2025年7月16日 中央社会保険医療協議会 総会 第612回議事録

日時

令和7年7月16日(水)費用対効果評価専門部会終了後~

場所

TKP新橋カンファレンスセンター 12階

出席者

構成員等
  • 小塩隆士会長
  • 飯塚敏晃委員
  • 笠木映里委員
  • 永瀬伸子委員
  • 本田文子委員
  • 城山英明委員
  • 鳥潟美夏子委員
  • 松本真人委員
  • 佐保昌一委員
  • 髙町晃司委員
  • 奥田好秀委員
  • 鈴木順三委員
  • 伊藤徳宇委員
  • 茂松茂人委員
  • 長島公之委員
  • 江澤和彦委員
  • 池端幸彦委員
  • 太田圭洋委員
  • 大杉和司委員
  • 森昌平委員
  • 木澤晃代専門委員
  • 上田克彦専門委員
  • 小松和子専門委員
事務局
  • 間保険局長
  • 林医療課長
  • 梅木医療技術評価推進室長
  • 吉田保険医療企画調査室長
  • 和田歯科医療管理官
  • 清原薬剤管理官 他

議題

  • 医療機器及び臨床検査の保険適用について
  • 歯科用貴金属価格の随時改定について
  • 外来について(その1)

議事

○小塩会長
それでは、ただいまより、第612回「中央社会保険医療協議会 総会」を開催いたします。
本日も対面を基本としつつ、オンラインも組み合わせての開催としております。また、会議の公開につきましては、ユーチューブによるライブ配信で行うこととしております。
まず、委員の出席状況について御報告いたします。
本日は、岡本専門委員が御欠席です。
カメラの頭撮りは、この辺りということでお願いいたします。
(カメラ退室)
○小塩会長
それでは、議事に入らせていただきます。
初めに「医療機器及び臨床検査の保険適用について」を議題といたします。
本日は、保険医療材料等専門組織の渡邉委員長にお越しいただいております。渡邉委員長より御説明をお願いいたします。
○渡邉委員長
それでは、御説明いたします。
中医協総-1の資料を御覧ください。
今回の医療機器の保険適用は、C1が4製品とC2が1製品です。
2ページ目を御覧ください。
販売名は、ゴアTAG胸部大動脈ブランチ型ステントグラフトシステムです。
7ページ目の製品概要を御覧ください。
本品は、胸部下行大動脈病変を有する特定の疾患のうち、解剖学的要件をいずれも満たす患者に対し、左鎖骨下動脈への血流を温存しながら当該疾患を治療する目的で使用する医療機器です。
2ページ目にお戻りください。
価格につきましては、原価計算方式で評価いたしました。効果発現のための当該新規材料の要素技術が類似材料と大きく異なることから、プラス15%の有用性加算とし、また、原価計算における開示度が50%未満のため、加算係数0.2を乗ずることが妥当と保材専として判断いたしました。
この結果、最終的な価格をAC、332万円。SB、97万6000円。AE、102万円といたしました。
外国平均価格との比は、AC、0.71。SB、0.99。AE、0.74です。
次に、8ページ目を御覧ください。
販売名は、Propel 鼻腔内ステントです。
11ページ目の製品概要を御覧ください。
本品は、成人の慢性副鼻腔炎の患者に対して、副鼻腔手術後の副鼻腔の開存性を維持するために用いる医療機器です。
8ページ目にお戻りください。
価格につきましては、原価計算方式で評価しました。
既存の治療法では、効果が不十分な患者群あるいは安全性等の理由で、既存の治療方法が使用できない患者群において効果が認められることなどから、プラス10%の有用性加算とし、また、原価計算における開示度が50%未満のため、加算係数0.2を乗ずることが妥当と保材専として判断いたしました。
この結果、最終的な価格を12万4000円といたしました。
外国平均価格との比は0.79です。
次に、12ページ目を御覧ください。
販売名は、CureApp AUD 飲酒量低減治療補助アプリです。
15ページ目の製品概要を御覧ください。
本品は、アルコール依存症患者の飲酒量低減治療を補助するプログラム医療機器です。
12ページ目にお戻りください。
価格につきましては、類似機能区分比較方式で評価しました。
この結果、最終的な価格を7,010円といたしました。
外国平均価格との比はありません。
続きまして、1ページ目を御覧ください。
今回の臨床検査の保険適用は、E3の1件です。
16ページ目を御覧ください。
販売名は、ジーンキューブMPXVです。
測定項目は、エムポックスウイルス核酸検出です。
測定方法は、定性PCR法です。
18ページ目の製品概要を御覧ください。
本品は、皮膚病変、粘膜病変または咽頭ぬぐい液中のエムポックスウイルスDNAの検出を行う臨床検査です。
16ページ目にお戻りください。
保険点数につきましては、D023 微生物核酸同定・定量検査「19」SARS-CoV-2 核酸検出 700点を参考点数としています。
私から御説明いたします内容は、以上です。
○小塩会長
どうもありがとうございました。
それでは、ただいまの説明につきまして、御質問等ございますでしょうか。
江澤委員、お願いいたします。
○江澤委員
ありがとうございます。
本日の資料に、飲酒量低減治療補助アプリがございます。プログラム医療機器につきましては、まだまだ新しい分野でありまして、保険適用後のデータを蓄積して検討していく必要があると考えております。
したがいまして、薬剤の市販後調査を参考に、保険適用後のデータを収集し、有効性を検証するための取組を要望したいと思いますけれども、いかがでしょうか、これについては事務局に質問させていただきます。
もう一点は、ジーンキューブにつきまして、エムポックスの感染対策には非常に有用な検査だと認識しておりますけれども、準用保険点数が、コロナのウイルス検査を踏襲しておりますけれども、これについては、もし、今後必要があれば、妥当性について、また、検証をいただければと思います。
1点質問でございます。
○小塩会長
ありがとうございます。
今、江澤委員から1つ、飲酒量低減治療補助アプリについての御質問がございましたが、事務局、いかがでしょうか。
○梅木医療技術評価推進室長
事務局でございます。
飲酒量低減アプリの市販後の調査などを行いながらということでございますが、現状の制度上では、そういった調査を行うところはございませんので、今回の御意見を伺いながら、少し検討させていただきたいと思います。
○小塩会長
江澤委員、いかがでしょうか。
○江澤委員
ありがとうございます。
これまでの認可されているプログラム医療機器も含めて、検討していただければと思います。
また、今、ちょうど第3期のアルコール健康障害対策の基本計画の策定の時期でもございますので、もし、新しいデータがございましたら、また、御提供をいただければと思います。
ありがとうございます。
○小塩会長
ありがとうございました。
ほかは、いかがでしょうか。
松本委員、お願いいたします。
○松本委員
ありがとうございます。
私もプログラム医療機器に関する質問が1点ございます。
この製品は、15ページにも示されておりますとおり、あまり重篤でないアルコール依存症を対象として、日常的に効果的なタイミングで患者に介入することや、飲酒情報を収集して月1回の通院時に医師の指導を補助することで、飲酒量を低減できることが統計的に示されていると理解しておりますけれども、飲酒量を記録する一般用健康アプリがある中で、そもそも何をもってこの製品が医療用のプログラム医療機器として薬事承認をされたのか、その経緯であるとか、あるいは健康アプリとの違い等について、御説明をいただきたいということでございます。
以上でございます。
○小塩会長
ありがとうございました。
ただいま、松本委員からも御質問がございましたが、いかがでしょうか。
○梅木医療技術評価推進室長
事務局でございます。松本委員の御質問にお答えいたします。
プログラムと、このように分類されるCureApp AUDのようなものにつきましての医療機器の該当性というものに関しては、プログラムの医療機器該当性に関するガイドラインというものが出ております。
こういったところに寄った御回答をさせていただきますけれども、CureApp AUDを含めて、医薬品医療機器等法における医療機器プログラムというものにつきましては、疾病の診断、治療、予防に寄与するなど、医療機器としての目的性を有しているということと、また、意図したとおりに機能しない場合に、患者または使用者の生命及び健康に影響を与えるおそれがあるプログラムというものが該当することになります。
一方で、単なる記録といったものに関しましては、健康管理アプリというものになりますので、こういった疾病の診断等を目的としないようなものであるという点で、異なるものと認識しております。
回答は以上となります。
○小塩会長
松本委員、いかがでしょうか。
○松本委員
ありがとうございました。
少し説明の中で気になった点が、生命に影響があるとかあったのですが、ガイドライン上は、そういう記載になっているのですか。
○小塩会長
事務局、いかがでしょうか。
○梅木医療技術評価推進室長
ガイドラインにおいては、そういう記載があると思います。
○松本委員
御説明どうもありがとうございました。
この製品そのものは、治療効果の改善に貢献するものと期待してはおりますけれども、やはり保険給付をする限りは、健康アプリとの違いというのは、重要なポイントになると思います。
資料の13ページ目に留意事項案が示されておりますけれども、研修を受けた医師が関係学会のガイドラインと、適正使用指針に沿った適切な指導、管理を行っていただくとともに、健康アプリとは違うということを患者自身も、やはりしっかり認識した上で使用することが重要だろうと考えます。ありがとうございました。
○小塩会長
ありがとうございました。
佐保委員、お願いいたします。
○佐保委員
ありがとうございます。
私も先ほど江澤委員や松本委員から御意見、御質問がありました飲酒量の低減治療補助アプリについてです。
飲酒日や量を管理できる健康アプリといったものは、もう既にあろうかと思いますので、このアプリにどれだけの有用性があるのかということが重要になると考えます。
比較試験で12週や24週時点で、改善が示されておりますが、実際の効果はどうかといったことについて、今後も検証が必要ではないかと考えております。
私からは以上です。
○小塩会長
ありがとうございました。
ほかに、御質問等ございますでしょうか。
よろしいでしょうか。ほかに御質問等ないようでしたら、本件につきましては、中医協として承認するということでよろしいでしょうか。
(異議なしの意思表示あり)
○小塩会長
ありがとうございます。
それでは、説明のあった件につきましては、中医協として承認したいと思います。
渡邉委員長、どうもありがとうございました。
○渡邉委員長
ありがとうございました。
○小塩会長
続きまして「歯科用貴金属価格の随時改定について」を議題といたします。
事務局より資料が提出されておりますので、説明をお願いいたします。
○和田歯科医療管理官
歯科医療管理官でございます。資料総-2を御覧ください。
歯科用貴金属価格に関しましては、3か月ごとに見直しを行っておりまして、本日は、9月に予定される歯科用貴金属価格の改定について御報告をさせていただくものでございます。
2ページ目を御覧ください。
随時改定の価格案の算出に当たりましては、表の中ほど、④の列にお示ししている直近3か月分の令和7年4月~6月までの平均素材価格などを基に計算を行っております。
一番右側の赤枠で囲まれた列に示されている数字が告示価格案でございます。表の上から5つ目に歯科治療で最も多く使用される「6 歯科鋳造用金銀パラジウム合金」の告示価格案をお示ししており、現在の3,299円から、9月は3,445円となります。
説明は以上でございます。
○小塩会長
どうもありがとうございました。
ただいまの説明につきまして、御質問等ございますでしょうか。
よろしいでしょうか。御質問等ないようでしたら、本件に係る質疑は、この辺りとしたいと思います。
続きまして「外来について(その1)」を議題といたします。
事務局より資料が提出されておりますので、説明をお願いいたします。
○林医療課長
医療課長です。
総-3「外来(その1)」に基づいて御説明をさせていただきます。
今月から8月ないし9月にかけて(その1)シリーズということで、各分野の概況を御報告させていただく回を設けたいと思います。
こうした資料の内容について御議論いただきたいと思いますが、それだけではなくて、こうした資料をきっかけとして、今後の議論に向けての着眼点や方向性についても広く御議論賜りたいということ、これが(その1)シリーズということでございます。
それでは、資料の内容でございます。
3ページ~6ページにかけては、これまで御覧いただいているような人口、病院数、診療所数の推移となってございます。
7ページ、年齢別の平均の傷病数と外来の受診率、高齢者のほうが多くなってございます。
8ページは、推計外来患者数の年次推移、長いスパンで見たものでございますけれども、高齢者の外来患者が増えているという内容でございます。
9ページ、受療率の年次推移を御覧いただくと、平成から令和にかけて、特に高齢者の受療率が下がっているということが分かります。
10ページは、要支援・要介護認定者の経年推移をお示ししているものです。
11ページは、外来患者の年齢階級別の推移となってございます。
12ページ、診療科別の医療施設数の年次推移でございますが、全体としては11万余りで、少し増えている状況、科によっては、少し減っている科と増えている科があるということでございます。
13ページ~16ページにかけては、外来患者数の地域別の見通しや、かかりつけ医機能報告制度の内容について、基本的な資料を提示してございます。
17ページから「診療内容と医療費について」ということでございます。
18ページは、入院外の受診延べ日数を年次別に見たものでございます。入院外という表記の場合は、外来のほか、在宅も含んでいることとなります。
令和2年度に少し減っておりますが、その後、受診延べ日数は、やや回復する傾向にございます。
19ページ、1か月当たりの受診日数の推移や、年齢階級別の状況でございますけれども、徐々に減少していく傾向にございますが、最近は横ばい状況ということでございます。
年齢階級別に見ると、過去と比べてかなり減少している状況が分かります。
20ページ、施設当たりの月間の受診延べ日数でございますけれども、診療所、病院ともに、やや減少する傾向がございます。
21ページ、診療所をとってみて、入院外の受診延べ日数の診療科別の内訳でございますが、内科、次いで整形外科が多いという状況です。
22ページ、診療科ごとに1施設当たりの月間の受診延べ日数を見たものとなってございます。科によって増加している、あるいは減少している科があるという状況となってございます。
23ページは、病院・診療所の入院外の月額医療費の総額でございます。長期的には、やや増加をしている状況が分かります。
24ページは、診療所1施設当たりの月額医療費となってございます。コロナの前後で少し凸凹がありますけれども、全体として少し増えている科が多いということでございます。
25ページは、入院外の1日当たりの診療報酬点数の推移でございまして、左側が病院・診療所ということで、診療内容ごとの内訳が分かります。
26ページは、さらにそれを診療科ごとにブレイクダウンしたものとなってございます。
27ページからは、外来診療に係る診療報酬上の評価について、少し各論的な内容も含まれますけれども、御説明させてだきます。
29~30ページにかけては、初診料や再診料、外来管理加算の評価の変遷をお示ししています。
31ページは、病院・診療所の初再診料の算定回数の推移となってございます。
32ページからは「かかりつけ医機能に係る評価について」。33~39までが変遷等をお示ししております。
38ページ、機能強化加算でございますけれども、平成30年度診療報酬改定において設けられたものでございまして、算定要件や施設基準をここに掲載させていただいております。
40ページは、医療法のかかりつけ医機能報告の内容、そして、現行の診療報酬の要件を比較することを試みた表でございます。
左側が医療法上の主なかかりつけ医機能で1号機能、2号機能に当たる項目を幾つか列挙させていただいております。
右側が関連する現行の主な診療報酬の要件等を記載したものでございます。
そして、赤字で時間外対応加算や機能強化加算で体制整備を評価している機能を色づけしております。
41ページは、機能強化加算の届出や算定の状況でございますが、届出状況を御覧いただきますと、令和5年で1万3000余りとなってございます。
42ページから地域包括診療料と加算についてでございます。
地域包括診療料は左側にございますけれども、包括で外来の様々な診療内容を含むものでございます。
右側は加算となってございまして、出来高での算定を基礎として、要件を満たす場合に加算をするというものでございます。
43ページは、認知症を有する患者さんの類似の報酬となってございます。
44ページでございますが、届出医療機関数等のデータとなってございます。
地域包括診療料については左側、診療所が226、病院が51、加算のほうは右側、全体としては5,956となってございます。
45ページは、これらの報酬を算定される方の病名をリスト化したものでございます。
46ページからは、生活習慣病に係る評価についてまとめてございます。
47ページが、令和6年度診療報酬改定の内容でございまして、生活習慣病管理料(Ⅱ)の新設をはじめとした、今回改定の内容をお示ししております。
48ページ~50ページにかけて、これまでの経緯と併せてお示ししております。
51ページでございますが、この改定を行う前の2年前の特定疾患療養管理料に係る傷病名ということでございました、糖尿病や脂質異常症など、当時対象となっていた病名について、多くの方が、この対象になっていたということになります。
52ページが、改定後の状況でございまして、こうした幾つかの病名が対象から外れたということで、病名の動向は変わってございます。
53ページ、特定疾患療養管理料と生活習慣病管理の算定状況でございますけれども、こうした改定を経て、特定疾患療養管理料の算定が減り、生活習慣病管理料の算定が増えたということでございます。
また、54ページは、主傷病名が糖尿病、高血圧症、脂質異常症である外来患者さんにおける算定状況の推移でございますけれども、特に外来管理加算については、生活習慣病管理料に包括されたということございますので、算定回数が大きく動いております。
55ページからが「外来機能の分化の推進について」ということでございます。
56~59ページにかけて、基本的な制度の説明をさせていただいております。
60ページ、病院の1日平均外来患者数は、長期的に減ってきております。
61ページ、待ち時間でございますけれども、最近の統計を見ましても病床規模の大きい病院において、より待ち時間が長いという傾向がございます。
62ページは、左側が病院、右側が診療所、患者数を病名別に見ております。例えば、新生物のように病院で多く診療を受けておられる疾患名と、循環器や筋骨格系、結合組織の疾患のように診療所で多く診療を受けている病名があるということでございます。
63ページが、紹介なしで外来受診した患者さんの割合の推移でございますけれども、病床規模別に見ると、大きい病院で紹介なしの割合が少なくなっており、長期的に見ると減少しているということでございます。
64ページは、機能別に見たものでございまして、地域医療支援病院や特定機能病院の状況をお示ししております。
65ページは、紹介状なしで受診する場合の定額負担について、令和4年に見直された内容でございます。
以下、初診の場合は、7,000円を徴収するというルールになってございます。
66ページは、紹介率・逆紹介率による初診料・外来診療料の減算のルールでございます。
67ページには、その変遷、68ページには、その定義をお示ししております。
69ページ、病院区分別の紹介患者の割合となってございます。
特定機能病院、地域医療支援病院、紹介重点医療機関ともに8割ないし7割ぐらいの紹介率となってございます。
70ページは、逆紹介の割合、こちらのほうは1,000で割ったパーミルでの表示がございますけれども、地域医療支援病院、紹介重点医療機関において、減算の基準を上回っている病院が多くなってございますが、特定機能病院においては、やや減算の基準を下回っている病院が多い状況でございます。
71ページからが「情報通信機器を用いた診療について」でございます。
72ページは変遷といたしまして、特に令和4年度診療報酬改定でオンライン診療の評価が大きく新設されたということでございます。
73ページは、遠隔診療における様々な方法、医師対医師あるいは医師対患者、そこに医師が加わる場合や、看護師が加わる場合といった分類を書いてございます。
74ページは、オンライン診療の適切な実施に関する指針の概要となってございます。
75ページ、76ページが、令和4年度診療報酬改定で設けられた評価の概要をお示ししております。
77ページ、その後の届出医療機関数等の状況でございますけれども、令和7年4月の時点で1万3000余りということで、非常に増加をしてきております。
78ページは、算定回数を月ごとに見てございますが、こちらのほうも非常に伸びてきております。
79ページは、年次別でございまして、これも増えてきておりますけれども、情報通信機器を用いた初診料等の割合が令和5年で0.063%ということでございます。
80ページ、情報通信機器を用いた初診料、再診料等の年齢分布を見てございます。
例えば、初診料で普通の対面診療のほうで見ると、40歳未満は約5割でございますけれども、情報通信機器を用いた診察では74%となってございます。
再診料のほうは、60歳以上は対面診療ですと6割を超えておりますが、情報通信機器を用いた診療所は20%と、こちらのほうも若い方が、より情報通信機器を用いた診療を受けていらっしゃることが分かります。
81ページは、これを住所地別に見たものでございます。都道府県名は、字が小さくて恐縮ございますけれども、全体として、まだ、かなり地域や医療機関によって差がある状況ではないかということが見て取れます。
82ページ、情報通信機器を用いた診療の算定回数を医療機関住所地別に見たものでございます。
人口100万対でということで、人口で割っておりますけれども、それでも東京都が圧倒的に大きい状況となってございます。
83ページは、患者住所地別に見たものでございまして、こちらのほうは、関東圏が多くなっておりますが、全国の分布が、このようになってございます。
84ページは、情報通信機器を用いた診療の全診療に占める割合をお示ししているものでございます。
例えば再診料ですと、情報通信機器を用いた診療が1割を超える医療機関は9.5%、5割を超える医療機関が1.9%ということでございます。
85ページの2年前の状況と比べると、やや増えているのではないかと思います。
86ページは、遠隔連携診療料の内容、そして、87ページが算定回数となってございます。
まだ算定回数は少のうございますけれども、やっておられるところにおきましては、88ページにありますように、大学病院、専門病院の医師との連携や、てんかん患者に関する連携などが行われているということでございます。
90ページが、D to P with Nに関する令和6年の診療報酬改定の内容で、看護師等遠隔診療補助加算というものが設けられました。
その算定回数等が91ページに示されております。
92ページでございますけれども、こうした加算はあるものの、やや診療報酬の算定方法に、まだ分からないところがあるという御指摘を受けてございまして、現行のオンライン診療指針上、D to P with Nにおいて医師の指示による点滴注射、血液検査、尿検査等の診療の補助行為を看護師等が行うことは可能とされているが、当該補助行為に係る診療報酬の算定方法に不明確な部分があるという御指摘を受けているところでございます。
93ページ~96ページにかけましては、関連する状況についての資料をお示ししております。
最後、98ページの論点のところでございますが、今後、要支援・要介護高齢者の外来診療に関する需要増加が見込まれることを踏まえ、外来医療の提供に当たり重視すべき事項についてどのように考えるか。
地域の外来・在宅医療の提供体制の向上を目的とする、医療法のかかりつけ医機能報告制度を踏まえて、外来における診療報酬上の評価の在り方についてどのように考えるか。
前回改定を踏まえ、今後の生活習慣病対策のさらなる推進についてどのように考えるか。
特定機能病院等における逆紹介のさらなる推進についてどのように考えるか。
前回改定を踏まえ、今後のオンライン診療の適切な推進についてどのように考えるか。
こうした点を含め、御議論いただければ幸いでございます。
資料は以上でございます。
○小塩会長
ありがとうございました。
それでは、ただいまの説明につきまして、御質問等ございましたら、よろしくお願いいたします。
最初に、江澤委員、お願いいたします。
○江澤委員
ありがとうございます。
それでは、論点に沿って意見を述べさせていただきます。
まず、要支援・要介護高齢者の患者が増加することを踏まえますと、医療と介護の連携や、多職種連携がより一層重要となります。
疾患の治療に加えて、フレイル、認知症、低栄養への対応、あるいは誤嚥性肺炎の予防など、多岐にわたる対応が必要となりますので、これまで以上に、ケアマネジャーやリハビリ専門職、管理栄養士、歯科医師、歯科衛生士、介護職などとの連携を推進する仕組みの導入が求められると考えます。
また、これらの病態は、かかりつけ医の医学的管理により、改善や予防が十分期待できるものであるということは申し上げたいと思います。したがいまして、かかりつけ医機能をさらに強化していくことが極めて重要となります。
しかしながら、現状では本日の資料でも示されているとおり、機能強化加算や地域包括診療料の届出数は横ばいであり、地域包括診療加算についても伸びが緩やかになっております。
その原因は、算定要件の厳しさにあると思われますが、現状として、加算を算定していなくても、かかりつけ医機能を大いに発揮している医療機関は多数ありますので、そうした医療機関をしっかりと評価し、普及させていくことが重要と考えます。
その際には、かかりつけ医機能を評価するそれぞれの加算等がつくられた際の、そもそもの趣旨や、中医協として答申した際に何を評価の対象としたのか、そして、これまで細かな疑義解釈を積み重ねてきたことなど、それぞれの評価の意義を踏まえ、かかりつけ医機能がより発揮できるよう推進していくべきと考えております。
続いて、2つ目の○についてでございます。
まず、医療法のかかりつけ医機能報告制度は、かかりつけ医を認定する制度ではなく、あるいは、かかりつけ医機能を有する医療機関、また、専門科あるいは専門性を有する診療科を有するような地域の医療機関が役割分担と連携をして、地域全体を面として患者さんを支えていくために必要な制度であります。
したがいまして、フリーアクセスを制限するような、あるいはかかりつけ医の制度化、かかりつけ医の認定を後押しするような観点から議論することは、かかりつけ医機能報告制度の趣旨に全く反するものであります。
また、かかりつけ医機能報告制度は、診療報酬上の評価と結びつけて議論されるものではありません。あくまでも都道府県が最適な医療体制を構築するために必要な制度であります。
本日は、その1の議論でありますけれども、今後外来機能について議論していく際には、この点を明らかにしておく必要がありますので、改めて強調させていただきます。
続きまして、3つ目の○についてでございます。
生活習慣病管理に関わる点数については、前回で大変大きな変更があったところであり、臨床現場では、現在も前回改定の対応に非常に難渋しているところでございます。
したがいまして、まずは前回改定による影響をしっかりと検証し、修正すべき点も多々あろうかと思いますので、検討を深めていくことが先決であると考えております。
続きまして、4つ目の○についてでございます。
特定機能病院等における逆紹介割合が低い現状については、なぜ、このような実態となっているのか、まずは詳細な分析が必要であり、その結果を踏まえて、議論すべきと考えております。
今後の入院外来分科会の令和6年の調査結果も参考に、今後議論したいと考えております。
最後に5つ目についてでございます。
まず、D to P with Dについては、今後、電子処方箋のみならず、医療情報連携ネットワークの拡充が見込まれることなどを踏まえまして、対象を拡大していくことも検討に値するのではないかと考えております。
また、D to P with Nについても、今後の人口減少社会を見据えて、過疎地域における在宅医療への活用が地域の実情に応じて広がるようにしていくべきかと思います。
それ以外の一般的なオンライン診療については、令和4年度改定で医療機関と患者さんとの間の時間距離要件や、オンライン診療実施の患者割合の上限を廃止したことによる弊害が現れてきているように感じております。
資料の82ページ、83ページの医療機関住所地ベースと、患者住所地ベースの算定回数に乖離が見られておりますが、協力医療機関との連携や、対面診療への切換えが必要性に応じて十分になされているか検証も必要と考えております。
過疎地における対面診療の補完など、オンライン診療の必要性が十分に認められる場合であればよいと思いますが、そうではなく、利便性のみで安全性が確保されない、オンライン診療がはびこらないように、診療報酬でも担保していくことが必要かと思います。
私からは以上ですが、小塩会長におかれましては、この部分、D to P with Nにつきまして、看護協会の専門委員からの発言の機会を御検討いただければ幸いでございます。
以上でございます。
○小塩会長
ありがとうございました。
ほかは、いかがでしょうか。
それでは、太田委員、お願いいたします。
○太田委員
私からも先ほど江澤先生からありましたけれども、D to P with Dに関して一言だけ発言をさせていただきたいと思います。
今回、86ページ~88ページまで資料を御提示いただいております。今、指定難病及びてんかんという形で非常に症例が限られているということでありますけれども、88ページにありますように、様々な形で、今、地域での専門医療をどうやって維持していくか、守っていくかということで、全国の先生方がいろいろな取組を行っております。
今後、地域によっては、どうしても専門医へのアクセスが難しくなってくるエリアがどんどん増えてきている中で、これに関しましては、ぜひ積極的に事例を収集していただきまして、より、しっかりと活用していくことができるような形で御検討いただければと思いますし、今回の診療報酬改定で議論させていただければと思っております。
以上でございます。
○小塩会長
ありがとうございました。
ほかは、いかがでしょうか。
それでは、大杉委員、お願いいたします。
○大杉委員
ありがとうございます。
生活習慣病対策に関する論点について、総論的な要望になりますけれども、歯科の立場から要望させていただきます。
令和6年度改定では、47ページの資料にもありますように、糖尿病の患者さんに対して歯科受診を推奨することを要件としていただきました。
これにより、さらに医科歯科連携が推進したと思われますけれども、引き続き、次期改定におきましても、さらに連携を推進していただきますよう、よろしくお願いを申し上げます。
私からは以上です。
○小塩会長
ありがとうございます。
それでは、森委員、お願いいたします。
○森委員
ありがとうございます。
論点で示されています、今後のオンライン診療の適切な推進に関連して発言をさせていただきます。
オンライン服薬指導については、地域医療を支えるために、患者さんの安全を担保し、適切に進めることが求められます。
ICT環境が急速に進展する中、必要な医療情報システムを速やかに導入し、安全に管理した上で、薬剤師の業務において、マイナ保険証の活用、オンライン服薬指導の実施などを推進していく必要があるため、日本薬剤師会では、ICTを活用した薬剤師業務の質的向上のための研修プログラムを策定し、ウェブ上で広く提供しています。
オンライン服薬指導では、服薬指導後、配送等によって患者さんへ薬剤を交付する必要がありますが、ホームページで配送料無料等、不適切と思われる事項を宣伝している薬局があります。
郵送料等無料等は、健康保険事業の健全な運営を損なうおそれのある経済上の利益の供与として、薬担規則で禁止される行為に当たるのではないかと考えます。郵送料等無料などの取扱いを令和8年度診療報酬改定に向けた議論の中で取り上げていただきますよう、事務局に要望させていただきます。
以上です。
○小塩会長
ありがとうございました。
よろしいでしょうか。
次に、1号側の委員の御意見を伺いたいのですけれども、その前に江澤委員から御提案がございましたが、看護からの御意見を頂戴するということで、木澤専門委員に御発言をお願いいたします。
○木澤専門委員
ありがとうございます。
看護師等遠隔診療補助加算の届出医療機関数や、研修受講者数が増加傾向であることから、D to P with Nの提供体制は少しずつ整備されてきていると受け止めております。
今後、ますますへき地における医療へのアクセスが厳しくなる中で、医療機関や訪問看護ステーションの看護師によるD to P with Nが果たす役割は大きくなります。
指針にもありますように、看護師が患者のそばにいる状態で、オンライン診療を受けることで、予測された範囲内における治療行為のみならず、新たな症状等にも看護師が気づき、その場で医師からの追加指示を受けることができます。
実際に見学したD to P with Nの場面では、オンライン診療時の患者の様子から、労作性の不整脈を疑い、医師からの指示で心電図検査を実施し、報告した上で安静時の心電図検査を実施した結果、次回の診察まで様子を見てもよいとの判断となりました。
この事例では、医師による速やかな治療方針の決定につながるとともに、患者・家族に対して、看護師が生活上の注意点について丁寧な療養支援を行ったことが、患者・家族の安心につながっておりました。
D to P with Nでは、看護師による医療と生活の双方の視点も踏まえた診療の補助行為と療養支援を行うことで、重症化予防や地域での療養を支えることが可能です。
今後は、D to P with Nの評価の在り方を検討し、適切な推進を図っていく必要があると考えております。
以上でございます。
○小塩会長
ありがとうございました。
それでは、続きまして、松本委員、お願いいたします。
○松本委員
ありがとうございます。
本日からのその1シリーズにつきましては、冒頭課長からの発言もございましたけれども、1号側、2号側が次回改定に向けた課題を率直に出し合う場と理解しております。
診療側からも多数御発言がありましたけれども、認識を共有できる部分もございますし、なかなか我々としては賛同しかねる部分というのもありますけれども、まずは、そちら側の御意見として、今回は受け止めたいと思っております。
今回のテーマになっております外来医療については、かかりつけ医機能報告制度が今年度施行され、さらに新たな地域医療構想や医師偏在対策が検討されている中で、限られた医療資源で過不足のない最適な医療を実現するために、今回の令和8年度診療報酬改定は非常に重要な節目だと考えております。
資料の13ページを見てみますと、外来患者数は、既に多くの医療圏で減少に入っており、全国での外来患者数が、まさに今年がピークということでございます。
また、資料の6ページにもありますとおり、これまで無床診療所は増加してまいりましたが、患者数が減少していく中で、外来を主体としている限りでは、経営が厳しくなるというものだと受け止めます。
当然地域差もございますけれども、各地域のニーズを踏まえて、診療所の在り方を見直すべきだと感じております。
7ページ以降を見てみますと、複数の病気を抱える高齢者の増加、特に要介護の85歳以上が増加しますので、幅広い疾患への対応や、しっかりとした介護等の連携といった、かかりつけ医機能が今まで以上に問われるものと思います。
一方で、資料の22ページを見てみますと、診療所の1施設当たりの受診延べ日数は、整形外科が最も多く、次に皮膚科、耳鼻咽喉科、眼科が多いことが分かります。
こうした診療科にも、かかりつけ医機能の一翼を担っていただくことはもちろんですけれども、それぞれの専門領域に対する診療報酬の評価についても、改めて議論すべきだと考えます。
その際には、外来の診療データを踏まえて、専門外来の包括評価のようなものを設定することも、将来に向けては、論点の1つにはなり得るのではないかと思います。
また、外来医療については、継続的に受診する患者の通院負担を軽減することも重要ですので、長期処方を推進することや、リフィル処方の上手な活用方法についても、ぜひ検討したいと考えております。
これまで述べました基本的な認識に基づきまして、ここから各論の3つについてコメントしたいと思います。
まず、かかりつけ医機能についてですが、これまでなかなか踏み込んだ議論ができませんでしたけれども、先ほど述べましたとおり、かかりつけ医機能報告制度が施行され、来年には実際に医療機関から都道府県に報告が上がり、各医療機関の機能を可視化できるようになります。
40ページを見てみますと、1号機能、そこには日常的な診療を総合的かつ継続的に行う機能と書いてございますけれども、評価が現行の診療報酬では抜けているということでございます。
1号機能は、かかりつけ医機能の出発点となる極めて重要なポイントですので、これをどう適切に評価するかという視点で、体制整備の評価を大きく見直す議論は不可欠だと思っております。
また、2号機能のうち、時間外診療については、高齢者だけでなく、現役世代、子育て世代にとっても関心が高いテーマです。
病院で救急搬送の受入れが厳しいという議論もある中で、プライマリケアの領域での一時対応は、地域医療を維持する上で重要な課題であり、診療所の輪番や中小病院の夜間外来についても検討すべきだと考えております。
一方で、紹介患者への対応を中心とする外来機能については、資料の63ページ、64ページを見てみますと、紹介なしで大病院を受診する患者の減少が若干停滞しているという印象を受けております。
69ページの紹介割合や、70ページの逆紹介割合を見ても、減算基準を下回る大病院が存在しております。
この点についてもより踏み込んだ対応を検討し、外来機能の役割分担をより一層推進する必要があると感じております。
続きまして、生活習慣病への対応についてコメントいたします。
資料の51ページ以降を見てみますと、前回の診療報酬改定で医学管理料を見直した結果、高血圧、脂質異常症、糖尿病の患者が、特定疾患療養管理料から生活習慣病管理料に大きく移行し、まずは政策効果が現れているということが読み取れます。
今後は、生活習慣病管理料の患者については、包括評価のⅠと、出来高評価のⅡで、患者増や医療の内容がどのように異なるかといった視点で、もう少し詳しく実態を分析する必要がございます。
また、特定疾患療養管理料については、資料の52ページを見てみますと、主傷病名の上位に気管支ぜんそくや、慢性胃炎が挙がっておりますけれども、51ページと比較しますと、2年間で算定回数がかなり伸びております。
副傷病名や使用薬剤について検証し、必要に応じて、この特定疾患療養管理料をさらに見直すことも検討課題だと考えております。
一方、計画的な医学管理という観点では、外来管理加算の在り方についても議論させていただきたいと思っております。
資料の54ページを見てみますと、令和4年度から6年度にかけて算定が大きく減少しておりますが、これは、3つの生活習慣病の患者だけですので、ほかの疾患についても実態がどうなっているのか、まずは検証すべきだと考えます。
最後に、オンライン診療についてでございますが、これまでも申し上げているとおり、患者にとって利便性が高く、地理的、時間的な制約をある程度解消できるため、推進すべきと考えておりますけれども、あくまでも健全な普及が前提となります。よく実態を見極めながら、適切な推進策を検討していく必要があると考えております。
それと1点、資料の81ページなのですけれども、これは非常に見にくいので拡大して見てみたのですが、0歳~9歳のところを見てみますと、都道府県で非常に大きな差があって、全くないところもあれば、非常に多いということがありますので、これは、若干集計上に何か問題があるような気もしますので、事務局におかれましては、確認、見直しをお願いできればと思います。
私からは以上でございます。
○小塩会長
ありがとうございました。
松本委員から81ページについての御質問というか、コメントがございました。これについて、事務局から御回答はございますでしょうか。
○林医療課長
事務局でございます。
データについて間違いないかということは、入念に再度確認させていただきたいと思いますが、現時点においては、まだ、各都道府県、東京以外のところは算定回数が少のうございますので、1つとか2つとか、かなり数少ない医療機関で小児科だけをやられていたり、あるいは逆に高齢者だけをやられていたりということの影響をかなり鋭敏に拾ってしまう状況になっているということでございますので、もう一回確認させていきますけれども、そういうものとして受け止めていただければと思います。
○小塩会長
よろしいでしょうか。
続きまして、鳥潟委員、オンラインでお手が挙がっておりますので、お願いいたします。
○鳥潟委員
ありがとうございます。
前回の医療提供体制でも申し上げましたが、今後の人口構造の変化を踏まえて、変化する需要量を捉えて必要な医療を必要十分に提供できるようにしていくとともに、機能分化などを進めていくことが重要と考えております。
その際に、論点に記載されておりますが、高齢者の医療ニーズに対応できる体制整備や、介護との連携強化、逆紹介のさらなる推進を進めていくべきだと考えております。
また、かかりつけ医機能制度が始まることから、診療報酬としても患者さんに必要なかかりつけ医機能を適切に評価できるようにしていくことが必要と思っております。
オンライン診療ですけれども、D to P with Nについては、少子高齢化や医療従事者の減少が進む中、患者さんに適切な医療を届けるために必要な対応だと考えており、算定回数が少ないもしくは伸びない理由について、今後、確認する必要があると考えております。
私からは以上です。
○小塩会長
ありがとうございました。
続きまして、佐保委員、お手が挙がっています。お願いします。
○佐保委員
ありがとうございます。
2040年頃の医療提供体制に向けて、外来、在宅医療を含めた医療機関の機能分化、連携、医療・介護のさらなる機能強化が求められております。
外来医療においては、介護との連携強化はもちろんのこと、かかりつけ医機能の発揮に向けて、現行制度の役割を確認し、整理していくことが必要と考えます。
オンライン診療については、医療安全の確保が前提となりますので、適切な推進に向けて、実態把握として、都道府県別だけでなく、診療科目や疾病ごとに、どういう状況になっているのか、違いはあるのかなどといった点なども丁寧に分析し、資料を提示いただくようお願いいたします。
私からは以上です。
○小塩会長
ありがとうございました。
それでは、鈴木委員、お手が挙がっておりました。お願いします
○鈴木委員
御指名ありがとうございます。
今回、やはり医療費にも医療資源にも限界がある、限りがあるという形を原則として、まず、念頭に置いて考えながら、適正化と充実のセットで医療費を検討し、患者、支払側が納得できる医療費を支払うことを前提に検討をお願いしたいと思っています。
また、本日のテーマの外来医療につきましては、やはり、かかりつけ医の機能がしっかり発揮できることが重要だと私も認識しております。ただ、どのぐらいの機能が発揮されるかどうか、これは、医療機関によって少し異なってしまうのかなという感じもします。また、その違いが診療報酬をどのようにしていくか、めり張りがつけられるのかどうかというのも大きな視点になるのではないかと思っています。
また、かかりつけ医機能は、診療所だけではなく中小の病院も対象になるという形も考えられますので、そうしますと、診療所と病院で同じような治療を受けて医療費が違うという形は少し困惑する、医療費については、公定価格であるのであれば同じではないかという形も考えられますので、合理的な説明がつくのかどうかということも検討の課題になるのではないかということで、なるべく同じような評価ができるほうが患者にとっても分かりやすい、支払側にとっても分かりやすいという形になりますので、今後、そういったことを念頭に置きながら、医療費の在り方について検討を一緒にやっていきたいと思っておりますので、よろしくお願いいたします。
以上でございます。
○小塩会長
ありがとうございました。
それでは、伊藤委員、お待たせいたしました。お願いします。
○伊藤委員
ありがとうございます。
基本的に、日本のどこに住んでいたとしても、自分が望む医療が受けられるというのが、私は一番すばらしいことだと思っていますが、現実、直接アプローチできる医療機関というものは限られているわけでありますので、それは、今まではなかなか簡単にはできなかったことなのかなと思っています。
しかしながら、オンライン診療というものは、まさに、地域というものを飛び越えて、御自身が受診をしたい医療を受けることができるようになるわけなので、非常に私は、ここには期待をしております。
今、お示しいただいた資料を見ますと、やはり右肩上がりに伸びていて、全国各地の方たちが、やはり、ここに期待をされてお使いいただいているのだろうと思っています。
その中で、8ページの部分を見ますと、やはりその中でも若い方が、まずは便利だから、使い始めているというのが現状なのかなと思っておりますけれども、現在、60歳以上の方は、まだ、2割の活用となっていますが、恐らくこれからどんどんどんどん人口が減少し、高齢化社会が進展していく中では、恐らくここの人たちが、このオンライン診療にうまくアクセスできるような仕組みをつくっていく必要があると思うし、恐らくそれこそが、オンライン診療の一番やるべきところなのかなと思っていますが、その中で、少し質問なのですけれども、やはり高齢者向けにオンライン診療をうまく進めていくための何かしらの施策でありますとか、そういうものを、今、何かお考えがありましたら教えていただければなと思います。
以上です。
○小塩会長
ありがとうございました。
ただいま、伊藤委員から御質問をいただきましたけれども、これについて、事務局いかがでしょうか。
○林医療課長
医療課長です。
これまでの診療報酬上の対応としては、例えば、今日の資料にありますけれども、D to P with Nというように、看護師の方がそばにいてくださることによって、このオンライン診療が高齢者の方でも活用しやすいという評価に取り組んできたところでございます。
この先、御指摘の点を診療報酬の中でどのように考えていくかということは、また、今後、ぜひ御議論をいただきたいと思っております。
また、医政局のほうでもオンライン診療を自宅で、自分で機械をセットアップしなくても、診療所以外のところでできるような専用の施設を設けるということも検討、議論されておりますので、そういったことを併せて省としても取り組んでまいりたいと思います。
○小塩会長
ありがとうございます。
オンラインで奥田委員がお手を挙げていらっしゃいますので、お願いいたします。
○奥田委員
ありがとうございます。
少し通信環境が不安定なので、聞き取りにくいかもしれませんが、御容赦ください。
私からは、かかりつけ医機能とオンライン診療の点について意見を申し上げます。
まず、かかりつけ医機能は、医療提供体制において重要な位置づけを担うものと考えております。
そうした観点から、先ほども説明がありましたけれども、本年度からのかかりつけ医機能報告制度に非常に期待をしておるところでございます。
この関連では、資料の40ページでかかりつけ医機能報告と診療報酬の比較を示していただいておりますけれども、体制整備の評価に様々な加算や診療料が複雑に折り重なっているという状況です。
かかりつけ医機能報告制度が開始され、国民にもその機能が見えやすくなることを踏まえれば、診療報酬についても現状の複雑な評価を、かかりつけ医機能報告制度と整合する方向で整理していくことが、国民や患者の目線からも分かりやすく望ましいのではないかと考えます。
続きまして、オンライン診療ですけれども、これは、各委員からも意見が出ておりましたが、情報通信機器を用いた初再診料の届出医療機関の増加といったことを踏まえれば、引き続き一定のニーズの増加が見られると思います。
人口減少や高齢化の進展などを踏まえ、不適切な事例への対応や患者の安全性確保は大前提でありますけれども、適切なオンライン診療の一層の普及に向け考えていくべきです。
私からは以上です。
○小塩会長
ありがとうございました。
ほかはいかがでしょうか。
まず、江澤委員、お願いいたします。
○江澤委員
ありがとうございます。
まず、かかりつけ医機能報告制度は、各医療機関が有する機能を報告して、地域で最適な医療提供体制を構築するために必要な制度であります。
したがって、地域に過不足のない医療提供体制をどう構築していくのかということが重要な視点であって、診療報酬上の評価とは全く趣が異なるものであるということは、繰り返し申し上げたいと思います。その上で、地域にとってどういった医療提供体制がいいのかを都道府県がいろいろ議論するわけであって、もともと診療報酬上の評価を行うものではなく、この制度の議論もなされてきた経緯があります。
さらに、スタートしたばかりなので、これから5年後にまた見直しも予定されているところでございまして、まずは、しっかりとかかりつけ医機能が発揮できるための仕組みを考えていく必要が先決であると思っており、診療報酬によって、こういった地域医療構想の議論等に妨げを生じることは慎むべきだと思っています。
続きまして、52ページの特定疾患療養管理料に係る主傷病名が出ておりますけれども、今後いろいろ分析が必要でございますが、本来であれば、ここに含まれるべき疾患が含まれていないというような認識もありますので、この辺りはしっかりと分析をした上で、何が適切な病名、主傷病名なのかというのは、また、検討の必要があると思います。
最後に53ページですけれども、特定疾患療養管理料から生活習慣病管理料に算定が移行していることをお示しのスライドがございます。
これは、前回、生活習慣病管理料の取得に当たっては、かなり手続とか労力を要するものが盛り込まれたわけですけれども、そこに対して、しっかり懇切丁寧に患者さんに対応して、生活習慣病管理を行っているという表れだと思いますので、大変これは好意的に受け止めているものでございます。
以上でございます。
○小塩会長
ありがとうございました。
続きまして、長島委員、お願いいたします。
○長島委員
今、江澤委員が述べたようなことは、1号側もいろいろ御意見はあるかと思いますけれども、今日はキックオフでございますので、今後、しっかりと議論を重ねていくということで、どうぞよろしくお願い申し上げます。
私からは、オンライン診療についてコメントをさせてください。
やはり、オンライン診療というのは、有効性、安全性、必要性が担保されたものは、どんどん推進すべきです。ただし、安全性あるいは有効性を保つためには、対面診療を原則として、それに適切に組み合わせること、オンラインを診療していて必要であれば、速やかに対面診療に移行できること、これが極めて重要です。
速やかに移行できる、あるいは対面を原則とするという意味では、時間距離要件というのは非常に有効でした。つまり、何かあったらすぐ患者さんがそこにかかりましょうという意味で、時間的に30分以内というのは非常に意味があったし、対面診療がしっかりとできるという意味では、例えば、9割以上がオンライン診療という施設で果たして大丈夫か、これらの要件が残念ながらなくなってしまったために、現在のような不適切とも思われる事例が増えているのではないかと考えております。ここのところは、再考すべきではないかと思っております。
また、そういう意味では、単に距離が超えられればいいというものではありません。安全な形で距離を超えなければいけないということで、そこのところは、利便性だけを重視した安易な拡大をすべきではないと考えております。つまり、不適切なオンライン診療は、患者さんの健康に悪影響を及ぼします。不必要なオンライン診療は、医療財源に悪影響を及ぼします。したがって、安易な拡大はすべきではありません。ただし、必要なところには、しっかりと拡大すべきと考えます。
その際に、医療DXの推進、全国の情報プラットフォームとか、地域の医療情報連携ネットワークでしっかりと医師同士、あるいは多職種の中で情報連携が行え、その中でオンライン診療を組み合わせるというのは非常に有効かと思いますので、そのような形で適切に進めていくことが重要かと思います。
もう一つが、もし、今後、医療法が改正されて、その中でオンライン診療がしっかり定義されるということがあれば、診療報酬の方でも、ある程度その対応が必要になるかと思いますので、その辺りは今後の状況を見ながら考える必要があるかと思っております。
私からは以上です。
○小塩会長
ありがとうございました。
お手が挙がっております、池端委員、お願いいたします。
○池端委員
ありがとうございます。
まず、今、1号側、2号側からも議論がありました、かかりつけ医機能について、病院の立場で少しお話をさせていただきたいと思います。
江澤委員がおっしゃったように、やはりかかりつけ医機能報告制度と診療報酬というのは、それがきちんとリンクされてしまう、枠にはめてしまうものではないと、これは大原則だと思いますので、そのとおりだと思います。
一方で、かかりつけ医機能は、どちらかというと、一般には印象的に、診療所の機能が中心と考えがちですけれども、実は、今、この1号機能、特に2号機能に関しては、入退院とか、24時間連携等々を考えると、1人診療所の先生方に、それを全て担っていただくのは非常に難しい。ここは、やはり、病院と診療所の連携が非常に重要なキーワードになってくると思います。
この中で、それを診療報酬上どう寄り添っているかというのが、1つのこれまでの経緯として地域包括診療料だと思います。ここには、200床未満の病院と診療所ということで、これが算定できることになっているので、もし、ここを寄り添うことが可能であれば、少しそれを進める方向に行けるかどうかということだと思いますけれども、一方、44ページを見ていただきますと、地域包括診療料を取っている病院は、40、50レベル、これは、県に1個あるかないかのレベルですので、ここは、今後、地域包括診療料を残すのであれば、もう一度この基準も少し見直して、もし、かかりつけ医機能と少し寄り添えることがあれば、そういう方法も考えていただいてもいいのではないかと思っています。
そういうことで、ぜひ、中小の200床未満の病院も、かかりつけ医機能の1つを担う、特に地方の、特に人口が少ないところでは、診療所が1件もないところで、病院がかかりつけ医機能を担わなければいけないところも随分ありますので、そこも、ぜひ併せてお考えいただければと思います。
ただ、1点、鈴木委員もこのことをおっしゃいましたけれども、これを一物一価ということで、全て診療報酬をそろえばいいかと、これは、病院と診療所は、体制が全然違うところのことになりますので、それを1つにそろえることが、果たしていいことかどうかというのは、これから議論が必要ではないかと感じています。
以上です。
○小塩会長
ありがとうございました。
それでは、茂松委員、お願いいたします。
○茂松委員
茂松でございます。
オンラインにつきまして、やはり一般診療と専門診療を少し分けて考えることが重要で、今、長島委員が言われたように、一般診療の場合は、本当に対面診療を基本にするということですが、ただ、例えば、悪性腫瘍などで専門診療が必要なときに、患者さんがなかなか遠くの病院に行けないというときに、地域のかかりつけ医の先生と専門の先生とオンラインでつなぐようなD to P with Dという在り方もあります。てんかんとか、難病とか、そういうところにもこれを活用していくことが一番必要であろうと思います。
もう一つは、大きく考えたときに、新たな地域医療構想で、医療・介護、在宅医療といったものを含めてきっちり考えていこうということがありますので、今、池端先生が言われたように、面で捉えて患者さんが悪くなったときに、どこの病院に、どのように運ばれていくのかということもきちんと考えていく考え方が、非常に重要ではないかと考えております。
以上です。
○小塩会長
ありがとうございました。
ほかは、いかがでしょうか。
では、飯塚委員、お願いいたします。
○飯塚委員
ありがとうございます。2点、コメントです。
まず、最初に、かかりつけ医の機能の報告制度が、大変議論になっているのですけれども、患者からすると、かかりつけ医を有する医療機関で診療した場合に、健康が維持あるいは改善することが大変期待されることになると思います。
実際に、そういった健康の改善あるいは維持が起こるような制度の設計、また、それが検証できるような制度を、この先になるかもしれませんが、しっかり考えていく必要があるかなというのが1点目です。
2点目ですけれども、前回この場で医療提供体制の議論の御説明があったのですけれども、その大きなメッセージの1つは、外来の需要が今後減っていくという議論だったかと思います。
それで、経済学的に人口減というのをどう捉えるかと考えると、やはり市場規模というものの拡大が、まずサービスの専門特化を促すというのが、通常議論されるのですけれども、今後はその逆の方向性が起こるということで、専門特化しているサービスというのは非常に維持がしづらくなると。特に、若年層の人口の減が大きいので、そういった診療科にとっては非常に維持が難しくなるというのは、皆さんもお考えのとおりだと思うのですが、これをどのように維持するかというのを、しっかりここでも考えていくことが必要かなと思っております。
以上です。
○小塩会長
ありがとうございました。
ほかに、いかがでしょうか。今日はキックオフですので、今日は言っておきたいということがございましたら、ぜひ、お願いしますが、いかがでしょうか。
よろしいですか。それでは、ほかには御質問等ないということですので、本件に係る質疑は、この辺りとしたいと思います。
本日も非常に重要な御意見を委員の方々から頂戴いたしましたが、今後、事務局におかれましては、本日いただいた御意見も踏まえて、対応していただくようにお願いいたします。
本日の議題は以上です。
それでは、次回の日程につきましては、追って事務局より御連絡いたしますので、よろしくお願いいたします。
本日の総会は、これにて閉会といたします。どうもありがとうございました。