2025年6月25日 中央社会保険医療協議会 総会 第610回議事録

日時

令和7年6月25日(水)10:00~

場所

全国都市会館大ホール 2階

出席者

構成員等
  • 小塩隆士会長
  • 飯塚敏晃委員
  • 笠木映里委員
  • 永瀬伸子委員
  • 本田文子委員
  • 城山英明委員
  • 鳥潟美夏子委員
  • 松本真人委員
  • 佐保昌一委員
  • 髙町晃司委員
  • 奥田好秀委員
  • 鈴木順三委員
  • 伊藤徳宇委員
  • 茂松茂人委員
  • 長島公之委員
  • 江澤和彦委員
  • 池端幸彦委員
  • 太田圭洋委員
  • 大杉和司委員
  • 森昌平委員
  • 木澤晃代専門委員
  • 上田克彦専門委員
  • 小松和子専門委員
事務局
  • 鹿沼保険局長
  • 木下医療技術評価推進室長
  • 清原薬剤管理官
  • 林医療課長
  • 米田保険医療企画調査室長
  • 和田歯科医療管理官 他

議題

  • 部会・小委員会に属する委員の指名等について
  • 保険医療材料専門部会からの報告について
  • 薬価専門部会からの報告について
  • 医療提供体制等について

議事

(前半)
○小塩会長
 おはようございます。
 ただいまより第610回「中央社会保険医療協議会 総会」を開催いたします。
 本日も対面を基本としつつ、オンラインも組み合わせての開催としております。また、会議の公開につきましては、ユーチューブによるライブ配信で行うこととしております。
 まず、委員の出席状況について御報告いたします。
 本日は、岡本専門委員が御欠席です。
 本日の中医協につきましては、まず、総会において、委員の交代について御報告し、部会及び小委員会に属する委員の指名を行った後、一度総会を中断いたします。そして、保険医療材料専門部会及び薬価専門部会を開催いたします。その後、改めて総会を開催し、その他の議題の審議を行いたいと思います。
 それでは、まず、委員の交代について御報告いたします。
 2号側委員ですが、林正純委員におかれましては、このたび退任され、後任といたしまして大杉和司委員が6月24日付で発令されております。
 大杉委員からは「自らが公務員であり、高い倫理観を保って行動する」旨の宣誓をいただいております。
 それでは、新しく委員となられました大杉委員より、一言御挨拶をお願いいたします。
○大杉委員
 皆さん、おはようございます。
 林委員の後任として委員を拝命いたしました、大杉と申します。
 私は、日本歯科医師会で常務理事を務めております。また、三重県の津市で歯科を開業しております。
 診療報酬改定等を決定する厚生労働大臣の諮問機関として、重要な協議会の一委員として、また、国民の方々にとって何がよいのかを常に考えながら、歯科の立場も踏まえて発言をさせていただきたいと思いますので、今後ともよろしくお願い申し上げます。
○小塩会長
 どうもありがとうございました。
 大杉委員、どうぞよろしくお願いいたします。
 カメラの頭撮りは、この辺りとさせていただきます。
(カメラ退室)
○小塩会長
 それでは、議事に入らせていただきます。
 初めに、委員の交代に伴いまして、部会及び小委員会に属する委員についても異動が生じます。
 部会、小委員会に属する委員につきましては、社会保険医療協議会令第1条第2項等の規定によりまして、中医協の承認を経て、会長が指名することとされております。各委員のお手元に総-1といたしまして、新しい中医協の委員名簿とともに、異動のある部会及び小委員会の名簿の案をお配りしております。
 大杉委員ですが、林委員からの交代となりますので、最初に、3ページ目の調査実施小委員会、続きまして、4ページ目の診療報酬基本問題小委員会、6ページ目の薬価専門部会、7ページ目の保険医療材料専門部会、最後に、8ページ目の費用対効果評価専門部会に所属していただきたいと思います。
 そのように指名することとしてよろしいでしょうか。
(異議なしの意思表示あり)
○小塩会長
 ありがとうございます。それでは、そのようにさせていただきます。
 最初に申し上げましたように、ここで総会を中断いたします。そして、保険医療材料専門部会及び薬価専門部会の審議を行った後に、改めて総会を開きたいと思います。
 それでは、本日の総会は、一時中断いたします。
 
(後半)
○小塩会長
 それでは、総会を開催いたします。
 最初に「保険医療材料専門部会からの報告について」を議題といたします。
 同専門部会の笠木部会長から御報告をお願いいたします。
○笠木部会長
 それでは、中医協資料総-2を御覧ください。
 本日の保険医療材料専門部会におきまして、令和7年度に実施する特定保険医療材料価格調査について議論いたしまして、事務局の御提案のとおりに進めていくこととしたいと存じますので、御報告をいたします。
○小塩会長
 ありがとうございました。
 事務局から補足等ございますでしょうか。
○南川医療機器政策室長
 事務局からの補足は、特にございません。
○小塩会長
 ありがとうございます。
 それでは、ただいまの説明につきまして、御質問等ございますでしょうか。
 よろしいでしょうか。特に御質問等ないようですので、本件につきましては、中医協として承認するということでよろしいでしょうか。
(異議なしの意思表示あり)
○小塩会長
 ありがとうございます。
 それでは、説明のあった件につきましては、中医協として承認したいと思います。
 続きまして「薬価専門部会からの報告について」を議題といたします。
 同専門部会の城山部会長から御報告をお願いいたします。
○城山部会長
 それでは、資料総-3を御覧ください。
 「令和7年度医薬品価格調査(薬価調査))について」ということで、概要については、この資料のとおりになっております。
 本日の薬価専門部会において議論させていただき、了承されましたので、御報告申し上げる次第でございます。よろしくお願いします。
○小塩会長
 ありがとうございました。
 事務局から補足等ございますでしょうか。
○水谷医薬産業振興・医療情報企画課長
 特にございません。
○小塩会長
 ありがとうございます。
 それでは、ただいまの説明につきまして、御質問等ございますでしょうか。
 よろしいでしょうか。特に御質問等ないようですので、本件につきましては、中医協として承認するということでよろしいでしょうか。
(異議なしの意思表示あり)
○小塩会長
 ありがとうございます。
 それでは、説明のあった件につきましては、中医協として承認したいと思います。
 続きまして「医療提供体制等について」を議題といたします。
 事務局より資料が提出されておりますので、説明をお願いいたします。
○林医療課長
 医療課長でございます。
 医療提供体制等について、その4に基づいて御説明をさせていただきます。
 改定の個別の議論に入る前に、このような時間を持たせていただくこととさせていただいた趣旨でございますけれども、医療需要や提供体制、また、従事者のマンパワー、そうしたことも含めた医療提供体制の全体の状況を、この場で共有させていただいた上で、今後の議論の方向性等について意見を交わしていただき、また、今後の議論の御参考にしていただくという趣旨でございます。
 それでは、資料の2ページが全体の構成となってございます。
 3ページ~12ページは、人口動態等の状況でございます。いろいろなところで御覧なっていると思いますので、説明は割愛させていきます。
 13~16ページが、今後の地域別の医療需要の変化の見通しでございますが、ここの資料の前提としては、年齢階級別の受療率が変わらないという前提を置いていますので、これが実際に下がってきている状況であれば、これよりも早く医療需要が減り始めるということになります。
 17ページは、救急搬送や在宅医療の需要に関する今後の見通しであります。
 18ページは、処方箋の受取率や発行枚数の年次推移ということでございます。
 20ページからが医療提供施設の状況になります。
 21ページ~28ページまで病院数や診療所数、そして病床数、そういったものの基本的な動向のお示しをしております。
 29ページは、在宅医療の提供体制として病院や診療所のうち、2割ないし3割ぐらいのところが在宅医療を提供しているということでございます。
 30ページは、多数の訪問診療等を行う医療機関の数についてお示しをしております。
 続いて、歯科医療機関についてであります。
 32ページ、歯科診療所の数の動向。
 33ページ、歯科系の診療科を標榜する病院の数の動向です。
 34ページ、年齢階級別の患者数でありますが、高齢の患者さんの割合が増えている状況でございます。
 35ページは、歯科疾患ごとの患者数でありまして、歯肉炎及び歯周疾患の方が多いという状況でございます。
 36ページは、診療行為別の件数、医薬管理や在宅医療の年齢階級別の5年ごとの推移をお示ししております。
 37ページは、歯科診療所の従事者数の推移、歯科衛生士の伸びの状況などが分かります。
 38ページは、歯科訪問診療を提供している歯科診療所の状況ということで、1医療機関当たりの実施件数や訪問診療を実施している施設の割合を示しております。
 39ページは、推定される訪問診療の需要と実際の提供の関係でございまして、推定される需要のほうが倍ぐらいあるということをお示ししております。
 続いて、薬局でございます。
 41ページ、薬局数についての年次推移、そして、届出・認定薬局数の推移を示しております。
 42ページは、薬局数の増減を各都道府県ごとに見たものでございまして、大きく伸びている県と若干減少している県がございます。
 43ページは、人口10万人当たりの薬局数の都道府県別の状況でございます。
 44ページ、さらにこれを二次医療圏別に、そして、処方箋発行枚数当たりで見ているものでございますけれども、都道府県の中でも、赤いところ、薬局数の多いところと青いところ、薬局数の少ないところがあるということが分かります。
 45ページ、麻薬調剤や無菌製剤処理、24時間対応が可能な薬局の割合でございます。麻薬調剤を多くのところが対応しているといったことが分かります。
 46ページが、在宅患者訪問薬剤指導管理の回数が伸びているという状況でございます。
 続いて、訪問看護ステーションであります。
 48ページ、訪問看護の実施事業所数、そして、訪問看護ステーション数の推移を示ししております。営利法人を中心に事業所数が伸びている状況でございます。
 49ページ、訪問看護の利用者数の推移でございますが、特に青いほうが医療保険でございまして、近年、大幅に伸びてきている状況が分かります。
 50ページは、都道府県別の訪問看護ステーション数の資料でございます。大阪府が一番多く、都道府県別に若干開きがある状況が分かります。
 51ページ、都道府県別の訪問看護ステーションの実数と増加率をお示ししております。
 また、52ページは規模別でございまして、看護職員5人以上のステーションの割合が、経年的に増えてきている状況でございます。
 続いて、医療従事者の状況について、お示ししております。
 54ページは、まず全体像、医療福祉の就業者数と全就業者に占める割合を示しておりまして、R6年度では922万人、全就業者の13.6%となってございます。
 続いて、医師についてでありますが、56ページ、医師数については、年間大体3,000人ぐらいのペースで増えてきております。
 57ページ、病院、診療所、そして医科大学附属の病院、それぞれ経年的に医師数がどうなっているかをお示ししております。
 さらに58ページ、それを年齢階級別に見たものとなってございます。
 59ページは、病院と診療所の医師数の年齢階級別の状況を経年的に見たものでございまして、病院においても50代あるいは60代の医師が近年増えてきているという状況が分かります。
 60ページは、人口規模別に見た診療所医師数の年齢階級別の分布でございまして、人口規模の小さい自治体のほうで、60代あるいは70代以上の診療所医師が多いという状況が分かります。
 61ページは、平成20年を1.0とした場合の診療科別の医師数の推移でございます。
 近年ですと、一番低いところにあるのが外科でございまして、外科全体と比べると、外科医師数の伸び悩みが見られているところでございます。
 続いて、歯科医師でございます。
 63ページは、歯科医師数の年次推移となってございます。
 64ページ、これを都道府県別に見たものでございますけれども、最も多い東京都、最も少ない青森県、こういったばらつきがございます。
 65ページは、歯科医師の年齢階級別の年次推移でございますけれども、近年、高齢の歯科医師が相対的に増えている状況が分かります。
 66ページ、自治体ごとの人口規模と歯科医師の平均年齢の相関でございますけれども、大規模な自治体、大都会のほうが若手の歯科医師が多くいらっしゃる状況が分かります。
 67ページ、施設の種類別に見た歯科医師数の年次推移でございまして、歯科診療所にお勤めの歯科医師が大半であるということでございます。
 68ページは、年齢階級別に見てございますけれども、診療所の従事者がどの年齢階級でも非常に多い状況が分かります。
 69ページは、歯科大学の入学定員の推移、昭和56年頃よりも減少しているということ。そして、右側が歯科医師国家試験の合格者数、大体2,000人ぐらいで推移しているということでございます。
 続いて、薬剤師の状況でございます。
 71ページ、薬剤師の総数でございますが、大体年5,000人ぐらいのペースで増えてきております。
 72ページ、これを薬局と病院、診療所別に見ますと、薬局の薬剤師は大きく伸びてきております。一方で、病院の薬剤師は非常に横ばいの状況が続いております。
 73ページ、薬局の薬剤師数と、処方箋発行枚数の変化率を比べておりますけれども、平成16年頃を境に、それまでは薬局の薬剤師数よりも処方箋発行枚数の伸びのほうが大きかったところでございますが、その後は、処方箋発行枚数よりも薬局の薬剤師数の伸びのほうが大きいという状況でございます。
 74ページは、薬剤師の医療機関、それから、薬局別に年齢階級別の分布や平均年齢の推移を見たものでございます。
 75ページは、都道府県別に見た人口10万対の薬剤師数、こういった都道府県別のばらつきがございます。
 76ページは、大都市と小規模の自治体における薬剤師数の差でございまして、薬局、病院ともに、こうした偏在があるということが分かります。
 77ページ、これは、現在の人口動態を見た上での薬剤師の偏在指標を医薬局がつくっているものでございますけれども、病院の薬剤師が少ない状況などが指標として示されております。
 78ページ、これをさらに二次医療圏別に見たものとなってございます。
 79ページは、将来推計の薬剤師偏在指標でございます。
 80ページでございますけれども、薬学部数及び入学定員の推移ということで、新設大学の参入等により養成規模が近年大幅に増加しております。
 81ページ、薬剤師国家資格の合格者推移でございます。ここ数年は1万人程度の合格者数が出ております。
 82ページ、薬剤師の需給見通しでございまして、供給が需要を上回るであろうというまとめとなってございます。
 83ページは、薬剤師の養成及び資質向上等に関する検討会の取りまとめでございまして、特に病院薬剤師の確保などの課題が挙げられております。
 続いて、看護職員についてございます。
 85ページ、看護職員の就業者数の推移、このように伸びてきているところでございます。
 86ページ、地域別に見ますと、人口密集地において人口当たりの看護師数がより少ないという傾向が出てございます。
 87ページは、看護師の有効求人倍率等をお示ししておりまして、一般の職業全体の平均よりも高い有効求人倍率となっております。
 88ページ、就業されている看護職員の年齢階級別の割合でございますけれども、近年の傾向として40歳以上の看護師の割合が徐々に増えていることが分かります。
 89ページは、就業場所別の看護職員数でありまして、訪問看護ステーションや介護保険施設等が増えてきておりますが、一方で、病院の看護師数というのは、伸びが緩やかになってきておるというところでございます。
 90ページは、年齢階級別の看護職員の就業場所でございまして、若い方はほとんど病院で就業されておりますけれども、50代以上の方で見ますと、病院に収容される方は半数を切っているという状況です。
 91ページは、特定行為研修修了者の就業状況となってございます。
 92ページからは、看護師の養成に関してございます。養成の全体像が92ページ、そして、93ページが施設数の推移となってございます。
 94ページが、卒業者数の推移でございます。
 看護師学校養成所というのは、大学、それから養成所を含んだものでございますけれども、ここの卒業生の数がR6年を見ますと、前年や前々年よりも少なくなってきているという状況でございます。
 95ページは、さらに入学者数を見たものでございますけれども、さらにR5、R6と少なくなってきており、定員充足率も下がってきているということでございます。
 ここで、すみません、1点訂正でございますけれども、※印の「看護師学校養成所(3年課程)は」という文章でございますけれども、看護大学、短期大学3年間、ここまでは合っているのですが、看護師、次の学校がよけいでございまして、看護師養成所の合計ということでございます。
 96ページが、先ほどの95ページのグラフを看護師養成所と、大学に分けてみたものということでございます。
 続いて、その他の職種についてであります。
 98ページ、病院における各種職種の従事者数の推移でありまして、例えば、理学療法士が大きく伸びている状況、また、他の職種についても着実に伸びている等の状況が分かります。
 99ページは、診療所における各職種の従事者数の状況となってございます。
 100ページは、歯科診療所における各職種の従事者数の状況でございます。
 101ページは、国家試験の合格者数ということで、新たにその資格を取られる方々の推移を表していると考えております。
 グラフが大きく変化しているのは、公認心理士でございまして、これは平成30年度~令和4年度まで、現任者が計画的に試験を受けられるということになっていたことの影響であると考えてございます。
 102ページ、医師事務作業補助者についてでございますが、これは、従事者数の統計がないので、届出医療機関数を示しておりますけれども、順調に伸びてきておりましたが、令和4年~令和5年のところでは伸びが止まっている状況でございます。
 103ページ、看護業務補助者等の従事者数の推移でございまして、看護業務補助者に関しましては、平成23年をピークに、その後、かなり速いスピードで減少してきているということでございます。
 続いて、医療提供体制に関する様々な取組について御紹介をさせていただきます。
 105ページは、医療提供体制の総合的な改革に関しまして、医療部会で取りまとめられた資料でございます。
 さらに詳細は106ページ、こちらのほうに新たな地域医療構想に関する取りまとめとして掲載されております。新たな地域医療構想において、例えば病床機能について、回復機能を、その内容に高齢者等の急性期患者への医療提供機能を追加し、包括期機能として位置づけることや、医療機関機能報告を求めるといった方向性が示されてございます。
 107ページは、医師偏在対策に関する取りまとめの概要でございます。下の「今後の医師偏在対策の具体的な取組」にいろいろ書いてございますけれども、1つの取組だけではなくて、様々な取組を総合して取り組んでいこうという方針が示されてございます。
 108ページ~110ページにかけては、かかりつけ医機能制度について、かかりつけ医機能の報告の制度等につきまして、お示しをしているものでございます。
 令和7年4月から施行されますので、今年度内に、こうした報告が始まってくるということになります。
 続いて、111ページから急性期医療の確保に向けた取組でございます。
 112ページ、近年の入院受療の推移としては、入院受診の延べ日数や、病床利用率、いずれも低下する傾向が見られてございます。
 113ページ、診療領域別の手術件数の変化でございますけれども、地域によっては、こうした手術についても減少してくる地域が増えてくるということになります。
 こうしたことを受ける中で、例えば114ページの秋田県においては、医療圏を統合して、8圏域から3圏域として、そういった広域の地域で医療提供体制の確保を図ろうとされています。
 また、115ページ、病床機能再編支援事業として、国の地域医療介護総合確保基金の中でも、こうした取組を行っております。
 116ページは、医療機関の機能転換や再編等の事例としてまとめているものでございます。
 117ページ、さらに医療資源の少ない地域等の取組について、お示ししてございます。
 118ページ、これから人口が減る中でも高齢者は増えるところ、そして、高齢者も減るところがあるということでございます。
 こうした中で119ページ、人口規模の小さな区域での課題、そして、人口規模の大きな区域での課題と、それぞれの課題があると考えております。
 120ページは、人口規模別の二次医療圏ごとの診療所数の変化でございますけれども、人口の少ない二次医療圏において、診療所数の減っているところが多く見られるという状況でございます。
 121ページは、こうした中で地理的なアクセスなどを分析している山形県の例でございます。
 122ページは、第8次医療計画の見直しに当たって、こうした指針を国がお示ししているということでございます。
 123ページは、新規開業者への地域で不足する医療機能を担うことの要請等について、これまで取り組んできた内容をお示ししております。
 124ページは、僻地医療における医療の体系、そして、125ページは、地域医療対策協議会など、医師確保等に関する都道府県の仕組みをお示ししております。
 126ページは、医政局で今年度から取り組んでおります全国的なマッチング機能の支援や、リカレント教育の支援、こうしたものを総合的に行う取組でございます。
 また、都道府県と大学等の連携についても取り組んでおりまして、例えば、127ページが、青森県における取組の例、128ページは、これとは別にオンライン診療に関する大分県の取組事例をお示ししております。
 129ページは、離島僻地等のオンライン診療における「D to P with N」の取組の事例をお示ししております。
 続いて、看護職員の確保に関する近年の取組でございます。
 131ページ、看護師等の確保を促進するための措置に関する基本的な指針、これは、1992年に制定されたものでございますけれども、2023年に、この改定が行われました。
 そして、132ページ~134ページは、特定行為に係る看護師の研修制度の概要、そして、修了者の状況でございます。
 135ページから歯科医療の提供体制となってございまして、136ページが歯科医療提供体制等に関する検討会の中間取りまとめで示された課題等について、ここにお示ししております。
 137、138ページにつきましては、そうしたものを受けて示されている方向性を図示したもの、そして、第8次医療計画の見直しのポイントをお示ししております。
 続いて、薬局・薬剤師についてでございます。
 140ページ、141ページは「患者のための薬局ビジョン」、平成27年に公表されたもので、かかりつけ薬剤師や、薬局といった概念が提示されております。
 142ページは、特定の機能を有する薬局の認定制度、地域連携薬局や専門機関、医療機関連携薬局、こうした制度の概要でございます。
 143ページは、薬局・薬剤師等の機能強化に関する検討会のまとめでございまして、個々の薬局に必要な機能や、地域拠点で確保すべき機能といったものの分類がなされており、144ページは、それを図示したものでございます。
 145ページは、病院薬剤師と、薬局薬剤師の主な業務、役割を分類したものでございます。
 146ページ~148ページにかけては、第8次医療計画において、都道府県に取り組んでいただくこととしている内容をお示ししております。
 また、149ページは、さらに地域の状況に応じた提供体制の課題等について検討が進んでいる内容をお示ししております。
 最後に、こうした状況を受けまして、今日の御議論いただく課題等につきまして、まとめた部分を読み上げさせてだきます。
 153ページが、病院、診療所、訪問看護ステーションに関してでございますけれども、以上のような現状を踏まえ、特に以下のような観点から診療報酬改定の方向性についてどのように考えるか。
 「患者の高齢化への対応」。医療・介護複合ニーズを有する高齢者の増加が見込まれる中「治し、支える医療」を実現する観点。
 「生産年齢人口の減少」。看護師の新規養成数がピークアウトするなど、職種によっては担い手の減少が見込まれる中、医療DX、タスクシフト・シェア等の推進により、生産性の向上を図り、地域の医療提供体制の維持・確保する観点。
 「急性期機能の維持・確保」。多くの医療資源を要する手術等が減少し、急性期病床の稼働率の低下等により、医療機関の経営への影響が見込まれる中、急性期医療や救急医療を提供する体制を構築する観点。
 「特に医療資源が少ない地方部の課題」。都市部と地方部で医療提供体制に関する課題が異なる中、特に既に人口減少がより進んでいる過疎地域等において、拠点となる医療機関からの医師の派遣や巡回診療、ICTの活用等の様々な方策により、地域で不可欠な医療機能を確保する観点。
 154ページは、歯科医療機関の関係でございますけれども、ここについては、課題を以下のように書かせていただいております。
 各地域における歯科医療提供体制を維持・確保するため、以下のような観点から、診療報酬改定の方向性についてどのように考えるか。
 歯科疾患及び口腔機能の管理や高齢者の歯科訪問診療のニーズが増加するなど患者のニーズが多様化する一方で、歯科医療機関数は近年横ばいであり、限られた医療資源に応じた機能分化や多職種連携が必要となる。
 1歯科診療所当たりの歯科医師をはじめとした従事者数は少なく、人口が少ない地域では歯科医師の高齢化が見られることから、歯科専門職の確保・定着も必要である。
 最後に156ページ、薬局・薬剤師でございます。
 現状を踏まえ、特に以下のような観点から、診療報酬改定の方向性についてどのように考えるか。
 全国の薬局数は年々増加している一方、都道府県によっては薬局が減少している。薬局、薬剤師とともに、都市部に集中している傾向があり、この状況を是正するため、どのように対応するべきと考えるか。
 地域における薬局の機能が示されたところ「地域・拠点で確保すべき機能」と「個々の薬局に必要な機能」について、どのように評価するべきと考えるか。
 全国的に、薬局薬剤師の偏在指標よりも、病院薬剤師の偏在指標は低く、病院薬剤師の確保は喫緊の課題とされている。将来推計においても推計業務量に対して薬剤師が少ない区域が多数であると見込まれているが、病院薬剤師の確保について、どのように対応するべきと考えるか。
 資料の説明は以上です。
○小塩会長
 ありがとうございました。
 それでは、ただいまの説明につきまして、御質問等ございましたら、よろしくお願いいたします。
 長島委員、お願いいたします。
○長島委員
 ありがとうございます。
 現在、医療法等の改正法案の審議が、秋の臨時国会に持ち越された状況にあるものの、本日は、医療機関や医療従事者の状況など、医療提供体制のデータや医政局の政策について、情報を共有する場であると理解した上でコメントいたします。
 まず、資料の前半のデータを見ますと、幾つか注目すべきことがあります。
 新たな地域医療構想など、これからの医療提供体制を考える上で、今後、医療人材の確保が欠かせません。
 働き方改革とも相まって、労働環境の改善も必要であり、医師、医療従事者の方々が安心して健康に働き続けられ、より魅力的な職場とするためには、その処遇改善が大変重要な要素となります。
 しかしながら、84ページ以降に示されているように、特に、看護職員、看護補助者の総数が年々減少に転じており、人口当たりの地域差も大きい現状です。
 とりわけ、3年課程や准看護師課程で、地元に定着し、地域に密着した診療所や中小病院での看護の担い手を育てる養成校の定員充足率も深刻な減少傾向にあることから、看護職員数は手詰まりの状況にあること。また、看護業務補助者も減少し、増えることが期待できない状況にあることが分かります。
 一方で、リハ、栄養、口腔の従事者は増えています。したがって、看護職員の仕事のうち、これらの従事者がタスクシェアできる業務については、分担するなどの工夫が必要になると考えられます。
 また、日本医師会でも医療秘書を養成しておりますが、事務職員の確保も非常に大切です。
 診療所の総数は微増から横ばい傾向にありますが、120ページにあるように、人口の少ない医療圏では減少傾向にあり、59ページにあるように、診療所の医師が高齢化しております。
 このことを踏まえれば、地域で必要な医療を確保するために、それぞれの地域で尽力されている先生方が、引き続き、その地域で頑張っていただけるようにすること。さらには、若い医師が経営面でも安心して承継できるようにすることが重要です。
 病院におきましては、25、28、112ページにあるように、コロナ禍の前から、平均在院日数、外来患者数、入院受診延べ日数、病床利用率が減少傾向にあり、経営にマイナスの影響を与えています。
 また、地域での入院機能とかかりつけ医機能を併せ持つ有床診療所は大切な存在ですが、その減少が深刻であることに留意する必要があります。
 薬局の薬剤師数は需要より増加している一方で、病院薬剤師の確保が喫緊の課題となっており、薬剤師を薬局から病院へシフトさせることが必須であることが分かります。
 さらに、訪問看護につきましては、48ページにあるように、営利法人が増えていること。49ページにあるように、件数が急激に増えていることについて、3月12日開催の中医協での議論を踏まえて、訪問看護の適切な報酬の在り方について議論が必要です。
 さて、医政局の施策に加えて、診療報酬で評価していくべきものや、逆に、診療報酬で評価することが適切でないものもあります。
 報酬は、厳しい経営環境にある医療機関に対して、非常に強い誘導になるため、地域で丁寧に進めてきた協議を阻害してしまう可能性もあります。
 医政局所管の検討会等の取りまとめは、これからの地域医療の姿を示すものかもしれませんが、その大前提として、医療計画や、その上位概念となる新たな地域医療構想では、医療法上、地域の実情に応じて策定されることになっています。
 したがって、診療報酬という全国共通の視点に立つことも重要ですが、地域医療で関係者が協議して、地域の実情に応じて考え出された方策を補助金等で支える方が適切な場合もあります。
 例えば、地域の医療機関の集約化は、地域医療構想によって進む場合もありますが、集約化自体が目的ではなく、結果として、将来の医療ニーズと医療資源等を踏まえて導き出されたものと言えます。
 中医協におきましても、その視点で議論するとともに、事務局においても、内部でしっかり相談していただいた上で進めていく必要があると考えます。
 各地の医療提供体制や医療機関が、人口動態、医療の需要や受療行動の変化に柔軟に対応できるようにしなければなりません。
 118ページにあるように、一定程度の将来の様子も見通せてきている中、どのような対策が必要か、地域でしっかり考えていく必要があります。
 そして、今後の医療提供体制の在り方については、新たな地域医療構想などに基づいて、各地で協議される見込みですが、それらは当然、白紙の状態からデータだけで機械的に考えるべきものではなく、また、現実と乖離した理想像を描くものでもありません。
 過去から現在、そして、今後も、各医療機関が、地域の医療提供体制や、場合によっては、地域を超えた連携等を踏まえた上で、人口の変動、地域社会の変化、また、時代に即して必死に考えて、よりよいものに変えていくものであります。
 例えば、入院でも外来でも、現在の医療提供体制は、全国画一的に形作られたものではなく、また、単純に集計値や平均値で多い、少ないを比べるものでもありません。関係者の懸命な努力によって、それぞれの地域の医療資源や高齢化など、実情を踏まえたバランスの上に成り立っており、地域全体が面となって住民の健康、命を守っています。これからの少子・超高齢化社会を考えると、引き続き、それを支え、充実させていく必要があります。
 したがいまして、一部だけを見て、今ある医療提供体制を無視して、集約化・効率化するような方向性で、医療提供体制を見直すのではなく、地域に密着した診療所や病院の位置づけなど、全体のバランスを取りながら慎重に対応しなければ、国民の生命・健康を危険にさらすことになります。
 また、都市部と地方、あるいは過疎地域等によっても、医療提供体制に係る課題は当然異なります。つまり、地域医療構想についても、それに寄り添う診療報酬についても、地域の実情に応じて、医療機関が安定的な経営に基づき医療提供をしっかりと支えられることが大切ですので、医政局と保険局においても、緊密な連携をしていただきつつ、次期改定に向けた議論を進めるべきであると考えます。
 こうしたことを基本認識とした上で、診療報酬上の評価の在り方としては、全国一律の評価体系を前提とした上で、それぞれの地域がそれぞれの実情に応じて、どのような医療提供体制を描いたとしても、その一端を担う医療機関の経営が、病院、診療所を問わず、十分に成り立つような診療報酬体系を構築することが非常に重要だと考えております。
 データの話や総論的なことにつきましては、ここまでとして、新たな地域医療構想や今回の論点については、包括期機能、在宅医療・介護構想、必要病床の考え方など様々あると思いますが、引き続き、江澤委員からコメントいたします。
 なお、小塩会長におかれましては、看護協会の専門委員の発言の機会を御検討いただければ幸いです。
 私からは以上です。
○小塩会長
 ありがとうございました。
 それでは、引き続き、江澤委員、お願いいたします。
○江澤委員
 ありがとうございます。
 今回の課題に関して、意見を申し上げます。
 新たな地域医療構想は、外来医療、在宅医療・介護との連携、人材確保などを含めた地域の医療提供体制全体の課題解決を図る地域医療構想となりますので、かかりつけ医をはじめとした、それぞれの連携が、これまで以上に深まる仕組みが必要であります。
 あわせまして、治す医療を担う医療機関と、治し支える医療を担う医療機関の役割分担と連携が、ますます重要となることを併せて申し上げたいと思います。
 さらに、2040年にかけましては、85歳以上の人口が増加しますので、肺炎、誤嚥性肺炎、心不全、尿路感染症といった高齢者救急の増加が予測されており、そういった側面から包括期機能というものが位置づけられたところでございます。
 包括期機能は、高齢者救急等を受け入れて、入院早期から治療とともにリハビリテーション、栄養、口腔管理の一体的取組などを推進して、早期の在宅復帰を提供する機能であります。
 したがいまして、こういった包括期機能が十分に発揮できるような診療報酬の仕組みというのも必要ではないかと思います。
 また、リハビリテーション、栄養、口腔の連携の一体的取組は、これは、急性期医療でも必要なニーズでありまして、そのための人材確保、人材の定着のための処遇改善も必要と考えております。
 また、大都市型、地方都市型、過疎地域型における医療提供体制は当然異なりますので、地域の実情に応じた医療が提供できるよう、診療報酬においても支援する仕組みが必要だと思います。
 最後に、地域医療構想は当然進めるべきものでありますが、一方で、現場の医療機関からは、地域医療構想どころではないとの多くの悲鳴が聞こえてきております。
 現状、過去に経験のない経営危機に陥っておりまして、実際に病院や診療所の経営破綻の件数は過去にないペースで増加をしております。
 新たな地域医療構想の取りまとめにおいても、医療機関の健全経営の担保を踏まえた調整会議の議論を行うことということを記載していただいたところでございます。
 医療機関において、病棟機能を変えることは、多大なる労力と経営リスクを伴いますし、そもそも医療機関がなくなれば、医療提供体制は崩壊をいたします。
 したがいまして、まず、病院や診療所の健全経営ができるための診療報酬をしっかり確保することが、地域医療構想を推進するための一丁目一番地であり、最優先事項であることを申し上げたいと思います。
 発言は以上でございます。
○小塩会長
 ありがとうございました。
 続きまして、太田委員、お願いいたします。
○太田委員
 ありがとうございます。
 今の長島委員、江澤先生の意見、全て私自身も思っているところであるということと同時に、153ページに今回課題という形で、4つの課題を設定いただいておりますので、少しそれに関して、より具体的なことですけれども、発言させていただければと思います。
 1つ目の患者の高齢化への対応、医療・介護複合ニーズを有する高齢者の増加、これは、本当に実際に現場にいて日々実感しているところでございます。地方と都市部では、やはり大きく環境は変わりますが、特に都市部においては、これから急激に高齢の患者さんが増えます。高齢の救急、また、そういう方々は、単身独居であったり、老老の世帯であったりという方になります。
 そういう方をいかに支えていくかということが、非常に重要になるわけですが、前回の改定では、それに対応するということで、地域包括医療病棟という新たな入院料を設定いただいております。
 非常に、これは我々病院関係者としては、期待した入院料で、これからの地域を支える核となる病院の診療報酬点数だろうと思っているわけですが、先日、令和6年度の調査結果の最初のものが出てきましたけれども、当初から想定されておりましたが、施設基準、算定要件が厳しくて、なかなか現場が上手にそれを活用して、地域のニーズの変化に柔軟に対応していくというところまで行っていないと思っております。
 そういう意味で、今回の2026年改定においては、患者の高齢化への対応というものをよりスムーズに地域で行っていくことができるよう、また、地域によっても環境は違いますので、どの地域でもこの入院料を有効に利用していくことができるような形に、算定要件、施設基準などを工夫していくということが、非常に重要なのではないかと思っております。
 2つ目の生産年齢人口の減少というのも非常に大きな課題です。全ての人が、これは、皆さん共有している一番の問題点だろうと思います。
 先ほど、看護補助者の数が急激に減っているという資料も見させていただきました。病院医療の現場ですと、なかなか人材を確保するのが難しい中で、いかに適切に医療を提供していくのか、生産性を上げていくのかというのを求められる状況に、これからなってきます。
 そういう面でも、先日4月の総会でも発言させていただきましたが、人員配置に関する要件というものに関しては、できる限り、現場が使いやすいような形で、制度設計を見直していく努力というのを我々はやっていかないと、DXの推進等々によって、いかに効率的に医療を提供しようとしてもそれが阻害されるということがあってはいけないと思います。
 そういう視点というのは、今回の診療報酬改定では、ぜひ議論させていただければと思います。
 私のほうからは以上になります。
○小塩会長
 ありがとうございました。
 続きまして、茂松委員、お願いいたします。
○茂松委員
 種々、今、いろいろ問題が出ましたが、1つ気になりますのは、小児・周産期医療ですね。そこが安心・安全に分娩ができるという状態、これは何も集約化がいいというわけではなくて、やはり、津々浦々どこでも安心できるような分娩も必要であるということも1つ念頭には置かないといけないということと、もう一つは、人材紹介派遣会社のように、こういう公的価格の費用が、そちらのほうへ流れていくということの問題も非常に多く抱えていると思いますので、その辺も考慮願いたいということもお願いしたいと思います。
 以上です。
○小塩会長
 ありがとうございました。
 続きまして、大杉委員、お願いいたします。
○大杉委員
 ありがとうございます。
 少子高齢化が進む中で、医療提供体制に関する現状や課題に関して資料をまとめていただき、ありがとうございます。
 154ページに示されました現状と課題に沿って、歯科の立場でコメントをさせていただきます。
 今回、事務局からお示しいただきました課題の部分の下線になりますが、各地域における歯科医療提供体制を維持、確保するために、診療報酬改定の方向性について、どのように考えるかと記載されていますが、基本的には、制度的枠組みや予算的対応など、総合的政策を議論する中で、診療報酬上の対応との両輪で進めていくことが重要と認識しております。
 その上で、1点目の課題に記載されていますように、歯科医療現場では、う蝕や歯周病という歯科疾患を治療するだけでなく、患者さんのライフコースを捉えた上で、口腔の継続的な管理を通じて、食べる、話すという生活に密接に関係する口腔機能を維持、増進していくための歯科医療が浸透しつつあります。
 さらに、基礎疾患をお持ちの方や介護が必要となるなど、多様化する高齢者の患者の増加をはじめ、歯科医療を提供する場所や形態も多様化しております。
 今後の人口減少に伴い、医療サービスを提供する人材も減少していくことが予想される中、限られた歯科医療機関がそれぞれの地域で役割分担を図りつつ、多様化する患者さんのニーズに歯科医療現場が対応できるような評価や、分かりやすい運用を診療報酬で御検討していただきたいと思います。
 また、2点目ですが、歯科診療所は非常に限られた人員で、歯科医師、歯科衛生士、歯科技工士がそれぞれの専門性を生かし、役割を分担しながら日々の歯科診療を行っています。
 今回お示しいただきました66ページの資料を見ますと、人口規模が小さい都道府県ほど、歯科医師の平均年齢が高いという興味深い資料もお示ししていただきまして、ありがとうございます。
 この資料にあるような状況は、日本歯科医師会としても地域医療を継続していく上で、地域において歯科診療所が継承できないという問題も含めて、喫緊の課題と捉えて対応を急いでいるところであります。
 本日の資料の100ページを見ると、歯科診療所の歯科衛生士数は増加しているように見えますが、実際のところ、確保や定着の点で、歯科医療機関の歯科医師は大変苦労をしております。
 また、歯科技工士は、さらに課題の多いところであります。
 今年度のかかりつけ歯科医に関する検証調査等においても、こうした点も調査されると思いますが、前回改定での課題や影響も踏まえ、次期診療報酬改定において、歯科専門職の確保や定着に資する対応を御検討していただきたいと思います。
 私からは以上でございます。
○小塩会長
 ありがとうございました。
 続きまして、森委員、お願いいたします。
○森委員
 ありがとうございます。
 156ページ目に示されました薬局・薬剤師に関する課題について、コメントをさせていただきたいと思います。
 まず、1つ目の薬局数の増減、特に都市部への集中傾向の問題についてです。
 スライドの41ページのとおり、全国の薬局数は微増傾向が続いていますが、スライド42ページからも明らかなように、都道府県ごと、医療圏ごとに事情は全く異なります。これは、人口増減に伴って患者数も増加している地域において、薬局数も増加し続けているのであって、その反面、そうではない地域では薬局数は横ばい、もしくは既に減少傾向に転じているところが目立ち始めています。
 そして、薬剤師数についても同様に、薬局数の増減と連動して、地域偏在が生じているものと考えています。
 都市部の大病院の門前の開局が続いている一方で、このまま何も手を打たずに見守っているだけでは、都市部以外の地域や過疎地域における薬局・薬剤師の不足傾向はさらに進んでいくことが危惧されます。
薬局の場合、医療計画などに基づく薬局配置、離島や僻地への薬剤師派遣に係る経済的支援がありませんので、薬局として経営維持が見込めなければ、業務を維持していくことは困難です。
そのためには、薬局が十分足りていると考えられる地域の新規開局のあるべき姿について検討するとともに、都市部以外の地域や過疎地域の薬局については、地域行政との連携のもと、当該地域の中で、例えば充足もしくは余裕のある薬局が、薬局が不足もしくは薬局が存在せずに困っている地域を、何らかの形で支援していくといったことも含めて検討していく必要があるのではないかと思っています。
 次に、2つ目の地域における薬局の機能についてです。
 医薬局に設置された薬局・薬剤師の機能強化等に関する検討会の取りまとめを踏まえ、個々の薬局に必要な機能については、各薬局が強化をしていくこと。
 一方で、無菌製剤やターミナル対応など、必ずしも全ての薬局が同じように担うことが難しい機能や、休日夜間対応などについては、地域の薬局が連携、協力し合い、地域に必要な機能を確保していくことが必要です。
 今後の人口減少社会において、薬局が連携して、地域に必要な機能を確保し、医薬品提供体制を構築、強化していくことが重要であり、そうした薬局間連携による体制整備が進むよう、必要な評価を検討していくべきと考えます。
 最後に、3つ目の病院薬剤師の確保についてです。
 病院薬剤師の確保は喫緊の課題で、第8次医療計画に記載され、都道府県において薬剤師確保計画の作成や、医療介護総合確保基金を活用した事業などが進められていますが、目の前の対策と併せて、薬剤師偏在是正を目標とする2036年に向け、中長期的な目標に向けた取組も必要と考えます。
 その方策の1つとして、病院薬剤師不足もしくは病院薬剤師の負担軽減のためには、薬局の偏在対策も有効ではないかと考えています。例えば、薬局がない地域では、医療機関が院外処方に切り換えたくてもできないケースがありますが、例えば、過疎地域等において、サテライト的な薬局を設置すれば、外来患者の調剤を担うことで、その結果として、医療機関の負担軽減、病院薬剤師不足の対応にもつながるのではないでしょうか。
 77ページに、薬局・薬剤師の偏在指標があります。薬局・薬剤師も地域偏在、従事先への偏在があり、29府県では、指標が1未満ということで不足となっています。地域の医療提供体制の確保に関する課題は、病院薬剤師のみならず、薬局薬剤師の偏在、無薬局地域などへの対応と併せて考えていくべきではないかと考えます。
 私からは以上です。
○小塩会長
 ありがとうございました。
 続きまして、池端委員、お願いいたします。
○池端委員 ありがとうございます。池端です。
 入院に関してと、薬剤師の偏在に関して、1点質問と、あと幾つか意見を言わせていただきたいと思います。
 まず、質問ですけれども、21ページの病院数の年次推移があります。これは、病院が8,112、療養病床を有する病院が再掲として3,403と出ていますけれども、私の理解では、この療養病床を有する病院というのは、療養病床を1つでも持っている病院の数ということで理解しているのですが、それでよいかどうか一応確認をしておきたいと思います。
 なぜかというと、これを見ると、療養病床がまだまだ随分あるではないかと言うイメージになってしまうかと思いますけれども、実際は、23ページを見ていただきますと、ここに一般病床、精神病床、療養病床、結核病床の4種類の病床があって、療養病床はかなり減ってきている、これが現実だということを理解していただきたいということで、この点についての解釈で正しいのかどうか、一応確認をさせていただきたいと思います。
 その上で、まず、112ページのところを見ていただきますと、152ページに、病院の経営が厳しいのは、利用率が下がっている等によりという言葉が書いてありますけれども、この112ページを見ていただきますように、確かにコロナ禍で、かなり病床利用率が下がりましたが、その後、また少し、特に急性期病院は持ち直しています。それでもなおかつ、経営が厳しくなったということが、決して利用率が下がっただけで経営が厳しくなったのではないということが、この最後の折れ線グラフの持ち上がりで理解できるかと思いますので、そういうことがあることを、この表でも理解していただければと思っています。
 その上で、先ほど長島委員、太田委員もおっしゃったように人口規模によって随分違う。たまたま2040年のサービス提供検討会に参加していますが、そこでは人口規模によって大都市型と、それから、非常に過疎地域の中山間地域型と、そして一般型と3つに分けて介護の提供体制を検討しようということが始まっています。
 病院も同じように、そういうジャンルを分けて考えなくてはいけない。もちろん、全国一律診療報酬点数は共通でしなくてはいけませんけれども、そういう地域によっては、例えば、急性期も回復期も慢性期も、1病院で持ってなければいけないと言ったニーズも理解した上で、そういう病院が必要だということも特に地方ではありますので、そこも理解していただきたい。全て病院を差別化すればいい、機能分化すればいいということでは済まないところが各地域で特に地方ではあるのだということもぜひ理解して、それも柔軟に対応できる、そういう仕組みを中医協でも議論していただきたいということを申し上げたいと思います。
 要は、高度急性期というのは一定程度収斂されていく可能性があると思いますけれども、それ以外の包括的な機能というのは、いろいろな機能を併せ持つことが地域のニーズに合った病院になっていくのだということを、ぜひ強調しておきたいと思います。
 最後に、もう一点、薬剤師の問題です。これは72ページの図で、先ほど他の委員もおっしゃったように、明らかに薬剤師はどんどん毎年養成されているにもかかわらず、72ページ、病院薬剤師は一向に増えていない、これが如実に表していると思います。実際に、本当に病院の薬剤師がいなくて大変です。福井県はたまたまですけれども実は薬学部がない県で、全国で沖縄に次いで、多分最下位に近い県です。実は福井県では薬局の薬剤師も少ないし、病院はもっと足りない、全然いないという状況になっている。ここの偏在をどうしてなくしたらいいかということを、保険局医療課として、この中医協で議論できることとできないこともあると思いますが、ぜひ今回喫緊の課題として取り上げていただきたいなと思っています。例えば、医政局マターのこともありますし、もっと言えば、薬剤師の教育、いわゆる文科省マターの薬剤師の教育の中で、6年間に延ばしたのに、なおかつ、まだまだ病院実習期間が(薬局と同じく)1、2か月しかない、これをせめて半年、1年、例えば、医師で言えば、臨床研修を1年、2年やって、病院で研修を受けて、そして病院のいろいろな面白さも理解してそこの病院に勤務したいと感じる事も多いと思うので、研修期間が非常に短いというのは、私は1つの問題点ではないかと思います。特に、これから薬剤そのものがものすごく高度化、複雑化していますので、本当に専門性を持った薬剤師が病院で働いていただくことが非常に重要になってくると思います。
 その辺を含めて、これは中医協マターだけではなくて、他の部局あるいは他の省庁とも協力しながら、この薬剤師の偏在問題をぜひ検討していただけるといいかなと思っています。そしてまずは、この中医協でできる議論をしていただけるとありがたいかなと思っています。
 以上です。ありがとうございました。
○小塩会長
 ありがとうございました。
 ただいま、池端委員から1つ、21ページのグラフについて御質問がありましたので、それについて、事務局、対応していただけますでしょうか。
○林医療課長
 医療課長でございます。
 21ページの療養病床を有する病院ということでございますが、すみません、今、原点にまでたどるいとまがなかったのですけれども、私どもも委員と同じ理解でございまして、療養病床を1つでも持っている病院と理解しております。
○小塩会長
 よろしいでしょうか
 ほかによろしいですか。
 大体2号側の委員の方々から御意見を頂戴したのですけれども、次に1号側に御意見を伺いたいのですが、その前に、長島委員から御提案がございましたけれども、看護の立場から専門委員の御意見も頂戴したいという御要望がございましたので、専門委員の木澤委員からお願いいたします。
○木澤専門委員
 ありがとうございます。
 先ほどからの御議論にもありましたが、医療需要は、2040年に向けて大きな変化が見込まれており、各地域で必要な機能に応じた病床、施設の再編を進めていく必要があります。急性期拠点機能の確保、高齢者救急の速やかな対応、そして、在宅医療の提供等、医療機関や訪問看護ステーションに求められる機能を整理し、質の高いサービス提供体制を確保するためには、診療報酬における対応が必要と考えております。
 その上で、153ページの課題に基づいて、看護の立場から2点意見を述べさせていただきます。
 まず、生産年齢人口の減少についてです。
 96ページにありますとおり、令和6年度に初めて大学の定員充足率が100%を切っております。さらに今後少子化が一層進んでいくことと、生産年齢人口の急激な減少を鑑みれば、看護職員の確保と働き続けられる環境整備の取組が喫緊の課題です。
 中でも、夜勤者の確保が重要であり、夜勤が可能な看護職員の確保や、夜勤者の負担軽減は大きな課題です。
 2024年度に本会が行った調査では、看護職員の病床規模にかかわらず、病棟において、育児や介護等を理由に月間の夜勤時間数が少ない職員が15%弱を占めていることが明らかになっております。
 安全・安心で質の高い医療・看護提供体制を維持するためには、多様なシフトや働き方の導入、医療DX、タスク・シフト/シェア等の推進により、生産性の向上を図るとともに、職責に見合った処遇の確保、改善、特に夜勤者の処遇の確保が不可欠です。
 さらに、高齢化に伴い、状態が変動しやすく、注意深く対応しなければならない患者さんが増えております。
 働く職員の状況も多様化、複雑化している中で、病棟管理を行う上では、マネジメント機能の強化が必要と考えております。
 次に、特に医療資源が少ない地方部の課題についてです。
 今後は、医療へのアクセスが課題となり、オンライン診療の需要が高まります。離島へき地における「D to P with N」の有効性が示されていますが、看護師は、診療の補助や情報通信機器の操作を行うとともに、時間をかけて患者の生活の視点を踏まえた療養支援を行い、地域での患者の暮らしを支えております。
 限られた地域の看護人材の効果的・効率的な活用の視点を踏まえつつ、安全性や有効性を担保し、対面診療と適切に組み合わせながら、地域の実情に応じてオンライン診療を推進する必要があると考えております。
 私からは以上となります。
○小塩会長
 ありがとうございました。
 それでは、1号側に御意見を伺いたいと思います。
 最初に、松本委員、お願いいたします。
○松本委員
 ありがとうございます。
 今日は、医療提供体制に関わる実態であるとか、あるいは傾向に関わるいろいろなデータをお示しいただきまして、どうもありがとうございました。
 人口構造や医療ニーズの変化は、既に起きていることですけれども、今後それがさらに進み、地域格差も拡大することは確実だと思います。
 したがいまして、現状の医療提供体制を前提とするのではなく、医療資源の配置を最適な形に組み替えていくことや、それぞれの医療機関が地域のニーズを過不足なく充足できるように機能を強化していくことが不可欠だと考えております。
 この方向性は、医療制度改革においても明確に打ち出されていると思いますので、中医協においても同じ方向で次回改定の議論を進めることが重要だということを、まず、申し上げておきたいと思います。
 それでは、153ページ以降にあります課題についてコメントいたします。
 まず、病院、診療所、訪問看護ステーションについてでございますが、病院については、治す医療のニーズが減少することを念頭に置き、急性期の医療資源を集約し、拠点となる病院で集中的に濃密な医療を提供することで、医療の効率化や症例集積による治療成績の向上、さらには病床利用率の改善による経営の安定化にもつながるものと考えております。
 その一方で、医療・介護の複合的なニーズを有する高齢者については、なるべく転棟や転院をすることなく、早期に在宅復帰できることが理想だと思いますので、包括期の病床機能を充実させることや、前回も少し申し上げましたけれども、望ましいケアミックスのパターンのようなものを検討することも必要だろうと思います。
 診療所については、かかりつけ医機能を中心的に担う医療機関として、幅広い疾患に対応できる機能の強化や、時間外診療、在宅医療に対応することを念頭に、集約化や大規模化を進めることも必要だと認識しております。
 これにより、外来医療のニーズが減少する中で、経営基盤の安定化にもつながるものと考えます。
 また、今もございましたが、看護師の新規養成数が既にピークアウトしているということですが、今後も看護のニーズは増加すると思いますので、医療DXによる業務の効率化や、今、増えているほかの職種へのタスク・シフト/シェアを推進することとともに、訪問看護ステーションについては、引き続き、大規模化を進めることも課題だと考えております。
 また、医療資源の少ない地域への対応については、医師偏在対策における外来医師少数区域の議論と、僻地・離島の議論は少し切り分けて議論する必要があると感じております。
 次に、154ページの歯科医療機関についてですが、今後、高齢者の入院が増加していく中で、137ページを見ますと、入院患者の口腔管理の重要性が示されております。
 次回改定に向けて、病院における歯科医療の充実について、論点に取り上げることも重要だと考えております。
 最後に、薬局・薬剤師についてでございますが、77ページを見ますと、何人かから御発言がありましたが、病院と薬局における薬剤師の偏在は明らかであり、この状況を是正し、病院薬剤師を確保することが大事だと考えます。
 また、敷地内薬局の位置づけも含め、地域における薬局の位置づけについて、改めて整理する必要があると感じております。
 私からは以上でございます。
○小塩会長
 どうもありがとうございました。
 続きまして、オンラインで伊藤委員が先ほどからお手を挙げていただいていますので、伊藤委員、お願いいたします。
○伊藤委員
 ありがとうございます。地方の首長として、コメントをさせていただきたいと思います。
 全国各地、大都市を除けば、人口減少、また、少子化という本当に大きな波の中で、この地方創生をしていかなければならないということで、地方は本当に厳しい局面にあると感じております。
 そのような中で人口が減少すると、医療ニーズが減る、そのために、地域医療提供体制を縮減するとか、撤退するとか、直ちにそういうことがあってはならないと思っております。やはり、今、暮らしている地域で安心して暮らすことができるというのが、まずベースにあって、そのための地域医療提供体制は重要であると思っています。
 その中で、私が首長として感じますのは、大きく3つあると思っています。
 1つは、やはり救急医療です。助かる命をしっかりと救うことができる、全国どこに住んでいてもできるという形を取るのは非常に大事だと思います。
 2つ目は、小児科です。今の資料を見ていますと、小児科の数も増えている、また、診療所の数も微増という数字が出ていますけれども、地方で首長をしている感覚からすると、やはり小児科も減ってきているのかなという感覚があります。少子化対策をする上で、小児科は不可欠であると思いますので、2つ目として小児科の重要性を申し述べたいと思います。
 3つ目は、やはり周産期、産科です。出生数が70万人を切るような時代になってきていますけれども、やはりしっかりと、それぞれの地域でお産ができる体制を維持するということは、まさに私たちは本当に重要なことであると思いますので、まず、この3つがしっかりと維持できるというのは、首長として重要であると思っています。
 ただ、その上で、この3つを維持しながら、地域医療を持続可能なものにするためには、本当に大きな改革が必要になるのだろうと思っております。
 この診療報酬の議論でも当然ですけれども、これまでも委員の中からたくさんありましたけれども、やはり地域医療構想の中でも、地域のステークホルダーが地域医療をしっかりと持続可能なものにするためにはどうすればいいのかということを、真摯に議論をしていく必要があるなと思っておりますし、私自身も、その覚悟を持って臨んでまいりたいと思っております。
 私からは以上になります。ありがとうございました。
○小塩会長
 どうもありがとうございました。
 続きまして、鳥潟委員、お願いいたします。
○鳥潟委員
 ありがとうございます。
 様々なデータを整理して紹介していただき、ありがとうございました。
 総論的な話にはなりますが、国民皆保険の維持を前提といたしまして、地域では必要な医療を享受するために、医療提供体制の今後の在り方としましては、人口構造の変化により、今後増えていく医療ニーズと、減っていく医療ニーズがあることを踏まえ、偏在の是正も含め、地域全体での整備を図っていくことが重要だと考えます。
 あわせて、生産年齢人口の減少が進む以上、効率化や機能分化、集約化の方向に進めていくことは、必要不可欠だと考えています。
 医療提供体制の整備は、様々な施策を組み合わせて取り組んでいくものですけれども、診療報酬改定でも、そうした状況を前提に議論を進めていく必要があると考えております。
 以上です。
○小塩会長
 ありがとうございました。
 続きまして、佐保委員、お願いいたします。
○佐保委員
 ありがとうございます。
 医療提供体制につきましては、医療部会での議論にもなると思いますが、2040年頃を見据えた新たな地域医療構想を進めていく中で、地域への議論ももちろん大変重要ですが、日本全体で見たときどうするのか、偏在是正も含め、早急に検討すべきと考えております。
 論点の診療報酬改定の方向性としては、医療機関の機能分化、連携のさらなる推進につながるよう、議論を進めていくべきと考えます。
 私からは以上です。
○小塩会長
 ありがとうございました。
 続きまして、鈴木委員、お願いいたします。
○鈴木委員
 御指名ありがとうございます。
 皆さんがおっしゃるように、今の日本の現状ということは、もう皆さん理解の中で、今回、報酬の改定についての議論ということになるかと思います。
 まず、生産人口の減少ということで担い手不足、それも当然なのですが、これは逆に言うと、日本経済が小さくなっていって、また、それが財源不足になるおそれがある側面もあるということで非常に心配な部分です。
 それと、高齢者につきましても、人口分布が過疎化することによって、いろいろな困ったことができてきて、しかしながら、国民一人一人が住んだ地域が異なることによって、医療の差があっては駄目だというのは、皆さんの前提条件ということとなります。
 そういった中でも、やはり限られた財源、これもある程度意識をして、やっていかなければならないと思っております。
 その中で、一長一短に全てができるわけではないにしても、私は今年度の改定の論議の中で、やはり医療資源の思い切った配分、これについて着目しながら、しっかりとやっていく、その最適化を求めていくという形で、皆さんのほうで審議をしていただければと考えております。
 私のほうからは以上でございます。
○小塩会長
 ありがとうございました。
 続きまして、奥田委員、お願いいたします。
○奥田委員
 まず、これだけの大作の資料をまとめていただき、ありがとうございます。日本の人口動態から始まり、現在の医療提供体制の現状を認識する上で、非常にいい資料だと思います。
 現時点では、個別に申し上げるのではなくて、総論的にコメントをしたいと思います。今回の資料の151ページ以降では現状と課題として、2040年を見据えた記述となっておりますけれども、この点は、今回の改正を考える上でも非常に重要な視点だと思います。
 今回、資料に示された医療需要の変化、生産年齢人口の減少に伴う担い手不足などの変化を見据えながら、提供体制自体も、その変化に適応する方向に舵を切ることが避けられないと思います。
 そのため、診療報酬につきましても、評価すべきところはきちんと評価し、適正化すべきところは徹底的に適正化し、これまで以上にメリハリのある体系とすることで、全体として効率的な提供体制に導いていくことが不可欠ではないかと考えます。
 今後の議論に当たりましては、こうした視点をしっかり念頭に置くことが重要であると思います。
 私からは以上です。
○小塩会長
 ありがとうございました。
 高町委員、お願いいたします。
○高町委員
 ありがとうございます。
 薬局・薬剤師について、これまでも発言したとおり、喫緊の課題は、病棟で勤務する病院薬剤師の確保ということは明らかと思います。この問題は、R6年改定でも取り組んできたかと思いますが、成果はあまり出ているようには見えません。
 病院薬剤師不足の最大の原因は、薬学部を卒業した学生が病院ではなく、調剤薬局やドラッグストアを就職先に選ぶ傾向が強いからではないでしょうか。
 私は、薬害被害者として、年に5つから6つの大学で講義をしております。その際に、担当教員と話してみますと、大学では学生に対して病院薬剤師になるように働きかけてはいるが、成果を上げることはできていないというのが現状だそうです。このような現状を改善するためには、ドラスティックな方策が必要ではないかと思います。
 また、病院薬剤師は薬害防止という観点からも非常に重要な役割を担っていると考えておりますので、ぜひ、この点に関しての方策を検討していただきたいと思います。
 ありがとうございます。
○小塩会長
 ありがとうございました。
 ほかに御質問、御意見等、長島委員、お手が挙がっています。お願いします。
○長島委員
 医療を提供するためには、地域に医療機関が絶対に必要です。医療機関なくして医療提供はありません。そして、現在、ある日、地域から診療所、病院、薬局、訪問看護ステーションを含め、地域からなくなってしまう、そういう極めて危機的な経営状況であるということを御理解いただきたいと思います。
 私からは以上です。
○小塩会長
 ありがとうございました。
 ほかは、いかがでしょうか。
 よろしいでしょうか。ほかに御質問等ないようでしたら、本件に係る質疑はこの辺りといたします。
 本日、各委員の方々から非常に貴重な御意見を頂戴いたしました。今後、事務局におかれましては、本日いただいた御意見も踏まえて、対応していただくようにお願いいたします。
 本日の議題は以上です。
 次回の日程につきましては、追って事務局より連絡いたします。
 それでは、本日の総会は、これにて閉会といたします。長時間どうもありがとうございました。