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- 中央社会保険医療協議会薬価算定組織 議事録令和6年度第8回
中央社会保険医療協議会薬価算定組織 議事録令和6年度第8回
日時
第8回:令和7年2月14日(金)
場所
オンライン開催
出席者
<委員>
第8回
弦間昭彦委員長、齋藤信也委員、田﨑嘉一委員、立石敬介委員、眞野成康委員、三澤園子委員、諸井雅男委員、岩田淳専門委員、神田善伸専門委員、木崎昌弘専門委員、山口正和専門委員
<事務局>
清原薬剤管理官 他
議題
新薬の薬価改定について
議事
ウプトラビ錠小児用0.05mg
○薬価算定組織委員長
日時:令和7年2月14日(金)
「ウプトラビ錠小児用0.05mg」です。特に意見を伺う委員として小方先生、諸井先生にお願いしております。
事務局から、事務局算定案について、欠席委員の御意見も含め、簡単に説明をお願いいたします。
○事務局
(事務局より、薬価算定原案について説明)
○薬価算定組織委員長
ありがとうございます。
それでは、算定案について御意見をいただければと思います。
□□先生、いかがでしょうか。
○□□委員
まず算定方式ですが、比較薬としてウプトラビ錠の0.4mgがあるため、類似薬効比較方式(Ⅰ)よりも規格間調整で行うということは妥当だと思います。
それから、補正加算に関してですが、小児加算は20%で妥当と思われます。
有用性加算に関して、要件ハの③-aあるいはニの④-bについてですが、基本的にエポプロステノールナトリウム静注用0.5mg「ヤンセン」及び同静注用1.5mg「ヤンセン」が点滴薬として小児に用いられているわけでございますが、経口薬の本剤のほうが有用ではないかということを申請者は訴えられているのでないかと思うのですが、経口薬であっても高用量になると、これは1錠あたりの用量が少ないので、非常に投与量、1回に服用する錠数が多くなってくるということ、これは患者や保護者が管理の面で少しリスクを負うのではないかというのが事務局で述べられていると思います。おくすりケースを使用することによる利点はあるのですが、その管理が多少煩雑になることが必ずしも安全性が高いとは言えないということで述べているのですが、審査員の先生も有用性加算に関してこの安全性というのをどの辺まで評価するのかなと私は疑問に思ったのですが、この辺は事務局にお聞きしたいのですが、有用性と安全性という場合はある程度相反するところもあるのですが、有用性加算に関してどのように考えていけばよろしいのですか。
○事務局
事務局でございます。
御質問いただきましてありがとうございます。
まず③-aの評価の基本的な考えといたしましては、既存の治療方法と比較いたしまして効果が不十分な患者群に有効性が認められること、既存治療が使用できない患者群に使用できるといった点について、臨床的位置づけや審査報告書での評価結果等を踏まえて該当性を判断しているところでございます。
この③-aで示されている項目のうち、安全性等の理由で既存の治療方法が使用できない患者群についてこれまで評価した事例を御紹介させていただきますけれども、まず既存薬に重篤な肝障害や薬物相互作用等があって、全身作用を目的とした同剤が使用できないという患者に対して使用可能となるような品目について、この③-aの項目で評価を行った事例がございます。また、既存治療に用いられる薬剤に対して過敏症があり、その薬剤が使用できなくなった患者についても使用可能なものであって、有用性が示された品目について過去に評価した事例もございます。
御説明は以上でございます。
○薬価算定組織委員長
□□先生、いかがでしょうか。
○□□委員
理解はしました。よろしいと思います。
○薬価算定組織委員長
ありがとうございます。
他の先生方、いかがですか。
それでは、薬価算定組織としての意見をまとめたいと思います。算定概要における算定結果について、算定薬価、最類似薬、算定方式、補正加算等、いずれの項目につきましても事務局の見解が適当ということでよろしいでしょうか。
(首肯する委員あり)
○薬価算定組織委員長
ありがとうございます。
それでは、算定案どおりとさせていただきます。当該企業が了承しましたら、中医協に報告したいと思います。
ゼポジアカプセル0.92mg、ゼポジアカプセルスターターパック
日時:令和7年2月14日(金)
○薬価算定組織委員長
「ゼポジアカプセル0.92mg、ゼポジアカプセルスターターパック」です。特に意見を伺う委員として立石先生、森山先生にお願いしております。
事務局から事務局算定案について、欠席委員の御意見も含め、簡単に説明をお願いいたします。
○事務局
(事務局より、薬価算定原案について説明)
○薬価算定組織委員長
ありがとうございます。
それでは、御意見をお願いしたいと思います。
□□先生、いかがでしょうか。
○□□委員
拝見しましたけれども、補正加算あるいは価格調整についても、事務局案の論旨について異存はありませんでしたので、妥当と考えております。
○薬価算定組織委員長
ありがとうございます。
他の先生方、いかがでしょうか。よろしいでしょうか。
それでは、薬価算定組織としての意見をまとめたいと思います。算定概要における算定の結果について、算定薬価、最類似薬、算定方式、補正加算等、いずれの項目においても事務局の見解が適当ということでよろしいでしょうか。
(首肯する委員あり)
○薬価算定組織委員長
ありがとうございます。
それでは、算定案どおりとさせていただきます。当該企業の了承があれば、中医協に報告したいと思います。
ブルキンザカプセル80mg
日時:令和7年2月14日(金)
○薬価算定組織委員長
「ブルキンザカプセル80mg」です。特に意見を伺う委員として木崎先生、眞野先生にお願いしております。事務局から事務局算定案について、欠席委員の御意見も含め、簡単に説明をお願いいたします。
○事務局
(事務局より、薬価算定原案について説明)
○薬価算定組織委員長
それでは、事務局算定案につきまして御意見をお願いしたいと思います。
□□先生、いかがでしょうか。
○□□委員
事務局の案で特に異論はありませんので、このままでよろしいかと思います。
○薬価算定組織委員長
ありがとうございます。
それでは、□□先生、お願いします。
○□□委員
私も事務局案で妥当だと考えております。BTK阻害薬は既に4剤上市されておりますし、その間の優劣がなかなかつきにくい現状におきましては、事務局案が妥当だと考えております。以上です。
○薬価算定組織委員長
ありがとうございます。
ほかの先生方、いかがでしょうか。よろしいでしょうか。
それでは、薬価算定組織としての意見をまとめたいと思います。算定概要における算定結果につきまして、算定薬価、最類似薬、算定方式、補正加算等、いずれの項目につきましても事務局の見解が適当ということでよろしいでしょうか。
(首肯する委員あり)
○薬価算定組織委員長
ありがとうございます。
それでは、算定案どおりとさせていただきます。当該企業が了承すれば、中医協に報告したいと思います。
ブリィビアクト静注25mg
日時:令和7年2月14日(金)
○薬価算定組織委員長
「ブリィビアクト静注25mg」です。特に意見を伺う委員として田﨑先生、三澤先生にお願いしております。
事務局から、事務局算定案について、欠席委員の御意見を含め、簡単に説明をお願いいたします。
○事務局
(事務局より、薬価算定原案について説明)
○薬価算定組織委員長
それでは、算定案に対する御意見をお願いしたいと思います。
□□先生、いかがでしょうか。
○□□委員
主に□□に関する□□についてコメントいたしますが、事務局どおりと思いまして、□□□□という意見に賛同いたします。
以上です。
○薬価算定組織委員長
ありがとうございます。
□□先生、いかがでしょうか。
○□□委員
私も有用性加算については事務局案どおりでよいと思います。また、最類似薬についても事務局案が適当と思います。以上です。
○薬価算定組織委員長
ありがとうございます。
他の先生方、御意見等はございますでしょうか。□□によるということであろうと思いますけれども、よろしいでしょうか。
それでは、薬価算定組織としての意見をまとめたいと思います。算定概要における算定結果について、算定薬価、最類似薬、算定方式、補正加算等、いずれの項目におきましても事務局の見解が適当ということでよろしいでしょうか。
(「結構です」と声あり)
(首肯する委員あり)
○薬価算定組織委員長
ありがとうございます。
では、算定案どおりとさせていただきます。当該企業が了承すれば、中医協に報告いたします。
クアルソディ髄注100mg
日時:令和7年2月14日(金)
○薬価算定組織委員長
「クアルソディ髄注100mg」です。特に意見を伺う委員として三澤先生、岩田先生にお願いしております。
事務局から事務局算定案について、欠席委員の御意見を含めて、簡単に御説明をお願いいたします。
○事務局
(事務局より、薬価算定原案について説明)
○薬価算定組織委員長
ありがとうございます。
それでは、事務局算定案についての御意見をお願いしたいと思います。委員の先生方からございますでしょうか。
まず□□先生、いかがでしょうか。
○□□委員
主に③-bについてコメントをさせていただきます。現在の書きぶりからしますと、③-bの算定は難しいという事務局判断は妥当と考えております。ただ、毎回問題だなと思っていますけれども、新薬として承認された段階で標準的治療として強く推奨されているという状況はなかなか難しいので、ここの解釈、運用については検討が必要だなと考えます。以上です。
○薬価算定組織委員長
ありがとうございます。
□□先生、いかがでしょうか。
○□□委員
ありがとうございます。
事務局案を修正すべきというほどではないと考えております。ただし、今、□□先生もおっしゃいましたけれども、こういった新薬が登場した時点から標準的になるということはまずあり得ないので、そういった将来を見越してどうなのかということは少し考えておいたほうがいいのかなと思った次第でございます。
○薬価算定組織委員長
ありがとうございます。
他の先生方からいかがでしょうか。
新薬の段階でまず横並びのような状態まではなるとは思うのですけれども、これは希少疾患にかかわらず、その後いろいろ大規模な臨床試験ができるような対象のものにおいても順位づけが後で検証されるので、この辺りは、ガイドライン等での書きぶりということになろうと思うのですけれども、これもエビデンスがない中でなかなか難しい状況ですよね。少なくとも現時点では③-bは今までの判断との整合性を考えると厳しいということでよろしいでしょうか。
それでは、特にないようでありましたら、薬価算定組織としての意見をまとめたいと思います。算定概要における算定結果について、算定薬価、最類似薬、算定方式、補正加算等、いずれの項目においても事務局の見解が適当ということでよろしいでしょうか。
(首肯する委員あり)
○薬価算定組織委員長
ありがとうございます。
それでは、事務局の見解が適当ということにさせていただきます。当該企業が了承すれば、中医協に報告いたします。
ファセンラ皮下注30mgペン
日時:令和7年2月14日(金)
○薬価算定組織委員長
「ファセンラ皮下注30mgペン」です。特に意見を伺う委員として福田先生、眞野先生にお願いしております。事務局から事務局算定案について、欠席委員の御意見を含めて、簡単に説明をお願いいたします。
○事務局
(事務局より、薬価算定原案について説明)
○薬価算定組織委員長
それでは、この算定案に対する御意見をお願いしたいと思います。
□□先生、いかがでしょうか。
○□□委員
算定方式も小児加算に関する考え方も事務局案が妥当だと思います。
以上です。
○薬価算定組織委員長
ありがとうございます。
それでは、委員の先生方からほかの御意見等はございますでしょうか。よろしいでしょうか。
それでは、薬価算定組織としての意見をまとめたいと思います。この算定結果について、算定薬価、最類似薬、算定方式、補正加算等、いずれの項目につきましても事務局の見解が適当ということでよろしいでしょうか。
(首肯する委員あり)
○薬価算定組織委員長
ありがとうございます。それでは、算定案どおりとさせていただきます。当該企業の了承があれば、中医協に報告したいと思います。
ゼップバウンド皮下注2.5mgアテオス、ゼップバウンド皮下注5mgアテオス、ゼップバウンド皮下注7.5mgアテオス、ゼップバウンド皮下注10mgアテオス、ゼップバウンド皮下注12.5mgアテオス、ゼップバウンド皮下注15mgアテオス
日時:令和7年2月14日(金)
○薬価算定組織委員長
「ゼップバウンド皮下注2.5mgアテオス、ゼップバウンド皮下注5mgアテオス、ゼップバウンド皮下注7.5mgアテオス、ゼップバウンド皮下注10mgアテオス、ゼップバウンド皮下注12.5mgアテオス、ゼップバウンド皮下注15mgアテオス」です。特に意見を伺う委員として齋藤先生、諸井先生にお願いしております。事務局から、事務局算定案について、欠席委員の御意見を含めて、簡単に説明をお願いいたします。
○事務局
(事務局より、薬価算定原案について説明)
○薬価算定組織委員長
それでは、算定案に対する御意見をお願いしたいと思います。
□□先生 、いかがでしょうか。
○□□委員
まず算定方式ですが、基本的には事務局案に賛成でございます。原価計算方式と類似薬効比較方式を比較し原価計算方式を採用したという点です。
その際に1つ教えていただきたいことがあって、リポジショニング医薬品の薬価算定の特例というのが事務局案としては出ているのですが、これをもうちょっと教えていただけないでしょうか。
○事務局
ありがとうございます。
リポジショニングについて説明が不足しており、失礼いたしました。
リポジショニング特例は、「薬価算定の基準について」の第2章第3部の「新薬収載品の薬価算定の特例」7になりまして、組成及び投与形態が同一で効能・効果が異なる既収載品がある新薬の薬価算定に関する特例になります。
組成及び投与形態が同一で効能・効果が異なる既収載品がある新薬については、類似薬がある場合でも原価計算方式によって算定される額を当該新薬の薬価とする。ただし、当該原価計算方式によって算定される額が、新薬算定最類似薬を比較薬として、類似薬効比較方式(Ⅰ)によって算定される額、または類似薬効比較方式(Ⅱ)によって算定される額を超える場合には、類似薬効比較方式(Ⅰ)又は(Ⅱ)によって算定される額を当該新薬の薬価とするというものとなっております。
○□□委員
了解いたしました。それで、原価計算方式を行ったということでよろしいと思います。
それから、有用性加算ですが、これも事務局案に賛成でございまして、有用性加算としてはちょっと算定が足りないということと、外国平均価格調整も使用実態が違うということで該当しないということに賛同いたします。
あとは、類似薬です。最類似薬はセマグルチド、これは申請者も事務局も同様でございますし、特にこれで問題はないと考えます。
以上です。
○薬価算定組織委員長
ありがとうございます。
それでは、□□先生、いかがでしょうか。
○□□委員
基本的には同じなのですけれども、さきほどのリポジショニング特例で原価計算のほうが低い価格になったのでそちらにしたというのはよく分かりました。原価計算方式で行ったときの開示率の関係について、今回事務局は有用性加算を認めていないのですけれども、もし、有用性加算を認めた場合は、最後の開示率により、加算は認めたものの加算係数0という前提で、どちらが高い、安いを比較するのですか。それとも、開示率は無視して、一応は有用性加算を取りあえずつけた値段で比較するのですか。教えていただけたらと思います。
○事務局
御質問いただきありがとうございました。
リポジショニング特例で原価計算方式と類似薬効比較方式によって算定された額を比較しているけれども、もし有用性加算を認めた場合、補正加算を行った額で比較するのですかという御質問と理解させていただきました。こちらに関しましては、補正加算の対象となる場合には、当該額に補正加算を行った価格で比較することとなっております。
○□□委員
もう一点質問してよろしいでしょうか。リポジショニング特例でいうと、素直に考えると、同じ成分ですから、同じ成分の薬を相手にして比較するほうがいいような気もするのですけれども、ここはいわゆる類似薬効比較方式のいつものやり方で、つまり、類似薬の考え方はいろいろ観点があるということを伺っているのですが、そういうことで今回は、同じ成分の薬ではないものを選んだということでいいのでしょうか。
○事務局
御質問いただきありがとうございます。臨床的位置づけが同じものを選んだということになります。
○□□委員
リポジショニング特例で類似薬効比較方式によって算定するときは、薬とすれば成分は同じ薬だけれども、それを必ずしも選ばなくて、類似薬効という枠組みの中で一番ふさわしいものを選ぶという考えということですね。ありがとうございました。
○薬価算定組織委員長
ありがとうございます。
それでは、ほかに御意見はございますか。特にございませんでしょうか。
それでは、薬価算定組織としての意見をまとめたいと思います。算定概要における算定結果について、算定薬価、最類似薬、算定方式、補正加算等、いずれの項目につきましても事務局の見解が適当であるということでよろしいでしょうか。
(首肯する委員あり)
○薬価算定組織委員長
ありがとうございます。
それでは、算定案どおりとさせていただきます。当該企業が了承すれば、中医協に報告したいと思います。
ダトロウェイ点滴静注用100mg
日時:令和7年2月14日(金)
○事務局
ダトロウェイの審議でございますけれども、弦間先生に御退席いただいた上、議事進行を眞野委員長代理にお願いしたいと考えております。
○薬価算定組織委員長
では、退室します。
(弦間委員長退室)
○薬価算定組織委員長代理
「ダトロウェイ点滴静注用100mg」です。特に意見を伺う委員として田﨑先生、山口先生にお願いしております。事務局から、この算定案について、また欠席委員の意見を含めて説明いただければと思います。
○事務局
(事務局より、薬価算定原案について説明)
○薬価算定組織委員長代理
それでは、事務局算定案に対する御意見をお願いします。
□□先生、いかがでしょうか。
○□□委員
特に問題ないと思います。事務局案が適当であると考えております。
以上です。
○薬価算定組織委員長代理
ありがとうございます。
委員の先生方からほかに御意見があれば、御発言をよろしくお願いします。
どうぞ。
○□□委員
エンハーツを類似薬効比較方式の比較薬とすることはできないのでしょうか。事務局のコメントをいただけたらと思います。
○薬価算定組織委員長代理
事務局、いかがでしょうか。
○事務局
エンハーツを類似薬効比較方式の比較薬とする可能性について見解を述べさせていただきたいと考えております。
先生方の御指摘のとおり、Trop-2を標的とすることを優先させるか、また、ADCで適応症を優先するか等、類似薬の選定というのは検討すべき点が幾つかあると考えております。ただ、どの観点を一番優先させるべきかといったところについては、なかなか決まりがないようなところでもございます。
今回比較薬として選定いたしましたトロデルビ点滴静注用200mgにつきましては、11月の薬価算定組織において御審議いただいた品目となっております。当時の議論の中でもエンハーツ点滴静注用100mgのようなADCを優先させてもよいのではないかといった御意見もありましたが、トロデルビのときにはトリプルネガティブ乳がんを対象としていることで加算を得ている品目である点等を総合的に勘案して、効能が最も近いテセントリク点滴静注840mgを最類似薬として算定しております。
翻って、今回、本剤の算定に当たっては、効能・効果に少し差異はあるものの、抗体薬物複合体であり、かつTrop-2を標的としているトロデルビ点滴静注200mgが既に収載されていることを踏まえますと、エンハーツ点滴静注用100mgよりもトロデルビ点滴静注200mgのほうがより類似性が高いものと考えております。
以上となります。
○薬価算定組織委員長代理
ありがとうございます。
ちなみに、エンハーツを類似薬とした場合の価格はどれくらいですか。
○事務局
御質問ありがとうございます。
□□□□円ぐらいになります。
○薬価算定組織委員長代理
ありがとうございます。ほかはいかがでしょうか。よろしいでしょうか。
それでは、薬価算定組織としての意見をまとめたいと思います。算定概要における算定結果について、算定薬価、最類似薬、算定方式、補正加算等、いずれの項目においても事務局の見解が適当ということでよろしいでしょうか。
(首肯する委員あり)
○薬価算定組織委員長代理
ありがとうございます。それでは、算定案どおりといたします。当該企業が了承すれば中医協に報告いたします。
テクベイリ皮下注30mg,テクベイリ皮下注153mg
日時:令和7年2月14日(金)
○薬価算定組織委員長
「テクベイリ皮下注30mg、テクベイリ皮下注153mg」です。特に意見を伺う委員として下井先生、山口先生にお願いしております。
事務局から、事務局算定案について、欠席委員の意見を含め、簡単に説明いただければと思います。
なお、本件では企業の意見陳述がございます。
それでは、よろしくお願いします。
○事務局
(事務局より、薬価算定原案について説明)
○薬価算定組織委員長
ありがとうございます。
それでは、この算定案につきまして御意見をお願いしたいと思います。
□□先生、いかがでしょうか。
○□□委員
事務局案は適当であると私も考えているのですけれども、廃棄量のところに関しては前例があるものなのか、今回初めて出てきたものかというのが分からないものですから、ここのところの議論がやはり必要ではないかと思っております。
私からは以上です。
○薬価算定組織委員長
ありがとうございます。
他の委員の先生方からいかがでしょうか。よろしいでしょうか。
それでは、企業から意見の聴取を行いたいと思います。
事務局、企業の入室をお願いします。
(申請者入室)
○薬価算定組織委員長
最初にテクベイリ皮下注30mg、同皮下注153mgについての御意見を5分以内に御説明いただきたいと思います。なお、終了1分前にベルを1回、それから、終了時にベルを2回鳴らします。よろしくお願いしたいと思います。続いて委員側から質問をさせていただきますので、御回答をいただきたいと思います。
それでは、よろしくお願いいたします。
○申請者
本日は、テクベイリ皮下注の弊社の薬価算定案の説明のお時間をくださいまして、ありがとうございます。
次のスライドでございます。
テクベイリ皮下注は再発または難治性の多発性骨髄腫で、標準的な治療が困難な場合に限るものを効能・効果として承認されております。希少疾病用医薬品の指定を受けているものでございます。
T細胞に発現するCD3と多発性骨髄腫細胞に発現するBCMAに結合する二重特異性抗体薬でありまして、漸増期の投与の後、継続投与期には週に1回体重1kg当たり1.5mgを皮下投与いたします。30mgと153mgの規格がございますが、30mgは漸増期用の規格、153mgは継続投与期用の規格でございます。
次のスライドでございます。
CD3とBCMAに結合する二重特異性抗体薬には、2024年5月に薬価収載されましたエルレフィオ皮下注がございます。効能・効果と薬理作用は本剤と同一でございます。また、維持期において1週間ごとに皮下投与で治療に用いられる点も同一でございます。このことから、エルレフィオ皮下注を比較薬として類似薬効比較方式(Ⅰ)で算定されることが適当であると考えております。
次をお願いいたします。
希望する算定案の計算式をお示しいたしました。汎用規格は維持期に用いられる153mgとなります。比較薬エルレフィオ皮下注の一日薬価は、中医協資料に記載されているとおり、13万6746円と計算されます。本剤の一日通常最大単位数量は、本剤の用法・用量及び薬剤充填量の153mgを使用して算出しました。これによる算定薬価はお示ししたとおりとなります。
次いで、非汎用規格の30mgは、エルレフィオ皮下注の規格間比を適用して計算しました。
補正加算、外国平均価格調整は該当いたしません。
次をお願いいたします。
体重当たりでの投与量が設定されている薬剤では、患者さんごとに投与量が異なりますので、残薬の発生は避けられないものと理解しております。本剤と効能・効果が類似した薬剤の事例を調べましたところ、体重50kgにおいては、使用バイアル全量のうち、約20%程度まで残薬が発生する事例がございました。これらの事例では、バイアル充填量全量について類似薬効比較方式によって算定されておりました。
スライドにお示ししておりますように、本剤の海外試験における患者さんの平均体重は75.02kgであり、それに基づく投与量は□□□□mgですので、平均で□□%が残薬として生じる計算となります。また、国内試験における患者さんの平均体重は56.49kgですので、それに基づく投与量は□□□□mgとなり、平均で□□%が残薬となる計算となります。
本剤は海外で先行して上市され、同じ規格の製品を日本で上市する予定ですが、153mgバイアルでは残薬が多くなることについては、会社としても放置できない問題と考えております。
次をお願いいたします。
この点から、日本人患者さんの体重を踏まえ、体重□□kgまで対応する□□mgバイアルの開発を行っております。□□mgバイアルはグローバル本社が検討を開始しまして、日本からの強い要望によって開発が決定したものでございます。日本では、□□□□に剤形追加申請することを目標に準備を進めております。
以上のとおり、弊社の希望算定案を説明させていただくとともに、日本人患者さんに必要な□□mgバイアルの開発について説明をさせていただきました。御検討をよろしくお願いいたします。
○薬価算定組織委員長
ありがとうございます。
それでは、委員の先生方から質問をいただければと思います。よろしくお願いします。
残薬についてと、例えば先ほど体重での用量、いわゆる治験の段階でのお話をされましたけれども、それについての問題点というのは企業としてはいかがですか。
○申請者
御質問ありがとうございます。
欧米では日本人より体重が多く、先ほどお示ししましたように平均体重が75kgで、それでも残薬が□□%程度出るというもので、廃棄量につきましても課題になる可能性というものはグローバルでも認識されていたと伺っております。そのため、□□mgバイアルというのもグローバルでも検討されておりましたけれども、一方で、アメリカでは臨床試験、ブレイクスルーセラピーに指定されましたので、通常、フェーズ3まで臨床試験をするところ、フェーズ1、2で承認をいただきました。そういうことから、治験で使っていた治験薬のバイアルをローンチして、いち早く患者さんに届けるということをグローバル本社としても選択したものと考えています。そういうことで、□□mgバイアルも計画はされていたのですけれども、実際のローンチには間に合わない状況になったと伺っております。
○申請者
若干補足させていただきますと、USでの承認というのが2022年の10月でございました。社内的に□□mgの開発を決定したのが□□□□でございます。この間、決定はその段階なのですけれども、以前から今言われているような低含量のバイアルあるいは類薬で実施されていますような固定用量での投与の可能性、あるいは製造方法の改定など、いろいろな取組を考えている中で、
□□mgについては、今申し上げたとおり、□□□□に開発を決定したという形になっております。
○薬価算定組織委員長
ありがとうございます。
ほかにいかがでしょうか。よろしいでしょうか。
では、これで企業の意見の聴取を終了とさせていただきたいと思います。企業の方は御退室をお願いしたいと思います。
○申請者
ありがとうございました。
(申請者退室)
○薬価算定組織委員長
それでは、先ほどの企業の意見を踏まえまして、御意見をお願いしたいと思います。
改めまして□□先生、先ほどの御質問から。
○□□委員
やはり残液の廃棄というところが問題になるということですので、企業が言ったように新しい規格を今用意しているということなのですけれども、それを踏まえた上での価格設定というのが可能なものかということと、あとはこういう場合の前提があったのかどうかというのを御確認いただきたいのですけれども、いかがでしょうか。
○事務局
まずは、先ほどの□□mgが出ることをあらかじめ見越しての算定ができるかといったところにつきましては、現在薬事承認を取得されていない状況ですので、基本的には難しいと考えております。やはりある程度の廃棄量が想定されており、患者さんたちが使わないものを薬価に乗せ、それを国民の負担にするといったところについては、やはりなかなか受け入れにくいものではないかと考えております。
また、先ほどの□□先生の御意見にもあったところですけれども、どこかに記載というものはないのですが、やはり過去の中医協の総会では高額な医薬品の廃棄というのは大きな問題として取り上げられていることもあります。
基本的に今回のような約半分が捨てられるような規格だからこそ、□□mgを作らなくてはいけないと今回の企業も考えてくれており、ある程度販売規格の単位というところまで考えて開発をしてくださっている状況でございますので、もちろん先ほど企業への質問の中で□□先生からお話があったように、そこをどういうふうに考えて開発してきたのかの中で、1バイアル当たりでちゃんと使えないかとか、いろいろ考えて紆余曲折あったのだとは思うのですけれども、ある程度廃棄量などを考慮して、規格をきちんとそろえて、臨床現場が困らないような形で上市するというのが基本かと思われますので、将来出るかどうかが不確かな□□mgを見越して153mgの価格を設定するというのはやはりなかなか難しいのかなというところでございます。
こういった背景もございまして、過去に本剤と同様の事例があるかというと基本的にはないといったところでございます。
○□□委員
そうすると、今回は事務局に出していただいた案になるのだと思いますけれども、□□mgという規格が本当に出てきたときには、もしかしたら現在評価している153mg製剤というのも価格が変わる可能性があるということでよろしいでしょうか。
○事務局
もしかしたら先生の御質問の意図をうまく酌めていない可能性があったら申し訳ないのですけれども、やはり規格が追加されると、規格間調整というルールで調整されますので、153mgの値段が変わることはなくて、153mgと30mgの規格間の比を取って□□mgになったらどうなるのかなというので按分して計算をしていくものになっておりますので、153mgの値段が上がるとか下がるといったことはないのではないかとは思います。
○□□委員
分かりました。どうもありがとうございます。
○薬価算定組織委員長
ほかにいかがでしょうか。
○□□委員
今の事務局の説明で全く異論はありませんし、□□mgが出たからといって価格が変わることはないと思います。一方で、どれぐらい廃棄したら、例えば何割廃棄したらこういう扱いになるのかという点は結構難しいと思います。今お話を伺っていて、取りあえず本剤と同様の過去事例はないという話でしたし、こういう例はあまりない話なのだろうと思います。ただ、注射剤、特にこのように体重当たりで投与するようなケースは一定量廃棄が出るというケースはもちろんあると思います。こういう例がもし仮に今後出てきたときに改めて事例ごとに考えていくということで、事例を積み重ねながら考えていくという感じなのですかね。
○事務局
先生がおっしゃるとおりでございまして、こういった例は多くないのではと思っているのですけれども、先ほどの企業側の説明の中でも、20%程度まで残薬が発生した事例があったので、本剤についてもそれらと同様に算定されるのではないか、ということをおっしゃられていて、20%の廃棄だったら問題ないのかというと、本来はそういうことではないと思います。ただ、やはり、体重当たりだとか体表面積当たりの薬であれば当然、ある程度の廃棄が出てしまうとは思いますので、それの範囲をどこまでなのかをきちっと決めてしまうと、それはそれで遊びがなくなってしまいますので、そこは事例を積み重ねていったりしていく必要があるのかと考えております。ただ、やはり今回のように半分廃棄になってしまうような薬に関して、その廃棄部分も保険医療財政や患者さんの負担の中にも入ってきてしまいますので、そういったところも考慮し議論をしていかなければいけないのかなと思います。
ですので、もともと□□先生からいただいた、今後廃棄に関する内容を薬価基準に載せなくてはいけないのか、という点についても何か記載があってもよいのではないかと考えたところですけれども、基準を設定するのもなかなか難しい部分もありますので、事例を積み重ねていく中で、先生たちの御意見とかを踏まえながら検討していくことになるかと思います。あるいは、もしかしたら20%の残薬が発生していたという点について、どのように取り扱うかという点について、薬価で面倒を見ているというのはおかしいのではないかという議論が出る可能性があり、今までよりももっと厳しくしなくてはいけないこともあるかもしれないので、今後も確認していきながら、先生方と御意見を交わしていきたいと考えております。
以上となります。
○□□委員
ありがとうございました。
○薬価算定組織委員長
ありがとうございます。
ほかにいかがでしょうか。
○事務局
産情課でございます。
企業側の立場としてコメントだけさせていただければと思っておりますけれども、企業としてもこういった廃棄量が多いということに対する懸念はもともと持っておりまして、ただ一方で、薬事承認の段階で153mgという規格で承認されているということ、それから、今後、現状の廃棄量を考慮した算定で計算した場合には、当然後に出てくる□□mgというのは153mgの今回決まった薬価よりも低くなるということですので、企業がもともと想定していた薬価より低くなる。すなわち、□□mgの開発がそもそも頓挫してしまう可能性もあるというところも企業からは伺っておりますので、その点コメントだけさせていただきます。
○薬価算定組織委員長
ありがとうございます。
よろしいでしょうか。
153mgを開発したということ自体がそもそも戦略的には普通ではないかなと思いますけれども、いろいろなものが出てくる可能性がありますので、それはいろいろな経験等の蓄積の中から委員の先生方に判断をしていただくということでよろしいでしょうか。
それでは、ほかにございますでしょうか。
それでは、薬価算定組織としての意見をまとめたいと思います。算定概要における算定結果につきまして、算定薬価、最類似薬、算定方式、補正加算等、いずれの項目においても事務局の見解が適当ということでよろしいでしょうか。
(首肯する委員あり)
○薬価算定組織委員長
ありがとうございます。それでは、算定案どおりとさせていただきます。当該企業が了承すれば、中医協に報告をさせていただきます。
ルンスミオ点滴静注1mg、ルンスミオ点滴静注30mg
日時:令和7年2月14日(金)
○薬価算定組織委員長
「ルンスミオ点滴静注1mg、ルンスミオ点滴静注30mg」です。特に意見を伺う委員としては木崎先生、下井先生にお願いしております。事務局から事務局算定案について、欠席委員の御意見を踏まえて、説明をお願いします。
○事務局
(事務局より、薬価算定原案について説明)
○薬価算定組織委員長
それでは、事務局算定案に対する御意見をお願いしたいと思います。
□□先生、いかがでしょうか。
○□□委員
サードラインの再発難治の濾胞性リンパ腫の治療は、現状ではCAR-T細胞療法か、この二重特異性抗体療法ということになるのですが、どちらがいいかという優劣はまだついておりません。これら2剤の臨床的なポジショニングがはっきりしておらず、現状では、CAR-T細胞療法のほうが確実性があるのではないかなという印象を現場の臨床医は持っていると思います。本剤のポジショニングもはっきりしませんし、単群の臨床試験で治療反応性しか見ておりませんので、事務局案が妥当かと私も判断いたしました。
以上であります。
○薬価算定組織委員長
ありがとうございます。
ほかに御意見はございますでしょうか。よろしいでしょうか。
それでは、薬価算定組織としての意見をまとめたいと思います。算定概要における算定結果について、算定薬価、最類似薬、算定方式、補正加算等、いずれの項目についても事務局の見解が適当ということでよろしいでしょうか。
(首肯する委員あり)
ありがとうございます。それでは、算定案どおりとさせていただきます。当該企業が了承すれば、中医協に報告したいと思います。
ヒムペブジ皮下注150mgペン
日時:令和7年2月14日(金)
○薬価算定組織委員長
「ヒムペプジ皮下注150mgペン」です。特に意見を伺う委員としては神田先生、森山先生にお願いしております。
事務局から事務局算定案について、欠席委員の御意見も含めて説明いただきたいと思います。よろしくお願いします。
○事務局
(事務局より、薬価算定原案について説明)
○薬価算定組織委員長
ありがとうございます。
それでは、事務局算定案に対しての御意見をお願いします。
□□先生、いかがでしょうか。
○□□委員
血友病が伴性不顕性遺伝で98~99%は男性という状況で、体重50kgという数字が現場としては全く適切ではない数字なのですけれども、これまでいずれも体重当たり何mgという量同士での比較がされてきたので、どちらも50kgで計算することが大きな不利益につながらなかったと思うのですが、今回はそこが違ってきますので、50kgで計算すると薬価にかなり影響が出てしまうという背景があります。
ですので、今回は、ほぼ男性であり、かつ血友病患者さんは基本的に成長には問題ありませんので、体重等は通常と変わりませんから、一般的な男性の平均体重を用いるのが妥当なのかなと感じました。
その他の加算については全く意見はありません。
○薬価算定組織委員長
事務局、いかがでしょうか。
○事務局
御意見をいただきましたとおり、用法・用量が体重当たりのものについて、一日薬価を計算する際は小児で特に定めない場合には20kg、成人に際しては50kgを用いて換算しておりました。本剤についても前例を踏まえて検討いたしました。対象患者における標準的な体重等の情報があり、そちらを用いることが考えられる場合にはこの限りではなく、過去算定した品目のうち、実際に20kgまたは50kg以外の体重を設定していた品目もございますが、御指摘のとおり、本剤は男性患者がほとんどであるものの、有病率に性差のあることが知られております。今から述べさせていただく疾患の薬剤において50kgを用いて算定している事例を踏まえると、今回も50kgを用いて算定することが適切と考えております。
事例としましては、クローン病を適応症としている薬剤のステラーラ点滴静注130mg、比較薬がレミケード点滴静注用100となっておりました。
また、関節リウマチを適応症としている薬剤のエンブレル皮下注用25mg、比較薬はレミケード点滴静注用100となっておりました。
算定に用いる体重に関しましては、薬価算定組織においてもこれまで御意見をいただいているところでございますけれども、過去の品目の算定状況との整合性を踏まえ、本剤については類似薬と同様の算定を行うことが適切ではないかと考えております。よろしくお願いいたします。
○薬価算定組織委員長
類似薬との整合性というお話ですけれども、□□先生、いかがでしょうか。
○□□委員
整合性という観点でどこまでそろえるべきなのかよく分からないのですけれども、まず、挙げていただいたクローン病やリウマチでいうと2対1とか4対1ぐらいの男女比だと思いますが、血友病の場合は99対1ぐらいの男女比で異なるという点と、過去のレミケード等の薬剤が体重当たり同士の比較だったか分からないのですけれども、体重当たり何mgという同士の比較であれば、設定する体重はそんなに薬価に影響を与えないと思いますが、今回は片方が体重計算ではないというところで、体重を50kgにすることと60kgにすることで、その差が薬価に直接的に響いてくるというところがありますので、過去の例をそのまま適用するのが妥当なのかどうか疑問を持った次第です。
○薬価算定組織委員長
過去についても、体重当たりの薬剤で50kgを用いていたということですね。
○事務局
こちらで血友病関係のお薬についてお調べしたところ、お調べできる範囲では、類似薬効比較方式でやっているものに関しましては、算定薬剤と比較薬両方とも体重当たりの薬剤でございましたので、50kgを用いている事例でございました。
こちらに関しては、□□先生の御指摘のとおり、設定した体重が薬価に影響を与えていない事例かと思います。
ただその一方で、薬価算定の際において50kg、小児は20kgを用いているわけでございますけれども、その体重を全く使わなかった事例といったものもございました。例えば、新生児に使うようなお薬だとか、そういったお薬に関しては、臨床試験で用いられた体重などを利用して計算するというようなことをさせていただいております。
今回確かに□□先生がおっしゃるように、血友病の場合、ほとんどの患者が男性なのではないかというところではあるものの、用いる男性の平均体重によって薬価が変わることから、薬価は基本的に薬の価値といったものに焦点を置いて値付けをしている中で、体重というものにあまりにも重きを置いた薬価の算定になるといったところについても丁寧な議論が必要になるのかなとは思います。
以上となります。
○薬価算定組織委員長
□□先生の言われることも理解しましたけれども、ほかの先生方、いかがでしょうか。今までのものと用法・用量の問題で異なるのではないかということでございますけれども、なかなか難しい問題だと思いますが。
○事務局
産情課でございます。
今、医療課のほうから医薬品の価値というところで体重をどれだけ評価するのかという話もありましたが、我々の立場からすると、そういった用法・用量になっているということも一つの医薬品の価値だと思っておりますので、どういった体重換算をするような用法・用量なのか、固定用量なのか、そういったところも含めて適切な体重で算定されるということで医薬品の価格が決まるというのが本来の姿なのかなとは思います。
○薬価算定組織委員長
事務局、男女比にこれだけの差がある薬剤に関しての既存の判断というのは、例えば男性だけのときにどういった体重を適用するというのは何か前例はあるのですか。今までこういう事例がないと、体重を50kgから変えるのは結構厳しいかなと思ったのですけれども。
○事務局
少々お時間をいただければと思います。
○薬価算定組織委員長
その間に、ほかの有用性加算については、類薬で既に算定されているという事務局案には特に何か議論はございますでしょうか。そちらはよろしいでしょうか。
それでは事務局には、かなり偏りのある体重の点について調べていただいて。
○□□委員
例えば前立腺がんの薬剤とかで何かないのでしょうか。
○事務局
前立腺がんの薬剤に関しては、体重当たりで計算するものがどれぐらいあったかは今確認しなければ出てきませんけれども、事務局にて50kg以外の体重を使っている事例が過去あるかといったところで全部調べたところ、前立腺がんの薬は出てきていませんでした。そのため、例えば前立腺がんに関しても体重当たりのものがあったとしても、それは50kgを使っているといったところでございます。
○□□委員
体重当たりはむしろいいと思うのですけれども、固定用量の薬剤の場合に比較薬を体重当たり50kgで計算すると安くなってしまいますよね。
○事務局
そういった事例はなかったかと思います。体重当たりの薬に対する比較薬が固定用量だったとしても、50kg以外を使用している事例はなかったところでございます。
○□□委員
そういう事例はないですね。
○事務局
はい。ないといったところです。
ですので、今回考慮した額とすると、男性患者がほとんどの疾患のときには体重が例えば10kg以上増えるとしたら10kg以上増えた体重で計算するというような事例になろうかと思います。
○□□委員
議論になる初めてのケースということですね。
○事務局
ありがとうございます。
もしくはその都度の薬価算定組織の中で、過去の議事録を全部は確認できておりませんが、体重に関しては50kgの適切性といったところについては議論に挙がっていたこともあるかと思います。けれども、男性が多い疾患について薬価算定組織の中で話題になっていたかといったところについては、申し訳ございません。現時点では確認できておりませんけれども、今回のようにある程度の議論があったのではないかとは思います。
○薬価算定組織委員長
先ほどの□□先生が言われた前立腺がん固定用量というものの薬価の議事録というのはないのですか。
○事務局
体重当たりの薬を比較薬にした固定用量の薬、あるいは固定用量の薬を比較薬にした体重換算が必要な薬のような事例が確認できなかったといったところでございました。
○薬価算定組織委員長
例えば固定用量という中で、その過程で男性の体重とかを使われたことはないということですね。やはりそこは難しいですね。
ただ、□□先生、何kgにするのだというところも現時点では決められないので、今までのものを踏襲せざるを得ないかなと思っているのですけれども、事務局、それを調べるということは早急にはできないですか。
○事務局
先生、説明が不足しており失礼いたしました。前立腺がん以外も全部網羅的に調べて、男女比を考慮した事例がないのです。なので、□□先生からいただいた御質問に関して、我々は準備するに当たって過去例とかもいろいろ調べたのですけれども、調べた限りには見当たらないといったところでございます。
逆に男性以外のところでも性差で変わるとか、そういった点も含めて、50kg以外を使っているような事例で先生方にお示しできるような前例だとかそういったものがないかを、網羅的に我々が持っている限りで調べましたけれどもございませんでした。50kg以外を使用している前例としてありましたのが先ほど少し御説明さしあげたような新生児に使うようなお薬だとかそういったものが、50kgだとか、例えば小児だったら20kg以外の体重を用いた事例であったというところでございます。
○薬価算定組織委員長
要するに、婦人科とか乳腺とかそういったところを含めても、そういった事例はないと。
○事務局
おっしゃるとおりでございます。今の乳がんの点でございますけれども、乳がんに関しては過去にそういった話題があったかと思います。今すぐは具体的な品目は出てきませんが、過去、女性だけの疾患だったとしても、標準を50kgに置くのはどうなのだといった議論をされてきておりますけれども、いずれにしても50kg以外を使っているものはないといった状況でございます。
○薬価算定組織委員長
ありがとうございます。
□□先生、また逆に女性とかそういったところではかなりそれなりのことがなされていて50kgを使っているということですので、申し訳ありませんけれども、これは今までとおりの基準にさせていただいてよろしいでしょうか。
○□□委員
はい。今後の課題として検討していただけたらと思います。科学的な合理性はないのかなとは思います。
○薬価算定組織委員長
ありがとうございます。
他の先生方、そのほかの件でもよろしいですけれども、いかがでしょうか。
ありがとうございます。
それでは、今の議論を踏まえて、薬価算定組織の意見をまとめたいと思います。算定概要における算定結果について、算定薬価、最類似薬、算定方式、補整加算等、いずれの項目においても事務局の見解が適当ということでよろしいでしょうか。
(首肯する委員あり)
○薬価算定組織委員長
ありがとうございます。
それでは、算定案どおりとさせていただきます。当該企業が了承すれば、中医協に報告したいと思います。