- ホーム >
- 政策について >
- 審議会・研究会等 >
- 医薬局が実施する検討会等 >
- 医療用から要指導・一般用への転用に関する評価検討会議 >
- 2025年5月23日 第32回 医療用から要指導・一般用への転用に関する評価検討会議
2025年5月23日 第32回 医療用から要指導・一般用への転用に関する評価検討会議
日時
令和7年5月23日(金)
<第一部>18:00~19:00
<第二部>19:05~20:00
<第一部>18:00~19:00
<第二部>19:05~20:00
場所
オンライン会議
(オンライン会議場)
AP虎ノ門 Bルーム(11階)
東京都港区西新橋1-6-15 日本酒造虎ノ門ビル(NS虎ノ門ビル)
(オンライン会議場)
AP虎ノ門 Bルーム(11階)
東京都港区西新橋1-6-15 日本酒造虎ノ門ビル(NS虎ノ門ビル)
出席者
<第一部>
出席構成員
- 五十嵐構成員
- 磯部構成員
- 上村構成員
- 小野寺構成員
- 笠貫構成員
- 北村構成員
- 佐藤構成員
- 宗林構成員
- 染矢構成員
- 髙野構成員
- 富永構成員
- 橋本構成員
- 原構成員
- 平野構成員
- 福田構成員
- 堀構成員
- 松野構成員
- 間藤構成員
- 宮川構成員
- 宮園構成員
- 矢口構成員
- 湯浅構成員
- 渡邊構成員
<第二部>
出席構成員
- 五十嵐構成員
- 磯部構成員
- 上村構成員
- 小野寺構成員
- 笠貫構成員
- 佐藤構成員
- 宗林構成員
- 髙野構成員
- 富永構成員
- 橋本構成員
- 原構成員
- 平野構成員
- 堀構成員
- 松野構成員
- 間藤構成員
- 宮川構成員
- 宮園構成員
- 矢口構成員
- 湯浅構成員
- 渡邊構成員
出席参考人
- 斎藤参考人
- 中島参考人
- 深貝参考人
- 横山参考人
議題
<第一部>
- 緊急避妊薬のスイッチOTC化について
<第二部>
- 候補成分のスイッチOTC化について
- その他
議事
○医薬品審査管理課長 それでは、定刻になりましたので、ただいまより第32回「医療用から要指導・一般用への転用に関する評価検討会議」を開催いたします。本日は2部構成としておりまして、第1部では緊急避妊薬のスイッチOTC化を、第2部では候補成分のスイッチOTC化を議題として取り上げたいと思います。まず、本日の出欠状況について、和田構成員から御欠席との御連絡をいただいております。また、現在のところ、原構成員、それから間藤構成員から遅れてということで、まだ御出席いただいておりませんが、後ほど御出席いただけると思っております。また、今回、緊急避妊薬のスイッチOTC化の議論に係る構成員として、新たに3名の方に御参画いただいておりますので御紹介申し上げます。
緊急避妊薬の薬局での入手を実現する市民プロジェクト共同代表、染矢明日香構成員、それから福田和子構成員でございます。続きまして、公益社団法人日本産婦人科医会女性保健委員会委員の北村邦夫構成員です。どうぞよろしくお願いいたします。
会議を開始するに当たって、注意事項を御説明いたします。ウェブ参加の方が発言される際は、システム上で挙手をいただき、座長に指名されるまでお待ちください。発言の際は、ミュートを解除した上でお名前をおっしゃっていただいた上で御発言をお願いします。また、発言されないときはマイクをミュートにするようお願い申し上げます。会議中に接続トラブル等が発生しましたら、会議の途中でも結構ですので、事務局まで御連絡いただけますようお願いします。会場参加の方が発言される際には、挙手していただきまして、座長の指名をお待ちいただきますようにお願い申し上げます。それでは、笠貫座長、以降の議事進行をお願いいたします。
○笠貫座長 座長の笠貫です。本日は大事な評価検討会議になりますが、御協力をお願いします。新たに構成員になられました染矢構成員、福田構成員、北村構成員、よろしくお願いします。それでは、まず本日の配付資料の確認について事務局からお願いします。
○事務局 事務局でございます。資料につきましてはペーパーレス化を実施しておりまして、オンライン参加の方は送付済みの電子媒体を、会場参加の方はお手元のタブレットから御覧ください。タブレット端末は、会議資料の議事次第を画面に表示した状態で配付をされています。ほかの資料を画面に表示する場合には、画面左上のファイルを指で1回軽くタップした上で御覧ください。本日の資料として、ファイルに表示されている上から順に、会議資料、参考資料となります。会議資料につきましては資料を1つのPDFファイルとしておりまして、議事次第、配付資料一覧、第1部に関する資料として資料1-1から資料1-4、第2部に関する資料として資料2-1から資料2-6となります。参考資料は、参考資料1~8です。また、タブレットには、各個別の会議資料及び参考資料もフォルダーに入れておりますので、適宜御活用いただければと思います。配付資料の説明は以上となります。御不明な点がございましたら、事務局までお申しつけください。事務局からは以上です。
○笠貫座長 ありがとうございました。第1部の議題に入りたいと思います。まず緊急避妊薬のスイッチOTC化についてですが、この緊急避妊薬に関する会議は、2017年に2回開催され、2021年の再要望以降は、9回開催され、この会議を迎えたことになります。それでは事務局から説明をお願いします。
○事務局 事務局でございます。1ページ、資料1-1を御覧ください。
緊急避妊薬のスイッチOTC化に関しましては、令和5年の11月より調査研究事業を実施してございますが、先週、令和6年度事業の報告書を公表しましたので、その概要を御報告いたします。まず左上ですけれども、令和5年度調査研究事業では、都道府県により販売個数にばらつきがあったこと、薬剤師が使用するチェックリストについて、既に購入希望者が妊娠をされている可能性の判断に係る項目について「改善すべき」と回答された薬剤師さんが約4割いたこと、購入者の約85%が避妊の成否を確認できる3~5週間後に産婦人科医を受診しておらず、また妊娠検査薬を用いた確認をしていなかったことが課題として挙げられてございます。これらの点に対して、各地域における研究協力薬局を増やすとともに、予期せぬ妊娠や中絶機会の喪失を防ぐために、妊娠の判断に係るチェックリスト等資材の見直し、「妊娠の可能性」への理解を深めるための追加的研修の実施、避妊の成否を確認するよう服用後3週間を目途に産婦人科医を受診するか、あるいは妊娠検査薬を使用するよう改めて指導徹底、薬剤師と産婦人科医間の連携体制の構築を書面で確認といった対応をしまして、令和6年9月末より新たな研究計画にて全国339の薬局にて事業を実施してございます。
その結果が下段です。まず、令和5年度調査研究事業において抽出された課題に対する改善結果について、チェックリストに係る調査では、引き続き「妊娠の可能性」に関する項目への改善意見が見られたものの、その割合は令和5年度の90%から令和6年度の76%と低下傾向にございました。また、妊娠の判断に係る追加的研修に対しては、9割近くの薬剤師が「役に立った」と回答されてございます。購入者による避妊成否確認については、販売3~5週間後の調査において、6割が「確認した」と回答しており、また、その他2割も「今後確認する」と回答されています。避妊の成否の確認方法については、緊急避妊薬と同時に購入した妊娠検査薬を用いて確認した割合が37.5%、別途購入した検査薬での確認割合が59.3%、産婦人科への受診により確認された割合が3.4%でございました。その他、全般的な結果について、協力産婦人科医へのアンケートにおいて、「患者が薬剤師の説明を理解したと考える」かについては、令和5年度については75%でしたけれども、令和6年度では100%でした。また、「薬局からの紹介内容が不適切であった」との回答は令和5年度と変わらず0%、「不適切な紹介はなかった」との回答は令和5年度は83%でしたが、令和6年度は92%であり、昨年度調査よりもいずれも改善傾向にございます。販売数ですが、2023年11月28日~2025年1月31日の販売数は6,813でした。都道府県によりばらつきがございますけれども、約半数の都道府県で100件超を販売してございます。協力薬局への来局時期及び曜日についてですが、大きなばらつきは見られてございません。ただし、来局時間に関してはおおむね9時から19時に集中をしてございまして、21時から8時までの夜間・早朝の来局は全体の2%でした。購入者の年齢層は多くが20歳~39歳でしたが、16~19歳も9%程度存在しました。購入者への満足度調査では、薬剤師の対応、説明のわかりやすさ、プライバシーヘの配慮への満足度は高い一方で、支払った費用の満足度は低い傾向にございました。プライバシー確保の方法について、販売時に個室で対応した薬局は約半数で、その他、仕切りの設置ですとか、対応時間の工夫により対応した薬局も多数存在してございます。しかし、いずれの確保策の場合でも、購入者への満足度調査ではプライバシーヘの配慮に関して大きな問題というのは指摘されてございません。協力薬局のうち、13薬局では16歳未満者に対する問合せが確認をされています。また、11薬局では面前服用を拒否したために販売できなかった事例というのも確認をされてございます。
続いて2ページ、資料1-2を御覧ください。緊急避妊薬のスイッチOTC化に向けた進捗等について御説明いたします。
3ページを御覧ください。今、御説明差し上げました調査研究事業ですけれども、令和7年度も引き続き実施をしてございます。令和6年度事業において協力薬局数を拡大したことを契機に、事業実施主体に対応困難事例、例えばワンストップ支援センターに繋いだ事例ですとか、警察に通報した事例、来局者・同伴者から暴言や暴力を受けた事例に関する問合せが寄せられてございます。339の薬局の時点でこのような事例が報告されていることに鑑みると、実際にスイッチOTC化し、多数の薬局等で販売が行われた場合、より多くの同様の事例が発生すると考えられることから、令和7年度事業においてはアンケート結果を踏まえて薬剤師さんへのヒアリング調査を実施しまして対応困難事例を積極的に収集し、その対応策について検討・構築することとしてございます。
続いて、4ページを御覧ください。あすか製薬株式会社より、スイッチOTCとしての緊急避妊薬を令和6年6月に申請したとの報道発表が先週なされてございます。現在、PMDAにおいて薬事審査が行われておりまして、今後薬事審議会においてその承認の可否等について審議をいただく予定です。
5ページを御覧ください。今国会において先週、改正薬機法が成立をしましたので、要指導医薬品に係る主な変更点を御紹介させていただきます。現在、要指導医薬品は薬剤師が対面で服薬指導を行い、対面で販売する必要がございますけれども、改正薬機法においては、薬剤師の判断によりオンライン服薬指導等の実施が可能となってございます。一方で、要指導医薬品のうち、使用方法やリスク等の特性を踏まえ、適正使用のために引き続き薬剤師が対面で販売する必要がある品目については、特定要指導医薬品に指定することが可能となってございます。加えて、現在は要指導医薬品に指定された後、一定期間を経過しますと原則一般用医薬品に移行する制度になってございますけれども、改正薬機法では、期間を定めずに要指導医薬品に指定し続けることが可能となってございます。これらの変更については、改正薬機法の公布から1年以内に施行される予定となってございます。なお、本制度の紹介の趣旨ですけれども、緊急避妊薬に適用する予定だからということではなく、本評価検討会議における緊急避妊薬のスイッチOTC化に係る過去の議論におきまして、「現行制度では、要指導医薬品として留め置くことができないため、対面販売を維持できる制度となっておらず、要指導医薬品として継続できる制度が必要である」、という指摘がなされていたことを踏まえ、今回の改正薬機法により、このような指摘は対応可能になったという趣旨で御報告するものでございます。必ずしも指定をするというものではございません。
6ページを御覧ください。改正薬機法の可決に際して、衆院・参院から緊急避妊薬に関する附帯決議が付されてございます。これを踏まえ、今回の評価検討会議に若い世代の意見を代表する者を参画せしめ、御意見を賜ることといたしました。また、これまで緊急避妊薬を医療の場で取り扱ってきた有識者もお招きをしましたので、主に面前服用、年齢制限及び親の同意の要否を中心に、皆様に御議論をいただければと考えてございます。事務局からは以上です。
○笠貫座長 ありがとうございました。続いて、資料1-3について染矢構成員及び福田構成員から説明をお願いします。
○染矢構成員 緊急避妊薬の薬局での入手を実現する市民プロジェクト共同代表の染矢明日香です。同じく共同代表の福田和子とともに、市民として、また当時者の立場から、本日は構成員として参加の機会をいただき、ありがとうございます。また、スイッチOTC化に向けて真摯に調査、議論に取り組んでくださっていることに重ねてお礼申し上げます。
私たちは2018年から緊急避妊薬のアクセス改善を求め、2021年にはスイッチOTC化の要望を提出させていただきました。今回は、当時者の声や国際的な知見を基に、よりよい制度づくりにつながる議論に貢献したいと考えています。
では、8ページに移ります。まず、議論に当たりまして、改めてWHOのファクトシートから特に重要な3点を共有させていただきます。1番、思春期を含む全ての女性に安全で過剰摂取や繰り返し使用でも健康リスクはない。飛びまして7点目、市販化されても医学的管理は不要で女性は正しく使用できる。8点目、入手しやすくなっても避妊しない性交や性感染症のリスクは増えない。これらは、複数の研究調査により結論づけられています。詳細につきましては、参考資料も御参照いただけたらと思います。
続いて9ページ目です。WHOは緊急避妊薬を必須医薬品に指定しており、スイッチOTC化することで必要とする個人が入手できることを強く推奨しています。原文では、この個人はインディビジュアルとされており、女性に限られていません。補足となりますが、緊急避妊薬が要指導医薬品にスイッチOTC化された場合、購入は原則として使用者本人に限られますが、妊娠可能性があるトランスジェンダー男性やノンバイナリーの方、また見た目や声が女性らしい枠に当てはまらない方もいます。そうした方々が薬局で不必要な詮索や疑念の目を向けられることは、プライバシーや人権の侵害になりかねません。誰もが安心して必要な医薬品にアクセスできるよう、性自認にかかわらず尊重される対応、ルール作りと薬剤師様への研修や配慮ある説明体制の整備を求めます。続きまして、私たちの調査では緊急避妊薬を薬局で購入したいと思った人のうち、薬局で購入できた人の9割が24時間以内に入手できました。一方で、薬局で購入したかったけれども、できなかった人の7割が72時間以内に入手できませんでした。スイッチOTC化の意義は、こうした迅速な入手の実現というところにあります。入手できなかった理由としては、後ほど説明させていただきます。こちらのアンケート調査の結果の全文は参考資料に掲載しておりますので、併せて御確認いただけたらと思います。そして、こちらの調査の中で、緊急避妊薬の調査研究事業期間中に入手したいと思った人のうち、実際に薬局で入手できたのは回答者の15%にとどまりました。現状、全国約6万の薬局のうち、緊急避妊薬の調査研究事業に協力しているのは145の薬局から始まり、その後339に増えましたが、それでも薬局全体の0.5%に当たる数です。現行の調査研究事業の体制ではアクセスは極めて限定的であると言えます。そんな中、私たちがこういった調査研究事業、調査結果、または国際的なガイドラインに照らして緊急避妊薬のスイッチOTC化に当たり、市民、当時者の立場から3つの視点、そして9点を要望させていただきます。それぞれについて一つ一つ説明をさせていただきます。
まず、販売方法についてです。こちらについて、薬剤師の面前服用を条件とはしないことを求めます。調査研究事業では、緊急避妊薬の面前服用を拒否した11件が販売不可となりました。しかし、以後、国際産婦人科連合やWHOは面前服用の強制は不必要とし、事前供給も推奨しています。スイスやイギリスでも以前は面前服用があったのですが、撤廃をされています。転売等の懸念も、正規のアクセスが限られている証拠であると言えます。必要なのは、誰もが安全かつ簡便に入手できる制度です。確かに、なるべく早い服用が望ましい薬であるということと、私たちのアンケートの中でも面前服用でよかったという声も聞いています。一方で、心理的安全性がない、不信感を覚えるといった声も届いており、服用者がどちらでも選択できることが望ましいと考えます。続きまして、販売に当たって妊娠検査や不必要な手順・問診を省くことを求めます。WHOは、服用前の妊娠検査や服用後のフォローアップの受診を必須としていません。日本産婦人科学会による令和7年度版の指針でも、月経が予定より7日以上遅れたり、あるいは通常より軽い場合には妊娠検査を受けることを勧めるという表現にとどまっています。
次ページにいきまして、また薬局の事前の電話について、調査研究事業では薬局の42%が負担に感じています。私たちのアンケート調査でも、実際に薬局を探して電話をする時点で緊急避妊薬の入手を断念した人というのが最も多いという結果になっており、必須手順とすべきではないと考えます。続いて、価格についてです。現在の緊急避妊薬の価格は、病院では平均1万5000円で、調査研究事業では7,000円から9,000円とされましたが、多くの国では5,000円以下で入手でき、若年者への無償提供も広がっています。
次ページにいきまして、実際に29歳以下の64.4%が価格に不満を持っており、私たちの調査でも6割の方が2,000円未満を入手のときに希望しています。緊急避妊薬が必要な状況にあるのに、値段が高額なため入手をためらった、諦めたという声も多くいただいています。店頭での販売価格を高くとも5,000円以下とし、若年者には無料にするなどの補助を設けることを求めます。続いて、販売対象者の拡大についてです。調査研究事業では16歳未満の人、16~17歳の人からの問合せ、来局が多数ありました。緊急避妊薬は、年齢に関係なく安全に服用できる薬です。若年層は特に必要とする可能性が高く、また周囲に相談しづらいという状況もあります。年齢制限や保護者の同意、同伴を条件としないことが必要です。緊急避妊薬の調査研究事業において年齢制限や保護者の同意条件があることで悩んで手遅れになる危険がある、保護者から被害を受けている人もいるといった声も届いています。若年者が必要なときに薬を入手できず、妊娠に至るリスクを考えると、若年者でも年齢制限や保護者の同意なく、まずは薬局では迅速にアクセスできる体制が不可欠です。むしろ緊急避妊薬の提供が、性暴力や虐待の被害に気づき、支援へとつながる入り口になる可能性もあります。若年者が安心して支援につながれる体制の強化は、緊急避妊薬のスイッチOTC化の議論とはまた別の文脈で、こども家庭庁や関係省庁が連携し、取り組むことが求められると思います。
○福田構成員 ここからは、福田がお伝えいたします。
19ページからになります。性交から72時間を超えた場合についてです。今回の調査研究事業では、性交から72時間を超えた場合は販売対象外とされましたが、問合せが25件、来局が5件ありました。確かに、緊急避妊薬の添付文書における服用方法は性交から72時間以内ですが、国内外のガイドラインでは性交後120時間以内であれば効果が期待できるものとされており、来局が72時間を超えた場合でも販売を拒否すべきでないと考えます。 一方で、こちらは今回のスイッチOTC化の議論ではなく、製薬会社の添付文書の改訂を検討いただく事項かもしれません。次に、言語についてです。今回の調査研究事業では、日本語が理解できない人は対象外というふうにされましたが、問合せが69件、来局が48件に上っております。訪日外国人など、日本語を話せない人を薬局での緊急避妊薬の提供から除外することは公衆衛生・人権・制度の平等性の観点から正当化されません。日本語話者であることを販売条件にせず、多言語対応することを求めます。また、調査研究事業の現在の時点でも多言語対応が可能であれば、ぜひ早急に進めていただければと思っております。次に、全薬局・ドラッグストアでの取扱いを可能としてほしいという点です。販売体制についてですが、WHOは緊急避妊薬の用法は簡便であり、正しい使用のために事前の診察や処置、検査など、医学的管理下に置く必要はなく、女性はラベル表示と説明書を容易に理解できるとしています。しかし、現在の調査研究事業では、緊急避妊薬の研修を受けた薬剤師で夜間・休日や個室対応が可能でなどの条件があって、結果的に339薬局でしか展開されていません。中心部ではなく、交通の便が悪いところにしかないことに不満を覚える当時者の声も届いております。こちらの資料にも載せておるところです。
次のページにいっていただいて、実際、今回の調査研究事業で薬局までたどり着くまでかかった時間が1時間以上という方が約2割、希望時間に研修を受けた薬剤師が不在で対応されなかったというケースも39件報告されております。一方、薬局側としても、緊急避妊薬の提供についてかなり負担、やや負担との回答が73%、業務多忙で対応できないというケースも28件ありました。緊急避妊薬のアクセス改善には、販売できる薬剤師や薬局に条件をなるべくつけず、薬局側の負担も減らしながら全薬局、ドラッグストアでの取扱いができるようにすることが重要と考えます。具体的には、薬局来訪への電話、個室完備、24時間対応は義務化の必要性はないと考えます。また、国際的エビデンスにのっとり、販売可否判断のための聞き取りや妊娠検査もできる限り簡略化していただきたいです。同時に、現在薬剤師会で実施している緊急避妊薬の研修について、動画公開等を通じ、薬剤師ならば誰もがいつでもオンライン受講できるようにすること、また仮に研修を義務づけるのであれば販売前までに薬剤師全員に受講を促し、併せて今後の薬剤師養成課程の中で必須項目に位置づけるなどし、どの薬剤師でも緊急避妊薬について対応ができるようにしていただきたいと思います。そうすれば、薬剤師の負担も分散され、アクセスも改善し、薬剤師にも利用者にも大きなメリットになると思います。次に、販売体制が続きます。WHOは緊急避妊薬の市販化を強く推奨しており、インターネット販売の制限もしておりません。既にOTC化されている国も問題なく販売は継続しており、要指導医薬品に留め置く根拠が不明確なため、一般用医薬品に移行可能な分類を求めます。次に性教育についてですが、性教育の充実化が緊急避妊薬のスイッチOTC化の条件として求める趣旨ではありませんが、包括的性教育は性感染症や意図しない妊娠のリスクの低減につながると示されており、緊急避妊薬のアクセス改善と並行して実施することが重要です。また、持ち帰りができるパンフレットなどはぜひ御準備いただきたいとは思うのですけれども、紙媒体を持ち帰るということ自体が難しいというケースも鑑みて、持ち帰りはあくまでも任意で準備して、同時に緊急避妊薬の取扱い薬局や注意事項、使い方が分かるインターネットサイトなどの情報の充実化、またはそれがネット検索で上位に出るための検索エンジン最適化対策も求められます。以上が、私たちの意見となっております。
25ページですが、現在オンライン署名キャンペーンで18万筆を超える賛同が集まっており、パブコメも今回4万件を超えて圧倒的多数の賛成の声をいただいております。ここで、多数というと数でしか見えないのですけれども、ぜひ個別の声を聞いていただきたいと思います。先日行ったアンケートに届いた東京都23歳女性、大学生の声を紹介させてください。
産婦人科が72時間以内に行こうと思っても、自分のバイトや仕事の予定が既にあって、ほとんど病院が空いている時間は行けず、かろうじて行ける時間帯は行ける範囲の病院は予約がいっぱいで、産婦人科を受診することは諦めました。試験販売がされていることを知っていたので、販売している薬局を探しました。ですが、検索しても検索エンジンの上位に全く厚生労働省の試験販売薬局をまとめているサイトが見つからず、まず困りました。ようやくサイトを見つけられました。でも、近くの販売している薬局がなくて困りました。当時、一番近い薬局は日曜日に休日対応番号に電話をかけてもつながらず、月曜日につながったかと思ったら、水木金しか担当者がいないので販売できませんと言われました。緊急避妊薬が必要になることが起きるのは大抵休みの日なのではないかなと思います。72時間を過ぎてしまうので遠い薬局に電話をかけたらとても優しくて、月曜日の閉店時間の19時も間に合わないかもしれないと伝えると「22時くらいになってもいいから開けるからおいで」と優しく言われて泣きました。緊急避妊薬の説明を受けて薬剤師さんの前で飲むのも、薬剤師さんと二人きりで個室みたいなところだったので、おばあちゃんの優しい薬剤師さんだったからよかったけど、男の人とかだったら思い出して怖くて飲めてなかったかもと思いました。値段も高くて、もっと安かったらいいのになと思いました。
最後に、国際社会や勧告やレターを紹介します。日本は昨年、CEDAWから、全ての女性と女児に緊急避妊薬を含む手ごろな価格の現代的避妊法への十分なアクセスを提供すること、これには16歳と17歳の女児が避妊法を利用するために親の同意を得るという要件を撤廃することも含まれるという勧告を受けました。本勧告は、2年以内に進捗報告を求められた4つしかない勧告のうちの一つに含まれるなど、緊急性が高いものとされています。このタイミングでの制度改善は、国際的責任を果たすことにもつながります。
また、本評価検討会議に当たり、私たちはFIGOよりレターを預かっています。そこでは、以下のような点が述べられています。緊急避妊薬は安全で、使用者が自己判断することができる。使用前に医学的な検査や診察は不要。ほとんどの国で推奨されているように、OTCでのアクセスが適切。使用者が追加の支援を求めない限り、定期的なフォローアップは不要。
緊急避妊薬という名前にもかかわらず、本当に必要なときに手元に届かないという状況を改善する必要があります。私たちはあくまでも人権とエビデンス、そして何より当時者のニーズに基づいた提供を求めます。
しかし、これらが一度に全てかなわない、全て求める限りスイッチOTC化ができないというのであれば、非常に残念ではありますが、全ての要求を満たさずとも、ここまで長い間議論され尽くされている緊急避妊薬、まずは一刻も早いスイッチOTC化を求めます。そして、緊急避妊薬が誰も置き去りにされず、必要とする全ての人にすぐに平等に届く社会に向けて、この会議がその一歩となり、検討が次の段階に進むこと、スイッチOTC化された後もアクセス改善のための取組がなされ続けることを切に求めます。
今回の評価検討会議の構成員としての参加機会にお礼を申し上げるとともに、今後の検討にもぜひ当時者、市民としての立場から参加させていただきたいと思いつつ、この評価検討会議は今回でぜひ一区切りにし、できる限り当時者に寄り添い、何よりも速やかなスイッチOTC化の実現をお願いいたします。以上となります。ありがとうございました。
○笠貫座長 ありがとうございました。それでは、続きまして資料1-4について北村構成員からお願いします。
○北村構成員 日本産婦人科医会及び日本家族計画協会の立場から出席しております北村でございます。この機会を大変感謝しております。
私の担当は、資料で36ページというところからでしょうか。ちょっと古いデータですけれども、世界で緊急避妊がどう扱われているのか、見てみましょう。
38ページ、世界での扱い状況です。
次のページ、薬剤師を介さずに店頭で購入可能とされている国は19か国、購入に当たり薬剤師の関与が必要とされている国は76か国となっております。
次を御覧ください。年齢制限があるか、ないかというようなことを含めて、カナダ、インド、ノルウェー、スウェーデンなどの例をお示ししました。御覧のように、緊急避妊薬を制限なく入手できる国もあります。ノルウェーのように、スーパーやガソリンスタンドで買える国さえもあるわけです。
次です。だからといって、我が国も自動販売機で緊急避妊薬を扱っていいとは考えていません。国の教育の違い、国民のリテラシーの違いなどがあるからです。そんな一例を、私どものLINE相談から御紹介しましょう。
次です。ここに挙げた3つの事例は決して特殊なものではなく、妊娠不安が女性たちにとってどれほど深刻なのかを物語っています。しかし、ざっと御覧になられてお分かりのように、妊娠に対する知識も意識もないままにセックスしているなという印象です。これが、ごく普通の日本人の実態ではないでしょうか。彼らのリテラシーをどのように高めていけるか、緊急避妊薬のスイッチOTC化が進もうとしている今日、薬局薬剤師の手腕が試されています。
次のスライドです。個人的な体験ですが、こんなことがありました。2011年2月23日、私の還暦の誕生日に承認された緊急避妊薬、その半年ほど前に先進国での緊急避妊薬の販売状況を調査しに行ったときのことです。フランス、パリではBPC(Behind the Pharmacy Counter)と言いますが、薬剤師の背中にある戸棚から取り出された緊急避妊薬を簡単に入手できました。しかし、イギリス、ロンドンでは一騒動がありました。緊急避妊薬を求めた私に対して、あなたには売れないと言うのです。理由を聞けば、あなたは男性であってこの薬を飲む当時者ではない。男性はこれを飲むように女性に強要する危険性があるからだと。私だって日本の代表選手のような気持ちで行ったわけですから、簡単に引き下がるわけにもいかず、つたない英語でやりとりをしたわけですが、結果は変わりませんでした。仕方なく、ツアーに同行していた女性に依頼して入手をしてもらうことにしました。彼女の話によれば、小さな部屋に通されて緊急避妊薬の作用機序、副作用、問題点、その後の避妊法選択などの話をされた後に入手できた。これだと本当に思いました。幸いにも、日本産科婦人科学会編の適正使用指針の作成に携わらせていただいていた者の一人として、このシステムを遵守した指針を生かそうとしたのは当然です。これが緊急避妊薬処方に際しての原体験として、今も私のこだわりになっています。
次です。その一つ、これが面前服用に関することです。
次です。先ほど御紹介した「緊急避妊法の適正使用に関する指針」ですが、この4月に改訂版を出しています。その中でも、面前服用を勧めています。
次です。性交から緊急避妊薬服用までの時間と妊娠率を見ますと、早ければ早いほど避妊効果の高いことが分かります。
次を御覧ください。排卵後では無意味なのです。ですから、The sooner the better、これも面前服用を推奨する理由となっています。
次を御覧ください。ごく一例ですが、御紹介しましょう。「なりすまし」がありました。緊急避妊薬の研究の目的で、超音波を使って子宮内膜の厚さを測定させてもらっていた時期がありました。診察台に上がってもらおうとしたそのとき、発覚したのです。面前服用が原則ですから、その友人はひとまず帰って当時者が来院したことがありました。彼は妊娠の継続を現段階では決めかねているので、面前での服用を拒否した女性がいました。「結論はいつ出るの?」と聞くと「わからない」と、御本人は妊娠の継続は無理だと思っているのですが、一縷の望みを彼にかけていたのでしょうか。時間ばかりがたったら避妊効果が落ちることを説明し、処方できないとお断りしたことがあります。彼女が仕事で忙しいとの理由から、男性が取りに行っていいかと、「相手がどうしても産みたいと言っているのだが、僕には自信がない」とばかりに、服用を女性に強要する危険性があるかのような事例もありました。
次です。薬局に緊急避妊薬を求めてやって来られる方には、スライドにありますように多様性があります。服用すれば妊娠しないと思っている。たまたま知り合った男性や所属している性風俗の人などに強要されて、強く勧められて入手の手段を求める。繰り返し何度も服用する女性。明らかに人の代理で来たと思われる人。性風俗の勤務者で、あらかじめもらっておきたいと言っていた女性。その一方で、薬剤師側の未熟さは失礼ながら否定できませんので、薬局薬剤師は安全の確保、犯罪防止を視野に入れながら配慮ある体制が求められています。最近話題になったストーカー殺人事件で警察側の対応が追求されていますが、緊急避妊薬を使ったのに妊娠してしまった、産んでしまったが殺してしまったということがないように、ひたすら祈るばかりです。
さて、まとめてみましょう。第1に、日本産科婦人科学会は2011年以来、面前服用を推奨してまいりました。第2に、できるだけ早く服用してもらわないと効果が落ちます。これは、厳然とした科学なのです。第3に、面前での服用によって、処方する医師・薬剤師の責任が軽減されます。「飲んだ」「飲まなかった」のトラブルは後を絶ちません。第4に、面前服用は人権侵害だと主張したり、男性薬剤師の面前での服用を屈辱的だと問題視したりする声があることを承知していますが、プロである薬剤師が販売しようとしているのですから、面前服用が屈辱的だというのは薬剤師に対して失礼ではないでしょうか。目の前で飲む姿を見られることを屈辱だとお考えなのであるとしたら、医療自体が成り立ちません。歯医者に行って口を開けるのと、どう違うのでしょうか。薬局での体制整備や情報の公開などにより、女性薬剤師を選択できる仕組みをつくるなども一考ではないでしょうか。薬局薬剤師として対応困難事例だと思われることがあったら、何度も修羅場をくぐり抜けてきた近隣の産婦人科医を頼ってください。
年齢制限ですが、私は不要だと考えています。以前、ある弁護士とこの点について議論したことがありました。親の承諾がないと中絶手術を受けられないという具体的な年齢が明記されている法律はありません。「子ども」に法律行為能力、同意能力、事理弁識能力があれば、医療契約は成立すると考えられています。冗談っぽい話になりますが、親の保護下にあると思われる若者に緊急避妊薬を渡す際、太陽は東西南北のどちらから昇るのか、そしてどちらに沈むのかと聞いてカルテに残してきました。これに答えられれば、薬局を含めた医療機関受診は自分で決めていいことになります。
次のスライドです。しかし、年齢制限は不要ですが、中でも若い世代には背後に暴力などの問題が隠されていることが少なくありません。そのため、私などは緊急避妊を求めてきた女性が診察室に入るときから、首に絞められた跡がないか、リストカットはないかなど、瞬時に見極めることを忘れていません。そんな緊張感をもって緊急避妊薬が処方されていることを皆さんは御存じだったでしょうか。性交同意年齢が16歳未満になってはいますが、そんなものはお構いなしで暴力を続ける相手がいる以上、年齢制限などもってのほかなのです。むしろ他の国がそうであるように、10代の女性には無料で緊急避妊薬を渡せるような福祉的サポートが我が国には必要なのです。緊急避妊薬のスイッチOTC化を進めるということは、それに伴う不測の事態に対処できる教育や福祉政策を整備することを急いでください。それまでは緊急避妊薬を扱おうという薬局薬剤師には相当な覚悟が必要です。もちろん、私たち産婦人科医はこのような事例にどう対処したらいいかの経験が豊富ですので、いつでも連携していきたい。
次です。親の同意、要りません。親の保護下にある若者が緊急避妊薬を求めてきた際、どう対応するか。以前、こんなことがありました。
次です。いつものとおり、緊急避妊薬を面前で飲んでもらった上にピルも持たせて帰したのですが、事もあろうに、うちのクリニックの薬袋が彼女の机の上にあって母親からの問合せがありました。私たちには医療従事者としての「守秘義務」があるものですから、安易なやりとりはできないこと、娘さんと相談されて御一緒に受診されたら納得のいくまでお話しをさせていただきますとお答えしました。リアル診療での医療者としてのマナーが問われる一面です。これは当然、薬局薬剤師にも向けられる課題なのです。対応に苦慮されることがありましたら、近隣の産婦人科医にいつでも御相談ください。
次です。緊急避妊薬服用後に産婦人科受診が必要かですが、答えはイエス、これも私のこだわりなのです。そんな面倒くさいことをやっていられるかという国民の声が大きければ、いささか冷たいようですが、「そうですか、あなたの将来を考えてのことなのですが、残念ですね」、と答えざるを得ません。私が緊急避妊薬服用後3週間ほどで産婦人科を受診してほしいと願っているのは、緊急避妊薬の作用機序には排卵を抑制したり遅らせたりするという科学があるからなのです。
次です。緊急避妊薬を扱う際に常に心がけておかなければならないこと、それがこれです。緊急避妊薬はきっかけであって、決してゴールではないことを知らせる機会としたいのです。
次です。緊急避妊薬を服用した後に性交があると、妊娠回避率が有意に低下します。言い換えれば、妊娠しやすくなるということは一目瞭然なのです。緊急避妊薬の添付文書にも、本剤投与後も妊娠する可能性があるため、適切な避妊手段を指導することと書かれています。
次です。緊急避妊薬を服用した場合の妊娠を回避できる割合を妊娠阻止率といいますが、性交後、過去3日以内に緊急避妊薬を服用した場合には84%、1年間毎日服用した場合のピルは99.7%となっています。したがって、私どもは緊急避妊薬からピルなど、より確実な避妊法への行動変容を促すことを常に心がけてきました。販売価格の問題もあります。法外な費用を徴収しているサイトが見受けられますが、スイッチOTC化によって価格の低廉化、統一化が可能になるのではないかと期待されています。
緊急避妊薬のスイッチOTC化がスタートした際、何が起こるか、問題になるかをまとめてみました。
次のスライドです。申請から10年間ほどかかった緊急避妊薬の承認を求めてきた者の一人ですが、緊急避妊薬のOTC化を推進する産婦人科医としての私見を述べさせてください。皆さんはどう思われますでしょうか。緊急避妊薬を可能な限り早く服用することは重要で、アクセスのしやすさは喫緊の課題だ。でも、アクセスのしやすさの改善だけでいいのか。緊急避妊薬の服用で、その後の性交で妊娠の可能性を高める危険性があることを事前に説明する必要がある。緊急避妊薬はスタートであってゴールではない。その後の避妊指導をどうするか。
次のスライドを御覧ください。ドイツでの経験ですが、スイッチOTC化がスタートしても、誰も彼も薬局に行くとは限らないという報告です。医療機関が休診している土日はOTCに頼り、それ以外の曜日は処方箋を求めて医療機関を訪ねるというのです。アクセスのしやすさを優先させるだけではないことが分かります。我が国でも近い将来、このようなデータを出したらいいなと切に望んでいますが、果たしてどうなっていくのか。
次のスライドです。これは緊急避妊薬のスイッチOTC化が進んでいる米国の経験です。7年間で緊急避妊薬の使用が2倍近く増加した。ピルの服用者、男性コンドーム使用者でも緊急避妊を使用した割合が2倍近く増加した。一方、減少したのは医療機関受診、避妊法のカウンセリングを受けた割合などで、我が国も実はその例にたがわない結果が出るのではないかと危惧しております。しかも、我が国特有のコンドーム避妊法が減って緊急避妊薬を求めるという時代が訪れないか、いささか心配であります。
次のスライドです。緊急避妊薬の議論が続いていますが、リアルか、オンラインか、OTCか、しかし、私としてはさらにその前にしてほしいことがあります。
次のスライドです。赤枠内に入っている受診理由は、事前に確実な避妊法が選択されていたら緊急避妊を必要としなかった可能性があります。私は、僻地での医療向上を目指して創立された自治医科大学の第1期卒業生です。そのためか、産婦人科医が近くにない僻地で診療に当たっている後輩から、緊急避妊薬を常備したいとの相談がしばしば寄せられます。大切なことです。でも、もっと大事なことは、緊急避妊薬に頼ろうとする方には事前にピルを渡すようにアドバイスしよう、これが私の後輩医師に向けた助言です。皆さんはどう思われるでしょうか。
次のスライドです。緊急避妊薬のスイッチOTC化を前進させるために今、何が必要か。私自身はこう考えています。日本特有の方法だと揶揄されようとも、それを恐れずに試行錯誤を繰り返しながら前へ前へと進めていく。これが今、必要ではないだろうかと思っております。謝辞はスライドに代えさせていただきます。ありがとうございました。
○笠貫座長 ありがとうございました。それでは、構成員の方々から御意見を伺いたいと思います。
○富永構成員 薬剤師が大分出てきましたので、私がまず最初に口火を切らせていただきます。北村構成員、どうもありがとうございました。私は励ましだと思っております。薬剤師会、薬剤師、もっと頑張れ、そしてこのスイッチOTC化を進めていくと、そういう話だと思っております。それで、今回の調査研究事業でやはり産科との連携は深まったと思います。様々相談をしたということがございますし、敷居の高かった部分に入っていっていろいろ勉強できたというか、経験できた。もちろん利用者に対してもそういういろいろな対応をしましたので、今回の調査研究事業は有意義だった、今後も続けていきたいとは思っております。ただ、先ほど面前服用の話がありましたけれども、この調査研究事業でも薬剤師が服用後、確認できる状態で服用していただいておりますので、先ほど申されましたけれども、避妊効果の面からも、犯罪防止の観点からも必要だと考えております。それで、まずはここからだと、面前服用から始めて我々も育つ、利用者も育ってヘルスリテラシーが上がっていった時点でまたそこを考えるということでいいかと思っております。それともう一つなのですが、先生から言っていただきましたが、年齢の制限、それと保護者の同意も求めない。それは必要だと薬剤師会側は思っているところです。年齢の制限は要らない。それで、私は学校薬剤師部会の部会長をやっておりまして、子供たちを取り巻く環境は今、大変な時期にある。例えば、不登校とかリストカットとおっしゃいましたけれども、自傷行為とかオーバードーズとか虐待、貧困、そういう増加傾向の中でもやはり性の問題、これが喫緊の課題で、やはり売春も含めて生徒間の交際等においては成人と違って中学生では全て、高校生でもごく一部を除いて希望した妊娠ではなくて偶発的、あるいは知識の不足による妊娠であって、出産すれば社会の中で家族を形成し、維持していくことも困難な場合も多い。やはり緊急避妊が望まれることとなります。ただ、人工中絶による体とか心の苦痛と後遺症は想像以上のものがあって、学校での性教育による妊娠そのものを避ける対策と、緊急避妊薬の提供が必要となると考えております。また、児童、生徒らが親から虐待とはいかないまでも十分に保護されていない場合もあって、本人の意思による緊急避妊が必要だと考えております。もちろん、薬剤師の長年の患者対応の経験から気づきによって子供が十分保護されているかどうかを確認するとともに、メンタルケアが必要だと考える場合はやはり医療につないだり、精神保健センター等につないだりすることになるかもしれません。それで、今回の調査研究事業で本人の確認はもちろん、状況確認、事故防止ができていて、さらには児童、生徒の現在と未来の保護にやはり薬剤師も貢献したい。そこで、年齢制限をなくし、親の同意なしで緊急避妊薬の提供を認めていただきたいと思うところです。それで、今回の調査研究事業を通じて思うことは、もう少し薬剤師を信用していただきたいと思うところです。北村構成員、ありがとうございました。以上です。
○笠貫座長 北村構成員どうぞ。
○北村構成員 北村です。ぜひその気概を持って取り組んでいっていただきたいと思っております。
○笠貫座長 宗林構成員、お願いします。
○宗林構成員 岐阜医療科学大学の宗林です。今日、せっかく参加していただいた若い染矢構成員と福田構成員にお聞きしたいことがございます。この面前の服用ということについてなのですけれども、私たちはこれを、少なくとも私は避妊しない性行為を促進することがないように、本当に困ったときだけきちんと飲めるということを死守したいということで、安全策を取ったほうがいいのではないかと思いました。それで面前服用ということにしたのですが、そこで1つお聞きしたいのは、今はそこで飲むものというのはこれだけなので、あの人が飲んでいるわとなったら、あれはこれだわという話になるのかもしれませんけれども、それは半個室だったり、見えるところだったりするケースもあるかと思うのでそういうことがあると思うのですが、完全に見えないような環境できちんと分離されたところで落ち着いて飲めるのであれば、それはかなり皆さんの中でのストレスとしては改善されるのかということが1点。それから、皆さんが御紹介された中では、これを面前服用しなくてそのストックで持って行っても、避妊しない性交が増えないというようなことがあるんだよというようなお話がありましたけれども、皆さんの実感として今の日本において本当にそうなのか。性交の前にこれを飲ませるみたいな話もちょっと出ていましたので、その辺りもちょっと不安に思ってはいたのですが、その辺りで2点いかがでしょうか。
○笠貫座長 染矢構成員、お願いします。
○染矢構成員 緊急避妊薬を薬局でプロジェクトの染矢です。御質問ありがとうございます。まず1点目の個室などであればプライバシーの保護の観点から面前服用でもいいのではないかという意見ではあるのですけれども、先ほどのアンケートでいただいた声からも、むしろ個室で1対1で飲まされるというところに心理的負担や、恐怖感、不快感を感じるという事例も考えられるかなということと、あとは私たちがいただいた声の中では、薬の服用が苦手でゼリーとかアイスを使うという場合もあって、そういったときに自宅に帰って安心して飲みたいというニーズもあったかと思います。それで、先ほど北村構成員が緊急避妊薬の服用に関して、病院では基本的に面前服用されているということだったのですけれども、こちらの新しいガイドラインを拝見させていただいたのですが、確実に1錠服用する。できる限り速やかに服用するように指導することとあって、面前服用という記載はこのガイドライン上にはないものなんです。ですから、確実性の担保という意味では面前服用以外の選択肢であったりとか、その薬剤師さんに任せたりというのも一つではないかということは考えております。もう一点、実際に性交の前に飲むとか、毎回ふだんの性行為の避妊用として緊急避妊薬を使うということが日本で本当に起こらないのかどうかという点ではあるのですけれども、ほかの国でも実際に事前供給をされた場合もリスクのある性行動は増えなかったということは複数の調査で言われているということもあります。ただ、一方で、性教育であったりとか情報提供として、普段の避妊法には向かないものであるであったりとか、性行為の前に服用したりとか、飲んだ後で排卵を遅らせる作用があるので妊娠しやすい状況にあるというところは併せて啓発をしていく、情報提供していくことは必要ではないかと思います。
○笠貫座長 ありがとうございます。追加ですね。福田構成員、どうぞ。
○福田構成員 少し追加なのですけれども、ありがとうございます。個室という点でさっき言ったことに追加なのですが、では個室がない薬局では扱えないというふうにしてしまうと、結果的に扱える薬局というのはすごく減ってしまうと思うんです。ですから、個室があるよというのは選択肢としてすごくいいなとは思うのですけれども、それを条件にはしないでほしい。今回の厚労省の調査研究事業結果の中でも、必ずしも別に必要でないのではないかというような結果だったかと思うので、あくまでも選択肢でいいのかなとは思っております。それで、やはり日本というのはコンドームが主流という国なので、本当に避妊の失敗というのは誰にでも起こり得るもので、私たちの調査でも毎回圧倒的に緊急避妊が必要になった理由というのはコンドームが破れてしまったとか破損なんです。誰にでも起こり得ることで、それを変えたいのであれば例えば低用量ピル、日本では避妊用は保険適用ではないですけれども、ほかの国では一般的に保険適用だったり、若者には無料だったり、緊急避妊薬を制限することによって行動変容を望むのではなくて、ではほかのピルだったり、より確実なもの、北村構成員もピルのアクセス向上のお話をされていたと思うのですけれども、ミニピルとかも海外では薬局で売っていると思います。そういったところを変えていくことによって、緊急避妊薬に依存しないという形はできると思います。ただ、繰り返し服用しても健康には問題ないということはWHOでも言われているのは付け加えたいと思います。以上です。
○笠貫座長 ありがとうございます。追加ですか。
○北村構成員 はい。北村ですけれども、面前服用がそんなに難しいことなのか。2011年に承認されて以来、十数年間にわたって面前服用を求めてきました。そこでトラブルが起こったということが、私にはあまり記憶がないんです。それで、昨日もちょっと産婦人科の仲間を集めて、今日こういう会議があるからどうだと言ったら、実は1,000件くらい緊急避妊の処方経験を持っている福島県郡山市の開業医がいるのですけれども、「私は1,000例全部面前服用です。それで、面前服用を拒否した人には出していません」と、非常に自信たっぷりに言っていまして、私は案ずるより産むが易しのような感じがしてならないんです。
○笠貫座長 ありがとうございます。堀構成員、お願いします。
○堀構成員 ありがとうございます。COMLの堀と申します。私はやはり面前での服用、北村構成員がおっしゃっていたことを支持したいと思います。しかしながら、今、染矢構成員や福田構成員から、対面で服用する以外にも、もう少し枠を広げての服用を承認できるというお話ができたことは非常によかったのではないかと思います。ただ、やはり72時間ということを考えますと、どうしても薬局から持ち帰ってしまうと、かえって不安になってしまう。これを実際に飲んだらいいかどうかということは、ちゃんと知識のある方だったら分かるんですけれども、結局はいろいろな状況の中で精神的に不安定で、そして薬局から持ち帰って飲んでくださいと言われても、そこで戸惑ってしまう。そういうことを考えた場合、面前という形、または個室というような形、今のやり方を少しずつ変えていくような形でありながらも、やはり薬局でもらったときに飲むということは非常に大切なことではないかと私は思います。あともう一点なのですけれども、どうしても今回、面前服用のお話に焦点が当たりがちなのですが、先ほど北村構成員、染矢構成員、それから富永構成員も、年齢制限を撤廃したほうがいいとおっしゃっておりました。そこに関してちょっと私は意見があり、お尋ねしたいことがあるのですけれども、例えば年齢制限がなくなった場合、生理がもう始まって妊娠の可能性がある例えば小児の購入に関して、親の同意もなくなったということであれば、その子たちがお年玉を握りしめて購入に来たときに、どういうふうに条件をつけ、その子たちに対応したらいいかということは非常に重要なことだと思います。皆さんおっしゃっているように、現在の我が国では性教育に関してはかなり遅れていると思いますし、性行為ということ自体、それが実際に性行為なのかどうかということも何も教わっていないので、それがどういうことなのか、小児では分からない子もいると思います。そういうふうな状況の中、そして不安で仕方ない中でどうしたらいいかというときに、そのシェルターがもしかしたら今後薬局になっていくのではないかと私は思っております。現状では、アクセス方法、例えば、厚労省から日本薬剤師会が受託して作成しました試験販売の情報源を確認したのですけれども、非常に説明が難しいです。特に小学生、12、13歳の子たちが読んでも、何を言っているんだか分からないと思いました。その小児が購入にきた場合、薬局に来たときに、薬剤師が今以上の心のケアそして知識を供与することや、より分かりやすい資材の提供、そういうものを考えない限り年齢の撤廃というものは難しいと思いますが、北村構成員はいかがお考えでしょうか。お願いいたします。
○笠貫座長 北村構成員、お願いします。
○北村構成員 北村でございます。例えば同意の問題とか、私も実はピル承認の歴史の証人として生きてきました。かつてこの議論を国会でしたことがあるんです。それで、ある国会議員は、10代の若者にピルなんか処方するのはいかんぞと、こうやって主張しました。WHOも禁止していると言うものですから、ちょっと待って、WHOが禁止しているなんて事実はないよと、このようなやりとりをしたのですけれども、私はそのときにその議員に対して、「もし仮にあなたがこの議論をいつまでも続けるのであるとしたら、国としてセックスするか、しないかの同意を取るような法律をつくりなさい」と、こう私は申し上げたんです。要するに、セックスをするか、しないかというところで親に同意を取っているわけではない中で、その後に起こった事例に対して、仮に若年者であろうとも、お金を握りしめても、緊急避妊薬が必要なんだと来局する。私はむしろ褒めることはあっても責めることではないだろうと思っております。ただ、先ほど委員が言われたように、私は十分理解していないのですが、薬機法の改正というものがあって、薬剤師の役割というのがかなり大きくなったということを認識しておりますけれども、先ほど来申し上げましたように、薬剤師がそのくらいの気概を持って対処できるという時代をぜひ創ってほしい。しかし、私はそうそうできるようには思えないので、それならばどうぞ修羅場を生きてきた医療機関、産婦人科医、そこと連携しながらうまくやっていったらいいんじゃないかと思います。年齢の問題は、私は先ほど申し上げたように16歳未満が性交同意年齢だからというのですけれども、16歳未満であることを承知しながら暴力を振るう輩がいるのです。そして、その被害に遭った人がいる。その被害に遭った子たちが親の同意を得て、要は緊急避妊を求めるかというと、私は求めるとは間違いなく思っておりません。16歳未満のいわゆる性交同意年齢ということが当然縛りになるとは私には思えないんです。それも薬局薬剤師が苦慮することがあったら我々がいますから、どうぞ御利用いただけたらと思っております。
○笠貫座長 松野構成員、お願いします。
○松野構成員 日本保険薬局協会の松野と申します。
○笠貫座長 発言の途中ですが、先ほどの続きでしたら、染矢構成員お願いします。
○染矢構成員 順番をお譲りいただき、ありがとうございます。緊急避妊薬を薬局でプロジェクトの染矢です。先ほどの若年者の中でも、特に小児・子供が求めてきた際にどうしたらいいのかという問題なのですけれども、例えばそういったケース、性暴力被害である可能性は高いと思いますし、性交同意年齢以下の子供たちのケースもあると思うのですが、まず性暴力被害者ワンストップ支援センターであったり、そういう性暴力の相談先の認知度であったりとか、性暴力を受けたかどうかというところの知識がまだまだない子供たちというのがほとんどかと思います。そこで、まず身近な薬局で緊急避妊薬を求めるようなことがあったということは、むしろそういう性暴力や虐待の事実に気づいて支援とつながる窓口に、間口を広げるということになっていくと思います。その中で薬局に求める役割として、そういう子供たちを地域の中で、例えば地域の産婦人科につないだりとか、ワンストップ支援センターと連携したりとか、警察と連携したりとか、そういうことが出てくると思うのですけれども、ぜひそういったところを身近な薬局で安心して相談できる場所として期待したいと思っています。あとは、海外ではユースクリニックであったりとか、若い人専門のクリニックであったりとか、若い人が看護師に相談が気軽にできる場所が充実しているということもありますので、今回の薬の承認、分類というところとはまた別軸の議論になるかとは思うのですけれども、そういったことも併せて検討が進むことを望みたいと思っております。
○笠貫座長 ありがとうございます。それでは、松野構成員、お願いいたします。
○松野構成員 御説明をいろいろありがとうございました。ようやくここまで緊急避妊薬の議論が進んできたという点では、一番優先するべきは、この薬のスイッチOTC化を早急に実現することだろうと思っております。その上で、やはり今までのお話を聞いていましても、私どもの現場の経験からも、対面から始めて段階的に間口を広げていくことで、より対応しやすい環境を整えていくことが、現時点では最も適しているということが、まず1点目です。次に、対面で服用するということに非常に抵抗感があるということなのですが、薬局では対面で服用する以外にも、例えばインフルエンザの吸入薬でも目の前で使用していただきながら指導を行うこともあります。個室の有無にかかわらず対面で何か行うということは現場ではある程度対応可能な業務だなと思っておりますので、そこは問題なく対応できるというふうに考えております。ただし、北村構成員の、プロである以上、男性でも女性対応すべきとの御意見も理解できますが、現実的には、婦人科系の薬を男性薬剤師に対応されるのは非常に緊張や不安を感じるという声があるのも事実です。私たちがプロとして対応しているつもりでも、利用される側からすると女性がいいということがあると思いますので、そこは利用者が選択できる環境をつくる必要があると思います。2点目として、私は年齢制限は不要というところも賛成ですし、価格については、5,000円は高いとやはり思いますので、価格は下げるべきだと思います。最後に、この薬が新しく薬機法が改正されて特定要指導医薬品位置づけられるのが最も適しているのではないかと思います。以上です。
○笠貫座長 佐藤構成員お願いします。
○佐藤構成員 産経新聞の佐藤です。御説明ありがとうございました。染矢構成員に1点お聞きできればと思います。対面で飲んでもらわないことにした場合、本人でない人に渡るリスクについてはどのようにお考えでしょうか。
○染矢構成員 緊急避妊薬を薬局でプロジェクトの染矢です。本人以外の人に渡るリスクというところで言うと、完全にないとは確かに言い切れないと思います。ただ、必要な人が入手できる、アクセスのハードルを下げるということによって、それはアクセスにハードルを感じている人がいるからこそ起こっている問題であって、そこのアクセスのハードルが改善していくことによって、必要な人が必要なときに入手できるというふうになっていけば、購入する本人と違う人に行きわたる状況ということ自体が少なくなるのではないかと考えます。
○笠貫座長 北村構成員、関連ですね。
○北村構成員 だからこそなんです。だからこそ、まさに前へ前へ進める前提の中では、私は試行錯誤があってしかるべきだろうと思います。まだ染矢構成員が言われるような状況がまだ、日本の中に出来上がっているようにはどうしても思えない。私はそういう意味で、しばらくこのことを進める過程の中で変えるべきものは変えていくという、先ほど構成員が言われたような考え方は、私は非常にいいアイデアではないかと思います。
○笠貫座長 佐藤構成員、お願いします。
○佐藤構成員 御回答ありがとうございました。私自身は薬剤師が対面で販売し、その場で本人に飲んでもらうことが必要だと考えています。この国においては、性交渉であるとか避妊であるとかの決定権が、どのカップルでも男女フェアに行われているかというと、大変疑わしいと思っています。もちろんフェアな意思決定をするカップルもたくさんいると思いますが、一方的に男性が決定するというカップルもまだあるのではないかと思います。低用量ピルの利用が依然として低いことはその一つの表れではないかと思います。行政の承認がとても遅れたというのも一つの原因ではないかと思っておりますが、そういう国においては販売や流通時の配慮は重要で、対面で販売し、その場で飲んでもらわないことによって、誰かに飲ませたい人に売るリスクは避けたいと思います。それは、男性のほうが圧倒的に優位に性交渉をすることや、避妊することの決定権を持っていないカップルの女性を守りたいと思うからです。ですので、私はその場で飲んでもらうことに賛成です。個室で男性薬剤師と二人になるのは怖いであるとかいったことに対する配慮はできるようにしたほうがいいと思いますし、例えばこの薬局では、こういう形で飲めますよ、という情報提供は丁寧にしてほしいと思います。また、先ほど薬局の数についての御提言もありましたが、ぜひ中学校区に1つくらいの数の薬局で扱えるようにしていただくと同時に、どこの薬局に行っても、あそこに行けば手に入る、ということが分かるようにしていただければと思います。あとは、ちょっと課題に挙がりました年齢と親の同意については、私は必要ないと思っています。制限をかける必要はないと思っています。以前、この場で発言しましたときと、同じ意見ですので省略させていただきます。あとは、事後の受診なのですけれども、事後に受診するというよりも多分検査薬を使うのが一般的かなと思っておりますが、薬の効果、避妊が達成されたことを確認するためではなく、低用量ピルを使うことのためにというか、緊急避妊薬を常用するのではなくて、低用量ピルを使うことのために受診していただけるような声かけを、薬局でしていただければと思います。以上です。ありがとうございます。
○笠貫座長 ありがとうございます。平野構成員、お願いします。
○平野構成員 日本チェーンドラッグストア協会の平野でございます。この問題の本質は、やはり望まない妊娠をした女性をいかに守るか、これが何よりの中心であると思いますので、その点から考えれば年齢の問題、親の同意の問題、これは必要ないと私も思うところでございます。いかにそのアクセスを高めるかというのが、私たち現場をあずかる者の仕事でもあると思っています。ただ、そうはいいましても皆さんの御意見は多々あるわけですが、100%の解決というのは必ずしもあるわけではない。そこで解決すべきは、まず基本的に性教育という問題が5年前からずっと言われているにもかかわらず、実は2年前に文部科学省の方が来て性教育についての御報告をいただきましたけれども、そのときの報告というのは結局、文科省というのは学習指導要領をつくる役所であって、認可はするけれども検閲はできない。採用するのは自治体であって、教え方は教員が考えるんだと。ということは、何も責任を負わないんだ。現実に多分、学校教育の中で本当に必要な性教育が行われるような気が、その報告を聞いて私はしなかったんです。実際問題、学校で教えるというときに、いかに性行為がどんなものであり、子供がどうやって生まれるのかということについては教えるのでしょうが、望まない妊娠をしたときにどうするかということを学校が教えられるのか。最近、モンスターペアレンツなどという問題もあるので、なかなか多分難しいんだろうというところも現実問題として思うわけです。もちろんやってほしいんですけれども。では、そこをどうやったら補完できるのかということを考えたときに、実は私たちはドラッグストアを抱えています。ドラッグストアというのは、店頭に非常に多くの女性が見えている、あるいはアプリで非常に多くの会員を抱えている。そしてまた、もちろん日本薬剤師会、保険薬局協会と一緒に薬局、ドラッグストアという場から可能性のある利用者としての女性に必要な情報を出していくべきであると思うんです。ただ、無責任な情報をばらばらに出されたのではいけない。ネット上にある情報と同じになってしまいます。ですから、北村構成員、染矢構成員、福田構成員にお願いをしたいのですが、日常の教育としてまず何を伝えるべきなのか。そして、いざ望まない妊娠のリスクを抱えた方に何を伝えるべきなのか。それが当然間違いでなく、かつ分かりやすいものとして、そのようなコンテンツを一緒につくっていただけないだろうか。それを発信していくということが、時間はかかるかもしれませんが、実は種々ある問題の解決になっていくのでないかと思います。取りあえず、今日の段階でこんなことをというヒントがもしいただけましたら、そのように私たちは早速動き出したいと思いますし、最終的には一緒にタッグを組んでそんなコンテンツをつくらせていただきたいと願っております。いかがでしょうか。
○笠貫座長 染矢構成員、お願いします。
○染矢構成員 緊急避妊薬を薬局でプロジェクトの染矢です。大変ありがたいお申出をいただいて、ありがたく思っております。インターネット上で見られたり、アプリの上で見られるコンテンツとして発信していくというのは大変重要なことだと思いますし、私たちも協力させていただけたらと思っています。また、使用する若年者だけではなくて、その保護者世代に当たる方とか、または薬局、ドラッグストアで働いている方々に向けても、もし聞かれたらどういうふうに答えていったらいいのかというふうなニーズもあるかと思いますので、そういったことも併せて進めていけると、よりよいのではないかと思っております。
○北村構成員 北村です。ありがとうございました。大変大事な御提案だろうと思いますが、文科省の方がどういう話をされたのか、私は十分認識していませんけれども、私は日本で使っている教科書をつぶさに見たら相当いいものがあると思います。こんなことをここで言っていいのかどうか分かりませんが、私も保健体育の教科書の執筆者でございまして、相当ないいものを用意しているという自負心がございます。さらに加えて教師用手引というものがありまして、これは高校生のためなのですけれども、これなどは1項目について1万字書くんです。これを本当に学校の先生がお勉強をされたら、医学部教育にも匹敵するような内容だろうと思います。それを使われていないのかどうか。さらに加えて、実は執筆者には課題がありまして、各項目について15分間のYouTubeを提供しているんです。この辺りを考えると、日本もまんざらではないな、包括的性教育が不足しているなどということが話題になっているけれども、改めて身近なところにある教科書などにもっともっと目を向けていくことが必要なのではないだろうか。さらに、染矢構成員辺りがいろいろインターネットなどでも情報提供していますけれども、それだって宝の持ち腐れに近いような状況が私はあるように思えて、そういうものを折に触れてどうぞチェーンドラッグのほうから情報提供していっていただくことが必要なのではないでしょうか。これを御覧くださいと。うちが行っているようなLINE相談では常にそれをフィードバックできるような、提供できるような形を取り続けていますけれども。
○笠貫座長 宗林構成員、どうぞ。
○宗林構成員 先ほどはちょっと質問しただけだったのですけれども、私はやはり個人のリテラシーも大変差があり、また年齢制限をある程度撤廃していく可能性もあるのであれば、例えば性交渉であったのか、なかったのかという判断についても曖昧だと、北村構成員の資料を見ても、レベルが低いものもございますよね。ですから、対面で服用するということをやっていくことがまず最初は必要だなと思います。そして、これは先ほど吸入器の吸い方もやるよねというお話がございましたが、今、御出席の方々はこれについては詳しいかもしれないけれども、これから先はもっと薬剤師さんと相談しながら服用とか、本当に自分に適しているかどうかというものをOTCの中で見極めていくお薬というのも、こういうことができれば一つの皮切りになっていろいろなことを相談しながら安心して、これは自分にとって必要なものだということを確信したり、納得して服用していけるようなOTCが増えるのではないかと思いますので、そういう意味も含めて、最初はこれは面前で服用したらいいのではないかと思います。以上です。
○笠貫座長 ありがとうございます。渡邊構成員、お願いします。
○渡邊構成員 薬剤師の渡邊でございます。緊急避妊薬については、私たちはオンラインによる緊急避妊薬の勉強をずっとこの5年近くやってきていまして、たくさんの薬局でこの緊急避妊薬が全部置いてあります。厚生労働省に登録したところは必ず置いてあります。私なども、置いておいたものの期限が切れて、次の新しいものをまた置いています。そんな中で、決して薬局が何も持っていないわけではなく、今、調査研究事業の参加薬局にピックアップされないと薬局での販売ができない状態であったということで、そのプロジェクトの方々の文章を見ますと探して大変だったろうなとは思いますが、置いていないわけではないんです。ですから、どの薬局でも取り扱えるようになれば、しっかり近くの薬局から購入することができると思います。また、それに向けて毎回、産婦人科の先生をお招きして、お勉強もして、確認を取って、ちゃんと修了証をいただいて厚労省のほうに登録しております。そういう中で、先ほど薬剤師の面前服用を条件としないこととか、いろいろありましたけれども、まだ今のところ私はあったほうがいいのではないかと、不安に感じさせないように丁寧に優しくお伝えしながら、お守りするような形で飲んでいただけるように努力したいと思います。それから、必要な人全てに販売体制ができるよう、全薬局において全部の薬局が対応できるようにできたら一番いいのではないかと感じております。以上です。
○笠貫座長 ありがとうございます。宮園構成員、お願いできますか。
○宮園構成員 宮園でございます。地方におりますので、どうしても地方の者からの発信という視点はあるのですが、これだけ必要な方がたくさんおられるというのはありますので、本当に少しでも早く、手に入りやすい形で販売されていくことが大事だと思っているのですが、今の皆様方のお話の中で上がらなかった話題として1つ申し上げたいのは、福田構成員からお話のありました日本語が理解できない方にも買えるようにというのはすごく私は大事な視点だと思います。ですから、この辺りも考えていただきたいのと、例えばもし啓発の資料とか、説明の資料とか、相談窓口の案内をするのであれば、これも日本語だけでなく多言語でできるとか、そういった工夫もしていただいて、日本にいる外国人の方も安全な暮らしができるようになればと思っております。以上です。ありがとうございました。
○笠貫座長 ありがとうございます。堀構成員、どうぞ。
○堀構成員 ありがとうございます。COMLの堀です。今いろいろな御意見を聞いて、納得をするようなものもあり、またこれから検討すべきものもあると思いました。まず1つなのですけれども、先ほど染矢構成員、福田構成員から、薬局に対する事前の電話は不要ではないかという御意見があったと思います。そこに関して、薬局に対して電話をしてもつながらないという現状があったということでしたが、その場合に関しましても、結局どこの薬局に行ったらいいかということを本人たちが分からないということが問題かと思います。今、確かに数が少ない。339薬局しかない。でも、急に全部の薬局が販売できるとはちょっと私も難しいとは思います。その場合、もっとどこの薬局で購入できるかというような見やすい何か資材とか、ホームページとか、そういうものをつくらない限り、幾ら啓発活動をしたとしても購入する術が分からない。または、日曜日は閉まっているというようなことがあると、結局は購入しようと思ったのに駄目だったときの喪失感というのは非常に私も分かる気がしますので、ぜひそこの部分に関してもまた御検討いただきたいと思います。それで、私は先ほどの北村構成員の、「一挙に進めるのではなくて試行錯誤を繰り返しながら前へ前へ」というお言葉は非常にいい言葉ではないかと思います。確かに染矢構成員、福田構成員から、早急にこうしてほしいという御意見もあるとは思うのですけれども、本当にこの緊急避妊薬のスイッチOTC化をしたいということは全員の一致だと思いますので、少しずつ少しずつ前進していっていただけたらと思いました。以上です。
○笠貫座長 ありがとうございます。北村構成員、お願いします。
○北村構成員 多言語の話題が出ていますけれども、私は今日、実は日本家族計画協会の立場でもいまして、皆さんも御存じの母子健康手帳ですが、実は母子健康手帳にQRコードを置いておりまして、それをカメラで撮るだけで日本語を含めて11か国語を見ることができる。そういうものも実は開発しておりまして、私は決して難しいことではないと感じています。
○笠貫座長 よろしいでしょうか。福田構成員、お願いします。
○福田構成員 ありがとうございます。結構、薬局に電話しても、その薬局自体もどこで売っているか分からなかったりとか、そもそもこうやって調査研究事業をやっていることを知らないということがあるんです。ですから、スイッチOTC化したら本当に全国の薬局でちゃんと分かるように、そういう情報提供はぜひ厚労省さんにお願いしたいと思います。ただ、本当に条件をたくさんつけたことで扱えるとか、扱いたいと思う薬局が減ってしまったら本当に意味がないと思うんです。逆に、そうやってサポートできる薬局、場所が本当に増えれば、あらゆる若者を支えられる日本がやってくると思います。ですから、個室とかは条件にどうかしないでほしいと思います。面前服用になる感じかなということはちょっと感じるのですけれども、面前服用にすることで、私はそれだったら行けないなというふうになってしまう人がいるということはどうか忘れないで、改善はどうかし続けてほしいと思いますし、今日も大学で講義をしてきたんですけれども、学生さんから泣いて、頑張ってきてくださいというふうに言われたので、本当にこれで終わりにして次に進んでスイッチOTC化を実現してください。お願いします。
○笠貫座長 ありがとうございます。レボノルゲストレルの議論は、2017年からトータル12回目の会議になり、御意見がかなり出尽くしてきたと思います。本日も活発な御意見、ありがとうございました。
次のステップとして令和5年度と令和6年度の調査研究事業の結果も報告していただきました。また、男女共同参画計画2024、骨太の方針2024、女性版骨太の方針、それから女子差別撤廃条約における日本の審査等、国内にもとどまらず、WHOやEDAW等海外の背景により、2017年から大きな変化があったと思います。今日の議論の中でも面前服用、年齢制限、同意、価格、服用後の受診・検査、ピル、オンライン診療、性教育について、御意見をいただきました。評価検討会議は2016年に始まりましたが、2021年から、本評価検討会議の目的は変わりました。当初は可否を決めるため、原則、全員が御意見を述べて合意形成を図りました。2021年からは規制改革会議の指摘もあり本評価検討会議は可否は決めないで、課題と論点を整理して、対応策について議論し、整理するということで進めてまいりました。緊急避妊薬の一番大きな意味は緊急であることです。パンデミックは社会・世界のレベルの有事ですが、緊急避妊薬は個人にとっての有事だと思います。そういう意味で、ニーズとして望まない妊娠が全妊娠約75万人の4割を占め、人工妊娠中絶件数は約12万件という日本の状況は決して放置できないと思います。これまでの経過で緊急避妊薬の認知度は非常に高まり、性教育についても進んでいますし、ステークホルダー間の連携と連帯感が出てきたことは素晴らしいことと思います。処方箋医薬品からOTCへの移行に関する制度上の中長期的課題は、スイッチOTC化の大きな壁でしたが、改正薬機法によって改善されたことは大きな成果だと思います。また、6月には製薬企業からも申請が出されて、PMDAでも審査が進んでいます。これまで、本評価検討会議では、課題・論点を整理して解決策をまとめてきましたが、先ほど述べたニーズを考えれば、まずはスイッチOTC化に向けて第一歩を踏み出すことが大事だという御意見がほとんどだと思います。部会で、対応策の優先度と実現可能性を十分議論して、最終的には結論を出していただきたいと感じました。我が国では、女子差別問題は厳然として存在しており、国際的にセクシュアル・リプロダクティブ・ヘルス/ライツが大きく遅れています。国内、海外の状況も含めて、まず第一歩として実現できる対応策を線引きをしていただく時期だと思います。そういう意味では、調査研究事業は令和5年度、令和6年度だけではなくて令和7年度も継続するということですので、これまでの調査研究事業の結果も踏まえて、スイッチOTC化の採用という一歩から始めて、その後の環境の改善状況に応じて、対応策の見直しをしていただくことが必要になると思います。本日の個々の議論においても、意見の違いがありましたが、ここで議論を詰めることよりも、両論併記としてまとめ、皆さんの全体のお考えも踏まえて、進められたらと思います。そのような認識で、いかがでしょうか。平野構成員、どうぞ。
○平野構成員 日本チェーンドラッグストア協会の平野でございます。調査研究事業をもう一年続けるというのは意識になかったものですから、そうであるならば、これまでまずどこの薬局で買えるのかということがあまりにも分かりにくい。これについての一番の解決法は、個々のお店、その調査研究事業に携わっているお店が自ら広報をすることを認めていただくことかと思います。今は、そのサイトから入っていかないと見つけられないわけですよね。当店はその調査研究事業に参画しております、御活用くださいということを広報していくことが、何よりも利用者が認識できる方法の一つであると思いますので、そこをぜひ考えていただければと思います。
○笠貫座長 賛成ということでよろしいでしょうか。御意見が特になければ、この評価検討会議では、現時点の意見の違いを両論併記し、意見書を整理して薬事審議会の部会へ、承認の可否を審議する際に提出するということで進めさせていきたいと思います。よろしいでしょうか。
ありがとうございます。それでは、第1部は終了させていただきます。ありがとうございました。
○事務局 事務局でございます。今から5分程度休憩を取らせていただいて、再開は19時43分からとさせていただきますので、よろしくお願いいたします。
○笠貫座長 準備が整いましたので、第2部を始めます。よろしくお願いします。議題2の候補成分のスイッチOTC化の議論をするにあたって、関係する学会・医会より参考人の先生に御出席いただいておりますので、御紹介します。日本泌尿器科学会より深貝隆志先生、横山みなと先生、日本臨床泌尿器科医会より斎藤忠則先生、日本性機能学会より中島耕一先生に御出席いただいております。よろしくお願いします。また、本成分の要望企業であるエスエス製薬株式会社及び要望企業が推薦する専門家である佐田政隆先生にも御出席いただいております。よろしくお願いします。それでは、第2部の議題に入ります。タダラフィルについて、事務局から概要の説明をお願いします。
○事務局 事務局でございます。
タダラフィルについては、本評価検討会議での議論に際して、要望企業及び企業が推薦する専門家が出席されていますので、まず初めに、利益相反の確認結果を御報告いたします。いずれの構成員及び参考人からも、要望企業及び競合品目の製造販売業者について、本年度を含む3年間のうち、金額が500万円を超える年度はない旨を御申告いただきました。詳しくは参考資料5を御確認ください。
続いて、要望成分であるタダラフィルについて御説明いたします。74ページ、資料2-1を御覧ください。タダラフィルをスイッチOTC化する際に希望する効能・効果は「勃起不全(満足な性行為を行うに十分な勃起とその維持ができない人)」です。
対応する医療用医薬品は「シアリス錠10mg」でございまして、効能・効果は「勃起不全(満足な性行為を行うに十分な勃起とその維持ができない患者)」となってございます。
要望者は、本成分の主な要望理由として2点を挙げられています。1点目は、勃起不全(ED)は自尊心を著しく低下させ、自己否定感や劣等感を感じさせる要因であり、パートナーとの関係性の悪化につながるリスクがあるため、セクシュアルヘルスを保つことは相対的な健康とウエルビーイングを考えるために大切。2点目は、ED患者は羞恥心から受診を控え、個人輸入サイト等を通じて国内未承認医薬品を購入する事例が報告されているのですけれども、このような入手経路で得た医薬品には偽造医薬品が含まれ、健康被害を生じる懸念があるため、本成分をスイッチOTC化し、正規品へのアクセスを拡充することで不適切な入手経路の利用を減らし、その結果として消費者の保護に資することを挙げられています。
80ページを御覧ください。シアリス錠10mgは2007年に承認されてございます。再審査結果は2017年に通知され、承認拒否事由のいずれにも該当しないと判断されました。
81ページを御覧ください。安全性に関する情報です。本成分は、ED治療薬のほかに、前立腺肥大症に伴う排尿障害改善薬や肺動脈性高血圧症、肺高血圧症治療薬としても用いられますが、それぞれ異なる販売名が付されており、1日に使用する用量も異なります。ED治療薬以外の効能・効果の品目の添付文書を参考資料6にお示ししておりますので、適宜御参照ください。
続いて、82ページを御覧ください。本剤には、警告に、本剤と硝酸剤又は一酸化窒素供与剤との併用により降圧作用が増強し、過度に血圧を低下させることがあるので、本剤投与の前に、これらの医薬品が投与されていないことを十分確認し、本剤投与中及び投与後においても、これらの医薬品が投与されないよう十分注意すること、また、死亡例を含む心筋梗塞等の重篤な心血管系等の有害事象が報告されているので、本剤投与の前に、心血管系障害の有無等を十分確認することが設定されています。また、禁忌については、本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者、硝酸剤又は一酸化窒素供与剤を投与中の患者、可溶性グアニル酸シクラーゼ刺激剤を投与中の患者、心血管系障害を有するなど性行為が不適当と考えられる患者、不安定狭心症のある患者又は性交中に狭心症を発現したことのある患者、コントロール不良の不整脈、低血圧又はコントロール不良の高血圧のある患者、心筋梗塞の既往歴が最近3か月以内にある患者、脳梗塞・脳出血の既往歴が最近6か月以内にある患者、重度の肝障害のある患者、網膜色素変性症患者が設定されておりまして、重大な副作用としては過敏症が設定されています。
85ページを御覧ください。推定使用患者数ですけれども、30歳から79歳の男性のうち、完全なED患者数は260万人、中等度のED患者数は870万人と推定されています。次に、同種同効薬についてです。本邦において、同種同効薬及び類薬はスイッチOTC化されてございません。
続いて、88ページを御覧ください。海外での承認状況ですけれども、本成分はイギリスで一般用医薬品として承認されています。
続いて、90ページを御覧ください。医療用医薬品としては、イギリス、フランス、ドイツ、アメリカ、カナダ、オーストラリアを含めた112か国で承認されてございます。
99ページ、資料2-2を御覧ください。日本泌尿器科学会、日本臨床泌尿器科医会、日本性機能学会、日本臨床内科医会及び日本OTC医薬品協会から、それぞれ見解が提出されておりますので、簡単に御紹介させていただきます。
まず、日本泌尿器科学会の見解です。スイッチOTC化については、「賛成」との御意見をいただいています。その根拠として、15年以上の使用経験において重篤な副作用を経験することは極めてまれであり、安全性の高い薬剤であると考えられること、また、EDは自覚症状で薬剤の適応が判断され、治療効果も判断できることを挙げていただいています。100ページを御覧ください。OTCとする際の課題点ですけれども、併用禁忌薬や投与禁忌の疾患の有無を確認することが重要であるため、薬剤師の面談が継続的に必須と考える。薬剤師の面談が必要ではなくネット販売が可能となる第一類医薬品への移行は問題がある。本剤の初回投与で効果が悪いと判断された場合は速やかに医療機関への受診が推奨されるべきであり、長期間、自己判断で服用を継続しないためにも、1回の販売量は10錠程度とすべき。単に受診勧奨するのみでは、受診しない購入者が発生する可能性があることから、適切なED治療ができる医療機関を薬局が把握し、速やかに紹介する体制を構築する必要があると挙げていただいています。
102ページを御覧ください。次に、日本臨床泌尿器科医会の見解を御紹介いたします。スイッチOTC化については、「賛成」との御意見をいただいております。ただし、その要件として、オンライン販売できる医薬品とはしないこと、高齢の日本人では青視症の有害事象があり、国内販売は50mgに制限されているため、1箱当たりの包装単位を4錠までとすること、4錠包装を2回販売しても本剤が無効な例については、EDの原因として糖尿病・動脈硬化などの慢性・器質的疾患の存在や他の剤の有害事象が生じている可能性があり、これらの疾患を早期に発見するためにも、当該薬局の近隣の泌尿器科クリニック専門医に紹介すること、流通管理の観点から、卸を通した流通ではなく、直販ルートを持つ企業が取り扱うこと及び販売量の把握と報告をすることとの御意見をいただいております。
続いて、104ページを御覧ください。日本性機能学会の御見解です。スイッチOTC化については、「賛成」との御意見をいただいております。その根拠として、EDの原因は複数あるが、いずれの場合でも第一選択治療法として推奨されていること、EDは虚血性心疾患の先駆症状であることや、将来の虚血性心血管を予測可能な因子であることが指摘されているため、スイッチOTC化によりED治療の啓発がなされることにより、早期治療への介入につながる可能性があること、輸入偽造医薬品やED治療成分を含む健康食品による健康被害リスクから国民を守ることが可能になると考えられること、潜在的なED患者の掘り起こしに寄与すると考えられることとの御意見をいただいています。
105ページ、御覧ください。OTCとする際の課題です。併用禁忌及び併用注意の薬剤が多いため、資材を用いた薬剤師による販売可否の確認が大切であり、ネット販売が可能である第一類医薬品に移行することについては検討が必要。禁忌等の確認や需要者への指導を薬剤師が適切に行えるように情報を整え、また教育資材を整えること。無効症例や効果不十分症例に対し、専門医への受診を勧奨する体制を構築する必要があること。投与後4回目までは、回数に応じて有効性を実感する患者が増加しますが、8回を超えると、その患者数は増加しないことが報告されているため、1回の販売数量は8錠が妥当であることが挙げられています。
続いて、107ページを御覧ください。日本臨床内科医会の御見解です。スイッチOTC化については、「反対」との御意見をいただいています。その根拠として、併用禁忌薬・併用注意薬が多く存在すること、日本人男性のうち1401万人がEDを有していると推定されますが、そのうち140万人が副作用を起こしやすい疾患を有していると推定されるため、副作用を来す症例が増えることが危惧されること、過量服用等により持続勃起症に至った場合、壊死を来す場合があるため、緊急に泌尿器科を受診し処置する必要があること、ED診断アルゴリズムは臨床検査に基づくため、薬剤師では結果を掌握し、判断することに困難を感じると推測されることとの御意見をいただいています。
110ページを御覧ください。最後に、日本OTC医薬品協会の御見解です。スイッチOTC化については、「賛成」との御意見をいただいております。その根拠として、使用成績調査における副作用発現率は3.4%であり、安全性に重大な影響を及ぼす要因は特定されなかったこと、重篤な有害事象として、貧血と放射線胃腸炎がそれぞれ1例認められたが、本剤との因果関係は否定されたこと、副作用等報告データベースにおいて、本剤が被疑薬である転帰死亡が7例報告されているが、これらの情報に基づく添付文書の使用上の注意の改訂は行われていないこととの御意見をいただいております。113ページを御覧ください。OTCとする際の課題ですが、本剤の適正使用のみならず、EDの疾患及び個人輸入医薬品がもたらす健康被害リスクの啓発を行うこと、薬剤師に対して教育・研修を行い、ヒアリング及びスクリーニングにより販売対象者の適切性を十分に確認できるようにすること、適時、患者に受診を勧められるよう、近隣の泌尿器科の医療機関リストを販売者に提供する等、関連学会・医会と連携すること、適正販売を遵守することが確認できる取引先にのみ製品を販売すること、出荷先及び出荷数を管理し、適切な個数を販売すること、偽装改ざん対応として、包装に工夫を施すことが挙げられています。
続いて118ページ、資料2-3を御覧ください。オンライン診療の適切な実施に関する指針及び同QAにおけるED治療薬の記載を御紹介いたします。現在のオンライン診療におけるED治療薬の処方は、ED診療ガイドラインにおいて、心血管・神経学的異常の有無の確認や血糖値・尿の検査を行う必要があることから、対面診療が必要とされてございます。スイッチOTC化される場合、検査は行えませんし、対面診療もできないことから、本成分のスイッチOTC化を進める際には、このED診療ガイドラインの改訂状況やそのオンライン診療指針等への反映など、周辺情報についても注視する必要があると考えてございます。
134ページに飛びまして、資料2-6を御覧ください。こちらは事前に行いました御意見募集において516件の御意見が寄せられましたので、一覧としてまとめたものです。簡単に御紹介いたします。特に取り上げられるべきと考えられる御意見として、羞恥心から受診をためらう人や個人輸入をする人が、薬剤師に対して適切に情報を開示するかが不明であるため、適切に使用患者を選別できるかに懸念があるとの御意見をいただいてございます。事務局からの説明は以上となります。
○笠貫座長 ありがとうございました。続きまして、エスエス製薬から資料2-4について御説明いただきます。お願いします。
○エスエス製薬株式会社 皆様、こんばんは。私、エスエス製薬から参りました代表取締役社長のニクヒレッシュ・カルラと申します。本日は、このようにお話しさせていただく貴重な機会をいただきまして、誠にありがとうございます。エスエス製薬ですけれども、イブプロフェンなどの新しいスイッチOTC製品、そして花粉症や睡眠薬のスイッチOTC製品を初めて市場に導入してきた企業となります。弊社は、この豊富な実績を生かしまして、日本の人々の健康に貢献する新たなOTCのソリューションを提供していきたいと考えております。今回、私たちは、EDに悩む多くの方々に品質の豊かなEDの治療薬を届けていきたいと考えております。このタダラフィルですけれども、EDの治療薬として臨床的に効果が証明されておりまして、世界中でも1億人以上の男性に使用されてきております。では、ここから弊社、松崎のほうから詳細の説明をいたします。よろしくお願いいたします。
○エスエス製薬株式会社 サイエンス部門の松崎と申します。よろしくお願いいたします。
弊社のスライドの2枚目をお願いいたします。EDは、男性の機能的な問題にとどまらず、自尊心を大きく低下させ、不安、抑うつ症状発症につながる可能性があります。それはパートナーとの関係性の悪化につながるリスクにもなります。一例ですが、夫婦間のコミュニケーションとEDに関する調査では、夫婦が理解し合うために性交渉は大切なコミュニケーションだと思うと、86.9%の方が回答しました。一方、EDが疑われる夫を持つ夫婦では、夫婦間のコミュニケーション時間が短く、その妻の32.9%が離婚を真剣に考えたことがあると回答いたしました。パートナー間のコミュニケーションの問題が出生率の低下につながることも考えられます。
次をお願いいたします。辻村先生らの研究報告では、日本ではED患者が約1400万人おり、20代、30代の患者が増加しています。さらに、5000人の男性を対象とした弊社の調査では、約半数にED症状があり、そのうち国内で受診されている方は2.8%、未治療の方は88.1%という結果でした。ED治療薬を個人輸入している方もいますが、個人輸入シアリスの約7割が偽造品であるとの報告があり、健康被害のリスクと隣り合わせの状況です。受診する方が少ない大きな理由の一つとして、羞恥心やおそれなど、受診に対する心理的ハードルの高さがあります。また、地方では医療機関へのアクセス面での問題もあります。よって、個人輸入を利用するという流れが生じます。
次、お願いいたします。安全性に関しまして、タダラフィルの心血管系イベントのリスクについて評価いたしました。タダラフィル自体が心血管系イベントの直接的な原因であることを示唆する報告は認められていません。基礎疾患として心血管疾患を持つ男性の場合、性行為自体が心血管系に負担をかける可能性がある一方で、むしろタダラフィルの使用により主要心血管系イベント及び死亡率を有意に低下させ、心保護作用を有する可能性を示唆する報告が増えています。以上より、タダラフィルに関連する心血管系リスクは低いことが広範な臨床エビデンスとして示されています。また、弊社が御用意する予定の適正使用ガイド等の利用によりまして、OTC治療に適さない患者さんを効果的に特定することが可能と考えています。よって、タダラフィルがスイッチOTC化されますと、ED患者にとって適切かつ有効な治療の選択肢になると考えます。
次、お願いします。適正販売・適正使用のための取組の全体像をお示ししています。偽造改ざん防止パッケージを採用し、適正販売を遵守する取引先へ販売することで、正規品を確実に供給いたします。広告活動を通じて、EDは誰にでも起こり得る疾患であること、そして、薬局等で正規の医薬品を購入できることについて理解を促します。薬剤師に向けた教育・研修プログラムを提供します。薬剤師が適時受診を勧められるよう、適正使用ガイドや近隣の泌尿器科医のリストを提供するなど、関連医会・学会様と連携させていただきたいと考えております。また、実販売時の状況や不適正使用の状況をモニタリングし、必要な対応を取る所存です。
最後に、スイッチOTC化のベネフィットです。まず、ED治療のきっかけになると考えます。偽造品等による健康被害から生活者が守られることにつながると考えます。また、広く啓発することで、EDに対する社会の理解が深まると考えます。英国では、販売時に薬剤師が基礎疾患の可能性や受診の必要性を購入者に説明していまして、医療機関への相談件数が有意に増加したと報告されています。日本でも、製造販売業者が受診を促す上で最適な立場でいらっしゃる薬剤師の方を適切にサポートすることで、ED及び関連する併存疾患の早期介入につながると考えています。タダラフィルのスイッチOTC化で、EDに悩んでいらっしゃる多くの方々へ手を差し伸べることができます。EDに関する偏見も薄れ、多くの方の生活を変えることになろうかと存じます。これはOTCだからこそできることだと弊社は信じております。御清聴ありがとうございました。
○笠貫座長 ありがとうございました。続きまして、資料2-5について、佐田先生からお願いします。
○佐田先生 125ページを御覧ください。私、徳島大学循環器内科の教授の佐田と申します。循環器内科医の立場として、この安全性ということ、それから効果についてコメントさせていただきたいと思います。また、私は日本血管不全学会という血管機能を評価する学会の理事長を現在務めておりますし、日本性機能学会の理事、ガイドラインの作成委員等も務めておりますし、日本脈管学会、日本動脈硬化学会、日本血管生物学会、こういう血管系については、基礎、そして臨床に関して中心的な役割を担っております。
まず、126ページにありますのがフォスホジエステラーゼタイプ5(PDE5)阻害薬の添付文書にある記載でありますが、赤字で警告というのがあって、いわゆる一酸化窒素供与剤、ニトログリセリン等でありますが、これを併用することによって降圧作用が増強し、過度に血圧が降下することがあるということで、十分気をつけなさいということであります。そして、死亡例を含む心筋梗塞等の重篤な心血管系の有害事象が報告されているということでありますが、これは初期の段階でありまして、現在、こういった添付文書で警告を見て、PDE5阻害薬によって心筋梗塞で突然死したという明らかな事例の報告はなく、先ほども事務局からあった流れの中にも、まだ有害事象と死亡との因果関係ははっきりしていないということだったかと思います。
そこで、127ページでありますが、こちらは朝倉書店の「内科学」という、内科学で一番権威のある教科書でありますが、そこのところに血管の収縮・弛緩と血圧調節機構ということで、私が書かせていただいたところであります。御存じのとおり、血管の拡張・弛緩というのはここに書いてあるとおりの機構で制御されているわけでありますが、PDE5阻害剤というのは、一酸化窒素によるサイクリックGMPというセカンドメッセンジャーが分解されるのを抑える。それによってサイクリックGMPが増えることによって血管が拡張し、そして勃起が起こるということであります。そして、このPDE5阻害薬は血管平滑筋細胞に作用するということで、中枢神経には作用しないということで、これによって間違った性欲が亢進することはあり得ないということであります。また、これは産生を刺激しない。つまり、分解を抑えるだけでありまして、これを取ったことによって過剰な興奮が起こるとか、そういったことはないということであります。そこで、全身への影響ということを少し見ていきたいわけですが、このPDE5阻害薬というのは、実は全身の血管を広げて降圧薬、そして冠動脈を広げることによって狭心薬として開発されていたものであります。ところが、実際は全身に対してはほとんど影響しないということで、これがシルデナフィルの開発の段階のものでありますが、50mg、100mg、200mgでやっても、収縮血圧、拡張血圧ともほとんど下がらないということであります。これは陰茎海綿体、膀胱、前立腺、尿道という下部尿路にこのPDE5が局在しているということであります。また、私たち肺高血圧症治療薬として、このPDE5阻害薬を使っておりますが、肺動脈にもこのPDE5がありますが、全身への副作用はほとんど経験しません。ただ、全身にはないということで、全身や冠動脈への影響は少ないというふうに考えられます。ということで、このPDE5阻害薬は初期の段階は間違った使い方によって死亡例もありましたが、その後、注意深く使うことによって心血管イベントが起こっていないということで、いろいろな論文を見てみますと、心疾患を持った患者に使用しても心血管系の副作用は認められなかった。メタ解析でも重篤な心血管イベントや死亡を増加させなかった。心血管疾患を持った患者に使用してもイベントを増やさなかった。また、英国においてタダラフィル使用者の心筋梗塞、心血管死は一般の住民と同じ頻度であったということで、英国のほうではタダラフィルがOTC化されておりますが、それによって心筋梗塞が増えることはなかったということであります。
また、個人輸入等によって、逆に危険なことがあったという経験を私、いたしました。67歳の男性でありますけれども、突然意識を失ったということで、不整脈等ではないかということで私のところに紹介いただいたわけです。いろいろ検査しても何も異常がないということなのですが、最後の最後に患者さんがおっしゃったのは、奥さんに内緒で個人輸入したED治療薬を大量に服用していた。1錠で効果がないので、自分の判断で大量に服用して、その翌日、失神を起こしたということであります。ということで、服薬指導を受けていないという不適切な大量服用。それから、中は調べていませんが、偽造薬等で血糖降下薬なんかが入っていたということで、こういったインターネット等で購入した薬による有害事象というのを、実際、我々は経験しております。また、先ほど事務局からありましたが、EDの出現ということが心血管イベントの前兆になるということで、これは動脈硬化が全身に起こっておりまして、EDというのは非常に鋭敏な動脈硬化性疾患のサインになってくるということで、これを問診することによって心血管イベントで命を失うのを、逆に循環器への受診を加速することにもつながってくると思われます。また、先ほど何錠が適切かというお話がありましたが、これを見ると、この論文によりますと、いわゆる挿入、性交の完成というのが一番右でありますが、一番下がプラセボであります。
そして、10mg錠を2日、4日使いますと、だんだんと効果が増えてくるということでありますから、10mgから20mgにすぐ増やすのではなくて、4回から8回服用して見てみるということで、10mg錠で4錠から8錠をパッケージに入れるというのはリーズナブルであると。そして、それで駄目ならば医療機関を受診するように薬剤師の方から指導いただくことがいいのではないかと思っております。
以上、まとめますと、PDE5阻害薬はサイクリックGMPの分解を抑制するだけで、過剰産生することはない。そして、中枢神経系には作用しない。それから、リスクを上昇させるという適正使用下での報告はないということで、問診表により動脈硬化性疾患の早期発見にもつながる。そして、現在、非常に問題になっている不適正使用、個人輸入等の有害事象を防止できるということで、そのためには薬剤師・医療提供者による適切な指導が大切だと考えております。以上です。
○笠貫座長 ありがとうございました。日本泌尿器科学会の見解につきまして、深貝参考人、横山参考人から御意見、補足をお願いします。
○深貝参考人 日本泌尿器科学会の深貝と申します。日本泌尿器学会のスタンスとしましては、スイッチOTC化に関しましては賛成という結論になっております。日本泌尿器学会の保険委員会と理事のほうでまとめをさせていただきましたが、今、もう話に出ておりましたように、EDというのは身体的な問題だけじゃなく、メンタルのほうでも負担がかかる。ただ、残念ながら、疾患の特性から医療機関にかかる人が非常に少なく、話に出ておりましたように、インターネット等で買うと、偽薬のようなもので逆に健康被害が出ているということで、スイッチOTC化によってそういったことが防げるようになるということで賛成の意見ということになっております。細かい話、もう既に話が出ておりましたように、私どもが特に申し上げたいのは、この手のお薬にシルデナフィル、バイアグラというお薬が出ておりまして、飲んだら心筋梗塞を起こしたとか、いろいろな風評のような話が出たわけでございますが、使ってみるとそんなにトラブルは全然なかったという話と、このお薬、特にタダラフィルに関しましては、我々、日常、先ほども出ておりましたように、同じ成分のものを排尿障害のほうで、ここに出ておりましたのは10mgでございますが、5mgという量を連日投与、何か月もずっと飲み続けるという処方というのも非常に数多くの患者さんにしていて、何もトラブルが起きることがない。非常に安全であるお薬だと実感しております。そういったことから、このスイッチOTC化に関しては賛成できるという話でございます。投与量のところが少し議論になるのではないかと思いますが、うちは10錠程度を上限とするという話で、この資料のほうに出させていただいておりましたが、こちらに関しましては、一般の投与薬は10錠がマックスであろうということもあるわけでございますが、いろいろな意見が出ていた中で、もともとこれは1錠の値段が結構する。1,000円とか2,000円するもので、一番初めに一般の薬で処方するときも2錠とか3錠ぐらいしか処方しないわけでございまして、そういった処方量を出して効果がもしあった場合、継続的に処方する場合に毎回2錠3錠では少ないだろうということで、マックスがそのぐらいの量にするのがいいのではないか、そういった意見の10錠であるというふうに記載しております。日本泌尿器科学会の意見は以上でございます。
○笠貫座長 ありがとうございました。次に、日本臨床泌尿器科医会の見解について、斎藤参考人から御意見や補足をお願いします。
○斎藤参考人 日本臨床泌尿器科医会の会長の斎藤でございます。このような機会をいただきまして、ありがとうございます。
103ページを御覧ください。備考のところですが、日本医師会傘下の日本臨床分科医会の日本臨床泌尿器科医会の公的な立場としては、患者の診療所への受診機会を減ずる可能性のあるスイッチOTC化に関しては原則反対です。日本臨床泌尿器科医会の会員の中でも強く反対する意見をお持ちの方もいますので、いろいろ議論した上で、あくまで条件つき賛成ということで賛成に回らせてもらいました。
1ページ前の102ページの1番にありますように、緊急避妊薬とかAGA、はげの薬などで極端な低カリウム血症なんかで飛び込んでくる患者さんもいるのですけれども、必ず医師が確認してオンライン診療することになっているのですね。そういう患者さんは、1人もこれを確認されていないと。あなたは医者から処方されたんですか、薬剤師から処方されたんですか、それとも一般の人から処方されたんですかと聞いても分かりませんと。そういえば、処方箋をもらった方は医者だったんですかね。そういう医療事故が起きて救急病院の、我々、東京曳舟病院に御家族の方が来ます。ですから、ここに書いてあるように、こういう薬を飲む方はコンプライアンスが悪いですから、1錠で効かなかったら2錠、2錠で効かなかったら3錠というふうにいたしますので、一般クリニックでは、有償で値段が高いこともありますけれども、1回に出す量は20mg錠を2錠から3錠です。それでやっています。そういう意味で、10mg錠だったら4錠ぐらいはオーケーかなと。そこまでは認めます。ただ、ある程度たって次の段階に行ってオンライン診療になるのは反対ですということは明確に言わせていただきます。以上です。
○笠貫座長 ありがとうございました。日本性機能学会の見解について、中島参考人から御意見や補足をお願いします。
○中島参考人 日本性機能学会から参りました。日本性機能学会で副理事長を務めさせていただいております東邦大学の中島と申します。
日本性機能学会の見解につきましては、104ページ以降に書いてあるとおりでございますけれども、我々の立場としては、OTC化することは賛成という立場でございます。根拠としましては、まず薬理作用は佐田先生からもお話がありましたとおり、これは中枢には全く影響しない薬ですので、不要に性欲が亢進するとかいう、最後のほうに一般の御意見がありましたが、そういうことは全くない薬で、なおかつ飲んだからといって勃起することもありません。飲んで、なおかつ大脳皮質にイメージとしての性的な刺激がない限り、ただの血管拡張作用を持った薬というところですので、そういった懸念はないと。そういうわけで、血管拡張作用というのがもともとの薬ですので、心血管イベントを増やすという報告もなくて、むしろ血管内皮の保護に働くということですので、心血管系の悪い人は、硝酸剤を飲んでいるなら別ですけれども、それ以外の人に関しては飲んでいたほうがいいぐらいというようなデータも出ているというところ。あとは、今回はタダラフィルですけれども、シルデナフィルにおいても長く販売というか、使用されていて安全性が担保されているというところから賛成しておりますということであります。あとは、現在、現場において処方はいろいろなEDのタイプがあるのですけれども、それをスクリーニングする意味でも、まずPDE5阻害薬を投与するというのが実際に行われています。そこが効かないときに初めて、何か依存症があるのではないかという形でチェックするという現実もありまして、硝酸剤の併用者は全く駄目ですけれども、そういうところをきちんとチェックさえすれば、むしろPDE5阻害薬を使うことによって効かないというところで医療機関を受診することで、糖尿病とか心血管障害の新たな隠れた病気の発見につながるのではないかというところも考えております。1回の販売につきましては、4錠から8錠というところで考えておりますけれども、まとめて飲んでしまう人がいるのですけれども、そのときのある程度の上限というところで、40mgぐらいまでが適切かというところで、4錠から8錠で進めていただければと考えているところです。以上であります。
○笠貫座長 ありがとうございます。日本臨床内科医会の見解について、湯浅構成員からお願いします。
○湯浅構成員 ありがとうございます。日本臨床内科医会でも、この薬剤のOTC化について議論しておりますけれども、条件つきで賛成という先生もいらしたことをお伝えしておきます。タダラフィル自体は、先ほど来、話がありますように、安全に使用できる薬剤という認識は持っております。我々の見解の中にはタダラフィルの副作用の話を中心に入れておりますけれども、EDは生活習慣あるいは生活習慣病との関連が非常に強く、心血管イベントとの共通のリスクファクターも多いということです。心血管リスクファクターを有している場合に、仮にその心血管疾患が発生していないとしても、予防的な目的でリスクへの介入をしっかりしましょうとガイドラインには記載されています。ガイドラインは2017年版で、新しいものが今年中に発表されると聞いております。現行のガイドラインは5年以上たっていて、非常に古いものですけれども、今まで臨床の場で活用されており、そのガイドラインの治療アルゴリズムの中には、タダラフィルを投与する以前に生活習慣の修正やリスクファクターを是正すべきとクリニカルクエスチョンを立てて述べられています。ですから、薬剤を投与する前に、医師はしっかりと心血管リスクの評価を行い、生活習慣病あるいは生活習慣に介入することが必要になります。現場の先生方がタダラフィルのスイッチOTC化に対する反対が強かったのは、これまでガイドラインを遵守し、適正な医療を行ってきたにも関わらず、スイッチOTC化により現行のガイドラインとは無関係にタダラフィルが販売されてしまうことで、それを憂う医師の気持ちは私も十分に理解できるところです。診断のガイドラインにおいては、問診、身体所見や臨床検査により、プライマリーケア医であっても77%位の確立でEDの原因診断が可能であると記載されています。2000年代の初めにアメリカの内科学会よりチュージングワイズリーという言葉が広がってゆき、適正な診療、適正な治療を提供することの重要性が説かれています。そういう意味からも、我々が遵守してきたガイドラインの記載内容が、スイッチOTC化することによって、いきなりハードルが下がってしまうことが一番大きな反対の理由ということであります。それから、受診勧奨についてですが、企業側の話を聞いていると熱心に取り組んでいただけると思いますけれども、本当に薬剤師が受診勧奨を積極的に行えているのか十分なデータはありません。現場の薬剤師さんにお任せするしかないということになってしまいますので、何かその辺についても適切に受診勧奨ができる連携体制の構築を、我々も含めて、考えていかなければならないと思います。私の話は以上です。ありがとうございました。
○笠貫座長 ありがとうございました。最後に日本OTC医薬品協会の見解について、磯部構成員からお願いします。
○磯部構成員 ありがとうございます。
資料は110ページから御覧いただければと思います。私ども協会としては、スイッチOTC化することに賛成であります。既にイギリスやポーランドなどグローバルに展開されていて、私が伺っているところ、大きな問題もないということでありますので、こういった薬はスイッチOTC化すべきだというふうに賛成の立場であります。ただ、私、個人的には、最初聞いたときは、こんな薬、スイッチOTC化するのかと正直思いました。多くのここにおられる方々も、ある意味でいかがわしい薬ではないのかということを思われる方がいろいろおられると思います。実は、私もそういうところから、いろいろお話を伺っていて勉強していくと、いや、私の認識は全く間違っていたなというのを、この薬を勉強していくうちに認識した次第であります。資料に書いてございますが、まず安全性が非常に気になりました。先ほど佐田先生からお話がございましたように、もともとは心臓に働く、血管に働く降圧剤として、この系統は開発された薬でありますので、心血管系のイベントについては、特に最初にあったシルデナフィルから非常に議論があったわけでありますが、今回、これに臨むに当たって、私も使用成績調査の結果や副作用報告を自分の目で見ないと納得できないものですから、全部見まして、こんなに副作用が少ないのかと思うぐらい少ないのですね。しかも重篤なものがほとんどないというのも現実です。かなり細かく先ほど資料の中にも出てきていますが、幾つか死亡事例とかもあったのですが、どうも因果関係がはっきりしないということで、安全性は私が思っていた認識よりもずっと高いということを非常に強く思った次第であります。
また、個人輸入問題は、私としても絶対に根絶しなければいけないこととして、非常に強い意識を持っていまして、最近見ていて危惧しておりますのが、昔はインターネットで代行業者が入って輸入するというパターンが多かったのですが、オンライン診療が認められるようになってから、先ほど斎藤先生からお話ありましたけれども、医者なのか、医者じゃないのか、よく分からないような、本当は販売店の人なんじゃないかというような方がオンライン診療の先にいて、何錠要りますかどうですかという売り子のような形で、しかも未承認薬を低価格で、うちはこんなに安いんだ。診察料も無料とか、こんなに安く出しますということに飛びついていく人が多くて、健康被害の問題も起こっているということだと思います。これは医政局でも議論があって、いろいろやっておられますけれども、まさしくこういうことに行くのも、医療用医薬品があるにもかかわらず、なぜ皆さんがそういうほうに行ってしまってリスクを負っているのか。この状態をどうやったら改善できるのか、大事な問題だと思っております。まさしく正規のルートで、薬局で品質を確保されたものを適正ルートで流し、適正使用を確保しながらやっていく。先ほど佐田先生からお話がありましたように、ある程度で効果が頭打ちになり、重大ないろいろな問題が起こっていることもありますから、不適切なルートで多くの方が飛びつくものを、適切に医療につなげていって、きちんとしたルートに流していく道をつくるということが新たなOTCの役割だと私は思います。このような製品にえっと思われる方が多いと思いますが、ぜひ理解していただきたいと思います。また、まさしくパートナーとの問題で、いかがわしいおじさんのイメージをお持ちになる方も多いと思うのですが、最近の男性は草食系の人も多くて、パートナーとなかなかうまくいかないことを人知れず悩んでいる男性はかなり数が多いというふうに私も思っていますし、いろいろな先生方もそういうふうに認識されていると思います。そういうときにこういう正規のルートで手に入る本剤のような製品があることによって、夫婦生活を少しでも改善できるようなことにOTCも寄与できるのであればありがたいなと思っています。また、錠数の問題が出ております。私は、10錠ぐらいを認めてあげてほしいなと思います。先ほど申し上げたように、個人輸入でそういうものを売りさばくようなオンライン診療まがいのものが価格で勝負していることを考えますと、メーカーでは、どうしても固定経費がかかることを考えると、一定の錠数を認めないと、結局はそういったいかがわしいオンライン診療が残ってしまうという問題にもつながるのではないかと思います。ある程度の錠数というものを認めていただくことによって、皆さんが大変危惧しております、そういったいかがわしい個人輸入の横行をどうやって直していくのかということにつながると思いますので、そういう視点からもこの錠数の問題ということを御理解いただけるとありがたいなと思います。私の補足の説明は以上でございます。
○笠貫座長 ありがとうございます。それでは、この成分のスイッチOTC化につきまして、構成員の方々から御意見いただきたいと思います。その前に資料2-3で指摘されていましたスイッチOTC化とオンライン診療の関係について、指針の基になっているEDの診療ガイドラインについて御指摘いただきました。その改訂を含めた今後の予定や、学会としての取組みについて、中島参考人か深貝参考人、お願いします。
○中島参考人 それでは、中島のほうから回答させていただきます。今、ガイドライン改訂中でございまして、できたものを持ってこいと言われるかと思うのですけれども、ほとんどドラフトの段階まで来ておりますので、年内、今年度内かもしれませんが、そのぐらいのところでは何とか刊行したいというところになっておりまして、この検査を先にという部分なのですが、症状に応じてというような形に変えようという形で、最初にやらなくてもというようなニュアンスのものに移るような形で、今、話を進めているところになります。もともと今までのガイドラインというか、我々の立場としましては、EDというのは確かにずっと色物にされていまして、研究自体、ずっと色物と見られていたわけですが、要は加齢であきらめてしまうものというところを、治癒可能な病気なのだということをずっと出していくという形でガイドラインもやっていたというのが正直です。ですので、背景として糖尿病があれば、高血圧があれば、そこを治すことによってEDも改善する。だから、PDE5というよりも、まず生活習慣を治すというような立場がちょっとあったのですけれども。その後ずっといろいろな研究を続けてきまして、今後はとにかく先にこれを使ってもらうことによって、そっちのほうで効果不十分な人間を引っかけるというスタンスというのを少し考えているところで、それをガイドラインに反映させようというところですので、116ページの懸念の部分に関しては解消させていただけるものというふうに考えております。
○笠貫座長 ありがとうございます。考え方も含めて変わりつつあるということですね。それでは、構成員の方々で御意見等がございましたらお願いします。宮川構成員、どうぞお願いします。
○宮川構成員 宮川でございます。今回は高血圧の臨床研究家としての立場も含めてお話ししますけれども、先ほど薬理作用は佐田先生がおっしゃったとおりで、その中でしっかりと考え、構築していくことが必要なのですけれども、臨床上の考え方としては、先ほど日本臨床内科医会からお話があったような考え方が本当は王道なのです。その王道の考え方をどうやってしっかり守っていくのかということが非常に重要であります。その中で、先ほど日本OTC医薬品協会からご発言があったように、個人輸入の問題や粗悪な品をどのように駆逐していくのかというもっと大きな問題があり、それらからの健康被害の方が結構多くあるということです。日常診療の中にそれにより健康被害が生じた患者さんが結構紛れているということだろうと思います。先ほど各学会、各医会から話がありましたけれども、この中でこの薬の適正使用のガイドや使用チャートをどのようにしていくのかということがあるので、そういう図式をしっかりと現場が利用していくことが大事です。さらに大きな意味で、そこから受診勧奨というのがあるのですが、大半の薬局薬剤師は実際的な受診勧奨ができていません。つまり、何かあったらお医者さんに行きなさい、これは受診勧奨ではないのですね。受診勧奨というのは、何か問題や不都合なことがあったら何々泌尿器科、何々内科に行きなさいと、具体的なことを言わない限り、本当の受診勧奨とは言えないのです。薬局薬剤師の方々には、具体的なことも言っていないのに、私たちは受診勧奨をして役割を果たしていますというようなことをおっしゃる方がいるのですが、これは本当の意味の受診勧奨ではなく、薬剤師として役割を果たしていないということなのですね。繰り返しますが、何かあったら行きなさいというだけなのは受診勧奨ではありません。1パッケージに何錠あるかという、先ほど磯部構成員から10錠というのもありましたけれども、佐田先生からありましたように、薬理学的なことから4錠から8錠の中、どのような形にするのかが重要になってきます。それは基礎疾患の有無によっても随分違うわけですけれども、最初の錠数がどうあるべきなのかということはきちんと議論しなければいけない。この評価検討会議は会議内で議論を行って、それから、パブリックコメントも含めて検討を行って、適正なOTCの在り方にするという形式なので、あえてこういう言い方をしますけれども、錠数の議論が重要であり、考えていかなければいけない。
その議論では、ネット販売やオンライン診療に関しても十分な配慮をしていかなければいけない。様々な危険性が伴うわけですから、そういう懸念がきちんと払拭されなければ適切なスイッチOTC化というのはあり得ない。そういった環境整備を含めた形の中で、この薬をどのように考えていくのかがこれからの問題です。漠然とした言い方をしましたけれども、薬剤師がどのように考えて適切に使えるのかも非常に重要で、それを支える製造販売業者も、どのような資材を作ってしっかりとしたサポートをするのかが重要となってきます。全国各地には立派な薬剤師もいますけれども、実際の現場にいる、職能を完全に発揮できていない薬剤師のことも考えて、今まで以上のレベルアップを図れるような資材を製造販売業者が作っていかなければいけないだろうと思って御意見させていただきました。以上でございます。
○笠貫座長 ありがとうございます。富永構成員。
○富永構成員 宮川先生、厳しい御指摘ありがとうございました。別にそれに反論するわけではないのですが、私どもはもう15年以上、院外処方箋で患者さんに出しているわけですね。かかりつけ医から出されて、いつもいらっしゃる患者さんがタダラフィル、シアリスを処方されたときは全く問題ないと思います。ただ、新しい患者さんが来たときに気になるのは、さっきおっしゃった硝酸剤の併用があるかどうか。そういう患者さんのときはフィードバックするわけです。先生、これを飲んでいます。ああ、それ、全然教えてくれなかったということで止まることもあるわけです。それで、ちょっとお怒りになったり、いろいろするのですけれども、それは薬剤師の責任としてやっているわけです。ただ、今日もおっしゃったように、効果が不十分だったりして、生活改善、ほかの病気のことを相談していくと、かかったほうがいいですよということで、さっき無責任な受診勧奨の話がありましたけれども、そうやっていく薬剤師が多いと思います。だから、この薬自体に、これはスイッチOTC化しないほうがいいという理由はなくて、長年の経験があって、もちろんこれまではドクターの処方箋というものがありましたから、すごく安心しながらも再確認して出していく、ダブルチェックができるということでしたけれども、これからは宮川構成員がおっしゃったように、薬剤師として、いつもきちんと覚悟を持って出すというのが、スイッチOTC化すれば必要かなと思っております。
○笠貫座長 ありがとうございます。佐藤構成員、お願いします。
○佐藤構成員 エスエス製薬さんに2つお聞きします。1点は、流通についての質問です。103ページの臨床泌尿器科医会の意見の中に、OTCとする際の課題点について、横流しやバッタ屋へ流れる危険性が存在するとあります。こういった性に関する薬が、使う本人でない人の手に渡ることは大変に問題があると思います。この点について、企業としてどのようにされるつもりか教えてください。もう一点は、先ほど宮川先生からも指摘のあったところですが、御専門の先生方から10mg錠が適切で、それ以上については医療機関への受診勧奨をしていただくことが適切だという御意見がありました。薬局と医療機関とのきちんとした連携について、何らかサポートをされるつもりがあれば、それについて御説明ください。
○エスエス製薬株式会社 御質問ありがとうございます。まず、1つ目の御質問の転売のリスクのところにつきまして回答申し上げます。弊社は、承認していただきましてスイッチOTC化がかないましたら、適正価格で決して安売りはしないという形で、必要な量をきちんと正規品を市場に供給いたします。ですので、そういった転売マーケットというのが成立するのは、物が少なかったり安かったりというところがあると思うのですけれども、そうではなくて、適正価格を適正な量、きちんと供給しますので、転売マーケットというのはなかなか成立しにくいのかなというふうに弊社としては考えております。
また、先ほど来お話が出ていますとおり、弊社、海外と同じく販売時に8錠程度というふうに考えておりますけれども、世の中には何十錠という単位で買われていることを考えますと、弊社のものが転売されるというのはリスクとして少ないのかなと思っております。もう一つ、弊社は直販体制を取っておりまして、販売店・薬局様のほうにどれぐらい卸していて、どれぐらい注文が来てというのはきちんと把握できる状態にございますので、異常な量の発注があった場合には、これはどうしてこんなに今月は多いのですかというのを必ず確認して、何か理由が明確でなければもちろんお断りするという形を取りますので、言葉は悪いですけれども、裏の社会に流れるとか、そういうことも考えにくいと思っております。
○エスエス製薬株式会社 それから、どうやって近隣の専門の先生方につないでいくかという点につきまして、私のほうから御説明させていただきます。薬局の先生方は、周りにどういう泌尿器科の先生がいらっしゃって、どういう御専門の先生方なのか、把握されていらっしゃらないと思いますので、弊社が考えておりますのは、本日御出席の日本性機能学会様、日本泌尿器科学会様、日本臨床泌尿器医会の先生方の、この地域でEDを診療されている専門医の先生はどこにいらっしゃいますかというのを地区ごとにリストを全部作りまして、それを薬局のほうにお届けして、この地区の周りで信頼できる専門の先生はこの方ですというのを、全国でしっかりとやっていくということをコミットさせていただきたいと思います。以上です。
○笠貫座長 ありがとうございます。佐藤構成員、どうぞ。
○佐藤構成員 ありがとうございます。製造販売業者として薬局をきちんとサポートしていただけるということだと理解しました。すみません、もう一点質問があるのですけれども、先ほどガイドラインの変更の御説明のところで、今までは何らか検査等を推奨していたのだけれども、今後は、まず飲んでもらって、その後、効かなければ医療機関を受診していただくような形に、というような変更になるとのことでした。私自身は、今回、疾患の治療薬であり、過剰な興奮が起きることはない。また、不要に性欲が亢進されることはないと御指摘があったところでもあり、症状を自己申告で使う薬であって、頓服的に使う薬であれば、スイッチOTC化することに適した薬ではないかと思うのですけれども、そういう薬だと考えていいでしょうか。
○中島参考人 このPDE5阻害剤、5mgで前立腺肥大症に使っているというのは、常時飲むものですけれども、このEDに対してはオンデマンドで、要するに必要なときに使うという薬でございます。
○佐藤構成員 症状を自己申告で使う薬ということでよろしいでしょうか。
○中島参考人 そのとおりです。これはちょっと余計な話かもしれないですが、ダイバーシティで男の立場の話ばかりと思わないでいただきたいのですが、健康な人というか、それなりに元気な人が使ってもすごくいいのです。ややこしい、俗っぽい話になってしまうのですけれども、より長くもつとか、いろいろな意味でいいのですかね。俗っぽい話ですが、昔、フィルムのコマーシャルでそれなりの人は何とかという、樹木希林のコマーシャルがあったかと思うのですけれども、これを売り始めた頃、ブロンズの人はシルバーに、シルバーの人はゴールドに、ゴールドの人はプラチナにというような宣伝文句もあったぐらいで、健康な人にもむしろどんどん飲んでくれということをしていたぐらいの薬です。だから、自己申告においても、駄目だということがなければ使ってはいけないということはないと考えます。すみません、説明の仕方が悪いですかね。
○笠貫座長 平野構成員、お願いします。
○平野構成員 日本チェーンドラッグストア協会の平野でございます。先ほど磯部構成員のほうから、正規品が導入されることによって、個人輸入等の非正規品を撲滅できるのではないかという話がありました。実は、それだけではないなということでございます。私の友人がたまたまこのシアリスを持っていたのです。どこで入手したのと聞いてみると、駅前のクリニックだと言うのです。それはどういうところだったのと聞いてみると、行ってみたら受付があって、何が何錠要りますかと聞かれて、何か聞かれたのと言われたら、何も聞かれなかった。では、次に行くときにもう一度確認してということでお願いしたのですね。何を確認してもらったかというと、まず、お薬をくれた人は医師だったのか。それから、何らかの問診があったのか、服薬指導はあったのか、何錠でも買えたのかということを聞いてみてよということをお願いしました。実は、その答えは医師であった、少なくとも医師と答えたと、問診も服薬指導もなかった。何錠でも買えた。こんなことが現実に起こっているということです。こういったことも、正規品をきちんとやるということで解決できるのかなと思います。それから、実際にそれが薬局だったらできるのかということに関しては、さっき企業さんのほうから、123ページ以下に適正使用ガイドが出ていました。これを聞くのであれば、多分十分な情報が得られるのかなと思いますし、あるいは先ほど宮川構成員から御質問のあった受診勧奨についても、この中に織り込んでいただくという解決法もあるのかなというふうなことを思います。ということで、それが解決できる道はあるということだと思いますので、積極的に推進すべきではないかと思います。それから、もう一つ、冒頭のほうで資料の説明の際に事務局のほうから、羞恥心があるがゆえに泌尿器科にも行きにくいのではないか。では、薬局で買えるのかという意見があったという御説明がありました。実は、今、要指導医薬品とか第一類医薬品というのは、アイテムのラインナップを見てみると、人前でこれをくださいと言うのがなかなか恥ずかしい薬剤がたくさんあるのですね。私たちは、それがゆえに買いにくいということをどうするのかというのは、薬局、ドラッグストアの現場の課題ではあります。実際、例えば先ほどの適正使用ガイドにあるように、質問を先に渡しておいて書いてきてもらうとか、それから、実際に棚から取り出して持っていくのが恥ずかしかったりするので、薬局のカウンターで言ってもらったら下から出てくるようにするとか、そういう対処をすることによって、恥ずかしいという問題。実際、薬剤師と対峙して、直接質問に受け答えするということについては、恥ずかしいという認識はもはやあまりないのです。その前のところが恥ずかしいということですので、この問題についてはクリアできると考えているということでございます。
○笠貫座長 宗林構成員、お願いします。
○宗林構成員 岐阜医療科学大学の宗林です。皆さんのコンセンサスを持たなければいけないのは、これは疾病の人に使う薬であるということをベースで持っていただかないと、普通の健康な人でもこれはいいのですよという話は、ここで話す話ではないのではないかなと思います。だから、薬として購入するものであるので、疾病の確認ができるのかどうかということが薬局できちんとできないと、今までは処方箋が来てというところから始まれば薬局はいいと思いますけれども、初めて来た方にこのお薬を出すということにおいて、疾病であることの確認が本当にどのぐらいできるのか。私も本当に分からないのでちんぷんかんぷんなことを聞くかもしれませんが、それが1点です。それから、もう一つ素朴な疑問なのですけれども、まず疾病者であろうと、オーバードーズの場合であろうとも該当すると思うのですが、いわゆるパートナーとの正常な性行為以外のところでの乱用の危険性というのは実際にあり得ないのか。さっきまで緊急避妊薬をやっていて、混乱しているかもしれませんけれども、パートナーとの性交渉のために疾病の人に使用する。併せて懸念点としては、これをオーバードーズしたりとか、中枢神経に働かないとしても、そうしようと思ったときにできるようになるということ自体が、乱用から何か性犯罪とか、そういうことにつながらないのかという懸念が一部あるということです。そうすると、この購入者というのは、さっきのものですと、心筋梗塞とか本人のことをいろいろ聞かなければいけないので、購入者の規定がまずあるかどうか、範囲があるかどうかということを少しお聞きしたいなと思ったのです。先ほどのパートナーとの間での疾病者に対してのお薬ということが、もし大前提としてあるのであれば、パートナーが必要だと感じたときに売るというようなことだって、極端に考えればあり得るのかという感想をちょっと持ちました。それから、これはちょっと単純なあれなのですけれども、チェックシートの124ページのところで、これはエスエス製薬にお聞きするのですが、高齢であるということに対して、「はい」だと右に行くようになっていますが、この高齢というのは、今は一般的に考えている65歳とか、そういうものでよろしいのでしょうか。今、割と高齢の方が飲むものなのかなとちょっと思ったものですから、ここが御質問です。以上です。
○笠貫座長 企業側からお答えいただけますか。
○エスエス製薬株式会社 御質問ありがとうございます。すみません、複数御質問いただいたので、もし漏れがあったらお願いいたします。まず、自分で自分はEDである、EDという疾患を持っているということを判断できるのかというところですが、先ほど先生方からも、専門医の方からもお話あったかと思いますけれども、基本的には、実臨床においても患者さんへの問診で判断されていまして、国際勃起機能スコアいう質問項目に基づきました自己記入式の質問表に回答する形になっておりますので、十分、自己申告といいますか、自分で判断できる疾患だというふうに考えております。それから、パートナーの部分ですけれども、例えばパートナーの方と一緒に買いに来るといいのではないかというところがあるかもしれませんが、一般の生活者の方は、自分の個人の生活を開示するというのは非常に抵抗があると思いますので、弊社としましては生活者の方の尊厳を尊重したいというふうに考えておりまして、安全性はきちんと確認できる適正使用ガイド、質問項目にさせていただくのですけれども、プライバシーには踏み込み過ぎないような形でさせていただけたらありがたいと思っております。それから、高齢のところですけれども、65歳程度を考えております。
○笠貫座長 他にございますか。
○宗林構成員 さっき質問したうちの答えがないものとして、例えば購入者を規定することを考えていらっしゃるのかどうかというのが1つと、先ほどの家庭に踏み込まないという話がありましたけれども、パートナー以外との性交渉に対しての乱用につながるリスクというのは本当にないというふうに言えるのかどうかというのを教えていただければと思います。
○磯部構成員 私から答えます。今のお話は、イギリスにおいてこれまで46万箱ぐらい使っておられるのですね。実は成分情報シートの資料にも記載がございますが、少なくとも性犯罪の増加みたいな傾向は見られないというのがあります。実際に会社のほうでも、そのような報告はないと。つまり、当然、警察のほうでも、このOTCのタダラフィルではないかというのは捜査の過程でいろいろ分かってくると思いますので、そういった場合には、当然企業のほうにどういう薬かということで問い合わせが来るので企業にも話が入ってくると思うのですが、そういうことはないと。それから、性犯罪が増えたような兆候もないというのは、いろいろなデータで確認して、今回の資料にも記載がございます。
○宗林構成員 何ページですか。
○磯部構成員 86ページの一番下の4番のところに記載がございまして、参考情報なのですけれども、下の3行に書いてございます。2018年にイギリスでは発売されて、性犯罪の予想外の増加は認められていない。この論文もまた報告があると思うのですが、どこまで確認できるかは非常に難しいところではあるのですが、一番はそういうことであるので、性犯罪に使われたような傾向は見られないというのが事実です。多分、企業のほうもそこはよく注意深く見ていかなければならない事柄だと思います。ただ、そこはどこまで行ってもリスクはゼロにならないのも、どんなやり方を取っても、医療用医薬品でも同じような問題がありますし、全部全滅しろというのはなかなか難しいことではあるのですが、そのリスクをどうやって最小化するかということについては、また企業のほうでもイギリスの事例も見て、どういう方法がいいのか、またいろいろと考えていくということで、宗林構成員の今の御質問には応えていかなければいけないなということだと思います。
○笠貫座長 よろしいでしょうか。会場の都合がありますので、再度この議論を続けるかどうかのとりまとに入りたいのですが。湯浅構成員、どうぞ。
○湯浅構成員 真面目に適正にオンライン診療をやっている先生方が大半だと思います。最近ニュース等で取り上げられて御存じの方も多いと思いますが、一般社団法人を取得し、それを隠れみのにして、クリニックとしての実態が曖昧ななか、例えば糖尿病の薬を痩せ薬として処方し、副作用が発現しても対応しないなどのケースが問題になっています。今後、医療法の一部改正に伴い、オンライン診療も見直されると聞いております。ただ、改正案では、医療法の中に「オンライン診療受診施設」を創設することが明記されており、一般企業が参入できるようになりますし、その報告については事後報告でいいというふうになっています。タダラフィルがスイッチOTC化されることにより、個人輸入は減るという話もありますが、こういったオンライン診療の抜け道についても目を光らせていかなければいけないと思います。以上です。
○笠貫座長 佐藤構成員、どうぞ。
○佐藤構成員 すみません、ありがとうございます。宗林構成員の意見を一部サポートします。症状を自己申告で使う薬については、基本的にはスイッチOTC化していいと思うのです。それは、例えば頭が痛いから頭痛薬であるとか、熱が出たから解熱剤というようなものは、実際にはどのぐらい頭が痛いのかということの確認を別にする必要なく、買っているものと思います。ただ、何よりも前提として、症状のない人に売られるのは困ります。薬ですので、症状のある人に売ってください。
○笠貫座長 大事な御指摘です。特になければ、まとめに入りたいのですが、ED障害の疾病は1400万人の患者がいることで議論を進めてきたと思います。偽造薬という問題と、1400万人という多くの患者が存在するというニーズと、本成分がEDの第一選択薬であって安全性には問題ないということです。課題として、適正使用について多くの問題があります。対象者が、EDであることももちろんですが、ネット販売の問題については否定的な意見もありました。それから、オンライン服薬指導を含めた問題、不適切流通の問題が指摘されました。さらに、性犯罪の問題、転売ルートの問題、受診勧奨など、多くの課題・論点が挙げられました。候補成分への御意見募集でも516件の御意見をいただきましたが、薬剤師の特別な研修の在り方についても指摘されました。1箱当たり何錠にするかという問題も出されました。学会関係の方から出た御意見は、条件付きで賛成の方が多かったかと思います。そういう意味で、これまでに課題・論点、その解決策については、挙げられたということでよろしいかどうか、確認したいと思います。それにより、もう一度、516件の御意見募集に加えてパブリックコメントを行うかどうか、評価検討会議を行うかについての結論を出したいと思います。パブリックコメントを含めて、再度評価検討会議を開いたほうがいいという方がいらっしゃったら御意見をいただきたいと思います。新スキームでの進め方で、必要に応じてパブリックコメントを再度実施するかどうかを含めて御意見いただきたいと思いますが、いかがでしょうか。パブリックコメントは非常に重要だと思いますが、516件の御意見と対面の議論で再度のパブリックコメントと評価検討会議は必要ないということでよろしいでしょうか。新しいスキームの進め方の議論になりますが、よろしいでしょうか。
それでは、今日の御意見が出たものを含めまして、本評価検討会議の結果案を作成させていただきます。非常に大事なことも御指摘いただきましたので、それを課題・論点として整理した上で対応策まとめて、皆様に結果案をお送りし、修正を加えながら皆さんの御意見をいただきたいと思います。
○宗林構成員 さっきも聞いたのですけれども、購入者は本人だけなのですか、規定されているのですかと何回か聞いたのですけれども、本人だけ。
○エスエス製薬株式会社 御質問ありがとうございます。要指導医薬品の期間においては、本人のみ購入できることになっております。
○宗林構成員 分かりました。私はもう特に言いませんけれども、緊急避妊薬はこれだけ苦労して、入手できるようになるまで何年かかったのかということを考えると、この疾病は私もそれほどよく熟知しているわけではないですが、今、もう遅い時間になって欠けているメンバーも結構いらしてという感じはちょっといたしますけれども、座長の判断に委ねます。
○笠貫座長 どうぞ。
○佐藤構成員 私もバランス的には大変差異があると、そこについては不満を持っております。
○笠貫座長 緊急避妊薬というのは、緊急薬として重要な医療用医薬品をスイッチOTC化するという意味で長期間議論してまいりました。しかし、タダラフィルのスイッチOTC化については、可否は決めないで論点・論点整理と対応策についてまとめることです。対応策についての議論が必要であれば、パブリックコメントにかけるという作業を進めさせていただきます。そういう意味で緊急避妊薬のスイッチOTC化の決め方と時間のかけ方と、本成分の進め方は異なり、緊急避妊薬を部会にかけるというプロセスと、第31回からの新たなスキームによる、本成分のプロセスについて二人の御懸念だと思いますが、第31回で御承認いただいたスキームに則って進めさせていただけたらと思いますが、いかがでしょうか。
また、途中退席された構成員が2名いらっしゃるということですので、結果案を作成しまして皆さんご確認いただいた上で、それでもパブリックコメントが必要だということであるならば、次はパブリックコメントに入りたいと思います。そこで御意見をいただき、それで修正を加えながら皆さんにお諮りするということで進めたいと思いますが、よろしいでしょうか。そういうことで結果案をお考えいただきたいと思います。どうぞ。
○宗林構成員 それについてあえて反対はしませんけれども、プロセスが変わったのは十分承知していますが、要するに議論を尽くして、この薬自体がどういう症状のときにどういうふうに使われていくのかということ自体も議論を尽くすには、今オンラインでも欠けている人がいたり、女性も今二人しか残っていないので、男性と女性の違いではないですけれども、緊急避妊薬はどんなときにとか、どういう社会情勢があってとか、いろいろな側面から資料を見てきてここに至ったという経緯があったので、ここの席にいる人だけではなくて、社会的にこの議論がどういうふうに受け入れられるのかなということもやや心配でございます。ただ、私個人はこのプロセスが変わったこともよく知っていますし、この後、また部会もあるのでしょうから、きちんとプロセスには乗っているのだろうと思いますが、これは関心は非常に高くて、そしてどういうふうに使われていくのか、どういうふうに自由になるのか、何が問題で何がいいことなのかということが、今YouTubeに流れていると思いますけれども、社会の皆様にきちんと理解された上で一定のコンセンサスが得られているのかなというのが、やや心配な感がございます。これは感想です。
○渡邊構成員 渡邊です。私は薬局薬剤師として、タダラフィルの処方箋は結構たくさん扱っています。年齢は、30代の方から80手前の方ぐらいまでいらっしゃいます。なぜかというと、EDという個人的な体調の問題だからです。緊急避妊薬と比べるものではないと思います。緊急避妊薬は本日も議論されて現在に至っていますし、本当に早く女性の身体をカバーしていかなくてはいけないと思います。タダラフィルはパートナーとなる方との使用を考えたものです。OTCになるときは、疾病や他の薬など、タダラフィルの適正使用ガイドをきちんと踏まえて、お薬手帳等で確認させていただいて販売できたらよいのではないかと思います。本当にプロセスが短くて、これでいいのだろうかと私も思いますが、必要な方がいるので、そのような方向になっていくのではないかなと感じております。意見です。
○笠貫座長 新スキームに変えてから、1回目になりますので十分議論させていただきたいと思っています。緊急避妊薬では、女子差別撤廃の話が出ており、2名の女性構成員の御懸念が気になりましたが、渡邊構成員からの実際に販売されているという話をお聞きしました。ここで結果案をまとめて、皆さんの御意見を聞いた上で、もう一度パブリックコメントという御意見があれば、またそこで考えさせていただきます。今回は新しいスキームに則って、進めさせていただきたいと思います。
それでは、第1部、第2部も大幅に時間が延長しましたが、緊急避妊薬は評価検討会議の従来のやり方の形で進め、EDについては新しいスキームで進めてきたこともありますが、議論は進められたと思います。長時間となりましたことを心からお詫びします。事務局のほうから何かありましたらお願いします。
○事務局 事務局でございます。本日も、長時間にわたり御議論いただきありがとうございました。本日は以上となります。次回の評価検討会議ですけれども、詳細が決まり次第、また御連絡いたします。御多用のところ恐縮でございますが、どうぞよろしくお願いいたします。以上でございます。
○笠貫座長 それでは、これで第32回評価検討会議を終了させていただきます。ご協力ありがとうございました。
緊急避妊薬の薬局での入手を実現する市民プロジェクト共同代表、染矢明日香構成員、それから福田和子構成員でございます。続きまして、公益社団法人日本産婦人科医会女性保健委員会委員の北村邦夫構成員です。どうぞよろしくお願いいたします。
会議を開始するに当たって、注意事項を御説明いたします。ウェブ参加の方が発言される際は、システム上で挙手をいただき、座長に指名されるまでお待ちください。発言の際は、ミュートを解除した上でお名前をおっしゃっていただいた上で御発言をお願いします。また、発言されないときはマイクをミュートにするようお願い申し上げます。会議中に接続トラブル等が発生しましたら、会議の途中でも結構ですので、事務局まで御連絡いただけますようお願いします。会場参加の方が発言される際には、挙手していただきまして、座長の指名をお待ちいただきますようにお願い申し上げます。それでは、笠貫座長、以降の議事進行をお願いいたします。
○笠貫座長 座長の笠貫です。本日は大事な評価検討会議になりますが、御協力をお願いします。新たに構成員になられました染矢構成員、福田構成員、北村構成員、よろしくお願いします。それでは、まず本日の配付資料の確認について事務局からお願いします。
○事務局 事務局でございます。資料につきましてはペーパーレス化を実施しておりまして、オンライン参加の方は送付済みの電子媒体を、会場参加の方はお手元のタブレットから御覧ください。タブレット端末は、会議資料の議事次第を画面に表示した状態で配付をされています。ほかの資料を画面に表示する場合には、画面左上のファイルを指で1回軽くタップした上で御覧ください。本日の資料として、ファイルに表示されている上から順に、会議資料、参考資料となります。会議資料につきましては資料を1つのPDFファイルとしておりまして、議事次第、配付資料一覧、第1部に関する資料として資料1-1から資料1-4、第2部に関する資料として資料2-1から資料2-6となります。参考資料は、参考資料1~8です。また、タブレットには、各個別の会議資料及び参考資料もフォルダーに入れておりますので、適宜御活用いただければと思います。配付資料の説明は以上となります。御不明な点がございましたら、事務局までお申しつけください。事務局からは以上です。
○笠貫座長 ありがとうございました。第1部の議題に入りたいと思います。まず緊急避妊薬のスイッチOTC化についてですが、この緊急避妊薬に関する会議は、2017年に2回開催され、2021年の再要望以降は、9回開催され、この会議を迎えたことになります。それでは事務局から説明をお願いします。
○事務局 事務局でございます。1ページ、資料1-1を御覧ください。
緊急避妊薬のスイッチOTC化に関しましては、令和5年の11月より調査研究事業を実施してございますが、先週、令和6年度事業の報告書を公表しましたので、その概要を御報告いたします。まず左上ですけれども、令和5年度調査研究事業では、都道府県により販売個数にばらつきがあったこと、薬剤師が使用するチェックリストについて、既に購入希望者が妊娠をされている可能性の判断に係る項目について「改善すべき」と回答された薬剤師さんが約4割いたこと、購入者の約85%が避妊の成否を確認できる3~5週間後に産婦人科医を受診しておらず、また妊娠検査薬を用いた確認をしていなかったことが課題として挙げられてございます。これらの点に対して、各地域における研究協力薬局を増やすとともに、予期せぬ妊娠や中絶機会の喪失を防ぐために、妊娠の判断に係るチェックリスト等資材の見直し、「妊娠の可能性」への理解を深めるための追加的研修の実施、避妊の成否を確認するよう服用後3週間を目途に産婦人科医を受診するか、あるいは妊娠検査薬を使用するよう改めて指導徹底、薬剤師と産婦人科医間の連携体制の構築を書面で確認といった対応をしまして、令和6年9月末より新たな研究計画にて全国339の薬局にて事業を実施してございます。
その結果が下段です。まず、令和5年度調査研究事業において抽出された課題に対する改善結果について、チェックリストに係る調査では、引き続き「妊娠の可能性」に関する項目への改善意見が見られたものの、その割合は令和5年度の90%から令和6年度の76%と低下傾向にございました。また、妊娠の判断に係る追加的研修に対しては、9割近くの薬剤師が「役に立った」と回答されてございます。購入者による避妊成否確認については、販売3~5週間後の調査において、6割が「確認した」と回答しており、また、その他2割も「今後確認する」と回答されています。避妊の成否の確認方法については、緊急避妊薬と同時に購入した妊娠検査薬を用いて確認した割合が37.5%、別途購入した検査薬での確認割合が59.3%、産婦人科への受診により確認された割合が3.4%でございました。その他、全般的な結果について、協力産婦人科医へのアンケートにおいて、「患者が薬剤師の説明を理解したと考える」かについては、令和5年度については75%でしたけれども、令和6年度では100%でした。また、「薬局からの紹介内容が不適切であった」との回答は令和5年度と変わらず0%、「不適切な紹介はなかった」との回答は令和5年度は83%でしたが、令和6年度は92%であり、昨年度調査よりもいずれも改善傾向にございます。販売数ですが、2023年11月28日~2025年1月31日の販売数は6,813でした。都道府県によりばらつきがございますけれども、約半数の都道府県で100件超を販売してございます。協力薬局への来局時期及び曜日についてですが、大きなばらつきは見られてございません。ただし、来局時間に関してはおおむね9時から19時に集中をしてございまして、21時から8時までの夜間・早朝の来局は全体の2%でした。購入者の年齢層は多くが20歳~39歳でしたが、16~19歳も9%程度存在しました。購入者への満足度調査では、薬剤師の対応、説明のわかりやすさ、プライバシーヘの配慮への満足度は高い一方で、支払った費用の満足度は低い傾向にございました。プライバシー確保の方法について、販売時に個室で対応した薬局は約半数で、その他、仕切りの設置ですとか、対応時間の工夫により対応した薬局も多数存在してございます。しかし、いずれの確保策の場合でも、購入者への満足度調査ではプライバシーヘの配慮に関して大きな問題というのは指摘されてございません。協力薬局のうち、13薬局では16歳未満者に対する問合せが確認をされています。また、11薬局では面前服用を拒否したために販売できなかった事例というのも確認をされてございます。
続いて2ページ、資料1-2を御覧ください。緊急避妊薬のスイッチOTC化に向けた進捗等について御説明いたします。
3ページを御覧ください。今、御説明差し上げました調査研究事業ですけれども、令和7年度も引き続き実施をしてございます。令和6年度事業において協力薬局数を拡大したことを契機に、事業実施主体に対応困難事例、例えばワンストップ支援センターに繋いだ事例ですとか、警察に通報した事例、来局者・同伴者から暴言や暴力を受けた事例に関する問合せが寄せられてございます。339の薬局の時点でこのような事例が報告されていることに鑑みると、実際にスイッチOTC化し、多数の薬局等で販売が行われた場合、より多くの同様の事例が発生すると考えられることから、令和7年度事業においてはアンケート結果を踏まえて薬剤師さんへのヒアリング調査を実施しまして対応困難事例を積極的に収集し、その対応策について検討・構築することとしてございます。
続いて、4ページを御覧ください。あすか製薬株式会社より、スイッチOTCとしての緊急避妊薬を令和6年6月に申請したとの報道発表が先週なされてございます。現在、PMDAにおいて薬事審査が行われておりまして、今後薬事審議会においてその承認の可否等について審議をいただく予定です。
5ページを御覧ください。今国会において先週、改正薬機法が成立をしましたので、要指導医薬品に係る主な変更点を御紹介させていただきます。現在、要指導医薬品は薬剤師が対面で服薬指導を行い、対面で販売する必要がございますけれども、改正薬機法においては、薬剤師の判断によりオンライン服薬指導等の実施が可能となってございます。一方で、要指導医薬品のうち、使用方法やリスク等の特性を踏まえ、適正使用のために引き続き薬剤師が対面で販売する必要がある品目については、特定要指導医薬品に指定することが可能となってございます。加えて、現在は要指導医薬品に指定された後、一定期間を経過しますと原則一般用医薬品に移行する制度になってございますけれども、改正薬機法では、期間を定めずに要指導医薬品に指定し続けることが可能となってございます。これらの変更については、改正薬機法の公布から1年以内に施行される予定となってございます。なお、本制度の紹介の趣旨ですけれども、緊急避妊薬に適用する予定だからということではなく、本評価検討会議における緊急避妊薬のスイッチOTC化に係る過去の議論におきまして、「現行制度では、要指導医薬品として留め置くことができないため、対面販売を維持できる制度となっておらず、要指導医薬品として継続できる制度が必要である」、という指摘がなされていたことを踏まえ、今回の改正薬機法により、このような指摘は対応可能になったという趣旨で御報告するものでございます。必ずしも指定をするというものではございません。
6ページを御覧ください。改正薬機法の可決に際して、衆院・参院から緊急避妊薬に関する附帯決議が付されてございます。これを踏まえ、今回の評価検討会議に若い世代の意見を代表する者を参画せしめ、御意見を賜ることといたしました。また、これまで緊急避妊薬を医療の場で取り扱ってきた有識者もお招きをしましたので、主に面前服用、年齢制限及び親の同意の要否を中心に、皆様に御議論をいただければと考えてございます。事務局からは以上です。
○笠貫座長 ありがとうございました。続いて、資料1-3について染矢構成員及び福田構成員から説明をお願いします。
○染矢構成員 緊急避妊薬の薬局での入手を実現する市民プロジェクト共同代表の染矢明日香です。同じく共同代表の福田和子とともに、市民として、また当時者の立場から、本日は構成員として参加の機会をいただき、ありがとうございます。また、スイッチOTC化に向けて真摯に調査、議論に取り組んでくださっていることに重ねてお礼申し上げます。
私たちは2018年から緊急避妊薬のアクセス改善を求め、2021年にはスイッチOTC化の要望を提出させていただきました。今回は、当時者の声や国際的な知見を基に、よりよい制度づくりにつながる議論に貢献したいと考えています。
では、8ページに移ります。まず、議論に当たりまして、改めてWHOのファクトシートから特に重要な3点を共有させていただきます。1番、思春期を含む全ての女性に安全で過剰摂取や繰り返し使用でも健康リスクはない。飛びまして7点目、市販化されても医学的管理は不要で女性は正しく使用できる。8点目、入手しやすくなっても避妊しない性交や性感染症のリスクは増えない。これらは、複数の研究調査により結論づけられています。詳細につきましては、参考資料も御参照いただけたらと思います。
続いて9ページ目です。WHOは緊急避妊薬を必須医薬品に指定しており、スイッチOTC化することで必要とする個人が入手できることを強く推奨しています。原文では、この個人はインディビジュアルとされており、女性に限られていません。補足となりますが、緊急避妊薬が要指導医薬品にスイッチOTC化された場合、購入は原則として使用者本人に限られますが、妊娠可能性があるトランスジェンダー男性やノンバイナリーの方、また見た目や声が女性らしい枠に当てはまらない方もいます。そうした方々が薬局で不必要な詮索や疑念の目を向けられることは、プライバシーや人権の侵害になりかねません。誰もが安心して必要な医薬品にアクセスできるよう、性自認にかかわらず尊重される対応、ルール作りと薬剤師様への研修や配慮ある説明体制の整備を求めます。続きまして、私たちの調査では緊急避妊薬を薬局で購入したいと思った人のうち、薬局で購入できた人の9割が24時間以内に入手できました。一方で、薬局で購入したかったけれども、できなかった人の7割が72時間以内に入手できませんでした。スイッチOTC化の意義は、こうした迅速な入手の実現というところにあります。入手できなかった理由としては、後ほど説明させていただきます。こちらのアンケート調査の結果の全文は参考資料に掲載しておりますので、併せて御確認いただけたらと思います。そして、こちらの調査の中で、緊急避妊薬の調査研究事業期間中に入手したいと思った人のうち、実際に薬局で入手できたのは回答者の15%にとどまりました。現状、全国約6万の薬局のうち、緊急避妊薬の調査研究事業に協力しているのは145の薬局から始まり、その後339に増えましたが、それでも薬局全体の0.5%に当たる数です。現行の調査研究事業の体制ではアクセスは極めて限定的であると言えます。そんな中、私たちがこういった調査研究事業、調査結果、または国際的なガイドラインに照らして緊急避妊薬のスイッチOTC化に当たり、市民、当時者の立場から3つの視点、そして9点を要望させていただきます。それぞれについて一つ一つ説明をさせていただきます。
まず、販売方法についてです。こちらについて、薬剤師の面前服用を条件とはしないことを求めます。調査研究事業では、緊急避妊薬の面前服用を拒否した11件が販売不可となりました。しかし、以後、国際産婦人科連合やWHOは面前服用の強制は不必要とし、事前供給も推奨しています。スイスやイギリスでも以前は面前服用があったのですが、撤廃をされています。転売等の懸念も、正規のアクセスが限られている証拠であると言えます。必要なのは、誰もが安全かつ簡便に入手できる制度です。確かに、なるべく早い服用が望ましい薬であるということと、私たちのアンケートの中でも面前服用でよかったという声も聞いています。一方で、心理的安全性がない、不信感を覚えるといった声も届いており、服用者がどちらでも選択できることが望ましいと考えます。続きまして、販売に当たって妊娠検査や不必要な手順・問診を省くことを求めます。WHOは、服用前の妊娠検査や服用後のフォローアップの受診を必須としていません。日本産婦人科学会による令和7年度版の指針でも、月経が予定より7日以上遅れたり、あるいは通常より軽い場合には妊娠検査を受けることを勧めるという表現にとどまっています。
次ページにいきまして、また薬局の事前の電話について、調査研究事業では薬局の42%が負担に感じています。私たちのアンケート調査でも、実際に薬局を探して電話をする時点で緊急避妊薬の入手を断念した人というのが最も多いという結果になっており、必須手順とすべきではないと考えます。続いて、価格についてです。現在の緊急避妊薬の価格は、病院では平均1万5000円で、調査研究事業では7,000円から9,000円とされましたが、多くの国では5,000円以下で入手でき、若年者への無償提供も広がっています。
次ページにいきまして、実際に29歳以下の64.4%が価格に不満を持っており、私たちの調査でも6割の方が2,000円未満を入手のときに希望しています。緊急避妊薬が必要な状況にあるのに、値段が高額なため入手をためらった、諦めたという声も多くいただいています。店頭での販売価格を高くとも5,000円以下とし、若年者には無料にするなどの補助を設けることを求めます。続いて、販売対象者の拡大についてです。調査研究事業では16歳未満の人、16~17歳の人からの問合せ、来局が多数ありました。緊急避妊薬は、年齢に関係なく安全に服用できる薬です。若年層は特に必要とする可能性が高く、また周囲に相談しづらいという状況もあります。年齢制限や保護者の同意、同伴を条件としないことが必要です。緊急避妊薬の調査研究事業において年齢制限や保護者の同意条件があることで悩んで手遅れになる危険がある、保護者から被害を受けている人もいるといった声も届いています。若年者が必要なときに薬を入手できず、妊娠に至るリスクを考えると、若年者でも年齢制限や保護者の同意なく、まずは薬局では迅速にアクセスできる体制が不可欠です。むしろ緊急避妊薬の提供が、性暴力や虐待の被害に気づき、支援へとつながる入り口になる可能性もあります。若年者が安心して支援につながれる体制の強化は、緊急避妊薬のスイッチOTC化の議論とはまた別の文脈で、こども家庭庁や関係省庁が連携し、取り組むことが求められると思います。
○福田構成員 ここからは、福田がお伝えいたします。
19ページからになります。性交から72時間を超えた場合についてです。今回の調査研究事業では、性交から72時間を超えた場合は販売対象外とされましたが、問合せが25件、来局が5件ありました。確かに、緊急避妊薬の添付文書における服用方法は性交から72時間以内ですが、国内外のガイドラインでは性交後120時間以内であれば効果が期待できるものとされており、来局が72時間を超えた場合でも販売を拒否すべきでないと考えます。 一方で、こちらは今回のスイッチOTC化の議論ではなく、製薬会社の添付文書の改訂を検討いただく事項かもしれません。次に、言語についてです。今回の調査研究事業では、日本語が理解できない人は対象外というふうにされましたが、問合せが69件、来局が48件に上っております。訪日外国人など、日本語を話せない人を薬局での緊急避妊薬の提供から除外することは公衆衛生・人権・制度の平等性の観点から正当化されません。日本語話者であることを販売条件にせず、多言語対応することを求めます。また、調査研究事業の現在の時点でも多言語対応が可能であれば、ぜひ早急に進めていただければと思っております。次に、全薬局・ドラッグストアでの取扱いを可能としてほしいという点です。販売体制についてですが、WHOは緊急避妊薬の用法は簡便であり、正しい使用のために事前の診察や処置、検査など、医学的管理下に置く必要はなく、女性はラベル表示と説明書を容易に理解できるとしています。しかし、現在の調査研究事業では、緊急避妊薬の研修を受けた薬剤師で夜間・休日や個室対応が可能でなどの条件があって、結果的に339薬局でしか展開されていません。中心部ではなく、交通の便が悪いところにしかないことに不満を覚える当時者の声も届いております。こちらの資料にも載せておるところです。
次のページにいっていただいて、実際、今回の調査研究事業で薬局までたどり着くまでかかった時間が1時間以上という方が約2割、希望時間に研修を受けた薬剤師が不在で対応されなかったというケースも39件報告されております。一方、薬局側としても、緊急避妊薬の提供についてかなり負担、やや負担との回答が73%、業務多忙で対応できないというケースも28件ありました。緊急避妊薬のアクセス改善には、販売できる薬剤師や薬局に条件をなるべくつけず、薬局側の負担も減らしながら全薬局、ドラッグストアでの取扱いができるようにすることが重要と考えます。具体的には、薬局来訪への電話、個室完備、24時間対応は義務化の必要性はないと考えます。また、国際的エビデンスにのっとり、販売可否判断のための聞き取りや妊娠検査もできる限り簡略化していただきたいです。同時に、現在薬剤師会で実施している緊急避妊薬の研修について、動画公開等を通じ、薬剤師ならば誰もがいつでもオンライン受講できるようにすること、また仮に研修を義務づけるのであれば販売前までに薬剤師全員に受講を促し、併せて今後の薬剤師養成課程の中で必須項目に位置づけるなどし、どの薬剤師でも緊急避妊薬について対応ができるようにしていただきたいと思います。そうすれば、薬剤師の負担も分散され、アクセスも改善し、薬剤師にも利用者にも大きなメリットになると思います。次に、販売体制が続きます。WHOは緊急避妊薬の市販化を強く推奨しており、インターネット販売の制限もしておりません。既にOTC化されている国も問題なく販売は継続しており、要指導医薬品に留め置く根拠が不明確なため、一般用医薬品に移行可能な分類を求めます。次に性教育についてですが、性教育の充実化が緊急避妊薬のスイッチOTC化の条件として求める趣旨ではありませんが、包括的性教育は性感染症や意図しない妊娠のリスクの低減につながると示されており、緊急避妊薬のアクセス改善と並行して実施することが重要です。また、持ち帰りができるパンフレットなどはぜひ御準備いただきたいとは思うのですけれども、紙媒体を持ち帰るということ自体が難しいというケースも鑑みて、持ち帰りはあくまでも任意で準備して、同時に緊急避妊薬の取扱い薬局や注意事項、使い方が分かるインターネットサイトなどの情報の充実化、またはそれがネット検索で上位に出るための検索エンジン最適化対策も求められます。以上が、私たちの意見となっております。
25ページですが、現在オンライン署名キャンペーンで18万筆を超える賛同が集まっており、パブコメも今回4万件を超えて圧倒的多数の賛成の声をいただいております。ここで、多数というと数でしか見えないのですけれども、ぜひ個別の声を聞いていただきたいと思います。先日行ったアンケートに届いた東京都23歳女性、大学生の声を紹介させてください。
産婦人科が72時間以内に行こうと思っても、自分のバイトや仕事の予定が既にあって、ほとんど病院が空いている時間は行けず、かろうじて行ける時間帯は行ける範囲の病院は予約がいっぱいで、産婦人科を受診することは諦めました。試験販売がされていることを知っていたので、販売している薬局を探しました。ですが、検索しても検索エンジンの上位に全く厚生労働省の試験販売薬局をまとめているサイトが見つからず、まず困りました。ようやくサイトを見つけられました。でも、近くの販売している薬局がなくて困りました。当時、一番近い薬局は日曜日に休日対応番号に電話をかけてもつながらず、月曜日につながったかと思ったら、水木金しか担当者がいないので販売できませんと言われました。緊急避妊薬が必要になることが起きるのは大抵休みの日なのではないかなと思います。72時間を過ぎてしまうので遠い薬局に電話をかけたらとても優しくて、月曜日の閉店時間の19時も間に合わないかもしれないと伝えると「22時くらいになってもいいから開けるからおいで」と優しく言われて泣きました。緊急避妊薬の説明を受けて薬剤師さんの前で飲むのも、薬剤師さんと二人きりで個室みたいなところだったので、おばあちゃんの優しい薬剤師さんだったからよかったけど、男の人とかだったら思い出して怖くて飲めてなかったかもと思いました。値段も高くて、もっと安かったらいいのになと思いました。
最後に、国際社会や勧告やレターを紹介します。日本は昨年、CEDAWから、全ての女性と女児に緊急避妊薬を含む手ごろな価格の現代的避妊法への十分なアクセスを提供すること、これには16歳と17歳の女児が避妊法を利用するために親の同意を得るという要件を撤廃することも含まれるという勧告を受けました。本勧告は、2年以内に進捗報告を求められた4つしかない勧告のうちの一つに含まれるなど、緊急性が高いものとされています。このタイミングでの制度改善は、国際的責任を果たすことにもつながります。
また、本評価検討会議に当たり、私たちはFIGOよりレターを預かっています。そこでは、以下のような点が述べられています。緊急避妊薬は安全で、使用者が自己判断することができる。使用前に医学的な検査や診察は不要。ほとんどの国で推奨されているように、OTCでのアクセスが適切。使用者が追加の支援を求めない限り、定期的なフォローアップは不要。
緊急避妊薬という名前にもかかわらず、本当に必要なときに手元に届かないという状況を改善する必要があります。私たちはあくまでも人権とエビデンス、そして何より当時者のニーズに基づいた提供を求めます。
しかし、これらが一度に全てかなわない、全て求める限りスイッチOTC化ができないというのであれば、非常に残念ではありますが、全ての要求を満たさずとも、ここまで長い間議論され尽くされている緊急避妊薬、まずは一刻も早いスイッチOTC化を求めます。そして、緊急避妊薬が誰も置き去りにされず、必要とする全ての人にすぐに平等に届く社会に向けて、この会議がその一歩となり、検討が次の段階に進むこと、スイッチOTC化された後もアクセス改善のための取組がなされ続けることを切に求めます。
今回の評価検討会議の構成員としての参加機会にお礼を申し上げるとともに、今後の検討にもぜひ当時者、市民としての立場から参加させていただきたいと思いつつ、この評価検討会議は今回でぜひ一区切りにし、できる限り当時者に寄り添い、何よりも速やかなスイッチOTC化の実現をお願いいたします。以上となります。ありがとうございました。
○笠貫座長 ありがとうございました。それでは、続きまして資料1-4について北村構成員からお願いします。
○北村構成員 日本産婦人科医会及び日本家族計画協会の立場から出席しております北村でございます。この機会を大変感謝しております。
私の担当は、資料で36ページというところからでしょうか。ちょっと古いデータですけれども、世界で緊急避妊がどう扱われているのか、見てみましょう。
38ページ、世界での扱い状況です。
次のページ、薬剤師を介さずに店頭で購入可能とされている国は19か国、購入に当たり薬剤師の関与が必要とされている国は76か国となっております。
次を御覧ください。年齢制限があるか、ないかというようなことを含めて、カナダ、インド、ノルウェー、スウェーデンなどの例をお示ししました。御覧のように、緊急避妊薬を制限なく入手できる国もあります。ノルウェーのように、スーパーやガソリンスタンドで買える国さえもあるわけです。
次です。だからといって、我が国も自動販売機で緊急避妊薬を扱っていいとは考えていません。国の教育の違い、国民のリテラシーの違いなどがあるからです。そんな一例を、私どものLINE相談から御紹介しましょう。
次です。ここに挙げた3つの事例は決して特殊なものではなく、妊娠不安が女性たちにとってどれほど深刻なのかを物語っています。しかし、ざっと御覧になられてお分かりのように、妊娠に対する知識も意識もないままにセックスしているなという印象です。これが、ごく普通の日本人の実態ではないでしょうか。彼らのリテラシーをどのように高めていけるか、緊急避妊薬のスイッチOTC化が進もうとしている今日、薬局薬剤師の手腕が試されています。
次のスライドです。個人的な体験ですが、こんなことがありました。2011年2月23日、私の還暦の誕生日に承認された緊急避妊薬、その半年ほど前に先進国での緊急避妊薬の販売状況を調査しに行ったときのことです。フランス、パリではBPC(Behind the Pharmacy Counter)と言いますが、薬剤師の背中にある戸棚から取り出された緊急避妊薬を簡単に入手できました。しかし、イギリス、ロンドンでは一騒動がありました。緊急避妊薬を求めた私に対して、あなたには売れないと言うのです。理由を聞けば、あなたは男性であってこの薬を飲む当時者ではない。男性はこれを飲むように女性に強要する危険性があるからだと。私だって日本の代表選手のような気持ちで行ったわけですから、簡単に引き下がるわけにもいかず、つたない英語でやりとりをしたわけですが、結果は変わりませんでした。仕方なく、ツアーに同行していた女性に依頼して入手をしてもらうことにしました。彼女の話によれば、小さな部屋に通されて緊急避妊薬の作用機序、副作用、問題点、その後の避妊法選択などの話をされた後に入手できた。これだと本当に思いました。幸いにも、日本産科婦人科学会編の適正使用指針の作成に携わらせていただいていた者の一人として、このシステムを遵守した指針を生かそうとしたのは当然です。これが緊急避妊薬処方に際しての原体験として、今も私のこだわりになっています。
次です。その一つ、これが面前服用に関することです。
次です。先ほど御紹介した「緊急避妊法の適正使用に関する指針」ですが、この4月に改訂版を出しています。その中でも、面前服用を勧めています。
次です。性交から緊急避妊薬服用までの時間と妊娠率を見ますと、早ければ早いほど避妊効果の高いことが分かります。
次を御覧ください。排卵後では無意味なのです。ですから、The sooner the better、これも面前服用を推奨する理由となっています。
次を御覧ください。ごく一例ですが、御紹介しましょう。「なりすまし」がありました。緊急避妊薬の研究の目的で、超音波を使って子宮内膜の厚さを測定させてもらっていた時期がありました。診察台に上がってもらおうとしたそのとき、発覚したのです。面前服用が原則ですから、その友人はひとまず帰って当時者が来院したことがありました。彼は妊娠の継続を現段階では決めかねているので、面前での服用を拒否した女性がいました。「結論はいつ出るの?」と聞くと「わからない」と、御本人は妊娠の継続は無理だと思っているのですが、一縷の望みを彼にかけていたのでしょうか。時間ばかりがたったら避妊効果が落ちることを説明し、処方できないとお断りしたことがあります。彼女が仕事で忙しいとの理由から、男性が取りに行っていいかと、「相手がどうしても産みたいと言っているのだが、僕には自信がない」とばかりに、服用を女性に強要する危険性があるかのような事例もありました。
次です。薬局に緊急避妊薬を求めてやって来られる方には、スライドにありますように多様性があります。服用すれば妊娠しないと思っている。たまたま知り合った男性や所属している性風俗の人などに強要されて、強く勧められて入手の手段を求める。繰り返し何度も服用する女性。明らかに人の代理で来たと思われる人。性風俗の勤務者で、あらかじめもらっておきたいと言っていた女性。その一方で、薬剤師側の未熟さは失礼ながら否定できませんので、薬局薬剤師は安全の確保、犯罪防止を視野に入れながら配慮ある体制が求められています。最近話題になったストーカー殺人事件で警察側の対応が追求されていますが、緊急避妊薬を使ったのに妊娠してしまった、産んでしまったが殺してしまったということがないように、ひたすら祈るばかりです。
さて、まとめてみましょう。第1に、日本産科婦人科学会は2011年以来、面前服用を推奨してまいりました。第2に、できるだけ早く服用してもらわないと効果が落ちます。これは、厳然とした科学なのです。第3に、面前での服用によって、処方する医師・薬剤師の責任が軽減されます。「飲んだ」「飲まなかった」のトラブルは後を絶ちません。第4に、面前服用は人権侵害だと主張したり、男性薬剤師の面前での服用を屈辱的だと問題視したりする声があることを承知していますが、プロである薬剤師が販売しようとしているのですから、面前服用が屈辱的だというのは薬剤師に対して失礼ではないでしょうか。目の前で飲む姿を見られることを屈辱だとお考えなのであるとしたら、医療自体が成り立ちません。歯医者に行って口を開けるのと、どう違うのでしょうか。薬局での体制整備や情報の公開などにより、女性薬剤師を選択できる仕組みをつくるなども一考ではないでしょうか。薬局薬剤師として対応困難事例だと思われることがあったら、何度も修羅場をくぐり抜けてきた近隣の産婦人科医を頼ってください。
年齢制限ですが、私は不要だと考えています。以前、ある弁護士とこの点について議論したことがありました。親の承諾がないと中絶手術を受けられないという具体的な年齢が明記されている法律はありません。「子ども」に法律行為能力、同意能力、事理弁識能力があれば、医療契約は成立すると考えられています。冗談っぽい話になりますが、親の保護下にあると思われる若者に緊急避妊薬を渡す際、太陽は東西南北のどちらから昇るのか、そしてどちらに沈むのかと聞いてカルテに残してきました。これに答えられれば、薬局を含めた医療機関受診は自分で決めていいことになります。
次のスライドです。しかし、年齢制限は不要ですが、中でも若い世代には背後に暴力などの問題が隠されていることが少なくありません。そのため、私などは緊急避妊を求めてきた女性が診察室に入るときから、首に絞められた跡がないか、リストカットはないかなど、瞬時に見極めることを忘れていません。そんな緊張感をもって緊急避妊薬が処方されていることを皆さんは御存じだったでしょうか。性交同意年齢が16歳未満になってはいますが、そんなものはお構いなしで暴力を続ける相手がいる以上、年齢制限などもってのほかなのです。むしろ他の国がそうであるように、10代の女性には無料で緊急避妊薬を渡せるような福祉的サポートが我が国には必要なのです。緊急避妊薬のスイッチOTC化を進めるということは、それに伴う不測の事態に対処できる教育や福祉政策を整備することを急いでください。それまでは緊急避妊薬を扱おうという薬局薬剤師には相当な覚悟が必要です。もちろん、私たち産婦人科医はこのような事例にどう対処したらいいかの経験が豊富ですので、いつでも連携していきたい。
次です。親の同意、要りません。親の保護下にある若者が緊急避妊薬を求めてきた際、どう対応するか。以前、こんなことがありました。
次です。いつものとおり、緊急避妊薬を面前で飲んでもらった上にピルも持たせて帰したのですが、事もあろうに、うちのクリニックの薬袋が彼女の机の上にあって母親からの問合せがありました。私たちには医療従事者としての「守秘義務」があるものですから、安易なやりとりはできないこと、娘さんと相談されて御一緒に受診されたら納得のいくまでお話しをさせていただきますとお答えしました。リアル診療での医療者としてのマナーが問われる一面です。これは当然、薬局薬剤師にも向けられる課題なのです。対応に苦慮されることがありましたら、近隣の産婦人科医にいつでも御相談ください。
次です。緊急避妊薬服用後に産婦人科受診が必要かですが、答えはイエス、これも私のこだわりなのです。そんな面倒くさいことをやっていられるかという国民の声が大きければ、いささか冷たいようですが、「そうですか、あなたの将来を考えてのことなのですが、残念ですね」、と答えざるを得ません。私が緊急避妊薬服用後3週間ほどで産婦人科を受診してほしいと願っているのは、緊急避妊薬の作用機序には排卵を抑制したり遅らせたりするという科学があるからなのです。
次です。緊急避妊薬を扱う際に常に心がけておかなければならないこと、それがこれです。緊急避妊薬はきっかけであって、決してゴールではないことを知らせる機会としたいのです。
次です。緊急避妊薬を服用した後に性交があると、妊娠回避率が有意に低下します。言い換えれば、妊娠しやすくなるということは一目瞭然なのです。緊急避妊薬の添付文書にも、本剤投与後も妊娠する可能性があるため、適切な避妊手段を指導することと書かれています。
次です。緊急避妊薬を服用した場合の妊娠を回避できる割合を妊娠阻止率といいますが、性交後、過去3日以内に緊急避妊薬を服用した場合には84%、1年間毎日服用した場合のピルは99.7%となっています。したがって、私どもは緊急避妊薬からピルなど、より確実な避妊法への行動変容を促すことを常に心がけてきました。販売価格の問題もあります。法外な費用を徴収しているサイトが見受けられますが、スイッチOTC化によって価格の低廉化、統一化が可能になるのではないかと期待されています。
緊急避妊薬のスイッチOTC化がスタートした際、何が起こるか、問題になるかをまとめてみました。
次のスライドです。申請から10年間ほどかかった緊急避妊薬の承認を求めてきた者の一人ですが、緊急避妊薬のOTC化を推進する産婦人科医としての私見を述べさせてください。皆さんはどう思われますでしょうか。緊急避妊薬を可能な限り早く服用することは重要で、アクセスのしやすさは喫緊の課題だ。でも、アクセスのしやすさの改善だけでいいのか。緊急避妊薬の服用で、その後の性交で妊娠の可能性を高める危険性があることを事前に説明する必要がある。緊急避妊薬はスタートであってゴールではない。その後の避妊指導をどうするか。
次のスライドを御覧ください。ドイツでの経験ですが、スイッチOTC化がスタートしても、誰も彼も薬局に行くとは限らないという報告です。医療機関が休診している土日はOTCに頼り、それ以外の曜日は処方箋を求めて医療機関を訪ねるというのです。アクセスのしやすさを優先させるだけではないことが分かります。我が国でも近い将来、このようなデータを出したらいいなと切に望んでいますが、果たしてどうなっていくのか。
次のスライドです。これは緊急避妊薬のスイッチOTC化が進んでいる米国の経験です。7年間で緊急避妊薬の使用が2倍近く増加した。ピルの服用者、男性コンドーム使用者でも緊急避妊を使用した割合が2倍近く増加した。一方、減少したのは医療機関受診、避妊法のカウンセリングを受けた割合などで、我が国も実はその例にたがわない結果が出るのではないかと危惧しております。しかも、我が国特有のコンドーム避妊法が減って緊急避妊薬を求めるという時代が訪れないか、いささか心配であります。
次のスライドです。緊急避妊薬の議論が続いていますが、リアルか、オンラインか、OTCか、しかし、私としてはさらにその前にしてほしいことがあります。
次のスライドです。赤枠内に入っている受診理由は、事前に確実な避妊法が選択されていたら緊急避妊を必要としなかった可能性があります。私は、僻地での医療向上を目指して創立された自治医科大学の第1期卒業生です。そのためか、産婦人科医が近くにない僻地で診療に当たっている後輩から、緊急避妊薬を常備したいとの相談がしばしば寄せられます。大切なことです。でも、もっと大事なことは、緊急避妊薬に頼ろうとする方には事前にピルを渡すようにアドバイスしよう、これが私の後輩医師に向けた助言です。皆さんはどう思われるでしょうか。
次のスライドです。緊急避妊薬のスイッチOTC化を前進させるために今、何が必要か。私自身はこう考えています。日本特有の方法だと揶揄されようとも、それを恐れずに試行錯誤を繰り返しながら前へ前へと進めていく。これが今、必要ではないだろうかと思っております。謝辞はスライドに代えさせていただきます。ありがとうございました。
○笠貫座長 ありがとうございました。それでは、構成員の方々から御意見を伺いたいと思います。
○富永構成員 薬剤師が大分出てきましたので、私がまず最初に口火を切らせていただきます。北村構成員、どうもありがとうございました。私は励ましだと思っております。薬剤師会、薬剤師、もっと頑張れ、そしてこのスイッチOTC化を進めていくと、そういう話だと思っております。それで、今回の調査研究事業でやはり産科との連携は深まったと思います。様々相談をしたということがございますし、敷居の高かった部分に入っていっていろいろ勉強できたというか、経験できた。もちろん利用者に対してもそういういろいろな対応をしましたので、今回の調査研究事業は有意義だった、今後も続けていきたいとは思っております。ただ、先ほど面前服用の話がありましたけれども、この調査研究事業でも薬剤師が服用後、確認できる状態で服用していただいておりますので、先ほど申されましたけれども、避妊効果の面からも、犯罪防止の観点からも必要だと考えております。それで、まずはここからだと、面前服用から始めて我々も育つ、利用者も育ってヘルスリテラシーが上がっていった時点でまたそこを考えるということでいいかと思っております。それともう一つなのですが、先生から言っていただきましたが、年齢の制限、それと保護者の同意も求めない。それは必要だと薬剤師会側は思っているところです。年齢の制限は要らない。それで、私は学校薬剤師部会の部会長をやっておりまして、子供たちを取り巻く環境は今、大変な時期にある。例えば、不登校とかリストカットとおっしゃいましたけれども、自傷行為とかオーバードーズとか虐待、貧困、そういう増加傾向の中でもやはり性の問題、これが喫緊の課題で、やはり売春も含めて生徒間の交際等においては成人と違って中学生では全て、高校生でもごく一部を除いて希望した妊娠ではなくて偶発的、あるいは知識の不足による妊娠であって、出産すれば社会の中で家族を形成し、維持していくことも困難な場合も多い。やはり緊急避妊が望まれることとなります。ただ、人工中絶による体とか心の苦痛と後遺症は想像以上のものがあって、学校での性教育による妊娠そのものを避ける対策と、緊急避妊薬の提供が必要となると考えております。また、児童、生徒らが親から虐待とはいかないまでも十分に保護されていない場合もあって、本人の意思による緊急避妊が必要だと考えております。もちろん、薬剤師の長年の患者対応の経験から気づきによって子供が十分保護されているかどうかを確認するとともに、メンタルケアが必要だと考える場合はやはり医療につないだり、精神保健センター等につないだりすることになるかもしれません。それで、今回の調査研究事業で本人の確認はもちろん、状況確認、事故防止ができていて、さらには児童、生徒の現在と未来の保護にやはり薬剤師も貢献したい。そこで、年齢制限をなくし、親の同意なしで緊急避妊薬の提供を認めていただきたいと思うところです。それで、今回の調査研究事業を通じて思うことは、もう少し薬剤師を信用していただきたいと思うところです。北村構成員、ありがとうございました。以上です。
○笠貫座長 北村構成員どうぞ。
○北村構成員 北村です。ぜひその気概を持って取り組んでいっていただきたいと思っております。
○笠貫座長 宗林構成員、お願いします。
○宗林構成員 岐阜医療科学大学の宗林です。今日、せっかく参加していただいた若い染矢構成員と福田構成員にお聞きしたいことがございます。この面前の服用ということについてなのですけれども、私たちはこれを、少なくとも私は避妊しない性行為を促進することがないように、本当に困ったときだけきちんと飲めるということを死守したいということで、安全策を取ったほうがいいのではないかと思いました。それで面前服用ということにしたのですが、そこで1つお聞きしたいのは、今はそこで飲むものというのはこれだけなので、あの人が飲んでいるわとなったら、あれはこれだわという話になるのかもしれませんけれども、それは半個室だったり、見えるところだったりするケースもあるかと思うのでそういうことがあると思うのですが、完全に見えないような環境できちんと分離されたところで落ち着いて飲めるのであれば、それはかなり皆さんの中でのストレスとしては改善されるのかということが1点。それから、皆さんが御紹介された中では、これを面前服用しなくてそのストックで持って行っても、避妊しない性交が増えないというようなことがあるんだよというようなお話がありましたけれども、皆さんの実感として今の日本において本当にそうなのか。性交の前にこれを飲ませるみたいな話もちょっと出ていましたので、その辺りもちょっと不安に思ってはいたのですが、その辺りで2点いかがでしょうか。
○笠貫座長 染矢構成員、お願いします。
○染矢構成員 緊急避妊薬を薬局でプロジェクトの染矢です。御質問ありがとうございます。まず1点目の個室などであればプライバシーの保護の観点から面前服用でもいいのではないかという意見ではあるのですけれども、先ほどのアンケートでいただいた声からも、むしろ個室で1対1で飲まされるというところに心理的負担や、恐怖感、不快感を感じるという事例も考えられるかなということと、あとは私たちがいただいた声の中では、薬の服用が苦手でゼリーとかアイスを使うという場合もあって、そういったときに自宅に帰って安心して飲みたいというニーズもあったかと思います。それで、先ほど北村構成員が緊急避妊薬の服用に関して、病院では基本的に面前服用されているということだったのですけれども、こちらの新しいガイドラインを拝見させていただいたのですが、確実に1錠服用する。できる限り速やかに服用するように指導することとあって、面前服用という記載はこのガイドライン上にはないものなんです。ですから、確実性の担保という意味では面前服用以外の選択肢であったりとか、その薬剤師さんに任せたりというのも一つではないかということは考えております。もう一点、実際に性交の前に飲むとか、毎回ふだんの性行為の避妊用として緊急避妊薬を使うということが日本で本当に起こらないのかどうかという点ではあるのですけれども、ほかの国でも実際に事前供給をされた場合もリスクのある性行動は増えなかったということは複数の調査で言われているということもあります。ただ、一方で、性教育であったりとか情報提供として、普段の避妊法には向かないものであるであったりとか、性行為の前に服用したりとか、飲んだ後で排卵を遅らせる作用があるので妊娠しやすい状況にあるというところは併せて啓発をしていく、情報提供していくことは必要ではないかと思います。
○笠貫座長 ありがとうございます。追加ですね。福田構成員、どうぞ。
○福田構成員 少し追加なのですけれども、ありがとうございます。個室という点でさっき言ったことに追加なのですが、では個室がない薬局では扱えないというふうにしてしまうと、結果的に扱える薬局というのはすごく減ってしまうと思うんです。ですから、個室があるよというのは選択肢としてすごくいいなとは思うのですけれども、それを条件にはしないでほしい。今回の厚労省の調査研究事業結果の中でも、必ずしも別に必要でないのではないかというような結果だったかと思うので、あくまでも選択肢でいいのかなとは思っております。それで、やはり日本というのはコンドームが主流という国なので、本当に避妊の失敗というのは誰にでも起こり得るもので、私たちの調査でも毎回圧倒的に緊急避妊が必要になった理由というのはコンドームが破れてしまったとか破損なんです。誰にでも起こり得ることで、それを変えたいのであれば例えば低用量ピル、日本では避妊用は保険適用ではないですけれども、ほかの国では一般的に保険適用だったり、若者には無料だったり、緊急避妊薬を制限することによって行動変容を望むのではなくて、ではほかのピルだったり、より確実なもの、北村構成員もピルのアクセス向上のお話をされていたと思うのですけれども、ミニピルとかも海外では薬局で売っていると思います。そういったところを変えていくことによって、緊急避妊薬に依存しないという形はできると思います。ただ、繰り返し服用しても健康には問題ないということはWHOでも言われているのは付け加えたいと思います。以上です。
○笠貫座長 ありがとうございます。追加ですか。
○北村構成員 はい。北村ですけれども、面前服用がそんなに難しいことなのか。2011年に承認されて以来、十数年間にわたって面前服用を求めてきました。そこでトラブルが起こったということが、私にはあまり記憶がないんです。それで、昨日もちょっと産婦人科の仲間を集めて、今日こういう会議があるからどうだと言ったら、実は1,000件くらい緊急避妊の処方経験を持っている福島県郡山市の開業医がいるのですけれども、「私は1,000例全部面前服用です。それで、面前服用を拒否した人には出していません」と、非常に自信たっぷりに言っていまして、私は案ずるより産むが易しのような感じがしてならないんです。
○笠貫座長 ありがとうございます。堀構成員、お願いします。
○堀構成員 ありがとうございます。COMLの堀と申します。私はやはり面前での服用、北村構成員がおっしゃっていたことを支持したいと思います。しかしながら、今、染矢構成員や福田構成員から、対面で服用する以外にも、もう少し枠を広げての服用を承認できるというお話ができたことは非常によかったのではないかと思います。ただ、やはり72時間ということを考えますと、どうしても薬局から持ち帰ってしまうと、かえって不安になってしまう。これを実際に飲んだらいいかどうかということは、ちゃんと知識のある方だったら分かるんですけれども、結局はいろいろな状況の中で精神的に不安定で、そして薬局から持ち帰って飲んでくださいと言われても、そこで戸惑ってしまう。そういうことを考えた場合、面前という形、または個室というような形、今のやり方を少しずつ変えていくような形でありながらも、やはり薬局でもらったときに飲むということは非常に大切なことではないかと私は思います。あともう一点なのですけれども、どうしても今回、面前服用のお話に焦点が当たりがちなのですが、先ほど北村構成員、染矢構成員、それから富永構成員も、年齢制限を撤廃したほうがいいとおっしゃっておりました。そこに関してちょっと私は意見があり、お尋ねしたいことがあるのですけれども、例えば年齢制限がなくなった場合、生理がもう始まって妊娠の可能性がある例えば小児の購入に関して、親の同意もなくなったということであれば、その子たちがお年玉を握りしめて購入に来たときに、どういうふうに条件をつけ、その子たちに対応したらいいかということは非常に重要なことだと思います。皆さんおっしゃっているように、現在の我が国では性教育に関してはかなり遅れていると思いますし、性行為ということ自体、それが実際に性行為なのかどうかということも何も教わっていないので、それがどういうことなのか、小児では分からない子もいると思います。そういうふうな状況の中、そして不安で仕方ない中でどうしたらいいかというときに、そのシェルターがもしかしたら今後薬局になっていくのではないかと私は思っております。現状では、アクセス方法、例えば、厚労省から日本薬剤師会が受託して作成しました試験販売の情報源を確認したのですけれども、非常に説明が難しいです。特に小学生、12、13歳の子たちが読んでも、何を言っているんだか分からないと思いました。その小児が購入にきた場合、薬局に来たときに、薬剤師が今以上の心のケアそして知識を供与することや、より分かりやすい資材の提供、そういうものを考えない限り年齢の撤廃というものは難しいと思いますが、北村構成員はいかがお考えでしょうか。お願いいたします。
○笠貫座長 北村構成員、お願いします。
○北村構成員 北村でございます。例えば同意の問題とか、私も実はピル承認の歴史の証人として生きてきました。かつてこの議論を国会でしたことがあるんです。それで、ある国会議員は、10代の若者にピルなんか処方するのはいかんぞと、こうやって主張しました。WHOも禁止していると言うものですから、ちょっと待って、WHOが禁止しているなんて事実はないよと、このようなやりとりをしたのですけれども、私はそのときにその議員に対して、「もし仮にあなたがこの議論をいつまでも続けるのであるとしたら、国としてセックスするか、しないかの同意を取るような法律をつくりなさい」と、こう私は申し上げたんです。要するに、セックスをするか、しないかというところで親に同意を取っているわけではない中で、その後に起こった事例に対して、仮に若年者であろうとも、お金を握りしめても、緊急避妊薬が必要なんだと来局する。私はむしろ褒めることはあっても責めることではないだろうと思っております。ただ、先ほど委員が言われたように、私は十分理解していないのですが、薬機法の改正というものがあって、薬剤師の役割というのがかなり大きくなったということを認識しておりますけれども、先ほど来申し上げましたように、薬剤師がそのくらいの気概を持って対処できるという時代をぜひ創ってほしい。しかし、私はそうそうできるようには思えないので、それならばどうぞ修羅場を生きてきた医療機関、産婦人科医、そこと連携しながらうまくやっていったらいいんじゃないかと思います。年齢の問題は、私は先ほど申し上げたように16歳未満が性交同意年齢だからというのですけれども、16歳未満であることを承知しながら暴力を振るう輩がいるのです。そして、その被害に遭った人がいる。その被害に遭った子たちが親の同意を得て、要は緊急避妊を求めるかというと、私は求めるとは間違いなく思っておりません。16歳未満のいわゆる性交同意年齢ということが当然縛りになるとは私には思えないんです。それも薬局薬剤師が苦慮することがあったら我々がいますから、どうぞ御利用いただけたらと思っております。
○笠貫座長 松野構成員、お願いします。
○松野構成員 日本保険薬局協会の松野と申します。
○笠貫座長 発言の途中ですが、先ほどの続きでしたら、染矢構成員お願いします。
○染矢構成員 順番をお譲りいただき、ありがとうございます。緊急避妊薬を薬局でプロジェクトの染矢です。先ほどの若年者の中でも、特に小児・子供が求めてきた際にどうしたらいいのかという問題なのですけれども、例えばそういったケース、性暴力被害である可能性は高いと思いますし、性交同意年齢以下の子供たちのケースもあると思うのですが、まず性暴力被害者ワンストップ支援センターであったり、そういう性暴力の相談先の認知度であったりとか、性暴力を受けたかどうかというところの知識がまだまだない子供たちというのがほとんどかと思います。そこで、まず身近な薬局で緊急避妊薬を求めるようなことがあったということは、むしろそういう性暴力や虐待の事実に気づいて支援とつながる窓口に、間口を広げるということになっていくと思います。その中で薬局に求める役割として、そういう子供たちを地域の中で、例えば地域の産婦人科につないだりとか、ワンストップ支援センターと連携したりとか、警察と連携したりとか、そういうことが出てくると思うのですけれども、ぜひそういったところを身近な薬局で安心して相談できる場所として期待したいと思っています。あとは、海外ではユースクリニックであったりとか、若い人専門のクリニックであったりとか、若い人が看護師に相談が気軽にできる場所が充実しているということもありますので、今回の薬の承認、分類というところとはまた別軸の議論になるかとは思うのですけれども、そういったことも併せて検討が進むことを望みたいと思っております。
○笠貫座長 ありがとうございます。それでは、松野構成員、お願いいたします。
○松野構成員 御説明をいろいろありがとうございました。ようやくここまで緊急避妊薬の議論が進んできたという点では、一番優先するべきは、この薬のスイッチOTC化を早急に実現することだろうと思っております。その上で、やはり今までのお話を聞いていましても、私どもの現場の経験からも、対面から始めて段階的に間口を広げていくことで、より対応しやすい環境を整えていくことが、現時点では最も適しているということが、まず1点目です。次に、対面で服用するということに非常に抵抗感があるということなのですが、薬局では対面で服用する以外にも、例えばインフルエンザの吸入薬でも目の前で使用していただきながら指導を行うこともあります。個室の有無にかかわらず対面で何か行うということは現場ではある程度対応可能な業務だなと思っておりますので、そこは問題なく対応できるというふうに考えております。ただし、北村構成員の、プロである以上、男性でも女性対応すべきとの御意見も理解できますが、現実的には、婦人科系の薬を男性薬剤師に対応されるのは非常に緊張や不安を感じるという声があるのも事実です。私たちがプロとして対応しているつもりでも、利用される側からすると女性がいいということがあると思いますので、そこは利用者が選択できる環境をつくる必要があると思います。2点目として、私は年齢制限は不要というところも賛成ですし、価格については、5,000円は高いとやはり思いますので、価格は下げるべきだと思います。最後に、この薬が新しく薬機法が改正されて特定要指導医薬品位置づけられるのが最も適しているのではないかと思います。以上です。
○笠貫座長 佐藤構成員お願いします。
○佐藤構成員 産経新聞の佐藤です。御説明ありがとうございました。染矢構成員に1点お聞きできればと思います。対面で飲んでもらわないことにした場合、本人でない人に渡るリスクについてはどのようにお考えでしょうか。
○染矢構成員 緊急避妊薬を薬局でプロジェクトの染矢です。本人以外の人に渡るリスクというところで言うと、完全にないとは確かに言い切れないと思います。ただ、必要な人が入手できる、アクセスのハードルを下げるということによって、それはアクセスにハードルを感じている人がいるからこそ起こっている問題であって、そこのアクセスのハードルが改善していくことによって、必要な人が必要なときに入手できるというふうになっていけば、購入する本人と違う人に行きわたる状況ということ自体が少なくなるのではないかと考えます。
○笠貫座長 北村構成員、関連ですね。
○北村構成員 だからこそなんです。だからこそ、まさに前へ前へ進める前提の中では、私は試行錯誤があってしかるべきだろうと思います。まだ染矢構成員が言われるような状況がまだ、日本の中に出来上がっているようにはどうしても思えない。私はそういう意味で、しばらくこのことを進める過程の中で変えるべきものは変えていくという、先ほど構成員が言われたような考え方は、私は非常にいいアイデアではないかと思います。
○笠貫座長 佐藤構成員、お願いします。
○佐藤構成員 御回答ありがとうございました。私自身は薬剤師が対面で販売し、その場で本人に飲んでもらうことが必要だと考えています。この国においては、性交渉であるとか避妊であるとかの決定権が、どのカップルでも男女フェアに行われているかというと、大変疑わしいと思っています。もちろんフェアな意思決定をするカップルもたくさんいると思いますが、一方的に男性が決定するというカップルもまだあるのではないかと思います。低用量ピルの利用が依然として低いことはその一つの表れではないかと思います。行政の承認がとても遅れたというのも一つの原因ではないかと思っておりますが、そういう国においては販売や流通時の配慮は重要で、対面で販売し、その場で飲んでもらわないことによって、誰かに飲ませたい人に売るリスクは避けたいと思います。それは、男性のほうが圧倒的に優位に性交渉をすることや、避妊することの決定権を持っていないカップルの女性を守りたいと思うからです。ですので、私はその場で飲んでもらうことに賛成です。個室で男性薬剤師と二人になるのは怖いであるとかいったことに対する配慮はできるようにしたほうがいいと思いますし、例えばこの薬局では、こういう形で飲めますよ、という情報提供は丁寧にしてほしいと思います。また、先ほど薬局の数についての御提言もありましたが、ぜひ中学校区に1つくらいの数の薬局で扱えるようにしていただくと同時に、どこの薬局に行っても、あそこに行けば手に入る、ということが分かるようにしていただければと思います。あとは、ちょっと課題に挙がりました年齢と親の同意については、私は必要ないと思っています。制限をかける必要はないと思っています。以前、この場で発言しましたときと、同じ意見ですので省略させていただきます。あとは、事後の受診なのですけれども、事後に受診するというよりも多分検査薬を使うのが一般的かなと思っておりますが、薬の効果、避妊が達成されたことを確認するためではなく、低用量ピルを使うことのためにというか、緊急避妊薬を常用するのではなくて、低用量ピルを使うことのために受診していただけるような声かけを、薬局でしていただければと思います。以上です。ありがとうございます。
○笠貫座長 ありがとうございます。平野構成員、お願いします。
○平野構成員 日本チェーンドラッグストア協会の平野でございます。この問題の本質は、やはり望まない妊娠をした女性をいかに守るか、これが何よりの中心であると思いますので、その点から考えれば年齢の問題、親の同意の問題、これは必要ないと私も思うところでございます。いかにそのアクセスを高めるかというのが、私たち現場をあずかる者の仕事でもあると思っています。ただ、そうはいいましても皆さんの御意見は多々あるわけですが、100%の解決というのは必ずしもあるわけではない。そこで解決すべきは、まず基本的に性教育という問題が5年前からずっと言われているにもかかわらず、実は2年前に文部科学省の方が来て性教育についての御報告をいただきましたけれども、そのときの報告というのは結局、文科省というのは学習指導要領をつくる役所であって、認可はするけれども検閲はできない。採用するのは自治体であって、教え方は教員が考えるんだと。ということは、何も責任を負わないんだ。現実に多分、学校教育の中で本当に必要な性教育が行われるような気が、その報告を聞いて私はしなかったんです。実際問題、学校で教えるというときに、いかに性行為がどんなものであり、子供がどうやって生まれるのかということについては教えるのでしょうが、望まない妊娠をしたときにどうするかということを学校が教えられるのか。最近、モンスターペアレンツなどという問題もあるので、なかなか多分難しいんだろうというところも現実問題として思うわけです。もちろんやってほしいんですけれども。では、そこをどうやったら補完できるのかということを考えたときに、実は私たちはドラッグストアを抱えています。ドラッグストアというのは、店頭に非常に多くの女性が見えている、あるいはアプリで非常に多くの会員を抱えている。そしてまた、もちろん日本薬剤師会、保険薬局協会と一緒に薬局、ドラッグストアという場から可能性のある利用者としての女性に必要な情報を出していくべきであると思うんです。ただ、無責任な情報をばらばらに出されたのではいけない。ネット上にある情報と同じになってしまいます。ですから、北村構成員、染矢構成員、福田構成員にお願いをしたいのですが、日常の教育としてまず何を伝えるべきなのか。そして、いざ望まない妊娠のリスクを抱えた方に何を伝えるべきなのか。それが当然間違いでなく、かつ分かりやすいものとして、そのようなコンテンツを一緒につくっていただけないだろうか。それを発信していくということが、時間はかかるかもしれませんが、実は種々ある問題の解決になっていくのでないかと思います。取りあえず、今日の段階でこんなことをというヒントがもしいただけましたら、そのように私たちは早速動き出したいと思いますし、最終的には一緒にタッグを組んでそんなコンテンツをつくらせていただきたいと願っております。いかがでしょうか。
○笠貫座長 染矢構成員、お願いします。
○染矢構成員 緊急避妊薬を薬局でプロジェクトの染矢です。大変ありがたいお申出をいただいて、ありがたく思っております。インターネット上で見られたり、アプリの上で見られるコンテンツとして発信していくというのは大変重要なことだと思いますし、私たちも協力させていただけたらと思っています。また、使用する若年者だけではなくて、その保護者世代に当たる方とか、または薬局、ドラッグストアで働いている方々に向けても、もし聞かれたらどういうふうに答えていったらいいのかというふうなニーズもあるかと思いますので、そういったことも併せて進めていけると、よりよいのではないかと思っております。
○北村構成員 北村です。ありがとうございました。大変大事な御提案だろうと思いますが、文科省の方がどういう話をされたのか、私は十分認識していませんけれども、私は日本で使っている教科書をつぶさに見たら相当いいものがあると思います。こんなことをここで言っていいのかどうか分かりませんが、私も保健体育の教科書の執筆者でございまして、相当ないいものを用意しているという自負心がございます。さらに加えて教師用手引というものがありまして、これは高校生のためなのですけれども、これなどは1項目について1万字書くんです。これを本当に学校の先生がお勉強をされたら、医学部教育にも匹敵するような内容だろうと思います。それを使われていないのかどうか。さらに加えて、実は執筆者には課題がありまして、各項目について15分間のYouTubeを提供しているんです。この辺りを考えると、日本もまんざらではないな、包括的性教育が不足しているなどということが話題になっているけれども、改めて身近なところにある教科書などにもっともっと目を向けていくことが必要なのではないだろうか。さらに、染矢構成員辺りがいろいろインターネットなどでも情報提供していますけれども、それだって宝の持ち腐れに近いような状況が私はあるように思えて、そういうものを折に触れてどうぞチェーンドラッグのほうから情報提供していっていただくことが必要なのではないでしょうか。これを御覧くださいと。うちが行っているようなLINE相談では常にそれをフィードバックできるような、提供できるような形を取り続けていますけれども。
○笠貫座長 宗林構成員、どうぞ。
○宗林構成員 先ほどはちょっと質問しただけだったのですけれども、私はやはり個人のリテラシーも大変差があり、また年齢制限をある程度撤廃していく可能性もあるのであれば、例えば性交渉であったのか、なかったのかという判断についても曖昧だと、北村構成員の資料を見ても、レベルが低いものもございますよね。ですから、対面で服用するということをやっていくことがまず最初は必要だなと思います。そして、これは先ほど吸入器の吸い方もやるよねというお話がございましたが、今、御出席の方々はこれについては詳しいかもしれないけれども、これから先はもっと薬剤師さんと相談しながら服用とか、本当に自分に適しているかどうかというものをOTCの中で見極めていくお薬というのも、こういうことができれば一つの皮切りになっていろいろなことを相談しながら安心して、これは自分にとって必要なものだということを確信したり、納得して服用していけるようなOTCが増えるのではないかと思いますので、そういう意味も含めて、最初はこれは面前で服用したらいいのではないかと思います。以上です。
○笠貫座長 ありがとうございます。渡邊構成員、お願いします。
○渡邊構成員 薬剤師の渡邊でございます。緊急避妊薬については、私たちはオンラインによる緊急避妊薬の勉強をずっとこの5年近くやってきていまして、たくさんの薬局でこの緊急避妊薬が全部置いてあります。厚生労働省に登録したところは必ず置いてあります。私なども、置いておいたものの期限が切れて、次の新しいものをまた置いています。そんな中で、決して薬局が何も持っていないわけではなく、今、調査研究事業の参加薬局にピックアップされないと薬局での販売ができない状態であったということで、そのプロジェクトの方々の文章を見ますと探して大変だったろうなとは思いますが、置いていないわけではないんです。ですから、どの薬局でも取り扱えるようになれば、しっかり近くの薬局から購入することができると思います。また、それに向けて毎回、産婦人科の先生をお招きして、お勉強もして、確認を取って、ちゃんと修了証をいただいて厚労省のほうに登録しております。そういう中で、先ほど薬剤師の面前服用を条件としないこととか、いろいろありましたけれども、まだ今のところ私はあったほうがいいのではないかと、不安に感じさせないように丁寧に優しくお伝えしながら、お守りするような形で飲んでいただけるように努力したいと思います。それから、必要な人全てに販売体制ができるよう、全薬局において全部の薬局が対応できるようにできたら一番いいのではないかと感じております。以上です。
○笠貫座長 ありがとうございます。宮園構成員、お願いできますか。
○宮園構成員 宮園でございます。地方におりますので、どうしても地方の者からの発信という視点はあるのですが、これだけ必要な方がたくさんおられるというのはありますので、本当に少しでも早く、手に入りやすい形で販売されていくことが大事だと思っているのですが、今の皆様方のお話の中で上がらなかった話題として1つ申し上げたいのは、福田構成員からお話のありました日本語が理解できない方にも買えるようにというのはすごく私は大事な視点だと思います。ですから、この辺りも考えていただきたいのと、例えばもし啓発の資料とか、説明の資料とか、相談窓口の案内をするのであれば、これも日本語だけでなく多言語でできるとか、そういった工夫もしていただいて、日本にいる外国人の方も安全な暮らしができるようになればと思っております。以上です。ありがとうございました。
○笠貫座長 ありがとうございます。堀構成員、どうぞ。
○堀構成員 ありがとうございます。COMLの堀です。今いろいろな御意見を聞いて、納得をするようなものもあり、またこれから検討すべきものもあると思いました。まず1つなのですけれども、先ほど染矢構成員、福田構成員から、薬局に対する事前の電話は不要ではないかという御意見があったと思います。そこに関して、薬局に対して電話をしてもつながらないという現状があったということでしたが、その場合に関しましても、結局どこの薬局に行ったらいいかということを本人たちが分からないということが問題かと思います。今、確かに数が少ない。339薬局しかない。でも、急に全部の薬局が販売できるとはちょっと私も難しいとは思います。その場合、もっとどこの薬局で購入できるかというような見やすい何か資材とか、ホームページとか、そういうものをつくらない限り、幾ら啓発活動をしたとしても購入する術が分からない。または、日曜日は閉まっているというようなことがあると、結局は購入しようと思ったのに駄目だったときの喪失感というのは非常に私も分かる気がしますので、ぜひそこの部分に関してもまた御検討いただきたいと思います。それで、私は先ほどの北村構成員の、「一挙に進めるのではなくて試行錯誤を繰り返しながら前へ前へ」というお言葉は非常にいい言葉ではないかと思います。確かに染矢構成員、福田構成員から、早急にこうしてほしいという御意見もあるとは思うのですけれども、本当にこの緊急避妊薬のスイッチOTC化をしたいということは全員の一致だと思いますので、少しずつ少しずつ前進していっていただけたらと思いました。以上です。
○笠貫座長 ありがとうございます。北村構成員、お願いします。
○北村構成員 多言語の話題が出ていますけれども、私は今日、実は日本家族計画協会の立場でもいまして、皆さんも御存じの母子健康手帳ですが、実は母子健康手帳にQRコードを置いておりまして、それをカメラで撮るだけで日本語を含めて11か国語を見ることができる。そういうものも実は開発しておりまして、私は決して難しいことではないと感じています。
○笠貫座長 よろしいでしょうか。福田構成員、お願いします。
○福田構成員 ありがとうございます。結構、薬局に電話しても、その薬局自体もどこで売っているか分からなかったりとか、そもそもこうやって調査研究事業をやっていることを知らないということがあるんです。ですから、スイッチOTC化したら本当に全国の薬局でちゃんと分かるように、そういう情報提供はぜひ厚労省さんにお願いしたいと思います。ただ、本当に条件をたくさんつけたことで扱えるとか、扱いたいと思う薬局が減ってしまったら本当に意味がないと思うんです。逆に、そうやってサポートできる薬局、場所が本当に増えれば、あらゆる若者を支えられる日本がやってくると思います。ですから、個室とかは条件にどうかしないでほしいと思います。面前服用になる感じかなということはちょっと感じるのですけれども、面前服用にすることで、私はそれだったら行けないなというふうになってしまう人がいるということはどうか忘れないで、改善はどうかし続けてほしいと思いますし、今日も大学で講義をしてきたんですけれども、学生さんから泣いて、頑張ってきてくださいというふうに言われたので、本当にこれで終わりにして次に進んでスイッチOTC化を実現してください。お願いします。
○笠貫座長 ありがとうございます。レボノルゲストレルの議論は、2017年からトータル12回目の会議になり、御意見がかなり出尽くしてきたと思います。本日も活発な御意見、ありがとうございました。
次のステップとして令和5年度と令和6年度の調査研究事業の結果も報告していただきました。また、男女共同参画計画2024、骨太の方針2024、女性版骨太の方針、それから女子差別撤廃条約における日本の審査等、国内にもとどまらず、WHOやEDAW等海外の背景により、2017年から大きな変化があったと思います。今日の議論の中でも面前服用、年齢制限、同意、価格、服用後の受診・検査、ピル、オンライン診療、性教育について、御意見をいただきました。評価検討会議は2016年に始まりましたが、2021年から、本評価検討会議の目的は変わりました。当初は可否を決めるため、原則、全員が御意見を述べて合意形成を図りました。2021年からは規制改革会議の指摘もあり本評価検討会議は可否は決めないで、課題と論点を整理して、対応策について議論し、整理するということで進めてまいりました。緊急避妊薬の一番大きな意味は緊急であることです。パンデミックは社会・世界のレベルの有事ですが、緊急避妊薬は個人にとっての有事だと思います。そういう意味で、ニーズとして望まない妊娠が全妊娠約75万人の4割を占め、人工妊娠中絶件数は約12万件という日本の状況は決して放置できないと思います。これまでの経過で緊急避妊薬の認知度は非常に高まり、性教育についても進んでいますし、ステークホルダー間の連携と連帯感が出てきたことは素晴らしいことと思います。処方箋医薬品からOTCへの移行に関する制度上の中長期的課題は、スイッチOTC化の大きな壁でしたが、改正薬機法によって改善されたことは大きな成果だと思います。また、6月には製薬企業からも申請が出されて、PMDAでも審査が進んでいます。これまで、本評価検討会議では、課題・論点を整理して解決策をまとめてきましたが、先ほど述べたニーズを考えれば、まずはスイッチOTC化に向けて第一歩を踏み出すことが大事だという御意見がほとんどだと思います。部会で、対応策の優先度と実現可能性を十分議論して、最終的には結論を出していただきたいと感じました。我が国では、女子差別問題は厳然として存在しており、国際的にセクシュアル・リプロダクティブ・ヘルス/ライツが大きく遅れています。国内、海外の状況も含めて、まず第一歩として実現できる対応策を線引きをしていただく時期だと思います。そういう意味では、調査研究事業は令和5年度、令和6年度だけではなくて令和7年度も継続するということですので、これまでの調査研究事業の結果も踏まえて、スイッチOTC化の採用という一歩から始めて、その後の環境の改善状況に応じて、対応策の見直しをしていただくことが必要になると思います。本日の個々の議論においても、意見の違いがありましたが、ここで議論を詰めることよりも、両論併記としてまとめ、皆さんの全体のお考えも踏まえて、進められたらと思います。そのような認識で、いかがでしょうか。平野構成員、どうぞ。
○平野構成員 日本チェーンドラッグストア協会の平野でございます。調査研究事業をもう一年続けるというのは意識になかったものですから、そうであるならば、これまでまずどこの薬局で買えるのかということがあまりにも分かりにくい。これについての一番の解決法は、個々のお店、その調査研究事業に携わっているお店が自ら広報をすることを認めていただくことかと思います。今は、そのサイトから入っていかないと見つけられないわけですよね。当店はその調査研究事業に参画しております、御活用くださいということを広報していくことが、何よりも利用者が認識できる方法の一つであると思いますので、そこをぜひ考えていただければと思います。
○笠貫座長 賛成ということでよろしいでしょうか。御意見が特になければ、この評価検討会議では、現時点の意見の違いを両論併記し、意見書を整理して薬事審議会の部会へ、承認の可否を審議する際に提出するということで進めさせていきたいと思います。よろしいでしょうか。
ありがとうございます。それでは、第1部は終了させていただきます。ありがとうございました。
○事務局 事務局でございます。今から5分程度休憩を取らせていただいて、再開は19時43分からとさせていただきますので、よろしくお願いいたします。
(休憩)
○笠貫座長 準備が整いましたので、第2部を始めます。よろしくお願いします。議題2の候補成分のスイッチOTC化の議論をするにあたって、関係する学会・医会より参考人の先生に御出席いただいておりますので、御紹介します。日本泌尿器科学会より深貝隆志先生、横山みなと先生、日本臨床泌尿器科医会より斎藤忠則先生、日本性機能学会より中島耕一先生に御出席いただいております。よろしくお願いします。また、本成分の要望企業であるエスエス製薬株式会社及び要望企業が推薦する専門家である佐田政隆先生にも御出席いただいております。よろしくお願いします。それでは、第2部の議題に入ります。タダラフィルについて、事務局から概要の説明をお願いします。
○事務局 事務局でございます。
タダラフィルについては、本評価検討会議での議論に際して、要望企業及び企業が推薦する専門家が出席されていますので、まず初めに、利益相反の確認結果を御報告いたします。いずれの構成員及び参考人からも、要望企業及び競合品目の製造販売業者について、本年度を含む3年間のうち、金額が500万円を超える年度はない旨を御申告いただきました。詳しくは参考資料5を御確認ください。
続いて、要望成分であるタダラフィルについて御説明いたします。74ページ、資料2-1を御覧ください。タダラフィルをスイッチOTC化する際に希望する効能・効果は「勃起不全(満足な性行為を行うに十分な勃起とその維持ができない人)」です。
対応する医療用医薬品は「シアリス錠10mg」でございまして、効能・効果は「勃起不全(満足な性行為を行うに十分な勃起とその維持ができない患者)」となってございます。
要望者は、本成分の主な要望理由として2点を挙げられています。1点目は、勃起不全(ED)は自尊心を著しく低下させ、自己否定感や劣等感を感じさせる要因であり、パートナーとの関係性の悪化につながるリスクがあるため、セクシュアルヘルスを保つことは相対的な健康とウエルビーイングを考えるために大切。2点目は、ED患者は羞恥心から受診を控え、個人輸入サイト等を通じて国内未承認医薬品を購入する事例が報告されているのですけれども、このような入手経路で得た医薬品には偽造医薬品が含まれ、健康被害を生じる懸念があるため、本成分をスイッチOTC化し、正規品へのアクセスを拡充することで不適切な入手経路の利用を減らし、その結果として消費者の保護に資することを挙げられています。
80ページを御覧ください。シアリス錠10mgは2007年に承認されてございます。再審査結果は2017年に通知され、承認拒否事由のいずれにも該当しないと判断されました。
81ページを御覧ください。安全性に関する情報です。本成分は、ED治療薬のほかに、前立腺肥大症に伴う排尿障害改善薬や肺動脈性高血圧症、肺高血圧症治療薬としても用いられますが、それぞれ異なる販売名が付されており、1日に使用する用量も異なります。ED治療薬以外の効能・効果の品目の添付文書を参考資料6にお示ししておりますので、適宜御参照ください。
続いて、82ページを御覧ください。本剤には、警告に、本剤と硝酸剤又は一酸化窒素供与剤との併用により降圧作用が増強し、過度に血圧を低下させることがあるので、本剤投与の前に、これらの医薬品が投与されていないことを十分確認し、本剤投与中及び投与後においても、これらの医薬品が投与されないよう十分注意すること、また、死亡例を含む心筋梗塞等の重篤な心血管系等の有害事象が報告されているので、本剤投与の前に、心血管系障害の有無等を十分確認することが設定されています。また、禁忌については、本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者、硝酸剤又は一酸化窒素供与剤を投与中の患者、可溶性グアニル酸シクラーゼ刺激剤を投与中の患者、心血管系障害を有するなど性行為が不適当と考えられる患者、不安定狭心症のある患者又は性交中に狭心症を発現したことのある患者、コントロール不良の不整脈、低血圧又はコントロール不良の高血圧のある患者、心筋梗塞の既往歴が最近3か月以内にある患者、脳梗塞・脳出血の既往歴が最近6か月以内にある患者、重度の肝障害のある患者、網膜色素変性症患者が設定されておりまして、重大な副作用としては過敏症が設定されています。
85ページを御覧ください。推定使用患者数ですけれども、30歳から79歳の男性のうち、完全なED患者数は260万人、中等度のED患者数は870万人と推定されています。次に、同種同効薬についてです。本邦において、同種同効薬及び類薬はスイッチOTC化されてございません。
続いて、88ページを御覧ください。海外での承認状況ですけれども、本成分はイギリスで一般用医薬品として承認されています。
続いて、90ページを御覧ください。医療用医薬品としては、イギリス、フランス、ドイツ、アメリカ、カナダ、オーストラリアを含めた112か国で承認されてございます。
99ページ、資料2-2を御覧ください。日本泌尿器科学会、日本臨床泌尿器科医会、日本性機能学会、日本臨床内科医会及び日本OTC医薬品協会から、それぞれ見解が提出されておりますので、簡単に御紹介させていただきます。
まず、日本泌尿器科学会の見解です。スイッチOTC化については、「賛成」との御意見をいただいています。その根拠として、15年以上の使用経験において重篤な副作用を経験することは極めてまれであり、安全性の高い薬剤であると考えられること、また、EDは自覚症状で薬剤の適応が判断され、治療効果も判断できることを挙げていただいています。100ページを御覧ください。OTCとする際の課題点ですけれども、併用禁忌薬や投与禁忌の疾患の有無を確認することが重要であるため、薬剤師の面談が継続的に必須と考える。薬剤師の面談が必要ではなくネット販売が可能となる第一類医薬品への移行は問題がある。本剤の初回投与で効果が悪いと判断された場合は速やかに医療機関への受診が推奨されるべきであり、長期間、自己判断で服用を継続しないためにも、1回の販売量は10錠程度とすべき。単に受診勧奨するのみでは、受診しない購入者が発生する可能性があることから、適切なED治療ができる医療機関を薬局が把握し、速やかに紹介する体制を構築する必要があると挙げていただいています。
102ページを御覧ください。次に、日本臨床泌尿器科医会の見解を御紹介いたします。スイッチOTC化については、「賛成」との御意見をいただいております。ただし、その要件として、オンライン販売できる医薬品とはしないこと、高齢の日本人では青視症の有害事象があり、国内販売は50mgに制限されているため、1箱当たりの包装単位を4錠までとすること、4錠包装を2回販売しても本剤が無効な例については、EDの原因として糖尿病・動脈硬化などの慢性・器質的疾患の存在や他の剤の有害事象が生じている可能性があり、これらの疾患を早期に発見するためにも、当該薬局の近隣の泌尿器科クリニック専門医に紹介すること、流通管理の観点から、卸を通した流通ではなく、直販ルートを持つ企業が取り扱うこと及び販売量の把握と報告をすることとの御意見をいただいております。
続いて、104ページを御覧ください。日本性機能学会の御見解です。スイッチOTC化については、「賛成」との御意見をいただいております。その根拠として、EDの原因は複数あるが、いずれの場合でも第一選択治療法として推奨されていること、EDは虚血性心疾患の先駆症状であることや、将来の虚血性心血管を予測可能な因子であることが指摘されているため、スイッチOTC化によりED治療の啓発がなされることにより、早期治療への介入につながる可能性があること、輸入偽造医薬品やED治療成分を含む健康食品による健康被害リスクから国民を守ることが可能になると考えられること、潜在的なED患者の掘り起こしに寄与すると考えられることとの御意見をいただいています。
105ページ、御覧ください。OTCとする際の課題です。併用禁忌及び併用注意の薬剤が多いため、資材を用いた薬剤師による販売可否の確認が大切であり、ネット販売が可能である第一類医薬品に移行することについては検討が必要。禁忌等の確認や需要者への指導を薬剤師が適切に行えるように情報を整え、また教育資材を整えること。無効症例や効果不十分症例に対し、専門医への受診を勧奨する体制を構築する必要があること。投与後4回目までは、回数に応じて有効性を実感する患者が増加しますが、8回を超えると、その患者数は増加しないことが報告されているため、1回の販売数量は8錠が妥当であることが挙げられています。
続いて、107ページを御覧ください。日本臨床内科医会の御見解です。スイッチOTC化については、「反対」との御意見をいただいています。その根拠として、併用禁忌薬・併用注意薬が多く存在すること、日本人男性のうち1401万人がEDを有していると推定されますが、そのうち140万人が副作用を起こしやすい疾患を有していると推定されるため、副作用を来す症例が増えることが危惧されること、過量服用等により持続勃起症に至った場合、壊死を来す場合があるため、緊急に泌尿器科を受診し処置する必要があること、ED診断アルゴリズムは臨床検査に基づくため、薬剤師では結果を掌握し、判断することに困難を感じると推測されることとの御意見をいただいています。
110ページを御覧ください。最後に、日本OTC医薬品協会の御見解です。スイッチOTC化については、「賛成」との御意見をいただいております。その根拠として、使用成績調査における副作用発現率は3.4%であり、安全性に重大な影響を及ぼす要因は特定されなかったこと、重篤な有害事象として、貧血と放射線胃腸炎がそれぞれ1例認められたが、本剤との因果関係は否定されたこと、副作用等報告データベースにおいて、本剤が被疑薬である転帰死亡が7例報告されているが、これらの情報に基づく添付文書の使用上の注意の改訂は行われていないこととの御意見をいただいております。113ページを御覧ください。OTCとする際の課題ですが、本剤の適正使用のみならず、EDの疾患及び個人輸入医薬品がもたらす健康被害リスクの啓発を行うこと、薬剤師に対して教育・研修を行い、ヒアリング及びスクリーニングにより販売対象者の適切性を十分に確認できるようにすること、適時、患者に受診を勧められるよう、近隣の泌尿器科の医療機関リストを販売者に提供する等、関連学会・医会と連携すること、適正販売を遵守することが確認できる取引先にのみ製品を販売すること、出荷先及び出荷数を管理し、適切な個数を販売すること、偽装改ざん対応として、包装に工夫を施すことが挙げられています。
続いて118ページ、資料2-3を御覧ください。オンライン診療の適切な実施に関する指針及び同QAにおけるED治療薬の記載を御紹介いたします。現在のオンライン診療におけるED治療薬の処方は、ED診療ガイドラインにおいて、心血管・神経学的異常の有無の確認や血糖値・尿の検査を行う必要があることから、対面診療が必要とされてございます。スイッチOTC化される場合、検査は行えませんし、対面診療もできないことから、本成分のスイッチOTC化を進める際には、このED診療ガイドラインの改訂状況やそのオンライン診療指針等への反映など、周辺情報についても注視する必要があると考えてございます。
134ページに飛びまして、資料2-6を御覧ください。こちらは事前に行いました御意見募集において516件の御意見が寄せられましたので、一覧としてまとめたものです。簡単に御紹介いたします。特に取り上げられるべきと考えられる御意見として、羞恥心から受診をためらう人や個人輸入をする人が、薬剤師に対して適切に情報を開示するかが不明であるため、適切に使用患者を選別できるかに懸念があるとの御意見をいただいてございます。事務局からの説明は以上となります。
○笠貫座長 ありがとうございました。続きまして、エスエス製薬から資料2-4について御説明いただきます。お願いします。
○エスエス製薬株式会社 皆様、こんばんは。私、エスエス製薬から参りました代表取締役社長のニクヒレッシュ・カルラと申します。本日は、このようにお話しさせていただく貴重な機会をいただきまして、誠にありがとうございます。エスエス製薬ですけれども、イブプロフェンなどの新しいスイッチOTC製品、そして花粉症や睡眠薬のスイッチOTC製品を初めて市場に導入してきた企業となります。弊社は、この豊富な実績を生かしまして、日本の人々の健康に貢献する新たなOTCのソリューションを提供していきたいと考えております。今回、私たちは、EDに悩む多くの方々に品質の豊かなEDの治療薬を届けていきたいと考えております。このタダラフィルですけれども、EDの治療薬として臨床的に効果が証明されておりまして、世界中でも1億人以上の男性に使用されてきております。では、ここから弊社、松崎のほうから詳細の説明をいたします。よろしくお願いいたします。
○エスエス製薬株式会社 サイエンス部門の松崎と申します。よろしくお願いいたします。
弊社のスライドの2枚目をお願いいたします。EDは、男性の機能的な問題にとどまらず、自尊心を大きく低下させ、不安、抑うつ症状発症につながる可能性があります。それはパートナーとの関係性の悪化につながるリスクにもなります。一例ですが、夫婦間のコミュニケーションとEDに関する調査では、夫婦が理解し合うために性交渉は大切なコミュニケーションだと思うと、86.9%の方が回答しました。一方、EDが疑われる夫を持つ夫婦では、夫婦間のコミュニケーション時間が短く、その妻の32.9%が離婚を真剣に考えたことがあると回答いたしました。パートナー間のコミュニケーションの問題が出生率の低下につながることも考えられます。
次をお願いいたします。辻村先生らの研究報告では、日本ではED患者が約1400万人おり、20代、30代の患者が増加しています。さらに、5000人の男性を対象とした弊社の調査では、約半数にED症状があり、そのうち国内で受診されている方は2.8%、未治療の方は88.1%という結果でした。ED治療薬を個人輸入している方もいますが、個人輸入シアリスの約7割が偽造品であるとの報告があり、健康被害のリスクと隣り合わせの状況です。受診する方が少ない大きな理由の一つとして、羞恥心やおそれなど、受診に対する心理的ハードルの高さがあります。また、地方では医療機関へのアクセス面での問題もあります。よって、個人輸入を利用するという流れが生じます。
次、お願いいたします。安全性に関しまして、タダラフィルの心血管系イベントのリスクについて評価いたしました。タダラフィル自体が心血管系イベントの直接的な原因であることを示唆する報告は認められていません。基礎疾患として心血管疾患を持つ男性の場合、性行為自体が心血管系に負担をかける可能性がある一方で、むしろタダラフィルの使用により主要心血管系イベント及び死亡率を有意に低下させ、心保護作用を有する可能性を示唆する報告が増えています。以上より、タダラフィルに関連する心血管系リスクは低いことが広範な臨床エビデンスとして示されています。また、弊社が御用意する予定の適正使用ガイド等の利用によりまして、OTC治療に適さない患者さんを効果的に特定することが可能と考えています。よって、タダラフィルがスイッチOTC化されますと、ED患者にとって適切かつ有効な治療の選択肢になると考えます。
次、お願いします。適正販売・適正使用のための取組の全体像をお示ししています。偽造改ざん防止パッケージを採用し、適正販売を遵守する取引先へ販売することで、正規品を確実に供給いたします。広告活動を通じて、EDは誰にでも起こり得る疾患であること、そして、薬局等で正規の医薬品を購入できることについて理解を促します。薬剤師に向けた教育・研修プログラムを提供します。薬剤師が適時受診を勧められるよう、適正使用ガイドや近隣の泌尿器科医のリストを提供するなど、関連医会・学会様と連携させていただきたいと考えております。また、実販売時の状況や不適正使用の状況をモニタリングし、必要な対応を取る所存です。
最後に、スイッチOTC化のベネフィットです。まず、ED治療のきっかけになると考えます。偽造品等による健康被害から生活者が守られることにつながると考えます。また、広く啓発することで、EDに対する社会の理解が深まると考えます。英国では、販売時に薬剤師が基礎疾患の可能性や受診の必要性を購入者に説明していまして、医療機関への相談件数が有意に増加したと報告されています。日本でも、製造販売業者が受診を促す上で最適な立場でいらっしゃる薬剤師の方を適切にサポートすることで、ED及び関連する併存疾患の早期介入につながると考えています。タダラフィルのスイッチOTC化で、EDに悩んでいらっしゃる多くの方々へ手を差し伸べることができます。EDに関する偏見も薄れ、多くの方の生活を変えることになろうかと存じます。これはOTCだからこそできることだと弊社は信じております。御清聴ありがとうございました。
○笠貫座長 ありがとうございました。続きまして、資料2-5について、佐田先生からお願いします。
○佐田先生 125ページを御覧ください。私、徳島大学循環器内科の教授の佐田と申します。循環器内科医の立場として、この安全性ということ、それから効果についてコメントさせていただきたいと思います。また、私は日本血管不全学会という血管機能を評価する学会の理事長を現在務めておりますし、日本性機能学会の理事、ガイドラインの作成委員等も務めておりますし、日本脈管学会、日本動脈硬化学会、日本血管生物学会、こういう血管系については、基礎、そして臨床に関して中心的な役割を担っております。
まず、126ページにありますのがフォスホジエステラーゼタイプ5(PDE5)阻害薬の添付文書にある記載でありますが、赤字で警告というのがあって、いわゆる一酸化窒素供与剤、ニトログリセリン等でありますが、これを併用することによって降圧作用が増強し、過度に血圧が降下することがあるということで、十分気をつけなさいということであります。そして、死亡例を含む心筋梗塞等の重篤な心血管系の有害事象が報告されているということでありますが、これは初期の段階でありまして、現在、こういった添付文書で警告を見て、PDE5阻害薬によって心筋梗塞で突然死したという明らかな事例の報告はなく、先ほども事務局からあった流れの中にも、まだ有害事象と死亡との因果関係ははっきりしていないということだったかと思います。
そこで、127ページでありますが、こちらは朝倉書店の「内科学」という、内科学で一番権威のある教科書でありますが、そこのところに血管の収縮・弛緩と血圧調節機構ということで、私が書かせていただいたところであります。御存じのとおり、血管の拡張・弛緩というのはここに書いてあるとおりの機構で制御されているわけでありますが、PDE5阻害剤というのは、一酸化窒素によるサイクリックGMPというセカンドメッセンジャーが分解されるのを抑える。それによってサイクリックGMPが増えることによって血管が拡張し、そして勃起が起こるということであります。そして、このPDE5阻害薬は血管平滑筋細胞に作用するということで、中枢神経には作用しないということで、これによって間違った性欲が亢進することはあり得ないということであります。また、これは産生を刺激しない。つまり、分解を抑えるだけでありまして、これを取ったことによって過剰な興奮が起こるとか、そういったことはないということであります。そこで、全身への影響ということを少し見ていきたいわけですが、このPDE5阻害薬というのは、実は全身の血管を広げて降圧薬、そして冠動脈を広げることによって狭心薬として開発されていたものであります。ところが、実際は全身に対してはほとんど影響しないということで、これがシルデナフィルの開発の段階のものでありますが、50mg、100mg、200mgでやっても、収縮血圧、拡張血圧ともほとんど下がらないということであります。これは陰茎海綿体、膀胱、前立腺、尿道という下部尿路にこのPDE5が局在しているということであります。また、私たち肺高血圧症治療薬として、このPDE5阻害薬を使っておりますが、肺動脈にもこのPDE5がありますが、全身への副作用はほとんど経験しません。ただ、全身にはないということで、全身や冠動脈への影響は少ないというふうに考えられます。ということで、このPDE5阻害薬は初期の段階は間違った使い方によって死亡例もありましたが、その後、注意深く使うことによって心血管イベントが起こっていないということで、いろいろな論文を見てみますと、心疾患を持った患者に使用しても心血管系の副作用は認められなかった。メタ解析でも重篤な心血管イベントや死亡を増加させなかった。心血管疾患を持った患者に使用してもイベントを増やさなかった。また、英国においてタダラフィル使用者の心筋梗塞、心血管死は一般の住民と同じ頻度であったということで、英国のほうではタダラフィルがOTC化されておりますが、それによって心筋梗塞が増えることはなかったということであります。
また、個人輸入等によって、逆に危険なことがあったという経験を私、いたしました。67歳の男性でありますけれども、突然意識を失ったということで、不整脈等ではないかということで私のところに紹介いただいたわけです。いろいろ検査しても何も異常がないということなのですが、最後の最後に患者さんがおっしゃったのは、奥さんに内緒で個人輸入したED治療薬を大量に服用していた。1錠で効果がないので、自分の判断で大量に服用して、その翌日、失神を起こしたということであります。ということで、服薬指導を受けていないという不適切な大量服用。それから、中は調べていませんが、偽造薬等で血糖降下薬なんかが入っていたということで、こういったインターネット等で購入した薬による有害事象というのを、実際、我々は経験しております。また、先ほど事務局からありましたが、EDの出現ということが心血管イベントの前兆になるということで、これは動脈硬化が全身に起こっておりまして、EDというのは非常に鋭敏な動脈硬化性疾患のサインになってくるということで、これを問診することによって心血管イベントで命を失うのを、逆に循環器への受診を加速することにもつながってくると思われます。また、先ほど何錠が適切かというお話がありましたが、これを見ると、この論文によりますと、いわゆる挿入、性交の完成というのが一番右でありますが、一番下がプラセボであります。
そして、10mg錠を2日、4日使いますと、だんだんと効果が増えてくるということでありますから、10mgから20mgにすぐ増やすのではなくて、4回から8回服用して見てみるということで、10mg錠で4錠から8錠をパッケージに入れるというのはリーズナブルであると。そして、それで駄目ならば医療機関を受診するように薬剤師の方から指導いただくことがいいのではないかと思っております。
以上、まとめますと、PDE5阻害薬はサイクリックGMPの分解を抑制するだけで、過剰産生することはない。そして、中枢神経系には作用しない。それから、リスクを上昇させるという適正使用下での報告はないということで、問診表により動脈硬化性疾患の早期発見にもつながる。そして、現在、非常に問題になっている不適正使用、個人輸入等の有害事象を防止できるということで、そのためには薬剤師・医療提供者による適切な指導が大切だと考えております。以上です。
○笠貫座長 ありがとうございました。日本泌尿器科学会の見解につきまして、深貝参考人、横山参考人から御意見、補足をお願いします。
○深貝参考人 日本泌尿器科学会の深貝と申します。日本泌尿器学会のスタンスとしましては、スイッチOTC化に関しましては賛成という結論になっております。日本泌尿器学会の保険委員会と理事のほうでまとめをさせていただきましたが、今、もう話に出ておりましたように、EDというのは身体的な問題だけじゃなく、メンタルのほうでも負担がかかる。ただ、残念ながら、疾患の特性から医療機関にかかる人が非常に少なく、話に出ておりましたように、インターネット等で買うと、偽薬のようなもので逆に健康被害が出ているということで、スイッチOTC化によってそういったことが防げるようになるということで賛成の意見ということになっております。細かい話、もう既に話が出ておりましたように、私どもが特に申し上げたいのは、この手のお薬にシルデナフィル、バイアグラというお薬が出ておりまして、飲んだら心筋梗塞を起こしたとか、いろいろな風評のような話が出たわけでございますが、使ってみるとそんなにトラブルは全然なかったという話と、このお薬、特にタダラフィルに関しましては、我々、日常、先ほども出ておりましたように、同じ成分のものを排尿障害のほうで、ここに出ておりましたのは10mgでございますが、5mgという量を連日投与、何か月もずっと飲み続けるという処方というのも非常に数多くの患者さんにしていて、何もトラブルが起きることがない。非常に安全であるお薬だと実感しております。そういったことから、このスイッチOTC化に関しては賛成できるという話でございます。投与量のところが少し議論になるのではないかと思いますが、うちは10錠程度を上限とするという話で、この資料のほうに出させていただいておりましたが、こちらに関しましては、一般の投与薬は10錠がマックスであろうということもあるわけでございますが、いろいろな意見が出ていた中で、もともとこれは1錠の値段が結構する。1,000円とか2,000円するもので、一番初めに一般の薬で処方するときも2錠とか3錠ぐらいしか処方しないわけでございまして、そういった処方量を出して効果がもしあった場合、継続的に処方する場合に毎回2錠3錠では少ないだろうということで、マックスがそのぐらいの量にするのがいいのではないか、そういった意見の10錠であるというふうに記載しております。日本泌尿器科学会の意見は以上でございます。
○笠貫座長 ありがとうございました。次に、日本臨床泌尿器科医会の見解について、斎藤参考人から御意見や補足をお願いします。
○斎藤参考人 日本臨床泌尿器科医会の会長の斎藤でございます。このような機会をいただきまして、ありがとうございます。
103ページを御覧ください。備考のところですが、日本医師会傘下の日本臨床分科医会の日本臨床泌尿器科医会の公的な立場としては、患者の診療所への受診機会を減ずる可能性のあるスイッチOTC化に関しては原則反対です。日本臨床泌尿器科医会の会員の中でも強く反対する意見をお持ちの方もいますので、いろいろ議論した上で、あくまで条件つき賛成ということで賛成に回らせてもらいました。
1ページ前の102ページの1番にありますように、緊急避妊薬とかAGA、はげの薬などで極端な低カリウム血症なんかで飛び込んでくる患者さんもいるのですけれども、必ず医師が確認してオンライン診療することになっているのですね。そういう患者さんは、1人もこれを確認されていないと。あなたは医者から処方されたんですか、薬剤師から処方されたんですか、それとも一般の人から処方されたんですかと聞いても分かりませんと。そういえば、処方箋をもらった方は医者だったんですかね。そういう医療事故が起きて救急病院の、我々、東京曳舟病院に御家族の方が来ます。ですから、ここに書いてあるように、こういう薬を飲む方はコンプライアンスが悪いですから、1錠で効かなかったら2錠、2錠で効かなかったら3錠というふうにいたしますので、一般クリニックでは、有償で値段が高いこともありますけれども、1回に出す量は20mg錠を2錠から3錠です。それでやっています。そういう意味で、10mg錠だったら4錠ぐらいはオーケーかなと。そこまでは認めます。ただ、ある程度たって次の段階に行ってオンライン診療になるのは反対ですということは明確に言わせていただきます。以上です。
○笠貫座長 ありがとうございました。日本性機能学会の見解について、中島参考人から御意見や補足をお願いします。
○中島参考人 日本性機能学会から参りました。日本性機能学会で副理事長を務めさせていただいております東邦大学の中島と申します。
日本性機能学会の見解につきましては、104ページ以降に書いてあるとおりでございますけれども、我々の立場としては、OTC化することは賛成という立場でございます。根拠としましては、まず薬理作用は佐田先生からもお話がありましたとおり、これは中枢には全く影響しない薬ですので、不要に性欲が亢進するとかいう、最後のほうに一般の御意見がありましたが、そういうことは全くない薬で、なおかつ飲んだからといって勃起することもありません。飲んで、なおかつ大脳皮質にイメージとしての性的な刺激がない限り、ただの血管拡張作用を持った薬というところですので、そういった懸念はないと。そういうわけで、血管拡張作用というのがもともとの薬ですので、心血管イベントを増やすという報告もなくて、むしろ血管内皮の保護に働くということですので、心血管系の悪い人は、硝酸剤を飲んでいるなら別ですけれども、それ以外の人に関しては飲んでいたほうがいいぐらいというようなデータも出ているというところ。あとは、今回はタダラフィルですけれども、シルデナフィルにおいても長く販売というか、使用されていて安全性が担保されているというところから賛成しておりますということであります。あとは、現在、現場において処方はいろいろなEDのタイプがあるのですけれども、それをスクリーニングする意味でも、まずPDE5阻害薬を投与するというのが実際に行われています。そこが効かないときに初めて、何か依存症があるのではないかという形でチェックするという現実もありまして、硝酸剤の併用者は全く駄目ですけれども、そういうところをきちんとチェックさえすれば、むしろPDE5阻害薬を使うことによって効かないというところで医療機関を受診することで、糖尿病とか心血管障害の新たな隠れた病気の発見につながるのではないかというところも考えております。1回の販売につきましては、4錠から8錠というところで考えておりますけれども、まとめて飲んでしまう人がいるのですけれども、そのときのある程度の上限というところで、40mgぐらいまでが適切かというところで、4錠から8錠で進めていただければと考えているところです。以上であります。
○笠貫座長 ありがとうございます。日本臨床内科医会の見解について、湯浅構成員からお願いします。
○湯浅構成員 ありがとうございます。日本臨床内科医会でも、この薬剤のOTC化について議論しておりますけれども、条件つきで賛成という先生もいらしたことをお伝えしておきます。タダラフィル自体は、先ほど来、話がありますように、安全に使用できる薬剤という認識は持っております。我々の見解の中にはタダラフィルの副作用の話を中心に入れておりますけれども、EDは生活習慣あるいは生活習慣病との関連が非常に強く、心血管イベントとの共通のリスクファクターも多いということです。心血管リスクファクターを有している場合に、仮にその心血管疾患が発生していないとしても、予防的な目的でリスクへの介入をしっかりしましょうとガイドラインには記載されています。ガイドラインは2017年版で、新しいものが今年中に発表されると聞いております。現行のガイドラインは5年以上たっていて、非常に古いものですけれども、今まで臨床の場で活用されており、そのガイドラインの治療アルゴリズムの中には、タダラフィルを投与する以前に生活習慣の修正やリスクファクターを是正すべきとクリニカルクエスチョンを立てて述べられています。ですから、薬剤を投与する前に、医師はしっかりと心血管リスクの評価を行い、生活習慣病あるいは生活習慣に介入することが必要になります。現場の先生方がタダラフィルのスイッチOTC化に対する反対が強かったのは、これまでガイドラインを遵守し、適正な医療を行ってきたにも関わらず、スイッチOTC化により現行のガイドラインとは無関係にタダラフィルが販売されてしまうことで、それを憂う医師の気持ちは私も十分に理解できるところです。診断のガイドラインにおいては、問診、身体所見や臨床検査により、プライマリーケア医であっても77%位の確立でEDの原因診断が可能であると記載されています。2000年代の初めにアメリカの内科学会よりチュージングワイズリーという言葉が広がってゆき、適正な診療、適正な治療を提供することの重要性が説かれています。そういう意味からも、我々が遵守してきたガイドラインの記載内容が、スイッチOTC化することによって、いきなりハードルが下がってしまうことが一番大きな反対の理由ということであります。それから、受診勧奨についてですが、企業側の話を聞いていると熱心に取り組んでいただけると思いますけれども、本当に薬剤師が受診勧奨を積極的に行えているのか十分なデータはありません。現場の薬剤師さんにお任せするしかないということになってしまいますので、何かその辺についても適切に受診勧奨ができる連携体制の構築を、我々も含めて、考えていかなければならないと思います。私の話は以上です。ありがとうございました。
○笠貫座長 ありがとうございました。最後に日本OTC医薬品協会の見解について、磯部構成員からお願いします。
○磯部構成員 ありがとうございます。
資料は110ページから御覧いただければと思います。私ども協会としては、スイッチOTC化することに賛成であります。既にイギリスやポーランドなどグローバルに展開されていて、私が伺っているところ、大きな問題もないということでありますので、こういった薬はスイッチOTC化すべきだというふうに賛成の立場であります。ただ、私、個人的には、最初聞いたときは、こんな薬、スイッチOTC化するのかと正直思いました。多くのここにおられる方々も、ある意味でいかがわしい薬ではないのかということを思われる方がいろいろおられると思います。実は、私もそういうところから、いろいろお話を伺っていて勉強していくと、いや、私の認識は全く間違っていたなというのを、この薬を勉強していくうちに認識した次第であります。資料に書いてございますが、まず安全性が非常に気になりました。先ほど佐田先生からお話がございましたように、もともとは心臓に働く、血管に働く降圧剤として、この系統は開発された薬でありますので、心血管系のイベントについては、特に最初にあったシルデナフィルから非常に議論があったわけでありますが、今回、これに臨むに当たって、私も使用成績調査の結果や副作用報告を自分の目で見ないと納得できないものですから、全部見まして、こんなに副作用が少ないのかと思うぐらい少ないのですね。しかも重篤なものがほとんどないというのも現実です。かなり細かく先ほど資料の中にも出てきていますが、幾つか死亡事例とかもあったのですが、どうも因果関係がはっきりしないということで、安全性は私が思っていた認識よりもずっと高いということを非常に強く思った次第であります。
また、個人輸入問題は、私としても絶対に根絶しなければいけないこととして、非常に強い意識を持っていまして、最近見ていて危惧しておりますのが、昔はインターネットで代行業者が入って輸入するというパターンが多かったのですが、オンライン診療が認められるようになってから、先ほど斎藤先生からお話ありましたけれども、医者なのか、医者じゃないのか、よく分からないような、本当は販売店の人なんじゃないかというような方がオンライン診療の先にいて、何錠要りますかどうですかという売り子のような形で、しかも未承認薬を低価格で、うちはこんなに安いんだ。診察料も無料とか、こんなに安く出しますということに飛びついていく人が多くて、健康被害の問題も起こっているということだと思います。これは医政局でも議論があって、いろいろやっておられますけれども、まさしくこういうことに行くのも、医療用医薬品があるにもかかわらず、なぜ皆さんがそういうほうに行ってしまってリスクを負っているのか。この状態をどうやったら改善できるのか、大事な問題だと思っております。まさしく正規のルートで、薬局で品質を確保されたものを適正ルートで流し、適正使用を確保しながらやっていく。先ほど佐田先生からお話がありましたように、ある程度で効果が頭打ちになり、重大ないろいろな問題が起こっていることもありますから、不適切なルートで多くの方が飛びつくものを、適切に医療につなげていって、きちんとしたルートに流していく道をつくるということが新たなOTCの役割だと私は思います。このような製品にえっと思われる方が多いと思いますが、ぜひ理解していただきたいと思います。また、まさしくパートナーとの問題で、いかがわしいおじさんのイメージをお持ちになる方も多いと思うのですが、最近の男性は草食系の人も多くて、パートナーとなかなかうまくいかないことを人知れず悩んでいる男性はかなり数が多いというふうに私も思っていますし、いろいろな先生方もそういうふうに認識されていると思います。そういうときにこういう正規のルートで手に入る本剤のような製品があることによって、夫婦生活を少しでも改善できるようなことにOTCも寄与できるのであればありがたいなと思っています。また、錠数の問題が出ております。私は、10錠ぐらいを認めてあげてほしいなと思います。先ほど申し上げたように、個人輸入でそういうものを売りさばくようなオンライン診療まがいのものが価格で勝負していることを考えますと、メーカーでは、どうしても固定経費がかかることを考えると、一定の錠数を認めないと、結局はそういったいかがわしいオンライン診療が残ってしまうという問題にもつながるのではないかと思います。ある程度の錠数というものを認めていただくことによって、皆さんが大変危惧しております、そういったいかがわしい個人輸入の横行をどうやって直していくのかということにつながると思いますので、そういう視点からもこの錠数の問題ということを御理解いただけるとありがたいなと思います。私の補足の説明は以上でございます。
○笠貫座長 ありがとうございます。それでは、この成分のスイッチOTC化につきまして、構成員の方々から御意見いただきたいと思います。その前に資料2-3で指摘されていましたスイッチOTC化とオンライン診療の関係について、指針の基になっているEDの診療ガイドラインについて御指摘いただきました。その改訂を含めた今後の予定や、学会としての取組みについて、中島参考人か深貝参考人、お願いします。
○中島参考人 それでは、中島のほうから回答させていただきます。今、ガイドライン改訂中でございまして、できたものを持ってこいと言われるかと思うのですけれども、ほとんどドラフトの段階まで来ておりますので、年内、今年度内かもしれませんが、そのぐらいのところでは何とか刊行したいというところになっておりまして、この検査を先にという部分なのですが、症状に応じてというような形に変えようという形で、最初にやらなくてもというようなニュアンスのものに移るような形で、今、話を進めているところになります。もともと今までのガイドラインというか、我々の立場としましては、EDというのは確かにずっと色物にされていまして、研究自体、ずっと色物と見られていたわけですが、要は加齢であきらめてしまうものというところを、治癒可能な病気なのだということをずっと出していくという形でガイドラインもやっていたというのが正直です。ですので、背景として糖尿病があれば、高血圧があれば、そこを治すことによってEDも改善する。だから、PDE5というよりも、まず生活習慣を治すというような立場がちょっとあったのですけれども。その後ずっといろいろな研究を続けてきまして、今後はとにかく先にこれを使ってもらうことによって、そっちのほうで効果不十分な人間を引っかけるというスタンスというのを少し考えているところで、それをガイドラインに反映させようというところですので、116ページの懸念の部分に関しては解消させていただけるものというふうに考えております。
○笠貫座長 ありがとうございます。考え方も含めて変わりつつあるということですね。それでは、構成員の方々で御意見等がございましたらお願いします。宮川構成員、どうぞお願いします。
○宮川構成員 宮川でございます。今回は高血圧の臨床研究家としての立場も含めてお話ししますけれども、先ほど薬理作用は佐田先生がおっしゃったとおりで、その中でしっかりと考え、構築していくことが必要なのですけれども、臨床上の考え方としては、先ほど日本臨床内科医会からお話があったような考え方が本当は王道なのです。その王道の考え方をどうやってしっかり守っていくのかということが非常に重要であります。その中で、先ほど日本OTC医薬品協会からご発言があったように、個人輸入の問題や粗悪な品をどのように駆逐していくのかというもっと大きな問題があり、それらからの健康被害の方が結構多くあるということです。日常診療の中にそれにより健康被害が生じた患者さんが結構紛れているということだろうと思います。先ほど各学会、各医会から話がありましたけれども、この中でこの薬の適正使用のガイドや使用チャートをどのようにしていくのかということがあるので、そういう図式をしっかりと現場が利用していくことが大事です。さらに大きな意味で、そこから受診勧奨というのがあるのですが、大半の薬局薬剤師は実際的な受診勧奨ができていません。つまり、何かあったらお医者さんに行きなさい、これは受診勧奨ではないのですね。受診勧奨というのは、何か問題や不都合なことがあったら何々泌尿器科、何々内科に行きなさいと、具体的なことを言わない限り、本当の受診勧奨とは言えないのです。薬局薬剤師の方々には、具体的なことも言っていないのに、私たちは受診勧奨をして役割を果たしていますというようなことをおっしゃる方がいるのですが、これは本当の意味の受診勧奨ではなく、薬剤師として役割を果たしていないということなのですね。繰り返しますが、何かあったら行きなさいというだけなのは受診勧奨ではありません。1パッケージに何錠あるかという、先ほど磯部構成員から10錠というのもありましたけれども、佐田先生からありましたように、薬理学的なことから4錠から8錠の中、どのような形にするのかが重要になってきます。それは基礎疾患の有無によっても随分違うわけですけれども、最初の錠数がどうあるべきなのかということはきちんと議論しなければいけない。この評価検討会議は会議内で議論を行って、それから、パブリックコメントも含めて検討を行って、適正なOTCの在り方にするという形式なので、あえてこういう言い方をしますけれども、錠数の議論が重要であり、考えていかなければいけない。
その議論では、ネット販売やオンライン診療に関しても十分な配慮をしていかなければいけない。様々な危険性が伴うわけですから、そういう懸念がきちんと払拭されなければ適切なスイッチOTC化というのはあり得ない。そういった環境整備を含めた形の中で、この薬をどのように考えていくのかがこれからの問題です。漠然とした言い方をしましたけれども、薬剤師がどのように考えて適切に使えるのかも非常に重要で、それを支える製造販売業者も、どのような資材を作ってしっかりとしたサポートをするのかが重要となってきます。全国各地には立派な薬剤師もいますけれども、実際の現場にいる、職能を完全に発揮できていない薬剤師のことも考えて、今まで以上のレベルアップを図れるような資材を製造販売業者が作っていかなければいけないだろうと思って御意見させていただきました。以上でございます。
○笠貫座長 ありがとうございます。富永構成員。
○富永構成員 宮川先生、厳しい御指摘ありがとうございました。別にそれに反論するわけではないのですが、私どもはもう15年以上、院外処方箋で患者さんに出しているわけですね。かかりつけ医から出されて、いつもいらっしゃる患者さんがタダラフィル、シアリスを処方されたときは全く問題ないと思います。ただ、新しい患者さんが来たときに気になるのは、さっきおっしゃった硝酸剤の併用があるかどうか。そういう患者さんのときはフィードバックするわけです。先生、これを飲んでいます。ああ、それ、全然教えてくれなかったということで止まることもあるわけです。それで、ちょっとお怒りになったり、いろいろするのですけれども、それは薬剤師の責任としてやっているわけです。ただ、今日もおっしゃったように、効果が不十分だったりして、生活改善、ほかの病気のことを相談していくと、かかったほうがいいですよということで、さっき無責任な受診勧奨の話がありましたけれども、そうやっていく薬剤師が多いと思います。だから、この薬自体に、これはスイッチOTC化しないほうがいいという理由はなくて、長年の経験があって、もちろんこれまではドクターの処方箋というものがありましたから、すごく安心しながらも再確認して出していく、ダブルチェックができるということでしたけれども、これからは宮川構成員がおっしゃったように、薬剤師として、いつもきちんと覚悟を持って出すというのが、スイッチOTC化すれば必要かなと思っております。
○笠貫座長 ありがとうございます。佐藤構成員、お願いします。
○佐藤構成員 エスエス製薬さんに2つお聞きします。1点は、流通についての質問です。103ページの臨床泌尿器科医会の意見の中に、OTCとする際の課題点について、横流しやバッタ屋へ流れる危険性が存在するとあります。こういった性に関する薬が、使う本人でない人の手に渡ることは大変に問題があると思います。この点について、企業としてどのようにされるつもりか教えてください。もう一点は、先ほど宮川先生からも指摘のあったところですが、御専門の先生方から10mg錠が適切で、それ以上については医療機関への受診勧奨をしていただくことが適切だという御意見がありました。薬局と医療機関とのきちんとした連携について、何らかサポートをされるつもりがあれば、それについて御説明ください。
○エスエス製薬株式会社 御質問ありがとうございます。まず、1つ目の御質問の転売のリスクのところにつきまして回答申し上げます。弊社は、承認していただきましてスイッチOTC化がかないましたら、適正価格で決して安売りはしないという形で、必要な量をきちんと正規品を市場に供給いたします。ですので、そういった転売マーケットというのが成立するのは、物が少なかったり安かったりというところがあると思うのですけれども、そうではなくて、適正価格を適正な量、きちんと供給しますので、転売マーケットというのはなかなか成立しにくいのかなというふうに弊社としては考えております。
また、先ほど来お話が出ていますとおり、弊社、海外と同じく販売時に8錠程度というふうに考えておりますけれども、世の中には何十錠という単位で買われていることを考えますと、弊社のものが転売されるというのはリスクとして少ないのかなと思っております。もう一つ、弊社は直販体制を取っておりまして、販売店・薬局様のほうにどれぐらい卸していて、どれぐらい注文が来てというのはきちんと把握できる状態にございますので、異常な量の発注があった場合には、これはどうしてこんなに今月は多いのですかというのを必ず確認して、何か理由が明確でなければもちろんお断りするという形を取りますので、言葉は悪いですけれども、裏の社会に流れるとか、そういうことも考えにくいと思っております。
○エスエス製薬株式会社 それから、どうやって近隣の専門の先生方につないでいくかという点につきまして、私のほうから御説明させていただきます。薬局の先生方は、周りにどういう泌尿器科の先生がいらっしゃって、どういう御専門の先生方なのか、把握されていらっしゃらないと思いますので、弊社が考えておりますのは、本日御出席の日本性機能学会様、日本泌尿器科学会様、日本臨床泌尿器医会の先生方の、この地域でEDを診療されている専門医の先生はどこにいらっしゃいますかというのを地区ごとにリストを全部作りまして、それを薬局のほうにお届けして、この地区の周りで信頼できる専門の先生はこの方ですというのを、全国でしっかりとやっていくということをコミットさせていただきたいと思います。以上です。
○笠貫座長 ありがとうございます。佐藤構成員、どうぞ。
○佐藤構成員 ありがとうございます。製造販売業者として薬局をきちんとサポートしていただけるということだと理解しました。すみません、もう一点質問があるのですけれども、先ほどガイドラインの変更の御説明のところで、今までは何らか検査等を推奨していたのだけれども、今後は、まず飲んでもらって、その後、効かなければ医療機関を受診していただくような形に、というような変更になるとのことでした。私自身は、今回、疾患の治療薬であり、過剰な興奮が起きることはない。また、不要に性欲が亢進されることはないと御指摘があったところでもあり、症状を自己申告で使う薬であって、頓服的に使う薬であれば、スイッチOTC化することに適した薬ではないかと思うのですけれども、そういう薬だと考えていいでしょうか。
○中島参考人 このPDE5阻害剤、5mgで前立腺肥大症に使っているというのは、常時飲むものですけれども、このEDに対してはオンデマンドで、要するに必要なときに使うという薬でございます。
○佐藤構成員 症状を自己申告で使う薬ということでよろしいでしょうか。
○中島参考人 そのとおりです。これはちょっと余計な話かもしれないですが、ダイバーシティで男の立場の話ばかりと思わないでいただきたいのですが、健康な人というか、それなりに元気な人が使ってもすごくいいのです。ややこしい、俗っぽい話になってしまうのですけれども、より長くもつとか、いろいろな意味でいいのですかね。俗っぽい話ですが、昔、フィルムのコマーシャルでそれなりの人は何とかという、樹木希林のコマーシャルがあったかと思うのですけれども、これを売り始めた頃、ブロンズの人はシルバーに、シルバーの人はゴールドに、ゴールドの人はプラチナにというような宣伝文句もあったぐらいで、健康な人にもむしろどんどん飲んでくれということをしていたぐらいの薬です。だから、自己申告においても、駄目だということがなければ使ってはいけないということはないと考えます。すみません、説明の仕方が悪いですかね。
○笠貫座長 平野構成員、お願いします。
○平野構成員 日本チェーンドラッグストア協会の平野でございます。先ほど磯部構成員のほうから、正規品が導入されることによって、個人輸入等の非正規品を撲滅できるのではないかという話がありました。実は、それだけではないなということでございます。私の友人がたまたまこのシアリスを持っていたのです。どこで入手したのと聞いてみると、駅前のクリニックだと言うのです。それはどういうところだったのと聞いてみると、行ってみたら受付があって、何が何錠要りますかと聞かれて、何か聞かれたのと言われたら、何も聞かれなかった。では、次に行くときにもう一度確認してということでお願いしたのですね。何を確認してもらったかというと、まず、お薬をくれた人は医師だったのか。それから、何らかの問診があったのか、服薬指導はあったのか、何錠でも買えたのかということを聞いてみてよということをお願いしました。実は、その答えは医師であった、少なくとも医師と答えたと、問診も服薬指導もなかった。何錠でも買えた。こんなことが現実に起こっているということです。こういったことも、正規品をきちんとやるということで解決できるのかなと思います。それから、実際にそれが薬局だったらできるのかということに関しては、さっき企業さんのほうから、123ページ以下に適正使用ガイドが出ていました。これを聞くのであれば、多分十分な情報が得られるのかなと思いますし、あるいは先ほど宮川構成員から御質問のあった受診勧奨についても、この中に織り込んでいただくという解決法もあるのかなというふうなことを思います。ということで、それが解決できる道はあるということだと思いますので、積極的に推進すべきではないかと思います。それから、もう一つ、冒頭のほうで資料の説明の際に事務局のほうから、羞恥心があるがゆえに泌尿器科にも行きにくいのではないか。では、薬局で買えるのかという意見があったという御説明がありました。実は、今、要指導医薬品とか第一類医薬品というのは、アイテムのラインナップを見てみると、人前でこれをくださいと言うのがなかなか恥ずかしい薬剤がたくさんあるのですね。私たちは、それがゆえに買いにくいということをどうするのかというのは、薬局、ドラッグストアの現場の課題ではあります。実際、例えば先ほどの適正使用ガイドにあるように、質問を先に渡しておいて書いてきてもらうとか、それから、実際に棚から取り出して持っていくのが恥ずかしかったりするので、薬局のカウンターで言ってもらったら下から出てくるようにするとか、そういう対処をすることによって、恥ずかしいという問題。実際、薬剤師と対峙して、直接質問に受け答えするということについては、恥ずかしいという認識はもはやあまりないのです。その前のところが恥ずかしいということですので、この問題についてはクリアできると考えているということでございます。
○笠貫座長 宗林構成員、お願いします。
○宗林構成員 岐阜医療科学大学の宗林です。皆さんのコンセンサスを持たなければいけないのは、これは疾病の人に使う薬であるということをベースで持っていただかないと、普通の健康な人でもこれはいいのですよという話は、ここで話す話ではないのではないかなと思います。だから、薬として購入するものであるので、疾病の確認ができるのかどうかということが薬局できちんとできないと、今までは処方箋が来てというところから始まれば薬局はいいと思いますけれども、初めて来た方にこのお薬を出すということにおいて、疾病であることの確認が本当にどのぐらいできるのか。私も本当に分からないのでちんぷんかんぷんなことを聞くかもしれませんが、それが1点です。それから、もう一つ素朴な疑問なのですけれども、まず疾病者であろうと、オーバードーズの場合であろうとも該当すると思うのですが、いわゆるパートナーとの正常な性行為以外のところでの乱用の危険性というのは実際にあり得ないのか。さっきまで緊急避妊薬をやっていて、混乱しているかもしれませんけれども、パートナーとの性交渉のために疾病の人に使用する。併せて懸念点としては、これをオーバードーズしたりとか、中枢神経に働かないとしても、そうしようと思ったときにできるようになるということ自体が、乱用から何か性犯罪とか、そういうことにつながらないのかという懸念が一部あるということです。そうすると、この購入者というのは、さっきのものですと、心筋梗塞とか本人のことをいろいろ聞かなければいけないので、購入者の規定がまずあるかどうか、範囲があるかどうかということを少しお聞きしたいなと思ったのです。先ほどのパートナーとの間での疾病者に対してのお薬ということが、もし大前提としてあるのであれば、パートナーが必要だと感じたときに売るというようなことだって、極端に考えればあり得るのかという感想をちょっと持ちました。それから、これはちょっと単純なあれなのですけれども、チェックシートの124ページのところで、これはエスエス製薬にお聞きするのですが、高齢であるということに対して、「はい」だと右に行くようになっていますが、この高齢というのは、今は一般的に考えている65歳とか、そういうものでよろしいのでしょうか。今、割と高齢の方が飲むものなのかなとちょっと思ったものですから、ここが御質問です。以上です。
○笠貫座長 企業側からお答えいただけますか。
○エスエス製薬株式会社 御質問ありがとうございます。すみません、複数御質問いただいたので、もし漏れがあったらお願いいたします。まず、自分で自分はEDである、EDという疾患を持っているということを判断できるのかというところですが、先ほど先生方からも、専門医の方からもお話あったかと思いますけれども、基本的には、実臨床においても患者さんへの問診で判断されていまして、国際勃起機能スコアいう質問項目に基づきました自己記入式の質問表に回答する形になっておりますので、十分、自己申告といいますか、自分で判断できる疾患だというふうに考えております。それから、パートナーの部分ですけれども、例えばパートナーの方と一緒に買いに来るといいのではないかというところがあるかもしれませんが、一般の生活者の方は、自分の個人の生活を開示するというのは非常に抵抗があると思いますので、弊社としましては生活者の方の尊厳を尊重したいというふうに考えておりまして、安全性はきちんと確認できる適正使用ガイド、質問項目にさせていただくのですけれども、プライバシーには踏み込み過ぎないような形でさせていただけたらありがたいと思っております。それから、高齢のところですけれども、65歳程度を考えております。
○笠貫座長 他にございますか。
○宗林構成員 さっき質問したうちの答えがないものとして、例えば購入者を規定することを考えていらっしゃるのかどうかというのが1つと、先ほどの家庭に踏み込まないという話がありましたけれども、パートナー以外との性交渉に対しての乱用につながるリスクというのは本当にないというふうに言えるのかどうかというのを教えていただければと思います。
○磯部構成員 私から答えます。今のお話は、イギリスにおいてこれまで46万箱ぐらい使っておられるのですね。実は成分情報シートの資料にも記載がございますが、少なくとも性犯罪の増加みたいな傾向は見られないというのがあります。実際に会社のほうでも、そのような報告はないと。つまり、当然、警察のほうでも、このOTCのタダラフィルではないかというのは捜査の過程でいろいろ分かってくると思いますので、そういった場合には、当然企業のほうにどういう薬かということで問い合わせが来るので企業にも話が入ってくると思うのですが、そういうことはないと。それから、性犯罪が増えたような兆候もないというのは、いろいろなデータで確認して、今回の資料にも記載がございます。
○宗林構成員 何ページですか。
○磯部構成員 86ページの一番下の4番のところに記載がございまして、参考情報なのですけれども、下の3行に書いてございます。2018年にイギリスでは発売されて、性犯罪の予想外の増加は認められていない。この論文もまた報告があると思うのですが、どこまで確認できるかは非常に難しいところではあるのですが、一番はそういうことであるので、性犯罪に使われたような傾向は見られないというのが事実です。多分、企業のほうもそこはよく注意深く見ていかなければならない事柄だと思います。ただ、そこはどこまで行ってもリスクはゼロにならないのも、どんなやり方を取っても、医療用医薬品でも同じような問題がありますし、全部全滅しろというのはなかなか難しいことではあるのですが、そのリスクをどうやって最小化するかということについては、また企業のほうでもイギリスの事例も見て、どういう方法がいいのか、またいろいろと考えていくということで、宗林構成員の今の御質問には応えていかなければいけないなということだと思います。
○笠貫座長 よろしいでしょうか。会場の都合がありますので、再度この議論を続けるかどうかのとりまとに入りたいのですが。湯浅構成員、どうぞ。
○湯浅構成員 真面目に適正にオンライン診療をやっている先生方が大半だと思います。最近ニュース等で取り上げられて御存じの方も多いと思いますが、一般社団法人を取得し、それを隠れみのにして、クリニックとしての実態が曖昧ななか、例えば糖尿病の薬を痩せ薬として処方し、副作用が発現しても対応しないなどのケースが問題になっています。今後、医療法の一部改正に伴い、オンライン診療も見直されると聞いております。ただ、改正案では、医療法の中に「オンライン診療受診施設」を創設することが明記されており、一般企業が参入できるようになりますし、その報告については事後報告でいいというふうになっています。タダラフィルがスイッチOTC化されることにより、個人輸入は減るという話もありますが、こういったオンライン診療の抜け道についても目を光らせていかなければいけないと思います。以上です。
○笠貫座長 佐藤構成員、どうぞ。
○佐藤構成員 すみません、ありがとうございます。宗林構成員の意見を一部サポートします。症状を自己申告で使う薬については、基本的にはスイッチOTC化していいと思うのです。それは、例えば頭が痛いから頭痛薬であるとか、熱が出たから解熱剤というようなものは、実際にはどのぐらい頭が痛いのかということの確認を別にする必要なく、買っているものと思います。ただ、何よりも前提として、症状のない人に売られるのは困ります。薬ですので、症状のある人に売ってください。
○笠貫座長 大事な御指摘です。特になければ、まとめに入りたいのですが、ED障害の疾病は1400万人の患者がいることで議論を進めてきたと思います。偽造薬という問題と、1400万人という多くの患者が存在するというニーズと、本成分がEDの第一選択薬であって安全性には問題ないということです。課題として、適正使用について多くの問題があります。対象者が、EDであることももちろんですが、ネット販売の問題については否定的な意見もありました。それから、オンライン服薬指導を含めた問題、不適切流通の問題が指摘されました。さらに、性犯罪の問題、転売ルートの問題、受診勧奨など、多くの課題・論点が挙げられました。候補成分への御意見募集でも516件の御意見をいただきましたが、薬剤師の特別な研修の在り方についても指摘されました。1箱当たり何錠にするかという問題も出されました。学会関係の方から出た御意見は、条件付きで賛成の方が多かったかと思います。そういう意味で、これまでに課題・論点、その解決策については、挙げられたということでよろしいかどうか、確認したいと思います。それにより、もう一度、516件の御意見募集に加えてパブリックコメントを行うかどうか、評価検討会議を行うかについての結論を出したいと思います。パブリックコメントを含めて、再度評価検討会議を開いたほうがいいという方がいらっしゃったら御意見をいただきたいと思います。新スキームでの進め方で、必要に応じてパブリックコメントを再度実施するかどうかを含めて御意見いただきたいと思いますが、いかがでしょうか。パブリックコメントは非常に重要だと思いますが、516件の御意見と対面の議論で再度のパブリックコメントと評価検討会議は必要ないということでよろしいでしょうか。新しいスキームの進め方の議論になりますが、よろしいでしょうか。
それでは、今日の御意見が出たものを含めまして、本評価検討会議の結果案を作成させていただきます。非常に大事なことも御指摘いただきましたので、それを課題・論点として整理した上で対応策まとめて、皆様に結果案をお送りし、修正を加えながら皆さんの御意見をいただきたいと思います。
○宗林構成員 さっきも聞いたのですけれども、購入者は本人だけなのですか、規定されているのですかと何回か聞いたのですけれども、本人だけ。
○エスエス製薬株式会社 御質問ありがとうございます。要指導医薬品の期間においては、本人のみ購入できることになっております。
○宗林構成員 分かりました。私はもう特に言いませんけれども、緊急避妊薬はこれだけ苦労して、入手できるようになるまで何年かかったのかということを考えると、この疾病は私もそれほどよく熟知しているわけではないですが、今、もう遅い時間になって欠けているメンバーも結構いらしてという感じはちょっといたしますけれども、座長の判断に委ねます。
○笠貫座長 どうぞ。
○佐藤構成員 私もバランス的には大変差異があると、そこについては不満を持っております。
○笠貫座長 緊急避妊薬というのは、緊急薬として重要な医療用医薬品をスイッチOTC化するという意味で長期間議論してまいりました。しかし、タダラフィルのスイッチOTC化については、可否は決めないで論点・論点整理と対応策についてまとめることです。対応策についての議論が必要であれば、パブリックコメントにかけるという作業を進めさせていただきます。そういう意味で緊急避妊薬のスイッチOTC化の決め方と時間のかけ方と、本成分の進め方は異なり、緊急避妊薬を部会にかけるというプロセスと、第31回からの新たなスキームによる、本成分のプロセスについて二人の御懸念だと思いますが、第31回で御承認いただいたスキームに則って進めさせていただけたらと思いますが、いかがでしょうか。
また、途中退席された構成員が2名いらっしゃるということですので、結果案を作成しまして皆さんご確認いただいた上で、それでもパブリックコメントが必要だということであるならば、次はパブリックコメントに入りたいと思います。そこで御意見をいただき、それで修正を加えながら皆さんにお諮りするということで進めたいと思いますが、よろしいでしょうか。そういうことで結果案をお考えいただきたいと思います。どうぞ。
○宗林構成員 それについてあえて反対はしませんけれども、プロセスが変わったのは十分承知していますが、要するに議論を尽くして、この薬自体がどういう症状のときにどういうふうに使われていくのかということ自体も議論を尽くすには、今オンラインでも欠けている人がいたり、女性も今二人しか残っていないので、男性と女性の違いではないですけれども、緊急避妊薬はどんなときにとか、どういう社会情勢があってとか、いろいろな側面から資料を見てきてここに至ったという経緯があったので、ここの席にいる人だけではなくて、社会的にこの議論がどういうふうに受け入れられるのかなということもやや心配でございます。ただ、私個人はこのプロセスが変わったこともよく知っていますし、この後、また部会もあるのでしょうから、きちんとプロセスには乗っているのだろうと思いますが、これは関心は非常に高くて、そしてどういうふうに使われていくのか、どういうふうに自由になるのか、何が問題で何がいいことなのかということが、今YouTubeに流れていると思いますけれども、社会の皆様にきちんと理解された上で一定のコンセンサスが得られているのかなというのが、やや心配な感がございます。これは感想です。
○渡邊構成員 渡邊です。私は薬局薬剤師として、タダラフィルの処方箋は結構たくさん扱っています。年齢は、30代の方から80手前の方ぐらいまでいらっしゃいます。なぜかというと、EDという個人的な体調の問題だからです。緊急避妊薬と比べるものではないと思います。緊急避妊薬は本日も議論されて現在に至っていますし、本当に早く女性の身体をカバーしていかなくてはいけないと思います。タダラフィルはパートナーとなる方との使用を考えたものです。OTCになるときは、疾病や他の薬など、タダラフィルの適正使用ガイドをきちんと踏まえて、お薬手帳等で確認させていただいて販売できたらよいのではないかと思います。本当にプロセスが短くて、これでいいのだろうかと私も思いますが、必要な方がいるので、そのような方向になっていくのではないかなと感じております。意見です。
○笠貫座長 新スキームに変えてから、1回目になりますので十分議論させていただきたいと思っています。緊急避妊薬では、女子差別撤廃の話が出ており、2名の女性構成員の御懸念が気になりましたが、渡邊構成員からの実際に販売されているという話をお聞きしました。ここで結果案をまとめて、皆さんの御意見を聞いた上で、もう一度パブリックコメントという御意見があれば、またそこで考えさせていただきます。今回は新しいスキームに則って、進めさせていただきたいと思います。
それでは、第1部、第2部も大幅に時間が延長しましたが、緊急避妊薬は評価検討会議の従来のやり方の形で進め、EDについては新しいスキームで進めてきたこともありますが、議論は進められたと思います。長時間となりましたことを心からお詫びします。事務局のほうから何かありましたらお願いします。
○事務局 事務局でございます。本日も、長時間にわたり御議論いただきありがとうございました。本日は以上となります。次回の評価検討会議ですけれども、詳細が決まり次第、また御連絡いたします。御多用のところ恐縮でございますが、どうぞよろしくお願いいたします。以上でございます。
○笠貫座長 それでは、これで第32回評価検討会議を終了させていただきます。ご協力ありがとうございました。
( 了 )
照会先
厚生労働省 医薬局 医薬品審査管理課
03-5253-1111(内線 2737、4225)