第91回がん対策推進協議会(議事録)

健康局がん・疾病対策課

日時

令和7年7月28日(月)14:00~16:00

場所

ハイブリッド開催

議題

  1. (1) 会長の選任等について
    (2) 第4期がん対策推進基本計画について
      ・中間評価の進め方について
      ・コア指標の考え方と選定理由について
      ・ロジックモデルを活用した評価方法について
      ・都道府県単位のベースライン値の公表について
      ・希少がん関連の指標について
    (3) 報告事項
      ・患者体験調査の結果概要について
      ・遺族調査の結果概要について
    (4) その他

議事

議事内容
 ○大井課長補佐 それでは、定刻となりましたので、ただいまより「第91回がん対策推進協議会」を開催いたします。
 委員の皆様方におかれましては、お忙しい中お集まりいただきまして、誠にありがとうございます。
 本日事務局を務めます健康・生活衛生局がん・疾病対策課の大井でございます。どうぞよろしくお願いいたします。
 なお、本協議会はYouTubeにて配信をしております。ウェブ参加の委員の皆様方におかれましては、参加中、基本的にマイクをミュートにしていただき、御発言の際には挙手ボタンで挙手いただきまして、事務局もしくは会長から指名がございましたら、初めにお名前をいただいてから御意見、御発言いただくようお願いいたします。また、会場から参加されている委員の皆様方におかれましては、挙手いただき、事務局もしくは会長から指名がございましたら、同じく初めにお名前をいただいてから御意見、御発言いただくようお願いいたします。
 それでは、初めに、健康・生活衛生局長の大坪より御挨拶させていただきます。大坪局長、よろしくお願いいたします。
○大坪健康・生活衛生局長 皆様、こんにちは。厚生労働省健康・生活衛生局長の大坪でございます。本日も暑い中、この会議にお時間をいただきましてありがとうございます。ここにいらっしゃる先生方は、がん領域のみならず、他の厚生行政にも幅広く御指導いただいている先生方に多くお集まりをいただいておりまして、本日もまた重要な会議で御議論をいただけたらと思っております。ありがとうございます。
 今回、委員の先生方に大きく交代がございましたので、十分御存じのこととは存じますが、改めましてこの会議の位置づけを簡単に御説明させていただければと思います。私どもは、がん対策、がんの政策を進めるに当たりまして、がん対策基本法を持っておりまして、これに基づいて様々な施策を行っているところでございます。御案内のように、この会議体は、がん対策基本法に基づいて設置をされておりまして、基本法に基づいてつくられるがんの基本計画といったものの作成をするときですとか見直しをするとき、また中間評価を行うときなどに必ず専門家の先生方の御意見を伺うといった重要な位置づけである協議会でございます。
 本日は、早速第4期のがん基本計画の中間評価に向けた議論を開始していただければと思っております。大変お忙しい中、恐縮ではございますが、今日も活発な御意見をいただいて充実した御示唆をいただけますよう、どうぞよろしくお願いいたします。ありがとうございます。
○大井課長補佐 ありがとうございました。
 引き続きまして、会長が選任されるまでの間、進行を務めさせていただきます。
 それでは、委員の皆様方の御紹介に移らせていただきたいと思います。恐縮ではございますが、お名前を呼ばれました際に一言御挨拶のほどよろしくお願いいたします。なお、今回ウェブにて御参加されている委員につきましては、お名前を呼ばれました際に、ミュートを解除いただき、一言御挨拶のほどお願いいたします。時間の都合上、各委員30秒程度の自己紹介をお願いしたいと思います。
 それでは、名簿の順番となりますが、公益社団法人日本看護協会常任理事、淺香えみ子委員。
○淺香委員 皆様、よろしくお願いいたします。日本看護協会常任理事の淺香と申します。今期より皆様と御一緒させていただきます。どうぞよろしくお願いいたします。
○大井課長補佐 続きまして、千葉大学大学院医学研究院画像診断・放射線腫瘍学教授、公益社団法人日本放射線腫瘍学会理事長、宇野隆委員。
○宇野委員 皆さん、こんにちは。前回に引き続き担当させていただきます日本放射線腫瘍学会理事長の宇野でございます。よろしくお願いいたします。
○大井課長補佐 続きまして、認定特定非営利活動法人がんサポートコミュニティー、がん対策総合機構事務局長、大井賢一委員。
○大井委員 がんサポートコミュニティー、がん対策総合機構の大井と申します。第4期がん対策推進基本計画の策定に引き続いて参加させていただきます。よろしくお願いいたします。
○大井課長補佐 続きまして、東京大学医科学研究所公共政策研究分野特任研究員、慢性骨髄性白血病患者・家族の会「いずみの会」副代表、河田純一委員。
○河田委員 今期から務めさせていただきます河田です。社会学をベースに、医療社会学としてがんサバイバーシップの研究や患者・市民参画、研究倫理の仕事をしております。また、私自身が慢性骨髄性白血病のサバイバーとして、今回、会を代表して参加させていただきます。どうぞよろしくお願いいたします。
○大井課長補佐 続きまして、特定非営利活動法人日本緩和医療学会理事長、筑波大学医学医療系緩和医療学教授、木澤義之委員。
○木澤委員 日本緩和医療学会の木澤でございます。どうぞよろしくお願いいたします。
○大井課長補佐 続きまして、公益社団法人日本医師会常任理事、黒瀨巌委員。
○黒瀨委員 皆様、こんにちは。日本医師会の黒瀨でございます。今期も引き続きまして担当させていただきます。私ごとで大変恐縮ですけれども、昨年、私も肝臓がんの手術を受けまして、今後医師の立場だけではなく、患者さんの視点でもいろいろと考えていきたいと思います。どうぞよろしくお願いいたします。
○大井課長補佐 続きまして、株式会社櫻井謙二商店代表取締役社長、NPO法人GISTERS副理事長、櫻井公恵委員。
○櫻井委員 櫻井公恵と申します。中小企業を経営しており、第2期の推進基本計画の下、「がん患者・経験者の就労支援のあり方に関する検討会」の構成員を務めました。配偶者がGISTであったことから、NPO法人GISTERS副理事長をしております。よろしくお願いいたします。
○大井課長補佐 続きまして、産経新聞社論説委員、佐藤好美委員。
○佐藤委員 産経新聞、佐藤です。新たに参加させていただきます。不慣れなものですから勉強しながらやっていこうと思います。よろしくお願いいたします。
○大井課長補佐 続きまして、島根県健康福祉部医療統括監、谷口栄作委員。
○谷口委員 島根県の健康福祉部の谷口と申します。衛生部長会から代表して参加させていただいております。地方行政の立場からいろいろ意見を言わせていただけたらと思います。引き続きの参加になります。よろしくお願いいたします。
○大井課長補佐 続きまして、つじもとFP事務所代表、治療と仕事の両立支援~はーべすと~代表、一般社団法人全国がん患者団体連合会監事、辻本由香委員。
○辻本委員 奈良の働く世代の患者会、治療と仕事の両立支援~はーべすと~の代表をしております辻本由香と申します。私自身、乳がん患者であり、父を肝臓がんで亡くしている遺族でもあります。また、ファイナンシャルプランナーとして患者さんや御家族の社会的な苦痛や相続に関するサポートにも携わってまいりました。制度があっても生かし切れない現実や、仕組みでは解決できない課題を日々実感しております。その背景にある思いや状況を丁寧に拾い、生活者としてこの協議会の議論に反映できればと思っております。どうぞよろしくお願いいたします。
○大井課長補佐 続きまして、つるかめ診療所所長、日本在宅医療連合学会副代表理事、鶴岡優子委員。
○鶴岡委員 鶴岡と申します。引き続きになります。よろしくお願いいたします。
○大井課長補佐 続きまして、大阪大学大学院医学系研究科消化器外科学教授、土岐祐一郎委員。
○土岐委員 大阪大学消化器外科学の土岐でございます。現役の外科医でございます。前期に引き続いて本協議会のほうに参加させていただいています。よろしくお願いいたします。
○大井課長補佐 続きまして、京都大学大学院医学研究科社会健康医学系専攻健康情報学分野教授、中山健夫委員。
○中山委員 京都大学健康情報学分野の中山健夫と申します。今回から参加させていただきます。厚生科学審議会とその下にあるがん登録部会、それとがんセンターが所掌している全国がん登録情報提供等審議委員会などを担当させていただいております。これからどうぞよろしくお願いいたします。
○大井課長補佐 続きまして、一般社団法人仕事と治療の両立支援ネット-ブリッジ代表理事、服部文委員。
○服部委員 名古屋から参りました仕事と治療の両立支援ネット-ブリッジの服部文と申します。今期、たくさん就労支援の関係の方が委員にもいらっしゃいますし、とても頼もしく思っております。どうぞよろしくお願いいたします。
○大井課長補佐 続きまして、公益社団法人日本医療ソーシャルワーカー協会会長、北里大学病院トータルサポートセンター課長、早坂由美子委員。
○早坂委員 早坂です。今期から参加させていただきます。よろしくお願いいたします。がんの相談支援センターの相談員をやっていた経験がありますので、相談支援の立場から参加させていただきたいと思います。よろしくお願いいたします。
○大井課長補佐 続きまして、小児脳腫瘍の会理事、公益財団法人ゴールドリボン・ネットワーク、山崎宴子委員。
○山崎委員 小児脳腫瘍の会の理事を務めております山崎宴子と申します。私は、脳腫瘍を患った娘の母親として、患者・家族の立場から今回本協議会に参加させていただいております。通常は公益財団法人ゴールドリボン・ネットワークで小児の患者・家族の支援事業を担当しております。今回このような機会に参加させていただき、心より感謝しております。どうぞよろしくお願いいたします。
○大井課長補佐 続きまして、日本癌治療学会理事長、国立研究開発法人国立がん研究センター東病院副院長(経営担当)、国際臨床腫瘍科長、医薬品開発推進部門長、消化管内科医長、吉野孝之委員。
○吉野委員 今、御紹介いただきました吉野でございます。今期から参加させていただくことになりました。この場を借りて御礼を申し上げます。私は、日本癌治療学会の理事長の立場で本会で貢献できるよう精いっぱい頑張っていきたいと思いますので、よろしくお願いします。
○大井課長補佐 続きまして、国立成育医療研究センター外科・腫瘍外科診療部長、国立開発法人国立がん研究センター中央病院小児腫瘍外科科長、一般社団法人日本小児血液・がん学会理事長、米田光宏委員。
○米田委員 米田でございます。小児血液・がん学会の理事長交代により今期からお世話になります。小児外科医で小児がんの治療をやっておりますが、AYA世代の患者さんも特に国立がん研究センター中央病院では治療させていただくことがあります。よろしくお願いいたします。
○大井課長補佐 なお、本日、国立研究開発法人国立がん研究センター理事長・研究所長、間野博行委員、また、神戸大学大学院医学研究科腫瘍・血液内科学教授、公益社団法人日本臨床腫瘍学会理事長、南博信委員より御欠席の御連絡をいただいているところです。
 委員の御紹介は以上となります。ありがとうございました。
 続きまして、資料の確認をさせていただきます。資料は厚生労働省のウェブサイトにも掲載しております。議事次第、資料1-1から資料3-2及び参考資料1から7がございますので、御確認ください。
 また、本日は参考人といたしまして、国立がん研究センターがん対策研究所、井上真奈美参考人、国際医療福祉大学大学院教授、埴岡健一参考人、国立がん研究センターがん対策研究所がん政策評価研究部、中澤葉宇子参考人にも御出席いただいております。どうぞよろしくお願いいたします。
 以上をもちまして撮影は終了とさせていただきます。これ以降の映像等の使用はお控えいただきますよう、御協力のほどよろしくお願いいたします。
 それでは、早速ですが、議題(1)「会長の選任等について」に移りたいと思います。資料1-2を御覧ください。資料1-2に協議会の運用規定を定めました政令を示させていただいておりますが、そちらの第二条におきまして「協議会に、会長を置き、委員の互選により選任する。」となっております。
 本件に基づきまして、委員の互選によりまして会長を選任いただきたいと考えておりますが、どなたか御推薦ございますでしょうか。
○黒瀨委員 よろしいでしょうか。
○大井課長補佐 黒瀨委員、お願いいたします。
○黒瀨委員 よろしくお願いします。前期もお世話になりましたし、大変経験豊富で、また協議会の会長も務めていただきました土岐祐一郎先生に今期もお願いしたいと思いますけれども、いかがでしょうか。
○大井課長補佐 それでは、御推薦いただきました土岐委員に本協議会の会長をお願いしたいと思いますが、皆様、よろしいでしょうか。
(委員首肯)
○大井課長補佐 ありがとうございます。
 それでは、土岐委員、会長席のほうに移動をお願いいたします。
(土岐委員、会長席へ移動)
○大井課長補佐 それでは、改めまして土岐会長より一言御挨拶をいただけますでしょうか。よろしくお願いいたします。
○土岐会長 ただいま会長に選出していただきました大阪大学の土岐と申します。皆さん、これからよろしくお願いいたします。
 ちょっと昔の話をしますと、私、コロナ前の第3期の中間評価のときに初めてこの協議会のほうに。そのときは委員として参加させていただきまして、そのときはほとんどの委員の先生がリアルのこの会場に来られて活発な議論をいただいていたのですけれども、その後コロナになって、ずっとウェブのみで、皆様と直接お会いすることはございませんでした。今回、本当に久しぶりに前と同じように委員の先生が会場に来ていただいて、御意見を伺えるということで、私も大変楽しみにしておりますし、何となく身が引き締まるような思いでございます。
 今回は第4期の中間評価ですけれども、第3期と違いまして、ロジックモデルを使った評価ということで、私もどのようになるか、手探りで進めていきたいと。そういう状況でございます。そのためにも、委員の皆様の活発な御意見が何よりも我々の参考になりますので、皆さんもこんな会場で緊張されると思いますけれども、どんどんと意見を述べていただきたいと思います。それでは、よろしくお願いいたします。
○大井課長補佐 土岐会長、ありがとうございました。
 続きまして、この会には会長が指名する形で会長の代理を置くこととなっております。土岐会長より会長代理を御指名いただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
○土岐会長 国立研究開発法人国立がん研究センター理事長・研究所長の間野博行委員にお願いをしたいと思っております。日本のがん対策の実践を全て担っている組織のトップでありますので、ぜひ間野委員にお願いをしたいと思っております。よろしいでしょうか。
(委員首肯)
○土岐会長 ありがとうございます。
○大井課長補佐 ありがとうございました。
 本日、間野委員が欠席となっておりますので、事務局より間野委員に会長代理について御確認させていただきたいと思っております。
 それでは、以降の進行は土岐会長にお願いしたいと思います。どうぞよろしくお願いいたします。
○土岐会長 それでは、本日は、第4期がん対策推進基本計画の中間評価に向けた議題となっております。それでは、資料2-1から2-3まで続けて説明をお願いしたいと思います。まずは2-1について、事務局よりお願いいたします。
○大井課長補佐 資料2-1を御覧ください。中間評価の進め方について御明させていただきます。
 次のスライドをお願いいたします。
 こちらのスライドですが、令和5年3月に閣議決定されました第4期がん対策推進基本計画の概要となっております。上段に全体目標を記載しておりますが、「誰一人取り残さないがん対策を推進し、全ての国民とがんの克服を目指す。」を設定しておりまして、全体目標を達成するために3つの分野としまして、「がん予防」「がん医療」「がんとの共生」と、その下に「これらを支える基盤」を置きまして、それぞれ記載の取組を推進しているところでございます。
 次のスライドをお願いします。
 こちらは第4期がん対策推進基本計画のスケジュールとなっております。上段ががん対策推進協議会の動きとなっておりまして、令和5年3月に第4期計画が閣議決定後、ロジックモデルと指標については、同年8月に確定版が公表され、第4期計画で初めてロジックモデルが導入されております。確定版のロジックモデルと指標につきましては、本日の参考資料3と4を御参照ください。
 第4期計画では、令和5年度から令和10年度までの6年計画で進めておりまして、令和7年度が中間年となることから、今年の夏頃から来年の夏頃の1年間で中間評価の議論を行い、令和8年度の夏頃に中間評価報告書を公表する予定としております。
 また、令和9年度から令和10年度にかけまして次期計画に向けた議論を行い、令和10年度末には第5期計画を閣議決定する予定としております。
 また、下段のほうですが、3つの分野ごとに検討会を設置しており、各分野の課題について議論を進めているところです。
 次のスライドをお願いいたします。
 こちらは第4期がん対策推進基本計画の中間評価の背景と現状についてでございます。1つ目でございますが、第4期がん対策推進基本計画は、計画の実行期間を令和5年度から令和10年度までの6年を目安とし、3年を目途に中間評価を行うこととしており、令和7年夏から秋頃より議論を開始し、令和8年夏頃に評価を公表する予定としております。
 2つ目としまして、がん対策の評価に当たりましては、ロジックモデルを活用することとしており、各指標のベースライン値を測定し、今回のがん対策推進協議会で公表しております。一方、基本計画におきましては、数値目標の設定について引き続き検討を行うこととされており、本協議会においてもがん対策において目標値をどのように設定していくか議論すべきといった御意見があったところでございます。また、3つ目として、地域の取組等の比較ができるような指標を設定すべきといった御意見もありました。
 次のスライドをお願いします。
 こちらは第4期がん対策推進基本計画の中間評価の対応方針についてとなっております。こちらは昨年8月に開催されました協議会で、中間評価について2点方向性が示されております。1点目としましては、メリハリのある分析・評価のためのコア指標の選定。2点目としまして、都道府県ごとのがん対策の進捗状況の測定・公表と好事例の横展開の推進が定められております。
 今後の進め方については下段に書いておりますが、1点目、コア指標については、中間評価前の協議会で指標案を提示し議論するとしておりまして、後ほどコア指標案について御議論いただく予定としております。2点目としまして、令和7年度春頃をめどに都道府県単位での評価指標のベースライン値を公表し、協議会に報告するとなっておりまして、こちらについても後ほど御報告させていただく予定しております。
 次のスライドをお願いします。
 こちらは今後のがん対策推進協議会の検討スケジュールをお示ししております。今回令和7年7月の第91回協議会では、中間評価に向けたスケジュールの共有、ベースライン値の公表、都道府県単位の報告、コア指標案、中間評価の進め方について御議論いただくこととしております。第92回以降につきましては、各分野ごとに議論を進める予定としておりまして、各分野の取組状況を踏まえ、分野ごとの中間評価の骨子(案)について御議論いただく予定としております。
 次のスライドをお願いします。
 ここから国の中間評価の方法について。まずは指標の判定について、事務局案を御提示させていただきます。スライドは、がんの2次予防のロジックモデルを一部抜粋したものを例示させていただいております。右から分野別アウトカム、中ほどが中間アウトカム、左がアウトプットの構成となっておりまして、ピンク色のセルがコア指標を、グレーアウトしたセルが指標設定なしを表しております。また、スライドに記載しておりますデータは仮のデータとなっておりますので、御了承ください。
 既に公表されておりますロジックモデルに今回指標の判定のために項目を追加しております。左のアウトプットの欄を御覧いただきますと、左から取り組むべき施策、指標。今回追加した項目としまして、ベースライン値、測定値(中間)、測定値(最終)、判定の4つの欄を追加しております。
 対応(案)は下に記載しておりますが、1つ目としまして、ベースライン値と測定値(中間)を対比し、改善傾向・変化なし・後退傾向かを判定してはどうかということで、右下にAからDで記載しておりますが、Aが改善傾向、Bが変化なし、Cが後退傾向、Dが測定不能と4つで判定を記載することを想定しております。
 また、対応(案)の2つ目でございますが、コア指標に着目しつつ、分野別に全体の指標を確認してはどうかということで、後ほど御議論いただきます最終アウトカムに影響の大きいコア指標に着目しつつ、現在設定されている296指標全てについて、ベースライン値、中間測定値の対比による判定を行い、それらを踏まえて評価を行うことを考えております。
 次のスライドをお願いいたします。
 先ほどの指標の判定を踏まえまして、中間評価の方法と報告書のイメージをお示ししております。まず、左上に全体目標と分野別目標としまして、今回はがん予防を例示しております。対応(案)の1つ目としまして、中間評価報告書では、初めに最終アウトカム指標の測定値に係る評価を記載し、全体目標及び分野別目標の進捗状況を評価してはどうかとしております。
 また、対応(案)の2つ目でございます。分野別の個別目標を評価するために、分野別アウトカム指標・中間アウトカム指標の測定値に係る判定を記載するとともに、個別施策に対して、アウトプット指標の測定値に係る判定を記載し、それらを踏まえ、進捗の評価を実施してはどうか。また、進捗の評価に当たりましては、指標の判定及び施策の取組状況を踏まえて、定性的・定量的に評価を記載してはどうかと考えております。
 最後、対応(案)の3つ目でございます。これらの評価を踏まえまして、がん対策推進協議会としてさらに推進が必要と考える事項を記載してはどうかと考えております。
 事務局からの説明は以上となります。
○土岐会長 ありがとうございます。
 引き続きまして、資料2-2につきまして、国立がん研究センターがん対策研究所、井上真奈美参考人より御発表をよろしくお願いいたします。
○井上参考人 御紹介いただきありがとうございます。国立がん研究センターがん対策研究所の井上真奈美と申します。
 本日は、第4期がん対策推進基本計画におけるコア指標案を作成いたしましたので、その考え方と選定理由について簡単に御説明させていただきます。
 次のスライドをお願いします。
 先ほども話にありましたので、少しかいつまんで御説明しますが、コア指標の設定ということで、重要な指標に絞ってメリハリをつけて評価するためのコア指標を設定しようということで、我々はその案を作成し、今日御案内させていただきます。300ぐらいあるのですけれども、そのうちの3分の1、93を提案させていただきます。
 このスライドの下にありますコア指標を選定する際の基本方針は大きく3つあります。1つ目は指標の評価として質が高いこと。質が高いことというのは、悉皆性、科学的信頼性を重視しております。2つ目は最終アウトカムへの影響が大きいこと。先ほどもお話が出ておりました。3つ目は各都道府県でがん対策推進基本計画が策定されていることから、その評価のために都道府県の比較ができるような指標であること。この3点を基本方針といたしております。
 次のスライドをお願いします。
 先ほど申し上げました3つの基本方針を基に、全分野で296ある指標から予防、医療、共生、基盤の4分野からコア指標を選出いたしました。細かい分布はそのスライドで示しておりますが、全体目標に直結する最終アウトカムは全てコア指標としまして、全部で93のコア指標を案として設定いたしました。
 次をお願いいたします。
 これは図の見方ということで、この後のスライド、図の見方の中で具体的に御説明をしますので、ここでは割愛させていただきます。
 次をお願いいたします。
 中から本当にかいつまんで幾つかを紹介させていただきます。これは1次予防におけるコア指標案です。個別の指標案の流れを見ていただけるように、最終アウトカム以外は、コア指標以外も表示しております。この中で色のついているもの、白以外のものはコア指標です。白はコア指標とは選定されていないものですが、流れを確認するために入れております。
 1次予防のコア指標としましては、生活習慣対策の中間アウトカム指標として、がんの罹患への寄与割合が判明している生活習慣要因5つが選定されました。また、アウトプット指標としましては、下のほうになりますが、日本で対策が遅れており、優先順位が高いものとしてHPVワクチンが選択をされております。これらが改善することにより、分野別及び最終アウトカムの改善が種別の罹患率、あるいはがんの死亡率・罹患率の減少につながることが期待されております。
 次をお願いいたします。
 こちらは2次予防についてです。受診率対策のアウトプット指標としまして、受診勧奨実施市町村数が増えることにより検診受診率が上がり、また、がん検診の精度管理としまして精密検査受診率が向上することにより、検診がん種別の進行がん罹患率が低下、最終的にがん死亡率の減少につながるという評価ができることが期待できます。
 検診の実施対策のアウトプット指標としましては、指針を遵守している市町村数が増えることでがんの罹患率・死亡率の減少につながることが期待されております。これらの指標の選定理由は、上にありますように、がん検診の精度管理として確実性、比較可能性の高い従来から使用されている指標が選定されております。
 次をお願いいたします。
 これからが医療。幾つか説明していきます。これは医療提供体制の均てん化・集約化についての指標案です。医療提供体制の指標はやや複雑ですので、指標ごとに選定理由の印をつけ、区別できるようにしております。理由の1つ目、黒丸で示しております医療提供体制の役割・機能分担を評価する指標を選定しました。2つ目の理由としましては、白丸でお示ししております主観的アウトカムとして患者が等しく医療を受けられたことを評価する指標を選定しております。
 医療提供全体のアウトプット指標として、役割分担に関する議論が行われている都道府県の数、都道府県協議会に小児がん拠点病院等が参加している都道府県の数、がん治療前にセカンドオピニオンに関する話を受けたがん患者の割合、これらをアウトプット指標としております。それらが増えることにより、主観的なアウトカムとしまして、担当した医師ががんについて十分な知識や経験を持っていたと思う患者の割合が増え、がんの診断・治療全体の総合評価が改善し、最終アウトカムである死亡率減少、生存率向上、そして患者・家族のQOL向上につながることが評価できるというふうに期待しております。
 次をお願いいたします。
 こちらはチーム医療・がんリハビリテーションについてのコア指標案です。チーム医療の推進対策については、客観的に多職種連携を評価する指標として、緩和ケア診療加算の算定回数、栄養サポートチーム加算の算定回数が選定されまして、これらが改善することで主観的なアウトカムとして、多職種による相談支援環境の充実を示す指標として主治医以外にも相談しやすいスタッフがいた患者の割合、これが増えることで分野別・最終アウトカムの改善につながることが期待されます。
 一方、がんのリハビリテーションの対策としましては、客観的指標としてがんリハビリテーション研修プログラムを修了している医療従事者の人数が増えることで多職種連携が増え、主観的アウトカムとして拠点病院等に通院・入院中のがん患者でリハビリテーションを受けた患者の割合が増えることで、分野別・最終アウトカムの改善につながるということが期待されます。
 次をお願いいたします。
 こちらは共生になります。共生分野の相談支援についてのコア指標案です。この分野では、その後の両立支援の在り方が変わるため、治療開始前の早期介入を評価する指標を選定しております。アウトプット指標としましては、がん相談支援センターでの自施設・他施設から新規相談件数が増えることで、がん相談支援センターについて知っているがん患者の割合が増え、最終的に分野別・最終アウトカムにつながることが期待されます。
 次をお願いいたします。
 こちらは同じ共生分野ですが、サバイバーシップ支援、就労支援についてのコア指標案です。こちらの選定理由も同じように、その後の両立支援の在り方が変わりますので、治療開始前の早期介入を評価する指標を選定しています。医療機関側の就労支援対策としまして、拠点病院等のがん相談支援センターにおける就労に関する相談件数が増えることで、治療開始前に、就労継続について説明を受けたがん患者の割合が増え、また、退職したがん患者のうち、がん治療開始前までに退職した者の割合が減ることで、最終アウトカムとして自分らしい日常生活を送れていると感じるがん患者の割合が増加するということが期待されます。
 職場側の就労支援対策として、両立支援コーディネーター研修修了者数が増えることで、治療と仕事を両立するための勤務上の配慮がなされているがん患者の割合が増え、最終アウトカムの改善につながることが期待されます。
 次をお願いいたします。
 以上、非常に簡単に御説明させていただきましたが、まとめです。全指標につきまして、存在するデータで可能な限り都道府県別にベースライン値を算出し、公表いたしました。中間評価を適切に行うため、296個の全指標から93個のコア指標案を選定いたしました。
中間評価を受けて、その評価方法の検討を行うとともに、全ての最新値を算出して中間評価を行う予定です。
 以上となります。ありがとうございました。
○土岐会長 井上参考人、ありがとうございました。
 続きまして、資料2-3につきまして、国際医療福祉大学大学院教授、埴岡健一参考人より御説明をよろしくお願いいたします。
○埴岡参考人 埴岡です。よろしくお願いします。
 こちらの協議会の1期、2期の委員を患者関係委員としてさせていただきました。今日は国際医療福祉大学大学院教員の立場から評価についてお話をさせていただきたいと思います。日頃は都道府県・市町村などの自治体の評価の支援などをさせていただいております。厚労省の都道府県向けロジックモデル研修の分担もさせていただいております。また、日本評価学会の認定評価士でもございます。
 次をお願いします。
 今日の私の役割は、この3点と認識しております。「ロジックモデルと指標を活用した評価」の基礎。そして、ロジックモデルと指標を活用する際の留意点。そして、「評価文化」を醸成していくプロセスのイメージを共有する。この3点を御説明することが任務と認識しております。
 次をお願いします。
 基礎を押さえておくという点で、厚労省通知にありますロジックモデルと評価の考え方をおさらいしておきたいと思います。下線部が2か所ございますが、上のほうです。施策及び事業評価の際には、施策及び事業の結果(アウトプット)のみならず、地域住民の健康状態や患者の状態、地域の医療の質などの成果(アウトカム)にどのような影響(インパクト)を与えたか。これを見るのだと書いてあります。
 下のほうですが、施策の検討及び評価の際にはロジックモデル等のツールの活用を検討するということで、ロジックモデルはあくまでツールであって、目的はインパクトを評価することであるというふうに記載されております。
 次のページです。
 そのロジックモデルに関して、厚労省通知で図と解説文がございますけれども、それを合わせたものでございます。先ほど来、厚労省の説明、あるいは井上先生の説明にロジックモデルが出ておりますが、その構図を示しております。アウトカムは施策や事業が対象にもたらした変化。アウトプットが施策や事業を実施したことにより生じる結果。そしてインパクトがアウトプットによるアウトカムへの寄与の程度となっております。そして分野アウトカムや中間アウトカムの概念があるところに指標が必ず添えられており、その指標の種類としては、アウトカム指標、プロセス指標、ストラクチャー指標といったものがこのような形で配置されると示されております。
 では、このロジックモデルとインパクト評価がどのようにつながるのかということでございます。次のスライドをお願いします。
 この図の上のほうは、先ほど見ていただいたページとほぼ同等でございますが、評価するに当たっては、下側のプログラム評価のところの理解が大切となります。これは日本の政策評価法で「総合評価」という名前で描かれているものに相当いたします。評価というのは図の9番から13番の5段階で評価するというのが一般的でございます。ニーズ評価、満たされていないニーズを確認する。セオリー評価、目的と活動の論理整合性を確認する。プロセス評価、決めたことを実行したかを確認する。そしてインパクト評価は赤字にしておりますけれども、これが先ほど厚労省の文書の上の下線を引いた部分であり、アウトプットがアウトカムに効果をもたらしたかを確認する。そしてコストパフォーマンス評価として、上のインパクトによってインプット(投入資源)が正当化できるかを確認する。この5段階が評価と考えられており、なかでもインパクト評価をやっていくと。そのためにロジックモデルを活用するというふうに捉えることができます。
 次のページです。
 その際、指標が設定されており、計測がされているわけですけれども、都道府県などの状況を見ておりますと、指標の呼び方に混乱が見られるところがありますので、押さえておきたいと思います。凡例としてここでは計測指標とコア指標と数値目標設定指標という3つに区分けをしております。まずロジックモデルには漏れなく指標がついているのが原則です。全体として計測されている。計測指標と呼んでもいいと思います。そのうちコア指標が先ほど説明があったように選択されるということがございます。そのうち数字として幾らという目標が設定されると、数値目標が設定された指標となるわけです。一部で数値目標と指標が同じような捉え方をされていることがありますので、まず区分して考える必要があるということを押さえておきたいと思います。
 次のページになります。
 指標の読み取り。指標を決めました。データを計測しました。7月24日には国立がん研究センターのほうからデータ集が公表されました。ただ、それをもって即評価ができるかというと、ここがスタートライン、これからが考えどころということになります。指標の数値は単体ではなかなか意味をなさないということがございます。指標はつながりで見る。コア指標を重視するといっても、その他指標も含めてつながりの中で見てこそ評価が可能となるということがございます。この図を見ていただきますと、右端に例えば分野アウトカム、指標があって、目標設定がされている。未達だと。では、なぜとなった場合に、川上に遡り、その原因となり得る2つの中間アウトカムのところを見て、またその2つの指標の数値を見て、どうなのだろうと考え、中間アウトカム1つ目の指標が後退していれば、それを遡って、それにひもづいた施策のアウトプットの数値を見て考察をする、といったような作業が行われます。
 また、例えば施策3つ目のアウトプット指標がコア指標になっていて、その数値が思わしくないとすれば、それをもって中間アウトカムの指標が思わしくないかといったふうに、見ることもあるでしょう。主には右から左、時には左から右ということで、つながりを持って見ることから評価が始まるということでございます。
 次のページをお願いします。
 数値の見方の続きですけれども、何と比較し、何をもって改善ということもございます。左側の図を見ていただきますと、例えば2024年、ケース1、指標を1個測りました。2024年の1点の数値が分かって、1点の数字を見ただけでよしあしが分かるでしょうか。というと、その数値が分かったというだけになります。よしあしの判定はできません。では、2021年も測られていて変化が分かったとしたら、これでよしあしが分かるでしょうか。というと、変化は分かるけれども、よりよい方向に変わったのか、悪いほうに変わったのか分かりません。3点以上の計測がないとよしあしの判定はできないということになりますので、観測期間を持って息の長い取組が必要になるということがございます。
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 一方で、都道府県の場合は、やや様相が違う部分がございます。2024年1点観測の場合、都道府県の場合は、24日に今回データ提供していただいたように47都道府県のうちの位置づけが分かります。上のケース1ですと、数値が例えば上ほどいいとして、47都道府県のうちで悪い数値だなということが分かり、よしあしがある程度分かることになります。ケース2、下のほうの指標ですと、47都道府県中でよいほうだということが分かります。また、2点観測した場合は、47都道府県のそれぞれの改善率の度合いを見ますので、自県が大きく改善しているのか、改善が思わしくないのかといったことも分かるということで、よりよしあしの判断ができるということがございます。
 今、47都道府県中の半分ぐらいがロジックモデルを計画に掲載しておりますが、そのうちきっちりしたロジックモデルは数県ぐらいと認識しております。ただ、今回資料2-4にあるデータ集が出ました。都道府県にとってみれば、ある意味で自分の県もロジックモデルをもっており指標もたくさん計測しており、そのデータに基づいて評価のスタートラインに立つということができるということになります。そういう意味で非常に意義がありますし、中間評価の際に、先行県と同様なロジックモデルと指標体系を多くの県が整備していくのではないかと期待されるところかと思います。
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 皆さまは、これから中間評価をされていくわけですので、評価の基礎を少し押さえておきたいと思います。評価学の基礎的な教科書から持ってきました。評価というのは、事実特定プラス価値判断と言われます。例を挙げます。指標の数値が40から50へと変化した。よく「40から50に上がって、上昇したのでよし」のように言ってしまいます。しかし、これは、事実特定は客観的に40が50になった、それだけですね。一方で、別の情報として、目標値が60という情報があれば、60を下回っているから、そこで初めて価値判断としてよろしくないというのが生じるわけです。もし目標値が45だったら上回っており、よいということになるわけです。当たり前のことですが、なかなかこれができていない。そして、評価として、価値づけとして、3番の「十分とは言えない。よって、追加対策が必要である」といったことが分かるということになります。
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 具体例で示しています。データはスタートラインであり、数値だけでは価値判断できない、考察と議論が必要という例です。1つ目、がんの罹患が増加した。罹患が増えるというのはよくないですね。でも、もしがん検診率が大幅に高くなって、その結果、一時的に罹患が高まるということであれば、必ずしも悪くないよねという判断をしなければいけないです。例えば地域別数値を見ていて、胸腔鏡手術の件数が少ない。少ないというのは悪くないよねと思えるのですが、もしその地域が肺がんの死亡率と罹患率がすごい高い地域で、手術件数が少ないのであれば、それは十分提供できていないのではないか、アクセスが悪いのではないかというふうに見る必要も出てきます。
 それから、相談窓口の認知度が高まらない。よくない感じがしますが、もし相談支援が十分であると感じる患者・家族の割合が大幅に前進していれば、何が貢献したのかと考える。例えば主治医チームからの説明の質が向上したので解決しているのではないかと考えられるかもしれない。このように、ロジックモデルのつながりで見ていかなければいけないということ。
 こうした形で評価の仕方になじんでいってプログラム評価を理解しておいて、その上でインパクト評価の作業へ進んでいくということになります。
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 個別施策評価の例を挙げております。がん検診分野においての説明です。単体のロジックモデルを切り出したものです。死亡率の減少のために進行がん罹患率を減少させる。そのために検診受診率を向上させる。そのために受診勧奨をするという流れの施策が考えられます。これを評価するときに、ニーズ評価とは何だろうというと、必要性がありますかということ。進行がん患者の罹患率が減少していない。早期がん発見率が増えていない。では、やらなければいけないよね。セオリー評価。そのためにはコール・リコールが大事だよね、これは疑いないよね。プロセス評価。いいことでもちゃんとやれたの。インパクト評価。ちゃんとやっても、それによって現に進行がん罹患率が減ったのか、早期がん発見が増えたのか。こういうふうに考えていくことになります。
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 何か難しそうだなとか、イメージが湧かないなと思われるかもしれません。この表に「設問の例」とあります。こうした評価設問に答えて、情報記載欄にあるように得られる情報で埋めていく。こうした設問に対する情報を収集して、それを踏まえて価値判断を行って、エッセンスを報告書に記述する。先ほど拝見しました資料2-1の8ページ右下のところに「進捗状況の評価」、それを踏まえて、「がん対策推進協議会としてさらに推進が必要と考えられる事項」の項目がございました。この項目に、このような情報収集を経て可能な記載をしていくということと思っております。
 インパクト評価に向けて、評価文化を醸成していくことが必要だと思われます。評価というのは一朝一夕にはならず、これから皆さんが3~4年、一丸となって形成されていくものだと思っております。このようなステップ1、ステップ2、ステップ3といったプロセスが必要で、皆様の粘り強い取組が必要かと思います。
 最後のページになります。
 そのためには評価文化を醸成していくことが必要で、その活動をロジックモデル風に描写してみました。右上、最終ゴールがアウトカムの向上の加速。そして「評価文化が定着している」が分野アウトカムです。中間アウトカムとして3つ設定しました。ロジックモデルと指標データが整備されていることが必要です。評価の仕方の理解が定着していることも必要です。役割分担の上で評価が実施されていることも必要です。中間アウトカム3つ目のところに施策を1、2、3、4と列挙させていただきました。国とがんセンターの役割、都道府県の協議会の役割、都道府県の連携協議会の役割、拠点病院の連絡協議会の役割を果たしていくことが重要だと思われます。大事なことを漏らしてしまいましたが、5番としては各学会の役割があると思います。皆さんが、国がつくったロジックモデルのいずれかの部分を担っていらっしゃると思います。所掌範囲とも言えるかと思います。そこを皆さんが担われ、かつ評価をする。結局、国の成果、パフォーマンスというのは、都道府県、市町村のパフォーマンスの合算であり、あるいはこの図で描写した5つの役割の果たされるパフォーマンスの結果の合計となります。ですので、こうした形で進めていかれるのかと理解しております。
 以上、冒頭に申しましたように、私から3点、「ロジックモデルと指標を活用した評価の基礎」、「ロジックモデルと指標を活用する際の留意点」、そして「評価文化を育てていくプロセスのイメージ」を共有させていただきました。
 御清聴ありがとうございました。
○土岐会長ありがとうございました。
 ロジックモデルに従って我々が中間評価をしていくという流れが大まかに読めてきたような気がいたします。
 それでは、資料2-1から資料2-3について、それぞれの方々に御質問がある委員の先生は挙手、もしくはウェブの先生からはウェブの挙手でお願いします。それでは、黒瀨委員、どうぞ。
○黒瀨委員 ありがとうございます。非常に分かりやすい御説明をいただきました。
 質問というよりはコメントをさせていただきたいと思います。埴岡先生が御紹介いただいた資料11ページに記載の、数値だけでは価値判断ができない、考察と議論が必要であるということは、私も同感いたします。中でも、例えば井上先生が御紹介いただいたコア指標案のマル2の2次予防、あるいはマル3の医療に関して、私は第4期の推進計画を立てるときにも申し上げたと思うのですが、もちろん死亡率の減少というのは最終目標かもしれませんけれども、現状の医療の中で、いかに早期にがんを発見して、より多く治療法の選択肢が得られるか。そして、その中でその方の状況に一番合った選択をすることによってQOLを向上させていくことが大切であるという意味で言うと、死亡率の減少にはつながらないけれどもQOLの向上にはつながるといったこともあろうかと思います。
 その場合に、分野を超えた評価をせず、それぞれ別々に評価しただけでは、治療法、あるいは早期発見の効果を正確かつ十分に評価できない場合もあろうかと思います。例えば早期発見することによってダヴィンチ等のロボット手術を受ける。それによって傷口も少なくなって、それが術後の生活環境の向上にもつながっていく。その結果、今度はその方々の社会経済的な活動度も高くなるわけですから、それがフィードバックされて例えば医療費の財源の問題等にも貢献していくと思います。このようなコア指標案だけで見ていくとなかなか難しい部分に関して、評価の中で我々もしっかりと丁寧に議論をしていく必要があろうかと感じました。
 また、埴岡先生がお示しいただいた資料の8ページ目です。何と比較し、何をもって改善したと考えるかという点ですけれども、我々は数年前にコロナ禍という非常に大きな、社会的にもインパクトのある経験をいたしました。当時は、当然ながら対策型検診が一部非常に制限をされてしまって、そのときにもしかすると見逃したかもしれない、本当だったら見つけられたかもしれない早期がんが数年たってから表に出てくる場合もあろうかと思います。1点だけで観測していくと、そのときのインパクトを見逃すおそれもあると思いますので、対策型検診に含まれているもの、あるいは含まれていないもの、それによってまたコロナ禍のインパクトというのが当然変わってくる可能性もありますので、がん種をいろいろ見極めた上での評価も重要になってこようかと思います。
 いずれにせよ、考察と議論が必要ということに私も賛同いたしますし、また、皆様方と一緒に考えていきたいと思います。どうもありがとうございました。
○土岐会長 ありがとうございます。
 ほか。大井委員、どうぞ。
○大井委員 がんサポートコミュニティー、がん対策総合機構の大井です。
 井上参考人に御質問させていただきます。先ほどコア指標の案ということでいろいろ提示いただいたと思うのですけれども、例えば井上参考人の資料の7ページの「医療提供体制の役割・機能分担を評価する指標」という中で、中間アウトカム指標、担当した医師ががんについて十分な知識や経験を持っていたと思う患者の割合ということで、それが後の資料3-1、国立がん研究センターの患者体験調査というところにも出てきているかと思いますが、これが患者全体を表すような指標のベースとしてなるのだろうかと少し疑問に感じました。というのは、2021年の第2回がんの緩和ケアに係る部会の中で示された資料の中に、初期治療が行われる医療機関の割合というところで、51.6%ががん診療拠点病院、48.4%がその他の医療機関ということになっております。このデータの多くはがん診療連携拠点病院から発出されたアンケート調査、その他に関しては無作為抽出で選ばれた幾つかの病院ということになってくると、圧倒的にがん診療連携拠点病院で診療をされている先生方というのは、がんの知識量が多いと考えられます。後ろの資料3-1を見ると、70%以上の方が満足だというデータになっていますが、それを初めに指標のベースとして見ていくということで、果たして患者の実態に即した情報になるのだろうかということを疑問に感じました。そういったところについて、教えていただけることがあれば教えてください。
○井上参考人 私からお答えしてよろしいでしょうか。
○土岐会長 はい。
○井上参考人 井上です。
 御指摘ありがとうございます。今、御指摘いただいたことは重々承知しておりまして、一方で、この指標にかかわらず、ロジックモデルに関する指標、指標を決めるときに、そのデータがどこかにないと指標として扱えないものですから、我々も今あるデータの中で、限界がある中で、どれを抽出するかということで非常に苦労しました。ベストアベイラブルという形で今は抽出していますけれども、その指標が、後で見ていく中で、やはり今のような懸念が明らかに出てきている、数字が現実とは違うものになっているというようなことがありましたら、このような分野横断的な会の場できちんと御指摘いただくようにしまして、みんなで新しい指標をつくっていくのか、あるいはこのままの指標で仕様を改善していくのか、いろいろな方法がある。あるいは指標を変えていくのかということもあるかと思いますけれども、具体的に検討させていただこうと考えております。
 今回は第1回目ということで、ある中から抽出させていただいたという現状を御理解いただければと思います。ありがとうございます。
○土岐会長 ありがとうございます。
 櫻井委員、よろしくお願いします。
○櫻井委員 今回挙げていただいている296の指標、いずれいずも前任の皆様が挙げてくださったとても大事な指標だと思っています。全てについてを一旦測ってみよう、やってみようというスタート位置に立ったのだということが理解できました。
 第4期の指標には第3期にはない指標がとても多いと思います。そうすると、今、初めてこれはこの数字が出ましたよという1個目の点が打たれたところなので、残されたあと3年、4年の第4期の間にもう1回評価をし、その上でその指標がよくなっているのか、悪くなっているのかということを判断していくという、そうした第4期の流れをイメージしたのですが、このような考え方で合っていますでしょうか。
○大井課長補佐 櫻井委員、ありがとうございます。
 現在、中間評価値を収集しているところでございます。ただ、小児患者体験調査等は、中間評価、最終評価に合わせて調査ができておりませんので、中間評価に当たりましては、現在公表されているものをデータ収集し評価していくこととしております。
 最終評価につきましては、その時点で収集できるものを収集し、評価をしていくこととしておりますが、先ほど埴岡参考人の御講演の内容にありましたが、この指標については、測定を継続していくことが非常に大切と思っております。1点観測ではなかなか見えないところがありますので、せっかく皆さんに決めていただいたこの指標を継続して測定していきながら評価していきたいと考えております。
○櫻井委員 ありがとうございました。もう一点出てくると話が進むのが速くなるかと思いました。
 以上です。
○土岐会長 これはウェブのほうが手を挙げやすいですね。現場にいると、手を挙げっ放しというわけにはいかないです。河田委員、どうぞ。
○河田委員 ありがとうございます。2点あります。
 1点目です。ベースラインの取り方について、まずは議論の進め方として、ベースラインの選定基準に少し意見がある場合、この場で聞いていいのかということを確認した上で、コア指標の選定に関しましてもう一点意見があります。まず、ベースラインのところですが、患者市民参画に関するベースライン値について少し意見があります。現状、こちらは長期に見ていく指標としてふさわしいのか、若干疑問がございます。というのも、世論調査でこうした患者市民参画等に協力したいと思っているというのと、参加したいというところで、協力したい人だけで現在取っており、既に9割近くの人がイエスと答えている状況で、長期的にこれをどう改善していくのかというのは、指標として難しいのではないか。むしろ参画をしたいというところまで踏み込んだ人のベースアップを図っていくべきなのではないかというのが1つです。
 もう一点、専門家向けに関して、癌治療学会のアンケート調査をベースにしておりますが、こちらは母数が回答者となっておりまして、より正確に取るのであれば、癌治療学会の正規会員数を母数としたデータに変更すべきではないかと考えております。これが1点目となります。
 2点目のコア指標の選定ですが、サバイバーシップの点に関しましてです。現在サバイバーシップ支援に関するコア指標というのが、ほぼ就労支援に対する評価になっていると存じます。しかし、現在、高額療養費制度であるとか、あるいはOTC類似薬を含めまして、患者の経済的負担感がより重要な問題であるというのが患者としての実感としてあります。この患者の経済的負担感に関するもの、経済的な理由による治療変更であるとか、あるいは金銭的なことが生活にどのように影響するのかということがコア指標に含まれていない。また、中間アウトカムにもないというような形になっておりますが、経済的課題というのは、長期に制度が変わった場合に、がん対策そのものが後退してしまう可能性という意味合いにおいても、長期的に計測するコア指標に選定していただくことはできないでしょうかというのが私からの意見となります。
○土岐会長 最初の質問はベースライン値のことと、それからコア指標を変えられるかということだったのですけれども、いかがでしょうか。
○大井課長補佐 河田委員、ありがとうございます。
 まず、ベースライン値でございますが、今回の296指標は、第4期計画策定時の委員皆様で決めていただいた指標となっておりますので、一旦はこの指標でベースラインは測定していきたいと考えております。
 また、繰り返しになりますが、埴岡参考人のほうからも、継続してこの指標を測っていくことが大事ということの御指摘もございました。恐らくこれを測っていきながら、この指標が本当に適当なのか、このベースライン値が適当なのかというところの疑問はまた委員の皆様と一緒に議論しながら、第5期に向けて指標の変更も含めて協議をしていければと考えております。
 あと、サバイバーシップ支援が就労支援に偏っているのではないかというところで、コア指標を具体的に今回設定しているものに、追加ということの御意見でよかったのでしょうか。
○河田委員 そのように理解していただいて構いません。
○大井課長補佐 それは今設定されている指標からということでしょうか。
○河田委員 現在ある経済的な理由による治療変更であるとか、あるいは生活への影響というのをコア指標に含めないかということです。
○大井課長補佐 分野別アウトカムの指標となりますか。
○河田委員 そうです。
○土岐会長 ページとか分かりますか。結構膨大な。
○河田委員 参考資料7だと、20ページとなると。
○土岐会長 20ページですか。
○大井課長補佐 20ページの分野アウトカムの1つ目という理解でよろしかったでしょうか。
○河田委員 はい。
○大井課長補佐 ありがとうございます。
 今日追加の指標について皆さんからまた御意見を頂戴しまして、今、ロジックモデルをご覧いただいているかと思うのですが、この社会的な問題の対策については、コア指標が多く選ばれていることもございますので、本日御意見をいただいた後に、井上班とも相談しながら、コア指標の変更、調整を進めたいと思っております。それにつきましては、次回以降の分野ごとの議論の際には再度コア指標を御提示させていただければと考えております。
○土岐会長 指標の選定等もベースライン値についてはもう既に走っていることなので、今から急には変えられないですけれども、コア指標についてはまだまだ検討の余地があると考えております。
 中山委員、どうぞ。
○中山委員 ありがとうございます。
 今回が初めての参加ということで、基本的なことになるかもしれませんのでお許しください。全体の枠組みやコアとなる指標について詳細な御検討、御説明をいただき、どうもありがとうございました。私は内容に大きな異存はありません。
 評価対象とするデータの正確さと効率、収集の労力の点から2点お教えください。既に今までも御質問があったことと重なりますが、データ収集は、制度的、業務的に収集されているものと、目的のために行われるサーベイなどがあるかと思います。分野別・最終アウトカムであるがん罹患率などは、がん登録が直接活用できるもので、緩和医療や栄養チームの実施状況は、レセプトでの評価、オープンデータなどを活用すれば、効率よく収集できる、客観性も保たれたものだと思います。
 一方で、患者さんの満足度などは、そのためのサーベイなどが想定されるかと思います。これらのデータの収集の正確さと効率、労力について状況を教えていただけるでしょうか。これが1点目です。
 それを踏まえての2点目です。都道府県に各データをそろえていただいて、厚労省で集約するという形か、またはある程度厚労省で集計したデータ。NDBを用いたりなどして厚労省側で集計したものを都道府県独自のデータを後で追加していただく。サーベイなどを追加していただく。それをまた厚労省で集約して全体の評価をするといったイメージか、現時点で計画があればお教えいただければと思います。よろしくお願いいたします。
○土岐会長 これは井上参考人、お答えできるでしょうか。
○井上参考人 答えられないことはないですが、恐らく厚労省からまとめてお答えいただければいいと思います。
○土岐会長 では、厚労省のほうからよろしくお願いします。
○岡嶋課長補佐 厚生労働省がん・疾病対策課です。
 1つ目の指標についてですけれども、御指摘のとおり、全国がん登録であれば、既存で全国の病院ないし指定された診療所を対象にがん登録を報告いただいていて、それを国として統計を出しているというようなものになっております。例えば患者体験調査であったり、小児患者体験調査、遺族調査に関しましては、がん基本計画のためだけにというわけではございませんけれども、国立がん研究センターのほうで調査を行っていただいているものを今回基本計画の中で指標として用いているものになっておりますし、そのほか、現況報告書であれば、各拠点病院のほうに毎年年次で報告いただいているものを指標として用いているという形になっておりまして、指標についてはそれぞれのデータソースがございますけれども、それぞれのデータの制約の中で、先ほど井上先生のほうからもベストアベイラブルとございましたが、そういった形の中で活用できるもの、指標として質が高いものがこれからというところで、既に指標としては評価指標をそれぞれ定めていただいているものと承知しています。
○井上参考人 追加でよろしいですか。
○土岐会長 お願いします。
○井上参考人 今のお話に補足だけさせていただきますと、そのデータ自体を都道府県のほうが準備しなければいけないのかというお話もあったかと思うのですけれども、基本的には今、公開しているデータも恐らくそうなっていると思いますが、都道府県値もこちらでちゃんと埋められるようなものにしまして、そもそもその指標を選んできているので、できる限り都道府県を選べば、都道府県の値が出てくるような仕組みでデータを準備させていただき、指標の評価に当てていただくということを前提として準備をしております。
 以上です。
○中山委員 どうもありがとうございました。了解です。
○土岐会長 ほか。大井委員、どうぞ。
○大井委員 がんサポートコミュニティー、がん対策総合機構の大井です。
 埴岡参考人に御質問になります。ロジックモデルに関していろいろ教えていただきました。ロジックモデルは可視化するということに関して非常に効果的であること。プロセス評価と成果評価を両立できるということ。それからエビデンスを重視するということで、継続的な評価ができるということを教えていただきました。
 しかしながら、データ的に非常に理想論的な部分があったり、過剰な一般化が行われてしまう可能性があったり、あるいは先ほどから御質問が出ている部分というのは、指標として測定困難性があるような部分のところを、今あるデータを使って評価しようとした時に、これで評価できるのだろうか、これが指標となるのだろうかという疑問が出てくると思うのです。先ほど御発表いただいたときに、幾つかの県でロジックモデルを実施されているということですと、そういった県でも同じような事例があるのでしょうか。そういったデータの測定困難性のような課題に関しては、どういった目標を定めたり、指標を定めたりしているのかということを教えていただけたらと思います。
○埴岡参考人 大事な御指摘ありがとうございます。
 基本的にこのロジックモデルと指標、そして国及び都道府県、あるいは地域のデータを計測して見ていくというのは、政策評価に当たります。政策評価の中の予防分野には公衆衛生学の知があります。医療提供体制のところには医学モデルのエビデンスづくりや診療ガイドラインがあったりします。あるいは患者さんの悩みを解決する社会学的知、福祉学的な知があります。そういうものを持ち寄って大事な骨格を入れているものがロジックモデルになります。例えばどちらかのがんの学会で新たにガイドラインをつくるというのは、すごい緻密な作業があるわけです。その中でクオリティ・インディケーターとしてこれはすごく大事となった1つが選ばれて、ロジックモデルに入ってきたりするということです。
 ですので、様々な分野で様々な知が営まれている中でのダイジェストとして、都道府県・国の政策評価をしていこうという大きな枠組みと捉えていただく。個々のところに関しては、それぞれの専門家が日々の研究や活動でやっていただいて、新たな発見がありました、こういうことが使えるようになりましたよということで政策評価のロジックモデルに組み込まれてくる。それぞれの時点で可能な範囲で活用できるベストな指標などを使いながら、それぞれの立場の人が研究開発や新たな調査として行っていただくものを3年に一度とか導入していく。そういう形でまさに評価文化が醸成されていく。みんなの知恵が集まっていく。そのようなものであると理解しております。
○土岐会長 よろしいですか。
○大井委員 ありがとうございます。
 そうしますと、データがないものに関しては、そういった新たな研究とか知見の中で積み上げていくということなので、今ここでデータが空いているからといって無理矢理データを埋めていくということではないという理解でいいのですか。
○土岐会長 どうぞ。
○埴岡参考人 それはとても大事なことです。ある中間評価の概念「何々ができている」があって、それを表す指標が今ないぞというとき。既存の指標で概念にあまり合わないものに飛びついてそれを一生懸命測ると、違ったものを追いかけるものになってしまいますね。そういうときは、これに当たるものの大事な指標が欲しいのだということで、研究班を組成して研究をして開発していただくといった方法もあります。何でもかんでもすべての指標に関してでは大変になります。この中間アウトカムに該当するコア指標になってほしいような大事なものが欠損しているので、これをつくってくださいという形で開発していく。ロジックモデル全体としてどの部分に何個の要開発指標がある、研究班に開発を依頼してほしいといったことも、ここの協議会の委員の方々の大きな任務かと思っています。
○土岐会長 佐藤委員、どうぞ。
○佐藤委員 産経新聞、佐藤です。御説明ありがとうございました。
 先ほど河田委員から個別のコア指標についての提案もありましたので、私も具体的な話を提案させていただこうと思います。1点、短期的な視点でコア指標について。もう一点は今、埴岡参考人の説明でかなりクリアになってきましたが、長期的な視点で申し上げたいと思います。
 1点目です。参考資料7の7ページ、がんゲノム医療のところです。中間アウトカムの一番下にある212205「ゲノム情報を活用したがん医療についてがん患者が知っていると回答した割合」をコア指標に入れられないだろうかと思いました。保険適用のパネル検査で推奨薬剤が判明して、使用できた患者には一定の成果があったとの調査結果が出てきています。推奨薬剤を使うに至った患者は状態がよかっただろうということを考えると、データにバイアスがある可能性は否定はできませんが、最終アウトカムに影響する見るべき結果だと考えています。ただ、パネル検査については実施医療機関が限られており、こういう治療があるとの情報が患者に届いていない可能性があります。存在を知らないと受けたいと言えませんので、患者目線のアウトカム指標としてコア指標にできないかと思いました。御検討いただければと思います。申し上げたのは、参考資料の7ページのがんゲノム医療のページの中間アウトカムの一番下、212205「ゲノム情報を活用したがん医療についてがん患者が知っていると回答した割合」です。それが1点です。
 もう一点は長期的な視点です。ロジックモデルを使った評価の取組は大変チャレンジングで、アウトカムにつながる成果が出ることを期待しています。こうした評価はそれ自体が比較的新しいため、がん対策に限らないのですけれども、今、御説明があったように、ロジックは本当にこれでいいのかとか、ロジックを立てたけれども適切な指標がない、などということはよくあることだと理解しています。指標は基本的には継続して追いかけていくもので、変化を見ることが極めて重要ですで。ただ、ロジックモデルを活用した評価はチャレンジングであるがゆえに、このロジックでよいのかとか、このロジックを測るにはもっと適切な指標があるのではないかとか、こうすれば指標をつくれるのではないか、といった検証が常に必要だと考えています。継続性が必要なのは言うまでもありませんが、試行錯誤しながら検証し、指標を見直していくことも必要と思っています。
 以上です。よろしくお願いします。
○土岐会長 佐藤委員から先ほどのゲノムのほうの追加に関しましては、またこちらのほうで事務局と相談して考えさせていただきますので、よろしくお願いいたします。
 ほか。どうぞ。
○吉野委員 1点だけですけれども、指標が300ぐらいあって、今回コアというのが既に100近くあって、これも入れたほうがいいと全体的な議論になっているのですけれども、むしろ減らしたほうがいいのではないかと。徹底的に重要なコア・オブ・コアみたいなものを議論するという考え方もあると思うので。増やしていくと、そのうち300個になってしまって、中間なのだけれども全部やったのではないかということになりかねない。だから、絶対にロバストというか、悉皆性があって、再現性があって、エビデンスがあり、さらに例えば国際的にも使えるような指標があると仕掛けとしてはいいのかなと。
 例えば指標を今、九十幾つ選んでいますが、そうすると、90個の評価が出てきて、これはいい、これは悪い等々となって、その中間評価は総合的に一言で言うと何なのだというのが難しい状況になるのではないかというのが、1つ危惧しているところかなと。その辺、もっとコア・オブ・コアみたいなものと、コア指標の中にコア・オブ・コアとそれ以外というのがあってもいいのかなと。そうしないと、九十何項目を平たく議論すると何が何だか分からなくなって、本当にコアのところだけを。ほかのコア・オブ・コアだけは物すごい時間をかけて議論して、その評価をしっかり下して、中間評価としての軸としてドキュメントをつくるという流れのほうが現実的にいいものができるし、それを読んだ方々が、先ほど埴岡先生も言いましたけれども、学会とかがそこにリアクトして例えばガイドラインをつくったり、そういう話に展開するというときにも展開しやすいのではないかという気もしていて、あまり広げ過ぎて何をやっているか分からなくなるのがちょっと怖いなというのが感想でございます。
○土岐会長 ありがとうございます。
 これに関しましてはなかなか難しいところではあるのですが、井上参考人の資料2-2の3枚目を出していただけますか。
 今、吉野委員の御指摘のところですけれども、やはり最終アウトカムは12分の12、全部一応コア指標にしていまして、93をどうやって選んでいくかというステップですけれども、最終アウトカムは12が全部コアになってきて、当然左のアウトプットからだんだん右側に行くにつれてコアに選ばれる率が上がってくるということで、大事になってくるので、そういう構造にはなっていると思います。
 ただ、この中から特に重要なものをさらに選べるかということにつきましては、これは検討させていただくことでよろしいですか。
○吉野委員 はい。
○土岐会長 井上参考人、何か御意見ございますか。難しいかもしれません。
○井上参考人 ありがとうございます。今、御指摘いただいたことは、まさに我々でもどのくらいの数に着地点を置くのかということに関しては答えがないという状況の中で、挙げてきてみると、これだけ存在するということで、確かにこれはコアであって、コア・オブ・コアではないということも言えるかと思います。
 ここからさらに絞り取ってコア指標にするのか、あるいは今回指標としてお認めいただければ、数字としては出せるという状態の中で、まだ調査が終わっていないものもありますけれども、出せるという中で出してみて、実際こんなに調べなくてもいいのではないかということでコア・オブ・コアを残して、そのほかをそぎ落としていくという作業をかませたほうがいいのか、ちょっと悩んでいる状態ではございますので、これも持ち帰って研究班、指定班のほうの中でそれぞれの分野の専門家が入っておりますので、具体的にどの辺の数字に落とし込むべきなのか、いただいた御意見も踏まえまして検討させていただきたく思います。ありがとうございました。
○土岐会長 どうぞ。
○鶴田がん・疾病対策課長 がん・疾病対策課長です。
 簡単に経緯だけ御説明させていただければと思いますけれども、昨年の8月に中間評価をどうするかということで、一度前体制のメンバーで御議論していただいています。その中でコア指標を設けて、メリハリのある指標をやっていきましょうと。その思想自体は、今、吉野先生がおっしゃられた思想だと思います。ただ、この1年弱研究班で議論する中で、コア・オブ・コアというか、指標を絞るのもいろいろな議論になりますし、今日も御提示していただいた指標にプラスアルファで指標を足したほうがいいのではないかという御意見も出たところですので、先ほど井上先生からもありましたが、これが答えだというのもなかなか切りづらいところであると思いますので、本日いただいたプラスの御意見も踏まえつつ、数字を実際見比べて、それでどう評価するのかということを皆様方と照らし合わせながらやっていったほうが、より価値のある議論ができるのかなと思いますし、指標自体も第4期に関しては、前体制で300弱の指標を選んでいただいて、ロジックモデルも組んでいただいていますので、これを前提として評価をさせていただきつつ、またやっていく中で、もっとこうしたほうがいい、ああしたほうがいいという意見は当然出てくると思いますので、それは第5期のロジックモデルをどうつくるのかという中で反映させていただけるとありがたいなと思っています。
 いずれにしても、試行錯誤しながらやっていくのがこのロジックモデルの評価なのかなと思っておりますので、皆様方の100点とはいかないかもしれませんが、できるだけいい点数を取って、評価していけるように進めさせていただけるとありがたいなと事務局としては考えているところです。
○吉野委員 もちろん、それで非常に賛同するのですけれども、もう一点だけ。新しいテクノロジーで今までの考え方をブレークスルーが起こったとき。例えば今、検診だったら、全身チェックしているのですが、採血1つで分かるという時代が来てしまったときに、今の設定した指標ではできないというものも起こってくる可能性がある。そういうところも幅広に見ておいて、場合によっては柔軟に指標を加えるというのも必要、可能性があるというのは一言加えておきます。
○土岐会長 ありがとうございます。
 米田委員、どうぞ。
○米田委員 小児の立場から一言ですけれども、この評価について、患者体験調査というのは非常に重要な指標になっていると思うのですが、この対象が院内がん登録に登録された患者さんということで、成人のほうも7割以上カバーということで書いていらっしゃいますが、小児の場合、がん登録の実務者を特に地方の小児病院が置く体力がないのです。最近の小児病院の経営もすごく厳しくて。そういうところの、要するに、院内がん登録されていない小児がんの患者さんというのは一定数、特に地方にいらっしゃるので、それをカバーする患者体験調査ができるかというと、なかなか難しいと思うので、評価をする際にそういうバイアスが少しかかっているということも認識しながら評価していただきたいなと思います。
 以上です。
○土岐会長 貴重な御意見、ありがとうございました。
 ほか。山崎委員、どうぞ。
○山崎委員 山崎でございます。
 すみません。この流れの中で指標を増やしてほしいということをちょっと言いにくいのですが、意見させていただきます。参考資料7の22ページ、ライフステージに応じた療養環境への支援のところについてです。コア指標が341205「治療開始前に、就労継続について説明を受けたがん患者の割合」となっておりますが、これに加えて、341105「小児がん拠点病院等のがん相談支援センターにおける、小児・AYA世代のがん患者に対する就労に関する相談件数」をコア指標として追加することを御検討いただけないかというところでございます。
 理由としましては、就労継続に関する説明の実施状況を把握する指標が341205なのですが、341105は就労に関する相談支援の提供状況というところになります。この2つを組み合わせて評価するということ。特に小児がん患者や大学生といったAYA世代、若い患者は、ほとんどが治療後に初めて就職活動を開始します。新規就労の場合は、がん経験や晩期合併症を抱えていることが就職に不利になるのではと就職活動に大変苦労しているところでございます。子供たちが経済的に自立することと社会に貢献することが大変重要な課題と考えましたので、相談支援状況も把握する必要が高いかなと考えましたが、いかがでしょうか。御検討をお願いいたします。
○土岐会長 貴重な御意見ありがとうございます。項目についてはぜひ参考項目に加えさせていただいて、検討させていただきたいと思います。ありがとうございます。
 ほかはよろしいですか。
 私から1点。中間評価の方法、進め方について、資料2-1の7ページで、これは事前に厚労省にもちょっとお伺いしたのですが、A、B、C、Dという評価をつけるときに、どういう基準でAとBの境、BとCの境を設定したらよいのでしょうか?ここは本当に意味のないAが混じってきてしまってはいけないなというのがあって、例えば中間アウトカムの検診受診率で49.7から50.7もAですし、その前の10%ぐらい増えているのもAです。AとBの境界というのをどういうふうに考えているのか。埴岡参考人に聞いてもよろしいですか。すみません。これは厚労省に聞くのか、埴岡先生にお伺いするのか、どう考えたらよろしいのでしょうか。先生、御意見を伺えるようでしたら参考にしたいと思っております。
○埴岡参考人 難題で、私には難し過ぎますね。ただ、大事なことは、先ほど評価は事実認定と価値判断であるといったところにあります。ここは事実認定のところですね。なので、あくまで事実認定に過ぎないということが大事です。ここはよしあしではなく、数字をトラッキングするだけであると。その場合に、トレンドとして40から50に上がったあとの60なのか、40から50に上がったあとの50なのか、そっちの方が大事です。先ほど言ったように1点観測しても分からないし、2点観測でも前のトレンドと比べないと分からないといったポリシーをしっかり決めておく。1点観測のときは判断を保留にするのか。2点観測のときは数字の読み取りにとどめるのか。3点観測のときは前のトレンドと比べてどう見るのか。その見方が共有されていればよい。境として目盛り0.1の違いをどちらに入れるかということは、見れば分かることなのでという感じで大まかに判定しておいてもよい。問題はそれを見た上で総合判断して、「これはまずい」と考えるか、「これで妥当な進捗ではないか」と見るかというところの価値判断のほうに議論、重点を置くのが大事かなと思います。
○土岐会長 ありがとうございます。
 だから、数字をそのまま率直に見て、増えているか、減っているかを。
○埴岡参考人 そうですね。二段階に考える。最初の読み取りのときに価値を入れてしまうと、そこで議論が複雑になってしまう。虚心坦懐の読み取りとみんなの知恵を持ち寄って熟議するというのをきっちり分けたほうがいいと。
○土岐会長 もしかすると、最初はAとCが増えてしまって、その議論をしていくうちに、これはAとは言えないのではないかとか、Bでいいのではないかというのが出てきても。
○埴岡参考人 そうですね。
○土岐会長 数字だけを見てしまうと、どうしてもAとCのほうが分かりやすいという。
○埴岡参考人 極端に言うと、Cだけど別に大丈夫ということになるかもしれないし、Aだけど悪いということになるかもしれないということですね。だから、前段と後段があるというふうに考えていただいて、読み取りと考察をきっちり分けるということかと思います。
○土岐会長 ありがとうございます。
 ほか、御意見、よろしいでしょうか。
 それでは、次に移りたいと思います。続きまして、資料2-4につきまして、事務局より説明をお願いしたいと思います。
○大井課長補佐 資料2-4を御覧ください。第4期がん対策推進基本計画ロジックモデル/評価指標(都道府県単位)について、事務局より御説明します。
 次のページをお願いいたします。
 昨年8月の協議会で都道府県単位での評価指標のベースライン値について公表することが示されておりました。各都道府県で策定されております都道府県がん対策推進計画ですが、国の計画から1年遅れで策定されていることが多く、来年度が都道府県では中間年となるところが多くなると承知しております。このことから、都道府県がん対策推進計画の評価等について御活用いただくことを目的に、7月24日から国立がん研究センターがん情報サービスにてスライドのようなページを掲載しております。
 すみません。このスライドですが、左の医療関係者向け情報に誤りがございます。こちらは「がん対策に関連する情報へのリンク集」となっておりますが、実際は「がん対策に関する情報」になっておりまして、こちらの位置も一番左の上に配置していただいているところでございます。1点修正させていただきます。
 次のページを御覧ください。
 こちらはダウンロードしたエクセル表のイメージでございます。ロジックモデル上に都道府県や国のベースライン値、中間測定値を並べて表示することとしております。左上ですが、県名検索で御自分の都道府県名を選択していただきますと、赤色で囲んでありますところに選択された都道府県のベースライン値が表示されるようになっております。現状ではベースライン値のみの表示となっておりますが、今後中間測定値も表示する予定としており、自県での指標の変化、また国と比較して自県の立ち位置も確認いただくことができます。
 また、スライドではお示ししておりませんが、全体データも提供しておりまして、指標ごとに国、47都道府県のデータも御確認いただけますので、全国の中での自県の立ち位置も御確認いただけるツールとなっております。都道府県の中間評価の際に御活用いただきたいと考えております。
 以上となっております。
○土岐会長 ありがとうございます。
 ただいまの資料2の説明につきまして、御質問がある先生方はいらっしゃるでしょうか。
 すみません。7月24日ということで、委員の先生方、まだ全部見られていない方も非常に多いと思います。本当に出来たてほやほやのホームページでございますので、国のベースライン値もここに載っておりますので、先ほどの皆様のコア指標の実際の数値をここで確認していただけたらと思います。よろしくお願いいたします。
 それでは、続きまして、資料2-5につきまして、事務局より説明をよろしくお願いいたします。
○大井課長補佐 資料2-5を御覧ください。希少がん関連の指標について御説明させていただきます。
 次のスライドをお願いいたします。
 今回、資料2-4でも御説明いたしましたが、国、都道府県単位のベースライン値を収集し公表したところでございますが、一部ベースライン値が公表できていないデータもございます。その中で希少がん関連の指標についてはまだ公表できておりません。
 希少がんですが、世界共通の定義というのは存在せず、我が国では平成27年3月に厚生労働省健康局に「希少がん医療・支援のあり方に関する検討会」が設置され、同年8月に取りまとめられた同検討会の報告書におきまして、海外の定義を参考に、政策的な対応を要する希少がんを以下のとおり定義することとされております。
 定義については、記載のとおり2点ございまして、1点が「概ね罹患率(発生率)が人口10万人当たり6例未満」。もう一点が「数が少ないため診療・受療上の課題が他のがん種に比べて大きい」。この2点が定義として定められております。
 また、上段の2点目でございます。上記検討会におきまして、我が国における希少がん分類を開発する必要があるとの御意見がございまして、令和5年度から厚労科学研究にて国立がん研究センターを中心に我が国における希少がん分類一覧の作成が進められてきております。
 次のページを御覧ください。
 こちらは令和7年6月に国立がん研究センターを中心に新たな希少がん分類が策定され、公表されております。前述の平成27年に公表いたしました「希少がん医療・支援のあり方に関する検討会」の報告書の定義である「人口10万人当たり6例未満」のがんを前提としつつ、2016~2019年の全国がん登録状況を用いまして、がんの発生が少ない臓器31部位のがん、カテゴリーAと、がんの発生が多い臓器であるが発生が少ない特定の組織型のがん364種、カテゴリーBが希少がんに分類されております。
 これらの分類を踏まえまして、ベースライン値、中間測定値を収集し、第92回以降の各分野での議論の際には希少がんのデータもお示しする予定としております。
 事務局からは以上となります。
○土岐会長 ありがとうございます。
 ただいまの希少がんの御説明につきまして、御質問等ございますでしょうか。よろしいでしょうか。米田委員、どうぞ。
○米田委員 希少がんに関しては、小児がんそのものがそれぞれ希少がんになるのですが、最近の治療開発で分子標的薬がやはり中心を占めてきていて、こういう臓器別とか組織別の希少がんの分類以外に、共通の遺伝子変異を持つがん、治療の視点からはそういう分類もあるのではないかなと思いまして、一言申し上げさせていただきました。
○土岐会長 ありがとうございます。
 こちらのほうはよろしいですね。
○大井課長補佐 はい。
○土岐会長 もう希少がんの中に含まれていると思いますので。
 よろしいですか。中山委員、どうぞ。
○中山委員 中山です。
 希少がんについて、がん登録の情報の活用で、少数例公開のことについてかなり慎重に扱っております。ただ、どうしても希少がんになると、10例以下という集計結果も出てくるときがありますので、今後がん登録のほうの活用の在り方もまた議論していければと思いました。
 以上です。
○土岐会長 ありがとうございます。貴重な御意見を賜りました。
 それでは、報告事項に移りたいと思います。資料3-1、3-2につきまして、中澤参考人より御説明をよろしくお願いいたします。
○中澤参考人 よろしくお願いいたします。
 資料を共有させていただきます。
 それでは、調査を担当していますがん対策研究所の中澤と申します。
 令和5年度に実施いたしました患者体験調査と、遺族調査のほうも続けて御報告するように指示が出ていますので、御説明させていただきます。
 まず、第4期がん対策推進基本計画の医療と共生の分野について、患者の視点で評価するためにこの調査を実施しています。
 調査方法は、院内がん登録情報に登録された患者さんを対象に、二段階の無作為抽出を用いています。まず、施設を抽出して、次に対象者。各施設から対象者を抽出しています。今回は2021年に診断された患者さんを対象にいたしました。
 前回と今回の比較において少し注意しなければいけない点として、対象施設を少し拡大しています。前回は一部の拠点病院の方を対象にしていたのですが、今回からは全数を対象としています。あと、質問紙の選択肢として、前回肯定的な回答が少し多くなる傾向があるということで、肯定的な部分を少し細かく聞いていたのですが、これがあまりよくないということで、今回スタンダードな方法に変えているような状況です。これによって少し回答の分布が変わる可能性がありましたので、一部の患者さんは前回の調査票を用いて調査をしています。
 集計方法です。5グループに分けて調査票を配布しています。今回はA、Bグループで、40歳未満の患者さんと40歳以上の患者さんについて。まず、希少がん患者さんを抽出した集計と、残りの若年患者さんとそれ以外の一般患者さん、3グループで分けて集計しています。
 若年患者さんから希少がんを除いた場合と含めた場合では少し結果が変わるのではないかという事前の質問をいただいたのですが、検証した結果、ほとんど違いがなかったので、前回評価との比較を優先して、前回と同じ集計方法を用いています。
 参加施設数です。参加施設は367施設で、回答率は45%。解析対象は約1万1000名の方です。
 こちらは結果です。全体的な総合平均です。医療に対する総合平均は、10段階で8.2の結果でした。グループ別でも大きな差はない結果です。
 こちらは受診先の選択について。初回診断から治療までの受診病院数を聞いています。平均は全体で1.6で、グループ別で見ても平均値としては大きな変わりはないのですが、1施設で済んだ方、オレンジのところの割合を見ますと、希少がん・若年がんでアクセスの難しさを感じているようで、右の上、病院探しの困難さでも同じような結果が出ていると思います。先ほど話題になりましたコア指標に選択されています担当医の知識とか経験が十分かどうかという質問に関しては、全体76%の方が十分持っていると感じている結果でした。
 次は医療者とのコミュニケーション。医師が相談しやすかったかという質問に対しては、90%ぐらいの方がそうだったと回答していまして、左のグラフは医師以外で相談しやすいスタッフがいたかどうかを聞いています。大体60%の方が肯定的に答えていて、特に若年患者さんは医師以外の方で相談しやすい方が多かったです。一方で、心のつらさの相談ができるかになりますと、若年患者さんが少し低くなっているような傾向がありました。
 経済的困難です。金銭的負担で治療を断念した方は全体で1.8%にとどまっていますが、経済的影響に関して見ると、全体で24%の方が何かしら影響を受けていて、若年になるとさらに割合が上がって、45%の方が何らか影響を受けたと答えています。詳しい内容は右の表になります。
 就労への影響です。問39、就労継続について医療者から治療開始前に話があったかと聞いたところ、全体で44%があった。若年では58%と少し上がります。
 就労継続の説明のニーズがあったかどうかを右の下のグラフで表しています。若年患者さんが一般に比べるとニーズが高い結果が出ていました。実際に診断から治療開始前までに退職してしまった人がどれだけいるかを右のフローチャートで見ますと、19%の方が退職、廃業されていて、65歳未満に限りますと14%の方。そして、診断からこの調査がちょうど5年後になりますので、5年経過した現在、就労しているかと聞くと、77%の方が全体で就労を継続されていて、65歳未満では84%が就労を継続している状況でした。
 こちらは前回比較の結果です。前回と同じ調査票を用いて719名の方の回答を分析しています。全体を見ると、あまり大きな結果はなかった結果になっています。相談支援センターやピアサポートの認知度はあまり大きく変わっていない状況で、あとは身体的つらさについて相談できる人も47%。心のつらさになると、相談できると感じているのは32%で、残念ながらあまり大きく変わっていない結果になりました。
 まとめますと、前回と同じ調査票を用いた比較では、全体では大きな変化がなかった結果で、1つ大きく増加していたのは、治療と仕事の両立のために社内制度を利用した人が14%増加していた。
 あと、希少がん、若年患者さんの特徴が明らかになったと考えています。希少がんの方は少し治療までのアクセスが悪くなっているということ、若年患者さんでは、病気や療養生活の相談ニーズが高いということと、身体的、精神的苦痛を持つ割合が一般の患者さんよりは少し高いような結果でした。
 続けて、遺族調査について御報告いたします。
 こちらは、がん対策の緩和ケアについて評価することを目的に、患者体験調査では直接評価が難しい人生の最終段階について、遺族から代理で評価していただく調査です。
 今回、研究的な観点を含めて上位10疾患を含めて調査対象とさせていただきました。
 方法の概要です。質問紙調査で、対象者は2021年に亡くなられた成人の方で、2万7000名を対象にしています。対象の抽出は人口動態調査の死亡票情報を用いて、死因ごとに死亡場所別の無作為抽出をしています。
 調査項目は御覧のとおりで、今回、死亡年がコロナの流行下でしたので、その看取りへの影響も追加で聞いています。
 集計方法は、全体値を集計するときは、対象の抽出方法に合わせて補正値を出しています。
 回答割合です。こちらは有効回答が1万人で、回答割合は51%ですで。
 回答者の背景。がん患者さんが全体と比べてみると、死亡時の年齢が若い傾向がありました。
 結果解釈の留意点として、前回の調査が2017年、2018年死亡の方と2021年の方で比較しています。この結果を見る際に、少し結果の変動が大きいところがありますが、今回コロナがあったということ、あとは診療報酬の誘導などがあるのではと我々は考えていますので、その点を踏まえて解釈する必要があると感じています。
 実際の人口動態の変化として、まず全体として病院死亡が減って、自宅死亡にシフトしている傾向があり、それが結果にも現れていると考えています。
 こちらが結果です。左側が疾患別の結果で、右側は疾患をさらに死亡場所別に分けて集計した結果ですで。ちょっと見にくいのですが、グレーの部分が前回調査の数値で、色づけしているのが今回の結果ですで。左側、疾患別に見ますと、こちらは死亡場所で受けた医療の質について、つらい症状に速やかに対応していたかどうかと聞くと、全体で65~81%の方がそう思うと回答している。前回からの比較を見ると、がんでは3ポイント減っていますいまが、大きな変化はなかったと感じています。
 こちらは満足度です。先ほどの数値とパラレルに動く数字ですが、こちらも全体、65~81%の方が死亡場所で受けた医療に対しては満足している状況でした。がん患者さんだけ見ると、3ポイント上がっている状況です。
 こちらは医師と患者さんで最期の療養場所に関する話し合いがあったかどうかを聞いています。5疾患は前回調査の結果と比較ができるのですが、全体的に改善傾向があって、がん患者さんでは特にそれが大きいことが特徴であったと感じています。
 実際コロナの感染症がどう看取りに影響したかと聞いたところ、一番大きかったのは、がんに限らず、全疾患で面会制限による影響があったということ。あとは、がんだけ見てみますと、面会制限があったので、自宅療養を選択した方がほかの疾患より多いイメージでした。
 その結果として、望んだ場所で過ごせたかと聞いていますが、こちらも同様に増加している状況で、特にがんで顕著に増加している結果になっています。
 一方で、からだの苦痛が少なく過ごせたか、いわゆる苦痛緩和について伺いますと、がん患者さんは少し悪くなっているイメージでした。具体的には41%から37%にダウンしていて、死亡場所別に見ると、病院と緩和ケア病棟で低下が大きかったと感じています。
 まとめますと、大きな結果としては、最期の療養場所の話し合いや望んだ場所で過ごせた割合は全体で増加していた。一方で、苦痛緩和という点では前回から大きく変わっているとは言いがたい結果となっています。
 駆け足で説明しましたが、全ての結果はホームページのほうに掲載していますので、そちらを御覧いただければと思います。
 調査に御協力いただいた皆様に感謝したいと思います。ありがとうございます。
 報告は以上になります。
○土岐会長 中澤参考人、ありがとうございました。
 それでは、中澤参考人の説明を踏まえて、委員の皆様より御意見を頂戴したいと思います。御意見のある方は挙手ボタン、もしくは現場で挙手にてお願いいたします。辻本委員、どうぞ。
○辻本委員 つじもとFP事務所の辻本です。
 患者体験調査の10ページに経済的困難に関する記載がございます。その中で、若年層の半数近くの方が影響があったと答えています。若年の患者さんは、医療費や生活費に加えて、場合によっては妊孕性温存のための費用や奨学金の返済なども抱えており、経済的な負担はより多面的で長期にわたる傾向があります。先ほど河田委員から御指摘がありましたけれども、現状、経済的負担感に関する指標はコア指標に含まれていません。可能であれば、長期的に計測すべきコア指標の一つとして選定いただきたいと考えております。 また、こうした実情を踏まえまして、5期の計画の中でAYA世代特有の経済的課題を反映した独自の指標の設定をご検討いただければと存じます。
○土岐会長 大変貴重な御意見と拝聴いたしました。ありがとうございます。
 ほか。服部委員、どうぞ。
○服部委員 ブリッジの服部と申します。貴重な御発表ありがとうございました。
 この発表の中ですごく興味深いところがありまして、治療と仕事の両立のために社内制度を利用した人が14.4%増加したと。すごいなと思ったのです。こうした社会的な動き、医療のほうだけではキャッチできないもの。社内制度というのは、会社の中で行われているものなので、できたら労働の中でどういう状況が起こっているのかというのも併せて見ることができると、すごく有意義になってくるのかなと思うのです。労働と医療は違うところだと思うのですが、そちらのほうでも両立支援をやっているものですから、何かそういうデータを入手してできないかな、そうしたところで調査が行われないかなということも思いますが、いかがでしょうか。
○中澤参考人 ありがとうございます。
 私から答えてしまって大丈夫ですか。
○土岐会長 中澤参考人、もしよろしければ。
○中澤参考人 患者体験調査では今、既にかなり膨大な量を聞いていますので、細かく聞くとなると、少し詳細に研究班などで徹底的に調べるということがまず必要かと。その上で、代表的な項目を、先ほど埴岡先生がおっしゃっていたように、全体で聞く必要がありそうだという質問を調査票に落とし込んでいくほうがよいと感じます。 全体を見る上では、今の調査票は既に30ページぐらいありますので、少し項目を削ってミニマムなものにしていくほうが、より多くの人の回答が拾えるのではないかと私自身は考えています。ただ、そういう情報は必要だと思いますので、何らか研究班等で調査する必要はあると感じています。ありがとうございます。
○土岐会長 では、ぜひ今後検討させていただきたいと思います。
 鶴岡委員、どうぞ。
○鶴岡委員 ありがとうございます。つるかめ診療所は在宅医療を担当している診療所ですけれども、あと、日本在宅医療連合学会から参加させてもらっています。
 今回の遺族調査はすごく興味を持って拝見しておりました。解釈も含めて御報告いただいたところですが、今回遺族のデモグラフィックなデータというのは取ってあるのでしょうか。状況がかなり変化している中での遺族調査ということだと、療養の場が違っていて、この遺族が介護にどのぐらい関わったかによっても見方は大きく変わってくると思うのですね。
○中澤参考人 ありがとうございます。その点についても詳しく背景を聞いていて、介護もどれぐらいコミットしていたかというのも調査では聞いていますので、詳細解析は研究として行っていきたいと考えています。ありがとうございます。
○鶴岡委員 ありがとうございます。
○土岐会長 大井委員、どうぞ。
○大井委員 がんサポートコミュニティー、がん対策総合機構の大井と申します。
 御発表ありがとうございます。2点よろしいでしょうか。先ほど患者体験調査のほうは40歳以上と40歳未満という年齢で線が引かれていたかと思うのですけれども、情報の取得というところで、全体としての数字というのは、病院探し等の困難さというところで、若年がん患者たちのほうが、これはどういう影響か、病院が少ないからなのか、探しにくいからなのか理由は分かりませんけれども、あるとなっています。全体で見たときに、40歳という年齢で切ってしまうと、情報のネットを使えるか、使えないかというところの線引きがちょっと難しいラインかなと思ったのです。2023年の情報通信白書の年代別でみると、ネット利用が13歳から59歳までは9割近くを超えているということですが、60歳代で86.8%、70歳代で65.5%、80歳代で33.2%と世代が高くなると下がってくるということです。高齢になるとそういったネットでのアクセスが難しくなってくるという状況があるのではないかなというところで、その辺の年齢別のデータがあるのだったらというのが質問1です。
 質問2は遺族調査のほうになります。先ほどお示しいただいたがんのところになりますが、全体の調査の結果の報告書を見ると、今回発表の中になかった部分で、例えば痛みを少なく過ごせたとか、からだの苦痛が少なく過ごせた、穏やかな気持ちで過ごせた、御家族や友人と十分に時間を過ごせたという設問があったと思うのですが、そういった情報に関しては、前回は緩和ケア病棟と自宅というのは非常に近い数値を示していたのに対して、今回は病院に寄った数値になっています。そうすると、緩和ケア病棟が長期療養的ではなくて、看取りに集中するような状況だったのではないかなと想像します。やはり自宅に近いというところが緩和ケア病棟なのかなと想像していましたのでお示しいただいたものは、変わらなかったとか、よかったというデータだったのかなと思っていたのですが、全体の報告書を見ると、緩和ケア病棟が自宅より病院に近くなっているデータも出てきているとなると、これは緩和ケア病棟が非常に難しい状況にあるというふうに見られるのか、教えていただけたらと思います。
○中澤参考人 ありがとうございます。
 最初の質問、AYAの年齢区分け、40歳で切っていいのかどうかという話ですが、今回はまず若年患者さんにフォーカスを当てなければいけないということで、40歳で切るかどうかというのも少し議論はあるのですが、我々の操作的な定義としては、40歳以上、未満で分けさせていただいているような状況です。
 情報へのアクセシビリティという意味では、先ほどおっしゃったように、高齢であるほど端末を使う能力が少し落ちてくる可能性もあるので、そういうことは十分考えなければいけないと考えています。
 この調査では、今までこのようにグルーピングしてきたということと、あとは、やるとするならば、年齢で層別に解析していくことをさらに追加していくことはできると考えています。
 遺族調査の苦痛緩和について。おっしゃっているように、前回は自宅と緩和ケア病棟が近い値だったのですが、今回緩和ケア病棟がかなり下がったというのは、我々も非常に驚いた数値になっていまして、少し現場のヒアリングなどを行った結果、緩和ケア病棟の機能自体が病院の機能に寄ってきているのではないかと考えています。特に診療報酬で平均在院日数での区切りが影響していたり、他には、今回コロナの影響で、遺族では病棟に入院したときは分かるのですが、退院する、看取りまでの入院中の様子が分からなかったということも影響しているのではないかと考えていますが、実際に遺族から見るとこういう結果が出ていますので、緩和ケア病棟の機能、何か大きな変化が起きているのではないかというふうには捉えています。
 以上です。
○土岐会長 ありがとうございます。
 米田委員、どうぞ。
○米田委員 小児血液・がん学会の米田です。
 AYA世代・若年患者さんのところで、大井委員からも御発言がありましたが、この定義としては、AYAとしては40歳未満とするか、あるいは30歳未満とするという定義もございます。ここのところは、小児がん、思春期のがん患者さん、若年成人の患者さんと分けて考えると、疾患の割合が大きく変わってきて、年齢が高くなればなるほど上皮性のがんが増えてくる。逆に低くなれば肉腫系が増えてくるというところがございますので、こういうところも年齢別に細かく見ていただけたら、もうちょっと傾向が何か出てくるのではないかなと思いました。お願いいたします。
○中澤参考人 ありがとうございます。
○土岐会長 ありがとうございます。
 河田委員、どうぞ。
○河田委員 慢性骨髄性白血病患者・家族の会の河田です。
 患者体験調査のほうで「経済的負担による治療を変更・断念」というのが1.8%と出ておりまして、我々の疾患の中では経済的な治療による変更・断念は一定割合おりまして、その中でお亡くなりになられている方というのも患者会としては把握しております。
 患者体験調査は生存者ということなので、生存バイアスがかかっているものかと思いますが、遺族調査のほうで「金銭的な負担による治療の変更・断念」というものは測定しているのでしょうかということがお聞きしたい点です。
○中澤参考人 ありがとうございます。
 遺族調査では経済的な影響で治療を断念したかどうかというのは聞いていません。恐らく積極的な治療を終えた方が対象者の中心になってくるため、ダイレクトには聞いていないのですが、背景要因として世帯収入であったり、あとは最後の月に使った医療費の大まかな概算は聞いていまして、それによって治療へのアクセスに少し影響があったかどうかという点については、研究のほうでさらに深く分析している状況です。
○河田委員 ありがとうございます。
○土岐会長 それでは、先に辻本委員、どうぞ。
○辻本委員 患者体験調査の5ページに記載の集計方法について、希少がんに関するご説明がありましたが、やはり若年がん患者さんの多くが希少がんに該当している印象があります。そのため、希少がん患者のグループ内で年齢層(若年・一般)を分けて集計するなど、年齢による特性も見えるような分析方法をご検討いただくことは可能でしょうか。
○中澤参考人 そうですね。比較可能性を優先して前回と同じように集計したというのが第一の理由になっています。今後詳しい解析については技術的にはできるので、そういうことも今後検討していかなければいけないと考えています。
 ただ、実際検証すると、全体の平均の差でマイナス0.3、絶対値として0.3しかなかったので、若年の中に希少がんを含める・含めない関係なく、大体このような数値と捉えていただいても問題ないと考えています。
○辻本委員 ありがとうございました。
○土岐会長 早坂委員、御発言できますか。状況が大変そうですけれども。
○早坂委員 遺族調査のほうの10ページですが、自宅というのが増えてはいるのですが、これは2021年だからコロナが一番大きいと思うのですが、サービス付き高齢者住宅とかは「自宅」に入っているのか、「施設」に入っているのかというのが分かりますでしょうか。
○中澤参考人 サービス付き高齢者住宅は原則「自宅」に登録されると思うのですが、死亡診断書を書く医師によって少しばらつきがありまして、必ずしも「自宅」ではなく、「施設」のほうに入っている方もいます。死亡票を一つ一つ見ると混在しています。
○早坂委員 ありがとうございます。
○土岐会長 ありがとうございました。
 まだまだ御質問があるかもしれませんけれども、これはまた各論、次回以降のディスカッションの中で御意見を頂戴していきたいと思います。
 中澤参考人、どうもありがとうございました。
○中澤参考人 ありがとうございました。
○土岐会長 ほかに御意見を述べておきたいという先生はいらっしゃいませんでしょうか。
 それでは、本日の議事は以上としたいと思います。
 進行を事務局のほうにお返ししますので、よろしくお願いいたします。
○大井課長補佐 時間が超過しておりますが、本日は長時間にわたり御議論いただきましてありがとうございます。本日いただきました御意見を基に検討を重ねていきたいと思っております。
 次回の日程につきましては、調整の上、事務局より御連絡させていただきます。本日はどうもありがとうございました。
 

照会先

健康局がん・疾病対策課

代表03-5253-1111(内線2066)