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令和7年度第1回社会復帰促進等事業に関する検討会 議事録
1.日時
令和7年7月8日(火)10時00分~11時45分
2.場所
AP虎ノ門 ルームA(※一部オンライン)
(東京都港区西新橋1-6-15NS虎ノ門ビル 11階)
(東京都港区西新橋1-6-15NS虎ノ門ビル 11階)
3.出席委員
- 三菱マテリアル株式会社イノベーションセンター長 足立 美紀
- 日本商工会議所産業政策第二部担当部長 清田 素弘
- 一般社団法人日本経済団体連合会労働法制本部統括主幹 坂下 多身
- 全国中小企業団体中央会事務局次長 佐久間 一浩
- 東京海上ホールディングス株式会社人事部シニアマイスター 砂原 和仁
- 日本通運株式会社人財戦略部次長 武知 紘子
- 日本製鉄株式会社人事労政部部長 福田 寛
- 西松建設株式会社安全環境本部安全部担当部長 最川 隆由
4.議題
- (1)社会復帰促進等事業に関する令和6年度成果目標の実績評価及び令和7年度成果目標について
5.議事
- 発言内容
○労災管理課長 それでは少し早いですけれども、全員おそろいですので、会議を始めさせていただきます。これより「令和7年度第1回社会復帰促進等事業に関する検討会」を開催いたします。進行を務めさせていただきます労災管理課長の宮下でございます。よろしくお願いします。本日は、現地及びオンラインによります参加と併せた形で実施いたします。
まず、この度、新たに就任された委員を御紹介いたします。二宮美保委員に代わりまして、三菱マテリアル株式会社イノベーションセンター長の足立美紀様でございます。
○足立委員 よろしくお願いいたします。
○労災管理課長 続きまして、大下英和委員に代わりまして、日本商工会議所産業政策第二部担当部長の清田素弘様でございます。
○清田委員 よろしくお願いします。
○労災管理課長 また、事務局にも人事異動がございまして、改めまして、私、労災管理課長の宮下と申します。どうぞよろしくお願いいたします。
傍聴の方へのお願いですが、カメラ撮影等はここまでとさせていただきますので、御協力をお願いいたします。
それでは、議事に入ります。本日の議題は、「社会復帰促進等事業に係る令和6年度成果目標の実績評価及び令和7年度成果目標について」です。早速ですが、事務局から資料について御説明させていただきます。皆様方、資料1から資料4、それから参考資料としまして、参考1から参考7まで、お手元にございますでしょうか。それでは順次、資料について御説明します。
まず、「社会復帰促進等事業に関する令和6年度成果目標の実績評価」等につきまして、御説明いたします。
○労災管理課長補佐(主計) 労災管理課長補佐の加藤でございます。私のほうから説明させていただきます。それでは、まず資料1のほうから説明させていただきます。資料1につきましては、全体の件数などを示したものでございます。実績評価対象となります43事業中、A評価のものが34事業、B評価が4事業、Dの評価が3事業となっております。
それでは続きまして、資料2に進めさせていただきます。B評価、D評価となりました7事業につきまして、個別に説明をさせていただきます。時間の都合もありますので、簡単に説明させていただきます。
それでは、最初にD評価となりました3事業につきまして、説明をさせていただきます。1ページ目でございます。「労災診療被災労働者援護事業補助事業費」について、説明いたします。労災保険では、業務上の災害などで負傷した労働者が、労災保険指定医療機関におきまして、自己負担をすることなく療養を受けることができますが、国が労災認定を行うまでの間、当該医療機関は労災保険からの診療費の受領ができない仕組みとなっております。
このような医療機関の経済的な負担を軽減するために、労災保険情報センターにおきまして、診療費が支払われるまでの間、診療費と同様の額を無利子で貸し付ける事業を行っておりまして、この事業におきましては、その貸付の原資を補助しております。本事業を通じまして、多くの医療機関に労災の指定を受けていただき、その結果、被災労働者の療養生活の援護、及び社会復帰の促進に寄与することを目的としております。
本事業のアウトカム指標でございますが、これまで労災保険指定医療機関を、前年度より300件以上増加させると定めて取り組んでまいりましたが、令和6年度の実績は、前年度より55件の減少となりました。令和5年度もアウトカム指標が達成しなかったことを踏まえまして、令和6年度におきましては、労災保険指定医療機関を増加させるために、様々な取組を実施し、新規の指定申請は前年度より増加したものの、取消しの申請が、それを上回ったということで、目標は未達成となりました。
この要因は、国内の医療機関が減少していることにあると考えております。今後も労災保険指定医療機関を増加させるための取組は実施していく予定ではありますが、アウトカム指標として労災保険指定医療機関の増加を目標にして取り組んでいくのは難しい状況であると考えております。そのため、令和7年度につきましては、労災保険で支給した療養補償給付のうち、労災保険指定医療機関において、現物給付として支給された療養補償給付の割合を、新たなアウトカム指標と設定し、目標値は過去5年間の実績を基に、98%以上としたいと考えております。
なお、労災保険指定医療機関の増加数につきましては、アウトカム指標とはいたしませんけれども、引き続き積極的な勧奨を行っていくとともに、参考指標として本検討会へ報告をさせていただきます。
では次に6ページ目、「安全衛生啓発指導等経費」について説明をさせていただきます。本事業では、1つ目として安全週間等の実施に係る事業。2つ目として技能講習修了者の情報を一元管理し、修了証の発行等に係る事業。3つ目としましては、安全衛生教育の指導員養成のための事業を行っております。
目標の達成状況でございますけれども、技能講習修了者の情報を一元管理し、修了証書の発行等を行う業務のアウトカム指標につきまして、帳票データの受付数を171万件以上とする目標に対しまして、実績が156万件と目標を下回っております。この要因につきましては、登録教習者が保有する、過去に実施した帳票データの多くが、既に受付済となったためと考えられます。
このため、令和6年度は令和5年度と比較して、過去実施分のデータが大幅に減少したことが、帳票受付数全体が減少した要因と考えられます。このように帳票データが一定数集まったと考えられる状況であることから、令和7年度の目標につきましては、修了者に適時に修了証明書を発行するといった観点から、不備のない申請について、申請受付から修了証明書発行までに要する時間を1か月以内として、その期間内に発行した割合を90%以上とするということを新たなアウトカム指標としたいと考えております。
本事業は、技能講習修了者のデータを集中的に管理することによって、修了資格者の証明を永続的に可能とすること、それから、複数の技能講習の修了資格を修了証明書1枚に統合することにより、資格証の携帯の義務を遵守しやすくすることを目的とする公益性の高い事業であると考えております。
また、これらのデータベースの整理は、デジタル社会の実現に向けた重点計画に基づき、マイナポータル上でも申請手続や修了状況の閲覧を可能とするためにも必要であることから、今後は適正な予算額とした上で、事業を継続して実施させていただきたいと考えております。
続きまして9ページ、「自動車運転者の労働時間等の改善のための環境整備等」事業委託費について説明をさせていただきます。自動車運転者や建設業従事者につきましては、他の業種と比較しまして、長時間労働になることが課題となっておりますが、この背景には、トラック運送業では荷主都合による荷待ち時間の発生など、取引上の慣行によりまして、労働時間の短縮が進まないなどの問題があることから、取引条件の改善などの環境整備を推進する必要があります、
本事業では荷主や発注者に対しまして、取引環境の改善を通じた長時間労働の削減に取り組むよう促していくことを目的として、荷主等に関しまして上限規制についての周知を行っております。
昨年度の事業実施結果におきましては、アウトカム指標におきまして、トラックドライバー・建設業の時間外労働の制度に関する10問程度のインターネットアンケートを、令和6年5月及び令和7年2月の2回実施いたしまして、それぞれ500程度のサンプルを回収して認知度の向上を図ることを目標といたしましたが、認知度の向上は認められなかったものであります。この原因は、スポットCMの撮影などを、令和6年4月に集中的に行ったことが、初回のアンケートの結果に影響したことであると考えております。
令和7年度は、引き続きポータルサイトによります荷主等への周知、及び特設サイトによります国民全体に向けた周知・広報を取引関係者の具体的な行動につながるような形で継続的に実施しまして、荷主又は発注者として長時間労働の改善などに「気を付けていることがある」「今はないが気を付けていることを検討」などの割合の向上を図るという新たなアンケート仕様にしたいと考えております。
ここからB評価となりました4事業につきまして、説明をさせていただきます。最初12ページ目、「長期家族介護者に対する援護経費」について、説明させていただきます。要介護状態にある重度被災労働者を長期間抱える世帯におきましては、家族の精神的、肉体的負担が大きく、世帯収入も労災年金に依存せざるを得ない状況にあります。この事業におきましては、要介護状態の重度被災労働者が、時間外の事由で死亡した場合に、長期にわたり介護に当たってきた遺族に対しまして、遺族の生活の激変を緩和し、自立した生活への援助を行う観点から、一時金の100万円を支給しております。
昨年度はアウトカム指標のうち、申請から支給決定までに要する期間を1か月以内として、1か月を超える場合には、申請者にその旨を連絡するという指標。また、令和6年度の支給件数を41件以上とするという指標を立てましたけれども、1か月以内を超えた事業3件につきまして、いずれも申請者にはお知らせしていませんでした。また、支給件数につきましても30件となりましたことから、いずれも目標達成できないということになっております。
まず、申請者への事前連絡につきましては、支給を行う労働局に確認しましたところ、これを失念していたという理由でございましたので、改めて労働局への指示を徹底してまいります。令和7年度は、事業の目的に鑑みまして、引き続き早期の支給を徹底する必要があることから、同様の目標を設定するとともに、支給件数につきましては、目標立てになじまないものでありますので、指標としないこととしたいと思います。
続きまして14ページ目でございます。「労災特別介護施設運営費・設置経費」について、説明をさせていただきます。本事業は、在宅で介護を受けることが困難な重度被災労働者に対しまして、厚生労働省が設置した労災特別介護施設、ケアプラザと呼んでおりますけれども、これの運営及び当該施設の整備を行うものでございます。昨年度の指標としましては、アウトプット指標の全国8施設での入居率を90%以上という目標につきまして、年平均の入居率は79.8%となりましたということで、目標の数値を下回る結果となりました。この原因としましては、死亡や長期入院等によります退去者数が新規入居者を上回ったためであります。
このような状況を踏まえまして、労働局や市町村等への協力依頼を行ったり、入居案内、施設を紹介するような動画を作成し公表を行うなど、入居率の改善に努めております。また、入居者数と入居定員との乖離を考慮しまして、今年度、入居定員についても見直しを行う予定でございます。そのため、今年度のアウトプット指標につきましては、率としては昨年度と同じ水準で設定しまして、施設を必要とする人数が入居できるように、事業運営に取り組んでまいりたいと思います。
なお、御参考でございますが、アウトカム指標につきまして、これまでは「どちらともいえない」という回答を分母に含めておりませんでしたが、今後は、「どちらかといえば満足」「どちらかといえば不満足」という分類にしまして、全ての回答を分母に含めるよう見直しを行う予定でございます。この変更によりまして母数が変わりますので、有用度の数値が上下にぶれやすくなるため、有識者の方々の意見を踏まえまして、目標を85%以上に変更させていただきたいと考えております。
続きまして18ページ目、「働き方改革の実現に向けた労働時間の上限規制の定着による長時間労働の抑制等のための取組」について、説明をさせていただきます。時間外労働の上限規制等を定めました改正労働基準法が、平成31年4月より施行されております。その定着を図る必要がありますが、労働時間が週60時間以上の労働者は横ばいで推移しているなど、依然として恒常的な長時間労働の実態が認められます。
こうした状況を踏まえまして、本事業におきましては、長時間労働の抑制等のための取組といたしまして、昨年度は36協定未届事業場に対し自主点検を実施しまして、その結果、基本的な労務管理の知識などの習得が必要と考えられる事業場に対しまして、専門家によるセミナーなどを開催しました。
そのほかに、労働条件に関する相談のため、労働条件相談ほっとラインの設置、大学や高校等での法令等の周知・啓発の実施などを行いました。そのうち、基礎セミナーにおきましては、広報活動を最大限に行うことが重要であると考え、アウトプット指標につきましては、基礎セミナー40万7,170部のリーフレットの作成・配布と定めていましたが、リーフレットの発送予定先への周知協力依頼に時間を要したことなどが原因で、リーフレットの作成・配布部数が31万7,980部にとどまりました。
今年度の基礎セミナーにおきましては、より長期的な広報が行えるよう、4月の段階でデザイン等の詳細を決めていくなど、各種調整を早期の段階で進めておりまして、こうした工夫をしながら今年度の目標を達成したいと考えております。
続きまして21ページ目でございます。「過重労働の解消及び仕事と生活の調和の実現に向けた働き方・休み方の見直し」事業につきまして、説明をさせていただきます。この事業は、働き方改革に関しまして、時間外労働の上限規制に円滑に対応するため、相談支援等を行う「働き方改革推進支援センター」の設置や、生産性を高めながら労働時間の縮減に取り組む中小企業事業主などに対して助成をする働き方改革推進支援助成金などを実施しているものでございます。
令和6年度のアウトプット指標のうち、働き方改革推進支援助成金につきまして、労働時間短縮・年休促進支援コースでは、当初の見込みを上回る実績となったものの、業種別課題対応コース及び勤務時間インターバル導入コースは、当初の見込みを下回る実績となりまして、目標を達成できませんでした。
未達成の原因といたしまして、業種別課題対応コースにおきましては、対象となる事業主が労働時間を短縮し難い状況でありまして、現時点では、助成金を得るために必要となる取組の内容達成が容易ではないこと、それから勤務時間インターバル導入コースにつきましては、労働時間が長い事業主に対象を限定していることに加えて、業種別課題対応コースでもインターバルの取組が可能となっていることが影響したものであると分析しております。
今年度の目標につきましては、令和6年度の支給実績を踏まえた件数と設置しております。建設業や自動車運転者を始めとした、労働時間が長い実態にある業種などのほか、勤務時間インターバル制度を導入していない企業への支援は引き続き重要であると考えていることから、これらの対象に対しまして、効果的な支援を実施できるよう、今後は必要な見直しを検討してまいります。
続きまして資料3になります。「社会復帰促進等事業の令和6年度予算執行状況」を説明させていただきます。こちらの予算額に対しましての執行率が80%未満となったものの事業を一覧としたものでありまして、執行率が低調であった理由を説明させていただくものでございます。
低調となりました理由として、3番、11番、12番、上から3つの事業につきましては、被災労働者等への給付を実施するといった事業でございまして、給付の件数が見込みより少なかったことが低調だった原因でございます。
17番以下の事業につきましては、民間企業等への委託事業などでございますが、入札の実施などにより、低廉な価格で契約することができたことから低調となったものです。簡単でございますが、資料3の説明につきましては以上でございます。
続きまして、資料4につきましてですけれども、実績評価の対象事業であります43事業、全ての事業の個票という形で資料にしております。こちらの内容につきましては、目標達成事業が中心ということでございますので、割愛をさせていただきます。
最後に、社会復帰等促進事業に関わります、令和7年度予算につきまして補足をさせていただきたいと思います。参考5を御覧いただきたいと思います。昨年度の社復検の際に、令和7年度の要求額は850億円である旨説明をさせていただきましたところ、財務省に概算要求を提出しました後に生じました事由によりまして、一部の予算につきまして改要求を行いました。この改要求を行いました令和7年度予算が成立いたしまして、社会復帰促進等事業の予算につきましては914億円と、約65億円の増額となりましたことを報告申し上げます。私のほうからの説明は以上でございます。
○労災管理課長 それでは、委員の皆様から御意見をお伺いできればと思います。まずは、事業全体に関しての御意見をお伺いさせていただき、その後に個別事業に関しての御意見をお伺いさせていただければと思います。
それでは、事業全体に関する御意見について、御発言の際には、会場の委員におかれましては挙手をしていただき、オンラインで参加の委員におかれましてはチャットのメッセージから「発言希望」と入力いただくか、挙手ボタンで御連絡いただきますようお願いします。こちらから指名させていただきます。どうぞ、よろしくお願いします。それでは、坂下委員、お願いします。
○坂下委員 経団連の坂下です。全体的な意見をということですので、総論的なことを申し上げます。参考資料5に関連しますが、社会復帰促進等事業費については、本当に必要な事業に見直し、今回のグラフから消えてしまいましたが、平成25年度予算の673億円という水準を目指してほしいとかねがね申し上げています。今回、このような形で増えておりますので、改めてこのことを申し上げます。
未払賃金立替払事業費を含む令和7年度の予算は914億円、一番右側の棒グラフです。労働者健康安全機構の施設整備費補助金や未払賃金立替払事務実施費等が前年度に比べると大幅に増加していることが見て取れます。先ほど、基本的な方針を申し上げましたが、改めて、社復事業の趣旨・目的に直結しない事業については大胆な見直しを行うとともに、その他の事業も含めてPDCAサイクルをしっかり回すことを徹底してほしいと思います。
もう1点、目標設定の在り方についても申し上げます。参考資料1の目標管理に関する基本方針の3.の(1)の最後の2行目から2ページ目に掛けての記述を読むと、「前年度目標を達成した上で、その翌年度の目標を前年度と同水準に設定する場合には、既に相当高い目標設定を行っている場合を除き、その理由を明らかにする。」と明記されています。しかしながら、目標を同水準に設定しているものの、その理由が明記されていない事業が多数あります。全て確認できているか自信はありませんが、私どもで見た限りは16事業あります。例えば、事業番号2番、4番、7番、8番、9番、11番、12番、15番、18番、23番、25番、33番、35番、37番、39番、42番です。
更に、令和6年度に目標を大幅に上回る実績を達成しているにもかかわらず、令和7年度も目標を据え置いている事業もあります。例えば、事業番号27番、28番、38番、39番、42番です。目標設定の基本的な考え方をもう一度確認したいと思いますので、事務局から御説明をお願いします。
○労災管理課長 ありがとうございました。労災管理課長です。御指摘ありがとうございます。2013年(平成25年)の水準にという御意見について、2013年の水準は様々な事情があって、行政改革の取組の中で予算を非常に絞っていた時代でやったと考えています。その後の災害や各班の事情に応じて、一様の予算を措置してきたところでして、そういった経緯と言うか、事情はお聞きいただいていると思います。
他方、社会復帰促進等事業については、スクラップアンドビルドで対応するなど御指摘のPDCAサイクルを実施することを含めて、事業の精査を行いながらしっかりと必要な予算に絞ることにこれまで努めてきましたが、今後も引き続き詰めてまいりたいと考えております。
それから、目標設定の在り方について、御指摘のとおり、前年度目標を達成した上で、その翌年度の目標を前年度と同水準に設定する場合には、既に相当高い目標設定を行っている場合を除き、その理由を明らかにするとされております。一つ一つの目標設定について、基本的にはPDCAサイクルの中で高い目標の設定をいただいていると考えているところですが、御指摘の理由の明記を含めて、分かりやすい表現にするなど、しっかりと対応してまいりたいと考えております。また、個々の事業で気になる目標設定等あれば、御指摘いただいて反映できるものはしっかりと反映していきたいと考えております。以上です。
○坂下委員 御説明ありがとうございます。1点目については、これまでも申し上げ、御説明もいただいていますので、当時の事情は我々も承知しているところです。基本的に、労災保険給付を中心とすべきであり、社会復帰促進等事業は本当に必要なものに限定していくべきだと考えていますので、それに沿った形で、是非、検討いただきたいと思います。
目標設定のあり方について御回答がありました。大変厳しい言い方に聞こえるかもしれませんが、安定的かつ安易に達成できる目標を設定しているように見えなくもありません。せっかく回しているPDCAサイクルが形骸化してはならないと考えていますので、今からでも見直せるものは、是非見直しを検討していただきたいと思います。これは要望です。以上です。
○労災管理課長 ありがとうございました。そのほか、御意見等ありますか。
○砂原委員 御説明ありがとうございます。意見です。坂下委員からお話がありましたし、何度も申し上げておりますが、(徴収した労災保険料については、)本来、労災被災者の療養費等の給付に回すべきだと考えます。社会復帰促進等事業は労災保険の付帯的な事業なので、各事業の見直しを行い、事業費の膨らみを抑えていただきたいと思います。
例えば、長期家族介護者援護金ですが、賠償責任として発生するものの一部を、内払いすることで、それをやれば、こういう制度をなくす、または縮小することができたりしないものなのでしょうか。これから労災保険制度の見直しがされていくのだと思いますが、例えば、社復等事業も含めた形での制度見直しをしていただいたほうがいいのではないかと感じましたので、申し上げます。以上です。
○労災管理課長 ありがとうございます。そのほか、御意見等ありますか。
○最川委員 西松建設の最川と申します。私も坂下委員と同じ意見なのですが、平成25年当時の予算は一度無駄がそぎ落とされたと感じています。それ以降、必要なものを追加されたところもあると思うのですが、本来は給付に当てるべきで、社会復帰の中で特に安全対策費はお金を掛ければ幾らでも掛けられてしまう。そこがどんどん増えていって、そこに掛かる人件費、ラーニングコストみたいなものがどんどん増えていくと、本来支給すべき所の負担が増加して、保険料の値上げにつながっていきますので、本当に必要かどうかというのを含めて、A事業も一度しっかり見直していただきたい。例えば何年かに1回、本当にあるべき事業なのかというところを見直す機会をきちんと設けたほうがいいのかなと思っています。
そこで、私が前回、参考資料5については決算額を入れてくださいとお願いをして、決算額を入れていただいています。ここ最近では毎年要求額が増えている中で、決算額は、例えば令和4年度でいくと686億円に対して、令和5年度は651億円、令和6年度は多少増えましたが、664億円ということで、予算額からは決算はそれほど掛かっていません。普通の民間企業でいけば、決算額に対して予算がどれぐらい必要かということをやるべきなのですが、前回の予算額に対してどのぐらい増やしたいという要求額になっている。この乖離が余裕を持った使えるお金みたいに見えてしまうので、そこはきちんと決算するお金、決算額に対して本当に必要なお金だったのか必要ではなかったのかという所を精査していただきたい。次回でもいいのですが、そこをしっかり見直させていただきたいと思います。よろしくお願いします。以上です。
○労災管理課長 ありがとうございます。そのほか、ありませんか。佐久間委員、お願いします。
○佐久間委員 ありがとうございます。社会復帰促進等事業の各項目を通じて、担当課の方々も事業遂行をよくやっていただいていると思います。個別の事業に入る前にDとBの評価等を見させていただきましたが、アウトカムの指標、アウトプットの指標の記載について、具体的にどのように効果、成果を記載すれば良いか、難しい所だと思うのですが、行政側とすれば、アウトプットとしてどれだけ回数等を明記する数字的なものと、アウトカムとして、どのような効果・成果がユーザーに対して出てきたかということの分類があると思います。資料を拝見すると例えば1ページで300件以上増加させるのが目標となっており、これは事業内容から数値を受けていながら示すことが端的に書かれているのでこのような内容になってしまうのかもしれません。実績も55件減少したとか、何かこの数字だけだとアウトプットの指標に見えてしまうという感じもします。この実績について、それぞれ利用された方たちが、どのような効果・成果があったかというのが本来出るべきだと思うのです。事業内容から効果・成果を表しにくい所もあると思いますが、それを記載していただくことで明確になるのではないかと思います。B・D評価で出ている事業について、効果・成果が分かりにくいと思います。
先ほど、坂下委員が言われたように、本事業は、労災に遭った方に給付を行っていく事業がメインでありながら、徐々に労災に結びつけて事業が広がってきてしまっているのではないかと思います。例を挙げますと、「自動車運転者の労働時間等の改善のための環境整備」等、この理由も分かるのですが、記載の仕方によって、労働時間改善に向けたポータルサイトの運営が本事業で実施することが適切なのか、事業費の関係でどこから出していくのか、そういうのが分かりにくい部分が従来からあって、一般会計や雇用保険二事業で支出ができないから、社会復帰促進等事業で実施し、労災会計から支出しているというのが見えます。是非、事務局としても留意しながら、これからの事業に取り組んでいただきたいと思います。
それから、資料No.3の所に予算が少なかった事業の一覧が載っていますが、実際にこれだけ国の方針として”賃上げ”と言っている中で、事業をなるべく効率的に抑えられるのはいいと思うのですが、官工需の関係もありますので、それによって適正な、原材料や人件費への補填がされているか、組み込むようにされているか、途中で特定の科目については増額が認められる等、再度留意しながら進めていただきたいと考えます。以上です。
○労災管理課長 ありがとうございました。そのほか、御意見等ありますか。足立委員、お願いします。
○足立委員 マテリアルの足立です。私、今回から初めてで、これまでの経緯は存じ上げないのですが、ただ、全体的に見て、PDCAを回すのは分かるのですが、周知自体が目的になっていないかというような事業が多く見受けられるように思いました。確かに、周知は大前提だと思いますが、目的のためにどこまで目指すのかをしっかり決めて、(費用も事業も多くなっているということですので、)どれをどこまでどうするのかということを決めていただいたら、膨らんでいくというのもなくなっていくのではないかなと思いました。コメントです。
○労災管理課長 ありがとうございました。そのほか、ありますか。よろしいですか。様々な御意見、ありがとうございました。今後の目標設定等の参考にさせていただければと思います。
それでは、次に個別事業に関して、御意見をお伺いできればと思います。先ほどと同様に御発言の際には、会場の委員におかれましては挙手を、オンライン参加の委員におかれましてはチャットのメッセージから「発言希望」と入力いただくか、挙手ボタンで御連絡いただくようお願いします。こちらから指名させていただきます。それでは、お願いします。清田委員、お願いします。清田委員、音声が入っていないようですが。入りました。大丈夫ですね。
○清田委員 聞こえていますか。
○労災管理課長 ありがとうございます。
○清田委員 ありがとうございます。大変失礼いたしました、日商の清田でございます。事業全体については、先ほど皆様から御意見がありましたとおり、なぜ、この社会復帰促進等事業で実施するのかという点を是非明確にしていただき、メリハリある予算執行をお願いしたいと考えております。その上で私から個別事業について、4点申し上げます。
まず1点目ですが、事業番号14の労災診療被災労働者援護事業補助事業費はD評価ということで御説明をいただきましたが、こちらは必要な取組だということは理解しており、予算額についても問題ないと思っております。一方で、目標の立て方については、やや疑問があるとも考えております。アウトカム指標として、現物給付の割合を98%とする目標設定がされていますが、被災労働者の受診医療機関をコントロールするのは非常に難しいのではないかと思いますので、結果論になりがちな指標を目標に置く点には、やや疑問が残ると感じます。
2点目ですが、事業番号23番のメンタルヘルス対策等事業につきましては、入札価格が低廉であった為、前年費予算減となっています。今後、ストレスチェックの義務拡大が予定されている点を踏まえると、こころの耳による情報提供なども非常に重要だと考えておりますので、必要な予算であると考えております。
また関連して、事業番号21の産業保健活動総合支援事業は、いわゆる地さんぽについての事業となりますが、小規模事業に今後ストレスチェックの対象が拡大していくに当たり、この地さんぽ等の機能強化が極めて重要だと考えております。体制整備、予算確保という所に相当額予算が掛かるのではないかなと思いますので、どの程度の予算が必要になるのか、厚労省として是非精査をしていただき、必要な予算措置をお願いしたいと考えております。
3点目、事業番号37の過重労働の解消及び仕事と生活の調和の実現に向けた働き方・休み方の見直し、いわゆる働き方改革推進支援センターの運営についてとなりますが、働き方改革推進支援センターについては商工会議所として非常に大きく期待をしております。従前同様、予算維持について是非お願いをしたいと思います。メニューの中でもコンサルティング相談事業は、目標3万件に対して3万3,000件の実績があり、中小企業のニーズも非常に高くなっております。働き方改革への支援について、この予算で実施するかどうかという是非もある点承知しておりますが、一方で、働き方改革の推進については喫緊の課題として重要であると認識しております。いわゆるコンサルティング事業については、是非とも充実・強化をお願いしたいと思います。
最後ですが、事業番号44のフリーランスに対する相談支援等の環境整備事業について申し上げます。こちらは額も小さい事業ではございますので、問題視するかどうかという点もありますが、今年から新設ということで資料に記載がございます。フリーランスとして働く方が労災の特別加入の対象であることを考慮し、健康確保措置は重要だというところは理解をしておりますが、記載の内容から、取引適正化に関する内容が中心ではないかと感じております。なぜ、社復事業で対応するのかという理由は明確にしていただきたいと思います。私からは以上です。ありがとうございます。
○労災管理課長 ありがとうございました。それでは、それぞれの所管部局からお願いします。14番、補償課からお願いします。
○補償課 補償課の岡久と申します。よろしくお願いします。委員の御指摘のとおり、過去10年間の数字を見ると、平成26年で98.60という数字なのですが、令和5年で98.87となり10年で伸びてはいるのですが、微増という状況です。おっしゃるように、被災労働者がどこで受診できるかというのは、なかなか行政でコントロールできるものではないとは理解しているのですが、被災者が行きたいと思った病院が労災保険指定医療機関になっている状況が理想だと思っています。今までの目標設定では労災保険指定医療機関を増やすことをアウトカムにして取り組んできたのですが、昨年度のいろいろな委員の御指摘もありましたように、また、今、佐久間委員からもあったように、今年度からはアウトカムとしては何を求めるかというと、やはり被災者が自己負担なく、どれだけ無償で病院で治療が受けられるかというのを我々としては目指していきたいですし、この数値の劇的な向上は見込まれませんが、可能な限り100に近付けていく努力を今後もしていかないといけないと思っております。ですので、数値に関しては、先ほど清田委員から全体の所でお話がありましたが、我々も98を立てていますが、これが果たして適正な目標なのかというのは引き続き検討していきたいと思っております。以上です。
○労災管理課長 それでは23、21について、安全衛生部、お願いします。
○安全衛生部労働衛生課 労働衛生課です。御意見どうもありがとうございます。先の通常国会で改正労働安全衛生法が成立しまして、ストレスチェックの義務主体が50人未満の事業場にまで今後拡大されるというところです。
その観点で、必要な体制整備や中小企業を含めた方々への相談支援等を図っていきたいと考えているところです。きちんと予算は精査しますが、体制整備を図っていきたいと考えています。以上です。
○労災管理課長 37番について、労働基準局、お願いいたします。
○労働条件政策課 労働条件政策課からお答えさせていただきます。御意見ありがとうございます。働き方改革推進支援センターについては、御承知のとおり、コンサルティングを中心に据えて事業を進めているところです。実際に中小企業の皆様からも、このコンサルティングについては非常に評価をいただいているものと理解していますので、今後もしっかり事業の柱として、実績が上がるように取り組んでいきたいと思いますので、どうぞよろしくお願いいたします。
○労災管理課長 それでは、44番、雇用環境・均等局、お願いいたします。
○雇用環境・均等局在宅労働課 フリーランスに対する相談支援等事業の環境整備事業について、雇用環境・均等局在宅労働課から回答させていただきます。本事業については、フリーランスとして働く方が安心して働き続けられる環境の整備を行うため、取引上のトラブルについて弁護士にワンストップで相談できる窓口、これはいわゆるフリーランス・トラブル110番の設置・運営に関する事業になります。この110番で寄せられる相談の中には、ハラスメントや業務上の負傷に関するフリーランスからの相談についても対応していまして、労災保険の特別加入の対象者であり、安全衛生法による災害防止対策の対象となることも見込まれるフリーランスの安全衛生の確保に資するものと考えています。
また、本事業では労働者性に関する相談にも対応していまして、当該事業の利用を通じまして、労働者としての安全衛生の保護を受けることも想定されることから、本事業は社会復帰促進等事業で実施する必要があると考えているところです。
先ほど、委員がおっしゃったとおり、取引部分に関するお問合せが多いということもありますが、本事業については公正取引委員会と中小企業庁と厚生労働省、これで予算を負担しています。全体としては総額約2億円の事業となります。そのうち厚生労働省は3分の1、約6,700万円を負担しているのですが、その3分の1の約2,200万円を労災勘定にて御負担いただいているところです。この負担額の考え方については、フリーランス・トラブル110番に寄せられる相談実績から労災勘定に資するものの割合を算出して、これに基づいて設定しているところですが、具体的に申し上げますと、労働者性に関する相談やハラスメントに関する相談、業務上のけがに関する御相談、これが合計で約11%ありまして、この事業全体の約2億円の11%を労災勘定で御負担いただいているとしているところです。以上です。
○労災管理課長 清田委員、よろしいでしょうか。
○清田委員 ありがとうございました。引き続きよろしくお願いいたします。
○労災管理課長 ありがとうございました。会場の皆様から御発言はありませんか。それでは、福田委員、お願いいたします。
○福田委員 私から3つと言いますか、2つと言いますか。まず、事業番号の12番と22番の所なのですが、これはちょっと対応されているのが、所詮人間なので、どこまで言うかというところがありますが、未達成の理由という所に書いていただいているものが、担当者の方が失念してしまっていた、事業所との各種調整が当初よりも遅れたなどと書いてある所があります。これをとやかく言うというものでは必ずしもないのかもしれませんが、非常に重要な事業を担っているという立場でもあることから、より緊張感を持った事業運営については、引き続き御指導のほど、よろしくお願いしたいと、あえて申し上げるということで申し上げさせていただきたいと思います。
あと、もう1点が同じ事業番号22番の所なのですが、これも1例ということかもしれませんが、アウトカム指標の所で、例えば、令和7年度のアウトカム指標、①の所について、セミナーのアンケートを実施して、内容を理解できたという回答がと、こういうような目標の設定になっていますが、まずはその内容の理解を図るということが大前提だということはありますが、先ほど全体の中でも意見が出たことと近しいかもしれませんが、一方で、もう1歩踏み込むと、そこで理解した上で一体何を各セミナーの参加者が持って帰ってやったのかというところが、やはりアウトカムとしては非常に重要な部分になるのかなというふうに思われます。
また、そのほかにもいろいろな情報提供のポータルサイトが有用だったかどうかなど、そういったところを指標にされているものが幾つかありましたが、やはりそこで見て、ああ分かったというところで終わりでないところ、もう少し1歩踏み込んでいろいろ確認を取ることを、ちょっと確認が難しいところが多々あることは承知していますが、目標の立て方、フォローの仕方について工夫をいただけたらなというふうに思いまして、意見として申し上げさせていただきます。以上です。
○労災管理課長 ありがとうございました。12番については、同じような事案が生じないよう、労働局に周知徹底をしていただければと思います。
それでは、22番について労働基準局、お願いいたします。
○監督課 監督課です。御質問ありがとうございます。まず、目標の立て方については、なかなかアウトカム指標を取りにくく難しいところがあるのですが、今の御意見を踏まえて、検討の課題とさせていただきたいと思います。以上です。
○労災管理課長 ありがとうございました。そのほか御意見はありませんか。足立委員、お願いいたします。
○足立委員 マテリアルの足立です。今の所ですみません、関連してもう1つあるのですが、この事業費でやるか否かというところは別にして、指摘させていただきます。今のNo.12の所なのですが、これは大事な事業だと思います。失念したので達成されなかったというところは、やはり各労基さんで年に1回あるかないかみたいな数が少ないところだと思います。これは担当者の方に徹底するといっても、なかなか難しいことだと思っています。むしろこういった件数の少ないものは、厚労省さんのほうから各労基さんに、こういう形でやってくださいというのを周知するとか、あとは逆にきちんとやったかどうかということの確認を取っていくことで、徹底していくといったようなことも考えていただけないかと思っています。数が多いものは、きちんと周知するということで問題ないと思いますが、そういったところは検討いただければと思いました。
2つ目なのですが、これもNo.22なのですが、ちょっとこれだけではないのですが、全般的にリーフレットなど、紙を配布するといったようなことが多いと思っています。これは事業としては大事なのかもしれないのですが、別の観点で言うと、ペーパーレス化を進めていきましょうということもありまして、個人事業主さんでしたら、ちょっとなかなかパソコンで難しいという方もいらっしゃるのかもしれないのですが、学生さん等は、むしろ紙は要らないという方が多いのではないかと思いまして、QRコードの活用など、紙を使わない形での周知方法といったようなことも検討いただければ、より進むのではないかなというふうに思いました。
3つ目は16なのですが、ちょっとこの事業でやるのかどうかというのは、先ほど議論があったとおりで、安全週間をやることが目的ではなくて、これを進めることで労災に遭われる方を少なくして、この事業に係る人を少なくすることが目的だと思いますので、逆に労災を起こさないための行動をするというのであれば、この週間に、いろいろ資料を用意していただいているのは事業者として非常に有り難いと思っているのですが、更にこれをどのように、大企業だけではなくて、中小さんだったり、個人事業主さんに展開して、いい事例を展開して労災を起こさないようにしていくかというふうに、つなげていくことを検討いただければと思ってコメントいたしました。以上です。
○労災管理課長 ありがとうございました。12番については、労働局に対して徹底をするよう指示をするのですが、指示の仕方については検討して工夫させていただきます。
それでは、22番を労働基準局、お願いいたします。
○監督課 監督課です。御意見、御質問ありがとうございます。リーフレットですが、QRコードやネット上でも周知をしています。いろいろな形で紙媒体もあり、インターネットと言いますか、そういうものもあって、手に取る方、確かに若い方はQRコードやインターネットを使うという方が多いと思いますが、ゼロではなくて、やはり若い人でもそういう紙のほうがいいなど、いろいろな形で配布することによって、目に入れていただいて、参加していただくということが非常に有効かなと思っていますので、チャンネルは広くさせていただいているのが現況かなと思います。もちろんQRコードなど、そういったことは進めています。以上です。
○労災管理課長 16番の事業について、安全衛生部、お願いいたします。
○安全衛生部安全課 安全衛生啓発指導の事業のうち、安全週間について御指摘いただきまして、ありがとうございます。安全週間の事業については各監督署において、地域の災害の発生状況等を踏まえて、適切な業種に対して中小事業場等も対象に周知啓発を行っているところですが、より効果的にという御指摘を踏まえまして、どこに重点を置くのか、その中でどのような資料を使うのがよいのかなど、より効果的に事業を実施していきたいと考えています。
○労災管理課長 ありがとうございました。そのほかにありませんか。武知委員、お願いいたします。
○武知委員 先ほどほかの委員の方からありました14番の労災診療被災労働者援護事業補助事業費の98%の指標の設定について、その利用者の選択の中で、様々な事情により労災保険指定医療機関で受診しない場合もあり得ると推察しています。そうすると、もし98%がある程度事業の目的に適った安定した水準であれば、そこをキープすることを目指すという考え方、それ以上のコストを掛けて困難な100%を目指すよりも、必要な水準として98%を維持するように努めるというのも考え方としてあると思います。まずは98%の指標がどれぐらい適切なのかというところを、もう少し担当のほうで御検討いただき、次の機会などで御説明いただければと思います。
もう1点については、事業番号16番の安全衛生啓発指導等経費についてです。こちらはD評価の事業であるものの、予算が拡充されています。令和6年度のD評価の理由は、そもそも一定程度目的が達成されているからだと先ほどお伺いしたのですが、それにも関わらず、資料2の8ページにあります技能講習修了証明書発行等一元管理事業では、対前年1.1億円の予算拡充となってる理由について御説明をお願いしたいと思います。私のほうからは16番だけお答えいただければ結構です。
○労災管理課長 ありがとうございます。それでは、16番、安全衛生部、お願いいたします。
○安全衛生部安全課 技能講習修了証明書発行等一元管理事業で令和7年度に予算が増額した理由について、御説明させていただきます。こちらの事業については、事業の目的の2つ目の○にありますが、「デジタル・ガバメント実行計画」において、このマイナンバーカードを基盤として、技能講習修了証明書の発行の関連の事業と国家資格システムとの連携を図るということが言われています。そういった中で、令和7年度については、事業主体等の委託事業で実施と記載のある中の一番下に、国家資格システムとの連携とあり、こちらのシステム開発に掛かる経費ということで、一旦、増額をさせていただいているというところです。令和8年度については、個票の中でも記載がありますが、事業内容を見直して、真に必要な範囲で予算要求をさせていただければと考えています。以上です。
○武知委員 ありがとうございます。今、8年度のことまで言及いただいたので安心しましたが、3.3億円をベースに検討することがないようによろしくお願いいたします。
○労災管理課長 ありがとうございました。そのほかありませんか。最川委員、お願いいたします。
○最川委員 今の事業番号16番に関連してなのですが、この技能講習のデータ管理ということで、例えば免許や技能講習、特別教育など、労働者が持たなくてはいけない、特に建設業の場合はいろいろな種類の免許があって、それを一元化するというのは賛成なのですが、今回のこの事業は技能講習だけですよね。免許は元々国が管理していると思いますが、将来的にマイナンバーカードに一元化するというのが決まっていて、そこに掛かる費用やシステム完成予定期日が決まっていれば良いのですが、現在、いろいろなところで一元化が検討されていて、例えば建設業でいくとキャリアアップシステムなどでいろいろなデータが一元で見られるようなことも取り組んでいると思います。そういうところにもお金が掛かっていますし、このマイナンバーカードに統一するというのが決まっているのであれば、そういう方針をやはり出していただかないと、無駄なお金がかかってしまうので、これは短期間ではなくて、やはり長期的な目標があって、いついつまでに免許と技能講習はここで確認できるなど、そういう長期目線と短期に掛かるお金と両方見ていただかないと、とりあえず今年度幾らでやりましたということではなくて、そういう目標設定を必ず入れていただきたいと思います。
本当にこのマイナンバーカードになるのかどうかという、方針をしっかりまず決めていただくというのが大事だと思うので、そこが決まっていないのでしたら、逆にお金を注ぎ込む意味はないと思います。この事業の目的が、技能講習を実施している団体から発行されるべき内容が、そこの団体がなくなってしまった場合に国が代わりに再発行するということですよね。本来はその団体が再発行してあげればいいということなのですが、そのデータを例えば全部国が管理して一元にまとめてもらうならいいのですが、実施団体から国にデータをもらうシステムと言うのですかね、法改正なのか分からないですが、それをちゃんと決めるということも検討していただきたいと思います。以上です。
○労災管理課長 ありがとうございます。安全衛生部からお願いいたします。
○安全衛生部安全課 御指摘ありがとうございます。まず、免許証、技能講習、特別教育等がありますが、その中で、本事業で対象としているのは技能講習ということになっています。こちらは令和7年度のシステム改修で対応できることとしましては、国家資格連携システムとの連携、電子申請ができるようになるということと、その中で資格情報を閲覧できるようになるということです。その資格情報システムと連携した後、最川委員がおっしゃられたようなキャリアアップシステムの関係については、キャリアアップシステムと国家資格システムとの連携については、国交省さんのほうで今、調整を行っていると承知しているところです。
将来的なところとしましては、その連携が図られるというところですが、その明示的にいつまでに、ここがゴールですというのが決まっていないと言いますか、順次、実施していくというような形で考えているところです。
また、資格情報の収集の所について、御指摘いただきましたとおり、まずは登録教習機関というのが廃止してしまったときに、そこで資格を取った方が永続的に資格を証明できるというのが一番初めの事業の目的でした。ただ、ほかの講習機関で実施したものを1つの資格証にまとめてほしいというような要望がありますので、こちらは現状、教習機関の任意の協力の形ですが、登録教習機関に、廃止する前であっても講習の修了状況を提供してほしいということを依頼しています。そちらで集まったものについては、資格証をまとめて発行するというような対応を行っています。現状は任意ということですので、依頼ベースで、登録教習機関にはデータの提供を行っていただくよう引き続き働き掛けていきたいと考えています。
○労災管理課長 ありがとうございます。最川委員、よろしいでしょうか。
○最川委員 御説明ありがとうございました。今、任意ではしょうがないと思いますが、それをやはり吸い上げるようなシステムを検討していただきたいのと、いつまでにやるという明言はできないと思いますが、やはり目標を、大体何年度、3年間掛けて改修するなど、やはり目標を立てていただく。いつまでも予算をずっと掛けていくということではなくて、そういう年度目標を立てていただきたいというのが要望になります。以上です。
○労災管理課長 安全衛生部、お願いいたします。
○安全衛生部安全課 御指摘ありがとうございます。単年度ではなく、将来的なものを見据えて対応を考えていきたいと思います。
○労災管理課長 そのほかにありませんか。佐久間委員、お願いいたします。
○佐久間委員 ありがとうございます。まずこの資料No.4の26番ですが、建設業等における労働災害防止対策費の中で、(1)の所では全国仮設安全事業協同組合に委託して実施する、「手すり先行」についての事業があります。これは建設現場での転落などが多いので非常に重要だと思いますが、過年度よりずっと全国仮設安全事業協同組合に委託をしてやっています。これによって手すり先行工法というので普及は進んでいると思いますが、実際に工事について、ほとんどがこの手すり先行を入れるようになったのかどうか。その辺の成果というのを伺いたいと存じます。
次の(2)のほうは、一人親方に対する安全衛生教育なので、これによってどれだけ波及というか成果があった、データとして取ることは難しいのですが、成果が分かれば教えていただきたい。
それから、33番、これは毎回申し上げているところですが、外国人の関係では、国の方針として外国人の受入れ人数を増加しようとしています。外国人技能実習機構が7年度のシステム構築、そして8年度の育成就労制度による監理支援機関の新規許可申請の開始、また9年度からの育成就労の実施に代わったということで、外国人育成就労支援機構として変わろうとしています。8年度の新規許可申請受付に備え、システム構築を図っていくことで、人数的には業務を受けていながら担当する外国人は非常に多くなってくるのではないかなと思います。許可申請と従来の認定申請案件などが多くなってくると思いますので、この安全衛生の関係の指導というか、切り分けというのが非常に難しいと思いますが、それによって事業費の関係で、労災会計のほうで賄っているということも感じられるのです。職員の人数というものも、これから増やしていく必要がありますので、是非、7年度、8年度に向けて増額をお願いをしたいと思います。対応ができればいいのですが、かなり業務量が多くなってくるのではないかと思います。
それから、これも毎回申し上げていますが、36番の未払賃金の立替払いの制度です。これも予算を充当しながら上手にやっていただいていると思いますが、63ページの下から2番目の括弧の所に東京リサーチさんの関係で、コメントというか記載があります。企業の倒産件数が非常に多くなっている。1万件を超えたということで、やはりこういうことで労働者、倒産した所の企業に勤めている労働者の方々が、賃金というのが補填されないと困ってしまいますので、予算をしっかりたてていただきたいと考えます。足りなくなったから、なかなか支出ができないということは多分ないと思いますが、是非、予算の確保をお願いしたいと考えます。以上です。
○労災管理課長 ありがとうございます。それでは、26番について安全衛生部、お願いいたします。
○安全衛生部安全課 26番について、安全課の建設安全対策室から回答させていただきます。まず1つ目なのですが、手すり先行工法の普及状況ですが、隔年で調査をさせていただいていまして、設置されている本足場の約半数以上が手すり先行工法となってきているところです。
次の一人親方の事業ですが、こちらの事業は研修会をさせていただいているのですが、参加人数は徐々に集まってきているということと、あるゼネコンの現場に一人親方の方が入る場合には、この事業でしっかりと研修を受けてから入るようにという形で進んでいるという状況もあります。以上です。
○労災管理課長 それでは、33番について人材開発統括官、お願いいたします。
○海外人材育成担当参事官室 海外人材育成担当参事官室です。御意見ありがとうございました。外国人技能実習制度、外国人技能実習機構の関係で回答させていただきます。委員の御発言のとおり、R9年度から育成就労制度が新しく始まりますので、R8年度に関しては育成就労制度の監理支援機関などの事前申請を受け付けるような形になります。R8年度要求に関しては、事前申請の処理体制を主に検討しているところです。御意見があった体制整備に関しては、新しい育成就労制度が始まるR9年度で対応するべく検討をしているところです。交付金については、一般会計と労災勘定と雇用勘定という3勘定での支出をしているところですので、適正な形で体制整備を図れるような形で引き続き検討していきますので、御理解をいただければと思います。ありがとうございました。
○労災管理課長 それでは、36番、労働基準局監督課、お願いいたします。
○監督課 監督課です。御指摘ありがとうございます。昨年度も同じような指摘を受けていますが、おっしゃるとおり企業を取り巻く環境というのは、今、厳しい状況です。ゼロゼロ融資の支援に伴う返済負担の増加など、人件費の高騰、円安、それから最近ですと米国の中小政策の問題等あるところです。こちらのほうについても、未払賃金の立替払いができないということにならないように、しっかり対応していきたいと考えています。ありがとうございます。
○労災管理課長 そのほかにありませんか。砂原委員、お願いいたします。
○砂原委員 御説明ありがとうございました。まず14番です。この目標は割合がいいのではないかとお伝えしたら、割合になったものの、ちょっと違う目標だなと思いながら見ていました。他の委員からもご指摘が出ているように、98%という数字よりも、むしろ前年以上ぐらいのほうが現実的なのではないでしょうか。何より、目標を実績値より下に設定することは、ちょっといかがなものかと感じました。いずれにしても、2040年にむけたサービス提供体制等の在り方について検討が進められており、人口減少・年齢構成割合の変化等を踏まえ、地域ごとに医療機関等を整理・統廃合していくという話が出ているわけですから、この事業をどうしていくのか考えていく必要があると思いました。労働災害を防止する対策を打つ中で、労災事故が減ってきて、労災診療を受ける人も減ってきているがゆえに、「労災診療を受ける人が少ないから、労災保険指定医療機関の更新を行わなくても問題ない」と考える医療機関が増えてきているわけで、それ自体は決して悪いことではないとも思います。もっと言えば、この紙にも1点12円又は11.5円と書いてありますが、そもそも労災診療費というのを健康保険の診療報酬単価に12円掛けますなど、簡略化することで医療機関の負担を減らすことも考えられるのではないでしょうか。極論かもしれませんが、そうすれば2年に1回の労災診療費の改定作業もなくなりますし、むしろ何かそういう抜本的なものを考える必要があるのではないかと感じました。
それから、13番の事業ですが、これも何度も申し上げていて誠に申し訳ございません。特定の施設が定員割れですという話がいつも出ますが、この事業をこの形で続けている限り、毎年、同様の御説明に御苦労されるのではないかと余計な心配をしてしまいました。先ほども申しましたが、地域におけるサービス提供体制をいろいろ見直していく中で、2040年にはどういう医療・介護・福祉体制が必要なのかということを検討されていると認識しております。この機会に、こういう労働者災害に特化した施設が、どの程度必要なのかということを再検討いただく必要があるのではないでしょうか。多分、労災としてしか発生しない傷病等は、ほとんどないはずで、今の医療機関・福祉施設で入院・入所できない被災者もいないのではないかと思います。であれば、「労災診療費等は診療報酬・介護報酬に2割増しで診療費を払います」という形での運用に変更し、それでも足りないケースは追加で何割支払いますという形の診療報酬体系ができれば、そのように変更してしまった方が合理的なのではないでしょうか。この社会復帰促進等事業というのは、本来であれば保険給付の枠外ですので、ロスプリベンションのための費用という要素があるのではないかと思います。そうすると、ロスプリベンション費用が保険金の支払いの削減額を上回り続けるようだと意味がないことになってしまうので、やはりそういう要素も考慮しないといけないのではないでしょうか。当然、政策普及のための費用というものが若干入っているのは分かりますが、ロスプリベンション的な要素のものの評価は、そういう考え方もやはり必要なのではないかと思いましたので、申し上げます。以上です。
○労災管理課長 ありがとうございます。14番ですが、コメントありますか。
○補償課 ありがとうございます。昨年も同様な意見をいただいていまして、確かに砂原委員がおっしゃることも理解していますし、労災独自の取扱いというのは、これまで順次減らしてはきているのですが、まだ若干残っているところで、そこについても引き続き努力していきたいと思っています。ありがとうございました。
○労災管理課長 13番について、労災管理課からコメントをいただければと思います。
○労災管理課 労災管理課です。御意見ありがとうございます。砂原委員におかれましては、毎回いろいろ御指摘いただいておりまして、当課としましてもかねてより検討を進めているところです。御意見、御指摘を踏まえて、引き続ききちんと検討してまいりたいと考えているところです。
また、併せて令和8年度からは次期調達となりますので、次期調達については、今年度入居定員などの見直しを行う予定としておりますので、その点を踏まえた人員配置基準に変更するなど、実態に即した予算や人員となるよう、適宜、見直しを行ってまいりたいと考えているところです。引き続き御指導のほど、よろしくお願いいたします。以上です。
○労災管理課長 そのほか、委員の方から御意見等はありませんか。それでは、最川委員、お願いいたします。
○最川委員 事業番号26番に関連してなのですが、先ほど出ました手すり先行工法に関してなのですが、手すり先行工法に関してはもう普及が半分以上されていて、当社もそうですが、大きいゼネコンなどは、ほぼ手すり先行の足場を使われていると思います。メーカーもほぼ、注文されなければ普通の枠組み足場は作ってないということを聞いています。これは手すり先行工法を普及させるための費用というのは、私はもう要らないと思っています。逆に安衛法上、枠組み足場と枠組み足場以外の足場で規定されていますが、手すり先行工法に関しては、個別の法律がまだ確立されていないと私は思っています。現状、多くのメーカーが手すり先行工法の足場を作成しています。仮設工業会が認定しているメーカーもあるのですが、そこに認定されていないようなメーカーの手すり先行工法の足場も出回っています。それを取り締まる法、部材の強度など、そういう認定をするのは仮設工業会に任されてしまっているようなところがあります。今、仮設工業会でも、その手すり先行工法に関して、私もいろいろな検討会に出させていただいて、点検の仕方などをまとめているところなのですが、これは本来国で手すり先行工法に関する構造規格などをしっかりまとめるべきだと思います、これだけ世の中に普及してしまっているので。細かい強度の保証など、そういうところが明確にできていないと私は思っていますので、この部会とは直接関係ないのですが、安全衛生分科会のほうで検討会を開いていただいて、そこの法令改正を行うための検討会を是非、早めに開いていただきたいと思います。よろしくお願いいたします。以上です。
○労災管理課長 ありがとうございます。安全衛生部から何かコメントはありますか。
○安全衛生部安全課 ありがとうございます。手すり先行工法については、先ほどもあったように、だんだんと普及が進んできているところです。我々のほうでは、手すり先行工法ガイドラインというものを策定し、その性能も含め定めていまして、令和5年にも改訂させていただいて、普及に努めているところです。今、御発言があったようなことについても、その必要性も含め検討させていただきたいと思います。ありがとうございました。
○労災管理課長 ありがとうございます。坂下委員、お願いいたします。
○坂下委員 御指名ありがとうございます。長くなりそうなので、最初におわびを申し上げます。少しお付き合いいただければと思います。個別の事業について申し上げる前に、社復事業の目的・趣旨にそぐわない、特に違和感があるものについて、先出しして申し上げます。これは毎回申し上げているのですが、事業番号37の過重労働の解消及び仕事と生活の調和の実現に向けた働き方・休み方の見直しです。平成30年の法改正以降、だいぶ経過しているのかということもあり、これまでも規模の縮小等を経団連としてはお願いしております。前回の会合では、検討いただけるというお話があったかと思います。特に、不妊治療のための休暇制度等環境整備事業が本当に必要なのか、社復事業の目的・趣旨に沿っているのか疑問があるところです。
次に、事業番号38のテレワーク普及促進等対策。こちらについても、テレワークの普及促進の話で、中身を見ますと長時間労働の抑制などと書いてありますが、本当に社復で出すべきものなのか議論が必要ではないかと思います。
次に申し上げるのは事業番号40と41です。40番は中小企業退職金共済事業経費、41番は、JILPTの運営費・施設整備費です。中退共もそうですが、施設整備費をなぜ社復で持たなければいけないのか。必要なものは一般予算も含めて確保すべきものではないかということを、毎回申し上げていますが、改めて申し上げます。
次に各論について申し上げます。事業番号14番は、これまでもたくさん議論があったところです。2年連続でD評価になってしまったことを残念に思います。社復の目的・趣旨に合致している事業だろうとは思いますが、PDCAを回している以上、3年連続でD評価にならないように是非していただきたいと思います。参考資料4を見ますと、過去5年間において、D評価が2年連続、B評価が5年連続の事業もありますが、PDCAを回す以上、やはりそこはしっかりしていただきたいと思います。
その上で、それでは指標をどうするかが重要になると思います。アウトカム指標の変更については、砂原委員から事業の抜本的な見直しが必要ではないかというお話もありました。98%という目標の根拠が、資料2の2ページの下から3行目、過去5年の実績を見ると98%を超えていて、既にクリアしている数値を目標に設定することが適切かどうかというのは、議論が分かれるのではないかというのが率直な感想です。ですから、他の目標にすべきかどうかというのは、なかなか難しいのですが、冒頭に申し上げた、達成しやすい目標を設定していると感じる部分もありますので、あえて指摘させていただきます。
他方、労災保険指定医療機関を増やしていくことの重要性は認識しています。最後の2行に書かれているとおり、引き続き労災保険指定医療機関への指定申請の積極的な勧奨を行い、その状況を参考指標として本検討会に報告することをお願いしたいと思います。
次に、これも皆様から指摘が多い事業番号16の安全衛生啓発指導等経費です。事業概要(1)①の令和7年度のアウトカム指標の目標について、外部メディアに47回以上取り上げられると書いてあるのですが、令和6年度が118回と2倍以上の実績を上げているのに目標値を変更しないのはなぜなのか。先ほど目標設定の所でもお聞きしましたが、正にそれに関連して気になったところです。
また、同じく(1)②、技能講習修了者データの一元管理のための費用ですが、このようなシステム整備やデータの一元管理のために掛かる費用というものを、本当に社復から出さなければならないかについては、先ほども申し上げましたように、気になっています。一般財源で手当てすべきものではないかとも思いますので、本当に検討が難しいのか疑問があるところです。
事業概要の(2)と(3)については、そもそも指標が設定されていませんので、設定していない理由があれば教えていただければと思います。
続きまして、事業番号24の治療と仕事の両立支援事業です。令和7年度のアウトプット指標を定量的に示さない理由をご説明いただければと思います。また、アウトカム指標のベースとなるアンケートの回答率が非常に低調と聞いています。回答率の向上に向けた御努力が必要ではないかと思いますので、その辺りについてコメントがあればお願いできればと思います。
事業番号25、職場におけるハラスメントへの総合的な対応等労働者健康管理啓発等経費です。令和7年度のアウトプット指標の目標を見ますと、前年度と同じようにポスターやリーフレットの作成・配布と設定されています。足立委員からもご指摘がありましたが、実施主体が紙媒体を作成・配布するだけで目標を達成してしまうことになりますので、指標や目標の妥当性を事後的に検証できるのか疑問があります。25番や22番に限らず似たような目標があるかもしれませんが、指摘させていただければと思います。
加えて、基本方針では、可能な限り複数の目標を設定することが望ましいとされています。例えば①については、ポータルサイトへのアクセス数やシンポジウムの実施回数、集客数を含める。②についても、業界共通の対応方針等の策定や研修の実施回数、集客数を含めるといったことも考えられるのではないかと思うところです。
その他の事業についても、リーフレット、ポスターの所は気になりますので、考え方を教えていただければと思います。
もう2つあります。事業番号32の働く女性の健康支援事業です。2つ目の雇用均等行政情報化推進経費について、雇用環境・均等部(室)や総合労働相談コーナーということですが、母性健康管理措置以外の労使からの労働相談等も含まれると思いますし、本事業は記録の情報化をその内容とするものであり、16番でも指摘した技能実習講習修了者データの一元管理のための費用と同じような性質のものと認識しています。本当に社復事業の目的・趣旨に合うものなのか疑問があるところです。仮に社復事業で手当てをせざるを得ないとしても、昨年度の予算執行率が64.4%にとどまっていますので、それを踏まえた予算額の適正化が必要なのではないかと感じたところです。
最後、44番、フリーランスに関する事業です。先ほど御説明がありました中身、予算の立て方の考え方はよく理解できました。ただし、フリーランスの相談対応には、安全衛生確保以外も含まれると思いますし、先ほど逆の形で説明いただいたのですが、相談者は労災保険の特別加入者に限らないと思います。ですので、本当に社復で手当する必要があるのか疑問を持っているところです。
アウトカム指標の目標値について、和解あっせんの受付件数を年間190件、アウトプット指標の目標値として、相談窓口での相談件数を年間1万2,000件に設定していますが、根拠が書かれていないので、どのような形でこの数字を設定したか教えていただければと思います。以上です。
○労災管理課長 ありがとうございました。それでは、なじまない事業として御指摘のありました37番の事業、労働条件政策課、お願いします。
○労働条件政策課 すみません。こちらの御指摘いただいた事業は雇用環境・均等局の担当となります。
○労災管理課長 失礼しました。雇用環境・均等局お願いします。
○雇用環境・均等局雇用機会均等課 雇用環境・均等局の雇用機会均等課です。不妊治療については、今、直接の担当がいないので、そこのところは御意見を踏まえて検討させていただき、後日、回答させていただきたいということで、今回は御容赦いただきたいと思います。
○労災管理課長 ありがとうございます。38番のテレワーク普及促進等対策についてお願いします。
○雇用環境・均等局在宅労働課 雇用環境・均等局在宅労働課です。テレワークの関係については、長時間労働の抑制や健康障害防止の観点から適切な労務管理環境下でのテレワークを推進、広げていきたいということで、社会復帰促進事業での一部負担のお願いをしているところでございます。以上です。
○労災管理課長 それでは、40番の事業について、これも雇均局お願いします。
○事務局 事務局です。恐れ入りますが40番の担当が不在なので、こういった御指摘があったことを踏まえ、担当に共有させていただきたいと思います。よろしくお願いいたします。
○労災管理課長 41番の事業について、統総からお願いします。
○政策統括官付政策統括室 統総政策統括室調整第一係からお答えいたします。御指摘の整備費については、今回、令和4年度以降の中期計画においては、計上していない、要求していないところではございますが、御指摘を踏まえ、次期中期計画以降の整備費について労災勘定で賄うことが適切なのかというところは、引き続き、検討してまいりたいと思います。以上です。
○労災管理課長 ありがとうございます。各論として指摘がありました、繰り返しになりますが、事業番号14について補償課からコメントがあればお願いします。
○補償課 本日、いろいろな委員からアウトカム指標の立て方の御意見がありましたので、改めて、その基本指針に基づいて、どのような目標が適切なのか、引き続き、検討させていただきたいと思います。ありがとうございます。
○労災管理課長 続いて、事業番号16番について安全衛生部、お願いします。
○安全衛生部安全課 安全衛生啓発指導等経費について御指摘いただきました。まず、1つ目は、(1)①の指標についてです。各都道府県労働局単位でしっかりと周知を行うという観点で47回設定しておりますが、やはり、実績を踏まえてというところがございますので、指標については検討させていただきたいと考えております。
続いて、技能講習の修了者データの一元的管理について、社復事業でやることが適切かという御指摘をいただいたところです。まず、労働安全衛生法においては、やはり、危険・有害な業務を行う場合には、「技能講習等を修了した者に就かせなければならない」ということになっております。
こちらの事業は、講習の実施機関が廃止等した場合にも講習を受けた方は永続的に資格を証明できる。そのために修了者データを一元管理することを目的として行っているところです。やはり、現場での安全衛生をしっかり確保するためには資格の確認は非常に重要な部分を占めていると考えております。そこを証明する。そのための事業については社復事業でやることが適切ではないかと考えているところです。
続いて、(2)、(3)の指標がない理由です。まず、(3)について御説明いたします。こちらは、労働安全衛生法に基づいて化学物質の有害性調査、安全衛生教育に従事する指導員の養成を行うために国が設置した安全衛生施設の改修等を行うことになっております。毎年、対象とする施設等を特定した上で計画に基づいて改修等工事を行うことになっており、改修等を行うものの事業ですので、それに関する目標というのは、今、特段立てていない状況です。
○安全衛生部計画課 御指摘いただいた事業概要(2)について、安全衛生部の計画課の内容も含まれますので、私から御回答させていただきます。(2)については、例えば、安全衛生部の計画課で行っている、この事業概要に書かれている多角的な災害などの分析というところで、第14次労働災害防止計画の指標が適切かなど、そういったことを検討するために専門家の委員会を開いており、その中で災害発生事業所、あとは被災労働者にアンケートなどを実施して、その結果を取りまとめて、そういった内容を安全衛生分科会などに報告するための資料作りといった、そういった分析などを担当しており、なかなか数値目標というか、明示的に設定するのになじまないというところから、今のところは数値目標といったものを設定していないところです。以上です。
○労災管理課長 ありがとうございます。続いて、事業番号24、治療と仕事の両立支援事業について、安全衛生部、お願いします。
○安全衛生部労働衛生課 労働衛生課です。御指摘ありがとうございます。この治療と仕事の両立支援事業に関しては、令和7年度の事業について、ポータルサイトの自立を主としたナビ事業としているところです。従来の広報事業ではないため、そのシンポジウム等の開催回数は削除したところです。
事業の評価としては、そのポータルサイトへの年間アクセス件数などを評価の基準としたいと考えているところです。また、アンケートの回収率についても御指摘がございましたが、そちらについては、どのようなことができるかを含め、こちらとして回収率の向上に向けた検討を進めてまいりたいと考えているところです。以上です。
○労災管理課長 それでは、25、32、44について、雇用環境・均等局からお願いします。
○雇用環境・均等局雇用機会均等課 事業番号25について、雇用機会均等課から御回答いたします。確かにおっしゃるとおり、リーフレットやパンフレットの部数であれば、業者に証書を書いてそれを作ってもらえばということになってしまいますので、今回、ポータルサイトがありますので、そちらのアクセス数など、前年度や過去の実績を踏まえて目標値とするようなことを検討させていただきたいと思います。もう一方、シンポジウムや研修などの参加人数などを目標値ということで検討し、修正させていただきたいと思っております。私からは以上です。
○雇用環境・均等局総務課 雇用環境・均等局総務課です。事業番号32番、働く女性の健康支援事業のうち、雇用均等行政情報化推進経費について回答いたします。雇用均等行政情報化推進経費については、雇用と労災の折半で実施しているもので、御指摘の母性健康管理関係のほかにも、例えば、パワーハラスメントにより、精神疾患を患う方からの相談対応なども含まれているもので、これらの記録の情報化は社会復帰促進等事業の趣旨・目的に資するものであると考えております。
また、執行率が低調である点についても御指摘いただきましたが、当システムの執行率については、およそ87.4%となっており、こちらは入札による減が理由となっております。令和7年度の予算についても仕様書の内要の明確化等、引き続き、適正な執行管理に努めてまいりたいと考えております。以上です。
○雇用環境・均等局在宅労働課 続いて、事業番号44番、フリーランスに対する相談支援事業について、雇用環境・均等局在宅労働課から回答させていただきます。社会復帰促進等事業で実施する点については、先ほどもお伝えしたとおりですが、本事業でハラスメントや業務上の負傷に関するフリーランスからの相談にも対応しており、労災保険の特別加入の対象者であったり、安全衛生法による災害防止対策の対象となることも見込まれるフリーランスの安全衛生確保に資するということ。
先ほどお伝えしたとおり、労働者性に関する相談も受けることがあり、その110番への相談を通じて労働者としての安全衛生の保護を受けることも想定されていますから、本事業、社会復帰促進等事業で実施させていただきたいと。その負担割合については、先ほど申し上げたとおりで負担いただきたいと考えているところです。
続いて、御質問で指標の関係ですが、アウトカム指標については、この和解あっせんの受付件数というのは紛争解決の援助の状況を示す数値になります。この事業の目的というのが、フリーランスが抱える委託事業者との間の取引上のトラブルというものを迅速に解決するところにあり、そこの政策効果を測定するための指標としては、これが適切であろうということで設定をしたところです。
この設定の考え方としては、この110番事業、通年で実施を開始したのが令和3年度からになるのですが、この令和3年度から令和6年度までの4か年の和解あっせんの平均が約190件だったことから190件という形で設定させていただきました。
一方、アウトプット指標については、相談対応の件数は事業執行率を客観的に計測する指標として設定したところですが、昨年度、法律が施行されたこともあり、昨年度の相談件数が1万2,323件ということもあり、そこを1つの基準として今回設定させていただきました。以上です。
○労災管理課長 ありがとうございます。坂下委員よろしいですか。
○坂下委員 丁寧な御説明をありがとうございます。冒頭で申し上げましたとおり、社復事業費が増加傾向にある中、適正な水準に見直していただきたいという思いがあり、厳しい指摘をさせていただきました。検討すると御説明いただいたものもありましたので、次回以降の資料に反映いただくとか、御説明の際に丁寧に対応していただけると有り難いです。
リーフレット、パンフレットは悩ましいと思います。ポータルサイトのアクセス数に切り換えるというお話もありましたが、アクセス数だけで本当に良いのかという話もあると思います。アウトカム、アウトプットのどちらも、目標の設定はPDCAを回すときに非常に重要ですので、引き続き、一緒に検討していきたいと思っております。よろしくお願いいたします。
○労災管理課長 ありがとうございます。ほかに委員の方から御意見、御質問等はございますでしょうか。よろしいでしょうか。多岐にわたり、幅広い御意見をありがとうございました。本日、委員の皆様からいただいた御指摘を踏まえ、目標設定等を見直し、進めさせていただければと思います。今後とも社会復帰促進等事業を適切に実施していく所存でございます。それでは、これをもちまして本日の社会復帰促進等事業に関する検討会を終了いたします。お忙しいところ、お集まりいただき誠にありがとうございました。