第34回アルコール健康障害対策関係者会議 議事録

社会・援護局障害保健福祉部企画課アルコール健康障害対策推進室

日時

令和7年6月30日(月) 10:00~12:00

場所

航空会館ビジネスフォーラム(B101会議室)
(東京都港区新橋1-18-1)

議題

  1. 1.第3期アルコール健康障害対策推進基本計画に向けた検討について
  2. 2.その他

議事内容

○小野室長補佐 定刻となりましたので、ただいまより、第34回「アルコール健康障害対策関係者会議」を開催いたします。
 委員の皆様方におかれましては、御多忙のところ、お集まりいただきまして、誠にありがとうございます。
 本検討会はオンライン併用ですので、一部の構成員はオンラインでの参加となっております。
 ペーパーレス化の取組として、資料は原則としてタブレットで御覧いただきたく存じますが、操作等で御不明点や紙による資料の御希望等がございましたら、適宜事務局までお申しつけください。
 また、本日の会議は、あらかじめ傍聴を希望された方を対象に音声の配信を行っておりますので、御発言の際はマイクを近づけていただいた上で、お名前を名乗ってできるだけ大きな声で発言いただき、発言時はマイクを御使用いただき、発言されない際はマイクを切るよう御協力をお願いいたします。
 傍聴される方におかれましては、開催案内の際に御連絡している「傍聴される皆様へのお願い」事項の遵守をお願いいたします。また、会場設備の関係で音声に不具合が生じる可能性がありますので、聞き取れなかった箇所については、後日、議事録を公開させていただきますので、そちらで御確認をお願いいたします。
 本日の出席状況について御報告いたします。会場での御出席が、小野里委員、勝嶋委員、渋木委員、塚本委員、長嶺委員、林委員、稗田委員、松下会長、山口委員となっております。オンラインでの御出席が、石井委員、上村敬一委員、上村真也委員、江澤委員、金城委員、小松委員、志田委員、白石委員、平川委員、米山委員となっております。なお、平川委員におかれましては、オンラインでの御出席ですけれども、遅れての参加となります。現在、19名中18名出席されておりますので、会議が成立することを御報告申し上げます。
 また、参考人として、白峰クリニック院長補佐/臨床研究課長、金田一賢顕参考人に御出席いただいております。
 さらに、本日は、関係省庁より警察庁、法務省、国税庁、文部科学省、こども家庭庁、国土交通省よりオブザーバーとして参加いただいております。
 以上、よろしくお願いいたします。
 撮影はここまでとさせていただきますので、御協力をお願いいたします。
 この後の進行は、松下会長にお願いしたいと思います。
○松下会長 それでは、本日の議題に入りたいと思います。
 初めに、事務局より資料の確認をお願いいたします。
○小野室長補佐 お手元の資料の確認をさせていただきます。
 資料1-1 警察庁提出資料「飲酒運転をした者に対する指導等の取組について」
 資料1-2 法務省提出資料「刑事施設におけるアルコール依存回復プログラム等について」
 資料1-3 国土交通省提出資料「飲酒運転防止に係る国土交通省の取組」
 資料1-4アルコール健康障害対策推進基本計画改定の方向性(5.アルコール健康障害に関連して飲酒運転等をした者に対する指導等)
 資料2-1 「依存症の親を持つ成人のヤングケアラー経験に関する実態調査」の中間報告と第3期基本計画への政策提案
 資料2-2 アルコール健康障害対策推進基本計画改定の方向性(6.相談支援等)
 資料3 今後のアルコール健康障害関係者会議の進め方について(案)
 そのほか、参考資料1から6までを用意しております。
 不足等ございましたら、事務局までお申しつけください。
 以上となります。
○松下会長 それでは、議事次第2「第3期アルコール健康障害対策推進基本計画に向けた検討について」です。本日は、アルコール健康障害に関連して飲酒運転等をした者に対する指導等、相談支援等についての議論を進めていきたいと思います。
 まずは、1点目のアルコール健康障害に関連して飲酒運転等をした者に対する指導等について、本日は警察庁、法務省、国土交通省に御出席いただいておりますので、現在の取組状況などについて御説明をいただき、その後、事務局からの説明をいただきたいと思います。
 まずは警察庁より御説明をお願いいたします。
○警察庁 警察庁交通企画課交通安全企画官の牧でございます。
 本日は、警察における飲酒運転をした者に対する取組について御説明させていただく機会をいただきまして、大変ありがとうございます。
 それでは、早速ではございますけれども、説明をさせていただきます。
 資料の1ページをお願いいたします。
 こちらは近年の飲酒運転の事故及び取締りの状況になります。
 一番上の表につきましては、令和元年から令和6年までの全事故件数とそのうちの飲酒事故件数の推移になります。飲酒事故件数は6年前の令和元年には3,046件でございましたけれども、コロナ禍の時期を経まして、令和6年、昨年は2,346件となってございます。
 また、真ん中の表につきましては、全死亡事故件数とそのうちの飲酒運転によるものの推移になります。飲酒運転による死亡事故件数は、6年前の令和元年は176件でございましたが、昨年、令和6年には140件となってございます。
 一番下の表につきましては、飲酒運転の取締り件数の推移になります。御覧のように近年は年間約2万件で推移している状況でございます。
 次のページをお願いいたします。
 特定小型原動機付自転車の運転者による飲酒事故でございますけれども、これはいわゆる電動キックボードといった乗り物になります。最近、電動キックボードの飲酒運転が多いといったことも結構報道されておりますので、今回取り上げさせていただきました。
 昨年の特定小型原動機付自転車が関係する全交通事故338件のうち、飲酒運転によるものが51件とその割合が15.1%となってございます。自転車の事故では飲酒運転の割合が0.6%、また、一般原付の事故では0.5%となっておりますので、これらと比べまして電動キックボード、特定小型の飲酒運転の割合は相当高くなっている状況でございます。
 発生時間帯について見ますと、深夜0時から5時台が約7割ということで多くなってございます。
 次のページをお願いいたします。
 ここからは飲酒運転等をした者に対する指導等の取組について御説明いたします。
 まず、飲酒運転をした者につきまして、アルコール依存症等が疑われる場合の専門医療機関等につなぐための都道府県警察の取組の例といたしまして、一つは、飲酒運転で検挙された者についてアルコール依存症が疑われる場合、本人の同意を得た上でスクリーニングテスト等を実施するとともに、専門の医療機関等を紹介し、受診の働きかけを行っているといったものでございます。
 また、運転者の家族からアルコール依存症等について相談を受けた際に、専門医療機関を紹介するといったことも行っておるところでございます。
 それから、飲酒運転により、免許の停止または取消処分に該当する際の手続としまして、意見の聴取というものを行いますけれども、その機会に相談先等を紹介するといった取組についても実施しているところでございます。
 このほか、下のほうに写真などもございますけれども、警察署等でアルコール依存症に関するパンフレットを置いたり、リーフレットの配布ですとか、アルコール関連問題啓発週間におきましてポスターやチラシの配布等を行って、アルコール依存症の健康障害に関する広報等を実施しているところでございます。
 次のページをお願いいたします。
 次は、飲酒運転をした者に対する取消処分者講習の取組になります。運転免許の取消処分者講習の受講者のうち、取消し等の理由に、酒気帯び運転ですとか酒酔い運転などが含まれている者につきましては、他の取消処分者とは別に飲酒学級というものを編成いたしまして、取消処分者講習を実施しているところでございます。飲酒学級での取消処分者講習は2日間、2回に分けて合計13時間実施しております。2日目につきましては、1日目で設定した目標等の達成状況を確認するため、1日目から30日が経過してから実施することとしております。
 その講習内容につきましては、運転適性検査に基づくカウンセリング、実車の運転、運転シミュレーターの操作に基づく個別具体的な指導を行いまして、そういった中で運転時の自重、自制を促すといったこと、また、AUDITですとかブリーフ・インターベンション、飲酒運転をテーマとしたディスカッション形式の指導といったことを行うことによりまして、様々な飲酒行動の改善等のためのカリキュラムを実施しているところでございます。
 資料の下のほうに医療機関等における相談や治療を受けに行くきっかけとなる取組がございますけれども、受講者に対しまして地域の相談窓口ですとか医療機関等、自助グループなどのリストを配付しておりますほか、AUDIT等の点数が高かった者、また、言動等から依存症が疑われるような方につきましては、相談や受診を強く促しているところでございます。
 次のページをお願いいたします。
 最後に広報関係の取組について御説明いたします。
 警察庁のウェブサイトにおきましては、飲酒運転による死亡事故につきまして、年齢層別や発生時間帯別のデータを掲載しておるところでございます。
 飲酒運転による死亡事故の主な特徴としましては、発生時間としましては夜の22時から朝の5時台までで約6割を占めて多くなっている。
 また、年齢層別に免許保有者10万人当たりの死亡事故件数を見ますと、30歳未満の層で多くなっているといったこと。
 また、運転者の飲酒状況は、酒酔い又は酒気帯びでも呼気1リットル当たり0.25mg以上という比較的濃度の高い者が7割以上を占めています。こういったデータを取り上げているものでございます。
 ここにはございませんけれども、飲酒運転で事故を起こすと、その事故が死亡事故になってしまう割合につきましては、飲酒していない場合よりも約7.4倍高くなるといった危険性に関するデータなども掲載しておるところでございます。
 以上、駆け足ではございましたけれども、警察における飲酒運転の取組の説明になります。どうぞよろしくお願いいたします。
○松下会長 どうもありがとうございました。
 続きまして、法務省より御説明をお願いいたします。
○法務省 法務省矯正局の成人矯正課で補佐官をしております二ノ宮と申します。
 法務省からは、資料1-2について説明させていただきますが、矯正局というのは刑務所を担当している部署でございます。前半部分は刑務所での取組を御説明させていただきまして、後半部分は社会内処遇の御説明をさせていただこうと思います。
 最初は、刑事施設におきましてアルコール依存回復プログラムというのをやっておりますので、そちらのほうを御説明させていただきたいと思います。
 次のスライドをお願いいたします。
 指導の目標としましては記載のとおりでございますが、自己の飲酒の問題性を理解させ、その改善を図るとともに、再飲酒しないための具体的な方法を習得させるというものでございまして、対象者としまして2パターンございます。一つは、こちらも読み上げさせていただきますが、交通安全指導対象者のうち、アルコール依存回復プログラムを受講させることが効果的であると認められる者、これは交通事故ですとか、交通事犯で受刑した者について、最初の時点でいろいろ調査をするわけなのですけれども、そのときに、事件の背景に飲酒が関係する事件である場合ですと、アルコール依存の程度というのを調べるのですが、アルコール依存度が高い者については、基本的にはこのアルコール依存回復プログラムというものを受講していただくということにしております。全国で交通事犯で受刑になった人たちをたくさん集めてくる刑務所というのが幾つかあるのですけれども、そこに入ってきた人たちには必ずこれをやってくださいとしてきたところでございます。
 2番目なのですけれども、飲酒の問題が本件や本人の心身の健康に影響を与えるもの、アルコール依存というのは交通事犯だけには限らなくて、いろいろな事件につながると思います。本当に生活の崩れから、窃盗からいろいろな影響が飲酒にはありますので、事件を調べたら、これは事件の背景に飲酒の問題があるなというような受刑者については、このアルコール依存回復プログラムというのを受講してもらうことにしています。ただ、これは全員できているかというと必ずしもそうではなくて、基本的に各刑事施設で可能な範囲で実施するという形になっているところでございます。
 次に、指導者でございます。刑務所の中には刑務官のほかにも法務教官とか法務技官と言われる教育を学んでいる職員ですとか、法務技官というのは心理の専門職なのですけれども、こういった者が何人かおります。この人たちを中心に指導していただいている。また、民間協力者にも協力いただいているところです。AAの職員ですとか断酒会の方に来ていただく。当事者の方にも来ていただくこともございます。そういった講師の招へい、謝金という形で予算措置も各施設に行っているところでございます。
 指導方法ですけれども、基本的には認知行動療法というものでございまして、グループワークの手法を用いております。大体6名から8名くらいのところでやっているところが多いかなと思います。
 実施頻度ですが、1単元60分から90分くらいで8単元のセットのカリキュラムとなっておりまして、標準実施期間としてはおおむね2か月から4か月くらいでやっているところでございます。
 次のスライドをお願いいたします。
 これがカリキュラムの単元でございます。御覧のとおり、認知行動療法に基づいて自分の飲酒に至る流れ、引き金ですとか、そういったものを自覚していただいて、それに対してどうやって対処していこうか、再発防止といいますか、再飲酒防止のためにどのように生活していきますかというのを考えさせるものとなっております。
 特に単元の7番と8番、これは人間関係ですとか出所後の生活を考えるところですが、民間事業団体等の民間協力者に来ていただいて、いろいろと考えさせているところでございます。特に8単元目、最後のところで自助グループの方に来ていただくパターンが多いかなと考えております。
 また、最後に自分の再発防止策ですとかそういったものをまとめたものですとか、自分なりの対処方法だとかを考えさせたりしたことを書かせて、それをお守りとして出所後に持たせるということもしております。そのお守りの中には、自分のことだけではなくて、社会に出たときの自助グループについて、どういったものがあるかをリスト化しているものもございます。AAの連絡先ですとか、マックの連絡先ですとか、そういったものを一覧として持たせているというようなところでございます。
 次のスライドをお願いいたします。
 これは実施人員の推移です。大体500名前後で推移しているかなと思います。
 今後なのですけれども、先ほど最初に交通事犯者でアルコールの問題がある人には全てというような言い方をしましたけれども、交通事犯の人たちが集まる刑務所が大体2移設から3施設ぐらいあるのですけれども、そこの施設には必ずやってくださいと。ただ、交通事犯の人は実は他の施設にもばらけて存在しているところがありまして、そういう人たちにも必ずやってくださいよということを今年度から開始したところでございます。ですので、この人数は今後増えてくるかなと考えているところでございます。
 刑事施設からは以上でございます。
○法務省 続きまして、法務省保護局で法務専門官をしております谷と申します。
 法務省保護局では主に刑事施設の出所者や保護観察付執行猶予者に対して指導・支援を行っております。
 保護観察所でも飲酒運転事犯者への介入のための「飲酒運転防止プログラム」というものを行ってございます。指導の対象は、資料に記載のとおり、主に仮釈放者や保護観察付執行猶予者となっております。刑務所を出所する人全員が仮釈放ということにはならず、満期釈放という形で刑期いっぱいまで勤めて出るという方も多いのですが、そうではなくて、収容中の行状等によっては、少し早めに社会に出して保護観察所の処遇を受けさせようということで、仮釈放という制度が設けられておりまして、その仮釈放者等を中心にこのプログラムを実施しております。
 対象となる罪名です。この点線で囲っている部分ですけれども、危険運転致死傷とか酒酔い、酒気帯び、あとは過失運転致死傷のアルコール等影響発覚免脱を対象としていまして、刑事施設のプログラムは割と幅広くアルコール依存の者を対象としているのに対して、保護観察所のプログラムはもともと作られた背景として平成19年頃に飲酒運転が大変問題になった時期があり、その当時に検討を始め、当時、久里浜アルコール症センターの樋口院長等にもアドバイスをいただきながら作成した飲酒運転事犯者専用のプログラムとなっております。
 プログラムの内容は先ほどの刑事施設のものと似通っていて、下半分のところになりますが、同じようにアルコール依存等の知識を与え、自分でどういうふうに飲酒運転を繰り返さないでいけるかというセルフコントロールのやり方を身につけるという認知行動療法をベースとしています。ただ、当然、アルコール依存症を自分一人の力でやめ続けるというのは大変難しいというところがありますので、依存症の知識を付与しながら、同時にこういう医療機関や自助グループがあるよということも伝えて、そこにつながるように働きかけるということを行ってございます。 実施方法としては、保護観察官が大体2週間に1回程度の面接を行います。個別形式が多いですけれども、全国の中では集団で実施しているところもございます。その中で自分のこれからの生活計画というのをつくらせていくというような内容になっております。 右側により詳細な内容を書いておりますけれども時間の関係もありますので、こちらは割愛させていただきます。
 次のスライドが全国でのプログラムの実施状況の推移でございます。平成22年から継続しておりまして、こちらは直近5年間の受講者数を表示したものですけれども、年間大体200~250名程度の受講者となっております。黄色の部分が刑務所からの仮釈放者ということで、大体7割以上を占めていて、やはり刑事施設の指導の後を受け継ぐというところが大きく、先ほど刑事施設で受講対象を交通事犯が集まる刑務所に限らず全国的に実施していくというような話が出ていましたけれども、その影響を受けて今後、保護観察所のほうでも刑事施設のアルコール依存回復プログラムを受けた人がより拡大してくると、そこをどう社会内処遇につないでいくかということが課題になるのではないかなと考えている次第でございます。
 法務省からは以上でございます。
○松下会長 どうもありがとうございました。
 続きまして、国土交通省より御説明をお願いいたします。
○国土交通省 私は国土交通省物流・自動車局安全政策課の西山と申します。本日はよろしくお願いいたします。
 私からは、バス、タクシー、トラックといった事業用自動車、自動車運送事業につきまして飲酒対策を実施しておりますので、いわゆる緑ナンバーだとか、軽貨物だと黒ナンバーでございますが、その点について御説明させていただきます。
 次のページをお願いします。
 こちらが事業用自動車による飲酒運転事故件数の推移となりますけれども、長期的に見れば右肩下がりではありますが、やはり近年では下げ止まっているところがあります。特に令和6年につきましては、38件中35件がトラックにおける飲酒運転事故となっております。
 こういった状況を踏まえまして、我々としましてはこういった飲酒運転の事故をゼロにしていくという目標を掲げておりますので、幾つかの取組を御紹介させていただきます。
 次のページをお願いします。
 こちらが国交省としての緑ナンバー、黒ナンバー対策になりますが、まず左上のとおり、令和6年、去年の3月に公表しておりますが、飲酒運転防止マニュアルを作成して周知しております。特にこのポイントとしましてはスクリーニング検査というところを推奨しております。こちらを使って、事業者さんから運転手に対して指導監督の中でしっかり運転者への飲酒運転は駄目だよと。そういったところの意識をしっかり持っていただくところで、こちらのマニュアルを御活用いただいているというところでございます。
 続きまして、この左下のところになりますが、こちらは飲酒運転に対する行政処分の基準を強化したものとなります。赤枠の部分が昨年10月より新設したものでして、上のところでいうと、事業者が当該運転者に対して飲酒運転防止に係る点呼の実施義務違反の場合につきましては、初違反で100日車。こちらの日車という表現はあまりなじみがないと思いますが、例えば100日車という処分がかかった場合、5台を20日間止める。止める延べ日数をこちらで表現しています。なので、従来であれば10日間全部止めなくてはいけないといったものになります。
 続きまして、もう一個下の事業者が当該運転者に対して飲酒運転防止に係る指導監督事務、こちらの場合も初違反については100日車。こちらは全てどんどん上乗せされていくことになりますので、飲酒運転を引き起こしてしてしまった場合はこういったものが足し算で処分がかかるということで、かなり厳罰化したと認識しております。
 続きまして、右上のところになりますが、先ほどマニュアルを通じてスクリーニング検査推奨していると申し上げましたが、そういうところを我々としてもしっかり把握するという意味では、今年の4月から、重大事故が起きたときには、こちらは法律に基づいて事業者さんから国交省に報告しなければならないとなっているのですけれども、報告する項目としてスクリーニング検査の受診状況を報告していただくという改正を行っております。
 最後に右下のところですが、アルコール・インターロック装置につきましては、導入補助を令和4年度から実施しているところでございます。
 このほか、ここには書いておりませんが、飲酒運転防止のセミナーだとかは毎年行っていますので、そういったところでしっかり事業者に対する啓発活動も行っているというところでございます。
 国交省からの説明は以上です。ありがとうございます。
○松下会長 ありがとうございました。
 続きまして、事務局より御説明をお願いいたします。
○羽野推進官 厚生労働省の羽野でございます。
 資料1-4を御覧いただければと思います。
 この資料は、これまでの関係者会議において御意見をいただいた内容、それから、本日御説明いただきました各省庁の取組内容などを踏まえまして、このアルコール健康障害に関連して飲酒運転等をした者に対する指導等というところについて、次期計画に向けた改定の方向性として、事務局としてこういうものが考えられるのではないかということで大まかに御提案するものでございます。
 下に6つ○がございます。1つ目の○でございますけれども、これは取消処分者講習についてでございます。先ほど警察庁から現在の取組状況について御説明があったところでございますけれども、アルコール依存症のおそれのある者が医療機関の治療や相談を受けに行くきっかけとなるような取組を行うということ、それから、受講者自身の気づきにつながるような講習の見直しを進める。そういったことについて記載をしてはどうかというところでございます。
 2点目の○のところでございます。これは刑事施設や保護施設における対応についてでございます。先ほど法務省から御説明がございましたけれども、アルコール依存回復プログラムなどの専門のプログラムに取り組んでいただいているところでございますけれども、刑事施設や保護観察所における指導の充実について検討してはどうかと考えてございます。
 3つ目の○でございます。こちらは交通安全教育についてでございます。交通安全教育の機会などを活用して、アルコール依存症のテストなどの積極的な広報を行っていただく。それから、アルコール依存症のおそれのある者やその家族の気づきのきっかけとなるような取組を進めていただく。そういったことを記載していったらどうかというところでございます。
 次に4点目、それから、5点目になりますけれども、こちらは自動車運送事業者向けの飲酒運転対策でございます。先ほど国土交通省より御説明いただきましたけれども、4点目は令和6年度に作成された自動車運送事業者における飲酒運転防止マニュアルについてさらに周知していってはどうかということでございます。
 5点目ですが、アルコール・インターロックについても先ほど御説明いただきましたけれども、導入補助が実施されているということでございますが、インターロックの普及促進について記載していってはどうかというところでございます。
 最後に6点目でございます。飲酒運転防止条例につきましては、既に一部の自治体において条例が制定され、その状況について厚労省のほうで一定の調査研究をやっているところでございますけれども、最新の状況を把握していくという観点から事例を集めて、それを横展開するという観点から周知していってはどうかと考えてございます。
 資料1-4の御説明は以上でございます。
○松下会長 どうもありがとうございました。
 それでは、各省からの御説明及び事務局からの説明について、御意見や御質問をお願いしたいと思います。
 発言時は、会場参加の方は挙手の上、オンライン参加の委員は挙手機能を使用の上、私のほうで指名させていただきますので、その後御発言いただくよう、御協力のほど、よろしくお願いいたします。
 それでは、いかがでしょうか。
 どうぞ。
○林委員 断酒会の者です。
 今、厚労省からあった資料1-4の3段目、アルコール依存症のおそれのある者やその家族の気づきのきっかけとなるような取組を進めるとありました。断酒会は法務省からの依頼で飲酒運転による受刑者のアルコール依存症回復プログラム等に参加させていただいて、自助グループによってアルコールに頼らない生活が送れることを伝えています。私も10年ほど参加しています。しかし、彼らが出所後、自助グループにつながったというケースは何例もありません。アルコール依存症の可能性を強く秘めた人間が、それに対する治療や支援、ひいては自分の持つ課題に向き合うことなく放置されています。
 それと、福岡県と三重県では条例で飲酒運転検挙者は医療にかかるように努力義務が課せられていますけれども、どちらの県も努力義務ですので、医療に出向く方はほとんどいません。
 アルコール依存症者やその家族は、アルコール依存症であるという事実を認める、また、受け入れるまでに大きな格闘があり、医療で診断を受けた者でさえ受け入れるまで時間を要しています。飲酒運転の罰則は年々厳罰化されて、社会的・経済的制裁が課せられています。飲酒運転の死亡事故は減少傾向にありますけれども、日々報道される飲酒による悲惨な事故は収まることはありません。社会にとって悲惨な状況を未然に防ぐため、飲酒運転検挙者を各都道府県が指定するアルコール依存症治療拠点機関、専門医療機関に受診することの義務化を決めてもらいたい。決して厳罰化だけでは根本的な社会的課題の解決にはならないと考えます。専門医療機関を受診することで、本人やその家族の気づきのきっかけになり、次の飲酒運転をなくす効力があると考えます。
 以上です。
○松下会長 ありがとうございました。
 オンラインのほうでは平川委員、小松委員、江澤委員、上村敬一委員から挙手をいただいています。
 それでは、平川委員、小松委員、江澤委員、上村委員の順番でお願いしたいと思います。
 まず平川委員、お願いいたします。
○平川委員 ありがとうございます。日本精神科病院協会の平川です。
 今、断酒会の方からも意見が出ましたけれども、全くそのとおりで、アルコール依存症はいわゆる否認の病気と言われていまして、どんな状況になってもアルコールについては問題ないと思ってしまうという病態があります。
 ですから、先ほど警察庁の方の対策とか法務省の話を聞きましたが、警察庁のところの取組はあくまで紹介のレベルなのです。情報提供をして、本人が行くならそれでいいと。その後の法務省についてはきちんとしたプログラムをされているようにも思うのですけれども、本人自身がきちんと自分はアルコール依存症だという認識を持ってもらわないと、結局困っているのは御家族で、本人は何も困っていないという状況になってしまいます。
 そういう意味で、先ほど資料1-4にありました受講者自身の気づきのきっかけとなるようなというところについては、ぜひ専門医療機関を受診させるように義務づけするというのは非常に重要なことだと私も思います。スタートがボタンのかけ違えというか、かけないで幾らそういう講義を受けても、これは全く意味がなくて、勉強が嫌いな子どもが塾に行って遊んでくるようなものになってしまいますので、ぜひ受診をしていただいて、問題意識を本人がきちんと持つような、動議づけといいますけれども、そういうことを我々専門医療機関にさせていただきたいというのが一つです。
 もう一つ、AUDITの話が何件か出てきていましたが、この普及が非常に悪いのです。診療報酬でもAUDITの普及について要望を出しているのですが、一番安い800円の認知症のスケールの長谷川式というようなもののレベルでもいいから診療報酬に載せてくれという要望しているのですけれども、今のところは認められていません。
 多くのアルコール依存症者は内科の医院にかかってγ-GTPがちょっと高いだ云々という話をしている方が多いので、そういうところでAUDITを普及して、専門医療機関に来る前にきちんとピックアップができるような体制というのも一方で必要かと思っていますので、診療報酬は話がちょっと違うかもしれませんが、私としてはお願いしたいと思います。
 以上2点です。よろしくお願いいたします。
○松下会長 ありがとうございました。
 続きまして、小松委員、お願いいたします。
○小松委員 私も今、お二方の委員の先生、特に平川先生、本当に治療につながらないことには、しかも、ある程度強制力を持たないことにはこれ以上の進展は望めないと思うのです。厳罰化すると、一旦下がる。だけれども、横ばいになる。そこでまた厳罰化する。ちょっと下がる。だけれども、今、ずっと踊り場状態にあると思います。本当に警察庁の方も法務省の方も今の人員でできる範囲で一生懸命やってくださっていることは分かるのですけれども、やはり人数が増えませんよね。これはやはり施設のほうの教育のキャパということがあると思いますので、しかも、先ほど言ったように情報提供にとどまっている。そこはやはりまずいと思うのです。実際に筑波大の吉本先生たちの研究でも、確かに断酒会の委員の方がおっしゃったように、受診義務があっても受診をする方は少ないのです。しかも、軽い方が多い。それは、例えば罰金を5万円取られるとかとなると、きっと皆さん受診すると思うのですけれども、ただ、そういうふうなことであっても、福岡県と三重県とそれ以外のそういうことをやっていない県のその後の治療の関わり方というのは、吉本先生が調べたら明らかに差があるのですよね。そういう研究は出ております。ですから、やはり受診義務を課す。しかも、ある程度強制力を持って課すということが本当に必要ではないかと思います。
 あと、保健の場面でも、それから、こういう矯正のところでもAUDITは使われてきているのですけれども、肝心の医療の場面で使われていない。これも本当に平川先生がおっしゃるとおりで、前回、AUDITの診療報酬化チャレンジを試みた。私が中心になってやったのですが、今回も試みておりますので、これもこの場では直接は関係ないですけれども、ここで話せる話ではないですけれども、ぜひ皆様方も考えていただければと思います。
 以上でございます。
○松下会長 ありがとうございました。
 では、続きまして江澤委員、お願いいたします。
○江澤委員 ありがとうございます。
 私からは質問をさせていただければと思います。
 まず、資料1-1につきまして、事故とか取り締まりの件数が出ているのですけれども、初犯と再犯の割合とか、あるいは依存症の占める割合というのがもし分かれば教えていただければと思います。
 また、こういったアルコールの飲酒運転をする動機については、何か調べられていれば、データとか調査結果があれば教えていただきたいと思います。
 もう一つ、3点目は、キックボードは今ヘルメットが努力義務だと思うのですけれども、今後、義務化の検討の余地があるのかどうか。
 資料1-1についてこの3点で、もう一つ、資料1-2につきまして、いろいろプログラムのお示しがあったのですけれども、精神科医師の関与とか協力は今入っているのかどうか。そして、現在やっているプログラムの効果について分かる範囲で教えていただければと思います。資料1-2についてはこの2点の質問でございます。よろしくお願いします。
○松下会長 ありがとうございました。
 それでは、警察庁、法務省からお話をいただいてもよろしいでしょうか。
 では、まず警察庁からお願いいたします。
○警察庁
 警察庁でございます。
 今、質問をいただきましたが、一つは、飲酒運転検挙者が専門医療機関を受診するということの義務化という意見が複数あったと承知しておりますけれども、都道府県警察の中では検挙の時点で依存症とかそういったものが疑われる方につきましては、スクリーニングテストですとか、それに基づいて医療機関の紹介といったことをやっているところがあるものと承知しております。ただ、全国的にどうかというところもありますので、義務化というものでそういったことを全国的に広げて推進していくということも重要なのかなと考えているところでございます。
 それから、データの話がありましたけれども、飲酒運転の取締り件数における初犯と再犯の割合ですとか依存症の割合、動機、この辺については今のところデータというのはございませんので、御提示することはできかねるところでございます。
 それから、質問がうまく聞き取れなかったのですけれども、電動キックボードのヘルメットの努力義務についての質問でよろしいでしょうか。
○江澤委員 今、ヘルメットは努力義務かと思うのですけれども、我々も町中で見ていて、車の運転もしたり、タクシーに乗ったりする中で危ない場面によく出くわします。ヘルメットを着用されていない方が都内でもよくお見受けするので、もちろん飲酒に関わりませんけれども、ヘルメットの着用というのは今後義務化については検討の余地があるかどうか、検討されているかどうかをお伺いしたところです。
○警察庁 承知しました。
 義務化の方向性ということなのですけれども、電動キックボードは努力義務化ということで、なかなかヘルメットをかぶっていただけていないという現状は承知しております。これも一つの課題ではありますけれども、多くの電動キックボードはシェアリングといったものでございますので、そのシェアリング業者といったものになるべくヘルメットをかぶっていただけるという取組を継続して検討しているところでございます。今のところ、義務化というよりも、まずは現状よりも少しでもヘルメットをかぶっていただけるようになればというところでございます。
○江澤委員 江澤ですけれども、ありがとうございます。
 事故取り締まりの初犯か再犯かというのはあまりデータがないということですか。どちらが多いのかとか、要は同じ人が繰り返すのか、初めての方が多かったり、あるいは飲酒運転は依存症の人たちばかりでは当然ないわけなので、どういうところをターゲットに対策を取るかというのが重要かと思うのでお伺いしたのですけれども、印象でもいいですけれども、その辺りはいかがでしょうか。
○警察庁 先ほども申し上げましたけれども、現在のところ、初犯か再犯かといったデータですとか、その方が依存症であったかといったものですとか、また、動機については、こういったのデータは把握していないところでございます。
○江澤委員 現況の中では分からないということですね。ありがとうございます。
○松下会長 それでは、法務省からお願いできますでしょうか。
○法務省 プログラムに関して、医師の関与とプログラムの効果について御質問があったかなと思います。
 刑事施設は全て常勤の精神科系のドクターがいるわけではなく、なかなかお医者さんは入ってこないところが多いかなと思っております。あくまで心理系の職員、教育系の職員が中心に回しているところでございます。
 【プログラムの効果なのですけれども、簡単な効果検証しかできておりませんで、これもちょっと昔なのですけれども、平成30年頃にこのプログラムを受けた人の質問紙による前後比較といったものをやって、本人の認識がどんなふうに変化しているのかというのを調べたものがございます。SOCRATESですとか、酒害認識尺度といいますか、そういったものを調べてみたところですけれども、基本的には酒害に対する認識が高まって、自分がアルコール依存症なのではないかというような迷いが出始めているですとか、SOCRATES上、認知ですとか、ためらいですとか、あるいは飲酒したい欲求に対して対処できるような気がしてきたという自己効力感が高まっているとか、そういった問題意識ですとか、ちゃんと自分のアルコールの問題に対して対処していかなければならないという意欲ですとか動機づけ自体は高まっているといった効果が、質問紙尺度上は出ているところでございます。
 私からは以上です。
○法務省 法務省保護局のほうから若干補足させていただきますと、精神科医師の関与という点について、これはアルコールに限定した話ではなくて、保護観察所の場合、薬物依存症の対象者も多い状態にありまして、そうした者も含めて、依存症の専門医療機関の先生にスーパーバイザーとしてお越しいただき、保護観察所でのプログラムの実施状況について御助言いただくというようなことは行ってございます。
○江澤委員 どうもありがとうございます。
 専門医師の関与や協力は必ずしも専従、常勤である必要は全くないと思いますので、非常勤でスポット的にもいろいろ協力する方法はあるかと思いますから、専門的な知見からのプログラム提供も必要ではないかなと思いますので、また必要があれば御検討いただければと思います。
 以上でございます。ありがとうございます。
○松下会長 ありがとうございました。
 では、続きまして上村敬一委員、お願いします。
○上村(敬)委員 どうもありがとうございます。上村でございます。
 今まで多くの先生方が質問されたことなので、重複する部分は避けたいと思います。
 幾つか補足ですけれども、私が診療しています福岡県は罰則規定、受診義務があって、受診をしなければ罰則で罰金が取られるのですけれども、それでも実を言うと100%ではないのです。お金を払ってでも受けないというような受診をしないという方が実際は少なくありません。数字を今探したのですけれども、失念していまして申し訳ございません。
 そういう意味で、やはり義務化というのはとても大事なのではないかなと思っておりますので、実は警察庁の方々にそれに関連した質問なのですが、いわゆる指導をしているということなのですけれども、実際に受診をしたという確認はなさっているのでしょうかというのが一つの質問です。もしもそういうデータがあれば教えていただきたい。
 あと、取消処分者講習は受けられた方が結構な数で多い、令和6年度中の受講者は1万人を超えていらっしゃるようなのですが、実際にその後のフォローアップというか再び飲酒運転をしていないかどうかとか、あるいは何か医療につながったかとか、そういった統計のデータ、資料がありましたら教えていただきたいなと思いました。
 それから、国交省の資料でいわゆる事業用の自動車という言い方をされておりおられまして、口頭の説明でいわゆる緑ナンバーだという話でした。私は思うのですけれども、診療所でアルコール依存症の患者さんの診療を行っておりまして、一般の企業でいわゆる営業車ですね。決して緑ナンバーではないような車を運転なさっているような方々というのもよく診療の中で見ております。なおかつ前日のお酒が残っているのではないかというような状況での飲酒運転というのを聞きます。検挙されるとかというようなエピソードがあったとしても、それは午前中、朝の時間帯であったりします。
 となってくると、やはり事業をなさっているところに対してはいろいろな監督ができるかと思うのですけれども、通常の車を使っているような事業所ですね。通常の会社などに対しては何らかの措置があるのでしょうか。例えばそれによって、先日日本郵便が処分になりましたけれども、アルコールチェックが義務づけされていますが、それがどの程度きちんと実施されているのかというような検証というのはされていらっしゃるのでしょうか。されてなければ有名無実だと思いますし、抜け道がたくさんあるよと言ったらどうしようもない。逆に言うと、ちゃんと検証がされているから今回の摘発があったのかもしれませんけれども、その辺りをよろしければ教えていただければと思っております。
 私のほうからは以上でございます。
○松下会長 ありがとうございました。
 それでは、警察庁からよろしいでしょうか。
○警察庁 警察庁でございます。
 まず最初の御質問で、検挙時などの機会に依存が疑われる方についてもいろいろ指導をしている中で、医療機関を受診することの勧奨をしているという取組の事例もあるわけですけれども、一部の県では勧奨した後、実際に医療機関を受診したかというのを確認するといったことを規定して実施しているところもあると承知しております。
 それから、取消処分者講習のフォローアップということなのですけれども、その後、受講者の飲酒状況はどうなったのか、そういったデータというのは現時点では保有していないといったところでございます。
 それからもう一点、事業用車両ではない通常の車なのですけれども、一定台数以上を保有する事業所等におきまして安全運転管理者というのが置かれまして、先ほど先生がおっしゃられたようにアルコールチェックが義務づけられたところでございますけれども、今、網羅的に実施状況等を把握したデータというのはないところでございます。
 以上になります。
○松下会長 ありがとうございました。
 国土交通省さんはいかがでしょうか。
○国土交通省 御質問ありがとうございます。
 私、国交省の立場で言うと、いわゆる道路運送法だとかいわゆるトラック法という貨物自動車運送事業法、こちらの法律に基づいて事業者監督しているものですので、事業用自動車と私から御説明させていただいているのは、あくまでもバス、タクシー、トラックに限るということなります。こちらにつきましては、先生にも先ほど御指摘いただきましたけれども、アルコール検知器によるアルコール検査につきましては、点呼、要は運転者が業務前あるいは業務後に義務づけられているところでございますけれども、こちらにつきましてはまずしっかり点呼が義務づけられておりますので、アルコール検査以外にも健康状態がどうなのかとか、あとは自動車の日常点検をしっかりしているかとか、こういったところが義務づけられているわけですけれども、こういうところをしっかりやっていないところにつきましては当然監査に入って、そこの内容に応じて処分に進む。そこにつきましては、監査をどうやってやっているかというのは、我々の手のうちを明かしてしまうみたいなことになってしまうので、あまり詳細にはお答えできないのですけれども、そこは幅広く、各運輸支局は全国に監査担当者がおりますので、いろいろな情報収集を通じて、しっかりやっていないところと疑われるところについてはしっかり監査に入って、そこで違反する事実があれば適正に厳正に処分、手続をしていくといった状況でございます。
 以上です。
○松下会長 ありがとうございました。
 上村委員、よろしいでしょうか。
○上村(敬)委員 となると、確認なのですけれども、あくまでも事業用車両においてであって、その範疇にないところで、営業とかで車両を使っているような事業所に対してはそういう監督が行き届かないということですね。
○国土交通省 そこは先ほど警察庁さんから御説明いただいたように、私から御説明してしまっていいのか分からないですけれども、一定規模以上の事業者に対しては、先ほど警察庁さんからお話があったように、点呼の義務づけだとかそういったところはやられていると思うので、そういったところを通じてしっかり規律を持ってやっていると私は認識しておりますが、警察庁さん、よろしくお願いします。
○上村(敬)委員 いえ、ありがとうございます。
 確認したかったのは警察庁と国交省で管轄が違うよねという話で、そのときに監督する際の基準とか、あるいは報告の形とかが統一されているのかしらというところが疑問というか気になったので質問させていただきました。ありがとうございました。
○松下会長 ありがとうございました。
 会場のほうで塚本委員から挙手をいただいております。よろしくお願いします。
○塚本委員 ありがとうございます。
まず一つ、矯正局の中での取組なのですけれども、カリキュラムとして1単元60分から90分、それを8単元。これを2か月から4か月という単位でやっているということでした。私も実は依存症の回復施設に通ったことがあります。その施設では、基本的に3か月のターンでやるもので、それをできるだけ繰り返してやっていくプログラムで、半年もしくは1年以上かけて依存症の回復に向き合うということをやっています。
矯正局のカリキュラムの2か月から4か月では、私としては短いという印象です。それこそ酒が飲めない刑務所の環境で受けるプログラムです。その後、刑務所を出て、酒が飲める環境になってから、自助グループにつなげるというのはすごく難しいことだなと思うのですけれども、その辺、先ほど林委員からあったように、自助グループに行き続けるためにはどういうことが必要なのかという視点がカリキュラムには必要だと思いました。
依存症の当事者がカリキュラムの7、8に関わっているということだったのですけれども、もう少し関わってもいいのではないかなと思いました。もう一つ、警察庁のデータの中でいろいろなデータが出ているので、例えば電動キックボードで飲酒運転を起こした人の年代であるとか、発生した時間帯別とか、私たちASKでは飲酒運転の啓発のものを行っておりますので、こういった年度ごとのデータというのはすごく役に立ちます。啓発として、まずはどういうところにアプローチすればいいのか、とても役に立っていいなという意見です。最後に、国土交通省のインターロックの話があったと思うのですけれども、私が、聞き逃していたらごめんなさい。補助導入を実施してから、今、件数がどれぐらいなのかというのを知りたいなと思いました。先ほど厚労省の基本計画の方向性の中で普及の促進というのが出ていたと思うのですけれども、今どれぐらい出ているのか。金額の半分補助するのは結構大きいと思ったので、どれぐらいなのかを聞かせてください。
○松下会長 ありがとうございました。
 そうしましたら、法務省さんからよろしいでしょうか。
○法務省 貴重な御示唆、御意見をありがとうございました。まさしくそのとおりかと思います。確かに3か月はちょっと短いなと。説明をさせていただきますと、ほかにもいろいろ指導をしなければいけない中で、まさに交通事犯の交通事故に焦点を当てた指導もございますし、その他の指導、あとは作業もある中で、少しでもアルコール依存に関する指導をやっている状況があります。ただ、引き続き対象者は増加できるように努力したいと考えています。中には、確かに先ほどグループで8人くらいと言いましたけれども、人数合わせという意味も入れつつ、複数回やるという受刑者もいるところではございます。
 また、当事者の方に指導に入っていただくことも今後も力をも入れる。確かに7回、8回、ここら辺は必ず入れてもらうところです。謝金ですとかの実情だとかを併せて、全てのカリキュラムに入ってもらうという施設もあるとも感じますけれども、できるだけ当事者が入って一貫した形でプログラムを組めるように考えたいと思います。
ありがとうございます。
○松下会長 ありがとうございました。
 続きまして、警察庁さん、お願いします。
○警察庁 データの話をいただいたかと思うのですけれども、年代別、時間帯別、ここに掲載しておりますのは一部だけですので、警察庁のホームページや都道府県警察のホームページにもそれぞれ飲酒運転等の状況とかは掲載しておりますので、ぜひその辺も参考にしていただければと思いますし、我々もさらにどういった統計の情報を出していくべきかということも検討をしてまいりたいと思っております。
 以上でございます。
○松下会長 ありがとうございました。
 それでは、国土交通省さん、お願いします。
○国土交通省 先ほどの御質問はアルコール・インターロックの装置の補助ということですけれども、補助金につきましては衝突被害軽減ブレーキのようないろいろな技術的に有効なものについて補助しておりまして、その中の一つのメニューでアルコール・インターロックがあります。大体令和4年度からこちらの補助をやっておりますけれども、本当に数件程度で、特にトラックが多いという状況ではあります。ぜひ事業者さんには申請していただいて、我々としてはしっかりやりたいなという思いもあるのですけれども、申請自体はまだまだ少ないなという状況ではあります。その点は課題なのかなと思います。ありがとうございます。
○松下会長 ありがとうございました。
 オンラインのほうで小松委員から挙手をいただいております。小松委員、お願いします。
○小松委員 追加なのですけれども、江澤委員のほうから、飲酒運転の初犯と再犯はどのぐらいなのかというのと、それから、依存症ではない方ももちろん飲酒運転をやる場合もあるだろうけれども、依存症の方とどういうところが違うのかという御質問があって、データは把握していないというお話だったと思うのですが、実は久里浜の樋口先生たちが、全国のサンプルではないですけれども、飲酒運転をした方たちをAUDITで区切って、それで依存症疑いと疑いでない人たちできっかけがどういうふうに違ったかというのが出ていて、どうしても我慢できなかったなどの、明らかにコントロール喪失というような項目がAUDITの点数が高い人たちは物すごく多いのです。そういうようなデータは出ております。それから、初犯と再犯の違いでいくと、再犯の人のほうが明らかにAUDITの点数が高い。つまり、重症群ほど治療につながっていない。再犯しているというようなデータも出ております。私、去年、厚労省の飲酒運転の背後にある依存症というシンポジウムの演者をしたときに調べましたら、そういうデータがありましたので、そこのパワポの中には載せてありますので、情報提供としてお話しさせていただきます。
 それから、事業者ということで、やはり事故が起きたときのダメージが大きいので、どうしてもトラックとかというところに行ってしまうと思うのですが、タクシーは盲点だと思うのです。実は自分の車を廃車にしてしまったので個人タクシーを辞めた患者さんというのが前にうちの患者さんでおりました。個人タクシーというのは個人事業主ですから、点呼をどうやって実施しているかというと、ほとんどブラックボックスなのです。法人のタクシーの運転手さんたちに聞いても、あそこはゆるいよ、ここはきちんとやっているよみたいなのがあるのです。ですので、やはりそういうところについてももうちょっと何がしか実効力があるような監督をしていかないと、かなり怖いのではないかと。特に観光地ではタクシーを使ったりすることが多いと思いますので、ぜひそれは考えていただきたいと思います。
 以上でございます。
○松下会長 ありがとうございました。
 久里浜のほうでは再度飲酒運転の調査に取り組みつつありますので、中間報告のような形で、どのぐらいアルコール依存症が疑われる方がいらっしゃるかということはまた後日御報告させていただけると思います。
 まだまだ御質問もあろうかと思うのですが、次の議題もございますので進めさせていただきたいと思います。
 そのほかにも何か御意見等ございましたら、後日、個別に事務局まで御連絡いただきたいと思います。
 続きまして、議事次第2「第3期アルコール健康障害対策推進基本計画に向けた検討について」の2点目、相談支援等について議論をさせていただきたいと思います。
 まず、資料2-1について稗田委員及び金田一賢顕参考人より御説明をよろしくお願いいたします。
○稗田委員 それでは、始めさせていただきます。
 「依存症の親を持つ成人のヤングケアラー経験に関する実態調査」の中間報告と第3期基本計画への政策提案ということで、本日はこのような機会をいただき、ありがとうございます。
 依存症家庭のヤングケアラーが高度な情緒ケアを担っている可能性があるということが明らかになりまして、ASKヤングケアラー研究チームの中間報告と政策提案を隣の金田一さんと私とで2人でお話をいたします。
 次をお願いいたします。
 まずこちらを御覧ください。この赤枠で囲まれたイラストに注目してください。散らかったお酒の缶を片付け、うなだれる家族のそばにいる様子です。しかし、現実は本当にこの絵のとおりなのでしょうか。私たち研究チームは、この1枚の絵だけでは決して描き切れていない複雑で深刻な現実があると考え、その実態を明らかにするため、このテーマに特化した基礎調査を実施いたしました。目的は、描かれたイメージの先にあるヤングケアラー一人一人の生の声を集め、そのリアルな姿を社会に提示するということです。
 それでは、金田一さん、内容についてお願いいたします。
○金田一参考人 ありがとうございます。今回の研究チームで分析を担当させていただいております、白峰クリニックの金田一と申します。よろしくお願いいたします。
 では、スライドのほうに行きたいと思います。
 私のほうからは、今回の研究結果、中間報告ではあるのですが、その結果についてお話しさせていただきたいと思います。
 今回の調査は、このタイトルにありますように、依存症の親を持つ成人の方を対象に、過去の育ってきた環境等でどのようなお世話をしていたのか、どのようなつらさを経験してきたのか、そのような形でオンラインで調査をさせていただきました。
 質問項目は質問式、あとは自由記述でいろいろと御本人たちの気持ちを聞かせていただいております。
 今回の対象はASKを中心とした協力関係機関に協力をお願いしておりますので、あくまでも中間報告、第一次調査として少しデータの偏りはございます。
 右の図を少し見ていただけたらと思うのですが、親の依存症の種類というところです。今回の調査結果からは、主にアルコール依存症の親を持つ家庭、そして、ギャンブル依存症の親を持つ家庭が中心的な調査の内容になっております。
 左側です。回答者は233名になります。女性が79.4%で、年代を見ますと18歳から30代が24.1%、40代から50代の方が58.8%の方に回答いただいております。
 右下を見ていただきますと、親の依存症の影響を受けていた時期、幼少期から大体18歳、もしくは20代まで影響を受けていたと御回答いただいております。
 それでは、内容のほうに入っていきたいと思います。
 次のページに行きます。
 この資料は、親の依存によって家庭内に起きていた問題という結果です。先行研究のヤングケアラーの調査を見ていきますと、家族関係での問題というのは障害や病気の親の世話・ケアというところ、家事手伝いがメインでした。あるいは人間関係が希薄化、あるいは生活が困窮していくことによって将来が断念していくというお話がメインでした。
 この図を見ていただきますと、依存症の親を持つ家庭がどのような苦労、困難を抱えていたか。見ていきますと、トップが夫婦げんか・家族間の争い、暴言・暴力、酔いつぶれ・失禁、これを見ていただきますと、けんか、言い争い、暴言・暴力が上位に来ているというところが調査の中から明らかになりました。
 では、次の資料に行きます。
 こんな質問もさせていただいております。自分はヤングケアラーに当てはまると思うか、あるいはお世話をした人がいるか、行っていた主なお世話の内容についてです。
 ヤングケアラーに当てはまると思うか。当てはまる52.4%、分からないが22.7%でした。
 お世話していた人がいるか、いる。
 右の図を見ていただきますと、行っていた主な世話の内容は感情面のサポートがトップに来ています。これは先行研究と比較していきますと、先行研究は先ほど申し上げたとおりで家事等がトップに来ているのですが、依存症の親を持つ家庭は感情面のサポートという点がトップに来ています。
 一つ先にここで小さな考察なのですけれども、この感情面のサポートというのは恐らく目に見えないことになります。自分自身がヤングケアラーに当てはまると思うか、お世話をしていたかしていないか。感情面の面というのは恐らく目に見えないということも想定されていきます。今回、調査対象は40代の方、50代の方がメインですので、振り返るとこのような世話、ケアをしていたということが言えますが、場合によっては現在の現行の若者はこの点の自覚が薄いのではないかななんていう仮説も立てている次第です。
 では、次の資料に行きます。
 実際にどのようなケアを行っていたのかという内容です。これを上から見ていきますと、迷惑をかけないようにいつも自分を抑制している。依存症ではない親の相談相手、愚痴の受け止めなどの情緒的ケア。家族の秘密を守る。依存者の気配を察知し、刺激しないような情緒的ケア。家庭内に緊張感が高まると、それを和らげるような言動を取る。一旦ここで区切りますけれども、全体を見ていきますと、家族全体への情緒的ケアがやはり多いというところです。先ほどの感情面のサポートのおよその内訳になっていきます。
 では、次のスライドに行きます。
 ここを質問紙だけではなくて自由記述の分析、質的研究によって分析させていただきました。実際にどのような情緒的ケアを行っていたか、もう少しそれぞれの声からまとめていった内容です。主に4つのカテゴリーが抽出されていきました。
 まず1つ目です。予防的ケア、親の負の感情が爆発するのを未然に防ぐためのケアです。相手の顔色を常にうかがい、機嫌を損ねないように先回りして行動する。また、家庭内の険悪なムードを和らげるために、道化を演じて笑わせたり、明るい話題を提供したりするなど、まさに機嫌の維持と雰囲気の安定化を図るケアをしていた。
 続いてです。受容的ケア、親が抱える不満、怒り、悲しみなどのネガティブな感情の「はけ口」となるケア。ひたすら愚痴を聞いて、相手の言動を否定せずに受け入れ、落ち込んでいるときは慰める。自身の感情を抑制し、ただ相手の感情を受け止めることに徹する。感情の受皿としての役割を担わされているというケアでした。
 続いてです。調整的ケア、家庭内の人間関係、特に夫婦間の対立を調整するためのケア。けんかの仲裁に入り、親の期待する理想の子どもを演じることで家族全体のバランスを取ろうとする。また、依存対象から気をそらすために、別の楽しいイベントを企画するなど、積極的に状況をコントロールしようとする試みの側面も含みます。関係性の仲裁としてのまさに役割演技でした。
 4つ目です。自己犠牲的ケア、上記全てのケアを遂行するために、自分の感情や欲求を抑制すること。不安や恐怖を感じても平静を装い、親の精神的な安定を最優先する。このカテゴリーはほかのカテゴリーの基盤となっており、ヤングケアラー自身が感情を犠牲にすることで辛うじて家庭の平穏が保たれているという構造が示されていました。自己の感情の抑制です。
 続いての資料に行きたいと思います。
 では、このような情緒的ケアを行っていた皆様がどのようなつらさを感じていたかというデータの分析になっていきます。これは計量分析といって、この質的研究をしていく上で、分析者の主観を排除してアプリ、ソフトを使って言葉を分析していく内容です。
 1番から8番目まで、これはよく使われている言葉、そして、言葉の周りにどのような言葉が集まっているかという結果になっています。この番号は続いての資料に対応しておりますので、続いての資料のほうに移りたいと思います。
 実際にどのようなつらさを行っているのか。やはり生々しい声を聞かせていただけると、その内情がよく分かっていきます。簡単に御説明しますと、恐怖という言葉を使っているグループ、恐怖という言葉、1つ例を挙げていきますと、包丁を持ち出す母親を制止するという恐怖とみじめさを、狭いコミュニティーの中で誰にも助けを求められなかった。
 愚痴を聞く。この言葉、単語だけをまとめていきます。でも、内情を見ていきますと、私の場合は父の世話よりも父にイネーブリングをしていた母への世話のほうが非常に大きかったことは声を大にして言いたいです。
 3つ目、泣く、いない、この言葉。子どもの頃、ずっと泣いていたら父親からたたかれて泣きやむしかなかった。
 暴言・暴力。やけ酒を飲んで帰ってきて深夜まで愚痴や暴言を吐かれ、母親を守るためにそばで延々と耐えていた。
 このような言葉にあるように、ほかの方も同等の体験をなされています。言葉でまとめていけば恐怖、愚痴を聞くなのですが、そこの内情はとても痛々しい生身の声が多かったのが印象的です。
 次のスライドに行きます。
 以上をまとめていきました。つらさをまとめていくと、では、依存症の親を持つヤングケアラーの方はどんなつらさを経験しているのか。ここも質的研究でカテゴリーでまとめていました。主に5つが抽出されています。
 まず1つ目は背負わされる重過ぎる役割。
 2つ目です。押し殺し続ける感情、自己否定感・自己犠牲感・自己喪失感。
 3つ目、終わりの見えない恐怖にさらされた生活。
 4つ目、経済的な困窮、閉ざされた未来への絶望。
 5、声を上げられない家庭の秘密、深まる孤立感。
 このようなつらさを感じています。ここでも小考察なのですが、このようなつらさを経験していくことによって、多くの精神疾患であったり、あるいは家族内連鎖、そして、多くが自分自身が将来依存症になっているリスクというところは、ここの体験からも想定できるのかななんて思います。
 次のスライドに行きます。
 最後にまとめていきます。
 左側です。ヤングケアラーの従来の定義は、本来大人が担うと想定されている家事や家族の世話などの日常に行っている子どもや若者でした。
 右側です。依存症家庭のヤングケアラーとは、夫婦げんかや暴言・暴力、虐待などがある家庭の中で、家族のストレスのはけ口になりながら、依存症者だけでなく、家族全体への情緒的ケアを担いつつ、世間体を保ち、親の依存行動も抑止しながら、大人でも難しい緊急事態への対処なども行っている子ども・若者なのではないかというところ、ここが中間報告の限界になっていきます。
 最後です。今回の成人調査から今後に向けて、少し赤字のところを中心に申し上げていきたいと思います。多くの方が逆境的小児体験で家族ケアを行っていたというところがございます。先ほど申し上げましたが、これは将来のメンタルヘルス等に大きく関わるリスクとして考えられる点です。そして、今回、情緒的ケアの比重が多かったため、ヤングケアラーとしては自覚しにくい可能性がございます。
 最後にまとめです。依存症の家庭の子ども・若者支援の現場では、被虐待とヤングケアラーの支援を組み合わせる必要があるのではないかなというところが仮説立てとして抽出されてきました。
 今回はアルコール、そして、ギャンブルの方が中心でしたので、今後は依存症の方々、いろいろなバリエーションの方に調査を広げると同時に、今まさに子ども・若者の時期を送る世代の声も聞いていきたいなと考えている次第です。
 私からは以上です。
○稗田委員 では、このような結果を踏まえまして、第3期基本計画の策定に対して提案をさせていただきます。
 まず「はじめに」のところ、我が国における状況の中にこども基本法の施行、子ども・若者育成支援推進法が改正され、国・地方公共団体等が各種支援に努めるべき対象にヤングケアラーが明記されたこと、そして、こどもまんなか実行計画2025に逆境的小児期体験による子どもの心の問題への対応が入ったこと、配偶者暴力防止法の改正など、子ども・家族にまつわる情勢の変化について記載していただきたいと考えます。
 次に、右側のⅢの取り組むべき重点課題の2.基本計画(第3期)の重点課題に(3)を新設し、子どもの項目を加えていただきたいと思います。例えば(3)アルコール健康障害の影響を受けた子どもたちへの支援などです。
 さらに、Ⅳの基本的施策の中の特に赤文字、1、4、6、7、8、9、10に子どもに関する具体的な施策を加えていただきたいと思います。
 最後に、一次調査の結果でどのような助けがあったらよかったかという設問に対する自由記述の内容でございます。今後の二次調査では、これらの記述から得られた仮説を基に、さらに実態を詳細に明らかにしながら、有用な支援策についても調査を進めていきたいと考えております。
 以上で発表を終わります。御清聴ありがとうございました。
○松下会長 どうもありがとうございました。
 続きまして、資料2-2と併せて資料3について、事務局よりまとめて御説明をお願いいたします。
○羽野推進官 厚生労働省の羽野でございます。
 まず、資料2-2を御覧いただければと思います。
 こちらは相談支援等というところについての今後の改定の方向性として、事務局として御提案するものでございます。
 まず、真ん中より上の箱のところです。柱書きについてでございます。現状は「相談支援等」となってございますけれども、次期計画では「アルコール依存症の当事者及びその家族に対する相談支援等」というような形で追記をし、当事者のみならず家族についてもその対象であるということを明記したらどうかと考えてございます。
 続いての箱のところ、4つ○がございますけれども、まず1つ目の○でございます。まず総論的な話になりますけれども、ヤングケアラーなどの依存症患者の家族に対する相談支援が進むように、都道府県等における相談支援において児童福祉部門等との連携をしまして、当事者だけではなくその家族の支援につながるように、関係機関との連携強化といったことを記載したらどうかと考えてございます。
 2点目の○でございます。ここから先がもう少し具体的な取組でございますけれども、2つ目の○のところは連携会議についてでございます。都道府県等で行われている連携会議に児童関係の部門についても参画していただけるように、そういったことが進むような記載をしてはどうかと考えてございます。
 3つ目の○でございます。こちらは職員の研修についてでございます。児童相談所、こども家庭センターの職員については、潜在的にアルコール健康障害を有する方やその御家族に対応する機会があると考えられますので、それらの職員に対してアルコール健康障害の特性を踏まえた支援の研修を推進する方向で記載していってはどうかというところでございます。
 4つ目の○のところでございます。家族支援も含めた地域における支援について、地域の好事例について収集し、その事例を踏まえて相談支援に係る家族支援についてのガイドラインのようなものを作成していくというような方向で記載してはどうかと考えてございます。
 こちらが資料2-2で事務局としての提案でございます。
 あとは、参考資料として、今日は時間の関係上、御説明の時間は用意しておりませんけれども、参考資料6としてこども家庭庁からヤングケアラー支援に係る取組状況の資料を提出いただいております。御説明としては省略いたしますけれども、御不明点等があれば、こども家庭庁も出席いただいていますので、質疑の場などで御質問いただければと思っております。
 続いて、資料3を御覧いただければと思います。
 今後の会議の進め方についても、この場で併せて御説明させてください。資料3でございますけれども、本日がこの6月30日の会議で各論の1回目ということでございますが、9月頃の会議では各論の2回目をお願いしたいと思っております。その上で、11月頃になってまいりますけれども、11月頃の会については、それまでの議論の状況次第でございますが、必要であれば各論の3回目、併せて報告書案についても可能な範囲で御議論いただければと思っております。それから、12月の会で再度報告書案について御議論いただければと考えております。
 私からは以上でございます。
○松下会長 ありがとうございました。
 それでは、稗田委員及び金田一参考人からの御説明及び事務局からの説明について、御意見や御質問をお願いしたいと思います。
 先ほどのように、発言時は会場参加の委員は挙手の上、また、オンライン参加の委員は挙手機能を使用の上、こちらから指名させていただきますので、発言いただくよう、御協力のほど、よろしくお願いいたします。
 それでは、いかがでしょうか。
 オンラインのほうで小松委員、米山委員、上村真也委員、白石委員から挙手をいただいています。それでは、先ほどの順番で小松委員、米山委員、上村委員、白石委員の順でお願いします。
 では、小松委員からお願いいたします。
○小松委員 ヤングケアラーという非常にインパクトがある言葉のおかげで家族に対する支援が進みそうだということで、いろいろ入れていただいて、それは非常にいいことだなとは思っております。ただ、配偶者という言葉も入れていただきたいと思うのです。現役のヤングケアラーの方たちには、もちろん母子家庭、父子家庭もございますでしょうけれども、その前のときには必ず二親がいたわけで、ですから、やはりヤングケアラーや配偶者などの家族と。というのは、お子さんの支援というのは、今、お子さんと一緒に暮らしている親御さんの支援ということになりますので、愚痴を受け止めているということは、愚痴を言いながら一人で頑張っている、主に今は女性のほうの配偶者サポートをしないと進んでいかないということだと思いますので、そこも文言を入れていただけたらいいのかなと。
 それから、児童関係の部署も連携会議に入れていただくとか、研修をしていくとか、これも非常に重要だと思うのですが、人が増えないと、今も児童相談所なんて本当に諸外国に比べると5倍から10倍のケースの担当数なのですよね。私、札幌にいたときに北海道の子どもの虐待防止協会の立ち上げにも関わったのですが、そのときにイギリスから人を呼んだ時、札幌の児相の方が私はこれだけケースを持っていますという話をしたら、その講師の方がGood luck.と言ったのです。あまりにもケースの数が違うから、これは頑張れも言いようがないよという感じで、はあとため息をついてGood luck.だったのですよ。ですから、今だって全然遊んでいるわけではないので、これは計画の中の文言に入れられるかどうかは別ですけれども、やはり人を増やすというのはどこかで考えていただきたい。
 あとは、今まで水道料金の計算をしていた方がぽんと異動になるのです。3年ぐらいたつとまたいなくなってしまうのです。これで研修をやってもなかなか進んでいかないと思うので、例えば大阪ではたしか専門職採用といって福祉の関係はみんなプールで採用して、児童相談所へ行ったり、生活保護課に行ったり、何とかに行ったりと福祉の関連のところで回っていく。その中でポジションも上がっていくというふうになっていると伺いました。せめて人員が増えないのだったら、そういうふうなことをすると、随分研修の効果も上がるでしょうし、経験値の蓄積もされるのではないだろうかと。特に今、若い保健師さんたちが潰れていますよね。それはやはり3年でみんないなくなってしまうと、物すごく大変な地域にいるケースは本当に大変だからなのだと思うのです。そこら辺もぜひ考えていただければと思います。
 以上です。
○松下会長 ありがとうございました。
 会場で長嶺委員から挙手いただいておりましたので、長嶺委員、先にお願いできますでしょうか。
○長嶺委員 ありがとうございます。長嶺です。
 先ほどの小松先生の御発言にも付随するかと思うのですけれども、資料2-2の一番下に「地域における支援の好事例等について収集し、」とあるのですけれども、ぜひこれを全国規模で共有してもらいたいというのを盛り込んでいただければなと思っております。それが法の中身に盛り込めるかは別なのですけれども、なぜかというと、支援拠点の各地域において好事例がない地域のほうが多分多いのですけれども、私の中では好事例は持っていますが、それを共有する場がなかったり、それを好事例として認識してもらえないことなどもあったりするもので、そういうのをぜひ支援者の方に聞いていただいて、それをまた相談者の方につなげてほしいというのがありますので、その辺を含めたような盛り込みをしていただければなと思ったので発言させていただきます。
 以上です。
○松下会長 ありがとうございました。
 それでは、オンラインのほうに戻りまして、米山委員、お願いします。
○米山委員 ヤングケアラーに関する調査の報告ですとか資料等、ありがとうございました。
 私は秋田県で養護教諭の先生方の研修会などでも講師として、いろいろ御協力することがあるのですけれども、このヤングケアラーの対策というところでは、先ほどASKの皆様が報告してくださった内容というのは、どちらかというとハイリスクのアプローチにつながる部分だと思うのです。一方で、並行してポピュレーションアプローチにつながる、教育関係者向けの研修などの教育啓発活動が重要です。広く浅くでもいいので、全国の養護教諭対象のこういったヤングケアラーを理解する、これはヤングケアラーに限らず、アディクションの問題やアルコール、自殺予防の問題を含めて、研修というのをぜひ強化していただけたらなと思います。
 養護教諭の先生方の事例をお聞きすると、本当に大変な事例を抱えていて、なかなかほかに相談する場所がない。地域のネットワークを持っていらっしゃるところですと、保健所ですとか、それから、警察が入る場合もあったり、児童相談所が関与したりということで好事例につながる場合もあるのですけれども、養護教諭の先生方も学校の中で孤立と言うと語弊があるかもしれませんが、どうしたらいいのか、なかなか先が見えないということで困っていらっしゃる方もいますので、ぜひこのポピュレーションアプローチを含めていただけたらと思います。
 以上です。
○松下会長 ありがとうございます。
 では、続きまして上村真也委員、お願いいたします。
○上村(真)委員 上村です。よろしくお願いします。
 私もこのアンケートに回答した一人です。父親がアルコール依存症になって、ずっと母から愚痴とか相談を受け続ける日々が本当に何年も続いていました。私にとってつらかったのは、父親と対峙することももちろん大変なのですけれども、それよりもやはり母親を守らないといけない、自分がしっかりしないといけないというプレッシャーと対峙することが一番つらかったのですよね。今回の調査では子どもが家族の情緒的なケアを担っているという結論が出されたわけなのですけれども、本当にこれは我が意を得た思いでした。
 情緒的なケアの厄介な点というのが2つあって、1点目は発表にもあったとおり、周りからはもちろん、本人も気づかないのですよね。はたから見るとただの親子の会話ですから、そこが非常に難しい点です。
 2点目なのですけれども、とにかくこの情緒的なケアというのは後を引くのですよね。例えば家事をするとかだったら、2時間なら2時間手を動かしていったら、そこで一旦は終わるのですけれども、これに対して、情緒的なケアの場合というのは、不安な気持ちとか緊張感というのは365日、24時間ずっと薄らと子どもの生活に干渉してくるという部分があって、それが非常につらい。やはり受験とか進学といったことに影響も出てくる。生きるモチベーションみたいなものと非常に密接に関わっていて、これはとても厄介な問題だと思っています。
 これは質問ではなくて要望なのですけれども、このヤングケアラーの問題は、親が無責任なのだとか、これは親の問題なのだという捉え方をしてきた部分というのがあると思うのですよね。でも、よく見ていくと、親も例えば精神疾患を抱えていたり、アルコール依存の問題を抱えていたり、そういった本人では制御できない部分の問題というのがあることも多いので、今回のASKさんが行った調査というのは、ヤングケアラーを支援するというという文脈でも新たな視点を提示し得るものなのではないかなと思っているので、しっかりと省庁、部局の壁を越えて情報共有であるとか政策的な連携というのを取ってほしいと思っています。
 また、最後に言った一点、小松委員からもあったのですけれども、入り口はヤングケアラーの問題であったとしても、やはり根本の原因というのを取り除かないといけないので、取りあえず子どもの問題が解決すればそれはオーケーという話ではないと思いますので、子どもが入り口になって、親が例えば自助グループにつながったり、医療につながるとか、そういった子どもを通じた新たな回路みたいなものができていけばいいのではないかなと話を聞いていて思いました。
 以上です。
○松下会長 ありがとうございました。
 では、続きまして白石委員、お願いいたします。
○白石委員 内科代表として、実は上村委員と同じ意見でして、やはり情緒的ケアというのが非常に分かりにくいところで、自分が何をしているのだというのは分からないうちにどんどん追い込まれていくというケース、実は私の妻もそのような状態で、子どもの頃に父親が給料日にお金を全部使ってしまうので、姉とともに2人で会社の玄関で待っていたのだよという話も聞いたこともありますし、母親が髪を引っ張られて暴力を受けたということも聞いています。その後、父のほうも回復しましたけれども、非常につらい思いをしている。それが一生続いているというのがヤングケアラー、情緒的なストレスだと私は考えています。
 でも、ヤングケアラーというのは家族の支援のための突破口としてすごくいいなと。
思いました。非常にみんなが分かりやすいというか、思い入れをしてくれるエリアではないかと思うので、ぜひこれを進めていただきたいなと思いました。
 それで、拾い上げをどうしたらいいのだろうと考えて聞いていました。学校、児童相談所はもとより、それから、家族の相談というのは精神保健医療センターに多く来るというのは認知しております。そういうところだけではなくて、実はいろいろな病気を通して家族が病気になる。小児科だけではなくて、内科で当事者もしくは家族がどのような状態になるのかというのは、やはりクリニック、それから、一般の病院も知るべき内容です。ぜひそういうところを受皿のところに広報していかなければいけないと思っています。それをどういうふうにしていくのかなというところが、質問というよりもやはりこれからの課題だと思って聞いておりました。どうつなげたら、つないだらどこにつないでいくのというところになりまして、それを明確にしていくのが私たちの仕事ではないかなと思って聞いておりました。質問というよりは今後の方針をまたみんなで相談できるいい機会になりましたので、本当にありがとうございました。
 以上です。
○松下会長 ありがとうございました。
 それでは、続きまして江澤委員、お願いいたします。
○江澤委員 ありがとうございます。
 今の白石委員の内容とほぼ一緒だったのですけれども、また、先ほど米山委員もおっしゃったと思うのですが、もともと本人からちゃんとSOSも出せない子どもをどこでどうキャッチアップするのかというのが大変難しいかなと思っていて、今、学校とか医療機関とかいろいろなそういう場はあるかと思うのですけれども、ASKの研究チームの御経験の中でできるだけ早い時期に早期発見、これはどこが早期かというのもなかなか難しいかと思うのですけれども、御経験の中でこういうケースで見つかってこういう支援につながったとか、経験でお話しできることが何かあれば伺いたいという質問が一点。
 資料2-2についてはもちろん賛成でありまして、非常に早期に取り組む必要があると思うのですけれども、体制の強化とか研修推進はもちろん必要だと思いますが、先ほど小松委員からもありましたように、どうしても自治体の人事異動があったり、やはり核になる人がいないと進まないということと、体制はつくったけれどもどのように個別のアプローチをしていくのか。なかなか自治体のほうも人手不足の中で、どう実効性がある対策が取れるかというのはさらに踏み込んで必要かなと思っていますので、またよろしくお願いしたいと思います。
 以上、意見と質問です。ありがとうございます。
○松下会長 ありがとうございました。
 それでは、稗田委員、あるいは金田一参考人、コメントをいただけますでしょうか。
○金田一参考人 ありがとうございます。
 早期発見というところに関して、やはり先ほどの委員の皆様の言葉からありましたように、情緒的ケアというのは目に見えなかったりする。そして、自覚をしていないという難しさを感じている次第です。これは私の印象なのですが、米山委員が申し上げていたとおり、やはり子どもたちの問題がどこに出やすいのかなというのは、ひとつ学校かなというところは感じている次第で、そして、学校の担任の先生ないし養護の先生が学校の問題を多く把握しています。ただ、学校の先生がそこに気づかなかったり、もしくは流してしまうということもあります。学校現場、教育現場というところはひとつ早期発見の有効な手だてなのではないのかなというところは感じている次第です。
 以上です。
○稗田委員 ありがとうございます。
 今、内科のお話も出ましたように、やはり早期発見というところはあらゆるところから介入できる可能性があるかなとも考えております。例えば診療報酬の改定で入退院支援加算の改定がありまして、退院困難な要因を有する患者としてヤングケアラー及びその家族を追加するということで入っています。ただ、この改定の文言を見ていますと、家族に対する介助や介護等を日常的に行っている児童等であること、児童等の家族から介助や介護等を日常的に受けていることという説明になっていますので、これですとなかなか見えにくいかなということもありますので、一つの例ですけれども、こういう一つ一つのできたものの施策とか、そういうものに対してもっと分かりやすく介入をどこにしていけばいいのかということが書かれるといいのかなと思いました。就学時間に病院に子どもを連れてくってくるお母さんとかお父さんとか、あれっ、何でだろうということから、子どもさんが親から離れられない状況とか、そういうところに誰もがあれっと思って介入できるような仕組みをこの施策の中のいろいろなところにちりばめていくということが、今回の調査で本当に非常にそこは深刻でやらなくてはいけないかなと思っております。
 以上です。
○江澤委員 どうもありがとうございました。
 今の御回答によろしいですか。アンテナはより幅広く広げておく必要があるかと思うのですけれども、例えば一点、国の自殺対策の検討会の資料の中に、子どもの自殺リスクのキーワードでSNSに「学校に行きたくない」というのがあるということが以前資料で示されたのですけれども、こういうヤングケアラーの方たちとSNSとかネットの関わりというのに何か御知見があれば、そういうところにヒントがあるのかどうか、もし知見があれば教えていただければと思います。ネットで何かサインを出しているのかどうかとか、そういうことはあり得るのでしょうか。
○金田一参考人 ありがとうございます。
 SNSの中等で恐らく何らかの形で発信しているケースというのは多いのかなと思っていますが、申し訳ございませんが、データとしては取っていない次第です。
 ただ、今すぐには出せないのですけれども、私が高校等で調査した内容なのですけれども、現在、自分自身で高校生が自信があるかないか、あるいは自分自身が見捨てられるような不安があるかないか、簡単に言えば依存症の背景にあるような心情を問うていくようなアンケートでは、およそ4割の高校生の方が見捨てられるような不安感を感じていたり、自信のなさ、対人関係の困難さを表では顔は笑っているけれども心の中で訴えているという調査があります。これはまだ公表はしていないのですけれども、知見として情報提供としてお話しさせていただきたいと思います。
 以上です。
○江澤委員 どうもありがとうございます。
○松下会長 ありがとうございました。
 では、会場から勝嶋委員に挙手いただいております。お願いします。
○勝嶋委員 教育関係のところでということで2点ほどお話ししたいと思います。
 まず1点目は、ヤングケアラーの研究チームの方が非常に貴重な資料に基づいて本日説明いただいて、やはり情緒的なケアが第1位というのは学校現場でまさにそうなのだろうなと感じたところです。まず、生徒さんは学校の現場ではそういったことは一切出してきません。学校の中ではいろいろな事件ですとか事故等が起きるときに、そういった中で生徒と関わっていくと、御家庭で実は父親がアルコール依存症で、例えば母親とけんかしてヒートアップすると、暴力だったり、自分本人が警察を呼んでという児相案件になるとことはあることです。なかなか学校で表面化しないので、ケアが学校の教員としてとても難しいという現状があります。大体家庭にも介入できないというところがあるので、児相と連携してというところなのですが、高校生ともなれば、やはり18歳、卒業を待って一人暮らしをさせるというアドバイスをしたりというのが現状かと思います。
 2点目は、今回、資料2-2のヤングケアラーなど家族に対する相談支援というところで、私も以前、東京都教育相談センターにいましたので、そういった中で、大体アルコール依存症御本人は御相談がリピーター化して、あまり人に迷惑をかけているような自覚がないのですが、やはりその周りの御家族の方がかなり大変ということで、大体そういうアルコール依存症、アルコール依存症だけに限らないのですが、生徒さん、子どもは不登校であったり、あと、情緒不安定、ひきこもり、非行に走ってしまったり、自傷行為ということで、家族の機能不全も起きているケースは相談センターの中ではございました。
 特にお子さんは家で、父親が怖い、あと、先ほど上村(真)委員もおっしゃっておりましたけれども、母親を守るということで、子どもながらにしても父から母を守るような状況も出ております。子どもに力があって自立するところがあればいいのですが、抱え込んでしまうパターンが多いかと思います。都立学校も200校ぐらいあるのですが、特にチャレンジスクールといって不登校対応の学校があるのですけれども、そういった学校の生徒さんの中にもやはり父親が抱えている課題のある御家庭はやはりあります。そういったところで、今後、相談機能等を、家族が気軽に御相談できるようなところの支援体制はかなりポイントになるかなと思っております。
 以上です。
○松下会長 ありがとうございました。
 オンラインのほうで石井委員に挙手をいただいています。石井委員、お願いいたします。
○石井委員 当事者で参加させていただいている石井です。よろしくお願いします。
 ASKの方の中間報告の発表を聞かせていただいた感想と意見になります。本当に親というのは子どもにとって自分を守ってくれる存在だと思うし、人生で初めて会う大人なわけで。そういった中で、年齢が低いときから大変な場面とかそういう状況を経ながら、成長していく過程の中の話は痛ましさをすごく感じてしまいました。ふだんから思うのですけれども、家族の中からそういうことを外に対してSOSを発信することは子どもの立場では、さっき配偶者の方のお話もありましたけれども、非常に難しいという問題があるかと思います。子どもに愚痴をこぼす母親でもそうですけれども、親の人格の問題であるのではと思ってしまうと、親は自分を超えた大きな存在と子どもは小さい頃思うわけですから、そういう親のことを他の人に話すということはすごく難しいと思うのです。そのうえそこに依存症という病名に偏見があると、今は社会の中ではアルコール依存症、ほかのギャンブル依存症などもそうですけれども、身体の病気だということは浸透してきていると思いますが、まだまだ依存症になったら終わりだというような恐ろしい病名だという認識止まりのようなことになっていると思うのです。なので、偏見が強いということも家族以外へSOSを出せないということになっていくと思うので、やはり体の病気だからその先に病気からの回復もあって、普通に幸せに生きていけるし、家族も幸せな家族に変わっていくのだというような希望のあるような情報が御当人たちに届くような機会を持っていくのが大事かなと思っています。
 関わる方々の研修の話もあったのですけれども、さっき長嶺委員からお話があったように、実際によくなっていく、先の希望が見えるような情報を当事者の方たちに伝えられる関係者の方たちの研修であっていただきたいなとすごく思います。
 この病気、依存症は、ほかの病気と同じように軽症の状態から本当に重症化していくのですよね。さっきの飲酒運転もそうですけれども、明らかに病気が進行していくという状態になっていくので、何か問題が起きているときには常にその背景に依存症がないかどうかというのを、関わる人たちが知識を持って関わっていくような体制になっていくといいのかなと思います。
 当事者としては、自助グループの中、先ほど断酒会の方のお話もありましたし、長嶺委員のお話にもあるように、そういった本人たちの活動をぜひ利用していただきたいなととても思います。今後具体的にどうするかというところまで話ができなくて申し訳ありません。
 以上です。
○松下会長 ありがとうございました。
 では、長嶺委員、お願いします。
○長嶺委員 ありがとうございます。家族の立場の長嶺です。
 ほかの委員の方のお話と関連するのですけれども、私は家族で子どもの立場、今回この委員にさせていただいたのもヤングケアラーと思わしき立場というところで参加させていただいているので、そして、私は不登校も経験しており、依存症を通して不登校のサポートしている場所とかにも情報啓発をさせていただく中で、不登校を見ているけれども、やはりその後ろには親御さんの依存症だったり、ギャンブルだったり、DVだったりという影があるということで、その辺の支援者の方に依存症の話をすると、全く知識がない。でも、私の話をすると、結局、非依存症の家族からの愚痴とかでお子さんたちの不安定さの余波を感じる、起因を感じるということは、高校の先生の集まりでもお話しさせていただいたら、すごく共感されている方は多かったですし、不登校支援をされている民間支援団体の方にお話しすると、そうなのよという形でお話が出てきました。
 なので、どこにどうしてくださいということは、いろいろな各省に関わることなので申し上げにくいのですけれども、ぜひイメージしていただいて、その辺をいろいろな法案の支援に盛り込んでいただきたいということを一つお願いとして申し上げたいのと、あと、警察署の方に、今日依存症当事者へのプログラムとしての御発表をいただいたのですけれども、家族のほうとして一個お願いがありまして、ぜひ飲酒運転をしていると思わしきドライバーさんとかの指導、逮捕とかがあると思うのですけれども、そのときに、家族も困っていて言えないのですよね。何度言っても止まらないので、ぜひ警察官の方たちの教育の中のプログラムとして、自助グループに行っているかとかグループセラピーに行ってているかというのを責める前に一回聞いてほしい。それだけでも一瞬危機感を持つ人は少なからずいるので、逮捕に行く前の予防の観点からも、ぜひそういう視点を警察官の方にも持っていただきたいなというのを、このような機会なので、一つお願いとしてお伝えさせてください。ありがとうございました。
 以上です。
○松下会長 ありがとうございました。
 予定の時間まではまだ少しございますが、何かコメントあるいは御質問はいかがでしょうか。
 では、稗田委員、お願いします。
○稗田委員 皆様、どうも貴重な御意見をありがとうございました。
 私たちチームの中でも様々なことを議論しまして、今後に向けた調査において幾つか大事な視点も確認しています。その一つに、子どもさんはそれをよかれとしてやっているという側面もありますので、こういう枠組みをつくることによってそういうこと自体を否定してしまうとか、それによってまた二次的に傷ついてしまうとか、そういうことはやはり避けなくてはいけないことだなということとか、この調査自体が元ヤングケアラーですので、今の20代前半あるいは18歳未満の子どもさんたちがどんな助けが必要かということは、SNSもそうですけれども、もしかしたらばまた今の時代はいろいろあるのではないかなということも考えており、今、ちょうど民間団体が生きづらさを持った子どもさんたちに対して自分の経験を生かしていろいろな支援をしているところがございまして、そことも連携をしながら、今後、二次的な調査はいよいよ現実的に子どもあるいは若者の立場で何を必要としているのか。あとは、やはりこの調査で支援者になっている方とか、そういうレジリエンスというか逆境体験をばねにして、それを生かしてやっている。あるいは強さを持ってやっている方たちも結構いらっしゃいますので、そういう部分にも焦点を稗田当てながら調査を進めていけたらなと考えております。
 以上です。
○松下会長 ありがとうございました。
 オンラインのほうで小松委員、米山委員から挙手をいただいております。
 では、小松委員、お願いします。
○小松委員 何度もすみません。
 ただ、計画全体について一番最後にどうしても、コロナでもろもろ吹っ飛んでしまった時期がありました。その2年間というのは、私たち委員はお仕事がございませんでした。お仕事がないぐらいいろいろなことがとんとんとうまく進んでいたかというと、それはとんでもなくて、保健所がコロナ対策で忙殺されている間、自助グループの会場がほとんどそこの保健所とかで開けなくなったり、あるいは保健所で今まで依存症対策で頑張ってくださっていた職員の方たちが本当にみんな疲弊し切ってしまったり、あるいはその経験を蓄積しないまま異動したり、簡単に言うと非常に停滞していました。
 なので、やはり中間における進捗状況の見直しというのを、計画は5年に1回つくり直しでよろしいと思うのですけれども、本当に盛り込んだ中身がどのぐらい進んで、あとの残りの例えば2年半で何をしたらいいのかみたいな見直しということを今度の第3期計画ではぜひ文言の中に入れていただきたいと思います。そうしないと、また何事かあったときに、しようがないよねとひゅっとなってしまうのはあまりにもつらいなと思っております。
 以上です。
○松下会長 ありがとうございました。
 続いて、米山委員、お願いします。
○米山委員 ありがとうございます。
 私、長嶺委員や石井委員のお話を聞いて、当事者の声を学校にも届けるということが希望をつなぐことにとても重要な役割を果たすのではないかなと感じました。やはり子どもたちもヤングケアラーの方たちも希望を持てない、回復のイメージがつかないというところがあると思うのです。ですので、回復した当事者の体験談を生徒に直接話すことで、ぜひ希望をつなぐというようなことを教育の中に含めていただけるといいのかなと思いました。
 それから、養護教諭の先生や学校の先生を対象にした研修についても強調したいのですけれども、こういったアルコールの問題ですとかヤングケアラーというのに理解がないと、先生方も少なからずはそういった問題がある、あるいはうまく関われない子どもたちを排除したり、無視したりというほうに流れやすいということがあると思うのです。それが、知識を得るチャンスがあると、そういうことだったのかといろいろなヒントがつながっていって、子どもたちを理解することの助けになるということがあるのです。私も研修会でいろいろなお話をして、アルコールだけではなくて、リストカットなどの自傷のお話ですとか、ひきこもりの話ですとか、あるいは一方ですごく人のケアもやるような子どもたちの背景に実はこういった生きにくさの問題があるのだということをお話ししているのですけれども、非常に納得して聞いていただけているという状況がありました。ですので、これは強いて言うと人に相談できないということ、自殺の問題にもすごく関わっていると思いますので、そういったところも包括的に計画を立てていけるといいのかなと思いました。
 以上です。
○松下会長 どうもありがとうございました。
 大分時間がたっていますが、志田委員から挙手いただいていますが。
○志田委員 すみません。短時間で。
 先ほどACEの研究とかが出てきたと思うのですけれども、2019年のJAMAの研究でPositive Childhood Experiencesということで、ACEに対してどういう経験があると、そういった成人後の情緒的、精神的な健康が保てるかという研究が実はあったりしまして、ACEの逆側を全部外すと7つファクターがあったということなのですが、3つだけお示ししますと、地域の伝統行事に参加して楽しんだ経験があるかとか、高校で帰属意識を感じることができたかとかということがあったりしました。私が一番大事だと思っていて、いろいろなところでお話ししているのですけれども、心から気にかけてくれる親以外の大人が少なくとも2人いたかというようなファクターが同定されたりしていますので、ぜひそういった方に皆さんがなっていただけるように、例えば民生委員みたいな人もそうかもしれないですし、学校の先生もそうかもしれないですし、高校で帰属意識を感じることができたかということは、本当にそういった養護教諭の先生とか担任の先生とかという方が重要なファクターになってくるのかなと思いますので、これはエビデンスがあるものかなと思いますので、ぜひそういった視点も入れていただければなと思いました。
 以上です。
○松下会長 ありがとうございました。
 それでは、ちょうど予定の終了時刻になりました。ですので、本日の議論はここまでとさせていただきたいと思います。どうもありがとうございました。
 事務局におかれましては、本日の御意見を踏まえて必要な資料の修正をお願いいたします。
 また、委員の皆様におかれましては、本日の御発言以外に御意見などがございましたら、事務局まで御意見をいただければと思います。なお、次回についても各論の議論も進めていきたいと思いますので、各論に関わる御意見はその際にお願いいたします。
 最後に事務局から何かございますでしょうか。
○小野室長補佐 本日はありがとうございました。
 次回の開催日程については、決まり次第、御連絡をさせていただきます。
○松下会長 それでは、第34回「アルコール健康障害対策関係者会議」を閉会いたします。本日は御多忙のところ、御参集いただきましてありがとうございました。