第12回薬剤耐性(AMR)に関する小委員会

健康・生活衛生局 感染症対策部 感染症対策課

日時

令和7年10月8日(水)10:00~12:00

場所

厚生労働省 共用第8会議室(19階)

議題

(1)AMR対策における抗菌薬分類の活用について
(2)抗微生物薬適正使用の手引き第4版について

議事

 
○小谷室長 それでは、定刻となりましたので、ただいまから、第12回「厚生科学審議会感染症部会薬剤耐性(AMR)に関する小委員会」を開催します。
 構成員の皆様方におかれましては、御多忙にもかかわらず御出席いただき、誠にありがとうございます。
 本日、議事進行を務めさせていただきます、感染症対策部感染症対策課の小谷と申します。
 本日の議事は公開となります。
 傍聴の方は「傍聴に関しての留意事項」の遵守をお願いいたします。
 なお、会議冒頭の頭撮りを除き、写真撮影、ビデオ撮影、録音をすることはできませんので、御留意ください。
 本日は、WEB会議で開催することとしております。
 WEB会議を開催するに当たり、会議の進め方について御連絡させていただきます。
 御発言される場合は、まず挙手機能を用いて挙手していただくか、チャットに発言される旨のコメントを記載していただき、委員長から御指名を受けた後、御発言をお願いいたします。
 なお、WEB会議ですので、タイムラグが生じますが、御了承願います。
 会議の途中で長時間音声が聞こえない等のトラブルが生じた場合、あらかじめお知らせしている番号までお電話をお願いいたします。
 続きまして、今回から新しく薬剤耐性(AMR)に関する小委員会に加わられた委員を御紹介いたします。
 日本製薬工業協会の田村様と、京都橘大学の中村様。
○中村委員 よろしくお願いします。
○小谷室長 お願いします。日本歯科医師会の吉野様。
○吉野委員 よろしくお願いいたします。
○小谷室長 以上になります。よろしくお願いいたします。
 続いて、委員の出欠状況について御報告いたします。御出席の委員につきましては、通信の確認も踏まえて、委員のお名前をこちらから申し上げますので、一言お返事をいただければと思います。五十音順で失礼いたします。
 浅井委員。
○浅井委員 浅井でございます。よろしくお願いいたします。
○小谷室長 よろしくお願いいたします。大曲委員。
○大曲委員 大曲です。よろしくお願いいたします。
○小谷室長 川名委員。
○川名委員 川名です。よろしくお願いいたします。
○小谷室長 北原委員。
○北原委員 北原です。よろしくお願いいたします。
○小谷室長 笹本委員。
○笹本委員 笹本です。よろしくお願いいたします。
○小谷室長 四宮委員。
○四宮委員 四宮です。よろしくお願いいたします。
○小谷室長 菅井委員。
○菅井委員 菅井です。よろしくお願いいたします。
○小谷室長 関谷委員。
○関谷委員 関谷です。よろしくお願いいたします。
○小谷室長 田村委員。
○田村委員 田村でございます。どうぞよろしくお願いいたします。
○小谷室長 中村委員。
○中村委員 中村です。よろしくお願いいたします。
○小谷室長 松本委員。
○松本委員 松本です。よろしくお願いいたします。
○小谷室長 吉野委員。
○吉野委員 吉野でございます。どうぞよろしくお願いいたします。
○小谷室長 なお、白井委員から御欠席の連絡をいただいております。坂本委員及び島田委員、三﨑委員からは遅れて御参加との御連絡をいただいております。
 また、本日は参考人として、国立国際医療センターAMR臨床リファレンスセンターより松永様、都築様に御参加いただいております。
 京都大学大学院医学研究科の長尾様も、参考人として御参加予定ですが、5分遅れて御参加の御連絡をいただいております。
 以上、現在、薬剤耐性(AMR)に関する小委員会委員16名のうち12名に御出席いただいておりますので、厚生科学審議会令に基づき、本日の会議は成立したことを御報告いたします。
 申し訳ございませんが、冒頭のカメラ撮りにつきましてはここまでとさせていただきますので、御協力をお願いいたします。
 なお、これ以降は、写真撮影、ビデオ撮影、録音することはできませんので御留意ください。
 ただいま、委員の島田委員、参考人の長尾委員が参加されましたので、音声の確認だけさせていただきたいと思います。島田委員。
○島田委員 島田です。よろしくお願いいたします。
○小谷室長 よろしくお願いいたします。
 それでは、議事に入る前に資料の確認をさせていただきます。
 配付させていただいた資料は、議事次第及び委員名簿、座席図、資料1~2-5、参考資料1~5になります。不備等がございましたら、事務局にお申し出ください。
 それでは、ここからの進行は大曲委員長にお願いいたします。
○大曲委員長 小谷さん、ありがとうございます。
 委員の先生方、大曲です。よろしくお願いいたします。
 それでは早速議事を始めたいと思いますが、本日は2つございまして、1つ目がAMR対策における抗菌薬の分類ですね。こちらの活用についてであります。
 まずは、こちらに関する資料1に関して御説明をいただければと思います。よろしくお願いします。
○亀谷補佐 厚生労働省感染対策課の亀谷と申します。どうぞよろしくお願いします。
 お手元の資料1をお取りいただいて、御説明差し上げます。
 最初の5ページほどは、前回の薬剤耐性(AMR)に関する小委員会で既にお示ししているものではございますが、改めて御説明を差し上げますので、どうぞよろしくお願い申し上げます。
 まず2ページ目を御覧いただければと思います。「AMR対策における抗菌薬分類の活用に係る現状及び課題について」まとめてございます。
 まず、現状でございますが、ウイルス性上気道感染症や急性下痢症といった、本来抗菌薬が不要と考えられる疾患に抗菌薬が多く使用されている現状に対して、これまでAMR対策アクションプランの目標・戦略に沿って、以下のような取組を実施してきたところでございます。
 目標1ですが、普及啓発・教育ですね。AMR臨床リファレンスセンターを通じまして、かぜ等のウイルス感染症に抗菌薬を使用しないよう、ポスターや手引き、意識調査を通じて啓発を行ってきております。
 目標2が動向調査・監視でございますが、感染対策連携共通プラットフォーム(J-SIPHE)による抗菌薬の使用状況等のモニタリングを行ってきております。
 目標4ですが、抗微生物薬の適正使用、抗微生物薬適正使用の手引きの作成及び改訂を行ってきております。
 また、成果指標として、経口第3世代セファロスポリン系・フルオロキノロン系・マクロライド系薬の使用量の削減目標の設定に当たって、上気道炎に対する抗菌薬適正使用(AMS)の推進による削減分を加味しているといった状況でございます。
 2ポツ目でございますが、動向調査・監視や適正使用の推進の観点からは、世界保健機関(WHO)が抗菌薬適正使用(AMS)の指標としてAWaRe分類を使用することを推奨していて、国際的にも既にスタンダードとなっております。現在、J-SIPHEにおいて、このAWaRe分類に基づく集計自体は実施されておりますが、医学的に適正な抗菌薬の使用も含めて集計されている可能性がございます。
 課題として、ウイルス性上気道炎や急性下痢症に対する抗菌薬の不適正使用を減らすという観点から、目標2(動向調査・監視)や目標4(抗微生物薬の適正使用)をさらに推進するために、AWaRe分類を活用することとした上で、AWaRe分類を用いた評価を含め、その活用方法について、日本の診療の実態に即した効果的なものとなるよう検討する必要があると考えております。
 3ページ目を御覧いただければと思います。こちら、参考までですが、J-SIPHEにおける現状のAWaRe分類に基づくサーベイランスについて、現状、各医療機関の抗菌薬の使用状況をAWaRe分類に沿って集計しておりまして、J-SIPHEの参加医療機関にその結果をフィードバックするとともに、J-SIPHE参加医療機関全体における分類ごとの抗菌薬使用量をこのように公表しているところでございます。
 おめくりいただいて、4枚目でございます。こちら、日本の診療の実態に即したAWaRe分類に基づく効果的な評価及び活用方法の検討についてでございます。ウイルス性上気道炎や急性下痢症に対する抗菌薬の使用状況を重点的にモニタリングする観点や、一部の抗菌薬について長期処方が推奨される場合があることを踏まえまして、経口抗菌薬の処方日数を14日未満と14日以上で分けて抗菌薬の使用量を見たところ、新型コロナウイルス感染症が拡大する前の2019年におきまして、抗菌薬の使用量全体に対して14日以上の処方が3割強を占めていたといったことが判明しております。
 処方日数の参考としたものとしては、ELM選定における感染症群、こちらにお示ししているとおりですが、この対象となった代表的な感染症群の抗菌薬処方期間の多くが14日未満であることを参考としております。
 右側に人口1000人、1日当たりの抗菌薬使用量、DIDで抗菌薬の使用量に関してはお示ししているとおりでございます。
 次お願いいたします。5ページになります。日本の診療の実態に即したAWaRe分類に基づく効果的な評価及び活用方法の検討及び今後の方向性といったところですが、2019年における経口抗菌薬の使用量を、処方日数を14日未満と14日以上で分けまして、抗菌薬の種類別に見ております。AMR対策アクションプランにおける成果指標に位置づけられております経口第3世代セファロスポリン系、フルオロキノロン系、これに関しては14日未満の処方が大半でありました。
 他方、同じく成果指標に位置づけられておりますマクロライド系の処方量については、14日未満の処方の場合と14日以上の処方の場合が同程度であるといったことが分かっております。
 14日以上の処方につきましては、マクロライド系、テトラサイクリン系、スルファメトキサゾール/トリメトプリム、リファキシミンといった特定の抗菌薬に多く見られている状況です。
 これらは慢性閉塞性肺疾患、びまん性汎細気管支炎に対するマクロライド系の抗菌薬の長期投与ですとか、あと、肝性脳症等における高アンモニア血症に対するリファキシミンの処方など、治療ガイドライン等において推奨される抗菌薬の投与である可能性があると考えております。
 今後の方向性として、ウイルス性上気道炎や急性下痢症に対する抗菌薬の使用状況を重点的にモニタリングするという観点からは、処方日数が14日未満の処方に絞って集計・評価することが効果的な可能性がありますが、この場合に集計から除外される処方日数が14日以上の処方が治療ガイドライン等において推奨される抗菌薬の投与であるかを分析してはどうか。その結果を踏まえて、日本の診療の実態に即したAWaRe分類に基づく効果的な評価及び活用方法を引き続き議論してまいりたいと、前回まではこのように大まかに御了承いただいたところでございました。
 6枚目をおめくりいただければと思います。そうした方針を踏まえて、下のとおりに、今回のAMR小委員会における検討の方向性としてまとめております。
 1でございますが、処方日数が14日以上の抗菌薬処方について、レセプトデータを用いてどのような疾患に対して処方されているかの全国的な大まかな傾向を把握しまして、医学的に適正と考えられる使用例が含まれていることを確認しております。
 こちら、レセプト上の傷病名につきましては、処方と直接関係しないものが含まれる可能性があると認識しております。このため、傷病名と処方内容の組合せを集計した場合に、処方日数が14日以上、または未満の処方について、大まかな傾向を把握することは可能であると考えております。その一方で、特定の疾患に対する処方を正確に抽出して集計・評価することは困難である。そうしたリミテーションがございます。
 もう一つ、地域別や年齢階級別の結果につきましては、これは地域ごとの感染症の流行状況ですとか医療提供体制等様々な要因が関与し得ることから、その結果の解釈や活用方法につきましては、今後研究班等において検討していくこととしたいと考えております。
 2でございますが、AMRアクションプランの目標2、目標4をさらに推進するための分類の活用方法について、J-SIPHEを用いつつ、一部の抗菌薬については処方日数が14日未満の処方に重点を置いた処方によって、AWaRe分類に基づく集計・評価をしていくことでよいか、本日御議論いただきたいと考えております。
 こちらでAWaRe分類に基づく集計・評価に当たりまして、レセプト上の特定の傷病名や14日以上の処方を一律に集計・評価の対象から除外することについても検討させていただきましたが、次のような懸念が想定されているところでございます。
 まず、特定の傷病名を一律に除外するといったことに関しては、傷病名の消し忘れ等によって、本来除くべきではない処方が誤って除かれたり、集計結果をコントロールする目的で傷病名が恣意的につけられたりする可能性があると考えております。
 また、現行のJ-SIPHEのシステムにおいて、傷病名は患者の年齢を収集しておりませんので、これらを収集できるようなシステムを改修するには一定期間が必要であると認識しております。
 また、14日以上の処方を全ての抗菌薬において一律に除外することも検討いたしましたが、こちらにおいても、集計結果をコントロールする目的で、本来、14日未満の処方で十分な場合も、あえて14日以上の処方を行うといった抗菌薬の不適切な使用が誘導される可能性があると懸念をしております。
 これらの点や14日以上の処方においても、医学的に不適切な使用が含まれる可能性はございますので、J-SIPHEを用いたAWaRe分類に基づく集計・評価に当たりましては、処方時の傷病名にかかわらず、14日以上の処方を14日分の処方とみなして集計することで、処方量全体において14日以上の処方が占める割合を相対的に減少させ、14日未満の処方に重点を置いて集計・評価することとしたいと考えております。
 7ページ目をお願いいたします。こちら、日本の診療の実態に即したAWaRe分類に基づく効果的な評価及び活用方法の検討をしておりまして、まず、14日以上の処方が行われる場合の分析結果について、8種類の抗菌薬についてまとめているところでございます。
 方法としては、医科診療における外来で処方された内服抗菌薬の使用量、こちらを分母としておりまして、そのうち集計対象の傷病名がつけられている処方の占める割合を算出してございます。
 まず、左上ですが、マクロライド系フルオロキノロン系につきましては、気管支拡張症ですとか、非結核性抗酸菌症ですとか、このような抗菌薬を14日以上投与することが推奨され得る傷病名が含まれていました。
 慢性気管支炎や慢性副鼻腔炎につきましても、同薬の長期投与が推奨される場合がありますが、その適正性につきましては、レセプト上の傷病名だけで評価することは困難であると考えております。
 テトラサイクリン系につきましては、最上位に尋常性ざ瘡が来ておりますが、こちらに関して、テトラサイクリンを一律に投与することは正当化されないと思われる一方で、難治性症例等に対しては14日以上の投与が推奨されることがございます。その他の傷病名についても、皮膚感染症となっておりまして、こちらも尋常性ざ瘡に対する処方を見ている可能性があると考えております。
 ST合剤につきましては、ニューモシスチス肺炎が最上位でありまして、基本的に適正に処方されている可能性が高いと考えております。
 リファキシミンにつきましては、ほとんどが肝性脳症、高アンモニア血症関連の処方と考えられまして、こちらも基本的に適正な処方の可能性が高いと考えております。
 その他の抗菌薬についても明確な傾向が見られていない状況です。
 こちらから導き出される結論といたしましては、14日以上の処方が行われる際につけられている傷病名をレセプトデータから抽出したところ、一部の抗菌薬においては、治療ガイドライン等において14日以上の同薬の処方が推奨されている傷病名や、14日以上の同薬の処方が不適正とは言い切れない傷病名が一定の割合で含まれていることが確認されたところでございます。
 次の8ページをお願いいたします。続きまして、14日未満の処方が行われる場合の分析結果でございますが、こちらも同様に、2019年のデータでございます。大半が急性気管支炎、黄色でお示ししておりますが、または咽頭炎、上気道炎等の名目で処方されていまして、抗菌薬適正使用の観点からは不適正な処方が多く含まれる可能性が高いと考えております。大半の抗菌薬において最上位となっている急性気管支炎、こちらについては、ウイルス感染症がほとんどかと思いますので、抗菌薬を処方すること自体が適正使用ではない可能性が高い、そのように考えております。
 ST合剤につきましては、14日未満の処方においても、ニューモシスチス肺炎が最上位となっております。よって、基本的に適正に処方されている可能性が高いと認識しております。
 ただし、14日未満の処方については、膀胱炎等も含まれていまして、傷病名からはその適正性が十分に評価できないということと、仮に14日未満の処方についてもST合剤を集計から除外するとした場合に、その他の抗菌薬の代用として使われる可能性についても想定されることから、ST合剤の14日未満の処方量については引き続き動向を見ていくことが望ましいと考えております。
 最後にリファキシミンについてですが、こちらも14日以上と同様、ほとんどが肝性脳症、高アンモニア血症関連の処方と考えられまして、むしろ14日未満の処方も含めて、集計から除外したほうがAWaRe分類に基づく正確な評価につながると、このように考えております。
 以上から、14日未満の処方が行われる際につけられている傷病名をレセプトデータから抽出したところ、急性気管支炎や咽頭炎、上気道炎等の抗菌薬の使用が適当ではない可能性のある傷病名が多く含まれておりました。
 リファキシミンについては、同薬の処方が適当と考えられる傷病名が大半の処方に含まれておりました。
 次お願いします。9ページ目でございます。今までの結果のまとめ及び考慮すべき点については、先ほど述べたとおりなので割愛させていただきますが、このようなことを踏まえまして、一番下のほうに、評価及び活用方法(案)として提示させていただいております。
 すなわち、ウイルス性上気道炎、急性下痢症に対する抗菌薬の使用状況を重点的にモニタリングする観点から、また、各医療機関ごとの抗菌薬適正使用の状況を比較する観点から、J-SIPHEを用いたAWaRe分類に基づく集計・評価に当たっては、マクロライド系、フルオロキノロン系、テトラサイクリン系、ST合剤については、処方日数が14日以上の処方を14日分とみなして集計することで、処方量全体において14日以上の処方が占める割合を相対的に減少させ、14日未満の処方に重点を置いて集計・評価することとしてはどうか。
 また、リファキシミンについては、処方日数にかかわらず集計・評価の対象外としてはどうかということを提案させていただきたいと考えております。
 この手法によるAWaRe分類に基づく集計・評価に関して、暫定的な目標としては、2030年までにAccessに分類される抗菌薬の使用比率を、国際的なスタンダードになっております70%以上にすることを暫定的に目指しつつ、今後のサーベイランス結果等を踏まえまして、次期AMR対策アクションプランの策定に当たって具体的な目標を引き続き検討させていただきたいと考えております。
 参考までに、次のページをよろしくお願いいたします。こちら、集計方法のイメージでございます。先ほど述べたとおり、マクロライド系、フルオロキノロン系、テトラサイクリン系、ST合剤については、処方日数が14日以上の処方を14日分とみなして集計することで、処方量全体において14日以上の処方が占める割合を相対的に減少させて、14日未満の処方に重点を置いて集計・評価するといったことを提案させていただいております。
 こちらの新たな集計方法のイメージでございますが、患者C、患者Dにおいては、本来の処方日数が、患者Cにおいては30日、患者Dにおいては60日となっておりますが、新たな集計方法における処方日数の取扱いについては、14日とみなすといったことを現在提案させていただいております。このような取扱いをしないと、14日を超える処方をした場合、ゼロとカウントされてしまうということを懸念しております。
 次、11枚目でございますが、こちらも参考までにAWaRe分類の概要について記載をしております。
 最後、12枚目ですが、公開資料でございますが、令和6年度診療報酬改定の資料を添付しております。
 事務局からの説明は以上でございます。よろしくお願いいたします。
○大曲委員長 亀谷さん、ありがとうございます。
 それでは、この議題に関して委員の先生方から御意見をいただきたいと思っておりますが、まず、本日、白井委員が御欠席なのですが、事前に御意見をいただいていますので、こちら、事務局のほうから御紹介いただけますか。お願いします。
○小谷室長 それでは、事務局のほうで白井委員の御意見を代読させていただきます。
 抗菌薬の使用モニタリングについて、リファキシミンについては処方日数にかかわらず、集計・評価の対象外とすること、また14日未満の処方に重点を置いて集計・評価すること、について賛成です。
 なお、J-SIPHEを用いたAWaRe分類に基づく集計・評価について、14日未満のものについても、煩雑でなければ7日未満か7日以上かの評価をすることで、特に急性気管支炎や上気道炎における外来での処方において、詳細な状況が分かるのではと思います。
 ただし、AWaRe分類に応じたAccess抗菌剤の流通、供給が十分でないことが診療現場の声として上がっており、適正使用の理解を供給側(製薬業界等)でも共通認識していただきますよう、医科・歯科処方に関して、診療現場の手前の段階における対策も検討いただきますようお願いいたします。
 以上になります。
○大曲委員長 ありがとうございます。
 それでは、本日御出席の委員の先生方から御意見をいただきたいと思います。意見ございます方、挙手をいただければと思います。よろしくお願いいたします。
 島田委員、よろしくお願いいたします。
○島田委員 よろしくお願いいたします。事前の説明を受け忘れてしまったので、確認です。基本的に、方針については賛成です。
 確認です。ちょっと理解が追いついていなくて、すみません。集計のイメージ、10ページですかね。例えば、先ほど御説明いただいた患者C、患者Dが、この集計法をしないとゼロになってしまうというところが、すみません、理解が追いつかず、その辺りをもう一度説明いただけたらと思います。よろしくお願いいたします。
○亀谷補佐 ありがとうございます。事務局でございます。
 10ページをいま一度御確認いただければと存じますが、マクロライド系、フルオロキノロン系、テトラサイクリン系、ST合剤については、14日以上の処方を14日分とみなすといったことで現在提案をさせていただいているところでございます。これを一律にそのまま10倍するということを最初は考慮していたところでございますが、除外するということは、そのままカウントしないといったことになってしまうかなと思います。
 例えばマクロライド系ですとかフルオロキノロン系はWatchの抗菌薬ですので、こうしたものがゼロカウントになってしまうのは、除外するということはカウントしないということになってしまいますので、なので、相対的に例えばAccessの比率が高まってしまうといった懸念があるかなと考えております。
 テトラサイクリン系、ST合剤については、内服に関してはAccessですけれども、これも同様の可能性があると考えておりまして、あくまで公平な集計方法を実現することと、あとは本来の目的であります急性のウイルス感染症に対する抗菌薬の使用状況を重点的にモニタリングすると、その2つを実現する方法として、このような集計方法を現在提案させていただいていると御理解いただければ幸いでございます。
 以上でございます。
○島田委員 承知しました。ありがとうございます。よく分かりました。
○大曲委員長 ありがとうございます。それでは、北原委員、お願いします。
○北原委員 北原でございます。
 もし調べていたらになるのですけれども、この新しい集計方法で集計した場合、2019年のAccessとかの割合がどれぐらいに変わるとか、その辺りを試算されたりしていたら教えていただけますでしょうか。
○大曲委員長 ありがとうございます。事務局、こちらはどうでしたでしょうか。
○亀谷補佐 北原先生、ありがとうございます。一旦こちらで集計方法については提案をさせていただいているところではございますが、これを実際に行った場合、どのように集計が変わるかというシミュレーションにつきましては、現在集計中といったところでございます。適切なタイミングでまた御提示させていただきながら、評価も行っていきたいと考えております。
 以上でございます。
○北原委員 分かりました。ありがとうございます。またその辺り、分かったら教えていただければと思います。
 あともう一つ、大曲先生、よろしいですか。
○大曲委員長 お願いします。
○北原委員 これはAccessの薬剤になるので、使えるのが増えたからといって大きな問題にならないのですけれども、現在の供給不安の状況において、クリンダマイシンを使うケースとかも増えてきたりしているのかちょっと知りたいなと思ったのですが、数値的なのを御存じであれば教えていただければと思ったのですけれども、いかがでしょうか。
○亀谷補佐 北原先生、ありがとうございます。すみません、手元にクリンダマイシンの使用状況についての数字を持ち合わせておらず、正確なデータをこの時点で御提供できず、大変恐縮でございますが、先般、慢性的に供給不安が続いていると、地域によっては、Accessの抗菌薬は特にですけれども、手に入りにくいという状況が続いていると承知しております。
 クリンダマイシンについては、慢性的な供給不安の影響はそこまで大きくないとは認識しているところでございます。
 AMRにおける対策ですけれども、もちろん供給不安の現状も踏まえつつではあるのですが、あくまで原理原則である不必要使用というところをまず、これを行わないように啓発するというところを、まず原点に立ち返った今回のモニタリングのお話をさせていただいているところでございます。
 そもそも急性ウイルス感染症に対しては抗菌薬の処方が適切ではございませんので、供給不安の時代においても、これは整合性の取れた対策であるのではないかと考えておりますが、引き続きこれはまた今後の課題として、どのような効果的な啓発方法並びに集計方法が考えられるかというところを引き続き議論していきたいと考えております。
 以上でございます。
○北原委員 了解しました。ありがとうございます。今度、第4版で歯科のところが手引きにも入ってくるので、そういった中で、供給のところでクリンダマイシンというのも少し出てくるのかなと思ったので、御質問させていただいたところでした。ありがとうございます。
○大曲委員長 ありがとうございます。リファレンスセンターとしても、販売量、処方量の観点でクリンダマイシンのことはちょっと注意して、また今後見ていきたいと思います。そのほか、委員の先生方、いかがでしょうか。
 四宮先生、お願いします。
○四宮委員 御説明ありがとうございました。全般的には賛成です。それから、14日以上のものも14日とみなして、集計上の空白地帯をなくすということも基本的には賛成です。11枚目のスライドで、日本ではAccess分類の抗菌薬の割合が23%ぐらいですが、それを2030年までに70%以上にするとあります。これは専ら耐性菌の観点からの目標値だと思うのですが、必ずしも臨床感染症に詳しくないので教えていただきたいのですが、現在23%の日本と、既にAccess分類の抗菌薬の割合が60%を超えている国と比較した場合、感染症の治療成績に違いがあるのでしょうか、あるいは同等なのでしょうか。それが1つです。
 もう一つは、8枚目のスライドで、急性気管支炎、これは適正使用ではない可能性が高いとありますが、インフルエンザなんかでは細菌性肺炎の合併が特に高齢者ではリスクとなると従来言われていると思います。細菌性肺炎の合併が明確な場合は適正使用になるわけですが、インフルエンザで、高齢者で、細菌性肺炎の合併が危惧されるような場合の抗菌薬の使用も不適切使用という範囲に入るのでしょうか。
 その2点を教えていただければと思います。
○大曲委員長 ありがとうございます。まずは事務局からお願いしましょうか。お願いします。
○亀谷補佐 ありがとうございます。事務局でございます。
 四宮先生、ありがとうございます。1つ目の御質問なのですが、ここにお示ししているとおり、日本においてAccessに分類される抗菌薬の割合は、現在23%にとどまっているという状況の一方で、ここにあります国連総会の政治宣言、2024年ですけれども、AWaRe分類を抗菌薬適正使用の指標として推奨しつつ、2030年までにAccessに分類されている抗菌薬の使用の比率70%以上にすることを目標としているところで、これは乖離があるといった状況ではございます。
 これは集計方法等、各国かなりばらばらであるという可能性もありまして、一概に別の国と日本とよしあしというのはなかなか比較し切れないところがあるとは理解しておりますが、現在このように暫定目標として立てているところでございます。こうしたAccess、Watchの使用状況の乖離による治療成績といったところにつきましては、これはやはり個別具体的な感染症の傷病名によるかなと思いますので、これは今明確にお答えできるものを持ち合わせておらず、大変恐縮でございます。
 もしリファレンスセンターの先生方など、何か御存じのことがあったら追加していただければ幸いでございますが、事務局から今明示的にお答えができず、恐縮でございます。
 2つ目につきましては、これはまさにレセプト上の傷病名のお話でございますので、先生がまさに御指摘いただいたとおり、急性気管支炎という病態でも細菌性肺炎と臨床現場では、そのオーバーラップですとか、どちらかなかなか判断がしづらいとか、様々な判断がされる可能性はありますので、これは本当に大まかな傾向を把握したのみといったところで御理解いただければと考えております。
 事務局からは以上でございます。
○大曲委員長 ありがとうございます。よろしいですかね。
 そのほか、委員の先生方からいかがでしょうか。
 よろしいですかね。
 ありがとうございます。おおむね先生方から御意見、御賛同いただいたと思って伺っておりました。この点は、AWaReをどう使うかということに関しては、やはり現場の先生方から、あるいはいろんな立場の方から、ここは臨床リファレンスセンターの立場でお話をしますと、多くの意見をいただいたところであります。ただ、基本的には、これはWHOのAWaRe分類そのものを管理している人たちも言っていることですが、やはり抗菌薬の使われる状況というのは国の背景によっても全然変わってきますし、現実的には、各国が自分たちの事情に合わせてこのAWaRe分類を実際に調整して使っているというのが現実であります。という意味では、日本でもこのような形で議論を経た上で、日本としての集計の仕方というのはちゃんと出していって、そのもとに運用していくというのがやはり方法だと思いますし、その意味で、本日は非常に大事な議論をしていただいたと思っております。ありがとうございました。
 では、今日いただいた意見をもとにまた進めていただければと思います。ありがとうございます。
 それでは、もう一点ございます。議題2ですけれども、以前より議題に出ておりました抗微生物薬適正使用の手引きの4版、こちらに関して、まずは事務局から御説明をよろしくお願いいたします。
○亀谷補佐 事務局でございます。
 大曲先生、ありがとうございます。資料2をお手元に御準備いただければと存じます。
 まず、「抗微生物薬適正使用の手引き第4版について」というところで、簡単に御説明いたします。
 次のページをお願いいたします。「手引き改訂に関する検討状況」でございますが、こちら、審議会の実施状況について、このようにまとめております。抗微生物薬適正使用(AMS)等に関する作業部会を令和6年11月から先月にかけて4回実施しておりまして、今回、かなり内容が固まってきましたので、いま一度御審議をいただければと考えております。
 次お願いいたします。「抗微生物薬適正使用の手引き(医科編)の主な改訂内容」でございます。概要につきましては、構成の整理・外来編・入院編と、あと薬剤耐性菌感染症の抗菌薬適正使用編としております。全体的な内容整理につきましても、時点更新等を行っているという状況でございます。
 「患者・家族への説明」の例示につきましては、こちらも柔軟な対応が臨床現場において実施していただけるように、手引き本体からというよりは、弊課のHPとか、AMR臨床リファレンスセンターのHP上等に掲載するといったことを現在検討しております。
 外来編に絞って言いますと、手引きの「主な対象者」というところですね。これは表を作成しております。
 「抗菌薬のAWaRe分類とは」ですとか、「在宅における抗微生物薬適正使用について」ですとか、「皮膚軟部組織感染症」ですとか、新規項目として追加しているところもございます。また、「COVID-19」の項も追加しておりまして、特にこれは個別具体的なCOVID-19の治療について述べるというよりは、むしろ抗菌薬の不必要使用に関してに絞って記載しているという状況でございます。
 また、【薬剤耐性菌感染症の抗菌薬適正使用編】といったところで、これはまさに臨床現場において専門知識を場合によって要するといった疾患群でございますが、治療について時点更新をしているのと、あとは診断治療のフローチャートについても特に問題となるような薬剤耐性菌について作成しているといった状況でございます。
 次お願いいたします。4ページ目でございますが、3版まではなかった歯科編が4版で追加するといった状況でございますが、こちらも、第8回の作業部会で御意見、修正点など出ましたので、このように事務局で対応しているといったところでございます。
 こちらも、簡単にまとめますと、幅広く、かつ重点的に読んでいただくことも考えて、より内容を分かりやすくしたといったことでございます。
 また、分かりやすさというところですと、普及啓発が何より重要でございますが、これに資する媒体といたしまして、抗微生物薬適正使用の手引き第4版の歯科編のみに要約版、一枚紙、ワンページャー、これを作成するという方向性について前回承認をいただいたところでございます。
 こちらも添付資料にございますので、適宜御確認いただければと考えております。
 【参考】で「手引きの主な対象者」というところで、これも読者層が非常に広まってきているというところもありまして、各医療従事者の職種別に、特に読んでいただきたいというところを、●:知っておくべき内容、○:知っておくことが望ましい内容としてお示ししている状況でございます。当然のことながら、ここに書いていない方は読まなくていいと言っているわけではございませんので、できる限り多くの方の手に届きますように、また臨床現場等で使っていただけるように、引き続き啓発については努力していきたいと考えております。
 また、最後6枚目でございます。【参考】ですが、「診断・治療のフローチャートの例」につきまして、これはESBL産生腸内細菌目細菌感染症を例に取っておりますが、このようにフローチャートを時点更新していると、新規につくっているといった状況でございます。
 事務局からは以上でございます。ありがとうございます。
○大曲委員長 ありがとうございます。ということで、手引き4版になります。今回、歯科の内容も入ったというところもございますが、今の説明を踏まえまして、委員の先生方から御意見、御質問等お受けしたいと思います。
 吉野先生、お願いします。
○吉野委員 ありがとうございます。日本歯科医師会の吉野です。
 私からは、歯科の臨床の立場からコメントをさせていただきたいと思います。歯科編にも同様の記載がありますが、本日の資料2-5、要約版のほうが御覧いただきやすいと考えますので、要約版のほうを用いて意見させていただきたいと思います。
 要約版の左側、「治療」の下の青い四角囲みの中に記載されている「歯肉腫脹等が認められない疼痛のみの歯周組織炎」と記載されているところと、さらにその一段飛ばした下にある「経口抗菌薬の投与は不要とされている」と記載されているところ、2か所についてです。
 「経口抗菌薬の投与は不要」との記載から、今回、「経口抗菌薬の投与は不要とされている」に記載を修正していただいたことにつきましては、引用文献での記載を踏まえての書きぶりと認識しておりますが、歯肉腫脹が認められない疼痛のみであっても、抗菌薬の投与が必要とされている急性化膿性根尖性歯周炎における歯根膜期から骨内期の初期の場合などにおいて臨床現場との感覚にずれがあることから、歯科編並びに要約版の配布後に、この部分の記載内容に関してハレーションが起きるのではないかという懸念がいまだに残るところでございます。
 そのことを踏まえ、何らかの注釈を加えるなど配慮を御検討いただけるとよいのではないかと考えております。
 最後に、短期間で多くの意見を取りまとめ、資料を作成いただいた関係各位、厚労省事務局に御礼申し上げます。
 私から以上でございます。
○大曲委員長 吉野委員、ありがとうございます。私が素人なので、歯科のほうは申し上げると、先生、歯根の根尖部の感染症で膿瘍をつくるような場合は、それこそ骨にも感染が波及して痛みもひどかったりしますけれども、一見、外見上は歯肉の発赤、負傷等がなかったりとか、そういうこともありますが、そういう場面のことも考慮すべき、そういう観点での御意見ということでよろしいでしょうか。
○吉野委員 ありがとうございます。そのとおりでございます。
○大曲委員長 御意見ありがとうございます。また事務局、御検討のほう、よろしくお願いします。
 それでは、川名委員、よろしくお願いします。
○川名委員 日本薬剤師会の川名です。音声、聞こえておりますでしょうか。大丈夫でしょうか。
○大曲委員長 はい、聞こえます。
○川名委員 手引きの対象者についてコメントをさせていただきます。薬局勤務薬剤師につきましては、歯科編についても、知っておくべきの●をつけていただきました。ざっと厚労省の社会医療診療別行為統計を確認したところ、歯科診療所の院外処方件数はここ数年で増加しており、歯薬連携が深まっていると私自身も感じております。また、2024年のこのAMR小委員会の議論でも、歯科医師の先生方が抗菌薬使用に関して相談できる先、相談先が必要であるというような意見が複数の委員からも出されました。
 こういった声も踏まえまして、今後、地域の薬局の薬剤師が歯科医師の先生方の身近な相談先になることで、抗菌薬の適正使用がより実効性を持つような、そういった体制づくりをしていきたいと考えております。どうぞ今後ともよろしくお願いいたします。
○大曲委員長 川名委員、御意見ありがとうございます。非常に重要なポイントだと思って伺っておりました。誠にありがとうございます。この点は、事務局、よろしいですかね。特段事務局から御回答はよろしいですね。
 ありがとうございます。では、松本委員、よろしくお願いいたします。
○松本委員 ありがとうございます。私のほうも、対象医療従事者の一覧表に関して、こちらのほうで看護に関するところにつきまして検討させていただきました。
 この中で、感染症診療・感染対策に従事する看護師、ここにつきましては、感染管理認定看護師とか感染症看護専門看護師等が該当すると思いますので、全般的な知識が必要だと考えておりますので、この欄につきましては、一般外来における成人、学童期以降の小児編、それから一般外来における乳幼児編、それから入院患者における微生物薬適正使用編、ここについて、知っておくべき内容のほうに引き上げていただいてもよろしいのではないかと考えております。
 さらに、上記以外の病院勤務の看護師でございますけれども、医科・入院編につきましては、基本的に基本知識として持っていないとなかなか難しい点もございますので、医科・入院編のところは知っておくべき内容というところに引き上げていただいてもよろしいのではないかと考えております。
 以上、御検討よろしくお願いいたします。
○大曲委員長 ありがとうございます。特に専門の方に関して言うと、実際、対象とする医療の場の対象は非常に広いというところもありますので、その全体を踏まえて把握しておくべきだ、という御意見であると私は把握いたしました。あとは、上記以外の病院勤務の看護師の方々のところに関しても承りました。ありがとうございます。
 では、中村委員、お願いします。
○中村委員 よろしくお願いします。少し今までの話と視点が違うかもしれないのですけれども、手引きの中に書かれている検査等々の話を少ししたいと思うのですが、私も、この手引きに関わらせていただきました。ただ、多くのことを、検査の内容を盛り込むことはいかなかったので、最低限のことを書かせていただきました。
 そんな中で、やはり耐性菌の治療、今回はフローチャートをかなり詳しく遺伝子別なんかで書かれているかと思うのですけれども、実際にこの中で、フローチャートもそうですし、そこで選択する薬剤もそうですけれども、実はここに書かれている薬剤の新薬の多くはまず、実情、検査室でなかなか測定できない薬剤があります。いろんな検査メーカーの機器の中で、新薬が出ても、その承認を得て、我々、検査室の中で使えるというのは、3年から、長いものだったら5年ぐらいかかってしまうというケースがあります。
 ただ、このフローチャートの中で、例えばレレバクタム・イミペネムと書かれていますけれども、これはどれぐらい実際に測定できるのかということになるかと思います。新薬についてはなかなか難しいかもしれないのですけれども、その辺、どのように厚生労働省の中でも把握されているのかというのをちょっと1つ考えていただきたいなという部分があります。
 もう一つは、薬剤耐性菌についても、この耐性菌別でフローチャートがなっているのですけれども、全ての検査室がこの遺伝子型別の検査できるという状況ではないかと思うのですね。そんな中で、感染症法の中でも、CPEの検出にイムノクロマトであるとか遺伝子型、そういうので陽性になれば報告してもらってもいいですよということで取り組む施設は多くなってきているのですけれども、保険点数がついていないために、なかなかそのキット等々、遺伝子も含めて導入できないというのと、あと、例えば全自動の遺伝子検査などを導入して、測定はできますけれども、それで測定したところで、持ち出しになるのが結構多くて、どこもちょっと困っている状況にはあると思います。
 そんな中で、手引きの中でこのように遺伝子型別で、例えばOXA-48は、これ使いたいのだけど、例えばOXA-48を証明できるかともし先生に言われたときに、なかなか即答できない施設が多いかなあと思うのです。大病院であれば恐らく大丈夫だと思うのですけれども、手引きというのはやはりそうでない施設の方々が使うものになってくるかなと思うのですね。専門家がいないようなところでも、この手引きを見て治療というふうになるのであれば、その辺の検査法も含めてちょっと整備が必要かなと思います。
 アクションプランの2の4の項に、こういう耐性菌を見つけるのに、精度管理がうまくできていないだとか、そういう実情が書かれているかと思うのですね。なので、やはり国としても、要は薬剤耐性菌の精度管理事業なんかをうまく活用することでこういったフローチャートが生きてくるのかなとちょっと思っています。
 自分も手引きの中の委員の一人として、なかなかそこまで意見が言えなかったのですけれども、どこまで手引きの中でそういったものを書けばいいか。詳しく書いてしまいますと手引きではなくなってしまうというのがあるので、手引きと、そういう法的なものを含めてちょっと進めないと、耐性菌以外のものはまあまあこのフローチャートでいけるかと思うのですけれども、薬剤耐性菌の深いところになってくると、ちょっと使いにくいといいますか、書いてあるけど測定結果がないとかいうことになるかなあとは思って、ちょっと意見させてもらいました。
 以上です。
○大曲委員長 ありがとうございます。私自身も、病院に戻れば検査室の責任者なので、おっしゃっていることは痛切に分かりますし、特に保険適用のことに関しては、私も含めて感染症部会でも意見は申し上げているところなのですね。そういう状況もございます。というところでありますが、こちらに関して事務局からは御意見ございますでしょうか。
○亀谷補佐 中村先生、御意見いただいてありがとうございます。事務局でございます。
 まず、AMR対策において、ひいては臨床現場において抗菌薬を適切に投与していただくといったことに関しては、原理原則は、やはり感受性をしっかり見て、それをもとに抗菌薬を適切に選んでいただくという原理原則がある中で、臨床検査技師の皆様がAMR対策において、臨床現場も公衆衛生の場においても果たす役割としては極めて大きいと考えておるところでございます。
 御指摘の検査のところにつきましては、やはりいろいろな限界があるとは当然承知しておりまして、特に新規の抗菌薬につきましては、イミペレム・レレバクタムを今例として挙げていただきましたけれども、広域の抗菌薬が多いといったところで、その一方で、やはり感受性検査のところが様々な理由からし切れないといった現実もあると認識しております。現在、感受性検査並びに遺伝子検査につきましても、フローチャート等で手引きに時点更新も含めてお示ししているところではございますが、やはりそれはまだまだ実際の検査の皆様の立場から見るとギャップがある状況と理解しておるところでございます。
 保険点数の話もしかり、精度管理の話もしかり、まだまだ課題は山積しているところでございます。弊課といたしましても、部局をまたいで適切に、このAMR対策のまさに根幹の一つである細菌検査の感受性検査について適切に効果的に実施していただくように引き続き努力したいと考えたいと思います。
 貴重な御意見ありがとうございました。以上でございます。
○中村委員 ありがとうございます。
○大曲委員長 ありがとうございます。それでは、菅井委員、よろしくお願いいたします。
○菅井委員 ありがとうございます。最初に、今、中村先生が言われたことをサポートする意味でですけれども、今おっしゃられましたけれども、事務局もおっしゃいましたけれども、感受性検査をするというだけでこれからは済まなくて、感受性検査に加えて遺伝子検査をやはりしていかないといけないということが実態としてあると思うのですね。感染症法にもそういうことで、遺伝子検査のことがそこに、例えばイムノクロマト等使うことでしてもよいという書き方をされていますけれども、そういうことをしようと思っても、実際には経済的な面でそこに手が届かないという、だから、実際の臨床の現実のギャップと、それから適正使用の手引きというのが余り離れてしまうとなかなか難しいところがあると思うので、そこをやはり厚労省のほうでは併せて考えていただく必要があるかなあと思います。
 これは前の中村先生のサポートの意見ですけれども、それとは別に、【参考】手引きの主な対象者というのがございますが、そこでちょっと気になったことがあるのでお聞きしたいのですけれども、大学病院とか結構大きな病院では、歯科口腔外科が別個にあって、感染対策としては、例えば歯科も含めて全体で、いわゆるICT、ASTの病院勤務医師、あるいはそこに歯科医師が加わる場合もありますけれども、それ以外に、看護師が多くの場合関わっているのですね。なので、2段目の感染症診療・感染対策に従事する看護師のところに歯科編も入れておいていただいたほうがいいのかなあという気がいたしました。それが私からのコメントです。
○大曲委員長 菅井委員、ありがとうございます。こちら、厚労省、いかがでしょうか。
○菅井委員 歯科口腔外科で、大体看護師さんと、それから衛生士さんと両方の方が働いているケースが多いので、そういうことからもと思いました。
○亀谷補佐 菅井先生、ありがとうございます。事務局でございます。
 まず、1つ目の意見についても本当におっしゃるとおりですので、先ほど中村先生のところで述べたとおりでございますけれども、これは適切に検査を実施していただくように、引き続き検討を進めていきますので、引き続きどうぞ御指導のほう、よろしくお願いいたします。
 2つ目につきましては、歯科編のところで、感染症診療・感染対策に従事する看護師様についてというところの御意見と認識しております。一番上に医師がありまして、次に看護師、次に薬剤師、その下に臨床検査技師と、いわゆるAST、ICTに従事する方というところで、各ブロックの一番上の行にお示ししているところでございます。御意見として承りつつ、その全体の並びも踏まえて、これは適切に読んでいただくように検討したいと思います。ありがとうございます。
○菅井委員 歯科の場合、本当に、多くの一般の開業医さんの場合にはいいと思うのですけれども、大きな病院とか大学病院の場合のケースというのをこれで見るとちょっと外れてしまうのかなあというところがあるので、ICTに関わる看護師さんとか、ICTに関わる薬剤師さんとかはやはり歯科のことも知っておってもらったほうがいいのかなあと、そういうことからの意見です。ありがとうございます。
○大曲委員長 菅井委員、ありがとうございます。おっしゃるとおりで、実際に歯科の感染症防止対策、あるいは適正使用をしっかり、病院の人間も関わっていますので、その点、我々としても賛同するところでございます。ありがとうございます。
 それでは、長尾参考人、よろしくお願いいたします。
○長尾参考人 よろしくお願いします。今、菅井委員がおっしゃられたことが私も気がついたところでした。
 あともう一つですけれども、歯科の要約版のところで、、ぱっと見たときに、メッセージの伝わりにくさというのがあるかなと思っています。上では、使うべきではないとばーんと書いてあって、下では使う状況が細かく書いてあって、通常であれば、多分、歯科領域でのAST活動ですごく問題になるのが、使わなくていい場合に結構使っているというところのメッセージが十分でないというところかなと思うので、その工夫が必要なのかなと思いました。
 これはいろいろな議論を重ねた上でつくられていて、恐らくすごく御苦労されたかなと思うので、ここで水を差すようなことを余り申し上げるのはよくないかなとは思うのですが、ぱっと見たときのメッセージの伝え方が、ちょっと字が多過ぎるということと、あと、使わなくていい状況が何か一覧表になっていて、○×、○×みたいになっていると大変分かりやすいのかなと思いました。
 あともう一つが、事前にも少しお伝えしたのですけれども、感染性心内膜炎リスクのある方の歯科処置というのが常々、私どものような病院では問題になっておりまして、実際にIEを発症されて、係争事例になることがありますので、そのメッセージもそこにどこか入れていただくといいかなと思いました。
 要約版は、恐らく多くの歯科の先生方、診療所勤務の歯科の先生方にも見ていただくという目的でつくられているかと思うのですけれども、そういった方々にも意識していただく必要がある大変重篤な病態なので、入れていただけると大変ありがたいなと思った次第です。
 ただ、もう既にでき上がっているものですので、今から変えるのが難しいということであれば、また今後の改訂の折にでも御検討いただければと思います。
 一先ず、以上です。ありがとうございます。
○大曲委員長 ありがとうございます。こちら、事務局としてはいかがでしょうか。
○亀谷補佐 長尾先生、まず、このたび御参画いただきましてありがとうございます。事務局でございます。
 貴重な御意見をいただきましてありがとうございます。まず、資料2-5、第4版、歯科編の要約版でございますが、一枚紙というところで、本当に情報を絞って、一枚紙にすることで臨床現場においてすぐに見られるようにしていただくといったところで、全ての情報を載せるというよりは、かなり絞って情報を載せているといった状況でございます。
 なので、大きく分けて、治療と術後感染の予防といったところで2つに分けているところでございまして、まず、見ていただくポイントとしては、色分けしているところを、まさに先生おっしゃったように、不必要使用のところが一番重点が置かれるところでございますので、まずしっかりと投与がそもそも不要であるといったところに関して目がいくように作成してきているところでございます。
 その上で、抗菌薬が必要な病態に関しては、不適切な使用というものを防止するために、下のところに表をこしらえているといった状況でございます。
 不必要使用のところが重点を置かれるべきだというところは全く賛同するところでございまして、一目で、誰が不必要であるかという表をつくるべきだという御意見だと認識しておりました。
 この一枚紙にどれだけ載せられるかという観点から、ちょっと現実的に難しいところはあるかもしれませんけれども、今後これは、手引きの本体も含めまして、もちろんそちらが本体でございますので、今後これは検討させていただきたいと考えております。
 あと、感染性心内膜炎に関してでございますが、こちらは、言わずもがなでございますけれども、全身の感染症で、場合によっては月単位の入院を余儀なくされると、非常に重篤な感染症であるところで、その主な発症リスクとして、抜歯後というものがよく知られているものではございます。この要約版においては、現行、これは(案)でございますので、今後の変更の可能性というのは当然あるわけでございますけれども、手引きの本体のほうにはしっかり記載をさせていただいているところでございます。
 その情報を集約するという観点から、この感染症心内膜炎に関しては、要約版に現行の(案)ではお示ししているわけではありませんが、少なくとも手引きの本体にはしっかり記載しておるところでございますので、うまくこの要約版に、少なくとも誘導ができるようなメッセージをつけるということを強力に検討していきたいと思っております。
 以上でございます。
○長尾参考人 回答いただきましてありがとうございます。恐らくイメージとしては、この要約版がクリニックの先生のところに置いてあるというイメージかと思ったのですけれども、そうであれば、この手引きの掲載先のQRコード記載予定というところに、例えばIEリスクがあるところに飛ぶとか、そういうQRコード、ぱっぱっと入れるだけでも、今時の人は皆さんスマホを持っていらっしゃいますし、やりやすいのかなと、ちょっとすみません、余計なことかもしれないですけれども、思いました。
 あと、局所感染等がない単純な抜歯であっても、例えば弁膜症があれば予防投与することがあるわけですし、その点の齟齬があるようにも思ったのですが、これは恐らく多くの感染症会ですとか歯科医師の先生方も常にお目通しされた上での記載だと思いますので、メッセージの伝え方についてまた御検討いただければと思いました。どうもありがとうございます。
 以上です。
○大曲委員長 ありがとうございます。
 浅井委員、お願いします。
○浅井委員 とても熱い議論の中で、ちょっと私の意見とかはどうでもいいような話かもしれないのですけれども、本冊のほうには、AWaRe分類についてですけれども、AWaRe分類の表がついていたのですが、フローチャートだとか、今出ていた簡易版ですか、ああいうものの中に薬剤名があったら、その後ろにでも括弧つけてAだとかWだとかつけておくと、例えば2種類表示があったときに、Aを使おうかなあという選択をしてくれるよう誘導するのに利用できるのではないのかなあという気がしました。
 以上です。
○大曲委員長 浅井委員、ありがとうございます。なるほどと思って伺っておりました。事務局、いかがでしょうか。
○亀谷補佐 浅井先生、ありがとうございます。非常にプラクティカルな御意見だと受け止めましたので、事務局でも検討してみたいと思います。ありがとうございます。
○浅井委員 よろしくお願いいたします。
○小谷室長 すみません。事務局でございますが。
○大曲委員長 室長、どうぞ。
○小谷室長 すみません、これは小委員会という場ですのでちょっと御意見をいただければと思っているのですが、今、長尾参考人のほうから御指摘いただいたIEの件、非常に強く御指摘いただいたかと思っております。こちらについて、一番よく御覧になるのは恐らく歯科の先生方になるかと思うのですけれども、そういった記載を追記したりすることについて、いかがでしょうか。吉野委員の御意見をいただけるとありがたいなと思うのですが。
○吉野委員 ありがとうございます。吉野でございます。
 本当に長尾先生には貴重な御意見をいただいてありがたいと思っておりますが、まず、IE予防に関しては、先ほど御指摘いただいたような単純な抜歯においても必要。それだけではなく、もっと基本的な治療、歯周治療の基本的な治療なんかにも抗菌薬を投与する等全く別枠で捉える形で我々は認識をしているところでございまして、そういう意味で、ここの単純な抜歯、この不適正使用のところにIEを特に持ってくるという意見を私はしていないところでございます。
 IEについても非常に重要なのですが、まずは不必要使用、それから不適切使用、この2つに絞ったという形で、これにさらにIEを入れてきてしまうとどうしてもさらに文字が小さくなって複雑化しまして、抗菌薬の適正使用が、一番進めたいところである歯科において、この一枚紙の効果が薄れてしまうのではないかということからこのような判断をしたところでございますけれども、またぜひ、担当の厚労省事務局の方とも相談しながら、よりよいものにしていきたいとは考えているところでございます。
 特にQRコード、そういうところに細かく飛ぶ、IEはそういう特別な扱いをするというのは、私は非常によい意見だと考えているところでございます。ありがとうございました。
○小谷室長 事務局でございます。
 御意見いただき、ありがとうございます。ちょっと改めて事務局の中でも検討させていただきたいと思います。貴重な御意見、ありがとうございました。
 あともう一点だけ、恐縮です。委員長、よろしいでしょうか。
○大曲委員長 お願いします。
○小谷室長 白井委員のほうから、こちらについてもちょっと御意見をいただいておりましたので、代読として読み上げさせていただきたいと思います。
 歯科編の要約版について
 臨床現場で使いやすい表形式と思いますが、表現として、「投与は不要」「投与は推奨していない」の強さの程度は、使い分けされているのでしょうか? また、「投与は不要」の場合の説明として、視診のみならず炎症状態がある場合でも、「疼痛のみ」は対象外となるのか、炎症があっても疼痛も訴えにくい末梢神経鈍麻のある糖尿病ケースなどでは判断が難しいと思いますが、現場の意見をぜひ確認いただきたいと思います。
という御意見をいただいておりました。
 こちら、恐らく最初の吉野委員の御指摘ともかなりつながるところかと思っておりますので、また改めて検討させていただきたいと思います。
 事務局からは以上です。ありがとうございました。
○大曲委員長 ありがとうございます。よろしくお願いいたします。
 それでは、ほか、先生方、御意見、御質問、いかがでしょうか。
 よろしいですかね。
 御議論ありがとうございました。幾つか課題もいただいたところでありますので、また事務局のほうで、この点、御検討いただければと思います。
 議題は以上ですが、全体を通して、先生方、御質問等いかがでしょうか。
 長尾参考人、よろしくお願いします。
○長尾参考人 すみません。よろしくお願いします。
 IEにこだわってしまって申し訳なかったです。別件なのですけれども、1個目の議題のところで申し上げるべきでしたが、最終的には、恐らく急性気管支炎と下痢症の抗菌薬処方を減らしたいというのがゴールだと思うのですけれども、各施設で、各医療機関でそういったことを集計して、何とかそれを下げるために努力し始めているのですね。それぞれの14日未満の抗菌薬の内訳をみたりとかそれそれでまわりを固めるという意味で重要だと思います。一方で最終ゴールである、本当に要らないところに使っていないかというのを見ていくための何か仕組みが本当は必要なのだろうなと考えています。
 ただ、レセプトデータの限界がありますし、J-SIPHEでもそれができないということではあるとは思うのですけれども、何がしかのそういった指標を出していただけると、私たちも臨床現場の先生に意見しやすいというか、数字があるほうが、具体的な目標があるほうが言いやすいので、あなたが診ている人の5人のうち1人は要らないのだからやめてくださいということを言いやすいので、何かそういうことを取り組んでいけると大変すばらしいのではないかなと思った次第です。
 今日の内容については、方向性については全て賛同いたしますし、どうしても限界があるのでやむを得ないところもあるのですけれども、最終ゴールに向かっての取組というのをまた厚生労働省の先生方とリファレンスセンターの先生方と御検討いただければと思いました。
 以上です。
○大曲委員長 長尾先生、ありがとうございます。取りあえず私からお答えをすると、おっしゃるとおりだと思っています。現状は、手に入るデータということで、やはりレセプトのデータを用いて、そこの中についている診断名を用いて、あとは中身ですよね。主に期間をもとに、あとは量というのもあるのですかね、見ていますけれども、ほかのサーベイランスでも一緒で、正直なところ、レセプトの診断名の扱いはすごい難しいなと思っています。そこをどうすればいいかというのは、技術的にも、また検討は必要だと思っています。
 これはあくまで個人的な意見ですけれども、将来的には、DXが進んで個票レベルでのデータが見られるようになると、それを見ることで、レセプト名の診断名より、より真に迫る診断名といいますか、といったものも、あるいは、診断名というのはよくないですけれども、要は適切性の判断ができるようになるといったのも夢想はしております。ただ、技術的にも、まずは研究という観点から始めるところもあるとは思っておりますので、そういったところをAMR臨床リファレンスセンターとしては考え始めているというところはお伝えをしておきたいと思います。ありがとうございます。
 どうぞ。
○長尾参考人 大曲先生、ありがとうございました。実際問題、レセプトでやるというのもかなり難しいのも十分把握していまして、ただ、試行的に本院でも、ほかの大学でもそういうことをやり始めていますので、例えばなのですけれども、これとこれとこれの病名、傷病名を使って割合を出してくださいとお伝えくださったら、大学病院とか大きな病院、加算1を取っているようなところだと、ある程度のものは出せると思うのです。
 こんなこと言ったらほかの病院の先生に怒られるかもしれないのですけれども、厚生労働省やAMRリファレンスセンターの先生方がこれをやれと言われたことは、私たちはやらなくてはいけないと分かっているので、手引きに書かれたらやらなくてはいけないとなるのと一緒で、そのようにメッセージを出していただくのも1つ手かなと思いました。
 先ほどの遺伝子検査につきましても、手引きに書いてあるのだから、やらなきゃいけないのだからやってくださいということを言いやすいのですね。であるので、何か引っ張られるところもやはりあるので、強いリーダーシップをお持ちの先生方、非常に多いと思いますので、引っ張っていただければと思いました。
 以上です。
○大曲委員長 ありがとうございます。承りました。この議論に関して、事務局から何かございますか。
○亀谷補佐 長尾先生、貴重な御意見ありがとうございます。なるほどと思って伺ってございました。まだまだ検討段階のところもありますので、本来の目的は、本当にかえすがえすも、急性のウイルス感染症に抗菌薬を不必要に投与する、そういったところをできる限りモニタリングしつつ、これを啓発していきたいといったことでございますので、これはまた引き続きこの場で議論ができればと思います。どうぞよろしくお願いします。
○大曲委員長 ありがとうございます。そのほか、先生方からいかがでしょうか。
 よろしいですかね。
 ありがとうございます。本日も、大変熱のこもった議論、ありがとうございました。大変参考になるところがございました。この後は、また厚労省のほうで御検討いただければと思います。
 それでは、司会のほうは事務局のほうにお返しいたします。ありがとうございます。
○小谷室長 ありがとうございました。本日の皆様の御意見を踏まえ進めさせていただきたいと思います。特に多くいただきました手引きについての部分については、最終的には大曲委員長ともよく御相談させていただきながら進めさせていただきたいと思っておりますので、また関係委員の皆様の御意見を伺いつつではございますが、本委員会として進めさせていただければと思いますので、どうぞよろしくお願いいたします。
 また、次回につきましては、事務局より改めて御連絡させていただきます。
 本日は、お忙しい中、御出席いただき、ありがとうございました。