第70回労働政策審議会職業安定分科会雇用対策基本問題部会建設労働専門委員会議事録

職業安定局雇用開発企画課建設・港湾対策室

日時

令和7年7月30日(水)16:30~18:00

場所

厚生労働省専用第12会議室(15階)
(東京都千代田区霞が関1-2-2 中央合同庁舎第5号館)

出席者

公益代表
勇上座長、蟹澤委員

労働者代表
西委員、初野委員、松葉委員、横澤委員

使用者代表
岩田委員、堀川委員、吉田委員、若鶴委員

オブザーバー
石井国土交通省不動産・建設経済局建設振興課課長補佐

事務局
和田山建設・港湾対策室長、大原建設・港湾対策室長補佐

議題

(1)建設雇用改善計画(第10次)の実施状況について
(2)建設雇用改善計画(第11次)の策定に係る方針について
(3)その他

議事

○大原補佐 では、定刻より少し早いですが、ただいまから「第70回労働政策審議会職業安定分科会雇用対策基本問題部会建設労働専門委員会」を開催します。私は事務局を務めます厚生労働省建設・港湾対策室の大原と申します。よろしくお願いいたします。冒頭は事務局で進行させていただきますので、よろしくお願いいたします。オンラインの方、音声等は大丈夫でしょうか。

○若鶴委員 はい、聞こえています。

○大原補佐 ありがとうございます。では、ここから着座にて失礼します。まずはマスコミの方へ留意事項を申し上げます。カメラ等の撮影をされる場合は、議事が始まる前までとさせていただいていますので、御協力をお願いいたします。
 さて、本日の専門委員会では使用者代表の吉田委員、若鶴委員におかれましてはオンラインでの参加となっています。会議進行中に通信トラブル等で接続が切断された場合や音声が聞こえなくなった場合などトラブルがありましたら、操作マニュアルに記載の担当者まで御連絡ください。また、委員の皆様におかれまして御発言の際は、できるだけオンラインで聞きやすい発音と速度でお話を頂きますと幸いです。よろしくお願いいたします。
 次に、配布資料の確認をさせていただきます。会場にお集まりの委員におかれましては、お手元のタブレット端末を御覧ください。こちらに本日使用する資料が保存されています。保存されている資料は、議事次第、配布資料は資料1~3、参考資料が参考資料1~3までと7種類です。資料に不足はありませんか。ありがとうございます。
 タブレットで資料を開くときは、開きたい資料を押していただき、閉じるときには右上の完了ボタンを押していただきますと、元の画面に戻ることができます。また、資料を開いた状態で横にスライドすることで、資料を閉じなくても次の資料を確認いただくことが可能です。操作方法でお困りのときには、事務局がサポートしますのでお申し付けください。オンライン参加の委員におかれましても、同様の資料を送付していますので御確認をお願いいたします。ここまでで御不明な点はありませんか。ありがとうございます。
 まず、初めに令和7年4月27日付けで委員の交代がありました。新たに就任されました委員を御紹介させていただきます。使用者代表として沼田土建株式会社企画室室長の吉田委員が就任されています。吉田委員、一言、御挨拶をお願いできますか。よろしくお願いいたします。

○吉田委員 皆さん、沼田土建の吉田と申します。本日は会場のほうに伺えず、大変申し訳ありません。私は企画室という所で、会社では新技術の社内検討から社内装備までを担当しています。数年前まではICT施工といったものを中心にやっていましたが、現在はAIなどを駆使した技術の装備を担当しています。どうぞよろしくお願いいたします。

○大原補佐 吉田委員、ありがとうございます。本日の専門委員会には、オブザーバーとして国土交通省不動産・建設経済局建設振課課長補佐の石井様に御出席いただいていますので、よろしくお願いいたします。
 続きまして、事務局を代表して職業安定局建設・港湾対策室長の和田山より御挨拶を申し上げます。

○和田山室長 皆様、お疲れさまです。建設・港湾対策室長の和田山です。よろしくお願いいたします。本来であれば、審議官の藤川から御挨拶を差し上げるところなのですが、あいにく藤川が本日、所用により不在ですので、私から御挨拶させていただきます。
 本日は、勇上座長をはじめ委員の皆様方におかれましては、お忙しいところお集まりいただき大変ありがとうございます。また、日頃より建設労働行政の推進に多大な御理解、御協力を頂いておりますこと、改めてこの場をお借りしてお礼申し上げます。
 さて、現行の第10次建設雇用改善計画の期間ですが、今年度までとなっていることから、来年度から5年間を対象とする11次計画の策定のための議論を行っていく年となっています。この現行の10次計画でありますが、若者が展望を持って働ける魅力ある職場づくりの推進、これを課題として掲げ、若者の建設業への入職、定着促進による担い手確保・育成を最重点事項と位置付けて、取組を進めてきました。近年の状況としては、建設業における高齢化の進展、新規高卒者の離職率の高止まりなどにより、将来の現場を担う技能者の確保・育成が引き続き重要な課題と認識しています。
 また、令和6年度から時間外労働の上限規制、こちらも建設業に徹底をされることになっており、現場を取り巻く環境は大きな転機を迎えているかと思っています。地域経済の発展や災害対応といった地域の守り手として、重要な役割を果たしていく建設業が持続的に発展していくためには、若者や女性のみならず誰もが働きやすい労働環境づくりに取り組むことにより、多様な人材の活躍を促進していくことが必要であると考えています。さらに、他産業との人材獲得競争も激化する中で、業界の魅力をこれまで以上に発信していくこと、建設業が選ばれることも重要です。こうした状況の中、建設業界のためにどのような取組が必要になるか、11次計画の策定に向け委員の皆様方の専門的な見地から、忌憚のない御意見、御助言を賜りたいと考えていますので、どうぞよろしくお願いいたします。簡単ですが、挨拶とさせていただきます。本日はどうぞよろしくお願いいたします。

○大原補佐 では、これから議事に入りますので、カメラ等の撮影はここまでとさせていただきます、御協力をお願いいたします。
 それでは、本日の委員の出席状況ですが、公益代表の小野委員、中村委員が御都合により欠席となっています。事務局からの説明は以上です。以降の進行は勇上座長からお願いしたいと思いますので、よろしくお願いいたします。

○勇上座長 勇上です。皆様、お暑い中、またお忙しい中、御出席を賜りありがとうございます。本日もどうぞよろしくお願いいたします。
 それでは早速、議事に入りたいと思います。本日は、お手元の議事次第にありますとおり、議題は3つあります。1つ目は「建設雇用改善計画(第10次)の実施状況について」、2つ目は「建設雇用改善計画(第11次)の策定に係る方針について」、そして3つ目は「その他」となっています。
 それでは、1つ目の議題である「建設雇用改善計画(第10次)の実施状況について」、事務局から御説明をお願いいたします。

○和田山室長 それでは、私から議題1の御説明をさせていただきます。資料№1「第10次建設雇用改善計画の実施状況について」という資料に沿って、御説明させていただきます。この資料ですが、現計画における取組状況や今後の予定、それから本年3月に開催しました本委員会において、皆様方から頂きました御意見などを右側に記載していますので、併せてそちらも御覧いただきながら確認いただければと思います。時間も限られていますので、各項目に沿って実施している取組を簡潔に御説明させていただきます。
 それでは、1ページ目を御覧ください。まず、先ほども申し上げましたが、最重点事項の1番目である若者の確保・育成についてです。(1)若年労働者の確保・育成についてです。取組状況、実施状況を申し上げますと、まず1つ目、一番上ですが、建設業の魅力の発信や理解促進を図るための啓発活動に取り組む建設事業主に対する助成金の支援。それから、上から3つ目ですが、高校生の生徒や先生と建設業をつなぐ事業を委託事業として実施しています。魅力発信については、これまでの委員会の中でも、各省庁が連携の上、建設業の社会的役割、新4Kなどの魅力発信をしていただき、誰でも働きやすい環境につながるよう、技術革新の更なる支援をお願いしたい旨、御意見を頂戴したところです。
 次に、同じく1ページのイです。建設キャリアアップシステムなどの推進による担い手の確保です。(ア)の1ポツ目、それから3ポツ目にあるとおり、業界団体や関係機関で構成された建設キャリアアップシステム運営協議会や学識経験者などで構成される建設キャリアアップシステム処遇改善推進協議会、こういった開催により、普及・活用の推進に取り組んできたところです。
 続きまして、2ページを御覧ください。引き続き建設キャリアアップシステムです。中ほどです。5ポツ目にあるとおり、建設キャリアアップシステムの活用促進コースということで、CCUSの登録者は現在、160万人を超えている状況となります。次のステージとして、CCUSによる雇用改善が着実に進むようレベル判定の昇格評定を受けた技能者の処遇改善、いわゆる賃上げをした事業主に対する支援金を新たに今年度からスタートしています。こういった取組をしているところです。
 続きまして、3ページを御覧ください。こちらも建設キャリアアップシステムです。2ポツ目にあるとおり、こちらは建退共との連携強化に向けてです。本年10月に建退共が提供を予定している新システムの連携に必要なシステム改修などを実施しています。また、5ポツ目にあるとおり、CCUS技能者登録と同時に能力評価に応じたカード発行を可能とするワンストップ申請の運用、こちらは本年3月から開始されています。1回の申請で能力評価結果を反映したカードが発行されるため、費用も軽減されるものとなっています。また、(ウ)のマイナポータルの連携ですが、これが昨年度からスタートしましたデジタル庁が開発を進めている国家資格情報連携・活用システムと、安全衛生の各種免許及び技能講習修了者証明書と連携して、マイナポータルから資格情報が閲覧できるように準備が進められおり、また、資格者証携行義務の一本化に向けた検討もしているところです。これまでの委員会においても、資格証の代替のCCUSカードの提示について、複数の委員の皆様から御意見いただいているところです。
 続きまして、4ページを御覧ください。若者とのコミュニケーションスキルの向上として、委託事業により、熟年労働者と若者が円滑にコミュニケーションを取りながら働くための労働環境づくりの支援に取り組んでいます。また、教育訓練の充実として、助成金の認定訓練コース、技能実習コースにより建設事業主などに対して支援を行っているところです。
 続きまして、5ページを御覧ください。次のテーマが女性労働者の活躍・定着の促進についてです。取組の内容ですが、1ポツ目、一部本年4月1日から施行され、今後、段階的に施行される改正育児・介護休業法について、周知や履行確保を図るとともに、その下の2ポツ目ですが、共働き・共育ての推進のための仕事と育児の両立に関する意識調査などを行いながら、就労環境の整備に向けた取組の実施。6ページを御覧ください。一番上ですが、女性専用トイレ、更衣室等の整備に取り組む建設事業主に対する助成金の支援なども取り組んでいるところです。
 また、6ページから7ページにかけてですが、女性労働者の入職や定着促進に取り組む建設事業主に対する支援など、国交省が本年3月に策定しました建設産業における女性活躍・定着促進に向けた実行計画、これを着実に進めていくための計画に基づく取組を進めているところです。
 この女性活躍ですが、5ページに戻っていただいて、これまでの委員会においても幾つか御意見いただいています。女性活躍・定着のために建設業におけるテレワークの推進や女性労働を進めるための労働時間問題について御意見を頂いたところです。
 続きまして、7ページを御覧ください。後段の(3)高年齢労働者の活躍の促進です。こちらは継続雇用制度導入などの措置義務の実施を進めているところですが、労働局やハローワークによる指導・助言を行っているほか、独立行政法人の高齢・障害・求職者雇用支援機構におきまして、70歳雇用推進プランナー等による相談・助言を実施しているところです。
 続きまして、8ページを御覧ください。(4)ハローワークの取組です。建設関係職種を含めた人材不足分野へ特化した「人材確保対策コーナー」をハローワークに設け、支援を進めているところです。若者の入職促進については以上です。
 次に、大きな項目の2番、魅力ある労働環境づくりに向けた基盤整備です。同じく8ページの中段からです。初めに(1)安定就労の確保ですが、アの1ポツ目です。これは委託事業により、雇用管理責任者における雇い入れから退職に至るまでの雇用管理に必要な知識の習得などを行っています。
 次に、下段のイ、いわゆる「一人親方」の適正化についてです。労働基準関係法令の遵守について、指導を実施しているほか、次の9ページにありますが、建設キャリアアップシステム処遇改善推進協議会において、一人親方の取組に関する申合せに基づき、今年度中に一人親方になった場合のメリット、デメリットを分かりやすく整理する予定で、一旦この申合せに沿った取組を進めていきたいと思っています。
 8ページに戻っていただいて、こういったいわゆる一人親方については、右側、これまでの委員会においても、一人親方の労働者性の問題への議論の必要性、それから一人親方、個人事業主などに関して新たな労働安全衛生法の適用対象となる早期の法律制定を求める意見を頂いているところです。
 9ページを御覧ください。ウ、業務請負などの適正化です。雇用形態の労働者に対する対応については、「労働者派遣事業・請負を適正に行うためのガイド」の冊子、こういったものを使いまして、周知などを図っていきたいと思います。法違反防止の取組なども進めていきたいと思っています。一番下、季節労働者の通年雇用について、助成金を活用した支援を行ってきているところです。
 続きまして、10ページを御覧ください。働き方改革の推進です。まず、働き方改革の基本的な取組としては、業界全体の理解の浸透として、2ポツ目にありますが、令和6年度から罰則付きの時間外労働規制を踏まえまして、工期に関する基準について周知徹底を図るとともに、その下の民間工事において週休2日制の確保ができるよう、適正工期設定について民間企業に対して様々な機会を通じて働き掛けなど取り組んでいるところです。なお、これらについては、これまでの委員会においても、適正な工期設定について地公体や民間工事の発注団体への働き掛けや、業界標準基準の打ち出しについて意見を頂いたところです。その下の(イ)の働き方改革ですが、一番下、昨年6月に改正されました建設業法改正の全部施行に向けまして、現場技能者に適正な賃金を行き渡らせるための制度、いわゆる労務費基準の制度の具体化を進めているところです。
 続きまして、11ページを御覧ください。働き方改革を通じた担い手確保についてです。一番上の1ポツ目ですが、完全週休2日制度などの労働時間の削減に資する制度の普及などに取り組む建設事業主団体等に対する助成金の支援に取り組んでいるところです。下のイです。長時間労働の改善については、11ページから12ページにかけて記載していますが、先ほども御説明させていただきましたが、助成金の支援として働き方改革推進助成金による時間外短縮や年休取得促進などに取り組む事業主に対する支援に取り組んでいるほか、12ページですが、時間外労働が長い事業場や年休取得率が低い事業場に対する働き方・休み方改善コンサルによる技術的支援などに取り組んでいるところです。
 続きまして、13ページを御覧ください。完全週休2日制の普及や4週8閉所の実現に向けた取組については、これまで説明してきました働き方改革の取組を引き続き実施していくもので再掲として記載していますが、こういった取組を進めていきたいと思っています。
 次に、13ページの下段の賃金の改善についてです。こちらはCCUSによる賃金水準の改善の取組として、まず法定福利費を内訳明示した見積書の活用状況や、法定福利費の受取状況などを把握するため、令和6年度から建設業許可業者を対象に実施した社会保険の加入及び賃金の状況に関する調査を取りまとめ、結果を6月に公表しているところです。
 次に、14ページを御覧ください。CCUSの賃金水準の改定についてです。2ポツ目ですが、令和5年6月に公表されていますCCUSにおけるレベル別年収について、一番右、委員からの御意見として頂いているとおり、業界全体の変化を踏まえたCCUSのレベル別年収の妥当性の検証について意見がありました。令和7年3月から適用されている、公共工事で設計労務単価が賃金として行き渡った場合に考えられるレベル別年収、こういった改定の検討をしているところです。また、先ほどCCUSによる担い手確保、働き方改革でも述べさせていただきましたが、労務基準の制度の具体化の検討や、CCUSレベル判定の昇格評定を受けた技能者の賃上げを実施した事業主の支援、CCUS登録者に人材開発助成金の技能実習コースを受講させた場合の賃金助成の単価割増し、こういったものを活用していただきながら、賃金改善を進めているところです。
 続きまして、15ページを御覧ください。労働・社会保険、建設業退職金共済制度の加入促進についてです。こちらの取組を申し上げますと、3ポツ目にあるとおり、国交省と厚労省が連携した建設業の社会保険未加入対策の実施について引き続き実施していくとともに、16ページの3ポツ目、建設業とCCUSの更なる連携強化と記載のとおり、システム改修などの実施や、電子ポイント方式の普及のための周知や利用促進に取り組むこととしています。
 続きまして、17ページを御覧ください。労働災害の防止についてです。上の1つ目、2つ目です。墜落・転落災害の防止に向けた技術的な助言、支援や研修会の開催。イですが、健康確保対策の推進として、イの4ポツ目に書いてあるとおり、各都道府県産業保健総合支援センター及び地域産業保健センターにおける相談など、各種支援の実施などに取り組んでいるところです。
 次に、その下のウ、熱中症の予防です。1ポツ目、本年6月に改正労働安全衛生規則が施行されて、熱中症のおそれのある作業者の早期発見のための連絡体制の整備や、手順などの作成が事業者に義務付けられています。これにより、熱中症のおそれがある労働者の早期発見、そして迅速かつ適切に対処することにより、熱中症の重篤化の防止になることを期待しています。また、本年5月から9月までを全国「STOP!熱中症クールワークキャンペーン」とし、熱中症予防対策の徹底に関する周知をまさに今、取り組んでいるところです。この熱中症に関しては、これまでの委員会において、酷暑日の作業規制や作業中止の判断ができる指針の検討が必要ではないかという御意見を頂いたほか、これは労働時間の問題にも関係しますが、諸外国の労働時間貯金制度も参考にするべきではないかという御意見も頂いているところです。
 続きまして、18ページを御覧ください。引き続き労働災害防止についてです。1つ目が石綿による健康障害防止に向けた指導。オですが、高年齢者、外国人労働者の災害防止に向けて、(ア)の1ポツ目、労働者の健康などの措置について周知、指導の実施や、(イ)の外国人労働者を使用する事業者向けのセミナー。カ、建設工事従事者の安全及び衛生の確保に向けて、研修会や安全衛生専門家による助言・指導を行いながら、安全衛生の確保に取り組んでいます。なお、安全管理の面では、これまで委員会において、朝礼の要件について意見があったところです。
 続きまして、19ページです。ここからが大きな項目の3番、能力開発の促進、技能継承です。(1)事業主などが行う職業能力開発の推進ですが、こちらは認定職業訓練をはじめとする在職者訓練や技能労働者のキャリア形成に向けた支援として補助金や助成金を活用した支援。上から5つ目ですが、公共職業訓練の実施、その下のイの技能労働者のキャリア形成に向けた支援として、キャリアパスモデルの作成などに取り組む事業主団体への助成金など、こういった能力開発を行う建設事業主団体に対して支援に取り組んでいるところです。
 続きまして、20ページを御覧ください。同じく能力開発ですが、中段の(2)労働者の自発的な職業能力開発の促進については、キャリアコンサルタントによる職業能力開発やキャリア形成などに関する相談、援助などに取り組んでいるところです。それから、下の(3)建設業を担う人材に対する職業訓練の実施については、訓練から就職支援までをパッケージで行う建設労働者育成支援事業を離転職者や新卒者などを対象に実施しているところです。
 続きまして、21ページを御覧ください。(4)熟練技能の維持・継承及び活用についてです。(ア)技能検定制度の実施、その下の(イ)ものづくりマイスター派遣の若者への実技指導、(ウ)技能五輪大会などの開催に取り組んでいるところです。それから(エ)生徒や親に対する取組として、建設業の魅力発信、啓発活動、こういったものにも取り組みまして、建設事業主の方への助成金や高校生と建設業界がつながる機会提供である、「つなぐ化」事業を通し魅力に触れる機会の取組を進めているところです。なお、こちらも委員会において、技能検定の関係について普通科校における受検への対応の柔軟化についても御意見いただいたところです。
 続きまして、22ページです。デジタル人材の育成についてですが、こちらは1ポツ目に書いてあるとおり、技能継承に係る指導方法の向上のための講習を実施した事業主に対する助成金や、3ポツ目ですが、生産性向上人材育成支援センターで行う生産管理や、IoT・クラウドの活用などの訓練の実施に取り組んでいるところです。
 続きまして、23ページです。大きな項目の4番です。雇用改善を図るための諸条件の整備です。初めに(イ)です。4ポツ目に建設Gメンによる請負代金の設定や工期の確保の状況について、実地調査や改善指導を実施しており、請負代金の設定や適正な工期の確保に向けて取り組んでいます。この建設Gメンについては、これまでの委員会において、工事が遅れた場合の引渡日が変わらないことに対する確認の徹底について御意見を頂いているところです。
 次に、CCUSの普及促進についてです。24ページの一番下から25ページの上段まで記載しています。こちらは冒頭に申し上げました若者の入職促進の取組と同じ内容となっていますが、CCUSによる政策効果の検証の必要性、それからCCUSにおけるグローバル的な証明による外国人労働者の登録のメリット、また、CCUSが発注のインセンティブになる取組の実施などについて、これまで委員会において御意見を頂いているところです。
 続きまして、25ページを御覧ください。こちらも御意見として頂いており、一番右側です。令和7年度限りとなっているCCUSの登録手数料などへの助成金について、普及促進事業の延長という御意見も頂いているところです。それから、25ページの(2)です。事業主などに対する雇用管理体制の整備については、雇用管理責任者に対する雇用管理に必要な知識の習得に向けた事業や研修を実施するほか、雇用管理に関して必要な知識を習得させる研修などを実施した建設事業主に対する助成金による支援を行っているところです。
 続きまして26ページを御覧ください。(3)助成金の活用です。ニーズを踏まえた制度の見直しについてです。冒頭、説明もさせていただきましたが、今年度は新たにCCUSの活用促進コースをスタートさせていますが、引き続きニーズや事業効果を踏まえながら効率的、かつ効果的な支援制度となるよう検討を進めていきます。
 次に5番です。建設業務有料職業紹介事業及び建設業務労働者就業機会確保事業の運営です。令和7年度においては、5月に各委員の皆様に御審議いただきました就業機会確保事業について、計画変更の認定団体が1団体、新規の許可事業所が1企業ありました。審議の際はありがとうございました。現時点ですが、有料職業紹介事業の認定許可についてはありません。また、2ポツ目、一番下に書いてあるとおり、事業実施に必要な建設職業紹介責任者講習や雇用管理責任者講習、こちらは委託事業により実施しているところです。就業機会確保事業については、これまでの委員会においてCCUSに登録している建設事業主や技能者であれば緩和措置をするなど、人材の移動を柔軟にできるよう、制度を使いやすくしてもいいのではないかという御意見を頂いたところです。
 次に27ページを御覧ください。6番、外国人労働者の対応についてです。こちらも重要な課題かと思っています。外国人労働者の雇用管理の改善については、ハローワークや労働基準監督署により、雇用管理改善や法令遵守に対する指導を行っているところです。(2)技能実習生についても、技能実習制度から育成就労制度への移行を見据えつつ、引き続き実習実施者に対する法令の遵守に向けた周知や指導に取り組んでいきたいと思っています。
 続きまして、28ページを御覧ください。(3)特定技能外国人の適正な受入れについてです。これも認定基準の徹底や巡回指導に引き続き取り組んでいきます。
 最後、7番、新型コロナウイルス感染症の影響を踏まえた対応についてです。こちらは前回の委員会で御報告しましたとおり、感染症法上の分類変更に伴いまして、工期に関する基準から当該感染症の項目の削除を行ったことにより、今年度の取組は「-」とさせていただきました。
 以上、駆け足となりましたが、私からの説明は以上です。ただいま御説明させていただきましたとおり、これまでの第10次計画の5年間の取組を踏まえ7年度も、現行計画の最終年度になりますが、新たな取組を交えながら計画に沿って着実に進めていきますので、どうぞよろしくお願いいたします。また、委員の皆様からこれまで意見を頂いていますが、それについてすぐに対応が難しいところもありますが、それぞれの取組を所管する担当部署には共有させていただいているところです。幅広い意見を頂きたいと思いますので、どうぞよろしくお願いいたします。

○勇上座長 御説明ありがとうございました。それでは、ただいま事務局より御説明がありましたけれども、本件の内容に限らず建設業界の現状について、幅広に各委員から御意見、御質問等がありましたらお願いしたいと思います。各委員から幾つかまとめて御意見を伺った上で、厚生労働省からまとめてコメントをリプライしていただくという流れで進めたいと思います。では御意見、御質問等がありましたら、よろしくお願いします。岩田委員、お願いいたします。

○岩田委員 前回の意見を反映していただいて、ありがとうございます。重複するところもあるのですけれども、11次の策定ということですので、是非とも御検討いただきたい課題として、まず外国人とどう共生していくかです。これから労働者の不足ということで外国人の在り方検討会というのが立ち上がりました。育成就労と特定技能を連携させた形でキャリアパスをどう見せていくかということはあるのですけれども、外国人が母国に帰ったときのニーズとして、これまでの在留資格が鉄筋とか型枠とか限られていたわけですが、今回、育成就労でも建築・土木・ライフラインというような形で変わるのですかね。
 母国に、帰ってから鉄筋という限定した工種で就職される方はほぼないので、多能工的としていろいろな職種を日本で勉強してきましたということが彼らにとってはすごくメリットがあります。我々業界としても日本人も含めて教育の仕組みを考えながら、いろんな職種を体験させることができないかということも検討しています。他職種を経験する場合に在籍しながらということになるので、在籍出向の制度を柔軟に使えるように御検討いただきたいと思います。
 そうすることによって、外国人からのニーズに対応もできますし、我々としても多能工という本当の意味で1人の人間が色々な職種の能力を持っているということになると、評価基準としては相当高くなるので、日本人相当の賃金が出せるのではないかと言うことです。また、彼らとしても母国に帰ってからメリットがあります。在籍出向の在り方について、もう少し柔軟にできるように御検討いただきたいと思います。
 もう1つ、休みについてですけども、これから人がいなくなる中で、働き手が求める休みや処遇が提供できる産業に人が集まると思うのです。建設業は3Kな上に、データにもありましたが賃金が低くて労働時間が長いという現状で、やっと社会保険に入りましたとか、CCUSで評価して賃金を他産業並みにしていきますと言っても来るわけがない。
 ですので、他産業には無い働き方を打って出る必要があると考えています。例えば、命の危険性がある夏場は休んで家族や彼女と過ごしましょうというようなキャッチーで、働く人たちに響くような働き方を提案して、建設業が変わろうとしていることを強烈に何か打って出ないと、よその産業に合わせていくということでは人は来ないと感じております。例えば、生産性の高い春先の休日は日曜日だけにして、土曜の出勤分を貯めて夏(8月)を全部休むとか、年間の総労働時間を減らさずにできる方法はあると思うのです。この場合には年間変形労働時間制を利用すれば可能と思うのですけれども、この使い勝手が非常に悪いので、実態に即した形に制度を改正いただくか、若しくは運用面で活用できるようご検討をお願いします。建設業ならではの働き方改革という、何か打って出る上で、議論の中の1つの柱に据えていただきたいと思います。
 あとは、担い手確保に取り組む企業へのインセンティブについてです。マーケットでは担い手確保に向けて賃上げをしていこうという企業と、未だに外注を使って経営のリスクヘッジをしようという企業と競争しているわけですね。本当に人を雇用して育成しようという会社は、価格が上がったり下がったりする中でも担い手を確保しようと頑張っています。そのような企業に救済措置として手を打っていただきたい。例えば、賃上げした企業に税制緩和ができないか?。給与を何%上げれば法人税を何%に軽減しますよとか。そうすることによって、担い手確保への流れに勢いがつくのではないかと考えます。
 標準労務費というような形で、国土交通省のほうも賃金を安定化させようと、請負価格を安定させ、賃金を引き上げようとしていますけども、それまでには時間がかかります。それまでの間、企業が勇気を持って取り組めるような税制緩和やメリットを厚労省からも声を上げていただけないでしょうか。国交省にもお願いをしていますので、担い手確保のためにいろいろな省庁が動いて、そのような意見があるのだということを、是非とも財務省にも声としてお届けいただければと思います。
 最後になりますけども、学卒で来るのは普通校が圧倒的に多くなりましたので、普通校への対処をお願いします。工業高校の出前講座は相当やってきましたが、来ない状況にどんどん陥って、ライバルが建設業の中でも地場元請けみたいなことになっているので、親から見るとやはり指示する方と指示される方だと、指示する方がいいみたい親の感覚もあって、高校の先生からは非常に難しいと聞いています。当社についても普通校が圧倒的に多いわけですね。
 そういう意味で、これからは高校生だけではなくて小学校、中学生向けのアプローチとして「みらいのたからばこ」という取組を全国でもやっていて、すごい人気があるのです。一例で言うと、来られた子供のおじいちゃんが、百貨店の役員で、大きなビルの一角で子供に体験させられないか、是非ともうちの所でやってということで、吉本の芸人イベントとパティシエがお菓子を作るようなところと並んで、鉄筋を選ばれたのです。
 何で鉄筋かというと、やっている内容としては、鉄筋を切ったり、曲げたりする作業と、子供に作業服を着てもらって単管足場に安全帯を掛けて、「足下よし」と言ってもらうだけなのですが、その瞬間を親御さんに写真を撮ってもらう。子供も得意げにしてとても楽しんでいました。そして、列に並んでいる間に、建設業界の今など雑談をして話せる機会ができます。
 そういうところで楽しかったなと思えると、親に対するアプローチもできるのです。そのイベントをやる上で、相当財源的に「みらいのたからばこ」も困っているので、そういう小中学生向けのアプローチに手をもっともっと手厚く差しのべていっていただくと、彼らが働く時代になってきたときに、あのときこういうのがあったねというような、体験したことが職につながるというデータもあるようですので、是非ともそういうところも視点として、小中学生のアプローチに対する助成をもっともっと手厚くする方法はないかということも検討していただければと思います。長くなりましたけれども、以上です。

○勇上座長 ありがとうございます。それでは、横澤委員、お願いいたします。

○横澤委員 横澤です。第10次の実施状況に関する御説明をありがとうございました。先ほどの御報告を受けて、今後の第11次建設雇用改善計画の策定に向けて意見を申し上げます。まず11次計画の検討に当たっては、第10次計画の推進により、建設業の現場でどのような変化があったかを、客観的かつ定量的に検証することが重要であると考えております。例えば人材確保の観点から、入職者数、離職者数、離職率、職種別・分野別の年収の推移などの傾向について、分析結果等を共有し次期計画策定に向けて検討を進めていきたいと考えております。
 特に働き方改革の推進に関連して、工期に関する基準の周知の成果として、公共・民間工事における工期設定の変化や週休二日の確保状況、更には建設業における職種別・分野別の労働時間や労務費の推移などについて、今までの動向を把握したいと考えております。第11次建設雇用改善計画の策定に向けては、これまで厚生労働省が行ってきた取組の成果と課題等を委員に共有していただくことにより、専門委員会における建設的な意見交換につなげていきたいと考えております。今後の議論の参考とさせていただきたく、よろしくお願い申し上げます。以上です。

○勇上座長 ありがとうございます。あと1つぐらいお伺いしましょうか。では初野委員、お願いいたします。

○初野委員 初野です。御説明、ありがとうございました。熱中症については前回も岩田委員のほうから、厳しい御意見を頂いたところです。新しく熱中症対策ということで、厚生労働省からもいろいろな指針と施行等について出していただいている中ですが、こちらは事業者に対しての責務・義務ということで、発注者に対しての義務というのは一切ない状態です。事業者としては違反をした場合、是正しなければいけないという罰則が起こります。しかしながらWBGT測定器やカナリアを付ければ、どうしても費用が発生いたします。それは企業努力ではなくて、発注者として安全衛生費の中にちゃんと含んだ予算にする。工期設定に際しても、暑いときは通常の8時間の労働ができるわけではないので、それを見込んだ工期を設定していただく。そういったことを検討していただければと思うところが私の意見です。以上です。

○勇上座長 ありがとうございます。それでは厚生労働省からお願いします。

○和田山室長 ありがとうございました。幾つか御意見を頂きました。まず岩田委員からあった外国人のキャリアというところですと、現時点で御回答できる範囲ということになるかもしれませんが、分野別に人手不足の把握やキャリア形成に係る事項を含む、特定技能制度及び育成就労制度の分野別運用指針を作成することとされています。建設分野においても、建設分野の運用指針を検討することとされている国交省の検討会において、キャリア形成の在り方を含めて、今後、検討がなされるものと承知しております。その検討状況も踏まえ、11次計画にどのように反映させるかは、引き続き御議論、御意見を頂き、考えていきたいと思っております。
 それから在籍出向についてです。これは岩田委員のお考えと少し相反するかもしれないのですが、現行の技能実習制度の意義というか趣旨については、人材育成を通じた国際貢献が目的とされております。日本の雇用慣行に不慣れな外国人に対しては、雇用管理をより適切に行う必要があるというのが、大きなテーマというか趣旨です。在籍出向を含めて複数企業の雇用計画というのは、雇用の管理というところで適正に行われるかどうかも、まだ少し懸念があり、なかなか雇用計画が認められていないというのがその考え方ですので、現時点においては、その趣旨を御理解いただければと思っています。
 ただ、複数企業の就労ではなく、同じ企業の中で様々な技能を身に付けられるようにすべきという御議論の中では、技能実習制度においては同じ企業内であれば必須業務の従事割合が2分の1となっていたのが、技能実習制度に代わって設けられる育成就労では、3分の1は必須ですけれども、それ以外は同じ企業の中であれば、より多様な技能を身に付けられる見込みと聞いております。そのような状況を踏まえて、技能実習制度の在り方や外国人の在り方についても今後どのようにしていくか、次期計画に盛り込んでいくかを考えていきたいと思っております。
 それから、休み方改革のところですね。例えば8月1か月間お休みするという御意見については、現状は先ほど岩田委員からもお話があったとおり、猛暑日や寒冷など自然的要因における不稼働期間については、1年単位ではありますが、変形労働制による柔軟な対応が可能となっております。本日の資料には付けておりませんが、厚労省労働基準局で出している、変形労働制の導入のポイントをまとめたものがありますので、こういったパンフレットを活用して周知していくことが大事かと思っております。熱中症リスクというところも、この5年間において非常に重要な課題かと私も思っております。熱中症に対する取組や対策については、11次計画で考えていきたいと思っております。
 それから、賃上げについても業界全体で、機運の上昇が進んでいくというのが大事かと思っております。先ほど御説明したとおり、助成金を使っていただきながらの処遇の改善をしていくことが大事ではないかと思っておりますので、引き続き助成金を活用しながら機運の醸成、賃上げを進めていければと思っておりますし、あらゆる機会を通じて、利用促進に努めてまいりたいと思います。また、賃上げや処遇改善に向けて、CCUSの活用は大事だと思っておりますので、国交省とも連携しながら取組を進めていきたいと思います。
 岩田委員から最後に、小学生への建設業の魅力、建設業の体験などのアプローチがありました。こちらも非常に重要なテーマかと思っています。建設業というのは、働いている方々が格好良いと思ってもらえる取組が必要かと思っておりますので、こちらもアプローチの仕方等も含めて、国交省と連携しながら進めていきたいと思っております。
 横澤委員からは11次計画に向けて、建設業のこれまでの現状の変化や取組の状況についてというお話がありました。まさに今、こちらを取りまとめているところですので、この委員会においてなるべく早い段階で、皆様に資料を提示させていただいて、議論の一つとなるようにしたいと思っております。よろしくお願いします。
 初野委員からあった熱中症対策も御指摘のとおり、まさに発注者という立場からも何かというところは、非常に重要なポイントかと思っております。現状、この場で回答を持ち合わせてはいないのですけれども、そのような御意見があったということは、担当の部署のほうに伝えておきたいと思います。

○勇上座長 国交省はいかがでしょうか。

○国土交通省石井補佐 国交省建設振興課の石井です。よろしくお願いいたします。大よそ連携して取り組んでいくというところで、厚労省さんからいろいろ言っていただいたのですけれども、国交省としては、特に、昨年、建設業法の改正があり、賃上げにどうやってしっかり取り組んでいくかというところが重要かと思っております。
 国交省の範囲で言うと、建設業の請負契約の中の妥当性が、まず最初に出てきます。最終的にどのような適正な賃金が払われているかというところで言うと、指標のようなものを出す、CCUSレベル別年収というものを示すという取組はやっておりますが、それが払われていないから事業者を処罰するというところまでは、なかなかいかないと言いますか、賃金というところで言うと、最低賃金を所掌されている厚労省さんと連携した取組が必要かと思っております。先ほど、ちゃんと払っている所への税制優遇みたいな話もありましたけれども、最後はどうしてもどうやって払われるかが大事です。請負契約だけでなく、どういった形で賃金のところを厚労省さんと連携しながらできるか、引き続き取り組んでまいりたいと思います。
 また、魅力発信の取組も、人材協と言っておりますけれども、建設業界の皆様と枠組みの中で一緒に取り組ませていただいているので、そうした取組は引き続き進めてまいりたいと思います。
 最後に熱中症についてです。厚労省さんの熱中症のところで言うと多分、事業主というのがあると思うのです。国交省としては建設業法の中で、工期の基準というものを示しています。その中で熱中症の対策と言いますか、熱中症の要素、猛暑日における不稼働には考慮しなさいというところで、昨年の3月の改定でお示ししています。昨年の法改正で、これを工期ダンピングするとか、不適当な工期の設定をするといった、発注者側から「もっとこの工期でやれ」というように短くするようなものは、規制の対象になっているというように理解しておりますので、発注者向けにはそういったアプローチ要素もあるのかなと思いながら伺っておりました。以上です。

○勇上座長 ありがとうございます。よろしいですか。岩田委員、どうぞ。

○岩田委員 先ほどはちょっと言葉足らずでした。休みについて、コロナのときもそうだったように、医療と物流がエッセンシャルワーカーということで、「建設もエッセンシャルワーカーだ」と言っているのですけれども、メディアでは話題にもならないという現状だったと思うのです。
 この夏は暑く、熱中症対策はこうすべきだ、事業主や発注者は、ちゃんとこうすべきだという対策を強化して、少しでも事故を減らそうということなのですが、ちょっと視点を変えてもらったら、35℃以上で命の危険があるときに、「水飲んで働け」と言っている業界に人が来ますかということなのです。しかも中長期的に11次という計画の策定に向けては、何か強化して企業や発注者に責任を課すとか、ましてや働いている方だって、あの暑さの中、熱中症になろうと思ってなっている訳ではないのです。なので、休むべきではないかという議論からスタートすべきではないかと思うのですよ。
 そういう意味で、例えば8月はお休みにしませんかと。これを北海道で言うと、「冬場のほうがいいんだ」と言われるかと思ったら、帯広など40℃を超えている。もう今は全国的に異常気象で、本当に命の危険性がある中での対策の1つとして、命を守るために8月は休みませんかという視点なのです。命を守るということが、やはり一番大事だと思うので、その視点に立ち返っての議論をしていただきたいし、中長期的なビジョンとしては、そこを頭に入れていただけないかという御提案でした。すみません。

○勇上座長 大変重要な御指摘を頂きありがとうございます。第10次計画の検証が必要ではないかという、第10次に関わる御意見も頂いておりますけれども、既に第11次計画に関わる御意見もかなり頂いていると思います。次の議題は、第11次の方向性についての議論かと思います。残り30分を切っておりますが、皆様も第11次についての御意見をお持ちだと思いますので、進行として一旦、次の議題に行かせていただいてよろしいでしょうか。

○和田山室長 それでは、次の議題に移らせていただきます。次は11次の今後のスケジュール等について御議論いただければと思います。まず、資料2を御覧ください。建設労働専門委員会の開催等のスケジュールとなっております。
 こちらにつきましては、次期第11次計画を策定するに当たって、本年度の建設労働専門委員会のスケジュールに係る事務局案として示している資料です。資料の左側につきましては、現行の第10次計画、これは5年前の委員会の開催実績を記載しております。現行の第10次計画の策定に際して、前回は6回の委員会を開催しております。左側、前回第1回目につきましては、本日と同じく当時現行の9次計画の実施状況の御報告やスケジュールの検討、それから、それ以降の第2回にわたりまして、国交省や関係団体、学識者からのヒアリング、皆様からの発表をお願いしたところです。10月の第4回におきまして論点整理を行い、12月の第5回におきまして計画の素案をお示し、議論をしていただき、最終回である1月末の第6回において取りまとめとなっておりました。その後、2月26日に基本問題部会、親会にお諮りして、3月末の告示となったところです。
 今回ですが、次期第11次計画は前回の第10次計画策定時に沿いまして、資料の右側、スケジュール案として事務局案を示させていただきました。回数や議題、日程は前回を踏襲する形を取らせていただきたいと考えております。計画素案を検討していただく第5回委員会の実施時期は、1月末に開催する最終回の取りまとめに向けて事務局での次期計画案の検討をしっかりと行いたいという考えから、前回は取りまとめの素案の検討を12月21日とさせていただいたところですが、12月21日の年末から1月まで日がないこともありまして、今回は11月の下旬から12月の上旬辺りに、この素案の検討を開催させていただきたいと思っております。
 また、9月の71回、72回のヒアリングにつきましては、まず関係省庁として国交省から御説明をお願いしたいと考えております。業界団体は前回と同じ3団体の皆様、労働組合も3団体の皆様からヒアリングをお願いしたいと考えております。なお、学識者としまして、前回は蟹澤教授にお願いしていただいたところですが、今回は本委員会の委員にもなっておりますので、各委員会の中で専門的な見地から御意見や御指摘をその都度賜ろうと考えておりますので、特に学識者からのヒアリングは行わない方向で考えております。
 9月に実施していただくヒアリングのテーマにつきましては、改めて皆様方にお知らせしたいと思っていますが、ここで簡単に申し上げますと、業界の現状であるとか団体の取組、今後に向けての課題ということで、先ほど御説明させていただいた若者の入職・定着促進による担い手の確保・育成、魅力ある労働環境づくり、能力開発、技能継承、雇用管理、先ほど休み方や熱中症の取組等の御意見を頂きましたが、そういった課題について広く御説明、発表をお願いしたいと思っております。スケジュールについては以上です。
 最後に資料3として、第10次計画と第9次計画の比較表を付けさせていただきました。こちらですが、現行の第10次計画とその前の第9次計画の比較となっております。赤字の部分が変わった所です。第9次計画から第10次計画の内容変更につきましては、特に新型コロナウイルス感染症の拡大に伴うコロナ関係部分を多く追加させていただきました。また、CCUSについても多く追加させていただいたところです。今回も第11次計画につきましては、現行の第10次計画の新たな課題などを踏まえて追加、削除という形を策定させていただければと思いますそのような方針で進めさせていただきたいと思っておりますので、よろしくお願いいたします。事務局からの御説明は以上です。11次計画の意見も踏まえまして、スケジュール案について御意見を頂きたいと思っています。よろしくお願いします。

○勇上座長 御説明ありがとうございました。それでは、11次計画についての御意見並びに今後の進め方についてなど、御意見や御質問をお願いいたします。蟹澤委員、お願いします。

○蟹澤委員 蟹澤です。個別の意見については本当に岩田会長、初野委員のおっしゃるとおりです。11次計画に向けて、せっかく9次から10次も大きな発展をしましたので、11次を考える前提としての大きな枠組みのお願いだけをしておきたいのです。まず1つは、外国人が育成就労制度に再来年から変わるという前提、これは無視できないことだと思うのです。これの大きなポイントは、制度が変わるだけではなくて、育成就労は転社ができるのですよ。いわゆるジョブ型労動市場になってしまうのです。だから、今までのいろいろな労働法の前提の雇用主責任というのに余りにこだわりすぎると、移動してしまって、今までこの産業でずっと問題だった、一生懸命訓練したり保険に入れたりすると、そこから動かれてしまうというところが、もう一回問題として出てきてしまうのですよね。
 そういう意味でいうと、今までいろいろな、先ほど岩田会長がおっしゃったような在籍出向や就業機会ということにも絡んでくるのです。要するに、我々が念頭に置くのは、外国人は動けてしまうんだと。その制度にどうやって合わせていくかということを考えなければいけないのだろうなと思います。ただ、非常に大きな問題なので、今までの労働法などの前提と合わない部分もたくさん出てくるのですが、そこをどうするかが非常に大きなポイントになるのではないかなと思います。
 そういう意味でいうと、この育成就労で来た方々が、これはもう、困ったら帰してしまうものでも、期限がきたら帰してしまうというものでもないので、この訓練や育成というのをどうするか。今まで、例えば緊急育成事業のときにのみ就業前教育という訓練ができたわけですが、今回、本格的に雇用される前にどう訓練するか、ミスマッチがあったら、次の職種に行くためにその職種の訓練をどうするかなど、それも雇った人の責任ではなくて、業界としてその捉え方が、先ほどの岩田会長の御意見に対して、複数で雇用するみたいな概念はないというようなこともあると思いますが、これも産業全体でみたいなことをそろそろ考えなければいけないのかなというように思っております。
 2つ目です。第10次でCCUS、どちらかというと国交省のほうで立ち上げた制度をかなりこの雇用改善計画でもサポートをしていただいているわけです。これについても、もうCCUSという、ある意味インフラというか基盤で、多分8月で170万人になります。このままいくと技能者は毎年2~3%ずつ減っていて、CCUSはずっと増えているわけなので、多分あと数年で均衡してしまう、ほぼ100%状態。あと、町場をどうするかという問題が残るにせよ、かなり均衡してくるということは、今度、11次ぐらいからはもうCCUSがある。建設業界でこの11次雇用改善計画の対象になる人は身元確認がされていて、カードを持っていて、それから今後、育成就労にも合わせると、能力評価のカードに色が付くような制度の前提の下にいろいろなことを考えなければいけないのだろうと。まず、この11次雇用改善計画の前提としてCCUS、今度は厚労省としてサポートという感じではなくて、制度の前提とされてもいいのではないかなと思います。そうすると、先ほどのマイナポータルの資格の原本承認の問題など、いろいろなことが開けてくるのかなと。これもかなり御尽力いただいて、今のところ特別教育的なものについてはお認めいただいているのですが、まだ本丸のほうがこれからという問題がありますので、そういうことがあるかなということです。
 3つ目は、この酷暑問題について、これはもう別枠として、厚労省として、今の熱中症対策も省令改正していただきましたが、あくまでも雇用主責任になっているのですよ。だから、仮囲いの中で運営責任もあるので、ゼネコンもかなり皆さんにカナリアを貸し出すことはしてくださっているのですが、最終的には雇用主責任になってしまうので、これを突き詰めていくと、前から問題にある、雇用者だと引っ掛かるので一人親方にしちゃえなんてことになったらもう最悪なものですから。この酷暑対策、それに伴う工期の変更などについては、国交省は国交省でいろいろ進めてくださって、お金の問題などについては進めてくださっているのですが、ある数値の限度を超えたら、これは厚労省のほうの法律としてもう駄目なんだと、もうこれ以上働かせたらそれは雇用主責任ではなくて、発注者なり元請責任だというようなことをしっかりと打ち出してもいいのではないかと思います。
 これはもう、それしか解決策がないですし、そこから逆にたどっていって、例えば岩田会長がおっしゃったような、真夏は休んで気候のいいときに土曜日も働いて貯めるみたいなのがあるのですが、いわゆる3か月ルールみたいなもので、年間平均にしてもできないのですよ。だから、建設業はそんなことも考える必要があるのだと。従来の法律の枠というのはあるのだけれども、この酷暑については、そこは取っ払って考えなければいけないぐらい、項目として1つ起こすぐらいのものがあってもいいのではないかなと思います。そうすると、初野委員、岩田委員のおっしゃっていたことというのは、業界の意見だということをしっかりと打ち出せる。告示ですので、そんなに強い権限はないのですが、そこから全体にしっかり。要するに、これは建設業界がリードしていかなければいけない問題なので、産業全体で考えていただく問題にもつながっていくと思います。
 私としては大きく3つの枠組みとして、外国人がジョブ型になってしまう中で、日本人もどう制度を作ってくかということと、CCUSは基盤として、もう前提としてできるのではないかということ、暑さ対策の問題、労働時間もいろいろ含みますけれども、これはもう項目として1つ起こしてもいいのではないかということを申し上げておきたいと思います。よろしくお願いします。

○勇上座長 蟹澤委員、ありがとうございます。松葉委員、お願いします。

○松葉委員 11次計画についてです。先ほど岩田委員から、賃上げをする企業に勇気を持って踏み出せるようなメリット、正におっしゃるとおりだと思います。そこにもう一点で言いますと、地域の町場の中小建設事業主は、若者を新規雇用することになかなか踏み出せない。昔は弟子を取ってというのをやっていたが、今はそうした余裕がないから、先が見通せないからなかなか難しい。本当に一歩を踏み出せない事業所は多い、というのを実態として感じております。そのため、先ほど賃上げを踏み出せるようにということだったのですが、それにプラスして、実際に雇用をして、踏み出して頑張ってくれている事業主に対して、助成金を更に上乗せするといったインセンティブを与えるということを是非、併せて考えていただければと思っております。
 そもそも処遇改善をする、休日を確保するというのは大前提でありますし、キャリア教育などで小中学生に魅力を発信することももちろん大事なのですが、併せて、担い手の受皿となる事業所にインセンティブを提供して、技能者育成に取り組む動機付けをする必要があると考えております。
 もう1つ、その動機付けにもなりますので、CCUSの普及促進を11次計画に入れる中で、やはり施工能力の見える化、企業評価をもっと具体的に踏み出せるようにしていただければと考えています。この見える化は、大枠でいうとCCUS登録を活用して、技能者を育成している企業が評価をされる仕組みだと認識をしています。そのことによって評価をされ、受注が増えることになれば、技能者を雇用し、育成をする、そうすると評価をされて受注が増える。受注が増えることによって技能者の処遇改善につながるといった、CCUSの本来目的である好循環が生まれることになりますので、11次計画においても、是非重点に置いていただければ幸いです。私からは以上です。

○勇上座長 ありがとうございます。では、ここで厚生労働省からお願いします。

○和田山室長 ありがとうございます。蟹澤委員からお話があった、大きな柱の外国人は、まさにそのとおりだと思っております。現行の10次計画の外国人部分の記載は後ろのほうにあるので私が今、構想として考えているのは、柱立ては担い手確保のほうに、大きな柱のほうに持っていこうかなと思っております。先ほど申し上げたように、今、国交省のほうで在り方検討会を進めておりますので、その検討の方向性を踏まえて、この11次計画にどういうように盛り込んでいくかというところを考えてまいりたいと思います。引き続きどうぞよろしくお願いいたします。
 CCUSについては、松葉委員からもお話があったとおり、170万となった中で、持っていて当たり前、あとは、これがどういうようにこの建設業界において使われていくか、評価されていくかというものになると思いますので、そういうことを前提に11次計画は考えてまいりたいと思います。
 最後、酷暑対策については、繰り返しになりますが、現状、ちょっと発注者の在り方などについては答えを持ち合わせてはいないのですが、担当部署とも確認し計画にどこまでこの酷暑対策を伝えられるかというところは、よく相談をしてまいりますので引き続き、皆様に御意見いただければと思います。よろしくお願いします。

○勇上座長 ありがとうございます。国交省はいかがでしょうか。

○国土交通省石井補佐 11次計画というところですが、これまで各種助成金を措置いただいて、我々が手の届かない所にもいろいろやっていただいていることに感謝しております。助成金については引き続きこの計画に沿って進めていただければと思っております。この次は多分5年ということになると思いますが、御指摘のとおりCCUSは大分普及してくるというようになろうと思いますので、これまで御指摘が出てきたところもそうですし、先ほど触れさせていただいた賃金の位置付けというところも、また御相談させていただきながらできればと思っております。施工能力の見える化も当然、我々としても推進しておりますし、また、自主宣言制度など、いろいろなツールで普及促進ができればと思っておりますので、御相談させていただきながら11次計画を検討できればと思います。以上です。

○和田山室長 すみません、松葉委員から、もう1つありました。新規で雇用をしようとする事業者が踏み出せないという問題については、まさに我々労働行政が担っていかなければいけないところです。我々のほうでは助成金というところで支援という形をさせていただきますが、雇用を考えている経営者がなかなか一歩を踏み出せない、それから、担い手を確保するため、入職促進のために頑張っている中小企業の経営者の皆様であるとか、その入職後に定着に向けて頑張っている事業主の皆様に何かできないかというのは引き続き考えてまいりたいと思います。ありがとうございます。

○勇上座長 ありがとうございます。西委員、お願いいたします。

○西委員 全建総連の西と言います。本日、午前中の「社会資本整備審議会住宅宅地分科会」では、中間取りまとめの素案が出されて、その中でこんな表現があります。「女性・外国人をはじめ、多様な人材の活躍の推進に向けた魅力ある職場づくりにつながる取組や発注者への適切な工期設定の促進等による住宅建設技能者に係る働き方改革の推進やCCUS等の普及・拡大等による住宅建設技能者の技能の見える化や処遇改善の推進を図る」。そんな表現がされているので、ここで御紹介しておきます。これから取りまとめられる11次計画では、私たちも非常に大きな期待を寄せていますので、建設業の就業がより良くなるように、厚労省の皆さんにも御尽力いただきたいと思いまして、最後に発言させていただきます。以上です。

○勇上座長 ありがとうございます。よろしいですか。堀川委員、よろしくお願いいたします。

○堀川委員 奥村組の堀川でございます。多分、言わずもがなのことだと思うのですが、先ほどヒアリングのスケジュールの中で、各団体と述べられていたのですが、この第10次の計画の期間中に、かなり女性の団体が増えてまいりました。国交省が音頭を取られております建設産業女性定着支援ネットワーク、日建連等が音頭を取られておりますけんせつ小町委員会、そのような集まりで女性が発言する機会が増えてきて、様々な課題をそれぞれ聞き取っていると思います。そこもすくい上げていただけたら有り難いと思いまして、最後に言わずもがなですが、述べさせていただきます。よろしくお願いいたします。

○勇上座長 ありがとうございます。では、厚生労働省からお願いします。

○和田山室長 ありがとうございます。今、西委員、堀川委員からありました外国人、女性への支援についてですが、まさに大きなテーマになるかと思っております。いずれにしても魅力ある職場づくり、発信というところが大事だと思っておりますので、そういった中で今、施策としていろいろツールはあるのにうまく活かせていない部分も正直あるのかと思っておりますので、そこを発展できるような取組を進めるとともに、この11次計画にそれがうまく盛り込めるように考えてまいりたいと思います。ありがとうございます。

○勇上座長 ありがとうございます。それでは、ほかによろしいですか。それでは、次の議題に移りたいと思います。3つ目の議題は「その他」となりますが、各委員からほかに御質問、御意見がございましたら御発言をお願いいたします。横澤委員、その後、吉田委員ですね。お手を挙げていただきました。

○横澤委員 国交省の関係になってしまうと思うのですが、先ほどレベル別年収のお話も若干頂いておりますが、前回から更新されていないということで、今後の新しいレベル別年収の見直しは、いつ頃を予定されているのか、もしお分かりになれば、お教えいただきたいということです。

○国土交通省石井補佐 レベル別年収のところですが、改正建設業法に基づく労務費の基準と連動して検討しているところで、改正法の全面施行は、今年の12月を予定しています。そこで、レベル別年収を位置付けの再整理なども含めつつ、そのタイミングで改めてお示しするというところに向けて今、検討しています。

○横澤委員 ありがとうございます。

○勇上座長 ありがとうございます。では、吉田委員、いかがですか。

○吉田委員 沼田土建の吉田です。これまで外国人の話が出ていますが、1点、技能者と技術者では、やはりキャリアパスが違うのではないかと。そこを押さえておく必要があるかと思います。やはり技術者、現場監督を育てるとなりますと、10年、15年ぐらいは掛かるというところですね。日本語の習得能力にもよりますが、15年掛かるとなると、やはり一企業で育てるというのは、負担が大き過ぎるというのがあります。ここの手当を何か考えていただきたいというのがあります。それだけ企業の負担が大きくてもなお外国人の技術者を雇用していかないと、人が全然入ってこない、そういった現状も地方の建設業にあります。リアルな話を申し上げますと、例えば地元の工業高校に入ってくる学生全員が建設業に興味を持って入ってくるわけではなくて、やはり学力や家から近いといった、そういった簡単な理由で工業高校に入ってくる学生が多くて、今年の話ですと、会社訪問が地元の工業高校からはゼロでした。聞きますと、8割は他業種にばらけてしまうということなのです。なので、まだまだ建設業の魅力というものが伝わりきれない。3年間、建設業を学んだとしても選んでもらえないという、そういった現状もある。そこら辺を押さえていただきたいと思います。以上です。

○勇上座長 ありがとうございます。厚生労働省からお願いします。

○和田山室長 ありがとうございます。魅力発信については、先ほどからも御案内させていただきましたが、様々なツールを通じて建設業の魅力発信をしていかなければいけないと思っております。外国人の技能育成についても、繰り返しになりますが、今後の育成の在り方検討会について、議論を踏まえて厚労省としてもどういったことができるかを考えてまいりたいと思っております。
 まさに先ほど岩田委員からもあったように、普通校の方も入っていただかないと駄目な時代かと思っております。そういう意味で我々も今、事業の中で工業高校を中心にしたアプローチをやっているのですが、これをもう少し広げていかなければ駄目かと思っておりますので、普通校も視野に考えていきたいと思っております。ありがとうございます。

○勇上座長 ありがとうございます。ほかはよろしいですか。ほかに御発言がないようでしたら、本日の審議はこの辺りにしたいと思います。最後に事務局から、その他の連絡事項がありましたらお願いします。

○大原補佐 ありがとうございます。長時間にわたり御議論いただきまして、ありがとうございました。本日の議事録については後日、委員の皆様に内容を御確認いただきたく存じますので、よろしくお願いいたします。
 次回の開催予定は調整中で、この場で確定の日程がお伝えできないのですが、9月上旬を予定しております。次回及び次々回は、先ほど説明を申し上げたとおり、建設業の現状と課題について、関係機関からのヒアリングを予定しております。日程については、改めて御連絡を差し上げます。事務局からの連絡は以上です。

○勇上座長 ありがとうございました。それでは、本日の専門委員会は、これで終了させていただきます。本日はお忙しいところ、ありがとうございました。また、オンラインで御出席の委員の皆様におかれましては、適宜、御退室をお願いいたします。どうもありがとうございました。
 
(了)