第44回全国健康保険協会業績評価に関する検討会 議事録

日時

令和7年7月25日(金)14:00~16:00

場所

TKP新橋カンファレンスセンター

議題

(1)令和6年度全国健康保険協会業績評価に関する検討会の進め方について
(2)全国健康保険協会の令和6年度業務実績に関する評価の基準について
(3)業務実績に関する評価の基準の見直し方針について
(4)令和6年度全国健康保険協会事業計画について

議事

 
○片谷管理室長 定刻となりましたので、ただいまより「第44回全国健康保険協会業績評価に関する検討会」を開催いたします。皆様には、御多忙のところで御出席いただきまして、ありがとうございます。事務局を務めます保険局保険課の片谷です。どうぞよろしくお願いいたします。
 本会議は、オンラインによる開催としております。
 会議中、御発言の際には、Zoomの「手を挙げる」機能は使用せずに、カメラに向かって挙手をいただくようお願いいたします。
 挙手後は、座長の指名を受けた後に、マイクのミュートを解除の上御発言いただきまして、御発言終了後は再度マイクをミュートにしていただきますよう、よろしくお願いいたします。
 また、議題に対して御賛同いただく際には、カメラに向かってうなずいていただくことをもちまして、「異議なし」の旨と確認させていただきます。
 また、御異議がある場合には、カメラに向かって挙手をお願いいたします。
 会議の開催に先立ちまして、構成員の皆様につきまして御紹介させていただきます。
 伊藤構成員、尾関構成員、西村構成員、古構成員、森下構成員に本年度も引き続き御参画いただきます。どうぞよろしくお願いいたします。
 次に、全国健康保険協会に人事異動がありましたので、御紹介させていただきます。
 本年7月に参与に就任されました川上一郎様です。
 本年3月に参与に就任された内田浩様です。
 本年7月に企画部長に就任された松﨑俊久様です。
 本年3月に企画部次長に就任された上廣俊行様です。
 本年6月に業務部長に就任された小木慎治様です。
 本年6月に業務部次長に就任された久保敷隆様です。
 本年3月に船員保険部次長に就任された森山健様です。
 同じく事務局の異動につきましても御報告させていただきます。
 私、本年4月に全国健康保険協会管理室長に就任いたしました片谷でございます。どうぞよろしくお願いいたします。
 本日、全国健康保険協会におかれましては、皆様方オンラインでの御出席となっておりますが、1点お願いがございます。協会けんぽの皆様で1つの画面を共有いたしますので、質疑などの際、どなたが発言されたということが不明確になる場合がございます。つきましては、誠に御面倒ではございますが、御発言の都度、御自身のお名前をお伝えいただきますよう、よろしくお願いいたします。
 次に、本日の出席状況ですが、構成員の皆様全員御出席です。なお、西村構成員におかれましては、会場からの御参加となっております。
 それでは、議事の進行に当たり、座長についてお諮りいたします。今年度につきましても西村構成員に座長をお願いしたいと思いますが、よろしいでしょうか。
(構成員首肯)
○片谷管理室長 ありがとうございます。
 それでは、これより西村座長に進行をお願いいたします。
 恐縮ですが、会議冒頭のカメラの頭撮りはここまでとさせていただきますので、御退室をお願いいたします。
○西村座長 ここからは私が進めてまいりますので、よろしくお願いいたします。
 座長を仰せつかりました西村でございます。今年度もどうぞよろしくお願いいたします。
 では、本日の議事と資料について、事務局より説明をお願いいたします。
○片谷管理室長 では、本日の議事の内容と資料について御説明いたします。議事次第を御覧ください。本日の議事は4点でございます。1点目が「令和6年度全国健康保険協会業績評価に関する検討会の進め方について」、2点目が「全国健康保険協会の令和6年度業務実績に関する評価の基準について」です。この2点につきましては、令和6年度の業績評価スケジュールや評価基準を決めていただくものでございます。
 3点目は「業務実績に関する評価の基準の見直し方針について」となります。こちらにつきましては、昨年度の検討会におきまして基準の見直しを含めた検討をする旨、申し上げましたけれども、その見直し方針について、事務局からの御提案になります。
 4点目ですが、「令和6年度全国健康保険協会事業計画について」です。こちらは今回の業績評価の対象となる計画でございますが、次回検討会から始まります評価の議論に当たりまして、そのポイントとなる部分について協会けんぽより御説明いただきます。
 次に、本日の資料ですが、資料1から8までございます。資料1は業績評価に関する検討会の開催要綱となります。検討会の目的、職責、構成、運営など、こういったものについて規定をしております。従前からお示ししているものでございます。資料2が、1つ目の議事の資料。資料3-1、3-2が2つ目の議事の資料。資料4が3つ目の議事の資料。資料5から8が4つ目の議事の資料となります。
 以上でございます。
○西村座長 ありがとうございました。
 皆様、そろっていますでしょうか。
(構成員首肯)
○西村座長 ありがとうございます。
 それでは、早速議事に入ります。初めに、「令和6年度全国健康保険協会業績評価検討会の進め方について」を議題とします。事務局より案を説明してください。片谷室長、お願いします。
○片谷管理室長 では、今後の検討会の進め方につきまして、事務局案を御説明いたします。資料2を御覧ください。本年度の検討会につきましても、昨年度と同様に3回の開催を予定しております。第1回目は本日の検討会でございますけれども、令和6年度の評価の基準をお決めいただきますとともに、協会けんぽから業績評価の対象となる令和6年度の事業計画について御説明していただきます。また、令和8年度以降の業績評価基準の見直し方針案につきましても事務局より御提案させていただきます。
 続きまして、9月25日開催の45回検討会と9月29日開催の46回検討会におきましては、令和6年度の事業実績に係る自己評価について、協会けんぽからヒアリングしていただきます。45回では健康保険事業の基盤的保険者機能と戦略的保険者機能について、46回では船員保険事業と協会けんぽ全体の組織・運営体制につきまして、それぞれヒアリングしていただきます。
 そして、46回検討会の終了後、事務局で評価案を作成いたしまして、構成員の皆様方に御提示させていただきます。御意見などを頂戴いたしまして、10月中に評価を決定したいと考えております。
 業績評価検討会で頂戴した御意見などを次年度の事業計画に反映させるという趣旨から、昨年よりこのスケジュールに移行しております。短期間での取りまとめとなりますが、御協力のほどぜひよろしくお願いいたします。
 説明は以上でございます。どうぞよろしくお願いいたします。
○西村座長 ありがとうございました。
 ただいまの事務局からの説明について、御質問や御意見などございませんでしょうか。ありましたら、挙手をお願いいたします。よろしいですか。
 では、特にないようですので、この事務局案により進めることとしたいと思います。
 改めましてよろしいでしょうか。
(構成員首肯)
○西村座長 ありがとうございます。
 それでは、令和6年度評価の基準の審議、次の議題に移ります。「全国健康保険協会の令和6年度業務実績に関する評価の基準について」を議題とします。まず、事務局から説明をお願いいたします。片谷室長、お願いします。
○片谷管理室長 令和6年度の業績評価の基準について御説明させていただきます。資料3-1と3-2になります。まず、分かりやすいので3-2のほうで御説明させていただければと思います。3-2を御覧ください。
 本年度の改正点につきましては、この新旧対照表の赤字の下線部分となります。大きな変更はございませんので、年度の更新と、2か所ほど「主務大臣」という書きぶりになっていたところを「厚生労働大臣」というふうに統一した書き方にして改正しております。
 では、具体的な内容でございます。協会けんぽの業績評価につきましては、個々の事業ごとに個別的な評価をしまして、全ての個別評価の結果を踏まえて総合的な評価を決定してまいります。まず、個別評価につきましては、1ページ目の2の(1)のところからになりますけれども、個々の事業に定量的な目標が設定されておりますので、この計画を設定した状態、すなわち計画値100%以上であればBと、これを標準といたします。その上で、対計画値120%以上を達成しますとA。さらに対計画値120%以上で、かつ質的に顕著な成果が得られている場合をSといたします。一方で、対計画値100%未満はC、80%未満はDとしております。
 その他計画値がないものであったり、業務実績を定量的に測定しがたいような事業の場合、定性的な目標が設定されている場合につきましては、2ページ目の一番下のところになりますけれども、評価基準の2の(1)の➃の基準によりまして定性的な評価をするということにしております。
 また、事業計画において困難度が高いと設定されている事業につきましては、評語を1つ上げて評価いたします。
 次に、総合評価につきまして、4ページ目の(2)のところからになりますけれども、先ほどの個別評価の評語を点数化した上で平均化いたします。小数点を四捨五入した点数を基に再度評語を設定するという方法となります。この個別評価の点数化の際に重要度が高いと設定されている事業につきましては、点数を2倍化して計算いたします。それらを踏まえ、平均値が5点までであればS、4点であればAというように総合評価の評語として決定してまいります。資料3-1につきましてはこの改正を取り込んだ全体版ということになります。
 説明は以上となります。どうぞよろしくお願いいたします。
○西村座長 説明ありがとうございました。
 ただいまの説明について、御質問や御意見などございますでしょうか。ありましたら挙手をお願いいたします。伊藤先生、お願いします。
○伊藤構成員 聞こえますでしょうか。聞こえませんか。
○西村座長 伊藤先生、マイクが入っていないかもしれません。
○伊藤構成員 聞こえますでしょうか。
○西村座長 聞こえます。お願いいたします。
○伊藤構成員 今日使う資料というところで、資料番号1から8まであるかと思ったのですけれども、私、事前に御説明いただいたときに。
○西村座長 すみません。声の量をもう少し上げられますでしょうか。
○伊藤構成員 先ほど資料の番号で確認したのですけれども、事前に説明をいただいたときに、業績評価基準の見直しに向けてという1枚紙について説明をいただいたのですが、これは今日の資料に入っていますでしょうか。
○西村座長 では、説明をお願いいたします。
○片谷管理室長 業績評価の基準の見直し方針につきましては次の資料4、次の議題でお話をさせていただく予定でございます。
○伊藤構成員 分かりました。
 3-1、3-2を説明いただいたのですが、検討会での評価の基準と評価の仕方に関わる問題はこの基準(案)で規定をするのかなという気がしまして、事前の説明資料にあった運用の改善という部分の考え方を説明いただきたいと思ったのですけれども、これは後がいいですか。それとも、今させていただいてよろしいですか。
 では、取りあえず質問をさせていただいて、後ほど説明していただくでも構いませんので、よろしくお願いします。KPIの結果などで判断が難しい場合の自己評価の方法についてということで、取組も含めて評価できるよう、基準の範囲内で協議すると書いてある部分ですが、基準に基づいて当検討会が協議するということであれば、この検討会の評価の基準として何らかの縛りみたいなものが増えてくるのかなとも思っています。基準の範囲で当検討会が検討するということなので、評価基準にはどういう変更があるのか、解釈に変更があるのか。
○事務局 伊藤先生、すみません。終始音声、声が籠もっているのか、マイクが近過ぎるのか分からないですけれども、こちらで聞き取りづらくて、1回口から若干離しぎみでお話しいただいても大丈夫ですか。
○伊藤構成員 すみません。このぐらいでよろしいですか。
○事務局 そのぐらいでおしゃべりいただくと大変助かります。よろしくお願いします。
○伊藤構成員 評価基準の評価の基準(案)がほとんど変わりませんという御説明でしたので、変わらないということなのかなとは思ったのですけれども、別途いただいた運用改善案という資料に基準の範囲内で協議すると書いてあるので、基準の範囲で我々検討会は協議すると言っているのではないかと思っていまして、そうなると、評価基準が変わるのではないかとも思いまして、そこはどう理解するのかというところの説明をお願いいたします。
○西村座長 ありがとうございます。
 声の聞き取りが難しかったので、何度も質問していただきまして、すみません。ありがとうございます。
 令和6年度評価の基準の審議につきましてですね。では、御説明をお願いいたします。
○片谷管理室長 御質問ありがとうございます。
 事前に先生方にいろいろと御説明させていただいたときの資料との関係を御質問いただいていると思っております。事前説明のときには基準の見直しとは別に、今できる運用の改善案を御提示させていただきながら御説明させていただきました。今回のこの資料には入っておりませんけれども、その中で、協会けんぽが行う自己評価の方法について、基準の範囲内で双方で相談しながら進めていければいいなというような御説明をさせていただいた。そういう資料だったと思うのですが、今お示ししているのは令和6年度の基準ということで、見直し自体は次の議題でやらせていただきますけれども、前回御説明させていただいたときの基準の範囲内というのは、あくまでも令和6年度の業績評価の基準、今お示しさせていただいている案の範囲内で運用で改善できるものはやっていきたいと。これはすぐできる話ですので、そういう御趣旨で説明させていただいたものでございます。よろしいでしょうか。
○西村座長 よろしいでしょうか。
○伊藤構成員 ありがとうございました。
 ということは、評価基準は変わらないということで理解しました。ありがとうございます。
○西村座長 続けてお願いいたします。
○片谷管理室長 6年度の評価基準につきましては、年度の更新と先ほど御説明したところの改正ということで、昨年度と大きくは変わらないと、ほぼ一緒という考え方でやってきたいという考えでございます。
○西村座長 よろしいでしょうか。
 では、ほかの委員の先生方、御意見・御質問がありましたら挙手をお願いいたします。よろしいでしょうか。
 特に追加でございませんでしたので、令和6年度の評価の基準について、事務局案のとおりで承認したいと思います。よろしいでしょうか。
(構成員首肯)
○西村座長 ありがとうございます。
 では、次の議題に移ります。「業務実績に関する評価の基準の見直し方針について」を議題といたします。ここで評価の基準の見直しということで、方針について、まず事務局から説明をお願いいたします。
○片谷管理室長 ありがとうございます。
 資料がいろいろとありまして、混乱させてしまいまして申し訳ございません。
 評価基準の見直しに向けた方針につきまして御説明させていただきます。これまでKPIを用いた業績評価につきましては、4年間実施してまいりました。この間、構成員の皆様から様々な御意見を頂戴いたしまして、昨年7月の検討会におきまして事務局より業績評価基準の見直しを検討する旨を申し上げた次第でございます。見直しに当たりまして、まずはこの検討会においてこれからお示しします見直し方針というものを御承認いただいた上で、次のステップに進んでいくことを考えているところでございます。
 それでは、資料4を御覧ください。2枚物になります。1枚目は、この評価基準が設定されている根拠であるとか、これまでの改正の経緯などを改めて整理させていただいたものでございます。資料の一番上の箱のところですが、業績評価と評価基準の法律的な関係でございます。まず、健康保険法の規定によりまして、「厚生労働大臣は、協会の事業年度ごとの業績について、評価を行わなければならない」と規定されております。業績の評価に当たりましては、全国健康保険協会業績評価に関する検討会、これは保険局長の伺い定めでございますが、この中で検討会を設置するという規定がございまして、毎年度の検討会の初回において評価基準というものを決定しております。ですので、今回は令和6年度評価の最初ということで、6年度の評価基準を決定させていただいたというところでございます。
 2つ目の箱の中は評価基準の改正経緯でございます。協会けんぽが設立されてからこれまでどういう経緯を歩んできたかというところでございますが、検討会の設置当初、平成23年2月、当時は独立行政法人の評価基準、厚生労働省の独法評価委員会が平成13年に決定したものでございますが、それに準じて業績評価基準を策定しまして評価を行ってまいりました。当時、独法評価基準というのは、各府省ごとにそれぞれ独自に定めていたものでございますが、平成27年に政府統一の指針というものが定められまして、現在に至っているところでございます。
 ただ、統一指針が示された後も、協会けんぽの業績評価につきましては、従前の評価基準によって業績評価を行ってきたということもございまして、令和2年度の検討会におきまして、改正後の独法基準にある重要度であるとか困難度であるとか、こういった考え方を協会けんぽの業績評価基準に取り入れるべきという御意見が構成員の方からございました。それを踏まえまして、令和3年度、翌年ですが、これは令和2年度の評価からですが、改正後の独法評価基準に準じる形で協会けんぽの業績評価基準の見直しを行ったという経緯でございます。このときに重要度・困難度の仕組み等々を導入してまいったということでございます。
 一番下の箱の中は、事業計画と業績評価の関係となります。どちらも健康保険法に定めがございます。事業計画については、厚生労働大臣が最終的には認可して決めていきます。認可時期は事業年度の開始前までとなり、12月頃に認可申請がございまして、3月に認可するというスケジュールでございます。
 業績評価につきましても、評価の主体は大臣でございます。9月に行われます検討会でおおむね議論いただいて、事業年度の翌年度の10月末頃に評価を決定していくという流れでございます。
 こういったところを御認識いただいた上で、次のページになりますけれども、業績評価基準の見直しの方針(案)ということで、事務局案でございます。まず、検討会につきましては、第三者の視点を取り入れた適切な業績評価を行うということで、協会けんぽの業務運営の改善を目的としていることを踏まえまして、個別の事業内容に関する議論を皆様方で充実していただける方向で業績評価の見直しをまずやっていきたいと考えているところでございます。
 具体的なところですけれども、まずは事業計画に重要度・困難度が付されて4年たつわけですが、項目数が多くなりつつあるのではないかという御指摘を受けておりまして、そういったことも踏まえまして、この課題に対しまして、事業計画に付される項目数にある一定程度の目安を付して、この課題についてはまず解消を図ってまいりたいと考えているところでございます。
 資料にはございませんけれども、協会けんぽの重要度・困難度に関しましては、令和4年度は困難度・重要度共に項目数の全体の3割程度でございました。今回御審議いただく令和6年度事業計画におきましては、重要度・困難度共に4割弱ぐらいとされているということでございます。
 参考までに、厚生労働省所管の独法の令和5年度の事業計画を事務局のほうで少し確認してみますと、重要度・困難度の平均値は、重要度が4割、困難度は2割ちょっとぐらいという平均値ではございました。こういったものも参考にしながら、目安の議論を進めさせていただければなと思っている次第でございます。
 こうして決めた目安の範囲内で、事業計画に重要度・困難度を付していただいて、付された項目というものは、この業績評価検討会の中で評価していただきたいと考えているところでございます。
 また、計画の時点で目安を置くということになりますと、昨今構成員の皆様からいろいろと御指摘もございましたが、計画段階で困難度が付されていない項目に評価時点で追加的に困難度を付していくといったものはなくなっていくのではないかなと考えているところでございます。
 見直しの進め方については、その下の箱の中にございます。7年度まではもう既に大臣が認可した事業計画に基づいて事業運営が行われていることを踏まえまして、8年度の事業計画に基づく業績評価、これは実際には9年度に評価していただくことになりますけれども、ここから評価基準を見直したいと考えています。
 そのためには、令和8年度事業計画がこれから策定されると思いますが、その認可の手続より少し前、11月頃ですが、重要度・困難度の項目数の目安についての検討を進めてまいりまして、それらを踏まえて厚生労働大臣がこの目安を反映した事業計画を認可するという形にしたいと考えております。
 少し補足的に考え方を申し上げると、協会けんぽから認可申請された事業計画は、事業計画に付された重要度・困難度も含めて、最終的に認可するのは厚生労働大臣でございますので、目安の決定、そういったものを含めまして、認可する段階において次年度の施策であったり、協会の限られた資源をどういうふうに優先的に投入するのかということも踏まえて、先ほどの独法の平均値といったものも参考にしながら、目安がどの程度なのかということを最終的に事業計画のところの認可の中で厚労大臣が決めていくものになる、こういう流れになるのかなと考えているところでございます。
 見直し方針によりまして評価基準を今後つくってまいりますけれども、引き続き御意見を頂戴しながら検討を進めまして、令和8年度評価として、9年度に実施するものですが、そこまでに策定しまして、改めて検討会にお諮りしたいと考えているところです。
 下のスケジュールは、ざっくりとしたスケジュールでございますが、上の緑の箱で囲ってあるのが業績評価と事業計画の通常の流れでございます。下の黄色のところですが、今回の見直しの方針の作業工程でございまして、7年11月に1つ線を引いているのは、8年度の事業計画の大臣認可の前までにある程度目安は決めておき、基準については、令和8年に入ってからとなりますけれども、見直し方針案に基づきまして引き続き並行して検討を進めてまいりまして、2年後のこの検討会になると思いますが、その時点で令和8年度の新基準の承認をいただく、こういう流れを考えているところでございます。
 説明につきましては以上でございます。どうぞよろしくお願いいたします。
○西村座長 ありがとうございました。
 ただいま評価の見直しを2年後から開始、始めるということで、御説明いただきました。御質問や御意見などございますでしょうか。伊藤先生、お願いします。
○伊藤構成員 ありがとうございます。
 事業計画を策定したり、組み立てたりする上で、困難度というようなことを考慮して立てていると思います。今回評価の基準の見直し方針を議論してきているのは、この検討会が独立してというか、この検討会が業績評価をする状況では困難度をつけて検討するというようなことが必要になるのではないかというふうに思っていました。
 協会が、困難度が高いと書くとA、B、C、Dの評価基準のあてはめが一段高くできたり、重要度が高いとすると点数が2倍づけできたりするということがあるので、検討会として評価するときに釈然としないというような問題があると私なんかはちょっと思っていた。今回の見直し方針案で改善が図られるということなのですが、協会が重要度・困難度をつけることについては変わらないと思いました。
 質問ですけれども、説明にもあったように、事業計画を協会が策定して、大臣が認可を出すという建付けになっていると思いますが、認可基準、認可の手続きにおいて、協会のほうが重要度・困難度をつけてくる数については、どういう形で定められるのか。
 基準の目安というものは、認可に当たって、こんなにたくさん重要度・困難度をつけたら認可を出せないよというおおよその基準を設けるということだと思うので、この検討会で議論することでもないのかなという気がしたのですけれども、その辺はどこで検討すべきものかというのも教えていただきたいと思います。
 以上です。
○西村座長 ありがとうございました。
 御質問の点について、数の目安などについてどこで決めるのかということだったと思います。回答をお願いいたします。
○片谷管理室長 御質問ありがとうございます。事務局から御回答させていただきます。
 数の目安を決める根拠のようなお話をされていたと思います。また繰り返しの御説明になってしまいますけれども、事業計画の認可は厚生労働大臣が定めるということでございますので、その認可の中で重要度・困難度が付されたものの事業計画を認可すると。その段階でもう既に目安も含めて数と言っていいのか分かりませんが、これは重要だ、これは困難だというのを一つ一つ吟味しながら認可していくと。こういうことの中の整理の一つとしてできるというふうに考えているところでございます。
○西村座長 説明ありがとうございました。
 伊藤先生、よろしいでしょうか。
○伊藤構成員 ありがとうございます。
 それはそうなのだろうなとは思うのですけれども、協会では被保険者と事業主の代表が入って、運営委員会で議論して、重要性や困難性を考えて事業計画とか予算案をつくっているということだと思いますが、こういう案だと認可を出さないよということにするから、厚労省が認可基準を示すということをイメージさせる説明の資料になっていて、保険者機能に対する行政の関与について私自身関心があったもので、質問させていただきましたが、そこら辺はまた確認させていただければと思います。
 以上です。
○西村座長 ありがとうございました。
 事業計画のときにも厚生労働大臣が重要度・困難度も含めて認可ということですね。
○伊藤構成員 はい。
○西村座長 このような仕組みになっているということでございますので、認可の中にその決定も入っているということでございました。
 この点、よろしいでしょうか。
 ありがとうございます。
 では、ほかに御質問や御意見ございますか。古井先生、お願いいたします。
○古井構成員 御説明どうもありがとうございました。
 今日、事務局、厚労省のほうからも御説明いただきまして、今の伊藤先生のお話とも絡むのですけれども、協会けんぽの皆さんが重要度・困難度というのを検討されて、厚労大臣で決められているものに対して、今日御説明があった数を制限するということはどういう意味があるのかなと思いました。数を制限するというのは全然本質的な話ではないような気がしていまして、この評価というのが誰のために何をやるかによるものだと思います。なので、今、何か課題があって、重要度・困難度、そもそもそれがどうなのだという話であれば、協会さんの内部の話になりますし、この業績評価委員会として、それを前提として、その後の評価をやられる検討会だと。我々もアドバイザーとして入らせていただいているので、そこでそもそも困難度とか重要度の議論をして、しかもその数を幾つかに絞るということは、何のためにやるのかなというところなのですが。
 この1~2年、困難度・重要度がちょっと増え過ぎていて、それは客観的な評価をした中でちょっと点数が上振れしてしまうので、例えば協会けんぽの中の支部の皆さんとかにメッセージが伝わらないのではないかとか、そういう御懸念があったように私は理解しているのですけれども、この検討会での評価が難しいから数を制限しようというのは、協会けんぽさんにとっても失礼な話だと思いますし、せっかくその基準を検討されて厚労大臣の認可も受けたものなので、それに対してこの場で数を制限するというのは、どういう意義があるのかなと。今日分からなかったのですけれども、そこはあえてそういうことをする必要があるのかを含めてお聞かせいただきたいなと思った次第です。
 以上でございます。
○西村座長 古井先生、ありがとうございます。
 重要度・困難度の数の制限について、一定割合なのかも含めて、数の目安などですけれども、御回答をお願いします。
○片谷管理室長 ありがとうございます。
 先ほど申し上げましたとおり、これまで4年間こういった形で実施してまいりまして、確かに上振れしているのではないかというような御意見も頂戴した次第でございます。それについては、まず1つ課題だと我々は認識しました。まずはその課題解決のために今回の見直しの方針というものを示させていただいて、独法の現在の状況なども御紹介させていただいたというところでございます。
 必ずしもこれだけが課題だと考えているわけではなく、運用面で解決できるものであるとか、基準を見直さなければ解決できないようなものも、8年度の基準の見直しまでには一つ一つ整理はしていきたいと考えております。ただ、今まで事業計画に困難度・重要度を付された状態ですと、検討会でこれは重要度、どうなのだろうという疑問が出ても、そこは覆らなかったというところもございましたので、まず入り口のところでほかの法人の状況なども見ながら、少し抑制すると言ったら変かもしれませんけれども、そういったところに倣いながらそういう事業計画を我々としては認可するほうでいきたいなと。こういうことを考えた次第でございまして、先生がおっしゃることももっともだと思っておりますけれども、まずはそこは少しやらせていただきたいなということで、御提案をさせていただいた次第でございます。
○西村座長 御説明ありがとうございました。
 古井先生、いかがでしょうか。
○古井構成員 ありがとうございます。
 いろいろ試行錯誤の中で、本当にありがとうございます。すみません。私も答えは絶対これだというのを持っているわけではないのですが、それであれば、恐らく数を絞るというのは、優先順位づけという意味では意義がありますので、協会の中でいろいろ大変な事業をやられている中でも、例えばトップ7とかトップ5をみんなで考えてみようというのは一定の意義があるのかもしれないのですが、その場合は、どちらかというと協会けんぽさんの中の運営委員会とか、そもそも事業計画の検討のところで協会さんがどういうふうにすべきかというのを考えていただくのがいいと思うので、厚労省所管の業績評価検討会の中で検討すべきものとは少し異なるかと。今、室長がおっしゃったこと、課題は確かにあると思っているのですが、そういうプロセスはどういうふうにやるのがいいのかなとちょっと思った次第です。すみません。特に絶対これは駄目と言っているわけではないのですけれども、そういう感想を持ちました。
 ありがとうございます。
○西村座長 ありがとうございました。
 評価したものを社会の人たちに見ていただくときに、しっかり伝わることが必要であると思います。今、室長がお話しした上振れ評価のように見えてしまうということはできるだけ改善していけたらと私も思っているところです。どのようにやっていくか、順番なども確かに重要で、どこが、誰が決めてくかということも重要な点かと思いますので、よろしくお願いいたします。
 ほかに御意見・御質問ありますでしょうか。尾関先生、お願いします。
○西村座長 尾関先生、音声が入っていないようです。
 まだ聞こえません。マイクの調子のようです。
○事務局 尾関先生、左下のオーディオボタンの上向きのボタン、矢印を押していただいて、一番上、マイク選択が出ると思うのですが、これが御指定のマイクに設定されているかをいま一度御確認いただければ。
○西村座長 尾関先生、どうでしょうか。まだお声がこちらに届いていない、聞こえない状態です。
○事務局 尾関先生、すみません。こちらでもそちらの原因がつかみかねるので、改善、ないようでしたら、チャットでも対応可能です。
○西村座長 では、尾関先生、チャットに書き込むということで大丈夫でしょうか。
 下のバーのところにチャットと書いてあるところがあって、それをクリックすると書き込むようなところが出てきます。
 今、事務局のほうから全員に向けてチャットを送ってもらいました。届きましたでしょうか。
(首肯する構成員あり)
○西村座長 尾関先生のほうにもチャットが届きましたか。これに返信する形で打ち込んでいただくと全員に届くようになります。全員にメッセージを送信というところで打ち込んでいただくと。
 こちらの声は聞こえているということだと思います。今、事務局のほうから尾関先生の事務所のほうにお電話をさせていただきます。
○尾関構成員 マイクの調子が悪くて申し訳ございませんでした。
 今回の評価見直しの件ですけれども、私もどのような方法が一番ベストかというところ、結論は持っていないのですが、最近の重要度なり困難度なりが増えているというところが今、議論になっていると思うのですけれども、もともと運営委員会とか協会けんぽで困難度・重要度を評価して、主務大臣が認可した事業計画に基づいて事業の運営を行っていただいているわけですが、事後的にその内容が変わってしまい、困難度が「高」になってしまうというところが、この委員会でもその是非の議論に時間を取られている原因になっていると思います。いろんな方が検討に参加した中で、困難度・重要度を決めたものを、もちろんまったく変えてはいけないというわけではないのですが、なるべく事後的に困難度を「高」にすることを控えていただくようなことを行えば、今、皆さんが議論されている問題点といったものが解消するのではないかなと思っております。一つの参考としてお聞きいただければと思っておりますので、よろしくお願いいたします。
 以上です。
○西村座長 ありがとうございました。
 これは質問ということでなくて、御意見ということで承ればよろしいでしょうか。
○尾関構成員 はい。
○西村座長 事後的に重要度・困難度が評価の段階でつけられるときがありましたので、そういうところは問題であると感じていらっしゃったことと思いますので、そうした点を控えることが一つの改善策ということでした。
 では、御意見として承らせていただきたいと思います。
 少し音声に不具合がありましたけれども、お待たせいたしました。続けたいと思います。では、ほかに御意見や御質問ございますか。では、森下先生、お願いします。
○森下構成員 今、各先生方から御意見をいただいておりますが、今回の見直し案というものは、私も理解できるところです。ただ、協会けんぽさんが今、実施している事業というのが例えば3年計画とかいう形で進んでおられるので、年度途中に内容を変更していくということがなかなか難しい部分もあるかと思うのです。ですから、それに対して、業績評価の基準そのものをどこで変更するかという部分が結構ネックになるような気がします。
 ここに書かれているように、重要度・困難度等はかなりの比率でまだ残っているのですが、協会けんぽさんがここ十数年運営しながら、既にかなり成績を高い位置で上げていらっしゃる部分、そういうものについては、事業計画の中から少しずつ違う形で表現して、目標値をあまり設定せずに、次の新しい問題点に対する対応というものを考えることも必要なのかなと思っていまして、そういう意味では、この評価の見直し方針というのは、私としては必要かとは思いますが、今回の予定でも、結果的には来年、再来年に評価の見直しがこのままスケジュールどおり行ってもできるような段取りなのですが、これをもう少し早めてもう一回皆様に検討していただくということも必要かなということを感じていました。
 取りあえず私の意見でございます。
○西村座長 ありがとうございました。
 森下先生のほうから2つ意見ということでありました。目標値に対してかなり達成の水準が高い、95%とかに達しているような事業もあります。そのような場合どのように評価していくかということ。目標値の立て方、設定というのも御指摘のように課題、考えていく検討課題の一つになるのかなと思います。
 今のスケジュールでは再来年に、評価基準の変更、見直しがなされる予定ですが、もう少し早く見直しができないのかというのはいかがでしょうか。御説明をお願いいたします。
○片谷管理室長 ありがとうございます。事務局からお答えいたします。
 もう少し早くできないのかという御質問でございますが、令和6年度、令和7年度の事業計画は既に大臣認可がされておりまして、7年度は既に事業を運営している途中でございますので、新しく事業計画を策定される8年度からと我々は考えているところです。
 ただ、評価基準の見直しは、令和9年7月のこの検討会で御承認いただく予定ということを先ほど申し上げましたが、それまでの間に中間的な報告のような形で、この場で、今、こういう検討状況ですというのをご報告させていただくというのはあるのかなと考えているところでございます。
 よろしいでしょうか。
○西村座長 ありがとうございます。
 先ほどのご意見にありました3年計画の区切りに影響はありますでしょうか。
○片谷管理室長 ありがとうございます。
 この後御説明があると思いますけれども、協会けんぽは3か年でアクションプランというものを策定しております。中期的な計画を立てて、各年度は事業計画にそれを落とし込んで事業を運営していると理解しております。ちょうど令和8年度はそのアクションプランの最終年度になるのかなと思っていますが、業績評価は単年度評価でございますので、そこはまず一番早くできる8年度からやらせていただきたいと考えております。
 次のアクションプランになる9年度のときには、そのときにやってみた基準の見直しで果たして次の3か年はどうなのかというところも、恐らくそのときにはそういう御議論もいただくのではないかなと感じているところでございます。
 よろしいでしょうか。
○西村座長 御回答ありがとうございました。
○森下構成員 ありがとうございます。
○西村座長 ほかに御質問や御意見ございますでしょうか。
 今のところ、よろしいでしょうか。
 では、追加の御質問・御意見がございませんということで、評価基準の見直しの方針については、この事務局案のとおりとしたいと思います。改めましてよろしいでしょうか。
(構成員首肯)
○西村座長 ありがとうございます。
 では、御異議なしとして、お認めしたいと思います。
 それでは、最後の議題に移りたいと思います。最後の議題として「令和6年度全国健康保険協会事業計画について」。まず、協会より御説明をお願いいたします。
○北川理事長 ありがとうございます。理事長の北川でございます。
 構成員の皆様方に直接御挨拶をさせていただくのは初めてかもしれませんが、よろしくお願いします。
 これまでいろいろ御議論いただきまして大変ありがとうございます。これまでの御指導、御支援については感謝を申し上げたいと思います。
 次回以降、昨年度の業績を皆さんに御評価いただくに当たりまして、本日は、昨年度、どういう方針で私どもが事業運営を行っていたか、事業計画の内容の大きな枠組みについて、まず私のほうから御説明をさせていただきたいと思います。
 協会けんぽは、その基本使命としまして、保険者として健康保険事業、船員保険事業を行い、加入者の皆様の健康増進を図るとともに、良質かつ効率的な医療が享受できるようにし、もって加入者と事業主の皆さんの利益の実現を図ることを掲げ、日々業務に取り組んでいるところでございます。
 昨今、我が国におきましては少子高齢化や人口減少が進んでおりまして、協会けんぽにおいても加入者の平均年齢の上昇や医療の高度化等によりまして医療費の増大が継続すると見込まれているほか、高齢者の医療費を賄うための拠出金の負担も高い水準で推移していくものと予想されております。
 こうした厳しい環境の下、加入者が引き続き良質な医療を受け続けられるよう、協会としても医療保険制度の安定、的確な運営を行うとともに、医療提供体制等の医療・介護資源の効率化・適正化に向けた働きかけを強化し、併せて加入者の健康増進を図り、健康寿命の延伸を計画的に実現していく。労働環境の変化を踏まえ、健康経営の拡大・定着をサポートし、事業者にとっても利益実感のある健康事業を充実させていくことが重要と考えているところであります。
 事業計画の詳細につきましては、この後、企画部長から御説明いたしますが、私からは一昨年着任して以来、こうした協会を取り巻く環境の変化を踏まえまして、協会運営に当たってアジャストすべき方向性として、特に昨年度から示しております3つの戦略キーワード、DX、SDGs、国際化、2つの運営テーマ、全員参加型運営、マーケティング思考について簡単に触れさせていただきたいと思います。
 まず、DXについては、政府の進める医療DXと連携しつつ、我々保険者は、病気起点の医療DXの外側で健康な方がいつまでも健康でいられるようなけんぽDXを推進、構築していくべきだと考えております。具体的には4000万人とつながるけんぽDXというコンセプトの下で、けんぽアプリを今、準備しているところでございます。来年1月からは申請手続の大幅な利便性向上となる電子申請がスタートしますが、これと併せプロトタイプをスタートさせる計画としております。
 次にSDGsは、協会としての健康社会の実現は、まさにSDGsそのものでありますが、その中でも今後の社会を担う子供たちへの健康教育は大きな事業の柱になるものと考え、推進を進めております。また、そうした使命を持った協会を支える職員の働き方改革を進めていくことも重要なポイントと考えて取り組んでいるところであります。
 国際化につきましては、協会においてこれまであまり顧みられておりませんでしたが、労働環境の変化の中でも外国人労働者の急激な増大への対応という観点に着目しております。特に事業者へのサポートという意味で充実を考えております。
 また、世界的に見ても国民皆保険制度の実務知見による国際貢献のニーズも高いものと考えており、昨年来、インドネシアほか、幾つもの国の社会保険当局の来訪を受けているところであります。
 また、昨年度取りまとめられた近未来健康活躍社会戦略の国際的なUHCナレッジハブにおいても貢献の可能性があるのではと考えているところであります。
 こうした新しい戦略においては、昨年度着実に成果を出してまいりましたが、協会運営においてもさらなる高度化を目指しまして、イントラでの社内報や支部紹介、公募型の人材育成・発掘や、全員参加型の施策検討等にも取り組みまして、職場の活性化を実感しているところであります。
 また、施策の実施に当たっては、マーケティング思考、よりニーズに踏み込んだ事業に取り組むことに注力し、人間ドックへの対応や電子申請の導入等、これらが実現していると考えております。
 その上で、昨年度の大きな項目として、基盤的保険者機能においては、財政運営では今後の収支見通しのほか、人口構成の変化や医療費の動向、後期高齢者支援金の増加等を考慮した上で、中長期的に安定した運営に向けて議論を進めてまいりました。
 また、現金給付等の保険者の基本的な業務の着実かつ効率的な実施、健康保険証の新規発行停止を迎えるに当たって、マイナ保険証の利用の周知広報に加え、4000万人の全加入者への資格情報のお知らせの送付、必要な方への資格確認書の発行に丁寧に取り組んでまいりました。
 なお、資格情報のお知らせの送付に当たりまして、2024年9月からはマイナンバー専用コールセンターを設置し、国際化の進展に伴いまして多様な言語背景を持つ加入者が増加していることを踏まえて、22か国語の対応を可能としたところ、この1年余りで19か国語が利用されているという実態が分かってまいり、我々も想定以上に多くの国からの労働者が増加してきていることを実感した次第でございます。
 2つ目に、戦略的保険者機能としましては、特定健診や特定保健指導の推進に加えまして、令和8年度から人間ドックに対する補助や、若年層、20歳、25歳、30歳を対象とした新しい健診の新設。令和9年度からは、これまで手薄だった被扶養者に向けても被保険者並みの健診の拡充など、現役世代の健康増進に向けた取組の準備を進めてまいりました。
 医療費適正化については、バイオシミラーの使用促進や地域フォーミュラリの設定といった、厚労省より示されました新たな取組について、協会としても重点課題と位置づけ、チャレンジを開始しております。
 併せて、医療DXの中核となっていく電子カルテや電子処方箋の進展についても、保険者の立場から積極的な啓発、進展に向けた活動に取り組んでまいりました。
 また、協会は船員保険の保険者でもあり、船員保険加入者に対する良質なサービスの確実な提供等にも取り組んできたところでございます。昨年度は特に船上時間が長い上に、おざなりになりやすい歯科予防に関する事業の取組に大きな反響を頂戴しているところであります。
 以上申し上げましたポイントなどを踏まえまして、令和6年度事業計画の詳細につきまして、企画部長から事業計画の概要を聞いていただければ幸いでございます。よろしくお願いいたします。
○西村座長 ありがとうございました。
 では、企画部長の御説明を続けてお願いいたします。
○松﨑企画部長 企画部長の松﨑でございます。それでは、私のほうから説明をいたします。
 私のほうからは、9月以降に6年度の事業を御議論いただくに当たりまして、協会事業の枠組みを中心に、配付資料に沿いまして要点を説明してまいりたいと考えております。
 協会の事業計画等に関しましては、先ほど御議論がありましたとおり、事業主、被保険者、学識経験を有する者から厚生労働大臣が任命する者で構成されます運営委員会の議を経ることになっております。その上で厚生労働大臣認可といった流れでございます。ここで御説明する内容はこういったプロセスを経て定めたものであるということであります。
 併せて、協会では、配付資料5にもありますとおり、3年間の事業計画をアクションプランといった形で定めております。現在は令和6年度から令和8年度までを対象とする第6期計画に基づいてやっているということでございます。資料5はこの概要でございまして、資料6はそのアクションプランの実物ということでございます。資料6のアクションプランの中の32ページ以降に3年間のKPIを定めている。こういった構成になっているということでございます。
 そして、資料5を御覧いただければと思います。アクションプランの概要でございます。おめくりいただきまして、ページの1枚目でございます。協会の事業の柱は、下段にありますとおり3つの柱でできております。1つ目が基盤的保険者機能の盤石化、2つ目が戦略的保険者機能の一層の発揮、3つ目が保険者機能の強化を支える組織・運営体制等の整備といった形でございます。基盤的保険者機能の部分と戦略的保険者機能の取組の中で特に力を入れたものに関しましては、先ほど理事長から御発言があったとおりでございまして、3つ目は、そういったものを含めた協会の活動を支える組織・体制を整備していくと。こういった形で構成されているということでございます。
 これがアクションプランでございまして、その上で、資料7が今回御説明いたします令和6度事業計画ということになっております。このアクションプランは、第6期のアクションプランの初年度になるといった位置づけでございます。
 これから詳細の説明をしてまいるのですが、こちらの内容は、資料8にありますとおり、業績評価の指摘事項を踏まえながら作成したという形でございます。
 以上、全体の枠組み御説明いたしました。その上で、資料7の説明に入ってまいりたいと思います。資料7を御覧ください。
 こちらは、当協会で全体として健康保険事業と船員保険事業をやっておりまして、それぞれについて説明をしてまいります。資料7の8ページを御覧ください。大枠の内容は先ほど御説明しましたので、主な重点施策を中心に御説明をしてまいります。8ページは1つ目の柱であります基盤的保険者機能の盤石化というものでございます。Ⅰ、健全な財政運営ということでございます。先行きが不透明な協会の保険財政に関して、決算、見通しに関する情報発信を積極的に行う。併せて、医療費の適正化の努力を行う。国、都道府県等の会議におきまして、各種データの分析結果から得られたエビデンスも踏まえて、安定した財政運営を行うという観点から、積極的に意見の発信を行っていくというのが1つ目でございます。
 9ページを御覧ください。Ⅱ、業務改革の実践と業務品質の向上ということでございます。➀が業務処理体制の強化と意識改革の徹底ということでございます。1つ目のポツ、業務量の多寡や優先度に対応してメリハリをつけていくための事務処理体制の強化です。2つ目のポツ、それだけでは足りないということで、業務の標準化・効率化・簡素化も併せて図っていくということでございます。
 ➁を御覧ください。そういった優先順位、メリハリをつけた上で、特に大切になってくるのがサービス水準の向上ということでございます。1つ目のポツです。全ての申請について、迅速な業務処理を徹底する。2つ目のポツ、加入者・事業主の利便性の向上、負担軽減も図る。3つ目です。受電体制の強化、相談業務の標準化ということで、被保険者の方々の対応も標準化して質を高めていくということでございます。
 10ページを御覧ください。現金給付等の適正化ということでございます。1つ目のポツにありますとおり、併給調整や、2つ目のポツ、支給決定データの分析に不正疑いが生じた申請につきまして、内容を精査し、必要に応じて事業主への立入検査を行う。こういった取組をしていくということでございます。
 11ページを御覧ください。1つ目のポツにございますとおり、被扶養者の再確認に関しまして、マイナンバーを活用して効率的に確認を行う。その下のポツです。現金給付の適正化を推進するために、標準化した業務プロセスによって事務処理を徹底する。併せて、それを実効性のあるものにするためにということで、各支部の管理者・担当者に対して研修もしていくということです。
 次は➃レセプト点検の精度向上ということでございます。2つ目のポツを御覧ください。自動点検マスタを定期的に更新して、システム点検の効率化を図る。併せて、支払基金でAIによるレセプトの振り分けが行われていることを踏まえまして、その成果を生かしながら、点検効果の高いレセプト、目視対象に振り分けられたものを優先的かつ重点的にということで、メリハリのある対応を行っていくということでございます。
 2つ下に下がりまして4つ目のポツでございます。併せて、今後の支払基金改革の進捗状況を注視しながら、協会としてどういった体制で点検を行っていくかということも引き続き検討してまいるということでございます。
 その下のポツでございます。マイナンバーカードと健康保険証の一体化の状況を踏まえ、資格点検の実施方法や体制の見直しを検討するということで、協会以外の動きも踏まえながら、できるだけメリハリをつけて効果の高い取組を行ってまいるということでございます。
 12ページ、➄を御覧ください。債権管理・回収と返納金債権発生防止の強化ということでございます。こちらは1つ目のポツにありますとおり、早期回収に向けた取組を着実にやっていく。併せて研修等々も行っていくということでございます。
 13ページを御覧ください。下のほうでございます。Ⅲ、デジタルトランスフォーメーションの推進ということです。オンライン資格確認等システムの周知徹底、あるいは14ページを御覧いただきまして、マイナンバーカードと健康保険証の一体化への対応、電子申請の導入ということでございまして、DXを活用した取組も進めていくということでございます。
 15ページからは2つ目の柱になります。戦略的保険者機能の一層の発揮ということでございます。Ⅰ、データ分析に基づく事業実施ということです。➀が本部と支部における医療費・健診データの分析結果の活用と分析能力の向上ということでございます。1つ目のポツを御覧ください。2行目の最後のほうです。医療費・健診データを活用して地域差の分析を行うということです。
 2つ目のポツです。本部は、地域差にかかる分析を実施するとともに、支部が実際の活動につなげていくため、分析ができるようにするためのデータを作成・提供するということでございます。支部のほうでは、それを受けまして、そのデータを使いまして、顔の見える地域ネットワークも活用して事業を展開していくということでございます。
 その下のポツです。そういった本部・支部の調査研究、役割分担に基づく分析、調査研究・分析の結果を内外に広く知っていただくということが大切でございまして、そういった視点から地域研究フォーラムを開催してあまねく広めていくということでございます。
 その下です。そういったものもありつつ、分析マニュアルを活用した分析方法の説明会を分析担当者向けに開催するとか、あるいは支部間で研さんを積むことのできる環境整備による人材育成をするということで、協会における調査研究の質を組織として底上げを図っていくということに取り組んでいくということであります。
 16ページを御覧ください。今、申し上げたのは協会の内部での話ということですけれども、➁外部の有識者のお力添えも活用しながら調査研究成果をかなり広げていくということに取り組んでいるということです。
 そういった上で、➂好事例の横展開ということで、ⅰ、本部主導のパイロット事業をやっている。この中で本部が設定したテーマについて、支部の取組結果を基に効果的な手法を確立して、さらに横に広げていくということです。
 ⅱ、保険者努力重点支援プロジェクトということでございまして、データ分析とか事業企画を本部とプロジェクト対象3支部。こちらは年齢構成とか所得水準の調整後の結果ですけれども、1人当たりの医療費が高い県ですが、こちらの支部と連携しながら、保険者努力重点支援プロジェクトということで、外部の有識者の助言も得ながら、保険料率の上昇の抑制や、具体的な成果につなげていくといった事業を展開していくということであります。
 18ページを御覧ください。次が健康づくりということでございます。➀が保健事業の一層の推進ということで、ⅰ、データヘルス計画に基づく取組ということで、「特定健診・特定保健指導の推進」「重症化予防の対策」「コラボヘルスの取組」、3つの柱を持ちながら、支部ごとに作成するデータヘルス計画を各年度着実に実施していくということでございます。そういった中で、特に「特定健診・特定保健指導データ分析報告書」「支部別スコアリングレポート」、加えて、情報系システムの分析ツールを用いましてPDCAサイクルを回して、取組の実効性をさらに高めていくということで取り組んでいきます。
 ⅱ、保健事業の充実・強化に向けた基盤整備ということで、ここにありますように、採用活動、研修もしっかりとやっていくということです。
 ➁を御覧ください。特定健診実施率・事業者健診データ取得率等の向上ということです。1つ目のポツです。生活習慣病予防健診に関しまして、健診・保健指導カルテ等を活用いたしまして、実施率への影響。具体的な取組の効果が高いと思われる事業所とか業態等を選定いたしまして、効率化・効果的な受診勧奨を実施するということです。
 2つ目のポツです。被扶養者に対する特定健診に関しまして、実施率の向上を図るため、市町村と連携協定を進める。こういった取組で事業を進めていく。
 19ページ、1行目にあります骨粗鬆症の検診、2行目にあります歯科検診、そして3行目にあります眼底検査を集団健診時のオプション検診として追加する。こういった取組を進めているということです。
 その下のポツを御覧ください。事業者健診データの取得に関しまして、事業主・健診機関、協会、この3者間で、40歳未満も含めた事業者健診データが健診機関を通じて確実に協会に提供されるよう連携を深めていくということです。
 20ページを御覧ください。➂特定保健指導実施率と質の向上ということです。1つ目が特定保健指導実施率の向上ということです。1つ目のポツです。特定保健指導の利用案内をする。2つ目のポツです。健診・保健指導カルテを活用して、先ほどと同様ですけれども、実施率への影響、効果が高いと思われる事業所・業態を選定して、重点かつ優先的に働きかけることで、効率的・効果的な利用勧奨を行うということです。
 3つ目のポツです。特定保健指導の利用がない事業所もございます。そういうところへ情報提供するためということで、実施率が高い事業所でどういった創意工夫をやっていたということで、事例を作成することで広げていくという取組をしております。
 その下のポツです。質を確保しつつ外部委託のさらなる推進を図るということで、健診当日の初回面談を実施するとか、あるいは効果的な利用案内につきまして、23年度にパイロット事業を行っています。それを全国展開の可否を検討するということです。
 次はⅱです。量に対して、今度は質の向上ということです。1つ目のポツ、特定健診・保健指導で評価体系の見直しがございました。このポツの一番最後の行ですが、そういったことを受けてスキルの習得に向けた研修を行うということです。
 2つ目のポツです。特定保健指導の成果の見える化を図るということと、ICTを組み合わせて取組を進めていくための環境整備に取り組んでいくということでございます。
 21ページ、➃を御覧ください。重症化予防対策の推進ということです。1ポツ目です。メタボリックシンドローム対策として未治療者への受診勧奨。あるいは4行目、効果的な受診勧奨について、2023年にパイロット事業をやっておりまして、その効果を検証して、全国展開の可否を検討するとしております。
 22ページを御覧ください。上のポツです。糖尿病性腎症重症化予防事業に関しまして、かかりつけ医と連携した取組を実施する。
 その下、3行目です。外部有識者の研究成果を踏まえまして、人工透析につながる要因となる糖尿病性腎症に対する受診勧奨を拡充するということです。
 ➄コラボヘルスの推進ということで、健康宣言事業所の数を拡大するということ。2行目の後段から、プロセス及びコンテンツの標準化を図る。内容は括弧の中のとおりでございます。
 2つ目のポツです。中小企業における健康づくりを推進するということで、商工会議所と協定締結。
 次のポツです。若年期から高齢期までの生涯を通じた加入者の健康増進を見据え、40歳未満も含めた医療費・健診データの分析、そして年代別などの健康課題に着目した取組、ポピュレーションアプローチを検討・実施するということです。
 次のポツ、メンタルヘルスに関しまして、産業保健総合支援センターと連携していくということでございます。
 23ページを御覧ください。医療費の適正化ということでございます。➀医療資源の適正使用ということで、ⅰにありますジェネリック医薬品とか、ⅱ、バイオシミラーの使用促進、24ページのⅲ、ポリファーマシー等の対策を行っていくということでございます。
 ⅳ、上手な医療のかかり方ということで、こういった取組のほか、かかりつけ医を持つことの意義であったり、時間外受診・はしご受診の問題点、セルフメディケーションの推進、リフィル処方箋の仕組み等、加入者への周知・啓発を図っていくということであります。
 25ページ、➁地域の医療提供体制等へのデータを活用した意見発信ということでございます。ⅰでは医療計画、医療費適正化計画、ⅱでは医療提供体制、26ページのⅲでは医療保険制度の持続可能性の確保ということで、それぞれデータ、エビデンスに基づく意見発信を行っていくということを記載しております。
 26ページの➂、インセンティブ制度の実施・検証も行っております。
 そして、Ⅳ、広報活動や「顔の見える地域ネットワーク」を通じた加入者等の理解促進ということで、27ページを御覧ください。こちらに関しましては、1つ目のポツ、広報基本方針に基づき、「広報計画」を策定する。
 具体的にはということで、視点を書いているのですけれども、➀が加入者・事業主目線。➁がテーマに応じた多様な広報媒体、手法を組み合わせる。➂は、本部は統一的観点、支部は地域・職域特性を踏まえ、➃PDCAサイクルを回しながら実効的な取組を進めていくということでございます。
 28ページを御覧いただければと思います。これは3つ目の柱、保険者機能の強化を支える組織・運営体制の整備ということです。Ⅰで人事・組織ということで、➀で人事制度の適正な運用。➁が人員配置。➂が人材の育成。めくっていただきまして、29ページ、➃働き方改革等々となっておりまして、こういった取組をしっかりと整えてきているということでございます。
 29ページ、内部統制等ということで、➀内部統制の強化。ここにありますとおり、業務遂行の阻害となるリスクの網羅的な洗い出し、分析、評価、対策の検討等の取組を拡充する。
 30ページから御覧いただいて、当然と言えば当然ですけれども、個人情報保護の徹底や➂コンプライアンスの徹底。そして災害への対応ということで、BCP、必要な見直しを行うとか、31ページ、➄情報セキュリティ体制を整備するとか、➅費用対効果を踏まえたコスト削減等の徹底を図ってまいるということでございます。
 そして、Ⅲ、システム対応ということでございまして、制度改正、業務効率化、あるいは中長期的に電子申請、マイナンバーと健康保険証の一体化ということで、それぞれの外部環境に対応しながらシステム対応も行っていくということであります。
 こちらは健康保険事業でありまして、35ページ以降は船員保険事業ということですけれども、基本は健康保険事業と同じですが、船員保険に特徴的なところだけかいつまんで御説明をいたします。
 41ページを御覧ください。福祉事業の効果的な実施ということで、船員労働の特殊性を踏まえまして、無線医療助言事業、洋上救急医療援護事業につきまして、外部委託機関と連携を図って着実に実施する。
 42ページを御覧ください。特定健康診査等の推進ということで、真ん中の括弧でございますけれども、船員手帳健康証明書データ取得ということで、国土交通省と連携する。
 3つ目のポツです。健康証明書データの取得に御協力いただける漁業協同組合と連携を行うということでございます。
 44ページを御覧ください。ⅳ、加入者の禁煙に対する支援ということで、オンライン禁煙プログラムを実施するということです。
 45ページ、ⅵ、船舶所有者とのコラボヘルスの推進ということで、国土交通省、経済産業省、厚生労働省、水産庁と連携して、「船員の健康づくり宣言」の浸透を進める。そして、自社船員の健康づくりに関する船舶所有者の取組を支援する。そして、船舶所有者訪問等も重ねまして、参加船舶所有者の拡大を図るということで取り組んでいくという形でございます。
 以上、令和6年度の全国健康保険協会の事業計画と予算について御説明をさせていただきました。よろしくお願いいたします。
○西村座長 御説明ありがとうございました。
 では、ただいまの説明につきまして、構成員の先生方から御質問等ございますでしょうか。森下先生、お願いします。
○森下構成員 御説明ありがとうございました。
 また、理事長から協会けんぽのこれからのいろんな考え方について御説明をいただきました。その中で4000万人とつながる健康アプリ、こういうものもこれから考えていきたいというようなお話がありまして、これはうまく普及すると非常に有効な手段なのかなと感じたところです。
 それと、子供たちへの健康の教育も非常に重要なテーマでございますので、これからぜひとも進めていただきたいなと思うのです。
 もう一点理事長から、今、外国人労働者が非常に増えている中で、その方たちの健康を守るという施策にも臨んでいきたいというお話がございましたけれども、これは正の部分、負の部分。外国人の方の働き方にもいろいろと正負がありまして、健康保険医療、世界に誇れるような日本の制度を使ってもらうという考え方と同時に、一方、その制度を不正利用する外国人の方もいるというお話を伺っておりますので、その辺についての審査については年金機構の管轄だとか、協会けんぽの管轄だとか、ちょっと識別が難しいところがあるのですけれども、その辺については今後も留意しながら進めていただきたいなと思っております。
 それと、先ほど企画部長からお話のあった資料7のページ19、特定健診の実施率とか事業者健診データ取得率の向上というテーマの中で、19ページの困難度の高いという内容がちょっとどうなのかなと思ったのですが、3行目の協会の加入事業所は、8割以上が被保険者9人以下の中小企業である。そのため、1事業所当たりの特定健診対象者が少ない云々、それから健康保険組合等と異なり保険者と加入者及び事業主との距離が大きく、特定健診の受診に対する理解が得られにくい等、効果的な事業の実施が難しい状況だというような文言があるのですが、これは言い訳としては書き過ぎなのかなと。
 私どもは非常に小さな会社の事業主でありますけれども、社員の健康診断、会社でも半額を補助して、協会けんぽの皆様からの補助と合わせて、本人の支出なしに健康診断を続けている会社もありますので、果たしてこの書き方で済まされるのかなという感じを私は事業主の代表者としてちょっと疑義を持った次第でございます。
 幾つかお話ししましたが、今の点についてもしお答えできる部分があれば、お答えをください。
○西村座長 ありがとうございました。
 御意見を3つほどいただいて、それから最後のところが御質問で、資料7、19ページのところに対してでしたけれども、御説明できるところがあればお願いします。では、協会けんぽからお願いいたします。
○川又理事 協会けんぽ理事の川又と申します。よろしくお願いいたします。
 御指摘ありがとうございます。確かに事業主さん、熱心にやっていただくところが多いと思いますので、そういう意味で、ここに問題意識を持たれたのかなと思います。健康宣言の事業所とか多くありますので、進めていただいている事業所があることは確かでございますけれども、私どもは270万近くの事業所があって、ここにありますように、8割以上が9人以下。また、2人以下で半分ぐらいという状況でございまして、事業主を通じて個々の被保険者、加入者の方に認知をするというのは非常に難しい点もございます。そうした中で保健事業を推進していかなければいけない。限られたリソースの中で私どもも健診・保健事業を進めているわけでございますけれども、そうした中で難しさがある。それは健保組合等と比べれば非常に難しいということを御理解いただけると思うのですが、そうした中で努力しながら、事業者のお力もお借りしながら進めていくということでございますので、御理解いただければと思います。
○西村座長 御説明ありがとうございました。
 森下先生、いかがでしょうか。
○森下構成員 今、お答えはいただいて、状況はよく分かるのですけれども、私がいろいろと調べているところによりますと、年金機構が事業主の社会保険の取得に関する管轄を負っていると。それに対して、例えば本当に一生懸命やられている会社なのかどうかというような細かいところについては、協会けんぽでは数が多過ぎて調べ切れないとか、いろんなお話を聞くわけですが、そういうものを追跡していく方法を協会けんぽの中では権限としては持たれていないのでしょうか。
○西村座長 今の点についていかがでしょうか。協会けんぽからお願いします。
○川又理事 引き続き理事の川又と申します。よろしくお願いいたします。
 私どもの協会の健康保険については、適用と保険料の徴収につきましては日本年金機構のほうにお願いして、厚生年金とともに一元的に実施していただいてございますので、具体的などこの事業所を適用しているかというところにつきましては、日本年金機構を窓口にして、日本年金機構のほうで適用・徴収をされているという状況でございます。私どもは、加入された事業所の加入者に対してこうした保健事業を進めていくという関係にございますので、よろしくお願いいたします。
○西村座長 ありがとうございました。
 森下先生、よろしいでしょうか。
○森下構成員 その辺の制度の問題というのはあるかと思うのですけれども、協会けんぽ側でそういう事情が分かっていてもそれを精査する方法がないというのは、これから皆さんと年金機構とで考えなければいけない問題なのかなと思っています。その辺はぜひ部内でも御議論いただけるといいのかなと思いますし、ほかにもお医者さんのレセプトの問題、電子データ化というお話がありましたが、電子データ化されていない病院もいまだにたくさんあるという話を伺っています。診察を受けても、言わないとレシートが出てこない。要するに、今日の診断内容が書かれたコンピュータで打ち出されるものが出てこない病院もたくさんあるという話を伺うのですけれども、これは多分法律で高齢のお医者さんとか、いろんな事情でそういうものが出せないということで許容されているのかもしれないですが、今の時代、先ほどのお話のように、DX化を進める中でいまだにそういう病院があるというのは、我々は個人的にもおかしいなと思っているところがあるのですが、その辺についてもし見解があれば伺いたいと思います。
 私の質問は以上です。
○西村座長 質問ありがとうございました。
 では、追加の質問、電子データ化していない病院などの状況について御説明などありますでしょうか。では、協会けんぽからお願いします。
○川又理事 協会けんぽの理事の川又でございます。
 基本的にはレセプトについてはほとんど電子レセプト化されて、社会保険診療報酬支払基金のほうで審査を受けているというふうに理解しておりますが、もしかしたら過疎地とか一部の小さい診療所とかであるのかもしれませんけれども、基本的にはレセプトについては電子レセプトです。今、電子カルテでの情報共有システムという形で、DX化という方向で政策のほうは進んでいると思いますので、これは厚労省を中心にいろいろ進めていただいているところと理解しております。
○西村座長 ありがとうございました。
 森下先生、現在の状況、電子化についての御説明でした。
○森下構成員 状況説明は分かりますけれども、それに対する今後の対応という返答がないのは、これからどうしていったらそういうものが防げるのかというお話が出てくると何となく分かりやすかったのですけれども、時間がないので、取りあえずここでやめておきます。
○西村座長 ありがとうございました。
 では、そうした問題、課題のあるところについては今後も対応を検討してほしいということで承りました。ありがとうございます。
 ほかにありますでしょうか。では、古井先生、お願いいたします。
○古井構成員 ありがとうございます。
 資料7のほうで令和6年度の事業計画を御説明いただきましてありがとうございます。
 我々がこれから業績評価をさせていただくときの観点でコメントをさせていただきます。ページ6のところで、基盤的な保険者機能を盤石化するという点、それから戦略的保険者機能によると。この2つはいずれも大事だと思っています。基盤的保険者機能のところでDXのお話があったかと思います。これは協会に限らず、全日本的に大事なのですけれども、これに該当する事業としてページ13、14のところに記載がありまして、最後にKPIとして定量的にマイナ保険証の利用率50%というのがあったかと思います。これはこれですごく大事だなと思う中で、私が骨太方針の政府の委員会に出ている中でも、マイナ保険証の利用を上げるというのは非常に大きな課題になっていて、国民それぞれがこのメリットにまだ気づいていないとか、実質的な利用が進んでいないためにそれが広がらないという課題がありまして、KPIとしてマイナ保険証の利用率を取るのは非常にいいと思っていますけれども、数字になかなか表れないところの協会けんぽとしての御努力とかプロセスというのをサポートする資料、あるいは御発言の中で教えていただきたいなと思っています。これは協会さん以外の保険者にも資する要素かなと思っています。
 それから、戦略的保険者機能の中で優先課題をつける。つまり、データ分析結果を活用して優先課題をつけて、それによって効果的な事業計画をつくっていくと。これもすごくいい流れだなと思っていまして、相当するページが15ページ目の分析結果の活用というところだと思うのですが、分析の技術というのはもちろんあればあるにこしたことはないのですが、これはAIとか外注業者、アカデミアにある程度というところだとすると、やはりデータ分析結果をいかに被保険者、事業主のために協会けんぽの事業運営に生かすか。そこの事業に落としていく。データ結果を解釈して、それを企画に落とすところがほかの誰にもできないわけなので、この該当の分野というのは、KPIがたしか定量的にはなかったと思うので、我々はぜひここは評価をさせていただきたいと思っていまして、協会けんぽさんがデータ分析の技術だけではなくて、それをどうやって事業運営に取り入れようとされているか。また、そのときに人材の育成にいろいろ御苦労されているとか、そういうところが分かるような御説明をその際にいただけるといいなと思っています。
 同じく戦略的の中で、先ほど委員の先生からもありましたけれども、加入者の手前にある事業主との連携というのは非常に大事なことだと思っています。これは健保以上に構造が難しいだけに重要なのですが、この該当ページは直接的に言うと22ページ目のコラボヘルスのところだと思っていますけれども、ここのKPIが一言で健康宣言10万事業所というふうに。
 多分これは協会けんぽさんが頑張られてどんどんクリアしていかれると思うのですが、このページにも書いてあるリテラシーを上げていくのだと。先ほど森下先生からもあったように、事業所の中でも多種多様で、本当にしっかりと人的資本投資を協会の保健事業を使ってやられているところもあれば、まだそこに気づいていないところも残念ながら少なくないと伺っていますので、事業主とのコラボレーションというのは、一律10万事業所行けばいいというものではないという理解ですので、どういうプロセスでどういうところからそういう宣言事業所が現れていて、また、その業界、業種業態によって差異があるのかとか、そういうことを評価のときに我々も確認し、一緒にこれからの改善策を考えさせていただけるといいのかなと思います。
 それから、ちょっと細かい話ですが、船員保険の44ページ目のところで、船員保険のデータ分析はこの数年間で非常にしっかり進められていて、船員の方の健康課題の特徴というのは私もよく分かってまいりました。その中で禁煙プログラムは非常に大事で、ここに定量的なKPIの70人以上というのがあるのですけれども、70人がいい悪いというわけではなくて、70人を設定して、そのKPIをクリアしたことで次に。例えば70人を140人にするのかとか、あるいは70人である程度ノウハウがたまると、これを知見として展開できるのかとか、戦略的にこの禁煙プログラムをどういうふうに捉えられているかということも少し評価のときに伺えるといいのかなと思いました。
 評価の視点でコメントをさせていただきました。以上です。
○西村座長 古井先生、ありがとうございました。
 評価設定のときの考え方も含めて分かるように御説明いただく、資料を出していただくなど。評価者の側としてはアウトカム、アウトプットだけの評価でなく、プロセスも評価したいということから、プロセス評価もできるような資料や御説明もあるとなおよいというような点で、いろいろ御意見をいただきました。
 今の点について御説明がありますか。では、協会けんぽからお願いします。
○川又理事 協会けんぽ理事の川又でございます。
 古井先生、いろいろと前向きな御示唆をいただいてありがとうございます。できる限り次回の御説明のときに、いただいた御意見を踏まえて説明ができるように準備を進めたいと思います。どうもありがとうございました。
○西村座長 ありがとうございます。
 では、次回のときによろしくお願いいたします。
 時間が迫ってまいりましたけれども、なお御意見・御質問がございましたらお願いいたします。では、伊藤先生、お願いします。
○伊藤構成員 では、時間が限られているので、感想というか意見を言わせていただき、要望を併せて言わせていただきます。もしこの時間で回答、コメントをいただく時間がなければ、次回以降でと思います。
 私は、8ページのところの基盤的保険者機能の部分の健全な財政運営というところについてこの間ずっと確認してきておりますが、この重要度というのは、協会けんぽは、国民の3分の1の医療アクセスを財政から担保しているという、物すごい重要な役割を担っているというのは全く異論はないのですけれども、それに併せて困難だというところが説明されているところについて、若干その認識を十分共有できていないようなところがあります。
 なかなか難しいという理由が多々書いてあるのですが、多額の国庫補助も受けている保険者としては、健全な財政運営を確保するのは当然の使命と言ったら、すごい厳しい言い方というか、失礼な言い方かもしれないですけれども、先ほどの事業計画でウエートをつけるというような話で言えば、逆にどういうような資源配分が必要とされて、また逆に資源配分をここに強化しないと放漫経営というか、運営をしていくということになるのかというと、そうは絶対ならないのだと思うのです。そういうことをしてはいけないのだという使命感で皆さん、運営されていると思うので。
 ということで、若干この部分にダブルフラグをつけて、重要度と困難度でランクアップで2倍づけというところが、評価する段になるとどうもうまく理解が届かないところがありますので、この辺資源配分の重点化の説明も絡めて、今後も伺っていきたいと思います。
 あと、厚労省にお願いですが、今日他の法人の話がありましたけれども、ダブルフラグをつけている法人はどれぐらいあるのかというのも教えていただければと思います。
 以上です。
○西村座長 ありがとうございました。
 2つ御質問などありました。1つは8ページ、健全な財政運営のところについての御説明に関してでしたが、追加で補足されることはございますか。では、協会けんぽからお願いします。
○川又理事 理事の川又です。ありがとうございます。
 困難度ということで、財政をきちっと運営するというのは、我々協会の最大の使命だと思っております。運営委員会だけでなくて、支部の評議会を含めて議論を積み重ねて、保険料率など財政運営を決めてきておりますので、また6年度の状況につきましては次回報告をさせていただきます。ありがとうございました。
○西村座長 2つ目のところについて、室長のほうからお願いします。
○片谷管理室長 事務局でございます。
 厚労省側に御質問いただいたと思っております。ほかの法人で重要度と困難度、2つを1つの項目についてつけているところがあるのかという御質問と理解しております。これについては、今、数字を持ち合わせておりませんので、次回のときにでも、あるのか、ないのか、あとはどのくらいなのかというところも含めて御報告をさせていただきたいと思っております。よろしくお願いします。
○伊藤構成員 よろしくお願いします。
○西村座長 では、次回、よろしくお願いいたします。
 ほかに御質問・御意見ございますでしょうか。
 いろいろと御意見・御質問を出していただき、ありがとうございました。ちょうど時間になったところでございます。
 これで御質問等がなければ、本日の議論はここまでといたしたいと思います。
 最後になりますが、事務局のほうから今後のスケジュールの説明をお願いいたします。
○片谷管理室長 事務局でございます。
 御審議いただきましてありがとうございました。また、本日オンラインのトラブルなどもございまして会議の中断もございました。大変申し訳ございませんでした。
 今後のスケジュールでございますが、第45回の検討会は9月25日、第46回の検討会は9月29日。それぞれどちらも午後2時からの開催を予定しておりますので、どうぞよろしくお願いいたします。
○西村座長 2時間ぐらいになりましたけれども、今日もいろいろな御意見・御質問を出していただきましてありがとうございます。次回9月の業績評価の会議において、構成員の先生方からお出しいただいたことを踏まえて次の評価、審議をさせていただくことになると思いますので、御準備など事務局ではよろしくお願いいたします。
 それでは、以上をもちまして、本日の検討会を閉会いたします。本日はお忙しい中、どうもありがとうございました。また9月によろしくお願いいたします。