第135回労働政策審議会障害者雇用分科会(議事録)

日時

令和7年7月14日(月)14:00~

場所

オンライン・対面による開催(中央合同庁舎第5号館 専用第14会議室(12階)東京都千代田区霞が関1-2-2)

議事

○河村障害者雇用対策課長 それでは定刻となりましたので、ただいまから「第135回労働政策審議会障害者雇用分科会」を開催いたします。委員の皆様方におかれましては、大変お忙しいところ御参加いただきまして、どうもありがとうございます。先週8日付けで、障害者雇用対策課長を拝命いたしました河村です。今年4月27日付けで委員の改選がありましたので、冒頭事務局私から議事進行をいたします。まずは、分科会長の選出について御報告いたします。参考資料1、障害者雇用分科会の委員名簿がありますので、お手元で御覧ください。分科会長につきましては、労働政策審議会令に基づき、本分科会に属する公益代表の労働政策審議会の本審の委員のうちから、本分科会に属する本審委員の間で選出していただくということになっております。本分科会において、該当する公益委員は山川委員のみですので、引き続き山川先生にお願いいたします。
 それでは、以降の進行につきまして、山川分科会長にお願いしたいと思います。よろしくお願いいたします。

○山川分科会長 山川でございます。引き続き、どうぞよろしくお願いいたします。
 それでは早速ですが、労働政策審議会令に基づき、分科会長代理を公益委員の中から私が指名することになっております。この件につきましては、渡邊委員にお願いしたいと考えております。渡邊委員、どうぞよろしくお願いいたします。

○渡邊委員 よろしくお願いいたします。

○山川分科会長 ありがとうございます。では、議事に先立ちまして、4月27日付けで障害者雇用分科会の委員に新たに就任された方を御紹介いたします。
 使用者代表委員では、富士通(株)Employee Success本部ER統括部シニアマネージャーの深町弘明委員が退任され、新たに富士通(株)CHRO室シニアマネージャー(人権・活躍支援(DE&I)担当)である美堂梓委員が就任されました。一言御挨拶をお願いいたします。

○美堂委員 富士通の美堂と申します。富士通グループで、障害者活躍支援を担当しております。よろしくお願いいたします。

○山川分科会長 どうぞよろしくお願いいたします。事務局である職業安定局にも異動がありましたので、御紹介いたします。村山職業安定局長。

○村山職業安定局長 7月8日付けで、職業安定局長を拝命しました村山でございます。どうぞよろしくお願い申し上げます。

○山川分科会長 河村障害者雇用対策課長。

○河村障害者雇用対策課長 よろしくお願いいたします。

○山川分科会長 樫村地域就労支援室長。

○樫村地域就労支援室長 樫村です。どうぞよろしくお願いします。

○山川分科会長 渡部主任障害者雇用専門官。

○渡部主任障害者雇用専門官 渡部です。よろしくお願いいたします。

○山川分科会長 新たに就任された委員、引き続き御就任いただいている委員の皆様におかれましても、どうぞよろしくお願いいたします。
 本日の分科会は、Zoomによるオンラインでの開催と、会場からの参加と両方になっております。会場には、冨高委員、田中伸明委員、影山委員、大喜多委員、河崎委員、藤川委員、門﨑委員にお越しいただいております。本日、新田委員は御欠席となっております。
 では、開会に当たりまして、事務局から説明がございます。

○原田障害者雇用対策課長補佐 事務局でございます。本日も、多くの方にZoomを使ったオンライン参加を頂いております。開催に当たりまして、簡単ではありますがオンラインについて操作方法のポイントを御説明いたします。本日、分科会の進行中は、皆様のマイクをオフとさせていただきますが、御発言される際には画面上の「手を挙げる」ボタンをクリックし、事務局や分科会長から発言の許可があった後に、マイクをオンにして、必ずお名前を名のってから御発言いただきますようお願いいたします。Zoomの操作方法につきましては、事前にお送りしましたマニュアルを御参照ください。会議進行中、トラブルがありましたら、事前にメールでお送りしております電話番号まで御連絡いただきますようお願いいたします。
 なお、通信遮断等が生じた場合には一時休憩とさせていただくこともありますので、御容赦いただきますようお願いいたします。オンライン会議に係る説明については以上です。

○山川分科会長 それでは、議事に入ります。カメラの頭撮りがありましたら、ここまでとなっております。
 本日の議題は、1.2024年度の年度目標に係る評価及び2025年度の年度目標の設定について、2.その他となっております。では、まず議題1について事務局から説明をお願いします。

○河村障害者雇用対策課長 それでは、資料1-1~1-3まで、また参考資料2に基づき、私から2024年度の目標の評価と2025年度の目標の設定について御説明いたします。資料1-1を御参照ください。2024年度、昨年度の目標についての評価ですが、事務局としての案を記載しております。
 まず、1点目の目標として、1ページの上の◎ハローワークにおける障害者の職業件数についてです。枠囲みの中に目標があります。2024年度の目標としては、2023年度の実績である11万756件以上という目標を立てておりました。実績ですが、11万5609件として目標設定を上回った状況にあります。
 こちらの状況の背景について、枠囲みの下に、(分析)として記しております。1つ目の○にありますとおり、前年度を4.4%上回った就職件数の状況になっております。その背景としては、下の2つ目の○です。まず、新規求職の申込件数が前年度を7.5%上回る水準になってきたことと、障害者専用求人数も前年度を1.9%上回る水準として、一所懸命にハローワークの現場において努力した結果として、このような就職件数になってきたものと考えております。
 こういった背景に加えまして、3つ目の○です。やはり、2024年4月に、法定雇用率が2.3から2.5%に引き上がり、それ以降も来年度の夏になりますが、2.7%になっていきます。こうした法定雇用率の段階的な引上げが背景としてあり、企業側にも求職者側にも気運の高まりが十分にあった上で、なお、2つの黒ポツの所ですが、雇用率が未達成の企業に対する丁寧な支援や、求人者・求職者双方に対する適格紹介や、様々な能動的なマッチング支援等に務めてきた結果として、このような就職件数につながってきたのではないかと考えているところです。
 続きまして2ページ、◎の所、2点目の目標である障害者雇用率関係です。枠囲みの中の○1雇用率達成企業割合です。2024年度の目標値として46.8%以上を掲げておりました。また、○2障害者雇用ゼロ企業のうち、新たに障害者を雇用した企業の割合についても、目標値として15.2%以上と設定しておりました。これらの実績につきましては、現在、正に調査中で、今年6月1日時点の調査の中で把握していく予定になっており、この調査結果につきましては、年内をめどに公表することとなっております。
 その下の◎精神・発達障害者雇用サポーター支援実績に係る目標の関係です。枠囲みの中ですが、こちらについては2024年度の目標として72.8%以上ということを掲げており、実績は、77.8%ということで、目標を上回った状況にあります。これらの背景について、(分析)です。特に、2つ目の○ですが、主な要因として、近年、地域の就労支援機関との連携支援体制が整ってきたことに加えて、先ほど申し上げたような法定雇用率の引上げに対するニーズの高まり等もあり、令和6年度から、従来の精神障害者雇用サポーターと発達障害者雇用サポーターを別々に運用してきたものを統合した形で、「精神・発達障害者雇用サポーター」として配置を行って、従来以上にマッチング支援を強化して取り組んできたことがあるものと考えております。引き続き、こういった努力を続けていくと考えているところです。
 続きまして、資料1-2については、経年の2022年度以降の実績と目標の推移について個別に補足して記載しているものと、注釈で細かい点を書かせていただいているものですので、御説明は割愛させていただきます。
 続いて、2025年度の新しい目標設定については、資料1-3に基づいて御説明いたします。上半分の所は、左側に昨年度2024年度の目標と実績の記載があり、右側に2025年の新しい目標の案を記載しております。それぞれ設定の考え方につきまして、資料の下半分に書かせていただきましたので、下半分の所で御説明いたします。
 まず、目標(案)の1点目、ハローワークにおける障害者の就職件数の関係です。従来から年度目標の設定の考え方としては、前年度の実績以上として設定することとしてまいりましたので、本年度につきましても、2024年度の実績以上ということで11万5609件以上としています。マイクが頻繁に切れてしまい申し訳ありません。今、申し上げましたとおり、ハローワークにおける障害者の就職件数については、前年度実績以上として設定しております。
 2点目の障害者雇用率の関係です。まず、障害者の雇用率達成企業割合ですが、こちらにつきましては右側の覧にあります従とおり、従来の目標設定の考え方として、前々年度の実績に過去10年分の平均伸び率を加味して設定するという考え方でやってきております。こちらは、過去のときもそうなのですが、雇用率が引き上がったときなど、除外率の引下げがあった場合については、その分の影響が大きくありますので、今回2025年4月から除外率引下げがありますので、引下げの影響を加味して設定する。加味の仕方としては、その下の※の大変小さな字の記載で恐縮ですが、過去に引下げをしたときの影響の相当分を加味して設定するやり方で設定した結果として、45.9%以上という形で目標を設定しております。
 続きまして、○2障害者雇用ゼロ企業のうち、新たに障害者を雇用した企業の割合です。こちらにつきましては、従来の設定の考え方として、右側の覧にありますとおり、直近3か年の実績の平均値以上という考え方で従来から設定してきております。こちらにつきましては、直近3か年の実績の平均をそのまま取りますと、その下に小さな字で実績を書いておりますが、前年度の目標を下回る値になってしまうことを踏まえて、前年度と同様まで引き上げた上で、15.2%以上という形で立てさせていただいております。
 続きまして、一番下の覧です。精神・発達障害者雇用サポーター支援実績関係です。こちらについては、サポーターによる就職支援を終了した者のうち、就職した者の割合を従来から定めてきているところです。こちらについては、設定の考え方は右側の覧にありますが、こちらも直近3か年の実績の平均値以上として設定してきています。今回の設定で、特にアレンジしている部分として、2024年度から先ほど御説明しましたとおり、精神・発達障害者雇用サポーターとしてサポーターを統合して配置してきたということがありますので、目標(案)として、「2023年度及び24年度の直近2か年の実績の平均値以上」として設定しております。その数字が75.6%ということで、75.6%以上という目標値を定めております。参考資料2につきましては、先ほど1-1で御説明させていただいた2024年度の年度目標に対する過去の四半期ごとの実績の数値ですので、参考として御覧いただければと思います。事務局からの説明は以上です。

○山川分科会長 ありがとうございました。それでは、質疑応答に入りたいと思います。御質問、御意見がありましたら、会場の委員には挙手をしていただいて、オンラインで御参加の委員には「手を挙げるボタン」をクリックいただきまして、私のほうから指名させていただいた後に、お名前をおっしゃってから御発言いただくようお願いいたします。御質問、御意見等はありますか。河崎委員、お願いします。

○河崎委員 ありがとうございます。労働側代表の河崎です。資料1-3の2025年度の目標(案)について、精神・発達障害者雇用サポーターに関する2025年度の年度目標についてお伺いしたいと思います。同サポーターは2024年度から新たに設置され、それまでの精神障害者雇用トータルサポーターと発達障害者雇用トータルサポーターに代わるものとして、厳密にはマッチング支援の強化など、より就職支援に特化した体制になったと認識しております。昨年度の目標設定の際には、両トータルサポーターの実績を合算して、2024年度目標の参考としたことは承知しております。
 しかしながら、先ほど述べたとおり、就職支援の体制強化が図られたということにより2024年度の実績が高くなったことを踏まえますと、2025年度の目標設定は、直近2か年の実績の平均よりも2024年度の実績、つまり77.8%以上とするほうが適切ではないかと考えております。これについて、事務局のお考えを聞きたいと思います。

○山川分科会長 御質問ありがとうございます。事務局から、いかがでしょうか。

○河村障害者雇用対策課長 御質問ありがとうございます。確かに委員に御指摘いただきましたとおり、従来、精神と発達で別々のサポーターとして運用してきたものを統合した上で、運用方法について改善を図ったという御指摘のとおりです。一方で、数字の動き方を見ますと、確かに直近の年度が77.8%ということで、この1年間で大きく上がっているわけですけれども、数字の動き方としては、例えば2022年から見ますと、72.0%だったものが翌年の23年度で73.5%として動いて、その後、更に2024年度で77.8%に大きく上がっております。この短年度の大きな上昇の所が、運用上の変更、マッチングをより強化したという部分によるものなのかどうかということが、なかなか短年度では十分に見極めを付けきれない部分が正直あります。そういった中で、やはり現場の方々にしてみると、年度目標の設定は大変重いものであり、かなり高い目標値になっていたときに現場の支援に与える影響、例えば目標が気になって就職を急いでしまったり、そういったことが起こらないかどうかというところを、私どもとしては、できる限り注意深く見た上でやっていければという考えがありまして、今回は2か年の実績の平均という形を取らせていただいたものです。

○山川分科会長 河崎委員、何かありますか。

○河崎委員 ありがとうございます。関係機関との連携や、マッチング支援の強化により就職率の増加につながったということを私どもも大変評価しております。引き続き、より高い目標を検討しながら、就職者や事業主へのきめ細やかな支援に努めていただければと思っておりますので、どうぞよろしくお願いいたします。

○山川分科会長 ありがとうございました。これまで直近3か年だったのですけれども、直近3か年になるともっと低くなるので直近2年として、新しい制度と前の部分と1年だけカウントしたということで2年になって、従来よりも多少上がった数値になっている結果かと思います。冨高委員、お願いします。

○冨高委員 ありがとうございます。労働側連合の冨高です。私からは、障害者雇用率関係で発言したいと思います。まず、障害者雇用ゼロ企業で、新たに障害者を雇用した企業の割合は、この数年で向上してきておりますし、23年度の目標を上回る結果となっており、この間の関係者の取組に敬意を表したいと思います。2024年度の実績がまだ出ていない中での目標設定ということではありますけれども、やはり一般企業における障害者雇用をさらに進めていくという視点で言えば、年度目標は24年度目標をキープしていただくという積極的な設定としてもいいのではないかと思うところではあります。いずれにしても障害者雇用ゼロ企業を軽減する、そして障害者雇用の底上げを図る取組を一層進めていただきたいと考えているところです。また障害者雇用ゼロ企業に対しては、働きづらさを抱える方への促進の取組、事業所への個別訪問による注意喚起や雇用指導、支援人材のサポートなど、様々あるかと思いますが、是非、寄り添い型の丁寧な支援を引き続き進めていただきたいと考えております。以上です。

○山川分科会長 御意見ありがとうございました。ほかにありますか。それでは、オンラインで御参加の倉知委員、お願いいたします。

○倉知委員 九州産業大学の倉知です。御報告ありがとうございました。先ほどの精神・発達の雇用サポートの件で、私は、目標値はそれでいいのではないかと思っていて、先ほど、座長から御説明されたときに精神と発達を一緒にしたから上がったというふうなお話があったのですが、一緒にしたから上がったというのがよく分からなくて。それが要因ではなくて、頑張ったから上がってきていると捉えてよいのではないかと思っているのです。一緒にしたから上がったとなると、ある程度、数値を上げなければいけないということになりますので、精神・発達障害者雇用サポーターが頑張った結果、今年度はこの設定をしたということでいいのではないかと思っています。以上です。

○山川分科会長 ありがとうございました。それでは、ほかに御意見等はありますか。お願いいたします。

○大喜多委員 労働者側の大喜多と申します。よろしくお願いいたします。私からは、資料1-1に御記載いただいているハローワークにおける定着率に関して発言をさせていただきたいと思います。
 まず、昨年度から、定着率を参考資料としていただいたことに改めて感謝申し上げます。定着率を経年で分析できるものもあると思いますが、定着率を高めるためにどういった施策が必要なのか、また、どういった理由で定着に至らないのかをしっかりと分析していただきたいと思います。参考資料として、6か月後の定着率をお示しいただいているのですが、例えば雇用保険などの行政データを基に、もう少し長い期間を調査していただいたりとか、傾向の分析やアンケート調査の実施なども御検討いただければと思います。また、ハローワークを経て就職した全員を追うことは難しいと思いますが、例えば障害者校から就職した人に関しては一般的に就職先との関係構築もできていることから、パネル調査などを実施することもできるのではないかと考えております。定着率に関して調査や分析を丁寧に行っていただくことで分析を踏まえた目標の設定など、定着率の更なる向上に向けてPDCAを回していけるのではないかと思いますので、是非とも取り組んでいただきたいと思います。私からは、以上です。

○山川分科会長 大喜多委員、ありがとうございました。御意見、また御提案ありがとうございました。ほかに御質問、御意見等はありますか。事務局から、1点あります。

○原田障害者雇用対策課長補佐 事務局です。大喜多委員、定着率に関しての御意見を頂きましてありがとうございました。調査について、定着率を今回どのように算出したかについては、参考資料1-1に記載させていただいております。こちらについては、2023年度の4月1日から2024年3月31日までの期間にハローワークの職業紹介で就職した者のうち、雇用保険の取得日と喪失日を元に在職月数を算出して、6か月以上の割合を6か月定着率とさせていただいたものです。一方で、今回は2023年度をお示ししておりますけれども、同じ方法で取ることができて、この前、「今後の障害者雇用促進制度の在り方に関する研究会」において、定着率について別途にお示ししており、12か月とか、そのような数字をお示ししているところです。ハローワークのデータと密接につながっているところですので、調査の方法については、今後の動きも見ながらハローワークの中で取れるデータも参照しながら検討していけると思っております。以上です。

○山川分科会長 大喜多委員、何かありますか。

○大喜多委員 ありがとうございます。よろしくお願いいたします。

○山川分科会長 ありがとうございます。ほかに御質問、御意見等はありますか。よろしいですか。取りあえず、議題1については以上とさせていただきたいと思います。各委員においては、追加で御意見等がありましたら、7月17日(木)までに、事務局までメールで御提出いただければと思います。それを踏まえて、当分科会としての2024年度の年度目標に係る評価、2025年度の年度目標の設定については、これまでのように、本日の議論、それから追加で御提出いただいた御意見等を踏まえて、私と事務局とで相談して取りまとめたいと考えております。このような段取りでよろしいですか。
 ありがとうございます。定量的な面のほかに、定性的な御指摘や御指示も頂きまして大変ありがとうございました。それでは、先ほど申し上げたようにさせていただきたいと思います。
 では、続いて議題2について事務局から説明をお願いします。

○河村障害者雇用対策課長 それでは参考資料3-1と3-2、参考資料4について、私から御報告をさせていただきます。まず、参考資料3-1です。6月の下旬に公表したプレスリリースの関係の御報告です。実際の数字については、先ほどの年度目標の評価の関係の数字とも重なる部分がありますが、令和6年度のハローワークを通じた障害者の職業紹介の状況として、枠囲みの中の「ポイント」の所ですけれども、新規求職申込件数が26万件を超えて7.5%増です。また、就職件数については11万5,000件を超えて、対前年度で4.4%増となったという関係をプレスリリースさせていただいております。
 この枠囲みの一番下の所ですが、解雇者数について、ハローワークに届出のあった障害者の解雇者数が例年を大きく上回る形で、9,312人となっております。これが解雇者数として過去最高であった平成13年度の実績の4,017人を大きく上回っているという状況にあります。この関係については、参考資料3-2を御覧になっていただければと思います。こちらの資料は同日、6月25日に開かれた研究会の参考資料として出しているものを改めて御提出させていただいております。今申し上げたとおり、令和6年度の解雇者数が9,300人になり、そのうち就労継続支援A型事業所の利用者であった方が7,292人を占めるという形になっております。A型の利用者でおられた方々において、その後の転機としては2つ目の◎にありますように、再就職が決まった方が2,171人、再就職の予定している方も含めてB型の事業所に移行する方が3,834人ということで、全体の8割程度が再就職かB型になっております。
 一方で、下の所に各月の解雇者数の推移と、併せてA型事業所の解雇になった方の再就職状況をまとめております。右側を御覧になってください。既に求職中の方、又はその他として、例えば今後の意向を考えていらっしゃる方も含めますと、1,000人を超えるという形になっております。こうした方々については、引き続きハローワークのほうで丁寧に支援をしていくという状況ですので、併せて御報告をさせていただきます。これらの方々については、今後とも引き続き、毎月の状況を把握していきたいと考えております。
 続いて、参考資料4です。「雇用の分野における障害者の差別禁止・合理的配慮の提供義務に係る相談等実績」についても、同じ6月25日付けで公表しておりますので、御報告させていただきます。障害者差別あるいは合理的配慮の提供関係で、ハローワークでお受けした相談は438件ということで、前年度に比べて78.8%増と大幅に増えました。相談の内訳は、枠囲みの中の最初のポツの括弧書きで少し書かせていただいておりますが、障害者差別関係の御相談が98件、合理的配慮の提供関係の相談が340件となっております。これらの相談の具体的な内訳を3ページの真ん中辺りに載せております。
 こうした相談が大きく増えた背景として私どもが考えているのは、雇用以外の合理的配慮の提供関係、障害者差別禁止法に基づく合理的配慮の施行が、ちょうど昨年度あったという関係で、社会全体として合理的配慮に対する意識の高まりもあって、改めて顧客等に対する合理的配慮の在り方を考えたときに、自ら雇用する労働者に対する配慮がこれでよろしいのかということについて、いろいろ感じられた方々が相対的に多いのではないかと考えております。
 相談の内容別の内訳は、先ほどの3ページの所です。内容の分類の○の3つ目に、障害者差別に関する相談内容に関しては、「採用時・募集」関係が多いということです。次いで、「配置」「解雇」に関連するもの、また合理的配慮の提供に関する相談内容としては、「上司・同僚の障害理解に関するもの」「相談体制の整備、コミュニケーションに関するもの」「業務内容・業務量に関するもの」が多かったという状況になっております。事務局からの御報告は以上です。

○山川分科会長 ありがとうございました。ただいまの御説明について、質疑応答に入りたいと思います。御質問、御意見がありましたら、先ほどと同様にこちらで指名させていただいた後に、お名前をおっしゃってから御発言をお願いいたします。御質問、御意見等はありますか。門﨑委員、お願いします。

○門﨑委員 御指名ありがとうございます。労働者側代表の自治労の門﨑と申します。私からは参考資料3について、改めて要望させていただきたいと思います。解雇者数が大幅に増加したことについては、御説明にもありましたとおり、A型事業所の評価項目の見直しの影響とか、社会保険の適用拡大の影響も出ているものと承知しています。これらの施策は、本来はA型事業所の役割に沿うための改善であったり、労働者保護に資する見直しであるはずですが、結果として、これだけの解雇者が出たり、資料3-2にあるとおり、B型へ移行せざるを得ない方が半数以上いることや、就職先が決まらず求職中の方も多くいると承知しております。
 状況を把握している方については、再就職に向けたきめ細かな支援など、必要な措置を早々に講じていただきたい。その上で中長期的に見れば、政策の方向性として否定するものではありませんが、その政策効果が十分出ているかを適宜、確認すべきであり、今回のように障害者や労働者にしわ寄せが行くような状況はあってはならないと考えます。先ほども御説明がありましたけれども、施策の検討や実施に当たっては、障害者や労働者への影響も踏まえ、必要に応じた経過措置や事前に仕組みを整えるなどの対応を図っていただくように改めて要望させていただきます。以上です。

○山川分科会長 ありがとうございます。ほかに御質問、御意見等はありますか。それでは影山委員、お願いします。

○影山委員 横浜市大の影山です。私も今の点について質問があります。まず、参考資料3-2の下のほうです。A型事業所で解雇された事例は、大体9割は生産活動収支が赤字の事業所とのことですが、要するに業績が余り好ましくなくて解雇に至ったと解釈してよろしいのでしょうか。これが1点目です。
 一方、A型事業所の利用者であった方は7,292人が解雇されているのですが、全体としては9,300人以上おります。残りの2,000名の方はA型やB型ではない、一般の民間企業で解雇された方と解釈してよろしいのでしょうか。その場合、解雇理由はどのような理由であったのでしょうか。以上、質問です。

○山川分科会長 事務局から、いかがでしょうか。

○河村障害者雇用対策課長 まず、影山委員から御指摘いただいた1点目、参考資料3-2の一番下の※1の「生産活動収支が赤字の事業所」という部分です。こちらは正に御指摘いただいたとおり、把握した事業所について障害部のほうでA型の事業所を確認していったところ、本当に生産活動収支が賃金の総額を上回っていない状況にあったものでした。本来、こちらについてはA型の事業所の在り方として、それでは良くないということを、ずっと関係者の間でも確認されてきたところですけれども、令和6年の障害者報酬改定の中で、生産活動収支が赤字の場合に、報酬についてかなり強く減算をかける改定を行った結果として、もともと経営が苦しい状況にあった所が、更に収入が減る形になって、こういった解雇に至ったものであろうと考えております。
 それから、7,292人の外にあるA型以外の方の解雇についてです。おっしゃるとおりA型以外なので、基本は一般就労が多いわけですけれども、資料3-1の17ページの下半分に、2番の「理由別解雇者数」として載せております。やはりこれはA型も含んだ数字になっておりますが、事業廃止あるいは事業の縮小が大勢を占める形になっております。経年で見ても、ちょうど上の1番の解雇者数の推移の所に、平成26年度以降の推移が載っております。1,000人台から2,000人ぐらいの推移できておりますので、今回、例年並みできたところに、A型の影響による解雇が7,000人分追加されているという状況かと思っております。以上です。

○山川分科会長 影山委員、何かありますか。

○影山委員 よく分かりました。どうもありがとうございました。

○山川分科会長 それでは、もうお一方、オンライン参加の山口委員、お願いいたします。

○山口委員 こんにちは。愛知県中小企業団体中央会の山口です。資料3-1の18ページにある「都道府県別解雇届の受理状況」を見ますと、私の地元の愛知が1,113件と、大幅に突出しているのです。この要因が何か、把握されているのであれば、それを教えていただきたいと思います。

○山川分科会長 資料3-1の18ページですね。愛知県での解雇届けが多くなっている理由について、事務局でいかがでしょうか。

○河村障害者雇用対策課長 まず、愛知県は人口規模に比べても、A型の事業所数がかなり多くなっております。A型の事業所数が一番多いのは大阪で、Nが1,400で、そのうちの152なので、1割強が大阪府に集中しているという形になっております。調査の対象としているNが1,400のうち、78を愛知県が占めており、愛知県にA型の事業所がかなり多く分布しているところがあるかと思います。以上です。

○山川分科会長 山口委員、いかがでしょうか。何かありますか。

○山口委員 それが気になったものですから、ありがとうございます。

○山川分科会長 もしかしたらA型の事業所の数と、そこの事業所に就労していた従業員と言いますか、A型の障害者の方の数も影響しているのかなと推測します。もし、また後で何か分かったら御連絡をいただきたいと思いますが、今ありますか。

○河村障害者雇用対策課長 今、山川分科会長に御指摘いただいたとおりです。A型事業所での雇用障害者数自体も、一番大きいのは大阪府で、先ほどと同じですけれども、調査対象になった3万1,000人ぐらいのうち愛知県のA型の方が2,300人になっておりますので、雇用者数としても相当なウエイトがあったということが、併せて言えるかと思います。大変失礼しました。

○山川分科会長 山口委員、よろしいでしょうか。

○山口委員 はい、ありがとうございました。

○山川分科会長 ありがとうございます。それでは倉知委員、お願いいたします。

○倉知委員 九州産業大学の倉知です。報告ありがとうございます。私は職選考のところで、ちょっと気になっていることがあります。A型事業所が閉所されていくというのは、恐らく見込まれていたことで、それなりに解雇になる人が7,000人以上あるというのは、これは恐らく想定の範囲なのだろうと思っています。私は、民間の障害者雇用を進めることを、A型事業所が妨げているのではないか、それが障害者雇用の進まない状況の一因としてあるのではないかと。それで、予測をしてみたのですが、7,000何人のうち、企業に再就職できた方が600人ぐらいしかいないのですね、8%です。なぜA型で閉所に遭った方が企業に行けないとかという要因は、しっかり探ったほうがいいのではないかという気がしています。そうしないと、A型事業所がたくさんあることによって、民間企業の雇用がなかなか進まないということが成り立たなくなっていると思うのです。もし可能であれば、要因を調べられたらどうでしょうか。私からは以上です。

○山川分科会長 ありがとうございました。今、倉知委員からも御意見を頂きましたけれども、先ほど門﨑委員からも御意見を頂きました。事務局から何かありますか。

○河村障害者雇用対策課長 今、倉知先生から御指摘いただいた、A型を経て、結局、その後の一般就労につながっていないのではないかという問題意識自体は、A型の事業所の本来的な機能や在り方の本質論だと思います。そういった役割をどう果たしていたのかというところも含めて、障害保健福祉部とも、よくよく相談・連携をさせていただいて、どういう突き詰め方があるかというのを持ち帰らせていただきたいと思います。ありがとうございます。

○山川分科会長 倉知委員と門﨑委員、何かありますか。よろしいでしょうか。参考資料3-2を見ますと、B型事業所への移行者数がかなり多いのも、どういう意味を持つのかと思っていたところです。ほかに御質問、御意見等はありますか。新銀委員、お願いいたします。

○新銀委員 全国精神保健福祉連合会の新銀です。御説明、ありがとうございます。私からは、1点申し上げます。参考資料4の相談件数が、前年度に比べて78.8%に増えたことについてです。障害者が相談できる環境になってきたというようにも受け止めております。相談件数が増えたことについて、障害者側の積極的な問題解決への意欲とも取れるのではないかという意見を述べさせていただきました。
 とはいえ、一方で相談内容において、「募集・採用時」は、相談件数が最も多いということは大変残念に思います。採用時に、障害者だからという理由で差別的対応が見られるということは、そもそも障害者を雇うことにどのような意味を持たせているのか、雇われる側として大変不安に感じました。障害者を雇うということに、健常者目線のデメリットがクローズアップされてはいないかと感じた次第です。今回の公表から申しますと、障害を理由に働く能力の評価が最初から低くならないように、障害の有無に関係なく、能力を評価できるチャンスが何人でも平等であるということ、この点については一定の指標を示し、評価していただきたいというのが、改めて私からの意見です。

○山川分科会長 事務局から何かありますか。

○河村障害者雇用対策課長 御指摘、どうもありがとうございます。大変恐縮ながら、今直ちに妙案が思い浮かぶわけではないのですけれども、委員が御指摘になられた障害の有無に関係なく就労能力を評価していくということ自体は大変重要な点だと思いますので、しっかり受け止めて何ができるかを考えさせていただければと思います。

○山川分科会長 新銀委員、よろしいでしょうか。何かありますか。

○新銀委員 すぐにどうこうなるものではないと思うのですけれども、やはり根本的なところで、障害者を雇うということに対して、雇う側にとってのメリットとデメリットも感じておられると思うのです。障害者を雇うことに関してのメリットの部分を、もう少しクローズアップしていただければと考えております。

○山川分科会長 ありがとうございました。ほかに御質問、御意見はありますか。よろしいでしょうか。特にないようでしたら、これにて本日の障害者雇用分科会は終了とさせていただきたいと思います。最後に、事務局から連絡事項がありましたらお願いします。

○原田障害者雇用対策課長補佐 事務局です。次回の日程については分科会長と御相談の上、皆様に御連絡させていただきます。以上です。

○山川分科会長 特にないようでしたら、本日はお忙しい中、大変ありがとうございました。それでは散会いたします。