第44回がん検診のあり方に関する検討会(議事録)

健康・生活衛生局 がん・疾病対策課

日時

令和7年6月23日 15:00~17:00

場所

オンライン

議題

(1)がん検診情報の一体的な把握について
(3)子宮頸がん検診について
(4)その他 

議事

○事務局 定刻となりましたので、ただいまより第44回「がん検診のあり方に関する検討会」を開催いたします。
 構成員の皆様方におかれましては、お忙しい中、お集まりいただきまして、誠にありがとうございます。
 事務局を務めさせていただきます、厚生労働省健康・生活衛生局がん・疾病対策課の岡嶋と申します。
 本日の検討会は、YouTubeで配信しております。
 構成員の皆様方におかれましては、参加中は基本的にマイクをミュートにしていただきます。
 また、発言の際にはミュートを切って、初めにお名前をいただいてから、御意見、御発言をいただきますよう、お願いいたします。
 初めに、構成員の出欠状況でございますけれども、現時点の検討会構成員の定数10名に対しまして、出席構成員10名となっております。
 また、中野構成員からは、遅れて御参加いただける旨の御連絡をいただいております。
 それでは、以降の進行を山縣座長にお願いいたします。
○山縣座長 皆さん。こんにちは。本日はどうぞよろしくお願いいたします。
 それでは、最初に事務局より資料の確認をお願いいたします。
○事務局 事務局でございます。
 資料の確認をさせていただきます。
 資料は、事前にメールでお送りさせていただいておりますけれども、厚生労働省のウェブサイトにも掲載しております。
 議事次第、資料1、資料2-1から資料2-2、資料3と参考資料1から参考資料3がございますので、御確認ください。
 資料の不足、落丁等ございましたら、事務局までお知らせください。
 なお、資料2-1につきましては、本日、資料の差し替えがございましたので、御留意いただければと存じます。
 資料の確認は以上でございます。
○山縣座長 それでは、議題「(1)がん検診情報の一体的な把握について」です。
 資料1につきまして、事務局から説明をお願いします。
○事務局 事務局でございます。
 資料1について、御説明いたします。
 ページをおめくりください。こちらは前回第43回のがん検診のあり方に関する検討会の資料でございます。
 下にお示ししております対応(案)のとおり、受診率向上及び適切な精度管理の実施の観点から、職域検診を含めた住民のがん検診の受診状況等を集約化し、市町村が一体的に管理すること、こちらに関しまして、大きい方針として御賛同いただいたところでございます。
 また、その具体的な集約方法に関しましては、市町村が受診者に対して受診勧奨を行うに当たり、まず受診者本人からがん検診の受診状況等を市町村に報告すること。
 さらに報告に当たっては、自治体検診DXを見据えつつ、電子的な方法の活用を検討すること。
 こちらについて、御議論いただいたところでございます。
 3ページ目、4ページ目に関しましては、前回資料の再掲でございますので、割愛させていただきます。
 資料の5ページ目をお願いいたします。前回いただいた御意見ですけれども、まずがん検診情報の把握についてでございます。
 どのような手法で把握率を上げていくのか、今後検討が必要ではないか。
 今後、住民による自己申告ではなく、自治体が正確に把握する仕組みの検討が必要ではないか。
 精密検査の受診状況をどう把握していくのか、検討が必要ではないか。
 住民検診と職域検診について、同列で受診率として並べることは適切ではないのではないか。
 受診勧奨に関しましては、市町村だけで全てを担うことが難しい部分もあるため、手法を検討いただきたいという御意見です。
 医療機関との連携に関しましては、必要な精密検査や生活指導につながるよう、かかりつけ医にもしっかりと情報が伝わる仕組みの検討が重要ではないか。
 最後、医療DXに関しましては、今後のスケジュールを示してほしいという点と、デジタル化についていけない方も含めて、誰もがデジタル化のメリットを享受できるよう、慎重で丁寧な進め方が必要ではないか。
 こういった御意見を全体としていただいたところでございます。
 次、お願いいたします。前回、議決いただきました対応(案)を踏まえまして、今回、指針の改正案をお示ししております。
 新旧対照表に関しましては、資料3でもお示ししておりますけれども、具体の記載については、以下のとおりでございます。
 「第3 がん検診」の「1 総則」ですけれども、マル2のところで、市町村は、当該市町村の区域内に居住地を有する者の職域等がん検診の受診状況を把握し、職域等がん検診情報も踏まえた適切な受診勧奨及び精密検査勧奨に努めること。
 なお、把握する職域とがん検診情報の具体的な項目は、様式例1から5までを参照することとし、把握に当たっては、電子的な方法を用いる等、市町村の実態に応じて効率的な実施に努めること。
 こうした形で、今回の指針におきまして努めることと記載しておるところでございます。
 受診率に関しましては、「(4)実施回数等」にございますけれども、各検診の受診率は、職域等がん検診の受診者を含む受診者数または含まない受診者数のそれぞれについて、以下の算定式により算定するといった形で記載しております。
 7ページ目をお願いいたします。具体の受診勧奨イメージでございます。
 まず受診対象者全員に対して、適切な受診間隔でがん検診を受ける必要がある旨を通知し、その上で以下の設問例に基づいて、実施主体によらず、がん検診を受けていない者に対して、具体的に受診を案内することとする。
 設問例ですけれども、一つ目、今年度または昨年度に胃部エックス線検査または胃内視鏡検査を受けましたかという形で、指針に推奨しております検査の種別について御質問した上で、そちらががん検診として受診したものかどうか、さらにそれが適切な受診勧奨に基づくような年度であるかということを確認するという形でございます。
 その上で必要な方に関しましては、受診を案内し、一番下、適切な受診間隔で受けていらっしゃる方に関しましては、受診は案内しないけれども、要精検であれば、精密検査が必要であるという旨を通知するという形でお示ししております。
 8ページ目をお願いいたします。健康増進事業報告(案)でございます。
 令和9年度以降の健康増進事業報告に関しまして、今回の指針改正に伴いまして、職域等がん検診情報についても、報告を求めることとしてはどうかというところでございます。
 下のタイミングですけれども、今回の指針改正に伴いまして、令和8年度から導入した自治体におきましては、令和8年度におきまして、令和7年度、前年度の職域等がん検診情報の確認を行いますので、年度を越えて、令和9年度の報告の際に令和7年度の職域等がん検診情報を報告いただくことを想定しております。
 9ページ目をお願いいたします。指針改正後のフローでございます。
 今回の指針改正に伴いまして大きく変わる部分が下の図、住民検診のところのマル1-1、マル1-2のところでございます。
 こちらに関しまして、受診勧奨に当たりましては、先ほどお示ししました設問を受診対象者に回答いただきまして、マル1-2という形で職域等がん検診情報として登録いただきます。
 あわせまして、その後の案内を踏まえまして、受診対象者はマル2受診という形で進んでいきまして、以降のフローに関しましては、基本的には現状と同じでございます。
 赤矢印のマル5ですけれども、こちらに関しましては、先ほど申し上げました職域等がん検診情報の登録の際に、精密検査が必要な方については、職域検診におきましても精密検査を受けてくださいというところを示しておりますので、精検勧奨のところが一つ変わるところです。
 受診再勧奨に関しましては、自治体で前年度職域検診を受けたかどうかというところが今回の制度改正により分かりますので、受診再勧奨が必要な方、不要な方に効率的に実施ができるところでございます。
 次、お願いいたします。ここまで今回の指針改正に伴いまして、変更のフローをお示ししておりますけれども、10ページ目に関しましては、前回、御議論、御意見いただいたところを踏まえて、がん検診情報の一体的な把握の目指す姿について、イメージとしてお示ししております。
 下の図、住民検診の黄色の自治体検診PMHは、自治体検診DXにおいて現在検討されているところですけれども、さらに赤い矢印のところですが、職域等がん検診情報につきまして、本人同意の下、正確な受診状況等を市町村が把握する仕組みの構築を検討することとしてはどうかというところでございます。
 仕組みの構築に当たりまして、現時点で想定される課題は以下のとおりでございます。
 一つ目、医療機関が報告する検診結果に関しまして、住民検診における様式、職域等がん検診における様式の両者に差異がございまして、自治体において統一的なデータ処理がなかなか難しいところです。
 二つ目ですけれども、iii-2の赤い矢印ですが、職域等がん検診で実施された検診結果に関しまして、電子的に本人に送付するための仕組みがございませんので、そちらについて今後検討が必要であるというところでございます。
 11ページ目をお願いいたします。今後の導入スケジュール(案)でございます。
 今回の一体的な把握に係る制度改正に関しましては、下にございますとおり、自治体検診DXの状況も考慮しながら、以下のスケジュールで導入してはどうかというところでございます。
 一体的な把握は、今回お示ししています指針改正と事業報告の様式改正に関しましては、本年度中に行う予定ですけれども、そちらに関しましては、あくまで準備が整った自治体から導入いただくことを意図しておりまして、一番右にございます本格実施に関しましては、一番下にございます自治体検診DXの本格実施以降を想定しているところでございます。
 自治体検診DXに関しましては、下にございますとおり、令和7年度、現在、PMHのモデル事業を具体的に実施検討しているところでございますけれども、最終的には令和11年度以降の本格実施について検討を進めているところでございまして、本制度の一体的把握の制度改正に関しましても、それ以降の本格実施というところを記載しております。
 中段、自治体システム標準化は、全体としては令和7年度末に移行することを目指すとされておりますけれども、中段にお示ししております今回の指針改正を踏まえた健康管理システムの標準仕様書改版に関しましては、仕様書としては本年度中にお示しいたしますけれども、全自治体において適合をお願いしております適合基準日に関しましては、先ほど申し上げました本格実施のタイミングとし、できる準備が整ったところから導入いただけるような準備を我々も進めたいと考えているところでございます。
 事務局の説明については、以上でございます。
○山縣座長 どうもありがとうございます。
 それでは、資料1につきまして、御質問、御意見がある方はお願いいたします。黒瀨構成員からお願いいたします。
○黒瀨構成員 詳細な御説明をいただきまして、ありがとうございます。
 自治体が行うがん検診の情報に関するシステムが標準化して情報連携に資するという考え方自体に特に反対するものでございませんし、この方向で進めていただければと思います。
 一方で、御承知のとおり、今、標準型電子カルテの導入について、国を挙げて進めていただいているところでございまして、これは医療DXの一丁目一番地だと我々は考えております。
 この中で医療情報のプラットフォームを利用することによって、いわゆるがん検診が職域、自治体を問わず、がん検診だけではなくて、全ての検査情報を共有することができて、その中でがん検診の一次検診、あるいは精密検査に相当する部分も吸い上げて、自治体で把握できるようにするような考え方はいかがかと考えております。
 そうすることによって、自治体の負担軽減にもつながりますし、また、かかりつけ医が情報共有することによって、必要な受診勧奨を行う、あるいは先手を打っての生活習慣の指導などの予防的なものにもつなげていくことが可能です。
 我々が言うことではないかもしれませんけれども、無駄な検査を省くことによって、医療費の適正化にもつながっていくと考えています。
 今の御説明の内容に将来的なものとして、こういう考え方もいかがかということで申し上げさせていただきました
 以上です。
○山縣座長 どうもありがとうございます。
 事務局からよろしいでしょうか。
○事務局 事務局でございます。御意見いただきまして、ありがとうございます。
 現時点におきましては、まさに医療機関から自治体における仕組み自体がない中での検討ですので、足元の現状としては、御意見として賜った上で必要な検討を行ってまいりたいと思っております。
○黒瀨構成員 今後、工夫しなければいけない点、あるいは法律の部分でも変えていかなければいけないところもあろうかと思いますけれども、やはり5年、10年先を考えた上で、ぜひ取り組んでいただければと思っています。よろしくお願いいたします。
○山縣座長 ありがとうございます。
 次に、松坂構成員、お願いいたします。
○松坂構成員 弘前大学の松坂です。
 今、御説明いただいた内容の7番のスライドです。一般住民の方からの受診の有無の確認のところですが、ここで設問マル1がどの検査をしたか、設問マル2ががん検診として含まれるか、設問マル3がいつ受けたかということです。
 今、対策型検診で精検の受診の有無を市町村が確認する場合においては、四つの情報が御本人から得られると、受診をしたとみなすことになっています。それがいつどこで何の検査を受けて、どのような結果だったか、がんかがんではなかったのかということです。
 いつということに関しては、年と最低でも検査を受けた月までは聞いています。日まではなかなか難しいのですが、四つの条件の正しい回答が得られないと、精密検査の受診の有無の情報が正確ではないことは、2016年の本あり方検討会の議事録にあります。
 今回、設問マル3で、検査を受けた時期について、今年度、昨年度と情報の粒度が粗いことになってしまうと、住民の方が本当は受けていないのにもかかわらず、誤って受けたことになってしまう可能性があります。
 これの何が悪いかというと、本当はがん検診を受けていないのにもかかわらず、受診したことになってしまうと、その方は当該年度の再勧奨を受けません。さらに子宮頸がん検診と乳がん検診だと、隔年での受診なので、2年後にしか受診勧奨を受けないという住民の不利益があります。
 ここは受診の有無を正確に確認する観点から、情報の粒度をもう少し細かく、最低でも受けた年のほか月までの情報を入力して、そして、分からないという選択肢もつけて、正確な受診情報を収集すべきだと思います。
○山縣座長 ありがとうございます。
 それでは、この点に関しまして、事務局からお願いします。
○事務局 事務局でございます。
 まず分からないという選択肢を設けることに関しましては、まず設問マル1におきまして、今年度または昨年度に受けましたかという形で置いております。その上でそこに関して分からないというお答えになった方に関しましては、右にございます3・4を選択したもの、4を選択したものになりますので、基本的には受診を案内いただくという流れになろうかと思っております。
 その上で情報の粒度に関しましては、事務局としましては、今回、自己申告というところもございますので、現状の限度としましては、こういった情報に関して収集するのがいいと思っておりますけれども、今後、電子的に自治体に送付する仕組みが実現した際には、もう少し粒度の細かいところまで把握できるようになっていくと思っているところでございます。
○松坂構成員 受診率をできるだけ高く、漏れなく拾い上げることに関しては、曖昧な条件で情報収集するのもいいとは思うのですが、先ほど申し上げたように、本当は受診していないのにもかかわらず、誤って受診したことになってしまうと、その後の御本人に不利益があるので、そのところは十分に留意して話を進めてもらいたいと思います。
 以上です。
○山縣座長 今、説明にあったように、設問マル1と設問マル2でかなり拾えるのではないかということではあったと思いますが、どうもありがとうございました。
 次に、樋口構成員、お願いします。
○樋口構成員 ありがとうございます。樋口です。
 職域を含めた住民のがん検診の受診状況を把握することはすごく大事なことだと思いますが、受診者に対して受診勧奨を行うに当たり、まず本人から報告とあります。現在でも受診勧奨を全ての対象者に行っているかというと、私も職域を受けていますが、一度も通知が来たことがなく、そういうわけではないと存じております。
 それを全てにやるに当たって必要となるような手間であったり、費用負担のインセンティブやディスインセンティブについては、どのように考えておられるのか。それはやはり努力義務であるために、進むところはやりますし、やらないところはやらないということが起こり得るのではないか。
 私どもの地域のがん対策において、いつも最後に行われていたり、結局、やらないということを受けてきた地域であったので、ひとしく対策が進むような仕組みが必要ではないのかと思いました。それが1点目です。
 2点目は、今、自記式回答での把握についての話があったと思うのですが、松坂構成員とも少しかぶるかもしれませんが、やはり自記式の回答では把握には限界がある部分もあると思います。
 面倒だとどうしても分からないというところにチェックしがちになってしまいますし、実施数ベースで分母とひもづく形で把握ができなければ、誰が受診できていて、誰ができていないかが分からず、受診勧奨の重点化自体もすごく難しくなっていくと感じます。また、コール・リコールという対策にもなってしまいます。
 実態が分からない中での対策をどう取っていくかということを考えると、この対策のやり方はあるのではないかと感じております。
 以上です。
○山縣座長 ありがとうございます。
 事務局からお願いします。
○事務局 事務局でございます。御質問、御意見いただきまして、ありがとうございます。
 まず1点目ですけれども、自治体によって受診勧奨の取組について一定の差異があることについては、我々としても承知しているところですけれども、がん検診事業のあり方についての報告書であったり、こちらの検討会の議論にもありますとおり、基本的には個別の受診勧奨を推奨しているところかと思います。
 自治体の中で取り組めるところを自治体の中で御判断いただいていると思っておりますけれども、今回の指針の改正に関しましても、必要な環境は整備しつつ、自治体の中でできるところでまずやっていただくことが第一歩と思っております。
 最終的には、スケジュールでお示ししましたとおり、基本的には全国の自治体で実施いただくところがゴールであろうかと思いますので、必要な環境整備は国としても実施してまいりたいと思っております。
 2点目の自記式回答の限界に関しましては、前回からも御意見いただいたとおりでございまして、そこに関しましても、最終的には精度を上げていく、回答率を上げていくという観点からも、10枚目のスライドでお示ししました、目指す姿に向けて今後検討していくところだと思っておりますので、引き続きがん検診検討会を含めて、我々のほうで検討させていただければと思っております。
 以上でございます。
○樋口構成員 ありがとうございます。
 長い目で見て、法制化であったり、何らかの形で対策が必要ではないかと思っておりました。
 以上です。
○山縣座長 そのための情報DXかもしれませんが、国民の理解を得ることが必要だと思っております。ありがとうございます。
 次に、古賀構成員、お願いします。
○古賀構成員 ありがとうございます。
 私からは2点です。
 一つは、費用面のことについてです。先ほどお話がありましたが、自治体によっては全対象者に送っているところもあれば、一部の方にしか送っていないところもあるということですが、それに対して、現在、国から2分の1の補助を頂いてはいるのですけれども、実はそれの単価が非常に少ないのです。
 昨年の10月に郵送料が上がってしまいまして、本当に郵便物を1通送るのにも非常にコストがかかります。今、はがき程度なのか、細長い封筒1通程度なのか分かりませんが、この情報を増やすということで、盛り込める情報が非常に少なくなってしまうことが懸念されます。
 やはり回答率を上げるためには、これを認識して回答していただき、その行動を促すという情報も必要なようですので、そのような通知物の発送の予算の手当についても、ぜひ御検討いただければというのが一つでございます。
 もう一つにつきまして、その費用面で電子的な手段で回答いただくということですが、そちらにつきましては、私ども横浜市では、電子申請のシステムを独自に持っておりますので、回答を得ることは可能です。
 ただ、それを国への報告ということで健康管理のシステムに入力をするのであれば、それをどのように取り込むのかということで、システムの改修が必要になるのではないかという懸念があります。
 現在、システムの標準化を進めている中で、また新たな項目をつくることは自治体にとってかなり負担になるのではないかと考えており、御説明の中では、今後は自治体DXが予定されていて、過渡期の取組でございますので、その過渡期に当たって、自治体がシステムの改修を含むようなものに対してどれだけ取り組めるだろうかというのは、かなり難しい印象がございます。
 もう一点ですが、2点目につきましては、職域で受けた、あとは人間ドックなどの任意で受けたという方に対して、回答を基にもし受診結果に精密検査が必要ということであれば、それを受診してくださいと精密検査を促すことも自治体からやってほしいということが御説明にあったと思います。
 そこにつきましても、かなりの負担が増すのではないのかというあたり、これも電話であるのか、あるいは恐らく電子的なので、電子で返せということなのか、郵送なのかという手段もございますが、そのあたりは把握した後、どういったことまでが自治体の義務になっていくのかということに対して非常にちょっと不安があります。
 それと、やはりこれだけのことがあって、実際に努力義務になると、どこまでの自治体が取り組むのであろうかというところは、実効性について不安があるというような印象でございます。
 以上でございます。
○山縣座長 ありがとうございます。
 3点ありましたが、事務局からお願いします。
○事務局 事務局でございます。御意見ありがとうございます。
 1点目、予算に関しましては、御指摘いただきましたとおり、新たなステージに入ったがん検診の総合支援事業というところで、受診勧奨・再勧奨や、クーポン券の配布等について、予算事業を実施しているところでございます。令和6年度、令和7年度と予算自体は確保しているところですけれども、今後についても我々もしっかりと取り組んでいきたいと思っております。
 2点目、システム改修に関してですけれども、御指摘のとおり、今回、11枚目でお示ししておりますが、今回の制度改正に伴いまして、情報収集の対象に入りますので、健康管理システムの改修が今後想定されるところでございます。
 他方で、自治体検診DXに関しましても、同様に今回指定しました自治体検診DXに伴いまして健康管理システムの改修も見込まれますので、そういった意味でも効率的にシステム改修していただけるように、自治体検診DXの後ろで適合基準日を置かせていいただいているところでございます。
 3点目でございますけれども、職域に関して情報を踏まえてどのように精密検査を行っていくのか、どこまで求められているのかというところですけれども、7枚目をお願いいたします。
 7枚目の一番下でございます四角のところですけれども、要精検であれば、精密検査が必要である旨を通知としておりまして、設問マル1から設問マル3で、資料のとおりですけれども、一次検診の結果、要精検になったかどうかまでは、今回の聴取の対象とはしておりません。
 したがいまして、今回、要精検であれば、精密検査が必要であるというところに関しましても、職域検診等で受診していただいた方について、基本的には一律に、「要精検であれば、あなたは検査が必要なのです」ということを本人にアラートしていただくところまでだと思っております。個別にその人が要精密検査だったかどうかを把握して、その上で個別に電話をかけるといったところまでは、現時点では想定していないところでございます。
 他方で、そうした場合、実効性のところも御指摘があったと思いますけれども、10枚目にございましたとおり、最終的な目指す姿としましては、本人同意の下、正確な受診状況等を把握する仕組みの構築ということでございますので、そういった際には精密検査が必要だったかどうか、また、精密検査を受診したかどうかも含めて自治体で把握できるようにし、効率的な精密検査の受診勧奨等につなげていけるようにできればと思っておりますけれども、そこも含めて今後の検討というところでございます。
 以上でございます。
○山縣座長 よろしいでしょうか。ありがとうございます。
 次に、中山構成員、お願いします。
○中山構成員 中山でございます。
 厚生労働科学研究費で受診率の正確な測定法という研究班の代表者を務めていますので、その観点からお話しいたしますと、国民生活基礎調査と同じ自記式なのですけれども、それを用いて住民検診の受診対象と照合をしますと、感度、つまり住民研修を受けた人でちゃんと正確に答えられているのは96%、97%なので、そこは大丈夫なのですけれども、特異度、つまり本当は受けていない、住民検診の受診記録はないけれども、受けたと称する人は相当多いことが分かっています。
 そこの背景にあるのは、職域検診も行われることが非常に増えたことと、もう一つは、健康保険を使って同じようなことをやっているのが目立つというところで、そこは別途レセプトで調べているのですけれども、例えば胃の内視鏡とか、そのあたりは5%前後しか受けていらっしゃいません。
 ただ、問題なのは肺のほうで、胸部エックス線とCTを合わせると、実に20%近くの方が年に受けていらっしゃるようで、それも肺を見ようとしているよりも、心臓を見ようとしていたり、違う目的で撮影されているのは相当な数あって、それが検診なんか何なのかというところがあると思います。
 また、子宮頸がん検診の場合は、遮蔽された状態で御本人が何をされているのか分からない状態で行われていますので、それで何をされたか分からないと答えられる方も相当いることがあるので、どうも臓器によって自記式というのは正確性に大分問題があることを理解しておいたほうがいいと思って、コメントさせていただきます。
 以上です。
○山縣座長 ありがとうございます。
 事務局からお願いします。
○事務局 事務局でございます。御意見いただきまして、ありがとうございます。
 まずがん検診として御本人が自覚されているかどうかというところに関しましては、※で市区町村が実施した検診、勤め先または健康保険組合等が実施した検診、その他の検診、(人間ドック等)といった形で、できるだけ分かりやすいような記載を今回の設問ではさせていただいたところでございます。
 また、受診に関しましては、そもそもとして受診対象者全員に対して適正な受診間隔が必要であるところを一律全員にまず通知することが前提であるところが1点と、最後、要精検であれば、精密検査が必要ですというところを再度お示しするのにとどめているところは、今回、自記式であることを踏まえて対応案だと思っております。
 以上でございます。
○山縣座長 ありがとうございます。
 井上構成員、お願いします。
○井上構成員 井上です。
 私からは先ほど話に出た自己申告の様々な限界、問題点などについてコメントをしようと思っていたのですけれども、同様に部位によって違うことと、ここから完全に把握というのは過渡期の対応であって、将来、電子化されて、全てが電子化によってシステムから把握できるようになるまでの通過点のところでこれを利用するという気持ちでやらないと、完全な把握は難しいのではないかと思いました。
 ただ、これをすることによって、受診者も含め、自治体も含め、職域も含め、関係者の意識を少し上げることができるということで、これをうまく使って、非常に大雑把でありますけれども、将来の受診率の向上につなげるという点では、何年かかってもいいので、やっていくべきなのではないかと感じました。
 最終的にはシステムの標準化が行われていくと思いますが、先ほど御意見が出ていましたように、市町村の中でも限界があることも伺いました。ただこの動向は避けられないため、前にもお話が出ていましたように、好事例を見習って、自治体がその例を見ながら標準化を進めていくことが非常に助けになるのではないかと思っております。
 やはり意識の高い、あるいはこういうことができるゴールに近いような市町村に実際にモデル的にやっていただいて、実現可能性の高いものを全国が標準化して使っていくという流れがいいのではないかと思いまして、指針改正をなるべく早く行って、これがスタートできれば、最終的なゴールも早く来るということで、できるだけ早い指針の改正をお願いしたいと思います。
 以上になります。
○山縣座長 ありがとうございます。
 事務局から今の点はよろしいですか。
○事務局 ありがとうございます。
 まさに好事例の収集に関しましては、我々としても必要と思っておりますので、収集した上でしっかりと横展開を目指していくものと承知しています。
 今回の指針改正に関しましては、おっしゃっていただいたとおり、できるところがまずできるようにというところが1点だと思いますので、準備が整ったところから、今回の指針改正を踏まえて検討いただきつつ、全自治体的な本格実施に関しましては、国としても最終的には環境整備をしっかりと整えた上でお示ししていきたいと思っております。
 以上でございます。
○山縣座長 ありがとうございます。
 後藤構成員、お願いします。
○後藤構成員 中山構成員と井上構成員が私も言おうとしたことをおっしゃっていただいたのですけれども、より正確なデータを取るための一つの通過点として、現在のことをできる限り行うということで、それに関しては全く異存ありません。
 DXを進めるためには国民の理解も非常に重要ですので、先ほど中山構成員がおっしゃっていたような感度と自記式の限界について、かなり知見もあるようですので、そういったことで逆にある程度コストはかかるけれども、DXを進めることで何がわかって、何が大切で、どんな無駄なことが排除できるのかということを御説明していただけるといいと思いました。
 以上です。
○山縣座長 ありがとうございます。
 事務局、よろしいでしょうか。
 山本構成員、お願いします。
○山本構成員 ありがとうございます。
 私からもほかの構成員の先生方がおっしゃっていただいたことと基本的には一緒です。受診勧奨に関する質問票をぱっと見ると、設問の流れが、たとえば先に検査について問う構成になっています。我々のように業界にいる専門家ではない人たちがこの票を見たときに、急にがん検診を受けたのかと聞かれるよりは、こういう検査を受けましたかと聞かれるほうが入りやすいだろうと思います。そういったところを配慮、考慮した設計になっているのはすごく好感が持てました。
 今日、先生方から御指摘のあった、制度としてまだ工夫の余地があるのではないかという点はそのとおりだと思いました。このあたりをしっかり盛り込むような形で検討いただければと思います。
 途中で先生方からもお話がありましたが、少しずつ段階的にやっていかなければいけないこともそのとおりだと思いますので、今できる限りのことをまずはスタートさせていくことがいいのではないかと思いながら、聞いておりました。
 もう一点は、精密検査の受診勧奨です。前回、私もコメントさせていただいたので、同じことを申し上げるようなことになってしまって恐縮なのですが、自治体側だけでそれを担う、これはなかなか簡単なことではないのだと思います。
 途中でもコメントがありましたが、職域などの全てのケースでがん検診へのきちんとしたフォロー、つまり精密検査の受診勧奨をやっているか、受診状況をチェックしているかというと、まだ精密検査の受診状況の把握をしていますかというのを調査しながら推進しているような段階でございます。
 要するにまだまだ足りていないという状況が、地域に限らず職域でもあるような状況でございますので、これは地域だけでできる問題ではないと私は認識しております。何とか職域を巻き込めるような形での受診勧奨の在り方を改めて検討をしつつ、これも好事例等がいいのかもしれませんけれども、何らかやり方のヒントになるようなものを周知していただくようにしてもらえればと思います。
 私からは以上です。
○山縣座長 ありがとうございます。
 事務局からお願いします。
○事務局 御意見いただき、ありがとうございます。
 精密検査に関しましては、自治体検診におきましても、一定程度どこまで把握できるかというところが一つの課題になっていると認識しております。精検受診率の向上という文脈でもその点はあると認識しておりますし、そこは引き続き取り組んでまいりたいと思っています。
 今回、職域検診の把握に関しましても、同じ論点は必ず想定されますけれども、10番目にお示ししておりますような検討の中で、しっかりと検討できればと思っております。
 受診勧奨に関しましては、現在、市町村を含めた自治体検診の関係者の自治体事務負担の軽減に向けて、自治体検診DXが検討されているところですけれども、自治体検診DXや今回の職域等がん検診情報の把握に関しては、効率的な受診勧奨に資すると考えているところでございますので、引き続き取り組んでまいりたいと思っております。
○山縣座長 ありがとうございます。
 ほかに御意見、御質問はございませんでしょうか。よろしいでしょうか。
 今、構成員の皆様方がおっしゃるように、過渡期ではあるのですが、とにかくなるべく正確な把握をする、それから、精密検査に関してもしっかりと受診していただくために、今の段階でどこまでできるのかということがとても大切だと思いますし、最終的には医療情報のDXを待つことになりますが、これも私から見れば遅れぎみで、関わっている者としては、なかなか先が大変だと思うのですが、ぜひそのあたりのところも関係者の皆さんで進めていくことだと思っております。ありがとうございます。
 それでは、大枠のところで御賛成いただいていると思うのですが、本日提出されました事務局案につきまして、資料のとおり進めさせていただくことでよろしいでしょうか。
(異議なしの意思表示あり)
○山縣座長 御反対が特になければ、そのようにさせていただきたいと思います。
 続きまして、議題「(2)子宮頸がん検診について」に移ります。
 資料2-1につきまして、事務局より御説明をお願いいたします。
○事務局 事務局でございます。
 資料2-1、HPV検査単独法の導入状況についてでございます。
 2枚目でございます。市区町村におけるHPV検査単独法の導入状況に関しまして、厚労省で調査を行いまして、その結果の御報告でございます。
 こちらに関しまして、左下にございますとおり、準備が整った自治体から順次導入していただいているようで、令和8年度以降も県下一斉導入に向けて動いている自治体が複数あるところでございます。
 既に導入している自治体は、前回お示ししました志木市、和光市、横浜市に加えて、もう一自治体あるところと、令和7年度、令和8年度、令和9年度以降という形でお示しのとおり、導入を予定している自治体があるところでございます。
 導入検討中のところに関しましても、導入予定だが、時期を検討中というところが278自治体、導入するかどうかを検討中というところが737自治体で、令和6年4月の導入以降、具体に検討いただいている自治体があるところでございます。
 右上ですけれども、令和6年度に実施いたしましたHPV検査単独法導入に向けた研修の受講状況でございまして、全体の1,555のうち897の自治体に受講いただいているところでございます。
 こちらに関しましては、本年度も引き続き実施しておりますので、しっかりと国としても支援を続けていきたいと思っております。
 右下ですけれども、HPV検査単独法導入に当たっての健康管理システムの改修予定でございますが、足元、令和7年度中に開始予定のところは921、令和8年度以降に開始予定のところが97でございます。
 こちらについては、我々としても健康管理システムの改修が行われていく状況については、しっかり注視していきたいと思っております。
 事務局の説明は、以上でございます。
○山縣座長 ありがとうございます。
 続きまして、資料2-2につきまして、古賀構成員より御説明をお願いいたします。
○古賀構成員 ありがとうございます。横浜市医療局の古賀でございます。
 横浜市では、令和7年1月から子宮頸がん検診にHPV検査単独法を導入いたしましたので、その経緯、取組の実績などをお話ししたいと思います。
 次、お願いします。横浜市では、今年の1月から国の指針に基づく子宮頸がん検診のHPV検査単独法を開始しております。
 御覧のとおり、左が20代の方と61歳以上の方の細胞診検査でございます。30歳から60歳の方につきまして、HPV検査単独法を実施しているものでございます。
 自己負担額については、細胞診は1,360円、HPV検査は2,000円ということで、少し金額は変わっております。
 次、お願いいたします。これまでの横浜市の子宮頸がん検診でございますが、横浜市のがん検診は全て個別検診で実施をしております。
 子宮頸がん検診を実施している医療機関数は、約190か所ございます。そして、1年間で毎年約11万人の方が受診をされています。
 受診率は43.6%、精密検査受診率も57%ということで、どちらも当時の目標の50%の受診率に対して低い状況、また、精密検査については非常に低いような状況でございます。
 次、お願いします。HPV検査導入に向けた具体的な取組の前に、まずがん検診のあり方に関する検討会で、令和5年度にはHPV検査単独法についての議論がされていたと思います。
 横浜市では、この議論のことについて、どちらかというと報道ベースで、令和5年度内に指針が改正をされ、自治体にHPV検査の単独法が入るような報道が結構ございまして、それを前提にまだ指針は改正されていないものの、もし改正をされたらすぐにでも導入ができないだろうかということを想定して、予算を組んでまいりました。
 そういったこともあって、少し前後してしまうのですが、実は横浜市の予算発表は1月末にしておりまして、そこで既に子宮頸がん検診のHPV検査単独法を導入しますと発表しております。
 ただ、実施時期につきましては、何が必要か分かりませんでしたので、準備が整い次第というようなことにしておりました。
 その後、2月に指針やマニュアルなどが公開をされまして、それを基に準備を開始したような状況でございます。
 具体的には一番最初に取り組んだのが3月26日の厚労省主催の研修会の受講ということで、一番下の囲みに五つの条件がございますけれども、マル2に研修を導入前に受講していることがございましたので、こちらを一つクリアしたというような状況でスタートをしたところでございます。
 次、お願いいたします。
 順にお話をしてまいりますので、次をお願いします。1番です。子宮頸がん検診運営委員会についてでございます。
 マニュアルの中で子宮頸がん検診運営委員会を設置することとされています。こちらは検診プログラムの精度管理の中心となる組織でしたので、まず私たちは4月に横浜市の運営委員会を設置いたしました。
 13名の委員の方にお願いをしまして、4月22日に第1回を開催し、以降、毎月1回ということで、9月までの間に必要な事項の検討を進めてまいりました。
 主な論点は下に書いてございますが、こういった実施に当たって必要なことについて検討を進めた、御意見をいただいたところでございます。
 1月のHPV検査を導入した後、実施状況を見て、3月に1回ということで、令和6年度は7回の開催をしてございます。
 次、お願いします。13人の委員の方々は御覧のとおりでございます。日頃から横浜市のがん検診の精度管理に携わっていただいている方や協議会などの御参加の方に加えまして、今回はHPV検査に関する専門家ということで、産婦人科の専門の先生にも多く入っていただいている状況でございます。
 次、お願いいたします。先ほども話題になりましたが、検診システムの整備についてでございます。
 横浜市では、現在、住民票とひもづいた独自の健康管理システムを持っておりまして、その中にがん検診の受診情報を登録しております。
 今回、新たにHPV検査単独法に必要な項目を入力できるような改修ということで、項目を追加したほか、新たに受診者一人一人を特定して、分かりやすく入力できるようにしようということで、固有の番号を附番して、受診状況に基づいて抽出をすることで、それぞれの結果に応じて受診勧奨ができるような改修を行っています。
 こういった独自の改修を進めてきたこともございますので、今後は先ほどの標準化ということで、HPV検査単独法の受診管理をするのに必要な項目が標準化された後も継続して使えるようなこと、そちらにまた移行していくものだと思いますので、こちらの移行もスムーズにやっていくことが課題としてあるところでございます。
 次、お願いします。導入に向けた具体的な取組でございます。
 一つ目、検査会社との調整がございます。細胞診検査は、医療機関が各検査会社に委託して実施をしているのがほとんどのところになります。それぞれの検査会社は、医療機関が個別に契約をしておりますので、まず190の医療機関がどの検査会社を使っていらっしゃるのか、それについての把握を行いました。
 その中である程度多く受託をしている検査会社6社をピックアップしまして、HPV検査単独法に対応ができるのかというような確認をしてまいりました。バイアルのことですとか、マニュアルにかなり細かにいろいろ書かれておりましたので、すぐにできるところと10月以降ならできますみたいなところが幾つかあったような状況でございました。
 がん検診の実施医療機関との調整でございますが、HPV検査単独法の導入時期は未定ではございましたが、それを見据えて液状化検体法への移行をぜひお願いしたいというようなことを、医師会を通じて通知を出させていただいております。
 10月からは液状化検体法へ変更してくださいということで依頼をしております。既に細胞診検査でも液状化検体法でもやっていただけるような契約にはなってございましたので、そのような意向を促したところでございます。
 次、お願いいたします。受診者や市民向けの啓発資料や説明資料についてでございます。
 こちらにお示ししておりますのは、国立がん研究センターでつくっていただいたリーフレットと追跡検査の受診案内、確定精検の受診案内でございます。
 私どもが運営委員会をやっている間に、これが同時期につくられてましたが、こちらのリーフレットは、受診者に説明する項目が全て盛り込まれているのです。実はマニュアルには、受診者には検診前に説明すべき事項を全て周知するようにということになっておりました。
 受診勧奨通知を送る際にその資料を一緒に送ることであれば、検診を実施する際の説明は省略しても構わないというような記載がございましたので、本来、私たちもこれをお送りしたかったのですが、間に合わなかったところがございまして、横浜市が独自にお送りしたものは後にお示ししますが、必ずこちらのリーフレットを確認するようにという周知をつけて、勧奨を行ったような経過がございます。
 次、お願いいたします。先ほどの横浜市の運営委員会の委員のお一人でもあります、横浜市立大学の宮城先生の研究班で作成をされている動画でございます。
 こちらは医療機関の皆様がこのリーフレットを使ってHPV検査について受診者に説明するのはどのようにしたらいいのかというものについて、具体的にシミュレーションといいますか、宮城先生が受診者の方の問診をするような場面を動画に示したものでございます。
 こちらにつきましても、実施医療機関に対して私どもからこういった動画もありますので、ぜひ参考にしてくださいということで周知をしております。
 次、お願いいたします。検診票の作成でございます。こちらも新たな項目が増えましたので、検診票の見直し、新たな作成を行いました。
 ここで青い文字がHPV単独法に必要な項目で追加されたものなのですが、検討に当たっては、もともと使っていた子宮頸がんの細胞診の問診項目についても、聞き方がもう少しこのようにしてほしいですとか、右に書きましたが、検査会社、医療機関のどちらがこの項目は記載をするのでしたかみたいなことがございました。
 具体的には黒い文字になります。細胞検査所、細胞検査士、細胞診専門医という記載を検診票に設けておりましたが、こちらについては、実は検査伝票といいますか、結果についてくるものなので、いちいち検診票に転記をしなければいけないのかというようなことを改めて気がついて、これは検査伝票と共に保存することでよしとしましょうというような検討もされまして、今までの運用についても少し改めることができたものでございます。
 次、お願いいたします。HPV検査単独法の導入に向けて、もう一つの必須事項としまして、説明会、研修会の開催がございました。
 横浜市独自にこういった手引ですとか、Q&Aなどを作成しまして、お示しをしたのが11月になってございます。
 対象は、実施医療機関全てということで、受講を必須としております。
 検査機関についても、7社が受講をされました。
 実施形態は、対面とオンラインのハイブリッドプラスオンデマンドということで、これで全ての医療機関に受診をしてくださいということでお願いをしました。
 HPV検査単独法の概要につきましては、行政側からは専門的で難しいということもございましたので、実は運営委員会の中にガイドラインの作成に携わった先生がお一人いらっしゃったこともありまして、お話ししていただきました。これをもって理解が進んだというような御意見も非常にいただきまして、この説明会もスムーズにいったと思っております。
 次、お願いいたします。委託料、自己負担額の設定でございます。
 1月から開始するに当たって、新たな契約を結ぶような手順がございます。横浜市の検診は全て個別検診ということで、基本的にほかの検診も含めて診療報酬点数に基づいて委託料の積算をしております。今回についても、それに基づいて積算をして設定したところでございます。
 従来の細胞診検査よりも診療報酬点数の合計が高くなりましたので、委託料も高くなりましたが、自己負担額も高く設定をしてというところで実施に至っております。
 次、お願いいたします。各自治体が独自に決めなければいけないことの一つに受診対象者、受診間隔を決めなければいけません。
 こちらは5年に一遍ということでございますが、2年に1回の検診からの切替え時期に不利益のないように、令和6年度に既に実施した方以外は全ての方が受診できるようにということで、横浜市は設定をしました。
 この節目年齢以外の年齢で受診をされた方の次の検診の時期は、早い人ですと実は1年ということもございまして、1年から5年の幅がどうしても出てきてしまうような運用になりました。
 こちらについても、厚生労働省の方に確認をして、これでいいですよということで御理解をいただいての設定となっております。
 次、お願いいたします。実際の実施に当たりましては、年齢の対象者ですと、住民の約78万人ということで、先ほども少し話題になりましたが、こちらの方に全て勧奨通知をお送りしました。こちらについては、あまりにも多いものでしたので、3回に分けて発送したところでございます。
 次、お願いいたします。こちらが横浜市で独自につくった送付物でございます。
 左のものが一番下に受診券番号とバーコードがついてございますので、先ほどお話ししましたシステムですが、医師会で読み取りができるようにということで新たにつくったものでございます。受診券のバーコードシールを検診票に貼り付けて運用する流れにしてございます。
 真ん中と右のチラシにつきましては、運営委員会の先生方に御意見をいただきながら、こういった細胞ですとか、ウイルスですとか、HPVの機序といいますか、そういったものも分かりやすく表現したようなものを新たにつくったものでございます。
 次、お願いいたします。今、申し上げたものを1年間でまとめたものでございます。
 次、お願いいたします。1月から実施をしてどうだったのかというところでございますが、実施状況は一番下でございますけれども、HPV検査単独法での受診は1月から3月まで、これは請求があった方だけなので、全数ではないのですが、1万6801人になっています。
 1年間の子宮頸がんの受診者数は、冒頭で11万人ほどと申し上げましたが、実に7,000人以上増えたような結果でございます。
 次、お願いいたします。こちらは今の表をグラフにしたものでございますが、ちょっとだけ浮き出た部分はHPV検査の威力だったところがございます。
 次、お願いいたします。こちらは年代別の受診の状況をお示ししたものです。
 それぞれの受診者数は、30代が6,100人超、40代が5,400人ぐらい、50代が5,200人ぐらいということで、若い方のほうが受けられる方が若干多かったというのは、前年との比較もないので分からないのですが、こういった状況であったところです。
 5年後の節目年齢にいくHPVマイナスの方は、800人のうちの1万5708人ということで、割合としては93.9%であったところです。そして、1年後のフォローに回る方で、追跡検査の方は658人ということで、こちらの方にはこれから今年度御案内をお送りしていく、確実な受診に結びつけていく必要がある方ということです。
 精密検査が必要な方、判定不能となった方については、精密検査を確実に受けているかというあたりについて、しっかりと把握をしていくところでございます。
 次、お願いします。こちらはグラフにしたものなので、説明は割愛します。
 次、お願いいたします。令和7年度の取組ですが、先ほど受診券をお送りしましたと申し上げましたが、実は結構なくしてしまったということも多くて、現在は希望に応じた受診券の発行を続けております。
 市外から転入した方にも発行しているところでございます。転入者につきましては、日を決めて、上半期、下半期にまとめて送付をする予定としてございます。
 運営委員会については、7月に開催を予定しておりまして、1年後の追跡検査の方にどのような受診勧奨をしていくのか、受診の時期はいつまでが許容されるのかなどについて、検討をしてまいります。
 1年後の受診勧奨通知を発送することと、翌令和8年度の方に対する受診勧奨の発送などを進めていき、同時に受診状況も把握していくことを続けてまいります。
 長くなりましたが、御報告は以上でございます。ありがとうございました。
○山縣座長 横浜市におけるHPV検査単独法の導入に向けた取組に関しまして、詳細に御説明をありがとうございました。
 それでは、今の御説明に関しまして、御質問、御意見ございましたら、お願いいたします。いかがでしょうか。中山構成員、お願いします。
○中山構成員 中山でございます。
 大都市で大変な御苦労をされたことに本当に敬意を表します。
 取りあえず初年度は何とかできているというところだと思いますけれども、結局、全く新しい検診で、これまでのがん検診というのは、スクリーニング検査をやって、異常があると言われたら、病院で受けたら、すぐにがんかがんではないかがほとんど分かってしまうものなのですけれども、今回のHPV検診は、もっと手前の病変を見つけようとしているので、HPVの場合は、年1回の追跡検査を受けていただく形になると思いますので、これからちゃんと追跡検査を受けつづけてもらえるかどうかという話になると思います。
 先日入手しましたオランダのHPV検診のフォローアップ率の論文が出たのですけれども、それを見ますと、普通のやり方でやっている78万人のHPVの受診者は、ロストフォローアップ、行方不明になった人が4.4%と非常に少ないのです。オランダがちゃんとこれまでやってきたことを明かしているのだろうと思いますが、一方で、全くこれまで受けたことがない人を自己採取法というものでノミネートして参加した人に関しては全く駄目で、16%、20%ぐらいは行方不明になっているのです。
 今回、横浜市でも受診者数が急に増えたということですけれども、この方々がそもそもそういう検診になじんでいない人だとすると、その後も行方不明になる可能性があるので、この辺はよく注意して対応していただければと思います。
 以上です。
○山縣座長 ありがとうございます。
 古賀構成員から何かありますか。
○古賀構成員 ありがとうございます。
 冒頭申し上げましたとおり、横浜市の精密検査の受診率は非常に低いような状況がございました。それもあって、今回、逆にHPV検査単独法ではしっかり管理をしなければいけないという制約ができたことによって、有効な方法をしっかり考えたいということで、医療機関の皆様の御協力もいただきながら、また、市民の皆様にも御理解いただきながら、そういうことをしっかりやっていきたいと思っております。
○山縣座長 ありがとうございます。
 ほかに御意見、御質問ありますでしょうか。いかがでしょうか。よろしいでしょうか。中野構成員、お願いいたします。
○中野構成員 
 中山構成員からもありましたけれども、横浜市は先進的に進められているので、ほかの市町村も参考にされて、進められたらいいと思います。
 一つ、質問ですけれども、横浜市の規模だと人の移動が激しいと思いますので、途中から横浜市に転入された方などは多々あると思いますが、その方に対しても5年間隔でということで、次の受診をうまく整理されると思います。その辺について工夫されていることはございますか。途中で入ってくる方が多くいらっしゃると思うので、その辺を教えてください。
○山縣座長 古賀構成員、お願いいたします。
○古賀構成員 御質問ありがとうございます。
 転入された方につきましては、以前、住んでらっしゃったところで細胞診検査を受けている、受けていないということで、まず2年に一遍の権利があるのですが、実は今もそうなのですけれども、横浜市のがん検診を受けていなければ、最初の初年度は受ける権利があるので、受けていただいております。転入をして、HPV検査の対象年齢であれば、1回目は受けていただくということになります。
 その後、受けた方が他の都市に行ってしまった場合は、本来1年に1回でフォローアップをして差し上げたいところで漏れてしまうことがございますが、行った先で細胞診が1年目に受診ができるということであれば、そちらのやり方で継続していただければいいと思っております。そういった転出入の方に対する情報発信も今後していきたいと思います。
○山縣座長 ありがとうございます。
 ほかにはいかがでしょうか。ありがとうございます。
 それでは、本日の議論を踏まえまして、事務局におかれましては、引き続きHPV検査単独法導入に係る支援につきまして、努めていただきたいと思います。どうもありがとうございました。
 そのほか、全体を通じまして、御質問、御意見のある方はいらっしゃいますでしょうか。よろしいでしょうか。
 それでは、本日の議論は以上とさせていただきます。
 事務局から連絡事項をお願いします。
○事務局 事務局でございます。本日も御議論いただき、ありがとうございました。
 まず初めに、冒頭、私、資料の差し替えについて、資料2-1と御説明いたしましたけれども、正しくは資料2-2でございました。訂正いたします。申し訳ございません。
 次回の検討会の詳細に関しましては、調整の上、御連絡いたしますので、よろしくお願いいたします。
 事務局からは以上でございます。
○山縣座長 それでは、本日の検討会はこれで終了したと思います。
 お忙しい中、お集まりいただきまして、また、活発な御議論をありがとうございました。
 
 

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