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第11回薬剤耐性(AMR)に関する小委員会
健康・生活衛生局 感染症対策部 感染症対策課
日時
令和7年7月31日(木)13:00~15:00
場所
厚生労働省 共用第9会議室(12階)
議題
(1)多剤耐性菌に対する新規抗菌薬の薬剤感受性検査に関する課題について
(2)AMR対策における抗菌薬分類の活用について
(3)多剤耐性緑膿菌感染症の届出基準について
(2)AMR対策における抗菌薬分類の活用について
(3)多剤耐性緑膿菌感染症の届出基準について
議事
- ○小谷室長 ただいまから、第11回「厚生科学審議会感染症部会薬剤耐性(AMR)に関する小委員会」を開催します。
構成員の皆様方におかれましては、御多忙にもかかわらず御出席いただき、誠にありがとうございます。
本日、議事進行を務めさせていただきます感染症対策部感染症対策課の小谷と申します。このたび、7月付で佐野の後任としてエイズ対策推進室長並びに結核対策推進室長を拝命いたしました。何とぞよろしくお願い申し上げます。
また、感染症対策課長にも異動がありましたので、新たに着任した木庭より御挨拶させていただきます。木庭課長、よろしくお願いいたします。
○木庭課長 皆様こんにちは。7月8日付で荒木の後任として感染症対策課長を拝命いたしました木庭と申します。どうぞよろしくお願いいたします。
○小谷室長 本日の議事は公開となります。
傍聴の方は、「傍聴に関しての留意事項」の遵守をお願いいたします。
なお、会議冒頭の頭撮りを除き、写真撮影、ビデオ撮影、録音することはできませんので、御留意ください。
WEB会議について御説明させていただきます。
本日は、WEB会議で開催することとしております。
まず、WEB会議を開催するに当たり、会議の進め方について御連絡させていただきます。
御発言される場合は、まず挙手機能を用いて挙手していただくか、チャットに発言される旨のコメントを記載していただき、委員長から御指名されてから御発言をお願いいたします。
なお、WEB会議ですのでタイムラグが生じますが、御了解願います。
会議の途中で長時間音声が聞こえない等のトラブルが生じた場合は、あらかじめお知らせしている番号までお電話をお願いいたします。
委員の出欠状況につきまして、2名ほどちょっと遅れていらっしゃいますが、お名前をお伝えさせていただきます。
御出席の委員につきましては、通信の確認も踏まえて、委員のお名前をこちらから申し上げますので、一言お返事をいただければと思います。五十音順で失礼いたします。
浅井委員。
○浅井委員 浅井でございます。どうぞよろしくお願いいたします。
○小谷室長 よろしくお願いいたします。
荒川委員。
○荒川委員 荒川でございます。よろしくお願いいたします。
○小谷室長 お願いいたします。
大曲委員。
○大曲委員 大曲です。よろしくお願いします。
○小谷室長 よろしくお願いいたします。
川名委員。
○川名委員 川名です。よろしくお願いいたします。
○小谷室長 よろしくお願いいたします。
北原委員。
○北原委員 北原です。よろしくお願いいたします。
○小谷室長 坂本委員。
○坂本委員 坂本です。よろしくお願いします。
○小谷室長 笹本委員。
○笹本委員 笹本でございます。よろしくお願いいたします。
○小谷室長 よろしくお願いいたします。
四宮委員。
○四宮委員 四宮です。よろしくお願いいたします。
○小谷室長 菅井委員。
○菅井委員 菅井です。よろしくお願いいたします。
○小谷室長 関谷委員。
○関谷委員 関谷でございます。よろしくお願いいたします。
○小谷室長 松本委員。
○松本委員 松本です。よろしくお願いします。
○小谷室長 八木委員。
○八木委員 八木です。どうぞよろしくお願いいたします。
○小谷室長 山野委員。
○山野委員 山野です。よろしくお願いいたします。
○小谷室長 なお、白井委員と舘田委員はまだ御参加されていないのですが、島田委員、高野委員、三﨑委員からは御欠席の連絡を受けております。
また、本日は参考人として、京都橘大学より中村様、国立感染症研究所より保阪様、国立国際医療センター AMR臨床リファレンスセンターより松永様、日本歯科医師会より吉野様の御参加をいただいております。
中村様、聞こえておりますでしょうか。
○中村参考人 中村です。よろしくお願いします。
○小谷室長 保阪様、聞こえておりますでしょうか。
○保阪参考人 保阪です。よろしくお願いいたします。
○小谷室長 松永様、聞こえておりますでしょうか。
○松永参考人 松永です。よろしくお願いいたします。
○小谷室長 吉野様、聞こえておりますでしょうか。
○吉野参考人 吉野です。よろしくお願いいたします。
○小谷室長 以上、現在、薬剤耐性(AMR)に関する小委員会委員18名のうち13名に御出席いただいておりますので、厚生科学審議会令に基づき、本日の会議は成立したことを御報告いたします。
申し訳ございませんが、冒頭のカメラ撮りにつきましてはここまでとさせていただきますので、御協力をお願いいたします。
なお、これ以降は、写真撮影、ビデオ撮影、録音をすることはできませんので、御留意ください。
木庭課長におきましては、公務のため、この後失礼させていただきますことを御容赦ください。
それでは、議事に入る前に資料の確認をさせていただきます。
配付させていただいていた資料は、議事次第及び委員名簿、座席図、資料1~3、参考資料1~5になります。不備等がございましたら、事務局にお申出ください。
白井委員が入られましたので、御紹介させていただきます。
白井委員、聞こえておりますでしょうか。
○白井委員 すみません。ちょっとトラブルがあって入れませんでしたので、また切り替えるかもしれませんけれども、スマホで入っておりますので、よろしくお願いします。お待たせして、申し訳ございませんでした。
○小谷室長 よろしくお願いいたします。
それでは、ここからの進行は大曲委員長にお願いいたします。
○大曲委員長 承知いたしました。大曲です。
それでは、委員の皆様方、よろしくお願いいたします。
早速ですが、議題1です。「多剤耐性菌に対する新規抗菌薬の薬剤感受性検査に関する課題について」に関して、事務局から御説明をお願いします。
○上地補佐 感染症対策課の上地でございます。議題1について御説明をさせていただきます。よろしくお願いいたします。
スライドお願いいたします。
初めに、「現状と課題」について御説明させていただきます。
近年、多剤耐性グラム陰性桿菌による感染症治療における“切り札”として、レレバクタム・イミペネム・シラスタチンやセフィデロコル、セフタジジム・アビバクタムといった新規抗菌薬が上市されてございます。
本来、これらの抗菌薬は、抗菌薬適正使用の観点から、従来の抗菌薬の薬剤感受性検査等の結果を基に多剤耐性菌と同定され、従来の抗菌薬では治療が困難、かつ、新規抗菌薬に感受性がある場合に限り使用されることが重要とされています。
しかし、これらの抗菌薬は、日本で上市されている薬剤感受性装置の薬剤感受性プレートに搭載されていないことから、従来の抗菌薬と同時に測定することができず、特にCFDCの薬剤感受性検査は培養条件が異なるため、ほかの抗菌薬との同時測定ができない現状がございます。そのため、医療機関では、別途、感受性プレートを用いて、追加の薬剤感受性検査を実施する必要がございます。
以上を踏まえまして、本日は、新規抗菌薬の薬剤感受性検査を適切に実施するためには、どのような対応が考えられるかについて、御意見をいただきたいと考えてございます。
どうぞよろしくお願いいたします。
○大曲委員長 ありがとうございます。
ということで、事務局からの現状を踏まえた議論の要請というところでございますが、いかがでしょうか、先生方、こちらに関して御意見いただければ、幸いです。
八木委員、よろしくお願いします。
○八木委員 ただいまお話しいただきました薬剤感受性の検査につきましては、まさしくそのとおりでありまして、我々がそういった新規の薬剤を使いたいと思うときには、薬剤に対する薬剤感受性検査を行うわけですけれども、それは、我々がルーチンで行っている検査のパネルには載っていないお薬ですので、別途、いろいろなディスク拡散法とか、新しいパネルを別途使用して薬剤感受性検査を行っているわけですけれども、それはまさしく病院の持ち出しということになっておりますので、これは非常に適正に治療を行うという意味においては、薬剤感受性の検査、非常に重要ですので、これを御配慮いただけるのであれば、非常にありがたいなと思います。
もう一つありますのは、日本の疫学からいきますと、カルバペネム耐性菌の持っているカルバペネマーゼはかなりIMP型が多いのが特徴ですけれども、そうしたカルバペネマーゼを産生する菌の治療を考えるときには、どのようなカルバペネマーゼが産生されているかということを参考にしなさいというのが、欧米のガイドラインでもそうですし、日本の抗微生物薬適正使用の手引きにも記載があるわけです。その産生されているカルバペネマーゼの種類を調べるのも、現時点では、我々の病院で持ち出しの形でいろいろな検査がされているのも現状でありますので、先ほどの薬剤感受性の検査とはちょっと異なるのですけれども、そういったところも併せて御配慮いただけると、ありがたいと思います。
以上です。
○大曲委員長 ありがとうございます。
そうですよね。感受性試験にしても、産生されているカルバペネマーゼのタイピングにしても、現状、病院としては持ち出しでありまして、これはかなりの障壁になっておりますので、先生、保険収載が適切であると、そういう御意見ということでよろしいでしょうか。
○八木委員 そうしていただけるとありがたいなと思います。
○大曲委員長 ありがとうございます。
そのほか、御意見いかがでしょうか
松永参考人、よろしくお願いします。
○松永参考人 参考人の松永です。
1点、抗菌薬確保の支援事業でも、しっかりと適正に使用していただくとともに、その適正性を判断しなければいけない。その根拠になるのが、新規薬剤の薬剤感受性検査でありまして、新規抗菌薬を適切に使って、それをしっかりと評価する体制を確保するという観点で、医療機関が適切に検査できる体制をつくっていただくことは大切ではないかなと考えております。
以上となります。
○大曲委員長 ありがとうございます。
そうですよね。要は、適切に判断という観点では、そのターゲットとなる患者さんが適切に選ばれているというところが評価の対象になるわけですけれども、その前提はこの検査なのですよね。そういう点で障害になっているといいますか、そういう御意見であると承りました。
松永参考人、そういうことでいいですね。ありがとうございます。
そのほかいかがでしょうか。
北原委員、お願いします。
○北原委員 ありがとうございます。
先にお話しいただいた先生方と同様の意見になってしまうのですが、私も、抗菌薬の適正使用を考えた上では、適切な検査がセットになると考えますので、それが持ちだしになっている現状はやはりよろしくないと考えております。そこのところをカバーできる、先ほど大曲委員長もおっしゃられたように、診療報酬でしっかりカバーできる体制をとらないと、適正使用というところにおいて、うまくつながっていかない可能性が高くなりますので、ぜひ、御検討いただきたいと思っております。
以上です。
○大曲委員長 ありがとうございます。
そのほか、先生方いかがでしょうか。
荒川委員、お願いします。
○荒川委員 荒川です。
確かに検査費用を、ほかの薬剤と同じように保険で実施できるのは必要なことだと思うのですけれども、もう一つは、検査する培地とかディスクとかそういうものをきちんと供給できる体制もつくらないといけないと思うのですね。CFDC(セフィデロコル)なども含めて新しい薬物は、例えば検査会社は自前で合成しようと思うと、数ミリグラムでも数十万から100万以上かかるような高額なお金が必要になってきますので、原薬メーカーから試験用の物質をある程度提供できるような体制づくりも必要になってくるのではないかと思うのですけれども、その辺は、今どうなっているのでしょうか。
○大曲委員長 荒川委員、ありがとうございます。
それでは、今、御質問ありましたけれども、こちらに関して、どうでしょう、今、事務局のほうでお答えできるものをお持ちでしたら、お願いしたいのですが、いかがでしょうか。
○上地補佐 事務局でございます。
荒川委員からいただいた意見は、大変貴重な御意見かと思いますが、現在、当課で回答できるだけの資料等を持っていないため、後日、メールの形で御報告させていただきたいと思います。
以上でございます。
○荒川委員 分かりました。
○大曲委員長 ありがとうございます。
体制整備という観点では、ちゃんと試薬等が供給できるような仕組みづくりが必要だという御意見だと承りました。ありがとうございます。
そのほか、先生方いかがでしょうか。
山野委員、お願いします。
○山野委員 ありがとうございます。
今の荒川先生の御意見にも少し関係するところではありますが、薬剤の供給は製薬会社との契約の中で行われていると思うので、一般的なルールはないかなと思います。
一方で、今回のような耐性菌に効くような薬剤の場合、感受性検査薬を診断薬のメーカーさんで開発する場合にも、かなりの費用がかかります。抗菌薬の販売の場合にはインセンティブの議論等々されておりますけれども、診断薬メーカーさんでも、なかなか使用機会があまり多くないという診断薬に対して、どのくらいのリソースをかけて開発するのかというのは、やはり困っておられるところはあると思いますので、薬剤の供給だけでなくて、こういう非常に重要な診断薬の開発をする上で、いろいろな面でのサポートというところもぜひ考えていただければいいのではないかと思います。海外でもやはりそういう意見は多いですので、特に国内特有という部分もございますので、検討いただければありがたいと思います。
以上です。
○大曲委員長 ありがとうございます。
松本委員、お願いします。
○松本委員 ありがとうございます。
今の議論でございますけれども、患者さんにとっても、迅速に検査される、早く治療に向かうということが何より大切だと思いますので、様々な制度、開発等のハードルはあると思いますけれども、迅速に検査ができ、治療に結びつく、そういったものの在り方を併せて御検討いただければと思いました。
以上でございます。
○大曲委員長 ありがとうございます。
中村参考人、よろしくお願いします。
○中村参考人 検査をしてきた立場の者から少しお話ししたいと思うのですけれども、新薬が出たときに、臨床からすぐに測定してほしいという要望はあるのですけれども、まず、物が手元にないというのが1点大きな問題になるのですけれども、もう一つは、例えば大病院であれば、ある程度こういった試薬を購入して使っていけるのですけれども、中小の病院になってくると、例えば、その試薬の単位、例えばCFDCを1本買いましたとなるのですけれども、その1本を使い切るまでに、時間もかかれば、コストもかかるというのがあって、新薬に関しては、次に、開発していくときに、要は、範囲も本当は見直していただけると使っていけるのかなと思うのです。いくら検査ができても、先ほどのコストの件もあったのですけれども、導入できないというところがほとんどだと思うのですね。ディスクが出たけれども、例えば病院の申請で通らないとか、そういうケースが多々あります。きちんと耐性試験をしていこうと思うのであれば、そういったものも含めて整備していただけると、使っていけるのかなというのが1点。
もう一つはデータについてですけれども、どういった管理をしていくかというのは大事であって、例えば新薬が出てきました、日本で使える例えば培地は何種類あります、その培地を使って例えば海外のメーカーのディスクを測定したときに、きちんとしたデータが出るのかという、そういう検証も実際にはどこかでしていかないと、導入しました、だけど、例えばこの組み合わせは、検査の質の担保ができていないような方法でやってしまうと、要は、感受性なのが耐性であったり、耐性なのが感受性だったりするので、新薬っていきなり飛びついてしまうのですけれども、測定するほうとしてはなかなか怖さがあります。新しいものなので怖さがあって、例えば自動機器で測ってないけれども、実際にはマニュアルでしないといけないとなったときに、皆さん少し手を出せないようなところがあるので、そういったものも含めて、試薬を使っていくメーカー、試薬を作成するメーカー、企業に関しても、何か法律的にもアプローチしていただけると、よりよくなるのではないかなと思います。
以上です。
○大曲委員長 ありがとうございます。
それでは、笹本委員お願いします。
○笹本委員 日本医師会の笹本でございます。
皆様と同じ意見でございますので、ぜひ、これらは自前で持ち出しするのではなく、何らかの形でそれをしっかりとサポートいただきたいと思います。
また、診療所におきましては、こういう検査は外注されていることが多いと思いますので、外注の場合におきましても、同じようにサポートいただけるような体制の提供をお願いいたしたいと思います。
以上です。
○大曲委員長 ありがとうございます。
おっしゃるとおりだと思いました。診療所の観点は非常に重要だと思います。
ありがとうございます。
○小谷室長 大曲委員長、1点よろしいでしょうか。
舘田委員が御参加いただきましたので、一応確認させていただきます。
舘田委員、お声聞こえておりますでしょうか。
○舘田委員 舘田です。すみません、遅れてしまって、申し訳ありませんでした。
○小谷室長 ありがとうございます。
○大曲委員長 ありがとうございます。舘田先生、よろしくお願いいたします。
そのほか、委員の先生方、御意見いかがでしょうか。
○上地補佐 大曲委員長、よろしいでしょうか。
○大曲委員長 どうぞお願いします。
○上地補佐 本日御欠席の高野委員から事前にコメントをいただいておりますので、事務局から読み上げさせていただきます。
重要な新規抗菌薬の薬剤感受性検査は、どの医療機関においても、迅速で正確に、かつ負担が少なく実施可能となるように、引き続き検討が必要である旨、コメントをいただいております。
どうぞよろしくお願いいたします。
○大曲委員長 承知いたしました。ありがとうございます
そのほか、先生方いかがでしょうか。
よろしいですかね。
ありがとうございます。
多くの委員の先生方がおっしゃったのは、感受性試験にしても、あとは、カルバペネマーゼそのもののタイピングの話もありましたが、現状、行うと医療機関の持ち出しになっていると。それは、適正使用の観点から、あとは重要な最適な、必要な患者さんに薬を早く届けるという観点からも好ましくないので、持ち出しにならないように、保険収載でカバーしたらどうかと、そういう御意見が複数ございました。
あとは、その周辺の環境の話で、1つは、その薬剤も、必要な方に、必要なときに迅速に届くようにというところで、そのあたりの体制整備、薬の物流という観点もそうですが、ということもありましたし、あともう一つは、検査薬自体がきちんと届くようにするという、その意味での仕組みづくりが必要だという話がありました。
その中には、中村参考人がおっしゃったように、購入の単位が大き過ぎて、あれでは中小病院には手が出せないというのは、どうでしょう。これは企業さんのレベルの話なのかもしれませんが、問題だと思いますし、また一方で、その都度、診断薬を出していくことになれば、それはそれなりにコストのかかることでもありますけれども、それが、企業さんの単位ではなかなか厳しいとか、そういうこともありますので、迅速に検査が使えるようにするという観点では、何らかの方策を考える必要があるのではないかと、そういう御意見でした。
あとは、僕、ちょっと言い漏れましたが、薬が使われる場は、中小病院や診療所というところもあって、大病院ではない、検査室がないところもありますので、そういう場合は一般的には外注されますが、その際にもちゃんと検査がされる場合には、保険収載されることが必要であると、そういう御意見があったと思っております。
ありがとうございました。
この議題に関しては、このような御意見をいただいたということでまとめておきたいと思います。
ありがとうございます。
それでは、議論を進めてまいります。次は、議題2ですけれども、「AMR対策における抗菌薬分類の活用について」であります。
では、まずは事務局から御説明をお願いします。
○亀谷補佐 事務局でございます。感染症対策課課長補佐の亀谷と申します。どうぞよろしくお願いします。
お手元の資料2を御確認いただければと思います。
「AMR対策における抗菌薬分類の活用について」ということで御説明をさせていただければと思います。
次のスライドをよろしくお願いいたします。
まず初めに、「AMR対策における抗菌薬分類の活用に係る現状及び課題について」というところで御説明を申し上げます。
まず、「現状」についてですが、ウイルス性上気道感染症とか急性下痢症といった、本来、抗菌薬が不要と考えられる疾患に抗菌薬が多く使用されている現状がございます。今まで、AMR対策アクションプランの目標及び戦略に沿って、ここに挙げているような取組が実施されてきたところであります。
目標1は、普及啓発・教育でございますが、AMR臨床リファレンスセンターを通じまして、風邪等のウイルス感染症に抗菌薬を使用しないよう、ポスターや手引き、意識調査などを通じて啓発をいたしてきております。
目標2が、動向調査・監視でございますが、感染対策連携共通プラットフォーム(J-SIPHE)による抗菌薬の使用状況等のモニタリングをしてきているところです。
目標4が、抗微生物薬の適正使用ですが、抗微生物薬適正使用の手引きの作成及び改訂をいたしてきております。
成果指標として、経口第3世代セファロスポリン系・フルオロキノロン系・マクロライド系のお薬の使用量の削減目標の設定に当たっては、上気道炎に対する抗菌薬適正使用の推進による削減分を加味してきているというところでございます。
ここに挙げました動向調査監視や適正使用の推進の観点からは、WHOが抗菌薬適正使用の指標としてAWaRe分類を使うことを推奨しておりまして、国際的にもスタンダードになってきているところであります。現状、J-SIPHEにおきまして、AWaRe分類に基づく集計自体は実施してきているところでありますが、医学的には適正な抗菌薬の使用も含めて集計されている可能性があるものと認識をしております。
例えば、治療ガイドライン等において推奨される抗菌薬の投与方法によっては、Access分類される抗菌薬以外の抗菌薬の長期処方が推奨される場合があります。医学的には適正に抗菌薬を使用しているにもかかわらず、当該医療機関におけるAccess抗菌薬の使用比率に影響があるかもしれないということであります。
こちらに具体例を挙げているところですが、あくまで1例として挙げているところです。
「課題」です。
ウイルス性上気道炎や急性下痢症に対する抗菌薬の不適切使用を減らすという観点から、目標2(動向調査・監視)とか、目標4(抗微生物薬の適正使用)とか、これをさらに推進するためにAWaRe分類を活用することとした上で、AWaRe分類を用いた評価を含め、その活用方法について、日本の診療の実態に即した効果的なものとなるよう検討する必要があるものと考えております。
次のページお願いいたします。
こちら、参考までですが、「J-SIPHEにおける現状のAWaRe分類に基づくサーベイランスについて」ということで記載をさせていただいております。
現状、感染対策連携共通プラットフォーム(J-SIPHE)では、各医療機関の抗菌薬の使用状況をAWaRe分類に沿って集計しておりまして、J-SIPHE参加医療機関にその結果を個別にフィードバックをするとともに、J-SIPHE参加医療機関全体における分類ごとの抗菌薬の使用量を公表しているところです。
次のページをお願いいたします。
こちら、「日本の診療に実態に即したAWaRe分類に基づく効果的な評価及び活用方法の検討」を事務局で行っているものであります。
ウイルス性上気道炎や急性下痢症に対する抗菌薬の使用状況を重点的にモニタリングする観点とか、一部の抗菌薬について長期処方が推奨される場合があることを踏まえまして、経口抗菌薬の処方日数を14日未満と14日以上で分けて抗菌薬の使用量を見たところ、新型コロナウイルスの感染拡大前の2019年におきまして、抗菌薬の使用量全体に対して14日以上の処方が約3割強を占めていたというものをこちらに示しております。
こちら、14日未満と14日以上で分けていることにつきましては、左にお示ししております「EML選定における感染症群」における抗菌薬の治療期間を参考にしております。
右側に、黄色のところが14日以上、青のところが14日未満とお示ししておりますけれども、黄色における14日以上のところに、本来は医学的には正しいと思われる抗菌薬の処方がより多く含まれているのではないかという認識を持っております。
次のスライドをお願いいたします。
こちらは、「日本の診療の実態に即したAWaRe分類に基づく効果的な評価及び活用方法の検討及び今後の方向性(案)」についてお示しするものです。
先ほどから申し上げておりますが、2019年における経口抗菌薬の使用量を、処方日数を14日未満と14日以上で分けて、抗菌薬の種類別に見たのがこちらの棒グラフになります。
AMR対策アクションプランにおける成果指標に位置づけられております経口第3世代セファロスポリン系、フルオキノロン系につきましては、14日未満の処方が大半であったと。
他方で、同じく成果指標に位置づけられているマクロライド系の処方量については、14日未満と14日以上の処方の場合が同等であったという結果が出ております。
こちら、14回以上の処方については、マクロライド系、テトラサイクリン系、スルファメトキサゾール/トリメトプリム、リファキシミンといった特定の抗菌薬に多く見られているというところではあるのですが、これらは、例えば1例ですけれども、慢性閉塞性肺疾患とか、びまん性汎細気管支炎とか、こういったものに対するマクロライド系の抗菌薬とか、肝性脳症における高アンモニア血症に対するリファキシミンの長期処方などが、治療ガイドライン等において推奨されているところですが、あくまで1例ですけれども、こうした医学的には正しいと思われる抗菌薬の投与である可能性があると示唆される結果となっております。
今後の方向性についてですが、下に(案)としてお示ししているところでございますが、ウイルス性上気道炎とか急性下痢症に対する抗菌薬の使用状況を重点的にモニタリングする観点からは、処方日数が14日未満の処方に絞って、集計及び評価することが効果的であるという可能性がありますが、この場合に集計から除外される処方日数が14日以上の処方が、治療ガイドライン等において推奨される抗菌薬の投与であるかを、引き続き分析してはどうかと。
その結果を踏まえまして、今後も、日本の診療の実態に即したAWaRe分類に基づく効果的な評価及び活用方法を、引き続き議論をさせていただければと思っております。
最後のスライドは参考になりますので、説明は割愛をさせていただければと思います。
事務局からの説明は、以上となります。よろしくお願いいたします。
○大曲委員長 御説明ありがとうございます。
それでは、この点につきまして、委員の先生方から、御質問・御意見をいただければと思います。よろしくお願いいたします。
舘田委員、よろしくお願いします。
○舘田委員 ありがとうございます。舘田です。
今、事務局から御説明いただきましたけれども、面白いなと思ったのですよ。AWaRe分類に関して、御指摘もありましたけれども、AWaRe分類はWHOですから、全世界を対象とした一つの方向性で、そういう意味で大事にしなければいけないわけですけれども、果たして、それは日本で、60%とかいう数字も含めて、我々が目指す方向性なのかなというところに関しては、ちょっと考えていく必要がある。これは事務局からも指摘がありましたけれども、AWaRe分類の元のコンセプトをうまく使いながら、日本に合ったものにしていかなければいけない。
その中で、僕の中では、5ページの経口セファロスポリン系とマクロライド系とフルオロキノロン系の14日未満と14日以上で非常にきれいに分かれているのは、皆さん、臨床の現場で、かなり注意しながら使っているなということを感じました。そういう意味で御指摘のように、マクロライドに関しては、マクロライドの少量長期投与をやらなければいけない、そういう症例があるわけで、AWaRe分類で数字がおかしくなるから使わないということなんかできないわけですよね。そういう意味では、ここは非常に日本の特徴だし、大事にしなければいけないところ。
一方で、経口セファロスポリンもフルオロキノロンも、これも何でもかんでもじゃないわけですけれども、短期間で効果的に使うことにおいて、患者さんの症状を、痛みとか熱とか、そういうものを早く取ってあげるという意味においては、僕は、例えばフルオロキノロンは使い方によっては非常に有効だと思うし、日本だからできる感染症治療薬としての位置づけを考えていかれるのではないか。そういう意味では、繰り返しになりますけれどモ、AWaRe分類のコンセプトを大事にしながら、日本に適応したような形に進化させていくという方向性を、ぜひ、国としても、もちろんアカデミアとしても、それを探して、それを推奨していかなければいけないなと思いました。
以上です。
○大曲委員長 舘田委員、ありがとうございます。
それでは、白井委員お願いします。
○白井委員 白井です。お願いします。
今お話しいただいた中で、最後に、分析をしながら、AWaRe分類をどういうふうに活用していくかという話だったと思うのですけれども、14日以上の長期使用ということでは、COPDとか肝性脳症という例を示していただいていますけれども、これは、今の段階で診療報酬というか、レセプトの中で確認できるというか、そういった形で評価していくのか。どういう形で分類を、実際どういうものに使われているかということが分かるのでしょうかという質問です。今、百日咳が結構流行っているというか、保健所に全数報告でたくさんいただくのですけれども、マクロライドの耐性があるのではないかとか言われながら、どういうふうに使われているのかなということもちょっと興味がありますので、そういう形で薬の使用と診断名とがきちんとリンクできるように分析できるのでしょうかということをちょっとお聞きしたかったので、よろしくお願いします。
○大曲委員長 ありがとうございます。
御質問でありますが、これはどうでしょうね。事務局に振るよりは、例えば、松永参考人に聞いてみるのがいいような気もしますが、事務局、それでよろしいですか。事務局でお答えになりますか。
○亀谷補佐 事務局でございます。ありがとうございます。
白井委員に大変貴重な御意見をいただきまして、ありがとうございます。
当然のことながら、こちらに挙げさせていただきましたCOPDとか肝性脳症に対する、こうしたマクロライドとかリファキシミンの長期処方などは、あくまで1例でございますので、どういったことが日本の診療に合っているかということに関しては、これは引き続き経時的にも議論が必要であると考えておりまして、その中で、お示しいただきましたように、抗菌薬がどういった診断名に使われているかということに関しては、これはしっかりと解析をしなければいけないのですけれども、これは、お話のようにレセプトデータとか、そういったことを用いて、今後、分析を進めていくと認識をしております。
事務局からは、以上でございます。
○大曲委員長 白井委員、そういうことでよろしいでしょうか。
○白井委員 ありがとうございます。
現状でも、そういう方向に考えていらっしゃるということでしたら、また、その分析の結果を教えていただきたいなと思っています。
ありがとうございます。
○大曲委員長 ありがとうございます。
そのほか、委員の先生方、いかがでしょうか。
○荒川委員 荒川ですけれども、よろしいですか。
○大曲委員長 荒川委員、お願いします。
○荒川委員 このスライドの下のほうに、急性のウイルス性気道炎とか急性の胃腸炎とか書いてありますけれども、ウイルス性の胃腸炎の場合は、当然、抗菌薬の投与は原則必要ないと思うのですけれども、細菌性の急性胃腸炎、例えばカンピロバクターの場合は、軽症の場合は、当然、薬はあまり推奨されていませんけれども、長引いたり、血便が出たり、腹痛がひどいとか、熱が出たりとか、ちょっと重症のときはどうしても使うと思うのですね。ですから、ウイルス性というのは、その後ろの腸炎のほうにまでかかっているのか、かかっていないのか、そこのところをちょっと事務局のほうで教えていただきたいのです。
○大曲委員長 御質問ありがとうございます。
こちらは、事務局からお願いできますでしょうか。
○亀谷補佐 荒川先生、重要な御指摘をいただいて、ありがとうございます。事務局でございます。
御指摘のように、例えばカンピロバクターによる細菌性腸炎などですが、基本的には、セルフリミティングではありますけれども、重症だったり、症状が強いという方に関しては、マクロライド系とかそういった短期処方になると思いますけれども、医学的には適応になるような症例も存在すると認識しておるところでございます。
こちらに、ウイルス性上気道炎とか急性下痢症を不必要使用がされやすいものの代表例として挙げているところですが、こちらもあくまで1例でありますので、例えば、今、資料のほうで、14日以上になって、集計から除外するとして、そちらでどんなものがあるのかというお話をさせていただいているところですが、集計に残るほうですよね、14日未満のほうも、どういったものに対して、これは不必要なのか、そうじゃないのかということも、これは当然のことながら、同じような解析・分析が必要に応じて行われるべきだと思いますので、今の重要な御指摘をいただいたなと思います。
繰り返しですが、この急性下痢症というところもですけれども、あくまで1例として挙げているところでございますが、この明確なすみ分けなど、必要に応じて検討していきたいと思っております。
ありがとうございます。
○荒川委員 分かりました。ありがとうございました。
○大曲委員長 ありがとうございます。
北原委員、お願いします。
○北原委員 ありがとうございます。
ここでの話とは若干違うのかもしれませんけれども、どうしても診療報酬として抗菌薬適正使用加算でAWaRe分類でのAccess60%、その後、上位30%いうところがあるので、その評価が、各医療機関としてはすごく考えてしまうところがあるのかなと思っています。
この評価自体がついたことは、AWaRe分類を広く知ってもらうのと、あとは、日本で問題になる経口の抗菌薬の90%使われているわけですので、ここを適正化するのは非常にインパクトがあったと、私自身も思っているのですけれども、実際、そうした場合に、注射薬を種々使っていく向上加算1の施設とか、こういうところに対しては、非常にこの評価が当てはまりづらいということもあって、そういった中で、私たちは1の施設ですけれども、若干ジレンマもあるというところがあります。そのあたりの診療報酬ともしっかりと連動してこの評価方法というAWaRe分類の中で、例えば経口投与のところでの抗菌薬の評価として使っていく。それを診療報酬に反映するとか、もう少し丁寧ないろいろな考え方での診療報酬に結びつけるのが必要ではないかなと考えております。
以上です。
○大曲委員長 北原委員、ありがとうございます。
こちら、事務局、何かお答えになりますか。
○亀谷補佐 ありがとうございます。事務局でございます。
北原先生、また重要な御指摘をいただいて、ありがとうございます。
何をもって適正とするかというところの話だと思っていますけれども、医学的に適正な抗菌薬の使用とか、AMRの観点からの適正な使用というところが、それは必ずしも一致しないといったところがあると思いますので、それに診療報酬というお話がありましたけれども、それに限らず、こうした議論をAMR小委員会の場で、サイエンティフィックなデータなどを用いながら、適切にこれを議論していければと思っているところであります。
事務局からは、以上でございます。
○北原委員 ありがとうございます。
おっしゃられるとおり、学術的というか、しっかりそういうのを考えるのは重要ですけれども、臨床現場にいると、診療報酬は切っては切れないところがあるので、そことどうしてもリンクしてしまうところがあるというのもしっかり考えながらいくのが必要かなと思っています。
以上です。ありがとうございます。
○大曲委員長 ありがとうございます。
浅井委員、よろしくお願いします。
○浅井委員 私からはちょっとお願いですけれども、このデータを集計するに当たって、地理的な情報とかそういうのも含めた形で整理していただくといいのかなと。あと、投与対象年齢とかそういうことも分かるような形でまとめていただけるといいかなと思います。
耐性菌の分布で、いろいろ地域性があるとかという議論があって、原因がよく分からないという実態がありますので、そういうようなことにいろいろ使い道があるのかなという気がしまして、お願いさせていただきました。
以上です。
○大曲委員長 ありがとうございます。
実際の検討していく中でのデータの見方というか、解析の仕方に関して、先生から御示唆、御意見をいただきました。
ありがとうございます。
白井委員、お願いします。
○白井委員 すみません、先ほどとちょっと違うのですけれども、Access抗菌薬の処方を進めるということであっても、場合によっては、供給が十分ではないとか、そういうことが起こってないのかなということも考えて、その辺もきちんと選べるように、供給していただきたいなと思います。
どうしてもマクロライドを頻回に処方されることが現場で起こっているような気がしておりますので、その辺は大丈夫なのでしょうか。今日の議論とはちょっと違うかもしれませんけれども。
また、先ほど松永先生のほうにも振っていただければと思ったのですが、リファレンスセンターがこの辺の部分の分析などもされるということでよかったでしょうかということで、よろしくお願いします。
○大曲委員長 ありがとうございます。
この点は、まずは、事務局から御回答いただければと思いますが、いかがでしょうか。
○亀谷補佐 事務局でございます。
白井先生、大変的を射た御意見だと受け止めました。ありがとうございます。
抗菌薬の供給不安に関しては、慢性的に続いているという状況で、厚生労働省も横断的に取組をしてきているところではございますが、その地域によっては、場面、場面によっては、抗菌薬のチョイスというところに影響を少なからず与える可能性があると承知をしております。
AMR臨床リファレンスセンターの先生方ももちろんですが、事務局としても重く受け止めているところではありますので、これも必要に応じて、先生方にまた御指導いただきながら、このAMR対策を効果的に行っていけるように努力していきたいと思っております。
事務局からは、以上でございます。
○大曲委員長 ありがとうございます。
坂本委員、よろしくお願いします。
○坂本委員 ありがとうございます。
マクロライド経口抗菌薬について14日以上の長期投与の対象となる疾患の有病率が、世界的に見て、有病率に地域差があるため、適正使用の評価が変わってくると理解しているのですが、長期投与の割合が高い状況が日本特有であるのか。海外の、特にアジア地域で、似たような有病率や推奨に基づいて、長期投与が多くなっているような状況があるのか。もしあるとしたら、日本の現状に合った評価というのももちろん大事ですけれども、WHOに対して、例えばその地域の特徴に基づく適正使用に関する提言につなげていけるような、国際的な協力が今後計画されているのか。そういうものがあり得るのかといったことを教えていただきたいです。
○大曲委員長 ありがとうございます。
まずは事務局からよろしいでしょうか。
○亀谷補佐 ありがとうございます。
坂本先生、御意見いただいて、ありがとうございます。
資料の説明でも申し上げたとおり、AWaRe分類が出ていますけれども、その活用方法につきましては、各国に委ねられているところがありますので、日本の診療に即した活用方法を、これも今後議論していく必要があるのですが、「日本の診療に即した」というところが明確に定まっていない中で、今後続いていく議論のいわばステップ1みたいな、そういった位置づけに今回の議題はなるのではないかと考えております。
今後、「日本特有の」というところで、御指摘のように、欧米とのマクロライド系の抗菌薬が適応になるような細菌感染症の有病率とか、そういったこともファクターに含めながら、「日本特有の」とは何かというところを引き続き議論をしていくべきだと考えております。国際的な提言というところで、まだ具体的な計画があるわけではないのですが、まずは国内に目を向けて、これはしっかりとした必要な解析を行っていきたいと考えております。
事務局からは、以上でございます。
○坂本委員 ありがとうございます。
○大曲委員長 ありがとうございます。
このほか、委員の先生方、よろしいでしょうか。
よろしいですかね。
ありがとうございます。
ずっと議論を伺っておりましたけれども、基本的には、今後の方向性を御提示いただきましたけれども、御賛同いただいていると伺っておりました。要は、議論はその先の議論であったかなと。具体的な解析の内容の話あるいは日本の立場で、それをどう打ち出していくかというところであったと私は理解しておりました。
というところで、今回、御提示いただいた今後の方向性に関しては、先生方の御了解をいただいたということにしたいと思います。その具体的な方法、中身に関して、今日いただいた御意見は非常に貴重だと思っておりますので、また、そこは事務局で御検討いただければと思いました。
ありがとうございます。
○亀谷補佐 すみません、大曲委員長。
○大曲委員長 大丈夫ですよ。
○亀谷補佐 本日、御欠席を頂戴しております、慶應義塾大学病院感染制御部の高野先生から、議題2についてもコメントを頂戴しておりますので、事務局のほうで読み上げをさせていただきたいのですが、いかがでしょうか。
○大曲委員長 よろしくお願いします。
○亀谷補佐 承知しました。ありがとうございます。
では、読み上げさせていただきます。ここからコメントでございます。
短期間ではあるが、AWaRe分類について多くの医療機関が自施設の取組に活用すべき点を検討し、外来における内服薬の見直しという点で一定の効果はあったと思われる。
しかしながら、「Access」抗菌薬の使用割合が高い医療機関が適正であると単純に評価できない現状もある。「Watch」「Reserve」抗菌薬が必要な疾患を持つ患者の診療への影響がないよう、運用の見直しも必要と思われる。薬剤の分類の見直しというより、必要な患者に処方しない・診療しないといった懸念が起きないよう、評価のために把握する情報の内容を検討するといったことかもしれない。
ここまでがコメントでございます。
事務局からは、以上でございます。
○大曲委員長 ありがとうございます。
なるほどと思って、伺っていました。この分類を使うこと自体の効果はお認めになっていると。ただ、現状のままだと、達成目標に併せて努力をしようというのが、結果的に診療をゆがめるかもしれないということですね。適切な患者さんに行かないようになる。あるいは不必要な患者さんに行くようになるみたいなことにもつながりかねないという懸念をお示しいただいたと思いますし、だから、変えていく必要がある、検討していく必要があるということだと、私は理解しました。
ということで、これは全体の御出席の先生方の議論と非常に方向としては一緒と、私は理解をしました。
ありがとうございます。
ということで、今後の方向性はお認めをいただいたということで、今後、また検討を進めていただくことに、議題2に関してはいたしたいと思います。
御議論ありがとうございます。
それでは、次に、議題3がございます。多剤耐性緑膿菌感染症の届出基準でありますけれども、こちらについて、まずは、事務局から御説明をお願いします。
○上地補佐 ありがとうございます。
議題3「MDRP感染症の届出基準について」御説明させていただきます。
スライドお願いいたします。
本件は、昨年10月に開催された第9回のAMR小委員会及び本年2月に開催されました第10回AMR小委員会からの継続審議となってございます。
これまでの議論としまして、
MDRP感染症を、令和8年4月施行予定として全数把握対象疾患とすること
日本語表記を英語表記に合わせて「多剤耐性緑膿菌」に変更すること
届出基準における各抗菌薬の耐性の基準をCLSIの2019年以降の新しいバージョンに変更すること
について了承が得られたと認識をしております。
一方、現在、国内で用いられている多剤耐性の基準よりも、国外でも用いられており、臨床にも即した基準であるDTR(難治耐性)という基準を用いることについて議論すべきではないかといった御意見もいただいてございます。
スライドをお願いいたします。
よって、2月に行われました第10回AMR小委員会では、DTR基準を基に、セフタジジムもしくはセフェピムに非感性、かつ、メロペネム、フルオロキノロン系抗菌薬に非感性を示す株としてはどうかといったことで、当課のほうから御提案をさせていただいたところでありますが、こちらについても、引き続き検討が必要であると判断がなされたところでございます。
スライドをお願いいたします。
この間、当課にて第10回AMR小委員会で提案した基準(案)の精度について検討を行いましたので、その結果をスライドにお示ししております。
検討内容としましては、薬剤耐性研究センターで研究・報告されておりますJARBS-PAのデータを基に、前回提案したDTR基準案「1」(感受性検査の基準)を用いまして、IDSA等のガイドラインで示されているDTR基準を満たす緑膿菌を検出できるかといった点で検討を行っております。
結果としましては、感度100%、特異度が77.2%と算出されておりまして、感度は良好ですけれども、特異度がやや落ちるという結果でした。
まとめとしましては、前回提案したこのDTRの基準案では、偽陽性率が20%を超え、IDSA等のガイドラインに示されているDTR基準を満たす緑膿菌を過剰評価していることから、正確に動向を把握することができないのではないかといった結論となってございます。
スライドをお願いいたします。
よって、これまでの経緯を踏まえまして、現時点では、我が国のサーベイランスの基準として、前回提案した届出基準(案)は、精度に課題がある点、そして、基準変更に伴う臨床現場の負担や混乱が懸念されるといった点から、当面の間は、現行の基準をそのまま用いてはどうかといった御提案をさせていただきたいと考えてございます。
ただし、今後の方針案としまして、全数化に伴い開始される病原体サーベイランス等の実施によって、日本のMDRP感染症の現状をより詳細に把握しながら、DTR基準の活用の方向性を模索すること。
そして、今後、DTR基準が採用される場合に備えて、薬剤耐性菌治療に関わる医療関係者の皆様に対して、DTRに関する普及啓発を行い、DTR導入に係る現場の混乱を軽減するための取組を行っていきたいと考えてございます。
事務局からの御説明は、以上となります。
○大曲委員長 御説明いただき、ありがとうございます。
前回からの議論でありますけれども、こちらに関して、委員の先生方、御質問・御意見いかがでしょうか。
荒川先生、お願いします。
○荒川委員 JANISとか、発生動向調査の基準をつくったことが、昔思い出されますけれども、現場で報告しやすい基準ということと、あと、治療のための基準は適宜変更していくのも必要ですけれども、何らかの病原体の発生動向とか分離率とかそういうものを長期的に見ていく上では、基準をころころ変えてしまうと、何を見ているか分からなくなりますので、感染症に基づく発生動向調査とかJANISの基準は、そんなにころころ変えないほうがいいだろうということは、以前からもコンセンスが得られていると思うのですけれども、ただ、今回みたいに、旧基準と新しく提案されている基準を、当然、その状況に応じて検討していかなければいけない時期が来ると思うので、基準については、当面、切り替えたときは、数年間並行して集計結果を出して、連続性というか、整合性がどの程度担保されているのか、されていないのかも含めて見ていく必要があるのかなと思います。一般的なことで、あまり特別なことではないのですけれども、私はそんな意見を持っております。
お願いします。
○大曲委員長 荒川委員、ありがとうございます。
菅井委員、よろしくお願いします。
○菅井委員 ありがとうございます。
実際のこの検討に少し関わってきましたけれども、DTRの基準はかなり薬剤の数が多くて、感染症法に記載されると、結局、届出されるわけですけれども、今の時点でもMDRPの基準を誤解されて、間違って報告されているのが結構あるということで、さらに薬剤が増えると、さらに混乱が増えるのではないかということを危惧されて、その点、一点、DTRに持っていくために、またちょっと障壁があるのではないかということと。
感染症医の方はDTR基準についても御存じですけれども、感染症に関係ない方々にとっては、実際の実用というか内容について、まだよく御理解いただけないというところがあって、そういう啓蒙がまだ必要ではなかったかということがあったかと思います。
あともう一点は、現行の基準ですけれども、書きぶりの問題だと思うのですけれども、薬剤を、イミペネム、メロペネムあるいはシプロフロキサシン、レボフロキサシンと、きちんと書いていただいたほうがいいという意見がありましたので、それは間違えた報告ということを防ぐ意味で、きちんとした書き方をすることが望まれるかなと思いました。
以上です。
○大曲委員長 ありがとうございます。
舘田委員、よろしくお願いします。
○舘田委員 ありがとうございます。
説明いただいて、基準変更に伴う臨床現場の負担や混乱は非常に大きな問題で、避けなければいけないし、今、臨床現場で、多剤耐性緑膿菌においてというのが、うちの病院だけなのかもしれないけれども、ほとんど問題にならなくなってきましたよね。たとえ症例が出たとしても、すぐにスクリーニングで囲い込んでという形で、海外に見られるような大きな混乱がなく経過している状況が、少なくとも今は見られているのではないかなと感じています。
そういう意味では、現場の今のこの状況を維持しながら、また変わってくるのかもしれません。そういう状況を見ながら、基準も考えていくという、その方向性が大事なのかなと思いました。
以上です。
○大曲委員長 御意見ありがとうございます。
四宮委員、お願いします。
○四宮委員 御説明ありがとうございます。
資料3の最後のスライドの「今後の方針(案)」ですが、「今後は全数化に伴い開始される病原体サーベイランス等の実施により」という記載があります。平成29年にCREの薬剤耐性の試験検査に関する厚労省通知が発出されましたが、この検査は主に地方衛生研究所で実施されています。多剤耐性緑膿菌に関しても、詳細検査項目についてJIHS薬剤耐性研究センターのほうでお示しいただければと思います。CRE、CPEのときは、地方衛生研究所とも相互に相談しながら検査項目を決めていきましたので、そういう協議というか、連携というか、そういうことも考慮いただければと思います。
以上です。
○大曲委員長 ありがとうございます。
病原体サーベイランスの中でも、具体的な何を確定するかという方法に関してのAMRRCへの御相談といいますか、御要望ということで承りました。
ありがとうございます。
白井委員、お願いします。
○白井委員 ありがとうございます。
単純な質問ですが、今のスライドで、当面の間、当面の見通しというのはどのくらいかかるのかなと。もちろん現場に負担をかけないようにということの配慮が一番かなと思いますし、現行と整合性を持たせていくという方向があるかなと思いますが、どれぐらいの見通しなのでしょう。
○上地補佐 ありがとうございます。事務局でございます。
当面の間というところに関して、具体的な数字を出すのはなかなか難しいところであるのですけれども、例えば、病原体サーベイランスに関しましても、1年間かけて菌株を収集して、解析をして、その結果を公表していく。そして、その結果を基に当課でも検討を進めていくといったことを考えましても、少なくても3年以上はかかるのではないかと考えてございます。
以上でございます。
○白井委員 ありがとうございます。
○大曲委員長 ありがとうございます。
そのほか、委員の先生方いかがでしょうか。
よろしいですかね。
ありがとうございます。
議論を伺っておりましたが、今回、方針(案)をお示しいただきましたけれども、基本的に、委員の先生方の御意見としては、賛成だと思って伺っておりました。
サーベイランスの基準でありますので、急な変更は現場への負担、混乱というリスクがあることが1つあります。
ただ一方で、今回、全数の調査対象になって、病原体サーベイランスが始まりますので、要は、多剤耐性緑膿菌とはどういうものかということが見えてくると思っています。それを踏まえた上で、先ほども荒川先生がおっしゃっていましたけれども、例えばDTRの基準あるいは厚労省で示されたような、修正されたDTRの基準、現行の基準といったものを、例えばすり合わせて見ていくといったことも可能だと思いますし、それが、要は、この一定期間たった後の議論につながっていくのではなかろうかと思って伺っておりました。
ありがとうございます。
ということで、改めてですが、今後の方針(案)に関しては、御了解いただいたということにしたいと思います。
○上地補佐 事務局でございます。よろしいでしょうか。
○大曲委員長 お願いします。
○上地補佐 高野委員からのコメントについて、読み上げさせていただきたいと思っております。
○大曲委員長 お願いします。どうぞ。
○上地補佐 以下、コメントになります。
耐性菌の感受性検査と異なり、治療が必要な高度薬剤耐性菌感染症の把握ということで必要な変更と考えます。
というところで、コメントをいただいております。
以上でございます。
○大曲委員長 ありがとうございます。
高野委員からも御賛同いただいているということで、承りました。
ありがとうございます。
それでは、この議題3ですけれども、御提示いただいた今後の方針(案)については、御了解いただいたということにいたします。ありがとうございます。
ということで、3つの議題、以上、御議論ありがとうございました。全体を通して、何か御意見等がございましたら、受けますが、いかがでしょうか。
よろしいですかね。
ありがとうございます。
今日は、御議論本当にありがとうございました。
それでは、議事のほうは事務局にお返ししたいと思います。よろしくお願いいたします。
○小谷室長 皆様、お忙しい中ありがとうございました。本日の委員、参考人の皆様の御意見を踏まえまして、進めさせていただきたいと思っております。
また、次回につきましては、事務局より改めて御連絡させていただきます。
重ねてになりますが、本日はお忙しい中、御出席いただき、ありがとうございました。今後とも、どうぞよろしくお願いいたします。