第383回労働政策審議会職業安定分科会労働力需給制度部会 議事録

日時

2025年(令和7年)6月26日(木) 10時00分~12時00分

場所

東京都千代田区霞が関1-2-2 中央合同庁舎第5号館
職業安定局第1会議室(12階)

出席者

公益代表委員
労働者代表委員
使用者代表委員

議題

  1. (1)「規制改革実施計画」について(公開)
  2. (2)労働者派遣事業の許可等について(非公開)
  3. (3)有料職業紹介事業及び無料職業紹介事業の許可について(非公開)

議事

議事内容
○中窪部会長 皆様おはようございます。ただいまから、「第383回労働政策審議会職業安定分科会労働力需給制度部会」を開催いたします。本日は公益代表の原委員と小野委員が、所用により御欠席です。それから坂爪委員、田久委員、田尻委員、村田委員がオンラインでの参加となっております。
 本日は議題1、「『規制改革実施計画』について」の報告がございます。その後、許可の諮問に係る審査を行います。このうち許可の諮問に係る審査については、資産の状況等の個別の事業主に関する事項を扱いますことから、「公開することにより、特定の者に不当な利益を与え又は不利益を及ぼすおそれがある」場合に該当するため、非公開となっております。
 それでは議事に入りますので、カメラの頭撮りはここまでとさせていただきます。では議題1、「『規制改革実施計画』について」について、事務局から御説明をお願いいたします。
○木原需給調整事業課長補佐 事務局でございます。議題1については、今月13日に閣議決定されました規制改革実施計画におきまして、職業安定法令ですとか労働者派遣法令に関する内容が盛り込まれておりますため、御説明するものです。
 資料1を御覧ください。こちらにございますように、合わせて3つの事項が盛り込まれております。まず、一番上の「職業紹介責任者の専任規制の見直し」についてです。職業安定法及び職業安定法施行規則に基づきまして、有料職業紹介事業者は、求人者又は求職者からの苦情の処理などの統括管理などを行わせるため、事業所ごとに当該事業所に専属の職業紹介責任者を、自己の雇用する労働者の中から選任しなければならないこととされております。
 この職業紹介責任者の選任について、規制改革実施計画において、事業所ごとかつ専属の職業紹介責任者を選任する義務が、職業紹介事業者の柔軟な人員配置や、地方を含む新たな事業所の開設等の障壁となっているとの指摘を踏まえ、職業紹介サービスの質の確保を前提とした上で、デジタル技術を徹底活用すること等により、一定の要件を満たす場合には職業紹介責任者に複数事業所を兼任させることを可能とする方向で見直しを検討し、労働政策審議会で結論を得次第、速やかに必要な措置を行うこととされたものです。一番右が実施時期ですが、実施時期に関しては令和7年度検討、年度末を目途に結論、結論を得次第、速やかに措置とされています。
 本件については、閣議決定に先立ちまして、弊省も参加して規制改革会議のワーキンググループが開催されまして、地域におけるマッチングを促進する観点とともに、職業紹介サービスの質を確保することの重要性も確認された上で、兼任を可能とする具体的な要件については、労働政策審議会で検討することとし、今読み上げました内容で決定されたものです。今後これを踏まえまして、当部会において御議論いただきたいと考えています。
 次に真ん中の2つ目ですけれども、「有料職業紹介事業における取扱職種等事項の明示に関する事務負担軽減」です。真ん中に規制改革の内容がありますが、有料職業紹介事業者は職業安定法及び職業安定法施行規則に基づきまして、取扱職種の範囲等について、求人者及び求職者に対し求人の申込み又は求職の申込みを受理した後、求人者及び求職者に対して速やかに明示しなければならないこととされています。また、その明示の方法は、書面の交付か求人者又は求職者が希望した場合には電子メール等によることとされています。
 この有料職業紹介事業者の求人者又は求職者に対する取扱職種の範囲等の明示の方法について、この規制改革実施計画におきましては、求人者・求職者への確認が確実に行われることを前提として、求人者・求職者及び有料職業紹介事業者の事務負担軽減の観点から、有料職業紹介事業者が求人の申込み又は求職の申込みを受理した後に、求人者及び求職者に対して取扱職種の範囲等を明示する際に、電子メール等の方法が一層活用されるよう、関連する事業者団体へのヒアリング等を行い、実態を把握した上で取扱職種等事項の明示手段に係る求人者及び求職者の希望の確認方法を明確にする観点から、例えばオンラインで職業紹介サービスの利用の申込みをする求人者及び求職者に対しては、必ずしも申込み後の確認を要さず、申込みと併せて説明手段の希望を把握することが可能である旨等について、具体例を交えて解釈を明確化した上で、広く周知することとされています。実施時期については、令和7年度措置とされています。
 最後ですけれども、「職業紹介事業及び労働者派遣事業の事業報告に係る事務負担の軽減等」についてです。職業紹介事業者は毎年、職業紹介事業を行う事業所ごとの当該事業に係る事業報告書を作成し、厚生労働大臣に提出しなければならないこととされています。また、派遣元事業主も同様に、毎年、労働者派遣事業を行う事業所ごとの当該事業に係る事業報告書を作成し、厚生労働大臣に提出しなければならないこととされています。
 この職業紹介事業及び労働者派遣事業に係る事業報告書に関し、この規制改革実施計画におきましては、関連する事業者団体等へのヒアリング等により、その提出に際して職業紹介事業者及び派遣元事業主が直面する課題等の実態を把握した上で、本社等で全事業所に関する情報の集中的な処理を行って一括提出することを可能とすることや、取扱業務が多岐にわたる職業紹介事業者であってもe-Govを利用したオンライン提出を可能とすること等、職業紹介事業者及び派遣元事業主が事業報告書を提出する際の負担軽減策を検討し、結論を得次第、速やかに措置を講ずることとされています。実施時期は令和7年度検討・結論、結論を得次第、速やかに措置とされています。資料の説明は以上です。よろしくお願いいたします。
○中窪部会長 ありがとうございました。それでは、ただいまの御説明に関する御質問等がありましたら、挙手をお願いいたします。Zoomで御参加の委員は、Zoom内の「手を挙げる」機能を使って挙手をお願いいたします。いかがでしょうか。冨髙委員どうぞ。
○冨髙委員 御説明いただきありがとうございました。「職業紹介責任者の専任規制の見直し」について、職業安定分科会でも意見を申し上げましたが、求職者の働き方のニーズが多様化している中で、ハローワークも含めた官民の職業紹介事業におけるマッチング機能の強化が求められていると思います。今回提起されている専任規制の見直しにより、マッチング機能やサービスの質が低下しないよう、事業所の専属要件を設定している趣旨なども踏まえて、兼任可能な期間など兼任を可能とする要件については、今後しっかりとこの部会で、丁寧に議論をすることが重要だと思っておりますので、その点、意見とお願いを申し上げたいと思います。以上です。
○中窪部会長 ありがとうございます。それでは佐久間委員、お願いします。
○佐久間委員 ありがとうございました。私も今、発言がありました連合の冨髙委員からの御意見と同様というか、同趣旨なのですけれども、職業紹介責任者の役割は非常に大きいと思います。これだけ職業紹介事業者が増えてきている中で、やはり明確、そして適正に事業を推進していただくため、必要な職業紹介責任者だと思っています。
 資料に記載されている内容を確認したいのですけれども、規制改革の内容ですね。5行目ですか、「一定の要件を満たす場合には、職業紹介責任者に複数事業所を兼任させることを可能とする方向で見直しを検討し」とあります。例えば、私が職業紹介事業者をやっていて、職業紹介責任者である場合、異なる法人とか、異なる事業所に兼任を認めるのか、それとも自分の所の支店というか、複数の事業所に対し認められるのか、その辺が明確ではないのでご教示をお願いします。私とすれば、違う法人とか事業所に対して責任者を兼務できるというのは、そこまで認めて良いのかなという疑問があるものですから。自身が属する同一の企業、事業所であれば、ある程度は兼務を認めても良いのではないか、必要性があるのではと考えていますので、その辺の解釈を教えていただきたいと思います。
 あとは、2点目の電子メール等と3点目については、私は賛成です。以上です。
○中窪部会長 ありがとうございました。そのほか御質問、御意見等ございますか。それでは事務局のほうから。
○中嶋需給調整事業課長 一旦ここでお答え申し上げます。冨髙委員から御指摘いただきました、この規制改革の決定については、地域におけるマッチング機能の強化とか、そういった需給調整機能の強化に資するようにということが、要望の趣旨と理解しています。また、それを講ずるに当たっても、サービスの質の担保ということが大前提だということは、共通認識だと思っていますし、事務局もその点はよく心得ているところですので、そういった趣旨を踏まえながら具体的な内容について考えた上で、御相談をさせていただくという手順で執り行いたいと考えています。
 それから、佐久間委員から御指摘いただきました。本件は御指摘のような場面を想定したものではございません。こちらの決定された案件については、あくまでも自社の中で社員であるところの紹介責任者、その配置について課題感を持っての要望だと理解をしています。したがいまして閣議決定についても、そういう前提の上で要望が持つポジティブな効果の面とか、同時にサービスの質の担保を図っていくということ。これをしっかり見据えて一定の要件なるものを労政審で議論してということだと理解していますので、異なる法人間でということではなくて、1つの事業者が地域においてもその役割を積極的に果たしていく。そこにおける人員配置を柔軟にある程度できないと、その地域における機能発揮にも一定の制約がある、そういうのが要望の趣旨だと思っています。
 そういうことが背景だということを考えながら、同時に今申し上げたポジティブな面もある、ただ、同時にサービス全体としての質の向上とか確保ということを図っていかなければいけませんので、その具体の要件設定について、よく練った上でお諮りしていきたいと考えています。
○中窪部会長 よろしいでしょうか。そのほか御質問、御意見はいかがでしょうか。よろしいですか、オンラインの皆様も大丈夫ですか。それでは特にないようでしたら、本件についての議論は以上といたしまして、事務局におかれましては、本日の議論を踏まえて内容を整理した上で、今後の部会での議論に供していただきたいと思います。
 公開の議題はここまでとさせていただきます。最初に申し上げましたとおり、傍聴の方々については、ここで御退席いただきます。