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第19回がん診療提供体制のあり方に関する検討会(議事録)
健康・生活衛生局がん・疾病対策課
日時
令和7年7月25日(金)10:00~12:00
場所
※オンライン開催
新橋ビジネスフォーラム
(東京都港区新橋1-18-21 第一日比谷ビル8F)
新橋ビジネスフォーラム
(東京都港区新橋1-18-21 第一日比谷ビル8F)
議題
(1)2040年を見据えたがん医療提供体制の均てん化・集約化に関するとりまとめ(案)
(2)第6回がんゲノム医療中核拠点病院等の指定要件に関するワーキンググループからの報告
(3)その他
(2)第6回がんゲノム医療中核拠点病院等の指定要件に関するワーキンググループからの報告
(3)その他
議事
○事務局 それでは、定刻となりましたので、ただいまより第19回「がん診療提供体制のあり方に関する検討会」を開催いたします。
構成員の皆様方におかれましては、お忙しい中お集まりいただきまして、誠にありがとうございます。事務局を務めます、厚生労働省健康・生活衛生局がん・疾病対策の北國でございます。
本検討会は、ユーチューブにて配信しておりますので、御承知おきください。
本日は、10名の構成員の先生方に御出席いただいております。なお、本日、淺香構成員、岡構成員、間野構成員、村松構成員からは、欠席と御連絡をいただいております。また、家保構成員から遅れて出席する旨を承っております。
続きまして、資料の確認をさせていただきます。
議事次第、資料1から資料4、参考資料1がございますので、御確認ください。なお、資料は厚生労働省のウェブサイトにも掲載しております。
本日の議題としましては「(1)2040年を見据えたがん医療提供体制の均てん化・集約化に関するとりまとめ(案)」「(2)第6回がんゲノム医療中核拠点病院等の指定要件に関するワーキンググループからの報告」「(3)その他」を予定しております。
それでは、この後の進行は土岐座長にお願いいたします。
○土岐座長 皆様、おはようございます。
審議を重ねてまいりました「がん診療提供体制のあり方に関する検討会」につきましても、取りまとめ案ができまして、いよいよ大詰めを迎えております。
それでは、まず、早速ではございますけれども、議題1「2040年を見据えたがん医療提供体制の均てん化・集約化に関するとりまとめ(案)」に移りたいと思います。
まず、資料1、2、3を事務局より説明をよろしくお願いいたします。
○事務局 事務局でございます。
それでは、資料1の説明に移ります。「2040年を見据えたがん医療提供体制の均てん化・集約化に関するこれまでの議論について」。
まず、2ページ目に移っていただきますと「第4期がん対策推進基本計画におけるがん医療提供体制に係る記載について」というところで、第4期がん対策推進基本計画において、がん医療提供体制の集約化・均てん化について、国は都道府県がん診療連携協議会に対しまして、好事例の共有や、ほかの地域、医療機関との比較が可能となるような検討に必要なデータなどの技術的支援を行うとしております。
次のページをお願いいたします。
2040年を見据えたがん診療提供体制の在り方に関する検討について、これまでの検討会の開催状況を記載しております。
全国どこにいても質の高いがん医療を受けられることができるように、がん診療連携拠点病院等の整備が進められてきました。
第4期がん対策推進基本計画において、先ほど説明したとおりの記載があるというところでございますので、拠点病院等の役割分担を踏まえた集約化を推進することについても、本検討会について検討していただいているところです。
下のほうに関しましては、検討会の開催状況と検討会の構成員について記載しております。
次のページをお願いいたします。
こちらに示しますのは、前回、第18回の「がん診療提供体制のあり方に関する検討会」で、2040年を見据えたがん医療提供体制の均てん化・集約化に関する議論のまとめの案を提示した際に、構成員の先生方からいただいた主な意見とその対応になります。
まず、全体を通しまして、がん医療の需給の推計や、対象となる三大療法、医師数の定義、推計方法を明確に報告書に記載する必要があるというところの御意見をいただきましたので、そちらについて対応しております。
また、都道府県協議会につきまして、事務局に都道府県が参画し、地域医療構想との連動を明確に報告書に記載する必要がある。都道府県が住民に都道府県内の診療実績を発信することを実施するように、明確にこちらも記載する必要がある。さらなる均てん化が求められる医療を提供する身近な診療所・病院と拠点病院等や、多職種・多機関との地域連携の強化というところが重要になり、地域連携を担う人材育成の強化についても、明確に報告書に記載する必要があると意見をいただいておりますので、対応しております。
また、国が取り組むべき事項につきまして、集約化も含めた持続可能ながん医療提供体制の構築が必要であるという点につきまして、国民の理解を得るために、適切な情報を発信していく明確な体制を報告書に記載する必要があると御意見をいただきましたので、こちらについても今後具体的に検討することとしております。
また、集約に伴う国民のアクセスの確保について、国が取り組むべき事項について明確に記載する必要があるという意見をいただきましたので、こちらについても対応しております。
それでは、修正点を踏まえまして、資料2の説明に移りたいと思います。
こちらにお示しておりますのが、資料2「2040年を見据えたがん医療提供体制の均てん化・集約化に関するとりまとめ(案)」というところで、前回の検討会から頂戴した意見を踏まえまして、修正した点を中心に御説明させていただきます。また、修正点は、下線で示しているところが該当部分になります。
まず、目次、2ページ目に移っていただきまして「5.都道府県協議会での均てん化・集約検討の進め方について」というところで「4)都道府県協議会での均てん化・集約化の検討の留意事項」という項目を設けております。
また、新たに「6.国民が取り組むべき事項」という項目も付け加えております。
3ページ目に移っていただいてよろしいでしょうか。
「2.今後のがん医療の需給について」というところで、1枚めくっていただきまして、「マル2 がん罹患者数の見込み」というところ、こちらは、数字については、前回と大きく変更はないところでございますが、表現ぶりをマル1の日本における人口の推計の表記の仕方と合わせております。
また「マル3 がん罹患者の地域特性」というところで、地域別のがんの罹患者数というところ、2040年に向けて、下表となるとおりとなることを見込まれるというところで、こちらの数字も前回と変化はないところでありますが、表を付け加えております。
5ページ目に移っていただけますでしょうか。
「マル4 入院・外来治療の需要動向」というところで、2040年に向けまして、がん罹患者数は我が国全体では3%増加すると推計され、がんの外来患者数につきましては、今後も増加することが見込まれます。
一方で、入院患者数については、鏡視下手術等による低侵襲治療の割合の増加等による平均在院日数の短縮の影響で減少しておりまして、今後も低侵襲治療の割合の増加が継続することが見込まれるため、1日当たりの入院患者数はさらに減少する可能性があると記載しております。
また「マル5 三大療法(手術療法、放射線療法、薬物療法)別の需要の見込み」というところで、三大療法別の需要の2040年の見込みを記載しております。こちらの数字につきましては、前回検討会でお示しした数字から変更点はございませんが、※1から4に記載しておりますとおり、これらの数字の定義や推計方法、収集している対象となる治療行為などを具体的に記載しているところでございます。
6ページ目をお願いします。
これらを踏まえまして、手術療法、放射線療法、薬物療法について、2025年比でどのような需要になるかというところの文章を追加しております。
1ページめくっていただきまして、次に「がん医療の供給について」というところで「マル1 三大療法別の供給見込み」というところ、こちらは、手術療法と放射線療法に関しまして、前回の検討会で、日本癌治療学会、日本放射線腫瘍学会から発表いただいた内容の数字を追記しております。
また、※1から※7に記載しておりますとおり、これらの数字の計算方法というところを詳細に記載しております。
下の手術療法のところに移りまして、8ページ目をお願いします。
8ページ目の1段ですね、今後も、後述の消化器外科医の新たな成り手が増加せずに、現状と同様の状況が継続すれば、65歳未満の日本消化器外科学会に所属する医師数は、2040年に0.92万人まで減少すると予測されるといつた、前回の検討会で発表いただいた数字を記載しております。
また、放射線療法につきましても、前回検討会で発表いただいた数字というところを新たに記載しております。
薬物療法につきましては、前回の検討会でも議論いただいたとおり、提供側の人数というのが正確に把握できていないところがありますので、そちらについて記載しております。
9ページ目に移っていただきまして、次に「がん医療の需給バランスを維持するための方策について」というところで、三大療法別の方策について、手術療法、放射線療法、薬物療法について記載しております。
手術療法につきましては、内容については、前回と大きな変更はないところではございますが、日本癌治療学会様から発表いただいた、集約化やタスクシフトが進まない前提であれば、少なくとも毎年900人の新たな成り手の確保というところが必要であり、現状の500人から追加で400人の確保が必要となるという数字を記載しております。
放射線療法に移りまして、10ページ目、放射線治療装置1台当たりの年間照射患者数の適正数は250から300名と報告されておりまして、この基準を用いた場合、放射線療法の需要の増加を踏まえて、2040年に必要となる放射線治療装置数は1,190台から1,428台となる。そして、これは2019年時点の配置数と比較して、8~30%の増加が必要と見込まれるという学会からの報告の数字を記載しております。
また、特に放射線療法の需要が減少することが見込まれる地域や、がん患者数が少ない地域では、放射線治療装置の維持が困難となる場合が想定されることから、都道府県内で集約化を含めた適切な放射線療法の提供体制を検討する必要があると記載しております。
放射線療法の最後の部分、より短期間で照射を完了する放射線療法の研究を推進するとともに、有効性、安全性が認められるものについて社会実装し、通院回数を減らすことで、患者の負担を軽減させる取組を進めることが重要である。
なお、放射線療法のうち外部照射だけではなく、内部照射についても、将来の需要を見据えた提供体制の確保を検討することが重要であるとしております。
薬物療法につきましては、11ページ目、薬物療法は、薬物療法専門医のほか、薬物療法専門医ではない消化器外科や泌尿器科、婦人科、耳鼻咽喉科頭頸部外科領域の専門医の医師が中心となって提供されている現状がありまして、消化器外科医等の薬物療法で提供者の担い手が減少している診療領域もあることを鑑みますと、提供体制を維持するためには、やはり、薬物療法を提供できる医師の確保というところは必要であるとしております。
また、過疎地域では薬物療法の需要が減少する地域もございますが、手術療法等とは異なり、がん患者が定期的に継続して治療を受ける必要があるということから、がん患者のアクセスを踏まえますと、拠点病院等以外でも、一定の薬物療法の提供ができるように、遠隔医療の組み合わせなどをしながら均てん化に取り組むことが望ましいとしております。
続きまして「3.高度な医療技術を伴うがん医療について」は、これまで学会から発表いただいた内容を記載しておりまして、前回の検討会から大きな変更点はございません。
「4.今後の方向性について」に移ります。12ページの下の部分になります。
まず、基本的な考え方については、これまで議論をいただいたとおり、国は、がん対策基本法に基づきまして、拠点病院等を中心として、適切ながん医療を受けることができるように、均てん化の促進に取り組んできており、また、都道府県は医療計画を作成し、地域の医療需要を踏まえて、医療機関及び関係機関の機能の役割分担及び連携によりまして、がん医療提供体制を確保してきたところでございます。
2040年に向けましては、がん医療の需要変化等が見込まれる中、引き続き適切ながん医療を受けることができるように均てん化の促進に取り組むとともに、持続可能ながん医療提供体制を再構築していく必要があり、医療技術の観点及び医療需給の観点から一定の集約化を検討していくとしております。
13ページの2段落目になりますが、また、がん予防、リンパ浮腫診療等を含む支持療法・緩和ケア、低リスクのがんサバイバーの長期フォローアップ等については、できる限り多くの診療所・病院で提供されるよう取り組んでいく。また、その際、かかりつけ医が一定の役割を担うことが重要であるとしております。
手術療法につきましては、特に複数の外科医がチームとなって提供される必要があるところがありまして、外科医の減少が見込まれる中で、集約化せずにこれまでと同様のがん医療提供体制を維持した場合、手術療法を提供するために必要な医師数が確保できず、現在提供できている手術療法ですら継続できなくなるおそれがあるというところがありますので、上述のような基本的な考え方に基づいて、今後も国民が質の高いがん医療を受療できるように、集約化も含めた持続可能ながん医療提供体制の構築が必要であるという点について、国や都道府県は、国民の理解を得るために、国民にとって分かりやすい説明を継続していく必要があるとしております。
「2)特に集約化の検討が必要な医療についての考え方」については、前回の検討会から記載している文章は大きく変更ございません。
14ページをお願いします。
また「3) 更なる均てん化が望ましい医療についての考え方」につきましても、前回の検討会から変更点はございませんので割愛いたします。
2040年見据えたがん医療の均てん化集約に係る基本的な考え方に基づいた医療行為例については、本報告書の案の一番後ろの部分に図1として記載しております。
続きまして「5.都道府県協議会での均てん化・集約化の検討の進め方について」「1)都道府県協議会の体制」。
都道府県及び都道府県がん診療連携拠点病院は、事務局として都道府県協議会の運営を担うこと。また、その際、都道府県は、地域医療構想や医療計画と整合性を図ることとしております。
また、都道府県協議会には、拠点病院と地域におけるがん医療を担う者、患者団体等の関係団体の参画を必須としまして、主体的に協議に参加できるように運営することとしております。
また、特に拠点病院等までの通院に時間を要する地域のがん患者及び当該地域の市区町村には、当該都道府県のがん医療提供体制の現状や今後の構築方針につきまして、十分に理解が得られるように対応することとしております。
15ページの「2)都道府県協議会での協議事項」につきましては、前回の検討会でお示しした内容から、大きな変更点はございません。
続きまして「3)都道府県協議会の事務局の役割」の2段落目、都道府県協議会で整理・明確化した、がん腫ごとに役割分担する医療機関について、広く周知すること。また、がん患者を紹介する医療機関、こちらにも都道府県内で役割分担する医療機関を周知し、がん患者が適切な医療機関で受療できるような体制を整備することと、表現を変えております。
また、3段落目、がん患者が安全で質の高い患者本位の医療を適切な時期に受療できるように、医療機関ごとの診療実績を一元的に発信し、住民に提供することに取り組むことと記載しております。
「4)都道府県協議会での均てん化・集約化の検討の留意事項」に移ります。
まず、1段落目、従来のがん医療提供体制を維持した場合、先ほども述べたような現在提供できているようながん医療は継続できなくなるおそれがあるというところがありますので、集約化も含めた持続可能ながん医療提供体制の構築必要であるという点について、都道府県が中心となり、住民の理解を得るために、住民にとって分かりやすい説明を継続していく必要があるとしております。
また、地域ごとに、がん医療提供体制を構築する検討に当たりましては、外科医については、特にがん以外にも虫垂炎や胆嚢炎などの疾患に対しての手術も行っているところがありますので、がん医療提供体制の検討に当たりましては、地域医療構想や医療計画を踏まえた、がん以外も含めた地域の医療提供体制を維持、確保する観点についても留意することが重要であるとしております。
また、地域包括ケアシステムの観点から、患者が住み慣れた地域で質の高い医療を受け続けることができるように集約化の検討が必要な医療を提供する医療機関、患者の日頃の体調を把握している身近な診療所・病院のかかりつけ医、訪問看護ステーション、歯科医療機関、薬局、介護施設・事業所等、多職種・多機関との地域連携の強化がより一層に重要になりまして、関係機関間での情報共有や役割分担を含む連携体制の整備と地域連携を担う人材育成の強化というところが求められるとしております。
また、かかりつけ医と拠点病院等の専門医のさらなる連携強化のためには、17ページに移りまして、がん患者にとって身近な診療所・病院におけるD to P with Dによるオンライン診療等を拠点病院等と連携し、がん予防や支持療法・緩和ケア等を提供していくことが重要であるとしております。
3段目、がん患者が望んだ場所で、適切な治療やケアが受けられるように、アドバンス・ケア・プランニングを含めた意思決定支援の提供体制の整備が重要であるとしております。
続きまして「6.国が取り組むべき事項」としまして、先ほども申し上げたような従来のがん医療提供体制を維持した場合、現在提供できているがん医療が継続できなくなるおそれがあるために、今後もがん患者が質の高いがん医療を受療できるように、集約化も含めた持続可能ながん医療提供体制の構築が必要であるという点につきまして、国民の理解を得るために、国民にとって分かりやすい説明を継続していく必要がありまして、今後、具体的に検討することとしております。
また、都道府県協議会に対しまして、がん患者の医療機関までのアクセスについての取組などを含めた好事例の共有、ほかの地域や医療機関との比較が可能となるデータの提供などの技術的支援並びに当該支援により提供されたデータの解釈や活用方法について丁寧に説明を行うこととしております。
また、各都道府県協議会でのがん医療の均てん化・集約化の議論及び進捗状況を確認し、都道府県ごとの差異を把握した上で、都道府県におけるがん医療の均てん化・集約化に向けた取組を支援することとしております。
医療需給及び医療技術の観点からは、複数の都道府県で協力して提供する必要のあるがん医療については、関係都道府県間において、がん医療提供体制の在り方について協議することが望ましく、特に小児がん、希少がんの中でも、高度な専門性を有する診療等については検討することとしております。
18ページに移りまして、2段目、85歳以上のがん罹患者に対して、全身状態や併存疾患、治療自体による身体的負担等を加味するとともに、本人・家族の意思を踏まえてどのような治療法が最適であるか、また、療養環境の支援の在り方に関する研究を推進することとしております。
3段目、2040年を見据えた持続可能ながん医療提供体制の構築には、都道府県で正確なデータに基づいた十分な検討・調整が必要であることから、都道府県協議会等に対して、技術的支援を行いながら、がん診療連携拠点病院の機能強化事業費等の財政支援については、引き続き検討を行った上で、必要な予算の確保を図ることとしております。
最後に総括を記載しておりまして、最後のページには、先ほど申し上げたような具体的な医療行為の例というところを、表として記載しております。
資料2の説明は以上になります。
資料3につきましては、資料2の報告書に記載しております具体的な数字やデータをまとめたパワーポイントの資料になります。これまでの検討会でお示しした内容が含まれているところになりますので、今回の説明は割愛いたします。
一旦、私のほうからは以上になります。
○土岐座長 ありがとうございます。
「2040年を見据えたがん医療提供体制の均てん化・集約化に関するとりまとめ(案)」について御説明いただきました。
ただいまの資料は、前回議論された内容についての修文が行われたものであります。この辺りを中心に御説明いただきましたけれども、この取りまとめ案につきまして、委員の皆様方から何か御意見があるでしょうか、御意見のある方は、挙手をお願いします。
どうぞ、天野委員。
○天野構成員 御説明ありがとうございました。
また、前回私から複数の指摘をいただいた点について、修正いただいたこと、改めて感謝申し上げます。その上で2点、お願いさせていただければと思います。
まず、1点目になりますが、資料2につきまして、10ページのほうで、放射線療法に関して修正を加えていただいているかと思います。
それで、10ページの下のほうで下線が含まれている部分で、より短期間で照射を完了する放射線療法の研究を推進するとともに、有効性・安全性が認めるものについて社会実装し、通院回数を減らすことで患者の負担を軽減させる取組を進めることが重要ということで、その具体例として、注釈の12で単回照射の話であるとか、そういった具体的な治療法、放射線療法についての記述はしていただいているかと思います。
ところで、前回の検討会において、日本放射線腫瘍学会の宇野理事長さんが参考人として、この部分について御説明いただいたかと思うのですけれども、その際、2つの御説明をいただいていて、1つが、今、あったように単回照射であるとか、回数を少なくするという取組についての御説明をいただいたかと思っていまして、もう一点、根治的治療の例という形で、東北大学と気仙沼地域におけるMRリニアックを利用した治療についての例をしていただいているかと思います。
その例の御説明としては、例えば、今、40回通うのは難しいけれども、土日照射ということを前立腺がんについて行っているということで、そういった取組の例を紹介していただいていて、これについては、放射線療法ということにとどまらず、放射線治療機器としてのMRリニアックということの話が出ていたかと思いますので、放射線療法のみならず、放射線治療機器という単語を入れていただかないといけないかと思っております。
以上が1点目の指摘であります。
2点目は、具体的な修正とは違うのですが、14ページのほうで、都道府県協議会の体制について、かなり強い書きぶりにしていただいていて、特に、事務局として都道府県協議会の運営を、都道府県が担うということを新たに追記していただいたということと、あと、がん医療を担う者に加えて、患者団体等の関係団体の参画を必須とし、主体的に協議に参加できるようにすることという強い書きぶりに修正していただきました。
これは、ぜひお願いしたいと思っているのですが、その上で1点、厚生労働省にお願いしたいのが、私も幾つかの地域の実情について見聞きすることがございますが、都道府県が事務局として主体的に関わること、あるいは患者団体等が主体的に協議会に参加することについて、積極的に取り組まれている県もあれば、残念ながら、かなり消極的な都道府県もあると承知していまして、通知を出していただくので、恐らく多くの都道府県でしっかりやっていただけるものとは期待していますが、実際に都道府県が主体的に事務運営に関わって、事務局として運営に関わっているか、あるいは患者団体等が主体的に協議に参加できているかについては、厚生労働省のほうより、その進捗状況について随時確認をしていただいて、適宜指導していただくことが必須かと思いましたので、あえて強調させていただきます。
私からは以上になります。
○土岐座長 ありがとうございます。
それでは、お答えをよろしくお願いします。
○事務局 事務局でございます。
天野先生、御質問ありがとうございます。また、貴重な御意見、感謝申し上げます。
まず、1つ目につきましては、省内で検討させていただこうと思っております。
2つ目につきましても、国がフォローアップするというところを記載しておりますので、どういったフォローアップの内容にするか等は、今後の検討課題と思っておりますので、先生からいただいた意見を検討したいと思っております。
以上になります。
○土岐座長 それでは、引き続きまして、藤委員、どうぞ。
○藤構成員 ありがとうございます。
全体の取りまとめ(案)としましては、最初から見ると随分よく分かりやすくなったしデータもしっかり提示されておりますので、よくなっていると思います。
私から3点、質問というか、考え方について意見というか、指導をいただきたいことがあります。
1つ目は、14ページで、今、天野構成員がおっしゃったところと同じなのですが、都道府県協議会の均てん化・集約化の検討について、5ポツです、そこの「1)都道府県協議会の体制」の中で、今、言われました都道府県と都道府県がん診療連携拠点病院が事務局として働くことということが書き加えられております。
これ自体は、異論はございませんし、拠点病院の立場から言うと、やはり行政の協力がないと、今後この集約化、例えば病院の再編であったり、分担の決め方であったりの議論というのは絶対に進まないと思いますので、都道府県が入ることはいいかと思います。
ただ、現在の整備指針を見ますと、都道府県のがん診療連携協議会は、都道府県のがん診療連携拠点病院が事務局をすると。そして、その中には、行政とか、患者団体などの積極的な参加を求めるという書きぶりになっています。それから比べると、都道府県の行政側も事務局に入るということ、それから患者団体の参加も必須という書きぶりになっておりますのでいいのですが、拠点病院から言うと、今後、これが都道府県に通知として出て、各都道府県の拠点病院側にも、これが回ると思うのですが、整備指針と、この通知と、この通知のほうが強いですし、後ですので、これに従うということには、従うというか、これを求めていこうということにはなるのだと思いますけれども、その辺の在り方をしっかりしておかないと、がん診療連携拠点病院側への通知としても、しっかりこれを認識していくということが必要になるかと思います。
そうしないと、責任のなすりつけ合いなどはしないと思いますが、やはり両方の協力でやっていかないと、この集約化の議論というのは、各都道府県では進まないと思いますので、その辺を明確にしておいていただきたいと思います。
それから、16ページで、都道府県協議会の均てん化・集約化の検討の留意事項の中で、均てん化を進めていくためには、身近な診療所・病院のかかりつけ医ということが書かれています。
最初のこの検討会のときには、診療所だけだったので、病院も必要だということで入れていただいているということはいいのですが、かかりつけ医機能を持った病院が、均てん化に関与するようにと、それに向かって、均てん化を進めていこうということだとは思うのですが、実は、中小病院ですね、例えば100床とか200床の病院の中でも、もちろん、かかりつけ医機能を持っているとは思いますが、地域の開業の診療所のかかりつけ医と連携しているという認識を持った中小の病院がたくさんあると思うのですね。要するに、かかりつけ医機能を自分たちが持っているという自覚というのは、ドクター側とかから言うと、そうないのではないかと思いますので、ここは、やはり中小の病院、これは均てん化を進めていくためには、絶対に必要なことなのだと思いますので、そういう中小の病院も含むことを解釈するのかどうか、含んでいるということにするのかどうかということの説明をいただけたらと思います。
これについては、国が取り組む事項として、その進捗を把握して、国が報告していくことということがありますので、そのことも含めた、中小の病院まで含められた均てん化が行われているかということも考えていっていただければいいかなと思います。
最後ですが、これは簡単なことですが、どこかで学会の協力と参加も求めていくみたいな書きぶりをすることができないかと思います。3つの学会が非常に細かなデータを出していただいて、集約化が必要だということの説得力のあるデータが出ておりますけれども、今後は、それぞれが別々にするのではなくて、集学的治療をすることにおいては、やはり3つの治療法がシンクロしてやっていかないといけないということもありますので、これは、どういうことをしていいか分かりませんが、各学会が周知していくというだけではなくて、やはり、横断的な取組も念頭に置いた活動をしていただければと思っております。
私からは以上でございます。
○土岐座長 事務局からは、大丈夫でしょうか、どうぞ。
○事務局 事務局でございます。
藤先生、御意見ありがとうございます。
まず、1点目につきましては、今後都道府県も都道府県がん診療連携協議会の事務局を担うことにつきまして整理して、通知で明確に示していきたいと思っております。
2点目につきましては、藤先生の御認識のとおり、さらなる均てん化に求められる医療機関というところに、中小の病院を含んでいると考えております。
3点目につきましては、今後どのような記載ができるかというところを検討したいと思っております。
以上になります。
○土岐座長 私のほうからも3つ目の学会のことなのですが、結構、それぞれの臓器の専門の学会で認定施設とかを出していますので、情報発信のときに、もし、それを付記できるのであれば、症例数ではなくて、学会の認定を受けているというのも、少し慎重になるとは思うのですけれども、加えていただけたら有効かと思いました。
それでは、続きまして、佐野委員、どうぞ。
○佐野構成員 ありがとうございます。5ページを見せていただけますか。
その中のマル5の三大療法の需要見込みというところで、前回私が、例えば、早期がんの内視鏡治療はどのように扱われるかということを質問して、それについて、そこの※2のところで、細かく書いていただいて、内視鏡治療は含まれないということが明記されています。
それは納得したのですが、一番下の4のところで、内分泌療法というホルモン療法は、手術療法と薬物療法が区別できないために含まれないというので、少しびっくりしたのですが、例えば、今、どんどん増えている前立腺がんに対してのホルモン療法は、手術療法としては除睾術という手術はありますけれども、これは極めてまれな話なのであって、これと区別できないということのためにホルモン療法が入っていないとすると、薬物療法が、かなり需要見込みが低くなってしまうのではないかと思います。もう立派な治療法だと思います。その扱いがどうかということです。
それも含めまして、今回三大療法ということにまとめてしまっているわけですが、ここから外れる早期がんに対する内視鏡治療、これは、胃がん、食道がん、大腸がんが増えています。それから、薬物療法に含まれないホルモン療法、こういうものの立ち位置というのが、かなり医療需給体制に影響してくるのではないかと思われますので、そこをどこかにまとめてでもいいのですけれども、こういうものは別に検討するということぐらいを書いていただいてもいいのかなと思いました。
それから、11ページを見せていただけますか。ここの上のほうで、手術療法とは異なって、薬物療法は継続して治療を受ける必要があるから、遠隔医療を組み合わせるなどして拠点病院以外でも提供できるようにすべきだという記載があるのですけれども、前に伺ったところ、今回の薬物療法というのは、あくまで抗がん剤のことであって、いわゆる疼痛治療とかの治療法は入らない。しかもホルモン療法も入らない薬物療法というのが、きちんとした抗がん治療であるとするとどこでも拠点病院以外でもできるようにするというのは、何か方針が違うのではないか、むしろ薬物療法も、きちんとした薬物療法はかなり複雑化しますし、より集約化が必要になるのではないかと思います。薬物療法ができる人を増やして集約化するのではなく、なるべくそれはどこでもできるようにするほうがいいと読めるような気がしますので、そこは明確にされたほうがいいのではないかと思いました。
これに関連してなのですが、16ページかな、そこの下のほうに、すみません、ページが違うかもしれませんが、外科医は逆に、集約化が必要だということが書かれていながら、一方で、胆嚢炎や虫垂炎などと書いてあったところがあったと思いますけれども、一般外科診療を保とうとすると、がんの外科治療のために消化器外科医の専門医を集約化すると、一般病院の多くは消化器外科が一般外科を担っていますので、そこを引き剥がすようなことになる。そこは、地域医療構想や医療計画を踏まえたと、線が書かれていますけれども、方向性が少しはっきり見えないところがあると思いました。
あとの2点についてはコメントです。
以上です。
○土岐座長 事務局から、いかがでしょうか。
○事務局 先生、ありがとうございます。
内分泌療法のところに関しましては、少し定義が細かいところになりますので、また、課内で少し検討してから記載ぶりを考えようと思っております。
○佐野構成員 内視鏡的治療について、内視鏡学会のメンバーがこれをざっと見ると、俺たちの居場所がないなと思うと思うのですけれども、提供体制においてどこかに記載するという予定はありませんか。
○がん・疾病対策課長 がん・疾病対策課長です。
今回院内がん登録で、どういった集計ができるかという限界がある中で、チャレンジをさせていただき、内分泌療法については、院内がん登録上、区分けして取れない限界がありますので、やれる最大限のことを、今回させていただいたということです。
ただ、ホルモン療法自体が重要であるということ自体は、十分に認識していますので、そういったものを今後どのように見せることができるのかということは、引き続き検討課題として捉えたいと思います。
また、内視鏡治療についても、今回そこまで推計ができているわけではないですが、引き続きこの点についても重要であるということは、我々事務局として受け止めていますので、どういったことができるかというのは、引き続き課題として捉えたいと思います。
薬物療法のところにつきましては、これまでの議論の中で、外科と放射線療法については、一定の集約化の検討が必要であるということで、学会を含めて合意形成ができているという理解ではありますけれども、薬物療法については、学会の中でも意見が様々であったのかなというのが事務局としての理解です。
また、実態としても、薬物療法については、拠点病院以外でも実施されているのが実態ではありますので、これを拠点病院だけに集約化するということについては、合意形成は得られていないのではないかなと思います。
他方で、先生がおっしゃるとおり、質の確保というのは重要な観点ですので、拠点病院以外で行う薬物療法の質の確保をしながら、どのように連携しながら進めていくのかというのは、大事な視点だなと思いましたので、そこは、少し修文はできるかなと思いましたので、考えたいと思います。
私からは以上です。
○佐野構成員 ありがとうございます。
内視鏡治療に関しては、そうすると、検討は続けていただくとしても、今回のこの取りまとめの中には、もうどこにも記載されないということになりますかね。
○がん・疾病対策課長 12月から議論を重ねて夏まで来ているわけですが、まずは、ここで一旦まとめさせていただきたいと思っています。それを踏まえて通知等も発出させていただきたいと思っています。
ただ、内視鏡に関してもどういったことができるかというのは、引き続き、我々がん・疾病対策課としては受け止めた上で、何ができるか考えていきたいと思います。
○佐野構成員 ありがとうございました。
○土岐座長 続きまして、松本委員、どうぞ。
○松本構成員 ありがとうございます。国立成育医療研究センターの松本でございます。
今までの議論の中で、非常によくまとまってきたなと感じるところでございます。本当にありがとうございました。前回、私が話させていただきました、長期フォローアップに関しましても、きちんと入れていただきましてありがとうございました。
私のほうからは2点ございます。
まず、14ページですけれども、14ページの上のほうの2)番の下のところ「なお、小児がん・希少がんの中でも特に高度な専門性を有する診療等については、国単位で集約化することが望ましい」とあります。
このところで、今、改めて見ますと、国単位という言葉に少し引っかかりを感じるのです。国単位で集約化するということは、つまり、国に1つ、2つ、非常に少ない数で集約化することを目指していると、何となく捉えられてしまうのですけれども、実際には、小児がんで、このような高度な専門性を有する診療等に関しましては、日本を7つのブロックに分けて小児がん拠点病院・連携病院に集約して診療しております。国が主導ですが、国単位でというよりも、ブロック単位で集約化しているということがございます。そういう意味で、少し引っかかりを感じた次第でございます。
そして、2点目ですが、16ページの上のほうの段のところで、がん患者が安全で質の高い患者本位の医療を適切な時期に受療できるように、医療機関ごとの診療実績を一元的に発信し、住民に提供することに取り組むこととございます。この一元的にというのは、すなわち都道府県が、それぞれの病院の診療実績を一元的に発信すると捉えるのですけれども、例えば、小児がんとか、あるいは希少がんに関しては、各病院ごとに、例えば、この病院で、こういう希少がんが1例ありました、2例ありましたという情報は、有用ではあるのですけれども、なかなか1例、2例と、統計上で出すことは個人情報の観点からも困難になっておりますので、各病院ごとでまとめるのは少し難しいのかなと考えます。
ですので、この辺りはどのような書きぶりにしたらいいのか、私もよく分からないのですが、希少がん、小児がんに関しての都道府県での発信に関して、何か御意見がありましたらお聞かせいただければと思いまして、発言させていただきました。
以上です。
○土岐座長 よろしくお願いします
○事務局 先生、事務局でございます。御意見ありがとうございます。
まず、1つ目のところ、国単位で集約することが望ましいという書きぶりについては、少し事務局のほうでも検討して、記載ぶりを考えさせてもらおうと思っております。
また、2つ目の御意見、診療実績の発信というところで、特に小児がんのような患者さんの数が少ない領域についての診療実績の発信の仕方は、今後検討する事項と思っております。ありがとうございます。
○土岐座長 続きまして、東先生、よろしくお願いします。
○東構成員 ありがとうございます。東京大学公衆衛生の東です。とてもきれいにまとめていただいて、ありがとうございます。
2点私からはありまして、1点目は、松本先生のお話に重なる部分というか、少しフォローなのですけれども、施設別の実績を発信する際、何例までであれば、どういう形で出せるのかということについては、ぜひ、一定の基準を公に出していただけるとありがたいです。
というのは、今まで、院内がん登録では、こういうやり方をしている、NDBでは、こういうやり方をしている、ほかのところでは、こういうやり方をしているみたいな、そこがばらばらになってしまっていて、やっているほうからすると、どれに従えばいいのだろうというのが、なかなか分かりづらいところがありますので、そういったことを何か基準を出していただくか、それか、相談して許可をもらうというか、お墨つきをもらえるような形がどこかにあると、こういった活動というのは、間違いを犯すのを恐れて進めないということがなくなるのではないかと思いますので、御検討をいただければと思います。それが1点目です。
2点目なのですが、この集約化を進めるという話について、実際には、どのように進めていくのが、本当に進むのかということをずっと考えておったのですけれども、その中で、今回、都道府県拠点を中心としている都道府県協議会において進めるというのは、そこは一定の道筋ではあるのですが、なかなか強制力というものがないというのが、悩みの種だったと思います。
指定要件のほうを、拠点病院の整備指針をもう一度見直してみますと、特定機能病院を地域がん診療連携拠点病院として指定する場合の指定要件についてという、IIIの項目がありまして、そこには人材派遣ですね、他の拠点病院に対する医師の派遣等を含み、都道府県協議会に積極に参画するという記載があります。
これが割と、実際に集約化をしようと考えたときには、実効性がありそうな雰囲気があると思いますので、今さらではあるのですけれども、何か記入ができるものとすれば、指定要件の指針において、ここの記述をどこかに付記していただくと、もしかしたら進むのかもしれないと思った次第です。
以上です。
○土岐座長 事務局、いかがでしょうか。
○事務局 東先生、事務局でございます。御意見ありがとうございます。
1点目につきましては、先生御指摘のとおり、数字のところは、どのように整理できるかというところを今一度考えたいと思っております。
2点目につきましては、今回の検討会の報告案でございますが、こちらに書いていますとおり、次回の整備指針のワーキンググループでも今回の議論内容というのを踏まえて、次期整備指針の改訂を検討するところになっておりますので、いただいた意見も踏まえまして整備指針の改訂に向けて検討したいと思っております。ありがとうございます。
○土岐座長 ほかは、よろしいでしょうか。
私のほうから2点あるのですけれども、手術に関するところだと思いますけれども、1つは、手術の今後に関しまして、手術もやはり遠隔手術というのがかなり検討されてきております。
恐らく入るとすると、9ページの三大療法別の方策になると思いますけれども、まだまだ2040年に実現できているかどうか分からないのですけれども、遠隔手術は検討項目の1つに入っていますので、もし加えることができれば、ありがたいと思っております。
ただ、その問題点としましては、遠隔手術の場合は、主にロボットになるのですが、では、ロボットを日本の隅々の小さい病院まで全部配置するかというと、それは、あまり現実的ではないので、まだまだ問題が多いということは十分分かっているのですけれども、将来性の1つとして、そういうのも書いていただけたらありがたいと思います。
もう一点は、都道府県のなすべきこと、国がなすべきことの一番スタートの文章で、現在の医療が維持できなくなるという文言から始まるのですけれども、やはり外科としては、集約化は、外科のところには記載をしてあったのですけれども、集約化は成績向上につながると考えております。
実際、論文でも遠方から来た方のほうが、先進的な治療、先進的な手術を受けて予後もよいという、そういう論文も出ておりますので、これは、よりよい医療を提供するためだと、できるのではないかと、そういうポジティブなニュアンスも、もし、加えていただけるとありがたいかなと思っております。
私からは、以上2点でございます。
○事務局 ありがとうございます。
意見として頂戴し、また、検討させていただきます。
○土岐座長 ありがとうございます。
ほかに委員の皆様方から、御意見ございませんでしょうか。
家保委員、どうぞ。
○家保構成員 衛生部長会の家保です。
非常にこれまでの議論をまとめていただいて、ありがとうございました。
特に、県の立場で言いますと、18ページの国の取組のところの最後に、がん診療連携拠点病院機能強化事業等の財政支援については、引き続き検討を行った上で、必要な予算の確保を図ることということが書いてあります。
今後、集約化とか、いろいろなことを都道府県協議会で議論する際に、やはりそこの議論を進めるための財政支援をするということを、ぜひともお願いしたいなと思います。
都道府県によっては状況が全然違いますので、やはり、先ほどお話がありました人の面の評価をすることと、それから連携を取るための経費とか、いろいろな課題が出てまいりますので、引き続き、その点については国として、積極的に検討と確保をお願いしたいと思います。
以上です。
○土岐座長 お願いします。
○事務局 家保先生、ありがとうございます。事務局でございます。
18ページに記載しておりますとおり、財政支援につきましては、検討を行った上で、必要な予算の確保に努めたいと思っております。
○土岐座長 ありがとうございます。
ほかは、よろしいでしょうか。
それでは、様々な御意見を頂戴しましたが、事務局で用意いたしました取りまとめ案につきましては、大きな異論はないというのが私の理解でございます。
個々の修文等につきましては、必要な場合があるかもしれませんが、この点は修正させていていただきたいと思っております。
大体そのような方向で、この取りまとめの取扱いにつきまして、おおむね皆様の御賛同を得たということで、後の修文等につきましては、座長に一任させていただきたいと思いますが、よろしいでしょうか。
(異議なしの意思表示あり)
○土岐座長 ありがとうございます。
それでは、事務局原案について取りまとめるという方向で御承認をいただきましたことを感謝申し上げます。ありがとうございました。
それでは、2つ目の議題でございます。「第6回がんゲノム医療中核拠点病院等の指定要件に関するワーキンググループからの報告」について、資料4でございます。こちらを事務局から、説明をよろしくお願いします。
○事務局 事務局を務めます、がん疾病対策課の千葉でございます。
それでは、資料4の説明に移らせていただきます。
こちらの資料でございますけれども、6月16日に開催いたしました第6回がんゲノム医療中核拠点病院等の指定要件に関するワーキンググループからの報告とさせていただいておりまして、今回は、親会であります本検討会に報告するものでございます。
資料の2ページ目と3ページ目に、こちらのワーキンググループで取りまとまった内容が記載されてございます。
資料の4ページ目には、ワーキンググループの取りまとめを踏まえまして、7月7日に改正いたしましたエキスパートパネルの実施要件についての主な開催事項について、記載させていただいているものでございまして、5ページ目は参考資料でございます。
では、まず、2ページ目でございますけれども、こちらは「第6回がんゲノム医療中核拠点病院等の指定要件に関するワーキンググループからの報告」というところで取りまとまった内容について記載させていただいております。
上の箱につきましては「今後のがんゲノム医療の方向性について」というところで記載がございます。
読み上げますと、遺伝子変異に基づく治療薬の開発が広がるとともに、標準治療の中にそれらの治療薬が組み込まれてきている。実際に、遺伝子変異に着目した薬事承認薬の数が増え、またがん遺伝子パネル検査の薬事審査の過程を経て、検査の分析性能が担保された遺伝子変異の項目数も増えてきている。これらについては、がん遺伝子パネル検討の結果解釈で行います、エキスパートパネルでの検討を経ずとも、質の高いがんゲノム医療を提供することが可能となりつつある。
2つ目としましては、がんの標準治療を実施することが求められる医療機関として位置づけられているがん診療連携拠点病院等において、がんゲノム医療が実施できるよう、関連学会等と連携し、その運用面、主にエキスパートパネルでございますけれども、運用面の改善を図りながら、質の高いがんゲノム医療の提供体制を構築していくことが重要であるとさせていただいております。
下には、ワーキンググループで取りまとまった「具体的な方針について」というところで書かせていただいているものでございます。
両括弧の1つ目に関しましては、固形がんのエキスパートパネル標準化の検討事項について(エキスパートパネル省略可能な症例の考え方について)というところで記載させていただいております。
こちらにつきましては、固形がんのパネル検査、既に10万件以上実施されているという状況でございますけれども、そちらの知見を踏まえて主治医の判断のもと、エキスパートパネルを実施すべきかどうかについて、判断可能な症例の考え方を明確化して、今後の見直しに向けて検討を進めるということにしています。
また、関連学会の見解を受けまして、主に薬剤アクセス及び二次的所見の有無の観点を考慮しまして、そちらの主治医判断で省略可能な症例とする考え方を整理するとしています。
また、C-CATレポート、がんゲノム情報管理センターの調査結果に関しましても、改定を進めることにしています。
両括弧の2つ目、3つ目に関しましては、後に述べます課長通知の一部改正に関わっているところでございますけれども、こちらは、エキスパートパネルの開催に関する考え方について及び構成員の要件についてということでございます。
現状エキスパートパネルは、基本的には、リアルタイム開催ということになっておりますけれども、十分な議論をできるという場合においては、持ち回り協議に、それができるようにしてはどうかというところにしています。
また、要件についてというところは、一部の構成員を認めてはどうかというところで記載しています。
両括弧4つ目「がん遺伝子パネル検査を行える施設について」、また、5つ目「臨床情報収集項目の見直しに関する考え方」というところでございますけれども、令和8年度に予定しております、がんゲノム医療中核拠点病院等の整備に関する指針というところの指定要件についてというところで、今後、質の高いがんゲノム医療の提供体制の構築を前提としながら、要件を検討するとさせていただいているものでございます。
臨床情報収集項目の見直しに関する考え方というものも併せて実施していく予定としています。
資料の3ページ目でございますけれども、先ほど述べました固形がんのエキスパートパネル省略可能な症例の考え方についてというところの具体についても、記載させていただいております。
こちらは、詳細を言及することは避けますけれども、二次的所見を疑う場合というところと、薬剤アクセスの観点というところで分類分けをしているものでございます。
下には、先ほど少し述べました構成員の要件重複についてというところで記載しているものでございます。
4ページ目に関しましては、こちらは、先ほど述べました課長通知の改正事項について記載させていただいているものでございます。7月7日付で一部改正を行っております。
上のリード文に記載しておりますように、がん遺伝子パネル検査の結果解釈のために行うエキスパートパネルの構成員が重複可能な要件を明確化する。また、がん遺伝子パネル検査の結果解釈のために行うエキスパートパネルを、全症例を持ち回り協議でも開催可能とするとさせていただいております。
具体の記載については、下に記載しているとおりでございます。
5ページ目に関しましては、参考資料でございます。
事務局からの説明としましては以上になります。
○土岐座長 第6回がんゲノム医療中核拠点病院等の指定要件に関するワーキンググループからの報告でございました。
ただいま事務局から発表された資料につきまして、御意見、御質問等ございましたら、委員の先生方から発言をよろしくお願いいたします。
よろしいでしょうか。それでは、全体を通じまして、もう一度振り返ってでも結構ですので、御意見、御質問等ございますでしょうか。
よろしいですか。それでは、議題1の取りまとめ案の個別の修正につきましては、事務局との調整の後、構成員の皆様にもう一度お送りいたしまして御確認を得てから、最終案として取りまとめさせていただきます。この点、御理解と御協力をよろしくお願いします。
それでは、事務局から一言最後によろしくお願いいたします。
○健康・生活衛生局長 健康・生活衛生局長の大坪でございます。
本日も先生方、御多忙のところ、お時間を頂戴いたしまして、昨年暮れから議論を丁寧に行っていただきましたことに心から感謝を申し上げます。
私どもといたしましては、85歳以上の人口増加、また、生産年齢人口の減少、2040年に向けたこうした動きを見据えて、今からどういった準備をしておくことが必要かと、そういった観点で先生方から御意見を頂戴してきたところでございます。
本日お示しさせていただきました事務局案、限られたデータの中で、学会の先生方にも大変な御協力をいただき、まとめさせていただきましたが、各先生方におかれましては、細かい数字の部分などで、少しもやっとした部分がまだ残っていらっしゃるかと思います。ここは座長とも相談をしながら修文を務めさせていただきたいと思います。
本日いただきました中で、おおむねの方向性につきましては御了解をいただいたと思っておりますので、これを踏まえまして、今後準備のほうを進めてまいりたいと思っております。どうぞ、引き続き御指導をいただけますよう、よろしくお願いいたします。
本日は、どうもありがとうございました。
○土岐座長 では、本会議は、これで終了とさせていただきます。皆様、最後まで御参加いただきまして、どうもありがとうございました。
構成員の皆様方におかれましては、お忙しい中お集まりいただきまして、誠にありがとうございます。事務局を務めます、厚生労働省健康・生活衛生局がん・疾病対策の北國でございます。
本検討会は、ユーチューブにて配信しておりますので、御承知おきください。
本日は、10名の構成員の先生方に御出席いただいております。なお、本日、淺香構成員、岡構成員、間野構成員、村松構成員からは、欠席と御連絡をいただいております。また、家保構成員から遅れて出席する旨を承っております。
続きまして、資料の確認をさせていただきます。
議事次第、資料1から資料4、参考資料1がございますので、御確認ください。なお、資料は厚生労働省のウェブサイトにも掲載しております。
本日の議題としましては「(1)2040年を見据えたがん医療提供体制の均てん化・集約化に関するとりまとめ(案)」「(2)第6回がんゲノム医療中核拠点病院等の指定要件に関するワーキンググループからの報告」「(3)その他」を予定しております。
それでは、この後の進行は土岐座長にお願いいたします。
○土岐座長 皆様、おはようございます。
審議を重ねてまいりました「がん診療提供体制のあり方に関する検討会」につきましても、取りまとめ案ができまして、いよいよ大詰めを迎えております。
それでは、まず、早速ではございますけれども、議題1「2040年を見据えたがん医療提供体制の均てん化・集約化に関するとりまとめ(案)」に移りたいと思います。
まず、資料1、2、3を事務局より説明をよろしくお願いいたします。
○事務局 事務局でございます。
それでは、資料1の説明に移ります。「2040年を見据えたがん医療提供体制の均てん化・集約化に関するこれまでの議論について」。
まず、2ページ目に移っていただきますと「第4期がん対策推進基本計画におけるがん医療提供体制に係る記載について」というところで、第4期がん対策推進基本計画において、がん医療提供体制の集約化・均てん化について、国は都道府県がん診療連携協議会に対しまして、好事例の共有や、ほかの地域、医療機関との比較が可能となるような検討に必要なデータなどの技術的支援を行うとしております。
次のページをお願いいたします。
2040年を見据えたがん診療提供体制の在り方に関する検討について、これまでの検討会の開催状況を記載しております。
全国どこにいても質の高いがん医療を受けられることができるように、がん診療連携拠点病院等の整備が進められてきました。
第4期がん対策推進基本計画において、先ほど説明したとおりの記載があるというところでございますので、拠点病院等の役割分担を踏まえた集約化を推進することについても、本検討会について検討していただいているところです。
下のほうに関しましては、検討会の開催状況と検討会の構成員について記載しております。
次のページをお願いいたします。
こちらに示しますのは、前回、第18回の「がん診療提供体制のあり方に関する検討会」で、2040年を見据えたがん医療提供体制の均てん化・集約化に関する議論のまとめの案を提示した際に、構成員の先生方からいただいた主な意見とその対応になります。
まず、全体を通しまして、がん医療の需給の推計や、対象となる三大療法、医師数の定義、推計方法を明確に報告書に記載する必要があるというところの御意見をいただきましたので、そちらについて対応しております。
また、都道府県協議会につきまして、事務局に都道府県が参画し、地域医療構想との連動を明確に報告書に記載する必要がある。都道府県が住民に都道府県内の診療実績を発信することを実施するように、明確にこちらも記載する必要がある。さらなる均てん化が求められる医療を提供する身近な診療所・病院と拠点病院等や、多職種・多機関との地域連携の強化というところが重要になり、地域連携を担う人材育成の強化についても、明確に報告書に記載する必要があると意見をいただいておりますので、対応しております。
また、国が取り組むべき事項につきまして、集約化も含めた持続可能ながん医療提供体制の構築が必要であるという点につきまして、国民の理解を得るために、適切な情報を発信していく明確な体制を報告書に記載する必要があると御意見をいただきましたので、こちらについても今後具体的に検討することとしております。
また、集約に伴う国民のアクセスの確保について、国が取り組むべき事項について明確に記載する必要があるという意見をいただきましたので、こちらについても対応しております。
それでは、修正点を踏まえまして、資料2の説明に移りたいと思います。
こちらにお示しておりますのが、資料2「2040年を見据えたがん医療提供体制の均てん化・集約化に関するとりまとめ(案)」というところで、前回の検討会から頂戴した意見を踏まえまして、修正した点を中心に御説明させていただきます。また、修正点は、下線で示しているところが該当部分になります。
まず、目次、2ページ目に移っていただきまして「5.都道府県協議会での均てん化・集約検討の進め方について」というところで「4)都道府県協議会での均てん化・集約化の検討の留意事項」という項目を設けております。
また、新たに「6.国民が取り組むべき事項」という項目も付け加えております。
3ページ目に移っていただいてよろしいでしょうか。
「2.今後のがん医療の需給について」というところで、1枚めくっていただきまして、「マル2 がん罹患者数の見込み」というところ、こちらは、数字については、前回と大きく変更はないところでございますが、表現ぶりをマル1の日本における人口の推計の表記の仕方と合わせております。
また「マル3 がん罹患者の地域特性」というところで、地域別のがんの罹患者数というところ、2040年に向けて、下表となるとおりとなることを見込まれるというところで、こちらの数字も前回と変化はないところでありますが、表を付け加えております。
5ページ目に移っていただけますでしょうか。
「マル4 入院・外来治療の需要動向」というところで、2040年に向けまして、がん罹患者数は我が国全体では3%増加すると推計され、がんの外来患者数につきましては、今後も増加することが見込まれます。
一方で、入院患者数については、鏡視下手術等による低侵襲治療の割合の増加等による平均在院日数の短縮の影響で減少しておりまして、今後も低侵襲治療の割合の増加が継続することが見込まれるため、1日当たりの入院患者数はさらに減少する可能性があると記載しております。
また「マル5 三大療法(手術療法、放射線療法、薬物療法)別の需要の見込み」というところで、三大療法別の需要の2040年の見込みを記載しております。こちらの数字につきましては、前回検討会でお示しした数字から変更点はございませんが、※1から4に記載しておりますとおり、これらの数字の定義や推計方法、収集している対象となる治療行為などを具体的に記載しているところでございます。
6ページ目をお願いします。
これらを踏まえまして、手術療法、放射線療法、薬物療法について、2025年比でどのような需要になるかというところの文章を追加しております。
1ページめくっていただきまして、次に「がん医療の供給について」というところで「マル1 三大療法別の供給見込み」というところ、こちらは、手術療法と放射線療法に関しまして、前回の検討会で、日本癌治療学会、日本放射線腫瘍学会から発表いただいた内容の数字を追記しております。
また、※1から※7に記載しておりますとおり、これらの数字の計算方法というところを詳細に記載しております。
下の手術療法のところに移りまして、8ページ目をお願いします。
8ページ目の1段ですね、今後も、後述の消化器外科医の新たな成り手が増加せずに、現状と同様の状況が継続すれば、65歳未満の日本消化器外科学会に所属する医師数は、2040年に0.92万人まで減少すると予測されるといつた、前回の検討会で発表いただいた数字を記載しております。
また、放射線療法につきましても、前回検討会で発表いただいた数字というところを新たに記載しております。
薬物療法につきましては、前回の検討会でも議論いただいたとおり、提供側の人数というのが正確に把握できていないところがありますので、そちらについて記載しております。
9ページ目に移っていただきまして、次に「がん医療の需給バランスを維持するための方策について」というところで、三大療法別の方策について、手術療法、放射線療法、薬物療法について記載しております。
手術療法につきましては、内容については、前回と大きな変更はないところではございますが、日本癌治療学会様から発表いただいた、集約化やタスクシフトが進まない前提であれば、少なくとも毎年900人の新たな成り手の確保というところが必要であり、現状の500人から追加で400人の確保が必要となるという数字を記載しております。
放射線療法に移りまして、10ページ目、放射線治療装置1台当たりの年間照射患者数の適正数は250から300名と報告されておりまして、この基準を用いた場合、放射線療法の需要の増加を踏まえて、2040年に必要となる放射線治療装置数は1,190台から1,428台となる。そして、これは2019年時点の配置数と比較して、8~30%の増加が必要と見込まれるという学会からの報告の数字を記載しております。
また、特に放射線療法の需要が減少することが見込まれる地域や、がん患者数が少ない地域では、放射線治療装置の維持が困難となる場合が想定されることから、都道府県内で集約化を含めた適切な放射線療法の提供体制を検討する必要があると記載しております。
放射線療法の最後の部分、より短期間で照射を完了する放射線療法の研究を推進するとともに、有効性、安全性が認められるものについて社会実装し、通院回数を減らすことで、患者の負担を軽減させる取組を進めることが重要である。
なお、放射線療法のうち外部照射だけではなく、内部照射についても、将来の需要を見据えた提供体制の確保を検討することが重要であるとしております。
薬物療法につきましては、11ページ目、薬物療法は、薬物療法専門医のほか、薬物療法専門医ではない消化器外科や泌尿器科、婦人科、耳鼻咽喉科頭頸部外科領域の専門医の医師が中心となって提供されている現状がありまして、消化器外科医等の薬物療法で提供者の担い手が減少している診療領域もあることを鑑みますと、提供体制を維持するためには、やはり、薬物療法を提供できる医師の確保というところは必要であるとしております。
また、過疎地域では薬物療法の需要が減少する地域もございますが、手術療法等とは異なり、がん患者が定期的に継続して治療を受ける必要があるということから、がん患者のアクセスを踏まえますと、拠点病院等以外でも、一定の薬物療法の提供ができるように、遠隔医療の組み合わせなどをしながら均てん化に取り組むことが望ましいとしております。
続きまして「3.高度な医療技術を伴うがん医療について」は、これまで学会から発表いただいた内容を記載しておりまして、前回の検討会から大きな変更点はございません。
「4.今後の方向性について」に移ります。12ページの下の部分になります。
まず、基本的な考え方については、これまで議論をいただいたとおり、国は、がん対策基本法に基づきまして、拠点病院等を中心として、適切ながん医療を受けることができるように、均てん化の促進に取り組んできており、また、都道府県は医療計画を作成し、地域の医療需要を踏まえて、医療機関及び関係機関の機能の役割分担及び連携によりまして、がん医療提供体制を確保してきたところでございます。
2040年に向けましては、がん医療の需要変化等が見込まれる中、引き続き適切ながん医療を受けることができるように均てん化の促進に取り組むとともに、持続可能ながん医療提供体制を再構築していく必要があり、医療技術の観点及び医療需給の観点から一定の集約化を検討していくとしております。
13ページの2段落目になりますが、また、がん予防、リンパ浮腫診療等を含む支持療法・緩和ケア、低リスクのがんサバイバーの長期フォローアップ等については、できる限り多くの診療所・病院で提供されるよう取り組んでいく。また、その際、かかりつけ医が一定の役割を担うことが重要であるとしております。
手術療法につきましては、特に複数の外科医がチームとなって提供される必要があるところがありまして、外科医の減少が見込まれる中で、集約化せずにこれまでと同様のがん医療提供体制を維持した場合、手術療法を提供するために必要な医師数が確保できず、現在提供できている手術療法ですら継続できなくなるおそれがあるというところがありますので、上述のような基本的な考え方に基づいて、今後も国民が質の高いがん医療を受療できるように、集約化も含めた持続可能ながん医療提供体制の構築が必要であるという点について、国や都道府県は、国民の理解を得るために、国民にとって分かりやすい説明を継続していく必要があるとしております。
「2)特に集約化の検討が必要な医療についての考え方」については、前回の検討会から記載している文章は大きく変更ございません。
14ページをお願いします。
また「3) 更なる均てん化が望ましい医療についての考え方」につきましても、前回の検討会から変更点はございませんので割愛いたします。
2040年見据えたがん医療の均てん化集約に係る基本的な考え方に基づいた医療行為例については、本報告書の案の一番後ろの部分に図1として記載しております。
続きまして「5.都道府県協議会での均てん化・集約化の検討の進め方について」「1)都道府県協議会の体制」。
都道府県及び都道府県がん診療連携拠点病院は、事務局として都道府県協議会の運営を担うこと。また、その際、都道府県は、地域医療構想や医療計画と整合性を図ることとしております。
また、都道府県協議会には、拠点病院と地域におけるがん医療を担う者、患者団体等の関係団体の参画を必須としまして、主体的に協議に参加できるように運営することとしております。
また、特に拠点病院等までの通院に時間を要する地域のがん患者及び当該地域の市区町村には、当該都道府県のがん医療提供体制の現状や今後の構築方針につきまして、十分に理解が得られるように対応することとしております。
15ページの「2)都道府県協議会での協議事項」につきましては、前回の検討会でお示しした内容から、大きな変更点はございません。
続きまして「3)都道府県協議会の事務局の役割」の2段落目、都道府県協議会で整理・明確化した、がん腫ごとに役割分担する医療機関について、広く周知すること。また、がん患者を紹介する医療機関、こちらにも都道府県内で役割分担する医療機関を周知し、がん患者が適切な医療機関で受療できるような体制を整備することと、表現を変えております。
また、3段落目、がん患者が安全で質の高い患者本位の医療を適切な時期に受療できるように、医療機関ごとの診療実績を一元的に発信し、住民に提供することに取り組むことと記載しております。
「4)都道府県協議会での均てん化・集約化の検討の留意事項」に移ります。
まず、1段落目、従来のがん医療提供体制を維持した場合、先ほども述べたような現在提供できているようながん医療は継続できなくなるおそれがあるというところがありますので、集約化も含めた持続可能ながん医療提供体制の構築必要であるという点について、都道府県が中心となり、住民の理解を得るために、住民にとって分かりやすい説明を継続していく必要があるとしております。
また、地域ごとに、がん医療提供体制を構築する検討に当たりましては、外科医については、特にがん以外にも虫垂炎や胆嚢炎などの疾患に対しての手術も行っているところがありますので、がん医療提供体制の検討に当たりましては、地域医療構想や医療計画を踏まえた、がん以外も含めた地域の医療提供体制を維持、確保する観点についても留意することが重要であるとしております。
また、地域包括ケアシステムの観点から、患者が住み慣れた地域で質の高い医療を受け続けることができるように集約化の検討が必要な医療を提供する医療機関、患者の日頃の体調を把握している身近な診療所・病院のかかりつけ医、訪問看護ステーション、歯科医療機関、薬局、介護施設・事業所等、多職種・多機関との地域連携の強化がより一層に重要になりまして、関係機関間での情報共有や役割分担を含む連携体制の整備と地域連携を担う人材育成の強化というところが求められるとしております。
また、かかりつけ医と拠点病院等の専門医のさらなる連携強化のためには、17ページに移りまして、がん患者にとって身近な診療所・病院におけるD to P with Dによるオンライン診療等を拠点病院等と連携し、がん予防や支持療法・緩和ケア等を提供していくことが重要であるとしております。
3段目、がん患者が望んだ場所で、適切な治療やケアが受けられるように、アドバンス・ケア・プランニングを含めた意思決定支援の提供体制の整備が重要であるとしております。
続きまして「6.国が取り組むべき事項」としまして、先ほども申し上げたような従来のがん医療提供体制を維持した場合、現在提供できているがん医療が継続できなくなるおそれがあるために、今後もがん患者が質の高いがん医療を受療できるように、集約化も含めた持続可能ながん医療提供体制の構築が必要であるという点につきまして、国民の理解を得るために、国民にとって分かりやすい説明を継続していく必要がありまして、今後、具体的に検討することとしております。
また、都道府県協議会に対しまして、がん患者の医療機関までのアクセスについての取組などを含めた好事例の共有、ほかの地域や医療機関との比較が可能となるデータの提供などの技術的支援並びに当該支援により提供されたデータの解釈や活用方法について丁寧に説明を行うこととしております。
また、各都道府県協議会でのがん医療の均てん化・集約化の議論及び進捗状況を確認し、都道府県ごとの差異を把握した上で、都道府県におけるがん医療の均てん化・集約化に向けた取組を支援することとしております。
医療需給及び医療技術の観点からは、複数の都道府県で協力して提供する必要のあるがん医療については、関係都道府県間において、がん医療提供体制の在り方について協議することが望ましく、特に小児がん、希少がんの中でも、高度な専門性を有する診療等については検討することとしております。
18ページに移りまして、2段目、85歳以上のがん罹患者に対して、全身状態や併存疾患、治療自体による身体的負担等を加味するとともに、本人・家族の意思を踏まえてどのような治療法が最適であるか、また、療養環境の支援の在り方に関する研究を推進することとしております。
3段目、2040年を見据えた持続可能ながん医療提供体制の構築には、都道府県で正確なデータに基づいた十分な検討・調整が必要であることから、都道府県協議会等に対して、技術的支援を行いながら、がん診療連携拠点病院の機能強化事業費等の財政支援については、引き続き検討を行った上で、必要な予算の確保を図ることとしております。
最後に総括を記載しておりまして、最後のページには、先ほど申し上げたような具体的な医療行為の例というところを、表として記載しております。
資料2の説明は以上になります。
資料3につきましては、資料2の報告書に記載しております具体的な数字やデータをまとめたパワーポイントの資料になります。これまでの検討会でお示しした内容が含まれているところになりますので、今回の説明は割愛いたします。
一旦、私のほうからは以上になります。
○土岐座長 ありがとうございます。
「2040年を見据えたがん医療提供体制の均てん化・集約化に関するとりまとめ(案)」について御説明いただきました。
ただいまの資料は、前回議論された内容についての修文が行われたものであります。この辺りを中心に御説明いただきましたけれども、この取りまとめ案につきまして、委員の皆様方から何か御意見があるでしょうか、御意見のある方は、挙手をお願いします。
どうぞ、天野委員。
○天野構成員 御説明ありがとうございました。
また、前回私から複数の指摘をいただいた点について、修正いただいたこと、改めて感謝申し上げます。その上で2点、お願いさせていただければと思います。
まず、1点目になりますが、資料2につきまして、10ページのほうで、放射線療法に関して修正を加えていただいているかと思います。
それで、10ページの下のほうで下線が含まれている部分で、より短期間で照射を完了する放射線療法の研究を推進するとともに、有効性・安全性が認めるものについて社会実装し、通院回数を減らすことで患者の負担を軽減させる取組を進めることが重要ということで、その具体例として、注釈の12で単回照射の話であるとか、そういった具体的な治療法、放射線療法についての記述はしていただいているかと思います。
ところで、前回の検討会において、日本放射線腫瘍学会の宇野理事長さんが参考人として、この部分について御説明いただいたかと思うのですけれども、その際、2つの御説明をいただいていて、1つが、今、あったように単回照射であるとか、回数を少なくするという取組についての御説明をいただいたかと思っていまして、もう一点、根治的治療の例という形で、東北大学と気仙沼地域におけるMRリニアックを利用した治療についての例をしていただいているかと思います。
その例の御説明としては、例えば、今、40回通うのは難しいけれども、土日照射ということを前立腺がんについて行っているということで、そういった取組の例を紹介していただいていて、これについては、放射線療法ということにとどまらず、放射線治療機器としてのMRリニアックということの話が出ていたかと思いますので、放射線療法のみならず、放射線治療機器という単語を入れていただかないといけないかと思っております。
以上が1点目の指摘であります。
2点目は、具体的な修正とは違うのですが、14ページのほうで、都道府県協議会の体制について、かなり強い書きぶりにしていただいていて、特に、事務局として都道府県協議会の運営を、都道府県が担うということを新たに追記していただいたということと、あと、がん医療を担う者に加えて、患者団体等の関係団体の参画を必須とし、主体的に協議に参加できるようにすることという強い書きぶりに修正していただきました。
これは、ぜひお願いしたいと思っているのですが、その上で1点、厚生労働省にお願いしたいのが、私も幾つかの地域の実情について見聞きすることがございますが、都道府県が事務局として主体的に関わること、あるいは患者団体等が主体的に協議会に参加することについて、積極的に取り組まれている県もあれば、残念ながら、かなり消極的な都道府県もあると承知していまして、通知を出していただくので、恐らく多くの都道府県でしっかりやっていただけるものとは期待していますが、実際に都道府県が主体的に事務運営に関わって、事務局として運営に関わっているか、あるいは患者団体等が主体的に協議に参加できているかについては、厚生労働省のほうより、その進捗状況について随時確認をしていただいて、適宜指導していただくことが必須かと思いましたので、あえて強調させていただきます。
私からは以上になります。
○土岐座長 ありがとうございます。
それでは、お答えをよろしくお願いします。
○事務局 事務局でございます。
天野先生、御質問ありがとうございます。また、貴重な御意見、感謝申し上げます。
まず、1つ目につきましては、省内で検討させていただこうと思っております。
2つ目につきましても、国がフォローアップするというところを記載しておりますので、どういったフォローアップの内容にするか等は、今後の検討課題と思っておりますので、先生からいただいた意見を検討したいと思っております。
以上になります。
○土岐座長 それでは、引き続きまして、藤委員、どうぞ。
○藤構成員 ありがとうございます。
全体の取りまとめ(案)としましては、最初から見ると随分よく分かりやすくなったしデータもしっかり提示されておりますので、よくなっていると思います。
私から3点、質問というか、考え方について意見というか、指導をいただきたいことがあります。
1つ目は、14ページで、今、天野構成員がおっしゃったところと同じなのですが、都道府県協議会の均てん化・集約化の検討について、5ポツです、そこの「1)都道府県協議会の体制」の中で、今、言われました都道府県と都道府県がん診療連携拠点病院が事務局として働くことということが書き加えられております。
これ自体は、異論はございませんし、拠点病院の立場から言うと、やはり行政の協力がないと、今後この集約化、例えば病院の再編であったり、分担の決め方であったりの議論というのは絶対に進まないと思いますので、都道府県が入ることはいいかと思います。
ただ、現在の整備指針を見ますと、都道府県のがん診療連携協議会は、都道府県のがん診療連携拠点病院が事務局をすると。そして、その中には、行政とか、患者団体などの積極的な参加を求めるという書きぶりになっています。それから比べると、都道府県の行政側も事務局に入るということ、それから患者団体の参加も必須という書きぶりになっておりますのでいいのですが、拠点病院から言うと、今後、これが都道府県に通知として出て、各都道府県の拠点病院側にも、これが回ると思うのですが、整備指針と、この通知と、この通知のほうが強いですし、後ですので、これに従うということには、従うというか、これを求めていこうということにはなるのだと思いますけれども、その辺の在り方をしっかりしておかないと、がん診療連携拠点病院側への通知としても、しっかりこれを認識していくということが必要になるかと思います。
そうしないと、責任のなすりつけ合いなどはしないと思いますが、やはり両方の協力でやっていかないと、この集約化の議論というのは、各都道府県では進まないと思いますので、その辺を明確にしておいていただきたいと思います。
それから、16ページで、都道府県協議会の均てん化・集約化の検討の留意事項の中で、均てん化を進めていくためには、身近な診療所・病院のかかりつけ医ということが書かれています。
最初のこの検討会のときには、診療所だけだったので、病院も必要だということで入れていただいているということはいいのですが、かかりつけ医機能を持った病院が、均てん化に関与するようにと、それに向かって、均てん化を進めていこうということだとは思うのですが、実は、中小病院ですね、例えば100床とか200床の病院の中でも、もちろん、かかりつけ医機能を持っているとは思いますが、地域の開業の診療所のかかりつけ医と連携しているという認識を持った中小の病院がたくさんあると思うのですね。要するに、かかりつけ医機能を自分たちが持っているという自覚というのは、ドクター側とかから言うと、そうないのではないかと思いますので、ここは、やはり中小の病院、これは均てん化を進めていくためには、絶対に必要なことなのだと思いますので、そういう中小の病院も含むことを解釈するのかどうか、含んでいるということにするのかどうかということの説明をいただけたらと思います。
これについては、国が取り組む事項として、その進捗を把握して、国が報告していくことということがありますので、そのことも含めた、中小の病院まで含められた均てん化が行われているかということも考えていっていただければいいかなと思います。
最後ですが、これは簡単なことですが、どこかで学会の協力と参加も求めていくみたいな書きぶりをすることができないかと思います。3つの学会が非常に細かなデータを出していただいて、集約化が必要だということの説得力のあるデータが出ておりますけれども、今後は、それぞれが別々にするのではなくて、集学的治療をすることにおいては、やはり3つの治療法がシンクロしてやっていかないといけないということもありますので、これは、どういうことをしていいか分かりませんが、各学会が周知していくというだけではなくて、やはり、横断的な取組も念頭に置いた活動をしていただければと思っております。
私からは以上でございます。
○土岐座長 事務局からは、大丈夫でしょうか、どうぞ。
○事務局 事務局でございます。
藤先生、御意見ありがとうございます。
まず、1点目につきましては、今後都道府県も都道府県がん診療連携協議会の事務局を担うことにつきまして整理して、通知で明確に示していきたいと思っております。
2点目につきましては、藤先生の御認識のとおり、さらなる均てん化に求められる医療機関というところに、中小の病院を含んでいると考えております。
3点目につきましては、今後どのような記載ができるかというところを検討したいと思っております。
以上になります。
○土岐座長 私のほうからも3つ目の学会のことなのですが、結構、それぞれの臓器の専門の学会で認定施設とかを出していますので、情報発信のときに、もし、それを付記できるのであれば、症例数ではなくて、学会の認定を受けているというのも、少し慎重になるとは思うのですけれども、加えていただけたら有効かと思いました。
それでは、続きまして、佐野委員、どうぞ。
○佐野構成員 ありがとうございます。5ページを見せていただけますか。
その中のマル5の三大療法の需要見込みというところで、前回私が、例えば、早期がんの内視鏡治療はどのように扱われるかということを質問して、それについて、そこの※2のところで、細かく書いていただいて、内視鏡治療は含まれないということが明記されています。
それは納得したのですが、一番下の4のところで、内分泌療法というホルモン療法は、手術療法と薬物療法が区別できないために含まれないというので、少しびっくりしたのですが、例えば、今、どんどん増えている前立腺がんに対してのホルモン療法は、手術療法としては除睾術という手術はありますけれども、これは極めてまれな話なのであって、これと区別できないということのためにホルモン療法が入っていないとすると、薬物療法が、かなり需要見込みが低くなってしまうのではないかと思います。もう立派な治療法だと思います。その扱いがどうかということです。
それも含めまして、今回三大療法ということにまとめてしまっているわけですが、ここから外れる早期がんに対する内視鏡治療、これは、胃がん、食道がん、大腸がんが増えています。それから、薬物療法に含まれないホルモン療法、こういうものの立ち位置というのが、かなり医療需給体制に影響してくるのではないかと思われますので、そこをどこかにまとめてでもいいのですけれども、こういうものは別に検討するということぐらいを書いていただいてもいいのかなと思いました。
それから、11ページを見せていただけますか。ここの上のほうで、手術療法とは異なって、薬物療法は継続して治療を受ける必要があるから、遠隔医療を組み合わせるなどして拠点病院以外でも提供できるようにすべきだという記載があるのですけれども、前に伺ったところ、今回の薬物療法というのは、あくまで抗がん剤のことであって、いわゆる疼痛治療とかの治療法は入らない。しかもホルモン療法も入らない薬物療法というのが、きちんとした抗がん治療であるとするとどこでも拠点病院以外でもできるようにするというのは、何か方針が違うのではないか、むしろ薬物療法も、きちんとした薬物療法はかなり複雑化しますし、より集約化が必要になるのではないかと思います。薬物療法ができる人を増やして集約化するのではなく、なるべくそれはどこでもできるようにするほうがいいと読めるような気がしますので、そこは明確にされたほうがいいのではないかと思いました。
これに関連してなのですが、16ページかな、そこの下のほうに、すみません、ページが違うかもしれませんが、外科医は逆に、集約化が必要だということが書かれていながら、一方で、胆嚢炎や虫垂炎などと書いてあったところがあったと思いますけれども、一般外科診療を保とうとすると、がんの外科治療のために消化器外科医の専門医を集約化すると、一般病院の多くは消化器外科が一般外科を担っていますので、そこを引き剥がすようなことになる。そこは、地域医療構想や医療計画を踏まえたと、線が書かれていますけれども、方向性が少しはっきり見えないところがあると思いました。
あとの2点についてはコメントです。
以上です。
○土岐座長 事務局から、いかがでしょうか。
○事務局 先生、ありがとうございます。
内分泌療法のところに関しましては、少し定義が細かいところになりますので、また、課内で少し検討してから記載ぶりを考えようと思っております。
○佐野構成員 内視鏡的治療について、内視鏡学会のメンバーがこれをざっと見ると、俺たちの居場所がないなと思うと思うのですけれども、提供体制においてどこかに記載するという予定はありませんか。
○がん・疾病対策課長 がん・疾病対策課長です。
今回院内がん登録で、どういった集計ができるかという限界がある中で、チャレンジをさせていただき、内分泌療法については、院内がん登録上、区分けして取れない限界がありますので、やれる最大限のことを、今回させていただいたということです。
ただ、ホルモン療法自体が重要であるということ自体は、十分に認識していますので、そういったものを今後どのように見せることができるのかということは、引き続き検討課題として捉えたいと思います。
また、内視鏡治療についても、今回そこまで推計ができているわけではないですが、引き続きこの点についても重要であるということは、我々事務局として受け止めていますので、どういったことができるかというのは、引き続き課題として捉えたいと思います。
薬物療法のところにつきましては、これまでの議論の中で、外科と放射線療法については、一定の集約化の検討が必要であるということで、学会を含めて合意形成ができているという理解ではありますけれども、薬物療法については、学会の中でも意見が様々であったのかなというのが事務局としての理解です。
また、実態としても、薬物療法については、拠点病院以外でも実施されているのが実態ではありますので、これを拠点病院だけに集約化するということについては、合意形成は得られていないのではないかなと思います。
他方で、先生がおっしゃるとおり、質の確保というのは重要な観点ですので、拠点病院以外で行う薬物療法の質の確保をしながら、どのように連携しながら進めていくのかというのは、大事な視点だなと思いましたので、そこは、少し修文はできるかなと思いましたので、考えたいと思います。
私からは以上です。
○佐野構成員 ありがとうございます。
内視鏡治療に関しては、そうすると、検討は続けていただくとしても、今回のこの取りまとめの中には、もうどこにも記載されないということになりますかね。
○がん・疾病対策課長 12月から議論を重ねて夏まで来ているわけですが、まずは、ここで一旦まとめさせていただきたいと思っています。それを踏まえて通知等も発出させていただきたいと思っています。
ただ、内視鏡に関してもどういったことができるかというのは、引き続き、我々がん・疾病対策課としては受け止めた上で、何ができるか考えていきたいと思います。
○佐野構成員 ありがとうございました。
○土岐座長 続きまして、松本委員、どうぞ。
○松本構成員 ありがとうございます。国立成育医療研究センターの松本でございます。
今までの議論の中で、非常によくまとまってきたなと感じるところでございます。本当にありがとうございました。前回、私が話させていただきました、長期フォローアップに関しましても、きちんと入れていただきましてありがとうございました。
私のほうからは2点ございます。
まず、14ページですけれども、14ページの上のほうの2)番の下のところ「なお、小児がん・希少がんの中でも特に高度な専門性を有する診療等については、国単位で集約化することが望ましい」とあります。
このところで、今、改めて見ますと、国単位という言葉に少し引っかかりを感じるのです。国単位で集約化するということは、つまり、国に1つ、2つ、非常に少ない数で集約化することを目指していると、何となく捉えられてしまうのですけれども、実際には、小児がんで、このような高度な専門性を有する診療等に関しましては、日本を7つのブロックに分けて小児がん拠点病院・連携病院に集約して診療しております。国が主導ですが、国単位でというよりも、ブロック単位で集約化しているということがございます。そういう意味で、少し引っかかりを感じた次第でございます。
そして、2点目ですが、16ページの上のほうの段のところで、がん患者が安全で質の高い患者本位の医療を適切な時期に受療できるように、医療機関ごとの診療実績を一元的に発信し、住民に提供することに取り組むこととございます。この一元的にというのは、すなわち都道府県が、それぞれの病院の診療実績を一元的に発信すると捉えるのですけれども、例えば、小児がんとか、あるいは希少がんに関しては、各病院ごとに、例えば、この病院で、こういう希少がんが1例ありました、2例ありましたという情報は、有用ではあるのですけれども、なかなか1例、2例と、統計上で出すことは個人情報の観点からも困難になっておりますので、各病院ごとでまとめるのは少し難しいのかなと考えます。
ですので、この辺りはどのような書きぶりにしたらいいのか、私もよく分からないのですが、希少がん、小児がんに関しての都道府県での発信に関して、何か御意見がありましたらお聞かせいただければと思いまして、発言させていただきました。
以上です。
○土岐座長 よろしくお願いします
○事務局 先生、事務局でございます。御意見ありがとうございます。
まず、1つ目のところ、国単位で集約することが望ましいという書きぶりについては、少し事務局のほうでも検討して、記載ぶりを考えさせてもらおうと思っております。
また、2つ目の御意見、診療実績の発信というところで、特に小児がんのような患者さんの数が少ない領域についての診療実績の発信の仕方は、今後検討する事項と思っております。ありがとうございます。
○土岐座長 続きまして、東先生、よろしくお願いします。
○東構成員 ありがとうございます。東京大学公衆衛生の東です。とてもきれいにまとめていただいて、ありがとうございます。
2点私からはありまして、1点目は、松本先生のお話に重なる部分というか、少しフォローなのですけれども、施設別の実績を発信する際、何例までであれば、どういう形で出せるのかということについては、ぜひ、一定の基準を公に出していただけるとありがたいです。
というのは、今まで、院内がん登録では、こういうやり方をしている、NDBでは、こういうやり方をしている、ほかのところでは、こういうやり方をしているみたいな、そこがばらばらになってしまっていて、やっているほうからすると、どれに従えばいいのだろうというのが、なかなか分かりづらいところがありますので、そういったことを何か基準を出していただくか、それか、相談して許可をもらうというか、お墨つきをもらえるような形がどこかにあると、こういった活動というのは、間違いを犯すのを恐れて進めないということがなくなるのではないかと思いますので、御検討をいただければと思います。それが1点目です。
2点目なのですが、この集約化を進めるという話について、実際には、どのように進めていくのが、本当に進むのかということをずっと考えておったのですけれども、その中で、今回、都道府県拠点を中心としている都道府県協議会において進めるというのは、そこは一定の道筋ではあるのですが、なかなか強制力というものがないというのが、悩みの種だったと思います。
指定要件のほうを、拠点病院の整備指針をもう一度見直してみますと、特定機能病院を地域がん診療連携拠点病院として指定する場合の指定要件についてという、IIIの項目がありまして、そこには人材派遣ですね、他の拠点病院に対する医師の派遣等を含み、都道府県協議会に積極に参画するという記載があります。
これが割と、実際に集約化をしようと考えたときには、実効性がありそうな雰囲気があると思いますので、今さらではあるのですけれども、何か記入ができるものとすれば、指定要件の指針において、ここの記述をどこかに付記していただくと、もしかしたら進むのかもしれないと思った次第です。
以上です。
○土岐座長 事務局、いかがでしょうか。
○事務局 東先生、事務局でございます。御意見ありがとうございます。
1点目につきましては、先生御指摘のとおり、数字のところは、どのように整理できるかというところを今一度考えたいと思っております。
2点目につきましては、今回の検討会の報告案でございますが、こちらに書いていますとおり、次回の整備指針のワーキンググループでも今回の議論内容というのを踏まえて、次期整備指針の改訂を検討するところになっておりますので、いただいた意見も踏まえまして整備指針の改訂に向けて検討したいと思っております。ありがとうございます。
○土岐座長 ほかは、よろしいでしょうか。
私のほうから2点あるのですけれども、手術に関するところだと思いますけれども、1つは、手術の今後に関しまして、手術もやはり遠隔手術というのがかなり検討されてきております。
恐らく入るとすると、9ページの三大療法別の方策になると思いますけれども、まだまだ2040年に実現できているかどうか分からないのですけれども、遠隔手術は検討項目の1つに入っていますので、もし加えることができれば、ありがたいと思っております。
ただ、その問題点としましては、遠隔手術の場合は、主にロボットになるのですが、では、ロボットを日本の隅々の小さい病院まで全部配置するかというと、それは、あまり現実的ではないので、まだまだ問題が多いということは十分分かっているのですけれども、将来性の1つとして、そういうのも書いていただけたらありがたいと思います。
もう一点は、都道府県のなすべきこと、国がなすべきことの一番スタートの文章で、現在の医療が維持できなくなるという文言から始まるのですけれども、やはり外科としては、集約化は、外科のところには記載をしてあったのですけれども、集約化は成績向上につながると考えております。
実際、論文でも遠方から来た方のほうが、先進的な治療、先進的な手術を受けて予後もよいという、そういう論文も出ておりますので、これは、よりよい医療を提供するためだと、できるのではないかと、そういうポジティブなニュアンスも、もし、加えていただけるとありがたいかなと思っております。
私からは、以上2点でございます。
○事務局 ありがとうございます。
意見として頂戴し、また、検討させていただきます。
○土岐座長 ありがとうございます。
ほかに委員の皆様方から、御意見ございませんでしょうか。
家保委員、どうぞ。
○家保構成員 衛生部長会の家保です。
非常にこれまでの議論をまとめていただいて、ありがとうございました。
特に、県の立場で言いますと、18ページの国の取組のところの最後に、がん診療連携拠点病院機能強化事業等の財政支援については、引き続き検討を行った上で、必要な予算の確保を図ることということが書いてあります。
今後、集約化とか、いろいろなことを都道府県協議会で議論する際に、やはりそこの議論を進めるための財政支援をするということを、ぜひともお願いしたいなと思います。
都道府県によっては状況が全然違いますので、やはり、先ほどお話がありました人の面の評価をすることと、それから連携を取るための経費とか、いろいろな課題が出てまいりますので、引き続き、その点については国として、積極的に検討と確保をお願いしたいと思います。
以上です。
○土岐座長 お願いします。
○事務局 家保先生、ありがとうございます。事務局でございます。
18ページに記載しておりますとおり、財政支援につきましては、検討を行った上で、必要な予算の確保に努めたいと思っております。
○土岐座長 ありがとうございます。
ほかは、よろしいでしょうか。
それでは、様々な御意見を頂戴しましたが、事務局で用意いたしました取りまとめ案につきましては、大きな異論はないというのが私の理解でございます。
個々の修文等につきましては、必要な場合があるかもしれませんが、この点は修正させていていただきたいと思っております。
大体そのような方向で、この取りまとめの取扱いにつきまして、おおむね皆様の御賛同を得たということで、後の修文等につきましては、座長に一任させていただきたいと思いますが、よろしいでしょうか。
(異議なしの意思表示あり)
○土岐座長 ありがとうございます。
それでは、事務局原案について取りまとめるという方向で御承認をいただきましたことを感謝申し上げます。ありがとうございました。
それでは、2つ目の議題でございます。「第6回がんゲノム医療中核拠点病院等の指定要件に関するワーキンググループからの報告」について、資料4でございます。こちらを事務局から、説明をよろしくお願いします。
○事務局 事務局を務めます、がん疾病対策課の千葉でございます。
それでは、資料4の説明に移らせていただきます。
こちらの資料でございますけれども、6月16日に開催いたしました第6回がんゲノム医療中核拠点病院等の指定要件に関するワーキンググループからの報告とさせていただいておりまして、今回は、親会であります本検討会に報告するものでございます。
資料の2ページ目と3ページ目に、こちらのワーキンググループで取りまとまった内容が記載されてございます。
資料の4ページ目には、ワーキンググループの取りまとめを踏まえまして、7月7日に改正いたしましたエキスパートパネルの実施要件についての主な開催事項について、記載させていただいているものでございまして、5ページ目は参考資料でございます。
では、まず、2ページ目でございますけれども、こちらは「第6回がんゲノム医療中核拠点病院等の指定要件に関するワーキンググループからの報告」というところで取りまとまった内容について記載させていただいております。
上の箱につきましては「今後のがんゲノム医療の方向性について」というところで記載がございます。
読み上げますと、遺伝子変異に基づく治療薬の開発が広がるとともに、標準治療の中にそれらの治療薬が組み込まれてきている。実際に、遺伝子変異に着目した薬事承認薬の数が増え、またがん遺伝子パネル検査の薬事審査の過程を経て、検査の分析性能が担保された遺伝子変異の項目数も増えてきている。これらについては、がん遺伝子パネル検討の結果解釈で行います、エキスパートパネルでの検討を経ずとも、質の高いがんゲノム医療を提供することが可能となりつつある。
2つ目としましては、がんの標準治療を実施することが求められる医療機関として位置づけられているがん診療連携拠点病院等において、がんゲノム医療が実施できるよう、関連学会等と連携し、その運用面、主にエキスパートパネルでございますけれども、運用面の改善を図りながら、質の高いがんゲノム医療の提供体制を構築していくことが重要であるとさせていただいております。
下には、ワーキンググループで取りまとまった「具体的な方針について」というところで書かせていただいているものでございます。
両括弧の1つ目に関しましては、固形がんのエキスパートパネル標準化の検討事項について(エキスパートパネル省略可能な症例の考え方について)というところで記載させていただいております。
こちらにつきましては、固形がんのパネル検査、既に10万件以上実施されているという状況でございますけれども、そちらの知見を踏まえて主治医の判断のもと、エキスパートパネルを実施すべきかどうかについて、判断可能な症例の考え方を明確化して、今後の見直しに向けて検討を進めるということにしています。
また、関連学会の見解を受けまして、主に薬剤アクセス及び二次的所見の有無の観点を考慮しまして、そちらの主治医判断で省略可能な症例とする考え方を整理するとしています。
また、C-CATレポート、がんゲノム情報管理センターの調査結果に関しましても、改定を進めることにしています。
両括弧の2つ目、3つ目に関しましては、後に述べます課長通知の一部改正に関わっているところでございますけれども、こちらは、エキスパートパネルの開催に関する考え方について及び構成員の要件についてということでございます。
現状エキスパートパネルは、基本的には、リアルタイム開催ということになっておりますけれども、十分な議論をできるという場合においては、持ち回り協議に、それができるようにしてはどうかというところにしています。
また、要件についてというところは、一部の構成員を認めてはどうかというところで記載しています。
両括弧4つ目「がん遺伝子パネル検査を行える施設について」、また、5つ目「臨床情報収集項目の見直しに関する考え方」というところでございますけれども、令和8年度に予定しております、がんゲノム医療中核拠点病院等の整備に関する指針というところの指定要件についてというところで、今後、質の高いがんゲノム医療の提供体制の構築を前提としながら、要件を検討するとさせていただいているものでございます。
臨床情報収集項目の見直しに関する考え方というものも併せて実施していく予定としています。
資料の3ページ目でございますけれども、先ほど述べました固形がんのエキスパートパネル省略可能な症例の考え方についてというところの具体についても、記載させていただいております。
こちらは、詳細を言及することは避けますけれども、二次的所見を疑う場合というところと、薬剤アクセスの観点というところで分類分けをしているものでございます。
下には、先ほど少し述べました構成員の要件重複についてというところで記載しているものでございます。
4ページ目に関しましては、こちらは、先ほど述べました課長通知の改正事項について記載させていただいているものでございます。7月7日付で一部改正を行っております。
上のリード文に記載しておりますように、がん遺伝子パネル検査の結果解釈のために行うエキスパートパネルの構成員が重複可能な要件を明確化する。また、がん遺伝子パネル検査の結果解釈のために行うエキスパートパネルを、全症例を持ち回り協議でも開催可能とするとさせていただいております。
具体の記載については、下に記載しているとおりでございます。
5ページ目に関しましては、参考資料でございます。
事務局からの説明としましては以上になります。
○土岐座長 第6回がんゲノム医療中核拠点病院等の指定要件に関するワーキンググループからの報告でございました。
ただいま事務局から発表された資料につきまして、御意見、御質問等ございましたら、委員の先生方から発言をよろしくお願いいたします。
よろしいでしょうか。それでは、全体を通じまして、もう一度振り返ってでも結構ですので、御意見、御質問等ございますでしょうか。
よろしいですか。それでは、議題1の取りまとめ案の個別の修正につきましては、事務局との調整の後、構成員の皆様にもう一度お送りいたしまして御確認を得てから、最終案として取りまとめさせていただきます。この点、御理解と御協力をよろしくお願いします。
それでは、事務局から一言最後によろしくお願いいたします。
○健康・生活衛生局長 健康・生活衛生局長の大坪でございます。
本日も先生方、御多忙のところ、お時間を頂戴いたしまして、昨年暮れから議論を丁寧に行っていただきましたことに心から感謝を申し上げます。
私どもといたしましては、85歳以上の人口増加、また、生産年齢人口の減少、2040年に向けたこうした動きを見据えて、今からどういった準備をしておくことが必要かと、そういった観点で先生方から御意見を頂戴してきたところでございます。
本日お示しさせていただきました事務局案、限られたデータの中で、学会の先生方にも大変な御協力をいただき、まとめさせていただきましたが、各先生方におかれましては、細かい数字の部分などで、少しもやっとした部分がまだ残っていらっしゃるかと思います。ここは座長とも相談をしながら修文を務めさせていただきたいと思います。
本日いただきました中で、おおむねの方向性につきましては御了解をいただいたと思っておりますので、これを踏まえまして、今後準備のほうを進めてまいりたいと思っております。どうぞ、引き続き御指導をいただけますよう、よろしくお願いいたします。
本日は、どうもありがとうございました。
○土岐座長 では、本会議は、これで終了とさせていただきます。皆様、最後まで御参加いただきまして、どうもありがとうございました。
照会先
健康・生活衛生局がん・疾病対策課
代表 03-5253-1111(内線4605)