第14回循環器病対策推進協議会 議事録

厚生労働省健康・生活衛生局がん・疾病対策課

日時

令和7年6月18日(水)14:00~16:00

場所

新橋ビジネスフォーラム(オンライン開催)

議題

  1. 開会
  2. 第2期循環器病対策推進基本計画の中間評価の進め方について
  3. コア指標の選定について
  4. その他

議事

2025-6-18 第14回循環器病対策推進協議会
○九十九推進官 それでは、定刻となりましたので、ただいまより、第14回「循環器病対策推進協議会」を開催いたします。
 委員の皆様におかれましては、お忙しい中お集まりいただきまして、誠にありがとうございます。
 私は事務局を務めさせていただきます、厚生労働省健康・生活衛生局がん・疾病対策課の九十九と申します。どうぞよろしくお願いいたします。
 まず、本協議会委員の交代について御説明させていただきます。
 日本脳卒中学会の理事長交代に伴い、小笠原邦昭委員から、藤本茂委員に交代となっております。
 なお、小笠原委員につきましては、本協議会の会長代理を担っていただいておりましたので、後ほど、永井会長から会長代理の指名をお願いいたします。
 本日、3名の委員より御欠席の御連絡をいただいております。大橋委員、小林委員、湯野川委員でございます。
 また、阿彦委員は、遅れて参加されるとのことでございます。
 出席の委員の御紹介につきましては、名簿をもって代えさせていただきます。
 なお、本日は委員20名のうち、17名の方に御出席いただいておりまして、定足数に達していることを御報告申し上げます。
 また、本日は、4名の参考人に御出席いただいております。
 国立循環器病研究センター循環器病対策情報センター長の飯原弘二先生。
 東北大学病院循環器内科教授の安田聡先生。
 慶應義塾大学衛生学公衆衛生学教授の岡村智教先生。
 日本医科大学武蔵小杉病院副院長の塚田弥生先生、どうぞよろしくお願いいたします。
 続きまして、資料を確認させていただきます。
 議事次第、座席表、委員名簿、資料1-1から1-6、資料2-1から2-2、参考資料1から4がございますので、御確認いただきますよう、よろしくお願いいたします。
 なお、資料につきましては、厚生労働省のウェブサイトにも掲載しております。
 事務局からは以上となります。
 これからの進行は、永井会長にお願いいたします。
○永井会長 では、議事に入ります前に、会長代理である小笠原委員の交代がございました。会長代理を指名させていただきたいと思います。
 恐れ入りますが、藤本委員にお引き受けいただくということでよろしいでしょうか。
(異議なしの意思表示あり)
○永井会長 異議ないようですので、藤本委員には、本協議会の会長代理をお願いしたいと思います。よろしくお願いいたします。
 一言御挨拶をお願いします。
○藤本会長代理 自治医科大学の藤本と申します。
 この4月から日本脳卒中学会の理事長に就任しております。大変重責の身に余る役割をいただきましたが、しっかりと努めてまいりたいと思います。どうぞよろしくお願いします。
○永井会長 ありがとうございます。
 では、早速議事に入ります。
 最初に「第2期循環器病対策推進基本計画の中間評価の進め方について」でございます。
 中間評価の進め方について、事務局から説明の後、循環器病対策に関する調査結果などについて、委員、参考人から説明をいただきます。
 議事1につきましては、先に全ての資料を説明して、説明後に質疑の時間とさせていただきます。
 それでは、資料1-1「第2期循環器病対策推進基本計画の中間評価の進め方について」につきまして、事務局からお願いします。
○九十九推進官 事務局でございます。
 それでは、お手元の資料1-1を御覧ください。
 1枚めくっていただきまして、こちらは、説明は省略しますが、第2期循環器病対策推進基本計画の概要でございます。
 1枚めくっていただきまして、こちらは、前回12月の本協議会において、中間評価の進め方について合意をいただいた内容でございます。
 御覧いただければと思いますが、特に個別施策につきまして、重点的に評価する指標、コア指標を選定し、メリハリをつけて分かりやすく分析評価すること。
 また、都道府県の循環器病対策を見える化しながら地域の実情に応じた、よりよい取組の横展開を進めること。
 また、コア指標につきましては、中間評価前、令和7年の夏頃、本協議会において指標案を示し、議論を行うこととするとなってございます。
 1枚めくっていただきまして、こちらが今後のスケジュールでございます。
 本協議会、また、循環器病対策推進基本計画、また、都道府県の循環器病対策推進計画、また、医療計画との関係を示したものでございます。
 白い矢印で「今回」と示しておりますのが、現時点のステータスでございまして、本日、コア指標案を御提示いただきまして議論をいただくという流れになってございます。
 続きまして、1枚めくっていただきまして、このスライドと次のスライドが、第2期基本計画で既に都道府県に示している指標例でございます。
 1枚めくっていただきまして、こちらが本協議会の検討スケジュールでございます。
 赤枠で囲っておりますのが、本日の協議会でございますが、この中間評価の進め方について、また、コア指標の選定について御議論いただきまして、このコア指標につきましては、次回、秋頃を想定しておりますが、コア指標については、第15回協議会にて、再度議論いただきまして決定していきたいと考えてございます。
 今後、令和8年夏頃を念頭に、この中間評価を取りまとめていきたいと考えております。
 事務局の説明は以上でございます。
○永井会長 ありがとうございました。
 続いて、資料1-2「都道府県の循環器病対策の取組状況の報告」について、飯原参考人から、お願いします。
○飯原参考人 皆さん、こんにちは。国立循環器病研究センター循環器病対策情報センター長の飯原でございます。
 厚労科研で進めてまいりました、第2期循環器病対策推進基本計画の中間評価のための都道府県調査の結果について御報告いたします。
 次をお願いいたします。
 これは、中間評価を行うための情報収集、計画の進捗状況を把握することを目的に、全都道府県の循環器病対策担当者を対象にして調査をいたしております。
 調査期間は、今年の3月11日から21日にかけて、研究班として調査を実施いたしました。
 調査の項目は、1から4でございまして、循環器病対策評価に係る体制、循環器病対策推進計画で採用している指標と評価、地域の実情に応じた循環器病対策の立案・実施・見直しの状況、最後に、循環器病対策を実施する上での課題の4つでございます。
 全ての都道府県から回答を得ました。
 次をお願いいたします。
 この結果です。まず、都道府県の循環器病対策を検討、評価する会議体については、衛生主管部局が76%で最多でございます。
 それ以外の複数の部局が関与しておりまして、対応に関しても自治体によってかなりばらつきもございました。
 さらに、下に示す庁外の連絡先についても、医療機関、医師会等の職能団体、循環器病経験者、消防本部等、大学研究機関を含め、多数の関係部局が参画しております。
 次をお願いいたします。
 このスライドは、医療機関の内訳でございます。脳卒中、心血管の医師以外に、看護、リハビリ、歯科医師、薬剤師等の多職種の医療従事者が参画しています。
 次をお願いいたします。
 第2期計画において、ロジックモデル等を採用している都道府県は、脳卒中で74.5%、循環器で80.9%であり、パブリックコメントは、ほぼ全ての都道府県で実施されていました。
 次をお願いいたします。
 循環器病対策の立案、実施、見直しの状況ですが、まず、第1期計画から都道府県が独自に立案している対策についてスライドに示します。
 このスライドは脳卒中の分野でございますが、脳卒中は予防・啓発の分野が左上に示しますように31.9%の都道府県で、独自に対策が立案されているのに対して、以下、急性期以後のその他の分野では、その約半数の都道府県、大体15%から17%ぐらいなのですが、その独自の対策が立案されていることが分かりました。
 次のスライドをお願いします。
 このスライドは、心血管の分野の結果でございます。こちらも脳卒中と同様に左上に示しますように、予防・啓発の分野が27.7%で最多でございます。これは同様でございますが、心血管の分野では急性期、維持期、生活期の分野でも、20%以上の都道府県で独自の対策が立案されていました。
 次のスライドをお願いします。
 次に、第2期から新規に都道府県独自で立案した事業について、結果をスライドに示します。
 まず、脳卒中については、予防・啓発が40.4%と最も多いのに対して、その他の分野は20%未満であり、第1期と同様に予防・啓発への取組が進んでいることが分かりました。
 次をお願いいたします。
 次いで、心血管の結果を示します。こちらも脳卒中を同様に、予防・啓発が38.13%と最も多く、維持期、生活期、再発・重症化予防が20%を超える都道府県が新規に立案していました。
 次をお願いいたします。
 パブコメへの対応内容については、スライドに示すとおりでございます。
 減塩や受動喫煙対策などの予防・啓発、また、維持期における失語症の高次脳機能障害を持つ患者さんへの意思疎通支援や就労支援などの記載が挙げられていました。
 次をお願いいたします。
 他に、専門的な医療の提供機関の明示や、デジタル技術を活用した救急活動の円滑化、あるいはリハビリ体制の充実等の対応内容が記載されていました。
 次をお願いいたします。
 最後に、循環器病対策を実施する上での課題については、1つは住民や事業者への循環器病対策に関する普及啓発が十分でないというのが最も多く、事業を行うための予算が不足している、事業を企画・立案する上でのエビデンス等の根拠が十分でない等のことが挙げられていました。
 また、地域における循環器病対策に関する課題を把握できていないという回答もございました。
 次をお願いいたします。
 これは、さらに詳しく見てみますと、やはりロジックモデル等のモデルについての項目については、行政の関与が難しい項目が多く、選択ができないということもございましたし、また、必要なデータの収集、分析が十分できていないということが挙げられていました。
 最後です。次のスライドをお願いします。
 まとめです。都道府県からのニーズとしては、患者目線で分かりやすい、かつ行政目線で分かりやすい指標にすべきだと意見がございました。
 詳細コメントには、循環器病対策に特化した事業としての予防や、初期症状の普及啓発以外に、県民・患者目線での需要が不明であるとか、ロジックモデルにおける項目は行政の関与が難しい項目が多いなどがございました。
 また、自治体間で比較しやすい割合などの指標への変更を提案する御意見もございました。
 目標値の定め方や作成した指標に対しては、介入方法も提案する、経時的なデータにアクセスしやすいプラットフォームを構築するなどの都道府県からの意見がございました。
 以上でございます。
○永井会長 ありがとうございました。
 それでは、続いて、資料1-3を御覧ください。「脳卒中、心血管疾患に資する危険因子について」の説明を岡村参考人からお願いします。
○岡村参考人 よろしくお願いいたします。
 脳卒中学会と循環器学会の予防のほうに関わっているということで、両方をまとめたということで、私のほうから発表させていただきます。
 次をお願いいたします。
 今回示しますのは、危険因子の寄与をお示しすることになるのですが、個人というよりは、集団全体に対してどのぐらい影響力があるかを見るということで、まとめさせていただいております。
 手法は幾つかありまして、ここに人口寄与危険割合からGBD、より新しい手法等ありますけれども、一番論文数が多く、こなれているということで、今回は、1番の人口寄与危険割合についての国内の成果、2000年以降の論文等で調べさせていただきました。
 次をお願いいたします。
 計算は、ここにあるとおりで、人口寄与危険割合もいろいろな計算法があるのですが、下の図を見ていただけたら分かるのですが、ハザードというか、棒の高さが個人のリスクの大きさで、あと横の面積というのが、その危険因子を持っている人がどのぐらい集団の中でおられるかということになります。
 その両方を勘案して、飛び出している面積の部分で、どれだけ過剰に亡くなられているかとか、発症しているかを推計するという方法になりまして、言い方を変えると、ある要因を取り除くと、対象となる疾患の発症とか死亡の何%を防げるかを推定する値と、一般的には考えられています。
 次をお願いいたします。
 これは、いきなり全体のまとめなのですけれども、2000年以降のナラティブ・レビューというのを、システマティック・レビューをする時間がなかったもので、論文をざっと見させていただきまして、24報ぐらいありました。
 ここにありますように、日本人の中で各危険因子がどのぐらい循環器病を増やしているかということになりますが、そこにあるように、やはり高血圧の比率が非常に多くて、10から40%ぐらいに寄与していると。それから、男性は喫煙が大きいということと、そのほか幾つかあるのですが、例えば、脂質異常症は、疾患を結構選ぶ感じになりますので、冠動脈疾患とかアテローム血栓性梗塞とは関連するのですけれども、例えば、ほかのタイプの脳梗塞であるとか、脳出血については、あまり関与しない。
 あと、下にメタボリックシンドロームがありますけれども、これは、ほかの危険因子の重なりというものですので、ほかの危険因子と同時に評価するのは困難で、上の幾つかが重なっているとメタボになってくるということになるので、大体別枠で計算されていることが多いかと思います。
 端的に言いますと、日本人の脳卒中・心血管疾患への寄与が最も大きいのは高血圧で、次いで男性だと喫煙だということになるかと思います。
 あと、心不全とか、その他の血管疾患のエビデンスというのは、まだほとんどない状況になるかと思います。
 次をお願いいたします。
 各論のほうに入っていきますけれども、こちらは、まず冠動脈疾患死亡への喫煙の寄与というのを調べたものですが、左側が男性で右側が女性です。
 棒の高さというのが、個人が喫煙するとどのぐらいリスクが増えるのか、吸わない人と比べて何倍に増えるかというのを表していまして、例えば、女性のほうが男性よりも吸っていると個人のリスクの相対危険度の上がり方が大きくなるというのが一般的にコホート研究でよく認められるのですが、下の赤い字で示しました人口寄与危険割合というのは、男性のほうが圧倒的に大きくなっておりまして、これは、男性の喫煙率が高いからということになります。
 だから、先ほど言いましたけれども、個人のリスクとどのぐらい吸っている人がいるかということによって決まってくるということになります。
 次をお願いいたします。
 こちらは、CIRCS研究ということで、2017年に出ていまして、この論文というのが、いろいろな危険因子を全部一遍に入れて解析しているということになりますけれども、こちらは冠動脈疾患発症への寄与になります。
 お示ししましたように、高血圧と、それから、non-HDLが高い、これは、非空腹採血が多いのでLDLを計算してなくて、代わりに、総コレステロールからHDL、善玉コレステロールを引いたnon-HDLを用いて推計しているのですけれども、それが20%ぐらいで来まして、それから喫煙が21%で、この3つが非常に冠動脈疾患について大きく効いています。メタボリックシンドロームは別途計算しているということで、点線で区切って5%という値になっております。
 次をお願いいたします。
 こちらは、同じ論文の、今度は脳卒中のほうで、こちらは表になっていて申し訳ないのですが、2つどちらの示し方がいいのか分からなかったので、少し変えているのですけれども、この相対危険度というのは個人のリスクの大きさです。例えば、脳卒中に対して、高血圧が2.5倍、高血糖1.4倍、心房細動は4.9倍とすごく大きく出てくるのですが、人口寄与で見ますと、やはり高血圧が46%と大きく、高血糖が7、心房細動が3になるのは、高血圧や高脂血症ほど、心房細動の方が一般集団におられないからということになるかと思います。
 次をお願いいたします。
 こちらは、今度は脳卒中の病型で、左側は全脳卒中で、真ん中が脳梗塞、右側が脳出血になりますけれども、それを分けて示したら、このようになってくるのですが、脳内出血の場合は、圧倒的に高血圧の寄与が大きい。
 それから、脳梗塞も高血圧の寄与が大きいのですが、脳出血よりは、ほかの危険因子が少しばらけて出てくるというのが見て取れるかと思います。
 今日は尺の関係で入れていないのですが、さらに脳梗塞の病型ごとの細分化というのもありまして、例えば、脂質異常症はアテローム血栓性梗塞には寄与が出てくるという形で示されているということになるかと思います。
 次をお願いいたします。
 こちらは、心房細動をもう一回取り出したものですけれども、これは自治医大のコホートになりますけれども、各病型に対してリスクがどう出るかということですが、全体の脳卒中の発症への寄与は2%から4%。
 また脳梗塞で、女性で5%と比較的大きく出てくるということで、ほかの危険因子の寄与が大きくないと、心房細動の割合が出てくるということになってくるかと思います。
 次をお願いいたします。
 これは、国際的にはどうかという話を少し、国際共同研究のほうで振ってみましたけれども、これは2023年にニューイングランド・ジャーナル・オブ・メディシンのほうに出ておりまして、150万人の34か国のコホートの集計になります。
 この中の150万人のうちの2万人と少しが日本人のデータになりますけれども、国際的な寄与危険割合は、ここで示したとおりで、やはり血圧の寄与が大きいのは一緒です。
 あと、この海外のアウトカムは、心血管も脳卒中も全部入っていると思うのですけれども、海外の場合は、冠動脈疾患の比率が高いですから、脂質異常症の比率が高くなるというので、これは、あくまで想定されたとおりですが、グローバルには国ごとに危険因子の寄与との分布が違いますので、海外のものをそのまま日本に持ってきたらいいというわけではないので、今日は、基本的には国内のもので紹介させていただいております。
 次をお願いいたします。
 これは、血圧が非常に大事だということは、今まで述べておりますけれども高血圧の重症度別の寄与がどうなっているかというのを、これは、日本の10のコホート研究の統合解析、EPOCH-JAPAN研究というものになりますけれども、この棒の高さというのは、やはり個人のリスクです。
 それで、高血圧の中で正常からⅢ度までありますけれども、高血圧の重症度別に、どこの寄与が大きいかというのを見ていきますと、実はⅠ度のところが、この四角の面積というのが寄与危険割合を示していますが、Ⅰ度のところが非常に大きくなっていて、I度というのは、上の血圧が140から159とかのところになるのですが、当然個人のリスクは、この180を超えるようなⅢ度が大きいのですけれども、人数が圧倒的に、Ⅰ度のところが大きくなってくるので、全体の寄与は大きくなるので、重症化対策だけやったら患者さんが減るというものではないということが示されているということになるかと思います。
 次をお願いいたします。
 最後に、これは、糖尿病と慢性腎臓病についてなのですけれども、これは、NIPPONDATA90というコホートで示していますが、AのほうはDM、糖尿病CKDが慢性腎臓病、CKD+DMは両方持っている方ということになりますが、これは、実測値で1990年から2010年まで追いかけた実際のデータで示したのが、この図になりまして、高さが個人のリスクで、この面積というのが人口寄与危険割合になります。
 意外と小さく見えるのですが、実は、2010年から2030年まで追跡したと仮定をしたものを、この論文中で推計しておりまして、すると一気に寄与が大きくなっています。
 これは、時代が1990年と2010年で、糖尿病とかの有病率が日本人集団で異なっておりますので、それが増えてくると、比率が高くなっていることになるので寄与が高くなる、すなわち今回示したのは、やはりタイムトンネルを見ている感じになりますので、つまり昔の日本人を今まで追跡してどうなったかという結果なので、これから追っていくときには、また変わってくるので、引き続き、こういう検討というのが必要だということを示していると考えております。
 次をお願いいたします。
 これは資料作成協力者で、いきなりメールを送ったり、学会で通りかかっていきなり聞いたり、いろいろな方を巻き込んで資料をつくらせていただきましたので、ここに資料協力作成をしていただいた方への謝辞を入れさせていただいております。
 私からの報告は以上です。
○永井会長 ありがとうございました。
 続きまして、資料の1-4「国民向けの知識調査の報告」について、岡村参考人からお願いします。
○岡村参考人 引き続きまして、よろしくお願いいたします。
 こちらのほうは、厚生労働省の委託事業として、循環器学会と脳卒中協会で実施したものでございまして、日本医大の塚田先生と私のほうで取りまとめさせていただきましたので、引き続きなので私のほうで説明をさせていただきます。よろしくお願いいたします。
 次をお願いいたします。
 こちらの調査は、日本脳卒中協会、循環器学会が循環器協会の協力、脳卒中学会の後援のもとで行いました。本調査を実施するためのメンバーを選定しまして、44名の方に協力していただきまして、設問等を作成させていただきました。
 調査内容は、疾患の知名度とか症状とか、健康情報の入手先等を含めて、ここにありますように、4択で回答していただきまして、調査方法はいろいろ考えたのですけれども、最終的にクロスマーケティング社に匿名パネルを登録している15歳~79歳の1万人の方を対象に調査を行ったということになります。
 次をお願いいたします。
 調査の概要は、ここにあるとおりなのですが、人数の設計は、男性、女性と各年代がありまして、10代は各男女500人、他の年代は各750人ずつになるように設定し、それから地域分布については、北海道から九州までのエリアを人口分布で反映するような形で抽出させていただいており、昨年の11月にインターネット調査で実施させていただきました。
 次をお願いいたします。
 回答者のプロフィールはここにあるとおりで、大体の構成から見たら、こんなところかなということで、大きく外れた集団を見ていることはないだろうと理解しております。
 次をお願いいたします。
 まず、循環器病の認知ということで、循環器病をよく知っている、ある程度知っている方の割合は43.4%と出てくるわけですけれども、各病気、個々の脳梗塞、心筋梗塞とかを見ていますと、個々の病気のほうの認知度が高いです。
 本来、今の法律の定義だと、循環器病のところに、あと全部入ってくるはずなのですけれども、個々の病気の疾患の認知が高いということと、それから一番下の一過性脳虚血発作と末梢動脈疾患については、非常に認知が低く、両方とも15%ないということが分かりました。
 あと、ここには示しておりませんが、年代別に見ると、10代よりも20代、30代のほうが全く知らない方が多いという状況がございます。
 次をお願いいたします。
 これは、先ほどの設問で、特に循環器病をよく知っていると回答した方が687人おられて、その方が個々の病気をどれぐらいよく知っているかを、クロス集計をかけたものなのですけれども、循環器病をよく知っていけれども、個々の病気をよく知っているのが、6割程度、また、一過性脳虚血発作とかについては、3割ぐらいしか、よく知っているということがなくて、この循環器病というものと、個々の病名とに若干認知度に乖離があるのではないかということが推測されました。
 次をお願いいたします。
 これは、非常に重要なところなのですけれども、健康や病気に関する知識、情報の入手経路というのを見ておりますが、これは、クロスマーケティングのネットの人で調べているので、インターネットは、こういうのは、ある程度当然なのですが、情報の入手先として、各年代とも全てこのインターネット、スマホが非常に高いです。
 それから、新聞、テレビ、ラジオだと、50代、60代、70代ぐらいの人がよく見ている。
 それから、次に、かかりつけ医の先生、こちらのほうも大体、先ほどの新聞、テレビ、ラジオとかと同じで、年齢が高いところに行っているという感じかと思います。
 10代のところは、家族とか、学校の授業というのが結構出ているというのが1つと、それから、20代、30代は、右端に赤くしておりますけれども、特に情報を得ていないと堂々と回答した人が4割ぐらいいるというのが、この20代、30代の特徴だろうと思います。
 次をお願いいたします。
 今度は、それぞれの認知、細かいところに入っていきますが、循環器病の危険因子の認知につきましては、喫煙が高くて、高血圧、糖尿病と続き、脂質異常症が非常に低い。
 それから、生活習慣について、こういうもので予防できるかというのを聞いているわけですが、これは、よく知っている人と、ある程度知っている人の合計を示していますが、運動、禁煙、減塩というのが来て、あと、体重管理というのが続くのですが、一番下は、やはり脂質異常症と関連するような生活習慣が若干低いということがあります。
 それから、病気の診断に関する内容認知というのは、下の3つのところになりますが、高血圧の基準値、あと、LDLとかHbA1cの意味みたいなところは、比較的、皆さん知っているかと思っていましたが、意外と低く数字が出ているなというのが、結果を見て分かったところです。
 次をお願いいたします。
 今度は、症状等に関する認知なのですけれども、脳卒中で見ますと、低いところはどこかと言いますと、急に起こる視野欠損というのが、これは、今までいろいろ調査をしていて、これは非常に低く出るということと、あと、心筋梗塞で見ますと、労作性狭心症のような運動などで前ぶれとなる症状が出るということについて、低く出ているということになります。
 それから、心不全、心房細動についても、例えば、生涯にわたった治療が必要であるとか、検脈が有効であるところは比較的低く出ているのではないかなと思っております。
 次をお願いいたします。
 ここら辺は、いろいろサポートをする制度とか、その辺についての認知というのを聞いていることになりますけれども、例えば、脳卒中、心臓病と仕事の両立に関しては、この両立支援コーディネーターのところなどは、認知が低いということと、それから、手続とか支援に関するところについて、例えば運転免許の手続とか、あと、どこに相談できるかということは、低く出ております。
 それから、治療による経済負担を軽くする制度というのがありますが、全般的に低く、特によく知っているというところに限りますと、10%前後になってくるので、これは、当然発症したら調べられるかと思うのですけれども、そのときに慌てないためにも、ある程度皆さんふだんから知っておいたほうがいいことではないかなと考えられるのではないかと思います。
 次をお願いいたします。
 それから、AEDについても聞いているのですが、ここは、市民が行う救命措置の認知で、身近な施設のAEDの場所を把握していることが大切であるという質問なのですが、ここは、10代が、実はすごく高いというのがあります。これは、先ほど学校等で知識を仕入れていると回答されていましたけれども、そこを反映しているのではないかと思いますけれども、きちんと教えたら、このように反映するということです。
 上の世代が、忘れていくのか、もともと習っていなかったのかというのは、どういう教え方をしていたかということは、深掘りしてみる必要があるのですけれども、こういう差というのがきちんと出ている。
 あとは、大体疾患系は、年齢が高くなってくると、認知が高くなる傾向が一般的にはあるので、10代だけ違う動きを示しているということになるかと思います。
 次をお願いいたします。
 こちらのほうが結論になりまして、今回は、よく知っている、ある程度知っているところを示しましたが、実際は全く知らないというところのほうを洗い出して、そこを啓発すべきターゲットにする必要があるのではないかというのが、示唆されたのではないかと思います。
 次をお願いいたします。
 こういう組織体で調査をしましたということと、次をお願いいたします。
 こちらが、脳卒中のほうの設問をつくられた先生方です。
 次をお願いいたします。
 こちらが、心血管のほうの設問をつくられた先生方ということになります。
 本事業は、先ほど言いましたように、脳卒中協会と循環器学会の委託事業として行っておりますので、全体の総括と補足のほうを、今日入られている塚田先生のほうから一言いただければと思いますけれども、よろしいでしょうか。
○永井会長 どうぞ。
○塚田参考人 日本医科大学の塚田でございます。日本循環器学会の予防委員会の委員長を務めております。
 心血管疾患について3点ございます。
 先ほど、岡村参考人の御発言どおり、疾患としての認知に関しまして、やはり心不全、心房細動、大動脈解離が非常に低かったということ。
 それから、原因と予防の認知に関しましては、冠動脈疾患の場合には、やはり脂質異常症は非常に重要ですけれども、非常に低い、そして、また、それに対する対策に関しても認知が低い。
 それから、内閣府の調査において、心疾患との両立というのは非常に不安感が高いということが示されておりますが、やはり両立支援コーディネーター等の両立の支援対策ということが、やはり認知が低いということになっております。こういったものに関しましては、介入が必要だと思っております。
 私からは以上になります。
○永井会長 ありがとうございました。
 それでは、資料1-5「脳卒中患者・家族からみた循環器病対策推進基本計画の進捗に関する調査の報告」を川勝委員からお願いします。
○川勝委員 日本脳卒中協会の川勝です。よろしくお願いします。
 次のページをお願いします。
 協会では「脳卒中患者・家族からみた循環器病対策推進基本計画の進捗に関する調査」を行いまして、その報告をいたします。
 この調査では、基本計画が定める個別施策のうち、患者・家族の治療、生活への影響が特に大きいと思われる項目につきまして、患者・家族の目線で評価し、現状の課題を把握するために、28都道府県に在住する314名の脳卒中の経験者または家族にインタビュー調査を実施しました。
 紙ベースのアンケート集計ではありません。主治医による患者・家族の直接インタビューを行っております。
 2023年に調査をし、同年11月に公表しております。これの結果につきましては、既に事前資料として委員の皆さんにお届けしております。ただ、50ページもありますから、本日は、そのポイントをお話ししたいと思います。
 評価対象とした施策と評価視点です。次の10の施策に関連して検討しています。
 最後の3行に書いていますけれども、評価の視点ですけれども、各施策があることを認知・認識していたか、それぞれの施策・対策に満足をしたのか、何か困る事態があったか、選択肢方式のみならず、生の声を収集しております。たくさんの生の声をいただいております。
 次のページ。
 この中で、認知度、満足度が低く、生の声が多く寄せられた施策は、主にこの3項目です。
 これらは、生活を続けていくために重要な施策であります。
 次のページ。
 その1つ目、社会連携に基づく循環器病の対策、支援に関して、脳卒中発症後に医療・介護・福祉など複数の制度を利用できる可能性があることを御存じでしたか。知らなかったと答えた方が半数以上になっております。
 次のページ。
 リハビリテーションに関してです。リハビリテーションを受けた病院に不安や不満がありましたか。あったと答えた方が16%、47名であります。
 具体的には、先行きの見通し不安、リハビリの量、期間に関する不満、転院先探しの不安などであります。
 次のページ。
 循環器病に関する適切な情報提供・相談支援に関し、発症後の経過を振り返り、不足していた情報や説明してほしかった情報はありますかとお聞きしたところ、ありますと答えた方が70名、24%。
 具体的には、疾患や治療、後遺症に関する情報、リハビリテーション、医療、介護・福祉サービス、生活指導、退院後の生活に関する情報などであります。
 次のページ。
 これらの生の声にたくさん出てきた要望、意見があります。苦言も含めまして、それらを一部抜粋いたしました。
 例えば、どこまでよくなるか、いつよくなるか説明してほしい。
 病状が説明されなかった。病状を医師から直接話してもらえなかった。
 一般論でこれは治らない、という発言はやめてほしい。非常に厳しい御意見です。
 次のページをお願いします。
 リハビリテーションに関してです。たくさんの声が寄せられました。
 まず、リハビリテーションの継続期間、回数が少ない。
 一方的に打ち切られる、これは被害者意識ですね、転院を迫られる。
 脳卒中は180日間しか保険でリハビリできないと聞いてびっくりした。
 最後のポツですけれども、発症から満3年経過していますが、通所リハや自主トレを継続することで、まだまだやった分だけ機能回復をしていますと、前向きなお話も聞けています。
 次のページ。
 ここの項目は、失語症です。
 失語への理解が不十分ですと。
 最終行、医療者、全スタッフが高次脳機能障害を分かっていないと、また、これは厳しい御指摘です。
 次のページ。
 これらの生の声にたくさん出てきました要望、意見、苦言は、要約しますと、説明をしてほしかった、説明を聞きたい、説明が不十分、教えてほしい、これが実情だということがよく分かりました。
 これらは、元の生活を取り戻すための切実な声であります。
 以上が調査ポイントですけれども、これらの判明した現状を踏まえまして、私の意見を含めてお話を続けたいと思います。
 次のページ。
 まず、医療従事者の皆様につきまして、患者・家族が入院中、治療中、何思い、何に困っているのか同じ目線で聞いてほしいのです。聞いてみてください。
 それから、患者は、特に脳卒中で貝のように心が塞いでおります。フランクに話してみてください。
 相談窓口でお待ちしています、という受け身では患者・家族は心遅く感じております。むしろ積極的に困りごとを聞いていただいて、教えることを行ってみてほしいと思います。
 次のページ。
 それから、全国で医療を担当されております行政担当者の皆さんに対して、政府として、地方公共団体として、患者・家族が入院中、治療中、何を思い、何に困っているのか、生活期も含めた調査をして把握してください。ここがポイントです。生活期も含めた大規模な調査をして把握するべきです。
 相談窓口でお持ちしています、という受け身では、患者・家族は本当の困りごとを伝えることができません。
 なお、今回の調査は、わずか314名にとどまっております。脳卒中の特性からADLが大きく障害されている方も多くおられます。
 このため、行政が調査を実施することで、患者・家族の困りごとを明確にし、実効ある取組施策を打ち出してほしいと思います。
 最後のページ。
 ここからは御提案でございます。
 都道府県の脳卒中行政担当者の皆さんに、脳卒中の理解をより深めてもらい、患者・家族目線をさらに持っていただくことが、患者・家族にとって身近な施策実施のために重要だと思います。
 このために、脳卒中の行政担当課員向けに、例えば脳卒中の経験者による患者・家族を学ぶ勉強会の実施を提案します。
 日本脳卒中協会では、脳卒中スピーカーズバンクとして、脳卒中の患者・家族の生の声を届ける語り部を養成しております。各地への勉強会への派遣も行うことが可能であります。ぜひ御活用いただければありがたいと思います。
 最後になりますけれども、できますれば、厚生労働省から都道府県に対しまして、この勉強会の実施を指示、指導、推奨など、ぜひ行ってほしいと思います。
 以上、御報告です。終わります。ありがとうございました。
○永井会長 ありがとうございます。
 続いて、私から資料1-6「循環器病対策に重要な健康医療情報:自治体単位と拠点病院群のデータ分析」について御説明いたします。
 御承知のように、循環器病対策には、エビデンスといいますか、データに基づくポリシーメイキングが必要で、そのためには、予後を調べる必要があります。特に循環器病では、一見検査値がよくなっても予後が悪くなるということもございます。生存率とか心臓発作、脳卒中、心不全、人工透析、こういうことがどのくらいの頻度で起こっているか、そういうことをしっかり縦断的なデータ、時系列データで調べるということが重要です。
 私たちは、こうしたデータ収集を、栃木県における自治体単位と、あと13の大学病院、ナショナルセンターで行ってまいりましたので、紹介させていただきます。
 次をお願いします。
 もうこれは第1期から、この真ん中の下にありますけれども、既存のデータを含め、診療情報をはじめとしたビッグデータ活用が重要であると。ただ、これは言うは易く、行うは難しであります。
 次をお願いします。
 最初に公的データを御紹介いたします。栃木県の医療データは、診療所単位、病院、DPCだとか、薬局、歯科、月ごと、医療機関ごとにばらばらになっています。
 これを栃木県と共同して自治医科大学で、名前のついた状態で、まずいただいて、それを1枚のレセプト、1枚に全部つないで、薬の内容も全部統合して標準記載にしまして、それを匿名化して分析するということをしてまいりました。
 これは、今、厚生労働省の地域医療提供体制分析事業で、11府県に展開しています。ただ、レセプトデータの個票の入手というのは、なかなか容易ではなくて、そこは栃木県の独自のところでございます。
 次をお願いします。
 では、何が分かるかということです。まず1つは、ばらつきです。急性心筋梗塞のレセプト発生割合、入院期間、下は栃木県の市と町の名前が出ていますが、このくらい市町によってばらつくということ。
 次をお願いします。
 脳卒中につきましても、レセプトの発生数、入院期間がやはりばらつく。これから、まず、医療者あるいは行政が一緒になって標準化ということをしていかないといけないということが分かります。
 次のスライドをお願いします。
 これは、特定健診と医療費を結びつけたデータです。こういう調査は、今まで、まず不可能でしたけれども、年代別に、また、年度ごとに見ていきますと、40代、50代では、特定健診受診者のほうが未受診者よりもやや医療費が少なく済んでいます。ただ、高齢者ではあまり変わりはなさそうです。
 これは、まさに特定健診の在り方を考える上で、ぜひ参考にしていただきたいデータです。
 次をお願いします。
 今度は面として、患者さんがどのように移動しているかです。急性心筋梗塞が県南の医療圏、県南部は自治医科大学あるいは獨協医科大学があるところですけれども、例えば県西部からかなり県南部のほうに患者さんが重症で運ばれているということが分かります。次をお願いします。
 脳卒中も県西部の医療圏では高度医療、急性期医療に対する手当が必要かもしれない、などが分かってまいります。
 次をお願いします。
 あとは、介護のデータも統合しておりまして、右上の紫とかグレーのところが、亡くなられたり、観察できなくなった人たちで、大体要介護のどのくらいの段階にいると、予後が10か月、20か月、30か月で変わっていく。こういうデータもこれから医療政策を立てる上で非常に重要ではないかと思います。
 次をお願いします。
 私どもは、今、第3期のSIP、内閣府の統合型ヘルスケアシステムの構築ということで、医療DX研究を進めております。
 下に書いてあるグレーのところは、厚生労働省の医療DXで、まず、ユビキタスに広くいろいろなデータをつないでいくと。ただ、これは少し浅いデータで大量に広くつなぐということですが、これと同様に、少し施設は限られても、深く、数百項目にわたってデータを集め、かつ予後も調べるという2つの取組が連携して、循環器病対策がよりよくなるのではないかと思います。
 次をお願いします。
 その意味で、かつて電子カルテが全くつながらない、ばらばらと言われていましたが、しかし、私ども内閣府あるいは厚労省のいろいろな御支援をいただいて、今、11大学プラス2ナショナルセンターの電子カルテはつながっております。数百項目のデータを集め、かつ予後も調べていくプロジェクトです。これは、CLIDASチームということでホームページもつくっておりますが、産学連携の拠点にもなっております。
 それで、何が分かるかということなのですが、次をお願いします。
 例えば、心不全の患者さんは、120万人はいますが、軽い方は別によろしいのですが、あるステージを過ぎると、いわゆる乱気流のように、悪くなったり、よくなったりを繰り返す。これをどう防ぐかということが重要です。
 次をお願いします。
 例えば、死亡率、今、日本循環器学会では、教育研究施設を中心に、800病院で入院してから30日後の心不全の死亡率を見ておりますが大体8%です。我々の大学病院、ナショナルセンター8病院のデータですと、死亡率が4.2%から3%と、やはり違いが出てまいります。多少背景も違って、やや急性、重症の方が一般病院に入っていると思いますが、こういうところに課題があるのだということです。
 これは、なぜ違うか、もし同じ条件で違うのだったら対策は立てないといけないですし、次のスライド。
 心臓の動きのよしあしで、例えば、心臓の機能が落ちている場合、6年後の死亡率が30%と、かなりこれは高いということになります。やはり、がんと同等の対策が必要だということが、こういうデータから見えてきます。次のスライド。
 冠動脈疾患、急性心筋梗塞あるいはカテーテル治療の必要な方についても、教育病院610と、CLIDAS病院8施設で多少違いがあります。これも、ぜひ今後研究が必要です。次をお願いします。
 次は、急性期で担ぎ込まれた方がACS、待機的に治療を受けた方がCCSです。急性期で担ぎ込まれた方は、確かに予後があまりよろしくない、慢性期の方よりも悪い、これは仕方がないわけです。
 次をお願いします。
 ところが90日までは急性期の方が死亡率は高いのですが、90日を過ぎると、慢性期に待機的に入った方のほうが、予後が悪い、死亡率が高い。
 次をお願いします。
 そういう意味でも、これもまた研究テーマです。では、慢性期に入院された方は、その後どういう合併症で亡くなられているかというと、心不全や脳卒中が増えています。つまり急性で担ぎ込まれた方とは違う病気の状態になるということです。
 次のスライド。
 今、こうした冠動脈疾患に対しては、強いスタチンを使うというのが標準治療です。ですから、この観察研究で強いスタチンと弱いスタチンのどちらがよさそうかというのは、なかなか難しいのですが、傾向スコアマッチングという方法で背景をそろえてみますと、心筋梗塞では、確かに強いスタチンのほうが、その後の予後がよいようです。
 ただ、脳卒中については、強いスタチンを使うと、脳卒中が増えているかもしれないという結果が得られました。これを結論とするのは非常に難しいですけれども、この辺りも気をつけてみていく必要があります。
 まとめると、1つは、自治体病院の公的医療データを時系列でつないで分析することが重要であるということ。
 もう一つは、中核病院、大学病院、ナショナルセンターを中心に深い臨床データ、ディープデータといいますが、そこに予後までしっかり押さえたデータを収集することが大事です。こうしたデータは循環器病対策の新しい視点がもたらします。こういう研究を自治体、アカデミア、病院連携で進めていくことが重要です。
 以上です。
 ここまでのところ、説明が続きましたが、どこからでも結構ですので、委員の皆様あるいは参考人の皆様からも御質問をお受けしたいと思います。よろしくお願いいたします。いかがでしょうか。
 どなたか、横山委員、どうぞ。
○横山委員 横山です。
 最初の全体目標のお話でもよろしいでしょうか。
○永井会長 はい、どうぞ。
○横山委員 全体目標として、健康寿命の延伸を目指すということなのですけれども、一番最近の令和4年の値が昨年公表されていて、これは、前回から男性で少し短くなっています。それまでは、ずっと順調に伸びていたのが、短くなった理由としては、新型コロナの流行以降、2年続けて寿命が短縮していて、その影響で、健康寿命も一旦短くなっているということかと思いますので、この全体目標である健康寿命を評価するに当たって、次のスライドをお願いしてもいいですか。
 御覧のとおり、健康寿命は男性が一旦少し短くなっている、赤いほうです。女性も上げ止まった感じがあると。この背景には、平均寿命短縮がありますので、健康寿命は3年ごとに出ていますけれども、長期的な推移を見るに当たって、毎年の平均寿命についても併せて示しておくと、これの解釈がしやすいのではないかと思います。
 1個前のスライドもお願いします。
 循環器病の年齢調整死亡率も、2022年は御覧のとおり、一旦上昇しているということがありますので、これと平均寿命と、そして健康寿命も併せて示す必要があるかなと考えております。
 以上です。
○永井会長 ありがとうございます。
 続いて、佐々木委員、どうぞ。
○佐々木委員 ありがとうございます。聖マリアンナ医科大学の佐々木です。
 全体的な感想に近いことになってしまうのですけれども、まず、脳卒中のリハビリテーションについてのアンケート調査、非常に興味深い御発表をありがとうございます。
 本当に、前もお話しさせていただいたのですけれども、病院によってリハビリの質が全然違いますし、特に脳卒中のリハビリテーションは、やっている側もよく分かっていない人が多いと思うのです。例えば、痙縮麻痺に対して筋トレをしてしまったりとか、そのように分かっていないからこそ、患者に説明もできないし、不安にさせるしというところがあると思うので、やはりある程度統一させなくてはいけないというのは、教育を含め、非常に重要だと思います。
 その上で、特にリハビリの一定化が必要、先ほども特に生活期が大事というお話がありましたけれども、医療保険と介護保険領域におけるリハビリ手法の用語の統一、そういうのも、今、研究として進んではおりますけれども、例えば、同じように筋力増強訓練をやってくださいと言われたときに、人によって思っていることが全然違うというのが問題だと思います。
 いろいろ病気に対してコード化して、ICDコードで振り分けた後に、ICFでとかいろいろやっているのに、リハビリのほうは、そこが医療保険レベルと介護保険レベルで全然違うことやっているということが、非常にたくさんあるかと思います。
 ぜひ、そういうのを一定化した上で、それこそカルテの話もありましたけれども、データベース、日本人がやればきっときれいなデータベースになると思いますので、大きなビッグデータができるかと思います。
 ちなみに、ビックデータの上で、リスクの話で喫煙が出てきますが、そろそろ電子タバコとか、そういうものと紙巻きとは明確に分ける必要があるのではないかと、特にバスキュラーイベントについては思うのですが、以上です。
○永井会長 ありがとうございます。
 中山委員、どうぞ。
○中山委員 榊原記念病院の中山と申します。
 先ほど、リハビリのお話が出ましたので、今回の指標づくりの中に、高血圧がかなり皆様の御発表でトップということがあったと思いますけれども、もっとグローバルな指標として、運動不足も実はトップスリーぐらいに入るはずではありますので、これをどう評価するかというところもあるかと思いますけれども、その運動不足というものを指標に入れていただけますと、先ほどの年齢調整の死亡率もそうですけれども、リハビリの普及にどれくらいそれで寄与因子になっているかと、どれくらいリハビリに力を入れたらいいかということが参考になるかと思いますので、少し付け加えさせていただきます。
○永井会長 ありがとうございます。
 ほかにいかがでしょうか。
 藤本委員、どうぞ。
○藤本会長代理 自治医科大学の藤本でございます。
 リハビリに関して、私も1つ追加で発言させていただきますけれども、6か月で期間が区切られるとか、そういう課題も確かにあるのですけれども、それと同時に、リハビリで非常に問題になっているのは、合併症を持った患者さんのリハビリが全然うまくいっていないのです。
 例えば、高額医薬品が必要な患者さんに関しては、リハビリ病院になかなか転院ができないとか、認知機能が低下していたら、なかなかリハビリを受け入れてもらえないとか、そういったいろいろな合併症があったときに、複合的なリハビリが本当は必要なのですけれども、そういったものがなかなか受け入れられないという問題点がありますので、ぜひそういったところも、この期間の問題だけではなくて、検討すべきかなと思っております。
 以上です。
○永井会長 ありがとうございます。
 横田委員、どうぞ。
○横田委員 ありがとうございます。
 川勝委員のアンケート調査を非常に興味深く拝聴しました。ありがとうございます。
 アンケートの対象が患者さんと、あるいはその御家族と書いてあるのですけれども、病院に対しての様々な意見、特に円グラフで数字が出ているのですが、病院に対しては、不満が少ないという数字と思います。これは家族からアンケートをいただいた場合と、患者さん御自身からアンケートをいただいた場合とでは、アンケート結果が大分違ってくると思います。その辺のサブ解析はされていますでしょうか。
○永井会長 川勝委員、いかがですか。
○川勝委員 川勝です。御質問ありがとうございます。
 実は、これは質問形式で行っています。質問をしたのが、主に主治医なのです。主治医が患者・家族に質問しております。そういう意味で、あまり患者・家族は主治医に文句を言っておりません。極めてマイルドになっていると思います。本当はもっとかなり厳しい御意見があったのではないかなと、これは推定です。ですから、御本人とか家族とかはあまり関係なく、質問者のほうの課題なのかなという気がしております。
○横田委員 分かりました。了解しました。ありがとうございます。
○川勝委員 ありがとうございます。
○永井会長 ほかにいかがでしょうか。
 参考人の方でも結構ですので、よろしいでしょうか。
 野口委員、どうぞ。
○野口委員 ありがとうございます。日本医療ソーシャルワーカー協会の野口でございます。本当に貴重な御発表をありがとうございました。
 今、川勝委員の御発表などを聞いていて、生活期も含めた調査を実施して把握していく必要があるという御指摘や岡村委員のほうからは、両立支援コーディネーターのことは、全然知られていませんよとか、障害に関するいろいろな社会資源についても知られていないということが、具体的に数字をもって示されましたので、大変興味深かったです。
私ども医療ソーシャルワーカー協会としては、脳卒中心臓病等総合支援センターを何とか軌道に乗せたいと思っていまして、フォローアップをしているところなのですが、その中で、今、御指摘のあったことなどに取り組めるよう今後取り入れていく必要があるとアドバイスをいただいた気が致しました。
そこで、少し事務局のほうに伺いたいのですが、最初の中間評価の進め方のところで、次回とその次の回に「脳卒中・心臓病等総合支援センターの在り方について」を議題として掲げていただいているのですが、この脳卒中・心臓病等総合支援センターのことと、今回のコア指標のことは、どのように関連しているのか伺いたいと思います。基本的には並行して議論することになるのか、あるいは脳卒中・心臓病等総合支援センターの在り方を今回のコア指標の中にうまく取り込むようなことを想定しておられるのか、その辺りの方向性があれば、少し伺いたいと思います。
○永井会長 事務局、いかがでしょうか。
○九十九推進官 御質問ありがとうございます。
 今回、お示ししているスライドですが、これは、中間評価のスケジュールというよりは、この協議会全体の検討スケジュールであり、次回はコア指標の選定だけでなくて、総合支援センターの在り方についても御議論いただきたいと考えています。
 具体的には、事務局としましては、今年度中を目途に、脳卒中、心臓病等の総合支援センターの整備指針を作成することを検討しておりますので、その具体については、総合支援委員会の方で検討していくと考えておりますが、この協議会でも共有、御議論をいただきたいと思っております。現時点で、総合支援センターがコア指標と関係あるというよりは、今後の協議会の議題の一つとしてお示ししているところでございますが、当然今後のコア指標の議論の中で、両者に関係性が見出せるものであれば、位置づけについて検討していきたいと思います。
○野口委員 ありがとうございました。
○永井会長 木澤委員、どうぞ。
○木澤委員 ありがとうございます。
 様々な御報告をいただきまして、データで示していただいたので、よく理解できました。
 特に、一般市民の方、学童期から健康意識を持つというのが、非常に大事だと思います。
 心不全や脂質異常症のような、心臓病、脳卒中に直接関係することの知識の不足ということが、成人期、それから壮年期で影響が出てくるところだと思います。
 また、1-2の飯原参考人が示していただきました都道府県別責任者向けの調査におきまして、再発や重症化予防の取組がまだまだ少ないというところでは、やはりそういった疾患を持たれた方に関しまして、伴走支援として、医療機関だけでは届きにくいところを地域サービスとも連携して取り組む必要があると思いました。
 以上でございます。
○永井会長 ありがとうございます。
 そのほか、いかがでしょうか。よろしいですか。
 中山委員、どうぞ。
○中山委員 すみません、たびたび、先ほどの言葉の認知がとても低いということで、岡村先生と塚田先生の大変ショッキングな結果があったと思いますけれども、やはり言葉というのも結構ちゃんと定義しなくてはいけないなと思いまして、両立支援となっておりますが、これがなかなか普及しづらくて、通常両立というと、仕事と家庭の両立と、どうしても一般の方々は思ってしまう傾向がありまして、私たちがここで議論している両立支援とは、恐らく就学就労支援ということになりますので、言葉というアプローチの仕方を、私は、東京の脳卒中・心臓病等総合支援センターにも関わっておりますけれども、心臓病と言わずに、ポスターには動悸、めまいのある方にとか、そのメッセージ性を少し変えてアプローチしているという部分もありますので、言葉の使い方というのも、この両立支援コーディネーターという言葉があるから普及されているのかもしれませんが、このまま使い続けていいのかどうかというのを含めて、提案させていただきたいと思います。
 あと、もう一点だけ、なかなか心臓病の両立支援は、センターのほうで調査しても、東京都全域でCCUネットワークがありまして、80施設調べまして、実際に、心臓病の両立支援をやっていると公表した施設は、たった3施設ということになりますので、どうやって普及を図れるか、なかなかやっていても両立支援加算を取れないという状況が、加算がまず勤務情報提供書から始まる問題でございますので、こちらも現場から問題提起ということで、情報提供をさせていただきます。
○永井会長 ありがとうございます。
 言葉の問題、両立という言葉をどうするかということですが、何か事務局、御意見あります。
○九十九推進官 御意見ありがとうございます。
 確かに、両立支援という言葉のイメージが、現場の患者様の認識と、行政側が使っている言葉がマッチしているかという問題意識だと思います。一方、この言葉は循環器病だけでなくて、例えば、がんであったり、ほかのところでも使われていますので、両立支援の定義をどうするかについて、この場だけで議論することは難しいかもしれませんので、全体的な課題として受け止めさせいただければと思います。
○永井会長 ありがとうございます。
 よろしいでしょうか。
 よろしければ、次、議事2のコア指標の選定について御議論いただきたいと思います。
 議事2の件につきましても、先に事務局と飯原参考人より資料を御説明いただいた上で、議論をしたいと思います。
 まず、資料の2-1、コア指標の選定について、事務局からお願いします。
○九十九推進官 事務局でございます。お手元の資料の2-1を御覧ください。
 1ページめくっていただきまして、こちらは、先ほど申し上げました、第2期基本計画の概要なので割愛いたします。
 次のページめくっていただきまして、こちらも先ほど少し触れましたが、第2期基本計画におきましては、ここで行くと脳卒中、次のページですと、心血管に関するこれまで指標について御提示しているところでございます。
 次のページに行っていただきまして、これも繰り返しですけれども、前回の協議会で、この中間評価の進め方として、コア指標を選定し評価していくという枠組みが合意形成されたところでございます。
 次のページに行っていただきまして、このコア指標の選定における検討体制につきまして示したものでございます。
 こちらは、過去の研究班における検討、具体的には、今村班、平田班というところで過去に御議論いただいておりまして、現在は飯原班におきまして循環器病当事者の意見を踏まえつつ、専門家による評価を得て、今回、コア指標案を提示いただく流れでございます。
 今回あくまで案を研究班として御提示いただきますが、その指標案についてお考えを述べていただくとともに、あるいは追加するべき指標がないかとか、そういった内容につきましても、この協議会で御議論いただければと思っております。
 次のページをお願いいたします。
 こちらのスライドは、コア指標の選定について、関係するこれまでの経緯についてお示ししたものでございます。
 詳細は割愛いたしますが、4ポツ目のところが、先ほど申し上げました飯原班におきまして、日本脳卒中学会、日本循環器学会と連携して、当事者の意見を踏まえながら、コア指標案を選定しているステータスでございます。
 また、第2期基本計画におきましては、都道府県は都道府県計画に基づく循環器病対策の進捗管理について、以下省略ですが、ロジックモデル等のツールの活用も検討するとしているところでございますので、今後の対応案でございますが、今般、飯原班より案として選定されましたコア指標案につきまして、本協議会で議論していただいた上で、中間評価を行う上でのコア指標として決定してはどうかと、具体的には、次回の協議会で決定したらどうかと考えてございます。
 また、コア指標を決定した後に、中間評価を進めるに当たっては、ロジックモデルの考え方を取り入れて評価を行ってはどうかと考えております。
 事務局からの説明は以上でございます。
○永井会長 ありがとうございます。
 続いて、資料の2-1、コア指標案についての説明を、飯原参考人からお願いします。
○飯原参考人 引き続きまして、循環器病研究センターの飯原から御説明をさせていただきます。
 今回は、令和6年度から始まりました、循環器病対策の進捗評価法の確立を目指した研究を通しまして、本日、コア指標案の策定の結果について御報告したいと思います。
 次をお願いいたします。
 今回は、本研究班では、第2期基本計画の中間評価法を確立することを目的として、第2期基本計画の指標を整理して、その中からコア指標を選定して、目標値の選定方法とか、ベースライン値、現状値を基にした進捗状況の評価を、体系的に行う手法を提言したいということでございます。
 次をお願いします。
 このスライドは、米国の保健福祉省が策定した健康指針における10か年計画、ヘルシーピープル2030の概要です。
 米国でも2020年までは、この目標値を設定するための体系的なプロセスは存在しておりませんでした。
 次のスライドをお願いいたします。
 これは、米国CDCの循環器病対策の取組の紹介です。ミリオンハーツは、心血管疾患の死亡数を10年間で10万人減少させることを目的に、2011年に設立され、その重点項目をウェブで公開しています。10年間で10万人ということで、ミリオンハーツという名前が命名されたものと思います。
 次をお願いいたします。
 さらに、ミリオンハーツは、心血管疾患と脳卒中医療の均てん化を推進するため、自治体の過去の実績値を右に示しますように、地図上で可視化しております。
 次をお願いします。
 さらに、指標の改善に向けて、使用できるサポートシステムを自治体に向けて提供して、さらに、セルフアセスメントシートに、スライドの右に示すように提供しています。
 次をお願いいたします。
 このスライドは、今般、指標の脳卒中、心血管のコア指標案の選定プロセスを示しています。
 今回の策定のプロセスは、デルファイ法に基づき、日本脳卒中学会と日本循環器学会の研究班からなるエキスパートパネルの委員に、既にある第2期の循環器病対策推進基本計画の指標、脳卒中のほうは31項目、ロジックモデルの最終アウトカム指標について、4つの選定基準について5段階評価をしていただいています。
 日本循環器学会のほうは、循環器病対策推進基本計画の項目のみについて選定しているということでございます。
 ロジックモデルのみにある項目は、脳卒中は36項目、心血管が34項目もございまして、これは指標の整理が必要ということでございました。
 今回は、このエキスパートパネルを両学会の代表理事、理事長の先生、5か年計画の責任者の方々に選定していただき、それに研究班からパネリストも追加させていただきまして、2回の評価を行いまして、コア指標案を今般策定したところでございます。
 現在進行中でございますけれども、まず、脳卒中経験者としての患者、家族の方5名に、脳卒中のコア指標案の評価を依頼中でございます。
 次のスライドをお願いいたします。
 これは、脳卒中のパネリストの先生方の名簿でございます。
 まず、学会の先生方に予防・啓発、救護、急性期、慢性期、再発予防、それと回復期の3つのフェーズに分けて、個別に学会から推薦者を依頼しています。
 全委員は、全ての指標を評価していただきました。
 次のスライドをお願いいたします。
 これは、同じく心血管、日本循環器学会から推薦いただきました3つのフェーズの分野の先生方に、こちらも全て指標を選定していただいたところでございます。
 次をお願いいたします。
 これは、最終の脳卒中のコア指標案の策定結果をスライドに示しています。
 脳卒中のほうは、コア指標案は、主に総点数、スライド右側に総点数の数値というところ欄がございますけれども、こちらの総得点の高い順から並べまして、このリストをパネルの先生方に2回の会議で議論をしていただいたところでございます。
 最終的には、このスライドの中で黄色の枠に示す10項目が、脳卒中の分野ではコア指標案として策定されたところでございます。
 この選定基準は、スライドの右側の1~4の個別の選定の基準がございますけれども、最終的に選定された10項目は、右側の1~4までの中でも、おおむね高い得点を得た評価でございました。
 次をお願いいたします。
 これは、主なコメントの御紹介であります。
 コア指標案のうち、総得点の高い上位の4つに関しては、格別コメントはございませんでした。
 10項目のうち、その4項目を除く6項目については、下記のようなコメントがございました。
 脳梗塞の全ての病型に対するコア指標案として、現在、血栓回収療法と血栓溶解療法がございますが、その両方を選定すべきであろうということと、医療機関数と実施件数は、これは都道府県によって、あるいは2次医療圏なので、地域の医療資源の多寡とか、治療の集約化の方向性が異なっていて、それも併せて評価するべきであろうということと、先ほども議論になっていましたリハビリテーションは、入院・外来で分けて評価するべき、特に外来リハビリは、今後重要であるというコメントがございました。
 次をお願いいたします。
 これは、脳卒中のコア指標案が、現在の第8次医療計画と第2期循環器病対策基本計画の6つのフェーズが横並びになっているのですが、最終的には、選ばれた項目は、6つのフェーズを全てカバーしているということで、各フェーズから最低1つの指標は選ばれたということでございました。
 次のスライドをお願いします。
 これは、心血管のコア指標案の策定結果を示しております。最終的に、このコア指標の候補として、スライドの中で黄色に示す7つの項目が選ばれたということでございます。
 これは、総点数の順位で言いますと、総点数の順位の1~7位までで、先ほどの脳卒中と同じように、この1~4の全ての項目について高い評価を得ていたということでございました。
 次をお願いいたします。
 コメントでございます。7項目選んでいただいたのですが、このPCIを施行された急性心筋梗塞患者のうち、90分以内の冠動脈再開通達成率以外には、コメントはございませんでした。
 このコア指標案として、黄色でハイライトをした部分ですね、上記指標は、採用はするのですが、これは、次のスライドに示すコメントが表明されています。
 次をお願いいたします。
 これは、PCIを施行された急性心筋梗塞患者のうち、90分以内の冠動脈再開通達成率について、これはアカデミアの意見として、コア指標案として採用する上で、下記の課題への認識が必要であろうということであります。
 心電図で、ST上昇を伴うST上昇型の心筋梗塞と、そうではない心筋梗塞があるわけなのですが、これは、ST上昇型の心筋梗塞に対するPCIであれば、これを推奨することは問題なかろうと。
 それで、次に示しますように、学会での厳密な登録事業における遵守率は以前より改善して、かなり7割から80%は達成しているのですが、欧米に比較すると、まだ、低いということで継続して課題として認識すべきであろうと。
 しかしながら、ST上昇を伴わないものに関しては、もう少し複雑なリスク評価を行った上で治療方針を決定すべきであるので、これをコア指標案とすると、全ての指標に対する時間の制約を推奨するように、ミスリードする場合があるのではないかということでございました。
 最後に、一方、指標として賛否があるのは理解しつつ、全国共通ではかれる数少ない指標であるため、コア指標案として残すべきとの意見もあったということで、両意見を併記させていただきます。
 次をお願いいたします。
 このように、コア指標案は、予防・啓発から再発、重症化予防まで全てのフェーズが、少なくとも1つは選定されたという結果になりました。
 次をお願いいたします。
 まとめでございます。第2期循環器病対策基本計画の進捗評価を目的とした、コア指標案を策定するために、厚労科研飯原班から日本脳卒中学会と日本循環学会に対してエキスパートパネルの推薦を依頼して、デルファイ法にて選定を行いました。
 選考基準は、この1)~4)でございますけれども5段階評価を行って、ほぼ総点数を基に採用されたということでございます。
 最終的には、脳卒中は10項目、心臓病では7項目がコア指標案として選定され、全ての6つのフェーズから、最低1つはコア指標案として含まれたということでございました。
 ただ、重要と考えられる附帯意見については、アカデミアからの意見として併せて報告させていただき、今後の参考意見とさせていただきました。
 現在、コア指標案については、我々の研究班から脳卒中・心臓病を経験した患者・家族へのヒアリングを実施している最中でございます。
 これについては、また後日、報告させていただきたいと思います。
 以上でございます。
○永井会長 ありがとうございました。
 それでは、ただいまの御説明に、御質問、御意見をいただきたいと思います。
 いかがでしょうか、どなたからでも、それでは、横山委員、その後、大津委員、それから、阿彦委員の順でお願いします。
○横山委員 科学院の横山です。御説明ありがとうございました。
 指標についてなのですけれども、先ほど岡村先生からのお話の中で、高血圧の人口寄与危険割合が非常に大きいと、2番目がたばこであるというお話をいただいたところです。
 その話を聞いた上で、指標について見てみると、指標の中に高血圧そのものが含まれていないというのがすごく気になりました。
 2番目のたばこのほうは、いずれも入っているのですが、重点指標に限らず、ほかの指標の中でも、高血圧の外来受療率、年齢調整受療率というのがあるのですけれども、これは、高いことがいいのか、低いことがいいのか、少し分かりにくい指標のように思っています。
 といいますのは、高血圧の人が減って受療率が減るのは望ましいことである一方、現在、医療につながっていない人がちゃんと受療することで受療率が上がるのは、それもまたいいことかなと考えると、受療率だと少し評価しにくいかなと思いました。
 ですので、血圧そのものに関する指標、今回は含まれていないので、追加ができるかどうか分かりませんけれども、例えば、健康日本21であれば、血圧の平均値というものを指標にしていますので、そういったものについても御検討をいただくといいのではないかと思いました。
 以上です。
○永井会長 ありがとうございます。
 今の点いかがでしょうか。
○飯原参考人 御意見ありがとうございました。
 全くおっしゃるとおりでございまして、高血圧の重要性については、パネリストの先生方からも御意見をいただきました。
 ただ、今まさに御指摘いただきましたように、今回、多くの指標について、アカデミアの先生方から、その指標の実績値の上下が、本当に循環器病対策の進捗を評価する上で、ふさわしいかどうかという観点で、評価していただき、合わせて御意見をいただいたとおりであります。
 ですので、高血圧のコントロールがいいということに関しては、全く異論はないわけなのですが、現在、掲げられている指標については、今、中間評価の段階なので、指標そのものの表現とか、算出方法については、現時点では変更しないという前提のもとでの検討でございました。今、横山委員がまさにおっしゃったとおりのことでございまして、様々な可能性が考えられることによって、その値が上下するという指標に関しては、現時点では、この指標の算出方法とか、表現を変えないという前提のもとに、これは採用しないという結論になりました。
 以上です。よろしいでしょうか。
○横山委員 ありがとうございます。
○永井会長 続いて、大津委員、どうぞ。
○大津委員 様々な意見を集約していただいて、この資料を提示していただき、ありがとうございます。
 1つ質問は、やはり国際的にどうかという視点から言いますと、国際比較も、もちろん我が国で得意なところもあるとは思いますけれども、国際比較というところを考えると、今回提示した指標というのは、各国で行われている、こういう指標との共通性というのはどうでしょうか。
○永井会長 どうぞ。
○飯原参考人 ありがとうございます。
 今回、先生がおっしゃったとおりなのですが、国際比較で考えると、例えば、今日、岡村先生から発表もございましたように、Global Burden of Diseaseとか、そういう国際比較ができるような形での算出方法というのも1つだと思います。
 その中で、もう少し詳しく、例えば、我が国においても、各都道府県で比較できるとか、そういう算出方法であったら、国際比較ができるのではないかと思っています。
 以上です。
○永井会長 よろしいでしょうか。
 では、阿彦委員。
○阿彦委員 山形県の阿彦です。
 私からは、脳卒中のコア指標案の関係で、2点御意見申し上げたいと思います。
 1つは、先ほどの説明で、資料1-5で脳卒中協会の患者・家族委員会のインタビュー調査の結果の概要、紹介がありますけれども、今日の資料ではなくて、事前にお送りいただいた調査結果の詳細版を事前に拝読していたのですけれども、その中で、脳卒中患者さんの場合、入院に際し救急車を呼んだという人が62%で、呼ばなかったというのが38%、4割もいるという状況がありました。
 特にも、我々も経験的に、特に脳梗塞は、発症から受診までの時間が長いということで、軽症者ほど直ちに症状が完成しないので、患者本人が発症を認識しないとか、救急車を呼ばないで家族の帰宅を待って受診したとか、いろいろなことがあるので遅くなると思うのですけれども、そういう面で、今回のコア指標案の中で、救急要請(覚知)から医療機関への収容までに要した平均時間ということで、評価指標として設置されていますけれども、そもそも救急車を呼ばないという人が4割もいる中で、特に脳梗塞ではもっと多いのではないかと思われる中で、指標としては、例えば、山形県では脳卒中患者の発症登録をやっているので、発症から受診までの平均時間とか、発症から医療機関来院まで3時間以内の割合とか、4.5時間以内の割合とか、そういったものは、経年的に評価して、都道府県の循環器病対策推進計画の目標の中にも、発症から医療機関受診までの時間を目標に入れているわけなのですけれども、そういう面で、例えば、全国的にはそういう評価がなかなかできないということで、救急要請から医療機関への収容までの平均時間というのが、評価しやすいということで選ばれているのかもしれませんけれども、脳卒中発症者の登録事業をやっている自治体においては、脳卒中について、やはり発症から医療機関来院あるいは受診までに要した時間に関する評価指標を採用できるようにしていただいたほうが、より適切なのではないかと思った次第です。これが1点目です。
 2点目は、先ほどから出ている療養、就労の両立支援のことですけれども、脳卒中の最初の指標例では、脳卒中患者に対する療養、就労両立支援の実施件数が、重点指標の一つとされていたわけですけれども、これについても経時的に取得できるデータが乏しいとか、二次医療圏単位での比較ができないとか、そういったことで点数が低くて、コア指標のほうに選定されていなかったのだと、この資料の結果を見ると思われましたけれども、大変重要な指標なので、今回のコア指標に選ばれなかったとすれば、こういった両立支援に関する実施状況についても、全国的に評価できるような調査を実施して評価できるようにして、評価できるようになったら、この評価指標に加えるとか、そういったことを検討していただいたらどうかなと思いました。
 私からは以上です。
○永井会長 飯原参考人。
○飯原参考人 ありがとうございます。
 第1点目です。救急車で搬送されている方が62%というのは、私が実施しているDPCの調査でも、そのような形になっています。
 おっしゃるとおり救急車を呼ばない人が4割いたとしたら、そういう啓発活動というのは確かに大事だと思います。
 今、覚知から病院到着までの救急車の搬送時間というのは、自治体ごとにしっかり測れるのですね。
 それで、脳卒中疑いの患者というくくりであれば、総務省消防庁が救急救助の現況という調査で、毎年データを出しています。ただ、それが事後検証で脳卒中があったかどうかということに関しては、完全にできているかどうか分かりませんが、そういうことがあるのです。
 それで、委員がおっしゃったとおり、本来は、発症してから病着まで、あるいはそこから治療開始までとかという時間が、本当に取れたら一番すばらしいと思うのですが、全件登録できているところで、そういう指標を採用しているところであれば、恐らくかなり悉皆性が高い形で取れるかもしれませんが、恐らく発症からの時間となると、かなり悉皆性について、かなりデータの取得率が落ちるのではないかという危惧があるのだと思います。
 それで、おっしゃるとおり、エビデンスのことから言うと、発症から病着、発症から、例えば、心筋梗塞がバルーンまでの時間とか、そういう治療までの時間というのが、本来は一番正確な指標なのですが、恐らく、今回、循環器病対策基本計画の中で、国あるいは都道府県レベルで取れる、あるいは都道府県間で比較できるという意味では、こういう形になったのではないかと、委員からの意見としても、やはりそういうパネリストからの専門的な御意見としてあったので、これは、このような形で採用となりました。
 2点目は、こちらも非常に重要な御指摘で、その件数ということになると、恐らく、まだ十分なデータがそろっていないのではないかと思います。
 これは、脳卒中学会の藤本先生が、また御発言されるかもしれませんが、脳卒中学会でも、こういう調査をしておりますが、詳細な件数の推移とか、それは今後また集めていくことになると思いますので、重要性は承知しておりますが、現時点での、恐らく中間評価の段階として、今、コア指標として採用するには、少しデータが足りないのではないかというパネリストからの意見だったと思います。
○永井会長 よろしいでしょうか。
 では、横田委員、どうぞ。
○横田委員 ありがとうございます、横田でございます。
 飯原参考人ありがとうございます。点数化をして、上位からコア指標を選んだということで自体全く異論はないのですけれども、いわゆる脳卒中循環器病対策基本法に予防というところが強調されています。喫煙率というところがコア指標にもあったかと思うのですが、この法律だと、例えば喫煙、食生活、運動、先ほど横山委員がおっしゃったような高血圧、脂質異常症、糖尿病云々などが入っています。予防としてこのような指標をひとまとめにするという意見というのはあったのでしょうか。あったけれども、点数化すると下位のほうになり、上のほうには上がってこなかったのか、その辺はいかがでしょうか。
○永井会長 手短にお願いします。
○飯原参考人 予防のところに関しては、上位にあったのは、今回喫煙のところと、やはり血圧のところが上位のほうに入っていて、それ以外のところは、かなり下位のほうにあったというのが現状でございます。
○永井会長 よろしいでしょうか。
○横田委員 はい。
○永井会長 鶴岡委員、どうぞ。
○鶴岡委員 ありがとうございます。
 飯原先生、大変分かりやすく教えていただきまして、ありがとうございます。日本在宅医療連合学会から参加しております、鶴岡です。
 急性期のこととか、予防のこととかの指標が多く盛り込まれているなと思って拝見しておりましたが、例えば、脳卒中で寝たきりとなって在宅医療を受けている患者様とか、あとは心不全で末期と言われ、入退院を繰り返している方を多く在宅医療で担当しております。
 例えば、そういう人生の終末期であるとか、生活期と言ってもいいと思うのですけれども、それに対する指標は、少し少なめなのかなと思って見ておりました。
 例えば、先ほど川勝委員のほうから社会連携というような言葉で、医療、介護・福祉のことを知っているかという項目があったと思うのですけれども、地域の中でそういうのがどのぐらい充実しているのかという指標も、今後御検討いただければいいのかなと思いました。
 以上です。
○飯原参考人 ありがとうございます。
○永井会長 ありがとうございます。
 では、佐々木委員、どうぞ。
○佐々木委員 ありがとうございます。
 確認なのですけれども、これは、今、ラウンド2までのデルファイということで、これは終わったことなのですか、それとも、これからラウンド3が始まるのか、つまり、RAND/UCLA法にのっとって、外れ値がもうない状態に、今、なっているのでしょうか。
○飯原参考人 今のところを、この2ラウンドで終了と。
○佐々木委員 終了でございますね。
○飯原参考人 先ほど、最後に少しお話ししましたように、今、コア指標案の段階でございますので、まだ、最終決定というわけではございません。協議会で最終的には決まるということでございますので、並行して、今、脳卒中の患者さんと、御家族の方には、コア指標案について、御意見を、今、いただいているところでございます。
○佐々木委員 では、パブコメみたいなものを集めた上で、さらにまた検討をもう一度やる可能性があるということですか、エキスパートパネルのほうに。
○飯原参考人 現時点では、エキスパートパネルの議論は、これで終了して、これから協議会のほうで揉んでいただくという形になると思います。
○佐々木委員 ありがとうございます。
○永井会長 ありがとうございます。よろしくお願いします。
 それで、ほかにいかがでしょうか、まだ時間がありますので、いかがでしょうか。
 よろしいでしょうか。
 事務局、お願いします。
○九十九推進官 事務局でございます。
 現時点で御意見を多数いただきまして、ありがとうございます。
 事務局からも説明をいたしましたが、今回、研究班のほうでコア指標案を提示いただきまして、その案に対して協議会の委員の皆様に御意見をいただいて、その指標に対する評価や、追加で検討するべき指標、視点がないかということを御意見いただいた上で、再度、研究班の先生方と事務局で検討させていただいて、次回に改めて御提示したいと思います。今般、研究班から御提示された指標案だけでなくて、こういった視点で指標を入れたほうがいいのではないかとか、そういった御意見もいただきたいと思っておりますし、また、飯原先生の資料の中にも、現時点では把握は難しいけれども、今後の課題ということで開発目標とする指標についても例示がありましたけれども、そういった整理も今後あろうかと思いますので、せっかくの機会ですので、様々な御意見をいただければと考えております。よろしくお願いいたします。
○永井会長 いかがでしょうか。
 この指標を拝見していると、脳卒中も心臓血管疾患もストラクチャー、プロセスは割としっかりできているのですが、やはりアウトカムの指標が少ないと思います。
 今回はともかくとして、今後、このアウトカム指標をどう得ていくか、それを次の対策にどう織り込んでいくか。今後、基礎的な検討をぜひ進めていただきたいと思います。飯原先生、何か御意見はありますか。
○飯原参考人 ありがとうございます。
 最初にもお話ししましたように、今回エキスパートパネルの先生方を御推薦いただいて始めるときに、脳卒中のほうは、循環器病対策推進基本計画プラス、ロジックモデルの最終アウトカムの部分も検討の俎上に載せました。
 それで、その結果として、例えばロジックモデルの最終アウトカムで、90日後のモデルランキングスケールというのは、脳卒中のところはあるのですが、やはりなかなか現実問題として自治体レベルで集めるというのは難しかろうという御意見もございました。
 ただ、先生がおっしゃるとおり、今、循環器病は縦断的なデータベースの構築が必要なので、そういうところに関しては、今後ぜひ検討させていただきたいと思います。
○永井会長 よろしくお願いいたします。
 ほかにいかがでしょうか。
 川勝委員、どうぞ。
○川勝委員 川勝です。
 これは、前回の協議会でも、私、少し言ったのですけれども、この指標の案の中に、脳出血という項目が1つもないのですよ。私は脳梗塞の患者なのですけれども、脳出血の方のほうが、どうも後遺症が重いのではないかなと、私は直感で思うのですけれども、そのような患者さんたちが、この表を見たときに、自分たちの病気の脳出血という言葉が、指標の中に何もないというのは、やはり寂しいというのは変ですけれども、少し違和感を感じると思うのですね。ですから、ここは何とか入れるというか、取り上げてほしいなという気がします。
 以上です。
○永井会長 今の点いかがでしょうか。
○飯原参考人 ありがとうございます。
 御指摘のとおりなのですが、確かにおっしゃるとおり、脳梗塞もあり、くも膜下出血という名前もあり、確かに脳出血という名前は明示されていないのですね。ところが、脳卒中患者に対するリハビリテーションの実施件数ということになると、脳出血患者さんは、もちろん含まれているわけなので、御指摘のとおり、脳卒中患者というところに関して、3つの病型が含まれているということは、ちゃんと明示したほうがいいのかもしれません。ありがとうございます。
○永井会長 佐々木委員、どうぞ。
○佐々木委員 アウトカムの指標の話ですけれども、一応、日本リハビリテーション医学会のほうからの情報として、まず、医療保険でリハビリをする場合は、絶対リハビリ実施計画書というものが出ておりますので、そこで、ADLの指標であるバーセルインデックスとかFIMというものは、集計することは絶対にできると思います。
 ただ、現在、バーセルインデックスというものは、もう世界的にも下火になっておりまして、モディファイドバーセルインデックスとか、そういうものをつくっているとか、あと、FIMのほうは版権のほうで問題があって、集計する際にいろいろ問題になるだろうということで、リハビリテーション医学会のほうで、新たに指標となるものを学会の理事長管轄の委員会で、新しくつくろうという動きが出ております。
 一応、情報までです。
○永井会長 ありがとうございます。
 中山委員、どうぞ。
○中山委員 佐々木先生、ありがとうございます。そちらの点と少しリンクするかと思いますけれども、心臓のほうも実は重要な指標としては、今、年齢調整死亡率は絶対重要だと思いますけれども、QOLスコアというものがございまして、おっしゃるとおり版権の問題とかがあって、基本チェックリスト、FIM、バーセルインデックスとありますけれども、どれを使うかというのがありまして、やはり新たにお金が発生しないものがいいのではないかということで、新しくつくったほうがいいという話も上がっておりますので、こちらのほうからも情報提供をさせていただきます。
○永井会長 よろしいでしょうか。
 ほかにいかがでしょうか。
 もし、ございませんでしたら、事務局、何かありませんか、よろしいですか。
ありがとうございます。そういたしますと、飯原参考人から御提示いただいたコア指標案と、今回の協議会での議論を踏まえまして、次回、改めてコア指標案を提示させていただいて、決定したいと考えております。
 また、いろいろ皆様から、この後、御意見もおありかと思いますので、これを研究班と共有いたしまして、メール等でお寄せください。コア指標案検討の際の参考とさせていただきたいと思います。
 大体議事は以上ですが、議事3のその他について、何かございますでしょうか。
 よろしいでしょうか。もし、ございませんでしたら、本日予定した議事は以上でございます。委員の皆様方には、精力的に御議論いただきまして、ありがとうございます。
 では、事務局からよろしくお願いします。
○九十九推進官 永井会長、委員の皆様方、本日は非常に多くの御意見をありがとうございました。
 次回の協議会につきましては、秋頃を予定しております。また、詳細につきましては、事務局より御案内申し上げます。
 お忙しい中、恐縮でございますが、今後とも、どうぞよろしくお願いいたします。
○永井会長 では、本日は、これで終了いたします。どうもありがとうございました。