんの支援者です。
 2点、利用者の意思や希望を大切にすることについてと、地域移行を支援する機能についてということで意見を言わせていただきます。
 横川さんは入所施設で8年、グループホームで7年生活した後、今は一人暮らしをされています。
 インタビュー形式で聞こうと思います。
 ガルにいた頃のことを覚えていますか。ガルというのは入所施設です。覚えていますか。
○横川構成員 覚えている。
○支援者 どんなことを覚えていますか。
○横川構成員 織物。
○支援者 織物の仕事をしている。
 施設で嫌なことがありましたか。
○横川構成員 ない。
○支援者 何もなかった。
○横川構成員 はい。
○支援者 ガルからレモン会社。レモン会社は当時は授産施設ですけれども、横川さんは選べる福祉サービス滋賀特区という特区制度で入所施設から通所施設に通った第1号でした。
 ガルからレモン会社に通っていたときのことを覚えていますか。
○横川構成員 動物のみがき。
○支援者 木工作業で動物の積み木を磨く作業をしていたそうです。
 グループホームに出て7年暮らして、一人暮らし。一人暮らしをしようと思った理由を教えてください。
○横川構成員 駅から近いし、それから、ええうちやなと。
○支援者 駅から近いところで一人暮らしをしたいということでされたということです。
 一人暮らしをしたいという意思が出てきた経過について少し補足をしたいと思います。
 資料の画面共有は可能でしょうか。事前にお願いしていたものですけれども。
(資料の画面共有)
○支援者 横川さんは重度の知的障害があります。意思決定支援の際も意思形成支援というところで土台をつくることが重要だと思っています。
 次の資料をお願いします。
 グループホームにいて、「一人暮らしをしたい」と言われ出したのは、グループホームで生活していた頃に、休日、いつも1人で電車で出かけておられたのですけれども、住んでいるのは滋賀県大津市ですが、「比叡山に行くわ」とか、「鳥居のところに行くわ」と。鳥居は伏見なのですけれども、行き方を書いた紙を私が用意して、でも、御本人は文字を読めないので、それを持って駅員さんに見せて、「次はどの電車」と言って目的地まで行っておられました。ただ、行くことが目的で、現地でゆっくり観光などはされていなくて、すぐ帰ってきてしまう。「楽しかった」と言うと、「うん」と言われる。「何かあった」と言っても、「ううん」という感じだったのです。
 次をお願いします。
 本人がそのことで困っている様子はなかったのですけれども、相談支援専門員、当時私ですが、外出の様子を聞いても、「行った」と言うだけで、思い出を振り返るというのが難しいのが気がかりでした。友達と一緒に活動することで、外出した先でもその楽しさや充実感を共有してもらってはどうだろうと思って、地域でのサークル活動への参加を提案しました。横川さんが参加したサークルは成人期の知的障害のある男性のサークルで、バーベキューとかの遊びもあったけれども、参加者の悩み事を一緒に学ぶ活動をしていました。
 次をお願いします。
 これは当時の写真ですが、参加者の属性はばらばらで、グループホームの人も在宅で家族と暮らしている人も通所先に通っている人も、通えていない不登校ぽくなっている人も、いろんな人がいました。支援スタッフも3法人から出てきていました。
 次のスライドをお願いします。
 遊びだけでなくて、社会の中で生活するためのマナーをみんなで勉強しようとか、こういう勉強の会もありました。
 次をお願いします。
 最初は予定をこなすだけに参加している様子だったのですけれども、1年ぐらいしてから横川さんから様々な要求が出始めました。「1人で旅館に泊まりたい」と言われて、職員が手配をしているうちに、数か月後、「ハワイに行きたい」「飛行機に乗りたい」とか、今まで言ったことがないことがいっぱい出てきて、職員がびっくりしました。最終的に「一人暮らしがしたい」と職員に伝えてこられました。
 次をお願いします。
 一人暮らしを意図して意思形成に取り組んだわけではなかったのです。横川さんのサークル活動というのは、みんなで一緒に勉強するサークル、悩み事を解決するサークルだったので、同じような障害のある人同士のサークル活動を通して、あの人みたいに飛行機に乗りたい、あの人みたいに自立した暮らしをしたいという憧れの気持ちが土台にあってこその「一人暮らしをしたい」だったかなと思います。
 大津市は、移動支援の中にグループ支援という複数人で同時に利用できる仕組みがあったので、サークル活動はこのグループ支援を活用していました。
 意思形成とか意思決定というときに、こちら側が一人暮らしの意思をつくろうみたいな働きかけをしたら、それはある意味パターナリズムだと思うので、もうちょっと幅広な活動を通して自分がどう生きたいかという気持ちを育めるということが大事ではないかなと。ピアサポートの側面という強い活動があったからの「一人暮らしがしたい」という希望の創出だったかなと思っています。
 以上です。ありがとうございます。
○小澤座長 横川構成員、どうもありがとうございました。
 大変貴重な経験を含めた御意見だったかと思いますし、また、こちらの報告書におかれましても、意思形成をどういうふうに考えたらいいかということに非常に大きな影響を与えるような内容だったかと思いますので、本当にきっちり丁寧に検討しないと簡単に地域移行というわけにもいかないなと思って聞いておりました。
 事務局のほう、ただいま非常に重要な御経験の御意見がありましたが、何か御発言等ございますでしょうか。
○大竹課長 具体的なお話をいただきましてありがとうございました。付け加えることは特段ございません。ありがとうございます。
○小澤座長 どうもありがとうございました。
 そういった経験を含めてさらなる御意見をこの会議後もいただけたら大変ありがたいと思っている次第です。どうもありがとうございました。
 そうしましたら、ここで本来の順番に戻りまして、相馬構成員、よろしくお願いいたします。
○相馬構成員 長野大学の相馬です。よろしくお願いします。
 私も事務局に事前に言っていないのですけれども、画面共有させていただいてもよろしいでしょうか。承諾をいただければと思うのですけれども。
○青木補佐 申し訳ございません。難しいとのことです。
○相馬構成員 分かりました。当事者の方もいらっしゃるので、今、お話しする内容、4点まとめたものを見ていただきながらお話ししようかなと思っていただけですので。先ほどの横川さんのようなきれいなスライドがあるわけではないので大丈夫です。ありがとうございます。
 まず、資料2を読ませていただいて、よかったなといいますか、評価できる点に関しまして、ほかの構成員の方々がもう少し深掘りしたほうがいいというような御指摘はごもっともですが、まず脱施設化ガイドラインにおける施設の典型的要素の部分に関して、「可能な限り減らしていくこと」ということが書かれている。この点はまずは評価できるのではないかと思っております。
 もう一点、居住支援全般としてグループホームについても書かれている。この点についても評価できるのではないかと思います。
 また、施設の待機者に関しましては、ほかの構成員の方々がおっしゃるように、非常に踏み込んだ議論が必要なのですが、まずこの短期間の中で検討し続けるということが書かれているということは、今まで全く検討されていなかったことについて、今後も検討し続けるということが書かれているということが評価できるのではないかと思います。
 もう一つはそのほかということで、この会議は次があって、その次があるかどうか分からないので、事前に自分自身が思っていることを言わせていただくと、知的障害のある当事者の方が構成員として参加していただいて御発言いただいたり、資料をつくっていただいているということは、非常に評価できるのではないかと思います。
 次に、課題と感じていることに関しましては、居住支援全般の国家戦略づくり、もしくはロードマップづくりについて書かれていないということが挙げられます。待機者に関しても、先ほど荒井構成員がおっしゃっていただいた典型的要素をもう少し深掘りしたほうがいいのではないか、また、どういったことを居住支援全般の中で入所施設やグループホーム、その部分について考えていくのかといったところについて、30年ぐらいを見通した国家戦略をつくっていくということが非常に重要ではないかなと思います。
 ですので、5の「今後の検討に向けて」にぜひ「障害者の居住支援全般の国家戦略づくりについて検討すること」ということを書いていただきたい。こちらのほうを強く希望いたします。今まで構成員の方が議論されている中で御指摘いただいた中で、この意見書の中に反映できない部分に関しましては、今言ったように、検討していく中でそちらのほうの内容に近づけていくということが求められるのではないかなと思います。
 また、課題といいますか、検証として、知的障害のある当事者の構成員の方が今回初めて参画されているということを聞いていますが、情報保障であったり、ほかの構成員の発言の方法、スピードとかそういったところを含めて改善の余地はなかったのか、会議の時間は本当にこの2時間でいいのか、資料の提供はこういった形でいいのか、その点も含めて検証のほうをお願いできればと思います。
 私のほうは以上であります。
○小澤座長 ありがとうございました。
 評価できる点ということで、大変ありがとうございます。事務局もこれまでの会議以上に努力をされているところは確かですので、ありがとうございました。
 今後の課題ということも、どのぐらいのことがこの在り方検討で記載できるかというのは、また事務局と相談の上、あくまで障害者支援施設という枠が入っていますので、そこでどこまで記載が可能かということは検討させていただきたいのと、あと、こういった会議の進め方で時間配分の在り方とか時間枠の在り方というのは、私もこういう議事進行の中で一番苦労しておりまして、通常の進め方では困難だろうなと。今日も間違いなく12時を超えてしまいますので、本来約束した時間を超えるというのは望ましいことでは全然ありませんので、今後は事務局ともどういう形でスピード感のある、それから合理的配慮のある会議ができるか、また検討させていただきたいと思っている次第です。
 ただいま御意見等がございましたが、事務局、いかがでしょうか。何か御発言はありますでしょうか。
○大竹課長 座長にまとめていただいたとおりでございます。どのような記載ができるかという話と、あと、情報保障と申しますか、特に当事者の方が入っていただいている中でどのような改善が考えられるのかというところは、我々としてもしっかりと振り返りつつ、今後対応していきたいと思います。ありがとうございます。
○小澤座長 ありがとうございました。
 そうしましたら、引き続きまして曽根構成員、よろしくお願いいたします。
○曽根構成員 曽根です。
 まとめの方向性ですとか当事者の方に御参画いただいたということは、本当に大きな一歩だったなと思っております。その上で3点、具体的に申し上げたいと思います。
 まず、資料2の10ページの324行目に「可能な限り配慮することが重要である」とあるのですが、これは「配慮する」というよりも、「取り組む」というふうに具体的な言葉で書いたほうがいいのではないかなと思いました。
 続いて、325行目「支援においては利用者の人格を尊重し、可能な限りパターナリズムは排除されなければならない」ということですが、人格というのは人の持つ価値観や行動様式のことというふうにありまして、これを否定するということは基本的にはしてはいけないことだと思っております。なので、ここは人格というよりも、この小見出しにあるように、「意思・希望を尊重し」というほうが適切ではないかと思いますし、そうしますと、「パターナリズム」という言葉も「支援者が決定することを排除しなければならない」とか、より具体的な記述がふさわしいのではないかと思いました。
 続いて、11ページの359行目。これは青木補佐の御説明で、あ、そうだったのだということに気がついたのですけれども、「地域の専門的支援体制の整備」というのが、「自治体における」というふうにおっしゃったと思います。ここも「市町村等による地域の専門的支援体制の整備において」というほうが、こちらとしては理解がしやすかったです。
 最後に12ページ目、待機の部分ですが、これも量としての待機者数を把握するという側面と、先ほど神奈川県の方がおっしゃったように、質的な待機状況を把握する。私も、神奈川県から千葉県に移住した後に、御家族が御本人を死に至らしめてしまったということが非常に心残り、気にかかっていまして、例えば「真に施設入所を必要としている人を把握し、適切に対応することが可能となるよう、引き続き検討していく必要がある」とか、その辺のことを少し意味合いとしては入れていただけたらと思いました。
 以上です。
○小澤座長 ありがとうございました。
 表現やその他に関しましては、これは修正が可能であれば、ぜひ修正・変更を検討していきたいなと思って聞いておりました。
 待機者に関しましては本当に難しい課題が潜んでいますので、確かに質的な課題を含めて多角的に検討させていただくという形で取り組ませていただきたいなと思って聞いておりました。
 ただいまの御発言に事務局のほうから何か御発言はありますでしょうか。
○大竹課長 座長にまとめていただいたとおりかと思いますので、我々としても受け止めさせていただいて、修文など対応させていただければと思います。ありがとうございます。
○小澤座長 ありがとうございました。
 そうしましたら、引き続きまして冨岡構成員、よろしくお願いいたします。
○冨岡構成員 日本相談支援専門員協会の冨岡と申します。よろしくお願いいたします。
 まず、施設の在り方に関する議論の中で、意思決定支援とか、希望、または思いを重んじるとか、社会活動への参加、地域移行というものは、施設の役割として上がってきましたけれども、それを行うに当たりましては、現行の職員数ですと、生活の部分にまたルーチン業務で精いっぱいなところがあるように見受けられますので、人員を増やすということも必要ではないかと思います。
 それから、岩上さんからも話がありましたが、相談支援の関係ですが、入所施設につきましては、外部の相談支援がサービス等利用計画を必須にするということ、それからモニタリングを増やして、今、1年に1回になっていますが、回数を増やして外部との接触を増やしていく、そういうことが必要ではないかと思います。
 サービス管理責任者が外部との連携については主な役割を担っているかと思いますが、中だけで支援する、または連携していくには限界があるかと思いますので、相談支援専門員のサービス等利用計画、それからサービス管理責任者の個別支援計画を連動させ、そして地域社会生活に向けてどのような方策が取れるのかということを、連携を深めていくという意味でも相談支援専門員のサービス等利用計画、それからモニタリングの回数を増やすということは大事なことだと思いますので、ぜひそのような視点も持っていただけたらと思います。
 以上です。
○小澤座長 どうもありがとうございました。
 指摘事項で地域移行やその他、様々な要素を実現するための基盤はどうなのか、そういう御指摘でもあると思いますので、その辺りもまたどういう形で記載が可能かというふうに考えなければいけないかなと思って聞いておりました。
 相談支援専門員の役割は、この問題に関しましては非常に大きくなるであろうと思いますので、この件に関しましてもどういう記載が可能か、地域移行やその他考えたときに、どういうふうにでき得るかというのは、ぜひ検討していきたいと思っている次第です。
 事務局、ただいまの御意見に関しまして何か御発言等ございますでしょうか。
○大竹課長 記載という意味でもそうですし、その後の検討という意味でも御意見を受け止めさせていただいて進めていければと思います。ありがとうございます。
○小澤座長 ありがとうございました。
 そうしましたら、引き続きまして中尾構成員、よろしくお願いいたします。
○中尾構成員 全国社会就労センター協議会の中尾です。よろしくお願いいたします。
 私のほうからも3点意見を言わせていただきます。先ほど曽根構成員からお話があった内容と重複するのですけれども、313行目と325行目に「可能な限り」という言葉を使われております。このニュアンスが私の中であまりぴんとこなくて、313行目であれば、意思決定を可能な限りとあえて限定しなくてもいいのかなと思いました。また、325行目のほうは、可能な限りパターナリズムが排除されないということで、一部のパターナリズムを認めるような表現にもなってしまうのかなと。決して推定判断した意思決定がパターナリズムとは思わないので、パターナリズムが排除されなければならないということで、「可能な限り」はなくしてもいいのかなと思いました。
 もう一点は347行目、地域移行に対しての内容ですが、地域移行と定員削減を求めるということで書かれておりますが、基本的な考えから考えると、地域移行は当然ですけれども、定員削減を進めることが目的だけではないので、施設の典型的要素を減らしていって、それが定員削減につながるということで、削減ありきではなくて、入所施設の本当の機能ということ、しっかり中を考えた上で、この文章のほうをつくっていただけたらなと思います。
 以上になります。
○小澤座長 ありがとうございました。
 表記のことでもあるのですが、結構重要な内容を含んだ表記に対する御意見ですので、これに関しましても、「可能な限り」という表現。多分ほかの文章等にも使われているところもあるので、それもチェックする必要があるかなと思って見ていた次第です。そのことを含めて事務局と相談させていただきたいと思います。これは削除する方向の御意見をいただいておりますし、多分そのほうがはっきりとしていいかなとは思いますけれども、ほかの文章とどういう関係があるのかというのも検討させていただきたいなと思って聞いておりました。
 その他、地域移行に関しまして非常に建設的な御意見をありがとうございました。十分検討させていただきたいなと思って聞いておりました。
 ただいまの御意見に関しまして、事務局のほうから何か御発言等ございますでしょうか。
○大竹課長 1点目の「可能な限り」という表現を入れるかどうかというのは、極めて大事な点なのだろうと考えています。事務局としてこの表現を入れている理由としましては、施設の支援の現場、場面を考えますと、ほかの利用者の方との関係とか、あるいは公共の利益に反する可能性とか、そういった行動について、どうしても利用者の方の意思に反するようなことを支援者の方が手助け、手出しをする、支援をする必要が出てくるのではないかということで、あえて「可能な限り」という表現を入れさせていただいています。一報で、そういう場面はある意味当然というか、障害のある・なしは関係ない話ですよねということであれば、そのような合意というか、理解が得られているのであれば、削除するということも当然あり得るのだろうということかと思っていますので、この点、また御意見をいただきつつ、ほかの文章との関係も整理をして対応していきたいと思います。ありがとうございます。
○小澤座長 ありがとうございました。
 これに関しましては結構重要な指摘。単なる文言修正を超えている中身が含まれますので、要検討とさせていただきたいと思いました。ありがとうございました。
 そうしましたら、引き続きまして野澤構成員、よろしくお願いします。
○野澤構成員 ありがとうございます。植草学園大学の野澤です。
 全体の方向性とかはいいと思いますし、いろんなところに目が行き届いているなということに感謝した上で、幾つか思っていることを話したいと思います。
 昨年の調査においても入所施設という一つのカテゴリーではくくれないようないろんなものがあるなということが分かってきたのです。いいところではユニットケアが実施されていて、個室で、昼も夜も分離して、つまり、プライバシーとか自由とかを守り、本人の意思もそれなりに尊重してと。こういうところは割と地域移行もやっているので、今のいろんな仕組みで進めていってもらえればいいなと思っているのですが、一方で、2人部屋とか4人部屋とか、多床室で昼も夜も同じ場所。昼夜一緒というのは8割以上ですかね。こういうところは地域移行に取り組んでいないし、そういう意欲もないというのがはっきりしていて、むしろここに焦点を当てた、ターゲットにしたものが必要だなと思っているのです。
 入所施設全体の退院にしても、地域移行と言っても、効率的というか、実効性がどうなのかなという気がします。先ほどもどなたかが指摘されましたけれども、強度行動障害とか医療ケアの人を理由に断っているという実績がかなりある。60%以上ありますし、私の身近なところでは、むしろ強度行動障害の人を契約解除して、結果的に地域移行しているというような事例が少なからずあります。そうすると、一体入所施設のどこをどう改革していけばいいのだろうと思ってしまうのです。
 資料2の9ページの4番目、入所者への専門的支援や生活環境というところで、強行の人や医療ケアの人が専門的な支援とか重度化・高齢化した入所者への対応、終末期における看取りが特に重要であるとあるのですが、そのとおりなのですけれども、重要であるというよりも、こういうものをやらなければいけない、こういうことをやるために入所施設があるのだぐらいで、もうちょっと踏み込んだ書きぶりのほうがいいのではないかなと思いますし、その後の「入所者の暮らしの質の向上に資する生活環境にすることが必要である」と。これは必須であるということまで踏み込んでいただきたいなと思っております。
 11ページのマル3の359行目「地域の専門的支援体制の整備において」。これは入所施設がその地域の事業所等へのスーパーバイズ・コンサルテーション等の役割を担うことというふうに、こういう理解でよろしいのですかね。とすると、これは認識が違うのではないかなと思っていて、施設内における支援と地域での支援というのは本質的に違うと思っております。地域で例えば強度障害のある方の支援などというのは、いろんな地域のトラブルとか被害にも遭ったり、あるいは迷惑をかけたりということが絶えず起こり得る。職員が矢面に立って利用者を守ったり、あるいは地域住民の方への理解を促したり、そこでまた地域共生の土壌をつくっていく。これは相当な専門性が必要なことで、施設の中で、建物でしのいでいる。言葉は悪いですけれども、そういう支援とは全く違うと思うのです。それなのに、入所施設の職員さんたちにこういうスーパーバイズとか地域住民への理解を深めるための啓発活動というのはどのぐらいできるのだろうか。もちろん、先ほど言った先駆的な理想的な取組をしているところはできると思いますけれども、そうではない、多床室で昼夜も一緒にずっとその中で支援している職員にこんなことができるのだろうかと思ってしまいます。
 ここは、先ほど岩上構成員が意識改革こそが必要だということをおっしゃっていたのですが、本当にそのとおりだと思うのです。こういうことをやるために、入所施設でも職員の方に学び直しとか、価値の転換だとか、意識改革だとか、そういうものが必要だと思いますし、できればそういう方向にそういうものを書き込んでいただきたいなというのが個人的な意見です。
 先ほど相馬構成員がおっしゃったのですかね。受け皿のところで居住支援の国家戦略。これは極めて重要だと思うのです。確かに入所の、施設の在り方検討会ですけれども、地域移行に向けた検討なので、そこがなければ移行できないですね。グループホームとか一人暮らしとか共同生活も含めた受け皿をどうやってつくっていくのかというのは極めて重要なので、ここはその次の議論になるにしても一言入れておいてほしいなと思いました。
 もう一つだけ言わせていただくと、サテライト型施設というのが出てくるのですけれども、これはどんなものを想定されているのか、若干気になります。ちょっと小ぶりにした第2の施設。また建物を造ってしまうと、それを変える、壊したりすることができないので、ここは慎重にもっと要件を具体的に絞って考えていくべきかと思いました。
 以上です。ありがとうございます。
○小澤座長 ありがとうございました。
 幾つか検討しなければいけない提案も入っておりまして、特に課題の多い施設をどう考えるべきかというのが非常に大きな指摘事項だと思っておりますので、これに関しまして、こういう中でどう書くかは検討事項かなと思って聞いておりましたし、その他、ただいまのサテライト型の話も含め御意見等をいろいろと承っておりますが、今後これをどういうふうに組み立てていくかにも関係するので、事務局のほうでただいまの御意見に関しまして、現時点でのお考えがあればお聞きしたいと思います。よろしくお願いします。
○大竹課長 1点目だけコメントをさせていただきますと、9ページ目の307行目になりますが、「特に障害者支援施設において」という書き方をしております。この点について、地域での取組が大事だという文脈でもともと御発言いただいていたというところもありますので、ここをどう修正するかというのは、ほかの構成員の方からのコメントとも関係するのだろうと考えています。
 事務局としては、ここの章が障害者支援施設に求められる役割ということで、あくまでも施設の話でしたので、地域というよりは施設ということで書かせていただきましたが、地域での取組が重要であるという話と、施設においてこういう専門的な対応が大事であるという点が、当然地域での取組が重要であるわけですけれども、必ずしもニュートラルでなくて、今、野澤構成員がおっしゃったとおり、特に障害者施設においてはこういう強度行動障害とか医療的ケアが必要な方への対応が求められるのではないかということで、ちょっと強く、「特に」という記載をさせていただきました。それが事務局的な趣旨ということでございまして、今のような御指摘を踏まえた記載にさせていただいているということかと思っていますが、一方で、地域での取組も重要ということかと思っていますので、その点は御指摘を踏まえた修文をしていければと考えております。
 以上でございます。
○小澤座長 ありがとうございました。
 今後に向けての検討事項というふうに思って聞くところもございましたので、ぜひともまた検討のほど、よろしくお願いしたいと思います。
 そうしましたら、引き続きまして樋口構成員、よろしくお願いいたします。
○樋口構成員 日本知的障害者福祉協会の樋口です。
 主な論点の修正点については、現場からの多面的、現実的な視点も多く取り入れていただいて、今のところ付け加えるところはございません。
 私からは2のところ、全体的な視点というか、今後の検討会の在り方も含めて御意見を述べさせていただきたいと思います。改めて前年度に実施された障害者支援施設の全国調査を見直してみました。調査の結果は、当検討会に求められているテーマ、これからのあるべき障害者支援施設の姿とそのための条件・課題全てが読み取れる内容ではなかったかと改めて感じております。今後こうした調査の実施がたやすくできるものではないと考えていますので、それぞれの調査結果についてのさらなる分析、背景要因等を検討する、分析する必要があるのではないかと考えています。
 特に多床部屋が依然解消されていないということと、利用者の日中生活において、敷地外での活動が極端に少なくて、施設の典型的要素である入所施設の集団性と密室性という施設性が旧態依然のまま、その改善が一向に進んでいないという実態が浮き彫りになっていると感じております。
 今後の検討会の議論の在り方についてですが、こうした施設の大きな矛盾の解決に向けて、具体的な目標値、いつまでに何をするかという具体的な工程表づくりの議論に進んでいくべきではないかと思っています。
 当協会としては、繰り返し述べてきましたが、これからの居住支援のあるべき姿は、施設であろうが、グループホームであろうが、また自宅一人暮らしであろうと、どこに暮らしていても普通に地域で当たり前に暮らしていると利用者一人ひとりが実感できる場となることを目標として掲げております。それはいまだ世界中のどの国も実現できていない、未来のあるべきまちづくりへの挑戦でもあると考えています。
 何よりも大事なことは行動することです。理屈はいいのです。本気で脱施設。私はイコール脱施設からの最小化と捉えていますけれども、現行制度の下で今できることを一歩一歩始めるということに尽きるのではないかと思っています。
 初めにちょっと申し上げたように、今後の検討の大きなエビデンス、貴重なエビデンスになる調査結果についてですけれども、2点ありまして、今日この場で御回答いただけなくてもいいのですが、以前にもちょっと御指摘をさせてもらったのですけれども、1点目は、調査票の中であえて公立系施設の実態というものを知りたいということで、そういう項目が入れられているわけですが、母数が少ないという理由で十分検討できないというような回答であったと思うのです。しかし、これは今後の入所施設の在り方について大事な視点になるので、母数が少なくてもしっかりその調査結果を分析されるべきではないかと思っています。
 もう一つは、多床部屋の解消に向けてその取組を考えていないという回答が相当多く、6割近くあったのかな。そういう結果だったのですけれども、当協会としても、当協会の方針と大きく違いますので、このことについてもその理由を分析できないかと考えております。
 私からは以上です。
○小澤座長 ありがとうございました。
 これは御意見でもあるし、要望的な質問事項でもあるので、事務局、いかがでしょうか。調査結果をどういうふうに再分析、さらに深く検討できないだろうかということでございますが、事務局のほうのお考えはありますでしょうか。
○大竹課長 この場でお答えはなかなか難しいわけですけれども、どのような対応ができるかをちょっと検討させていただいて、また御相談をさせていただければと思います。ありがとうございます。
○小澤座長 ありがとうございました。ぜひ再分析も含め検討していただけたらと思います。
 そうしましたら、当初申し上げましたように、12時を超過するということで予告してきましたので、もし12時以降御予定がある構成員の方がいらっしゃいましたら、その御都合に合わせて退室されてもよろしいのではないかなと思っておりますので、よろしくお願いいたします。
 引き続きまして福嶋構成員、よろしくお願いします。
○福嶋構成員 伊達の福嶋です。よろしくお願いします。
 私どもは、おおむね今までの検討・まとめについて意見はないのですが、要望としてというのであれば、資料2の9ページの311行目、(2)各論の利用者の意思・希望の尊重についてですが、「自ら意思を決定することに困難を抱える方に対して、本人に関わる様々な人たちが本人を中心に支援を積み重ね、可能な限り本人が意思決定できるように支援する必要がある」というところが、私たちにとっては一番重要な部分であると考えています。意思表示等が難しい方に対して代理の意思決定などが行われてきましたが、本人の意思はどれだけ密接に支援されたほうであっても他人が決めることではないと思うので、意思決定の形成、創出について、方法や具体策については今後も重点的に検討していってほしいと思っています。
 以上です。
○小澤座長 ありがとうございました。
 本当に大事な指摘だと思いますので、今後の書きぶりでどこまでただいまの御意見。ほかの構成員の方からもそういう御意見がございましたので、また書きぶりを検討させていただきたいなと思って聞いておりました。
 事務局のほう、ただいまの御意見に関して何かございますでしょうか。
○大竹課長 しっかりと受け止めさせていただければと思います。ありがとうございます。
○小澤座長 どうもありがとうございました。
 そしたら、引き続きまして松山構成員、よろしくお願いいたします。
○松山構成員 品川区障害者支援課長の松山でございます。よろしくお願いいたします。
 これまでの意見について、おおむね反映していただき、事務局の方に感謝しております。
 皆様から御意見をいただいておりました資料2の12ページ、施設の待機者の考え方・把握についてです。品川区では待機者について、相談支援専門員を通じて量と質共に実態把握した数字を計画に反映しているところです。各自治体とも計画策定に当たりまして、その地域の実情に合わせて把握に努めて、地域移行の数字を設定するということが、地域移行の取組を実現させていくことにつながると考えております。ただ、私も驚いたことに、今回の調査では自治体間に相当なばらつきがあるということ。そして、調査を実施していない自治体があるということが判明したところです。
 ただし、待機者の定義や把握方法等について国が全国的に統一するというのが、この短期間の議論の中では現実的に難しいと考えています。この文章の中で「引き続き」以降のこと、各自治体が待機者数の量と質について、実態に合わせて把握できるよう検討を深める必要があるということを強調していただければと思います。決して後ろ向きで各自治体がやっているのではなくて、どうやって把握したらいいか各自治体共に悩んでいるところでございます。引き続きここは協調して自治体のほうも支援していただければと思います。例えば待機者について実際に実態把握している自治体の事例について共有していただくことが、調査をしていない自治体を支援するヒントにもなるのではないかと考えています。
 もう一点、14ページ、今後の検討に向けてですが、施設で求められる役割、あるべき姿を果たせるように、施設の現場での課題である、人材確保の文言について、「等」の中に含まれているのかもしれませんけれども、人材確保、支える人材、その大切さについて追記していただけるとありがたいと感じています。
 以上です。
○小澤座長 どうもありがとうございました。
 非常に建設的な意見も含めて入っておりましたので、これは十分検討したいと思って聞いておりましたが、事務局のほう、いかがでしょうか。自治体の立場でいろいろと御意見を承りましたけれども、何か御発言等ございますでしょうか。
○大竹課長 文言をどうするか、御指摘を踏まえて検討したいと思います。
 406行目にも「どのような自治体支援が可能なのかを念頭に置きつつ」と記載していますが、御指摘いただいたように、自治体の皆様方においては、特に実施していないところにおいては、どうやったらいいのかというところでお悩みのところもあるのだろうということかと思いますので、そういったところも含めてどういった支援ができるのかということも、事例の共有というお話もいただきましたけれども、そういう点も含めて何ができるのかというのを我々としても検討していきたいと思っています。その点を文言上も修正をしつつ、具体的にももうちょっと検討していければと考えております。
 人材確保の点も非常に大事な点ということかと思っています。人手不足という話もありましたので、これまでの検討会の中でもコメントをいただいていたということかと思いますので、どこにどういった形にするのかは、あるいはここのまとめに記載するのがよいのかもあるのかもしれませんけれども、ちょっと受け止めさせていただければと思います。ありがとうございます。
○小澤座長 ありがとうございました。
 そうしましたら、三浦構成員になります。よろしくお願いいたします。
○三浦構成員 三浦です。全国身体障害者施設協議会から発言をさせていただきます。
 私たちは、この検討会の始まりのときに、国連権利委員会が出した脱施設化ガイドラインの施設の典型的な要素に向き合って改善していこうということを提案させていただきましたので、そのことがしっかり書き込まれていること、そして、私たち実践の場では2年半ほどこのことを会員施設に周知しながら、私たちに何がやれるかというところを現場の範囲でやっております。見えてきているものは、制度的な改善がないと典型的要素にも取り組めないというところと、先ほどから職員の意識改革というところが出ておりますけれども、その部分は施設を運営する私たちも含めて、パターナリズムからの脱却というところがコアなのかなと感じているところです。
 今日は4点ほど具体的なところでもう少し提案をさせていただきたいと思います。
 まず、資料の4ページ、「はじめに」の124行のところで「年間の地域の移行者数は減少傾向となっている」と書かれているのですが、この調査において減少傾向となっている主な理由が示せるならば載せると分かりやすいのかなと思います。私たちの肌感覚では、ヘルパーの確保が困難で、ヘルパー事業所の閉鎖などが始まり、非常に障害の重い方々は特に施設の移行支援では及ばない社会資源側の変化があると捉えています。調査で書けるものがあったら、ここに書き込んでいただきたいというのが希望です。
 2点目は9ページ、301行目「施設の有する知識・経験等の」という記載がございます。ここをできましたら「施設の有する知識・経験、支援技術等」。文言追加ですけれども、「支援技術等」を入れていただきますと、施設の側からは分かりやすい。知識と経験だけではなくて、具体的にスキルを、手を出していくという具体性が出るのではないかと思います。
 それから、10ページ目、先ほどから話題になっております325行目の「可能な限り」の部分ですが、ここでは削除いただけないかという提案です。パターナリズムからの脱却というのは、自己決定権を尊重するために、今、社会と障害福祉サービス事業者全体の施設に限らず大きな課題であると思いますので、ここは「可能な限り」という言葉が逃げに見えることがあるので、外していただければという提案です。
 最後です。13ページ目、423行のところです。指摘はこれには応じないということが書かれているのですが、「障害の程度や年齢に応じた」という書き方をすると、障害の捉え方が医学モデルと捉えられることがあります。日本も基本法の中で、条約も障害を社会モデルで規定しているのですけれども、日本の文章は、障害と機能障害の使い分けをしないので、そこが混在して見られますので、私も一番大事なのは、機能障害が重くても、年齢が高くても、本人に地域で暮らす意思があれば支援すべきというところが目標なのですが、ちょっと誤解を受けることがあるので、その部分を御検討いただきたいと思います。
 以上です。
○小澤座長 ありがとうございました。
 文言に関する中身がありますし、また質問事項もありました。減少傾向の理由というところです。事務局のほうで現時点で何か分かることがあれば御発言いただけたらと思いますし、また後日調べるということであれば、それでも結構でございます。事務局のほう、いかがでしょうか。
○大竹課長 1点目の4ページ目の123行目になりますが、減少傾向となっている理由については、この調査そのものというよりは、調査を踏まえた分析として、我々としては施設入所者の方の重度化・高齢化とか、あとは地域で重度障害者の方を受け入れる体制が十分整っていないということが要因として考えられるということを述べているということでございます。なので、そういった分析的なことも記載していければと考えております。
 その他の点は御指摘を踏まえて修正をしていければと考えておりますけれども、4点目、医学モデルか、社会モデルかという話をいただきましたが、根本はあくまでも意思、希望を尊重していくということでございますので、423行目のパラグラフになりますけれども、426行目にございますとおり、あくまでも「利用者一人ひとりの意向を踏まえた地域移行の実現を図ることが重要」と。これが根本としてありまして、御指摘いただいたとおり、障害が重くとも、年齢が高くとも、それは年齢が高いから地域移行しなくていいということではなくて、ある意味そういう困難性を踏まえた対応をしていくということかと思いますので、そのような趣旨ということで御理解をいただければと考えております。
 以上でございます。
○小澤座長 ありがとうございました。
 そうしましたら、これで構成員の皆様の御発言が一通り終了で、これで12時18分でございますので、予想どおり時間を超過してしまいました。今後の進め方に関しての御意見もいただいていますので、今後できる限り与えられた時間内でスピーディーに、スムーズに、もう一つは合理的配慮に関する御要望もいただいていますので、その辺りを含めて議事進行に関しましては別途検討事項ということで、事務局と相談させていただきたいと思って聞いておりました。
 いただいた意見、今回一通りしか御発言の機会がありませんでしたので、さらに追加発言あるいは追加質問がございましたら、1週間以内に書面で事務局へというふうに聞いておりますので、また事務局からの御案内もあるかと思いますけれども、そのような対応をさせていただきたいと思います。
 次回は、本日の御意見を踏まえましてこれまでの議論をまとめていければと考えております。事務局におかれましては、本日の意見でどこまで反映できるか、あるいは十分反映する。場合によっては、この報告書よりもっと広い視野でやらなければいけないのではないかということもあるかと思いますので、また皆様の御協力のほどよろしくお願いします。
 最後に、事務局から今後の予定など、先ほど言いました締切りなども含めてよろしくお願いしたいと思います。
○青木補佐 本日はありがとうございました。
 御意見いただいた内容を踏まえまして、次回に向けて必要な準備を進めてまいります。
 先ほど座長からも話がありました追加の意見につきましては、改めてメール等で締切り等はお知らせしたいと考えております。
 次回の検討会につきましては、決まり次第、お知らせいたします。どうぞよろしくお願いいたします。
 本日はどうもありがとうございました。
○小澤座長 ありがとうございました。
 それでは、以上をもちまして、第3回の検討会を終了したいと思います。お忙しい中、御参加していただきまして本当にありがとうございました。これで終了になります。ありがとうございました。